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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】埋込型センサインプラントデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/0215 20060101AFI20240517BHJP
   A61F 2/02 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
A61B5/0215 A
A61F2/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571999
(86)(22)【出願日】2022-05-20
(85)【翻訳文提出日】2024-01-19
(86)【国際出願番号】 US2022030198
(87)【国際公開番号】W WO2022246161
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】63/225,039
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/225,689
(32)【優先日】2021-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/224,286
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/191,534
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】コクー・アナニ・アメフィア
(72)【発明者】
【氏名】ラニ・アブドゥッラー・マムーディ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ジー・ヴァルデス
(72)【発明者】
【氏名】ジュリー・アン・ハインツマン
(72)【発明者】
【氏名】アルヴィン・ティー・チャン
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・マコーネル
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-ピエール・ミッシェル・ラバ
(72)【発明者】
【氏名】スコット・ルイス・プール
【テーマコード(参考)】
4C017
4C097
【Fターム(参考)】
4C017AA01
4C017AB04
4C017AC04
4C017EE01
4C017FF17
4C097AA30
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC05
(57)【要約】
センサインプラントデバイスは、センサボディと、少なくとも第一センサ部材と、センサデバイスに対して結合され、かつ組織壁の内部にアンカー止めされるように構成された一つまたは複数のアンカー止め特徴と、を含む。一つまたは複数のアンカー止め特徴は、送達時には非拡張形態をとるように構成されているとともに、組織壁内へと拡張するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサインプラントデバイスであって、
第一センサ部材を含むセンサボディと、
前記センサボディに対して結合され、組織壁の内部にアンカー止めされるように構成された一つまたは複数のアンカー止め特徴であって、送達時には非拡張形態をとるように構成されているとともに、前記組織壁内へとアンカー止めするために拡張するように構成されている、一つまたは複数のアンカー止め特徴と、を含む、センサインプラントデバイス。
【請求項2】
前記一つまたは複数のアンカー止め特徴は、前記非拡張形態では、前記センサボディの面に対して平坦に横たわるように構成されている、請求項1に記載のセンサインプラントデバイス。
【請求項3】
前記センサボディは、一つまたは複数の受領部材を含み、前記一つまたは複数のアンカー止め特徴は、前記非拡張形態では、前記一つまたは複数の受領部材内へと入り込むように構成されている、請求項1または請求項2に記載のセンサインプラントデバイス。
【請求項4】
前記一つまたは複数の受領部材は、前記センサボディの端部部分のところに位置している、請求項3に記載のセンサインプラントデバイス。
【請求項5】
前記端部部分は、円錐形状を有している、請求項4に記載のセンサインプラントデバイス。
【請求項6】
前記端部部分は、尖鋭な形状を有している、請求項4または請求項5に記載のセンサインプラントデバイス。
【請求項7】
前記受領部材のそれぞれは、一つまたは複数のスプリングを含む、請求項4~6のいずれか一項に記載のセンサインプラントデバイス。
【請求項8】
前記一つまたは複数の受領部材は、前記センサボディ内に凹所を含む、請求項4~7のいずれか一項に記載のセンサインプラントデバイス。
【請求項9】
前記一つまたは複数のアンカー止め特徴は、ヒンジジョイントを介して、前記センサボディに対して結合している、請求項1~8のいずれか一項に記載のセンサインプラントデバイス。
【請求項10】
前記一つまたは複数のアンカー止め特徴は、拡張形態では、前記センサボディの面に対して約45°の角度へと拡張するように構成されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のセンサインプラントデバイス。
【請求項11】
前記一つまたは複数のアンカー止め特徴は、拡張形態では、前記センサボディの面に対して90°以下の角度へと拡張するように構成されている、請求項1~10のいずれか一項に記載のセンサインプラントデバイス。
【請求項12】
前記一つまたは複数のアンカー止め特徴は、前記非拡張形態と拡張形態との間にわたって、自由に揺動するように構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載のセンサインプラントデバイス。
【請求項13】
前記一つまたは複数のアンカー止め特徴は、拡張形態へと付勢されている、請求項1~12のいずれか一項に記載のセンサインプラントデバイス。
【請求項14】
前記一つまたは複数のアンカー止め特徴は、スプリングを付帯したものとされている、請求項13に記載のセンサインプラントデバイス。
【請求項15】
前記センサボディは、前記組織壁を穿刺するように構成された尖鋭先端を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載のセンサインプラントデバイス。
【請求項16】
前記尖鋭先端は、前記センサボディの円錐形状端部部分のところに位置している、請求項15に記載のセンサインプラントデバイス。
【請求項17】
前記一つまたは複数のアンカー止め特徴は、前記センサボディの前記円錐形状端部部分に対して結合されている、請求項16に記載のセンサインプラントデバイス。
【請求項18】
前記第一センサ部材は、前記センサボディよりも大きな幅を有している、請求項1~17のいずれか一項に記載のセンサインプラントデバイス。
【請求項19】
前記第一センサ部材は、前記センサボディの第一端部のところに位置している、請求項1~18のいずれか一項に記載のセンサインプラントデバイス。
【請求項20】
前記一つまたは複数のアンカー止め特徴は、前記センサボディの第二端部から延びている、請求項19に記載のセンサインプラントデバイス。
【請求項21】
前記センサボディの第二端部のところに位置した第二センサ部材をさらに含む、請求項19または請求項20に記載のセンサインプラントデバイス。
【請求項22】
前記一つまたは複数のアンカー止め特徴は、前記センサボディの中間セクションから延びている、請求項1~21のいずれか一項に記載のセンサインプラントデバイス。
【請求項23】
前記一つまたは複数のアンカー止め特徴は、尖鋭なアームを含む、請求項1~22のいずれか一項に記載のセンサインプラントデバイス。
【請求項24】
前記一つまたは複数のアンカー止め特徴は、前記非拡張形態では、前記第一センサ部材に向けて延びている、請求項1~23のいずれか一項に記載のセンサインプラントデバイス。
【請求項25】
前記一つまたは複数のアンカー止め特徴は、前記非拡張形態では、前記第一センサ部材から離間する向きに延びている、請求項1~24のいずれか一項に記載のセンサインプラントデバイス。
【請求項26】
前記一つまたは複数のアンカー止め特徴は、四つのアンカー止め特徴を含む、請求項1~25のいずれか一項に記載のセンサインプラントデバイス。
【請求項27】
前記一つまたは複数のアンカー止め特徴は、八つのアンカー止め特徴を含む、請求項1~26のいずれか一項に記載のセンサインプラントデバイス。
【請求項28】
カテーテルの内部に位置したセンサインプラントデバイスを、組織壁へと経皮的に送達するステップであって、前記センサインプラントデバイスが、前記カテーテルの内部に位置している際には圧縮形態をとるように構成された一つまたは複数のアンカー止め特徴を含む、送達するステップと、
前記組織壁を穿刺することにより、前記センサインプラントデバイスを、前記組織壁の内部に少なくとも部分的に埋め込むステップと、
前記センサインプラントデバイスを前記カテーテルから取り外すステップであって、前記一つまたは複数のアンカー止め特徴が、前記カテーテルからの取り外し後には拡張形態をとるように構成されている、取り外すステップと、を含む、方法。
【請求項29】
前記カテーテルは、尖鋭先端を含み、前記組織壁を穿刺することは、前記カテーテルの前記尖鋭先端を使用して実行される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記センサインプラントデバイスは、尖鋭先端を含み、前記組織壁を穿孔することは、前記センサインプラントデバイスの前記尖鋭先端を使用して実行される、請求項28または請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記一つまたは複数のアンカー止め特徴は、前記圧縮形態では、前記センサインプラントデバイスの面に対して平坦に横たわるように構成されている、請求項28~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記センサインプラントデバイスは、一つまたは複数の受領部材を含み、前記一つまたは複数のアンカー止め特徴は、前記圧縮形態では、前記一つまたは複数の受領部材内へと入り込むように構成されている、請求項28~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記一つまたは複数のアンカー止め特徴は、前記圧縮形態と前記拡張形態との間にわたって、自由に揺動するように構成されている、請求項28~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記一つまたは複数のアンカー止め特徴は、前記拡張形態へと付勢されている、請求項28~33のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この出願は、IMPLANT-COUPLED SENSORSと題して2021年5月21日付けで出願された米国仮特許出願シリアル番号第63/191,534号明細書、IMPLANT-ADJACENT SENSOR ANCHORINGと題して2021年7月21日付けで出願された米国仮特許出願シリアル番号第63/224,286号明細書、SHUNT BARREL SENSOR IMPLANT ANCHORINGと題して2021年7月23日付けで出願された米国仮特許出願シリアル番号第63/225,039号明細書、および、EMBEDDED SENSOR IMPLANT DEVICESと題して2021年7月26日付けで出願された米国仮特許出願シリアル番号第63/225,689号明細書、に基づく優先権を主張するものであり、これらすべての文献の開示内容は、参照によりそれらの全体が本明細書に援用される。
【0002】
発明の背景
本開示は、一般的に、医療用インプラントデバイスの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
様々な医療手順は、心臓の解剖学的構造の内部に医療用インプラントデバイスを埋め込むことを伴う。そのような解剖学的構造に関連した、流体圧力などの特定の生理学的パラメータは、患者の健康の見通しに影響を与え得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書で説明するものは、一つもしくは複数のセンサインプラントデバイスを使用して、左心房などの心臓における特定の心腔および/または血管に関連した生理学的パラメータの監視を容易とするための、一つもしくは複数の、方法および/またはデバイスである。
【0005】
本開示を要約する目的で、特定の態様、利点、新規な特徴について説明する。そのようなすべての利点が、必ずしも任意の特定の例に従って達成され得るわけではないことは、理解されよう。よって、開示する例は、本明細書で教示または示唆され得る他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示する一つの利点もしくは利点群を達成または最適化する態様で実施され得る。
【0006】
様々な例は、例示の目的で添付図面に図示されており、本発明の範囲を限定するものとして決して解釈されるべきではない。加えて、開示する異なる例に関する様々な特徴同士を組み合わせることで、本開示の一部をなす追加的な例を形成することができる。図面全体を通して、参照符号は、参照要素同士の間の対応関係を示すために、再使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、一つまたは複数の例による、ヒトの心臓に関する例示的な表現を図示している。
図2図2は、一つまたは複数の例による、心臓の様々な心腔および血管に関連した例示的な圧力波形を図示している。
図3図3は、左心房の圧力範囲を示すグラフを図示している。
図4図4は、一つまたは複数の例による、インプラントデバイスを表すブロック図である。
図5図5は、一つまたは複数の例による、患者に関連した一つまたは複数の生理学的パラメータを監視するためのシステムを表すブロック図である。
図6図6は、一つまたは複数の例による、センサインプラントデバイスの一構成要素であり得る例示的なセンサアセンブリ/センサデバイスを図示している。
図7図7は、一つまたは複数の例によるセンサインプラントデバイスを図示しており、センサインプラントデバイスは、センサアセンブリ/センサデバイスおよび/または一つまたは複数のアンカー止め特徴を含む。
図8A図8Aは、一つまたは複数の例によるセンサインプラントデバイスの圧潰形態/圧縮形態を図示している。
図8B図8Bは、一つまたは複数の例によるセンサインプラントデバイスの拡張形態を図示している。
図9図9は、一つまたは複数の例による、カテーテルを介して送達されるセンサインプラントデバイスを図示している。
図10図10は、一つまたは複数の例による、センサインプラントデバイスをカテーテルを介して左心房の組織壁へと送達するための送達プロセスを図示している。
図11図11は、一つまたは複数の例による、センサインプラントデバイスをカテーテルを介して冠静脈洞の組織壁へと送達するための送達プロセスを図示している。
