(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】トルク増大装置
(51)【国際特許分類】
H02K 53/00 20060101AFI20240517BHJP
【FI】
H02K53/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568274
(86)(22)【出願日】2022-05-19
(85)【翻訳文提出日】2023-12-14
(86)【国際出願番号】 US2022072430
(87)【国際公開番号】W WO2022246446
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522403907
【氏名又は名称】ロバート エム ヘリン
【氏名又は名称原語表記】Robert M. Herrin
(71)【出願人】
【識別番号】522403918
【氏名又は名称】ショーン アール カント
【氏名又は名称原語表記】Sean R. Khant
(74)【代理人】
【識別番号】100139723
【氏名又は名称】樋口 洋
(72)【発明者】
【氏名】ロバート エム ヘリン
(72)【発明者】
【氏名】ショーン アール カント
(57)【要約】
トルク増大装置は、複数の回転ディスク、リング、またはロータを備え、それぞれが埋め込まれたまたは固定された磁石を備える。ディスクは、互いに向かって傾斜しており、したがって、回転の前半の間に互いに近づき、回転の後半の間に離れる。隣接する磁石が互いに引き寄せられると、引力は2つのベクトルに分割される:ディスクを分割する仮想平面に垂直なベクトル、およびロータの面に平行なトルクベクトル。ロータの上半分または下半分、または上半分または下半分のセグメントにおける磁石の引力の乱れは、ロータをアンバランスにし、トルクを捕捉する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トルク捕捉装置であって、
シャフト;
第1の磁石を有する第1のロータ、第2の磁石を有する第2のロータ、および第3の磁石を有する第3のロータ
を備え、
前記第1のロータ、第2のロータ、および第3のロータはそれぞれ、前記シャフトに固定され、したがって、ともに回転し、
前記第1のロータは、前記第2のロータに対して第1の角度にあり、それによって、前記第1の磁石および前記第2の磁石は、回転中に互いに近づいたり離れたりするように移動し、
前記第3のロータは、前記第2のロータに対して第3の角度にあり、それによって、前記第3の磁石および前記第2の磁石は、回転中に互いに近づいたり離れたりするように移動し、
前記第1の磁石、第2の磁石、および第3の磁石は、前記第1のロータ、第2のロータ、および第3のロータの回転中に相互作用して、トルクを捕捉する
ことを特徴とする、装置。
【請求項2】
磁気分流プレートをさらに備え、
前記磁気分流プレートは、前記第1のロータおよび前記第2のロータに隣接し、
前記磁気分流プレートは、前記第1の磁石および前記第2の磁石によって生成される磁場と相互作用し、
前記磁気分流プレートは、前記第1のロータの全回転より少ない回転にわたって、前記磁場と相互作用し、それによって、磁場に不均一な影響を及ぼし、したがって、不均一なトルクを引き起こし、
前記磁気分流プレートは、前記第1のロータおよび前記第2のロータによって捕捉されるトルクに影響を及ぼし、前記シャフト上に不均一なトルクをもたらし、したがって、回転を補助する
ことを特徴とする、請求項1に記載のトルク捕捉装置。
【請求項3】
前記磁気分流プレートは、鋼鉄などの鉄材料から形成されることを特徴とする、請求項2に記載のトルク捕捉装置。
【請求項4】
前記磁気分流プレートは、分流磁石のセットをさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載のトルク捕捉装置。
【請求項5】
第2の磁気分流プレートをさらに備え、
前記第2の磁気分流プレートは、前記第3のロータおよび前記第2のロータに隣接し、
