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特表2024-520409スルホラファン、スルホラファン前駆体およびモリンガ植物成分を含有する組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】スルホラファン、スルホラファン前駆体およびモリンガ植物成分を含有する組成物
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/105 20160101AFI20240517BHJP
   A23L 33/125 20160101ALI20240517BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240517BHJP
   A61K 31/26 20060101ALI20240517BHJP
   A61K 36/185 20060101ALI20240517BHJP
   A61K 36/07 20060101ALI20240517BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240517BHJP
   A61K 36/31 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
A23L33/105
A23L33/125
A61P35/00
A61K31/26
A61K36/185
A61K36/07
A61P43/00 121
A61K36/31
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572712
(86)(22)【出願日】2022-05-26
(85)【翻訳文提出日】2024-01-18
(86)【国際出願番号】 US2022031168
(87)【国際公開番号】W WO2022251524
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】63/193,254
(32)【優先日】2021-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/193,270
(32)【優先日】2021-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500379107
【氏名又は名称】ニュートラマックス ラボラトリーズ,インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】946 Quality Drive, Lancaster, South Carolina 29720 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100079980
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 伸行
(74)【代理人】
【識別番号】100167139
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 和彦
(72)【発明者】
【氏名】コーンブラット,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ヘンダーソン,ロバート
【テーマコード(参考)】
4B018
4C088
4C206
【Fターム(参考)】
4B018LB10
4B018LE01
4B018LE02
4B018LE03
4B018MD05
4B018MD10
4B018MD14
4B018MD25
4B018MD33
4B018MD34
4B018MD35
4B018MD36
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4B018MD53
4B018MD82
4B018ME01
4B018ME03
4B018ME06
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4C088AA02
4C088AB12
4C088AB15
4C088AC05
4C088BA06
4C088BA08
4C088BA31
4C088CA03
4C088MA07
4C088NA05
4C088NA14
4C088ZB26
4C088ZC75
4C206JA70
4C206MA01
4C206MA02
4C206MA04
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZB26
4C206ZC75
(57)【要約】
【構成】
本発明組成物はモリンガ植物成分を有し、対象者における各種癌の治療または予防を行うか、これら癌の発症を抑制するか、これら癌に関連する症状を抑えるか、および/またはこれら癌の二次的な再発を抑制するために対象者に投与することができる。本発明組成物は1mg~1750mgの量でモリンガ植物成分を含有し、そして1mg~50mgの量でスルホラファンまたはスルホラファン誘導体を含有する。あるいは、本発明組成物は150mg~1500mgの量でモリンガ植物成分を含有し、そして1mg~50mgの量でスルホラファン前駆体を含有する。このモリンガ植物成分としてはモリンガの葉抽出物1000mg当たり10mgのモリンガを含有するモリンガの葉抽出物を使用できる。また、本発明組成物は少なくとも一種のマッシュルーム抽出物または粉末およびブロッコリ抽出物または粉末を含有することも可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1ミリグラム(mg)~1750mgの量でモリンガ植物成分を含有し、そして1mg~50mgの量でスルホラファンまたはスルホラファン誘導体を含有することを特徴とする組成物。
【請求項2】
100mg~1000mgの量でモリンガ植物成分を含有し、そして1mg~15mgの量でスルホラファンまたはスルホラファン誘導体を含有する請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記モリンガ植物成分がモリンガ葉抽出物1000mg当り10mgのモリンジンを含有するモリンガ葉抽出物である請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記スルホラファン誘導体を含有する請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記スルホラファン誘導体がスルホラファンのスルホキシカルバメート類似体および6-メチルスフィニルヘキシルイソチオシアネート(6-HITC)のうちの少なくとも一種を含有する請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
さらにマッシュルーム抽出物または粉末を含有する請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
さらにブロッコリ抽出物または粉末を含有する請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
150~1500mgの量でモリンガ植物成分を含有し、そして1~100mgの量でスルホラファン前駆体を含有することを特徴とする組成物。
【請求項9】
前記モリンガ植物成分がモリンガ葉抽出物1000mg当り10mgのモリンジンを含有するモリンガ葉抽出物である請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記スルホラファン前駆体がグルコラファニンを含有する請求項8に記載の組成物。
【請求項11】
前記モリンガ植物成分が前記スルホラファン前駆体をスルホラファンに転換できる酵素を含有する請求項8に記載の組成物。
【請求項12】
前記酵素がチオグルコシダーゼ酵素を有する請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記チオグルコシダーゼ酵素がミロシナーゼである請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
さらにマッシュルーム抽出物または粉末を含有する請求項8に記載の組成物。
【請求項15】
さらにブロッコリ抽出物または粉末を含有する請求項8に記載の組成物。
【請求項16】
モリンガ植物成分、
スルホラファン、スルホラファン誘導体、またはスルホラファン前駆体、および
マッシュルーム抽出物または粉末およびブロッコリ抽出物または粉末のうちの少なくとも一種
を含有することを特徴とする組成物。
【請求項17】
前記ブロッコリ抽出物または粉末および前記スルホラファン前駆体を含有し、このブロッコリ抽出物または粉末が前記スルホラファン前駆体を供する請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記ブロッコリ抽出物または粉末および前記スルホラファン前駆体を含有し、このブロッコリ抽出物または粉末が前記スルホラファン前駆体をスルホラファンに転換できる酵素を供する請求項16に記載の組成物。
【請求項19】
前記マッシュルーム抽出物または粉末を含有し、このマッシュルーム抽出物または粉末がマイタケマッシュルーム、シイタケマッシュルーム、およびレイシマッシュルームのうちの少なくとも一種を含有する請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
モリンガ植物成分、
スルホラファン、スルホラファン誘導体、またはスルホラファン前駆体、および
少なくとも一種のグルカン
を含有することを特徴とする組成物。
【請求項21】
前記の少なくとも一種のグルカンがβ-グルカンを含む請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記の少なくとも一種のグルカンがマッシュルーム抽出物または粉末によって得られる請求項20に記載の組成物。
【請求項23】
前記の少なくとも一種のグルカンが酵母によって得られる請求項20に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この国際(PCT)特許出願は2021年5月26日を出願日とする米国仮特許出願第63/193254号および2021年5月26日を出願日とする米国仮特許出願第63/193270号の優先権を主張する出願で、これら先行出願明細書を全文援用する出願である。
本発明は全体としてはスルホラファン(sulforaphane)またはスルホラファン前駆体および一種かそれ以上のモリンガ植物成分(Moringa plant components)を含有する組成物、およびこれら組成物に関係する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自然産物の使用は人類や非人類動物でもその人気はますます高くなっている。これら自然産物の一部はダイエットサプルメントや医療用食品に配合されつつある。化学保護剤、化学治療剤、抗悪性腫瘍治療剤および/または酸化防止剤として有用なサプルメント分野での需要もある。
【0003】
自然産物を使用する化学療法保護は人類および動物に影響を与える多数の症状を阻止するか、あるいは抑制するための安全で効果もあり、しかも低価格でアクセスも容易であり、現実的な手段として需要が高まっている。既に公知なように、分子レベルで細胞にダメージを与えることができる発癌物質の場合非毒性前駆体として摂取され、吸入されることが多い。この場合、これらの非毒性前駆体は体内で発癌物質に転換することがある。毒性酵素やこれらの補因子を活性化できる自然物質などの化学療法保護剤が逆に働き、免疫システムなどの他の自然に存在する防御システムの機能を奪うか、あるいは高めることがある。
【0004】
一部の自然産物は抗酸化活性をもつ。酸化ストレスは老化現象、即ち神経変形疾患の進行だけでなく、虚血などの生理的トラウマの進行に大きな役割をもつ。抗酸化剤は生体分子の酸化を抑制または阻止でき、癌、冠状心疾患、発作や神経変形疾患を治療、これら疾患の発症を阻止または抑制する役割を示す。アルツハイマー病、痴呆および発作が酸化ストレスから生じる症状の実例である。
