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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】ライザ分離システム
(51)【国際特許分類】
   B01J 8/24 20060101AFI20240517BHJP
   B01D 45/06 20060101ALI20240517BHJP
   C10G 11/18 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
B01J8/24
B01D45/06
C10G11/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571746
(86)(22)【出願日】2022-05-25
(85)【翻訳文提出日】2023-12-22
(86)【国際出願番号】 US2022030915
(87)【国際公開番号】W WO2022251354
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】17/330,354
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517254868
【氏名又は名称】ティー.イーエヌ プロセス テクノロジー, インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003579
【氏名又は名称】弁理士法人山崎国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【弁理士】
【氏名又は名称】朴 志恩
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【弁理士】
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 千裕
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーチャント、ポール
(72)【発明者】
【氏名】シン、ラジ、カンワール
【テーマコード(参考)】
4D031
4G070
4H129
【Fターム(参考)】
4D031AB11
4D031AC03
4D031BA03
4D031EA03
4G070AA05
4G070AB06
4G070AB07
4G070AB10
4G070BB32
4G070CA10
4G070CA17
4G070CB17
4G070DA30
4H129AA02
4H129CA08
4H129DA04
4H129GA07
4H129NA20
4H129NA45
(57)【要約】
装置は、反応容器内にライザ反応器を含む。ライザ反応器は、長手方向軸を画定しており、かつ一方の端部にライザ反応器入口を、反対側の端部に少なくとも1つのライザ反応器出口を含む。装置は、長手方向軸の周りに交互に分配された少なくとも1つの分離チャンバと少なくとも1つの収集チャンバとを含む分離容器を含む。各分離チャンバは、少なくとも1つの収集チャンバのうちの隣接する収集チャンバの壁部も備える2つの垂直側方壁部を備える。側方分離チャンバから少なくとも1つの収集チャンバのうちの隣接する収集チャンバへの流体及び粒子連通を提供するように、垂直側方壁部のうちの少なくとも一方に側方分離チャンバ出口が画定されている。分離容器は、少なくとも1つの収集チャンバ内に位置決めされた少なくとも1つの収集チャンバデフレクタを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子流を用いて炭化水素供給原料を分解するために使用されるライザ反応器から入る前記粒子流からガス状混合物を分離するための装置であって、前記装置は、
下部ストリッピング床領域と上部二次分離器領域とを備える反応容器と、
前記反応容器内のライザ反応器であって、前記ライザ反応器は、長手方向軸を画定しており、かつ一方の端部に前記炭化水素供給原料及び前記粒子流を受け入れるためのライザ反応器入口と、反対側の端部に分解されたガスと固体粒子との混合物を排出するための少なくとも1つのライザ反応器出口とを含む、ライザ反応器と、
前記少なくとも1つのライザ反応器出口に近接して画定された分離容器と、を備え、前記分離容器は、
交互に、前記長手方向軸の周りに分配された少なくとも1つの分離チャンバ及び少なくとも1つの収集チャンバであって、各分離チャンバは、前記少なくとも1つの収集チャンバのうちの隣接する収集チャンバの壁部も備える2つの垂直側方壁部を備え、前記少なくとも1つの分離チャンバは、前記分離チャンバの上部領域に、前記ライザ反応器と連通する分離チャンバ入口を含み、前記側方分離チャンバから前記少なくとも1つの収集チャンバのうちの前記隣接する収集チャンバへの流体及び粒子の連通を提供するように、前記垂直側方壁部のうちの少なくとも一方に側方分離チャンバ出口が画定されている、少なくとも1つの分離チャンバ及び少なくとも1つの収集チャンバと、
前記少なくとも1つの収集チャンバ内に位置決めされた少なくとも1つの収集チャンバデフレクタと、を備える、装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの分離チャンバは、前記少なくとも1つの収集チャンバのうちの1つが間にある状態で2つの分離チャンバを含み、前記少なくとも1つの収集チャンバデフレクタは、前記2つの分離チャンバのうちの第1の分離チャンバの前記2つの垂直側方壁部のうちの一方と、前記2つの分離チャンバのうちの第2の分離チャンバの前記2つの垂直側方壁部のうちの一方との間に延在する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
各収集チャンバは、前記下部ストリッピング床領域に近接する少なくとも1つのストリッピングガス注入器からのストリッピングガスが前記収集チャンバに入ることを可能にするストリッピングガス入口窓を含む収集チャンバ外側壁部を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
各収集チャンバは、前記収集チャンバ外側壁部、前記垂直側方壁部及び中央ライザ反応器とともに前記収集チャンバを画定する収集チャンバフロアを備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの収集チャンバデフレクタは、前記収集チャンバフロアに面する凹表面を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの収集チャンバデフレクタは、下向きに尖った尖頭部分を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記尖頭部分は、前記垂直側方壁部のうちの2つの間の中心に位置する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記収集チャンバデフレクタは、前記収集チャンバデフレクタの凹表面から延在する分割バッフルを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記分割バッフルは、前記長手方向軸に平行な方向に前記デフレクタの下部縁部を越えて延在する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記分解されたガスと前記固体粒子の少量部分とを前記収集チャンバからガス出口収集器に排出するために、前記収集チャンバの上部領域に少なくとも1つの収集チャンバ導管を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの収集チャンバ導管は、前記収集チャンバデフレクタを通って下向きに延在する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
