(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】1つのデータ形式を他のデータ形式に変換するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G01N 21/17 20060101AFI20240517BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20240517BHJP
A61B 1/045 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
G01N21/17 620
A61B1/00 526
A61B1/045 618
A61B1/045 610
A61B1/00 715
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571951
(86)(22)【出願日】2022-05-23
(85)【翻訳文提出日】2023-11-20
(86)【国際出願番号】 US2022030526
(87)【国際公開番号】W WO2022246314
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592017633
【氏名又は名称】ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】ティアニー ギレルモ
(72)【発明者】
【氏名】オトゥヤ デイヴィッド オー.
【テーマコード(参考)】
2G059
4C161
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB12
2G059EE09
2G059FF02
2G059HH01
2G059JJ17
2G059MM01
4C161BB08
4C161CC07
4C161FF35
4C161FF40
4C161FF46
4C161HH51
4C161MM10
(57)【要約】
サンプルのBモード画像を生成するための方法であって、プローブを用いてサンプルから複数のMモードフレームを取得することと、複数のMモードフレームを組み合わせて、複数の各Mモードフレームにそれぞれ対応する複数のAラインを含むモンタージュを形成することと、モンタージュの隣り合ったAラインを比較して、少なくとも一対の相関するAラインを特定することと、モンタージュから少なくとも一対の相関するAラインのうち一方を除去することによりBモード画像を生成することと、を有することを特徴とする方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルのBモード画像を生成するための方法であって、
プローブを用いて前記サンプルから複数のMモードフレームを取得することと、
前記複数のMモードフレームを組み合わせて、前記複数の各Mモードフレームにそれぞれ対応する複数のAラインを含むモンタージュを形成することと、
前記モンタージュの隣り合ったAラインを比較して、少なくとも一対の相関するAラインを特定することと、
前記モンタージュから前記少なくとも一対の相関するAラインのうち一方を除去することによりBモード画像を生成することと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記プローブを用いて前記複数のMモードフレームを取得することは、
光コヒーレンストモグラフィ(OCT)プローブを用いて前記複数のMモードフレームを捕捉すること
を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記光コヒーレンストモグラフィプローブを用いて前記複数のMモードフレームを捕捉することは、
前記光コヒーレンストモグラフィプローブを回転させずに前記複数のMモードフレームを捕捉すること
をさらに含む、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記光コヒーレンストモグラフィプローブを用いて前記複数のMモードフレームを捕捉することは、
前記光コヒーレンストモグラフィプローブを用いて、前記サンプルの長軸に対して平行な方向に前記光コヒーレンストモグラフィプローブを手動で直進させることに基づき前記複数のMモードフレームを捕捉すること
をさらに含む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記モンタージュから前記少なくとも一対の相関するAラインのうち一方を除去することによりBモード画像を生成することは、
互いに相関する隣り合ったAラインが無くなるように前記モンタージュを処理することに基づいて前記Bモード画像を生成すること
をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記モンタージュの隣り合ったAラインを比較することは、
相関係数を計算することに基づき前記モンタージュの隣り合ったAラインを比較することと、
計算した前記相関係数と閾値とを比較することにより、前記少なくとも一対の相関するAラインを特定することと、
をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記モンタージュの隣り合ったAラインを比較して、少なくとも一対の相関するAラインを特定することは、
生成した前記Bモード画像のスペックルパターンを評価することによりスペックルパターン長を特定することと、
前記スペックルパターン長とスペックルパターン閾値とを比較することと、
前記スペックルパターン長と前記スペックルパターン閾値との比較に基づいて前記閾値を調整すること
をさらに含む、請求項6記載の方法。
【請求項8】
生成した前記Bモード画像の記憶、送信又は表示のうち少なくとも1つをさらに有する、
請求項1記載の方法。
【請求項9】
生成した前記Bモード画像の隣り合ったAラインの対を平均化することにより、生成した前記Bモード画像の信号対雑音比レベルを改善することをさらに含む、
請求項1記載の方法。
【請求項10】
