(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】アプレミラストの製剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4035 20060101AFI20240517BHJP
A61K 9/24 20060101ALI20240517BHJP
A61K 9/28 20060101ALI20240517BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20240517BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240517BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20240517BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20240517BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20240517BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20240517BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240517BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20240517BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20240517BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20240517BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240517BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
A61K31/4035
A61K9/24
A61K9/28
A61K47/38
A61K47/10
A61K47/26
A61K47/02
A61K47/12
A61K47/04
A61P43/00 111
A61P17/06
A61P19/02
A61P1/00
A61P17/00
A61P1/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572124
(86)(22)【出願日】2022-05-27
(85)【翻訳文提出日】2024-01-22
(86)【国際出願番号】 US2022031325
(87)【国際公開番号】W WO2022251620
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500203709
【氏名又は名称】アムジェン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100107386
【氏名又は名称】泉谷 玲子
(72)【発明者】
【氏名】ベネット,ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】カルドウェル,ウィリアム・ブレット
(72)【発明者】
【氏名】ホステトラー,クリスティ
(72)【発明者】
【氏名】イングラム,カズデン
(72)【発明者】
【氏名】キング,ドーリー
(72)【発明者】
【氏名】キーバス,カイル
(72)【発明者】
【氏名】ビレス,アリソン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA40
4C076AA44
4C076AA94
4C076BB01
4C076CC09
4C076CC16
4C076CC18
4C076CC20
4C076CC29
4C076DD23
4C076DD29
4C076DD29U
4C076DD38
4C076DD41C
4C076EE23
4C076EE23H
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4C076EE32H
4C076EE33
4C076EE33H
4C076FF21
4C076FF31
4C076GG09
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC11
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA35
4C086MA52
4C086NA12
4C086ZA66
4C086ZA68
4C086ZA89
4C086ZA96
4C086ZC20
(57)【要約】
a)(i)非晶質固体分散体中にアプレミラスト及びヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)を含む薬物層;及び(ii)1つ又は複数の膨潤性ポリマーを含む膨潤性層を含む、コア錠剤と、b)コア錠剤上に配置されたコーティング層と、を含む経口剤形であって、経口剤形表面が少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む、経口剤形が本明細書で提供される。開示される経口剤形は、アプレミラストの1日1回投与を提供し、ホスホジエステラーゼサブタイプIV(PDE4)を阻害することによって改善される疾患又は障害を治療するのに適している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
c.
(i)非晶質固体分散体中にアプレミラスト及びヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)を含む薬物層;及び
(ii)1つ又は複数の膨潤性ポリマーを含む膨潤性層
を含む、コア錠剤と、
d.前記コア錠剤上に配置されたコーティング層と、
を含む、経口剤形であって、
前記経口剤形表面が少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む、経口剤形。
【請求項2】
前記アプレミラストが、前記コア錠剤の6~15重量%の量で存在する、請求項1に記載の経口剤形。
【請求項3】
前記固体分散体が噴霧乾燥される、請求項1又は2に記載の経口剤形。
【請求項4】
前記HPMCASが、前記コア錠剤の6~15重量%の量で存在する、請求項1~3のいずれか一項に記載の経口剤形。
【請求項5】
アプレミラスト及びHPMCASが、前記コア錠剤中に45:55~55:45の重量比で存在する、請求項1~4のいずれか一項に記載の経口剤形。
【請求項6】
アプレミラスト及びHPMCASが、48:52~52:48の重量比で存在する、請求項5に記載の経口剤形。
【請求項7】
アプレミラスト及びHPMCASが、50:50の重量比で存在する、請求項5に記載の経口剤形。
【請求項8】
前記薬物層が、水溶性ポリマー、希釈剤、浸透圧剤、及び潤滑剤の1つ又は複数を更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の経口剤形。
【請求項9】
前記水溶性ポリマーが、前記コア錠剤の30~55重量%の量で存在する、請求項8に記載の経口剤形。
【請求項10】
前記水溶性ポリマーがポリエチレンオキシドを含む、請求項8又は9に記載の経口剤形。
【請求項11】
前記ポリエチレンオキシドが、200,000~600,000Daの平均分子量を有する、請求項10に記載の経口剤形。
【請求項12】
前記薬物層が、200,000Daの平均分子量を有するポリエチレンオキシドを含む、請求項11に記載の経口剤形。
【請求項13】
前記薬物層が、300,000Daの平均分子量を有するポリエチレンオキシドを含む、請求項11に記載の経口剤形。
【請求項14】
前記薬物層が、600,000Daの平均分子量を有するポリエチレンオキシドを含む、請求項11に記載の経口剤形。
【請求項15】
前記水溶性ポリマー及びアプレミラストが、前記薬物層中に2~6:1の重量比で存在する、請求項8~14のいずれか一項に記載の経口剤形。
【請求項16】
前記希釈剤がマンニトールを含む、請求項8~15のいずれか一項に記載の経口剤形。
【請求項17】
前記希釈剤が、前記コア錠剤の2~7重量%の量で存在する、請求項8~16のいずれか一項に記載の経口剤形。
【請求項18】
前記薬物層が、顆粒内希釈剤及び顆粒外希釈剤を含む、請求項8~17のいずれか一項に記載の経口剤形。
【請求項19】
前記浸透圧剤が、前記コア錠剤の3~8重量%の量で前記薬物層中に存在する、請求項8~18のいずれか一項に記載の経口剤形。
【請求項20】
前記薬物層中の前記浸透圧剤が塩化ナトリウムを含む、請求項8~19のいずれか一項に記載の経口剤形。
【請求項21】
前記潤滑剤がステアリン酸マグネシウムを含む、請求項8~20のいずれか一項に記載の経口剤形。
【請求項22】
前記薬物層の前記潤滑剤が、前記コア錠剤の0.05~0.5重量%の量で存在する、請求項8~21のいずれか一項に記載の経口剤形。
【請求項23】
前記薬物層が、顆粒外流動促進剤、顆粒外潤滑剤、又はその両方を更に含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の経口剤形。
【請求項24】
前記顆粒外流動促進剤が二酸化ケイ素を含む、請求項23に記載の経口剤形。
【請求項25】
前記顆粒外潤滑剤がステアリン酸マグネシウムを含む、請求項23又は24に記載の経口剤形。
【請求項26】
前記薬物層及び膨潤性層が、前記コア錠剤中に2:1の重量比で存在する、請求項1~25のいずれか一項に記載の経口剤形。
【請求項27】
前記膨潤性ポリマーがポリエチレンオキシドを含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の経口剤形。
【請求項28】
前記ポリエチレンオキシドが5,000,000Daの平均分子量を有する、請求項27に記載の経口剤形。
【請求項29】
前記膨潤性層が、浸透圧剤、希釈剤、潤滑剤、及び着色剤の1つ又は複数を更に含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の経口剤形。
【請求項30】
前記膨潤性層の前記浸透圧剤が塩化ナトリウムを含む、請求項29に記載の経口剤形。
【請求項31】
前記膨潤性層中の前記浸透圧剤が、前記コア錠剤の2.5~3.5重量%の量で存在する、請求項29又は30に記載の経口剤形。
【請求項32】
前記膨潤性層の前記希釈剤が微結晶性セルロースを含む、請求項29~31のいずれか一項に記載の経口剤形。
【請求項33】
前記膨潤性層中の前記希釈剤が、前記コア錠剤の7~10重量%の量で存在する、請求項29~32のいずれか一項に記載の経口剤形。
【請求項34】
前記膨潤性層の前記潤滑剤がステアリン酸マグネシウムを含む、請求項29~33のいずれか一項に記載の経口剤形。
【請求項35】
前記膨潤性層の前記潤滑剤が、前記コア錠剤の0.05~0.5重量%の量で存在する、請求項29~34のいずれか一項に記載の経口剤形。
【請求項36】
前記着色剤が酸化鉄(III)を含む、請求項29~35のいずれか一項に記載の経口剤形。
【請求項37】
前記着色剤が、前記コア錠剤の0.05~0.5重量%の量で存在する、請求項29~36のいずれか一項に記載の経口剤形。
【請求項38】
前記コーティングが、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含む、請求項1~37のいずれか一項に記載の経口剤形。
【請求項39】
前記酢酸セルロース及びポリエチレングリコールが、前記コーティング中に3.5~4.5:1の重量比で存在する、請求項38に記載の経口剤形。
【請求項40】
前記コーティングが、前記経口剤形の総重量の6.5~8.5重量%を構成する、請求項1~39のいずれか一項に記載の経口剤形。
【請求項41】
前記コーティングが、前記経口剤形の総重量の7.5重量%を構成する、請求項40に記載の経口剤形。
【請求項42】
前記コア錠剤と前記コーティング層との間にサブコート層を更に含む、請求項1~41のいずれか一項に記載の経口剤形。
【請求項43】
前記サブコート層がヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む、請求項42に記載の経口剤形。
【請求項44】
前記サブコート層が、前記経口剤形の2~4重量%の量で存在する、請求項42又は43に記載の経口剤形。
【請求項45】
前記サブコート層が、前記経口剤形の2.3重量%の量で存在する、請求項44に記載の経口剤形。
【請求項46】
前記サブコート層が、前記経口剤形の3.4重量%の量で存在する、請求項44に記載の経口剤形。
【請求項47】
前記薬物層が、顆粒内部分及び顆粒外部分を含む、請求項1~46のいずれか一項に記載の経口剤形。
【請求項48】
前記顆粒外部分が、潤滑剤及び流動促進剤を含む、請求項47に記載の経口剤形。
【請求項49】
前記顆粒外部分が希釈剤を更に含む、請求項48に記載の経口剤形。
【請求項50】
前記潤滑剤がステアリン酸マグネシウムを含み、前記流動促進剤が二酸化ケイ素を含み、前記希釈剤がマンニトールを含む、請求項49に記載の経口剤形。
【請求項51】
前記顆粒内部分が、アプレミラスト、HPMCAS、ポリエチレンオキシド及びマンニトール、並びに顆粒内潤滑剤を含む、請求項47~50のいずれか一項に記載の経口剤形。
【請求項52】
前記顆粒内潤滑剤がステアリン酸マグネシウムを含む、請求項51に記載の経口剤形。
【請求項53】
前記マンニトールが、前記顆粒内部分及び前記顆粒外部分の両方に存在する、請求項49~52のいずれか一項に記載の経口剤形。
【請求項54】
存在する総マンニトールの55~57%が前記顆粒内部分にあり、存在する総マンニトールの43~45%が前記顆粒外部分にあることを含む、請求項53に記載の経口剤形。
【請求項55】
前記膨潤性層が潤滑剤を更に含む、請求項47~54のいずれか一項に記載の経口剤形。
【請求項56】
前記膨潤性層の前記潤滑剤がステアリン酸マグネシウムを含む、請求項55に記載の経口剤形。
【請求項57】
前記薬物層顆粒内部分が塩化ナトリウムを含む、請求項47~56のいずれか一項に記載の経口剤形。
【請求項58】
前記経口剤形の3~5重量%の量のカラーコート層を更に含む、請求項47~57のいずれか一項に記載の経口剤形。
【請求項59】
前記カラーコート層が、前記経口剤形の3.4重量%の量で存在する、請求項58に記載の経口剤形。
【請求項60】
a.
(i)コア錠剤の総重量に基づいて8~11重量%のアプレミラスト、コア錠剤の総重量に基づいて8~11重量%のヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、コア錠剤の総重量に基づいて2~7重量%のマンニトール、コア錠剤の総重量に基づいて200,000Daの分子量を有する40~45重量%のポリエチレンオキシド、コア錠剤の総重量に基づいて0.1~0.5重量%のステアリン酸マグネシウム、及びコア錠剤の総重量に基づいて0.1~0.5重量%のコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、前記アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層;
(ii)コア錠剤の総重量に基づいて5,000,000Daの分子量を有する18~25重量%のポリエチレンオキシド、コア錠剤の総重量に基づいて7~10重量%の微結晶性セルロース、コア錠剤の総重量に基づいて1.5~3.5重量の塩化ナトリウム、コア錠剤の総重量に基づいて0.01~0.2重量%の酸化鉄、及びコア錠剤の総重量に基づいて0.05~0.3重量%のステアリン酸マグネシウムを含む、膨潤性層
を含む、コア錠剤と、
b.前記コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、
を含む、経口剤形であって、前記経口剤形表面が少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む、経口剤形。
【請求項61】
a.
(i)75mgのアプレミラスト、75mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、22.1mgのマンニトール、分子量200,000Daの314.8mgのポリエチレンオキシド、2.4mgのステアリン酸マグネシウム、及び2.5mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、前記アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層;
(ii)分子量5,000,000Daの159.6mgのポリエチレンオキシド、63.4mgの微結晶性セルロース、21.1mgの塩化ナトリウム、0.5mgの酸化鉄及び1.2mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層
を含む、コア錠剤と、
b.前記コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、
を含む、経口剤形であって、前記経口剤形表面が少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む、請求項60に記載の経口剤形。
【請求項62】
a.
(i)55mgのアプレミラスト、55mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、16.2mgのマンニトール、分子量200,000Daの230.9mgのポリエチレンオキシド、1.7mgのステアリン酸マグネシウム、及び1.8mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、前記アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層;
(ii)分子量5,000,000Daの117mgのポリエチレンオキシド、46.5mgの微結晶性セルロース、15.5mgの塩化ナトリウム、0.4mgの酸化鉄及び0.9mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層
を含む、コア錠剤と、
b.前記コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、
を含む、経口剤形であって、前記経口剤形表面が少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む、請求項60に記載の経口剤形。
【請求項63】
a.
(i)27.5mgのアプレミラスト、27.5mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、8.1mgのマンニトール、分子量200,000Daの115.6mgのポリエチレンオキシド、1.0mgのステアリン酸マグネシウム、及び0.9mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、前記アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層;
(ii)分子量5,000,000Daの58.6mgのポリエチレンオキシド、23.3mgの微結晶性セルロース、7.8mgの塩化ナトリウム、0.2mgの酸化鉄及び0.5mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層
を含む、コア錠剤と、
b.前記コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、
を含む、経口剤形であって、前記経口剤形表面が少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む、請求項60に記載の経口剤形。
【請求項64】
a.
(i)コア錠剤の総重量に基づいて9~15重量%のアプレミラスト、コア錠剤の総重量に基づいて10~15重量%のヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、コア錠剤の総重量に基づいて0~27重量%のマンニトール、コア錠剤の総重量に基づいて30~40重量%の分子量が200,000~300,000Daのポリエチレンオキシド又はそれらの混合物、コア錠剤の総重量に基づいて2~8重量%の塩化ナトリウム、コア錠剤の総重量に基づいて0.1~0.5重量%のステアリン酸マグネシウム、及びコア錠剤の総重量に基づいて0.1~0.5重量%のコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、前記アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層;
(ii)コア錠剤の総重量に基づいて5,000,000Daの分子量を有する15~25重量%のポリエチレンオキシド、コア錠剤の総重量に基づいて5~10.0重量%の微結晶性セルロース、コア錠剤の総重量に基づいて2~4重量%の塩化ナトリウム、コア錠剤の総重量に基づいて0.01~0.1重量%の酸化鉄、及びコア錠剤の総重量に基づいて0.05~0.3重量%のステアリン酸マグネシウムを含む、膨潤性層
を含む、コア錠剤と、
b.前記コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、
を含む、経口剤形であって、前記経口剤形表面が少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む、経口剤形。
【請求項65】
a.
(i)100mgのアプレミラスト、100mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、301.4mgの分子量が200,000~300,000Daのポリエチレンオキシド又はそれらの混合物、26.7mgの塩化ナトリウム、2.6mgのステアリン酸マグネシウム、及び2.7mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、前記アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層;
(ii)分子量5,000,000Daの173.1mgのポリエチレンオキシド、68.8mgの微結晶性セルロース、22.9mgの塩化ナトリウム、0.5mgの酸化鉄及び1.3mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層
を含む、コア錠剤と、
b.前記コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、
を含む、経口剤形であって、前記経口剤形表面が少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む、請求項64に記載の経口剤形。
【請求項66】
a.
