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特表2024-520434一体化されたフラッシュモジュールを有する経腸栄養ポンプドッキングステーション
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】一体化されたフラッシュモジュールを有する経腸栄養ポンプドッキングステーション
(51)【国際特許分類】
   A61J 15/00 20060101AFI20240517BHJP
   A61M 5/142 20060101ALI20240517BHJP
   A61M 39/22 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
A61J15/00 Z
A61J15/00 A
A61M5/142 500
A61M39/22 100
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572824
(86)(22)【出願日】2022-04-30
(85)【翻訳文提出日】2023-12-04
(86)【国際出願番号】 US2022027161
(87)【国際公開番号】W WO2022250861
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】17/331,809
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502300657
【氏名又は名称】ゼヴェクス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100202854
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 卓行
(72)【発明者】
【氏名】ベック,ケント・エフ
(72)【発明者】
【氏名】ヒメネス・カストロ,パブロ・アー
(72)【発明者】
【氏名】スミス,ジャスティン・ライアル
(72)【発明者】
【氏名】マルムストローム,ジェームズ・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ズクゾツカ,ダニエル・サビン
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,スティーブン・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ガイスラー,ジェフリー・ディー
(72)【発明者】
【氏名】スタンフィールド,ジェイ・ライアン
【テーマコード(参考)】
4C047
4C066
【Fターム(参考)】
4C047AA15
4C047CC06
4C047EE10
4C066AA05
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD11
4C066DD15
4C066EE10
4C066FF01
4C066HH01
4C066JJ02
4C066JJ04
4C066QQ15
4C066QQ16
4C066QQ82
(57)【要約】
経腸栄養ポンプへの取り外し可能な接続のためのドッキングステーションは、経腸栄養ポンプに装填された投与セットの自動フラッシングを可能にする。ドッキングステーションは、投与セットの切り替え可能なフローバルブを受容するように構成されているバルブシートと、フラッシュコントローラと、フラッシュコントローラに接続され、切り替え可能なフローバルブがバルブシートによって受容されたときに、切り替え可能なフローバルブと解放可能に嵌合するように構成されているアクチュエータと、経腸栄養ポンプがドッキングステーションに接続されたときに、経腸栄養ポンプによって送信されたデータ信号がドッキングステーションのフラッシュコントローラに入力されるデータ通信手段とを有し得る。動作中、フラッシュコントローラは、経腸栄養ポンプによって送信されたフラッシュコマンドを受信し、フラッシュコマンドに応答して切り替え可能なフローバルブをフラッシュ位置に切り替えるための制御信号をアクチュエータに伝送し得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
経腸栄養ポンプへの取り外し可能な接続のためのドッキングステーションであって、前記ドッキングステーションは、
前記経腸栄養ポンプに装填された投与セットの切り替え可能なフローバルブを受容するように構成されたバルブシートと、
フラッシュコントローラと、
前記フラッシュコントローラに接続されたアクチュエータであって、前記切り替え可能なフローバルブが前記バルブシートによって受容されたときに、前記切り替え可能なフローバルブと解放可能に嵌合するように構成されている、アクチュエータと、
