(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】工業用化学品製造のためのガス種の光触媒のためのリアクタセル
(51)【国際特許分類】
B01J 8/06 20060101AFI20240517BHJP
【FI】
B01J8/06 301
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572523
(86)(22)【出願日】2022-05-27
(85)【翻訳文提出日】2024-01-22
(86)【国際出願番号】 US2022031444
(87)【国際公開番号】W WO2022251704
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520000216
【氏名又は名称】シジジー プラズモニクス インコーポレーティッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】カハティワダ,スマン
(72)【発明者】
【氏名】シャー,シュレヤ
(72)【発明者】
【氏名】ハドソン,ジャック エリオット
(72)【発明者】
【氏名】ティルマライ,ハリ ナラヤナン ランガラジャン
(72)【発明者】
【氏名】チャップマン,ジョナサン モリス
(72)【発明者】
【氏名】ベスト,トレバー ウィリアム
【テーマコード(参考)】
4G070
【Fターム(参考)】
4G070AA01
4G070AB07
4G070BB03
4G070CA25
4G070CA30
4G070CB02
4G070CB13
4G070CB16
4G070DA21
(57)【要約】
リアクタセルアセンブリであって、環状体積部と、反応ガス入口を有する頂部エンドキャップ嵌合部と、生成ガス出口を有する底部圧縮エンドキャップ嵌合部と、環状体積部内に位置決めされた光触媒充填床と、環状体積部内に光触媒充填床を位置決めするための多孔質ベースフィルタと、光ハウジングとを有するリアクタセルアセンブリ。光ハウジングの外側部分及び内側部分の少なくとも一方は、ガス入口を介して導入された少なくとも1種のガス状反応物質が光触媒充填床を通して流れ、及び少なくとも1種の結果として得られるガス状生成物がガス出口を介して出るとき、連続光誘起気相反応を活性化するために、光触媒充填床に入射する光子を均一に放出するように配置された光子エミッタの周方向アレイを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光触媒リアクタセルアセンブリであって、
第1の外径及び第1の内径を有する第1のチューブを含む外側セル壁と;
第2の外径及び第2の内径を有する第2のチューブを含む内側セル壁であって、前記第2の外径は、前記第1の内径よりも小さく、前記外側セル壁及び前記内側セル壁は、垂直軸の周りに同心円状に配置されて、前記外側セル壁と前記内側セル壁との間に環状体積部を画定する、内側セル壁と;
環状形状を有し、及び反応ガス入口を含む頂部圧縮エンドキャップ嵌合部と;
環状形状を有し、及び生成ガス出口を含む底部圧縮エンドキャップ嵌合部であって、前記頂部圧縮エンドキャップ嵌合部及び前記底部圧縮エンドキャップ嵌合部は、前記外側セル壁及び前記内側セル壁との頂部シール及び底部シールをそれぞれ形成する、底部圧縮エンドキャップ嵌合部と;
前記外側セル壁と前記内側セル壁との間の前記環状体積部内に位置決めされた光触媒充填床であって、光触媒を含む光触媒充填床と;
前記環状体積部内に前記光触媒充填床を位置決めするための多孔質ベースフィルタであって、前記頂部圧縮エンドキャップ嵌合部よりも前記底部圧縮エンドキャップ嵌合部に近い前記光触媒充填床の下面上にあり、ガス透過性であるが、前記光触媒充填床中の前記光触媒に対して不透過性であるように選択される細孔サイズを有する多孔質ベースフィルタと;
外側部分及び内側部分を含む光ハウジングであって、前記外側部分は、前記外側セル壁の外側で前記垂直軸の周りに同心円状に配置され、前記内側部分は、前記内側セル壁の内側で前記垂直軸の周りに同心円状に配置され、前記外側部分及び前記内側部分の少なくとも一方は、前記光触媒充填床に入射する光子を均一に放出するように配置された光子エミッタの周方向アレイを含む、光ハウジングと
を含み、それにより、前記光触媒充填床に入射する光子の前記放出は、前記ガス入口を介して導入された少なくとも1種のガス状反応物質が前記光触媒充填床を通して流れ、及び少なくとも1種の結果として得られるガス状生成物が前記ガス出口を介して出るとき、連続光誘起気相反応を活性化する、光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項2】
前記第1のチューブは、円筒状である、請求項1に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項3】
前記第1のチューブは、円形断面を有する、請求項1又は2に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項4】
前記第2のチューブは、円筒状である、請求項1~3のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項5】
前記第2のチューブは、円形断面を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項6】
前記第1のチューブ及び前記第2のチューブは、円筒状である、請求項1~5のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項7】
前記第1のチューブ及び前記第2のチューブは、円形断面を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項8】
前記外側セル壁及び前記内側セル壁の少なくとも一方の少なくとも一部は、前記光子エミッタによって放出された前記光子を透過させる材料で構築される、請求項1~7のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項9】
前記外側セル壁及び前記内側セル壁の少なくとも一方の少なくとも一部は、可視光スペクトルの光子を透過させる、請求項1~8のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項10】
前記外側セル壁及び前記内側セル壁の少なくとも一方の少なくとも一部は、近IRスペクトルの光子を透過させる、請求項1~9のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項11】
前記外側セル壁及び前記内側セル壁の少なくとも一方は、ガラス管を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項12】
前記外側セル壁及び前記内側セル壁の少なくとも一方は、溶融石英ガラスを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項13】
前記外側セル壁及び前記内側セル壁の少なくとも一方は、ホウケイ酸ガラスを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項14】
前記外側セル壁及び前記内側セル壁の少なくとも一方は、金属材料を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項15】
前記外側セル壁及び前記内側セル壁の少なくとも一方の少なくとも第1の部分は、前記光子エミッタによって放出された前記光子を透過させる材料で構築され、前記外側セル壁及び前記内側セル壁の少なくとも一方の少なくとも第2の部分は、放出された光子を前記光触媒充填床中に反射させるための反射面を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項16】
前記外側セル壁及び前記内側セル壁の少なくとも一方の少なくとも第1の部分は、前記光子エミッタによって放出された前記光子を透過させる材料で構築され、前記外側セル壁及び前記内側セル壁の少なくとも一方の少なくとも第2の部分は、放出された光子を前記光触媒充填床中に散乱させるための散乱面を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項17】
前記光触媒充填床は、支持材と共沈された前記光触媒を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項18】
前記光触媒は、アンテナ-リアクタのプラズモニックナノ粒子を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項19】
前記光触媒充填床は、前記環状体積部の中央部分に垂直に位置決めされ、前記頂部圧縮エンドキャップ嵌合部に最も近い前記環状体積部の上方部分は、反応ガス混合のための十分なヘッドスペースを提供するために、前記光触媒充填床を欠いている、請求項1~18のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項20】
前記頂部圧縮エンドキャップ嵌合部及び前記底部圧縮エンドキャップ嵌合部は、ステンレス鋼(SS316)で構築される、請求項1~19のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項21】
前記頂部圧縮エンドキャップ嵌合部及び前記底部圧縮エンドキャップ嵌合部は、オーステナイト系ニッケル-クロムベース合金で構築される、請求項1~19のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項22】
前記頂部圧縮エンドキャップ嵌合部及び前記底部圧縮エンドキャップ嵌合部は、ニッケル-クロム-鉄-モリブデン合金で構築される、請求項1~19のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項23】
前記頂部圧縮エンドキャップ嵌合部及び前記底部圧縮エンドキャップ嵌合部は、アルミニウムで構築される、請求項1~19のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項24】
前記頂部圧縮エンドキャップ嵌合部及び前記底部圧縮エンドキャップ嵌合部の少なくとも一方の、前記光触媒充填床に面する部分は、放出された光子を前記光触媒充填床中に反射させるように研磨される、請求項1~23のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項25】
前記頂部圧縮エンドキャップ嵌合部は、前記外側セル壁の頂部部分の周りに嵌まる第1の外周フランジ又は前記内側セル壁の頂部部分の内側に嵌まる第1の内周フランジの少なくとも一方を有する、請求項1~24のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項26】
前記底部圧縮エンドキャップ嵌合部は、前記外側セル壁の底部部分の周りに嵌まる第2の外周フランジ又は前記内側セル壁の底部部分の内側に嵌まる第2の内周フランジの少なくとも一方を有する、請求項1~25のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項27】
前記頂部シール及び前記底部シールを形成させるのに十分な圧縮力を及ぼすために、前記頂部圧縮エンドキャップ嵌合部及び前記底部圧縮エンドキャップ嵌合部のそれぞれに結合されたテンションロッドをさらに含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項28】
前記テンションロッドは、前記外側セル壁及び前記内側セル壁が周りに同心円状に配置される前記垂直軸と同一線上であるように配置され、前記テンションロッドは、前記外側セル壁及び前記内側セル壁への前記頂部圧縮エンドキャップ嵌合部及び前記底部圧縮エンドキャップ嵌合部の締め付けを容易にするために、少なくとも1つのねじ付きファスナと協働するねじ山を含む、請求項27に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項29】
前記頂部圧縮エンドキャップ嵌合部及び前記底部圧縮エンドキャップ嵌合部は、それぞれ支持体を含み、前記支持体を通して、前記テンションロッドは、前記圧縮力を及ぼす、請求項27又は28に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項30】
前記テンションロッド及び前記支持体は、アルミニウムで構築される、請求項29に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項31】
前記頂部シール及び前記底部シールを形成させるのに十分な圧縮力を及ぼすために、前記頂部圧縮エンドキャップ嵌合部及び前記底部圧縮エンドキャップ嵌合部のそれぞれに結合された複数のテンションロッドをさらに含む、請求項1~30のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項32】
前記頂部シール又は前記底部シールの少なくとも一方を形成させることを支援するために、少なくとも1つのガスケットをさらに含む、請求項1~31のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項33】
前記頂部シール又は前記底部シールの少なくとも一方を形成させることを支援するために、少なくとも1つのOリングをさらに含む、請求項1~32のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項34】
前記光ハウジングの前記外側部分は、円筒状である、請求項1~33のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項35】
前記光ハウジングの前記外側部分は、円形断面を有する、請求項1~34のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項36】
前記光ハウジングの前記内側部分は、円筒状である、請求項1~35のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項37】
前記光ハウジングの前記内側部分は、円形断面を有する、請求項1~36のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項38】
前記光ハウジングの前記内側部分及び前記光ハウジングの前記外側部分は、円筒状である、請求項1~37のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項39】
前記光ハウジングの前記外側部分及び前記光ハウジングの前記内側部分は、円形断面を有する、請求項1~38のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項40】
前記光ハウジングの前記外側部分又は前記光ハウジングの前記内側部分の少なくとも一方は、アルミニウムフレームを含み、前記アルミニウムフレーム上に前記光子エミッタの周方向アレイが取り付けられる、請求項1~39のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項41】
前記光ハウジングの前記外側部分又は前記光ハウジングの前記内側部分の少なくとも一方は、冷却ブロックを含み、前記冷却ブロック上に前記光子エミッタの周方向アレイが取り付けられ、前記冷却ブロックは、冷却流体が通過する少なくとも1つの冷却通路を有する、請求項1~40のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項42】
前記冷却ブロックは、前記冷却流体が所定の流量で通過させられるレセプタクルを画定する壁を含む、請求項1~41のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項43】
前記冷却流体は、所定の熱容量を有する、請求項1~42のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項44】
前記光子エミッタの周方向アレイは、前記冷却ブロックの前記アルミニウム壁の少なくとも1つに取り付けられた複数のLEDを含み、それにより、前記レセプタクルを通過する前記冷却流体は、前記複数のLEDの冷却を支援する、請求項1~43のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項45】
前記光子エミッタの周方向アレイは、複数のLEDを含み、前記光ハウジングの前記円筒状シェル又は前記光ハウジングの前記内側部分の少なくとも一方は、冷却ブロックを含み、前記冷却ブロックは、前記複数のLEDの冷却を支援するために、前記冷却ブロックを通して冷却流体を通過させるための複数の冷却材通路又は複数のバッフルの少なくとも一方を有する、請求項1~44のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項46】
前記外側部分は、外側冷却ブロックを含み、及び前記内側部分は、内側冷却ブロックを含み、前記外側冷却ブロック及び前記内側冷却ブロックは、前記光子エミッタの冷却を支援するように構成される、請求項1~45のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項47】
前記光ハウジングの前記外側部分は、前記光触媒充填床に入射する光子を均一に放出するように前記外側部分の内側面に配置された前記光子エミッタの周方向アレイを含む、請求項1~46のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項48】
前記光ハウジングの前記内側部分は、前記光触媒充填床に入射する光子を均一に放出するように前記内側部分の外側面に配置された前記光子エミッタの周方向アレイを含む、請求項1~47のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項49】
前記光ハウジングの前記外側部分は、前記光触媒充填床に入射する光子を均一に放出するように前記外側部分の内側面に配置された前記光子エミッタの周方向アレイの第1の部分を含み、前記光ハウジングの前記内側部分は、前記光触媒充填床に入射する光子を均一に放出するように前記内側部分の外側面に配置された前記光子エミッタの周方向アレイの第2の部分を含む、請求項1~48のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項50】
前記光ハウジングの前記外側部分は、クラムシェル設計のものであり、及び前記光触媒リアクタセルアセンブリ内における前記外側部分の設置又は除去を可能にするために、ヒンジによって結合された2つのセクションを含む、請求項1~49のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項51】
前記光ハウジングの前記内側部分は、前記テンションロッドに固定される、請求項1~50のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項52】
前記外側部分及び前記内側部分は、前記頂部圧縮エンドキャップ嵌合部及び前記底部圧縮エンドキャップ嵌合部の少なくとも一方における前記支持体の少なくとも1つにそれぞれ接続される、請求項1~51のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項53】
前記支持体は、アルミニウムで構築される、請求項52に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項54】
前記光ハウジングは、流体冷却される、請求項1~53のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項55】
前記光ハウジングは、水冷される、請求項1~54のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項56】
前記光子エミッタは、LEDであり、前記光ハウジングは、前記光子エミッタが取り付けられる表面を摂氏150度以下の温度に維持するための冷却システムを含む、請求項1~55のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項57】
前記光ハウジングは、少なくとも1つのヒートシンクを含む、請求項1~56のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項58】
前記ヒートシンクは、アルミニウムで構築される、請求項57に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項59】
前記光ハウジングは、前記光子エミッタを制御するための一体化された制御電子機器をさらに含む、請求項1~58のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項60】
前記外側部分及び前記内側部分の両方は、環状断面を有する、請求項1~59のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項61】
前記光子エミッタの周方向アレイは、互いに隣接する複数のLED基板を含み、各LED基板は、複数のLEDを含む、請求項1~60のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項62】
前記光子エミッタは、前記光誘起気相反応を活性化するのに十分なエネルギー及び波長を有する光子を放出するように選択される、請求項1~61のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項63】
前記光子エミッタは、前記可視光スペクトルの光子を放出するための発光ダイオード(LED)を含む、請求項1~62のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項64】
前記光子エミッタは、前記近IRスペクトルの光子を放出するための赤外線(IR)ランプを含む、請求項1~63のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項65】
