(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】熱界面構造を有する電子アセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01L 23/36 20060101AFI20240517BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
H01L23/36 D
H05K7/20 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571287
(86)(22)【出願日】2022-05-16
(85)【翻訳文提出日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 US2022029463
(87)【国際公開番号】W WO2022245740
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510192916
【氏名又は名称】テスラ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナボヴァティ,アイディン
(72)【発明者】
【氏名】パン,メンジー
(72)【発明者】
【氏名】ナスル,モハメド
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AB06
5E322FA04
5E322FA06
5E322FA09
5F136BC01
5F136BC07
5F136DA25
5F136FA01
5F136FA02
5F136FA03
5F136FA23
5F136FA25
(57)【要約】
ウエハ上のシステムのアセンブリなどの電子アセンブリが開示される。アセンブリは、第1の側面を有する電子部品と、電子部品の第1の側面に結合された熱除去構造と、熱界面層および接着層を含む熱界面構造とを含むことができる。電子部品は、ウエハ上のシステム(SoW)とすることができる。熱界面層は、電子部品の第1の側面と放熱構造との間に配置される。接着層は、熱除去構造と熱界面層との間に位置している。熱界面構造により、比較的低い圧力で電子部品と熱除去構造とをともに取り付けることができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の側面を有する電子部品と、
前記電子部品の前記第1の側面に結合された熱除去構造と、
熱界面層および接着層を有する熱界面構造であって、前記熱界面層が、前記電子部品の前記第1の側面と前記熱除去構造との間に位置し、前記接着層が前記熱除去構造と前記熱界面層との間に位置する、熱界面構造と、
を備える、電子アセンブリ。
【請求項2】
前記電子部品がウエハ上のシステム(SoW)である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記熱界面層が、前記電子部品の前記第1の側面にほぼ垂直に整列した垂直に整列したグラファイト層を含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記熱界面層がカーボンナノチューブ層を含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記熱界面層の厚さが、前記接着層の厚さよりも大きい、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記接着層が、前記電子部品の前記第1の側面にほぼ平行に整列した水平に整列したグラファイト層を含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記熱界面層が、前記電子部品の前記第1の側面にほぼ垂直に整列した垂直に整列したグラファイト層を含み、前記接着層が、前記電子部品の前記第1の側面にほぼ平行に整列した水平に整列したグラファイト層を含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記接着層が、金属接着層または熱グリース層を含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記接着層が前記金属接着層を含み、前記金属接着層が金またはインジウムを含む、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記熱除去構造が金属板を備える、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記電子部品と前記熱界面層との間に第2の接着層をさらに含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記第1の側面の反対側の前記電子部品の第2の側面に結合された制御基板と、前記電子部品の前記第2の側面と前記制御基板との間の第2の熱除去構造とをさらに備える、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項13】
電子アセンブリを製造する方法であって、
(a)電子部品の第1の側面と熱除去構造との間の熱界面層と、(b)前記熱界面層と前記熱除去構造との間の接着層と、を設けるステップと、
前記熱界面層を介して前記電子部品と前記熱除去構造とを接合するために圧力を加えるステップと、を含む、方法。
【請求項14】
前記電子アセンブリがウエハ上のシステムのアセンブリであり、前記電子部品がウエハ上のシステム(SoW)である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記熱界面層の厚さが、前記接着層の厚さよりも大きい、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記接着層が、
前記電子部品の第1の側面とほぼ平行に整列した水平に整列したグラファイト層、
金属接着層、または
