(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】置換されるカルバメート大環状化合物および関連のある治療方法
(51)【国際特許分類】
C07D 498/08 20060101AFI20240517BHJP
A61K 31/439 20060101ALI20240517BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240517BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
C07D498/08 CSP
A61K31/439
A61P25/00
A61P21/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572623
(86)(22)【出願日】2022-05-25
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 US2022030841
(87)【国際公開番号】W WO2022251304
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506350023
【氏名又は名称】アルカーメス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100095832
【氏名又は名称】細田 芳徳
(74)【代理人】
【識別番号】100187850
【氏名又は名称】細田 芳弘
(72)【発明者】
【氏名】ペニントン,ルイス,ディー.
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ヨンギ
(72)【発明者】
【氏名】ヒューン,ホアン
(72)【発明者】
【氏名】アクイラ,ブライアン,エム.
(72)【発明者】
【氏名】マッジ,インゴ,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】フー,ユエン
(72)【発明者】
【氏名】ウッズ,ジェームズ,アール.
(72)【発明者】
【氏名】ライマー,ブライアン,ケネス
(72)【発明者】
【氏名】ベンツィエン,イョルグ,マーティン
(72)【発明者】
【氏名】レーマン,ジョナサン,ウォード
(72)【発明者】
【氏名】ヘール,マイケル,アール.
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB22
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA94
4C086ZC41
(57)【要約】
本発明は、ナルコレプシーまたはカタプレキシーの治療を必要とする被験体におけるナルコレプシーまたはカタプレキシーの治療に有用な化合物(I)を提供する。関連のある医薬組成物および方法も本明細書に提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】
(式中:
nは1、2または3であり;
Eは、H、ヒドロキシル、NR
aR
b、C(=O)NR
aR
b、C
1-C
3アルキレン-NR
aR
b、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールおよびC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)からなる群より選択され、ここでC
1-C
3アルキレン-NR
aR
b、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキルもしくはC
1-C
3アルコキシルで置換され;
TはCR
1R
2またはOであり;
WはCR
4R
5またはOであり;
UはCR
6R
7であり;
XはCR
8R
9であり;
VはCR
3またはNであり;
Zは(CR
12R
13)
mであり;
Rは、H、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールおよびC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)からなる群より選択され、ここでC
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3アルコキシルもしくはNR
cR
dで置換され;
R
a、R
b、R
cおよびR
dはそれぞれ独立して、Hまたは非置換C
1-C
3アルキルであり;
mは1、2、3または4であり;
およびさらに:
R
1、R
2、R
4およびR
5はそれぞれ独立して、H、ヒドロキシル、ハロゲンおよび重水素からなる群より選択され;
または代替的に、R
2およびR
5は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、単結合を形成し;
R
3は、H、重水素、ハロゲン、ヒドロキシルおよびシアノからなる群より選択され;
または代替的に、R
3およびR
1は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C
3-C
5シクロアルキルを形成し;
または代替的に、R
3およびR
4は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C
3-C
5シクロアルキルを形成し;
R
6、R
7、R
8、R
9およびR
11はそれぞれ独立して、H、ヒドロキシル、ハロゲンおよび重水素からなる群より選択され;
それぞれのR
12およびR
13は独立して、H、ハロゲン、重水素、非置換C
1-C
3アルキルおよびヒドロキシルまたは1つ以上のハロゲンで置換されるC
1-C
3アルキルからなる群より選択され;
R
14、R
15およびR
16はそれぞれ独立して、H、非置換C
1-C
3アルキルまたは1つ以上のハロゲンで置換されるC
1-C
3アルキルからなる群より選択され;
それぞれのR
17およびR
18は独立して、H、非置換C
1-C
3アルキルまたは1つ以上のハロゲンで置換されるC
1-C
3アルキルからなる群より選択される)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項2】
nが1である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
nが2である、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
TがCR
1R
2である、前記請求項いずれか記載の化合物。
【請求項5】
TがOである、請求項1~3いずれか記載の化合物。
【請求項6】
WがCR
4R
5である、前記請求項いずれか記載の化合物。
【請求項7】
WがOである、請求項1~5いずれか記載の化合物。
【請求項8】
VがCR
3である、前記請求項いずれか記載の化合物。
【請求項9】
Eが、C(=O)NR
aR
b、C
1-C
3アルキレン-NR
aR
b、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールおよびC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)からなる群より選択され、C
1-C
3アルキレン-NR
aR
b、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)が、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキルもしくはC
1-C
3アルコキシルで置換される、前記請求項いずれか記載の化合物。
【請求項10】
Eが、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールおよびC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)からなる群より選択され、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)が、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキルもしくはC
1-C
3アルコキシルで置換される、請求項1~8いずれか記載の化合物。
【請求項11】
Eが、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキルおよびC
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)からなる群より選択され、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキルまたはC
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)が、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキルもしくはC
1-C
3アルコキシルで置換される、請求項1~8いずれか記載の化合物。
【請求項12】
Eが、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールおよびC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)からなる群より選択され、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)が、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキルもしくはC
1-C
3アルコキシルで置換される、請求項1~8いずれか記載の化合物。
【請求項13】
Eが、4~7員ヘテロシクリルおよびC
1-C
3アルキレン-(4~7員ヘテロシクリル)からなる群より選択され、4~7員ヘテロシクリルまたはC
1-C
3アルキレン-(4~7員ヘテロシクリル)が、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキルもしくはC
1-C
3アルコキシルで置換される、請求項1~8いずれか記載の化合物。
【請求項14】
Rが、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニルおよびC
2-C
4アルキニルからなる群より選択され、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニルまたはC
2-C
4アルキニルが、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3アルコキシルもしくはNR
cR
dで置換される、前記請求項いずれか記載の化合物。
【請求項15】
Rが、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールおよびC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)からなる群より選択され、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)が、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3アルコキシルもしくはNR
cR
dで置換される、請求項1~13いずれか記載の化合物。
【請求項16】
TがCR
1R
2であり、WがCR
4R
5であり、VがCR
3である、請求項1~4、6または8~15いずれか一項記載の化合物。
【請求項17】
mが1または2である、前記請求項いずれか記載の化合物。
【請求項18】
mが1である、請求項1~16いずれか記載の化合物。
【請求項19】
【化2】
からなる群より選択される化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項20】
式II:
【化3】
(式中:
nは1、2または3であり;
Eは、H、ヒドロキシル、NR
aR
b、C(=O)NR
aR
b、C
1-C
3アルキレン-NR
aR
b、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールおよびC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)からなる群より選択され、ここでC
1-C
3アルキレン-NR
aR
b、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキルもしくはC
1-C
3アルコキシルで置換され;
TはCR
1R
2またはOであり;
WはCR
4R
5またはOであり;
UはCR
6R
7であり;
XはCR
8R
9であり;
VはCR
3またはNであり;
Zは(CR
12R
13)
mであり;
Rは、H、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールおよびC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)からなる群より選択され、ここでC
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3アルコキシルもしくはNR
cR
dで置換され;
R
a、R
b、R
cおよびR
dはそれぞれ独立して、Hまたは非置換C
1-C
3アルキルであり;
mは2、3、4または5であり;
およびさらに:
R
1、R
2、R
4およびR
5はそれぞれ独立して、H、ヒドロキシル、ハロゲンおよび重水素からなる群より選択され;
または代替的に、R
2およびR
5は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、単結合を形成し;
R
3は、H、重水素、ハロゲン、ヒドロキシルおよびシアノからなる群より選択され;
または代替的に、R
3およびR
1は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C
3-C
5シクロアルキルを形成し;
または代替的に、R
3およびR
4は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C
3-C
5シクロアルキルを形成し;
R
6、R
7、R
8、R
9およびR
11はそれぞれ独立して、H、ヒドロキシル、ハロゲンおよび重水素からなる群より選択され;
それぞれのR
12およびR
13は独立して、H、ハロゲン、重水素、非置換C
1-C
3アルキルおよびヒドロキシルまたは1つ以上のハロゲンで置換されるC
1-C
3アルキルからなる群より選択され;
R
14、R
15およびR
16はそれぞれ独立して、H、非置換C
1-C
3アルキルまたは1つ以上のハロゲンで置換されるC
1-C
3アルキルからなる群より選択され;
それぞれのR
17およびR
18は独立して、H、非置換C
1-C
3アルキルまたは1つ以上のハロゲンで置換されるC
1-C
3アルキルからなる群より選択される)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項21】
nが1である、請求項20記載の化合物。
【請求項22】
nが2である、請求項20記載の化合物。
【請求項23】
TがCR
1R
2である、請求項20~22いずれか記載の化合物。
【請求項24】
TがOである、請求項20~22いずれか記載の化合物。
【請求項25】
WがCR
4R
5である、請求項20~24いずれか記載の化合物。
【請求項26】
WがOである、請求項20~24いずれか記載の化合物。
【請求項27】
VがCR
3である、請求項20~26いずれか記載の化合物。
【請求項28】
Eが、C(=O)NR
aR
b、C
1-C
3アルキレン-NR
aR
b、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールおよびC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)からなる群より選択され、C
1-C
3アルキレン-NR
aR
b、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)が、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキルもしくはC
1-C
3アルコキシルで置換される、請求項20~27いずれか記載の化合物。
【請求項29】
Eが、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールおよびC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)からなる群より選択され、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)が、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキルもしくはC
1-C
3アルコキシルで置換される、請求項20~27いずれか記載の化合物。
【請求項30】
Eが、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキルおよびC
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)からなる群より選択され、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキルまたはC
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)が、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキルもしくはC
1-C
3アルコキシルで置換される、請求項20~27いずれか記載の化合物。
【請求項31】
Eが、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールおよびC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)からなる群より選択され、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)が、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキルもしくはC
1-C
3アルコキシルで置換される、請求項20~27いずれか記載の化合物。
【請求項32】
Eが、4~7員ヘテロシクリルおよびC
1-C
3アルキレン-(4~7員ヘテロシクリル)からなる群より選択され、4~7員ヘテロシクリルまたはC
1-C
3アルキレン-(4~7員ヘテロシクリル)が、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキルもしくはC
1-C
3アルコキシルで置換される、請求項20~27いずれか記載の化合物。
【請求項33】
Rが、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニルおよびC
2-C
4アルキニルからなる群より選択され、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニルまたはC
2-C
4アルキニルが、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3アルコキシルもしくはNR
cR
dで置換される、請求項20~32いずれか記載の化合物。
【請求項34】
Rが、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールおよびC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)からなる群より選択され、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)が、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3アルコキシルもしくはNR
cR
dで置換される、請求項20~32いずれか記載の化合物。
【請求項35】
TがCR
1R
2であり、WがCR
4R
5であり、VはCR
3である、請求項20~23、25または27~34いずれか一項記載の化合物。
【請求項36】
mが2または3である、請求項20~35いずれか記載の化合物。
【請求項37】
mが2である、請求項20~35いずれか記載の化合物。
【請求項38】
【化4】
