(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】喫煙物品及びそれを含むエアロゾル発生システム{SMOKING ARTICLE AND AEROSOL-GENERATING SYSTEMS COMPRISING THEREOF}
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20240517BHJP
A24D 3/17 20200101ALI20240517BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240517BHJP
A24D 1/02 20060101ALI20240517BHJP
A24B 15/16 20200101ALI20240517BHJP
【FI】
A24D1/20
A24D3/17
A24F40/20
A24D1/02
A24B15/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568130
(86)(22)【出願日】2023-02-28
(85)【翻訳文提出日】2023-11-27
(86)【国際出願番号】 KR2023002772
(87)【国際公開番号】W WO2023214655
(87)【国際公開日】2023-11-09
(31)【優先権主張番号】10-2022-0055371
(32)【優先日】2022-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キ、スン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨンジューン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジョン テ
(72)【発明者】
【氏名】チャ、スン ジェ
【テーマコード(参考)】
4B043
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B043BB11
4B043BB17
4B043BB22
4B043BC02
4B043BC03
4B043BC18
4B043BC20
4B045AA41
4B045AB14
4B045AB16
4B045BA02
4B045BA08
4B045BC15
4B045BC17
4B045BC23
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB23
4B162AC12
4B162AC14
4B162AC22
4B162AD23
(57)【要約】
本発明の一実施例に係る喫煙物品は、ニコチン含有媒質で充填される媒質収容部と、前記媒質収容部の一側に位置してエアロゾル生成物質を含む保湿剤収容部と、前記媒質収容部の他側に位置するフィルタ部と、を含み、前記保湿剤収容部の長さは前記媒質収容部の長さより短く、前記フィルタ部の長さは前記媒質収容部の長さより長く、前記媒質収容部の長さの70%から媒質収容部全体がヒータ部で包まれるものであり得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニコチン含有媒質で充填される媒質収容部と、
前記媒質収容部の一側に位置してエアロゾル生成物質を含む保湿剤収容部と、
前記媒質収容部の他側に位置するフィルタ部と、
を含み、
前記フィルタ部は内部にキャビティが存在する第1フィルタ部と、濾過物質で内部が充填された第2フィルタ部を含み、
前記保湿剤収容部の長さは前記媒質収容部の長さより短く、
前記第1フィルタ部の長さは前記媒質収容部の長さより長く、
前記媒質収容部の長さの70%から媒質収容部全体がヒータ部で包まれる、喫煙物品。
【請求項2】
前記保湿剤収容部の長さは、前記媒質収容部の長さの60~80%である、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項3】
前記第1フィルタ部の長さは、前記媒質収容部の長さの110~130%である、請求項1又は2に記載の喫煙物品。
【請求項4】
前記保湿剤収容部の長さは6~10mmであり、
前記第1フィルタ部の長さは12~16mmである、請求項1又は2に記載の喫煙物品。
【請求項5】
前記エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、及びニコチンからなる群より選ばれるいずれか1つ以上を含む、請求項1又は2に記載の喫煙物品。
【請求項6】
前記ニコチン含有媒質は、タバコ刻草及びスラリー板状葉を混合して細かく切断することによって製造された、請求項1又は2に記載の喫煙物品。
【請求項7】
前記媒質収容部は、前記ニコチン含有媒質が互いに同じ方向に配列された、請求項1又は2に記載の喫煙物品。
