(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】複数のタスキニモド粒子およびその使用
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4704 20060101AFI20240517BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20240517BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20240517BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20240517BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240517BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240517BHJP
A61P 7/00 20060101ALI20240517BHJP
A61P 13/10 20060101ALI20240517BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240517BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20240517BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20240517BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20240517BHJP
A61P 1/18 20060101ALI20240517BHJP
A61P 13/08 20060101ALI20240517BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
A61K31/4704
A61K9/14
A61K9/48
A61K9/20
A61P35/00
A61P35/02
A61P7/00
A61P13/10
A61P17/00
A61P11/00
A61P1/00
A61P15/00
A61P1/18
A61P13/08
A61P13/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570225
(86)(22)【出願日】2022-05-23
(85)【翻訳文提出日】2023-11-13
(86)【国際出願番号】 EP2022063887
(87)【国際公開番号】W WO2022248401
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500493702
【氏名又は名称】アクティブ バイオテック エイビー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100129458
【氏名又は名称】梶田 剛
(72)【発明者】
【氏名】ウェンマン,ハンス
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA31
4C076AA36
4C076AA53
4C076BB01
4C076CC14
4C076CC15
4C076CC16
4C076CC17
4C076CC18
4C076CC27
4C076FF04
4C076FF09
4C076FF33
4C076FF34
4C086AA01
4C086AA10
4C086BC29
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA41
4C086MA52
4C086NA02
4C086NA11
4C086NA14
4C086ZA51
4C086ZA59
4C086ZA66
4C086ZA81
4C086ZA89
4C086ZB26
4C086ZB27
(57)【要約】
遊離塩基形態でのまたは薬学的に許容される塩としてのタスキニモドの複数の粒子であって、前記粒子は、D(v,0.9)が最大でも30μmおよびD(v,0.5)が最大でも15μmである粒子。前記粒子および、好ましくは、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。医薬投与単位。これらの粒子、組成物および投与単位は、がんの治療において有用である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離塩基形態でのまたは薬学的に許容される塩としてのタスキニモドを含む複数の粒子であって、D(v,0.9)が最大でも30μmであり、D(v,0.5)が最大でも15μmである、粒子。
【請求項2】
D(v,0.9)が最大でも25μmであり、D(v,0.5)が2μm~9μmの範囲である、請求項1に記載の複数の粒子。
【請求項3】
D(v,0.5)が、3~7μmの範囲である、請求項1または2に記載の複数の粒子。
【請求項4】
療法における使用のための、請求項1から3のいずれか一項に記載の複数の粒子。
【請求項5】
請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の複数の粒子、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項6】
請求項5に記載の医薬組成物であって、前記組成物の0.1~10重量%の量の前記複数の粒子を含む、医薬組成物。
【請求項7】
前記薬学的に許容される賦形剤が、充てん剤および滑沢剤を含む、請求項5または6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
請求項5から7のいずれか一項に記載の医薬組成物を含む、医薬投与単位。
【請求項9】
0.1mg~2mgの範囲、好ましくは0.2mg~1mgの範囲の量の複数の粒子を含有する、請求項8に記載の医薬投与単位。
【請求項10】
経口投与のための、請求項8または9に記載の医薬投与単位。
【請求項11】
カプセルまたは錠剤である、請求項10に記載の医薬投与単位。
【請求項12】
即時放出医薬投与単位である、請求項8から11のいずれか一項に記載の医薬投与単位。
【請求項13】
がんの治療における使用のための、請求項1から3のいずれか一項に記載の複数の粒子、または請求項5から7のいずれか一項に記載の医薬組成物、または請求項8から12のいずれか一項に記載の医薬投与単位。
【請求項14】
前記がんが血液がん、または固形がんである、請求項13に記載の使用のための、複数の粒子、医薬組成物、または医薬投与単位。
【請求項15】
前記血液がんが、多発性骨髄腫、リンパ腫、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性腫瘍、および白血病から選択され、かつ/または前記固形がんが、膀胱がん、黒色腫、肺がん、結腸直腸がん、乳がん、膵臓がん、前立腺がん、腎細胞癌、卵巣がん、神経内分泌腫瘍(NET)および膵消化管神経内分泌腫瘍(GEP-NET)から選択される、請求項14に記載の使用のための、複数の粒子、医薬組成物、または医薬投与単位。
【請求項16】
がんの治療のための医薬の製造における、請求項1から3のいずれか一項に記載の複数の粒子または請求項5から7のいずれか一項に記載の医薬組成物の使用。
【請求項17】
前記がんが、血液がん、または固形がんである、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
前記血液がんが、多発性骨髄腫、リンパ腫、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性腫瘍および白血病から選択され、かつ/または前記固形がんが、膀胱がん、黒色腫、肺がん、結腸直腸がん、乳がん、膵臓がん、前立腺がん、腎細胞癌、卵巣がん、神経内分泌腫瘍(NET)および膵消化管神経内分泌腫瘍(GEP-NET)から選択される、請求項17に記載の使用。
【請求項19】
がんの治療のための方法であって、その治療を必要とする哺乳動物に、治療有効量の請求項1から3のいずれか一項に記載の複数の粒子、または請求項5から7のいずれか一項に記載の医薬組成物、または請求項8から12のいずれか一項に記載の医薬投与単位を投与することによる、方法。
【請求項20】
前記がんが、血液がん、または固形がんである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記血液がんが、多発性骨髄腫、リンパ腫、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性腫瘍および白血病から選択され、かつ/または前記固形がんが、膀胱がん、黒色腫、肺がん、結腸直腸がん、乳がん、膵臓がん、前立腺がん、腎細胞癌、卵巣がん、神経内分泌腫瘍(NET)および膵消化管神経内分泌腫瘍(GEP-NET)から選択される、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タスキニモドまたはタスキニモドの薬学的に許容される塩の複数の粒子、および療法におけるその使用、ならびにそのような複数の粒子を含有する医薬組成物に関する。本発明はさらに、複数のかかる粒子を含有する、固形医薬投与単位、例えば、経口投与用のカプセルまたは錠剤などの固形経口医薬剤形に関する。
【背景技術】
【0002】
タスキニモドおよびその調製のための方法は、WO99/55678として公開された国際出願番号PCT/SE99/00676号およびWO00/03991として公開された国際出願番号PCT/SE99/01270号に記載されており、かかる出願はまた、自己免疫に起因する疾患、例えば、多発性硬化症、インスリン依存性糖尿病、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、炎症性腸疾患および乾癬、さらに、病理学的炎症が主要な役割を果たす疾患、例えば、喘息、アテローム性動脈硬化症、脳卒中およびアルツハイマー病などの治療のための、タスキニモドおよび他のいくつかのキノリンカルボキサミドの有用性を開示している。
【0003】
タスキニモドを調製するための方法はまた、WO03/106424として公開された国際出願番号PCT/SE2003/000780号およびWO2012/004338として公開された国際出願番号PCT/EP2011/061490号にも記載されている。タスキニモドの重水素化形態は、WO2012/175541として公開された国際出願番号PCT/EP2012/061798号に記載されていた。