【0005】
癌は内部(即ちエストロゲン、プロゲステロンホルモン)からの環境変化、あるいは外部(プラスチックからのビスフェノールA(BPA)からの環境変化、および慢性炎症に暴露されることから発症する。幸いにも、環境変化を原因とするダメージは身体の多くの細胞種に存在するフェーズII化学保護酵素の複雑なネットワークによって打ち消すことができる。よく知られているように、エストロゲンやその代謝産物によって乳房組織や腫瘍が増殖する。悪いことに、キノンエストロゲン代謝酸部は乳房組織に侵入し、管腔上皮細胞や腺状上皮細胞内に移行する。ここで、これらがキノンエストロゲンDNA付加化合物を形成するDNAに結合し、ダウンストリームミューテーションを惹起する。これらミューテーションは癌を引きおこす腫瘍のまさに基礎になるものと考えられている。幸いなことに、一つの具体的なフェーズII酵素、即ちNAD(P)H:キノンオキシドリダクターゼ(NQO1)は危険でかつ反応性の高いキノンエストロゲンを奪い、これらを身体から簡単に除去できる不活性な化学物質に代謝する。このように、癌発症を抑制する主要な機構がNQO1を始めとする保護的な位相II酵素を誘導する。高いNQO1レベルは高レベルのキノンエストロゲンから生じる任意の症状に関連する兆候を治療し、予防し、修復し、その発症を抑制するために有効である。限定するわけではないが、キノンエストロゲンを例示すると、エストロゲンのカテコールキノンがある。キノンエストロゲンは、本明細書に全体を援用する以下の文献に記載されている。Nutter et al.Chem Res Toxicol、1994、7:23-28;Cavalier et al.AnnNY Acad Sci、2006;1089:286-301;Bolton etal.Chem Res Toxicol,2008、21(1):93-101、およびCavalieri et al.Biochimica et Biophysica Acta、2006、1766:63-78。
【0006】
化学保護特性および抗酸化特性をもつと考えられる自然産物の実例はスルホラファンである。スルホラファンは有機硫黄化合物で、このものは1-イソチオシアナト-4-メチルスルフィニルブタンとして知られている。スルホラファン前駆体、即ちグルコラファニン(glucoraphanin)はブロッコリ、芽キャベツやキャベツなどのBrassicaceae科に属する植物から得ることができる。なお、化学予防に十分なレベル得るためには多量の植物を消費する必要がある。グルコラファニンはBrassicaceae科野菜、即ちモリンガ樹などの各種の外生源や内生的には腸内フローラに発生するミロシナーゼと呼ばれるβ-チオグルコシダーゼ酵素によってスルホラファンに転化する。なお、グルコラファニンの消化時、すべての動物がこれをスルホラファンへの転化できるわけではない。その最も大きな理由は微生物層の個体群が変化することと、健康全般が変化することにある。さらに胃などの酸性環境内ではグルコラファニンが不活性な代謝精鋭物に転化する傾向がある。活性代謝生成物であるスルホラファンは核エリスロイド-2-関連因子(Nrf2)を誘導し、これが次に位相II解毒酵素やグルタチオンS-トランスフェラーゼ、NAD(P)H即ちキノンオキシドリアクターゼ(NQO1)およびヘム-オキシゲナーゼ-1(HO-1)などの細胞保護酵素の産生をアップグレードする。スルホラファンはP-450シトクロム酵素の合成を大きく変更させることなくこれら酵素の産生を誘導すると考えられてきた。フェーズII酵素のアップレギュレーションは各種の生物学的活性例えば脳の細胞毒性からの保護、肝臓の脂肪蓄積の毒性作用からの保護、および各種の他の組織の解毒において役割を果たすと考えられている。
【0007】
スルホラファンおよびその前駆体であるグルコラファニンについては広く研究が行われてきている。Shapiro et al.(Nutrition and Cancer、(2006)、Vol.55(1)、pp.53-62)にはブロッコリスプラウトのグルコシノレートおよびイソチオシアテートの安全性、許容性、および物質代謝を判断する臨床的なフェーズI研究について議論が開示されている。グルコラファニンなどのグルコシノレートか、あるいはスルホラファンなどのイソチオシアネートのいずれかを含有するスプラウト抽出物の健康な人を対象とするプラシーボ制御式・二重盲検式ランダム化臨床研究に関する議論を展開している。この研究から、これら物質を投与しても臨床的に意味のある、全身的な悪影響は認められなかったことが判る。Ye et al.(Clinica Chimica Acta,200,316:43-53)はヒトにおけるブロッコリスプラウトのイソチオシアネートの薬物動態について論じている。
【0008】
Moringaceae Dumortは一つの属に属する種のみを含む植物の科であり、13種が知られている。例示すると、Moringa aborea、Moringa borziana、Moringa concanesis、Moringa drouhardii、Moringa hildebrandtii、Moringa longituba、Moringa oleifera、Moringa ovalifolia、Moringa peregrina、Moringa pygmaea、Moringa rivae、Moringa ruspolianaおよびMoringa stenopetalaを挙げることができる。これら13種のうちMoringa oleifera(Moringa pterygospermaと同義である)は最も広く知られ、かつ利用されているものである。モリンガ科属の樹木はホースラディッシュ(セイヨウワサビ)ツリーまたはドラムスティックツリーとしても知られ、世界の一部の地域ではBen oil tree、benzolive、kelor、marango、mlonge、mulangay、nebeday、saijhanやsajnaとも呼ばれ、その他多数の名称でも知られている。モリンガの木の葉、種子、果実、フルーツポッド、根、花、および樹皮は長い間その栄養特性および治療特性について知られてきた。医薬的にみて、モリンガの各部分は抗腫瘍効果、抗高血糖症効果、および抗炎症効果などの複数の薬理効果について一般に知られている。例えば、最近の研究ではモリンガが潜在的な抗腫瘍源であることが認められている。エプスタイン・バール・ウイルス初期抗原に対して有意味な抑制効果を示したインビトロアセイを使用して、すべてモリンガに存在する4(α-L-ラムノシルオキシ)-ベンジルイソチオシアネート、ニアジミシンおよび3-О-(6´-O-オレオイル-β-D-グルコピラノシル)-β-シトステロールとともにO-エチル-4-(α-L-ラムノシルオキシ)-ベンジルカルバメートを潜在的な抗腫瘍促進活性について試験した。グルコモリンギンはモリンガの葉抽出物に含まれる主要なグルコシノレートである。加水分解転換反応を通じて、酵素ミロシナーゼはグルコモリンギンを生物活性イソチオシアネート4-[(α-1-ラムノシロキシ)ベンジル]イソチオシアネート(モリンギン)に転換する。イソシアネート類はNrf-2-調節フェーズ2酵素類の産生を誘導できる化学物質であり、これら酵素類は1)毒素類の代謝および排出を促進し、かつ2)抗酸化剤活性を与える酵素類である。さらに、イソチオシアネート類はNFk-B経路の抑制によって抗炎症活性を呈する。
【0009】
ニアジミシンについては化学的発癌の強力な化学抑制剤であると提起されている。また、モリンガ種子抽出物はマウスにおける肝発癌性代謝酵素、抗酸化パラメータおよび皮膚病変に対して有効であることも判明している。種子軟膏はマウスにおける黄色ブドウ球菌膿皮症に対するネオマイシンに同様な効果を発揮することが判明している。また、M.oleiferaの葉からのチオカルバメートであるニアジミニンは腫瘍促進剤誘発性エプスタイン・バール・ウイルス活性を呈する。
【0010】
数多くのマッシュルーム類はその薬効のために使用され、またその薬効について研究されてきている。これら“薬効マッシュルーム類”は抗ウィルス活性、抗微生物活性、抗癌活性、抗高血糖活性、および/または抗炎症活性などの有益な特性をもつと考えられている。薬効マッシュルーム類としてはマイタケ、シイタケ、レイシ、クレミニ、アーモンド、チェスナット、木耳、雲耳、ポルチーニ、ヒトヨタケ、yarta gunbu、エノキタケ、シメジ、タイガーミルク、モレル、バンブー、ゴールデンオイスター、ピンクオイスター、キングオイスター、ヒラタケ、カリフラワー、ホワイテゼリー、ゴールデンゼリー、マツタケ、メキシカントリュフ、ストローマッシュルームを例示することができる。
【0011】
マイタケマッシュルーム(Grifola fronosa)は食品として広く消費されている食用マッシュルームであり、免疫機能を強化し、かつ癌を治療する伝統的な薬品として使用されている。グルカン類を含有するマイタケマッシュルームは抗腫瘍作用や免疫調整作用などの有益な特性をもつと考えられている。活性成分として蛋白結合β-グルカン類を含有するマイタケマッシュルームからの標準化抽出物が存在している。蛋白結合多糖類であるβ1,6-グルカンはマイタケマッシュルームに活性成分として存在が確認されている。マイタケマッシュルームは抗腫瘍作用をもち、試験管内で腫瘍転移を抑制することが認められている。ある一つの研究では、腫瘍退行や徴候の著しい改善がマイタケ抽出物を使用した対象者の半分で見られた。閉経後乳癌患者の研究では、マイタケ抽出物の投与によって免疫調整作用が認められた。
【0012】
シイタケマッシュルーム(Lentinula edodes)は東アジアを原産地とする食用マッシュルームである。シイタケマッシュルームは抗ウィルス作用、抗生物質作用、抗炎症作用、降圧作用や抗発癌作用をもつと推定されているマイコケミカル類を含有する。これについては、大きくはα-グルカンおよびβ-グルカンの両方のグルカンの結果として考えられている。一部のシイタケマッシュルーム抽出物はα-グルカン含有率は40%以上である。さらに、レンチナン(1,3β-D-グルカン)、すなわちシイタケから分離された多糖類は研究が進んでおり、シイタケの有益な作用に役割を担っていると考えられている。この多糖類は前発癌物質を活性形態に代謝するシトクロムP450 1A酵素によるものと考えられる、結腸癌細胞に抗癌作用を示すことが認められている。蛋白質成分であるレンチンは強力な抗黴特性を有し、白血病細胞の増殖を抑制し、かつヒト免疫不全ウィルス-1逆転写酵素の活性を抑え込むことが判明している。
【0013】
lingzkiマッシュルームとしても知られているレイシマッシュルーム(Ganoderma lucidum)は東アジアに存在する食用マッシュルームである。レイシマッシュルームは抗腫瘍作用、抗癌作用、免疫調整作用、および免疫治療作用をもつものと考えられている。レイシマッシュルームはβ-グルカンなどのグルカン、カンタキサンチン、ステロール類、クマリン、ガノデリン酸やマンニトールなどの多数の成分からなり、いずれの成分も活性に寄与するものと考えられている。
【0014】
ベーカー酵母(Saccaromyces cerevisiae)はグルカン源、特にβ-グルカン源である。ベーカー酵母の活性成分はBacon et al.Biochem J,1969,114(3):557-567、米国特許第7,803,605号;米国特許第5,702,719号;および米国特許第8,323,644号(いずれも全体を本明細書に援用する)に開示されている方法などの数多くの方法で抽出できる。
【0015】
グルカン類は本明細書に全体を援用する以下の文献に記載がある。Vetvicka et al.Endocr Metab Immun Disord Drug Targets,2009,9(1):67-75、およびVetvicka et al.J.Med Food,2008:11(4):615-622。
【0016】
Zhang et al.(Proc.Natl.Acad.Sci.,(1994)、Vol.91,pp.3147-3150)には、スルホラファンおよび構造的に関係がある合成ノルボルニルイシオチオシアネートの抗腫瘍活性を確認するためのSprague-Dawleyラット研究が開示されている。この研究によってスルホラファンを投与すると、乳腺腫瘍の発症を抑え込む作用があることが判明した。