前記磁気分流プレートは、前記第3の磁石および前記第2の磁石によって生成される磁場と相互作用し、
前記磁気分流プレートは、前記第1のロータの全回転より少ない回転にわたって、前記磁場と相互作用し、それによって、磁場に不均一な影響を及ぼし、したがって、不均一なトルクを引き起こし、
前記磁気分流プレートは、前記第3のロータおよび前記第2のロータによって捕捉されるトルクに影響を及ぼし、前記シャフト上に不均一なトルクをもたらし、したがって、回転を補助する
ことを特徴とする、請求項2に記載のトルク捕捉装置。
【請求項6】
前記磁気分流プレートは、前記第1の磁石および前記第2の磁石と、360度の半分以下の回転にわたって相互作用することを特徴とする、請求項2に記載のトルク捕捉装置。
【請求項7】
前記シャフトに接続された回転エネルギー源;
前記シャフトに接続された負荷
をさらに備え、
前記回転エネルギー源によって捕捉されたトルクは、前記シャフトを通過することによって前記負荷を駆動する
ことを特徴とする、請求項1に記載のトルク捕捉装置。
【請求項8】
トルク増大装置であって、
ロータ;
第1の回転リング;
分流磁石のセット
を備え、
前記ロータは、第1の軸の周りに回転するように自由であり、
前記ロータは、第1の磁石セットを有する第1の面を有し、
前記ロータは、第2の磁石セットを有する第2の面を有し、
前記第1の回転リングは、第1の上部磁石セットを有する内面を有し、
前記第1の回転リングは、前記ロータに対してある角度で設定され、
前記角度は、
前記ロータと前記第1の回転リングとの間の最も近い点で測定される最小磁気ギャップ;
前記ロータと前記第1の回転リングとの間の最も遠い点で測定される最大磁気ギャップ
を生成し、
前記ロータは、180度の減少する間隔と180度の増大する間隔とに分割される360度にわたって回転し、
前記第1の磁石セットは、前記第1の上部磁石セットと磁気的に相互作用し、
前記角度は、前記第1の磁石セットと前記第1の上部磁石セットとの間に不均衡な磁力をもたらし、
前記分流磁石のセットは、180度の増大する間隔の間、前記ロータと前記第1の回転リングとの間の増大するギャップに隣接し、
前記不均衡な磁力がトルクを捕捉する
ことを特徴とする、トルク増大装置。
【請求項9】
第2の回転リングをさらに備え、
前記第2の回転リングは、第2の上部磁石セットを有する第2の内面を有し、
前記第2の回転リングは、前記ロータに対して第2の角度で設定され、
前記第2の角度は、
前記ロータと前記第2の回転リングとの間の最も近い点で測定される第2の最小磁気ギャップ;
前記ロータと前記第2の回転リングとの間の最も遠い点で測定される第2の最大磁気ギャップ
を生成し、
前記ロータは、180度の減少する間隔と180度の増大する間隔とに分割される360度にわたって回転し、
前記第2の磁石セットは、前記第2の上部磁石セットと磁気的に相互作用し、
前記第2の角度は、前記第2の磁石セットと前記第2の上部磁石セットとの間に不均衡な磁力をもたらし、
前記不均衡な磁力が前記ロータを回転させる
ことを特徴とする、請求項8に記載のトルク増大装置。
【請求項10】
シャフトをさらに備え、
前記ロータおよび前記第1の回転リングはいずれも、前記シャフトに回転可能に連結され、
前記ロータおよび前記第1の回転リングがともに回転する
ことを特徴とする、請求項8に記載のトルク増大装置。
【請求項11】
前記分流磁石のセットは、鋼鉄などの鉄材料から形成される磁気分流プレートに取り付けられることを特徴とする、請求項8に記載のトルク増大装置。
【請求項12】
第2のセットの分流磁石をさらに備え、
前記第2のセットの分流磁石は、前記第2の回転リングに隣接し、
前記第2のセットの分流磁石は、前記第2の磁石セットおよび前記第2の上部磁石セットによって生成される磁場と相互作用し、
前記第2のセットの分流磁石は、前記第2の回転リングの全回転より少ない回転にわたって、前記磁場と相互作用し、それによって、磁場に不均一な影響を及ぼし、したがって、不均一なトルクを引き起こし、
