(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】許容されない作用物質について再充填遮断が行われる、ディスペンス缶のための再充填ステーション
(51)【国際特許分類】
B65B 1/30 20060101AFI20240517BHJP
B65B 57/00 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
B65B1/30 Z
B65B57/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565558
(86)(22)【出願日】2022-05-04
(85)【翻訳文提出日】2023-12-01
(86)【国際出願番号】 EP2022061901
(87)【国際公開番号】W WO2022253509
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】102021114334.9
(32)【優先日】2021-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523401803
【氏名又は名称】ウルト インターナショナル エージー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シューバー、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ロイター、ハーバート
【テーマコード(参考)】
3E118
【Fターム(参考)】
3E118AA02
3E118AB14
3E118BA06
3E118BB21
3E118CA20
3E118DA02
3E118EA01
3E118FA11
3E118FA20
(57)【要約】
再充填ステーション(100)において、作用物質で再充填されるべきディスペンス缶(104)を受容するための受容装置(102)と、受容装置(102)に受容されている前記ディスペンス缶(104)に再充填されるべき作用物質が少なくとも1つの事前決定された許容性基準を充足するかどうか検出するための検出デバイス(138)と、検出デバイス(138)で検出された作用物質が少なくとも1つの事前決定された許容性基準を充足する場合にのみ、受容装置(102)を通じての作用物質でのディスペンス缶(104)の再充填を許容するように構成された制御デバイス(110)とを有する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
再充填ステーションにおいて、
作用物質で再充填されるべきディスペンス缶を受容するための受容装置と、
前記受容装置に受容されている前記ディスペンス缶に再充填されるべき作用物質が少なくとも1つの事前決定された許容性基準を充足するかどうか検出するための検出デバイスと、
前記検出デバイスで検出された作用物質が少なくとも1つの事前決定された許容性基準を充足する場合にのみ、前記受容装置を通じての作用物質での前記ディスペンス缶の再充填を許容するように構成された制御デバイスと、
を有する、再充填ステーション。
【請求項2】
前記検出デバイスは、作用物質が少なくとも1つの許容性基準を充足する場合に、再充填されるべき作用物質の事前決定された光学的な信号特性を検出するための光学式の検出デバイスを有する、請求項1に記載の再充填ステーション。
【請求項3】
前記検出デバイスは、
作用物質と相互作用するための電磁的な一次放射を放出するための放射源と、
電磁的な一次放射と作用物質との相互作用に対する反応としての電磁的な二次放射を検知するための放射検知器とを有し、
前記制御デバイスは、検知された電磁的な二次放射を参照して、前記検出デバイスで検出された作用物質が少なくとも1つの事前決定された許容性基準を充足するかどうか判定するために構成される、請求項1に記載の再充填ステーション。
【請求項4】
前記検出デバイスは、作用物質が少なくとも1つの許容性基準を充足する場合に、再充填されるべき作用物質の事前決定された化学的性質を検出するための化学センサを有する、請求項1に記載の再充填ステーション。
【請求項5】
前記検出デバイスは、作用物質が少なくとも1つの許容性基準を充足する場合に、再充填されるべき作用物質の事前決定された放射能プロファイルを検出するための放射能式の放射検知器を有する、請求項1に記載の再充填ステーション。
【請求項6】
作用物質が少なくとも1つの許容性基準を充足しない場合に、作用物質での前記ディスペンス缶の再充填を阻止するための阻止デバイスを有する、請求項1に記載の再充填ステーション。
【請求項7】
前記阻止デバイスは、前記ディスペンス缶へ前記受容装置を通じて作用物質を供給するための供給デバイスの不作動化または閉止によって、特に供給配管の閉止によって、作用物質での前記ディスペンス缶の再充填を阻止するために構成される、請求項6に記載の再充填ステーション。
【請求項8】
前記阻止デバイスは前記供給デバイスの物理的な圧縮によって前記供給デバイスを閉止するために構成される、請求項7に記載の再充填ステーション。
【請求項9】
前記阻止デバイスは、前記供給デバイスを閉止する、特に閉塞させる、化学反応の誘起によって前記供給デバイスを閉止するために構成される、請求項7に記載の再充填ステーション。
【請求項10】
前記ディスペンス缶に割り当てられたディスペンス缶トランスポンダのディスペンス缶関連データを読み取るためのトランスポンダ読取器具を有し、
前記制御デバイスは、読み取られたディスペンス缶関連データをベースとして、前記受容装置を通じての作用物質での前記ディスペンス缶の再充填を制御するために構成される、請求項1に記載の再充填ステーション。
【請求項11】
前記ディスペンス缶に再充填されるべき作用物質を提供するための作用物質容器に割り当てられた作用物質容器トランスポンダの作用物質容器関連データを読み取るためのトランスポンダ読取器具を有し、
前記制御デバイスは、読み取られた作用物質容器関連データをベースとして、前記作用物質容器トランスポンダに割り当てられた前記作用物質容器からの作用物質での前記ディスペンス缶の再充填を制御するために構成される、請求項1に記載の再充填ステーション。
【請求項12】
前記制御デバイスは、読み取られたディスペンス缶関連データおよび/または読み取られた作用物質容器関連データが少なくとも1つの事前決定された許容性基準の充足を示している場合にのみ、特に前記ディスペンス缶および/または前記再充填ステーションと作用物質との適合性を示している場合にのみ、作用物質での前記ディスペンス缶の再充填を許容するために構成される、請求項10に記載の再充填ステーション。
【請求項13】
少なくとも1つの事前決定された許容性基準は、前記ディスペンス缶についての作用物質の許容性、前記再充填ステーションについての作用物質の許容性、および作用物質の由来の許容性からなる群から選択される、請求項1に記載の再充填ステーション。
【請求項14】
再充填機構において、
請求項1から13のいずれか1項に記載の再充填ステーションと、
前記受容装置に取付可能な、または取り付けられたディスペンス缶とを有し、前記ディスペンス缶について前記制御デバイスにより、前記検出デバイスで検出された作用物質が少なくとも1つの事前決定された許容性基準を充足する場合にのみ、作用物質での再充填が許容される、再充填機構。
【請求項15】
作用物質を含み、前記ディスペンス缶の再充填をするための作用物質を提供するために前記受容装置とリンクされた、またはリンク可能である、作用物質容器を有する、請求項14に記載の再充填機構。
【請求項16】
前記作用物質容器の中の作用物質に、前記作用物質が少なくとも1つの事前決定された許容性基準を充足することを証明するために前記検出デバイスによって検出可能である検出可能なマーカーが、特に光学的に検出可能なマーカーが、さらには特に蛍光マーカーまたはDNAマーカーが、付与される、前記請求項15に記載の再充填機構。
【請求項17】
圧縮ガスを提供するために構成され、前記ディスペンス缶の再充填をするための圧縮ガスを提供するために前記受容装置とリンクされた、またはリンク可能である、ガスリザーバを有する、請求項14に記載の再充填機構。
【請求項18】
再充填ステーションを作動させる方法において、前記方法は、
作用物質で再充填されるべきディスペンス缶が前記再充填ステーションの受容装置に受容されることと、
前記受容装置に受容されている前記ディスペンス缶に再充填されるべき作用物質が少なくとも1つの事前決定された許容性基準を充足するかどうか検出されることと、
検出された作用物質が少なくとも1つの事前決定された許容性基準を充足する場合にのみ、前記受容装置を通じての作用物質での前記ディスペンス缶の再充填が許容されること、
とを有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再充填ステーション、再充填機構、および、再充填ステーションを作動させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
再充填ステーションによって自動的に補充可能であるディスペンス缶が知られている。このような周知の再充填ステーションのひとつは、出願人WurthのREFILLO(登録商標)mat-Stationである。安全で経済的なこのシステムは、空になったディスペンス缶に作用物質と圧縮空気を自動的に補充することに依拠する。このことは、大型容器(たとえばキャニスターやドラム)からの作用物質でディスペンス缶を充填することを可能にする。そのために個々の作用物質のためのディスペンス缶が、相応の再充填ステーションに押圧される。そして、作用物質と圧縮空気でのディスペンス缶の充填が所定の比率で行われる。ディスペンス缶と、これに対応する作用物質との取り違えを排除するために、缶受容部は機械式にコーディングされており、それにより、正しいディスペンス缶だけを正しい缶受容部へ機械的に取り付けることができる。それにより機械的に適合するディスペンス缶だけを、対応する再充填ステーションで使用することができる。このようにして、状況によっては危険のある、作用物質とディスペンス缶の取り違えが機械式に抑止される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、高い動作安全性を有する、ディスペンス缶へ作用物質を再充填するための再充填ステーションを提供することにある。
【0004】
