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特表2024-520419ロングラインロータ装置、システム、及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】ロングラインロータ装置、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
   B66C 13/08 20060101AFI20240517BHJP
   B64C 13/20 20060101ALI20240517BHJP
   G08G 5/00 20060101ALI20240517BHJP
   B66C 13/22 20060101ALI20240517BHJP
   B64D 1/22 20060101ALN20240517BHJP
【FI】
B66C13/08 H
B64C13/20 Z
G08G5/00 A
B66C13/22 T
B64D1/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572766
(86)(22)【出願日】2021-12-28
(85)【翻訳文提出日】2024-01-16
(86)【国際出願番号】 US2021065355
(87)【国際公開番号】W WO2022250736
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】17/330,266
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523245229
【氏名又は名称】ビタ インクリナータ アイピー ホールディングス エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Vita Inclinata IP Holdings LLC
【住所又は居所原語表記】295 Interlocken Blvd, Suite 100, Broomfield, CO 80021 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002295
【氏名又は名称】弁理士法人M&Partners
(72)【発明者】
【氏名】シコラ デリック
(72)【発明者】
【氏名】カー カレブ ビー.
(72)【発明者】
【氏名】グッドリッチ ローガン
【テーマコード(参考)】
3F204
5H181
【Fターム(参考)】
3F204CA01
3F204DB04
3F204DB05
3F204DC01
5H181AA26
5H181BB12
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF27
5H181LL01
5H181LL02
(57)【要約】
ロングラインロータ制御システムの物理及び論理コンポーネントは、固定翼航空機のようなキャリア下で実施されるロングラインロータ操作の制御に対処する。制御は、キャリア、吊り下げ荷物制御システム、及びロングラインの推定状態及び予測状態を識別し、予測し、それらに反応することを含む。推定状態及び予測状態を識別し、予測し、それらに反応することは、状態条件の経時的な特性及び状態条件間の応答時間を決定することを含み得る。反応することは、応答時間を増加させないように、又は危険を回避するように、キャリアのホイストを制御すること、吊り下げ荷物制御システムのスラスタを制御すること、及びキャリアに飛行制御指示を制御又は発行することを含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロングラインによってキャリアから吊り下げられた荷物を制御する装置であって、
荷物制御システムであって、ファンアレイ及び第1のセンサセットを備え、前記荷物制御システムが前記ロングラインの末端に固定されるようになっており、前記第1のセンサセットは、前記荷物制御システムの第1の位置・動き及び向きに関する第1の状態情報を取得する、荷物制御システムと、
前記キャリアであって、ホイストと、第2のセンサセットとを備え、
前記ホイストは、前記ホイストから前記荷物制御システムまで延びる前記ロングラインの長さを制御し、
前記第2のセンサセットは、前記キャリアの第2の位置・動き及び向きに関する第2の状態情報を取得し、
前記ホイストは、前記ホイストから前記荷物制御システムまで延びる前記ロングラインに関する物理的情報を取得する、キャリアと、
コンピュータプロセッサ及びメモリであって、
前記メモリは、データ融合モジュール及び操作モジュールを備え、
前記データ融合モジュールは、前記荷物制御システム、前記キャリア、及び前記ロングラインを表すシステムモデルを備え、
前記コンピュータプロセッサは、前記システムモデルに、前記第1の状態情報、前記第2の状態情報、及び前記ホイストから前記荷物制御システムに延びる前記ロングラインに関する前記物理的情報を提供し、
前記コンピュータプロセッサは、前記データ融合モジュールを実行して、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性間の応答時間と、を決定し、
前記コンピュータプロセッサは、前記操作モジュールを実行し、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性、並びに前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性間の応答時間に基づいて、前記ファンアレイ及び前記ホイストを制御し、前記キャリアに、目標地点に対する前記荷物制御システムの位置・動き及び向きに影響を与えるナビゲーション命令を出力する、コンピュータプロセッサ及びメモリと、
を備える装置。
【請求項2】
前記荷物は、前記吊り下げ荷物制御システム又は前記吊り下げ荷物制御システムに固定された荷物の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記応答時間が閾値を超え、それに応答して、前記操作モジュールは、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の摂動、並びに前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性の摂動を最小化する前記目標地点を決定する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の摂動、並びに前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性の摂動を最小化するために、前記操作モジュールはさらに、前記キャリアのロータ経路を指示する、前記キャリアの速度を指示する、又は前記キャリアの軌道中心を指示する、の少なくとも1つのための、前記ナビゲーション命令を前記キャリアに出力する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記操作モジュールはさらに、前記ホイストから前記荷物制御システムに延びる前記ロングラインの長さを静止させるように前記ホイストを制御する命令を用いて、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の摂動、並びに前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性の摂動を最小化する、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記データ融合モジュールはさらに、前記荷物制御システムの危険な状態を予測し、前記危険な状態を回避するように前記目標地点を決定する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記荷物制御システムの前記危険な状態は、物体との衝突又は過度の加速の少なくとも1つである、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記荷物制御システムの前記危険な状態は、物体との前記衝突であり、前記操作モジュールはさらに、前記物体を回避するために、前記荷物制御システムにトルク又は水平方向の力を付与するように前記ファンアレイを制御する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記操作モジュールはさらに、前記トルクを付与して向きを取得し、その後、前記物体を回避するために、前記水平方向の力を付与して前記荷物制御システムを移動させる、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記荷物制御システムの前記危険な状態は、前記過度の加速であり、前記操作モジュールはさらに、前記過度の加速を低減するように前記ホイストを制御する、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記過度の加速を低減するために、前記操作モジュールは、前記ロングラインを繰り出すように前記ホイストを制御する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記システムモデルは、前記キャリアの中心又は軌道、前記吊り下げ荷物制御システムの中心又は軌道、目的ロケーション、前記吊り下げ荷物制御システム及び前記荷物の質量、前記ロングラインの長さ、前記吊り下げ荷物制御システム及び前記荷物の慣性、前記吊り下げ荷物制御システムの移動及び回転、前記吊り下げ荷物制御システムの地上高さ、前記キャリアの移動及び回転、前記キャリアの地上高さ、前記ロングラインの空力モデル、前記ロングラインにかかる重力、並びに風力・海の状況及び前記吊り下げ荷物制御システムと前記キャリアとの間の相対運動の外乱推定のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記目的ロケーションは、経時的に移動する、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記キャリアの軌道中心は、前記目的ロケーションよりも大きく、前記操作モジュールは、前記ファンアレイ及び前記ホイストを制御し、前記キャリアの軌道中心内の前記目標地点に対する、前記荷物制御システムの位置・動き及び向きに影響を与えるためのナビゲーション命令を前記キャリアに出力する、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記ロングラインに関する物理的情報は、前記ホイストから前記荷物制御システムまで延びる前記ロングラインの長さ、前記ロングラインから前記ホイストにかかる張力又はトルク、又は前記ロングラインから前記ホイストにかかる質量の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態は、前記キャリアの位置・向き及び動きと、前記荷物制御システムの位置・向き及び動きと、を含み、
前記操作モジュールは、前記第1の状態情報及び前記第2の状態情報に基づいて、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの前記状態を推定及び予測し、
前記第1の状態情報及び前記第2の状態情報に基づいて、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態を推定及び予測することは、前記操作モジュールが、前記第1のセンサセット及び前記第2のセンサセットからの前記第1の状態情報及び前記第2の状態情報を、前記操作モジュールの機能モード又はコマンド状態、推力及び方位マッピング、又は、キャリア・ファンアレイ及びホイストのマッピングのうちの少なくとも1つからのフィードバックを有するシステムモデルに従って非線形フィルタにおいて結合することである、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記非線形フィルタは、アンセンテッドカルマンフィルタを備える、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
ロングラインによってキャリアから吊り下げられた荷物を制御する方法であって、
コンピュータプロセッサとメモリとを伴い、ファンアレイと第1のセンサセットとを備える荷物制御システムであって、前記荷物制御システムが前記ロングラインの末端に固定される、荷物制御システムを伴い、ホイストと第2のセンサセットとを備える前記キャリアであって、前記ホイストは前記ホイストから前記荷物制御システムまで延びる前記ロングラインの長さを制御する、前記キャリアを伴い、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインを表すシステムモデルを前記メモリ内に伴い、
前記コンピュータプロセッサは、前記第1のセンサセットから、前記荷物制御システムの第1の位置・動き及び向きに関する第1の状態情報を取得し、
前記コンピュータプロセッサは、前記第2のセンサセットから、前記キャリアの第2の位置・動き及び向きに関する第2の状態情報を取得し、
前記コンピュータプロセッサは、前記ホイストから、前記ホイストから前記荷物制御システムに延びる前記ロングラインに関する物理的情報を取得し、
前記コンピュータプロセッサは、前記システムモデルに、前記第1の状態情報、前記第2の状態情報、及び前記ホイストから前記荷物制御システムに延びる前記ロングラインに関する前記物理的情報を提供し、
前記コンピュータプロセッサは、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態と、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性と、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性間の応答時間と、を決定し、
前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態と、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性と、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性間の応答時間と、に基づいて、前記コンピュータプロセッサは、前記ファンアレイ及び前記ホイストを制御し、目標地点に対する前記荷物制御システムの位置・動き及び向きに影響を与えるナビゲーション命令を前記キャリアに出力する、方法。
【請求項19】
前記荷物は、前記吊り下げ荷物制御システム又は前記吊り下げ荷物制御システムに固定された荷物の少なくとも1つを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記コンピュータプロセッサはさらに、前記応答時間が閾値を超えたことを判定し、それに応答して、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の摂動、並びに前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性の摂動を最小化する前記目標地点を決定する、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の摂動、並びに前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性の摂動を最小化するために、前記コンピュータプロセッサはさらに、前記キャリアのロータ経路の指示、前記キャリアの速度の指示、又は前記キャリアの軌道中心の指示のうちの少なくとも1つのための、前記ナビゲーション命令を前記キャリアに出力する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記コンピュータプロセッサはさらに、前記ホイストから前記荷物制御システムに延びる前記ロングラインの長さを静止させるように前記ホイストを制御することによって前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の摂動、並びに前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性の摂動を最小化する、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記コンピュータプロセッサはさらに、前記荷物制御システムの危険な状態を予測し、前記危険な状態を回避するように前記目標地点を決定する、請求項18に記載方法。
【請求項24】
前記荷物制御システムの前記危険な状態は、物体との衝突又は過度の加速の少なくとも1つである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記荷物制御システムの前記危険な状態は、物体との前記衝突であり、前記コンピュータプロセッサはさらに、前記物体を回避するために、前記荷物制御システムにトルク又は水平方向の力を付与するように前記ファンアレイを制御する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記コンピュータプロセッサはさらに、前記トルクを付与して向きを取得し、その後、前記物体を回避するために、前記水平方向の力を付与して、前記荷物制御システムを移動させる、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記荷物制御システムの前記危険な状態は、前記過度の加速であり、前記コンピュータプロセッサは、前記過度の加速を低減させるように前記ホイストを制御する、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記過度の加速を低減するために、前記コンピュータプロセッサはさらに、前記ロングラインを出すように前記ホイストを制御する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記システムモデルは、前記キャリアの中心又は軌道、前記吊り下げ荷物制御システムの中心又は軌道、目的ロケーション、前記吊り下げ荷物制御システム及び前記荷物の質量、前記ロングラインの長さ、前記吊り下げ荷物制御システム及び前記荷物の慣性、前記吊り下げ荷物制御システムの移動及び回転、前記吊り下げ荷物制御システムの地上高さ、前記キャリアの移動及び回転、前記キャリアの地上高さ、前記ロングラインの空力モデル、前記ロングラインにかかる重力、風力・海の状況及び前記吊り下げ荷物制御システムと前記キャリアとの間の相対運動の外乱推定のうちの少なくとも1つを備える、請求項18に記載の方法。
【請求項30】
前記目的ロケーションは、経時的に移動する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記キャリアの軌道中心は、前記目的ロケーションよりも大きく、前記コンピュータプロセッサは、前記ファンアレイ及び前記ホイストをさらに制御し、前記キャリアの軌道中心内の前記目標地点に対する前記荷物制御システムの位置・動き及び向きに影響を及ぼすように、ナビゲーション命令を前記キャリアに出力する、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記ロングラインに関する物理的情報は、前記ホイストから前記荷物制御システムまで延びる前記ロングラインの長さ、前記ロングラインから前記ホイストにかかる張力又はトルク、又は前記ロングラインから前記ホイストにかかる質量の少なくとも1つを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項33】
前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態は、前記キャリアの位置・向き及び動き、並びに前記荷物制御システムの位置・向き及び動きを含み、
前記コンピュータプロセッサはさらに、前記第1の状態情報及び前記第2の状態情報に基づいて、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの前記状態を推定及び予測し、
前記第1の状態情報及び前記第2の状態情報に基づいて、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態を推定及び予測することは、前記第1のセンサセット及び前記第2のセンサセットからの前記第1の状態情報及び前記第2の状態情報を、機能モード又はコマンド状態、推力及び方位マッピング、又はキャリア・ファンアレイ及びホイストのマッピングのうちの少なくとも1つからのフィードバックを有するシステムモデルに従って非線形フィルタにおいて結合することを備える、請求項18に記載の方法。
【請求項34】
前記非線形フィルタは、アンセンテッドカルマンフィルタを備える、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
ロングラインによってキャリアから吊り下げられた荷物を制御するコンピュータ装置であって、荷物制御システム、キャリア、コンピュータプロセッサ及びメモリを備え、
前記荷物制御システムは、ファンアレイと、第1のセンサセットと、前記荷物制御システムを前記ロングラインの末端に固定する手段とを備え、
前記キャリアは、ホイストと、第2のセンサセットとを備え、
前記ホイストは、前記ホイストから前記荷物制御システムまで延びる前記ロングラインの長さを制御する手段を備え、
前記メモリはシステムモデルを備え、
前記システムモデルは前記荷物制御システム、前記キャリア及び前記ロングラインを表し、
前記コンピュータプロセッサは、前記第1のセンサセットから、前記荷物制御システムの第1の位置・動き及び向きに関する第1の状態情報を取得する手段を備え、
前記コンピュータプロセッサはさらに、前記第2のセンサセットから、前記キャリアの第2の位置・動き及び向きに関する第2の状態情報を取得する手段を備え、
前記コンピュータプロセッサはさらに、前記ホイストから、前記ホイストから前記荷物制御システムに延びる前記ロングラインに関する物理的情報を取得する手段を備え、
前記コンピュータプロセッサはさらに、前記システムモデルに、前記第1の状態情報、前記第2の状態情報、及び前記ホイストから前記荷物制御システムに延びる前記ロングラインに関する前記物理的情報を提供する手段を備え、
前記コンピュータプロセッサはさらに、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態と、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性と、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性間の応答時間と、を決定する手段を備え、
前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態と、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性と、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性間の応答時間に基づいて、前記コンピュータプロセッサはさらに、前記ファンアレイ及び前記ホイストを制御し、前記キャリアに前記荷物制御システムの目標地点に対する位置・動き及び向きに影響を与えるナビゲーション命令を出力する手段を備える、コンピュータ装置。
