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特表2024-520274疾患の治療のためのソマトスタチンモジュレータの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】疾患の治療のためのソマトスタチンモジュレータの使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4709 20060101AFI20240517BHJP
   A61P 5/00 20060101ALI20240517BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240517BHJP
   A61K 31/48 20060101ALI20240517BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20240517BHJP
   A61K 9/28 20060101ALI20240517BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20240517BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20240517BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20240517BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20240517BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20240517BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
A61K31/4709
A61P5/00
A61P43/00 111
A61P43/00 121
A61K31/48
A61K9/20
A61K9/28
A61K47/38
A61K47/32
A61K47/26
A61K47/02
A61K47/12
A61K9/48
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565881
(86)(22)【出願日】2022-05-24
(85)【翻訳文提出日】2023-12-15
(86)【国際出願番号】 US2022030721
(87)【国際公開番号】W WO2022251212
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】63/193,010
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/274,409
(32)【優先日】2021-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519006414
【氏名又は名称】クリネティックス ファーマシューティカルズ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マダン,エージェイ
(72)【発明者】
【氏名】ルゥオ,シャ ローザ
(72)【発明者】
【氏名】クラスナー,アラン エス.
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA37
4C076AA44
4C076AA54
4C076BB01
4C076CC29
4C076DD23
4C076DD29C
4C076DD41C
4C076DD67
4C076EE08A
4C076EE16A
4C076EE16B
4C076EE31
4C076EE32B
4C076EE33A
4C076EE48A
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC28
4C086CB05
4C086GA07
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA35
4C086MA52
4C086NA14
4C086ZC02
4C086ZC54
4C086ZC75
(57)【要約】
ソマトスタチンモジュレータの製剤、そのような製剤を作製する方法、及びソマトスタチン活性の調節から利益を得るであろう病態、疾患、又は障害の治療においてそのような製剤を使用する方法が、本明細書に記載される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトにおける先端巨大症を治療する方法であって、少なくとも約20ng/mL、少なくとも約25ng/mL、少なくとも約30ng/mL、少なくとも約35ng/mL、又は少なくとも約40ng/mLの化合物Aのトラフ血漿濃度を達成するのに十分な、3-[4-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-3-(3,5-ジフルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-2-ヒドロキシ-ベンゾニトリル(化合物A)、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の1日用量を、先端巨大症を有する前記ヒトに経口投与することを含む、方法。
【請求項2】
ヒトにおける先端巨大症を治療する方法であって、
●3-[4-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-3-(3,5-ジフルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-2-ヒドロキシ-ベンゾニトリル(化合物A)、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の1日用量を、先端巨大症を有する前記ヒトに経口投与することと、
●前記ヒトにおける化合物Aの血漿トラフ濃度を決定することと、
●前記ヒトが化合物Aの少なくとも閾値トラフ血漿濃度を有しない場合、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の前記1日用量を増加させることと、を含む、方法。
【請求項3】
化合物Aの前記閾値トラフ血漿濃度が、約20ng/mL、約21ng/mL、約22ng/mL、約23ng/mL、約24ng/mL、約25ng/mL、約26ng/mL、約27ng/mL、約28ng/mL、約29ng/mL、約30ng/mL、約31ng/mL、約32ng/mL、約33ng/mL、約34ng/mL、約35ng/mL、約36ng/mL、約37ng/mL、約38ng/mL、約39ng/mL、約40ng/mL、約41ng/mL、約42ng/mL、約43ng/mL、約44ng/mL、約45ng/mL、約46ng/mL、約47ng/mL、約48ng/mL、約49ng/mL、約50ng/mL、約51ng/mL、約52ng/mL、約53ng/mL、約54ng/mL、約55ng/mL、約56ng/mL、約57ng/mL、約58ng/mL、約59ng/mL、又は約60ng/mLである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の前記1日用量を増加させることが、化合物A-一塩酸塩の約10mgに相当する量だけ前記1日用量を増加させることを含む、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の前記1日用量が、化合物A-一塩酸塩の約10mg/日~約80mg/日に相当する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の前記1日用量が、化合物A-一塩酸塩の約10mg/日、約20mg/日、約30mg/日、約40mg/日、約50mg/日、約60mg/日、約70mg/日、又は約80mg/日に相当する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
ヒトにおける先端巨大症を治療する方法であって、3-[4-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-3-(3,5-ジフルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-2-ヒドロキシ-ベンゾニトリル(化合物A)、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を含む薬学的組成物を、先端巨大症を有する前記ヒトに経口投与することを含み、
先端巨大症を有する前記ヒトが、ソマトスタチオンアナログで以前に治療され、治療が、化合物A-一塩酸塩の約40mg/日に相当する1日用量で開始される、方法。
【請求項8】
先端巨大症を有する前記ヒトが、ソマトスタチオンアナログに応答し、かつソマトスタチオンアナログによる治療を許容した、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ソマトスタチオンアナログが、オクトレオチド、ランレオチド、又はパシレオチドである、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
先端巨大症の徴候及び症状が、オクトレオチド又はランレオチドのデポ単独療法において以前に制御された、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
オクトレオチド又はランレオチドのデポ単独療法における先端巨大症の徴候及び症状の制御が、IGF-1≦1.0×ULNを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
IGF-1レベル並びに先端巨大症の徴候及び症状が、約1ヶ月の頻度で評価される、請求項7~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の前記1日用量が、IGF-1>0.9×ULNの場合、化合物A-一塩酸塩の約60mg/日に相当する1日用量に増加される、請求項7~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記ヒトが化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の前記1日用量の量を許容しない場合、前記1日用量が、化合物A-一塩酸塩の約20mg/日に相当する量だけ減少される、請求項7~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
ヒトにおける先端巨大症を治療する方法であって、3-[4-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-3-(3,5-ジフルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-2-ヒドロキシ-ベンゾニトリル(化合物A)、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を含む薬学的組成物を、先端巨大症を有する前記ヒトに経口投与することを含み、
先端巨大症を有する前記ヒトが、治療ナイーブであるか、又は
先端巨大症を有する前記ヒトが、過去4ヶ月以内に先端巨大症(acromagly)のための治療を受けなかったか、又は
先端巨大症を有する前記ヒトが、ソマトスタチオンアナログで以前に治療され、ソマトスタチンアノログによる前記治療が終了し、前記ソマトスタチンアノログが前記ヒトからウォッシュアウトされることを可能にするのに十分な期間が経過しており、
治療が、化合物A-一塩酸塩の約20mg/日に相当する1日用量で開始される、方法。
【請求項16】
前記ソマトスタチオンアナログが、オクトレオチド、ランレオチド、又はパシレオチドである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の前記1日用量が、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、又は約9週間の期間にわたって、化合物A-一塩酸塩の約40mg/日に相当する1日用量に増加される、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
IGF-1レベル並びに先端巨大症の徴候及び症状が、約1ヶ月の頻度で評価される、請求項15~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の前記1日用量が、IGF-1>0.9×ULNの場合、化合物A-一塩酸塩の約60mg/日に相当する1日用量に増加される、請求項15~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
先端巨大症を有する前記ヒトが化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の前記1日用量の量を許容しない場合、前記1日用量が、化合物A-一塩酸塩の約20mg/日に相当する量だけ減少される、請求項15~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記1日用量が、少なくとも20ng/mL、少なくとも21ng/mL、少なくとも22ng/mL、少なくとも23ng/mL、少なくとも24ng/mL、少なくとも25ng/mL、少なくとも26ng/mL、少なくとも27ng/mL、少なくとも28ng/mL、少なくとも29ng/mL、少なくとも30ng/mL、少なくとも31ng/mL、少なくとも32ng/mL、少なくとも33ng/mL、少なくとも34ng/mL、少なくとも35ng/mL、少なくとも36ng/mL、少なくとも37ng/mL、少なくとも38ng/mL、少なくとも39ng/mL、又は少なくとも40ng/mLの化合物Aの定常状態血漿トラフ濃度を提供する、請求項15~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
化合物A-一塩酸塩の約60mg/日以上に相当する、化合物A-一塩酸塩又は溶媒和物の1日用量の量による治療後に、IGF-1レベルが正常上限を上回ったままである場合、化合物Aによる治療が中止される、請求項7~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記ヒトが化合物A、化合物A-一塩酸塩、又はその溶媒和物を許容しない場合、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物による治療が中止される、請求項7~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
ヒトにおける先端巨大症を治療する方法であって、血清インスリン様成長因子-1(IGF-1)濃度、成長ホルモン(GH)濃度、又は両方を改善することを含み、前記方法が、3-[4-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-3-(3,5-ジフルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-2-ヒドロキシ-ベンゾニトリル(化合物A)、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を含む薬学的組成物を、先端巨大症を有する前記ヒトに1日1回経口投与することを含む、方法。
【請求項25】
血清インスリン様成長因子-1(IGF-1)濃度、成長ホルモン(GH)濃度、又は両方における改善が、IGF-1濃度、GH濃度、又は両方における低減を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
血清インスリン様成長因子-1(IGF-1)濃度を改善することが、約2.5未満の正常の上限(ULN)のIGF-1倍を達成することを含む、請求項24又は25に記載の方法。
【請求項27】
血清インスリン様成長因子-1(IGF-1)濃度、成長ホルモン(GH)濃度、又は両方における改善が、少なくとも約20ng/mL、少なくとも約25ng/mL、少なくとも約30ng/mL、少なくとも約35ng/mL、又は少なくとも約40ng/mLの化合物Aのトラフ血漿濃度を達成することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
血清インスリン様成長因子-1(IGF-1)濃度、成長ホルモン(GH)濃度、又は両方を改善することが、化合物A-一塩酸塩の約10mg/日~約80mg/日に相当する化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の1日用量を投与することを含む、請求項24~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
血清インスリン様成長因子-1(IGF-1)濃度、成長ホルモン(GH)濃度、又は両方を改善することが、化合物A-一塩酸塩の約10mg/日、約20mg/日、約30mg/日、約40mg/日、約50mg/日、約60mg/日、約70mg/日、又は約80mg/日に相当する化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の1日用量を投与することを含む、請求項24~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
ヒトにおける先端巨大症を治療する方法であって、3-[4-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-3-(3,5-ジフルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-2-ヒドロキシ-ベンゾニトリル(化合物A)、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を含む薬学的組成物を、先端巨大症を有する前記ヒトに経口投与することを含み、前記ヒトが、ソマトスタチオンアナログによる治療に応答していないか、許容していないか、又は応答を喪失している、方法。
【請求項31】
前記ソマトスタチオンアナログが、オクトレオチド、ランレオチド、又はパシレオチドである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が、滴定スケジュールに従って経口投与される、請求項24~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記滴定スケジュールが、以下のうちの1つ以上のサイクル:
●約2週間の期間にわたる第1の1日量での化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の投与、続いて、
●増加した1日量での化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の投与、あるいは化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の投与を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の前記1日量が、化合物A-一塩酸塩の約10mg/日に相当する増分用量の量で増加される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の前記1日用量が、約2週間の頻度で増加される、請求項33又は34に記載の方法。
【請求項36】
増分用量の増加のサイクルが、最適化された用量が得られるまで繰り返される、請求項33~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記最適化された用量が、化合物A-一塩酸塩の約30mg/日、約40mg/日、約50mg/日、約60mg/日、約70mg/日、又は約80mg/日に相当する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記最適化された用量が、少なくとも約20ng/mL、少なくとも約25ng/mL、少なくとも約30ng/mL、少なくとも約35ng/mL、又は少なくとも約40ng/mLの化合物Aの定常状態血漿トラフ濃度を提供する、請求項36又は37に記載の方法。
【請求項39】
前記最適化された用量が、対象において正常な血清IGF-1濃度を維持する、請求項36~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記対象における正常な血清IGF-1濃度が、正常の上限(ULN)の約1倍未満である、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
先端巨大症を有する対象における、3-[4-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-3-(3,5-ジフルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-2-ヒドロキシ-ベンゾニトリル(化合物A)、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物による治療に対する臨床応答を評価する方法であって、
(a)化合物Aによる治療の開始前に、先端巨大症を有する前記対象の血清インスリン様成長因子-1(IGF-1)濃度を評価することと、
(b)初期の期間にわたって初期の1日用量で化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与することと、
(c)先端巨大症を有する前記対象の前記血清IGF-1濃度を再評価することと、
(d)ステップ(a)における前記血清IGF-1濃度がステップ(c)の前記血清IGF-1濃度よりも高い場合、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の毎日の投与を継続し、かつ任意に、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の透析用量の量を増加させるか、あるいは任意に、ステップ(c)における前記血清IGF-1濃度がステップ(a)における前記血清IGF-1濃度と実質的に類似している場合、前記化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の前記毎日の投与を中止することと、を含む、方法。
【請求項42】
前記初期の期間が、約2週間、約3週間、又は約4週間である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記初期の期間が、約2週間である、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記血清IGF-1濃度が正常の上限(ULN)の約1.1倍、約1.2倍、約1.3倍、約1.4倍、約1.5倍、約1.6倍、約1.7倍、約1.8倍、約1.9倍、約2倍、約2.1倍、約2.2倍、約2.3倍、約2.4倍、約2.5倍、又は2.5倍超である場合、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の前記1日用量が増加する、請求項41~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の前記1日用量が、化合物A-一塩酸塩の約10mg/日に相当する増分用量の量で増加される、請求項41~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記方法が、前記対象における血清グルコースレベルを測定することを更に含む、請求項1~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記方法が、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物による治療が開始されるとき、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の用量が調整されるとき、あるいは両方のとき、前記対象における前記血清グルコースレベルを測定することを更に含む、請求項1~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記方法が、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物による治療が開始されるとき、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の用量が増加されるとき、あるいは両方のとき、前記対象における前記血清グルコースレベルを測定することを更に含む、請求項1~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記対象における前記血清グルコースレベルを測定することが、経口グルコース耐性試験(OGTT)を行うことを含む、請求項46~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
経口グルコース耐性試験(OGTT)で測定される場合、前記対象におけるピーク血清グルコース濃度が150mg/dl超である場合に、抗糖尿病治療が任意に開始されるか、又は抗糖尿病治療が任意に(optonally)調整される、請求項46~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が、1つ以上の錠剤の形態で投与され、各錠剤が、化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物の噴霧乾燥固体分散体、1つ以上の追加の薬学的に許容される成分、及び任意に1つ以上のフィルムコーティング剤を含む、請求項1~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記噴霧乾燥固体分散体が、
(a)化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物、及び(b)薬学的に許容されるポリマーを含み、化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物が、前記薬学的に許容されるポリマーから形成されるポリマーマトリックス中に分散される、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記1つ以上の薬学的に許容される成分が、1つ以上の希釈剤、1つ以上の崩壊剤、1つ以上の潤滑剤、及び1つ以上の流動促進剤からなる群から選択される、請求項51又は52に記載の方法。
【請求項54】
前記1つ以上の薬学的に許容される成分が、微結晶性セルロース、マンニトール、アルファ化デンプンクロスカルメロースナトリウムクロスポビドン、塩化ナトリウム、1:1の塩化ナトリウム:塩化カリウム、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、又はそれらの組み合わせを含む、請求項51~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
各錠剤が、約2重量%~約20重量%の化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物を含む、請求項51~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
各錠剤が、
薬学的に許容されるポリマーから形成されるポリマーマトリックス中に分散された約2重量%~約15重量%の化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物であって、前記ポリマーマトリックス中の分散された化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物が、前記錠剤の約20重量%~約35重量%である、約2重量%~約15重量%の化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物と、
1つ以上の希釈剤、1つ以上の崩壊剤、1つ以上の潤滑剤、及び1つ以上の流動促進剤からなる群から選択される、約40重量%~約80重量%の1つ以上の薬学的に許容される成分と、
任意に、約5重量%未満の1つ以上のフィルムコーティング剤と、を含む、請求項51~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記錠剤が、
薬学的に許容されるポリマーから形成されるポリマーマトリックス中に分散された化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物の約20重量%~約40%の噴霧乾燥分散体と、
1つ以上の希釈剤、1つ以上の崩壊剤、1つ以上の崩壊助剤、1つ以上の潤滑剤、及び1つ以上の流動促進剤からなる群から選択される、約60重量%~約80重量%の1つ以上の薬学的に許容される成分と、任意に、約5重量%未満の1つ以上のフィルムコーティング剤と、を含む、請求項51~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記噴霧乾燥分散体が、約15/85~約35/65の比率の化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物/ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)又はポリビニルピロリドンポリビニルアセテートコポリマー(PVP/VA)のポリマーマトリックスを含む、請求項51~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
各錠剤が、
薬学的に許容されるポリマーから形成されるポリマーマトリックス中に分散された、化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物の約20重量%~約35重量%の噴霧乾燥分散体であって、
前記噴霧乾燥分散体が、約15/85~約35/65の比率の化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物/ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)又はポリビニルピロリドンポリビニルアセテートコポリマー(PVP/VA)のポリマーマトリックスを含む、約20重量%~約35重量%の噴霧乾燥分散体と、
1つ以上の希釈剤、1つ以上の崩壊剤、1つ以上の崩壊助剤、1つ以上の潤滑剤、及び1つ以上の流動促進剤からなる群から選択される、約60重量%~約80重量%の1つ以上の薬学的に許容される成分と、任意に、約5重量%未満の1つ以上のフィルムコーティング剤と、を含む、請求項51~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
各錠剤が、約10mg、約20mg、約40mg、約60mg、又は約80mgの化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物を含む、請求項51~59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
各錠剤が、約10mgの化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物を含む、請求項51~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
各錠剤が、約20mgの化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物を含む、請求項51~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が、1日1回、食事の少なくとも30分前に投与される、請求項1~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が、1日1回、食事の少なくとも60分前に投与される、請求項1~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
化合物Aが、1日1回、空腹時に投与される、請求項1~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
化合物Aが、食事の少なくとも30分前に投与される、請求項1~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
化合物Aが、食事の少なくとも60分前に投与される、請求項1~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
化合物Aが、食事の少なくとも180分後に投与される、請求項1~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
化合物Aが、食事の少なくとも60分前及び食事の少なくとも180分後に投与される、請求項1~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
化合物Aが、就寝前に投与される、請求項1~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
化合物Aが、1日1回、食事の少なくとも30分前の空腹時に1杯の水とともに投与される、請求項1~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が、上部胃腸(GI)管のpHを変化させる薬物と同時投与されない、請求項1~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が上部胃腸(GI)管のpHを変化させる薬物と同時投与される場合、投与される化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の前記1日用量の量が増加される、請求項1~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の前記1日用量の量が、化合物A-一塩酸塩の約10mg/日又は約20mg/日に相当する量だけ増加される、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
上部胃腸(GI)管のpHを変化させる前記薬物が、プロトンポンプ阻害剤、ヒスタミンH2受容体アンタゴニスト、又は制酸剤を含む、請求項72~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が、ドーパミンアゴニストと同時投与される、請求項1~75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