各収集チャンバは、前記側方分離チャンバ出口から前記下部ストリッピング床領域内に延在する収集チャンバ外側壁部を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
各収集チャンバは、収集チャンバフロアを含み、前記収集チャンバフロア、前記収集チャンバ外側壁部、前記垂直側方壁部、及び中央ライザ反応器は、一緒になって前記収集チャンバを画定する、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
各収集チャンバ外側壁部は、前記ライザ反応器を中心にして連続的な円周方向に前記下部ストリッピング床内に延在する単一の共通ディップレッグを形成するように延在する、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
各収集チャンバ外側壁部は、前記下部ストリッピング床内に延在するそれぞれのディップレッグを形成するように延在する、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
各収集チャンバは、共通の収集チャンバフロアによって取り囲まれており、前記収集チャンバフロア、前記収集チャンバ外側壁部、前記垂直側方壁部及び前記中央ライザ反応器は、一緒になって前記収集チャンバを画定する、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つの分離チャンバのうちの少なくとも1つは、前記側方分離チャンバ出口の上方に少なくとも部分的に位置決めされた分離チャンバデフレクタを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記分離チャンバデフレクタは、前記収集チャンバデフレクタと一体的に形成されている、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記少なくとも1つの収集チャンバデフレクタは、前記側方分離チャンバ出口の上方に少なくとも部分的に位置決めされている、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記ライザ反応器は、前記少なくとも1つのライザ反応器出口に放物凹面円錐形状ライザデフレクタを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
粒子流を用いて炭化水素供給原料を分解するために使用されるライザ反応器から入る前記粒子流からガス状混合物を分離するための装置であって、前記装置は、
下部ストリッピング床領域と上部二次分離器領域とを備える反応容器と、
前記反応容器内のライザ反応器であって、前記ライザ反応器は、長手方向軸を画定しており、かつ一方の端部に前記炭化水素供給原料及び前記粒子流を受け入れるためのライザ反応器入口と、反対側の端部に分解されたガスと固体粒子との混合物を排出するための少なくとも1つのライザ反応器出口とを含む、ライザ反応器と、
前記少なくとも1つのライザ反応器出口に近接して画定された分離容器であって、前記分離容器は、交互に、前記長手方向軸の周りに分配された少なくとも1つの分離チャンバ及び少なくとも1つの収集チャンバを備え、各分離チャンバは、隣接する前記収集チャンバの壁部も備える2つの垂直側方壁部を備え、前記分離チャンバは、前記分離チャンバの上部領域に、前記ライザ反応器と連通する分離チャンバ入口を含む、分離容器と、
前記分離チャンバから前記少なくとも1つの収集チャンバのうちの隣接する収集チャンバへの流体及び粒子の連通を提供するように、前記垂直側方壁部のうちの少なくとも一方に画定された側方分離チャンバ出口と、を備え、各収集チャンバは、前記側方分離チャンバ出口から前記下部ストリッピング床領域内へ延在する収集チャンバ外側壁部を備え、各分離チャンバは、前記分離チャンバ入口から前記下部ストリッピング床領域内へ延在する分離チャンバ外側壁部を更に備える、装置。
【請求項22】
前記収集チャンバ外側壁部は、前記ライザ反応器を中心にして連続的な円周方向に前記下部ストリッピング床に向かって延在する共通の収集チャンバ外側壁部である、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記収集チャンバ外側壁部は、前記ライザ反応器に向かう傾斜部と、前記傾斜部の下の垂直壁部と、を含む、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記収集チャンバ外側壁部は、前記分離チャンバ外側壁部の直径以下の直径を有する、請求項21に記載の装置。
【請求項25】
前記側方分離チャンバ出口の上方に、隣接するガス収集チャンバ内に少なくとも部分的に位置決めされた少なくとも1つの収集チャンバデフレクタを更に備える、請求項21に記載の装置。
【請求項26】
前記少なくとも1つの収集チャンバデフレクタは、前記側方分離チャンバ出口の上方に少なくとも部分的に位置決めされている、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記少なくとも1つの収集チャンバデフレクタは、前記下部ストリッピング床領域に面する凹表面を含む、請求項25に記載の装置。
【請求項28】
前記少なくとも1つの分離チャンバは、2つの分離チャンバであり、前記少なくとも1つの収集チャンバデフレクタは、前記2つの分離チャンバのうちの第1の分離チャンバの前記2つの垂直側方壁部のうちの一方と、前記2つの分離チャンバのうちの第2の分離チャンバの前記2つの垂直側方壁部のうちの一方との間に延在する、請求項25に記載の装置。
【請求項29】
前記少なくとも1つの収集チャンバデフレクタは、下向きに尖った尖頭部分を含む、請求項25に記載の装置。
【請求項30】
前記尖頭部分は、前記垂直側方壁部のうちの2つの間の中心に位置する、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記収集チャンバデフレクタは、前記収集チャンバデフレクタのための凹表面から延在する分割バッフルを含む、請求項25に記載の装置。
【請求項32】
前記分割バッフルは、前記長手方向軸に平行な方向に前記デフレクタの下部縁部を越えて延在する、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記分解されたガスと前記固体粒子の少量部分とを前記収集チャンバからガス出口収集器に排出するために、前記収集チャンバの上部領域に少なくとも1つの収集チャンバ導管を更に備える、請求項25に記載の装置。
【請求項34】
