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特表2024-520390ブロードバンドアナログフロントエンドを伴うマルチバンドデジタルデータネットワークインフラストラクチャ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】ブロードバンドアナログフロントエンドを伴うマルチバンドデジタルデータネットワークインフラストラクチャ
(51)【国際特許分類】
   H01Q 3/00 20060101AFI20240517BHJP
   H04W 72/0453 20230101ALI20240517BHJP
【FI】
H01Q3/00
H04W72/0453
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572571
(86)(22)【出願日】2022-05-24
(85)【翻訳文提出日】2024-01-19
(86)【国際出願番号】 US2022030638
(87)【国際公開番号】W WO2022251152
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】63/192,427
(32)【優先日】2021-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591072086
【氏名又は名称】バテル メモリアル インスティチュート
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ソーントン, ダグラス エー.
【テーマコード(参考)】
5J021
5K067
【Fターム(参考)】
5J021DB00
5J021GA02
5J021HA01
5J021HA05
5K067EE02
5K067EE10
5K067KK02
5K067KK03
(57)【要約】
マルチバンドデジタルデータネットワークインフラストラクチャは、アクセスポイント(AP)のネットワークを備える。各APは、支持基板上に配置される導電性テーパ状突出部の2次元アレイを備える差動セグメンテッドアパーチャ(DSA)と、異なる個別のワイヤレスサービスに対してDSAを構成するモジュール式アナログフロントエンド(MAFE)と、同相/直角位相(IQ)基板と、1つ以上のネットワークカードとを備える。APのネットワークは、異なるRFバンド内で動作する、2つ以上の異なるワイヤレス通信プロトコルをサポートする。いくつかの実施形態では、ネットワークの各APは、同一のDSAを使用して、セルラーサービスおよびWiFiサービスの両方をサポートする。いくつかの実施形態では、APのネットワークは、セルラーサービスのセル中継塔のネットワークを形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレスネットワークであって、
アクセスポイント(AP)のネットワークを備え、
各APは、
ブロードバンド電子操向可能アパーチャと、
前記ブロードバンド電子操向可能アパーチャを介して、複数の異なる周波数バンドにわたって、ワイヤレスメッセージを受信および伝送するために、前記ブロードバンド電子操向可能アパーチャと接続される、電子機器と
を含む、ワイヤレスネットワーク。
【請求項2】
前記電子機器は、前記ブロードバンド電子操向可能アパーチャを介して、400MHz~30GHzのスペクトル範囲内の前記複数の異なる周波数バンドにわたって、ワイヤレスメッセージを受信および伝送するために、前記ブロードバンド電子操向可能アパーチャと接続される、請求項1に記載のワイヤレスネットワーク。
【請求項3】
前記ブロードバンド電子操向可能アパーチャは、差動セグメンテッドアパーチャ(DSA)を備える、請求項1-2のいずれか1項に記載のワイヤレスネットワーク。
【請求項4】
前記複数の異なる周波数バンドは、600MHz~7.125GHzのスペクトル範囲内の第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))バンドを含む、請求項1-3のいずれか1項に記載のワイヤレスネットワーク。
【請求項5】
前記複数の異なる周波数バンドは、600MHz~7.125GHzのスペクトル範囲内の米国電気通信情報局(NTIA)バンドを含む、請求項1-4のいずれか1項に記載のワイヤレスネットワーク。
【請求項6】
前記複数の異なる周波数バンドは、5Gバンドを含む、請求項1-5のいずれか1項に記載のワイヤレスネットワーク。
【請求項7】
