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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】ポリアスパラギン酸組成物
(51)【国際特許分類】
   C09D 175/02 20060101AFI20240517BHJP
   C09D 7/60 20180101ALI20240517BHJP
【FI】
C09D175/02
C09D7/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571720
(86)(22)【出願日】2022-06-03
(85)【翻訳文提出日】2024-01-12
(86)【国際出願番号】 EP2022065174
(87)【国際公開番号】W WO2022254000
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】2105882
(32)【優先日】2021-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523435037
【氏名又は名称】ヴェンコレックス フランス エスアーエス
【氏名又は名称原語表記】VENCOREX FRANCE SAS
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】ブーシュ, アルチュール
(72)【発明者】
【氏名】マルティネス, レミ
【テーマコード(参考)】
4J038
【Fターム(参考)】
4J038DG021
4J038DG051
4J038DG061
4J038DG261
4J038JB02
4J038KA03
4J038KA08
4J038NA11
4J038NA12
4J038NA23
4J038NA26
4J038NA27
4J038PA18
4J038PB03
4J038PB06
4J038PC08
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つのポリアスパラギン酸エステル化合物と、少なくとも1つのイソシアネート化合物と、任意選択で少なくとも1つの添加剤とを含有するコーティング調製組成物に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーティングを調製するための組成物であって、
-少なくとも1つのポリアスパラギン酸エステル化合物(a)と、
-NCO含有量が13%を超え、25℃での粘度が1500mPa・s未満であるイソシアネート化合物の混合物(b)であって、
●少なくとも1つのアロファネート(b1)と、
●少なくとも1つの多官能性イソシアネート(b2)とを含み、
●質量比(b1)/(b2)が50/50~99/1であり、
-(b)のNCO官能基の数と(a)のNH官能基の数によって定義されるモル比(b)/(a)が0.7~1.3である、混合物と、
-任意選択で、少なくとも1つの添加剤(c)と、を含む組成物。
【請求項2】
前記ポリアスパラギン酸エステル(a)が、一般式(I):
によるポリアスパラギン酸エステルであって、式中、
-Xは脂肪族鎖又はポリエーテル鎖を表し、
-R及びRは、互いに独立して、標準大気圧及び100℃以下でイソシアネート基に対して不活性な有機基であり、
-nは2以上の整数を表す、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記脂肪族残基Xが、ポリエーテル残基、直鎖アルキル残基、分岐アルキル残基及びシクロアルキル残基から選択される1つ以上の残基からなる、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
一般式(I)の前記ポリアスパラギン酸エステル(a)が、
-一般式(II)及び/又は
-一般式(III)及び/又は
-一般式(IV)及び/又は
-一般式(V)
の1つ以上のポリアスパラギン酸エステル又はポリアスパラギン酸エステルの混合物であり、式中、R基及びR基は、互いに独立して、C~C10アルキル基であり、uは、1~10の整数である、請求項2又は3に記載の組成物。
【請求項5】
基及びR基が、互いに独立して、1つ以上のメチル、エチル又はブチル基である、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記ポリアスパラギン酸エステル(a)が、テトラエチルN,N’-(メチレンジシクロヘキサン-4,1-ジイル)ビス-DL-アスパルタート、N,N’-(テトラエチルメチレンビス(2-メチル-シクロヘキサン-4,1-ジイル)ビス-DL-アスパルタート、又はテトラエチルN,N’-(2-メチルペンタン)ビス-DL-アスパルタートから選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記アロファネート(b1)が、2.1±0.3に等しいNCO官能価を有し、かつ、一般式(VI)を有し、
式中、
