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特表2024-520402可変負荷のための無線電力の動的制御
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】可変負荷のための無線電力の動的制御
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/80 20160101AFI20240517BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20240517BHJP
【FI】
H02J50/80
H02J50/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572676
(86)(22)【出願日】2022-05-23
(85)【翻訳文提出日】2024-01-22
(86)【国際出願番号】 US2022030576
(87)【国際公開番号】W WO2022251131
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】202111023329
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】カナカサバイ, ヴィスワナサン
(72)【発明者】
【氏名】ガネーシャ, ジャヤンティ
(72)【発明者】
【氏名】タティコンダ, スバッラオ
(72)【発明者】
【氏名】バト, スマ メマナ, ナラヤナ
(57)【要約】
本開示は、無線での送電および受電のためのシステム、方法、および装置を提供する。無線送電装置が、無線受電装置内の対応する二次コイルに電力を伝送する一次コイルを含むことができる。無線受電装置は、可変負荷を含むことができる。無線送電装置は、無線受電装置からの構成データおよびフィードバック情報に基づいて無線電力の伝送を制御することができる。構成データおよびフィードバック情報は、無線電力の動的な制御を可能にすることができ、無線送電装置が特定の時間における可変負荷の負荷状態をサポートするために無線電力の伝送のための適切な動作制御パラメータを決定することを可能にすることができる。いくつかの実装形態において、無線送電装置は、制御パラメータを推定するために動作結合係数(K-factor)または他の情報を考慮に入れることができる。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線送電装置によって実行される方法であって、
無線受電装置の可変負荷に関する構成データ、負荷状態、および基準電圧を取得することと、
前記構成データ、前記負荷状態、および前記基準電圧に少なくとも部分的に基づく動作制御パラメータを使用して、前記無線受電装置への無線電力の伝送を開始することと、
前記無線受電装置によって測定された負荷電圧を含み、かつ前記負荷状態、前記基準電圧、またはその両方の変化をさらに示すフィードバック情報を、前記無線電力の伝送の最中に前記無線受電装置から受信することと、
前記フィードバック情報に少なくとも部分的に基づいて前記動作制御パラメータを修正することと
を含む方法。
【請求項2】
前記無線電力の伝送を開始する前に、
前記構成データ、前記負荷状態、および前記基準電圧に少なくとも部分的に基づいて推定動作パラメータを決定することと、
前記推定動作パラメータに基づいて前記動作制御パラメータを決定することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記構成データは、始動制御パラメータを含み、
前記推定動作パラメータは、前記始動制御パラメータに少なくとも部分的に基づく、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記構成データは、制御パラメータ限界をさらに含み、
前記推定動作パラメータを決定することは、前記推定動作パラメータが前記制御パラメータ限界にあり、あるいは前記制御パラメータ限界を上回るように、前記推定動作パラメータを決定することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記始動制御パラメータは、始動周波数(Fstart)を含み、前記制御パラメータ限界は、周波数限界(Flimit)を含み、
前記推定動作パラメータは、前記Fstartおよび前記基準電圧に基づく動作周波数であり、前記動作周波数は、Flimit以上である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記構成データは、1つ以上の基準負荷状態に関連した1つ以上の基準制御パラメータを含み、
前記推定動作パラメータは、前記負荷状態にマッチする基準負荷状態に関連した基準制御パラメータに基づく、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記構成データは、1つ以上の基準負荷状態に関連した1つ以上の基準制御パラメータの各々の組み合わせについての基準結合係数(K-factor)を含み、
前記推定動作パラメータを決定することは、
前記無線受電装置と前記無線送電装置との間の動作K-factorを決定することと、
前記負荷状態にマッチする特定の基準負荷状態と、前記動作K-factorにマッチし、あるいは前記動作K-factorを近似する特定の基準K-factorとに基づき、前記構成データから特定の基準制御パラメータを選択することと、
前記特定の基準制御パラメータに少なくとも部分的に基づいて前記推定動作パラメータを決定することと
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記動作K-factorが2つ以上の対応する基準K-factorの間にある場合に、2つ以上の基準制御パラメータの補間に基づいて前記推定動作パラメータを決定すること
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記動作K-factorを決定することは、
前記無線送電装置の一次コイルに第1の電圧を印加して、前記無線受電装置の二次コイルに電流が存在しないときに前記二次コイルに第2の電圧を誘起することと、
前記無線受電装置から、前記二次コイルに誘起された前記第2の電圧を示すメッセージを受信することと、
前記第2の電圧と前記第1の電圧との比に少なくとも部分的に基づいて動作K-factorを決定することと
を含む、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記構成データは、前記二次コイルにおける受電コイル巻数をさらに含み、
前記動作K-factorを決定することは、第1のオペランドと第2のオペランドとの乗算に基づいて前記動作K-factorを計算することをさらに含み、前記第1のオペランドは、前記第2の電圧を前記受電コイル巻数で除算したものであり、前記第2のオペランドは、前記一次コイルにおける送電コイル巻数を前記第1の電圧で除算したものである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記推定動作パラメータは、動作周波数を含む、請求項2~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記無線電力の伝送の最中に、
前記負荷状態、前記基準電圧、またはその両方の前記変化に基づいて前記推定動作パラメータを修正することと、
前記修正された推定動作制御パラメータおよび前記基準電圧に基づいて前記動作制御パラメータを修正することと
をさらに含む、請求項2~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記フィードバック情報を受信することは、
少なくとも前記負荷状態を示す負荷状態フィールドおよび前記無線受電装置によって測定された前記負荷電圧を示す負荷電圧フィールドを各々が含んでいる前記無線受電装置からの1つ以上のフィードバックメッセージを、1つ以上の対応するフィードバックスロットの最中に受信すること
を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記1つ以上のフィードバックメッセージは、
前記可変負荷の前記負荷状態に関連した前記基準電圧、
動作K-factorを決定するための前記二次コイルにおいて測定された電圧、
障害状態、および
前記無線受電装置によって検出された異物の知らせ
からなる群の少なくとも1つのメンバーを示すための他のデータフィールドを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記1つ以上のフィードバックメッセージは、前記他のデータフィールドに入るデータの種類を示すヘッダフィールドを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記1つ以上の対応するフィードバックスロットは、前記無線電力の伝送の最中に規則的な間隔で生じる、請求項13~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記規則的な間隔は、交流(AC)電源電圧に対応するゼロ交差事象に位置する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記1つ以上のフィードバックメッセージは、チェックサムフィールドを含む、請求項13~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記1つ以上のフィードバックメッセージは、各々が4バイトの長さであり、各々のフィールドに関連した固定のビット長でフォーマットされる、請求項13~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記動作制御パラメータの修正によって、交流(AC)電源電圧がゼロボルトに等しい同期事象に関連して前記無線電力の伝送に変化が引き起こされるように、前記無線電力の伝送を管理すること
をさらに含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記無線送電装置の一次コイルを介した前記無線電力の伝送の前に、前記無線送電装置の通信コイルを介して第1のメッセージにおいて前記構成データを受信すること
をさらに含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記構成データは、
前記無線受電装置の制御の種類を示す制御インジケータ、
定格機器電圧の表示、
定格機器電力の表示、
前記無線受電装置の二次コイルおよび前記無線受電装置の境界面からの距離の表示、
前記二次コイルに関する受電コイル巻数、
前記二次コイルの自由空間インダクタンスの表示、
前記二次コイルの共振キャパシタンスの表示、および
推定器データサイズフィールド
を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記構成データは、
前記推定器データサイズフィールドがゼロに等しい場合:始動周波数(Fstart)および周波数限界(Flimit)、ならびに
前記推定器データサイズフィールドが非ゼロの値である場合:前記非ゼロの値に基づく推定器データレコードであって、各々が基準負荷状態に関連した基準制御パラメータを含んでいるいくつかの推定器データレコード
をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記構成データは、
前記推定器データサイズフィールドが非ゼロの値である場合:前記いくつかの推定器データレコードの決定に使用された基準無線送電装置の表示
をさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記フィードバック情報が、前記負荷状態がアイドルまたはオフであることを示す負荷状態値を含んでいると判定することと、
前記無線電力の伝送を停止することと
をさらに含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
無線受電装置によって実行される方法であって、
前記無線受電装置の可変負荷に関する構成データ、負荷状態、および基準電圧を、無線送電装置に送信することと、
前記構成データ、前記負荷状態、および前記基準電圧に少なくとも部分的に基づく無線電力を、前記無線送電装置から受電することと、
前記無線受電装置によって測定された負荷電圧を含み、かつ前記負荷状態、前記基準電圧、またはその両方の変化をさらに示すフィードバック情報を、前記無線電力の受電の最中に前記無線送電装置へと送信することと
を含む方法。
【請求項27】
前記フィードバック情報は、前記無線送電装置に、前記無線電力に関する動作制御パラメータを修正させる、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記構成データは、始動制御パラメータを含み、
前記始動制御パラメータに基づく動作周波数を有する前記無線電力が受電される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記構成データは、制御パラメータ限界をさらに含み、
前記始動制御パラメータは、始動周波数(Fstart)を含み、前記制御パラメータ限界は、周波数限界(Flimit)を含み、
前記推定動作パラメータは、前記Fstartおよび前記基準電圧に基づく動作周波数であり、前記動作周波数は、Flimit以上である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記構成データは、1つ以上の基準負荷状態に関連した1つ以上の基準制御パラメータを含み、
前記負荷状態にマッチする基準負荷状態に関連した基準制御パラメータに基づく動作制御パラメータを使用する前記無線電力が受電される、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記構成データは、1つ以上の基準負荷状態に関連した1つ以上の基準制御パラメータの各々の組み合わせについての基準結合係数(K-factor)を含み、
構成データの特定の基準結合係数に関連した前記無線受電装置と前記無線送電装置との間の動作K-factorに基づく動作制御パラメータを有する前記無線電力が受電される、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記無線送電装置の一次コイルに印加される第1の電圧に基づいて前記受電装置の二次コイルに誘起される第2の電圧を、前記二次コイルに電流が存在しないときに測定することと、
前記二次コイルにおいて測定された前記第2の電圧を示すメッセージを、前記無線送電装置に送信することと
をさらに含み、
前記動作K-factorは、前記第2の電圧と前記第1の電圧との比に少なくとも部分的に基づく、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記構成データは、前記二次コイルにおける受電コイル巻数をさらに含み、
前記動作K-factorは、第1のオペランドと第2のオペランドとの乗算に基づき、前記第1のオペランドは、前記第2の電圧を前記受電コイル巻数で除算したものであり、前記第2のオペランドは、前記一次コイルにおける送電コイル巻数を前記第1の電圧で除算したものである、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記フィードバック情報を送信することは、
1つ以上のフィードバックメッセージを、1つ以上の対応するフィードバックスロットの最中に前記無線送電装置へと送信すること
を含み、
各々のフィードバックメッセージは、前記負荷状態を示す負荷状態フィールドおよび前記無線受電装置によって測定された前記負荷電圧を示す負荷電圧フィールドを少なくとも含む、請求項26~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記1つ以上のフィードバックメッセージは、
前記可変負荷の前記負荷状態に関連した前記基準電圧、
動作K-factorを決定するための前記二次コイルにおいて測定された電圧、
障害状態、および
前記無線受電装置によって検出された異物の知らせ
からなる群の少なくとも1つのメンバーを示すための他のデータフィールドを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記1つ以上のフィードバックメッセージは、前記他のデータフィールドに入るデータの種類を示すヘッダフィールドを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記1つ以上の対応するフィードバックスロットは、前記無線電力の伝送の最中に規則的な間隔で生じる、請求項34~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記規則的な間隔は、交流(AC)電源電圧に対応するゼロ交差事象に位置する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記1つ以上のフィードバックメッセージは、チェックサムフィールドを含む、請求項34~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記1つ以上のフィードバックメッセージは、各々が4バイトの長さであり、各々のフィールドに関連した固定のビット長でフォーマットされる、請求項34~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記無線電力の受電の変化が同期事象に関連して生じるように、前記無線電力の受電を管理すること