前記ワイヤレスネットワークは、少なくとも1つのセルラーサービスをサポートし、前記APは、セル中継塔を含む、請求項1-6のいずれか1項に記載のワイヤレスネットワーク。
【請求項8】
前記ワイヤレスネットワークは、少なくとも1つのオフィス5Gサービスをサポートし、前記APは、屋内APを含む、請求項1-7のいずれか1項に記載のワイヤレスネットワーク。
【請求項9】
前記APのネットワークのうちの少なくとも2つのAPは、同一のブロードバンド電子操向可能アパーチャを使用して、セルラーサービスおよびWiFiサービスの両方をサポートする、請求項1-8のいずれか1項に記載のワイヤレスネットワーク。
【請求項10】
前記電子機器は、個別のワイヤレスサービスに対して前記ブロードバンド電子操向可能アパーチャを構成する、複数のモジュール式アナログフロントエンド(MAFE)を含む、請求項1-9のいずれか1項に記載のワイヤレスネットワーク。
【請求項11】
無線機であって、
支持基板上に配置される導電性テーパ状突出部の2次元アレイを備える、差動セグメンテッドアパーチャ(DSA)と、
異なる個別のワイヤレスサービスに対して前記DSAを構成する、モジュール式アナログフロントエンド(MAFE)と、
同相/直角位相(IQ)基板と、
1つ以上のネットワークカードと
を備え、
前記IQ基板は、
(i)前記MAFEから受信されるアナログデータを、前記無線機の受信モードにおいて、前記1つ以上のネットワークカードに送達されるデジタルデータに変換すること、および/または
前記1つ以上のネットワークカードから受信されるデジタルデータを、前記無線機の伝送モードにおいて、前記MAFEに送達されるアナログデータに変換すること
のうちの少なくとも1つであるように構成される、無線機。
【請求項12】
デジタルIQ基板は、ビーム操向および/またはビーム形成のうちの少なくとも1つを実施する、請求項11に記載の無線機。
【請求項13】
前記1つ以上のネットワークカードは、複数のRFバンドに関するカバレッジを提供する、複数のネットワークカードを含む、請求項11-12のいずれか1項に記載の無線機。
【請求項14】
前記1つ以上のネットワークカードは、少なくとも1つのセルラーネットワークカードおよび少なくとも1つのWiFiネットワークカードを含む、請求項11-14のいずれか1項に記載の無線機。
【請求項15】
前記少なくとも1つのセルラーネットワークカードは、3Gネットワークカード、4Gネットワークカード、または5Gネットワークカードのうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の無線機。
【請求項16】
前記MAFEによってサポートされる前記複数のRFバンドは、Lバンド内のチャネル、Sバンド内のチャネル、および/またはCバンド内のチャネルのうちの少なくとも2つを含む、請求項11-15のいずれか1項に記載の無線機。
【請求項17】
前記MAFE、前記IQ基板、および前記1つ以上のネットワークカードは、前記導電性テーパ状突出部の2Dアレイをサポートする、前記支持基板の前面とは反対の前記DSAの前記支持基板の背面上に配置される、請求項11-16のいずれか1項に記載の無線機。
【請求項18】
マルチバンドデジタルデータネットワークインフラストラクチャであって、
アクセスポイント(AP)のネットワークを備え、
各APは、支持基板上に配置される導電性テーパ状突出部の2次元アレイを備える差動セグメンテッドアパーチャ(DSA)と、異なる個別のワイヤレスサービスに対して前記DSAを構成するモジュール式アナログフロントエンド(MAFE)と、同相/直角位相(IQ)基板と、1つ以上のネットワークカードとを含み、
前記APのネットワークは、異なるRFバンド内で動作する、2つ以上の異なるワイヤレス通信プロトコルをサポートする、マルチバンドデジタルデータネットワークインフラストラクチャ。
【請求項19】
前記ネットワークの各APは、同一のDSAを使用して、セルラーサービスおよびWiFiサービスの両方をサポートする、請求項18に記載のマルチバンドデジタルデータネットワークインフラストラクチャ。
【請求項20】
前記APのネットワークは、セルラーサービスのセル中継塔のネットワークを形成する、請求項18-19のいずれか1項に記載のマルチバンドデジタルデータネットワークインフラストラクチャ。
【請求項21】