【請求項8】
前記媒質収容部、前記保湿剤収容部、及び前記フィルタ部からなる群より選ばれるいずれか1つ以上のセグメントは、セグメントラッパー(segment wrapper)によって包まれる、請求項1又は2に記載の喫煙物品。
【請求項9】
前記セグメントラッパーによって包まれた複数のセグメントは、総括ラッパー(total wrapper)によって包まれる、請求項8に記載の喫煙物品。
【請求項10】
請求項1に記載の喫煙物品が脱着可能に設けられ、前記喫煙物品に貯蔵されたエアロゾル生成物質を加熱してユーザが吸引可能なエアロゾルを提供する、エアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記エアロゾル発生装置は、
前記喫煙物品を収容する細長型空洞と、
少なくとも前記喫煙物品の前記保湿剤収容部及び前記媒質収容部の全部又は一部を加熱する前記ヒータ部、及び
前記ヒータ部と電気的に連結される制御部を含む、請求項10に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
喫煙物品及びエアロゾル発生装置を含む、エアロゾル発生システムであって、
前記喫煙物品は、ニコチン含有媒質で充填される媒質収容部と、
前記媒質収容部の一側に位置してエアロゾル生成物質を含む保湿剤収容部と、
前記媒質収容部の他側に位置するフィルタ部と、
を含み、
前記フィルタ部は、内部にキャビティが存在する第1フィルタ部と、濾過物質で内部が充填された第2フィルタ部を含み、
前記保湿剤収容部の長さは前記媒質収容部の長さより短く、
前記第1フィルタ部の長さは前記媒質収容部の長さより長く、
前記媒質収容部の長さの70%から媒質収容部全体がヒータ部で包まれ、
前記エアロゾル発生装置は、前記喫煙物品が脱着可能に設けられ、前記喫煙物品に貯蔵されたエアロゾル生成物質を加熱してユーザが吸引可能なエアロゾルを提供する、エアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙物品及びそれを含むエアロゾル発生システムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一般的なシガレットの欠点を克服する代替方法に関する需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではなく、シガレット内のエアロゾル発生物質が加熱されることによってエアロゾルが生成される方法に関する需要が増加している。
【0003】
これに、本発明者らは、保湿剤収容部の長さが媒質収容部の長さより短く、第1フィルタ部の長さが媒質収容部の長さより長い喫煙物品を開発し、本発明を完成した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が達成しようとする技術的課題は、保湿剤収容部の長さが媒質収容部の長さより短く、第1フィルタ部の長さが媒質収容部の長さより長い喫煙物品を提供することである。
【0005】
また、本発明は、前記喫煙物品に貯蔵されたエアロゾル生成物質を加熱してユーザが吸引可能なエアロゾルを提供する、エアロゾル発生装置を提供する。
【0006】
さらに、本発明は、前記喫煙物品と前記エアロゾル発生装置とを含む、エアロゾル発生システムを提供する。
【0007】
しかし、本発明が達成しようとする技術的課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていない他の課題は、以下の記載から当該技術分野における通常の技術者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明は、保湿剤収容部の長さが媒質収容部の長さより短く、第1フィルタ部の長さが媒質収容部の長さより長い喫煙物品を提供する。
【0009】
本発明の一実施例として、前記喫煙物品は、ニコチン含有媒質で充填される媒質収容部と、前記媒質収容部の一側に位置してエアロゾル生成物質を含む保湿剤収容部と、前記媒質収容部の他側に位置するフィルタ部を含み、前記フィルタ部は、内部にキャビティが存在する第1フィルタ部と、濾過物質で内部が充填された第2フィルタ部を含むことができる。
【0010】
本発明の他の実施例として、前記喫煙物品は従来の喫煙物品より保湿剤収容部の長さを縮小し、第1フィルタ部の長さを延長したものであってもよい。
【0011】
本発明の他の実施例として、前記媒質収容部の長さの70%から媒質収容部全体がヒータ部で包まれるものであってもよい。
【0012】
本発明の他の実施例として、前記保湿剤収容部の長さは、前記媒質収容部の長さの60~80%、好ましくは、約66.7%であり、前記第1フィルタ部の長さは、前記媒質収容部の長さの110~130%、好ましくは、約117%であってもよい。