【0004】
がん、より詳細には、固形がん、例えば、前立腺がんおよび乳がんなどの治療のための様々なキノリンカルボキサミドの使用は、WO01/30758として公開された国際出願番号PCT/SE00/02055号に開示された。これらの化合物は、免疫調節タンパク質(S100A9)に結合し、その相互作用を阻害することが判明しており、このタンパク質は、腫瘍形成を促進し、腫瘍微小環境における抑制性細胞および血管新生促進細胞に影響を与え、転移前ニッシェの確立に関与する。
【0005】
WO2016/078921として公開された国際出願番号PCT/EP2015/075769号は、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病および慢性骨髄性白血病を含む、白血病の治療における使用のためのタスキニモドを開示している。WO2016/042112として公開された国際出願番号PCT/EP2015/071391号は、多発性骨髄腫の治療における使用のためのタスキニモドを開示している。WO2016/146329として公開された国際出願番号PCT/EP2016/053288号は、がん、特に膀胱がんの治療において、PD-1および/またはPD-L1阻害剤と組み合わせて使用するためのタスキニモドを開示している。骨髄増殖性腫瘍、例えば、骨髄線維症などの治療のためのタスキニモドの使用は、WO2022/018240として公開された国際出願番号PCT/EP2021/070629号に開示されている。骨髄異形成症候群の治療のためのタスキニモドの使用は、未公開の、国際出願番号PCT/EP2022/050891号に記載されている。上記の特定した先行技術文献は、すべて参照により本明細書に組み込まれる。
【0006】
周知の通り、ある特定の化合物が、ある特定の疾患の治療に有用な治療活性を有することを確立するだけでは十分でなく、実際に有用にするためには、その投与のために適した形態も提供されなければならない。投与の容易さおよび患者コンプライアンスのために、通常、薬物の経口投与が望ましい。経口投与に関連して、バイオアベイラビリティは、考慮すべき重要な要素であり、一般に、投与しようとする物質の溶解度、胃腸管透過性、および溶出率によって支配される。さらに考慮しなければならないパラメータは、製造の容易さ、製剤の安定性および保存期間、患者にとっての使いやすさを含めた、経口投与形態に関連する。例えば、正確かつ一貫した投与量を得るためには、液体製剤と比べて、単位剤形(unit dosage)製剤、例えば、カプセルおよび錠剤などが好ましいこともあり、輸送の容易さおよび味の悪い原薬の場合には、一般に前者がやはり好ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
タスキニモド、すなわち4-ヒドロキシ-5-メトキシ-N,1-ジメチル-2-オキソ-N-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,2-ジヒドロキノリン-3-カルボキサミドは、構造式:
【0008】
【0009】
を有する化合物である。
【0010】
タスキニモドは、胃腸管透過性が高く、水溶性が高い化合物である。実際、Caco-2細胞モデルを用いたタスキニモドの胃腸管透過性試験において、タスキニモドの透過係数が、43.5±0.9.10-6cm.s-1であることが判明しており、そのため、タスキニモドは、生物薬剤分類システム(BCS:Biopharmaceutics Classification System)による「高浸透性」と位置づけられている。BCSによる「可溶性が高い」に分類される薬物化合物の場合、その最高単回治療量は、37±1℃でpH1.2~6.8の範囲にわたって、250ml以下の水性媒体に完全に溶解するべきである。タスキニモドの溶解度は、定まった条件下でこのカットオフ値の10倍を超え、一方、生理的pH7.4では、溶解度はこのカットオフ値に対して50倍高い、すなわち、pH7.4でのタスキニモドの溶解度は、0.25mg/mlと高い。これらの特性に基づいて、タスキニモドは、BCSクラスI化合物に分類される。溶解性の高いタスキニモドを即時放出型製剤に製剤化する場合、37℃で30分以内に溶出基準の85%以上が放出され、溶出率は高いことが予想される。しかしながら、本発明者らは、タスキニモド粒子の溶出率が驚くほどに低いことを見い出した。タスキニモドの高い水溶性を考慮すると、水相中のタスキニモド粒子の溶出率が低いことは、全く予想外であった。低い溶出率は、バイオアベイラビリティが低下しやすく、他の治療的に活性な化合物の効率的な経口投与の妨げとなり得る。
【0011】
したがって、本発明は、水溶性の高い化合物であるタスキニモドが、予想外に低い水性溶出率から悪影響を受けるという驚くべき知見に基づいている。
【0012】
したがって、第1の態様は、遊離塩基形態でのまたは薬学的に許容される塩としてのタスキニモドの複数の粒子であり、前記粒子は、D(v,0.9)が最大30μmであり、D(v,0.5)が最大15μmである。
【0013】
さらなる態様は、治療における使用のための、本明細書で定義される遊離塩基形態でのまたは薬学的に許容される塩としてのタスキニモドの複数の粒子である。
【0014】
さらなる態様は、本明細書で定義される遊離塩基形態でのまたは薬学的に許容される塩としてのタスキニモドの複数の粒子、および好ましくは、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物である。
【0015】
さらなる態様は、本明細書で定義される医薬組成物を含む、医薬投与単位である。
【0016】
さらなる態様は、がんの治療における使用のための、本明細書で定義される、タスキニモドの複数の粒子、または医薬組成物、または医薬投与単位である。がんは、多発性骨髄腫、リンパ腫、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性腫瘍、白血病、膀胱がん、黒色腫、肺がん、結腸直腸がん、乳がん、膵臓がん、前立腺がん、腎細胞癌、卵巣がん、神経内分泌腫瘍(NET)および膵消化管神経内分泌腫瘍(GEP-NET:gastroenteropancreatic neuroendocrine tumors)から選択することができる。
【0017】
それらのさらなる態様および実施形態は、以下の説明および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】in vitro溶出試験において、D(v,0.5)が、それぞれ2.3μm、4.9μmおよび6.4μmであるタスキニモド粒子1mgを含有する実施例4~6の、ならびにD(v,0.5)が、それぞれ15.9μm、22.4μm、および39.9μmであるタスキニモド粒子1mgを含有する比較例1~3(本発明によるものではない)のカプセルから、時間の関数として、溶出したタスキニモドの重量%を表す図である。
【
図2】実施例7、8および9のタスキニモド粒子について、粒子サイズ(μm)の関数として、レーザー回折によって測定された密度分布(q3)を表す図である。
【
図3】in vitro溶出試験において、D(v,0.5)が、それぞれ3.4μmおよび8.5μmであるタスキニモド粒子1mgを各々が含有する実施例13および14のカプセルから、時間の関数として、溶出したタスキニモドの重量%を表す図である。
【
図4】D(v,0.5)が、4.8μmであるタスキニモド粒子1.0mgを含有する実施例17のカプセル、およびD(v,0.5)が5.2μmであるタスキニモド粒子1.0mgを含有する実施例18~20のカプセルから、時間の関数として、溶出したタスキニモドの重量%を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
別段に定義されていない限りまたは文脈により明らかに示されない限り、本明細書において使用されているすべての技術用語および科学用語ならびに略語は、本開示が属する当技術分野の当業者によって共通して理解されるものと同じ意味を有する。しかしながら、本明細書で用いられる用語の一部の定義を、以下に示す。
【0020】
本明細書で使用される場合、用語「D(v,0.9)」とは、(体積に基づいた)組成物中の粒子の90%が、規定の値と等しいまたはそれ以下の直径を有することを意味する。したがって、例えば、D(v,0.9)が25μmというのは、体積により粒子の90%が、25μm以下の直径を有することを意味する。
【0021】
本明細書で使用される場合、用語「D(v,0.5)」とは、(体積に基づいた)組成物中の粒子の50%が、規定の値と等しいまたはそれ以下の直径を有することを意味する。したがって、例えば、D(v,0.5)が15μmというのは、体積により粒子の50%が、15μm以下の直径を有することを意味する。D(v,0.5)が3μm~7μmの範囲というのは、体積により粒子の50%が、7μm~3μmの間の値以下の直径を有することを意味する。
【0022】
本明細書で使用される場合、用語「有効な」とは、目的を達成するのに有効な量、すなわち「治療有効量」にあるように、本開示の方式で使用される場合、妥当な利益/リスク比に見合った過度の有害な副作用(例えば、毒性、刺激、またはアレルギー反応など)を伴わずに、指示された治療応答をもたらすのに十分な成分の量を意味する。有効量は、当技術分野で知られている因子、例えば、治療されるヒトまたは動物の病状、年齢、性別、および体重などによって変わり得る。
【0023】
用語「賦形剤」とは、薬学分野における通常の技術者に公知であるような、薬剤(medicinal agent)の投与を補助するための薬学的に許容される化学物質を指す。これは、一般に、安全で、非毒性であり、生物学的でもなく望ましくないものでない、医薬組成物を調製するのに有用である化合物であり、獣医用用途ならびにヒトの医薬用用途のために許容される賦形剤が含まれる。模範的な賦形剤には、カプセル化剤、甘味剤、味覚マスキング剤(taste-masking agent)、担体、結合剤、充てん剤、希釈剤、崩壊剤、付着防止剤、および滑沢剤が含まれる。
【0024】
用語「充てん剤」(医薬分野では「希釈剤」または「増量剤」とも称され得る)とは、薬理学的活性を欠くが、例えば、製造上のまたは生理学的な目的のために、医薬ブレンドの特性を増強または改善するために、薬学的に必要なまたは望ましい医薬組成物中の成分(賦形剤)を指す。例えば、充てん剤は、その質量が製造または投与するには少なすぎる有効成分の嵩を増やすために用いることができる。
【0025】