データ通信手段と、を備え、前記データ通信手段によって、前記経腸栄養ポンプが前記ドッキングステーションに接続されているときに前記経腸栄養ポンプによって送信されたデータ信号が前記ドッキングステーションの前記フラッシュコントローラに入力され、それによって、前記フラッシュコントローラが、前記経腸栄養ポンプによって送信されたフラッシュコマンドを受信し、前記フラッシュコマンドに応答して、前記切り替え可能なフローバルブをフラッシュ位置に切り替えるための制御信号を前記アクチュエータに送信する、ドッキングステーション。
【請求項2】
前記アクチュエータは、モータと、前記モータによってバルブ切り替え軸を中心に回転するように駆動されるカプラ要素と、を含み、前記カプラ要素は、前記カプラ要素及び前記切り替え可能なフローバルブが前記バルブ切り替え軸を中心に互いに対して単一の所定の回転配向にあるときのみ、前記切り替え可能なフローバルブと嵌合するように構成されている、請求項1に記載のドッキングステーション。
【請求項3】
前記カプラ要素は、後退位置と伸長位置との間で前記バルブ切り替え軸に沿って前記モータに対して直線的に変位可能であり、前記カプラ要素は、前記カプラ要素が前記伸長位置にあり、前記カプラ要素及び前記切り替え可能なフローバルブが前記単一の所定の回転配向にあるときに、前記切り替え可能なフローバルブと嵌合する、請求項2に記載のドッキングステーション。
【請求項4】
前記カプラ要素は、前記伸長位置に向かってばね付勢されている、請求項3に記載のドッキングステーション。
【請求項5】
前記カプラ要素は、前記切り替え可能なフローバルブが前記バルブシートによって受容されており、前記カプラ要素及び前記切り替え可能なフローバルブが前記単一の所定の回転配向にないときに、前記後退位置に向かって、ばね付勢に抗して押し付けられている、請求項4に記載のドッキングステーション。
【請求項6】
前記フラッシュコントローラに接続された近接センサを更に備え、前記近接センサは、前記切り替え可能なフローバルブが前記バルブシートによって受容されていることを示す近接信号を前記フラッシュコントローラに提供する、請求項1に記載のドッキングステーション。
【請求項7】
前記フラッシュコントローラに接続された近接センサを更に備え、前記近接センサは、前記切り替え可能なフローバルブが前記バルブシートによって受容されていることを示す近接信号を前記フラッシュコントローラに提供し、前記カプラ要素は、反射面を含み、前記近接センサは、前記反射面に向かって光を放射し、前記反射面からの反射後に、放射された前記光の一部を検出するように配設された光近接センサである、請求項3に記載のドッキングステーション。
【請求項8】
前記反射面は、前記カプラ要素が前記切り替え可能なフローバルブの前記フラッシュ位置に対応する前記バルブ切り替え軸を中心とする回転位置にあるときに、前記近接センサによって検出された反射光に影響を与える局所的特徴を含み、それによって、前記近接信号は、前記切り替え可能なフローバルブが前記フラッシュ位置にあるときを示す、請求項7に記載のドッキングステーション。
【請求項9】
前記フラッシュコントローラに接続されたエンコーダを更に備え、前記エンコーダは、前記バルブ切り替え軸を中心とした前記カプラ要素の回転位置を測定し、前記カプラ要素の測定された前記回転位置を示す回転位置信号を前記フラッシュコントローラに提供する、請求項1に記載のドッキングステーション。
【請求項10】
供給チューブ分岐と、フラッシュチューブ分岐と、ポンプチューブ部分と、前記供給チューブ分岐、前記フラッシュチューブ分岐、及び前記ポンプチューブ部分に接続されたフローバルブと、を有する経腸栄養投与セットのチューブであって、前記フローバルブは、前記フローバルブが前記フラッシュチューブ分岐と前記ポンプチューブ部分との間のフロー連通を可能にし、前記供給チューブ分岐と前記ポンプチューブ部分との間のフロー連通を防止するフラッシュ位置を有する、経腸栄養投与セットのチューブをフラッシングする方法であって、前記方法は、
経腸栄養ポンプをドッキングステーションに接続するステップと、
前記フラッシュチューブ分岐をフラッシング液源に接続するステップと、
前記経腸栄養ポンプに前記ポンプチューブ部分を装填するステップと、
前記フローバルブを前記ドッキングステーションのアクチュエータと嵌合させるステップと、
ユーザフラッシュコマンドを受信するステップと、
前記ユーザフラッシュコマンドに応答して、前記フローバルブを前記フラッシュ位置に移動させるように前記アクチュエータを動作させるステップと、