からなる群より選択される化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項39】
請求項1~38いずれか記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩および薬学的に許容され得る担体を含む、医薬組成物。
【請求項40】
ナルコレプシーの治療を必要とする被験体に、請求項1~38いずれか記載の化合物もしくはその薬学的に許容され得る塩または請求項39記載の組成物を投与する工程を含む、該被験体においてナルコレプシーを治療する方法。
【請求項41】
カタプレキシーの治療を必要とする被験体に、請求項1~38いずれか記載の化合物もしくはその薬学的に許容され得る塩または請求項39記載の組成物を投与する工程を含む、該被験体においてカタプレキシーを治療する方法。
【請求項42】
ナルコレプシーのための医薬の製造のための、請求項1~38いずれか記載の化合物もしくはその薬学的に許容され得る塩または請求項39記載の組成物の使用。
【請求項43】
カタプレキシーのための医薬の製造のための、請求項1~38いずれか記載の化合物もしくはその薬学的に許容され得る塩または請求項39記載の組成物の使用。
【請求項44】
ナルコレプシーの治療を必要とする被験体においてナルコレプシーを治療する方法における使用のための、請求項1~38いずれか記載の化合物もしくはその薬学的に許容され得る塩または請求項39記載の組成物。
【請求項45】
カタプレキシーの治療を必要とする被験体においてカタプレキシーを治療する方法における使用のための、請求項1~38いずれか記載の化合物もしくはその薬学的に許容され得る塩または請求項39記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2021年5月26日に出願された米国仮特許出願第63/193,256号の利益を主張する。上記出願の全内容は、参照により本明細書に援用される。
【0002】
技術分野
本発明は、置換される大環状化合物、特にアゴニスト活性を有する置換される大環状化合物に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
オレキシンは、側方視床下部およびその周囲の領域内のニューロンのサブ集団により合成および放出されるニューロペプチドである。これは、2つのサブタイプ:オレキシンAおよびオレキシンBからなる。オレキシンAおよびオレキシンBは、オレキシン受容体に結合する。オレキシン受容体は、脳内で優先的に発現されるGタンパク質共役受容体である。オレキシン受容体の2つのサブタイプ(1型および2型)がある(Cell, Vol. 92, 573-585, 1998)。オレキシン受容体の活性化は、覚醒の持続、エネルギー恒常性、報酬プロセッシング(reward processing)および動機づけなどの種々の中枢神経系機能に重要であることが知られている(Saper et al., TRENDS in Neuroscience 2001;Yamanaka et al., Neuron 2003;Sakurai, Nature Reviews Neuroscience 2014)。
【0004】
ナルコレプシーは、過剰な日中の眠気、筋肉麻痺の突然の発作(カタプレキシー)および乱れた睡眠パターンを生じる神経学的疾患である(Mahoney et al., Nature Reviews Neuroscience, 2019)。ナルコレプシーは、オレキシンニューロンの変性により引き起こされることが知られる。ナルコレプシー性の症状は、オレキシンニューロンを変性するように遺伝子工学で作り変えられたトランスジェニックマウスにおいてモデル化され得、それらの症状は、オレキシンペプチドの脳室内投与により逆転され得る(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol. 101, 4649-4654, 2004)。オレキシン-2受容体ノックアウトマウスの試験により、オレキシン-2受容体は、覚醒の維持において優先的な役割を担うことが示唆されている(Cell, Vol. 98, 437-451, 1999、Neuron, Vol. 38, 715-730, 2003)。このように、オレキシン-2受容体アゴニストは、ナルコレプシーまたはパーキンソン病などの過剰な日中の眠気を示す他の障害のための治療剤であり得る(CNS Drugs, Vol. 27, 83-90, 2013;Brain, Vol. 130, 2007, 1586-1595)。
【0005】
オレキシン-2受容体でアゴニスト活性を有する化合物は、ナルコレプシー、特発性睡眠過剰、睡眠過剰、睡眠時無呼吸症候群、例えば昏睡等の意識の乱れ、ナルコレプシー症候群、睡眠過剰を特徴とする過剰傾眠(hypersomnolence)症候群(例えばパーキンソン病、ギヤン-バレー症候群またはクライネ-レヴィン症候群における)、アルツハイマー病、肥満、インスリン抵抗性症候群、心不全、骨の喪失に関連する疾患または敗血症等のための新規の治療剤として有用であると仮説を立てられる。(Cell Metabolism, Vol. 9, 64-76, 2009;Neuroscience, Vol. 121, 855-863, 2003;Respiration, Vol. 71, 575-579, 2004;Peptides, Vol. 23, 1683-1688, 2002;WO 2015/073707;Journal of the American College of Cardiology, Vol. 66, 2015, pages 2522-2533;WO 2015/048091;WO 2015/147240)。
【0006】
オレキシン-2受容体アゴニスト活性を有するいくつかの化合物が報告されている(米国特許第8,258,163号;WO 2015/088000;WO 2014/198880;Journal of Medicinal Chemistry, Vol. 58, pages 7931-7937;US 20190040010;US 20190031611;US 20170226137)。しかしながら、これらの化合物は、例えば活性、薬物動態、脳/中枢神経系への浸透性または安全性に関して満足のいくものではないと考えられ、オレキシン-2受容体アゴニスト活性を有する向上された化合物の開発が望まれる。
【発明の概要】
【0007】
発明の概要
本発明は、オレキシン-2受容体アゴニスト活性を有する置換される大環状化合物を提供することを意図する。
【0008】
したがって、最初の局面において、本発明は、式I-A:
【化1】
で表される化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供し、式中:
nは1、2または3であり;
Eは、H、ヒドロキシル、NR
aR
b、C(=O)NR
aR
b、C
1-C
3アルキレン-NR
aR
b、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールおよびC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)からなる群より選択され、ここでC
1-C
3アルキレン-NR
aR
b、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキルもしくはC
1-C
3アルコキシルで置換され;
TはCR
1R
2またはOであり;
WはCR
4R
5またはOであり;
UはCR
6R
7であり;
XはCR
8R
9であり;
VはCR
3またはNであり;
Zは(CR
12R
13)
mであり;
Rは、H、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールおよびC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)からなる群より選択され、ここでC
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3アルコキシルもしくはNR
cR
dで置換され;
R
a、R
b、R
cおよびR
dはそれぞれ独立して、Hまたは非置換C
1-C
3アルキルであり;
mは1、2、3または4であり;
およびさらに:
R
1、R
2、R
4およびR
5はそれぞれ独立して、H、ヒドロキシル、ハロゲンおよび重水素からなる群より選択され;
または代替的に、R
2およびR
5は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、単結合を形成し;
R
3は、H、重水素、ハロゲン、ヒドロキシルおよびシアノからなる群より選択され;
または代替的に、R
3およびR
1は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C
3-C
5シクロアルキルを形成し;
または代替的に、R
3およびR
4は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C
3-C
5シクロアルキルを形成し;
R
6、R
7、R
8、R
9およびR
11はそれぞれ独立して、H、ヒドロキシル、ハロゲンおよび重水素からなる群より選択され;
それぞれのR
12およびR
13は独立して、H、ハロゲン、重水素、非置換C
1-C
3アルキルおよびヒドロキシルまたは1つ以上のハロゲンで置換されるC
1-C
3アルキルからなる群より選択され;
R
14、R
15およびR
16はそれぞれ独立して、H、非置換C
1-C
3アルキルまたは1つ以上のハロゲンで置換されるC
1-C
3アルキルからなる群より選択され;
それぞれのR
17およびR
18は独立して、H、非置換C
1-C
3アルキルまたは1つ以上のハロゲンで置換されるC
1-C
3アルキルからなる群より選択される。
【0009】
一態様において、式I:
【化2】
の構造を有する式I-Aの化合物またはその薬学的に許容され得る塩が本明細書に提供され、式中:
nは1、2または3であり;
Eは、H、ヒドロキシル、NR
aR
b、C(=O)NR
aR
b、C
1-C
3アルキレン-NR
aR
b、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールおよびC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)からなる群より選択され、ここでC
1-C
3アルキレン-NR
aR
b、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキルもしくはC
1-C
3アルコキシルで置換され;
TはCR
1R
2またはOであり;
WはCR
4R
5またはOであり;
UはCR
6R
7であり;
XはCR
8R
9であり;
VはCR
3またはNであり;
Zは(CR
12R
13)
mであり;
Rは、H、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールおよびC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)からなる群より選択され、ここでC
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3アルコキシルもしくはNR
cR
dで置換され;
R
a、R
b、R
cおよびR
dはそれぞれ独立して、Hまたは非置換C
1-C
3アルキルであり;
mは1、2、3または4であり;
およびさらに:
R
1、R
2、R
4およびR
5はそれぞれ独立して、H、ヒドロキシル、ハロゲンおよび重水素からなる群より選択され;
または代替的に、R
2およびR
5は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、単結合を形成し;
R
3は、H、重水素、ハロゲン、ヒドロキシルおよびシアノからなる群より選択され;
または代替的に、R
3およびR
1は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C
3-C
5シクロアルキルを形成し;
または代替的に、R
3およびR
4は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C
3-C
5シクロアルキルを形成し;
R
6、R
7、R
8、R
9およびR
11はそれぞれ独立して、H、ヒドロキシル、ハロゲンおよび重水素からなる群より選択され;
それぞれのR
12およびR
13は独立して、H、ハロゲン、重水素、非置換C
1-C
3アルキルおよびヒドロキシルまたは1つ以上のハロゲンで置換されるC
1-C
3アルキルからなる群より選択され;
R
14、R
15およびR
16はそれぞれ独立して、H、非置換C
1-C
3アルキルまたは1つ以上のハロゲンで置換されるC
1-C
3アルキルからなる群より選択され;
それぞれのR
17およびR
18は独立して、H、非置換C
1-C
3アルキルまたは1つ以上のハロゲンで置換されるC
1-C
3アルキルからなる群より選択される。
【0010】
式II-A:
【化3】
の構造を有する化合物またはその薬学的に許容され得る塩も本明細書に提供され、式中:
nは1、2または3であり;
Eは、H、ヒドロキシル、NR
aR
b、C(=O)NR
aR
b、C
1-C
3アルキレン-NR
aR
b、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールおよびC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)からなる群より選択され、ここでC
1-C
3アルキレン-NR
aR
b、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキルもしくはC
1-C
3アルコキシルで置換され;
TはCR
1R
2またはOであり;
WはCR
4R
5またはOであり;
UはCR
6R
7であり;
XはCR
8R
9であり;
VはCR
3またはNであり;
Zは(CR
12R
13)
mであり;
Rは、H、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールおよびC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)からなる群より選択され、ここでC
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3アルコキシルもしくはNR
cR
dで置換され;
R
a、R
b、R
cおよびR
dはそれぞれ独立して、Hまたは非置換C
1-C
3アルキルであり;
mは2、3、4または5であり;
およびさらに:
R
1、R
2、R
4およびR
5はそれぞれ独立して、H、ヒドロキシル、ハロゲンおよび重水素からなる群より選択され;
または代替的に、R
2およびR
5は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、単結合を形成し;
R
3は、H、重水素、ハロゲン、ヒドロキシルおよびシアノからなる群より選択され;
または代替的に、R
3およびR
1は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C
3-C
5シクロアルキルを形成し;
または代替的に、R
3およびR
4は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C
3-C
5シクロアルキルを形成し;
R
6、R
7、R
8、R
9およびR
11はそれぞれ独立して、H、ヒドロキシル、ハロゲンおよび重水素からなる群より選択され;
それぞれのR
12およびR
13は独立して、H、ハロゲン、重水素、非置換C
1-C
3アルキルおよびヒドロキシルまたは1つ以上のハロゲンで置換されるC
1-C
3アルキルからなる群より選択され;
R
14、R
15およびR
16はそれぞれ独立して、H、非置換C
1-C
3アルキルまたは1つ以上のハロゲンで置換されるC
1-C
3アルキルからなる群より選択され;
それぞれのR
17およびR
18は独立して、H、非置換C
1-C
3アルキルまたは1つ以上のハロゲンで置換されるC
1-C
3アルキルからなる群より選択される。
【0011】
一態様において、式II:
【化4】
の構造を有する式II-Aの化合物またはその薬学的に許容され得る塩が本明細書に提供され、式中:
nは1、2または3であり;
Eは、H、ヒドロキシル、NR
aR
b、C(=O)NR
aR
b、C
1-C
3アルキレン-NR
aR
b、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールおよびC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)からなる群より選択され、ここでC
1-C
3アルキレン-NR
aR
b、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキルもしくはC
1-C
3アルコキシルで置換され;
TはCR
1R
2またはOであり;
WはCR
4R
5またはOであり;
UはCR
6R
7であり;
XはCR
8R
9であり;
VはCR
3またはNであり;
Zは(CR
12R
13)
mであり;
Rは、H、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールおよびC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)からなる群より選択され、ここでC
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3アルコキシルもしくはNR
cR
dで置換され;
R
a、R
b、R
cおよびR
dはそれぞれ独立して、Hまたは非置換C
1-C
3アルキルであり;
mは2、3、4または5であり;
およびさらに:
R
1、R
2、R
4およびR
5はそれぞれ独立して、H、ヒドロキシル、ハロゲンおよび重水素からなる群より選択され;
または代替的に、R
2およびR
5は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、単結合を形成し;
R
3は、H、重水素、ハロゲン、ヒドロキシルおよびシアノからなる群より選択され;
または代替的に、R
3およびR
1は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C
3-C
5シクロアルキルを形成し;
または代替的に、R
3およびR
4は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C
3-C
5シクロアルキルを形成し;
R
6、R
7、R
8、R
9およびR
11はそれぞれ独立して、H、ヒドロキシル、ハロゲンおよび重水素からなる群より選択され;
それぞれのR
12およびR
13は独立して、H、ハロゲン、重水素、非置換C
1-C
3アルキルおよびヒドロキシルまたは1つ以上のハロゲンで置換されるC
1-C
3アルキルからなる群より選択され;
R
14、R
15およびR
16はそれぞれ独立して、H、非置換C
1-C
3アルキルまたは1つ以上のハロゲンで置換されるC
1-C
3アルキルからなる群より選択され;
それぞれのR
17およびR
18は独立して、H、非置換C
1-C
3アルキルまたは1つ以上のハロゲンで置換されるC
1-C
3アルキルからなる群より選択される。
【0012】
式I-A、I、II-AもしくはIIのいずれかの化合物またはその薬学的に許容され得る塩および薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物も本明細書に提供される。
【0013】
別の局面において、ナルコレプシーの治療を必要とする被験に、式I-A、I、II-AもしくはIIの化合物またはその薬学的に許容され得る塩を投与する工程を含む、該被験体においてナルコレプシーを治療する方法が本明細書に提供される。
【0014】
別の局面において、カタプレキシーの治療を必要とする被験体に、式I-A、I、II-AもしくはIIの化合物またはその薬学的に許容され得る塩を投与する工程を含む、該被験体においてカタプレキシーを治療する方法が本明細書に提供される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
発明の詳細な説明
被験体におけるナルコレプシーまたはカタプレキシーの治療に有用である化合物、例えば式I-A、I、II-AまたはIIの化合物またはその薬学的に許容され得る塩が本明細書に提供される。