前記ドーパミンアゴニストが、カベルゴリン又はその薬学的に許容される塩である、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記ドーパミンアゴニストが、カベルゴリンであり、約0.5mg/週~約0.5mg/日の用量及び頻度で投与される、請求項76に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年5月25日に出願された米国仮特許出願第63/193,010号、及び2021年11月1日に出願された米国仮特許出願第63/274,409号の利益を主張し、これらの各々は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
ソマトスタチンモジュレータを含む薬学的組成物及び医薬、そのような薬学的組成物及び医薬を作製する方法、並びにソマトスタチン活性を調節することから利益を得るであろう病態、疾患、又は障害の治療においてそのような薬学的組成物及び医薬を使用する方法が、本明細書に記載される。
【背景技術】
【0003】
ソマトスタチンは、内分泌系を調節し、Gタンパク質共役ソマトスタチン受容体との相互作用、及び多数の二次ホルモンの放出の阻害を介して、神経伝達及び細胞増殖に影響を与えるペプチドホルモンである。6つのサブタイプのソマトスタチン受容体タンパク質が特定されており(SSTR1、SSTR2a、SSTR2b、SSTR3、SSTR4、SSTR5)、5つの異なるソマトスタチン受容体遺伝子によってコードされる。特定のサブタイプのソマトスタチン受容体又はそれらの組み合わせの調節は、ソマトスタチン活性を調節することから利益を得るであろう病態、疾患、又は障害の治療には魅力的である。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、ヒトにおける先端巨大症を治療する方法であって、少なくとも約20ng/mL、少なくとも約25ng/mL、少なくとも約30ng/mL、少なくとも約35ng/mL、又は少なくとも約40ng/mLの化合物Aのトラフ血漿濃度を達成するのに十分な、3-[4-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-3-(3,5-ジフルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-2-ヒドロキシ-ベンゾニトリル(化合物A)、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の1日用量を、先端巨大症を有するヒトに経口投与することを含む、方法が本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、化合物Aのトラフ血漿濃度は、約20ng/mL、約21ng/mL、約22ng/mL、約23ng/mL、約24ng/mL、約25ng/mL、約26ng/mL、約27ng/mL、約28ng/mL、約29ng/mL、約30ng/mL、約31ng/mL、約32ng/mL、約33ng/mL、約34ng/mL、約35ng/mL、約36ng/mL、約37ng/mL、約38ng/mL、約39ng/mL、又は約40ng/mLである。
【0005】
別の態様では、ヒトにおける先端巨大症を治療する方法であって、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の1日用量を、先端巨大症を有するヒトに経口投与することと、ヒトにおける化合物Aの血漿トラフ濃度を決定することと、ヒトが化合物Aの少なくとも閾値トラフ血漿濃度を有しない場合、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の1日用量を増加させることと、を含む、方法が本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、化合物Aの閾値トラフ血漿濃度は、約20ng/mL、約21ng/mL、約22ng/mL、約23ng/mL、約24ng/mL、約25ng/mL、約26ng/mL、約27ng/mL、約28ng/mL、約29ng/mL、約30ng/mL、約31ng/mL、約32ng/mL、約33ng/mL、約34ng/mL、約35ng/mL、約36ng/mL、約37ng/mL、約38ng/mL、約39ng/mL、約40ng/mL、約41ng/mL、約42ng/mL、約43ng/mL、約44ng/mL、約45ng/mL、約46ng/mL、約47ng/mL、約48ng/mL、約49ng/mL、約50ng/mL、約51ng/mL、約52ng/mL、約53ng/mL、約54ng/mL、約55ng/mL、約56ng/mL、約57ng/mL、約58ng/mL、約59ng/mL、又は約60ng/mLである。いくつかの実施形態では、化合物Aの閾値トラフ血漿濃度は、約20ng/mL、約21ng/mL、約22ng/mL、約23ng/mL、約24ng/mL、約25ng/mL、約26ng/mL、約27ng/mL、約28ng/mL、約29ng/mL、約30ng/mL、約31ng/mL、約32ng/mL、約33ng/mL、約34ng/mL、約35ng/mL、約36ng/mL、約37ng/mL、約38ng/mL、約39ng/mL、又は約40ng/mLである。いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の1日用量を増加させることは、化合物A-一塩酸塩の約10mgに相当する量だけ1日用量を増加させることを含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の1日用量は、化合物A-一塩酸塩の約10mg/日~約80mg/日に相当する。いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の1日用量は、化合物A-一塩酸塩の約20mg/日~約60mg/日に相当する。いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の1日用量は、化合物A-一塩酸塩の約10mg/日、約20mg/日、約30mg/日、約40mg/日、約50mg/日、約60mg/日、約70mg/日、又は約80mg/日に相当する。いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の1日用量は、化合物A-一塩酸塩の20mg/日、約30mg/日、約40mg/日、約50mg/日、又は約60mg/日に相当する。
【0007】
別の態様では、ヒトにおける先端巨大症を治療する方法であって、血清インスリン様成長因子-1(IGF-1)濃度、成長ホルモン(GH)濃度、又は両方を改善することを含み、本方法が、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を含む薬学的組成物を、先端巨大症を有するヒトに1日1回経口投与することを含む、方法が本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、血清インスリン様成長因子-1(IGF-1)濃度、成長ホルモン(GH)濃度、又は両方における改善は、IGF-1濃度、GH濃度、又は両方における低減を含む。いくつかの実施形態では、血清インスリン様成長因子-1(IGF-1)濃度を改善することは、約2.5未満の正常の上限(ULN)のIGF-1倍を達成することを含む。いくつかの実施形態では、血清インスリン様成長因子-1(IGF-1)濃度、成長ホルモン(GH)濃度、又は両方における改善は、少なくとも約20ng/mL、少なくとも約25ng/mL、少なくとも約30ng/mL、少なくとも約35ng/mL、又は少なくとも約40ng/mLの化合物Aのトラフ血漿濃度を達成することを含む。いくつかの実施形態では、血清インスリン様成長因子-1(IGF-1)濃度、成長ホルモン(GH)濃度、又は両方における改善は、化合物Aのトラフ血漿濃度が、約20ng/mL、約21ng/mL、約22ng/mL、約23ng/mL、約24ng/mL、約25ng/mL、約26ng/mL、約27ng/mL、約28ng/mL、約29ng/mL、約30ng/mL、約31ng/mL、約32ng/mL、約33ng/mL、約34ng/mL、約35ng/mL、約36ng/mL、約37ng/mL、約38ng/mL、約39ng/mL、又は約40ng/mLを達成することを含む。いくつかの実施形態では、血清インスリン様成長因子-1(IGF-1)濃度、成長ホルモン(GH)濃度、又は両方を改善することは、化合物A-一塩酸塩の約10mg/日~約80mg/日に相当する化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の1日用量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、血清インスリン様成長因子-1(IGF-1)濃度、成長ホルモン(GH)濃度、又は両方を改善することは、化合物A-一塩酸塩の約10mg/日、約20mg/日、約30mg/日、約40mg/日、約50mg/日、約60mg/日、約70mg/日、又は約80mg/日に相当する化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の1日用量を投与することを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、滴定スケジュールに従って経口投与される。
【0009】
更なる態様では、ヒトにおける先端巨大症を治療する方法であって、滴定スケジュールを介して、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を含む薬学的組成物を、先端巨大症を有するヒトに経口投与することを含む、方法が本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、滴定スケジュールは、初期の期間にわたる、初期の用量の化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の毎日の投与、続いて、初期の用量よりも高い用量の化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の毎日の投与を含む。いくつかの実施形態では、初期の期間は、1日、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、又は約8週間を含む。いくつかの実施形態では、初期の期間は、約2週間を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、滴定スケジュールは、上方滴定、又は下方滴定、続いて、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の任意の再上方滴定を含む。いくつかの実施形態では、滴定スケジュールは、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を、初期の用量で約1週間~約4週間投与し、患者が初期の用量を許容することを条件に、用量を第1の増分値に等しい量だけ増加させるか、又は患者が初期の用量を許容しないことを条件に、用量を第1の増分値に等しい量だけ減少させることを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、滴定スケジュールは、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を、増加した用量で約1週間~約4週間投与し、患者が増加した用量を許容することを条件に、用量を第2の増分値に等しい量だけ更に増加させるか、あるいは化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を、減少した用量で約1週間~約4週間投与し、患者が減少した用量を許容することを条件に、任意に、用量を第2の増分値に等しい量だけ増加させることを更に含む。いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の初期の用量は、化合物A-一塩酸塩の約10mg/日又は約20mg/日に相当する。いくつかの実施形態では、第1の増分は、化合物A-一塩酸塩の約10mgに相当する、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の量に等しい。いくつかの実施形態では、第1の増分は、第2の増分値に等しい。いくつかの実施形態では、本方法は、各用量増加の前に、先端巨大症を有するヒトの血清インスリン様成長因子-1(IGF-1)濃度を評価することと、血清IGF-1濃度が正常の上限(ULN)を超える場合、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の1日用量の量を増加させることと、を更に含む。いくつかの実施形態では、本方法は、各用量増加の前に、先端巨大症を有するヒトの血清インスリン様成長因子-1(IGF-1)濃度を評価することと、血清IGF-1濃度が、正常の上限(ULN)の約1.1倍、約1.2倍、約1.3倍、約1.4倍、約1.5倍、約1.6倍、約1.7倍、約1.8倍、約1.9倍、約2倍、約2.1倍、約2.2倍、約2.3倍、約2.4倍、約2.5倍、又は2.5倍超である場合、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の1日用量の量を増加させることと、を更に含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、滴定スケジュールは、最適化された用量が得られるまで繰り返される。いくつかの実施形態では、最適化された用量は、化合物A-一塩酸塩の約30mg/日、約40mg/日、約50mg/日、約60mg/日、約70mg/日、又は約80mg/日に相当する。いくつかの実施形態では、最適化された用量は、約20ng/mL、約21ng/mL、約22ng/mL、約23ng/mL、約24ng/mL、約25ng/mL、約26ng/mL、約27ng/mL、約28ng/mL、約29ng/mL、約30ng/mL、約31ng/mL、約32ng/mL、約33ng/mL、約34ng/mL、約35ng/mL、約36ng/mL、約37ng/mL、約38ng/mL、約39ng/mL、又は約40ng/mLの化合物Aの定常状態血漿トラフ濃度を提供する。
【0013】
別の態様では、ヒトにおける先端巨大症を治療する方法であって、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を含む薬学的組成物を、先端巨大症を有するヒトに経口投与することを含み、ヒトが、ソマトスタチオンアナログによる治療に応答していないか、療法を許容していないか、又は応答を喪失している、方法が本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、ソマトスタチオンアナログは、オクトレオチド、ランレオチド、又はパシレオチドである。
【0014】
いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、滴定スケジュールに従って経口投与される。
【0015】
なお別の態様では、先端巨大症を有する対象における、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物による治療に対する臨床応答を評価する方法であって、(a)化合物Aによる治療の開始前に、先端巨大症を有する対象の血清インスリン様成長因子-1(IGF-1)濃度を評価することと、(b)初期の期間にわたって初期の1日用量で化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与することと、(c)先端巨大症を有する対象の血清IGF-1濃度を再評価することと、(d)ステップ(a)における血清IGF-1濃度がステップ(c)の血清IGF-1濃度よりも高い場合、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の毎日の投与を継続し、かつ任意に、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の透析用量の量を増加させるか、あるいは任意に、ステップ(c)における血清IGF-1濃度がステップ(a)における血清IGF-1濃度と実質的に類似している場合、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の毎日の投与を中止することと、を含む、方法が本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、初期の期間は、約2週間、約3週間、又は約4週間である。いくつかの実施形態では、初期の期間は、約2週間である。
【0016】
いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、滴定スケジュールに従って対象に投与される。いくつかの実施形態では、滴定スケジュールは、以下のうちの1つ以上のサイクル:約2週間の期間にわたる第1の1日量での化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の投与、続いて、増加した1日量での化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の投与、あるいは化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の投与を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、血清IGF-1濃度が正常の上限(ULN)の約1.1倍、約1.2倍、約1.3倍、約1.4倍、約1.5倍、約1.6倍、約1.7倍、約1.8倍、約1.9倍、約2倍、約2.1倍、約2.2倍、約2.3倍、約2.4倍、約2.5倍、又は2.5倍超である場合、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の1日用量が増加する。
【0018】
いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の1日用量は、化合物A-一塩酸塩の約10mg/日に相当する増分用量の量で増加される。いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の1日用量は、約2週間の頻度で増加される。
【0019】
いくつかの実施形態では、増分用量の増加のサイクルは、最適化された用量が得られるまで繰り返される。いくつかの実施形態では、最適化された用量は、化合物A-一塩酸塩の約30mg/日、約40mg/日、約50mg/日、約60mg/日、約70mg/日、又は約80mg/日に相当する。いくつかの実施形態では、最適化された用量は、約20ng/mL、約21ng/mL、約22ng/mL、約23ng/mL、約24ng/mL、約25ng/mL、約26ng/mL、約27ng/mL、約28ng/mL、約29ng/mL、約30ng/mL、約31ng/mL、約32ng/mL、約33ng/mL、約34ng/mL、約35ng/mL、約36ng/mL、約37ng/mL、約38ng/mL、約39ng/mL、又は約40ng/mLの化合物Aの定常状態血漿トラフ濃度を提供する。いくつかの実施形態では、最適化された用量は、対象における正常な血清IGF-1濃度を維持する。
【0020】
いくつかの実施形態では、対象における正常な血清IGF-1濃度は、正常の上限(ULN)の約1倍未満である。
【0021】
別の態様では、ヒトにおける先端巨大症を治療する方法であって、3-[4-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-3-(3,5-ジフルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-2-ヒドロキシ-ベンゾニトリル(化合物A)、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を含む薬学的組成物を、先端巨大症を有するヒトに経口投与することを含み、先端巨大症を有するヒトが、ソマトスタチオンアナログで以前に治療され、治療が、化合物A-一塩酸塩の約40mg/日に相当する1日用量で開始される、方法が本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、先端巨大症を有するヒトは、ソマトスタチオンアナログに応答し、かつソマトスタチオンアナログによる治療を許容した。いくつかの実施形態では、ソマトスタチオンアナログは、オクトレオチド、ランレオチド、又はパシレオチドである。いくつかの実施形態では、先端巨大症の徴候及び症状は、オクトレオチド又はランレオチドのデポ単独療法において以前に制御された。いくつかの実施形態では、オクトレオチド又はランレオチドのデポ単独療法における先端巨大症の徴候及び症状の制御は、IGF-1≦1.0×ULNを含む。いくつかの実施形態では、IGF-1レベル並びに先端巨大症の徴候及び症状は、約1ヶ月の頻度で評価される。いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の1日用量は、IGF-1>0.9×ULNの場合、化合物A-一塩酸塩の約60mg/日に相当する1日用量に増加される。いくつかの実施形態では、ヒトが化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の1日用量の量を許容しない場合、1日用量は、化合物A-一塩酸塩の約20mg/日に相当する量だけ減少される。
【0022】
別の態様では、ヒトにおける先端巨大症を治療する方法であって、3-[4-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-3-(3,5-ジフルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-2-ヒドロキシ-ベンゾニトリル(化合物A)、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を含む薬学的組成物を、先端巨大症を有するヒトに経口投与することを含み、先端巨大症を有するヒトが、治療ナイーブであるか、又は先端巨大症を有するヒトが、過去4ヶ月以内に先端巨大症のための治療を受けなかったか、又は先端巨大症を有するヒトが、ソマトスタチオンアナログで以前に治療され、ソマトスタチンアノログによる治療が終了し、ソマトスタチンアノログがヒトからウォッシュアウトされることを可能にするのに十分な期間が経過しており、治療が、化合物A-一塩酸塩の約20mg/日に相当する1日用量で開始される、方法が本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、ソマトスタチオンアナログは、オクトレオチド、ランレオチド、又はパシレオチドである。いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の1日用量は、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、又は約9週間の期間にわたって、化合物A-一塩酸塩の約40mg/日に相当する1日用量に増加される。いくつかの実施形態では、IGF-1レベル並びに先端巨大症の徴候及び症状は、約1ヶ月の頻度で評価される。いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の1日用量は、IGF-1>0.9×ULNの場合、化合物A-一塩酸塩の約60mg/日に相当する1日用量に増加される。いくつかの実施形態では、先端巨大症を有するヒトが化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の1日用量の量を許容しない場合、1日用量は、化合物A-一塩酸塩の約20mg/日に相当する量だけ減少される。いくつかの実施形態では、1日用量は、約20ng/mL、約21ng/mL、約22ng/mL、約23ng/mL、約24ng/mL、約25ng/mL、約26ng/mL、約27ng/mL、約28ng/mL、約29ng/mL、約30ng/mL、約31ng/mL、約32ng/mL、約33ng/mL、約34ng/mL、約35ng/mL、約36ng/mL、約37ng/mL、約38ng/mL、約39ng/mL、又は約40ng/mLの化合物Aの定常状態血漿トラフ濃度を提供する。いくつかの実施形態では、化合物A-一塩酸塩の約60mg/日以上に相当する、化合物A-一塩酸塩又は溶媒和物の1日用量の量による治療後に、IGF-1レベルが正常上限を上回ったままである場合、化合物Aによる治療が中止される。
【0023】
いくつかの実施形態では、ヒトが化合物A、化合物A-一塩酸塩、又はその溶媒和物を許容しない場合、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物による治療が中止される。
【0024】
いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の1日用量は、化合物A-一塩酸塩の約10mg/日に相当する増分用量の量で増加される。
【0025】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物Aによって治療する方法のうちのいずれかにおいて、本方法は、対象における血清グルコースレベルを測定することを更に含む。いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物による治療が開始されるとき、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の用量が調整されるとき、あるいは両方のとき、対象における血清グルコースレベルが測定される。いくつかの実施形態では、本方法は、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物による治療が開始されるとき、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の用量が増加されるとき、あるいは両方のとき、対象における血清グルコースレベルを測定することを更に含む。いくつかの実施形態では、対象における血清グルコースレベルを測定することは、経口グルコース耐性試験(OGTT)を行うことを含む。いくつかの実施形態では、経口グルコース耐性試験(OGTT)で測定される場合、対象におけるピーク血清グルコース濃度が150mg/dl超である場合に、抗糖尿病治療が任意に開始されるか、又は抗糖尿病治療が任意に調整される。
【0026】
いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、1つ以上のカプセル又は錠剤の形態で投与される。
【0027】
いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、1つ以上のカプセルの形態で投与される。いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、1つ以上のカプセルの形態で投与され、カプセルは、本明細書に記載されるHMGカプセルである。
【0028】
いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、1つ以上の錠剤の形態で投与される。いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩、又は溶媒和物は、1つ以上の錠剤の形態で投与され、錠剤は、本明細書に記載のとおりである。
【0029】
いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、1つ以上の錠剤の形態で投与され、各錠剤は、化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物の噴霧乾燥固体分散体、1つ以上の追加の薬学的に許容される成分、及び任意に1つ以上のフィルムコーティング剤を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、(a)化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物、及び(b)薬学的に許容されるポリマーを含み、化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物は、薬学的に許容されるポリマーから形成されるポリマーマトリックス中に分散される。いくつかの実施形態では、1つ以上の薬学的に許容される成分は、1つ以上の希釈剤、1つ以上の崩壊剤、1つ以上の潤滑剤、及び1つ以上の流動促進剤からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上の薬学的に許容される成分は、微結晶性セルロース、マンニトール、アルファ化デンプンクロスカルメロースナトリウムクロスポビドン、塩化ナトリウム、1:1の塩化ナトリウム:塩化カリウム、コロイド状二酸化ケイ素、又はステアリン酸マグネシウムを含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、各錠剤は、約2重量%~約20重量%の化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、各錠剤は、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、又は約15重量%の化合物A一塩酸塩、又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、各錠剤は、薬学的に許容されるポリマーから形成される約10重量%~約35重量%のポリマーマトリックスを含む。いくつかの実施形態では、各錠剤は、薬学的に許容されるポリマーから形成されるポリマーマトリックス中に分散された約2重量%~約15重量%の化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物であって、ポリマーマトリックス中の分散された化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物が、錠剤の約約20重量%~約35重量%である、約2重量%~約15重量%の化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物と、1つ以上の希釈剤、1つ以上の崩壊剤、1つ以上の潤滑剤、及び1つ以上の流動促進剤からなる群から選択される、約40重量%~約80重量%の1つ以上の薬学的に許容される成分と、任意に、約5重量%未満の1つ以上のフィルムコーティング剤と、を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、錠剤は、薬学的に許容されるポリマーから形成されるポリマーマトリックス中に分散された化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物の約20重量%~約40%の噴霧乾燥分散体と、1つ以上の希釈剤、1つ以上の崩壊剤、1つ以上の崩壊助剤、1つ以上の潤滑剤、及び1つ以上の流動促進剤からなる群から選択される、約60重量%~約80重量%の1つ以上の薬学的に許容される成分と、任意に、約5重量%未満の1つ以上のフィルムコーティング剤と、を含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、約15/85~約35/65の比率の化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物/ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)又はポリビニルピロリドンポリビニルアセテートコポリマー(PVP/VA)のポリマーマトリックスを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、各錠剤は、薬学的に許容されるポリマーから形成されるポリマーマトリックス中に分散された化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物の約20重量%~約35重量%の噴霧乾燥分散体であって、噴霧乾燥分散体が、約15/85~約35/65の比率の化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物/ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)又はポリビニルピロリドンポリビニルアセテートコポリマー(PVP/VA)のポリマーマトリックスを含む、約20重量%~約35重量%の噴霧乾燥分散体と、微結晶性セルロース、マンニトール、アルファ化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、塩化ナトリウム、1:1の塩化ナトリウム:塩化カリウム、二酸化ケイ素、及びステアリン酸マグネシウムからなる群から選択される、約60重量%~約80重量%の1つ以上の薬学的に許容される成分と、任意に、約5重量%未満の1つ以上のフィルムコーティング剤と、を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、各錠剤は、薬学的に許容されるポリマーから形成されるポリマーマトリックス中に分散された化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物の約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、約25重量%、約26重量%、約27重量%、約28重量%、約29重量%、約30重量%、約31重量%、約32重量%、約33重量%、約34重量%、又は約35重量%の噴霧乾燥分散体であって、噴霧乾燥分散体が、約15/85又は約35/65の比率の化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物/ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)又はポリビニルピロリドンポリビニルアセテートコポリマー(PVP/VA)のポリマーマトリックスを含む、噴霧乾燥分散体と、1つ以上の希釈剤、1つ以上の崩壊剤、1つ以上の崩壊助剤、1つ以上の潤滑剤、及び1つ以上の流動促進剤からなる群から選択される、約60重量%~約80重量%の1つ以上の薬学的に許容される成分と、任意に、約5重量%未満の1つ以上のフィルムコーティング剤と、を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、各錠剤は、薬学的に許容されるポリマーから形成されるポリマーマトリックス中に分散された化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物の約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、約25重量%、約26重量%、約27重量%、約28重量%、約29重量%、約30重量%、約31重量%、約32重量%、約33重量%、約34重量%、又は約35重量%の噴霧乾燥分散体であって、噴霧乾燥分散体が、約15/85又は約35/65の比率の化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