前記光子エミッタは、UVランプ、IRランプ、アーク灯又はLEDからなる群から選択される、請求項1~64のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項66】
前記光子エミッタのためのドライバをさらに含み、前記ドライバは、ドライバ効率を向上させるために50%以上の電力負荷で動作するように選択される、請求項1~65のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項67】
前記光子エミッタの周方向アレイは、前記垂直軸の周りで環状に互いに隣接して配置された複数の赤外線(IR)ランプを含む、請求項1~66のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項68】
前記外側部分は、前記垂直軸の周りで環状に及び前記外側セル壁の外側で互いに隣接して配置された赤外線(IR)ランプの形態における前記光子エミッタの周方向アレイを含み、各IRランプは、前記光触媒充填床に向かってIR放射線を反射させるための反射コーティングを含み、各IRランプの前記反射コーティングは、前記垂直軸から遠位の前記IRランプの表面上にある、請求項1~67のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項69】
前記内側部分は、前記垂直軸の周りで環状に及び前記内側セル壁の内側で互いに隣接して配置された赤外線(IR)ランプの形態における前記光子エミッタの周方向アレイを含み、各IRランプは、前記光触媒充填床に向かってIR放射線を反射させるための反射コーティングを含み、各IRランプの前記反射コーティングは、前記垂直軸から近位の前記IRランプの表面上にある、請求項1~68のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項70】
前記多孔質ベースフィルタは、ガス透過性構造材料を含む、請求項1~69のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項71】
前記多孔質ベースフィルタは、多孔質金属、石英ウール又はセラミックの少なくとも1つを含む、請求項1~70のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項72】
前記多孔質ベースフィルタは、ステンレス鋼(SS316)、オーステナイト系ニッケル-クロムベース合金又はニッケル-クロム-鉄-モリブデン合金を含む、請求項1~71のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項73】
前記多孔質ベースフィルタは、環状形状を有する、請求項1~72のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項74】
前記環状体積部を加熱し、それにより前記光誘起気相反応の反応速度を高めるためにヒータをさらに含む、請求項1~73のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項75】
前記光ハウジングの前記外側部分は、前記環状体積部を加熱して、それにより前記光誘起気相反応の前記反応速度を高めるヒータである、請求項1~74のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項76】
前記ヒータは、管状炉ヒータ又はバンドヒータから選択される、請求項74又は75に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項77】
前記環状体積部内のらせん状石英管内に配置された浸漬赤外線(IR)コイルランプをさらに含む、請求項1~76のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項78】
前記環状体積部に埋め込まれたヒータをさらに含み、前記ヒータは、前記内側セル壁と前記外側セル壁との間において、前記垂直軸の周りで環状に互いに隣接して配置された複数の赤外線(IR)ランプを含む、請求項1~77のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項79】
前記環状体積部に浸漬された環状ヒータをさらに含む、請求項1~78のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項80】
前記第1のチューブ又は前記第2のチューブの少なくとも一方は、異なる直径を有する複数の円筒状部分を含み、前記円筒状部分は、角度付きの接続部分を介して端部間で接合される、請求項1~79のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
[0001] 本開示は、工業用化学品製造の分野に関し、特に工業用化学品製造のためのガス種の光触媒のためのリアクタセルの設計及び構築に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
[0002] 本明細書で使用されるような光触媒は、所望の生成物を選択的に形成するために、反応物質の化学変換速度を速めるように化学プロセスに光子を照射することを指す。十分なエネルギー及び波長の入射光子は、そうでなければ熱的に活性化されたプロセスによって利用できない場合がある反応機構を解放することにより、光誘起反応を活性化させる。光触媒の最近の発展は、電子振動の励起に起因する、可視光との強い相互作用を示すプラズモニックナノ粒子の使用を含む。例えば、それらのそれぞれの内容が参照により本明細書に援用される、以下を参照されたい:(1)Stankiewicz,“Energy Matters: Alternative Sources and Forms of Energy for Intensification of Chemical and Biochemical Processes,”Chem. Eng. Res. Des., 2006, 84 (7 A), 511-521, https://doi.org/10.1205/cherd.05214;(2)Robatjazi et al.,“Plasmon-Driven Carbon-Fluorine (C(Sp 3)-F) Bond Activation with Mechanistic Insights into Hot-Carrier-Mediated Pathways,”Nat. Catal., 2020, 3 (7), 564-573, https://doi.org/10.1038/s41929-020-0466-5;(3)Zhou et al.,“Light-Driven Methane Dry Reforming with Single Atomic Site Antenna-Reactor Plasmonic Photocatalysts,”Nat. Energy, 2020, 5 (1), 61-70, https://doi.org/10.1038/s41560-019-0517-9;(4)Gerven et al.,“2009-VanGervenStankiewicz-Structure, Energy, Synergy, Time.pdf,”2009, 2465-2474;及び(5)Zhou et al.,“Quantifying Hot Carrier and Thermal Contributions in Plasmonic Photocatalysis,”Science, 05 Oct. 2018, 69-72, https://doi.org/10.1126/science.aat6967。これらのプラズモニックナノ粒子は、減少されたエネルギー消費量で所望の生成物の選択性が高まることに起因して、効率性が高まる可能性を提供する。プラズモニックナノ粒子は、様々な化学的変化に関して学究的環境でかなりの関心を集めたが、公知の工業的応用は、廃水処理及び浄化プロセスに限定されており、それらの全てが液体状態の反応である。例えば、その全体が参照により本明細書に援用されるMozia,“Photocatalytic Membrane Reactors (PMRs) in Water and Wastewater Treatment: A Review,”Sep. Purif. Technol., 2010, 73 (2), 71-91, https://doi.org/10.1016/j.seppur.2010.03.021を参照されたい。
【0003】
[0003] 反対に、熱触媒は、全ての工業生産される化学品のおよそ85%の生産を担っている。しかしながら、熱触媒は、一般に、比較的過酷な反応条件、例えば高い温度及び圧力を必要とし、プロセス効率を低下させ、カーボンフットプリントが大きくなる。
【0004】
[0004] 光触媒を熱触媒と協調して組み合わせることにより、生成物選択性を高める一方、プロセスのエネルギー必要量を減少させる可能性を提供する。しかしながら、光子源とヒータを単一のモジュラーシステムに組み合わせることにはかなりの工業的課題が伴うため、光熱触媒系は、主に学究的環境で研究されている。例えば、その全体が参照により本明細書に援用されるNair et al.,“Thermo-Photocatalysis: Environmental and Energy Applications,”ChemSusChem, 2019, 12 (10), 2098-2116, https://doi.org/10.1002/cssc.201900175を参照されたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0005] 工業用化学品製造のための光触媒及び光熱触媒系のための改良されたリアクタ設計が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
[0006] 本明細書で説明する一実施形態は、外側セル壁及び内側セル壁を含む光触媒リアクタセルアセンブリに関する。外側セル壁及び内側セル壁は、垂直軸の周りに同心円状に配置されて、外側セル壁と内側セル壁との間に環状体積部を画定する。反応ガス入口を有する頂部エンドキャップ嵌合部及び生成ガス出口を有する底部エンドキャップ嵌合部は、外側セル壁及び内側セル壁との頂部シール及び底部シールをそれぞれ形成する。光触媒充填床は、多孔質ベースフィルタにより、外側セル壁と内側セル壁との間の環状体積部内に位置決めされる。光ハウジングは、ガス入口を介して導入された少なくとも1種のガス状反応物質が光触媒充填床を通して流れ、及び少なくとも1種の結果として得られるガス状生成物がガス出口を介して出るとき、連続光誘起気相反応を活性化させるために、光触媒充填床に入射する光子を均一に放出するように配置された光子エミッタを含む。
【0007】
[0007] 光子エミッタ及び/又は光子エミッタが取り付けられる光ハウジングの複数の部分を冷却するために1つ以上の冷却構造及び/又は機構が設けられ得る。
【0008】
[0008] 光触媒充填床を加熱して、光誘起気相反応の反応速度を高めるために1つ以上のヒータが設けられ得る。
【0009】
[0009] これら及び他の実施形態、態様、利点及び代替形態は、適切な場合に添付図面を参照して以下の詳細な説明を読むことにより、当業者に明らかになるであろう。さらに、この概要並びに本明細書で提供する他の説明及び図面は、実施形態を例としてのみ説明するためのものであり、従って多数の変形形態が可能である。例えば、構造要素及びプロセスのステップは、特許請求される実施形態の範囲内に留まりながら、再配置されるか、組み合わされるか、分配されるか、除外されるか又は他の方法で変更され得る。
【0010】
図面の簡単な説明
[0010] 添付図面は、本開示のシステム、装置、機器及び/又は方法のさらなる理解をもたらすために含まれ、本明細書の一部に組み込まれてそれを構成する。図面は、必ずしも縮尺通りではなく、様々な要素のサイズは、明確にするために歪められ、及び/又は理解を促すために単純な図として示される場合がある。図面は、本開示の1つ以上の実施形態を示し、説明と共に本開示の原理及び動作を解説する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】[0011]ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリを示す等角図である。
【
図2】[0012]ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリを示す縦断面図である。
【
図3】[0013]ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリを示す横断面図である。
【
図4】[0014]ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリを示す縦断面図である。
【
図5】[0015]ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリを示す等角図である。
【
図6】[0016]ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリを示す縦断面図である。
【
図7】[0017]ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリを示す等角図である。
【
図8】[0018]ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリを示す立面図である。
【
図9】[0019]ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリを示す等角図である。
【
図10】[0020]ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリを示す縦断面図である。
【
図11】[0021]ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリを示す横断面図である。
【
図12】[0022]ある例示的な実施形態による、光子エミッタ及び/又はヒータ構成要素として使用され得る単一のIRランプを示す立面図である。
【
図13】[0023]ある例示的な実施形態による、光子エミッタ及び/又はヒータ構成要素として使用され得る単一のIRランプを示す概略横断面図である。
【
図14】[0024]工業的応用のための赤外放射線の3つのカテゴリーを説明する表である。
【
図15】[0025]石英の波長に応じた放射線透過の百分率を示すグラフである。
【
図16】[0026]波長に応じた様々なガス種に関するIR放射線の吸収を示すグラフである。
【
図17】[0027]ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリを示す等角図である。
【
図18】[0028]ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリを示す縦断面図である。
【
図19】[0029]ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリを示す横断面図である。
【
図20】[0030]ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリを示す等角図である。
【
図21】[0031]ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリを示す縦断面図である。
【
図22】[0032]ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリを示す横断面図である。
【
図23】[0033]ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリを示す等角図である。
【
図24】[0034]ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリを示す縦断面図である。
【
図25】[0035]ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリを示す横断面図である。
【
図26】[0036]ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリを示す等角図である。
【
図27】[0037]ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリを示す縦断面図である。
【
図28】[0038]ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリを示す横断面図である。
【
図29】[0039]ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリを示す等角図である。
【
図30】[0040]ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリを示す等角図である。
【
図31】[0041]ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリを示す縦断面図である。
【
図32】[0042]ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリを示す横断面図である。
【
図33】[0043]ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリのための頂部シールの詳細を示す縦断面図である。
【
図34】[0044]別の例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリのための頂部シールの詳細を示す縦断面図である。
【
図35】[0045]さらに別の例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリのための頂部シールの詳細を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
[0046] 例示的なシステム、装置、機器及び/又は方法が本明細書で説明される。語「例」は、「例、実例又は実証例としての役割を果たす」ことを意味するために使用されることが理解されるべきである。「例」であるとして本明細書で説明される任意の実施形態又は特徴は、そのように述べていない限り、必ずしも他の実施形態又は特徴よりも好ましいか又は有利であると解釈されない。そのため、本明細書で提示される主題の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が用いられ得、及び他の変更形態がなされ得る。本明細書で説明する態様は、具体的な実施形態、装置又は形態に限定されず、従って当然のことながら変化し得る。本開示の態様は、全体的に本明細書で説明し、及び図面に示すように、広範な異なる形態で配置され、置き換えられ、組み合わされ、分離され、及び設計され得ることが容易に理解されるはずである。本明細書で使用される用語法は、特定の態様のみを説明するためのものであり、本明細書で具体的に定義しない限り、限定を意図するものではないことも理解される。
【0013】
[0047] 本明細書を通して、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、語「含む」及び「包含する」並びに変形(例えば、「含む」、「含んでいる」、「包含する」、「包含している」、「有する」及び「有している」)は、述べられた構成要素、特徴、要素若しくはステップ又は構成要素、特徴、要素若しくはステップの群を含むが、任意の他の構成要素、特徴、要素若しくはステップ又は構成要素、特徴、要素若しくはステップの群を除外しないことを暗示することが理解される。
【0014】
[0048] さらに、文脈上他の意味を示唆する場合を除き、図面のそれぞれに示される特徴は、互いに組み合わせて使用され得る。そのため、図面は、説明した全ての特徴が各実施形態に必須なわけではないことを理解して、全体的に1つ以上の実施形態全体の構成要素の態様とみなされるべきである。
【0015】
[0049] 本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その」は、文脈上他の意味を明確に指示する場合を除き、複数の指示対象を含む。
【0016】
[0050] 範囲は、本明細書では、「約」1つの特定の値から及び/又は「約」別の特定の値までであると表され得る。そのような範囲が表されるとき、別の態様は、一方の特定の値から及び/又は他方の特定の値までを含む。同様に、値が先行詞「約」を使用して近似値として表されるとき、特定の値は、別の態様を形成することが理解されるであろう。範囲のそれぞれの端点は、他方の端点に関して及び他方の端点とは無関係においての両方で有意であることがさらに理解されるであろう。
【0017】
[0051] 本明細書又は特許請求の範囲での要素、ブロック又はステップのいずれかの列挙は、明確にするためのものである。そのため、そのような列挙は、これらの要素、ブロック又はステップが特定の配置構成に忠実であるか、又は特定の順序で実施されることを必要とするか又は暗示すると解釈されるべきではない。
【0018】
I.概説