【0016】
非限定的な局面において、これらの化合物は、オレキシン-2受容体を調節し得る。特定の態様において、本明細書に提供される化合物は、オレキシン-2アゴニストとみなされる。このように一局面において、本明細書に提供される化合物は、オレキシン-2受容体のアゴニストとして作用することにより被験体におけるナルコレプシーの治療に有用である。
【0017】
定義
本発明を説明するために使用される種々の用語の定義が以下に列挙される。これらの定義は、そうでなければ個々にまたは大きな群の一部としてのいずれかで具体例に限定されない限り、本明細書および特許請求の範囲を通じて用語が使用される場合、該用語に適用される。
【0018】
そうではないと定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的な用語は一般的に、本発明が属する分野における当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。一般的に、本明細書において使用される命名法ならびに細胞培養、分子遺伝学、有機化学およびペプチド化学における実験室手順は、当該技術分野で周知であり、一般的に使用されるものである。
【0019】
本明細書で使用する場合、冠詞「a」および「an」は、冠詞の文法上の目的語の1つまたは1つより多く(すなわち少なくとも1つ)をいう。例として、「要素(an element)」は、1つの要素または1つより多くの要素を意味する。さらに、用語「含む(including)」ならびに「含む(include)」、「含む(includes)」および「含まれる(included)」などの他の形態の使用は限定的ではない。
【0020】
本明細書で使用する場合、用語「約」は、当業者に理解され、それが使用される文脈においていくらかの程度まで変動する。本明細書で使用する場合、例えば量、時間的持続時間等の測定可能な値に言及する場合、用語「約」は、かかる変動が開示される方法を実行するのに適切であるように、特定される値からの±20%または±10%、例えば±5%、±1%および±0.1%の変動を包含することを意味する。
【0021】
本明細書に使用する場合、用語「EC50」は、化合物の観察される最大の効果の50%である効果を達成するのに必要な化合物の濃度をいう。
【0022】
用語「アゴニスト」は、本明細書で使用する場合、目的の標的(例えばオレキシン-2受容体)と接触される場合に、アゴニストの非存在下で観察される活性または機能の大きさと比較して、標的の特定の活性または機能の大きさの増加を生じる化合物をいう。
【0023】
用語「治療する(treat)」、「治療される(treated)」、「治療すること(treating)」または「治療(treatment)」は、治療される状態、障害または疾患に関連するかまたはそれにより引き起こされる少なくとも1つの症状の減少または軽減を含む。ある態様において、治療は、ナルコレプシーまたはカタプレキシーに関連する状態について、オレキシン-2受容体を本発明の化合物の有効量と接触させることを含む。
【0024】
本明細書で使用する場合、用語「予防する(prevent)」または「予防(prevention)」は、何も起きなかった場合に障害もしくは疾患の発症がないこと、または障害もしくは疾患の発症が既にあった場合にさらなる障害もしくは疾患の発症がないことを意味する。障害または疾患に関連する症状のいくつかまたは全てを予防するためのものの能力も考慮される。
【0025】
本明細書で使用する場合、用語「患者」、「個体」または「被験体」は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物をいう。非ヒト哺乳動物としては、例えば家畜およびペット、例えばヒツジ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコおよびマウスの哺乳動物が挙げられる。好ましくは、患者、被験体または個体はヒトである。
【0026】
本明細書で使用する場合、用語「有効量」、「薬学的有効量」および「治療有効量」は、非毒性であるが、所望の生物学的結果を提供するのに十分な薬剤の量をいう。この結果は、疾患の徴候、症状もしくは原因の低減もしくは軽減または生物学的系の任意の他の所望の変化であり得る。任意の個々の症例における適切な治療量は、常套的な実験を使用して、当業者が決定し得る。
【0027】
本明細書で使用する場合、用語「薬学的に許容され得る」は、化合物の生物学的活性または特性を排除せず、比較的無毒性である担体または希釈剤などの材料をいい、すなわち該材料は、望ましくない生物学的効果を引き起こすことなくまたはそれが含まれる組成物の構成成分のいずれかと有害な様式で相互作用することなく、個体に投与され得る。
【0028】
本明細書で使用する場合、用語「薬学的に許容され得る塩」は、開示される化合物の誘導体をいい、ここで親化合物は、存在する酸または塩基部分をその塩形態に変換することにより改変される。薬学的に許容され得る塩の例としては、限定されないが、アミンなどの塩基性残基の無機酸塩または有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリまたは有機塩等が挙げられる。本発明の薬学的に許容され得る塩としては、例えば非毒性無機または有機酸で形成される親化合物の従来の非毒性の塩が挙げられる。本発明の薬学的に許容され得る塩は、従来の化学法により、塩基性または酸性部分を含む親化合物から合成され得る。一般的に、かかる塩は、これらの化合物の遊離酸または塩基形態を、水中もしくは有機溶媒中または2つの混合物中で適切な塩基または酸の化学量論的な量と反応させることにより調製され得;一般的に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルなどの非水性媒体が好ましい。句「薬学的に許容され得る塩」は、モノまたは1:1の塩に限定されない。例えば「薬学的に許容され得る塩」はまた、ビス塩酸塩などのビス塩を含む。適切な塩のリストは、それぞれがその全体において参照により本明細書に援用されるRemington's Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1985, p. 1418およびJournal of Pharmaceutical Science, 66, 2 (1977)に見られる。
【0029】
本明細書で使用する場合、用語「組成物」または「医薬組成物」は、本発明において有用な少なくとも1つの化合物と薬学的に許容され得る担体の混合物をいう。医薬組成物は、患者または被験体への化合物の投与を容易にする。化合物を投与する複数の技術が当該技術分野に存在し、限定されないが、静脈内、経口、エーロゾル、非経口、眼内、肺系および局所投与が挙げられる。
【0030】
本明細書で使用する場合、用語「薬学的に許容され得る担体」は、本発明において有用な化合物を、その意図される機能を実行し得るように患者内または患者に搬送または輸送することに関与する薬学的に許容され得る材料、組成物または担体、例えば液体または固体の充填剤、安定化剤、分散剤、懸濁剤、希釈剤、賦形剤、濃化剤、溶媒またはカプセル封入物質を意味する。典型的に、かかる構築物は、ある臓器または身体の一部から、別の臓器または身体の一部に搬送または輸送される。それぞれの担体は、本発明において有用な化合物などの製剤の他の成分と適合性であり、患者に対して傷害性でないという意味において「許容可能」でなければならない。薬学的に許容され得る担体として働き得る材料のいくつかの例としては:糖、例えばラクトース、グルコースおよびスクロース;デンプン、例えばトウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプン;セルロースおよびその誘導体、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロースおよびセルロースアセテート;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えばココアバターおよび坐剤ワックス;油、例えばラッカセイ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油;グリコール、例えばプロピレングリコール;ポリオール、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール;エステル、例えばオレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;寒天;緩衝化剤、例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;界面活性剤;アルギン酸;発熱源非含有水;等張性食塩水;リンガー溶液;エチルアルコール;リン酸緩衝化溶液;ならびに医薬製剤に使用される他の非毒性の適合性物質が挙げられる。
【0031】
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容され得る担体」はまた、本発明において有用な化合物の活性と適合性であり、患者に対して生理学的に許容され得る、任意および全てのコーティング、抗菌および抗真菌剤ならびに吸収遅延剤等を含む。補助的な活性化合物も該組成物に組み込まれ得る。「薬学的に許容され得る担体」はさらに、本発明において有用な化合物の薬学的に許容され得る塩を含み得る。本発明の実施に使用される医薬組成物に含まれ得る他のさらなる成分は当該技術分野で公知であり、例えば参照により本明細書に援用されるRemington's Pharmaceutical Sciences (Genaro, Ed., Mack Publishing Co., 1985, Easton, PA)に記載される。
【0032】
本明細書で使用する場合、用語「アルキル」は、それだけでまたは別の置換基の一部として、そうではないと述べられない限り、直鎖または分岐鎖の示される炭素原子数を有する炭化水素を意味し(すなわち、C1-6アルキルは、1~6個の炭素原子を有するアルキルを意味する)、直鎖および分岐鎖を含む。例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、ネオペンチルおよびヘキシルが挙げられる。C1-C6-アルキルの他の例としては、エチル、メチル、イソプロピル、イソブチル、n-ペンチルおよびn-ヘキシルが挙げられる。
【0033】
本明細書で使用する場合、用語「ハロ」または「ハロゲン」は、単独または別の置換基の一部として、そうではないと述べられない限り、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子、好ましくはフッ素、塩素または臭素、より好ましくはフッ素または塩素を意味する。
【0034】
本明細書で使用する場合、用語「アルキレン」は、直鎖または分岐のいずれかである、例えば1~4個の炭素原子を有する二価の脂肪族ヒドロカルビル基をいう。この用語は例示として、メチレン(-CH2-)、エチレン(-CH2CH2-)、n-プロピレン(-CH2CH2CH2-)、イソ-プロピレン(-CH2CH(CH3)-)等を含む。
【0035】
本明細書で使用する場合、用語「アルケニル」は、少なくとも2つの炭素原子および少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む炭化水素部分由来の一価の基を示す。二重結合は、別の基への結合の点であってもそうでなくでもよい。アルケニル基(例えば、C2-C8-アルケニル)としては限定されないが、例えばエテニル、プロペニル、プロパ-1-エン-2-イル、ブテニル、1-メチル-2-ブテン-1-イル、ヘプテニル、オクテニル等が挙げられる。
【0036】
本明細書で使用する場合、用語「アルキニル」は、少なくとも2つの炭素原子および少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む炭化水素部分由来の一価の基を示す。三重結合は、別の基への結合の点であってもそうでなくてもよい。アルキニル基(例えば、C2-C8-アルキニル)としては限定されないが、例えばエチニル、プロピニル、プロパ-1-イン-2-イル、ブチニル、1-メチル-2-ブチン-1-イル、ヘプチニル、オクチニル等が挙げられる。
【0037】
本明細書で使用する場合、用語「アルコキシ」は、基-O-アルキルをいい、ここでアルキルは本明細書において定義されるとおりである。アルコキシとしては例として、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシ、t-ブトキシ等が挙げられる。
【0038】
本明細書で使用する場合、用語「シクロアルキル」は、部分的または完全に飽和され、1、2または3個の環を有する非芳香族炭素環系を意味し、ここでかかる環は縮合され得る。用語「縮合」は、2つの隣接する原子を第1の環と共通に有する(すなわち共有される)ことにより第2の環が存在する(すなわち結合されるまたは形成される)ことを意味する。シクロアルキルはまた、天然において架橋され得るかまたはスピロ環系であり得る二環式構造を含み、二環内のそれぞれの個々の環は、3~8個の原子で変化する。用語「シクロアルキル」としては限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキシル、スピロ[3.3]ヘプタニルおよびビシクロ[1.1.1]ペンチルが挙げられる。
【0039】
本明細書で使用する場合、用語「ヘテロシクリル」は、独立してN、OおよびSから選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含み、1、2または3個の環を有する非芳香族炭素環系を意味し、ここでかかる環は縮合され得、縮合は上で定義される。ヘテロシクリルはまた、天然において架橋され得るかまたはスピロ環式であり得る二環式構造を含み、二環内のそれぞれの個々の環は、3~8個の原子で変化し、0、1または2個のN、OまたはS原子を含む。用語「ヘテロシクリル」は、環式エステル(すなわちラクトン)および環式アミド(すなわちラクタム)を含み、また具体的には限定されないが、エポキシジル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル(すなわちオキサニル)、ピラニル、ジオキサニル、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、2,5-ジヒドロ-1H-ピロリル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、チオモルホリニル、1,3-オキサジナニル、1,3-チアジナニル等が挙げられる。例えば用語「ヘテロシクリル」としては、4~10員ヘテロシクリル、4~7員ヘテロシクリル、5~10員ヘテロシクリル、6~10員ヘテロシクリル、4~6員ヘテロシクリル、4員ヘテロシクリル、5員ヘテロシクリル、6員ヘテロシクリル、7員ヘテロシクリル、8員ヘテロシクリル、9員ヘテロシクリルまたは10員ヘテロシクリルが挙げられ得る。
【0040】
本明細書で使用する場合、用語「芳香族」は、1つ以上のポリ不飽和環を有し、芳香族特性を有する、すなわち(4n+2)非局在化π(パイ)電子を有する炭素環または複素環をいい、ここでnは整数である。
【0041】
本明細書で使用する場合、用語「アリール」は、1、2または3個の環を含む芳香族炭素環式系を意味し、ここでかかる環は縮合され得、縮合は上で定義される。環が縮合される場合、環の1つは十分に不飽和でなければならず、縮合される環(1つまたは複数)は、十分に飽和、部分的に不飽和または十分に不飽和であり得る。用語「アリール」としては限定されないが、フェニル、ナフチル、インダニルおよび1,2,3,4-テトラヒドロナフタレニルが挙げられる。例えば用語「アリール」としては、C6-C10アリール、C6-C8アリールまたはC6アリール(すなわちフェニル)が挙げられ得る。
【0042】
本明細書で使用する場合、用語「ヘテロアリール」は、独立してN、OおよびSから選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含み、1、2または3個の環を有する芳香族炭素環系を意味し、ここでかかる環は縮合され得、縮合は上で定義される。用語「ヘテロアリール」としては限定されないが、フラニル、チオフェニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル等が挙げられる。例えば用語「ヘテロアリール」としては、5~10員ヘテロアリール、5~8員ヘテロアリール、5~6員ヘテロアリール、6~10員ヘテロアリール、6~8員ヘテロアリール、5員ヘテロアリール、6員ヘテロアリール、7員ヘテロアリール、8員ヘテロアリール、9員ヘテロアリールまたは10員ヘテロアリールが挙げられ得る。
【0043】
アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクリル部分が、結合され得るかまたはそうでなければ異なる環原子を介して示される部分に取り付けられ得る(すなわち結合の特定の点の表示なしで示されるかまたは記載される)場合、炭素原子または例えば三価の窒素原子のいずれを介するにせよ全ての可能な点が意図されることが理解される。例えば用語「ピリジニル」は2-、3-または4-ピリジニルを意味し、用語「チオフェニル」は2-または3-チオフェニルなどを意味する。
【0044】
本明細書で使用する場合、用語「置換される」は、原子または原子の群が、別の基に取り付けられる置換基として置き換えられた水素を有することを意味する。
【0045】
本発明の化合物
したがって、最初の局面において、本発明は、式I-A:
【化5】
で表される化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供し、式中:
nは1、2または3であり;
Eは、H、ヒドロキシル、NR
aR
b、C(=O)NR
aR
b、C
1-C
3アルキレン-NR
aR
b、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールおよびC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)からなる群より選択され、ここでC
1-C
3アルキレン-NR
aR
b、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキルもしくはC
1-C
3アルコキシルで置換され;
TはCR
1R
2またはOであり;
WはCR
4R
5またはOであり;
UはCR
6R
7であり;
XはCR
8R
9であり;
VはCR
3またはNであり;
Zは(CR
12R
13)
mであり;
Rは、H、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールおよびC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)からなる群より選択され、ここでC
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3アルコキシルもしくはNR
cR
dで置換され;
R
a、R
b、R
cおよびR
dはそれぞれ独立して、Hまたは非置換C
1-C
3アルキルであり;
mは1、2、3または4であり;
およびさらに:
R
1、R
2、R
4およびR
5はそれぞれ独立して、H、ヒドロキシル、ハロゲンおよび重水素からなる群より選択され;
または代替的に、R
2およびR
5は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、単結合を形成し;
R
3は、H、重水素、ハロゲン、ヒドロキシルおよびシアノからなる群より選択され;
または代替的に、R
3およびR
1は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C
3-C
5シクロアルキルを形成し;
または代替的に、R
3およびR
4は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C
3-C
5シクロアルキルを形成し;
R
6、R
7、R
8、R
9およびR
11はそれぞれ独立して、H、ヒドロキシル、ハロゲンおよび重水素からなる群より選択され;
それぞれのR
12およびR
13は独立して、H、ハロゲン、重水素、非置換C
1-C
3アルキルおよびヒドロキシルまたは1つ以上のハロゲンで置換されるC
1-C
3アルキルからなる群より選択され;
R
14、R
15およびR
16はそれぞれ独立して、H、非置換C
1-C
3アルキルまたは1つ以上のハロゲンで置換されるC
1-C
