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特表2024-520385Niと、Alと、SiO2を含む担持物質とを含む水素化触媒及びその前駆体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】Niと、Alと、SiO2を含む担持物質とを含む水素化触媒及びその前駆体
(51)【国際特許分類】
   B01J 23/78 20060101AFI20240517BHJP
   B01J 37/03 20060101ALI20240517BHJP
   B01J 37/18 20060101ALI20240517BHJP
   B01J 35/60 20240101ALI20240517BHJP
【FI】
B01J23/78 M
B01J37/03 A
B01J37/18
B01J35/60 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572526
(86)(22)【出願日】2022-05-20
(85)【翻訳文提出日】2024-01-19
(86)【国際出願番号】 EP2022063715
(87)【国際公開番号】W WO2022243513
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】21175230.8
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523440488
【氏名又は名称】イーカタリスト・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヘルダ・カムスマ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・テロルデ
(72)【発明者】
【氏名】イリナ・ヤルリナ
【テーマコード(参考)】
4G169
【Fターム(参考)】
4G169AA03
4G169AA05
4G169AA08
4G169BA01B
4G169BA02A
4G169BA02B
4G169BB02A
4G169BB02B
4G169BC02B
4G169BC16A
4G169BC68A
4G169BC68B
4G169CB02
4G169CC02
4G169DA05
4G169EC03Y
4G169EC06X
4G169EC06Y
4G169EC07X
4G169EC07Y
4G169EC08X
4G169EC21Y
4G169EC27
4G169FA02
4G169FB09
4G169FB27
4G169FB30
4G169FB44
4G169FB57
4G169FC08
4G169FC09
(57)【要約】
本発明は、特定の水素化触媒及びその前駆体に関する。更に、本発明は、水素化触媒及びその前駆体の調製のための方法並びにそれらの使用に関する。詳細には、特定の水素化触媒及びその前駆体は、Niと、Alと、SiOを含む担持物質とを含み、Niは担持物質上に担持されており、前駆体は、昇温還元における特定のピーク極大を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Niと、Alと、SiOを含む担持物質とを含み、前記Niは前記担持物質上に担持されている、水素化触媒前駆体であって、昇温還元における350~460℃の範囲内のピーク極大を示す、水素化触媒前駆体。
【請求項2】
元素状Niとして計算されたNiの、元素状Alとして計算されたAlに対する5:1~200:1の範囲内のモル比Ni:Alを示す、請求項1に記載の水素化触媒前駆体。
【請求項3】
元素状Niとして計算されたNiの、元素状Siとして計算されたSiに対する0.1:1~5.00:1の範囲内のモル比Ni:Siを示す、請求項1又は2に記載の水素化触媒前駆体。
【請求項4】
0.3~5.0cm/gの範囲内の全侵入体積を示す、請求項1から3のいずれか一項に記載の水素化触媒前駆体。
【請求項5】
0.20~1.50cm/gの範囲内の全細孔容積を示す、請求項1から4のいずれか一項に記載の水素化触媒前駆体。
【請求項6】
17.0~31.0cm/gの範囲内の水素吸着容量を示す、請求項1から5のいずれか一項に記載の水素化触媒前駆体。
【請求項7】
水素化触媒前駆体の質量に対して15~60質量-%の元素状Niとして計算されたNiを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の水素化触媒前駆体。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の水素化触媒前駆体の調製のための方法であって、
(1)SiOを含む担持物質を含む第1の水性混合物(M1)を調製する工程と、
(2)1種又は複数種のNi含有化合物を含む第2の水性溶液(S2)を調製する工程と、
(3)1種又は複数種の塩基を含む第3の水性溶液(S3)を調製する工程と、
(4)Ni及びAlを担持物質上に担持させるために溶液S2及びS3を混合物M1中に供給する工程であり、生じた混合物が、7.1~8.4の範囲内のpHを有する、工程と、
(5)(4)において得られた混合物から水素化触媒前駆体を単離する工程と
を含み、第1の水性混合物(M1)、第2の水性溶液(S2)又は第3の水性溶液(S3)が、1種又は複数種のAl含有化合物を含む、方法。
【請求項9】
(6)(5)において得られた水素化触媒前駆体を洗浄する工程と、
(7)(5)又は(6)において得られた水素化触媒前駆体を乾燥する工程と
を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
(8)前記水素化触媒前駆体を得るために、(5)、(6)、又は(7)において得られた水素化触媒前駆体をか焼する工程
を更に含む、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
請求項8から10のいずれか一項に記載の方法に従って得ることができる且つ/又は得られる、水素化触媒前駆体。
【請求項12】
水素化触媒の調製のための方法であって、
(i)請求項1から7及び11のいずれか一項に記載の水素化触媒前駆体を用意する工程と、
(ii)水素を含むガス雰囲気中で(i)において用意された水素化触媒前駆体を還元して、水素化触媒を得る工程と
を含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法に従って得ることができる且つ/又は得られる、Ni、Si、Al及びOを含む水素化触媒。
【請求項14】
1種又は複数種の不飽和化合物の変換のための方法であって、
(A)1種又は複数種の不飽和化合物並びに請求項13に記載の水素化触媒及び/又は請求項1から7及び11のいずれか一項に記載の水素化触媒前駆体を用意する工程と、
(B)(A)において用意された1種又は複数種の不飽和化合物及び水素化触媒を100~400℃の範囲に含まれる温度で水素と接触させる工程と
を含む、方法。
【請求項15】
脱芳香族化、脱硫化及び水素化のうちの1つ又は複数における、請求項1から7及び11のいずれか一項に記載の水素化触媒前駆体の及び/又は請求項13に記載の水素化触媒の、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の水素化触媒及びその前駆体に関する。更に、本発明は、水素化触媒及びその前駆体の調製のための方法並びにそれらの使用に関する。詳細には、特定の水素化触媒及びその前駆体は、Niと、Alと、SiOを含む担持物質(support material)とを含み、Niは担持物質上に担持されており、前駆体は、昇温還元(temperature programmed reduction)における特定のピーク極大を示す。
【背景技術】
【0002】
導入
石油化学樹脂は、接着剤(特に不織、被覆、及び建設)の分野において適用される。石油化学樹脂は、ナフサ分解から得られるフィードの蒸留時にC9留分の重合により生成される。しかし、生じる芳香族ポリマーは、熱及び酸化条件に対して比較的不安定であり、それは、分解に結果としてつながることになり、それによってそれらの接着性能を低下させる。C9樹脂の不安定性を克服するために、水素化が通常実施される。したがって、熱及び酸化不安定性の理由である二重結合が除去される。
【0003】
水素化において一般に使用される触媒に関して、これらは、触媒活性成分としてニッケルを通常含む。
【0004】
US9045410B2は、Ni及び固体シリカ担体を含む触媒であって、少なくとも0.4ml/gの特定の細孔容積及び昇温還元における360~420℃の範囲内のピーク極大を有する、触媒に関する。触媒は、不飽和脂肪物質の水素化のために特に使用される。
【0005】
WO01/36093A1は、シリカ及びアルミナ上に担持された鉄含有ニッケル触媒を含む、炭化水素樹脂の水素化のための触媒に関する。WO2004/035204A1は、水素化反応のための触媒であって、ニッケル、シリカ、アルミナ、及びマグネシウムを含む、触媒に関する。WO2015/008247A2は、樹脂の水素化のための方法及び触媒に関し、ここで触媒は、シリカ-アルミナ上に担持されたコバルト促進ニッケルを含む。WO2014/128204A1は、ニッケル及び銅を含む触媒の調製に関する。触媒は、水素化及び還元的アミノ化に有用であり得る。
【0006】
S. He等は、International Journal of Hydrogen Energy 2009年、第34巻、第2号、839~843頁において、シンガスを生成するメタンの部分酸化のためのNi/SiO及びNi-Al/SiO触媒に関する研究を開示している。触媒は、クエン酸塩及び硝酸塩前駆体を使用するSiOのインシピエントウェットネス含浸によって調製することができる。
【0007】
M. M. Yung等は、Energy & Fuels 2016年、第30巻、第7号、5259~5268頁において、マツ熱分解蒸気を変換することにより炭化水素を生成するための、Ni負荷量を変化させたNi/ZSM-5触媒に関する研究を開示している。触媒は、硝酸ニッケルの溶液を使用するZSM-5のインシピエントウェットネス含浸によって調製された。
【0008】
V. Mohan等は、RSC advances 2014年、第4巻、第19号、9660~9662頁において、レブリン酸の水素化のためのNi/H-ZSM-5触媒に関する研究を開示している。触媒は、硝酸ニッケルの溶液を使用する湿式含浸法により調製されて、5~50質量-%の負荷量が得られた。
【0009】
効果的な水素化触媒、特に、石油化学樹脂の水素化に効果的な水素化触媒の提供が達成されたにも関わらず、水素化反応における更によりよい性能、特にそれらの活性に関して更によりよい性能の触媒が依然として必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】US9045410B2
【特許文献2】WO01/36093A1
【特許文献3】WO2004/035204A1
【特許文献4】WO2015/008247A2
【特許文献5】WO2014/128204A1
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】S. He等、International Journal of Hydrogen Energy 2009年、第34巻、第2号、839~843頁
【非特許文献2】M. M. Yung等、Energy & Fuels 2016年、第30巻、第7号、5259~5268頁
【非特許文献3】V. Mohan等、RSC advances 2014年、第4巻、第19号、9660~9662頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明の目的は、改善された水素化触媒及び改善された水素化触媒前駆体、特にその触媒活性に関して改善された水素化触媒及び改善された水素化触媒前駆体を提供すること、並びにそのような改善された水素化触媒の生成及びその前駆体の生成のための方法を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0013】
したがって、本発明の方法は、大幅に改善された活性を、特に石油化学樹脂の水素化において有する水素化触媒に変換することができる水素化触媒前駆体の調製を可能にすることが驚くべきことに見出された。特に、本発明の方法は、水素化触媒及びその前駆体の調製を可能にすることが予想外にも見出され、ここで前駆体は、担持物質上に担持されているNiと、Alと、SiOを含む担持物質とを特に含み、且つ本発明に従って好ましくは決定される昇温還元における特定のピーク極大を示す。特に、前記方法は、水素化において驚くほど改善された活性に結果としてつながる水素化触媒及びその前駆体中のNiの比較的高い分散を達成することができる。より具体的には、本発明の方法は、昇温還元において先行技術による比較前駆体よりも比較的低いピーク極大を示す水素化触媒及びその前駆体につながることが驚くべきことに見出された。
【0014】
したがって、本発明は、Niと、Alと、SiOを含む担持物質とを含み、Niは担持物質上に担持されている、水素化触媒前駆体であって、本明細書に開示される実施形態のいずれか1つに記載の方法に従ってより好ましくは得ることができる、且つ/又は得られる、並びに参考例5に従って好ましくは決定される昇温還元における350~460℃の範囲内のピーク極大を示す、水素化触媒前駆体に関する。
【0015】
水素化触媒前駆体が、参考例5に従って好ましくは決定される昇温還元における355~450℃の範囲内の、より好ましくは360~440℃の範囲内の、より好ましくは365~430℃の範囲内の、より好ましくは370~420℃の範囲内の、より好ましくは375~415℃の範囲内の、より好ましくは380~413℃の範囲内の、より好ましくは381~412℃の範囲内の、より好ましくは382~411℃の範囲内の、より好ましくは383~410℃の範囲内のピーク極大を示すことが好ましい。
【0016】
水素化触媒前駆体に含まれるAlの少なくとも一部が、担持物質上に担持されており、ここで、水素化前駆体触媒に含まれる100mol-%のAlに対してより好ましくは0超~100mol-%、より好ましくは50~100mol-%、より好ましくは90~100mol-%のAlが、担持物質上に担持されていることが好ましい。
【0017】
水素化触媒前駆体に含まれるSiOを含む担持物質が、水素化触媒前駆体に含まれるAlの少なくとも一部を更に含み、ここで、SiOを含む担持物質が、水素化前駆体触媒に含まれる100mol-%のAlに対して水素化触媒前駆体に含まれる0~100mol-%、より好ましくは0~50mol-%未満、より好ましくは0~10mol-%未満のAlを含むことが好ましい。