この課題は、独立請求項に記載の構成要件を有する対象物によって解決される。その他の実施例は従属請求項に示されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの実施例では、作用物質で再充填されるべきディスペンス缶を受容するための受容装置と、受容装置で受容されているディスペンス缶に再充填されるべき作用物質が少なくとも1つの事前決定された許容性基準を充足するかどうかを検出するための検出デバイスと、検出デバイスで検出された作用物質が少なくとも1つの事前決定された許容性基準を充足する場合にのみ、受容装置を介しての作用物質でのディスペンス缶の再充填を許容するように構成された制御デバイスとを有する再充填ステーションが提供される。
【0006】
本発明の別の実施例では、上で説明した構成要件を有する再充填ステーションと、検出デバイスにより検出された作用物質が少なくとも1つの事前決定された許容性基準を充足する場合にのみ制御デバイスによって作用物質での再充填が許容される、受容装置に取付可能な、または取り付けられた、ディスペンス缶とを有する再充填機構が提供される。
【0007】
本発明のさらに別の実施例では、再充填ステーションを作動させる方法が提供され、この方法は、作用物質で再充填されるべきディスペンス缶が再充填ステーションの受容装置に受容されることと、受容装置に受容されたディスペンス缶へ再充填されるべき作用物質が少なくとも1つの事前決定された許容性基準を充足するかどうかが検出されることと、検出された作用物質が少なくとも1つの事前決定された許容性基準を充足する場合にのみ、受容装置を通じての作用物質でのディスペンス缶の再充填が許容されることとを有する。
【0008】
本件出願の枠内において「再充填ステーション」とは、特に、少なくとも部分的に空になった、再充填ステーションと機械的および流体的にリンク可能なディスペンス缶を、接続されるべき作用物質容器からの作用物質で再充填するために構成された機器であると理解することができる。したがって再充填ステーションは、再充填されるべき作用物質を提供するための容器と、再充填されるべきディスペンス缶との間の流体接続を提供することができ、ならびに任意選択として、再充填されるべき圧縮ガスをディスペンス缶に提供するために構成されていてよい。
【0009】
本件出願の枠内において「受容装置」とは、特に機械的および流体的なアダプタであって、再充填されるべきディスペンス缶を特に形状接合式に受容するために構成され、受容された状態のときに作用物質および/または圧縮ガスをディスペンス缶へ提供することができるものであると理解することができる。機械的なアダプタ機能をさらに超えて、受容装置は、作用物質を含む容器と、作用物質で再充填されるべきディスペンス缶との間の流体接続を提供するための流体的なアダプタとしても機能することができる。
【0010】
本件出願の枠内において「ディスペンス缶」(たとえばスプレー缶として構成される)とは、特に利用者により取扱可能な缶であって、好ましくは液体の作用物質を吐出するため(特にスプレー霧を噴射するため、または作用物質ジェット、泡、もしくはジェルの形態の作用物質を吐出するため)に構成されたものであると理解することができる。このような作用物質はディスペンス缶の内部で圧力のもとにあり、ディスペンス缶の中の加圧ガスまたはプロペラントガス(たとえばプロパン、ブタン、圧縮空気、二酸化炭素、ヘリウム、または窒素)を、ディスペンス缶からの作用物質の吐出のために利用することができる。ノズルによって、1つまたは複数の内容物質(特に作用物質または作用物質・プロペラントガス・混合物)を噴射缶から噴出し、噴霧化し、および/またはその他の形態で吐出することができる。噴射缶の中にある媒体は、特にエアロゾルとして、スプレー缶から噴出することができる。
【0011】
本件出願の枠内において「作用物質」とは、特に、ディスペンス缶から噴出された状態でディスペンス缶の本来の機能を提供する媒体であると理解することができる。そのような作用物質は、液体、ジェル、粘性媒体、および/またはガスを有していてよく、任意選択として固体粒子を有する。たとえばこのような作用物質は、洗浄剤(たとえばブレーキ洗浄剤)、錆取り剤、メンテナンスオイル、シリコーンスプレー、窓ガラス洗浄剤、リークテスタ媒体、溶接スプレーなどであり得る。再充填ステーションで、このような作用物質を容器(たとえばキャニスター)から、再充填されるべきディスペンス缶へと再充填することができる。
【0012】
本件出願の枠内において「制御デバイス」とは、特に、ディスペンス缶への作用物質の再充填のプロセスを制御し、特に定義された方式で許容し、またはエラー発生時に阻止するデバイスであると理解することができる。特にこのような制御デバイスは、意図および/または実行される再充填プロセスに関して提供される情報を評価して、再充填プロセスを場合により実行し、適合化し、制限し、拡張し、または実行不可能にする、少なくとも1つのプロセッサおよび/またはプロセッサの一部を有することができる。特に制御デバイスは、この目的のために再充填ステーションの個々のコンポーネントを制御またはコントロールする。
【0013】
本件出願の枠内において「検出デバイス」とは、特に、ディスペンス缶に再充填されようとしている作用物質を、その作用物質が1つまたは複数の許容性基準を充足するかどうかに関して検査する、センサ機能または検知機能を有するエンティティであると理解することができる。そのために作用物質をたとえば供給デバイスで、たとえば供給配管で、無接触式および/または接触式に測定工学的に検査することができる。さらに厳密に言うと検出デバイスによって、作用物質を特徴付ける少なくとも1つのパラメータが、作用物質によって許容性基準が充填されるか否かの後続するチェックのためのベースとして測定される。
【0014】
本件出願の枠内において「許容性基準」とは、特に、少なくとも部分的に空になったディスペンス缶を再充填するための作用物質を、再充填ステーションを用いて使用してよいか否かを表す基準であると理解することができる。たとえば少なくとも1つの事前決定された許容性基準は、ディスペンス缶についての作用物質の許容性または不許容性、再充填ステーションについての作用物質の許容性または不許容性、および/または作用物質由来の許容性または不許容性を対象とすることができる。さらに一般的には、許容性基準は作用物質に関連付けられていてよく、特に、ディスペンス缶との関係および/または再充填ステーションとの関係における作用物質に関連付けられていてよい。そのような基準は、たとえば特定のディスペンス缶を充填するために検出デバイスにより検出されて特徴付けられる作用物質の適合性であり得る。このような適合性の判定にあたっての1つの観点は、(たとえば官庁または業界の仕様に関わる)許容性であってよく、または、特定のディスペンス缶の充填についての特定の作用物質のその他の技術的適性であってよい。たとえば発火性の作用物質(たとえばベンジンを含む)については、ディスペンス缶がそのような作用物質を収容できるようにするために、ディスペンス缶の特別な安全性特性を要求することができる。1つの許容性基準は、ディスペンス缶の再充填のために用意された作用物質候補がディスペンス缶の技術的特性と適合的であるかどうかであってよい。別の許容性基準は、品質の観点から、ディスペンス缶の再充填のために用意された作用物質候補が、検出デバイスによってチェックされた由来証明を提供できるか否かに関わるものであり得る。したがって、未知であり、したがって作用物質で充填されるディスペンス缶の動作安全性についての品質要求を充足しない可能性がある作用物質候補は、付属の許容性基準を充足しない作用物質であると見なすことができる。たとえば、検出デバイスによって信頼できる出所からの由来が証明されている、品質の観点から特定の許容性基準を充足する作用物質だけを、ディスペンス缶の再充填のために受け入れることができる。
【0015】
本発明の例示としての実施例では、少なくとも部分的に空になったディスペンス缶へ再充填ステーションを用いて作用物質が再充填される前に、-たとえば化学的組成に基づいて、および/または特定の出所からの由来に基づいて-作用物質が1つまたは複数の所定の許容性基準を充足するか否か、再充填のために用意された作用物質候補が検出デバイスによって実験的な検証を受ける。-たとえば再充填されるべきディスペンス缶に作用物質が供給されるべき供給配管での-作用物質の実験的または測定工学的な検知およびこれに後続するパラメータの評価が、1つまたは複数の許容性基準と作用物質候補との適合性を明らかにした場合、たとえば利用者によってリリースされる再充填プロセスが実行される。検出デバイスによりセンサ式に検出される作用物質候補の特性の結果をベースとして、少なくとも1つの許容性基準と作用物質候補との不適合性が認識された場合、再充填ステーションの制御デバイスは、当該作用物質候補でのディスペンス缶の再充填の実行を拒絶し、停止し、終了し、および、場合により以後の許容されない再充填試行を供給装置の不作動化などによって不可能にすることができる。それにより、特定の作用物質でのディスペンス缶の動作安全的な再充填と利用法の、確実な遵守を保証することができる。再充填ステーションを取り扱うときの、およびディスペンス缶の中にある作用物質を使用するときの、利用者の危険をそれによって排除することができ、ディスペンス缶の中の作用物質で処理される器具類の損傷も同様に排除することができる。
【0016】
以下において再充填ステーション、再充填機構、および本方法の、追加の例示としての実施例について説明する。
【0017】
例示としての実施例では、検出デバイスは、作用物質が少なくとも1つの許容性基準を充足する場合に、再充填されるべき作用物質の事前決定された光学的な信号特性を検出するための光学式の検出デバイスとして構成されていてよい。そのような光学式の検出では、たとえば紫外光、可視光、および/または赤外光を利用することができる。作用物質の信号特性の光学式の検出は、供給配管を通る作用物質流にまったく影響を与えずにすむので、再充填プロセスに支障をもたらすことがないという利点がある。
【0018】