前記APのネットワークは、屋内ワイヤレスネットワークのAPのネットワークを形成する、請求項18-19のいずれか1項に記載のマルチバンドデジタルデータネットワークインフラストラクチャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2021年5月24日に出願され、「Multiband Digital Data Network Infrastructure with Broadband Analog Front End」と題された、米国仮出願第63/192,427号の利益を主張する。
【0002】
(背景)
以下は、ワイヤレス通信技術、広域バンド通信技術、電気通信技術、WiFi技術、セルラー通信技術、および関連する技術に関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書に開示されるいくつかの例証的実施形態は、差動セグメンテッドアパーチャ(DSA)コンポーネントを採用する。いくつかのDSA実施形態は、例えば、その両方が、参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる、「Conformal/Omnidirectional Differential Segmented Aperture」と題される、米国公開第2020/0343646 A1号(特許文献1)および「Systems and Methods for Signal Communication With Scalable, Modular Network Nodes」と題される、米国公開第2020/0343929 A1号(特許文献2)において開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2020/0343646号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2020/0343929号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(簡単な要約)
本明細書に開示されるいくつかの例証的実施形態によると、ワイヤレスネットワークは、アクセスポイント(AP)のネットワークを備える。各APは、ブロードバンド電子操向可能アパーチャと、ブロードバンド電子操向可能アパーチャを介して、複数の異なる周波数バンドにわたって、ワイヤレスメッセージを受信および伝送するために、ブロードバンド電子操向可能アパーチャと接続される電子機器とを含む。
【0006】
本明細書に開示されるいくつかの例証的実施形態によると、無線機は、支持基板上に配置される導電性テーパ状突出部の2次元アレイを備える、差動セグメンテッドアパーチャ(DSA)と、異なる個別のワイヤレスサービスに対してDSAを構成する、モジュール式アナログフロントエンド(MAFE)と、同相/直角位相(IQ)基板と、1つ以上のネットワークカードとを含む。IQ基板は、(i)MAFEから受信されるアナログデータを、無線機の受信モードにおいて、1つ以上のネットワークカードに送達されるデジタルデータに変換すること、および/または1つ以上のネットワークカードから受信されるデジタルデータを、無線機の伝送モードにおいて、MAFEに送達されるアナログデータに変換することのうちの少なくとも1つであるように構成される。
【0007】
本明細書に開示されるいくつかの例証的実施形態によると、マルチバンドデジタルデータネットワークインフラストラクチャは、アクセスポイント(AP)のネットワークを備える。各APは、支持基板上に配置される導電性テーパ状突出部の2次元アレイを備える、差動セグメンテッドアパーチャ(DSA)と、異なる個別のワイヤレスサービスに対してDSAを構成する、モジュール式アナログフロントエンド(MAFE)と、同相/直角位相(IQ)基板と、1つ以上のネットワークカードとを含む。APのネットワークは、異なるRFバンド内で動作する、2つ以上の異なるワイヤレス通信プロトコルをサポートする。いくつかの実施形態では、ネットワークの各APは、同一のDSAを使用して、セルラーサービスおよびWiFiサービスの両方をサポートする。いくつかの実施形態では、APのネットワークは、セルラーサービスのセル中継塔のネットワークを形成する。いくつかの実施形態では、APのネットワークは、屋内ワイヤレスネットワークのAPのネットワークを形成する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図面に示される任意の定量的寸法は、非限定的な例証的実施例として理解されるものとする。別様に示されない限り、図面は、縮尺通りではなく、図面の任意の側面が、縮尺通りであるものとして示される場合、図示される縮尺は、非限定的な例証的実施例として理解されるものとする。
【0009】
図1図1は、広域バンド無線機の分解図を図式的に示す。
【0010】