前記少なくとも1つの収集チャンバ導管は、前記収集チャンバデフレクタを通って下向きに延在する、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記少なくとも1つの分離チャンバのうちの少なくとも1つは、前記側方分離チャンバ出口の上方に少なくとも部分的に位置決めされた分離チャンバデフレクタを更に備える、請求項25に記載の装置。
【請求項36】
前記分離チャンバデフレクタは、前記収集チャンバデフレクタと一体的に形成されている、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記ライザ反応器は、前記少なくとも1つのライザ反応器出口に放物凹面円錐形状ライザデフレクタを含む、請求項21に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年5月25日に出願された米国特許出願第17/330,354号に対する優先権の利益を主張し、当該特許の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、流動接触分解(Fluid Catalytic Cracking、FCC)プロセスなどの高速希薄相リフトライン(又はライザ反応器)を使用する任意の蒸気粒子動作に関する。
【背景技術】
【0003】
FCCプロセスは、低価値高沸点範囲の石油留分を高価値低沸点生成物、特にガソリン、プロピレン及び他の軽質オレフィンに転化するために、石油精製工業において十分に確立されている。
【0004】
FCCプロセスにおいて、微細に分割された固体触媒粒子は、反応のための熱及び触媒活性の両方を提供することによって分解反応を促進する。微細に分割された形態の触媒は、流体のように挙動するように作製することができ(したがって、流動接触分解と呼ばれる)、分解ゾーン(ライザ反応器)と、一般にスタンドパイプ又はリフトラインと称される移送ラインに接続された別個の再生ゾーンとの間の閉サイクルで流れる。
【0005】
FCCユニットの反応ゾーンは、概して2つの部分、すなわち、ライザ反応器と、触媒と反応生成物とを迅速に分離するための反応デバイス、すなわち、ライザ終端デバイス(Riser Termination Device、RTD)として当業者に知られている装置とからなる。RTDシステムは、概して、ライザ反応器の出口に位置し、機械的な考慮のために反応器容器内に収容され、この容器はまた、プロセスの動作に重要な他のデバイスを含む。触媒から分離されると、反応生成物は容器から離れて経路指定され、急冷され、所望の留分に分割される。
【0006】
ライザ反応器では、高温の触媒が液体油供給原料と接触してそれを蒸発させ、所望の気相分解反応を進行させ、そこで様々な炭化水素生成物並びに触媒上の固体コークス堆積物が形成される。ライザ反応器の端部では、炭化水素生成物からの触媒の迅速な分離が、炭化水素蒸気の過分解を回避するように反応時間を制御するために望ましい。ライザ反応器への炭化水素転化時間を制限することは、このゾーンが蒸気及び固体触媒の緊密な混合を確実にするように設計されているので望ましい。混合物がライザ反応器を出ると、格納/分離容器内であまり密接でない接触が生じることがあり、かつ望ましくない熱分解反応が生じることがあり、この熱分解反応は、価値のある生成物の損失及び低価値副生成物の生成につながる。炭化水素蒸気をRTD内に収容し、それらを可能な限り直接システムの外に経路指定することにより、熱劣化をもたらす高温での滞留時間が最小限に抑えられる。また、接触分解反応を終了させるために、炭化水素蒸気を触媒から迅速かつ完全に分離することが望ましい。非常に高い触媒回収率を達成するためには、2段階の蒸気触媒分離が必要とされる、すなわち、RTDは、分離の一次段階と考えられ、二次分離工程は、複数の高効率サイクロンからなる。一次分離中、炭化水素蒸気は触媒の大部分から分離され、二次分離工程に直接接続されたガス出口管を通ってRTDを出る。分離された触媒は、一次分離器の下部端部にあるディップレッグ(dipleg)として知られる別のチャンバを流下してストリッピング床に入る。触媒がディップレッグを流下するとき、触媒はいくらかの炭化水素蒸気を同伴する。触媒及び同伴された炭化水素は、RTDを出てストリッピングゾーンに流入し、そこで更に分離される。触媒がストリッピングゾーンを通過するとき、粒子間及び粒子内部の炭化水素蒸気は、ストリッピング蒸気の向流によって除去される。ガス状炭化水素を含まないが固体炭化水素コークスで汚染された触媒は、ストリッピングゾーンを出て、再生ゾーンに入る。
【0007】
一次ガス触媒分離に続いて、触媒はRTDの下のストリッパー床に流入し、そこでストリッピングガスと向流的に接触して、触媒と同伴された任意の残留揮発性炭化水素を除去する。固体コークス堆積物を含有する、典型的には使用済み触媒と称される、炭化水素ストリッピングされた触媒は、触媒再生ゾーンに送られ、そこでコークスが燃焼除去され、触媒活性が回復される。再生工程はエネルギーを放出し、触媒温度を上昇させ、コークス堆積物が燃焼除去された後、高温の再生触媒は反応ゾーンに流れ戻る。触媒から分離された炭化水素蒸気は、いくつかの生成物への分留のために下流の蒸留システムに流れる。ライザ反応器再生器組立体を含むFCCユニットは、再生器内でのコークスの燃焼によって発生する熱が、供給原料の気化に必要な熱及び分解反応のための熱と一致するという点で自己熱平衡である。
【0008】
先行技術のライザ分離システムは、典型的には、付随するディップレッグを有する2つの分離チャンバと、ガス及び触媒材料をそれぞれ分離するための連続した数のガス収集チャンバとを有する。Gauthierらの米国特許第6,296,812号分配は、ライザ分離システムに関連してされた分離チャンバ及び循環(例えば、ガス収集)チャンバを含むエンベロープを有する、ガス及び粒子の混合物を分離するための装置を提供する。各分離チャンバの上部は、ライザ反応器と連通する入口開口部と、混合物を垂直面内で回転させるための中間ゾーンと、分離された触媒粒子を収集するためのディップレッグとして知られる下部ゾーンとを有する。各分離チャンバは、循環チャンバのための壁部でもある2つの側方壁部を備え、各チャンバの壁部のうちの少なくとも一方は、隣接する循環チャンバ内にガス及び粒子を混合するための側方出口開口部を備える。ガス収集チャンバは、2つの追加の開口部を有し、1つはガス出口管に接続された上部にあり、ガス出口管は更に二次分離器に接続されており、下部開口部は、下のストリッパー床の上の反応容器のいわゆる希薄相と連通する。この装置の用途は、ライザ内での炭化水素の流動接触分解であるが、他の類似のプロセスにも同様に適用することができる。
【0009】