例示としての実施例では、検出デバイスは、作用物質と相互作用するための電磁的な一次放射を放出するための放射源(特に光源、さらには特にUV光源)と、作用物質と電磁的な一次放射との相互作用に対する反応として(作用物質から伝搬することができる)電磁的な二次放射を検知するための放射検知器(特に光検知器、さらには特にUV光検知器)とを有することができ、制御デバイスは、検知された電磁的な二次放射を参照して、検出デバイスで検出された作用物質が少なくとも1つの事前決定された許容性基準を充足するかどうか判定するように構成されていてよい。たとえば検知された電磁的な二次放射が、少なくとも1つの許容性基準の充足のために存在が前提条件となり得る、事前決定された光学的な信号特性を示すかどうかを判定することができる。特に検出デバイスは、少なくとも1つの許容性基準を充足する再充填されるべき作用物質を励起して電磁波を吸収および/または放出するようにするための光学式の励起源(すなわち電磁放射を放出するための電磁的な放射源)と、電磁波の吸収および/または放出と相関関係にある光学的な信号特性を検知するために構成された、光学式の検知器とを有することができる。光学式の励起源は、単色または多色の電磁放射(たとえばUV波長、可視波長、または赤外波長)を作用物質に照射するように構成されていてよい。それにより作用物質によって、たとえば選択的な波長領域の放射を吸収することができる。電磁的な励起放射と作用物質との相互作用の結果として、二次的な電磁波の発信が起こることも可能である。作用物質のスペクトル指紋を、電磁放射による励起後の作用物質の吸収特性および/または放出特性の検知によって測定することができる。この測定は反射式または透過式に実行することができる。作用物質の蛍光ラベルによって、電磁放射の波長固有の吸収を検出するのが好ましい場合がある。作用物質によるそのような吸収の欠如を、その作用物質がディスペンス缶の再充填のために許容されないことの指標として利用することができる。それにより、特別に確実な誤用防止が提供される。ディスペンス缶を再充填するための作用物質の許容を、予期される吸収特性の能動的な確認に依存して決めることができるからである。
【0019】
例示としての実施例では、検出デバイスは、作用物質が少なくとも1つの許容性基準を充足している場合に、再充填されるべき作用物質の事前決定された化学的性質を検出するための化学センサとして構成されていてよい。たとえば、そのために厳密に検知可能な化学薬品を作用物質に添加することができ、作用物質によって供給配管が貫流されるときにこの薬品を、前述した貫流時に作用物質と物理的に接触する化学センサで検知することができる。
【0020】
例示としての実施例では、検出デバイスは、作用物質が少なくとも1つの許容性基準を充足する場合に、事再充填されるべき作用物質の事前決定された放射能プロファイルを検出するための放射能式の放射検知器として構成されていてよい。この目的のために、信頼できる出所に由来する作用物質に、又は特定のディスペンス缶の充填のために許容されている作用物質に、特徴的な放射性マーカーを付与することができ、これを放射能式の放射検出器によって再充填ステーションで検知することができる。このとき、作用物質の中の放射能マーカーの濃度は、利用者にとってのいかなる健康被害も最大の信頼度で排除されるように配慮される。放射能式の放射検知器の高い検証感度に基づき、このような健康保護だけでなく、放射能マーカーのエラーロバストな認識、およびこれと関連する作用物質の特徴付けも確実に実現可能である。
【0021】
1つの好ましい実施例では、再充填ステーションは、作用物質が少なくとも1つの許容性基準を充足しない場合に、作用物質でのディスペンス缶の再充填を阻止するための阻止デバイスを有することができる。阻止デバイスは、作用物質の検査によって少なくとも1つの許容性基準の充足が失敗したとき、場合により誤用のまま続行される、許容されない作用物質でのディスペンス缶の充填を不可能にする。それにより、誤用のまま取り扱いをする利用者によってリリースされる、許容されない作用物質でのディスペンス缶の再充填に対して、利用者の確実な健康保護と、再充填ステーションおよび/またはディスペンス缶の、およびこれによって処理される器具類の、確実に排除される損傷とを実現することができる。阻止デバイスはこの目的のために、許容されない作用物質でのディスペンス缶の再充填に関して、再充填ステーションを特にハードウェア技術的に不作動化することができる。
【0022】
例示としての実施例では、阻止デバイスは、供給デバイスの恒久的または一時的な閉鎖によって、またはその他の不作動化によって(たとえば弁の閉止によって)、特に、受容装置を介してディスペンス缶に作用物質を供給するための供給配管の閉鎖によって、作用物質でのディスペンス缶の再充填を阻止するために構成されていてよい。すなわち阻止デバイスは、供給デバイスおよび特に供給配管を一時的または恒久的に不作動化して、この供給デバイスを通しての作用物質の輸送を不可能にすることができる。そのために、作用物質を通して搬送する供給デバイスの内径を阻止デバイスによって閉止することができ、それにより、作用物質が物理的にこの内径を通過することができなくなる。
【0023】
例示としての実施例では、阻止デバイスは、供給デバイスの物理的な圧縮によって供給デバイスを閉鎖するために構成される。たとえば作用物質の検出後に、および、作用物質が少なくとも1つの必要な許容性基準に違反することが制御デバイスによって確認された後に、供給配管に機械的圧力を及ぼすことができ、この圧力が、作用物質を通すその内径を閉鎖する。このことは、たとえば相応のアクチュエータによる、弾性的に変形可能な(たとえばプラスチックやゴムからなる)供給配管の可逆的な圧縮によって行うことができる。その代替としてこのことは、相応のアクチュエータによる、可塑変形可能な(たとえば軟質金属からなる)供給配管の不可逆的な圧縮によっても行うことができる。
【0024】
例示としての実施例では、阻止デバイスは、供給デバイスを閉鎖するための、特に閉塞させるための、化学反応の誘起によって、供給デバイスを閉鎖するために構成されていてよい。たとえば作用物質の検出後に、および、作用物質が少なくとも1つの必要な許容性基準に違反することが制御デバイスによって確認された後に、硬化可能な接着剤またはその他の適当な化学薬品を供給配管へ導入することができ、これが供給配管の中で硬化し、またはこれをその他の方式で閉塞させ、それにより、作用物質を通すその内径を機械的に閉鎖する。
【0025】
例示としての実施例では、再充填ステーションは、ディスペンス缶が受容装置に取り付けられているときに、-たとえばディスペンス缶に取り付けられた、またはディスペンス缶にその他の方式で割り当てられた-ディスペンス缶トランスポンダのディスペンス缶関連データを読み取るためのトランスポンダ読取器具を有することができ、制御デバイスは、読み取られたディスペンス缶関連データをベースとして、作用物質でのディスペンス缶の再充填を制御するために構成されていてよい。その代替として再充填ステーションは、ディスペンス缶に再充填されるべき作用物質を提供するための作用物質容器に割り当てられた作用物質容器トランスポンダの作用物質容器関連データを読み取るためのトランスポンダ読取器具を有することができ、制御デバイスは、読み取られた作用物質容器関連データをベースとして、作用物質容器トランスポンダに割り当てられた作用物質容器からの作用物質でのディスペンス缶の再充填を制御するために構成されていてよい。作用物質容器への、作用物質作用物質容器トランスポンダの前述した割当は、たとえば作用物質容器への、または、トランスポンダ読取器具による作用物質容器トランスポンダの読出が可能となるその他の位置(たとえば再充填ステーションのハウジング)への、作用物質容器トランスポンダの機械的な取付によって行うことができる。
【0026】
例示としての実施例では、制御デバイスは、読み取られたディスペンス缶関連データおよび/または読み取られた作用物質容器関連データが少なくとも1つの事前決定された許容性基準の充足を示している場合にのみ、作用物質でのディスペンス缶の再充填を許容するように構成されていてよい。特に、少なくとも1つの事前決定された許容性基準が充足されたと見なされるのは、読み取られたディスペンス缶関連データおよび/または読み取られた作用物質容器関連データが、ディスペンス缶および/または再充填ステーションと作用物質との適合性を示している場合である。ディスペンス缶トランスポンダおよび/または作用物質容器トランスポンダのデータを照合することで、ディスペンス缶を再充填するための、および/または再充填ステーションで使用するための、作用物質の適性を、上で説明した検出デバイスの利用の追加または補足としてチェックすることができるのが好ましい。たとえばディスペンス缶トランスポンダには、ディスペンス缶の特性および/またはこれに適した作用物質に関する情報が保存されていてよい。たとえば作用物質容器トランスポンダには、作用物質および/またはこれに適した再充填ステーションおよび/またはディスペンス缶に関する情報が含まれていてよい。再充填されるべきディスペンス缶および/またはそのために使用される再充填ステーションと作用物質との適合性の、トランスポンダ関連のチェックがインプリメントされることで、検出デバイスによるチェックに追加して、少なくとも1つの許容性基準の独立したチェックを実行することができる。たとえば制御デバイスは、検出デバイスのデータとトランスポンダ関連のデータがいずれも少なくとも1つの許容性基準の充足を示している場合にのみ、作用物質でのディスペンス缶の充填を許可することができる。それにより、誤用防護をいっそう改善することができる。検出デバイスまたはトランスポンダが不正操作された場合でさえ、それぞれ補足となるチェックメカニズムが依然として許容性基準への違反を示すからである。
【0027】
例示としての実施例では、再充填機構は、作用物質を含み、ディスペンス缶を再充填するための作用物質を提供するために受容装置とリンクされた、またはリンク可能である、作用物質容器を有することができる。このような作用物質容器は、たとえば5 lから100 lの範囲内の、特に5 lから80 lの範囲内の作用物質の、収容容積を有する、たとえばキャニスターまたはドラムであってよい。
【0028】
例示としての実施例では、作用物質容器の中の作用物質は検出可能なマーカー、特に光学的に検出可能なマーカー、さらには特に蛍光マーカー(または燐光マーカー)またはDNAマーカーを付与されていてよく、これを検出デバイスによって、作用物質が少なくとも1つの事前決定された許容性基準を充足することの証明のために検出可能である。そのような好ましくは光学的に検出可能なマーカーは作用物質に添加することができ、または化学的なラベルとして、機能的に活性のある作用物質成分に付加することができる。マーカーが、化学センサによって検出可能な化学マーカーであり、または、放射能検知器によって検出可能な放射能マーカーであることも可能である。
【0029】