3アルキルからなる群より選択され;
それぞれのR
17およびR
18は独立して、H、非置換C
1-C
3アルキルまたは1つ以上のハロゲンで置換されるC
1-C
3アルキルからなる群より選択される。
【0046】
一態様において、式I:
【化6】
の構造を有する式I-Aの化合物またはその薬学的に許容され得る塩が本明細書に提供され、式中:
nは1、2または3であり;
Eは、H、ヒドロキシル、NR
aR
b、C(=O)NR
aR
b、C
1-C
3アルキレン-NR
aR
b、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールおよびC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)からなる群より選択され、ここでC
1-C
3アルキレン-NR
aR
b、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキルもしくはC
1-C
3アルコキシルで置換され;
TはCR
1R
2またはOであり;
WはCR
4R
5またはOであり;
UはCR
6R
7であり;
XはCR
8R
9であり;
VはCR
3またはNであり;
Zは(CR
12R
13)
mであり;
Rは、H、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールおよびC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)からなる群より選択され、ここでC
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3アルコキシルもしくはNR
cR
dで置換され;
R
a、R
b、R
cおよびR
dはそれぞれ独立して、Hまたは非置換C
1-C
3アルキルであり;
mは1、2、3または4であり;
およびさらに:
R
1、R
2、R
4およびR
5はそれぞれ独立して、H、ヒドロキシル、ハロゲンおよび重水素からなる群より選択され;
または代替的に、R
2およびR
5は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、単結合を形成し;
R
3は、H、重水素、ハロゲン、ヒドロキシルおよびシアノからなる群より選択され;
または代替的に、R
3およびR
1は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C
3-C
5シクロアルキルを形成し;
または代替的に、R
3およびR
4は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C
3-C
5シクロアルキルを形成し;
R
6、R
7、R
8、R
9およびR
11はそれぞれ独立して、H、ヒドロキシル、ハロゲンおよび重水素からなる群より選択され;
それぞれのR
12およびR
13は独立して、H、ハロゲン、重水素、非置換C
1-C
3アルキルおよびヒドロキシルまたは1つ以上のハロゲンで置換されるC
1-C
3アルキルからなる群より選択され;
R
14、R
15およびR
16はそれぞれ独立して、H、非置換C
1-C
3アルキルまたは1つ以上のハロゲンで置換されるC
1-C
3アルキルからなる群より選択され;
それぞれのR
17およびR
18は独立して、H、非置換C
1-C
3アルキルまたは1つ以上のハロゲンで置換されるC
1-C
3アルキルからなる群より選択される。
【0047】
式(I)の一態様において、nは1である。式(I)の別の態様において、nは2である。式(I)の別の態様において、nは3である。
【0048】
式(I)の別の態様において、TはCR1R2である。式(I)の別の態様において、TはOである。式(I)の別の態様において、WはCR4R5である。式(I)の別の態様において、WはOである。式(I)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはCR4R5である。式(I)の別の態様において、TはOであり、WはCR4R5である。式(I)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはOである。
【0049】
式(I)の別の態様において、VはCR3である。式(I)の別の態様において、VはNである。
【0050】
式(I)の別の態様において、TはCR1R2であり、VはCR3である。式(I)の別の態様において、TはOであり、VはCR3である。式(I)の別の態様において、TはCR1R2であり、VはNである。式(I)の別の態様において、TはOであり、VはNである。
【0051】
式(I)の別の態様において、WはCR4R5であり、VはCR3である。式(I)の別の態様において、WはOであり、VはCR3である。式(I)の別の態様において、WはCR4R5であり、VはNである。式(I)の別の態様において、WはOであり、VはNである。
【0052】
式(I)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはCR4R5であり、VはCR3である。式(I)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはOであり、VはCR3である。式(I)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはCR4R5であり、VはNである。式(I)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはOであり、VはNである。式(I)の別の態様において、TはOであり、WはCR4R5であり、VはCR3である。
【0053】
式(I)の別の態様において、Eは、NRaRbである。式(I)の別の態様において、Eは、C(=O)NRaRbである。式(I)の別の態様において、Eは、C1-C3アルキレン-NRaRbである。式(I)の別の態様において、Eは、非置換C1-C3アルキル、非置換C2-C4アルケニルまたは非置換C2-C4アルキニルである。式(I)の別の態様において、Eは、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルもしくはC1-C3アルコキシルで置換されるC1-C3アルキル、C2-C4アルケニルまたはC2-C4アルキニルである。式(I)の別の態様において、Eは、非置換C1-C3アルキルである。式(I)の別の態様において、Eは、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルまたはC1-C3アルコキシルで置換されるC1-C3アルキルである。式(I)の別の態様において、Eは、非置換C3-C8シクロアルキルである。式(I)の別の態様において、Eは、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルまたはC1-C3アルコキシルで置換されるC3-C8シクロアルキルである。式(I)の別の態様において、Eは、非置換C1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)である。式(I)の別の態様において、Eは、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルまたはC1-C3アルコキシルで置換されるC1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)である。式(I)の別の態様において、Eは、非置換4~10員ヘテロシクリルである。式(I)の別の態様において、Eは、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルまたはC1-C3アルコキシルで置換される4~10員ヘテロシクリルである。式(I)の別の態様において、Eは、非置換C1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)である。式(I)の別の態様において、Eは、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルまたはC1-C3アルコキシルで置換されるC1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)である。式(I)の別の態様において、Eは、非置換C6-C10アリールである。式(I)の別の態様において、Eは、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルまたはC1-C3アルコキシルで置換されるC6-C10アリールである。式(I)の別の態様において、Eは、非置換C1-C3アルキレン-(C6-C10アリール)である。式(I)の別の態様において、Eは、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルまたはC1-C3アルコキシルで置換されるC1-C3アルキレン-(C6-C10アリール)である。式(I)の別の態様において、Eは、非置換5~10員ヘテロアリールである。式(I)の別の態様において、Eは、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルまたはC1-C3アルコキシルで置換される5~10員ヘテロアリールである。
【0054】
式(I)の別の態様において、Eは、非置換4~7員ヘテロシクリルである。式(I)の別の態様において、Eは、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルまたはC1-C3アルコキシルで置換される4~7員ヘテロシクリルである。式(I)の別の態様において、Eは、非置換4~6員ヘテロシクリルである。式(I)の別の態様において、Eは、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルまたはC1-C3アルコキシルで置換される4~6員ヘテロシクリルである。式(I)の別の態様において、Eは、非置換4員ヘテロシクリルである。式(I)の別の態様において、Eは、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルまたはC1-C3アルコキシルで置換される4員ヘテロシクリルである。式(I)の別の態様において、Eは、非置換5員ヘテロシクリルである。式(I)の別の態様において、Eは、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルまたはC1-C3アルコキシルで置換される5員ヘテロシクリルである。式(I)の別の態様において、Eは、非置換6員ヘテロシクリルである。式(I)の別の態様において、Eは、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルまたはC1-C3アルコキシルで置換される6員ヘテロシクリルである。
【0055】
式(I)の別の態様において、Eは、NRaRb、C(=O)NRaRb、C1-C3アルキレン-NRaRb、C1-C3アルキル、C2-C4アルケニル、C2-C4アルキニル、C3-C8シクロアルキル、C1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C6-C10アリールまたはC1-C3アルキレン-(C6-C10アリール)であり、ここでC1-C3アルキレン-NRaRb、C1-C3アルキル、C2-C4アルケニル、C2-C4アルキニル、C3-C8シクロアルキル、C1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C6-C10アリールまたはC1-C3アルキレン-(C6-C10アリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルもしくはC1-C3アルコキシルで置換される。
【0056】
式(I)の別の態様において、Eは、C1-C3アルキルであり、ここでC1-C3アルキルは、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルもしくはC1-C3アルコキシルで置換される。式(I)の別の態様において、Eは、メチルである。式(I)の別の態様において、Eは、1つ以上のハロゲンで置換されるメチルである。式(I)の別の態様において、Eは、1つ以上のフッ素で置換されるメチルである。式(I)の別の態様において、Eは、トリフルオロメチルである。
【0057】
式(I)の別の態様において、Eは、C1-C3アルキル、C2-C4アルケニル、C2-C4アルキニル、C3-C8シクロアルキル、C1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C6-C10アリールまたはC1-C3アルキレン-(C6-C10アリール)であり、ここでC1-C3アルキル、C2-C4アルケニル、C2-C4アルキニル、C3-C8シクロアルキル、C1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C6-C10アリールまたはC1-C3アルキレン-(C6-C10アリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルもしくはC1-C3アルコキシルで置換される。
【0058】
式(I)の別の態様において、Eは、C1-C3アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C6-C10アリールまたはC1-C3アルキレン-(C6-C10アリール)であり、ここでC1-C3アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C6-C10アリールまたはC1-C3アルキレン-(C6-C10アリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルもしくはC1-C3アルコキシルで置換される。
【0059】
式(I)の別の態様において、Eは、C1-C3アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリルまたはC1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)であり、ここでC1-C3アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリルまたはC1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルもしくはC1-C3アルコキシルで置換される。
【0060】
式(I)の別の態様において、Eは、C1-C3アルキル、C3-C8シクロアルキルまたはC1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)であり、ここでC1-C3アルキル、C3-C8シクロアルキルまたはC1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルもしくはC1-C3アルコキシルで置換される。
【0061】
式(I)の別の態様において、Eは、メチルであり、ここでメチルは、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルもしくはC1-C3アルコキシルで置換される。式(I)の別の態様において、Eは、ジオキサニルであり、ここでジオキサニルは、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルもしくはC1-C3アルコキシルで置換される。式(I)の別の態様において、Eは、テトラヒドロピラニルであり、ここでテトラヒドロピラニルは、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルもしくはC1-C3アルコキシルで置換される。式(I)の別の態様において、Eは、テトラヒドロフラニルであり、ここでテトラヒドロフラニルは、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルもしくはC1-C3アルコキシルで置換される。式(I)の別の態様において、Eは、アゼチジニルであり、ここでアゼチジニルは、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルもしくはC1-C3アルコキシルで置換される。式(I)の別の態様において、Eは、オキセタニルであり、ここでオキセタニルは、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルもしくはC1-C3アルコキシルで置換される。式(I)の別の態様において、Eは、モルホリニルであり、ここでモルホリニルは、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルもしくはC1-C3アルコキシルで置換される。
【0062】
式(I)の別の態様において、Rは、C1-C3アルキル、C2-C4アルケニルまたはC2-C4アルキニルであり、ここでC1-C3アルキル、C2-C4アルケニルまたはC2-C4アルキニルは、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。式(I)の別の態様において、Rは、C1-C3アルキルであり、ここでC1-C3アルキルは、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。式(I)の別の態様において、Rは、C1-C3アルキルであり、ここでC1-C3アルキルは非置換である。式(I)の別の態様において、Rは、メチルであり、ここでメチルは、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。式(I)の別の態様において、Rは、メチルである。式(I)の別の態様において、Rは、トリフルオロメチルである。式(I)の別の態様において、Rは、Hである。
【0063】
式(I)の別の態様において、Rは、C3-C8シクロアルキル、C1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C6-C10アリール、C1-C3アルキレン-(C6-C10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC1-C3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)であり、ここでC3-C8シクロアルキル、C1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C6-C10アリール、C1-C3アルキレン-(C6-C10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC1-C3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。式(I)の別の態様において、Rは、C3-C8シクロアルキルまたはC1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)であり、ここでC3-C8シクロアルキルまたはC1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。式(I)の別の態様において、Rは、C3-C8シクロアルキルであり、ここでC3-C8シクロアルキルは、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。式(I)の別の態様において、Rは、C1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)であり、ここでC1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。
【0064】
式(I)の別の態様において、Rは、4~10員ヘテロシクリルまたはC1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)であり、ここで4~10員ヘテロシクリルまたはC1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。式(I)の別の態様において、Rは、4~10員ヘテロシクリルであり、4~10員ヘテロシクリルは、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。式(I)の別の態様において、Rは、C1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)であり、ここでC1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。