【0017】
Cornblatt et al.(Carcinogenesis,(2007)、Vol.38(7):pp.1485-1490)には、乳房化学予防におけるスルホラファンの抗発癌活性を求めるSprague-Dawleyラット研究が開示されている。この研究によってスルホラファンを経口投与すると、NAD(P)H:キノンオキシドリダクターゼ(NQO1)酵素活性が3倍高くなり、また乳腺上皮におけるヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)の免疫染色が4倍高くなったことが判明した。
【0018】
Munday et al.(Cancer Res,(2008)、Vol.68(5):pp.1593-1600)には、ブロッコリスプラウトの凍結乾燥水性抽出物がラットにおける膀胱癌発症に対する効果に関する研究が開示されている。この研究によってブロッコリスプラウト抽出物を投与すると、オキシダントおよび発癌物質に対して保護活性をもつ酵素であるグルタチオンS-トランスフェラーゼおよびNAD(P)H:キノンオキシドリダクターゼ1を膀胱に有意味に誘導できることが判明した。
【0019】
Fang et al.(J Altern Complem Med,(2006)、Vol.12(2):pp.125-132)には、ヒト乳癌細胞株(MDA-MB-453およびMCF-7)、ヒトの乳房に存在する非悪性上皮細胞株(MCF-10F)および2種類の骨髄腫細胞株(RPMI08226およびIM-9)に対するシイタケマッシュルームの酢酸エチルフラクションの増殖抑制効果を確認する研究が開示されている。この研究によってシイタケマッシュルームに含まれる成分による腫瘍細胞成長の抑制がアポトーシス誘導の結果である可能性があることが判明した。
【0020】
Kim et al.(J Med Food,(2007), Vol.10(1):pp.25-31)には、Lentinus edodesから培養した米糠からの細胞外バイオポリマーのナチュラルキラー(NK)細胞および抗癌作用の活性化を調べる研究が開示されている。この研究によってこの細胞外バイオポリマーがナチュラルキラー細胞の活性化を通じて癌の予防および/または治療に有効である可能性をもつことが判明した。
【0021】
Louie et al.(BJUI,(2009),Vol.153(9):pp.1215-1221)には、試験管中の睾丸癌T24細胞内のインターフェロン-αの抗癌活性へのインターフェロンαおよびマイタケマッシュルームD-フラクション(PDF)の併用組成物の相乗作用について開示がある。
【0022】
Masuda et al.(Biol.Pharm.Bull.(2008),Vol.31(6):pp.1104-1108)には、肺転移のネズミモデルにおけるマイタケマッシュルームフラクションの抗転移活性の評価に関する研究が開示されている。この研究によって当該フラクションがナチュナルキラー細胞および抗原提示細胞(APC)を活性化し、かつICAM-1などの付着分子を抑制することによって腫瘍転移を抑制し、脈管内皮細胞への腫瘍細胞の付着を抑制できることが判明した。
【0023】
欧州特許出願第2213280号には、グルコラファニンなどのグルコシノレート類およびミロシナーゼを含有し、カプセル化あるいはコーティング化した組成物が開示されている。
以上の文献全体を本明細書に援用するものとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】米国特許第7,803,605号明細書
【特許文献2】米国特許第5,702,719号明細書
【特許文献3】米国特許第8,323,644号明細書
【特許文献4】欧州特許出願第2213280号
【特許文献5】米国特許第5,411,986号明細書
【特許文献6】米国特許第5,725,895号明細書
【特許文献7】米国特許第5,968,505号明細書
【特許文献8】米国特許第5,968,567号明細書
【特許文献9】米国特許第6,177,122号明細書
【特許文献10】米国特許第6,242,018号明細書
【特許文献11】米国特許第6,521,818号明細書
【特許文献12】米国特許第7,303,770号明細書
【特許文献13】米国特許第8,124,135号明細書
【特許文献14】米国公開特許出願第2015/0147352号
【特許文献15】米国公開特許出願第2015/110872号
【特許文献16】米国特許第5,854,404号明細書
【特許文献17】WO2007142130
【特許文献18】欧州特許出願第0893449号
【特許文献19】WO2009063885
【特許文献20】WO2006107208
【特許文献21】WO2007024496
【特許文献22】WO2001054673
【特許文献23】米国特許第5,780,097号明細書
【特許文献24】米国特許第6,582,723号明細書
【特許文献25】WO2005107496
【特許文献26】WO2007024496
【特許文献27】WO2000033069
【特許文献28】米国特許第5,223,491号明細書
【特許文献29】米国特許第5,576,0155号明細書
【非特許文献】
【0025】
【非特許文献1】Nutter et al.Chem Res Toxicol、1994、7:23-28
【非特許文献2】Cavalier et al.AnnNY Acad Sci、2006;1089:286-301
【非特許文献3】Bolton et al.Chem Res Toxicol,2008、21(1):93-101
【非特許文献4】Cavalieri et al.Biochimica et Biophysica Acta、2006、1766:63-78
【非特許文献5】Shapiro et al.(Nutrition and Cancer,(2006)、Vol.55(1)、pp.53-62)
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【非特許文献7】Bacon et al.Biochem J,1969,114(3):557-567
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【非特許文献17】Hu et a.,Eur J Med Chem,2013,64:529-539
【非特許文献18】Ahn et al.,Proc NatlAcad Sci USA,2010,107(21):9590-9595
【非特許文献19】Morimitsu et al.,J.Biol.Chem.2002,277:3456-3463
【非特許文献20】Baird et al.,Arch Toxicol,2011,85(4):241-272
【発明の概要】
【0026】
本発明の一つの態様では、1mg~1750mgの量でモリンガ植物成分を含有し、そして1mg~50mgの量でスルホラファンまたはスルホラファン誘導体を含有する組成物を提供する。
【0027】
本発明の別な態様では、150mg~1500mgの量でモリンガ植物成分を含有し、そして1mg~50mgの量でスルホラファン前駆体を含有する組成物を提供する。
【0028】
本発明のさらに別な態様では、モリンガ植物成分、スルホラファン、スルホラファン誘導体またはスルホラファン前駆体、およびマッシュルーム抽出物または粉末およびブロッコリ抽出物または粉末の少なくとも一種を含有する組成物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本明細書に組み込み、本明細書の一部を構成する添付図面に本発明のいくつか複数の態様を示す。これら図面は本明細書の記載とともに本発明の原理を説明するものである。
【0030】
図1図1は実施例5に示すように、人工腸液内におけるグルコラファニンのスルホラファニンへの転換を示すグラフである。
図2図2は実施例6に示す実験の結果を示すグラフである。
図3図3は実施例7に示す実験の結果を示すグラフである。
図4A-4C】図4A図4Cは実施例8に示す実験の結果を示すグラフである。
図5A-5C】図5A図5Cは実施例11に示す実験の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明はスルホラファンまたはスルホラファン前駆体(sulforaphane or sulforaphane precursor)および一種かそれ以上のモリンガ(Moringa)植物成分を併用する組成物に関する。一つの実施態様では、このモリンガ植物成分はスルホラファン前駆体をスルホラファンに転換できる酵素を含有する。本組成物は酵素増強剤(enzyme pontentiator)も含有できる。これら併用組成物には(マイタケ、シイタケまたはレイシマッシュルームなどの)マッシュルーム抽出物または粉末を使用することができる。本発明は植物化学物質源としてブロッコリ抽出物または粉末、スルホラファンまたはその誘導体、および一種かそれ以上のモリンガ植物成分を併用した組成物にも関する。さらに、本発明はブロッコリ抽出物または粉末、スルホラファンまたはその誘導体、および一種かそれ以上のモリンガ植物成分の併用に関する。さらに、本発明はスルホラファン前駆体、スルホラファンまたはその誘導体、およびブロッコリ抽出物または粉末の一つかそれ以上の混合物とともに、一つかそれ以上のモリンガ植物成分を使用することにも関する。さらに、本発明はスルホラファンまたはスルホラファン前駆体、一つかそれ以上のモリンガ植物成分、および少なくとも一つのグルカンを併用した組成物にも関する。本発明はこれらを併用した組成物を提供する。
【0032】
また、本発明はこれら併用組成物を形成する方法、製造する方法、処理する方法および/または投与する方法を提供する。一部の実施態様では、対象者における乳癌、前立腺癌、結腸癌、肺癌や膀胱癌を始めとする各種癌の治療または予防を行うか、これら癌の発症を抑制するか、これら癌に関連する症状を抑えるか、および/またはこれら癌の二次的な再発を抑制するために対象者に投与することができる。
【0033】
スルホラファンは1-イソチオシアナト-4-メチルスルフィニルブタンとしても知られている。制限するわけではないが、スルホラファンの誘導体としてはスルホラファンのスルホキシチオカルバメート類似体、6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート(6-HITC)、および異なる側鎖および/またはイソチオシアネートとスルホキシド基との間にあるスペーサの各種長さを有するスルホラファンの構造を包含する化合物を挙げることができる。スルホラファン誘導体の例としては本明細書に援用する以下の文献に記載されているものを挙げることができる。Hu et a.,Eur J Med Chem,2013,64:529-539;Ahn et al.,Proc NatlAcad Sci USA,2010,107(21):9590-9595;およびMorimitsu et al.,J.Biol.Chem.2002,277:3456-3463、およびBaird et al.,Arch Toxicol,2011,85(4):241-272。
【0034】
一部の実施態様では、本組成物は約1μg~約10g、好適には約3μg~約5g、好適には約5μg~約1000mg、好適には約7μg~約750mg、より好適には約10μg~約500mg、最適には約100μg~約100mgの量でスルホラファンまたはスルホラファン誘導体、好適にはスルホラファンを含有する。
【0035】
一部の実施態様では、ヒトを対象とする好適な組成物は約1mg~約20mgの量を含有する。例えば、本組成物はスルホラファンまたはスルホラファン誘導体を約1mg~約50mg、15mg~35mg、1mg~15mg、または1mg~12mg含有する。
【0036】
本発明方法の一部の実施態様では、対象者にスルホラファンまたはスルホラファン誘導体、好適にはスルホラファンを約1μg~約10g、好適には約3μg~約5g、好適には約5μg~約1000mg、好適には約7μg~約750mg、より好適には約10μg~約500mg、最適には約100μg~約100mgの量で投与する。
