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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】車両軌道決定
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/10 20060101AFI20240517BHJP
【FI】
B60W30/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569916
(86)(22)【出願日】2022-05-04
(85)【翻訳文提出日】2023-11-10
(86)【国際出願番号】 US2022027674
(87)【国際公開番号】W WO2022245544
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】17/327,350
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518156417
【氏名又は名称】ズークス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー カルドウェル
(72)【発明者】
【氏名】ジャネク フデチェク
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンセント アンドレアス ローレンス
(72)【発明者】
【氏名】ジャック ライリー
【テーマコード(参考)】
3D241
【Fターム(参考)】
3D241BA15
3D241CE02
3D241CE04
3D241DB01Z
3D241DB07Z
(57)【要約】
計画経路に従って車両を動作させるために車両の軌道を決定する技術が記載される。一例において、車両コンピューティングシステムは、第1の時刻に車両の位置を決定し得る。その位置に基づいて、車両コンピューティングシステムは、第2の時刻における車両の推定位置を決定してよく、車両の推定位置は、横方向座標および縦方向座標を含む。車両コンピューティングシステムは、第1の時刻に関連付けられた車両軌道(例えば、以前に決定された軌道)に基づいて縦方向座標を決定してよく、かつ、計画経路に基づいて横方向座標を決定してよい。車両コンピューティングシステムは、推定位置および第1の軌道に部分的に基づいて第2の車両軌道を決定してよく、第2の車両軌道に従って車両を制御してよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサと、
1つまたは複数のプロセッサと、
1つまたは複数のプロセッサによって実行可能な命令を記憶する1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読媒体と、
を備えるシステムであって、前記命令は、実行されると、前記システムに、
第1の車両軌道を受信することと、
前記センサからのセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、第1の時刻に環境において動作する車両の第1の位置を決定することと、
前記第1の車両軌道にマッピングされた前記第1の位置の第1の投影位置を決定することと、
前記第1の投影位置および前記第1の車両軌道に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の時刻の後の第2の時刻における前記車両の第2の位置を決定することであって、前記第2の位置は、前記車両の推定未来位置を含み、
前記第2の位置は、
前記第1の車両軌道に制約される横方向座標と、
前記第1の車両軌道に関連付けられた速度に少なくとも部分的に基づいて決定される縦方向座標とを含む、ことと、
前記環境において動作する前記車両に関連付けられたアクションを決定することと、
前記第2の位置および前記アクションに少なくとも部分的に基づいて、前記第2の時刻において動作する前記車両に関連付けられた第2の車両軌道を決定することと、
前記第2の時刻において前記第2の車両軌道に少なくとも部分的に基づいて前記車両を制御することと、を含む動作を実行させる、システム。
【請求項2】
前記車両の前記第1の位置から前記第1の車両軌道への距離が閾値距離以下であると決定することをさらに含み、
前記車両の前記第2の位置を決定することは、前記距離が前記閾値距離以下であると決定することに少なくとも部分的に基づく、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2の時刻における前記車両の第3の位置を決定することであって、前記車両の前記第3の位置は、前記第2の時刻における前記車両の実際の位置を含む、ことと、
前記第3の位置と前記第1の車両軌道との間の距離が閾値距離を超えることを決定することと、
前記閾値距離を超える前記距離に少なくとも部分的に基づいて、前記車両が移動するための前記環境における第4の位置を識別することであって、前記第4の位置は駐車位置に関連付けられている、ことと、
前記第4の位置へ動作する車両に関連付けられた第3の軌道を決定することと、
前記第3の軌道に従って前記車両を制御することと、をさらに含む、請求項1または2の何れか1項に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2の時刻は、車両軌道の計算に関連付けられた第1の時間間隔、または、
前記車両の制御に関連付けられた車両コンポーネントに対応する作動遅延に関連付けられた第2の時間間隔
の少なくとも1つに少なくとも部分的に基づく、請求項1~3の何れか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記車両の制御に関連付けられた車両コンポーネントを決定することと、
前記車両コンポーネントに関連付けられた作動遅延を決定することと、
前記作動遅延に少なくとも部分的に基づいて、前記車両コンポーネントを制御する信号を送信することと、をさらに含む、請求項1~4の何れか1項に記載のシステム。
【請求項6】
第1の時刻に環境において動作する車両の現在位置に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の時刻の後の未来の時刻における前記車両の推定位置を決定することであって、前記推定位置は、
前記環境において動作する前記車両に関連付けられた第1の車両軌道および前記第1の車両軌道への現在位置の投影位置に少なくとも部分的に基づいた横方向座標と、
前記第1の車両軌道に関連付けられた速度に少なくとも部分的に基づいて決定された縦座標と、を含む、ことと、
前記推定位置および前記速度に少なくとも部分的に基づいて、前記未来の時刻において動作する前記車両に関連付けられた第2の車両軌道を決定することと、を含む、方法。
【請求項7】
前記現在位置から前記第1の車両軌道への距離が閾値距離以下であると決定することをさらに含み、
前記車両の前記推定位置を決定することは、前記距離が前記閾値距離以下であると決定することに少なくとも部分的に基づく、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記未来の時刻における前記車両の測定位置を決定すること、
前記測定位置と前記第1の車両軌道との間の距離が閾値距離を超えると決定すること、および、
前記閾値距離を超える前記距離に少なくとも部分的に基づいて、前記車両を駐車位置に移動させることを決定すること、
をさらに含む、請求項6および7の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記車両を前記駐車位置に移動させることは、
前記駐車位置への前記車両の動作に関連付けられた第3の軌道に少なくとも部分的に基づいて、前記車両を制御すること、または、
リモートオペレータから受信した制御入力に少なくとも部分的に基づいて、前記車両を制御すること、
の少なくとも1つを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記未来の時刻は、
車両軌道の計算に関連付けられた第1の時間間隔、または、
前記車両の制御に関連付けられた車両コンポーネントに対応する作動遅延に関連付けられた第2の時間間隔の少なくとも1つに
少なくとも部分的に基づく、請求項6~9の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の車両軌道に従って前記車両を制御することに関連付けられた車両コンポーネントを決定することと、
前記車両コンポーネントに関連付けられた作動遅延を決定することであって、
前記第2の車両軌道を決定することは、前記作動遅延に少なくとも部分的にさらに基づく、ことと、
をさらに含む、請求項6~10の何れか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記環境において動作する前記車両に関連付けられたアクションを決定することと、
前記アクションに関連付けられた速度を決定することと、をさらに含み、
前記第2の車両軌道は、前記速度に少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項6~11の何れか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記環境において動作する物体を決定することと、
前記物体に少なくとも部分的に基づいて、前記車両が実施するアクションを決定することと、をさらに含み、
前記第2の車両軌道を決定することは、前記アクションに少なくとも部分的にさらに基づく、請求項6~12の何れか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記未来の時刻において、前記第2の車両軌道の少なくとも一部に基づき、前記車両を制御することをさらに含む、請求項6~13の何れか1項に記載の方法。
【請求項15】
命令を記憶する1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、実行されると、1つまたは複数のプロセッサに、請求項6~14の何れか1項に記載の方法を実施させる、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両軌道決定に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
[0001]本PCT国際出願は、2021年5月21日に出願され、「車両軌道決定(VEHICLE TRAJECTORY DETERMINATION)」と題された米国特許出願第17/327,350の優先権を主張し、この出願の全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
[0002]車両は、環境を通過する車両の計画された経路に基づく等して車両が追従する軌道を決定するための制御システムを搭載し得る。これらの制御システムは、しばしば車両の計画された経路と車両の物理的な位置との間の不一致を補正する。例えば、制御システムは、車両の未来の状態を推定し、推定された未来の状態に関連付けられた位置および速度ベースの軌道をマージすることによって、車両が追従する軌道を決定し得る。しかし、未来の状態を推定し、推定された未来の状態に関連付けられた軌道をマージすることは、軌道計算にノイズや誤差が導入し得るため、その結果、車両の方向が不規則または散発的に変化する可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
[0003]添付の図面を参照して詳細な説明を行う。図面において、参照符号の左端の桁は、参照符号が最初に現れる図面を識別する。異なる図面において同じ参照符号を使用することは、類似または同一のコンポーネントまたは特徴を示す。
図1】[0004]図1は、本開示の例に係る、ある環境において動作し、車両制御システムを搭載した車両を示す図である。
図2】[0005]図2は、本開示の例に係る、車両軌道を決定する処理を示す図である。
図3】[0006]図3は、本明細書に記載する技術を実装する例示的なシステムのブロック図である。
図4】[0007]図4は、本開示の例に係る、ある環境において動作する車両に関連付けられた車両軌道を決定するための例示的な処理を示す図である。
図5】[0008]図5は、本開示の例に係る、ある環境における車両の動作に関連付けられた車両アクションに基づいて、未来の時刻に車両が追従する軌道を決定するための例示的な処理を示す図である。
図6】[0009]図6は、対応する車両のコンポーネントに関連付けられた作動遅延に基づいて、車両軌道に関連付けられた制御信号を送信する例示的な処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
詳細な説明
[0010]上述したように、車両制御システムは、推定された未来の状態、および、推定された未来の状態に関連付けられた位置および速度ベースの軌道に基づいて、車両が追従する軌道を決定し得る。しかしながら、推定された未来の状態およびそれに関連付けられた速度を決定することによって導入されるノイズおよび誤差は、車両の方向の不規則または散発的な変化をもたらす可能性がある。そのため、現在の実装では、乗員にとってスムーズな走行を維持しながら、計画軌道を効果的に追跡(例えば、追従)するための連続的な信号を提供するには不十分であり得る。本願は、計画経路を効率的かつ効果的に追跡するための連続的な軌道を提供および維持するために、車両制御システムを改善する技術に関する。
【0006】
[0011]
幾つかの例において、車両は、環境において計画経路を走行するように構成され得る。このような経路は、出発地から目的地まで進む間に車両が追従する位置の幾何学的セット、またはその任意の部分であってもよい。車両は、計画経路に部分的に基づいて、環境を通して車両を制御するように構成された制御システムを含み得る。幾つかの例において、制御システムは、計画コンポーネントを含み得る。様々な例において、計画コンポーネントは、車両が追従する計画軌道を決定するように構成され得る。幾つかの例において、計画軌道は、物体(例えば、他の車両、歩行者、自転車等)に応じて取られる逸脱のような、車両の走行に関連付けられた所定の経路からの1つまたは複数の逸脱を構成してもよい。様々な例において、計画コンポーネントは、計画経路に従って走行する際に、車両が追従する軌道を決定および/または変更するように構成され得る。様々な例において、計画コンポーネントは、0.1秒毎、0.05秒毎といった所定の間隔で、車両が追従する軌道を決定するように構成されてもよい。本明細書において使用される場合、計画軌道という用語は、以前に決定された軌道(例えば、以前の時間間隔で決定された軌道)を説明するために使用されてもよい。例えば、計画コンポーネントは、所定の時間間隔で、車両が追従する新たな軌道を、少なくとも部分的に以前の軌道に基づいて決定し得る。計画コンポーネントは、各時間間隔で、新しい軌道を制御システムの追跡コンポーネントに渡し得る。
【0007】