物/ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)又はポリビニルピロリドンポリビニルアセテートコポリマー(PVP/VA)のポリマーマトリックスを含む、噴霧乾燥分散体と、微結晶性セルロース、マンニトール、アルファ化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、塩化ナトリウム、1:1の塩化ナトリウム:塩化カリウム、二酸化ケイ素、及びステアリン酸マグネシウムからなる群から選択される、約60重量%~約80重量%の1つ以上の薬学的に許容される成分と、任意に、約5重量%未満の1つ以上のフィルムコーティング剤と、を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、各錠剤は、薬学的に許容されるポリマーから形成されるポリマーマトリックス中に分散された約2重量%~約15重量%の化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物であって、ポリマーマトリックス中の分散された化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物が、錠剤の約20重量%~約35重量%である、約2重量%~約15重量%の化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物と、1つ以上の希釈剤、1つ以上の崩壊剤、1つ以上の潤滑剤、及び1つ以上の流動促進剤からなる群から選択される、約40重量%~約80重量%の1つ以上の薬学的に許容される成分と、任意に、約5重量%未満の1つ以上のフィルムコーティング剤と、を含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、各錠剤は、薬学的に許容されるポリマーから形成されるポリマーマトリックス中に分散された化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物の約20重量%~約40%の噴霧乾燥分散体と、1つ以上の希釈剤、1つ以上の崩壊剤、1つ以上の崩壊助剤、1つ以上の潤滑剤、及び1つ以上の流動促進剤からなる群から選択される、約60重量%~約80重量%の1つ以上の薬学的に許容される成分と、任意に、約5重量%未満の1つ以上のフィルムコーティング剤と、を含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、約15/85~約35/65の比率の化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物/ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)又はポリビニルピロリドンポリビニルアセテートコポリマー(PVP/VA)のポリマーマトリックスを含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、各錠剤は、薬学的に許容されるポリマーから形成されるポリマーマトリックス中に分散された化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物の約20重量%~約35重量%の噴霧乾燥分散体であって、噴霧乾燥分散体が、約15/85~約35/65の比率の化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物/ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)又はポリビニルピロリドンポリビニルアセテートコポリマー(PVP/VA)のポリマーマトリックスを含む、約20重量%~約35重量%の噴霧乾燥分散体と、1つ以上の希釈剤、1つ以上の崩壊剤、1つ以上の崩壊助剤、1つ以上の潤滑剤、及び1つ以上の流動促進剤からなる群から選択される、約60重量%~約80重量%の1つ以上の薬学的に許容される成分と、任意に、約5重量%未満の1つ以上のフィルムコーティング剤と、を含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、各錠剤は、約10mg、約20mg、約40mg、約60mg、又は約80mgの化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、各錠剤は、約10mgの化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、各錠剤は、約20mgの化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、各錠剤は、約30mgの化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、各錠剤は、約40mgの化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、各錠剤は、約50mgの化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、各錠剤は、約60mgの化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、各錠剤は、約70mgの化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、各錠剤は、約80mgの化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物を含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、1日1回、食事の少なくとも30分前に投与される。いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、1日1回、食事の少なくとも60分前に投与される。いくつかの実施形態では、化合物Aは、1日1回、空腹時に投与される。いくつかの実施形態では、化合物Aは、食事の少なくとも30分前に投与される。いくつかの実施形態では、化合物Aは、食事の少なくとも60分前に投与される。いくつかの実施形態では、化合物Aは、食事の少なくとも180分後に投与される。いくつかの実施形態では、化合物Aは、食事の少なくとも60分前及び食事の少なくとも180分後に投与される。いくつかの実施形態では、化合物Aは、就寝前に投与される。いくつかの実施形態では、化合物Aは、1日1回、食事の少なくとも30分前の空腹時に1杯の水とともに投与される。
【0042】
いくつかの実施形態では、化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物のバイオアベイラビリティは、プロトンポンプ阻害剤、ヒスタミンH2受容体アンタゴニスト、又は制酸剤の同時投与によって実質的に影響されない。いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、上部胃腸(GI)管のpHを変化させる薬物と同時投与されない。
【0043】
いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が上部胃腸(GI)管のpHを変化させる薬物と同時投与される場合、投与される化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の1日用量の量が増加される。
【0044】
いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の1日用量の量は、化合物A-一塩酸塩の約10mg/日又は約20mg/日に相当する量だけ増加される。
【0045】
いくつかの実施形態では、上部胃腸(GI)管のpHを変化させる薬物は、プロトンポンプ阻害剤、ヒスタミンH2受容体アンタゴニスト、又は制酸剤を含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、ドーパミンアゴニストと同時投与される。いくつかの実施形態では、ドーパミンアゴニストは、カベルゴリン又はその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、ドーパミンアゴニストは、カベルゴリンであり、約0.5mg/週~約0.5mg/日の用量及び頻度で投与される
【0047】
一態様では、ヒトにおける先端巨大症若しくは神経内分泌腫瘍、又は両方を治療する方法であって、本明細書に記載される噴霧乾燥分散体錠剤のうちのいずれか1つを、先端巨大症又は神経内分泌腫瘍を有するヒトに経口投与することを含む、方法が本明細書に記載される。
【0048】
いくつかの実施形態では、錠剤は、1日1回投与される。いくつかの実施形態では、錠剤は、食事の少なくとも30分前に投与される。いくつかの実施形態では、錠剤は、食事の少なくとも60分前に投与される。いくつかの実施形態では、錠剤は、食事の少なくとも180分後に投与される。いくつかの実施形態では、錠剤は、食事の少なくとも60分前及び食事の少なくとも180分後に投与される。いくつかの実施形態では、錠剤は、空腹時に投与される。いくつかの実施形態では、錠剤は、食事の少なくとも30分前の空腹時に1杯の水とともに投与される。いくつかの実施形態では、錠剤は、就寝前に投与される。いくつかの実施形態では、錠剤からの化合物A一塩酸塩又はその溶媒和物のバイオアベイラビリティは、プロトンポンプ阻害剤、ヒスタミンH2受容体アンタゴニスト、又は制酸剤の同時投与によって実質的に影響されない。
【0049】
本明細書に記載される化合物、方法、及び組成物の他の目的、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、本開示の精神及び範囲内の様々な変更及び修正は、この詳細な説明から当業者に明白になるため、詳細な説明及び特定の実施例は、特定の実施形態を示すが、例示としてのみ与えられることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】化合物A-HClのHMGカプセル製剤又はSDD錠剤製剤を投与したヒトにおいて観察された用量比例性を示す。
図2】ペンタガストリン前処理を伴うか又は伴わない、イヌにおける化合物A-HClのHMGカプセル製剤及びSDD錠剤製剤の性能を示す。
図3】アクロバットエッジ(Acrobat Edge)臨床試験の一次分析集団で観察されたホルモンレベルを示す。
図4】アクロバットエッジ及びエボルブ(Evolve)臨床試験で観察された用量応答の証拠を示す。
図5】治療効果に必要な推定トラフ血漿パルツソチン(paltusotine)濃度、及びSDD錠剤製剤に予測される用量比例効果の予測を示す。
図6】PPIを服用していない先端巨大症患者の予測されたトラフ血漿パルツソチン濃度、及び40mgのHMGカプセル製剤(投与後2時間絶食)における先端巨大症患者のトラフ血漿パルツソチン濃度と比較した、60mgのSDD錠剤(投与後1時間絶食)におけるPPIを服用している先端巨大症患者の予測されたトラフ血漿パルツソチン濃度を示す。
図7a】パルツソチン単独療法における患者のサブセットについてのアクロバットアドバンス(Acrobat Advance)研究からの中間結果を示す。
図7b】エボルブ研究に以前に登録された患者のサブセットについてのアクロバットアドバンス研究からの中間結果を示す。
図8a】本研究に登録された全ての患者についてのアクロバットアドバンス研究からの中間結果を示す。
図8b】パルツソチン及びカベルゴリンによる療法における患者のサブセットについてのアクロバットアドバンス研究からの中間結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0051】
ソマトトロピン放出抑制因子(SRIF)としても既知のソマトスタチン(SST)は当初、ヒツジの視床下部からの14のアミノ酸ペプチドとして単離された(Brazeau et al.,Science 179,77-79,1973)。14のアミノ酸ソマトスタチンに類似する生物学的活性を有するN末端が延長された28のアミノ酸ペプチドを、その後単離させた(Pradayrol et, al.,FEBS Letters,109,55-58,1980、Esch et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U S A,77,6827-6831,1980)。SSTは、他の神経ペプチド、神経伝達物質、ホルモン、サイトカイン、及び成長因子に応答していくつかの細胞型によって産生された調節ペプチドである。SSTは、その標的細胞に影響を与えるために内分泌経路とパラクリン経路との両方を介して作用する。これらの効果の多くは、他のホルモン、最も顕著には成長ホルモン(GH)の分泌の阻害に関連する。SSTは、中枢神経系(CNS)及び腸内の多種多様な細胞型によって産生され、成長ホルモン(GH)、インスリン、グルカゴン、及び抗増殖性である他の多くのホルモンの分泌の調節を含む複数の機能を有する。
【0052】
ソマトスタチンのこれらの多面的な作用は、6つのソマトスタチン受容体タンパク質(SSTR1、SSTR2a、SSTR2b、SSTR3、SSTR4、SSTR5)によって媒介される。6つのソマトスタチン受容体タンパク質は、5つの異なるソマトスタチン受容体遺伝子によってコードされる(Reisine and Bell,Endocr Rev.16,427-442,1995、Patel and Srikant,Trends Endocrinol Metab 8,398-405,1997)。全ての受容体は、Gタンパク質共役受容体(GPCR)スーパーファミリーのクラスAのサブグループのメンバーである。SST2A受容体は、ヒトの腫瘍中で最も広範に発現されるサブタイプであり、GH分泌が抑制される優性受容体である。特に明記しない限り、SSTR2という用語は、SSTR2aを意味する。
【0053】
ソマトスタチン受容体サブタイプのうちのいずれか1つ、又はそれらの組み合わせを選択的に調節することが可能である。いくつかの実施形態では、他のソマトスタチン受容体サブタイプに対してソマトスタチン受容体サブタイプのうちのいずれか1つ、又はそれらの組み合わせを選択的に調節することは、様々な臨床用途において有用である。いくつかの実施形態では、他のソマトスタチン受容体サブタイプに対してソマトスタチン受容体サブタイプのうちのいずれか1つを選択的に調節することは、様々な臨床用途における望ましくない副作用を低減させる。
【0054】
例えば、SSTR2活性の調節は、下垂体前葉からの成長ホルモン(GH)放出、及び膵臓からのグルカゴン放出の阻害を媒介する。SSTR2はまた、これらに限定されないが、細胞増殖、侵害受容、炎症、及び血管新生などの他の多くの生物学的機能に関与している。いくつかの実施形態では、選択的なSSTR2モジュレータは、先端巨大症、下垂体性巨人症、腸神経内分泌腫瘍、疼痛、神経障害、腎症、及び炎症、並びに異常な血管成長に起因する網膜症の治療において使用される。いくつかの他の実施形態では、選択的なSSTR2モジュレータは、とりわけ、関節炎、疼痛、がん、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、クローン病、クッシング病、急性肺損傷、急性呼吸窮迫症候群、並びに加齢関連黄斑変性症(AMD)、糖尿病性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫、及びグレーブス眼科学などの眼の障害の治療において使用される。
【0055】
いくつかの実施形態では、SSTR3アゴニストは、インスリン分泌を阻害する。いくつかの実施形態では、SSTR4アゴニストは、抗炎症効果及び抗侵害受容効果を示す。いくつかの実施形態では、SSTR5アゴニストは、インスリン分泌を阻害する。加えて、SSTR5は、成長ホルモンの放出を調節することにも関与している。
【0056】
ソマトスタチンペプチド及びその受容体サブタイプはまた、脳内で広範に発現され、その活性の破壊又は減少は、いくつかの精神疾患及び神経変性疾患に潜在的に関与している。例えば、大脳皮質(cebrebral cortex)及び海馬中のソマトスタチンの濃度は、統合失調症患者において低減し、この患者群における最も一貫した神経病理学的所見のうちの1つは、ソマトスタチンを発現する皮質の阻害性介在ニューロンの欠乏である。ソマトスタチンは、発作に関連付けられる脳領域でも高度に発現され、てんかんにおいて重要な役割を有するとされている。ソマトスタチンレベルは、アルツハイマー病及びパーキンソン病の患者の海馬において減少しており、神経変性についての潜在的な薬物標的としてそのシグナル伝達の回復を示唆している。
【0057】
一態様では、化合物Aは、ソマトスタチンモジュレータによる治療を必要とする哺乳動物に経口投与することができる選択的非ペプチドSST2バイアスアゴニストである。
【0058】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるソマトスタチン受容体モジュレータは、広範囲の治療用途にわたって有用性を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるソマトスタチン受容体モジュレータは、これらに限定されないが、先端巨大症、下垂体性巨人症、神経内分泌腫瘍、網膜症及び他の眼の障害、神経障害、腎症、呼吸器疾患、がん、疼痛、神経変性疾患、炎症性疾患、並びに精神障害及び神経変性障害などの様々な疾患又は病態の治療において使用される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるソマトスタチン受容体モジュレータは、哺乳動物における先端巨大症、神経内分泌腫瘍、又は両方の治療において使用される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるソマトスタチン受容体モジュレータは、哺乳動物における先端巨大症の治療において使用される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるソマトスタチン受容体モジュレータは、神経内分泌腫瘍の治療において使用される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるソマトスタチン受容体調節は、哺乳動物における下垂体性巨人症の治療において使用される。
【0059】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるソマトスタチン受容体モジュレータは、哺乳動物における様々なホルモン及び栄養因子の分泌を阻害する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるソマトスタチン受容体モジュレータは、これらに限定されないが、GH、インスリン、グルカゴン、及びプロラクチンなどのある特定の内分泌腺の分泌を抑制するために使用される。ある特定の内分泌腺の分泌の抑制は、先端巨大症;カルチノイド、VIP産生腫瘍、インスリノーマ、及びグルカゴノーマなどの内分泌腺の腫瘍;又は網膜症、神経障害、及び腎症を含む、糖尿病及び糖尿病関連の病状などの障害の治療において有用である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるソマトスタチン受容体モジュレータは、膵炎、瘻孔、出血性潰瘍、及びエイズ又はコレラなどの疾患に関連付けられる下痢などの障害の治療について、膵臓、胃、及び腸における外分泌腺の分泌を抑制するために使用される。本明細書に記載される化合物の投与によって治療され得るIGF-1(及びいくつかの内分泌腺因子)などの栄養因子のオートクリン又はパラクリンの分泌を伴う障害は、乳がん、前立腺がん、及び肺がん(小細胞類表皮と非小細胞類表皮との両方)、並びに肝がん、神経芽腫、結腸及び膵臓の腺がん(管型)、軟骨肉腫及び黒色腫、糖尿病性網膜症、並びに血管形成後の血管移植片及び再狭窄に関連付けられるアテローム性動脈硬化症を含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるソマトスタチン受容体モジュレータは、神経原性炎症(例えば、P物質又はタキキニン)の媒介物質を抑制するために使用され、関節リウマチ;乾癬;例えば、日焼け、湿疹、又はかゆみの他の源に関連付けられる局所的な炎症;炎症性腸疾患;過敏性腸症候群;喘息及び他の呼吸器疾患を含むアレルギーの治療において使用され得る いくつかの他の実施形態では、本明細書に記載されるソマトスタチン受容体モジュレータは、中枢神経系における神経調節物質として機能し、アルツハイマー病、並びに認知症、疼痛、及び頭痛の他の形態の治療において有用である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるソマトスタチン受容体モジュレータは、肝硬変及び食道静脈瘤(oesophagal varices)を含む内臓血流を伴う障害において細胞保護作用を提供する。
【0061】
化合物Aは、本明細書に記載される治療方法において有用であるソマトスタチンモジュレータである。
【0062】
化合物A
本明細書で使用される場合、化合物Aは、以下に示される化学構造を有する、3-(4-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-3-(3,5-ジフルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル)-2-ヒドロキシ-ベンゾニトリルを指す。
【0063】
【化1】
【0064】
化合物Aは、「パルツソチン」としても既知である。他の名称が化合物Aに既知又は与えられてもよい。
【0065】
化合物Aは、選択的非ペプチドSST2バイアスアゴニストである。臨床研究では、化合物Aは、約70%の推定バイオアベイラビリティ及び約42~約50時間の観察された半減期を有することが示された。いくつかの実施形態では、化合物Aは、先端巨大症、神経内分泌腫瘍、又は両方を治療するために使用される。いくつかの実施形態では、化合物Aは、先端巨大症を治療するために使用される。いくつかの実施形態では、化合物Aは、神経内分泌腫瘍を治療するために使用される。いくつかの実施形態では、化合物Aは、下垂体性巨人症を治療するために使用される。
【0066】
いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態は、本明細書に記載される製剤に組み込まれる。いくつかの実施形態では、化合物Aは、薬学的に許容される塩として本明細書に記載される製剤に組み込まれる。いくつかの実施形態では、化合物Aは、薬学的に許容される溶媒和物として本明細書に記載される製剤に組み込まれる。
【0067】
本明細書で使用される「薬学的に許容される」は、担体又は希釈剤などの材料を指し、これは、化合物の生物学的活性又は特性を抑止せず、比較的無毒であり、すなわち、材料は望ましくない生物学的効果を引き起こさずに、又は材料を含有する組成物の構成成分のいずれかと有害な様式で相互作用せずに、個体に投与される。
【0068】
「薬学的に許容される塩」という用語は、好適なアニオンと組み合わせた治療的に活性な薬剤のカチオン形態、又は代替的な実施形態では、好適なカチオンと組み合わせた治療的に活性な薬剤のアニオン形態からなる、治療的に活性な薬剤の形態を指す。Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection and Use.International Union of Pure and Applied Chemistry,Wiley-VCH 2002。S.M.Berge,L.D.Bighley,D.C.Monkhouse,J.Pharm.Sci.1977,66,1-19。P.H.Stahl and C.G.Wermuth,editors,Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection and Use,Weinheim/Zurich:Wiley-VCH/VHCA,2002。薬学的な塩は典型的に、非イオン性種よりも溶解性であり、かつ胃液及び腸液中でより急速に溶解性であり、したがって固体の剤形において有用である。更に、それらの溶解度がしばしばpHの関数であるため、消化管の1つの部分又は別の部分における選択的溶解が可能であり、この能力は、遅延放出及び持続放出の挙動の一態様として操作され得る。また、塩成形分子が中性形態と平衡になり得るため、生体膜の通過を調整することができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容される塩は、本明細書に開示される化合物を酸と反応させることによって得られる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物(すなわち、遊離塩基形態)は、塩基性であり、有機酸又は無機酸と反応する。無機酸には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、及びメタリン酸が含まれるが、これらに限定されない。有機酸には、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、2,2-ジクロロ酢酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、2-オキソグルタル酸、4-アセトアミド安息香酸、4-アミノサリチル酸、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸(L)、アスパラギン酸(L)、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳酸(+)、カンファー-10-スルホン酸(+)、カプリン酸(デカン酸)、カプロン酸(ヘキサン酸)、カプリル酸(オクタン酸)、炭酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸(D)、グルコン酸(D)、グルクロン酸(D)、グルタミン酸、グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、イソ酪酸、乳酸(DL)、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸(-L)、マロン酸、マンデル酸(DL)、メタンスルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ニコチン酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸(-L)、サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸(+L)、チオシアン酸、トルエンスルホン酸(p)、及びウンデシレン酸が含まれるが、これらに限定されない。
【0070】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、化合物A塩酸塩及び化合物Aメタンスルホン酸から選択される薬学的に許容される塩形態として、本明細書に記載される製剤に組み込まれる。いくつかの実施形態では、化合物A塩形態は、化合物A一塩酸塩である。いくつかの実施形態では、化合物A塩形態は、化合物A二塩酸塩である。いくつかの実施形態では、化合物A塩形態は、化合物Aモノメタンスルホン酸である。いくつかの実施形態では、化合物A塩形態は、化合物Aジメタンスルホン酸である。
【0071】
一態様では、化合物A一塩酸塩(化合物A-HCl)は、本明細書に記載される薬学的組成物に組み込まれる。3-[4-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-3-(3,5-ジフルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-2-ヒドロキシ-ベンゾニトリル一塩酸塩及びパルツソチン一塩酸塩としても既知の化合物A一塩酸塩(化合物A-HCl)は、以下の構造を有する。
【0072】
【化2】
【0073】
いくつかの実施形態では、化合物A塩形態は、非晶質である。いくつかの実施形態では、化合物A一塩酸塩は、非晶質である
【0074】
いくつかの実施形態では、化合物A塩形態は、結晶性である。いくつかの実施形態では、化合物A一塩酸塩は、結晶性である。
【0075】
薬学的に許容される塩への言及が、溶媒付加形態を含むことが理解されるべきである。いくつかの実施形態では、溶媒和物は、化学量論的又は非化学量論的量のいずれかの溶媒を含有し、例えば水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒を用いる結晶化のプロセス中に形成される。溶媒が水であるときに水和物が形成され、あるいは溶媒がアルコールであるときにアルコラートが形成される。本明細書に記載される化合物の溶媒和物は、本明細書に記載されるプロセス中に便利に調製又は形成される。加えて、本明細書で提供される化合物は、任意に、非溶媒和及び溶媒和形態で存在する。
【0076】
ヒトなどの哺乳動物に投与可能な治療剤は、規制ガイドラインに従って調製しなければならない。そのような政府規制ガイドラインは、製造管理及び品質管理に関する基準(Good Manufacturing Practice)(GMP)と称される。GMPガイドラインは、例えば、最終製品中の残留溶媒の量などの活性治療剤の許容可能な汚染レベルを概説する。好ましい溶媒は、GMP施設での使用に好適であり、産業安全上の懸念と合致する溶媒である。溶媒のカテゴリーは、例えば、International Conference on Harmonization of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use(ICH),“Impurities:Guidelines for Residual Solvents,Q3C(R3),(2005年11月)に定義されている。
【0077】
溶媒は、3つのクラスに分類される。クラス1の溶媒は、毒性であり、回避すべきものである。クラス2の溶媒は、治療剤の製造中に使用が制限される溶媒である。クラス3の溶媒は、毒性の可能性が低く、ヒトの健康に対するリスクがより低い溶媒である。クラス3の溶媒についてのデータは、急性又は短期の研究で毒性が低く、遺伝毒性研究で陰性であることを示す。
【0078】
回避すべきクラス1の溶媒には、ベンゼン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエテン、及び1,1,1-トリクロロエタンが含まれる。
【0079】
クラス2の溶媒の例は、アセトニトリル、クロロベンゼン、クロロホルム、シクロヘキサン、1,2-ジクロロエテン、ジクロロメタン、1,2-ジメトキシエタン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、1,4-ジオキサン、2-エトキシエタノール、エチレングリコール、ホルムアミド、ヘキサン、メタノール、2-メトキシエタノール、メチルブチルケトン、メチルシクロヘキサン、N-メチルピロリジン、ニトロメタン、ピリジン、スルホラン、テトラリン、トルエン、1,1,2-トリクロロエテン、及びキシレンである。
【0080】
低毒性を保有するクラス3の溶媒には、酢酸、アセトン、アニソール、1-ブタノール、2-ブタノール、酢酸ブチル、tert-ブチルメチルエーテル(MTBE)、クメン、ジメチルスルホキシド、エタノール、酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、ギ酸、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3-メチル-1-ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2-メチル-1-プロパノール、ペンタン、1-ペンタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、酢酸プロピル、及びテトラヒドロフランが含まれる。
【0081】
医薬品有効成分(API)中の残留溶媒は、APIの製造に由来する。ほとんどの場合、溶媒は、実用的な製造技法によって完全には除去されない。APIの合成のための溶媒の適切な選択は、収率を増強するか、又は結晶形態、純度、及び溶解度などの特性を決定することができる。したがって、溶媒は合成プロセスにおいて重要なパラメータである。
【0082】
いくつかの実施形態では、化合物A-HClを含む組成物は、残留量の有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、化合物A-HClを含む組成物は、残留量のクラス2又はクラス3の溶媒を含む。いくつかの実施形態では、化合物A-HClを含む組成物は、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、tert-ブチルメチルエーテル、ヘプタン、イソプロパノール、メタノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、2-メチルテトラヒドロフラン、トルエン、及びエタノールから選択される残留量の溶媒を含む。
【0083】
特に明記しない限り、本出願で使用される以下の用語は、以下に示される定義を有する。「含む(including)」という用語、並びに「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含む(included)」などの他の形態の使用は、限定されない。本明細書で使用されるセクション見出しは、整理の目的のみのものであり、記載される主題を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0084】
本明細書で使用される「調節する」という用語は、標的の活性を変化させるように、標的を直接的又は間接的に相互作用させることを意味し、これには、単なる例として、標的の活性を増強すること、標的の活性を阻害すること、標的の活性を制限すること、又は標的の活性を延長することが含まれる。
【0085】
本明細書で使用される「モジュレータ」という用語は、標的と直接的又は間接的に相互作用させる分子を指す。相互作用には、アゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニスト、アンタゴニスト、デグレーダー、又はそれらの組み合わせの相互作用が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、モジュレータは、アゴニストである。
【0086】
「投与する(administer)」、「投与すること(administering)」、「投与(administration)」などの用語は、本明細書で使用される場合、生物学的作用の所望の部位への化合物又は組成物の送達を可能にするために使用され得る方法を指す。これらの方法は、限定されないが、経口投与経路を含む。当業者は、本明細書に記載の化合物及び方法とともに用いることができる投与技術に精通している。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物及び組成物は、経口投与される。
【0087】