【請求項36】
前記荷物は、前記吊り下げ荷物制御システム又は前記吊り下げ荷物制御システムに固定された荷物の少なくとも1つを含む、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記コンピュータプロセッサは、前記応答時間が閾値を超えたことを判定する手段と、それに応答して、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の摂動、並びに前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性の摂動を最小化する前記目標地点を決定する手段をさらに備える、請求項35に記載の装置。
【請求項38】
前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の摂動、並びに前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性の摂動を最小化するために、前記コンピュータプロセッサはさらに、前記キャリアのロータ経路を指示する、前記キャリアの速度を指示する、又は前記キャリアの軌道中心を指示する、のうちの少なくとも1つのナビゲーション命令を前記キャリアに出力する手段を備える、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記コンピュータプロセッサはさらに、前記ホイストから前記荷物制御システムに延びる前記ロングラインの長さを静止させるように前記ホイストを制御することにより、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の摂動、並びに前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性の摂動を最小化する手段を備える、請求項37に記載の装置。
【請求項40】
前記コンピュータプロセッサはさらに、前記荷物制御システムの危険な状態を予測する手段と、前記危険な状態を回避するように前記目標地点を決定する手段とを備える、請求項35に記載の装置。
【請求項41】
前記荷物制御システムの前記危険な状態は、物体との衝突又は過度の加速の少なくとも1つである、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記荷物制御システムの前記危険な状態は物体との前記衝突であり、前記コンピュータプロセッサはさらに、前記物体を回避するために、前記荷物制御システムにトルク又は水平方向の力を付与するように前記ファンアレイを制御する手段を備える、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記コンピュータプロセッサはさらに、前記トルクを付与して向きを取得し、その後、前記物体を回避するために、前記水平方向の力を付与して、前記荷物制御システムを移動させる手段を備える、請求項42に記載の装置。
【請求項44】
前記荷物制御システムの危険な状態は、前記過度の加速であり、前記コンピュータプロセッサはさらに、前記過度の加速を低減するように前記ホイストを制御する手段を備える、請求項41に記載の装置。
【請求項45】
前記過度の加速を低減するために、前記コンピュータプロセッサはさらに、前記ロングラインを繰り出すように前記ホイストを制御する手段を備える、請求項44に記載の装置。
【請求項46】
前記システムモデルは、前記キャリアの中心又は軌道、前記吊り下げ荷物制御システムの中心又は軌道、目的ロケーション、前記吊り下げ荷物制御システム及び前記荷物の質量、前記ロングラインの長さ、前記吊り下げ荷物制御システム及び前記荷物の慣性、前記吊り下げ荷物制御システムの移動及び回転、前記吊り下げ荷物制御システムの地上高さ、前記キャリアの移動及び回転、前記キャリアの地上高さ、前記ロングラインの空力モデル、前記ロングラインにかかる重力、並びに風力・海の状況及び前記吊り下げ荷物制御システムと前記キャリアとの間の相対運動の外乱推定のうちの少なくとも1つを備える、請求項35に記載の装置。
【請求項47】
前記目的ロケーションは、経時的に移動する、請求項46に記載の装置。
【請求項48】
前記キャリアの軌道中心は、前記目的ロケーションよりも大きく、前記コンピュータプロセッサはさらに、前記ファンアレイ及び前記ホイストを制御する手段と、前記キャリアの軌道中心内の前記目標地点に対する前記荷物制御システムの位置・動き及び向きに影響を与えるためのナビゲーション命令を、前記キャリアに出力する手段とを備える、請求項46に記載の装置。
【請求項49】
前記ロングラインに関する物理的情報は、前記ホイストから前記荷物制御システムまで延びる前記ロングラインの長さ、前記ロングラインから前記ホイストにかかる張力又はトルク、又は前記ロングラインから前記ホイストにかかる質量の少なくとも1つを含む、請求項35に記載の装置。
【請求項50】
前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態は、前記キャリアの位置・向き及び動きと、前記荷物制御システムの位置・向き及び動きと、を含み、
前記コンピュータプロセッサはさらに、前記第1の状態情報及び前記第2の状態情報に基づいて、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態を推定及び予測する手段を備え、
前記第1の状態情報及び前記第2の状態情報に基づいて、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態を推定及び予測する手段は、前記第1のセンサセット及び前記第2のセンサセットからの前記第1の状態情報及び前記第2の状態情報を、機能モード又はコマンド状態、推力及び方位マッピング、又はキャリア・ファンアレイ及びホイストのマッピングのうちの少なくとも1つからのフィードバックを有するシステムモデルに従って非線形フィルタにおいて結合する手段を備える、請求項35に記載の装置。
【請求項51】
前記非線形フィルタは、アンセンテッドカルマンフィルタを備える、請求項50に記載の装置。
【請求項52】
コンピュータ装置のコンピュータプロセッサによる命令の実行に応答して、ロングラインによってキャリアから吊り下げられた荷物をコンピュータ装置に制御させる命令を含む、1つ以上のコンピュータ読み取り可能媒体であって、
荷物制御システムであって、ファンアレイ及び第1のセンサセットを備え、前記ロングラインの末端に固定されている、前記荷物制御システムを伴い、
前記キャリアであって、ホイスト及び第2のセンサセットを備え、前記ホイストは前記ホイストから前記荷物制御システムまで延びる前記ロングラインの長さを制御する、前記キャリアを伴い、
前記命令は、システムモデルを備え、
前記システムモデルは前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインを表し、
前記命令は、前記コンピュータデバイスに、前記第1のセンサセットから、前記荷物制御システムの第1の位置・動き及び向きに関する第1の状態情報を取得させ、前記第2のセンサセットら、前記キャリアの第2の位置・動き及び向きに関する第2の状態情報を取得させ、前記ホイストから、前記ホイストから前記荷物制御システムに延びる前記ロングラインに関する物理的情報を取得させ、
前記システムモデルに、前記第1の状態情報、前記第2の状態情報、及び前記ホイストから前記荷物制御システムに延びる前記ロングラインに関する前記物理的情報を提供し、
それに基づいて、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態と、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性と、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性間の応答時間とを決定し、
前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態と、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性と、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性間の応答時間と、に基づいて、前記ファンアレイ及び前記ホイストを制御し、前記キャリアに、目標地点に対する前記荷物制御システムの位置・動き及び向きに影響を与えるナビゲーション命令を出力する、1つ以上のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項53】
前記荷物は、前記吊り下げ荷物制御システム又は前記吊り下げ荷物制御システムに固定された荷物の少なくとも1つを含む、請求項52に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項54】
前記命令はさらに、前記コンピュータ装置に、前記応答時間が閾値を超えたことを判定させ、それに応答して、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の摂動、並びに前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性の摂動を最小化する前記目標地点を決定させる、請求項52に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項55】
前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の摂動、並びに前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性の摂動を最小化するために、前記命令はさらに、前記コンピュータ装置に、前記キャリアのロータ経路を指示すること、前記キャリアの速度を指示すること、又は前記キャリアの軌道中心を指示することのうちの少なくとも1つのナビゲーション命令を前記キャリアに出力させる、請求項54に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項56】
前記命令はさらに、前記ホイストから前記荷物制御システムに延びる前記ロングラインの長さを静止させるように前記ホイストを制御することによって、前記コンピュータ装置に、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の摂動、並びに前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性の摂動を最小化させる、請求項54に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項57】
前記命令はさらに、前記コンピュータ装置に、前記荷物制御システムの危険な状態を予測させ、前記危険な状態を回避するように目標地点を決定させる、請求項52に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項58】
前記荷物制御システムの前記危険な状態は、物体との衝突又は過度の加速の少なくとも1つである、請求項57に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項59】
前記荷物制御システムの前記危険な状態は、物体との前記衝突であり、前記命令はさらに、前記コンピュータデバイスに、前記物体を回避するために、前記荷物制御システムにトルク又は水平方向の力を付与するように、前記ファンアレイを制御させる、請求項58に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項60】
前記命令はさらに、前記コンピュータデバイスに、前記トルクを付与させて向きを取得し、その後、前記物体を回避するために、前記水平方向の力を付与して、前記荷物制御システムを移動させる、請求項59に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項61】
前記荷物制御システムの前記危険な状態は、前記過度の加速であり、前記命令はさらに、前記過度の加速を低減させるように前記ホイストを制御する、請求項58に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項62】
前記過度の加速を低減するために、前記命令はさらに、前記ロングラインを出すように前記ホイストを制御する、請求項61に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項63】
前記システムモデルは、前記キャリアの中心又は軌道、前記吊り下げ荷物制御システムの中心又は軌道、目的ロケーション、前記吊り下げ荷物制御システム及び前記荷物の質量、前記ロングラインの長さ、前記吊り下げ荷物制御システム及び前記荷物の慣性、前記吊り下げ荷物制御システムの移動及び回転、前記吊り下げ荷物制御システムの地上高さ、前記キャリアの移動及び回転、前記キャリアの地上高さ、前記ロングラインの空力モデル、前記ロングラインにかかる重力、並びに風力・海の状況及び前記吊り下げ荷物制御システムと前記キャリアとの間の相対運動の外乱推定のうちの少なくとも1つを含む、請求項52に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項64】
前記目的ロケーションは、経時的に移動する、請求項63に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項65】
前記キャリアの軌道中心は、前記目的ロケーションよりも大きく、前記命令はさらに、前記コンピュータ装置に、前記ファンアレイ及び前記ホイストを制御させ、前記キャリアの軌道中心内の前記目標地点に対する前記荷物制御システムの位置・動き及び向きに影響を与えるナビゲーション命令を前記キャリアに出力させる、請求項63に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項66】
前記ロングラインに関する物理的情報は、前記ホイストから前記荷物制御システムまで延びる前記ロングラインの長さ、前記ロングラインから前記ホイストにかかる張力又はトルク、又は前記ロングラインから前記ホイストにかかる質量の少なくとも1つを含む、請求項52に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項67】
前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態は、前記キャリアの位置・向き及び動きと、前記荷物制御システムの位置・向き及び動きとを含み、
前記命令はさらに、前記コンピュータ装置に、前記第1の状態情報及び前記第2の状態情報に基づいて、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態を推定及び予測させ、
ここにおいて、前記第1の状態情報及び前記第2の状態情報に基づいて、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態を推定及び予測することは、前記第1のセンサセット及び前記第2のセンサセットからの前記第1の状態情報及び前記第2の状態情報を、機能モード又はコマンド状態、推力及び方位マッピング、又はキャリア・ファンアレイ及びホイストのマッピングのうちの少なくとも1つからのフィードバックを有するシステムモデルに従って、非線形フィルタにおいて結合することを含む、請求項52に記載の荷物制御システム。
【請求項68】
前記非線形フィルタは、アンセンテッドカルマンフィルタを備える、請求項67に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項69】
ロングラインによってキャリアから吊り下げられた荷物を制御する装置であって、前記装置は、
荷物制御システムであって、ファンアレイ及び第1のセンサセットを備え、前記第1のセンサセットは、前記荷物制御システムの第1の位置、第1の動き、及び第1の向きに関する第1の状態情報を取得するように構成されたものである荷物制御システムと、
ホイスト及び前記キャリアに固定された第2のセンサセットであって、前記ホイストは、前記ホイストから前記荷物制御システムまで延びる前記ロングラインの長さを制御し、前記ホイストから前記荷物制御システムまで延びるロングラインに関する物理的情報を取得するものであり、前記第2のセンサセットは、前記キャリアの第2の位置・動き及び向きに関する第2の状態情報を取得するものである、ホイスト及び第2のセンサセットと、
コンピュータプロセッサ及びメモリであって、
前記メモリは、データ融合モジュール及び操作モジュールを備え、前記データ融合モジュールは、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインを表すシステムモデルを含み、
前記コンピュータプロセッサは、前記データ融合モジュールを実行して、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性を決定し、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性間の応答時間を決定し、前記操作モジュールを実行し、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の特性間の応答時間に少なくとも部分的に基づいて、前記ファンアレイ及び前記ホイストを制御し、前記キャリアに、目標地点に対する前記荷物制御システムの第1の位置、第1の動き、及び第1の向きのうちの1つ以上に影響を与えるナビゲーション命令を出力する、コンピュータプロセッサ及びメモリと、を備える装置。
【請求項70】
前記応答時間が閾値を超える場合、前記操作モジュールは、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の摂動を最小化するためのアクションを決定する、請求項69に記載の装置。
【請求項71】
前記操作モジュールはさらに、前記ホイストから前記荷物制御システムに延びる前記ロングラインの長さを静止させるように前記ホイストを制御する命令を用いて、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の摂動を最小化する、請求項70に記載の装置。
【請求項72】
前記データ融合モジュールは、前記荷物制御システムの危険な状態を予測し、前記危険な状態を回避する、請求項69に記載の装置。
【請求項73】
前記荷物制御システムの前記危険な状態は、物体との衝突又は過度の加速の少なくとも1つを含む、請求項72に記載の装置。
【請求項74】
前記荷物制御システムの前記危険な状態は、物体との衝突であり、前記操作モジュールは、前記物体を回避するために、前記荷物制御システムにトルク又は水平方向の力を付与するように、前記ファンアレイを制御する、請求項72に記載の装置。
【請求項75】
前記荷物制御システムの前記危険な状態は過度の加速であり、前記操作モジュールは、前記過度の加速を最小化するように前記ホイストを制御する、請求項72に記載の装置。
【請求項76】
ロングラインによってキャリアから吊り下げられた荷物を制御する方法であって、
第1のセンサセットから、荷物制御システムの第1の位置、第1の動き、及び第1の向きに関する第1の状態情報を取得するステップであって、前記荷物制御システムは、第1のセンサセットとファンアレイとを備え、前記ロングラインによって前記キャリアから吊り下げられているステップと、
前記キャリアのホイストから前記荷物制御システムまで延びる前記ロングラインに関する物理的情報を取得するステップと、
第2のセンサセットから、前記キャリアの第2の位置・動き及び向きに関する第2の状態情報を取得するステップと、
前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインを表すシステムモデルを用いて、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性を決定するステップと、
前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性間の応答時間を決定するステップと、
前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性間の応答時間に少なくとも部分的に基づいて、前記ファンアレイ及び前記ホイストを制御するステップと、
目標地点に対する前記荷物制御システムの第1の位置、第1の動き、及び第1の向きのうちの1つ以上に影響を及ぼすように、前記キャリアにナビゲーション命令を出力するステップと、を含む、方法。
【請求項77】
前記応答時間が閾値を超えたことを判定するステップと、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の摂動を最小化するためのアクションを決定するステップと、をさらに含む、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記ホイストから前記荷物制御システムに延びる前記ロングラインの長さを静止させるように、命令を前記ホイストに発行する、又は前記ホイストを制御するステップをさらに含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記荷物制御システムの危険な状態を予測し、前記危険な状態を回避するステップをさらに含む、請求項79に記載の方法。
【請求項80】
前記荷物制御システムの前記危険な状態は、物体との衝突又は過度の加速の少なくとも1つを含む、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記荷物制御システムの前記危険な状態は、物体との衝突であり、前記物体を回避するために、前記荷物制御システムにトルク又は水平方向の力を付与するように前記ファンアレイを制御するステップをさらに含む、請求項79に記載の方法。
【請求項82】
前記荷物制御システムの前記危険な状態は、過度の加速であり、前記過度の加速を最小化するように前記ホイストを制御するステップをさらに含む、請求項79に記載の方法。
【請求項83】
1つ以上のコンピュータ読み取り可能媒体であって、
コンピュータデバイスのプロセッサによる命令の実行に応答して、ロングラインによってキャリアから吊り下げられた荷物をコンピュータデバイスに制御させる命令を含み、
前記命令はさらに、前記コンピュータデバイスに、第1のセンサセットから、コンピュータ装置の第1の位置、第1の動き、及び第1の向きに関する第1の状態情報を取得させ、
ここにおいて、前記コンピュータ装置は、前記第1のセンサセットとファンアレイとを備え、前記ロングラインによって前記キャリアから吊り下げられており、
前記キャリアのホイストから前記コンピュータ装置まで延びる前記ロングラインに関する物理的情報を取得させ、