[0012]様々な例において、追跡コンポーネントは、新しい軌道に従って車両を制御するために駆動システムに送信する1つまたは複数の制御信号を決定するように構成されてもよい。様々な例において、制御信号は、車両の駆動システムの1つまたは複数のコンポーネント(例えば、モータ、エンジン、トランスミッション、ステアリングコンポーネント、ブレーキコンポーネント等)に関連付けられた設定を修正する命令を含んでよい。非限定的な一例として、追跡は、1つまたは複数の車輪に特定のトルクを適用させる(ひいては、車両の所望の加速度または速度)ために、1つまたは複数のモーターコントローラに供給する特定の電流を通知し得る。このような例において、追跡コンポーネントは、新たな軌道に従って車両を制御させるように構成され得る。本明細書において論じるように、車両制御システムは、車両コンピューティングシステムに関連付けられてよい。
【0008】
[0013]幾つかの例において、車両コンピューティングシステムは、車両の1つまたは複数のセンサ、および/または、1つまたは複数のリモートセンサ(例えば、他の車両に関連付けられたセンサ、環境に設置されたセンサ等)からのセンサデータに基づく等して、車両の位置を決定し得る。センサデータは、車両の現在の状態、例えば、車両の速度、加速度、位置および/または方向に関連付けられたデータを含んでよい。車両の位置は、車両の計画軌道に従う等して、環境内において動作する車両の現在の物理的な位置を含み得る。幾つかの例において、車両コンピューティングシステムは、車両の現在位置が、計画軌道から横方向に閾値距離(例えば、10センチメートル、7インチ等)以内であるか否かを決定し得る。このような例において、閾値距離は、車両が所定の安全パラメータ内において動作することを保証する安全制約を表し得る。このように、本明細書に記載する技術は、車両の安全運転を改善し得る。
【0009】
[0014]現在位置が計画軌道の閾値距離内でないとの決定に基づいて、車両コンピューティングシステムは、環境内における車両のさらなる動作の停止を決定してよい。幾つかの例において、車両コンピューティングシステムは、車両が安全な場所に停止するように、車両が追従する軌道を決定し得る。そのような例において、車両コンピューティングシステムは、安全な場所を識別し、車両を安全な場所へ環境を走行させるように構成され得る。幾つかの例において、車両コンピューティングシステムは、リモートオペレータから制御入力を受信する等すべく、リモートオペレータに接続するように構成されてもよい。
【0010】
[0015]現在位置が計画軌道の閾値距離内であるとの決定に基づいて、車両コンピューティングシステムは、未来のある時刻における車両の推定位置を決定し得る。そのような例において、車両の推定位置は、未来の時刻における車両の位置の投影を含むことができる(例えば、車両の現在の状態推定値が与えられて車両が以前に決定された軌道に完全に追従したかのように)。幾つかの例において、時刻は、車両軌道を計算するための所定のレート(例えば、10ミリ秒毎、50ミリ秒毎等)に基づいて決定され得る。追加的または代替的に、幾つかの例において、推定位置に関連付けられる未来の時刻は、駆動システムコンポーネントに関連付けられた遅延に基づいて決定され得る。駆動システムコンポーネントに関連付けられた遅延は、駆動システムコンポーネントに送信する制御信号を決定する際の遅延(例えば、レイテンシ)、および/または、制御信号に基づいて駆動システムコンポーネントを作動させる際の遅延を含み得る。例えば、車両のブレーキシステムは、制御信号の受信と、その信号に基づいたブレーキの係合との間の第1の時間遅延が関連付けられてよい。車両コンピューティングシステムは、第1の時間遅延に基づいて、推定位置に関連付けられる未来の時刻を決定し得る。幾つかの例において、駆動システムコンポーネントに関連付けられた遅延は、2つ以上の駆動システムコンポーネントに関連付けられた平均遅延を含み得る。そのような例において、車両コンピューティングシステムは、駆動システムの2つ以上のコンポーネントの作動に関連付けられた平均遅延に少なくとも部分的に基づいて、推定位置に関連付けられる未来の時刻を決定し得る。
【0011】
[0016]車両の推定位置は、縦方向座標および横方向座標を含んでよい。様々な例において、車両コンピューティングシステムは、以前に決定された軌道に少なくとも部分的に基づいて、車両の推定位置の縦方向座標を決定し得る。例えば、車両コンピューティングシステムは、以前に決定された軌道に関連付けられた1つまたは複数の速度で走行しながら、現在の時刻と未来の時刻との間の時間間隔の間に車両がどの程度移動すると推定されるかに基づいて、縦方向座標を決定し得る。様々な例において、車両コンピューティングシステムは、所定のレートで軌道を計算するように構成されてもよい。そのような例において、車両の推定位置は、所定のレートで計算された、直近(以前)に決定された軌道に基づいて決定され得る。
【0012】
[0017]車両の推定位置の横方向座標は、未来の時刻における車両の横方向の位置を含んでよい。幾つかの例において、車両コンピューティングシステムは、車両の計画軌道に基づいて、推定位置の横方向座標を決定し得る。幾つかの例において、推定位置の横方向座標は、未来の時刻における計画軌道に関連付けられた横方向座標と同一または実質的に同一であってもよい(例えば、2%未満の差、5センチメートル以内等)。幾つかの例において、横方向座標は、車両の計画軌道から閾値横方向距離以内(例えば、10センチメートル以内、3インチ以内等)であってもよい。このように、少なくとも1つの例において、車両コンピューティングシステムは、推定位置の横方向座標を、計画軌道の横方向の範囲内に制約するように構成され得る。
【0013】
[0018]様々な例において、車両コンピューティングシステムは、計画軌道に制約された横方向座標を有する車両の推定位置に部分的に基づいて、新たな車両軌道を決定し得る。そのような例において、新しい車両軌道は、横方向の情報(例えば、位置変動)ではなく、縦方向の情報(例えば、速度、加速度等)に基づいて決定され得る。様々な例において、車両軌道決定に関連付けられた縦方向情報は、車両アクションに関連付けられた1つまたは複数の速度を含み得る。車両アクションは、環境の状況(例えば、道路規則、検出された物体等)に基づいて車両コンピューティングシステムによって決定されたアクションを含み得る。非限定的な一例として、車両アクションは、環境を走行する速度を維持すること、一時停止標識において停止すること、交差点において停止位置から加速すること、他の車両に道を譲るために減速すること等を含み得る。
【0014】
[0019]少なくとも1つの例において、アクションは、物体に基づいて車両を制御するように、環境内において検出された物体に基づいて決定され得る。物体には、歩行者、自転車、オートバイ、他の車両等が含まれ得る。このように、車両コンピューティングシステムは、物体が車両に関係するとの決定に基づいて、および/または、それらに関連付けられた予測物体軌道に基づいて、アクションを決定するように構成され得る。車両コンピューティングシステムは、2019年4月19日に出願され「動的物体関係性決定(Dynamic Object Relevance Determination)」と題された米国特許出願第16/389,720号、2019年5月20日に出願され「物体関係性決定(Object Relevance Determination)」と題された米国特許出願第16/417,260号、2017年11月8日に出願され「行動予測のための確率的ヒートマップ(Probabilistic Heat Maps for Behavior Prediction)」と題された米国特許出願第15/807,521号、2018年10月4日に出願され「アクションデータに基づくトップダウンシーンにおける軌道予測(Trajectory Prediction on Top-Down Scenes)」と題された米国特許出願第16/151,607号、および、2019年7月5日に出願され「アクションデータに基づくトップダウンシーンの予測(Prediction on Top-Down Scenes based on Action Data)」と題された米国特許出願第16/504,147号に記載され、それぞれの内容の全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれるような技術を利用して、物体関係性および予測物体軌道を決定し得る。
【0015】
[0020]車両アクションに関連付けられた速度は、車両が車両アクションを実施することに関連付けられた1つまたは複数の速度を表すことができる。例えば、速度は、赤信号で停止するために車両を減速させることに関連付けられた速度を含むことができる。ただし、これは単に例示であり、限定を意図したものではない。少なくとも1つの例において、車両コンピューティングシステムは、車両移動の速度ベースの最適化に基づいて、推定位置に関連付けられた車両軌道を決定し得る。幾つかの例において、車両コンピューティングシステムは、2020年2月28日に出願され「自律走行車の計画軌道を調整するシステムおよび方法(System and Method for Adjusting a Planned Trajectory of an Autonomous Vehicle)」と題された米国特許出願第16/805,118に記載され、その内容の全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれるような技術を利用して、車両の推定位置に関連付けられた車両軌道を決定し得る。様々な例において、車両コンピューティングシステムは、推定位置および速度ベースの最適化に基づいて決定された車両軌道に従って車両を制御し得る。
【0016】
[0021]本明細書において論じる技術は、多くの方法で車両コンピューティングシステムの機能を改善し得る。上述したように、本軌道決定システムは、未来の車両位置を推定し、かつ、横方向および縦方向に基づく軌道を決定することによって、車両軌道を決定することを含む。これらのシステムは、次に、横方向および縦方向に基づく軌道を、車両が追従する単一の車両軌道に統合する。ただし、車両の推定位置の横方向座標をその計画経路に制約することにより、本明細書に記載する技術は、軌道決定を速度ベースの軌道に制限することが可能である。換言すると、横方向の制約は、軌道決定プロセスにおいて横方向の最適化を実施する要件、および、横方向の最適化を速度ベースの最適化と統合する要件を取り除くことが可能である。このように、本明細書に記載する技術は、車両軌道の決定に必要なコンピューティングリソースの総量を削減し、それによって車両コンピューティングシステムを改善する。
【0017】
[0022]従来の制御システムとは異なり、本明細書に記載する制御システムは、駆動システムの遅延を調整した未来の時刻における車両の推定位置に基づいて、車両が追従する軌道を決定し得る。駆動システムの作動における追加の遅延を考慮することにより、本明細書に記載の技術は、駆動システムの作動に起因して導入される誤差を低減し得る。幾つかの例において、誤差の低減は、車両軌道を決定するために車両コンピューティングシステムが必要とするコンピューティングリソースの量を低減し得る。追加的に、作動遅延を考慮することは、車両コンピューティングシステムに、計画経路を追跡する連続的な軌道をより効果的かつ効率的に維持させることを可能にし得る。さらに、制御システムの作動におけるレイテンシおよび遅延を考慮することにより、本明細書に記載の技術は、車両の安全な動作を改善し得る。
【0018】
[0023]本明細書に記載する技術は、多くの方法で実施され得る。実施例を以下の図面を参照して以下に示す。自律車両の文脈において説明するが、本明細書に記載の方法、装置、および、システムは、様々なシステム(例えば、センサシステム、または、ロボットプラットフォーム)に適用されてよく、自律車両に限定されない。一例において、このようなシステムが様々な操縦を行うことが安全であるかどうかの指標を提供し得る運転者制御車両において、同様の技術が利用され得る。他の例において、その技術は、航空または航海の文脈において、または、計画技術を使用するあらゆるシステムにおいて利用され得る。
【0019】
[0024]図1は、制御システムを搭載した車両102が動作する例示的な環境100における制御システムを搭載した車両102を示す模式図である。図示した例において、車両102は、環境100を走行しているが、他の例において、車両102は、環境100において静止(例えば、一時停止標識、赤信号等で停止)、および/または、駐車していてもよい。図1の例示のような幾つかの例において、1つまたは複数の物体104が、環境100において追加的に動作してもよい。例えば図1は、横断歩道106を通って進む物体104(例えば、歩行者)を示す。図示されていないが、例えば、道路標識、駐車車両、消火栓、建物、縁石等の静的な物体、および/または、例えば、歩行者、動物、自転車、トラック、オートバイ、他の車両等の動的な物体を含む、あらゆる数および/またはタイプの物体が、追加的または代替的に環境100に存在することが可能である。
【0020】
[0025]様々な例において、車両102の車両コンピューティングシステム116は、1つまたは複数のセンサから受信したセンサデータに基づいて、環境100における物体104を決定するように構成され得る。センサは、カメラ、動き検出器、ライダ(lidar)、レーダ、慣性センサ等を含み得る。センサは、車両102に搭載されていてもよいし、および/または、他の車両および/または環境100に搭載されているもののように、車両102からリモートにあるものであってもよい。センサがリモートセンサ(例えば、他の車両、環境100に搭載)である例において、車両コンピューティングシステム116は、1つまたは複数のネットワークを介してセンサデータを受信するように構成され得る。センサに関連付けられる追加の詳細については、図3に関して後述する。幾つかの例において、車両コンピューティングシステム116は、センサデータに基づいて、車両102に関連付けられた位置、方向、および/または、位置情報を決定するように構成され得る。
【0021】
[0026]幾つかの例において、車両102は、米国運輸省道路交通安全局によって発行されたレベル5の分類に従って動作するように構成された自律車両であり得、この分類は、運転者(または、乗員)がいかなる時においても車両を制御することが期待されない状況において、全体の走行に対して全てのセーフティクリティカル機能を実行可能な車両を記述する。このような例において、車両102は、全ての駐車機能を含む、発進から停止までの全機能を制御するように構成され得るため、無人であり得る。幾つかの例において、車両102は、車両運転に関連付けられた制御機能の少なくとも一部を実行するように構成された半自律車両を含み得る。車両102に関連付けられる追加の詳細については後述する。
【0022】
[0027]図1は、車両102が計画経路108に従って環境100内を走行しているシナリオを示す。計画経路108は、車両102が走行に関連付けられた初期位置から目的地まで走行するための一般的な計画走行経路を含み得る。図示の例において、車両102は、道路112の第1の車線110を走行しており、道路は、第1の方向に走行する交通に関連付けられた第1の車線110と、第2(反対)の方向に走行する交通に関連付けられた第2の車線114とを含む。これは単なる例示であり、車両は、交差点、多車線道路、高速道路等において動作するように構成され得る。
【0023】