図12図12は、一つまたは複数の例に基づき、本明細書で説明する様々なセンサインプラントデバイスの一つまたは複数に関して、経皮的送達および/または使用のための例示的なプロセスに関するフローチャートを提供している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書で提供する見出しは、単に便宜上のものであり、特許請求される発明の範囲または意味に対して必ずしも影響を与えるものではない。
【0009】
特定の好ましい例および実施形態について以下に開示するが、発明的主題は、具体的に開示した例を超えて、他の代替的な例および/または使用へと、ならびに、それらの改変および等価物へと、及ぶこととなる。よって、本明細書から生じ得る特許請求の範囲は、以下で説明する特定の例のいずれによっても、限定されるものではない。例えば、本明細書で開示する任意の方法またはプロセスでは、方法またはプロセスにおける行為または操作は、任意の適切な順序で実行されてよく、必ずしも特定の開示した順序のいずれにも限定されるものではない。様々な操作は、特定の例を理解するのに有用であり得る態様で、複数の別個の操作として順次的に説明され得るが、説明の順序は、これらの操作が順序依存性であることを意味するものとして解釈されるべきではない。追加的に、本明細書で説明する構造、システム、および/またはデバイスは、一体化された複数の構成要素として、または別個の複数の構成要素として、具現化され得る。様々な例を比較する目的で、これらの例に関する特定の態様および利点について、説明する。そのようなすべての態様および利点は、任意の特定の例によって必ずしも達成されるとは限らない。よって、例えば、様々な例は、本明細書で同様に教示もしくは示唆され得る他の態様または利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示される一つの利点もしくは利点群を達成または最適化する態様で実施され得る。
【0010】
特定の参照符号は、一つもしくは複数の点で同様であり得る特徴を有したデバイス、構成要素、システム、特徴、および/またはモジュール、に関する便宜上の観点から、本開示の全図面における異なる図面にわたって再使用される。しかしながら、本明細書で開示するいずれの例に関しても、図面における共通の参照符号の再使用は、そのような特徴、デバイス、構成要素、もしくはモジュールが同一または同様であることを必ずしも示すものではない。むしろ、当業者であれば、参照された対象物同士の間の類似性を共通の参照符号の使用によって示唆し得る度合いに関して、文脈から知ることができる。特定の図に関する説明の文脈における特定の参照符号の使用は、その特定の図において識別されたデバイス、構成要素、態様、特徴、モジュール、またはシステムに関連したものとして理解することができ、必ずしも別の図において同じ参照符号で識別された任意のデバイス、構成要素、態様、特徴、モジュール、またはシステムに関連したものではないとして理解することができる。さらに、共通の参照符号で識別された別個の図に関する態様は、特徴を共有していると解釈することも、また、互いに完全に独立していると解釈することもできる。
【0011】
位置に関する特定の標準的な解剖学的用語は、本明細書では、好ましい例に関して、動物の、すなわちヒトの、解剖学的構造を指すために使用される。「外側」、「内側」、「上側」、「下側」、「下」、「上」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、および同様の用語などの、特定の空間的に相対的な用語は、本明細書では、一つのデバイス/要素または解剖学的構造と、別のデバイス/要素または解剖学的構造と、の空間的関係を説明するために使用されるが、これらの用語が、本明細書では、図面に図示したような要素/構造間の位置関係を説明するために、説明を容易とするために使用されることは、理解されよう。空間的に相対的な用語が、図面に図示した向きに加えて、使用時または操作時における要素/構造の異なる向きを包含することが意図されていることを理解されたい。例えば、別の要素/構造よりも「上側」として説明された要素/構造は、対象をなす患者または要素/構造の代替的な向きに関して、そのような他の要素/構造の下側または横に位置した位置を表す場合があり、その逆も同様である。
【0012】
本開示は、センサ一体型心臓シャントおよび/または他の医療用インプラントデバイスを使用して、患者の一つまたは複数の生理学的パラメータ(例えば、血圧)を監視するための、システム、デバイス、および方法に関する。いくつかの実装では、本開示は、圧力センサもしくは他のセンサデバイスが組み込まれたまたは圧力センサもしくは他のセンサデバイスに対して関連付けられた、心臓シャントおよび/または他の心臓インプラントデバイスに関する。「関連付けられた」という用語は、本明細書では、その広義の意味合いに従って、かつその通常的な意味合いに従って使用される。例えば、第一の特徴、要素、構成要素、デバイス、または部材が、第二の特徴、要素、構成要素、デバイス、または部材に対して「関連付けられている」として説明された場合には、そのような説明は、第一の特徴、要素、構成要素、デバイス、または部材が、直接的であるか間接的であるかにかかわらず、第二の特徴、要素、構成要素、デバイス、または部材に対して、物理的に結合されているもしくは取り付けられているもしくは接続されていることを、一体化されていることを、少なくとも部分的に内部に埋め込まれていることを、または別の態様で物理的に関連していることを、示すものとして理解されるべきである。本明細書では、特定の例について、心臓インプラントデバイスの観点から開示する。しかしながら、本明細書で開示する特定の原理は、心臓の解剖学的構造に対して特に適用可能であるが、本開示によるセンサインプラントデバイスが、任意の適切な解剖学的構造に対してもしくは所望の解剖学的構造に対して、その内部に埋め込まれ得ることは、またはその内部へと埋め込まれるように構成され得ることは、理解されよう。
【0013】
心臓生理学
心臓の解剖学的構造について、本明細書で開示する特定の発明概念の理解を補助するために、以下で説明する。ヒトおよび他の脊椎動物では、心臓は、一般的に、四つのポンプ室を有した筋肉性の器官を含み、その流れは、様々な心臓弁によって、すなわち、大動脈弁と、僧帽弁(または、二尖弁)と、三尖弁と、肺動脈弁と、によって、少なくとも部分的に制御される。弁は、心臓周期の様々な段階(例えば、弛緩および収縮)時に存在する圧力勾配に応答して開閉するように構成され得るものであり、これにより、心臓のそれぞれ対応した領域に対しての、および/または血管(例えば、肺、大動脈、等)に対しての、血液の流れを少なくとも部分的に制御する。
【0014】
図1は、本開示の特定の例に関連した様々な特徴を有した心臓1に関する例示的な表現を図示している。心臓1は、四つの心腔を含む、すなわち、左心房2と、左心室3と、右心室4と、右心房5と、を含む。血流に関しては、血液は、一般に、右心室4から肺動脈11内へと肺動脈弁9を介して流れ、この肺動脈弁は、右心室4を肺動脈11から分離しているとともに、収縮期時には開放することで、血液が肺に向けて圧送され得るように構成されており、さらに、拡張期時には閉塞することで、血液が肺動脈11から心臓内へと逆流することを阻止するように構成されている。肺動脈11は、心臓の右側から肺へと、脱酸素化された血液を運ぶ。肺動脈11は、図示のように、肺動脈幹と、肺動脈幹から分岐した左肺動脈15および右肺動脈13と、を含む。肺静脈23は、肺から左心房2へと血液を運ぶ。
【0015】
肺動脈弁9に加えて、心臓1は、三尖弁8と大動脈弁7と僧帽弁6とを含めて、内部での血液循環を補助するための三つの追加的な弁を含む。三尖弁8は、右心房5を右心室4から分離している。三尖弁8は、一般に三つの尖端または弁尖を有しており、一般に心室収縮時(すなわち、収縮期)には閉塞し得るとともに、心室拡張時(すなわち、拡張期)には開放し得る。僧帽弁6は、一般に二つの尖端/弁尖を有しているとともに、左心房2を左心室3から分離している。僧帽弁6は、拡張期時には開放することで、左心房2の血液が左心室3内へと流入し得るように構成されているとともに、適正に機能している時には、収縮期時には閉塞することで、血液が左心房2内へと逆流することを阻止するように構成されている。大動脈弁7は、左心室3を大動脈12から分離している。大動脈弁7は、収縮期時には開放することで、左心室3から導出された血液が大動脈12内へと導入されることを可能とするように構成されているとともに、拡張期時には閉塞することで、血液が左心室3内へと逆流することを阻止するように構成されている。
【0016】
心臓弁は、一般に、本明細書では弁輪と称される比較的高密度の線維性リングと、弁輪に対して取り付けられた複数の弁尖または尖端と、を含み得る。一般に、弁尖または尖端のサイズは、心臓が収縮した時に、対応した心腔の内部で発生する血圧上昇によって弁尖が少なくとも部分的に開放されることで、心腔からの流れが可能とされるようなものとされ得る。心腔内の圧力が低下した際には、後続の心腔または血管内の圧力が優勢となり、弁尖を押し返し得る。その結果、弁尖/尖端は、互いに並置されるようになり、これにより、流路が閉塞される。心臓弁および/または関連した弁尖の機能不全(例えば、肺動脈弁の機能不全)は、弁漏れおよび/または他の健康上の合併症をもたらし得る。
【0017】
房室(すなわち、僧帽および三尖)弁は、弁尖同士の適切な癒合を促進および/または容易とするために、また、それらの脱出を防止するために、それぞれ対応した弁の弁尖を固定するための腱索および乳頭筋(図示せず)からなる集合体をさらに含み得る。例えば、乳頭筋は、一般に、心室壁からの指状突起を含み得る。弁の弁尖は、腱索によって乳頭筋に対して接続されている。中隔と称される筋肉壁が、左側の心腔を右側の心腔から分離している。特に、心房中隔壁部分18(本明細書では、「心房中隔」、「心房間中隔」、または「中隔」と称される)は、左心房2を右心房5から分離しており、他方、心室中隔壁部分17(本明細書では、「心室中隔」、「心室間中隔」、または「中隔」と称される)は、左心室3を右心室4から分離している。心臓1の下方先端26は、心尖と称されるものであって、一般に、第五肋間腔内において、鎖骨正中線上にまたは鎖骨正中線の近傍に位置している。
【0018】
冠静脈洞16は、心臓の筋肉(心筋)から血液を収集する大きな血管を形成するよう互いに接合された複数の静脈からなる集合体を含む。冠静脈洞の入口は、患者によってはテベシウス弁によって少なくとも部分的に保護され得るものであるが、図示のように、右心房5に対して開口している。冠静脈洞は、左心房2の後面に沿って延びているとともに、あまり酸素化されていない血液を右心房5に対して供給する。冠静脈洞は、一般に、心臓の後側に位置した左房室溝内を横方向に延びている。
【0019】
心臓1内における複数のアクセス経路のいずれかは、本出願のインプラントおよび/またはデバイスを展開するために、心臓1内でおよび心臓1の周辺で、ガイドワイヤおよびカテーテルを操作するために利用され得る。例えば、アクセスは、上方から、鎖骨下静脈または頸静脈のいずれかを介して、上大静脈(SVC)19内へと、および右心房5内へと、さらにはそこから、冠静脈洞16内へと、続くものであってもよい。代替的には、アクセス経路は、大腿静脈から始まり、下大静脈(IVC)14を通して、心臓1内へと導入されてもよい。他のアクセス経路が、また、使用されてもよく、各アクセス経路は、経皮的切開口を利用することができ、その経皮的切開口を通して、ガイドワイヤおよびカテーテルが、血管系内へと挿入され、通常は密封された導入器を通して挿入され、医師は、身体外からデバイスの遠位端を制御することができる。
【0020】
心圧および他のパラメータに対して関連付けられた健康状態
上記で参照したように、心臓の解剖学的構造に対して関連付けられた特定の生理学的状態またはパラメータは、患者の健康に対して影響を与えることがある。例えば、鬱血性心不全は、心臓および/または身体を通る血液の比較的遅い移動に対して関連付けられた疾患であって、この疾患は、心臓の一つまたは複数の心腔内における流体圧力の上昇を引き起こす。その結果、心臓は、身体が必要とする充分な酸素を圧送しなくなる。心臓の様々な心腔は、圧力上昇に対して、より多くの血液を保持して身体を通して圧送するように伸張することにより、あるいは、比較的硬くなったりかつ/または厚くなったりすることにより、応答する可能性がある。心臓の壁は、そのうち弱くなり、効率的に圧送し得なくなり得る。場合によっては、腎臓が、心臓の機能不全に応答することがあり、身体内に流体を保持することがある。腕、脚、足首、足、肺、および/または他の臓器に流体が蓄積することで、身体が鬱血状態となることがあり、このため、鬱血性心不全と称される。急性非代償性鬱血性心不全は、罹患および死亡の主要な原因であり、したがって、鬱血性心不全の処置および/または予防は、医療における重大な関心事である。
【0021】
心不全(例えば、鬱血性心不全)の処置および/または予防は、心臓もしくは他の解剖学的構造における一つ以上の腔または領域内での圧力の監視を有利に含むことができる。上述したように、心臓の一つもしくは複数の心腔または領域における圧力の蓄積は、鬱血性心不全と関連することがある。心圧を直接的にまたは間接的に監視することなしには、鬱血性心不全の有無もしくは発生を、推測、決定、または予測することは困難であり得る。例えば、直接的なもしくは間接的な圧力監視を伴わない処置またはアプローチは、体重測定、胸部インピーダンス測定、右心カテーテル検査、または同種のものなど、患者に関する他の現在の生理学的状態を測定または観察することを含んでもよい。いくつかの解決策では、肺毛細血管楔入圧を左心房圧の代用として測定することができる。例えば、圧力センサが、肺動脈内に配置または埋め込まれてもよく、その圧力センサに関連した読み取り値が、左心房圧の代用として使用されてもよい。しかしながら、肺動脈内における、また、心臓における特定の他の心腔または領域内における、カテーテルベースの圧力測定に関しては、そのような圧力センサを維持するために、侵襲的なカテーテルを使用する必要がある場合があり、これは、不快であったり、実装が困難であったりする場合がある。さらに、肺に関連した特定の疾患が、肺動脈内における圧力読み取り値に影響を及ぼすことがあり、これにより、肺動脈圧と左心房圧との相関が、望ましくないほど低下することがある。肺動脈圧の測定に関する代替手法として、右心室流出路内の圧力測定が、左心房圧にも関連し得る。しかしながら、そのような圧力読み取り値と左心房圧との相関は、鬱血性心不全の診断、予防、および/または処置に際して利用するには、充分に強くない場合がある。
【0022】
左心房圧を導出または推定するために、追加的な解決策が実装され得る。例えば、E/A比とは、心臓の左心室の機能を示す指標であって、拡張初期における重力によるピーク速度血流(E波)と、心房収縮によって引き起こされる拡張後期のピーク速度血流(A波)と、の比を表すものであり、このE/A比を、左心房圧測定に関する代用として使用することができる。E/A比は、心エコー検査または他の画像技術を使用して決定され得るものであり、一般に、E/A比の異常は、左心室が、収縮同士の間の期間に適切に血液を充填し得ないことを示唆し得るものであり、これは、上記で説明したように、心不全の症状につながり得る。しかしながら、E/A比の決定は、一般に、絶対圧力の測定値を提供するものではない。
【0023】