【0018】
水素化触媒前駆体に含まれるSiOを含む担持物質がHを更に含み、ここで、SiOを含む担持物質が、担持物質の質量に対して90~100質量-%、好ましくは95~100質量-%、より好ましくは99~100質量-%のSiO、H、及び任意選択でAlをより好ましくは含み、ここで、SiOを含む担持物質が、SiO、H、及び任意選択でAlからより好ましくは本質的になることが好ましい。
【0019】
水素化触媒前駆体に含まれるSiOを含む担持物質が、それらのうちの2種以上の混合物を含む、シリカ、シリカ-アルミナ、シリカ-チタニア、及びシリカ-ジルコニアからなる群から選択され、ここで、SiOを含む担持物質が、シリカ又はシリカ-アルミナをより好ましくは含み、ここでより好ましくはSiOを含む担持物質が、シリカ又はシリカ-アルミナから好ましくはなることが好ましい。
【0020】
水素化触媒前駆体に含まれるSiOを含む担持物質が、H、Al、Ti、及びZrのうちの1種又は複数種、好ましくはAl、より好ましくはAl及びHを更に含み、ここで、SiOを含み、且つH、Al、Ti、及びZrのうちの1種又は複数種を更に含む担持物質が、前記担持物質の質量に対して80~99質量-%、より好ましくは85~98質量-%、より好ましくは90~95質量-%のSiOとして計算されたSiOをより好ましくは含み、ここで、SiOを含む担持物質が、H並びにAl、Ti、及びZrのうちの1種又は複数種を更に含み、前記担持物質の質量に対して1~20質量-%、より好ましくは2~15質量-%、より好ましくは5~10質量-%の元素状Hとして計算されたH、及びそれぞれの酸化物として計算されたAl、Ti、Zrのうちの1種又は複数種、好ましくはAlとして計算されたAlをより好ましくは含むことが好ましい。
【0021】
水素化触媒前駆体が、元素状Niとして計算されたNiの、元素状Alとして計算されたAlに対する5:1~200:1の範囲内の、より好ましくは5:1~100:1の範囲内の、より好ましくは5:1~65:1の範囲内の、より好ましくは20:1~60:1の範囲内の、より好ましくは22:1~55:1の範囲内の、より好ましくは25:1~45:1の範囲内の、より好ましくは29:1~40:1の範囲内の、より好ましくは30:1~37:1の範囲内の、より好ましくは32:1~35:1の範囲内のモル比Ni:Alを示すことが好ましい。
【0022】
水素化触媒前駆体が、元素状Niとして計算されたNiの担持物質に含まれる元素状Siとして計算されたSiに対する0.1:1~5.00:1の範囲内の、より好ましくは0.50:1~2.50:1の範囲内の、より好ましくは0.70:1~2.00:1の範囲内の、より好ましくは0.80:1~1.50:1の範囲内の、より好ましくは0.90:1~1.20:1の範囲内の、より好ましくは0.94:1~1.10:1の範囲内の、より好ましくは0.95:1~1.00:1の範囲内のモル比Ni:Siを示すことが好ましい。
【0023】
水素化触媒前駆体が、担持物質に含まれる元素状Siとして計算されたSiの、元素状Alとして計算されたAlに対する6:1~70:1の範囲内の、より好ましくは11:1~61:1の範囲内の、より好ましくは17:1~53:1の範囲内の、より好ましくは26:1~45:1の範囲内の、より好ましくは31:1~39:1の範囲内の、より好ましくは34:1~36:1の範囲内のモル比Si:Alを示すことが好ましい。
【0024】
水素化触媒前駆体に含まれる90~100mol-%、より好ましくは95~100mol-%、より好ましくは99~100mol-%、より好ましくは99.9~100mol-%のNiが、+2の酸化状態にあることが好ましい。
【0025】
水素化触媒前駆体が、水素化触媒前駆体の質量に対して15~60質量-%、より好ましくは15~50質量-%、より好ましくは25~50質量-%、より好ましくは30~45質量-%、より好ましくは33~42質量-%の元素状Niとして計算されたNiを含むことが好ましい。
【0026】
水素化触媒前駆体が、水素化触媒前駆体の質量に対して0.3~2.0質量-%、より好ましくは0.5~1.6質量-%、より好ましくは0.57~1.4質量-%のAlとして計算されたAlを含むことが好ましい。
【0027】
水素化触媒前駆体が、水素化触媒前駆体の質量に対して30.0~52質量-%、より好ましくは34.5~47質量-%、より好ましくは35.2~44質量-%のSiOとして計算されたSiを含むことが好ましい。
【0028】
水素化触媒前駆体が、水素化触媒前駆体の質量に対して1質量-%以下、より好ましくは0.1質量-%以下、より好ましくは0.09質量-%以下の元素状Naとして計算されたNaを含むことが好ましい。
【0029】
第1の代替によれば、水素化触媒前駆体は、水素化触媒前駆体が好ましくはか焼される以下の実施形態によって特徴付けられる。
【0030】
水素化触媒前駆体が、0.3~5.0cm/gの範囲内の、より好ましくは0.75~2.5cm/gの範囲内の、より好ましくは1.0~1.6cm/gの範囲内の、より好ましくは1.1~1.5cm/gの範囲内の全侵入体積を示し、ここで全侵入体積が、Hg侵入によって好ましくは決定され、ここで全侵入体積が、参考例1に従ってより好ましくは決定されることが好ましい。
【0031】
水素化触媒前駆体が、0.20~1.50cm/gの範囲内の、より好ましくは0.30~1.00cm/gの範囲内の、より好ましくは0.35~0.75cm/gの範囲内の、より好ましくは0.40~0.70cm/gの範囲内の、より好ましくは0.43~0.65cm/gの範囲内の、より好ましくは0.45~0.65cm/gの範囲内の全細孔容積を示し、ここで全細孔容積が、N吸着によって好ましくは決定され、ここで全細孔容積が、参考例2に従ってより好ましくは決定されることが好ましい。
【0032】
水素化触媒前駆体が、参考例4に従って好ましくは決定される17.0~31.0cm/gの範囲内の、より好ましくは19.0~29.0cm/gの範囲内の、より好ましくは21.0~28.1cm/gの範囲内の、より好ましくは22.1~27.2cm/gの範囲内の、より好ましくは23.0~26.5cm/gの範囲内の水素吸着容量を示すことが好ましい。
【0033】
水素化触媒前駆体が、ISO 9277:2010に従って好ましくは決定される100~500m/gの、より好ましくは200~400m/gの、より好ましくは230~350m/gの範囲内のBET比表面積を示すことが好ましい。
【0034】
水素化触媒前駆体が、水素化触媒前駆体の質量に対して30~50質量-%、より好ましくは35~45質量-%、より好ましくは38~42質量-%の元素状Niとして計算されたNiを含み、ここで水素化触媒前駆体が、好ましくはか焼水素化触媒前駆体であることが好ましい。
【0035】
水素化触媒前駆体が、水素化触媒前駆体の質量に対して0.3~2.0質量-%、より好ましくは0.5~1.6質量-%、より好ましくは0.7~1.4質量-%のAlとして計算されたAlを含み、ここで水素化触媒前駆体が、好ましくはか焼水素化触媒前駆体であることが好ましい。
【0036】
水素化触媒前駆体が、水素化触媒前駆体の質量に対して32~52質量-%、より好ましくは37~47質量-%、より好ましくは40~44質量-%のSiOとして計算されたSiを含み、ここで水素化触媒前駆体が、好ましくはか焼水素化触媒前駆体であることが好ましい。
【0037】
水素化触媒前駆体が、水素化触媒前駆体の質量に対して1質量-%以下、より好ましくは0.1質量-%以下、より好ましくは0.09質量-%以下の元素状Naとして計算されたNaを含み、ここで水素化触媒前駆体が、好ましくはか焼水素化触媒前駆体であることが好ましい。
【0038】
水素化触媒前駆体に含まれる90~100mol-%、好ましくは95~100mol-%、より好ましくは99~100mol-%、より好ましくは99.9~100mol-%のNiがNiOとして存在することが好ましい。
【0039】
水素化触媒前駆体がか焼水素化触媒前駆体であり、ここでか焼する工程が、酸素及び窒素のうちの1種又は複数種、より好ましくは空気でより好ましくは構成されていた、より好ましくはそれからなっていた300~1000℃の範囲内の、より好ましくは325~750℃の範囲内の、より好ましくは350~500℃の範囲内の、より好ましくは370~380℃の範囲内の温度を有するガス雰囲気中でより好ましくは実施されており、ここでか焼する工程がより好ましくは、0.5~8時間、より好ましくは0.75~4時間、より好ましくは1~2時間実施されたことが好ましい。
【0040】
第2の代替によれば、水素化触媒前駆体は、水素化触媒前駆体が好ましくはか焼されない以下の実施形態によって特徴付けられる。
【0041】
水素化触媒前駆体が、参考例6に従って好ましくは決定される0.10~1.00kg/lの範囲内の、より好ましくは0.30~0.65kg/lの範囲内の、より好ましくは0.35~0.57kg/lの範囲内の見掛けのゆるめ嵩密度を示すことが好ましい。
【0042】
水素化触媒前駆体が、水素化触媒前駆体の質量に対して25~44質量-%、より好ましくは30~39質量-%、より好ましくは33~36質量-%の元素状Niとして計算されたNiを含み、ここで水素化触媒前駆体が、好ましくは乾燥水素化触媒前駆体であることが好ましい。
【0043】
水素化触媒前駆体が、水素化触媒前駆体の質量に対して0.30~1.40質量-%、より好ましくは0.50~1.20質量-%、より好ましくは0.57~1.11質量-%のAlとして計算されたAlを含み、ここで水素化触媒前駆体が、好ましくは乾燥水素化触媒前駆体であることが好ましい。
【0044】
水素化触媒前駆体が、水素化触媒前駆体の質量に対して30.0~42.0質量-%、より好ましくは34.5~38.5質量-%、より好ましくは35.2~37.8質量-%のSiOとして計算されたSiを含み、ここで水素化触媒前駆体が、好ましくは乾燥水素化触媒前駆体であることが好ましい。
【0045】
水素化触媒前駆体が、水素化触媒前駆体の質量に対して1質量-%以下、より好ましくは0.1質量-%以下、より好ましくは0.09質量-%以下の元素状Naとして計算されたNaを含み、ここで水素化触媒前駆体が、好ましくは乾燥水素化触媒前駆体であることが好ましい。
【0046】
水素化触媒前駆体が乾燥されることが好ましい。これに関連して、2つの異なる選択肢が特に実現可能である。第1の選択肢によれば、水素化触媒前駆体が乾燥水素化触媒前駆体であり、ここで乾燥する工程が、酸素及び窒素のうちの1種又は複数種、より好ましくは空気でより好ましくは構成されていた、より好ましくはそれからなっていた90~130℃の範囲内の、好ましくは100~120℃の範囲内の、より好ましくは105~115℃の範囲内の温度を有するガス雰囲気中でより好ましくは実施されており、ここで乾燥する工程がより好ましくは、1~24時間、より好ましくは3~15時間、より好ましくは5~12時間、より好ましくは8~10時間実施されたことが好ましい。第2の選択肢によれば、水素化触媒前駆体が乾燥水素化触媒前駆体であり、ここで乾燥する工程が、フラッシュ乾燥又は噴霧乾燥によりより好ましくは実施されており、ここで乾燥する工程が、100~140℃の範囲内の、より好ましくは110~130℃の範囲内の、より好ましくは115~125℃の範囲内の出口温度で好ましくは実施されており、ここで乾燥する工程がより好ましくは、1~30秒間、より好ましくは1~20秒間、より好ましくは1~10秒間実施されたことが好ましい。
【0047】
本明細書に開示される通りの実施形態、並びに本明細書に開示される通りの第1及び第2の代替による水素化触媒前駆体が成形され、ここで水素化触媒前駆体が、好ましくは押出物又は錠剤の形態であることが好ましい。
【0048】
更に、本発明は、実施形態1から33のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体の調製のための方法であって、
(1)SiOを含む担持物質を含む第1の水性混合物(M1)を調製する工程と、
(2)1種又は複数種のNi含有化合物を含む第2の水性溶液(S2)を調製する工程と、
(3)1種又は複数種の塩基を含む第3の水性溶液(S3)を調製する工程と、
(4)Ni及びAlを担持物質上に担持させるために溶液S2及びS3を混合物M1中に供給する工程であり、生じた混合物が、7.1~8.4の範囲内のpHを有する、工程と、
(5)(4)において得られた混合物から水素化触媒前駆体を単離する工程と
を含み、第1の水性混合物(M1)、第2の水性溶液(S2)又は第3の水性溶液(S3)が、1種又は複数種のAl含有化合物を含む、方法に関する。
【0049】
方法の(1)による第1の水性混合物(M1)が、1種又は複数種のAl含有化合物を含むことが好ましい。
【0050】
方法の(4)において得られた生じた混合物のpHが、7.1~8.1の、より好ましくは7.2~7.9の、より好ましくは7.3~7.8の、より好ましくは7.4~7.7の範囲内であることが好ましい。
【0051】
方法の(3)による第3の水性溶液(S3)中の1種又は複数種の塩基が、1種又は複数種の多塩基性塩、より好ましくは、それらのうちの2種以上の混合物を含む、二塩基性、三塩基性、及び四塩基性塩からなる群から、より好ましくは、それらのうちの2種以上の混合物を含む、二塩基性及び三塩基性塩からなる群から選択される1種又は複数種の多塩基性塩を含み、ここでより好ましくは1種又は複数種の塩基が、1種若しくは複数種の二塩基性及び/又は1種若しくは複数種の三塩基性塩、より好ましくは1種又は複数種の二塩基性塩を含み、ここでより好ましくは1種又は複数種の塩基が、1種若しくは複数種の二塩基性及び/又は1種若しくは複数種の三塩基性塩から、より好ましくは1種又は複数種の二塩基性塩からなることが好ましい。
【0052】
方法の(3)による第3の水性溶液(S3)中の1種又は複数種の塩基が、1種又は複数種の多塩基性塩を含む場合、1種又は複数種の多塩基性塩の1種又は複数種のカチオンが、それらのうちの2種以上の混合物及び/又は組合せを含む、アルカリ及びアルカリ土類金属からなる群から、より好ましくは、それらのうちの2種以上の混合物及び/又は組合せを含むアルカリ金属からなる群から、より好ましくは、それらのうちの2種以上の混合物及び/又は組合せを含む、Li、Na、K、Rb、及びCsからなる群から、より好ましくは、それらのうちの2種以上の混合物及び/又は組合せを含む、Li、Na、及びKからなる群から選択され、ここでより好ましくは1種又は複数種の多塩基性塩の1種又は複数種のカチオンが、Na及び/又はK、好ましくはNaであることが好ましい。