「同時投与」などの用語は、本明細書で使用される場合、選択された治療剤の単一の患者への投与を包含することを意味し、薬剤が同じ若しくは異なる投与経路によって、又は同じ若しくは異なる時間で投与される、治療レジメンを含むことが意図される。
【0088】
「有効量」又は「治療有効量」という用語は、本明細書で使用される場合、投与される薬剤又は化合物の十分な量を指し、これは、治療される疾患又は病態の症状のうちの1つ以上をある程度緩和する。その結果は、疾患の徴候、症状、又は原因の低減及び/又は軽減、又は生体系の任意の他の所望の変化を含む。例えば、治療的使用のための「有効量」は、疾患症状の臨床的に有意な減少をもたらすために必要な、本明細書に開示される化合物を含む組成物の量である。任意の個々の症例における適切な「有効」量は、任意に、用量漸増研究などの技術を使用して決定される。
【0089】
本明細書で使用される「増強する」又は「増強すること」という用語は、所望の効果の効力又は持続時間のいずれかを増加又は延長することを意味する。したがって、治療剤の効果を増強することに関して、「増強すること」という用語は、システムに対する他の治療剤の効果を、効力又は持続時間のいずれかで増加又は延長する能力を指す。本明細書で使用される「増強する有効量」は、所望のシステムにおける別の治療剤の効果を増強するのに十分な量を指す。
【0090】
本明細書で使用される「薬学的組み合わせ」という用語は、2つ以上の活性成分の混合又は組み合わせから生じる生成物を意味し、活性成分の固定した組み合わせ及び非固定の組み合わせの両方を含む。「固定した組み合わせ」という用語は、活性成分、例えば、本明細書に開示される化合物、又はその薬学的に許容される塩、及び補助剤の両方が、単一の実体又は投与量の形態で同時に患者に投与されることを意味する。「非固定の組み合わせ」という用語は、活性成分、例えば、本明細書に開示される化合物、又はその薬学的に許容される塩、及び補助剤が、具体的な干渉する時間制限なしで、同時、同時発生的又は経時的のいずれかで、別個の実体として患者に投与されることを意味し、そのような投与は、患者の体内に有効レベルの2つの化合物を提供する。後者はまた、カクテル療法、例えば、3つ以上の活性成分の投与にも適用される。
【0091】
「製品」及び「キット」という用語は、同義語として使用される。
【0092】
「対象」又は「患者」という用語は、哺乳動物を包含する。哺乳動物の例には、哺乳動物クラスの任意のメンバー:ヒト、チンパンジーなどの非ヒト霊長類、並びに他の類人猿及びサル種;ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタなどの家畜(farm)動物;ウサギ、イヌ、及びネコなどの家畜(domestic)動物;ラット、マウス、及びモルモットなどのげっ歯類を含む実験動物などが含まれるが、これらに限定されない。一態様では、哺乳動物は、ヒトである。
【0093】
「治療する(treat)」、「治療すること(treating)」、又は「治療(treatment)」という用語は、本明細書で使用される場合、疾患又は病態の少なくとも1つの症状を緩和、軽減、又は改善すること、追加の症状を予防すること、疾患又は病態を阻害すること、例えば、疾患又は病態の進行を妨げること、疾患又は病態を軽減すること、疾患又は病態の退行を引き起こすこと、疾患又は病態によって引き起こされた病態を軽減すること、あるいは予防的及び/又は治療的のいずれかで疾患又は病態の症状を停止することを含む。
【0094】
いくつかの実施形態では、先端巨大症を化合物A、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物で治療することは、成長ホルモン(GH)、インスリン成長因子1(IGF-1)、又は両方を抑制することを含む。
【0095】
薬学的組成物
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、薬学的組成物に製剤化される。薬学的組成物は、薬学的に使用される調製物への活性化合物の処理を容易にする1つ以上の薬学的に許容される不活性成分を使用して、従来の方法で製剤化される。適切な製剤は、選択された投与経路に依存する。本明細書に記載の薬学的組成物の概要は、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy,Nineteenth Ed(Easton,Pa.: Mack Publishing Company,1995)、Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania 1975、Liberman,H.A.and Lachman,L.,Eds.,Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Decker,New York,N.Y.,1980、及びPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Seventh Ed.(Lippincott Williams & Wilkins1999)に見出され、そのような開示のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0096】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、単独で、又は薬学的に許容される担体、賦形剤、若しくは希釈剤と組み合わせて、薬学的組成物中で投与される。本明細書に記載の化合物及び組成物の投与は、化合物を作用部位に送達することを可能にする任意の方法によって行うことができる。これらの方法には、限定されないが、経腸経路(経口を含む)投与を介する送達が含まれるが、最も好適な経路は、例えば、レシピエントの病態及び障害に依存し得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、経口投与に好適な薬学的組成物は、各々が所定量の活性成分を含有するカプセル若しくは錠剤などの別個の単位として、又は粉末若しくは顆粒として提示される。
【0098】
経口で使用することができる薬学的組成物には、錠剤、ゼラチン製のプッシュフィットカプセル剤、並びにゼラチン及びグリセロール又はソルビトールなどの可塑剤で作られた密封軟カプセル剤が含まれる。錠剤は、圧縮又は成形によって、任意に1つ以上の副成分を用いて作製することができる。圧縮錠剤は、任意に結合剤、不活性希釈剤、又は潤滑剤、表面活性剤又は分散剤と混合された粉末又は顆粒などの自由流動形態の活性成分を好適な機械で圧縮することによって調製することができる。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿潤させた粉末化合物の混合物を好適な機械で成形することによって作製することができる。いくつかの実施形態では、錠剤は、コーティング又はスコアリングされ、その中の活性成分の持続又は制御放出を提供するように製剤化される。経口投与のための全ての製剤は、そのような投与に適している投与量でなければならない。プッシュフィットカプセルは、活性成分を、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、及び/又はタルク若しくはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、並びに任意に安定剤との混合物中に含有することができる。軟カプセルでは、活性化合物は、脂肪油、液体パラフィン、又は液体ポリエチレングリコールなどの好適な液体中に溶解又は懸濁されてもよい。いくつかの実施形態では、安定剤が添加される。糖衣剤の芯には、好適なコーティングが提供される。この目的には、濃厚な糖溶液を使用することができ、その濃厚な糖溶液は、任意に、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液、並びに好適な有機溶媒又は溶媒混合物を含有することができる。特定のために、又は活性化合物の用量の異なる組み合わせを特徴付けるために、染料又は色素を錠剤に添加してもよい。
【0099】
固体経口剤形を製造するための従来技法には、(1)乾式混合、(2)直接圧縮、(3)粉砕、(4)乾式若しくは非水造粒、又は(5)湿式造粒の方法のうちの1つ又は組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。例えば、Lachman et al.,The Theory and Practice of Industrial Pharmacy(1986)を参照されたい。他の方法には、例えば、噴霧乾燥、パンコーティング、溶融造粒、造粒、流動化床噴霧乾燥又はコーティング(例えば、ワースターコーティング)、接線コーティング、トップスプレー、打錠、押出などが含まれる。
【0100】
特に上記の成分に加えて、本明細書に記載の化合物及び組成物は、問題になっている製剤の種類を考慮して、当該技術分野で従来の他の薬剤を含み得、例えば、経口投与に適したものは、香料剤を含み得ることが理解されるべきである。
【0101】
化合物A、又はその薬学的に許容される塩を含む錠剤が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、錠剤は、薬学的に許容されるポリマーから形成されるポリマーマトリックス中に分散された化合物A-HCl又はその溶媒和物と、1つ以上の希釈剤、1つ以上の崩壊剤、1つ以上の潤滑剤、及び1つ以上の流動促進剤からなる群から選択される1つ以上の薬学的に許容される成分と、任意に、1つ以上のフィルムコーティング剤と、を含む。
【0102】
いくつかの実施形態では、(a)化合物A-HCl又はその溶媒和物、及び(b)薬学的に許容されるポリマーを含む噴霧乾燥固体分散体が本明細書に記載され、化合物A-HCl又はその溶媒和物は、薬学的に許容されるポリマーから形成されるポリマーマトリックス中に分散される。
【0103】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される噴霧乾燥固体分散体で調製した錠剤が、本明細書に記載される。
【0104】
噴霧乾燥固体分散体(SDD)
大部分の小分子薬物についての非晶質状態は、熱力学的に不安定であり、ガラス転移温度(Tg)が十分に高くない限り、動力学的にも不安定である。しかしながら、非晶質状態は、賦形剤マトリックス中の薬物の希釈によって安定化させることができる。非晶質分子が高Tgのマトリックス中に分散している場合、低分子移動度は、保管時の相分離に必要な分子移動度を阻害する拡散バリアを提供する。薬物が豊富なドメインへの相分離は、結晶核を形成し、最終的には広範囲の結晶化の前駆体であり、その結果、溶解度の利点が失われる。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体の調製に使用するための薬学的に許容されるポリマーは、高いTgを有するポリマーである。医薬品有効成分(API)及び賦形剤が、固体状態で互いに熱力学的に混和性ではない場合、噴霧乾燥分散体(SDD)は、吸着水を含む混合物の得られるTgが典型的な保管条件よりも少なくとも10℃~20℃高いように製剤化される。更に、非吸湿性ポリマー又は包装形状のいずれかの選択を通して、保管中の水分取り込みに関して考慮しなければならず、これは、吸着水が分散体を可塑化し、Tgを低下させるためである。
【0105】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される噴霧乾燥固体分散体中の化合物A-HCl又はその溶媒和物は、実質的に非晶質である。
【0106】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容されるポリマーは、アルキルエーテル、アルキルエステル、フタレートエステルの任意の組み合わせで任意に官能化されたセルロース、ビニルアルコール、ビニルアセテート、プロピレングリコール、ピロリドン、ビニルピロリドン、オキシエチレン、オキシプロピレン、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチレングリコール、エチレングリコールグリセリド、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、2-エチル-2-オキサゾリン、マレイン酸、メチルビニルエーテル、ビニルカプロラクタム、又はそれらの組み合わせのポリマーを含む。
【0107】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容されるポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースアセテート、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ポリビニルアルコールポリビニルアセテートコポリマー、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールコポリマー、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルピロリドンポリビニルアセテートコポリマー(PVP/VA)、ポリエチレンポリビニルアルコールコポリマー、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、セルロースアセテートフタレート(CAP)、ヒドロキシプロピルメチル-セルロースフタレート(HPMCP)、メタクリル酸とメチルメタクリレートとのコポリマー、モノ、ジ、及びトリグリセリドと、ポリエチレングリコールのモノ及びジエステルとで構成されるポリエチレングリコールグリセリド、ヒドロキシプロピルセルロース、エチレンオキシドブロックとプロピレンオキシドブロックとのコポリマー、ポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)、ポリ(マレイン酸/メチルビニルエーテル)、ポリビニルカプロラクタム-ポリビニルアセテート-ポリエチレングリコールグラフトコポリマー、エチレンオキシド/プロピレンオキシドテトラ官能性ブロックコポリマー、d-アルファトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート、又はそれらの組み合わせである。
【0108】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、分散ポリマーを更に含む。分散ポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒプロメロースアセテートスクシネート(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート;HPMCAS、例えば、HPMCAS-H、HPMCAS-L、又はHPMCAS-M)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースアセテート、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ポリビニルアルコールポリビニルアセテートコポリマー、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールコポリマー、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルピロリドンポリビニルアセテートコポリマー(PVP/VA)、ポリエチレンポリビニルアルコールコポリマー、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、及びそれらの組み合わせから選択される。
【0109】
HPMCASは、ヒドロキシル上に半ランダムに置換された4種類の置換基:メトキシ、ヒドロキシプロピルオキシ、アセテート、及びスクシネートを有するセルロース系ポリマーである。ポリマーは、HPMCAS分子中のアセチル基及びスクシノイル基の含有量(重量%)に基づいて、3つのグレード:L、M、及びHで利用可能である。グレードL:5~9重量%のアセテート、14~18重量%のスクシネート、20~24重量%のメトキシ、5~9重量%のヒドロキシプロピルオキシ。グレードM:7~11重量%のアセテート、10~14重量%のスクシネート、21~25重量%のメトキシ、5~9重量%のヒドロキシプロピルオキシ。グレードH:10~14重量%のアセテート、4~8重量%のスクシネート、22~26重量%のメトキシ、6~10重量%のヒドロキシプロピルオキシ。
【0110】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容されるポリマーは、PVP/VA64、PVP30、HPMCAS-L、HPMCAS-M、HPMCAS-H、Eudragit L100-55、ポリ(メタクリル酸-コ-メチルメタクリレート)(PMMAMA、又は商標Eudragit L100)、Eudragit EPO、HPMC E15、HPMC E3、HPMC E5、HPMCP-HP55、及びSoluplusから選択される。
【0111】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容されるポリマーは、PVP/VA64及びHPMCAS-Mから選択される。いくつかの実施形態では、薬学的に許容されるポリマーは、PVP/VA64である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容されるポリマーは、HPMCAS-Mである。
【0112】
いくつかの実施形態では、分散ポリマーに対する化合物A-HCl又はその溶媒和物の重量比は、約1:10~約10:1である。いくつかの実施形態では、分散ポリマーに対する化合物A-HCl又はその溶媒和物の重量比は、約1:1~約1:10である。いくつかの実施形態では、分散ポリマーに対する化合物A-HCl又はその溶媒和物の重量比は、約1:3~約1:8である。いくつかの実施形態では、分散ポリマーに対する化合物A-HCl又はその溶媒和物の重量比は、約1:4~約1:7である。いくつかの実施形態では、分散ポリマーに対する化合物A-HCl又はその溶媒和物の重量比は、約1:4~約1:6である。いくつかの実施形態では、分散ポリマーに対する化合物A-HCl又はその溶媒和物の重量比は、約1:5~約1:6である。いくつかの実施形態では、分散ポリマーに対する化合物A-HCl又はその溶媒和物の重量比は、約1:10である。いくつかの実施形態では、分散ポリマーに対する化合物A-HCl又はその溶媒和物の重量比は、約1:9である。いくつかの実施形態では、分散ポリマーに対する化合物A-HCl又はその溶媒和物の重量比は、約1:8である。いくつかの実施形態では、分散ポリマーに対する化合物A-HCl又はその溶媒和物の重量比は、約1:7である。いくつかの実施形態では、分散ポリマーに対する化合物A-HCl又はその溶媒和物の重量比は、約1:6である。いくつかの実施形態では、分散ポリマーに対する化合物A-HCl又はその溶媒和物の重量比は、約1:5である。いくつかの実施形態では、分散ポリマーに対する化合物A-HCl又はその溶媒和物の重量比は、約1:4である。いくつかの実施形態では、分散ポリマーに対する化合物A-HCl又はその溶媒和物の重量比は、約1:3である。いくつかの実施形態では、分散ポリマーに対する化合物A-HCl又はその溶媒和物の重量比は、約1:2である。いくつかの実施形態では、分散ポリマーに対する化合物A-HCl又はその溶媒和物の重量比は、約1:1である。
【0113】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、少なくとも5重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、少なくとも10重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、少なくとも15重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、少なくとも20重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、少なくとも25重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。%量は、遊離塩基、すなわち、化合物Aに基づいて計算される。
【0114】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、又は約25重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、約25重量%、約26重量%、約27重量%、約28重量%、約29重量%、約30重量%、約31重量%、約32重量%、約33重量%、約34重量%、又は約35重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約15%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約35%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。%量は、遊離塩基、すなわち、化合物Aに基づいて計算される。
【0115】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約5重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約6重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約7重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約8重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約9重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約10重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約11重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約12重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約13重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約14重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約15重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約16重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約17重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約18重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約19重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約20重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約21重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約22重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約23重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約24重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約25重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約26重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約27重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約28重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約29重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約30重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約31重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約32重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約33重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約34重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、約35重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。%量は、遊離塩基、すなわち、化合物Aに基づいて計算される。
【0116】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、非水性溶媒を更に含む。いくつかの実施形態では、非水性溶媒は、検出可能な量で存在する。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、非水性溶媒を含まない。
【0117】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、tert-ブタノール、n-プロパノール、n-ブタノール、イソプロパノール、エタノール、メタノール、アセトン、酢酸エチル、アセトニトリル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸メチル、及びそれらの混合物からなる群から選択される非水性溶媒を更に含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、メタノール、アセトン、及びそれらの混合物からなる群から選択される非水性溶媒を更に含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体は、メタノールを更に含む。
【0118】
錠剤
一態様では、錠剤であって、薬学的に許容されるポリマーから形成されるポリマーマトリックス中に分散された化合物A-HCl又はその溶媒和物と、1つ以上の希釈剤、1つ以上の崩壊剤、1つ以上の潤滑剤、及び1つ以上の流動促進剤からなる群から選択される1つ以上の薬学的に許容される成分と、任意に、1つ以上のフィルムコーティング剤と、を含む、錠剤が本明細書に記載される。
【0119】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容されるポリマーから形成されるポリマーマトリックス中に分散された化合物A-HCl又はその溶媒和物は、本明細書に記載される噴霧乾燥固体分散体である。
【0120】
いくつかの実施形態では、錠剤は、約2重量%~約20重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、錠剤は、約2重量%~約15重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。
【0121】
いくつかの実施形態では、錠剤は、薬学的に許容されるポリマーから形成される約10重量%~約30重量%のポリマーマトリックスを含む。いくつかの実施形態では、錠剤は、薬学的に許容されるポリマーから形成される約20重量%~約35重量%のポリマーマトリックスを含む。
【0122】
いくつかの実施形態では、錠剤は、薬学的に許容されるポリマーから形成される約10重量%~約30重量%のポリマーマトリックス中に分散された、約2重量%~約10重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物を含む。
【0123】
いくつかの実施形態では、錠剤は、薬学的に許容されるポリマーから形成される約10重量%~約30重量%のポリマーマトリックス中に分散された、約2重量%~約10重量%の化合物A-HCl又はその溶媒和物と、1つ以上の希釈剤、1つ以上の崩壊剤、1つ以上の潤滑剤、及び1つ以上の流動促進剤からなる群から選択される約40重量%~約80重量%の1つ以上の薬学的に許容される成分と、任意に、約5重量%未満の1つ以上のフィルムコーティング剤と、を含む。
【0124】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体に加えて、錠剤中の追加の賦形剤は、1つ以上の希釈剤、1つ以上の崩壊剤、1つ以上の潤滑剤、1つ以上の流動促進剤、又はそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥固体分散体に加えて、錠剤中の追加の賦形剤は、微結晶性セルロース、マンニトール、クロスポビドン、コロイド状二酸化ケイ素、及びステアリン酸マグネシウムを含む。
【0125】
いくつかの実施形態では、錠剤は、1つ以上の充填剤/結合剤/希釈剤を含む。充填剤/結合剤/希釈剤は、セルロース(微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、及びメチルセルロースなど)、デンプン、ゼラチン、糖(スクロース、グルコース、デキストロース、マンニトール、及びラクトースなど)、天然及び合成ガム(アカシア、アルギン酸ナトリウム、パンワーガム(panwar gum)、及びガティガムなど)、ポリビニルピロリジノン、ポリエチレングリコール、ワックス、並びにそれらの任意の組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、錠剤は、微結晶性セルロース及びマンニトールを含む。
【0126】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される錠剤中の1つ以上の充填剤/結合剤/希釈剤は、総錠剤重量の約20重量%~約80重量%を占める。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される錠剤中の1つ以上の充填剤/結合剤/希釈剤は、総錠剤重量の約40重量%~約65重量%を占める。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される錠剤中の1つ以上の充填剤/結合剤/希釈剤は、総錠剤重量の約50重量%~約65重量%を占める。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される錠剤中の1つ以上の充填剤/結合剤/希釈剤は、総錠剤重量の約45重量%、約50重量%、約55重量%、約60重量%、約65重量%、又は約70重量%を占める。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される錠剤中の1つ以上の充填剤/結合剤/希釈剤は、総錠剤重量の約58重量%を占める。いくつかの実施形態では、総錠剤重量の70重量%未満、65重量%未満、60重量%未満、55重量%未満、又は50重量%未満が、1つ以上の充填剤/結合剤/希釈剤を含む。いくつかの実施形態では、総錠剤重量の60重量%未満が、1つ以上の充填剤/結合剤/希釈剤を含む。
【0127】
いくつかの実施形態では、錠剤は、1つ以上の崩壊剤を含む。崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、グリコール酸ナトリウムデンプン、ビーガムHV、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、セルロース、カルボキシメチルセルロース、及びそれらの任意の組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、錠剤は、クロスポビドンを含む。
【0128】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される錠剤中の1つ以上の崩壊剤は、総錠剤重量の約2重量%~約30重量%を占める。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される錠剤中の1つ以上の崩壊剤は、総錠剤重量の約5重量%~約20重量%を占める。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される錠剤中の1つ以上の崩壊剤は、総錠剤重量の約10重量%~約20重量%を占める。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される錠剤中の1つ以上の崩壊剤は、総錠剤重量の約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、又は約20重量%を占める。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される錠剤中の1つ以上の崩壊剤は、総錠剤重量の約15重量%を占める。いくつかの実施形態では、総錠剤重量の20重量%未満が1つ以上の崩壊剤を含む。
【0129】
いくつかの実施形態では、錠剤は、1つ以上の潤滑剤を含む。潤滑剤は、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、ベヘン酸グリセリル、水素添加植物油、ポリエチレングリコール、及びそれらの任意の組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、錠剤は、ステアリン酸マグネシウムを含む。
【0130】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される錠剤中の1つ以上の潤滑剤は、総錠剤重量の約0.1重量%~約5重量%を占める。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される錠剤中の1つ以上の潤滑剤は、総錠剤重量の約0.1重量%~約2重量%を占める。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される錠剤中の1つ以上の潤滑剤は、総錠剤重量の約0.1重量%~約1重量%を占める。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される錠剤中の1つ以上の潤滑剤は、総錠剤重量の約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、又は約1重量%を占める。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される錠剤中の1つ以上の潤滑剤は、総錠剤重量の約0.5重量%を占める。いくつかの実施形態では、総錠剤重量の2重量%未満が1つ以上の潤滑剤を含む。いくつかの実施形態では、総錠剤重量の1重量%未満が1つ以上の潤滑剤を含む。