【0065】
式(I)の別の態様において、Rは、C6-C10アリールまたはC1-C3アルキレン-(C6-C10アリール)であり、ここでC6-C10アリールまたはC1-C3アルキレン-(C6-C10アリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。式(I)の別の態様において、Rは、C6-C10アリールであり、ここでC6-C10アリールは、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。式(I)の別の態様において、Rは、C1-C3アルキレン-(C6-C10アリール)であり、ここでC1-C3アルキレン-(C6-C10アリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。
【0066】
式(I)の別の態様において、Rは、5~10員ヘテロアリールまたはC1-C3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)であり、ここで5~10員ヘテロアリールまたはC1-C3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。式(I)の別の態様において、Rは、5~10員ヘテロアリールであり、ここで5~10員ヘテロアリールは、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。式(I)の別の態様において、Rは、C1-C3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)であり、ここでC1-C3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。
【0067】
式(I)の別の態様において、R14はHである。式(I)の別の態様において、R14は非置換C1-C3アルキルである。式(I)の別の態様において、R15およびR16はそれぞれHである。式(I)の別の態様において、R15は非置換C1-C3アルキルであり、R16はHである。式(I)の別の態様において、R16は非置換C1-C3アルキルであり、R15はHである。式(I)の別の態様において、それぞれのR17およびR18はHである。式(I)の別の態様において、R17は非置換C1-C3アルキルであり、R18はHである。式(I)の別の態様において、R18は非置換C1-C3アルキルであり、R17はHである。式(I)の別の態様において、R14、R15、R16、R17およびR18の1つは非置換C1-C3アルキルであり、その他はそれぞれHである。式(I)の別の態様において、R14、R15、R16、R17およびR18のそれぞれはHである。
【0068】
式(I)の別の態様において、mは1である。式(I)の別の態様において、mは2である。式(I)の別の態様において、mは3である。式(I)の別の態様において、mは4である。式(I)の別の態様において、mは1、2または3である。式(I)の別の態様において、mは2、3または4である。式(I)の別の態様において、mは1または2である。式(I)の別の態様において、mは3または4である。
【0069】
式(I)の別の態様において、nは1であり、mは1または2である。式(I)の別の態様において、nは2であり、mは1または2である。式(I)の別の態様において、nは3であり、mは1または2である。式(I)の別の態様において、nは1であり、mは3または4である。式(I)の別の態様において、nは2であり、mは3または4である。式(I)の別の態様において、nは3であり、mは3または4である。
【0070】
式(I)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはCR4R5であり、VはCR3である。式(I)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはCR4R5であり、VはCR3であり、nは1である。式(I)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはCR4R5であり、VはCR3であり、nは2である。式(I)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはCR4R5であり、VはCR3であり、nは3である。
【0071】
式(I)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはCR4R5であり、VはCR3であり、mは1または2である。式(I)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはCR4R5であり、VはCR3であり、nは1であり、mは1または2である。式(I)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはCR4R5であり、VはCR3であり、nは2であり、mは1または2である。式(I)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはCR4R5であり、VはCR3であり、nは3であり、mは1または2である。式(I)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはCR4R5であり、VはCR3であり、mは3または4である。式(I)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはCR4R5であり、VはCR3であり、nは1であり、mは3または4である。式(I)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはCR4R5であり、VはCR3であり、nは2であり、mは3または4である。式(I)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはCR4R5であり、VはCR3であり、nは3であり、mは3または4である。
【0072】
式(I)の別の態様において、R1、R2、R4およびR5はそれぞれHである。式(I)の別の態様において、R1、R2、R4およびR5はそれぞれHであり;R3はHである。式(I)の別の態様において、R1、R2、R4およびR5はそれぞれHであり;R3はHであり;R6、R7、R8、R9およびR11はそれぞれHである。式(I)の別の態様において、R1、R2、R4およびR5はそれぞれHであり;R3はHであり;R6、R7、R8、R9およびR11はそれぞれHであり;R12およびR13はそれぞれHである。
【0073】
式(I)の別の態様において、R1、R2、R4およびR5の1つ以上はフッ素である。式(I)の別の態様において、R1、R2、R4およびR5の1つ以上は重水素である。式(I)の別の態様において、R6、R7、R8、R9およびR11の1つ以上はフッ素である。式(I)の別の態様において、R6、R7、R8、R9およびR11の1つ以上は重水素である。式(I)の別の態様において、それぞれのR12およびR13の1つ以上はフッ素である。式(I)の別の態様において、それぞれのR12およびR13の1つ以上は重水素である。
【0074】
式(I)の別の態様において、TはCR1R2であり、VはCR3であり、WはCR4R5であり、R11はHである。式(I)の別の態様において、TはCR1R2であり、VはCR3であり、WはCR4R5であり、R11はHであり、mは1である。式(I)の別の態様において、TはCR1R2であり、VはCR3であり、WはCR4R5であり、R11、R14、R15、R16、R17およびR18のそれぞれはHである。式(I)の別の態様において、TはCR1R2であり、VはCR3であり、WはCR4R5であり、R11、R14、R15、R16、R17およびR18のそれぞれはHであり、mは1である。式(I)の別の態様において、TはCR1R2であり、VはCR3であり、WはCR4R5であり、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18のそれぞれはHである。式(I)の別の態様において、TはCR1R2であり、VはCR3であり、WはCR4R5であり、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18のそれぞれはHであり、mは1である。
【0075】
式Iの化合物に関する本明細書に記載される態様のそれぞれは、式I-Aの化合物にも適用される。
【0076】
式II-A:
【化7】
の構造を有する化合物またはその薬学的に許容され得る塩も本明細書に提供され、式中:
nは1、2または3であり;
Eは、H、ヒドロキシル、NR
aR
b、C(=O)NR
aR
b、C
1-C
3アルキレン-NR
aR
b、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールおよびC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)からなる群より選択され、ここでC
1-C
3アルキレン-NR
aR
b、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキルもしくはC
1-C
3アルコキシルで置換され;
TはCR
1R
2またはOであり;
WはCR
4R
5またはOであり;
UはCR
6R
7であり;
XはCR
8R
9であり;
VはCR
3またはNであり;
Zは(CR
12R
13)
mであり;
Rは、H、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールおよびC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)からなる群より選択され、ここでC
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3アルコキシルもしくはNR
cR
dで置換され;
R
a、R
b、R
cおよびR
dはそれぞれ独立して、Hまたは非置換C
1-C
3アルキルであり;
mは2、3、4または5であり;
およびさらに:
R
1、R
2、R
4およびR
5はそれぞれ独立して、H、ヒドロキシル、ハロゲンおよび重水素からなる群より選択され;
または代替的に、R
2およびR
5は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、単結合を形成し;
R
3は、H、重水素、ハロゲン、ヒドロキシルおよびシアノからなる群より選択され;
または代替的に、R
3およびR
1は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C
3-C
5シクロアルキルを形成し;
または代替的に、R
3およびR
4は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C
3-C
5シクロアルキルを形成し;
R
6、R
7、R
8、R
9およびR
11はそれぞれ独立して、H、ヒドロキシル、ハロゲンおよび重水素からなる群より選択され;
それぞれのR
12およびR
13は独立して、H、ハロゲン、重水素、非置換C
1-C
3アルキルおよびヒドロキシルまたは1つ以上のハロゲンで置換されるC
1-C
3アルキルからなる群より選択され;
R
14、R
15およびR
16はそれぞれ独立して、H、非置換C
1-C
3アルキルまたは1つ以上のハロゲンで置換されるC
1-C
3アルキルからなる群より選択され;
それぞれのR
17およびR
18は独立して、H、非置換C
1-C
3アルキルまたは1つ以上のハロゲンで置換されるC
1-C
3アルキルからなる群より選択される。
【0077】
一態様において、式II:
【化8】
の構造を有する式II-Aの化合物またはその薬学的に許容され得る塩が本明細書に提供され、式中:
nは1、2または3であり;
Eは、H、ヒドロキシル、NR
aR
b、C(=O)NR
aR
b、C
1-C
3アルキレン-NR
aR
b、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールおよびC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)からなる群より選択され、ここでC
1-C
3アルキレン-NR
aR
b、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキルもしくはC
1-C
3アルコキシルで置換され;
TはCR
1R
2またはOであり;
WはCR
4R
5またはOであり;
UはCR
6R
7であり;
XはCR
8R
9であり;
VはCR
3またはNであり;
Zは(CR
12R
13)
mであり;
Rは、H、C
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールおよびC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)からなる群より選択され、ここでC
1-C
3アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
8シクロアルキル、C
1-C
3アルキレン-(C
3-C
8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C
1-C
3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C
6-C
10アリール、C
1-C
3アルキレン-(C
6-C
10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC
1-C
3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3アルコキシルもしくはNR
cR
dで置換され;
R
a、R
b、R
cおよびR
dはそれぞれ独立して、Hまたは非置換C
1-C
3アルキルであり;
mは2、3、4または5であり;
およびさらに:
R
1、R
2、R
4およびR
5はそれぞれ独立して、H、ヒドロキシル、ハロゲンおよび重水素からなる群より選択され;
または代替的に、R
2およびR
5は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、単結合を形成し;
R
3は、H、重水素、ハロゲン、ヒドロキシルおよびシアノからなる群より選択され;
または代替的に、R
3およびR
1は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C
3-C
5シクロアルキルを形成し;
または代替的に、R
3およびR
4は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C
3-C
5シクロアルキルを形成し;
R
6、R
7、R
8、R
9およびR
11はそれぞれ独立して、H、ヒドロキシル、ハロゲンおよび重水素からなる群より選択され;
それぞれのR
12およびR
13は独立して、H、ハロゲン、重水素、非置換C
1-C
3アルキルおよびヒドロキシルまたは1つ以上のハロゲンで置換されるC
1-C
3アルキルからなる群より選択され;
R
14、R
15およびR
16はそれぞれ独立して、H、非置換C
1-C
3アルキルまたは1つ以上のハロゲンで置換されるC
1-C
3アルキルからなる群より選択され;
それぞれのR
17およびR
18は独立して、H、非置換C
1-C
3アルキルまたは1つ以上のハロゲンで置換されるC
1-C
3アルキルからなる群より選択される。
【0078】
式(II)の一態様において、nは1である。式(II)の別の態様において、nは2である。式(II)の別の態様において、nは3である。
【0079】
式(II)の別の態様において、TはCR1R2である。式(II)の別の態様において、TはOである。式(II)の別の態様において、WはCR4R5である。式(II)の別の態様において、WはOである。式(II)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはCR4R5である。式(II)の別の態様において、TはOであり、WはCR4R5である。式(II)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはOである。
【0080】
式(II)の別の態様において、VはCR3である。式(II)の別の態様において、VはNである。
【0081】
式(II)の別の態様において、TはCR1R2であり、VはCR3である。式(II)の別の態様において、TはOであり、VはCR3である。式(II)の別の態様において、TはCR1R2であり、VはNである。式(II)の別の態様において、TはOであり、VはNである。
【0082】
式(II)の別の態様において、WはCR4R5であり、VはCR3である。式(II)の別の態様において、WはOであり、VはCR3である。式(II)の別の態様において、WはCR4R5であり、VはNである。式(II)の別の態様において、WはOであり、VはNである。
【0083】
式(II)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはCR4R5であり、VはCR3である。式(II)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはOであり、VはCR3である。式(II)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはCR4R5であり、VはNである。式(II)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはOであり、VはNである。式(II)の別の態様において、TはOであり、WはCR4R5であり、VはCR3である。
【0084】
式(II)の別の態様において、Eは、NRaRbである。式(II)の別の態様において、Eは、C(=O)NRaRbである。式(II)の別の態様において、Eは、C1-C3アルキレン-NRaRbである。式(II)の別の態様において、Eは、非置換C1-C3アルキル、非置換C2-C4アルケニルまたは非置換C2-C4アルキニルである。式(II)の別の態様において、Eは、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルもしくはC1-C3アルコキシルで置換されるC1-C3アルキル、C2-C4アルケニルまたはC2-C4アルキニルである。式(II)の別の態様において、Eは、非置換C1-C3アルキルである。式(II)の別の態様において、Eは、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルまたはC1-C3アルコキシルで置換されるC1-C3アルキルである。式(II)の別の態様において、Eは、非置換C3-C8シクロアルキルである。式(II)の別の態様において、Eは、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルまたはC1-C3アルコキシルで置換されるC3-C8シクロアルキルである。式(II)の別の態様において、Eは、非置換C1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)である。式(II)の別の態様において、Eは、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルまたはC1-C3アルコキシルで置換されるC1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)である。式(II)の別の態様において、Eは、非置換4~10員ヘテロシクリルである。式(II)の別の態様において、Eは、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルまたはC1-C3アルコキシルで置換される4~10員ヘテロシクリルである。式(II)の別の態様において、Eは、非置換C1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)である。式(II)の別の態様において、Eは、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルまたはC1-C3アルコキシルで置換されるC1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)である。式(II)の別の態様において、Eは、非置換C6-C10アリールである。式(II)の別の態様において、Eは、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルまたはC1-C3アルコキシルで置換されるC6-C10アリールである。式(II)の別の態様において、Eは、非置換C1-C3アルキレン-(C6-C10アリール)である。式(II)の別の態様において、Eは、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルまたはC1-C3アルコキシルで置換されるC1-C3アルキレン-(C6-C10アリール)である。式(II)の別の態様において、Eは、非置換5~10員ヘテロアリールである。式(II)の別の態様において、Eは、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルまたはC1-C3アルコキシルで置換される5~10員ヘテロアリールである。