【0053】
方法の(3)による第3の水性溶液(S3)中の1種又は複数種の塩基が、無機及び有機塩基からなる群から、より好ましくは無機塩基の群から選択され、ここで好ましくは1種又は複数種の塩基が、水酸化物、炭酸塩、アルミン酸塩、及びそれらのうちの2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属アルミン酸塩、及びそれらのうちの2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属アルミン酸塩、及びそれらのうちの2種以上の混合物からなる群から選択され、
ここでアルカリ金属が、好ましくはLi、Na、K、Rb、Cs、及びそれらのうちの2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはLi、Na、K、及びそれらのうちの2種以上の混合物からなる群から選択され、ここでより好ましくはアルカリ金属が、Na及び/又はK、好ましくはNaであり、
ここでより好ましくは1種又は複数種の塩基が、炭酸ナトリウム及び/又はアルミン酸ナトリウム、好ましくは炭酸ナトリウムを含み、ここでより好ましくは1種又は複数種の塩基が、炭酸ナトリウム及び/又はアルミン酸ナトリウム、好ましくは炭酸ナトリウムであることが好ましい。
【0054】
方法の(2)による第2の水性溶液(S2)中の1種又は複数種のNi含有化合物が、1種又は複数種のNi塩、より好ましくは1種又は複数種のNi(II)塩であり、ここで、1種又は複数種のNi塩のアニオンが、好ましくはハロゲン化物、炭酸、炭酸水素、硫酸、硫酸水素、水酸化物、硝酸、リン酸、リン酸水素、リン酸二水素、酢酸、及びそれらのうちの2種以上の混合物からなる群から、より好ましくは塩化物、臭化物、フッ化物、炭酸水素、硫酸水素、硝酸、リン酸二水素、酢酸、及びそれらのうちの2種以上の混合物からなる群から、
より好ましくは塩化物、フッ化物、硝酸、酢酸、及びそれらのうちの2種以上の組合せからなる群から選択され、ここでより好ましくは1種又は複数種のニッケル塩のアニオンが、塩化物及び/又は硝酸、好ましくは塩化物であり、
ここでより好ましくは1種又は複数種のNi含有化合物が塩化ニッケル(II)を含み、ここでより好ましくは1種又は複数種のNi含有化合物が塩化ニッケル(II)であることが好ましい。
【0055】
方法の(1)による第1の水性混合物(M1)中のSiOを含む担持物質がHを更に含み、ここで前記担持物質が、担持物質の質量に対して90~100質量-%、好ましくは95~100質量-%、より好ましくは99~100質量-%のSiO及びHをより好ましくは含み、ここで前記担持物質が、SiO及びHからより好ましくは本質的になることが好ましい。
【0056】
方法の(1)による第1の水性混合物(M1)中のSiOを含む担持物質が、それらのうちの2種以上の混合物を含む、シリカ、シリカ-アルミナ、シリカ-チタニア、及びシリカ-ジルコニアからなる群から選択され、ここで、SiOを含む担持物質が、シリカをより好ましくは含み、ここでより好ましくはSiOを含む担持物質がシリカからなることが好ましい。
【0057】
方法の(1)による第1の水性混合物(M1)中のSiOを含む担持物質が、H並びにAl、Ti、及びZrのうちの1種又は複数種、好ましくはAlを更に含み、ここで、SiOを含み、且つH並びにAl、Ti、及びZrのうちの1種又は複数種を更に含む担持物質が、前記担持物質の質量に対して80~99質量-%、より好ましくは85~99質量-%、より好ましくは90~99質量-%のSiOとして計算されたSiOを好ましくは含み、ここで、SiOを含み、且つH並びにAl、Ti、及びZrのうちの1種又は複数種を更に含む担持物質が、前記担持物質の質量に対して0.1~10質量-%、より好ましくは0.20~7.5質量-%、より好ましくは0.25~5質量-%の元素状Hとして計算されたH、及びそれぞれの酸化物として計算されたAl、Ti、Zrのうちの1種又は複数種、好ましくはAlとして計算されたAlをより好ましくは含むことが好ましい。
【0058】
方法の(1)による第1の水性混合物(M1)中のSiOを含む担持物質が、多孔質、より好ましくは非常に多孔質であり、
ここで、SiOを含む担持物質が、少なくとも0.4ml/gの、より好ましくは0.4~5.0ml/gの範囲内の、より好ましくは0.6~4.0ml/gの範囲内の、より好ましくは1.0~3.5ml/gの範囲内の、より好ましくは1.3~2.5ml/gの範囲内の、より好ましくは1.5~2.0ml/gの範囲内の、より好ましくは1.6~1.8ml/gの範囲内の細孔容積を好ましくは示し、ここで全細孔容積が、N吸着によって好ましくは決定され、ここで細孔容積が、参考例2に従って好ましくは決定されることが好ましい。
【0059】
方法の第1の水性混合物(M1)、第2の水性溶液(S2)又は第3の水性溶液(S3)に含まれる1種又は複数種のAl含有化合物が、アルミン酸塩、アルミニウム塩、及びそれらの混合物からなる群から、より好ましくはアルミン酸塩からなる群から、より好ましくはアルミン酸塩からなる群から、より好ましくはアルカリ金属アルミン酸塩からなる群から選択され、ここでアルカリ金属が、好ましくはLi、Na、K、Rb、Cs、及びそれらのうちの2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはLi、Na、K、及びそれらのうちの2種以上の混合物からなる群から選択され、ここでより好ましくはアルカリ金属が、Na及び/又はK、好ましくはNaであり、
ここでより好ましくは1種又は複数種のAl含有化合物がアルミン酸ナトリウムを含み、ここでより好ましくは1種又は複数種のAl含有化合物がアルミン酸ナトリウムであることが好ましい。
【0060】
方法の第1の水性混合物(M1)、第2の水性溶液(S2)又は第3の水性溶液(S3)に含まれる1種又は複数種のAl含有化合物が、アルミン酸塩、アルミニウム塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される場合、1種又は複数種のAl含有化合物が、アルミニウム塩からなる群から選択され、ここで、1種又は複数種のアルミニウム塩のアニオンが、より好ましくはハロゲン化物、硫酸、水酸化物、硝酸、及びそれらのうちの2種以上の混合物からなる群から、より好ましくは塩化物、フッ化物、硫酸、水酸化物、硝酸、及びそれらのうちの2種以上の混合物からなる群から選択され、ここでより好ましくは1種又は複数種のアルミニウム塩のアニオンが、塩化物及び/又は硫酸、好ましくは塩化物であり、
ここでより好ましくは1種又は複数種のAl含有化合物が塩化アルミニウムを含み、ここでより好ましくは1種又は複数種のAl含有化合物が塩化アルミニウムであることが好ましい。
【0061】
方法の(3)による第3の水性溶液(S3)中の1種又は複数種の塩基の濃度が、1.0~3.0mol/lの範囲内、より好ましくは1.5~2.5mol/lの範囲内、より好ましくは1.8~2.2mol/lの範囲内であることが好ましい。
【0062】
方法の(2)による第2の水性溶液(S2)中の1種又は複数種のNi含有化合物の濃度が、0.7~2.4mol/lの範囲内、より好ましくは1.2~1.9mol/lの範囲内、より好ましくは1.5~1.6mol/lの範囲内であることが好ましい。
【0063】
方法の(1)による第1の水性混合物(M1)中のシリカの量が、0.3~1.4mol/lの範囲内、より好ましくは0.6~1.1mol/lの範囲内、より好ましくは0.8~0.9mol/lの範囲内であることが好ましい。
【0064】
方法の第1の水性混合物(M1)、第2の水性溶液(S2)又は第3の水性溶液(S3)に含まれる1種又は複数種のAl含有化合物の濃度が、0.001~0.15mol/lの範囲内、より好ましくは0.005~0.13mol/lの範囲内、より好ましくは0.01~0.11mol/lの範囲内、より好ましくは0.02~0.10mol/lの範囲内、より好ましくは0.03~0.09mol/lの範囲内であることが好ましい。
【0065】
溶液S2の全体積のその中に溶液S2が供給される混合物M1の全体積に対する比S2:M1が、0.1:1~1.0:1の範囲内、より好ましくは0.3:1~0.7:1の範囲内、より好ましくは0.4:1~0.6:1の範囲内に含まれることが好ましい。
【0066】
混合物M1中にいずれも供給される溶液S2の全体積の溶液S3の全体積に対する比S2:S3が、0.2:1~2.0:1の範囲内、好ましくは0.7:1~1.4:1の範囲内、より好ましくは0.8:1~1.3:1の範囲内に含まれることが好ましい。
【0067】
混合物M1の全体積の混合物M1中に供給される溶液S3の全体積に対する比M1:S3が、1.0:1~3.5:1の範囲内、より好ましくは1.6:1~2.6:1の範囲内、より好ましくは1.7:1~2.4:1の範囲内に含まれることが好ましい。
【0068】
方法の(4)における混合物M1中へのS2及びS3の溶液の供給が、1分~24時間の、より好ましくは0.05~12時間の、より好ましくは0.1~6時間の、より好ましくは0.25~3時間の、より好ましくは0.5~1.5時間の、より好ましくは0.75~1.25時間の範囲内に含まれる期間実施されることが好ましい。
【0069】
方法の(4)における混合物M1中への溶液S2及びS3の供給が、続いて、又は同時に、好ましくは同時に実施されることが好ましい。
【0070】
方法の(4)における混合物M1中への溶液S2及びS3の供給が、混合物M1のかき混ぜ下で実施され、ここで、混合物M1のかき混ぜが、撹拌により好ましくは達成されることが好ましい。
【0071】
混合物M1並びに溶液S2及びS3のうちの1つ又は複数が、方法の(4)における混合物M1中への溶液S2及びS3の供給の前に加熱され、ここで、混合物M1並びに溶液S2及びS3のうちの1つ又は複数が、(4)における混合物M1中への溶液S2及びS3の供給の前に30~100℃の、好ましくは40~90℃の、より好ましくは50~80℃の、より好ましくは55~75℃の、より好ましくは59~71℃の範囲内の温度でより好ましくは加熱されることが好ましい。
【0072】
方法の(4)における供給中、生じた混合物が、30~100℃の、より好ましくは40~90℃の、より好ましくは50~80℃の、より好ましくは55~75℃の、より好ましくは59~71℃の範囲内の温度で加熱及び/又は維持されることが好ましい。
【0073】
方法が、
(6)(5)において得られた水素化触媒前駆体を洗浄する工程と、
(7)(5)又は(6)において得られた水素化触媒前駆体を乾燥する工程と
を更に含むことが好ましい。
【0074】
方法が、
(8)水素化触媒前駆体を得るために、(5)、(6)、又は(7)において得られた水素化触媒前駆体をか焼する工程であり、
水素化触媒前駆体に含まれる好ましくは90~100mol-%、より好ましくは95~100mol-%、より好ましくは99~100mol-%のNiがNiOとして存在し、
水素化触媒前駆体に含まれる好ましくは90~100mol-%、より好ましくは95~100mol-%、より好ましくは99~100mol-%のAlがAlとして存在する、工程
を更に含むことが好ましい。
【0075】
方法が、
(9)水素化触媒前駆体を得るために、(5)、(6)、(7)、又は(8)において得られた水素化触媒前駆体を成形する工程であって、押出する工程及び/又は打錠する工程を好ましくは含む、工程
を更に含むことが好ましい。
【0076】
その上更に、本発明は、本明細書に開示される実施形態のいずれか1つに記載の方法に従って、好ましくは、本明細書に開示される通りの方法工程(6)及び(7)及び任意選択で(8)を含む方法に従って、より好ましくは、本明細書に開示される通りの方法工程(6)及び(7)を含む方法に従って得ることができる、且つ/又は得られる水素化触媒前駆体に関する。
【0077】
その上更に、本発明は、水素化触媒の調製のための方法であって、
(i)本明細書に開示される実施形態のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体を用意する工程と、
(ii)水素を含むガス雰囲気中で(i)において用意された水素化触媒前駆体を還元して、水素化触媒を得る工程と
を含む、方法に関する。
【0078】
方法の(ii)における還元が、200~500℃の範囲内の、より好ましくは300~470℃の範囲内の、より好ましくは350~450℃の範囲内の、より好ましくは400~440℃の範囲内の、より好ましくは420~430℃の範囲内のガス雰囲気の温度で実施されることが好ましい。
【0079】
方法の(ii)における還元が、0.25~5時間の範囲内の、より好ましくは0.5~4時間の範囲内の、より好ましくは1~3.5時間の範囲内の、より好ましくは1.25~3時間の範囲内の、より好ましくは1.5~2.5時間の範囲内の、より好ましくは1.75~2.25時間の範囲内の期間実施されることが好ましい。
【0080】
方法が、
(iii)空気を含むガス雰囲気中で(ii)において得られた水素化触媒を不動態化する工程
を更に含むことが好ましい。
【0081】
方法が、(iii)を更に含む場合、(iii)における不動態化が、75~150℃の範囲内の、より好ましくは80~130℃の範囲内の、より好ましくは85~120℃の範囲内の、より好ましくは90~110℃の範囲内の、より好ましくは95~105℃の範囲内のガス雰囲気の温度で実施されることが好ましい。
【0082】
更に、方法が、(iii)を更に含む場合、(iii)における不動態化が、1~8時間の範囲内の、好ましくは2~6時間の範囲内の、より好ましくは3~4時間の範囲内の、より好ましくは3.5~4時間の範囲内の期間実施されることが好ましい。
【0083】
方法が、
(iv)水素化触媒を得るために、(ii)、又は(iii)において得られた水素化触媒を成形する工程であって、押出する工程及び/又は打錠する工程を好ましくは含む、工程
を更に含むことが好ましい。
【0084】
その上更に、本発明は、本明細書に開示される実施形態のいずれか1つに記載の方法に従って得ることができる、且つ/又は得られる、Ni、Si、Al、及びOを含む水素化触媒に関する。
【0085】
水素化触媒が、元素状Niとして計算されたNiの、元素状Alとして計算されたAlに対する20:1~200:1の範囲内の、より好ましくは20:1~100:1の範囲内の、より好ましくは20:1~60:1の範囲内の、より好ましくは22:1~55:1の範囲内の、より好ましくは25:1~45:1の範囲内の、より好ましくは29:1~40:1の範囲内の、より好ましくは30:1~37:1の範囲内の、より好ましくは32:1~35:1の範囲内のモル比Ni:Alを示すことが好ましい。