Gauthierらのデバイスは、複数の分離チャンバ及び循環チャンバを有し、各分離チャンバは、分離チャンバの下でストリッパー床と連通する粒子出口開口部を含むそれ自体のディップレッグを有する。Gauthierらのデバイスでは、ライザ蒸気と触媒との混合物は、ライザ頂部の窓を通って分離チャンバに入る前に方向を強制的に変えられ、互いに分離する前に四分の一(1/4)方向転換する。次いで、蒸気は、分離チャンバのデフレクタの下で更に180°方向転換した後、収集チャンバに入る。触媒は、ガス分離を最大化するために低質量流束用に設計されたディップレッグへと分離チャンバを流下する。このデバイスは主に、反応器/ストリッパー容器内に収容された内部ライザシステムのための触媒及び蒸気のための一次分離デバイスとして使用される。ストリッピングガス及び炭化水素蒸気は、分離チャンバのディップレッグから反応器内に同伴され、下部導管を通って収集チャンバに入り、ガス出口管/収集器に入る前に分離チャンバからのライザ蒸気と混合し、次いで最終的なガス/触媒分離のためにサイクロン二次分離器に流入する。Gauthierのデバイスは、分離及び輸送の目的に対処しているが、固体収集率は予想よりも低い。分離チャンバへの入口は、ライザ頂部から厳しい90°曲がりを有し、ガス及び触媒が分離するために1/4の曲がりしか提供せず、これは、ガス及び触媒を互いにきれいに分離するのに十分ではない。方向の厳しい90°変化は、入口で触媒の乱流状態を作り出し、その後の1/4方向転換で固体触媒粒子からの分解されたガスの良好な分離を達成するのに必要な流れ構造を発達させるには十分な時間がない。分離チャンバ間には接続がなく、不均一な圧力分布の可能性を作り出し、その結果、各チャンバへの負荷が不均一になり、したがって低い分離効率をもたらす。
【0010】
別のタイプのライザ分離システム、例えば、Marchantらの米国特許第10,731,086号は、ガス固体分離及びガス格納の改善を提供する分離チャンバ内の追加の特徴を有するRTD設計を含む。これらの特徴は、ライザ頂部での流れの乱れを最小限にし、ガス触媒分離を促進するために、ガス触媒流に滑らかな180°の方向転換を提供するように凹凸のライザ頂部と分離チャンバのための単一の(共通の)ディップレッグとを含む。Marchantらはまた、全体積及びライザ後滞留時間を減少させるよりコンパクトな設計を提供し、各分離窓へのバランスのとれた流れ分布は、動作の安定度を改善する。Marchantらはまた、分離された触媒粒子の運動量を偏向させ、分離された触媒の再同伴を低減するために、分離チャンバディップレッグ内の触媒床上のディスク状又はドーナツ状のバッフルを記載している。
【0011】
別のタイプのライザ分離システム、例えばLeonce F.Castagnosの米国特許第4,664,888号は、偏向デバイスを含む。Castagnosの特許は、ライザの出口に位置し、油触媒混合物に180°下向きに急転させる、流動接触分解ライザのためのラフカット触媒蒸気分離器に関する。遠心分離機は、サイクロン内部の半方向転換に相当し、触媒の大部分を壁部に移動させる。炭化水素蒸気の大部分は、壁部から絞り出される。分離器の端部には、主に触媒相を主に炭化水素蒸気相から分割するように位置決めされた削り落としスクープがある。削り落としスクープは、触媒相を容器の中心から離れるように導き、それを容器壁部の近くに堆積させ、そこでその下向きの流れが重力の作用下で継続される。蒸気相は、しばらくの間、その下向きの流れを継続するが、その後、一連の従来のサイクロン分離器を通って容器から出るためには、180°の方向転換を受けて上向きに流れなければならない。しかしながら、油蒸気の第2の180°方向転換は、分離された触媒を再同伴することができ、これは初期のガス固体分離を打ち消す。
【0012】
Castagnosはまた、開放半ドーナツ状偏向デバイスを開示しており、ライザを出るガス/触媒混合物はデフレクタの表面に衝突し、そこで触媒粒子はそれに対して圧縮され、分離された気相はデフレクタの縁部の下の開放領域に入ると考えられる。ガスが粒子相から分離するとき、固体は減速する傾向があり、重力の効果が達成された初期の分離を打ち消す。任意の残りの圧縮された粒子相は、収集表面上に流れ、次いで、粒子は、表面から容器の壁部に向かって流下して離れる。分離されたガスは、粒子相と再接触せずに導管を上方に流れると考えられる。このように、衝突面及び収集面の下の圧力は、それらの上の圧力よりも高い。この圧力差は、ガスを導管だけでなく、デフレクタの縁部の下の開放領域及び収集表面も通過させ、これにより、すでに達成された分離を更に打ち消す。その後、分離されたガスは、容器に入り、相当な滞留時間を経て、かなりのライザ後分解を受けるという点で「格納されていない」。
【0013】
従来技術は、それらの意図された目的に対して満足のいくものであると考えられてきた。しかしながら、ライザ反応器出口における触媒相と蒸気相との分離を改善する装置が必要とされている。本開示は、この必要性に対する解決策を提供する。本発明者らは、ガス固体分離を促進し、動作安定性を改善する改善された流れプロファイルを提供する新規な設計を有するライザ分離システムを利用して、触媒及び蒸気相分離の改善、並びにガス収集効率の改善を達成するための方法及び手段を発見した。
【発明の概要】
【0014】
粒子流を用いて炭化水素供給原料を分解するために使用されるライザ反応器から入る粒子流からガス状混合物を分離するための装置は、下部ストリッピング床領域と上部二次分離器領域とを備える反応容器を含む。装置は、反応容器内にライザ反応器を含む。ライザ反応器は、長手方向軸を画定し、かつ一方の端部に炭化水素供給原料及び粒子流を受け入れるためのライザ反応器入口と、反対側の端部に分解されたガスと固体粒子との混合物を排出するための少なくとも1つのライザ反応器出口とを含む。装置は、少なくとも1つのライザ反応器出口に近接して画定された分離容器を含む。分離容器は、交互に、長手方向軸の周りに分配された少なくとも1つの分離チャンバと少なくとも1つの収集チャンバとを含む。各分離チャンバは、少なくとも1つの収集チャンバのうちの隣接する収集チャンバの壁部も備える2つの垂直側方壁部を備える。少なくとも1つの分離チャンバは、分離チャンバの上部領域に、ライザ反応器と連通する分離チャンバ入口を含む。側方分離チャンバから少なくとも1つの収集チャンバのうちの隣接する収集チャンバへの流体及び粒子連通を提供するように、垂直側方壁部のうちの少なくとも一方に側方分離チャンバ出口が画定されている。分離容器は、少なくとも1つの収集チャンバ内に位置決めされた少なくとも1つの収集チャンバデフレクタを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの分離チャンバは、2つの分離チャンバを含む。少なくとも1つの収集チャンバのうちの1つは、2つの分離チャンバの間に位置決めされている。少なくとも1つの収集チャンバデフレクタは、2つの分離チャンバのうちの第1の分離チャンバの2つの垂直側方壁部のうちの一方と、2つの分離チャンバのうちの第2の分離チャンバの2つの垂直側方壁部のうちの一方との間に延在する。各収集チャンバは、下部ストリッピング床領域に近接した少なくとも1つのストリッピングガス注入器からのストリッピングガスが収集チャンバに入ることを可能にするストリッピングガス入口窓を含む収集チャンバ外側壁部を含むことができる。各収集チャンバは、収集チャンバ外側壁部、垂直側方壁部及びライザ反応器とともに収集チャンバを画定する収集チャンバフロアを含むことができる。収集チャンバデフレクタは、収集チャンバフロアに面する凹表面を含むことができる。収集チャンバデフレクタは、下向き尖頭部分を含むことができる。尖頭部分は、垂直側方壁部のうちの2つの間の中心に位置することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、チャンバデフレクタは、収集チャンバデフレクタの凹表面から延在する分割バッフルを含むことができる。