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  • 特表-加齢黄斑変性用のバイオマーカー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】加齢黄斑変性用のバイオマーカー
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/00 20060101AFI20240517BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20240517BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20240517BHJP
   A61K 31/397 20060101ALI20240517BHJP
   A61K 31/445 20060101ALI20240517BHJP
   A61K 31/495 20060101ALI20240517BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20240517BHJP
   A61K 31/40 20060101ALI20240517BHJP
   A61K 31/341 20060101ALI20240517BHJP
   A61K 31/421 20060101ALI20240517BHJP
   A61K 31/44 20060101ALI20240517BHJP
   A61K 31/415 20060101ALI20240517BHJP
   C12Q 1/6837 20180101ALI20240517BHJP
   C12Q 1/6869 20180101ALI20240517BHJP
   C12Q 1/686 20180101ALI20240517BHJP
   G01N 33/68 20060101ALI20240517BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20240517BHJP
   G01N 33/82 20060101ALI20240517BHJP
   C12Q 1/6883 20180101ALN20240517BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P27/02
A61K31/4545
A61K31/397
A61K31/445
A61K31/495
A61K31/496
A61K31/40
A61K31/341
A61K31/421
A61K31/44
A61K31/415
C12Q1/6837 Z
C12Q1/6869 Z
C12Q1/686 Z
G01N33/68
G01N33/53 D
G01N33/82
G01N33/53 S
G01N33/53 M
C12Q1/6883 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570122
(86)(22)【出願日】2022-05-20
(85)【翻訳文提出日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 US2022030313
(87)【国際公開番号】W WO2022246238
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】63/191,739
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522007141
【氏名又は名称】ビーライト バイオ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リャオ,ウェバー
(72)【発明者】
【氏名】ワン,チョン-チー アイリーン
(72)【発明者】
【氏名】リン,ユ-シン トム
【テーマコード(参考)】
2G045
4B063
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
2G045AA25
2G045CA25
2G045DA14
2G045DA36
2G045DA57
2G045FB01
2G045FB02
2G045FB03
2G045FB06
4B063QA01
4B063QA19
4B063QQ03
4B063QQ42
4B063QQ53
4B063QQ79
4B063QR32
4B063QR36
4B063QR48
4B063QR56
4B063QR57
4B063QR62
4B063QR72
4B063QS25
4B063QS33
4B063QS34
4B063QS36
4B063QX01
4B063QX02
4C084AA17
4C084NA05
4C084NA06
4C084ZA331
4C084ZA332
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA03
4C086BC02
4C086BC07
4C086BC17
4C086BC21
4C086BC36
4C086BC50
4C086BC69
4C086CB05
4C086GA07
4C086GA09
4C086GA12
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA06
4C086NA14
4C086ZA33
(57)【要約】
【解決手段】本明細書では、加齢黄斑変性の診断に有用なバイオマーカーおよび診断法が提供される。本明細書ではまた、加齢黄斑変性を含む疾患用の処置が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加齢黄斑変性を処置する必要がある個体における加齢黄斑変性を処置するための方法であって、
(a)アッセイによって、前記個体からの試料中のレチノール結合タンパク質4(RBP4)のレベルを判定する工程と、
(b)前記試料が少なくともRBP4の閾値のレベルを有する場合は、前記個体のRBP4のレベルを低下させるための治療を施す工程であって、前記閾値が少なくとも25μg/mlである、工程と
を含み、それによって、前記個体における加齢黄斑変性を処置する、方法。
【請求項2】
RBP4の前記閾値が35μg/mlである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
RBP4の前記閾値が25~100μg/mlである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記アッセイが抗体アッセイ、電気泳動アッセイ、イムノアッセイ、ラジオイムノアッセイ、クロマトグラフィーアッセイ、質量分析アッセイ、マイクロアレイに基づく検出アッセイ、ポリメラーゼ連鎖反応アッセイ、シーケンシングアッセイ、免疫組織化学アッセイ、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記抗体アッセイがELISAを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
c)第2のアッセイによって、前記個体からの試料中のビタミンAのレベルを判定する工程と、
d)前記試料が少なくともビタミンAの閾値のレベルを有する場合は、前記個体のビタミンAのレベルを低下させるための治療を施す工程であって、ビタミンAの前記閾値が少なくとも150ng/mLである、工程と
をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
ビタミンAの前記閾値が約225ng/mLまたは約390ng/mLである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ビタミンAの前記閾値が150~500ng/mLである、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のアッセイが抗体アッセイ、電気泳動アッセイ、イムノアッセイ、ラジオイムノアッセイ、クロマトグラフィーアッセイ、質量分析アッセイ、マイクロアレイに基づく検出アッセイ、ポリメラーゼ連鎖反応アッセイ、シーケンシングアッセイ、免疫組織化学アッセイ、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項6~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記試料が血液試料を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記レベルが、前記血液試料に由来する血漿または血清から測定される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記レベルがRBP4の前記閾値を下回る場合は、ある期間後に黄斑変性について前記個体を再評価することの推奨を提供する、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記治療が、RBP4阻害剤または前記個体の血中RBP4濃度を低下させる化合物を含んだ医薬組成物を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記医薬組成物が、式(I):
【化1】
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含み、
式中、
、R 、R 、R 、およびR はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、CF、またはC-Cアルキルであり、ここで、R 、R 、R 、R 、およびR のうちの2個以上は、H以外であり、
は、H、OH、またはハロゲンであり、
は、構造:
【化2】
を有し、
式中、
α、β、χ、およびδはそれぞれ独立して、存在しないか、または存在し、存在する場合には、それぞれが結合であり、
Xは、CまたはNであり、
は、Nであり、
は、NまたはNR であり、
ここで、R は、H、C-Cアルキル、またはオキセタンであり、
は、置換または非置換の5員、6員、または7員の環構造である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記化合物が構造:
【化3】
を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記化合物が構造:
【化4】
を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記医薬組成物が、式(II):
【化5】
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含み、
式中、
環Aは、任意選択でさらに置換されたベンゼンであり、
は、任意選択で置換された分岐状のC-Cアルキル基であり、
は、O、S、SO、SO、またはNHであり、
は、結合またはC-Cアルキレン基であり、
環Bは、アゼチジンまたはピペリジンであり、
は、COまたはSOであり、
は、任意選択で置換された炭化水素基、任意選択で置換された複素環基、任意選択で置換されたヒドロキシ基、任意選択で置換されたメルカプト基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、またはハロゲン原子である、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記化合物が4-(3-(2-tert-ブチルフェノキシ)アゼチジン-1-イル)-4-オキソ酪酸、3-{3-[(2-tert-ブチル-4-フルオロフェノキシ)メチル]アゼチジン-1-イル}-3-オキソプロパン酸、2-{[3-(2-tert-ブチル-4-クロロフェノキシ)アゼチジン-1-イル]カルボニル}ピリジン、4-[3-(2-tert-ブチル-4-クロロフェノキシ)アゼチジン-1-イル]-4-オキソ酪酸、{3-[(2-tert-ブチル-4-クロロフェノキシ)メチル]アゼチジン-1-イル}(オキソ)酢酸、{3-[(2-tert-ブチルフェノキシ)メチル]アゼチジン-1-イル}(オキソ)酢酸、3-{3-[(2-tert-ブチルフェノキシ)メチル]アゼチジン-1-イル}-3-オキソプロパン酸、{4-[(2-tert-ブチル-4-クロロフェノキシ)メチル]ピペリジン-1-イル}(オキソ)酢酸、[4-(2-tert-ブチルフェノキシ)ピペリジン-1-イル](オキソ)酢酸、もしくは{4-[(2-tert-ブチルフェノキシ)メチル]ピペリジン-1-イル}(オキソ)酢酸、またはその薬学的に許容可能な塩である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記医薬組成物が、式(III):
【化6】
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含み、
式中、
環Aは、(a)ハロゲン原子および(b)Cアルキル基からなる群から選択される1~3個の置換基により任意選択で置換されたベンゼン環であり、
環Bは、(a)ハロゲン原子、(b)1~3個のハロゲン原子により任意選択で置換されたC-Cアルキル基、および(c)1~3個のハロゲン原子により任意選択で置換されたC-Cアルコキシ基からなる群から選択される1~3個の置換基により任意選択で置換されたピペラジン環であり、
は、(1)任意選択で置換されたC-C10アルキル基、(2)任意選択で置換されたC-C14アリール基、(3)任意選択で置換された5員または6員の芳香族複素環基、(4)任意選択で置換されたアミノ基、(5)任意選択で置換されたカルボキシ基、または(6)任意選択で置換されたカルバモイル基である、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記化合物がN-{[4-(2-tert-ブチルフェニル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}グリシン、3-[4-(2-tert-ブチルフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-オキソプロパン酸、[4-(2-tert-ブチル-4-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル](オキソ)酢酸、5-{2-[4-(2-tert-ブチルフェニル)ピペラジン-1-イル]-2-オキソエチル}イミダゾリジン-2,4-ジオン、[(5-{[4-(2-tert-ブチルフェニル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}イソオキサゾール-3-イル)オキシ]酢酸、またはその薬学的に許容可能な塩である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記医薬組成物が、式(IV):
【化7】
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含み、
式中、
環Aは、1個のオキソ基により任意選択でさらに置換された5員の非芳香族複素環であり、
環Bは、1~4個の置換基により任意選択でさらに置換されたベンゼン環であり、
は、O、CHO、OCH、CH、(CH、S、CHS、SCH、S(O)、CHS(O)、S(O)CH、S(O)、CHS(O)、またはS(O)CHである、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
前記化合物が({(3S)-1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピロリジン-3-イル}オキシ)酢酸、({1-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]ピロリジン-3-イル}スルファニル)酢酸、3-{(2R、5S)-5-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロフラン-2-イル}プロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記医薬組成物が、式(V):
【化8】
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含み、
式中、
環Aは、ピラゾール環、ピリジン環、オキサゾール環、イミダゾール環、またはピリミジン環であり、
は、S、任意選択で置換されたアルキレン、またはOであり、
は、水素原子またはC-Cアルキル基である、請求項13に記載の方法。
【請求項24】
前記化合物が((4-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)-1,3-オキサゾール-2-イル)スルファニル)酢酸、エチル((6-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)-ピリジン-3-イル)スルファニル)酢酸、((6-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)-フェニル)ピリジン-3-イル)スルファニル)酢酸、または3-(3-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-ピラゾール-1-イル)ブタン酸である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
加齢黄斑変性を処置する必要がある個体における加齢黄斑変性を処置するための方法であって、
a)アッセイによって、前記個体からの試料中のビタミンAのレベルを判定する工程と、
b)前記試料が少なくともビタミンAの閾値のレベルを有する場合は、前記個体のビタミンAの前記レベルまたはRBP4のレベルを低下させるための治療を施す工程であって、前記閾値が少なくとも150ng/mlである、工程と
を含み、それによって、前記個体における加齢黄斑変性を処置する、方法。
【請求項26】
ビタミンAの前記閾値が約225ng/mLまたは約390ng/mLである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
ビタミンAの前記閾値が150~500ng/mLである、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記アッセイが抗体アッセイ、電気泳動アッセイ、イムノアッセイ、ラジオイムノアッセイ、クロマトグラフィーアッセイ、質量分析アッセイ、マイクロアレイに基づく検出アッセイ、ポリメラーゼ連鎖反応アッセイ、シーケンシングアッセイ、免疫組織化学アッセイ、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項25~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記クロマトグラフィーアッセイが高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)、または液体クロマトグラフィー/質量分析(LC-MS)を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記試料が血液試料を含む、請求項25~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記レベルが、前記血液試料に由来する血漿または血清から測定される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記レベルがビタミンAの前記閾値を下回る場合は、ある期間後に黄斑変性について前記個体を再評価することの推奨を提供する、請求項25~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記治療が、RBP4阻害剤または前記個体の血中RBP4濃度を低下させる化合物を含んだ医薬組成物を含む、請求項25~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
個体における加齢黄斑変性の可能性、重症度、または診断を評価するための方法であって、
a)アッセイによって、前記個体からの試料中のレチノール結合タンパク質4(RBP4)のレベルがRBP4の閾値を上回るか否かを判定する工程と、
b)前記個体の年齢および病歴を判定する工程と、
c)RBP4の前記レベルに基づいて、ならびに、任意選択で前記個体の年齢および/または病歴に基づいて、加齢黄斑変性の発症の可能性、重症度、または診断を評価する工程と
のうちの1つ以上を含み、ここで、RBP4の前記閾値のレベルが少なくとも25μg/mlである、方法。
【請求項35】
前記閾値が35μg/mlである、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記閾値が25~100μg/mlである、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記方法がカラー眼底撮影、眼底自発蛍光、スペクトラルドメイン光干渉断層撮影、またはマイクロペリメトリーのうちの少なくとも1つを実施する工程をさらに含む、請求項34~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
加齢黄斑変性の進行度を分類する工程をさらに含む、請求項34~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
分類する工程がAREDSカテゴリーの使用を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記アッセイが抗体アッセイ、電気泳動アッセイ、イムノアッセイ、ラジオイムノアッセイ、クロマトグラフィーアッセイ、質量分析アッセイ、マイクロアレイに基づく検出アッセイ、ポリメラーゼ連鎖反応アッセイ、シーケンシングアッセイ、免疫組織化学アッセイ、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項34~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記抗体アッセイがELISAを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記試料が血液試料を含む、請求項34~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記レベルが、前記血液試料に由来する血漿または血清から測定される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
黄斑変性の発症の可能性を評価する工程がリスクスコアを生成することを含む、請求項34~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記リスクスコアが閾値を上回る場合は、黄斑変性の処置用の医薬組成物を投与する、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
RBP4の前記レベルに基づいて前記医薬組成物の用量を選択する工程をさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記リスクスコアが閾値を下回る場合は、ある期間後に黄斑変性について前記個体を再評価することの推奨を提供する、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
加齢黄斑変性を処置する必要がある個体における加齢黄斑変性を処置するための方法であって、
a)アッセイによって、1つ以上のゲノム変異体の存在の有無を判定する工程であって、前記1つ以上のゲノム変異体がrs4147863、rs2275029、rs1800739、rs4147857、rs4147856、rs1801555、またはrs1801574のうちの少なくとも1つを含む、工程と、
b)前記1つ以上のゲノム変異体の存在の有無を使用して加齢黄斑変性のリスクスコアを計算する工程と、
c)前記個体における加齢黄斑変性を処置するための治療を施す工程と
を含む、方法。
【請求項49】
前記1つ以上のゲノム変異体がrs4147863、rs2275029、rs1800739、rs4147857、rs4147856、rs1801555、またはrs1801574のうちの少なくとも4つを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記1つ以上のゲノム変異体がrs3747961、rs6666652、rs1800717、rs763108716、rs185601596、rs17110761、rs61748519、rs1801359、rs145766145、rs76258939、rs200551567、rs754765164、rs201602424、rs564661476、rs4147831、rs6657239、rs2297632、rs1801555、rs1762114、rs55860151、rs1800549、rs3112831、rs4147830、rs2297634、またはrs4847281のうちの少なくとも5つを含む、請求項48または49に記載の方法。
【請求項51】
前記個体の年齢または病歴を判定する工程をさらに含む、請求項48~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記個体からの試料中のレチノール結合タンパク質4(RBP4)のレベルを判定する工程をさらに含む、請求項48~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記治療が、前記個体に医薬組成物を投与することを含む、請求項48~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記医薬組成物が、RBP4阻害剤または前記個体の血中RBP4濃度を低下させる化合物を含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記医薬組成物が、式(I):
【化9】
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含み、
式中、
、R 、R 、R 、およびR はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、CF、またはC-Cアルキルであり、ここで、R 、R 、R 、R 、およびR のうちの2個以上は、H以外であり、
は、H、OH、またはハロゲンであり、
は、構造:
【化10】
を有し、
式中、
α、β、χ、およびδはそれぞれ独立して、存在しないか、または存在し、存在する場合には、それぞれが結合であり、
Xは、CまたはNであり、
は、Nであり、
は、NまたはNR であり、
は、H、C-Cアルキル、またはオキセタンであり、
は、置換または非置換の5員、6員、または7員の環構造である、請求項53または54に記載の方法。
【請求項56】
前記医薬組成物が、構造:
【化11】
を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記医薬組成物が、構造:
【化12】
を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
加齢黄斑変性の可能性を評価する必要がある個体における加齢黄斑変性の可能性を評価するための方法であって、
a)前記個体から得られた血液試料からタンパク質画分を抽出する工程と、
b)前記血液試料から核酸画分を抽出する工程と、
c)第1のアッセイによって、前記タンパク質画分からレチノール結合タンパク質4(RBP4)のレベルを判定する工程と、
d)第2のアッセイによって、前記核酸画分中の核酸から1つ以上のゲノム変異体の対立遺伝子頻度を判定する工程であって、前記1つ以上のゲノム変異体がrs4147863、rs2275029、rs1800739、rs4147857、rs4147856、rs1801555、またはrs1801574のうちの少なくとも1つを含む、工程と、
e)RBP4の前記レベルおよび前記1つ以上のゲノム変異体の前記対立遺伝子頻度に基づいて加齢黄斑変性の可能性を評価する工程と
を含む、方法。
【請求項59】
前記第1のアッセイが抗体アッセイ、電気泳動アッセイ、イムノアッセイ、ラジオイムノアッセイ、クロマトグラフィーアッセイ、質量分析アッセイ、マイクロアレイに基づく検出アッセイ、ポリメラーゼ連鎖反応アッセイ、シーケンシングアッセイ、免疫組織化学アッセイ、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記抗体アッセイがELISAを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記レベルが、前記血液試料に由来する血漿または血清から測定される、請求項58~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記1つ以上のゲノム変異体がrs4147863、rs2275029、rs1800739、rs4147857、rs4147856、rs1801555、またはrs1801574のうちの少なくとも4つを含む、請求項58~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記1つ以上のゲノム変異体がrs3747961、rs6666652、rs1800717、rs763108716、rs185601596、rs17110761、rs61748519、rs1801359、rs145766145、rs76258939、rs200551567、rs754765164、rs201602424、rs564661476、rs4147831、rs6657239、rs2297632、rs1801555、rs1762114、rs55860151、rs1800549、rs3112831、rs4147830、rs2297634、またはrs4847281のうちの少なくとも5つを含む、請求項58~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記個体の年齢または病歴を判定する工程をさらに含む、請求項58~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
カラー眼底撮影、眼底自発蛍光、スペクトラルドメイン光干渉断層撮影、またはマイクロペリメトリーのうちの少なくとも1つを実施する工程をさらに含む、請求項58~64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
加齢黄斑変性の進行度を分類する工程をさらに含む、請求項58~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
分類する工程がAREDSカテゴリーの使用を含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
加齢黄斑変性の発症の可能性を評価する工程がリスクスコアを生成することを含む、請求項58~67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
加齢黄斑変性を処置する必要がある個体における加齢黄斑変性を処置するための方法であって、
a)レチノール結合タンパク質4(RBP4)のレベルを提供する工程であって、前記レベルが、前記個体からの試料のタンパク質画分のアッセイによって判定される、工程と、
b)1つ以上のゲノム変異体の対立遺伝子頻度を提供する工程であって、前記対立遺伝子頻度が、前記個体からの前記試料の核酸画分に対して実施されるアッセイによって判定され、前記1つ以上のゲノム変異体がrs4147863、rs2275029、rs1800739、rs4147857、rs4147856、rs1801555、またはrs1801574のうちの少なくとも1つを含む、工程と、
c)RBP4の前記レベルおよび前記1つ以上のゲノム変異体の前記対立遺伝子頻度の評価に基づいて治療を施す工程と
を含む、方法。
【請求項70】
前記試料が血液試料を含む、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記レベルが、前記血液試料に由来する血漿または血清から測定される、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記アッセイが抗体アッセイ、電気泳動アッセイ、イムノアッセイ、ラジオイムノアッセイ、クロマトグラフィーアッセイ、質量分析アッセイ、マイクロアレイに基づく検出アッセイ、ポリメラーゼ連鎖反応アッセイ、シーケンシングアッセイ、免疫組織化学アッセイ、またはそれらの任意の組合せである、請求項69~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記抗体アッセイがELISAを含む、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記評価が加齢黄斑変性の診断を含む、請求項69~73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記評価がカラー眼底撮影、眼底自発蛍光、スペクトラルドメイン光干渉断層撮影、またはマイクロペリメトリーのうちの少なくとも1つの解析をさらに含む、請求項69~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記評価が前記個体の年齢または病歴をさらに含む、請求項69~75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
前記1つ以上のゲノム変異体がrs4147863、rs2275029、rs1800739、rs4147857、rs4147856、rs1801555、またはrs1801574のうちの少なくとも4つを含む、請求項69~76のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
前記1つ以上のゲノム変異体がrs3747961、rs6666652、rs1800717、rs763108716、rs185601596、rs17110761、rs61748519、rs1801359、rs145766145、rs76258939、rs200551567、rs754765164、rs201602424、rs564661476、rs4147831、rs6657239、rs2297632、rs1801555、rs1762114、rs55860151、rs1800549、rs3112831、rs4147830、rs2297634、またはrs4847281のうちの少なくとも5つを含む、請求項69~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
前記治療が、前記個体に医薬組成物を投与することを含む、請求項69~78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
前記医薬組成物が、RBP4阻害剤または前記個体の血中RBP4濃度を低下させる化合物を含む、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記医薬組成物が、式(I):
【化13】
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含み、
式中、
、R 、R 、R 、およびR はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、CF、またはC-Cアルキルであり、ここで、R 、R 、R 、R 、およびR のうちの2個以上は、H以外であり、
は、H、OH、またはハロゲンであり、
は、構造:
【化14】
を有し、
式中、
α、β、χ、およびδはそれぞれ独立して、存在しないか、または存在し、存在する場合には、それぞれが結合であり、
Xは、CまたはNであり、
は、Nであり、
は、NまたはNR であり、
ここで、R は、H、C-Cアルキル、またはオキセタンであり、
は、置換または非置換の5員、6員、または7員の環構造である、請求項33、45、53、54、79、または80に記載の方法。
【請求項82】
前記医薬組成物が、構造:
【化15】
を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記医薬組成物が、構造:
【化16】
を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む、請求項81に記載の方法。
【請求項84】
前記医薬組成物が、式(II):
【化17】
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含み、
式中、
環Aは、任意選択でさらに置換されたベンゼンであり、
は、任意選択で置換された分岐状のC-Cアルキル基であり、
は、O、S、SO、SO、またはNHであり、
は、結合またはC-Cアルキレン基であり、
環Bは、アゼチジンまたはピペリジンであり、
は、COまたはSOであり、
は、任意選択で置換された炭化水素基、任意選択で置換された複素環基、任意選択で置換されたヒドロキシ基、任意選択で置換されたメルカプト基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、またはハロゲン原子である、請求項33、45、53、54、79、または80に記載の方法。
【請求項85】
前記化合物が4-(3-(2-tert-ブチルフェノキシ)アゼチジン-1-イル)-4-オキソ酪酸、3-{3-[(2-tert-ブチル-4-フルオロフェノキシ)メチル]アゼチジン-1-イル}-3-オキソプロパン酸、2-{[3-(2-tert-ブチル-4-クロロフェノキシ)アゼチジン-1-イル]カルボニル}ピリジン、4-[3-(2-tert-ブチル-4-クロロフェノキシ)アゼチジン-1-イル]-4-オキソ酪酸、{3-[(2-tert-ブチル-4-クロロフェノキシ)メチル]アゼチジン-1-イル}(オキソ)酢酸、{3-[(2-tert-ブチルフェノキシ)メチル]アゼチジン-1-イル}(オキソ)酢酸、3-{3-[(2-tert-ブチルフェノキシ)メチル]アゼチジン-1-イル}-3-オキソプロパン酸、{4-[(2-tert-ブチル-4-クロロフェノキシ)メチル]ピペリジン-1-イル}(オキソ)酢酸、[4-(2-tert-ブチルフェノキシ)ピペリジン-1-イル](オキソ)酢酸、もしくは{4-[(2-tert-ブチルフェノキシ)メチル]ピペリジン-1-イル}(オキソ)酢酸、またはその薬学的に許容可能な塩である、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記医薬組成物が、式(III):
【化18】
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含み、
式中、
環Aは、(a)ハロゲン原子および(b)Cアルキル基からなる群から選択される1~3個の置換基により任意選択で置換されたベンゼン環であり、
環Bは、(a)ハロゲン原子、(b)1~3個のハロゲン原子により任意選択で置換されたC-Cアルキル基、および(c)1~3個のハロゲン原子により任意選択で置換されたC-Cアルコキシ基からなる群から選択される1~3個の置換基により任意選択で置換されたピペラジン環であり、
は、(1)任意選択で置換されたC-C10アルキル基、(2)任意選択で置換されたC-C14アリール基、(3)任意選択で置換された5員または6員の芳香族複素環基、(4)任意選択で置換されたアミノ基、(5)任意選択で置換されたカルボキシ基、または(6)任意選択で置換されたカルバモイル基である、請求項33、45、53、54、79、または80に記載の方法。
【請求項87】
前記化合物がN-{[4-(2-tert-ブチルフェニル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}グリシン、3-[4-(2-tert-ブチルフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-オキソプロパン酸、[4-(2-tert-ブチル-4-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル](オキソ)酢酸、5-{2-[4-(2-tert-ブチルフェニル)ピペラジン-1-イル]-2-オキソエチル}イミダゾリジン-2,4-ジオン、[(5-{[4-(2-tert-ブチルフェニル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}イソオキサゾール-3-イル)オキシ]酢酸、またはその薬学的に許容可能な塩である、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記医薬組成物が、式(IV):
【化19】
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含み、
式中、
環Aは、1個のオキソ基により任意選択でさらに置換された5員の非芳香族複素環であり、
環Bは、1~4個の置換基により任意選択でさらに置換されたベンゼン環であり、
は、O、CHO、OCH、CH、(CH、S、CHS、SCH、S(O)、CHS(O)、S(O)CH、S(O)、CHS(O)、またはS(O)CHである、請求項33、45、53、54、79、または80に記載の方法。
【請求項89】
前記化合物が({(3S)-1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピロリジン-3-イル}オキシ)酢酸、({1-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]ピロリジン-3-イル}スルファニル)酢酸、3-{(2R、5S)-5-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロフラン-2-イル}プロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩である、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記医薬組成物が、式(V):
【化20】
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含み、
式中、
環Aは、ピラゾール環、ピリジン環、オキサゾール環、イミダゾール環、またはピリミジン環であり、
は、S、任意選択で置換されたアルキレン、またはOであり、
は、水素原子またはC-Cアルキル基である、請求項33、45、53、54、79、または80に記載の方法。
【請求項91】
前記化合物が((4-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)-1,3-オキサゾール-2-イル)スルファニル)酢酸、エチル((6-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)-ピリジン-3-イル)スルファニル)酢酸、((6-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)-フェニル)ピリジン-3-イル)スルファニル)酢酸、または3-(3-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-ピラゾール-1-イル)ブタン酸である、請求項90に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2021年5月21日出願の米国仮特許出願第63/191,739号の利益を主張し、当該文献の全体は、引用によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
医薬分野では、加齢黄斑変性(AMD)など、レチノール結合タンパク質4(RBP4)に関連する疾患および障害の有効なリスク評価、診断、および処置の必要が存在する。