【0086】
水素化触媒が、元素状Niとして計算されたNiの、元素状Siとして計算されたSiに対する0.50:1~2.50:1の範囲内の、より好ましくは0.70:1~2.00:1の範囲内の、より好ましくは0.80:1~1.50:1の範囲内の、より好ましくは0.90:1~1.20:1の範囲内の、より好ましくは0.94:1~1.10:1の範囲内の、より好ましくは0.95:1~1.00:1の範囲内のモル比Ni:Siを示すことが好ましい。
【0087】
水素化触媒が、元素状Siとして計算されたSiの、元素状Alとして計算されたAlに対する6:1~70:1の範囲内の、より好ましくは11:1~61:1の範囲内の、より好ましくは17:1~53:1の範囲内の、より好ましくは26:1~45:1の範囲内の、より好ましくは31:1~39:1の範囲内の、より好ましくは34:1~36:1の範囲内のモル比Si:Alを示すことが好ましい。
【0088】
水素化触媒に含まれるNiが、0又は+2の酸化状態にあることが好ましい。
【0089】
水素化触媒に含まれる30~100mol-%、より好ましくは40~100mol-%、より好ましくは50~100mol-%のNiが、0の酸化状態にあることが好ましい。
【0090】
水素化触媒に含まれる0~50mol-%、より好ましくは10~40mol-%、より好ましくは20~30mol-%のNiが、+2の酸化状態にあることが好ましい。
【0091】
水素化触媒が、水素化触媒の質量に対して38~54質量-%、より好ましくは41~51質量-%、より好ましくは43~49質量-%の元素状Niとして計算されたNiを含むことが好ましい。
【0092】
水素化触媒が、水素化触媒の質量に対して0.6~1.9質量-%、より好ましくは0.9~1.6質量-%、より好ましくは1.1~1.4質量-%のAlとして計算されたAlを含むことが好ましい。
【0093】
水素化触媒が、水素化触媒の質量に対して41~57質量-%、より好ましくは44~54質量-%、より好ましくは46~52質量-%のSiOとして計算されたSiを含むことが好ましい。
【0094】
水素化触媒が、水素化触媒の質量に対して1質量-%以下、より好ましくは0.40質量-%以下、より好ましくは0.20質量-%以下の元素状Naとして計算されたNaを含むことが好ましい。
【0095】
水素化触媒が成形され、ここで水素化触媒が、好ましくは押出物又は錠剤の形態であることが好ましい。
【0096】
その上更に、本発明は、1種又は複数種の不飽和化合物の変換のための、好ましくは水素化、脱芳香族化、及び脱硫化のうちの1つ又は複数のための方法であって、
(A)反応ゾーン内で1種又は複数種の不飽和化合物並びに本明細書に開示される実施形態のいずれか1つに記載の水素化触媒及び/又は本明細書に開示される実施形態のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体を用意する工程と、
(B)(A)において用意された1種又は複数種の不飽和化合物並びに本明細書に開示される実施形態のいずれか1つに記載の水素化触媒及び/又は本明細書に開示される実施形態のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体を100~400℃の範囲に含まれる温度で水素と接触させる工程と
を含む、方法に関する。
【0097】
1種又は複数種の不飽和化合物が、ポリマー化合物からなる群から、より好ましくは石油化学樹脂からなる群から選択され、ここでより好ましくは1種又は複数種の不飽和化合物が、粗ナフサの蒸留から得られるC9及び/又はC5留分の重合生成物を含み、ここでより好ましくは1種又は複数種の不飽和化合物が、アルデヒド基及びニトロ基のうちの1つ又は複数を含むことが好ましい。
【0098】
1種又は複数種の不飽和化合物が、ポリマー化合物からなる群から選択される場合、ポリマー化合物が、ビニルトルエン、ジシクロペンタジエン、インデン、メチルスチレン、スチレン、メチルインデン、及びそれらのうちの2種以上の混合物からなる群から選択される1種又は複数種の化合物を含む1種又は複数種のモノマーの重合から得られ、ここでより好ましくは1種又は複数種のモノマーが、1種又は複数種のビニルトルエン、ジシクロペンタジエン、インデン、メチルスチレン、スチレン、及び1種又は複数種のメチルインデンを含むことが好ましい。
【0099】
(B)における接触させる工程が、150~350℃の範囲内の、より好ましくは200~320℃の範囲内の、より好ましくは230~300℃の範囲内の、より好ましくは250~290℃の範囲内の、より好ましくは260~280℃の範囲内の、より好ましくは265~275℃の範囲内の温度で実施されることが好ましい。
【0100】
(B)における接触させる工程が、0.1~10時間の範囲内の、より好ましくは0.5~5時間の範囲内の、より好ましくは1~3時間の範囲内の、より好ましくは1.5~2.5時間の範囲内の、より好ましくは1.8~2.2時間の範囲内の期間実施されることが好ましい。
【0101】
(B)における接触させる工程が、5~200barの範囲内の、より好ましくは10~150barの範囲内の、より好ましくは30~120barの範囲内の、より好ましくは50~100barの範囲内の、より好ましくは70~90barの範囲内の、より好ましくは75~85barの範囲内の圧力で実施されることが好ましい。
【0102】
(B)における接触させる工程が、かき混ぜ下で実施され、ここでかき混ぜが、撹拌によりより好ましくは達成されることが好ましい。
【0103】
(A)における反応ゾーンが、100質量-%の1種又は複数種の不飽和化合物に対して0.01~5質量-%、より好ましくは0.05~3質量-%、より好ましくは0.1~2.5質量-%、より好ましくは0.3~2.1質量-%、より好ましくは0.5~1.8質量-%、より好ましくは0.7~1.5質量-%、より好ましくは0.8~1.3質量-%、より好ましくは0.9~1.1質量-%の水素化触媒前駆体を含むことが好ましい。
【0104】
方法が、連続法又はバッチ法であり、ここでより好ましくは(B)における接触させる工程が、連続及び/又はバッチ条件下で、好ましくはバッチ条件下で実施されることが好ましい。
【0105】
本明細書に開示される実施形態のいずれか1つに記載の水素化触媒及び/又は本明細書に開示される実施形態のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体が、(A)に従って反応ゾーン内の固定層内に用意されることが好ましい。
【0106】
その上更に、本発明は、脱芳香族化、脱硫化、好ましくは石油化学供給原料の脱硫化、及び水素化のうちの1つ又は複数における、好ましくは、1種又は複数種の不飽和化合物の、好ましくは不飽和ポリマー化合物の、より好ましくは石油化学樹脂又は石油化学供給原料の、より好ましくは粗ナフサの蒸留から得られるC9及び/又はC5留分の重合生成物を含む不飽和化合物の、より好ましくはアルデヒド基及びニトロ基のうちの1つ又は複数を含む官能基の水素化における、本明細書に開示される実施形態のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体の、及び/又は本明細書に開示される実施形態のいずれか1つに記載の水素化触媒の使用に関する。
【0107】
不飽和ポリマー化合物が、ビニルトルエン、ジシクロペンタジエン、インデン、メチルスチレン、スチレン、メチルインデン、及びそれらのうちの2種以上の混合物からなる群から選択される1種又は複数種の化合物を含む1種又は複数種のモノマーの重合から得られ、ここで好ましくは1種又は複数種のモノマーが、1種又は複数種のビニルトルエン、ジシクロペンタジエン、インデン、メチルスチレン、スチレン、及び1種又は複数種のメチルインデンを含むことが好ましい。
【0108】
本発明によれば、pH値が、国際規格ISO 34-8(International Standard ISO 34-8: Quantities and Units - Part 8: Physical Chemistry and Molecular Physics、Annex C (normative): pH. International Organization for Standardization、1992年)に従って測定されることが好ましい。本発明によれば、本出願に定義される通りのpH値が、ISO 80000-9、Annex C、pHに従って決定されることがその上更に好ましい。
【発明を実施するための形態】
【0109】
本発明の文脈において、用語「からなる」は、1種又は複数種の成分の質量-%に関して、100質量-%の問題の実体に対する前記成分の質量-%量を示す。例えば、言い回し「0~0.001質量-%の第1の被覆がXからなる」は、それから前記被覆がなる100質量-%の成分のうち、0~0.001質量-%がXであることを示す。
【0110】
更に、本発明の文脈において、用語「Xは、A、B及びCのうちの1つ又は複数である」(ここでXは、所与の特徴であり、A、B及びCのそれぞれは、前記特徴の具体的な実現を表す)は、Xが、A、又はB、又はC、又はA及びB、又はA及びC、又はB及びC、又はA及びB及びCのいずれかであることを開示すると理解されるべきである。この点に関して、当業者は、上記の抽象的な用語を明確な例(例えば、Xが化学元素であり、A、B及びCが、Li、Na、及びK等の明確な元素である、又はXが温度であり、A、B及びCが、10℃、20℃、及び30℃等の明確な温度である)に転移することができることに留意されたい。この点に関して、当業者は、上記の用語を前記特徴のあまり具体的でない実現、例えば、Xが、A、若しくはB、若しくはA及びBのいずれかであることを開示する「Xは、A及びBのうちの1つ又は複数である」に、又は前記特徴のより具体的な実現、例えば、Xが、A、若しくはB、若しくはC、若しくはD、若しくはA及びB、若しくはA及びC、若しくはA及びD、若しくはB及びC、若しくはB及びD、若しくはC及びD、若しくはA及びB及びC、若しくはA及びB及びD、若しくはB及びC及びD、若しくはA及びB及びC及びDのいずれかであることを開示する「Xは、A、B、C及びDのうちの1つ又は複数である」に拡張することができることに更に留意されたい。
【0111】
示される通りの従属性及び後方参照の結果生じる以下の実施形態の組及び実施形態の組合せにより本発明を更に説明する。特に、実施形態の範囲が述べられる各例において、例えば「実施形態1から4のいずれか1つ」等の用語の文脈において、この範囲内のあらゆる実施形態が当業者に明示的に開示されることが意図され、すなわち、この用語の言い回しは、「実施形態1、2、3、及び4のいずれか1つ」と同義であると当業者により理解されるべきであることに留意されたい。
【0112】
更に、以下の実施形態の組は、保護の範囲を決定する請求項の組ではないが、本発明の一般的な態様及び好ましい態様に関する説明の適切に構造化された部分を表すことに明示的に留意されたい。
【0113】
1.Niと、Alと、SiOを含む担持物質とを含み、Niは担持物質上に担持されている、水素化触媒前駆体であって、実施形態29から52のいずれか1つに記載の方法に従って好ましくは得ることができる、且つ/又は得られる、並びに参考例5に従って好ましくは決定される昇温還元における350~460℃の範囲内のピーク極大を示す、水素化触媒前駆体。
【0114】
2.参考例5に従って好ましくは決定される昇温還元における355~450℃の範囲内の、好ましくは360~440℃の範囲内の、より好ましくは365~430℃の範囲内の、より好ましくは370~420℃の範囲内の、より好ましくは375~415℃の範囲内の、より好ましくは380~413℃の範囲内の、より好ましくは381~412℃の範囲内の、より好ましくは382~411℃の範囲内の、より好ましくは383~410℃の範囲内のピーク極大を示す、実施形態1に記載の水素化触媒前駆体。
【0115】
3.水素化触媒前駆体に含まれるAlの少なくとも一部が、担持物質上に担持されており、水素化前駆体触媒に含まれる100mol-%のAlに対して好ましくは0超~100mol-%、より好ましくは50~100mol-%、より好ましくは90~100mol-%のAlが、担持物質上に担持されている、実施形態1又は2に記載の水素化触媒前駆体。
【0116】
4.SiOを含む担持物質が、水素化触媒前駆体に含まれるAlの少なくとも一部を更に含み、SiOを含む担持物質が、水素化前駆体触媒に含まれる100mol-%のAlに対して水素化触媒前駆体に含まれる0~100mol-%、好ましくは0~50mol-%未満、より好ましくは0~10mol-%未満のAlを含む、実施形態1から3のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体。
【0117】
5.SiOを含む担持物質がHを更に含み、SiOを含む担持物質が、担持物質の質量に対して90~100質量-%、好ましくは95~100質量-%、より好ましくは99~100質量-%のSiO、H、及び任意選択でAlを好ましくは含み、SiOを含む担持物質が、SiO、H、及び任意選択でAlからより好ましくは本質的になる、実施形態1から4のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体。
【0118】
6.SiOを含む担持物質が、それらのうちの2種以上の混合物を含む、シリカ、シリカ-アルミナ、シリカ-チタニア、及びシリカ-ジルコニアからなる群から選択され、SiOを含む担持物質が、シリカ又はシリカ-アルミナを好ましくは含み、より好ましくはSiOを含む担持物質が、シリカ又はシリカ-アルミナから好ましくはなる、実施形態1から5のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体。
【0119】
7.SiOを含む担持物質が、H、Al、Ti、及びZrのうちの1種又は複数種、好ましくはAl、より好ましくはAl及びHを更に含み、SiOを含み、且つH、Al、Ti、及びZrのうちの1種又は複数種を更に含む担持物質が、前記担持物質の質量に対して80~99質量-%、より好ましくは85~98質量-%、より好ましくは90~95質量-%のSiOとして計算されたSiOを好ましくは含み、SiOを含む担持物質が、H並びにAl、Ti、及びZrのうちの1種又は複数種を更に含み、前記担持物質の質量に対して1~20質量-%、より好ましくは2~15質量-%、より好ましくは5~10質量-%の元素状Hとして計算されたH、及びそれぞれの酸化物として計算されたAl、Ti、Zrのうちの1種又は複数種、好ましくはAlとして計算されたAlをより好ましくは含む、実施形態1から6のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体。