生成した前記Bモード画像におけるアーティファクトの有無を特定することと、
最大スキャンレートを決定することと、
をさらに含み、
前記サンプルから複数のMモードフレームを取得することは、
前記最大スキャンレート以下のスキャンレートで前記サンプルから複数のMモードフレームを取得すること
をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記プローブを用いて前記サンプルから複数のMモードフレームを取得した後、
前記プローブからの反射に相当する複数の輝点が一直線になるように当該複数の輝点を整列させることに基づき、前記複数の各Mモードフレームにおける湾曲を補償すること
をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項12】
サンプルのBモード画像を生成するためのシステムであって、
電磁放射源及び検出器に結合された光学プローブと、
前記電磁放射源及び前記検出器に結合されたプロセッサと、
を備えており、
前記プロセッサは、
前記サンプルから複数のMモードフレームを取得し、
前記複数のMモードフレームを組み合わせて、前記複数の各Mモードフレームにそれぞれ対応する複数のAラインを含むモンタージュを形成し、
前記モンタージュの隣り合ったAラインを比較して、少なくとも一対の相関するAラインを特定し、
前記モンタージュから前記少なくとも一対の相関するAラインのうち一方を除去することによりBモード画像を生成する
ように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記サンプルから前記複数のMモードフレームを取得する際にさらに、
光コヒーレンストモグラフィ(OCT)を用いて前記複数のMモードフレームを捕捉する
ように構成されている、請求項12記載のシステム。
【請求項14】
前記光学プローブは光コヒーレンストモグラフィプローブを含み、
前記プロセッサは、前記複数のMモードフレームを捕捉する際にさらに、
前記光コヒーレンストモグラフィプローブを回転させずに前記複数のMモードフレームを捕捉する
ように構成されている、請求項13記載のシステム。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記光コヒーレンストモグラフィプローブを用いて前記複数のMモードフレームを捕捉する際にさらに、
前記光コヒーレンストモグラフィプローブを用いて、前記サンプルの長軸に対して平行な方向に前記光コヒーレンストモグラフィプローブを手動で直進させることに基づき前記複数のMモードフレームを捕捉する
ように構成されている、請求項14記載のシステム。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記モンタージュから前記少なくとも一対の相関するAラインのうち一方を除去することによりBモード画像を生成する際にさらに、
互いに相関する隣り合ったAラインが無くなるように前記モンタージュを処理することに基づいて前記Bモード画像を生成する
ように構成されている、請求項12記載のシステム。
【請求項17】
前記プロセッサは、前記モンタージュの隣り合ったAラインを比較する際にさらに、
相関係数を計算することに基づき前記モンタージュの隣り合ったAラインを比較し、
計算した前記相関係数と閾値とを比較することにより、前記少なくとも一対の相関するAラインを特定する
ように構成されている、請求項12記載のシステム。
【請求項18】
前記プロセッサは、前記モンタージュの隣り合ったAラインを比較して、少なくとも一対の相関するAラインを特定する際にさらに、
生成した前記Bモード画像のスペックルパターンを評価してスペックルパターン長を特定し、
前記スペックルパターン長とスペックルパターン閾値とを比較し、
前記スペックルパターン長と前記スペックルパターン閾値との比較に基づいて前記閾値を調整する
ように構成されている、請求項17記載のシステム。
【請求項19】
前記プロセッサはさらに、生成した前記Bモード画像の記憶、送信又は表示のうち少なくとも1つを行うように構成されている、
請求項12記載のシステム。
【請求項20】
前記プロセッサはさらに、生成した前記Bモード画像の隣り合ったAラインの対を平均化することに基づき、生成した前記Bモード画像の信号対雑音比レベルを改善することをさらに含む、
請求項12記載のシステム。
【請求項21】
前記プロセッサはさらに、
生成した前記Bモード画像におけるアーティファクトの有無を特定し、
最大スキャンレートを決定する
ように構成されており、
前記プロセッサは、前記サンプルから複数のMモードフレームを取得する際にさらに、
前記最大スキャンレート以下のスキャンレートで前記サンプルから複数のMモードフレームを取得する
ように構成されている、請求項12記載のシステム。
【請求項22】
前記光学プローブは光ファイバを備えている、
請求項12記載のシステム。
【請求項23】
前記光ファイバの遠位端は、前記プローブの長軸に対して41°以下の角度で研磨されている、
請求項22記載のシステム。
【請求項24】
前記光ファイバは、前記プローブの中心軸から離れて配置されている、
請求項22記載のシステム。
【請求項25】
前記光ファイバは、前記プローブにおける電磁放射を出射する側に隣接する、
請求項24記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本願は、米国特許出願第63/191,397号(出願日:2021年5月21日)に基づくと共にその優先権を主張するものであり、同出願の開示内容は全て、参照により本願の記載内容に含まれるものとする。
【0002】
<連邦支援研究に関する言及>
無し。
【背景技術】
【0003】