熱グリース層、の1つを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記電子部品と前記熱界面層との間に第2の接着層をさらに含み、前記接着層と前記第2の接着層とが同じ材料を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の側面とは反対側の前記電子部品の第2の側面に制御基板を設けるステップと、前記電子部品の前記第2の側面と前記制御基板との間に第2の熱除去構造を設けるステップとをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
第1の側面を有するウエハと、
前記ウエハに結合された熱除去構造と、
前記ウエハの前記第1の側面と前記熱除去構造との間に配置され、前記第1の側面と前記熱除去構造とを接合する熱界面構造であって、前記熱界面構造が熱界面材料を含む、熱界面構造と、
前記ウエハと前記熱除去構造との間の溝であって、前記熱界面材料の少なくとも一部が前記溝内に配置される、溝と、を備えた、ウエハアセンブリ。
【請求項20】
前記溝が、前記ウエハの表面内にある、請求項19に記載のアセンブリ。
【請求項21】
前記溝が、前記熱除去構造の表面内にある、請求項19に記載のアセンブリ。
【請求項22】
前記熱界面材料が熱グリースを含む、請求項19に記載のアセンブリ。
【請求項23】
前記熱界面構造が、前記ウエハの前記第1の側面にほぼ垂直に整列した垂直に整列したグラファイト層を含む熱界面層、またはカーボンナノチューブ層を含む熱界面層を含む、請求項19に記載のアセンブリ。
【請求項24】
前記第1の側面とは反対側の前記ウエハの第2の側面に結合された制御基板と、前記ウエハの前記第2の側面と前記制御基板との間の第2の熱除去構造と、をさらに備えている、請求項19に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年5月18日に出願された「SYSTEM ON A WAFER ASSEMBLIES WITH THERMAL INTERFACE STRUCTURE」と題する米国仮特許出願第63/190,122号の利益を主張し、その開示は、その全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、ウエハ上のシステムのアセンブリなどの電子アセンブリに関し、より具体的には、熱界面構造を有するそのようなアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
ウエハ上のシステムのアセンブリは、集積デバイスダイのアレイを含むウエハ上のシステム(SoW)を含む。SoWは動作中に発熱する。熱除去構造(例えば、冷却溶液)がSoWに取り付けられ、SoWによって発生した熱を除去する。SoWと熱除去構造とを接合する場合、SoWから熱除去構造への熱の移動を容易にするために、SoWと熱除去構造との間に対応する高導電層が配置される。そのような層は、一般に熱界面材料(TIM)と呼ばれ、前述の2つの構成要素間に熱ブリッジを形成するのに役立つ。ほとんどのTIMは、望ましい熱性能を得るためにそれらにかなりの圧力を必要とする。そのような圧力は、SoWおよび/またはその構成要素を損傷し、またはそれらの長期の信頼性に悪影響を及ぼす可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、電子アセンブリが開示される。電子アセンブリは、第1の側面を有する電子部品と、電子部品の第1の側面に結合された熱除去構造と、熱界面層および接着層を含む熱界面構造とを含む。熱界面層は、電子部品の第1の側面と熱除去構造との間に配置される。接着層は、熱除去構造と熱界面層との間に位置している。
【0005】
一実施形態では、電子部品は、ウエハ上のシステム(SoW)である。
【0006】
一実施形態では、熱界面層は、電子部品の第1の側面にほぼ垂直に整列した垂直に整列したグラファイト層を含む。
【0007】
一実施形態では、熱界面層はカーボンナノチューブ層を含む。
【0008】
一実施形態では、熱界面層の厚さは、接着層の厚さよりも大きい。
【0009】
一実施形態では、接着層は、電子部品の第1の側面とほぼ平行に整列した水平に整列したグラファイト層を含む。
【0010】
一実施形態では、熱界面層は、電子部品の第1の側面にほぼ垂直に整列した垂直に整列したグラファイト層を含む。接着層は、電子部品の第1の側面とほぼ平行に整列した水平に整列したグラファイト層を含むことができる。
【0011】
一実施形態では、接着層は金属接着層を含む。金属接着層は、金またはインジウムを含むことができる。
【0012】
一実施形態では、接着層は熱グリース層を含む。熱除去構造は、溝を含むことができる。熱グリース層の少なくとも一部は、溝内に配置することができる。
【0013】
一実施形態において、熱除去構造は、金属板を含む。
【0014】
一実施形態では、アセンブリは、電子部品と熱界面層との間に第2の接着層をさらに含む。接着層と第2の接着層とは、同じ材料を含むことができる。
【0015】
一実施形態では、アセンブリは、第1の側面の反対側の電子部品の第2の側面に結合された制御基板をさらに含む。アセンブリは、電子部品の第2の側面と制御基板との間に第2の熱除去構造をさらに含むことができる。
【0016】
一態様では、電子アセンブリを製造する方法が開示される。本方法は、(a)電子部品の第1の側面と熱除去構造との間の熱界面層と、(b)熱界面層と熱除去構造との間の接着層と、を設けることを含む。本方法は、熱界面層を介して電子部品と熱除去構造とを接合するために圧力を加えることを含む。
【0017】
一実施形態では、電子アセンブリはウエハ上のシステムのアセンブリであり、電子部品はウエハ上のシステム(SoW)である。
【0018】
一実施形態では、熱界面層は、電子部品の第1の側面にほぼ垂直に整列した垂直に整列したグラファイト層を含む。
【0019】
一実施形態では、熱界面層はカーボンナノチューブ層を含む。
【0020】
一実施形態では、熱界面層の厚さは、接着層の厚さよりも大きい。
【0021】
一実施形態では、接着層は、電子部品の第1の側面とほぼ平行に整列した水平に整列したグラファイト層を含む。
【0022】
一実施形態では、接着層は金属接着層を含む。金属接着層は、金またはインジウムの少なくとも1つを含む。