分割バッフルは、長手方向軸に平行な方向にデフレクタの下部縁部を越えて延在することができる。装置は、分解されたガスと固体粒子の少量部分とを収集チャンバからガス出口収集器に排出するために、収集チャンバの上部領域に少なくとも1つの収集チャンバ導管を含む。少なくとも1つの収集チャンバ導管は、収集チャンバデフレクタを通って下向きに延在することができる。各収集チャンバは、側方分離チャンバ出口から下部ストリッピング床領域内に延在する収集チャンバ外側壁部を含むことができる。各収集チャンバは、収集チャンバフロアを含むことができる。収集チャンバフロア、収集チャンバ外側壁部、垂直側方壁部及びライザ反応器は、ともに収集チャンバを画定することができる。収集チャンバ外側壁部は、ライザ反応器を中心にして連続的な円周方向に下部ストリッピング床に向かって延在する共通の収集チャンバ外側壁部とすることができる。収集チャンバ外側壁部は、ライザ反応器に向かう傾斜部と、傾斜部の下の垂直壁部とを含むことができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、各分離チャンバは、分離チャンバ入口から下部ストリッピング床領域に向かって延在する分離チャンバ外側壁部を更に含むことができる。分離チャンバ外側壁部及び収集チャンバ外側壁部は、長手方向軸に対して同じ垂直位置で終端することができる。収集チャンバ外側壁部は、分離チャンバ外側壁部の直径以下の直径を有することができる。少なくとも1つの分離チャンバのうちの少なくとも1つは、側方分離チャンバ出口の上方に少なくとも部分的に位置決めされた分離チャンバデフレクタを含むことができる。少なくとも1つの分離チャンバデフレクタは、側方分離チャンバ出口の上方に少なくとも部分的に位置決めされている。
【0018】
別の態様によれば、炭化水素供給原料を粒子流で分解するために使用されるライザ反応器から入る粒子流からガス状混合物を分離するための装置は、下部ストリッピング床領域及び上部二次分離器領域を含む反応容器を含む。装置は、反応容器内にライザ反応器を含む。ライザ反応器は、長手方向軸を画定し、かつ一方の端部に炭化水素供給原料及び粒子流を受け入れるための中央ライザ反応器入口と、反対側の端部に分解されたガス及び固体粒子の混合物を排出するための少なくとも1つのライザ反応器出口とを含む。装置は、少なくとも1つのライザ反応器出口に近接して画定された分離容器を含む。分離容器は、交互に、長手方向軸の周りに分配された少なくとも1つの分離チャンバと少なくとも1つの収集チャンバとを含む。各分離チャンバは、隣接する収集チャンバの壁部も備える2つの垂直側方壁部を含む。分離チャンバは、分離チャンバの上部領域に、ライザ反応器と連通する分離チャンバ入口を含む。側方分離チャンバ出口は、分離チャンバから少なくとも1つの収集チャンバの少なくとも1つの収集チャンバのうちの隣接する収集チャンバへの流体及び粒子連通を提供するように、垂直側方壁部のうちの少なくとも一方に画定されている。各収集チャンバは、側方分離チャンバ出口から下部ストリッピング床領域内に延在する収集チャンバ外側壁部を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、収集チャンバ外側壁部は、ライザ反応器を中心にして連続的な円周方向に下部ストリッピング床に向かって延在する共通の収集チャンバ外側壁部である。収集チャンバ外側壁部は、上述したものと同様とすることができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、装置は、側方分離チャンバ出口の少なくとも部分的に上方の隣接するガス収集チャンバ内に位置決めされた少なくとも1つの収集チャンバデフレクタを含むことが企図される。少なくとも1つの収集チャンバデフレクタは、下側ストリッピング床領域に面する凹表面を含むことができる。少なくとも1つの収集チャンバデフレクタは、側方分離チャンバ出口の上方に少なくとも部分的に位置決めすることができる。少なくとも1つの分離チャンバは、2つの分離チャンバとすることができる。少なくとも1つの収集チャンバのうちの1つは、2つの分離チャンバの間に位置決めされている。少なくとも1つの収集チャンバデフレクタは、2つの分離チャンバのうちの第1の分離チャンバの2つの垂直側方壁部のうちの一方と、2つの分離チャンバのうちの第2の分離チャンバの2つの垂直側方壁部のうちの一方との間に延在することができる。少なくとも1つの収集チャンバデフレクタは、上述したものと同じとすることができる。収集チャンバデフレクタは、上述したものと同様の分割バッフルを含むことができる。装置は、上述の収集チャンバ導管と同様の少なくとも1つの収集チャンバ導管を含むことができる。少なくとも1つの分離チャンバのうちの少なくとも1つは、側方分離チャンバ出口の上方に少なくとも部分的に位置決めされた分離チャンバデフレクタを含むことができる。分離チャンバデフレクタは、収集チャンバデフレクタと一体的に形成することができる。
【0021】
本開示のシステム及び方法のこれら及び他の特徴は、当業者には、図面と併せて好ましい実施形態の以下の詳細な説明からより容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本開示が属する技術分野の当業者が、過度の実験を行うことなく、本開示のデバイス及び方法をどのように作製及び使用するかを容易に理解するように、本開示の好ましい実施形態が、ある特定の図を参照して本明細書で以下に詳細に説明される。
図1】本開示に従って構築された、炭化水素供給原料を分解するために使用されるライザ反応器から入る粒子流からガス状混合物を分離するための装置の概略斜視図であり、分離チャンバ及び収集チャンバを交互に配置した分離容器を示す。
図2A図1の装置の概略断面側面図であり、90度離れた2つの分離チャンバを示す。
図2B図1の装置の概略断面側面図であり、収集チャンバデフレクタを各々が有する2つの収集チャンバを示しており、分離チャンバからのガスは、出口管を介して出る前に分離チャンバの下で180°方向転換しなければならない。
図3A】本開示に従って構築された、炭化水素供給原料を分解するために使用されるライザ反応器から入る粒子流からガス状混合物を分離するための装置の別の実施形態の概略断面側面図であり、90°離れた2つの分離チャンバを示しており、各分離チャンバは、ライザ反応器を出てRTDに入るガス及び触媒粒子に滑らかな180°の方向転換を提供するために、ライザ出口に凹状デフレクタを有するライザを含む。
図3B図3Aの実施形態の概略断面側面図であり、収集チャンバデフレクタを各々が有する2つの収集チャンバを示しており、からのガスは、出口管を介して出る前に分離チャンバの下で180°方向転換しなければならない。
図4A】本開示に従って構築された、炭化水素供給原料を分解するために使用されるライザ反応器から入る粒子流からガス状混合物を分離するための装置の別の実施形態の概略断面側面図であり、90°離れた2つの分離チャンバを示しており、各分離チャンバは、ライザ反応器を出てRTDに入るガス及び触媒粒子に滑らかな180°の方向転換を提供するために、ライザ出口に凹表面デフレクタを有するライザを含み、ストリッピング触媒床で終端する共通分離チャンバ外側壁部、例えば、分離チャンバディップレッグを示す。