例示としての実施例では、再充填機構は、圧縮ガスを提供するために構成され、ディスペンス缶を再充填するための圧縮ガスを提供するために受容装置とリンクされた、またはリンク可能である、ガスリザーバを有することができる。このようなガスリザーバはたとえば加圧ガス容器であってよく、または加圧ガス配管への接続部であってよい。圧縮ガスが恒常的に内蔵され、作用物質が吐出されるときにディスペンス缶から漏れ出ることがないBoV(Bag-on-Valve)ディスペンス缶としてディスペンス缶が構成されている場合には、ディスペンス缶へ圧縮ガスを再充填するための圧縮ガスリザーバは不要となり得る。
【0030】
次に、本発明の例示としての実施例について、以下の図面を参照しながらさらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、本発明の例示的な実施例に基づく、再充填ステーションと、作用物質容器と、ディスペンス缶とを有する再充填機構を示す。
【
図2】
図2は、本発明の例示的な実施例に基づく、再充填ステーションを作動させる方法を表すフローチャートを示す。
【
図3】
図3は、追加注文装置と通信可能にリンクされた、本発明の例示的な実施例に基づく複数の再充填機構を有するシステムを示す。
【
図4】
図4は、本発明の例示的な実施例に基づく、再充填ステーションと、作用物質容器と、ディスペンス缶とを有する再充填機構でのマテリアルフローを示す。
【
図5】
図5は、本発明の例示的な実施例に基づく、再充填ステーションの受容装置を示す。
【
図6】
図6は、本発明の例示的な実施例に基づく、再充填機構のディスペンス缶の底面を示す。
【
図7】
図7は、本発明の例示的な実施例に基づく、再充填ステーションの裏面を示す。
【
図8】
図8は、本発明の例示的な実施例に基づく、再充填機構でディスペンス缶を再充填するためのメカニズムを示す。
【
図9】
図9は、本発明の例示としての実施例に基づく、許容されない作用物質でのディスペンス缶の再充填を防止するために物理的な媒体遮断が行われる再充填機構を示す。
【
図10】
図10は、本発明の例示としての実施例に基づく、許容されない作用物質でのディスペンス缶の再充填を防止するために化学的な媒体遮断が行われる再充填機構を示す。
【
図11】
図11は、本発明の例示としての別の実施例に基づく再充填機構を示す。
【0032】
異なる図面の同一または類似のコンポーネントには、同じ符号が付されている。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図面を参照して本発明の例示的な実施例を記述する前に、本発明の実施例のいくつかの一般的な側面についてさらに説明しておく。
【0034】
本発明の各実施例では、容器(たとえば20 lキャニスターや60 lドラム)からの作用物質を利用してディスペンス缶を充填又は再充填する、再充填ステーションが提供される。このディスペンス缶は、たとえば下面に充填弁を有するエアロゾル缶であってよい。さらにディスペンス缶の下面に、再充填ステーションの受容装置の相応の形状に対応する機械的なコーディングが構成されていてよい。それに加えてディスペンス缶はその上面に、作用物質又は媒体をディスペンス缶から吐出するための噴射弁を有することができる。
【0035】
充填ステーションは容器との流体接続部を有することができ、そこから作用物質が、再充填されるべきディスペンス缶へと充填される。たとえばこのような流体接続部は、再充填ステーションの容器から作用物質又は媒体をディスペンス缶へ供給するために、ホースによって構成されていてよい。このようなホースはESD減衰型(ESD=electrostatic discharge、静電放電)であるのが好ましい。特に再充填ステーションは、機械的に適合するようにコーディングされたディスペンス缶だけを相応の再充填ステーションにセットできるようにするために、機械的なコーディングを有するディスペンス缶のための受容装置または装着デバイスを有することができる。さらに受容装置には、ディスペンス缶をその充填中に受容装置で保持するために、係止部が設けられていてよい。ディスペンス缶は、ディスペンス缶と受容装置との間の適正な結合が損なわれることなしに、受容装置に対する角度位置に関わりなく、すなわち明らかにコーディングプレートの上で360°自由に、位置決め可能なように、長軸を中心として回転可能に構成されていてよいのが好ましい。任意選択として再充填ステーションは、作用物質と一緒に圧縮空気をディスペンス缶へ充填するために圧縮空気接続部を装備していてよい(圧縮空気は、たとえばどの自動車工場でも利用可能である)。充填プロセスの制御は制御デバイスによって行うことができる。たとえばディスペンス缶の充填にあたって、まず最初に作用物質、その後に圧縮媒体(たとえば圧縮空気)を送出することができる。この両者は、たとえば3方向弁によって空気圧式に制御することができる。この目的のために再充填ステーションは、作用物質を収容して定義された量の作用物質をディスペンス缶へ充填するために、シリンダ(たとえば特殊鋼シリンダまたはプラスチックシリンダ)を有するピストンを装備していてよい。
【0036】
再充填ステーションは、電気的な電位補償部に接続することができるのが好ましい。再充填のときの作用物質の摩擦が、静電気の帯電につながる可能性があるからである。たとえば棚への再充填ステーションの組付けを行うことができ、少なくとも1つの容器(たとえば、たとえば20 lの収容容積を有するキャニスター)が棚に配置されていてよい。(たとえば60 lの収容容積を有する)作用物質ドラムの上への載置部を有するように再充填ステーションを構成し、または、危険物キャビネットの中で支持荷重アダプタとして構成することも可能である。適切な電位補償をアースによって実現することができる。
【0037】
本発明の例示としての実施例では、意図されない、または誤用による、そのために技術的に適さない作用物質でのディスペンス缶の再充填に対する、再充填特別に確実な防護を再充填ステーションでインプリメントすることができる。そのために、たとえば光学センサ(たとえば再充填されるべき作用物質の中のDNAマーカーの蛍光測定を実行するため)によって、放射能センサによって、および/または化学センサによって、ディスペンス缶の再充填のために意図される作用物質を検知し、それによって特徴付けるセンサ式の検出デバイスを再充填に組み込むことができる。このような作用物質について測定工学的に検出されたデータの評価が、1つまたは複数の許容性基準を作用物質が充足しないという結果に至ったとき、再充填ステーションを利用してのこの作用物質によるディスペンス缶の充填が阻止される。このことは、たとえば供給配管の化学的な閉塞によって、または供給配管の物理的な挟み込みまたはその他の閉止によって、惹起することができる。それにより、誤った(たとえば技術的に特定のディスペンス缶に適さない、または許容されない出所に由来する)作用物質が、ディスペンス缶に充填されるのを防止することができる。それにより、利用者、再充填ステーション、またはディスペンス缶からの作用物質で処理される物体の被害を回避することができる。
【0038】
すなわち本発明の実施例では、誤った作用物質が再充填ステーションの配管を通るのを確実に防止することができる。このために、たとえば流れている媒体にUV光を照射して、それが許容される作用物質であるかどうかを光学的に認識することができる。それが該当しないことが認識されると、たとえば配管を物理的に圧搾することができ、または接着剤を配管へ注入して、配管が化学的に接着されるようにすることができる。それに伴い、たとえば窓ガラス洗浄剤の代わりにブレーキ洗浄剤が、再充填されるべきディスペンス缶に充填されるのを防止することができる。このことは、たとえば再充填ステーションまたはディスペンス缶のOリングまたはその他のシール材の腐食につながる可能性があり、このことはブレーキ洗浄剤の漏れや噴出、およびその結果として発火の危険につながる可能性がある。
【0039】
1つの好ましい実施例では、許容性基準の測定工学的なチェックに依拠する作用物質分析を、ディスペンス缶および/または再充填ステーションと作用物質との適合性のトランスポンダベースのチェックと組み合わせることができる。このようなトランスポンダベースの測定のために、たとえばディスペンス缶にディスペンス缶トランスポンダを取り付けることができ、作用物質でのディスペンス缶の再充填の前に、再充填ステーションのトランスポンダ読取器具によって読み出すことができる。その代替または補足として、このようなトランスポンダベースの測定のために、たとえば再充填されるべき作用物質を提供する作用物質容器に作用物質容器トランスポンダを取り付けることができ、作用物質でのディスペンス缶の再充填の前に、再充填ステーションのトランスポンダ読取器具によって読み出すことができる。トランスポンダ読取器具によって読み出されたトランスポンダデータを、検出デバイスによって作用物質を評価するためにセンサ式に検出されたデータと照合することは、ディスペンス缶の再充填のために意図される作用物質が、それについて許容されるか否かの特別に確実な評価につながり得る。
【0040】
本発明の例示としての実施例では、ディスペンス缶に再充填されるべき作用物質または媒体がマーキング物質によってマーキングされる。たとえばそのために、作用物質に蛍光剤(たとえばDNAマーキング)を添加することができる。そして充填ステーションは、作用物質又は媒体が再充填ステーションで蛍光を発するか(または燐光を発するか)どうかを検知することができる。作用物質又は媒体が蛍光を発している場合(または燐光を発している場合)、それは信頼できる出所源からのオリジナル媒体であると推定することができる。それに対して、実験的に検査された作用物質が蛍光を発しない場合(または燐光を発しない場合)、それは信頼できる出所源からのオリジナル媒体ではないと推定することができる。後者のケースでは充填ステーションは、作用物質又は媒体をディスペンス缶に充填しない。誤用の確実な回避のために、媒体または作用物質を供給するための再充填ステーションの供給配管を-たとえば化学的または物理的に-閉止することができる。たとえば、ホースを化学的に閉止する化学反応をホース内で誘起することができる。このように特別に確実な誤用防護として、たとえば配管の化学的な閉止および/または配管の物理的な閉止が可能である。
【0041】
図1は、本発明の例示としての実施例に基づく、再充填ステーション100と、作用物質容器114と、ディスペンス缶104とを有する再充填機構116を示している。再充填機構116は、全面的または部分的に空の、または空になった、ディスペンス缶104に作用物質(たとえばブレーキ洗浄剤)を充填または再充填し、割り当てられた作用物質でディスペンス缶104を簡易な方式で利用者により充填できるようにするための役目を果たす。そして作用物質を使用場所で噴出することができ、または、さらに一般的にはディスペンス缶104から吐出することができる。そしてディスペンス缶104が空になった後に、または再度空になった後に、再充填機構116でディスペンス缶104を再び新しい作用物質で充填することができ、その後も同様である。