【0013】
本発明の別の実施例として、前記保湿剤収容部の長さは6~10mm、好ましくは8mmであってもよく、前記媒質収容部の長さは10~14mm、好ましくは12mmであってもよく、前記第1フィルタ部の長さは12~16mm、好ましくは14mmであってもよく、前記第2フィルタ部の長さは12~16mm、好ましくは14mmであってもよい。
【0014】
本発明の他の実施例として、前記エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、及びニコチンからなる群より選ばれるいずれか1つ以上を含むものであってもよく、好ましくは、グリセリンであってもよい。
【0015】
本発明の他の実施例として、前記ニコチン含有媒質は、タバコ刻草(葉身、lamina)、板状葉、膨化主脈、膨化刻草、ニコチン含有紙フィルタ、及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれるいずれか1つ以上を細かく切断することによって製造されたものであってもよく、好ましくは、タバコ刻草及びスラリー板状葉を混合した後、細かく切断して製造されたものであってもよい。
【0016】
本発明の他の実施例として、前記ニコチンが互いに同じ方向に配列されたものであってもよい。
【0017】
本発明の他の実施例として、前記媒質収容部、保湿剤収容部、及びフィルタ部からなる群より選ばれるいずれか1つ以上のセグメントは、セグメントラッパー(segment wrapper)によって包まれるものであってもよい。
【0018】
本発明の別の実施例として、前記セグメントラッパーによって包まれた複数のセグメントは、総括ラッパー(total wrapper)によって包まれるものであってもよい。
【0019】
また、本発明は、前記喫煙物品に貯蔵されたエアロゾル生成物質を加熱してユーザが吸引可能なエアロゾルをユーザに提供される、エアロゾル発生装置を提供する。
【0020】
本発明の一実施例として、前記喫煙物品が脱着可能に設けられるものであってもよい。
【0021】
本発明の他の実施例として、前記エアロゾル発生装置は、前記喫煙物品を収容する細長型空洞と、少なくとも前記喫煙物品の前記媒質収容部及び前記保湿剤収容部の全部又は一部を加熱するヒータ部、及び前記ヒータ部と電気的に連結される制御部を含むことができる。
【0022】
本発明の別の実施例として、前記ヒータ部は、前記媒質収容部の長さの70%から媒質収容部全体を加熱するものであってもよい。
【0023】
さらに、本発明は、前記喫煙物品と前記エアロゾル発生装置とを含む、エアロゾル発生システムを提供する。
【発明の効果】
【0024】
一実施例に係る喫煙物品、エアロゾル発生装置、及びエアロゾル発生システムは、媒質収容部の長さより保湿剤収容部の長さを縮小し、第1フィルタ部の長さを延長することで霧化量を増加させることができる。
【0025】
一実施例に係る喫煙物品、エアロゾル発生装置、及びエアロゾル発生システムは、総粒子状物質(TPM)、タール、グリセリン、及び水の移行量を増進させることができる。
【0026】
一実施例に係る喫煙物品、エアロゾル発生装置、及びエアロゾル発生システムは、細く切ったスラリー板状葉シートを一列に並べて媒質収容部を構成することで気流チャンネルを確保し、霧化量を向上させることができる。
【0027】
一実施例に係る喫煙物品、エアロゾル発生装置、及びエアロゾル発生システムは、消費者が容易に吸引可能であり、優れた喫味を有することができる。
【0028】
一実施例に係る喫煙物品、エアロゾル発生装置、及びエアロゾル発生システムの効果は、上記で言及されたものに限定されず、言及されていない他の効果は、以下の記載から通常の技術者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】(a)及び(b)は、喫煙物品を構成するセグメントを説明するための図であり、(a)は、従来の喫煙物品を示し、(b)は、保湿剤収容部の長さを縮小し、第1フィルタ部の長さを延長した本発明の一実施例に係る喫煙物品を示す。
【
図3】一実施例に係るエアロゾル発生装置を概略的に示す。
【
図4】一実施例に係る喫煙物品とエアロゾル発生装置とが結合された状態のエアロゾル発生システムを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面を参照して実施例を詳細に説明する。しかし、実施例には様々な変更が加えられるので、特許出願の権利範囲がこれらの実施例によって制限又は限定されるものではない。実施例に対する全ての変更、均等物又は代替物が権利範囲に含まれると理解されるべきである。
【0031】