図2図2は、図1の広域バンド無線機のRFアパーチャの斜視図を図式的に示す。
【0011】
図3図3は、図1の広域バンド無線機の組立図を図式的に示す。
【0012】
図4図4は、図1-3の広域バンド無線機の4つのインスタンスを採用する、マルチテナント5G/WiFi6屋外ネットワーク構成を図示的に示す。
【0013】
図5図5は、図1-3の広域バンド無線機の3つのインスタンスを採用する、プライベート5G/WiFi6ネットワーク構成を図式に示す。
【0014】
図6図6は、図1-3の広域バンド無線機のインスタンスを採用する、モバイルフィールド動作に関するネットワーク構成を図式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(詳細な説明)
本明細書に開示されるものは、広域バンドアレイ型アパーチャと、数百MHzのバンド幅上でデジタル的に動作することが可能であるマルチチャネルRF信号チェーンとの組み合わせを備える、実施形態である。本明細書に開示される実施形態は、単一のデバイスが、電気通信のためのマルチバンド、マルチ通信事業者、およびマルチ機能無線機ユニットを提供することを有効にする。規格準拠であるように好適に構成されるそのような無線機ユニットは、1つ以上の無線アクセスネットワークの中にプラグインされ、複数のテレコム通信事業者、または複数のバンド/ネットワーク(3G、4G、5G等)/波形(3GPP(登録商標)、WiFi、FM等)に関するカバレッジを提供することができる。マルチ素子ビーム形成を通して、各信号は、傾動、ビーム幅、およびセクタ化の動的デジタル制御を有効にする、それ自体のビームパターンを有する。
【0016】
既存の5G施設の配設は、ファイバを延設する、電力を供給する、規制当局許可を得る、および配設自体を実施する際に、非常に多額な費用を必然的に伴う。本プロセスは、18ヶ月以上かかり、非常に多くのスタッフの労力を伴う一方、リスクにも曝され得る。後で配設を修正することは、再許可を要求し、これは、3~6ヶ月のプロセスであり得る。
【0017】
本明細書に開示される実施形態は、複数のバンドをサポートし、バンド間を動的に切り替えることが可能である、単一の無線機ユニット(RU)を有することによって、5G施設およびそれらの施設を再構成するための往復の数を低減させる。本無線機ユニットは、無線機システムのコストを低減させながら、それを行う。箱の数を低減させることを通して、許可、エンクロージャ、および柱のコスト、ならびに配設もまた、低減される。
【0018】
既存のマルチテナント施設に伴う付加的な問題は、各ネットワーク通信事業者が、ビームパターンおよび傾動等の同一の動作パラメータに束縛されることである。
【0019】
本明細書に開示される実施形態では、ビーム形成技法は、各信号が、それ自体のビームパターンおよび傾動を有することを有効にする。これは、より良好な性能および変化するネットワークの必要性に対するより速い適合を有効にする。
【0020】
これらの特徴の組み合わせは、ネットワークの資本および保守コストを約50%またはそれ以上減少させる一方、より高い性能もまた提供することができる。
【0021】
本明細書に開示されるある実施形態のいくつかの側面は、単一のデバイス、マルチバンド、マルチ波形無線機ユニットを提供することと、単一のデバイスからマルチネットワークに対して独立して制御されるデジタル操向およびビーム形成を提供することと、4G、5G、WiFi6等を含むプライベート/コミュニティネットワークのための複数の有ライセンスまたは無ライセンスバンド内で動作する単一のデバイスを提供することと、単一のアパーチャおよび単一のデジタイザ/無線機基板が、現場内で実行可能である方法において、デバイスの外観に対する変更を伴うことなく、異なる信号および周波数に適するように適合されることを有効にする、モジュール式アナログフロントエンドを提供することと、同一のアパーチャおよび電子機器が複数のネットワーク通信事業者または複数のネットワークタイプ(5G、LTE、WiFi等)をサポートする、マルチテナント無線機ユニットとしての役割を果たす、単一のデバイスを提供することと、アンテナを変更または移動させることなく、周波数および波形を切り替えるようにデジタル的に再プログラミングされ得る、単一のデバイスを提供することと、同時動作の異なる周波数に関する異なる電子的傾動をサポートし得、その傾動を動的に制御する、無線機を提供することとを含む。所与の実施形態は、上記の側面および/または利点のうちの1つ、それを上回るもの、または全てを含み得る。
【0022】