【0131】
いくつかの実施形態では、錠剤は、1つ以上の流動促進剤を含む。流動促進剤は、粉末に、その流動性を改善するために添加される物質である。流動促進剤の例には、ステアリン酸マグネシウム、コロイド状二酸化ケイ素、デンプン、及びタルクが含まれる。いくつかの実施形態では、錠剤は、コロイド状二酸化ケイ素を含む。
【0132】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される錠剤中の1つ以上の潤滑剤は、総錠剤重量の約0.1重量%~約5重量%を占める。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される錠剤中の1つ以上の潤滑剤は、総錠剤重量の約0.1重量%~約2重量%を占める。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される錠剤中の1つ以上の潤滑剤は、総錠剤重量の約0.5重量%~約1.5重量%を占める。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される錠剤中の1つ以上の潤滑剤は、総錠剤重量の約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、約1重量%、約1.1重量%、約1.2重量%、約1.3重量%、約1.4重量%、約1.5重量%、約1.6重量%、約1.7重量%、約1.8重量%、約1.9重量%、又は約2重量%を占める。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される錠剤中の1つ以上の潤滑剤は、総錠剤重量の約1重量%を占める。いくつかの実施形態では、総錠剤重量の2重量%未満が1つ以上の潤滑剤を含む。いくつかの実施形態では、総錠剤重量の1.5重量%未満が1つ以上の潤滑剤を含む。
【0133】
追加の賦形剤
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される錠剤は、緩衝剤、流動促進剤、防腐剤、及び着色剤を含むが、これらに限定されない、追加の賦形剤を含む。増量剤、等張剤、及びキレート剤などの追加の賦形剤は、実施形態の範囲内にある。
【0134】
緩衝剤の非限定的な例には、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、水酸化マグネシウム、乳酸マグネシウム、マグネシウムグルコメート(magnesium glucomate)、水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム/重炭酸ナトリウム共沈殿物、アミノ酸と緩衝液との混合物、アルミニウムグリシネートと緩衝液との混合物、アミノ酸の酸塩と緩衝液との混合物、及びアミノ酸のアルカリ塩と緩衝液との混合物が含まれるが、これらに限定されない。追加の緩衝剤には、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、ポリリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、酢酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、酢酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、乳酸カルシウム、炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、及び他のカルシウム塩が含まれる。
【0135】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される錠剤は、防腐剤を含む。防腐剤には、抗菌剤、抗酸化剤、及び無菌性を増強する薬剤が含まれる。例示的な防腐剤には、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、BHA、BHT、クエン酸、エリソルビン酸、フマル酸、リンゴ酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、パラベン(メチル-、エチル-、ブチル-)、安息香酸、ソルビン酸カリウム、バニリンなどが含まれる。
【0136】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される錠剤は、結果として得られる液体形態の同一性及び/又は審美的目的のための着色剤を含む。好適な着色剤には、例示的に、FD&C Red No.3、FD&C Red No.20、FD&C Red No.40、FD&C Yellow No.6、FD&C Blue No.2、D&C Green No.5、D&C Orange No.5、カラメル、酸化第二鉄、及びそれらの混合物が含まれる。
【0137】
追加の賦形剤は、錠剤の実施形態で企図される。これらの追加の賦形剤は、機能、及び本明細書に記載される錠剤組成物との適合性に基づいて選択され、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Nineteenth Ed(Easton,PA:Mack Publishing Company,1995)、Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,(Easton,PA:Mack Publishing Co 1975)、Liberman,H.A.and Lachman,L.,Eds.,Pharmaceutical Dosage Forms(New York,NY:Marcel Decker 1980)、及びPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Seventh Ed(Lippincott Williams&Wilkins 1999)に見出すことができ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0138】
更なる実施形態では、本明細書に記載される錠剤は、腸溶コーティング錠剤、糖コーティング錠剤、又はフィルムコーティング錠剤などのコーティング錠剤である。
【0139】
一実施形態では、個々の単位投与量はまた、経口摂取時又は希釈剤との接触時に崩壊するフィルムコーティングを含む。一実施形態では、これらの製剤は、従来の技法によって製造される。
【0140】
圧縮錠剤は、上記のバルクブレンド製剤を圧縮することによって調製される固体剤形である。様々な実施形態では、口内で溶解するように設計される圧縮錠剤は、1つ以上の香味剤を含むであろう。他の実施形態では、圧縮錠剤は、最終圧縮錠剤を取り囲むフィルムを含むであろう。いくつかの実施形態では、フィルムコーティングは、患者コンプライアンスを助ける(例えば、Opadry(登録商標)コーティング又は糖コーティング)。Opadry(登録商標)を含むフィルムコーティングは、典型的には、錠剤重量の約1%~約5%の範囲である。他の実施形態では、圧縮錠剤は、1つ以上の賦形剤を含む。
【0141】
活性成分(例えば、化合物A-HCl)と、錠剤コアを形成し、その後コアをコーティングするための1つ以上の打錠賦形剤との組み合わせを含む、フィルムコーティング錠剤形態が本明細書に提供される。錠剤コアは、従来の打錠プロセスを使用して生成され、その後、圧縮及びコーティングが行われる。
【0142】
腸溶コーティングは、胃酸の作用には抵抗性であるが、腸内では溶解又は崩壊するコーティングである。
【0143】
一態様では、本明細書に開示される経口固体剤形は、腸溶コーティングを含む。腸溶コーティングには、以下:セルロースアセテートフタレート;メチルアクリレート-メタクリル酸コポリマー;セルロースアセテートスクシネート;ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート;ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(ヒプロメロースアセテートスクシネート);ポリビニルアセテートフタレート(PVAP);メチルメタクリレート-メタクリル酸コポリマー;メタクリル酸コポリマー、セルロースアセテート(並びにそのスクシネート及びフタレートバージョン);スチロールマレイン酸コポリマー;ポリメタクリル酸/アクリル酸コポリマー;ヒドロキシエチルエチルセルロースフタレート;ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート;セルロースアセテートテトラヒドロフタレート;アクリル樹脂;シェラックのうちの1つ以上が含まれる。
【0144】
腸溶コーティングは、錠剤、丸剤、カプセル、ペレット、ビーズ、顆粒、粒子などにコーティングを施すことで、それが小腸に到達するまで溶解しないようにするものである。
【0145】
糖コーティング錠剤は、糖コーティングで取り囲まれた圧縮錠剤であり、この糖コーティングは、不快な味又は臭気を覆い隠し、錠剤を酸化から保護するのに有益であり得る。
【0146】
フィルムコーティング錠剤は、水溶性材料の薄層又はフィルムで覆われた圧縮錠剤である。フィルムコーティングには、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000、及びセルロースアセテートフタレートが含まれるが、これらに限定されない。フィルムコーティングは、糖コーティングと同じ一般特性を付与する。複数の圧縮錠剤は、層状錠剤、及びプレスコーティング又は乾燥コーティングされた錠剤を含む、2回以上の圧縮サイクルによって作製される圧縮錠剤である。いくつかの実施形態では、錠剤は、高速の活性放出のための即時の分解を可能にする、水溶性のpH非依存性フィルムコーティング(例えば、Opadry製品)でコーティングされる。
【0147】
錠剤中の投与量
いくつかの実施形態では、錠剤中の化合物A-HCl又はその溶媒和物の量は、約5mg~約100mgである。いくつかの実施形態では、錠剤中の化合物A-HCl又はその溶媒和物の量は、約5mg~約80mgである。いくつかの実施形態では、錠剤中の化合物A-HCl又はその溶媒和物の量は、約5mg~約60mgである。いくつかの実施形態では、錠剤中の化合物A-HCl又はその溶媒和物の量は、約10mg~約40mgである。
【0148】
いくつかの実施形態では、錠剤中の化合物A-HCl又はその溶媒和物の量は、約10mgである。いくつかの実施形態では、錠剤中の化合物A-HCl又はその溶媒和物の量は、約20mgである。いくつかの実施形態では、錠剤中の化合物A-HCl又はその溶媒和物の量は、約30mgである。いくつかの実施形態では、錠剤中の化合物A-HCl又はその溶媒和物の量は、約40mgである。いくつかの実施形態では、錠剤中の化合物A-HCl又はその溶媒和物の量は、約50mgである。いくつかの実施形態では、錠剤中の化合物A-HCl又はその溶媒和物の量は、約60mgである。いくつかの実施形態では、錠剤中の化合物A-HCl又はその溶媒和物の量は、約70mgである。いくつかの実施形態では、錠剤中の化合物A-HCl又はその溶媒和物の量は、約80mgである。
【0149】
投与の方法及び治療レジメン
一実施形態では、本明細書に開示される薬学的組成物は、ソマトスタチン活性の調節から利益を得るであろう哺乳動物における疾患又は病態の治療のための医薬として使用される。本明細書に記載される疾患又は病態のうちのいずれかの治療を必要とする哺乳動物においてそのような治療を行うための方法は、化合物A又はその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を、治療有効量で当該哺乳動物に投与することを伴う。
【0150】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される化合物Aを含有する組成物は、予防的及び/又は治療的治療のために投与される。ある特定の治療用途において、組成物は、疾患又は病態を既に患っている患者に、疾患又は病態の症状のうちの少なくとも1つを治癒するか、又は少なくとも部分的に停止させるのに十分な量で投与される。この使用に有効な量は、疾患又は病態の重症度及び経過、以前の療法、患者の健康状態、体重、及び薬物に対する応答、並びに治療を行う医師の判断に依存する。治療有効量は、用量漸増及び/又は用量範囲臨床試験を含むが、これらに限定されない、方法によって任意に決定される。
【0151】
しかしながら、一般に、成人のヒトの治療に用いられる用量は、典型的には、化合物Aの1日当たり約10mg~約100mgの範囲である。一実施形態では、所望の用量は、単回用量で、又は同時に、若しくは適切な間隔で、例えば、1日当たり2回、3回、4回、又はそれ以上のサブ用量として投与される分割用量で、都合よく提示される。
【0152】
一態様では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)は、SST2アゴニストによる療法を必要とするヒトに毎日投与される。いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)は、1日1回投与される。いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)は、1日2回投与される。いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)は、1日おきに投与される。
【0153】
いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)は、連続的な投与スケジュールでヒトに経口投与される。いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)は、連続的な毎日の投与スケジュールでヒトに投与される。
【0154】
「連続的な投与スケジュール」という用語は、特定の治療剤を定期的に投与することを指す。いくつかの実施形態では、連続的な投与スケジュールは、特定の治療剤からいかなる休薬期間もなく、特定の治療剤を定期的に投与することを指す。いくつかの他の実施形態では、連続的な投与スケジュールは、サイクルでの特定の治療剤の投与を指す。いくつかの他の実施形態では、連続的な投与スケジュールは、薬物投与のサイクルにおける特定の治療剤の投与に続いて、特定の治療剤からの休薬期間(例えば、薬物が投与されない洗浄期間又は他のそのような期間)を指す。例えば、いくつかの実施形態では、治療剤は、1日に1回、1日に2回、1日に3回、週に1回、週に2回、週に3回、週に4回、週に5回、週に6回、週に7回、1日おき、3日おき、4日おき、1週間毎日投与し、続いて1週間にわたって治療剤を投与しないこと、2週間毎日投与し、続いて1週間又は2週間にわたって治療剤を投与しないこと、3週間毎日投与し、続いて1週間、2週間、又は3週間にわたって治療剤を投与しないこと、4週間毎日投与し、続いて1週間、2週間、3週間、又は4週間にわたって治療剤を投与しないこと、毎週治療剤を投与し、続いて1週間治療剤を投与しないこと、又は隔週治療剤を投与し、続いて2週間治療剤を投与しない。いくつかの実施形態では、毎日の投与は、1日1回である。いくつかの実施形態では、毎日の投与は、1日2回である。いくつかの実施形態では、毎日の投与は、1日3回である。
【0155】
「連続的な毎日の投与スケジュール」という用語は、毎日ほぼ同じ時間に特定の治療剤を毎日投与することを指す。いくつかの実施形態では、毎日の投与は、1日1回である。
【0156】
ヒトにおける疾患又は病態の状態における改善が観察されないある特定の実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)の1日用量が増加される。いくつかの実施形態では、投与の頻度は、より定期的に繰り返し高いCmaxレベルを提供するために増加される(例えば、1日1回の投与スケジュールは、1日2回の投与スケジュールに変更される)。いくつかの実施形態では、投与の頻度は、化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)への維持される、又はより規則的な曝露を提供するために増加される。いくつかの実施形態では、投与の頻度は、より定期的に繰り返し高いCmaxレベルを提供するために、かつ化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)への維持される、又はより規則的な曝露を提供するために増加される。
【0157】
一般に、ヒトへの投与のための化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)の好適な用量は、約0.01mg/日~約100mg/日、約10mg/日~約100mg/日、又は約10mg/日~約80mg/日の範囲内であろう。他の実施形態では、ヒトへの投与のための化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)の好適な用量は、約10mg/日、約20mg/日、約30mg/日、約40mg/日、約50mg/日、約60mg/日、約70mg/日、約80mg/日、約90mg/日、又は約100mg/日であろう。いくつかの実施形態では、ヒトへの投与のための化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)の好適な用量は、約10mg/日であろう。いくつかの実施形態では、ヒトへの投与のための化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)の好適な用量は、約20mg/日であろう。いくつかの実施形態では、ヒトへの投与のための化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)の好適な用量は、約30mg/日であろう。他の実施形態では、ヒトへの投与のための化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)の好適な用量は、約40mg/日であろう。他の実施形態では、ヒトへの投与のための化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)の好適な用量は、約50mg/日であろう。他の実施形態では、ヒトへの投与のための化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)の好適な用量は、約60mg/日であろう。他の実施形態では、ヒトへの投与のための化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)の好適な用量は、約70mg/日であろう。他の実施形態では、ヒトへの投与のための化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)の好適な用量は、約80mg/日であろう。いくつかの実施形態では、投与量は、1日当たり1回投与される。いくつかの実施形態では、上述の量は、化合物A-一塩酸塩の量を指す。
【0158】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、食事の少なくとも30分前に投与される。いくつかの実施形態では、化合物Aは、食事の少なくとも60分前に投与される。いくつかの実施形態では、化合物Aは、食事の少なくとも180分後に投与される。いくつかの実施形態では、化合物Aは、食事の少なくとも60分前及び食事の少なくとも180分後に投与される。いくつかの実施形態では、化合物Aは、空腹時に投与される。いくつかの実施形態では、化合物Aは、食事の少なくとも30分前の空腹時に1杯の水とともに投与される。いくつかの実施形態では、化合物Aは、就寝前に投与される。いくつかの実施形態では、化合物Aは、前述の投与ステップのうちの1つ以上を含む投与量レジメンで投与される。
【0159】
いくつかの実施形態では、剤形における1日投与量又は活性剤の量は、個々の治療レジームに関していくつかの変数に基づいて、本明細書に示される範囲よりも低いか、又は高い。様々な実施形態では、1日及び単位投与量は、治療される疾患又は病態、投与様式、対象の要件、治療される疾患又は病態の重症度、ヒトの同一性(例えば、体重)、及び投与される特定の追加の治療剤(該当する場合)、並びに開業医の判断を含むが、これらに限定されない、いくつかの変数に応じて変化する。
【0160】
バイオマーカー検出に基づく治療
GHとIGF-1との両方の血漿濃度は、典型的には、活動性先端巨大症で増加し、効果的な治療中に減少するであろう。したがって、両方のバイオマーカーは、先端巨大症における生化学的制御をモニタリングし、治療有効性を決定するために臨床診療において使用される。先端巨大症の根底にある生物学的メカニズムの結果として、先端巨大症における診断及び治療モニタリングのためのEndocrine Society及びAmerican Association of Clinical Endocrinologists(AACE)による最新のガイドラインは、3つの主要なバイオマーカー:(a)IGF-1、(b)(平均)GH、及び(c)経口グルコース耐性試験(OGTT)中のGH濃度の抑制のレベルに焦点を当てている。
【0161】
臨床診療では、主な治療目標は、インスリン様成長因子-1(IGF-1)濃度を臨床的に認められている年齢及び性別についての「正常」値まで低減させることであり、これは死亡率の改善/正常化に関連している。ガイドラインでは、個々の先端巨大症患者の生化学的制御をモニタリングするために使用することができる「安全な」IGF-1レベルのための代替物として、正常の上限(ULN)が導入された。このULNは、一般に、年齢及び性別についての正常値の標準偏差(SD)の2倍によって定義され、年齢関連の変化がIGF-1濃度に最大の影響を与える。加えて、ULN補正値は、個体間のIGF-1濃度の同等の尺度として使用することができるという追加の利益を有する。
【0162】
先端巨大症において主に病理学的に影響されるホルモンは、成長ホルモン(GH)である。したがって、無作為のGH測定を行い、実際の内因性の24時間GHプロファイルの指標を提供する。しかしながら、治療有効性をモニタリングするための無作為のGHレベル、又は複数の試料の平均の使用は、多くの課題(例えば、GHの高脈動プロファイル、アッセイ変動性、安全範囲の欠如)を有するが、臨床診療では実行不可能である短いサンプリング間隔を有する完全な24時間GHプロファイルと比較して、取得するための最小限の臨床的努力を必要とする。したがって、IGF-1は一般に、より良好かつより安定したバイオマーカーとして考えられる。
【0163】
過剰なGH及びIGF-I濃度による臨床症状には、心血管、脳血管、並びに呼吸器疾患及び代謝異常が含まれる。GHは、炭水化物代謝に対するインスリンの効果に反対し、耐糖能異常及び真性糖尿病は、先端巨大症を有する患者のうちの最大50%で頻繁に報告される合併症である。先端巨大症を有する患者におけるGHレベルの低下及びIGF-I濃度の正常化がグルコース恒常性を改善することは、十分に文書化されている。ソマトスタチンアナログは、GH及びインスリン分泌を阻害することによってグルコース恒常性を変化させる。ペグビソマントは、インスリン分泌に直接影響を与えない特異的GH受容体アンタゴニストである。2つのパイロット研究(1つは正常なボランティアにおいて、かつ1つは先端巨大症を有する患者において)では、グルコース恒常性は、オクトレオチド治療によって悪化する傾向があり(Parkinson C,et al.,J.Clin.Endocrinol.Metab.87:1797-1804,2002、Quabbe HJ,et al,J.Clin.Endocrinol.Metab.68:873-881,1989)、これに対してペグビソマントによる治療は、中性又は陽性の効果を有した。先端巨大症を有する患者では、糖尿病の存在が早発の死亡率に寄与することが観察されており、耐糖能異常が先端巨大症の心筋症の重症度と相関することが見出されている。
【0164】
経口グルコース耐性試験(OGTT)は、健康な個人と活動性先端巨大症を有する患者との間を区別するための試験として行われる。更に、GH分泌の成功した低減を評価するために、手術後1週間で既にOGTTを行うことができる。健康な個体では、血漿グルコースレベルの増加は、GH分泌が1ng/mlをはるかに下回るまで抑制される。GHの不十分な抑制は、視床下部-下垂体-ソマトトロピンの軸の調節の破壊を示す。「標準的な」OGTTは、75gの経口投与されたグルコースを使用して、30分毎に2時間にわたってGH濃度について血液試料をモニタリングすることを行う。
【0165】
7日間(5mg)及び10日間(10mg、20mg、及び30mg)にわたる健康なボランティアにおける化合物A-HClカプセルの繰り返された毎日の投与を評価する、以前の第1相臨床試験では、無症候性高血糖の2つの治療下で発現した有害作用(TEAE)が発生した。両方の事象は、経口グルコースの1時間後に発生し、10日間の化合物A投与の完了後の、スケジュールされたOGTT中の負荷の2時間後までに解決した。20mg用量を受けた1人の対象は、経口グルコースチャレンジの1時間後に12.2mmol/L(220mg/dL)のピークグルコース濃度を経験し、これはチャレンジの2時間後までに5.8mmol/L(104mg/dL)に正常化された。10mg用量を受けた1人の対象は、経口グルコースチャレンジの1時間後に12.4mmol/L(223mg/dL)のピークグルコース濃度を経験し、これはチャレンジの2時間後までに4.3mmol/L(77mg/dL)に正常化された。これらの症例では、高血糖又は他の後遺症の症状は報告されなかった。ベースラインと比較して、30mg(3.2時・mmol/L、95%CI 1.8~4.6)の最も高い複数回用量での75gの経口グルコースチャレンジ時に、プラセボ(1.5時・mmol/L、95%CI-1.5~4.6)におけるより小さく有意ではない変化と比較して、グルコースAUC0-3hrにおいて小さいが有意な増加があった。絶食時の血漿グルコースは有意に変化しなかった。
【0166】
いくつかの実施形態では、高血糖は、ピーク血清グルコース濃度の>100mg/dL、>110mg/dL、>120mg/dL、>130mg/dL、>140mg/dL、>150mg/dL、>160mg/dL、>170mg/dL、>180mg/dL、>190mg/dL、>200mg/dL、>210mg/dL、>220mg/dL、>230mg/dL、>240mg/dL、又は>250mg/dLを含む。いくつかの実施形態では、高血糖は、ピーク血清グルコース濃度の>100mg/dL、>110mg/dL、>120mg/dL、>130mg/dL、>140mg/dL、>150mg/dL、>160mg/dL、>170mg/dL、>180mg/dL、>190mg/dL、又は>200mg/dLを含む。いくつかの実施形態では、高血糖は、OGTTによって測定される場合、ピーク血清グルコース濃度の>100mg/dL、>110mg/dL、>120mg/dL、>130mg/dL、>140mg/dL、>150mg/dL、>160mg/dL、>170mg/dL、>180mg/dL、>190mg/dL、又は>200mg/dLを含む。
【0167】
経口グルコース耐性を介して、絶食時のグルコース又はHbA1cの変化なしに実証された中等度の食後の高血糖もまた、この薬理学的クラスで以前に記載されている(Mazziotti G,et al.,(2009)J.Clin.Endocrinol.Metab.94(5):1500-1508)。これは、SST5受容体に対して効力のある活性を有し、インスリン分泌及び高血糖の減少と因果関係がある低い選択的なパシレオチドとは対照的である(Henry RR,et al.,(2013)J.Clin.Endocrinol.Metab.98(8):3446-3453)。
【0168】
いくつかの実施形態では、低血糖又は高血糖は、化合物Aによる治療中に生じ得る。いくつかの実施形態では、低血糖は、化合物Aによる治療中に生じ得る。いくつかの実施形態では、高血糖は、化合物Aによる治療中に生じ得る。いくつかの実施形態では、グルコースモニタリングが推奨され、抗糖尿病治療は、本明細書に記載されるように、化合物Aを投与するときに調整を必要とするか、又は開始する必要があり得る。
【0169】
いくつかの実施形態では、化合物Aによる治療が開始されるとき、又は化合物Aの用量が変更されるときに、血液グルコースレベルがモニタリングされる。抗糖尿病治療は、したがって、開始又は調整されるべきである。
【0170】
いくつかの実施形態では、化合物Aによる治療が開始されるとき、又は化合物Aの用量が変更され、したがって、抗糖尿病治療が調整若しくは開始されるときに、血液グルコースレベルがモニタリングされる。いくつかの実施形態では、高血糖は、インスリン及び/又はインスリン増感剤で治療される。いくつかの実施形態では、高血糖は、糖尿病の治療において使用される薬剤で治療される。いくつかの実施形態では、高血糖は、メトホルミン、インスリン、スルホニル尿素、GLP-1受容体アゴニスト、チアゾリジンジオン、グリニド、SGLT2阻害剤、DPP-4阻害剤、アルファ-グルコシダーゼ阻害剤、プラムリンチド、又はそれらの組み合わせで治療される。いくつかの実施形態では、高血糖は、対象によって消費される食事を調整することによって治療される。
【0171】
いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)を含む薬学的組成物の投与は、患者の血清インスリン様成長因子-1(IGF-1)値、血清成長ホルモン(GH)値、又は両方に基づいている。いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)を含む薬学的組成物の投与は、患者の血清IGF-1値に基づいている。いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)を含む薬学的組成物の投与は、患者の血清GH値に基づいている。いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)を含む組成物は、本明細書に記載される疾患又は病態のうちのいずれかの治療のために、異常な血清IGF-1値、血清GH値、又は両方を有する患者に投与される。
【0172】
いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)を含む薬学的組成物の投与は、LA-SRL療法での可能な血清IGF-1値と同等の血清IGF-1値を達成することに基づいている。多くの患者にとって、LA-SRLの非経口投与は痛みを伴い、不便であり、化合物Aによる療法が望ましい。そのような患者は、LA-SRLの疼痛注射から化合物Aによる経口投与に切り替えることを好むであろう。
【0173】
臨床診療では、主な治療目標は、IGF-1濃度を臨床的に認められている年齢及び性別についての「正常」値まで低減させることであり、これは死亡率の改善/正常化に関連している。ガイドラインでは、個々の先端巨大症患者の生化学的制御をモニタリングするために使用することができる「安全な」IGF-1レベルのための代替物として、正常の上限(ULN)が導入された。このULNは、一般に、年齢及び性別についての正常値の標準偏差(SD)の2倍によって定義され、年齢関連の変化がIGF-1濃度に最大の影響を与える。加えて、ULN補正値は、個体間のIGF-1濃度の同等の尺度として使用することができるという追加の利益を有する。
【0174】
いくつかの実施形態では、化合物Aによる治療は、約2.5未満の血清IGF-1(×ULN)を達成することを目的とする。いくつかの実施形態では、化合物Aによる治療は、約2未満の血清IGF-1(×ULN)を達成することを目的とする。いくつかの実施形態では、化合物Aによる治療は、約1.8未満の血清IGF-1(×ULN)を達成することを目的とする。いくつかの実施形態では、化合物Aによる治療は、約1.5未満の血清IGF-1(×ULN)を達成することを目的とする。いくつかの実施形態では、化合物Aによる治療は、約1.3未満の血清IGF-1(×ULN)を達成することを目的とする。いくつかの実施形態では、化合物Aによる治療は、約1.2未満の血清IGF-1(×ULN)を達成することを目的とする。いくつかの実施形態では、化合物Aによる治療は、0.5超及び約2.5未満の血清IGF-1(×ULN)を達成することを目的とする。いくつかの実施形態では、化合物Aによる治療は、>1及び<約2.5の血清IGF-1(×ULN)を達成することを目的とする。
【0175】
いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)は、滴定スケジュールを介して投与される。いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)は、化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)の投与に関連付けられる有害事象を最小限に抑えるために、滴定スケジュールを介して投与される。いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)による滴定は、対象が、化合物A、若しくはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)を許容すること、化合物A、若しくはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)の投与に関連付けられる有害事象を最小限に抑えること、最適化された用量の化合物A、若しくはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)が、対象に投与され、許容されるであろう可能性を最大限にすること、又はそれらの組み合わせを可能にする。いくつかの実施形態では、滴定は、上方滴定を含む。
【0176】
いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)による治療は、滴定を必要としない。
【0177】
本明細書で使用される場合、対象は、その対象へのその用量の投与が許容できない有害事象又は有害事象の許容できない組み合わせをもたらさない場合、ある用量の化合物を「許容する」と言われている。当業者は、許容が主観的尺度であり、1人の患者に許容され得るものが異なる患者に許容され得ないことを理解するであろう。例えば、1人の対象は、頭痛を許容することができない場合があり、これに対して第2の対象は、軽度の頭痛に許容可能であるが、中等度の頭痛を許容することができない場合があり、これに対して第3の対象は、中等度の頭痛を許容することができるが、重度の頭痛を許容することができない。いくつかの実施形態では、患者は、注射部位の拒絶反応に起因して、注射可能なソマトスタチンアナログによる治療を許容することができない。いくつかの実施形態では、患者は、1日当たり1回を超えるソマトスタチンアナログの複数回用量を消費する必要性に起因して、経口投与されるソマトスタチンアナログによる治療を許容することができない。いくつかの実施形態では、患者は、オクトレオチドを受けている患者で報告されている、オクトレオチドに対する過敏症又はアナフィラキシーショックを含むアナフィラキシー反応などの禁忌に起因して、経口投与されるソマトスタチンアナログによる治療を許容することができない。