実施例で使用した用語は単に説明を目的として使用されたものであり、限定しようとする意図として解釈されるべきではない。単数の表現は、文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数、ステップ、動作、構成要素、部品、又はそれらの組み合わせが存在することを指定するものであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数、ステップ、動作、構成要素、部品、又はそれらの組み合わせの存在又は付加可能性を予め排除するものではないと理解されるべきである。
【0032】
別途の定義がない限り、技術的又は科学的用語を含めて、ここで使用される全ての用語は、実施例が属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有している。一般的に使用される辞書に定義されている用語は、関連技術の文脈上有している意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本出願において明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されない。
【0033】
なお、添付図面を参照して説明するにあたって、図面符号にかかわらず同一の構成要素には同一の参照符号を付し、これについての重複する説明は省略する。実施例を説明するにあたって関連する公知技術についての具体的な説明が実施例の要旨を不要に濁す恐れがあると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0034】
さらに、実施例の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって該当構成要素の本質や順番又は順序などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載された場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結又は接続されるが、各構成要素の間にまた他の構成要素が「連結」、「結合」又は「接続」されるとも理解されるべきである。
【0035】
いずれかの実施例に含まれた構成要素と、共通的な機能を含む構成要素は、他の実施例において同一の名称を使用して説明する。反対の記載がない限り、いずれかの実施例に記載の説明は他の実施例にも適用でき、重複する範囲で具体的な説明は省略する。
【0036】
本発明において、「上流」及び「下流」という用語は、ユーザが喫煙物品を使用して空気を吸引する方向を基準として喫煙物品を構成するセグメントの相対的な位置を示すために使用された用語である。喫煙物品は、下流端部(すなわち、空気が入る部分)及びそれに対向する上流端部(すなわち、空気が出る部分)を含む。喫煙物品の使用時、ユーザは喫煙物品の下流端部を噛むことができる。 下流端部は近位端部(mouth end、ME)、上流端部は遠位端部(tobacco end、TE)とも呼ばれ、「端部」という用語はまた「末端」と記述され得る。
【0037】
【0038】
図2を参照すると、一実施例に係る喫煙物品100は、媒質収容部110、媒質収容部の一側に位置してエアロゾルを生成する保湿剤収容部120、媒質収容部の他側に位置するフィルタ部130を含むことができ、喫煙物品100のセグメント、すなわち、媒質収容部110、保湿剤収容部120、及びフィルタ部130は、各々セグメントラッパー(segment wrapper)140によって包まれるか又は包まれないこともでき、セグメントラッパー(segment wrapper)140によって包まれたセグメントは、総括ラッパー(total wrapper)150によって包まれて、1つの喫煙物品を構成することができる。
【0039】
本発明において「媒質」は、板状葉タバコ、刻草、再構成タバコなどのタバコ原料に基づく固体物質及び/又はグリセリン、プロピレングリコール、ニコチン、メンソール、カフェイン、GABA、タウリン、ビタミン、又は様々な香味剤に基づく液状組成物を含むことができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0040】
本発明において「媒質収容部110」は、ニコチン含有媒質で充填されることができる。前記ニコチン含有媒質は、タバコ原料に基づいてニコチンを含有している媒質であって、具体的には、タバコ刻草、板状葉、膨化主脈、膨化刻草、ニコチン含有紙フィルタなどを細かく切断することで製造できるが、これらに制限されるものではなく、ニコチンを含有する様々な形態及び種類の物質を含むことができる。細かく切断した媒質は、互いに同じ方向に又はランダムに合わされて媒質収容部を形成することができる。
【0041】