[0028]車両102は、本明細書に記載する機能の一部または全部を実行するように構成された車両コンピューティングシステム116を含み得る。車両コンピューティングシステム116は、計画経路108と、計画経路108に従って動作する車両102に関連付けられた車両軌道120と、を決定するように構成された計画コンポーネント118を含み得る。様々な例において、計画コンポーネント118は、車両軌道120を所定のレート(例えば、0.1秒毎、0.15秒毎等)で決定するように構成され得る。このような例において、車両軌道120は、一定の時間間隔(ΔT)で決定され得る。幾つかの例において、時間間隔は、計画コンポーネント118が次の車両軌道を計算することに関連付けられた時間に基づいて決定されてもよい。例えば、第1の時刻Tに第1の車両軌道120(1)において走行する計画コンポーネント118は、第2の時刻Tに実施する第2の車両軌道120(2)の計算を開始し得る。第1の時刻と第2の時刻Tとの間の時間間隔ΔTは、第2の車両軌道120(2)を決定し、かつ、第2の時刻Tにおいてその実行を可能にするのに十分な時間(例えば、計算時間+バッファ)を計画コンポーネントに提供するように決定された固定の時間間隔であり得る。
【0024】
[0029]幾つかの例において、時間間隔は、次の車両軌道120に関連付けられた駆動システムコンポーネントへの修正を開始することに関連付けられた遅延時間に基づいて、決定されてもよい。そのような例において、遅延時間は、駆動システムコンポーネントの遅延に関連付けられた所定時間を含み得る。駆動システムコンポーネントは、モータ、エンジン、トランスミッション、ステアリングシステムコンポーネント、ブレーキシステムコンポーネント等を含み得る。詳細については後述するが、このような遅延またはレイテンシは、軌道決定と最終的な作動コマンドとの間の総遅延を決定するために、集約されてよく、そうでなければ他の方法で組み合わされてよい。そのような例において、決定された全体的な遅延またはレイテンシは、どのコンポーネント(またはコンポーネントの組み合わせ)が作動されるかに基づいて、時々刻々と変化し得る。幾つかの例において、駆動システムコンポーネントの遅延は、追跡コンポーネント122が制御信号を生成すること、駆動システムコンポーネントが制御信号を受信すること、および/または、駆動システムコンポーネントが制御信号を作動させ、かつ、駆動システムコンポーネントに関連付けられた設定を変更することに関連付けられた時間を含み得る。例示を続けると、第1の時刻Tにおいて、計画コンポーネント118は、第2の時刻Tに関連付けられた第2の車両軌道120(2)の計算を開始し得る。第2の車両軌道120(2)は、駆動システムのブレーキコンポーネントの作動を必要とする、速度の減少を含み得る。遅延時間は、第2の車両軌道120(2)に従って車両102を必要に応じて減速させるためにブレーキコンポーネントを作動させる際の遅延を考慮してもよい。
【0025】
[0030]幾つかの例において、駆動システムコンポーネントに関連付けられた遅延時間は、駆動システムコンポーネントに関連付けられた最大遅延時間を含むことが可能である。そのような例において、遅延時間は、それに関連付けられた最長の遅延を有する駆動システムコンポーネントに関連付けられた遅延を含むことができる。幾つかの例において、遅延時間は、駆動システムコンポーネントに関連付けられた最小遅延時間を含み得る。そのような例において、遅延時間は、最短の遅延を有する駆動システムコンポーネントに関連付けられた遅延を含み得る。幾つかの例において、遅延時間は、駆動システムコンポーネントに関連付けられた平均遅延時間を含み得る。幾つかの例において、遅延時間は、車両軌道120に基づく制御信号に関連付けられた2つ以上の駆動システムコンポーネントの平均遅延を含み得る。いくつかの例では、遅延時間は、最大遅延時間と最小遅延時間の平均を含み得る。例えば、車両を加速させるモータに関連付けられた遅延は、50ミリ秒の遅延時間を含んでよく、ブレーキコンポーネントに関連付けられた遅延は、20ミリ秒の遅延時間を含んでよい。駆動システムコンポーネントに関連付けられた遅延時間は、35秒であり得る。これは単なる例示であり、他の時間やコンポーネントの遅延も本明細書において企図される。
【0026】
[0031]様々な例において、計画コンポーネント118は、車両動作中に時間間隔ΔTを動的に決定するように構成され得る。幾つかの例では、計画コンポーネント118は、車両が実行するための決定されたアクションに基づいて、時間間隔ΔTを動的に決定してよい。様々な例において、計画コンポーネント118は、環境について車両が実施するアクションを決定するように構成され得る。幾つかの例において、計画コンポーネント118は、コストベースのアクション分析に基づいてアクションを決定し得る。そのような例において、計画コンポーネント118は、2021年2月24日に出願され「コストベースのアクション決定(Cost-Based Action Determination)」と題された米国特許出願第17/202,795号に記載され、その内容の全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれるような技術を利用して、アクションを決定し得る。例えば、計画コンポーネント118は、横断歩道106に接近する物体104を検出してよく、物体104に道を譲ることを決定してよい。したがって、その動作は、物体104が横断歩道106において道路112の横断を継続できるように減速することを含む。計画コンポーネント118は、アクションが、ブレーキ駆動システムコンポーネントの作動を含む減速アクションを含むことを決定してもよい。このように、計画コンポーネントは、ブレーキ駆動システムに関連付けられた遅延時間に基づいて、時間間隔ΔTを動的に決定する。
【0027】
[0032]少なくとも1つの例において、時間間隔ΔTは、車両軌道120の計算に関連付けられた遅延、および、駆動システムコンポーネントの作動に関連付けられた遅延を含むことが可能である。例えば、時間間隔ΔTおよびΔTは、車両軌道計算に関連付けられた時間およびブレーキシステムコンポーネントに関連付けられた遅延時間を含むことが可能であるが、これは単なる例示であり、駆動システムコンポーネントに関連付けられたあらゆる他の遅延時間も本明細書において企図される。
【0028】
[0033]上述したように、計画コンポーネント118は、時間間隔に基づいて、車両102が環境100内を走行するための更新された車両軌道120を決定するように構成され得る。更新された車両軌道120は、未来の時刻における車両に関連付けられた未来の軌道を含み得る。したがって、計画コンポーネント118は、車両が追従する連続的な軌道を決定しかつ提供するように構成され得る。例えば、計画コンポーネント118は、第1の時刻Tにおいて、第2(未来)の時刻Tにおいて車両が追従する第2の車両軌道120(2)を決定し、第2の時刻Tにおいて、計画コンポーネント118は、第3(未来)の時刻Tにおいて車両が追従する第3の車両軌道120(3)を決定する。
【0029】
[0034]少なくとも1つの例において、計画コンポーネント118は、特定の時刻における車両の実際の車両位置124を決定し、次の時間間隔における車両の推定車両位置126を決定することによって、更新された車両軌道120を決定する。幾つかの例において、計画コンポーネントは、特定の時刻における実際の車両位置124が、計画軌道の閾値距離128(例えば、1メートル、3メートル、6フィート等)以内であるとの決定に基づいて、推定車両位置126および/または更新車両軌道120を決定する。計画軌道は、以前の時間間隔に関連付けられるような、以前に決定された車両軌道120を含み得る。例えば、Tにおいて、計画コンポーネント118は、第2の実際の車両位置124(2)が第1の車両軌道120(1)の閾値距離128内にあるか否かを決定し、Tにおいて、計画コンポーネント118は、第3の実際の車両位置124(3)が第2の車両軌道120(2)の閾値距離128内にあるか否かを決定する、といった具合である。
【0030】
[0035]幾つかの例において、計画コンポーネント118は、実際の車両位置124と計画軌道との間の距離が閾値距離128を満たすか超えるかを決定し得る。幾つかの例において、実際の車両位置124が計画経路108の閾値距離128内でない(例えば、距離が閾値距離128を満たすか、または超える)との決定に基づいて、計画コンポーネント118は、環境100における車両102のさらなる動作を停止することを決定し得る。幾つかの例において、さらなる動作を停止するとの決定に応答して、計画コンポーネント118は、第1の車線110の側方に寄せて駐車するというように、車両102が安全な位置で停止するための軌道を決定し得る。幾つかの例において、計画コンポーネント118は、実際の車両位置124が計画軌道から閾値距離128よりも離れているとの決定に基づいて、リモートオペレータを呼び出すように構成され得る。そのような例において、計画コンポーネント118は、環境100を通る車両102の安全な動作を保証するためのように、リモートオペレータから制御信号を受信し得る。
【0031】
[0036]実際の車両位置が計画軌道の閾値距離128内である(例えば、距離が閾値距離128未満である)との決定に基づいて、計画コンポーネント118は、時間間隔ΔTに部分的に基づいて、未来の時刻における推定車両位置126を決定してもよい。例えば、計画コンポーネント118は、第1の時刻Tにおける第1の実際の車両位置124(1)および第1の時間間隔ΔTに部分的に基づいて、第2の時刻Tにおける第1の推定車両位置126(1)を決定する。様々な例において、推定車両位置126は、縦方向座標(Y)および横方向座標(X)を含み得る。様々な例において、計画コンポーネント118は、計画軌道(例えば、以前に決定された車両軌道)に関連付けられた1つまたは複数の速度に部分的に基づいて、推定車両位置126の縦方向座標を決定し得る。例えば、計画コンポーネント118は、以前に決定された車両軌道に関連付けられた1つまたは複数の速度において走行しながら、現在の時刻と未来の時刻との間の時間間隔ΔTの間に車両102がどの程度移動すると推定されるかに基づいて、縦方向座標を決定し得る。例えば、計画コンポーネント118は、第1の実際の車両位置124(1)と、第1の車両軌道120(1)と、第1の時間間隔ΔTとの間の長手方向の距離に基づいて、第1の推定車両位置126(1)に関連付けられた縦方向座標を決定し得る。
【0032】
[0037]推定車両位置126の横方向座標は、未来の時刻における車両の横方向位置を含み得る。幾つかの例において、計画コンポーネント118は、車両102の計画軌道に基づいて、推定車両位置126の横方向座標を決定し得る。幾つかの例において、横方向座標は、以前に決定された軌道に沿った車両の完全な追跡に関連付けられた車両102のX軸座標を表し得る。幾つかの例において、推定車両位置126の横座標は、未来の時点における計画軌道(例えば、計画軌道のX座標)に関連付けられた横方向座標と同一または実質的に同一であり得る(例えば、2%未満の差、5センチメートル以内等)。幾つかの例において、横方向座標は、計画軌道から閾値横方向距離以内(例えば、10センチメートル以内、3インチ以内等)であり得る。このように、少なくとも1つの例において、計画コンポーネント118は、推定車両位置126の横方向座標を、計画軌道の横方向の範囲内に制約するように構成され得る。
【0033】
[0038]様々な例において、計画コンポーネント118は、横方向座標が計画軌道に制約された推定車両位置126に部分的に基づいて、新しいまたは更新された車両軌道120を決定し得る。そのような例において、新しい車両軌道120は、横方向情報(例えば、位置変動)ではなく、縦方向情報(例えば、速度、加速度等)に基づいて決定され得る。様々な例において、新たな車両軌道120の決定に関連付けられた縦方向情報は、決定された車両アクションに関連付けられた1つまたは複数の速度を含み得る。上述したように、車両アクションは、環境100の状況(例えば、道路規則、検出された物体等)に基づいて車両コンピューティングシステムによって決定されたアクションを含み得る。非限定的な一例として、車両アクションは、環境を走行するために速度を維持すること、一時停止標識で停止すること、交差点で停止位置から加速すること、他の車両または他の物体に道を譲るために減速すること、等を含み得る。
【0034】
[0039]少なくとも1つの例において、計画コンポーネント118は、環境において検出された物体104に基づいて車両を制御するといった、アクションを決定し得る。例示的な非限定的な一例として、車両アクションは、横断歩道106等において車両102が道路112を横断する物体104(例えば、歩行者)に道を譲ることが含まれ得る。物体104は、歩行者、自転車、オートバイ、他の車両等を含み得る。幾つかの例において、車両コンピューティングシステムは、物体104が車両102に関係するとの決定に基づいて、物体104に基づくアクションを決定するように構成され得る。幾つかの例において、物体の関係性の判定は、物体に関連付けられた予測物体軌道130に基づき得る。このような例において、計画コンポーネント118(例えば、それに関連付けられた予測コンポーネント)は、予測物体軌道130、および/または、それに関連付けられた物体104の関係性を決定するように構成され得る。幾つかの例において、計画コンポーネントは、米国特許出願第16/389,720号および/または第16/417,260号に記載され、それらの内容があらゆる目的のために先の参照により本明細書に組み込まれるような技術を利用して、物体の関係性を決定し得る。幾つかの例において、計画コンポーネント118は、米国特許出願第15/807,521号、第16/151,607号、および第16/504,147号に記載され、それらの内容があらゆる目的のために先の参照により本明細書に組み込まれるような技術を利用して、予測物体軌道130を決定し得る。
【0035】
[0040]様々な例において、計画コンポーネント118は、アクションに基づいて、新たな車両軌道120に関連付けられた1つまたは複数の速度を決定し得る。幾つかの例において、1つまたは複数の速度は、以前の(連続した)時間間隔に関連したもののように、以前の車両軌道120(例えば、計画軌道)に基づいて決定され得る。例えば、計画コンポーネント118は、第2の時刻Tにおいて第3の車両軌道120(3)の決定を開始し得る。計画コンポーネント118は、第2の時刻Tにおける第2の実際の車両位置124(2)に基づいて、第2の推定位置126(2)を決定し得る。計画コンポーネント118は、車両102が物体104に道を譲ることを含むアクションを決定し、かつ、車両102が横断歩道106から安全な距離(例えば、3フィート、1メートル、2メートル等)を維持することを保証するために、車両が第2の車両軌道120(2)に関連付けられた前進速度を減速し続けなければならないことを決定し得る。第2の推定車両位置126(2)、第2の車両軌道120(2)、および、横断歩道106の位置(および/または、推定された未来の物体104の位置)に基づいて、計画コンポーネント118は、第3の車両軌道120(3)、および/または、それに関連付けられた1つまたは複数の速度を決定し得る。様々な例において、推定車両位置126を計画軌道に制約する、したがって車両軌道120の計算を縦方向のアクションベースの移動(例えば、横方向の移動ではない)に制約することによって、本明細書に記載される技術は、車両コンピューティングシステム116の機能を改善し得る。
【0036】