光コヒーレンストモグラフィ(OCT)は、低コヒーレンス光を用いて、体内構造及び物質の高解像かつ高速の断面断層撮影を提供する非接触のイメージングモダリティである。OCTは、体内で組織を生体内撮影するため、又はベンチトップ上で生体外撮影するために使用可能なものである。生体外での組織撮影は一般に、ガルバノスキャナを用いて組織上の関心領域を走査することを含む。一方、生体内OCT撮影は、遠位走査として知られているアーキテクチャと、近位走査として知られているアーキテクチャの2つの形態をとることができ、遠位走査は、ビーム走査のための機械的走査装置を体内の光学カテーテル内に配置することができ、近位走査は体外に機械的走査装置を配置することができる。近位スキャンの長所は、細径光学プローブ(>300μm)を用いることができ、動脈などの小さい管腔器官を画像化することができることである。このOCTイメージングの主な欠点は、光ロータリジョイント(RJ、rotary junction)として知られる近位走査モジュールを開発するために多大な費用と労力を要することである。また、生体外OCTイメージングは、費用が高くて嵩張るガルバノスキャナの精巧で高コストの装備を要する。
【発明の概要】
【0004】
よって、OCTイメージングを用いてサンプルからBモード画像を生成するための新規のシステム、方法及び媒体が望まれる。
【0005】
本願では、精巧な走査装備を不要とする、例えばOCT等の干渉モダリティを用いて、生体内及び生体外組織イメージングの両方を行うために使用可能な方法、システム及び装置を開示する。本願開示の方法、システム及び装置は種々の実施形態で、機械的走査のための別個の装置に関して何ら要件を課すことなく、関心対象の組織表面において光学プローブの手動走査を行うために用いることができる。プローブの機械的走査に関する要件が無くなるということは、より小型のプローブを使用することができ(例えば、プローブにトルクコイルを設ける必要が無くなると、トルクコイル無しのプローブは80μm程度の小径とすることができる)、より低コストのプローブを使用することができ、また、プローブを用いてより小さい空間(例えばオリフィス等)をイメージングできるようになる、ということである。
【0006】
一実施形態は、サンプルのBモード画像を生成するための方法を提供するものであり、当該方法は、
プローブを用いて前記サンプルから複数のMモードフレームを取得することと、
前記複数のMモードフレームを組み合わせて、前記複数の各Mモードフレームにそれぞれ対応する複数のAラインを含むモンタージュを形成することと、
前記モンタージュの隣り合ったAラインを比較して、少なくとも一対の相関するAラインを特定することと、
前記モンタージュから前記少なくとも一対の相関するAラインのうち一方を除去することによりBモード画像を生成することと、を有する。
【0007】
他の一実施形態は、サンプルのBモード画像を生成するためのシステムを提供するものであり、当該システムは、電磁放射源及び検出器に結合された光学プローブと、前記電磁放射源及び前記検出器に結合されたプロセッサと、を備えており、前記プロセッサは、前記サンプルから複数のMモードフレームを取得し、前記複数のMモードフレームを組み合わせて、前記複数の各Mモードフレームにそれぞれ対応する複数のAラインを含むモンタージュを形成すし、前記モンタージュの隣り合ったAラインを比較して、少なくとも一対の相関するAラインを特定し、前記モンタージュから前記少なくとも一対の相関するAラインのうち一方を除去することによりBモード画像を生成するように構成されている。
【0008】
以下の図面を参照して下記の本願開示の主題の詳細な説明を参酌すれば、本願開示の主題の種々の目的、構成及び利点をより完全に理解することができる。図面中、同様の符号は同様の要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】トルクコイル、ロータリジョイント、若しくはプルバック機構(上部)を備えた従来のプローブ、又は、トルクコイル、ロータリジョイント若しくはプルバック機構のいずれも備えない特定の実施形態のプローブに結合されたOCTイメージングシステムを示す図である。
【
図2】プローブが長辺状のサンプルに沿ってどのように移動し、当該サンプルに沿った複数の異なるポイントに相当するMモード断層像フレーム列をどのように収集するかを示す、データ収集の概観図である。
【
図3】Mモード断層像フレーム列を1つのBモード画像に変換するための処理の概観図である。
【
図4】Mモードフレーム列又は断層像列をBモードフレーム又は画像に変換するための複数のステップを含むフローチャートである。
【
図5】
図4の手順におけるオプションのステップを示す追加のフローチャートである。
【
図6A】
図4の手順におけるオプションのステップを示す追加のフローチャートである。
【
図6B】深度性能を改善するためのステップを含むフローチャートである。
【
図6C】組織表面湾曲を補正することにより画質を改善するためのステップを含むフローチャートである。
【
図7】本願開示の手順を用いて被検体の管腔サンプルからデータを収集するために使用されるOCTシステムを示す図であり、当該OCTシステムは本願開示のプローブを備えている。
【
図8】本願開示の特定の実施態様の組織の接触センシング及び高解像の光コヒーレンストモグラフィ(OCT)イメージングを行うためのシステムを示す図であり、当該システムは、100kHzで動作するAxsun(登録商標)エンジン(Axsun Technologies社)と、干渉計と、偏光コントローラ(PC)と、OCT信号を処理及び表示するためのコンピュータと、を備えたOCT小型イメージングシステム(CIS)を含み、上記の干渉計は、1つの入力ビームスプリッタと、2つのサーキュレータと、可変遅延線(VDL)を有する参照アームと、プローブとの接続部を有するサンプルアームと、2つの偏光ビームスプリッタ(PBS)のセットに接続された出力カプラと、から成り、上記の偏光コントローラは、PBSからAxsun(登録商標)エンジンに戻る出力についてのコントローラである。
【
図9】本願開示の手順を使用して食道から収集されて処理されたデータに基づくBモード画像を示す図である。
【
図10】本願開示の手順を使用して食道から収集されて処理されたデータに基づくBモード画像を示す図である。
【