用語「滑沢剤」とは、例えば、成分および賦形剤がひと塊になる、かつ/または剤形充てんマシンに固着するのを防止する賦形剤を指す。滑沢剤はまた、剤形の形成、充てん(filing)および排出が、例えば、摩擦を低下させることにより確実に行われ得るようにする。滑沢剤の例としては、植物油、タルク、二酸化ケイ素(シリカ)、および脂肪酸または脂肪酸塩である。
【0026】
本明細書で使用する場合、用語「微粉化」とは、固体材料の粒子の平均直径を小さくする方法を指す。通常、用語、微粉化とは、得られた生成粒子が、直径がわずか数マイクロメートル(典型的には10μm未満)の場合に使用される。微粒化技術は、典型的に、例えば、粉砕および摩砕によって粒径を小さくする摩擦の使用に基づいている。
【0027】
「場合による」または「場合によっては」とは、続いて記載される事象または状況が、起こることもあり起こらないこともあること、およびその記載が、事象または状況が起きる例とそこでそれが起きない例を含むことを意味する。
【0028】
本明細書で使用する場合、用語「医薬投与単位」には、所与の用量の薬物を患者に投与するのに有用な任意のデバイス、例えば、カプセル、錠剤、サシェ(sachet)、マイクロカプセルなどが含まれる。
【0029】
「薬学的に許容される」とは、生物学的またはその他の点で望ましくないものでない物質、すなわち、臨床的に許容されない生物学的効果を引き起こすことなく、またはそれを含有する製剤の他の任意の構成成分と有害な様式で相互作用をすることなく、関連する活性化合物と共に個体に投与することができる物質を意味する。
【0030】
本明細書で使用される場合、用語「対象」は、哺乳動物を指す。本発明により考えられる哺乳動物には、ヒトならびにヒト以外の哺乳動物、例えば、霊長類、家畜化された動物、例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマなどの農業用家畜ならびにペット動物、例えば、イヌおよびネコなどから選択される哺乳動物が含まれる。好ましくは、哺乳類は、ヒトである。
【0031】
以下において、「タスキニモド粒子」または「タスキニモドの粒子」という表現が使用されることがあり、タスキニモドの粒子を指すと理解されるべきであり、「タスキニモド」は、文脈から明らかでない限り、または特に指定されない限り、タスキニモド遊離塩基または薬学的に許容される塩の形態のタスキニモドのいずれかを指すと理解されるべきである。
【0032】
本明細書で使用されるタスキニモドは、任意の程度の重水素化が有り得るということに留意すべきである。一部の実施形態では、タスキニモドは、重水素同位体の天然存在量に対応する重水素化度を有する。他の一部の実施形態では、本明細書で使用されるタスキニモドは、WO2012/175541に記載されている通りである(本明細書の上記を参照のこと)。
【0033】
薬学的に許容される塩の例は、(対イオンとして)アルカリ金属イオン、例えば、Li+、Na+もしくはK+との塩、またはアルカリ土類金属イオン、例えば、Mg2+もしくはCa2+との塩、または他の任意の薬学的に許容される金属イオン、例えば、Zn2+もしくはAl3+との塩;または有機塩基、例えば、ジエタノールアミン、エタノールアミン、N-メチルグルカミン、トリエタノールアミンまたはトロメタミンにより形成される薬学的に許容される塩を含む。
【0034】
本明細書で使用される場合、「治療する」とは、例えば、疾患、障害もしくは状態の抑制、退縮もしくは静止を誘導すること、または疾患、障害もしくは状態の症状を寛解させるもしくは緩和することを包含する。
【0035】
本明細書で使用される場合、状態もしくは状況を「改善する」または「緩和する」とは、その状態もしくは状況の症状を緩和するまたは軽くすることを意味するものとする。本明細書で使用される場合、対象における病状悪化または疾患合併症の「抑制」とは、対象における病状悪化および/または疾患合併症を予防するまたは軽減することを意味する。
【0036】
複数のタスキニモド粒子
本明細書で提供される複数のタスキニモド粒子に存在するタスキニモド粒子は、本質的にタスキニモドからなり、これは、粒子の少なくとも90重量%がタスキニモドからなり、例えば、少なくとも95重量%、好ましくは少なくとも96重量%、より好ましくは少なくとも97重量%、さらにより好ましくは少なくとも98重量%、少なくとも98.5重量%、少なくとも99重量%、または少なくとも99.5重量%がタスキニモドからなることを意味する。
【0037】
本明細書で述べた通り、必要とされる溶出率を有するためには、タスキニモド粒子は、D(v,0.9)が最大でも30μmであることを特徴とする粒度分布を有するべきである。
【0038】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が最大でも29μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が最大でも28μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が最大でも27μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が最大でも26μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が最大でも25μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が最大でも24μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が最大でも23μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が最大でも22μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が最大でも21μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が最大でも20μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が最大でも19μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が最大でも18μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が最大でも17μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が最大でも16μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が最大でも15μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が最大でも14μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が最大でも13μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が最大でも12μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が最大でも11μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が最大でも10μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が最大でも9μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が最大でも8μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が最大でも7μmである。
【0039】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が約30μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が約29μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が約28μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が約27μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が約26μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が約25μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が約24μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が約23μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が約22μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が約21μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が約20μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が約19μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が約18μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が約17μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が約16μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が約15μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が約14μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が約13μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が約12μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が約11μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が約10μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が約9μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が約8μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が約7μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が約6μmである。