【発明の概要】
【0003】
本明細書では、個体における加齢黄斑変性(AMD)の存在を評価、またはAMDの発症リスクを評価するために使用できるバイオマーカーが提供される。本明細書ではまた、本明細書で提供されるバイオマーカーを測定するためのアッセイが提供される。本明細書ではさらに、治療を施すことによってAMDを処置する方法が提供される。
【0004】
本明細書では、必要としている個体における加齢黄斑変性を処置するための方法であって、(a)アッセイによって、個体からの試料中のレチノール結合タンパク質4(RBP4)のレベルを判定する工程と、(b)試料が少なくともRBP4の閾値のレベルを有する場合は、個体のRBP4のレベルを低下させるための治療を施す工程であって、閾値が少なくとも25μg/mlである、工程とを含み、それによって、個体における加齢黄斑変性を処置する、方法が提供される。本明細書ではさらに、RBP4の閾値が35μg/mlである、方法が提供される。本明細書ではさらに、RBP4の閾値が25~100μg/mlである、方法が提供される。本明細書ではさらに、アッセイが抗体アッセイ、電気泳動アッセイ、イムノアッセイ、ラジオイムノアッセイ、クロマトグラフィーアッセイ、質量分析アッセイ、マイクロアレイに基づく検出アッセイ、ポリメラーゼ連鎖反応アッセイ、シーケンシングアッセイ、免疫組織化学アッセイ、またはそれらの任意の組合せを含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、抗体アッセイがELISAを含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、c)第2のアッセイによって、個体からの試料中のビタミンAのレベルを判定する工程と、d)試料が少なくともビタミンAの閾値のレベルを有する場合は、個体のビタミンAのレベルを低下させるために治療を施す工程であって、ビタミンAの閾値が少なくとも150ng/mLである、工程とをさらに含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、ビタミンAの閾値が約225ng/mLまたは約390ng/mLである、方法が提供される。本明細書ではさらに、ビタミンAの閾値が150~500ng/mLである、方法が提供される。本明細書ではさらに、第2のアッセイが抗体アッセイ、電気泳動アッセイ、イムノアッセイ、ラジオイムノアッセイ、クロマトグラフィーアッセイ、質量分析アッセイ、マイクロアレイに基づく検出アッセイ、ポリメラーゼ連鎖反応アッセイ、シーケンシングアッセイ、免疫組織化学アッセイ、またはそれらの任意の組合せを含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、試料が血液試料を含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、レベルが、血液試料に由来する血漿または血清から測定される、方法が提供される。本明細書ではさらに、レベルがRBP4の閾値を下回る場合は、ある期間後に黄斑変性について個体を再評価することの推奨を提供する、方法が提供される。本明細書ではさらに、治療が、RBP4阻害剤または個体の血中RBP4濃度を低下させる化合物を含んだ医薬組成物を含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、医薬組成物が、式(I):
【0005】
【化1】
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含み、式中、R 、R 、R 、R 、およびR はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、CF、またはC-Cアルキルであり、ここで、R 、R 、R 、R 、およびR のうちの2個以上は、H以外であり、R は、H、OH、またはハロゲンであり、Aは、構造:
【0006】
【化2】
を有し、式中、α、β、χ、およびδはそれぞれ独立して、存在しないか、または存在し、存在する場合には、それぞれが結合であり、Xは、CまたはNであり、Zは、Nであり、Zは、NまたはNR であり、ここで、R は、H、C-Cアルキル、またはオキセタンであり、Bは、置換または非置換の5員、6員、または7員の環構造である、方法が提供される。本明細書ではさらに、化合物が構造:
【0007】
【化3】
を有する方法が提供される。本明細書ではさらに、化合物が構造:
【0008】
【化4】
を有する方法が提供される。本明細書ではさらに、医薬組成物が、式(II):
【0009】
【化5】
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含み、式中、環Aは、任意選択でさらに置換されたベンゼンであり、R は、任意選択で置換された分岐状のC-Cアルキル基であり、X はO、S、SO、SO、またはNHであり、X は、結合またはC-Cアルキレン基であり、環Bは、アゼチジンまたはピペリジンであり、X は、COまたはSOであり、R は、任意選択で置換された炭化水素基、任意選択で置換された複素環基、任意選択で置換されたヒドロキシ基、任意選択で置換されたメルカプト基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、またはハロゲン原子である、方法が提供される。本明細書ではさらに、化合物が4-(3-(2-tert-ブチルフェノキシ)アゼチジン-1-イル)-4-オキソ酪酸、3-{3-[(2-tert-ブチル-4-フルオロフェノキシ)メチル]アゼチジン-1-イル}-3-オキソプロパン酸、2-{[3-(2-tert-ブチル-4-クロロフェノキシ)アゼチジン-1-イル]カルボニル}ピリジン、4-[3-(2-tert-ブチル-4-クロロフェノキシ)アゼチジン-1-イル]-4-オキソ酪酸、{3-[(2-tert-ブチル-4-クロロフェノキシ)メチル]アゼチジン-1-イル}(オキソ)酢酸、{3-[(2-tert-ブチルフェノキシ)メチル]アゼチジン-1-イル}(オキソ)酢酸、3-{3-[(2-tert-ブチルフェノキシ)メチル]アゼチジン-1-イル}-3-オキソプロパン酸、{4-[(2-tert-ブチル-4-クロロフェノキシ)メチル]ピペリジン-1-イル}(オキソ)酢酸、[4-(2-tert-ブチルフェノキシ)ピペリジン-1-イル](オキソ)酢酸、もしくは{4-[(2-tert-ブチルフェノキシ)メチル]ピペリジン-1-イル}(オキソ)酢酸、またはその薬学的に許容可能な塩である、方法が提供される。本明細書ではさらに、医薬組成物が、式(III):
【0010】
【化6】
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含み、式中、環Aは、(a)ハロゲン原子および(b)Cアルキル基からなる群から選択される1~3個の置換基により任意選択で置換されたベンゼン環であり、環Bは、(a)ハロゲン原子、(b)1~3個のハロゲン原子により任意選択で置換されたC-Cアルキル基、および(c)1~3個のハロゲン原子により任意選択で置換されたC-Cアルコキシ基からなる群から選択される1~3個の置換基により任意選択で置換されたピペラジン環であり、Rは、(1)任意選択で置換されたC-C10アルキル基、(2)任意選択で置換されたC-C14アリール基、(3)任意選択で置換された5員または6員の芳香族複素環基、(4)任意選択で置換されたアミノ基、(5)任意選択で置換されたカルボキシ基、または(6)任意選択で置換されたカルバモイル基である、方法が提供される。本明細書ではさらに、化合物がN-{[4-(2-tert-ブチルフェニル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}グリシン、3-[4-(2-tert-ブチルフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-オキソプロパン酸、[4-(2-tert-ブチル-4-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル](オキソ)酢酸、5-{2-[4-(2-tert-ブチルフェニル)ピペラジン-1-イル]-2-オキソエチル}イミダゾリジン-2,4-ジオン、[(5-{[4-(2-tert-ブチルフェニル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}イソオキサゾール-3-イル)オキシ]酢酸、またはその薬学的に許容可能な塩である、方法が提供される。本明細書ではさらに、医薬組成物が、式(IV):
【0011】
【化7】
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含み、式中、環Aは、1個のオキソ基により任意選択でさらに置換された5員の非芳香族複素環であり、環Bは、1~4個の置換基により任意選択でさらに置換されたベンゼン環であり、XはO、CHO、OCH、CH、(CH、S、CHS、SCH、S(O)、CHS(O)、S(O)CH、S(O)、CHS(O)、またはS(O)CHである、方法が提供される。本明細書ではさらに、化合物が({(3S)-1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピロリジン-3-イル}オキシ)酢酸、({1-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]ピロリジン-3-イル}スルファニル)酢酸、3-{(2R、5S)-5-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロフラン-2-イル}プロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩である、方法が提供される。本明細書ではさらに、医薬組成物が、式(V):
【0012】
【化8】
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含み、式中、環Aは、ピラゾール環、ピリジン環、オキサゾール環、イミダゾール環、またはピリミジン環であり、Xは、S、任意選択で置換されたアルキレン、またはOであり、Rは、水素原子またはC-Cアルキル基である、方法が提供される。本明細書ではさらに、化合物が((4-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)-1,3-オキサゾール-2-イル)スルファニル)酢酸、エチル((6-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)-ピリジン-3-イル)スルファニル)酢酸、((6-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)-フェニル)ピリジン-3-イル)スルファニル)酢酸、または3-(3-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-ピラゾール-1-イル)ブタン酸である、方法が提供される。
【0013】
本明細書では、必要としている個体における加齢黄斑変性を処置するための方法であって、アッセイによって、個体からの試料中のビタミンAのレベルを判定する工程と、試料が少なくともビタミンAの閾値のレベルを有する場合は、個体のビタミンAのレベルまたはRBP4のレベルを低下させるための治療を施す工程であって、閾値が少なくとも150ng/mlである、工程とを含み、それによって、個体における加齢黄斑変性を処置する、方法が提供される。本明細書ではさらに、ビタミンAの閾値が約225ng/mLまたは約390ng/mLである、方法が提供される。本明細書ではさらに、ビタミンAの閾値が150~500ng/mLである、方法が提供される。本明細書ではさらに、アッセイが抗体アッセイ、電気泳動アッセイ、イムノアッセイ、ラジオイムノアッセイ、クロマトグラフィーアッセイ、質量分析アッセイ、マイクロアレイに基づく検出アッセイ、ポリメラーゼ連鎖反応アッセイ、シーケンシングアッセイ、免疫組織化学アッセイ、またはそれらの任意の組合せを含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、クロマトグラフィーアッセイが高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)、または液体クロマトグラフィー/質量分析(LC-MS)を含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、試料が血液試料を含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、レベルが、血液試料に由来する血漿または血清から測定される、方法が提供される。本明細書ではさらに、レベルがビタミンAの閾値を下回る場合は、ある期間後に黄斑変性について個体を再評価することの推奨を提供する、方法が提供される。本明細書ではさらに、治療が、RBP4阻害剤または個体の血中RBP4濃度を低下させる化合物を含んだ医薬組成物を含む、方法が提供される。
【0014】
本明細書では、個体における加齢黄斑変性の可能性、重症度、または診断を評価するための方法であって、a)アッセイによって、個体からの試料中のレチノール結合タンパク質4(RBP4)のレベルがRBP4の閾値を上回るか否かを判定する工程と、b)個体の年齢および病歴を判定する工程と、c)RBP4のレベルに基づいて、ならびに、任意選択で個体の年齢および/または病歴に基づいて、加齢黄斑変性の発症の可能性、重症度、または診断を評価する工程とのうちの1つ以上を含み、ここで、RBP4の閾値レベルが少なくとも25μg/mlである、方法が提供される。本明細書ではさらに、閾値が35μg/mlである、方法が提供される。本明細書ではさらに、閾値が25~100μg/mlである、方法が提供される。本明細書ではさらに、方法がカラー眼底撮影、眼底自発蛍光、スペクトラルドメイン光干渉断層撮影、またはマイクロペリメトリーのうちの少なくとも1つを実施する工程をさらに含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、加齢黄斑変性の進行度を分類する工程をさらに含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、分類する工程がAREDSカテゴリーの使用を含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、アッセイが抗体アッセイ、電気泳動アッセイ、イムノアッセイ、ラジオイムノアッセイ、クロマトグラフィーアッセイ、質量分析アッセイ、マイクロアレイに基づく検出アッセイ、ポリメラーゼ連鎖反応アッセイ、シーケンシングアッセイ、免疫組織化学アッセイ、またはそれらの任意の組合せを含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、抗体アッセイがELISAを含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、試料が血液試料を含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、レベルが、血液試料に由来する血漿または血清から測定される、方法が提供される。本明細書ではさらに、黄斑変性の発症の可能性を評価する工程がリスクスコアを生成することを含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、リスクスコアが閾値を上回る場合は、黄斑変性の処置用の医薬組成物を投与する、方法が提供される。本明細書ではさらに、RBP4のレベルに基づいて医薬組成物の用量を選択する工程をさらに含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、リスクスコアが閾値を下回る場合は、ある期間後に黄斑変性について個体を再評価することの推奨を提供する、方法が提供される。
【0015】
本明細書では、必要としている個体における加齢黄斑変性を処置するための方法であって、a)アッセイによって、1つ以上のゲノム変異体の存在の有無を判定する工程であって、1つ以上のゲノム変異体がrs4147863、rs2275029、rs1800739、rs4147857、rs4147856、rs1801555、またはrs1801574のうちの少なくとも1つを含む、工程と、b)1つ以上のゲノム変異体の存在の有無を使用して加齢黄斑変性のリスクスコアを計算する工程と、c)個体における加齢黄斑変性を処置するための治療を施す工程とを含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、1つ以上のゲノム変異体がrs4147863、rs2275029、rs1800739、rs4147857、rs4147856、rs1801555、またはrs1801574のうちの少なくとも4つを含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、1つ以上のゲノム変異体がrs3747961、rs6666652、rs1800717、rs763108716、rs185601596、rs17110761、rs61748519、rs1801359、rs145766145、rs76258939、rs200551567、rs754765164、rs201602424、rs564661476、rs4147831、rs6657239、rs2297632、rs1801555、rs1762114、rs55860151、rs1800549、rs3112831、rs4147830、rs2297634、またはrs4847281のうちの少なくとも5つを含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、個体の年齢または病歴を判定する工程をさらに含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、個体からの試料中のレチノール結合タンパク質4(RBP4)のレベルを判定する工程をさらに含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、治療が、個体に医薬組成物を投与することを含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、医薬組成物が、RBP4阻害剤または個体の血中RBP4濃度を低下させる化合物を含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、医薬組成物が、式(I):
【0016】
【化9】
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含み、式中、R 、R 、R 、R 、およびR はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、CF、またはC-Cアルキルであり、ここで、R 、R 、R 、R 、およびR のうちの2個以上は、H以外であり、R は、H、OH、またはハロゲンであり、Aは、構造:
【0017】
【化10】
を有し、式中、α、β、χ、およびδはそれぞれ独立して、存在しないか、または存在し、存在する場合には、それぞれが結合であり、Xは、CまたはNであり、Zは、Nであり、Zは、NまたはNR であり、ここで、R は、H、C-Cアルキル、またはオキセタンであり、Bは、置換または非置換の5員、6員、または7員の環構造である、方法が提供される。本明細書ではさらに、医薬組成物が、構造:
【0018】
【化11】
を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、医薬組成物が、構造:
【0019】
【化12】
を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む、方法が提供される。
【0020】
本明細書では、必要としている個体における加齢黄斑変性の可能性を評価するための方法であって、a)個体から得られた血液試料からタンパク質画分を抽出する工程と、b)血液試料から核酸画分を抽出する工程と、c)第1のアッセイによって、タンパク質画分からレチノール結合タンパク質4(RBP4)のレベルを判定する工程と、d)第2のアッセイによって、核酸画分中の核酸から1つ以上のゲノム変異体の対立遺伝子頻度を判定する工程であって、1つ以上のゲノム変異体がrs4147863、rs2275029、rs1800739、rs4147857、rs4147856、rs1801555、またはrs1801574のうちの少なくとも1つを含む、工程と、e)RBP4のレベルおよび1つ以上のゲノム変異体の対立遺伝子頻度に基づいて加齢黄斑変性の可能性を評価する工程とを含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、第1のアッセイが抗体アッセイ、電気泳動アッセイ、イムノアッセイ、ラジオイムノアッセイ、クロマトグラフィーアッセイ、質量分析アッセイ、マイクロアレイに基づく検出アッセイ、ポリメラーゼ連鎖反応アッセイ、シーケンシングアッセイ、免疫組織化学アッセイ、またはそれらの任意の組合せを含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、抗体アッセイがELISAを含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、レベルが、血液試料に由来する血漿または血清から測定される、方法が提供される。本明細書ではさらに、1つ以上のゲノム変異体がrs4147863、rs2275029、rs1800739、rs4147857、rs4147856、rs1801555、またはrs1801574のうちの少なくとも4つを含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、1つ以上のゲノム変異体がrs3747961、rs6666652、rs1800717、rs763108716、rs185601596、rs17110761、rs61748519、rs1801359、rs145766145、rs76258939、rs200551567、rs754765164、rs201602424、rs564661476、rs4147831、rs6657239、rs2297632、rs1801555、rs1762114、rs55860151、rs1800549、rs3112831、rs4147830、rs2297634、またはrs4847281のうちの少なくとも5つを含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、個体の年齢または病歴を判定する工程をさらに含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、カラー眼底撮影、眼底自発蛍光、スペクトラルドメイン光干渉断層撮影、またはマイクロペリメトリーのうちの少なくとも1つを実施する工程をさらに含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、加齢黄斑変性の進行度を分類する工程をさらに含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、分類する工程がAREDSカテゴリーの使用を含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、加齢黄斑変性の可能性を評価する工程がリスクスコアを生成することを含む、方法が提供される。
【0021】
本明細書では、必要としている個体における加齢黄斑変性を処置するための方法であって、a)レチノール結合タンパク質4(RBP4)のレベルを提供する工程であって、レベルが、個体からの試料のタンパク質画分のアッセイによって判定される、工程と、b)1つ以上のゲノム変異体の対立遺伝子頻度を提供する工程であって、対立遺伝子頻度が、個体からの試料の核酸画分に対して実施されるアッセイによって判定され、1つ以上のゲノム変異体がrs4147863、rs2275029、rs1800739、rs4147857、rs4147856、rs1801555、またはrs1801574のうちの少なくとも1つを含む、工程と、c)RBP4のレベルおよび1つ以上のゲノム変異体の対立遺伝子頻度の評価に基づいて治療を施す工程とを含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、試料が血液試料を含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、レベルが、血液試料に由来する血漿または血清から測定される、方法が提供される。本明細書ではさらに、アッセイが抗体アッセイ、電気泳動アッセイ、イムノアッセイ、ラジオイムノアッセイ、クロマトグラフィーアッセイ、質量分析アッセイ、マイクロアレイに基づく検出アッセイ、ポリメラーゼ連鎖反応アッセイ、シーケンシングアッセイ、免疫組織化学アッセイ、またはそれらの任意の組合せである、方法が提供される。本明細書ではさらに、抗体アッセイがELISAを含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、評価が加齢黄斑変性の診断を含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、評価がカラー眼底撮影、眼底自発蛍光、スペクトラルドメイン光干渉断層撮影、またはマイクロペリメトリーのうちの少なくとも1つの解析をさらに含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、評価が、個体の年齢または病歴の解析をさらに含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、1つ以上のゲノム変異体がrs4147863、rs2275029、rs1800739、rs4147857、rs4147856、rs1801555、またはrs1801574のうちの少なくとも4つを含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、1つ以上のゲノム変異体がrs3747961、rs6666652、rs1800717、rs763108716、rs185601596、rs17110761、rs61748519、rs1801359、rs145766145、rs76258939、rs200551567、rs754765164、rs201602424、rs564661476、rs4147831、rs6657239、rs2297632、rs1801555、rs1762114、rs55860151、rs1800549、rs3112831、rs4147830、rs2297634、またはrs4847281のうちの少なくとも5つを含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、治療が、個体に医薬組成物を投与することを含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、医薬組成物が、RBP4阻害剤または個体の血中RBP4濃度を低下させる化合物を含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、医薬組成物が、式(I):
【0022】
【化13】
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含み、式中、R 、R 、R 、R 、およびR はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、CF、またはC-Cアルキルであり、ここで、R 、R 、R 、R 、およびR のうちの2個以上は、H以外であり、R は、H、OH、またはハロゲンであり、Aは、構造:
【0023】
【化14】
を有し、式中、α、β、χ、およびδはそれぞれ独立して、存在しないか、または存在し、存在する場合には、それぞれが結合であり、Xは、CまたはNであり、Zは、Nであり、Zは、NまたはNR であり、ここで、R は、H、C-Cアルキル、またはオキセタンであり、Bは、置換または非置換の5員、6員、または7員の環構造である、方法が提供される。本明細書ではさらに、医薬組成物が、構造:
【0024】
【化15】
を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、医薬組成物が、構造:
【0025】
【化16】
を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む、方法が提供される。本明細書ではさらに、医薬組成物が、式(II):
【0026】
【化17】
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含み、式中、環Aは、任意選択でさらに置換されたベンゼンであり、R は、任意選択で置換された分岐状のC-Cアルキル基であり、X はO、S、SO、SO、またはNHであり、X は、結合またはC-Cアルキレン基であり、環Bは、アゼチジンまたはピペリジンであり、X は、COまたはSOであり、R は、任意選択で置換された炭化水素基、任意選択で置換された複素環基、任意選択で置換されたヒドロキシ基、任意選択で置換されたメルカプト基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、またはハロゲン原子である、方法が提供される。本明細書ではさらに、化合物が4-(3-(2-tert-ブチルフェノキシ)アゼチジン-1-イル)-4-オキソ酪酸、3-{3-[(2-tert-ブチル-4-フルオロフェノキシ)メチル]アゼチジン-1-イル}-3-オキソプロパン酸、2-{[3-(2-tert-ブチル-4-クロロフェノキシ)アゼチジン-1-イル]カルボニル}ピリジン、4-[3-(2-tert-ブチル-4-クロロフェノキシ)アゼチジン-1-イル]-4-オキソ酪酸、{3-[(2-tert-ブチル-4-クロロフェノキシ)メチル]アゼチジン-1-イル}(オキソ)酢酸、{3-[(2-tert-ブチルフェノキシ)メチル]アゼチジン-1-イル}(オキソ)酢酸、3-{3-[(2-tert-ブチルフェノキシ)メチル]アゼチジン-1-イル}-3-オキソプロパン酸、{4-[(2-tert-ブチル-4-クロロフェノキシ)メチル]ピペリジン-1-イル}(オキソ)酢酸、[4-(2-tert-ブチルフェノキシ)ピペリジン-1-イル](オキソ)酢酸、もしくは{4-[(2-tert-ブチルフェノキシ)メチル]ピペリジン-1-イル}(オキソ)酢酸、またはその薬学的に許容可能な塩である、方法が提供される。本明細書ではさらに、医薬組成物が、式(III):
【0027】
【化18】
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含み、式中、環Aは、(a)ハロゲン原子および(b)Cアルキル基からなる群から選択される1~3個の置換基により任意選択で置換されたベンゼン環であり、環Bは、(a)ハロゲン原子、(b)1~3個のハロゲン原子により任意選択で置換されたC-Cアルキル基、および(c)1~3個のハロゲン原子により任意選択で置換されたC-Cアルコキシ基からなる群から選択される1~3個の置換基により任意選択で置換されたピペラジン環であり、Rは、(1)任意選択で置換されたC-C10アルキル基、(2)任意選択で置換されたC-C14アリール基、(3)任意選択で置換された5員または6員の芳香族複素環基、(4)任意選択で置換されたアミノ基、(5)任意選択で置換されたカルボキシ基、または(6)任意選択で置換されたカルバモイル基である、方法が提供される。本明細書ではさらに、化合物がN-{[4-(2-tert-ブチルフェニル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}グリシン、3-[4-(2-tert-ブチルフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-オキソプロパン酸、[4-(2-tert-ブチル-4-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル](オキソ)酢酸、5-{2-[4-(2-tert-ブチルフェニル)ピペラジン-1-イル]-2-オキソエチル}イミダゾリジン-2,4-ジオン、[(5-{[4-(2-tert-ブチルフェニル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}イソオキサゾール-3-イル)オキシ]酢酸、またはその薬学的に許容可能な塩である、方法が提供される。本明細書ではさらに、医薬組成物が、式(IV):
【0028】
【化19】
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含み、式中、環Aは、1個のオキソ基により任意選択でさらに置換された5員の非芳香族複素環であり、環Bは、1~4個の置換基により任意選択でさらに置換されたベンゼン環であり、XはO、CHO、OCH、CH、(CH、S、CHS、SCH、S(O)、CHS(O)、S(O)CH、S(O)、CHS(O)、またはS(O)CHである、方法が提供される。本明細書ではさらに、化合物が({(3S)-1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピロリジン-3-イル}オキシ)酢酸、({1-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]ピロリジン-3-イル}スルファニル)酢酸、3-{(2R、5S)-5-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロフラン-2-イル}プロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩である、方法が提供される。本明細書ではさらに、医薬組成物が、式(V):
【0029】
【化20】
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含み、式中、環Aは、ピラゾール環、ピリジン環、オキサゾール環、イミダゾール環、またはピリミジン環であり、Xは、S、任意選択で置換されたアルキレン、またはOであり、Rは、水素原子またはC-Cアルキル基である、方法が提供される。本明細書ではさらに、化合物が((4-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)-1,3-オキサゾール-2-イル)スルファニル)酢酸、エチル((6-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)-ピリジン-3-イル)スルファニル)酢酸、((6-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)-フェニル)ピリジン-3-イル)スルファニル)酢酸、または3-(3-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-ピラゾール-1-イル)ブタン酸である、方法が提供される。
【0030】
参照による引用
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願が、本明細書で特定される特定の目的のために引用によって本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に具体的に記載される。本発明の特徴および利点をより良く理解するには、本発明の原理が用いられる例示的な実施形態を記載している以下の詳細な説明と添付の図面とを参照されたい。
【0032】
図1図1は、健常対照および異なる加齢性眼疾患試験(Age-Related Eye Disease Study:AREDS)カテゴリーにおける血漿レチノール結合タンパク質4(RBP4)レベルのボックスプロットを示す。血漿RBP4平均±SD(μg/ml)は、29.4±7.1(対照)、32.1±6.6(AREDS2)、37.3±8.8(AREDS3)、および36.1±7.8(AREDS4)である。P<0.05。**P<0.01。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「and」、および「the」は、文脈からそうでないことが明確に示されていない限り、複数形の指示対象を含む。それゆえ、例えば、「薬剤(an agent)」への言及は、複数のこのような薬剤を含み、「細胞(the cell)」への言及は、1つ以上の細胞(または複数の細胞)および当業者に既知のその同等物などを含む。本明細書で分子量などの物理的性質または化学式などの化学的性質について範囲が使用される場合、範囲のすべての組合せおよび下位組合せならびにその中の具体的な実施態様が含まれることが意図される。用語「約(about)」は、数または数値範囲に言及する場合、言及される数または数値範囲が実験的変動内(または統計的実験誤差内)での近似値であり、それゆえ、いくつかの事例では、数または数値範囲は、記載される数または数値範囲の1%~15%で変動することを意味する。用語「含む(comprising)」(および「含む(comprise)」もしくは「含む(comprises)」または「有する(having)」または「含む(including)」などの関連用語)は、他のある特定の実施形態では、例えば本明細書に記載される物質からなる任意の組成物、組成物、方法、またはプロセスなどの実施形態が、記載される特徴「~からなる(consist of)」、または「本質的に~からなる(consist essentially of)」ことを除外することは意図されていない。
【0034】
定義
本明細書や添付の特許請求の範囲で使用される場合、反対の意味として示されない限り、次の用語は以下に指定する意味を持つ。
【0035】
「アミノ」は、-NHラジカルを指す。
【0036】
「シアノ」は、-CNラジカルを指す。
【0037】
「ニトロ」は、-NOラジカルを指す。
【0038】
「オキサ」は、-O-(ラジカル)を指す。
【0039】
「オキソ」は、=Oラジカルを指す。
【0040】
「チオキソ」は、=Sラジカルを指す。
【0041】
「イミノ」は、=N-Hラジカルを指す。
【0042】
「オキシモ」は、=N-OHラジカルを指す。
【0043】
「ヒドラジノ」は、=N-NHラジカルを指す。
【0044】
「アルキル」は、炭素原子および水素原子のみからなり、不飽和を含有せず、1~15個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖の炭化水素鎖ラジカル(例えば、C-C15アルキル)を指す。ある特定の実施形態では、アルキルは、1~13個の炭素原子を含む(例えば、C-C13アルキル)。ある特定の実施形態では、アルキルは、1~8個の炭素原子を含む(例えば、C-Cアルキル)。他の実施形態では、アルキルは、1~5個の炭素原子を含む(例えば、C-Cアルキル)。他の実施形態では、アルキルは、1~4個の炭素原子を含む(例えば、C-Cアルキル)。他の実施形態では、アルキルは、1~3個の炭素原子を含む(例えば、C-Cアルキル)。他の実施形態では、アルキルは、1~2個の炭素原子を含む(例えば、C-Cアルキル)。他の実施形態では、アルキルは、1個の炭素原子を含む(例えば、Cアルキル)。他の実施形態では、アルキルは、5~15個の炭素原子を含む(例えば、C-C15アルキル)。他の実施形態では、アルキルは、5~8個の炭素原子を含む(例えば、C-Cアルキル)。他の実施形態では、アルキルは、2~5個の炭素原子を含む(例えば、C-Cアルキル)。他の実施形態では、アルキルは、3~5個の炭素原子を含む(例えば、C-Cアルキル)。他の実施形態では、アルキル基は、メチル、エチル、1-プロピル(n-プロピル)、1-メチルエチル(イソ-プロピル)、1-ブチル(n-ブチル)、1-メチルプロピル(sec-ブチル)、2-メチルプロピル(イソ-ブチル)、1,1-ジメチルエチル(tent-ブチル)、1-ペンチル(n-ペンチル)から選択される。アルキルは、単結合により分子の残りに結合している。本明細書で別段の定めのない限り、アルキル基は、以下の置換基、すなわち、ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、イミノ、オキシモ、トリメチルシラニル、-OR、-SR、-OC(O)-R、-N(R、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)N(R、-N(R)C(O)OR、-OC(O)-N(R、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)(tは1または2である)、-S(O)OR(tは1または2である)、-S(O)(tは1または2である)、および-S(O)N(R(tは1または2である)のうちの1つ以上により任意選択で置換され、Rはそれぞれ独立して、水素、アルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、フルオロアルキル、カルボシクリル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、カルボシクリルアルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、アリール(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、アラルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、ヘテロシクリル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、ヘテロシクリルアルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、ヘテロアリール(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、またはヘテロアリールアルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)である。
【0045】
「アルコキシ」は、アルキルが以上で定義されるようなアルキル鎖である、式-O-アルキルの酸素原子を介して結合したラジカルを指す。
【0046】
「アルケニル」は、炭素原子と水素原子のみからなり、少なくとも1つの炭素炭素二重結合を含み、2~12個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖の炭化水素鎖ラジカル基を指す。ある特定の実施形態では、アルケニルは、2~8個の炭素原子を含む。他の実施形態では、アルケニルは、2~4個の炭素原子を含む。アルケニルは、単結合により分子の残りに結合し、例えば、エテニル(すなわち、ビニル)、プロプ-1-エニル(すなわち、アリル)、ブト-1-エニル、ペント-1-エニル、ペンタ-1,4-ジエニルなどである。本明細書で別段の定めのない限り、アルケニル基は、以下の置換基、すなわち、ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、イミノ、オキシモ、トリメチルシラニル、-OR、-SR、-OC(O)-R、-N(R、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)N(R、-N(R)C(O)OR、-OC(O)-N(R、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)(tは1または2である)、-S(O)OR(tは1または2である)、-S(O)(tは1または2である)、および-S(O)N(R(tは1または2である)のうちの1つ以上により任意選択で置換され、Rはそれぞれ独立して、水素、アルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、フルオロアルキル、カルボシクリル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、カルボシクリルアルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、アリール(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、アラルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、ヘテロシクリル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、ヘテロシクリルアルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、ヘテロアリール(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、またはヘテロアリールアルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)である。