図11】本願開示の手順を使用して十二指腸から収集されて処理されたデータに基づくBモード画像を示す図である。
【
図12】ファイバがプローブの中心からオフセットすると共に当該光ファイバの端部が研磨されている一部の実施形態のイメージングプローブを示す図である。
【
図13】例えばファイバの端部が45°の角度で研磨された
図12に示されているプローブ等のイメージングプローブを用いて生成されたBモード画像の例を示す図である。
【
図14】反射アーティファクトを削減し又は無くすように、ファイバの端部を研磨する角度を最適化した一部の実施形態のイメージングプローブを示す図である。
【
図15】ファイバの端部を50°の角度で研磨した
図14に示されているイメージングプローブ等のイメージングプローブを用いて生成されたBモード画像例を示す図である。
【
図16】本願開示の発明の一部の実施形態のサンプルのBモード画像を生成するためのシステムの一例を示す図である。
【
図17】本願開示の発明の一部の実施形態の計算機及びサーバを具現化するために使用可能なハードウェアの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願開示の発明の一部の実施形態では、干渉データを収集及び処理してBモード画像を生成するためのメカニズム(方法、システム及び装置を含み得る)を提供する。多くの事例において、MモードデータからBモード画像への変換の場面における本願開示の実施形態例を提示するが、本願開示のメカニズムはより広く、1つのデータ形式から他のデータ形式への変換全般に適用することが可能である。
【0011】
図1は、導波体102によって従来のプローブに結合されたOCTイメージングシステム101を示しており、この従来のプローブはトルクコイル104と、プルバック機構103(上部)を備えたロータリジョイント(rotary junction)と、を備えたものである。
図1にはさらに、OCTイメージングシステム101が導波体105によって本願開示の特定の実施形態のプローブ106に結合された構成も示されており、このプローブ106はトルクコイル、ロータリジョイント、又はプルバック機構のいずれも備えておらず、モノリシックプローブを1つ備えたものである。
【0012】
図2は、プローブ202が長辺状のサンプル205に沿ってどのように移動し、当該サンプルに沿った複数の異なるポイントに相当するMモード断層像フレーム列をどのように収集するかを示す、データ収集の概観図である。一般に、これらの各Mモードフレームはそれぞれ、サンプル205内の複数の異なる深度で収集されたデータに相当するデータの線形アレイを含む。
図2は、研磨されたボールレンズ201を備えた光学プローブ202の遠位端を示しており(「遠位」とは、サンプルに最も近くオペレータから最も遠いプローブの端部をいう)、上記の研磨された面は、導波体で光204を反射させてサンプル205に入射させると共に、サンプルで反射した光を導波体に戻すリフレクタとして働く。組織表面に沿って(例えば、矢印203で示された方向に)光学プローブ202を手動で引っ張ると、組織205に沿った複数のポイントに相当する複数のOCT画像フレーム206(Mモードフレーム又は断層像)が取得される。各OCTMモードフレーム206はそれぞれ、組織表面上の1つの位置に関する情報を含むことができ、又は、組織表面上の複数の位置からの情報を含むこともできる。
【0013】
手動のプルバックを行いながら規則的な時間間隔でフレーム206を収集する場合、連続するフレーム間の物理的間隔が変動的となり得る。例えば、手動走査されるプローブの移動速度は異なる時点において低速になったり高速になったりすることがあり、これにより、幾つかのフレームがサンプルの重複部分をカバーし(例えば、低速度の走査の期間中に収集されたデータ等)、又は、幾つかのフレームによりカバーされるサンプルの各部分間の間隔がより均等に(若しくはより広幅に)開いてしまうことがある(例えば、高速度の走査の期間中に収集されたデータ等)。よって、上記のようなデータを解析し、必要な場合には、低速度の走査期間で生じる重複フレームを特定して除去する手順が必要とされる。
【0014】
図3は、Mモード断層像フレーム列307を1つのBモード画像310(例えばOCT画像等)に変換するための処理の概観図であり、ここでは重複フレームを特定して除去する処理も含まれる。最初に、収集した所与の数のMモードフレーム307を組み合わせ、又は「スティッチング」処理して、各Mモードフレームがモンタージュ308における1つの列(あるいはAライン)に相当する1つの長いフレーム又はモンタージュ308を形成することができる。モンタージュ308の隣り合う列(Aライン)を互いに比較して、2つの線の間のピアソンの相互相関係数等の指標を用いて類似度を特定することにより、類似又は同一の隣り合う列(隣り合ったMモードフレームに相当する)を特定することができ、これは、当該フレームが低速度の走査期間中に収集されたものであることの示唆と捉えられる。隣り合う列間の類似度指標(例えば相互相関係数等)が、設定された閾値を超える場合には、これら2つの隣り合う列のうち一方を脱落させて、モンタージュの列について繰り返し続行することができる。
図3に示されているように、モンタージュ309を処理する際には、重複する列(縦方向の破線により示す)を消去して、重複しない列(縦方向の実線)を維持することができる。このようにして新たに再スティッチング処理された画像310(消去されなかった重複しない列により構成される画像)が、Mモードフレームから生成されたBモード画像である。一部の実施形態では、類似又は重複するAラインのうち1つ又は複数を互いに平均化して、最終画像における1つの代表的なAラインを形成することができる。
【0015】