【0120】
8.元素状Niとして計算されたNiの、元素状Alとして計算されたAlに対する5:1~200:1の範囲内の、好ましくは5:1~100:1の範囲内の、より好ましくは5:1~65:1の範囲内の、より好ましくは20:1~60:1の範囲内の、より好ましくは22:1~55:1の範囲内の、より好ましくは25:1~45:1の範囲内の、より好ましくは29:1~40:1の範囲内の、より好ましくは30:1~37:1の範囲内の、より好ましくは32:1~35:1の範囲内のモル比Ni:Alを示す、実施形態1から7のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体。
【0121】
9.元素状Niとして計算されたNiの担持物質に含まれる元素状Siとして計算されたSiに対する0.1:1~5.00:1の範囲内の、好ましくは0.50:1~2.50:1の範囲内の、より好ましくは0.70:1~2.00:1の範囲内の、より好ましくは0.80:1~1.50:1の範囲内の、より好ましくは0.90:1~1.20:1の範囲内の、より好ましくは0.94:1~1.10:1の範囲内の、より好ましくは0.95:1~1.00:1の範囲内のモル比Ni:Siを示す、実施形態1から8のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体。
【0122】
10.担持物質に含まれる元素状Siとして計算されたSiの、元素状Alとして計算されたAlに対する6:1~70:1の範囲内の、好ましくは11:1~61:1の範囲内の、より好ましくは17:1~53:1の範囲内の、より好ましくは26:1~45:1の範囲内の、より好ましくは31:1~39:1の範囲内の、より好ましくは34:1~36:1の範囲内のモル比Si:Alを示す、実施形態1から9のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体。
【0123】
11.90~100mol-%、好ましくは95~100mol-%、より好ましくは99~100mol-%、より好ましくは99.9~100mol-%のNiが、+2の酸化状態にある、実施形態1から10のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体。
【0124】
12.実施形態1から11のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体であって、水素化触媒前駆体の質量に対して15~60質量-%、好ましくは15~50質量-%、より好ましくは25~50質量-%、より好ましくは30~45質量-%、より好ましくは33~42質量-%の元素状Niとして計算されたNiを含む、水素化触媒前駆体。
【0125】
13.実施形態1から12のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体であって、水素化触媒前駆体の質量に対して0.3~2.0質量-%、好ましくは0.5~1.6質量-%、より好ましくは0.57~1.4質量-%のAlとして計算されたAlを含む、水素化触媒前駆体。
【0126】
14.実施形態1から13のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体であって、水素化触媒前駆体の質量に対して30.0~52質量-%、好ましくは34.5~47質量-%、より好ましくは35.2~44質量-%のSiOとして計算されたSiを含む、水素化触媒前駆体。
【0127】
15.実施形態1から14のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体であって、水素化触媒前駆体の質量に対して1質量-%以下、好ましくは0.1質量-%以下、より好ましくは0.09質量-%以下の元素状Naとして計算されたNaを含む、水素化触媒前駆体。
【0128】
16.0.3~5.0cm/gの範囲内の、好ましくは0.75~2.5cm/gの範囲内の、より好ましくは1.0~1.6cm/gの範囲内の、より好ましくは1.1~1.5cm/gの範囲内の全侵入体積を示す、全侵入体積が、Hg侵入によって好ましくは決定され、全侵入体積が、参考例1に従ってより好ましくは決定される、実施形態1から15のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体。
【0129】
17.0.20~1.50cm/gの範囲内の、好ましくは0.30~1.00cm/gの範囲内の、より好ましくは0.35~0.75cm/gの範囲内の、より好ましくは0.40~0.70cm/gの範囲内の、より好ましくは0.43~0.65cm/gの範囲内の、より好ましくは0.45~0.65cm/gの範囲内の全細孔容積を示す、全細孔容積が、N吸着によって好ましくは決定され、全細孔容積が、参考例2に従ってより好ましくは決定される、実施形態1から16のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体。
【0130】
18.参考例4に従って好ましくは決定される17.0~31.0cm/gの範囲内の、好ましくは19.0~29.0cm/gの範囲内の、より好ましくは21.0~28.1cm/gの範囲内の、より好ましくは22.1~27.2cm/gの範囲内の、より好ましくは23.0~26.5cm/gの範囲内の水素吸着容量を示す、実施形態1から17のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体。
【0131】
19.ISO 9277:2010に従って好ましくは決定される100~500m/gの、好ましくは200~400m/gの、より好ましくは230~350m/gの範囲内のBET比表面積を示す、実施形態1から18のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体。
【0132】
20.実施形態1から19のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体であって、水素化触媒前駆体の質量に対して30~50質量-%、好ましくは35~45質量-%、より好ましくは38~42質量-%の元素状Niとして計算されたNiを含む、好ましくはか焼水素化触媒前駆体である、水素化触媒前駆体。
【0133】
21.実施形態1から20のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体であって、水素化触媒前駆体の質量に対して0.3~2.0質量-%、好ましくは0.5~1.6質量-%、より好ましくは0.7~1.4質量-%のAlとして計算されたAlを含む、好ましくはか焼水素化触媒前駆体である、水素化触媒前駆体。
【0134】
22.実施形態1から21のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体であって、水素化触媒前駆体の質量に対して32~52質量-%、好ましくは37~47質量-%、より好ましくは40~44質量-%のSiOとして計算されたSiを含む、好ましくはか焼水素化触媒前駆体である、水素化触媒前駆体。
【0135】
23.実施形態1から22のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体であって、水素化触媒前駆体の質量に対して1質量-%以下、好ましくは0.1質量-%以下、より好ましくは0.09質量-%以下の元素状Naとして計算されたNaを含む、好ましくはか焼水素化触媒前駆体である、水素化触媒前駆体。
【0136】
24.90~100mol-%、好ましくは95~100mol-%、より好ましくは99~100mol-%、より好ましくは99.9~100mol-%のNiがNiOとして存在する、実施形態1から23のいずれか1つに記載の、好ましくは実施形態20から23のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体。
【0137】
25.か焼水素化触媒前駆体である、か焼する工程が、酸素及び窒素のうちの1種又は複数種、より好ましくは空気でより好ましくは構成されていた、より好ましくはそれからなっていた300~1000℃の範囲内の、より好ましくは325~750℃の範囲内の、より好ましくは350~500℃の範囲内の、より好ましくは370~380℃の範囲内の温度を有するガス雰囲気中で好ましくは実施されており、か焼する工程がより好ましくは、0.5~8時間、より好ましくは0.75~4時間、より好ましくは1~2時間実施された、実施形態1から24のいずれか1つに記載の、好ましくは実施形態20から24のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体。
【0138】
26.参考例6に従って好ましくは決定される0.10~1.00kg/lの範囲内の、好ましくは0.30~0.65kg/lの範囲内の、より好ましくは0.35~0.57kg/lの範囲内の見掛けのゆるめ嵩密度を示す、実施形態1から15のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体。
【0139】
27.実施形態26に記載の水素化触媒前駆体であって、水素化触媒前駆体の質量に対して25~44質量-%、好ましくは30~39質量-%、より好ましくは33~36質量-%の元素状Niとして計算されたNiを含む、好ましくは乾燥水素化触媒前駆体である、水素化触媒前駆体。
【0140】
28.実施形態26又は27に記載の水素化触媒前駆体であって、水素化触媒前駆体の質量に対して0.30~1.40質量-%、好ましくは0.50~1.20質量-%、より好ましくは0.57~1.11質量-%のAlとして計算されたAlを含む、好ましくは乾燥水素化触媒前駆体である、水素化触媒前駆体。
【0141】
29.実施形態26から28のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体であって、水素化触媒前駆体の質量に対して30.0~42.0質量-%、好ましくは34.5~38.5質量-%、より好ましくは35.2~37.8質量-%のSiOとして計算されたSiを含む、好ましくは乾燥水素化触媒前駆体である、水素化触媒前駆体。
【0142】
30.実施形態26から29のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体であって、水素化触媒前駆体の質量に対して1質量-%以下、好ましくは0.1質量-%以下、より好ましくは0.09質量-%以下の元素状Naとして計算されたNaを含む、好ましくは乾燥水素化触媒前駆体である、水素化触媒前駆体。
【0143】
31.乾燥水素化触媒前駆体である、乾燥する工程が、酸素及び窒素のうちの1種又は複数種、より好ましくは空気でより好ましくは構成されていた、より好ましくはそれからなっていた90~130℃の範囲内の、好ましくは100~120℃の範囲内の、より好ましくは105~115℃の範囲内の温度を有するガス雰囲気中で好ましくは実施されており、乾燥する工程がより好ましくは、1~24時間、より好ましくは3~15時間、より好ましくは5~12時間、より好ましくは8~10時間実施された、実施形態26から30のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体。
【0144】
32.乾燥水素化触媒前駆体である、乾燥する工程が、フラッシュ乾燥又は噴霧乾燥により好ましくは実施されており、乾燥する工程が、100~140℃の範囲内の、より好ましくは110~130℃の範囲内の、より好ましくは115~125℃の範囲内の出口温度で好ましくは実施されており、乾燥する工程がより好ましくは、1~30秒間、より好ましくは1~20秒間、より好ましくは1~10秒間実施された、実施形態26から30のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体。
【0145】
33.成形されている、好ましくは押出物又は錠剤の形態である、実施形態1から32のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体。
【0146】
34.実施形態1から33のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体の調製のための方法であって、
(1)SiOを含む担持物質を含む第1の水性混合物(M1)を調製する工程と、
(2)1種又は複数種のNi含有化合物を含む第2の水性溶液(S2)を調製する工程と、
(3)1種又は複数種の塩基を含む第3の水性溶液(S3)を調製する工程と、
(4)Ni及びAlを担持物質上に担持させるために溶液S2及びS3を混合物M1中に供給する工程であり、生じた混合物が、7.1~8.4の範囲内のpHを有する、工程と、
(5)(4)において得られた混合物から水素化触媒前駆体を単離する工程と
を含み、第1の水性混合物(M1)、第2の水性溶液(S2)又は第3の水性溶液(S3)が、1種又は複数種のAl含有化合物を含む、方法。
【0147】
35.第1の水性混合物(M1)が、1種又は複数種のAl含有化合物を含む、実施形態34に記載の方法。
【0148】
36.(4)において得られた生じた混合物のpHが、7.1~8.1の、好ましくは7.2~7.9の、より好ましくは7.3~7.8の、より好ましくは7.4~7.7の範囲内である、実施形態34又は35に記載の方法。
【0149】
37.(3)による第3の水性溶液(S3)中の1種又は複数種の塩基が、1種又は複数種の多塩基性塩、好ましくは、それらのうちの2種以上の混合物を含む、二塩基性、三塩基性、及び四塩基性塩からなる群から、より好ましくは、それらのうちの2種以上の混合物を含む、二塩基性及び三塩基性塩からなる群から選択される1種又は複数種の多塩基性塩を含み、より好ましくは1種又は複数種の塩基が、1種若しくは複数種の二塩基性及び/又は1種若しくは複数種の三塩基性塩、より好ましくは1種又は複数種の二塩基性塩を含み、より好ましくは1種又は複数種の塩基が、1種若しくは複数種の二塩基性及び/又は1種若しくは複数種の三塩基性塩から、より好ましくは1種又は複数種の二塩基性塩からなる、実施形態34から36のいずれか1つに記載の方法。
【0150】