【0178】
本明細書で使用される場合、「有害事象」は、化合物A、又はその薬学的に許容される塩による治療に関連付けられる有害な医学的発生である。いくつかの実施形態では、有害事象は、頭痛、疲労、下痢、疼痛、又はそれらの組み合わせである。
【0179】
本明細書で使用される場合、「最適化された用量」は、特定の対象の必要性に最適化された治療用量を指し、任意に対象の医療従事者と協議して、対象によって決定されるように、化合物Aの必要とされる用量に相当し、求められており、対象によって許容され得る対象における生物学的又は医薬的応答を誘発する、化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)の最も高い用量である。
【0180】
本明細書で使用される場合、化合物の「上方滴定」は、対象が増加した量を許容しなくなるまで化合物の量を増加させることを指す。上方滴定は、1つ以上の用量増分で達成することができ、これは、同じであっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、本方法は、化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)を、初期の用量で1日1回、初期の期間にわたって投与し、続いて、その後1日1回、より高い用量の化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)に上方滴定することを含む。いくつかの実施形態では、初期の期間は、1日、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、又は約12週間を含む。いくつかの実施形態では、このサイクルは、最適化された用量が達成されるまで繰り返される。
【0181】
いくつかの実施形態では、滴定の方法は、化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)を、初期の用量で1日1回、約1週間、約2週間、約3週間、又は約4週間投与し、続いて、その後1日1回、より高い用量の化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)に上方滴定することを含む。いくつかの実施形態では、このサイクルは、最適化された用量が達成されるまで繰り返される。いくつかの実施形態では、用量調整は、毎週、2週間毎、3週間毎、又は4週間毎に行われる。いくつかの実施形態では、一貫したIGF-1抑制を達成するために、用量調整が行われる及び/又は繰り返される。いくつかの実施形態では、一貫したIGF-1抑制及び約2.5未満のIGF-1(×ULN)を達成するために、用量調整が行われる及び/又は繰り返される。
【0182】
いくつかの実施形態では、滴定の方法は、化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-HCl)を、初期の用量で1日1回、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、又は約8週間投与し、続いて、その後1日1回、より高い用量の化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-HCl)に上方滴定することを含む。いくつかの実施形態では、このサイクルは、最適化された用量が達成されるまで繰り返される。いくつかの実施形態では、本方法は、10mgの化合物A-HClを、1日1回、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、又は約8週間投与し、続いて、その後1日1回、約20mgの化合物A-HClに上方滴定することを含む。
【0183】
いくつかの実施形態では、滴定の方法は、上方滴定、又は下方滴定、続いて、化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-HCl)の任意の再上方滴定を含む。
【0184】
いくつかの実施形態では、滴定スケジュールは、化合物A又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-HCl)を、初期の用量で約1週間、2週間、3週間、又は4週間投与することと、患者が初期の用量を許容することを条件に、用量を増分値に等しい量だけ増加させることと、を含む。いくつかの場合では、1日用量を増加させるための増分値は、化合物A-HClの約10mgに相当する。
【0185】
いくつかの実施形態では、初期の用量は、化合物A-HClの約10mg~約40mgに相当する。いくつかの実施形態では、初期の用量は、化合物A-HClの約10mg、約20mg、約30mg、又は約40mgに相当する。いくつかの実施形態では、初期の用量は、化合物A-HClの約10mgに相当する。いくつかの実施形態では、初期の用量は、化合物A-HClの約20mgに相当する。
【0186】
いくつかの実施形態では、滴定スケジュールは、化合物A、又はその薬学的に許容される塩を、増加した用量で約1週間、2週間、3週間、又は4週間投与することと、患者が増加した用量を許容することを条件に、用量を増分値だけ更に増加させることと、を更に含む。いくつかの実施形態では、1日用量を増加させるための増分値は、化合物A-一塩酸塩の約10mg/日に相当する。
【0187】
いくつかの実施形態では、滴定スケジュールは、最適化された用量が得られるまで繰り返される。最適化された用量は、化合物A治療による副作用を最小限に抑えながら治療の有効性を提供する。いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)による治療は、滴定を必要としない。いくつかの実施形態では、最適化された用量は、滴定なしで投与される。
【0188】
いくつかの実施形態では、最適化された用量は、化合物A-一塩酸塩の約10mg/日~約80mg/日に相当する。いくつかの実施形態では、最適化された用量は、化合物A-一塩酸塩の約10mg/日、約20mg/日、約30mg/日、約40mg/日、約50mg/日、約60mg/日、約70mg/日、又は約80mg/日に相当する。いくつかの実施形態では、最適化された用量は、化合物A-一塩酸塩の約30mg/日、約40mg/日、約50mg/日、又は約60mg/日に相当する。いくつかの実施形態では、最適化された用量は、化合物A-一塩酸塩の約30mg/日に相当する。いくつかの実施形態では、最適化された用量は、化合物A-一塩酸塩の約40mg/日に相当する。いくつかの実施形態では、最適化された用量は、化合物A-一塩酸塩の約50mg/日に相当する。いくつかの実施形態では、最適化された用量は、化合物A-一塩酸塩の約60mg/日に相当する。
【0189】
LA-SRLで以前に治療された先端巨大症患者の第2相臨床試験では、化合物A-一塩酸塩の用量の関数としての定常状態IGF-1変化の評価は、1日当たり10及び20mgがベースラインを上回るIGF-1レベルをもたらしたことを示し、ベースラインは、最後のLA-SRL注射で測定されたIGF-1であった。化合物A-一塩酸塩への切り替えは、最後のLA-SRL注射の4週間後に生じた。30/日及び40mg/日の用量は、ベースラインからほぼゼロの変化をもたらし、30/日及び40mg/日の用量が、IGF-1の抑制において注射されたLA-SRLによる以前の単独療法と等しく有効であったことを示した。
【0190】
いくつかの実施形態では、40mg/日のパルツソチン単独療法で治療標的を達成しない患者には、追加の治療剤が投与される。いくつかの実施形態では、40mg/日のパルツソチン単独療法で治療標的を達成することは、-1≦1×ULNにおけるIGF-1レベルを含む。いくつかの実施形態では、40mg/日のパルツソチン単独療法で治療標的を達成することは、以前の注射されたLA-SRL単独療法よりも低いか、又はおよそ等しいIGF-1レベルを含む。いくつかの実施形態では、40mg/日のパルツソチン単独療法で治療標的を達成することは、以前の注射されたLA-SRL単独療法よりも低いIGF-1レベルを含む。いくつかの実施形態では、組み合わせ療法は、化合物A-一塩酸塩、並びにドーパミンアゴニスト及び/又は成長ホルモン(GH)受容体アンタゴニストを含む。いくつかの実施形態では、ドーパミンアゴニストは、カベルゴリン又はその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、GH受容体アンタゴニストは、ペグビソマントである。いくつかの実施形態では、組み合わせ療法は、化合物A-一塩酸塩及びカベルゴリン、又はその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、カベルゴリンは、約0.5mg/週~約0.5mg/日の用量及び頻度で投与される。いくつかの実施形態では、カベルゴリンは、約0.5mg/週、1日おきに0.5mg、3日おきに0.5mg、4日おきに0.5mg、5日おきに0.5mg、6日おきに0.5mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、カベルゴリンは、約0.5mg/日の用量で投与される。
【0191】
化合物Aのウォッシュアウト中のIGF-1の上昇の大きさを評価する際に、用量応答関係が観察された。曝露応答モデリングは、最大の薬理学的応答の80%(EC80)が達成される化合物A濃度を推定した。いくつかの実施形態では、約30mg/日~約60mg/日の化合物A-一塩酸塩を含む本明細書に記載されるSDD錠剤の投与は、EC80を超える1日のトラフ濃度を提供し、先端巨大症を有する患者において一貫したIGF-1抑制をもたらす。
【0192】
いくつかの実施形態では、先端巨大症を有する患者において一貫したIGF-1抑制を提供する化合物Aのトラフ血漿レベルは、約20ng/mL~約150ng/mLである。いくつかの実施形態では、先端巨大症を有する患者において一貫したIGF-1抑制を提供する化合物Aのトラフ血漿レベルは、約25ng/mL~約80ng/mLである。いくつかの実施形態では、先端巨大症を有する患者において一貫したIGF-1抑制を提供する化合物Aのトラフ血漿レベルは、約30ng/mL~約80ng/mLである。いくつかの実施形態では、先端巨大症を有する患者において一貫したIGF-1抑制を提供する化合物Aのトラフ血漿レベルは、約30~60ng/mLである。
【0193】
いくつかの実施形態では、先端巨大症を有する患者において一貫したIGF-1抑制を提供する化合物Aのトラフ血漿レベルは、10ng/mL超、15ng/mL超、20ng/mL超、25ng/mL超、30ng/mL超、35ng/mL超、40ng/mL超、45ng/mL超、50ng/mL超、55ng/mL超、60ng/mL超、65ng/mL超、70ng/mL超、75ng/mL超、又は80ng/mL超である。
【0194】
いくつかの実施形態では、先端巨大症を有する患者において一貫したIGF-1抑制を提供する化合物Aのトラフ血漿レベルは、少なくとも約10ng/mL、少なくとも約15ng/mL、少なくとも約20ng/mL、少なくとも約25ng/mL、少なくとも約30ng/mL、少なくとも約35ng/mL、少なくとも約40ng/mL、少なくとも約45ng/mL、少なくとも約50ng/mL、少なくとも約55ng/mL、少なくとも約60ng/mL、少なくとも約65ng/mL、少なくとも約70ng/mL、少なくとも約75ng/mL、or少なくとも約80ng/mL、少なくとも約85ng/mL、少なくとも約90ng/mL、少なくとも約95ng/mL、又は少なくとも約100ng/mLである。
【0195】
いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)は、約20ng/mL、約21ng/mL、約22ng/mL、約23ng/mL、約24ng/mL、約25ng/mL、約26ng/mL、約27ng/mL、約28ng/mL、約29ng/mL、約30ng/mL、約31ng/mL、約32ng/mL、約33ng/mL、約34ng/mL、約35ng/mL、約36ng/mL、約37ng/mL、約38ng/mL、約39ng/mL、約40ng/mL、約41ng/mL、約42ng/mL、約43ng/mL、約44ng/mL、約45ng/mL、約46ng/mL、約47ng/mL、約48ng/mL、約49ng/mL、約50ng/mL、約51ng/mL、約52ng/mL、約53ng/mL、約54ng/mL、約55ng/mL、約56ng/mL、約57ng/mL、約58ng/mL、約59ng/mL、約60ng/mL、約61ng/mL、約62ng/mL、約63ng/mL、約64ng/mL、約65ng/mL、約66ng/mL、約67ng/mL、約68ng/mL、約69ng/mL、約70ng/mL、約71ng/mL、約72ng/mL、約73ng/mL、約74ng/mL、約75ng/mL、約76ng/mL、約77ng/mL、約78ng/mL、約79ng/mL、約80ng/mL、約81ng/mL、約82ng/mL、約83ng/mL、約84ng/mL、約85ng/mL、約86ng/mL、約87ng/mL、約88ng/mL、約89ng/mL、約90ng/mL、約91ng/mL、約92ng/mL、約93ng/mL、約94ng/mL、約95ng/mL、約96ng/mL、約97ng/mL、約98ng/mL、約99ng/mL、約100ng/mL、又は約100ng/mL超である化合物Aのトラフ濃度を提供するのに十分な用量で投与される。
【0196】
いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)は、約32ng/mLである化合物Aのトラフ濃度を提供するのに十分な用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)は、少なくとも約32ng/mLのものである化合物Aのトラフ濃度を提供するのに十分な用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物A-一塩酸塩)は、約32ng/mL超である化合物Aのトラフ濃度を提供するのに十分な用量で投与される。
【0197】
いくつかの実施形態では、約20mg~約80mgの合計1日用量の化合物A-一塩酸塩における、本明細書に記載されるSDD錠剤の1日1回の投与は、10ng/mL超、15ng/mL超、20ng/mL超、25ng/mL超、30ng/mL超、35ng/mL超、40ng/mL超、45ng/mL超、50ng/mL超、55ng/mL超、60ng/mL超、65ng/mL超、70ng/mL超、75ng/mL超、80ng/mL超、85ng/mL超、90ng/mL超、95ng/mL超、100ng/mL超、115ng/mL超、120ng/mL超、125ng/mL超、130ng/mL超、135ng/mL超、140ng/mL超、145ng/mL超、150ng/mL超、又は150ng/mL超である化合物Aのトラフ濃度を提供する。
【0198】
いくつかの実施形態では、約20mg~約60mgの合計1日用量の化合物A-一塩酸塩における、本明細書に記載されるSDD錠剤の1日1回の投与は、約10ng/mL~約150ng/mLの化合物Aのトラフ濃度を提供する。いくつかの実施形態では、約40mg~約60mgの合計1日用量の化合物A-一塩酸塩における、本明細書に記載されるSDD錠剤の1日1回の投与は、約20ng/mL~約150ng/mLの化合物Aのトラフ濃度を提供する。いくつかの実施形態では、約40mgの合計1日用量の化合物A-一塩酸塩における、本明細書に記載されるSDD錠剤の1日1回の投与は、約20ng/mL~約110ng/mLの化合物Aのトラフ濃度を提供する。いくつかの実施形態では、約40mgの合計1日用量の化合物A-一塩酸塩における、本明細書に記載されるSDD錠剤の1日1回の投与は、少なくとも30ng/mLの化合物Aのトラフ濃度を提供する。いくつかの実施形態では、約40mgの合計1日用量の化合物A-一塩酸塩における、本明細書に記載されるSDD錠剤の1日1回の投与は、少なくとも32ng/mLの化合物Aのトラフ濃度を提供する。いくつかの実施形態では、約40mgの合計1日用量の化合物A-一塩酸塩における、本明細書に記載されるSDD錠剤の1日1回の投与は、約20ng/mL、約21ng/mL、約22ng/mL、約23ng/mL、約24ng/mL、約25ng/mL、約26ng/mL、約27ng/mL、約28ng/mL、約29ng/mL、約30ng/mL、約31ng/mL、約32ng/mL、約33ng/mL、約34ng/mL、約35ng/mL、約36ng/mL、約37ng/mL、約38ng/mL、約39ng/mL、約40ng/mL、約41ng/mL、約42ng/mL、約43ng/mL、約44ng/mL、約45ng/mL、約46ng/mL、約47ng/mL、約48ng/mL、約49ng/mL、約50ng/mL、約51ng/mL、約52ng/mL、約53ng/mL、約54ng/mL、約55ng/mL、約56ng/mL、約57ng/mL、約58ng/mL、約59ng/mL、約60ng/mL、約61ng/mL、約62ng/mL、約63ng/mL、約64ng/mL、約65ng/mL、約66ng/mL、約67ng/mL、約68ng/mL、約69ng/mL、約70ng/mL、約71ng/mL、約72ng/mL、約73ng/mL、約74ng/mL、約75ng/mL、約76ng/mL、約77ng/mL、約78ng/mL、約79ng/mL、又は約80ng/mL超であるが、150ng/mL未満である化合物Aのトラフ濃度を提供する。
【0199】
前述の態様のうちのいずれかにおいて、化合物を1日1回投与する更なる実施形態を含む、有効量の化合物の単回投与を含む更なる実施形態がある。
【実施例
【0200】
以下の実施例は、例示の目的のためにのみ提供されるものであり、本明細書で提供される特許請求の範囲を制限するものではない。
【0201】
実施例1:経口カプセル
代表的なカプセルを、以下の表1に記載する。
【0202】
【表1】
【0203】
ホットメルト造粒カプセルについての製造プロセスの代表的な説明は以下のとおりである。
【0204】
段階1:高せん断湿式造粒:ビタミンEポリエチレングリコールスクシネート(TPGS)を溶融させる。化合物A-HCl、マンニトール、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、及び二酸化ケイ素を、高せん断湿式造粒機に充填し、混合する。溶融させたビタミンE TPGSを造粒構成成分上に噴霧する。
【0205】
段階2:粉砕:湿式造粒を、適切なサイズのスクリーンを使用して、スクリーニングミルを通して粉砕する。
【0206】
段階3:ブレンド:フマル酸ステアリルナトリウムを、適切なサイズのスクリーンを使用してふるいにかける。粉砕された造粒を、フマル酸ステアリルナトリウムとともに拡散混合器(タンブル)に充填し、ブレンドする。
【0207】
段階4:カプセル化:10mgのカプセルを、自動的にサイズ2のゼラチンカプセルにカプセル化した。
【0208】
実施例2:噴霧乾燥固体分散体
噴霧乾燥固体分散体を、15重量%の化合物A-HCl:15/85の化合物A-HCl/HPMCAS-M及び15/85の化合物A-HCl/PVP VA64の製剤で調製した。製造は、150kg/時の乾燥ガス容量を有するBend Lab DryerであるBLD-150を使用して完了した。変更したパラメータは、ノズルのベアディング(bearding)を低減させるのに役立つHPMCAS-M SDD製剤に対する溶液固体充填量、及び臨床製造中に起こり得る変動のリスクを軽減するためのPVP VA64 SDDについての乾燥機出口温度であった。元のプロセスパラメータスクリーニングプランは、より大きな粒子を生成するためにより大きなオリフィスノズルを用いて、減少した乾燥機出口温度条件を製造することを指定したが、第1の噴霧の結果に基づいて、所望の溶液流量を達成するために必要な微粒化圧力は、より大きなオリフィスで溶液を完全に微粒化するには低すぎると決定した。乾燥機出口温度は、溶液流量よりも変動性が高い傾向があるため、パラメータスクリーンは、液滴の完全な微粒化を確保しながら、乾燥機出口温度のみのリスクを軽減することに焦点を当てるようにシフトした。乾燥機出口温度の変動は、SDD中の残留溶媒レベルに影響を与える可能性があり、これは物理的及び化学的安定性に影響を与え得る。全ての噴霧は、良好な収率で首尾よく完了され、両方の製剤に対して堅牢なプロセススペースを示した。
【0209】
15/85の化合物A HPMCAS-M SDD製剤製造の詳細
15/85の化合物A-HCl/HPMCAS-M SDDの3つのサブバッチを噴霧して、製造プロセススペースを探索し、臨床試験製造のための準備をした。サブバッチを最初に10重量%の固体で噴霧すると、噴霧プルームに影響を及ぼすと思われる顕著なノズルベアディングが溶液上で約45分後に観察された。
【0210】
溶液を8重量%に希釈し、サブバッチを1時間の持続時間で製造して、ベアディングを低減させることを確実にした。溶液上で約50分後、このバッチ中に非常に少量のベアディングが観察されたが、微粒化プルームに影響を及ぼすとは思われなかったため、8重量%の固体の充填量を選択した。
【0211】
2GPM及びおよそ7℃における冷却水を、全ての噴霧を通して噴霧乾燥機の蓋に流して、蓋を冷えた状態に保ち、付着及び褐色化を防止した。製造全体を通じて、顕著な蓋の蓄積又は褐色化は見られなかった。噴霧間の洗浄は行わず、全ての噴霧は、バッチ2A及び2Cの製造前に追加の溶媒を添加した1つの溶液から完了した。3つのサブバッチ全てに使用した製造パラメータの概要を表2に示す。
【0212】
【表2】
【0213】
15/85の化合物A-HCl/PVP VA64 SDD製剤製造の詳細
15/85の化合物A-HCl/PVP VA64 SDD製剤についても、プロセスパラメータスクリーニング噴霧及びFPN実証バッチを完了した。乾燥機出口温度を変更して、プロセスパラメータ変動性のリスクを軽減させ、臨床試験製造を準備した。
【0214】
プロセススペースは、最大乾燥機出口温度、乾燥機出口温度、及び最小の所望の溶液流量によって制限された。噴霧乾燥機の蓋上のSDDの付着又は褐色化を避けるために、160℃の最大入口温度を指定し、十分なスループットを確保するために、最小流量を100g/分に設定した。最小及び最大の乾燥機出口温度を、それぞれ40℃及び65℃であるように選択し、粒子が十分に乾燥し、乾燥機出口温度が湿潤粒子のTgを超えないことを確実にした。
【0215】
PVP VA64製剤についてのプロセスパラメータスクリーニング噴霧は、乾燥機出口温度を変更することによって製造スペースを探索した。これにより、粒子残留溶媒含有量、形態、密度、及び安定性に対する乾燥機相対飽和度の影響の調査が可能となった。
【0216】
蓋の蓄積及び褐色化を防止するために、冷却水を全ての噴霧を通して2GPM及びおよそ7℃で流すと、どちらも注目されなかった。3つの全ての製造を通して、ノズルのベアディングは観察されなかった。全ての噴霧を1つの溶液から完了した。各サブバッチの製造の詳細を表3に要約する。
【0217】
【表3】
【0218】
SDDの特徴付け
粒子特性:粒径分布並びにバルク及びタップ密度を、化合物A-HCl SDDの各バッチについて測定した。HPMCAS-M SDDは、より大きな粒径を有し、これは、HPMCAS-M溶液がPVP VA64溶液よりも粘性が高く、所与のノズル構成に対してより大きな液滴をもたらすためと予想される。ロット2Bの溶液中の固体充填量を増加させることで、粒径がバッチ2A及び2Cよりも大きくなり、これも、噴霧溶液の粘度がより高いことに起因する。全てのPVPVA-64バッチの粒径分布は、予想どおり類似している。
【0219】
2A及び2Cのバルク及びタップ密度は類似しているが、バッチ2Bは、粒子がより大きいことに潜在的に起因して、わずかにより低い密度を有する。全てのPVPVA-64バッチのバルク及びタップ密度は類似しており、粉末特性に対する乾燥機出口温度の影響に関して堅牢なプロセスを示している。
【0220】
残留溶媒及び水分含有量:6つのSDDの残留メタノール及び水を、それぞれGC及びKFを使用して測定した。全てのSDDは、二次乾燥後の0.3重量%のICHガイドラインを下回る残留MeOHを含有し、40℃/15%RHでの十分な乾燥を示唆していた。
【0221】
SEMによる形態:6つ全てのSDDの粒子形態を、SEMを介して評価した。各SDDは典型的な形態を示し、不規則な粒子の証拠はなく、試験した全ての条件について十分な微粒化を示唆していた。HPMCAS-M粒子は、主に圧潰球形であったが、PVP VA64 SDDは、より大きな画分の球形粒子を含有する。
【0222】
PXRDによる結晶化度:6つ全てのSDDを、PXRDを使用して結晶化度について評価した。全てのSDDは、PXRDにより非晶質であり、これは、鋭い回折ピークの非存在下で明らかであった。
【0223】
DSCによる熱特性:6つ全てのSDDを、調節されたDSCにより特徴付けた。結果を表4で一覧にした。製造されたSDDは、DSCにより全て非晶質かつ均質であり、これは、逆転の熱信号における単一のガラス転移の存在によって明らかであった。いずれの製剤も、Tg後の結晶化の徴候を示さず、両方の製剤について、それらの温度で化合物Aが結晶化する傾向は低いことを示唆している。更に、両方の製剤が、周囲温度と比較して高いTgを示し、乾燥条件下で物理的安定性リスクが低いことを示唆していた。PVP VA64製剤には、湿度を最小化するための包装が必要となる。
【0224】
【表4】
【0225】
概要
物理的安定性の観察:PVPVA64 SDDは、保管時に潮解したように思われ、3ヶ月(40℃/75%RH開放)で結晶が観察された。乾燥剤とともに保管することを推奨する。HPMCAS-M SDDは、40℃/75%RH開放で6ヶ月にわたって、物理的に安定であった。
【0226】
化学的安定性の観察:安定性に対するHPMCAS-M製剤における酸触媒による分解の可能性。PVP VA64製剤における一部の分解も同様であるが、HPMCAS-M SDDほど顕著ではない。PVPVA SDDには包装が必要とされ、これは、物理的な安定性の懸念によって駆動される。15%w/wの化合物A/PVP VA64を、主SDD製剤として選択した。
【0227】
12ヶ月の安定性:15%の化合物A-HCl/PVP-VA64 SDD
12ヶ月のSDD試料を、5℃、25℃/60%RH、及び40℃/75%RHで乾燥剤とともに保持した。カールフィッシャー滴定による水分析用の試料を調製し、直ちに分析した。残りの試料を一晩真空乾燥させて、残留水分を除去し、更なる特徴付けのためにSDDの物理的状態を保持した。特徴付けのために行われた分析試験のリストには、外観、カールフィッシャー滴定による水分含有量、粉末X線回折(PXRD)、走査電子顕微鏡(SEM)、変調示差走査熱量測定(mDSC)による熱特性、微量遠心(MCT)試験による溶解性能、HPLCによるアッセイ及び関連物質が含まれた。
【0228】
12ヶ月のSDD安定性試料に対するPXRD分析からの結論:安定性条件の各々において12ヶ月で保管した試料に結晶化度の証拠はなかった。
【0229】
12ヶ月のSDD安定性試料に対するSEM分析からの結論:12ヶ月で、全ての安定性条件にわたって粒子融合は観察されなかった。安定性条件の各々において12ヶ月で保管した試料に結晶化度の証拠はなかった。
【0230】
12ヶ月のSDD安定性試料に対するSEM分析からの結論:12ヶ月で、全ての安定性条件にわたって粒子融合は観察されない。安定性条件の各々において12ヶ月で保管した試料に結晶化度の証拠はなかった。
【0231】
12ヶ月のSDD安定性試料に対するmDSC分析からの結論:5℃で保持した12ヶ月のSDD試料の繰り返し分析は、再現不可能なサーモグラムを提供し、この結果についての原因は、現時点では分かっていない。5℃の試料は、他の全ての特徴付け技術によって物理的に安定であると決定した。25℃/60%RH及び40℃/75%RHで保持した12ヶ月のSDD試料は、124~125℃で単一の再現可能なTgを示し、これらの条件で乾燥剤とともに12ヶ月保管した後に、SDDが安定であるという結論を裏付けるものであった。
【0232】
12ヶ月のSDD安定性試料に対するMCT溶解分析からの結論:12ヶ月の安定性試料の非シンク溶解性能は、-20℃で保管した初期(t)試料と一致する。
【0233】
35/65の化合物A-HCl/PVP VA64 SDD製剤製造の詳細
噴霧乾燥固体分散体を、35重量%の化合物A-HClで調製した:35/65の化合物A-HCl/PVP VA64製剤。SDDの製造は、SD-180実験用乾燥機を使用して完了した。二次乾燥は、Binder Convection Dryerを使用して完了した。製造の詳細は表5における。噴霧を、良好な収率で首尾よく完了した。
【0234】
【表5】
【0235】
実施例3:経口錠剤
代表的な10mg、20mg、30mg、40mg、及び60mgの錠剤を、表6~13に提示する。使用した賦形剤には、微結晶性セルロース、マンニトール、クロスポビドン、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、Opadry White 03K184116(フィルムコーティング)が含まれる。
【0236】
【表6】
【0237】
【表7】
【0238】
【表8】
【0239】
【表9】
【0240】
【表10】
【0241】
【表11】
【0242】
【表12】
【0243】
【表13】
【0244】
【表14】
【0245】
SDD錠剤についての製造プロセスの代表的な非限定的な説明は以下のとおりである。
【0246】
段階1:噴霧乾燥:化合物A-HCl及びコポビドンをMeOHに溶解させる。溶液を噴霧乾燥させた。噴霧乾燥分散体(化合物A-HCl SDD)を収集する。
【0247】
段階2:ローラー圧縮:化合物A-HCl SDD、充填剤、崩壊剤、流動促進剤、及び潤滑剤からなる造粒ブレンドをブレンドする。いくつかの実施形態では、化合物A-HCl SDD、マンニトール、微結晶性セルロース、クロスポビドン、コロイド状二酸化ケイ素からなる造粒ブレンドを調製し、ブレンドする。ステアリン酸マグネシウムの顆粒内部分をスクリーニングし、造粒ブレンドに添加する。得られたブレンドをブレンドする。造粒ブレンドをローラー圧縮のホッパーに充填し、圧縮してリボンにする。リボンを、インラインの振動ミルを使用してメッシュスクリーンを通過させて、リボンを破砕し、粉砕して顆粒にする。
【0248】
いくつかの実施形態では、造粒ブレンドは、約20%~約35%(最終錠剤重量のw/w)の化合物A-HCl SDDを含む。いくつかの実施形態では、造粒ブレンドは、約21%、約22%、約28%、29%、約33%、約34%(最終錠剤重量のw/w)の化合物A-HCl SDDを含む。いくつかの実施形態では、化合物A-HCl SDDは、15/85の化合物A-HCl/HPMCAS-M、15/85の化合物A-HCl/PVPVA64、又は35/65の化合物A-HCl/PVPVA 64 SDDを含む。
【0249】
段階3:ブレンド:顆粒内材料を顆粒外賦形剤と混合する。顆粒外賦形剤は、充填剤、崩壊剤、流動促進剤、及び潤滑剤から選択される1つ以上の賦形剤を含む。顆粒外構成成分には、微結晶性セルロース、クロスポビドン、コロイド状二酸化ケイ素が含まれる。顆粒外潤滑剤であるステアリン酸マグネシウムを、適切なサイズのスクリーンを使用してふるいにかけ、次いで、ブレンドに添加し、混合する。
【0250】
段階4:圧縮:最終ブレンドを圧縮して錠剤にする。
【0251】
段階5:パンコーティング:Opadry White 03K18416.のフィルムコーティング懸濁液を精製水中で調製し、錠剤を有孔コーティングパンにおいてOpadry White 03K18416でコーティングする。
【0252】
実施例4:イヌにおける製剤性能の評価
研究設計
イヌにおける評価した2つの条件*:+Pg前処理(ヒトの絶食時の胃を模倣したもの、pH1~2)及び-Pg前処理(PPI又は制酸剤を服用しているヒトを模倣したもの、pH3~5)。(*:各条件の間に1週間のウォッシュアウト、Pg=ペンタガストリン。)
【0253】
化合物A-HCl溶液
N=4匹の非ナイーブのイヌ。ビヒクル:プロピレングリコール。条件:-Pg。
【0254】
化合物A-HCl HMGカプセル
N=4匹の非ナイーブのイヌ。条件:+Pg、-Pg。
【0255】
化合物A-HCl噴霧乾燥分散体錠剤:PVPVA
N=6匹の非ナイーブの雄イヌの2つの群。。条件:+Pg、-Pg。
【0256】
この研究からの結果を表15及び16に提示する。
【0257】
【表15】
【0258】
表15及び図2に示すように、ペンタガストリンで前処理していないイヌでは、HMGカプセル製剤は不良な性能を示し、これに対して、噴霧乾燥分散体錠剤は良好な性能を示した。HMGカプセル製剤について、ペンタガストリンを伴わないAUCは、ペンタガストリンを伴うAUCのわずか11%であった(917ng*時/mLと比較して98.2ng*時/mL)。比較すると、ペンタガストリンを伴わないPVPVA SDD錠剤製剤についてのAUCは、ペンタガストリンの条件を伴うもののそれぞれ185%及び124%であった。これらのデータは、PVPVA SDD錠剤製剤が、高い胃pH環境下で(例えば、PPI又は制酸剤を服用している対象においてそうであるように)優れていることを示す。
【0259】
【表16】
【0260】
実施例5:健康なボランティアにおける化合物Aの安全性、薬物動態、及び薬力学を評価するための二重盲検、無作為化、プラセボ対照、単回及び複数回用量研究
第1相の無作為化、二重盲検、プラセボ対照、単回及び複数回漸増用量研究を、単一の研究センターにおいて経口の化合物Aによって行った。組み入れ基準には、18~50歳、18~30kg/mの肥満度指数、及び女性の場合、既往歴又は手術による閉経後が含まれた。除外基準には、有意な病歴の存在が含まれた。
【0261】
スクリーニングは、単回用量コホートと複数回用量コホートとの両方において、最初の投与した用量(1日目)の前の28日以内に行った。パルツソチン又はプラセボの投与は、ベースライン研究後1日目に開始した。参加者は、各用量投与前に≧10時間の一晩の絶食をして、投与後4時間まで絶食したままであった(成長ホルモン-放出ホルモン[GHRH]チャレンジ後の最後のGH試料の収集後)。食物効果コホートについて、研究薬物を、高脂肪及び高カロリーの朝食の30分後に投与した。
【0262】
投与のための研究薬物を、化合物A-HClの経口溶液(第1相単位で現場で調製)又はカプセル(プラセボ、5mg、及び20mg)のいずれかとして提供した。
【0263】
参加者は、図1に示されるスキームに従って経口研究薬物又はプラセボを受けた。単回用量の相では、参加者を、7つのコホート(S1~S7)において、化合物A(1.25、2.5、5、10、20、40、及び60mg)又はプラセボに6:2で無作為化した。溶液対カプセルの経口バイオアベイラビリティ、及びカプセル製剤の経口バイオアベイラビリティに対する標準化された高脂肪、高カロリー朝食の効果を比較するコホートは、10mgの用量レベルを用いた。複数回用量の相では、参加者を、7日間(M1、最終日=7日目)の5mg、並びに10日間(M2、M3、M4、最終日=10日目)の毎日の10、20、及び30mgの用量で、1日1回の経口の化合物A-HClカプセル又はプラセボに6:3に無作為化した。