【0040】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が、6~30μmの範囲、7~30μmの範囲、8~30μmの範囲、9~30μmの範囲、10~30μmの範囲、11~30μmの範囲、12~30μmの範囲、13~30μmの範囲、14~30μmの範囲、15~30μmの範囲、16~30μmの範囲、17~30μmの範囲、18~30μmの範囲、19~30μmの範囲、20~30μmの範囲、21~30μmの範囲、22~30μmの範囲、23~30μmの範囲、24~30μmの範囲、25~30μmの範囲、26~30μmの範囲、27~30μmの範囲、28~30μmの範囲、または29~30μmの範囲である。
【0041】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が、6~29μmの範囲、7~29μmの範囲、8~29μmの範囲、9~29μmの範囲、10~29μmの範囲、11~29μmの範囲、12~29μmの範囲、13~29μmの範囲、14~29μmの範囲、15~29μmの範囲、16~29μmの範囲、17~29μmの範囲、18~29μmの範囲、19~29μmの範囲、20~29μmの範囲、21~29μmの範囲、22~29μmの範囲、23~29μmの範囲、24~29μmの範囲、25~29μmの範囲、26~29μmの範囲、27~29μmの範囲、または28~29μmの範囲である。
【0042】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が、6~28μmの範囲、7~28μmの範囲、8~28μmの範囲、9~28μmの範囲、10~28μmの範囲、11~28μmの範囲、12~28μmの範囲、13~28μmの範囲、14~28μmの範囲、15~28μmの範囲、16~28μmの範囲、17~28μmの範囲、18~28μmの範囲、19~28μmの範囲、20~28μmの範囲、21~28μmの範囲、22~28μmの範囲、23~28μmの範囲、24~28μmの範囲、25~28μmの範囲、26~28μmの範囲、または27~28μmの範囲である。
【0043】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が、6~27μmの範囲、7~27μmの範囲、8~27μmの範囲、9~27μmの範囲、10~27μmの範囲、11~27μmの範囲、12~27μmの範囲、13~27μmの範囲、14~27μmの範囲、15~27μmの範囲、16~27μmの範囲、17~27μmの範囲、18~27μmの範囲、19~27μmの範囲、20~27μmの範囲、21~27μmの範囲、22~27μmの範囲、23~27μmの範囲、24~27μmの範囲、25~27μmの範囲、または26~27μmの範囲である。
【0044】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が、6~26μmの範囲、7~26μmの範囲、8~26μmの範囲、9~26μmの範囲、10~26μmの範囲、11~26μmの範囲、12~26μmの範囲、13~26μmの範囲、14~26μmの範囲、15~26μmの範囲、16~26μmの範囲、17~26μmの範囲、18~26μmの範囲、19~26μmの範囲、20~26μmの範囲、21~26μmの範囲、22~26μmの範囲、23~26μmの範囲、24~26μmの範囲、または25~26μmの範囲である。
【0045】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が、6~25μmの範囲、7~25μmの範囲、8~25μmの範囲、9~25μmの範囲、10~25μmの範囲、11~25μmの範囲、12~25μmの範囲、13~25μmの範囲、14~25μmの範囲、15~25μmの範囲、16~25μmの範囲、17~25μmの範囲、18~25μmの範囲、19~25μmの範囲、20~25μmの範囲、21~25μmの範囲、22~25μmの範囲、23~25μmの範囲、または24~25μmの範囲である。
【0046】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が、6~24μmの範囲、7~24μmの範囲、8~24μmの範囲、9~24μmの範囲、10~24μmの範囲、11~24μmの範囲、12~24μmの範囲、13~24μmの範囲、14~24μmの範囲、15~24μmの範囲、16~24μmの範囲、17~24μmの範囲、18~24μmの範囲、19~24μmの範囲、20~24μmの範囲、21~24μmの範囲、22~24μmの範囲、または23~24μmの範囲である。
【0047】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が、6~23μmの範囲、7~23μmの範囲、8~23μmの範囲、9~23μmの範囲、10~23μmの範囲、11~23μmの範囲、12~23μmの範囲、13~23μmの範囲、14~23μmの範囲、15~23μmの範囲、16~23μmの範囲、17~23μmの範囲、18~23μmの範囲、19~23μmの範囲、20~23μmの範囲、21~23μmの範囲、または22~23μmの範囲である。
【0048】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が、6~22μmの範囲、7~22μmの範囲、8~22μmの範囲、9~22μmの範囲、10~22μmの範囲、11~22μmの範囲、12~22μmの範囲、13~22μmの範囲、14~22μmの範囲、15~22μmの範囲、16~22μmの範囲、17~22μmの範囲、18~22μmの範囲、19~22μmの範囲、20~22μmの範囲、または21~22μmの範囲である。
【0049】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が、6~21μmの範囲、7~21μmの範囲、8~21μmの範囲、9~21μmの範囲、10~21μmの範囲、11~21μmの範囲、12~21μmの範囲、13~21μmの範囲、14~21μmの範囲、15~21μmの範囲、16~21μmの範囲、17~21μmの範囲、18~21μmの範囲、19~21μmの範囲、または20~21μmの範囲である。
【0050】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が、6~20μmの範囲、7~20μmの範囲、8~20μmの範囲、9~20μmの範囲、10~20μmの範囲、11~20μmの範囲、12~20μmの範囲、13~20μmの範囲、14~20μmの範囲、15~20μmの範囲、16~20μmの範囲、17~20μmの範囲、18~20μmの範囲、または19~20μmの範囲である。
【0051】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が、6~19μmの範囲、7~19μmの範囲、8~19μmの範囲、9~19μmの範囲、10~19μmの範囲、11~19μmの範囲、12~19μmの範囲、13~19μmの範囲、14~19μmの範囲、15~19μmの範囲、16~19μmの範囲、17~19μmの範囲、または18~19μmの範囲である。
【0052】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が、6~18μmの範囲、7~18μmの範囲、8~18μmの範囲、9~18μmの範囲、10~18μmの範囲、11~18μmの範囲、12~18μmの範囲、13~18μmの範囲、14~18μmの範囲、15~18μmの範囲、16~18μmの範囲、または17~18μmの範囲である。
【0053】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が、6~17μmの範囲、7~17μmの範囲、8~17μmの範囲、9~17μmの範囲、10~17μmの範囲、11~17μmの範囲、12~17μmの範囲、13~17μmの範囲、14~17μmの範囲、15~17μmの範囲、または16~17μmの範囲である。
【0054】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が、6~16μmの範囲、7~16μmの範囲、8~16μmの範囲、9~16μmの範囲、10~16μmの範囲、11~16μmの範囲、12~16μmの範囲、13~16μmの範囲、14~16μmの範囲、または15~16μmの範囲である。
【0055】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が、6~15μmの範囲、7~15μmの範囲、8~15μmの範囲、9~15μmの範囲、10~15μmの範囲、11~15μmの範囲、12~15μmの範囲、13~15μmの範囲、または14~15μmの範囲である。
【0056】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が、6~14μmの範囲、7~14μmの範囲、8~14μmの範囲、9~14μmの範囲、10~14μmの範囲、11~14μmの範囲、12~14μmの範囲、または13~14μmの範囲である。
【0057】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が、6~13μmの範囲、7~13μmの範囲、8~13μmの範囲、9~13μmの範囲、10~13μmの範囲、11~13μmの範囲、または12~13μmの範囲である。
【0058】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が、6~12μmの範囲、7~12μmの範囲、8~12μmの範囲、9~12μmの範囲、10~12μmの範囲、または11~12μmの範囲である。
【0059】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が、6~11μmの範囲、7~11μmの範囲、8~11μmの範囲、9~11μmの範囲、または10~11μmの範囲である。
【0060】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が、6~10μmの範囲、7~10μmの範囲、8~10μmの範囲、または9~10μmの範囲である。