図1を参照すると、広域バンド無線機8の分解図が、示されている。本明細書に開示される広域バンド無線機8の実施形態は、少なくとも1GHz幅、いくつかの実施形態では、数ギガヘルツ幅において、連続周波数範囲において操向可能である、広域バンドアパーチャ10を備える。いくつかの例証的実施形態では、広域バンド無線周波数(RF)アパーチャ10は、同時電子操向、偏波分離、および多ギガヘルツの広域バンドをサポートする、差動セグメンテッドアパーチャ(DSA)10であることができる。いくつかの例証的DSA実施形態は、例えば、その両方が、参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる、「Conformal/Omnidirectional Differential Segmented Aperture」と題される、米国公開第2020/0343646 A1号および「Systems and Methods for Signal Communication With Scalable, Modular Network Nodes」と題される、米国公開第2020/0343929 A1号において開示されている。
【0023】
引き続き図1を参照し、図1の広域バンド無線機のRFアパーチャ10の斜視図を示す図2をさらに参照すると、RFアパーチャ10のいくつかの好適な実施形態がさらに、説明されている。例えば、米国公開第2020/0343929 A1号において開示されるように、DSA10は、プリント回路基板(PCB)または他の支持基板14の前面上に配置される底面を有し、支持基板14の前面から離れるように延在する、導電性テーパ状突出部12の2次元(2D)アレイを備えてもよい。図1は、DSA10の側面図を示し、導電性テーパ状突出部12の2Dアレイの単一の行を示す一方、図2は、導電性テーパ状突出部12の2Dアレイを描写する斜視図を示す。導電性テーパ状突出部12は、任意のタイプの断面(例えば、示されるような正方形、または円形、六角形、八角形、もしくはその他)を有することができる。突出部12の頂点は、平坦であることができる、または(図1および2に示されるように)鋭点になり得る、または丸みを帯びる、もしくはいくつかの他の頂点幾何学形状を有することもできる。高さの関数としてのテーパ状率(すなわち、頂点が最大の「高さ」において存在する状態における、突出物の底面の「上方」の距離)は、挿入図の実施例等のように、一定であり得る、またはテーパ状率は、高さとともに可変であり得、例えば、テーパ状率は、丸みを帯びた頂点を伴う突出物を形成するように、高さを増加させるにつれて増加し得る、またはより尖った先端を伴う突出物を形成するように、高さを増加させるにつれて減少し得る。同様に、導電性テーパ状突出部12の2Dアレイは、規則的な行および直交する規則的な列を伴う直線アレイであることができる、または本アレイは、他の対称性、例えば、六角形の対称性、八角形の対称性、またはその他を有してもよい。一例証的実施例では、各突出部12の底面は、正方形の底面であり、導電性テーパ状突出部12は、4つの平坦な傾斜側壁を有するが、しかしながら、他の側壁形状が、想定され、例えば、底面および頂点が、円形である(または底面が円形であり、頂点が点になる)場合、側壁は、好適には、傾斜またはテーパ状円筒形であり得、六角形の底面および六角形または尖った頂点に関して、好適には、6つの傾斜側壁が存在し得る等となる。DSA10は、導電性テーパ状突出部12の隣接する対に対応する差動RF受信(またはRF伝送)素子を有する。一般的には、N個の導電性テーパ状突出部の行(または列)を有する、導電性テーパ状突出部12の直線アレイに関して、行(または列)に沿って、対応するN-1個のピクセルが存在するであろう。
【0024】
引き続き図1を参照すると、RFアパーチャ10に取り付けられるのは、1つを上回るモジュール式アナログフロントエンド(MAFE)20である。これらのMAFEは、RFアパーチャ10のサブ素子に取り付けられ、MAFE20の数は、多重入出力(MIMO)動作に関する所望のアンテナ計数に基づいて選定されることができる。各MAFE20は、増幅およびフィルタリングを有し、周波数変換を含む場合とそうではない場合がある。MAFE20自体は、複数の動作バンドをサポートし得る。これらの動作バンドは、連続的である場合とそうではない場合がある。例えば、MAFEは、Lバンド内では20MHz、Sバンド内では40MHz、Cバンド内では100MHzのチャネルをサポートし、同時に、各バンドは、それ独自のフィルタ、増幅器、(周波数分割二重のための)ダイプレクサまたは(時分割二重のための)伝送受信スイッチを有し得る。