【0047】
「アルキニル」は、炭素原子と水素原子のみからなり、少なくとも1つの炭素炭素三重結合を含み、2~12個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖の炭化水素鎖ラジカル基を指す。ある特定の実施形態では、アルキニルは、2~8個の炭素原子を含む。他の実施形態では、アルキニルは、2~6個の炭素原子を含む。他の実施形態では、アルキニルは、2~4個の炭素原子を含む。アルキニルは、単結合、例えばエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどにより分子の残りに結合している。本明細書で別段の定めのない限り、アルキニル基は、以下の置換基、すなわち、ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、イミノ、オキシモ、トリメチルシラニル、-OR、-SR、-OC(O)-R、-N(R、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)N(R、-N(R)C(O)OR、-OC(O)-N(R、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)(tは1または2である)、-S(O)OR(tは1または2である)、-S(O)(tは1または2である)、および-S(O)N(R(tは1または2である)のうちの1つ以上により任意選択で置換され、Rはそれぞれ独立して、水素、アルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、フルオロアルキル、カルボシクリル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、カルボシクリルアルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、アリール(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、アラルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、ヘテロシクリル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、ヘテロシクリルアルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、ヘテロアリール(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、またはヘテロアリールアルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)である。
【0048】
「アルキレン」または「アルキレン鎖」は、ラジカル基に分子の残りを結合させ、炭素と水素のみからなり、不飽和を含まず、1~12個の炭素原子、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、n-ブチレンなどを有する、直鎖または分枝鎖の二価炭化水素鎖を指す。アルキレン鎖は、単結合を介して分子の残りに、および単結合を介してラジカル基に結合している。分子の残りおよびラジカル基に対するアルキレン鎖の結合点は、アルキレン鎖中の1個の炭素、または鎖内の任意の2個の炭素を介する。ある特定の実施形態では、アルキレンは、1~8個の炭素原子を含む(例えば、C-Cアルキレン)。他の実施形態では、アルキレンは、1~5個の炭素原子を含む(例えば、C-Cアルキレン)。他の実施形態では、アルキレンは、1~4個の炭素原子を含む(例えば、C-Cアルキレン)。他の実施形態では、アルキレンは、1~3個の炭素原子を含む(例えば、C-Cアルキレン)。他の実施形態では、アルキレンは、1~2個の炭素原子を含む(例えば、C-Cアルキレン)。他の実施形態では、アルキレンは、1個の炭素原子を含む(例えば、Cアルキレン)。他の実施形態では、アルキレンは、5~8個の炭素原子を含む(例えば、C-Cアルキレン)。他の実施形態では、アルキレンは、2~5個の炭素原子を含む(例えば、C-Cアルキレン)。他の実施形態では、アルキレンは、3~5個の炭素原子を含む(例えば、C-Cアルキレン)。本明細書で別段の定めのない限り、アルキレン鎖は、以下の置換基、すなわち、ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、イミノ、オキシモ、トリメチルシラニル、-OR、-SR、-OC(O)-R、-N(R、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)N(R、-N(R)C(O)OR、-OC(O)-N(R、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)(tは1または2である)、-S(O)OR(tは1または2である)、-S(O)(tは1または2である)、および-S(O)N(R(tは1または2である)のうちの1つ以上により任意選択で置換され、Rはそれぞれ独立して、水素、アルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、フルオロアルキル、カルボシクリル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、カルボシクリルアルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、アリール(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、アラルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、ヘテロシクリル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、ヘテロシクリルアルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、ヘテロアリール(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、またはヘテロアリールアルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)である。
【0049】
「アルケニレン」または「アルケニレン鎖」は、ラジカル基に分子の残りを結合させ、炭素と水素のみからなり、少なくとも1つの炭素炭素二重結合を含み、2~12個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖の二価炭化水素鎖を指す。アルケニレン鎖は、単結合を介して分子の残りに、および単結合を介してラジカル基に結合している。ある特定の実施形態では、アルケニレンは、2~8個の炭素原子を含む(例えば、C-Cアルケニレン)。他の実施形態では、アルケニレンは、2~5個の炭素原子を含む(例えば、C-Cアルケニレン)。他の実施形態では、アルケニレンは、2~4個の炭素原子を含む(例えば、C-Cアルケニレン)。他の実施形態では、アルケニレンは、2~3個の炭素原子を含む(例えば、C-Cアルケニレン)。他の実施形態では、アルケニレンは、5~8個の炭素原子を含む(例えば、C-Cアルケニレン)。他の実施形態では、アルケニレンは、2~5個の炭素原子を含む(例えば、C-Cアルケニレン)。他の実施形態では、アルケニレンは、3~5個の炭素原子を含む(例えば、C-Cアルケニレン)。本明細書で別段の定めのない限り、アルケニレン鎖は、以下の置換基、すなわち、ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、イミノ、オキシモ、トリメチルシラニル、-OR、-SR、-OC(O)-R、-N(R、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)N(R、-N(R)C(O)OR、-OC(O)-N(R、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)(tは1または2である)、-S(O)OR(tは1または2である)、-S(O)(tは1または2である)、および-S(O)N(R(tは1または2である)のうちの1つ以上により任意選択で置換され、Rはそれぞれ独立して、水素、アルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、フルオロアルキル、カルボシクリル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、カルボシクリルアルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、アリール(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、アラルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、ヘテロシクリル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、ヘテロシクリルアルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、ヘテロアリール(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、またはヘテロアリールアルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)である。
【0050】
「アルキニレン」または「アルキニレン鎖」は、ラジカル基に分子の残りを結合させ、炭素と水素のみからなり、少なくとも1つの炭素炭素三重結合を含み、2~12個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖の二価炭化水素鎖を指す。アルキニレン鎖は、単結合を介して分子の残りに、および単結合を介してラジカル基に結合している。ある特定の実施形態では、アルキニレンは、2~8個の炭素原子を含む(例えば、C-Cアルキニレン)。他の実施形態では、アルキニレンは、2~5個の炭素原子を含む(例えば、C-Cアルキニレン)。他の実施形態では、アルキニレンは、2~4個の炭素原子を含む(例えば、C-Cアルキニレン)。他の実施形態では、アルキニレンは、2~3個の炭素原子を含む(例えば、C-Cアルキニレン)。他の実施形態では、アルキニレンは、2個の炭素原子を含む(例えば、Cアルキレン)。他の実施形態では、アルキニレンは、5~8個の炭素原子を含む(例えば、C-Cアルキニレン)。他の実施形態では、アルキニレンは、3~5個の炭素原子を含む(例えば、C-Cアルキニレン)。本明細書で別段の定めのない限り、アルキニレン鎖は、以下の置換基、すなわち、ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、イミノ、オキシモ、トリメチルシラニル、-OR、-SR、-OC(O)-R、-N(R、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)N(R、-N(R)C(O)OR、-OC(O)-N(R、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)(tは1または2である)、-S(O)OR(tは1または2である)、-S(O)(tは1または2である)、および-S(O)N(R(tは1または2である)のうちの1つ以上により任意選択で置換され、Rはそれぞれ独立して、水素、アルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、フルオロアルキル、カルボシクリル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、カルボシクリルアルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、アリール(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、アラルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、ヘテロシクリル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、ヘテロシクリルアルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、ヘテロアリール(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、またはヘテロアリールアルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)である。
【0051】
「アリール」は、環炭素原子から水素原子を取り除くことにより、単環式または多環式の芳香族炭化水素環系から誘導されるラジカルを指す。芳香族単環式または多環式の炭化水素環系は、水素と5~18の炭素原子からなる炭素とだけを含み、ここで、環系中の環の少なくとも1つは完全に不飽和であり、すなわち、ヒュッケルの理論に従い環状の非局在化(4n+2)π-電子系を含む。アリール基が誘導される環系として、ベンゼン、フルオレン、インダン、インデン、テトラリン、およびナフタレンなどの基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本明細書で特に別段の定めの無い限り、用語「アリール」または接頭辞「ar-」(「アラルキル」に含まれるものなど)は、1つ以上の置換基により任意選択で置換されたアリールラジカルを含むように意図され、前記1つ以上の置換基は独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、フルオロアルキル、シアノ、ニトロ、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアラルキル、任意選択で置換されたアラルケニル、任意選択で置換されたアラルキニル、任意選択で置換されたカルボシクリル、任意選択で置換されたカルボシクリルアルキル、任意選択で置換されたヘテロシクリル、任意選択で置換されたヘテロシクリルアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリール、任意選択で置換されたヘテロアリールアルキル、-R-OR、-R-OC(O)-R、-R-OC(O)-OR、-R-OC(O)-N(R、-R-N(R、-R-C(O)R、-R-C(O)OR、-R-C(O)N(R、-R-O-R-C(O)N(R、-R-N(R)C(O)OR、-R-N(R)C(O)R、-R-N(R)S(O)(tは1または2である)、-R-S(O)(tは1または2である)、-R-S(O)OR(tは1または2である)、および-R-S(O)N(R(tは1または2である)から選択され、各Rは独立して、水素、アルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、フルオロアルキル、シクロアルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、シクロアルキルアルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、アリール(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、アラルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、ヘテロシクリル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、ヘテロシクリルアルキル(任意選択でハロゲン、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、ヘテロアリール(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、またはヘテロアリールアルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)であり、Rはそれぞれ独立して、直鎖結合、または直鎖もしくは分枝鎖のアルキレン鎖もしくはアルケニレン鎖であり、Rは、直鎖もしくは分枝鎖のアルキレン鎖もしくはアルケニレン鎖であり、上記置換基のそれぞれは、別段の定めが無い限り非置換型である。
【0052】
「アラルキル」は、式-R-アリールのラジカルを指し、Rは、例えばメチレンやエチレンなどの以上で定義されるようなアルキレン鎖である。アラルキルラジカルのアルキレン鎖部分は、アルキレン鎖について上述されるように任意選択で置換される。アラルキルラジカルのアリール部分は、アリール基について上述されるように任意選択で置換される。
【0053】
「アラルケニル」は、式-R-アリールのラジカルを指し、Rは以上で定義されるようなアルケニレン鎖である。アラルケニルラジカルのアリール部分は、アリール基について上述されるように任意選択で置換される。アラルケニルラジカルのアルケニレン鎖部分は、アルケニレン基について以上で定義されるように任意選択で置換される。
【0054】
「アラルキニル」は、式-R-アリールのラジカルを指し、Rは以上で定義されるようなアルキニレン鎖である。アラルキニルラジカルのアリール部分は、アリール基について上述されるように任意選択で置換される。アルキニレンラジカルのアルキニレン鎖部分は、アルキニレン鎖について以上で定義されるように任意選択で置換される。
【0055】
「アラルコキシ」は、式-О-R-アリールの酸素原子を介して結合したラジカルを指し、Rは、例えばメチレンやエチレンなどの以上で定義されるようなアルキレン鎖である。アラルキルラジカルのアルキレン鎖部分は、アルキレン鎖について上述されるように任意選択で置換される。アラルキルラジカルのアリール部分は、アリール基について上述されるように任意選択で置換される。
【0056】
「カルボシクリル」は、炭素原子と水素原子のみからなり、縮合環系または架橋環系を含み、3~15個の炭素原子を有する、非芳香族の単環式または多環式の炭化水素ラジカルを指す。ある特定の実施形態では、カルボシクリルは、3~10個の炭素原子を含む。他の実施形態では、カルボシクリルは、5~7個の炭素原子を含む。カルボシクリルは、単結合により分子の残りに結合している。カルボシクリルは飽和している(つまり、C-C単結合のみを含む)か、または不飽和(つまり、1つ以上の二重結合または三重結合を含む)である。完全に飽和したカルボシクリルラジカルは、「シクロアルキル」とも呼ばれる。単環式シクロアルキルの例として、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが挙げられる。不飽和カルボシクリルは、「シクロアルケニル」とも呼ばれる。単環式シクロアルケニルの例として、例えばシクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、およびシクロオクテニルが挙げられる。多環式カルボシクリルラジカルとして、例えばアダマンチル、ノルボルニル(つまり、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル)、ノルボルネニル、デカリニル(decalinyl)、7,7-ジメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニルなどが挙げられる。本明細書で特に別段の定めの無い限り、用語「カルボシクリル」は、1つ以上の置換基により任意選択で置換されたカルボシクリルラジカルを含むように意図され、前記1つ以上の置換基は独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、フルオロアルキル、オキソ、チオキソ、シアノ、ニトロ、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアラルキル、任意選択で置換されたアラルケニル、任意選択で置換されたアラルキニル、任意選択で置換されたカルボシクリル、任意選択で置換されたカルボシクリルアルキル、任意選択で置換されたヘテロシクリル、任意選択で置換されたヘテロシクリルアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリール、任意選択で置換されたヘテロアリールアルキル、-R-OR、-R-OC(O)-R、-R-OC(O)-OR、-R-OC(O)-N(R、-R-N(R、-R-C(O)R、-R-C(O)OR、-R-C(O)N(R、-R-O-R-C(O)N(R、-R-N(R)C(O)OR、-R-N(R)C(O)R、-R-N(R)S(O)(tは1または2である)、-R-S(O)(tは1または2である)、-R-S(O)OR(tは1または2である)、および-R-S(O)N(R(tは1または2である)から選択され、各Rは独立して、水素、アルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、フルオロアルキル、シクロアルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、シクロアルキルアルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、アリール(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、アラルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、ヘテロシクリル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、ヘテロシクリルアルキル(任意選択でハロゲン、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、ヘテロアリール(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、またはヘテロアリールアルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)であり、Rはそれぞれ独立して、直鎖結合、または直鎖もしくは分枝鎖のアルキレン鎖もしくはアルケニレン鎖であり、Rは、直鎖もしくは分枝鎖のアルキレン鎖もしくはアルケニレン鎖であり、上記置換基のそれぞれは、別段の定めが無い限り非置換型である。
【0057】
「カルボシクリルアルキル」は、式-R-カルボシクリルのラジカルを指し、Rは以上で定義されるようなアルキレン鎖である。アルキレン鎖とカルボシクリルラジカルは、以上で定義されるように任意選択で置換される。
【0058】
「カルボシクリルアルキ二ル」は、式-R-カルボシクリルのラジカルを指し、Rは以上で定義されるようなアルキニレン鎖である。アルキニレン鎖とカルボシクリルラジカルは、以上で定義されるように任意選択で置換される。
【0059】
「カルボシクリルアルコキシ」は、Rが以上で定義されるようなアルキレン鎖である、式-O-R-カルボシクリルの酸素原子を介して結合したラジカルを指す。アルキレン鎖とカルボシクリルラジカルは、以上で定義されるように任意選択で置換される。
【0060】
本明細書で使用される場合、「カルボン酸バイオアイソスター」は、カルボン酸部分と同様の物理的、生物学的、および/または化学的な特性を示す官能基または部分を指す。カルボン酸バイオアイソスターの例として、
【0061】
【化21】
などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0062】
「ハロ」または「ハロゲン」は、ブロモ、クロロ、フルオロ、またはヨードの置換基を指す。
【0063】
「フルオロアルキル」は、以上で定義されるようなアルキルラジカルを指し、該アルキルラジカルは、例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1-フルオロメチル-2-フルオロエチルなど、上で定義されるような1つ以上のフルオロラジカルにより置換される。いくつかの実施形態では、フルオロアルキルラジカルのアルキル部分はアルキル基について以上で定義されるように任意選択で置換される。
【0064】
「ヘテロシクリル」は、2~12個の炭素原子と、窒素、酸素、および硫黄から選択される1~6個のヘテロ原子とを含む、安定した3~18員の非芳香環ラジカルを指す。本明細書で別段の定めのない限り、ヘテロシクリルラジカルは、単環式、二環式、三環式、または四環式の環系であり、縮合環系または架橋環系を任意選択で含む。ヘテロシクリルラジカル中のヘテロ原子は、任意選択で酸化される。1つ以上の窒素原子は、存在する場合、任意選択で四級化される。ヘテロシクリルラジカルは、部分的または完全に飽和される。ヘテロシクリルは、環の任意の原子により分子の残りに結合している。こうしたヘテロシクリルラジカルの例として、限定されないが、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1-オキソ-チオモルホリニル、および1,1-ジオキソ-チオモルホリニルが挙げられる。本明細書で特に別段の定めの無い限り、用語「ヘテロシクリル」は、1つ以上の置換基により任意選択で置換された、以上で定義されるようなヘテロシクリルラジカルを含むように意図され、前記1つ以上の置換基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、フルオロアルキル、オキソ、チオキソ、シアノ、ニトロ、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアラルキル、任意選択で置換されたアラルケニル、任意選択で置換されたアラルキニル、任意選択で置換されたカルボシクリル、任意選択で置換されたカルボシクリルアルキル、任意選択で置換されたヘテロシクリル、任意選択で置換されたヘテロシクリルアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリール、任意選択で置換されたヘテロアリールアルキル、-R-OR、-R-OC(O)-R、-R-OC(O)-OR、-R-OC(O)-N(R、-R-N(R、-R-C(O)R、-R-C(O)OR、-R-C(O)N(R、-R-O-R-C(O)N(R、-R-N(R)C(O)OR、-R-N(R)C(O)R、-R-N(R)S(O)(tは1または2である)、-R-S(O)(tは1または2である)、-R-S(O)OR(tは1または2である)、および-R-S(O)N(R(tは1または2である)から選択され、各Rは独立して、水素、アルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、フルオロアルキル、シクロアルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、シクロアルキルアルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、アリール(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、アラルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、ヘテロシクリル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、ヘテロシクリルアルキル(任意選択でハロゲン、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、ヘテロアリール(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、またはヘテロアリールアルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)であり、Rはそれぞれ独立して、直鎖結合、または直鎖もしくは分枝鎖のアルキレン鎖もしくはアルケニレン鎖であり、Rは、直鎖もしくは分枝鎖のアルキレン鎖もしくはアルケニレン鎖であり、上記置換基のそれぞれは、別段の定めが無い限り非置換型である。
【0065】
「N-ヘテロシクリル」または「N-結合ヘテロシクリル」は、少なくとも1つの窒素を含む、以上で定義されるようなヘテロシクリルラジカルを指し、分子の残りに対するヘテロシクリルラジカルの結合点はヘテロシクリルラジカル中の窒素原子を介する。N-ヘテロシクリルラジカルは、ヘテロシクリルラジカルについて上述されるように任意選択で置換される。こうしたN-ヘテロシクリルラジカルの例として、1-モルホリニル、1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、1-ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、およびイミダゾリジニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0066】
「C-ヘテロシクリル」または「C結合ヘテロシクリル」は、少なくとも1つのヘテロ原子を含む、以上で定義されるようなヘテロシクリルラジカルを指し、分子の残りに対するヘテロシクリルラジカルの結合点はヘテロシクリルラジカル中の炭素原子を介する。C-ヘテロシクリルラジカルは、ヘテロシクリルラジカルについて上述されるように任意選択で置換される。こうしたC-ヘテロシクリルラジカルの例として、2-モルホリニル、2-または3-または4-ピペリジニル、2-ピペラジニル、2-または3-ピロリジニルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0067】
「ヘテロシクリルアルキル」は、式-R-ヘテロシクリルのラジカルを指し、Rは以上で定義されるようなアルキレン鎖である。ヘテロシクリルが窒素含有ヘテロシクリルである場合、ヘテロシクリルの窒素原子がアルキルラジカルに任意選択で結合する。ヘテロシクリルアルキルラジカルのアルキレン鎖は、アルキレン鎖について以上で定義されるように任意選択で置換される。ヘテロシクリルアルキルラジカルのヘテロシクリル部分は、ヘテロシクリル基について以上で定義されるように任意選択で置換される。
【0068】
「ヘテロシクリルアルコキシ」は、Rが以上で定義されるようなアルキレン鎖である、式-O-R-ヘテロシクリルの酸素原子を介して結合したラジカルを指す。ヘテロシクリルが窒素含有ヘテロシクリルである場合、ヘテロシクリルの窒素原子がアルキルラジカルに任意選択で結合する。ヘテロシクリルアルコキシラジカルのアルキレン鎖は、アルキレン鎖について以上で定義されるように任意選択で置換される。ヘテロシクリルアルコキシラジカルのヘテロシクリル部分は、ヘテロシクリル基について以上で定義されるように任意選択で置換される。
【0069】
「ヘテロアリール」は、2~17個の炭素原子と、窒素、酸素、および硫黄から選択される1~6個のヘテロ原子とを含む、3~18員の芳香族環ラジカルに由来するラジカルを指す。本明細書で使用される場合、ヘテロアリールラジカルは、単環式、二環式、三環式、または四環式の環系であり、ここで、環系中の環の少なくとも1つは完全に不飽和であり、すなわち、ヒュッケル理論に従い環式の非局在化(4n+2)π-電子系を含む。ヘテロアリールは、縮合環系または架橋環系を含む。ヘテロアリールラジカル中のヘテロ原子は、任意選択で酸化される。1つ以上の窒素原子は、存在する場合、任意選択で四級化される。ヘテロアリールは、環の任意の原子を介して分子の残りに結合している。ヘテロアリールの例として、アゼピニル、アクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズインドリル、1,3-ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾ[d]チアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、ベンゾ[b][1,4]オキサジニル、1,4-ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンズオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾチエノ[3,2-d]ピリミジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、シクロペンタ[d]ピリミジニル、6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、5,6-ジヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、5,6-ジヒドロベンゾ[h]シンノリニル、6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2-c]ピリダジニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル、フロ[3,2-c]ピリジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリミジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリダジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリジニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソキサゾリル、5,8-メタノ-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリニル、ナフチリジニル(naphthyridinyl)、1,6-ナフチリジノニル(naphthyridinonyl)、オキサジアゾリル、2-オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、5,6,6a,7,8,9,10,10a-オクタヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、1-フェニル-1H-ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル(phenothiazinyl)、フェノキサジニル(phenoxazinyl)、フタラジニル、プテリジニル(pteridinyl)、プリニル(purinyl)、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾロ(pyrazolo)[3,4-d]ピリミジニル、ピリジニル、ピリド(pyrido)[3,2-d]ピリミジニル、ピリド(pyrido)[3,4-d]ピリミジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリニル、5,6,7,8-テトラヒドロベンゾ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4,5-c]ピリダジニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、チエノ[2,3-d]ピリミジニル、チエノ[3,2-d]ピリミジニル、チエノ[2,3-c]ピリジニル、およびチオフェニル(すなわちチエニル)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本明細書で特に別段の定めの無い限り、用語「ヘテロアリール」は、1つ以上の置換基により任意選択で置換された、以上で定義されるようなヘテロアリールラジカルを含むように意図され、前記1つ以上の置換基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、フルオロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、オキソ、チオキソ、シアノ、ニトロ、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアラルキル、任意選択で置換されたアラルケニル、任意選択で置換されたアラルキニル、任意選択で置換されたカルボシクリル、任意選択で置換されたカルボシクリルアルキル、任意選択で置換されたヘテロシクリル、任意選択で置換されたヘテロシクリルアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリール、任意選択で置換されたヘテロアリールアルキル、-R-OR、-R-OC(O)-R、-R-OC(O)-OR、-R-OC(O)-N(R、-R-N(R、-R-C(O)R、-R-C(O)OR、-R-C(O)N(R、-R-O-R-C(O)N(R、-R-N(R)C(O)OR、-R-N(R)C(O)R、-R-N(R)S(O)(tは1または2である)、-R-S(O)(tは1または2である)、-R-S(O)OR(tは1または2である)、および-R-S(O)N(R(tは1または2である)から選択され、各Rは独立して、水素、アルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、フルオロアルキル、シクロアルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、シクロアルキルアルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、アリール(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、アラルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、ヘテロシクリル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、ヘテロシクリルアルキル(任意選択でハロゲン、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、ヘテロアリール(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)、またはヘテロアリールアルキル(任意選択でハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される)であり、Rはそれぞれ独立して、直鎖結合、または直鎖もしくは分枝鎖のアルキレン鎖もしくはアルケニレン鎖であり、Rは、直鎖もしくは分枝鎖のアルキレン鎖もしくはアルケニレン鎖であり、上記置換基のそれぞれは、別段の定めが無い限り非置換型である。
【0070】
「N-ヘテロアリール」は、少なくとも1つの窒素を含む、以上で定義されるようなヘテロアリールラジカルを指し、分子の残りに対するヘテロアリールラジカルの結合点は、ヘテロアリールラジカル中の窒素原子を介する。N-ヘテロアリールラジカルは、ヘテロアリールラジカルについて上述されるように任意選択で置換される。
【0071】
「C-ヘテロアリール」は、以上で定義されるようなヘテロアリールラジカルを指し、分子の残りに対するヘテロアリールラジカルの結合点は、ヘテロアリールラジカル中の炭素原子を介する。C-ヘテロアリールラジカルは、ヘテロアリールラジカルについて上述されるように任意選択で置換される。
【0072】
「ヘテロアリールアルキル」は、式-R-ヘテロアリールのラジカルを指し、Rは、以上で定義されるようなアルキレン鎖である。ヘテロアリールが窒素含有ヘテロアリールである場合、ヘテロアリールの窒素原子がアルキルラジカルに任意選択で結合する。ヘテロアリールアルキルラジカルのアルキレン鎖は、アルキレン鎖について以上で定義されるように任意選択で置換される。ヘテロアリールアルキルラジカルのヘテロアリール部分は、ヘテロアリール基について以上で定義されるように任意選択で置換される。
【0073】
「ヘテロアリールアルコキシ」は、Rが以上で定義されるようなアルキレン鎖である、式-O-R-ヘテロアリールの酸素原子を介して結合したラジカルを指す。ヘテロアリールが窒素含有ヘテロアリールである場合、ヘテロアリールの窒素原子がアルキルラジカルに任意選択で結合する。ヘテロアリールアルコキシラジカルのアルキレン鎖は、アルキレン鎖について以上で定義されるように任意選択で置換される。ヘテロアリールアルコキシラジカルのヘテロアリール部分は、ヘテロアリール基について以上で定義されるように任意選択で置換される。
【0074】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は1つ以上の不斉中心を含み、それゆえ、絶対的な立体化学の観点から(R)または(S)として定義されるエナンチオマー、ジアステレオマー、および他の立体異性の形態を生じさせる。別段の定めがない限り、本明細書に開示される化合物の立体異性形態はすべて本開示により企図されていることが意図されている。本明細書に記載される化合物がアルケン二重結合を含む場合、別段の明記のない限り、本開示はEとZ両方の幾何異性体(例えば、シスまたはトランス)を含むことが意図されている。同様に、起こり得るすべての異性体、そのラセミ体や光学的に純粋な形態、およびすべての互変異性体も含まれることが意図されている。用語「幾何異性体」は、アルケン二重結合のEまたはZの幾何異性体(例えば、シスまたはトランス)を指す。用語「位置異性体」は、ベンゼン環周囲のオルト異性体、メタ異性体、およびパラ異性体といった、中心環周囲の構造異性体を指す。
【0075】
「互変異性体」は、分子の1つの原子から同じ分子の別の原子へのプロトン移動が可能な分子を指す。本明細書で提示される化合物は、ある特定の実施形態では、互変異性体として存在する。互変異性化が可能な状況では、互変異性体の化学平衡が存在する。互変異性体の正確な比は、物理的状態、温度、溶媒、およびpHを含む様々な要因に依存する。互変異性平衡の一部の例として、以下が挙げられる。
【0076】
【化22】
【0077】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、様々な富化されたアイソトープの形態で使用され、例えば、H、H、11C、13C、および/または14Cの内容物中で富化される。特定の一実施形態では、化合物は少なくとも1つの位置で重水素化される。こうした重水素化形態は、米国特許第5,846,514号と第6,334,997号に記載される手順により作ることができる。米国特許第5,846,514号と第6,334,997号に記載されるように、重水素化は代謝性安定性または有効性を改善することができ、それゆえ、医薬品の作用持続期間を増加させる。
【0078】