【0023】
一実施形態では、接着層は熱グリース層を含む。熱除去構造は、溝を含むことができる。熱グリース層の少なくとも一部は、溝内に配置することができる。
【0024】
一実施形態では、本方法は、電子部品と熱界面層との間に第2の接着層をさらに含む。接着層と第2の接着層とは、同じ材料を含むことができる。
【0025】
一実施形態では、本方法は、第1の側面の反対側の電子部品の第2の側面に制御基板を設けることをさらに含む。本方法は、電子部品の第2の側面と制御基板との間に第2の熱除去構造を設けることをさらに含むことができる。
【0026】
一態様では、ウエハアセンブリが開示される。ウエハアセンブリは、第1の側面を有するウエハと、ウエハに結合された熱除去構造と、ウエハの第1の側面と熱除去構造との間に配置され、それらを接合する熱界面構造と、ウエハと熱除去構造との間の溝とを含む。熱界面構造は、熱界面材料を含む。熱界面材料の少なくとも一部は、溝内に配置される。
【0027】
一実施形態では、溝はウエハの表面内にある。
【0028】
一実施形態では、溝は、熱除去構造の表面内にある。
【0029】
一実施形態では、熱界面材料は熱グリースを含む。
【0030】
一実施形態では、熱界面構造は、ウエハの第1の側面にほぼ垂直に整列した垂直に整列したグラファイト層を含む熱界面層を含む。
【0031】
一実施形態では、熱界面構造は、カーボンナノチューブ層を含む熱界面層を含む。
【0032】
一実施形態では、アセンブリは、第1の側面の反対側のウエハの第2の側面に結合された制御基板をさらに含む。アセンブリは、ウエハの第2の側面と制御基板との間に第2の熱除去構造をさらに含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
ここで、限定ではなく例として提供される以下の図面を参照して、特定の実施態様を説明する。
【0034】
【
図1】ウエハ上のシステム(SoW)のアセンブリの概略側断面図である。
【0035】
【
図2】一実施形態によるウエハ上のシステムのアセンブリの概略側断面図である。
【0036】
【
図3A】別の実施形態によるウエハ上のシステムのアセンブリの概略側断面図である。
【0037】
【
図3B】別の実施形態によるウエハ上のシステムのアセンブリの概略側断面図である。
【0038】
【
図3C】別の実施形態によるウエハ上のシステムのアセンブリの概略側断面図である。
【0039】
【
図4A】別の実施形態による熱界面構造の概略側断面図である。
【0040】
【
図4B】別の実施形態による熱界面構造の概略側断面図である。
【0041】
【
図4C】別の実施形態による熱界面構造の概略側断面図である。
【0042】
【
図5A】一実施形態による
図3Bのアセンブリを製造するプロセスのステップを示す図である。
【0043】
【
図5B】一実施形態による
図3Bのアセンブリを製造するプロセスにおける別のステップを示す図である。
【0044】
【
図5C】一実施形態による
図3Bのアセンブリを製造するプロセスにおける別のステップを示す図である。
【0045】
【
図6】一実施形態によるウエハ上のシステムのアセンブリを製造するプロセスのフローチャートである。
【0046】
【
図7A】別の実施形態によるウエハ上のシステムのアセンブリの概略側断面図である。
【0047】
【
図7B】別の実施形態によるウエハ上のシステムのアセンブリの概略側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
特定の実施形態の以下の詳細な説明は、特定の実施形態の様々な説明を提示する。しかし、本明細書に記載された技術革新は、例えば、特許請求の範囲によって定義および包含されるように、多数の異なる方法で実施することができる。この説明では、同様の参照符号および/または用語が同一または機能的に同様の要素を示すことができる図面を参照する。図面に示されている要素は、必ずしも縮尺通りに描かれていないことが理解されよう。さらに、特定の実施形態は、図面に示されているよりも多くの要素および/または図面に示されている要素のサブセットを含むことができることが理解されよう。さらに、いくつかの実施形態は、2つ以上の図面からの特徴の任意の適切な組み合わせを組み込むことができる。
【0049】
ウエハ上のシステムのアセンブリは、ウエハ上のシステム(SoW)と、SoWに結合された熱除去構造とを含むことができる。SoWおよび/または熱除去構造の接合面は、表面が接触したときに接合面の間に隙間または空隙が形成されるように粗面とすることができる。SoWと放熱構造との接合面間に熱界面材料を設けることができる。熱界面材料は、接合面間の隙間の形成を緩和および/または防止することができる。熱界面材料は、空気よりも良好な熱の移動のための熱伝導率を提供することができる。
【0050】
しかし、特定の熱界面材料では、SoWと熱除去構造との接合は、比較的高い圧力を伴う可能性がある。例えば、少なくとも40ポンド/平方インチ(psi)が、結合のために特定の熱界面材料を活性化させるために適用される。これは、SoWに合計で約3000psiの力を伴い得る。不均一なSoWスタックアップ耐性のために、そのような力は重大な懸念となり得る。接合のための比較的高い圧力は、場合によっては、ウエハ割れおよび/またはSoWもしくは他のシステム構成要素への他の損傷をもたらす可能性がある。接合のための比較的高い圧力は、SoWおよび/またはSoWアセンブリの関連する電子機器の信頼性を低下させる可能性がある。さらに、液体形態の材料などの低圧接合熱界面材料を熱界面材料として使用することには、いくつかの課題がある可能性がある。例えば、液体形態の材料は、経時的に乾燥し、SoWと熱除去構造との間に空隙を作り出す場合がある。
【0051】
本明細書に開示される様々な実施形態は、SoWと、熱輸送、移動、除去、または放散のための比較的高い熱伝導率を有する熱界面層との低圧接合を達成することができる接着層を含む熱界面構造を有するSoWアセンブリに関する。そのようなSoWアセンブリは、製造中の高圧接合に関連する欠点なしに良好な熱性能を達成することができる。本明細書で開示される様々な実施形態は、熱グリースなどの低圧接合熱界面材料に適したSoWアセンブリのためのSoWおよび/または熱除去構造で形成された構造(例えば、リザーバまたは溝)に関する。