[0052] 効果的で機能的な光触媒リアクタは、反応物質と接触する触媒が光子源によって均一に照明されるため、化学反応を促進させるように設計される。光の照射は、自然光源(例えば、太陽)又は人工光源(例えば、IRランプ、UVランプ、アーク灯又は発光ダイオード(LED)を使用することによって達成され得る。典型的なリアクタ形態は、スラリーリアクタ、環状リアクタ、浸漬リアクタ及び光ファイバー/チューブリアクタを含む。例えば、その全体が参照により本明細書に援用されるVan Gerven et al.,“A Review of Intensification of Photocatalytic Processes,”Chem. Eng. Process. Process Intensif., 2007, 46 (9 SPEC. ISS.), 781-789, https://doi.org/10.1016/j.cep.2007.05.012を参照されたい。これらのリアクタのプロセス強化における課題は、主に光子及び物質移動の制限から生じる。ガス種の変換のための光触媒リアクタに関する研究は、依然としてその初期段階にあり、本出願人らは、実験室設備から工業関連規模まで問題なく拡大した報告例を知らない。リアクタ設計及び材料選択の難しさ並びにリアクタ設計に重要である臨界パラメータの不完全な理解が過去の開発努力の妨げになってきた。例えば、de Lasa et al.,“Photocatalytic Reaction Engineering,”Springer, Boston, MA, 2005, https://doi.org/10.1007/0-387-27591-6を参照されたい。
【0019】
[0053] いくつかの大規模な光触媒リアクタが提案されており、これらの設計のうち、スラリーリアクタ、環状リアクタ、浸漬リアクタ及び光チューブリアクタは、廃水処理領域において、液体状態の反応のみに関して試験されている。例えば、de Lasa et al.,“Photocatalytic Reaction Engineering,”Springer, Boston, MA, 2005を参照されたい。そのようなリアクタにおける光源は、廃水の光触媒処理を促進するために、リアクタの長手方向軸を照明するような向きに配置される。リアクタ内の触媒は、廃水によって流体化されるか、又は支持材によって不動にされるかのいずれかである。これらのタイプのリアクタに関連する一般に報告されている欠点は、光触媒の均一な放射照度の欠如及び光触媒と流体との不十分な接触に関連付けられる物質移動の制限に集中している。混合を改良し、物質移動の制限を克服するための戦略は、流体の乱流をもたらすためのリアクタ内でのロータ及び/又はインペラの使用を含む。例えば、米国特許出願公開第20130008857A1号を参照されたい。より最近では、光触媒リアクタは、空気浄化モジュールの一部として揮発性有機成分の除去のために使用されている。例えば、米国特許出願公開第20210023255A1号を参照されたい。これらのリアクタ設計は、「フィン」又は方向ブレードを組み込んで、物質移動及び空気と被覆された光触媒との接触を改良する。
【0020】
[0054] 研究開発環境で研究されているものよりも大規模でのこれらのプロセスの実施は、様々な理由で阻まれてきた。光触媒リアクタの開発は、熱触媒リアクタに関連付けられる何十年もの経験を有していない。熱触媒リアクタの根底にある基本的なプロセスの確実な理解は、実験室規模の熱触媒リアクタプロセスのパイロット規模以上への規模拡大を容易にする。熱触媒リアクタは、実証された数値及び動力学モデリングからも恩恵を受ける。反対に、光触媒プロセス及び光熱触媒プロセスについての研究は、代わりに生成物形成及び反応速度論の解明並びに根本的な化学現象の機械作用の理解の獲得に焦点を当てている。光触媒に光子を含めることは、従来の熱触媒リアクタからリアクタの性能が相当逸脱する原因となる。複雑さが増すことは、好適な光源及びリアクタの幾何学的形状(これは、プロセスの光子の挙動及び触媒性能に影響を及ぼす)の選択を含む。これらの未知のものが規模拡大及びプロセス強化に著しい変動性を加える。例えば、両方とも参照により本明細書に援用されるPasquali et al.,“Radiative Transfer in Photocatalytic Systems,”AIChE J., 1996, 42 (2), 532-537, https://doi.org/10.1002/aic.690420222及びAlfano et al.,“Photocatalysis in Water Environments Using Artificial and Solar Light,”2000; Vol. 58, https://doi.org/10.1016/S0920-5861(00)00252-2を参照されたい。
【0021】
[0055] 他の複雑さが光触媒リアクタ設計の比較的遅い開発に寄与してきた。例えば、その全体が参照により本明細書に援用されるSu et al.,“Photochemical Transformations Accelerated in Continuous-Flow Reactors: Basic Concepts and Applications,”Chem. - A Eur. J., 2014, 20 (34), 10562-10589. https://doi.org/10.1002/chem.201400283を参照されたい。そのような1つの検討事項は、光触媒プロセスが、光又は光子が触媒を照射するための透明窓を必要とするため、リアクタセル構築のための材料の選択を含む。リアクタの幾何学的形状はまた、光損失が最小限にされ、及び光子束が触媒床に集中されるように光子輸送に最適にされるべきである。光触媒リアクタセル設計はまた、最適な触媒性能を促すために、気体-固体の混合及び輸送特性を容易にすることができるべきである。設計仕様内でのステンレス鋼及びガラスベースのパイロット規模の光触媒リアクタの製作は、さらなる開発の障害であった工学的課題である。反射性材料、光子源のための制御電子機器及び光触媒リアクタ機能を支援するための補助プロセスを含むことは、光触媒リアクタの開発を相当に複雑にしてきた。
【0022】
[0056] 従来の光触媒リアクタセルの欠点のいくつかに取り組むために、本明細書では、工業用化学品製造のためのガス種の光触媒のための改良されたリアクタセルアセンブリの様々な実施形態が開示される。本開示のリアクタセルの実施形態は、外側セル壁及び内側セル壁を有するリアクタセルの環状部分に配置された光触媒の充填床にわたって入射光子(すなわち光)を使用して、原料ガスとの化学反応を実施することができる例示的なリアクタセルを含む。いくつかの例示的な実施形態では、外側セル壁及び内側セル壁の一方又は両方は、透明である。他のリアクタセルの実施形態も本明細書で説明される。
【0023】
[0057] 本明細書で説明する例示的な実施形態は、概して、ナノ粒子光触媒充填床を備える、事実上環状である光触媒リアクタセルに関する。環状領域は、可視及び近IR領域を通す材料で作製され得る。ガス状反応物質は、栓流リアクタにおけるものと同様に光触媒充填床を通して流れ、連続反応及び所望の生成物の生成を可能にする。光触媒へのエネルギーは、光ハウジングを介して環状領域の一方の側又は両側(すなわち外側及び/又は内側)で提供され得、これは、例えば、光ハウジングの複数の部分に取り付けられるか又はその機能を果たす多くの光子エミッタ、例えば発光ダイオード(LED)又はIRランプを有する。透明材料、又は反射性材料、又は散乱材料の具体的な幾何学的形状及び使用は、光エネルギーを光触媒に送る効率的な方法を可能にし、効率的な化学反応を促す。いくつかの実施形態では、光ハウジングは、光子エミッタ及び/又は光子エミッタが取り付けられる面の冷却を支援する冷却アセンブリを含み得る。いくつかの他の実施形態では、光触媒反応速度を高めるために1つ以上のヒータが含まれ得る。
【0024】
[0058] 本明細書で説明するいくつかの実施形態は、化石燃料への依存を減らし、及び炭素排出量を減らすことを可能にする。例えば、光子エミッタとしてLEDを有する実施形態は、LEDの活性化のために電気を用い得る。そのような電気は、再生可能資源、例えば太陽、水力又は風力発電を使用して発生され得る。その結果、従来、化石燃料の燃焼によって発生された熱エネルギーを使用して熱触媒によって実施されてきた工業用化学反応に対して、環境面での利益が実現され得る。
【0025】
[0059] 本明細書で説明するリアクタセルの様々な実施形態で実施され得る化学反応は、従来、高エンタルピーの反応のために非常に高温を必要とする。従来の熱触媒リアクタは、一般に、そのような高温に耐えることができる比較的高価な材料で作製される。さらに、従来の熱触媒リアクタは、一般に、化石燃料の燃焼により、非効率的で環境に優しくない方法で熱エネルギーを与えられる。反対に、本明細書で説明する様々なリアクタセルの実施形態は、可視光の存在下において、従来の熱触媒リアクタに必要とされるものよりもはるかに低い温度でこれらの同じ化学反応を実施することを支援し得る。これにより、リアクタの構築において、比較的安価な材料、例えばガラス又はアルミニウムを使用することができるようになる。さらに、より低い動作温度が伴うことにより、本明細書で説明する例示的な光触媒リアクタのためのリアクタ構成要素の寿命を延ばし得る。
【0026】
[0060] 本明細書で説明する様々なリアクタセルアセンブリの実施形態は、光エネルギーを使用することにより、高エンタルピーの反応及び高活性化エネルギーを必要とする複数の気相化学反応を可能にする基盤技術の役割を果たし得る。例えば、以下は、本明細書で説明する1つ以上の例示的な実施形態を使用する、考えられる反応及び反応のタイプの非排他的なリストである:
1.水蒸気メタン改質。
2.ドライメタン改質。
3.メタンの部分酸化。
4.自己熱改質。
5.アンモニアの分解。
6.アンモニア合成。
7.水性ガスシフト反応。
8.逆水性ガスシフト反応。
9.より重質な炭化水素(例えば、アルキル化環状物、樹脂及びアスファルテン)の改質。
10.フィッシャー-トロプシュ合成。
11.メタノール合成。
12.エタノール合成。
13.飽和化合物を作製するための水素化。
14.エチレンを作製するための脱水素化。
15.炭素-ハロゲン結合、例えばC-F、C-Cl、C-Iの切断。
【0027】
II.ガス種の光触媒のためのリアクタセルアセンブリ
A.冷却された外側及び内側LED光ハウジングを有するリアクタセルアセンブリ
[0061]
図1は、第1の例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリ100を示す等角図である。
図2は、第1の例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリ100を示す縦断面図である。
図3は、第1の例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリ100を示す横断面図である。
図4は、第1の例示的な実施形態による、光触媒が設置された光触媒リアクタセルアセンブリ100を示す縦断面図である。第1の例示的な実施形態の以下の説明は、
図1~4の1つ以上に示す特徴及び構成要素に言及し、同様の参照符号は、同様の特徴及び構成要素を指す。本明細書で参照する全ての図面と同様に、
図1~4の1つ以上は、より良好に説明及び理解できるようにするために、適切にいくつかの特徴及び/又は構成要素を省略し得る。
【0028】
[0062] 図示の通り、光触媒リアクタセルアセンブリ100は、第1の外径106及び第1の内径108を有する第1のチューブ104を含む外側セル壁102を含む。光触媒リアクタセルアセンブリ100は、第2の外径114及び第2の内径116を有する第2のチューブ112を含む内側セル壁110も含み、第2の外径114は、第1の内径108よりも小さい。外側セル壁102及び内側セル壁110は、垂直軸118の周りに同心円状に配置されて、外側セル壁102と内側セル壁110との間に環状体積部120を画定する。
【0029】
[0063]
図1~4の例(及び本明細書で示す他の実施形態)では、第1のチューブ104及び第2のチューブ112は、円筒状であり、円形断面を備える。他の実施形態では、第1のチューブ104及び/又は第2のチューブ112は、非円筒形状を有し得る。例えば、第1のチューブ104又は第2のチューブ112の一方又は両方は、四角形、六角形、八角形又は他の正多角形の断面を有する管で構築され得る。第1のチューブ104及び/又は第2のチューブ112に非円形断面を用いる実施形態に関して、用語「直径」は、垂直軸118と、第1のチューブ104及び/又は第2のチューブ112の側面(又は角)との間の垂直距離を指すことを意図し、用語「環状体積部」は、外側セル壁102と内側セル壁110との間の定形体積部を指すことを意図する。さらに、第1のチューブ104の第1の外径106及び/又は第1の内径108は、例えば、第1のチューブ104の中央部分が端部分よりも広い場合など、第1のチューブ104の高さ(長さ)にわたって変化し得る。同様に、第2のチューブ112の第2の外径114及び第2の内径116は、第2のチューブ112の高さ(長さ)にわたって変化し得る。例えば、第1のチューブ104及び/又は第2のチューブ112は、異なる直径の2つ以上の円筒状部分を有し得、円筒状部分のそれぞれは、異なる円筒状部分間のサイズアダプターの機能を果たす角度付きの接続部分を介して端部間で接合される。
【0030】
[0064]
図1~4に示す実施形態に関して、少なくとも外側セル壁102及び内側セル壁110の両方の部分は、光子エミッタによって放出された光子を透過させる材料で構築される(下記でさらに詳細に説明する)。例えば、外側セル壁102及び内側セル壁110は、可視光スペクトルの光子を透過させる材料で構築され得る。別の例として、外側セル壁102及び内側セル壁110は、近赤外(近IR)スペクトルの光子を透過させる材料で構築され得る。従って、外側セル壁102及び/又は内側セル壁110は、限定されないが、ガラス、溶融石英ガラス、ホウケイ酸ガラス又は金属材料の1つ以上で構築され得る。別の代替形態として、外側セル壁102及び/又は内側セル壁110は、Kachaev, A.A., Grashchenkov, D.V., Lebedeva, Y.E. et al. Optically Transparent Ceramic (Review). Glass Ceram 73, 117-123 (2016). https://doi.org/10.1007/s10717-016-9838-3に説明されている材料の1つなどの透明セラミック材料で構築され得る。外側セル壁102及び/又は内側セル壁110のいずれか又は両方に隣接して加熱のみを用いる(光子放出を用いない)実施形態では、外側セル壁102及び/又は内側セル壁110は、被覆又は研磨された金属(例えば、ステンレス鋼又はアルミニウム)を含み得る。
【0031】
[0065]
図2及び
図4に示すように、外側セル壁102と内側セル壁110との間の環状体積部120は、その高さ(長さ)に沿って2つ以上の部分、例えば中央部分122及び上方部分124を含み得る。中央部分は、
図4に示すように、光触媒充填床126で埋められ得るが、上方部分124は、ヘッドスペース128の機能を果たして反応ガスの混合を可能にし得る。上方部分124は、
図4に示すように、空であり得るか、又は少なくとも部分的にガス混合材料、例えば石英ウール、SiC又はビーズ(例えば、アルミナビーズ及び/又はシリカビーズ)によって占められ得る。さらに、上方部分124は、例えば、1つ以上の内部ヒータ及び/又は外部クランプヒータ(図示せず)によって加熱され得る。
【0032】
[0066] 光触媒充填床126は、外側セル壁102と内側セル壁110との間の環状体積部120に位置決めされる。光触媒充填床126は、支持材上に光触媒を有する。例えば、光触媒充填床126は、支持材と共沈された光触媒を含み得る。光触媒は、例えば、アンテナ-リアクタのプラズモニックナノ粒子を含み得る。ライス大学(Rice University)によって開発された様々なアンテナ-リアクタ触媒は、参照により本明細書に援用される米国特許第10,766,024号に記載されており、様々な化学反応を実施するために光エネルギーを効果的に用い得る。例えば、そのようなアンテナ-リアクタ触媒は、本明細書で説明するリアクタセル実施形態で使用されて、高空間速度で高変換をもたらし得、触媒床の単位体積当たり高水素生成率をもたらす。実施される化学反応のタイプ次第で、適切なアンテナ-リアクタ触媒が対応して適切なLEDダイオードと適合されて、光触媒を効率的に活性化させ、それにより高い反応速度をもたらす。例えば、光触媒水蒸気メタン改質(PSMR)の場合、本明細書で説明するリアクタセルの実施形態において適切な光触媒を使用して、270マイクロモル/g/sと等しい高反応速度が達成された。
【0033】
[0067] いくつかの実施形態では、外側セル壁102及び/又は内側セル壁110の一部のみが光子を透過させる。外側セル壁102及び/又は内側セル壁110のこの透過部分は、
図2及び
図4に示す環状体積部120の中央部分122に対応し得、外側セル壁102及び/又は内側セル壁110の透明部分が光触媒充填床126に直接隣接するようにする。例えば、一実施形態では、外側セル壁102及び内側セル壁110の少なくとも一方の少なくとも第1の部分は、光子エミッタによって放出された光子を透過させる材料で構築されるが、外側セル壁102及び内側セル壁110の少なくとも一方の少なくとも第2の部分は、いずれの不規則な被放出光子も光触媒充填床126中に反射させるために1つ以上の反射面を含む。別の例示的な実施形態では、外側セル壁102及び内側セル壁110の少なくとも一方の少なくとも第1の部分は、光子エミッタによって放出された光子を透過させる材料で構築されるが、外側セル壁102及び内側セル壁110の少なくとも一方の少なくとも第2の部分は、いずれの放出された不規則な光子も光触媒充填床126中に散乱させるために1つ以上の散乱面を含む。先に説明した2つの実施形態のそれぞれで言及した「第2の部分」は、
図2及び
図4に示す環状体積部120の上方部分124に対応し得、第2の部分がヘッドスペース128及び/又は光触媒充填床126の下の環状体積部120の部分(すなわちヘッドスペース128から光触媒充填床126の反対側)に直接隣接するようにする。さらに別の例示的な実施形態では、反射面及び散乱面の両方は、外側セル壁102及び/又は内側セル壁110に含まれるか、又は光触媒リアクタセル100の他の構成要素に含まれ得る。
【0034】
[0068] 反射面及び/又は散乱面の使用は、リアクタセルアセンブリ100からの熱損失を最小限にすることを促進し得る。COMSOLを使用するマルチフィジックスシミュレーションモデリングに基づいて、熱損失は、以下の1つ以上の原理を使用して最小限にされ得ることが特定されている:(a)励起された触媒床からリアクタの他の部分に伝達される放射熱を最小限にするか又は有利に再利用するために、リアクタの異なる部分に適切な材料を用いること;(b)リアクタの異なる部分に適切な断熱材を用いること;(c)リアクタ内での金属の使用を最小限にし、代わりに熱伝導率がより低い材料(例えば、ガラス又は石英)を使用し、そのため、光触媒リアクタセルアセンブリ100から環境への熱伝達に対する抵抗を増すこと。本明細書で説明するリアクタセルの実施形態は、従来の熱リアクタよりもはるかに低い温度で動作し、石英、アルミニウム及びセラミックなどの材料を使用することを可能にする。これは、リアクタセルアセンブリ100からのエネルギーの損失を減少させ得るため、従来のリアクタと比べてエネルギー効率を向上させる可能性がある。
【0035】
[0069]
図4に示すように、外側セル壁102と内側セル壁110との間の環状体積部120内に多孔質ベースフィルタ130が含まれて、環状体積部120内に光触媒充填床126を位置決めし得る。光触媒リアクタセルアセンブリ100は、重力又は他の力(図示しないが、
図4の底部から生じると考えられる)に対して垂直方向(地面に対して直角)に向けられ、多孔質ベースフィルタ130は、好ましくは、光触媒充填床126の下面(すなわち底面)に位置する。多孔質ベースフィルタ130は、ガス透過性となる(結果として得られる1種又は複数のガス状生成物が流れることを可能にする)が、光触媒充填床126に対して不透過性となるように選択される細孔サイズを有する複数の開口(細孔)を有する。例えば、細孔サイズは、光触媒充填床126内の光触媒ナノ粒子のミクロンサイズの凝集体及び支持材(例えば、エアロゲル)に対して不透過性であるように選択される。多孔質ベースフィルタ130は、ガス透過性構造材料、例えば、限定されないが、多孔質金属、ステンレス鋼(SS316)、オーステナイト系ニッケル-クロムベース合金、ニッケル-クロム-鉄-モリブデン合金、石英ウール又はセラミックの1つで構築される。外側セル壁102及び内側セル壁110の両方が円筒状である場合、多孔質ベースフィルタ130は、好ましくは、環状体積部120の形状に対応する環状形状を有する。
【0036】
[0070] 下記の表1は、本明細書で説明する様々な例示的なリアクタセルの実施形態の例示的な物理的寸法を説明する。
【0037】
【0038】
[0071]
図1~4に示す光触媒リアクタセル100は、外側部分132aと内側部分132bとを含む光ハウジングを含む。光ハウジングの外側部分132a及び内側部分132bの両方を示すが、いくつかの実施形態では、外側部分132a又は内側部分132bのいずれかが光ハウジングから省略され得る。光ハウジングの外側部分132aは、外側セル壁102の外側において、垂直軸118の周りに同心円状に配置される。光ハウジングの内側部分132bは、内側セル壁110の内側において、垂直軸118の周りに同心円状に配置される。
図1~4の例では、外側部分132a及び内側部分132bの両方は、光触媒充填床126に入射する光子を均一に放出するように配置された光子エミッタの周方向アレイを有する。光ハウジングの外側部分132aの光子エミッタの周方向アレイ142aは、光触媒充填床126に向かって(すなわち外側部分132aの内部に向かって)光子を放出するように配置される。光ハウジングの内側部分132bの光子エミッタの周方向アレイ142bは、光触媒充填床126に向かって(すなわち全体的に内側部分132bの内部から離れるように)光子を放出するように配置される。例えば、光子エミッタの周方向アレイ142aは、外側部分132aの内側面に配置され得、及び光子エミッタの周方向アレイ142bは、内側部分132bの外側面に配置され得、光触媒充填床126に入射する光子を均一に放出する。別の例として、光子エミッタの周方向アレイ142aは、外側部分132aの内部に向かって光子を放出する複数の電球として配置され得、及び光子エミッタの周方向アレイ142bは、内側部分132bの外部に向かって光子を放出する複数の電球として配置され得、光触媒充填床126に入射する光子を均一に放出する。光触媒充填床126に入射する光子の放出は、少なくとも1種のガス状反応物質が光触媒充填床126を通して流れるとき、連続光誘起気相反応を活性化させ、結果として得られる少なくとも1種のガス状生成物を生じる。