【0042】
この目的のために再充填ステーション100は、作用物質で再充填されるべきディスペンス缶104を形状接合式および流体リンク式に受容するために、ディスペンス缶アダプタとして機能する受容装置102を有している。受容装置102は、再充填されるべきディスペンス缶104の対応する機械的なインターフェースに合わせて形状が適合化された、機械的なインターフェースを有するコーディングプレートとして構成されていてよい。このようにして、機械的に適合するディスペンス缶104だけを受容装置102に取り付けることができ、このことは誤操作がほぼ起こらないようにする。
図1には図示していないが、受容装置102に係止デバイスが取り付けられていてよく、この係止デバイスにより、受容装置102に取り付けられたディスペンス缶104を充填中に受容装置102で係止しておくことができる。このようにして、再充填のときディスペンス缶104に及ぼされる圧力または作用する力が、受容装置102からディスペンス缶104が意図せず外れることにつながるのを排除することができる。再充填の終了後、係止デバイスをディスペンス缶104から自動的に解放することができ、または利用者の操作によって、ディスペンス缶104を解放した状態へと移行させることができる。そして利用者は、再充填されたディスペンス缶104を受容装置102から取り外して、使用場所に持っていくことができる。
【0043】
さらに再充填機構116は、たとえばキャニスターやドラムとして再充填されるべき作用物質(たとえばブレーキ洗浄剤)で充填されていてよい作用物質容器114を有することができる。このように、作用物質容器114はディスペンス缶104へ充填されるべき作用物質を含んでおり、ディスペンス缶104を再充填するための作用物質を提供するために受容装置102と流体的にリンクされていてよく、またはリンク可能であってよい。
【0044】
ディスペンス缶104が-下記の説明を参照すべき
図1のものとは異なり-圧縮媒体に恒常的に含まれているBoV(Bag-on-Valve)ディスペンス缶ではない場合、再充填機構116は、圧縮ガスを提供するために構成された、受容装置102と流体的にリンクされている、またはリンク可能である、ガスリザーバ124をさらに有することができる。このようにしてガスリザーバ124により、ディスペンス缶104へ充填するための圧縮ガス(たとえば圧縮空気)を提供することができる。たとえばガスリザーバ124は圧縮ガス配管への接続部であってよく、または、負圧のもとにあるガスが中に含まれる圧縮ガスボンベであってよい。
【0045】
図1に明示しているように、図示した実施例では3方向弁として構成された少なくとも1つの弁111が、作用物質容器114と、任意選択の圧縮ガスリザーバ124と、受容装置102との間の流体接続部を形成することができる。図示するように、受容装置102は、作用物質容器114から、受容装置102で受容されているディスペンス缶104へと作用物質を供給するための作用物質供給デバイス120と流体的にリンクされていてよい。さらに受容装置102は、ガスリザーバ124から、受容装置102で受容されているディスペンス缶104へと圧縮ガスを供給するための任意選択の圧縮ガス供給デバイス122と流体的にリンクされていてよい。たとえば少なくとも1つの弁111を制御デバイス110により制御して、まず最初に作用物質だけが少なくとも部分的に空になったディスペンス缶104に充填されてから、少なくとも1つの弁111が切り換えられて、続いて圧縮ガスだけがガスリザーバ124からディスペンス缶104に充填されるようにすることができる。それにより、事前定義された量の作用物質がディスペンス缶104に充填されることを保証することができる。作用物質容器114と受容装置102の間には、作用物質を作用物質容器114から受容装置102へ、およびそこからディスペンス缶104の中へと送出するために、たとえばポンプなどの送出デバイス113が配置されていてよい。任意選択として、ガスリザーバ124と受容装置102の間にも、たとえばコンプレッサやポンプなどの送出デバイス115が配置されていてよい。
【0046】
図1は、受容装置102にディスペンス缶104が装着される様子を矢印で示している。ディスペンス缶104の底面領域でその再充填弁162の領域に、ディスペンス缶104はたとえばRFIDタグなどのディスペンス缶トランスポンダ108を装備している。上記の底面領域で、ディスペンス缶104が受容装置102に受容される。このような無接触式に通信可能なディスペンス缶トランスポンダ108は、たとえばディスペンス缶104にラベルとして貼り付けることができ、または、缶ハウジング166の表面および/または内部に取り付け、もしくは埋め込むことができる。ディスペンス缶トランスポンダ108のソリッドステートドライブにはディスペンス缶関連データが保存されていて、これは、たとえばディスペンス缶104ならびにその中に充填されるべき作用物質を識別または特徴付けすることができ、および/またはディスペンス缶104の収容容積に関する情報、ディスペンス缶104での所望の圧縮ガス特性に関する情報、ディスペンス缶104の利用者に関する情報などを含むことができる。
【0047】
受容装置102には、ディスペンス缶104に取り付けられたディスペンス缶トランスポンダ108のディスペンス缶関連データを無接触式に読み取るためのトランスポンダ読取器具106が配置されている。トランスポンダ読取器具106は、ディスペンス缶104が受容装置102に取り付けられているときにのみ、ディスペンス缶104がトランスポンダ読取器具106の読取領域内に入るような、受容装置102の領域に配置されている。それにより、トランスポンダ読取器具106のさらに遠くの周辺領域にあるディスペンス缶104の、トランスポンダ読取器具106による誤った読取プロセスが確実に阻止されることが保証されるという利点がある。この目的のために、トランスポンダ読取器具106とディスペンス缶トランスポンダ108が通信をするベースとなるトランスポンダテクノロジーは、たとえば10cm以下、特に5cm以下の到達範囲を有する短到達範囲トランスポンダテクノロジーとして構成されていてよい(たとえば短到達範囲RFIDテクノロジーとして)。それに伴い、ディスペンス缶トランスポンダ108のディスペンス缶関連データをトランスポンダ読取器具106により、ディスペンス缶104が受容装置102に取り付けられているときにのみ選択的に読み出すことができる。読み出されたデータは、トランスポンダ読取器具106から制御デバイス110に供給することができ、または、再充填ステーション100の図示しない電子式の大容量メモリに保存することができる。
【0048】
作用物質容器114も、作用物質容器トランスポンダ112が付与されていてよく(図示せず)、またはこれと関係付けられるのが好ましい。作用物質容器トランスポンダ112のソリッドステートメモリには、作用物質容器トランスポンダ112が-図示するように-再充填ステーション100のハウジング130に取り付けられているときにトランスポンダ読取器具106により選択的に読出可能である作用物質容器関連データが保存される。トランスポンダ読取器具106による作用物質容器トランスポンダ112の読出可能性を可能にするために、または簡易にするために、作用物質容器トランスポンダ112は、作用物質容器114から定義されたとおりに分離可能なラベル132として構成されていてよい。たとえばラベル132は、作用物質容器トランスポンダ112を装備する接着ラベルとして構成されていてよく、これを利用者はたとえばキャニスターとして構成される作用物質容器114から分離し、そのために意図されるハウジング130の(たとえば相応に識別表示がなされた)位置に貼り付けることができる。このような取り付けまたは貼り付けによって、またはその代替として提示によって、作用物質容器トランスポンダ112をトランスポンダ読取器具106の可読距離内に入れることができ、それにより、作用物質容器関連データをトランスポンダ読取器具106によって読み出すことができる。作用物質容器トランスポンダ112も、定義された利用者行為によって初めてトランスポンダ読取器具106の可読距離内へ移行されてから、作用物質容器関連データがトランスポンダ読取器具106によって検出できることによって、誤った作用物質容器関連データの読み出しに対する確実な防護が提供される。たとえば作用物質容器関連データは、作用物質容器114の中の作用物質に関する情報、作用物質容器114の中の充填量または残存充填量に関する情報、当該作用物質に適したディスペンス缶104または再充填ステーション100に関する情報などを含むことができる。
【0049】
制御デバイス110は、トランスポンダ読取器具106からこれに提供されるディスペンス缶関連データと作用物質容器関連データとを評価して、たとえばそれらの適合性をチェックすることができる。特に制御デバイス110は、トランスポンダ読取器具106によって読み出されたデータから、作用物質容器114により提供される作用物質が、受容装置102で受容されているディスペンス缶104に適合するか否かを判定することができる。このようにして動作安全性を高めることができる。たとえば危険な(たとえばベンジンを有し、したがって発火の危険がある)作用物質に適さないディスペンス缶104が使用されるのを排除することができるからである。これに準ずる方式で、許容されない出所を起源とする作用物質が、ディスペンス缶104の再充填のために許容されることも排除することができる。利用者がディスペンス缶104の形状を不正操作して、受容装置102と流体的にリンクされている作用物質容器114の不適合性に関わりなく受容装置102に組み付けようとした場合でさえ、ディスペンス缶トランスポンダ108の読み出しによって、そのことを制御デバイス110により認識することができる。したがって、特定の作用物質に適さないディスペンス缶104の充填を、上述したトランスポンダ・コンフィグレーションによって確実に回避することができる。それにより、再充填機構116を使用するときの高い動作安全性を実現することができる。ディスペンス缶関連データと作用物質容器関連データが一致を示している場合、再充填プロセスが制御デバイス110によってリリースまたは許容され、それ以外の場合には再充填プロセスが阻止されて許容されない。
【0050】