【0052】
本明細書に開示される様々な実施形態は、SoWを含むSoWアセンブリに関連して説明され得る。しかし、本明細書に開示される任意の適切な原理および利点は、電子部品を含む任意の適切な電子アセンブリで実施することができる。
【0053】
図1は、ウエハ上のシステム(SoW)のアセンブリ10の概略側断面図を示している。SoWアセンブリは、電子アセンブリの一例である。
図1に示すように、SoWアセンブリ10は、熱除去構造26(例えば、放熱構造)と、電子部品(例えば、SoW24)と、電圧調整モジュール(VRM)16と、冷却システム32と、熱界面材料(TIM)を含むTIM構造21と、TIMを含むTIM構造23とを含む。TIM構造21および/または23は、本明細書に開示される任意の適切な熱界面構造を含むことができる。いくつかの用途では、本明細書に開示される熱界面構造の特定の利点は、熱界面構造がTIM構造23として使用される場合に顕著になり得る。VRM16は、TIMを間に配置してウエハ上に配置することができる電子モジュールまたは電子部品の例である。本開示の特徴は、SoWアセンブリ10および/または任意の他の適切な処理システムを含むシステムにおいて実施することができる。SoWアセンブリ10は、高い計算密度を有することができ、SoWアセンブリ10によって生成された熱を放散することができる。
【0054】
SoWアセンブリ10内の構成要素のスタックは、処理システムに含めることができるアセンブリの一例である。本明細書に開示される様々な原理および利点は、構成要素間にTIMを有する任意の他の適切なアセンブリまたはシステムで実施することができる。
【0055】
SoW24と熱除去構造26とは結合されている。熱除去構造26とSoW24との間にTIM構造23を設けることができる。熱除去構造26は、SoW24から熱を放散させることができる。熱除去構造26は、銅および/またはアルミニウムなどの金属を含むことができる。熱除去構造26は、代替的または追加的に、望ましい放熱特性を有する任意の他の適切な材料を含むことができる。熱除去構造26とSoW14との間に含まれる熱界面材料は、熱除去構造26とSoW14との間の熱移動抵抗を低減および/または最小化することができる。
【0056】
SoW24と熱除去構造26とは結合されている。熱除去構造26とSoW24との間にTIM構造23を設けることができる。熱除去構造26は、SoW24から熱を放散させることができる。熱除去構造26は、銅および/またはアルミニウムなどの金属を含むことができる。
【0057】
SoW24は、集積回路(IC)ダイのアレイを含むことができる。ICダイは、成形材料に埋め込むことができる。SoW24は、高い計算密度を有することができる。ICダイのアレイは、任意の適切な数のICダイを含むことができる。SoW24は、例えば、統合ファンアウト(InFO)ウエハとすることができる。InFOウエハは、ICダイのアレイ上に複数のルーティング層を含むことができる。InFOウエハのルーティング層は、ICダイ間および/または外部構成要素への信号接続を提供することができる。SoW24は、比較的大きな直径を有することができる。
【0058】
VRM16は、各VRMがSoW24のICダイと積層されるように配置することができる。SoWアセンブリ10では、VRM16の高密度充填が存在する。したがって、VRM16はかなりの電力を消費する可能性がある。VRM16は、直流(DC)供給電圧を受け取り、より低い出力電圧をSoW24の対応するICダイに供給するように構成される。SoWアセンブリ10は、冷却システム32とVRM16との間にTIM構造21を含む。TIM構造21は、冷却システム32とVRM16との間の熱伝導率を改善することができる。TIM構造21は、冷却システム32とVRM16との間の接着を提供することができる。TIM構造21には、冷却システム32を設けることができる。
【0059】
冷却システム32は、任意の適切な冷却構造を備えることができる。冷却システム32は、VRM16に能動冷却を提供することができる。能動冷却は、冷却システム32を通って流れる液体冷却剤などの冷却剤を含むことができる。
【0060】
図2は、一実施形態によるSoWアセンブリ20の概略側断面図である。アセンブリ20は、第1の側面24a、および第1の側面24aの反対側の第2の側面24bを有するSoW24と、熱除去構造26とを含むことができる。アセンブリ20はまた、SoW24の第1の側面24aと熱除去構造26との間に配置された熱界面構造28を含むことができる。アセンブリ20はまた、SoW24の第2の側面24bに、ギャップパッド30、第1の冷却構造(冷却システム32)、第1の介在層34、制御基板36、第2の介在層38、および第2の冷却構造40を含むことができる。いくつかの実施形態では、SoW24は制御基板36に電気的に接続することができる。
【0061】
SoW24の第1の側面24aおよび/またはSoW24に結合された熱除去構造26の表面は、特定の表面プロファイルまたは微視的粗さを有することができる。そのような表面が接触しているとき、空隙または隙間(例えば、エアギャップ)が2つの表面の間に形成され得る。空隙または隙間は、SoW24と熱除去構造26との間の熱の移動を低減および/または中断する場合がある。SoW24と熱除去構造26との間の熱界面構造28は、空隙または隙間の形成を緩和および/または防止するために、SoW24の第1の側面および熱除去構造26の表面に適合することができる。したがって、熱界面構造28を備える方が、熱界面構造28を備えない場合よりも、SoW24によって発生した熱を効率的に熱除去構造26に伝えることができる。熱界面構造28は、任意の適切な構造または材料を備えることができる。熱界面構造28は、本明細書に記載の多層構造を備えることができる。
【0062】