【0085】
式(II)の別の態様において、Eは、非置換4~7員ヘテロシクリルである。式(II)の別の態様において、Eは、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルまたはC1-C3アルコキシルで置換される4~7員ヘテロシクリルである。式(II)の別の態様において、Eは、非置換4~6員ヘテロシクリルである。式(II)の別の態様において、Eは、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルまたはC1-C3アルコキシルで置換される4~6員ヘテロシクリルである。式(II)の別の態様において、Eは、非置換4員ヘテロシクリルである。式(II)の別の態様において、Eは、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルまたはC1-C3アルコキシルで置換される4員ヘテロシクリルである。式(II)の別の態様において、Eは、非置換5員ヘテロシクリルである。式(II)の別の態様において、Eは、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルまたはC1-C3アルコキシルで置換される5員ヘテロシクリルである。式(II)の別の態様において、Eは、非置換6員ヘテロシクリルである。式(II)の別の態様において、Eは、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルまたはC1-C3アルコキシルで置換される6員ヘテロシクリルである。
【0086】
式(II)の別の態様において、Eは、NRaRb、C(=O)NRaRb、C1-C3アルキレン-NRaRb、C1-C3アルキル、C2-C4アルケニル、C2-C4アルキニル、C3-C8シクロアルキル、C1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C6-C10アリールまたはC1-C3アルキレン-(C6-C10アリール)であり、ここでC1-C3アルキレン-NRaRb、C1-C3アルキル、C2-C4アルケニル、C2-C4アルキニル、C3-C8シクロアルキル、C1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C6-C10アリールまたはC1-C3アルキレン-(C6-C10アリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルもしくはC1-C3アルコキシルで置換される。
【0087】
式(II)の別の態様において、Eは、C1-C3アルキルであり、ここでC1-C3アルキルは、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルもしくはC1-C3アルコキシルで置換される。式(II)の別の態様において、Eは、メチルである。式(II)の別の態様において、Eは、1つ以上のハロゲンで置換されるメチルである。式(II)の別の態様において、Eは、1つ以上のフッ素で置換されるメチルである。式(II)の別の態様において、Eは、トリフルオロメチルである。
【0088】
式(II)の別の態様において、Eは、C1-C3アルキル、C2-C4アルケニル、C2-C4アルキニル、C3-C8シクロアルキル、C1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C6-C10アリールまたはC1-C3アルキレン-(C6-C10アリール)であり、ここでC1-C3アルキル、C2-C4アルケニル、C2-C4アルキニル、C3-C8シクロアルキル、C1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C6-C10アリールまたはC1-C3アルキレン-(C6-C10アリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルもしくはC1-C3アルコキシルで置換される。
【0089】
式(II)の別の態様において、Eは、C1-C3アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C6-C10アリールまたはC1-C3アルキレン-(C6-C10アリール)であり、ここでC1-C3アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C6-C10アリールまたはC1-C3アルキレン-(C6-C10アリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルもしくはC1-C3アルコキシルで置換される。
【0090】
式(II)の別の態様において、Eは、C1-C3アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリルまたはC1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)であり、ここでC1-C3アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリルまたはC1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルもしくはC1-C3アルコキシルで置換される。
【0091】
式(II)の別の態様において、Eは、C1-C3アルキル、C3-C8シクロアルキルまたはC1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)であり、ここでC1-C3アルキル、C3-C8シクロアルキルまたはC1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルもしくはC1-C3アルコキシルで置換される。
【0092】
式(II)の別の態様において、Eは、メチルであり、ここでメチルは、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルもしくはC1-C3アルコキシルで置換される。式(II)の別の態様において、Eは、ジオキサニルであり、ここでジオキサニルは、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルもしくはC1-C3アルコキシルで置換される。式(II)の別の態様において、Eは、テトラヒドロピラニルであり、ここでテトラヒドロピラニルは、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルもしくはC1-C3アルコキシルで置換される。式(II)の別の態様において、Eは、テトラヒドロフラニルであり、ここでテトラヒドロフラニルは、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルもしくはC1-C3アルコキシルで置換される。式(II)の別の態様において、Eは、アゼチジニルであり、ここでアゼチジニルは、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルもしくはC1-C3アルコキシルで置換される。式(II)の別の態様において、Eは、オキセタニルであり、ここでオキセタニルは、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルもしくはC1-C3アルコキシルで置換される。式(II)の別の態様において、Eは、モルホリニルであり、ここでモルホリニルは、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキルもしくはC1-C3アルコキシルで置換される。
【0093】
式(II)の別の態様において、Rは、C1-C3アルキル、C2-C4アルケニルまたはC2-C4アルキニルであり、ここでC1-C3アルキル、C2-C4アルケニルまたはC2-C4アルキニルは、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。式(II)の別の態様において、Rは、C1-C3アルキルであり、ここでC1-C3アルキルは、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。式(II)の別の態様において、Rは、C1-C3アルキルであり、ここでC1-C3アルキルは非置換である。式(II)の別の態様において、Rは、メチルであり、ここでメチルは、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。式(II)の別の態様において、Rは、メチルである。式(II)の別の態様において、Rは、トリフルオロメチルである。式(II)の別の態様において、RはHである。
【0094】
式(II)の別の態様において、Rは、C3-C8シクロアルキル、C1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C6-C10アリール、C1-C3アルキレン-(C6-C10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC1-C3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)であり、ここでC3-C8シクロアルキル、C1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)、4~10員ヘテロシクリル、C1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)、C6-C10アリール、C1-C3アルキレン-(C6-C10アリール)、5~10員ヘテロアリールまたはC1-C3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。式(II)の別の態様において、Rは、C3-C8シクロアルキルまたはC1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)であり、ここでC3-C8シクロアルキルまたはC1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。式(II)の別の態様において、Rは、C3-C8シクロアルキルであり、ここでC3-C8シクロアルキルは、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。式(II)の別の態様において、Rは、C1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)であり、ここでC1-C3アルキレン-(C3-C8シクロアルキル)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。
【0095】
式(II)の別の態様において、Rは、4~10員ヘテロシクリルまたはC1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)であり、ここで4~10員ヘテロシクリルまたはC1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。式(II)の別の態様において、Rは、4~10員ヘテロシクリルであり、4~10員ヘテロシクリルは、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。式(II)の別の態様において、Rは、C1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)であり、ここでC1-C3アルキレン-(4~10員ヘテロシクリル)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。
【0096】
式(II)の別の態様において、Rは、C6-C10アリールまたはC1-C3アルキレン-(C6-C10アリール)であり、ここでC6-C10アリールまたはC1-C3アルキレン-(C6-C10アリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。式(II)の別の態様において、Rは、C6-C10アリールであり、ここでC6-C10アリールは、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。式(II)の別の態様において、Rは、C1-C3アルキレン-(C6-C10アリール)であり、ここでC1-C3アルキレン-(C6-C10アリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。
【0097】
式(II)の別の態様において、Rは、5~10員ヘテロアリールまたはC1-C3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)であり、ここで5~10員ヘテロアリールまたはC1-C3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。式(II)の別の態様において、Rは、5~10員ヘテロアリールであり、5~10員ヘテロアリールは、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。式(II)の別の態様において、Rは、C1-C3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)であり、ここでC1-C3アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)は、非置換であるかまたは1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシルもしくはNRcRdで置換される。
【0098】
式(II)の別の態様において、R14はHである。式(II)の別の態様において、R14は非置換C1-C3アルキルである。式(II)の別の態様において、R15およびR16はそれぞれHである。式(II)の別の態様において、R15は非置換C1-C3アルキルであり、R16はHである。式(II)の別の態様において、R16は非置換C1-C3アルキルであり、R15はHである。式(II)の別の態様において、それぞれのR17およびR18はHである。式(II)の別の態様において、R17は非置換C1-C3アルキルであり、R18はHである。式(II)の別の態様において、R18は非置換C1-C3アルキルであり、R17はHである。式(II)の別の態様において、R14、R15、R16、R17およびR18の1つは非置換C1-C3アルキルであり、その他はそれぞれHである。式(II)の別の態様において、R14、R15、R16、R17およびR18のそれぞれはHである。
【0099】
式(II)の別の態様において、mは2である。式(II)の別の態様において、mは3である。式(II)の別の態様において、mは4である。式(II)の別の態様において、mは5である。式(II)の別の態様において、mは2、3または4である。式(II)の別の態様において、mは3、4または5である。式(II)の別の態様において、mは2または3である。式(II)の別の態様において、mは4または5である。
【0100】
式(II)の別の態様において、nは1であり、mは2または3である。式(II)の別の態様において、nは2であり、mは2または3である。式(II)の別の態様において、nは3であり、mは2または3である。式(II)の別の態様において、nは1であり、mは4または5である。式(II)の別の態様において、nは2であり、mは4または5である。式(II)の別の態様において、nは3であり、mは4または5である。
【0101】
式(II)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはCR4R5であり、VはCR3である。式(II)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはCR4R5であり、VはCR3であり、nは1である。式(II)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはCR4R5であり、VはCR3であり、nは2である。式(II)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはCR4R5であり、VはCR3であり、nは3である。
【0102】
式(II)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはCR4R5であり、VはCR3であり、mは2または3である。式(II)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはCR4R5であり、VはCR3であり、nは1であり、mは2または3である。式(II)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはCR4R5であり、VはCR3であり、nは2であり、mは2または3である。式(II)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはCR4R5であり、VはCR3であり、nは3であり、mは2または3である。式(II)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはCR4R5であり、VはCR3であり、mは4または5である。式(II)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはCR4R5であり、VはCR3であり、nは1であり、mは4または5である。式(II)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはCR4R5であり、VはCR3であり、nは2であり、mは4または5である。式(II)の別の態様において、TはCR1R2であり、WはCR4R5であり、VはCR3であり、nは3であり、mは4または5である。
【0103】
式(II)の別の態様において、R1、R2、R4およびR5はそれぞれHである。式(II)の別の態様において、R1、R2、R4およびR5はそれぞれHであり;R3はHである。式(II)の別の態様において、R1、R2、R4およびR5はそれぞれHであり;R3はHであり;R6、R7、R8、R9およびR11はそれぞれHである。式(II)の別の態様において、R1、R2、R4およびR5はそれぞれHであり;R3はHであり;R6、R7、R8、R9およびR11はそれぞれHであり;R12およびR13はそれぞれHである。
【0104】
式(II)の別の態様において、R1、R2、R4およびR5の1つ以上はフッ素である。式(II)の別の態様において、R1、R2、R4およびR5の1つ以上は重水素である。式(II)の別の態様において、R6、R7、R8、R9およびR11の1つ以上はフッ素である。式(II)の別の態様において、R6、R7、R8、R9およびR11の1つ以上は重水素である。式(II)の別の態様において、それぞれのR12およびR13の1つ以上はフッ素である。式(II)の別の態様において、それぞれのR12およびR13の1つ以上は重水素である。
【0105】