前記フラッシュチューブ分岐、前記フローバルブ、及び前記ポンプチューブ部分を通して前記フラッシング液源からフラッシング液をポンピングするようために前記経腸栄養ポンプを動作させるステップと、を含む、方法。
【請求項11】
前記フローバルブは、前記フラッシュ位置へ又は前記フラッシュ位置からバルブ切り替え軸を中心として回転可能であり、前記アクチュエータは、カプラ要素を含み、前記カプラ要素は、前記カプラ要素及び前記フローバルブが前記バルブ切り替え軸を中心として互いに対して単一の所定の回転配向にあるときにのみ前記フローバルブと嵌合するように構成されており、前記フローバルブを前記アクチュエータと嵌合させる前記ステップは、前記バルブ切り替え軸の方向に沿って前記カプラ要素をばね付勢することと、前記カプラ要素及び前記フローバルブが前記単一の所定の回転配向にあり、前記カプラ要素が、前記フローバルブと嵌合係合するように前記ばね付勢によって押し込まれるまで前記カプラ要素を自動的に回転させることと、を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記フラッシュコマンドは、前記経腸栄養ポンプのユーザインターフェースを経由して入力される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
経腸栄養ポンプシステムであって、
栄養液源に接続可能な供給チューブ分岐と、フラッシング液源に接続可能なフラッシュチューブ分岐と、前記供給チューブ分岐及び前記フラッシュチューブ分岐に接続されたフローバルブと、前記フローバルブに接続されたポンプチューブ部分とを含む投与セットであって、前記フローバルブは、前記供給チューブ分岐と前記ポンプチューブ部分との間のフロー連通を可能にし、前記フラッシュチューブ分岐と前記ポンプチューブ部分との間のフロー連通を防止する供給位置を有し、前記フローバルブは、前記フラッシュチューブ分岐と前記ポンプチューブ部分との間のフロー連通を可能にし、前記供給チューブ分岐と前記ポンプチューブ部分との間のフロー連通を防止するフラッシュ位置を有する、投与セットと、
前記ポンプチューブ部分を受容するように構成された経腸栄養ポンプであって、前記ポンプチューブ部分を通して、前記フローバルブから離れるフロー方向に液体をポンピングするように前記ポンプチューブ部分に対して作用するポンピング機構を含む、経腸栄養ポンプと、
前記フローバルブと嵌合するために構成されているアクチュエータを含むドッキングステーションと、を備え、前記アクチュエータは、前記フローバルブが前記アクチュエータと嵌合されているときに、前記フローバルブを前記供給位置と前記フラッシュ位置との間で切り替えるように選択的に動作可能である、経腸栄養ポンプシステム。
【請求項14】
前記ドッキングステーションは、前記フローバルブを前記供給位置と前記フラッシュ位置との間で切り替えるための動作コマンドを前記アクチュエータに発行するために前記アクチュエータに接続されたフラッシュコントローラを含む、請求項13に記載の経腸栄養ポンプシステム。
【請求項15】
前記経腸栄養ポンプは、前記ポンピング機構に動作コマンドを発行するために前記ポンピング機構に接続されたポンプコントローラを含む、請求項14に記載の経腸栄養ポンプシステム。
【請求項16】
前記経腸栄養ポンプが前記ドッキングステーションに接続されているときに、前記経腸栄養ポンプと前記ドッキングステーションの前記フラッシュコントローラとの間のデータ通信を確立するためのデータ通信手段を更に備え、それによって、前記フラッシュコントローラは、前記経腸栄養ポンプによって送信されたフラッシュコマンドを受信し、前記フラッシュコマンドに応答して、前記切り替え可能なフローバルブをフラッシュ位置に切り替えるための制御信号を前記アクチュエータに送信する、請求項15に記載の経腸栄養ポンプシステム。
【請求項17】
前記経腸栄養ポンプ及び前記ドッキングステーションは各々、それぞれのねじ付き部材を含み、前記ねじ付き部材は、前記経腸栄養ポンプを前記ドッキングステーションに取り外し可能に接続するために互いに嵌合するように構成されている、請求項16に記載の経腸栄養ポンプシステム。
【請求項18】
フローバルブであって、
食物入口ポートと、フラッシュ入口ポートと、出口ポートとを含む中空バルブハウジングと、
前記バルブハウジングによって受容されたバルブ本体と、を備え、前記バルブ本体は、前記バルブハウジングに対してバルブ軸を中心に回転可能であり、前記バルブ本体は、入力端と出力端とを有する流路を含み、
前記バルブ本体は、前記流路を通じて前記食物入口ポートと前記出口ポートとの間の連通を可能にするように、前記流路の前記入力端が前記食物入口ポートに面しており、前記流路の前記出力端が前記出口ポートに面する、回転供給位置を有し、