熱界面構造28が2つの接続構造間の隙間を効果的に充填するためには、特定の用途では熱除去構造26とSoW24との間で効果的に圧縮される必要がある。多くの場合、圧力が高いほど、2つの構造間の熱接触は良好になる。しかし、特定の実施形態では、SoW24は、外圧によって影響を受け得る回路素子を含む。したがって、SoW24と熱除去構造26との間の十分な接合強度を得るためには、できるだけ圧力をかけないことが望ましい場合がある。
【0063】
高圧を印加することの別の悪影響は、熱除去構造26とSoW24との間の強力な機械的結合を含むことができる。そのような機械的結合は、熱膨張および収縮の下で熱除去構造26とSoW24との間に大きなせん断力を引き起こす可能性があり、その結果、アセンブリの信頼性に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0064】
図3Aから
図3Cは、様々な熱界面構造を有するSOWアセンブリの概略断面側面図である。異なるタイプの熱界面材料または同じ材料の異なる配向を組み合わせることにより、SoW24と熱除去構造26との間の低い熱抵抗を維持しながら、所望の圧縮圧力を低減し、および/またはSoW24と熱除去構造26との間のせん断結合を低減することが可能である。
図3Aから
図3Cでは、異なる熱界面材料の3つの異なる組み合わせが熱界面構造に示されている。
【0065】
図3Aから
図3Cの実施形態は、例えば、接合面が比較的高い粗さを有する場合に有利であり得る。熱界面構造は、高い熱性能のための低い接触抵抗、ウエハ割れのリスクを低減し、および/または信頼性を高めることができる製造中に取り付けるための低い機械的クランプ力、またはSoWと放熱構造との間の機械的な緩み結合を改善するための低い界面せん断応力のうちの1つまたは複数を達成することができる。したがって、熱界面構造は、比較的低い圧力接合および/または低いせん断応力結合を可能にしながら、良好な熱性能を達成することができる。
【0066】
図3Aは、一実施形態によるSoWアセンブリ50の概略側断面図である。特に別様に明記しない限り、
図3AのSoWアセンブリ50の構成要素は、本明細書に開示される任意のSoWアセンブリの同様の構成要素と同じまたはほぼ同様とすることができる。
図3Aは、厚さt2を有する接着層54が熱除去構造側に配置され、厚さt1を有する熱界面層52がSoWアセンブリ側に配置されることを示す。熱界面層52および接着層54の各々は、SoW24または熱除去構造26のいずれかからのそれらの対応する側の特定の仕様を満たすように選択することができる。
【0067】
アセンブリ50は、第1の側面24a、および第1の側面24aの反対側の第2の側面24bを有するSoW24と、熱除去構造26とを含むことができる。アセンブリ50はまた、SoW24の第1の側面24aと熱除去構造26との間に配置された熱界面構造58を含むことができる。熱界面構造58は、SoW24の第1の側面24aと熱除去構造26との間に配置された熱界面層52と、SoW24の第1の側面24aと熱界面層52との間に配置された接着層54とを備えることができる。熱界面層52および接着層54により、熱界面構造58は、比較的高い熱伝導率を達成することができ、また、SoW24と熱除去構造26とを比較的低い圧力で接合するのを助けることもできる。
【0068】
いくつかの実施形態では、熱界面層52は、グラファイト、炭素、インジウムなど、またはそれらの任意の合金などの熱伝導性材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、熱界面層52は、熱グリース、パテ、または二液型エポキシなどの分注可能な材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、熱界面層52は、硬化ギャップパッド、グラファイトパッド、相変化材料パッド、または金属パッドなどのパッドを含むことができる。いくつかの実施形態では、熱界面層52は、SoW24の第1の側面にほぼ垂直に整列した垂直に整列したグラファイト、またはカーボンナノチューブを含むことができる。
【0069】
接着層54は、接着層54なしでSoW24と熱界面層52とを接合する場合と比較して、SoW24と熱界面層52との間の接着強度を改善する材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、接着層54は、SoW24と熱除去構造26とを接合するための圧力を有利に低減することができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、提案されるアセンブリをどのように構成することができるかの例として、接着層54は、(例えば、
図4Aに示すような)SoW24の第1の側面24aとほぼ平行に整列した水平に整列したグラファイト層、(例えば、
図4Bに示すような)メタライゼーション層、または(例えば、
図4Cに示すような)熱グリースを含むことができる。例えば、メタライゼーション層は、金および/またはインジウムを含むことができる。熱界面層52の熱伝導率は、通常は、接着層54の熱伝導率よりも大きい。いくつかの実施形態では、接着層54の表面は、熱界面層52の表面よりも滑らかとすることができる。
【0071】
熱界面層52は、厚さt1を有する。熱界面層52の厚さt1は、各特定の用途の熱的、機械的、および/または製造上の要件を満たすように調整することができる。
【0072】
接着層54は、厚さt2を有する。接着層54の厚さt2は、熱抵抗またはアセンブリ厚さを最小限に抑えながら、熱界面層52と熱除去構造26またはSoW24との間の適切な接触を提供するように最適化することができる。
【0073】
図3Bは、別の実施形態によるSoWアセンブリ60の概略側断面図である。特に別様に明記しない限り、
図3BのSoWアセンブリ60の構成要素は、本明細書に開示される任意のSoWアセンブリの同様の構成要素と同じまたはほぼ同様とすることができる。
【0074】
アセンブリ60は、第1の側面24a、および第1の側面24aの反対側の第2の側面24bを有するSoW24と、熱除去構造26とを含むことができる。アセンブリ60はまた、SoW24の第1の側面24aと熱除去構造26との間に配置された熱界面構造68を含むことができる。熱界面構造68は、SoW24の第1の側面24aと熱除去構造26との間に配置された熱界面層52と、熱界面層52と熱除去構造26との間に配置された接着層64とを備えることができる。