【0264】
薬物動態サンプリング:単回用量コホート:血漿試料を1日目に収集した(投与前、投与後15分毎で最大90分、次いで、投与後2、3、4、6、8、10、12、18、24、48、72、96、120、及び144時間)。複数回用量コホート:5mgのコホートについて、血漿試料を、1日目(投与前、投与後15分毎で最大90分、次いで、投与後2、3、4、6、8、10、12、及び18時間)、2~6日目(投与前及び投与後2時間)、7日目(1日目と同じ時間点、続いて、投与後18、24、48、72、96、120、及び144時間での試料)に収集した。他の全ての複数回用量コホートについて、血漿試料を、1日目(投与前、投与後15分毎で最大90分、次いで、投与後2、3、4、6、8、10、12、及び18時間)、2~6日目(投与前及び投与後2時間)、10日目(1日目と同じ時間点、続いて、投与後18、24、48、72、96、120、144、192、及び240時間での試料)に収集した。薬物動態及び終末消失半減期(t1/2)の決定のために血液試料を収集した最後の時間点は、単回用量コホート及びコホートM1については投与後144時間、コホートM2~M4については投与後240時間であった。
【0265】
GHの評価:GHRH刺激GH分泌を抑制するパルツソチンの能力を評価するために、GHRHチャレンジを単回用量コホートS1、S2、S3、S4、及びS5(経口溶液)で行った。組換えヒトGHRH(1-44)-NH2(ソマトレリン、Ferring Pharmaceuticals、Parsippany,NJ)50μgを、1日目のパルツソチン(又はプラセボ)の2時間後、及び-1日目のおよそ同じ時間(±10分)に静脈内に投与した。血清GHについての血液試料を、GHRHチャレンジの直前の-60分、-30分、及びチャレンジの15、30、45、60、90、及び120分後に収集した。血清GHも、M1コホートで評価した。血清GH試料を、-1日目、1日目及び7日目(投与前、投与後0.5、1、2、3、4、6、8、10、12、及び18時間)、2~6日目(投与前及び投与後12時間)、並びに8日目、10日目及び14日目(投与とおよそ同じ時間に)に収集した。
【0266】
IGF-1の評価:血清IGF-1の評価のために、単回用量コホートでは、血清IGF-1を、-1日目及び1日目(投与前~投与後18時間)、並びに2日目及び7日目(GHRHが1日目に投与されたのとおよそ同じ時間に)に収集した。M1コホートでは、IGF-1試料を、-1日目、1日目及び7日目に投与前、投与後6時間及び12時間、2~6日目に投与前及び投与後12時間、並びに8日目、10日目及び14日目に投与とおよそ同じ時間に得た。M2及び後続のコホートについて、IGF-1試料を、-1日目、1日目及び10日目に投与前、投与後6時間及び12時間、2~9日目に投与前及び投与後12時間、並びに11日目、14日目、及び21日目に投与とおよそ同じ時間に得た。
【0267】
安全性評価:安全性評価には、臨床検査のモニタリング、心血管安全性モニタリング(連続的なホルターモニタリング、ECG、遠隔計測)、並びに研究ユニットにおいて研究全体を通してスケジュールされた時間、及び退院後(単回用量の最大9日後、又は複数回用量コホートについては最終用量の最大11日後)に実施される身体検査が含まれた。有害事象及び併用薬品を記録した。臨床化学、血液学、凝固試験、及び尿検査のための検査試料を、絶食条件下で収集した。
【0268】
複数回用量コホートでは、ベースライン血清TSH、ACTH、及びプロラクチン試料を-2日目に収集し、経口グルコース耐性試験(OGTT)を-7日目又はそれ以前に実施した。これらの評価を8日目(M1)又は11日目(M2及び後続のコホート)に繰り返した。
【0269】
経口グルコース耐性試験(75gのグルコース負荷)を、ベースライン時及び化合物Aによる繰り返し投与後に健康な対象に投与した。ベースライン時(-7日目)のグルコースチャレンジ前に異常な血液グルコース値を示した対象はいなかった。臨床的に有意な低血糖は、コホートM3(化合物A-HCl-20mg/日で10日間)では、グルコースチャレンジ後2時間及び3時間で1人の対象に発生し、コホートM4(化合物A-HCl-30mg/日で10日間)では、ベースライン評価(-7日目)でグルコースチャレンジ後3時間で1人の対象に発生した。
【0270】
無症候性高血糖の2つのTEAEが発生した。両方の事象は、経口グルコースの1時間後に発生し、10日間の化合物A投与の完了後の、スケジュールされたOGTT中の負荷の2時間後までに解決した。コホートM3における1人の対象は、経口グルコースチャレンジの1時間後に12.2mmol/L(220mg/dL)のピークグルコース濃度を経験し、これはチャレンジの2時間後までに5.8mmol/L(104mg/dL)に正常化された。コホートM2(化合物A-HCl-10mg/日で10日間)における1人の対象は、経口グルコースチャレンジの1時間後に12.4mmol/L(223mg/dL)のピークグルコース濃度を経験し、これはチャレンジの2時間後までに4.3mmol/L(77mg/dL)に正常化された。これらの症例では、高血糖又は他の後遺症の症状は報告されなかった。経口グルコースチャレンジの1時間後の孤立した高血糖の臨床的意義は不明である。
【0271】
最大30mgの化合物Aによる治療は、プラセボについてのベースラインからの18%の増加と比較して、血清グルコースAUC0-3hrの増加(ベースラインから最大36%の増加)と関連付けられた。この効果は用量依存性ではなく、絶食時血漿グルコースの有意な変化と関連付けられなかった。
【0272】
ベースラインから研究薬物の最後の投与した用量の翌日までのグルコースAUC0-3hrの差は、コホートM3(化合物A-HCl-20mg/日で10日間、95%CI 1.8、8.4、p=0.0104)及びM4(化合物A-HCl-30mg/日で10日間、95%CI 1.8、4.6、p=0.0021)について有意であったが、この所見は、対象及び観察の数が少ないことによって制限されている(以下の表を参照されたい)。
【0273】
【表17】
【0274】
分析方法:血清を、製造業者からの指示(IGF-1及びヒトGH診断アッセイ、Siemens Immulite(登録商標)1000システム)に従って、IGF-1及びGHについて単離し、保管し、分析した。
【0275】
化合物Aについての血漿薬物動態試料分析は、CPR Pharma Services(Thebarton,Australia)によって検証された手順を使用して決定した。簡潔には、血漿化合物A濃度を、タンデム質量分析検出(MS/MS)と一体となった高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によって決定した。重水素化化合物Aを内部標準として使用した。支持された液体抽出を使用して、化合物A及び内部標準物を抽出した。分析物を、ACE C18-ARカラム(Advanced Chromatography Technologies,Ltd)を使用してHPLCによって分離し、溶出物を、陽性多重反応モニタリングモードでAPI4000(商標)LC-MS/MSシステム(Sciex、Framingham,MA)によってモニタリングした。次いで、抽出物を較正曲線に対してアッセイした。データは、データ取得ソフトウェアAnalyst(登録商標)(Sciex)によって取得及び統合され、API4000(商標)LC-MS/MSシステムに直接リンクされ、次いで、該当する場合はWatson LIMS(商標)ソフトウェア(Thermo Scientific)を使用して処理された。較正範囲は100μLの血漿を使用して0.100~100ng/mLであり、定量の下限は0.100ng/mLであった。アッセイ間正確性は94%~100%であり、アッセイ間精度(%CV)は6.1%~15%であった。
【0276】
統計分析:研究評価項目は、GHRH刺激GH及びIGF-1(薬力学)、薬物動態(製剤及び食物効果を含む)、安全性、並びに認容性に対する化合物Aの効果であった。GHRH刺激GH及びIGF-1に対する化合物A効果の分析のために、薬力学集団は、任意の量の研究薬物を受け、少なくとも1つのベースライン後の薬力学評価を有した1.25mg、2.5mg、5mg、10mg、及び20mg(S1、S2、S3、S4A、及びS5)の単回用量コホートにおける全ての無作為化された参加者を含んだ。各投与コホートとプラセボを受けた全ての参加者との間のANOVAを使用して、ベースラインからの0時間~2時間の血清GH曲線下面積(AUC)(AUC0-2)のパーセント変化を比較した。単回用量の薬力学集団は、S1、S2、S3、S4、及びS5コホートからの39人の参加者を含んだ(パルツソチンn=29、プラセボn=10)。M1、M3、及びM4コホートの各々における1人の参加者、並びに2人のプラセボ治療の参加者は、全ての用量を受けなかったため、薬力学集団に含めるための基準を満たさなかった。複数回用量コホートについては、全ての用量を受けた参加者のみが含まれた。最終用量の12時間後のIGF-1レベルのベースラインからの変化(3又は4回の測定の平均)を、各投与コホートとプラセボを受けた全ての参加者との間のANOVAによって比較した。複数回用量の薬力学集団は、M1、M2、M3、及びM4コホート(化合物A n=21、プラセボn=10)からの31人の参加者を含んだ。
【0277】
化合物Aの薬物動態を評価するために、単回用量の薬物動態集団は、十分な血漿濃度データを有する任意の量の研究薬物を受けた全ての無作為化された参加者を含んだ。複数回用量コホートについては、全ての用量を受けた参加者のみが含まれた。カプセル製剤の相対的バイオアベイラビリティを、その薬物動態パラメータを10mg用量での溶液製剤のパラメータと比較することによって決定した。食物効果は、絶食状態における薬物動態パラメータを、化合物Aを高脂肪高カロリー食とともに投与したときのパラメータと比較することによって、同じ用量で決定した。製剤と食物効果との両方について、固定効果としての治療及びランダム効果としての対象を有するANOVAを行った。ピーク濃度(Cmax)、AUC0-last、及びAUC0-infについてのデータは、自然対数変換した。
【0278】
実施例6:化合物Aの2つの製剤の相対的バイオアベイラビリティ、性能、及び安全性を評価するための第1相マルチコホート単回用量研究
本研究は、最大3つのコホートで実施され、各々が特定の主要目的を有する。
【0279】
コホート1:化合物A-HCl塩の噴霧乾燥分散体(SDD)により調製した10mgの錠剤の性能を特徴付けること。
【0280】
コホート2:10mgのSDD錠剤の相対的バイオアベイラビリティを、化合物A-HClホットメルト造粒(HMG)製剤、10mgのカプセルと比較して評価すること。低用量の10mgのSDD錠剤の薬物動態に対する食物投与のタイミングの効果を決定すること。
【0281】
コホート3:20mgより高い用量でのSDD錠剤の薬物動態及び用量比例性に対する食物投与のタイミングの効果を決定すること。投与後の短い絶食期間で、十分な全身曝露をもたらす最適な投与レジメンを決定すること。
【0282】
コホート4:20mgより高い用量でのSDD錠剤の薬物動態に対する食物投与のタイミングの効果を決定すること。低い投与後の絶食期間で、高い全身曝露をもたらすパルツソチンの最適な投与レジメンを決定すること
【0283】
コホート5:60mgの用量のSDD錠剤の薬物動態に対するプロトンポンプ阻害剤(PPI)、ランソプラゾールの効果を決定すること。60mgの用量のSDD錠剤の薬物動態に対する低脂肪食の効果を決定すること。
【0284】
研究設計:
最大36(36)人の健康な男性及び女性の対象を登録した。コホート1~2は各々4つの期間からなり、コホート3は3つの期間からなった。
【0285】
コホート1:
SDD錠剤を評価した。最大12(12)人の健康な男性及び女性の対象を各コホートに登録した。コホート1は4つの期間からなった。期間1では、対象にプロトンポンプ阻害剤(ランソプラゾール、15mgのBID、3日間(-3日目から)、食事の少なくとも30分前に経口服用、朝1回、及び夕方1回)を投与した。4日目(研究の1日目)に、絶食した対象に、20mgの化合物A(SDD錠剤の2×10mg)の60分前に、ランソプラゾール(15mg)の最終用量を服用させた。期間2では、絶食した対象に、20mgの化合物A(SDD錠剤の2×10mg)を投与した。期間3では、絶食した対象に、20mgの化合物A(SDD錠剤の2×10mg)を、高脂肪高カロリー食とともに投与した。期間4では、絶食した対象に、80mgの化合物A(SDD錠剤の最大8×10mg)を服用させることになる。実際の用量は、期間2からの薬物動態データに基づいて選択した。
【0286】
期間1の場合:投与前の夕方(-1日目)に、対象に、15mgのランソプラゾールの夕方の用量を投与し、ランソプラゾールの投与の少なくとも30分後に夕食を提供し、次いで、-1日目に一晩(≧10時間)の絶食を求めた。1日目に、対象に、化合物A(2×10mgのSDD錠剤)の投与の少なくとも60分前に、朝の用量(最終用量)の15mgのランソプラゾールを投与した。化合物Aの後、対象に2時間の絶食を継続させ、その後、標準食を摂取することを許可した。
【0287】
期間2の場合:対象に、7日目に一晩(≧10時間)の絶食を求めた。8日目に、20mgの化合物A(2×10mgのSDD錠剤)を経口投与した。化合物Aの後、対象に2時間の絶食を継続させ、その後、標準食を摂取することを許可した。
【0288】
期間3の場合:対象に、14日目に一晩(≧10時間)の絶食を求めた。15日目に、対象に、30分以内に高脂肪高カロリー食を摂取することを許可した。食事の摂取が完了すると、化合物A(2×10mgのSDD錠剤)を投与した(食事の開始後30分以内)。化合物Aの投与後少なくとも4時間、追加の食物を提供しなかった。
【0289】
-1日目の3日前及び研究全体を通して、対象が>30分/日の激しい運動を行うことを許可しなかった。
【0290】
有害事象(AE)モニタリング、臨床検査、バイタルサイン測定、12誘導ECG、ホルター及び遠隔計測モニタリング(期間4のみ)、並びに身体検査を含むPK及び安全性評価を、研究全体を通してスケジュールされた時間に実施した。
【0291】
コホート2:
コホートは4つの期間からなった。各期間において、20mgの化合物A(2×10mgのSDD)の単回用量を経口投与した。
【0292】
期間1の場合:対象に、-1日目に一晩(≧10時間)の絶食を求めた。1日目に、20mgの化合物A(2×10mgのHMGカプセル、参照製剤)の投与の2時間後に低脂肪食を与えた。
【0293】
期間2の場合:対象に、7日目に一晩(≧10時間)の絶食を求めた。8日目に、対象に、20mgの化合物A(2×10mgのSDD錠剤、試験製剤)の投与の2時間後に低脂肪食を与えた。
【0294】
期間3の場合:対象に、14日目に一晩(≧10時間)の絶食を求めた。15日目に、対象に、20mgの化合物A(2×10mgのSDD錠剤)の投与の1時間後に低脂肪食を与えた。
【0295】
期間4の場合:対象に、21日目に一晩(≧10時間)の絶食を求めた。22日目に、対象に、20mgの化合物A(2×10mgのSDD錠剤)の投与の0.5時間後に低脂肪食を与えた。
【0296】
最終の研究来院は29日目に行われた。-1日目の3日前及び研究全体を通して、対象が>30分/日の激しい運動を行うことを許可しなかった。有害事象(AE)モニタリング、臨床検査、バイタルサイン測定、12誘導ECG、及び身体検査を含むPK及び安全性評価を、研究全体を通してスケジュールされた時間に実施した。
【0297】
コホート3:
コホートは3つの期間からなった。各期間において、化合物AのSDD(40、60、又は80mg)の単回用量を経口投与した(4×10mgのSDD錠剤、6×10mgのSDD錠剤、又は8×10mgのSDD錠剤)。化合物Aの各用量の間に、少なくとも10日間のウォッシュアウト期間があった。
【0298】
期間1の場合:対象に、-1日目に一晩(≧10時間)の絶食を求めた。1日目に、対象に、40mgの化合物A(4×10mgのSDD錠剤)の投与の1時間後に標準食を与えた。
【0299】
期間2の場合:対象に、10日目に一晩(≧10時間)の絶食を求めた。11日目に、対象に、80の化合物A(8×10mgのSDD錠剤)の投与の1時間又は2時間後に標準食を与えた。食事のタイミング(化合物Aの投与後1時間又は2時間)は、期間1で決定した平均AUC0-24に依存した。
【0300】
期間3の場合:対象に、20日目に一晩(≧10時間)の絶食を求めた。21日目に、対象に、60又は80mgの化合物A(6×10mgのSDD錠剤又は8×10mgのSDD錠剤)の投与の1時間又は4時間後に標準食を与えた。標準食の用量及びタイミングは、期間2で決定した平均AUC0-24に依存した。
【0301】
最終の研究来院は29日目に行われた。-1日目の3日前及び研究全体を通して、対象が>30分/日の激しい運動を行うことを許可しなかった。有害事象(AE)モニタリング、臨床検査、バイタルサイン測定、12誘導ECG、及び身体検査を含むPK及び安全性評価を、研究全体を通してスケジュールされた時間に実施した。
【0302】
コホート4:
コホート4は、以下のような3つの期間からなった。
【0303】
期間1では、絶食した対象に、40mg(4×10mg)のパルツソチンSDD錠剤の投与の1時間後に標準食を与えた。
【0304】
期間2では、絶食した対象に、80mg(8×10mg)のパルツソチンSDD錠剤の投与の1時間後に標準食を与えた。
【0305】
期間3では、絶食した対象に、80mg(8×10mg)のパルツソチンSDD錠剤の投与の4時間後に標準食を与えた。
【0306】
コホート5:
コホートは3つの期間からなった。3×20mgのSDD錠剤として投与される60mgのパルツソチンのPKを、次の基準:パルツソチンのPKに対する低脂肪食の効果(期間1及び期間3)、及びパルツソチンのPKに対するPPIランソプラゾールの効果(期間2)を使用して、以下のように評価した。
【0307】
期間1では、絶食した対象に、60mg(3×20mg)のパルツソチンSDD錠剤の投与の1時間後に低脂肪食を与えた。低脂肪食:400~500カロリーで、カロリーのうちの25%が脂肪に由来する(11~14グラム)。
【0308】
期間2では、対象に、ランソプラゾール(15mgのBID、3日間、食事の少なくとも30分前に経口服用)を投与した。4日目に、絶食した対象に、60mgのパルツソチン(3×20mgのSDD錠剤)の投与の60分前に、ランソプラゾール(15mg)の最終用量を投与した。パルツソチンの投与後、対象に1時間の絶食を継続させ、その後、対象に低脂肪食を提供した。対象は、用量投与後4時間まで絶食したままであった。
【0309】
期間3では、絶食した対象に、30分以内に低脂肪食を摂取させた。食事の摂取が完了すると(ただし、食事の開始後30分以内)、対象に60mgのパルツソチン(3×20mgのSDD錠剤)を投与した。対象は、用量投与後4時間まで絶食したままであった
【0310】
研究集団:
18~55歳の端点を含む年齢間の、健康な男性又は女性の対象を最大36人登録した。コホート2のみについて、スクリーニング時に18~65歳の端点を含む年齢の男性及び女性の対象。
【0311】
組み入れ基準
各対象は、研究に登録するために以下の組み入れ基準のうちの全てを満たす必要があった:スクリーニング時に18~55歳の端点を含む年齢の男性及び女性の対象。コホート2のみについて、スクリーニング時に18~65歳の端点を含む年齢の男性及び女性の対象。18~30kg/mの端点を含む肥満度指数(BMI)。-1日目の3日前及び研究全体を通して、1日当たり30分超として定義される、激しい不慣れな運動及びスポーツを控える意思があること。対象が異性愛又は両性愛の女性である場合、妊娠可能ではないか、又は非常に有効な、若しくは臨床的に許容される2つの避妊法を使用することに同意しなければならない。
【0312】
除外基準
以下の基準のうちのいずれかを満たす健康な対象を、研究から除外した。化合物Aによる以前の治療。研究参加を危険にするか、又は研究の評価項目の評価を妨げる可能性がある、任意の制御されていない又は活動性の主要な全身性疾患。十分に治療された皮膚の基底細胞がん又は扁平上皮がんを除く、過去5年以内の悪性腫瘍の既往歴又は存在。活動性の急性又は慢性感染症。研究薬物の最初の投与前の、過去60日間又は5半減期のいずれか長い方のうちの任意の治験薬の使用。入院前48時間のタバコ及び/又はニコチン含有製品、快楽薬物、又はアルコールの使用、並びに研究全体を通して使用を控えることへの同意。スクリーニング前の<1年のアルコール乱用歴及び/若しくは他の薬物依存歴又は現在の乱用及び/若しくは依存。-1日目の14日以内に、任意の処方薬又は市販(OTC)薬品又は代替医薬品を使用した。-1日目前の48時間、及び全ての後続期間の各健診日前の48時間の、カフェイン含有飲料又は食物の使用。研究評価が完了するまで、スクリーニング前の7日以内にケシの実を含有する食物を摂取している。中程度の又は強力なCYP3A4阻害剤又は誘導剤を服用している。-1日目の3日前及び研究全体にわたる、>30分/日の激しい運動。入院前の3ヶ月以内に、失血≧500mLがあったか、又は献血をした。>2×ULNのアミラーゼ及び/若しくはリパーゼレベル、>2×ULNのアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)及び/若しくはアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、>1.5×ULNの総ビリルビン(既知のギルバート症候群の場合を除く)、並びに/又は正常の上限を超える血清クレアチニンを有する。研究薬物中の任意の賦形剤に対する過敏性反応の既往歴。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、B型肝炎表面抗原(HBsAg)、若しくはC型肝炎抗体(HCV-Ab)についてのスクリーニング時の試験で陽性であったか、又は陽性の結果の既往歴を有する。血清妊娠検査が陽性であるか、又は授乳中である女性の対象。コホート1のみについて、CYP2C19の不良代謝者又は超高速代謝者として分類される対象。
【0313】
試験製品、用量、及び投与様式:
10mgの錠剤(SDD)。所与の期間/コホートに指定された用量に応じて、複数の錠剤を水で嚥下させた。
【0314】
20mgの錠剤(SDD)。所与の期間/コホートに指定された用量に応じて、複数の錠剤を水で嚥下させた。
【0315】
参照療法、用量、及び投与様式:
10mgのHMGカプセル製剤を参照製剤として供給した。所与の期間/コホートに指定された用量に応じて、複数のカプセルを水で嚥下させた。
【0316】
血漿薬物動態パラメータ:
血液PK試料を収集して、化合物Aの血漿濃度を評価した。
【0317】
PKパラメータを化合物Aについて計算し、次のものを以下の表に示す。0~24時間の血漿濃度曲線下面積(AUC0-24)、最大血漿濃度(Cmax)、最大血漿濃度を達成するまでの時間(Tmax)。
【0318】
結果
この臨床試験からの結果は、プロトンポンプ阻害剤の同時投与がSDD錠剤の投与で観察された薬物動態に与える影響はわずかしかなく、SDD錠剤を用いてより短い絶食時間が実現され、SDD錠剤がより良好な用量比例薬物動態を提供することを示した。
【0319】
コホート1からの結果を表17に提示する。
【0320】
【表18】
【0321】
コホート1(異なる条件下でのSDD 10mg×2):PPIを伴うか又は伴わない観察された曝露は、ほとんど同等である。コホート1(SDD 10mg×2対10mg×6):比較的に用量比例的な曝露の増加が観察された。
【0322】
SDD錠剤は、80mgの用量までの合計全身曝露(AUC)の用量比例的な増加を示した。
【0323】
SDD錠剤と比較して、HMGカプセルでは、比較的に用量比例的な曝露の増加は観察されなかった。図1を参照されたい。以前の臨床研究から得られたHMGカプセルについての用量比例性データを、表18に提示する。
【0324】
【表19】
【0325】
コホート2からの結果を表19に提示する。
【0326】
【表20】
【0327】
コホート2(SDD 10mg×2対HMG、及び異なる投与後の絶食期間下):SDD錠剤は、HMGカプセルよりも良好な曝露を有したようには思われず、2つの製剤は比較的同等であった。SDD錠剤については、投与後1時間の絶食後のAUC0-24(吸収の程度の尺度)は、投与後2時間の絶食で観察されるAUCの82%まで減少し、これは比較的小さな曝露の減少である。
【0328】
異なる投与後の絶食期間のシナリオ下でのSDD錠剤の性能と比較して、以前に完了した臨床研究における異なる投与後の絶食期間のシナリオ下で、HMGカプセルは不良な性能を示した。12人の対象(N=4人の男性、N=8人の女性)に20mgの用量(10mgのHMGカプセルx2)を投与した後に得られた薬物動態データを、表20に提示する。
【0329】
【表21】
【0330】
HMGカプセル製剤では、投与後1時間の絶食対投与後2時間の絶食で、およそ30%の吸収の程度の損失が観察された。
【0331】
2時間の絶食を伴うHMGカプセルを、第2相臨床研究で評価した。1時間の絶食は、2時間の絶食よりも望ましい。2時間の絶食と比較して、1時間の絶食では、AUC(0-24)の損失は18%しか観察されなかった。1時間の絶食のSDDを、第3相で利用する。重要なことに、SDD錠剤は、HMGカプセルよりも良好な用量比例性を有すると思われ、これにより、第3相臨床研究で3.0倍用量(すなわち、60mg)を投与することが可能になった。
【0332】
コホート5からの結果を表21に提示する。
【0333】
【表22】
【0334】
化合物Aの曝露(Cmax及びAUC)は、PPIとともに投与された場合、約40%減少したようであった。
【0335】
コホート5からの追加の結果を表22に提示する。
【0336】
【表23】
【0337】
化合物Aの曝露(Cmax及びAUC)は、高脂肪食とともに投与された場合の>80%の減少と比較して、低脂肪食とともに投与された場合に約60%低減したようであった。
【0338】
実施例7:ソマトスタチンアナログベースの治療レジメンで治療された先端巨大症を有する患者における化合物Aの安全性、薬物動態、及び有効性を評価するための第2相オープンラベル探索研究(アクロバットエッジ)
ソマトスタチンアナログ(SSA)ベースの治療レジメンで治療される先端巨大症を有する対象における化合物A(パルツソチンとしても既知である)の安全性、有効性、及び薬物動態を評価するように設計されたオープンラベル探索研究。
【0339】
研究設計:
介入モデル:単一群の割り当て。遮蔽化:なし(オープンラベル)。主要目的:治療。
【0340】
試験製品、用量、及び投与様式:
5mg又は10mgのHMGカプセル製剤。所与の期間/コホートに指定された用量に応じて、複数のカプセルを水で嚥下させた。登録した患者は、10mg/日の経口パルツソチンによる治療を開始した。2週目、5週目、及び8週目にそれぞれ測定したIGF-1レベルに従って、4週目、7週目、及び10週目に、用量を10mgの増分で最大40mg/日まで二重盲検様式で上方滴定した。患者が現在の用量を許容していることを治験責任医師が確認し、IGF-1が2週目及び5週目に>0.9×ULN、又は8週目に>1.0×ULNであることを非盲検中央IGF-1リーダーが決定した場合に、上方滴定を行った。患者が現在の用量を許容しなかった場合、以前の用量レベル(例えば、20mg~10mg、10mg~5mg)への用量減少を行った。許容用量で正常範囲へのIGF-1抑制が達成された場合、用量変更は行わなかった
【0341】
評価項目の測定
主要評価項目の測定:インスリン様成長因子-1(IGF-1)レベルにおけるベースライン(スクリーニング値の平均)からの変化[時間枠:13週間]。
【0342】
副次評価項目の測定:1)≦正常の上限(ULN)の最後のIGF-1測定値を有する対象の割合[時間枠:13週間]。2)≦1.5×ULNの最後のIGF-1測定値を有する対象の割合[時間枠:13週間]。
【0343】
適格性基準
組み入れ基準
18~70歳の年齢の男性及び女性の対象。プロトコルで定義されたソマトスタチンアナログ療法レジメンに対する部分奏効又は完全奏効のいずれかを伴う先端巨大症の確認された診断。女性は、妊娠していない、及び授乳中ではない、かつ外科的に不妊、閉経後、又は産児制限の有効な方法を使用することのいずれかでなければならない。インフォームドコンセントを提供する意思があること。
【0344】
除外基準
治療ナイーブの先端巨大症の対象。パルツソチンによる以前の治療。スクリーニング前の6ヶ月以内の下垂体手術。放射線療法を受けている対象は、いくつかの制限を伴って適格であり得る。十分に治療された皮膚の基底細胞がん及び扁平上皮がんを除く、過去5年以内の悪性腫瘍の既往歴又は存在。過去30日間又は5半減期のいずれか長い方のうちの任意の治験薬の使用。HIV、B型肝炎表面抗原(HBsAg)、若しくはC型肝炎抗体(HCV-Ab)についてのスクリーニング時の陽性試験、又は陽性の結果の既往歴を有する。過去12ヶ月におけるアルコール又は物質乱用歴。治験責任医師の意見において、対象の本研究への適切な参加を危険にさらすであろう任意の病態。QTの延長に関連付けられる心血管の病態若しくは薬品、又は対象を心拍異常にする素因となるもの。症候性胆石症を有する対象。スクリーニング期間中に臨床的に有意な異常所見、及び治験責任医師の意見において、対象の安全性又は研究を完了する能力を危険にさらす可能性のある任意の他の医学的病態又は検査所見を有する対象。40mgより高い用量でのオクトレオチドLAR、又は120mgより高い用量でのランレオチドデポ、又は60mgより高い用量でのパシレオチドLARを服用している対象。通常、オクトレオチドLAR又はランレオチドデポを4週間毎(例えば、6週間又は8週間毎)より少ない頻度で服用する対象。
【0345】
患者が報告した評価項目
患者は、9項目の先端巨大症症状日記(ASD)を使用して、毎日の先端巨大症症状を記録した。ASDは、頭痛、関節痛、発汗、疲労、脚の脱力感、腫れ、しびれ/刺痛、睡眠障害、及び短期記憶障害を含む、先端巨大症に関連付けられる症状の9項目の患者が報告した尺度である。以前の24時間に経験した症状は、0(症状なし)~10(最悪の症状)の11ポイント尺度で評価する。患者による全般的印象改善度(Patient Global Impression of Improvement)(PGI-I)の尺度を、13週目(治療終了)に完了した。
【0346】
先端巨大症症状スコア及び症状改善の全体的印象は、パルツソチン治療で維持又は改善されることが観察された。先端巨大症症状日記(ASD)の最終バージョンは、本研究において20人の患者によって完成された。最大で70の症候性スコアのうち、ベースライン総ASDスコアの中央値は低く[中央値(IQR)=12.00(4.21、23.93)n=20]、この研究集団では、ベースラインでの症状負担が低かったことを示唆している。スコアは、ベースラインから13週/EoTまでのわずかな低減を示した[中央値(IQR)=-0.43(-5.0、2.4)n=18。パルツソチンのウォッシュアウト後、EoTと比較して総ASDスコアにおいて数値的な増加があったが、治療及びウォッシュアウト中の変化は、統計的に有意ではなかった。
【0347】
13週/EoTで示されたPGI-Iに対する応答では、デポSRLで治療している間、研究開始前と比較して、11人(23.4%)の患者は「非常に大幅な改善」又は「大幅な改善」を有し、これに対して、26人(55.3%)の患者は「最小限の改善」を有したか、又は「変化なし」を報告した。いずれの悪化の程度を報告した患者はいなかった。
【0348】
実施例8:先端巨大症の治療のための化合物Aの安全性及び有効性を評価するための第2相研究(アクロバットエボルブ)
オクトレオチドLAR又はランレオチドデポへの応答者である先端巨大症を有する対象における化合物Aの安全性、有効性、及び薬物動態を評価するように設計された第2相二重盲検プラセボ対照無作為化離脱研究。
【0349】
研究設計:
割り付け:無作為化。介入モデル:並行群間比較。遮蔽化:三重(参加者、医療提供者、治験責任医師)。主要目的:治療。
【0350】
試験製品、用量、及び投与様式:
10mgのHMGカプセル製剤。所与の期間/コホートに指定された用量に応じて、複数のカプセルを水で嚥下させた。
【0351】
評価項目の測定
主要評価項目の測定:応答者基準を満たす対象の割合(≦正常の上限[ULN]の2つの連続したインスリン様成長因子-1[IGF-1]測定値の平均に基づく)(時間枠:13週間)。
【0352】
副次評価項目の測定:1)IGF-1レベルの変化[時間枠:10週目~13週目]。2)成長ホルモン(GH)レベルの変化[時間枠:8週目~13週目]。3)先端巨大症の症状を評価した患者の変化[時間枠:10週目~13週目]。個々の先端巨大症の症状の強度の各々(頭痛、関節痛、発汗、疲労、脚の脱力感、腫れ、しびれ又は刺痛)を追加することによって計算した総スコア。
【0353】
適格性基準
組み入れ基準
18~70歳の年齢の男性及び女性の対象。オクトレオチドLAR又はランレオチドデポの安定した用量で制御されている先端巨大症の確認された診断。女性は、妊娠していない、及び授乳中ではない、かつ外科的に不妊、閉経後、又は産児制限の有効な方法を使用することのいずれかでなければならない。署名したインフォームドコンセントを提供する意思があること。
【0354】
除外基準
治療ナイーブの先端巨大症の対象。化合物Aによる以前の治療。研究エントリ前の任意の時点における、スクリーニング又は放射線療法前の6ヶ月以内の下垂体手術。最近文書化されたIGF-1の上昇を伴う下垂体放射線療法(研究エントリ前の3~4年以内又は4年超)は適格である可能性がある。十分に治療された皮膚の基底細胞がん及び扁平上皮がんを除く、過去5年以内の悪性腫瘍の既往歴又は存在。過去30日間又は5半減期のいずれか長い方のうちの任意の治験薬の使用。HIV、B型肝炎表面抗原(HBsAg)、若しくはC型肝炎抗体(HCV-Ab)についてのスクリーニング時の陽性試験、又は陽性の結果の既往歴を有する。過去12ヶ月におけるアルコール又は物質乱用歴。治験責任医師の意見において、対象の本研究への適切な参加を危険にさらすであろう任意の病態。QTの延長に関連付けられる心血管の病態若しくは薬品、又は対象を心拍異常にする素因となるもの。症候性胆石症を有する対象。スクリーニング期間中に臨床的に有意な異常所見、及び治験責任医師の意見において、対象の安全性又は研究を完了する能力を危険にさらす可能性のある任意の他の医学的病態又は検査所見を有する対象。以前に次の薬品を服用している対象:ペグビソマント(過去3ヶ月以内)、ドーパミンアゴニスト(過去3ヶ月以内)、及びパシレオチドLAR(過去6ヶ月以内)。40mgより高い用量でのオクトレオチドLAR、又は120mgより高い用量でのランレオチドデポを服用している対象。通常、オクトレオチドLAR又はランレオチドデポを4週間毎(例えば、6週間又は8週間毎)より少ない頻度で服用する対象。
【0355】
第2相試験からの結果
25人の患者を登録した:オクトレオチド又はランレオチドで治療し、ベースラインIGF-1(×ULN):>1及び<2.5の患者。
【0356】