【0037】
投与対処がヒトである本方法の一部の実施態様では、投与量は約1mg~約20mgである。例えば、本方法では対象者にスルホラファンまたはスルホラファン誘導体、好適にはスルホラファンを約1mg~約50mgまたは1mg~15mgの量で投与する。
【0038】
本発明方法の一部の実施態様では、対象者にスルホラファンまたはスルホラファン誘導体、好適にはスルホラファンを約0.01μg/kg~約0.2g/kg、好適には約0.05μg/kg~約0.07g/kg、より好適には約0.07μg/kg~約15mg/kg、より好適には約0.1μg/kg~約11mg/kg、最適には約0.2μ/kg~約7mg/kgの量で投与する。対象がヒトである一部の実施態様では、本発明方法における投与量は約2μg~約2mg/kg、より好適には約0.01mg/kg~約0.3mg/kgである。上記量は各投与量または総投与量/日を指す場合がある。総投与量/日は24時間の期間内に対象者に投与する化合物または成分の合計量を指す。
【0039】
本発明方法の一部の実施態様では、スルホラファンまたはスルホラファン誘導体を使用する。一部の実施態様では、本組成物は2種以上のスルホラファンまたはスルホラファン誘導体を含有する。例えば、本方法または本組成物の場合、スルホラファンおよび一つかそれ以上のスルホラファン誘導体両者を、あるいは二種かそれ以上のスルホラファン誘導体を含有する。本方法または本組成物が二種以上のスルホラファンまたはスルホラファン誘導体を含有する一部の実施態様では、上記量は各スルホラファンまたはスルホラファン誘導体の量か、あるいは二種類以上のスルホラファンまたはスルホラファン誘導体の総量を指す場合がる。
【0040】
本明細書で使用する用語“スルホラファン前駆体”はスルホラファンを産生するために使用できる任意の化合物または物質(substance or material)または材質を指す。一部の実施態様では、スルホラファン前駆体は好適には酵素によってスルホラファンに転換できるか、あるいは代謝できる化合物を含有する。一部の実施態様では、スルホラファン前駆体はグルコラファニン(glucoraphanin)を含有する。グルコラファニンは4-メチルスルフィニルブチルグルコシノレートおよび1-S-[(1E)-5-(メチルスルフィニル)-N-(スルホナトオキシ)ペンタンイミドイル」-1-チオ-β-D-グルコピラノースとしても知られているグルコシノレート(glucosinolate)である。
【0041】
本組成物の一部の実施態様では、この組成物はスルホラファン前駆体、好適にはグルコラファニンを約1μg~約10g、好適には約250μg~約5g、より好適には約500μg~約2000mg、より好適には約1mg~約750mg、より好適には約1.5mg~約250mg、より好適には約2mg~約100mg、最適には約3mg~約75mgを含有する。一部の実施態様では、ヒトに投与するために好適な組成物はスルホラファン前駆体、好適にはグルコラファニンを約1mg~約50mg、1.2mg~12mg、15mg~35mgまたは3.5mg~50mgを含有する。
【0042】
本方法の一部の実施態様では、対象者にスルホラファン前駆体、好適にはグルコラファニンを約1μg~約10g、好適には約250μg~約5g、より好適には約500μg~約2000mg、より好適には約1mg~約750mg、より好適には約1.5mg~約250mg、より好適には約2mg~約100mg、最適には約3mg~約75mgの量で投与する。対象がヒトである一部の実施態様では、スルホラファン前駆体を約1mg~約50mg、1.2mg~12mg、15mg~35mgまたは3.5mg~50mgを投与する。
【0043】
本方法の一部の実施態様では、対象者にスルホラファン前駆体を約1μg/kg~約1000mg/kg、好適には約5μg/kg~約500mg/kg、より好適には約7.5μg/kg~約100mg/kg、より好適には10μg/kg~約25mg/kg、最適には約25μg/kg~約10mg/kgの量で投与する。対象がヒトである本方法の一部の実施態様では、投与量は約50μg/kg~約800μg/kgである。上記量は各投与量または総投与量/日を指す場合がある。
本方法の一部の実施態様では、二種以上のスルホラファン前駆体を投与する。本組成物の一部の実施態様では、二種類以上のスルホラファン前駆体を含有する。本方法または本組成物が二種類以上のスルホラファン前駆体を使用する一部の実施態様では、上記量は各スルホラファン前駆体の量か、あるいはスルホラファン前駆体の全量を指す。
【0044】
スルホラファン前駆体はスルホラファンに転換あるいは代謝することができる。一部の実施態様では、スルホラファン前駆体は酵素によってスルホラファンに転換する。一部の実施態様では、スルホラファン前駆体をスルホラファンに転換できる酵素はグルコシダーゼ酵素、好適にはチオグルコシダーゼ酵素、より好適にはミロシナーゼを包含する。ミロシナーゼはチオグルコシドグルコヒドロラーゼとしても知られている。
【0045】
本組成物の一部の実施態様では、この組成物は約1pg~約1μg、好適には約50pg~約500ng、最適には約1ng~約150ngの量で酵素を含有する。一部の実施態様では、ヒトを対象とするのに好適な組成物は約5ng~約75ngの酵素を含有する。
【0046】
本方法の一部の実施態様では、酵素、好適にはミロシナーゼを約1pg~1μg、好適には約50pg~約500ng、最適には約1ng~約150ngの量で投与する。人を対象とする本方法の一部の実施態様では、約5ng~約75ngの酵素を与する。本方法の一部の実施態様では、対象に酵素を約0.02μg/kg~約0.02ug/kg、好適には約0.7μg~約7ng/kg、最適には0.02ng/kg~約2ng/kgの量で投与する。対象がヒトである本方法の一部の実施態様では、約0.1ng/kg~約1ng/kgを投与する。上記量は各投与量か、あるいは投与全量/日を指す場合がある。
【0047】
本方法の一部の実施態様では、スルホラファン前駆体をスルホラファンに転換できる二種類上の酵素を投与する。本組成物の一部の実施態様では、この組成物はスルホラファン前駆体をスルホラファンに転換できる二種類上の酵素を含有する。2種類以上の酵素を使用する本発明および本組成物の一部の実施態様では、上記量は各酵素の量、または酵素の全量を示す場合がある。
【0048】
また、本発明ではブロッコリ抽出物および/またはブロッコリ粉末、制限するわけではないが、例示するとブロッコリの種子抽出物および種子粉末およびスプラウト(芽)を使用することができる。本発明はブロッコリ抽出物および/またはブロッコリ粉末、およびブロッコリ抽出物および/またはブロッコリ粉末を含有する組成物の投与方法を提供する。一部の実施態様では、ブロッコリ抽出物および/またはブロッコリ粉末はスルホラファン前駆体、好適にはグルコラファニンを約1%~約75%w/w、好適には約2.5%~約50%w/w、より好適には約5%~約25%w/w、最適には約10%~約20%w/wを含有するように標準化する。ブロッコリ抽出物および粉末の例としては、限定するわけではないが、本明細書に全体を援用する米国特許第5,411,986号明細書;米国特許第5,725,895号明細書;米国特許第5,968,505号明細書;米国特許第5,968,567号明細書;米国特許第6,177,122号明細書;米国特許第6,242,018号明細書;米国特許第6,521,818号明細書;米国特許第7,303,770号明細書;および米国特許第8,124,135号明細書に記載されているものを挙げることができる。ブロッコリの粉末は例えばブロッコリ、好適にはブロッコリスプラウトを空気乾燥、凍結乾燥、ドラム乾燥、噴霧乾燥、加熱乾燥および/または部分真空乾燥することによって得ることができる。本組成物および本方法の一部の実施態様では、ブロッコリ抽出物を約1μg~約10g、好適には約250μg~約5g、より好適には約500μg~約1g、より好適には約600μg~約500mg、より好適には約750μg~約400mg、最適には約1mg~約300mgの量で使用する。一部の実施態様では、ブロッコリ抽出物またはブロッコリ粉末は組成物として存在し、上記の量でスルホラファン前駆体またはスルホラファンを与えるのに十分な量で対象者に投与する。本組成物の一部の実施態様では、組成物は酵素増強剤、好適にはアスコルビン酸をさらに含有することができる。本方法の一部の実施態様では、さらに酵素増強剤、好適にはアスコルビン酸を含有することができる。
【0049】
スルホラファン、その誘導体、スルホラファン前駆体、および/またはスルホラファン前駆体をスルホラファンに転換できる酵素は任意の源から得ることができる。制限するわけではないが、例示すると、(Cruciferaeとしても知られている)アブラナ科の一種かそれ以上の植物またはモリンガ科属の一種かそれ以上の植物がある。制限するわけではないが、アブラナ科植物の例には以下の植物がある。ブロッコリ、ブラッセルスプラウト、カリフラワー、キャベツ、ホースラディッシュ、パースニップ(parsnip)、ラディッシュ、ワサビ、クレソンまたはウォータークレス、およびホワイトマスタードである。一部の実施態様では、スルホラファン前駆体、好適にはグルコラファニン、および酵素、好適にはミロシナーゼはブロッコリ、ブロッコリスプラウトまたはブロッコリ種子から得ることができる。一部の実施態様では、酵素、好適にはミロシナーゼは、モリンガ植物成分から得ることができる。また、スルホラファン前駆体および酵素は同一源または異なる源から得ることができる。一部の実施態様では、スルホラファン前駆体および酵素の両者はブロッコリ種子またはスプラウト抽出物または粉末からの抽出物または粉末から得ることができる。一部の実施態様では、酵素はモリンガ植物成分から得ることができる。
【0050】
本発明では酵素増強剤を使用することができる。この酵素増強剤を使用すると、スルホラファン前駆体をスルホラファンに転換できる酵素の活性を増強することができる。一部の実施態様では、酵素増強剤は酵素コファクター、好適にはアスコルビン酸を含有する。アスコルビン酸塩またはビタミンCとして知られているアスコルビン酸はミロシナーゼの活性を増強できる。アスコルビン酸などの酵素増強剤を使用しない一部の実施態様では、スルホラファンへの転換反応があまりにも遅く、ピーク吸収に必要な位置で転換反応が生じなくなる。この酵素増強剤は天然源から得てもよく、あるいは合成してもよい。
【0051】
本組成物の一部の実施態様では、組成物は酵素増強剤を約1mg~約500mg、好適には約1mg~約250mg、最適には約1mg~約125mg含有することができる。一部の実施態様では、ヒトを対象とする場合に好適な組成物は酵素増強剤を約1mg~約50mgを含有する。
【0052】
本発明方法の一部の実施態様では、酵素増強剤、好適にはアスコルビン酸は約1mg~約500mg、好適には約1mg~約250mg、最適には約1mg~約125mgの量で投与する。ヒトを対象とする本発明方法の一部の実施態様では、投与量は約1mg~約50mgである。本発明方法の一部の実施態様では、酵素増強剤、好適にはアスコルビン酸を約0.01mg/kg~約3mg/kg、最適には約0.02mg/kg~約2mg/kgの量で投与する。本方法のヒトを対象とする一部の実施態様では、酵素増強剤を約0.02mg/kg~約0.7mg/kgを投与する。上記量は各投与量か、あるいは投与全量/日を指す場合がある。
【0053】
本方法の一部の実施態様では、二種類以上の酵素増強剤を投与する。本組成物の一部の実施態様では、2種類以上の酵素増強剤を使用する。2種類以上の酵素増強剤を使用する本発明方法または組成物の一部の実施態様では、上記量は各酵素増強剤の量、または酵素増強剤の総量を指す場合がある。
【0054】