第2のセンサセットから、キャリアの第2の位置・動き及び向きに関する第2の状態情報を取得させ、
前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性を決定させ、
前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性間の応答時間を決定させ、
前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の経時的な特性間の前記応答時間に少なくとも部分的に基づいて、前記ファンアレイ及び前記ホイストを制御し、目標地点に対する前記コンピュータ装置の第1の位置、第1の動き、及び第1の向きのうちの1つ以上に影響を与えるためのナビゲーション命令を前記キャリアに出力させる、コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項84】
前記命令はさらに、前記コンピュータ装置に、前記応答時間が閾値を超えたことを判定させ、前記荷物制御システム・前記キャリア及び前記ロングラインの状態の摂動を最小化するためのアクションを決定させる、請求項83に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項85】
前記命令はさらに、前記コンピュータ装置に、前記ホイストから前記荷物制御システムに延びる前記ロングラインの長さを静止させるように、命令を前記ホイストに発行させ、又は前記ホイストを制御させる、請求項84に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項86】
前記命令はさらに、前記コンピュータ装置に、前記荷物制御システムの危険な状態と、前記危険な状態を回避する手段とを予測させる、請求項84に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項87】
前記荷物制御システムの前記危険な状態は物体との衝突であり、前記命令はさらに、前記物体を回避するために、トルク又は水平方向の力を付与させるように、前記コンピュータ装置に前記ファンアレイを制御させる、請求項86に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項88】
前記荷物制御システムの前記危険な状態は過度の加速であり、前記命令はさらに、前記過度の加速を最小にするように、前記コンピュータ装置に前記ホイストを制御させる、請求項86に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願についてのクロス・リファレンス
本出願は、2021年5月25日に出願された米国特許出願番号17/330,266の継続出願であり、この参照により組み込まれる。
【0002】
この開示は、改善されたシステム及び方法に向けられたものであり、キャリア、例えば固定翼航空機が備えるロングラインの末端の荷物の改良された制御を伴うロングラインロータ操作を実行する装置、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
1950年代において、エクアドルで布教をする間、ロレンス・ブラッドフォード・セイントは、ロングラインロータ操作を独自に考え、テストし、使用した。ロングラインロータ操作において、固定翼航空機は、目的ロケーションを軌道周回又は周回する。ロケーションを軌道周回することは、マークを航空機のフロントガラスに配置すること、及び、マークが目的ロケーション上にとどまるように円形に航空機を飛ばすことによって達成された。1000~2000フィート以上のオーダーにおいて、航空機はロングラインを出す。ロングライン上の重力は、下方へそれを引き、ロングラインが目的ロケーションの方へ進む場合、ロングライン上の空力は減少する。従って、ロングライン上の重力及び空力は、それに三次元のロングラインの螺線を形成させる。ロングラインが十分に長い場合、ロングライン螺線の一番下又は中心は、目的ロケーション又はその上方であって、そのほぼ中央に置かれる。航空機は下降又は上昇し、目的ロケーションに対してロングラインの末端を下降ないし上昇することができる。ロングラインのコイルの数は、航空機の速度、バンク角度又は航空機のターン半径、ロングラインの長さ、ロングラインの重さ、ロングラインの荷物の重さ、及びロングラインと荷物とにかかる空力、例えばロングラインの長さにわたるロングラインの対気速度、気圧、ロングラインの外形などに依存することがある。ロングラインテクニックは、目的ロケーションで器材(「荷物」)を持ち上げ又は降ろすために、用いられている。
【0004】
しかしながら、ロングラインロータ操作は、その普及を妨げた重大な問題を、欠点として持つ。例えば、航空機の飛行経路及び速度の変化と、荷物による反応の間に、応答時間のばらつきがあり、このばらつきは、米国空軍によって30秒から数分まで変化することが報告されている。加えて、荷物は、「ヨーヨー」又はボビング効果を受けることがあり、この場合、荷物の高度が急激に変化し、荷物が地面又は他の物体に衝突することがある。加えて、また、航空機が目標地点を周回してから直進コースに移行する際に、高い加速(「鞭打ち」効果)を受けたり、及び/又は航空機が望ましい軌道をたどることができなくなったりする。加えて、目的ロケーションに対する荷物の正確な位置決めの達成が困難である場合がある。加えて、ロングライン上及び荷物上の空力は、風のような、変化が起きやすい大気の条件を含み、一定であっても、航空機が目的ロケーションを周回する際に、航空機の回転中心に対するロングラインの回転中心が変化する可能性がある。このような問題は、ロングラインロータ操作の普及を妨げている。
【0005】
本明細書において、「キャリア」は、固定翼航空機、ヘリコプター、又はロケーションの上空及び周囲を周回又は「ロータリング」することが可能な他の空中システムを指す場合があり、そのロケーションは大気圏内にある。
【0006】
キャリアのオペレータは、例えば、荷物の制御を提供する器材を使用することがあり、これには、スラスト流体を推進しスラストを発生させる動力付きファンを使用して、キャリアから離れた場所、例えば荷物のある場所又はその近くにおいて、荷物の制御を提供する機器が含まれる。この種の器材は、本明細書において、吊り下げ荷物制御システム(「SLCS」)と称される。SLCSは、荷物の偏揺れを制御し、限定された範囲で荷物を水平移動させることができることが知られているが、SLCS自体は、ヘリコプターやクレーンのようなキャリアの下方でさえ、ましてや、ロングラインロータ操作を行う固定翼航空機のようなキャリアの下方でさえ、実用的に実施することは困難であった。加えて、ロングラインロータ操作では、SLCSは、荷物に質量を加え、推力も制限され、追加的なコストと複雑性をもたらし、配置時間も制限される。SLCSの実際の設計、製造、及び使用から得られる情報は不十分かもしれないが、SLCSをロングラインロータ操作に使用することは、そのような関心にもかかわらず、成功裏に実証されていない。
【0007】
本明細書において、「ロングライン」及び「吊り下げケーブル」は、同義語である。
【0008】
本願明細書において述べられるように、キャリアによって吊り下げられた荷物を輸送するときに、キャリア及び吊り下げられた荷物の観察された動きは、以下の構成を含む。Y軸に沿った垂直移動(上下動)、(本明細書において、「垂直移動」と称される)、X軸及びZ軸の一方又は両方に沿った水平移動、及びY軸についての回転又は「偏揺れ」。垂直移動は、それが周期的に発生する場合、本明細書において「ボビング」と呼ばれ得る。キャリア及び吊り下げられた荷物のロール(X軸についての回転)及びのピッチ(Z軸についての回転)は起こり得るが、荷物がケーブルで吊り下げられており浮力がない場合、荷物の典型的動きは垂直移動、水平移動及び偏揺れである。ロングラインの動き、ロングラインの弾性係数、ロングラインによって荷物に伝達されるキャリアの動き、ロングラインを制御するウィンチ又はホイストの巻き上げ又は巻き下げ、荷物による推力出力、荷物とキャリア間の速度と運動量の差、風、衝撃、外力、及びこれらの間の線形及び非線形の相互作用によって、荷物の垂直及び水平移動が引き起こされる可能性がある。荷物の水平移動は、横方向運動として、又は荷物がキャリアに固定されている位置を中心とする荷物の円錐状の振れ運動(「振り子運動」)として現れることがある。振れ運動は一般に、垂直移動の成分も含み、楕円運動とも呼ばれることがある。キャリア及び吊り下げられた荷物はまた、円の中心の周りを一周する円弧を含む円弧内を移動することができ、これは「周回」とも呼ばれることがあり、水平移動の一形態としても理解されることがある。吊り下げられた荷物による周回は、吊り下げられた荷物による振り子運動と区別するのが難しい場合がある。この2つは、運動がキャリアと荷物の間の固定位置の周囲にあるか、又は固定位置にある場合、運動は振り子運動である可能性が高く、又は運動がキャリアと荷物の間の固定位置の周囲にない場合、運動は周回運動である可能性が高いと区別される。
【0009】
ロングラインロータ操作において、キャリアと吊り下げられた荷物との間及びキャリアに作用する多くの力の間の線形及び非線形相互作用は、偏揺れ、ボビング、高い加速力、及び荷物の微細な位置決めと高度制御の不正確さのような、荷物とキャリアのいずれか一方又は両方の、多くの、望ましくない、予測不可能な、制御が困難な動きを引き起こすことが知られている。これらの望ましくない結果は、遅延、機器や物体の損傷、ミッションの失敗を引き起こす可能性があり、航空機乗務員、ロングラインに接続された人、地上の人々の負傷や死亡につながる可能性があり、ロングラインロータ操作の普及を妨げる。
【0010】
さらに、ロングラインロータ操作の中には、建物、橋、地表、崖壁、岩、木、電線、張り出し、又はキャリア、荷物、及び/又はロングラインの1つ以上を妨害する可能性のある他の障害物などの障害物を伴うものもある。
【0011】
SLCS、ホイスト、及びキャリアが、ロングラインロータ操作における荷物の制御を高め、ロングライン操作における荷物の制御が安全パラメータ内で維持できない状況を予測し、識別し及び/又は対応することを可能にする方法、システム、及び装置により、ロングラインロータ操作におけるSLCS、キャリア、荷物、及び他のコンポーネントの使用が改善され、容易になり、危険性が減少し、及び/又は可能性を高くする可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施形態に従った、キャリア、ロングライン、吊り下げ荷物制御システム(「SLCS」)、及びロングライン操作を行う荷物の選択的斜視透視図を示す。
図2図2は、実施形態に従った、ロングライン操作を実行するのに適したキャリア、ホイスト、及びキャリア内のセンサセットの斜視詳細図を示す。
図3図3は、実施形態に従った、ロングライン操作においてロングラインに固定されたSLCSと荷物の斜視詳細図を示す。
図4図4は、実施形態に従った、キャリア、ロングライン、キャリアの経路、軌道中心、及び、荷物とSLCSの位置の第1の斜視透視図を示す。
図5図5は、実施形態に従った、図4のキャリア、ロングライン、キャリアの経路、及び、荷物とSLCSの位置の上面投影図を示す。
図6図6は、実施形態に従った、キャリア、ロングライン、キャリアの経路、及び、荷物とSLCSの位置の第2の斜視透視図を示す。
図7図7は、実施形態に従った、図6のキャリア、ロングライン、キャリアの経路、及び、荷物及びSLCSの位置の上面投影図を示す。
図8図8は、実施形態に従った、リモートインターフェース論理コンポーネント及びホイスト論理コンポーネントを含む、ロングラインロータ制御システムの操作コンポーネントを概略的に示す。
図9図9は、実施形態に従った、複数のモード又はコマンド状態を含むロングラインロータシステムの操作モジュールを示す。
図10図10は、実施形態に従った、ロングラインロータ制御システムのロングラインロータのデータ融合及び制御モジュールを示す。
図11図11は、実施形態に従った、ロングラインロータ操作モジュール用ホイストを示す。
図12A図12Aは、実施形態に従った、ロングラインロータシステム用のリモートインターフェースの第1の斜視投影図を示す。
図12B図12Bは、実施形態に従った、ロングラインロータシステム用のリモートインターフェースの第2の斜視投影図を示す。
図13A図13Aは、実施形態に従った、SLCSのリモートインターフェースを示す背面投影図を示す。
図13B図13Bは、実施形態に従った、図13BのSLCSのリモートインターフェースの斜視投影図を示す。
図13C図13Cは、実施形態に従った、図13BのSLCSのリモートインターフェースの正面投影図を示す。
図14図14は、実施形態に従った、キャリア、ロングライン、キャリアの経路、及び、荷物とSLCSの位置の第3の斜視透視図を示す。
図15図15は、実施形態に従った、図14のキャリア、ロングライン、キャリアの経路、及び、荷物とSLCSの位置の上面投影図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
概要において、本明細書に開示されるロングラインロータ制御システムは、キャリア、キャリアホイスト、ロングライン又は吊り下げケーブル(「ロングライン」又は「吊り下げケーブル」は、互換的に使用され得る)、吊り下げ荷物制御システム(「SLCS」)、及び本明細書でさらに議論される操作コンポーネントなどの物理的コンポーネントを備える。概要において、ロングラインロータ制御システムは、ロングラインロータ操作モジュール(「操作モジュール」とも呼ばれる)、ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール、及びロングラインロータ操作モジュール用ホイストなどの論理コンポーネントをさらに備える。
【0014】
概要において、ロングラインロータ制御システムの物理及び論理コンポーネントは、固定翼航空機のような輸送機の下で実施されるロングラインロータ操作の制御に対処する。概要において、ロングラインロータ操作の制御は、システムモデルに従ってなど、ロングラインロータ制御システムのコンポーネントの推定状態及び予測状態に識別、予測、及び反応することを含む。システムモデルは、例えば、キャリアの中心又は軌道、吊り下げ荷物制御システムの中心又は軌道、目的ロケーション、吊り下げ荷物制御システム及び荷物の質量、ロングラインの長さ、吊り下げ荷物制御システム及び荷物の慣性、吊り下げ荷物制御システムの移動及び回転、吊り下げ荷物制御システムの地上高さ、キャリアの移動及び回転、キャリアの地上高さ、ロングラインの空力モデル、ロングラインにかかる重力、並びに風力・海の状況及び吊り下げ荷物制御システムとキャリアとの間の相対運動の外乱推定を含み、ここにおいてキャリアの移動及び回転は、バンク角、速度、又は軌道中心の少なくとも1つを含む。
【0015】
システムモデルで処理される情報の一部は「状態情報」として記述され、一部は「パラメータ情報」又は「パラメータ」として記述される場合がある。例えば、パラメータは、ロングラインの長さ、キャリアの推力及び飛行制御設定、SLCSのEDFの推力出力など、ロングラインロータシステムによって能動的に変化させることができる要素を含み得る。例えば、「状態情報」は、例えば、SLCS及び荷物の質量、SLCS及び荷物の慣性モーメント、SLCS及び荷物の位置及び動き、キャリアの位置及び動き、並びに風力・海の状況等の外乱のように、ロングラインロータシステムによって能動的に変化しない要素、及びパラメータの変化に応答する要素を含み得る。重要なことは、パラメータ情報、状態情報、及び外乱力は、固定値としてロングラインロータシステムに「ハードワイヤード」されるのではなく、その論理コンポーネントによって動的に決定されることである。
【0016】
概要において、ロングラインロータ制御システムのコンポーネントの推定状態及び予測状態に反応することは、SLCSが運動中であるか、又はSLCSを目標から遠ざける傾向のある力を受けているにもかかわらず、SLCSのスラスタ(1つ以上のファンアレイとも呼ばれる)を制御すること、キャリアのホイストを制御すること、又はSLCSを目標に向かって、又は目標に対して駆動するためにキャリアに飛行制御命令を制御又は発行することを含み得る。本明細書で議論するように、SLCSの動きは、振り子運動、偏揺れ(SLCSの中心軸を中心とする回転)、又は水平又は垂直移動を含み得る。本明細書で議論するように、SLCS及び荷物は、荷物、ロングライン、及びキャリア間の線形及び非線形相互作用、又は風を含む外部摂動力を受けることがある。キャリアのホイストを制御し、及び/又はキャリアを制御し、又はキャリアに飛行制御指示を出すことに加えて、例えば、SLCSのスラスタ、ファン、又はプロペラ(例えば、高出力の電動ダクテッドファン)から動的に力を及ぼすことによって、SLCSは、SLCS自身及び荷物を制御することができる。スラスタ、ファン、プロペラ、電気ダクテッドファン(「EDF」)は、本書では「スラスタ」又は「EDF」と称することがある。ジェット、圧縮空気、過酸化水素スラスタ、ロケットなど、他の推力源を使用することもできる。
【0017】
概要において、ロングラインロータ制御システムのコンポーネントの推定状態及び予測状態を識別し、予測し、それらに反応することは、キャリアの、ホイストの、及びSLCSの状態条件間の応答時間と同様に、時間経過に伴う状態条件の特性を決定することを含む。概要において、キャリアの、ホイストの、及びSLCSの状態条件間の応答時間の推定又は予測は、キャリアの、ホイストの、及びSLCSの状態条件間の推定又は予測された応答時間が、安全マージンなどのマージン内にないことを決定することを含み得る。応答時間が安全マージンを超えて移動する場合、ロングラインロータ制御システムのコンポーネントは、ボビング又は「ヨーヨー」効果のような危険をはらんだ又は安全でない状態にあるか、又は危険にさらされる可能性があり、この場合、ロングラインの末端にあるSLCS及び荷物は、危険な、及び/又は制御されない方法で周期的に高度を変化させる可能性がある。概要において、ロングラインロータ制御システムのコンポーネントの推定及び予測状態に対する識別、予測、及び反応は、危険な状態の発生を決定すること、又は危険な状態を予測することを含む。概要において、危険な状態は、地面又は他の物体との衝突、及び/又は過度の加速を含み得る。過度の加速は、ボビング又は「鞭打ち」効果、例えば、キャリアが目的ロケーションの周回から目的地に向かっての移動に切り替わる際に発生し得る鞭打ち効果により発生する可能性がある。
【0018】
概要において、ロングラインロータ制御システムは、例えば、応答時間を増加させないように、又は危険を回避するように、キャリアのホイストを制御し、SLCSのスラスタを制御し、及び/又はキャリアに飛行制御指示を制御又は発行することによって、マージン内にない推定又は予測された応答時間、及び/又は危険な状態に応答することができる。概要において、応答時間を増加させないことは、例えば、ホイストから送り出されるロングラインの長さを安定させるか短くするなどして、キャリアとSLCSとの間の距離を保持するか短くすることを含み得る。概要において、応答時間を増加させないことは、キャリアの高度を保持又は増加させることを含み得る。概要において、応答時間を増加させないことは、キャリアの速度を増加させることを含み得る。概要において、危険な状態を回避することは、SLCSのスラスタを制御して、危険を回避するように操作すること、及び/又は、ホイストを制御して、ロングラインの長さを減少させ、又は、ロングラインの長さを増加させて、高い加速を低減させること、及び/又は、キャリアの軌道中心、キャリアのバンク角、高度、又は速度を変更するように、キャリアの飛行制御指示を制御又は発行することを含み得る。
【0019】
概要において、ロングラインロータシステム内のSLCS、キャリア、及びキャリアのホイストは、センサセットを含み得る。センサセットはデータを取得することができ、データはシステムモデルに従ってロングラインロータシステムの論理コンポーネントによって処理され得る。キャリアにおいて及びSLCSにおいて、センサセットは、例えば、位置センサ、方位センサ、慣性センサ、近接センサ、基準位置センサ、サスペンションケーブルセンサ、及び推力センサを含み得る。このようなセンサは、カメラ、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、傾斜計、方向エンコーダ、無線周波数相対ベアリングシステム、重力センサ、マイクロエレクトロメカニカルシステム(「MEMS」)センサ、グローバルポジショニングシステム(「GPS」)センサ、ライダー/レーダセンサ、マシンビジョンセンサ、距離計、超音波近接センサ、ホイストセンサなどを含み得る。
【0020】
概要において、センサセットからのセンサ情報は、本明細書で議論するように、ロングラインロータ操作システムのコンポーネントの推定状態及び予測状態を識別し、予測し、反応するために、システムモデルに従って、ロングラインロータ制御システムの論理コンポーネントによって処理され得る。
【0021】
概要において、ロングラインロータ制御システムの物理及び論理コンポーネントは、それによって、ロングラインの末端を目標に向かって、又は目標又はキャリアに対して相対的に駆動するために、ロングラインロータ制御システムのコンポーネントの推定状態及び予測状態を識別し、予測し、それに反応することによって、キャリア、ホイスト、及びSLCSの状態条件間の応答時間が安全マージン内にないような危険をはらんだ状態、又は物体との衝突や過度の加速のような危険な状態を構成する推定状態又は予測状態を回避するために、ロングラインロータ操作の強化された制御を提供することができる。さらに、開示されたロングラインロータ制御システムは、キャリア、キャリアのホイスト、又は別のプロセスにリモート測定のデータ又は情報を提供することができる。
【0022】
本明細書で議論するように、「荷物の制御」又は「SLCSの制御」又は「ロングラインの末端の制御」は、SLCSの制御を意味し、それによって、SLCSに固定され得る荷物の制御をも意味すると理解されるべきである。
【0023】
ロングラインロータ制御システムは、例えば、固定翼のロングラインロータの揚降操作や、給油操作のような飛行中の機体間接触操作に利点をもたらすことができる。
【0024】
次に、図面に図示された実施形態の説明を詳細に言及する。実施形態が図面及び関連する説明に関連して説明されているが、その範囲を本明細書に開示された実施形態に限定する意図はない。それどころか、その意図は、すべての代替、修正、及び等価物をカバーすることである。代替の実施形態では、本明細書に開示された実施形態に範囲を限定することなく、デバイス、又は図示されたデバイスの組み合わせを追加する、又は組み合わせることができる。例えば、以下に示す実施形態は、主に固定翼リフト操作の文脈で説明されている。しかしながら、これらの実施形態は例示であり、決して開示された技術を特定の用途又はプラットフォームに限定するものではない。
【0025】