【0039】
[0072] いくつかの例示的な実施形態では、光ハウジングの外側部分132aは、外向きに開くクラムシェル設計のものであり、及びヒンジ(図示せず)によって結合された2つ(以上)のセクションを含み、光触媒リアクタセルアセンブリ100内での外側部分132aの設置又は除去を可能にする。同様に、光ハウジングの内側部分132bは、ヒンジ(図示せず)によって結合された2つ(以上)のセクションを含む、内向きに開くクラムシェル設計のものであり得、光触媒リアクタセルアセンブリ100内での内側部分132bの設置又は除去を可能にする。
【0040】
[0073]
図1~4に示すように、光ハウジングの外側部分132a及び内側部分132bの両方は、円形断面の円筒状である。他の実施形態では、光ハウジングの外側部分132a及び/又は内側部分132bは、非円筒形状を有し得る。例えば、光ハウジングの外側部分132a及び/又は内側部分132bは、四角形、六角形、八角形又は他の正多角形の断面を有し得、第1のチューブ104及び/又は第2のチューブ112の断面形状に適合するようにする。さらに、外側部分132a及び/又は内側部分132bの断面の幅は、例えば、外側部分132a及び/又は内側部分132bの中央部分が端部分よりも幅広である場合のように、外側部分132a及び/又は内側部分132bの高さ(長さ)にわたって変わり得る。例えば、外側部分132a及び/又は内側部分132bは、異なる直径を有する2つ以上の円筒状部分を有し得、円筒状部分のそれぞれは、光ハウジングの外側部分132a及び/又は内側部分132bの異なる円筒状部分間のサイズアダプターの機能を果たす角度付きの接続部分を介して端部間で接合される。
【0041】
[0074] 光ハウジングの外側部分132aの外側は、外側部分132aの内側と異なる形状にされ得る。例えば、その内側及び外側の両方が円筒形状にされる代わりに、外側部分132aは、その内側で円筒状にされ得るが、他の装置、構成要素及び/又は材料、例えば熱管理及び/又は制御装置、構成要素及び/又は材料によって囲まれて外側に非円筒形状を与える。同様に、光ハウジングの内側部分132bの内側は、内側部分132bの外側と異なる形状にされ得る。例えば、
図1~4に示すように全体的に中空にされる代わりに、内側部分132bは、代わりに、中実であるか又は他の装置、構成要素及び/又は材料で埋められ得る。
【0042】
[0075]
図1~4及び本明細書のいくつかの他の図面に示すように、外側部分132a及び/又は内側部分132b上の光子エミッタの周方向アレイにおける光子エミッタのいくつか又は全ては、LED回路基板に取り付けられるか又は他の形態のLEDであり得る。例えば、外側部分132a及び/又は内側部分132b上の光子エミッタの周方向アレイは、互いに隣接する複数のLED基板を含み得、各LED基板は、複数のLED、例えばそれぞれ直径で約1~5mmの数千個のLEDを含む。LEDは、例えば、可視光スペクトル(すなわち約380nm~約750nm)の光子を放出するように選択され得る。代わりに又は加えて、外側部分132a及び/又は内側部分132b上の光子エミッタの周方向アレイにおける光子エミッタのいくつか又は全ては、近IRスペクトル(すなわち約750nm~約2,500nm)の光子を放出するために、ソケット、コネクタ、ピン、ワイヤ又は他の形態を介して取り付けられた赤外線(IR)ランプであり得る。光子エミッタ(及び/又はヒータ)としてのIR電球の使用に関するさらなる詳細は、特に
図9~16に関して提示される。他の実施形態は、人工(例えば、紫外線(UV)ランプ及び流電気アーク灯)並びに自然(例えば、太陽放射を用いる)の両方の他のタイプの光子エミッタを含み得る。概して、光触媒リアクタセルアセンブリ100の効率的な動作を促すために、光子エミッタは、所望の光誘起気相反応を活性化するのに十分なエネルギー及び波長を有する光子を放出するように選択される。
【0043】
[0076] 光触媒リアクタセルアセンブリ100は、光子エミッタを制御するための一体化された制御電子機器及び光子エミッタを駆動するためのドライバも含み得る。例えば、LEDドライバは、光触媒リアクタセルアセンブリ100の動作中、ドライバ効率を向上させるために50%以上の電力負荷で動作するように選択され得る。いくつか又は多くの光触媒リアクタセルアセンブリ100のシステムは、例えば、少なくともいくつかの共通の電子機器を共有し得る。動作中、LEDドライバを50%以上の電力負荷で動作することに加えて、効率的に光を送達することに関する別の設計の検討事項は、LEDを最大効率で動作可能にするために動作電流を変えることである。さらに、LED自体は、光触媒と同じスペクトル範囲(例えば、同じ可視スペクトル範囲)内で高光子効率であるように選択され得る。異なる半導体材料のダイオードが異なる特定の電気対光子エネルギー効率で利用可能である。光触媒と同じ範囲内の高光子効率のダイオードを選択することにより、触媒による光の吸収が増加され得る。
【0044】
[0077] 光ハウジングの外側部分132aは、外側セル壁102に取り付けられ得る(例えば、エポキシ、接着剤又はメカニカルファスナにより)。光ハウジングの内側部分132bは、内側セル壁110に取り付けられ得る(例えば、エポキシ、接着剤又はメカニカルファスナにより)。代わりに、光ハウジングの外側部分132a及び/又は内側部分132bは、物理的に取り付けられることなく、単にそれぞれ外側セル壁102及び内側セル壁110に隣接して及びごく接近して位置決めされ得る。さらに別の代替形態として、(a)光ハウジングの外側部分132a及び/又は内側部分132bと、(b)外側セル壁102及び内側セル壁110との間のそれぞれの分離距離は、所望の照明の幾何学的形状を実現するように選択され得る。例えば、外側部分132a及び内側部分132bのいずれか又は両方は、それら自体と、外側セル壁102及び内側セル壁110のそれぞれとの間に小さい分離距離を有し得る。別の例として、外側部分132a及び内側部分132bのいずれかは、外側セル壁102又は内側セル壁110に対して小さく分離し得るが、他方は、比較的大きく分離する。分離208は、光ハウジングの内側セル壁110と内側部分132bとの間の例示的な分離として示される。代わりに又は加えて、光ハウジングの外側部分132a及び/又は内側部分132bは、フレーム又は他の構造を含み得、それに光子エミッタの周方向アレイが取り付けられ、これは、外側セル壁102及び/又は内側セル壁110に直接取り付けられても又は取り付けられなくてもよい。例えば、そのようなフレーム又は他の構造は、アルミニウム、ステンレス鋼(SS316)又は何らかの他の材料で構築され得る。光ハウジングの外側部分132a及び/又は内側部分132bは、単一のユニタリーフレーム若しくは構造を有するか、又は光ハウジングの外側部分132aに1つのフレーム若しくは構造及び光ハウジングの内側部分132bに別のフレーム若しくは構造など、複数のフレーム若しくは構造を有し得る。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の光子エミッタの周方向アレイのための1つ又は複数の取り付けフレーム又は構造は、冷却ジャケット、ヒートシンク又は他の熱放散機構の形態の冷却構造の機能を果たし得る。
【0045】
[0078]
図1~4に示す実施形態は、外側冷却ブロック134及び内側冷却ブロック138の形態の冷却構造を含む。外側冷却ブロック134は、光ハウジングの外側部分132aに関連付けられる一方、内側冷却ブロック138は、光ハウジングの内側部分132bに関連付けられる。図示の通り、外側冷却ブロック134は、複数の外側冷却材通路136を有し、及び内側冷却ブロック138は、複数の内側冷却材通路140を有する。複数の冷却材通路を
図1~4の例に示すが、代わりに又は加えて、外側冷却ブロック134及び/又は内側冷却ブロック138は、中空の壁のある貯蔵部を含み得、それを通して冷却流体がその全体又はその一部を循環する。例えば、外側冷却ブロック134及び/又は内側冷却ブロック138は、冷却流体が所定の流量で通過させられるレセプタクルを画定する壁(例えば、アルミニウム製の壁であり、これは、コスト効率の高い実施形態であり得る)を含み得る。例示的な一実施形態では、外側冷却ブロック134及び/又は内側冷却ブロック138は、単にヒートシンクとして機能し、及び冷却流体を用いない。光子エミッタとして使用されるLEDの場合、冷却構造は、例えば、光子エミッタが取り付けられる表面を摂氏150度以下の温度に維持し得る。
【0046】
[0079] 一般的に、光ハウジングの外側部分132aは、外側冷却ブロック134を含み得、及び光ハウジングの内側部分132bは、内側冷却ブロック138を含み得る。外側冷却ブロック134及び/又は内側冷却ブロック138は、光子エミッタ及び/又は関連する電子機器、例えばLEDドライバの冷却を支援するように構成され得る。例えば、光子エミッタの周方向アレイは、1つ又は複数の冷却ブロック134及び/又は138の壁(例えば、アルミニウム壁)の少なくとも1つに取り付けられた複数のLED(LED基板上における)を含み得るため、各冷却ブロックの1つ若しくは複数の冷却材通路及び/又は1つ若しくは複数のレセプタクルを通過する冷却流体は、複数のLED基板の冷却を支援する。冷却材は、外側冷却材通路136及び/又は内側冷却材通路140と接する1つ以上の冷却材ラインを介して1つ又は複数の冷却ブロック134及び/又は138に導入され、及びそれから除去され得る。そのような冷却材ライン(図示せず)は、冷却材を再循環させ得/再利用し得(適切な熱除去又は放散後)、及び/又は再循環させずに新しい冷却材を導入して古い冷却材を除去し得る。
【0047】
[0080] 外側冷却ブロック134及び/又は内側冷却ブロック138で用いられる冷却流体は、所定の熱容量を有するように選択され得る。冷却流体(又は冷却材)は、例えば、以下の非排他的なリストから選択され得る:アンモニア、芳香族の化学的性質の合成炭化水素(すなわちジエチルベンゼン[DEB]、ジベンジルトルエン、ジアリールアルキル、部分的に水素化されたテルフェニル)、ケイ酸エステル、パラフィン及びイソパラフィンのタイプの脂肪族炭化水素、ジメチル及びメチルフェニル-ポリ(シロキサン)、フッ素化化合物、例えばパーフルオロカーボン(すなわちFC-72、FC-77)、ハイドロフルオロエーテル(HFE)及びパーフルオロカーボンエーテル(PFE)、エチレングリコール、プロピレングリコール、メタノール/水、エタノール/水、塩化カルシウム溶液(例えば、29重量%)、ギ酸カリウムと酢酸塩との水溶液及び液体金属(例えば、Ga-In-Sn)。
【0048】
B.エンドキャップ嵌合部、シール、テンションロッド、ガス入口及びガス出口
[0081]
図5は、ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリ100を示す等角図である。
図6は、ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリを示す縦断面図である。
図5及び
図6は、同じ又は同様の特徴及び/又は構成要素に言及するために、
図1~4におけるものと同じ参照符号を用いる。
図5及び
図6のいずれか又は両方は、より良好に説明及び理解できるようにするために、
図1~4に示すものから(又は互いに)適切にいくつかの特徴及び/又は構成要素を省略し得る。例えば、
図5及び
図6は、少なくとも外側冷却ブロック134、内側冷却ブロック138、光ハウジングの外側部分132a及び内側部分132bの詳細、光触媒充填床126並びに多孔質ベースフィルタ130を省略する。
図5及び
図6は、主に、光触媒リアクタセルアセンブリ100の頂部及び底部エンドキャップ嵌合部を、様々な特徴及び構成要素並びに頂部及び底部エンドキャップ嵌合部に関連付けられる特徴と一緒に説明するために提示される。
【0049】
[0082] 図示の通り、光触媒リアクタセルアセンブリ100は、環状形状を有する頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144を含む。頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144は、1種以上の成分反応ガスを含み得る入力ガス状反応物質原料の連続流を受け入れる1つ以上(例えば、4つ)の反応ガス入口146を含む。頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144は、外側セル壁102の頂部部分150の周りに嵌まる第1の外周フランジ148、内側セル壁110の頂部部分154の内側若しくは外側に嵌まる第1の内周フランジ152又は第1の外周フランジ148及び第1の内周フランジ152の両方を有し得る。上記の説明並びに
図5及び
図6は、頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144について円筒(環状)形状を示すが、代わりに円形形状が使用され得る。さらに別の代替形態として、非円筒(非環状)形状は、非円形断面を有する第1のチューブ104に好適であり得る。例えば、頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144は、第1のチューブ104の正多角形断面に適合した断面を有し得る。さらに、いくつかの実施形態では、第1の外周フランジ148及び第1の内周フランジ152のいずれか又は両方は、省略され得る。
【0050】
[0083] 同様に図示の通り、光触媒リアクタセルアセンブリ100は、環状形状を有する底部圧縮エンドキャップ嵌合部156を含む。底部圧縮エンドキャップ嵌合部156は、1種以上の成分生成ガスを含み得るガス状生成物の連続流を出力するための1つ以上(例えば、4つ)の生成ガス出口158を有する。底部圧縮エンドキャップ嵌合部156は、外側セル壁102の底部部分162の周りに嵌まる第2の外周フランジ160、内側セル壁110の底部部分166の内側若しくは外側に嵌まる第2の内周フランジ164又は第2の外周フランジ160及び第2の内周フランジ164の両方を有する。上記の説明及び
図5及び
図6は、底部圧縮エンドキャップ嵌合部156について円筒(環状)形状を示すが、代わりに円形形状が使用され得る。さらに別の代替形態として、非円筒(非環状)形状は、非円形断面を有する第1のチューブ104に好適であり得る。例えば、底部圧縮エンドキャップ嵌合部156は、第1のチューブ104の正多角形断面に適合する断面を有し得る。さらに、いくつかの実施形態では、第2の外周フランジ160及び第2の内周フランジ164のいずれか又は両方は、省略され得る。
【0051】
[0084] 頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144及び底部圧縮エンドキャップ嵌合部156は、例えば、ステンレス鋼(SS316)、オーステナイト系ニッケル-クロムベース合金、ニッケル-クロム-鉄-モリブデン合金又はアルミニウムで構築され得る。代わりに又は加えて、頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144及び底部圧縮エンドキャップ嵌合部156は、他の材料、例えば熱膨張係数が低い材料で構築され得る。さらに、頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144及び底部圧縮エンドキャップ嵌合部156の少なくとも一方の、光触媒充填床126に面する部分(すなわち内側に向く部分)は、放出された光子を光触媒充填床126中に反射するように研磨され得る。代わりに、同様の目的を達成するために、反射コーティング(図示せず)は、光触媒充填床126に面する頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144及び/又は底部圧縮エンドキャップ嵌合部156に堆積又は付着され得る。
【0052】
[0085] 頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144及び底部圧縮エンドキャップ嵌合部156は、外側セル壁102及び内側セル壁110と頂部シール168及び底部シール170をそれぞれ形成する。頂部シール168及び底部シール170のいずれか又は両方は、頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144の頂面に加えられる圧縮力及び/又は底部圧縮エンドキャップ嵌合部156の底面に加えられる圧縮力などによる圧力によって形成され得る。そのような圧縮力は、頂部及び底部圧縮エンドキャップ嵌合部144及び156を互いに向かって押して、光触媒リアクタセルが垂直方向に(地面に対して直角に)向けられるとき、外側セル壁102及び内側セル壁110を垂直方向に挟むか又は押し潰す。頂部シール168及び/又は底部シール170は、1つ以上のガスケット又はOリング、例えば弾性ガスケット及び/又はOリングをさらに含み、頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144及び/又は底部圧縮エンドキャップ嵌合部156と外側セル壁102及び/又は内側セル壁110との間に比較的気密(すなわちガス不透過性)のシール(例えば、ガスケット面シール及び/又はOリングシール)をもたらし得る。いくつかの実施形態では、ガスケットとOリングとの組み合わせが気密シールをもたらすために使用され得る。いくつかの実施形態では、外側セル壁102及び内側セル壁110は、Oリングとは対照的に、ガスケットとの封止に適応するために異なる高さ(長さ)であり得る。例えば、外側セル壁102は、頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144及び底部圧縮エンドキャップ嵌合部156との結合を支援するために、内側セル壁110より長くてもよい。そのような場合、内側セル壁110にガスケット面シールと、及び外側セル壁102にOリングシールを使用することが有益であり得る。頂部シール168及び/又は底部シール170は、頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144及び/又は底部圧縮エンドキャップ嵌合部156の形態次第で、外側セル壁102若しくは内側セル壁110の端部/縁又は外側セル壁102若しくは内側セル壁110の側面に沿って位置するガスケット及び/又はOリングを含み得る。他の実施形態では、適切なシールが1つ又は複数の圧縮力によってもたらされている状態では、ガスケット又はOリングは、不要であり得る。加えて又は代わりに、頂部及び底部圧縮エンドキャップ嵌合部144及び156、及び/又は第1のチューブ104及び第2のチューブ112は、1つ又は複数の材料、例えばいくつかのプラスチック、エラストマー又は他のポリマーで構築され得、これは、接したときに封止を促進する。
【0053】
[0086]
図33~35は、いくつかの非限定的な実施形態による頂部シール168及び底部シール170に関するさらなる詳細を示す。
図33~35のそれぞれは、
図5及び
図6に示すものと対応する参照符号を含み;それらの参照符号によって言及される構成要素の説明は、
図33~35を参照することにより援用され、ここでは繰り返さない。
【0054】
[0087]
図33は、ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリ100のための頂部シール168の詳細を示す。図示の通り、頂部シール168は、例えば、テンションロッド174を介して外側セル壁102及び内側セル壁110に対して圧縮されている頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144によって形成される。外側ガスケット250は、第1の外周フランジ148及びガスケット肩部254(頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144の全体的な形状に適合するようにいずれも環状である)間の頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144の第1の凹部に位置決めされる。内側ガスケット252は、ガスケット肩部254と第1の内周フランジ152との間の第2の凹部に位置決めされる。外側セル壁102及び内側セル壁110に対して頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144に加えられる圧縮力により、外側ガスケット250及び内側ガスケット252において頂部シール168を形成する。同様の配置構成(又は下記及び/又は他の箇所で説明するような他の配置構成)は、底部シール170を実現するために設けられ得る。
【0055】
[0088]
図34は、別の例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリ100のための頂部シール168の詳細を示す。図示の通り、頂部シール168は、内側セル壁110及び外側セル壁102に対して異なって形成される。内側セル壁110では、頂部シール168は、例えば、テンションロッド174を介して内側セル壁110に対して圧縮されている頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144によって形成される。内側ガスケット252(これは、単にガスケット材料、例えば塗布されたコーティングであり得る)は、頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144(及び/又は内側セル壁110の頂部縁)に位置決めされ、少なくともそこで頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144が内側セル壁110と接する。内側セル壁110に対して頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144に加えられる圧縮力が内側ガスケット252において頂部シール168を形成する。同様の配置構成(又は下記及び/又は他の箇所で説明するような他の配置構成)は、底部シール170の少なくとも一部を実現するために設けられ得る。