図4B図4Aの実施形態の概略断面側面図であり、分離チャンバからのガスが出口管を介して出る前に180°方向転換しなければならない収集チャンバデフレクタを各々が有する2つの収集チャンバを示し、ストリッピング触媒床で終端する共通の収集チャンバ外側壁部、例えば、収集チャンバディップレッグを有する収集チャンバを示し、収集チャンバのディップレッグは分離チャンバディップレッグを囲んでいる。
図5】本開示に従って構築された炭化水素供給原料を分解するために使用されるライザ反応器から入る粒子流からガス状混合物を分離するための装置の概略斜視切断図であり、分離チャンバ及び収集チャンバを交互に配置した分離容器を示し、収集チャンバ外側壁部のうちの一方が半透明で示され、分離チャンバ外側壁部のうちの一方が部分的に切り取られて示される。
図6図5の装置の概略斜視図であり、分離チャンバデフレクタから延在する収集チャンバデフレクタと、収集チャンバデフレクタの下に位置決めされた分割バッフルとを示す。
図7図5の装置の概略上面図であり、ライザ反応器から分離チャンバへ、次いで収集チャンバへの流体/粒子の流れを示す。
図8】本開示に従って構築された、炭化水素供給物を分解するために使用されるライザ反応器から入る粒子流からガス状混合物を分離するための装置の別の実施形態の概略斜視図であり、中央尖頭を有する収集チャンバデフレクタを示す。
図9】本開示に従って構築された、炭化水素供給物を分解するために使用される中央ライザ反応器から入る粒子流からガス状混合物を分離するための装置の別の実施形態の概略斜視図であり、ガスをガス出口管に直接輸送する手段として収集チャンバアンダーフローバッフルを貫通する導管を示す。
図10】本開示に従って構築された、炭化水素供給原料を分解するために使用されるライザ反応器から入る粒子流からガス状混合物を分離するための装置の別の実施形態の概略断面側面図であり、ストリッピングガス入口導管及びベントパイプを含む収集チャンバ外側壁部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ここで図面を参照するが、同様の参照番号は、本開示の同様の構造的特徴又は態様を識別する。限定ではなく説明及び例示の目的のために、本開示による中央ライザ反応器から入る粒子流からガス状混合物を分離するための装置の実施形態の部分図が図1に示され、参照符号500によって全体的に示す。本開示又は本開示の態様によるシステムの他の実施形態は、記載されるように図2図11に提供される。本明細書に記載されるシステム及び方法は、分離容器、例えば、RTDを提供することができ、ガス収集チャンバは、触媒床内に延在するディップレッグを作り出すことによって修正され、かつ/又はガス収集チャンバは、デフレクタバッフルを含む。
【0024】
図1図2Bに示すように、粒子流を用いて炭化水素供給原料を分解するために使用される中央ライザ反応器501から入る粒子流からガス状混合物を分離するための装置500は、下部ストリッピング床領域10及び上部二次分離器領域12を備える反応容器534を含む。ライザ反応器501は、反応容器534内の中心に位置決めされている。ライザ反応器501は、長手方向軸Aを画定し、一方の端部に炭化水素供給物及び粒子流(矢印、例えば流れ矢印591によって概略的に示される)を受け入れるためのライザ反応器入口502と、反対側の端部に分解されたガスと固体粒子との混合物を分離チャンバ508に排出するための少なくとも1つのライザ反応器出口504とを含む。装置500は、ライザ反応器出口504に近接して画定された分離容器506を含む。分離容器506は、交互に、長手方向軸Aの周りに分配された分離チャンバ508及び収集チャンバ510を含む。装置500は、複数の分離チャンバ外側壁部519(図1では半透明に示されている)を含み、各外側壁部は、分離チャンバ508の上部領域516内のそれぞれの分離チャンバ入口514から下部ストリッピング床領域10内に延在する。各分離チャンバ508は、それ自体の分離チャンバ外側壁部519(図1では半透明に示されている)を含む。装置500は、各収集チャンバ510の収集チャンバ外側壁部524(図1では半透明に示されている)を含み、この収集チャンバ外側壁部は、側方分離チャンバ出口518から下方ストリッピング床領域10に向かって下方ストリッピング床領域10内に延在する。分離チャンバディップレッグ領域509及び収集チャンバディップレッグ領域531をそれぞれ形成する壁部524及び519は、下部ストリッピング床領域10中に潜り込んでいる。
【0025】
引き続き図1図2Bを参照すると、各収集チャンバ外側壁部524は、ライザ反応器501に向かって収束する傾斜部528と、傾斜部528の下の実質的に垂直な壁部530、例えば、ディップレッグとを含む。各垂直壁部530は、各収集チャンバ510のための別個のディップレッグ領域531を形成している。収集チャンバ外側壁部524の実質的に垂直な壁部530は、下部ストリッピング床領域10内で終端している。各分離チャンバ外側壁部519及び収集チャンバ外側壁部524の垂直壁部530は、長手方向軸Aに対して同じ垂直位置で終端している。収集チャンバ外側壁部524は、分離チャンバ外側壁部519と同じ又はそれよりも小さい直径を有する。収集チャンバ外側壁部524の垂直壁部530が下部ストリッピング床領域10中に潜り込んでいるので、装置500は、ストリッピングガス及び同伴炭化水素が反応器からガス出口管546へ、更に第二段階分離器へと逃げるための流路を提供するために、開放スリップユニットベント548を含む。ディップレッグ(例えば、触媒床内に延在する収集チャンバ外側壁部524及び分離チャンバ外側壁部519の垂直壁部分)は、全ての炭化水素がRTD内に含有され、炭化水素蒸気が反応器に漏出しないことを確実にし、これは、最大ガス格納をもたらしかつ潜在的に反応器コーキングを不要にする。
【0026】
引き続き図2A及び図2Bを参照すると、各分離チャンバ508は、隣接する収集チャンバ510の壁部も備える2つの実質的に垂直な側方壁部512を備える。分離チャンバ508(そのうちの2つが図2Aに示されている)は、ライザ反応器501と連通する分離チャンバ508の上部領域516に分離チャンバ入口514を含む。ライザ501からのガス/粒子(流れ矢印591で概略的に示される)は、ライザ反応器501から最初に90°方向転換し(例えば、軸Aから90°)、その後、分離チャンバデフレクタ527を中心にして更に90°方向転換する。次いで、ガス及び同伴触媒(流れ矢印591aによって概略的に示される)は、分離チャンバデフレクタ527の下で更に180°方向転換し、一方、触媒粒子(流れ領域591bによって概略的に示される)は、ガスから分離し、触媒床10に落下する。装置500は、側方分離チャンバ508から隣接する収集チャンバ510への流体及び粒子連通を提供するために、垂直側方壁部512の各々に画定された側方分離チャンバ出口518を含む。装置500は、側方分離チャンバ出口518の上方に、ガス収集チャンバ510内に少なくとも部分的に位置決めされた少なくとも1つの収集チャンバデフレクタ520を含む。各収集チャンバデフレクタ520は、垂直側方壁部512のうちの2つの間に延在する(図4のデフレクタ120と同様に)。収集チャンバデフレクタ520は、ガス触媒分離を更に増加させ、かつライザ炭化水素蒸気及び同伴触媒がガス出口管に向かうRTD出口525への直接経路がないことを確実にするように作用する。ストリッピング触媒床10中に潜り込んだガス収集チャンバディップレッグ530は、ライザ炭化水素蒸気が、反応器に対して開いているガス収集チャンバ出口523を通って逃げることができないことを確実にする。収集チャンバディップレッグ530はまた、サイクロンディップレッグ515から戻る微粉が、ガス収集チャンバ出口525を通して直接再同伴され得ないことを確実にする。