図1は、制御デバイス110を用いて再充填機構116をユーザー側で制御するためのソフトウェアアプリを有するユーザー端末機134が、通信可能にリンクされていることをさらに示している。ユーザー端末機134は、たとえば通信ネットワーク117(たとえば移動無線ネットワークや公共のインターネット)を介して再充填ステーション100の通信インターフェース119とワイヤレス式に通信可能にリンクされていてよい移動無線機であってよい。このようにして利用者は、離れた位置からでも制御コマンドを再充填機構116に伝送することができ、または、再充填機構116の動作時に監視を行うことができる。
【0051】
さらに
図1に示すように再充填ステーション100は、たとえばディスペンス缶関連データ、作用物質容器関連データ、および/または利用者についての情報などの情報を表示するための表示デバイス118を有している。たとえば表示デバイス118は、LCD表示器またはタッチスクリーンとして構成されていてよい。再充填プロセスの前、途中、および/または後に、表示デバイス118によって付属の情報を表示デバイス118で利用者に表示することができる。
【0052】
図1に示す再充填ステーション100は、再充填プロセスの前および/または再充填プロセスの途中に受容装置102でのディスペンス缶104の重量またはこれについて指標となる重量情報を検出するために、たとえば天秤として構成される秤126を有することができるのが好ましい。再充填プロセスの前のディスペンス缶104の重量検出は、場合により存在する作用物質および/または圧縮ガスによるディスペンス缶104の残存充填量を定性的または定量的に判定し、続いて実行されるべき再充填プロセスを相応に適合化または実行することを可能にする場合により存在するディスペンス缶104の残存充填量が再充填前に考慮されることで、ディスペンス缶104の過剰充填を回避することができる。再充填プロセスの途中に、再充填されるべきディスペンス缶104の重量増加を監視して、場合により生じる過剰充填や過小充填を回避することも可能である。したがって、秤126による重量検出の結果の提供を受けることができる制御デバイス110は、検出された重量をベースとして、作用物質でのディスペンス缶104の再充填を制御するように構成されていてよい。
【0053】
秤126は、ディスペンス缶104と、ディスペンス缶104の中の作用物質の残存充填量と、再充填ステーション100の一部(特に受容装置102の少なくとも1つの部分)との合計重量について指標となる合計重量情報を、再充填プロセスの前および/または再充填プロセスの途中に検出するために構成されていてよいのが好ましい。そして制御デバイス110により、検出された合計重量情報をベースとして、作用物質でのディスペンス缶104の再充填を制御することができる。すなわち、ディスペンス缶104の重量だけを的確に検出することが不要になり得るという利点がある。前述した合計重量を単に検出することも可能であり、測定技術的には大幅に簡易である。その場合、重量決定プロセス中にディスペンス缶104と受容装置102とを分離することが不要になるからである。ディスペンス缶104が受容装置102に取り付けられる前に、ディスペンス缶104なしでの受容装置102の空重量が検出されることによって、受容装置102へのディスペンス缶104の取付後に秤126によって合計重量が決定されたときに、ディスペンス缶重量から区別される合計重量の残存重量を計算で差し引くことができる。
【0054】
すでに説明したとおり、再充填されるべきディスペンス缶104が受容装置102へ取り付けられた後に、制御デバイス110により、作用物質でのディスペンス缶104の再充填を許容することができるのは、トランスポンダ108,112によって判定されたデータが、再充填のために受容装置102に取り付けられたディスペンス缶104と、接続された作用物質容器114から提供される作用物質との適合性を示している場合に限られる。
【0055】
その代替または補足として、作用物質でのディスペンス缶104の再充填の許容は、検出デバイス138で検出された作用物質が、事前決定された許容性基準を充足するかどうかに依存して決めることができる。許容性基準として、供給デバイス120で送出されている作用物質が、ディスペンス缶104について許容される作用物質であるか否か、および/または供給デバイス120で検出された作用物質が、ディスペンス缶104について許容されると見なされる作用物質由来を充足するか否かを適用することができる。
【0056】
図1に示すように、作用物質容器114から作用物質を供給するための作用物質供給デバイス120の検出デバイス138によって、ディスペンス缶104の再充填時に、たとえばホースとして構成される供給デバイス120を通る作用物質を特徴付けるため、および/または識別するための役目を果たす測定を実行することができる。このようにして、1つまたは複数の事前決定された許容性基準に反してディスペンス缶104の再充填に使われようとしている作用物質を認識することができる。
【0057】
たとえばディスペンス缶104の再充填のために使用許可されている作用物質に工場側で、たとえば蛍光マーカーやDNAマーカーなどの光学的に認識可能なマーカーを付与することができる。このようにして、たとえば特定のディスペンス缶104への再充填のために使用許可されている、および/または必要な品質基準を充足している、作用物質を識別表示することができる。そのような作用物質が供給デバイス120を通して送出されているとき、送出中に検出デバイス138によって、当該作用物質が事前決定された許容性基準を充足するか否かを、好ましくは光学式に検出することができる。たとえば作用物質でのディスペンス缶104の充填の許容性は、予期される蛍光信号を検出デバイス138によって光学的に検出できることに依存して決めることができる。
【0058】
検出デバイス138によって検出される、事前決定された許容性基準について指標となるデータを、制御デバイス110に供給することができる。そして制御デバイス110は、検出デバイス138で検出された作用物質が事前決定された許容性基準を充足するか否かに依存して、作用物質でのディスペンス缶104の再充填を許容または拒否することができる。たとえばある作用物質をディスペンス缶104の充填のために許容することができるのは、たとえば特定の作用物質を示す、および/または許容される出所(たとえば特定の製造者)への作用物質の帰属性を示す、相応の予期される蛍光マーカーが作用物質に含まれている場合に限られる。このように、事前決定された許容性基準をチェックすることは、作用物質の高い品質と、ディスペンス缶104との組み合わせにおける作用物質の動作安全性とを保証する。
【0059】
図示した実施例では、検出デバイス138は、再充填されるべき作用物質の事前決定された光学的な信号特性を検出するための光学式の検出デバイスとして構成されている。前述した信号特性の存在は、その作用物質が事前決定された許容性基準を充足することを示している。このとき検出デバイス138は、ホース又は供給デバイス120の中の作用物質を、好ましくは供給デバイス120を通る流動中に検出できるという利点がある。ディスペンス缶104を再充填するための作用物質候補の信号特性を検出デバイス138が判定すると、この信号特性を評価のために制御デバイス110へ伝送することができる。そして制御デバイス110は、たとえば判定された実際信号特性と予期される目標信号特性との間の比較をベースとして、信号特性が事前決定された許容性基準の充足を示しているか否かを決定することができる。そしてこのような検査の結果に依存して、制御デバイス110は、作用物質でのディスペンス缶104の再充填を許容するか否かの措置を講じることができる。
【0060】
作用物質が許容性基準を充足しないことを、検出された信号特性が示している場合、制御デバイス110は、作用物質でのディスペンス缶104の再充填を阻止するための阻止デバイス140を作動させることができる。たとえば阻止デバイス140は、柔軟なホースとして構成される供給デバイス120を押し潰して、作用物質が供給配管120を通過できなくなるようにすることができる。その代替として阻止デバイス140は、流体配管として構成される供給デバイス120の中に硬化可能な接着剤を入れることができ、この接着剤が供給配管120を化学的に閉止して、供給配管120を通る作用物質の導通を不可能にする。
【0061】
ディスペンス缶104はその内部に作用物質と圧縮ガスとの混合物を有することができ、操作ノズル121が操作されると、作用物質・圧縮ガス・混合物がたとえばエアロゾルとして、ディスペンス缶104から吐出又は噴出される。このケースではディスペンス缶104の再充填のために、新しい作用物質だけでなく新しい圧縮ガスも必要である。
【0062】
その代替としてディスペンス缶104は、
図1に示すように、特別にコンフィグレーションされたバッグオンバルブ・ディスペンス缶として構成されていてよい。
図1に示す再充填可能なディスペンス缶104は作用物質を放出するための役目を果たすものであり、その内部に、作用物質を収容するための変形可能なバッグ160を有している。バッグ160は、たとえばプラスチックや金属フォイルで製造することができる。バッグ160はその下面で、再充填バルブ162と流体密に結合されている。再充填バルブ162は受容装置102へ液密に装着することができ、それによって再充填ステーション100と流体的にリンクして、作用物質容器114からの作用物質でバッグ160を充填または再充填することができる。これに加えてバッグ160はその上面で、バッグ160から作用物質を利用者が定義したとおりに噴射するための放出弁164と結合されている。操作ノズル121は放出弁164に装着することができ、操作ノズル121の操作によって放出弁164を開き、それによって作用物質をバッグ160からスプレーの形態で吐出する。
【0063】
さらに
図1のディスペンス缶104は、バッグ160を収容する硬質な缶ハウジング166を有していて、これに対して再充填弁162と放出弁164とが下面又は上面に露出している。換言すると、放出弁164は頭部側で、および再充填弁162は底面側で、硬質な缶ハウジング166から突出する。缶ハウジング166は、たとえば硬質な金属ハウジングであってよい。圧縮ガスは、バッグ160と缶ハウジング166との間の中間容積部168で流体密に包囲されていてよく、ディスペンス缶104から漏れ出ないように防護されていてよい。このように圧縮ガスにとって、再充填弁162および/または放出弁164を通って漏れ出ることは不可能である。すなわち作用物質が放出弁164を通って噴射されるとき、作用物質は圧縮ガスとは混合されない。圧縮ガスは中間容積部168の中に、すなわちディスペンス缶104の中に、とどまるからである。それにより