【0056】
[0089] 外側セル壁102では、頂部シール168は、外側セル壁102と環状外側Oリング圧縮スリーブ260との間にそれぞれ位置決めされる第1の外側上方Oリング256及び第2の外側上方Oリング258によって形成される。外側Oリング圧縮スリーブウェッジ262(台形形状の)も外側セル壁102と環状Oリング圧縮スリーブ260との間に位置決めされ、図示の通り、第1の外側上方Oリング256を第2の外側上方Oリング258から分離する。外側Oリング圧縮スリーブ260は、台形/テーパ付きリップを有して、第1の外側上方Oリング256及び第2の外側上方Oリング258に圧縮力を加えて実質的に気密シールを形成し、Oリング256及び258は、外側セル壁102に接触する。外側Oリング圧縮スリーブ260は、締め付け機構(例えば、ラチェット又は圧縮スリーブファスナ266)を有し得、及び/又は外側Oリング圧縮スリーブ260が頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144に向かって移動されるときにOリング256及び258に力を加えるために、Oリング256及び258のための台形の加圧室を形成するテーパ付き面(すなわち外側セル壁102の面に対して垂直以外)を用い得る。換言すると、Oリング256及び258は、第1の外周フランジ148、外側Oリング圧縮スリーブ260及び外側Oリング圧縮スリーブウェッジ262のそれぞれのテーパ付き面が互いの近くに移動されるとき、外側セル壁102に向かってわずかに変形し得る。2つのOリングが示されているが、いくつかの実施形態では、頂部シール168の外側部分は、単一のOリング、3つのOリング若しくは他の数のOリング又は他の封止部材を用い得る。図示の例では、外側セルが頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144に接触することを防止するために、隙間264が設けられ、それにより、内側セル壁110における頂部シール168が、頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144と内側セル壁110との間に与えられる圧縮荷重の全て又は実質的に全てに耐えることを可能にし、内側ガスケット252とのシールをより良好に形成する。隙間264は、厳しい製造公差の必要も減らし、そうでなければ、これは、ガスケット(すなわち面シール)を使用して2つの同心の面を封止するために必要とされる。同様の配置構成(又は下記及び/又は他の箇所で説明するような他の配置構成)は、底部シール170の少なくとも一部を実現するために設けられ得る。
【0057】
[0090]
図35は、さらに別の例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリ100のための頂部シール168の詳細を示す。図示の通り、頂部シール168は、Oリング並びに外側及び内側Oリング圧縮スリーブを使用して形成される。頂部シール168の外側部分は、隙間264が含まれても又は含まれなくてもよいことを除いて、
図34に関して説明したものと同様又は同一である。頂部シール18の内側部分は、内側セル壁110と環状内側Oリング圧縮スリーブ268との間にそれぞれ位置決めされる第1の内側上方Oリング272及び第2の内側上方Oリング274によって形成される。内側Oリング圧縮スリーブウェッジ270(台形形状の)も内側セル壁110と環状Oリング圧縮スリーブ270との間に位置決めされ、図示の通り、第1の内側上方Oリング272を第2の外側上方Oリング274から分離する。内側Oリング圧縮スリーブ268は、台形/テーパ付きリップを有して、第1の内側上方Oリング272及び第2の外側上方Oリング274に圧縮力を加えて実質的に気密シールを形成し、Oリング272及び274は、内側セル壁110に接触する。内側Oリング圧縮スリーブ268は、締め付け機構(例えば、内側Oリング圧縮スリーブ268を頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144に近づけるように引くラチェット又は圧縮スリーブファスナ266)を有し得、及び/又は内側Oリング圧縮スリーブ268が頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144に向かって移動されるときにOリング272及び274に力を加えるために、Oリング272及び274のための台形の加圧室を形成するテーパ付き面(すなわち内側セル壁110の面に対して垂直以外)を用い得る。換言すると、Oリング272及び274は、第1の内周フランジ152、内側Oリング圧縮スリーブ268及び内側Oリング圧縮スリーブウェッジ270のそれぞれのテーパ付き面が互いの近くに移動されるとき、内側セル壁110に向かってわずかに変形し得る。2つのOリングが示されているが、いくつかの実施形態では、頂部シール168の内側部分は、単一のOリング、3つのOリング若しくは他の数のOリング又は他の封止部材を用い得る。同様の配置構成(又は下記及び/又は他の箇所で説明するような他の配置構成)は、底部シール170の少なくとも一部を実現するために設けられ得る。
【0058】
[0091]
図5及び
図6の実施形態では、光触媒リアクタセルアセンブリ100は、頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144及び/又は底部圧縮エンドキャップ嵌合部156に圧縮力を与えるために、少なくとも1つのテンションロッド174をさらに含む。例えば、
図6に最もよく示すように、テンションロッド174は、頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144及び底部圧縮エンドキャップ嵌合部156の両方に結合されて、頂部シール168及び底部シール170が形成されるのに十分な圧縮力を及ぼす。テンションロッド174は、垂直軸118と同一線上に配置され、その周りに外側セル壁102及び内側セル壁110が同心円状に配置される。2つ以上のテンションロッド174が圧縮力を提供する場合、複数のそのようなテンションロッド174は、それぞれ垂直軸118から及びその周りで互いに対して共通の距離だけ離間され、頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144及び/又は底部圧縮エンドキャップ嵌合部156の円周又は周囲に比較的均一に圧縮力を加え得る。1つ又は複数のテンションロッド174は、外側セル壁102、内側セル壁110及び/又は光ハウジングの内側及び/又は外側に位置し得る。1つ又は複数のテンションロッド174は、例えば、ステンレス鋼(SS316)、オーステナイト系ニッケル-クロムベース合金、ニッケル-クロム-鉄-モリブデン合金又はアルミニウムで構築され得る。代わりに又は加えて、1つ又は複数のテンションロッド174は、別の材料で構築され得る。さらなる実施形態では、1つ又は複数のテンションロッド174は、光触媒リアクタセル100を別の構造、例えばより大型のリアクタシステムの一部を形成するマルチセルフレームに取り付けるための取り付け構造の機能を果たし得る。いくつかの実施形態では、光ハウジングの内側部分132b及び/又は外側部分132aは、テンションロッドに固定される。
【0059】
[0092] 1つ又は複数のテンションロッド174は、外側セル壁102及び内側セル壁110への頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144及び/又は底部圧縮エンドキャップ嵌合部156の締め付けを容易にするために、少なくとも1つのねじ付きファスナ176と協働するねじ山を含み得る。頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144及び/又は底部圧縮エンドキャップ嵌合部156は、それぞれ支持体172を含み得、支持体172を通してテンションロッド174が圧縮力を及ぼす。1つ又は複数の支持体172は、1つ又は複数のテンションロッド174及び/又は1つ又は複数のねじ付きファスナ176と相互作用するために、ねじ付き又は非ねじ付きであり得る。ねじ山の代替形態として、圧縮力を加えるためにばね、クランプ、空気圧及び/又は他の機構が使用され得る。1つ又は複数の支持体172は、例えば、ステンレス鋼(SS316)、オーステナイト系ニッケル-クロムベース合金、ニッケル-クロム-鉄-モリブデン合金又はアルミニウムで構築され得る。代わりに又は加えて、1つ又は複数の支持体172は、別の材料で構築され得る。
図5及び
図6に示す例示的な実施形態では、支持体172は、全体的に円錐形を有し、頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144及び底部圧縮エンドキャップ嵌合部156が各円錐状支持体172のそれぞれの底面の機能を果たし、テンションロッドが各円錐状支持体172のそれぞれの頂点で締め付ける。代わりに、1つ又は複数の支持体172は、他の形状を有し得る。さらに他の実施形態では、ディスク形状(環状部分形状の代わりに)又は中心空所のない他の形状を有する頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144及び/又は底部圧縮エンドキャップ嵌合部156の場合のように、テンションロッド172は、頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144及び/又は底部圧縮エンドキャップ嵌合部156と物理的に直接接する。既に述べたように、複数のテンションロッド174は、頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144及び底部圧縮エンドキャップ嵌合部156のそれぞれに結合されて、頂部シール及び底部シールが形成されるのに十分である集合的な圧縮力を及ぼし得る。1つ以上のテンションロッド174を使用することによって与えられる潜在的な利点は、特に、(a)光子への干渉が皆無であるか又はそれに近いため、光リアクタの全体効率を向上させること、(b)他の封止機構と比べて高温への曝露が少なく、それにより熱膨張を制限すること、(c)複数ボルトのフランジシステムと比べて封止面での力の分布を改善すること、及び(d)触媒床に侵入するハードウェアを使用することなく、圧縮エンドキャップの変形を制限するために、同心の石英管間に圧縮力を集中させ、従って触媒からそうでなければ触媒床に侵入するハードウェアへの潜在的なエネルギー損失を制限することを含む。
【0060】
[0093]
図4に戻ると、光触媒リアクタセルアセンブリ100が重力(図示しないが、
図4の底部から生じると考えられる)に対して垂直方向に(地面に対して直角に)向けられているとき、多孔質ベースフィルタ130は、好ましくは、頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144よりも底部圧縮エンドキャップ嵌合部156に近い光触媒充填床126の下面(すなわち底面)に位置する。光触媒充填床126は、環状体積部120の中央部分122において垂直方向に位置決めされる。頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144に最も近い環状体積部120の上方部分124は、反応ガス混合のための十分なヘッドスペース128を提供するために、光触媒充填床126を欠いている。ガス入口146を介して導入された少なくとも1種のガス状反応物質が光触媒充填床126を通して流れ、及び少なくとも1種の結果として得られる生成ガスがガス出口158を介して出るとき、光触媒充填床126に入射する光子の放出(複数の光子エミッタ142a及び142bによる)は、連続光誘起気相反応を活性化する。
【0061】
[0094]
図7は、等角図であり、及び
図8は、立面図であり、別の例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリ100を示す。
図7及び
図8は、同じ又は同様の特徴及び/又は構成要素に言及するために、
図1~6におけるものと同じ参照符号を用いる。
図7及び
図8のいずれか又は両方は、より良好に説明及び理解できるようにするために、
図1~6に示されているものから(又は互いに)適切にいくつかの特徴及び/又は構成要素を省略し得る。例えば、
図7及び
図8は、少なくとも外側冷却ブロック134、内側冷却ブロック138、光ハウジングの外側部分132a及び内側部分132bの詳細、光触媒充填床126並びに多孔質ベースフィルタ130を省略する(しかし、説明した例示的な実施形態は、それらを含み得る)。
図7及び
図8は、主に、
図5及び
図6に示す光触媒リアクタセルアセンブリ100の頂部及び底部エンドキャップ嵌合部144及び156の変形形態(すなわち支持体172及びテンションロッド174がない)を示すために提示される。従って、
図7及び
図8の光触媒リアクタセルアセンブリ100は、
図5及び
図6の光触媒リアクタセルアセンブリ100よりも単純な構築物である。
【0062】
[0095]
図7及び
図8に示すように、光触媒リアクタセルアセンブリ100は、外側セル壁102及び内側セル壁110を含み、外側セル壁102及び内側セル壁110のそれぞれの頂部部分及び底部部分に頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144及び底部圧縮エンドキャップ嵌合部156が取り付けられる。頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144は、反応ガス入口146、外側セル壁102の頂部部分150の周りに嵌まる第1の外周フランジ148及び内側セル壁110の頂部部分の内側に嵌まる第1の内周フランジ152を含む。同様に、底部圧縮エンドキャップ嵌合部156は、生成ガス出口158、外側セル壁102の底部部分162の周りに嵌まる第2の外周フランジ160及び内側セル壁110の底部部分の内側に嵌まる第2の内周フランジ(図示せず)を含む。いくつかの例示的な実施形態では、頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144及び底部圧縮エンドキャップ嵌合部156は、外側セル壁102及び内側セル壁110に圧入される。代わりに、頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144及び底部圧縮エンドキャップ嵌合部156は、外側セル壁102及び内側セル壁110の少なくとも一部(例えば、それぞれ外側及び内側)を囲む光ハウジングに圧入される。他の取り付け形態及び/又は機構も使用され得る。
【0063】
C.外側及び内側IRランプを有する光ハウジングを備えるリアクタセルアセンブリ
[0096]
図9は、ある例示的な実施形態によるリアクタセルアセンブリ100を示す等角図である。
図10は、ある例示的な実施形態によるリアクタセルアセンブリ100を示す縦断面図である。
図11は、ある例示的な実施形態によるリアクタセルアセンブリ100を示す横断面図である。
図9~11は、より良好に説明及び理解できるようにするために、様々な
図1~8に示されているものから(又は互いに)適切にいくつかの特徴及び/又は構成要素を省略し得る。例えば、
図9~11は、少なくとも外側冷却ブロック134、内側冷却ブロック138、光ハウジングの外側部分132a及び/又は内側部分132bの詳細、光触媒充填床126、多孔質ベースフィルタ130、反応ガス入口146並びに生成ガス出口158を省略する(しかし、説明した例示的な実施形態は、それらを含み得る)。
図9~11は、主に光触媒リアクタセル100の変形形態を示すために提示され、IRランプが光ハウジング内の光子エミッタ及び/又はヒータの機能を果たす。
【0064】
[0097]
図9~11に示すように、リアクタセルアセンブリ100は、外側セル壁102を含み、その周りにIRランプの形態の複数の光子エミッタ142aが円周に配置され、光ハウジングの外側部分の機能を果たす。リアクタセルアセンブリ100は、内側セル壁110をさらに含み、その内側にIRランプの形態の複数の光子エミッタ142bが円周に配置されて、光ハウジングの内側部分の機能を果たす。頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144及び底部圧縮エンドキャップ嵌合部156は、それぞれの頂部及び底部シールを形成し、それを通して、1つ又は複数の入力ガス状反応物質及び1つ又は複数の出力ガス状生成物は、それぞれの1つ又は複数の反応ガス入口及び1つ又は複数の生成ガス出口を介して通過することが意図され、これらのいずれも
図9~11に図示されていない。
【0065】
[0098] リアクタセルアセンブリ100が光触媒リアクタセルアセンブリである実施形態では、外側セル壁102と内側セル壁110との間の環状体積部120は、光触媒充填床を含み得、そこで、少なくとも1種のガス状反応物質が光触媒充填床を通して流れて、少なくとも1種の結果として得られるガス状生成物を生成するとき、複数の光子エミッタ142a及び142bから放出された入射光(例えば、近IRスペクトルにおける)は、連続光誘起気相反応を活性化する。IRランプは、光触媒充填床に熱をさらに供給して、1つ又は複数の反応にさらに触媒作用を及ぼし得る。リアクタセルアセンブリ100が熱触媒リアクタセルである(充填触媒床に光触媒がない)代替的な実施形態では、複数の光子エミッタ142a及び/又は142b中のIRランプは、単に触媒床に赤外線放射加熱を提供し得る。IRランプは、外側セル壁102と内側セル壁110との間の環状体積部120の両側に位置するため、放射加熱は、従来の熱リアクタと比べて触媒充填床中により均一に及び直接分配される。
【0066】
[0099]
図12及び
図13は、それぞれある例示的な実施形態による、複数の光子エミッタ142a及び/又は142bなどにおける光子エミッタとして使用され得る単一のIRランプ178を示す立面図及び概略横断面図である。加えて又は代わりに、ランプ178は、例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリ又は熱リアクタセルアセンブリのための加熱素子として使用され得る。
【0067】
[0100]
図12及び
図13に示すように、IRランプ178は、石英管球容器182の中心にタングステンフィラメント180を含み、石英管球容器182の内周でタングステンフィラメント180を円で囲む1つ以上の支持リング184を有し得る。石英管球容器182の内面の一部は、好ましくは、反射コーティング186、例えば艶出しセラミックコーティングで被覆されて、発生した赤外放射線を標的188(例えば、光触媒充填床)に方向付ける。例えば、反射コーティング186は、光ハウジングの外側部分142aの場合には垂直軸118(例えば、
図1を参照されたい)から遠位のIRランプの表面上又は光ハウジングの内側部分142bの場合には垂直軸118に対して近位のIRランプの表面上にあり得る。反射コーティング186は、例えば、高温、例えば摂氏1000度まで又はそれよりも高い温度で安定しているように選択される。反射コーティング186で被覆される石英管球容器182の内面の量は、いくつかの要因、例えば石英管球容器182の直径、標的188までの距離及び標的188の幅に依存し得る。例示的な一実施形態では、
図13に示すように、石英管球容器182の内周の半分(180度)が反射コーティング186で被覆される。これは、例えば、IRランプ178から120度の視野角に方向付けられている集束した放射線を生じ得る。標的188に向かうこの集束した放射線は、石英管球容器182が反射コーティング186を含まないIRランプ178と比べてより高い効率をもたらし、これは、そうでなければ標的188から離れるように方向付けられる放射線が代わりに標的188に向かって集束されるためである。1つ以上のリード線190は、所望の赤外放射線を発生させるために、タングステンフィラメント180を通して電流を供給するために使用され得る。
【0068】
[0101] 赤外放射線は、可視光の波長よりも長い波長の電磁放射線である。例えば、可視光スペクトルは、約380nm~約750nmの波長を有し得るが、赤外放射線は、約750nm~約1mmの波長を有し得る。赤外放射線は、分子がその回転/振動運動を変えるとき、分子によって放出又は吸収される。この放射線の吸収は、分子の温度の上昇と一般的に関連付けられる。理想的なエミッタ(黒体)によって放出された最大量の放射線は、その温度の4乗に比例する:
【数1】
(式中、σは、シュテファン・ボルツマン定数である)。エネルギーを放射するためにエミッタの能力に非理想性を導入することは、赤外線エネルギーを放出するための本体の能力である放射率として公知の比例定数εを加えることを必要とする。典型的な放射率の値は、0.02(例えば、鏡又は研磨された金について)~0.95に達する高さ(例えば、酸化表面及び炭素について)の範囲である。
【0069】
[0102] 赤外線加熱は、電流が抵抗フィラメント、例えばタングステン又はニクロム線を通過させられて、熱及び光を発し、赤外放射線を放出する電気赤外線ヒータ技術を使用することによって標的に加えられ得る。工業的応用での赤外放射線の使用可能範囲は、760μm~約10,000nm(10μm)であり、
図14に示す表1400に示されているように3つのカテゴリー(短波、高強度;中波、中強度;及び長波、弱強度)に分類される。
【0070】
[0103] 本明細書で開示するリアクタセルアセンブリの様々な実施形態は、短波IRランプ(例えば、IRランプ178)を用いて、リアクタセル(すなわち外側セル壁と内側セル壁との間の環状体積部)に含まれる触媒床に熱を与える。IRランプは、放出された放射線の実質的に全てをリアクタセルアセンブリ内に含むために、IR反射性材料(例えば、反射コーティング186)で製作された光ハウジング(これは、単にIRランプ自体の円形の群又は列であり得る)内に設けられる。短波IRランプは、2200℃の温度において、フィラメント(例えば、タングステンフィラメント180)から、ピーク波長が1.25μmの放射線を発生させる。タングステンフィラメント180を収容する石英管球容器182は、優れた高温度安定性を有し、