をさらに含む、請求項26~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記構成データは、
前記無線受電装置の制御の種類を示す制御インジケータ、
定格機器電圧の表示、
定格機器電力の表示、
前記無線受電装置の二次コイルおよび前記無線受電装置の境界面からの距離の表示、
前記二次コイルに関する受電コイル巻数、
前記二次コイルの自由空間インダクタンスの表示、
前記二次コイルの共振キャパシタンスの表示、および
推定器データサイズフィールド
を含む、請求項26~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記構成データは、
前記推定器データサイズフィールドがゼロに等しい場合:始動周波数(Fstart)および周波数限界(Flimit)、ならびに
前記推定器データサイズフィールドが非ゼロの値である場合:前記非ゼロの値に基づく推定器データレコードであって、各々が基準負荷状態に関連した基準制御パラメータを含んでいるいくつかの推定器データレコード
をさらに含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記構成データは、
前記推定器データサイズフィールドが非ゼロの値である場合:前記いくつかの推定器データレコードの決定に使用された基準無線送電装置の表示
をさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記可変負荷がアイドルまたはオフであると判定することと、
前記負荷状態がアイドルまたはオフであることを示す負荷状態値を有する前記フィードバック情報を送信して、前記無線送電装置に前記無線電力の伝送を停止させることと
をさらに含む、請求項26~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
請求項1~25のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成された無線送電装置。
【請求項47】
請求項26~45のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成された無線受電装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広くには、無線電力に関する。より具体的には、本出願は、無線送電装置および無線受電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの無線電力システムは、或る種のブレンダ、ケトル、エアフライヤ、ミキサー、などの可変負荷を有するコードレス機器に電力を無線で供給するために、無線電力技術を利用する。これらの無線電力システムにおいて、無線送電装置が、調理台または他の平坦な面に設置され、あるいは含まれてよい。無線受電装置が、コードレス機器に含まれてよい。無線送電装置は、電磁場を発生させる一次コイルを含むことができ、この電磁場が、無線受電装置の二次コイルが一次コイルに近接して配置されたときに、二次コイルに電圧を誘起させることができる。この構成において、電磁場が二次コイルに電力を無線で伝送することができる。電力は、一次コイルと二次コイルとの間の誘導結合または共振結合を使用して伝達されてよい。無線受電装置は、受け取った電力をコードレス機器を動作させるために提供することができる。
【発明の概要】
【0003】
本開示のシステム、方法、および装置は、各々がいくつかの革新的な態様を有し、そのうちの1つだけが単独で本明細書に開示の望ましい属性をもたらすわけではない。
【0004】
本開示に記載される主題の1つの革新的な態様を、無線で電力を伝送するための方法として実施することができる。本方法は、無線送電装置によって実行されてよい。いくつかの実装形態において、本方法は、無線受電装置の可変負荷に関連する構成データ、負荷状態、および基準電圧を取得することを含むことができる。本方法は、構成データ、負荷状態、および基準電圧に基づく動作制御パラメータを使用して、無線受電装置への無線電力の伝送を開始することを含むことができる。本方法は、無線電力の伝送中に無線受電装置からフィードバック情報を受信することを含むことができる。フィードバック情報は、無線受電装置によって測定された負荷電圧を含むことができ、負荷状態、基準電圧、またはその両方の変化をさらに示すことができる。本方法は、フィードバック情報に基づいて動作制御パラメータを修正することを含むことができる。
【0005】
本開示に記載される主題の別の革新的な態様を、無線で電力を受け取るための方法として実施することができる。本方法は、無線受電装置によって実行されてよい。いくつかの実装形態において、本方法は、無線受電装置の可変負荷に関連する構成データ、負荷状態、および基準電圧を、無線送電装置に送信することを含むことができる。本方法は、構成データ、負荷状態、および基準電圧に基づく無線送電装置からの無線電力を受電することを含むことができる。本方法は、無線電力の受電中に無線送電装置へとフィードバック情報を送信することを含むことができる。フィードバック情報は、無線受電装置によって測定された負荷電圧を含むことができ、負荷状態、基準電圧、またはその両方の変化をさらに示すことができる。
【0006】
本開示に記載された主題の1つ以上の実装形態の詳細が、添付の図面および以下の説明に記載される。他の特徴、態様、および利点は、明細書、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。以下の図の相対寸法は、縮尺どおりに描かれていない場合があることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】例示的な無線送電装置および例示的な無線受電装置を含む例示的な無線電力システムのブロック図を示している。
図2A】例示的な調理台に搭載された無線送電装置の斜視図を示している。
図2B】例示的な調理台に搭載された無線伝送装置および例示的なコードレス機器の斜視図を示している。
図3】例示的な無線送電装置を概念的に説明するブロック図を示している。
図4A】電圧制御を使用する例示的な送電コントローラの構成要素を概念的に説明するブロック図を示している。
図4B】電力制御を使用する例示的な送電コントローラの構成要素を概念的に説明するブロック図を示している。
図5】フィードバック情報の例示的なフォーマットを概念的に説明するブロック図を示している。
図6】例示的な無線受電装置を概念的に説明するブロック図を示している。
図7】無線送電装置と無線受電装置との間の動作のタイミング同期を可能にする例示的な電圧曲線を示している。
図8】無線送電装置の伝送コントローラを無線受電装置の負荷コントローラと同期させることができる例示的な電圧曲線を示している。
図9】伝統的なフィードバック制御技術を実装する無線電力システムに関する例示的な電圧グラフを示している。
図10】本開示のいくつかの実装形態による電力制御を実施する無線電力システムに関する例示的な電圧グラフを示している。
図11】無線電力を無線受電装置に供給するためのプロセスの例示的な動作を説明するフロー図を示している。
図12】無線受電装置において無線電力を受電するためのプロセスの例示的な動作を説明するフロー図を示している。
図13】セクション巻線を備えるモータを有する例示的な無線受電装置におけるプロセスの例示的な動作を説明するフロー図を示している。
図14図13を参照して説明したプロセスに対応する無線電力を伝送するための例示的な無線送電装置におけるプロセスの例示的な動作を説明するフロー図を示している。
図15図14を参照して説明したプロセスに対応する例示的な無線送電装置の電力制御動作を説明するブロック図を示している。
図16】エアフライヤに関連する例示的な無線受電装置におけるプロセスの例示的な動作を説明するフロー図を示している。
図17図16を参照して説明したプロセスに対応する無線電力を伝送するための例示的な無線送電装置におけるプロセスの例示的な動作を説明するフロー図を示している。
図18図17を参照して説明したプロセスに対応する例示的な無線送電装置の電力制御動作を説明するブロック図を示している。
図19】無線電力システムにおいて使用するための例示的な装置のブロック図を示している。
【0008】
図の相対寸法は、縮尺どおりに描かれていない場合があることに留意されたい。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明は、本開示の革新的な態様を説明する目的のための特定の実装形態に関する。しかしながら、当業者であれば、本明細書における教示を多数の異なるやり方で適用できることを、容易に認識するであろう。説明される実装形態は、無線電力を送電または受電するための任意の手段、装置、システム、または方法において実施可能である。
【0010】
無線電力システムが、表面に一体化され、あるいは他の様態で表面に配置された無線送電装置を含むことができる。さらに、無線電力システムは、無線受電装置を含むことができる。無線送電装置は、一次コイルを含むことができ、一次コイルは、無線受電装置内の対応する二次コイルに(無線電力信号として)電力を伝送する。例えば、無線送電装置は、調理台に搭載された一次コイル、あるいは無線受電装置を載せることができる表面内に埋設または製造された一次コイルを含むことができる。一次コイルは、無線電力伝送装置における無線エネルギー(誘導または磁気共鳴エネルギーなど)の供給源を指す。無線受電装置内に配置された二次コイルが、無線エネルギーを受け取り、それを利用して負荷を充電し、あるいは動作させることができる。無線受電装置は、可変負荷(他の例の中でもとりわけ、ブレンダ、加熱要素、ファン、など)を有するコードレス機器に含まれてよく、あるいは統合されてよい。
【0011】
本開示は、無線での送電および受電のためのシステム、方法、および装置を提供する。種々の実装形態は、一般に、無線送電装置から無線受電装置への無線電力伝送の動的制御に関する。無線電力の動的制御は、無線受電装置の可変負荷に関連する負荷状態に基づくことができる。無線受電装置は、無線電力伝送のための動作制御パラメータを決定するために、構成データおよびフィードバック情報を無線送電装置に通信することができる。例えば、動作制御パラメータは、無線送電装置の一次コイルが可変負荷の負荷状態をサポートするための適切な量の電力を誘起させるように、動作周波数、デューティ比、または電圧を含むことができる。いくつかの実装形態において、無線受電装置は、無線送電装置の送電(TX)コントローラによって無線受電装置に固有の推定動作パラメータを決定することができるように、構成データ、負荷状態、基準電圧、またはこれらの任意の組み合わせを通信することができる。無線送電装置は、推定動作パラメータに基づいて動作制御パラメータを決定することができる。無線電力の伝送中に、無線受電装置は、負荷状態の変化、測定された負荷電圧、基準電圧、またはこれらの任意の組み合わせを示すフィードバック情報を通信して、無線送電装置に動作制御パラメータを調整させることができる。いくつかの実装形態において、無線送電装置は、動作制御パラメータの推定または調整において結合係数(K-factor)も考慮に入れることができる。いくつかの実装形態において、無線電力伝送の変更を、無線電力伝送の変更が負荷状態の対応する変化に関連して発生するように、同期事象において行うことができる。
【0012】
いくつかの実装形態において、構成データは、始動制御パラメータ(他の例の中でもとりわけ、始動周波数(Fstart)など)を含むことができる。構成データは、制御パラメータ限界(他の例の中でもとりわけ、周波数限界(Flimit)など)を示すことができる。TXコントローラは、始動制御パラメータおよび制御パラメータ限界に基づいて動作制御パラメータを決定することができる。無線電力の伝送中に、TXコントローラは、フィードバック情報に基づいて動作制御パラメータを調整することができる。例えば、フィードバック情報は、測定された負荷電圧および基準電圧を示すことができる。測定された負荷電圧は、可変負荷へと届けられている電圧を示す。基準電圧は、現在の負荷設定で可変負荷を動作させるために必要な電圧を示す。TXコントローラは、負荷電圧および基準電圧に基づいて、電圧誤差を決定し、動作制御パラメータを調整することができる。いくつかの実装形態において、TXコントローラは、負荷状態の変化に基づいて推定動作パラメータを変更することもできる。
【0013】
いくつかの実装形態において、構成データは、1つ以上の基準負荷状態に関連した1つ以上の基準制御パラメータを含むことができる。例えば、基準制御パラメータは、さまざまな負荷状態において基準無線送電装置によって無線受電装置に給電したときに実験的に取得されたデータに基づくことができる。いくつかの実装形態において、構成データは、基準無線送電装置の種類を示すこともできる。TXコントローラは、構成データ内の特定の基準負荷状態と比較した無線受電装置の負荷状態に基づいて推定動作パラメータを決定し、その基準負荷状態に関連する基準制御パラメータに基づいて推定動作パラメータを選択することができる。いくつかの実装形態において、構成データは、特定の基準負荷状態に関連した2つ以上の基準制御パラメータを含むことができる。例えば、構成データは、特定の基準負荷状態について種々の基準K係数に関連した基準制御パラメータを示すことができる。TXコントローラは、無線送電装置と無線受電装置との間の動作K係数を決定し、基準K値にマッチする基準制御パラメータを選択することができる。いくつかの実装形態において、TXコントローラは、動作K係数が2つ以上の対応する基準K係数の間にある場合に、2つ以上の基準制御パラメータの補間に基づいて推定動作パラメータを決定する。動作K係数とは、無線受電装置と現時点において無線電力を供給している無線送電装置との間の実際の整列に基づくK係数をいう。基準K係数は、種々の基準動作条件下でのデータ点を示すことができ、動作K係数が基準K係数と正確に同じでなくても、補間または外挿することが可能である。したがって、伝送コントローラは、この情報を使用して、特定の周波数、デューティサイクル、電圧、などの特定の特性を有する無線電力を供給するために使用される1つ以上の動作制御パラメータを決定することができる。この情報を使用して無線受電装置に伝送される無線電力の特性を決定することにより、送電コントローラは、無線受電装置の比較的効率的な動作を可能とする無線電力を提供することもできる。例えば、伝送コントローラは、無線受電装置が特定の負荷状態、負荷電圧、および動作K係数に対してピーク効率で動作することを可能にするように、無線電力を設定することができる。
【0014】
いくつかの実装形態において、送電コントローラは、無線受電装置との間で電力修正を同期的に調整することによって、負荷状態の変化に応答することができる。負荷状態は、ユーザがモータ負荷に関して異なる速度設定を選択したこと、抵抗負荷に関して異なる温度設定を選択したこと、あるいは他の形でユーザによって選択可能なコードレス機器の負荷状態を変更したことを示すことができる。負荷状態は、コードレス機器内の2つ以上の可変負荷の状態を示すこともできる。例えば、エアフライヤは、加熱要素およびファンを含むことができ、その各々が負荷設定またはプログラムされた動作に基づく可変の電力要件を有する。負荷状態は、例えば、加熱要素、ファン、またはその両方が現時点において動作中であるかどうかを示すことができる。無線受電装置に関連する可変負荷に関して負荷状態が変化する場合、送電コントローラは、新たな負荷状態に対応するために無線電力を修正する必要があるかもしれない。送電コントローラは、無線電力の周波数、デューティサイクル、電圧、または任意の他の適切な特性を修正することができる。送電コントローラは、送電コントローラによる修正後の無線電力の送電が無線受電装置による修正後の無線電力の消費の開始と実質的に同時に始まるように、無線受電装置と同期協調することができる。このような同期協調は、無線受電装置の電力要件を遅延なく満たすことを可能にする。これらの遅延を回避することによって、送電コントローラは、無線受電装置が負荷状態の変化により迅速に応答し、コードレス機器を傷め、ユーザ体験を劣化させる可能性のある障害状態を回避することを可能にできる。
【0015】
いくつかの実装形態において、送電コントローラは、無線受電装置から受信したフィードバック情報に基づいて、無線電力を供給するために使用される1つ以上の動作制御パラメータを修正することができる。フィードバック情報は、他の例の中でもとりわけ、負荷状態の変化、基準電圧の変化、または障害状態を示すことができる。フィードバック情報は、無線受電装置によって無線送電装置に通信される1つ以上のフィードバックメッセージに含まれてよい。いくつかの実装形態において、フィードバックメッセージは、負荷状態フィールド、測定負荷電圧フィールド、および1つ以上のデータフィールドを含むようにフォーマットされてよい。フィードバックメッセージ内のヘッダが、1つ以上のデータフィールド内のデータの種類を示すことができる。いくつかの実装形態において、フィードバックメッセージは、データが確実に届けられることを保証するためにチェックサムフィールドを含むことができる。フィードバックメッセージは、AC電源電圧に対応するゼロクロス事象に関して一定の間隔で発生するフィードバックスロットにおいて通信されてよい。