-R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、イソシアネート、カルバメート、尿素、ビウレット尿素、アシル尿素、イソシアヌレート、ブロックイソシアネート又はアロファネート官能基から選択される少なくとも1つの官能基を含む炭化水素基を表し、
-Rは、OH官能基とイソシアネート官能基との反応後のこのOH官能基を含む分子の残基を表し、そのOH基を含む分子はエーテル又はポリエーテル官能基も含み得、そのヒドロキシル基の少なくとも1つが置換されており、一般式(VII)を有するシラノール、C12~C20直鎖脂肪族モノアルコール、C12~C20分岐脂肪族モノアルコール、C~C40直鎖ジオール又はC~C40分岐ジオールから選択され、
式中、Tは、C~C20直鎖アルキル基、C~C20分岐アルキル基、式T-CO-CHの基を表し、式中、Tは、C~C20直鎖アルキル基又はC~C20直鎖アルキル基を表し、Tは、水素又は式-CHOTのアルキル基又はエーテル基を表し、式中、Tは炭化水素鎖を表し、mは1から50の範囲の整数を表す、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
及びRが同一であっても異なっていてもよく、イソシアネート、カルバメート、尿素、ビウレット尿素ジオン、アシル尿素、イソシアヌレート、ブロックイソシアネート又はアロファネート官能基から選択される少なくとも1つの官能基を含む脂肪族炭化水素基を表す、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記化合物(b2)が、一般式(VIII):
の少なくとも1つの多官能性イソシアネートであり、式中、
-R、R及びRは、独立して、イソシアネート、カルバメート、尿素、ビウレット、ウレチンジオン、アシル尿素、イソシアヌレート、ブロックイソシアネート又はアロファネート官能基から選択される少なくとも1つの官能基を含む炭化水素基又は脂肪族、脂環式、複素環式若しくは芳香族複素炭素基を表し、
-pは、0、1又は2から選択される整数を表し、
-Yは、式(Y)のイソシアヌレート基、式(Y)のイミノオキサジアジンジオン基、式(Y)のオキサジアジントリオン基、式(Y)のビウレット基、又は式(Y)の基から選択される基を表し、
式中、
-Rは、独立して、水素原子、炭化水素基、C~C20炭化水素基、O、N、S及びSiから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含むヘテロ炭素基、O、N、S及びSiから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C20ヘテロ炭素基を表し、
-qは、3又は4から選択される整数を表し、
-R10は、イソシアネート、カルバメート、尿素、ビウレット、ウレチンジオン、アシル尿素、イソシアヌレート、ブロックイソシアネート又はアロファネート官能基、ペンタエリスリトールから誘導される基、トリメチロールプロパンから誘導される基から選択される官能基を含む、炭化水素基、アルキル基、複素炭素基、脂肪族、脂環式、複素環式又は芳香族複素炭素基から選択される基を表す、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記Y基がイソシアヌレート(Y)及び/又はビウレット基(Y)である、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
多官能性イソシアネート(b2)が、少なくとも1つのイソシアヌレート及び/又はビウレットを含む基であり、基は、以下の化合物、すなわち、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(4,4’-イソシアナトシクロヘキシル)メタン、1,4-シクロヘキシレンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(XDI)、1,3-ビス(2-イソシアナトプロパ-2-イル)-ベンゼン、1,4-ビス(2-イソシアナトプロパ-2-イル)-ベンゼン(TMXDI)、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)、ヒドロキシリレンジイソシアネート(H6XDI)、1,4-シクロヘキシルジイソシアネート(H6PPDI)、1,5-ペンタンジイソシアネート(PDI)及び/又はジシクロヘキシルメタンジイソシアネートのオリゴマー化から得られる、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記添加剤(c)が、湿潤剤、分散剤、艶消し剤、消泡剤、増粘剤、モレキュラーシーブ、エラストマー、顔料、表面被覆剤及び融着剤から選択される、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物を調製する方法であって、
1.少なくとも1つのポリアスパラギン酸エステル(a)を調製する工程と、