【0075】
接着層64は、接着層64なしで熱除去構造26と熱界面層52とを接合するのと比較して、熱除去構造26と熱界面層52との間の接着強度を改善する材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、接着層64は、SoW24と熱除去構造26とを接合するための圧力を有利に低減することができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、接着層64は、(例えば、
図4Aに示すような)SoW24の第1の側面24aと平行に整列した水平に整列したグラファイト層、(例えば、
図4Bに示すような)メタライゼーション層、または(例えば、
図4Cに示すような)熱グリースを含むことができる。例えば、メタライゼーション層は、金またはインジウムを含むことができる。いくつかの実施形態では、熱界面層52の熱伝導率は、接着層64の熱伝導率よりも大きくすることができる。いくつかの実施形態では、接着層64の表面は、熱界面層52の表面よりも滑らかとすることができる。
【0077】
図3Cは、別の実施形態によるSoWアセンブリ70の概略側断面図である。特に別様に明記しない限り、
図3CのSoWアセンブリ70の構成要素は、本明細書に開示される任意のSoWアセンブリの同様の構成要素と同じまたはほぼ同様とすることができる。
図3Cは、熱界面層54、52、および64の3つの層を含むTIM構造を有する実施形態を示す。層54および64の厚さおよび材料は、それらの対応する合わせ面に対して調整および最適化することができる。
【0078】
アセンブリ70は、第1の側面24a、および第1の側面24aの反対側の第2の側面24bを有するSoW24と、熱除去構造26とを含むことができる。アセンブリ70はまた、SoW24の第1の側面24aと熱除去構造26との間に配置された熱界面構造78を含むことができる。熱界面構造78は、SoW24の第1の側面24aと熱除去構造26との間に配置された熱界面層52と、SoW24の第1の側面24aと熱界面層52との間に配置された接着層54と、熱界面層52と熱除去構造26との間に配置された別の接着層64とを備えることができる。いくつかの実施形態では、接着層54と接着層64とは同じ材料を含むことができる。他の実施形態では、接着層54と接着層64とは、異なる材料を含むことができる。
【0079】
図4Aから
図4Cは、熱界面構造の様々な実施形態を示している。熱界面構造は2つの接着層を含むが、これらの構造の任意の適切な原理および利点は、熱界面構造が単一の接着層を含む用途で実施することができる。さらに、
図4Aから
図4Cの実施形態の特徴の任意の適切な組み合わせを互いに一緒に実施することができる。
【0080】
図4Aは、一実施形態による熱界面構造78aの概略側断面図である。熱界面構造78aは、垂直に整列したグラファイトまたはカーボンナノチューブを含む熱界面層52aと、水平に整列したグラファイトを含む接着層54aと、水平に整列したグラファイトを含む接着層64aとを含む。垂直に整列したグラファイトおよびカーボンナノチューブは、良好な熱性能を有する熱界面層の例である。垂直に整列したグラファイトは、熱界面層52aと、接着層54a、64aとの接合面に対してほぼ垂直に整列することができる。水平に整列したグラファイトは、結合のための望ましい圧縮および接着の特性を有する接着層の一例である。他の適切な接着層には、ポリマー層が含まれる。
図4Aに示す実施形態では、水平に整列したグラファイトは、熱界面層52aおよび接着層54a、64aの接合面とほぼ平行に整列することができる。垂直に整列したグラファイトおよび水平に整列したグラファイトは、熱界面構造78aにおいて互いにほぼ垂直に整列している。
【0081】
接着層54a、64aの水平に整列したグラファイトは、熱界面層52aの接合面に対してより平坦または滑らかな接合面を有することができる。水平に整列したグラファイトの接合面のそのような平坦性または平滑性は、接着層54a、64aが比較的低い圧力で、
図2から
図3Cに示すSoW24および熱除去構造26などの他の要素と接合することを可能にすることができる。
【0082】
図4Bは、別の実施形態による熱界面構造78bの概略側断面図である。熱界面構造78bは、垂直に整列したグラファイトを含む熱界面層52bと、メタライゼーション層を含む接着層54bと、メタライゼーション層を含む接着層64bとを含む。垂直に整列したグラファイトは、熱界面層52aと、接着層54b、64bとの接合面に対してほぼ垂直に整列することができる。いくつかの実施形態では、接着層54b、64bのメタライゼーション層は、金またはインジウムなどの軟質金属を含むことができる。
【0083】
接着層54b、64bのメタライゼーション層は、熱界面層52bの接合面に対してより平坦または滑らかな接合面を有することができる。メタライゼーション層の接合面のそのような平坦性および/または平滑性は、接着層54b、64bが比較的低い圧力で、
図2から
図3Cに示すSoW24および熱除去構造26などの他の要素と接合することを可能にすることができる。
【0084】
図4Cは、別の実施形態による熱界面構造78cの概略側断面図である。熱界面構造78cは、垂直に整列したグラファイトを含む熱界面層52bと、熱グリースを含む接着層54cと、熱グリースを含む接着層64cとを含む。垂直に整列したグラファイトは、熱界面層52bと、接着層54b、64bとの接合面に対してほぼ垂直に整列することができる。
【0085】
接着層54b、64bの熱グリースは、
図2から
図3Cに示すSoW24および熱除去構造26などの要素に接合する前に熱界面層52b上に塗布される場合、液体形態とすることができる。熱グリースは、熱界面層52bと素子との間の低圧接合を可能にする。
【0086】
図5Aから
図5Cは、一実施形態による
図3Bのアセンブリ60の製造における異なるステップにおける構造を示す。
図5Aにおいて、熱除去構造26を設けることができる。熱除去構造26は、ほぼ平坦な接合面を有することができる。
【0087】