前記第2のセットの分流磁石は、前記第2の回転リングおよび前記ロータによって捕捉されるトルクに影響を及ぼし、不均一なトルクが回転を補助する
ことを特徴とする、請求項9に記載のトルク増大装置。
【請求項13】
前記分流磁石のセットは、前記第1の磁石セットおよび前記第1の上部磁石セットと、360度の半分以下の回転にわたって相互作用することを特徴とする、請求項8に記載のトルク増大装置。
【請求項14】
前記シャフトに接続された回転エネルギー源;
前記シャフトに接続された負荷
をさらに備え、
前記回転エネルギー源によって捕捉されたトルクは、前記シャフトを通過することによって前記負荷を駆動する
ことを特徴とする、請求項10に記載のトルク増大装置。
【請求項15】
不平衡なトルクを捕捉する装置であって、
第1のセットの磁石を有する第1のロータ、第2のセットの磁石を有する第2のロータ、および第3のセットの磁石を有する第3のロータ;
第1の磁気分流プレート
を備え、
前記第1のロータは、前記第2のロータに対して角度を有し、該角度は、非平行かつ非垂直であり、
前記第1のロータ、前記第2のロータ、および前記第3のロータは、それぞれ共通のシャフトに接続され、
前記第1のロータ、前記第2のロータ、および前記第3のロータは、回転を整合させ、前記第1のセットの磁石は、単一回転中に前記第2のセットの磁石に近づいたり離れたりして移動し、前記第3のセットの磁石は、単一回転中に前記第2のセットの磁石に近づいたり離れたりして移動し、
前記第1の磁気分流プレートは、前記第1のセットの磁石および前記第2のセットの磁石によって捕捉された磁場と相互作用し、
前記第1の磁気分流プレートは、前記第1のプレートおよび前記第2のプレートが互いから離れるように移動する回転段階中に、前記第1のセットの磁石および前記第2のセットの磁石の引力を減少させ、不均一なトルクをもたらし、
不均衡なトルクは、前記共通のシャフトの回転を補助する
ことを特徴とする、不平衡なトルクを捕捉する装置。
【請求項16】
前記第1の磁気分流プレートは、鋼鉄などの鉄材料から形成されることを特徴とする、請求項15に記載の不平衡なトルクを捕捉する装置。
【請求項17】
前記第1の磁気分流プレートは、分流磁石のセットをさらに備えることを特徴とする、請求項15に記載の不平衡なトルクを捕捉する装置。
【請求項18】
第2の磁気分流プレートをさらに備え、
前記第2の磁気分流プレートは、前記第3のロータおよび前記第2のロータに隣接し、
前記第2の磁気分流プレートは、前記第3のセットの磁石および前記第2のセットの磁石によって生成される磁場と相互作用し、
前記第2の磁気分流プレートは、前記第1のロータの全回転より少ない回転にわたって、前記磁場と相互作用し、それによって、磁場に不均一な影響を及ぼし、したがって、不均一なトルクを引き起こし、
前記磁気分流プレートは、前記第3のロータおよび前記第2のロータによって捕捉されるトルクに影響を及ぼし、前記共通のシャフト上に不均一なトルクをもたらし、したがって、回転を補助する
ことを特徴とする、請求項15に記載の不均衡なトルクを捕捉する装置。
【請求項19】
前記第1の磁気分流プレートは、前記第1のセットの磁石および前記第2のセットの磁石と、360度の半分以下の回転にわたって相互作用することを特徴とする、請求項15に記載の不均衡なトルクを捕捉する装置。
【請求項20】
前記共通のシャフトに接続された回転エネルギー源;
前記共通のシャフトに接続された負荷
をさらに備え、
前記回転エネルギー源によって捕捉されたトルクは、前記共通のシャフトを通過することによって前記負荷を駆動する
ことを特徴とする、請求項15に記載の不均衡なトルクを捕捉する装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、Torque-increasing deviceと題された2021年5月21日出願の米国特許出願第17/326,509号に対する優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、回転エネルギーを生成する機械装置の分野に関し、より詳細には、回転システムにおいて追加のトルクを捕捉する装置に関する。