前記タバコ刻草は、非制限的な例として、黄色種、バーレー種、オリエント種などの葉タバコを含むことができる。前記膨化刻草は、タバコ刻草を膨化処理した刻草を意味し、有機溶媒、炭酸ガス、アルゴン、窒素などの様々な種類の溶媒やガスを用いて膨化処理するか、タバコ刻草の水分を吸収させて体積を増加させた後、急速に凍結させ、水分を昇華させて乾燥して膨化処理することができるが、これらに制限されるものではない。スラリー板状葉は、スラリーを用いて製造された板状葉シートを細かく切断して生成したものであり、前記スラリーは、タバコ原料を粉砕した後、エアロゾル生成物質、加香液、バインダー(例えば、グアーガム、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースなど)、水などを混合して製造することができる。本発明の媒質収容部は、好ましくはタバコ刻草とスラリー板状葉シートを細かく切断して製造されたニコチン含有媒質を互いに同じ方向に配列することで気流チャンネルを確保し、霧化量を増進させることができる。
【0042】
また、前記媒質収容部110は、保湿剤、風味剤、及び/又は有機酸などの他の添加物質をさらに含有することができる。前記保湿剤は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、又はオレイルアルコールなどであってもよく、前記風味剤は、甘草、ショ糖、果糖シロップ、イソ甘味剤、ココア、ラベンダー、シナモン、カルダモム、セロリ、コロハ、カスカリラ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、蜂蜜エッセンス、ローズオイル、バニラ、レモンオイル、オレンジオイル、ミントオイル、桂皮、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、カモミール、メンソール、桂皮、イランイラン、サルビア、スペアミント、生姜、コリアンダー、又はコーヒーなどであってもよいが、これらに制限されるものではない。
【0043】
本発明において、「保湿剤収容部120」は保湿剤を含有することができる。前記保湿剤としては、グリセリン又はプロピレングリコールを含むことができ、さらにエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、オレイルアルコール、及び水のうち少なくとも1つをさらに含むことができる。また、保湿剤収容部は、さらにニコチンを含むことができる。しかし、保湿剤収容部120に含まれる物質はこれらに限定されない。前記保湿剤は、喫煙物品加熱時に発生するエアロゾル中の水分を適正レベルに維持してタバコ固有の味を柔らかくし、霧化量を豊富にすることができる。
【0044】
本発明において、「フィルタ部130」は、少なくとも1つ以上のセグメントから構成され、チューブフィルタ、冷却構造物及びリセスフィルタのうち少なくとも1つを含むことができ、好ましくは、内部にキャビティが存在する第1フィルタ部132及び濾過物質で内部が充填された第2フィルタ部134を含むことができる。前記濾過物質はセルロース系列の物質(例えば、アセテート、紙など)を含むことができる。
【0045】
本発明において、「セグメントラッパー140」は、媒質収容部ラッパー142、保湿剤収容部ラッパー144、第1フィルタ部ラッパー146、及び第2フィルタ部ラッパー148からなる群より選ばれるいずれか1つ以上であってもよい。前記セグメントラッパー140は、耐水性能を有する耐水紙、耐油性能を有する耐油紙、又は耐水及び耐油性能を有する耐水耐油紙、耐水及び/又は耐油性能を有する物質を内側にコーティングした紙を使用することができる。本発明のセグメントラッパー140は、防水性及び耐熱性の特徴を有するアルミニウムを含むことができる。
【0046】
本発明の一実施例に係る喫煙物品の吸引抵抗測定、エアロゾル成分分析、及び官能評価を実行するために、下記表1のように喫煙物品を製造した。
【0047】
【0048】
対照群は従来の喫煙物品であって、媒質収容部の未加熱部位は5mmであり、実験群は保湿剤収容部の長さを縮め、第1フィルタ部の長さを伸ばしたもので、媒質収容部の未加熱部位が3mmである。実験群は、加熱部位が58.3%から75%に、対照群に比べて28.6%増加するように製造した。
【0049】
実験例1.吸引抵抗測定
吸引抵抗測定器機(KADIEN)を用いて媒質収容部の吸引抵抗を測定した結果、対照群の媒質収容部の吸引抵抗は100mmH2Oであるのに対し、実験群の媒質収容部の吸引抵抗は95mmH2Oで、約5%減少した数値を示した。すなわち、本発明は、吸引抵抗が減少して消費者が吸引しやすく、霧化量が豊富な喫煙物品を提供することができる。
【0050】
実験例2.エアロゾル成分分析