【0016】
さらに、種々の実装形態は、一般に、無線送電装置の対応する一次コイルから電力を受け取る二次コイルを含んでいる無線受電装置に関する。いくつかの実装形態において、無線受電装置の負荷コントローラは、電力の変化を無線送電装置と同期協調させることができる。すでに述べたように、負荷状態は、無線受電装置に関連付けられた可変負荷の負荷に関して変化し得る。負荷状態の変化に応じて、負荷コントローラは、負荷状態を無線送電装置に知らせることができる。無線送電装置から直ちに修正された電力量を引き出す代わりに、負荷コントローラは、無線送電装置から修正された電力量を引き出す前に同期事象を待つことができる。同期事象を待つことによって、負荷コントローラは、無線送電装置による修正された電力の伝送とほぼ同時に修正された電力を引き出すように、無線送電装置と協調することができる。
【0017】
本開示の技術は、無線送電装置が、本開示の技術を実施しない無線送電装置よりも速く動作制御パラメータを推定することを可能にすることができる。例えば、負荷の変化を検出した後に電力を修正するように設計された伝統的なフィードバック技術である。このように、伝統的なフィードバック技術は、負荷状態が変更された時点と新たな負荷状態に対応するための無線電力を供給することができる時点との間に、遅延を引き起こす可能性がある。無線電力の遅延は、コードレス機器を痛め、ユーザ体験を劣化させかねない障害状態を引き起こす可能性がある。本開示の技術を使用して、無線送電装置は、負荷が実際に変更される前に、無線受電装置の特定の負荷状態のための動作制御パラメータを推定することができる。無線送電装置および無線受電装置は、負荷状態において負荷を動作させるために必要なときに電力が利用可能であるように、無線電力伝送および負荷の変化をそれぞれ協調させることができる。
【0018】
本開示に記載される主題の特定の実装を、以下の潜在的な利点のうちの1つ以上を実現するために実施することができる。いくつかの実装形態において、記載される技術を使用して、無線受電装置の相対的効率での動作を可能にする特性(例えば、特定の周波数、デューティサイクル、電圧、など)を有する無線電力を適切な時点で提供するように無線送電装置を構成することができる。いくつかの実装形態において、記載された技術を使用して、負荷状態の変化に応答するときの無線送電装置と無線受電装置との間の同期協調を達成することができる。これらの技術は、電力の修正を容易にするように設計された伝統的なフィードバック機構に関連する遅延を回避することができる。さらに、これらの技術は、負荷状態の変化に対する応答性を高めることによって、ユーザ体験を向上させることができる。
【0019】
本開示における例は、キッチンシステムにおいて使用される無線電力に基づくが、本技術は、他の種類のシステムにも適用可能である。例えば、本技術は、他の例の中でもとりわけ、家電製品、電子機器、ファン、スペースヒータ、スピーカシステム、エアコンプレッサ、園芸用機器、または電気自動車の構成要素に関連する無線電力システムにおいて使用されてよい。さらに、本開示のいくつかの例は、動作周波数または他のパラメータを電圧制御フィードバック情報に基づいて制御することができる電圧制御に基づく。しかしながら、本技術は、動作パラメータを電力制御フィードバック情報に基づいて制御することができる電力制御にも適用可能である。
【0020】
図1が、例示的な無線送電装置および例示的な無線受電装置を含む例示的な無線電力システムのブロック図を示している。図1において、電気回路線を表す実線と区別するように、破線が通信を表している。
【0021】
無線電力システム100は、無線送電装置102および無線受電装置118を備える。無線送電装置は、一次コイル104を含む。一次コイル104は、電力信号発生器106に関連付けられてよい。一次コイル104は、無線電力(無線エネルギーと呼ばれることもある)を送電するワイヤコイルであってよい。一次コイル104は、誘導場または磁気共鳴場を使用して無線エネルギーを送電することができる。電力信号発生器106は、無線電力を作成するための構成要素(図示せず)を含むことができる。例えば、電力信号発生器106は、1つ以上のスイッチ、ドライバ、直列コンデンサ、整流器、または他の構成要素を含むことができる。
【0022】
いくつかの実装形態においては、電力信号発生器106、TXコントローラ108、および他の構成要素(図示せず)を、まとめて送電回路110と呼ぶことができる。送電回路110の一部またはすべてが、無線電力を制御して1つ以上の無線受電装置へと送電するための本開示の特徴を実装する集積回路(IC)として具現化されてよい。TXコントローラ108は、マイクロコントローラ、専用プロセッサ、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、または任意の他の適切な電子デバイスとして実現されてよい。
【0023】
電源112が、無線送電装置102内の送電回路110に電力を供給することができる。電源112は、交流(AC)電力を直流(DC)電力に変換することができる。例えば、電源112は、外部電源からAC電力を受け取り、AC電力を電力信号発生器106によって使用されるDC電力に変換する変換器を含んでよい。
【0024】
TXコントローラ108は、第1の通信インターフェース114に接続される。第1の通信インターフェース114は、第1の通信コイル116に接続される。いくつかの実装形態においては、第1の通信インターフェース114および第1の通信コイル116を、まとめて第1の通信ユニット124と呼ぶことができる。いくつかの実装形態において、第1の通信ユニット124は近距離無線通信(NFC)をサポートすることができる。NFCは、13.56メガヘルツ(MHz)の搬送波周波数でデータ伝送を行う技術である。さらに、第1の通信ユニット124は、任意の適切な通信プロトコルをサポートすることができる。
【0025】
無線受電装置118は、二次コイル120と、整流器126と、受電(RX)コントローラ128と、第2の通信インターフェース132と、負荷コントローラ136と、負荷130と、メモリ(図示せず)とを含むことができる。いくつかの実装形態において、負荷130は、負荷の速度またはトルクなどの少なくとも1つのパラメータを制御するための駆動部(図示せず)をさらに含むことができる。いくつかの実装形態において、整流器126は省略されてもよい。いくつかの実装形態においては、直列スイッチ(図示せず)が二次コイル120と直列に含まれてもよい。異なる構成要素として示されているが、いくつかの構成要素は、同じハードウェアにパッケージまたは実装されてもよい。例えば、いくつかの実装形態において、RXコントローラ128および負荷コントローラ136は、単一のコントローラとして実装されてもよい。RXコントローラ128、負荷コントローラ136、またはそれらの任意の組み合わせは、マイクロコントローラ、専用プロセッサ、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、または任意の他の適切な電子デバイスとして実装されてよい。
【0026】
TXコントローラ108は、無線受電装置118の存在または近接を検出することができる。この検出は、無線送電装置102の第1の通信インターフェース114の周期的なping処理の際に生じ得る。ping処理の際に、第1の通信インターフェース114は、無線受電装置118が近接している場合に、(第1の通信コイル116を介して)第2の通信インターフェース132に(第2の通信コイル134を介して)電力を供給することもできる。第2の通信インターフェース132は、RXコントローラ128を「ウェイクアップ」および起動させ、応答信号を第1の通信インターフェース114に送り返すことができる。電力伝送の前に、ハンドシェイク処理が行われうる。ハンドシェイク処理の間、TXコントローラ108は、とりわけ、受信機の電力定格に関連するデータ構成を受信しうる。
【0027】
異なるコードレス機器は、異なる負荷の種類、異なる負荷状態、および異なる電力要件を有し、あるいは特定の電圧および周波数の電力を必要とする可能性がある。例えば、コードレスブレンダは、モータ速度を制御するためにユーザが選択可能な複数の負荷状態を有する可変モータ負荷を含むことができる。負荷状態に応じて、コードレスブレンダは、動作のために異なるレベルの電力を必要とする可能性がある。別の例において、コードレスケトルが、温度を制御するために、異なる負荷状態を有する抵抗負荷を含むことができる。さらに別の例において、エアフライヤが、複合負荷装置であってよく、さまざまな動作期間においてヒータ、ファン、またはその両方を動作させることができる。各々の種類の負荷(モータ、抵抗負荷、ヒータ、ファン、またはこれらの任意の組み合わせ、など)は、現在の負荷状態または負荷状態に基づいて、動作に異なる量の電力を必要とする可能性がある。さらに、コードレス機器は、それらの負荷の種類または負荷状態に応じて、異なる一次コイル励磁周波数(無線電力伝送周波数など)において一次コイルから受電コイルへの電圧利得のレベルが異なる可能性がある。例えば、所望の負荷電圧を達成するために、コードレスブレンダは、低いモータ速度設定などの第1の負荷状態に関して第1の動作周波数で最も良好に動作することができる。しかしながら、負荷状態が変化するにつれて、コードレスブレンダは、第1の動作周波数で動作したときに同じ負荷電圧を達成することができない可能性がある。例えば、第1の動作周波数は、コードレスブレンダが第1の負荷状態(低速設定など)に設定されているときに第1の電圧利得を容易にすることができるが、第1の動作周波数は、コードレスブレンダが第2の設定(高速設定など)に設定されているときには、より低い電圧利得しかもたらすことができない。
【0028】
いくつかの実装形態において、コードレス機器は、ユーザによる選択が可能な負荷状態、またはユーザによる選択が可能な負荷動作パターンを有することができる。ユーザは、コードレス機器を起動するために第1の負荷状態を選択することができる。コードレス機器が第1の負荷状態で動作しているときに、ユーザは、より多くの電力を必要とし、あるいはより少ない電力した必要としない第2の負荷状態を選択することができる。本開示における技術がない場合、無線受電装置は、負荷状態の変化に応答して、異なる量の電力を直ちに消費し始める可能性がある。しかしながら、無線送電装置が無線受電装置が必要とする量の電力を供給できるまでに、いくらかの遅延が存在し得る。これらの遅延が、低電圧状態、過電圧状態、ハードウェアの損傷または故障、ならびにコードレス機器における他の障害を引き起こす可能性がある。
【0029】
電圧利得を変化させる可能性がある別の要因は、電力伝送中の二次コイル120と一次コイル104との整列に基づく。電圧利得は、二次コイル120が受け取る電圧の一次コイル104において印加される電圧に対する比に関して測定することができる。K係数と呼ばれる結合係数を、整列の指標とすることができ、K係数決定プロセスにおいて、一次コイル104に印加される電圧と二次コイル120において測定される電圧との比に基づいて計算することができる。K係数決定プロセスを、二次コイル120に電流が流れていないときに行うことができる。例えば、K係数決定プロセスを、一次コイル104への電圧の印加および二次コイル120における対応する受電電圧の測定が、AC電源電圧のゼロ交差事象の最中に行われるように、実行することができる。いくつかの実装形態においては、スイッチ(図示せず)が、K係数決定プロセスの際に二次コイル120を整流器126から切り離すことができる。K係数決定プロセスを、ゼロ交差事象に関連するタイムスロットにおいて定期的に実行してもよい。いくつかの実装形態において、一次コイル104および二次コイル120の巻数が、K係数の計算に影響を及ぼす可能性がある。例えば、K係数を、第1のオペランドと第2のオペランドとの乗算に基づいて計算することができ、第1のオペランドは、二次コイル120において測定された電圧を二次コイル120のコイル巻数で割ったものであり、第2のオペランドは、一次コイル104のコイル巻数を一次コイル104に印加された電圧で割ったものである。
【0030】
動作K係数は、一次コイル104と二次コイル120との現在の整列を表す。無線受電装置118は、異なるK係数において異なる動作周波数で異なる電圧利得を経験する可能性がある。基準K係数および基準動作周波数を、無線受電装置118が基準無線送電装置(図示せず)において基準負荷状態で動作しているときの実験室試験に基づいて決定することができる。基準負荷状態、基準動作周波数、および基準K係数は、TXコントローラ108が無線受電装置118から負荷130の負荷状態を示すメッセージを受信したときに推定動作パラメータを決定するために使用することができるデータ点を表すことができる。
【0031】
無線電力伝送は、一次コイルと二次コイルとが最適に整列している場合に、より効率的である。反対に、一次コイルと二次コイルとが位置ずれしている場合、効率が低下する(あるいは、電力伝送が停止する)可能性がある。適切に整列したとき、一次コイルおよび二次コイルは、無線規格によって予め決定された量まで無線エネルギーを伝達することができる。例えば、適切な整列により、一次コイルは、30ワット(W)から2.2キロワット(KW)までの範囲の電力を伝えることができる。整列が電力伝送の効率に影響を及ぼすため、無線送電装置は、無線受電装置との整列に基づいて無線電力の量を修正することができる。
【0032】
TXコントローラ108は、自身が無線受電装置118に供給する無線電力の特性を制御することができる。無線受電装置118を検出した後に、TXコントローラ108は、無線受電装置118から構成データを受信することができる。例えば、TXコントローラ108は、無線受電装置118とのハンドシェイク処理の最中に構成データを受信することができる。他の例の中でも、構成データは、異なる基準K係数における無線受電装置118の動作周波数、負荷状態、基準無線送電装置上で動作したときの無線受電装置118の負荷電圧および負荷電力などの1つ以上の基準制御パラメータを示すことができる。いくつかの実装形態において、構成データは、TXコントローラ108が無線受電装置118の比較的効率的な動作を可能にする電力を供給することができるように、TXコントローラ108がさまざまな条件および設定に適するようにローカルに格納された情報を調整することを可能にする推定器データ(例えば、補間点、ベクトル値、など)を含むことができる。いくつかの実装形態において、無線受電装置118は、基準K係数、負荷電圧、および負荷電力の関数として1つ以上の基準制御パラメータを計算するための経験式を提供することができる。TXコントローラ108は、構成データを使用して、自身が無線受電装置118に供給する無線電力に関する少なくとも1つの推定動作パラメータ(例えば、周波数、デューティサイクル、電圧、など)を決定することができる。TXコントローラ108は、最初に、推定動作パラメータに基づいて動作制御パラメータを設定することができる。動作制御パラメータ、推定動作パラメータ、またはその両方を、負荷130の負荷状態または電力要件の変化に応答して、無線電力の伝送中に、無線受電装置118からのフィードバック情報に基づいて調整することができる。したがって、TXコントローラ108は、無線受電装置118の比較的効率的な動作を可能にする無線電力を供給することができる。例えば、伝送コントローラは、無線受電装置が特定の負荷状態、負荷電圧、および動作K係数に対してピーク効率で動作することを可能にするように、無線電力を設定することができる。
【0033】
無線受電装置118によって提供される構成データのフォーマットは、異なる実装形態においてさまざまであってよい。例えば、構成データは、基準無線送電装置上での無線受電装置118の試験の際に得られた無線受電装置の1つ以上の負荷状態における無線受電装置と基準無線送電装置との間の1つ以上の基準K係数に関連する動作周波数などの1つ以上の基準制御パラメータを示す推定器データを含むことができる。負荷状態は、無線受電装置118の負荷電圧と対応する負荷電力設定との複合状態を反映した表現である。構成データは、試験に使用された基準無線送電装置の種類の表示を含むことができる。
【0034】
別の形態において、構成データは、推定器データに代え、あるいは加えて、始動制御パラメータを含むことができる。例えば、始動制御パラメータは、始動周波数(Fstart)、デューティサイクル、始動電圧、または他のパラメータを示すことができる。いくつかの実装形態において、構成データは、制御パラメータ限界を含むことができる。制御パラメータ限界は、周波数限界(Flimit)を示すことができる。TXコントローラ108は、結果として得られる動作制御パラメータがFlimitを下回らないように、推定動作パラメータを決定し、あるいは動作制御パラメータを調整することができる
【0035】
表1が、構成データの例示的なフォーマットを示している。表1の例は、教育的な目的で提供されているにすぎず、いくつかのフォーマットまたはフィールドが追加されても、省略されてもよい。
【表1】
【0036】