「一実施形態において」、「様々な実施形態において」、「いくつかの実施形態において」などの表現が繰り返し使用される。このような表現は、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。用語「備える」、「有する」、及び「含む」は、文脈上別段の指示がない限り、同義である。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、内容が明確に指示しない限り、複数形の参照語を含む。また、「又は」という用語は、内容が明確に指示しない限り、一般に「及び/又は」又は「及び又は」と同義であることに留意すべきである。
【0026】
図1は、実施形態に従った、ロングライン操作を実行するキャリア105、ロングライン110、吊り下げ荷物制御システム(「SLCS」)130、及び荷物120の選択的斜視透視図である。
【0027】
キャリア105は、例えば、固定翼航空機、ヘリコプター、ドローン等であってもよい。キャリア105は、目的ロケーションの周囲又はその軌道を周回することが可能である。キャリア105は、ホイスト201、センサセット220(図2に関連してさらに議論される)、ホイスト201及び/又はSLCS130と通信し、電力を供給する、通信、電力、及び/又は制御モジュール又はシステムを含み得る。
【0028】
ロングライン110は、キャリア105のホイスト201から、重力及び空力を受けて、3次元の螺線を形成しながら延び、SLCS130及び荷物120まで下降することができる。フェアリング115は、SLCS130がキャリア105から放たれ、又はキャリア105内に戻されるとき、及びキャリア105が失速速度を超えて移動しているときなどに、SLCS130上の気流を滑らかにすることができる。フェアリング115は、空中を通過するSLCS130の通過を制御又は安定化させるための飛行制御面(図示せず)を備えていてもよい。SLCS130は、キャリア105がその失速速度を超える速度、例えば115mph(これは単なる例であり、失速速度は航空機のタイプに依存する)で空中を飛行し、非層流の気流を受ける可能性があるときに、キャリア105から放たれ、又はキャリア105に戻される。ロングライン110は、ホイスト201に巻き付けられるか、又はその内部に巻き込まれてもよい。SLCS130は、ロングライン110に固定され、キャリア105から放たれてもよい。荷物120は、SLCS130に固定され、キャリア105から放たれ、又はキャリア105に戻されてもよく、あるいは、荷物120は、ロングラインロータの操作中に、目的ロケーションでSLCS130に固定され、目的ロケーションからピックアップされてもよく、キャリア105に巻き取られ、地上の別の場所に引き渡され、又はパラシュートなどを伴って空中に放出されてもよい。
【0029】
本明細書でさらに議論される、ロングラインロータ制御システムの物理及び論理コンポーネントは、センサセット220、SLCS130のセンサセット320、及びホイストセンサ205、操作モジュール900、ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000、及びロングラインロータ用ホイスト操作モジュール1100を含む。SLCS130がキャリア105から放たれる前又は放たれた後に、そのうちの1つ以上が起動中となり、又は起動され得る。軸125及び軸126は、物理コンポーネント及び論理コンポーネントが、その向き、位置、絶対及び相対配置を含むSLCS130の状態(一般に、軸125によって示される、キャリア105の下方の距離及び地上からの距離を含む、キャリア105に対する相対的な状態)、並びにその向き、位置、絶対位置及び相対位置を含むキャリア105の状態(一般に、軸126によって示される、SLCS130から上方の距離及び地上からの距離を含む、SLCS130に対する相対的な状態)を継続的に推定及び予測していることを示す。
【0030】
SLCS130は、例えば、SLCS、センサセット、又は他の機器を備え得る。他の機器は、コンピュータプロセッサ、コンピュータメモリ、信号プロセッシング、バッテリー、論理コンポーネント、及びアクチュエータを含むエレクトリカルコンポーネントを含み得る。そのような機器の例は、本明細書において吊り下げ荷物制御論理コンポーネント801に関連して論じられる。
【0031】
SLCS130は、コンピュータプロセッサ、コンピュータメモリ、信号プロセッシング、論理コンポーネント、電源及び/又はバッテリー、電子速度コントローラ、マイクロコントローラ、センサ、アクチュエータなどを含むエレクトリカルコンポーネントを備えている。SLCS130内の電源は、リチウムポリマー(LiPo)セルなどの、単一のパワーブリック、又は、直列及び/又は並列に配線されたバッテリーセルのアレイであってもよい。バッテリーは、点検のため、及び/又は、放電したバッテリーと充電したバッテリーを交換するために、取り外し可能であってもよい。バッテリーは、ノード又はワイヤレス充電システムを介して、設置したまま(すなわち、取り外すことなく)充電することができる。バッテリーは、ファンユニットのスラスタがメインバッテリーから比較的大きな電力を消費する場合でも、プロセッサに安定した電力を供給するための1つ以上の補助バッテリーを含み得る。実施形態において、SLCS130が吊り下げられているキャリアは、ロングラインまで延びるラインを通してSLCS130に電力を供給することができる。実施形態では、SLCS130はオンボード電源から他の電力を得ることができるにもかかわらず、キャリアはSLCS130に一部の電力を供給することができる。様々な実施形態において、SLCS130は、オンボード電源とリモート電源の組み合わせによって電力を供給することができる。多くの環境において、SLCS130のためのすべての電力はSLCS130に搭載され、外部電源又は供給手段の利用可能性に依存することなく完全に自律的な動作を可能にする。
【0032】
コンピュータメモリ内又はSLCS130内の回路に具現化されたロジック内には、操作モジュール900及び/又はロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000などのモジュールがあってもよい。操作モジュール900及び/又はロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000は、本明細書で議論するように、キャリア105、ホイスト201、荷物120、又は別の物体もしくは関係者にサービスを提供し、サービスを取得することができる。
【0033】
SLCS130は、キャリア105に、ホイスト201に、荷物120に、又は別の物体もしくは関係者にサービスを提供することができる。SLCS130によって提供されるサービスには、例えば、リモート測定又は状況認識のためのデータ取得などのデータ取得、並びに、荷物120のための荷物制御サービスなどの荷物制御、通信などを含み得る。SLCS130は、キャリア105からのサービス、ホイスト201からのサービス、荷物120からのサービス、又は別の物体もしくは関係者からのサービスを必要とするか、又はその恩恵を受けることがある。SLCS130に対するサービスには、例えば、データ又は情報、通信、電力、物理的変換、及びキャリアとのドッキング及びキャリアからの展開が含まれ得る。
【0034】
荷物120は、人、機器、物体を運搬する、又は運搬するためのスリング、担架、水又は他の液体もしくは気体のための容器など、生物又は無生物の物体を含んでもよい。荷物120は、ロングライン110、又はSLCS130のケーブルもしくはフックのような固定機構に固定されてもよい。荷物120の重量又は質量は、荷物の一部がピックアップされるとき、置かれるとき、又は放たれるときなど、操作中に変化することがある。
【0035】
本明細書で議論するように、ロングラインロータ制御システムの物理コンポーネント及び論理コンポーネントは、危険をはらんだ状態を含む推定又は予測状態を回避するために、ロングラインの末端を目標に向かって、又は目標に対して、あるいはキャリアに対して駆動するように、ロングラインロータ制御システムのコンポーネントの推定状態及び予測状態を識別し、予測し、それに反応することによって、ロングラインロータ操作の強化された制御を提供することができる。本明細書で議論するように、危険をはらんだ状態を含む推定又は予測状態は、安全マージン内にないキャリア、ホイスト、及びSLCSの状態条件間の応答時間を含むことがあり、又は物体との衝突や過度の加速などの危険な状態を含むこともある。さらに、開示されたロングラインロータ制御システムは、リモートデータ又は情報を、キャリア、キャリアのホイスト、又は別のプロセス又は関係者に提供することができる。
【0036】
例えば、SLCS130がキャリア105から放たれると、操作モジュール900のような論理コンポーネントは、キャリア、ホイスト、及びSLCSの状態条件間の応答時間が安全マージン内にないと判断し、応答時間が安全マージン内に戻るまで、ホイスト201の制御を一時停止するか、ロングライン110の放出を遅らせるか、又はロングライン110を巻き取るように制御又は制御を指示することができる。
【0037】
例えば、SLCS130がキャリア105から放たれ、荷物120をピックアップ又はドロップオフするためにロングラインロータ操作が実行されると、操作モジュール900のような論理コンポーネントは、SLCS130のスラスタを作動させて、SLCS130と荷物120を目的ロケーションに向かって駆動し、SLCS130と荷物120の偏揺れ運動又は振り子運動を低減又は除去し、又はSLCS130及び/又は荷物120が障害物に衝突することの防止をアシストすることができる。
【0038】
例えば、ロングラインロータ操作が実行され、荷物120がピックアップされた後、操作モジュール900のような論理コンポーネントは、キャリア105が周回飛行から直進飛行に移行する際に、例えば鞭打ち効果を回避するなどのSLCS130及び又は荷物120の許容できない加速を回避するため、ロングライン110を繰り出すようにホイスト201を作動させることができる。
【0039】
図2は、実施形態に従った、ロングライン操作を実行するのに適した、キャリア、ホイスト201、キャリアセンサセット220、及びロングライン110を示す斜視詳細図である。
【0040】
センサセット220は、例えば、位置センサ、方位センサ、慣性センサ、近接センサ、及び基準位置センサを含み得る複数のセンサ215を備えるものとして図示されている。このようなセンサは、カメラ、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、傾斜計、方向エンコーダ、無線周波数相関ベアリングシステム、重力センサ、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)センサ、グローバルポジショニングシステム(GPS)、ライダー/レーダー、マシンビジョン、距離計、及び超音波近接センサなどを含み得る。このようなセンサが例えばライダー、レーダー、カメラなど、電磁放射を検出する場合、このようなセンサは、キャリア105の下方や後方など、SLCS130、ロングライン110、及び荷物が見つかると予想される領域を含む視野を有するように配置されてもよい。
【0041】
ホイスト201は、ホイストセンサ205とリール210とを含み得る。リール210は、リール又はウィンチ、リール又はウィンチを回転させる電気、油圧、又はその他のモータと、ウィンチの回転を停止させるブレーキと、ウィンチに巻き付けられ、又はウィンチから巻き出されるケーブルをガイドする巻き取りガイドと、ホイストセンサ205とを含み得る。ロングライン110のような吊り下げケーブルは、ウィンチの周りに巻かれていてもよい。ホイストセンサ205は、ケーブル長エンコーダ、リールトルクエンコーダなどを含み得る。ケーブル長エンコーダは、リールやケーブルガイドのローラの回転を測定する物理センサ、光学センサ、ホールセンサなどを用いて、リールから巻き出されたケーブルの長さをエンコード又は記録することができる。リールトルクエンコーダは、静的条件下(例えば、ウィンチが回転していないとき)でも動的条件下(例えば、ウィンチが回転しているとき)でも、トルクのようにリール又はウィンチにかかる力をエンコード又は記録することができる。リールトルクエンコーダは、例えば、ひずみゲージ、スケール、質量又は重量測定装置、ウィンチを回転又は保持するために印加される電気又は他の力の測定などを含み得る。リールトルクエンコーダ及び/又はロングラインロータ用ホイスト操作モジュール1100は、トルクに基づいて、及び/又は静的又は動的条件に基づいて、ロングライン110上の荷物の質量を推定又は決定することができる。
【0042】
図1に関連して説明したように、軸125及び軸126は、センサセット220、センサセット320、及び/又はホイストセンサ205がセンサデータを取得し、それを論理コンポーネントに提供していることを示し、ここにおいて論理コンポーネントは、そのような構成要素の向き、位置、絶対位置及び相対位置(一般に、互いに対する相対的な、間隔、地上からの距離、軌道中心、軌道中心に対する相対的な動きを含む)、並びにロングライン110の状態を含む、キャリア105及びSLCS130の状態を連続的に推定及び予測している。
【0043】
ホイスト201は、コンピュータプロセッサ、コンピュータメモリ、信号プロセッシング、論理コンポーネント、及びリール210及び他のアクチュエータを含むアクチュエータを含む電気コンポーネントを含みうる。このような構成要素も、本明細書では、キャリア及びホイストの論理コンポーネント880に関連して説明する。
【0044】
コンピュータメモリ内又はホイスト201内の回路に具現化されたロジック内には、ロングラインロータ用ホイスト操作モジュール1100が含まれてもよい。ロングラインロータ用ホイスト操作モジュール1100は、ホイスト201を操作し、本明細書で議論される他のモジュールと相互作用するためのロジックを含み得る。ロングラインロータ用ホイスト操作モジュール1100は、例えばケーブル長エンコーダ及び又はリールトルクエンコーダなどのホイストセンサ205からデータ又は情報を取得してもよく、このデータ又は情報を、SLCS130及び/又はキャリア105及びこれらのモジュールなどの他の構成要素に提供してもよい。ロングラインロータ用ホイスト操作モジュール1100は、例えば、操作モジュール900及び又はロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000及び/又はキャリア105から、データ、情報、又は指示(キャリア105内のクルー又は飛行又は航空機制御からのものを含む)を受信してもよい。ロングラインロータ用ホイスト操作モジュール1100は、ロングライン110の巻き取り又は巻き出し(巻き付け又は繰り出し)、及び/又はSLCS130との通信などの指示を実行することができる。図11に関連して、ロングライン用ホイスト操作モジュール1100のロジックの一例を図示し、説明する。
【0045】
ホイスト201は、ホイスト201内の構成要素を環境から隔離するために、ホイスト201の構成要素として機能するか、又はホイスト201の構成要素を含むハウジングを含んでいてもよい。ホイスト201は、キャリアに直接または間接的に結合された固定金具、ブーム、アームなどによって、キャリアの内部空間に、キャリアの外部構造に、などのいずれであっても、キャリアに固定することができる。
【0046】
図3は、実施形態に従った、ロングライン110に固定されたSLCS130と荷物120の斜視詳細図を示す。
【0047】
SLCS130は、例えば、ファンユニット325A及びファンユニット325Bを含むものとして示されている。ファンユニット325A及びファンユニット325Bは、EDFなどの1つ以上のスラスタから別個に構成されてもよい。EDFは、本明細書では「アクチュエータ」とも呼ばれ得る。
【0048】
ファンユニット325は、1つ以上のEDFを保護するカウルを含み得る。カウルは、環境との衝突に耐えるように、硬くされてもよい。カウルユニットは、金属、プラスチック、繊維強化樹脂を含む複合材料などで作られていてもよい。ファンユニットは、空気が吸い込まれる吸気口と、排気口とを含み得る。吸気口は、EDFへの物体の侵入を防ぐために、1つ以上のスクリーン又はフィルタを含んでもよい。ファンユニット内のEDFは、複数のブレードと、電気モータなどの1つ以上のモータとを含み得る。EDF内の電気モータは、ほこり、砂、水、及びごみに対して密閉されていてもよい。EDFに加えて、又はEDFの代わりに、例えば、圧縮空気、過酸化水素ジェット又はスラスタ、液体又は固体ロケットエンジン、ジェットエンジンなどの燃焼エンジンによって駆動されるファンなどの代替の推力源が使用されてもよい。
【0049】
議論の便宜上、SLCSの第1の側のファンユニットを第1ファンユニットグループと論じ、第2の側のファンユニットを第2ファンユニットグループとして論じることがある。各ファンユニットグループのファンユニットは、スラスト流体(空気など)を固定方向、例えば互いに反対の固定方向(例えば180度オフセット)に推進する。他の実施形態では、少ない数の、又は多くの数のファンユニット及び/又はEDFがSLCSで使用できる。他の実施形態では、ファンユニット及び/又はEDFは、180度オフセットされる以外に整列されてもよく、例えば、180度より大きく又は小さくオフセットされてもよく、軸の他の部分に沿ってオフセットがあってもなくてもよい。ファンユニット及び/又はEDFをファンユニット内で動的に再配置するために、機械的なステアリングコンポーネントが含まれてもよい。図3に図示されているように、ファン、スラスタ、又はEDFは、水平方向の配向ではなく、垂直方向に配向されてもよい。
【0050】
ファンユニットの個々のEDFは、ファンユニットのアセンブリの推力誘導又は推力ベクトル制御を生成するために、異なる出力で別々に作動することができる。例えば、時計回りの偏揺れ(図3においてSLCS130の上部を見下ろしたときの相対的な偏揺れ)を生じさせるために、第1ファンユニットグループのEDFを単独で、又は第2ファンユニットグループの対向するEDFと連動して作動することができる。SLCS130の水平方向移動を生じさせるため、又は振り子運動に対向する水平方向の力を生じさせるために、同じ向きの両方のファンユニットグループのEDFを作動してもよい。水平方向の力と回転力とが同時に生じることができる。SLCS130とその操作モジュール900によって、誘導された推力が発生できる。
【0051】
また、図3には、ロータリーベアリング305が図示されている。ロータリーベアリング305は、ロータリーベアリング又はロングライン110間のカップリングであってもよく、荷物、SLCS130、バンパーとフック、及び荷物120をロングライン110から分離して回転させることができる。例えば、荷物は回転を受けるか、又はSLCSにより回転されるかもしれないが、SLCSはロングライン110に回転力を伝達することなく、ロータリーベアリング305により、荷物を制御することができるかもしれない。
【0052】
SLCS130は、コンピュータプロセッサ、メモリ、メモリ内のモジュールなどの論理コンポーネントを含み得る。コンピュータメモリ内又はSLCS130内の回路に具現化されたロジック内には、操作モジュール900及び/又はロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000が存在し得る。操作モジュール900の例は、図9に関連して図示され、議論される。ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000の例は、図10に関連して図示され、議論される。本明細書で議論される実施例において、操作モジュール900は、SLCS130の状態、キャリア105の状態、及びロングライン110の状態を推定及び予測し、SLCS130のスラスタへの指示、ホイスト210への指示、及び/又はキャリア105又はそのフライトクルーへの指示など、ロングラインロータ操作の性能を改善するために、それに応答することができる。
【0053】
図4は、実施形態に従った、キャリア105、ロングライン410、軌道中心440の周りのキャリアの現在及び予測される経路435、並びにオプションの荷物を有するSLCS445の第1の斜視透視図400を示す。軌道中心440は点でなくてもよいが、例えば、キャリア105の寸法、大気条件、位置測定における不確かさ、現在及び予測される経路435に沿ったキャリア105の位置・向き及び動き等の測定における不確かさを含んでもよい。軌道中心440内で、SLCS445は、操作モジュール900及び/又はロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000と連動して、例えば、センサセット220、センサセット320、ホイストセンサ205などの、本明細書で議論される、ロングラインロータシステムの物理及び論理コンポーネントによって影響されるように、SLCS445のスラスタによって、ホイスト201によって、及び、目的ロケーションに向かうなどの、現在及び予測される経路435によって影響され得る。本明細書で議論するように、本明細書で議論されるロングラインロータシステムのそのような物理及び論理コンポーネントは、SLCS445、キャリア105、及びロングライン410の状態の特性間の応答時間に従って、ロングラインロータ操作の性能を向上させることができ、及び/又はロングラインロータ操作の性能をより安全にすることができる。
【0054】
図5は、実施形態に従った、図4のキャリア105、ロングライン410、キャリアの現在及び予測経路435、軌道中心440、SLCS445、及び軌道半径505の上面投影図500を示す。軌道半径505は、軌道半径505、並びに、キャリアとSLCSとの間の距離、ホイストから繰り出されたロングラインの長さ、及びSLCSの地上高さが、センサセット220及びセンサセット320及びホイストセンサ205を用いるなどして、キャリア105、SLCS445、及びロングラインのうちの1つ以上に関して決定され、又は取得され得ることを示す。この情報は、コイル数及び/又はロングライン410の形状を決定するためにシステムモデルで使用することができる。ロングライン410の形状は、SLCS、キャリア、及びロングラインの状態の特性間の応答時間に関連する可能性があり、これは、目標地点に対するSLCS及び荷物の相対的な位置・動き及び向きに影響を与えるために使用される可能性がある。例えば、操作モジュール900は、応答時間が安全でないと判断し、状態の摂動を最小限に抑えるための措置を講じるべきであると決定することができる。これは、例えば、ロングライン410のコイルの数が比較的多いため、応答時間が長くなり、ボビング効果又は「ヨーヨー」効果が発生する可能性があるためである。応答時間の警告及び/又は危険をはらんだ状態が存在しない限り、SLCS445は、SLCS445の位置・動き及び向きの細かい制御を達成するように、軌道中心440内で駆動される可能性がある。
【0055】
図6は、実施形態に従った、キャリア105、ロングライン610、キャリアの経路635、及びSLCS(及び任意の荷物)645の位置の第2の斜視透視図600を示す。SLCS645の位置は、キャリアの軌道635の中心(符号なし)内であってもよい。図7は、実施形態に従った、キャリア105、ロングライン610、キャリアの経路635、図6のSLCS645の位置、及びキャリア105と軌道中心又はSLCS645の位置との間の軌道半径705の上面投影図700を示す。