一般タバコの国際公認分析法であるHC(Health Canada)法を用いて、9puff、パック調整条件でエアロゾルの成分を分析した結果を下記表2に示した。
【0051】
【0052】
保湿剤収容部の長さを縮め、第1フィルタ部の長さを伸ばした結果、実験群のエアロゾルが対照群に比べてはるかに多い量の総粒子状物質(total particulate matter、TPM)、タール(total aerosol residue、TAR)、グリセリン(glycerin)、及び水(water)を含んでいることを確認した。特に、霧化量の判断指標であるグリセリンの移行量が約21%以上増加した。
【0053】
また、初期吸引時の移行量を調べるために、上述したHC(Health Canada)法を用いて、3puff、パック調整条件でエアロゾルの成分を分析した結果を下記表3に示した。
【0054】
【0055】
初期吸引時においても、総粒子状物質(TPM)、タール(TAR)、ニコチン(Nic)、プロピレングリコール(PG)、グリセリン(Gly)、及び水(water)の移行量がいずれも高く現れた。
【0056】
実験例3.官能評価
喫煙物品の初期霧化量、喫味強度、全般的な霧化量、刺激性、異臭味、喫味持続性、及び全体的な満足度を評価した。官能評価は喫煙物品分野において官能評価経歴を有する専門家を対象に約10~14puff程度吸引後、7点評価法で測定し、具体的には、(i)スラリー板状葉シートから製造された媒質収容部12mmを含む喫煙物品、(ii)一般刻草とスラリー板状葉シートとが混合して製造された媒質収容部12mmを含む喫煙物品に分けて評価を実行し、その結果を下記表4に示した。
【0057】
【0058】
その結果、タバコ刻草とスラリー板状葉シートとが混合して製造された媒質収容部12mmを含む喫煙物品は、スラリー板状葉シートのみからなる媒質収容部と比較して初期1~2回吸引時に霧化量と全般的な霧化量が非常に優れており、消費者が感じるタバコの味、すなわち、優れた喫味が長時間持続して全体的な満足度も最も高く現れた。
【0059】
図3及び
図4は、上述の媒質収容部110を含む喫煙物品100が使用される態様に関連するものである。
【0060】
図3は、一実施例に係るエアロゾル発生装置200を概略的に示す図である。
【0061】
図3を参照すると、エアロゾル発生装置200は、喫煙物品100を収容する細長型空洞210、ヒータ部220、及び制御部230を含む。制御部230は、ヒータ部220と電気的に連結されて喫煙物品100を加熱するための温度を制御することができる。エアロゾル発生装置200は、エアロゾルを発生させる工程において電源を供給するバッテリ240をさらに含むことができる。
【0062】
図4は、一実施例に係る喫煙物品100とエアロゾル発生装置200とが結合された状態のエアロゾル発生システム10を概略的に示す図である。
【0063】
図4を参照すると、エアロゾル発生システム10は、喫煙物品100及びエアロゾル発生装置200を含むことができる。喫煙物品100は、エアロゾル発生装置200の細長型空洞210内にぴったり結合でき、喫煙物品100がエアロゾル発生装置200に結合された状態でヒータ部220は少なくとも喫煙物品100の媒質収容部110及び保湿剤収容部120の全部又は一部を加熱するものであってもよい。
【0064】
具体的には、従来の喫煙物品(対照群)において、保湿剤収容部の長さは10mm、媒質収容部の長さは12mm、第1フィルタ部の長さは12mm、第2フィルタ部の長さは14mmであり、このとき、前記ヒータ部は、保湿剤収容部の下流7mmと媒質収容部の上流7mmを加熱するものであってもよい。一方、本発明の喫煙物品において、保湿剤収容部の長さは8mm、媒質収容部の長さは12mm、第1フィルタ部の長さは14mm、第2フィルタ部の長さは14mmであってもよく、このとき、前記ヒータ部は、保湿剤収容部の下流5mm、媒質収容部の上流9mmを加熱するものであってもよい(
図1の(a)及び(b))。したがって、本発明の喫煙物品は、媒質収容部の加熱部位を増加させることによって熱伝達を最適化することができる長所がある。
【0065】
以上のように、実施例は限られた図面によって説明されたが、該当技術分野における通常の知識を有する者であれば、上記に基づいて様々な技術的修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法とは異なる順序で実行され、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法とは異なる形態で結合又は組み合わせられる、又は他の構成要素又は均等物によって代替又は置換されても適切な結果を達成することができる。
【0066】
したがって、他の実施形態、他の実施例及び特許請求の範囲と均等なものも、後述する特許請求の範囲に属する。
【国際調査報告】