別段の定めのない限り、本明細書で描かれる構造は、1つ以上の同位体的に富化された原子の存在下でのみ異なる化合物を含むことが意図されている。例えば、重水素または三重水素による水素の置換、または13Cもしくは14C富化炭素による炭素の置換を除いて、本構造を有する化合物は、本開示の範囲内である。
【0079】
本開示の化合物は任意選択で、こうした化合物を構成する1つ以上の原子に不自然な割合の原子同位体を含有する。例えば、化合物は、例えば、重水素(H)、三重水素(H)、ヨウ素-125(125I)、または炭素14(14C)などの同位体で標識化されてもよい。H、11C、13C、14C、15C、12N、13N、15N、16N、16O、17O、14F、15F、16F、17F、18F、33S、34S、35S、36S、35Cl、37Cl、79Br、81Br、125Iでの同位体置換がすべて企図されている。本発明の化合物の同位体変異体はすべて、放射性であってもなくても、本発明の範囲内に包含される。
【0080】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、H原子で置換されたH原子の一部またはすべてを有している。重水素を含む化合物の合成方法は、当該技術分野で知られており、非限定的なほんの一例として、以下の合成方法が挙げられる。
【0081】
重水素置換化合物は、Dean,Dennis C.編、Recent Advances in the Synthesis and Applications of Radiolabeled Compounds for Drug Discovery and Development.[In:Curr.,Pharm.Des.,2000;6(10)]2000,110pp、George W.;Varma,Rajender S.The Synthesis of Radiolabeled Compounds via Organometallic Intermediates,Tetrahedron,1989,45(21),6601-21、およびEvans,E.Anthony.Synthesis of radiolabeled compounds,J.Radioanal.Chem.,1981,64(1-2),9-32に記載されるような様々な方法を使用して合成される。
【0082】
重水素化された出発材料は容易に入手可能であり、重水素を含有する化合物の合成を行うために本明細書に記載される合成方法に従う。多くの重水素を含有する試薬と構成要素は、Aldrich Chemical Co.などの化学品会社から市販されている。
【0083】
ヨードメタン-d(CDI)などの求核置換反応で使用するのに適した重水素転移試薬は容易に入手可能であり、求核置換反応条件下で重水素置換炭素原子を反応基質に移動させるために用いられることができる。ほんの一例として、CDIの使用が以下の反応スキームに示されている。
【0084】
【化23】
【0085】
重水素化リチウムアルミニウム(LiAlD)などの重水素転移試薬は、還元条件下で重水素を反応基質に移動させるために用いられる。ほんの一例として、LiAlDの使用が以下の反応スキームに示されている。
【0086】
【化24】
【0087】
重水素ガスおよびパラジウム触媒は、ほんの一例として、以下の反応スキームで示されるように、不飽和の炭素-炭素結合を還元し、アリール炭素-ハロゲン結合の還元置換を行うために用いられる。
【0088】
【化25】
【0089】
一実施形態では、本明細書に開示される化合物は、1個の重水素原子を含む。別の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、2個の重水素原子を含む。別の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、3個の重水素原子を含む。別の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、4個の重水素原子を含む。別の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、5個の重水素原子を含む。別の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、6個の重水素原子を含む。別の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、6個を超える重水素原子を含む。別の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、重水素原子で完全に置換されており、交換不可能なH水素原子を含まない。一実施形態では、重水素取込みのレベルは、重水素化合成構成要素が出発物質として使用される合成方法によって決定される。
【0090】
「薬学的に許容可能な塩」は、酸付加塩と塩基付加塩の両方を含む。本明細書に記載される複素環RBP4阻害化合物のうちの任意の1つの薬学的に許容可能な塩は、薬学的に適した塩の形態をすべて包含することが意図されている。本明細書に記載される化合物の好ましい薬学的に許容可能な塩は、薬学的に許容可能な酸付加塩および薬学的に許容可能な塩基付加塩である。
【0091】
「薬学的に許容可能な酸付加塩」は、遊離塩基の生物学的効果と特性を保持する塩を指し、これは生物学的またはそれ以外の点で不要なものではなく、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、亜リン酸などの無機酸により形成される。同様に、脂肪族のモノカルボン酸およびジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、アルカン二酸(alkanedioic acids)、芳香族酸、脂肪族酸、および芳香族スルホン酸などの有機酸により形成される塩も含まれ、例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などが挙げられる。それゆえ、典型的な塩として、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩(monohydrogenphosphates)、二水素リン酸塩(dihydrogenphosphates)、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、カプリル酸塩、イソ酪酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩(dinitrobenzoates)、フタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩などが挙げられる。同様に、アルギン酸塩、グルコン酸塩、およびガラクトウロン酸塩などのアミノ酸の塩も企図されている(例えば、「Berge S.M.et al.,“Pharmaceutical Salts,”Journal of Pharmaceutical Science,66:1-19(1997)」)。塩基性化合物の酸付加塩は、いくつかの実施形態では、当業者が精通している方法および技術に従って塩を生成するために、十分な量の所望の酸に遊離塩基形態を接触させることにより調製される。
【0092】
「薬学的に許容可能な塩基付加塩」は、遊離酸の生物学的効果と特性を保持する塩を指し、これは生物学的または他の方法で不要なものではない。これらの塩は、無機塩基または有機塩基を遊離酸に添加することにより調製される。薬学的に許容可能な塩基付加塩は、いくつかの実施形態では、アルカリ、アルカリ土類金属、または有機アミンなどの金属またはアミンで形成される。無機塩基からの塩として、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムの塩などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。有機塩基からの塩として、第一級、第二級、および第三級のアミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミンおよび塩基イオン交換樹脂、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、N,N-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、エチレンジアニリン、N-メチルグルカミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルピペリジン、ポリアミン樹脂などの塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。上述のBergeらを参照されたい。
【0093】
本明細書で使用される場合、「~の処置(treatment)」もしくは「処置する(treating)」、または「緩和する(palliating)」、または「改善する(ameliorating)」は、互換的に使用される。こうした用語は、治療利益および/または予防利益を含むがこれらに限定されない、有益または望ましい結果を得るための手法を指す。「治療利益」は、処置される基礎疾患の根絶または改善を意味する。同様に治療利益は、患者が依然として基礎疾患に罹っているにもかかわらず患者に改善が観察されるような、基礎疾患に関連する生理的な症状の1つ以上の根絶または軽減により達成される。予防利益では、組成物は、いくつかの実施形態では、特定の疾患が診断されていなくても、この疾患が進行するリスクに瀕している患者、またはこの疾患の生理的な症状の1つ以上を報告している患者に投与される。
【0094】
「プロドラッグ」は、いくつかの実施形態では、生理学的条件下で変換されるか、または本明細書に記載される生物学的に活性な化合物への加溶媒分解により変換される化合物を指すことが意図されている。それゆえ、用語「プロドラッグ」は、薬学的に許容可能な生物活性化合物の前駆物質を指す。プロドラッグは、被験体に投与されると、通常は不活性であるが、例えば、加水分解によりインビボで活性化合物に変換される。プロドラッグ化合物は、哺乳動物の生命体中で溶解度、組織適合性、または遅延放出という利点を有することが多い(例えば、Bundgard,H.、Design of Prodrugs(1985)、pp.7~9、21~24(Elsevier、Amsterdam)を参照されたい)。
【0095】
プロドラッグについての議論は、Higuchi,T.ら、「Pro drugs as Novel Delivery Systems」A.C.S.Symposium Series、Vol.14、および、Bioreversible Carriers in Drug Design、Edward B.Roche編、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、1987において提供されている。
【0096】
用語「プロドラッグ」は、任意の共有結合された担体を含むことも意図されており、この担体は、こうしたプロドラッグが哺乳動物被験体に投与される際に活性化合物をインビボで放出する。本明細書に記載されるような活性化合物のプロドラッグは、慣例的な操作、またはインビボで官能基の修飾が切断されて親の活性化合物になるような方法で、活性化合物中に存在する官能基を修飾することにより調製される。プロドラッグは、活性化合物のプロドラッグが哺乳動物被験体に投与されるとヒドロキシ基、アミノ基、またはメルカプト基が切断されて、それぞれ遊離ヒドロキシ、遊離アミノ、または遊離メルカプトの基を形成する任意の基に結合している化合物を含む。プロドラッグの例として、活性化合物中のアルコールまたはアミン官能基の酢酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩の誘導体などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0097】
加齢黄斑変性のマーカー
本明細書では、個体における加齢黄斑変性を発症するリスクを診断または評価する方法、および個体を治療する方法、ならびにこうした診断またはリスク評価に関連するバイオマーカーが提供される。加齢黄斑変性(AMD)は、一般的な眼の疾病であり、50歳以上の人の視力低下の主な原因である。AMDは、網膜の中心付近にある小さな点であり、かつ、鮮明な中心視に必要な眼の部分である黄斑に損傷を与える。AMDが進行すると、視界の中心付近にぼやけた領域ができるのが一般的な症状である。時間の経過とともに、ぼやけた領域は大きくなり、対象の中心視に空白の点が生じることがある。
【0098】
AMDを予測するレチノール結合タンパク質4レベル
ある態様では、必要としている個体における加齢黄斑変性(AMD)を発症するリスクを診断または評価する方法であって、アッセイによって、個体からの試料中のレチノール結合タンパク質4(RBP4)のレベルを判定する工程を含む、方法が本明細書で提供される。いくつかの態様では、診断またはリスク評価工程は、個体のRBP4のレベルを低下させるための治療を施すことなどの処置工程を伴い、それによって、個体におけるAMDを処置または予防する。いくつかの実施態様では、試料中のRBP4のレベルが閾値(例えば25μg/mL)を上回る場合、治療が施される。いくつかの実施態様では、個体は、試料中のRBP4のレベルが閾値(例えば25μg/mL)を上回る場合、AMDを発症するリスクがあると診断または評価される。
【0099】
別の態様では、個体における加齢黄斑変性の可能性を評価するための方法であって、アッセイによって、個体からの試料中のレチノール結合タンパク質4(RBP4)のレベルがRBP4の閾値を上回ることを判定する工程と、RBP4のレベルに基づいて黄斑変性の発症の可能性を評価する工程とを含む、方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、方法はまた、個体の年齢および/または病歴を判定する工程を含む。それゆえ、いくつかの実施形態では、黄斑変性の発症の可能性を評価する工程は、個体のRBP4のレベル、年齢、および病歴に基づく。
【0100】
別の態様では、個体における加齢黄斑変性の重症度を評価するための方法であって、アッセイによって、個体からの試料中のレチノール結合タンパク質4(RBP4)のレベルがRBP4の閾値を上回ることを判定する工程と、RBP4のレベルに基づいて黄斑変性の重症度を評価する工程とを含む、方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、方法はまた、個体の年齢および/または病歴を判定する工程を含む。それゆえ、いくつかの実施形態では、黄斑変性の重症度を評価する工程は、個体のRBP4のレベル、年齢、および病歴に基づく。
【0101】
別の態様では、個体における加齢黄斑変性の診断を評価するための方法であって、アッセイによって、個体からの試料中のレチノール結合タンパク質4(RBP4)のレベルがRBP4の閾値を上回ることを判定する工程と、RBP4のレベルに基づいて黄斑変性の診断を評価する工程とを含む、方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、方法はまた、個体の年齢および/または病歴を判定する工程を含む。それゆえ、いくつかの実施形態では、黄斑変性の診断を評価する工程は、個体のRBP4のレベル、年齢、および病歴に基づく。
【0102】
別の態様では、加齢黄斑変性を有する個体における投与法を評価するための方法であって、アッセイによって、個体からの試料中のレチノール結合タンパク質4(RBP4)のレベルがRBP4の閾値を上回ることを判定する工程と、RBP4のレベルに基づいて黄斑変性の診断を評価する工程とを含む、方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、方法はまた、個体の年齢および/または病歴を判定する工程を含む。それゆえ、いくつかの実施形態では、黄斑変性を有する個体における投与法を評価する工程は、個体のRBP4のレベル、年齢、および病歴に基づく。
【0103】
いくつかの実施形態では、RBP4の閾値レベルは、少なくとも25μg/mLである。いくつかの実施形態では、RBP4の閾値レベルは、少なくとも30μg/mLである。いくつかの実施形態では、RBP4の閾値レベルは、少なくとも35μg/mLである。いくつかの実施形態では、閾値は、約25μg/mL~約100μg/mLである。いくつかの実施形態では、閾値は、約25μg/mL~約30μg/mL、約25μg/mL~約35μg/mL、約25μg/mL~約40μg/mL、約25μg/mL~約50μg/mL、約μg/mL~約μg/mL、約μg/mL~約μg/mL、約25μg/mL~約80μg/mL、約25μg/mL~約90μg/mL、約25μg/mL~約100μg/mL、約30μg/mL~約35μg/mL、約30μg/mL~約40μg/mL、約30μg/mL~約50μg/mL、約30μg/mL~約60μg/mL、約30μg/mL~約70μg/mL、約30μg/mL~約80μg/mL、約30μg/mL~約90μg/mL、約30μg/mL~約100μg/mL、約35μg/mL~約40μg/mL、約35μg/mL~約50μg/mL、約35μg/mL~約60μg/mL、約35μg/mL~約70μg/mL、約35μg/mL~約80μg/mL、約35μg/mL~約90μg/mL、または約35μg/mL~約100μg/mLである。いくつかの実施形態では、閾値は、約25μg/mL、約30μg/mL、または約35μg/mLである。いくつかの実施形態では、閾値は、少なくとも約25μg/mL、約30μg/mL、または約35μg/mLである。いくつかの実施形態では、閾値は、最大で約30μg/mL、約35μg/mL、約40μg/mL、約50μg/mL、約60μg/mL、約70μg/mL、約80μg/mL、約90μg/mL、または約100μg/mLである。
【0104】
いくつかの実施形態では、閾値は、個体の様々な特性に基づいて変動してもよい。こうした特性の非限定的な例として、人口統計学データ、性別、年齢、病歴、眼の疾病による以前の診断、ボディマス指数(BMI)、身長、体重、肥満、高脂血症、高血糖症、高血圧症、真性糖尿病、心血管疾患、または非アルコール性脂肪性肝疾患を含む全身疾病を挙げることができる。
【0105】
いくつかの実施形態では、RBP4のレベルが閾値を上回る場合、AMDの診断が行われる。いくつかの実施形態では、RBP4のレベルが閾値を上回る場合、リスクスコアが計算される。
【0106】
いくつかの実施形態では、RBP4のレベルが閾値を上回る場合、治療が施される。いくつかの実施形態では、治療は、RBP4のレベルを低下させるために施される。いくつかの実施形態では、治療は、個体に医薬組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療は、個体に医薬化合物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、RBP4阻害剤を含む。RBP4阻害剤は、本明細書で提供されるRBP4阻害剤のうちのいずれであってもよい。
【0107】
いくつかの実施形態では、RBP4のレベルが閾値を下回る場合に、さらなる工程が取られるか、あるいはそれが推奨されてもよい。こうした閾値を下回る測定値は、依然として、個体が今後AMDを発症する何らかのリスクを有することを示してもよく、それゆえ、さらなるモニタリングが推奨されるか、あるいはAMDの診断を確認または完了するためにさらなる試験が必要とされてもよい。
【0108】
さらに、いくつかの実施形態では、方法は、RBP4のレベルに基づいてAMDの発症の可能性を評価する工程を含む。いくつかの実施形態では、AMDの発症の可能性を評価する工程は、リスクスコアを生成することを含む。いくつかの実施形態では、リスクスコアが閾値を上回る場合、AMDの処置が施される(例えば、RBP4阻害剤による処置)。いくつかの実施形態では、リスクスコアは、本明細書で提供される測定値に基づいて、今後のある時点で個体がAMDを発症する確率を反映する。
【0109】
いくつかの実施形態では、方法は、ある期間後に(例えば、AMDの発症のリスクスコアが計算されたとき、あるいはRBP4のレベルが閾値を下回るが、これ以外にAMDを発症し得る指標が存在するとき)AMDについて個体を再評価することの推奨を提供する工程を含む。いくつかの実施形態では、方法は、レベルまたはリスクスコアが閾値を下回る場合、ある期間後にAMDについて個体を再評価することの推奨を提供する工程を含む。期間は、任意の適した期間であってもよい。いくつかの実施形態では、期間は、約1か月~約24か月である。いくつかの実施形態では、期間は、約1か月~約3か月、約1か月~約6か月、約1か月~約9か月、約1か月~約12か月、約1か月~約18か月、約1か月~約24か月、約3か月~約6か月、約3か月~約9か月、約3か月~約12か月、約3か月~約18か月、約3か月~約24か月、約6か月~約9か月、約6か月~約12か月、約6か月~約18か月、約6か月~約24か月、約9か月~約12か月、約9か月~約18か月、約9か月~約24か月、約12か月~約18か月、約12か月~約24か月、または約18か月~約24か月である。いくつかの実施形態では、期間は、約1か月、約3か月、約6か月、約9か月、約12か月、約18か月、または約24か月である。いくつかの実施形態では、期間は、少なくとも約1か月、約3か月、約6か月、約9か月、約12か月、または約18か月である。いくつかの実施形態では、期間は、最大で約3か月、約6か月、約9か月、約12か月、約18か月、または約24か月である。
【0110】
再評価することの推奨として、個体のRBP4のレベルを再評価すること、あるいは本明細書で提供されるAMDについての他の試験または評価のうちのいずれかを実施すること、例えば、眼の身体検査のための医師による経過観察などを含むがこれに限定されない、さらなる試験をある期間後に実施することを挙げることができる。
【0111】
いくつかの実施形態では、個体のRBP4のレベルは、アッセイによって評価される。RBP4のレベルを測定するための任意の適したアッセイを用いることができる(例えば、抗体アッセイ、質量分析に基づくアッセイ(例えば、LC/MS)、液体クロマトグラフィーアッセイ(例えば、HPLC、UPLC)など)。いくつかの実施形態では、アッセイは、抗体アッセイ、電気泳動アッセイ、イムノアッセイ、ラジオイムノアッセイ、クロマトグラフィーアッセイ、質量分析アッセイ、マイクロアレイに基づく検出アッセイ、ポリメラーゼ連鎖反応アッセイ、シーケンシングアッセイ、免疫組織化学アッセイ、またはそれらの任意の組合せを含む。いくつかの実施形態では、アッセイは、抗体アッセイを含む。いくつかの実施形態では、抗体アッセイは、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を含む。
【0112】
いくつかの実施形態では、試料は、個体からの血液試料を含む。血液試料は、不純物を除去するか、または血清および/もしくは血漿を残すなどのためにさらに処理されてもよい。いくつかの実施形態では、試料は、血漿試料または血清試料である。いくつかの実施形態では、試料は、血漿試料である。いくつかの実施形態では、試料は、血清試料である。いくつかの実施形態では、レベルは、血液試料に由来する血漿または血清から測定される。いくつかの実施形態では、レベルは、血液試料に由来する血漿から測定される。いくつかの実施形態では、レベルは、血液試料に由来する血清から測定される。
【0113】
いくつかの実施態様では、AMD診断の判定、AMD発症のリスク評価、および/または治療の決定は、RBP4のレベルに加えてさらなる考慮事項に基づいて行われる。いくつかの実施形態では、判定は、個体の年齢および/または病歴に基づく。いくつかの実施形態では、判定は、個体の年齢に少なくとも部分的に基づく。いくつかの実施形態では、判定は、個体の病歴に少なくとも部分的に基づく。いくつかの実施形態では、個体の病歴として、眼の疾病による以前の診断、ボディマス指数(BMI)、身長、体重、肥満、高脂血症、高血糖症、高血圧症、真性糖尿病、心血管疾患、または非アルコール性脂肪性肝疾患を含む全身疾病などの情報を挙げることができる。いくつかの実施形態では、判定は、個体の(例えば、個体の血液試料中の)ビタミンAのレベルに少なくとも部分的に基づく。
【0114】
さらに、本明細書で提供される方法は、本明細書で提供される個体におけるAMDの存在を評価するためのさらなる試験または診断法のうちのいずれかをさらに含んでもよく、これには、本明細書で提供されるゲノム変異体のうちのいずれかの存在の有無の測定、またはAMDを診断するために使用できる任意の他の測定が挙げられる。いくつかの実施形態では、方法は、カラー眼底撮影、眼底自発蛍光、スペクトラルドメイン光干渉断層撮影、またはマイクロペリメトリーのうちの少なくとも1つを実施する工程をさらに含む。
【0115】
いくつかの実施形態では、方法は、加齢黄斑変性の進行度を分類する工程をさらに含む。分類は、本明細書で提供されるように測定されるか、または加齢性眼疾患試験(AREDS)分類を使用して分類するなどによって本明細書で提供される他の方法と併せて測定されるRBP4のレベルに基づいてもよい。
【0116】
AMDを予測するビタミンAレベル
ある態様では、必要としている個体における加齢黄斑変性(AMD)を発症するリスクを診断または評価する方法であって、アッセイによって、個体からの試料中のビタミンAのレベルを判定する工程を含む、方法が本明細書で提供される。いくつかの態様では、診断またはリスク評価工程は、個体のビタミンAまたはRBP4のレベルを低下させるための治療を施すことなどの処置工程を伴い、それによって、個体におけるAMDを処置または予防する。いくつかの実施態様では、試料中のビタミンAのレベルが閾値(例えば150ng/mL)を上回る場合、治療が施される。いくつかの実施態様では、個体は、試料中のビタミンAのレベルが閾値(例えば150ng/mL)を上回る場合、AMDを発症するリスクがあると診断または評価される。
【0117】
別の態様では、個体における加齢黄斑変性の可能性を評価するための方法であって、アッセイによって、個体からの試料中のビタミンAのレベルがビタミンAの閾値を上回ることを判定する工程と、ビタミンAのレベルに基づいて黄斑変性の発症の可能性を評価する工程とを含む、方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、方法はまた、個体の年齢および/または病歴を判定する工程を含む。それゆえ、いくつかの実施形態では、黄斑変性の発症の可能性を評価する工程は、個体のビタミンAのレベル、年齢、および病歴に基づく。
【0118】
別の態様では、個体における加齢黄斑変性の重症度を評価するための方法であって、アッセイによって、個体からの試料中のビタミンAのレベルがビタミンAの閾値を上回ることを判定する工程と、ビタミンAのレベルに基づいて黄斑変性の重症度を評価する工程とを含む、方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、方法はまた、個体の年齢および/または病歴を判定する工程を含む。それゆえ、いくつかの実施形態では、黄斑変性の重症度を評価する工程は、個体のビタミンAのレベル、年齢、および病歴に基づく。
【0119】
別の態様では、個体における加齢黄斑変性の診断を評価するための方法であって、アッセイによって、個体からの試料中のビタミンAのレベルがビタミンAの閾値を上回ることを判定する工程と、ビタミンAのレベルに基づいて黄斑変性の診断を評価する工程とを含む、方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、方法はまた、個体の年齢および/または病歴を判定する工程を含む。それゆえ、いくつかの実施形態では、黄斑変性の診断を評価する工程は、個体のビタミンAのレベル、年齢、および病歴に基づく。
【0120】
別の態様では、加齢黄斑変性を有する個体における投与法を評価するための方法であって、アッセイによって、個体からの試料中のビタミンAのレベルがビタミンAの閾値を上回ることを判定する工程と、ビタミンAのレベルに基づいて黄斑変性の診断を評価する工程とを含む、方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、方法はまた、個体の年齢および/または病歴を判定する工程を含む。それゆえ、いくつかの実施形態では、黄斑変性を有する個体における投与法を評価する工程は、個体のビタミンAのレベル、年齢、および病歴に基づく。
【0121】
いくつかの実施形態では、ビタミンAの閾値レベルは、少なくとも約150ng/mLである。いくつかの実施形態では、ビタミンAの閾値レベルは、少なくとも約175ng/mLである。いくつかの実施形態では、ビタミンAの閾値レベルは、少なくとも約200ng/mLである。いくつかの実施形態では、ビタミンAの閾値レベルは、少なくとも約220ng/mLである。いくつかの実施形態では、ビタミンAの閾値レベルは、少なくとも約221ng/mLである。いくつかの実施形態では、ビタミンAの閾値レベルは、少なくとも約222ng/mLである。いくつかの実施形態では、ビタミンAの閾値レベルは、少なくとも約223ng/mLである。いくつかの実施形態では、ビタミンAの閾値レベルは、少なくとも約224ng/mLである。いくつかの実施形態では、ビタミンAの閾値レベルは、少なくとも約225ng/mLである。いくつかの実施形態では、ビタミンAの閾値レベルは、少なくとも約250ng/mLである。いくつかの実施形態では、ビタミンAの閾値レベルは、少なくとも約300ng/mLである。いくつかの実施形態では、ビタミンAの閾値レベルは、少なくとも約350ng/mLである。いくつかの実施形態では、ビタミンAの閾値レベルは、少なくとも約390ng/mLである。いくつかの実施形態では、ビタミンAの閾値レベルは、少なくとも約391ng/mLである。いくつかの実施形態では、ビタミンAの閾値レベルは、少なくとも約392ng/mLである。いくつかの実施形態では、ビタミンAの閾値レベルは、少なくとも約393ng/mLである。いくつかの実施形態では、ビタミンAの閾値レベルは、少なくとも約394ng/mLである。いくつかの実施形態では、ビタミンAの閾値レベルは、少なくとも約395ng/mLである。いくつかの実施形態では、ビタミンAの閾値レベルは、約150ng/mL~約500ng/mLである。いくつかの実施形態では、ビタミンAの閾値レベルは、約150ng/mL~約175ng/mL、約150ng/mL~約200ng/mL、約150ng/mL~約225ng/mL、約150ng/mL~約250ng/mL、約150ng/mL~約300ng/mL、約150ng/mL~約350ng/mL、約150ng/mL~約400ng/mL、約150ng/mL~約450ng/mL、約150ng/mL~約500ng/mL、約175ng/mL~約200ng/mL、約175ng/mL~約225ng/mL、約175ng/mL~約250ng/mL、約175ng/mL~約300ng/mL、約175ng/mL~約350ng/mL、約175ng/mL~約400ng/mL、約175ng/mL~約450ng/mL、約175ng/mL~約500ng/mL、約200ng/mL~約225ng/mL、約200ng/mL~約250ng/mL、約200ng/mL~約300ng/mL、約200ng/mL~約350ng/mL、約200ng/mL~約400ng/mL、約200ng/mL~約450ng/mL、約200ng/mL~約500ng/mL、約225ng/mL~約250ng/mL、約225ng/mL~約300ng/mL、約225ng/mL~約350ng/mL、約225ng/mL~約400ng/mL、約225ng/mL~約450ng/mL、約225ng/mL~約500ng/mL、約250ng/mL~約300ng/mL、約250ng/mL~約350ng/mL、約250ng/mL~約400ng/mL、約250ng/mL~約450ng/mL、約250ng/mL~約500ng/mL、約300ng/mL~約350ng/mL、約300ng/mL~約400ng/mL、約300ng/mL~約450ng/mL、約300ng/mL~約500ng/mL、約350ng/mL~約400ng/mL、約350ng/mL~約450ng/mL、約350ng/mL~約500ng/mL、約400ng/mL~約450ng/mL、約400ng/mL~約500ng/mL、または約450ng/mL~約500ng/mLである。いくつかの実施形態では、ビタミンAの閾値レベルは、約150ng/mL、約175ng/mL、約200ng/mL、約225ng/mL、約250ng/mL、約300ng/mL、約350ng/mL、約400ng/mL、約450ng/mL、または約500ng/mLである。いくつかの実施形態では、ビタミンAの閾値レベルは、少なくとも約150ng/mL、約175ng/mL、約200ng/mL、約225ng/mL、約250ng/mL、約300ng/mL、約350ng/mL、約400ng/mL、または約450ng/mLである。いくつかの実施形態では、ビタミンAの閾値レベルは、最大で約175ng/mL、約200ng/mL、約225ng/mL、約250ng/mL、約300ng/mL、約350ng/mL、約400ng/mL、約450ng/mL、または約500ng/mLである。
【0122】
いくつかの実施形態では、閾値は、個体の様々な特性に基づいて変動してもよい。こうした特性の非限定的な例として、人口統計学データ、性別、年齢、病歴、眼の疾病による以前の診断、ボディマス指数(BMI)、身長、体重、肥満、高脂血症、高血糖症、高血圧症、真性糖尿病、心血管疾患、または非アルコール性脂肪性肝疾患を含む全身疾病を挙げることができる。
【0123】
いくつかの実施形態では、ビタミンAの閾値レベルは、個体の年齢に依存する。いくつかの実施形態では、ビタミンAの閾値レベルは、青年(例えば、年齢12~17歳の個体)の方が成人(例えば、年齢18歳以上)よりも低い。いくつかの実施形態では、青年のビタミンAの閾値レベルは、少なくとも約150ng/mL、少なくとも約175ng/mL、少なくとも約200ng/mL、少なくとも約210ng/mL、少なくとも約220ng/mL、少なくとも約221ng/mL、少なくとも約222ng/mL、少なくとも約223ng/mL、少なくとも約224ng/mL、少なくとも約225ng/mL、少なくとも約230ng/mL、または少なくとも約250ng/mLである。いくつかの実施形態では、成人のビタミンAの閾値レベルは、少なくとも約300ng/mL、少なくとも約325ng/mL、少なくとも約350ng/mL、少なくとも約375ng/mL、少なくとも約380ng/mL、少なくとも約385ng/mL、少なくとも約390ng/mL、少なくとも約391ng/mL、少なくとも約392ng/mL、少なくとも約393ng/mL、少なくとも約394ng/mL、少なくとも約395ng/mL、または少なくとも約400ng/mLである。
【0124】
いくつかの実施形態では、ビタミンAのレベルが閾値を上回る場合、AMDの診断が行われる。いくつかの実施形態では、ビタミンAのレベルが閾値を上回る場合、リスクスコアが計算される。
【0125】
いくつかの実施形態では、ビタミンAのレベルが閾値を上回る場合、治療が施される。いくつかの実施形態では、治療は、ビタミンAのレベルを低下させるために施される。いくつかの実施形態では、治療は、個体に医薬組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療は、個体に医薬化合物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、RBP4阻害剤を含む。RBP4阻害剤は、本明細書で提供されるRBP4阻害剤のうちのいずれであってもよい。
【0126】
いくつかの実施形態では、ビタミンAのレベルが閾値を下回る場合に、さらなる工程が取られるか、あるいはそれが推奨されてもよい。こうした閾値を下回る測定値は、依然として、個体が今後AMDを発症する何らかのリスクを有することを示してもよく、それゆえ、さらなるモニタリングが推奨されるか、あるいはAMDの診断を確認または完了するためにさらなる試験が必要とされてもよい。
【0127】
さらに、いくつかの実施形態では、方法は、ビタミンAのレベルに基づいてAMDの発症の可能性を評価する工程を含む。いくつかの実施形態では、AMDの発症の可能性を評価する工程は、リスクスコアを生成することを含む。いくつかの実施形態では、リスクスコアが閾値を上回る場合、AMDの処置が施される(例えば、RBP4阻害剤による処置)。いくつかの実施形態では、リスクスコアは、本明細書で提供される測定値に基づいて、今後のある時点で個体がAMDを発症する確率を反映する。
【0128】
いくつかの実施形態では、方法は、ある期間後に(例えば、AMDの発症のリスクスコアが計算されたとき、あるいはビタミンAのレベルが閾値を下回るが、これ以外にAMDを発症し得る指標が存在するとき)AMDについて個体を再評価することの推奨を提供する工程を含む。いくつかの実施形態では、方法は、レベルまたはリスクスコアが閾値を下回る場合、ある期間後にAMDについて個体を再評価することの推奨を提供する工程を含む。期間は、任意の適した期間であってもよい。いくつかの実施形態では、期間は、約1か月~約24か月である。いくつかの実施形態では、期間は、約1か月~約3か月、約1か月~約6か月、約1か月~約9か月、約1か月~約12か月、約1か月~約18か月、約1か月~約24か月、約3か月~約6か月、約3か月~約9か月、約3か月~約12か月、約3か月~約18か月、約3か月~約24か月、約6か月~約9か月、約6か月~約12か月、約6か月~約18か月、約6か月~約24か月、約9か月~約12か月、約9か月~約18か月、約9か月~約24か月、約12か月~約18か月、約12か月~約24か月、または約18か月~約24か月である。いくつかの実施形態では、期間は、約1か月、約3か月、約6か月、約9か月、約12か月、約18か月、または約24か月である。いくつかの実施形態では、期間は、少なくとも約1か月、約3か月、約6か月、約9か月、約12か月、または約18か月である。いくつかの実施形態では、期間は、最大で約3か月、約6か月、約9か月、約12か月、約18か月、または約24か月である。
【0129】
再評価することの推奨として、個体のビタミンAのレベルを再評価すること、あるいは本明細書で提供されるAMDについての他の試験または評価のうちのいずれかを実施すること、例えば、眼の身体検査のための医師による経過観察などを含むがこれに限定されない、さらなる試験をある期間後に実施することを挙げることができる。
【0130】
いくつかの実施形態では、個体のビタミンAのレベルは、アッセイによって評価される。ビタミンAのレベルを測定するための任意の適したアッセイを用いることができる(例えば、抗体アッセイ、質量分析に基づくアッセイ(例えば、LC/MS)、液体クロマトグラフィーアッセイ(例えば、HPLC、UPLC)など)。いくつかの実施形態では、アッセイは、抗体アッセイ、電気泳動アッセイ、イムノアッセイ、ラジオイムノアッセイ、クロマトグラフィーアッセイ、質量分析アッセイ、マイクロアレイに基づく検出アッセイ、ポリメラーゼ連鎖反応アッセイ、シーケンシングアッセイ、免疫組織化学アッセイ、またはそれらの任意の組合せを含む。いくつかの実施形態では、アッセイは、抗体アッセイを含む。いくつかの実施形態では、抗体アッセイは、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を含む。いくつかの実施形態では、アッセイは、クロマトグラフィーアッセイである。いくつかの実施形態では、アッセイは、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)、または液体クロマトグラフィー/質量分析(LC-MS)を含む。
【0131】
いくつかの実施形態では、試料は、個体からの血液試料を含む。血液試料は、不純物を除去するか、または血清および/もしくは血漿を残すなどのためにさらに処理されてもよい。いくつかの実施形態では、試料は、血漿試料または血清試料である。いくつかの実施形態では、試料は、血漿試料である。いくつかの実施形態では、試料は、血清試料である。いくつかの実施形態では、レベルは、血液試料に由来する血漿または血清から測定される。いくつかの実施形態では、レベルは、血液試料に由来する血漿から測定される。いくつかの実施形態では、レベルは、血液試料に由来する血清から測定される。
【0132】
いくつかの実施態様では、AMD診断の判定、AMD発症のリスク評価、および/または治療の決定は、ビタミンAのレベルに加えてさらなる考慮事項に基づいて行われる。いくつかの実施形態では、判定は、個体の年齢および/または病歴に基づく。いくつかの実施形態では、判定は、個体の年齢に少なくとも部分的に基づく。いくつかの実施形態では、判定は、個体の病歴に少なくとも部分的に基づく。いくつかの実施形態では、個体の病歴として、眼の疾病による以前の診断、ボディマス指数(BMI)、身長、体重、肥満、高脂血症、高血糖症、高血圧症、真性糖尿病、心血管疾患、または非アルコール性脂肪性肝疾患を含む全身疾病などの情報を挙げることができる。いくつかの実施形態では、判定は、個体の(例えば、個体の血液試料中の)RBP4のレベルに少なくとも部分的に基づく。
【0133】
さらに、本明細書で提供される方法は、本明細書で提供される個体におけるAMDの存在を評価するためのさらなる試験または診断法のうちのいずれかをさらに含んでもよく、これには、本明細書で提供されるゲノム変異体のうちのいずれかの存在の有無の測定、またはAMDを診断するために使用できる任意の他の測定が挙げられる。いくつかの実施形態では、方法は、カラー眼底撮影、眼底自発蛍光、スペクトラルドメイン光干渉断層撮影、またはマイクロペリメトリーのうちの少なくとも1つを実施する工程をさらに含む。
【0134】
いくつかの実施形態では、方法は、加齢黄斑変性の進行度を分類する工程をさらに含む。分類は、本明細書で提供されるように測定されるか、または加齢性眼疾患試験(AREDS)分類を使用して分類するなどによって本明細書で提供される他の方法と併せて測定されるRBP4のレベルに基づいてもよい。
【0135】
AMDを予測するゲノム変異体
本明細書ではまた、個体がAMDを発症する傾向を示すゲノム変異体が提供される。いくつかの実施形態では、ゲノム変異体は、個体のATP結合カセットサブファミリーAメンバー4(ABCA4)をコードする遺伝子に一塩基多型(SNP)を含む。ABCA4は、ヒトや他の真核生物においてABCA4遺伝子によってコードされるタンパク質である。ABCA4タンパク質は、ほぼ網膜でのみ発現し、シュタルガルト病、ならびに、黄色斑眼底(fundus flavimaculatus)、錐体杆体ジストロフィー、網膜色素変性症、および加齢黄斑変性を含むがこれらに限定されない他の眼疾患に関連付けられる。ABCA4の活性減弱は、毒性のレチノイドおよびリポフスチンの過剰な蓄積に結び付けられる。こうした変異は、いくつかの事例では、対象のDNAまたはRNAのシーケンシングによって検出される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるゲノム変異体は、単独で、または他の因子と組み合わせて、対象がAMDを発症する可能性を予測する。本明細書のゲノム変異体は、ミスセンスSNP、イントロンSNP、同義SNP、または任意の他の種類のSNPであるSNPを含んでもよい。個体は、同じ対立遺伝子または異なる対立遺伝子のいずれかに、本明細書で提供されるSNPのうちの1つ以上を含んでもよい。こうしたゲノム変異体およびSNPの例は、以下の表Aに見出すことができる。
【0136】
【表1】
【0137】