本発明組成物の実施態様では、組成物は一種かそれ以上のモリンガ植物成分とともにスルホラファン、スルホラファン前駆体、および/またはスルホラファン誘導体を含有する。中でも、モリンガ植物成分はO-エチル-4-(α-L-ラムノシルオキシ)ベンジルカルバメート源、4(α-L-ラムノシルオキシ)-ベンジルイソチオシアネート源、ニアジミシン源、3-O-(6´-O-オレオイル-β-D-グルコピラノシル)-β-シトステロール源、およびニアジミニン源になる。本発明で使用するモリンガ植物成分はモリンガの葉、種子、果実、フルーツポッド、根茎、花、および/または皮、および任意の抽出物、粉末、果汁またはこれらの他の誘導物から誘導でき、これらから構成されるものである。このうえ、本発明ではモリンガ植物成分またはそれぞれの誘導体の混合物または併用組成物(combinations)を含有する組成物も包含する。例えば、モリンガの葉、種子、果実、フルーツポッド、根茎、花、および/または皮は衛生的なエリア内で空気乾燥、凍結乾燥、ドラム乾燥、噴霧乾燥、加熱乾燥および/または部分真空乾燥でき、例えば冷間処理粉砕方法で粉砕できる。この工業用の冷間処理プロセスは植物原料を寒剤で搾汁することによって酸素、光、および熱から植物の抗酸化性および抗炎特性を保護するものである。葉、種子、果実、フルーツポッド、根茎、花、および/または皮からの抽出物は任意の好適な溶剤および/またはレジームを使用する任意の通常の抽出方法を使用して調製できる。工業用の搾汁プロセスや圧搾プロセスなどの方法によって果実、フルーツポッドや葉などを搾汁し、果汁を得ることができる。種子もまた成熟時に樹木から収穫し、熱、光および酸素から保護し、ビタミン、ミネラル、抗酸化性及び抗炎特性の損傷を防止する工業用搾汁方法や圧搾方法する従来の方法で脱オイル化できる。本発明では、モリンガ種の、種子オイルを抽出する種子プレス処理プロセスの副産物である種子ケーキも利用できる。このプロセスを採用すると、ビタミン、ミネラルおよび他の活性成分が処理時に傷つくことはない。上記のモリンガ植物成分はさらに混合処理できる。モリンガ植物成分、およびこれらの併用組成物や混合物はいずれも本発明の範囲に包含されるものである。即ち、本発明の組成物および/または方法の一部の実施態様では、一種類のモリンガ植物成分を使用する。本発明の組成物および/または方法の一部の実施態様では、一種類かそれ以上のモリンガ植物成分を使用する。本発明の組成物および/または方法の一部の実施態様では、粉末、抽出物、果汁、オイル、または種子ケーキを使用でき、これらを混合形態または併用形態で使用できる。
【0055】
なお、グルコモリンギン(glucomoringin)はモリンガの葉抽出物に含まれる主要なグルコシノレートであることが分かっている。転換反応を通じて、酵素ミロシナーゼがグルコモリンギンを生物活性性のイソチオシアネート-4-[(α-1-ラムノシロキシ)ベンジル]イソチアシアネート(モリンギン)に転換する。イソチアシアネート類は、(1)毒素の代謝および排泄を促進し、そして(2)抗酸化活性をもたらすNrf-2-調整フェーズ2酵素の産生を誘導できる化学物質である。さらに、イソチアシアネート類はNF-B経路の抑制を介して抗炎活性を発揮させるものである。例えば、モリンガの葉抽出物(MLE)はg当たりモリンギンを10mg含有する。
【0056】
本組成物の一部の実施態様では、組成物は約0.5mg~約2000mg、約1mg~約1000mg、好適には約1mg~約500mgの一種のモリンガ植物成分を含有していればよい。本組成物の一部の実施態様では、組成物は約1mg~約1750mg、好適には約100mg~約1000mg、あるいは150mg~1500mgの一種かそれ以上のモリンガ植物成分を含有していればよい。上記量は各投与量またはそう投与量/日を指す場合がある。この組成物が上記量のモリンガの葉抽出物を含有し、そしてこのモリンガの葉抽出物が1000mg当り10mgまたは14mgのモリンギンを含有するのが好ましい。
【0057】
本発明の別な実施態様では、マッシュルーム抽出物またはマッシュルーム粉末を使用する。ここでマッシュルームは“医薬用マッシュルーム”を含有していればよく、制限するわけではないが、マイタケ、シイタケ、レイシ、クレミニ、アーモンド、チェスナット、ウッドイア、クラウドイア、ポーシニ、インクキャップ、ヤルタガンブ、エノキタケ、シメジ、タイガーミルク、モレル、バンブー、ゴールデンオイスター、ピンクオイスター、キングオイスター、ヒラタケ、カリフラワー、ホワイトゼリー、ゴールデンゼリー、メキシカントラフル、およびストローマッシュルームを例示することができる。一部の実施態様では、マッシュルームはマイタケマッシュルーム、シイタケマッシュルーム、レイシマッシュルーム、および/またはこれらのうち一種かそれ以上の混合物である。好適な配合物の例示のみを目的とする実例はCornblatt et al.を発明者とし、本明細書に全体を援用する米国公開特許出願第2015/0147352号および第2015/110872号に開示がある。
【0058】
マイタケマッシュルームは種Grifola fronosaに属する。マイタケマッシュルームは生物学的活性を有する多数のフラクションを有していればよい。マイタケマッシュルームに認められる成分例は、限定する意図はないが、グルカン類(α-グルカン、β-グルカンなど)、脂質(オクタデカノン酸、オクタデカジエン酸など)、リン脂質(ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸など)である。
【0059】
シイタケマッシュルームは種Lentinula edodesに属する。シイタケマッシュルームは生物学的活性を有する多数のフラクションを有していればよい。シイタケマッシュルームに認められる成分例は、限定する意図はないが、(α-グルカン類、β-グルカン類などの)グルカン類、(イエンチンなどの)タンパク質、(リノール酸などの)脂質、およびリグニン類である。
【0060】
レイシマッシュルームは種Ganoderma lucidumに属する。レイシマッシュルームは生物学的活性を有する多数のフラクションを有していればよい。レイシマッシュルームに認められる成分例は、限定する意図はないが、グルカン類(α-グルカン、β-グルカンなど)、カンタキサンチン、ステロール類、クマリン、ガノデリン酸、およびマンニトールである。
【0061】
一部の実施態様では、マッシュルーム抽出物または粉末は一種かそれ以上のグルカン類を含有する。グルカンはグリコシド結合によって結合したD-グルコースモノマーの多糖類であり、α形態またはβ形態で存在していればよい。一部の実施態様では、α-グルカン類は、限定する意図はないが、1,4-α-グルカン類および1,6-α-グルカン類であり、そしてβ-グルカン類は、限定する意図はないが、1,3-β-グルカン類および1,6-β-グルカン類である。グルカン類は各種のポリマー構成で表現することができる。一つの実施態様では、マイタケマッシュルーム抽出物または粉末は1,3-β-グルカン類および/または1,6-β-グルカン類を含有する。別な実施態様では、シイタケマッシュルーム抽出物または粉末は1,4-α-グルカン類を含有する。他の実施態様では、レイシマッシュルーム抽出物または粉末は1,3-β-グルカン類および/または1,6-β-グルカン類を含有する。本発明の組成物および方法の一部の実施態様では、マッシュルーム抽出物または粉末の代わりに、精製形態のグルカン類または合成形態のグルカン類を使用することができる。
【0062】
一部の実施態様では、マイタケマッシュルーム抽出物または粉末を利用することができる。一部の実施態様では、一種かそれ以上のグルカン類、好適にはβ-グルカン類、好適には1,3-β-グルカンおよび/または1,6-β-グルカンを約1%~約75%、好適には約5%~約50%、より好適には約10%~約30%、最適には約15%~約20%を含有するようにマイタケマッシュルーム抽出物または粉末を標準化する。限定する意図はないが、マイタケマッシュルーム抽出物または粉末の例は全体として本明細書に援用する米国特許第5,854,404号明細書;WO2007142130;欧州特許出願第0893449号;WO2009063885;WO2006107208;WO2007024496;およびWO2001054673に記載がある。マイタケマッシュルームの粉末は、例えばマイタケマッシュルームを空気乾燥、凍結乾燥、ドラム乾燥、噴霧乾燥、加熱乾燥および/または部分真空乾燥することによって得ることができる。組成物の一部の実施態様では、約250μg~約100mg、好適には約500μg~約75mg、最適には約750μg~約50mgを含有する。ヒトを対象とする場合に好適な組成物の一部の実施態様では、マイタケマッシュルーム抽出物を約1mg~約20mgを含有する。本発明方法の一部の実施態様では、投与量は約250μg~約100mg、好適には約500μg~約75mg、最適には約750μg~約50mgである。対象がヒトである本発明方法の一部の実施態様では、マイタケマッシュルーム抽出物を約1mg~約20mg投与する。投与量は各投与量または総投与量/日を指す場合がある。
【0063】
一部の実施態様では、シイタケマッシュルームを使用することができる。一部の実施態様では、一種かそれ以上のグルカン類、好適にはα-グルカン類、より好適には1,4-α-グルカンを約1%~約75%、好適には約10%~約60%、より好適には約25%~約50%、最適には約30%~約40%を含有するようにシイタケマッシュルーム抽出物または粉末を標準化する。限定する意図はないが、シイタケマッシュルーム抽出物または粉末の例は全体を本明細書に援用する米国特許第5,780,097号明細書;米国特許第6,582,723号明細書;WO2005107496;WO2007024496;およびWO2000033069に記載がある。シイタケマッシュルームの粉末は、例えばシイタケマッシュルームを空気乾燥、凍結乾燥、ドラム乾燥、噴霧乾燥、加熱乾燥および/または部分真空乾燥することによって得ることができる。組成物の一部の実施態様では、約1mg~約1g、好適には約10mg~約500mg、最適には約25mg~約300mgを含有する。ヒトを対象とする場合に好適な組成物の一部の実施態様では、シイタケマッシュルーム抽出物または粉末を約50mg~約250mgを含有する。本発明方法の一部の実施態様では、投与量は約1mg~約1g、好適には約10mg~約500mg、最適には約25mg~約300mgである。対象がヒトである本発明方法の一部の実施態様では、シイタケマッシュルーム抽出物または粉末を約50mg~約250mg投与する。投与量は各投与量または総投与量/日を指す場合がある。
【0064】
一部の実施態様では、レイシマッシュルーム抽出物または粉末を利用することができる。レイシマッシュルーム抽出物の一部の実施態様では、一種かそれ以上のグルカン類、好適にはβ-グルカン類、より好適には1,3-β-グルカンおよび/または1,6-β-グルカンを約1%~約75%、好適には約5%~約50%、より好適には約10%~約30%、最適には約15%~約20%を含有する。レイシマッシュルームの粉末は、例えばレイシケマッシュルームを空気乾燥、凍結乾燥、ドラム乾燥、噴霧乾燥、加熱乾燥および/または部分真空乾燥することによって得ることができる。
【0065】
本発明組成物および/または方法の一部の実施態様では、一種のマッシュルーム抽出物または粉末、例えばマイタケマッシュルーム抽出物または粉末、シイタケマッシュルーム抽出物または粉末、およびレイシマッシュルーム抽出物または粉末を使用する。本発明組成物および/または方法の一部の実施態様では、一種かそれ以上のマッシュルーム抽出物または粉末の混合物を使用する。本発明組成物および/または方法の一部の実施態様では、一種かそれ以上のマイタケマッシュルーム抽出物または粉末、シイタケマッシュルーム抽出物または粉末、およびレイシマッシュルーム抽出物または粉末の混合物を使用する。
【0066】
本発明では、以上のマッシュルーム抽出物または粉末の代わりに、あるいはこれらに加えて任意のグルカン分に富む成分を使用することも可能である。制限する意図はないが、グルカン分に富む成分の例としてはベーカー酵母(Baler’s酵母)を挙げることができる。一部の実施態様では、酵母調製物を使用することができる。酵母調製物は一種かそれ以上のグルカン類を約0.1%~約50%、好適には約0.5%~約25%、最適には約0.5~約10%含有する。酵母調製物の例としてそれぞれ本明細書に全体を援用する米国特許第5,223,491号明細書および米国特許第5,576,0155号明細書に記載されているものを挙げることができる。