図5Bでは、熱界面層52および接着層64を含む熱界面構造68を、熱除去構造26の接合面上に設けることができる。いくつかの実施形態では、熱界面構造68は、熱除去構造26上に配置される前に予め形成することができる。すなわち、熱界面層52と接着層64とを別々に形成し、熱除去構造26の接合面に設けることができる。例えば、接着層64を熱界面層52の表面上に形成することができ、予め形成された熱界面構造68を設けることができる。いくつかの他の実施形態では、熱除去構造26の接合面上に接着層64を形成することができ、次いで、接着層64の上に熱界面層52を形成することができる。
【0088】
図5Cでは、第1の側面24aを有するSoW24を設けることができる。SoW24の第1の側面24aは、熱界面層52に面する。SoW24が提供された後に、
図5Cの矢印によって示される垂直方向に圧力を加えて、結果として生じる要素のスタックを互いに接合することができる。
【0089】
図6は、一実施形態によるSoWアセンブリを製造するプロセスを示すフローチャートである。このプロセスは、本明細書に開示されるSoWアセンブリのいずれかを製造するために使用することができる。アセンブリを製造するプロセスは、ステップ80、82、84、および86を含むことができる。ステップ80において、SoWまたは熱除去構造を設けることができる。
【0090】
ステップ82では、ステップ80で設けられたSoWまたは熱除去構造の一方の上に熱界面構造を設けることができる。熱界面構造は、本明細書に開示される任意の適切な原理および利点に従って、熱界面層および接着層を含むことができる。いくつかの実施形態では、熱界面構造はまた、熱界面層が2つの接着層の間に配置されるように別の接着層を含むことができる。いくつかの実施形態では、熱界面構造は、SoWまたは放熱構造のうちの一方の上に設けられる前に予め形成することができる。いくつかの他の実施形態では、熱界面層および接着層は、SoWまたは放熱構造のうちの一方の上に熱界面構造を形成するために別々に設けることができる。
【0091】
ステップ84において、熱界面構造がSoWと熱除去構造との間に配置されて、SoW、熱界面構造、および放熱構造の垂直スタックを形成するように、SoWまたは熱除去構造の他方を熱界面構造の上に設けることができる。
【0092】
ステップ86において、垂直方向に圧力を加えて、結果として生じるSoW、熱界面構造、および放熱構造のスタックを接合することができる。
【0093】
上述したように、放熱構造をSoWに取り付けることができる。放熱構造とSoWとの間の熱界面層の層は、接触抵抗を低減し、SoWから放熱構造への熱輸送を容易にすることができる。この構成では、熱界面層は、通常のウエハサイズに関して直径12インチの拡張表面積をカバーすることができる。1000分の数インチの通常の厚さを有する熱界面層(例えば、熱グリース層)では、熱界面層は極端なアスペクト比を有することができる。これは、製造およびプロセス制御において技術的課題を提示する可能性があり、また熱界面層の信頼性にリスクをもたらす可能性がある。信頼性の問題には、ポンプアウト、空隙、不均一な厚さなどが含まれるが、これらに限定されない。高性能システムにおける熱界面材料の1つの一般的な種類は、熱グリースである。しかし、熱グリースは、この種の熱界面材料の既知の故障モードであるポンプアウトする傾向があり得る。上述のように極端なアスペクト比を有するSoWにグリースを塗布することに関しては、ポンプアウトのリスクが高まる場合がある。
【0094】
そのようなリスクを軽減するために、熱界面層のための技術的解決策が提供されて、熱界面層の塗布プロセスを改善し、ウエハにわたってより均一なTIM厚さを作り出し、過剰な材料を利用可能にすることによってTIMがポンプアウトするリスクを低減する。
【0095】
溝は、SoWと放熱構造との間に含めることができる。熱グリース層などの熱界面層は、溝内に薄層として含めることができる。これらの溝内の余分な容積は、熱界面材料が分配される際に、組み立て中により均一な層を容易にするために過剰な熱界面材料層を収集するためのリザーバとして作用することができる。次いで、溝内の保存された熱界面材料は、システムの異なる構成要素の熱膨張および/またはそれらを一緒に保つ機械的力の変化の場合に、放熱構造とSoWとの間の増加した隙間を補償することができる。
【0096】
図7Aおよび
図7Bは、溝および溝内の熱界面材料を有するSoWアセンブリを示している。
図7Aでは、溝は熱除去構造に存在する。
図7Bでは、溝はSoWに存在する。特定の用途では、溝はSoWと放熱構造との両方に存在し得る。
【0097】
図7Aは、一実施形態によるSoWアセンブリ90の概略側断面図である。特に別様に明記しない限り、
図7AのSoWアセンブリ90の構成要素は、本明細書に開示される任意のSoWアセンブリの同様の構成要素と同じまたはほぼ同様とすることができる。
【0098】
アセンブリ90は、第1の側面24a、および第1の側面24aの反対側の第2の側面24bを有するSoW24と、熱除去構造96とを含むことができる。SoW24は、第2の側面24bに形成された再配線層(RDL)92を備えることができる。アセンブリ90はまた、SoW24の第1の側面24aと熱除去構造96との間に配置された熱界面構造98を含むことができる。熱除去構造96は、接合面96a上または接合面96aに形成された複数の溝100を備えることができる。熱界面構造98は、SoW24の第1の側面24aと熱除去構造96の接合面96aとの間の接合界面に沿って延在する第1の部分98aと、複数の溝100内に配置された第2の部分98bとを備えることができる。
【0099】
熱界面構造98は、熱グリースを含むことができる。熱グリースは、経時的に乾燥またはポンプアウトし、その結果、SoW24の第1の側面24aと熱除去構造96の接合面96aとの間の接合界面に隙間または空隙が形成される可能性がある。熱除去構造96の溝100は、熱界面構造98の第2の部分98bのためのリザーバとして機能することができる。溝100内の熱界面構造98の第2の部分98bは、SoW24の第1の側面24aと熱除去構造96の接合面96aとの間の接合界面付近の隙間または空隙の形成を防止または緩和することができる。したがって、SoW24の第1の側面24aと放熱構造96の接合面96aとの十分な接触を維持することができる。