(i)100mgのアプレミラスト、100mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、274.6mgの分子量300,000Daのポリエチレンオキシド、53.3mgの塩化ナトリウム、2.6mgのステアリン酸マグネシウム、及び2.7mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、前記アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層;
(ii)分子量5,000,000Daの173.1mgのポリエチレンオキシド、68.8mgの微結晶性セルロース、22.9mgの塩化ナトリウム、0.5mgの酸化鉄及び1.3mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層
を含む、コア錠剤と、
b.前記コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、
を含む、経口剤形であって、前記経口剤形表面が少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む、請求項64に記載の経口剤形。
【請求項67】
a.
(i)75mgのアプレミラスト、75mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、226.0mgの分子量が200,000~300,000Daのポリエチレンオキシド又はそれらの混合物、20.0mgの塩化ナトリウム、2.0mgのステアリン酸マグネシウム、及び2.0mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、前記アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層;
(ii)分子量5,000,000Daの129.8mgのポリエチレンオキシド、51.6mgの微結晶性セルロース、17.2mgの塩化ナトリウム、0.4mgの酸化鉄及び1.0mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層
を含む、コア錠剤と、
b.前記コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、
を含む、経口剤形であって、前記経口剤形表面が少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む、請求項64に記載の経口剤形。
【請求項68】
a.
(i)75mgのアプレミラスト、75mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、206.0mgの分子量300,000Daのポリエチレンオキシド、40.0mgの塩化ナトリウム、2.0mgのステアリン酸マグネシウム、及び2.0mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、前記アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層;
(ii)分子量5,000,000Daの129.8mgのポリエチレンオキシド、51.6mgの微結晶性セルロース、17.2mgの塩化ナトリウム、0.4mgの酸化鉄及び1.0mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層
を含む、コア錠剤と、
b.前記コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、
を含む、経口剤形であって、前記経口剤形表面が少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む、請求項64に記載の経口剤形。
【請求項69】
a.
(i)55mgのアプレミラスト、55mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、165.7mgの分子量が200,000~300,000Daのポリエチレンオキシド又はそれらの混合物、14.7mgの塩化ナトリウム、1.4mgのステアリン酸マグネシウム、及び1.5mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、前記アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層;
(ii)分子量5,000,000Daの95.2mgのポリエチレンオキシド、37.8mgの微結晶性セルロース、12.6mgの塩化ナトリウム、0.3mgの酸化鉄及び0.7mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層
を含む、コア錠剤と、
b.前記コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、
を含む、経口剤形であって、前記経口剤形表面が少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む、請求項64に記載の経口剤形。
【請求項70】
a.
(i)55mgのアプレミラスト、55mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、151.1mgの分子量300,000Daのポリエチレンオキシド、29.3mgの塩化ナトリウム、1.4mgのステアリン酸マグネシウム、及び1.5mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、前記アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層;
(ii)分子量5,000,000Daの95.2mgのポリエチレンオキシド、37.8mgの微結晶性セルロース、12.6mgの塩化ナトリウム、0.3mgの酸化鉄及び0.7mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層
を含む、コア錠剤と、
b.前記コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、
を含む、経口剤形であって、前記経口剤形表面が少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む、請求項64に記載の経口剤形。
【請求項71】
a.
(i)27.5mgのアプレミラスト、27.5mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、82.9mgの分子量が200,000~300,000Daのポリエチレンオキシド又はそれらの混合物、7.3mgの塩化ナトリウム、0.8mgのステアリン酸マグネシウム、及び0.7mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、前記アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層;
(ii)分子量5,000,000Daの47.6mgのポリエチレンオキシド、18.9mgの微結晶性セルロース、6.3mgの塩化ナトリウム、0.1mgの酸化鉄及び0.4mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層
を含む、コア錠剤と、
b.前記コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、
を含む、経口剤形であって、前記経口剤形表面が少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む、請求項64に記載の経口剤形。
【請求項72】
a.
(i)27.5mgのアプレミラスト、27.5mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、75.5mgの分子量300,000Daのポリエチレンオキシド、14.7mgの塩化ナトリウム、0.4mgのステアリン酸マグネシウム、及び0.7mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、前記アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層;
(ii)分子量5,000,000Daの47.6mgのポリエチレンオキシド、18.9mgの微結晶性セルロース、6.3mgの塩化ナトリウム、0.1mgの酸化鉄及び0.4mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層
を含む、コア錠剤と、
b.前記コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、
を含む、経口剤形であって、前記経口剤形表面が少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む、請求項64に記載の経口剤形。
【請求項73】
PDE4を阻害することによって改善される疾患又は障害に罹患している患者を治療する方法であって、前記患者に請求項1~72のいずれか一項に記載の経口剤形を摂食条件下で1日1回投与することを含む、方法。
【請求項74】
前記疾患又は障害が、乾癬、乾癬性関節炎、又はベーチェット病である、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記疾患又は障害が、大腸炎、炎症性腸疾患、又は化膿性汗腺炎である、請求項73に記載の方法。
【請求項76】
前記疾患又は障害が大腸炎である、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記大腸炎が潰瘍性大腸炎である、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記疾患又は障害が炎症性腸疾患である、請求項75に記載の方法。
【請求項79】
前記疾患又は障害が化膿性汗腺炎である、請求項75に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
アプレミラストは、ホスホジエステラーゼサブタイプIV(「PDE4」)阻害剤であり、炎症に関連する様々な疾患の治療のために世界的に承認されている。例えば、米国では、アプレミラストは、光線療法又はシステム療法の候補である中等度~重度の尋常性乾癬を有する成人患者の治療、活動性乾癬性関節炎を有する成人患者の治療、及びベーチェット病に関連する口腔潰瘍を有する成人患者の治療のために承認されている。アプレミラストは最初のものであり、依然として、これらの炎症性疾患の治療のために承認された、経口投与される唯一のPDE4阻害剤である。活動性PsA及び乾癬を有する成人患者に推奨される投与量は、初期治療に関連する胃腸(GI)症状を軽減することを意図した5日間の滴定後、経口で1日2回(BID)30mgである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
薬物を開発する目標は、臨床的又は治療的に関連する対象の体内の一定量又は濃度の薬物を維持することを可能にする剤形を提供することである。場合によっては、これは、これらの錠剤がその中に含まれる活性成分を一度に放出するので、従来の急速崩壊錠剤によって達成されないことがある。
【0003】
上記を考慮して、臨床的に望ましい薬物曝露を提供するアプレミラストの経口剤形が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、(i)非晶質固体分散体中にアプレミラスト及びヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)を含む薬物層;及び(ii)1つ又は複数の膨潤性ポリマーを含む膨潤性層を含む、コア錠剤と、コア錠剤上に配置されたコーティング層と、を含む経口剤形を提供し、経口剤形表面は、少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む。
【0005】
本開示は更に、(i)コア錠剤の総重量に基づいて8~11重量%のアプレミラスト、コア錠剤の総重量に基づいて8~11重量%のヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、コア錠剤の総重量に基づいて2~7重量%のマンニトール、コア錠剤の総重量に基づいて40~45重量%のポリエチレンオキシド、コア錠剤の総重量に基づいて0.1~0.5重量%のステアリン酸マグネシウム、及びコア錠剤の総重量に基づいて0.1~0.5重量%のコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体にある、薬物層、(ii)コア錠剤の総重量に基づいて18~25重量%のポリエチレンオキシド、コア錠剤の総重量に基づいて7~10重量%の微結晶性セルロース、コア錠剤の総重量に基づいて1.5~3.5重量%の塩化ナトリウム、コア錠剤の総重量に基づいて0.01~0.2重量%の酸化鉄、及びコア錠剤の総重量に基づいて0.05~0.3重量%のステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層を含む、コア錠剤と、コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、を含む、経口剤形を提供し、経口剤形表面は、少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む。
【0006】
本開示はまた、(i)コア錠剤の総重量に基づいて10~15重量%のアプレミラスト、コア錠剤の総重量に基づいて10~15重量%のヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、コア錠剤の総重量に基づいて30~40重量%のポリエチレンオキシド、コア錠剤の総重量に基づいて2~8重量%の塩化ナトリウム、コア錠剤の総重量に基づいて0.1~0.5重量%のステアリン酸マグネシウム、及びコア錠剤の総重量に基づいて0.1~0.5重量%のコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体にある、薬物層、(ii)コア錠剤の総重量に基づいて18~25重量%のポリエチレンオキシド、コア錠剤の総重量に基づいて7.5~10.0重量%の微結晶性セルロース、コア錠剤の総重量に基づいて2~4重量%の塩化ナトリウム、コア錠剤の総重量に基づいて0.01~0.1重量%の酸化鉄、及びコア錠剤の総重量に基づいて0.05~0.3重量%のステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層を含む、コア錠剤と、コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、を含む、経口剤形を提供し、経口剤形表面は、少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】錠剤6~10の溶解プロファイルを示す図である。
【
図2】錠剤1~5の溶解プロファイルを示す図である。
【
図3】コーティングされていない、又はCA若しくはPEGコーティングを有する錠剤コア5の溶解プロファイルを示す図である。
【
図4】錠剤10~12の溶解プロファイルを示す図である。
【
図5】平均(±SD)アプレミラスト血漿濃度-時間プロファイルを示す図である。
【
図6】24時間にわたる75mg錠剤21の1日1回のアプレミラスト血漿中濃度(白丸)を、30mg即時放出製剤を1日2回(黒丸)及び75mg胃運動薬(GR)錠剤を1日1回(黒菱形)と比較して示す図である。
【
図7】5日間にわたる75mg錠剤21の1日1回のアプレミラスト血漿中濃度(白丸)を、30mg即時放出製剤を1日2回(黒丸)及び75mg胃運動薬(GR)錠剤を1日1回(黒菱形)と比較して示す図である。
【
図8】コア錠剤組成物7-1~7-6の溶解を示す図である。
【
図9】コア錠剤組成物7-7~7-12の溶解を示す図である。
【
図10A】様々な貯蔵条件後のコア錠剤組成物7~8の溶解の減少を示す図である。
【
図10B】様々な貯蔵条件後のコア錠剤組成物7~8の結晶化度の増加を示す図である。
【
図11A】様々な貯蔵条件後のコア錠剤組成物7~12の溶解を示す図である。
【
図11B】様々な貯蔵条件後のコア錠剤組成物7-8及び7-12における結晶化度の比較を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書では、アプレミラストの1日1回(QD)投与を提供するのに適した経口剤形が提供される。いくつかの実施形態では、開示される経口剤形は、摂食条件下で投与される。
【0009】
本明細書に開示される経口剤形は、コア錠剤、コア錠剤上に配置されたコーティング層、及び少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む。いくつかの実施形態では、経口剤形は、コア錠剤とコーティング層との間にサブコート層を更に含む。
【0010】
コア錠剤
開示された経口剤形のコア錠剤は、i)非晶質固体分散体中にアプレミラスト及びヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)を含む薬物層と、ii)1つ又は複数の膨潤性ポリマーを含む膨潤性層とを含む。
【0011】
薬物層
薬物層は、適切な量のアプレミラストを含む。望ましくは、薬物層は、アプレミラストの1日1回の送達/投与を提供するのに適した量のアプレミラストを含有する。経口剤形があまりにも少量のアプレミラストを含む場合、剤形は臨床的に適切な量のアプレミラストを送達せず、QDを投与した場合に有効ではない。逆に、経口剤形があまりにも多くのアプレミラストを含む場合、剤形はアプレミラストの使用において非効率的であり、過度に高価である。更に、アプレミラストが多すぎる又は少なすぎる場合、剤形の生物学的同等性並びに/或いは剤形からのアプレミラストの流動及び放出は、負の影響を受け得る。いくつかの実施形態では、アプレミラストは、コア錠剤の6~15重量%の量で存在する。企図される量のアプレミラストのいくつかの例としては、限定されないが、コア錠剤の、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12.0、12.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13.0、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、14.0、14.1、14.2、14.3、14.4、14.5、14.6、14.7、14.8、14.9、15.0、15.1、15.2、15.3、15.4、15.5、15.6、15.7、15.8、15.9、及び16.0重量%が挙げられる。いくつかの実施形態では、アプレミラストは、コア錠剤の8~11重量%の量で存在する。様々な実施形態では、アプレミラストは、コア錠剤の9.6重量%、コア錠剤の10.2重量%又はコア錠剤の12.5重量%の量で存在する。
【0012】
いくつかの実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と組み合わせて、経口剤形は、総量25~100mgのアプレミラスト(例えば、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100mgのアプレミラスト)を含む。いくつかの実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と組み合わせて、経口剤形は、25~30mgのアプレミラスト又は50~100mgのアプレミラスト(例えば、50~60mg又は65~85mgのアプレミラスト)を含む。様々な実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と組み合わせて、経口剤形は、70、75又は80mgのアプレミラストを含む。いくつかの実施形態では、経口剤形は、27.5mgのアプレミラスト、55mgのアプレミラスト、75mgのアプレミラスト、又は100mgのアプレミラストを含む。
【0013】
アプレミラストに加えて、薬物層はHPMCASも含む。本明細書で使用される場合、HPMCASは、(1)2種類のエーテル置換基、メチル及び/又は2-ヒドロキシプロピル並びに(2)2種類のエステル置換基、アセチル及び/又はスクシニルを有し得るセルロース誘導体のファミリーを指す。HPMCASは、化学名O-(2-ヒドロキシプロピル)-O-メチルセルロースアセテートスクシネートとしても知られている。今述べた4つの一般的な種類のそれぞれの置換度は、ポリマーの化学的及び物理的特性に影響を及ぼすために広範囲にわたって変化させることができる。HPMCASのこの汎用性により、その構造を最適化して、目的の特定の薬物で良好な性能を得ることが可能になる。HPMCASは、合成又は商業的に購入することができる。市販のHPMCASとしては、Shin-EtsuAQOAT(登録商標)-LF、Shin-EtsuAQOAT(登録商標)-MF、及びShin-EtsuAQOAT(登録商標)-HFの3つが挙げられる。これらのポリマーの3つ全ては、信越化学工業株式会社(東京、日本)によって製造される。いくつかの実施形態では、HPMCASはLグレード(例えば、HPMCAS-LF又はHPMCAS-LG又はHPMCAS-LMP)であり、L、M、及びHグレードのHPMCASはアセチル及びスクシノイル含有量が異なることが理解される。L、M及びHグレードはまた、ポリマーが溶解するpH(L=低pH≧5.5、M=中pH≧6.0、及びH=高pH≧6.5)を指す。LF、LG及びLMPグレードは、異なる平均粒径(Fは凝集性微粉末-5μmであり、MPは中程度の粒径-200μmであり、Gは自由流動性顆粒-1000μmである)を指す。
【0014】
HPMCASは、任意の適切な分子量を有する。いくつかの実施形態では、HPMCASの平均重量平均分子量範囲は、10,000~100万ダルトン(例えば、ポリエチレンオキシド標準を使用して決定される場合、10,000~400,000ダルトン又は55,000~115,000ダルトン)である。分子量は、本明細書ではダルトン(Da)又はg/molとして示すことができ、これらは全体を通して互換的に使用されることに留意されたい。分子量範囲はまた、置換度(例えば、存在するアセチル基及び/又はスクシニル基の量)に基づいて変化し得る。例えば、様々な実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と併せて、HPMCASの平均重量平均分子量は、約15,000~20,000ダルトン、例えば、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、又は20,000ダルトンである。いくつかの実施形態では、HPMCASの平均重量平均分子量は、17,700、17,900、18,800、18,900、20,400、又は21,200ダルトンである。いくつかの実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と共に、数平均分子量は約13,000ダルトンである。