【0061】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が、6~9μmの範囲、7~9μmの範囲、または8~9μmの範囲である。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が、6~8μmの範囲、または7~8μmの範囲である。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.9)が、6~7μmの範囲である。
【0062】
好ましくは、本明細書で提供されるタスキニモド粒子は、D(v,0.5)が最大でも15μmであることを特徴とする粒度分布であるべきである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.5)が14μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.5)が13μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.5)が12μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.5)が11μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.5)が10μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.5)が9μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.5)が8μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.5)が7μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.5)が6μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.5)が5μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.5)が4μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.5)が3μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.5)が2μmである。一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.5)が1μmである。
【0063】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.5)が1~15μmの範囲、2~15μmの範囲、3~15μmの範囲、4~15μmの範囲、5~15μmの範囲、6~15μmの範囲、7~15μmの範囲、8~15μmの範囲、9~15μmの範囲、10~15μmの範囲、11~15μmの範囲、12~15μmの範囲、13~15μmの範囲、14~15μmの範囲である。
【0064】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.5)が1~14μmの範囲、2~14μmの範囲、3~14μmの範囲、4~14μmの範囲、5~14μmの範囲、6~14μmの範囲、7~14μmの範囲、8~14μmの範囲、9~14μmの範囲、10~14μmの範囲、11~14μmの範囲、12~14μmの範囲、または13~14μmの範囲である。
【0065】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.5)が1~13μmの範囲、2~13μmの範囲、3~13μmの範囲、4~13μmの範囲、5~13μmの範囲、6~13μmの範囲、7~13μmの範囲、8~13μmの範囲、9~13μmの範囲、10~13μmの範囲、11~13μmの範囲、または12~13μmの範囲である。
【0066】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.5)が1~12μmの範囲、2~12μmの範囲、3~12μmの範囲、4~12μmの範囲、5~12μmの範囲、6~12μmの範囲、7~12μmの範囲、8~12μmの範囲、9~12μmの範囲、10~12μmの範囲、または11~12μmの範囲である。
【0067】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.5)が1~11μmの範囲、2~11μmの範囲、3~11μmの範囲、4~11μmの範囲、5~11μmの範囲、6~11μmの範囲、7~11μmの範囲、8~11μmの範囲、9~11μmの範囲、または10~11μmの範囲である。
【0068】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.5)が、1~10μmの範囲、2~10μmの範囲、3~10μmの範囲、4~10μmの範囲、5~10μmの範囲、6~10μmの範囲、7~10μmの範囲、8~10μmの範囲、または9~10μmの範囲である。
【0069】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.5)が1~9μmの範囲、2~9μmの範囲、3~9μmの範囲、4~9μmの範囲、5~9μmの範囲、6~9μmの範囲、7~9μmの範囲、または8~9μmの範囲である。
【0070】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.5)が1~8μmの範囲、2~8μmの範囲、3~8μmの範囲、4~8μmの範囲、5~8μmの範囲、6~8μmの範囲、または7~8μmの範囲である。
【0071】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.5)が1~7μmの範囲、2~7μmの範囲、3~7μmの範囲、4~7μmの範囲、5~7μmの範囲、または6~7μmの範囲である。
【0072】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.5)が1~6μmの範囲、2~6μmの範囲、3~6μmの範囲、4~6μmの範囲、または5~6μmの範囲である。
【0073】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.5)が1~5μmの範囲、2~5μmの範囲、3~5μmの範囲、または4~5μmの範囲である。
【0074】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.5)が1~4μmの範囲、2~4μmの範囲、または3~4μmの範囲である。
【0075】
一部の実施形態では、粒子は、D(v,0.5)が1~3μmの範囲、2~3μmの範囲、または1~2μmの範囲である。
【0076】
一般に、D(v,0.5)は、1μm~15μmの範囲であり、D(v,0.9)は、最大でも30μmであり、例えば、D(v,0.9)は、6~30μmの範囲である。一部の実施形態では、D(v,0.5)は、1μm~10μmの範囲であり、D(v,0.9)は、最大でも27μmであり、例えば、D(v,0.9)は、6~27μmの範囲である。いくつかのさらなる実施形態では、D(v,0.5)は、1μm~9μmの範囲であり、D(v,0.9)は、最大でも25μmであり、例えば、D(v,0.9)は、6~25μmの範囲である。
【0077】
いくつかのさらなる実施形態では、D(v,0.5)は、2μm~10μmの範囲であり、D(v,0.9)は、最大でも25μmであり、例えば、D(v,0.9)は、6~25μmの範囲である。いくつかのさらなる実施形態では、D(v,0.5)は、2μm~9μmの範囲であり、D(v,0.9)は、最大でも25μmであり、例えば、D(v,0.9)は、6~25μmの範囲である。
【0078】
いくつかのさらなる実施形態では、D(v,0.5)は、3μm~9μmの範囲であり、D(v,0.9)は、最大でも25μmであり、例えば、D(v,0.9)は、6~25μmの範囲である。いくつかのさらなる実施形態では、D(v,0.5)は、3μm~8μmの範囲であり、D(v,0.9)は、最大でも25μmであり、例えば、D(v,0.9)は、6~25μmの範囲である。いくつかのさらなる実施形態では、D(v,0.5)は、3μm~7μmの範囲であり、D(v,0.9)は、最大でも25μmであり、例えば、D(v,0.9)は、6~25μmの範囲である。これらの実施形態のいくつかでは、D(v,0.9)は、7~25μm、または8~25μm、または9~25μm、または10~25μmの範囲である。
【0079】
したがって、いくつかのさらなる実施形態では、D(v,0.5)は、3μm~9μmの範囲であり、D(v,0.9)は、10~25μmの範囲である、またはD(v,0.5)は、3μm~8μmの範囲であり、D(v,0.9)は、10~25μmの範囲である、またはD(v,0.5)は、3μm~7μmの範囲であり、D(v,0.9)は、10~25μmの範囲である。
【0080】
いくつかのさらなる実施形態では、D(v,0.5)は、2μm~9μmの範囲、2μm~8μmの範囲、2μm~7μmの範囲、3μm~9μmの範囲、3μm~8μmの範囲、または3μm~7μmの範囲であり、D(v,0.9)は、最大でも20μm、例えば、10~20μmの範囲である。
【0081】
いくつかのさらなる実施形態では、D(v,0.5)は、2μm~9μmの範囲、2μm~8μmの範囲、2μm~7μmの範囲、3μm~9μmの範囲、3μm~8μmの範囲、または3μm~7μmの範囲であり、D(v,0.9)は、最大でも16μm、例えば、10~16μmの範囲である。
【0082】
いかなる所与の粒子集団であっても、D(v,0.9)の値がD(v,0.5)の値よりも常に高くなることは言うまでもない。D(v,0.5)とD(v,0.9)の間の差は、可能な限り小さく、可能な限り狭い粒度分布に対応することが好ましい。
【0083】
狭い粒度分布は、等式により表されるように、D(v,0.9)とD(v,0.5)の値の間の差をD(v,0.5)の値で割ることにより得られた比率rの値が低いことに対応する:
【0084】
【0085】
[式中、rは、>0である]。
【0086】