構成データが推定器データを含む場合(Est_data_size≠0)、構成データは、推定器データのエントリも含むことができる。Est_data_sizeは、エントリの数を示してもよいし、推定器データの総バイト長を示してもよい。表2が、推定器データエントリの例示的なフォーマットを示している。
【表2】
【0037】
いくつかの種類の無線受電装置118は、他の無線受電装置よりも多くの負荷状態を有する可能性がある。例えば、無線受電装置118が、速度設定が1つだけのブレンダまたはセクション巻線を有するブレンダである場合、推定器データは、ただ1つの基準負荷状態を含むことができる。いくつかの実装形態においては、推定器データ内の値を正規化して、オーバーヘッドを低減することができる。例えば、基準K係数を、32(2^5)の尺度で正規化することができる。Kmax(0.7または70%)およびKmin(0、2または20%)データは、最小必要基準K係数であってよい。他の基準K値に関する推定器データが供給されてもよい。いくつかの実装形態においては、推定器データエントリにおいて基準K係数を省略することができる。
【0038】
構成データに加えて、無線受電装置118は、負荷130の現在の負荷状態または予想される負荷状態を示す負荷状態も提供することができる。いくつかの実装形態において、無線受電装置118は、基準電圧(または、要求電力)を提供することができる。TXコントローラ108は、負荷状態を推定器データ内のエントリのうちの1つ以上における基準負荷状態と照合することによって、推定動作パラメータを決定することができる。推定器データが同じ基準負荷状態を有する2つ以上のエントリを含む場合、TXコントローラ108は、動作K係数および基準K係数に基づいて、いずれかのエントリを選択でき、あるいは2つのエントリ間の補間を行うことができる。このようにして、TXコントローラ108は、推定動作パラメータの推定に使用する基準動作パラメータを決定することができる。推定器データが構成データに含まれていない場合、TXコントローラ108は、始動制御パラメータを基準動作パラメータとして使用することができる。TXコントローラ108は、基準動作パラメータおよび基準電圧に基づいて、推定動作パラメータを決定することができる。
【0039】
TXコントローラ108は、無線受電装置118との間で電力修正を同期的に調整することによって、負荷状態の変化に応答することができる。負荷状態は、ユーザがモータ負荷に関して異なる速度設定を選択したこと、抵抗負荷に関して異なる温度設定を選択したこと、あるいは他の形でコードレス機器の任意の適切な設定を変更したことを示すことができる。負荷状態の変化は、所望の性能を達成するために、ユーザの介入によらずに機器によって開始されてもよい。例えば、機器コントローラが、温度を調節するためにユーザの介入によらずにヒータをオンおよびオフにすることができる。無線受電装置に関連付けられた可変負荷に関して負荷状態が変化する場合、TXコントローラ108は、その変化に対応するために無線電力を修正する必要があるかもしれない。TXコントローラ108は、無線電力の周波数、デューティサイクル、電圧、または任意の他の適切な特性を修正することができる。TXコントローラ108は、TXコントローラ108による修正無線電力の送電が無線受電装置118による修正無線電力の消費の開始と実質的に同時に始まるように、無線受電装置118と同期協調することができる。このような同期協調は、無線受電装置118の電力要件を遅延なく満たすことを可能にする。これらの遅延を回避することによって、TXコントローラ108は、無線受電装置が、コードレスデバイスを傷め、あるいはユーザ体験を劣化させる可能性のある障害状態を回避することを可能にできる。いくつかの実装形態において、TXコントローラ108は、無線受電装置から受信した情報に基づいて無線電力を修正することができる。情報は、負荷状態、可変負荷が必要とする推定電力、動作K係数を決定するための電圧情報、および可変負荷が必要とする電圧を示す基準電圧を含むことができる。TXコントローラ108は、これらの情報のうちの一部またはすべてを使用して、無線電力を修正するための動作制御パラメータを決定することができる。いくつかの実装形態において、TXコントローラ108は、無線送電装置102に供給されるAC電力が0ボルトを横切るときなど、任意の適切な同期事象に応答して修正無線電力の伝送を開始することができる。
【0040】
いくつかの実装形態において、無線受電装置118は、コードレスブレンダ、コードレスケトル、コードレスジューサー、などのコードレス機器に含まれてよい。無線受電装置118は、二次コイル120と、整流器126と、RXコントローラ128とを含むことができる。二次コイル120が一次コイル104に整列すると、二次コイル120は、一次コイル104から受信した無線電力信号に基づいて誘起電圧を生じさせることができる。コンデンサが、二次コイル120と整流器126との間に直列に存在してもよい。整流器126は、誘起電圧を整流し、誘起電圧を負荷130に提供することができる。負荷130は、可変モータ負荷、可変抵抗負荷、または可変誘導加熱負荷などの任意の適切な負荷であってよい。負荷は、追加の電子駆動部(図示せず)を含むことができる。
【0041】
RXコントローラ128を、整流器126および第2の通信インターフェース132に動作可能に結合させることができる。第2の通信インターフェース132は、第2の通信コイル134を介して無線通信を行うための変調および復調回路を含むことができる。したがって、RXコントローラ128は、NFC通信を使用する第1の通信インターフェース114への第2の通信インターフェース123を介してフィードバックコントローラ122と無線で通信することができる。これに代え、あるいは加えて、RXコントローラ128は、二次コイル120を含むバンド内通信リンク(図示せず)を介して通信を行うために負荷変調を使用することができる。
【0042】
負荷コントローラ136を、負荷130および第2の通信インターフェース132に動作可能に結合させることができる。負荷コントローラ136は、負荷状態の変化を検出することができる。例えば、負荷コントローラ136は、温度セレクタおよびモータ速度セレクタなどのユーザによる選択が可能な負荷状態の変化を検出することができる。さらに、負荷コントローラ136は、電力推定値に基づいて負荷電圧基準および負荷状態を決定することができる。さらに、負荷コントローラ136は、無線送電装置102と通信するために、負荷状態、負荷電圧基準、および任意の他の適切な情報をRXコントローラ128または第2の通信インターフェース132に提供することができる。さらに、RXコントローラ128は、負荷130に利用可能な測定された負荷電圧を示すフィードバック情報を決定し、提供することができる。いくつかのフィードバックメッセージにおいて、フィードバック情報は、負荷130に必要な電圧を示す基準電圧を含むことができる。いくつかのフィードバックメッセージにおいて、フィードバック情報は、K係数決定プロセスの一部として、二次コイル120において測定されたコイル電圧を含むことができる。RXコントローラ128と負荷コントローラ136とが別々に示されているが、これらは無線受電装置118の同じ構成要素に含まれていてもよい。
【0043】
いくつかの実装形態において、負荷コントローラ136は、無線電力の変化を無線送電装置102と同期協調させることができる。いくつかのモータ負荷に関して、負荷コントローラ136は、負荷に関連する追加のハードウェア(スイッチおよび駆動部など)(図1には図示せず)を制御することもできる。いくつかの実装形態において、これらの追加のスイッチを、無線電力伝送の変更と同期して負荷の変更を実現するようにオンまたはオフにすることができる。すでに述べたように、負荷状態が、負荷130に関して変化する可能性がある。負荷状態の変化に応じて、負荷コントローラ136は、負荷状態の変化を無線送電装置102に通知することができる。負荷状態に見合った量の電力を直ちに引き出す代わりに、負荷コントローラ136は、修正された量の無線電力を引き出すように負荷130を設定する前に、同期事象を待ってもよい。同期事象を待つことによって、負荷コントローラ136は、無線送電装置における修正電力の生成の開始とほぼ同時に修正無線電力の消費が実質的に同時に始まるように、無線送電装置102と協調することができる。同期事象は、整流器126の後の平均直流(DC)電圧(無線送電装置に給電するAC電源の線周波数に基づく)が最小値(0ボルトなど)に近い場合など、任意の適切な事象であってよい。別の例において、同期事象は、無線送電装置に給電するAC電源電圧が0ボルトを横切る時点に対応してもよい。
【0044】
いくつかの実装形態において、無線電力の動作制御パラメータを決定するための技術は、無線電力伝送の初期化段階の最中など、無線受電装置118への無線電力伝送の開始の冒頭から実行されてよい。いくつかの実装形態において、本技術は、負荷状態、基準電圧、または動作K係数の変化を示すフィードバック情報に応答して新たな動作制御パラメータを決定するために使用されてもよい。
【0045】
図2Aが、例示的な調理台に搭載された無線送電装置の斜視図200を示している。いくつかの実装形態において、無線送電装置は、調理台202に結合しても、一体化されてもよい。例えば、無線送電装置の一次コイル204を、調理台202へと同一面に埋め込むことができる。簡潔にするために、無線送電装置の一次コイル204のみが図2Aに示されている。しかしながら、図1を参照して説明した構成要素などの無線送電装置の他の構成要素が、調理台202に一体化されてよく、あるいは取り付けられてよい。
【0046】
図2Bが、例示的な調理台に搭載された無線伝送装置および例示的なコードレス機器の斜視図200を示している。コードレス機器(ブレンダ206として示されている)を、一次コイル204の上に配置することができる。コードレス機器は、ユーザが選択することができる負荷設定208を含むことができる。コードレス機器は、無線受電装置(図2Bには図示せず)を含むことができる。無線送電装置および無線受電装置は、本明細書に記載の構成要素および機能のいずれかを含むことができる。
【0047】
図3が、例示的な無線送電装置を概念的に説明するブロック図を示している。図3において、無線送電装置300は、AC電源として示されている電源302を含むことができる。しかしながら、電源302は、DC電源または任意の他の適切な電源であってもよい。電源302は、コンデンサ306に接続されてよい整流器304に接続されてよい。さらに、電源302は、同期ユニット308に接続されてよい。同期ユニット308は、電源302からのAC電力に基づいて同期信号を生成することができる。同期ユニット308は、同期信号をTXコントローラ108に提供することができる。電源302がDC電源である場合、同期ユニットは、一定の間隔で自発的に信号を生成することができる。
【0048】
整流器304は、第1のスイッチ316および第2のスイッチ318にDC電力を供給することができる。第1のスイッチ316および第2のスイッチ318は、他の例の中でもとりわけ、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)または絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)であってよい。第1のスイッチ316に第1のパルス幅変調(PWM)ドライバ312が接続されてよく、第2のスイッチ318に第2のPWMドライバ314が接続されてよい。TXコントローラ108は、第1のPWMドライバ312および第2のPWMドライバ314に接続されてよい。
【0049】
TXコントローラ108は、通信インターフェース326を介して無線受電装置と通信を交換することができる。通信インターフェース326は、通信コイル328に接続された通信コントローラ(図示せず)を含んでよい。いくつかの実装形態において、通信インターフェース326および通信コイル328は、NFC通信プロトコルを使用して通信を行うように構成される。
【0050】
無線送電装置300は、無線受電装置に無線電力を供給することができる。TXコントローラ108は、一次コイル322に近接する無線受電装置を検出し、ハンドシェイク処理を行うことができ、ハンドシェイク処理において、TXコントローラ108は、無線受電装置から情報を受信する。TXコントローラ108は、この情報を、通信インターフェース326を介して受信することができる。情報は、異なる基準K係数における無線受電装置の動作周波数、無線受電装置の負荷電圧および負荷電力、などの1つ以上の基準制御パラメータを含むことができる。この情報は、無線受電装置に関連付けられた可変負荷の負荷の種類および負荷状態も示すことができる。負荷状態は、機器の負荷電圧と対応する負荷電力との複合状態を表す。TXコントローラ108は、この情報を利用して、無線受電装置を相対的効率で最初から動作させることを可能にする特性を有する無線電力を提供することができる。例えば、TXコントローラ108は、無線受電装置から受信した負荷状態情報に基づいて、無線電力の周波数などの基準制御パラメータを選択することができる。TXコントローラ108は、動作制御パラメータを決定し、動作制御パラメータに基づいて第1および第2のPWMドライバ(それぞれ、312および314)を制御することによって無線電力を供給することができる。PWMドライバ(それぞれ、312および314)は、第1のスイッチ316および第2のスイッチ318を動作させることができる。第1のスイッチ316および第2のスイッチ318は、動作制御パラメータに応じた無線電力を無線受電装置の二次コイルに伝送するように一次コイル322に通電することができる。
【0051】
電力を供給した後に、無線送電装置300は、無線受電装置に接続された負荷に関連する負荷状態の変化など、1つ以上の変化する条件に基づいて動作パラメータを修正することができる。条件の変化に応答して、TXコントローラ108および無線受電装置は、条件の変化に適応するようにそれぞれの構成を修正することができる。例えば、TXコントローラ108は、負荷状態の変化に適応するように、(無線電力の周波数などの)1つ以上の新たな動作制御パラメータを決定することができる。TXコントローラ108および無線受電装置は、同期事象に応答してそれぞれの構成変更を実施することができる。いくつかの実装形態において、TXコントローラ108は、修正無線電力の供給を、無線受電装置における修正無線電力の消費の開始と実質的に同時に開始する。
【0052】
図4Aが、例示的なTXコントローラの構成要素を概念的に説明するブロック図を示している。TXコントローラ108は、それぞれ図1および図3を参照して説明した無線送電装置102および300のいずれかなどの無線送電装置内に存在することができる。図4Aにおいて、TXコントローラ108は、推定動作パラメータを決定するように構成された推定器ユニット412を含むことができる。推定器ユニット412は、無線受電装置から受信した構成データ402を使用して、推定動作パラメータの基礎として始動制御パラメータまたは基準制御パラメータを決定することができる。いくつかの実装形態において、推定器ユニット412は、推定動作パラメータを決定するために、動作K係数404、負荷状態406、基準電圧、またはこれらの任意の組み合わせを使用することもできる。
【0053】
本明細書において説明されるとおり、無線送電装置は、無線受電装置の相対的効率での動作を可能にする特性(選択された周波数など)を有する電力を供給することができる。ハンドシェイク処理の最中または後に、TXコントローラ108は、無線受電装置から構成データを受信することができる。構成データは、異なる基準K係数における無線受電装置の動作周波数、および無線受電装置の基準負荷状態、などの1つ以上の基準制御パラメータを含むことができる。TXコントローラ108は、K係数決定プロセスの最中に、無線受電装置からのフィードバックおよび伝送電圧に関する情報に基づいて、動作K係数を決定することができる。さらに、TXコントローラ108は、負荷の現在の動作状態を示す負荷状態406を受信することができる。負荷状態は、特定の負荷電圧における機器の負荷電力の表現である。負荷状態406は、負荷が必要とする推定電力(負荷電力推定値または推定負荷電力とも呼ばれる)に関連し得る。構成データは、さまざまな基準負荷状態における負荷電力推定値を示すことができる。TXコントローラ108は、負荷状態を示す無線受電装置からのフィードバック情報(負荷状態フィードバックと呼ばれることもある)を受信すると、負荷状態フィードバックと一致する基準負荷状態に関する負荷状態406を使用して負荷電力推定値を決定することができる。さらに、TXコントローラ108は、負荷が必要とする電圧を示す基準電圧を受信することができる。
【0054】
電力を供給する前に、TXコントローラ108は、無線受電装置から受信したK係数フィードバック情報に基づいて動作K係数を決定することができる。例えば、K係数決定ユニット(図示せず)が、無線受電装置の二次コイルにおける受電電圧と無線送電装置において測定された一次コイルにおける送電電圧との比に基づいて、無線送電装置と無線受電装置との間の動作K係数(例えば、二次コイルのゼロ電流状態下での)を決定することができる。受電電圧および送電電圧は、同期事象に関連する測定スロットなどの一貫した時間において、無線受電装置および無線送電装置によってそれぞれ測定されてよい。K係数決定プロセスは、無線受電装置の二次コイルに電流が流れていないときに行われてよい。