2.少なくとも1つのイソシアネート化合物(b1)及び少なくとも1つのイソシアネート化合物(b2)を調製する工程と、
3.任意選択で、少なくとも1つの添加剤(c)を調製する工程と、
4.工程1及び工程2、並びに任意選択で工程3で得られた調製物を混合する工程と、を含む方法。
【請求項14】
基材又はコーティングされた基材の接着剤コーティング又は保護コーティングとしての、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項15】
基材又はコーティングされた基材の請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物を含む接着剤コーティング又は保護コーティング。
【請求項16】
前記基材又は前記コーティングされた基材が、床、屋根、防水膜、風力タービンマスト、航空機翼、ロータブレード、プロペラブレード又はタービンブレードである、請求項15に記載のコーティング。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアスパラギン酸エステル及びイソシアネート化合物を含むコーティングを調製するための組成物に関する。
【0002】
本発明はまた、かかる組成物を調製する方法、並びに保護コーティングとしてのかかる組成物の使用に関する。
【0003】
本発明はまた、ポリアスパラギン酸組成物を含む保護コーティングに関する。
【0004】
特に、本発明は、塗料又はワニス用配合物の改善された可撓性及び改善されたポットライフを有し、その粘度が低減されたコーティングを調製するための組成物に関する。
【背景技術】
【0005】
ポリアスパラギン酸エステルを含むコーティングは、主に、それらの迅速な架橋、耐摩や耐食に対する耐性、及び/又は固形分の含有量が高い配合物におけるそれらの使用のために使用される。
【0006】
ポリアスパラギン酸エステルを含むこれらの組成物の例として、本発明者らは、欧州特許第0573860号明細書を引用することができ、これには、ポリイソシアネート、ポリアスパラギン酸エステル及び触媒を含む組成物が記載されている。国際公開第202016292号には、少なくとも1つのポリアスパラギン酸エステル、少なくとも1つのイソシアネートプレポリマー及び触媒を含む別の種類の組成物が記載されている。
【0007】
一般的に言えば、ポリアスパラギン酸エステルを含む組成物は、ポットライフが非常に短く、非常に柔軟性がない(破断伸び50%未満)。加えて、これらのポリアスパラギン酸組成物のいくつかは、他の問題を引き起こし得る溶媒又は触媒を含む。
【0008】
ポットライフ時間は、一般に、以下によって改善される。
●ポリアスパラギン酸エステルを含む組成物に、組成物の粘度及びその架橋速度を低下させることを可能にする溶媒を使用する
●一般に少量(30重量%未満)の低粘度反応性希釈剤を使用する
【0009】
少量の溶媒又は反応性希釈剤の使用は、短いポットライフの問題を解決することはできるが、ポリアスパラギン酸エステルを含む組成物の柔軟性を改善することはできない。
【0010】
柔軟性のこの特定の問題を解決するために、エラストマーイソシアネートプレポリマー化合物がしばしばポリアスパラギン酸組成物に添加される。これらのイソシアネートプレポリマーは、一般に、低いNCO含有量(13%未満)及び高い粘度(1500mPa・s超)を有しており、そのためその適用の可能性が限られる。
【0011】
結果として、これらのポリアスパラギン酸組成物は、一般に、それらの粘度を低下させる又は制御するため、かつ/又はそれらのポットライフを改善するために、相当量の溶媒を含む。これらの溶媒は、通常、揮発性有機化合物(VOC)又はそのようなVOCの供給源である。
【0012】
さらに、触媒の添加は、取扱者の健康又は環境に対する毒性に鑑みて、問題があることが判明している。
【0013】
したがって、溶媒又は触媒を含まず、可撓性であって(破断点伸び50%超)、イソシアネート部分の粘度が低い(1500mPa・s未満)、新規なイソシアネート系ポリアスパラギン酸組成物を見出す必要がある。
【0014】
したがって、本発明は、地面被覆又は風力の分野において特に有利なコーティングを調製するための組成物を提供する。
【0015】
本発明は、最新技術におけるコーティングを調製するための組成物に関連する様々な問題、特に組成物が粘性が高すぎる場合の塗布の困難性に関連する問題だけでなく、コーティングが十分に可撓性でない場合のコーティングの延性に関連する問題に対する解決策を提供することを可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】欧州特許第0573860号明細書
【特許文献2】国際公開第202016292号
【発明の概要】
【0017】
本発明は、改善された伸びを有するコーティングを調製するための組成物に関し、そのイソシアネート部分は、13%を超えるNCO含有量及び許容される粘度、すなわち25℃で1500mPa・s未満を有する。改善された伸び特性は、50%を超える破断点伸びを意味すると理解される。