鬱血性心不全を特定および/または処置するための様々な方法は、鬱血性心不全の症状に関する悪化の観察および/または体重の変化の観察を含む。しかしながら、そのような兆候は、比較的遅れて現れることがある、かつ/または、比較的信頼性が低いことがある。例えば、毎日の体重測定値は、大きく変動することがあり(例えば、最大で9%、またはそれ以上)、心臓関連の合併症の兆候を示すには信頼性に欠けることがある。さらに、兆候、症状、体重、および/または他のバイオマーカーを監視することによって導かれる処置は、臨床転帰を実質的に改良することが示されているわけではない。加えて、退院した患者については、そのような処置は、遠隔医療システムを必要とし得る。
【0024】
本開示は、例えば鬱血性心不全の患者について、病院への再入院や罹患を低減するために、かつ/または患者の健康の見通しを改良するために、左心房内において圧力を直接的に監視することにより、あるいは、圧力測定値が左心房圧を示すようなおよび/または一つもしくは複数の他の血管/心腔内の圧力レベルを示すような、他の心腔内においてまたは血管内においての圧力を直接的に監視することにより、少なくとも部分的に鬱血性心不全の処置に関連した薬物投与を誘導するための、システム、デバイス、および方法を提供する。
【0025】
心圧の監視
本開示の例による心圧の監視は、鬱血性心不全および/または他の生理学的状態を予防あるいは処置するための先見的な介入機構を提供し得る。一般に、拡張期心不全および/または収縮期心不全に関連した心室充填圧力の上昇は、入院につながる症状が出現する前に起こり得る。例えば、心圧の指標は、患者によっては、入院の数週間前に現れることがある。したがって、本開示の例による圧力監視システムは、有利なことに、心不全の発症前に、薬剤の適切な滴定を、または薬剤の所望の滴定を、および/または薬剤の投与を、誘導することにより、入院事例を低減するために実装され得る。
【0026】
呼吸困難とは、息切れによって特徴付けられるまたは充分な呼吸ができないという感覚によって特徴付けられる、心圧指標を表す。呼吸困難は、心房圧の上昇に起因することがあり、これは、圧力の逆流によって肺内における液体蓄積を引き起こし得る。病的な呼吸困難は、鬱血性心不全に起因し得る。しかしながら、最初の血圧上昇と呼吸困難の発現との間には、かなりの時間が経過し得ることがあり、したがって、呼吸困難の症状は、心房圧上昇を充分に早期に知らせないことがあり得る。本開示の例に従って圧力を直接的に監視することにより、有利なことに、正常な心室充填圧力を維持することができ、これにより、呼吸困難などの心不全の影響を防止または低減することができる。
【0027】
上記で参照したように、心臓の圧力に関しては、左心房の圧力上昇が、特に心不全に対して相関し得る。図2は、一つまたは複数の例による、心臓の様々な心腔および血管に関連した例示的な圧力波形を図示している。図2に図示した様々な波形は、一つまたは複数の圧力センサを、心臓の、図示されてラベル付けされたそれぞれ対応した心腔または血管へと前進させるために、右心カテーテル挿入を使用して得られた波形を表し得る。図2に図示したように、左心房圧を表す波形25は、鬱血性心不全の早期検出のための最良のフィードバックを提供するものと考えられる。さらに、一般に、左心房圧の上昇と肺鬱血との間には、比較的強い相関が存在し得る。
【0028】
左心房圧は、一般に、左心室拡張末期圧に対して良好に相関する。しかしながら、左心房圧と拡張末期肺動脈圧とは、顕著な相関を有し得るが、そのような相関は、肺血管抵抗が上昇した時には、弱まり得る。すなわち、肺動脈圧は、鬱血性心不全に罹患した特定の患者を含み得る様々な急性状態の存在下では、一般に、左心室拡張末期圧に対して適切な相関を示さない。例えば、心不全患者の約25%~83%が罹患している肺高血圧症は、左側充填圧力を推定するための肺動脈圧測定の信頼性に影響を及ぼし得る。したがって、波形24によって表されるように、肺動脈圧測定だけでは、特に肺疾患および/または血栓塞栓症などの併存疾患を有した患者にとっては、左心室拡張末期圧の指標として不充分または不正確であり得る。左心房圧は、さらに、僧帽弁逆流の有無および/または程度に対して、少なくとも部分的に相関している可能性がある。
【0029】
左心房圧の読み取り値は、図2に示す他の圧力波形と比較して、呼吸状態または同種のものなどの、他の条件によって歪んだり影響を受けたりする可能性が比較的低い場合がある。一般に、左心房圧は、心不全の発現の最大で二週間前などに、心不全を有意に予測し得る。例えば、左心房圧の上昇と、拡張期心不全および収縮期心不全の両方と、は、入院の数週間前に起こることがあり、したがって、そのような上昇を知ることは、鬱血性心不全の急性衰弱症状など鬱血性心不全の発症を予測するために使用され得る。
【0030】
左心房圧の監視などの、心圧の監視は、鬱血性心不全を処置および/または予防するための薬物投与を導く機構を提供することができる。そのような処置は、有利なことに、再入院および罹患を低減し得るとともに、他の利益を提供し得る。本開示の例による埋込型圧力センサは、心不全の症状またはマーカー(例えば、呼吸困難)の発現よりも二週間以上前に、心不全を予測するために使用され得る。心不全の予測が、本開示による心圧センサの例を使用して認識された時には、患者の投薬レジメンに対する修正などの薬物介入を含めた特定の予防的措置を実装することができ、これにより、心機能不全を予防したり、心機能不全の影響を低減したりすることを補助し得る。左心房内における直接的な圧力測定は、有利なことに、心不全または他の合併症につながり得る圧力蓄積に関する正確な指標を提供し得る。例えば、心房圧上昇の傾向を分析または使用することにより、心機能不全の発症が決定または予測されてもよく、その場合、薬物療法または他の療法を増強することで、圧力を低下させ得るとともに、更なる合併症を予防または低減することができる。
【0031】
図3は、左心房圧の正常範囲301を含めた左心房圧範囲を示すグラフ300を図示しており、そのような正常範囲301は、一般に、術後の心房細動、急性腎障害、心筋障害、心不全、および/または他の健康疾患、における実質的なリスクに対して関連するものではない。本開示の例は、特定のセンサインプラントデバイスの使用を通して、患者の左心房圧が、正常範囲301内にあるか、正常範囲303を上回っているか、もしくは正常範囲302を下回っているか、を判定するためのシステム、デバイス、および方法を提供する。心不全リスクの増大に対して相関し得るような、正常範囲を上回る左心房圧が検出された場合には、以下で詳細に説明する本開示の例は、左心房圧が正常範囲301内となるまで、左心房圧を低下させる努力を通知することができる。さらに、急性腎障害、心筋障害、および/または、他の健康合併症に関するリスクの増大に対して相関し得るような、正常範囲301を下回る検出された左心房圧が検出された場合には、以下で詳細に説明する本開示の例は、圧力レベルを正常範囲301内とするよう、左心房圧を上昇させる努力を促進するように機能することができる。
【0032】
センサが一体化されたインプラントデバイス
いくつかの実装では、本開示は、心臓シャントまたは他のインプラントデバイスに関連したセンサに関する、あるいは、心臓シャントまたは他のインプラントデバイスが一体化されたセンサに関する。そのような一体化デバイスは、心不全および/または心機能に関連した他の健康合併症を処置および予防するための、制御された治療および/またはより効果的な治療を提供するために使用され得る。図4は、シャント(または、他のタイプのインプラント)構造39を含むインプラントデバイス30を図示したブロック図である。いくつかの例では、インプラント構造39は、センサデバイス37に対して物理的に一体化されている、かつ/または、センサデバイス37に対して接続されている。センサデバイス37は、例えば、圧力センサまたは他のタイプのセンサであってもよい。いくつかの例では、センサ37は、圧力変換器などの変換器32と、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)内で具現化され得る特定の制御回路34と、を含む。
【0033】
制御回路34は、変換器32から受信した信号を処理するように構成され得る、かつ/または、アンテナ38を使用して生体組織を通して無線的に、変換器に関連した信号を通信するように構成され得る。「制御回路」という用語は、本明細書では、その広範かつ通常の意味に従って使用され、プロセッサ、処理回路、処理モジュール/ユニット、チップ、ダイ(例えば、一つもしくは複数の能動デバイスを含む、かつ/または一つもしくは複数の受動デバイスを含む、かつ/または接続回路を含む、半導体ダイ)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理装置、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルロジックデバイス、ステートマシン(例えば、ハードウェアステートマシン)、論理回路、アナログ回路、デジタル回路、ならびに/あるいは、回路および/または動作命令のハードコーディングに基づいて信号(アナログおよび/またはデジタル)を操作する任意のデバイス、からなる任意の集合体を指すことができる。本明細書で参照する制御回路は、一つまたは複数のストレージデバイスをさらに含んでもよく、ストレージデバイスは、単一のメモリデバイス内で、複数のメモリデバイス内で、および/またはデバイスの埋込回路内で、具現化され得る。そのようなデータストレージは、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、静的メモリ、動的メモリ、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、データストレージレジスタ、および/または、デジタル情報を格納する任意のデバイスを含んでもよい。制御回路が、ハードウェアおよび/またはソフトウェアステートマシン、アナログ回路、デジタル回路、ならびに/あるいは論理回路を含む例では、任意の関連した動作命令を格納するデータストレージデバイス/レジスタは、ステートマシン、アナログ回路、デジタル回路、および/または論理回路を含む回路内に埋め込まれ得ることに、あるいは、そのような回路に対して外付けされ得ることに、留意すべきである。変換器32および/またはアンテナ38は、制御回路34の一部と見なすことができる。
【0034】
アンテナ38は、銅線または同種のものなどの、導電性材料からなる一つもしくは複数のコイルまたはループを含んでもよい。いくつかの例では、変換器32、制御回路34、および/またはアンテナ38、の少なくとも一部は、センサハウジング36の内部に少なくとも部分的に配置または収容されており、このセンサハウジングは、任意のタイプの材料を含み得るとともに、有利には、少なくとも部分的に気密封止され得る。例えば、ハウジング36は、いくつかの例では、内部に収容された構成要素に対して機械的安定性および/または保護を提供し得るような、ガラスまたは他の硬質材料を含んでもよい。いくつかの例では、ハウジング36は、少なくとも部分的に可撓性である。例えば、ハウジングは、ポリマーまたは他の可撓性構造/材料を含んでもよく、これは、有利には、センサ37の折り畳み、折り曲げ、または圧潰を可能とすることで、カテーテルまたは他の導入手段を通してのセンサの輸送を可能とし得る。
【0035】
変換器32は、任意のタイプのセンサ手段または機構を含んでもよい。例えば、変換器32は、力収集タイプの圧力センサであってもよい。いくつかの例では、変換器32は、ダイアフラム、ピストン、ブルドン管、ベローズ、あるいは、他の歪み測定部材または撓み測定部材を含むことで、変換器の領域/面上に対して印加された歪みまたは撓みを測定する。変換器32は、変換器の少なくとも一部がハウジング36の内部に収容されているようにして、または変換器の少なくとも一部がハウジング36に対して取り付けられているようにして、ハウジング36に対して関連付けられてもよい。センサデバイス/構成要素が、ステントまたは他のインプラント構造に対して「関連付けられている」ことに関して、そのような用語は、センサデバイスまたは構成要素が、インプラント構造に対して、物理的に結合されていること、取り付けられていること、接続されていること、または、一体化されていることを指してもよい。
【0036】
いくつかの例では、変換器32は、ピエゾ抵抗歪みゲージの一構成要素を含み、またはピエゾ抵抗歪みゲージの一構成要素とされ、このピエゾ抵抗歪みゲージは、接着された歪みゲージまたは形成された歪みゲージを使用することで、印加された圧力に起因した歪みを検出するように構成することができ、この場合、抵抗は、圧力が構成要素/材料を変形させるにつれて、増大する。変換器32は、シリコン(例えば、単結晶)、ポリシリコン薄膜、接合金属箔、厚膜、シリコンオンサファイア、スパッタ薄膜、および/または同種のものを含むがこれらに限定されない任意のタイプの材料が組み込まれてもよい。
【0037】
いくつかの例では、変換器32は、容量性圧力センサの一構成要素を含み、または容量性圧力センサの一構成要素とされ、この容量性圧力センサは、ダイアフラムおよび圧力キャビティを含むことで、ダイアフラムに対して印加された圧力に起因した歪みを検出するための可変キャパシタを形成するように構成されている。容量性圧力センサのキャパシタンスは、一般に、圧力がダイアフラムを変形させるにつれて、減少してもよい。ダイアフラムは、金属、セラミック、シリコン、および同種のものを含むがこれらに限定されない任意の材料を含んでもよい。いくつかの例では、変換器32は、電磁圧力センサの一構成要素を含み、または電磁圧力センサの一構成要素とされ、この電磁圧力センサは、インダクタンスの変化によって、線形可変変位変換器(LVDT)機能によって、ホール効果によって、または渦電流感知によって、ダイアフラムの変位を測定するように構成され得る。いくつかの例では、変換器32は、圧電歪みセンサの一構成要素を含む、または圧電歪みセンサの一構成要素とされる。例えば、そのようなセンサは、石英などの特定の材料内における圧電効果に基づいて、感知機構上の歪み(例えば、圧力)を決定し得る。
【0038】
いくつかの例では、変換器32は、歪みゲージの一構成要素含む、または歪みゲージの一構成要素とされる。例えば、歪みゲージの例は、変換器32の露出面上に配置されたまたは変換器32の露出面に対して関連付けられた感圧要素を含んでもよい。いくつかの例では、金属歪みゲージが、センサの面に対して接着される、または、薄膜ゲージが、スパッタリングもしくは他の技術によって、センサ上に適用されてもよい。測定要素または測定機構は、ダイアフラムまたは金属箔を含んでもよい。変換器32は、光学式の、電位差式の、共振式の、熱式の、イオン化式の、もしくは、他のタイプの、歪みセンサまたは圧力センサなどの、任意の他のタイプとされたセンサあるいは圧力センサを含んでもよい。
【0039】
図5は、一つまたは複数の例による、患者44における一つまたは複数の生理学的パラメータ(例えば、左心房の圧力および/または容積)を監視するためのシステム40を示している。患者44は、例えば、患者44の心臓(図示せず)内または関連した生理機能内に埋め込まれた医療用インプラントデバイス30を有することができる。例えば、インプラントデバイス30は、患者の心臓の左心房の内部におよび/または冠静脈洞の内部に少なくとも部分的に埋め込むことができる。インプラントデバイス30は、一つまたは複数の微小電気機械システム(MEMS)デバイス(例えば、MEMS圧力センサ、または他のタイプのセンサ変換器)などの、一つまたは複数のセンサ変換器32を含むことができる。
【0040】