【0015】
薬物層は、適切な量のHPMCASを含む。薬物層が少なすぎる又は多すぎるHPMCASを含む場合、非晶質固体分散体は所望の放出特性を有さない可能性がある。いくつかの実施形態では、HPMCASはコア錠剤の6~15重量%(例えば、コア錠剤の6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12.0、12.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13.0、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、14.0、14.1、14.2、14.3、14.4、14.5、14.6、14.7、14.8、14.9又は15.0重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態では、HPMCASはコア錠剤の8~11重量%の量で存在する。様々な実施形態では、HPMCASは、コア錠剤の9.6重量%、コア錠剤の10.2重量%又はコア錠剤の12.5重量%の量で存在する。
【0016】
いくつかの実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と組み合わせて、経口剤形は、総量25~100mgのHPMCAS(例えば、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100mgのHPMCAS)を含む。いくつかの実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と共に、経口剤形は65~85mgのHPMCASを含む。様々な実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と組み合わせて、経口剤形は、25~30mgのHPMCAS又は50~100mgのHPMCAS(例えば、50~60mg又は65~85mgのHPMCAS)を含む。様々な実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と組み合わせて、経口剤形は、70、75又は80mgのHPMCASを含む。いくつかの実施形態では、経口剤形は、27.5mgのHPMCAS、55mgのHPMCAS、75mgのHPMCAS、又は100mgのHPMCASを含む。
【0017】
様々な実施形態では、アプレミラスト及びHPMCASは、コア錠剤中に40:60~60:40の重量比で存在する。例えば、いくつかの実施形態では、コア錠剤中のアプレミラスト:HPMCAS重量比は、40:60、41:59、42:58、43:57、44:56、45:55、46:56、47:53、48:52、49:51、50:50、51:49、52:48、53:47、54:46、55:45、56:44、57:43、58:42、59:41、又は60:40である。いくつかの実施形態では、アプレミラスト及びHPMCASは、コア錠剤中に45:55~55:45の重量比で存在する。様々な実施形態では、アプレミラスト及びHPMCASは、コア錠剤中に48:52~52:48の重量比で存在する。いくつかの実施形態では、アプレミラスト及びHPMCASは、コア錠剤中に50:50の重量比で存在する。
【0018】
非晶質固体分散体
アプレミラスト及びHPMCASは、コア錠剤中に非晶質固体分散体として存在する。いかなる特定の理論にも拘束されることを望むものではないが、非晶質固体分散体は、例えば、1)改善された薬物分散体、それによって固体状態での結晶化速度を防止又は遅延させること、2)改善されたインビボ溶解、それによって消化管での薬物の放出を可能にすること、及び3)水性溶解薬物の沈殿又は結晶化を阻害することに起因して、アプレミラストの改善されたバイオアベイラビリティを提供すると考えられる。少量(例えば、1.5重量%以下)の結晶性アプレミラストが固体分散体のより遅い溶解をもたらし得ることが見出されたので、アプレミラストは、本明細書に開示される組成物において非晶質を維持する必要がある。
【0019】
いくつかの実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と併せて、非晶質固体分散体を噴霧乾燥する。HPMCAS中のアプレミラストの噴霧乾燥固体分散体(SDD)は、予想外に良好な溶解度及び改善された製剤容易性を提供することが見出された。理解されるように、噴霧乾燥は、液体混合物を小さな液滴に分解し(霧化)、液滴から溶媒を蒸発させる強い駆動力がある容器内の混合物から溶媒を迅速に除去することを含むプロセスを指す。溶媒蒸発のための強い駆動力は、一般に、噴霧乾燥装置内の溶媒の分圧を乾燥液滴の温度における溶媒の蒸気圧より十分に低く維持することによって提供される。これは、(1)噴霧乾燥装置内の圧力を部分真空(例えば、0.01~0.50atm)に維持するか、(2)液滴を加温乾燥ガスと混合するか、又は(3)その両方によって達成される。例えば、アセトン中の薬物及びHPMCASの溶液は、出口を真空ポンプに接続することによって0.01~0.2atmの全圧に保持されたチャンバ内に50℃の温度(50℃でのアセトンの蒸気圧は約0.8atmである)で溶液を噴霧することによって適切に噴霧乾燥することができる。或いは、アセトン溶液は、80~180℃の温度及び1.0~1.2気圧の圧力で窒素又は他の不活性ガスと混合されるチャンバ内に噴霧することができる。
【0020】
一般に、乾燥ガスの温度及び流量は、HPMCAS/薬物溶液液滴が装置の壁に到達するまでに、それらが本質的に固体であるほど十分に乾燥するように選択され、その結果、それらは微粉末を形成し、装置の壁に付着しない。このレベルの乾燥を達成するための実際の時間の長さは、液滴のサイズに依存する。液滴サイズは、一般に、直径1μm~500μmの範囲であり、5μm~100μmがより典型的である。液滴の大きな表面対体積比及び溶媒の蒸発のための大きな駆動力は、数秒以下の実際の乾燥時間をもたらす。この迅速な乾燥は、薬物に富む相とポリマーに富む相とに分離する代わりに、均一で均質な組成を維持する粒子にとって重要である。均質な組成を有するそのような分散液は、固溶体と考えることができ、薬物中で過飽和であり得る。そのような均一分散液は、大量の薬物を投与した場合に得られる最大過飽和濃度(MSSC)値が、そのような分散液について、薬物の少なくとも一部が薬物に富む非晶質又は結晶相として存在する分散液と比較してより高くなり得るという点で好ましい。凝固時間は、20秒未満、好ましくは5秒未満、より好ましくは2秒未満であるべきである。一般に、薬物/ポリマー溶液のこの急速な固化を達成するために、噴霧乾燥プロセス中に形成される液滴のサイズは、直径100μm未満、好ましくは直径50μm未満、より好ましくは直径25μm未満であることが好ましい。このようにして形成された得られた固体粒子は、一般に直径100μm未満、好ましくは直径50μm未満、より好ましくは直径25μm未満である。
【0021】
固化後、固体粉末は噴霧乾燥チャンバ内に5~50秒間留まることができ、固体粉末から溶媒を更に蒸発させる。固体分散体が乾燥機を出るときの固体分散体の最終溶媒含有量は低くなければならず、これは、分散体中の薬物分子の移動度を低下させ、それによってその安定性を改善するためである。一般に、分散体の残留溶媒含有量は、10重量%未満、好ましくは2重量%未満であるべきである。
【0022】
次いで、分散液を後処理して、ローラー圧縮、流動床凝集又はスプレーコーティング等の当技術分野で公知の方法を使用して投与用に調製することができる。噴霧乾燥プロセス及び噴霧乾燥装置は、一般に、例えば、Chemical Engineershun Handbook,Sixth Edition(R.H.Perry,D.W.Green,J.O.Maloney,eds.)McGraw-Hill Book Co.1984,page 20-54 to 20-57に記載される。噴霧乾燥プロセス及び装置に関する更なる詳細は、Marshall(“Atomization and Spray-Drying,” Chem.Eng.Prog.Monogr.Series,50[1954]2)によって検討されている。
【0023】
いくつかの実施形態では、HPMCAS/アプレミラスト分散液を形成するために噴霧乾燥された溶液は、溶媒中にアプレミラスト及びHPMCASのみを含有する。いくつかの実施形態では、溶液中のアプレミラスト対HPMCASの比は、0.2~1.2対1~100又は0.4~1.2対1~20である。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥溶液中のアプレミラスト対HPMCASの比は1.2~0.8:1である。噴霧乾燥に適した溶媒は、アプレミラスト及びHPMCASが相互に可溶性である任意の有機化合物であり得る。また、溶媒は、沸点が150℃以下の揮発性であることが好ましい。いくつかの実施形態では、溶媒は、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、及びブタノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル及び酢酸プロピル等のエステル類;並びにアセトニトリル、塩化メチレン、トルエン、及び1,1,1-トリクロロエタン等の様々な他の溶媒を含む。ジメチルアセトアミド又はジメチルスルホキシド等の低揮発性溶媒も使用することができる。ポリマー及びHPMCASが噴霧乾燥プロセスを実用的にするのに十分に可溶性である限り、水との混合物と同様に、溶媒の混合物も使用することができる。いくつかの実施形態では、溶媒はアセトンを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥溶液及び得られた分散液はまた、本明細書に記載されるように、分散液の安定性、溶解、打錠又は加工を助ける様々な賦形剤/添加剤を含み得る。いくつかの実施形態では、そのような添加剤の例には、以下が含まれる。界面活性剤、pH制御物質(例えば、酸、塩基、緩衝剤)、希釈剤/充填剤、崩壊剤、潤滑剤、又は結合剤。そのような賦形剤/添加剤は、存在する場合、添加剤がスラリーとして溶液に溶解又は懸濁されるように、噴霧乾燥溶液に直接添加することができる。或いは、そのような添加剤は、最終剤形の形成を助けるために噴霧乾燥プロセスの後に添加することができる。
【0025】
水溶性ポリマー
いくつかの実施形態では、薬物層は水溶性ポリマーを含む。薬物層中の水溶性ポリマーは、存在する場合、任意の適切な水溶性ポリマーである。適切な水溶性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド、及びそれらの組み合わせが挙げられる。様々な実施形態では、水溶性ポリマーはポリエチレンオキシドである。
【0026】
薬物層中の水溶性ポリマーは、適切な分子量を有する。例えば、薬物層中の水溶性ポリマーがポリエチレンオキシド(PEO)である実施形態では、ポリエチレンオキシドは200,000Da以上の平均分子量を有する。いくつかの実施形態では、ポリエチレンオキシドは、200,000Da~300,000Da(例えば、200,000及び/又は300,000Da)及び/又は600,000Daの平均分子量を有する。いくつかの実施形態は、薬物層が2つ以上の平均分子量(例えば、ポリエチレンオキシドの混合物)を有するポリエチレンオキシドを含む改善された安定性を示すことが発見された。例えば、薬物層が200,000Da及び300,000Daの分子量のポリエチレンオキシドの混合物を含む実施形態では、いくつかの安定性試験(例えば、加速安定性試験)中に形成される結晶性アプレミラストの量は、ただ1つの低分子量ポリエチレンオキシド(例えば、200,000Daの分子量)を含む実施形態よりも少ない。場合によっては、ポリエチレンオキシドは、重量で1:1の200kDa PEO~300kDa PEOの混合物である。場合によっては、ポリエチレンオキシドは、重量で20:80の200kDa PEO~300kDa PEOの混合物である。いくつかの場合において、ポリエチレンオキシドは300kDaのPEOである。高分子量ポリエチレンオキシド(例えば、少なくとも300,000Daの分子量)を含み、更に浸透圧剤(例えば、塩化ナトリウム)を薬物層に含む特定の実施形態は、改善された溶解、ラグタイム(例えば、ラグタイムの短縮)及び安定性を提供し得る。
【0027】
薬物層に適した例示的なポリエチレンオキシドは、POLYOX(登録商標) WSR N80、POLYOX(登録商標) WSR N750、及びPOLYOX(登録商標) WSR 205を含む、Dupont(Midland,MI)から市販されているPEOのPOLYOX WSR系統である。POLYOX(登録商標)WSR N80(Dupont;Midland,MIから市販されている)は、以下の物性を有する。200,000DaのMW;65~115cPの粘度;0.8~3.0重量%の二酸化ケイ素含有量;10メッシュの粒径:100分;20メッシュの粒径:96~100分;POLYOX(登録商標)WSRN750(Dupont;Midland,MIから市販されている)は、以下の物性を有する。300,000DaのMW;粘度600~1,200cP;0.8~3.0重量%の二酸化ケイ素含有量;10メッシュの粒径:100分;20メッシュの粒径:96~100分;POLYOX(登録商標)WSR205(Dupont;Midland,MIから市販されている)は、以下の物性を有する。600,000DaのMW;粘度6800~8800cP;0.8~3.0重量%の二酸化ケイ素含有量。
【0028】
水溶性ポリマーは、適切な量で存在する。例えば、いくつかの実施形態では、水溶性ポリマーは、コア錠剤の30~55重量%(例えば、コア錠剤の30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、又は55重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態では、水溶性ポリマーは、コア錠剤の30~55、35~50、35~45、35~40、40~55、40~50、45~55又は45~50重量%の量で存在する。いくつかの実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と併せて、水溶性ポリマー(例えば、ポリエチレンオキシド)は、コア錠剤の34.3重量%、コア錠剤の35重量%、コア錠剤の37.6重量%又はコア錠剤の42.7重量%で存在する。様々な実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と併せて、水溶性ポリマー及びアプレミラストは、薬物層中に2~6対1の重量比で存在する。例えば、様々な実施形態では、薬物層中の水溶性ポリマーとアプレミラストとの重量比は、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、又は6.0対1である。いくつかの実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と共に、薬物層中の水溶性ポリマー対アプレミラストの重量比は、2.7、2.8、3.0、3.7、4.2、又は5.1対1である。
【0029】
いくつかの実施形態では、経口剤形は、薬物層中に100mg以上のポリエチレンオキシド、例えば薬物層中に105、110、115、120又は125mgのポリエチレンオキシドを含む。いくつかの実施形態では、経口剤形は、薬物層中に200mg以上のポリエチレンオキシド、例えば薬物層中に205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285又は290mgのポリエチレンオキシドを含む。いくつかの実施形態では、経口剤形は、薬物層中に300mg以上のポリエチレンオキシド、例えば薬物層中に305、310、315、320、325、330、335、340、345、350、355又は360mgのポリエチレンオキシドを含む。いくつかの実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と組み合わせて、本明細書中に開示される経口剤形は、薬物層中に115.6mg、206mg、230.9mg、274.6mg、301.4mg、307.2mg、314.8mg、332.8mg又は358.4mgのポリエチレンオキシドを含む。
【0030】
希釈剤、潤滑剤及び流動促進剤
いくつかの実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と併せて、薬物層は希釈剤を含む。希釈剤は、顆粒外(EG)及び/又は顆粒内(IG)であり得る。いくつかの実施形態では、希釈剤は顆粒内(IG)である。いくつかの実施形態では、薬物層は、顆粒内及び顆粒外希釈剤を含む。希釈剤は、任意の適切な量で存在する。いくつかの実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と共に、希釈剤はコア錠剤(例えば、コア錠剤の2、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5又は7.0重量%)の2~7重量%の量で存在する。いくつかの実施形態では、希釈剤は、コア錠剤の3.0重量%又はコア錠剤の4.8重量%で存在する。
【0031】
希釈剤の非限定的な例としては、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、ソルビトール、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース及びセルロースが挙げられる。薬物層中の例示的な適切な希釈剤はマンニトールである。希釈剤がマンニトールを含む実施形態では、薬物層は、典型的には5~60mgのマンニトール(例えば、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、又は60mgのマンニトール)を含む。例えば、様々な実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と組み合わせて、薬物層は、8.1mg、16.2mg、22.1mg、25.0mg、48.0mg、52.0mg又は56.0mgのマンニトールを含む。いくつかの実施形態では、薬物層は、12.3mgのマンニトール(IG)及び9.8mgのマンニトール(EG)、9.0mgのマンニトール(IG)及び7.2mgのマンニトール(EG)、4.5mgのマンニトール(IG)及び3.6mgのマンニトール(EG)、又は25mgのマンニトール(IG)及び25mgのマンニトール(EG)を含む。いくつかの実施形態では、薬物層は、50mgのマンニトール(EG)を含む。IGマンニトール及びEGマンニトールの両方を含むいくつかの実施形態では、存在する全マンニトールの55~57%が顆粒内であり、存在する全マンニトールの43~45%が顆粒外である。
【0032】
いくつかの実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と共に、薬物層は潤滑剤を含む。潤滑剤は、顆粒外(EG)及び/又は顆粒内(IG)であり得る。いくつかの実施形態では、潤滑剤は粒子内(IG)である。いくつかの実施形態では、薬物層は、顆粒内及び顆粒外潤滑剤を含む。潤滑剤は、任意の適切な量で存在する。いくつかの実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と併せて、例として、潤滑剤は、コア錠剤(例えば、コア錠剤の0.05、0.10、0.15、0.2、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45又は0.50重量%)の0.05~0.50重量%の量で存在する。いくつかの実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と共に、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)は、コア錠剤の0.25重量%、0.31重量%、0.33重量%又は0.37重量%の量で存在する。
【0033】
潤滑剤の例は、ステアリン酸マグネシウム、タルク、デンプン、及びセルロース等が挙げられる。例示的な適切な潤滑剤はステアリン酸マグネシウムである。潤滑剤がステアリン酸マグネシウムを含む実施形態では、薬物層は、典型的には1~5mgのステアリン酸マグネシウム(例えば、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0.3.5、4.0、4.5、又は5.0mgのステアリン酸マグネシウム)を含む。例えば、様々な実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と組み合わせて、薬物層は、1.0、1.7、2.0、2.4、2.5、2.6、2.7、又は2.8mgのステアリン酸マグネシウムを含む。いくつかの実施形態では、薬物層は、0.5、0.9、1.0、1.2、1.3、又は1.4mgのステアリン酸マグネシウム(IG)及び0.5、1.0、1.2、1.3、又は1.4mgのステアリン酸マグネシウム(EG)を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と併せて、薬物層は流動促進剤を含む。いくつかの実施形態では、流動促進剤は顆粒外である。流動促進剤は、任意の適切な量で存在する。いくつかの実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と併せて、例として、流動促進剤は、コア錠剤の0.05~0.50重量%(例えば、コア錠剤の0.05、0.10、0.15、0.2、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45又は0.50重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と併せて、流動促進剤(例えば、コロイド状二酸化ケイ素)がコア錠剤の0.25重量%、0.33重量%、0.34重量%又は0.37重量%の量で存在する。
【0035】