図15のグラフ1500に示すように、エミッタによって発生された赤外放射線(677℃で)の97%超を透過させる。石英のこれらの同じ特性は、リアクタセルアセンブリの外壁及び/又は内壁の透過にも好ましく、触媒及び反応物質による効率的な吸収を可能にする。
【0071】
[0104] 石英の赤外線透過特性は、石英の低熱伝導率によって課される制限を克服することを促進し、リアクタアセンブリの外壁及び/又は内壁の構築のよい候補にする。さらに、赤外放射線(近赤外放射線を含む)は、様々なガス種、例えば本明細書で開示するリアクタセルアセンブリの実施形態で使用され得る反応ガスによって強く吸収される。
図16は、様々なガス種(水(蒸気)、二酸化炭素、一酸化炭素及びメタン)のIR吸収スペクトルを示すグラフ1600である。そのため、一次放射線は、ピーク波長1.25μmに集中し得るが、任意の反射又は散乱された放射線は、約2μm~約10μmの範囲内であり得る。
図16に示すように、このより高い波長の反射又は散乱された放射線は、反応ガスによって吸収されやすく、様々な例示的な実施形態によるリアクタセルアセンブリにより、放射線を効率的に利用できるようにする。
【0072】
D.冷却された外側LED及び内側IRランプを有する光ハウジングを備えるリアクタセルアセンブリ
[0105]
図17は、ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリ100を示す等角図である。
図18は、ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリ100を示す縦断面図である。
図19は、ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリ100を示す横断面図である。
図17~19は、より良好に説明及び理解できるようにするために、様々な
図1~11に示されているものから(又は互いに)適切にいくつかの特徴及び/又は構成要素を省略し得る。例えば、
図17~19は、少なくとも光触媒充填床126、多孔質ベースフィルタ130、反応ガス入口146及び生成ガス出口158を省略する(しかし、説明した例示的な実施形態は、それらを含み得る)。
図17~19は、主に光触媒リアクタセル100の変形形態を示すために提示され、LEDが光ハウジングの外側部分132aにおいて光子エミッタの機能を果たし、及びIRランプが光ハウジングの内側部分132bにおいて光子エミッタ及び/又はヒータの機能を果たす。
【0073】
[0106]
図17~19に示すように、リアクタセルアセンブリ100は、外側セル壁102を含み、その周りにLEDの形態の複数の光子エミッタ142a(例えば、それぞれ直径で1~5mmの数千個のLED)が円周状に配置され、光ハウジングの外側部分132aの機能を果たす。例えば、LEDは、LED回路基板において又は
図1~4及び本明細書のいくつかの他の図面に示すように他の形態で取り付けられ得る。リアクタセルアセンブリ100は、内側セル壁110をさらに含み、その内側にIRランプの形態の複数の光子エミッタ142bが円周に配置されて、光ハウジングの内側部分132bの機能を果たす。頂部圧縮エンドキャップ嵌合部及び底部圧縮エンドキャップ嵌合部(そのいずれも
図17~19に示されていないが、例えば
図5~8に示されているものと同様であり得る)は、それぞれの頂部及び底部シールを形成し、それを通して、1つ又は複数のガス状反応物質入力及び1つ又は複数のガス状生成物出力のみが、例えば
図5~8に示すものと同様に、それぞれの1つ又は複数の反応ガス入口及び1つ又は複数の生成ガス出口を介して通過することが意図される。
【0074】
[0107] リアクタセルアセンブリ100が光触媒リアクタセルアセンブリである実施形態では、外側セル壁102と内側セル壁110との間の環状体積部120は、光触媒充填床を含み得る。複数の光子エミッタ142a及び142bから放出された入射光(例えば、それぞれ可視及び近IRスペクトルにおける)は、少なくとも1種のガス状反応物質が光触媒充填床を通して流れて、少なくとも1種の結果として得られるガス状生成物を生成するとき、連続光誘起気相反応を活性化する。加えて又は代わりに、IRランプは、光触媒充填床に熱を供給して、1つ又は複数の反応にさらに触媒作用を及ぼし得る。
【0075】
[0108]
図17~19には、複数の外側冷却通路136を含む外側冷却ブロック134も示されている。
図1~4を参照して説明したように、外側冷却ブロック134は、光ハウジングの外側部分132aと関連付けられる。また、
図17~19の例では、複数の冷却材通路136が示されているが、代わりに又は加えて、外側冷却ブロック134は、中空の壁のある貯蔵部を含み得、それを通して冷却流体がその全体又は一部を循環させられる。例えば、外側冷却ブロック134は、冷却流体が所定の流量で通過させられるレセプタクルを画定するアルミニウム壁を含み得る。例示的な一実施形態では、外側冷却ブロック134は、単にヒートシンクの機能を果たし、冷却流体を用いない。冷却構造は、例えば、光子エミッタが取り付けられる表面を摂氏150度以下の温度に維持し得る。
【0076】
[0109] 外側冷却ブロック134に加えて、内側冷却ブロック(図示せず)は、光ハウジングの内側部分132b内の光子エミッタ142b(IRランプ)を冷却するために含まれ得る。例えば、そのような内側冷却ブロックは、下記で説明する、
図20~22において内側冷却ブロック138として示されているものと同様の構造及び形状因子を有し得、いくつかの冷却方法、例えば流体冷却、強制空冷及び/又は伝導冷却(例えば、1つ以上のヒートシンクによる)のいずれかを用い得る。また、冷却ブロックは、それ自体が中実ブロックの形態である必要はなく、代わりに2つ以上の別々の冷却構造、例えばファン、冷却線又はヒートシンクとして実装され得る。
【0077】
E.外側IRランプ及び冷却された内側LEDを有する光ハウジングを備えるリアクタセルアセンブリ
[0110]
図20は、ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリ100を示す等角図である。
図21は、ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリ100を示す縦断面図である。
図22は、ある例示的な実施形態による光触媒リアクタセルアセンブリ100を示す横断面図である。
図20~22は、より良好に説明及び理解できるようにするために、様々な
図1~11に示されているものから(又は互いに)適切にいくつかの特徴及び/又は構成要素を省略し得る。例えば、
図20~22は、少なくとも光触媒充填床126、多孔質ベースフィルタ130、反応ガス入口146及び生成ガス出口158を省略する(しかし、説明した例示的な実施形態は、それらを含み得る)。
図20~22は、主に光触媒リアクタセル100の変形形態を示すために提示され、IRランプが光ハウジングの外側部分132aにおいて光子エミッタ及び/又はヒータの機能を果たし、及びLEDが光ハウジングの内側部分132bにおいて光子エミッタの機能を果たす。従って、
図20~22は、光ハウジングの外側部分がヒータの機能を果たして環状体積部を加熱して、それにより光誘起気相反応の反応速度を高め得る例を示す。
【0078】
[0111]
図20~22に示すように、リアクタセルアセンブリ100は、外側セル壁102を含み、その周りにIRランプの形態の複数の光子エミッタ142aが円周に配置され、光ハウジングの外側部分132aの機能を果たす。リアクタセルアセンブリ100は、内側セル壁110をさらに含み、その内側にLEDの形態の複数の光子エミッタ142bが円周に配置されて、光ハウジングの内側部分132bの機能を果たす。例えば、LEDは、LED回路基板において又は
図1~4及び本明細書のいくつかの他の図面に示すような他の形態で取り付けられ得る。頂部圧縮エンドキャップ嵌合部及び底部圧縮エンドキャップ嵌合部(そのいずれも
図20~22に示されていないが、例えば
図5~8に示されているものと同様であり得る)は、それぞれの頂部及び底部シールを形成し、それを通して、1つ又は複数のガス状反応物質入力及び1つ又は複数のガス状生成物出力のみが、例えば
図5~8に示すものと同様に、それぞれの1つ又は複数の反応ガス入口及び1つ又は複数の生成ガス出口を介して通過することが意図される。
【0079】
[0112] リアクタセルアセンブリ100が光触媒リアクタセルアセンブリである実施形態では、外側セル壁102と内側セル壁110との間の環状体積部120は、光触媒充填床を含み得る。複数の光子エミッタ142a及び142bから放出された入射光(例えば、それぞれ近IR及び可視スペクトルにおける)は、少なくとも1種のガス状反応物質が光触媒充填床を通して流れて、少なくとも1種の結果として得られるガス状生成物を生成するとき、連続光誘起気相反応を活性化する。加えて又は代わりに、IRランプは、光触媒充填床に熱を供給し、1つ又は複数の反応にさらに触媒作用を及ぼし得る。
【0080】
[0113]
図20~22には、複数の内側冷却通路140を含む内側冷却ブロック138も示されている。
図1~4を参照して説明したように、内側冷却ブロック138は、光ハウジングの内側部分132bに関連付けられる。また、
図20~22の例では複数の冷却材通路140が示されているが、代わりに又は加えて、内側冷却ブロック138は、中空の壁のある貯蔵部を含み得、それを通して冷却流体がその全体又は一部を循環させられる。例えば、内側冷却ブロック138は、冷却流体が所定の流量で通過させられるレセプタクルを画定するアルミニウム壁を含み得る。例示的な一実施形態では、内側冷却ブロック138は、単にヒートシンクの機能を果たし、冷却流体を用いない。冷却構造は、例えば、光子エミッタが取り付けられる表面を摂氏150度以下の温度に維持し得る。同様に、内側冷却ブロック138に加えて、光ハウジングの外側部分132aには、光子エミッタ142a(IRランプ)を冷却するために外側冷却ブロック(図示せず)が含まれ得る。例えば、そのような外側冷却ブロックは、下記で説明する
図17~19において外側冷却ブロック134として示されているものと同様の構造及び形状因子を有し得、いくつかの冷却方法、例えば流体冷却、強制空冷及び/又は伝導冷却(例えば、1つ以上のヒートシンクを介した)のいずれかを用い得る。また、冷却ブロックは、それ自体が中実ブロックの形態である必要はなく、代わりに2つ以上の別々の冷却構造、例えばファン、冷却線又はヒートシンクとして実装され得る。
【0081】
F.加熱されるリアクタセルアセンブリ
[0114] 加えて又は代わりに、光触媒リアクタセルアセンブリ100のいくつかの例示的な実施形態は、少なくとも環状体積部120に熱を加えるためにヒータを含み、それにより光誘起気相反応の反応速度を高める。
図23~32は、そのようなヒータの例、例えばバンドヒータ、埋め込み式環状ヒータ、埋め込み式ヘリカルコイルヒータ及び埋め込み式IRヒータを示す。他のタイプのヒータは、図示したものと同様の方法で用いられ得る。例えば、1つ以上のカートリッジヒータは、浸漬ヒータとして、潜在的に効率的で低コストの直接浸漬ヒータとして使用され得る。
【0082】
G.外側バンドヒータを有するリアクタセル
[0115]
図23は、ある例示的な実施形態による、外側バンドヒータ200を備える光触媒リアクタセルアセンブリ100を示す等角図である。
図24は、ある例示的な実施形態による、外側バンドヒータ200を備える光触媒リアクタセルアセンブリ100を示す縦断面図である。
図25は、ある例示的な実施形態による、外側バンドヒータ200を備える光触媒リアクタセルアセンブリ100を示す横断面図である。
図23~25は、より良好に説明及び理解できるようにするために、本明細書で説明する様々な他の図面に示されているものから(又は互いに)適切にいくつかの特徴及び/又は構成要素を省略し得る。例えば、
図23~25は、少なくとも光触媒充填床126、多孔質ベースフィルタ130、反応ガス入口146及び生成ガス出口158を省略する(しかし、説明した例示的な実施形態は、それらを含み得る)。
図23~25は、主に光触媒リアクタセルアセンブリ100の変形形態を示すために提示され、外側バンドヒータ200は、光触媒リアクタセルアセンブリ100の複数の部分、例えば光触媒充填床126(図示せず)に有益な加熱をもたらす。外側バンドヒータ200は、光触媒リアクタセルアセンブリ100の外側セル壁102との直接的な接触をもたらし、放射熱伝達と併せて直接熱伝導することを可能にし、従って熱損失を最小限にする。
【0083】
[0116] 外側バンドヒータ200は、管状炉ヒータ、セラミック繊維ヒータ又は外側セル壁102に巻き付けられた加熱コイルの形態を取り得る。
図23~25に示すように、外側バンドヒータ200は、外側セル壁102に巻き付くため、外側バンドヒータ200の第1の縁は、シーム202において外側バンドヒータ200の反対側の縁に隣接する。小さい又は存在しないシーム202は、光触媒リアクタセルアセンブリ100の一貫性のある加熱に寄与し得る。当然のことながら、より幅広のシーム202又は複数のシーム202も可能であり、組み立て又は製造が簡単になるなどの他の利益を提供し得る。いくつかの実施形態では、外側バンドヒータ200は、可撓性であるため、組み立ては、外側セル壁102にバンドヒータ200を巻き付け、端部間で接続することを含み得る。
【0084】
[0117] 同様に
図23~25に示されているのは、第1の外周フランジ148を備える頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144及び第2の外周フランジ160を備える底部圧縮エンドキャップ嵌合部156である。第1及び第2の外周フランジ148及び160は、外側セル壁102とそれぞれの頂部及び底部シールを形成することを促進して、ガス状反応物質又は生成物の漏れを防止する。同様のフランジ又は他の封止機構、例えばガスケット及び/又はOリングが内側セル壁110に対して使用され得る。頂部及び底部シールに関するさらなる詳細は、例えば、
図5及び
図6を参照して見出され得る。1つ以上のテンションロッド(図示せず)は、頂部圧縮ソケット204及び底部圧縮ソケット206と接し得、これらは、例えば、頂部圧縮エンドキャップ嵌合部144及び底部圧縮エンドキャップ嵌合部156に圧縮シールを形成することを支援するためのねじ付き開口部であり得る。本明細書の他の箇所で説明する他の配置構成が代わりに用いられ得る。1つ以上の反応ガス入口(図示せず)及び生成ガス出口(図示せず)は、それぞれ外側セル壁102と内側セル壁110との間の環状体積部120に1種又は複数の反応ガスを提供し、及びそれから1種又は複数の生成ガスを除去する。
【0085】
[0118]
図23~25に示す例示的な実施形態では、光ハウジングの内側部分132bは、
図1~4及び
図20~22に示す内側部分132bと同様又は同一であり得、光子エミッタ142bと、内側冷却通路140が設けられた内側冷却ブロック138とを有する。しかしながら、
図1~4及び
図20~22の例示的な実施形態とは対照的に、
図23~25の光ハウジングは、光子エミッタを備える外側部分132aを含まず、代わりにバンドヒータ200を含む。従って、
図23~25は、光ハウジングの外側部分がヒータの機能を果たして、環状体積部を加熱して、それにより光誘起気相反応の反応速度を高める例を示す。
【0086】
H.埋め込み式環状ヒータを有するリアクタセル
[0119]
図26は、ある例示的な実施形態による、環状ヒータ210を備える光触媒リアクタセルアセンブリ100を示す等角図である。
図27は、ある例示的な実施形態による、環状ヒータ210を備える光触媒リアクタセルアセンブリ100を示す縦断面図である。
図28は、ある例示的な実施形態による、環状ヒータ210を備える光触媒リアクタセルアセンブリ100を示す横断面図である。
図26~28は、より良好に説明及び理解できるようにするために、本明細書で説明する様々な他の図面に示されているものから(又は互いに)適切にいくつかの特徴及び/又は構成要素を省略し得る。例えば、
図26~28は、少なくとも光触媒充填床126、多孔質ベースフィルタ130、反応ガス入口146及び生成ガス出口158を省略する(しかし、説明した例示的な実施形態は、それらを含み得る)。
図26~28は、主に光触媒リアクタセルアセンブリ100の変形形態を示すために提示され、外側セル壁102と内側セル壁110との間の環状体積部120に埋め込まれるか又は浸漬された環状ヒータ210は、光触媒リアクタセルアセンブリ100の複数の部分、例えば光触媒充填床126(図示せず)に有益な加熱をもたらす。そのような埋め込まれた/浸漬された環状ヒータの使用により、環状領域において触媒床に直接エネルギーを供給し、それにより、外部ヒータと比較して、熱源と触媒との間の複数の材料層を除去することによって熱損失を最小限にする。
【0087】
[0120] 環状ヒータ210を除いて、
図26~28に示す全ての構成要素は、
図1~3に示すものと同様又は同一であり得るため、それに従って符号を付す。そのような構成要素に関するさらなる詳細は、本明細書の他の箇所で説明されている。例示的な実施形態では、環状ヒータ210は、第1のチューブ104及び/又は第2のチューブ112と同様の形状(例えば、円筒状)を有し得る。環状ヒータ210は、例えば、セラミック繊維ヒータ、抵抗加熱素子を有する基板又は他の環状形状のヒータであり得る。いくつかの実施形態では、熱をもたらす機構は、環状ヒータ210の形状よりも重要ではない。環状領域120の形状に近似する形状を有する環状ヒータ210は、有利には、環状体積部120の至るところで一貫した加熱を行い得る。より厚みのある環状ヒータ210は、より多くの熱質量を有し得るが、環状体積部120内で光触媒充填床126に利用可能な空間が小さくなる形式のトレードオフも存在する。
図26~28に示す実施形態では、環状ヒータ210が占める環状体積部120の部分は、およそ3分の1以下である。他の部分は、いくつかのリアクタセルの幾何学的形状、例えば比較的薄い又は比較的厚い環状体積部120などに適切であり得る。
【0088】
I.埋め込み式ヘリカルコイルヒータを有するリアクタセル
[0121]
図29は、ある例示的な実施形態による、埋め込み式コイルヒータ212を備えるリアクタセルアセンブリ100を示す等角図である。より理解しやすくするために図示を単純にするために、多くの構成要素、例えば光ハウジング(外側及び内側部分)、エンドキャップ嵌合部、ガス入口及び出口、触媒床(例えば、光触媒充填床)、多孔質ベースフィルタ、冷却ブロック並びにコイルヒータ212以外の任意の追加的なヒータが
図29から省略されている。
【0089】
[0122]
図29のリアクタセルアセンブリ100は、内側セル壁110の周りに同心円状に配置された外側セル壁102を含んで、外側セル壁102と内側セル壁110との間に環状体積部120を画定する。
図4に示すように、環状体積部120は、光誘起気相反応に触媒作用を及ぼすために、光触媒充填床126を有する中央部分122を含む。光誘起気相反応の反応速度を高めるために、埋め込み式コイルヒータ212は、環状体積部120の中央部分122のいくつか又は全てに埋め込まれるか又は浸漬される。
【0090】
[0123] ある例示的な実施形態では、コイルヒータ212は、抵抗加熱線216(例えば、連続フィラメント、触媒床の近くに高温部及び触媒床から離れて低温部を含む可能性がある)が配置されたらせん状管214として実現され得る。例えば、コイルヒータ212は、
図12に示すものと同様の形態であるが、環状体積部120の形状にほぼ一致するらせんとして形作られる、抵抗加熱線216の機能を果たすタングステンフィラメントを備える石英製のらせん状管214を有するIRコイルランプであり得る。1つ以上のインターフェース管218(例えば、石英製)は、らせん状管214の第1及び第2の端部と接し、電気リード線(図示せず)を入れて抵抗加熱線216を通して電流を駆動し得る。いくつかの実施形態によれば、ヘリカル石英IRコイルランプとして実現された埋め込み式コイルヒータ212は、赤外線及び放射加熱の両方を光触媒充填床126に提供し、光誘起気相反応の反応速度を高め得る。いくつかの実施形態では、そのようなコイルヒータの使用は、高度の吸熱反応のためにより高い温度でより高いワット密度を可能にする。
【0091】
J.埋め込み式IRヒータを有するリアクタセル
[0124]
図30は、ある例示的な実施形態による、埋め込み式IRヒータ220を備える光触媒リアクタセルアセンブリ100を示す等角図である。
図31は、ある例示的な実施形態による、埋め込み式IRヒータ220を備える光触媒リアクタセルアセンブリ100を示す縦断面図である。
図32は、ある例示的な実施形態による、埋め込み式IRヒータ220を備える光触媒リアクタセルアセンブリ100を示す横断面図である。
図30~32は、より良好に説明及び理解できるようにするために、本明細書で説明する様々な他の図面に示されているものから(又は互いに)適切にいくつかの特徴及び/又は構成要素を省略し得る。例えば、
図30~32は、少なくとも光触媒充填床126、多孔質ベースフィルタ130、反応ガス入口146及び生成ガス出口158を省略する(しかし、説明した例示的な実施形態は、それらを含み得る)。
図30~32は、主に光触媒リアクタセルアセンブリ100の変形形態を示すために提示され、複数(例えば、2つ以上、3つ以上、4つ以上又は他の数)のIRヒータ220が外側セル壁102と内側セル壁110との間の環状体積部120に埋め込まれて、光触媒リアクタセルアセンブリ100の複数の部分、例えば光触媒充填床126(図示せず)に有益な加熱をもたらす。ヒータとしての埋め込み式IRランプの使用は、環状体積部120内の触媒と直接接触することを可能にし、放射及び伝導性熱伝達の両方をもたらし、及び熱損失を減少させる。そのような形態は、高温でより高いワット密度をさらに可能にし、光触媒ドライメタン改質(PDMR)のような非常に高い吸熱反応に非常に好適にする。
【0092】
[0125] 埋め込み式IRヒータ220を除いて、