図4は、Mモードフレーム列又は断層像をBモードフレーム又は画像に変換するための複数のステップを含むフローチャートである。ステップ401において、例えば手動のプルバック機構を用いることを含めた本願開示の手順等を用いて、複数のMモードフレームを捕捉する。ここで、手動のプルバック機構を用いて取得される光学データとの関連において本願開示の手順を示しているが、当該手順は、機械式(例えばモータ駆動式等)のプルバック機構等の他のプルバック手順を用いて取得された光学データを含む他の形式のデータにも使用することができる。というのも、プローブの進み方は時折非一様となることがあり、これにより本願開示のようにデータを補償する必要が生じ得るからである。
【0016】
ステップ402において、所与の数(N)のMモードフレームを組み合わせてモンタージュ(MモードOCT画像)を形成することができ、ここで隣り合ったフレームは、Aラインとの呼称で知られている複数の個々の画素列を有する1つの連続した画像フレームを構成する。ステップ403において、2つの隣り合ったAラインi及びjを比較して類似度又は相関度を特定することができ、これを特定するために例えば、ピアソンの相関係数rを計算し又は類似の手法を用いることにより相互相関分析を行うことができる。ステップ406において、(例えば2つの列間の相互相関係数を算出することにより特定された類似度又は相関度等の)類似度又は相関度が特定の閾値を下回る場合、ステップ404において各列の添字i及びjをそれぞれ1増分して、次の対の隣り合ったAラインの類似度を分析することができる。一方、相互相関係数が上記の特定の閾値以上である場合、ステップ405において2つの列のうち一方(例えば画像の列j)を除去し、新規のj添字がj+1番目の列を指し示すこととなる。モンタージュ画像の全ての列について繰り返した後、ステップ407において新規の画像を再構成して新規のBモード画像を形成する。ステップ408においてこの画像を記憶し、他の場所若しくはユーザへ送信し、及び/又は表示することができる。
【0017】
種々の実施形態では、ステップ408の後に、画像の隣り合った列を比較するために使用される閾値を調整するための追加のステップを含めることができる(
図5)。一部の実施形態では、画像を形成した後にスペックルパターンを調べ又は評価し、固定されたスペックルパターン閾値をスペックルパターン長が上回る場合、相互相関閾値を固定の小さい値εだけ調整することができる。画像全体における空間-周波数変換等の処理により、例えばウィグナー変換又は短時間フーリエ変換その他これに類する処理を用いて、スペックルサイズを解析することができる。その後、ステップ406において、上記のように調整した閾値を用いて類似度を評価することができる。
【0018】
一部の実施形態では、手順を使用して、データを収集する際に使用する特定の手動走査速度を、当該データの収集に用いられている特定の光学システムのパラメータに基づいて特定することができる。このようにして生成されたBスキャン画像を調べて、当該画像中にアーティファクトが存在するか否か(例えば画像中に明確な不連続性があるか否か)を判定し、アーティファクトが存在すると判定された場合、走査速度を低下させることができる。走査を行う速度が低速であるほど、収集されたデータにおいて重複するMモードフレームが増加する傾向にあり、かかる重複Mモードフレームは本願開示の手順を用いて特定及び除去することができる。一方、走査を過度に速い速度で行うと、サンプルの特定の部分が失われ、生成される最終的なBスキャン画像中に表示されなくなってしまう(このことは、Bスキャン画像中に明確な不連続性として見ることができる)。しかし、この失われたデータは後処理によって回復したり復元したりすることができず、サンプルを再度、より低速なレートでスキャンする必要がある。最大撮像速度あるいは最大スキャンレートは、v=(fsΔx)/ζとして計算することができる。ここで、fsはOCTイメージングシステムAラインレートであり、Δxは光ビームスポット径であり、ζはオーバーサンプリングレートであり、これは通常は2である。
【0019】
Aラインレートは、システムが1つのMモードフレームAラインを取得する速度を示すものであり(すなわち、1つの位置における深度スキャンを行える速度を示す)、Δxは、各1つのAラインが占める領域を示すものであり、オーバーサンプリングレートは、エイリアシング等のアーティファクトを回避するためにデータを収集するレート(一般に、空間解像度の2倍)を示すものである。よって、上記の数式は、特定のイメージングプローブ及びシステムを用いてサンプルの空間単位からデータを収集できる速度を考慮し、オーバーサンプリングレートで除することにより、最大撮像速度を求めるものである。
【0020】
図6Aは、最後のステップ408(「画像を表示する」と記載されているステップ)の前に追加できる追加のステップの手順の一実施形態を示す図である。このステップは、アーティファクトが存在するか否かを判定するステップ410と、アーティファクトが存在すると判定した場合に走査速度を一様に調整するステップ411(例えば、上述のように求められたシステムの最大撮像速度に基づき調整する)と、取得を繰り返すステップと、を含むことができる。その後、再スキャンした画像についてアーティファクトのエビデンスを評価し、アーティファクトが見られない場合、ステップ408において画像を記憶し、他の場所若しくはユーザへ送信し、及び/又は表示することができる。
【0021】
一部の実施形態では、画像表面をモニタリングすることにより、Mモード-Bモード画像変換アルゴリズムの深度性能を改善することができる(
図6B参照)。画像表面のモニタリングは、集光光学系からの反射をプロービングし、その情報を用いて画像を平坦化処理することにより行うことができる。このことは例えば、反射に相当する輝点全てが一直線上になるように当該輝点全てを整列することによって画像における湾曲を補償することにより行うことができる。この手順(ステップ412)は、MモードからBモードへの変換前、例えばステップ403の前に行うことができる(
図6B参照)。
【0022】
他の実施形態では、組織表面の湾曲を補正することによりアルゴリズムの性能を改善することができる(
図6C)。この手順(ステップ413)は、、MモードからBモードへの変換前、例えばステップ403の前に行うことができ、当該手順は、隣り合ったAラインの相互相関が、組織表面の変化ではなく、主に当該2つのAラインにおけるスペックルパターンを比較するものであることを保証するために行われる。
【0023】
図7は、本願開示の手順を用いて被検体の管腔サンプル(人間の食道)からデータを収集するために使用されるOCTシステムを示す図であり、当該OCTシステムは本願開示のプローブを備えている。被検体の消化器系には、ここで提示する光学プローブと共に導入チューブが、鼻/鼻腔又はこれに類する管腔器官を介して挿入されている。その後、光学プローブを優しく(例えば1.25m/s未満の速度で)引っ張りながらMモード画像を取得し、その後、上記の手順を用いて収集したデータは本願開示の手順を用いて処理される。
【0024】
図8は、本願開示の手順を用いて処理可能なデータを取得するために使用できるデータ収集システムの一実施形態を示す図である。このシステムは、10μm解像度の断面100kHzOCT Axsun(登録商標)エンジン(Axsun Technologies社)に、中心波長1310nm及び帯域幅140nmの光源を設けたものを含む。この光源の出力を参照ビームとサンプルビームとに分割することができ、参照ビームは上記光の20%、サンプルビームは80%である。参照アームは、光サーキュレータを介して電動ステージ上に取り付けられたミラーに向けることができ(可変遅延線(VDL))、サンプルアームは、他のサーキュレータを介して光学プローブに接続することができる。光カプラを用いて、参照アーム及びサンプルアーム両方からの後方反射光を組み合わせることにより、干渉縞パターンを生成することができる。この縞パターンは、Axsun(登録商標)エンジンの4つのバランスダイオードと、偏光ビームスプリッタ(PBS)の2つのセットと、を含む偏光多重システムを用いて収集されたものである。このシステムに結合されたコンピュータを用いて、OCT画像を生成及び表示することができる。
図7に、上記のシステムの外観を示す。
【0025】
光学プローブは、生検対象の組織のMモード画像を取得することができる。OCTシステムは、Aラインレート100kHzのAxsun(登録商標)OCTエンジン(Axsun Technologies社)を備えることができる。プローブにより捕捉されたMモード画像を組み合わせてモンタージュを形成し、隣り合ったAラインの相互相関係数を計算することにより両Aラインを比較することができる。本願にて開示しているように、設定された閾値を相互相関係数が下回るAラインを維持して、同じAラインを除外することができる。
【0026】
図9及び
図10は、本願開示の手順を使用して食道から収集されて処理されたデータに基づくBモード画像を示す図である。
図11は、本願開示の手順を使用して十二指腸から収集されて処理されたデータに基づくBモード画像を示す図である。
【0027】
一部の実施形態では、データを収集するために使用される光学プローブを、無回転データ収集で使用するために最適化することができる。プローブを回転させずにサンプルを1つの軸方向にスキャンする場合、特定の実施形態では、光ファイバの端部をサンプルにより近接させると共に、プローブにおける電磁放射を出射させる側に近接させる光ファイバをプローブ内における当該プローブの片側寄りにオフセットした位置に配置することができる(
図12参照)。さらに、ファイバ端部がプローブの外周に近接することにより、プローブ内部における光路上の物質(例えば流体等)が減少し、ビームがプローブから出射する際にクリッピングされる機会が少なくなる。
図12に示されているように、ファイバの角度研摩された反射性の遠位端はプローブの外周付近にあり、これにより(例えばビーム拡幅が最小限に抑えられる結果として)解像度が増大し、サンプル内において電磁エネルギーのビームが組織内に浸透できる深度が増大する。
【0028】
図12に示されているように、光ファイバの端部は、電磁放射をサンプルに向かう側に送り、サンプルから反射された放射をファイバに戻すための反射面を形成する角度に研磨することができる。上記の研磨角を45°とすると、プローブから光が出射する角度は90°、すなわちプローブの表面に対して垂直となる。かかる条件下で、最終的に形成されるBモード画像において光学アーティファクトが観察され得ることに注目した(
図13A,13B参照)。
図13A及び
図13Bは、光学プローブを収容するシースからの反射(例えばフレネル反射等)に起因して当該シースの外部にアーティファクト(矢印で示す)が横線の形態で生じている様子を示す図である。
【0029】
以上のことから、ファイバの端部を研磨する角度を調整することが、上記のアーティファクトの回避を助け得ると判断された。
図14に示すように、研磨角を45°以外とすると共に、プローブへ進む又はプローブから進む電磁放射の入射角を90°以外とすることにより、これらのアーティファクトを低減し又は無くすことができる。例えば、
図14に示されているように研磨角は(90-θ
i)とすべきである。ここで、θ
i>49°である。よって、ファイバは、プローブの長軸に対して41°以下の角度で研磨すべきである、ということになる。
図15A及び
図15Bは、ファイバを当該ファイバの長軸に対して41°の角度で研磨したプローブを用いて収集されて再構成されたBモード画像例を示す図であり、同図より、研磨角を45°した場合(
図13A,13B参照)に存在したアーティファクトが生じないことが分かる。
【0030】
一部の実施形態では、光学プローブは、イメージングしている組織の灌流を行うための灌流システムを備えることができる(
図12及び
図14参照)。
図12及び
図14に示されているように、プローブ内のチャンバに灌流チューブを接続することができ、これは、プローブのイメージングを行う側に開口を有する。
【0031】
図16を参照すると、本願開示の一部の実施形態のサンプルのBモード画像を生成するためのシステム(例えばデータ収集処理システム等)の一例1600が示されている。