【0018】
特に、本発明は、コーティングを調製するための組成物であって、
-少なくとも1つのポリアスパラギン酸エステル化合物(a)と、
-少なくとも1つのイソシアネート化合物(b)と、
-任意選択で、少なくとも1つの添加剤(c)と、を含む組成物に関する。
【0019】
本発明は、より具体的には、コーティングを調製するための組成物であって、イソシアネート化合物(b)が、
-少なくとも1つのアロファネート(b1)と、
-少なくとも1つの多官能性イソシアネート(b2)とを含み、質量比(b1)/(b2)が50/50~99/1である、イソシアネートの混合物である、組成物に関する。
【0020】
優先的には、質量比(b1)/(b2)は55/45~95/5である。さらにより優先的には、質量比(b1)/(b2)は60/40~95/5である。
【0021】
混合物(b)と(a)との間のモル比は、(b)のNCO官能基の数と(a)のNH官能基の数によって定義される。(b)と(a)の比は、0.7~1.3、優先的には0.8~1.2、より優先的には0.9~1.1、又はさらにより優先的には1に等しい。化合物(b)のNCO官能数は、化合物(b1)と化合物(b2)のNCO官能数の和に等しい。
【0022】
ポリアスパラギン酸エステル(a)は、好ましくは2%~8%、より優先的には3%~7%のNH基含有量を有する。
【0023】
ポリアスパラギン酸エステル(a)は、500~4000mPa・sの範囲の粘度を有することが好ましい。
【0024】
本発明によるポリアスパラギン酸エステル(a)は、ポリアミン及びエステルを含む系のマイケル反応によって得ることができる。このエステルは、好ましくはマレイン酸塩若しくはフマル酸塩又はこれらの混合物である。
【0025】
本発明によれば、「ポリアミン」という用語は、少なくとも2つの第一級及び/又は第二級遊離アミン基を含む化合物を指す。「ポリアミン」という用語はまた、少なくとも2つのペンダント及び/又は末端アミン含有基を含むポリマーを含む。
【0026】
ポリアスパラギン酸エステル(a)を調製するための反応は、溶媒を用いずに、又は適切な溶媒の存在下で行うことができる。この溶媒は、好ましくは、1つ以上のアルコール、エーテル、アセテート、ケトン又はそれらの混合物である。
【0027】
溶媒として使用されるアルコールは、例えば、メタノール、エタノール、ブチルグリコール及びプロパノールであり得る。
【0028】
溶媒として使用される酢酸塩は、好ましくは酢酸n-ブチルである。
【0029】
溶媒として使用されるケトンは、好ましくはメチルエチルケトンジアルカンである。
【0030】
ポリアスパラギン酸エステル(a)は、好ましくは、一般式(I):
によるポリアスパラギン酸エステルであって、式中、
-Xは脂肪族鎖又はポリエーテル鎖を表し、
-R及びRは、互いに独立して、標準大気圧(約100Pa)及び100℃以下でイソシアネート基に対して不活性な有機基であり、
-nは2以上の整数を表す。
【0031】
好ましくは、R及びRは、互いに独立して、1から10個の炭素原子を有するアルキル残基であり、より優先的には、R及びRは、互いに独立して、メチル、エチル又はブチル基から選択される。
【0032】
nは、好ましくは2~4の整数、より好ましくは2である。
【0033】
好ましくは、一般式(I)において、Xは、以下の残基、すなわち、ポリエーテル残基、直鎖アルキル残基、分岐アルキル残基及びシクロアルキル残基のうちの1つ以上からなる。
【0034】
一般式(I)において、n=2の場合、ポリアスパラギン酸エステル(a)は、式(I.a)のポリアミンと式(I.b)のマレイン酸塩及び/又はフマル酸塩との反応によって調製される。
【0035】
式(I.a)のポリアミンは、好ましくは、エチレンジアミン、1,2-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,3-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、2,5-ジアミノ-2,5-ジメチルヘキサン、1,6-ジアミノヘキサン、2,2,4-トリメチル-1,6-ジアミノヘキサン、2,4,4-トリメチル-1,6-ジアミノヘキサン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、1,3-シクロヘキサンジアミン及び1,4-シクロヘキサンジアミン、アミノ-3,3,5-トリメチル-5-アミノメチルシクロヘキサン、2,4-ヘキサヒドロトルエンジアミン、2,6-ヘキサヒドロトルエンジアミン、2,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3’-ジアルキル-4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、2,4,4’-トリアミノ-5-メチルジシクロヘキシルメタン、2-メチル-1,5-ペンタンジアミン、1,3-キシレンジアミン及び1,4-キシレンジアミンから選択され、より好ましくは、1,4-アミノブタン、1,6-ジアミノヘキサン、2,2,4-トリメチル-1,6-ジアミノヘキサン、2,4,4-トリメチル-1,6-ジアミノヘキサン、アミノ-3,3,5-トリメチル-5-アミノメチルシクロヘキサン、4,4’-ジアミノ-ジシクロヘキシルメタン、3,3’-ジアルキル-4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、2-メチル-1,5-ペンタンジアミンから選択され、さらにより好ましくは、2-メチル-1,5-ペンタンジアミン、アミノ-3,3,5-トリメチル-5-アミノメチルシクロヘキサン、2,4’-ジアミノ-ジシクロヘキシルメタン、4,4’-ジアミノ-ジシクロヘキシルメタン、及び3,3’-ジアルキル-4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、官能価2及び1000g/mol未満の数平均モル質量(Mn)を有するポリエーテルポリアミンから選択される。
【0036】
式(I.b)のマレイン酸塩及び/又はフマル酸塩は、好ましくは、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル及びフマル酸ジブチルから選択される。
【0037】
マレイン酸塩及び/又はフマル酸塩(I.b)とポリアミン(I.a)との間のモル比は、好ましくは2:1である。
【0038】
マレイン酸塩及び/又はフマル酸塩(I.b)のオレフィン性二重結合とポリアミン(I.a)の第一級アミン基との間のモル比は、好ましくは1:1である。
【0039】
(I.a)と(I.b)との反応から得られた生成物は、ポリアスパラギン酸エステル(a)を得るために蒸留によって精製されることが好ましい。
【0040】
反応成分(I.a)及び(I.b)は、溶媒を含んでも含まなくてもよく、好ましくは溶媒を含む。
【0041】
溶媒は、好ましくは以下の溶媒、すなわち、メタノール、エタノール、プロパノール及び/又はジオキサンのうちの1つ以上である。
【0042】
一般式(I)のポリアスパラギン酸エステル(a)は、
-一般式(II)及び/又は
-一般式(III)及び/又は
-一般式(IV)及び/又は

-一般式(V)
の1つ以上のポリアスパラギン酸エステル又はポリアスパラギン酸エステルの混合物であり、式中、R基及びR基は、互いに独立して、C~C10アルキル基であり、uは、1~10の整数である。
【0043】
優先的には、uは2~6の整数であり、さらにより優先的には、uは2~4の整数である。
【0044】
好ましくは、一般式(II)、(III)、(IV)及び(V)において、R基及びR基は、互いに独立して、1つ以上のメチル、エチル又はブチル基であり、好ましくは、R及びRはエチル基である。
【0045】
ポリアスパラギン酸エステル(a)は、より好ましくは、米国特許第512617号明細書、米国特許第523674号明細書、米国特許第5489704号明細書、米国特許第5243012号明細書、米国特許第5736604号明細書、米国特許第6458293号明細書、米国特許第6833424号明細書、米国特許第7169876号明細書又は米国特許出願公開第2006/0247371号明細書に記載のイソシアネートと反応する化合物から選択される。
【0046】
ポリアスパラギン酸エステル(a)は、さらにより好ましくは、テトラエチルN,N’-(メチレンジシクロヘキサン-4,1-ジイル)ビス-DL-アスパルタート、テトラエチルN,N’-(メチレンビス(2-メチル-シクロヘキサン-4,1-ジイル)ビス-DL-アスパルタート、又はテトラエチルN,N’-(2-メチルペンタン)ビス-DL-アスパルタートから選択される。
【0047】
本発明によれば、アロファネート(b1)は、2.1±0.3、又は優先的には2.1±0.2、又は優先的には2.1±0.1に等しいNCO官能価を有し、かつ、一般式(VI)を有し、
式中、
-R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、イソシアネート、カルバメート、尿素、ビウレット尿素、アシル尿素、イソシアヌレート、ブロックイソシアネート又はアロファネート官能基から選択される少なくとも1つの官能基を含む炭化水素基を表し、
-Rは、OH官能基とイソシアネート官能基との反応後のこのOH官能基を含む分子の残基を表し、そのOH基を含む分子はエーテル又はポリエーテル官能基も含み得、そのヒドロキシル基の少なくとも1つが置換されており、一般式(VII)を有するシラノール、C12~C20直鎖脂肪族モノアルコール、C12~C20分岐脂肪族モノアルコール、C~C40直鎖ジオール又はC~C40分岐ジオールから選択され、
式中、Tは、C~C20直鎖アルキル基、C~C20分岐アルキル基、式T-CO-CHの基を表し、式中、Tは、C~C20直鎖アルキル基又はC~C20分岐アルキル基を表し、Tは、水素又はアルキル基、好ましくはC~Cアルキル基又は式-CHOTのエーテル基を表し、式中、Tは、炭化水素鎖、特にポリアルキレン鎖又はポリオキシアルキレン鎖又はポリオキシエチレン鎖を表し、mは、1から50の範囲の整数を表す。