式(II)の別の態様において、TはCR1R2であり、VはCR3であり、WはCR4R5であり、R11はHである。式(II)の別の態様において、TはCR1R2であり、VはCR3であり、WはCR4R5であり、R11はHであり、mは2である。式(II)の別の態様において、TはCR1R2であり、VはCR3であり、WはCR4R5であり、R11、R14、R15、R16、R17およびR18のそれぞれはHである。式(II)の別の態様において、TはCR1R2であり、VはCR3であり、WはCR4R5であり、R11、R14、R15、R16、R17およびR18のそれぞれはHであり、mは2である。式(II)の別の態様において、TはCR1R2であり、VはCR3であり、WはCR4R5であり、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18のそれぞれはHである。式(II)の別の態様において、TはCR1R2であり、VはCR3であり、WはCR4R5であり、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18のそれぞれはHであり、mは2である。
【0106】
式IIの化合物に関する本明細書に記載される態様のそれぞれは、式II-Aの化合物にも適用される。
【0107】
式I-A、I、II-A、IIの化合物またはその薬学的に許容され得る塩の特定の態様は表1において以下に示される。式I-A、I、II-A、IIの化合物またはその薬学的に許容され得る塩および表1の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、集合的にまたは個々に時々本明細書において「本発明の化合物」または「本明細書に提供される化合物」と称される。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【0108】
開示される化合物は、1つ以上の立体中心を有し、それぞれの立体中心は、独立してRまたはS立体配座のいずれかで存在し得る。一態様において、本明細書に記載される化合物は、光学的に活性であるかまたはラセミ形態で存在する。本明細書に記載される化合物は、ラセミ、光学活性、位置異性体および立体異性体形態、または本明細書に記載される治療的に有用な特性を有するそれらの組合せを包含することが理解される。
【0109】
光学活性形態の調製は、非限定的な例として、再結晶化技術によるラセミ形態の分割、光学活性開始材料からの合成、キラル合成またはキラル固定相を使用したクロマトグラフィー分離などによる任意の適切な様式で達成される。一態様において、2つ以上の異性体の混合物を、本明細書に記載される開示の化合物として使用する。別の態様において、純粋な異性体を、本明細書に記載される開示の化合物として使用する。別の態様において、本明細書に記載される化合物は、1つ以上のキラル中心を含む。これらの化合物は、立体選択的合成、鏡像異性選択的合成またはエナンチオマーもしくはジアステレオマーの混合物の分離などの任意の手段により調製される。化合物およびその異性体の分割は、非限定的な例として、化学プロセス、酵素プロセス、分画結晶化、蒸留およびクロマトグラフィーなどの任意の手段により達成される。
【0110】
一態様において、開示される化合物は互変異性体として存在し得る。全ての互変異性体は、本明細書に提示される化合物の範囲に含まれる。
【0111】
本明細書に記載される化合物は、同位体標識化合物も含み、ここで1つ以上の原子は、同じ原子番号を有するが、原子質量または質量数が天然において通常見られる原子質量または質量数とは異なる原子で置き換えられる。本明細書に記載される化合物に含まれるのに適切な同位体の例としては、2H、3H、11C、13C、14C、36Cl、18F、123I、125I、13N、15N、15O、17O、18O、32Pおよび35Sが挙げられるがそれに限定されない。一態様において、同位体標識化合物は、薬物または基質の組織分布試験において有用である。別の態様において、重水素などのより重い異性体による置換は、より高い代謝安定性(例えばインビボ半減期の増加または投与要件の低下)を提供する。別の態様において、本明細書に記載される化合物は、2H(すなわち重水素)同位体を含む。
【0112】
さらに別の態様において、11C、18F、15Oおよび13Nなどの陽電子放出同位体による置換は、基質受容体占有率を試験するための陽電子断層撮影法(PET)試験において有用である。同位体標識化合物は、任意の適切な方法により、またはそうでなければ使用される非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用するプロセスにより調製される。
【0113】
本明細書に記載される特定の化合物および異なる置換基を有する本明細書に記載される式の1つ以上に包含される他の化合物は、本明細書に記載される技術および材料を使用して、例えばFieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis, Volumes 1-17 (John Wiley and Sons, 1991);Rodd's Chemistry of Carbon Compounds, Volumes 1-5 and Supplementals (Elsevier Science Publishers, 1989);Organic Reactions, Volumes 1-40 (John Wiley and Sons, 1991)、Larock's Comprehensive Organic Transformations (VCH Publishers Inc., 1989)、March, Advanced Organic Chemistry 4th Ed., (Wiley 1992);Carey and Sundberg, Advanced Organic Chemistry 4th Ed., Vols. A and B (Plenum 2000, 2001)およびGreen and Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis 3rd Ed., (Wiley 1999)(それらの全てはかかる開示についてに参照により援用される)に記載されるように合成される。本明細書に記載される化合物の調製のための一般的な方法は、本明細書に提供される式に見られる種々の部分の導入のために、適切な試薬および条件を使用して改変される。
【0114】
本明細書に記載される化合物は、商業的供給源から入手可能であるかまたは本明細書に記載される手順を使用して調製される化合物から開始される任意の適切な手順を使用して合成される。
【0115】
治療方法
本発明の化合物は、被験体において疾患または状態を治療する方法に使用され得、該方法は、被験体に、本発明の化合物または本発明の化合物を含む医薬組成物を投与する工程を含む。本明細書に記載される方法の一態様において、被験体はヒトである。一局面において、本明細書に提供される化合物は、オレキシン-2受容体のアゴニストとして作用することにより、疾患または状態の治療に有用である。
【0116】
本発明の化合物は、ナルコレプシー、カタプレキシーまたは睡眠過剰からなる群より選択される疾患または状態の治療を必要とする被験体において、ナルコレプシー、カタプレキシーまたは睡眠過剰からなる群より選択される疾患または状態を治療するために使用され得る。
【0117】
一態様において、本発明の化合物は、被験体においてナルコレプシーを治療するために使用され得る。一態様において、本発明の化合物は、被験体においてカタプレキシーを治療するために使用され得る。一態様において、本発明の化合物は、被験体において睡眠過剰を治療するために使用され得る。
【0118】
オレキシン-2受容体は、広範囲の生物学的機能において重要である。これは、オレキシン-2受容体がヒトまたは他の種において種々の疾患プロセスにおいて役割を担うことを示唆する。本発明の化合物は、睡眠/起床機能における変化に関連する種々の神経学的および精神医学的疾患の以下の症状または疾患の1つ以上のリスクを治療、予防または改善するために有用である。すなわち、ナルコレプシー、カタプレキシーを有するナルコレプシー、特発性睡眠過剰、睡眠過剰、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー症候群、睡眠過剰を特徴とする過剰傾眠症候群(例えばクライネ-レヴィン症候群、睡眠過剰を有する大うつ病、レヴィー小体認知症、パーキンソン病、進行性核上麻痺、プラーダ-ヴィリ症候群、メービウス症候群、換気過少症候群、ニーマン-ピック病C型、脳挫傷、脳梗塞、脳腫瘍、筋ジストロフィー、多発性硬化症、多系統萎縮、急性播種性脳脊髄炎、ギヤン-バレー症候群、ラスムッセン脳炎、ヴェルニッケ脳炎、辺縁系脳炎または橋本脳症を有する被験体において)、昏睡、意識の喪失、肥満(例えば悪性肥満細胞症、外因性肥満、高インスリン性肥満、過形成性(hyperplasmic)肥満、下垂体性(hypop hyseal)肥満、形成不全(hypoplasmic)肥満、甲状腺低下性肥満、視床下部性肥満、症候性肥満、乳児期肥満、上部身体肥満、食事性肥満、性腺機能低下性肥満、全身性肥満細胞症、単純肥満または中心肥満(central obesity))、インスリン抵抗性症候群、アルツハイマー病、例えば昏睡などの意識の乱れ等、麻酔のための副作用および合併症、睡眠障害、過剰な日中の眠気、睡眠の問題、不眠症、断続的な睡眠、夜間ミオクロヌス、レム睡眠中断、時差ボケ、時差ボケ症候群、交替勤務者の睡眠障害、睡眠障害、夜驚、うつ病、大うつ病、夢遊病、遺尿、睡眠障害、アルツハイマー夕暮れ(Alzheimer's dusk)、日没現象、概日リズムに関連する疾患、線維筋痛症、睡眠の質の低下により生じる状態、食べ過ぎ、強迫性摂食障害、肥満関連疾患、高血圧、糖尿病、増加した血漿のインスリン濃度およびインスリン抵抗性、高脂血症、脂肪過剰血症、子宮内膜癌、乳癌、前立腺癌、結腸直腸癌、癌、変形性関節症、閉塞性睡眠時無呼吸、胆石症、胆石、心臓疾患、異常心拍、不整脈、心筋梗塞、うっ血性心不全、心不全、冠状心臓疾患、心臓血管障害、多嚢胞性卵巣疾患、頭蓋咽頭腫(craniopharingioma)、プラーダ-ヴィリ症候群、フレーリッヒ(Froelich)症候群、成長ホルモン欠乏、正常突然変異体低身長、ターナー症候群、急性リンパ芽球性白血病に苦しむ小児、X症候群、生殖ホルモン異常、受精能の低下、不妊症、男性生殖腺機能低下、女性男性多毛などの性的および生殖機能不全、妊娠女性の肥満に関連する胎児欠陥、肥満関連胃食道逆流などの胃腸運動性障害、肥満換気過少症候群(ピックウィック症候群)、呼吸困難などの呼吸性疾患、脈管系の全身性炎症などの炎症、動脈硬化、高コレステロール血症、高尿酸血症、低背部疼痛、胆嚢病、痛風、腎臓癌、肥満の二次的結果のリスク、例えば左心室肥大のリスクの低下、片頭痛、頭痛、神経障害性疼痛、パーキンソン病、精神病、自己免疫脳炎、癌関連疲労(例えば過剰な日中の眠気または癌および/または化学療法に関連する疲労)、癌関連の悪心および嘔吐、皮質基底核変性、ハンチントン病、視神経脊髄炎、侵害受容(nociception)、進行性核上麻痺、統合失調症、全身性エリテマトーデス、外傷性脳損傷、顔面潮紅、寝汗、生殖/泌尿器系の疾患、性的機能または受精能に関連する疾患、気分変調性障害、双極性障害、双極I型障害、双極II型障害、気分循環障害、急性ストレス障害、広場恐怖症、全般性不安障害、強迫性障害、パニック発作、恐慌性障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、分離不安障害、社会恐怖、不安障害、心臓バイパス手術および移植後脳欠損などの急性の神経学的および精神医学的障害、脳卒中、虚血性脳卒中、脳虚血、脊髄損傷、頭部外傷、周産期低酸素症、心停止、低血糖神経損傷、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、眼の損傷、網膜症、認知障害、筋痙攣、振顫、癲癇、筋肉痙縮に関連する障害、せん妄、健忘障害、加齢関連認知低下、統合失調感情障害、妄想障害、薬物嗜癖、運動障害、慢性疲労症候群、疲労、医薬品誘導振顫麻痺症候群、ジル・ド・ラ・ツレット症候群、舞踏病、ミオクロヌス、チック、不穏下肢症候群、ジストニー、運動障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、行動障害、尿失禁、離脱症状、三叉神経痛、聴力損失、耳鳴、神経損傷、網膜症、黄斑変性、嘔吐、脳水腫、疼痛、骨疼痛、関節痛、歯痛、カタプレキシー、ならびに外傷性脳損傷(TBI)。
【0119】
特に、本発明の化合物は、ナルコレプシー、特発性睡眠過剰、睡眠過剰、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー症候群、睡眠過剰を特徴とする過剰傾眠症候群(例えばパーキンソン病、ギヤン-バレー症候群またはクライネ-レヴィン症候群における)、アルツハイマー病、肥満、インスリン抵抗性症候群、心不全、骨の損失に関連する疾患、敗血症、昏睡などの意識の乱れ等、麻酔のための副作用および合併症等または麻酔薬アンタゴニストのための治療または予防薬として有用である。
【0120】
一態様において、本発明の化合物は、オレキシン-2受容体アゴニスト活性を有し、ナルコレプシーのための予防または治療剤として有用である。
【0121】
別の態様において、本発明の化合物は、1型ナルコレプシーのための予防または治療剤として有用である。別の態様において、本発明の化合物は、2型ナルコレプシーのための予防または治療剤として有用である。別の態様において、本発明の化合物は、ナルコレプシーおよび過剰な日中の眠気のための予防または治療剤として有用である。別の態様において、本発明の化合物は、ナルコレプシー、カタプレキシーおよび過剰な日中の眠気のための予防または治療剤として有用である。別の態様において、本発明の化合物は、ナルコレプシーおよびカタプレキシーのための予防または治療剤として有用である。別の態様において、本発明の化合物は、過剰な日中の眠気のための予防または治療剤として有用である。別の態様において、本発明の化合物は、特発性睡眠過剰のための予防または治療剤として有用である。別の態様において、本発明の化合物は、閉塞性睡眠時無呼吸のための予防または治療剤として有用である。
【0122】
別の態様において、本発明の化合物は、オレキシン-2受容体アゴニスト活性を有し、パーキンソン病における睡眠過剰のための予防または治療剤として有用である。
【0123】
別の態様において、本発明の化合物は、オレキシン-2受容体アゴニスト活性を有し、睡眠過剰のための予防または治療剤として有用である。別の態様において、本発明の化合物は、オレキシン-2受容体アゴニスト活性を有し、パーキンソン病に関連する過剰な日中の眠気のための予防または治療剤として有用である。
【0124】
別の態様において、本発明の化合物は、オレキシン-2受容体アゴニスト活性を有し、過剰な日中の眠気または癌および/または化学療法に関連する疲労のための予防または治療剤として有用である。
【0125】
別の態様において、本発明は、ナルコレプシーの治療を必要とする被験体に式I-A、I、II-AもしくはIIの化合物またはその薬学的に許容され得る塩を投与する工程を含む、該被験体においてナルコレプシーを治療する方法を提供する。
【0126】
別の態様において、本発明は、ナルコレプシー1型の治療を必要とする被験体に式I-A、I、II-AもしくはIIの化合物またはその薬学的に許容され得る塩を投与する工程を含む、該被験体においてナルコレプシー1型を治療する方法を提供する。
【0127】
別の態様において、本発明は、ナルコレプシー2型の治療を必要とする被験体に式I-A、I、II-AもしくはIIの化合物またはその薬学的に許容され得る塩を投与する工程を含む、該被験体においてナルコレプシー2型を治療する方法を提供する。
【0128】
別の態様において、本発明は、ナルコレプシーおよび過剰な日中の眠気の治療を必要とする被験体に式I-A、I、II-AもしくはIIの化合物またはその薬学的に許容され得る塩を投与する工程を含む、該被験体においてナルコレプシーおよび過剰な日中の眠気を治療する方法を提供する。
【0129】
別の態様において、本発明は、ナルコレプシー、カタプレキシーおよび過剰な日中の眠気の治療を必要とする被験体に式I-A、I、II-AもしくはIIの化合物またはその薬学的に許容され得る塩を投与する工程を含む、該被験体においてナルコレプシー、カタプレキシーおよび過剰な日中の眠気を治療する方法を提供する。
【0130】
別の態様において、本発明は、ナルコレプシーおよびカタプレキシーの治療を必要とする被験体に式I-A、I、II-AもしくはIIの化合物またはその薬学的に許容され得る塩を投与する工程を含む、該被験体においてナルコレプシーおよびカタプレキシーを治療する方法を提供する。
【0131】
別の態様において、本発明は、過剰な日中の眠気の治療を必要とする被験体に式I-A、I、II-AもしくはIIの化合物またはその薬学的に許容され得る塩を投与する工程を含む、該被験体において過剰な日中の眠気を治療する方法を提供する。
【0132】
別の態様において、本発明は、特発性睡眠過剰の治療を必要とする被験体に式I-A、I、II-AもしくはIIの化合物またはその薬学的に許容され得る塩を投与する工程を含む、該被験体において特発性睡眠過剰を治療する方法を提供する。
【0133】
別の態様において、本発明は、過剰な日中の眠気および特発性睡眠過剰の治療を必要とする被験体に式I-A、I、II-AもしくはIIの化合物またはその薬学的に許容され得る塩を投与する工程を含む、該被験体において過剰な日中の眠気および特発性睡眠過剰を治療する方法を提供する。
【0134】
別の態様において、本発明は、閉塞性睡眠時無呼吸の治療を必要とする被験体に式I-A、I、II-AもしくはIIの化合物またはその薬学的に許容され得る塩を投与する工程を含む、該被験体において閉塞性睡眠時無呼吸を治療する方法を提供する。
【0135】
別の態様において、本発明は、過剰な日中の眠気および閉塞性睡眠時無呼吸の治療を必要とする被験体に式I-A、I、II-AもしくはIIの化合物またはその薬学的に許容され得る塩を投与する工程を含む、該被験体において過剰な日中の眠気および閉塞性睡眠時無呼吸を治療する方法を提供する。
【0136】
本明細書に記載される方法のいずれかにおいて、被験体は式Iの化合物を投与される。本明細書に記載される方法のいずれかにおいて、被験体は式IIの化合物を投与される。
【0137】
式Iの化合物の使用に関して本明細書に記載される態様のそれぞれは、式I-Aの化合物にも適用される。式IIの化合物の使用に関して本明細書に記載される態様のそれぞれは、式II-Aの化合物にも適用される。
【0138】
本明細書に記載される組成物または方法のいずれかにおいて、式I-A、I、II-A、IIの化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、治療有効量で存在するおよび/または投与される。
【0139】
投与/用量/製剤
別の局面において、薬学的に許容され得る担体と共に本発明の少なくとも1つの化合物を含む医薬組成物が本明細書に提供される。
【0140】
本発明の医薬組成物中の有効成分の実際の用量レベルは、患者に対して毒性でなく、特定の患者、組成物および投与形式について所望の治療応答を達成するのに有効な有効成分の量を得るように変更され得る。
【0141】
特に、選択される用量レベルは、使用される特定の化合物の活性、投与時間、化合物の排出速度、治療の持続時間、該化合物と組み合わせて使用される他の薬物、化合物または材料、治療される患者の年齢、性別、体重、状態、一般的な健康状態および以前の医学的経歴などの種々の要因、ならびに医学の分野で周知の同様の要因に依存する。
【0142】
当該技術分野において通常の技術を有する医学博士、例えば医師または獣医師は、必要な医薬組成物の有効量を容易に決定および処方し得る。例えば、医師または獣医師は、所望の治療効果を達成し、所望の効果が達成されるまで用量を徐々に増加するために、医薬組成物の投与を開始して、必要とされるよりも低いレベルで開示される化合物を投与し得る。
【0143】
特定の態様において、投与の容易さおよび用量の均一性のために単位剤型で化合物を製剤化することが特に有利である。本明細書で使用する場合、単位剤型は、治療される患者についての単位用量として適合された物理的に別々の単位をいい;それぞれの単位は、必要とされる薬学的ビヒクルと関連して所望の治療効果を生じるように計算される開示化合物の所定量を含む。本発明の単位剤型は、(a)開示化合物の特有の特徴および達成される特定の治療効果、ならびに(b)患者におけるナルコレプシーまたはカタプレキシーの治療のためのかかる開示化合物の調合(compound)/製剤化の分野に特有の制限により規定され、直接それらに依存する。
【0144】
一態様において、本発明の化合物は、1つ以上の薬学的に許容され得る賦形剤または担体を使用して製剤化される。一態様において、本発明の医薬組成物は、治療有効量の開示化合物および薬学的に許容され得る担体を含む。