【背景技術】
【0003】
回転機械エネルギーは、我々の世界の主力である。液体の汲み上げから列車の移動にいたるまで、回転運動は極めて重要である。
【0004】
馬力は、機械の能力を論じるときに最も頻繁に引用される測定基準であるが、機械が作業を達成することを可能にするのはトルクである。回転するトルクがなければ、作業はできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
必要とされるのは、回転システムのトルクを増大させ、したがって作業の能力を増大させるためのシステムである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
トルク増大装置は、複数の回転ディスク、リング、またはロータを含み、それぞれが埋め込まれた磁石または固定された磁石を含む。ディスクは、互いに向かって傾斜し、したがって、回転の前半の間に互いに近づき、回転の後半の間に離れる。
【0007】
隣接する磁石が互いに引き合うと、引力は2つのベクトルに分割される:ディスクを分割する仮想平面に垂直なベクトルおよびロータの面に平行なトルクベクトル。
【0008】
磁気引力によって捕捉されるトルクは、常に、磁石が最近接するディスクの部分に向かい、磁石は、離れるのではなく互いにより近接することが好ましい。
【0009】
磁石の上部180度セグメントは、互いに近づくように第1の方向に回転することを望み、磁石の下部180度セグメントは、互いに近づくように第2の方向に回転することを望む。第1および第2の方向は反対であり、したがってトルクは相殺される。
【0010】
その結果、ロータは静止しており、対向するトルクによって運動は生じない。
【0011】
解決策は、ロータの上半分または下半分、あるいは上半分または下半分のセグメントのいずれかにおける磁石の引力を妨害し、したがって、磁力をアンバランスにして、回転を引き起こすことである。
【0012】
磁石が互いに相互作用するのを防ぐことはできないが、磁石の有無にかかわらず、鉄分流プレートを使用して、相互作用を修正または誘導することができる。磁石が磁束線分流のために使用される場合、ロータの最外磁石よりも大きい直径にまたは最内磁石の直径内に配置することができる。
【0013】
磁束線分流磁石は、好ましくは、回転ディスクの間の間隙に配置される。
【0014】
この干渉は、磁束線または磁場によって生成される磁力線に対する修正として視覚化される。
【0015】
ディスク間の磁場の角度を変化させることによって、力ベクトルが修正される。この磁気的修正は、ディスクの一部のみに適用され、不均衡をもたらす。
【0016】
目的は、磁束線の経路を変更し、したがって、回転の一部中のトルクの捕捉を防止することである。その結果、不均衡なトルクが生じる。
【0017】
磁気ディスク、ロータ、またはリングは、共通のシャフト上で共に回転する。回転を機械的に結合することによって、ロータとリングとの間の磁気相互作用が維持され、ロータ面に平行なトルクベクトルがシャフトに伝達される。
【0018】
好ましい実施形態は説明された通りであるが、代替実施形態が予想される。
【0019】
例えば、永久磁石が好ましいが、電磁石が代用可能である。
【0020】
個別の永久磁石が示されているが、個別の磁石が引き起こし得る「コギング」または段階的な回転効果ではなく、より滑らかな動作をもたらすように弧状磁石が代用され得る。
【0021】
図面に示すように、磁石は、好ましくはハルバッハ配列で配置され、これにより磁束をロータおよびプレート面から遠ざけるように集束させる。
【0022】
例えば、互いの上に積み重ねられた磁石の典型的なハルバッハ配置は以下の通りである:
・N-S磁石水平
・N-S磁石垂直
・S-N磁石水平。
【0023】