【0027】
図2A及び図2Bに示すように、収集チャンバデフレクタ520は、各ガス収集チャンバ510内に別の分離段階を追加するように作用する。現在のRTDは、ガス固体流が分離チャンバ出口518から、RTDをサイクロン入口に接続する主出口ダクトに直接流れる可能性を有する。本開示の実施形態では、デフレクタ520は、分離チャンバ508内で使用されるデフレクタ527と同様に、流れ矢印537によって概略的に示されるように、側方分離チャンバ出口518から入るガスを更に180°方向転換させる、すなわち、流れを再方向付けする。ガス及び触媒の運動量の差は、更なる分離及びサイクロンへのより低い負荷をもたらすことになる。これは、システム全体の分離効率性を改善する傾向がある。図2A及び図2Bの実施形態では、収集チャンバデフレクタ520及びデフレクタ527は、同じ垂直位置で終端している。デフレクタ520の凹表面526は、ストリッピング床10に面している。
【0028】
図3A及び図3Bに示すように、中央ライザ反応器601から入る粒子流からガス状混合物を分離するための装置600の別の実施形態が示されている。分離チャンバ608(そのうちの2つが図3Aに示されている)は各々、ライザ反応器601と連通する分離チャンバ608の上部領域616に分離チャンバ入口614を含む。ライザ601からのガス/粒子(流れ矢印691で概略的に示される)は、ライザ反応器601から最初に90°方向転換し、続いて分離チャンバデフレクタ627を中心にして更に90°方向転換し、ガス及び同伴触媒(流れ矢印691aで概略的に示される)は、分離チャンバデフレクタ627の下で更に180°方向転換し、一方、触媒粒子(流れ矢印691bで概略的に示される)は、ガスから分離し、触媒床10に落下する。装置600は、装置500と同様であるが、各収集チャンバ610の収集チャンバ外側壁部624は、側方分離チャンバ出口618から下方ストリッピング床領域10に向かって下方ストリッピング床領域10内に延在する。収集チャンバ外側壁部624は下部ストリッピング床領域10中に潜り込んでいるので、装置600は、ストリッピングガス及び同伴炭化水素が反応器からガス出口管646に逃げるための流路を提供するために、開放スリップユニットベント648を含む。装置600は、ライザ601がライザ出口604に放物凹面円錐形状デフレクタ653を含む点で、装置500と異なる。ここで、デフレクタ653の頂点は、ライザ入口602に向かって下向きに面している。装置600はまた、分離チャンバ608内にバッフル607を含む。バッフル607は、例えば、ライザ反応器601を中心にして位置決めされた環状区画とすることができる。
【0029】
図4A及び図4Bに示されるように、中央ライザ反応器701から入る粒子流からガス状混合物を分離するための装置700の別の実施形態が示されている。装置700は、収集チャンバ外側壁部724が、ライザ反応器701に向かって収束する傾斜部728と、傾斜部728の下に共通ディップレッグ領域731を形成する実質的に垂直な円筒壁部730とを含むことを除いて、装置600と同様である。傾斜部728の下の実質的に垂直な円筒壁部730又はスカートは、ライザ反応器701の周りに環状の共通ディップレッグ領域731を形成する連続円筒であり、各収集チャンバ710のストリッピングガス出口窓750が全て共通ディップレッグ領域731と流体連通するようになっている。実質的に垂直な壁部730は、下部ストリッピング床領域10に向かって、その中に延在する。ライザ701からのガス/粒子(流れ矢印791で概略的に示される)は、ライザ反応器701から最初に90°方向転換し、続いて分離チャンバデフレクタ727を中心にして更に90°方向転換し、ガス及び同伴触媒(流れ矢印791aで概略的に示される)は、分離チャンバデフレクタ727の下で更に180°方向転換し、一方、触媒粒子(流れ矢印791bで概略的に示される)は、ガスから分離し、触媒床10に落下する。装置700は、以下に説明されるように、外側壁部724を各出口窓750の上方で停止させる代わりに、外側壁部124及び各出口窓150の上方で停止する外側壁部124の同等の傾斜部と同様に、単一の円筒形壁部730が各傾斜部分728の下部縁部で始まり、触媒床内に下向きに延在することを除いて、装置100と同様である。
【0030】
引き続き図4A及び図4Bを参照すると、装置700は、側方分離チャンバ出口718から下部ストリッピング床領域10に向かってその中に延在する分離チャンバ外側壁部719を含む。分離チャンバ外側壁部719は、分離チャンバディップレッグ領域709が長手方向軸Aを中心として円周方向に連続的に延在するように、各分離チャンバ708に共通の分離チャンバ外側壁部719である。収集チャンバ外側壁部724は、分離チャンバ外側壁部719と同心である。実質的に垂直な壁部730は、分離チャンバディップレッグ領域709を画定する分離チャンバ外側壁部719の下部部分719aの直径D2よりも大きい直径D1を有する。装置700は、反応器からのストリッピングガス及び蒸気がガス出口管746に逃げるための流路を提供するために、開放スリップユニットベント748を含み、ここで、収集チャンバ710は、垂直壁部730を介して底部で囲まれている。
【0031】
図5図7に示すように、粒子流を用いて炭化水素供給原料を分解するために使用される中央ライザ反応器101から入る粒子流からガス状混合物を分離するための装置100は、下部ストリッピング床領域10及び上部二次分離器領域12を含む反応容器134を含む。ライザ反応器101は、反応容器134内に位置決めされている。ライザ反応器101は、長手方向軸Aを画定し、かつ一方の端部に炭化水素供給物及び粒子流を受け入れるためのライザ反応器入口102と、反対側の端部に分解されたガスと固体粒子との混合物を排出するための少なくとも1つのライザ反応器出口104とを含む。装置100は、ライザ反応器出口104に近接して画定された分離容器106を含む。分離容器106は、交互に、長手方向軸Aの周りに分配された分離チャンバ108及び収集チャンバ110を含む。
【0032】