【0048】
ブロックされたイソシアネート官能基は、イソシアネート官能基ブロック剤と反応した任意のイソシアネート官能基を意味すると理解される。様々なブロッキング反応は可逆的であり、非ブロッキング条件は当業者に公知である。
【0049】
好ましくは、Tは、ポリアルキレン鎖又はポリオキシアルキレン鎖又はポリオキシエチレン鎖を表す。
【0050】
好ましくは、アロファネート(b1)は、一般式(VI)の化合物であり、式中、R及びRは、同一でも異なっていてもよく、イソシアネート、カルバメート、尿素、ビウレット尿素ジオン、アシル尿素、イソシアヌレート、ブロックイソシアネート又はアロファネート官能基から選択され、脂肪族、脂環式、複素環式又は芳香族炭化水素基から選択される少なくとも1つの官能基を含む基を表す。好ましくは、R及びRは同一であっても異なっていてもよく、イソシアネート、カルバメート、尿素、ビウレット尿素ジオン、アシル尿素、イソシアヌレート、ブロックイソシアネート又はアロファネート官能基から選択される少なくとも1つの官能基を含む脂肪族炭化水素基を表す。
【0051】
ブロックされたイソシアネート官能基は、イソシアネート官能基ブロック剤と反応した任意のイソシアネート官能基を意味すると理解される。様々なブロッキング反応は可逆的であり、非ブロッキング条件は当業者に公知である。
【0052】
本発明によれば、アロファネート(b1)は、R及びRは同一のホモアロファネートであり得、又はアロファネート(b1)は、R及びRが異なる混合アロファネートであり得る。
【0053】
本発明によれば、コーティング組成物は、一般式(VI)の異なるアロファネート(b1)の混合物を含み得る。
【0054】
アロファネート(b1)の混合物は、少なくとも25%質量、有利には少なくとも33%質量、好ましくは少なくとも50%質量の少なくとも1つのモノアロファネートを含み得る。
【0055】
アロファネートの混合物(b1)はまた、ビス-アロファネート、トリス-アロファネート、1つ以上のアロファネートオリゴマーから選択される少なくとも1つのアロファネート、並びに、式RNCOの化合物と式ROHのアルコールとの反応から生じる少数のイソシアネートカルバメート、又は、式RNCOの化合物と式ROHのアルコールとの反応から生じるイソシアネートカルバメート、又は、式RNCOの化合物と式RNCOの化合物と式ROHのアルコールとの反応から生じるイソシアネートカルバメートの混合物を含み得る。
【0056】
本発明によれば、化合物(b2)は多官能性イソシアネート、好ましくは一般式(VIII):
の少なくとも1つの多官能性イソシアネートであり、式中、
-R、R及びRは、独立して、イソシアネート、カルバメート、尿素、ビウレット、ウレチンジオン、アシル尿素、イソシアヌレート、ブロックイソシアネート又はアロファネート官能基から選択される少なくとも1つの官能基を含む炭化水素基又は脂肪族、脂環式、複素環式若しくは芳香族複素炭素基を表し、
-pは、0、1又は2から選択される整数を表し、
-Yは、式(Y)のイソシアヌレート基、式(Y)のイミノオキサジアジンジオン基、式(Y)のオキサジアジントリオン基、式(Y)のビウレット基、又は式(Y)の基から選択される基を表し、
式中、
-Rは、独立して、水素原子、炭化水素基、C~C20炭化水素基、O、N、S及びSiから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含むヘテロ炭素基、O、N、S及びSiから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C20ヘテロ炭素基を表し、
-qは、3又は4から選択される整数を表し、
-R10は、イソシアネート、カルバメート、尿素、ビウレット、ウレチンジオン、アシル尿素、イソシアヌレート、ブロックイソシアネート又はアロファネート官能基、ペンタエリスリトールから誘導される基、トリメチロールプロパンから誘導される基から選択される官能基を含む、炭化水素基、アルキル基、複素炭素基、脂肪族、脂環式、複素環式又は芳香族複素炭素基から選択される基を表す。
【0057】
優先的には、一般式(VIII)中のYは、イソシアヌレート基(Y)及び/又はビウレット(Y)である。
【0058】
特に、多官能性イソシアネート(b2)は、
-三縮合反応から生じるポリイソシアネートイソシアヌレート(Y)、又は
-1重量%~99重量%のビウレット、又は優先的には2重量%~75重量%のビウレットを含むポリイソシアネート(Y)、又は
-三縮合反応から得られるポリイソシアネートイソシアヌレート(Y)及び1重量%~99重量%のビウレット、又は優先的には2重量%~75重量%のビウレットを含むポリイソシアネート(Y)であり得る。
【0059】