磁束は、所与の領域を通過する磁場の測定値である。磁束の測定および図示は、所与の領域にわたって存在する磁場を理解および測定するために使用される。磁束線は磁場の可視化である。
【0024】
本発明は、添付の図面と併せて考慮されると、以下の詳細な説明を参照することによって、当業者によって最もよく理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図6】トルク増大装置の回転リングが隠された状態の磁気アセンブリの等角図
【
図11】トルク増大装置のリング磁石とロータ磁石との間の相互作用の概略図
【
図12】トルク増大装置の分流磁石を追加したリング磁石とロータ磁石との間の相互作用の概略図
【発明を実施するための形態】
【0026】
ここで、本発明の現在好ましい実施形態を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。以下の詳細な説明を通して、全ての図において同じ参照番号は同じ要素を指す。
【0027】
図1を参照すると、トルク増大装置の第1の等角図が示されている。
【0028】
トルク増大装置1は、概して関連する付属部品と共に示されている。これらは、カップリング112を介してシャフト114に取り付けられたドライバ110を備えたフレーム100を含む。シャフト114は、軸受ブロック116上で回転する。プーリ118およびベルト120を介してシャフトに接続された負荷122も示されている。
【0029】
トルク増大装置1は、静止プレート150の間に配置された回転アセンブリ130から形成され、静止プレートの各々は、回転リング152を支持する。
【0030】
回転リング152は、回転アセンブリ130に対して傾斜しているか、または角度が設定されている。
【0031】
図2を参照すると、トルク増大装置の磁気アセンブリの上面図が示されている。
【0032】
トルク増大装置1は、主にロータ132から形成される回転アセンブリ130と、回転リング152とを備えて示されており、回転リング152は静止プレート150に固定されている。
【0033】
ロータ132は、ロータ回転方向240に回転し、回転リング152は、リング回転方向242として示される適合方向に回転する。
【0034】
ロータ132とリング152との傾斜したまたは角度のある関係は、最小磁気ギャップ170、最大磁気ギャップ172、および静止プレート174に対するロータ角度をもたらす。
【0035】
以下でさらに説明するように、分流磁石180および分流磁石プレート182は、静止プレート150および回転リング152に平行な平面に設定される。
【0036】
図3を参照すると、トルク増大装置の磁気アセンブリの断面図が示されている。
【0037】
回転リング152は軸受250によって支持されて示されており、その各々は軸受シャフト252の周りを回転し、軸受シャフト252は静止プレート150によって支持される。
【0038】
図4を参照すると、トルク増大装置の磁気アセンブリの底面図が示されている。
【0039】
ここでも、分流磁石プレート182に取り付けられた分流磁石180が示されている。分流磁石180は、それぞれの回転リング152に平行であり、ロータ132に対してある角度をなしている。回転方向は、ロータ回転方向240およびリング回転方向242として示されている。
【0040】
図5を参照すると、トルク増大装置の磁気アセンブリの等角図が示されている。
【0041】
ロータ132および回転リング152が回転していることが示されており、分流磁石180は回転リングの半径のすぐ外側に設定される。下部セグメントの回転中にロータ132の磁石と回転リング152の磁石との間の磁束線を分流させることによって、不均衡なトルクが捕捉される。
【0042】
また、シャフト114内の駆動ピンスロット264が見える。駆動ピンスロット264は、駆動ピン260(
図10参照)および駆動ピンブロック262(
図10参照)と相互作用して、ロータ132および回転リング152をともに回転させ続ける。
【0043】
図6および