特定の例では、監視システム40は、埋込可能な内部サブシステムまたはデバイス30を含めた、少なくとも二つのサブシステムを含むことができ、この埋込可能な内部サブシステムまたはデバイスは、センサ変換器32を含むとともに、一つまたは複数のマイクロコントローラと、ディスクリート電子部品と、一つもしくは複数の電力および/またはデータ送信器38(例えば、アンテナコイル)と、を有した制御回路34を含む。監視システム40は、外部読取器42(例えば、コイル)を有した外部(例えば、非埋込型)サブシステムをさらに含むことができ、この外部読取器は、特定の制御回路41に対して電気的におよび/または通信可能に結合された無線トランシーバを含んでもよい。特定の例では、内部サブシステム30および外部サブシステム42の両方は、それらの間に配置された患者組織を通しての無線通信および/または電力供給のための対応したコイルアンテナを含む。センサインプラントデバイス30は、任意のタイプのインプラントデバイスとすることができる。例えば、いくつかの例では、インプラントデバイス30は、人工シャントまたはステントデバイス/構造などの別の機能的インプラント構造39に対して一体化された圧力センサを含む。
【0041】
インプラントデバイス30の特定の詳細が、図示の拡大ブロック30内に図示されている。インプラントデバイス30は、本明細書で説明するように、インプラント/アンカー止め構造39を含むことができる。例えば、インプラント/アンカー止め構造39は、本開示の全体を通して詳細に説明するように、心臓の二つの心腔および/または血管の間に流路を提供するために、組織壁に対して固定されるように構成されたかつ/または組織壁の内部に固定されるように構成された経皮的に送達可能なシャントデバイスを含むことができる。いくつかの例では、アンカー止め構造は、組織壁の内部にインプラントデバイス30をアンカー止めするように構成された一つまたは複数のアンカー止め特徴を含む。図5には、インプラントデバイス30の一部として、特定の構成要素が図示されているが、センサインプラントデバイス30が、図示した構成要素/モジュールの部分集合のみを含み得ること、また、図示していない追加的な構成要素/モジュールを含み得ることは、理解されよう。インプラントデバイスは、図4に示すインプラントデバイスの例を示してもよく、その逆でもよい。インプラントデバイス30は、有利には、一つまたは複数のセンサ変換器32を含むことができ、このセンサ変換器は、心房圧などの患者44の一つまたは複数の生理学的パラメータを示す応答を提供するように構成することができる。圧力変換器について説明したが、センサ変換器32は、インプラントデバイス30および/または患者44に関連した生理学的パラメータあるいは疾患に関連した信号を提供するための、任意の適切なタイプのまたは所望のタイプのセンサ変換器を含むことができる。
【0042】
センサ変換器32は、一つまたは複数の、MEMSセンサ、光学センサ、圧電センサ、電磁センサ、歪みセンサ/ゲージ、加速度計、ジャイロスコープ、ダイヤフラムベースのセンサ、および/または他のタイプのセンサを含むことができ、患者の健康に関連した一つまたは複数のパラメータを感知するために患者44に位置決めすることができる。変換器32は、力収集タイプの圧力センサであってもよい。いくつかの例では、変換器32は、ダイアフラム、ピストン、ブルドン管、ベローズ、あるいは、他の歪み測定部材または撓み測定部材を含むことで、変換器の領域/面上に対して印加された歪みまたは撓みを測定する。変換器32は、変換器の少なくとも一部がセンサハウジング36の内部に収容されているようにして、または変換器の少なくとも一部がハウジング36に対して取り付けられているようにして、ハウジング36に対して関連付けられてもよい。
【0043】
いくつかの例では、変換器32は、歪みゲージの一構成要素を含み、または歪みゲージの一構成要素とされ、この歪みゲージは、接着された歪みゲージまたは形成された歪みゲージを使用することで、印加された圧力に起因した歪みを検出するように構成することができる。例えば、変換器32は、ピエゾ抵抗歪みゲージの一構成要素を含んでもよく、またはピエゾ抵抗歪みゲージの一構成要素とされてもよく、この場合、抵抗は、圧力が歪みゲージの構成要素/材料を変形させるにつれて、増大する。変換器32は、シリコーン、ポリマー、シリコン(例えば、単結晶)、ポリシリコン薄膜、接合金属箔、厚膜、シリコンオンサファイア、スパッタ薄膜、および/または同種のものを含むがこれらに限定されない任意のタイプの材料が組み込まれてもよい。いくつかの例では、金属歪みゲージが、センサの面に対して接着される、または、薄膜ゲージが、スパッタリングもしくは他の技術によって、センサ上に適用されてもよい。測定要素または測定機構は、ダイアフラムまたは金属箔を含んでもよい。変換器32は、光学式の、電位差式の、共振式の、熱式の、イオン化式の、もしくは、他のタイプの、歪みセンサまたは圧力センサなどの、任意の他のタイプとされたセンサあるいは圧力センサを含んでもよい。
【0044】
いくつかの例では、変換器32は、容量性圧力センサの一構成要素を含み、または容量性圧力センサの一構成要素とされ、この容量性圧力センサは、ダイアフラムおよび圧力キャビティを含むことで、ダイアフラムに対して印加された圧力に起因した歪みを検出するための可変キャパシタを形成するように構成されている。容量性圧力センサのキャパシタンスは、一般に、圧力がダイアフラムを変形させるにつれて、減少してもよい。ダイアフラムは、金属、セラミック、シリコーン、シリコンもしくは他の半導体、および同種のものを含むがこれらに限定されない任意の材料を含んでもよい。いくつかの例では、変換器32は、電磁圧力センサの一構成要素を含み、または電磁圧力センサの一構成要素とされ、この電磁圧力センサは、インダクタンスの変化によって、線形可変変位変換器(LVDT)機能によって、ホール効果によって、または渦電流感知によって、ダイアフラムの変位を測定するように構成され得る。いくつかの例では、変換器32は、圧電歪みセンサの一構成要素を含む、または圧電歪みセンサの一構成要素とされる。例えば、そのようなセンサは、石英などの特定の材料内における圧電効果に基づいて、感知機構上の歪み(例えば、圧力)を決定し得る。
【0045】
いくつかの例では、変換器32は、一つもしくは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)マイクロコントローラまたはチップを含み得る制御回路34に対して、電気的におよび/または通信可能に結合されている。制御回路34は、同調キャパシタ、抵抗器、ダイオード、インダクタ、または同種のものなどの、一つまたは複数のディスクリート電子部品をさらに含むことができる。
【0046】
特定の例では、センサ変換器32は、図示のローカル外部モニタシステム42などの患者の身体の外部に配置されたデバイスに対して、無線送信可能な電気信号を生成するように構成することができる。そのような無線データ送信を実行するために、インプラントデバイス30は、信号処理回路およびアンテナ38などの無線周波数(RF)(または、他の周波数帯域)伝送回路を含むことができる。アンテナ38は、患者の内部に埋め込まれたアンテナコイルを含むことができる。制御回路34は、電磁信号を送信するように構成された任意のタイプのトランシーバ回路を含んでもよく、この場合、信号は、アンテナ38によって放射することができ、このアンテナは、一つまたは複数の導電性の、ワイヤ、コイル、プレート、または同種のものを含んでもよい。インプラントデバイス30の制御回路34は、例えば、デバイス30を使用して生成および/または送信される信号に対してある程度の処理を実行するように構成された一つもしくは複数のチップまたはダイを含むことができる。しかしながら、サイズ、コスト、および/または他の制約のために、インプラントデバイス30は、いくつかの例では、独立した処理能力を含まなくてもよい。
【0047】
インプラントデバイス30によって生成された無線信号は、ローカル外部モニタデバイスまたはサブシステム42によって受信することができ、このサブシステムは、患者44の内部に少なくとも部分的に配置されかつインプラントデバイス30からの無線信号送信を受信するように構成された読取器/アンテナインターフェース回路モジュール43を含むことができる。例えば、モジュール43は、トランシーバデバイス/回路を含んでもよい。
【0048】
外部ローカルモニタ42は、ワンドデバイスなどの外部アンテナ48を使用して、インプラントデバイス30からの無線信号送信を受信することができる、かつ/または、インプラントデバイス30に対して無線電力を供給することができる。読取器/アンテナインターフェース回路43は、インプラントデバイス30からの信号を受信して増幅するように構成された無線周波数(RF)(または、他の周波数帯域)フロントエンド回路を含むことができ、このような回路は、一つまたは複数のフィルタ(例えば、バンドパスフィルタ)、増幅器(例えば、低ノイズ増幅器)、アナログ/デジタル変換器(ADC)および/またはデジタル制御インターフェース回路、位相ロックループ(PLL)回路、信号ミキサ、あるいは同種のものを含むことができる。読取器/アンテナインターフェース回路43は、ネットワーク49を介して遠隔モニタサブシステムまたはデバイス46に対して信号を送信するようにさらに構成することができる。読取器/アンテナインターフェース回路43のRF回路は、ネットワーク49を介した送信された信号を取り扱うための/処理するための、かつ/またはインプラントデバイス30から信号を受信するための、デジタルアナログ変換器(DAC)回路、電力増幅器、ローパスフィルタ、アンテナスイッチモジュール、アンテナ、または同種のもの、の一つあるいは複数をさらに含むことができる。特定の例では、ローカルモニタ42は、インプラントデバイス30から受信した信号の処理を実行するための制御回路41を含む。ローカルモニタ42は、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、または同種のものなどの、既知のネットワークプロトコルに従ってネットワーク49に対して通信するように構成することができる。特定の例では、ローカルモニタ42は、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、もしくは他のモバイルコンピューティングデバイス、または任意の他のタイプをなすコンピューティングデバイスを含む。
【0049】
特定の例では、インプラントデバイス30は、ある程度の揮発性のおよび/または不揮発性のデータストレージを含む。例えば、そのようなデータストレージは、フローティングゲートトランジスタのアレイを利用したソリッドステートメモリまたは同種のものを含むことができる。制御回路34は、ある期間にわたって収集された感知済みデータを格納するためにデータストレージを利用してもよく、格納されたデータは、ローカルモニタ42に対してまたは別の外部サブシステムに対して定期的に送信することができる。特定の例では、インプラントデバイス30は、いかなるデータストレージも含まない。制御回路34は、センサ変換器32によって生成されたデータのまたはセンサ変換器32に関連した他のデータの無線送信を容易とするように構成されてもよい。制御回路34は、一つまたは複数の外部サブシステムからの入力を、例えばローカルモニタ42からの入力を、または例えばネットワーク49を介して遠隔モニタ46からの入力を受信するようにさらに構成されてもよい。例えば、インプラントデバイス30は、一つもしくは複数の構成要素またはセンサをアクティブ化/非アクティブ化することなどにより、あるいは、インプラントデバイス30の動作または性能に影響を与えることなどにより、インプラントデバイス30の動作を少なくとも部分的に制御する信号を受信するように構成されてもよい。
【0050】
インプラントデバイス30の一つまたは複数の構成要素に対して、一つまたは複数の電源35によって給電することができる。サイズ、コスト、および/または電気的な複雑さの懸念により、電源35が本質的に比較的最小限のものであることが望ましいことであり得る。例えば、インプラントデバイス30内における高出力の駆動電圧および/または電流は、インプラントデバイスに関連した心臓または他の身体部分の動作に対して悪影響を及ぼしたり、動作を妨害したりする可能性がある。特定の例では、電源35は、本質的に少なくとも部分的に受動的であり、そのため、電力は、短距離もしくは近距離の無線電力伝送の使用などによって、または他の電磁結合機構の使用などによって、インプラントデバイス30の受動回路によって外部電源から無線的に受領することができる。例えば、ローカルモニタ42は、インプラントデバイス30に対して電力を供給し得るRF場を能動的に生成するイニシエータとして機能してもよく、これにより、インプラントデバイスの電力回路が比較的単純な形態因子をとることを可能とする。特定の例では、電源35は、流体の流れ、動き、または同種のものなどの、環境源からエネルギーを取得するように構成することができる。追加的にまたは代替的に、電源35は、バッテリを含むことができ、このバッテリは、有利には、監視期間(例えば、3日間、5日間、10日間、20日間、30日間、40日間、もしくは90日間、または他の期間)にわたって、必要に応じて充分な電力を供給するように構成することができる。
【0051】
いくつかの例では、ローカルモニタデバイス42は、インプラントデバイス30と遠隔モニタ46との間における中間的通信デバイスとして機能することができる。ローカルモニタデバイス42は、インプラントデバイス30に対して通信するように設計された専用の外部ユニットとすることができる。例えば、ローカルモニタデバイス42は、ウェアラブル通信デバイスとすることができる、あるいは、患者44およびインプラントデバイス30の近傍に容易に配置され得る他のデバイスとすることができる。ローカルモニタデバイス42は、インプラントデバイス30からセンサベースの情報を抽出または要求する目的で、インプラントデバイス30に対して、連続的に、周期的に、または散発的に質問するように構成することができる。特定の例では、ローカルモニタ42は、ユーザインターフェースを含み、この場合、ユーザは、インターフェースを利用することで、センサデータを閲覧したり、センサデータを要求したり、あるいは、ローカルモニタシステム42および/またはインプラントデバイス30に対して対話したりすることができる。
【0052】
システム40は、二次ローカルモニタ47を含むことができ、この二次ローカルモニタは、例えば、監視された心圧データを閲覧するためのかつ/または監視された心圧データに対して相互作用するための監視ステーションまたはインターフェースを提供するように構成された、デスクトップコンピュータあるいは他のコンピューティングデバイスとすることができる。一例では、ローカルモニタ42は、患者および/またはインプラントデバイス30に対して物理的に近接して配置されるように構成されたウェアラブルデバイスあるいは他のデバイスまたはシステムとすることができ、この場合、ローカルモニタ42は、主に、インプラントデバイス30に対して信号を送信するようにかつ/またはインプラントデバイス30から信号を受信するように設計されているとともに、閲覧、処理、および/または操作のために、そのような信号を二次ローカルモニタ47に対して提供するように設計されている。外部ローカルモニタシステム42は、インプラントデバイス30からのまたはインプラントデバイス30に関連した、デバイスIDもしくは同種のものなどの、特定のメタデータを、受領および/または処理するように構成することができ、メタデータは、インプラントデバイス30からのデータ結合を介して提供することもできる。
【0053】