【0056】
本明細書で議論するように、本明細書で議論されるロングラインロータシステムの物理及び論理コンポーネントは、SLCS645、キャリア105、及びロングライン610の状態の特性間の応答時間に従って、ロングラインロータ操作の性能を改善し、及び/又はロングラインロータ操作の性能をより安全にすることができる。軌道半径705は、軌道半径705だけでなく、キャリアとSLCSとの間の距離、ホイストから繰り出されるロングラインの長さ、及びSLCSの地上高さが、センサセット220及び/又はセンサセット320及び/又はホイストセンサ205を用いるなどして、キャリア105、SLCS645、及びロングライン610のうちの1つ以上に関して決定され、又は取得され得ることを示す。この情報は、コイル数又はロングライン610の形状を決定するためにシステムモデルで使用することができる。ロングライン610の形状は、SLCS、キャリア、及びロングラインの状態の特性間の応答時間に関連することができ、目標地点に対するSLCS及び荷物の相対的な位置・動き及び向きに影響を与えるために使用することができる。例えば、操作モジュール900は、応答時間が安全であり、状態の摂動を最小化するための措置を講じる必要がないと判断することができる。これは、例えば、ロングライン610のコイルの数が比較的少ないためであり、ロングライン410と比較して、応答時間が短縮され、ボビング効果又は「ヨーヨー」効果の可能性が減少する可能性がある。応答時間の警告及び/又は危険をはらんだ状態が存在しない限り、SLCS645は、SLCS645の位置・動き及び向きの細かい制御を達成するように、軌道中心内で駆動され得る。
【0057】
図8は、吊り下げ荷物制御論理コンポーネント801、リモートインターフェース論理コンポーネント850、及びキャリア及びホイストの論理コンポーネント880を示す。
【0058】
図8の実施形態に示されるように、吊り下げ荷物制御論理コンポーネント801内には、センサセット805、SLCSプロセッサ820、SLCSメモリ825、SLCS通信システム830、SLCS出力815、及びパワーマネジメント840が含まれ得る。
【0059】
センサセット805は、位置センサ806、方位センサ807、慣性センサ808、近接センサ809、基準位置センサ810、及び推力センサ811を含み得る。
【0060】
SLCSプロセッサ820は、1つ以上のプロセッサ、マイクロコントローラ、及び又は中央処理装置(CPU)とすることができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ及びマイクロコントローラは、同じプリント回路基板(PCB)に実装されてもよい。
【0061】
SLCSメモリ825は、一般に、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、リードオンリーメモリ(「ROM」)、及びディスクドライブ又はSDRAM(synchronous dynamic random-access memory)などの永続的で非一時的な大容量記憶装置を含み得る。
【0062】
SLCSメモリ825は、例えば、ナビゲーションシステム826、操作モジュール900、及びロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000などのモジュール及び/又はソフトウェアルーティンのプログラムコード、並びに例えば、ターゲットデータ827、及びモード又はコマンドの状態情報828などのモジュール及び/又はソフトウェアルーティンによって使用されるデータ又は情報を記憶することができる。
【0063】
SLCSメモリ825は、オペレーティングシステムを格納することもできる。これらのソフトウェアコンポーネントは、フロッピーディスク、テープ、DVD/CD-ROMドライブ、メモリカード、又は他の同様の記憶媒体のような、非一時的なコンピュータ読み取り可能記憶媒体に関連するドライブ機構を使用して、非一時的なコンピュータ読み取り可能記憶媒体からSLCSメモリ825にロードされてもよい。いくつかの実施形態では、ソフトウェアコンポーネントは、加えて又はその代わりに、ドライブ機構及びコンピュータ読み取り可能記憶媒体以外の機構を介して(例えば、ネットワークインターフェースを介して)ロードすることもできる。
【0064】
SLCSメモリ825は、カーネル、カーネル空間、ユーザ空間、ユーザ保護アドレス空間、及びデータストアを含み得る。前述のように、SLCSメモリ825は、1つ以上のプロセス又はモジュール(すなわち、実行中の1つ以上のソフトウェアアプリケーション)を格納することができる。プロセスはユーザ空間に格納されてもよい。プロセスは、1つ以上の他のプロセスを含んでもよい。1つ以上のプロセスは、一般に並列に、すなわち、複数のプロセス及び/又は複数のスレッドとして実行されてもよい。
【0065】
カーネルは、ユーザプロセスと、プロセッサ820に関連する回路との間のインターフェースを提供するように構成されてもよい。言い換えると、カーネルは、プロセスによるプロセッサ820、チップセット、I/Oポート及び周辺デバイスへのアクセスを管理するように構成され得る。カーネルは、配備可能機器の操作コンポーネントの要素(すなわち、プロセッサ820、チップセット、I/Oポート、及び周辺デバイス)を管理及び/又はこれらと通信するように構成された1つ以上のドライバを含み得る。
【0066】
SLCSプロセッサ820はまた、バス及び/又はネットワークインターフェースを含み、又は、これらを介してSLCSメモリ825又は別のデータストアと通信することができる。
【0067】
SLCSメモリ825内のモジュール又はルーティンによって使用されるデータグループは、デジタルのドキュメント又はファイル内の定義された構造において、列のセル又は他の値から分離された値によって表され得る。本明細書では、個々のレコード又はエントリと呼ぶが、レコードは複数のデータベースエントリを含み得る。データベースエントリは、数値、数値作用素、バイナリ値、論理値、テキスト、文字列作用素、他のデータベースエントリへの参照、結合、条件ロジック、テスト、及び同等物であり、又はこれらを表す、あるいは符号化するものであるとすることができる。
【0068】
1つ以上の配備可能機器通信システム830は、無線トランシーバのような1つ以上の無線システム831及び1つ以上の有線システム832を含み得る。SLCS出力815は、スラスタコントローラを介したスラスタ制御装置816を含む。SLCS出力815は、ホイストを制御するためのホイスト制御装置813を含む。SLCS出力815は、キャリアの飛行制御面及びアクチュエータを制御するため、又はキャリアのクルーに飛行制御指示を発行するためなどの、キャリア制御装置814を含む。パワーマネージングシステム840は、例えばバッテリーからの電力供給を調整及び分配する。1つ以上のデータコネクタ、データバス、及び/又はネットワークインターフェースは、SLCS130の様々な内部システム及び論理コンポーネントを接続することができる。
【0069】
本システムの態様は、本明細書で詳細に説明される、1つ以上のコンピュータ実行可能命令を実行するように、特別にプログラム化され、構成され、又は構築された、特殊化された又は特別のコンピューティングデバイス又はデータプロセッサに具現化することができる。本システムの態様は、タスク又はモジュールが、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネット、又は任意の無線周波数通信技術などの通信ネットワークを介してリンクされたリモート処理装置によって実行される分散コンピューティング環境においても実施することができる。配置可能機器からのデータは、帯域幅が非常に狭く、周波数や通信プロトコルに制限されない場合がある。分散コンピューティング環境では、モジュールはローカルとリモートの両方のメモリ記憶装置に配置することができる。
【0070】
吊り下げ荷物制御論理コンポーネント801は、実施形態に従って、リモート位置決めユニット、リモートインターフェース、又はターゲットノード(「リモートインターフェースユニット」)及びそれらの論理コンポーネント、例えばリモートインターフェース論理コンポーネント850、及び/又は、例えばキャリア及びホイストの論理コンポーネント880などのキャリア及びホイストの論理コンポーネントと協働することができる。
【0071】
実施形態において、リモートインターフェースユニットは、例えば、オペレータによって保持されるか、又は磁石、ボルト、又は任意の他の取り付け機構によってキャリアに取り付けられ得る。実施形態において、リモートインターフェースユニットは、地面に落下させるか、例えば救命具又は他の浮揚装置、救助者、ピックアップされる荷物、運搬される荷物のための場所、又は操作上の特定の場所に取り付けることができる。
【0072】
実施形態において、リモートインターフェース論理コンポーネント850は、操作モジュール1100へ、及び/又はロングラインロータ操作モジュール1100用ホイストへのコマンド状態及び操作指示などの、オペレータからの入力を吊り下げ荷物制御論理コンポーネント801へ伝えることができる。実施形態では、リモートインターフェース論理コンポーネント850は、キャリア及びホイストの論理コンポーネント880からの、ホイストの状態、繰り出されたロングラインの長さ、ロングラインからホイストにかかる力又は質量などの情報又はデータを、吊り下げ荷物制御論理コンポーネント801及び/又はオペレータに伝えることができる。
【0073】
リモートインターフェース論理コンポーネント850は、無線871又は有線872であり得る通信システム870を介して、吊り下げ荷物制御論理コンポーネント801及び/又はキャリア及びホイストの論理コンポーネント880と通信することができる。リモートインターフェース論理コンポーネント850からの出力860は、画面861に表示される情報、及び音声862を含み得る。SLCS130又はホイストを制御するためのリモートインターフェース論理コンポーネント850への入力865は、タッチスクリーン866、ジョイスティック867、マイクロフォン、カメラ、1つ以上のボタンなどを通じて伝達されるコマンドを含み得る。様々な実施形態において、リモートインターフェース論理コンポーネント850は、本明細書に記載される機能を集合的に提供する1つ以上の物理及び/又は論理デバイスを含み得る。リモートインターフェース論理コンポーネント850の実施形態の一例が、図12A図12B図13A図13B、及び図13Cに図示され、説明されている。
【0074】
リモートインターフェース論理コンポーネント850は、プロセッサ869及びメモリ873をさらに含んでよく、これらはプロセッサ820及びメモリ825と同様でよい。メモリ873は、リモートインターフェースモジュール874などの、リモート位置決めユニットによって使用される1つ以上のモジュール用のソフトウェア又はファームウェアコード、命令、又はロジックを含み得る。例えば、リモートインターフェースモジュール874は、リモートインターフェースのオンとオフ、SLCS又はホイストとのペアリング、命令の入力などを可能にするような、リモートインターフェースの制御及びリモートインターフェースのためのインターフェースを提供することができる。
【0075】
実施形態において、リモートインターフェース論理コンポーネント850は、例えば位置基準を提供するために、吊り下げ荷物制御論理コンポーネント801と無線などで通信するように構成されたセンサセット又はビーコンを含み得る。SLCS130が一次センサセットとみなされる場合、二次センサセットの位置は、そこからロングラインが吊り下げられるプラットフォーム又はキャリア内にあることができ、三次センサセットの位置は、(例えば、目的ロケーションの位置情報を提供するために)目的ロケーションにあることができる。
【0076】
また、図8には、キャリア及びホイストの論理コンポーネント880が示されている。キャリア及びホイストの論理コンポーネント880は、プロセッサ820及びメモリ825と同様であり得、プロセッサ881及びメモリ882を備え得る。メモリ882は、ホイストによって使用される1つ以上のモジュール、例えば、ロングラインロータ操作モジュール1100用ホイストのためのソフトウェア又はファームウェアコード、命令、又はロジックを含み得る。例えば、ロングラインロータ操作モジュール1100用ホイストは、ホイストを、SLCS・キャリアとペアリングしてもよく、ホイストのセンサデータをSLCSに出力してもよく、ロングラインを巻き取る、又は巻き出すなどのローカル及びリモートの指示を受信して動作してもよい。
【0077】
キャリア及びホイストの論理コンポーネント880は、無線891又は有線892トランシーバを備える通信システム890を介して、吊り下げ荷物制御論理コンポーネント801と通信することができる。キャリア及びホイストの論理コンポーネント880からの出力885は、例えば、ケーブル長エンコーダ、リールトルクエンコーダ、(ホイスト内のロングラインの存在を感知するための)ケーブル存在センサ、ひずみゲージ、機器温度センサ、パワーセンサなどのような、例えば、ホイストセンサ884からの情報又はデータを含み得る。ホイスト及び/又はキャリアを制御するためのキャリア及びホイストの論理コンポーネント880への入力886は、吊り下げ荷物制御論理コンポーネント801及び操作モジュール900及びロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000などのそのモジュールからのコマンドを含み得る。ホイスト及び/又はキャリアを制御するためのキャリア及びホイストの論理コンポーネント880への入力886はまた、人間のオペレータからのコマンドを含んでもよく、このコマンドは、例えば、タッチスクリーン866、ジョイスティック867、マイクロフォン、カメラ、1つ以上のボタンなどのリモートインターフェース論理コンポーネント850を介して伝達されてもよい。
【0078】
図9は、一実施形態に従った複数のモード又はコマンド状態を含む、SLCS130などのSLCSの操作モジュール900を示す。操作モジュール900の命令、又は操作モジュール900を具体化する命令は、例えば、SLCSメモリ825に格納され、例えば、SLCSプロセッサ820、並びに操作モジュール900が相互作用し得る配備可能機器の電気回路、ファームウェア、及び他のコンピュータ及び論理ハードウェアによって実行し、又は実行され得る。
【0079】
ブロック905において、SLCSはロングライン内又は外に設置され得る。設置されるとき、ロングラインは、SLCS内のチャネルに挿入されてもよい。実施形態では、設置は操作モジュール900によって支援又は管理され得る。例えば、操作モジュール900は、SLCS内のロングラインのためのチャネルを開くように指示されてもよいし、チャネルを開いてもよい。例えば、操作モジュール900は、センサ805など用いてチャネル内のロングラインの存在を感知してもよい。例えば、操作モジュール900は、クランプの作動などを通じて、ロングラインのためのチャネルを閉じてもよいし、そのように指示されてもよい。
【0080】
ブロック910において、SLCSは、SLCSのボタン又はレバーの押下などによって起動することができる。システムを初期化するボタン又はレバーと連動して、別のボタン又はレバーが押されると、即座にシステムシャットダウンを引き起こす場合がある。システムはまた、例えばボタンを押すか、SLCSにワイヤレスでリンクされた1つ以上のリモートインターフェース論理コンポーネント850を作動させることなど、システムに直接隣接していないオペレータ又はプロセスによって、リモートで起動又は停止される場合がある。
【0081】
ブロック915において、操作モジュール900は起動され、及び/又は初期化される。
【0082】
ブロック920において、操作モジュール900は、オペレータ又はプロセスによって選択された1つ以上の機能モード又はコマンド状態を受信し、ブロック925に進むことができる。ブロック920から、操作モジュール900は、決定ブロック925及び/又は決定ブロック940の一方又は両方に進むことができる。
【0083】
決定ブロック925において、操作モジュール900は、例えば、ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000のブロック1050から応答時間メッセージが受信されたか否かを決定し得る。応答時間メッセージは、キャリアの、ホイストの、及びSLCSの状態条件の間の応答時間が安全マージン内にないことを示す場合がある。
【0084】
例えば、SLCSが下降しているとき、ホイストから繰り出されるロングラインの長さと、キャリアとSLCSの間の距離の間に関係があるはずである。この関係は、繰り出されたロングラインの長さとキャリアとSLCSの間の距離の間の1:1の関係から始まり得る。しかし、ロングラインが螺線状に巻かれるにつれて、この関係は変化し、ホイストによってロングラインがより多く繰り出されるにつれて、キャリアとSLCSの間の距離はより遅い速度で増加し、その結果、キャリアの、ホイストの、及びSLCSの状態条件の間の応答時間がより長くなる。例えば、より多くのコイルを含み、スパイラル610よりも見かけのバネ力が低いスパイラル410に関しては、応答時間が長くなり得る。ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000は、応答時間のある変化量及び/又は変化率を許容してもよく、応答時間の変化量又は変化率が安全マージン又は閾値を超える場合、操作モジュール900にメッセージを送信してもよく、このメッセージは、決定ブロック925で受信されてもよい。
【0085】
ブロック930において、決定ブロック925で肯定又は同等の場合、操作モジュール900は、キャリアのクルー、ドローンのオペレータ、目的ロケーションのクルー又は人員などのオペレータにメッセージを出力することができる。
【0086】
ブロック935において、操作モジュール900は、ロングラインロータシステムが応答時間を増加させない又は減少させることを試みるコマンド状態に入ることができる。操作モジュール900は、機能モード又はコマンド状態を実行し、機能モード又はコマンドを終了させるために、サブルーティン又はサブモジュールとして、ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000を呼び出して実行することによって、機能モード又はコマンド状態を実行してもよい。例えば、コマンド状態は、ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000を、キャリアとSLCS及び荷物との間の距離を保持し、増加を遅くし、又は減少させるようにすることができる。例えば、コマンド状態は、ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000に、ホイストからのロング物の放出速度を減少させ、ホイストからのロングラインの繰り出しを停止させ、又はホイストにロングラインを巻き取らせ、又はキャリアを制御し、又はキャリアのクルーにキャリアの高度を保持若しくは増加させ、又はキャリアの速度を保持若しくは増加させる指示を発行させてもよい。例えば、コマンド状態は、ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000に、キャリアとSLCS及び荷物との間の距離を増加させないようにSLCSのスラスタを制御するようにさせることができる。例えば、コマンド状態命令は、所望の加速率、SLCSの所望の高度、SLCSの所望の向き、SLCSの所望の位置を含み得る。
【0087】
決定ブロック940において、操作モジュール900は、ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000のブロック1060からハザードメッセージが受信されたか否かを決定できる。ハザードメッセージは、地面又は他の物体との衝突又は過度の加速が予測されること、又は発生したことを示し得る。過度の加速は、ボビング(bobbing)により、又は「鞭打ち」効果(例えば、キャリアが目的ロケーションの周回から目的地に向かっての移動に移行する際に発生する可能性のある鞭打ち効果)により発生する可能性がある。
【0088】
決定ブロック940において肯定又は同等の場合、ブロック945において、操作モジュール900は、ロングラインロータシステムが危険を回避しようとするコマンド状態に入ることができる。操作モジュール900は、機能モード又はコマンド状態を実行し、機能モード又はコマンドを終了させるために、サブルーティン又はサブモジュールとしてロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000を呼び出して実行することによって、機能モード又はコマンド状態を実行できる。危険を回避することは、危険が地上の障害物である場合などには、危険を回避するように操作するためにロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000がSLCSのスラスタを制御する命令を発行することを含み得る。危険を回避することは、地面への衝突を回避するためにロングラインの長さを減少させるようにロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000がホイストを制御する命令を発行することを含み得る。危険を回避することは、高い加速を低減するためにロングラインの長さを増加させるようにロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000がホイストを制御する命令を発行することを含み得る。危険を回避することは、ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000が、ドローンなどのキャリアを制御すること、又は、危険を回避するために、キャリアの軌道中心、キャリアのバンク角、高度、又は速度を変更するように、キャリアのクルーに飛行制御命令を発行することを含み得る。例えば、コマンド状態命令は、所望の加速度、SLCSの所望の高度、SLCSの所望の向き、SLCSの所望の位置、SLCSがそこに向かって移動すべきでない位置等を含み得る。
【0089】
ブロック935及び/又はブロック945に続いて、操作モジュール900はブロック920に戻り、応答時間が許容可能なレベルに戻ったか、又は危険な状態がもはや存在しないかどうかを判断するために、一定期間時間を置くことができる。
【0090】
決定ブロック925及び/又は決定ブロック940において否定的又は同等の場合、操作モジュール900は、オープニングループブロック950からクロージングループブロック965に入ることができる。操作モジュール900は、割り込みメッセージが受信されるまで、オープニングループブロック950からクロージングループブロック965の間に留まることがある。割り込みメッセージは、例えば、コマンド状態の終了、又は応答時間メッセージもしくは危険メッセージなどの問題メッセージを含み得る。