RFアパーチャ10を横断するMAFE20は、同一である必要はないが、しかしながら、いくつかの実施形態では、アパーチャ内に、同一のMAFE20のうちの少なくとも2つが存在する。異種MAFEを通して、アパーチャは、細分割され、より多くの同時信号をサポートする。MAFE20は、好ましくは、RFアパーチャ10の近傍に配置され、信号損失、ノイズ、およびコストを低減させる。MAFE20は、随意に、現場交換可能であるように設計され、したがって、無線機8の個性は、外観のいかなる修正も伴うことなく、その場で変更されることができる。その機能が、その外観を変更することなく変更され得るため、本特徴は、有利なこととして、デバイスの再許可を得るコストを低減させる。
【0025】
図1の例証的実施形態では、MAFE20は、ひいては、アナログデータをデジタルデータに変換(受信)、またはデジタルデータをアナログデータに変換(伝送)するデジタル同相/直角位相(IQ)基板またはカード22に接続する。デジタルIQ基板22はまた、ビーム操向およびビーム形成、ならびにチャネライゼーションを実施し得る。デジタルIQ基板22の出力および入力は、デジタルI/Q(同相および直角位相)データである。これらのデータは、拡張一般公衆無線インターフェース(eCPRI)またはオープン無線アクセスネットワーク(O-RAN)等の標準化されたフォーマットに準拠し得る。デジタルIQ基板22は、1つ以上のネットワークカード24と接続される。これらのネットワークカード24は、1つ、2つ、またはそれを上回るテレコム通信事業者、ならびに/もしくはマルチバンド/ネットワーク(3G、4G、5G等)/波形(3GPP(登録商標)、WiFi、FM等)に関するカバレッジを提供するために選択されてもよい。
【0026】
図3を参照すると、図1の広域バンド無線機8の組立図が、示されている。図3に図式的に描写されるように、デジタルIQ基板またはカード22はまた、好ましくは、RFアパーチャ10の近傍に位置し、コスト、重量を低減させ、性能を増加させる。例えば、図3は、RFアパーチャ10のコンパクトな配列を示しており、支持基板14上に配置される導電性テーパ状突出部12を含み、MAFE20ならびにデジタルIQ基板またはカード22およびネットワークカード24は、支持基板14の背面に近接近して搭載される。
【0027】
図1-3の広域バンド無線機8では、DSA10は、非限定的な例証的実施例として、広域バンド、例えば、FR1バンド(400MHz~7.125GHz)のカバレッジを有効にする。DSA10は、サブ半波長間隔を伴って機能する非共振素子を使用し、よりコンパクトかつマルチバンドのマルチアンテナデバイスを有効にし、これは、スペクトル効率を増加させる。規格準拠(例えば、O-RAN、eCPRI)のデジタルバックエンドを伴う共通設計を通して、無線機8は、マルチバンド能力を用いて、8T8R(8個の伝送/8個の受信アンテナ素子)~64T64R(64個の伝送/64個の受信アンテナ素子)およびそれ以上のアジャイル5G無線機ユニット(RU)能力を有効にする。例えば、DSA有効無線機8は、20MHzチャネル内のバンド3上でのロングタームエボリューション(LTE)を提供する一方、同時に、100MHzチャネル内のn78上で5Gを提供し、スタンドアロン(SA)に対してデジタル的に更新され得る、単一のデバイス5G非スタンドアロン(NSA)ソリューションを生成することができる。
【0028】
ここで図4および5を参照すると、図1-3に描写されるもの等の広域バンド無線機8を採用する種々のネットワーク構成が、想定される。例えば、図4に図式的に示されるように、例えば、セル中継塔または(例えば、随意に、5GおよびWiFi能力の両方を含む)他のタイプの屋外ワイヤレス中継塔として実装される、屋外ユニットのみを提供すること、例えば、オフィスビルのためのローカル5Gまたはハイブリッド5G/WiFiネットワークを提供する、屋内ユニットのみを提供すること、または図5に示されるような屋外ユニットおよび屋内ユニットの組み合わせを提供することが想定される。
【0029】
図4は、広域バンド無線機8の4つの例証的インスタンスを採用する、マルチテナント5G/WiFi6屋外ネットワーク構成を描写し、柱搭載型広域バンド無線機8-1と、回線搭載型広域バンド無線機8-2と、2つの対向して面する広域バンド無線機8-3および8-4から構成される光搭載型マルチパネル構成とを含む。図4では、「CU」は、ネットワークの集中型ユニットを示す一方、「DU」は、ネットワークの分散型ユニットを示す。広域バンド無線機8-1、8-2、8-3、および8-4は、例えば、5Gまたは他のセルラーサービスのセル中継塔の形態において、アクセスポイント(AP)としての役割を果たし得る。