一部の実施形態では、本明細書で提供される粒子集団は、比率rが、最大でも6、最大でも5、最大でも4.5、最大でも4、最大でも3.5、最大でも3、最大でも2.5、最大でも2.4、最大でも2.3、最大でも2.2、最大でも2.1、または最大でも2である。例えば、一部の実施形態では、本明細書で提供される粒子集団は、比率rが、1~6、1~5、1~4、1~3.5、1~3、1~2.5、1~2.4、1~2.3、1~2.2、1~2.1、または1~2の範囲である。一部の実施形態では、本明細書で提供される粒子集団は、比率rが、1.5~5、1.5~4、1.5~3.5、1.5~3、1.5~2.5、1.5~2.4、1.5~2.3、1.5~2.2、1.5~2.1、または1.5~2の範囲である。いくつかのさらなる実施形態において、本明細書で提供される粒子集団は、比率rが、2~5、2~4、2~3.5、2~3、2~2.5、2~2.4、2~2.3、2~2.2、または2~2.1の範囲である。
【0087】
タスキニモド粒子の調製
粉末形態のタスキニモドは、例えば、MilliporeSigma社から市販されており、例えば、WO03/106424およびWO2012/004338(本明細書の上記を参照のこと)に記載されている方法に従うことにより調製することもできる。本明細書で使用される場合、タスキニモド粒子は、粉末形態のタスキニモドから出発し、一般的な微粉化装置、例えば、メカニカルインパクトミル(スパイラルジェットミル)または流体エネルギー(流動床)インパクトミルなどを用いて、必要とする粒度分布の粒子を得るための任意の適した方法を適用することにより、例えば、微粉化により調製することができる。一部の実施形態では、タスキニモド粒子は、処理ガスとして窒素を用いる流体エネルギージェットミルで、タスキニモド粉末を微粉化することにより調製される。一部の実施形態では、タスキニモド粒子は、WO2012/004338、例えば、WO2012/004338の実施例4に記載されている通り、タスキニモドを調製し、得られた生成物を、例えば、処理ガスとして窒素を用いる流体エネルギージェットミルを用いて微粉化することによって調製される。
【0088】
本発明のタスキニモド粒子は、結晶性タスキニモドならびに非晶質タスキニモドを含むことができる。一部の実施形態では、粒子は、少なくとも部分的に、結晶性タスキニモドからなり、例えば、タスキニモドの総量の少なくとも50重量%が結晶性であり、またはタスキニモドの総量の少なくとも60重量%、または少なくとも70重量%、または少なくとも80重量%、または少なくとも90重量%、または少なくとも95重量%、または少なくとも96重量%、または少なくとも97重量%、または少なくとも98重量%、または少なくとも99重量%が結晶性である。一部の実施形態では、粒子は、結晶タスキニモドからなる。いくつかの他の実施形態では、粒子の少なくとも一部が、非晶質タスキニモドからなる、または粒子のほとんどが、非晶質タスキニモドからなる、または粒子のすべてが、非晶質タスキニモドからなる。
【0089】
タスキニモド粒子の粒度分布は、レーザー回折技術、例えば、レーザー粒度分析装置、例えば、Malvern Panalytical社から市販されているMalvern Mastersizer装置を用いて決定することができる。
【0090】
医薬組成物
本明細書で提供される医薬組成物は、本発明のタスキニモド粒子、好ましくは、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤を含む。一部の実施形態では、本組成物は、充てん剤(「希釈剤」とも称され得る)および/または滑沢剤を含む。適切な充てん剤は、例えば、珪化微結晶セルロース、トウモロコシ由来などのアルファ化デンプン、マンニトール、乳糖一水和物、微結晶セルロース、またはリン酸水素カルシウムであり得る。適当な滑沢剤は、例えば、硬化植物油、ステアリン酸マグネシウム、またはステアリン酸フマル酸ナトリウムであり得る。
【0091】
一部の実施形態では、滑沢剤は硬化植物油である。硬化植物油は、白色から帯黄白色のフレークまたはペレットとして生じる。これは、完全に水素化された精製植物油から作製され、噴霧して乾燥微粉末にしたものである。硬化植物油の分子式は、R1COOCH2-CH(OOCR2)-CH2COOR3(式中、R1、R2およびR3は、主にC15およびC17アルキルである)である。医薬組成物において用いることができる硬化植物油の例は、Abitec Corp.社から市販されているSterotex(登録商標)やJRS Pharma社から市販されているLubritab(登録商標)である。
【0092】
一部の実施形態では、充てん剤は、アルファ化デンプン、すなわち、デンプン顆粒のすべてまたは一部を破裂させるために化学的および/または機械的に処理されている、および分子式(C6H10O5)n(式中、n=300~1000)を有するデンプンである。医薬組成物において用いることができるアルファ化デンプンの非限定的な例は、Colorcon Inc.から市販されているStarch1500(登録商標)、およびRoquette社から市販されているLycatab C(登録商標)である。
【0093】
一部の実施形態では、本組成物は、アルファ化デンプンなどの充てん剤、および硬化植物油などの滑沢剤を含む。
【0094】
一部の実施形態では、本組成物は、タスキニモド粒子、アルファ化デンプン、および硬化植物油を含む。
【0095】
本明細書で提供される医薬組成物は、例えば、組成物の総重量の約0.1~約10%、または組成物の総重量の約0.1~約9%、例えば、組成物の総重量の約0.1~約8%、約0.1~約7%、約0.1~約6%、約0.1~約5%、約0.1~約4%、または約0.1~約3%、約0.1~約2%、または約0.1~約1%の量のタスキニモド粒子を含むことができる。
【0096】
本明細書で提供される医薬組成物は、例えば、組成物の総重量の約90~約99.9%、または組成物の総重量の約95~約99.9%、例えば、組成物の総重量の約96~約99.9%、約97~約99.9%、約97.5~約99.9%、約98~約99.9%、約98.5~約99.9%、または約99~約99.9%の量の賦形剤(複数可)を含むことができる。
【0097】
一般に、賦形剤の主要な部分は、充てん剤からなり、一方、滑沢剤の量は、存在する場合、一般に、組成物の総重量の、むしろ少量、例えば、約0.5~4重量%、約0.5~3重量%、約1~3重量%、または約1.5~2.5重量%である。
【0098】
一部の実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、組成物の総重量に対して、タスキニモド粒子約0.1~2重量%、滑沢剤約0.5~4重量%、および充てん剤約94~約99.4重量%を含み;例えば、組成物の総重量に対して、タスキニモド粒子約0.1~1重量%、滑沢剤約1~3重量%、および充てん剤約96重量%~約98.9重量%を含む。
【0099】
一部の実施形態では、組成物は、組成物の総重量に対して、約0.1~1%の量のタスキニモド粒子、約1.5~2.5重量%の量の滑沢剤、および約96.5~約98.4重量%の量の充てん剤を含む。
【0100】
本明細書で提供される医薬組成物の有利な特徴は、組成物中に含有されるタスキニモド粒子の迅速な溶出である。一部の実施形態では、組成物のタスキニモド粒子の少なくとも80重量%、より好ましくは、少なくとも85重量%は、浴温37℃でおよび撹拌速度100rpmで0.05Mリン酸緩衝液(pH6.8)500ml中の組成物1mgを用いてI型バスケット装置で試験した場合、30分以内に溶出する。このような高い溶出率は、in vivoでの即時放出に相当し、したがって、一部の実施形態では、本発明の組成物は、即時放出製剤として有用である。
【0101】
医薬投与単位
また、本明細書で開示される通りタスキニモド粒子の形態の治療有効量のタスキニモドを含有する医薬投与単位も本明細書で提供される。
【0102】
医薬投与単位は、例えば、タスキニモド粒子0.1~2mg、例えば、約0.25~1.5mg、特に、約0.5~約1.25mg、例えば、タスキニモド粒子1.0mg、および場合によっては、1種または複数の賦形剤を含むことができる。
【0103】
一部の実施形態では、医薬投与単位は、タスキニモド粒子の治療有効量に相当する量、例えば、0.1~2mg、例えば、約0.25~1.5mg、特に、約0.5~約1.25mg、例えば、約1.0mgで、本明細書で定義される医薬組成物を含む。
【0104】
一部の実施形態では、医薬投与単位は、経口投与に適しており、例えば、それは、経口投与用のカプセルまたは錠剤である。
【0105】
一部の実施形態では、医薬投与単位は、即時放出医薬投与単位である。
【0106】
一部の実施形態では、医薬投与単位は、本明細書に開示される医薬組成物の薬学的有効量を含む硬質シェルまたは軟質シェルカプセルなどの、経口投与に適したカプセル(経口カプセルとも称され得る)である。一部の実施形態では、カプセルは、硬質シェルカプセル、例えば、HMPCまたはゼラチンカプセルなどである。一部の実施形態では、カプセルはサイズ4またはサイズ3のカプセルである。一部の実施形態では、カプセルは硬質シェルサイズ4のカプセル、例えば、硬質シェルサイズ4のゼラチンカプセルである。
【0107】
一部の実施形態では、医薬投与単位は、有効量のタスキニモド粒子、および1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤、例えば、充てん剤および滑沢剤を含有する、硬質シェルカプセル、例えば、サイズ4カプセルである。一部の実施形態では、カプセルは、本明細書で提供される医薬組成物を約100~250mg、例えば、約150~200mg含有する硬質シェルカプセルである。一部の実施形態では、医薬投与単位は、充てん剤および滑沢剤、例えば、アルファ化デンプンおよび硬化植物油と組み合わせて、タスキニモド粒子約0.1~2mg、例えば、約0.25~1.5mg、特に約0.5~約1.25mg、例えば、タスキニモド粒子1.0mgを含有するサイズ4またはサイズ3の硬質シェルカプセルである。一部の実施形態では、医薬投与単位は、充てん剤および滑沢剤、例えば、アルファ化デンプンおよび硬化植物油と組み合わせて、タスキニモド粒子約0.5~約1.25mg、例えば、タスキニモド粒子1.0mgを含有するサイズ4の硬質シェルカプセルである。
【0108】
本明細書で提供される医薬組成物は、小さく均質なサイズのタスキニモド粒子を含有し、治療を受けた対象の胃腸管におけるタスキニモドの一貫したおよび迅速な放出を可能にし、これは、タスキニモドの高く均一なバイオアベイラビリティを有する投与単位を提供する目的のためには有利である。本明細書に示す通り、本発明の医薬組成物は、即時放出医薬投与単位を調製するために用いることができる。したがって、一部の実施形態では、医薬投与単位は、即時放出経口投与単位、例えば、即時放出カプセルである。
【0109】