ある態様では、個体がAMDを有するか否か、AMDを発症する可能性が高いか否かを評価する方法が本明細書で提供され、いくつかの事例では、上記AMDを処置または予防する方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、方法は、アッセイによって、1つ以上のゲノム変異体の存在の有無を判定する工程を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のゲノム変異体は、rs4147863、rs2275029、rs1800739、rs4147857、rs4147856、rs1801555、またはrs1801574のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上のゲノム変異体の存在の有無を使用して加齢黄斑変性のリスクスコアを計算する工程を含む。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上のゲノム変異体の存在の有無を使用して加齢黄斑変性を診断する工程を含む。いくつかの実施形態では、方法は、個体における加齢黄斑変性を処置するための治療を施す工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、個体における加齢黄斑変性を予防するための治療を施す工程をさらに含む。
【0138】
いくつかの実施形態では、方法は、アッセイによって、1つ以上のゲノム変異体の存在の有無を判定する工程を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のゲノム変異体は、rs4147863、rs2275029、rs1800739、rs4147857、rs4147856、rs1801555、またはrs1801574のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のゲノム変異体は、rs4147863、rs2275029、rs1800739、rs4147857、rs4147856、rs1801555、またはrs1801574のうちの少なくとも2つを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のゲノム変異体は、rs4147863、rs2275029、rs1800739、rs4147857、rs4147856、rs1801555、またはrs1801574のうちの少なくとも3つを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のゲノム変異体は、rs4147863、rs2275029、rs1800739、rs4147857、rs4147856、rs1801555、またはrs1801574のうちの少なくとも4つを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のゲノム変異体は、rs4147863、rs2275029、rs1800739、rs4147857、rs4147856、rs1801555、またはrs1801574のうちの少なくとも5つを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のゲノム変異体は、rs4147863、rs2275029、rs1800739、rs4147857、rs4147856、rs1801555、またはrs1801574のうちの少なくとも6つを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のゲノム変異体は、rs4147863、rs2275029、rs1800739、rs4147857、rs4147856、rs1801555、またはrs1801574のそれぞれを含む。
【0139】
いくつかの実施形態では、1つ以上のゲノム変異体は、rs4147863を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のゲノム変異体は、rs2275029を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のゲノム変異体は、rs1800739を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のゲノム変異体は、rs4147857を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のゲノム変異体は、rs4147856を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のゲノム変異体は、rs1801555を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のゲノム変異体は、rs1801574を含む。
【0140】
いくつかの実施形態では、1つ以上のゲノム変異体は、rs3747961、rs6666652、rs1800717、rs763108716、rs185601596、rs17110761、rs61748519、rs1801359、rs145766145、rs76258939、rs200551567、rs754765164、rs201602424、rs564661476、rs4147831、rs6657239、rs2297632、rs1801555、rs1762114、rs55860151、rs1800549、rs3112831、rs4147830、rs2297634、またはrs4847281のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のゲノム変異体は、rs3747961、rs6666652、rs1800717、rs763108716、rs185601596、rs17110761、rs61748519、rs1801359、rs145766145、rs76258939、rs200551567、rs754765164、rs201602424、rs564661476、rs4147831、rs6657239、rs2297632、rs1801555、rs1762114、rs55860151、rs1800549、rs3112831、rs4147830、rs2297634、またはrs4847281のうちの少なくとも5つを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のゲノム変異体は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20のゲノム変異体を含む。
【0141】
いくつかの実施形態では、1つ以上のゲノム変異体は、表Aからの少なくとも1つのゲノム変異体を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のゲノム変異体は、表Aからの少なくとも5つのゲノム変異体を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のゲノム変異体は、表Aからの少なくとも7つのゲノム変異体を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のゲノム変異体は、表Aからの少なくとも10のゲノム変異体を含む。1つ以上のゲノム変異体は、表Aからの少なくとも15のゲノム変異体を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のゲノム変異体は、表Aからの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20のゲノム変異体を含む。
【0142】
いくつかの実施形態では、1つ以上のゲノム変異体の存在の有無を検出する工程は、個体の1つ以上のゲノム変異体の対立遺伝子頻度を判定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のゲノム変異体は、個体の遺伝子の単一のコピーに存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上のゲノム変異体は、個体の遺伝子の複数のコピーに存在する。
【0143】
いくつかの実施形態では、1つ以上のゲノム変異体の存在の有無を判定する工程は、個体からの遺伝物質に対してアッセイを実施することを含む。場合によっては、遺伝物質は、血液、血清、血漿、汗、毛髪、涙、尿、および当業者に既知の他の技術から得られる。いくつかの実施形態では、遺伝物質は、個体の血液、血清、または血漿から得られる。
【0144】
いくつかの実施形態では、個体から得られた試料中のゲノム変異体の存在の有無またはレベルを検出する方法は、核酸配列を検出する工程を含む。場合によっては、mRNA転写物の相補的DNA(cDNA)を検出する場合などでは、核酸配列は、デオキシリボ核酸(DNA)を含む。いくつかの事例では、核酸配列は、変性DNA分子またはその断片を含む。いくつかの事例では、核酸配列は、ゲノムDNA、増幅DNA、環状DNA、循環DNA、無細胞DNA、またはエキソソームDNAから選択されるDNAを含む。いくつかの事例では、DNAは、一本鎖DNA(ssDNA)、二本鎖DNA、変性二本鎖DNA、合成DNA、およびそれらの組合せである。環状DNAは、切断または断片化されてもよい。いくつかの事例では、核酸配列は、リボ核酸(RNA)を含む。いくつかの事例では、核酸配列は、断片化RNAを含む。いくつかの事例では、核酸配列は、部分的に分解されたRNAを含む。
【0145】
いくつかの実施形態では、対象から得られた試料を核酸に基づく検出アッセイにかけることによって検出されるゲノム変異体が本明細書に開示される。いくつかの事例では、核酸に基づく検出アッセイは、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)、ゲル電気泳動(これには、例えば、ノーザンブロットまたはサザンブロットが挙げられる)、免疫化学、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)などのin situハイブリダイゼーション、細胞化学、マイクロアレイ、またはシーケンシングを含む。いくつかの実施形態では、シーケンシング技術は、次世代シーケンシングを含む。いくつかの実施形態では、方法は、ハイブリダイゼーションアッセイ、例えば、蛍光発生qPCR(例えば、TaqMan(商標)、SYBR green、SYBR green I、SYBR green II、SYBR gold、臭化エチジウム、メチレンブルー、ピロニンY、DAPI、アクリジンオレンジ、Blue View、またはフィコエリトリン)を含み、ハイブリダイゼーションアッセイは、特定のプライマー対を用いた核酸増幅反応や、標的核酸配列に特異的な検出可能な部分または分子を含む増幅核酸プローブのハイブリダイゼーションを含む。いくつかの事例では、qPCRアッセイで標的核酸を検出するための増幅サイクルの数は、約5~約30サイクルである。いくつかの事例では、標的核酸を検出するための増幅サイクルの数は、少なくとも約5サイクルである。いくつかの事例では、標的核酸を検出するための増幅サイクルの数は、最大で約30サイクルである。いくつかの例では、標的核酸を検出するための増幅サイクルの数は、約5~約10、約5~約15、約5~約20、約5~約25、約5~約30、約10~約15、約10~約20、約10~約25、約10~約30、約15~約20、約15~約25、約15~約30、約20~約25、約20~約30、または約25~約30サイクルである。TaqMan(商標)方法では、プローブは、フルオロフォアおよびクエンチャーを含む加水分解プローブであってもよく、標的核酸にハイブリダイズされるとDNAポリメラーゼによって加水分解される。場合によっては、閾値に達する増幅サイクルの数が30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、または20サイクル未満である場合、標的核酸の存在が判定される。いくつかの事例では、ハイブリダイゼーションは、標準的なPCR緩衝液では、標準的なハイブリダイゼーション温度、例えば約35°C~約65°Cで起こってもよい。
【0146】
さらなる例示的な核酸に基づく検出アッセイは、ビーズ、マルチウェルプレート、または他の基板にコンジュゲートされた核酸プローブ、あるいはその他の方法で固定された核酸プローブの使用を含み、ここで、核酸プローブは、標的核酸配列でハイブリダイズするように構成されている。いくつかの事例では、核酸プローブは、本明細書に記載される(PRSの)1つ以上の遺伝子産物に特異的である。いくつかの事例では、バイオマーカーに特異的な核酸プローブは、バイオマーカーのポリヌクレオチド配列に対して十分に相補的な核酸プローブ配列を含む。いくつかの事例では、バイオマーカーは、転写されたポリヌクレオチド配列(例えば、RNA、cDNA)を含む。いくつかの実施形態では、核酸プローブは、例えば、長さが少なくとも約7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、または50のヌクレオチドであり、かつ、標準的なハイブリダイゼーション条件下で標的核酸配列に特異的にハイブリダイズするのに十分であるオリゴヌクレオチドなどの完全長cDNAまたはその一部であってもよい。いくつかの実施形態では、標的核酸配列を固体表面に固定し、例えば、単離した標的核酸配列をアガロースゲルで泳動し、標的核酸配列をゲルからニトロセルロースなどの膜に転写することによってプローブと接触させる。いくつかの実施形態では、プローブを固体表面に、例えば、Affymetrix社製の遺伝子チップアレイに固定し、標的核酸配列と接触させる。
【0147】
いくつかの実施形態では、用語「プローブ」は、核酸に言及する場合、具体的に意図される標的核酸配列に選択的に結合することができる任意の核酸分子を指す。いくつかの事例では、プローブは、例えば、放射性標識、蛍光標識、酵素、化学発光タグ、比色分析用タグ、または当技術分野で既知の他も標識もしくはタグで標識されるように特異的に設計される。いくつかの事例では、蛍光標識は、フルオロフォアを含む。いくつかの事例では、フルオロフォアは、芳香族または複素芳香族化合物である。いくつかの事例では、フルオロフォアは、ピレン、アントラセン、ナフタレン、アクリジン、スチルベン、ベンゾオキサアゾール(benzoxaazole)、インドール、ベンゾインドール、オキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、シアニン(canine)、カルボシアニン、サリチレート、アントラニレート、キサンテン系色素、クマリンである。例示的なキサンテン色素として、例えば、フルオレセイン色素およびローダミン色素が挙げられる。フルオレセイン色素およびローダミン色素として、6-カルボキシフルオレセイン(FAM)、2’7’-ジメトキシ-4’5’-ジクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(JOE)、テトラクロロフルオレセイン(TET)、6-カルボキシローダミン(R6G)、N,N,N;N’-テトラメチル-6-カルボキシローダミン(TAMRA)、6-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、適した蛍光プローブとして、アルファ位またはベータ位にアミノ基を有するナフチルアミン色素が挙げられる。例えば、ナフチルアミノ化合物として、1-ジメチルアミノナフチル-5-スルホン酸、1-アニリノ-8-ナフタレンスルホン酸および2-p-トルイジニル-6-ナフタレンスルホン酸、5-(2’-アミノエチル)アミノナフタレン-1-スルホン酸(EDANS)が挙げられる。例示的なクマリンとして、例えば、3-フェニル-7-イソシアナトクマリン、9-イソチオシアナトアクリジンおよびアクリジンオレンジなどのアクリジン、N-(p-(2-ベンゾオキサゾリル)フェニル)マレイミド、例えば、インドジカルボシアニン3(Cy3)、インドジカルボシアニン5(Cy5)、インドジカルボシアニン5.5(Cy5.5)、3-(-カルボキシ-ペンチル)-3’-エチル-5,5’-ジメチルオキサカルボシアニン(CyA)などのシアニン類、1H,5H,11H,15H-キサンテノ[2,3,4-ij:5,6,7-i’j’]ジキノリジン-18-イウム、9-[2(もしくは4)-[[[6-[2,5-ジオキソ-1-ピロリジニル)オキシ]-6-オキソヘキシル]アミノ]スルファニル]-4(もしくは2)-スルホフェニル]-2,3,6,7,12,13,16,17-オクタヒドロ-分子内塩(TRもしくはTexas Red)、またはBODIPYTM色素が挙げられる。場合によっては、プローブは、色素標識としてFAMを含む。
【0148】
いくつかの実施形態では、1つ以上のゲノム変異体を検出する工程は、対象からの試料から得られた遺伝物質を配列決定することを含む。配列決定は、単一分子リアルタイム(SMRT)シーケンシング、ポロニーシーケンシング、ライゲーションシーケンシング、可逆的ターミネーターシーケンシング、プロトン検出シーケンシング、イオン半導体シーケンシング、ナノポアシーケンシング、電子シーケンシング、パイロシーケンシング、マクサム・ギルバートシーケンシング、連鎖停止(例えば、サンガー)シーケンシング、+Sシーケンシング、または合成シーケンシングを含むがこれらに限定されない任意の適切な配列決定技術を用いて実施できる。また、配列決定法として、次世代シーケンシング、例えば、イルミナシーケンシング(例えば、Solexa)、Roche 454シーケンシング、イオントレント(Ion torrent)シーケンシング、およびSOLiDシーケンシングなどの最新の配列決定技術も挙げられる。場合によっては、次世代シーケンシングは、ハイスループットシーケンシング法を含む。当業者が利用可能なさらなる配列決定法が用いられてもよい。
【0149】
いくつかの実施形態では、個体において本明細書で提供されるゲノム変異体が特定される場合に、治療が施される。いくつかの実施形態では、治療は、個体のRBP4のレベルを低下させるために施される。いくつかの実施形態では、治療は、個体に医薬組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療は、個体に医薬化合物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、RBP4阻害剤を含む。RBP4阻害剤は、本明細書で提供されるRBP4阻害剤のうちのいずれであってもよい。
【0150】
さらに、本明細書で提供される方法は、本明細書で提供される個体におけるAMDの存在を評価するためのさらなる試験または診断法のうちのいずれかをさらに含んでもよく、これには、RBP4のレベルの測定および本明細書で提供されるような閾値との比較、ビタミンAのレベルの測定および本明細書で提供されるような閾値との比較、またはAMDを診断するために使用できる任意の他の測定が挙げられる。いくつかの実施形態では、方法は、カラー眼底撮影、眼底自発蛍光、スペクトラルドメイン光干渉断層撮影、またはマイクロペリメトリーのうちの少なくとも1つを実施する工程をさらに含む。
【0151】
いくつかの実施形態では、方法はまた、個体の年齢および病歴を判定する工程を含む。それゆえ、いくつかの実施形態では、黄斑変性の発症の可能性を評価する工程は、1つ以上のゲノム変異体の存在、個体の年齢、および病歴に基づく。
【0152】
いくつかの実施形態では、AMD診断の判定、AMD発症のリスク評価、または処置の決定は、1つ以上のゲノム変異体の存在の有無に加えてさらなる考慮事項に基づいて行われる。いくつかの実施形態では、判定は、個体の年齢および/または病歴に基づく。いくつかの実施形態では、判定は、個体の年齢に少なくとも部分的に基づく。いくつかの実施形態では、判定は、個体の病歴に少なくとも部分的に基づく。いくつかの実施形態では、個体の病歴として、眼の疾病による以前の診断、ボディマス指数(BMI)、身長、体重、肥満、高脂血症、高血糖症、高血圧症、真性糖尿病、心血管疾患、または非アルコール性脂肪性肝疾患を含む全身疾病などの情報を挙げることができる。
【0153】
いくつかの実施形態では、個体において本明細書で提供される1つ以上のゲノム変異体を特定しても、治療による即座の介入を必ずしも必要としないが、AMDの発症またはAMDの発症を示す関連症状についてモニタリングを増やすよう推奨することを主治医に促してもよい。いくつかの実施形態では、方法は、ある期間後にAMDについて個体を再評価することの推奨を提供する工程を含む。いくつかの実施形態では、方法は、レベルまたはリスクスコアが閾値を下回る場合、ある期間後にAMDについて個体を再評価することの推奨を提供する工程を含む。期間は、任意の適した期間であってもよい。いくつかの実施形態では、期間は、約1か月~約24か月である。いくつかの実施形態では、期間は、約1か月~約3か月、約1か月~約6か月、約1か月~約9か月、約1か月~約12か月、約1か月~約18か月、約1か月~約24か月、約3か月~約6か月、約3か月~約9か月、約3か月~約12か月、約3か月~約18か月、約3か月~約24か月、約6か月~約9か月、約6か月~約12か月、約6か月~約18か月、約6か月~約24か月、約9か月~約12か月、約9か月~約18か月、約9か月~約24か月、約12か月~約18か月、約12か月~約24か月、または約18か月~約24か月である。いくつかの実施形態では、期間は、約1か月、約3か月、約6か月、約9か月、約12か月、約18か月、または約24か月である。いくつかの実施形態では、期間は、少なくとも約1か月、約3か月、約6か月、約9か月、約12か月、または約18か月である。いくつかの実施形態では、期間は、最大で約3か月、約6か月、約9か月、約12か月、約18か月、または約24か月である。また、期間は、少なくとも約2年、少なくとも約3年、少なくとも約5年、少なくとも約10年、またはそれ以上などのより長い時間であってもよい。いくつかの実施形態では、AMDの発症について個体を定期的にモニタリングすることが推奨されてもよい。
【0154】
再評価することの推奨として、個体のRBP4のレベルを評価すること、あるいは本明細書で提供されるAMDについての他の試験または評価のうちのいずれかを実施すること、例えば、眼の身体検査のための医師による経過観察などを含むがこれに限定されない、さらなる試験をある期間後に実施することを挙げることができる。
【0155】
さらに、本明細書で提供される方法は、本明細書で提供される個体におけるAMDの存在を評価するためのさらなる試験または診断法のうちのいずれかをさらに含んでもよく、これには、RBP4のレベルの測定および本明細書で提供されるような閾値との比較、ビタミンAのレベルの測定および本明細書で提供されるような閾値との比較、またはAMDを診断するために使用できる任意の他の測定が挙げられる。いくつかの実施形態では、方法は、カラー眼底撮影、眼底自発蛍光、スペクトラルドメイン光干渉断層撮影、またはマイクロペリメトリーのうちの少なくとも1つを実施する工程をさらに含む。
【0156】
いくつかの実施形態では、方法は、加齢黄斑変性の進行度を分類する工程をさらに含む。分類は、本明細書で提供されるように測定されるか、または加齢性眼疾患試験(AREDS)分類を使用して分類するなどによって本明細書で提供される他の方法と併せて測定されるRBP4のレベルに基づいてもよい。
【0157】
AMDを予測するRBP4レベル/ビタミンAレベルと、ゲノム変異体との組合せ
本明細書で提供されるバイオマーカーレベル(例えば、RBP4および/またはビタミンAの血中濃度)およびゲノム変異体(例えば、ABCA4変異体)はまた、診断、リスクスコア、個体におけるAMDの処置について推奨を提供するために、同時にプローブされてもよい。いくつかの実施形態では、この組合せ手法は、いずれかの方法単独よりも信頼性が高い診断またはリスクスコアをもたらす。いくつかの実施形態では、これによって、個体からの単一の試料(例えば、血液試料)から診断またはリスクスコアが計算できるので、眼に対してより侵襲的な身体検査を行うことなく、AMDの特定の診断またはリスク評価が可能になる。
【0158】
一態様では、必要としている個体における加齢黄斑変性の可能性を評価するための方法であって、個体から血液試料を得る工程と、血液試料からタンパク質画分を抽出する工程と、血液試料から核酸画分を抽出する工程と、第1のアッセイによって、タンパク質画分からレチノール結合タンパク質4(RBP4)のレベルおよび/またはビタミンAのレベルを判定する工程と、第2のアッセイによって、核酸画分中の核酸から1つ以上のゲノム変異体の対立遺伝子頻度を判定する工程と、RBP4のレベルおよび/またはビタミンAのレベルならびに1つ以上のゲノム変異体の対立遺伝子頻度に基づいて加齢黄斑変性の可能性を評価する工程とを含む、方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、1つ以上のゲノム変異体は、rs4147863、rs2275029、rs1800739、rs4147857、rs4147856、rs1801555、またはrs1801574のうちの少なくとも1つを含む。
【0159】
一態様では、必要としている個体における加齢黄斑変性を処置するための方法であって、a)レチノール結合タンパク質4(RBP4)のレベルおよび/またはビタミンAのレベルを提供する工程であって、レベルが、個体からの試料のタンパク質画分のアッセイによって判定される、工程と、b)1つ以上のゲノム変異体の対立遺伝子頻度を提供する工程であって、対立遺伝子頻度が、個体からの試料の核酸画分に対して実施されるアッセイによって判定される、工程と、c)RBP4のレベルおよび/またはビタミンAのレベルならびに1つ以上のゲノム変異体の対立遺伝子頻度の評価に基づいて治療を施す工程とを含む、方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、1つ以上のゲノム変異体は、rs4147863、rs2275029、rs1800739、rs4147857、rs4147856、rs1801555、またはrs1801574のうちの少なくとも1つを含む。
【0160】
いくつかの実施形態では、RBP4のレベルは、本明細書の別の箇所で提供されるようなRBP4の閾値と比較される。本明細書で提供されるRBP4の閾値のいずれかが、ゲノム変異体の検出と併せて診断法/評価プロトコルで使用されてもよい。さらに、本明細書で提供される試料中のRBP4のレベルを判定するために使用される方法またはアッセイのいずれも、AMDの診断、AMD発症のリスク評価、またはAMDの処置の決定がゲノム変異体とRBP4レベルとの組合せに基づく方法に同様に適用可能である。
【0161】
いくつかの実施形態では、本明細書の方法は、1つ以上のゲノム変異体の存在の有無の検出を提供する。本明細書で提供されるゲノム変異体の任意の組合せまたは任意の数の評価は、本明細書で提供されるAMDの診断、リスク評価、または処置を行う際に、RBP4のレベルによって提供される情報と併せて使用できる。
【0162】
RBP4レベルおよびゲノム変異体の両方が測定される実施形態では、アッセイによって、RBP4レベルを測定する工程と、第2のアッセイによって、1つ以上のゲノム変異体の存在の有無(またはその対立遺伝子頻度)を判定する工程は、個体に由来する複数の試料に対して実施される。いくつかの実施形態では、アッセイおよび第2のアッセイは、同じ試料に対して実施される。いくつかの実施形態では、アッセイおよび第2のアッセイは、個体に由来する複数の異なる試料に対して実施される。複数の試料は、個体から同時に採取される必要はなく、同じ種類のものである必要もない。いくつかの実施形態では、アッセイおよび第2のアッセイは、個体に由来する同じ試料に対して実施される。いくつかの実施形態では、アッセイおよび第2のアッセイは、個体からの2つの別個の試料に対して実施される。いくつかの実施形態では、2つの別個の試料は、同じ種類の試料(例えば、血液試料)である。いくつかの実施形態では、2つの別個の試料は、異なる種類の試料(例えば、血液試料および尿試料)である。いくつかの実施形態では、2つの別個の試料は、2つの血液試料である。2つの別個の試料は、個体から同時に採取される必要はない。いくつかの実施形態では、2つの別個の試料は、個体から同時に採取される。いくつかの実施形態では、2つの別個の試料は、異なる時間に採取される。いくつかの実施形態では、2つの別個の試料は、最大で約1日、最大で約2日、最大で約3日、最大で約1週間、最大で約2週間、最大で約1か月、最大で約2か月、最大で約3か月、または最大で約6か月離して採取される。
【0163】
本明細書で提供される、RBP4レベルの測定またはゲノム変異体の存在の有無に基づく方法が、個体におけるAMDの存在を確かめるためのさらなる試験または診断法をさらに含んでもよいように、RBP4レベルおよびゲノム変異体の存在の有無を両方とも利用する方法についても同様である。いくつかの実施形態では、診断、リスク評価、または治療の決定は、対象の年齢および病歴などのさらなる基準にさらに基づく。いくつかの実施形態では、判定は、個体の年齢および/または病歴に基づく。いくつかの実施形態では、判定は、個体の年齢に少なくとも部分的に基づく。いくつかの実施形態では、判定は、個体の病歴に少なくとも部分的に基づく。いくつかの実施形態では、個体の病歴として、眼の疾病による以前の診断、ボディマス指数(BMI)、身長、体重、肥満、高脂血症、高血糖症、高血圧症、真性糖尿病、心血管疾患、または非アルコール性脂肪性肝疾患を含む全身疾病などの情報を挙げることができる。
【0164】
さらに、本明細書で提供される方法は、本明細書で提供される個体におけるAMDの存在を評価するためのさらなる試験または診断法のうちのいずれかをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、方法は、カラー眼底撮影、眼底自発蛍光、スペクトラルドメイン光干渉断層撮影、またはマイクロペリメトリーのうちの少なくとも1つを実施する工程をさらに含む。
【0165】
いくつかの実施形態では、方法は、加齢黄斑変性の進行度を分類する工程をさらに含む。分類は、本明細書で提供されるように測定されるか、または加齢性眼疾患試験(AREDS)分類を使用して分類するなどによって本明細書で提供される他の方法と併せて測定されるRBP4のレベルに基づいてもよい。
【0166】
いくつかの実施形態では、リスクスコアは、本明細書で提供される測定値に基づいて、今後のある時点で個体がAMDを発症する確率を反映する。
【0167】
いくつかの実施形態では、個体において本明細書で提供される1つ以上のゲノム変異体が特定され、レベルまたはRBP4が測定されても、治療による即座の介入を必ずしも必要としないが、AMDの発症またはAMDの発症を示す関連症状についてモニタリングを増やすよう推奨することを主治医に促してもよい。いくつかの実施形態では、方法は、ある期間後にAMDについて個体を再評価することの推奨を提供する工程を含む。いくつかの実施形態では、方法は、レベルまたはリスクスコアが閾値を下回る場合、ある期間後にAMDについて個体を再評価することの推奨を提供する工程を含む。期間は、任意の適した期間であってもよい。いくつかの実施形態では、期間は、約1か月~約24か月である。いくつかの実施形態では、期間は、約1か月~約3か月、約1か月~約6か月、約1か月~約9か月、約1か月~約12か月、約1か月~約18か月、約1か月~約24か月、約3か月~約6か月、約3か月~約9か月、約3か月~約12か月、約3か月~約18か月、約3か月~約24か月、約6か月~約9か月、約6か月~約12か月、約6か月~約18か月、約6か月~約24か月、約9か月~約12か月、約9か月~約18か月、約9か月~約24か月、約12か月~約18か月、約12か月~約24か月、または約18か月~約24か月である。いくつかの実施形態では、期間は、約1か月、約3か月、約6か月、約9か月、約12か月、約18か月、または約24か月である。いくつかの実施形態では、期間は、少なくとも約1か月、約3か月、約6か月、約9か月、約12か月、または約18か月である。いくつかの実施形態では、期間は、最大で約3か月、約6か月、約9か月、約12か月、約18か月、または約24か月である。また、期間は、少なくとも約2年、少なくとも約3年、少なくとも約5年、少なくとも約10年、またはそれ以上などのより長い時間であってもよい。いくつかの実施形態では、AMDの発症について個体を定期的にモニタリングすることが推奨されてもよい。
【0168】
再評価することの推奨として、個体のRBP4のレベルを評価すること、あるいは本明細書で提供されるAMDについての他の試験または評価のうちのいずれかを実施すること、例えば、眼の身体検査のための医師による経過観察などを含むがこれに限定されない、さらなる試験をある期間後に実施することを挙げることができる。
【0169】
いくつかの実施形態では、個体において本明細書で提供されるゲノム変異体が特定される場合に、治療が施される。いくつかの実施形態では、治療は、個体のRBP4のレベルを低下させるために施される。いくつかの実施形態では、治療は、個体に医薬組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療は、個体に医薬化合物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、RBP4阻害剤を含む。RBP4阻害剤は、本明細書で提供されるRBP4阻害剤のうちのいずれであってもよい。
【0170】
AMDの予測または診断のためのさらなる考慮事項
いくつかの実施形態では、AMD診断の判定、AMD発症のリスク評価、または処置の決定は、対象のRBP4のレベルの測定および/または本明細書で提供されるゲノム変異体の存在の有無の判定に加えて任意選択で実施できるさらなる試験に基づいて行われる。それゆえ、本明細書で提供される方法は、本明細書で提供されるAMDを示すバイオマーカーと併せて使用されるさらなる試験をさらに提供してもよい。
【0171】
本明細書で提供される方法は、個体におけるAMDの存在またはAMD発症のリスクを評価するために使用されるさらなる試験をさらに含んでもよい。カラー眼底撮影、眼底自発蛍光、スペクトラルドメイン光干渉断層撮影、およびマイクロペリメトリーを含む様々なこうしたさらなる試験および診断が当技術分野で既知である。
【0172】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、カラー眼底撮影、眼底自発蛍光、スペクトラルドメイン光干渉断層撮影、またはマイクロペリメトリーのうちの少なくとも1つの解析をさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、カラー眼底撮影の解析をさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、眼底自発蛍光の解析をさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、スペクトラルドメイン光干渉断層撮影をさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、マイクロペリメトリーをさらに含む。いくつかの実施形態では、AMDの診断、AMD発症のリスク評価、またはAMDの治療の決定は、これらの評価のうちの1つに少なくとも部分的に基づく。
【0173】
さらに、本明細書で提供される方法はまた、個体の年齢または病歴を判定する工程を含んでもよい。いくつかの実施形態では、判定は、個体の年齢に少なくとも部分的に基づく。いくつかの実施形態では、判定は、個体の病歴に少なくとも部分的に基づく。いくつかの実施形態では、個体の病歴として、眼の疾病による以前の診断、ボディマス指数(BMI)、身長、体重、肥満、高脂血症、高血糖症、高血圧症、真性糖尿病、心血管疾患、または非アルコール性脂肪性肝疾患を含む全身疾病などの情報を挙げることができる。
【0174】
いくつかの実施形態では、本明細書の方法は、AMDの進行度を分類する工程を含む。いくつかの実施形態では、分類は、加齢性眼疾患試験研究カテゴリーに基づく[Age-Related Eye Disease Study Research G. The Age-Related Eye Disease Study (AREDS): design implications. AREDS report no. 1. Control Clin Trials. 1999;20(6):573-600) (AREDS)]。AREDSカテゴリーとして、カテゴリー1(少数(1~15個)の小型(63μm未満)のドルーゼンがあるか、またはドルーゼンがなく、色素変化がないものとして定義される)、カテゴリー2(片眼もしくは両眼に多数の小型のドルーゼンと少数の中型(63~124μm)のドルーゼンがあるか、および/または色素変化があることを特徴とする初期AMD)、カテゴリー3(片眼もしくは両眼に広範囲に及ぶ(軟性が20個あるか、または軟性がなく65個の硬性がある)中型のドルーゼンがあるか、1個の大型(125μm超)のドルーゼンがあるか、および/または黄斑を含まない地図状萎縮があることを特徴とする中期AMD)、およびカテゴリー4(片眼に黄斑を含む地図状萎縮を伴う進行した非滲出型からなる進行した片側性AMD、または脈絡膜血管新生を伴う滲出型からなる進行した片側性AMD)が挙げられる。
【0175】
RBP4阻害化合物、および血中のRBP4を低下させる化合物
いくつかの実施形態では、RBP4阻害化合物、血中のRBP4レベルを低下させる化合物、および上記化合物を含む医薬組成物が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、化合物は、RBP4阻害剤である。いくつかの実施形態では、化合物は、血中のRBP4レベルを低下させる。本化合物および本組成物は、RPB4の阻害や、加齢黄斑変性を含む様々な障害の処置に有用である。いくつかの実施態様では、本明細書で提供される方法を用いてAMDと診断した際に、または個体がAMDを発症するリスクがあると評価した際に、個体に、本明細書で提供されるものなどのRBP4阻害化合物を含む治療を施す。RBP4阻害化合物の例は、米国特許出願公開第2010/0292206、国際公開第2010/119992、米国特許出願公開第2011/0251187、米国特許出願公開第2018/0237404、米国特許第10,273,243、米国特許第8,980,924、米国特許第9,637,450、米国特許第9,944,644、米国特許第9,938,291、米国特許第10,072,016、国際公開第2018/232154に見出すことができ、当該文献のそれぞれは、引用によって組み込まれる。
【0176】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、式(I)
【0177】
【化26】
の構造を有する、加齢黄斑変性を処置する際に使用するためのRBP4阻害剤、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体について記載しており、
式中、
、R 、R 、R 、およびR はそれぞれ独立して、ハロゲン、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたシクロアルキル、任意選択で置換されたヘテロシクリル、任意選択で置換されたヘテロシクロアルキル、-COR 、-CON(R 、任意選択で置換された(C-Cアルキレン)-CN、任意選択で置換された(C-Cアルキレン)-OR 、任意選択で置換された(C-Cアルキレン)-N(R 、任意選択で置換された(C-Cアルキレン)N(R )-COR 、任意選択で置換された(C-Cアルキレン)-SON(R 、任意選択で置換された(C-Cアルキレン)-SO 、任意選択で置換された(C-Cアルキレン)N(R )-SON(R 、または任意選択で置換された(C-Cアルキレン)N(R )-SO であり、
はそれぞれ独立して、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたカルボシクリル、任意選択で置換されたカルボシクリルアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアラルキル、任意選択で置換されたヘテロシクリル、任意選択で置換されたヘテロシクリルアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリール、または任意選択で置換されたヘテロアリールアルキルから選択され、あるいは、2つのR 11基が、それらが結合している窒素と一体となって、任意選択で置換されたN-ヘテロシクリルを形成し、
はそれぞれ独立して、Hまたは任意選択で置換されたアルキルから選択され、
は、-H、-OH、任意選択で置換されたアルキル、またはハロゲンであり、
pは、0、1、2、3、4、または5であり、
は、構造:
【0178】
【化27】
を有し、
式中、
α、β、χ、およびδはそれぞれ独立して、存在しないか、または存在し、存在する場合には、それぞれが結合であり、
Xは、Cであり、
は、S、O、またはNであり、
は、S、O、N、またはNR であり、
は、H、任意選択で置換されたアルキル、またはオキセタンであり、
は、置換または非置換の5員、6員、または7員の縮合環構造である。
【0179】
ある特定の実施形態では、式(I)の化合物は、構造:
【0180】
【化28】
、またはその薬学的に許容可能な塩を有し、
式中、
、R 、R 、R 、およびR はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、CF、またはC-Cアルキルであり、ここで、R 、R 、R 、R 、およびR のうちの2個以上は、H以外であり、
は、H、OH、またはハロゲンであり、
は、構造:
【0181】
【化29】
を有し、
式中、
α、β、χ、およびδはそれぞれ独立して、存在しないか、または存在し、存在する場合には、それぞれが結合であり、
Xは、CまたはNであり、
は、Nであり、
は、NまたはNR であり、
は、H、C-Cアルキル、またはオキセタンであり、
は、置換または非置換の5員、6員、または7員の環構造である、方法が提供される。