流動促進剤としては、シリカ、ステアリン酸マグネシウム、タルクが挙げられる。例示的な適切な流動促進剤は二酸化ケイ素(例えば、コロイド状二酸化ケイ素)である。流動促進剤が二酸化ケイ素を含む実施形態では、薬物層は、典型的には0.5~5mgの二酸化ケイ素(例えば、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0.3.5、4.0、4.5、又は5.0mgの二酸化ケイ素)を含む。例えば、様々な実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と組み合わせて、薬物層は、0.9、1.8、2.0、2.4、2.5、2.6、2.7、又は2.8mgの二酸化ケイ素を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、開示される経口剤形の薬物層は、浸透圧剤を更に含む。存在する場合、薬物層の浸透圧剤は、任意の適切な浸透圧剤であり得る。浸透圧剤の非限定的な例としては、糖及び塩化ナトリウムが挙げられる。いくつかの実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と共に、薬物層の浸透圧剤は塩化ナトリウムを含む。薬物層の浸透圧剤は、任意の適切な量で存在する。いくつかの実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と共に、薬物層は2~12重量%の浸透圧剤(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12重量%の浸透圧剤)を含む。いくつかの実施形態では、薬物層は、5重量%、7.7重量%、又は10重量%の浸透圧剤(例えば、塩化ナトリウム)を含む。剤形の投薬強度に応じて、薬物層は15~60mgの浸透圧剤(例えば、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、又は60mgの浸透圧剤)を含む。いくつかの実施形態では、薬物層は、18.0、26.7、40、又は53.3の浸透圧剤(例えば、塩化ナトリウム)を含む。いくつかの実施形態では、薬物層の浸透圧剤(例えば、塩化ナトリウム)は、コア錠剤の3~8重量%(例えば、コア錠剤の3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、又は8.0重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態では、薬物層の浸透圧剤(例えば、塩化ナトリウム)は、コア錠剤の3.3重量%、5.1重量%、又は6.7重量%の量で存在する。
【0037】
膨潤性層
膨潤性層は、1つ又は複数の膨潤性ポリマーを含む。このように、膨潤性層は、水と接触したときに膨張し、その膨張は圧力を生じ、その圧力は、剤形の少なくとも1つの薬物放出オリフィスを介して薬物層からの薬物放出をもたらす。いくつかの実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と併せて、薬物層及び膨潤性層は、コア錠剤中に2:1の重量比で存在する。
【0038】
膨潤性ポリマーは、任意の適切な膨潤性ポリマーであり得る。いくつかの実施形態では、膨潤性ポリマーはポリエチレンオキシドを含む。膨潤性層のための例示的な適切なポリエチレンオキシドは、例えば、以下の物理的特性を有するPOLYOX(登録商標)WSR凝固剤(Dupont;Midland,MIから市販されている)である。5,000,000DaのMW;粘度:5500-7500cP;及び二酸化ケイ素0.8~3.0重量%。膨潤性層のポリエチレンオキシドは、典型的には、薬物層のポリエチレンオキシドよりも高い分子量を有する(例えば、5,000,000Da)。
【0039】
膨潤性ポリマーは、任意の適切な量で存在する。典型的には、膨潤性ポリマーは、膨潤性層(例えば、ポリエチレンオキシド)の50~70重量%の量で存在する(例えば、膨潤性層の50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、又は70重量%)。いくつかの実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と共に、膨潤性ポリマーは、膨潤性層の50~70重量%、55~70重量%、又は55~65重量%の量で存在する。いくつかの実施形態では、膨潤性ポリマーは、膨潤性層の64.8重量%、64.9重量%、又は65重量%で存在する。剤形の投与量強度に応じて、膨潤性ポリマーは、膨潤性層中に50~75mg、100~130mg、150~200mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、膨潤性ポリマー(例えば、ポリエチレンオキシド)は、膨潤性層中に58.6mg、117.0mg、129.8mg、159.6mg、又は173.1mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、膨潤性ポリマー(例えば、ポリエチレンオキシド)は、コア錠剤の15~25重量%(例えば、コア錠剤の15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は25重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態では、膨潤性ポリマーは、コア錠剤の21.6重量%又は22重量%を構成する。
【0040】
いくつかの実施形態では、膨潤性層は、浸透圧剤、希釈剤、潤滑剤、及び着色剤の1つ又は複数を更に含む。
【0041】
膨潤性層の浸透圧剤は、本明細書に記載の任意の適切な浸透圧剤であり得る。浸透圧剤の非限定的な例としては、糖及び塩化ナトリウムが挙げられる。いくつかの実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と共に、浸透圧剤は塩化ナトリウムを含む。浸透圧剤は、任意の適切な量で存在する。いくつかの実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と共に、膨潤性層は5~15重量%の浸透圧剤(例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15重量%の浸透圧剤)を含む。いくつかの実施形態では、膨潤性層は、5~10重量%、5~7重量%、8~12重量%、又は8~10重量%の浸透圧剤を含む。いくつかの実施形態では、膨潤性層は、8.4重量%、8.5重量%、8.6重量%、9.1重量%、又は9.8重量%の浸透圧剤を含む。剤形の投与量強度に応じて、膨潤性層は5~25mgの浸透圧剤(例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25mgの浸透圧剤)を含む。いくつかの実施形態では、膨潤性層は、7.8mg、15.5mg、17.2mg、20.6mg、21.1mg、22.4mg、22.9mg、又は24.1mgの浸透圧剤(例えば、塩化ナトリウム)を含む。いくつかの実施形態では、浸透圧剤(例えば、塩化ナトリウム)は、総コア錠剤の1.5~3.5重量%(例えば、コア錠剤の1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3,1、3.2、3.3、3.4、又は3.5重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態では、浸透圧剤(例えば塩化ナトリウム)は、コア錠剤の2.80、2.85、2.90、又は2.95重量%の量で存在する。
【0042】
膨潤性層の希釈剤は、本明細書に記載の任意の適切な希釈剤であり得る。膨潤性層中の例示的な適切な希釈剤は、微結晶性セルロースである。いくつかの実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と共に、希釈剤は微結晶性セルロースを含む。希釈剤は、任意の適切な量で存在する。いくつかの実施形態では、希釈剤(例えば、微結晶性セルロース)は、20~35重量%の膨潤性層(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、又は35重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態では、希釈剤は、膨潤性層の25.2重量%、25.8重量%、27.3重量%、又は29.4重量%の量で存在する。いくつかの実施形態では、希釈剤は、コア錠剤の7~10重量%(例えば、コア錠剤の7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、又は10.0重量%)の量で存在する。
【0043】
膨潤性層の潤滑剤は、本明細書に記載の任意の適切な潤滑剤であり得る。膨潤性層中の例示的な適切な潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムである。潤滑剤は、任意の適切な量で存在する。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、0.3~1重量%の膨潤性層(例えば、膨潤性層の0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と共に、潤滑剤は、膨潤性層の0.5重量%又は0.6重量%の量で存在する。いくつかの実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と共に、例として、膨潤性層の潤滑剤は、のコア錠剤の0.05~0.50重量%(例えば、コア錠剤の0.05、0.10、0.15、0.2、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45又は0.50重量%)の量で存在する。剤形の投与量強度に応じて、様々な実施形態では、膨潤性層は、0.5、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、又は1.5mgのステアリン酸マグネシウムを含む。
【0044】
着色剤は、任意の適切な着色剤であり得る。例示的な適切な着色剤は、酸化鉄(III)である。着色剤は、任意の適切な量で存在する。いくつかの実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と共に、例として、膨潤性層の着色剤(例えば、酸化鉄(III))は、コア錠剤の0.05~0.50重量%(例えば、コア錠剤の0.05、0.10、0.15、0.2、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45又は0.50重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態では、着色剤は、コア錠剤の0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、又は0.10重量%の量で存在する。様々な実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と共に、膨潤性層は、0.2mg、0.4mg、又は0.5mgの着色剤(例えば、酸化鉄(III))を含む。
【0045】
コーティング層
本明細書に開示される経口剤形は、コア錠剤上に配置されたコーティング層を含む。いくつかの実施形態では、コーティング層は、総経口剤形重量に基づいて6.5~8.5重量%の量で存在する。いくつかの実施形態では、コーティング層は、総経口剤形重量に基づいて7.5重量%の量で存在する。いくつかの実施形態では、コーティング層は、酢酸セルロース(CA)及びポリエチレングリコール(PEG)を含む。様々な実施形態では、PEGは、3,000~4,000Da、例えば3,000~3,700Da又は3,350Daの平均分子量を有する。
【0046】
酢酸セルロース及びPEGは、任意の適切な量で存在する。いくつかの実施形態では、コーティング層は、10~80mgのCA(例えば、10、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、又は80mgCA)を含む。いくつかの実施形態では、コーティング層は、15.2、30.3、36.3、37.4、40.3、41.3、49.6、72.0、及び74.9mgのCAを含む。いくつかの実施形態では、上記又は下記の他の実施形態と組み合わせて、コーティング層は、3.8、7.6、9.1、9.4、10.1、10.3、12.4、18.0、又は18.7mgのPEGを含む。いくつかの実施形態では、CA及びPEGは、CA:PEG重量比3.5対4.5:1で存在する。例えば、いくつかの実施形態では、コーティング層中のCA対PEGの重量比は、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、又は4.5である。いくつかの実施形態では、CA及びPEGは、CA:PEG重量比4:1で存在する。
【0047】
サブコート層
いくつかの実施形態では、開示される経口剤形は、コア錠剤とコーティング層との間にサブコート層を更に含む。いくつかの実施形態では、サブコート層はヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む。
【0048】
サブコート層は、存在する場合、任意の適切な量で存在する。いくつかの実施形態では、サブコート層は、経口剤形の2~4重量%(例えば、経口剤形の2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9又は4.0重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態では、サブコート層は、経口剤形の2.3重量%の量で存在する。いくつかの実施形態では、サブコート層は、経口剤形の3.4重量%の量で存在する。
【0049】
いくつかの実施形態では、コーティング層は、カラーコート層を更に含む。カラーコート層は、1つ又は複数の適切な着色剤を含む。例示的な適切な着色剤は、Colorcon,Inc.(Harleysville,PA)から市販されているOpadry(登録商標)II着色剤である。カラーコート層は、好適な量で存在する。いくつかの実施形態では、カラーコート層は、経口剤形の3~5重量%(3.0、3.5、4.0、4.5、5.0重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態では、カラーコート層は、経口剤形の3.4重量%の量で存在する。
【0050】
薬物放出オリフィス
本明細書中に開示される経口剤形は、少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む。いくつかの実施形態では、薬物放出オリフィスは、経口剤形を穿孔することによって作られる。典型的には、薬物放出オリフィスは、600μm~1.5mmのサイズの範囲である。いくつかの実施形態では、経口剤形は、900μmドリルを使用して穿孔される。いくつかの実施形態では、経口剤形は、1600μmドリルを使用して穿孔される。いくつかの実施形態では、薬物放出オリフィスは1.2mmのサイズを有する。
【0051】
いくつかの実施形態では、本開示は、(i)コア錠剤の総重量に基づいて8~11重量%のアプレミラスト、コア錠剤の総重量に基づいて8~11重量%のヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、コア錠剤の総重量に基づいて2~7重量%のマンニトール、コア錠剤の総重量に基づいて40~45重量%のポリエチレンオキシド、コア錠剤の総重量に基づいて0.1~0.5重量%のステアリン酸マグネシウム、及びコア錠剤の総重量に基づいて0.1~0.5重量%のコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体にある、薬物層、(ii)コア錠剤の総重量に基づいて18~25重量%のポリエチレンオキシド、コア錠剤の総重量に基づいて7~10重量%の微結晶性セルロース、コア錠剤の総重量に基づいて1.5~3.5重量%の塩化ナトリウム、コア錠剤の総重量に基づいて0.01~0.2重量%の酸化鉄、及びコア錠剤の総重量に基づいて0.05~0.3重量%のステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層を含む、コア錠剤と、コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、を含む、経口剤形を提供し、経口剤形表面は、少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、本開示は、(i)75mgのアプレミラスト、75mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、22.1mgのマンニトール、314.8mgのポリエチレンオキシド、2.4mgのステアリン酸マグネシウム、及び2.5mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層、(ii)159.6mgのポリエチレンオキシド、63.4mgの微結晶性セルロース、21.1mgの塩化ナトリウム、0.5mgの酸化鉄及び1.2mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層を含む、コア錠剤と、コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、を含む経口剤形を提供し、経口剤形表面は、少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、本開示は、(i)55mgのアプレミラスト、55mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、16.2mgのマンニトール、230.9mgのポリエチレンオキシド、1.7mgのステアリン酸マグネシウム、及び1.8mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層、(ii)117mgのポリエチレンオキシド、46.5mgの微結晶性セルロース、15.5mgの塩化ナトリウム、0.4mgの酸化鉄及び0.9mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層を含む、コア錠剤と、コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、を含む経口剤形を提供し、経口剤形表面は、少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、本開示は、(i)27.5mgのアプレミラスト、27.5mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、8.1mgのマンニトール、115.6mgのポリエチレンオキシド、1.0mgのステアリン酸マグネシウム、及び0.9mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層、(ii)58.6mgのポリエチレンオキシド、23.3mgの微結晶性セルロース、7.8mgの塩化ナトリウム、0.2mgの酸化鉄及び0.5mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層を含む、コア錠剤と、コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、を含む経口剤形を提供し、経口剤形表面が、少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、本開示は、(i)コア錠剤の総重量に基づく10~15重量%のアプレミラスト、コア錠剤の総重量に基づく10~15重量%のヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、コア錠剤の総重量に基づく30~40重量%のポリエチレンオキシド、コア錠剤の総重量に基づく2~8重量%の塩化ナトリウム、コア錠剤の総重量に基づく0.1~0.5重量%のステアリン酸マグネシウム、及びコア錠剤の総重量に基づく0.1~0.5重量%のコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層、(ii)コア錠剤の総重量に基づいて18~25重量%のポリエチレンオキシド、コア錠剤の総重量に基づいて7.5~10.0重量%の微結晶性セルロース、コア錠剤の総重量に基づいて2~4重量%の塩化ナトリウム、コア錠剤の総重量に基づいて0.01~0.1重量%の酸化鉄、及びコア錠剤の総重量に基づいて0.05~0.3重量%のステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層を含む、コア錠剤と、コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、を含む経口剤形を提供し、経口剤形表面が、少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、本開示は、(i)100mgのアプレミラスト、100mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、301.4mgのポリエチレンオキシド、26.7mgの塩化ナトリウム、2.6mgのステアリン酸マグネシウム、及び2.7mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層、(ii)173.1mgのポリエチレンオキシド、68.8mgの微結晶性セルロース、22.9mgの塩化ナトリウム、0.5mgの酸化鉄及び1.3mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層を含む、コア錠剤と、コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、を含む経口剤形を提供し、経口剤形表面は、少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、本開示は、(i)100mgのアプレミラスト、100mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、274.6mgのポリエチレンオキシド、53.3mgの塩化ナトリウム、2.6mgのステアリン酸マグネシウム、及び2.7mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層、(ii)173.1mgのポリエチレンオキシド、68.8mgの微結晶性セルロース、22.9mgの塩化ナトリウム、0.5mgの酸化鉄及び1.3mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層を含む、コア錠剤と、コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、を含む経口剤形を提供し、経口剤形表面は、少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、本開示は、a)(i)60mgのアプレミラスト、60mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、48mgのマンニトール、307.2mgのポリエチレンオキシド、2.4mgのステアリン酸マグネシウム、及び2.4mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層、(ii)155.8mgのポリエチレンオキシド、61.9mgの微結晶性セルロース、20.6mgの塩化ナトリウム、0.5mgの酸化鉄及び1.2mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層を含む、コア錠剤と、b)37.4mgのCA及び9.4mgのPEGを含むコーティング層と、を含む経口剤形を提供し、経口薬物剤形は本明細書に記載の少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、本開示は、a)(i)60mgのアプレミラスト、60mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、48mgのマンニトール、307.2mgのポリエチレンオキシド、2.4mgのステアリン酸マグネシウム、及び2.4mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層、(ii)155.8mgのポリエチレンオキシド、61.9mgの微結晶性セルロース、20.6mgの塩化ナトリウム、0.5mgの酸化鉄及び1.2mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層を含む、コア錠剤と、b)72.0mgのCA及び18.0mgのPEGを含むコーティング層と、を含む経口剤形を提供し、経口薬物剤形は本明細書に記載の少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、本開示は、a)(i)65mgのアプレミラスト、65mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、52mgのマンニトール、332.8mgのポリエチレンオキシド、2.6mgのステアリン酸マグネシウム、及び2.6mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層、(ii)168.7mgのポリエチレンオキシド、67.1mgの微結晶性セルロース、22.4mgの塩化ナトリウム、0.5mgの酸化鉄及び1.3mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層を含む、コア錠剤と、b)37.4mgのCA及び9.4mgのPEGを含むコーティング層と、を含む経口剤形を提供し、経口薬物剤形は、本明細書に記載の少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、本開示は、a)(i)65mgのアプレミラスト、65mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、52mgのマンニトール、332.8mgのポリエチレンオキシド、2.6mgのステアリン酸マグネシウム、及び2.6mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層、(ii)168.7mgのポリエチレンオキシド、67.1mgの微結晶性セルロース、22.4mgの塩化ナトリウム、0.5mgの酸化鉄及び1.3mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層を含む、コア錠剤と、b)74.9mgのCA及び18.7mgのPEGを含むコーティング層と、を含む経口剤形を提供し、経口薬物剤形は、本明細書に記載の少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、本開示は、a)(i)70mgのアプレミラスト、70mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、56mgのマンニトール、358.4mgのポリエチレンオキシド、2.8mgのステアリン酸マグネシウム、及び2.8mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層、(ii)181.7mgのポリエチレンオキシド、72.3mgの微結晶性セルロース、24.1mgの塩化ナトリウム、0.5mgの酸化鉄及び1.4mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層、を含むコア錠剤と、b)40.3mgのCA及び10.1mgのPEGを含むコーティング層と、を含む経口剤形を提供し、経口薬物剤形は、本明細書に記載の少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、本開示は、a)(i)75mgのアプレミラスト、75mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、22.1mgのマンニトール、314.8mgのポリエチレンオキシド、2.4mgのステアリン酸マグネシウム、及び2.5mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層、(ii)159.6mgのポリエチレンオキシド、63.4mgの微結晶性セルロース、21.1mgの塩化ナトリウム、0.5mgの酸化鉄及び1.2mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層を含む、コア錠剤と、b)18.4mgのHPMCを含むサブコート層と、c)36.3mgのCA及び9.1mgのPEGを含むコーティング層と、を含む、経口剤形を提供し、経口薬物剤形は、本明細書に記載の少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、本開示は、a)(i)75mgのアプレミラスト、75mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、22.1mgのマンニトール、314.8mgのポリエチレンオキシド、2.4mgのステアリン酸マグネシウム、及び2.5mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層、(ii)159.6mgのポリエチレンオキシド、63.4mgの微結晶性セルロース、21.1mgの塩化ナトリウム、0.5mgの酸化鉄及び1.2mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層を含む、コア錠剤と、b)18.4mgのHPMCを含むサブコート層と、c)49.6mgのCA及び12.4mgのPEGを含むコーティング層と、を含む、経口剤形を提供し、経口薬物剤形は、本明細書に記載の少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、本開示は、a)(i)75mgのアプレミラスト、75mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、22.1mgのマンニトール、314.8mgのポリエチレンオキシド、2.4mgのステアリン酸マグネシウム、及び2.5mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASは固体分散体中にある、薬物層、(ii)159.6mgのポリエチレンオキシド、63.4mgの微結晶性セルロース、21.1mgの塩化ナトリウム、0.5mgの酸化鉄及び1.2mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層を含む、コア錠剤と、b)41.3mgのCA及び10.3mgのPEGを含むコーティング層であって、27.6mgの着色剤を更に含む、コーティング層と、を含む経口剤形を提供し、経口薬物剤形は本明細書に記載の少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む。
【0066】
いくつかの実施形態では、本開示は、a)(i)75mgのアプレミラスト、75mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、22.1mgのマンニトール、314.8mgのポリエチレンオキシド、2.4mgのステアリン酸マグネシウム、及び2.5mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASは固体分散体中にある、薬物層、(ii)159.6mgのポリエチレンオキシド、63.4mgの微結晶性セルロース、21.1mgの塩化ナトリウム、0.5mgの酸化鉄及び1.2mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層を含む、コア錠剤と、b)41.3mgのCA及び10.3mgのPEGを含むコーティング層であって、27.6mgの着色剤を更に含む、コーティング層と、を含む経口剤形を提供し、経口薬物剤形は本明細書に記載の少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、本開示は、a)(i)55mgのアプレミラスト、55mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、16.2mgのマンニトール、230.9mgのポリエチレンオキシド、1.7mgのステアリン酸マグネシウム、及び1.8mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層、(ii)117mgのポリエチレンオキシド、46.5mgの微結晶性セルロース、15.5mgの塩化ナトリウム、0.4mgの酸化鉄及び0.9mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層を含む、コア錠剤と、b)30.3mgのCA及び7.6mgのPEGを含むコーティング層であって、20.2mgの着色剤を更に含む、コーティング層と、を含む経口剤形を提供し、経口薬物剤形は本明細書に記載の少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、本開示は、a)(i)27.5mgのアプレミラスト、27.5mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、8.1mgのマンニトール、115.6mgのポリエチレンオキシド、1mgのステアリン酸マグネシウム、及び0.9mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層、(ii)58.6mgのポリエチレンオキシド、23.3mgの微結晶性セルロース、7.8mgの塩化ナトリウム、0.2mgの酸化鉄及び0.5mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層を含む、コア錠剤と、b)15.2mgのCA及び3.8mgのPEGを含むコーティング層であって、10.1mgの着色剤を更に含む、コーティング層と、を含む、経口剤形を提供し、経口薬物剤形が本明細書に記載の少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、本開示は、a)(i)100mgのアプレミラスト、100mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、26.7mgの塩化ナトリウム、300,000DaのMWを有する150.7mgのポリエチレンオキシド、200,000のMWを有する150.7mgのポリエチレンオキシド、2.6mgのステアリン酸マグネシウム、及び2.7mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある薬物層、(ii)173.1mgのポリエチレンオキシド、68.8mgの微結晶性セルロース、22.9mgの塩化ナトリウム、0.5mgの酸化鉄及び1.3mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層を含む、コア錠剤と、b)本明細書に記載のコーティング層と、を含む、経口剤形を提供し、経口薬物剤形は、本明細書に記載の少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、本開示は、a)(i)100mgのアプレミラスト、100mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、53.3mgの塩化ナトリウム、300,000DaのMWを有する274.6mgのポリエチレンオキシド、2.6mgのステアリン酸マグネシウム、及び2.7mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある薬物層、(ii)173.1mgのポリエチレンオキシド、68.8mgの微結晶性セルロース、22.9mgの塩化ナトリウム、0.5mgの酸化鉄及び1.3mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層を含む、コア錠剤と、b)本明細書に記載のコーティング層と、を含む、経口剤形を提供し、経口薬物剤形は、本明細書に記載の少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、本開示は、a)(i)75mgのアプレミラスト、75mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、40mgの塩化ナトリウム、300,000DaのMWを有する206mgのポリエチレンオキシド、2mgのステアリン酸マグネシウム、及び2mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層、(ii)129.8mgのポリエチレンオキシド、51.6mgの微結晶性セルロース、17.2mgの塩化ナトリウム、0.4mgの酸化鉄及び1mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層を含む、コア錠剤と、b)本明細書に記載のコーティング層と、を含む経口剤形を提供し、経口薬物剤形は、本明細書に記載の少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、本開示は、a)(i)75mgのアプレミラスト、75mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、40mgの塩化ナトリウム、300,000DaのMWを有する274.6mgのポリエチレンオキシド、2mgのステアリン酸マグネシウム、50mgのマンニトール、及び2mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層、(ii)173.1mgのポリエチレンオキシド、68.8mgの微結晶性セルロース、22.9mgの塩化ナトリウム、0.5mgの酸化鉄及び1.3mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層を含む、コア錠剤と、b)本明細書に記載のコーティング層と、を含む経口剤形を提供し、経口薬物剤形は、本明細書に記載の少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、本開示は、a)(i)75mgのアプレミラスト、75mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、40mgの塩化ナトリウム、300,000DaのMWを有する274.6mgのポリエチレンオキシド、2mgのステアリン酸マグネシウム、25mgのマンニトール(IG)、25mgのマンニトール(EG)、及び2mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層、(ii)173.1mgのポリエチレンオキシド、68.8mgの微結晶性セルロース、22.9mgの塩化ナトリウム、0.5mgの酸化鉄及び1.3mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層を含む、コア錠剤と、b)本明細書に記載のコーティング層と、を含む経口剤形を提供し、経口薬物剤形は、本明細書に記載の少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む。
【0074】
処置方法
本開示は、本明細書に開示される経口剤形を摂食条件下で患者に投与することを含む、PDE4を阻害することによって改善される疾患又は障害に罹患している患者を治療する方法を提供する。
【0075】
摂食状態の対象は、食物を摂取した又は食事をした対象を指す。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示される製剤は、摂食状態で、食事の5分後、食事の10分後、食事の15分後、食事の20分後、食事の30分後、食事の40分後、食事の50分後、食事の1時間後又は食事の2時間後に対象に投与される。場合によっては、本明細書に開示される製剤は、食後30分で摂食状態の対象に投与される。様々な場合において、本明細書中に開示されるような製剤は、食後1時間で摂食状態の対象に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される製剤は、食物と共に対象に投与される。
【0076】
いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、喘息、関節炎、乾癬、炎症、慢性又は急性閉塞性肺疾患、慢性又は急性炎症性肺疾患、皮膚エリテマトーデス、炎症性腸疾患、クローン病、ベーチェット病、化膿性汗腺炎、又は大腸炎である。いくつかの実施形態では、疾患又は障害は関節炎である。いくつかの実施形態では、関節炎は乾癬性関節炎である。いくつかの実施形態では、疾患又は障害は乾癬である。いくつかの実施形態では、疾患又は障害は大腸炎である。いくつかの実施形態では、大腸炎は潰瘍性大腸炎である。いくつかの実施形態では、疾患又は障害はベーチェット病である。いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、炎症性腸疾患である。いくつかの実施形態では、疾患又は障害は化膿性汗腺炎である。
【0077】
いくつかの実施形態では、開示される経口剤形は、従来の1日2回のアプレミラスト製剤による初期滴定後に投与される。
【0078】
いくつかの実施形態では、開示される方法は、以下の初期滴定スケジュールを含む:(i)投与1日目の午前中に10mg;(ii)投与2日目の午前中に10mg及び午後に10mg;(iii)投与3日目の午前中に10mg及び午後に20mg;(iv)投与4日目の午前中に20mg及び午後に20mg;(v)投与5日目の午前中に20mg及び午後に30mg;並びに(vi)投与6~14日目の午前中に30mg及び午後に30mg;並びに開示される経口剤形は、投与の翌日毎に1日1回である。いくつかの実施形態では、15日目に投与される経口剤形は、27.5mgのアプレミラスト、55mgのアプレミラスト、又は75mgのアプレミラストを含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、開示される方法は、以下の初期滴定スケジュールを含む:(i)投与1日目の午前中に10mg;(ii)投与2日目の午前中に10mg及び午後に10mg;(iii)投与3日目の午前中に10mg及び午後に20mg;(iv)投与4日目の午前中20mg及び午後に20mg;(v)投与5日目の午前中に20mg及び午後に30mg;並びに(vi)投与6~14日目に午前中に30mg及び午後に30mg;並びに75mgのアプレミラストを15日目の朝に1日1回及び投与のその後の日に1回有する開示された経口剤形。
【0080】
いくつかの実施形態では、開示される方法は、以下の初期滴定スケジュールを含む:(i)投与1日目の午前中に10mg;(ii)投与2日目の午前中に10mg及び午後に10mg;(iii)投与3日目の午前中に10mg及び午後20mg;(iv)投与4日目の午前中20mg及び午後20mg;(v)投与5日目の午前中20mg及び午後30mg;並びに(vi)75mgのアプレミラストを6日目の朝に1日1回及びその後に有する本明細書中に開示される経口剤形。
【0081】
いくつかの実施形態では、開示される方法は、以下の初期滴定スケジュールを含む:(i)投与1日目の午前中に10mg;(ii)投与2日目の午前中に10mg及び午後に10mg;(iii)投与3日目の午前中に10mg及び午後20mg;(iv)55mgのアプレミラストを1日1回、4日目の朝及びその後に有する本明細書中に開示の経口剤形。
【0082】
いくつかの実施形態では、開示される方法は、以下の初期滴定スケジュールを含む:(i)投与1日目の午前中に10mg;(ii)投与2日目の午前中に10mg及び午後に10mg;(iii)投与3日目の午前中に10mg及び午後20mg;(iv)4日目~14日目において、午前中に20mg、午後に20mg;(v)55mgのアプレミラストを朝の15日目に1日1回及びその後に有する本明細書に開示される経口剤形。
【0083】
いくつかの実施形態では、開示される方法は、以下の初期滴定スケジュールを含む:(i)投与1日目の午前中に10mg;(ii)投与2日目の午前中に10mg及び午後に10mg;(iii)投与3日目の午前中に10mg及び午後に20mg;(iv)27.5mgのアプレミラスト(合計55mgのアプレミラスト)を1日1回、4日目の午前中及びその後に有する本明細書中に開示の2つの経口剤形。
【0084】
いくつかの実施形態では、開示される方法は、以下の初期滴定スケジュールを含む:(i)投与1日目の午前中に10mg;(ii)投与2日目の午前中に10mg及び午後に10mg;(iii)投与3日目の午前中に10mg及び午後に20mg;(iv)4日目~14日目において、午前中に20mg、午後に20mg;(v)27.5mgのアプレミラスト(合計55mgのアプレミラスト)を1日1回、15日目の朝及びその後に有する本明細書中に開示されるような2つの経口剤形。
【0085】
実施形態
1.
a.