[0041]少なくとも一例において、車両コンピューティングシステム116の計画コンポーネント118は、車両移動の速度ベースの最適化に基づく推定車両位置126に関連付けられた新たな車両軌道120を、米国特許出願第16/805,118号に記載され、その内容があらゆる目的のために先の参照により本明細書に組み込まれるような技術を利用して決定し得る。様々な例において、計画コンポーネント118は、車両軌道120を追跡コンポーネント122に送信するように構成され得る。様々な例において、追跡コンポーネント122は、特定の車両軌道に関連付けられた特定の時刻において、車両の位置および/または方向を決定し、かつ、1つまたは複数の制御信号を生成し1つまたは複数の駆動システムコンポーネントに送信して計画コンポーネント118から受信した車両軌道120に従って車両を制御させるように構成され得る。このように、追跡コンポーネント122は、車両102の現在の状態を連続的に監視し、かつ、車両が車両軌道120に追従するか、または連続的に車両軌道120に戻る操縦を保証するための制御信号を決定し得る。例えば、追跡コンポーネント122は、計画コンポーネント118から第2の車両軌道120(2)を受信してよく、第2の車両軌道120(2)は、減速アクション(例えば、歩行者に道を譲る車両102に関連付けられた1つまたは複数の速度)を含む。幾つかの例において、追跡コンポーネント122は、第2の車両軌道120(2)に基づいて制御信号を生成して車両駆動システムのブレーキシステムコンポーネントへ送信し得る。追跡コンポーネント122は、制御信号をブレーキシステムコンポーネントに送信して車両102が第2の時刻において第2の車両軌道に従って制御されるようにし得る。他の例として、追跡コンポーネント122は、第2の時刻における第2の実際の車両位置124(2)のような、車両102の現在位置を決定してよく、かつ、ステアリング角度、モータおよび/またはエンジンのアクション(例えば、速度アップ、速度維持、減速等)、ブレーキアクション等を決定して、時刻Tにおいて車両102を第2の車両軌道120(2)に追従させ得る。
【0037】
[0042]様々な例において、追跡コンポーネント122は、車両軌道120を、それに関連付けられた時刻よりも前に受信し得る。幾つかの例において、計画コンポーネント118は、車両軌道の実行に関連付けられた時刻より前の時間間隔で、追跡コンポーネント122に軌道データを送信し得る。幾つかの例において、時間間隔は、上述したような、駆動システムコンポーネントの遅延に関連付けられた時間であり得る。幾つかの例において、追跡コンポーネント122は、適切な時刻に信号を送信して、車両軌道120に対応する特定の時刻に1つまたは複数の関連付けられた駆動システムコンポーネントを作動させるように構成され得る。そのような例において、車両コンピューティングシステム116は、車両軌道120の計算および/または実行における遅延を修正して車両102に計画経路108をより厳密に追跡させる等するように構成され得る。例えば、計画コンポーネント118は、第3の時刻Tよりも前の時刻において、第3の車両軌道120(3)を追跡コンポーネント122に送信してよく、その時刻は、ブレーキシステムに関連付けられた時間遅延を含む。追跡コンポーネント122は、第3の車両軌道120(3)を受信してよく、かつ、第3の車両軌道120(3)および以前の車両軌道(例えば、第2の車両軌道120(2))に基づいて制御信号を生成してよい。追跡コンポーネント122は、制御信号をブレーキコンポーネントに送信して、第3の時刻Tにおいて車両を第3の車両軌道120(3)に従って制御させ得る。駆動システムコンポーネントに関連付けられた遅延を考慮した時刻において制御信号を駆動システムコンポーネントに提供することにより、本明細書に記載される技術は、車両コンピューティングシステム116に、車両102をより正確かつ効果的に制御して、計画経路108を追跡する連続的な軌道を維持させ得る。
【0038】
[0043]図2は、車両102の軌道を決定する例示的な処理200を示す。
【0039】
[0044]動作202において、車両コンピューティングシステム116のような車両コンピューティングシステムは、第1の時刻Tにおいて第1の車両軌道120(1)に従って走行する車両102の第1の位置204を決定する。幾つかの例において、第1の位置204は、第1の実際の車両位置124(1)のような実際の車両位置を表し得る。幾つかの例において、車両コンピューティングシステムは、1つまたは複数のセンサからのセンサデータに基づいて第1の位置204を決定し得る。センサデータは、例えば、車両102の速度、加速度、加速度、位置、および/または、方向といった車両102の現在の状態に関するデータを含み得る。幾つかの例において、車両102は、計画経路108に従って動作し得る。計画経路は、例えば、最終目的地へ走行する車両102に関連付けられた一般的な走行経路であり得る。
【0040】
[0045]動作206において、車両コンピューティングシステムは、第1の位置204が車両102の計画軌道207の閾値距離128内にあると決定する。計画軌道207は、Tよりも前の時間間隔に関連付けられた車両軌道のような、以前に決定された車両軌道を含み得る。閾値距離128は、車両102が計画軌道207の安全な距離内に留まっていることを示す、計画軌道207からの距離(例えば、3フィート、1メートル、2メートル等)を表し得る。例えば、閾値距離128は、車両102が計画軌道207から逸脱していないことを示し得る。幾つかの例において、閾値距離128は、車両102の動作に関連付けられた所定の安全パラメータを表し得る。このような例において、第1の位置204が閾値距離内にあることを検証することによって、車両コンピューティングシステムは、車両102の安全な動作を保証し得る。
【0041】
[0046]動作208において、車両コンピューティングシステムは、第1の位置204および第1の車両軌道120(1)に少なくとも部分的に基づいて、第1の時刻の後の第2の時刻における車両102に関連付けられた第2の位置210を決定し、第2の位置210は、横方向座標212および縦方向座標214を有する。様々な例において、第2の位置210は、第2の時刻に関連付けられた、第1の推定車両位置126(1)のような、推定車両位置であり得る。幾つかの例において、車両コンピューティングシステムは、第1の位置204を計画軌道207上に投影して第2の位置210を決定し得る。そのような例において、車両コンピューティングシステムは、第1の位置204の横方向座標212を、計画軌道207の横方向成分と同一または実質的に同一となるように修正し得る。車両コンピューティングシステムは、そして、第1の車両軌道120(1)に基づいて車両が移動する距離を推定する等により、計画軌道207上に投影された第1の位置204に基づいて第2の位置210を決定し得る。換言すると、車両コンピューティングシステムは、計画軌道207に従った車両102の動きに基づいて、未来の時刻における車両102の位置を推定し得る。
【0042】
[0047]上述したように、第2の位置210は、横方向座標212および縦方向座標214を含み得る。第2の位置210の横方向座標は、第2(未来)の時刻における車両102の横方向位置を含む。幾つかの例において、車両コンピューティングシステムは、計画軌道207に基づいて、第2の位置210の横方向座標212を決定する。幾つかの例において、第2の位置210の横方向座標212は、未来の時刻において、計画軌道207(例えば、計画軌道207のX座標)に関連付けられた横方向座標と同一または実質的に同一であり得る(例えば、2%未満の差分、5センチメートル内等)。幾つかの例において、横方向座標212は、計画軌道207から閾値横方向距離内(例えば、10センチメートル内、3インチ内等)であり得る。このように、少なくとも1つの例において、車両コンピューティングシステムは、第2の位置210の横方向座標212を計画軌道207の横方向の範囲に制約するように構成され得る。
【0043】
[0048]様々な例において、車両コンピューティングシステムは、第1の時刻Tにおける第1の車両軌道120(1)のような、現在の車両軌道に関連付けられた1つまたは複数の速度に基づいて、第2の位置210の縦方向座標214を決定し得る。幾つかの例において、車両コンピューティングシステムは、例えば、連続的な軌道を提供し、かつ、車両の乗員にスムーズな乗り心地を確保するために、或るレート(例えば、100ミリ秒毎、126ミリ秒毎等)で車両軌道120を決定するように構成され得る。このような例において、車両コンピューティングシステムは、第2の未来の時刻に関連付けられる更新軌道を決定しながら、車両に関連付けられた現在の軌道に基づいて縦方向座標214を決定する。
【0044】
[0049]様々な例において、第2の時刻は、第1の時刻の後の時間間隔であり得る。幾つかの例において、時間間隔は、車両の軌道の計算に関連付けられた時刻に基づき得る。追加的に、幾つかの例において、時間間隔は、制御信号を生成し、かつ、制御信号に基づいて車両駆動コンポーネントに1つまたは複数の設定を修正させるといった、車両駆動コンポーネントに関連付けられた1つまたは複数の時間遅延に基づいて決定され得る。幾つかの例において、時間間隔は、所定のレート(例えば、100ミリ秒、150ミリ秒など)に関連付けられ得る。上述したように、幾つかの例において、車両コンピューティングシステムは、例えば決定された車両アクション216に基づいて、時間間隔を動的に決定するように構成され得る。そのような例において、それに関連付けられた速度および時間間隔は、車両の動作中に動的に決定され得る。
【0045】
[0050]動作218において、車両コンピューティングシステムは、車両102の動作に関連付けられたアクション216を決定する。上述したように、車両コンピューティングシステムは、環境100の状況(例えば、道路規則、検出された物体等)に基づいて、アクション216を決定し得る。非限定的な一例として、車両のアクションは、環境を走行するために速度を維持すること、一時停止標識において停止するために減速すること、停止位置から加速すること、他の車両または他の物体に道を譲るために減速すること等を含み得る。
【0046】
[0051]少なくとも1つの例において、車両コンピューティングシステムは、環境において、物体104のような、検出された物体に基づいてアクションを決定する。例えば、車両コンピューティングシステムは、合流シナリオにおいて、検出された物体の前方に進むために加速することを決定し得る。他の例として、車両コンピューティングシステムは、物体に道を譲るために減速することを決定し得る。上述したように、車両コンピューティングシステムは、第16/389,720号および/または第16/417,260号に記載され、その内容があらゆる目的のために先の参照により本明細書に組み込まれるような技術を利用して、検出された物体が車両102に関係するとの決定に基づいてアクション216を決定し得る。幾つかの例において、車両コンピューティングシステムは、検出された物体に関連付けられた予測物体軌道に基づいて、物体の関係性および/またはアクション216を決定し得る。このような例において、車両コンピューティングシステムは、米国特許出願第15/807,521号、第16/151,607号、および第16/504,147号に記載され、それらの内容があらゆる目的のために先の参照により本明細書に組み込まれるような技術を利用して、予測物体軌道を決定するように構成され得る。
【0047】
[0052]動作220において、車両コンピューティングシステムは、アクション216および第2の位置210に少なくとも部分的に基づいて、第2の時刻に関連付けられた第2の車両軌道120(2)を決定する。第2の車両軌道120(2)は、第2の時点における車両の動作に関連付けられた1つまたは複数の速度および/または進行方向を含み得る。様々な例において、第2の車両軌道120(2)の進行方向は、計画経路108に対応し得る。そのような例において、車両コンピューティングシステムは、車両102を計画経路108上に維持するか、または実質的に維持するための軌道を決定し得る。
【0048】
[0053]様々な例において、第2の車両軌道120(2)に関連付けられた速度は、第1の車両軌道120(1)およびアクション216に部分的に基づいて決定され得る。例えば、車両コンピューティングシステムは、アクション216が一時停止標識において減速して停止することを含むと決定し得る。車両コンピューティングシステムは、第2の位置210から一時停止標識に関連付けられた停止位置までの距離を決定し、かつ、車両102を停止位置までスムーズに制御することに関連付けられた減速度を決定する。車両コンピューティングシステムは、減速度に基づいて第2の位置210に関連付けられた1つまたは複数の速度を決定し得る。
【0049】
[0054]動作222において、車両コンピューティングシステムは、第2の車両軌道120(2)に少なくとも部分的に基づいて、第2の時刻において車両を制御する。様々な例において、車両コンピューティングシステムは、車両102を第2の車両軌道120(2)に従って動作させるため、制御信号を生成して駆動システムコンポーネントに提供し得る。幾つかの例において、車両コンピューティングシステムは、第2の時刻において制御信号を送信し得る。幾つかの例において、車両コンピューティングシステムは、例えば駆動システムコンポーネントに関連付けられた時間遅延に基づいて、第2の時刻より前に制御信号を送信するように構成され得る。そのような例において、車両コンピューティングシステムは、例えば、制御信号および駆動システムの作動に関連付けられたエラーを防止するため、第2の時刻において第2の車両軌道120(2)に従って車両を走行させるように構成され得る。
【0050】
[0055]図3は、本明細書に記載の技術を実装する例示的なシステム300のブロック図である。少なくとも1つの例において、システム300は、車両102のような、車両302を含んでよい。
【0051】
[0056]車両302は、本明細書に記載される車両コンピューティングシステムのような1つまたは複数の車両コンピューティングデバイス304、1つまたは複数のセンサシステム306、1つまたは複数のエミッタ308、1つまたは複数の通信接続310、少なくとも1つの直接接続312、および1つまたは複数の駆動システム314を含み得る。
【0052】
[0057]車両コンピューティングデバイス304は、1つまたは複数のプロセッサ316と、1つまたは複数のプロセッサ316と通信可能に結合されたメモリ318とを含んでよいが、車両302は、半自律車両のような、あらゆる他のタイプの車両、または少なくともイメージキャプチャデバイス(例えば、カメラが利用可能なスマートフォン)を有するあらゆる他のシステムであってもよい。図示の例において、車両コンピューティングデバイス304のメモリ318は、位置特定(localization)コンポーネント320、知覚コンポーネント322、計画コンポーネント324、追跡コンポーネント326、1つまたは複数のシステムコントローラ328、および、1つまたは複数のマップ330を記憶する。図3には、例示的目的のためにメモリ318内に存在するように示されているが、位置特定コンポーネント320、知覚コンポーネント322、計画コンポーネント324、追跡コンポーネント326、1つまたは複数のシステムコントローラ328、および、1つまたは複数のマップ330は、追加的または代替的に、車両302にアクセス可能であってもよい(例えば、車両302から離れたメモリ、例えば、リモートコンピューティングデバイス334のメモリ332に記憶される、またはそうでなければ、車両302から離れたメモリによってアクセス可能である)。