図16に示すように、計算機1610が光干渉計システム1600から干渉データを受け取ることができる。一部の実施形態では、計算機1610は光干渉計システム1600から受け取った干渉データに基づきサンプル1604のBモード画像を生成するためのシステムの少なくとも一部を実行することができる。追加的又は代替的に一部の実施形態では、計算機1610は通信ネットワーク1620を介して、光渉計システム1600から受け取った干渉データに関する情報をサーバ1620へ送信することができ、これは、干渉データに基づいてサンプル1604のBモード画像を生成するためのシステムの少なくとも一部を実行することができる。かかる一部の実施形態では、サーバ1620は、サンプル1604のBモード画像を生成するためのシステムの出力を表す情報を計算機1610(及び/又は他の任意の適切な計算機)に戻すことができる。この情報は、ユーザ(例えば研究者、オペレータ、臨床医等)に提示され、及び/又は(例えば研究データベース若しくは被検体に関連付けられたカルテの一部等として)記憶されることができる。
【0032】
一部の実施形態では、計算機1610及び/又はサーバ1620は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、サーバコンピュータ、物理的な計算機によって実行される仮想マシン等の任意の適切な計算機又は計算機の組み合わせとすることができる。本願明細書に記載されているように、サンプル1604のBモード画像を生成するためのシステムは、干渉データについての情報及び/又は生成されたBモード画像をユーザ(例えば研究者及び/又は臨床医等)に提示することができる。
【0033】
一部の実施形態では、光干渉計システム1600は電磁放射源1602を備えることができ、これは、OCT等の光干渉測定に適した任意の電磁放射源とすることができる。他の実施形態では、電磁放射源1602は、計算機1610にローカルで設けることができる。例えば、電磁放射源1602を計算機1610と共に組み込むことができる(例えば計算機1610は、光干渉情報を捕捉及び/又は記憶するための装置の一部として構成することができる)。他の一例として、電磁放射源1602はケーブル、ダイレクト無線リンク等によって計算機1610に接続することができる。追加的又は代替的に一部の実施形態では、電磁放射源1602は、計算機1610にローカルに及び/又は計算機1610から遠隔に配することができ、また、通信ネットワーク(例えば通信ネットワーク1606等)を介して計算機1610に情報を送信することができる。
【0034】
一部の実施形態では、通信ネットワーク1606は任意の適切な1つの通信ネットワーク又は通信ネットワークの任意の適切な組み合わせとすることができる。例えば通信ネットワーク1606は、WiFi(登録商標)ネットワーク(1つ以上の無線ルータ、1つ以上のスイッチ等を含み得る)、ピア・ツー・ピア・ネットワーク(例えばブルートゥース(Bluetooth、登録商標)ネットワーク等)、携帯電話網(例えば3Gネットワーク、4Gネットワーク等、CDMA、GSM、LTE、LTE Advanced、WiMAX(登録商標)等の任意の適切な規格に準拠したもの)、有線ネットワーク等を含むことができる。一部の実施形態では、通信ネットワーク1606はローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、公共ネットワーク(例えばインターネット等)、プライベート若しくは半プライベートネットワーク(例えば企業若しくは大学イントラネット)、任意の他の適切な種類のネットワーク、又はネットワーク任意の適切な組み合わせとすることができる。
図16に示す通信リンクはそれぞれ、有線リンク、光ファイバリンク、WiFiリンク、ブルートゥースリンク、携帯電話リンク等の任意の適切な1つの通信リンク又は通信リンクの任意の適切な組み合わせとすることができる。
【0035】
図17は、本願開示の主題の一部の実施形態の計算機1610及びサーバ1620を具現化するために使用可能なハードウェアの一例1700を示す図である。
図17に示すように、一部の実施形態では計算機1610は、プロセッサ1702、ディスプレイ1704、1つ若しくは複数の入力部1706、1つ若しくは複数の通信システム1708、及び/又はメモリ1710を備えることができる。一部の実施形態では、プロセッサ1702は、中央処理装置、グラフィック処理装置サ等、任意の適切な1つのハードウェアプロセッサ又は複数のハードウェアプロセッサの組み合わせとすることができる。一部の実施形態ではディスプレイ1704は、コンピュータモニタ、タッチスクリーン、テレビ受像機等の任意の適切な表示装置を含むことができる。一部の実施形態では入力部1706は、ユーザ入力を受け取るために使用可能な任意の適切な入力装置及び/又はセンサ、例えばキーボード、マウス、タッチスクリーン、マイクロフォン等を含むことができる。
【0036】
一部の実施形態では、通信システム1708は、通信ネットワーク1606及び/又は他の任意の適切な通信ネットワークを介して情報を通信するための任意の適切なハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含むことができる。例えば通信システム1708は、1つ以上の送受信器、1つ以上の通信チップ、及び/又は1つ以上の通信チップセット等を備えることができる。より具体的な一例では、通信システム1708は、WiFi(登録商標)接続、ブルートゥース(Bluetooth、登録商標)接続、携帯電話接続、イーサネット接続等を確立するために使用できるハードウェア、ファームウェア及び/又はソフトウェアを含むことができる。
【0037】