(i)非晶質固体分散体中にアプレミラスト及びヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)を含む薬物層;及び
(ii)1つ又は複数の膨潤性ポリマーを含む膨潤性層
を含む、コア錠剤と、
b.コア錠剤上に配置されたコーティング層と、
を含む、経口剤形であって、
経口剤形表面が少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む、
経口剤形。
2.アプレミラストが、コア錠剤の6~15重量%の量で存在する、実施形態1に記載の経口剤形。
3.固体分散体が噴霧乾燥される、実施形態1又は2に記載の経口剤形。
4.HPMCASが、コア錠剤の6~15重量%の量で存在する、実施形態1~3のいずれか一項に記載の経口剤形。
5.アプレミラスト及びHPMCASが、コア錠剤中に45:55~55:45の重量比で存在する、実施形態1~4のいずれか一項に記載の経口剤形。
6.アプレミラスト及びHPMCASが48:52~52:48の重量比で存在する、実施形態5に記載の経口剤形。
7.アプレミラスト及びHPMCASが50:50の重量比で存在する、実施形態5に記載の経口剤形。
8.薬物層が、水溶性ポリマー、希釈剤、浸透圧剤、及び潤滑剤の1つ又は複数を更に含む、実施形態1~7のいずれか一項に記載の経口剤形。
9.水溶性ポリマーが、コア錠剤の30~55重量%の量で存在する、実施形態8に記載の経口剤形。
10.水溶性ポリマーがポリエチレンオキシドを含む、実施形態8又は9に記載の経口剤形。
11.ポリエチレンオキシドが200,000~600,000Daの平均分子量を有する、実施形態10に記載の経口剤形。
12.薬物層が、200,000Daの平均分子量を有するポリエチレンオキシドを含む、実施形態11に記載の経口剤形。
13.薬物層が、300,000Daの平均分子量を有するポリエチレンオキシドを含む、実施形態11に記載の経口剤形。
14.薬物層が、600,000Daの平均分子量を有するポリエチレンオキシドを含む、実施形態11に記載の経口剤形。
15.水溶性ポリマー及びアプレミラストが、薬物層中に2~6:1の重量比で存在する、実施形態8~14のいずれか一項に記載の経口剤形。
16.希釈剤がマンニトールを含む、実施形態8~15のいずれか一項に記載の経口剤形。
17.希釈剤が、コア錠剤の2~7重量%の量で存在する、実施形態8~16のいずれか一項に記載の経口剤形。
18.薬物層が顆粒内希釈剤及び顆粒外希釈剤を含む、実施形態8~17のいずれか一項に記載の経口剤形。
19.浸透圧剤が、コア錠剤の3~8重量%の量で薬物層中に存在する、実施形態8~18のいずれか一項に記載の経口剤形。
20.薬物層中の浸透圧剤が塩化ナトリウムを含む、実施形態8~19のいずれか一項に記載の経口剤形。
21.潤滑剤がステアリン酸マグネシウムを含む、実施形態8~20のいずれか一項に記載の経口剤形。
22.薬物層の潤滑剤が、コア錠剤の0.05~0.5重量%の量で存在する、実施形態8~21のいずれか一項に記載の経口剤形。
23.薬物層が、顆粒外流動促進剤、顆粒外潤滑剤、又はその両方を更に含む、実施形態1~22のいずれか一項に記載の経口剤形。
24.顆粒外流動促進剤が二酸化ケイ素を含む、実施形態23に記載の経口剤形。
25.顆粒外潤滑剤がステアリン酸マグネシウムを含む、実施形態23又は24に記載の経口剤形。
26.薬物層及び膨潤性層が、コア錠剤中に2:1の重量比で存在する、実施形態1~25のいずれか一項に記載の経口剤形。
27.膨潤性ポリマーがポリエチレンオキシドを含む、実施形態1~26のいずれか一項に記載の経口剤形。
28.ポリエチレンオキシドが5,000,000Daの平均分子量を有する、実施形態27に記載の経口剤形。
29.膨潤性層が、浸透圧剤、希釈剤、潤滑剤、及び着色剤の1つ又は複数を更に含む、実施形態1~28のいずれか一項に記載の経口剤形。
30.膨潤性層の浸透圧剤が塩化ナトリウムを含む、実施形態29に記載の経口剤形。
31.膨潤性層中の浸透圧剤が、コア錠剤の2.5~3.5重量%の量で存在する、実施形態29又は30に記載の経口剤形。
32.膨潤性層の希釈剤が微結晶性セルロースを含む、実施形態29~31のいずれか一項に記載の経口剤形。
33.膨潤性層中の希釈剤が、コア錠剤の7~10重量%の量で存在する、実施形態29~32のいずれか一項に記載の経口剤形。
34.膨潤性層の潤滑剤がステアリン酸マグネシウムを含む、実施形態29~33のいずれか一項に記載の経口剤形。
35.膨潤性層の潤滑剤が、コア錠剤の0.05~0.5重量%の量で存在する、実施形態29~34のいずれか一項に記載の経口剤形。
36.着色剤が酸化鉄(III)を含む、実施形態29~35のいずれか一項に記載の経口剤形。
37.着色剤がコア錠剤の0.05~0.5重量%の量で存在する、実施形態29~36のいずれか一項に記載の経口剤形。
38.コーティングが酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含む、実施形態1~37のいずれか一項に記載の経口剤形。
39.酢酸セルロース及びポリエチレングリコールが、コーティング中に3.5~4.5:1の重量比で存在する、実施形態38に記載の経口剤形。
40.コーティングが、経口剤形の総重量の6.5~8.5重量%を構成する、実施形態1~39のいずれか一項に記載の経口剤形。
41.コーティングが、経口剤形の総重量の7.5重量%を構成する、実施形態40に記載の経口剤形。
42.コア錠剤とコーティング層との間にサブコート層を更に含む、実施形態1~41のいずれか一項に記載の経口剤形。
43.サブコート層がヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む、実施形態42に記載の経口剤形。
44.サブコート層が、経口剤形の2~4重量%の量で存在する、実施形態42又は43に記載の経口剤形。
45.サブコート層が、経口剤形の2.3重量%の量で存在する、実施形態44に記載の経口剤形。
46.サブコート層が、経口剤形の3.4重量%の量で存在する、実施形態44に記載の経口剤形。
47.薬物層が顆粒内部分及び顆粒外部分を含む、実施形態1~46のいずれか一項に記載の経口剤形。
48.顆粒外部分が潤滑剤及び流動促進剤を含む、実施形態47に記載の経口剤形。
49.顆粒外部分が希釈剤を更に含む、実施形態48に記載の経口剤形。
50.潤滑剤がステアリン酸マグネシウムを含み、流動促進剤が二酸化ケイ素を含み、希釈剤がマンニトールを含む、実施形態49に記載の経口剤形。
51.顆粒内部分が、アプレミラスト、HPMCAS、ポリエチレンオキシド及びマンニトール、並びに顆粒内潤滑剤を含む、実施形態47~50のいずれか一項に記載の経口剤形。
52.顆粒内潤滑剤がステアリン酸マグネシウムを含む、実施形態51に記載の経口剤形。
53.マンニトールが顆粒内部分及び顆粒外部分の両方に存在する、実施形態49~52のいずれか一項に記載の経口剤形。
54.存在する総マンニトールの55~57%が顆粒内部分にあり、存在する総マンニトールの43~45%が顆粒外部分にある、実施形態53に記載の経口剤形。
55.膨潤性層が潤滑剤を更に含む、実施形態47~54のいずれか一項に記載の経口剤形。
56.膨潤性層の潤滑剤がステアリン酸マグネシウムを含む、実施形態55に記載の経口剤形。
57.薬物層顆粒内部分が塩化ナトリウムを含む、実施形態47~56のいずれか一項に記載の経口剤形。
58.経口剤形の3~5重量%の量のカラーコート層を更に含む、実施形態47~57のいずれか一項に記載の経口剤形。
59.カラーコート層が、経口剤形の3.4重量%の量で存在する、実施形態58に記載の経口剤形。
60.
a.
(i)コア錠剤の総重量に基づいて8~11重量%のアプレミラスト、コア錠剤の総重量に基づいて8~11重量%のヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、コア錠剤の総重量に基づいて2~7重量%のマンニトール、コア錠剤の総重量に基づいて200,000Daの分子量を有する40~45重量%のポリエチレンオキシド、コア錠剤の総重量に基づいて0.1~0.5重量%のステアリン酸マグネシウム、及びコア錠剤の総重量に基づいて0.1~0.5重量%のコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層;
(ii)コア錠剤の総重量に基づいて5,000,000Daの分子量を有する18~25重量%のポリエチレンオキシド、コア錠剤の総重量に基づいて7~10重量%の微結晶性セルロース、コア錠剤の総重量に基づいて1.5~3.5重量の塩化ナトリウム、コア錠剤の総重量に基づいて0.01~0.2重量%の酸化鉄、及びコア錠剤の総重量に基づいて0.05~0.3重量%のステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層
を含む、コア錠剤と、
b.コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、
を含む、経口剤形であって、経口剤形表面が少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む、経口剤形。
61.
a.
(i)75mgのアプレミラスト、75mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、22.1mgのマンニトール、分子量200,000Daの314.8mgのポリエチレンオキシド、2.4mgのステアリン酸マグネシウム、及び2.5mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層;
(ii)分子量5,000,000Daの159.6mgのポリエチレンオキシド、63.4mgの微結晶性セルロース、21.1mgの塩化ナトリウム、0.5mgの酸化鉄及び1.2mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層
を含む、コア錠剤と、
b.コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、
を含む、経口剤形であって、経口剤形表面が少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む、実施形態60に記載の経口剤形。
62.
a.
(i)55mgのアプレミラスト、55mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、16.2mgのマンニトール、分子量200,000Daの230.9mgのポリエチレンオキシド、1.7mgのステアリン酸マグネシウム、及び1.8mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層;
(ii)分子量5,000,000Daの117mgのポリエチレンオキシド、46.5mgの微結晶性セルロース、15.5mgの塩化ナトリウム、0.4mgの酸化鉄及び0.9mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層
を含む、コア錠剤と、
b.コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、
を含む、経口剤形であって、経口剤形表面が少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む、実施形態60に記載の経口剤形。
63.
a.
(i)27.5mgのアプレミラスト、27.5mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、8.1mgのマンニトール、分子量200,000Daの115.6mgのポリエチレンオキシド、1.0mgのステアリン酸マグネシウム、及び0.9mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層;
(ii)分子量5,000,000Daの58.6mgのポリエチレンオキシド、23.3mgの微結晶性セルロース、7.8mgの塩化ナトリウム、0.2mgの酸化鉄及び0.5mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層
を含む、コア錠剤と、
b.コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、
を含む、経口剤形であって、経口剤形表面が少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む、実施形態60に記載の経口剤形。
64.
a.
(i)コア錠剤の総重量に基づいて9~15重量%のアプレミラスト、コア錠剤の総重量に基づいて10~15重量%のヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、コア錠剤の総重量に基づいて0~27重量%のマンニトール、コア錠剤の総重量に基づいて30~40重量%の分子量が200,000~300,000Daのポリエチレンオキシド又はそれらの混合物、コア錠剤の総重量に基づいて2~8重量%の塩化ナトリウム、コア錠剤の総重量に基づいて0.1~0.5重量%のステアリン酸マグネシウム、及びコア錠剤の総重量に基づいて0.1~0.5重量%のコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASは固体分散体中にある、薬物層;
(ii)コア錠剤の総重量に基づいて5,000,000Daの分子量を有する15~25重量%のポリエチレンオキシド、コア錠剤の総重量に基づいて5~10.0重量%の微結晶性セルロース、コア錠剤の総重量に基づいて2~4重量の塩化ナトリウム、コア錠剤の総重量に基づいて0.01~0.1重量%の酸化鉄、及びコア錠剤の総重量に基づいて0.05~0.3重量%のステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層
を含む、コア錠剤と、
b.コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、
を含む、経口剤形であって、経口剤形表面が少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む、経口剤形。
65.
a.
(i)100mgのアプレミラスト、100mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、301.4mgの分子量が200,000~300,000Daのポリエチレンオキシド又はそれらの混合物、26.7mgの塩化ナトリウム、2.6mgのステアリン酸マグネシウム、及び2.7mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層;
(ii)分子量5,000,000Daの173.1mgのポリエチレンオキシド、68.8mgの微結晶性セルロース、22.9mgの塩化ナトリウム、0.5mgの酸化鉄及び1.3mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層
を含む、コア錠剤と、
b.コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、
を含む、経口剤形であって、経口剤形表面が少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む、実施形態64に記載の経口剤形。
66.
a.
(i)100mgのアプレミラスト、100mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、274.6mgの分子量300,000Daのポリエチレンオキシド、53.3mgの塩化ナトリウム、2.6mgのステアリン酸マグネシウム、及び2.7mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層;
(ii)分子量5,000,000Daの173.1mgのポリエチレンオキシド、68.8mgの微結晶性セルロース、22.9mgの塩化ナトリウム、0.5mgの酸化鉄及び1.3mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層
を含む、コア錠剤と、
b.コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、
を含む、経口剤形であって、経口剤形表面が少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む、実施形態64に記載の経口剤形。
67.
a.
(i)75mgのアプレミラスト、75mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、226.0mgの分子量が200,000~300,000Daのポリエチレンオキシド又はそれらの混合物、20.0mgの塩化ナトリウム、2.0mgのステアリン酸マグネシウム、及び2.0mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層;
(ii)分子量5,000,000Daの129.8mgのポリエチレンオキシド、51.6mgの微結晶性セルロース、17.2mgの塩化ナトリウム、0.4mgの酸化鉄及び1.0mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層
を含む、コア錠剤と、
b.コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、
を含む、経口剤形であって、経口剤形表面が少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む、実施形態64に記載の経口剤形。
68.
a.
(i)75mgのアプレミラスト、75mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、206.0mgの分子量300,000Daのポリエチレンオキシド、40.0mgの塩化ナトリウム、2.0mgのステアリン酸マグネシウム、及び2.0mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層;
(ii)分子量5,000,000Daの129.8mgのポリエチレンオキシド、51.6mgの微結晶性セルロース、17.2mgの塩化ナトリウム、0.4mgの酸化鉄及び1.0mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層
を含む、コア錠剤と、
b.コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、
を含む、経口剤形であって、経口剤形表面が少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む、実施形態64に記載の経口剤形。
69.
a.
(i)55mgのアプレミラスト、55mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、165.7mgの分子量が200,000~300,000Daのポリエチレンオキシド又はそれらの混合物、14.7mgの塩化ナトリウム、1.4mgのステアリン酸マグネシウム、及び1.5mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層;
(ii)分子量5,000,000Daの95.2mgのポリエチレンオキシド、37.8mgの微結晶性セルロース、12.6mgの塩化ナトリウム、0.3mgの酸化鉄及び0.7mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層
を含む、コア錠剤と、
b.コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、
を含む、経口剤形であって、経口剤形表面が少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む、実施形態64に記載の経口剤形。
70.
a.
(i)55mgのアプレミラスト、55mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、151.1mgの分子量300,000Daのポリエチレンオキシド、29.3mgの塩化ナトリウム、1.4mgのステアリン酸マグネシウム、及び1.5mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層;
(ii)分子量5,000,000Daの95.2mgのポリエチレンオキシド、37.8mgの微結晶性セルロース、12.6mgの塩化ナトリウム、0.3mgの酸化鉄及び0.7mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層
を含む、コア錠剤と、
b.コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、
を含む、経口剤形であって、経口剤形表面が少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む、実施形態64に記載の経口剤形。
71.
a.