図7を参照すると、トルク増大装置のロータが隠された状態の磁気アセンブリの等角図および断面図が示されている。
【0044】
回転アセンブリ130は、第1の磁石セット136を含む第1の面134と、第2の磁石セット140を含む第2の面138とを有するロータ132から形成される。
【0045】
各磁石セット136/140は、ロータ外側磁石220と、ロータ内側磁石222と、ロータ中心磁石224とを含む。
【0046】
図8および
図9を参照すると、トルク増大装置の回転リングの等角図および断面図が示されている。
【0047】
回転リング152は、リング外側磁石226と、リング内側磁石228と、リング中央磁石230とを含む。
【0048】
回転リング152は、ベアリング250によって支持され、ベアリングは、回転リング152の重量を静止プレート150に伝達する。
【0049】
図10を参照すると、トルク増大装置の回転リングの上面等角図が示されている。
【0050】
駆動ピン260は、駆動ピンブロック262を介して回転リング152をシャフト114内の駆動ピンスロット264に機械的に接続する。
【0051】
回転リング152をシャフト114に接続するために駆動ピンスロット264を使用することは、適合した回転を確実にする1つの手段である。ギア、プーリ、ベルトなどの他の接続手段が予想される。
【0052】
図11および12を参照すると、分流磁石のないおよび分流磁石のある、トルク増大装置のリング磁石とロータ磁石との間の相互作用の概略図が示されている。
【0053】
図11では、ロータ外側磁石220、ロータ内側磁石222、ロータ中心磁石224は、ロータ132(
図6参照)に固定されて示されており、リング外側磁石226、リング内側磁石228、およびリング中心磁石230は、回転リング152(
図8参照)に固定されて示されている。
【0054】
磁場分流がない場合、連続磁束線232は、ロータ132の磁石(左側)からリング152の磁石(右側)に直接通過する。
【0055】
図12では、分流磁石180および上部分流磁石184が示されている。ここで、磁束線は、分流磁束線234として示される分流経路に従う。磁束線の分流により、ロータ132(左側)とリング152(右側)との磁気的相互作用が低減される。したがって、ロータ132およびリング152の全回転より少ない回転数にわたって磁束線を分流させることによって、不均衡/不均一なトルクが捕捉される。このトルクは、シャフト114(
図5参照)に印加され、その回転を補助する。
【0056】
実質的に同じ結果を達成するために実質的に同じ方法で実質的に同じ様式で機能するように、同等の要素を上記に記載されるものと置き換えることができる。
【0057】
説明されるシステムおよび方法ならびにその付随する利点の多くは、前述の説明によって理解されるであろうと考えられる。また、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、またはその重要な利点のすべてを犠牲にすることなく、その構成要素の形態、構造、および配置に様々な変更を行うことができることも明らかであると考えられる。本明細書において前述した形態は、その例示的かつ説明的な実施形態にすぎない。以下の特許請求の範囲は、そのような変更を包含し、含むことを意図している。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トルク捕捉装置であって、
シャフト;
第1の磁石を有する第1のロータ、第2の磁石を有する第2のロータ、および第3の磁石を有する第3のロータ
を備え、
前記第1のロータ、第2のロータ、および第3のロータはそれぞれ、前記シャフトに固定され
、
前記第1のロータは第1の静止プレートにより支持され;
前記第2のロータは第2の静止プレートにより支持され;
前記第1のロータは、前記第2のロータに対して第1の角度にあり
、
前記第3のロータは、前記第2のロータに対して第3の角度にあり
、
前記第1の磁石、第2の磁石、および第3の磁石は、前記第1のロータ、第2のロータ、および第3のロータの回転中に相互作用して、トルクを捕捉する