遠隔モニタサブシステム46は、ローカルモニタデバイス42から、二次ローカルモニタ47から、および/またはインプラントデバイス30から、ネットワーク49を介して受信したモニタデータを、受信、処理、および/または提示するように構成された、任意のタイプのコンピューティングデバイスまたはコンピューティングデバイスからなる集合体とすることができる。例えば、遠隔モニタサブシステム46は、有利には、病院、医師、または、患者44に関連した他のケア事業体、などの医療事業体によって操作および/または制御されることができる。本明細書で開示する特定の例では、インプラントデバイスからローカルモニタデバイス42を介して間接的に遠隔モニタサブシステム46に対して通信することについて説明しているが、特定の例では、インプラントデバイス30は、ローカルモニタデバイス42を介して情報を中継する必要なく、遠隔モニタサブシステム46に対してネットワーク49を介して通信し得る送信器を含むことができる。
【0054】
いくつかの例では、変換器32、制御回路34、電源35、および/またはアンテナ38、の少なくとも一部は、センサハウジング36の内部に少なくとも部分的に配置または収容されており、このセンサハウジングは、任意のタイプの材料を含んでもよく、有利には、少なくとも部分的に気密封止されてもよい。例えば、ハウジング36は、いくつかの例では、内部に収容された構成要素に対して機械的安定性および/または保護を提供し得るような、ガラスまたは他の硬質材料を含んでもよい。いくつかの例では、ハウジング36は、少なくとも部分的に可撓性である。例えば、ハウジングは、ポリマーまたは他の可撓性構造/材料を含んでもよく、これは、有利には、センサ37の折り畳み、折り曲げ、または圧潰を可能とすることで、カテーテルまたは他の経皮的導入手段を通してのセンサの輸送を可能とし得る。
【0055】
上記で参照したように、シャントおよび他のインプラントデバイス/構造は、圧力および/または他の生理学的パラメータの生体内監視を容易とするために、センサ、アンテナ/トランシーバ、および/または他の構成要素に対して、一体化されてもよい。本開示の例によるセンサデバイスは、任意の適切なもしくは任意の所望のアンカー止めのためのまたは一体化のための機構あるいは構成を使用して、心臓シャント構造/デバイスまたは他のインプラントデバイスに対して、一体化されてもよい。図6は、センサインプラントデバイスの一構成要素であり得るセンサアセンブリ/センサデバイス60の一例を図示している。センサデバイス60は、標的埋込部位に関連した一つまたは複数の生理学的パラメータに関するセンサ読み取り値を提供するように構成されてもよい。
【0056】
センサデバイス60は、インプラントデバイスに対してアンカー止めするように構成されてもよい。例えば、センサデバイス60を一つまたは複数のインプラントに対して取り付けるために、流体導管/バレル部分と軸線方向端部フランジとを形成する一つもしくは複数のコイル巻線内に成形された、一つもしくは複数のワイヤ、または他の材料、または構造、を含めたコイル形態が、使用されてもよい。シャント構造は、本明細書で開示する特定の例による圧力センサ機能に対して一体化されてもよい。シャント構造は、センサデバイス60を保持するように構成されてもよい。
【0057】
センサデバイス60は、有利には、そのセンサ変換器部材65がシャント構造のチャネル領域の内部に配置された構成内に、配置、位置決め、固定、配向、および/または他の方法で位置付けされてもよい。「チャネル領域」という用語は、本明細書では、その広範なかつ通常の意味に従って使用され、流体導管の径方向境界によって規定された三次元空間でありかつ流体導管から軸線方向に延びた三次元空間を指してもよい。
【0058】
いくつかの例では、センサアセンブリ61は、センサ部材65と、アンテナ部材69と、を含む。センサ部材65は、上記で詳細に説明したように、任意のタイプのセンサデバイスを含んでもよい。いくつかの例では、センサ65は、シャント構造のアーム部材に対して取り付けられてもよい、または、シャント構造のアーム部材に対して一体化されてもよい。
【0059】
センサ65は、圧力センサ変換器などのセンサ要素67を含む。本明細書で説明するように、センサアセンブリ61は、無線データの送信および/または電力伝送を実装するように構成されてもよい。センサアセンブリ61は、そのような目的のために、アンテナ部材69を含んでもよい。アンテナ69は、アンテナハウジング79の内部に少なくとも部分的に収容されてもよく、このアンテナハウジングの内部には、無線データ通信機能および/または電力伝送機能を容易とするように構成された特定の制御回路が、さらに配置されてもよい。いくつかの例では、アンテナ部材69は、一つまたは複数の導電性コイル62を含み、この導電性コイルは、誘導給電および/またはデータ伝送を容易としてもよい。導電性コイルを含む例では、そのようなコイルは、磁気(例えば、フェライト、鉄)コア63の周囲に少なくとも部分的に巻回/配置されてもよい。
【0060】
アンテナ部材69は、シャント構造のアーム/アンカー止め特徴に対して、取り付けられてもよい、一体化されてもよい、または他の態様で関連付けられてもよい。
【0061】
センサアセンブリ61は、有利には、生体適合性であってもよい。例えば、センサ65およびアンテナ69は、ガラスまたは他の生体適合性材料を含むハウジングなどの生体適合性ハウジングを含んでもよい。しかしながら、ダイアフラムまたは他の構成要素などの、センサ要素67の少なくとも一部は、圧力読み取りまたは他のパラメータ感知を実装可能とするために、いくつかの例では、外部環境に対して露出されてもよい。アンテナハウジング79に関して、ハウジング79は、ガラス円筒形状などの、少なくとも部分的に硬質の円筒形状またはチューブ状形状を含んでもよい。いくつかの例では、センサ65/67の部材は、直径が約3mm以下である。アンテナ69は、長さが約20mm以下であってもよい。
【0062】
センサアセンブリ61は、心臓内へとまたは患者の身体における他の領域内へと埋め込まれた時には、外部システムに対して通信するように構成されてもよい。例えば、アンテナ69は、外部システムから無線的に電力を受領してもよい、かつ/または、外部システムとの間で感知済みのデータもしくは波形を通信してもよい。センサアセンブリ61は、任意の適切な態様でもしくは任意の所望の態様で、シャント構造に対して取り付けられてもよい、またはシャント構造に対して一体化されてもよい。例えば、いくつかの実装では、センサ65および/またはアンテナ69は、機械的アンカー止め手段を使用して、シャント構造に対して取り付けられてもよい、またはシャント構造に対して一体化されてもよい。いくつかの例では、センサ65および/またはアンテナ69は、シャント構造に対して取り付けられたパウチ内にまたは他のレセプタクル内に収容されてもよい。
【0063】
センサ要素67は、圧力変換器を含んでもよい。例えば、圧力変換器は、半導体ダイアフラム部材を含む微小電気機械システム(MEMS)変換器であってもよい。いくつかの例では、変換器は、シリコーンもしくは他の可撓性材料から作製され得るような、少なくとも部分的に可撓性のまたは圧縮可能なダイアフラム部材を含んでもよい。ダイアフラム部材は、環境圧力の変化に応答して撓んだり圧縮されたりするように構成されてもよい。
【0064】
センサインプラントデバイス
図7は、一つまたは複数の例による、センサボディ/センサデバイス702および/または一つまたは複数のアンカー止め特徴704を含むセンサインプラントデバイス700を図示している。センサボディ702は、一つまたは複数のアンカー止め特徴704に対して、結合することができる、取り付けることができる、かつ/あるいは、他の態様で、着脱可能におよび/または恒久的に固定することができる。一つまたは複数のアンカー止め特徴は、心臓の内部の組織における一つまたは複数の領域のところでアンカー止めおよび/または固定するように構成された、一つまたは複数の、ニードル、クリップ、穿刺コイル、フック、アーム、コード、ピン、溝、突起、ペグ、スパイク、および/または他の特徴を含むことができる。いくつかの例では、一つまたは複数のアンカー止め特徴704は、センサインプラントデバイス700を組織壁の内部に少なくとも部分的にアンカー止めするように構成されてもよい。
【0065】
センサデバイス702は、少なくとも一つのセンサ部材705を含んでもよい。センサ部材705は、上記で詳細に説明したように、任意のタイプのセンサ要素を含んでもよい。センサインプラントデバイス700は、センサ部材705を、心腔(例えば、左心房)、心腔内へのおよび/または心腔からの開口(例えば、左心房付属物)、ならびに/あるいは血流経路(例えば、冠静脈洞)を含み得る身体内の標的位置のところに位置決めするように構成されてもよい。
【0066】
いくつかの例では、一つまたは複数のアンカー止め特徴704は、センサデバイス702まわりにおいて複数の方向に延びるように構成されてもよい。一つまたは複数のアンカー止め特徴704は、センサデバイス702から互いに約90°の角度で延びるように構成されてもよい。追加的にまたは代替的に、一つまたは複数のアンカー止め特徴704は、センサデバイス702から横方向に(すなわち、センサデバイス702の直径に沿って)全体的に逆向きに延びてもよい。一つまたは複数のアンカー止め特徴704は、センサデバイス702から離間する向きにかつ/またはセンサデバイス702に沿って、直線的におよび/または非直線的に延びてもよい。
【0067】
一つまたは複数のアンカー止め特徴704は、センサデバイス702に対して取り付けられたかつ/またはセンサデバイス702から延びた一つあるいは複数のジョイント706(例えば、ヒンジおよび/またはヒンジジョイント)に対してヒンジ付きアタッチメントを形成するように、かつ/あるいは、そのような一つあるいは複数のジョイント706(例えば、ヒンジおよび/またはヒンジジョイント)から延びるように、構成されてもよい。いくつかの例では、各ジョイント706は、センサインプラントデバイス700の対応したアンカー止め特徴704に対して関連付けられてもよい。いくつかの例では、ジョイント706は、アンカー止め特徴704とセンサデバイス702との間における角度708を調整し得るように構成されてもよい。例えば、一つまたは複数のアンカー止め特徴704は、圧潰構成/圧潰形態(例えば、センサデバイス702の長さおよび/または面に対して、ほぼ平坦/面一および/または平行)および/または拡張構成/拡張形態(例えば、センサデバイス702の面に対して約45°の角度)の間にわたって、自由におよび/または手動で揺動および/またはヒンジ移動するように構成されてもよい。いくつかの例では、一つまたは複数のアンカー止め特徴704は、所与の角度708を超えて拡張しなくてもよい(例えば、センサデバイス702の面に対して、45°または90°の角度を超えて拡張しなくてもよい)。一つまたは複数のアンカー止め特徴704は、一つまたは複数のアンカー止め特徴704が、センサインプラントデバイス700を取り囲む組織内へと効果的に埋め込まれ得るよう、かつ/またはセンサインプラントデバイス700が組織から逸脱することを阻止するよう、拡張構成において傾斜付きであってもよい。
【0068】
いくつかの例では、一つまたは複数のアンカー止め特徴704は、圧潰形態へとおよび/または拡張形態へと付勢されてもよい。例えば、一つまたは複数のアンカー止め特徴704は、図7に示す拡張形態へと付勢されてもよい。一つまたは複数のアンカー止め特徴704は、カテーテルおよび/または他の送達デバイスの内部に位置している際には、圧縮形態へと折り曲げられるかつ/または揺動されるように構成されてもよく、かつ/あるいは、カテーテルおよび/または他の送達デバイスから取り外された時点でおよび/または取り外された後には、自発的に拡張形態となるように構成されてもよい。いくつかの例では、一つまたは複数のアンカー止め特徴704は、組織壁の内部に位置している際に、拡張形態へと拡張するように構成されてもよい。一つまたは複数のアンカー止め特徴704の拡張は、組織壁内への挿入の向きとは逆向きにセンサインプラントデバイス700が駆動されることによって、起動されてもよい。
【0069】
センサインプラントデバイス700は、四つのアンカー止め特徴704を含むものとして図7に示されているが、センサインプラントデバイス700は、任意の数のアンカー止め特徴704を含んでもよい。いくつかの例では、センサインプラントデバイス700は、センサデバイス702の第一サイドに、第一組をなす二つのアンカー止め特徴704を含んでもよく、かつ/または、センサデバイス702の第二サイドに、第二組をなす二つのアンカー止め特徴704を含んでもよい。
【0070】
いくつかの例では、センサボディ702は、組織壁内へのセンサボディ702の穿刺および/または打ち込みを容易とするために、一つまたは複数の尖鋭端部を含んでもよい。追加的にまたは代替的に、センサボディ702は、尖鋭先端を有したカテーテルおよび/または同様のデバイスを介して送達されてもよい、かつ/あるいは、組織壁を穿刺するように構成された、組織壁内へと埋め込まれるように構成された、かつ/または組織壁を通して打ち込まれるように構成された、カテーテルおよび/または同様のデバイスを介して送達されてもよい。
【0071】
図7では、センサボディ702は、単一のセンサ部材705を含むが、センサボディ702は、任意の数のセンサ部材705を含むことができる。例えば、センサボディ702は、センサボディ702の第一端部710に第一センサ部材705を含むことができ、かつ/または、センサボディ702の第二端部711に第二センサ部材705を含むことができる。いくつかの例では、センサボディ702は、センサ部材705から分離されてもよい、かつ/または、センサボディ702とセンサ部材705とは、配線を介して相互接続されてもよい。
【0072】
いくつかの例では、センサインプラントデバイス700は、第一心腔/第一血流経路と第二心腔/第二血流経路との間における組織壁の内部にアンカー止めされるように構成されてもよい。例えば、センサインプラントデバイス700は、左心房と冠静脈洞とを隔離している組織壁の内部にアンカー止めされるように構成されてもよい。センサインプラントデバイス700は、左心房で測定値を取得するための第一センサ部材705を、および/または、冠静脈洞で測定値を取得するための第二センサ部材705を含むことができる。
【0073】
いくつかの例では、センサデバイス702および/またはセンサ部材705は、全体的に線状の/直線状の側面を有した、全体的に円筒形状のおよび/またはチューブ形状の形態を形成してもよい。しかしながら、センサデバイス702は、非平坦な面を有してもよい、かつ/あるいは、センサデバイス702の他の部分よりも大きな直径を有した一つもしくは複数のペグおよび/または部分を含んでもよい。例えば、センサ部材705は、センサデバイス702の他の部分よりも大きな直径を有してもよい。このようにして、センサ部材705は、有利には、組織壁内に埋め込まれることが阻止されてもよい。
【0074】
図8Aおよび図8Bは、一つまたは複数の例による、センサボディ/センサデバイス802および/または一つもしくは複数のアンカー止め特徴804を含むセンサインプラントデバイス800を図示している。いくつかの例では、一つまたは複数のアンカー止め特徴804は、センサデバイス802内における、対応した、受領部材809、キャビティ、および/または凹所、内に収容されるようにかつ/またはそこから延びるように構成されてもよい。一つまたは複数のアンカー止め特徴は、心臓の内部の組織における一つもしくは複数の領域のところでアンカー止めおよび/または固定されるように構成された、一つまたは複数の、ニードル、クリップ、穿刺コイル、フック、アーム、コード、スパイク、突起、ペグ、および/または他の特徴を含むことができる。