(i)27.5mgのアプレミラスト、27.5mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、82.9mgの分子量が200,000~300,000Daのポリエチレンオキシド又はそれらの混合物、7.3mgの塩化ナトリウム、0.8mgのステアリン酸マグネシウム、及び0.7mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層;
(ii)分子量5,000,000Daの47.6mgのポリエチレンオキシド、18.9mgの微結晶性セルロース、6.3mgの塩化ナトリウム、0.1mgの酸化鉄及び0.4mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層
を含む、コア錠剤と、
b.コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、
を含む、経口剤形であって、経口剤形表面が少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む、実施形態64に記載の経口剤形。
72.
a.
(i)27.5mgのアプレミラスト、27.5mgのヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、75.5mgの分子量300,000Daのポリエチレンオキシド、14.7mgの塩化ナトリウム、0.4mgのステアリン酸マグネシウム、及び0.7mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む薬物層であって、アプレミラスト及びHPMCASが固体分散体中にある、薬物層;
(ii)分子量5,000,000Daの47.6mgのポリエチレンオキシド、18.9mgの微結晶性セルロース、6.3mgの塩化ナトリウム、0.1mgの酸化鉄及び0.4mgのステアリン酸マグネシウムを含む膨潤性層
を含む、コア錠剤と、
b.コア錠剤上に配置され、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含むコーティング層と、
を含む、経口剤形であって、経口剤形表面が少なくとも1つの薬物放出オリフィスを含む、実施形態64に記載の経口剤形。
73.PDE4を阻害することによって改善される疾患又は障害に罹患している患者を治療する方法であって、患者に実施形態1~72のいずれか一項に記載の経口剤形を摂食条件下で1日1回投与することを含む、方法。
74.疾患又は障害が、乾癬、乾癬性関節炎、又はベーチェット病である、実施形態73に記載の方法。
75.疾患又は障害が、大腸炎、炎症性腸疾患、又は化膿性汗腺炎である、実施形態73に記載の方法。
76.疾患又は障害が大腸炎である、実施形態75に記載の方法。
77.大腸炎が潰瘍性大腸炎である、実施形態76に記載の方法。
78.疾患又は障害が炎症性腸疾患である、実施形態75に記載の方法。
79.疾患又は障害が化膿性汗腺炎である、実施形態75に記載の方法。
【実施例】
【0086】
以下の実施例は、開示された治療方法を更に例示するが、当然のことながら、決してその範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0087】
実施例では以下の略語を使用する。SCTは、膨潤性コア技術を指し、TABは錠剤を指し、SDDは、非晶質噴霧乾燥分散体を指し、APRは非晶質アプレミラストを指し、HPMCASは、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステルを指し、HPMCは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを指し、DLは薬物層を指し、SLは、膨潤性層を指し、CLは、コーティング層を指し、PEOは、ポリエチレンオキシドを指し、PEGは、ポリエチレングリコールを指し、Mgはマグネシウムを指し、IGは顆粒内を指し、EGは顆粒外を指し、MCCは、微結晶性セルロースを指し、NaClは塩化ナトリウムを指し、MWは分子量を指し、cSiO2は、コロイド状二酸化ケイ素を指し、CAは、酢酸セルロースを指し、RRは放出速度を指し、SRCは、標準的な丸い凹面を指し、SEMは走査型電子顕微鏡を指し、inWCは水柱インチを指し、AUC0-∞は、時間0から無限大まで計算された血漿中濃度-時間曲線下面積を指し、AUC0-tは、時間0から最後の測定時点までに計算された濃度-時間曲線下面積を指し、CL/Fは、血管外投与後の血漿からの薬物の見かけのクリアランスを指し、Cmaxは、観察された最大濃度を指し、Ctroughは、投与間隔の終了時に観察された血漿濃度を指し、CIは信頼区間を指し、CV%は変動係数を指し、t1/2は、最終排出半減期を指し、tlagは、投与時間と吸収ラグタイムの開始との間の遅延を指し、Tmaxは、Cmaxまでの時間を指し、Vz/Fは、最終相中の見かけの分布容積を指し、Frel1は、参照製剤と比較した各試験製剤の相対バイオアベイラビリティを指し、Frel2は、用量正規化参照製剤IR錠剤と比較した各用量正規化試験製剤の相対バイオアベイラビリティを指し、RAは、24時間の血漿中濃度-時間曲線下の1日目及び5日目の面積に基づく蓄積率を指す。
【0088】
実施例1
この実施例は、48重量%及び52重量%のアプレミラスト負荷を含む非晶質噴霧乾燥固体分散体の調製を実証し、PSD-1スケール噴霧乾燥機を使用して、各負荷について2kgのバッチサイズで製造した。
【0089】
溶液を48:52のAPR:HPMCAS-LG及び52:48のAPR:HPMCAS-LGで、アセトン中の全固形分12%において調製した(表1及び2)。溶液を薬物負荷が増加する順序で噴霧し、2回の噴霧の間に軽微な洗浄を行った(例えば、チャンバ及びダクトをすすぐことは、水及び洗剤(例えば、アルカリ性洗剤;CIP-100)で機能し、供給ポンプを介してアセトンを流す)。乾燥速度及び熱力学は、過去の50%アプレミラストSDD実施と一貫したままであった。SDD中の48%薬物負荷は82%の湿収率を有し、続いて52%薬物負荷SDDについて67%の湿収率を有した。湿収率は、始動/停止量及び事前の湿SDDサンプリングを含まない、噴霧乾燥機から収集された総正味重量から、固体2kgの導入に基づいて計算した。両方のSDDバッチの平均運転条件及び湿収率を表3に列挙する。
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
全ての湿SDD試料を収集したら、対流式トレイ乾燥機を使用して40℃及び相対湿度(RH)15%で、両方の薬物負荷からのバルクSDDを二次乾燥させた。48%APR SDDを1100分間乾燥させ、52%APR SDDを505分間乾燥させた。48%及び52%薬物負荷SDDの乾燥収率は、乾燥SDD試料並びに5%の溶媒損失を想定した湿SDD試料を含むトレイ乾燥機から収集した総正味重量から計算して、2kgの導入固形分に基づいて、それぞれ78%及び64%であった。
【0094】
次いで、Malvern Mastersizer 2000(Malvern Panalytical;Malvern,United Kingdom)を用いたレーザー回折を使用して、各薬物負荷からの乾燥SDDを粒径分布について特徴付けた。平均粒径データを表4に示す。両方の薬物負荷は、33μmの同じ粒径を有し(D[4,3])、組成のわずかな違いが粒径に影響を及ぼさないことを示した。
【0095】
【0096】
SDDの特性評価を表5に要約しており、これには、ガスクロマトグラフィ(GC)による残留アセトン、粉末X線回折(PXRD)による結晶化度、変調示差走査熱量測定(mDSC)による熱特性、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)によるアッセイ及び関連物質、微量遠心溶解による性能、並びに走査型電子顕微鏡(SEM)による形態が含まれる。
【0097】
【0098】
表5に示すように、噴霧乾燥後及び二次乾燥前の48%及び52%APR SDDの残留アセトン含有量に有意差はなかった。52%APR SDDは、より短い乾燥時間のために二次乾燥後にわずかに高い残留アセトンを有したが、両方のバッチは5000ppmのICH限界未満であった。48%APR SDDを1100分間乾燥させ、52%APR SDDを505分間乾燥させた。同様に、ガラス転移温度に測定可能な差はなかった。
【0099】
SEM分析は、48%及び52%のAPR SDDの両方が、滑らかに崩壊した球及び崩壊していない球からなることを示し、結晶性の証拠はなかった。52%APR SDDは、48%APR SDDと比較して、崩壊していない球の数が多く、破壊された粒子の数が多いように見えた。
【0100】
SDD安定性試験-湿SDD保持時間試験
本明細書に記載のPSD-1スケール噴霧乾燥機を使用して、48%及び52%薬物負荷(重量基準)SDDを製造した。各バッチからの湿SDDを気密ステンレス鋼容器内のLDPEバッグに保存し、27℃で最大30日間保持した。10、20及び30日目に、SEM、mDSC、PXRD、HPLCによるアッセイ及び関連物質、残留溶媒及び非シンク溶解(マイクロ遠心分離機溶解試験)による特性評価のために各バッチから試料を取り出した。
【0101】
SEM分析は、48%及び52%のAPR SDDの両方が、滑らかな崩壊した球及び崩壊していない球を含み、融合又は結晶性の証拠はないことを示した。二次乾燥前の30日間の貯蔵後、形態又は物理的状態の変化は観察されなかった。PXRD分析は、48%及び52%APR SDDの両方について30日間の安定性試験を通して結晶化が起こらなかったことを示した。更に、結晶化を示す形態学的変化は、SEM分析の方法の能力内で観察されなかった。DSCサーモグラムは、乾燥SDDと比較して安定性試料のTgに測定可能な差がないことを示した。アッセイ及び関連物質は、30日間の安定性保持にわたって不純物の増加を示さなかった。同様に、微量遠心分離溶解結果は、30日間にわたって性能の差を示さなかった。
【0102】
実施例2
この実施例は、本開示の実施形態による錠剤剤形を示す。
【0103】
表6及び7に示す8つの薬物層(DL)及び6つの膨潤性層(SL)を用いて、14のアプレミラストSCT投与製剤を調製した。錠剤コアを、表8に示されるようにCA及びPEGを含むコーティング層でコーティングした。薬物層組成物及び膨潤性層組成物を表9及び10に示す。
【0104】
【0105】
【0106】
【0107】
【0108】
【0109】
プロセス
薬物層ブレンドは、ブレンド、粉砕、及びローラー圧縮を使用した乾式造粒を含む、本明細書に記載の手順を使用して調製した。0.48g/mLの予備造粒ブレンド密度を仮定して、充填体積を計算した。フルード数を全スケールにわたって約0.05で一定に保つことによって、ブレンダー速度を決定した。
【0110】
薬物層プレブレンドのために、以下の成分:ポリエチレンオキシド(例えば、PolyOx WSR-N80、MW200kDa)、SDD及びマンニトールをブレンダーに添加し、ブレンドした。次いで、予備ブレンドを円錐ミルに低速で通し、続いてブレンドした。潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)をふるい分けし(20メッシュ)、ブレンダーに加え、ブレンドした。次いで、このブレンド混合物をローラーコンパクターを使用して造粒した(パラメータについては表11を参照のこと)。得られた造粒物を容器に排出した。顆粒外賦形剤(例えば、コロイド状二酸化ケイ素及びマンニトール)をブレンダーに添加し、混合した。次いで、顆粒外賦形剤ブレンドを円錐ミルに低速で通した。次いで、顆粒形成及びこのスクリーニングされた顆粒外ブレンドをブレンダーで合わせ、混合した。潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)をふるい分けし(20メッシュ)、混合しながらブレンダーに加えた。ブレンド後、薬物層を排出した。
【0111】
膨潤性層は、充填体積を計算するために0.41g/mLのかさ密度を仮定して同様の手順を使用して調製した。浸透圧剤(例えば、塩化ナトリウム)と着色剤(例えば、酸化鉄)とを合わせ、低速でブレンドした。次いで、塩化ナトリウム及び酸化鉄混合物を円錐ミルに低速で通した。膨潤性ポリマー(例えば、ポリエチレンオキシド)及び希釈剤(例えば、微結晶性セルロース)をスクリーニングした混合物に添加し、ブレンドした。合わせてブレンドした混合物を粉砕し、再びブレンドする。潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)をふるい分けし(20メッシュ)、ブレンダーに加え、ブレンドする。ブレンドした膨潤性層混合物を排出する。
【0112】
ローラー圧縮を、表11に概説したプロセスパラメータを使用して、0.60~0.70の範囲の0.65の目標固形分率で行った。
【0113】
【0114】
各薬物層ブレンドのリボン固体分率は0.62~0.65の範囲内であった。顆粒粒径は、各薬物層ブレンドについてふるい分析を使用して測定した。同じ処理パラメータ(ロール速度=4.0RPM、ロール力=2.0kN/cm、ロールギャップ=2.0mm、ミル画面サイズ=1.0mm)を使用した全ての薬物層の造粒は、同様の顆粒粒径分布をもたらした。平均粒径は、一般に、75~850μmであり、例えば75~106μm(5%未満の質量分率)、106~150μm(約10%の質量分率)、150~250μm(約15%の質量分率)、250~500μm(約30%の質量分率)、及び500~850μm(約37%の質量分率)の粒径を有する粒子の集団であった。
【0115】
二層錠剤圧縮
最終ブレンドを、Korsch XM12錠剤プレスを使用して14個の錠剤バッチに圧縮し、プロセスパラメータを表12に要約した。4つの12.0mmSRCツーリングステーションを使用して、各製剤について10~20分の実行時間を達成した。14個全ての錠剤バッチは、それぞれ733.8~739.9mg、7.10~7.16mm、及び14.0~16.3kPの範囲の平均錠剤重量、厚さ、及び硬度で首尾よく製造された。平均錠剤重量、厚さ及び硬度は許容範囲内であった。
【0116】
【0117】
コーティング層
錠剤コア1~14を、表13に示すコーティング組成物A~Cのうちの1つでコーティングした。コーティング条件を表14に要約する。
【0118】
錠剤コア1~12をコーティング組成物Aでコーティングし、錠剤コア13をコーティング組成物Bでコーティングし、錠剤コア14をコーティング組成物Cでコーティングした。目標コーティング湿重量増加は7.5%であった。
【0119】
【0120】
【0121】
コーティングされた錠剤を、1.2mmの穴を有する第1相レーザードリルを使用して穿孔して薬物放出オリフィスを提供し、続いて約15時間パン乾燥させた。
【0122】
溶解試験
溶解(n=6)を、それぞれ異なる薬物層(DL1~5)及び同じ膨潤性層(SL-6)を有する錠剤6~10に対して行った。これらの製剤の組成及び溶解測定基準の変動を表15に示す。これらの製剤の溶解プロファイルを
図1に示す。5つの製剤について溶解の有意差は観察されなかった。錠剤は、適切な溶解プロファイルを提供した。
【0123】
【0124】
異なる膨潤性層(SL1~5)及び同じ薬物層(DL-6)を有する錠剤1~5に対して溶解(n=6)を行った。賦形剤量及び重要な溶解測定基準の変動を表16に示す。溶解プロファイルを
図2に示す。5つの製剤について溶解プロファイルの有意差は観察されなかった。錠剤は、適切な溶解プロファイルを提供した。
【0125】
【0126】
酢酸セルロースとポリエチレングリコール(PEG3350)との比を変えることによって錠剤5を3つの異なるコーティング溶液組成物でコーティングして、錠剤5、5A、及び5Bを提供した。試験した特定の比並びに重要な溶解測定基準を表17に見出すことができる。溶解プロファイルを
図3に示す。3つの製剤の溶解プロファイルに差は観察されなかった。
【0127】
【0128】
錠剤10~12は、表18に概説されているように様々なレベルのHPMCAS-Lに対するアプレミラストを有するSDDを用いて作製され、これはまた、試験からの重要な溶解メトリックを含む。溶解プロファイルを
図4に示す。中心線SDD(50%アプレミラスト)に対して増加した量のアプレミラスト(52%)を有するSDDを含有する製剤について、残留物のわずかな増加を伴うより遅い放出プロファイルが観察された。この分析では、これらの製剤の錠剤当たりの用量は、それらのそれぞれのSDDロットに見られる実際の量に対して正規化されず、中心線用量が想定された。
【0129】
【0130】
実施例3
この実施例は、本開示の実施形態による経口剤形を実証する。
【0131】