ことを特徴とする、装置。
【請求項2】
磁気分流プレートをさらに備え、
前記磁気分流プレートは、前記第1のロータおよび前記第2のロータに隣接し、
前記磁気分流プレートは、前記第1の磁石および前記第2の磁石によって生成される磁場と相互作用し、
前記磁気分流プレートは、前記第1のロータの全回転より少ない回転にわたって、前記磁場と相互作用し、それによって、磁場に不均一な影響を及ぼし、したがって、不均一なトルクを引き起こ
す
ことを特徴とする、請求項1に記載のトルク捕捉装置。
【請求項3】
前記磁気分流プレートは、鋼鉄などの鉄材料から形成されることを特徴とする、請求項2に記載のトルク捕捉装置。
【請求項4】
前記磁気分流プレートは、分流磁石のセットをさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載のトルク捕捉装置。
【請求項5】
第2の磁気分流プレートをさらに備え、
前記第2の磁気分流プレートは、前記第3のロータおよび前記第2のロータに隣接し、
前記磁気分流プレートは、前記第3の磁石および前記第2の磁石によって生成される磁場と相互作用し、
前記磁気分流プレートは、前記第1のロータの全回転より少ない回転にわたって、前記磁場と相互作用し、それによって、磁場に不均一な影響を及ぼし、したがって、不均一なトルクを引き起こし、
前記磁気分流プレートは、前記第3のロータおよび前記第2のロータによって捕捉されるトルクに影響を及ぼし、前記シャフト上に不均一なトルクをもたらし、したがって、回転を補助する
ことを特徴とする、請求項2に記載のトルク捕捉装置。
【請求項6】
前記磁気分流プレートは、前記第1の磁石および前記第2の磁石と、360度の半分以下の回転にわたって相互作用することを特徴とする、請求項2に記載のトルク捕捉装置。
【請求項7】
トルク増大装置であって、
ロータ;
第1の回転リング;
分流磁石のセット
を備え、
前記ロータは、第1の軸の周りに回転するように自由であり、
前記ロータは、第1の磁石セットを有する第1の面を有し、
前記ロータは、第2の磁石セットを有する第2の面を有し、
前記第1の回転リングは、第1の上部磁石セットを有する内面を有し、
前記第1の回転リングは、前記ロータに対してある角度で設定され、
前記角度は、
前記ロータと前記第1の回転リングとの間の最も近い点で測定される最小磁気ギャップ;
前記ロータと前記第1の回転リングとの間の最も遠い点で測定される最大磁気ギャップ
を生成し、
前記ロータは、180度の減少する間隔と180度の増大する間隔とに分割される360度にわたって回転し、
前記第1の磁石セットは、前記第1の上部磁石セットと磁気的に相互作用し、
前記角度は、前記第1の磁石セットと前記第1の上部磁石セットとの間に不均衡な磁力をもたらし、
前記分流磁石のセットは、180度の増大する間隔の間、前記ロータと前記第1の回転リングとの間の増大するギャップに隣接
する
ことを特徴とする、トルク増大装置。
【請求項8】
第2の回転リングをさらに備え、
前記第2の回転リングは、第2の上部磁石セットを有する第2の内面を有し、
前記第2の回転リングは、前記ロータに対して第2の角度で設定され、
前記第2の角度は、
前記ロータと前記第2の回転リングとの間の最も近い点で測定される第2の最小磁気ギャップ;
前記ロータと前記第2の回転リングとの間の最も遠い点で測定される第2の最大磁気ギャップ
を生成し、
前記ロータは、180度の減少する間隔と180度の増大する間隔とに分割される360度にわたって回転し、
前記第2の磁石セットは、前記第2の上部磁石セットと磁気的に相互作用し、
前記第2の角度は、前記第2の磁石セットと前記第2の上部磁石セットとの間に不均衡な磁力をもたら
す
ことを特徴とする、請求項
7に記載のトルク増大装置。
【請求項9】
シャフトをさらに備え、
前記ロータおよび前記第1の回転リングはいずれも、前記シャフトに回転可能に連結され
る
ことを特徴とする、請求項
7に記載のトルク増大装置。
【請求項10】