一部の実施形態では、本組成物は、腸管コンパートメントにおけるタスキニモドの即時放出(遅延型即時放出)を提供するために、腸溶性コーティング、すなわち、酸性条件下での溶出に抵抗するコーティングを有し、腸でのみ溶出する経口カプセルの形態で提供される。腸溶性コーティング材料は、当業者に周知であり、市販されている。非限定的な例は、メタクリル酸助剤-アクリル酸エチルコポリマーをベースとしたコーティング材料であるKollicoat(登録商標)100Pである。したがって、一部の実施形態では、本明細書で提供される医薬投与単位は、遅延即時放出経口投与単位、例えば、腸溶カプセルである。
【0110】
複数の粒子および組成物の使用
本明細書において上記で言及した通り、様々な疾患の治療におけるタスキニモドの治療活性は、以前に示されている。複数のタスキニモド粒子、かかる粒子を用いて調製される医薬組成物および医薬投与単位は、療法において、特に、タスキニモドが治療活性を有することが以前に示されている疾患のいずれかの治療において有用であると考えられる。したがって、さらなる態様は、がんの治療における使用のための、前記複数の粒子、医薬組成物および医薬投与単位である。
【0111】
さらなる態様は、タスキニモドの複数の粒子の使用、またはがんの治療のための医薬の製造におけるかかる複数の粒子を含有する医薬組成物の使用である。一部の実施形態では、製造は、技術分野で周知のカプセル化技術を適用して、本明細書で定義される医薬組成物をカプセル化することを含む。他の一部の実施形態では、製造は、技術分野においても周知の打錠技術を用いて、錠剤を調製することを含む。
【0112】
なおさらなる態様は、本明細書において提供されるタスキニモドの複数の粒子または医薬組成物もしくは投与単位の有効量を、かかる治療を必要とする哺乳動物に投与することによる、がんの治療のための方法である。好ましくは、本方法は、組成物の経口投与、例えば、経口錠剤またはカプセル、好ましくは、経口カプセルなどの経口投与単位の形態での経口投与を含む。
【0113】
一部の実施形態では、がんは、膀胱がん、黒色腫、肺がん、例えば、NSCLC(非小細胞肺がん)など、結腸直腸がん、乳がん、膵臓がん、前立腺がん、腎細胞癌、血液悪性腫瘍、特に、進行血液悪性腫瘍、卵巣がん、特に、プラチナ製剤抵抗性卵巣がん、神経内分泌腫瘍(NET)および膵消化管神経内分泌腫瘍(GEP-NET)から選択される。本発明の組成物で治療されるがんは、任意のステージ、例えば、初期または後期であり得る。一部の実施形態では、治療によって、治療中止後に個体において持続的奏功がもたらされる。一部の実施形態では、治療によって、個体において完全奏功、部分奏功、または病勢安定がもたらされる。
【0114】
一部の実施形態では、がんは、血液がん、例えば、白血病、リンパ腫、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性腫瘍、または多発性骨髄腫などである。一部の実施形態では、血液がん(hematological cancer)は、白血病および多発性骨髄腫から選択される。一部の実施形態では、血液がんは、白血病、骨髄異形成症候群、および骨髄増殖性腫瘍から選択される。
【0115】
一部の実施形態では、血液がんは、白血病である。一部の実施形態では、血液がんは、リンパ腫である。一部の実施形態では、血液がんは、骨髄異形成症候群である。一部の実施形態では、血液がんは、骨髄増殖性腫瘍である。一部の実施形態では、血液がんは、多発性骨髄腫である。
【0116】
白血病は、ヘアリー細胞白血病を含む慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ球性白血病、および急性骨髄性白血病ならびにその前駆体である骨髄異形成症候群から選択することができる。一部の実施形態では、白血病は、急性リンパ球性白血病、または急性骨髄性白血病およびその前駆体である骨髄異形成症候群である。一部の実施形態では、白血病は、急性リンパ球性白血病である。一部の実施形態では、白血病は、急性骨髄性白血病である。
【0117】
一部の実施形態では、骨髄増殖性腫瘍は、骨髄線維症、本態性血小板血症(ET)、真性赤血球増加症(PV)、慢性好中球性白血病、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、慢性好酸球性白血病および肥満細胞症からなる群より選択される。一部の実施形態では、骨髄増殖性腫瘍は、骨髄線維症、本態性血小板血症、真性赤血球増加症、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病および肥満細胞症からなる群より選択される。一部の実施形態では、骨髄増殖性腫瘍は、骨髄線維症、本態性血小板血症、および真性赤血球増加症からなる群から選択される。一部の実施形態では、骨髄増殖性腫瘍は、骨髄線維症である。一部の実施形態では、骨髄増殖性腫瘍は、本態性血小板血症または真性赤血球増加症である。本態性血小板血症および真性赤血球増加症は、いずれも骨髄線維症に発達するおそれがある。したがって、一部の実施形態では、本発明の粒子または本発明の粒子を用いて調製される医薬組成物もしくは医薬品は、本態性血小板血症または真性赤血球増加症などの骨髄増殖性腫瘍の線維化相への進行を予防または低減するために用いるためである。したがって、本明細書で使用される場合、用語「骨髄線維症」とは、原発性骨髄線維症、ならびにET後骨髄線維症、およびPV後骨髄線維症を含めた、続発性骨髄線維症を指す。一部の実施形態では、骨髄線維症は、原発性骨髄線維症である。一部の実施形態では、骨髄線維症は、続発性骨髄線維症である。
【0118】
いくつかのさらなる実施形態では、がんは、固形がん、例えば、膀胱がん、前立腺がんまたは乳がんである。一部の実施形態では、がんは、膀胱がん(例えば、特定の非筋浸潤性膀胱がん、筋浸潤性膀胱がんおよび転移性膀胱がんおよび尿路上皮膀胱がん)、前立腺がんおよび腎細胞癌から選択される。一部の実施形態では、がんは、膀胱がんである。
【0119】
本明細書で提供される複数の粒子、医薬組成物、または医薬投与単位の使用による任意の所与の対象の内科的治療において、投与量レベルおよび投与頻度は、一般に、処置される対象の性別、年齢、体重(corporal weight)および相対的健康状態、選択される投与の経路および投与の形態、他の薬剤の追加的使用、例えば、併用療法における使用などの因子を十分に考慮して、治療する医師によって決定される。
【0120】
一般に、1日の投与量は、体重1kg当たり最小0.001mg、または体重1kg当たり0.002mg、または体重1kg当たり0.005mg、または体重1kg当たり0.01mgから、体重1kg当たり最大0.2mg、または体重1kg当たり0.1mg、または体重1kg当たり0.05mg、または体重1kg当たり0.02mgまでが考えられる。
【0121】
一部の実施形態では、タスキニモドの粒子は、0.1~4mg/日、または0.2~2mg/日、0.4~1.8mg/日、0.5~1.5mg/日、または0.6~1.2mg/日、例えば、1mg/日の量で投与される。
【0122】
一部の実施形態では、投与量は、最適な結果に到達するように徐々に調整することができる、いわゆる投与量設定である。例えば、投与量設定は、例えば、0.25mgの1日低投与量から開始し、この用量レベルを1~2週間の期間維持することを含む。投与量を増やすことを禁忌とし得る重大な副作用がない場合は、例えば、その後、1または2週間、レベルを0.5mg/日に増量させ、その後、さらなる増量を検討して、1日投与量を1mgにするなどが考えられる。このような方法において、投与量の漸増後に任意の重大な副作用が生じた場合、投与量を再度以前のレベルまで減らしてもよい。起こり得る副作用には、この種の治療で一般的に遭遇し得るもの、例えば、胃腸障害、疲労、およびインフルエンザ様症候群が含まれ、これは、投与量に関連していると考えられる。
【0123】
タスキニモドは、好ましくは、毎日、例えば、1日1~3回、または1日1~2回、例えば、1日1回投与される。しかしながら、一部の実施形態では、薬物は、例えば、2日に1回、週1回など、より少ない頻度で投与される。
【0124】
タスキニモドの薬学的に許容される塩が投与される場合、等価投与量は、非塩の形態(すなわち、遊離塩基として)のタスキニモドの指示投与量をもたらすはずであるということに留意すべきである。
【0125】
本発明は、次の限定しない実施例でさらに例証される。
【実施例】
【0126】
実施例において、タスキニモドの粒度分布は、微粒子化タスキニモドについてのD(v,0.5)およびD(v,0.9)値を決定するために、Malvern Mastersizer装置でレーザー光回折を用いて決定した。
【0127】
分析条件を、表1に示す。
【0128】
【0129】
実施例で用いた充てん剤は、アルファ化デンプン、すなわち、Starch1500(登録商標)またはLycatab C(登録商標)のいずれかであり、滑沢剤は、硬化植物油、すなわち、Sterotex(登録商標)およびLubritab(登録商標)のいずれかであった。
【0130】
実施例1
D(v,0.5)が2.3μmおよびD(v,0.9)が6.9μmであるタスキニモド粒子
タスキニモド粉末(80g)を、処理ガスとして窒素を用いた流体エネルギージェットミルで微粒子化した。未微粒子化材料についての供給速度を、ロスインウェイトスクリューフィーダーを用いて6kg/hで制御し、ヴェンチュリ圧力を69~103kPa(10~15psi)に設定した。粉砕機の圧力を、276kPa(40psi)以下に設定し、工程内管理分析の結果に応じて調整して、望ましい粒度分布パラメータ(D(v,0.5)およびD(v,0.9))を得た。
【0131】
実施例2
D(v,0.5)が4.9μm、D(v,0.9)が14.0μmであるタスキニモド粒子
タスキニモド粒子を、実施例1に記載した通り調製した。
【0132】
実施例3
D(v,0.5)が6.4μm、D(v,0.9)が16.9μmであるタスキニモド粒子
タスキニモド粒子を、実施例1に記載した通り調製した。
【0133】
実施例4
タスキニモド(D(v,0.5)2.3μm、D(v,0.9)6.9μm)1.0mgを含有する経口カプセル
充てん剤および滑沢剤との混合物として実施例1のタスキニモド粒子を含有する経口投与用カプセルを、次の通り調製した:タスキニモド粒子(0.5g)を、最初に充てん剤(73g)とブレンドし、その後、滑沢剤(1.5g)を添加した。得られた混合物を、白色硬ゼラチンサイズ4カプセルに充てんした。合計で、500カプセルを得たが、各カプセルは150mgの混合物を含有し、これは1.0mgのタスキニモドの投与強度に相当する。
【0134】