【0091】
ブロック960において、操作モジュール900は、機能モード又はコマンド状態を実行するために、サブルーティン又はサブモジュールとして、ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000を実行又は呼び出すことができる。機能モード又はコマンド状態は、リモートインターフェースを使用するなどの人間によって選択されてもよく、又はプロセスによって選択されてもよい。ブロック960の出力、例えば機能モード又はコマンド状態命令は、所望の加速度、SLCSの所望の高度、SLCSの所望の向き、SLCSの所望の位置、SLCSがそこに向かって移動すべきではない位置などを含み得る。
【0092】
システムの機能モード又はコマンド状態は以下のとおりである。
【0093】
アイドルモード951:SLCSのすべての内部システムは動作しているが(例えば、操作モジュール900はその動きを観察し、制御やその他のアクションを計算する)、スラスタ及びホイストは停止しているか、アイドル速度のみを維持しているか、ホイストをその時のケーブル長さで維持しており、荷物の動きに影響を与えるアクションはない。
【0094】
キャリアに対する相対位置を維持するモード952:操作モジュール900は、スラスタ及び/又はホイストを作動させ、キャリア又はキャリアの軌道中心の目的ロケーションに対してSLCSを安定させる。例えば、SLCSが目的ロケーションにある場合、操作モジュール900は、スラスタ及び/又はホイストを作動させ、そうでなければ発生する可能性のあるドリフトにかかわらず、SLCSを目的ロケーションに到達させることができる。これは、例えば、SLCSが進路に沿うように、1つのスラスタユニットグループ内の1つのスラスタ、又は2つのスラスタユニットグループ内の対向するスラスタを用いてSLCSを回転させ、次に2つのスラスタユニットグループ内のSLCSの同じ側にある2つのスラスタから推力を印加して、SLCSと荷物を進路に沿って推進させることによって達成することができる。例えば、SLCSが固定翼航空機の下方に吊り下げられている場合、操作モジュール900は、「ヨーヨー」効果を打ち消し、キャリアの軌道中心に留まるように、スラスタとホイストを作動させて、キャリアに対する相対的な高度に留まるようにすることができる。操作モジュール900は、キャリアの動きを局所化し、ロングラインの弾性率に従うなど、ロングラインの弾性又はその他の挙動を決定し、及び/又はロングラインにかかる空力を決定し、キャリアに対するSLCSと荷物の位置を維持するために必要なスラスタとホイストによる修正動作を実行する。キャリアの軌道中心と目的ロケーションが低速で移動している場合、操作モジュール900はスラスタとホイストを使用してSLCSの速度をキャリアとカップリングさせ、2つのエンティティが一体となって移動するようにする。荷物又はSLCSの動きに外乱が発生すると、操作モジュール900は外乱を打ち消すために、外乱の方向とは反対の方向に推力を提供するか、又はホイストを作動させ、スイング、ロングラインの弾性及び/又はロングライン上の空力によって引き起こされる「ヨーヨー」効果、又は(キャリアが荷物を周回することによって引き起こされる可能性がある)ロングラインの螺線、又はその他の望ましくない動きを排除する。
【0095】
位置へ移動/位置で停止モード955:操作モジュール900はSLCSを固定位置に安定させ、天候の影響、キャリアの小さな動き、又はキャリアに対するSLCSの高さの変化を打ち消す。このモードはすべての動きを無効にする効果がある。このモードでは、オペレータ又は別のプロセスがリモートインターフェース論理コンポーネント850を介してSLCSに所望の目的位置を送ることができる。これは少なくとも以下の方法で達成できる。
【0096】
目標ノード位置956:オペレータは、リモート位置決めユニット、リモートインターフェース、又はターゲットを所望のドロップオフ又はピックアップ位置に配置することができる。リモート位置決めユニットは、操作モジュール900と無線通信して所望の位置を示し、操作モジュール900は、キャリアを制御するか、キャリアに飛行指示を出して目的ロケーションを周回させ、スラスタとホイストを作動させてSLCSと荷物を所望の位置に操作することによって応答する。このモードはさらに、ロングラインに所望の張力を保持することができる。リモートインターフェース論理コンポーネント850は、実体の位置情報を受信し、表示することができる。
【0097】
ユーザ指定位置957:オペレータ又はプロセスは、リモートインターフェース論理コンポーネント850を使用して、指定された位置(例えば、緯度と経度の座標、地図上又は画像内の位置の選択など)を操作モジュール900に送信することができる。操作モジュール900は、SLCSと荷物がすでにその場所にある場合、SLCSのスラスタ及び/又はホイストを使用してSLCS及び荷物を指定された場所に保持するために、目標場所を周回するようにキャリアを制御するか、キャリアに飛行指示を出す。SLCSと荷物が指定された場所にない場合、SLCSのスラスタ及び/又はホイストを使用してSLCSと荷物を指定された場所まで操作するために、操作モジュール900はキャリアを制御するか、又はキャリアに飛行指示を出して目標場所を周回させることができる。このモードはさらに、ロングラインに所望の張力を保持してもよい。操作モジュール900は、例えば、オペレータ、プロセス、又はその他への表示又は通信のための位置、距離、高度、及び、ロングライン上の張力情報などに関する情報又はデータを、リモートインターフェース論理コンポーネント850に同時に送信してもよい。
【0098】
位置保持モード953:操作モジュール900は、すべての動きに抵抗し、スラスタとホイストを使用して、キャリアの動きとは独立してSLCSの現在位置を維持しようとする。このモードはSLCSのすべての動きを減衰させる効果がある。このモードは、キャリアの速度、キャリアの軌道中心、安全要因、物理的制約にそれぞれ関係する条件付き応答がある。例えば、このモードは、キャリアが軌道中心を変更した後、比較的短時間しかSLCSの位置を保持できない場合がある。
【0099】
直接制御モード954:回転だけでなく、3自由度(例えばx軸、y軸、z軸)でのスラスタ、ホイスト、及びキャリアのジョイスティックまたはその他の直接操作。操作モジュール900は完全にクローズドループであり、操作中に外部制御を必要としないが、スラスタ、ホイスト、キャリアをユーザが直接制御するオプションもある。オペレータは、位置、回転、スラスタ出力レベル、ロングラインの長さ、ロングライン上の張力を直接制御できるほか、キャリアを直接制御したり、キャリアに飛行指示を出したりすることができる。キャリアへの直接制御やキャリアへの飛行指示は、キャリアを直接制御によってもよいし、キャリアの軌道中心や目的ロケーションの選択によってもよい。
【0100】
障害物回避958:操作モジュール900は、SLCSと荷物の経路を識別し、経路内の物体を識別し、障害物を回避する可能性のある位置、回転、スラスタ出力レベル、及びロングラインの長さを決定し、障害物を回避するようにスラスタ及び/又はホイスト及び/又はキャリアに指示を出力する。例えば、障害物回避モジュール958は、i)ファンユニットなどのセンサ位置と、環境において感知された障害物などの物体との間の距離を等しくする、又は、ii)荷物の形状を測定又は受信し、環境において感知された障害物の形状を測定し、荷物の位置・向き及び動きを決定又は受信し、障害物に対して荷物を相対的に取り決める、などのようにセンサ情報を受信及び処理することができる。
【0101】
第1及び第2の場所に対する位置決めモード959:オペレータ又はプロセスは、例えば、リモートインターフェース論理コンポーネント850を使用して、操作モジュール900に第1の位置(例えば、ピックアップ又はドロップオフの位置)を指定することができ、オペレータ又はプロセスはさらに、キャリアの位置、地上での位置などの第2の位置を指定することができさらに、第1及び第2の位置の間の所望の変化率を指定することができる。これは、例えば、キャリアの軌道中心の移動を含み得る。操作モジュール900は、SLCSのスラスタ、ホイストを作動させ、ドローンなどのキャリアを制御し、又はキャリアに飛行制御命令を出して、SLCSを第1の場所から第2の場所に移動させる。変化率は、操作モジュール900が達成できる最大変化率のパーセンテージに基づいてもよく、オペレータによって指定されたものでも、そうでないものでもよい。このモードはさらに、ロングライン上の所望の張力を保持することができる。
【0102】
ブロック965は、機能モード又はコマンド状態が完了したとオペレータ又はプロセスが判断したとき、例えば、所望の位置を得ることによって、例えば、機能モード又はコマンド状態を終了させるためのオペレータ又はプロセスからのコマンドによって、又は、例えば、電源喪失などの割り込み条件によって、終了することができる。
【0103】
ブロック970において、操作モジュール900は、ホイストを作動させてSLCSと荷物をキャリア又は別の指定位置まで持ち上げて運び、及び、スラスタを作動させてSLCSをキャリア又は指定位置まで持ち上げられることに適合する向きとなるまで回転させることができる。操作モジュール900は、SLCSがホイスト内又は指定位置にあることを検知し、ホイストのインターロック構造の係合及びSLCSとの係合を検知し、ロック構造の係合及びインターロック構造のロック結合を検知してもよい。操作モジュール900は、SLCSとSLCS用インターフェースの係合を検出し、SLCS用インターフェースの通信、電力、その他のサービスを起動することができる。SLCSが折り畳み可能なアーム又は他の構成要素を含む場合、それらは折り畳まれてもよい。スラスタやその他のコンポーネントは、電源が落とされる場合がある。クランプやフィンガーなどのケーブル保持コンポーネントが解放される場合がある。SLCSは、ロングラインの端末機器及び/又はロングラインから切り離されてもよい。荷物が荷物フックから取り外されてもよい。ロングラインは、SLCS上部のホイストリングから切り離されてもよい。収容ケーブル又は他の固定具がSLCSに固定されてもよい。SLCSは充電器又は他の場所に収納されてもよい。
【0104】
終了ブロック999において、ブロック970で実行されなかった場合、操作モジュール900は、SLCS130上、インタラクティブディスプレイ上、又はSLCS130のリモートインターフェース上などのボタン又は他の制御の起動によって、シャットダウンされ得る。
【0105】
図10は、一実施形態に従った、ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000を示す。ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000の命令、又はそれを具現化する命令は、例えば、SLCSメモリ825、又はキャリアのコンピュータプロセッサ内のメモリに格納されてもよく、例えば、SLCSプロセッサ820又はキャリアのプロセッサによって実行され又は行われてもよく、これには、電気回路、ファームウェア、及び配備可能機器の他のコンピュータ及び論理ハードウェア、キャリア及びホイスト論理コンポーネント880、並びにロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000が相互作用し得るリモートインターフェース論理コンポーネント850が含まれる。
【0106】
ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000は、閉じた反復ループで動作でき、ほぼリアルタイムでSLCS及びキャリアの位置及び動きを決定し、ロングラインの状態を決定し、一組の計算を実行して最も望ましいシステム応答を決定し、1つ以上の所望の応答を空気推進システムのスラスタアレイに、キャリアのホイストに、及び/又はキャリアに送信し、ロングラインロータ操作を制御することができる。このプロセスは、システムに電力がある間、連続的に行われてもよい。
【0107】
オープニングループブロック1005からクロージングループブロック1085は、機能モード又はコマンド状態がアクティブであるとき(例えば、操作モジュール900によって呼び出されたとき)など、ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000がアクティブである限り、反復してもよい。
【0108】
ブロック1010において、ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000は、SLCSの、キャリアの、及びホイストのセンサに関するデータ取得を実行することができ、センサはこれらの要素のセンサセットを含む(ただし限定されない)。このセンサセットは、カメラ、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、傾斜計、方向エンコーダ、無線周波数相対方位システム、重力センサ、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)センサ、グローバルポジショニングシステム(GPS)、ライダー/レーダー、マシンビジョン、距離計、超音波近接センサ(例えば、センサセット805のセンサ)などを含む。前述のように、ホイストセンサは、ロングラインの長さ、ホイスト上又はリール内の張力又はトルク、ホイスト上又はリール内の質量などに関する情報又はデータを提供することができる。しかし、この未加工のデータ又は情報は、ノイズ、範囲外の値、及び他の誤差及び不確実性の影響を受ける可能性がある。
【0109】
ブロック1015において、ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000は、範囲外の値、周波数振動などのために、取得されたデータ又は情報をさらにフィルタリングすることができる。
【0110】
ブロック1020において、ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000は、操作モジュール900から、例えば、ユーザ、プロセス、又はオペレータが選択した機能モード又はコマンド状態、例えば、ブロック935、ブロック945、及び/又はブロック955のうちの1つ以上から、機能モード又はコマンド状態を取得してもよい。コマンド状態は、座標、高度、所望のレート等を含み得る。
【0111】
ブロック1025において、ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000は、ブロック1035からなど、以前に推定された状態を取得することができる。
【0112】
ブロック1030において、ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000は、ブロック1010のセンサ及びホイストからのデータ又は情報を、ブロック1020からの機能モード又はコマンド状態、及びブロック1025からの以前に推定されたシステムモデルの状態と、データ融合又はオンライン状態の推定及び予測としても説明されるシステムモデルにおいて結合する。ブロック1030は、ブロック1015のセンサ及びホイストからのデータ又は情報と、ブロック1025の以前に推定された状態とから、現在測定された状態からの偏差を決定する。ブロック1030は、例えば、SLCS及びキャリアの位置、場所及び向き、SLCS及び荷物の質量又は重量、ロングラインの長さ、キャリアとSLCSとの間の距離、SLCSの地上高さ、ロングライン上の空力、キャリアとSLCSとの間の距離、SLCS(及び荷物)の慣性モーメントなど、システムの現在の状態を推定する。
【0113】
ブロック1030はさらに、例えば位置(高度を含む)、向き、動き、環境の妨害や影響など、システムの近い将来の状態を予測する。このブロックは、現在の状態を以前に予測された状態と比較し、現在の状態と予測された状態との間の偏差を決定する。
【0114】
ブロック1030で使用されるシステムモデルにおいて、センサデータは、システムの近い将来の状態を予測し、システムの現在の状態を推定するために、例えば、アンセンテッドカルマンフィルタ(「UKF」)のようなカルマンフィルタなどの非線形フレーバを使用して、システムモデルによって処理され得る。このブロックで実行されるクローズドループの反復制御方法は、ディープラーニングニューラルネット及び未来伝播カルマンフィルタを含む高度な制御方法との双方向通信を有し、リアルタイム(又は「オンライン」)システム同定を可能にする、ファジィ調整された比例、積分、及び導関数フィードバックコントローラを含み得る。ブロック1030は、ホイストからの、及び/又はキャリア及びその中のセンサセットからのデータ又は情報なしに、現在の状態を推定又は近い将来の状態を予測することができる可能性がある。しかし、ホイスト及びキャリアからのデータ又は情報があれば、ブロック1030の状態推定及び予測は改善され得る。
【0115】
ブロック1040において、ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000は、例えば、絶対座標空間を経時的に移動するSLCSとキャリアとの間の応答時間、キャリアとSLCSの位置の経時的変化に対する応答時間、及びホイストから出し入れされるロングラインの長さ及びキャリアに対するSLCSの位置の変化に対する応答時間、目的ロケーション又は軌道中心に対するSLCS及びキャリアの相対的な位置と向きのオフセット、SLCS及びキャリアの軌道周期における移動距離、SLCSとキャリアの軌道周期における移動距離の変化、SLCSの地上高さなどだけではなく、SLCS、キャリア、及びロングラインの状態条件の間の経時的な状態条件の変化の特性、及び応答時間(例えば、ロングラインの長さの変化、絶対座標空間を通しての経時的なSLCSの移動、絶対座標空間を通しての経時的なキャリアの移動、絶対座標空間を通しての経時的なSLCSの向き(例えば、回転)の変化)を決定することができる。このような特性は、このような状態条件の経時的な積分を決定することによって決定することができる。
【0116】
決定ブロック1045において、ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000は、SLCS、キャリア、及びロングラインの状態条件のうち、1つ以上の状態条件、状態条件の経時的な変化の特性、及び状態条件間の応答時間が許容マージン内にあるか否かを判断することができる。例えば、SLCSがホイストによってロングライン上のキャリアから繰り出される際、ロングライン上の空力や、3次元螺線状に巻かれたコイルの一部又は1つ以上の展開によって、ロングラインの長さの変化とキャリアに対するSLCSの位置との間の応答時間が変化することがある。例えば、図4及び図5のロングライン410は、図6及び図7のロングライン610よりも3次元螺線においてより多くのコイルを発達させている。これは、図6図7に対する図4図5の間のキャリア105の速度の違い、ロングライン410とロングライン610の長さの間の軌道距離の違い、ロングライン410とSLCS440及びロングライン610とSLCS640にかかる空力の違い、又はSLCS440とSLCS640の質量の違いによるものと考えられる。
【0117】
一般に、軌道中心からより大きな距離を周回する、より高速に移動するキャリアは、より長いロングラインを持ち、(ロングラインの太さなどにより)より大きな空力を受けるロングラインを持ち、その3次元螺線により多くのコイルを持つロングラインを生成する。一般に、3次元螺線により多くのコイルを持つロングラインは、SLCS、キャリア、ロングラインの経時的な状態の特性間の、より遅い応答時間を示す。一般に、応答時間が遅いと、「ヨーヨー」や「ボビング」のような、ロングライン操作の構成要素間の危険をはらんだ非線形不安定性が生じやすくなる。一般に、ロングラインの長さの変化とキャリアに対するSLCSの位置の間の応答時間が遅いほど、キャリアが軌道経路から外れるときにSLCSの鞭打ちや過度の加速を招く可能性が高い。
【0118】
システムモデルは、これにより、ロングラインロータシステムの構成要素の状態条件、状態条件の経時的な特性、及び状態条件間の応答時間、及び状態条件の経時的な特性を決定するために使用され得る。
【0119】
決定ブロック1045で否定又は同等の場合、ブロック1050で、ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000は、応答時間が安全又は他の許容マージン内にないことを示すために、例えばブロック925の操作モジュール900にメッセージ又はその同等物を送信することができる。
【0120】
決定ブロック1045において肯定又は同等の場合、決定ブロック1055において、ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000は、危険な状態が発生したか、又は発生する可能性があると決定することができる。危険な状態は、例えば、地面又は環境内の別の物体などの物体との衝突、過度の加速などのうちの1つ以上を含み得る。
【0121】
決定ブロック1055において肯定又は同等の場合、ブロック1060で、ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000は、危険な状態が発生した、又は発生する可能性があることを示すメッセージ又は同等物を、例えばブロック935の操作モジュール900に送信することができる。
【0122】
ブロック1065において、ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000は、推力及び方位マッピング1070及び出力制御1080からの追加的なフィードバックだけでなく、状態推定及び状態予測、並びにユーザが選択した又はプロセスが選択した機能モード又はコマンド状態1025によって通知された現在の状態と以前に予測された状態との間の偏差を取り込むことができ、スラスタから力を出力すること、ロングラインをホイストに巻き取るかホイストから繰り出すこと、又はキャリアを制御するか飛行制御命令を発行することなどにより、ブロック1020の機能モード又はコマンド状態の入力を達成するために、キャリアがどのように動くべきか、ホイストがどのようにロングラインを制御すべきか、及びSLCSがどのように動くべきかを決定する。
【0123】
ブロック1070では、アルゴリズム出力がモーションコントローラに送られ、そこから、所望の推力応答が、位相制御を介して電動ダクトファン又はスラスタに、リールモータに出力するためにホイストに、及び/又は、キャリア、キャリアの推力及び飛行制御面に送られる。正味推力出力は、エンコーダとロードセルを介してリアルタイムでマッピングされ、その後、クローズドループ制御のためにホイスト、キャリア及び推力コントローラに送り返される。
【0124】