【0075】
図8Aは、センサインプラントデバイス800の圧潰形態/圧縮形態を図示している。圧縮形態では、一つまたは複数のアンカー止め特徴804は、センサボディ802の受領部材809(例えば、センサボディ802の端部部分810のところ)の内部に少なくとも部分的に位置してもよく、これにより、センサインプラントデバイス800のプロファイルを低減してもよい。センサインプラントデバイス800は、カテーテルおよび/または他の送達デバイスの内部に位置している際には、圧縮形態をとるように構成されてもよい。いくつかの例では、一つまたは複数のアンカー止め特徴804は、一つまたは複数のアンカー止め特徴804がセンサボディ802に対して移動可能に取り付けられ得るよう、ヒンジ付き取付部分を介して、および/またはヒンジを介して、および/または同様の機構を介して、センサボディ802に対して結合されてもよい。
【0076】
図8Aに示すように、非拡張形態では、一つまたは複数のアンカー止め特徴804は、全体的にセンサ部材805に向けて延びてもよい。例えば、アンカー止め特徴804は、全体的に、センサボディ802の面に沿って、および/または、センサボディ802の第二端部に向けて端部部分810の面に沿って、および/または、センサ部材805に向けて端部部分810の面に沿って延びてもよい。
【0077】
図8Bは、センサインプラントデバイス800の拡張形態を図示している。拡張形態では、一つまたは複数のアンカー止め特徴804は、センサデバイス802から離間するように延びてもよい。例えば、一つまたは複数のアンカー止め特徴804は、センサデバイス802の少なくとも一部に対して、全体的に垂直のおよび/または45°の角度をとってもよい。一つまたは複数のアンカー止め特徴804は、センサボディ802の面に対して、90°以下の角度で拡張するように構成されてもよい。いくつかの例では、カテーテルおよび/または他の送達システムからセンサインプラントデバイス800を少なくとも部分的に取り外すことによって、一つまたは複数のアンカー止め特徴804の起動および/または伸長が引き起こされてもよい。
【0078】
いくつかの例では、一つまたは複数のアンカー止め特徴804(本明細書で説明する任意の様々なセンサインプラントデバイスのアンカー止め特徴を含む)は、拡張形態と、圧縮形態/非拡張形態と、の間にわたって自由に揺動するように構成されてもよい。追加的にまたは代替的に、一つまたは複数のアンカー止め特徴804は、スプリングを付帯したものとされてもよい、かつ/または、他の態様で拡張形態へと付勢されてもよい。例えば、一つまたは複数のスプリングは、受領部材809の内部に位置してもよく、これにより、アンカー止め特徴804を受領部材809から外向きに押し出してもよい。
【0079】
センサデバイス802は、少なくとも一つのセンサ部材805を含んでもよい。センサ部材805は、上記で詳細に説明したように、任意のタイプのセンサデバイスを含んでもよい。センサインプラントデバイス800は、センサ部材805を、心腔(例えば、左心房)、心腔内へのおよび/または心腔からの開口(例えば、左心房付属物)、ならびに/あるいは血流経路(例えば、冠静脈洞)を含み得る身体内の標的位置のところに位置決めするように構成されてもよい。
【0080】
いくつかの例では、一つまたは複数のアンカー止め特徴804は、センサボディ802まわりにおいて複数の方向に延びるように構成されてもよい。一つまたは複数のアンカー止め特徴804は、センサボディ802から横方向に(すなわち、センサボディ802の直径に沿って)全体的に逆向きに延びてもよい。一つまたは複数のアンカー止め特徴804は、センサボディ802から離間する向きにおよび/またはセンサボディ802に沿って、直線的におよび/または非直線的に延びてもよい。
【0081】
一つまたは複数のアンカー止め特徴804は、圧潰構成(例えば、センサボディ802の端部部分810の円錐面に対してほぼ平行)および/または拡張構成(例えば、センサボディ802の端部部分810の円錐面に対して約45°の角度)の間にわたって、揺動および/またはヒンジ移動するように構成されてもよい。一つまたは複数のアンカー止め特徴804は、一つまたは複数のアンカー止め特徴804が、センサインプラントデバイス800を取り囲む組織内へと効果的に埋め込まれ得るよう、かつ/またはセンサインプラントデバイス800が組織から逸脱することを阻止するよう、拡張構成において傾斜付きであってもよい。
【0082】
センサインプラントデバイス800は、任意の数のアンカー止め特徴804を含んでもよい。いくつかの例では、センサインプラントデバイス800は、センサデバイス802の第一サイドに、第一組をなす二つのアンカー止め特徴804を含んでもよく、センサデバイス802の第二サイドに、第二組をなす二つのアンカー止め特徴804を含んでもよく、かつ/または、センサデバイス802の第三サイドに、第三組をなす二つのアンカー止め特徴804を含んでもよい。
【0083】
いくつかの例では、センサボディ802は、組織壁内へのセンサデバイス802の打ち込みを容易とするために、一つまたは複数の尖鋭端部を有してもよい。例えば、センサボディ802は、尖鋭先端を有した、尖鋭端部部分および/または円錐形状端部部分810を含んでもよい。円錐形状端部部分810は、センサボディ802におけるセンサ部材805とは反対側のサイド/端部のところに位置してもよく、この反対側のサイド/端部は、センサデバイス802の第二端部のところに位置することができる。追加的にまたは代替的に、センサボディ802は、尖鋭先端を有したカテーテルおよび/または同様のデバイスを介して送達されてもよい、かつ/あるいは、組織壁を穿刺するように構成された、組織壁内へと埋め込まれるように構成された、かつ/または組織壁を通して打ち込まれるように構成された、カテーテルおよび/または同様のデバイスを介して送達されてもよい。いくつかの例では、センサデバイス802は、円錐形状端部部分810とセンサ部材805との間に位置したボディ部分807をさらに含んでもよい。一つまたは複数のアンカー止め特徴804の少なくとも一部は、センサデバイス802の円錐形状端部部分810に対して結合されてもよい、かつ/または、センサデバイス802の円錐形状端部部分810の内部で結合されてもよい。
【0084】
図8Aおよび図8Bでは、センサデバイス802は、単一のセンサ部材805を含むが、センサデバイス802は、任意の数のセンサ部材805を含むことができる。例えば、センサデバイス802は、センサデバイス802の第一端部部分810に、第一センサ部材805を含むことができ、かつ/または、センサデバイス802の第二端部部分に、第二センサ部材805を含むことができる。いくつかの例では、センサインプラントデバイス800は、第一心腔/第一血流経路と第二心腔/第二血流経路との間における組織壁の内部にアンカー止めされるように構成されてもよい。例えば、センサインプラントデバイス800は、左心房と冠静脈洞とを隔離している組織壁の内部にアンカー止めされるように構成されてもよい。センサインプラントデバイス800は、左心房で測定値を取得するための第一センサ部材805および/または冠静脈洞で測定値を取得するための第二センサ部材805を含むことができる。
【0085】
いくつかの例では、センサデバイス802および/またはセンサ部材805は、全体的に線状の/直線状の側面を有した、全体的に円筒形状のおよび/またはチューブ形状の形態を形成してもよい。しかしながら、センサデバイス802は、非平坦な面を有してもよい、かつ/あるいは、センサデバイス802の他の部分よりも大きな直径/幅を有した一つもしくは複数のペグおよび/または部分を含んでもよい。例えば、センサ部材805は、センサデバイス802のボディ部分807および/または円錐形状端部部分810よりも大きな直径/幅を有してもよい。このようにして、センサ部材805は、有利には、組織壁内に埋め込まれることが阻止されてもよい。
【0086】
図9は、一つまたは複数の例による、カテーテル912を介して送達されるセンサインプラントデバイスを図示している。センサインプラントデバイスは、センサボディ/センサデバイス902および/または一つもしくは複数のアンカー止め特徴904を含むことができる。センサボディ902は、一つまたは複数のアンカー止め特徴904に対して、結合することができる、取り付けることができる、かつ/あるいは、他の態様で、着脱可能におよび/または恒久的に固定することができる。一つまたは複数のアンカー止め特徴は、心臓の内部の組織における一つもしくは複数の領域のところでアンカー止めおよび/または固定されるように構成された、一つまたは複数の、ニードル、クリップ、穿刺コイル、フック、アーム、コード、突起、スパイク、ペグ、および/または他の特徴を含むことができる。
【0087】
いくつかの例では、一つまたは複数のアンカー止め特徴904は、図9に示すように、カテーテル912の内部に位置している際には、圧縮形態および/または非拡張形態をとるように構成されてもよい。圧縮形態/非拡張形態では、一つまたは複数のアンカー止め特徴904は、センサデバイス902の外面に対して平坦に/面一に並置および/または位置決めされるように構成されてもよい、かつ/あるいは、センサデバイス902の一つまたは複数の受領部材内へと入り込むように構成されてもよい。
【0088】
センサデバイス902は、少なくとも一つのセンサ部材905を含んでもよい。センサ部材905は、上記で詳細に説明したように、任意のタイプのセンサ要素を含んでもよい。センサインプラントデバイスは、センサ部材905を、心腔(例えば、左心房)、心腔内へのおよび/または心腔からの開口(例えば、左心房付属物)、ならびに/あるいは血流経路(例えば、冠静脈洞)を含み得る身体内の標的位置のところに位置決めするように構成されてもよい。
【0089】
いくつかの例では、一つまたは複数のアンカー止め特徴904は、センサデバイス902まわりにおいて複数の方向に延びるように構成されてもよい。一つまたは複数のアンカー止め特徴904は、センサデバイス902から、互いに約90°の角度で延びるように構成されてもよい。追加的にまたは代替的に、一つまたは複数のアンカー止め特徴904は、センサデバイス902から横方向に(すなわち、センサデバイス902の直径に沿って)全体的に逆向きに延びてもよい。一つまたは複数のアンカー止め特徴904は、センサデバイス902から離間する向きにおよび/またはセンサデバイス902に沿って、直線的におよび/または非直線的に延びてもよい。
【0090】
一つまたは複数のアンカー止め特徴904は、センサデバイス902に対して取り付けられたかつ/またはセンサデバイス902から延びた一つあるいは複数のジョイント906に対して結合されるように構成されてもよい、かつ/あるいは、そのような一つまたは複数のジョイント906から延びるように構成されてもよい。いくつかの例では、各ジョイント906は、センサインプラントデバイスの対応したアンカー止め特徴904に対して関連付けられてもよい。いくつかの例では、ジョイント906は、アンカー止め特徴904とセンサデバイス902との間における角度を調整し得るように構成されてもよい。例えば、一つまたは複数のアンカー止め特徴904は、圧潰構成(例えば、センサデバイス902の長さに対して、ほぼ平行)および/または拡張構成(例えば、センサデバイス902に対して約45°の角度)の間にわたって、揺動および/またはヒンジ移動するように構成されてもよい。一つまたは複数のアンカー止め特徴904は、一つまたは複数のアンカー止め特徴904が、センサインプラントデバイスを取り囲む組織内へと効果的に埋め込まれ得るよう、かつ/またはセンサインプラントデバイスが組織から逸脱することを阻止するよう、拡張構成において傾斜付きであってもよい。
【0091】
センサインプラントデバイスは、四つのアンカー止め特徴904を含むものとして、図9に示されているが、センサインプラントデバイスは、任意の数のアンカー止め特徴904を含んでもよい。いくつかの例では、センサインプラントデバイスは、センサデバイス902の第一サイドに、第一組をなす二つのアンカー止め特徴904を含んでもよく、かつ/または、センサデバイス902の第二サイドに、第二組をなす二つのアンカー止め特徴904を含んでもよい。
【0092】
いくつかの例では、センサデバイス902は、組織壁内へのセンサデバイス902の打ち込みを容易とするために、一つまたは複数の尖鋭端部を含んでもよい。追加的にまたは代替的に、センサデバイス902は、尖鋭先端920を有した、かつ/あるいは、組織壁を穿刺するように構成された、組織壁内へと埋め込まれるように構成された、かつ/または組織壁を通して打ち込まれるように構成された、カテーテル912および/または同様のデバイスを介して送達されてもよい。
【0093】
図9では、センサデバイス902は、単一のセンサ部材905を含むが、センサデバイス902は、任意の数のセンサ部材905を含むことができる。例えば、センサデバイス902は、センサデバイス902の第一端部910に第一センサ部材905を含むことができ、かつ/または、センサデバイス902の第二端部911に第二センサ部材905を含むことができる。いくつかの例では、センサインプラントデバイスは、第一心腔/第一血流経路と第二心腔/第二血流経路との間における組織壁の内部にアンカー止めされるように構成されてもよい。例えば、センサインプラントデバイスは、左心房と冠静脈洞とを隔離している組織壁の内部にアンカー止めされるように構成されてもよい。センサインプラントデバイスは、左心房で測定値を取得するための第一センサ部材905および/または冠静脈洞で測定値を取得するための第二センサ部材905を含むことができる。
【0094】
いくつかの例では、センサデバイス902および/またはセンサ部材905は、全体的に線状の/直線状の側面を有した、全体的に円筒形状のおよび/またはチューブ形状の形態を形成してもよい。しかしながら、センサデバイス902は、非平坦な面を有してもよい、かつ/あるいは、センサデバイス902の他の部分よりも大きな直径を有した一つもしくは複数のペグおよび/または部分を含んでもよい。例えば、センサ部材905は、センサデバイス902の他の部分と比較してより大きな直径を有してもよい。このようにして、センサ部材905は、有利には、組織壁内に埋め込まれることが阻止されてもよい。
【0095】
図9に示すように、非拡張形態では、一つまたは複数のアンカー止め特徴904は、センサ部材905から全体的に離間して延びてもよい。例えば、一つまたは複数のアンカー止め特徴904は、センサボディ902の第二端部911に向けて、センサボディ902の面に沿って延びるように構成されてもよい、かつ/あるいは、センサ部材910は、センサボディ902の第一端部910のところにまたはその近傍に位置してもよい。
【0096】
図10は、一つまたは複数の例による、センサインプラントデバイスを、カテーテル1012を介して左心房2の組織壁へと送達するための送達プロセスを図示している。センサインプラントデバイスは、センサボディ/センサデバイス1002および/または一つもしくは複数のアンカー止め特徴1004を含むことができる。センサデバイス1002は、一つまたは複数のアンカー止め特徴1004に対して、結合することができる、取り付けることができる、かつ/あるいは、他の態様で、着脱可能にかつ/または恒久的に固定することができる。一つまたは複数のアンカー止め特徴は、心臓の内部の組織における一つもしくは複数の領域のところでアンカー止めおよび/または固定されるように構成された、一つまたは複数の、ニードル、クリップ、穿刺コイル、フック、アーム、コード、および/または他の特徴を含むことができる。