【0053】
[0058]少なくとも1つの例において、位置特定コンポーネント320は、センサシステム306からデータを受信して車両302の位置および/または方向(例えば、x、y、z位置、ロール、ピッチ、またはヨー)を決定する機能を含み得る。例えば、位置特定コンポーネント320は、環境のマップを含み得、および/または、環境のマップを要求/受信し得、かつ、マップ内の自律車両の位置および/または方向を連続的に決定し得る。場合により、位置特定コンポーネント320は、SLAM(simultaneous localization and mapping)、CLAMS(calibration, localization and mapping, simultaneously)、相対SLAM、バンドル調整、非線形最小二乗最適化等を利用して、イメージデータを受信し、LIDARデータ、レーダデータ、IMUデータ、GPSデータ、ホイールエンコーダデータ等を利用して、自律車両の位置を正確に決定し得る。場合により、位置特定コンポーネント320は、本明細書に記載するように、車両経路に関連付けられた経路ポリゴン(例えば、車両の通路)を生成するための自律車両の初期位置を決定するために、車両302の様々なコンポーネントにデータを提供し得る。
【0054】
[0059]場合により、知覚コンポーネント322は、物体検出、セグメンテーション、および/または、分類を実施する機能を含んでよい。幾つかの例において、知覚コンポーネント322は、車両302に近接する物体(例えば、エンティティ)の存在、および/または、物体タイプ(例えば、車、歩行者、自転車、動物、建物、樹木、路面、縁石、歩道、不明等)としての物体の分類を示す、処理済みのセンサデータを提供し得る。幾つかの例において、知覚コンポーネント322は、車両302に近接する静止エンティティの存在、および/または、タイプとしての静止エンティティの分類(例えば、建物、樹木、路面、縁石、歩道、不明等)を示す、処理済みのセンサデータを提供し得る。追加的または代替的な例において、知覚コンポーネント322は、検出された物体(例えば、追跡された物体)および/または物体が位置する環境に関連付けられた1つまたは複数の特性を示す、処理済みのセンサデータを提供し得る。幾つかの例において、物体に関連付けられた特性には、x位置(グローバルおよび/またはローカルな位置)、y位置(グローバルおよび/またはローカルな位置)、z位置(グローバルおよび/またはローカルな位置)、方向(例えば、ロール、ピッチ、ヨー)、物体のタイプ(例えば、分類)、物体の速度(例えば、物体のスピード)、物体の加速度、物体の範囲(例えば、サイズ)等が含まれ得るが、これらに限定されない。環境に関連付けられた特性には、環境における他の物体の存在、環境における他の物体の状態、時刻、曜日、季節、気象条件、暗さ/明るさの兆候等が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0055】
[0060]一般に、計画コンポーネント324は、車両302が環境を走行するために追従する経路を決定し得る。例えば、計画コンポーネント324は、様々な経路および軌道、並びに、様々な詳細レベルを決定し得る。例えば、計画コンポーネント324は、第1の位置(例えば、現在位置)から第2の位置(例えば、目標位置)まで移動する経路を決定し得る。この説明のために、経路は、2つの位置の間を走行するウェイポイントのシーケンスを含み得る。非限定的な一例として、ウェイポイントは、通り、交差点、全地球測位システム(GPS)座標等を含み得る。さらに、計画コンポーネント324は、第1の位置から経路の少なくとも一部に沿って第2の位置へ自律車両302を誘導するための命令を生成し得る。少なくとも1つの例において、計画コンポーネント324は、ウェイポイントのシーケンスにおける第1のウェイポイントからウェイポイントのシーケンスにおける第2のウェイポイントへ自律車両をどのように誘導するかを決定し得る。幾つかの例において、命令は、軌道または軌道の一部であってもよい。幾つかの例において、複数の軌道は、後退ホライズン(receding horizon)技術に従って実質的に同時に生成され得(例えば、技術的な許容範囲内で)、複数の軌道のうちの1つが、車両302の航行のために選択される。
【0056】
[0061]幾つかの例において、計画コンポーネント324は、環境において動作する物体に関連付けられた予測軌道を生成する予測コンポーネントを含んでよい。例えば、予測コンポーネントは、車両302から閾値距離内にある物体についての1つまたは複数の予測軌道を生成し得る。幾つかの例において、予測コンポーネントは、物体の軌道を測定し、かつ、観測および予測された挙動に基づいて物体の軌道を生成し得る。様々な例において、計画コンポーネント324は、環境における物体の予測軌道に少なくとも部分的に基づいて、車両がとるアクションを決定するように構成され得る。このような例において、計画コンポーネント324は、アクションに少なくとも部分的に基づいて(例えば、検出された物体および/またはそれに関連付けられた予測された物体の軌道に部分的に基づいて)、車両が走行する車両軌道を選択し得る。
【0057】
[0062]様々な例において、計画コンポーネント324は、選択された車両軌道を追跡コンポーネント326に提供し得る。様々な例において、追跡コンポーネント326は、位置特定コンポーネント320によって決定されるような、位置および/または方向データを追加的に受信し得る。追跡コンポーネント122のような追跡コンポーネント326は、例えばステアリング角度、速度、加速度、ドライブ方向、ドライブギア、および/または、重力加速度に基づいて、計画軌道に対する位置および/または方向を決定するように構成され得る。追跡コンポーネント326は、例えば決定された軌道を追跡するために、車両に1つまたは複数の駆動コンポーネントを調整させる制御信号を決定するように構成され得る。追跡コンポーネント326は、例えば車両に車両軌道に正確に追跡させる、または車両軌道に戻る操縦を行わせるために、現在の位置および/または方向データに基づいて調整を決定し得る。
【0058】
[0063]少なくとも1つの例において、車両コンピューティングデバイス304は、車両302のステアリング、推進、ブレーキ、安全、エミッタ、通信、および、他のシステムを制御するように構成され得る1つまたは複数のシステムコントローラ328を含んでよい。システムコントローラ328は、駆動システム314の対応するシステムおよび/または車両302の他のコンポーネントと通信し、かつ/または、それらを制御し得る。
【0059】
[0064]メモリ318は、環境内においてナビゲートするために車両302によって使用され得る1つまたは複数のマップ330をさらに含み得る。この説明の目的のため、マップは、2次元、3次元、またはN次元でモデル化された任意の数のデータ構造であってよく、トポロジ(交差点のような)、通り、山脈、道路、地形、および環境一般といった、これらに限定されないが、環境に関する情報を提供することが可能である。場合により、マップは、テクスチャ情報(例えば、色情報(例えば、RGB色情報、Lab色情報、HSV/HSL色情報)等)、強度情報(例えば、LIDAR情報、RADAR情報等)、空間情報(例えば、メッシュ上に投影される画像データ、個々の「サーフェル」(例えば、個々の色および/または強度に関連付けられたポリゴン))、反射率情報(例えば、鏡面反射性情報、再帰反射性情報、BRDF情報、BSSRDF情報等)を含み得る。一例において、マップは、環境の3次元メッシュを含み得る。幾つかの例において、車両302は、マップ330に少なくとも部分的に基づいて制御され得る。すなわち、マップ330は、車両302の位置を決定し、環境における物体を検出し、および/または、環境内をナビゲートするための経路および/または軌道を生成するため、位置特定コンポーネント320、知覚コンポーネント322、および/または、計画コンポーネント324と関連して使用され得る。
【0060】
[0065]様々な例において、マップ330は、交差点におけるような通行権を決定するために車両コンピューティングデバイス304によって利用され得る。通行権は、交差点または他のジャンクションにおいて優先権を有するエンティティ(例えば、車両302または物体)を示し得る。様々な例において、マップ330は、車両の位置、進行方向、物体の位置、物体の進行方向、物体の予測軌道等に基づいて通行権を示し得る。
【0061】
[0066]幾つかの例において、1つまたは複数のマップ330は、ネットワーク336を介してアクセス可能な(コンピューティングデバイス334のような)リモートコンピューティングデバイス、例えばマップコンポーネント338に記憶され得る。幾つかの例において、複数のマップ330は、例えば、特性(例えば、エンティティのタイプ、時刻、曜日、季節等)に基づいて記憶され得る。複数のマップ330を記憶することは、同様のメモリ要件が必要になり得るが、マップ内のデータにアクセスし得る速度が増加する。
【0062】
[0067]理解できるように、本明細書において説明するコンポーネント(例えば、位置特定コンポーネント320、知覚コンポーネント322、計画コンポーネント324、追跡コンポーネント326、1つまたは複数のシステムコントローラ328、および、1つまたは複数のマップ330)は、説明のために分割して記載される。しかしながら、様々なコンポーネントによって実施される動作は、組み合わせ、または、あらゆる他のコンポーネントにおいて実施され得る。
【0063】
[0068]場合により、本明細書において説明されるコンポーネントの幾つかまたは全部の態様は、あらゆるモデル、技術、および/または、機械学習技術を含み得る。例えば、場合により、メモリ318(および後述するメモリ332)におけるコンポーネントは、ニューラルネットワークとして実装され得る。
【0064】
[0069]本明細書に記載するように、例示的なニューラルネットワークは、入力データを一連の接続された層を通過させて出力を生成する、生物学的に着想されたアルゴリズムである。ニューラルネットワーク内の各層は、他のニューラルネットワークも含んでよく、またあらゆる数の層(畳み込みであるか否かにかかわらず)を含んでよい。本開示のコンテキストにおいて理解できるように、ニューラルネットワークは、機械学習を利用してよく、学習されたパラメータに基づいて出力が生成されるようなアルゴリズムの広範なクラスを指し得る。
【0065】
[0070]ニューラルネットワークのコンテキストにおいて議論されるが、任意のタイプの機械学習が、本開示と矛盾せずに使用され得る。例えば、機械学習技術は、限定されないが、回帰アルゴリズム(例えば、通常の最小二乗回帰(OLSR)、線形回帰、ロジスティック回帰、ステップワイズ回帰、多変数適応回帰スプライン(MARS)、局所推定散乱プロット平滑化(LOESS))、インスタンスベースの技術(例えば、リッジ回帰、最小絶対収縮および選択演算子(LASSO)、弾性ネット、最小角度回帰(LARS))、決定木技術(例えば、分類および回帰木(CART)、ID3(iterative dichotomiser 3)、カイ二乗自動相互関係検出(CHAID)、決定スタンプ、条件付き決定木)、ベイズ技術(例えば、ナイーブベイズ、ガウスナイーブベイズ、多項ナイーブベイズ、平均1依存推定量(AODE)、ベイズ信念ネットワーク(BNN)、ベイズネットワーク)、クラスタリング技術(例えば、k平均、k中央値、期待値最大化(EM)、階層的クラスタリング)、相関ルール学習アルゴリズム(例えば、パーセプトロン、逆伝搬、ホップフィールドネットワーク、動径基底関数ネットワーク(RBFN))、深層学習技術(例えば、ディープボルツマンマシン(DBM)、ディープ信念ネットワーク(DBN)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、スタック型自動エンコーダ)、次元削減技術(例えば、主成分分析(PCA)、主成分回帰(PCR)、部分最小二乗回帰(PLSR)、サモンマッピング、多次元スケーリング(MDS)、射影追跡、線形判別分析(LDA)、混合判別分析(MDA)、二次判別分析(QDA)、柔軟判別分析(FDA))、アンサンブル技術(例えば、ブースティング、ブートストラップ集約(バギング)、アダブースト、スタック型汎化(ブレンディング)、勾配ブースティングマシン(GBM)、勾配ブースティング回帰木(GBRT)、ランダムフォレスト)、SVM(サポートベクトルマシン)、教師付き学習、教師なし学習、半教師付き学習等を含み得る。
【0066】
[0071]少なくとも1つの例において、センサシステム306は、ライダ(lidar)センサ、レーダセンサ、超音波トランスデューサ、ソナーセンサ、位置センサ(例えば、GPS、コンパス等)、慣性センサ(例えば、慣性測定ユニット(IMU)、加速度計、磁力計、ジャイロスコープ等)、カメラ(例えば、RGB、IR、強度、深度、飛行時間等)、マイク、ホイールエンコーダ、環境センサ(例えば、温度センサ、湿度センサ、光センサ、圧力センサ等)等を含み得る。センサシステム306は、これらのセンサまたは他のタイプのセンサそれぞれの複数のインスタンスを含み得る。例えば、LIDARセンサは、車両302の角、前部、後部、側面、および/または、上面に配置された個々のLIDARセンサを含み得る。他の例として、カメラセンサは、車両302の外部および内部について様々な位置に配置された複数のカメラを含み得る。センサシステム306は、車両コンピューティングデバイス304に入力を提供し得る。追加的または代替的に、センサシステム306は、1つまたは複数のネットワーク336を介して、センサデータを、特定の周波数で、所定期間の経過後、ほとんどリアルタイム等に、1つまたは複数のコンピューティングデバイス334に送信し得る。
【0067】
[0072]車両302はまた、光および/または音を発する1つまたは複数のエミッタ308を含み得る。この例におけるエミッタ308は、車両302の乗員と通信するための車内のオーディオおよびビジュアルエミッタを含む。限定ではなく例として、車内エミッタは、スピーカ、ライト、サイン、ディスプレイスクリーン、タッチスクリーン、ハプティックエミッタ(例えば、振動および/またはフォースフィードバック)、機械的アクチュエータ(例えば、シートベルトテンショナ、シートポジショナ、ヘッドレストポジショナ等)等を含み得る。この例における1つまたは複数のエミッタ308は、車外エミッタも含む。限定ではなく例として、この例における車外エミッタは、進行方向または車両アクションの他の表示を示すライト(例えば、表示ライト、サイン、ライトアレイ等)、および、歩行者または他の近くの車両と可聴的に通信するための1つまたは複数のオーディオエミッタ(例えば、スピーカ、スピーカアレイ、ホーン等)を含んでよく、そのうちの1つまたは複数は音響ビームステアリング技術を含む。
【0068】
[0073]車両302はまた、車両302と1つまたは複数の他のローカルまたはリモートのコンピューティングデバイスとの間の通信を可能にする1つまたは複数の通信接続310を含み得る。例えば、通信接続310は、車両302および/または駆動システム314における他のローカルコンピューティングデバイスとの通信を容易にし得る。また、通信接続310は、車両に、センサデータを受信するために、他の近くのコンピューティングデバイス(例えば、コンピューティングデバイス334、他の近くの車両等)、および/または、1つまたは複数のリモートセンサシステム340と通信することを許容し得る。