【0067】
本発明の方法では、さらに一種かそれ以上の付加的成分を投与する。本発明の組成物はさらに一種かそれ以上の付加的成分を含有することができる。これら付加的成分は活性製薬成分、栄養サプルメント、および栄養抽出物を含有することができる。 制限を意図するものではないが、これら付加的成分としてはウルソール酸、クエルセチンまたはその誘導体、グルコサミンなどのアミノ糖、コンドロイチンなどのグリコサミノグリカン、アボガド大豆不鹸化物、ビタミンK2などのビタミン類、コーヒーフルーツ、マグネシウム、プロアンソシアニジン類、α-グルカン、β-グルカン、クルクミン、フィトステロール類、フィトスタノール類やS-アデノシルメチオニン(SAMe)を挙げることができる。これら付加的に成分はミルクシスル(Silybum marianum)抽出物(シリマリン)、ターメリック(Curcuma longa)に存在していることがある。
【0068】
一部の実施態様では、β-グルカンのスルホラファンまたはその誘導体に対する比率(β-グルカン:スルホラファンまたはその誘導体)は約50:1~約1:50、好適には約25:1~約1:25、より好適には約10:1~約1:20、より好適には約5:1~約1:10、さらにより好適には約1:1~約1:8、最適には約1:3~約1:5である。一部の実施態様では、α-グルカンのスルホラファンまたはその誘導体に対する比率(α-グルカン:スルホラファンまたはその誘導体)は約1:50~約50:1、好適には約1:10~約25:1、より好適には約1:5~約20:1、より好適には約1:1~約15:1、さらにより好適には約2:1~約10:1、最適には約3:1~約8:1である。一部の実施態様では、β-グルカンのスルホラファン前駆体に対する比率(β-グルカン:スルホラファン前駆体)は約50:1~約1:50、好適には約30:1~約1:35、より好適には約20:1~約1:25、より好適には約10:1~約1:20、さらにより好適には約5:1~約1:15、最適には約1:1~約1:10である。一部の実施態様では、α-グルカンの前駆体に対する比率(α-グルカン:前駆体)は約1:50~約100:1、好適には約1:25~約75:1、より好適には約1:10~約50:1、より好適には約1:5~約40:1、さらにより好適には約1:1~約30:1、最適には約2:1~約20:1である。
【0069】
組成物の一部の実施態様では、単位投与形態を取り、制限するわけではないが、例示すると、経口投与、経腸投与、静脈投与、皮下投与、筋肉投与、経皮投与、経粘膜投与、および局所投与の形態で投与を実施できる。一部の実施態様では、組成物は経口投与形態または経腸投与形態を取ることができる。経口投与形態の例を挙げると、限定するわけではないが、錠剤、カプセル、飲料に分散できる粉末、溶液、懸濁液やエマルジョンなどの液体、軟質のゲル/チューカプセル、チュアブルバーやその他の公知好便な投与形態がある。本発明の実施態様では、組成物は錠剤、カプセル、または軟質チュウアブルトリートとして使用する。経口投与可能な形態は直接放出、延長放出または遅延放出できるように製剤化することができる。
【0070】
一部の実施態様では、少なくともスルホラファン前駆体、酵素、および酵素増強剤をpHが少なくとも4の、好適には少なくとも5の小腸、好適には十二指腸などの胃腸器管領域内に放出できる投与形態で使用する。一部の実施態様では、少なくともスルホラファンまたはその前駆体および/またはブロッコリ抽出物または粉末をpHが少なくとも4の、好適には少なくとも5の小腸、好適には十二指腸などの胃腸器管領域内に放出できる投与形態で使用する。一部の実施態様では、マッシュルーム抽出物または粉末および/または適宜使用する任意の付加的成分もpHが少なくとも4の、好適には少なくとも5の小腸、好適には十二指腸などの胃腸管領域内に放出できる。小腸は十二指腸、空腸、および回腸を含む。
【0071】
一部の実施態様では、これら成分(即ちスルホラファン前駆体、酵素、酵素増強剤、スルホラファンまたはその誘導体、ブロッコリ抽出物または粉末、マッシュルーム抽出物または粉末、および/または付加的成分)は同時に、あるいは付随的に(相互が短時間内で)放出する。この結果、pHが4未満の胃などの胃腸管の領域内にグルコラファニンを放出するように調整されたグルコラファニン含有組成物に所定の作用効果を与える。このような低いpH環境内では、酸性環境がスルホラファンの他の、生理学的に不活性な最終生成物例えばスルホラファンニトリルおよびエピチオニトリルへの転換を引き起こす場合がある。
【0072】
本組成物の一部の実施態様では、組成物は経口投与可能な組成物を有し、この組成物は腸溶性コーティング投与形態か、あるいはpHが4未満の胃などの胃腸管の領域におけるデグレーデーションに抵抗性を示す投与形態を備える。例えば、経口投与可能な組成物は腸溶性コーティングを有する錠剤またはカプセルで構成することができる。この腸溶性コーティングは限定するわけではないが、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、メタクリル酸共重合体、メタクリル酸:アクリルエステル共重合体、(酢酸コハク酸)ヒドロキシプロピルメチルセルロース、トリメリト酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、シェラック、トリメリト酸酢酸セルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、およびこれらの混合物を有する物質を有していればよい。腸溶性コーティングは任意の好適な公知腸溶性重合体を含有していればよい。一部の実施態様では、本組成物における一種かそれ以上の成分は腸溶性重合体のマトリックスに埋設することができる。一部の実施態様では、経口投与可能な組成物は胃酸に徐々に溶解し、小腸に移行する、例えばCAPSUGEL(R)社が販売しているDRCAPS(R)耐酸性カプセルなどのカプセルや、あるいはその他の耐酸性カプセルの形態を取る。
【0073】
一つの形態では、経口投与可能な組成物は周囲の媒体のpHが少なくとも4、より好適には少なくとも5でない限り溶解することのないコーティングによって囲まれる。あるいは、pHではなく時間によって放出を制御するコーティングを使用することも可能であり、この場合胃腸管のpHが少なくとも4に、より好適には少なくとも5になった後まで成分が放出しないように速度を制御する。このように、時間制御組成物はスルホラファン前駆体、このスルホラファン前駆体をスルホラファンへ転換できる酵素、および酵素増強剤、あるいはスルホラファンが胃内に存在することを防止するために使用することができる。コーティング層(複数の場合もある)は標準的なコーティング技術によって経口投与可能な組成物にコーティングすることができる。腸溶性コーティング材は有機溶剤や水性溶剤に溶解するか、あるいは分散することができる。腸溶性被膜が溶解するpHはポリマー、ポリマー類、およびペンダント基によって制御できる。例えば、ポリマー膜の溶解特性はエステル基に対する遊離カルボキシル基の比によって変更できる。腸溶性コーティング層はクエン酸トリエチル、フタル酸ジブチル、トリアセチン、ポリエチレングリコール類、ポリソルベート類などの製薬上許容可能な可塑剤やその他の可塑剤も含有する。分散剤、着色剤、付着防止剤および発砲防止剤などの添加剤も配合可能である。
【0074】
本発明組成物は一種かそれ以上の非活性な製薬成分(一般に“賦形剤”として知られている)を含有することができる。非活性な成分は例えば活性成分を安全、便利にかつ使用が許容できる投与可能な有効調製物に可溶化、懸濁、濃厚化、希釈、乳化、安定化、保存、保護、着色、香料添加、製剤化する作用をもつ。賦形剤は好適には製薬上許容できる賦形剤である。製薬上許容できる賦形剤のクラス例には潤滑剤、緩衝剤、安定化剤、発泡剤、顔料、着色剤、香味剤、充填剤(fillers,bulking agents)、芳香剤、放出調整剤、補助剤、可塑剤、流動加速剤、離型剤、ポリオール類、造粒剤、希釈剤、結合剤、緩衝剤、吸収剤、滑剤、接着剤、付着防止剤、酸味剤、軟化剤、樹脂、粘滑剤、溶剤、表面活性剤、乳化剤、エラストマー類、およびこれらの混合物がある。
【0075】
一部の実施態様における(i)スルホラファン前駆体、好適にはグルコラファニン、(ii)スルホラファン前駆体をスルホラファンに転換できる酵素、好適にはグルコシダーゼ酵素、より好適にはチオグルコシダーゼ酵素、最適にはミロシナーゼ、(iii)酵素増強剤、好適には酵素補助因子、より好適にはアスコルビン酸、および(iv)(グルカン類を含有する)マッシュルーム抽出物または粉末を含有する併用組成は相乗効果を示すことが実証されている。一部の実施態様では、スルホラファン(またはその誘導体)および(グルカン類を含有する)マッシュルーム抽出物または粉末は相乗効果を示すことが実証されている。ここで“相乗”とは二種類かそれ以上の成分の併用組成が単独使用時に各成分が発揮する効果の総計よりも大きい結果を与えることを指す。一部の実施態様では、相乗効果は相加効果よりも大きい。一部の実施態様では、スルホラファン前駆体、スルホラファン前駆体をスルホラファンに転換できる酵素、酵素増強剤、およびマイタケ、シイタケ、またはレイシマッシュルーム抽出物または粉末の併用組成は(i)各成分単独、(ii)スルホラファン前駆体および酵素単独の併用組成、および/または(iii)スルホラファン前駆体、酵素、および酵素増強剤単独の併用組成と比較した場合、統計的に有意味な大きな効果を発揮する。
【0076】
一部の実施態様では、スルホラファン前駆体、酵素、酵素増強剤、および(グルカン類を含有する)マッシュルーム抽出物または粉末の併用組成物はスルホラファン前駆体単独およびマッシュルーム抽出物または粉末単独と比較して相加効果よりも統計的に有意味および/または大きい効果をもつことによって相乗効果をもつことを実証する。一部の実施態様では、グルコラファニン、ミロシナーゼ、アスコルビン酸、およびマッシュルーム抽出物または粉末の併用組成物は、グルコラファニン、ミロシナーゼ、アスコルビン酸単独の併用組成物と比較して、またグルカン類単独と比較して相乗効果を有する。
【0077】
一部の実施態様では、スルホラファン(またはその誘導体)およびマッシュルーム抽出物または粉末の併用組成物は(i)スルホラファン(またはスルホラファン誘導体)単独、および/または(ii)マッシュルーム抽出物または粉末単独で得られる相加効果よりも統計的に有意味でおよび/またはそれより大きな効果を発揮する。一部の実施態様では、スルホラファンおよびグルカンの併用組成物はスルホラファン単独、グルカン単独と比較して相乗効果を発揮する。
【0078】
一部の実施態様では、ブロッコリ抽出物または粉末およびマッシュルーム抽出物または粉末の併用組成物は(i)ブロッコリ抽出物または粉末単独、および/または(ii)マッシュルーム抽出物または粉末単独で得られる相加効果よりも統計的に有意味でおよび/またはそれより大きな効果を発揮する。一部の実施態様では、ブロッコリ抽出物または粉末およびグルカンの併用組成物はブロッコリ抽出物または粉末単独、グルカン単独と比較して相乗効果を発揮する。
【0079】
本発明は必要とする対象者への投与方法を始めとする方法を提供するものである。これら方法の一部の実施態様では、スルホラファン前駆体、このスルホラファン前駆体をスルホラファンに転換できる酵素、酵素増強剤、およびマッシュルーム抽出物または粉末の併用組成物を投与する。これら方法の一部の実施態様では、スルホラファンまたはその誘導体およびマッシュルーム抽出物または粉末の併用組成物を投与する。これら方法の一部の実施態様では、ブロッコリ抽出物または粉末およびマッシュルーム抽出物または粉末の併用組成物を投与する。
【0080】