ブロック1075で、ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000は、SLCSがどのように動くべきかをキャリア、ホイスト、及びSLCSのスラスタにマッピングし、キャリア、スラスタ(又は「ファン」)、及びホイストのマッピングを生成して、キャリア、ホイスト、スラスタ、及びホイストを制御し、ロングライン操作におけるキャリア及びSLCSの所望の向き、高度、推力を達成する。
【0125】
ブロック1080で、ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000は、キャリア、スラスタ、及びホイストのマッピングを適用して、決定されたSLCSの位置、推力、及び向きを達成するために、キャリアに、又はホイストに、ファン又はスラスタ(又はこれらを制御し又はこれらによって制御される電子コンポーネント)に制御信号を出力し、指令された制御出力を発揮し、キャリアの制御、ファンからの推力、及びホイストによるロングラインの巻き取り又は繰り出しの形で動的応答を実施する。
【0126】
終了ブロック1099において、ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000は、終了し得るか、又はそれを呼び出したかもしれないモジュールに戻り得る。
【0127】
図11は、一実施形態に従った、ロングラインロータ操作モジュール1100用ホイストを示す。ロングラインロータ用ホイスト操作モジュール1100の命令、又はそれを具体化する命令は、例えば、ホイストメモリ882に記憶され、例えば、ホイスト、キャリア及びホイスト論理コンポーネント880の電気回路、ファームウェア、及び他のコンピュータ及び論理ハードウェアによって、ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000が相互作用し得るリモートインターフェース論理構成要素850だけでなく、ホイストプロセッサ881によって実行又は実施され得る。
【0128】
ブロック1105において、ロングラインロータ用ホイスト操作モジュール1100は、ホイストセンサ884などのホイストのセンサから情報又はデータを取得することができる。
【0129】
ブロック1110において、ロングラインロータ用ホイスト操作モジュール1100は、それ自身とそのホイスト、及び/又はリモートデバイスもしくはプロセスとペアリングすることができる。ペアリングは、一方又は両方のデバイス又はプロセスにおいて、認証及び認可を必要とする場合がある。
【0130】
ブロック1115において、ロングラインロータ用ホイスト操作モジュール1100は、ホイストセンサデータ又は情報を、ペアリングされたリモートデバイス又はプロセスに出力してもよい。
【0131】
決定ブロック1120では、ローカル命令又はリモート命令のどちらに作用するかを決定してもよい。例えば、ロングラインロータ用ホイスト操作モジュール1100は、ローカル指示が受信されない限り、リモート指示に基づいて動作してもよく、この場合、ローカルオーバーライドが起動されてもよい。
【0132】
決定ブロック1120で否定又は同等の場合、ロングラインロータ用ホイスト操作モジュール1100は、オープニングループブロック1125に進み得る。ロングラインロータ用ホイスト操作モジュール1100は、オープニングループブロック1125からクロージングループブロック1140まで反復してもよい。
【0133】
ブロック1130において、ロングラインロータ用ホイスト操作モジュール1100は、操作モジュール900からの、ロングラインロータのデータ融合及び制御モジュール1000からの、及びリモートインターフェースからの指示などのリモート指示を受信することができる。その指示は、例えば、ロングラインを繰り出す指示、ロングラインを巻き取る指示、又はロングライン上の張力もしくは他の力を維持する指示であってもよい。指示は、指定された量のケーブルを繰り出すか、巻き取るか、あるいは、別の指示を受け取って停止するまで繰り出すか、巻き取るかであってもよい。指示は、リールを作動させる速度や、リールによって達成されるべき最大又は最小の張力やその他の力を指定することができる。ロングラインロータ用ホイスト操作モジュール1100は、最小又は最大の張力、速度、又は力を決定してもよい。指示は、ホイストからSLCSを展開するアクチュエータや、ホイストにSLCS130を固定するアクチュエータなど、ホイストのアクチュエータを作動させることであってもよい。
【0134】
ブロック1135において、ロングライン用ホイスト操作モジュール1100は、ロングラインの繰り出し、ロングラインの巻き取り、ロングライン上の張力又はその他の力の維持など、リモート指示を実行するための制御を出力することができる。
【0135】
ブロック1145では、決定ブロック1320における肯定的又は同等の決定に続く可能性があるが、ロングラインロータ用ホイスト操作モジュール1100は、他のソースからの命令よりも高い優先順位が与えられている、キャリアのクルー又はホイストのインターフェースからの命令などのローカル命令を受信する可能性がある。指示は、例えば、ロングラインを繰り出す指示、ロングラインを巻き取る指示、ロングライン上の張力又は他の力を維持する指示であってもよい。指示は、指定された量のケーブルを繰り出すか、巻き取るか、あるいは別の停止指示があるまで繰り出すか、巻き取るかであってもよい。指示は、リールを作動させる速度や、リールによって達成されるべき最大又は最小の張力又はその他の力を指定することができる。ロングラインロータ用ホイスト操作モジュール1100は、最小又は最大の張力、速度、又は力を決定してもよい。指示は、ホイストからSLCSを展開するアクチュエータや、SLCSをホイストに固定するアクチュエータなどの、ホイストのアクチュエータを作動させることであってもよい。
【0136】
ブロック1199において、ロングラインロータ用ホイスト操作モジュール1100は、終了し、ホイストをシャットダウンし、及び/又はホイストを呼び出したプロセスに戻ることができる。
【0137】
図12Aは、実施形態に従った、ホイストとSLCSのためのリモートインターフェース1200の第1の図を示す。図12Bは、実施形態に従った、図12Aのリモートインターフェース1200の第2の図を示す。リモートインターフェース1200は、SLCS及び/又はホイストの制御又はこれらとの通信を可能にすることができる。制御手段の具体的なタイプは以下の実施例で説明されるが、制御装置の機能及び/又はタイプはそれに限定されるべきではない。例えば、スイッチは、ボタン又はレバーと交換可能であってもよい。ボタンは、機械的に操作されるボタンであってもよいし、仮想的なボタンであってもよい。以下の実施例の制御装置は、当業者であれば、過度の実験や負担をかけることなく、代替の装置と交換することができる。一実施形態において、リモートインターフェース1200は、SLCS、ホイスト、及び/又はキャリアの動作を制御するように構成されたペンダントタイプの手操作式コントローラであってもよい。
【0138】
利用可能な制御装置の種類は、SLCS、キャリア、及びホイスト、付属機械システム、及び/又はロングライン及び/又はホイストへの取付け前又は後のペイロードを操作するのに必要なものであれば何でもよい。いくつかの実施形態において、制御装置の非限定的なセットは、注意灯1202、温度超過警告灯1204、展開状態灯1206、展開ボタン1208、ブームトグルスイッチ1210、回転制御スイッチ1212、ホイスト垂直制御装置1214、状態選択スイッチ1216、及びデータ及び電源ポート1218を含み得る。
【0139】
非限定的な例として、注意灯1202は、潜在的に危険な状態に対する設定可能な警告を提供することができる。温度超過警告灯1204は、機械システムが温度超過状態を経験していることを示す設定可能な警告を提供することができる。展開状態灯1206は、SLCSが展開されているときに緑色に点灯し、SLCSが収納される位置にあるときに緑色に点滅し、又は機械システムのステータスの他の同様の表示を提供することができる。展開ボタン1208は、押されると、展開プロセスを開始することができる。展開ボタン1208は、最初に押された後、SLCSが展開されたことを示すために押されたままであってもよい。再び押された場合、SLCSが収納されたことを示すために、押されていない位置に戻ってもよい。ブーム又はアームが、ホイスト又はホイストハウジングをキャリアに取り付ける場合、ブームトグルスイッチ1210は、ブームを収納位置からアクティブ展開位置に移動させることができる。回転制御スイッチ1212は、SLCSの向きを直接制御することができる。この制御は、コントローラライブトリガの押下に依存してもよい。ホイスト垂直制御装置1214は、ホイストケーブルを上げ下げし、ホイストペイロードの上下運動を制御することができる。
【0140】
一実施形態では、状態選択スイッチ1216は、SLCSの状態又は機能モードを制御することができる。例えば、スイッチの位置は、SLCSが「安定化」状態にあるかどうかを選択するために使用することができ、そこでは、ファンは、荷物の動きに対抗してモードを安定化させるために回転又は水平方向の勢いを提供するために使用される。別の位置にあるスイッチは、機械システムを「アイドル」状態にするために使用され、ここにおいてSLCSはロングライン上に配置されるが、追加のアクションを取らない。
【0141】
実施形態において、データ及び電源ポート1218は、USB又は同等の接続ポートであり得る。このポートへの接続は、コントローラエレクトロニクスが、ホイスト統合システム及び/又は取り付けられたペイロードを操作又は監視するのに必要な他のシステムとインターフェースで接続するための経路を提供し得る。非限定的な例として、ポートは、電力を受け取り、リモートインターフェースと通信することができる。リモートインターフェース1200は、ホイスト論理コンポーネント及び配備可能機器論理コンポーネントへの有線又は無線のデータ接続を有し得る。リモートインターフェース1200のロジックは、いくつかの実施形態では、リモートインターフェース1200内に含まれてもよく、リモートインターフェース1200は、電力ポート1218によって近位の電力システムから電力を受け取ってもよい。
【0142】
図12Bに示されるように、リモートインターフェース1400の底部側に提供される制御装置は、コントローラライブトリガ1217と、構成可能な第2のトリガ1219とを含み得る。コントローラライブトリガ1217は安全機構として使用され、コントローラライブトリガ1217が押された場合にのみ、特定の制御ユニットの動作を可能にすることができる。例えば、回転制御スイッチは、コントローラライブトリガ1217の押圧と同時に作動した場合にのみ動作可能である。設定可能な第2のトリガ1219は、特定の展開可能なシステムに対して、追加の機能性又は安全装置を実行できるようにするために提供され得る。
【0143】
図13Aは、実施形態に従ったSLCSのリモートペンダント又はリモートインターフェース1300の背面図である。図13Bは、実施形態に従った、SLCSのリモートインターフェース1300の斜視図である。図13Cは、実施形態に従ったSLCSのリモートインターフェース1300の正面図である。これらの図には、例えば、起動コントローラ1340、オン/オフスイッチ1345、状態セレクタ1350、及び手動/回転制御1351が示されている。オン/オフスイッチ1345は、リモートペンダント1300をオン又はオフにするために使用できる。状態セレクタ1350は、図9に関連して議論されるように、操作モジュール900のコマンド状態を選択するために使用できる。起動コントローラ1340は、状態セレクタ1350によって選択された又は示されたコマンド状態において又は当該コマンド状態に対して、操作モジュール1100を起動又は非起動にするために使用できる。手動/回転制御1351は、例えば、状態セレクタ1350が直接制御モードを選択するために使用された場合に、荷物を回転もしくは移動させるために、又はホイストを上昇もしくは下降させるために、ファンを手動で起動するために使用できる。
【0144】
図14は、実施形態に従った、キャリア105、ロングライン1435、キャリア1410の経路、及びSLCS1415(及び任意で荷物)、並びに移動する目的ロケーション1420の第3斜視透視図1400を示す。SLCS1415は、キャリア105の軌道中心(符号なし)内にあってもよい。図15は、実施形態に従った、図14のキャリア105、ロングライン1535、キャリアの経路1410、SLCS1415、及び移動する目的ロケーション1420の上面投影図1500を示す。図14及び図15は、本明細書で議論される物理及び論理コンポーネントが、キャリアの経路1410を周期的又は連続的に更新し、移動する目的ロケーションに沿ったSLCS1415の微細な位置に影響を及ぼすように、SLCS1415がスラスタから推力を出力するように指示され、SLCS1415を移動する目的ロケーションに追従させるために使用できることを示す。
【0145】
本明細書では特定の実施形態を図示し説明したが、当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく、図示し説明した特定の実施形態に代えて代替の実施形態及び/又は同等の実施形態を用いることができることを理解されよう。例えば、様々な実施形態が、ヘリコプター、クレーン、又は固定翼キャリアの観点から上述したが、他のキャリアが使用されてもよい。本出願は、本明細書で議論された実施形態のあらゆる適応又は変形をカバーすることを意図している。
【0146】
以下は非限定的な実施例である。
【0147】
実施例1.ロングラインによってキャリアから吊り下げられた荷物を制御する装置であって、ファンアレイと第1のセンサセットとを含む荷物制御システムであって、ここにおいて荷物制御システムがロングラインの末端に固定され、第1のセンサセットは荷物制御システムの第1の位置・運動及び向きに関する第1の状態情報を取得する、荷物制御システムと、キャリアであって、ホイスト及び第2のセンサセットを備え、ホイストは、ホイストから荷物制御システムまで延びるロングラインの長さを制御し、ここにおいて第2のセンサセットは、キャリアの第2の位置・動き及び向きに関する第2の状態情報を取得し、ホイストは、ホイストから荷物制御システムまで延びるロングラインに関する物理的情報を取得する、キャリアと、コンピュータプロセッサ及びメモリであって、ここにおいてメモリは、データ融合モジュールと及び操作モジュールを備え、データ融合モジュールは、荷物制御システム、キャリア、及びロングラインを表すシステムモデルを備え、コンピュータプロセッサは、システムモデルに、第1の状態情報、第2の状態情報、及びホイストから荷物制御システムに延びるロングラインに関する物理的情報を提供し、コンピュータプロセッサは、データ融合モデルを実行して、荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態、荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の経時的な特性、並びに荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の経時的な特性間の応答時間を決定し、コンピュータプロセッサは、操作モジュールを実行し、荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態、荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の経時的な特性、並びに荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の経時的な特性間の応答時間に基づいて、ファンアレイ及びホイストを制御し、目標地点に対する荷物制御システムの位置・運動及び向きに影響を与えるためのナビゲーション命令をキャリアに出力する、コンピュータプロセッサ及びメモリと、を備える装置。
【0148】
実施例2.荷物は、吊り下げ荷物制御システム、又は吊り下げ荷物制御システムに固定された荷物の少なくとも1つを含む、実施例1に記載の装置。
【0149】
実施例3.応答時間が閾値を超え、それに応答して、操作モジュールは、荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の摂動、並びに荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の経時的な特性の摂動を最小化する目標地点を決定する、実施例1に記載の装置。
【0150】
実施例4.荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の摂動、並びに荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の経時的な特性の摂動を最小化するために、操作モジュールは、キャリアのロータ経路を指示すること、キャリアの速度を指示すること、又はキャリアの軌道中心を指示することのうちの少なくとも1つのナビゲーション命令をキャリアにさらに出力する、実施例3に記載の装置。
【0151】
実施例5.操作モジュールは、ホイストから荷物制御システムに延びるロングラインの長さを静止させるようにホイストを制御する命令を用いて、荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の摂動、並びに荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の経時的な特性の摂動を最小化することをさらに行う、実施例3に記載の装置。
【0152】
実施例6.データ融合モジュールはさらに、荷物制御システムの危険な状態を予測し、危険な状態を回避するための目標地点を決定する、実施例1に記載の装置。
【0153】
実施例7.荷物制御システムの危険な状態は、物体との衝突又は過度の加速の少なくとも1つである、実施例6に記載の装置。
【0154】
実施例8.荷物制御システムの危険な状態は、物体との衝突であり、操作モジュールは、物体を回避するために、荷物制御システムにトルク又は水平方向の力を付与するようにファンアレイを制御する、実施例7に記載の装置。
【0155】
実施例9.操作モジュールはさらに、トルクを付与して向きを取得し、その後、物体を回避するために、水平方向の力を付与して、荷物制御システムを移動させる、実施例8に記載の装置。
【0156】
実施例10.荷物制御システムの危険な状態は、過度の加速であり、操作モジュールは、過度の加速を低減するようにホイストを制御する実施例7に記載の装置。
【0157】
実施例11.過度の加速を低減するために、操作モジュールは、ロングラインを出すようにホイストを制御する、実施例10に記載の装置。
【0158】
実施例12.システムモデルは、キャリアの中心又は軌道、吊り下げ荷物制御システムの中心又は軌道、目的ロケーション、吊り下げ荷物制御システム及び荷物の質量、ロングラインの長さ、吊り下げ荷物制御システム及び荷物の慣性、吊り下げ荷物制御システムの移動及び回転、吊り下げ荷物制御システムの地上高さ、キャリアの移動及び回転、キャリアの地上高さ、ロングラインの空力モデル、ロングラインにかかる重力、並びに風力・海の状況及び吊り下げ荷物制御システムとキャリアとの相対運動の外乱推定のうちの少なくとも1つを含む、実施例1に記載の装置。
【0159】
実施例13.目的ロケーションは経時的に移動する、実施例12に記載の装置。
【0160】
実施例14.キャリアの軌道中心は目的ロケーションよりも大きく、操作モジュールは、ファンアレイ及びホイストを制御し、キャリアの軌道中心内の目標地点に対する荷物制御システムの位置・運動及び向きに影響を与えるためのナビゲーション命令をキャリアに出力する、実施例12に記載の装置。
【0161】
実施例15.ロングラインに関する物理的情報は、ホイストから荷物制御システムまで延びるロングラインの長さ、ロングラインからホイストにかかる張力又はトルク、又はロングラインからホイストにかかる質量のうちの少なくとも1つを含む、実施例1に記載の装置。
【0162】
実施例16.荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態は、キャリアの位置・向き及び動き、並びに荷物制御システムの位置・向き及び動きを含み、操作モジュールは、第1の状態情報及び第2の状態情報に基づいて、荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態を推定及び予測し、第1の状態情報及び第2の状態情報に基づいて、荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態を推定及び予測することは、操作モジュールが、第1の状態情報及び第2の状態情報に基づいて、第1のセンサセット及び第2のセンサセットからの第1の状態情報及び第2の状態情報を、操作モジュールの機能モード又はコマンド状態、推力及び方位マッピング、又は、キャリア・ファンアレイ及びホイストのマッピングのうちの少なくとも1つからのフィードバックを有するシステムモデルに従って非線形フィルタにおいて結合することである、実施例1に記載の装置。
【0163】
実施例17.非線形フィルタは、アンセンテッドカルマンフィルタを備える、実施例16に記載の装置。
【0164】
実施例18.ロングラインによってキャリアから吊り下げられた荷物を制御する方法であって、コンピュータプロセッサ及びメモリを伴い、ファンアレイ及び第1のセンサセットを備える荷物制御システムを伴い、荷物制御システムはロングラインの末端に固定され、ホイストから荷物制御システムまで延びるロングラインの長さを制御するホイスト及び第2のセンサセットを備えるキャリアを伴い、メモリ内のシステムモデルは、荷物制御システム、キャリア、及びロングラインを表し、コンピュータプロセッサは、第1のセンサセットから、荷物制御システムの第1の位置・運動及び向きに関する第1の状態情報を取得し、コンピュータプロセッサは、第2のセンサセットから、キャリアの第2の位置・動き及び向きに関する第2の状態情報を取得し、コンピュータプロセッサは、ホイストから、ホイストから荷物制御システムに延びるロングラインに関する物理的情報を取得し、コンピュータプロセッサは、システムモデルに、第1の状態情報、第2の状態情報、及びホイストから荷物制御システムに延びるロングラインに関する物理的情報を提供し、コンピュータプロセッサは、荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態、荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の経時的な特性、並びに荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の経時的な特性間の応答時間を決定し、コンピュータプロセッサは、荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態、荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の経時的な特性、並びに荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の経時的な特性間の応答時間に基づいて、ファンアレイ及びホイストを制御し、目標地点に対する荷物制御システムの位置・運動及び向きに影響を与えるナビゲーション命令をキャリアに出力する、方法。