図1に示すディスペンス缶104では、圧縮ガスの再充填も不要である。中間容積部168への圧縮ガスの充填は、たとえば弁162,164のうちの一方を通して、および/または缶ハウジング166のその他の弁を通して(図示せず)、工場側で行うことができる。
【0064】
図2は、本発明の例示としての実施例に基づく再充填ステーション100を作動させる方法を表すフローチャート200を示している。
【0065】
再充填ステーション100を作動させる方法は、再充填ステーション100が本方法の実施の準備を完了していることを示すブロック202で開始される。このことは、表示デバイス118で表示することができる。
【0066】
ブロック204で、再充填されるべきディスペンス缶104の、秤126によって検出された重量が、事前決定された範囲内で安定しているかどうかがチェックされる。
【0067】
それが該当する場合、ブロック206で、トランスポンダ読取器具106によってディスペンス缶トランスポンダ108が読み出される。さらにトランスポンダ読取器具106により、作用物質容器トランスポンダ112を読み出すことができる。
【0068】
ブロック208で、ディスペンス缶104へ充填されるべき作用物質又は媒体が許容されるかどうか判定される。それが該当しない場合、本方法は、それが誤ったディスペンス缶104であると推定する。ブロック210を参照。このことは、表示デバイス118で表示することができる。
【0069】
それに対して上記が該当する場合、ブロック212で、再充填されるべきディスペンス缶104の中の作用物質の残存量が決定される。次いでポンプ113をオンに切り換えて、ディスペンス缶104の補充のために作用物質を送出することができる(ブロック214)。
【0070】
充填物質によるディスペンス缶104の補充の後、ディスペンス缶104に再充填された作用物質の量が適合しているかどうかを(たとえば秤126によって)判定することができる。ブロック216を参照。それが該当しない場合、本方法はブロック214およびブロック216の手順を繰り返す。
【0071】
それに対して上記が該当する場合、本方法はブロック218で作用物質による充填量を決定し、全体充填量を合算する。ブロック220で、このことを表示デバイス118で利用者に表示することができる。
【0072】
そして任意選択のブロック222で、ポンプ115又はコンプレッサをオンに切り換えて、圧縮ガスをディスペンス缶104に充填することができる。
【0073】
ブロック224で、再充填されたディスペンス缶104の中の圧力が適合しているかどうかチェックされる。それが該当しない場合、ブロック222およびブロック224の手順がチェックされる。
【0074】
逆に上記が該当する場合には作動方法が終了する。ブロック226を参照。表示デバイス118で相応の情報を表示することができる。音響信号(たとえばブザーによって生成される)が、作動方法の終了を表示することができる。
【0075】
上述した充填の進行手順に追加して、充填前に圧力パルスを用いて、ディスペンス缶104が受容装置102の上で正しく装着されているかどうかを検知することが可能である。さらに充填の後に、通信可能にリンクされたノードへのデータ伝送が可能である。作用物質容器114(たとえばドラムやキャニスター)が空であるかどうかを検知することも可能である。このことは、たとえばディスペンス缶104の充填時に、そのような作用物質容器114の重量推移を監視することによって可能である。
【0076】
図3は、追加注文デバイス123と通信可能にリンクされた、本発明の例示としての実施例に基づく複数の再充填機構116を有するシステムを示している。
【0077】
図3のシステムでは、上で説明した構成要件を有する複数の再充填機構116が、ノード121(たとえばゲートウェイ)と通信可能にリンクされている。ノード121は、通信ネットワーク117を介して追加注文デバイス123とリンクされている。(たとえば作用物質を含む作用物質容器114の残存充填量が事前決定された閾値を下回っていることからして)作用物質容器114がまもなく空になるであろうことを再充填機構116の制御デバイス110および/または秤126が認識すると、その情報をノード121および通信ネットワーク117を介して追加注文デバイス123に伝送することができ、それにより、作用物質を含む新しい作用物質容器114の追加注文がリリースされる。
【0078】
図3では、作用物質に関わる消費データをたとえばカンバンシステムに伝送することができる。伝送されるデータは、それぞれの再充填機構116の識別子、ディスペンス缶104の識別子、日付と時間、ならびに作用物質、および消費および/または追加注文された作用物質の量を含むことができる。図示するように、ノード121は複数の再充填機構116に共通するゲートウェイとして機能することができる。ソフトウェアおよび特にファームウェアを、再充填機構116、ノード121、および/または追加注文デバイス123にインストールすることができる。
【0079】
図4は、本発明の例示としての実施例に基づく、再充填ステーション100と、作用物質容器114と、ディスペンス缶104とを有する再充填機構116におけるマテリアルフローを示している。
【0080】
作用物質は、作用物質容器114から再充填ステーション100の供給デバイス120を経て、そこから、カバー135を上に開いた後に受容装置102に組み付けられるディスペンス缶104へと移送することができる。圧縮ガスは、圧縮ガスリザーバから再充填ステーション100の供給デバイス122を経て、そこから、受容装置102に組み付けられたディスペンス缶104へと移送することができる。ディスペンス缶104がBoVディスペンス缶である場合、圧縮ガスの再充填は不要である。
【0081】
図5は、本発明の例示としての実施例に基づく再充填ステーション100の受容装置102を示している。
【0082】
図6は、本発明の例示としての実施例に基づく再充填機構116の、
図5の受容装置102に組み付けられるべきディスペンス缶104の底面を示している。
【0083】
受容装置102には、ディスペンス缶104の底面領域133を受容するためのコーディングプレート129が形成されている。コーディングプレート129は、ディスペンス缶104の底面領域133(
図6参照)に対して機械的に相補的に構成されている。コーディングプレート129は、
図4に示すフラップまたはカバー135を上方に向かって開くことによって露出させることができる。コーディングプレート129の中央領域に流体接続部137が示されていて、これをディスペンス缶104の再充填弁162と流体的にリンクさせることができ、それは、この流体接続部137によって作用物質および/または圧縮ガスを、再充填弁162を通してディスペンス缶104に再充填するためである。
【0084】
コーディングプレート129にディスペンス缶104が組み付けられた後、ディスペンス缶104をコーディングプレート129でロックするためのロックデバイスを操作して、再充填プロセス中に受容装置102からディスペンス缶104が意図せず外れるのを防止することができる。再充填プロセスの終了後、ディスペンス缶104を受容装置102からロック解除して取り出すことができる。
【0085】
図7は、本発明の例示としての実施例に基づく再充填ステーション100の裏面を示している。特に
図7には、供給デバイス120,122の各区域が示されている。
【0086】
図8は、本発明の例示としての実施例に基づく再充填機構116でディスペンス缶104を再充填するためのメカニズムを示している。上記のメカニズムは事前決定されたサイズのピストンとシリンダを含んでおり、それにより適切な圧力によって、調量されるべき充填量を定義可能である。
【0087】
図9は、本発明の例示としての実施例に基づく、許容されない作用物質でのディスペンス缶104の再充填を防止するために物理的な媒体遮断が行われる再充填機構116を示す。
【0088】
図示している再充填機構116は、再充填ステーション100と、受容装置102に取り付けられたディスペンス缶104と、ディスペンス缶104を再充填するための作用物質を含む作用物質容器114とを有している。再充填ステーション100の制御デバイス110は、検出デバイス138で検出された作用物質が事前決定された許容性基準を充足する場合にのみ、受容装置102を介しての作用物質容器114からの作用物質でのディスペンス缶104の再充填を許容する。
【0089】
許容性基準と見なされるのは、図示した実施例では、作用物質容器114からの作用物質が、ディスペンス缶104および再充填ステーション100について許容されていて技術的に適した作用物質であると見なせることであり、および、作用物質が信頼できる起源または出所に由来することである。図示した実施例では、作用物質はこの両方の許容性基準を充足する。
図9でディスペンス缶104に再充填されるべき作用物質は、認証されたオリジナルメーカーに由来する、自動車のための窓ガラス洗浄剤である。このことを証明するために、認証されたメーカーのもとで作用物質に、光学的に検知可能であるきわめて特別な蛍光マーカーが付与されている。(たとえば定義された特性、たとえば濃度、複数の特定のUV波長のもとでの吸収性の組み合わせなど)を有する蛍光マーカーの評価を、図示した実施例では、オリジナルメーカーの作用物質の出所の証明として利用することができ、および、作用物質の内容物質(上述した例では窓ガラス洗浄剤)を表す指標として利用することができる。
【0090】
作用物質容器114でディスペンス缶104の再充填のために提供される作用物質が、上述した許容性基準を充足するかどうかをチェックするために、
図9に示す再充填ステーション100は、受容装置102に受容されているディスペンス缶104に再充填されるべき作用物質が、上述した事前決定された許容性基準を充足するかどうか検出するための光学式の検出デバイス138を有している。この目的のために光学式の検出デバイス138は、再充填されるべき作用物質の事前決定された光学的な信号特性を検出するために構成されており、前述した光学的な信号特性が存在するとき、作用物質の許容性基準が充足されたものと解釈される。