【0030】
図5は、広域バンド無線機8の3つの例証的インスタンスを採用する、プライベート5G/WiFi6ネットワーク構成を描写し、屋内でのワイヤレス通信を提供するための2つの天井搭載型広域バンド無線機8-5および8-6と、住居を外部ネットワーク(図4に示される屋外ネットワーク等)と接続するための外部搭載型広域バンド無線機8-7とを含む。例えば、天井搭載型広域バンド無線機8-5および8-6は、少なくとも1つのオフィス5Gサービスをサポートする、ワイヤレスネットワークの一部であり得、天井搭載型広域バンド無線機8-5および8-6は、ワイヤレスネットワークの屋内アクセスポイント(AP)を形成する。
【0031】
これらの実施例では、本明細書で使用されるように、「テナント」は、任意のワイヤレスサービス、例えば、5Gワイヤレスセルラーサービスプロバイダ、またはローカルオフィス5Gサービス、もしくはその他であり得る。(いくつかの例証的実施例では)少なくとも1GHz幅または数ギガヘルツ幅の周波数範囲にわたって電子的に操向可能かつ動作可能である、広域バンドRFアパーチャ10を伴う広域バンド無線機8の使用は、本統一型ワイヤレスアーキテクチャが、広範なテナントを提供することを有効にする一方、各テナントに、ビーム傾動、ビームパターン(例えば、幅)、信号振幅、およびその他等の因子に関する柔軟性を提供する。異なるビームパラメータを用いて異なるバンド内で動作する複数のテナントによるワイヤレス通信は、単一のアパーチャを使用して、同時に行われ得る。有利なこととして、図4および5の例示的ネットワークの広域バンド無線機8は、同一のブロードバンド電子操向可能アパーチャ(例えば、ブロードバンド無線機8)を使用して、セルラーサービス(例えば、5G)およびWiFiサービスの両方をサポートすることができる。
【0032】
図6は、図1-3の広域バンド無線機8の例証的インスタンスを採用する、モバイルフィールド動作に関するネットワーク構成を図式的に示し、無線機8は、再度、支持基板14の前面上に配置される底面を有する導電性テーパ状突出部12を伴うRFアパーチャ10と、アナログフロントエンド20と、アナログ-デジタル/デジタル-アナログ変換を提供するデジタルIQ基板22と、1つ以上のネットワークカード24とを含む。軍事または隠密目的のための移動性現場動作では、RF通信プロトコルは、例えば、特殊化された暗号化、スペクトル、および/または空間的機敏性、および/またはその他を採用する非標準プロトコルであってもよい。したがって、本実施形態では、1つ以上のネットワークカード24は、随意に、1つ以上の特別にプログラミングされたフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)コンポーネントを備えてもよい。例証的実施例として、広域バンド無線機8は、いくつかの非限定的実施例では、600MHz~8GHzのアパーチャを提供し得る。そのような動作のための例証的現場機器は、実施例として、無人航空機(UAV、すなわち、ドローン)30、ノートブックコンピュータまたは他のモバイルコンピュータ32、種々のセンサ34、セルラー36、および/またはその他を含み得る。図6の右側に図式的に示されるように、バックエンド無線機ユニット(RU)38は、2つ以上のそのような広域バンド無線機8を使用して構築され、gNodeBおよび5Gコア等の種々の通信プロトコルをサポートすることができる。図6のもの等の実施形態は、例えば、動作および種々のロケールおよび競合環境を有効にする、600MHz~7.125GHzの第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))および電気通信情報局(NTIA)バンド内の周波数機敏性等、強化された能力を伴う、専用の5Gネットワーク(または他のプロトコルネットワーク)を提供することができる。空間的機敏性は、シグネチャを低減させ、変化するスペクトル環境に対する適合を有効にする。本システムは、5G RUからコアまでのコードの完全な監査能力を提供し、信頼される5Gソリューションを提供し、これは、随意に、O-RAN、進化型一般公衆無線インターフェース(eCPRI)またはその他等のオープン標準を利用し、ベンダロックインを排除する。本システムは、5Gコア交換可能であることができる。マルチギガビット接続は、商業用オフザシェルフ(COTS)および軍事用にカスタマイズされたユーザ機器の両方に提供され、コストを低減させ、業界に後れを取らず、高バンド幅能力を提供することができる。
【0033】