【0165】
実施例19.荷物は、吊り下げ荷物制御システム、又は吊り下げ荷物制御システムに固定された荷物のうちの少なくとも1つを含む、実施例18記載の方法。
【0166】
実施例20.コンピュータプロセッサはさらに、応答時間が閾値を超えることを判定し、それに応答して、荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の摂動、並びに荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の経時的な特性の摂動を最小化するように目標地点を決定する、実施例18記載の方法。
【0167】
実施例21.荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の摂動、並びに荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の経時的な特性の摂動を最小化するために、コンピュータプロセッサは、キャリアのロータ経路の指示、キャリアの速度の指示、又はキャリアの軌道中心の指示のうちの少なくとも1つを行うためのナビゲーション命令をキャリアにさらに出力する、実施例20に記載の方法。
【0168】
実施例22.コンピュータプロセッサはさらに、ホイストから荷物制御システムに延びるロングラインの長さを静止させるようにホイストを制御することによって、荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の摂動、並びに荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の経時的な特性の摂動を最小化する、実施例20に記載の方法。
【0169】
実施例23.コンピュータプロセッサはさらに、荷物制御システムの危険な状態を予測し、危険な状態を回避するために目標地点を決定する、実施例18記載の方法。
【0170】
実施例24.荷物制御システムの危険な状態は、物体との衝突又は過度の加速の少なくとも1つである、実施例23記載の方法。
【0171】
実施例25.荷物制御システムの危険な状態は、物体との衝突であり、コンピュータプロセッサは、物体を回避するために、荷物制御システムにトルク又は水平方向の力を付与するようにファンアレイをさらに制御する、実施例24に記載の方法。
【0172】
実施例26.コンピュータプロセッサはさらに、トルクを付与して向きを取得し、その後、物体を回避するために、水平方向の力を付与して、荷物制御システムを移動させる、実施例25記載の方法。
【0173】
実施例27.荷物制御システムの危険な状態は、過度の加速であり、コンピュータプロセッサは、過度の加速を低減するようにホイストを制御する、実施例24に記載の方法。
【0174】
実施例28.過度の加速を低減するために、コンピュータプロセッサはさらに、ロングラインを出すようにホイストを制御する、実施例27に記載の方法。
【0175】
実施例29.システムモデルは、キャリアの中心又は軌道、吊り下げ荷物制御システムの中心又は軌道、目的ロケーション、吊り下げ荷物制御システム及び荷物の質量、ロングラインの長さ、吊り下げ荷物制御システム及び荷物の慣性、吊り下げ荷物制御システムの移動及び回転、吊り下げ荷物制御システムの地上高さ、キャリアの移動及び回転、キャリアの地上高さ、ロングラインの空力モデル、ロングラインにかかる重力、並びに風力・海の状況及び吊り下げ荷物制御システムとキャリアとの相対運動の外乱推定のうちの少なくとも1つを含む、実施例18記載の方法。
【0176】
実施例30.目的ロケーションは経時的に移動する、実施例29記載の方法。
【0177】
実施例31.キャリアの軌道中心は、目的ロケーションよりも大きく、コンピュータプロセッサは、ファンアレイ及びホイストをさらに制御し、キャリアの軌道中心内の目標地点に対する荷物制御システムの位置・運動及び向きに影響を与えるために、キャリアにナビゲーション命令を出力する、実施例29に記載の方法。
【0178】
実施例32.ロングラインに関する物理的情報は、ホイストから荷物制御システムまで延びるロングラインの長さ、ロングラインからホイストにかかる張力又はトルク、又はロングラインからホイストにかかる質量のうちの少なくとも1つを含む、実施例18に記載の方法。
【0179】
実施例33.荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態は、キャリアの位置・向き及び動き並びに荷物制御システムの位置・向き及び動きを含み、コンピュータプロセッサはさらに、第1の状態情報及び第2の状態情報に基づいて、荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態を推定及び予測する、ここにおいて、第1の状態情報及び第2の状態情報に基づいて、荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態を推定及び予測することは、第1のセンサセット及び第2のセンサセットからの第1の状態情報及び第2の状態情報を、機能モード又はコマンド状態、推力及び方位マッピング、又はキャリア・ファンアレイ及びホイストのマッピングのうちの少なくとも1つからのフィードバックを有するシステムモデルに従って非線形フィルタにおいて結合することを含む、実施例18に記載の方法。
【0180】
実施例34.非線形フィルタは、アンセンテッドカルマンフィルタを含む、実施例33に記載の方法。
【0181】
実施例35.ロングラインによってキャリアから吊り下げられた荷物を制御するコンピュータ装置であって、荷物制御システム、キャリア、コンピュータプロセッサ、及びメモリを備え、ここにおいて荷物制御システムは、ファンアレイ、第1のセンサセット、及び荷物制御システムをロングラインの末端に固定する手段を備え、キャリアは、ホイスト及び第2のセンサセットを備え、ホイストは、ホイストから荷物制御システムまで延びるロングラインの長さを制御する手段を備え、メモリはシステムモデルを備え、システムモデルは荷物制御システム、キャリア、及びロングラインを表し、コンピュータプロセッサは、第1のセンサセットから、荷物制御システムの第1の位置・動き及び向きに関する第1の状態情報を取得する手段を備え、コンピュータプロセッサはさらに、第2のセンサセットから、キャリアの第2の位置・動き及び向きに関する第2の状態情報を取得する手段をさらに備え、コンピュータプロセッサはさらに、ホイストから、ホイストから荷物制御システムに延びるロングラインに関する物理的情報を取得する手段をさらに備え、コンピュータプロセッサはさらに、システムモデルに、第1の状態情報、第2の状態情報、及びホイストから荷物制御システムに延びるロングラインに関する物理的情報を提供する手段をさらに備え、コンピュータプロセッサはさらに、荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態、荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の経時的な特性、並びに荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の経時的な特性間の応答時間を決定する手段をさらに備え、荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態、荷物制御システム、キャリア、及びロングラインの経時的な状態の特性、並びに荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の経時的な特性間の応答時間に基づいて、コンピュータプロセッサはさらに、ファンアレイ及びホイストを制御し、目標地点に対する荷物制御システムの位置・運動及び向きに影響を与えるようにキャリアにナビゲーション命令を出力する手段をさらに備える、コンピュータ装置。
【0182】
実施例36.荷物は、吊り下げ荷物制御システム又は吊り下げ荷物制御システムに固定された荷物の少なくとも1つを含む、実施例35に記載の装置。
【0183】
実施例37.コンピュータプロセッサはさらに、応答時間が閾値を超えたことを判定する手段、及び、それに応答して、荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の摂動、並びに荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の経時的な特性の摂動を最小化するように目標地点を決定する手段を備える、実施例35に記載の装置。
【0184】
実施例38.荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の摂動、並びに荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の経時的な特性の摂動を最小化するために、コンピュータプロセッサはさらに、キャリアのロータ経路を指示する、キャリアの速度を指示する、又はキャリアの軌道中心を指示する、のうちの少なくとも1つを行うためのナビゲーション命令をキャリアに出力する手段を備える、実施例37に記載の装置。
【0185】
実施例39.コンピュータプロセッサはさらに、ホイストから荷物制御システムに延びるロングラインの長さを静止させるようにホイストを制御することによって、荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の摂動、並びに荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の経時的な特性の摂動を最小化する手段を備える、実施例37に記載の装置。
【0186】
実施例40.コンピュータプロセッサはさらに、荷物制御システムの危険な状態を予測する手段、及び危険な状態を回避するための目標地点を決定する手段を含む、実施例35に記載の装置。
【0187】
実施例41.荷物制御システムの危険な状態は、物体との衝突又は過度の加速の少なくとも1つである、実施例40に記載の装置。
【0188】
実施例42.荷物制御システムの危険な状態は、物体との衝突であり、コンピュータプロセッサはさらに、物体を回避するために、荷物制御システムにトルク又は水平方向の力を付与するようにファンアレイを制御する手段を含む、実施例41に記載の装置。
【0189】
実施例43.コンピュータプロセッサはさらに、トルクを付与して向きを取得し、その後、物体を回避するために、水平方向の力を付与して、荷物制御システムを移動させる手段を備える、実施例42に記載の装置。
【0190】
実施例44.荷物制御システムの危険な状態は過度の加速であり、コンピュータプロセッサはさらに、過度の加速を低減させるようにホイストを制御する手段を備える、実施例41に記載の装置。
【0191】
実施例45.過度の加速を低減するために、コンピュータプロセッサはさらに、ロングラインを出すようにホイストを制御する手段を備える、実施例44に記載の装置。
【0192】
実施例46.システムモデルは、キャリアの中心又は軌道、吊り下げ荷物制御システムの中心又は軌道、目的ロケーション、吊り下げ荷物制御システム及び荷物の質量、ロングラインの長さ、吊り下げ荷物制御システム及び荷物の慣性、吊り下げ荷物制御システムの移動及び回転、荷物制御システムの地上高さ、キャリアの移動及び回転、キャリアの地上高さ、ロングラインの空力モデル、ロングラインにかかる重力、風力・海の状況及び荷物制御システムとキャリアとの間の相対運動の外乱推定のうちの少なくとも1つを含む、実施例35に記載の装置。
【0193】
実施例47.目的ロケーションは経時的に移動する、実施例46に記載の装置。
【0194】
実施例48.キャリアの軌道中心は目的ロケーションよりも大きく、コンピュータプロセッサはさらに、ファンアレイ及びホイストを制御する手段、及びキャリアの軌道中心内の目標地点に対する荷物制御システムの位置・運動及び向きに影響を与えるためのナビゲーション命令をキャリアに出力する手段を備える、実施例46に記載の装置。
【0195】
実施例49.ロングラインに関する物理的情報は、ホイストから荷物制御システムまで延びるロングラインの長さ、ロングラインからホイストにかかる張力又はトルク、又はロングラインからホイストにかかる質量のうちの少なくとも1つを含む、実施例35に記載の装置。
【0196】
実施例50.荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態は、キャリアの位置・向き及び動き並びに荷物制御システムの位置・向き及び動きを含み、コンピュータプロセッサはさらに、第1の状態情報及び第2の状態情報に基づいて、荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態を推定及び予測する手段をさらに備え、ここにおいて、第1の状態情報及び第2の状態情報に基づいて、荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態を推定及び予測する手段は、第1のセンサセット及び第2のセンサセットからの第1の状態情報及び第2の状態情報を、機能モード又はコマンド状態、推力及び方位マッピング、又はキャリア・ファンアレイ及びホイストのマッピングのうちの少なくとも1つからのフィードバックを有するシステムモデルに従って非線形フィルタにおいて結合する手段を備える、実施例35に記載の装置
【0197】
実施例51.非線形フィルタは、アンセンテッドカルマンフィルタを含む、実施例50に記載の装置。
【0198】
実施例52.1つ以上のコンピュータ読み取り可能媒体は、コンピュータデバイスのコンピュータプロセッサによる命令の実行に応答して、コンピュータデバイスに、ロングラインによってキャリアから吊り下げられた荷物を制御させる命令を含み、荷物制御システムであって、ファンアレイ及び第1のセンサセットを備え、ロングラインの末端に固定されている、荷物制御システムを伴い、キャリアであって、ホイストから荷物制御システムまで延びるロングラインの長さを制御するホイスト、及び第2のセンサセットを備えるキャリアを伴い、命令はシステムモデルを備え、システムモデルは荷物制御システム、キャリア、及びロングラインを表し、前記命令は、コンピュータデバイスに、第1のセンサセットから、荷物制御システムの第1の位置・動き及び向きに関する第1の状態情報を取得させ、第2のセンサセットから、キャリアの第2の位置・動き及び向きに関する第2の状態情報を取得させ、ホイストから、ホイストから荷物制御システムに延びるロングラインに関する物理的情報を取得させ、システムモデルに、ホイストから荷物制御システムに延びるロングラインに関する第1の状態情報、第2の状態情報、及び物理的情報を提供させ、それに基づいて荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態、荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の経時的な特性、並びに荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の経時的な特性間の応答時間を決定させ、荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態、荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の経時的な特性、並びに荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の経時的な特性間の応答時間に基づいて、ファンアレイ及びホイストを制御させ、目標地点に対する荷物制御システムの位置、運動、及び姿勢に影響を与えるようキャリアにナビゲーション命令を出力させる、1つ以上のコンピュータ読み取り可能媒体。
【0199】
実施例53.荷物は、吊り下げ荷物制御システム又は吊り下げ荷物制御システムに固定された荷物の少なくとも1つを含む、実施例52に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【0200】
実施例54.命令は、コンピュータ装置に、応答時間が閾値を超えたことを判定させ、それに応答して、荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の摂動、並びに荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の経時的な特性の摂動を最小化するように目標地点を決定させることをさらに含む、実施例52に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【0201】
実施例55.荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の摂動、並びに荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の経時的な特性の摂動を最小化するために、命令はさらに、コンピュータ装置に、キャリアのロータ経路を指示すること、キャリアの速度を指示すること、又はキャリアの軌道中心を指示することのうちの少なくとも1つのナビゲーション命令をキャリアに出力させる、実施例54に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【0202】
実施例56.命令はさらに、ホイストから荷物制御システムに延びるロングラインの長さを静止させるようにホイストを制御することによって、コンピュータ装置に、荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の摂動、並びに荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態の経時的な特性の摂動を最小化させる、実施例54に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【0203】
実施例57.命令はさらに、コンピュータ装置に、荷物制御システムの危険な状態を予測させ、及び危険な状態を回避するように目標地点を決定させる、実施例52に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【0204】
荷物制御システムの危険な状態は、物体との衝突又は過度の加速の少なくとも1つである、実施例57に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【0205】
実施例59.荷物制御システムの危険な状態は、物体との衝突であり、命令はさらに、コンピュータデバイスに、物体を回避させるように、荷物制御システムにトルク又は水平方向の力を付与するようにファンアレイを制御させる、実施例58に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【0206】
実施例60.命令はさらに、コンピュータデバイスに、トルクを付与して向きを取得し、その後、物体を回避するために、水平方向の力を付与して、荷物制御システムを移動させる、実施例59に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【0207】
実施例61.荷物制御システムの危険な状態は、過度の加速であり、命令はさらに、過度の加速を低減させるようにホイストを制御する、実施例58に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【0208】
実施例62.過度の加速を低減するために、命令はさらに、ロングラインを繰り出すようにホイストを制御する、実施例61に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【0209】
実施例63.システムモデルは、キャリアの中心又は軌道、吊り下げ荷物制御システムの中心又は軌道、目的ロケーション、吊り下げ荷物制御システム及び荷物の質量、ロングラインの長さ、吊り下げ荷物制御システム及び荷物の慣性、吊り下げ荷物制御システムの移動及び回転、吊り下げ荷物制御システムの地上高さ、キャリアの移動及び回転、キャリアの地上高さ、ロングラインの空力モデル、ロングラインにかかる重力、風力・海の状況及び吊り下げ荷物制御システムとキャリアの相対運動の外乱推定、のうちの少なくとも1つを含む、実施例52に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【0210】
実施例64.目的ロケーションは、経時的に移動する、実施例63に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【0211】
実施例65.キャリアの軌道中心は、目的ロケーションよりも大きく、命令はさらに、コンピュータ装置に、ファンアレイ及びホイストを制御させ、キャリアの軌道中心内の目標地点に対する荷物制御システムの位置、運動及び向きに影響を与えるナビゲーション命令をキャリアに出力させる、実施例63に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【0212】
実施例66.ロングラインに関する物理的情報は、ホイストから荷物制御システムまで延びるロングラインの長さ、ロングラインからホイストにかかる張力又はトルク、又はロングラインからホイストにかかる質量のうちの少なくとも1つを含む、実施例52に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【0213】
実施例67.荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態は、キャリアの位置・向き及び動き、並びに荷物制御システムの位置・向き及び動きを含み、命令はさらに、コンピュータ装置に、第1の状態情報及び第2の状態情報に基づいて、荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態を推定及び予測させることを含み、ここにおいて、第1の状態情報及び第2の状態情報に基づいて、荷物制御システム・キャリア及びロングラインの状態を推定及び予測させることは、機能モード又はコマンド状態、推力及び方位マッピング、又はキャリア・ファンアレイ及びホイストのマッピングのうちの少なくとも1つからのフィードバックを有するシステムモデルに従って、第1のセンサセット及び第2のセンサセットからの第1の状態情報及び第2の状態情報を、非線形フィルタにおいて結合することを含む、実施例52に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【0214】
実施例68.非線型フィルタは、アンセンテッドカルマンフィルタを備える、実施例67に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図14
図15
【国際調査報告】