【0069】
[0074]通信接続310は、車両コンピューティングデバイス304を他のコンピューティングデバイスまたはネットワーク336のようなネットワークに接続するための物理的および/または論理的インタフェースを含み得る。例えば、通信接続310は、IEEE802.11標準によって定義される周波数を介するようなWi-Fi(登録商標)ベースの通信、Bluetooth(登録商標)のような近距離無線周波数、セルラー通信(例えば、2G、3G、4G、4G LTE、3G等)、または個々のコンピューティングデバイスが他のコンピューティングデバイスとインタフェースすることを可能にするあらゆる適切な有線または無線通信プロトコル、を可能にできる。
【0070】
[0075]少なくとも1つの例において、車両302は、1つまたは複数の駆動システム314を含み得る。幾つかの例において、車両302は、単一の駆動システム314を有し得る。少なくとも1つの例において、車両302が複数の駆動システムを有する場合、個々の駆動システム314は、車両302の対向する端部(例えば、フロントおよびリア等)に配置され得る。少なくとも1つの例において、駆動システム314は、駆動システム314および/または車両302の周囲の状況を検出する1つまたは複数のセンサシステムを含み得る。限定ではなく例として、センサシステムは、駆動モジュールの車輪の回転を感知する1つまたは複数のホイールエンコーダ(例えば、ロータリーエンコーダ)、駆動モジュールの方向および加速度を測定する慣性センサ(例えば、慣性測定ユニット、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計等)、カメラまたはその他のイメージセンサ、駆動モジュールの周囲にある物体を音響的に検出する超音波センサ、LIDARセンサ、レーダセンサ等を含み得る。ホイールエンコーダのような幾つかのセンサは、駆動システムに固有であり得る。幾つかのケースにおいて、駆動システム314におけるセンサシステムは、車両302の対応するシステム(例えば、センサシステム306)と重複または補完し得る。
【0071】
[0076]駆動システム314は、高電圧バッテリ、車両を推進するためのモータ、バッテリからの直流を他の車両システムによって使用される交流に変換するためのインバータ、ステアリングモータおよびステアリングラックを含むステアリングシステム(電気式とすることができる)、油圧式または電気式のアクチュエータを含むブレーキシステム、油圧および/または空気圧のコンポーネントを含むサスペンションシステム、ブレーキ力を分配してトラクションの損失を軽減し、かつ、制御を維持するための安定性制御システム、HVACシステム、照明(例えば、車両の外部周囲を照明するためのヘッド/テールライトのような照明)、および、1つまたは複数の他のシステム(例えば、冷却システム、安全システム、車載充電システム、DC/DCコンバータのような他の電気コンポーネント、高電圧ジャンクション、高電圧ケーブル、充電システム、充電ポート等)を含む、多くの車両システムを含み得る。上に列挙した車両システムの非限定的な例は、本明細書において、追加的にまたは代替的に、駆動システム314の「コンポーネント」と称することがある。様々な例において、駆動システム314のコンポーネントのそれぞれは、制御信号の処理に関連付けられたレイテンシを含み得る。様々な例において、車両コンピューティングデバイス304は、1つまたは複数のコンポーネントのレイテンシに基づいて、更新された車両軌道を決定し、および/または、制御信号を送信するように構成され得る。例えば、計画コンポーネント324は、コンポーネントのレイテンシに部分的に基づいた時間間隔で更新された軌道を決定するように構成され得る。他の例として、追跡コンポーネント326は、関連付けられたレイテンシに部分的に基づいて、駆動システムコンポーネントに信号を送信するように構成され得る。
【0072】
[0077]追加的に、駆動システム314は、センサシステムからデータを受信し前処理して様々な車両システムの動作を制御し得る駆動モジュールコントローラを含み得る。幾つかの例において、駆動モジュールコントローラは、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプロセッサと通信可能に結合されたメモリとを含み得る。メモリは、駆動システム314の様々な機能を実施する1つまたは複数のモジュールを記憶し得る。さらに、駆動システム314は、個々の駆動モジュールによる1つまたは複数の他のローカルまたはリモートのコンピューティングデバイスとの通信を可能にする1つまたは複数の通信接続も含み得る。
【0073】
[0078]少なくとも1つの例において、直接接続312は、1つまたは複数の駆動システム314を車両302の本体に結合する物理的インタフェースを提供し得る。例えば、直接接続312は、駆動システム314と車両との間のエネルギー、流体、空気、データ等の転送を許容し得る。幾つかの例において、直接接続312はさらに、駆動システム314を車両302の本体に取り外し可能に固定し得る。
【0074】
[0079]少なくとも1つの例において、位置特定コンポーネント320、知覚コンポーネント322、計画コンポーネント324、追跡コンポーネント326、1つまたは複数のシステムコントローラ328、および、1つまたは複数のマップ330、ならびに、それらの様々なコンポーネントは、上述したように、センサデータを処理し、かつ、それぞれの出力を、1つまたは複数のネットワーク336上において、コンピューティングデバイス334に送信し得る。少なくとも1つの例において、位置特定コンポーネント320、知覚コンポーネント322、計画コンポーネント324、追跡コンポーネント326、1つまたは複数のシステムコントローラ328、および、1つまたは複数のマップ330は、それら個々の出力をコンピューティングデバイス334に、特定の頻度で、所定の時間が経過した後で、ほとんどリアルタイムで、等に送信し得る。
【0075】
[0080]幾つかの例において、車両302は、ネットワーク336を介してコンピューティングデバイス334にセンサデータを送信し得る。幾つかの例において、車両302は、ネットワーク336を介してコンピューティングデバイス334からセンサデータを受信し得る。センサデータは、未処理のセンサデータおよび/または処理済みのセンサデータおよび/またはセンサデータの表現を含み得る。幾つかの例において、センサデータ(未処理または処理済み)は、1つまたは複数のログファイルとして送信および/または受信され得る。
【0076】
[0081]コンピューティングデバイス334は、プロセッサ342と、マップコンポーネント338、および、センサデータ処理コンポーネント344を記憶するメモリ332とを含み得る。幾つかの例において、マップコンポーネント338は、様々な解像度のマップを生成する機能を含み得る。このような例において、マップコンポーネント338は、ナビゲーションの目的において1つまたは複数のマップを車両コンピューティングデバイス304に送信し得る。様々な例において、センサデータ処理コンポーネント344は、センサシステム306および/またはリモートセンサシステム340のような、1つまたは複数のリモートセンサからデータを受信するように構成され得る。幾つかの例において、センサデータ処理コンポーネント344は、未処理のセンサデータを車両コンピューティングデバイス304に送信するように構成され得る。
【0077】
[0082]車両302のプロセッサ316およびコンピューティングデバイス334のプロセッサ342は、データを処理し、本明細書に記載されるように、データを処理し、かつ、動作を実施するための命令を実行可能なあらゆる適切なプロセッサであり得る。限定ではなく例として、プロセッサ316および342は、1つまたは複数の中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理装置(GPU)、または、電子データを処理して、その電子データを、レジスタおよび/またはメモリに記憶できる他の電子データに変換するあらゆる他のデバイスまたはデバイスの一部を含み得る。幾つかの例において、集積回路(例えば、ASIC等)、ゲートアレイ(例えば、FPGA等)、および、他のハードウェアデバイスも、それらが符号化された命令を実装するように構成されている限り、プロセッサとみなされ得る。
【0078】
[0083]メモリ318および332は、非一時的コンピュータ可読媒体の例である。メモリ318および332は、本明細書に記載される方法および様々なシステムに起因する機能を実装するための、オペレーティングシステムおよび1つまたは複数のソフトウェアアプリケーション、命令、プログラム、および/または、データを記憶し得る。様々な実施例において、メモリは、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、同期式ダイナミックRAM(SDRAM)、不揮発性/フラッシュ型メモリ、または、情報を記憶可能なあらゆる他のタイプのメモリのような、あらゆる適切なメモリ技術を使用して実装され得る。本明細書に記載されるアーキテクチャ、システム、および個々の要素は、多くの他の論理的、プログラム的、および物理的コンポーネントを含んでよく、添付の図面に示されるものは、本明細書の説明に関する単なる例である。
【0079】
[0084]幾つかの例において、メモリ318および332は、少なくともワーキングメモリおよびストレージメモリを含み得る。例えば、ワーキングメモリは、プロセッサ316および342によって操作されるデータを記憶するために使用される、容量が制限された高速メモリ(例えば、キャッシュメモリ)であり得る。幾つかの例において、メモリ318および332は、データの長期記憶に使用される比較的に大容量の低速メモリであり得るストレージメモリを含み得る。幾つかの例において、プロセッサ316および342は、ストレージメモリに記憶されたデータを直接には操作できず、本明細書において説明するように、データに基づいて動作を実施するために、データをワーキングメモリにロードする必要があり得る。
【0080】
[0085]なお、図3には分散システムとして示されているが、代替例において、車両302のコンポーネントがコンピューティングデバイス334に関連付けられる、および/または、コンピューティングデバイス334のコンポーネントが車両302に関連付けられてもよい。すなわち、車両302は、コンピューティングデバイス334に関連付けられた機能のうちの1つまたは複数を実施してよく、またその逆も同様である。
【0081】
[0086]図4図6は、本開示の例による処理例を示す。これらの処理は論理的なフローグラフとして示されており、その各動作はハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせにおいて実装され得る動作シーケンスを表す。ソフトウェアのコンテキストにおいて、動作は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、記述される動作を実施する、1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータ実行可能な命令を表す。一般に、コンピュータ実行可能な命令は、特定の機能を実施する、または特定の抽象データ型言語を実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等を含む。動作が記載される順序は、限定として解釈されることを意図しておらず、あらゆる数の記載される動作は、処理を実装するためにあらゆる順序で、および/または、並列に組み合わされ得る。
【0082】
[0087]図4は、環境100のような環境における車両の動作に関連付けられた車両軌道を決定する例示的な処理400を示す。処理400の幾つかまたは全部は、本明細書に記載するように、図3における1つまたは複数のコンポーネントによって実施され得る。例えば、処理400の幾つかまたは全部は、車両コンピューティングデバイス304によって実施されてもよい。
【0083】
[0088]動作402において、処理400は、環境における車両の第1の時刻での第1の位置を決定することを含み、車両は計画軌道に従って動作している。計画軌道は、以前の時間間隔におけるような、環境において動作する車両の以前に決定された軌道を含み得る。車両コンピューティングシステムは、1つまたは複数のセンサから受信したセンサデータに基づいて、第1の位置を決定し得る。センサデータは、環境における車両の位置および/または動きを示し得る。センサは、カメラ、動き検出器、ライダ、レーダ、飛行時間等を含み得る。センサは、車両に搭載されてよく、および/または、車両から離れたセンサ(例えば、他の車両に搭載、環境に搭載等)を含み得る。
【0084】
[0089]様々な例において、車両は、第1の軌道(例えば、第1の車両軌道)に従って動作し得る。第1の軌道は、進行方向および1つまたは複数の速度を含み得る。様々な例において、車両コンピューティングシステムは、環境における車両の動作に関連付けられたアクションに基づいて、第1の軌道を決定する。例えば、第1の軌道は、環境において車両の近くに位置する物体に道を譲るために減速する車両に関連付けられてよい。
【0085】
[0090]様々な例において、車両コンピューティングシステムは、第1の位置が車両の計画軌道の閾値距離内にあるかどうかを決定し得る。閾値距離は、車両の動作に関連付けられた安全パラメータを表し得る。第1の位置が閾値距離と等しいかまたは大きいとの決定に基づいて、車両コンピューティングシステムは、例えば車両の安全な動作を確保するために、車両の動作を停止することを決定し得る。幾つかの例において、車両コンピューティングシステムは、車両が移動するための安全な場所(例えば、駐車位置等)を決定して、車両を安全な場所に制御させ得る。幾つかの例において、車両コンピューティングシステムは、車両の安全な動作を保証するために、リモートオペレータに接続し得、リモートオペレータから制御入力を受信し得る。第1の位置が閾値距離と等しいかまたは小さいとの決定に基づいて、車両コンピューティングシステムは、環境における動作の継続を決定し得る。
【0086】
[0091]動作404において、処理400は、第1の時刻の後の第2の時刻において、車両に関連付けられた第2の位置を決定することを含み、第2の位置は、計画軌道に関連付けられた横方向座標および縦方向座標を含む。幾つかの例において、第2の位置は、第2の時刻(例えば、未来)における車両の推定未来位置を表し得る。幾つかの例において、車両コンピューティングシステムは、計画軌道上に第1の位置を投影して第2の位置を決定し得る。このような例において、車両コンピューティングシステムは、第1の位置の横方向座標を、計画軌道と同じかまたは実質的に同じになるように修正し得る。そして、車両コンピューティングシステムは、第1の軌道に基づいて車両が走行する距離(例えば、第1の軌道に関連付けられた速度)を推定するようなことによって、計画軌道上に投影された第1の位置に基づいて第2の位置を決定し得る。換言すると、車両コンピューティングシステムは、計画軌道に沿った車両の移動に基づいて、未来の時刻(例えば、第2の時刻)における車両の位置を推定し得る。様々な例において、車両コンピューティングシステムは、距離および/または第1の軌道に基づいて、縦方向座標を決定し得る。