【0100】
いくつかの実施形態では、熱界面構造98は、(例えば、
図3Aから
図3Cおよび
図4Cのいずれかによるように)熱界面層および接着層を有する多層構造を含むことができる。
【0101】
図7Bは、一実施形態によるSoWアセンブリ110の概略側断面図である。特に別様に明記しない限り、
図7BのSoWアセンブリ110の構成要素は、本明細書に開示される任意のSoWアセンブリの同様の構成要素と同じまたはほぼ同様とすることができる。
【0102】
SoWアセンブリ110は、第1の側面104a、および第1の側面104aの反対側の第2の側面104bを有するSoW104と、熱除去構造26とを含むことができる。SoW104は、第2の側面104bに形成された再配線層(RDL)92を備えることができる。SoWアセンブリ110はまた、SoW104の第1の側面104aと熱除去構造26との間に配置された熱界面構造108を含むことができる。SoW104は、第1の側面104a上またはそこに形成された複数の溝120を備えることができる。熱界面構造108は、SoW24の第1の側面24aと熱除去構造26の接合面26aとの間の接合界面に沿って延在する第1の部分108aと、複数の溝120内に配置された第2の部分108bとを備えることができる。
【0103】
熱界面構造108は、熱グリースを含むことができる。熱グリースは、経時的に乾燥してその体積を失う可能性があり、その結果、SoW104の第1の側面104aと熱除去構造96の接合面96aとの間の接合界面に隙間または空隙が形成される。SoW104の溝120は、熱界面構造108の第2の部分108bのためのリザーバとして機能することができる。そのような溝は、ダイ間の成形層からエッチング除去または彫り込むことができる。溝120内の熱界面構造108の第2の部分108bは、SoW104の第1の側面104aと熱除去構造26の接合面26aとの間の接合界面付近の隙間または空隙の形成を防止または緩和することができる。したがって、SoW104の第1の側面104aと熱除去構造26の接合面26aとの十分な接触を維持することができる。
【0104】
いくつかの実施形態では、熱界面構造98は、(例えば、
図3Aから
図3Cおよび
図4Cのいずれかによる)熱界面層および接着層を有する多層構造を含むことができる。いくつかの実施形態では、
図7Bに示すSoW104および
図7Aに示す熱除去構造96は、SoWアセンブリで実施することができる。そのような実施形態では、熱界面構造の一部は、SoW104で形成された溝120と熱除去構造96で形成された溝100との両方に配置することができる。
【0105】
本明細書に開示される実施形態は、SoWと放熱構造との間の熱界面構造に関連し得るが、本明細書に開示される任意の適切な原理および利点は、熱除去構造と基板またはウエハとの間など、処理システム内の任意の場所の熱界面構造に適用することができる。例えば、本明細書に開示される熱界面構造は、チップ上のシステム(SoC)と放熱構造との間に配置することができる。特定の用途では、本明細書に開示される熱界面構造は、1つまたは複数の敏感な回路素子を有する電子部品と放熱構造との間に配置することができる。別の例として、本明細書に開示される熱界面構造は、能動冷却システムと基板またはウエハとの間に配置することができる。
【0106】
文脈上明らかに他の意味に解釈すべき場合を除き、明細書および特許請求の範囲を通して、「含む(comprise)」、「含む(comprising)」、「含む(include)」、「含む(including)」などの単語は、排他的または網羅的な意味とは対照的に、包括的な意味で解釈されるべきである。すなわち、「含むが、それに限定されない」という意味である。本明細書で一般的に使用される「結合された」という用語は、直接接続されるか、または1つもしくは複数の中間要素によって接続され得る2つ以上の要素を指す。同様に、本明細書で一般的に使用される「接続された」という用語は、直接接続されるか、または1つもしくは複数の中間要素によって接続され得る2つ以上の要素を指す。さらに、「本明細書」、「上記」、「以下」という単語、および同様の意味の単語は、本出願で使用される場合、本出願全体を指すものとし、本出願の特定の部分を指すものではない。文脈が許す場合、単数または複数の数字を使用する上記の詳細な説明の単語はまた、それぞれ複数または単数を含むことができる。2つ以上の項目のリストに関連する「または」という単語は、その単語の以下の解釈のすべて、すなわち、リスト内の項目のいずれか、リスト内の項目のすべて、およびリスト内の項目の任意の組み合わせを網羅する。
【0107】
さらに、本明細書で使用される条件付き言語、とりわけ、「できる(can)」、「あり得る(could)」、「してもよい(might)」、「する可能性がある(may)」、「例えば(e.g.)」、「例えば(for example)」、「など(such as)」などは、特に別様に明記しない限り、または使用される文脈内で他の意味で理解されない限り、一般に、特定の実施形態が特定の特徴、要素、および/または状態を含むが、他の実施形態は含まないことを伝えることを意図している。したがって、そのような条件付き言語は、一般に、特徴、要素、および/または状態が1つまたは複数の実施形態に何らかの形で必要とされることを暗示することを意図するものではない。
【0108】
上記の説明は、特定の実施形態を参照して説明されている。しかし、上記の例示的な説明は、網羅的であること、または本発明を記載された正確な形態に限定することを意図するものではない。上記の教示を考慮して、多くの修正および変形が可能である。それにより、当業者は、様々な用途に適した様々な変更を伴う技術および様々な実施形態を最良に利用することが可能になる。
【0109】
本開示および実施例を添付の図面を参照して説明したが、様々な変更および修正が当業者には明らかになるであろう。そのような変更および修正は、本開示の範囲内に含まれると理解されるべきである。
【国際調査報告】