一部の実施形態ではメモリ1710は、命令、値等を記憶するために使用できる1つ又は複数の任意の適切な記憶装置を含むことができ、当該命令、値等は例えば、プロセッサ1702がディスプレイ1704を用いてコンテンツを提示するため、通信システム1708を介してサーバ1620と通信するため等に使用できるものである。メモリ1710は、任意の適切な揮発性メモリ、不揮発性メモリ、記憶部、又はこれらの任意の適切な組み合わせを含むことができる。例えばメモリ1710は、RAM、ROM、EEPROM、1つ以上のフラッシュドライブ、1つ以上のハードディスク、1つ以上のソリッドステートドライブ、1つ以上の光学ドライブ等を含むことができる。一部の実施形態ではメモリ1710は、計算機1610の動作を制御するためのコンピュータプログラムを符号化したものを有することができる。このような実施形態では、プロセッサ1702は、コンテンツ(例えば、画像、ユーザ境界面、グラフィックス、テーブルなど)を提示し、サーバ1620からコンテンツを受信し、情報をサーバ1620に送信するために、コンピュータプログラムの少なくとも一部を実行することができる。
【0038】
一部の実施形態ではサーバ1620は、プロセッサ1712、ディスプレイ1714、1つ若しくは複数の入力部1716、1つ若しくは複数の通信システム1718、及び/又はメモリ1720を備えることができる。一部の実施形態では、プロセッサ1712は、中央処理装置、グラフィック処理装置サ等、任意の適切な1つのハードウェアプロセッサ又は複数のハードウェアプロセッサの組み合わせとすることができる。一部の実施形態ではディスプレイ1714は、コンピュータモニタ、タッチスクリーン、テレビ受像機等の任意の適切な表示装置を含むことができる。一部の実施形態では入力部1716は、ユーザ入力を受け取るために使用可能な任意の適切な入力装置及び/又はセンサ、例えばキーボード、マウス、タッチスクリーン、マイクロフォン等を含むことができる。
【0039】
一部の実施形態では、通信システム1718は、通信ネットワーク1606及び/又は他の任意の適切な通信ネットワークを介して情報を通信するための任意の適切なハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含むことができる。例えば通信システム1718は、1つ以上の送受信器、1つ以上の通信チップ、及び/又は1つ以上の通信チップセット等を備えることができる。より具体的な一例では、通信システム1718は、WiFi(登録商標)接続、ブルートゥース(Bluetooth、登録商標)接続、携帯電話接続、イーサネット接続等を確立するために使用できるハードウェア、ファームウェア及び/又はソフトウェアを含むことができる。
【0040】
一部の実施形態ではメモリ1720は、命令、値等を記憶するために使用できる1つ又は複数の任意の適切な記憶装置を含むことができ、当該命令、値等は例えば、プロセッサ1712がディスプレイ1714を用いてコンテンツを提示するため、1つ又は複数の計算機1610と通信するため等に使用できるものである。メモリ1720は、任意の適切な揮発性メモリ、不揮発性メモリ、記憶部、又はこれらの任意の適切な組み合わせを含むことができる。例えばメモリ1720は、RAM、ROM、EEPROM、1つ以上のフラッシュドライブ、1つ以上のハードディスク、1つ以上のソリッドステートドライブ、1つ以上の光学ドライブ等を含むことができる。ある実施形態では、メモリ1720は、サーバ1620の動作を制御するためのサーバプログラム上に符号化され得る。このような実施形態では、プロセッサ1712は、情報及び/又はコンテンツ(例えば組織の識別及び/又は分類の結果、ユーザインタフェース等)を1つ又は複数の計算機1610に送信し、1つ又は複数の計算機1610から情報及び/又はコンテンツを受信し、1つ又は複数のデバイス(例えばパーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン等)から命令を受信するため等、サーバプログラムの少なくとも一部を実行することができる。
【0041】
一部の実施形態では、本願に記載されている機能及び/又は処理を実行するための命令を記憶するために任意の適切なコンピュータ可読媒体を用いることができる。例えば一部の実施形態では、コンピュータ可読媒体は一時的又は非一時的なものとすることができる。例えば非一時的なコンピュータ可読媒体は、磁気媒体(例えばハードディスク、フロッピーディスク等)、光学媒体(例えばコンパクトディスク、デジタルビデオディスク、ブルーレイ(Blu-ray、登録商標)ディスク等)、半導体媒体(例えばRAM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等)、送信中に失われたり永続性の外形を欠くことのない任意の適切な媒体、又は任意の適切な有形媒体を含み得る。他の一例として一時的なコンピュータ可読媒体は、ネットワーク上の信号、ワイヤ、導体、光ファイバ、回路、若しくは、送信中に失われて永続性の一切の外形を欠く任意の適切な媒体、及び/又は任意の適切な無形媒体を含み得る。
【0042】
一部の実施形態では、光学信号はフォトダイオードにより検出される。この検出機能を実現するために任意の光電変換デバイスを使用することができ、かかる光電変換デバイスには受光素子、フォトダイオード、ラインスキャンカメラ、二次元カメラ、及びフォトダイオードアレイが含まれるが、これらに限定されないことを認識すべきである。
【0043】
本願明細書にて使用されている「メカニズム」との用語は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの任意の適切な組み合わせを包含し得ることに留意すべきである。
【0044】
本願にて記載されている処理の上記の各ステップは任意の順序又はシーケンスで実行又は実施することができ、図面に示され記載された順序やシーケンスに限定されないと解すべきである。また、上記のステップの中には、遅延や処理時間を削減するため適切な場合には実質的に同時に、又は並列して実行又は実施可能なものもある。
【0045】
よって、上記にて特定の実施形態及び事例を参照して本発明を説明したが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではなく、数多くの他の実施形態、事例、使用、改良形態、並びに上記の実施形態、事例及び使用からの派生形態も、添付の特許請求の範囲に包含することを意図している。
【国際調査報告】