【0087】
[0092]動作406において、処理400は、第2の位置と、第1の時刻において動作する車両に関連付けられた状態とに少なくとも部分的に基づいて、第2の時刻において動作する車両に関連付けられた車両軌道を決定することを含む。第1の時刻において動作する車両の状態は、位置、速度、ステアリング角度、回転速度、進行方向、および/または、第1の時刻に関連付けられた車両状態の他の態様を含み得る。車両の軌道は、例えば、車両が環境を走行する際に計画経路を追跡するために車両が追従する進行方向および1つまたは複数の速度を含み得る。例えば、安全な車両動作および連続的な経路を維持するために、車両の軌道は、環境における不測の矛盾を考慮し得る。
【0088】
[0093]様々な例において、車両コンピューティングシステムは、車両軌道に少なくとも部分的に基づいて、車両を制御するように構成され得る。車両コンピューティングシステムの追跡コンポーネントは、計画コンポーネントからのように、車両軌道を受信し得る。追跡コンポーネントは、第2の時刻における車両の実際の位置を決定し得、かつ、車両を第2の軌道に従って動作させることに関連付けられた1つまたは複数の駆動システムコンポーネントを決定し得る。追跡コンポーネントは、駆動システムコンポーネントを第2の軌道に基づいて作動させ得る。
【0089】
[0094]図5は、環境にける車両アクションに関連付けられた車両の動作に基づいて、車両が未来において追従する軌道を決定する例示的な処理500を示す。処理500の幾つかまたは全部は、本明細書に記載するように、図3における1つまたは複数のコンポーネントによって実施され得る。例えば、処理500の幾つかまたは全部は、車両コンピューティングデバイス304によって実施され得る。
【0090】
[0095]動作502において、処理500は、第1の時刻に環境において第1の軌道(例えば、第1の車両軌道)に従って動作する車両の第1の位置を決定することを含む。車両コンピューティングシステムは、1つまたは複数のセンサから受信したセンサデータに基づいて、第1の位置を決定し得る。センサデータは、環境における車両の位置および/または動きを示し得る。センサは、カメラ、動き検出器、ライダ、レーダ、飛行時間等を含み得る。センサは、車両に搭載されてよく、および/または、車両から離れたセンサ(例えば、他の車両に搭載、環境に搭載等)を含み得る。
【0091】
[0096]動作504において、処理500は、第1の位置が車両の計画軌道の閾値距離内にあるかどうかを決定することを含む。計画軌道は、環境における車両の動作に関連して以前に決定された軌道を含み得る。先に論じたように、計画軌道は、以前の時間間隔におけるような、車両コンピューティングシステムの計画コンポーネントによって決定され得る。様々な例において、閾値距離(例えば、1フィート、0.5メートル等)は、車両が所定の安全パラメータ内において動作することを保証するための安全制約を表し得る。
【0092】
[0097]第1の位置が閾値距離内でないとの決定(動作504において「No」)に基づいて、処理500は、動作506において、車両が移動するための環境における第2の位置を識別することを含む。閾値距離の超過は、所定の安全パラメータを超える、計画軌道からの逸脱を表し得る。第2の位置は、交通の流れの外のような、車両が移動するのに安全な位置を含み得る。様々な例において、第2の位置は、車両が動作を停止するための駐車位置を含み得る。
【0093】
[0098]動作508において、処理500は、車両を第2の位置に制御させることを含む。幾つかの例において、車両コンピューティングシステムは、車両を第2の位置に制御することに関連付けられた新たな軌道を決定し得る。このような例において、車両コンピューティングシステムは、新たな軌道に従って車両を制御し得る。幾つかの例において、車両コンピューティングシステムは、1つまたは複数のネットワークを介する等して、リモートオペレータとの接続を確立し得る。接続の確立に応答して、車両コンピューティングシステムは、リモートオペレータが車両を第2の位置、または停止した車両動作に関連付けられた他の位置に制御できるようにし得る。少なくとも1つの例において、リモートオペレータは、車両および環境において動作する他の物体の安全を確保するために、車両を安全な場所に制御し得る一方、車両コンピューティングシステムおよび/またはリモートコンピューティングシステムは、トラブルシューティング動作を実施して計画経路からの逸脱の原因を決定する。
【0094】
[0099]第1の位置が閾値距離内であることの決定(動作504において「Yes」)に基づいて、処理500は、動作510において、第2の時刻に関連付けられた車両の第2の位置を決定することを含み、第2の位置は、車両の推定される未来の位置を含む。第2の位置は、横方向座標および縦方向座標(例えば、X-Y座標)を含み得る。第2の位置の横方向座標は、第2(未来)の時刻における車両の横方向位置を含み得る。幾つかの例において、車両コンピューティングシステムは、計画軌道に基づいて第2の位置の横方向座標を決定する。幾つかの例において、横方向座標は、未来の時刻における計画軌道に関連付けられた横方向座標(例えば、計画軌道のX座標)と同じかまたは実質的に同じであり得る(例えば、2%未満の差分、5センチ以内等)。幾つかの例において、横方向座標は、計画軌道から閾値横方向距離内(例えば、10センチメートル、3インチ以内等)であり得る。このように、少なくとも1つの例において、車両コンピューティングシステムは、第2の位置の横方向座標を計画軌道の横方向の範囲に制限するように構成され得る。
【0095】
[0100]様々な例において、車両コンピューティングシステムは、第1の時刻に関連付けられた軌道(例えば、第1の軌道)に基づいて、第2の位置の縦方向座標を決定し得る。幾つかの例において、車両コンピューティングシステムは、例えば、連続的な軌道を提供し、かつ、車両の乗員のスムーズな乗り心地を確保するために、或るレート(例えば、50ミリ秒毎、100ミリ秒毎等)で車両軌道を決定するように構成され得る。このような例において、車両コンピューティングシステムは、第2の未来の時刻に関連付けられた更新軌道を決定しながら、車両に関連付けられた現在の軌道に基づいて縦方向座標を決定し得る。
【0096】
[0101]幾つかの例において、第1の時刻と第2の時刻との間の時間間隔は、車両軌道の決定に関連付けられたレートに少なくとも部分的に基づいて決定され得る。追加的に、幾つかの例において、時間間隔は、車両コンポーネント(例えば、駆動システムコンポーネント)の作動に関連付けられた時間遅延に基づいて決定され得る。このような例において、車両コンピューティングシステムは、例えば、より正確で連続的な軌道を提供し、かつ、乗員のスムーズな乗り心地を確保するために、駆動システムコンポーネントの作動に関連付けられた遅延を考慮するように構成され得る。
【0097】
[0102]動作512において、処理500は、環境において動作する車両に関連付けられたアクションを決定することを含む。アクションは、環境内の状況(例えば、道路規則、検出された物体等)に基づいて車両コンピューティングシステム(例えば、計画コンポーネント118)によって決定されるアクションを含み得る。非限定的な一例として、アクションは、環境を走行するために速度を維持すること、一時停止標識において停止すること、交差点において停止した位置から加速すること、他の車両に道を譲るために減速すること等を含み得る。
【0098】
[0103]少なくとも1つの例において、車両コンピューティングシステムは、物体に基づいて車両を制御するため等、環境において検出された物体に基づいて動作を決定し得る。物体は、歩行者、自転車、オートバイ、他の車両等を含み得る。幾つかの例において、車両コンピューティングシステムは、環境における物体を検出し、その物体が車両に関係することを決定するように構成され得る。このような例において、車両コンピューティングシステムは、関係する物体に基づいてアクションを決定し得る。幾つかの例において、車両コンピューティングシステムは、米国特許出願第16/389,720号および/または第16/417,260号に記載され、その内容があらゆる目的のために先の参照により本明細書に組み込まれるような技術を利用して、物体の関係性を決定し得る。幾つかの例において、物体の関係性の決定は、それに関連付けられた予測された物体の軌道に基づき得る。このような例において、車両コンピューティングシステム(例えば、それに関連付けられた予測コンポーネント)は、予測された物体軌道、および/または、それに関連付けられた物体の関係性を決定するように構成され得る。幾つかの例において、車両コンピューティングシステムは、米国特許出願第15/807,521号、第16/151,607号、および第16/504,147号に記載され、それらの内容があらゆる目的のために先の参照により本明細書に組み込まれるような技術を利用して、予測された物体軌道を決定し得る。
【0099】
[0104]動作514において、処理500は、アクションが車両の速度または方向の変化に関連するかどうかを決定することを含む。車両の速度の変化は、加速または減速(例えば、負の加速)を含み得る。例えば、アクションは、一時停止標識から交差点に進入する加速を含み得る。他の例として、アクションは、他の車両に道を譲るために減速することを含み得る。方向の変更は、方向転換、車線変更等を含み得る。例えば、アクションは、車両の移動方向の変更を含む車線変更アクションを含み得る。
【0100】
[0105]アクションが車両の速度または方向の変化に関連しないとの決定に基づいて(動作514において「No」)、処理500は、動作516において、第1の軌道に部分的に基づいて第2の軌道を決定することを含む。様々な例において、第1の軌道と第2の軌道とは同じかまたは実質的に同じであり得る。幾つかの例において、第2の軌道は、第1の軌道に関連付けられた走行方向の修正を含み得る。
【0101】
[0106]アクションが車両の速度または方向の変化に関連するとの決定に基づいて(動作514において「Yes」)、処理500は、動作518において、第2の位置および車両アクションに部分的に基づいて、第2の時刻に関連付けられた第3の軌道を決定することを含む。幾つかの例において、第3の軌道は、第1の軌道に基づいて追加的に決定され得る。
【0102】
[0107]動作520において、処理500は、第2の軌道(動作516において決定された)または第3の軌道に少なくとも部分的に基づいて、車両を制御することを含む。様々な例において、車両コンピューティングシステムは、第2の軌道または第3の軌道に関連付けられた1つまたは複数の駆動システムコンポーネントを識別し得る。幾つかの例において、車両コンピューティングシステムは、駆動システムコンポーネントを作動させる1つまたは複数の制御信号を生成し得る。幾つかの例において、車両コンピューティングシステムは、第2の時刻において第1の軌道から第2の軌道または第3の軌道への修正を開始する等のために、第2の時刻において制御信号を送信し得る。幾つかの例において、車両コンピューティングシステムは、駆動システムコンポーネントに関連付けられた遅延(例えば、作動遅延)を決定し得る。このような例において、車両コンピューティングシステムは、第2の時刻について駆動システムコンポーネントを作動させる等のために、システムコンポーネントに関連付けられた遅延に少なくとも部分的に基づいて、第2の時刻よりも前の時刻において信号を送信し得る。
【0103】
[0108]図6は、対応する車両コンポーネントに関連付けられた作動遅延に基づいて、車両軌道に関連付けられた制御信号を送信する例示的な処理600を示す。処理600の幾つかまたは全部は、本明細書に記載するように、図3における1つまたは複数のコンポーネントによって実施され得る。例えば、処理600の幾つかまたは全部は、車両コンピューティングデバイス304によって実施されてもよい。
【0104】
[0109]動作602において、処理600は、第1の時刻に環境において第1の軌道(例えば、第1の車両軌道)に従って動作する車両の位置を決定することを含む。車両コンピューティングシステムは、1つまたは複数のセンサから受信したセンサデータに基づいて位置を決定し得る。センサデータは、環境における車両の位置および/または動きを示し得る。センサは、カメラ、動き検出器、ライダ、レーダ、飛行時間等を含み得る。センサは、車両に搭載されてもよいし、車両から離れたセンサ(例えば、他の車両に搭載、環境に搭載等)を含んでもよい。
【0105】
[0110]動作604において、処理600は、車両の第1の軌道および計画軌道に少なくとも部分的に基づいて、第2の時刻における車両の推定位置を決定することを含む。推定位置は、横方向座標及び縦方向座標(例えば、X-Y座標)を含み得る。推定位置の横方向座標は、第2(未来)の時刻における車両の横方向の位置を含む。幾つかの例において、車両コンピューティングシステムは、計画軌道に基づいて推定位置の横方向座標を決定する。幾つかの例において、横方向座標は、未来の時刻における計画軌道(例えば、計画軌道のX座標)に関連付けられた横方向座標と同一または実質的に同一であり得る(例えば、2%未満の差分、5センチメートル以内等)。幾つかの例において、横方向座標は、計画軌道から閾値横方向距離内(例えば、10センチメートル以内、3インチ以内等)であり得る。このように、少なくとも1つの例において、車両コンピューティングシステムは、第2の位置の横方向座標を、計画軌道の横方向の範囲内に制約するように構成され得る。
【0106】
[0111]様々な例において、車両コンピューティングシステムは、第1の時刻(例えば、第1の軌道)に関連付けられた車両軌道に基づいて、推定位置の縦方向座標を決定し得る。幾つかの例において、車両コンピューティングシステムは、連続的な軌道を提供し、かつ、車両の乗員のスムーズな乗り心地を確保する等のために、或るレート(例えば、50ミリ秒毎、100ミリ秒毎等)で車両軌道を決定するように構成され得る。このような例において、車両コンピューティングシステムは、第2の未来の時刻に関連付けられる更新軌道を決定しながら、第1の時刻において動作する車両に関連付けられた現在の軌道に基づいて縦方向座標を決定する。
【0107】
[0112]幾つかの例において、第1の時刻と第2の時刻との間の時間間隔は、車両軌道の決定に関連付けられたレートに少なくとも部分的に基づいて決定される。追加的に、幾つかの例において、時間間隔は、車両コンポーネント(例えば、駆動システムコンポーネント)の作動に関連付けられた時間遅延に基づいて決定されてもよい。そのような例において、車両コンピューティングシステムは、より正確で連続的な軌道を提供し、かつ、乗員にスムーズな乗り心地を確保するように、駆動システムコンポーネントの作動に関連付けられた遅延を考慮するように構成され得る。
【0108】
[0113]動作606において、処理600は、推定位置に関連付けられた車両アクションを決定することを含む。アクションは、車両が推定位置において、および/または、それに関連付けられた第2の時刻において、実施するであろうアクションを含み得る。アクションは、環境における状況(例えば、道路規則、検出された物体等)に基づいて、および/または、環境において検出された物体に基づいて、車両コンピューティングシステム(例えば、計画コンポーネント118)によって決定されるアクションを含み得る。非限定的な一例として、アクションは、環境を走行するために速度を維持すること、一時停止標識において停止すること、交差点において停止した位置から加速すること、他の車両に道を譲るために減速すること等を含み得る。