38.1種又は複数種の多塩基性塩の1種又は複数種のカチオンが、それらのうちの2種以上の混合物及び/又は組合せを含む、アルカリ及びアルカリ土類金属からなる群から、好ましくは、それらのうちの2種以上の混合物及び/又は組合せを含むアルカリ金属からなる群から、より好ましくは、それらのうちの2種以上の混合物及び/又は組合せを含む、Li、Na、K、Rb、及びCsからなる群から、より好ましくは、それらのうちの2種以上の混合物及び/又は組合せを含む、Li、Na、及びKからなる群から選択され、より好ましくは1種又は複数種の多塩基性塩の1種又は複数種のカチオンが、Na及び/又はK、好ましくはNaである、実施形態37に記載の方法。
【0151】
39.(3)による第3の水性溶液(S3)中の1種又は複数種の塩基が、無機及び有機塩基からなる群から、好ましくは無機塩基の群から選択され、好ましくは1種又は複数種の塩基が、水酸化物、炭酸塩、アルミン酸塩、及びそれらのうちの2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属アルミン酸塩、及びそれらのうちの2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属アルミン酸塩、及びそれらのうちの2種以上の混合物からなる群から選択され、
アルカリ金属が、好ましくはLi、Na、K、Rb、Cs、及びそれらのうちの2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはLi、Na、K、及びそれらのうちの2種以上の混合物からなる群から選択され、より好ましくはアルカリ金属が、Na及び/又はK、好ましくはNaであり、
より好ましくは1種又は複数種の塩基が、炭酸ナトリウム及び/又はアルミン酸ナトリウム、好ましくは炭酸ナトリウムを含み、より好ましくは1種又は複数種の塩基が、炭酸ナトリウム及び/又はアルミン酸ナトリウム、好ましくは炭酸ナトリウムである、実施形態34から38のいずれか1つに記載の方法。
【0152】
40.(2)による第2の水性溶液(S2)中の1種又は複数種のNi含有化合物が、1種又は複数種のNi塩、好ましくは1種又は複数種のNi(II)塩であり、1種又は複数種のNi塩のアニオンが、好ましくはハロゲン化物、炭酸、炭酸水素、硫酸、硫酸水素、水酸化物、硝酸、リン酸、リン酸水素、リン酸二水素、酢酸、及びそれらのうちの2種以上の混合物からなる群から、より好ましくは塩化物、臭化物、フッ化物、炭酸水素、硫酸水素、硝酸、リン酸二水素、酢酸、及びそれらのうちの2種以上の混合物からなる群から、
より好ましくは塩化物、フッ化物、硝酸、酢酸、及びそれらのうちの2種以上の組合せからなる群から選択され、より好ましくは1種又は複数種のニッケル塩のアニオンが、塩化物及び/又は硝酸、好ましくは塩化物であり、
より好ましくは1種又は複数種のNi含有化合物が塩化ニッケル(II)を含み、より好ましくは1種又は複数種のNi含有化合物が塩化ニッケル(II)である、実施形態34から39のいずれか1つに記載の方法。
【0153】
41.(1)による第1の水性混合物(M1)中のSiOを含む担持物質がHを更に含み、前記担持物質が、担持物質の質量に対して90~100質量-%、好ましくは95~100質量-%、より好ましくは99~100質量-%のSiO及びHを好ましくは含み、前記担持物質が、SiO及びHからより好ましくは本質的になる、実施形態34から40のいずれか1つに記載の方法。
【0154】
42.SiOを含む担持物質が、それらのうちの2種以上の混合物を含む、シリカ、シリカ-アルミナ、シリカ-チタニア、及びシリカ-ジルコニアからなる群から選択され、SiOを含む担持物質が、シリカを好ましくは含み、より好ましくはSiOを含む担持物質がシリカからなる、実施形態34から41のいずれか1つに記載の方法。
【0155】
43.SiOを含む担持物質が、H並びにAl、Ti、及びZrのうちの1種又は複数種、好ましくはAlを更に含み、SiOを含み、且つH並びにAl、Ti、及びZrのうちの1種又は複数種を更に含む担持物質が、前記担持物質の質量に対して80~99質量-%、より好ましくは85~99質量-%、より好ましくは90~99質量-%のSiOとして計算されたSiOを好ましくは含み、SiOを含み、且つH並びにAl、Ti、及びZrのうちの1種又は複数種を更に含む担持物質が、前記担持物質の質量に対して0.1~10質量-%、より好ましくは0.20~7.5質量-%、より好ましくは0.25~5質量-%の元素状Hとして計算されたH、及びそれぞれの酸化物として計算されたAl、Ti、Zrのうちの1種又は複数種、好ましくはAlとして計算されたAlをより好ましくは含む、実施形態34から42のいずれか1つに記載の方法。
【0156】
44.SiOを含む担持物質が、多孔質、好ましくは非常に多孔質であり、
SiOを含む担持物質が、少なくとも0.4ml/gの、より好ましくは0.4~5.0ml/gの範囲内の、より好ましくは0.6~4.0ml/gの範囲内の、より好ましくは1.0~3.5ml/gの範囲内の、より好ましくは1.3~2.5ml/gの範囲内の、より好ましくは1.5~2.0ml/gの範囲内の、より好ましくは1.6~1.8ml/gの範囲内の細孔容積を好ましくは示し、全細孔容積が、N吸着によって好ましくは決定され、細孔容積が、参考例2に従って好ましくは決定される、実施形態34から43のいずれか1つに記載の方法。
【0157】
45.1種又は複数種のAl含有化合物が、アルミン酸塩、アルミニウム塩、及びそれらの混合物からなる群から、好ましくはアルミン酸塩からなる群から、より好ましくはアルミン酸塩からなる群から、より好ましくはアルカリ金属アルミン酸塩からなる群から選択され、アルカリ金属が、好ましくはLi、Na、K、Rb、Cs、及びそれらのうちの2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはLi、Na、K、及びそれらのうちの2種以上の混合物からなる群から選択され、より好ましくはアルカリ金属が、Na及び/又はK、好ましくはNaであり、
より好ましくは1種又は複数種のAl含有化合物がアルミン酸ナトリウムを含み、より好ましくは1種又は複数種のAl含有化合物がアルミン酸ナトリウムである、実施形態34から44のいずれか1つに記載の方法。
【0158】
46.1種又は複数種のAl含有化合物が、アルミニウム塩からなる群から選択され、1種又は複数種のアルミニウム塩のアニオンが、好ましくはハロゲン化物、硫酸、水酸化物、硝酸、及びそれらのうちの2種以上の混合物からなる群から、より好ましくは塩化物、フッ化物、硫酸、水酸化物、硝酸、及びそれらのうちの2種以上の混合物からなる群から選択され、より好ましくは1種又は複数種のアルミニウム塩のアニオンが、塩化物及び/又は硫酸、好ましくは塩化物であり、
より好ましくは1種又は複数種のAl含有化合物が塩化アルミニウムを含み、より好ましくは1種又は複数種のAl含有化合物が塩化アルミニウムである、実施形態45に記載の方法。
【0159】
47.(3)による第3の水性溶液(S3)中の1種又は複数種の塩基の濃度が、1.0~3.0mol/lの範囲内、好ましくは1.5~2.5mol/lの範囲内、より好ましくは1.8~2.2mol/lの範囲内である、実施形態34から46のいずれか1つに記載の方法。
【0160】
48.(2)による第2の水性溶液(S2)中の1種又は複数種のNi含有化合物の濃度が、0.7~2.4mol/lの範囲内、好ましくは1.2~1.9mol/lの範囲内、より好ましくは1.5~1.6mol/lの範囲内である、実施形態34から47のいずれか1つに記載の方法。
【0161】
49.(1)による第1の水性混合物(M1)中のシリカの量が、0.3~1.4mol/lの範囲内、好ましくは0.6~1.1mol/lの範囲内、より好ましくは0.8~0.9mol/lの範囲内である、実施形態34から48のいずれか1つに記載の方法。
【0162】
50.1種又は複数種のAl含有化合物の濃度が、0.001~0.15mol/lの範囲内、好ましくは0.005~0.13mol/lの範囲内、より好ましくは0.01~0.11mol/lの範囲内、より好ましくは0.02~0.10mol/lの範囲内、より好ましくは0.03~0.09mol/lの範囲内である、実施形態34から49のいずれか1つに記載の方法。
【0163】
51.溶液S2の全体積のその中に溶液S2が供給される混合物M1の全体積に対する比S2:M1が、0.1:1~1.0:1の範囲内、好ましくは0.3:1~0.7:1の範囲内、より好ましくは0.4:1~0.6:1の範囲内に含まれる、実施形態34から50のいずれか1つに記載の方法。
【0164】
52.混合物M1中にいずれも供給される溶液S2の全体積の溶液S3の全体積に対する比S2:S3が、0.2:1~2.0:1の範囲内、好ましくは0.7:1~1.4:1の範囲内、より好ましくは0.8:1~1.3:1の範囲内に含まれる、実施形態34から51のいずれか1つに記載の方法。
【0165】
53.混合物M1の全体積の混合物M1中に供給される溶液S3の全体積に対する比M1:S3が、1.0:1~3.5:1の範囲内、より好ましくは1.6:1~2.6:1の範囲内、より好ましくは1.7:1~2.4:1の範囲内に含まれる、実施形態34から52のいずれか1つに記載の方法。
【0166】
54.(4)における混合物M1中へのS2及びS3の溶液の供給が、1分~24時間の、好ましくは0.05~12時間の、より好ましくは0.1~6時間の、より好ましくは0.25~3時間の、より好ましくは0.5~1.5時間の、より好ましくは0.75~1.25時間の範囲内に含まれる期間実施される、実施形態34から53のいずれか1つに記載の方法。
【0167】
55.(4)における混合物M1中への溶液S2及びS3の供給が、続いて、又は同時に、好ましくは同時に実施される、実施形態34から54のいずれか1つに記載の方法。
【0168】
56.(4)における混合物M1中への溶液S2及びS3の供給が、混合物M1のかき混ぜ下で実施され、混合物M1のかき混ぜが、撹拌により好ましくは達成される、実施形態34から55のいずれか1つに記載の方法。
【0169】
57.混合物M1並びに溶液S2及びS3のうちの1つ又は複数が、(4)における混合物M1中への溶液S2及びS3の供給の前に加熱され、混合物M1並びに溶液S2及びS3のうちの1つ又は複数が、(4)における混合物M1中への溶液S2及びS3の供給の前に30~100℃の、好ましくは40~90℃の、より好ましくは50~80℃の、より好ましくは55~75℃の、より好ましくは59~71℃の範囲内の温度で好ましくは加熱される、実施形態34から56のいずれか1つに記載の方法。
【0170】
58.(4)における供給中、生じた混合物が、30~100℃の、好ましくは40~90℃の、より好ましくは50~80℃の、より好ましくは55~75℃の、より好ましくは59~71℃の範囲内の温度で加熱及び/又は維持される、実施形態34から57のいずれか1つに記載の方法。
【0171】
59.(6)(5)において得られた水素化触媒前駆体を洗浄する工程と、
(7)(5)又は(6)において得られた水素化触媒前駆体を乾燥する工程と
を更に含む、実施形態34から58のいずれか1つに記載の方法。
【0172】
60.(8)水素化触媒前駆体を得るために、(5)、(6)、又は(7)において得られた水素化触媒前駆体をか焼する工程であり、
水素化触媒前駆体に含まれる好ましくは90~100mol-%、より好ましくは95~100mol-%、より好ましくは99~100mol-%のNiがNiOとして存在し、
水素化触媒前駆体に含まれる好ましくは90~100mol-%、より好ましくは95~100mol-%、より好ましくは99~100mol-%のAlがAlとして存在する、
工程を更に含む、実施形態34から59のいずれか1つに記載の方法。
【0173】
61.(9)水素化触媒前駆体を得るために、(5)、(6)、(7)、又は(8)において得られた水素化触媒前駆体を成形する工程であって、押出する工程及び/又は打錠する工程を好ましくは含む、工程
を更に含む、実施形態34から60のいずれか1つに記載の方法。
【0174】
62.実施形態34から61のいずれか1つに記載の、好ましくは実施形態59又は61に記載の、より好ましくは実施形態59に記載の方法に従って得ることができる、且つ/又は得られる水素化触媒前駆体。
【0175】
63.水素化触媒の調製のための方法であって、
(i)実施形態1から33及び62のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体を用意する工程、
(ii)水素を含むガス雰囲気中で(i)において用意された水素化触媒前駆体を還元して、水素化触媒を得る工程
を含む、方法。
【0176】
64.(ii)における還元が、200~500℃の範囲内の、より好ましくは300~470℃の範囲内の、より好ましくは350~450℃の範囲内の、より好ましくは400~440℃の範囲内の、より好ましくは420~430℃の範囲内のガス雰囲気の温度で実施される、実施形態63に記載の方法。
【0177】
65.(ii)における還元が、0.25~5時間の範囲内の、好ましくは0.5~4時間の範囲内の、より好ましくは1~3.5時間の範囲内の、より好ましくは1.25~3時間の範囲内の、より好ましくは1.5~2.5時間の範囲内の、より好ましくは1.75~2.25時間の範囲内の期間実施される、実施形態63又は64に記載の方法。
【0178】
66.(iii)空気を含むガス雰囲気中で(ii)において得られた水素化触媒を不動態化する工程
を更に含む、実施形態63から65のいずれか1つに記載の方法。
【0179】
67.(iii)における不動態化が、75~150℃の範囲内の、好ましくは80~130℃の範囲内の、より好ましくは85~120℃の範囲内の、より好ましくは90~110℃の範囲内の、より好ましくは95~105℃の範囲内のガス雰囲気の温度で実施される、実施形態66に記載の方法。
【0180】
68.(iii)における不動態化が、1~8時間の範囲内の、好ましくは2~6時間の範囲内の、より好ましくは3~4時間の範囲内の、より好ましくは3.5~4時間の範囲内の期間実施される、実施形態66又は67に記載の方法。
【0181】
69.(iv)水素化触媒を得るために、(ii)、又は(iii)において得られた水素化触媒を成形する工程であって、押出する工程及び/又は打錠する工程を好ましくは含む、工程
を更に含む、実施形態63から68のいずれか1つに記載の方法。
【0182】
70.実施形態63から69のいずれか1つに記載の方法に従って得ることができる、且つ/又は得られる、Ni、Si、Al、及びOを含む水素化触媒。