【0182】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、1-(3-(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)エタン-1-オンである。ある特定の実施形態では、式(I)の化合物は、1-(3-(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)エタン-1-オン;1-(3-(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-イル)エタン-1-オン;(4-(3-フルオロ-2,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)ピペリジン-1-イル)(5-(2-メトキシエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)ピペリジン-1-イル)(5-(3,3,3-トリフルオロプロピル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)ピペリジン-1-イル)(5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)ピペリジン-1-イル)(5-(オキセタン-3-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)ピペリジン-1-イル)(5-(シクロプロピルメチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)ピペリジン-1-イル)(5-エチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(6-エチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(5-(メチルスルファニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;1-(3-(4-(2-フルオロ-6-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)エタン-1-オン;(4-(3-フルオロ-2,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)ピペリジン-1-イル)(6-(シクロプロピルメチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(5-(メチルスルファニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)ピペリジン-1-イル)(5-(メチルスルファニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)ピペリジン-1-イル)(6-(オキセタン-3-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)メタノン;3-(4-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-カルボニトリル(4-(5-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(5-(メチルスルファニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;3-(4-(3,5-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-N-メチル-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-カルボキサミド(6-(シクロプロピルメチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;メチル 3-(4-(3,5-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-カルボキシレート;(4-(3,5-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(5-(3,3,3-トリフルオロプロピル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(5-ネオペンチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(2-クロロ-5-フルオロフェニル)ピペリジン-1-イル)(5-(メチルスルファニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(3,5-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(6-(2,2,2-トリフルオロエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)メタノン;3-(4-(3,5-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-カルボニトリル;(4-(3,5-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(6-(オキセタン-3-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)メタノン;3-(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-N-メチル-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-カルボキサミド;(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(6-ネオペンチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(6-(2,2,2-トリフルオロエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)メタノン;メチル 3-(4-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-カルボキシレート;1-(3-(4-(3,5-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)エタン-1-オン;(6-(シクロプロピルメチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)(4-(3,5-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(6-(2-メトキシエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)メタノン;1-(3-(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-3-メチルブタン-1-オン;1-(3-(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)プロパン-1-オン;1-(3-(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-2-メチルプロパン-1-オン;3-(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-カルボニトリル;(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(6-(3,3,3-トリフルオロプロピル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(5-(2-メトキシエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(5-(3,3,3-トリフルオロプロピル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;3-(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-N-メチル-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボキサミド;(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(6-(オキセタン-3-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)メタノン;メチル 3-(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-カルボキシレート;2-(3-(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)酢酸;(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(5-(オキセタン-3-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(5-(シクロプロピルメチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(5-エチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;3-(4-(3-フルオロ-2-(トリフル
オロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-N-メチル-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボキサミド;(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(6-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)メタノン;メチル 3-(4-(3,5-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボキシレート;(4-(3,5-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(5-エチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(3,5-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(5-(2-メトキシエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;3-(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボニトリル;メチル 3-(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボキシレート;(4-(3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(6-(3,3,3-トリフルオロプロピル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(6-エチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)(4-(3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(4-(3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(5-(オキセタン-3-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(5-(2-メトキシエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(5-(3,3,3-トリフルオロプロピル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(2-クロロ-5-フルオロフェニル)ピペリジン-1-イル)(4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)メタノン;イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(4-(5-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;1-(3-(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)エタン-1-オン;(5-エチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)(4-(3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;3-(4-(3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-N-メチル-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-カルボキサミド;(4-(3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(5-(メチルスルファニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(3,5-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(3,5-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)ピペリジン-1-イル)(4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)ピペリジン-1-イル)(4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)メタノン;1-(3-(4-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)エタン-1-オン;1-(3-(4-(3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)エタン-1-オン;1-(3-(4-(5-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)エタン-1-オン;1-(3-(4-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)エタン-1-オン;1-(3-(4-(4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)エタン-1-オン;(4-(2-フルオロ-6-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(5-(シクロプロピルメチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)(4-(3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;メチル 3-(4-(3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボキシレート;3-(4-(3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボニトリル;1-(3-(4-(2-クロロ-5-フルオロフェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)エタン-1-オン;(4-(2-フルオロ-6-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)メタノン;tert-ブチル 2-(3-(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)アセテート;tert-ブチル 3-(4-(3,5-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボキシレート;tert-ブチル 3-(4-(3,5-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-カルボキシレート;tert-ブチル 3-(4-(2-フルオロ-6-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボキシレート;tert-ブチル 3-(4-(5-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボキシレート;tert-ブチル 3-(4-(5-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-カルボキシレート;tert-ブチル 3-(4-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボキシレート;tert-ブチル 3-(4-(2-フルオロ-6-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-カルボキシレートtert-ブチル 3-(4-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボキシレート;tert-ブチル 3-(4-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-カルボキシレート;tert-ブチル 3-(4-(2-クロロ-5-フルオロフェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボキシレート;tert-ブチル 3-(4-(2-クロロ-5-フルオロフェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-カルボキシレート;tert-ブチル 3-(4-(4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-カルボキシレート;tert-ブチル 3-(4-(3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-カルボキシレート;tert-ブチル 3-(4-
(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボキシレート;tert-ブチル 3-(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-カルボキシレート;tert-ブチル 3-(4-(3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボキシレート;tert-ブチル 3-(4-(4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボキシレート;tert-ブチル 3-(4-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-カルボキシレート;(6,6-ジメチル-1,4,6,7-テトラヒドロピラノ[4,3-c]ピラゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6,6-ジオキシド-1,4,5,7-テトラヒドロチオピラノ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(1,4,6,7-テトラヒドロピラノ[4,3-c]ピラゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(1,4,5,7-テトラヒドロピラノ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(1-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(1-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;1-エチル-N,N-ジメチル-3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-カルボキサミド;(5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-(2,2,2-トリフルオロエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-クロロ-1H-インダゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-クロロ-1H-インダゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-(メチルスルファニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;1-(3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)エタン-1-オン;(4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-フルオロ-1-(オキセタン-3-イル)-1H-インダゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(1-エチル-6-フルオロ-1H-インダゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-フルオロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;1-(3-(4-フルオロ-4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)エタン-1-オン;(5-フルオロ-1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-フルオロ-1H-インダゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-(メチルスルファニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;1-(3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)エタン-1-オン;(5-フルオロ-1H-インダゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-((クロロメチル)スルファニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-(2-メトキシエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(4-フルオロ-4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)メタノン;1-(3-(4-(4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)エタン-1-オン;(1-エチル-5-フルオロ-1H-インダゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-フルオロ-1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-オン;3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-5-オン;6-メチル-3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-5-オン;5-メチル-3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-オン;(5,5-ジオキシド-1,4,6,7-テトラヒドロチオピラノ[4,3-c]ピラゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(1-メチル-5-(メチルスルファニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(1-メチル-6-(メチルスルファニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;1-(1-エチル-3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)エタン-1-オン;(5-(メトキシメチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-(メトキシメチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-メトキシ-1H-インダゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-(オキセタン-3-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-イソブチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;1-(3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)プロパン-1-オン;(5-エチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;3-メチル-1-(3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)ブタン-1-オン;2-メチル-1-(3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)プロパン-1-オン;2,2-ジメチル-1-(3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)プロパン-1-オン;(5-(イソプロピルスルファニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-(イソブチルスルファニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-(エチルスルファニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1H-インダゾール-5-カルボニトリル;(7-クロロ-1H-インダゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5,6-ジフルオロ-1H-インダゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-(2-メトキシエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン
;3,3,3-トリフルオロ-1-(3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)プロパン-1-オン;(5-(tert-ブチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-イソプロピル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;N-メチル-3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボキサミド;N-メチル-3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-カルボキサミド;(5-ブロモ-1H-インダゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;tert-ブチル 3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-カルボキシレート;tert-ブチル 3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボキシレート;(5-フルオロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(7-フルオロ-1H-インダゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-メトキシ-1H-インダゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-フルオロ-1-(オキセタン-3-イル)-1H-インダゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(1-エチル-5-(メチルスルファニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(1-エチル-6-(メチルスルファニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;1-(1-メチル-3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)エタン-1-オン;1-(1-メチル-3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)エタン-1-オン;N,N-ジメチル-3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボキサミド;N,N-ジメチル-3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-カルボキサミド;(1-メチル-5,5-ジオキシド-1,4,6,7-テトラヒドロチオピラノ[4,3-c]ピラゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(1,6,6-トリメチル-1,4,6,7-テトラヒドロピラノ[4,3-c]ピラゾール-3-イル)メタノン;(1-メチル-1,4,6,7-テトラヒドロピラノ[4,3-c]ピラゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;2-メチル-1-(3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)プロパン-1-オン;(6-(イソプロピルスルファニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-(エチルスルファニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;1-(3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)プロパン-1-オン;2-メトキシ-1-(3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)エタン-1-オン;3,3,3-トリフルオロ-1-(3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)プロパン-1-オン;(1H-インダゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-(オキセタン-3-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-(tert-ブチルスルファニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;2,2-ジメチル-1-(3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)プロパン-1-オン;(6-(tert-ブチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-(イソブチルスルファニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;3-メチル-1-(3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)ブタン-1-オン;(6-イソブチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-イソプロピル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-エチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-(tert-ブチルスルファニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;tert-ブチル 3-(4-フルオロ-4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボキシレート;(4-ヒドロキシ-4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)メタノン;1-(3-(4-ヒドロキシ-4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)エタン-1-オン;3-(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-N-メチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド;(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(5-ネオペンチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)メタノン;(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(5-(オキセタン-3-イル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)メタノン;(5-(シクロプロピルメチル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(5-エチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)メタノン;1-(3-(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-イル)-3-メチルブタン-1-オン;1-(3-(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-イル)-2-メチルプロパン-1-オン;(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(5-ピコリノイル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)メタノン;3-(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボニトリル;(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(5-(2-メトキシエチル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)メタノン;(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(5-(3,3,3-トリフルオロプロピル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)メタノン;(5-ベンゾイル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;メチル 3-(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキシレート;(4-(
3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)メタノン;(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)メタノン;(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(5-(ピロリジン-1-カルボニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)メタノン;(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(5-イソニコチノイル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)メタノン;(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(5-ニコチノイル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)メタノン;(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(5-(ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)メタノン;(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(5-(ピペラジン-1-カルボニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)メタノン;1-(3-(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-イル)プロパン-1-オン;(5,5-ジオキシド-4,6-ジヒドロ-1H-チエノ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(4,6-ジヒドロ-1H-フロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(1-エチル-5-(メチルスルファニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(1-メチル-5-(メチルスルファニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(1-メチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;2-メトキシ-1-(3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-イル)エタン-1-オン;(5-(2-メトキシエチル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;3,3,3-トリフルオロ-1-(3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-イル)プロパン-1-オン;(5-(オキセタン-3-イル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-(イソブチルスルファニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-(イソプロピルスルファニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-(エチルスルファニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;tert-ブチル 3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキシレート;(5-メチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-(メチルスルファニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;1-(3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-イル)エタン-1-オン;(5-(tert-ブチルスルファニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-(tert-ブチル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-イソブチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-イソプロピル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-エチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;N-メチル-3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド;1-(1-メチル-3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-イル)エタン-1-オン;2,2-ジメチル-1-(3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-イル)プロパン-1-オン;3-メチル-1-(3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-イル)ブタン-1-オン;2-メチル-1-(3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-イル)プロパン-1-オン;1-(3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-イル)プロパン-1-オン;N,N-ジメチル-3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド;(5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-(メトキシメチル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;tert-ブチル 4-(3-(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)ピペラジン-1-カルボキシレート;tert-ブチル 3-(4-(3,4-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキシレート;(5,5-ジオキシド-4,6,7,8-テトラヒドロ-1H-チエピノ[4,3-c]ピラゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(4,6,7,8-テトラヒドロ-1H-オキセピノ[4,3-c]ピラゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;N-メチル-3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[4,3-c]アゼピン-5(1H)-カルボキサミド;(5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,4,5,6,7,8-ヘキサヒドロピラゾロ[4,3-c]アゼピン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-(tert-ブチルスルファニル)-1,4,5,6,7,8-ヘキサヒドロピラゾロ[4,3-c]アゼピン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;2,2-ジメチル-1-(3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[4,3-c]アゼピン-5(1H)-イル)プロパン-1-オン;(5-(tert-ブチル)-1,4,5,6,7,8-ヘキサヒドロピラゾロ[4,3-c]アゼピン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-(イソブチルスルファニル)-1,4,5,6,7,8-ヘキサヒドロピラゾロ[4,3-c]アゼピン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;3-メチル-1-(3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[4,3-c]アゼピン-5(1H)-イル)ブタン-1-オン;(5-イソブチル-1,4,5,6,7,8-ヘキサヒドロピラゾロ[4,3-c]アゼピン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-(イソプロピルスルファニル)-1,4,5,6,7,8-ヘキサヒドロピラゾロ[4,3-c]アゼピン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;2-メチル-1-(3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[4,3-c]アゼピン-5(1H)-イル)プロパン-1-オン;(1-エチル-5-(メチルスルファニル)-1,4,5,6,7,8-ヘキサヒドロピラゾロ[4,3-c]アゼピン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;1-(1-メチル-3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[4,3-c]アゼピン-5(1H)-イル)エタン-1-オン;(5-(メトキシメチル)-1,4,5,6,7,8-ヘキサヒドロピラゾロ[4,3-c]アゼピン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-メチル-1,4,5,6,7,8-ヘキサヒドロピラゾロ[4,3-c]アゼピン-3-イル)