【0109】
[0114]動作608において、処理600は、車両アクションおよび第1の軌道に部分的に基づいて、第2の時刻に関連付けられた第2の軌道を決定することを含む。様々な例において、第2の軌道には、1つまたは複数の速度および/または進行方向が関連付けられていてよい。そのような例において、車両コンピューティングシステムは、第2の軌道に関連付けられた1つまたは複数の速度および/または進行方向を決定し得る。車両アクションが速度および/または進行方向の変更を含む例では、車両コンピューティングシステムは、第1の軌道に関連付けられた1つまたは複数の第1の速度を利用して第2の軌道を決定してもよい。車両アクションが進行方向の変更を含む例では、車両コンピューティングシステムは、第1の軌道に関連付けられた1つまたは複数の第1の進行方向を利用して第2の軌道を決定してもよい。
【0110】
[0115]動作610において、処理600は、第2の軌道が車両コンポーネントの修正に関連付けられているかどうかを決定することを含む。幾つかの例において、車両コンポーネントは、上述したように、駆動システムコンポーネントを含み得る。幾つかの例において、駆動システムコンポーネントは、モータ、エンジン、トランスミッション、ステアリングシステムコンポーネント、ブレーキシステムコンポーネント等を含み得る。様々な例において、車両コンピューティングシステムは、第1の軌道と第2の軌道との間の速度および/または進行方向の変化に基づいて、車両コンポーネントの修正を決定し得る。
【0111】
[0116]第2の軌道が車両コンポーネントの修正に関連付けられていないとの決定(動作610において「No」)に基づいて、処理600は、動作612において、第2の軌道に従って車両を制御することを含む。このように、車両コンピューティングシステムは、第2の時刻において第2の軌道に従って車両を走行させ得る。
【0112】
[0117]第2の軌道が車両コンポーネントの修正に関連付けられているとの決定(動作610において「Yes」)に基づいて、処理600は、動作614において、車両コンポーネントに関連付けられた作動遅延を決定することを含む。幾つかの例において、修正は、2つ以上の車両コンポーネントの修正を含み得る。幾つかの例において、作動遅延は、2つ以上の車両コンポーネントに関連付けられた平均作動遅延を含み得る。幾つかの例において、作動遅延は、2つ以上のコンポーネントのうちの車両コンポーネントの作動に関連付けられた最大遅延または最小遅延を含み得る。幾つかの例において、作動遅延は、1つまたは複数の駆動システムコンポーネント(例えば、車両コンポーネント)に関連付けられた所定の遅延を含み得る。
【0113】
[0118]動作616において、処理600は、作動遅延および第2の軌道に少なくとも部分的に基づいて、車両コンポーネントに制御信号を送信することを含む。幾つかの例において、制御信号は、第2の時刻において第2の軌道に従って車両を走行させるように、車両コンポーネントを作動させ得る。
【0114】
例示項
[0119]A:センサと、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプロセッサによって実行可能な命令を記憶する1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読媒体と、を備えるシステムであって、前記命令は、実行されると、前記システムに、第1の車両軌道を受信することと、前記センサからのセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、第1の時刻に環境において動作する車両の第1の位置を決定することと、前記第1の軌道にマッピングされた前記第1の位置の第1の投影位置を決定することと、前記第1の投影位置および前記第1の車両軌道に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の時刻の後の第2の時刻における前記車両の第2の位置を決定することであって、前記第2の位置は、前記車両の推定未来位置を含み、前記第2の位置は、前記第1の車両軌道に制約される横方向座標と、前記第1の車両軌道に関連付けられた速度に少なくとも部分的に基づいて決定される縦方向座標とを含む、ことと、前記環境において動作する前記車両に関連付けられたアクションを決定することと、前記第2の位置および前記アクションに少なくとも部分的に基づいて、前記第2の時刻において動作する前記車両に関連付けられた第2の車両軌道を決定することと、前記第2の時刻において前記第2の車両軌道に少なくとも部分的に基づいて前記車両を制御することと、を含む動作を実行させる、システム。
【0115】
[0120]B:前記車両の前記第1の位置から前記第1の車両軌道への距離が閾値距離以下であると決定することをさらに含み、前記車両の前記第2の位置を決定することは、前記距離が前記閾値距離以下であると決定することに少なくとも部分的に基づく、A項に記載のシステム。
【0116】
[0121]C:前記第2の時刻における前記車両の第3の位置を決定することであって、前記車両の前記第3の位置は、前記第2の時刻における前記車両の実際の位置を含む、ことと、前記第3の位置と前記第1の車両軌道との間の距離が閾値距離を超えることを決定することと、前記閾値距離を超える前記距離に少なくとも部分的に基づいて、前記車両が移動するための前記環境における第4の位置を識別することであって、前記第4の位置は駐車位置に関連付けられている、ことと、前記第4の位置へ動作する車両に関連付けられた第3の軌道を決定することと、前記第3の軌道に従って前記車両を制御することと、をさらに含む、A項またはB項の何れかに記載のシステム。
【0117】
[0122]D:前記第2の時刻は、車両軌道の計算に関連付けられた第1の時間間隔、または、前記車両の制御に関連付けられた車両コンポーネントに対応する作動遅延に関連付けられた第2の時間間隔の少なくとも1つに少なくとも部分的に基づく、A~C項の何れか1項に記載のシステム。
【0118】
[0123]E:前記車両の制御に関連付けられた車両コンポーネントを決定することと、前記車両コンポーネントに関連付けられた作動遅延を決定することと、前記作動遅延に少なくとも部分的に基づいて、前記車両コンポーネントを制御する信号を送信することと、をさらに含む、A~D項の何れか1項に記載のシステム。
【0119】
[0124]F:第1の時刻に環境において動作する車両の現在位置に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の時刻の後の未来の時刻における前記車両の推定位置を決定することであって、前記推定位置は、前記環境において動作する前記車両に関連付けられた第1の車両軌道および前記第1の軌道への現在位置の投影位置に少なくとも部分的に基づいた横方向座標と、前記第1の車両軌道に関連付けられた速度に少なくとも部分的に基づいて決定された縦座標と、を含むことと、前記推定位置および前記速度に少なくとも部分的に基づいて、前記未来の時刻において動作する前記車両に関連付けられた第2の車両軌道を決定することと、を含む、方法。
【0120】
[0125]G:前記現在位置から前記第1の車両軌道への距離が閾値距離以下であると決定することをさらに含み、前記車両の前記推定位置を決定することは、前記距離が前記閾値距離以下であると決定することに少なくとも部分的に基づく、F項に記載の方法。
【0121】
[0126]H:前記未来の時刻における前記車両の測定位置を決定すること、前記測定位置と前記第1の車両軌道との間の距離が閾値距離を超えると決定すること、および、前記閾値距離を超える前記距離に少なくとも部分的に基づいて、前記車両を駐車位置に移動させることを決定すること、をさらに含む、F項またはG項の何れかに記載の方法。
【0122】
[0127]I:前記車両を前記駐車位置に移動させることは、前記駐車位置への前記車両の動作に関連付けられた第3の軌道に少なくとも部分的に基づいて、前記車両を制御すること、または、リモートオペレータから受信した制御入力に少なくとも部分的に基づいて、前記車両を制御すること、の少なくとも1つを含む、H項に記載の方法。
【0123】
[0128]J:前記未来の時刻は、車両軌道の計算に関連付けられた第1の時間間隔、または、前記車両の制御に関連付けられた車両コンポーネントに対応する作動遅延に関連付けられた第2の時間間隔の少なくとも1つに少なくとも部分的に基づく、F~I項の何れか1項に記載の方法。
【0124】
[0129]K:前記第2の車両軌道に従って前記車両を制御することに関連付けられた車両コンポーネントを決定することと、前記車両コンポーネントに関連付けられた作動遅延を決定することであって、前記第2の車両軌道を決定することは、前記作動遅延に少なくとも部分的にさらに基づく、ことと、をさらに含む、F~J項の何れか1項に記載の方法。
【0125】
[0130]L:前記環境において動作する前記車両に関連付けられたアクションを決定することと、前記アクションに関連付けられた速度を決定することと、をさらに含み、前記第2の車両軌道は、前記速度に少なくとも部分的に基づいて決定される、F~K項の何れか1項に記載の方法。
【0126】
[0131]M:前記環境において動作する物体を決定することと、前記物体に少なくとも部分的に基づいて、前記車両が実施するアクションを決定することであって、前記第2の車両軌道を決定することは、前記アクションに少なくとも部分的にさらに基づく、F~I項の何れか1項に記載の方法。
【0127】
[0132]N:前記未来の時刻において、前記第2の車両軌道の少なくとも一部に基づき、前記車両を制御することをさらに含む、F~M項の何れか1項に記載の方法。
【0128】
[0133]O:プロセッサと、命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体と、を備え、前記命令は、実行されると、プロセッサに、F~N項の何れか1項に記載のコンピュータに実行される方法を実施させる、システムまたはデバイス。
【0129】
[0134]P:処理手段と、前記処理手段に結合された記憶手段とを備え、前記記憶手段は、1つまたは複数のデバイスを、F~N項の何れか1項に記載のコンピュータに実行される方法を実施させるように構成する命令を含む、システムまたはデバイス。
【0130】
[0135]Q:命令を記憶する1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、実行されると、1つまたは複数のプロセッサに、第1の時刻に環境おいて動作する車両の現在位置に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の時刻の後の未来の時刻における前記車両の推定位置を決定することであって、前記推定位置は、前記環境において動作する前記車両に関連付けられた第1の車両軌道および前記第1の車両軌道への現在位置の投影位置に少なくとも部分的に基づく横方向座標と、前記第1の車両軌道に関連付けられた速度に少なくとも部分的に基づいて決定される縦方向座標とを含む、ことと、前記推定位置および前記速度に少なくとも部分的に基づいて、前記未来の時刻において動作する前記車両に関連付けられた第2の車両軌道を決定することと、を含む動作を実施させる、1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0131】
[0136]R:前記現在位置から前記第1の車両軌道への距離が閾値距離以下であると決定することをさらに含み、前記車両の推定位置を決定することは、前記距離が前記閾値距離以下であると決定することに少なくとも部分的に基づく、Q項に記載の1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0132】
[0137]S:前記未来の時刻は、車両軌道の計算に関連付けられた第1の時間間隔、または、前記車両の制御に関連付けられた車両コンポーネントに対応する作動遅延に関連付けられた第2の時間間隔の少なくとも1つに少なくとも部分的に基づく、Q項に記載の1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0133】
[0138]T:前記動作は、前記第2の車両軌道に従って車両を制御することに関連付けられた車両コンポーネントを決定することと、前記車両コンポーネントに関連付けられた作動遅延を決定することと、前記作動遅延に少なくとも部分的に基づいて、前記車両コンポーネントを作動する信号を送信することと、をさらに含む、Q項に記載の1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0134】
[0139]U:前記動作は、前記未来の時刻に前記環境において動作する前記車両に関連付けられたアクションを決定することと、前記アクションに関連付けられた1つまたは複数の速度を決定することと、をさらに含み、前記第2の車両軌道は、前記1つまたは複数の速度に少なくとも部分的に基づいて決定される、Q項に記載の1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0135】
[0140]V:前記動作は、前記第2の車両軌道に少なくとも部分的に基づいて、前記未来の時刻に前記車両を制御することをさらに含む、Q項に記載の1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0136】
[0141]上述した例示項は、1つの特定の実装に関して記載されるが、本明細書の文脈において、例示項の内容は、方法、デバイス、システム、コンピュータ可読媒体、および/または他の実装を介して実装され得ることを理解すべきである。追加的に、例示項A~Vの何れかは、単独で、または他の例示項A~Vの何れか1つまたは複数と組み合わせて、実装されてもよい。
【0137】
まとめ
[0142]本明細書において記載する技術の1つまたは複数の例について記載したが、様々な変更、追加、置換、および、それらの等価物が、本明細書に記載する技術の範囲内に含まれる。
【0138】
[0143]例示的な記載において、本明細書の一部を形成する添付の図面が参照されるが、これは例示として請求される主題の具体的な例を示す。他の例を使用でき、構造的な変更のような変更または代替を行うことが可能であることを理解すべきである。そのような例示、変更または代替は、意図して請求される主題に関する範囲から必ずしも逸脱しない。本明細書におけるステップは特定の順序で提示され得るが、幾つかのケースにおいては、記載したシステムおよび方法の機能を変更することなく、特定の入力を異なる時間または異なる順序で提供するように、順序は変更され得る。開示された手順もまた、異なる順序で実行可能である。追加的に、本明細書における様々な計算は、開示された順序で実施される必要はなく、計算の代替順序を使用する他の例を容易に実装することが可能である。並べ替えに加えて、計算はまた、同じ結果となるサブ計算に分解することも可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】