【0183】
71.元素状Niとして計算されたNiの、元素状Alとして計算されたAlに対する20:1~200:1の範囲内の、好ましくは20:1~100:1の範囲内の、より好ましくは20:1~60:1の範囲内の、より好ましくは22:1~55:1の範囲内の、より好ましくは25:1~45:1の範囲内の、より好ましくは29:1~40:1の範囲内の、より好ましくは30:1~37:1の範囲内の、より好ましくは32:1~35:1の範囲内のモル比Ni:Alを示す、実施形態70に記載の水素化触媒。
【0184】
72.元素状Niとして計算されたNiの、元素状Siとして計算されたSiに対する0.50:1~2.50:1の範囲内の、好ましくは0.70:1~2.00:1の範囲内の、より好ましくは0.80:1~1.50:1の範囲内の、より好ましくは0.90:1~1.20:1の範囲内の、より好ましくは0.94:1~1.10:1の範囲内の、より好ましくは0.95:1~1.00:1の範囲内のモル比Ni:Siを示す、実施形態70又は71に記載の水素化触媒。
【0185】
73.元素状Siとして計算されたSiの、元素状Alとして計算されたAlに対する6:1~70:1の範囲内の、好ましくは11:1~61:1の範囲内の、より好ましくは17:1~53:1の範囲内の、より好ましくは26:1~45:1の範囲内の、より好ましくは31:1~39:1の範囲内の、より好ましくは34:1~36:1の範囲内のモル比Si:Alを示す、実施形態70から72のいずれか1つに記載の水素化触媒。
【0186】
74.Niが、0又は+2の酸化状態にある、実施形態70から73のいずれか1つに記載の水素化触媒。
【0187】
75.30~100mol-%、好ましくは40~100mol-%、より好ましくは50~100mol-%のNiが、0の酸化状態にある、実施形態70から74のいずれか1つに記載の水素化触媒。
【0188】
76.0~50mol-%、好ましくは10~40mol-%、より好ましくは20~30mol-%のNiが、+2の酸化状態にある、実施形態70から75のいずれか1つに記載の水素化触媒。
【0189】
77.水素化触媒の質量に対して38~54質量-%、好ましくは41~51質量-%、より好ましくは43~49質量-%の元素状Niとして計算されたNiを含む、実施形態70から76のいずれか1つに記載の水素化触媒。
【0190】
78.水素化触媒の質量に対して0.6~1.9質量-%、好ましくは0.9~1.6質量-%、より好ましくは1.1~1.4質量-%のAlとして計算されたAlを含む、実施形態70から77のいずれか1つに記載の水素化触媒。
【0191】
79.水素化触媒の質量に対して41~57質量-%、好ましくは44~54質量-%、より好ましくは46~52質量-%のSiOとして計算されたSiを含む、実施形態70から78のいずれか1つに記載の水素化触媒。
【0192】
80.水素化触媒の質量に対して1質量-%以下、好ましくは0.40質量-%以下、より好ましくは0.20質量-%以下の元素状Naとして計算されたNaを含む、実施形態70から79のいずれか1つに記載の水素化触媒。
【0193】
81.成形されている、好ましくは押出物又は錠剤の形態である、実施形態70から80のいずれか1つに記載の水素化触媒。
【0194】
82.1種又は複数種の不飽和化合物の変換のための、好ましくは水素化、脱芳香族化、及び脱硫化のうちの1つ又は複数のための方法であって、
(A)反応ゾーン内で1種又は複数種の不飽和化合物並びに実施形態70から81のいずれか1つに記載の水素化触媒及び/又は実施形態1から33及び62のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体を用意する工程と、
(B)(A)において用意された1種又は複数種の不飽和化合物並びに実施形態70から81のいずれか1つに記載の水素化触媒及び/又は実施形態1から33及び62のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体を100~400℃の範囲に含まれる温度で水素と接触させる工程と
を含む、方法。
【0195】
83.1種又は複数種の不飽和化合物が、ポリマー化合物からなる群から、好ましくは石油化学樹脂からなる群から選択され、より好ましくは1種又は複数種の不飽和化合物が、粗ナフサの蒸留から得られるC9及び/又はC5留分の重合生成物を含み、より好ましくは1種又は複数種の不飽和化合物が、アルデヒド基及びニトロ基のうちの1つ又は複数を含む、実施形態82に記載の方法。
【0196】
84.ポリマー化合物が、ビニルトルエン、ジシクロペンタジエン、インデン、メチルスチレン、スチレン、メチルインデン、及びそれらのうちの2種以上の混合物からなる群から選択される1種又は複数種の化合物を含む1種又は複数種のモノマーの重合から得られ、好ましくは1種又は複数種のモノマーが、1種又は複数種のビニルトルエン、ジシクロペンタジエン、インデン、メチルスチレン、スチレン、及び1種又は複数種のメチルインデンを含む、実施形態83に記載の方法。
【0197】
85.(B)における接触させる工程が、150~350℃の範囲内の、好ましくは200~320℃の範囲内の、より好ましくは230~300℃の範囲内の、より好ましくは250~290℃の範囲内の、より好ましくは260~280℃の範囲内の、より好ましくは265~275℃の範囲内の温度で実施される、実施形態82から84のいずれか1つに記載の方法。
【0198】
86.(B)における接触させる工程が、0.1~10時間の範囲内の、好ましくは0.5~5時間の範囲内の、より好ましくは1~3時間の範囲内の、より好ましくは1.5~2.5時間の範囲内の、より好ましくは1.8~2.2時間の範囲内の期間実施される、実施形態82から85のいずれか1つに記載の方法。
【0199】
87.(B)における接触させる工程が、5~200barの範囲内の、好ましくは10~150barの範囲内の、より好ましくは30~120barの範囲内の、より好ましくは50~100barの範囲内の、より好ましくは70~90barの範囲内の、より好ましくは75~85barの範囲内の圧力で実施される、実施形態82から86のいずれか1つに記載の方法。
【0200】
88.(B)における接触させる工程が、かき混ぜ下で実施され、かき混ぜが、撹拌により好ましくは達成される、実施形態82から87のいずれか1つに記載の方法。
【0201】
89.(A)における反応ゾーンが、100質量-%の1種又は複数種の不飽和化合物に対して0.01~5質量-%、好ましくは0.05~3質量-%、より好ましくは0.1~2.5質量-%、より好ましくは0.3~2.1質量-%、より好ましくは0.5~1.8質量-%、より好ましくは0.7~1.5質量-%、より好ましくは0.8~1.3質量-%、より好ましくは0.9~1.1質量-%の水素化触媒前駆体を含む、実施形態82から88のいずれか1つに記載の方法。
【0202】
90.連続法又はバッチ法であり、好ましくは(B)における接触させる工程が、連続及び/又はバッチ条件下で、好ましくはバッチ条件下で実施される、実施形態82から89のいずれか1つに記載の方法。
【0203】
91.実施形態70から80のいずれか1つに記載の水素化触媒及び/又は実施形態1から33及び62のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体が、(A)に従って反応ゾーン内の固定層内に用意される、実施形態82から90のいずれか1つに記載の方法。
【0204】
92.脱芳香族化、脱硫化、好ましくは石油化学供給原料の脱硫化、及び水素化のうちの1つ又は複数における、好ましくは、1種又は複数種の不飽和化合物の、好ましくは不飽和ポリマー化合物の、より好ましくは石油化学樹脂又は石油化学供給原料の、より好ましくは粗ナフサの蒸留から得られるC9及び/又はC5留分の重合生成物を含む不飽和化合物の、より好ましくはアルデヒド基及びニトロ基のうちの1つ又は複数を含む官能基の水素化における、実施形態1から33及び62のいずれか1つに記載の水素化触媒前駆体の、及び/又は実施形態70から81のいずれか1つに記載の水素化触媒の使用。
【0205】
93.不飽和ポリマー化合物が、ビニルトルエン、ジシクロペンタジエン、インデン、メチルスチレン、スチレン、メチルインデン、及びそれらのうちの2種以上の混合物からなる群から選択される1種又は複数種の化合物を含む1種又は複数種のモノマーの重合から得られ、好ましくは1種又は複数種のモノマーが、1種又は複数種のビニルトルエン、ジシクロペンタジエン、インデン、メチルスチレン、スチレン、及び1種又は複数種のメチルインデンを含む、実施形態92に記載の使用。
【0206】
以下の参考例、比較例及び実施例により本発明を更に説明する。
【実施例
【0207】
(参考例1)
Hg侵入による全侵入体積の決定
規格ASTM D 4284-12に従って水銀圧入式ポロシメトリーによって全侵入体積を決定した。
【0208】
(参考例2)
吸着による全細孔容積の決定
DIN 66134又はASTM D4641-12に好ましくはしたがって、BJH法からの窒素吸着により全細孔容積を決定する。
【0209】
(参考例3)
pHの決定
WTW社製pH 3310 pH計でpHを測定した。各使用の前に、それぞれpH=7及びpH=10を有する校正用標準溶液を使用して、pH電極を室温で校正した。出発溶液のpHを室温で測定した。合成中にpH曲線を監視するために、沈殿条件に対応する条件(T=70℃)でpH値を毎分記録しながらpHを連続的に測定した。pH値の温度依存性を考慮する。
【0210】
(参考例4)
水素吸着容量(HAC)の決定
水素吸着容量(HAC)は、触媒作用に利用可能なニッケル表面積のレベルを決定する一般的な測定である。
【0211】
Micromeritics社製Autochem 2920を使用して、触媒のHACを測定した。典型的な試験手順については、0.1g触媒の試料を使用した。HACの決定前に前記試料を水素で活性化した。アルゴン雰囲気下10℃/分の速度で-75℃から700℃まで温度を上げる間に脱着される水素の量によりHACを決定する。HACをcm/g触媒単位で決定する。
【0212】
(参考例5)
昇温還元(TPR)におけるピーク極大の決定
昇温還元(TPR)は、最も効率的な還元条件を見出す不均一触媒のキャラクタリゼーションのための周知の技法であり、且つ還元ガス混合物をその上に流しながら、酸化された触媒前駆体をプログラムされた昇温に供することを含む。単純なコンテナ(典型的にはU字管)を固体又は触媒で充填する。温度制御装置を備えた炉内にこの試料容器を配置する。温度測定のために熱電対を固体中に置く。存在する空気を除去するために、コンテナを不活性ガスで充填する。流量コントローラーを使用して、アルゴン混合物中に水素を加える。ガス状混合物の組成物を試料コンテナの出口で適切な検出器で測定する。炉内の試料を既定値で加熱する。ある一定の温度で還元が起こる場合、水素が消費され、それは、例えば熱伝導度検出器(TCD)により記録される。次いで、そのようなTCD信号は、レベル校正を使用して活性ガスの濃度に変換される。特に示されない限り、本明細書及び請求項において、上記のプロトコルを使用して、以下の特定の設定を使用して、本発明のか焼物質(375℃で1.5時間)のTPRピークを測定する:Ar中のHの濃度:15%、ランプ速度:5℃/分、ガス流:20ml/分、及び試料サイズ:0.1g。ピーク極大は、還元の最大速度に対応する温度を示す。
【0213】
(参考例6)
見掛けのゆるめ嵩密度の決定
見掛けのゆるめ嵩密度は、いかなる外力も用いずに10分沈降後に100ml円筒型メスフラスコで測定される粉末の密度である。LABD(g/ml)=(G-T)/V(式中、Vは、10分の沈降後の粉末の実際の体積であり、Tは、空のメスフラスコの質量であり、Gは、充填されたメスフラスコの質量である)。
【0214】
(参考例7)
ハーゼン色の決定
本発明の文脈において、ハーゼンスケール、より適切に白金コバルト(Pt/Co)スケールとも呼ばれる用語「ハーゼン色」又は「APHA色」は、American Public Health Associationに因んで名付けられ、且つASTM D1209により定義された色標準を指す。
【0215】
実施例1~5及び比較例1~2による水素化触媒の実施例7による水素化試験から得られた樹脂の試料をそのハーゼン色に関して分析した。5cmキュベットを使用したHach Lange社LICO 500 Colorimeterでの測定値からハーゼン色を計算した。
【0216】
(実施例1)
ケイ素源として多孔質シリカを使用する水素化触媒の調製
水素化触媒を沈殿により調製した。4リットル容器内で、水2000mlを、1.7ml/gの特定の細孔容積(N吸着により決定された)を有する非常に多孔質のシリカ粉末100gと混合して、シリカ含有混合物を得た。流れ1について、塩化ニッケルの1000mlの水性溶液(89.9g/lのNi含有量を有する)を用意した。流れ2について、炭酸ナトリウム(220g/l)及びNaAlO 3.3gを含む920mlの水性溶液を用意した。
【0217】
シリカ含有混合物を60℃の温度まで加熱した。流れ1及び2を、温度を60℃に保ったよく撹拌されたシリカ含有混合物中に1時間以内で同時にポンピングした。したがって、沈殿温度は60℃であった。生じた反応混合物のpHは7.5であった。1時間後、沈殿が完了した。生じた固体物質を濾別し、およそ60lの冷水で洗浄した。次いで、固体物質を110℃のオーブン内で空気中で一晩乾燥した。
【0218】
乾燥固体物質は、34.6質量-%のNi含有量、0.86質量-%のAl含有量、35.9質量-%のSiO含有量及び0.07質量-%のNa含有量を有した。更に、乾燥固体物質は、本明細書に開示される通り決定された0.46kg/lの見掛けのゆるめ嵩密度を有した。
【0219】
得られた乾燥固体物質の試料を静止空気中375℃で1.5時間か焼した(加熱ランプ5℃/分)。か焼固体物質を、本明細書に開示される通りの決定法に従って分析した。か焼固体物質は、254m/gのBET比表面積、及びN吸着によって決定された0.52cm/gの全細孔容積を有した。更に、か焼固体物質は、Hg侵入によって決定された1.3cm/gの全侵入体積、昇温還元における384℃のピーク極大、25.9cm/g触媒の水素吸着容量を有した。
【0220】
残りの乾燥固体物質を水素で425℃で2時間活性化した。必要であれば、得られた固体物質を不動態化することができる。
【0221】
(実施例2)
ケイ素源として多孔質シリカを使用する水素化触媒の調製
沈殿温度を70℃に設定した実施例1に従って実施例2を調製した。
【0222】