【0055】
さらに、TXコントローラ108は、負荷電力推定値を、負荷が必要とする電力の推定値として決定することができる。負荷電力推定値は、フィードバック情報にて受信される負荷状態406に基づくことができる。負荷状態406は、無線受電装置の現在の負荷状態または予想される負荷状態であってよい。例えば、無線受電装置は、負荷状態を示すフィードバックまたは他のメッセージを送信することができる。TXコントローラ108は、負荷状態406に基づいて負荷電力推定値を決定することができる。さらに、負荷状態は、送電機に通電し続ける必要があるか、あるいはオフにする必要があるかを示すことができる。例えば、第1の値(「0」など)の負荷状態は、受電機のオフが意図されていることを示すことができる。損失を最小限に抑えるために、送電機の電子機器もオフにされる。いくつかの実装形態において、フィードバック情報は、機器の障害に関連する障害状態(図には示されていない)を示すことができる。障害状態の種類に応じて、送電機は、送電電力を中断または低減することができる。
【0056】
推定器ユニット412は、構成データ402、動作K係数404、負荷状態406、および基準電圧(U_RX*)408のうちの1つ以上に基づいて推定動作パラメータを決定することができる。いくつかの実装形態において、構成データは、推定器データを含むことができる。推定器データは、1つ以上の基準K係数および1つ以上の状態において基準無線送電装置と動作するときの基準制御パラメータ(動作周波数など)を含むことができる。いくつかの実装形態において、推定器ユニット412は、動作K係数、負荷状態、および基準電圧を利用して、推定器データを補間および外挿し、推定動作パラメータを決定することができる。推定器ユニット412は、推定動作パラメータを論理ユニット418に提供することができる。論理ユニット418がフィードバックコントローラ414からフィードバックパラメータを受信しない場合、推定動作パラメータが動作制御パラメータになる。論理ユニット418は、動作制御パラメータをPWMコントローラ416に提供することができる。動作制御パラメータに基づいて、PWMコントローラ416は、スイッチドライバ(図4Aには図示せず)を制御して、(選択された周波数などの)1つ以上の特性を有する無線電力を供給することができる。
【0057】
いくつかの場合に(例えば、負荷状態、基準電圧、またはその両方の変化に応答して)、TXコントローラ108は、無線受電装置から受信したフィードバック情報に基づいて、新たな推定動作パラメータを決定することができ、あるいは既存の推定動作パラメータを修正することができる。いくつかの実装形態において、TXコントローラ108は、無線電力の同期された送電および消費を生じさせるために、推定動作パラメータの変更(電力の増加など)を同期させるように無線受電装置と協調することができる。
【0058】
無線受電装置に電力を供給した後に、TXコントローラ108は、無線受電装置から受信したフィードバック情報を利用して、推定動作パラメータまたは動作制御パラメータを調整することができる。TXコントローラ108は、このようなフィードバック情報を利用して、電力推定値の誤差、動作K係数の誤差、および動作中の無線送電装置と基準無線送電装置との間のパラメータの差を補償することができる。変更された負荷状態に応答するとき、TXコントローラ108は、前述したように、新たな推定動作パラメータを決定することができる。また、TXコントローラ108は、無線受電装置から受信したフィードバック情報に基づいてフィードバックパラメータを決定することもできる。フィードバックパラメータを決定するために、比較器420または誤差計算ユニットが、基準電圧408と負荷電圧422との間の差を決定することができる。いくつかの実装形態において、無線受電装置からのフィードバック情報は、基準電圧408および負荷電圧422の両方を示すことができる。基準電圧408が、負荷が必要とする電圧を示すことができる一方で、負荷電圧422は、負荷にとって利用可能な測定された電圧を示すことができる。比較器420は、基準電圧408および負荷電圧422に基づいて負荷電圧誤差を決定することができる。例えば、負荷電圧誤差は、基準電圧408と負荷電圧422との間の差であってよい。比較器420は、電圧誤差をフィードバックコントローラ414に提供することができる。フィードバックコントローラ414は、電圧誤差に基づいてフィードバックパラメータを決定することができる。フィードバックパラメータは、無線受電装置から受信したフィードバック情報に基づいて推定動作パラメータ(推定器ユニット412によって提供される)を調整するために使用される値であってよい。
【0059】
いくつかの実装形態において、フィードバックコントローラを、内側ループおよび外側ループを有するマルチループコントローラとして実装することができる。外側ループは、電圧誤差を入力とし、内側ループへの基準を出力として提供する。内側ループは、送電コイルにおける電流または電力の制御に基づくことができる。例えば、外側ループは、その出力として基準電力を提供することができ、内側ループは、平均送電機電力(インバータ電圧と電流との乗算、積の合計、ACサイクルの半分にわたって積を平均する合計された積の平均化に基づいて計算される)を基準電力に等しくするための電力制御を実施することができる。内側ループの出力が、フィードバックパラメータであってよい。
【0060】
フィードバックパラメータは、無線電力の周波数、デューティサイクル、電圧、または任意の他の適切な特性に関係し得る。フィードバックコントローラ414は、フィードバックパラメータを論理ユニット418に提供することができる。いくつかの実装形態において、推定動作パラメータは、フィードバックパラメータよりも大きな影響を動作制御パラメータに及ぼす。
【0061】
論理ユニット418は、1つ以上の比較器、加算器、減算器、ルックアップテーブル、および動作制御パラメータを決定するための任意の他の適切な論理を含むことができる。論理ユニット418は、動作制御パラメータおよびフィードバックパラメータを受け取ることができる。論理ユニット418は、推定動作パラメータおよびフィードバックパラメータに基づいて動作制御パラメータを決定することができる。動作制御パラメータは、無線受電装置に提供される無線電力の周波数、デューティサイクル、電圧、電力量、または他の適切な特性のうちの1つ以上を示すことができる。いくつかの実装形態においては、TXコントローラ108が、無線電力の送電および消費を同期させるために無線受電装置と協調することができる。
【0062】
図4Bが、電力制御を使用する例示的な送電コントローラの構成要素を概念的に説明するブロック図を示している。図4Bにおける要素は、図4Aを参照して説明した対応する要素と同一である。しかしながら、図4Bは、(電圧制御ではなく)電力制御が実施される例を示している。無線受電装置は、要求電力量452を示すことができる。TXコントローラ108は、電力計算428を使用して送電される実際の電力を決定することができる。電力計算428は、瞬時のインバータ電流およびインバータ電圧を乗算すること、積を合計すること、およびAC電源のサイクルの半分にわたって合計された積を平均して、伝送された平均実際電力を決定することを含むことができる。一方で、無線受電装置は、要求電力量452を示すフィードバック情報を送信することができる。論理ユニット430は、送電された平均実際電力と要求電力量452とを比較して、電力誤差値を生成することができる。フィードバックコントローラ414は、電圧誤差に基づいてフィードバックパラメータを決定することができる。図5が、フィードバック情報の例示的なフォーマットを概念的に説明するブロック図を示している。フィードバック情報500は、負荷電圧511、負荷状態512、ヘッダ513、他のデータ514、およびチェックサム515を含むことができる。いくつかのフィールドは、さまざまな実装形態において省略されてもよい。伝統的な無線電力システムにおいて、無線受電装置は、負荷電圧誤差のみを送信することができ、電圧誤差のみに基づいて送電電力を調整する無線送電装置に依存することができる。しかしながら、本明細書に記載の技術などの動的な制御技術においては、フィードバック情報が、可変負荷が必要とする無線電力の伝送を制御するように無線受電装置が無線送電装置とより良好に協調することを可能にする追加の情報を提供することができる。例えば、無線受電装置は、負荷状態511を示すことにより、可変負荷の現在の動作状態を無線送電装置に知らせることができる。第1の値(0など)に等しい負荷状態511は、可変負荷がオフまたはアイドルであることを示すことができる。第2の値(非ゼロの値など)に等しい負荷状態511は、可変負荷に関連する特定の動作を示すことができる。例えば、負荷状態511は、可変負荷のアクティブ状態を示すことができる。さらに、負荷状態511のさまざまな値は、ブレンダの負荷設定を指すことができる。別の例において、負荷状態511のさまざまな値は、エアフライヤの加熱要素、ファン、またはその両方がアクティブであるかどうかを示すことができる。負荷状態511は、無線送電装置による推定動作パラメータの決定を可能にするために、無線受電装置から無線送電装置に以前に送信された構成データ(図示せず)で定義された基準負荷状態に対応することができる。
【0063】
負荷電圧および負荷状態に加えて、フィードバック情報500は、他のデータ514を含むことができる。フィードバック情報500のヘッダ513は、他のデータ514にどの種類のデータが含まれるかを記述することができる。図5は、フィードバック情報に含まれてよい他のデータの例502を示している。例えば、他のデータは、他の例の中でもとりわけ、基準電圧、K係数電圧測定値(K係数決定プロセスの際の二次コイルにおける受電電圧など)、障害状態を含むことができる。障害状態は、他の例の中でもとりわけ、開回路、過電圧検出、過電流検出、過温度検出、低電圧検出、などの障害が無線受電装置に存在する場合に含まれてよい。別の例示的な障害状態は、無線受電装置が無線送電装置と無線受電装置との間の磁界内の異物を検出したという知らせを含むことができる。
【0064】
いくつかの実装形態において、フィードバック情報500は、フィードバックメッセージとしてフォーマットされてよい。図5は、4バイトの固定長を有するフィードバックメッセージ501の例示的なフォーマットを示している。負荷状態が3ビットを占めてよい。ヘッダが4ビットを占めてよい。負荷状態、予約ビット、およびヘッダが合わさって、フィードバックメッセージ501の第1のバイトを占めることができる。負荷電圧は、8ビットであってよく、フィードバックメッセージ501の第2のバイトを占めてよい。他のデータは、8ビットであってよく、フィードバックメッセージ501の第3のバイトを占めてよい。チェックサムが、8ビットであってよく、フィードバックメッセージ501の第4のバイトを占めてよい。フィードバックメッセージ501における種々のフィールドのビット長および位置は、例として提供されており、他の適切な配置も可能である。例えば、いくつかの例において、チェックサムは省略されてもよい。
【0065】
図6が、例示的な無線受電装置を概念的に説明するブロック図を示している。図6において、無線受電装置600は、二次コイル602を含む。二次コイル602を、直列コンデンサ603、随意による直列スイッチ646、および負荷608に接続されてよい整流器604に接続することができる。整流器604は、負荷の種類によっては存在しなくてもよい。さらに、無線受電装置600は、第2の通信コイル628を含んでよい通信インターフェース626を含んでよい。通信インターフェース606は、RXコントローラ624に接続されてよい。送電装置とのハンドシェイクが完了すると、直列スイッチ646をオンにすることができる。さらに、スイッチを、電力伝送の開始前にK係数を決定するために好都合に使用することができる。
【0066】
また、RXコントローラ624は、さまざまな情報を受け取り、通信インターフェース626を介して無線送電装置に送信することができる。RXコントローラ624は、メモリ(構成データ記憶部616として示されている)から無線受電装置データを受け取ることができる。構成データは、表1に記載されたデータのいずれかを含むことができる。例えば、構成データは、異なる基準K係数における無線受電装置の動作周波数および無線受電装置が基準無線送電装置上で試験されたときに得られた無線受電装置基準負荷電圧などの基準制御パラメータなどを含むことができる。構成データは、通信インターフェース626によって無線送電装置に送信されてよい。さらに、RXコントローラ624は、負荷コントローラ136から負荷状態および/または電力推定値を示す情報を受け取ることができる。さらに、RXコントローラ624は、二次コイル602に接続された第1の電圧センサ618からK係数電圧測定情報を受け取ることができる。K係数電圧測定情報は、K係数決定プロセスの最中に測定された二次コイル602におけるピークまたは二乗平均平方根(RMS)電圧を示すことができる。さらに、RXコントローラ624は、負荷608に接続された第2の電圧センサ614から負荷電圧情報を受け取ることができる。負荷電圧情報は、負荷608にとって利用可能な電圧を示すことができる。さらに、RXコントローラ624は、整流器604に接続された電流センサ612から電流に関する情報を受け取ることができる。電流および電圧に関する情報は、負荷608にとって利用可能な電力量を示すことができる。
【0067】
無線電力の伝送前、伝送中、または伝送後のさまざまな時点において、通信インターフェース626は、他の例の中でもとりわけ、前述の構成データ、K係数電圧測定情報、負荷電圧情報、負荷状態を、無線送電装置に送信することができる。負荷コントローラ136は、負荷設定636に従って負荷608を制御することができる。負荷設定636は、温度設定またはモータ速度設定など、ユーザによる選択が可能な設定であってよい。いくつかの実装形態において、負荷設定636は、ユーザによる選択が可能な設定に基づく負荷状態のパターンを指すことができる。例えば、負荷設定636は、ユーザによる選択が可能な設定を達成するために、さまざまな時点で加熱要素、ファン、またはその両方を動作させることができるエアフライヤの動作のパターンを指すことができる。
【0068】
いくつかの場合に、RXコントローラ624は、本明細書で説明されるように、ハンドシェイク処理の最中に構成データの一部またはすべてを送電コントローラに送信することができる。いくつかの場合に、RXコントローラ624は、フィードバック情報を無線送電装置に送信することができる。フィードバック情報は、負荷状態、基準電圧、負荷に関する電力推定値または要求、K係数電圧測定情報、負荷電圧情報、障害状態、またはこれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を含むことができる。無線送電装置のTXコントローラ(図示せず)が、フィードバック情報に基づいて、無線受電装置600に伝送中の無線電力を修正することができる。
【0069】
いくつかの実装形態において、同期ユニット630が、第1の電圧センサ618に関連付けられてよい。同期ユニット630は、同期事象を判断して同期信号を提供することができ、同期信号によって、構成要素が動作を同期させることができる。例えば、同期ユニット630は、(第1の電圧センサ618における)コイル感知電圧がゼロである時点に基づいて、無線送電装置におけるスイッチングがないことを示す同期事象を判断することができる。同期ユニット630によって検出される同期事象は、無線送電装置の同期ユニット(図示せず)によって判断される対応する同期事象と実質的に同時であってよい。
【0070】
本明細書において説明されるように、負荷コントローラ136は、負荷608の動作を、無線電力を伝送するために無線送電装置によって使用される動作制御パラメータの変化に同期させることができる。例えば、負荷コントローラ136は、変更された負荷状態に従って負荷608を設定する前に、同期事象を待つことができる。負荷の種類がモータである場合、これは、負荷608内のリレー/スイッチ(図には示されていない)のオン/オフ切り替えを含むことができる。
【0071】
図7が、無線送電装置と無線受電装置との間の動作のタイミング同期を可能にする例示的な電圧曲線を示している。図7において、AC電圧グラフ700が、AC電圧曲線702を示している。AC電圧曲線702は、無線送電装置に給電する電源端子からのAC電圧(本明細書において、AC電源またはAC電源電圧と呼ばれる)を表すことができる。例示として、AC電源周波数は50Hzであってよい。図7において、DC電圧グラフ704が、DC電圧曲線706を示している。DC電圧曲線706は、無線送電装置の整流器の後で利用可能な整流された電圧を表すことができる。さらに、DC電圧曲線706は、AC電源から給電され、電圧センサならびに/あるいは無線給電装置内の電子機器に電力を供給するバイアス電源ユニットにつながるより小さい整流器の出力を表すこともできる。線707が、AC電圧曲線702およびDC電圧曲線706が同時に0Vの電圧を有する時点(ゼロ電圧またはゼロ交差事象とも呼ばれる)を示す。
【0072】