より優先的には、多官能性イソシアネート(b2)は、少なくとも1つのイソシアヌレート及び/又はビウレットを含む基であり、基は、以下の化合物、すなわち、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(4,4’-イソシアナトシクロヘキシル)メタン、1,4-シクロヘキシレンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(XDI)、1,3-ビス(2-イソシアナトプロパ-2-イル)-ベンゼン、1,4-ビス(2-イソシアナトプロパ-2-イル)-ベンゼン(TMXDI)、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)、ヒドロキシリレンジイソシアネート(HXDI)、1,4-シクロヘキシルジイソシアネート(HPPDI)、1,5-ペンタンジイソシアネート(PDI)及び/又はジシクロヘキシルメタンジイソシアネートのオリゴマー化から得られる。
【0060】
添加剤(c)は、好ましくは、湿潤剤、分散剤、艶消し剤、消泡剤、増粘剤、モレキュラーシーブ、エラストマー、顔料、表面被覆剤及び融着剤から選択される。
【0061】
添加される添加剤(c)の量は、当業者に公知の割合で変動し得る。
【0062】
本発明はまた、以下の工程を含む組成物の製造方法に関する。
1.少なくとも1つのポリアスパラギン酸エステル(a)を調製する工程
2.少なくとも1つのイソシアネート化合物(b)を調製する工程
3.任意選択で、少なくとも1つの添加剤(c)を調製する工程
4.工程1及び工程2、並びに任意選択で工程3で得られた調製物を混合する工程
【0063】
特に、組成物を調製する方法は、以下の工程を含む。
1.少なくとも1つのポリアスパラギン酸エステル(a)を調製する工程
2.少なくとも1つのイソシアネート化合物(b1)及び少なくとも1つのイソシアネート化合物(b2)を調製する工程
3.任意選択で、少なくとも1つの添加剤(c)を調製する工程
4.工程1及び工程2、並びに任意選択で工程3で得られた調製物を混合する工程
【0064】
優先的には、化合物(b1)及び化合物(b2)は、他の化合物(a)及び任意選択で化合物(c)と混合される前に互いに予め混合される。
【0065】
優先的には、化合物(a)の調製物は、イソシアネート化合物(b1)及び化合物(b2)と混合する前に添加剤(c)の調製物と予め混合される。
【0066】
化合物(a)、化合物(b)及び任意選択で化合物(c)、又は化合物(a)、化合物(b1)、化合物(b2)及び任意選択で化合物(c)の異なる調製は、任意の順序で行うことができる。
【0067】
本発明の別の目的は、基材又はコーティングされた基材の接着剤コーティング又は保護コーティングとしての組成物の使用である。
【0068】
本発明の別の目的は、基材又はコーティングされた基材の組成物を含む接着剤コーティング又は保護コーティングである。
【0069】
優先的には、本発明による基材又はコーティングされた基材は、床、屋根、防水膜、風力タービンマスト、航空機翼、ロータブレード、プロペラブレード又はタービンブレードである。
【実施例
【0070】
材料:
製品Feiyang F420は、第二級アミンで置換された脂肪族環からなるポリアスパラギン酸エステル樹脂である。この樹脂は、Desmophen NH-1420及びTeraspartic277樹脂と同様のものである。Feiyang F420の特性:
●当量アミン(g/mol):277
●25℃における動粘度:1000~1500mPa・s
●密度:1.06
【0071】
製品Feiyang F520は、第二級アミンで置換された脂肪族環からなるポリアスパラギン酸エステル樹脂である。この樹脂は、Desmophen NH-1520及びTeraspartic292樹脂と同様のものである。Feiyang F520の特性:
●当量アミン(g/mol):290
●25℃における動粘度:1200~1500mPa・s
●密度:1.06
【0072】
Tolonate HDTは、ヘキサメチレンジイソシアネートから調製されるイソシアヌレート型ポリイソシアネートである。
【0073】
Tolonate HDTの特徴:
●NCO官能価:21.5~22.5%
●動粘度(25℃):2000~2800mPa・s
●密度(25℃):1.16
【0074】
Tolonate HDT-LVは、ヘキサメチレンジイソシアネートから調製されるイソシアヌレート型ポリイソシアネートである。
【0075】
Tolonate HDT-LVの特性:
●NCO官能価:22~24%
●動粘度(25℃):900~1500mPa・s
●密度(25℃):1.16
【0076】
Tolonate HDBは、ヘキサメチレンジイソシアネートから調製されるビウレット型ポリイソシアネートである。
【0077】
Tolonate HDBの特徴:
●NCO官能価:21~23%
●動粘度(25℃):7000~11000mPa・s
●密度(25℃):1.12
【0078】
Tolonate HDB-LVは、ヘキサメチレンジイソシアネートから調製されるビウレット型ポリイソシアネートである。