乾燥固体物質は、34.1質量-%のNi含有量、0.9質量-%のAl含有量、36.2質量-%のSiO含有量及び0.06質量-%のNa含有量を有した。更に、乾燥固体物質は、本明細書に開示される通り決定された0.38kg/lの見掛けのゆるめ嵩密度を有した。
【0223】
得られた乾燥固体物質の試料を静止空気中375℃で1.5時間か焼した(加熱ランプ5℃/分)。か焼固体物質を、本明細書に開示される通りの決定法に従って分析した。か焼固体物質は、272m/gのBET比表面積、N吸着によって決定された0.51cm/gの全細孔容積を有した。更に、か焼固体物質は、Hg侵入によって決定された1.3cm/gの全侵入体積、昇温還元における387℃のピーク極大、24.2cm/g触媒の水素吸着容量を有した。
【0224】
残りの乾燥固体物質を水素で425℃で2時間活性化した。必要であれば、得られた固体物質を不動態化することができる。
【0225】
(実施例3)
ケイ素源として多孔質シリカを使用する水素化触媒の調製
水素化触媒を沈殿により調製した。4リットル容器内で、水2000mlを、1.7ml/gの特定の細孔容積を有する非常に多孔質のシリカ粉末100gと混合して、シリカ含有混合物を得た。流れ1について、塩化ニッケルの1000mlの水性溶液(89.9g/lのNi含有量を有する)を用意した。流れ2について、炭酸ナトリウム(204g/l)及びNaAlO 2.2gを含む1000mlの水性溶液を用意した。
【0226】
シリカ含有混合物を70℃の温度まで加熱した。流れ1及び2を、温度を70℃に保ったよく撹拌されたシリカ含有混合物中に1時間以内で同時にポンピングした。したがって、沈殿温度は70℃であった。生じた反応混合物のpHは7.5であった。1時間後、沈殿が完了した。生じた固体物質を濾別し、およそ81lの冷水で洗浄した。次いで、固体物質を110℃のオーブン内で空気中で一晩乾燥した。
【0227】
乾燥固体物質は、34.8質量-%のNi含有量、0.58質量-%のAl含有量、36.1質量-%のSiO含有量及び0.09質量-%のNa含有量を有した。更に、乾燥固体物質は、本明細書に開示される通り決定された0.4kg/lの見掛けのゆるめ嵩密度を有した。
【0228】
得られた乾燥固体物質の試料を静止空気中375℃で1.5時間か焼した(加熱ランプ5℃/分)。か焼固体物質を、本明細書に開示される通りの決定法に従って分析した。か焼固体物質は、271m/gのBET比表面積、N吸着によって決定された0.55cm/gの全細孔容積を有した。更に、か焼固体物質は、Hg侵入によって決定された1.3cm/gの全侵入体積、昇温還元における393℃のピーク極大、27.1cm/g触媒の水素吸着容量を有した。
【0229】
残りの乾燥固体物質を水素で425℃で2時間活性化した。必要であれば、得られた固体物質を不動態化することができる。
【0230】
(実施例4)
ケイ素源として多孔質シリカを使用する水素化触媒の調製
水素化触媒を沈殿により調製した。4リットル容器内で、水2000mlを、1.7ml/gの特定の細孔容積を有する非常に多孔質のシリカ粉末100gと混合して、シリカ含有混合物を得た。流れ1について、塩化ニッケルの1000mlの水性溶液(89.9g/lのNi含有量を有する)を用意した。流れ2について、炭酸ナトリウム(208g/l)及びNaAlO 4.4gを含む1000mlの水性溶液を用意した。
【0231】
シリカ含有混合物を70℃の温度まで加熱した。流れ1及び2を、温度を70℃に保ったよく撹拌されたシリカ含有混合物中に1時間以内で同時にポンピングした。したがって、沈殿温度は70℃であった。生じた反応混合物のpHは7.5であった。1時間後、沈殿が完了した。生じた固体物質を濾別し、およそ60lの冷水で洗浄した。次いで、固体物質を110℃のオーブン内で空気中で一晩乾燥した。
【0232】
乾燥固体物質は、33.9質量-%のNi含有量、1.1質量-%のAl含有量、35.5質量-%のSiO含有量及び0.04質量-%のNa含有量を有した。更に、乾燥固体物質は、本明細書に開示される通り決定された0.56kg/lの見掛けのゆるめ嵩密度を有した。
【0233】
得られた乾燥固体物質の試料を静止空気中375℃で1.5時間か焼した(加熱ランプ5℃/分)。か焼固体物質を、本明細書に開示される通りの決定法に従って分析した。か焼固体物質は、281m/gのBET比表面積、N吸着によって決定された0.44cm/gの全細孔容積を有した。更に、か焼固体物質は、Hg侵入によって決定された1.2cm/gの全侵入体積、昇温還元における410℃のピーク極大、24.8cm/g触媒の水素吸着容量を有した。
【0234】
残りの乾燥固体物質を水素で425℃で2時間活性化した。必要であれば、得られた固体物質を不動態化することができる。
【0235】
(実施例5)
ケイ素源として多孔質シリカを使用する水素化触媒の調製
水素化触媒を沈殿により調製した。4リットル容器内で、水2000mlを、1.7ml/gの特定の細孔容積を有する非常に多孔質のシリカ粉末100gと混合して、シリカ含有混合物を得た。流れ1について、塩化ニッケルの、及び11.9gのAlClを更に含む1000mlの水性溶液(89.9g/lのNi含有量を有する)を用意した。流れ2について、炭酸ナトリウム(200g/l)を含む860mlの水性溶液を用意した。
【0236】
シリカ含有混合物を70℃の温度まで加熱した。流れ1及び2を、温度を70℃に保ったよく撹拌されたシリカ含有混合物中に1時間以内で同時にポンピングした。したがって、沈殿温度は70℃であった。生じた反応混合物のpHは7.5であった。1時間後、沈殿が完了した。生じた固体物質を濾別し、およそ124lの冷水で洗浄した。次いで、固体物質を110℃のオーブン内で空気中で一晩乾燥した。
【0237】
乾燥固体物質は、35.3質量-%のNi含有量、0.99質量-%のAl含有量、37.7質量-%のSiO含有量及び0.04質量-%のNa含有量を有した。更に、乾燥固体物質は、本明細書に開示される通り決定された0.42kg/lの見掛けのゆるめ嵩密度を有した。
【0238】
得られた乾燥固体物質の試料を静止空気中375℃で1.5時間か焼した(加熱ランプ5℃/分)。か焼固体物質を、本明細書に開示される通りの決定法に従って分析した。か焼固体物質は、282m/gのBET比表面積、N吸着によって決定された0.45cm/gの全細孔容積を有した。更に、か焼固体物質は、Hg侵入によって決定された1.1cm/gの全侵入体積、昇温還元における397℃のピーク極大、23.1cm/g触媒の水素吸着容量を有した。
【0239】
残りの乾燥固体物質を水素で425℃で2時間活性化した。必要であれば、得られた固体物質を不動態化することができる。
【0240】
(実施例6)
ケイ素源として多孔質シリカを使用する水素化触媒の調製
水素化触媒を沈殿により調製した。4リットル容器内で、水2000mlを、1.7g/mlの特定の細孔容積を有する非常に多孔質のシリカ粉末100g及びNaAlO 3.5gと混合して、シリカ-アルミニウム含有混合物を得た。流れ1について、塩化ニッケルの1000mlの水性溶液(89.9g/lのNi含有量を有する)を用意した。流れ2について、炭酸ナトリウム(200g/l)を含む995mlの水性溶液を用意した。
【0241】
シリカ含有混合物を70℃の温度まで加熱した。流れ1及び2を、温度を70℃に保ったよく撹拌されたシリカ含有混合物中に1時間以内で同時にポンピングした。したがって、沈殿温度は70℃であった。生じた反応混合物のpHは7.5であった。1時間後、沈殿が完了した。生じた固体物質を濾別し、およそ81lの冷水で洗浄した。次いで、固体物質を110℃のオーブン内で空気中で一晩乾燥した。
【0242】
乾燥固体物質は、34.4質量-%のNi含有量、0.9質量-%のAl含有量、35.3質量-%のSiO含有量及び0.14質量-%のNa含有量を有した。更に、乾燥固体物質は、本明細書に開示される通り決定された0.36kg/lの見掛けのゆるめ嵩密度を有した。
【0243】
得られた乾燥固体物質の試料を静止空気中375℃で1.5時間か焼した(加熱ランプ5℃/分)。か焼固体物質を、本明細書に開示される通りの決定法に従って分析した。か焼固体物質は、253m/gのBET比表面積、N吸着によって決定された0.57cm/gの全細孔容積を有した。更に、か焼固体物質は、Hg侵入によって決定された1.4cm/gの全侵入体積、昇温還元における387℃のピーク極大、22.2cm/g触媒の水素吸着容量を有した。
【0244】
残りの乾燥固体物質を水素で425℃で2時間活性化した。必要であれば、得られた固体物質を不動態化することができる。
【0245】
(比較例1)
ケイ素源としてメタケイ酸ナトリウムを使用する水素化触媒の調製
水素化触媒を沈殿により調製した。水1600mlを46.5gの水性NaAlO溶液(51.6g/kg溶液のNaAlO含有量を有する)と混合することによりヒールを用意した。ヒールを90℃の温度まで加熱し、450rpmで撹拌した。132.2gのNiCl、AlCl・6HO 5.4g、及び水750mlを含む金属前駆体溶液を調製することにより流れ1を用意した。NaSiO・5HO 74g、NaCO 102.5g、及び水750mlを含む担体前駆体溶液を調製することにより流れ2を用意した。流れ1及び2を1時間の期間内及び90℃の反応混合物の温度でヒールに同時に加えた。反応混合物の最終pHは7.0~8.5の範囲内であった。
【0246】
1時間後、流れの添加が完了し、スラリーを得た。沈殿後のスラリーの全体積は3000mlであった。次いで、固体物質を濾別し、約40~60lの水で洗浄した。得られた固体物質を空気中100℃で一晩乾燥した。乾燥固体物質の収量は約120gであった。
【0247】
乾燥固体物質は、47.8質量-%のNi含有量、2.68質量-%のAl含有量、16.8質量-%のSiO含有量及び0.01質量-%のNa含有量を有した。更に、乾燥固体物質は、本明細書に開示される通り決定された0.15kg/lの見掛けのゆるめ嵩密度を有した。
【0248】
得られた乾燥固体物質の試料を静止空気中375℃で1.5時間か焼した(加熱ランプ5℃/分)。か焼固体物質を、本明細書に開示される通りの決定法に従って分析した。か焼固体物質は、298m/gのBET比表面積、N吸着によって決定された0.71cm/gの全細孔容積を有した。更に、か焼固体物質は、Hg侵入によって決定された3.19cm/gの全侵入体積、昇温還元における453℃のピーク極大、24.1cm/g触媒の水素吸着容量を有した。
【0249】
残りの乾燥固体物質を水素で425℃で2時間活性化し、続いて必要であれば不動態化した。
【0250】
(比較例2)
アルミニウムを用いない水素化触媒の調製
US9045410B2の実施例3に従って水素化触媒を調製した。
【0251】
乾燥固体物質は、33.9質量-%のNi含有量、37.3質量-%のSiO含有量及び0.06質量-%のNa含有量を有した。更に、乾燥固体物質は、本明細書に開示される通り決定された0.36kg/lの見掛けのゆるめ嵩密度を有した。
【0252】
得られた乾燥固体物質の試料を静止空気中375℃で1.5時間か焼した(加熱ランプ5℃/分)。か焼固体物質を、本明細書に開示される通りの決定法に従って分析した。か焼固体物質は、303m/gのBET比表面積、N吸着によって決定された0.57cm/gの全細孔容積を有した。更に、か焼固体物質は、Hg侵入によって決定された1.3cm/gの全侵入体積、昇温還元における395℃のピーク極大、28.2cm/g触媒の水素吸着容量を有した。
【0253】
(比較例3)
ケイ素源としてメタケイ酸ナトリウムを使用する水素化触媒の調製
US9045410B2の実施例1(参考)に従って水素化触媒を調製した。
【0254】
乾燥固体物質は、59.1質量-%のNi含有量、2.4質量-%のAl含有量、7.8質量-%のSiO含有量及び0.05質量-%のNa含有量を有した。更に、乾燥固体物質は、本明細書に開示される通り決定された0.29kg/lの見掛けのゆるめ嵩密度を有した。
【0255】
か焼固体物質の試料を、本明細書に開示される通りの決定法に従って分析した。か焼固体物質は、373m/gのBET比表面積、N吸着によって決定された0.48cm/gの全細孔容積を有した。更に、か焼固体物質は、昇温還元における471℃のピーク極大、及び25.3cm/g触媒の水素吸着容量を有した。
【0256】
(実施例7)
触媒試験
実施例1~6及び比較例1~2の水素化触媒を以下の手順に従って試験した。
【0257】
フィードとして高硫黄C9樹脂(硫黄含有量は125ppmであった)を使用してバッチ式反応器HP-9内で水素化試験を実施した。試料の活性を市販のNi 5338 P触媒に対して比較した。標準試験の条件は以下の通りであった:
かき混ぜ:1100rpm;
圧力:80bar;
温度:270℃;
フィード:75g樹脂/75g Exxsol D40;
運転時間:2時間;
触媒負荷:乾燥樹脂ベースで1.0%。
【0258】
炭化水素樹脂を水素化する触媒の反応速度(RRH)は、反応速度定数により表され、それは、0%~30%の間(並びに30~70%の間)の変換で線形回帰を実施することにより得られ、且つ2時間の水素化後に1/h単位で表される。比較例1のRRHで触媒のRRHを規格化することにより水素化活性を計算した。よりよい比較を可能にするために、比較例1による水素化触媒の活性を100%に設定した。
【0259】
【表1】
【0260】
table 1(表1)に示された結果から見て分かる通り、本発明による水素化触媒の触媒活性は、比較例のものよりも高いことが驚くべきことに見出された。したがって、前駆体から、特に、Alを含む前駆体から調製される水素化触媒は、改善された触媒活性を達成することができることが驚くべきことに見出された。
【0261】
更に、実施例1~5の触媒を使用する水素化試験から得られた樹脂は、比較例1~2の触媒を使用したときのものと同様の5~18の範囲内のハーゼン色を示したことが結果から見て分かる。
【0262】
特に、実施例1~5による水素化触媒は、反応速度定数k(0~30%)について比較例1~2による触媒前駆体と比較して、実施例7による水素化反応においてより高い活性を示すことがtable 1(表1)に示された結果から知ることができる。また、前記水素化触媒の触媒活性は、比較例2による触媒よりも高かった。加えて、反応速度定数k(30~70%)の触媒活性は、反応速度定数k(0~30%)のものよりも低いことが見出された。これは、本発明による水素化触媒並びに比較例2による水素化触媒に見出された。しかし、実施例1~4による水素化触媒の触媒活性は、比較例1の水素化触媒のものよりも高く、前記触媒の全体的に改善された性能を示した。
【国際調査報告】