家庭内用途に関して、高度RFアパーチャおよび電子機器を伴う、開示される広域バンド無線機8は、多バンドかつ操向可能5Gネットワーク内で使用されることができる。DSA10は、コンパクトな電子機器に対する価値の空間的およびスペクトル的機敏性を促進する一方、種々のコンポーネント20、22、24内で使用される微小電子機器は、FR1バンド(400MHz~7.125GHz)全体を通して広がる、250MHzを超過する高い瞬時バンド幅を有効にする。90度のセクタサイズは、各象限内で、2Gbitの利用可能なスループットを生成する。オープン標準の接続性を伴う、COTS 5Gコアおよび無線アクセスネットワーク(RAN)ソフトウェアの利用は、高速かつ費用対効果が高く、監査可能な5Gソリューションを提供する。DSA10の操向能力および高いチャネル計数(32/64)は、サブ6GHzバンド内であっても、大規模なマルチユーザMIMOを確立する。5Gネットワークセキュリティアーキテクチャは、吟味された波形および加入者識別モジュール(SIM)ベースの認証を提供し、セキュアなネットワークを提供および維持する。
【0034】
ある実施形態では、5Gシステムは、以下、すなわち、多バンド動作(少なくとも、3バンド、2並列)、スループット、シグネチャ、および干渉利益をサポートするための操向、ギガビットスループット、COTSおよび/または設計特有のユーザ機器の利用、ならびに船上環境等の環境内の動作を提供する、DSAベースのアナログフロントエンドを使用して設計される。
【0035】
一般に、DSA10と組み合わせられる、好適なモジュール式アナログフロントエンド(MAFE)20、モジュール式デジタルIQ基板22、およびネットワークカード24の使用を通して、無線機8は、電子戦争(EW)、信号インテリジェンス(SIGINT)、画像インテリジェンス(IMINT)、C4I等の指揮統制、TTL、およびその他等、ある範囲の用途において展開されることができる。無線機8は、広域バンドソフトウェア無線(SDR)を実装することができる。
【0036】
図4-6の例示的ネットワークおよび本明細書に説明される変型では、広域バンド無線機8は、アクセスポイント(AP)8のネットワークを形成し、各AP8は、ブロードバンド電子操向可能アパーチャ10(例えば、例証的DSA10)と、ブロードバンド電子操向可能アパーチャ10に接続される電子機器20、22、24とを含み、ブロードバンド電子操向可能アパーチャ10を介して、複数の異なる周波数バンドにわたって、例えば、400MHz~30GHzのスペクトル範囲内でワイヤレスメッセージを受信および伝送する。いくつかの実施形態では、複数の異なる周波数バンドは、600MHz~7.125GHzのスペクトル範囲内の第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))バンドを含んでもよい。いくつかの実施形態では、複数の異なる周波数バンドは、600MHz~7.125GHzのスペクトル範囲内の電気通信情報局(NTIA)バンドを含んでもよい。いくつかの実施形態では、複数の異なる周波数バンドは、5Gバンドを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ワイヤレスネットワークは、少なくとも1つのセルラーサービスをサポートし、AP8は、セル中継塔(例えば、図4の実施例のセル中継塔8-1、8-2、8-3、および8-4)を含む。いくつかの実施形態では、ワイヤレスネットワークは、少なくとも1つのオフィス5Gサービスをサポートし、AP8は、屋内AP(例えば、図5の実施例の屋内AP8-5および8-6)を含む。いくつかの実施形態では、APのネットワークのうちの少なくとも2つのAP8が、同一のブロードバンド電子操向可能アパーチャ(例えば、ブロードバンド無線機8)を使用して、セルラーサービス(例えば、5G)およびWiFiサービスの両方をサポートする。いくつかの実施形態では、電子機器20、22、24は、個別のワイヤレスサービスに対してブロードバンド電子操向可能アパーチャ10を構成する、複数のモジュール式アナログフロントエンド(MAFE)20を含む。
【0037】
好ましい実施形態が、例証され、説明されている。明白なこととして、修正および改変が、前述の詳細な説明を精読および理解することに応じて、当業者に想起されるであろう。本発明は、それらが、添付の請求項またはその均等物の範囲内にある限りにおいて、全てのそのような修正および改変を含むものとして解釈されることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】