【0079】
Tolonate HDB-LVの特性:
●NCO官能価:22.5~24.5%
●動粘度(25℃):1500~2500mPa・s
●密度(25℃):1.12
【0080】
HDTダイマーは、ヘキサメチレンジイソシアネートから調製されるイソシアヌレート型ポリイソシアネートである。
【0081】
●NCO官能価:22~24%
●動粘度(25℃):450~750mPa・s
●密度(25℃):1.13
【0082】
Tolonate X-FLO100は、ヘキサメチレンジイソシアネートから調製されるアロファネート型ポリイソシアネートである。
【0083】
Tolonate X-FLO100の特性:
●NCO官能価:11.3~13.3%
●動粘度(25℃):60~220mPa・s
●密度(25℃):1.04
【0084】
Silosiv A3は、モレキュラーシーブとして有用な添加剤である。
【0085】
Tego Airex 944は、消泡剤として有用な添加剤である。
【0086】
BYK378は、界面活性剤として有用な添加剤である。
【0087】
実施例で使用される添加剤、ポリイソシアネート及び樹脂はすべて市販品である。
【0088】
実施例1:組成物(A)の調製
組成物(A)を調製するために、様々な製品を表1に示す割合に従って秤量し、次いで混合物が均質化されるまでSpeedmixerを使用して混合する。
【0089】
表1には、各組成物Aによる各ポリアスパラギン酸樹脂及び添加剤の割合が記載されている。
【0090】
【表1】
【0091】
実施例2:ポリイソシアネート組成物(B)の調製
組成物(B)を製造するために、混合物を表2に記載の割合に従って調製する。次いで、ポリイソシアネート混合物(B)を混合ユニット内で少なくとも一晩にわたって均質化する。
【0092】
NCO含有量は、塩酸溶液によるジブチルアミンの逆滴定を用いた各化合物の-NCO官能基の滴定によって測定される。
【0093】
粘度は、2°の角度を有する円錐面形状のAnto-Paar粘度計を使用して25℃で測定される。測定中の剪断速度は、上昇及び下降する剪断速度で、0.1から100s-1の範囲である。
【0094】
低粘度は、1500mPa・s未満の粘度によって定義され、十分なNCO含有量は、13%を超える値によって定義される。
【0095】
表2は、各組成物Bによるポリイソシアネートの割合、粘度及びNCO含有量を示す。
【0096】


【表2】
【0097】
表2に示すように、組成物B3、B6、B10、B13及びB20は、100%の各イソシアネートを含む。これらは比較例(比較)である。
【0098】
結果は、使用される組成物(B)中のTolonate X-FLO100の量が増加するにつれて粘度が低下することを示す。60%以上の割合のTolonate X-FLO100を使用することにより、25℃で1500mPa・s未満の粘度を有し、13%を超えるNCO含有量を有する組成物(B)を得ることが可能になる。
【0099】
比較例は、13%を超えるNCO含有量を有するが、実施例B6を除いて、1500mPa・sを超える粘度を有する。
【0100】
実施例3:組成物の伸長
実施例1及び2に記載の組成物(A)とポリイソシアネート(B)との間の混合物から得られるコーティングの伸びを測定する。この混合物を、良好な均一性を確実にするためにSpeedmixerを使用して行い、次いで、このようにして得られた配合物を、23℃及び50%湿度で調節されたエンクロージャ内で7日間架橋する。組成物(A)と組成物(B)と間の混合比は、NCO/NH比が等モル、すなわち一定で1に等しいことによって定義される。NH官能基は組成物(A)中に存在し、NCO官能基はポリイソシアネート(B)中に存在する。
【0101】
伸長測定は、トラクションマシン(MTS)を使用して、1~2mmの厚さを有する標準化されたフォーマットの試験片(規格ISO527-2のタイプ5A試験片)に対して行う。牽引速度は10mm/分に設定する。
【0102】
破断伸びは、試験片が破断したときに到達する伸び値に相当する。破断伸度が50%を超えた試料は、柔軟性が向上していると見なされる。
【0103】
表3は、様々な組成物A及び組成物Bの破断伸びの結果を示す。
【0104】


【表3】
【0105】
表3に明記されるように、ポリイソシアネート混合物を含む組成物B3、B6、B10、B13及びB20は、比較例(比較)である。これらの比較例は、低い可撓性(50%をはるかに下回る破断点伸び)が際立っている。実施例B6は、低い粘度を有するにもかかわらず、十分な破断伸び(50%超)を得ることができなかった。組成物B10を含有する混合物の伸び測定は、混合物の粘度が高すぎて適切に塗布することができないために実行することができなかった。
【0106】
組成物(B)中のTolonate X-FLO100の質量割合が60%以上であることにより、組成物の柔軟性が向上する。この効果は、組成物(A2)を含有する混合物を使用する場合に、より一層顕著である。

【国際調査報告】