引き続き図5図7を参照すると、各分離チャンバ108は、隣接する収集チャンバ110の壁部も備える2つの実質的に垂直な側方壁部112を備える。分離チャンバ108は、分離チャンバ108の上部領域116に、ライザ反応器101と連通する分離チャンバ入口114を含む。各分離チャンバ108は、触媒床10内に下向きに延在する分離チャンバ外側壁部119を含む。分離チャンバ外側壁部119は、分離チャンバ108の各々に対して共通のディップレッグ領域109を形成する垂直に延在するスカート173を含む。共通ディップレッグ領域109は、分離チャンバ108の各々と流体連通している。分離チャンバディップレッグ領域109は、長手方向軸Aを中心として円周方向に連続的に延在する。側方分離チャンバ出口118は、側方分離チャンバ108から隣接する収集チャンバ110への流体及び粒子連通を提供するように、垂直側方壁部112のそれぞれに画定されている。装置100は、側方分離チャンバ出口118の上方に、ガス収集チャンバ110内に少なくとも部分的に位置決めされた少なくとも1つの収集チャンバデフレクタ120を含む。各収集チャンバデフレクタ120は、2つの垂直側方壁部112の間に延在する。収集チャンバデフレクタ120は、ガス触媒分離を更に増加させ、かつライザ炭化水素蒸気がガス収集チャンバ出口125に到達するための直接経路がないことを確実にするように作用する。
【0033】
図6に示すように、収集チャンバデフレクタ120は、各ガス収集チャンバ110内に別の分離段階を追加するように作用する。分離チャンバは、概して分離チャンバデフレクタ27と称されるデフレクタ「湾曲プレート」27を含む。側方分離チャンバ出口118は、分離チャンバデフレクタ27の下にあり、各端部に1つずつあり、ガス収集チャンバ110に接続されている。分離チャンバデフレクタ27及び収集チャンバデフレクタ120は、デフレクタ27及び収集チャンバデフレクタ120がライザ101の周りに環を形成するように、互いに接続されるか、一体的に形成されるかなどされる。収集チャンバデフレクタ120としての収集チャンバ110内への分離チャンバデフレクタ27のこの延在は、ガス及び触媒粒子が、ガス収集チャンバ内でガス粒子分離を促進する追加の方向転換を行うことを可能にする。現在のRTDは、ガス固体流が分離チャンバ出口118から、RTDをサイクロン入口に接続する主出口ダクトに直接流れる可能性を有する。本開示の実施形態では、デフレクタ120は、分離チャンバ108内で使用される分離チャンバデフレクタ27と同様に、流れ矢印137によって概略的に示されるように、側方分離チャンバ出口118から入るガスを強制的に更に180°方向転換させる、すなわち流れを再方向付けする。ガス及び触媒の運動量の差は、更なる分離及びサイクロンへのより低い負荷をもたらすことになる。これは、システム全体の分離効率性を改善する傾向がある。チャンバデフレクタ120は、収集チャンバデフレクタのための凹表面126から延在する分割バッフル136を含むことができる。図5図7の実施形態では、分割バッフル136は、長手方向軸Aに平行な方向にデフレクタ120の下部縁部138を越えて延在しない。当業者であれば、バッフル136が下部縁部138の下の垂直位置まで延在することもできることを容易に理解されよう。
【0034】
引き続き図5図7を参照すると、装置100の実施形態は、外側壁部724及びそこから延在するその円筒壁部730のように、収集チャンバ外側壁部124が、触媒床10内に下向きに延在する代わりに、収集チャンバ外側壁部124が触媒床10の前で停止するという点で、装置700の実施形態と異なる。図5の前方に面した収集チャンバ外側壁部124は、デフレクタ120を容易に見ることができるように半透明で示されている。装置100では、各収集チャンバ110は、収集チャンバ外側壁部124、垂直側方壁部112及び中央ライザ反応器101とともに収集チャンバ110を画定する収集チャンバフロア122を含む。ストリッピングガス出口窓150、例えば、収集チャンバ窓が、収集チャンバ外側壁部124とチャンバフロア122との間に設けられて、ストリッピングガス及び同伴炭化水素が反応器ストリッパー部からガス収集チャンバ110へ、続いて、チャンバ出口125へ出ることを可能にする。デフレクタ120の凹表面126は、収集チャンバフロア122に面している。収集チャンバデフレクタ120は、延在された壁部142(分離チャンバ108内の分離チャンバデフレクタ27と比較して)とともに示されているが、当業者には、壁部142について様々な長さを使用することができることが容易に理解されよう。
【0035】
図8に示すように、中央ライザ反応器201から入る粒子流からガス状混合物を分離するための装置200の別の実施形態が示されている。装置200は、図示するように、装置200が収集チャンバデフレクタ220の別の実施形態を含むことを除いて、装置100と同じである。収集チャンバデフレクタ220は、収集チャンバデフレクタ120と同じであるが、収集チャンバデフレクタ220は、開放されている、又は分割バッフルを含む代わりに、2つのデフレクタ部分220a及び220bの交点に下向き尖頭部分221を含む。尖頭部分221は、垂直側方壁部212のうちの2つの間の中央に位置している。各デフレクタ部分220a及び220bは、図8の流れ矢印242によって概略的に示されるように、分離チャンバから入るガス固体流体のそれ自体の独立した半方向転換を提供する。各デフレクタ部分220a及び220bの下向き傾斜形状は、分割器、例えば分割器136が必要とされないようにし得る。
【0036】
ここで図9を参照すると、中央ライザ反応器801から入る粒子流からガス状混合物を分離するための装置800の別の実施形態が示されている。装置800は、装置800が、分解されたガスと固体粒子の少量部分とを収集チャンバ810からガス出口管(146として図4に示される)に排出するために、各収集チャンバ810の上部領域843に収集チャンバ導管844を含むことを除いて、装置100と同様である。各収集チャンバ導管844は、収集チャンバデフレクタ120と同様の収集チャンバデフレクタ820を通って下向きに延在する。収集チャンバ外側壁部824及び分離チャンバ外側壁部819は、収集チャンバ810及び分離チャンバ808の内部を示すために部分的に除去されて示されている。収集チャンバ810は、図5の収集チャンバ110と同様である。各収集チャンバは、ストリッピングガス出口窓150と同様に、それぞれのストリッピングガス出口窓850を含む。分離チャンバ808は、共通ディップレッグ領域109と同様の共通ディップレッグ領域を含む。
【0037】
ここで図10を参照すると、中央ライザ反応器401から入る粒子流からガス状混合物を分離するための装置400の別の実施形態が示されている。装置400は、概して、装置500と同じである。装置400は、複数の分離チャンバ408及び収集チャンバ410を含む。各収集チャンバ410の収集チャンバ外側壁部424は、側方分離チャンバ出口418から下部ストリッピング床領域10、例えば、触媒床に向かって延在し、触媒床10中に潜り込んでいる。装置400は、ストリッパーガスがガス出口管446を介して反応器装置400から出て1つ以上のサイクロンに至るための、外側壁部424を通る追加の流路を提供するように構成及び適合されたストリッピングガス導管417を含む。
【0038】
本開示の方法及びシステムは、上述され、図面に示されるように、ガスを触媒から更に分離するために、ガス収集チャンバを利用することによってガス触媒分離の増大を実現する。本開示の装置及び方法が、好ましい実施形態を参照して示され、記載されてきたが、当業者には、本開示の範囲から逸脱することなく、それらに変更及び/又は修正が行われ得ることが容易に理解されよう。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】