(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-イソプロピル-1,4,5,6,7,8-ヘキサヒドロピラゾロ[4,3-c]アゼピン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-(エチルスルファニル)-1,4,5,6,7,8-ヘキサヒドロピラゾロ[4,3-c]アゼピン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;1-(3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[4,3-c]アゼピン-5(1H)-イル)プロパン-1-オン;(5-エチル-1,4,5,6,7,8-ヘキサヒドロピラゾロ[4,3-c]アゼピン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-(メチルスルファニル)-1,4,5,6,7,8-ヘキサヒドロピラゾロ[4,3-c]アゼピン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;1-(3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[4,3-c]アゼピン-5(1H)-イル)エタン-1-オン;(1,4,5,6,7,8-ヘキサヒドロピラゾロ[4,3-c]アゼピン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(1-メチル-5-(メチルスルファニル)-1,4,5,6,7,8-ヘキサヒドロピラゾロ[4,3-c]アゼピン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(1-メチル-1,4,5,6,7,8-ヘキサヒドロピラゾロ[4,3-c]アゼピン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;N,N-ジメチル-3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[4,3-c]アゼピン-5(1H)-カルボキサミド;(5-(2-メトキシエチル)-1,4,5,6,7,8-ヘキサヒドロピラゾロ[4,3-c]アゼピン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;2-メトキシ-1-(3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[4,3-c]アゼピン-5(1H)-イル)エタン-1-オン;3,3,3-トリフルオロ-1-(3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[4,3-c]アゼピン-5(1H)-イル)プロパン-1-オン;(5-(オキセタン-3-イル)-1,4,5,6,7,8-ヘキサヒドロピラゾロ[4,3-c]アゼピン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;tert-ブチル 3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[4,3-c]アゼピン-5(1H)-カルボキシレート;(6-(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-2-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-フルオロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-2-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-(ピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-2-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-シクロプロピルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-2-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-メトキシイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-2-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-2-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-クロロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-2-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-2-イル(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-クロロ-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-2-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(4-(5-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)メタノン;(4-(3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(6-(2-メトキシエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)メタノン;6-メチル-2-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)ピリミジン-4-カルボン酸;メチル 6-メチル-2-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)ピリミジン-4-カルボキシレート;N-(シクロプロピルスルファニル)-2-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)ベンズアミド;N-(フェニルスルファニル)-2-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)ベンズアミド;N-(メチルスルファニル)-2-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)ベンズアミド;3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)ベンズアミド;2-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)ベンズアミド;4-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)安息香酸;3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)安息香酸;2-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)安息香酸;4-(4-(2-(tert-ブチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)安息香酸;2-(4-(2-(tert-ブチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)安息香酸;3-(4-(2-(tert-ブチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)安息香酸;4-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)ベンズアミド;1-(3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4,7-ジヒドロイソチアゾロ[5,4-c]ピリジン-6(5H)-イル)エタン-1-オン;(4,5,6,7-テトラヒドロイソチアゾロ[5,4-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(4,5,6,7-テトラヒドロイソチアゾロ[4,5-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;1-(3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-6,7-ジヒドロイソキサゾロ[4,5-c]ピリジン-5(4H)-イル)エタン-1-オン;1-(3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4,7-ジヒドロイソキサゾロ[5,4-c]ピリジン-6(5H)-イル)エタン-1-オン;(4,5,6,7-テトラヒドロイソキサゾロ[4,5-c]ピリジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;ベンゾ[c]イソチアゾール-3-イル(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;ベンゾ[d]チアゾール-2-イル(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;ベンゾ[d]イソキサゾール-3-イル(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;1-(3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-6,7-ジヒドロイソチアゾロ[4,5-c]ピリジン-5(4H)-イル)エタン-1-オン;ベンゾ[d]オキサゾール-2-イル(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(3-メチルオキセタン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;オキセタン-3-イル(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;2-(2-ヒドロキシフェニル)-1-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)エタン-1-オン;(4-(2-(tert-ブチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(テトラヒドロチオフェン-2-イル)メタノン;rac-tert-ブチル(2R,3R)-2-(4-(2-(tert-ブチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-3-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレート;rac-tert-ブチル(2R,4R)-2-(4-(2-(tert-ブチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレート2-(2-オキソ-2-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)エチル)フェニルスルファメート;(4-(2-(tert-ブチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)(1,1-ジオキシドテトラヒドロチオフェン-2-イル)メタノン;rac-(4-(2-(tert-ブチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)((2R,3R)-3-ヒドロキシピロリジン-2-イル)メタノン;rac-(4-(2-(tert-ブチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)((2R,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-2-イル)メタノン;rac-(R)-1-(2-(4-(2-(tert-ブチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボニル)ピロリジン-1-イル)エタン-1-オン;(6-ブロモ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-モルホリノ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-(1H-イミダゾール-1-イル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-クロロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-フルオロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-メチル-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-メトキシ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-クロロ-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)(4-(2-(トリフル
オロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-クロロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-モルホリノ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-(1H-イミダゾール-1-イル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(1-メチル-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(5-メトキシ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-フルオロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-2-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-メチル-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(1H-インドール-2-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-2-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(1H-ピラゾール-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;ピラジン-2-イル(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-メトキシピリダジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-メチルピリダジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(4-メチル-1,2,3-チアジアゾール-5-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;(6-クロロピリダジン-3-イル)(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;ピリダジン-3-イル(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;ピリダジン-4-イル(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)メタノン;4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボン酸;または3-オキソ-3-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)プロパン酸である。
【0183】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、式(II)
【0184】
【化30】
の構造、またはその薬学的に許容可能な塩を有する、加齢黄斑変性を処置する際に使用するためのRBP4阻害剤、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体について記載しており、
式中、
環Aは、任意選択でさらに置換されたベンゼンであり、
は、任意選択で置換された分岐状のCアルキル基であり、
は、O、S、SO、SO、またはNHであり、
は、結合またはC-Cアルキレン基であり、
環Bは、アゼチジン、ピロリジン、またはピペリジンであり、
は、COまたはSOであり、
は、置換基である。
【0185】
いくつか実施形態では、式(II)の化合物は、構造:
【0186】
【化31】
、またはその薬学的に許容可能な塩を有し、
式中、
環Aは、任意選択でさらに置換されたベンゼンであり、
は、任意選択で置換された分岐状のC-Cアルキル基であり、
は、O、S、SO、SO、またはNHであり、
は、結合またはC-Cアルキレン基であり、
環Bは、アゼチジンまたはピペリジンであり、
は、COまたはSOであり、
は、任意選択で置換された炭化水素基、任意選択で置換された複素環基、任意選択で置換されたヒドロキシ基、任意選択で置換されたメルカプト基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、またはハロゲン原子である。
【0187】
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、4-(3-(2-tert-ブチルフェノキシ)アゼチジン-1-イル)-4-オキソ酪酸、3-{3-[(2-tert-ブチル-4-フルオロフェノキシ)メチル]アゼチジン-1-イル}-3-オキソプロパン酸、2-{[3-(2-tert-ブチル-4-クロロフェノキシ)アゼチジン-1-イル]カルボニル}ピリジン、4-[3-(2-tert-ブチル-4-クロロフェノキシ)アゼチジン-1-イル]-4-オキソ酪酸、{3-[(2-tert-ブチル-4-クロロフェノキシ)メチル]アゼチジン-1-イル}(オキソ)酢酸、{3-[(2-tert-ブチルフェノキシ)メチル]アゼチジン-1-イル}(オキソ)酢酸、3-{3-[(2-tert-ブチルフェノキシ)メチル]アゼチジン-1-イル}-3-オキソプロパン酸、{4-[(2-tert-ブチル-4-クロロフェノキシ)メチル]ピペリジン-1-イル}(オキソ)酢酸、[4-(2-tert-ブチルフェノキシ)ピペリジン-1-イル](オキソ)酢酸、もしくは{4-[(2-tert-ブチルフェノキシ)メチル]ピペリジン-1-イル}(オキソ)酢酸、またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0188】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、式(III)
【0189】
【化32】
の構造、またはその薬学的に許容可能な塩を有する、加齢黄斑変性を処置する際に使用するためのRBP4阻害剤、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体について記載しており、
式中、
環Aは、任意選択でさらに置換されたベンゼン環であり、
環Bは、任意選択でさらに置換されたピペラジン環であり、
は、置換基である。
【0190】
いくつか実施形態では、式(III)の化合物は、構造:
【0191】
【化33】
、またはその薬学的に許容可能な塩を有し、
式中、
環Aは、(a)ハロゲン原子および(b)Cアルキル基からなる群から選択される1~3個の置換基により任意選択で置換されたベンゼン環であり、
環Bは、(a)ハロゲン原子、(b)1~3個のハロゲン原子により任意選択で置換されたC-Cアルキル基、および(c)1~3個のハロゲン原子により任意選択で置換されたC-Cアルコキシ基からなる群から選択される1~3個の置換基により任意選択で置換されたピペラジン環であり、
は、(1)任意選択で置換されたC-C10アルキル基、(2)任意選択で置換されたC-C14アリール基、(3)任意選択で置換された5員または6員の芳香族複素環基、(4)任意選択で置換されたアミノ基、(5)任意選択で置換されたカルボキシ基、または(6)任意選択で置換されたカルバモイル基である。
【0192】
いくつか実施形態では、式(III)の化合物は、N-{[4-(2-tert-ブチルフェニル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}グリシン、3-[4-(2-tert-ブチルフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-オキソプロパン酸、[4-(2-tert-ブチル-4-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル](オキソ)酢酸、5-{2-[4-(2-tert-ブチルフェニル)ピペラジン-1-イル]-2-オキソエチル}イミダゾリジン-2,4-ジオン、[(5-{[4-(2-tert-ブチルフェニル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}イソオキサゾール-3-イル)オキシ]酢酸、またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0193】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、式(IV)
【0194】
【化34】
の構造、またはその薬学的に許容可能な塩を有する、加齢黄斑変性を処置する際に使用するためのRBP4阻害剤、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体について記載しており、
式中、
環Aは、1個の置換基により任意選択でさらに置換された5員の非芳香族複素環であり、
環Bは、任意選択でさらに置換されたベンゼン環であり、
は、結合、O、CHO、OCH、CH、(CH、S、CHS、SCH、S(O)、CHS(O)、S(O)CH、S(O)、CHS(O)、またはS(O)CHである。
【0195】
いくつか実施形態では、式(IV)の化合物は、構造:
【0196】
【化35】
、またはその薬学的に許容可能な塩を有し、
式中、
環Aは、1個のオキソ基により任意選択でさらに置換された5員の非芳香族複素環であり、
環Bは、1~4個の置換基により任意選択でさらに置換されたベンゼン環であり、
は、O、CHO、OCH、CH、(CH、S、CHS、SCH、S(O)、CHS(O)、S(O)CH、S(O)、CHS(O)、またはS(O)CHである。
【0197】
いくつか実施形態では、式(IV)の化合物は、({(3S)-1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピロリジン-3-イル}オキシ)酢酸、({1-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]ピロリジン-3-イル}スルファニル)酢酸、3-{(2R、5S)-5-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロフラン-2-イル}プロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0198】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、式(V)
【0199】
【化36】
の構造、またはその薬学的に許容可能な塩を有する、加齢黄斑変性を処置する際に使用するためのRBP4阻害剤、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体について記載しており、
式中、
環Aは、任意選択でさらに置換された単環式の窒素含有芳香族複素環であり、
は、CHまたはOであり、
は、水素原子またはCアルキル基である。
【0200】
いくつか実施形態では、式(V)の化合物は、構造:
【0201】
【化37】
、またはその薬学的に許容可能な塩を有し、
式中、
環Aは、ピラゾール環、ピリジン環、オキサゾール環、イミダゾール環、またはピリミジン環であり、
は、S、任意選択で置換されたアルキレン、またはOであり、
は、水素原子またはC-Cアルキル基である。
【0202】
いくつか実施形態では、式(V)の化合物は、((4-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)-1,3-オキサゾール-2-イル)スルファニル)酢酸、エチル((6-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)-ピリジン-3-イル)スルファニル)酢酸、((6-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)-フェニル)ピリジン-3-イル)スルファニル)酢酸、または3-(3-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-ピラゾール-1-イル)ブタン酸である。
【0203】
いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤は、表Bに提示されるRBP4阻害剤である。
【0204】
【表2-1】
【0205】
【表2-2】
【0206】
【表2-3】
【0207】
【表2-4】
【0208】
化合物の調製
本明細書で記載される化学反応で使用される化合物は、市販の化学物質および/または化学的な文献に記載される化合物から始まる、当業者に既知の有機合成技術によって作られる。「市販の化学物質」は、Acros Organics(Pittsburgh,PA),Aldrich Chemical(Milwaukee,WI,including Sigma Chemical and Fluka),Apin Chemicals Ltd.(Milton Park,UK),Avocado Research(Lancashire,U.K.),BDH Inc.(Toronto,Canada),Bionet(Cornwall,U.K.),Chemservice Inc.(West Chester,PA),Crescent Chemical Co.(Hauppauge,NY),Eastman Organic Chemicals,Eastman Kodak Company(Rochester,NY),Fisher Scientific Co.(Pittsburgh,PA),Fisons Chemicals(Leicestershire,UK),Frontier Scientific(Logan,UT),ICN Biomedicals,Inc.(Costa Mesa,CA),Key Organics(Cornwall,U.K.),Lancaster Synthesis(Windham,NH),Maybridge Chemical Co. Ltd.(Cornwall,U.K.),Parish Chemical Co.(Orem,UT),Pfaltz & Bauer,Inc.(Waterbury,CN),Polyorganix(Houston,TX),Pierce Chemical Co.(Rockford,IL),Riedel de Haen AG(Hanover,Germany),Spectrum Quality Product,Inc.(New Brunswick,NJ),TCI America(Portland,OR),Trans World Chemicals,Inc.(Rockville,MD)、およびWako Chemicals USA,Inc.(Richmond,VA)を含む、標準的な商用源から得られる。
【0209】
本明細書に記載される化合物の調製に有用な反応物の合成を詳述し、または、その調製について記載する記事に対する言及を提供する、適切な参考図書や論説は、例えば、“Synthetic Organic Chemistry”, John Wiley & Sons, Inc., New York; S. R. Sandler et al., “Organic Functional Group Preparations,” 2nd Ed., Academic Press, New York, 1983; H. O. House, “Modern Synthetic Reactions”, 2nd Ed., W. A. Benjamin, Inc. Menlo Park, Calif. 1972; T. L. Gilchrist, “Heterocyclic Chemistry”, 2nd Ed., John Wiley & Sons, New York, 1992; J. March, “Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms and Structure”, 4th Ed., Wiley Interscience, New York, 1992.を含む。本明細書に記載される化合物の調製に有用な反応物の合成を詳述するか、または調製について記載する記事を参照する、追加の適切な参考文献および論文は、例えば、Fuhrhop,J. and Penzlin G.“Organic Synthesis:Concepts, Methods, Starting Materials”,Second,Revised and Enlarged Edition(1994) John Wiley & Sons ISBN:3527-29074-5;Hoffman,R.V.“Organic Chemistry, An Intermediate Text”(1996)Oxford University Press,ISBN 0-19-509618-5;Larock,R.C.“Comprehensive Organic Transformations: A Guide to Functional Group Preparations”2nd Edition(1999)Wiley-VCH,ISBN:0-471-19031-4;March,J.“Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure”4th Edition(1992)John Wiley & Sons,ISBN:0-471-60180-2;Otera,J.(editor)“Modern Carbonyl Chemistry”(2000)Wiley-VCH,ISBN:3-527-29871-1;Patai,S.“Patai’s 1992 Guide to the Chemistry of Functional Groups”(1992) Interscience ISBN:0-471-93022-9;Solomons,T.W.G.“Organic Chemistry”7th Edition(2000)John Wiley & Sons,ISBN:0-471-19095-0;Stowell, J.C.,“Intermediate Organic Chemistry”2nd Edition(1993)Wiley-Interscience,ISBN:0-471-57456-2;8巻にわたる“Industrial Organic Chemicals: Starting Materials and Intermediates: An Ullmann’s Encyclopedia”(1999)John Wiley & Sons,ISBN:3-527-29645-X;55巻にわたる“Organic Reactions”(1942-2000)John Wiley & Sons;および、73巻にわたる“Chemistry of Functional Groups”John Wiley & Sonsを含む。
【0210】
代替的に、特定の類似した反応物は、ほとんどの公立図書館や大学の図書館で、および、オンラインデータサービスを介して入手可能である米国化学学会のChemical Abstract Serviceによって調製される既知の化学製品の指標によって識別される(詳細については、ワシントンDCの米国化学学会にお問い合わせください)。知られてはいるがカタログで販売されていない化学製品は、特注の化学合成会社(custom chemical synthesis houses)によって随意に調製され、標準的な薬品供給会社(例えば、上に列挙した会社)の多くは特注合成サービスを提供している。本明細書に記載される複素環RBP4阻害化合物の製薬塩の調製と選択のための基準は、P.H.Stahl & C. G. Wermuth “Handbook of Pharmaceutical Salts”, Verlag Helvetica Chimica Acta, Zurich, 2002にある。
【0211】
レチノール結合タンパク質4(RBP4)
血中の唯一のレチノール輸送体であるレチノール結合タンパク質4(RBP4)は、脂肪細胞および肝臓から分泌される。RBP4のレベルを下げると、加齢黄斑変性または乾燥(萎縮)型加齢黄斑変性などの疾患において視力低下につながるリポフシンの蓄積を低減することになり得る。いくつかの事例では、RBP4を低下させることは、網膜におけるリポフスチンの蓄積を減少させる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物および製剤は、血清または血漿RBP4を低下させ、したがって、網膜におけるリポフスチンの過剰蓄積による視力低下を遅延または停止させる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物および製剤は、血清または血漿RBP4を低下させ、したがって、加齢黄斑変性による視力低下を遅延または停止させる。
【0212】
いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から48時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも30%低下する。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から48時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも40%低下する。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から48時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも50%低下する。他の実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から48時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも65%低下する。ある特定の実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から48時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも80%低下する。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から48時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも85%低下する。
【0213】
いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から36時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも30%低下する。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から36時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも40%低下する。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から36時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも50%低下する。他の実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から36時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも65%低下する。ある特定の実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から36時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも80%低下する。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から36時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも85%低下する。
【0214】
いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から24時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも30%低下する。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から24時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも40%低下する。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から24時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも50%低下する。他の実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から24時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも65%低下する。ある特定の実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から24時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも80%低下する。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から24時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも85%低下する。
【0215】
いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から12時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも30%低下する。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から12時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも40%低下する。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から12時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも50%低下する。他の実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から12時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも65%低下する。ある特定の実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から12時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも80%低下する。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から12時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも85%低下する。
【0216】
いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から6時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも20%低下する。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から6時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも25%低下する。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から6時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも30%低下する。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から6時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも40%低下する。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から6時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも50%低下する。他の実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から6時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも65%低下する。ある特定の実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から6時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも80%低下する。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から6時間後に、RBP4の血清または血漿レベルがベースラインから少なくとも85%低下する。