無線送電装置は、AC電圧曲線702または整流後のDC電圧曲線706を表す信号をTXコントローラ108に提供することができる同期ユニットを含むことができる。AC電源電圧がゼロになる各々の時点(ゼロ交差とも呼ばれる)の付近において、TXコントローラ108は、他の動作のためのタイムスロットを生成するために、PWMドライバを無効にすることによって短時間(約300マイクロ秒、約1ミリ秒、または任意の他の適切な期間、など)のあいだ電力の伝送を停止させることができる。他の動作として、NFCを用いた無線送電装置と無線受電装置との間のデータ通信、K係数決定プロセス、または異物検出(FOD)動作を挙げることができる。いくつかの実装形態において、これらの場合において無線送電装置への電力伝送が存在しないことが、無線受電装置の動作を無線送電装置と同期させるための無線受電装置へのクロックとして機能することができる。したがって、無線送電装置は、無線受電装置と同期して協働することができる。
【0073】
いくつかの実装形態において、線707として示されているゼロ交差事象は、規則的に繰り返されるフィードバックスロット、FODスロット、またはK係数決定スロットに指定される。例えば、フィードバックスロットが20msごとに生じてよい。残りのゼロ交差事象を、FOD動作またはK係数決定プロセスに指定することができる。
【0074】
図8が、無線送電装置の伝送コントローラを無線受電装置の負荷コントローラと同期させることができる例示的な電圧曲線を示している。より具体的には、無線送電装置のTXコントローラ108および無線受電装置の負荷コントローラ136が、それぞれの電力動作を同期させるために協働することができる。例えば、無線受電装置に電力を供給する場合に、TXコントローラ108は、電力の伝送を開始する前に、同期事象を待つことができる。同期事象は、AC電圧曲線802がゼロ電圧を有する次の時点であってよい。同期事象(例えば、来たるゼロ電圧の事例)に応答して、TXコントローラ108は、(図4Aまたは図4Bを参照して説明したように)動作制御パラメータに基づいて無線電力の送電を開始することができる。同様に、負荷コントローラ136も、負荷の変化を設定して変化後の電力を消費する前に、同期事象を待つことができる。いくつかの場合に、TXコントローラ108は、負荷コントローラ136が無線電力の消費を開始するように負荷を設定するときに、実質的に同時に無線電力の伝送を開始することができる。
【0075】
図8は、無線電力システムにおける事象を示す時間マーカ810を含む。より具体的には、時間マーカ810は、負荷状態が変化するときに生じる事象を示す。時刻=T0において、負荷コントローラ136が負荷状態の変更を検出することができる。例えば、負荷状態の変更を、ユーザが機器内のノブまたは他の設定を変更することによって開始させることができる。いくつかの実装形態において、通信が、1つおきのゼロ電圧に同期して行われてよい。時刻=T1において、電力の伝送がTXコントローラ108によって停止されると、負荷コントローラ136は、変更後の負荷状態をTXコントローラ108に通信することができる。負荷状態に対応するように負荷を直ちに設定する代わりに、負荷コントローラ136は、負荷を設定する前に同期事象を待つことができる。
【0076】
さらに、時刻=T1(または、実質的に時刻=T1)において、TXコントローラ108は、負荷コントローラ136から負荷状態を受信することができる。
【0077】
時刻=T1と時刻=T2との間の時間において、TXコントローラ108は、(例えば、図4Aまたは図4Bに関して説明したように)新たな動作制御パラメータを決定することができる。新たな動作制御パラメータに基づいて無線電力の送電を直ちに開始する代わりに、TXコントローラ108は、同期事象を待つことができる。
【0078】
T2において、AC電圧曲線802およびDC電圧曲線806についてゼロ電圧が存在し、その間、電力の伝送はTXコントローラ108によって停止される。同期事象は、無線送電装置(例えば、TXコントローラ108による)および無線受電装置(例えば、RXコントローラ128または負荷コントローラ136による)の両方において検出される。同期事象に応答して、TXコントローラ108は、新しい動作制御パラメータに従って無線電力の供給を開始し、負荷コントローラ136は、負荷を変更後の負荷状態に設定する。TXコントローラ108によってスイッチングが再開されると、変更された負荷状態への電力の伝送を、新たな動作制御パラメータ(周波数、デューティサイクル、電圧、など)に従って再開することができる。
【0079】
図9が、伝統的なフィードバック制御技術を実装する無線電力システムに関する例示的な電圧グラフ900を示している。第1のグラフは、無線受電装置における所望の負荷電圧を表す基準負荷電圧曲線902を含む。第2のグラフは、無線受電装置の負荷において検出された負荷電圧の平均値を表す実際の負荷電圧曲線904を含む。これらのグラフは、本開示の利点を有さない伝統的な無線キッチンシステム(加熱器具など)における電圧を表している。伝統的な無線キッチンシステムは、無線受電装置の負荷状態が変化した後に、無線受電装置から無線送電装置へのフィードバックメッセージによって無線送電の変更が制御される伝統的なフィードバック制御技術を用いることができる。実際の負荷電圧曲線904は、負荷へと供給される電力における応答遅延を示している。第1の時点(T0として示されている)において、電力が第1の負荷電圧(V1)で無線受電装置に流れている。第2の時点(T1として示されている)において、機器の電力設定が増加される。この新たな電力設定に基づいて、基準負荷電圧曲線902は、V1から第2の負荷電圧(V2)に変化する。伝統的なフィードバック制御技術は、基準負荷電圧がV2に変化したことを示すフィードバックメッセージを含むことができる。しかしながら、たとえ無線送電装置が新たな基準負荷電圧に基づく新たな動作制御パラメータをまだ決定していなくても、負荷が直ちに第2の負荷電圧のための電力の引き出しを開始し得る。それゆえに、T1において基準負荷電圧902がV1からV2に増加した後に、実際の負荷電圧曲線904は、V2という新たな定常状態値に達するまでにかなりの時間を要する可能性がある。グラフ900に示されるように、実際の負荷電圧曲線904は、T1後の応答遅延による傾斜した曲線を示す。第3の時点(T2として示されている)において、電力設定は、V2からV1への基準負荷電圧設定の減少を示すために減少する。基準負荷電圧の増加に対する応答の遅延と同様に、T2において基準負荷電圧がV2からV1へと減少した後に、平均負荷電圧(実際の負荷電圧曲線904によって表される)は、新たな定常状態値に達するまでにかなりの時間を要し得る。
【0080】
図10が、本開示のいくつかの実装形態による電力制御を実施する無線受電システムに関する例示的なグラフ1000を示している。第1のグラフは、無線受電装置における所望の負荷電圧を表す基準負荷電圧曲線1002を含む。T1およびT2における負荷電圧の変化、ならびに図10における対応する基準負荷電圧曲線1002は、図9を参照して説明した基準負荷電圧曲線1002と同じである。第2のグラフは、無線受電装置の負荷において検出された負荷電圧の平均値を表す実際の負荷電圧曲線1004を含む。図9とは対照的に、図10の実際の負荷電圧曲線1004によって表される負荷電圧の平均値は、負荷電圧が本明細書に記載の負荷コントローラ136およびTXコントローラ108の動作によってどのように影響され得るかを示している。V1からV2への基準負荷電圧の変化によって電力が(T1において)増やされるとき、負荷電圧の平均値(実際の負荷電圧曲線1004によって表される)は、比較的短時間でV2の負荷状態値に落ち着く。同様に、T2において、V2からV1への基準電圧の減少によって負荷状態が低減されると、平均負荷電圧は、比較的短時間でV1に落ち着く。TXコントローラ108が、負荷状態電圧の変化に基づいて新たな動作制御パラメータを決定することができ、結果として、より速い過渡挙動がもたらされる。図示のように、本明細書に記載の機能および構成要素は、電力変化に対する応答性を高めることができ、ユーザ体験を向上させることができる。
【0081】
図11が、無線電力を無線受電装置に供給するためのプロセスの例示的な動作を説明するフロー図を示している。簡潔にするために、動作は、装置によって実行されるものとして説明される。プロセス1100の動作を、本明細書に記載の無線送電装置によって実施することができる。例えば、プロセス1100は、図1を参照して説明した無線送電装置102およびTXコントローラ108、図3を参照して説明した無線送電装置300およびTXコントローラ108、図4Aまたは図4Bを参照して説明したTXコントローラ108、あるいは図19を参照して説明される装置1700によって実行されてよい。
【0082】
ブロック1102において、装置は、無線受電装置の可変負荷に関連する構成データ、負荷状態、および基準電圧を取得することができる。
【0083】
ブロック1104において、装置は、構成データ、負荷状態、および基準電圧に少なくとも部分的に基づく動作制御パラメータを使用して、無線受電装置への無線電力の伝送を開始することができる。
【0084】
ブロック1106において、装置は、無線電力の伝送の最中に無線受電装置からフィードバック情報を受信することができ、フィードバック情報は、無線受電装置によって測定された負荷電圧を含み、負荷状態、基準電圧、またはその両方の変化をさらに示す。
【0085】
ブロック1108において、装置は、フィードバック情報に少なくとも部分的に基づいて動作制御パラメータを修正することができる。
【0086】
図12が、無線受電装置において無線電力を受電するためのプロセスの例示的な動作を説明するフロー図を示している。簡潔にするために、動作は、装置によって実行されるものとして説明される。プロセス1200の動作を、本明細書に記載の無線受電装置によって実施することができる。例えば、プロセス1200は、図1を参照して説明した無線受電装置118および負荷コントローラ136、ならびに図6を参照して説明した無線受電装置600によって実行されてよい。
【0087】
ブロック1202において、装置は、無線受電装置の可変負荷に関連する構成データ、負荷状態、および基準電圧を、無線送電装置に送信することができる。
【0088】
ブロック1204において、装置は、構成データ、負荷状態、および基準電圧に少なくとも部分的に基づく無線送電装置からの無線電力を受電することができる。
【0089】
ブロック1206において、装置は、無線電力の受電の最中に無線送電装置へとフィードバック情報を送信することができ、フィードバック情報は、無線受電装置によって測定された負荷電圧を含み、負荷状態、基準電圧、またはその両方の変化をさらに示す。
【0090】
図13が、セクション巻線を備えるモータを有する例示的な無線受電装置におけるプロセスの例示的な動作を説明するフロー図を示している。簡潔にするために、動作は、装置によって実行されるものとして説明される。プロセス1200の動作を、本明細書に記載の無線受電装置によって実施することができる。例えば、プロセス1200は、図1を参照して説明した無線受電装置118および負荷コントローラ136、ならびに図6を参照して説明した無線受電装置600によって実行されてよい。
【0091】
ブロック1310において、構成段階にて、装置は、構成データを無線送電装置に送信することができる。表3が、セクション巻線を備えるモータを有する無線受電装置が送信することができる構成データの一例を示している。例示的な構成データは、始動制御パラメータおよび制御パラメータ限界を含むが、推定器データを含まなくてもよいことに留意されたい。
【表3】
【0092】
構成段階に続いて、無線受電装置は、接続段階に進むことができる。ブロック1320において、装置は、機器がオンであるかどうかを判定することができる。例えば、機器は、ユーザによる選択が可能な設定のユーザによる選択を可能にし、あるいは機器によるモータの作動を可能にするために、最小限の電力でオンにされることがある。機器がオフである場合、プロセスは、無線送電装置にフィードバック情報を送信することなく、接続段階にとどまることができる。これに代え、あるいは加えて、装置は、負荷状態がアイドルまたはオフであること(負荷状態=0など)を示す定期的なフィードバックを送信することができる。しかしながら、機器がオンである場合、プロセスは、ブロック1330で始まる電力伝送段階に進むことができる。
【0093】
ブロック1330において、装置は、負荷状態、負荷電圧、および基準電圧を無線送電装置に送信することができる。無線送電装置は、これらの値を使用して動作制御パラメータを決定し、負荷をサポートするために無線電力の伝送を開始する。いくつかの実装形態において、無線電力の伝送は、負荷を作動させる装置の負荷コントローラと同期して開始する。
【0094】
ブロック1340において、装置は、無線電力を受電し、負荷を動作させるために使用することができる。
【0095】
ブロック1350において、装置は、負荷が依然としてオンであるか、あるいはオフに切り替えられたかを判定することができる。例えば、ユーザがモータをオフにし、あるいはモータへの電力を停止するように設定を変更することができ、結果として、負荷がもはやオンではないという判定がもたらされる。その場合、プロセスはブロック1360に進み、装置は、負荷状態がオフまたはアイドルであること(負荷状態=0など)を示すフィードバック情報を送信する。負荷が依然としてオンである場合、プロセスはブロック1370に進むことができ、ブロック1370において、負荷状態、負荷電圧、および他のデータを示すフィードバック情報が送信される。他のデータとして、例えば、無線送電装置が電圧誤差を計算して、基準電圧を満たすように動作制御パラメータを調整することを可能にする基準電圧を挙げることができる。プロセスは、ブロック1430に戻ることができ、装置は無線電力を受電し、負荷を動作させるために使用し続ける。
【0096】
図14が、図13を参照して説明したプロセスに対応する無線電力を伝送するための例示的な無線送電装置におけるプロセスの例示的な動作を説明するフロー図を示している。簡潔にするために、動作は、装置によって実行されるものとして説明される。プロセス1100の動作を、本明細書に記載の無線送電装置によって実施することができる。例えば、プロセス1100は、図1を参照して説明した無線送電装置102およびTXコントローラ108、図3を参照して説明した無線送電装置300およびTXコントローラ108、図4Aまたは図4Bを参照して説明したTXコントローラ108、あるいは図19を参照して説明される装置1700によって実行されてよい。
【0097】
ブロック1410において、装置は、無線受電装置の存在を検出することができる。ブロック1420において、構成段階にて、装置は、構成データ(表3の例示的な構成データなど)を受信することができる。構成データを通信した後に、無線送電装置および無線受電装置は、接続段階になってよい。接続段階は、無線受電装置がアイドルである時間を含んでよい。電力伝送段階に進み、ブロック1430において、装置は、無線受電装置から負荷状態、負荷電圧、および基準電圧を受信することができる。
【0098】
ブロック1440において、電力伝送段階にて、装置は、構成データに基づいて動作制御パラメータを設定することができる。例えば、装置は、動作制御パラメータを始動制御パラメータとして設定し、制御パラメータ限界に違反しないように動作制御パラメータを制御することができる。さらに、装置は、進行中の電圧誤差の計算に使用することができるように、基準電圧を記録することができる。
【0099】
ブロック1450において、装置は、負荷状態および負荷電圧を含むフィードバック情報を受信することができる。いくつかの実装形態において、フィードバック情報は、基準電圧の変化も含むことができる。
【0100】
ブロック1460において、装置は、フィードバック情報に含まれる負荷状態が、負荷がオフであることを示しているかどうかを判定することができる。例えば、負荷状態=0である場合、装置は、負荷がオフであると判定でき、ブロック1470へと進んで無線電力の伝送を停止することができる。その後に、装置は、接続段階へと戻り、負荷状態の変化を示すさらなるメッセージを待つことができ、あるいは機器が境界面から取り除かれた場合にアイドル状態へと戻ることができる。しかしながら、ブロック1460において、負荷状態が0ではないと装置が判定した場合、プロセスはブロック1480に進むことができる。
【0101】
ブロック1480において、装置は、負荷電圧および基準電圧に基づいて無線電力の制御を調節することができる。例えば、装置は、負荷電圧と基準電圧との間の差に対応するように動作制御パラメータを調整するためにフィードバックパラメータを決定することができる。1480の後で、プロセスはブロック1450へと戻る。
【0102】
図15が、図14を参照して説明したプロセスに対応する例示的な無線送電装置の電力制御動作を説明するブロック図を示している。図15のブロックは、図4Aまたは図4Bを参照して説明した対応するブロックと同等である。この状況においては、構成データが推定器データを含んでいないため、推定器ユニット412は、始動制御パラメータ(Fstartなど)を推定動作パラメータとして使用することができる。制御パラメータ限界は、限界ユニット1550によって行使されてよい。表3からの例示的な構成データを使用して、始動制御パラメータ(したがって、推定動作パラメータ)は、50キロヘルツ(kHz)の始動周波数であってよい。いくつかの実装形態において、推定動作パラメータを、基準電圧1508に基づき、あるいは無線送電装置の特性に基づいて、調整することができる。限界ユニット1550が、論理ユニット418からの動作制御パラメータが、例示的な構成データに示された30kHzというFlimitを下回らないことを保証することができる。限界ユニット1550は、送電機における過電圧および過電流の状況を回避する制御部も統合することができる。