【0097】
センサデバイス1002は、少なくとも一つのセンサ部材を含んでもよい。センサ部材は、上記で詳細に説明したように、任意のタイプのセンサ要素を含んでもよい。センサインプラントデバイスは、センサ部材を、心腔(例えば、左心房)、心腔内へのおよび/または心腔からの開口(例えば、左心房付属物)、ならびに/あるいは血流経路(例えば、冠静脈洞)を含み得る身体内の標的位置のところに位置決めするように構成されてもよい。
【0098】
いくつかの例では、一つまたは複数のアンカー止め特徴1004は、センサデバイス1002まわりにおいて複数の方向に延びるように構成されてもよい。一つまたは複数のアンカー止め特徴1004は、センサデバイス1002の外面に沿って互いに約90°の角度で延びるように構成されてもよい。追加的にまたは代替的に、一つまたは複数のアンカー止め特徴1004は、センサデバイス1002から横方向に(すなわち、センサデバイス1002の直径に沿って)全体的に逆向きに延びてもよい。一つまたは複数のアンカー止め特徴1004は、センサデバイス1002から離間する向きにおよび/またはセンサデバイス1002に沿って、直線的におよび/または非直線的に延びてもよい。
【0099】
一つまたは複数のアンカー止め特徴1004は、センサデバイス1002に対して取り付けられたかつ/またはセンサデバイス1002から延びた一つあるいは複数のジョイントに対して結合されるように構成されてもよい、かつ/あるいは、そのような一つまたは複数のジョイントから延びるように構成されてもよい。いくつかの例では、各ジョイントは、センサインプラントデバイスの対応したアンカー止め特徴1004に対して関連付けられてもよい。いくつかの例では、ジョイントは、アンカー止め特徴1004とセンサデバイス1002との間における角度を調整し得るように構成されてもよい。例えば、一つまたは複数のアンカー止め特徴1004は、圧潰構成(例えば、センサデバイス1002の長さに対して、ほぼ平行)および/または拡張構成(例えば、センサデバイス1002に対して約45°の角度)の間にわたって、揺動および/またはヒンジ移動するように構成されてもよい。一つまたは複数のアンカー止め特徴1004は、一つまたは複数のアンカー止め特徴1004が、センサインプラントデバイスを取り囲む組織内へと効果的に埋め込まれ得るよう、かつ/またはセンサインプラントデバイスが組織から逸脱することを阻止するよう、拡張構成において傾斜付きであってもよい。
【0100】
センサインプラントデバイスは、四つのアンカー止め特徴1004を含むものとして、図10に示されているが、センサインプラントデバイスは、任意の数のアンカー止め特徴1004を含んでもよい。いくつかの例では、センサインプラントデバイスは、センサデバイス1002の第一サイドに、第一組をなす二つのアンカー止め特徴1004を含んでもよく、かつ/または、センサデバイス1002の第二サイドに、第二組をなす二つのアンカー止め特徴1004を含んでもよい。
【0101】
いくつかの例では、センサデバイス1002は、組織壁内へのセンサデバイス1002の打ち込みを容易とするために、一つまたは複数の尖鋭端部を含んでもよい。追加的にまたは代替的に、センサデバイス1002は、尖鋭先端を有した、かつ/あるいは、組織壁を穿刺するように構成された、組織壁内へと埋め込まれるように構成された、かつ/または組織壁を通して打ち込まれるように構成された、カテーテル1012および/または同様のデバイスを介して送達されてもよい。
【0102】
図10では、センサデバイス1002は、単一のセンサ部材1005を含むが、センサデバイス1002は、任意の数のセンサ部材1005を含むことができる。例えば、センサデバイス1002は、センサデバイス1002の第一端部1010に第一センサ部材1005を含むことができ、かつ/または、センサデバイス1002の第二端部1011に第二センサ部材1005を含むことができる。いくつかの例では、センサインプラントデバイスは、第一心腔/第一血流経路と第二心腔/第二血流経路との間における組織壁の内部にアンカー止めされるように構成されてもよい。例えば、センサインプラントデバイスは、左心房と冠静脈洞とを隔離している組織壁の内部にアンカー止めされるように構成されてもよい。センサインプラントデバイスは、左心房で測定値を取得するための第一センサ部材1005および/または冠静脈洞で測定値を取得するための第二センサ部材1005を含むことができる。
【0103】
いくつかの例では、センサデバイス1002および/またはセンサ部材1005は、全体的に線状の/直線状の側面を有した、全体的に円筒形状のおよび/またはチューブ形状の形態を形成してもよい。しかしながら、センサデバイス1002は、非平坦な面を有してもよい、かつ/あるいは、センサデバイス1002の他の部分よりも大きな直径を有した一つもしくは複数のペグおよび/または部分を含んでもよい。例えば、センサ部材1005は、センサデバイス1002の他の部分と比較して、より大きな直径を有してもよい。このようにして、センサ部材1005は、有利には、組織壁内に埋め込まれることが阻止されてもよい。
【0104】
図11は、一つまたは複数の例による、センサインプラントデバイスを、カテーテル1012を介して冠静脈洞16の組織壁へと送達するための送達プロセスを図示している。センサインプラントデバイスは、センサボディ/センサデバイス1102および/または一つもしくは複数のアンカー止め特徴1104を含むことができる。センサデバイス1102は、一つまたは複数のアンカー止め特徴1104に対して、結合することができる、取り付けることができる、かつ/あるいは、他の態様で、着脱可能におよび/または恒久的に固定することができる。一つまたは複数のアンカー止め特徴は、心臓の内部の組織における一つもしくは複数の領域のところでアンカー止めおよび/または固定されるように構成された、一つまたは複数の、ニードル、クリップ、穿刺コイル、フック、アーム、コード、突起、スパイク、ペグ、および/または他の特徴を含むことができる。
【0105】
センサデバイス1102は、少なくとも一つのセンサ部材を含んでもよい。センサ部材は、上記で詳細に説明したように、任意のタイプのセンサ要素を含んでもよい。センサインプラントデバイスは、センサ部材を、心腔(例えば、左心房)、心腔内へのおよび/または心腔からの開口(例えば、左心房付属物)、ならびに/あるいは血流経路(例えば、冠静脈洞)を含み得る身体内の標的位置のところに位置決めするように構成されてもよい。
【0106】
いくつかの例では、一つまたは複数のアンカー止め特徴1104は、センサデバイス1102まわりにおいて複数の方向に延びるように構成されてもよい。一つまたは複数のアンカー止め特徴1104は、センサデバイス1102から、互いに約90°の角度で延びるように構成されてもよい。追加的にまたは代替的に、一つまたは複数のアンカー止め特徴1104は、センサデバイス1102から横方向に(すなわち、センサデバイス1102の直径に沿って)全体的に逆向きに延びてもよい。一つまたは複数のアンカー止め特徴1104は、センサデバイス1102から離間する向きにおよび/またはセンサデバイス1102に沿って、直線的におよび/または非直線的に延びてもよい。
【0107】
一つまたは複数のアンカー止め特徴1104は、センサデバイス1102に対して取り付けられたかつ/またはセンサデバイス1102から延びた一つあるいは複数のジョイントに対して結合されるように構成されてもよい、かつ/あるいは、そのような一つまたは複数のジョイントから延びるように構成されてもよい。いくつかの例では、各ジョイントは、センサインプラントデバイスの対応したアンカー止め特徴1104に対して関連付けられてもよい。いくつかの例では、ジョイントは、アンカー止め特徴1104とセンサデバイス1102との間における角度を調整し得るように構成されてもよい。例えば、一つまたは複数のアンカー止め特徴1104は、圧潰構成(例えば、センサデバイス1102の長さに対して、ほぼ平行)および/または拡張構成(例えば、センサデバイス1102に対して約45°の角度)の間にわたって、揺動および/またはヒンジ移動するように構成されてもよい。一つまたは複数のアンカー止め特徴1104は、一つまたは複数のアンカー止め特徴1104が、センサインプラントデバイスを取り囲む組織内へと効果的に埋め込まれ得るよう、かつ/またはセンサインプラントデバイスが組織から逸脱することを阻止するよう、拡張構成において傾斜付きであってもよい。
【0108】
センサインプラントデバイスは、四つのアンカー止め特徴1104を含むものとして、図11に示されているが、センサインプラントデバイスは、任意の数のアンカー止め特徴1104を含んでもよい。いくつかの例では、センサインプラントデバイスは、センサデバイス1102の第一サイドに、第一組をなす二つのアンカー止め特徴1104を含んでもよく、かつ/または、センサデバイス1102の第二サイドに、第二組をなす二つのアンカー止め特徴1104を含んでもよい。
【0109】
いくつかの例では、センサデバイス1102は、組織壁内へのセンサデバイス1102の打ち込みを容易とするために、一つまたは複数の尖鋭端部を含んでもよい。追加的にまたは代替的に、センサデバイス1102は、尖鋭先端を有した、かつ/あるいは、組織壁を穿刺するように構成された、組織壁内へと埋め込まれるように構成された、かつ/または組織壁を通して打ち込まれるように構成された、カテーテル1112および/または同様のデバイスを介して送達されてもよい。
【0110】
図11では、センサデバイス1102は、単一のセンサ部材1105を含むが、センサデバイス1102は、任意の数のセンサ部材1105を含むことができる。例えば、センサデバイス1102は、センサデバイス1102の第一端部1110に第一センサ部材1105を含むことができ、かつ/または、センサデバイス1102の第二端部1111に第二センサ部材1105を含むことができる。いくつかの例では、センサインプラントデバイスは、第一心腔/第一血流経路と第二心腔/第二血流経路との間における組織壁の内部にアンカー止めされるように構成されてもよい。例えば、センサインプラントデバイスは、左心房と冠静脈洞とを隔離している組織壁の内部にアンカー止めされるように構成されてもよい。センサインプラントデバイスは、左心房で測定値を取得するための第一センサ部材1105および/または冠静脈洞で測定値を取得するための第二センサ部材1105を含むことができる。
【0111】
いくつかの例では、センサデバイス1102および/またはセンサ部材1105は、全体的に線状の/直線状の側面を有した、全体的に円筒形状のおよび/またはチューブ形状の形態を形成してもよい。しかしながら、センサデバイス1102は、非平坦な面を有してもよい、かつ/あるいは、センサデバイス1102の他の部分よりも大きな直径を有した一つもしくは複数のペグおよび/または部分を含んでもよい。例えば、センサ部材1105は、センサデバイス1102の他の部分と比較して、より大きな直径を有してもよい。このようにして、センサ部材1105は、有利には、組織壁内に埋め込まれることが阻止されてもよい。
【0112】
図12は、本明細書で説明する様々なセンサインプラントデバイスの一つまたは複数に関する経皮的送達および/または使用のための例示的なプロセス1200におけるフローチャートを提示している。プロセス1200における各ステップは、任意の順序で実行されてもよい、かつ/または、繰り返されてもよい。例えば、プロセス1200は、単一のセンサインプラントデバイスだけを送達することについて説明しているが、複数のセンサインプラントデバイスが、一つまたは複数の送達システムを介して送達されてもよい。
【0113】
ステップ1202において、プロセス1200は、センサインプラントデバイスを、心臓の標的組織壁へと経皮的に送達することを含む。組織壁は、例えば、左心房を冠静脈洞から隔離している左心房壁であってもよい。この例では、センサインプラントデバイスは、組織壁の左心房側へとおよび/または組織壁の冠静脈洞側へと送達されてもよい。例えば、センサインプラントデバイスは、左心房と右心房との間の心房中隔壁を経由して、および/または冠静脈洞を経由して、組織壁の開口を通して左心房内へと導入されるように送達されてもよい。別の例では、センサインプラントデバイスは、冠静脈洞を経由して、組織壁の冠静脈洞側へと送達されてもよい。
【0114】
センサインプラントデバイスは、センサボディ/センサデバイスおよび/または、一つもしくは複数のアンカー止め特徴を含んでもよい。センサデバイスは、センサインプラントデバイスのところにおけるまたはその近傍における血流特性に関連した測定値を取得するように構成された少なくとも一つのセンサ部材を含むことができる。いくつかの例では、センサデバイスは、センサデバイスの第一端部のところにまたはその近傍に第一センサ部材を含むことができ、かつ/または、センサデバイスの第二端部のところにまたはその近傍に第二センサ部材を含むことができる。例えば、センサインプラントデバイスは、センサデバイスの第一端部が、第一心腔および/または第一血流経路(例えば、左心房)内へと延びるようにして、かつ/または、第一心腔および/または第一血流経路(例えば、左心房)に隣接して延びるようにして、かつ/あるいは、センサデバイスの第二端部が、第二心腔および/または第二血流経路(例えば、冠静脈洞)内へと延びるようにして、かつ/または、第二心腔および/または第二血流経路(例えば、冠静脈洞)に隣接して延びるようにして、構成されてもよい。
【0115】
いくつかの例では、センサインプラントデバイスは、カテーテルおよび/またはシャフトを介して送達されてもよい。センサインプラントデバイスは、カテーテルおよび/またはシャフトからの解放後には拡張するように構成されたかつ/または拡張されるように構成されたアンカー止め特徴を含んでもよい。いくつかの例では、センサインプラントデバイスは、カテーテルおよび/またはシャフトの内部に位置している際には、圧縮形態および/または非拡張形態をとるように構成されてもよく、これにより、有利には、カテーテル、シャフト、および/またはセンサインプラントデバイスの送達プロファイルが最小化され得る。いくつかの例では、カテーテルおよび/またはシャフトは、尖鋭先端を、ならびに/あるいは、カテーテル、シャフト、および/またはセンサインプラントデバイスを組織壁内へと穿刺することをかつ/または前進させることを容易とするように構成された他の特徴を含んでもよい。
【0116】
ステップ1204において、プロセス1200は、センサインプラントを組織壁に押し込むことにより、センサインプラントデバイスを組織壁の内部に少なくとも部分的に埋め込むことを含む。いくつかの例では、センサインプラントデバイスは、尖鋭先端をならびに/あるいはセンサインプラントデバイスを組織壁内へと穿刺することをおよび/または前進させることを容易とするように構成された他の特徴を含んでもよい。例えば、センサインプラントデバイスの尖鋭先端は、カテーテルから延びることで、センサインプラントデバイスの尖鋭先端が組織壁の面に対して接触および/または穿刺することを可能としてもよい。
【0117】