前記分流磁石のセットは、鋼鉄などの鉄材料から形成される磁気分流プレートに取り付けられることを特徴とする、請求項
7に記載のトルク増大装置。
【請求項11】
第2のセットの分流磁石をさらに備え、
前記第2のセットの分流磁石は、前記第2の回転リングに隣接し、
前記第2のセットの分流磁石は、前記第2の磁石セットおよび前記第2の上部磁石セットによって生成される磁場と相互作用し、
前記第2のセットの分流磁石は、前記第2の回転リングの全回転より少ない回転にわたって、前記磁場と相互作用し、それによって、磁場に不均一な影響を及ぼし、したがって、不均一なトルクを引き起こ
す
ことを特徴とする、請求項
8に記載のトルク増大装置。
【請求項12】
前記分流磁石のセットは、前記第1の磁石セットおよび前記第1の上部磁石セットと、360度の半分以下の回転にわたって相互作用することを特徴とする、請求項
7に記載のトルク増大装置。
【請求項13】
前記シャフトに接続された回転エネルギー源;
前記シャフトに接続された負荷
をさらに備え
る
ことを特徴とする、請求項
9に記載のトルク増大装置。
【請求項14】
不平衡なトルクを捕捉する装置であって、
第1のセットの磁石を有する第1のロータ、第2のセットの磁石を有する第2のロータ、および第3のセットの磁石を有する第3のロータ;
第1の磁気分流プレート
を備え、
前記第1のロータは、前記第2のロータに対して角度を有し、該角度は、非平行かつ非垂直であり、
前記第1のロータ、前記第2のロータ、および前記第3のロータは、それぞれ共通のシャフトに接続され、
前記第1のロータ、前記第2のロータ、および前記第3のロータは、回転を整合させ、前記第1のセットの磁石は、単一回転中に前記第2のセットの磁石に近づいたり離れたりして移動し、前記第3のセットの磁石は、単一回転中に前記第2のセットの磁石に近づいたり離れたりして移動し、
前記第1の磁気分流プレートは、前記第1のセットの磁石および前記第2のセットの磁石によって捕捉された磁場と相互作用し、
前記第1の磁気分流プレートは、前記第1のプレートおよび前記第2のプレートが互いから離れるように移動する回転段階中に、前記第1のセットの磁石および前記第2のセットの磁石の引力を減少させ、不均一なトルクをもたら
す
ことを特徴とする、不平衡なトルクを捕捉する装置。
【請求項15】
前記第1の磁気分流プレートは、鋼鉄などの鉄材料から形成されることを特徴とする、請求項
14に記載の不平衡なトルクを捕捉する装置。
【請求項16】
前記第1の磁気分流プレートは、分流磁石のセットをさらに備えることを特徴とする、請求項
14に記載の不平衡なトルクを捕捉する装置。
【請求項17】
第2の磁気分流プレートをさらに備え、
前記第2の磁気分流プレートは、前記第3のロータおよび前記第2のロータに隣接し、
前記第2の磁気分流プレートは、前記第3のセットの磁石および前記第2のセットの磁石によって生成される磁場と相互作用し、
前記第2の磁気分流プレートは、前記第1のロータの全回転より少ない回転にわたって、前記磁場と相互作用し、それによって、磁場に不均一な影響を及ぼし、したがって、不均一なトルクを引き起こ
す
ことを特徴とする、請求項
14に記載の不均衡なトルクを捕捉する装置。
【請求項18】
前記第1の磁気分流プレートは、前記第1のセットの磁石および前記第2のセットの磁石と、360度の半分以下の回転にわたって相互作用することを特徴とする、請求項
14に記載の不均衡なトルクを捕捉する装置。
【請求項19】
第1の静止プレートおよび第3の静止プレートをさらに備え、
前記第1のロータは前記第1の静止プレートにより支持され、
前記第3のロータは前記第3の静止プレートにより支持される
ことを特徴とする、請求項1に記載のトルク捕捉装置。
【請求項20】
第1の静止プレートおよび第3の静止プレートをさらに備え、
前記第1のロータは前記第1の静止プレートにより支持され、
前記第3のロータは前記第3の静止プレートにより支持される
ことを特徴とする、請求項14に記載の不均衡なトルクを捕捉する装置。
【国際調査報告】