図9に示すように、検出デバイス138は、作用物質と相互作用するための電磁的な一次放射170を放出するための放射源150と、電磁的な一次放射170と作用物質との相互作用に対する反応として生起される電磁的な二次放射174を検知するための放射検知器172とを有している。制御デバイス110は、検知された電磁的な二次放射174を参照して、検出デバイス138で検出された作用物質が少なくとも1つの事前決定された許容性基準を充足するかどうかを判定するために構成されていてよい。特に再充填ステーション100は、電磁的な一次放射170として紫外光を放出するための光学的な励起源または放射源150を有することができる。これは、たとえば作用物質容器114の中の作用物質に付与されている蛍光マーカーの吸収帯域の範囲のUV放射を有する。その結果として、供給デバイス120の供給配管の中の作用物質により、前述した吸収帯域の範囲で電磁的な一次放射170の吸収が行われる。検出デバイス138の光学的な放射検知器172(たとえばフォトセルまたはCCRカメラまたはCMOSカメラ)は、電磁的な一次放射170と作用物質との相互作用の後に検知可能となる電磁的な二次放射174を検知するための役目を果たす。この検知は透過式または反射式に行うことができ、作用物質が電磁放射を前述したUV吸収帯域の範囲で吸収したという情報を提供することができる。データバンク176の参照データと比較することで、制御デバイス110は、検知された作用物質の光学的な信号特性を参照して、それが窓ガラス洗浄剤であり、特定のメーカーに由来することを認識することができる。さらに制御デバイス110は、前述したメーカーの認識された窓ガラス洗浄剤が、再充填ステーション100との使用のために、又ははディスペンス缶104との使用のために、許容されるかどうか判定することができる。本例ではそれが該当しているので、制御デバイス110は、作用物質でのディスペンス缶104の再充填を許容することができる。検出デバイス138で検出された作用物質が、前述した許容性基準を充足するからである。
【0091】
再充填ステーション100の作動時の誤用防護又は混同防護を、以下に説明する方策によって追加的に改善することができる。すなわち
図9では再充填ステーション100は、ディスペンス缶104に取り付けられたディスペンス缶トランスポンダ108(たとえばRFIDタグ)のディスペンス缶関連データを読み取るための、RFID読取器具として構成されたトランスポンダ読取器具106を有している。これに加えてトランスポンダ読取器具106は、ディスペンス缶104に再充填されるべき作用物質を提供するための作用物質容器114に割り当てられた作用物質容器トランスポンダ112(たとえば別のRFIDタグ)の作用物質容器関連データを読み取るためにも構成される。ディスペンス缶トランスポンダ108および/または作用物質容器トランスポンダ112が読み出されることで、作用物質とディスペンス缶104に関する情報を読み出すことができる。制御デバイス110は、読み取られたディスペンス缶関連データをベースとして、および/または読み取られた作用物質容器関連データをベースとして、受容装置102を介しての作用物質でのディスペンス缶104の再充填を制御するために構成されていてよい。制御デバイス110は、読み取られたディスペンス缶関連データと読み取られた作用物質容器関連データが、作用物質とディスペンス缶104および再充填ステーション100との適合性を示している場合にのみ、作用物質でのディスペンス缶104の再充填を許容するように構成されていてよいのが好ましい。
【0092】
作用物質容器114からの作用物質でのディスペンス缶104の再充填の許容は制御デバイス110により、一方における検出デバイス138の検出結果と、読み取られたディスペンス缶関連データおよび/または読み取られた作用物質容器関連データとが、少なくとも1つの許容性基準の充足を示していることに依存して決められるのが特別に好ましい。それにより、一方における作用物質と、他方におけるディスペンス缶104および/または再充填ステーション100との許容されない組み合わせの識別を、誤用による不正操作によって検出システムまたはトランスポンダシステムが不正操作されている場合でさえ、成功裏に実行することができる。それぞれ他方のシステムが、提供される作用物質の不許容性を依然として認識できるからである。
【0093】
-説明している実施例とは異なり-作用物質が少なくとも1つの許容性基準に違反していることが認識された場合、阻止デバイス140が、作用物質でのディスペンス缶104の再充填を阻止することができる。
図9では、阻止デバイス140は、供給デバイス120の供給配管の閉止によって、作用物質でのディスペンス缶104の再充填を阻止するために構成されている。特に
図9では、阻止デバイス140は供給デバイス120の物理的な圧縮により、これを通って作用物質を送出できないようにこれを閉止することができる。そのために
図9に矢印で示唆するように、制御デバイス110による制御のもとで、供給配管を圧縮するように阻止デバイス140のアクチュエータを作動させることができる。
【0094】
図10は、本発明の例示としての実施例に基づく、許容されない作用物質でのディスペンス缶104の再充填を防止するために化学的な媒体遮断が行われる再充填機構116を示す。
図10に示す実施例が
図9に示す実施例と相違するのは、特に、検出デバイス138のコンフィグレーションと、阻止デバイス140のコンフィグレーションによる。
【0095】
図10では検出デバイス138は、再充填されるべき作用物質の事前決定された化学的性質を検出するための化学センサ152を有している。少なくとも1つの許容性基準を充足するには、
図10に示す作用物質は、供給デバイス120の供給配管の内部で事前定義されたセンサ結果を化学センサ152で誘起することができる化学薬品を付与されていなければならない。それが該当するかどうか判定するために、制御デバイス110は、化学センサ152のセンサ信号を、データバンク176の事前決定されたデータセットと比較することができる。このようにして制御デバイス110は、化学センサ152のセンサデータをベースとして、その作用物質がディスペンス缶104又は再充填ステーション100について許容されている作用物質であるかどうか、および、それが信頼できる出所源に由来しているかどうかを判定することができる。本実施例では、化学センサ152によって検知されたデータは、その作用物質がブレーキ洗浄剤であることを示すことができる。このようなブレーキ洗浄剤については、それが受容装置102に取り付けられているディスペンス缶104について、発火の危険性に基づいて許容されないことがデータバンク176に保存されている場合がある。さらにブレーキ洗浄剤は、再充填ステーション100のシール材に対して腐食性であると分類されている場合があり、したがって再充填ステーション100について許容されない場合がある。
【0096】
許容されない作用物質による健康被害から利用者を防護するために、ならびに再充填機構116のコンポーネントを損傷や破損から防護するために、制御デバイス110は、供給デバイス120を閉止するための阻止デバイス140を作動させることができる。
図10では制御デバイス110は、そのために阻止デバイス140の弁182を開くことができ、それにより、阻止デバイス140の送出デバイス180によって、硬化可能な接着剤が供給デバイス120の供給配管に導入される。供給配管の中で接着剤を硬化させる化学反応が誘起されることで、これが閉塞され、それによって閉止される。硬化した接着剤栓が、
図10では符号184で示されている。許容されない作用物質でのディスペンス缶104の再充填が、閉塞された供給デバイス120に基づいて不可能にされるという利点がある。
【0097】
図11は、本発明の例示としての実施例に基づく再充填機構116を示す。
【0098】
図11に示す再充填機構116はその再充填ステーション100に、たとえば
図5に示すように構成されていてよい、作用物質で再充填されるべきディスペンス缶104を受容するために構成されていてよい受容装置102を有している。さらに再充填ステーション100は、たとえば
図9または
図10に示すように構成されていてよい、作用物質でのディスペンス缶104の再充填を制御するための、たとえばプロセッサとして構成される制御デバイス110を含んでいてよい。ディスペンス缶104(たとえば
図1に示すように構成される)は、受容装置102に取り付けることができる。これに加えて
図10では、再充填されるべき作用物質を含む2つの異なる作用物質容器114が、ディスペンス缶104を再充填するための作用物質を提供するために、流体的に供給デバイス120を介して受容装置102とリンクされていてよい。たとえば流体弁159により、それぞれの作用物質容器114を選択することができる。
【0099】
作用物質容器114のうちの1つからの作用物質でのディスペンス缶104の再充填のプロセスを許可するために、検出デバイス138により、それぞれの作用物質容器114から来る作用物質がセンサ式に、たとえば光学センサ装置によって、検査される。たとえば検出デバイス138は光学的な吸収測定によって、それぞれの作用物質容器114から来る作用物質が、予期される蛍光ラベルを有するか否かを判定することができる。信頼できる出所に由来する作用物質に、たとえば認証されたメーカーに由来する作用物質に、たとえば工場側でそのような蛍光ラベルを付与することができる。検出デバイス138によって検知された、再充填ステーション100の制御デバイス110の光学信号が、供給デバイス120の供給配管の中の作用物質がこのような出所を示す蛍光ラベルを有していることを示しているとき、制御デバイス110は、この作用物質でのディスペンス缶104の再充填を許容することができる。そうでない場合、制御デバイス110は、たとえば
図9または
図10に示すように構成される阻止デバイス140を作動させ、この作用物質でのディスペンス缶104の再充填を、供給配管が機械的および/または化学的にブロックされることによって阻止することができる。このブロックはたとえば一時的かつ可逆的であってよく、それは、たとえば許容性基準が充足する許容される作用物質が供給されて認識されるまで、供給デバイス120の柔軟なホースが、ホースの内径の閉止のために圧縮されることによる。あるいは、その代替としてブロックは恒久的かつ不可逆的であってよく、それは、たとえば供給デバイス120のホースがホース内部での接着剤の硬化によって、流体の作用物質の貫流のために恒常的に使用不能にされることによる。
【0100】
補足として指摘しておくと、「有する」は他の部材や工程を排除するものではなく、不定冠詞の「eine」や「ein」は複数を排除するものではない。さらに指摘しておくと、上記の各実施例のうちの1つを援用して説明した構成要件または工程は、上記で説明した他の実施例の他の構成要件または工程との組み合わせでも適用することができる。特許請求の範囲における符号は、限定と見なされるべきものではない。
【国際調査報告】