図29~31に示す全ての構成要素は、
図1~3に示すものと同様又は同一であり、それに従って符号が付される。そのような構成要素に関するさらなる詳細は、本明細書の他の箇所で説明されている。例示的な実施形態では、IRヒータ220のそれぞれは、
図9~22、特に
図12を参照して説明したIRランプと同様又は同一であり得る。しかしながら、
図13に示す反射コーティング186は、少なくとも光触媒床126に隣接するIRヒータ220の部分で除外され得る。図示の通り、光触媒リアクタセルアセンブリ100は、内側セル壁と外側セル壁との間において、垂直軸の周りで環状に互いに隣接して配置された複数の赤外線(IR)ランプを含む。環状体積部120の至るところに均一に分配された複数のIRヒータ220は、有利には、環状体積部120の至るところで一貫した加熱を行う。比較的より多くのIRヒータ220を含むことによってより加熱をもたらし得るが、環状体積部120内で光触媒充填床126に利用可能な空間が小さくなる形式のトレードオフも存在する。
図30~32に示す実施形態では、IRヒータ220が占める環状体積部120の部分は、およそ4分の1以下である。他の部分は、いくつかのリアクタセルの幾何学的形状、例えば環状体積部120の厚さと比べて比較的小さい又は大きいIRランプに適切であり得る。
【0093】
K.例示的な反応及び関連する反応条件
[0126] 本明細書で説明する様々なリアクタセルアセンブリの実施形態は、固体触媒での複数の気相化学反応、例えば光エネルギーを使用することによる、高エンタルピーの反応及び高活性化エネルギーを必要とする反応を可能にするための基盤技術の機能を果たし得る。例えば、以下は、本明細書で説明する1つ以上の例示的な実施形態を使用して可能である反応及び反応のタイプのいくつかである:水蒸気メタン改質;ドライメタン改質;メタンの部分酸化;自己熱改質;アンモニアの分解;アンモニア合成;水性ガスシフト反応;より重質な炭化水素(例えば、アルキル化環状物、樹脂及びアスファルテン)の改質;フィッシャー-トロプシュ合成;メタノール合成;エタノール合成;飽和化合物を作製するための水素化;及びエチレンを作製するための脱水素化。本明細書で説明する様々な実施形態を使用して、他の気相反応及び反応型も可能である。
【0094】
[0127] 下記の表2及び表3は、本明細書で説明するリアクタセルの様々な実施形態において、化学反応を実施するために使用され得る2つの例示的な化学反応に関する例示的な反応条件範囲を示す。
【0095】
[0128] 光触媒水蒸気メタン改質(複数の実施形態):
【0096】
【0097】
[0129] アンモニアの光触媒分解(複数の実施形態):
【0098】
【0099】
[0130] 下記の表4及び表5は、本明細書で説明する様々な例示的なリアクタセルの実施形態に関する触媒床体積による例示的な水素生成率を示す。
【0100】
[0131] 光触媒水蒸気メタン改質(いくつかの実施形態):
【0101】
【0102】
[0132] アンモニアの光触媒分解(いくつかの実施形態):
【0103】
【0104】
L.マルチフィジックスシミュレーションモデリング及び実験結果
[0133] 環状形状のリアクタセルアセンブリのための様々な光ハウジング設計に関する光触媒床への光の送達をモデリングするために、COMSOLモデリングを使用した。このモデリングは、いくつかの実施形態では、ドライバ損失、ダイオードにおける電気対熱損失及び光ハウジング損失を考慮するとき、光ハウジングのLEDベースの内側部分(すなわち環状形状のリアクタの環状部分の内側)がおよそ63%の入力電気エネルギーを光触媒床に送達できることを実証した。同様に、モデリングは、ドライバ損失、ダイオードにおける電気対熱損失及び光ハウジング損失を考慮するとき、光ハウジングのLEDベースの外側部分(すなわち環状形状のリアクタの環状部分の外側)がおよそ55%の入力電気エネルギーを光触媒床に送達できることを実証した。IRランプエネルギー送達効率を推定するために理論計算も実施された。これらの理論計算に基づいて、本明細書で開示する様々な例示的な実施形態を使用して達成される例示的な最大IRエネルギー効率は、75%である。
【0105】
[0134] 光触媒充填床126に入射する光の強度及び光ハウジングの効率(内側及び/又は外側部分)を見出すために、COMSOL光線追跡シミュレーションが用いられた。各LED(数千個以上のLEDからの)が点光源として機能し、ある放射度で可視スペクトルの放射線を放出する。COMSOLシミュレーションは、光ハウジング及びリアクタセルアセンブリ100の他の構成要素を表す幾何学的形状を通るそれぞれの光線を追跡する。追跡された光線は、スネルの法則及びフレネルの式に基づいて表面で跳ね返る。各光線は、各境界干渉によってある程度のエネルギーを失い、最終的に一定のエネルギー閾値を下回り、伝搬しなくなる。光触媒充填床126は、非常に吸収性であるとシミュレーションされるため、追跡された光線が光触媒126に到達する場合、COMSOLシミュレーションのために完全に吸収される。
【0106】
[0135] 個々の各LED(又は他の光源)から放出された光線が追跡され、全てのLEDに関する全ての代表的な光線が光ハウジングの幾何学的形状を通して追跡されると、各境界に蓄積される蓄積エネルギー(ワット単位)が下部のメッシュ(例えば、三角形を含む有限要素メッシュ)の面積によって割られる。これは、さらなる熱伝達/流体流シミュレーションのための熱源として使用され得る、各面(例えば、三角形のメッシュ面セグメント)での強度を与える。数学的に、いずれかの三角形メッシュ面において結果として得られる光の強度は、
【数2】
(式中、Iは、W/m
2単位の強度であり、Aは、m
2単位の面積であり、及びQは、W単位の光線のパワーである)である。ここで、下付き文字iは、メッシュの三角形の指数を表し、及び下付き文字jは、その特定のメッシュの三角形に蓄積した光線の指数を表す。
【0107】
[0136] 下記の表6は、例示的な反応として光触媒水蒸気メタン改質(PSMR)を使用する、本明細書で説明するリアクタセルアセンブリの例示的な実施形態の性能を示す実験結果及び設計計算を示す。分かるように、変換百分率は、実験結果及び設計計算の両方において83%であり、これは、典型的な水素を生成するリアクタと比べて著しい改善であるとみられる。
【0108】
【実施例】
【0109】
III.実施例
[0137] 以下の符号が付けられた実施例は、実施形態である。
【0110】
[0138] 1.光触媒リアクタセルアセンブリであって、第1の外径及び第1の内径を有する第1のチューブを含む外側セル壁と;第2の外径及び第2の内径を有する第2のチューブを含む内側セル壁であって、第2の外径は、第1の内径よりも小さく、外側セル壁及び内側セル壁は、垂直軸の周りに同心円状に配置されて、外側セル壁と内側セル壁との間に環状体積部を画定する、内側セル壁と;環状形状を有し、及び反応ガス入口を含む頂部圧縮エンドキャップ嵌合部と;環状形状を有し、及び生成ガス出口を含む底部圧縮エンドキャップ嵌合部であって、頂部圧縮エンドキャップ嵌合部及び底部圧縮エンドキャップ嵌合部は、外側セル壁及び内側セル壁との頂部シール及び底部シールをそれぞれ形成する、底部圧縮エンドキャップ嵌合部と;外側セル壁と内側セル壁との間の環状体積部内に位置決めされた光触媒充填床であって、光触媒を含む光触媒充填床と;環状体積部内に光触媒充填床を位置決めするための多孔質ベースフィルタであって、頂部圧縮エンドキャップ嵌合部よりも底部圧縮エンドキャップ嵌合部に近い光触媒充填床の下面上にあり、ガス透過性であるが、光触媒充填床中の光触媒に対して不透過性であるように選択される細孔サイズを有する多孔質ベースフィルタと;外側部分及び内側部分を含む光ハウジングであって、外側部分は、外側セル壁の外側で垂直軸の周りに同心円状に配置され、内側部分は、内側セル壁の内側で垂直軸の周りに同心円状に配置され、外側部分及び内側部分の少なくとも一方は、光触媒充填床に入射する光子を均一に放出するように配置された光子エミッタの周方向アレイを含む、光ハウジングとを含み、それにより、光触媒充填床に入射する光子の放出は、ガス入口を介して導入された少なくとも1種のガス状反応物質が光触媒充填床を通して流れ、及び少なくとも1種の結果として得られるガス状生成物がガス出口を介して出るとき、連続光誘起気相反応を活性化する、光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0111】
[0139] 2.第1のチューブは、円筒状である、実施例1に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0112】
[0140] 3.第1のチューブは、円形断面を有する、実施例1又は2に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0113】
[0141] 4.第2のチューブは、円筒状である、実施例1~3のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0114】
[0142] 5.第2のチューブは、円形断面を有する、実施例1~4のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0115】
[0143] 6.第1のチューブ及び第2のチューブは、円筒状である、実施例1~5のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0116】
[0144] 7.第1のチューブ及び第2のチューブは、円形断面を有する、実施例1~6のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0117】
[0145] 8.外側セル壁及び内側セル壁の少なくとも一方の少なくとも一部は、光子エミッタによって放出された光子を透過させる材料で構築される、実施例1~7のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0118】
[0146] 9.外側セル壁及び内側セル壁の少なくとも一方の少なくとも一部は、可視光スペクトルの光子を透過させる、実施例1~8のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0119】
[0147] 10.外側セル壁及び内側セル壁の少なくとも一方の少なくとも一部は、近IRスペクトルの光子を透過させる、実施例1~9のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0120】
[0148] 11.外側セル壁及び内側セル壁の少なくとも一方は、ガラス管を含む、実施例1~10のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0121】
[0149] 12.外側セル壁及び内側セル壁の少なくとも一方は、溶融石英ガラスを含む、実施例1~11のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0122】
[0150] 13.外側セル壁及び内側セル壁の少なくとも一方は、ホウケイ酸ガラスを含む、実施例1~12のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0123】
[0151] 14.外側セル壁及び内側セル壁の少なくとも一方は、金属材料を含む、実施例1~13のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0124】
[0152] 15.外側セル壁及び内側セル壁の少なくとも一方の少なくとも第1の部分は、光子エミッタによって放出された光子を透過させる材料で構築され、外側セル壁及び内側セル壁の少なくとも一方の少なくとも第2の部分は、放出された光子を光触媒充填床中に反射させるための反射面を含む、実施例1~14のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0125】
[0153] 16.外側セル壁及び内側セル壁の少なくとも一方の少なくとも第1の部分は、光子エミッタによって放出された光子を透過させる材料で構築され、外側セル壁及び内側セル壁の少なくとも一方の少なくとも第2の部分は、放出された光子を光触媒充填床中に散乱させるための散乱面を含む、実施例1~15のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0126】
[0154] 17.光触媒充填床は、支持材と共沈された光触媒を含む、実施例1~16のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0127】
[0155] 18.光触媒は、アンテナ-リアクタのプラズモニックナノ粒子を含む、実施例1~17のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0128】
[0156] 19.光触媒充填床は、環状体積部の中央部分に垂直に位置決めされ、頂部圧縮エンドキャップ嵌合部に最も近い環状体積部の上方部分は、反応ガス混合のための十分なヘッドスペースを提供するために、光触媒充填床を欠いている、実施例1~18のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0129】
[0157] 20.頂部圧縮エンドキャップ嵌合部及び底部圧縮エンドキャップ嵌合部は、ステンレス鋼(SS316)で構築される、実施例1~19のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0130】
[0158] 21.頂部圧縮エンドキャップ嵌合部及び底部圧縮エンドキャップ嵌合部は、オーステナイト系ニッケル-クロムベース合金で構築される、実施例1~19のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0131】
[0159] 22.頂部圧縮エンドキャップ嵌合部及び底部圧縮エンドキャップ嵌合部は、ニッケル-クロム-鉄-モリブデン合金で構築される、実施例1~19のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0132】
[0160] 23.頂部圧縮エンドキャップ嵌合部及び底部圧縮エンドキャップ嵌合部は、アルミニウムで構築される、実施例1~19のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0133】
[0161] 24.頂部圧縮エンドキャップ嵌合部及び底部圧縮エンドキャップ嵌合部の少なくとも一方の、光触媒充填床に面する部分は、放出された光子を光触媒充填床中に反射させるように研磨される、実施例1~23のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0134】
[0162] 25.頂部圧縮エンドキャップ嵌合部は、外側セル壁の頂部部分の周りに嵌まる第1の外周フランジ又は内側セル壁の頂部部分の内側に嵌まる第1の内周フランジの少なくとも一方を有する、実施例1~24のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0135】
[0163] 26.底部圧縮エンドキャップ嵌合部は、外側セル壁の底部部分の周りに嵌まる第2の外周フランジ又は内側セル壁の底部部分の内側に嵌まる第2の内周フランジの少なくとも一方を有する、実施例1~25のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0136】
[0164] 27.頂部シール及び底部シールを形成させるのに十分な圧縮力を及ぼすために、頂部圧縮エンドキャップ嵌合部及び底部圧縮エンドキャップ嵌合部のそれぞれに結合されたテンションロッドをさらに含む、実施例1~26のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0137】
[0165] 28.テンションロッドは、外側セル壁及び内側セル壁が周りに同心円状に配置される垂直軸と同一線上であるように配置され、テンションロッドは、外側セル壁及び内側セル壁への頂部圧縮エンドキャップ嵌合部及び底部圧縮エンドキャップ嵌合部の締め付けを容易にするために、少なくとも1つのねじ付きファスナと協働するねじ山を含む、実施例27に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0138】
[0166] 29.頂部圧縮エンドキャップ嵌合部及び底部圧縮エンドキャップ嵌合部は、それぞれ支持体を含み、支持体を通して、テンションロッドは、圧縮力を及ぼす、実施例27又は28に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0139】
[0167] 30.テンションロッド及び支持体は、アルミニウムで構築される、実施例29に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0140】
[0168] 31.頂部シール及び底部シールを形成させるのに十分な圧縮力を及ぼすために、頂部圧縮エンドキャップ嵌合部及び底部圧縮エンドキャップ嵌合部のそれぞれに結合された複数のテンションロッドをさらに含む、実施例1~30のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0141】
[0169] 32.頂部シール又は底部シールの少なくとも一方を形成させることを支援するために、少なくとも1つのガスケットをさらに含む、実施例1~31のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0142】
[0170] 33.頂部シール又は底部シールの少なくとも一方を形成させることを支援するために、少なくとも1つのOリングをさらに含む、実施例1~32のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0143】
[0171] 34.光ハウジングの外側部分は、円筒状である、実施例1~33のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0144】
[0172] 35.光ハウジングの外側部分は、円形断面を有する、実施例1~34のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0145】
[0173] 36.光ハウジングの内側部分は、円筒状である、実施例1~35のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0146】
[0174] 37.光ハウジングの内側部分は、円形断面を有する、実施例1~36のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0147】
[0175] 38.光ハウジングの内側部分及び光ハウジングの外側部分は、円筒状である、実施例1~37のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0148】
[0176] 39.光ハウジングの外側部分及び光ハウジングの内側部分は、円形断面を有する、実施例1~38のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0149】
[0177] 40.光ハウジングの外側部分又は光ハウジングの内側部分の少なくとも一方は、アルミニウムフレームを含み、アルミニウムフレーム上に光子エミッタの周方向アレイが取り付けられる、実施例1~39のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0150】
[0178] 41.光ハウジングの外側部分又は光ハウジングの内側部分の少なくとも一方は、冷却ブロックを含み、冷却ブロック上に光子エミッタの周方向アレイが取り付けられ、冷却ブロックは、冷却流体が通過する少なくとも1つの冷却通路を有する、実施例1~40のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0151】
[0179] 42.冷却ブロックは、冷却流体が所定の流量で通過させられるレセプタクルを画定する壁を含む、実施例1~41のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0152】
[0180] 43.冷却流体は、所定の熱容量を有する、実施例1~42のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0153】
[0181] 44.光子エミッタの周方向アレイは、冷却ブロックのアルミニウム壁の少なくとも1つに取り付けられた複数のLEDを含み、それにより、レセプタクルを通過する冷却流体は、複数のLEDの冷却を支援する、実施例1~43のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0154】
[0182] 45.光子エミッタの周方向アレイは、複数のLEDを含み、光ハウジングの円筒状シェル又は光ハウジングの内側部分の少なくとも一方は、冷却ブロックを含み、冷却ブロックは、複数のLEDの冷却を支援するために、アルミニウム冷却ブロックを通して冷却流体を通過させるための複数の冷却材通路又は複数のバッフルの少なくとも1つを有する、実施例1~44のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0155】
[0183] 46.外側部分は、外側冷却ブロックを含み、及び内側部分は、内側冷却ブロックを含み、外側冷却ブロック及び内側冷却ブロックは、光子エミッタの冷却を支援するように構成される、実施例1~45のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0156】
[0184] 47.光ハウジングの外側部分は、光触媒充填床に入射する光子を均一に放出するように外側部分の内側面に配置された光子エミッタの周方向アレイを含む、実施例1~46のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0157】