【0145】
いくつかの態様において、開示化合物の用量は約1mg~約1,000mgである。いくつかの態様において、本明細書に記載される組成物において使用される開示化合物の用量は、約1,000mg未満または約800mg未満または約600mg未満または約500mg未満または約300mg未満または約200mg未満または約100mg未満または約50mg未満または約20mg未満または約10mg未満である。例えば、用量は、約10mg、20mg、25mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、100mg、120mg、140mg、160mg、180mg、200mg、220mg、240、260mg、280mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mgまたは約600mgである。
【0146】
本発明の組成物のいずれかの投与経路としては、経口、経鼻、経直腸、膣内、非経口、頬内、舌下または局所が挙げられる。本発明における使用のための化合物は、経口または非経口、例えば経皮、経粘膜(例えば舌下、舌、(経)頬内、(経)尿道、膣(例えば経腟および膣周囲)、鼻腔(内)および(経)直腸)、膀胱内、肺内、十二指腸内、胃内、鞘内、皮下、筋内、皮内、動脈内、静脈内、気管支内、吸入および局所投与のためなどの任意の適切な経路による投与のために製剤化され得る。一態様において、好ましい投与経路は経口である。
【0147】
適切な組成物および剤型としては、例えば錠剤、カプセル剤、キャプレッツ、丸薬、ゲルキャップ、トローチ剤、分散剤、懸濁剤、溶液、シロップ、顆粒、ビーズ、経皮パッチ、ゲル、散剤、ペレット、マグマ、ロゼンジ、クリーム、ペースト、硬膏、ローション、ディスク、坐剤、鼻腔または経口投与のための液体スプレー、吸入のための乾燥粉末またはエーロゾル化製剤、膀胱内投与のための組成物および製剤等が挙げられる。本発明において有用である製剤および組成物は、本明細書に記載される特定の製剤および組成物に限定されないことが理解されるべきである。
【0148】
経口適用について、錠剤、糖衣丸、液体、ドロップ、坐剤またはカプセル剤、キャプレッツおよびゲルキャップが特に適切である。経口使用に意図される組成物は、当該技術分野で公知の任意の方法に従って調製され得、かかる組成物は、錠剤の製造に適切な不活性、非毒性の医薬賦形剤からなる群より選択される1つ以上の薬剤を含み得る。かかる賦形剤としては、例えば不活性希釈剤、例えばラクトース;顆粒化および崩壊剤、例えばトウモロコシデンプン;結合剤、例えばデンプン;ならびに滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウムが挙げられる。錠剤はコーティングされ得ないか、または科学的精密さのためまたは有効成分の放出を遅延するための公知の技術によりコーティングされ得る。経口使用のための製剤は、硬質ゼラチンカプセルとしても提示され得、ここで有効成分は不活性希釈剤と混合される。
【0149】
非経口投与について、開示化合物は、注射または注入、例えば静脈内、筋内または皮下の注射または注入のため、あるいはボーラス投与または連続注入における投与のために製剤化され得る。懸濁、安定化または分散剤などの他の製剤化剤を任意に含む油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液またはエマルジョンが使用され得る。
【0150】
常套的な実験、本明細書に記載される特定の手順、態様、特許請求の範囲および実施例に対する多くの同等物を超えないものを使用することを、当業者は理解するかまたは確かめ得る。かかる同等物は、本発明の範囲内にあるとみなされ、本明細書に添付される特許請求の範囲によりカバーされる。例えば、反応時間、反応サイズ/体積および実験試薬、例えば溶媒、触媒、圧力、大気条件、例えば窒素大気、および還元/酸化剤を含むがそれに限定されない反応条件の、当該技術分野で認識される変形物を用いて常套的な実験を超えないものを使用する改変は、本願の範囲内にあることが理解されるべきである。
【0151】
値および範囲が本明細書に提供される場合はいつでも、これらの値および範囲に包含される全ての値および範囲は、本発明の範囲に包含されることが意味されることが理解される。さらに、これらの範囲に含まれる全ての値および値の範囲の上限または下限も、本願により企図される。
【0152】
以下の実施例は、本発明の局面をさらに説明する。しかしながら、それらは、本明細書に記載される本発明の教示または開示の限定では全くない。
【実施例】
【0153】
実施例
本発明は、以下の実施例によりさらに説明され、これはさらなる限定として解釈されるべきではない。本発明の実施は、そうではないと示されない限り、当該分野の技術内にある有機合成、細胞生物学、細胞培養、分子生物学、トランスジェニック生物学、微生物学および免疫学の従来の技術を使用する。
【0154】
一般的な手順
実施例1:合成手順
本発明の化合物の調製のための合成手順は、当業者に容易に利用可能である。そうではないと示されない限り、開始材料は一般的に商業的供給業者から入手した。他の大環状化合物についての合成手順は、例えば両方2020年11月25日に出願された米国出願番号:17/104,993およびPCT出願番号:PCT/US20/62320に見られ得、それらの両方は参照により本明細書に明確に援用される。
【0155】
以下の合成例において以下の略語が使用され得る:
AcOH=酢酸
DCM=ジクロロメタン
MsCl=メタンスルホニルクロライド
MeOH=メタノール
THF=テトラヒドロフラン
EtOH=エタノール
PtO2=二酸化白金
HATU=1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート
DIPEAまたはDIEA=N,N-ジイソプロピルエチルアミン
tBu=tert-ブチル
MeCN=アセトニトリル
PE=石油エーテル
EtOAc=酢酸エチル
DMF=ジメチルホルムアミド
TFA=トリフルオロ酢酸
LiOH=水酸化リチウム
min=分
hr=時間
NaH=水素化ナトリウム
Pd2(dba)3=トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(O)
DMSO=ジメチルスルホキシド
i-PrOH=イソプロパノール
Pd/C=炭素上パラジウム
XantPhos=4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン
Boc=tert-ブチルオキシカルボニル
Ms=メタンスルホニル
Bn=ベンジル
Et=エチル
Cbz=カルボキシベンジル
PMB=パラ-メトキシベンジル
DBU=1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン
NBS=N-ブロモスクシンイミド
Pd(dppf)Cl2=[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)
DMAP=4-(ジメチルアミノ)ピリジン
NCS=N-クロロスクシンイミド
DMPU=1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン
LDA=リチウムジイソプロピルアミド
HOBt=1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
【0156】
実施例1.1
【化9】
THF (150mL)中のベンジル(2R,3S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-(((4-オキソシクロヘキシル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(2.00g、1.0当量、4.34mmol)の溶液に、ナトリウムトリアセトキシヒドロボレート(1.84g、2.0当量、8.69mmol)およびメタンアミン(0.54g、4.0当量、17.4mmol)を添加した。得られた混合物を25℃で16hr撹拌した。25℃でH
2O (50mL)を添加して反応をクエンチした。得られた混合物をH
2O (3x50mL)で抽出した。合わせた有機層をpH7に中和した。合わせた有機層を酢酸エチル(3x50mL)で抽出し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮して、ベンジル(2R,3S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-((((1s,4S)-4-(メチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(500mg、1.05mmol、24.2%)を固体として得た。LCMS (ESI): m/z [M+H]
+= 476.
【0157】
【化10】
ジクロロメタン(100mL)中の4-ニトロフェニルカルボノクロリダート(1.21g、1.0当量、6.00mmol)およびベンジル2-ヒドロキシアセテート(1.00g、1.0当量、6.00mmol)の溶液に、ピリジン(950mg、2.0当量、12.0mmol)を添加した。得られた混合物を0℃で2hr撹拌した。25℃で10% HCL (50mL)を添加して反応をクエンチした。得られた混合物をジクロロメタン(3 x 50mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。粗製物を逆フラッシュクロマトグラフィーで精製して、ベンジル2-(((4-ニトロフェノキシ)カルボニル)オキシ)アセテート(1.20g、3.62mmol、60.3%)を固体として得た。LCMS (ESI): m/z [M+H]
+ = 394;
1H NMR (400MHz、クロロホルム-d) δ 7.37 (3.2Hz, 10H), 5.15 - 5.19 (m, 3H), 4.93 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 4.68 (s, 2H), 4.34 - 4.38 (m, 1H), 3.81 - 4.20 (m, 3H), 3.74 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 3.52 - 3.57 (m, 2H), 2.85 - 2.91 (m, 1H), 2.75 - 2.83 (m, 2H), 1.18 - 2.12 (m, 22H).
【0158】
【化11】
アセトニトリル(200mL)中のベンジル(2R,3S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-((((1s,4S)-4-(メチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(200mg、1.0当量、420μmol)の溶液に、ベンジル2-(((4-ニトロフェノキシ)カルボニル)オキシ)アセテート(167mg、1.2当量、505μmol)を添加した。得られた混合物を25℃で2hr撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗製物を逆フラッシュクロマトグラフィーで精製して、ベンジル(2R,3S)-2-(((4-(((2-(ベンジルオキシ)-2-オキソエトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)シクロヘキシル)オキシ)メチル)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ピペリジン-1-カルボキシレート(165mg、247μmol、58.8%)を固体として得た。LCMS (ESI): m/z [M+H]
+ = 668;
1H NMR (CDCl
3, 400MHz) δ 7.30 - 7.41 (m, 12H), 5.20 - 5.25 (m, 4H), 4.69 (s, 2H), 4.06 (s, 1H), 3.72 - 3.77 (m, 4H), 3.52 (s, 1H), 2.81 - 2.85 (m, 4H), 1.99 (d, 2H), 1.73 (s, 2H), 1.40 - 1.49 (m, 12H), 0.24 - 0.28 (m, 5H).
【0159】
【化12】
イソプロピルアセテート(5mL)中のベンジル(2R,3S)-2-(((4-(((2-(ベンジルオキシ)-2-オキソエトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)シクロヘキシル)オキシ)メチル)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ピペリジン-1-カルボキシレート(200mg、1.0当量、0.663mmol)の溶液に、Pd/C (62mg、5%Wt、1.0当量、0.663mmol)を窒素雰囲気で添加した。得られた混合物を、水素雰囲気下水素バルーンを使用して室温で2hr水素化した。混合物を、セライトパッドを通して濾過して減圧下で濃縮し、粗製生成物を得た。LCMS (ESI): m/z [M+H]
+ = 443.
【0160】
【化13】
アセトニトリル(50mL)中の2-(((4-(((2R,3S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ピペリジン-2-イル)メトキシ)シクロヘキシル)(メチル)カルバモイル)オキシ)酢酸(200mg、1.0当量、451μmol)の溶液に、HATU (257mg、1.5当量、676μmol)およびジイソプロピルエチルアミン(175mg、3.0当量、1.35mmol)を添加した。得られた混合物を25℃で2hr撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗製物を逆フラッシュクロマトグラフィーで精製して、tert-ブチル((3S,6S,16S,16aR)-7-メチル-8,11-ジオキソテトラデカヒドロ-3,6-エタノピリド[2,1-j][1,8]ジオキサ[3,11]ジアザシクロトリデシン-16-イル)カルバメート(90mg、47%)を固体として得た。LCMS (ESI): m/z [M+H]
+ = 426.
【0161】
【化14】
ジクロロメタン(10mL)中のtert-ブチル((3S,6S,16S,16aR)-7-メチル-8,11-ジオキソテトラデカヒドロ-3,6-エタノピリド[2,1-j][1,8]ジオキサ[3,11]ジアザシクロトリデシン-16-イル)カルバメート(90mg、1.0当量、0.21mmol)の溶液に、2,2,2-トリフルオロ酢酸(21mg、1.0当量、0.21mmol)を添加した。得られた混合物を25℃で1hr撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。得られた混合物を次の工程で使用した。LCMS (ESI): m/z [M+H]
+ = 326.
【0162】
【化15】
ジクロロメタン(20mL)中の(3S,6S,16S,16aR)-16-アミノ-7-メチルデカヒドロ-3,6-エタノピリド[2,1-j][1,8]ジオキサ[3,11]ジアザシクロトリデシン-8,11(3H,10H)-ジオン(40mg、1.0当量、0.12mmol)の溶液に、メタンスルホン酸無水物(26mg、1.2当量、0.15mmol)およびトリエチルアミン(12mg、1.0当量、0.12mmol)を添加した。得られた混合物を25℃で2hr撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗製生成物をprep-HPLCで精製して、N-((3s,6s)-7-メチル-8,11-ジオキソテトラデカヒドロ-3,6-エタノピリド[2,1-j][1,8]ジオキサ[3,11]ジアザシクロトリデシン-16-イル)メタンスルホンアミド(6.1mg、16%)を固体として得た。LCMS (ESI): m/z [M+H]
+= 404;
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ 5.19 - 5.26 (m, 1H), 4.84 (d, 1H), 4.50 (dd, 1H), 4.20 - 4.29 (m, 1H), 3.77 (d, 1H), 3.64 (s, 1H), 3.59 (s, 1H), 3.49 (dd, 1H), 3.38 (t, 1H), 3.07 (s, 1H), 2.91 - 3.05 (m, 5H), 2.39 - 2.50 (m, 1H), 2.19 (s, 1H), 2.05 (t, 2H), 1.91 (s, 1H), 1.25 - 1.35 (m, 2H).
【0163】
実施例1.2
【化16】
ジクロロメタン(1mL)中の(3S,6S,16S,16aR)-16-アミノ-7-メチルデカヒドロ-3,6-エタノピリド[2,1-j][1,8]ジオキサ[3,11]ジアザシクロトリデシン-8,11(3H,10H)-ジオン(30mg、1.0当量、0.082mmol)の溶液に、メタンスルホン酸無水物(21mg、1.5当量、0.12mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(42mg、4.0当量、0.33mmol)を添加した。得られた混合物を25℃で1hr撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗製生成物をprep-HPLCで精製して、N-((3S,6S,16S,16aR)-7-(シクロプロピルメチル)-8,11-ジオキソテトラデカヒドロ-3,6-エタノピリド[2,1-j][1,8]ジオキサ[3,11]ジアザシクロトリデシン-16-イル)メタンスルホンアミド(14.5mg、40%)を固体として得た。LCMS (ESI): m/z [M+H]
+= 444;
1H NMR (MeOD, 400MHz) δ 5.10 (dd, 1H), 4.77 - 4.53 (m, 1H), 4.48 - 4.23(m, 1H), 4.02 - 3.87 (m, 1H), 3.81 - 3.69 (m, 1H), 3.62 (d, 1H), 3.58 - 3.44 (m, 1H), 3.26 - 3.12 (m, 2H), 3.02 (d, 3H), 2.53 (d, 1H), 2.37 - 2.08 (m, 2H), 1.88 (d, 3H), 1.79 - 1.50 (m, 4H), 1.50 - 1.29 (m, 2H), 1.04 (d, 1H), 0.51 - 0.45 (m, 2H), 0.27 - 0.24 (m, 2H).
【0164】
実施例2:ヒトOX2R IP1アッセイ
ヒトオレキシン-2受容体(OX2R)を安定に過剰発現するT-Rex CHO細胞を、T225フラスコ中1μg/mLのドキシサイクリンで一晩誘導した。誘導の24時間後、細胞をアキュターゼで持ち上げ、384ウェルプロキシプレート中30,000細胞/ウェルで平板培養した。次いで細胞を、10mM Hepes、1mM CaCl2、0.5mM MgCl2、4.2mM KCl、146mM NaCl、5.5mMグルコースおよび50mM LiCl、pH7.4を含む1X刺激バッファ中の異なる試験化合物により37℃で1hr処理した。インキュベーション後、検出混合物の添加により反応を終結させ、これはIP1-d2および溶解バッファに希釈した抗IP1-クリプタートならびに1X刺激バッファで構成された。プレートを室温で1時間インキュベートして、次いでEnVision(登録商標)多モードプレートリーダーで読み取り、イノシトールリン酸レベルを測定した。
【0165】
Cisbio IP1は、ホスホリパーゼC-Gqシグナル伝達経路によるオレキシン2受容体活性化の結果として放出される代謝産物であるイノシトール一リン酸(IP)の蓄積を定量化する、細胞系の機能性アッセイである。これは、受容体活性化の際に細胞により産生されるIP1がEuクリプタート(ドナー)で標識された抗IP1モノクローナル抗体への結合についてd2フルオロフォア(アクセプター)に連結されたIP1アナログと競合する、競合イムノアッセイである。測定されたHTRF-FRETに基づくシグナルは、産生されるIP1濃度に反比例する。
【0166】
表2に報告されるEC
50値は、上述のヒトOX
2R IP1アッセイに従って得られた。データは、平均EC
50値±S.E.M.である。
【表2-1】
【表2-2】
【0167】
本発明は、その好ましい態様に関して特に示され、記載されるが、添付の特許請求の範囲に包含される発明の範囲を逸脱することなく、形態および詳細における種々の変更が本発明においてなされ得ることが、当業者に理解される。
【国際調査報告】