【0217】
いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から48時間後に、RBP4の血清または血漿レベルが少なくとも1mg/dL低下する。他の実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から48時間後に、RBP4の血清または血漿レベルが少なくとも2mg/dL低下する。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から48時間後に、RBP4の血清または血漿レベルが少なくとも5mg/dL低下する。ある特定の実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から48時間後に、RBP4の血清または血漿レベルが少なくとも10mg/dL低下する。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から48時間後に、RBP4の血清または血漿レベルが少なくとも15mg/dL低下する。
【0218】
いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から36時間後に、RBP4の血清または血漿レベルが少なくとも1mg/dL低下する。他の実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から36時間後に、RBP4の血清または血漿レベルが少なくとも2mg/dL低下する。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から36時間後に、RBP4の血清または血漿レベルが少なくとも5mg/dL低下する。ある特定の実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から36時間後に、RBP4の血清または血漿レベルが少なくとも10mg/dL低下する。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から36時間後に、RBP4の血清または血漿レベルが少なくとも15mg/dL低下する。
【0219】
いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から24時間後に、RBP4の血清または血漿レベルが少なくとも1mg/dL低下する。他の実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から24時間後に、RBP4の血清または血漿レベルが少なくとも2mg/dL低下する。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から24時間後に、RBP4の血清または血漿レベルが少なくとも5mg/dL低下する。ある特定の実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から24時間後に、RBP4の血清または血漿レベルが少なくとも10mg/dL低下する。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から24時間後に、RBP4の血清または血漿レベルが少なくとも15mg/dL低下する。
【0220】
いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から12時間後に、RBP4の血清または血漿レベルが少なくとも1mg/dL低下する。他の実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から12時間後に、RBP4の血清または血漿レベルが少なくとも2mg/dL低下する。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から12時間後に、RBP4の血清または血漿レベルが少なくとも5mg/dL低下する。ある特定の実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から12時間後に、RBP4の血清または血漿レベルが少なくとも10mg/dL低下する。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から12時間後に、RBP4の血清または血漿レベルが少なくとも15mg/dL低下する。
【0221】
いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から6時間後に、RBP4の血清または血漿レベルが少なくとも1mg/dL低下する。他の実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から6時間後に、RBP4の血清または血漿レベルが少なくとも2mg/dL低下する。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から6時間後に、RBP4の血清または血漿レベルが少なくとも5mg/dL低下する。ある特定の実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から6時間後に、RBP4の血清または血漿レベルが少なくとも10mg/dL低下する。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体の投与から6時間後に、RBP4の血清または血漿レベルが少なくとも15mg/dL低下する。
【0222】
処置方法
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、必要としている対象に投与された場合、加齢黄斑変性など、RBP4経路の変化に関連する疾患を処置または改善するために使用される。場合によっては、本明細書に開示される化合物は、必要としている対象に投与された場合、加齢黄斑変性など、RBP4経路の変化に関連する疾患の影響を処置または改善するために使用される。
【0223】
加齢黄斑変性
加齢黄斑変性(AMD)は、一般的な眼の疾病であり、50歳以上の人の視力低下の主な原因である。AMDは、網膜の中心付近にある小さな点であり、かつ、鮮明な中心視に必要な眼の部分である黄斑に損傷を与える。AMDが進行すると、視界の中心付近にぼやけた領域ができるのが一般的な症状である。時間の経過とともに、ぼやけた領域は大きくなり、対象の中心視に空白の点が生じることがある。
【0224】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態では、必要としている対象におけるAMDを処置するための本明細書で記載されるRBP4阻害剤の使用について記載している。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤は、AMDを阻害する。ある特定の実施形態では、RBP4阻害剤は、AMDまたはその臨床症状の発症を阻止する。ある特定の実施形態では、RBP4阻害剤は、AMDまたはその臨床症状の発症を軽減する。ある特定の実施形態では、RBP4阻害剤は、AMDの対象を緩和する。ある特定の実施形態では、RBP4阻害剤は、AMDを退行、逆転、または改善させる。ある特定の実施形態では、RBP4阻害剤は、AMDの臨床症状の数、頻度、期間、または重症度を軽減する。
【0225】
いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤は、予防的に使用される。ある特定の実施形態では、RBP4阻害剤は、AMDを発症するリスクを予防または軽減するために使用される。ある特定の実施形態では、RBP4阻害剤は、AMDの素因を有してもよいが、まだAMDの症状を経験または表示していない対象において、AMDの臨床症状を発症させないようにする。
【0226】
乾燥(萎縮)型加齢黄斑変性
黄斑変性の症例のおよそ85%~90%は、「乾燥」(萎縮)型である。世界で6290万の個人がAMDのこの形態を有していると推測され、そのうちの800万人はアメリカ人である。平均寿命と現在の人口統計の増加により、この数は2020年までに3倍なることが予想されている。現在、乾燥型AMDのためのFDAにより認可された処置は存在しない。処置の不足と高い有病率のために、乾燥型AMDのための薬物の開発は極めて重要である。臨床的に、萎縮型AMDは、特殊なニューロン(桿体光受容体および錐体光受容体)が黄斑と呼ばれる網膜の中央部位で死ぬ、ゆっくりと進行する神経変性疾患を表す。組織病理学的および臨床的画像試験では、光受容体の下に位置し、これらの光感知ニューロンの細胞への重大な代謝性のサポートをもたらす網膜色素上皮(RPE)中の異常によって、乾燥型AMDにおける光受容体の変性が引き起こされることが示される。実験および臨床データは、RPE中の細胞毒性の自家蛍光脂質タンパク質レチノイド凝集塊(リポフスチン)の過剰蓄積が乾燥型AMDの主要なトリガーであることを示している。RPEリポフスチンの主要な細胞毒性の成分は、ピリジニウムビスレチノイド(pyridinium bisretinoid)A2Eである。さらなる細胞毒性のビスレチノイドは、isoA2E、atRAL di-PE、およびA2-DHP-PEである。A2-DHP-PE(A2-ジヒドロピリジン-ホスファチジルエタノールアミン)およびatRALdi-PE(オール-トランス-レチナール二量体-ホスファチジルエタノールアミン)などのA2Eおよび他のリポフスチンビスレチノイドの形成は、非酵素学的な様式で光受容細胞中で始まり、適切に機能する視覚サイクルの副産物と見なすことができる。
【0227】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態では、必要としている対象における乾燥(萎縮)型AMDを処置するための本明細書で記載されるRBP4阻害剤の使用について記載している。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤は、乾燥(萎縮)型AMDを阻害する。ある特定の実施形態では、RBP4阻害剤は、乾燥(萎縮)型AMDまたはその臨床症状の発症を阻止する。ある特定の実施形態では、RBP4阻害剤は、乾燥(萎縮)型AMDまたはその臨床症状の発症を軽減する。ある特定の実施形態では、RBP4阻害剤は、乾燥(萎縮)型AMDの対象を緩和する。ある特定の実施形態では、RBP4阻害剤は、乾燥(萎縮)型AMDを退行、逆転、または改善させる。ある特定の実施形態では、RBP4阻害剤は、乾燥(萎縮)型AMDの臨床症状の数、頻度、期間、または重症度を軽減する。
【0228】
いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤は、予防的に使用される。ある特定の実施形態では、RBP4阻害剤は、乾燥(萎縮)型AMDを発症するリスクを予防または軽減するために使用される。ある特定の実施形態では、RBP4阻害剤は、乾燥(萎縮)型AMDの素因を有してもよいが、まだ乾燥(萎縮)型AMDの症状を経験または表示していない対象において、乾燥(萎縮)型AMDの臨床症状を発症させないようにする。
【0229】
医薬組成物
ある実施形態では、本明細書に記載されるRBP4阻害化合物は、純粋な化学薬品として投与される。他の実施形態では、本明細書に記載されるRBP4阻害化合物は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(Gennaro,21st Ed.Mack Pub.Co.,Easton,PA(2005))に記載されるように選択される投与経路および標準の薬務に基づいて選択される、薬学的に適切または許容可能な担体(本明細書では、薬学的に適切な(もしくは許容可能な)賦形剤、生理学的に適切な(もしくは許容可能な)賦形剤、または生理学的に適切な(もしくは許容可能な)担体とも呼ばれる)と組み合わされる。
【0230】
本明細書では、1つ以上の薬学的に許容可能な担体とともに、少なくとも1つのRBP4阻害化合物、またはその立体異性体、薬学的に許容可能な塩もしくはN-オキシドを含む、医薬組成物が提供される。担体(または賦形剤)は、組成物の他の成分と適合性があり、組成物のレシピエント(すなわち、対象または患者)に対して有害でない場合に、許容可能であるか、または適切である。
【0231】
一実施形態は、RBP4阻害剤、またはその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。一実施形態では、医薬組成物は、経口投与用の剤形で提供され、これは、本明細書で提供される化合物と、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤または担体とを含む。
【0232】
ある特定の実施形態では、RBP4阻害化合物は、例えば、合成方法の工程の1つ以上で生成される未反応の中間体または合成副産物などの他の有機小分子の約5%未満、または約1%未満、または約0.1%未満を含有しているという点で、実質的に純粋である。
【0233】
経口用の適切な剤形として、例えば、錠剤、丸剤、小袋、またはハードもしくはソフトなゼラチン、メチルセルロース、または消化管に溶けやすい別の適切な材料のカプセルが挙げられる。いくつかの実施形態では、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウムサッカリン、タルカム、セルロース、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウムなどを含む適切な無毒な固体担体が使用される。(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(Gennaro,21st Ed.Mack Pub.Co.,Easton,PA(2005)を参照されたい。)
【0234】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、錠剤、カプセル、粉末、または液体の形態での経口投与のために製剤化される。いくつかの実施形態では、錠剤は、固体担体またはアジュバントを含む。液体の医薬組成物は通常、水、石油、動物油もしくは植物油、鉱油、または合成石油などの液体担体を含む。いくつかの実施形態では、生理食塩液、デキストロースもしくは他のサッカライド溶液、またはグリコールが任意選択で含まれる。いくつかの実施形態では、カプセルは、ゼラチンなどの固体担体を含む。
【0235】
別の実施形態では、医薬組成物は、非経口投与用の剤形で提供され、これは、本明細書で提供される化合物と、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤または担体とを含む。医薬組成物が静脈内、皮膚、または皮下注射のために製剤化される場合、有効成分は、発熱物質を含まずに、適切なpH、等張性、および安定性を有する、非経口的に許容可能な水溶液の形態である。当業者は、例えば、塩化ナトリウム注入、リンガー液注入、または乳酸加ゲル液注入などの等張のビヒクルを使用して、適切な溶液を十分に調製することができる。いくつかの実施形態では、防腐剤、安定化剤、緩衝液、抗酸化剤、および/または他の添加剤が含まれる。
【0236】
さらに別の実施形態では、医薬組成物は、局所投与用の剤形で提供され、これは、本明細書で提供される化合物と、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤または担体とを含む。
【0237】
投与方法および治療レジメン
本明細書に記載される少なくとも1つのRBP4阻害化合物を含む組成物の用量は、患者の状態、すなわち、疾患の段階、一般的な健康状態、年齢、および他の要因に応じて異なる。
【0238】
医薬組成物は、処置される(または、予防される)べき疾患に適切な方法で投与される。適切な用量ならびに投与の好適な持続時間および頻度は、患者の状態、患者の疾患の種類および重症度、有効成分の特定の形態、ならびに投与方法などの要因によって決定される。一般に、適切な用量および治療レジメンは、治療的利益および/または予防的利益(例えば、臨床成果の改善)、または症状の重症度の軽減をもたらすのに十分な量の組成物を提供する。最適用量は一般に、実験モデルおよび/または臨床試験を使用して決定される。最適用量は、患者の体型、体重、または血液量に依存する。
【0239】
一実施形態では、本明細書に記載される化合物またはその薬学的に許容可能な塩は、開示される化合物のうちのいずれか1つの投与から利益を得ることになる哺乳動物における、疾患または疾病の処置用の薬物の調製に使用される。こうした処置を必要としている哺乳動物において本明細書に記載される疾患または疾病のいずれかを処置するための方法は、本明細書に記載される少なくとも1つの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、活性代謝物、プロドラッグ、もしくは薬学的に許容可能な溶媒和物を含む医薬組成物を、治療上有効な量で哺乳動物に投与する工程を含む。
【0240】
ある実施形態では、本明細書に記載される化合物を含む組成物は、予防的および/または治療的な処置のために投与される。ある治療用途では、組成物は、疾患または疾病の症状の少なくとも1つを治癒するか、または少なくとも部分的に阻止するのに十分な量で、疾患または疾病に既に苦しんでいる患者に投与される。この使用に有効な量は、疾患または疾病の重症度および経過、以前の治療、患者の健康状態、体重、および薬物に対する反応、ならびに処置する医師の判断に依存する。治療上有効な量は、限定されないが、用量漸増および/または用量範囲探索の臨床試験を含む方法によって任意選択で判定される。
【0241】
予防的用途では、本明細書に記載される化合物を含む組成物は、特定の疾患、障害、または疾病になりやすい、あるいはそのリスクがある患者に投与される。こうした量は、「予防上有効な量または投与量」であると定義される。この使用では、正確な量は、患者の健康状態、体重などによっても変わる。患者に使用される場合、この使用のための有効な量は、疾患、障害、または疾病の重症度および経過、以前の治療、患者の健康状態および薬物への応答、ならびに処置する医師の判断に依存する。一態様では、予防処置は、疾患または疾病の症状の再発を防ぐために、処置されている疾患の少なくとも1つの症状を以前に経験し、現在寛解期にある哺乳動物に、本明細書に記載される化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を投与する工程を含む。
【0242】
患者の状態が改善しない特定の実施形態では、医師の裁量で、化合物の投与は、患者の疾患または疾病の症状を改善するか、あるいはその他の方法で抑制または制限するために、慢性的に、すなわち、患者の一生涯を含む長期間にわたって投与される。
【0243】
経口用量は典型的に、1日当たり1~4回またはそれ以上、約1.0mg~約1000mgの範囲である。しかし、一般的には、成人の処置に用いられる用量は典型的に、1日当たり0.01mg~5000mgの範囲である。一態様では、成人の処置に用いられる投与量は、1日当たり約1mg~約1000mgである。一実施形態では、所望の投与量は、単回投与で、あるいは、同時にまたは適切な間隔で投与される分割投与で、例えば、1日当たり2、3、4回またはそれ以上のサブ用量として、都合よく提供される。
【0244】
一実施形態では、本明細書に記載される化合物またはその薬学的に許容可能な塩に適切な一日の投与量は、体重1kg当たり約0.01~約50mgである。いくつかの実施形態では、剤形中の有効成分の一日の投与量または有効量は、個々の処置レジメンに関する多くの変数に基づいて、本明細書に示される範囲より少なくなるか、または多くなる。様々な実施形態では、一日の投与量および単位用量は、限定されないが、使用される化合物の活性、処置される疾患または疾病、投与の様式、個々の対象の必要条件、処置されている疾患または疾病の重症度、および医師の判断を含む、多くの変数に応じて変更される。
【0245】
いったん患者の状態が改善すると、必要に応じて維持量が投与される。続いて、特定の実施形態では、投与の用量または頻度、またはその両方は、症状に応じて、改善された疾患、障害、または疾病が保持されるレベルまで減らされる。しかし、ある特定の実施形態では、患者は、症状が再発すると、長期間にわたって断続的な処置を必要とする。
【0246】
こうした治療レジメンの毒性および治療の有効性は、限定されないが、LD50とED50の決定を含む、細胞培養または実験動物における標準的な製薬手順によって決定される。毒性と治療効果との間の用量比が治療指数であり、これは、LD50とED50との間の比として表される。ある特定の実施形態では、細胞培養アッセイと動物研究から得られたデータは、ヒトを含む哺乳動物で使用するための治療上有効な一日の投与量範囲および/または治療上有効な単位用量の製剤で使用される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物の一日の投与量は、最小の毒性のED50を含む血中濃度の範囲内にある。ある特定の実施形態では、一日の投与量範囲および/または単位用量は、使用される剤形および利用される投与経路に応じて、この範囲内で変動する。
【0247】
前述の態様のいずれかでは、さらなる実施形態では、本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩の有効な量は、(a)哺乳動物に全身に投与されるか、および/または、(b)哺乳動物に経口投与されるか、および/または、(c)哺乳動物に静脈内投与されるか、および/または、(d)哺乳動物に注射によって投与されるか、および/または、(e)哺乳動物に局所的に投与されるか、および/または、(f)哺乳動物に非全身的または局所的に投与される、さらなる実施形態がある。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体は、必要としている対象に経口または非経口投与される。本明細書で使用される場合、非経口投与として、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑液内、膀胱内、および皮下投与が挙げられる。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体は、必要としている対象に経口または静脈内投与される。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体は、必要としている対象に経口投与される。いくつかの実施形態では、RBP4阻害剤、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体は、必要としている対象に静脈内投与される。
【0248】
前述の態様のいずれかでは、有効な量の化合物の単回投与を含むさらなる実施形態があり、(i)化合物が1日1回投与されるか、または(ii)化合物が、哺乳動物に1日にわたって複数回、例えば、1日2回、3回、4回、またはそれ以上投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるRBP4阻害化合物は、毎日、一日おきに、一日おきに週3日、2週ごとに、3週ごとに、4週ごとに、5週ごとに、3日おきに、4日おきに、5日おきに、6日おきに、毎週、隔週、週に3回、週に4回、週に5回、週に6回、月に1回、月に2回、月に3回、2ヶ月ごとに1回、3ヶ月ごとに1回、4ヶ月ごとに1回、5ヶ月ごとに1回、または6ヶ月ごとに1回、投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるRBP4阻害化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ、代謝産物、N-オキシド、立体異性体もしくは異性体は、毎日投与される。
【0249】
前述の態様のいずれかでは、有効な量の化合物の複数回投与を含むさらなる実施形態があり、(i)化合物が継続的にあるいは断続的に、単回投与などで投与されるか、(ii)複数回投与の間隔が3時間ごとであるか、(iii)複数回投与の間隔が6時間ごとであるか、(iv)化合物が8時間ごとに哺乳動物に投与されるか、(v)化合物が12時間ごとに哺乳動物に投与されるか、(vi)化合物が24時間ごとに哺乳動物に投与される、さらなる実施形態を含む。
【0250】
患者の状態が改善するある特定の実施形態では、投与されている薬物の用量は、一時的に減らされるか、または一定の期間にわたり一時的に止められる(例えば、「休薬日」)。特定の実施形態では、休薬期間の長さは、ほんの一例として、2日、3日、4日、5日、6日、7日、10日、12日、15日、20日、28日、または28日を超えるなど、2日~1年の間である。休薬期間中の用量の減少は、ほんの一例として、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、および100%を含む、ほんの一例として、10%~100%である。さらなるまたは代替的な実施形態では、方法は、休薬期間を含み、ここで、化合物の投与は一時的に中断されるか、または投与されている化合物の量は、一時的に減らされ、休薬期間の終わりに、化合物の投与が再開される。一実施形態では、休薬期間の長さは、2日~7日で変動する。一実施形態では、休薬期間の長さは、7日である。一実施形態では、休薬期間の長さは、14日である。一実施形態では、休薬期間の長さは、28日である。
【実施例
【0251】
実施例1:加齢黄斑変性におけるバイオマーカー解析
設計。この試験のために健常な被験者およびAMD被験者を募集した。AMD群については、選択基準は、加齢性眼疾患試験(AREDS)研究群によって定義されるように主眼にAMDがあると診断された、50歳を超える被験者とした。健常群については、眼疾患を有さず、糖尿病網膜症早期治療試験(Early Treatment Diabetic Retinopathy Study;ETDRS)による最高矯正視力(BCVA)が20文字である50歳を超える被験者を含むものとした。活動性肝炎、慢性腎疾患を有する被験者、または妊娠女性は、試験から除外した。医療記録から、人口統計学的データ、年齢、身長、体重およびボディマス指数(BMI)、肥満(ウエスト/ヒップ比が男性で0.90超、女性で0.85超、またはBMIが30kg/m2超)、高脂血症(トリグリセリドレベルが150mg/dl超、または高密度リポタンパク質コレステロールが男性で35mg/dl未満、女性で39mg/dl未満)、メタボリックシンドローム、前糖尿病状態、真性糖尿病、高血圧症(血圧が140/90mmHg以上)、心血管疾患、ならびに非アルコール性脂肪性肝疾患および脂肪性肝炎を含む全身疾病を集めた。参加者は全員、同意書に署名した。試験プロトコルは、Chang Gung Medical Foundationの審査委員会の承認を得ており(No.201701197B0)、試験は、ヘルシンキ宣言に準拠して実施した。
【0252】
AMD重症度の等級付け。医療記録からAMD診断時の年齢を集め、AMD疾患期間を診断と試験登録との間の時間として計算した。カラー眼底撮影(nonmyd 8s;興和株式会社、日本、名古屋市)、眼底自発蛍光(Spectralis HRA2;Heidelberg Engineering、ドイツ、ハイデルベルク)、およびスペクトラルドメイン光干渉断層撮影(Spectralis HRA2;Heidelberg Engineering)を使用して、AREDSの定義に従ってAMD重症度を等級付けした。画像は、林口Chang Gung Memorial Hospitalにおいて経験豊富な眼科医(K.-J.C、W.-C.W、Y.-S.H.、H.-D.C.)が分類し、上級眼科医(C.-C.L.)が確認した。簡単に説明すると、AREDSカテゴリー1(C1)は、少数(1~15個)の小型(63μm未満)のドルーゼンがあるか、またはドルーゼンがなく、色素変化がないものとして定義される。AREDSカテゴリー2(C2、早期AMD)は、片眼もしくは両眼に多数の小型のドルーゼンと少数の中型(63~124μm)のドルーゼンがあるか、および/または色素変化があることを特徴とする。AREDSカテゴリー3(C3、中期AMD)は、片眼もしくは両眼に広範囲に及ぶ(軟性が20個あるか、または軟性がなく65個の硬性がある)中型のドルーゼンがあるか、1個の大型(125μm超)のドルーゼンがあるか、および/または黄斑を含まない地図状萎縮があることを特徴とする。AREDSカテゴリー4(C4、進行した片側性AMD)は、片眼に黄斑を含む地図状萎縮を伴う進行した非滲出型からなるか、または脈絡膜血管新生を伴う滲出型からなる。
【0253】
血漿RBP4の測定。試験被験者から末梢静脈血を採取した。試料をバフィーコートと血漿とに当分に分け、解析を行うまで-80℃の冷凍庫で保存した。市販の酵素結合免疫吸着アッセイキット(R&D System、アメリカ合衆国)を使用して血漿RBP4濃度を測定した。市販のヒトRBP4組換えタンパク質(R&D System)と健常人の血清試料とを用いて、アッセイの最大検出レベルおよび最小検出レベルを含む複数の濃度点でアッセイを検証した。このアッセイの検出範囲は0.224~100ng/mlであり、RBP4に関する検証のアッセイ内変動係数およびアッセイ間変動係数はそれぞれ5.25%および4.54%であった。
【0254】
ABCA4変異体の解析。QIAamp DNAミニキット(QIAGEN、オランダ)を使用して、バフィーコート試料からDNA物質を単離した。Illumina(Illumina、アメリカ合衆国)が設計したAmpliSeqカスタムパネルを用いて、MiniSeqでDNA試料の次世代シーケンシングを実施した。配列データを解析し、BaseSpace(Illumina)を使用してバリアントコーリングを実施した。BWA(0.7.13)を使用して参照ゲノムGRCh37/hg19に対してシーケンスアライメントを実施し、samtools(1.3)やPicard(2.1.1)を使用して解析した。gatk(1.6)を使用してバリアントコーリングを実施した。既存の試験に基づいて情報をキュレーションするために、母集団データベースであるdbSNPおよびClinVarを参照し、gnomADおよびTOPMedデータベースから対立遺伝子頻度を得た。PolyPhen-2、PANTHER、およびCondelを含むin silicoアルゴリズムを使用して解析し、報告されていない変異体の機能的効果を予測した。PLINK(1.90)を使用して定量的形質関連モデリングを実施した。
【0255】
統計解析。4つの群の間の臨床変数の差は、カテゴリー変数についてはχ検定で、または連続変数についてはクラスカル・ウォリス検定で解析した。群の間の直接比較は、スチューデントのt検定を使用して行った。連続変数およびカテゴリー変数についてはそれぞれ、単純線形回帰およびロジスティック回帰を使用した。重症度の等級、RBP4、年齢、および関心対象の他の変数の間の関連性は、スピアマン順位相関を使用して解析した。オッズ比(OR)は、中央値不偏推定量を使用して計算した。統計解析はすべて、R(3.6.0)およびRStudio(1.1.442;RStudio Inc、アメリカ合衆国)を用いて実施し、SASソフトウェア(バージョン、SAS Institute Inc.、アメリカ合衆国)を用いて確認した。有意水準は0.05とした。ABCA4の解析の詳細は、前の項目に記載している。
【0256】
コホート特性。2018年3月から2019年5月まで、台湾Chang Gung Memorial Hospital、Linkou Medical Center、眼科部門にて、健常な被験者20名およびAMD(AREDS C2、C3、およびC4)被験者47名を含む合計67名の被験者を募集した。表1に試験コホートの人口統計学的特徴および臨床的特徴を示す。年齢が一致している被験者を登録することが困難であったため、健常群の被験者は3つのAMD群よりも有意に若かった。メタボリックシンドロームは、健常群と比較してAMD群において多く見られた。AREDS C3およびAREDS C4の被験者は、健常対照のRBP4レベル(29.4±7.1μg/ml;それぞれ、P=0.003およびP=0.002)よりも有意に高いRBP4レベル(それぞれ、37.3±8.8および36.1±7.8μg/ml)を有した(図1)。AREDS C2被験者のRBP4レベル(32.1±6.6μg/ml)は、AREDS C3被験者およびC4被験者のRBP4レベルよりも有意に低いわけではなく、AREDS C2被験者は、より重度のAMD重症度を有する被験者と比較してより小型かつより狭い範囲のドルーゼンを示した。
【0257】
【表3】
【0258】
RBP4と重度AMDとの間の関係。年齢、血漿RBP4レベル、BMI、およびAMD診断時の年齢を含む変数とAMD重症度との相関は、スピアマン順位相関を使用して解析した(表2)。AMD重症度は、年齢(ρ=0.68;P<0.0001)に最も有意に関連しており、続いて血漿RBP4レベル(ρ=0.36;P=0.001)、そしてAMD診断時の年齢(ρ=-0.43;P<0.0001)であった。年齢もRPB4レベルと有意に相関していた(ρ=0.44;P<0.001)。
【0259】
【表4】
【0260】
AMD重症度に有意に関連している変数、すなわち、年齢、血漿RBP4レベル、およびAMD診断時の年齢に対して一変量ロジスティック回帰を実施した。年齢(P<0.001)およびRBP4レベル(P=0.017)のみが依然としてAMD重症度に有意に関連していたが、AMD診断時の年齢はもはや有意ではなかった(P=0.057)。
【0261】
本発明者らは、試験コホート中央値(32.69μg/ml)と疾患群中央値(35.96μg/ml)との間の血漿RBP4レベルを調査し、AMD重症度を最もよく分別する血漿RBP4レベルの閾値を特定した。33μg/ml、34μg/ml、および35μg/mlの血漿RBP4レベルをカットオフ値として使用した3つのロジスティック回帰モデルをそれぞれ構築した。健常対照を参照として使用した場合は、35μg/ml(P=0.001)の血漿RBP4レベルを使用すると、33μg/ml(P=0.01)または34μg/ml(P=0.04)を使用するよりも良好にAREDS C4の被験者を予測することができる。RBP4レベルが35μg/mlより高い被験者は、AREDS C3およびAREDS C4(それぞれOR10.3および6.9)に存在するオッズが有意に高かった(表3)。血漿RBP4レベルが35μg/mlより高い場合の各AREDSカテゴリーのオッズ比。
【0262】
【表5】
【0263】
さらに、健常対照およびAREDS C2被験者をAMDなし/軽度AMD群に、AREDS C3被験者およびC4被験者を重度AMD群に統合し、カットオフ値としてRBP4レベル35μg/mlを使用して、重度AMDについてORを解析した。その結果、AMDなし/軽度AMD群を参照群として使用した場合に、RBP4レベルが35μg/mlより高い被験者が重度AMDを有する可能性がより高く、ORが6.06であることが実証された(95%CI=2.0~18.4;P=0.001)。
【0264】
表4に一変量および多変量ロジスティック回帰モデルの結果を示す。年齢で調整していない重度AMDのオッズは1.26(95%CI=1.13~1.40)であり、血漿RBP4レベルが1μg/ml高くなるにつれて11.6%高くなった。それにもかかわらず、重度AMDを有するオッズは、年齢においてのみ有意であり(OR=1.24;95%CI=1.12~1.39)、血漿RBP4レベルにおいては有意ではなかった(OR=1.04;95%CI=0.95~1.14)。
【0265】
【表6】
【0266】
ABCA4変異とAMD重症度およびRBP4レベルとの関連。変異とAMD疾患状態との間の関連を特定するために、AMD被験者のみを配列決定して、ABCA4の遺伝子変異を検出した。AMD被験者では、ミスセンス変異4つ、イントロンスプライス受容体変異体1つ、および3-プライムUTR変異体1つを含む合計31の変異体が特定された(表5)。変異体の大部分(18/31)は、以前の刊行物と整合性が取れている。これらの変異体の多くは、重度の形態のAMDにおいてのみ見つかった。AMDコホートでは、GnomADやTOPMedデータベースで報告されている対立遺伝子頻度と比較してより高い対立遺伝子頻度で24の変異体が発生した。例えば、ミスセンス変異rs1800549は、AMD患者47名中8名で見つかり、これは、全体的対立遺伝子頻度である0.34%よりも高い頻度である。さらに、被験者16名において、7つの変異体(すなわち、rs4147863、rs2275029、rs1800739、rs4147857、rs4147856、rs1801555、rs1801574)が、これらの変異体のない被験者よりも高いRBP4レベルを有することと関連していることがわかった(37.8±7.7対32.4±7.9μg/ml;P=0.026)。
【0267】
【表7-1】
【0268】
【表7-2】
【0269】
説明。加齢黄斑変性(AMD)は、壮年人口で最もよく見られる眼疾患の1つであり、網膜色素上皮(RPE)層にリポフスチンが存在することを特徴としている。光励起されると、ロドプシンに結合しているオールトランスレチンアルデヒドが放出され、N-レチニリデンホスファチジルエタノールアミン(A2PE)が形成される。A2PEは通常、健康な人において別の光変換反応で再使用されるために処理され、オールトランスレチノールに還元される。しかし、A2PEは年齢とともに徐々に蓄積し、A2PEがA2Eを形成し、A2Eはリポフスチンの成分であり、光受容体やRPE細胞に対して細胞毒性を誘導する。A2Eの毒性を回避するために、潜在的な治療手法として、視覚サイクルを調節することによってA2Eの形成や蓄積を低減することが挙げられる。手法の1つとして、視覚サイクルタンパク質を直接阻害することが挙げられる。代わりに、A2Eの形成は、網膜へのレチノール供給を低減することによって調節することもでき、これは、レチノールの主要な輸送体タンパク質であるRBP4を阻害することによって達成することができる。
【0270】
RBP4は、レチノールに対する単一結合部位を有する21kDaのタンパク質である。RBP4は、主に肝臓で産生されて、レチノールを末梢組織に送達する。RBP4を対象としたこれまでの研究のほとんどは、メタボリックシンドロームおよび心血管疾患の分野のものである。急性虚血性脳卒中の試験により、脳卒中患者は、正常対照と比較して血清RBP4レベルが有意に高いことがわかった(28.9対23.7μg/ml)。小児352名からなる別の10年間の試験により、持続性メタボリックシンドロームを有する小児は、メタボリックシンドロームの徴候を何ら示していない小児のRBP4レベル(32.7μg/ml)よりも有意に高いベースラインRBP4レベル(42.1μg/ml)であることを示した。さらに、本試験では、ベースラインRBP4によって高血糖症、トリグリセリド上昇、血圧上昇、およびインスリン抵抗性が予測された。また、本発明者らの研究コホートは、これらの結果と整合性が取れる同様の傾向を示しており、健常対照では、メタボリックシンドロームを有する者は15%しかおらず、かつ、血漿RBP4レベルが29.4μg/mlと低いのに比べて、AMD群では、メタボリックシンドロームの割合が高く(43%~64%)、かつ、血漿RBP4レベルが高い(32~37.3μg/ml)ことがわかった。
【0271】
RBP4と全身疾病との関連を除き、RBP4と眼疾患との関係についてはそれほど調査しなかった。本発明者らの試験では、RBP4およびAMDを分析し、血漿RBP4レベルとAMD重症度との間に正の関連があることが見出された。本発明者らはまた、重度AMDのオッズが高いことに有意に関連している35μg/mlを血漿RBP4のカットオフ濃度として確立した。しかし、年齢が一致している健常対照を募集することが困難であったため、AMD群と対照群との間で有意な年齢差があった。結果として、年齢とAMD重症度との間の強い相関関係により、RBP4とAMDとの間の相関関係が目立たなくなっていた。それにもかかわらず、本発明者らの結果によると、依然としてRPB4とAMDとの間に正の傾向が見られ、重度AMDのリスクを評価するために血漿RBP4レベルを利用できる可能性や、AMDを管理する際に抗RBP4療法を使用できる可能性が示されている。
【0272】
AMDや、AMDと同様の病態を共有する若年性黄斑症であるシュタルガルト病(STGD)の処置用に、いくつかのRBP4阻害剤が提案されている。この理論は、リポフスチンの蓄積およびその後の網膜ジストロフィーの表現型を再現するABCA4変異を有するトランスジェニックげっ歯類モデルで試験した。このマウスモデルをRBP4阻害剤で処置することで、未処置のマウスと比較してビスレチノイド合成を効果的に50%低下させることができ、かつ、野生型マウスと比較して補体成分3、補体D因子、補体H因子、およびC反応性タンパク質の発現を部分的に回復させた。ビスレチノイドは、A2Eを含むリポフスチン成分の1つであり、補体系および炎症は両方ともAMDに関連しているので、このマウスモデルでは、網膜変性を悪化させるABCA4変異の潜在的な役割が実証された。
【0273】
臨床試験では、非血管新生型AMD患者を処置するために別のRBP4阻害剤、すなわちフェンレチニドを使用した。この2年の無作為化対照試験では、地図状萎縮のみを有するAMD患者246名を、100mgもしくは300mgのフェンレチニドまたはプラセボで処置した。その結果により、特に高用量群において、治療された患者において脈絡膜血管新生発症の発生率が低下したことが示された。さらに、フェンレチニドでの処置後に1μM(約20μg/ml)未満のRBP4レベルを達した患者において、血清RBP4レベルが低いことと、地図状萎縮の進行速度が遅いこととが相関していた。1μM未満の血清RBP4レベルを達した被験者の数が不十分であったため、コホート全体では、地図状萎縮の増殖速度が統計的に有意に遅れることは示されなかったが、RBP4を対象としたさらなる臨床試験を進行中である。
【0274】
この試験では、ABCA4の遺伝子プロファイリングにより、AMD被験者において、特にAREDS C3群およびC4群においてRBP4レベルが35μg/mlを超えていることと関連している6つの変異体が明らかになった。この結果により、重症度が高いAMD患者におけるRBP4レベルの上昇には遺伝的な寄与が存在している可能性があることが示唆される。6つの変異体すべてを有するが、重症度の低いAMD(AREDS C2)としか診断されなかった被験者が2名いた。これら2名の被験者は両者とも、新たにAMDと診断され、高いRBP4レベル(34.3μg/mlおよび43.5μg/ml)を有していた。これら2名の患者は、今後、重症度の高いAMDを発症する可能性が高く、綿密な追跡調査を行うことが提案された。
【0275】
本発明者らの知るところでは、これは、AMD被験者における血漿RBP4レベルや、RBP4レベルとABCA4変異体との間の相関関係を調べた最初の試験である。血漿RBP4の閾値である35μg/mlは、重度AMDと有意に関連しており、遺伝的な根拠を有する可能性がある。このパイロット試験から得た結果により、AMDにおいてRBP4が役割を有しており、特にABCA4遺伝子プロファイリングと組み合わせると、潜在的にバイオマーカーまたは治療標的として機能する可能性があることが示唆された。
【0276】
本発明の好ましい実施形態が本明細書に示され、説明されてきたが、そのような実施形態が単なる例として提供されることは当業者には明らかであろう。当業者であれば、本発明から逸脱することなく多数の変形、変更、および置換を思いつくだろう。本明細書に記載される本発明の実施形態に対する様々な代替案が、本発明を実施する際に用いられ得ることが理解されるべきである。以下の特許請求の範囲は、本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲内の方法および構造、ならびにそれらの同等物は、それによって包含されることが意図されている。
図1
【国際調査報告】