いくつかの例では、センサインプラントデバイスは、医師がセンサインプラントデバイスを組織壁内へと押し込み得るように構成されてもよい。例えば、一つもしくは複数の押込器および/または同様のデバイスが、カテーテルおよび/またはシースの内部でセンサインプラントデバイスの背面側に延びてもよい、かつ/あるいは、一つもしくは複数の押込器および/または同様のデバイスを利用することにより、センサインプラントデバイスを、カテーテルおよび/またはシースから押し出してもよい、かつ/または組織壁に対して接触するように押し込んでもよい。
【0118】
ステップ1206において、プロセス1200は、センサインプラントデバイスの一つまたは複数のアンカー止め特徴を起動するかつ/または係合させることにより、センサインプラントデバイスを組織壁の内部にアンカー止めすること、および/または、センサインプラントデバイスが組織壁から逸脱することを阻止することを含む。いくつかの例では、一つまたは複数のアンカー止め特徴は、センサインプラントデバイスから延びるように構成された、かつ/またはセンサデバイスに対して約45°の角度を形成するように構成された、アームならびに/あるいはフックを含むことができる。
【0119】
いくつかの例では、一つまたは複数のアンカー止め特徴は、組織壁に向けての送達時におよび/または組織壁内への送達時に、センサインプラントデバイスのセンサデバイスに対して当接して位置するように、かつ/またはセンサインプラントデバイスのセンサデバイスの内部に位置するように構成されてもよい。一つまたは複数のアンカー止め特徴は、カテーテルおよび/または他の送達システムからの解放後には、手動でおよび/または自発的にセンサデバイスから離間して延びるように構成されてもよい。例えば、一つまたは複数の引張ワイヤが、一つまたは複数のアンカー止め特徴に対して取り付けられてもよい、かつ/または、一つまたは複数の引張ワイヤは、一つまたは複数のアンカー止め特徴をセンサデバイスから離間するように引っ張ることによって、一つまたは複数のアンカー止め特徴を起動させるように構成されてもよい。別の例では、一つまたは複数のアンカー止め特徴は、組織壁の内部に位置した際に、自発的に拡張するように構成されてもよい。
【0120】
一つまたは複数のアンカー止め特徴は、一つまたは複数のアンカー止め特徴が組織壁を通してのセンサインプラントデバイスの前進駆動を妨害し得ないよう、傾斜付きのものとされてもよい。例えば、一つまたは複数のアンカー止め特徴は、組織壁を通して前進駆動される向きに拡張するかつ/または延びるように構成されてもよい。よって、センサインプラントデバイスが組織壁内へと押し込まれた際には、センサインプラントデバイスの動きにより、一つまたは複数のアンカー止め特徴は、センサインプラントデバイスの内部に対して押し付けられ得る、かつ/または、センサインプラントデバイスの内部へと押し込まれ得る。いくつかの例では、一つまたは複数のアンカー止め特徴は、センサインプラントデバイスの前方端部に対して約135°の角度へと、および/または、センサインプラントデバイスの後方端部に対して約45°の角度へと延びるように構成されてもよい。センサインプラントデバイスが組織壁を通して前進駆動された後には、センサインプラントデバイスを組織壁内へと少なくとも部分的に後退させることにより、一つまたは複数のアンカー止め特徴の起動および/または拡張を引き起こしてもよい。例えば、センサインプラントデバイスを後退させる向きが、一つまたは複数のアンカー止め特徴が拡張する向きとは逆向きであり得るため、センサインプラントデバイスを後退させることにより、一つまたは複数のアンカー止め特徴に対して、一つまたは複数のアンカー止め特徴をセンサデバイスから離間させるように引っ張り得る力を引き起こすことができる。
【0121】
ステップ1208において、プロセス1200は、組織壁内に埋め込まれた状態でセンサインプラントデバイスを残したまま、一つまたは複数のカテーテル、シース、押込器、引張ワイヤ、および/または他の送達システムを取り外すことを含んでもよい。
【0122】
本開示のいくつかの実装は、センサインプラントデバイスであって、第一センサ部材を含むセンサボディと、センサデバイスに対して結合され、かつ組織壁の内部にアンカー止めされるように構成された一つまたは複数のアンカー止め特徴と、を含む、センサインプラントデバイスに関する。一つまたは複数のアンカー止め特徴は、送達時には非拡張形態をとるように構成されているとともに、組織壁内へとアンカー止めするために拡張するように構成されている。
【0123】
一つまたは複数のアンカー止め特徴は、非拡張形態では、センサボディの面に対して平坦に横たわるように構成されている。いくつかの例では、センサボディは、一つまたは複数の受領部材を含む。一つまたは複数のアンカー止め特徴は、非拡張形態では、一つまたは複数の受領部材内へと入り込むように構成されてもよい。
【0124】
いくつかの例では、一つまたは複数の受領部材は、センサボディの端部部分のところに位置している。端部部分は、円錐形状を有してもよい。
【0125】
端部部分は、尖鋭な形状を有してもよい。いくつかの例では、受領部材のそれぞれは、一つまたは複数のスプリングを含む。
【0126】
いくつかの例では、一つまたは複数の受領部材は、センサボディ内に凹所を含む。一つまたは複数のアンカー止め特徴は、ヒンジジョイントを介して、センサデバイスに対して結合してもよい。
【0127】
一つまたは複数のアンカー止め特徴は、拡張形態では、センサボディの面に対して約45°の角度へと拡張するように構成されてもよい。いくつかの例では、一つまたは複数のアンカー止め特徴は、拡張形態では、センサボディの面に対して90°以下の角度へと拡張するように構成されている。
【0128】
いくつかの例では、一つまたは複数のアンカー止め特徴は、非拡張形態と拡張形態との間にわたって、自由に揺動するように構成されている。一つまたは複数のアンカー止め特徴は、拡張形態へと付勢されてもよい。
【0129】
一つまたは複数のアンカー止め特徴は、スプリングを付帯したものとされてもよい。いくつかの例では、センサボディは、組織壁を穿刺するように構成された尖鋭先端を含む。
【0130】
いくつかの例では、尖鋭先端は、センサボディの円錐形状端部部分のところに位置している。一つまたは複数のアンカー止め特徴は、センサボディの円錐形状端部部分に対して結合されてもよい。
【0131】
第一センサ部材は、センサボディよりも大きな幅を有してもよい。いくつかの例では、第一センサ部材は、センサボディの第一端部のところに位置している。
【0132】
一つまたは複数のアンカー止め特徴は、センサボディの第二端部から延びてもよい。いくつかの例では、センサインプラントデバイスは、センサボディの第二端部のところに位置した第二センサ部材をさらに含む。
【0133】
いくつかの例では、一つまたは複数のアンカー止め特徴は、センサボディの中間セクションから延びている。一つまたは複数のアンカー止め特徴は、尖鋭なアームを含んでもよい。
【0134】
一つまたは複数のアンカー止め特徴は、非拡張形態では、第一センサ部材に向けて延びてもよい。いくつかの例では、一つまたは複数のアンカー止め特徴は、非拡張形態では、第一センサ部材から離間する向きに延びている。
【0135】
いくつかの例では、一つまたは複数のアンカー止め特徴は、四つのアンカー止め特徴を含む。一つまたは複数のアンカー止め特徴は、八つのアンカー止め特徴を含んでもよい。
【0136】
本開示のいくつかの実装によれば、方法は、カテーテルの内部に位置したセンサインプラントデバイスを、組織壁へと経皮的に送達するステップを含む。センサインプラントデバイスは、カテーテルの内部に位置している際には圧縮形態をとるように構成された一つまたは複数のアンカー止め特徴を含む。本方法は、組織壁を穿刺することにより、センサインプラントデバイスを、組織壁の内部に少なくとも部分的に埋め込むステップと、センサインプラントデバイスをカテーテルから取り外すステップと、をさらに含む。一つまたは複数のアンカー止め特徴は、カテーテルからの取り外し後には拡張形態をとるように構成されている。
【0137】
カテーテルは、尖鋭先端を含んでもよい。いくつかの例では、組織壁を穿刺することは、カテーテルの尖鋭先端を使用して実行される。
【0138】
いくつかの例では、センサインプラントデバイスは、尖鋭先端を含む。組織壁を穿孔することは、センサインプラントデバイスの尖鋭先端を使用して実行されてもよい。
【0139】
一つまたは複数のアンカー止め特徴は、圧縮形態では、センサインプラントデバイスの面に対して平坦に横たわるように構成されてもよい。いくつかの例では、センサインプラントデバイスは、一つまたは複数の受領部材を含む。一つまたは複数のアンカー止め特徴は、圧縮形態では、一つまたは複数の受領部材内へと入り込むように構成されてもよい。
【0140】
いくつかの例では、一つまたは複数のアンカー止め特徴は、圧縮形態と拡張形態との間にわたって、自由に揺動するように構成されている。一つまたは複数のアンカー止め特徴は、拡張形態へと付勢されてもよい。
【0141】
追加的な例
例に依存して、本明細書で説明する任意のプロセスもしくはアルゴリズムにおける特定の、行為、事象、または機能は、異なる順序で実行することができ、追加することができ、統合することができ、あるいは完全に省略することができる。よって、特定の例では、すべての説明する行為または事象が、プロセスの実施に必要とされるわけではない。
【0142】
とりわけ、「~することができる」、「~することができるであろう」、「~である可能性がある」、「~であり得る」、「例えば」、および同種のものなどの、本明細書で使用された際の条件付き文言は、具体的に別段の記載がない限りまたは使用された文脈内で別様に理解されない限り、通常の意味合いであることが意図されているとともに、一般に、特定の例が、他の例は含んでいないような特定の特徴、要素、および/またはステップを含んでいることを伝えることが、意図されている。よって、そのような条件付き文言は、特徴、要素、および/またはステップが、一つまたは複数の例に関して何らかの態様で必要であることを、あるいは、これらの特徴、要素、および/またはステップが、任意の特定の例に含まれるかどうかを、または任意の特定の例で実行されるべきかどうかを、著者の入力または促しの有無にかかわらず決定するための論理を、一つまたは複数の例が必ず含むことを、意味することは、一般的に意図されるものではない。「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」という用語、および同種の用語は、同義であるとともに、通常の意味合いで使用されており、また、包括的にかつ非限定的な様式で使用されており、さらに、追加的な、要素、特徴、行為、操作、および同種のものを排除するものではない。また、「または」という用語は、包括的な意味合いで使用される(排他的な意味合いではなく)ため、例えば、要素のリストを接続するために使用された時には、「または」という用語は、リスト内の要素の、一つ、いくつか、またはすべてを意味する。「X、Y、およびZの少なくとも一つ」という表現などの接続詞的文言は、具体的に別段の記載がない限り、項目、用語、要素、等がX、Y、Zのいずれかであり得ることを伝えるために一般的に使用されるものとして、文脈とともに理解される。よって、そのような接続詞的文言は、特定の例における、少なくとも一つのXと少なくとも一つのYと少なくとも一つのZとの各存在の必要性を意味することを、一般的に意図したものではない。
【0143】
例に関する上記の説明では、本開示を合理化して、様々な発明的態様の一つまたは複数に関する理解を補助する目的で、様々な特徴が、時に、単一の例、図、またはその説明において一緒にグループ化されていることは、理解されよう。しかしながら、この開示方法は、いかなる請求項も、その請求項に明示的に記載されている特徴よりも多くの特徴を必要とするという意図を反映しているものとして、解釈されるべきではない。その上、本明細書における特定の例において図示および/または説明する任意の構成要素、特徴、またはステップは、任意の他の例に対して適用することができる、または、任意の他の例と共に使用することができる。さらに、構成要素、特徴、ステップ、構成要素群、特徴群、またはステップ群は、各例に関して、必要でも不可欠でもない。よって、本明細書で開示されて以下で特許請求される発明の範囲は、上述した特定の例によって限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲を公正に読むことによってのみ決定されるべきであることが、意図されている。
【0144】
特定の順序的な用語(例えば、「第一」または「第二」)が、参照を容易とするために提供され得るものであって、必ずしも物理的特性または順序を意味するものではないことは、理解されよう。したがって、本明細書で使用した際には、構造、構成要素、操作、等の要素を改変するために使用される順序的な用語(例えば、「第一」、「第二」、「第三」、等)は、任意の他の要素に対する当該要素の優先順位または順序を必ずしも示すものではなく、むしろ、当該要素を、同様のまたは同一の名称を有した他の要素(順序的な用語の使用を除いて)から、一般的に区別することができる。加えて、本明細書で使用した際には、不定冠詞(「a」および「an」)は、「一つの」ではなく、「一つまたは複数の」を示す場合がある。さらに、条件または事象に「基づいて」実行される操作は、また、明示的に記載されていない一つもしくは複数の他の条件または事象に基づいて実行され得る。
【0145】
別段に定義しない限り、本明細書で使用しているすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、例示的な例が属している技術分野における当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有している。一般的に使用される辞書に定義されている用語などの用語が、関連技術の文脈における意味に一致した意味を有するものとして解釈されるべきであること、また、本明細書で明示的にそのように定義されていない限り、理想化された意味合いまたは過度に形式的な意味合いで解釈されるべきではないことは、さらに理解されよう。
【0146】
「外側」、「内側」、「上側」、「下側」、「下方」、「上方」、「垂直」、「水平」といった空間的に相対的な用語および同様の用語は、図面に図示されているように、一つの要素または構成要素と、別の要素または構成要素と、の間の関係を説明するために、説明を容易にするよう、本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語が、図面に図示された向きに加えて、使用時または操作時におけるデバイスの異なる向きを包含することが意図されていることは、理解されよう。例えば、図面に示されたデバイスが裏返された場合には、別のデバイスの「下方」または「直下」に位置決めされたデバイスは、他のデバイスの「上方」に配置され得る。したがって、「下方」という例示的な用語は、下方位置と上方位置との両方を含み得る。デバイスは、また、他の方向にも配向され得るものであり、よって、空間的に相対的な用語は、向きに応じて異なる解釈がなされ得る。
【0147】
別段に明示的に記載しない限り、「より少ない」、「より多い」、「より大きい」、および同種のもの、などの、比較に関する用語的および/または量的な用語は、同等の概念を包含することが意図されている。例えば、「より少ない」は、厳密に数学的な意味合いでの「より少ない」を意味し得るだけでなく、「より少ないまたは同等である」ことを意味することもできる。
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【国際調査報告】