実施例5
タスキニモド(D(v,0.5)4.9μm、D(v,0.9)14.0μm)1.0mgを含有する経口カプセル
実施例2のタスキニモド粒子を用いて、実施例4の手順を繰り返し、それぞれタスキニモドの投与強度が1.0mgである500カプセルを得た。
【0135】
実施例6
タスキニモド(D(v,0.5)6.4μm、D(v,0.9)16.9μm)1.0mgを含有する経口カプセル
実施例3のタスキニモド粒子を用いて、実施例4の手順を繰り返し、それぞれタスキニモドの投与強度が1.0mgである500カプセルを得た。
【0136】
比較例1
タスキニモド(D(v,0.5)15.9μm、D(v,0.9)38.1μm)1.0mgを含有する経口カプセル
充てん剤および滑沢剤との混合物として、D(v,0.5)が15.9μmおよびD(v,0.9)が38.1μmである微粒子化タスキニモド粒子を含有するカプセルを、実施例4の手順に従うことにより調製した。各カプセルは、タスキニモドの投与強度1.0mgに相当する混合物150mgを含有した。
【0137】
比較例2
タスキニモド(D(v,0.5)22.4μm、D(v,0.9)63.8μm)1.0mgを含有する経口カプセル
充てん剤および滑沢剤との混合物として、D(v,0.5)が22.4μmおよびD(v,0.9)が63.8μmである微粒子化タスキニモド粒子を含有するカプセルを、実施例4の手順に従うことにより調製した。各カプセルは、タスキニモドの投与強度1.0mgに相当する混合物150mgを含有した。
【0138】
比較例3
タスキニモド(D(v,0.5)39.9μm、D(v,0.9)121.1μm)1.0mgを含有する経口カプセル
充てん剤および滑沢剤との混合物として、D(v,0.5)が39.9μmおよびD(v,0.9)が121.0μmである未微粒子化タスキニモド粒子を含有するカプセルを、実施例4の手順に従うことにより調製した。各カプセルは、タスキニモドの投与強度1.0mgに相当する混合物150mgを含有した。
【0139】
溶出プロフィール
実施例4~6および比較例1~3の溶出率をそれぞれ、欧州薬局方/米国薬局方溶出装置1(I型バスケット)を用いて、溶出媒体の体積500mLにより、浴温37℃および撹拌速度100rpmで、および液体クロマトグラフィー(LC)によるサンプル試験で試験した。
【0140】
溶出媒体は、試験終了時にタスキニモドの少なくとも85%が溶出することを保証するよう選択された、0.05Mリン酸緩衝液(pH6.8)であり、タスキニモドは、pKaが6.5の弱酸であり、溶解度はpHと共に増加した。得られた溶出プロフィールを、
図1に示す。D(v,0.5)が15.9μmに過ぎなくとも、タスキニモド粒子の溶出率は、驚くほど低い。
【0141】
さらなる調査のために、得られた溶出プロフィールを、参照として選択した実施例5により、f1/f2検定(類似性因子を用いたモデル独立アプローチ)を用いて統計的に比較した(表2を参照のこと)。
【0142】
【0143】
f1/f2値を用いた溶出プロフィールの比較では、f1値15まで(0~15)およびf2値50超(50~100)が、2つの溶出プロフィールの類似性または同等性を示すと考えられる。f1/f2統計比較試験によって、D(v,0.5)がそれぞれ2.3μmおよび6.4μmのタスキニモド粒子を含有する実施例4および6のカプセルは、実施例5と類似の溶出プロフィールであったのに対し、D(v,0.5)が15.9~39.9μmのタスキニモド粒子を含有する比較例1~3は、実施例5よりも有意に遅い溶出速度に相当する溶出プロフィールを有したことを示した。
【0144】
実施例7
D(v,0.5)が7.5μm、D(v,0.9)が24.7μmであるタスキニモド粒子
タスキニモド粒子(総量4.5kg)を、本質的に実施例1に記載した通り調製した。
【0145】
実施例8
D(v,0.5)が4.3μm、D(v,0.9)が18.3μmであるタスキニモド粒子
タスキニモド粒子(総量0.9kg)を、本質的に実施例1に記載した通り調製した。
【0146】
実施例9
D(v,0.5)が3.4μm、D(v,0.9)が11.5μmであるタスキニモド粒子
タスキニモド粒子(総量4.5kg)を、本質的に実施例1に記載した通り調製した。
【0147】
実施例7~9の粒子について、粒度分布を測定した。結果を
図2に示す。
【0148】
実施例10
D(v,0.5)が8.5μm、D(v,0.9)が21.7μmであるタスキニモド粒子
タスキニモド粒子(総量2.8kg)を、本質的に実施例1に記載した通り調製した。
【0149】
実施例11
タスキニモド(D(v,0.5)7.5μm、D(v,0.9)24.7μm)0.25mgを含有する経口カプセル
充てん剤および滑沢剤との混合物として、実施例7のタスキニモド粒子を含有する経口投与用カプセルを、工業的規模で、次の通り調製した:タスキニモド粒子(混合物の総重量の0.17%)を最初に充てん剤(混合物の総重量の97.83%)とブレンドし、その後、滑沢剤(混合物の総重量の2.00%)を添加した。得られた混合物(180kg)を、白色硬ゼラチンサイズ4カプセルに充てんした。各カプセルは、タスキニモドの投与強度0.25mgに相当する、混合物150mgを含有し、最大バッチサイズは1,200,000カプセルとなった。
【0150】
実施例12
タスキニモド(D(v,0.5)4.3μm、D(v,0.9)18.3μm)0.5mgを含有する経口カプセル
充てん剤および滑沢剤との混合物として、実施例8のタスキニモド粒子を含有する経口投与用カプセルを、工業的規模で、次の通り調製した:タスキニモド粒子(混合物の総重量の0.33%)を最初に充てん剤(混合物の総重量の97.67%)とブレンドし、その後、滑沢剤(混合物の総重量の2.00%)を添加した。得られた混合物(180kg)を、白色硬ゼラチンサイズ4カプセルに充てんした。各カプセルは、タスキニモドの投与強度0.5mgに相当する、混合物150mgを含有し、最大バッチサイズは1,200,000カプセルとなった。
【0151】
実施例13
タスキニモド(D(v,0.5)3.4μm、D(v,0.9)11.5μm)1.0mgを含有する経口カプセル
充てん剤および滑沢剤との混合物として、実施例9のタスキニモド粒子を含有する経口投与用カプセルを、工業的規模で、次の通り調製した:タスキニモド粒子(混合物の総重量の0.67%)を最初に充てん剤(混合物の総重量の97.33%)とブレンドし、その後、滑沢剤(混合物の総重量の2.00%)を添加した。得られた混合物(180kg)を、白色硬ゼラチンサイズ4カプセルに充てんした。各カプセルは、タスキニモドの投与強度1.0mgに相当する、混合物150mgを含有し、最大バッチサイズは1,200,000カプセルとなった。
【0152】
実施例14
タスキニモド(D(v,0.5)8.5μm、D(v,0.9)21.7μm)1.0mgを含有する経口カプセル
充てん剤および滑沢剤との混合物として、実施例10のタスキニモド粒子を含有する経口投与用カプセルを、工業的規模で、次の通り調製した:タスキニモド粒子(混合物の総重量の0.67%)を最初に充てん剤(混合物の総重量の97.33%)とブレンドし、その後、滑沢剤(混合物の総重量の2.00%)を添加した。得られた混合物(180kg)を、白色硬ゼラチンサイズ4カプセルに充てんした。各カプセルは、タスキニモドの投与強度1.0mgに相当する、混合物150mgを含有し、最大バッチサイズは1,200,000カプセルとなった。実施例13および14のカプセルの溶出率を、本明細書中の上記に記載したアッセイで測定した。結果を
図3に示す。
【0153】
実施例15
D(v,0.5)が4.8μm、D(v,0.9)が16.0μmであるタスキニモド粒子
タスキニモド粒子(総量0.9kg)を、本質的に実施例1に記載した通り調製した。
【0154】
実施例16
D(v,0.5)が5.2μm、D(v,0.9)が16.0μmであるタスキニモド粒子
タスキニモド粒子(総量2.0kg)を、本質的に実施例1に記載した通り調製した。
【0155】
実施例17
タスキニモド(D(v,0.5)4.8μm、D(v,0.9)16μm)1.0mgを含有する経口カプセル
実施例15のタスキニモド粒子を用いて、実施例13の手順を繰り返し、200,000カプセルを得、各カプセルは、タスキニモド1.0mgを含有した。
【0156】
実施例18~20
タスキニモド(D(v,0.5)5.2μm、D(v,0.9)16μm)1.0mgを含有する経口カプセル
実施例16のタスキニモド粒子を用いて、実施例13の手順を繰り返し、200,000カプセルの3バッチを得、各カプセルは、タスキニモド1.0mgを含有した。
【0157】
実施例17~20のカプセルの溶出率を、本明細書中の上記に記載されるアッセイで測定した。結果を
図4に示す。
【0158】
図4に例示される通り、異なるバッチのカプセルの溶出プロフィールは、それぞれD(v,0.5)が4.8μm(実施例17)および5.2μm(実施例18~20)であるタスキニモド粒子を含有するカプセルについて非常に類似しており、溶出プロフィールは、即時放出製剤に相当する。
【0159】
実施例21
D(v,0.5)が6.0μm、D(v,0.9)が16μmであるタスキニモド粒子
タスキニモド粉末(300g)を、窒素を処理ガスとして用いて、Alpine(登録商標)Spiral Jet Mill 50 AS(Hosokawa Alpine AG製、Germany)により微粒子化した。未微粒子化物質についての供給速度を、振動供給装置を用いて10g/分で制御し、インジェクター圧を、1.8~5バール(bar)(180~500kPa)に設定した。粉砕機の圧力を0.5~1バールに設定して、望ましい粒度分布パラメータ(D(v,0.5)およびD(v,0.9))を得た。
【0160】
実施例22
タスキニモド(D(v,0.5)6.0μm、D(v,0.9)16μm)0.25mgを含有する経口カプセル
充てん剤および滑沢剤との混合物として、実施例21のタスキニモド粒子を含有する経口投与用カプセルを、工業的規模で、次の通り調製した:タスキニモド粒子(混合物の総重量の0.17%)を最初に充てん剤(混合物の総重量の97.83%)とブレンドし、その後、滑沢剤(混合物の総重量の2.00%)を添加した。得られた混合物(7.5kg)を、白色硬ゼラチンサイズ4カプセルに充てんした。各カプセルは、タスキニモドの投与強度0.25mgに相当する、混合物150mgを含有し、最大バッチサイズは50,000カプセルとなった。
【0161】
実施例22のカプセルの溶出率を、本明細書中の上記に記載したアッセイで測定した。得られた溶出プロフィールは、実施例17~20と類似しており、即時放出製剤に相当した。
【国際調査報告】