[0185] 48.光ハウジングの内側部分は、光触媒充填床に入射する光子を均一に放出するように内側部分の外側面に配置された光子エミッタの周方向アレイを含む、実施例1~47のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0158】
[0186] 49.光ハウジングの外側部分は、光触媒充填床に入射する光子を均一に放出するように外側部分の内側面に配置された光子エミッタの周方向アレイの第1の部分を含み、光ハウジングの内側部分は、光触媒充填床に入射する光子を均一に放出するように内側部分の外側面に配置された光子エミッタの周方向アレイの第2の部分を含む、実施例1~48のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0159】
[0187] 50.光ハウジングの外側部分は、クラムシェル設計のものであり、及び光触媒リアクタセルアセンブリ内における外側部分の設置又は除去を可能にするために、ヒンジによって結合された2つのセクションを含む、実施例1~49のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0160】
[0188] 51.光ハウジングの内側部分は、テンションロッドに固定される、実施例1~50のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0161】
[0189] 52.外側部分及び内側部分は、頂部圧縮エンドキャップ嵌合部及び底部圧縮エンドキャップ嵌合部の少なくとも一方における支持体の少なくとも1つにそれぞれ接続される、実施例1~51のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0162】
[0190] 53.支持体は、アルミニウムで構築される、実施例52に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0163】
[0191] 54.光ハウジングは、流体冷却される、実施例1~53のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0164】
[0192] 55.光ハウジングは、水冷される、実施例1~54のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0165】
[0193] 56.光子エミッタは、LEDであり、光ハウジングは、光子エミッタが取り付けられる表面を摂氏150度以下の温度に維持するための冷却システムを含む、実施例1~55のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0166】
[0194] 57.光ハウジングは、少なくとも1つのヒートシンクを含む、実施例1~56のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0167】
[0195] 58.ヒートシンクは、アルミニウムで構築される、実施例57に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0168】
[0196] 59.光ハウジングは、光子エミッタを制御するための一体化された制御電子機器をさらに含む、実施例1~58のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0169】
[0197] 60.外側部分及び内側部分の両方は、環状断面を有する、実施例1~59のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0170】
[0198] 61.光子エミッタの周方向アレイは、互いに隣接する複数のLED基板を含み、各LED基板は、複数のLEDを含む、実施例1~60のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0171】
[0199] 62.光子エミッタは、光誘起気相反応を活性化するのに十分なエネルギー及び波長を有する光子を放出するように選択される、実施例1~61のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0172】
[0200] 63.光子エミッタは、可視光スペクトルの光子を放出するための発光ダイオード(LED)を含む、実施例1~62のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0173】
[0201] 64.光子エミッタは、近IRスペクトルの光子を放出するための赤外線(IR)ランプを含む、実施例1~63のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0174】
[0202] 65.光子エミッタは、UVランプ、IRランプ、アーク灯又はLEDからなる群から選択される、実施例1~64のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0175】
[0203] 66.光子エミッタのためのドライバをさらに含み、ドライバは、ドライバ効率を向上させるために50%以上の電力負荷で動作するように選択される、実施例1~65のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0176】
[0204] 67.光子エミッタの周方向アレイは、垂直軸の周りで環状に互いに隣接して配置された複数の赤外線(IR)ランプを含む、実施例1~66のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0177】
[0205] 68.外側部分は、垂直軸の周りで環状に及び外側セル壁の外側で互いに隣接して配置された赤外線(IR)ランプの形態における光子エミッタの周方向アレイを含み、各IRランプは、光触媒充填床に向かってIR放射線を反射させるための反射コーティングを含み、各IRランプの反射コーティングは、垂直軸から遠位のIRランプの表面上にある、実施例1~67のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0178】
[0206] 69.内側部分は、垂直軸の周りで環状に及び内側セル壁の内側で互いに隣接するように配置された赤外線(IR)ランプの形態における光子エミッタの周方向アレイを含み、各IRランプは、光触媒充填床に向かってIR放射線を反射させるための反射コーティングを含み、各IRランプの反射コーティングは、垂直軸から近位のIRランプの表面上にある、実施例1~68のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0179】
[0207] 70.多孔質ベースフィルタは、ガス透過性構造材料を含む、実施例1~69のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0180】
[0208] 71.多孔質ベースフィルタは、多孔質金属、石英ウール又はセラミックの少なくとも1つを含む、実施例1~70のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0181】
[0209] 72.多孔質ベースフィルタは、ステンレス鋼(SS316)、オーステナイト系ニッケル-クロムベース合金又はニッケル-クロム-鉄-モリブデン合金を含む、実施例1~71のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0182】
[0210] 73.多孔質ベースフィルタは、環状形状を有する、実施例1~72のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0183】
[0211] 74.環状体積部を加熱し、それにより光誘起気相反応の反応速度を高めるためにヒータをさらに含む、実施例1~73のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0184】
[0212] 75.光ハウジングの外側部分は、環状体積部を加熱して、それにより光誘起気相反応の反応速度を高めるヒータである、実施例1~74のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0185】
[0213] 76.ヒータは、管状炉ヒータ又はバンドヒータから選択される、実施例74又は75に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0186】
[0214] 77.環状体積部内のらせん状石英管内に配置された浸漬赤外線(IR)コイルランプをさらに含む、実施例1~76のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0187】
[0215] 78.環状体積部に埋め込まれたヒータをさらに含み、ヒータは、内側セル壁と外側セル壁との間において、垂直軸の周りで環状に互いに隣接して配置された複数の赤外線(IR)ランプを含む、実施例1~77のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0188】
[0216] 79.環状体積部に浸漬された環状ヒータをさらに含む、実施例1~78のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0189】
[0217] 80.第1のチューブ又は第2のチューブの少なくとも一方は、異なる直径を有する複数の円筒状部分を含み、円筒状部分は、角度付きの接続部分を介して端部間で接合される、実施例1~79のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【0190】
IV.結び
[0218] 上述の詳細な説明は、添付図面を参照して、開示のシステム、装置、機器及び/又は方法の様々な特徴及び動作を明記する。本明細書及び図面で説明する例示的な実施形態は、限定を意味するものではなく、真の範囲は、以下の特許請求の範囲に示されている。当業者に明らかなように、その範囲から逸脱することなく、多くの修正形態及び変形形態がなされ得る。本開示の範囲内の機能的に均等なシステム、装置、機器及び/又は方法は、本明細書で説明したものに加えて、前述の説明から当業者に明らかである。全体的に本明細書で説明し、及び図面に示すような本開示の態様は、多様な異なる形態で配置され、置き換えられ、組み合わされ、分離され、及び設計され得ることが容易に理解されるであろう。そのような修正形態及び変形形態は、添付の特許請求の範囲内に入るものとする。最後に、本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願は、あらゆる目的のために本明細書に援用される。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光触媒リアクタセルアセンブリであって、
第1の外径及び第1の内径を有する第1のチューブを含む外側セル壁と;
第2の外径及び第2の内径を有する第2のチューブを含む内側セル壁であって、前記第2の外径は、前記第1の内径よりも小さく、前記外側セル壁及び前記内側セル壁は、垂直軸の周りに同心円状に配置されて、前記外側セル壁と前記内側セル壁との間に環状体積部を画定する、内側セル壁と;
環状形状を有し、及び反応ガス入口を含む頂部圧縮エンドキャップ嵌合部と;
環状形状を有し、及び生成ガス出口を含む底部圧縮エンドキャップ嵌合部であって、前記頂部圧縮エンドキャップ嵌合部及び前記底部圧縮エンドキャップ嵌合部は、前記外側セル壁及び前記内側セル壁との頂部シール及び底部シールをそれぞれ形成する、底部圧縮エンドキャップ嵌合部と;
前記外側セル壁と前記内側セル壁との間の前記環状体積部内に位置決めされた光触媒充填床であって、光触媒を含む光触媒充填床と;
前記環状体積部内に前記光触媒充填床を位置決めするための多孔質ベースフィルタであって、前記頂部圧縮エンドキャップ嵌合部よりも前記底部圧縮エンドキャップ嵌合部に近い前記光触媒充填床の下面上にあり、ガス透過性であるが、前記光触媒充填床中の前記光触媒に対して不透過性であるように選択される細孔サイズを有する多孔質ベースフィルタと;
外側部分及び内側部分を含む光ハウジングであって、前記外側部分は、前記外側セル壁の外側で前記垂直軸の周りに同心円状に配置され、前記内側部分は、前記内側セル壁の内側で前記垂直軸の周りに同心円状に配置され、前記外側部分及び前記内側部分の少なくとも一方は、前記光触媒充填床に入射する光子を均一に放出するように配置された光子エミッタの周方向アレイを含む、光ハウジングと
を含み、それにより、前記光触媒充填床に入射する光子の前記放出は、前記ガス入口を介して導入された少なくとも1種のガス状反応物質が前記光触媒充填床を通して流れ、及び少なくとも1種の結果として得られるガス状生成物が前記ガス出口を介して出るとき、連続光誘起気相反応を活性化する、光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項2】
前記第1のチューブ及び前記第2のチューブは、円形断面を有する、請求項
1に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項3】
前記外側セル壁及び前記内側セル壁の少なくとも一方の少なくとも一部は、前記光子エミッタによって放出された前記光子を透過させる材料で構築される、請求項
1に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項4】
前記外側セル壁及び前記内側セル壁の少なくとも一方
は、溶融石英ガラス、金属材料、ホウケイ酸ガラス、または、ガラス管を含む、請求項
1に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項5】
前記外側セル壁及び前記内側セル壁の少なくとも一方の少なくとも第1の部分は、前記光子エミッタによって放出された前記光子を透過させる材料で構築され、前記外側セル壁及び前記内側セル壁の少なくとも一方の少なくとも第2の部分は、放出された光子を前記光触媒充填床中に反射させるための反射面を含む、請求項
1に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項6】
前記光触媒充填床は、支持材と共沈された前記光触媒を含む、請求項
1に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項7】
前記光触媒充填床は、前記環状体積部の中央部分に垂直に位置決めされ、前記頂部圧縮エンドキャップ嵌合部に最も近い前記環状体積部の上方部分は、反応ガス混合のための十分なヘッドスペースを提供するために、前記光触媒充填床を欠いている、請求項
1に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項8】
前記頂部圧縮エンドキャップ嵌合部及び前記底部圧縮エンドキャップ嵌合部は、ステンレス鋼(SS316)
、オーステナイト系ニッケル-クロムベース合金、ニッケル-クロム-鉄-モリブデン合金、または、アルミニウムで構築される、請求項
1に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項9】
前記頂部シール及び前記底部シールを形成させるのに十分な圧縮力を及ぼすために、前記頂部圧縮エンドキャップ嵌合部及び前記底部圧縮エンドキャップ嵌合部のそれぞれに結合されたテンションロッドをさらに含む、請求項
1に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項10】
前記頂部シール又は前記底部シールの少なくとも一方を形成させることを支援するために、少なくとも1つのガスケットをさらに含む、請求項
1に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項11】
前記頂部シール又は前記底部シールの少なくとも一方を形成させることを支援するために、少なくとも1つのOリングをさらに含む、請求項
1に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項12】
前記光ハウジングの前記外側部分及び前記光ハウジングの前記内側部分は、円形断面を有する、請求項
1に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項13】
前記光ハウジングの前記外側部分又は前記光ハウジングの前記内側部分の少なくとも一方は、冷却ブロックを含み、前記冷却ブロック上に前記光子エミッタの周方向アレイが取り付けられ、前記冷却ブロックは、冷却流体が通過する少なくとも1つの冷却通路を有する、請求項1~
12のいずれか一項に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項14】
前記冷却ブロックは、前記冷却流体が所定の流量で通過させられるレセプタクルを画定する
アルミニウム壁を含む、請求項1
3に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項15】
前記外側部分は、外側冷却ブロックを含み、及び前記内側部分は、内側冷却ブロックを含み、前記外側冷却ブロック及び前記内側冷却ブロックは、前記光子エミッタの冷却を支援するように構成される、請求項
1に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項16】
前記光ハウジングの前記外側部分は、前記光触媒充填床に入射する光子を均一に放出するように前記外側部分の内側面に配置された前記光子エミッタの周方向アレイを含む、請求項
1に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項17】
前記光ハウジングの前記内側部分は、前記光触媒充填床に入射する光子を均一に放出するように前記内側部分の外側面に配置された前記光子エミッタの周方向アレイを含む、請求項
1に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項18】
前記光ハウジングの前記外側部分は、前記光触媒充填床に入射する光子を均一に放出するように前記外側部分の内側面に配置された前記光子エミッタの周方向アレイの第1の部分を含み、前記光ハウジングの前記内側部分は、前記光触媒充填床に入射する光子を均一に放出するように前記内側部分の外側面に配置された前記光子エミッタの周方向アレイの第2の部分を含む、請求項
1に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項19】
前記外側部分及び前記内側部分は、前記頂部圧縮エンドキャップ嵌合部及び前記底部圧縮エンドキャップ嵌合部の少なくとも一方における
少なくとも1つの支持体にそれぞれ接続される、請求項
1に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項20】
前記光ハウジングは、前記光子エミッタを制御するための一体化された制御電子機器をさらに含む、請求項
1に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項21】
前記光子エミッタは、前記光誘起気相反応を活性化するのに十分なエネルギー及び波長を有する光子を放出するように選択される、請求項
1に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項22】
前記光子エミッタは、UVランプ、IRランプ、アーク灯又はLEDからなる群から選択される、請求項
1に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項23】
前記光子エミッタの周方向アレイは、前記垂直軸の周りで環状に互いに隣接して配置された複数の赤外線(IR)ランプを含む、請求項
1に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項24】
前記外側部分は、前記垂直軸の周りで環状に及び前記外側セル壁の外側で互いに隣接して配置された赤外線(IR)ランプの形態における前記光子エミッタの周方向アレイを含み、各IRランプは、前記光触媒充填床に向かってIR放射線を反射させるための反射コーティングを含み、各IRランプの前記反射コーティングは、前記垂直軸から遠位の前記IRランプの表面上にある、請求項
1に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項25】
前記内側部分は、前記垂直軸の周りで環状に及び前記内側セル壁の内側で互いに隣接して配置された赤外線(IR)ランプの形態における前記光子エミッタの周方向アレイを含み、各IRランプは、前記光触媒充填床に向かってIR放射線を反射させるための反射コーティングを含み、各IRランプの前記反射コーティングは、前記垂直軸から近位の前記IRランプの表面上にある、請求項
1に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項26】
前記多孔質ベースフィルタは、ガス透過性構造材料を含む、請求項
1に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項27】
前記環状体積部内のらせん状石英管内に配置された浸漬赤外線(IR)コイルランプをさらに含む、請求項
1に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項28】
前記環状体積部に埋め込まれたヒータをさらに含み、前記ヒータは、前記内側セル壁と前記外側セル壁との間において、前記垂直軸の周りで環状に互いに隣接して配置された複数の赤外線(IR)ランプを含む、請求項
1に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【請求項29】
前記第1のチューブ又は前記第2のチューブの少なくとも一方は、異なる直径を有する複数の円筒状部分を含み、前記円筒状部分は、角度付きの接続部分を介して端部間で接合される、請求項
1に記載の光触媒リアクタセルアセンブリ。
【国際調査報告】