表19に記載の成分を含有する8つの錠剤(錠剤15~22)を本明細書に記載のように調製した。各錠剤の薬物層は、50:50の重量比でアプレミラスト及びHPMCASを含んでいた。更に、錠剤15の薬物層は、希釈剤として顆粒外マンニトールを更に含んでいた。更に、剤形21及び22は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むサブコート層を更に含んでいた。
【0132】
【0133】
対象には、摂食状態(例えば、中程度又は高脂肪の食事を摂取した30分後)で錠剤16~22の1つを投与した。
【0134】
【0135】
実施例4
この実施例は、本開示の実施形態による経口剤形を実証する。
【0136】
製剤15の2つの75mgのSCT QDアプレミラスト錠剤を調製した(錠剤A及びB)。試験中、対象に錠剤A(処置A)及び錠剤B(処置B)を投与した。処置は、約240mL(又は8オンス)の非炭酸化室温水と共に投与した。対象は、各投与期間の少なくとも10時間前の一晩及び朝の投与後少なくとも4時間の絶食を受けた。投与後少なくとも4時間は、食物又は飲料(水を除く)を与えなかった。投与前1時間及び投与後1時間を除いて、水を所望のように許容した。
【0137】
血液試料を、薬物動態(PK)及び臨床検査評価のための特定の時点で収集した。安全性を試験全体を通して監視した。時間プロファイルに対する平均(±SD)アプレミラスト血漿濃度を
図5に示す。全ての薬物動態推定値は、実際に記録された採血時間を用いて計算した。処置による血漿薬物動態パラメータを表21に要約する。
【0138】
【0139】
アプレミラスト75mg SCT製剤の単回経口投与後(処置A又は処置B)、アプレミラストはゆっくり吸収され、最大血漿濃度(Tmax)までの中央時間で最大血漿濃度がそれぞれおよそ6及び8時間で生じた。処置Bの曝露はわずかに低いが、処置Aで観察された曝露と同等であると考えられる(Cmax:357ng/mL対382ng/mL、AUC0-t:5650h*ng/mL対6040h*ng/mL、及びAUC0-∞:5680h*ng/mL対6080h*ng/mL)。Cmaxを達成した後、アプレミラスト濃度は、処置A及び処置Bの両方について約7時間の最終排出半減期(t1/2)で減少した。
【0140】
実施例5
この実施例は、本開示の実施形態による経口剤形を実証する。
【0141】
対象に、試験中に錠剤21を1日一回投与し、30mgのIRアプレミラスト製剤及び75mgの胃内滞留性(GR)製剤と比較した。処置は、約240mL(又は8オンス)の非炭酸化室温水と共に投与した。投与日に、対象を、各朝の食事の前に少なくとも8時間、及び朝の投与後少なくとも4時間絶食させた。絶食期間中、水は、投与の1時間前から投与の1時間後までを除いて自由に摂取させた(IPで与えられた水を除く)。標準食を朝用量の投与の30分前に投与した。標準食は、約450カロリー、脂肪からのカロリーの25%で構成されていた。標準食内容は、8オンスの1%脂肪乳、1つの大きな固ゆで卵、2つの全粒トースト、1つのバター(5g)、及び1つの中程度のバナナに相当した。昼食、夕食、及び全ての軽食の内容(カロリー、脂肪、タンパク質、及び炭水化物に関して)及びタイミングは、全ての投与日の全ての期間にわたって一貫していた。朝の投与のおよそ4、9、及び13時間後に、それぞれ、昼食、夕食、及び軽食を提供した。
【0142】
血液試料を、薬物動態(PK)及び臨床検査評価のための特定の時点で収集した。安全性を試験全体を通して監視した。1日目及び5日目の両方についての時間プロファイルに対する平均(±SD)アプレミラスト血漿濃度をそれぞれ
図6及び
図7に示す。全ての薬物動態推定値は、実際に記録された採血時間を用いて計算した。処置を完了した全ての対象の血漿薬物動態パラメータを表22に要約する。
【0143】
【0144】
錠剤21を単回用量及び1日1回の複数回用量として経口投与した場合、最大血漿中濃度までの中央値時間(T
max)が約6時間で最大血漿中濃度が生じるように、アプレミラストはゆっくりと吸収された(
図6、
図7、及び表22)。アプレミラストのピーク血漿中濃度(C
max)は、1日目において錠剤21及び30mg IR BIDの間で類似していたが、C
maxは、5日目の表21についてわずかに低かった。表21は、30mgのIR BID(投与後2時間)と比較してC
maxに達するまでの遅延中央値時間、及び75mgの1日用量に基づいて比較的低いC
maxを示し、典型的な改変放出製剤の持続放出効果を反映していた(
図6、
図7、及び表22)。
【0145】
5日目に定常状態Cmaxを達成した後、アプレミラスト濃度は、錠剤21の投与後約7時間の最終排出半減期(t1/2)で低下した。アプレミラストのt1/2は、複数回投与後の健康な男性対象における錠剤21及び30mg IR BIDの間で類似していた。AUC0-24、AUC0-t、及びAUC0-∞は、単回及び複数回経口投与後の錠剤21及び30mg IR BIDの間で類似していた。表21の蓄積率もまた、複数回経口投与後の30mg IR BIDの蓄積率と同様であった。錠剤21の経口投与後5日目のCtroughは、30mgのIR BIDのものと比較して低かった。相対バイオアベイラビリティは錠剤21及び30mgのIR BIDの間で同程度であったが、錠剤21の用量正規化相対バイオアベイラビリティは30mgのIR BIDのものよりも約23%低かった。
【0146】
75mg GR錠剤を単回用量及び複数回用量として経口投与した場合、最大血漿中濃度までの中央値時間(T
max)が約6時間で最大血漿中濃度が生じるように、アプレミラストはゆっくりと吸収された(
図6、
図7、及び表22)。75mg GR錠剤についてのアプレミラストのピーク血漿中濃度(C
max)は、IRについてのC
maxよりも高かった。75mg GR錠剤は、IR(投与後2時間)と比較してC
maxに達するまでの中央値時間の遅延、及び75mgの1日用量に基づいて比較的低いC
maxを示し、典型的な改変放出製剤の持続放出効果を反映した(
図6、
図7、及び表22)。
【0147】
5日目に定常状態Cmaxを達成した後、アプレミラスト濃度は、75mg GR錠剤の投与後約10時間の最終排出半減期(t1/2)で低下した。複数回投与後の健康な男性対象における30mgのIR BIDと比較して、75mgのGR錠剤について、アプレミラストのt1/2は2~3時間長かった。AUC0-24、AUC0-t、及びAUC0-∞は、単回及び複数回経口投与後の30mg IR BIDと比較して、75mg GR錠剤では概してより低かった。75mg GR錠剤を投与した場合の蓄積率及び5日目のCtroughは、複数回経口投与後の30mg IR BIDと比較して少なかった(表22)。75mg GR錠剤の相対バイオアベイラビリティ及び用量正規化相対バイオアベイラビリティの両方は、30mg IR BIDの場合よりも低かった。
【0148】
30mg IR BIDアプレミラスト製剤(参照)と比較した、錠剤21アプレミラストQD製剤(試験)及び75mg GR錠剤アプレミラストQD製剤(試験)の両方のバイオアベイラビリティについてのAUC0-24、Cmax、及びCtroughの統計分析の結果を表23に要約する。1日目及び5日目のTmaxの中央差分析を表24に要約する。
【0149】
【0150】
【0151】
1日1回の錠剤21及びGR錠剤の5日間の複数回経口投与後、5日目のAUC0-24値は、それぞれ参照AUC0-24値の約100%及び79%であった。錠剤21及びGR錠剤の5日目のCmaxは、それぞれ参照製剤IR 30mg BIDの91%及び103%であった(表23)。
【0152】
表23に示されるAUC0-24幾何平均の比の90%CIが従来の生物学的同等性基準である80%~125%の限界の範囲内であったので、AUC0-24は、錠剤21アプレミラストQD製剤と30mgIRアプレミラストBID製剤との間で同等であると考えられる。しかし、Cmax及びCtroughは、それぞれ約9%及び36%低かった。
【0153】
GR錠剤のAUC0-24は、30mgのIR BIDと比較して約21%低かった。しかしながら、表23に示されるCmax幾何平均の比の90%CIが従来の生物学的同等性基準である80%~125%の限界の範囲内であったので、Cmaxは、75mg GR錠剤アプレミラストQD製剤と30mgIRアプレミラストBID製剤との間で同等であると考えられた。GR錠剤のCtroughは、30mgのIR BIDのものと比較して約40%低かった。
【0154】
Tmax中央値分析を表24に示す。錠剤21アプレミラストQD製剤及び75mgGR錠剤アプレミラストQD製剤のTmaxの中央値の両方が、30mg IRアプレミラストBID製剤と比較した場合、2.5時間~3時間の中央値差で有意に遅延した。参照製剤と比較した両試験製剤のTmaxの中央値差は統計学的に有意であった(p<0.0001)。
【0155】
実施例6
この実施例は、本開示の実施形態の錠剤製剤及び経口剤形を実証する。表25に記載の成分を含む錠剤製剤6-1~6-13を調製した。
【0156】
【0157】
【0158】
実施例7
この実施例は、本開示の実施形態の100mgコア錠剤製剤を実証する。表26に記載の薬物層成分を含む100mgコア錠剤製剤7-1~7-6を調製した。7-1~7-6のそれぞれは、以下の成分を含む同じ膨潤性層を含んでいた(膨潤性層の重量%):64.9%のPEO、25.8%のMCC、8.6%のNaCl、0.2%の酸化鉄(III);及び0.5%のステアリン酸Mg。7-1~7-6の各薬物層は533.3mgの総重量を有し、膨潤性層は266.7mgの重量を有し、各錠剤コア組成物について800mgの総非被覆重量を提供した。
【0159】
【0160】
コア錠剤製剤7-1~7-6の溶解を以下の条件下で分析した:使用装置:USP装置2(パドル);容器:低蒸発蓋1L溶解容器;パドル撹拌速度:75±2rpm;溶解媒体温度:37.0±0.5℃;試料サイズ:1容器当たり1つの錠剤;溶解媒体組成:酢酸ナトリウム緩衝液中0.5%Tween(登録商標)80、pH5.5;溶解媒体体積:900mL;試料体積:1.5mL(オートサンプラー)又は5mL(手動サンプリング)。
【0161】
【0162】
【0163】
表27及び
図8に示すように、24時間での溶解は、薬物層中の浸透圧剤の存在下で高分子量PEOの割合が増加するにつれて増加する。更に、ラグタイムはPEOのMWと共に増加し、薬物層中の浸透圧剤の存在下ではより短い。残存する残留アプレミラストは、錠剤コア組成物7-4について最も高く、高分子量PEO(600kDa)画分及び浸透圧剤(例えば、NaCl)の増加と共に錠剤コア組成物7-5及び7-6について減少する。浸透圧剤の存在下での高MW PWOを有する製剤の溶解性能の全体的な改善が観察される(7-2対7-5及び7-3対7-6)。
【0164】
次に、表28に示す薬物層と上記と同じ膨潤性層とを含むコア錠剤組成物7-7~7-12を調製した。
【0165】
【0166】
組成物7-7~7-12の溶解を、上記と同じ条件を用いて評価した。
【0167】
【0168】
【0169】
表29及び
図9に示すように、2つのPEOグレードの混合物を含有する組成物7-7~7-9の薬物層中の浸透圧剤の増加に伴って、ラグタイム及び残留アプレミラスト%の両方が増加する。ラグタイム及び残留アプレミラストは、高MW PEOを有する組成物(7-10~7-12)の浸透圧剤の増加と共に減少するか、又は同じままである。組成物7-12は、単一グレードのPEO及び10%NaClを含みながら、最小量の残留アプレミラスト及び短いラグタイムで望ましい性能を示した。
【0170】
一般に、溶解中の残留物の最小化は、塩化ナトリウムの濃度及び薬物層中のPEOの分子量の両方の関数であり、最も低い残留物は、10%の塩化ナトリウム及び最も高いMWのPEOを含む製剤中に見出された(PolyOx WSR205、MW=600kDa)。塩化ナトリウムの量の増加(薬物層の5%及び10%)は、ラグタイムを減少させ、高MW PEOを有する組成物の放出速度を増加させる(7-3対7-6及び7-10~7-12)。最短ラグタイムは、10%NaCl及び最低分子量PEOを含む製剤で観察された(PolyOx WSR N80、MW=200kDa)。望ましい製剤は、最も単純な製剤で残留物及びラグタイムを減少させ、したがって、製剤7~12は、1.9時間のラグタイム、14%の残留物、及び10%の塩化ナトリウムを含む1つのグレードのPEO(PolyOx WSR N750 LEO)のみを使用して、ラウンド1及びラウンド2の両方からの全体的な性能が最良であった。
【0171】
安定性試験では、コア錠剤製剤7~8は、PXRDによってある程度の結晶化度を示し、40℃/75%相対湿度で3ヶ月及び6ヶ月後に溶解が減少した(
図10A及び10B)。対照的に、コア錠剤組成物7~12は、40℃/75%RHで6ヶ月後に結晶化度又は溶解の変化を示さなかった(
図11A及び11B)。コア錠剤組成物7~8は、3ヶ月又は6ヶ月で30℃/65%RHで変化を示さなかった(
図10B及び11B)。安定性に関して製剤試料中の結晶性薬物を検出するためのPXRD法の感度を確保するために、SDD標準の0.5%粉砕APIをこれらの測定の対照として使用した(
図10B及び11B)。
【0172】
25℃/60%RH及び30℃/65%RHで7-8及び7-12について溶解又は結晶化度の変化は観察されなかったが、7-12はこれらの条件下で安定したままであった。錠剤中の残留物と組み合わせた溶解媒体中の未溶解薬物が、性能が低下した試料について、溶解した%用量の差の原因であることが決定された(錠剤シェル中の約10~15%の残留薬物がこの製剤について予想される)(
図10A)。錠剤中の残留薬物の完全な溶解を確実にするために、24時間の時点及び浴均質化の後にアセトニトリル(ACN)を添加した(
図10A及び
図11A)。
【0173】
これらのデータは、薬物層中の高MW PEOが、30℃/65%RH及び40℃/75%RHの加速安定性条件で適切な溶解性能を確実にするために有益であることを実証している。これらの状況における薬物層中のNaClの存在は、適切なラグタイムを保証する。
【0174】
前述の例は、本明細書に記載の開示されたプロセスの実施形態の単なる例示であり、開示された方法を限定することを意図するものではない。当業者に明白である変形形態及び変更形態は、添付の特許請求の範囲で定義される本開示の範囲内及び趣旨内であることが意図される。
【0175】
本明細書で引用される全ての参考文献(例えば、刊行物、特許出願、及び特許)は、それぞれの参考文献が、あたかも個々に及び具体的に参照により本明細書に組み込まれることが示されており、且つ本明細書においてその全体が記載されているかのように同程度に参照により本明細書に組み込まれる。
【0176】
本開示の実施形態の説明に関する(とりわけ下記の特許請求の範囲に関する)「1つの(a)」、及び「1つの(an)」、及び「その」及び「少なくとも1つ」という用語、並びに類似の指示対象の使用は、本明細書中で別段の指示がない限り又は文脈と明確に矛盾しない限り、単数及び複数の両方を包含するものと解釈されるべきである。1種又は複数種の品目の一覧が、その後に続く「少なくとも1の」という用語(例えば、「A及びBの少なくとも1つ」)は、本明細書において別段の指定がない限り、又は文脈上明らかに矛盾しない限り、一覧に記載された品目から選択される1つの品目(A又はB)又は一覧に記載された品目の2つ以上の任意の組合せ(A及びB)を意味すると解釈すべきである。「含む」、「有する」、「包含する」及び「含有する」という用語は、特記しない限り、オープンエンドの用語(すなわち「含むが、限定されない」を意味する)と解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の記載は、本明細書に別段の指示がない限り、その範囲内に入る別個の各値に個別に言及する簡潔な方法としての役割を果たすことを意図しているに過ぎず、別個の各値は、あたかも個別に本明細書に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書で説明されている方法は全て、別途本明細書で指示されない限り、又は文脈と明確に矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施され得る。本明細書で提供されるありとあらゆる例又は例示的な言語(例えば、「等」)の使用は、本開示の実施形態をより明らかにすることが意図されているに過ぎず、別途特許請求されない限り、本開示の範囲に限定を課すものではない。本明細書におけるいかなる言語も、任意の特許請求されていない要素を、本開示を実施するのに必要不可欠なものとして示すものと解釈されるべきではない。
【国際調査報告】