【0103】
図16が、エアフライヤに関連する例示的な無線受電装置におけるプロセスの例示的な動作を説明するフロー図を示している。簡潔にするために、動作は、装置によって実行されるものとして説明される。プロセス1200の動作を、本明細書に記載の無線受電装置によって実施することができる。例えば、プロセス1200は、図1を参照して説明した無線受電装置118および負荷コントローラ136、ならびに図6を参照して説明した無線受電装置600によって実行されてよい。
【0104】
ブロック1610において、構成段階にて、装置は、構成データを無線送電装置に送信することができる。表4が、エアフライヤに関連する無線受電装置が送信することができる構成データの一例を示している。例示的な構成データは、推定器データを含むが、始動制御パラメータおよび制御パラメータ限界を含まなくてもよいことに留意されたい。表5が、例示的な推定器データを示している。基準K係数(ここでは、小数として表される)は、5ビットバイナリ表現に適切にスケーリングされてよい。
【表4】

【表5】
【0105】
構成段階に続いて、無線受電装置は、接続段階に進むことができる。ブロック1620において、装置は、機器がオンであるかどうかを判定することができる。機器がオフである場合、プロセスは、無線送電装置にフィードバック情報を送信することなく、接続段階にとどまることができる。これに代え、あるいは加えて、装置は、負荷状態がアイドルまたはオフであること(負荷状態=0など)を示す定期的なフィードバックを送信することができる。しかしながら、機器がオンである場合、プロセスは、ブロック1622で始まる電力伝送段階に進むことができる。
【0106】
ブロック1622および1624は、電力の伝送を開始する前またはK係数決定のタイムスロットの最中に実行されてよいK係数決定プロセス1625を示す。ブロック1622において、無線受電装置は、K係数測定要求を示すメッセージを送信することができる。メッセージがフィードバックメッセージに従ってフォーマットされる場合、フィードバックメッセージは、負荷状態および負荷電圧も含むことができる。ブロック1624において、装置は、K係数決定プロセスを実行することができる。K係数決定プロセスは、二次コイルに電流が流れていないときに二次コイルをまたぐ受電電圧を測定すること(K係数電圧測定と呼ばれる)を含むことができる。K係数決定プロセスは、機器がK係数電圧測定値を無線送電装置に送信することを含むことができる。
【0107】
ブロック1630において、装置は、負荷状態、負荷電圧、および基準電圧を無線送電装置に送信することができる。無線送電装置は、これらの値を使用して動作制御パラメータを決定し、負荷をサポートするために無線電力の伝送を開始する。いくつかの実装形態において、無線電力の伝送は、負荷を作動させる装置の負荷コントローラと同期して開始する。
【0108】
ブロック1640において、装置は、無線電力を受電し、負荷を動作させるために使用することができる。
【0109】
ブロック1645において、装置は、負荷が依然としてオンであるか、あるいはオフに切り替えられたかを判定することができる。例えば、ユーザがモータをオフにし、あるいはモータへの電力を停止するように設定を変更することができ、結果として、負荷がもはやオンではないという判定がもたらされる。その場合、プロセスはブロック1660に進み、装置は、負荷状態がオフまたはアイドルであること(負荷状態=0など)を示すフィードバック情報を送信する。負荷が依然としてオンである場合、プロセスはブロック1650に進むことができる。
【0110】
ブロック1650において、装置は、追加のフィードバックメッセージが必要であるかどうかを判定することができる。例えば、負荷状態が変化した場合や、基準電圧が変化した場合に、追加のフィードバックメッセージが必要とされ得る。追加のフィードバックメッセージが必要である場合、プロセスはブロック1657に進むことができる。ブロック1657において、装置は、フィードバックメッセージのためのヘッダフィールドおよび対応するデータを準備することができる。プロセスはブロック1670に進むことができる。そうではなく、ブロック1650において追加のフィードバックが必要とされない場合、プロセスはブロック1670に進むことができる。ブロック1670において、装置は、負荷状態および負荷電圧を含むフィードバック情報を送信する。フィードバック情報は、生成された場合には、ブロック1657からのヘッダおよび対応するデータも含むことができる。
【0111】
図17が、図16を参照して説明したプロセスに対応する無線電力を伝送するための例示的な無線送電装置におけるプロセスの例示的な動作を説明するフロー図を示している。
【0112】
ブロック1710において、装置は、無線受電装置の存在を検出することができる。ブロック1720において、構成段階にて、装置は、構成データ(表3の例示的な構成データなど)を受信することができる。構成データを通信した後に、無線送電装置および無線受電装置は、接続段階になってよい。接続段階は、無線受電装置がアイドルである時間を含んでよい。電力伝送段階に進むと、装置は、K係数決定プロセス1725を実行することができる。
【0113】
ブロック1722および1724が、電力の伝送を開始する前またはK係数決定のタイムスロットの最中に実行されてよいK係数決定プロセス1725を示す。ブロック1722において、装置は、K係数測定要求を示すメッセージを受信することができる。メッセージがフィードバックメッセージに従ってフォーマットされる場合、フィードバックメッセージは、負荷状態および負荷電圧も含むことができる。ブロック1724において、装置は、K係数決定プロセスを実行することができる。K係数決定プロセスは、一次コイルをまたいで伝送電圧を印加することを含むことができる。K係数決定プロセスは、装置がK係数電圧測定値を無線受電装置から受信することを含むことができる。装置は、伝送電圧およびK係数電圧測定値に基づいて動作K係数を計算することができる。
【0114】
ブロック1730において、装置は、無線受電装置から負荷状態、負荷電圧、および基準電圧を受信することができる。
【0115】
ブロック1740において、電力伝送段階で、装置は、構成データに基づいて動作制御パラメータを設定することができる。例えば、装置は、推定器データ、動作K係数、および負荷状態に基づいて推定動作パラメータを決定することができる。さらに、装置は、進行中の電圧誤差の計算に使用することができるように、基準電圧を設定することができる。
【0116】
ブロック1750において、装置は、負荷状態および負荷電圧を含むフィードバック情報を受信することができる。いくつかの実装形態において、フィードバック情報は、基準電圧の変化も含むことができる。
【0117】
ブロック1760において、装置は、フィードバック情報に含まれる負荷状態が、負荷がオフであることを示しているかどうかを判定することができる。例えば、負荷状態=0である場合、装置は、負荷がオフであると判定でき、ブロック1770へと進んで無線電力の伝送を停止することができる。その後に、装置は、接続段階へと戻り、負荷状態の変化を示すさらなるメッセージを待つことができる。しかしながら、ブロック1760において、負荷状態が0ではないと装置が判定した場合、プロセスはブロック1780に進むことができる。
【0118】
ブロック1780において、装置は、負荷電圧および基準電圧に基づいて無線電力の制御を調節することができる。例えば、装置は、負荷電圧と基準電圧との間の差に対応するように動作制御パラメータを調整するためにフィードバックパラメータを決定することができる。いくつかの実装形態において、装置は、例えば負荷状態または動作K係数が変化したときに、動作制御パラメータを修正することができる。例えば、装置は、変化後の負荷状態または変化後の動作K係数に基づいて、新たな推定動作パラメータを決定することができる。この推定動作パラメータから、装置は、動作制御パラメータを決定し、基準電圧に基づいて必要に応じて動作制御パラメータを調整することができる。1780の後で、プロセスはステップ1750へと戻る。
【0119】
図18が、図17を参照して説明したプロセスに対応する例示的な無線送電装置の電力制御動作を説明するブロック図を示している。図18のブロックは、図4Aまたは図4Bを参照して説明した対応するブロックと同等である。この状況においては、構成データ402が推定器データを含むため、推定器ユニット412は、推定器データ、動作K係数404、および負荷状態406を使用して、推定動作パラメータを決定することができる。いくつかの実装形態において、推定動作パラメータを、基準電圧408に基づき、あるいは無線送電装置の特性に基づいて、調整することができる。
【0120】
図19が、無線電力システムにおいて使用するための例示的な装置のブロック図を示している。いくつかの実装形態において、装置1900は、本明細書に記載の無線送電装置(無線送電装置102など)であってよい。いくつかの実装形態において、装置1900は、図1を参照して説明したTXコントローラ108、図3を参照して説明した無線送電装置300の一例であってよい。装置1900は、プロセッサ1902(おそらくは、複数のプロセッサ、複数のコア、複数のノード、またはマルチスレッディングの実装、などを含む)を含むことができる。さらに、装置1900は、メモリ1906を含むことができる。メモリ1906は、システムメモリ、または本明細書に記載のコンピュータ可読媒体の可能な実現のいずれか1つ以上であってよい。さらに、装置1900は、バス1911(PCI、ISA、PCI-Express、HyperTransport(登録商標)、InfiniBand(登録商標)、NuBus(登録商標)、AHB、AXI、など)を含むことができる。
【0121】
装置1900は、複数の一次または二次コイル(コイルアレイ1964など)を管理するように構成された1つ以上のコントローラ1962を含むことができる。いくつかの実装形態においては、コントローラ1962を、プロセッサ1902、メモリ1906、およびバス1911内に分散させることができる。コントローラ1962は、本明細書に記載の動作の一部またはすべてを実行することができる。例えば、コントローラ1962は、図1を参照して説明したTXコントローラ108または図3を参照して説明したTXコントローラ108などの送電コントローラであってよい。
【0122】
メモリ1906は、図1図18を参照して説明した実装形態の機能を実施するためにプロセッサ1902によって実行可能なコンピュータ命令を含むことができる。これらの機能のいずれかは、ハードウェア内またはプロセッサ1902上に部分的に(または、完全に)実装されてよい。例えば、機能は、特定用途向け集積回路によって実装されても、プロセッサ1902内に実装されたロジックに実装されても、周辺機器またはカード上のコプロセッサなどに実装されてもよい。さらに、実現は、図19に示されているよりも少数の構成要素しか含まなくても、図19に示されていない追加の構成要素を含んでもよい。プロセッサ1902、メモリ1906、およびコントローラ1962は、バス1911に結合することができる。バス1911に結合しているものとして示されているが、メモリ1906はプロセッサ1902に結合してもよい。
【0123】
図1図19および本明細書に記載の動作は、例示的な実装形態の理解を助けるように意図された例であり、潜在的な実装形態を制限したり、特許請求の範囲の技術的範囲を制限したりするために使用されるべきではない。いくつかの実装形態は、追加の動作またはより少数の動作を実行してもよく、動作を並列または異なる順序で実行してもよく、いくつかの動作を異なって実行してもよい。
【0124】
以上の開示は、例示および説明を提供するが、すべてを述べ尽くすことや、態様を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。変更および変形を、上記の開示に照らして行うことができ、あるいは態様の実施から得ることができる。本開示の態様をさまざまな例に関して説明してきたが、任意の例からの態様の任意の組み合わせも、本開示の範囲に包含される。本開示における例は、教育的な目的のために提供されている。本明細書に記載の他の例に代え、あるいは加えて、例は、以下の実装の選択肢(参照のために条項として特定される)の任意の組み合わせを含む。
【0125】
条項
条項1。無線送電装置によって実行される方法であって、無線受電装置の可変負荷に関する構成データ、負荷状態、および基準電圧を取得することと、構成データ、負荷状態、および基準電圧に基づく動作制御パラメータを使用して、無線受電装置への無線電力の伝送を開始することと、無線受電装置によって測定された負荷電圧を含み、かつ負荷状態、基準電圧、またはその両方の変化をさらに示すフィードバック情報を、無線電力の伝送の最中に無線受電装置から受信することと、フィードバック情報に基づいて動作制御パラメータを修正することと、を含む方法。
【0126】
条項2。無線電力の伝送を開始する前に、構成データ、負荷状態、および基準電圧に基づいて推定動作パラメータを決定することと、推定動作パラメータに基づいて動作制御パラメータを決定することと、をさらに含む、条項1に記載の方法。
【0127】
条項3。構成データは、始動制御パラメータを含み、推定動作パラメータは、始動制御パラメータに基づく、条項2に記載の方法。
【0128】
条項4。構成データは、制御パラメータ限界をさらに含み、推定動作パラメータを決定することは、推定動作パラメータが制御パラメータ限界にあり、あるいは制御パラメータ限界を上回るように、推定動作パラメータを決定することを含む、条項3に記載の方法。
【0129】
条項5。始動制御パラメータは、始動周波数(Fstart)を含み、制御パラメータ限界は、周波数限界(Flimit)を含み、推定動作パラメータは、Fstartおよび基準電圧に基づく動作周波数であり、動作周波数は、Flimit以上である、条項4に記載の方法。
【0130】
条項6。構成データは、1つ以上の基準負荷状態に関連した1つ以上の基準制御パラメータを含み、推定動作パラメータは、負荷状態にマッチする基準負荷状態に関連した基準制御パラメータに基づく、条項2に記載の方法。
【0131】
条項7。構成データは、1つ以上の基準負荷状態に関連した1つ以上の基準制御パラメータの各々の組み合わせについての基準結合係数(K-factor)を含み、推定動作パラメータを決定することは、無線受電装置と無線送電装置との間の動作K-factorを決定することと、負荷状態にマッチする特定の基準負荷状態と、動作K-factorにマッチし、あるいは動作K-factorを近似する特定の基準K-factorとに基づき、構成データから特定の基準制御パラメータを選択することと、特定の基準制御パラメータに基づいて推定動作パラメータを決定することと、を含む、条項2に記載の方法。
【0132】
条項8。動作K-factorが2つ以上の対応する基準K-factorの間にある場合に、2つ以上の基準制御パラメータの補間に基づいて推定動作パラメータを決定することをさらに含む、条項7に記載の方法。
【0133】
条項9。動作K-factorを決定することは、無線送電装置の一次コイルに第1の電圧を印加して、無線受電装置の二次コイルに電流が存在しないときに二次コイルに第2の電圧を誘起することと、無線受電装置から、二次コイルに誘起された第2の電圧を示すメッセージを受信することと、第2の電圧と第1の電圧との比に基づいて動作K-factorを決定することと、を含む、条項7または8に記載の方法。
【0134】
条項10。構成データは、二次コイルにおける受電コイル巻数をさらに含み、動作K-factorを決定することは、第1のオペランドと第2のオペランドとの乗算に基づいて動作K-factorを計算することをさらに含み、第1のオペランドは、第2の電圧を受電コイル巻数で除算したものであり、第2のオペランドは、一次コイルにおける送電コイル巻数を第1の電圧で除算したものである、条項9に記載の方法。
【0135】
条項11。推定動作パラメータは、動作周波数を含む、条項2~10のいずれか一項に記載の方法。
【0136】
条項12。無線電力の伝送の最中に、負荷状態、基準電圧、またはその両方の変化に基づいて推定動作パラメータを修正することと、修正された推定動作制御パラメータおよび基準電圧に基づいて動作制御パラメータを修正することと、をさらに含む、条項2~11のいずれか一項に記載の方法。
【0137】
条項13。フィードバック情報を受信することは、無線受電装置からの1つ以上のフィードバックメッセージを、1つ以上の対応するフィードバックスロットの最中に受信することを含み、各々のフィードバックメッセージは、負荷状態を示す負荷状態フィールドおよび無線受電装置によって測定された負荷電圧を示す負荷電圧フィールドを少なくとも含む、条項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【0138】