本方法の一部の実施態様は対象者における乳癌、前立腺癌、結腸癌、肺癌、肝臓癌や膀胱癌を始めとする各種癌の治療または予防を行うか、これら癌の発症を抑制するか、これら癌に関連する症状を抑えるか、および/またはこれら癌の二次的な再発を抑制することに関する。本方法は乳房、前立腺、直腸、肺臓、肝臓や膀胱などの組織や器官に対するダメージを抑制するか、遅延させるために有効に使用することができる。また、本発明は(限定するわけではないが、例示すると乳房や前立腺などの)再生システム、直腸、肝臓、膀胱、腎臓、中枢神経システム、心血管システム、肺システム、し尿生殖システム、造血システムおよび関節に関連する疾病や症状の治療または予防を行うか、これら疾病の症状を抑えるか、および/または二次的な再発を抑制する方法に関する。本発明は良性(の)嚢腫などの嚢腫に関連する症状の治療または予防を行うか、これら疾病の症状を抑えるか、および/または二次的な再発を抑制する方法にも関する。
【0081】
本方法の一部の実施態様は対象者におけるNAD(P)H:キノンオキシドリダクターゼ(NQO-1)のレベルを高くするか、あるいはその遺伝子発現を高くすることに関する。本発明方法はNQO-1の遺伝子発現またはレベルが高くなることから裨益できる疾病および症状の治療および予防を行うか、これらに関連する兆候を抑制するか、および/またはこれらの二次的な再発を抑制するために有用である。これらの疾病および症状としては、制限を意図するものではないが、癌、骨髄異形成症候群、心血管疾病や遅発性ジスキネジアを挙げることができる。
【0082】
本方法の一部の実施態様は高くなったキノンエストロゲンレベルに関連する疾病および/または症状の治療または予防を行うか、これらに関連する症状を抑制するか、および/または二次的な再発を抑制することに関する。これら疾病および症状の例を挙げると、制限を意図するものではないが、癌、骨髄異形成症候群、心血管疾病や遅発性ジスキネジアがある。
【0083】
本発明の一部の実施態様はバイオマーカーに有益な効果を与えることに関し、またこれらバイオマーカーの異常なレベルに関連する兆候の治療または予防を行い、これら兆候の発生を低減し、当該兆候を抑制することに関する。このようなバイオマーカーを例示すると、制限する意図はないが、NADPH-依存酵素、チオレドキシン(TXN)、チオレドキシリダクターゼ-1(Txnrd-1)、グルタメートシステインリガーゼサブユニット(GCLC)、スルホトランスフェラーゼ1A1(SULT1A1)、ヘムオキシゲナーゼ-1(HMOX1)、グルタチオンペルオキシダーゼ-3(GPx-3)、グルタチオンSトランスフェラーゼシータ2(GSTT2)、ミクロソームグルタチオンS-トランスフェラーゼ1(MGST1)、アルデヒドオキシダーゼ(AOX1)、アルドケトリダクターゼ1B8(Akrl b8))、フラビン含有モノオキシゲナーゼ2(FMO2)、FcレセプタリジョンレセプターIII(Fcgr3)、トリプターゼベータ1(TPSB1)、マスト細胞プロテアーゼ-6(Mcpt6)、ニューレキシン-1-α(NRXN-1)、色素細胞の分化増殖制御因子(MITF)、タイプIIヨードチロニンデヨナーゼ(DIO2)、アンジオポイエチン-14(Angptl4)、分化の抗原群(CD36)、およびNtelである。これらバイオマーカーの高いレベル、あるいは異常なレベルに関連して生じる疾病や症状としては、限定するものではないが、癌、肺結核、中枢神経系結核、多発性硬化症、クローン病、動脈硬化症、変形性関節症、喘息、発作、肺気腫、糖尿病腎症、CHIP(chronic histiocytic intervillositis of the placenta)、高血圧症、腹部大動脈瘤、炎症性腸疾患、慢性副鼻腔炎、虚血性心疾患、および腎臓病を挙げることができる。
【0084】
本方法の一部の実施態様では、必要としている対象者にスルホラファンおよびグルカンを含有するマッシュルーム抽出物または粉末の併用組成物を投与する。本方法の一部の実施態様では、必要としている対象者にブロッコリ抽出物または粉末およびグルカンを含有するマッシュルーム抽出物または粉末の併用組成物を投与する。本方法の一部の実施態様では、対象者にグルコラファニン、ミロシナーゼ、アスコルビン酸、およびグルカンを含有するマッシュルーム抽出物または粉末の併用組成物を投与する。一部の実施態様では、本併用組成物は本発明方法において相乗効果を発揮することが実証されている。
【0085】
本方法の一部の実施態様では、必要としている対象者にスルホラファン、マッシュルーム抽出物または粉末、および一種かそれ以上のモリンガ植物成分の併用組成物を投与する。本方法の一部の実施態様では、必要としている対象者にブロッコリ抽出物または粉末、マッシュルーム抽出物または粉末、および一種かそれ以上のモリンガ植物成分の併用組成物を投与する。本方法の一部の実施態様では、グルコラファニン、ミロシナーゼ、アスコルビン酸、マッシュルーム抽出物または粉末、および一種かそれ以上のモリンガ植物成分の併用組成物を投与する。
【0086】
一部の実施態様では、併用組成物の一種かそれ以上の成分(例えばスルホラファン前駆体、スルホラファン前駆体をスルホラファンに転換できる酵素、酵素増強剤、マッシュルーム抽出物または粉末;またはスルホラファンまたはその誘導体およびマイタケマッシュルーム抽出物または粉末;またはブロッコリ抽出物または粉末およびマッシュルーム抽出物または粉末);一種かそれ以上のモリンガ植物成分を一つの組成物または投与形態で投与し、あるいは個別に、好適にはそれらの治療特性が重なる期間内に投与する。一部の実施態様では、併用組成物の成分は2つかそれ以上の経口投与可能な組成物または投与形態で投与することができる。例えば、一部の実施態様では、スルホラファン前駆体、スルホラファン前駆体をスルホラファンに転換できる酵素、および酵素増強剤を一つの経口投与可能な投与形態で投与する一方で、マッシュルーム抽出物または粉末を一種かそれ以上の個別の、あるいは追加の経口投与可能な投与形態で投与する。一部の実施態様では、併用組成物の成分を一回の投与形態で投与する。
【0087】
一部の実施態様では、併用組成物は一日に1~10回の回数で、好適には一日に1~5回の回数で、より好適には一日に1~3回の回数で、最適には1回で投与することができる。
【0088】
本明細書に開示する組成物は好適にはヒトを対象とする。投与量については、当業者が体重、体表面積、エネルギー代謝率、および種差に応じて決定すればよい。さらに、本明細書に開示する、あるいは本明細書から誘導される任意形態の組成物の望む投与量はいずれもヒトやヒト以外の動物に適用可能であり、いずれも本発明の範囲に包含されるものである。
【0089】
本明細書で使用する用語“対象(者)”は哺乳類および鳥類を始めとする任意の動物を指し、例示すると人、犬、猫、馬、牛、駱駝、象、ライオン、虎、熊、アザラシ、およびウサギを指す。一部の実施態様では、人、猫、および犬のような通常食料として消費されない哺乳動物が対象となる。
【実施例1】
【0090】
配合組成物
【0091】
以下に本発明の例示的な配合組成物を示す。既に記載したように、本発明の実施態様はスルホラファンまたはスルホラファン前駆体を有し、さらに一種かそれ以上のモリンガ植物成分を有する。
【0092】
配合組成物A
グルコラファニン含有ブロッコリ種子抽出物(約12%w/w)、50mg~5gのミロシナーゼ含有凍結乾燥ブロッコリスプラウト粉末、25mg~500mgのアスコルビン酸、1mg~50mgのαグルカン含有シイタケマッシュルーム抽出物(約40%w/w)、1mg~約1gのモリンガ植物成分
【0093】
配合組成物B
グルコラファニン含有ブロッコリ種子抽出物(約12%w/w)、50mg~5gのミロシナーゼ含有凍結乾燥ブロッコリスプラウト粉末、25mg~500mgのアスコルビン酸、1mg~50mgのβグルカン含有マイタケマッシュルーム抽出物(約20%w/w)、1mg~約1gのモリンガ植物成分
【0094】
配合組成物C
グルコラファニン含有ブロッコリ種子抽出物(約12%w/w)、50mg~5gのミロシナーゼ含有凍結乾燥ブロッコリスプラウト粉末、25mg~500mgのアスコルビン酸、1mg~50mgのαグルカン含有シイタケマッシュルーム抽出物(約40%w/w)、1mg~約500mgのモリンガ植物成分
【0095】
配合組成物D
グルコラファニン含有ブロッコリ種子抽出物(約12%w/w)、50mg~5gのミロシナーゼ含有凍結乾燥ブロッコリスプラウト粉末、25mg~500mgのアスコルビン酸、1mg~50mgのβグルカン含有マイタケマッシュルーム抽出物(約20%w/w)、1mg~約500mgのモリンガ植物成分
【0096】
配合組成物E
ブロッコリ種子抽出物、
ブロッコリスプラウト抽出物
マイタケマッシュルーム抽出物
モリンガ植物成分
アスコルビン酸
ヒドロキシプロピルメチルセルロース
結晶セルロース
コーンスターチ
エチルセルロース
クロスカルメロース ナトリウム
グリコール酸でん粉ナトリウム
クロスポビドン
二酸化シリコン
アルギン酸ナトリウム
中鎖脂肪酸類
マルトデキシトリン
オレイン酸
ステアリン酸マグネシウム
ステアリン酸
を含有する経口投与可能な組成物
【実施例2】
【0097】
下記条件で疎水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)を行った。
カラム:Waters BEHアミド、1.7-μm粒子サイズ、2.1mm times、100mm;
移動相:20% 10mM酢酸アンモニウム、pH5.0;80%アセトニトリル;
分離モード:アイソクラチック;
カラム温度:70℃;
流量:0.7mL/分。
上記条件では、スルホラファン前駆体、グルコラファニンを始めとする5種類の代表的なBrassicaceaeグルコシノレートを分離できる。
【実施例3】
【0098】
アスコルビン酸濃度の関数としてのグルコラファニンの消費量
約12%(w/w)のグルコラファニンを含有する約250mgのブロッコリ種子抽出物を濃度範囲が0~600μモル/Lのアスコルビン酸可変濃度の存在下で一定濃度のブロッコリスプラウト誘導ミロシナーゼによって加水分解した。反応混合物を38℃で恒温保持し、60分間15秒毎にアリコットを回収し、グルコラファニンの濃度をクロマトグラフィーによって決定した。グルコラファニンの消費速度をスルホラファンへの転換速度とした。グルコラファニン含有量減少をアスコルビン酸濃度が高くなる関数としてグラフで示すと、一連の線状プロットが得られ、線状の回帰直線の傾きはグルコラファニンの消費速度(単位:pモル/分)を反映するものである。あきらかに、600μモル/Lの濃度でアスコルビン酸が存在すると、反応速度はアスコルビン酸のモジュラティブ効果がない場合に進行する反応の速度より13倍高くなった。
【0099】
【表1】
【実施例4】
【0100】
グルコラファニンのスルホラファンへの等モル転換
【0101】
ミロシナーゼ活性を調節するさいのアスコルビン酸の役割をさらに解明するために2部構成の実験を行った。ミロシナーゼ活性にとって最適であることが確認されている、pH7.5で20mMのTBS緩衝液を使用してすべての溶液を調製した。各サンプル管にミロシナーゼ源として正確に秤量した100mgの凍結乾燥ブロッコリ粉末を充填した。38℃で2時間実験を行い、サンプルアリコットを30分増分で回収し、グルコラファニン含有量およびスルホラファン含有量の両者をHPLCによって評価した。強酸性の“停止”溶液(strongly accidic ”stop”solution)を使用して、回収アリコット中のミロシナーゼ活性を直ちに抑制した。対照サンプルにはアスコルビン酸を使用せず、コファクターなしで酵素転換を進行させた。
【0102】
第1部
一定濃度1ミリモル/Lのアスコルビン酸の存在下、ブロッコリ種子抽出物(約12%グルコラファニン、w/w)の量を250mgから500mgに増やしてこれを添加した。
【0103】
第2部
ブロッコリ種子抽出物の量を250mgに維持した状態で、アスコルビン酸の濃度を0.4ミリモル/Lから3.8ミリモル/Lに変化させた。下記表2に4グルコラファニンおよびスルホラファンのμモル数を示す。明らかに、ほぼすべての反応混合物において最初の30分で、グルコラファニンのスルホラファンへの転換が終了していた。ところが、アスコルビン酸の促進効果のない対照サンプルで生じた酵素転換を注意深く検討すると、グルコラファニンのスルホラファンへの等モル変換が生じていることがわかる。即ち、消費されたグルコラファニン量が生成したスルホラファンと等量であることがわかる。
【0104】
【表2】
【0105】