事前指定された一次分析集団:ベースラインで上昇したIGF-1を有するSRL(オクトレオチド又はランレオチド)で治療された患者-臨床診療における大多数の患者を表す。主要な仮説は、群がベースラインに対して13週目で中央値IGF-1の変化を示さないであろうというものであった。
【0357】
図3に示すように、パルツソチンは、注射されたSRLペプチドデポから切り替えた後、IGF-1及びGHレベルを維持した(提示されたデータは、中央値(四分位範囲[IQR]:25パーセンタイル、75パーセンタイル)Eot=13週目(来院14)として定義される治療終了、又は繰り越された治療値における最後(last on treatment value carried forward)(LOCF)である。WD後の週は、17週目、又は最終用量の少なくとも22日後の結果として定義される。注記:p値は、中央値の変化がゼロと異なるかどうかの非パラメトリックのウィルコクソンの符号順位検定に基づいている)。13週間のパルツソチン治療後のIGF-1レベルは、注射されたSRLデポで以前に治療された患者においてベースラインから有意に変化しなかった。経口パルツソチンについての治療活性の大きさを特徴付ける、離脱後(2週間以内)のIGF-1の上昇。13週間のパルツソチン治療後のGHレベルは、患者が注射されたSRLデポで以前に治療された場合、ベースラインレベルから有意に変化しなかった。離脱後のGHの上昇は、経口パルツソチンの治療活性の大きさを特徴付けた。
【0358】
図4は、アクロバットエッジ及びエボルブ試験から観察された用量応答の証拠を示す。しかしながら、使用されたHMGカプセル製剤は、40mgを超える用量比例的な薬物動態を欠いていた。
【0359】
図5に示すように、SDD錠剤、40mg/日及び60mg/日の投与は、トラフ濃度を一貫して治療範囲内にもたらすと予測される。
【0360】
いくつかの実施形態では、先端巨大症患者における長時間作用型SRLの治療効果と同等の治療効果を提供するのに必要なパルツソチンのトラフ濃度は、20ng/mL超、25ng/mL超、30ng/mL超、35ng/mL超、又は40ng/mL超である。いくつかの実施形態では、先端巨大症患者における長時間作用型SRLの治療効果と同等の治療効果を提供するのに必要なパルツソチンのトラフ濃度は、少なくとも約20ng/mL、少なくとも約25ng/mL、少なくとも約30ng/mL、少なくとも約35ng/mL、少なくとも約40ng/mL、又は少なくとも約50ng/mLである。いくつかの実施形態では、パルツソチンは、少なくとも約20ng/mL、少なくとも約21ng/mL、少なくとも約22ng/mL、少なくとも約23ng/mL、少なくとも約24ng/mL、少なくとも約25ng/mL、少なくとも約26ng/mL、少なくとも約27ng/mL、少なくとも約28ng/mL、少なくとも約29ng/mL、少なくとも約30ng/mL、少なくとも約31ng/mL、少なくとも約32ng/mL、少なくとも約33ng/mL、少なくとも約34ng/mL、少なくとも約35ng/mL、少なくとも約36ng/mL、少なくとも約37ng/mL、少なくとも約38ng/mL、少なくとも約39ng/mL、又は少なくとも約40ng/mLであるパルツソチンのトラフ濃度を提供するのに十分な用量で投与される。いくつかの実施形態では、パルツソチンは、少なくとも約32ng/mLであるパルツソチンのトラフ濃度を提供するのに十分な用量で投与される。
【0361】
図6に示すように、60mgのSDD(投与後1時間絶食)におけるPPIを服用している先端巨大症患者の「予測される」定常状態トラフ濃度の中央値は、40mgのHMG(投与後2時間絶食)における先端巨大症患者の定常状態トラフ濃度の中央値に類似している。
【0362】
実施例9:先端巨大症の治療のための化合物A-HCl(パルツソチン)の安全性及び有効性を評価するための長期研究(アクロバットアドバンス)
アクロバットアドバンスは、アクロバットエボルブ及びエッジ研究からロールオーバーする患者におけるパルツソチンの進行中のオープンラベル、長期(5年間)の安全性及び有効性研究である。
【0363】
アクロバットエッジ及びエボルブを完了した適格な患者を、親研究におけるウォッシュアウト期間が完了すると直ちに、又は患者が日常の標準ケア治療に戻る間のギャップの後にアクロバットアドバンスに入れた。パルツソチン療法:10mg/日で開始し、IGF-1及び認容性に基づいて40mg/日の最大用量まで滴定した。患者に、10mgのHMGカプセルを投与した。40mg/日のパルツソチン単独療法で治療標的に達していない患者に対して、組み合わせ療法を許可した。
【0364】
IGF-1を、WHO組換え参照標準02/254に較正されたIDS-ISYSアッセイで中央測定した。
【0365】
アクロバットアドバンス患者のベースライン特性:41人の患者を登録した。これらの患者では、診断から129.7(79.8)ヶ月であった(平均(SD))。平均(SD)年齢は53.2(11.5)であった。患者のうちの23人は女性であった。患者のうち35人は、以前に下垂体手術を受けていた。
【0366】
試験前の医学的治療(試験前は、直接ロールオーバーについて親試験前、及び遅延ロールオーバーについてアクロバットアドバンス前として定義される)には、以下が含まれる。
【0367】
【表24】
【0368】
約0.5mg/週~約0.5mg/日の頻度で投与されるカベルゴリン。
【0369】
第2相試験からの結果を図7a、7b、8a、及び8bに示す。
【0370】
1日1回、経口パルツソチンは、最大51週間、以前に注射されたSRL療法と同等のレベルでIGF-1を低下させ、維持する
【0371】
パルツソチンは、カベルゴリンと組み合わせて使用する場合を含め、SRLのものに類似する安全性プロファイルで十分に許容される。
【0372】
実施例10:長時間作用型ソマトスタチン受容体リガンドで治療された先端巨大症を有する対象における、先端巨大症の治療のための化合物Aの安全性及び有効性を評価するための第3相研究
これは、長時間作用型ソマトスタチン受容体リガンドで治療された先端巨大症を有する対象における、化合物A(パルツソチンとしても既知である)の安全性及び有効性を評価するための無作為化、対照、多施設研究である
【0373】
対象は、生化学的状態及び認容性に基づいて、オクトレオチド/ランレオチドの安定したレジメンから40mgのパルツソチンに切り替えられ、その用量は最大60mgまで滴定される。下方滴定は、認容性に基づいて許可される。滴定期間の終了(24週目)までに、残留の試験前のオクトレオチド又はランレオチドの濃度が低すぎて有効性に寄与しないことが予期される。
【0374】
全体設計
研究には、15~19週間のスクリーニング期間が含まれる。スクリーニング期間の開始時に、対象は、治験依頼者が提供する長時間作用型オクトレオチド又はランレオチドを受ける。スクリーニング期間の終了時に、対象が適格である場合、対象はパルツソチン又はプラセボのいずれかを受けるように1:1の比率で無作為に割り当てられる。治療期間の終了時に、治験責任医師の意見において、パルツソチンによる治療から利益を得る可能性がある対象は、最大96週間の長期オープンラベルの拡張(OLE)に登録することができる。OLE中、全ての対象はパルツソチンを受ける。
【0375】
組み入れ基準
スクリーニングの前に少なくとも12週間、医学的に安定した、確認された活動性先端巨大症を有し、かつ承認された安定した用量の長時間作用型オクトレオチド又はランレオチドにおける≧18歳の成人。オクトレオチド又はランレオチドの単独療法による連続的な治療は、スクリーニングの少なくとも12週間前でなければならない。この研究には、以下の以前の治療レジメンを含めることを許可する。長時間作用型オクトレオチド:4週間毎に10、20、30、40mg、又は長時間作用型ランレオチド:4週間毎に60、90、120mg、若しくは6週間又は8週間毎に120mg。
【0376】
先端巨大症の以前の診断。これには、スクリーニングの少なくとも24週間前に、下垂体の画像診断又は下垂体腺腫の組織病理学的確認によって診断された下垂体腫瘍の評価可能な文書が必要である。
【0377】
下垂体手術を受けた対象については、最後の下垂体手術の少なくとも12週間後にIGF-1濃度≧1.3×ULNの文書がなければならない。手術は、スクリーニング前の≧24週間に行われていなければならない。下垂体手術を受けていない対象は、スクリーニング前の≧24週間に行われたIGF-1濃度≧1.3×ULNの文書を有していなければならない。
【0378】
スクリーニング及び試験評価
IGF-1は、対象が治験依頼者が提供する薬品で治療を開始するためには、≦1.2×ULNでなければならない。スクリーニング期間(-8週目及び-4週目)の終了時に、対象は、適格性を再確認するために2回のIGF-1試験を受ける。2つの測定値の平均は、適格性のためのIGF-1基準を満たさなければならない。3つのIGF-1測定値が必要である場合(-2週目)、3つの測定値の平均は、適格性のためのIGF-1基準を満たさなければならない。
【0379】
除外基準
治療ナイーブ又は治療離脱の先端巨大症の対象。下垂体放射線療法の既往歴。スクリーニング時に十分な副腎補充療法を受けていない副腎不全を有する対象。
【0380】
以下によって定義される高リスク下垂体腫瘍パターン:視神経交差の圧迫又は隣接する脳構造(蝶形骨洞又は海綿静脈洞を除く)の浸潤、手術後1年以内の腫瘍成長の既往歴(医学的療法中断の期間中に発生した場合を除く)、研究の時間経過内の神経外科的介入又は放射線療法についての予想される要件、現在又は過去のいずれかの時点での下垂体がん。
【0381】
スクリーニング前4週間以内の任意の原因のための大手術/手術療法の既往歴。
【0382】
過去5年以内の活動性の悪性腫瘍疾患。
【0383】
以下の薬品の使用:パシレオチドLAR(スクリーニング前の24週間以内)、ペグビソマント(スクリーニング前の12週間以内)、ドーパミンアゴニスト(スクリーニング前の12週間以内)、又は研究薬物の第1の用量前の最後の12週間以内の短時間作用型ソマトスタチンアナログ(SA-SSA)。これらの薬物の離脱は、スクリーニング前の対象の医療計画の一部であるべきである。
【0384】
本研究を妨げるであろう薬品の現在又は最近の使用。
【0385】
スクリーニング
研究には、15~19週間のスクリーニング期間が含まれる。IGF-1は、対象が治験依頼者が提供する長時間作用型オクトレオチド又はランレオチドで治療を開始するためには、≦1.2×ULNでなければならない。研究前に使用したランレオチド/オクトレオチド注射の投与間隔(4週間毎、6週間毎、又は8週間毎)は、スクリーニング期間中に維持されるべきである。この投与は、治験責任医師の現場において行われる。IGF-1が≦1.2×ULNではない場合、対象はスクリーニング失敗とみなされる。
【0386】
スクリーニング期間(-8週目及び-4週目)の終了に近づくと、対象は、適格性を再確認するために2回のIGF-1試験を受ける。2つの測定値の平均は、適格性のためのIGF-1基準を満たさなければならない。3つのIGF-1測定値が必要である場合(-2週目)、3つの測定値の平均は、適格性のためのIGF-1基準を満たさなければならない。
【0387】
治験依頼者が提供するオクトレオチド/ランレオチドについての投与間隔を以下に提示する。
【0388】
【表25】
【0389】
治療期間(無作為化、対照相[RC相])
全ての適格性基準及び平均スクリーニング期間IGF-1≦1.0×ULNを満たす対象は、パルツソチン(n=26)又はプラセボ(n=26)のいずれかに無作為化(1:1)される。
【0390】
オクトレオチド/ランレオチドの注射は、主要な時間的事象である。対象がオクトレオチド/ランレオチドをそれぞれ4週間又は6週間毎に投与される場合、1日目(治療開始)は、ランレオチドの最終用量の4週間(±3日)後、又は6週間(±3日)後でなければならない。加えて、対象が8週間毎にランレオチドを投与している場合、1日目(治療開始)は、ランレオチドの最終用量の8週間(±3日)後でなければならない。
【0391】
治療期間は、およそ36週間となり、11回の来院が計画される。
【0392】
対象は、1日目に治験依頼者が提供するオクトレオチド/ランレオチドを投与されない。代わりに、対象は、研究薬物の第1の用量を現場で受ける。
【0393】
RC相中にレスキュー療法が必要な場合、対象はパルツソチン又はプラセボを中止し、レスキュー療法を開始し、残りの36週間のRC相についての研究を継続する。
【0394】
オープンラベル拡張相
36週間のRC相を完了する対象は、対象が参加する意思がある場合、OLE相への参加を継続することができ、対象は継続した参加及びパルツソチンによる治療から利益を得るであろう。OLE治療期間は96週間であり、11回の来院が計画される。特に指定されない限り、RC相のEOR来院からのデータは、OLEのベースラインとして使用される。
【0395】
研究の対照部分についての目的及び評価項目
主要目的
IGF-1応答に対するパルツソチン対プラセボの効果を評価すること。この目的についての評価項目には、無作為化対照相の終了(EOR)時に、IGF-1(≦1.0×正常の上限[ULN])における生化学的応答を維持する対象の割合が含まれる。
【0396】
副次目的
IGF-1レベルに対するパルツソチン対プラセボの効果を評価すること。この目的についての評価項目には、ULNの単位におけるIGF-1のベースラインからEORへの変化が含まれる。
【0397】
GH応答に対するパルツソチン対プラセボの効果を評価すること。この目的についての評価項目には、スクリーニング時にGH<1.0ng/mLを有した対象のうち、34週目にGH<1.0ng/mLを有する対象の割合が含まれる。
【0398】
先端巨大症症状に対するパルツソチン対プラセボの効果を評価すること。この目的についての評価項目には、総先端巨大症症状日記(ASD)スコアのベースラインからEORへの変化が含まれる。
【0399】
探索目的
GHレベルに対するパルツソチン対プラセボの効果を評価すること。この目的についての評価項目には、GHのベースラインからEORへの変化が含まれる。
【0400】
レスキュー療法の必要性に対するパルツソチン対プラセボの効果を評価すること。この目的についての評価項目には、レスキュー療法を受ける対象の割合が含まれる。
【0401】
生化学的応答に対するパルツソチン対プラセボの効果を評価すること。この目的についての評価項目には、EOR時にIGF-1≦1.3×ULNを達成する対象の割合、スクリーニング時にGH<2.5ng/mLを有した対象のうち、34週目にGH<2.5ng/mLを達成する対象の割合が含まれる。
【0402】
安全性の目的
先端巨大症を有する対象におけるパルツソチン対プラセボの安全性及び認容性を評価すること。この目的についての評価項目には、重篤な有害事象(SAE)及び中止につながるTEAEを含む治療下で発現した有害事象(TEAE)の発生率、安全性パラメータの変化、ベースラインと比較した腹部(胆嚢)超音波の臨床的に有意な変化の発生率、残留下垂体腫瘍体積のベースラインからの変化が含まれる。
【0403】
オープンラベルの拡張についての評価項目
安全性評価項目:重篤な有害事象(SAE)及び研究薬物の中止につながるTEAEを含むTEAEの発生率、定量的安全性パラメータの変化、残留下垂体腫瘍体積のベースラインからの変化。
【0404】
追加の有効性評価項目:IGF-1及びGHレベルのベースラインからの変化、IGF-1≦1.0×ULNを有する対象の割合、IGF-1≦1.3×ULNを有する対象の割合、許可された補助標準先端巨大症治療を受ける対象の割合。
【0405】
対象の数
合計試料サイズは、52人の対象(パルツソチンアームにおいて26人、プラセボアームにおいて26人)である。
【0406】
持続時間及び介入群
研究は、2つの相:RC相及び長期OLE相を含む。両方の相に参加する対象は、およそ144週間(ほぼ3年)の治療及び観察を完了する。研究は以下からなる。
●スクリーニング期間:15週間又は19週間、-19/-15週目~-1日目
●RC相(36週間):治療期間:1日目~36週目、36週目の終了はEORとして定義される。1週目~24週目は用量滴定期間となる。
●OLE(96週間):RC相を完了する適格な対象は、OLEに入り、治療終了(EOT)までパルツソチンによる治療を継続又は開始することができる。OLE相の96週間の終了は、計画されたEOTである。
【0407】
研究薬物
RC及びOLE相の間、パルツソチンは、20mgの錠剤として提供される。一致するプラセボ錠剤の外観は同一である。開始用量は、経口自己投与について1日1回40mg(2×20mgの錠剤の活性パルツソチン又は一致するプラセボ)となる。
【0408】
RC相中の用量調整
研究薬物の用量は、1日1回(QD)60mgまで滴定することができる。用量レベルは、IGF-1応答に基づいて、40mg(2×20mgの錠剤)から60mg(3×20mgの錠剤)に増加し得る。固定又は安定した用量は、IGF-1レベルが≦0.9×ULNであるときに確立されるとみなされ、およそ4週間間隔で収集された2回の連続したIGF-1測定によって確認される。
【0409】
用量の上方滴定は、2つの基準に基づいている:
●治験責任医師によって評価された現在の用量で許容される認容性、及び
●対象の最新のIGF-1結果は、>0.9×ULNである
【0410】
【表26】
【0411】
対象の用量は、認容性が乏しいために、RC相中に低減され得る。一般に、研究薬物によって引き起こされる(関連する)合理的な可能性がある重度の強度のTEAEは、研究薬物の用量の低減をもたらすと予想される。用量の低減後に耐容性が改善される場合、必要に応じて、プロトコル指定の用量滴定基準に基づいて、用量を20mgの増分で最大60mg(3×20mgの錠剤)まで増加させることができる。研究薬品が許容されない場合、研究薬品を研究中に1年当たり合計14日間まで保持することができるが、1年当たり連続して7日間を超えて保持することはできず、その後、必要に応じて同じ用量又は低減された用量で研究薬品を再開することができる。
【0412】
RC相レスキュー基準
RC相中、研究薬物以外の先端巨大症治療は、研究中に禁止される。試験前の先端巨大症の薬品(注射された長時間作用型オクトレオチド又はランレオチド)によるレスキューについての基準は、以下からなる。1)少なくとも2週間の最も高い用量(60mg)での1つ以上の先端巨大症症状の有意な悪化又は新しい先端巨大症症状の発症(「有意な悪化」は、臨床的ケアのレベルの大幅な増加を必要とする症状、又は大幅な臨床的劣化として定義され得る;及び2)2回の連続した来院で測定された最も高い用量(60mg)でのIGF-1値≧1.3×ULN。
【0413】
オープンラベルの拡張中の投与量及び用量調整
OLEに参加する全ての対象についての開始用量レジメンは、パルツソチン40mgQDとなる。OLEにおける用量漸増は、通常、最初のIGF-1結果が利用可能になると行われる。その時点で、治験責任医師は、用量を60mgに上方滴定することができるかどうかを決定することができる。
【0414】
オープンラベルの拡張の補助治療
OLE中、経口ドーパミンアゴニスト(例えば、カベルゴリン)又はGH受容体アンタゴニストペグビソマントなどの非SRL先端巨大症治療は、許容されており、パルツソチンが少なくとも4週間、最も高い許容用量にあり、かつIGF-1が治験責任医師の判断において持続的に≧1.3×ULNであるか、又はそうでなければ対象の治療標的ではない場合、補助剤として開始されてもよい。
【0415】
補助薬品が必要であると決定される場合、ドーパミンアゴニスト(例えば、カベルゴリン)の使用が第一選択補助剤となるであろう。十分な評価期間の後、ドーパミンアゴニストと組み合わせた研究薬品が治療標的を達成しない場合、ペグビソマントが第二選択補助剤として追加され得る。ペグビソマントを、パルツソチン+ドーパミンアゴニスト薬物の組み合わせに追加してもよい。組み合わされたパルツソチン+ドーパミンアゴニストに対する治療応答の証拠がなかった場合、ドーパミンアゴニストを停止するべきであり、パルツソチン療法にペグビソマントを追加する
【0416】
実施例11:非薬理学的に治療された先端巨大症を有する対象における、先端巨大症の治療のための化合物Aの安全性及び有効性を評価するための第3相研究
これは、非薬理学的に治療された先端巨大症を有する対象における、化合物A(パルツソチンとしても既知である)の安全性及び有効性を評価するための無作為化、対照、多施設研究である。
【0417】
全体設計
これは、第3相の多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照研究であり、非薬理学的に治療された先端巨大症を有する対象を、パルツソチン又はプラセボのいずれかを受けるように無作為に割り当てる。合計70人の対象を登録のための対象とする。
【0418】
本研究についてのスクリーニング期間は、以前の治療に応じて、およそ4、8、又は12~16週間であり得る。スクリーニング期間の後、対象を、12週間の無作為化対照(RC)相に登録し、以前の治療(医学的にナイーブ、又は以前に治療された対ウォッシュアウト)によって層別化された化合物A又は一致するプラセボを受けるように1:1の比率で無作為に割り当てる。RC相の終了(EOR)時に、対象を長期オープンラベルの拡張(OLE)研究に登録することができ、その間、対象はパルツソチンを最大96週間受ける。
【0419】
組み入れ基準
少なくとも1回の下垂体手術を受けたが、持続的な活動性先端巨大症を有し、以下の3つの群のうちの1つに該当する、スクリーニング時に≧18歳の対象は、本研究への参加に適格である。
●医学的にナイーブな群:スクリーニング時にIGF-1>1.1×正常の上限(ULN)を有する、先端巨大症の薬品(長時間作用型ソマトスタチン受容体リガンド[LA-SRL]を含む)で以前に治療されていない対象。
●以前に治療された群(以前の4ヶ月以内の治療なし):スクリーニングの少なくとも4ヶ月前に先端巨大症の薬品で最後に治療されており、スクリーニング時にIGF-1>1.1×ULNを有する対象。
●ウォッシュアウト群:オクトレオチド単独療法による安定した治療(スクリーニング前の3ヶ月間用量の変化なし)を受けており、スクリーニング来院1時点でIGF-1≦1.0×ULNを有し、スクリーニング期間中にその薬品のウォッシュアウトをする意思がある、スクリーニング時の対象。任意の形態の試験前のオクトレオチド単独療法(長時間又は短時間作用型オクトレオチド[皮下(SC)又は経口])をウォッシュアウトすることができ、スクリーニング期間の持続時間を決定する。インフォームドコンセントが提供された後、対象は、更なる試験前の先端巨大症の薬品を受けるべきではない。IGF-1は、登録のための資格を得るために、最初のスクリーニング来院から最後のスクリーニング来院までに少なくとも30%上昇し、>1.1×ULNに上昇しなければならない。
【0420】
先端巨大症の以前の診断。これには、スクリーニングの少なくとも24週間前に下垂体腺腫の評価可能な文書が必要である。加えて、最後の下垂体手術の少なくとも12週間後にIGF-1濃度>1.1×ULNの文書がなければならない。
【0421】
除外基準
オクトレオチド又はランレオチド治療の無効性又は顕著な不耐性の既往歴。
【0422】
スクリーニングの3年以内の下垂体放射線療法の既往歴。治験責任医師によって決定されるように、スクリーニング時に十分な副腎補充療法を受けていない副腎不全を有する対象。以下によって定義される高リスク下垂体腫瘍パターン:視神経交差の圧迫又は隣接する脳構造の浸潤、手術又は放射線後1年以内の腫瘍成長の既往歴、研究の時間経過内の神経外科的介入又は放射線療法についての予想される要件。現在又は過去のいずれかの時点での下垂体がん。
【0423】
スクリーニングの4週間以内の任意の原因のための大手術/手術療法の既往歴。
【0424】
過去5年以内の活動性の悪性腫瘍疾患。
【0425】
以下の薬品の使用:ランレオチド(スクリーニング前の16週間以内)、パシレオチドLAR(スクリーニング前の24週間以内)、ペグビソマント(スクリーニング前の16週間以内)、ドーパミンアゴニスト(スクリーニング前の16週間以内)、スクリーニング時の2つ以上の先端巨大症の薬品の任意の組み合わせ、(スクリーニングの開始から)研究終了までのプロトンポンプ阻害剤。これらの薬物の離脱は、スクリーニング前の対象の医療計画の一部であるべきである。
【0426】
本研究を妨げるであろう薬品の現在又は最近の使用。
【0427】
治療期間(無作為化、対照(RC)相)
全てのスクリーニング評価が完了すると、対象は治療期間の1日目の治療に無作為化される。治療期間はおよそ12週間となる。対象は、1日目に研究薬物(パルツソチン又はプラセボ)の第1の用量を受ける。
【0428】
RC相中にレスキューが必要な場合、対象はパルツソチン又はプラセボを中止し、非応答者とみなされる。対象は早期終了(ET)来院を受け、オープンラベルの拡張(OLE)参加が提供される。対象がOLEに参加しない場合、対象は標準的な先端巨大症ケアに戻る。
【0429】
オープンラベルの拡張(4週間のフォローアップを含む、およそ100週間)
【0430】
12週間のRC相を完了するか、又はレスキュー基準を満たす対象は、対象が継続した参加及びパルツソチンによる治療から利益を得る可能性があり、対象が参加する意思がある場合、OLE相への参加を継続することができる。OLE治療期間は96週間である。
【0431】
研究薬物
パルツソチンは、20mgの錠剤として提供される。一致するプラセボ錠剤の外観は、パルツソチン錠剤と同一である。開始1日用量は、経口自己投与について20mg(1×20mgの錠剤の活性パルツソチン又は一致するプラセボ)となる。
【0432】
研究薬物は、少なくとも6時間の一晩の絶食後、朝に少なくとも8オンス(237mL)の水とともに嚥下させる。薬物投与後の少なくとも1時間、食物若しくは飲み物(水を除く)、又は別の薬品は許可されない。
【0433】
制酸剤治療のための特別な予防措置:ファモチジンは夕食時間より後に服用することができない。他のH2遮断薬及び制酸剤は、就寝時に服用することができる。その目的は、翌朝の胃pHの増加を最小限に抑えるためであり、これはパルツソチンの吸収を減少させる可能性があるためである。
【0434】
RC相についての研究薬物の最終用量は、12週目/EOR来院の前日に自己投与される。OLE相の第1の用量は、OLEに継続するものについて、12週目/EOR来院中に投与される。
【0435】
用量滴定及び調整
6週目の来院から始まり、11週目の来院の前に、用量の上方滴定は2つの基準に基づいている:
●治験責任医師によって評価された現在の用量で許容される認容性、及び
●対象の最新のIGF-1結果は、>0.9×ULNである
【0436】
【表27】
【0437】
RC相中に先端巨大症の悪化のためにレスキュー治療が必要な場合、対象はパルツソチン又はプラセボを中止し、OLEに入るか、又は研究を中止するかのいずれかになる。レスキュー基準は以下のとおりである:
●少なくとも2週間の最も高い用量(60mg)での1つ以上の先端巨大症症状の有意な悪化又は新しい先端巨大症症状の発症(「有意な悪化」は、臨床的ケアのレベルの大幅な増加を必要とする症状、又は大幅な臨床的劣化として定義され得る);及び
●計画された来院で、又はより早い結果が必要な場合はスケジュールされていない来院で、2回測定された最も高い用量(60mg)でのベースラインから>30%増加したIGF-1値;及び
【0438】
RC相中にレスキューが必要な場合、対象はパルツソチン又はプラセボを中止し、非応答者とみなされる。
【0439】
オープンラベルの拡張中の投与量及び用量調整
OLEに参加する全ての対象についての開始1日用量レジメンは、パルツソチン20mg(1×20mgの錠剤)となる。対象は、最初の週に1日当たり1錠を服用するように指示され、許容される場合は、次の研究来院まで40mgQD(2×20mgの錠剤)に増加される。
【0440】
OLEにおける更なる上方滴定(例えば、60mgQD(3×20mgの錠剤)まで)は、最初のIGF-1結果が利用可能になると行われ得る。
【0441】
オープンラベルの拡張の補助治療
OLE中、経口ドーパミンアゴニスト(例えば、カベルゴリン)又はGH受容体アンタゴニスト(すなわち、ペグビソマント)などの非SRL先端巨大症治療は、許容されており、パルツソチンが少なくとも4週間、最も高い許容用量にあり、かつIGF-1が持続的に≧1.3×ULNであるか、又はそうでなければ対象の治療標的ではない場合、補助剤として開始されてもよい。
【0442】
補助薬品が必要であると決定される場合、ドーパミンアゴニスト(例えば、カベルゴリン)の使用が第一選択補助剤となるであろう。十分な評価期間の後、ドーパミンアゴニストと組み合わせた研究薬品が治療標的を達成しない場合、ペグビソマントが第二選択補助剤として追加され得る。ペグビソマントを、パルツソチン+ドーパミンアゴニスト薬物の組み合わせに追加してもよい。組み合わされたパルツソチン+ドーパミンアゴニストに対する治療応答の証拠がなかった場合、ドーパミンアゴニストを停止するべきであり、パルツソチン療法にペグビソマントを追加する。
【0443】
禁止薬
禁止薬には、プロトンポンプ阻害剤、夕方のファモチジンの使用、単相性エストロゲン-プロゲスチン経口避妊又は安定したエストロゲン補充を除く経口エストロゲン、薬物代謝酵素CYP3A4の強力な誘導剤、研究のRC相中の任意の標準的な先端巨大症の薬物、OLE中のオクトレオチド(任意の形態)、ランレオチド、又はパシレオチド、任意の他の治験薬が含まれる。
【0444】
主要目的
IGF-1応答に対するパルツソチン対プラセボの効果を評価すること。この目的についての評価項目には、無作為化対照相の終了(EOR)時に、IGF-1(≦1.0×ULN)における生化学的応答を達成する対象の割合が含まれる。
【0445】
副次目的
IGF-1レベルに対するパルツソチン対プラセボの効果を評価すること。この目的についての評価項目には、ULNの単位におけるIGF-1のベースラインからEORへの変化が含まれる。
【0446】
パルツソチンによる治療後に様々な定義によって生化学的応答を評価すること。この目的についての評価項目には、EOR時にIGF-1≦1.3×ULNを達成する対象の割合、EOR時にGH<2.5ng/mLを有する対象の割合、EOR時にGH<1ng/mLを有する対象の割合が含まれる。
【0447】
先端巨大症の症状に対するパルツソチン対プラセボの効果を評価すること。この目的についての評価項目には、先端巨大症症状日記(ASD)の総スコアのベースラインからEORへの変化が含まれる。
【0448】
探索目的
GHレベルに対するパルツソチン対プラセボの効果を評価すること。この目的についての評価項目には、GHのベースラインからEORへの変化が含まれる。
【0449】
レスキュー治療の必要性に対するパルツソチン対プラセボの効果を評価すること。この目的についての評価項目には、治療の開始からEORまでにレスキュー治療を必要とする対象の割合が含まれる。
【0450】
安全性の目的
パルツソチン対プラセボの安全性及び認容性を評価すること。この目的についての評価項目には、重篤なTEAE及び中止につながるTEAEを含む治療下で発現した有害事象(TEAE)の発生率、安全性パラメータのベースラインからの変化、ベースラインと比較した腹部(胆嚢)超音波の臨床的に有意な変化の発生率が含まれる
【0451】
オープンラベルの拡張(OLE)についての評価項目
安全性評価項目:重篤な有害事象(SAE)及び研究薬物の中止につながるTEAEを含むTEAEの発生率、安全性パラメータの変化、残留下垂体腫瘍体積のベースラインからの変化。
【0452】
追加の有効性評価項目:IGF-1及びGHレベルのベースラインからの変化、IGF-1≦1.0×ULNを有する対象の割合、RCを中止し(レスキューを通じて)、OLEに入り、次いでOLE中にIGF-1≦1.0×ULNを達成する対象の割合、許可された補助標準先端巨大症治療を受ける対象の割合。
【0453】
対象が報告した評価
対象が報告した評価には、(1)先端巨大症症状日記(ASD)、(2)先端巨大症の生活の質(AcroQoL)、(3)EQ-5D-5L、(4)患者による全般的印象重症度(PGI-S)、(5)患者による全般的印象改善度(PGI-I)、及び(6)治療の好みのアンケートが含まれる。これらの評価は、電子デバイスを使用して完了される(対象の電子デバイス上の申請を通して、又は治験依頼者により提供されるデバイスによってのいずれか)。
【0454】
先端巨大症症状日記
対象は、無作為化対照相の持続時間に、研究薬物投与のおよそ2週間前に開始して、毎日、自宅でASD、短い症状日記を完了するように求められる。ASDは、可能な限り一貫して、1日のおよそ同じ時間に完了されるべきである。
【0455】
ASDは、9項目(頭痛、関節痛、発汗、疲労、脚の脱力感、腫れ、しびれ又は刺痛、睡眠困難、及び短期記憶に関する質問)からなり、各々が0~10の強度でランク付けされる。総ASDスコアは、頭痛、関節痛、発汗、疲労、脚の脱力感、腫れ、及びしびれ又は刺痛についての個々の症状の強度を加えることによって計算され、そのため、総ASDスコアは、0~70の範囲であり得る。睡眠困難及び短期記憶に関する質問を含む全ての個々の項目スコアを収集し、個々の項目スコアリングで分析する。
【0456】
先端巨大症の生活の質アンケート
AcroQoLは、先端巨大症を有する人々における健康関連の生活の質を評価する。アンケートは、2つのドメイン:身体的側面(8問)及び心理的側面(14問)における22問からなる。心理的側面のドメインは、身体的外観(7問)及び個人的関係に対する病気の影響(7問)に対処する2つのサブ尺度に分かれている。質問の各々は1~5の尺度で回答される(常に、ほとんどの場合、時々、まれに、又はまったく)。スコアが高いほど、より良好な生活の質を示す。
【0457】
EQ-5D-5L
EuroQoLによって開発されたEQ-5D-5L(5つの重症度レベルEQ-5D)は、幅広い健康状態に適用可能な健康評価項目の尺度として使用するための、対象によって完了される標準化された機器である。EQ-5D-5Lは、健康の5つの次元:移動度、セルフケア能力、通常の活動を行う能力、疼痛及び不快感、並びに不安及びうつ病を含む。
【0458】
EuroQoL Groupにより実施された定性的及び定量的研究に基づいて、各ドメインには5つの選択肢(レベル)がある:「問題なし」、「わずかな問題」、「中程度の問題」、「深刻な問題」、及び「不可能/極端な問題」。5つの全ての次元への応答は、値セットを使用することによって、単一の概要インデックス、ユーティリティ(範囲:0~1)に変換することができる。インデックス値が高いほど、より良好な健康状態を表す。
【0459】
全般的印象改善度及び重症度
PGI-Iは、ベースラインと比較して特定の時点での症候性変化を測定するように設計された7ポイント尺度である。PGI-Iによる治療応答は、1「非常に大幅に改善された」~7「非常に大幅に悪化した」のスコアの範囲である。スコアが低いほど改善を示す。PGI-Sは、7ポイントのリッカート尺度でも評価されており、1「正常、まったく病気がない~7「最も極度の病気の中」の範囲である。スコアが高いほど、より重度の疾患を示す。
【0460】
本明細書に記載される実施例及び実施形態は、例示の目的のみのものであり、当業者に示唆される様々な修正又は変更は、本出願及び添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8a
図8b
【国際調査報告】