条項14。1つ以上のフィードバックメッセージは、可変負荷の負荷状態に関連した基準電圧、動作K-factorを決定するための二次コイルにおいて測定された電圧、障害状態、および無線受電装置によって検出された異物の知らせ、からなる群の少なくとも1つのメンバーを示すための他のデータフィールドを含む、条項13に記載の方法。
【0139】
条項15。1つ以上のフィードバックメッセージは、他のデータフィールドに入るデータの種類を示すヘッダフィールドを含む、条項14に記載の方法。
【0140】
条項16。1つ以上の対応するフィードバックスロットは、無線電力の伝送の最中に規則的な間隔で生じる、条項13~15のいずれか一項に記載の方法。
【0141】
条項17。規則的な間隔は、交流(AC)電源電圧に対応するゼロ交差事象に位置する、条項16に記載の方法。
【0142】
条項18。1つ以上のフィードバックメッセージは、チェックサムフィールドを含む、条項13~17のいずれか一項に記載の方法。
【0143】
条項19。1つ以上のフィードバックメッセージは、各々が4バイトの長さであり、各々のフィールドに関連した固定のビット長でフォーマットされる、条項13~18のいずれか一項に記載の方法。
【0144】
条項20。動作制御パラメータの修正によって、交流(AC)電源電圧がゼロボルトに等しい同期事象に関連して無線電力の伝送に変化が引き起こされるように、無線電力の伝送を管理すること、をさらに含む、条項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【0145】
条項21。無線送電装置の一次コイルを介した無線電力の伝送の前に、無線送電装置の通信コイルを介して第1のメッセージにおいて構成データを受信すること、をさらに含む、条項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【0146】
条項22。構成データは、無線受電装置の制御の種類を示す制御インジケータ、定格機器電圧の表示、定格機器電力の表示、無線受電装置の二次コイルおよび無線受電装置の境界面からの距離の表示、二次コイルに関する受電コイル巻数、二次コイルの自由空間インダクタンスの表示、二次コイルの共振キャパシタンスの表示、および推定器データサイズフィールドを含む、条項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【0147】
条項23。構成データは、推定器データサイズフィールドがゼロに等しい場合:始動周波数(Fstart)および周波数限界(Flimit)、ならびに、推定器データサイズフィールドが非ゼロの値である場合:非ゼロの値に基づく推定器データレコードであって、各々が基準負荷状態に関連した基準制御パラメータを含んでいるいくつかの推定器データレコード、をさらに含む、条項22に記載の方法。
【0148】
条項24。構成データは、推定器データサイズフィールドが非ゼロの値である場合:いくつかの推定器データレコードの決定に使用された基準無線送電装置の表示、をさらに含む、条項23に記載の方法。
【0149】
条項25。フィードバック情報が、負荷状態がアイドルまたはオフであることを示す負荷状態値を含んでいると判定することと、無線電力の伝送を停止することと、をさらに含む、条項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【0150】
条項26。無線受電装置によって実行される方法であって、無線受電装置の可変負荷に関する構成データ、負荷状態、および基準電圧を、無線送電装置に送信することと、構成データ、負荷状態、および基準電圧に基づく無線電力を、無線送電装置から受電することと、無線受電装置によって測定された負荷電圧を含み、かつ負荷状態、基準電圧、またはその両方の変化をさらに示すフィードバック情報を、無線電力の受電の最中に無線送電装置へと送信することと、を含む方法。
【0151】
条項27。フィードバック情報は、無線送電装置に、無線電力に関する動作制御パラメータを修正させる、条項26に記載の方法。
【0152】
条項28。構成データは、始動制御パラメータを含み、始動制御パラメータに基づく動作周波数を有する無線電力が受電される、条項27に記載の方法。
【0153】
条項29。構成データは、制御パラメータ限界をさらに含み、始動制御パラメータは、始動周波数(Fstart)を含み、制御パラメータ限界は、周波数限界(Flimit)を含み、推定動作パラメータは、Fstartおよび基準電圧に基づく動作周波数であり、動作周波数は、Flimit以上である、条項28に記載の方法。
【0154】
条項30。構成データは、1つ以上の基準負荷状態に関連した1つ以上の基準制御パラメータを含み、負荷状態にマッチする基準負荷状態に関連した基準制御パラメータに基づく動作制御パラメータを使用する無線電力が受電される、条項27に記載の方法。
【0155】
条項31。構成データは、1つ以上の基準負荷状態に関連した1つ以上の基準制御パラメータの各々の組み合わせについての基準結合係数(K-factor)を含み、構成データの特定の基準結合係数に関連した無線受電装置と無線送電装置との間の動作K-factorに基づく動作制御パラメータを有する無線電力が受電される、条項27に記載の方法。
【0156】
条項32。無線送電装置の一次コイルに印加される第1の電圧に基づいて受電装置の二次コイルに誘起される第2の電圧を、二次コイルに電流が存在しないときに測定することと、二次コイルにおいて測定された第2の電圧を示すメッセージを、無線送電装置に送信することと、をさらに含み、動作K-factorは、第2の電圧と第1の電圧との比に基づく、条項31に記載の方法。
【0157】
条項33。構成データは、二次コイルにおける受電コイル巻数をさらに含み、動作K-factorは、第1のオペランドと第2のオペランドとの乗算に基づき、第1のオペランドは、第2の電圧を受電コイル巻数で除算したものであり、第2のオペランドは、一次コイルにおける送電コイル巻数を第1の電圧で除算したものである、条項32に記載の方法。
【0158】
条項34。フィードバック情報を送信することは、1つ以上のフィードバックメッセージを、1つ以上の対応するフィードバックスロットの最中に無線送電装置へと送信することを含み、各々のフィードバックメッセージは、負荷状態を示す負荷状態フィールドおよび無線受電装置によって測定された負荷電圧を示す負荷電圧フィールドを少なくとも含む、条項26~33のいずれか一項に記載の方法。
【0159】
条項35。1つ以上のフィードバックメッセージは、可変負荷の負荷状態に関連した基準電圧、動作K-factorを決定するための二次コイルにおいて測定された電圧、障害状態、および無線受電装置によって検出された異物の知らせ、からなる群の少なくとも1つのメンバーを示すための他のデータフィールドを含む、条項34に記載の方法。
【0160】
条項36。1つ以上のフィードバックメッセージは、他のデータフィールドに入るデータの種類を示すヘッダフィールドを含む、条項35に記載の方法。
【0161】
条項37。1つ以上の対応するフィードバックスロットは、無線電力の伝送の最中に規則的な間隔で生じる、条項34~36のいずれか一項に記載の方法。
【0162】
条項38。規則的な間隔は、交流(AC)電源電圧に対応するゼロ交差事象に位置する、条項37に記載の方法。
【0163】
条項39。1つ以上のフィードバックメッセージは、チェックサムフィールドを含む、条項34~38のいずれか一項に記載の方法。
【0164】
条項40。1つ以上のフィードバックメッセージは、各々が4バイトの長さであり、各々のフィールドに関連した固定のビット長でフォーマットされる、条項34~39のいずれか一項に記載の方法。
【0165】
条項41。無線電力の受電の変化が同期事象に関連して生じるように、無線電力の受電を管理すること、をさらに含む、条項26~40のいずれか一項に記載の方法。
【0166】
条項42。構成データは、無線受電装置の制御の種類を示す制御インジケータ、定格機器電圧の表示、定格機器電力の表示、無線受電装置の二次コイルおよび無線受電装置の境界面からの距離の表示、二次コイルに関する受電コイル巻数、二次コイルの自由空間インダクタンスの表示、二次コイルの共振キャパシタンスの表示、および推定器データサイズフィールドを含む、条項26~41のいずれか一項に記載の方法。
【0167】
条項43。構成データは、推定器データサイズフィールドがゼロに等しい場合:始動周波数(Fstart)および周波数限界(Flimit)、ならびに、推定器データサイズフィールドが非ゼロの値である場合:非ゼロの値に基づく推定器データレコードであって、各々が基準負荷状態に関連した基準制御パラメータを含んでいるいくつかの推定器データレコード、をさらに含む、条項42に記載の方法。
【0168】
条項44。構成データは、推定器データサイズフィールドが非ゼロの値である場合:いくつかの推定器データレコードの決定に使用された基準無線送電装置の表示、をさらに含む、条項43に記載の方法。
【0169】
条項45。可変負荷がアイドルまたはオフであると判定することと、負荷状態がアイドルまたはオフであることを示す負荷状態値を有するフィードバック情報を送信して、無線送電装置に前記無線電力の伝送を停止させることと、をさらに含む、条項26~44のいずれか一項に記載の方法。
【0170】
条項46。条項1~25のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成された無線送電装置。
【0171】
条項47。条項26~45のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成された無線受電装置。
【0172】
本開示に記載される主題の別の革新的な態様を、プロセッサによって実行されたときにプロセッサに上述の機能のいずれか1つを実行させる命令を格納したコンピュータ可読媒体として実行することができる。
【0173】
本開示に記載される主題の別の革新的な態様を、上述の機能のいずれか1つを実行するための手段を有するシステムとして実行することができる。
【0174】
本開示に記載される主題の別の革新的な態様を、上述の方法のいずれか1つからの1つ以上の動作を実行するように構成された1つ以上のプロセッサを有する装置として実行することができる。
【0175】
本明細書において使用されるとき、アイテムの列挙「のうちの少なくとも1つ」または「のうちの1つ以上」に言及する表現は、単独のメンバーも含むそれらのアイテムの任意の組み合わせを指す。例えば、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、aのみ、bのみ、cのみ、aとbとの組み合わせ、aとcとの組み合わせ、bとcとの組み合わせ、およびaとbとcとの組み合わせの可能性を網羅することを意図している。
【0176】
本明細書に開示の実装形態に関連して説明された種々の例示的な構成要素、論理、論理ブロック、モジュール、回路、動作、およびアルゴリズムプロセスは、本明細書に開示された構造およびその構造的均等物など、電子ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、あるいはハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェアの組み合わせとして実装され得る。ハードウェア、ファームウェア、およびソフトウェアの互換性が、機能に関して一般的に説明されており、上述の種々の例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびプロセスに示されている。そのような機能がハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェアのいずれで実装されるかは、個々の用途およびシステム全体に課される設計制約に依存する。
【0177】
本明細書に開示の態様に関連して説明された種々の例示的な構成要素、論理、論理ブロック、モジュール、および回路を実装するために使用されるハードウェアおよびデータ処理装置は、汎用のシングルチップまたはマルチチッププロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)またはその他のプログラマブル論理デバイス(PLD)、ディスクリートなゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートなハードウェアコンポーネント、あるいは本明細書に記載の機能を実行するように設計されたこれらの任意の組み合わせによって実装または実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、あるいは任意の従来からのプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であってよい。プロセッサは、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ以上のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成など、コンピューティングデバイスの組み合わせとして実装されてもよい。いくつかの実装形態においては、特定のプロセス、動作、および方法が、所与の機能に固有の回路によって実行されてもよい。
【0178】
上述したように、本明細書に記載された主題のいくつかの態様を、ソフトウェアとして実装することが可能である。例えば、本明細書に開示された構成要素の種々の機能、あるいは本明細書に開示された方法、動作、プロセス、またはアルゴリズムの種々のブロックまたはステップを、1つ以上のコンピュータプログラムの1つ以上のモジュールとして実装することができる。そのようなコンピュータプログラムは、本明細書に記載のデバイスの構成要素を含むデータ処理装置によって実行され、あるいはそのようなデータ処理装置の動作を制御する1つ以上の有形のプロセッサ可読記憶媒体またはコンピュータ可読記憶媒体上に符号化された非一時的なプロセッサ実行可能命令またはコンピュータ実行可能命令を含むことができる。限定ではなく、あくまでも例として、そのような記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、または他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶装置、あるいは命令またはデータ構造の形態のプログラムコードを記憶するために使用することができる任意の他の媒体を含むことができる。上記の組み合わせも、記憶媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0179】
本開示に記載された実装形態に対するさまざま変更が、当業者にとって容易に明らかであってよく、本明細書で定義された一般的な原理は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の実装形態に適用されてよい。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示された実装形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示される本開示、原理、および新規な特徴に矛盾しない最も広い範囲が与えられるべきである。
【0180】
さらに、別個の実装形態の文脈において本明細書で説明された種々の特徴を、単一の実装形態において組み合わせて実施することも可能である。反対に、単一の実装形態の文脈において説明された種々の特徴を、複数の実装形態にて個別に、または任意の適切な組み合わせで実施することも可能である。このように、特徴が、特定の組み合わせにて作用するものとして上述され、当初はそのように特許請求の範囲に記載されているかもしれないが、特許請求の範囲に記載された組み合わせからの1つ以上の特徴を、場合によっては、その組み合わせから削除することが可能であり、特許請求の範囲に記載された組み合わせは、部分的な組み合わせまたは部分的な組み合わせの変形を対象とすることもできる。
【0181】
同様に、動作が特定の順序で図面に示されているが、これを、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示された特定の順序または連続した順序で実行されることや、示されたすべての動作が実行されることを必要とすると理解すべきではない。さらに、図面は、1つ以上の例示的なプロセスをフローチャートまたはフロー図の形式で概略的に示し得る。しかしながら、図示されていない他の動作を、概略的に示されている例示的なプロセスに組み込むことが可能である。例えば、1つ以上の追加の動作を、図示された動作のいずれかの前、後、同時、または間に実行することができる。状況によっては、マルチタスクおよび並列処理が好都合となり得る。さらに、上述の実装形態におけるさまざまなシステム構成要素の分離を、すべての実装形態においてそのような分離が必要であると理解すべきではなく、記載されたプログラム構成要素およびシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品にまとめて統合されても、複数のソフトウェア製品にパッケージ化されてもよいことを理解されたい。

図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【国際調査報告】