実験第2部においては、ミシロナーゼの活性におけるアスコルビン酸の濃度上昇の調整効果が評価された。初期に明らかに、アスコルビン酸濃度が約2mmol/Lになるまで、ミロシナーゼによって促進されるグルコラファニンからスルホラファンへの変換において直線的な増加が観察され、その後、かなりの横ばいが続く。
【0106】
最後に、実験のパート1で30分後のスルホラファン収量を調べると、1mmol/リットルのアスコルビン酸の存在下で、100mgの凍結乾燥ブロッコリスプラウト粉末に含まれる一定量のミロシナーゼが、予測どおり直線的に少なくとも200μモルのスルホラファンを生成する。図1図4図は、この研究の結果を示す。
【実施例5】
【0107】
人工腸液の存在下でのグルコラファニンのスルホラファンへの転換
組成、pHおよびイオン強度がヒトの腸内容物に近似する市販の濃縮物である人工腸液(SIF)粉末を使用した。本実験では、ミロシナーゼ源としての150mgの凍結乾燥ブロッコリスプラウト粉末とともに、6つの溶解容器に500mLの人工腸液を分散したUSP溶解装置2(パドル)を使用した。容器1~4ではアスコルビン酸の濃度を0.25~1.00ミリモル/Lで変更し、容器5では1ミリモル/Lのアスコルビン酸溶液に加えて、3.125gのパンクレアチン(8倍、USP)を懸濁し、そして容器6では1ミリモル/Lのアスコルビン酸溶液および3.125gのパンクレアチンに加えて、
2倍量の凍結乾燥ブロッコリスプラウト粉末(300mg)を添加した。容器温度を38℃に設定した後、それぞれに250mgのグルコラファニン分に富む(12%、w/w)ブロッコリ種子抽出物を添加し、得られた懸濁液を75RPMで2時間撹拌した。15分毎にアリコットを回収し、スルホラファンについて評価した。図1に、特に実験初期におけるスルホラファンの高い収量とアスコルビン酸の高い濃度との間にある直接的な相関関係を示す。
【実施例6】
【0108】
NAD(P)H:キノンオキシトリタクターゼ1(NQO1)の遺伝子発現に対するスルホラファンおよび20%β-グルカンを含有するマイタケマッシュルーム抽出物の併用組成物の効果を確認するために以下の研究を行った。NQO1はエステロゲンキノン類を代謝でき、これらが突然変異、最終的に発癌を引き起こすことを抑制する蛋白質をコードする。NQO1発現が強くなることは乳房、結腸、肝臓、肺臓、皮膚および前立腺の健康に対して有利に作用する。さらに、NQO1蛋白質はフェーズII酵素であり、この酵素はキノンの2電子還元に触媒作用を付与することによって細胞健康を増進する。この化学反応はベンゼン解毒を始めとする細胞プロセスにとって重要である。ベンゼン解毒中、フェーズI酵素はベンゼンを反応性エポキシド類に転換し、これらエポキシド類がDNAに結合し、癌誘導突然変異を引き起こす。NQO1はベンゼン中間体を、毒性が少なく、また身体から排除される前にさらに代謝できるヒドロキノンに転換する。
【0109】
本研究では、ジメチルスルホキシド(DMSO、対照溶媒)、スルホラファン(SFN)、β-グルカン含有量が約20%のマイタケマッシュルーム抽出物(マイタケ)、あるいはスルホラファンおよびマイタケマッシュルーム抽出物の併用組成物で24時間処理した。具体的には、以下のうちの一種で細胞を処理した。即ち(i)DMSO(対照)、(ii)0.5μM SFN、(iii)250μg/mLマイタケ、(iv)500μg/mLマイタケ、(v)750μg/mLマイタケ、(vi)0.5μM SFNおよび250μg/mLマイタケ、(vii)0.5μM SFNおよび500μg/mLマイタケ、および(viii)0.5μM SFNおよび750μg/mLマイタケ。NQO-1の遺伝子発現を定量RT-PCRによって分析した。図2に示される結果は以下のとおりである。
【0110】
【表3】
【0111】
結果は、スルホラファンおよびマイタケマッシュルーム抽出物の併用組成物が各成分単独と比較して相乗効果をもつことを実証している。この効果は単なる相加以上であった。
【実施例7】
【0112】
NAD(P)H:キノンオキシトリタクターゼ1(NQO1)の遺伝子発現に対するスルホラファンおよび40%α-グルカンを含有するシイタケマッシュルーム抽出物の併用組成物の効果を確認するために以下の研究を行った。
【0113】
本研究では、DMSO(対照)、スルホラファン(SFN)、α-グルカン含有量が少なくとも20%のシイタケマッシュルーム抽出物(シイタケ)、またはスルホラファンおよびシイタケマッシュルーム抽出物の併用組成物を使用して、マクロファージ細胞株RAW264.7を24時間処理した。具体的には、(i)DMSO(対照)、(ii)0.5μM SFN、(iii)100μg/mL シイタケ、(iv)250μg/mL シイタケ、(v)500μg/mL シイタケ、(vi)0.5μM SFNおよび100μg/mL シイタケ、(vii)0.5μM SFNおよび250μg/mL シイタケ、および(viii)0.5μM SFNおよび500μg/mL シイタケのうちの少なくとも一種で細胞を処理した。定量RT-PCRによってNQO1の遺伝子発現を分析した。図3に図示する結果を以下に示す。
【0114】
【表4】
【0115】
結果は、スルホラファンおよびシイタケマッシュルーム抽出物の併用組成物が各成分単独と比較して相乗効果をもつことを実証している。この効果は単なる相加以上であった。
【実施例8】
【0116】
モリンガ葉抽出物(MOR)およびスルホラファン(SFN)の併用組成物がヘムオキシゲナーゼ-1(HMOX1)遺伝子発現に対して相乗効果を発揮するかどうかを確認するために以下の研究を行った。
【0117】
モデルシステムには培養HepG2肝細胞癌細胞を使用した。なお、ヘムオキシゲナーゼ1(HO-1)/HSP32はオキシダントを解毒し、かつ炎症を最小限に抑えることによって細胞の健康を増進するものである。HO-1はヘムの分解に触媒作用を付与する結果、第1鉄イオン(Fe2+)、一酸化炭素(CO)、およびビリベルジンが放出する。ビリベルジンはさらにビリルビンに分解する。これら副生成物がHO-1に抗酸化特性、抗炎症特性、抗アポトーシス特性、抗増殖性、および免疫調整特性を付与する。
【0118】
本インビトロ研究では、スルホラファン(SFN)、モリンガ植物成分(MOR)またはSFNおよびMORの併用組成物のいずれかを使用して、ヒトHepG2肝細胞癌細胞を6時間処理した。具体的には、(i)0μg/mL MORおよび0μM SFN(対照)、(ii)1.375μg/mL MOR、(iii)0.1μM SFN、(iv)0.25μM SFN、(v)0.5μM SFN、(vi)1.375μg/mL MORおよび0.1μM SFN、(vii)1.375μg/mL MORおよび0.25μM SFN、(viii)1.375μg/mL MORおよび0.5μ SFN、(ix)2.75μg/mL MOR、(x)2.75μg/mL MORおよび0.1μM SFN、(xi)2.75μg/mL MORおよび0.25μM SFN、(xii)2.75μg/mL MORおよび0.5μM SFN、(xiii)5.5μg/mL MOR、(xiv)5.5μg/mL MORおよび0.1μM SFN、(xv)5.5μg/mL MORおよび0.25μM SFN、および(xvi)5.5μg/mL MORおよび0.5μM SFNうちの一種で細胞を処理した。細胞を回収し、RNAを抽出し、そしてRT-PCRによってHMOX1遺伝子発現を評価した。
【0119】
MORおよびSFNのすべての併用組成物は各成分を単体で使用した場合よりも高いHMOX1の発現を誘導した。これら併用組成物では相乗効果も得られた。
【実施例9】
【0120】
対象者は乳癌を患い、乳房組織の損傷および乳房の痛みなどの症状を呈している。この対象者にグルコラファニン、ミロシナーゼ、アスコルビン酸、およびマイタケマッシュルーム抽出物を含有する錠剤を投与する。この錠剤は腸溶性コーティング錠剤であり、内容物成分を小腸に放出する。錠剤を1か月毎日投与した後、対象者において症状の改善に関係するNQO1を含有するサロゲートバイオマーカーに改善があることが得られる。
【実施例10】
【0121】
対象者は乳癌を患い、乳房組織の損傷および乳房の痛みなどの症状を呈している。この対象者にグルコラファニン、ミロシナーゼ、アスコルビン酸、およびシイタケマッシュルーム抽出物を含有する錠剤を投与する。この錠剤は腸溶性コーティング錠剤であり、内容物成分を小腸に放出する。錠剤を1か月毎日投与した後、対象者において症状の改善に関係するNQO1を含有するサロゲートバイオマーカーに改善があることが得られる。
【実施例11】
【0122】
Nrf2-調節NAD(P)H:キノンデヒドロゲナーゼ1(NQO1)の遺伝子発現に対するスルホラファンおよびモリンガ植物成分の併用組成物の効果を確認するために以下の研究を行った。Nrf2経路は関節軟骨内の酸化ストレスを防ぐ役割を果たす。変形性関節症の発症時、過剰な反応性酸素種(ROS)が生じ、細胞外マトリックス(ECM)合成を抑制し、軟骨細胞アポトーシスを引き起こす二次メッセンジャーとして機能する。したがって、NQO1の遺伝子発現の誘導はROSを中和するのに有効と考えられ、ECMの分解および軟骨細胞死の発生に対して防御するものと考えられる。
【0123】
本研究では、スルホラファン(SFN)、モリンガ植物成分(MOR)またはSFNおよびMORの併用組成物のいずれかを使用して、マクロファージ細胞株RWA264.7を24時間処理した。具体的には、(i)0μg/mL MORおよび0μM SFN(対照)、(ii)1.375μg/mL MOR、(iii)0.1μM SFN、(iv)0.25μM SFN、(v)0.5μM SFN、(vi)1.375μg/mL MORおよび0.1μM SFN、(vii)1.375μg/mL MORおよび0.25μM SFN、(viii)1.375μg/mL MORおよび0.5μM SFN、(ix)2.75μg/mL MOR、(x)2.75μg/mL MORおよび0.1μM SFN、(xi)2.75μg/mL MORおよび0.25μM SFN、(xii)2.75μg/mL MORおよび0.5μM SFN、(xiii)5.5μg/mL MOR、(xiv)5.5μg/mL MORおよび0.1μM SFN、(xv)5.5μg/mL MORおよび0.25μM SFN、および(xvi)5.5μg/mL MORおよび5μM SFNのうちの一種を使用して細胞を処理した。NQO1の遺伝子発現を定量RT-PCRによって分析した。図5A図5Cに図示する結果は以下のことを示す。
【0124】
結果は、それぞれ単独の成分使用と比較した場合、スルホラファンおよびモリンガ植物成分の併用組成物はNQO1の遺伝子発現に対して相乗効果を発揮することを示す。具体的には、この相乗効果は2.75μg/mLのMORおよび三種類の濃度(即ち0.1μM SFN、0.25μM SFNおよび0.5μM SFN)のSFNのいずれかの併用組成物で細胞を処理した場合、統計的に有意味であった。さらに、5.5μg/mLのMORおよび三種類の濃度(即ち0.1μM SFN、0.25μM SFNおよび0.5μM SFN)のSFNのいずれかの併用組成物で細胞を処理した場合、相乗効果は統計的に有意味であった。
【0125】
本発明の各種実施態様の前記説明は例示を目的とし、徹底的な説明ではなく、あるいは限定を意図するものでもない。以上の記載から各種の変更、修正などが可能である。本発明組成物は上記以外の成分、例えばビタミン類(特にビタミンE)、セレン、プロバイオティクス、D-マンノースなどを含有することも可能である。また、ミロシナーゼを併用しないグルコラファニン、グルコラファニンを併用しないミロシナーゼなど任意の併用組成物、あるいはこれら二成分を含有する併用組成物も可能である。以上の実施態様は最善の用途での使用を意図し、これによって当業者ならば以上説明してきた発明を各種の実施態様で応用でき、または意図する特定用途に応じて使用することができるはずである。これらすべての変更例などはいずれも本明細書に記載し、かつ本明細書に全体を援用する添付図面1~5に図示した発明の範囲内に包含されるものである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
【国際調査報告】