前記バルブ本体は、前記流路を通じて前記フラッシュ入口ポートと前記出口ポートとの間の連通を可能にするように、前記流路の前記入力端が前記フラッシュ入口ポートに面しており、前記流路の前記出力端が前記出口ポートに面する、回転フラッシュ位置を有し、
前記流路の前記出力端の通路面積は、前記流路の前記入力端の通路面積よりも大きい、フローバルブ。
【請求項19】
前記流路は、前記入力端から前記出力端まで直線的に延在する直壁と、前記入力端から前記出力端までの湾曲経路に沿って前記直壁から分岐する湾曲壁と、を有する、請求項18に記載のフローバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、投与セットが栄養液をユーザに送達するために使用された後に、投与セットをフラッシング液でフラッシングするためのデバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] プログラム可能な経腸栄養ポンプは、ユーザへの栄養液の制御された送達を実行するために使用されている。一般的な配設では、経腸栄養ポンプは、経腸栄養ポンプのポンピング機構によって係合されるように設計されたチューブセグメントを有する可撓性チューブを備える使い捨て投与セットを受容する。可撓性チューブの一端は、栄養液源に接続し、可撓性チューブの他端は、栄養液をユーザの胃腸管に直接送達するように配設されている。高粘性の栄養液、例えば母乳は、可撓性チューブの内壁に集まり、流路を詰まらせる傾向がある。結果として、ユーザへの栄養液の実際の送達は、処方された又は意図された送達に対して低減され得る。
【0003】
[0003] 水などのフラッシング液を強制的にチューブに流すことによって、投与セットチューブをフラッシュすることが知られている。例えば、フラッシング動作は、供給動作が実行される前及び/又は後に推奨され得る。手動フラッシングは、フラッシング液が充填されたシリンジをチューブの一端に位置決めし、フラッシング液をチューブに注入してチューブを通して流し、栄養液残留物をチューブからフラッシュすることによって実行され得る。このタイプの手動フラッシング動作は、面倒であり、投与セットをポンプ、栄養液源、及びユーザの栄養補給ポート又は栄養補給チューブから切り離される必要がある。
【0004】
[0004] 経腸栄養ポンプのポンピング機構がフラッシング液を投与セットのチューブを通して押し出すために使用される、自動フラッシング装置が知られている。米国特許第7,896,859号は、国際公開第2005/115501号とともに、投与セットが、切り替え可能なフローバルブでポンプチューブ部分に合流される供給チューブ分岐及びフラッシュチューブ分岐を有する、装置を記載する。供給チューブ分岐は、栄養液源に接続されており、一方、フラッシュチューブ分岐は、フラッシング液源に接続されている。ポンプチューブ部分及びフローバルブは、プログラム可能な経腸栄養ポンプの中に装填可能であり、このポンプは、フローバルブを供給位置、フラッシュ位置、及び遮断位置の間で切り替えるための電動バルブアクチュエータを含み、それによって、栄養液又はフラッシング液のいずれかは、ポンプチューブ部分を通してポンピングするために選択され得るか、又は、バルブがポンプから装填解除され得るように、バルブを通してフローは可能にされない。開示された装置は、経腸栄養ポンプに重量及び複雑さを追加し、これは、歩行用使用のために意図されたポンプにおいては望ましくない。
【0005】
[0005] 必要とされているのは、上述の欠点なしに経腸栄養投与セットのフラッシングを容易にする装置である。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 本開示は、経腸栄養ポンプに装填された投与セットの自動フラッシングを可能にする、経腸栄養ポンプへの取り外し可能な接続のためのドッキングステーションを提供する。ドッキングステーションは、概して、投与セットの切り替え可能なフローバルブを受容するように構成されているバルブシートと、フラッシュコントローラと、フラッシュコントローラに接続され、切り替え可能なフローバルブがバルブシートによって受容されたときに、切り替え可能なフローバルブと解放可能に嵌合するように構成されているアクチュエータと、経腸栄養ポンプがドッキングステーションに接続されたときに、経腸栄養ポンプによって送信されたデータ信号がドッキングステーションのフラッシュコントローラに入力されるデータ通信手段とを備え得る。動作中、フラッシュコントローラは、経腸栄養ポンプによって送信されたフラッシュコマンドを受信し、フラッシュコマンドに応答して切り替え可能なフローバルブをフラッシュ位置に切り替えるための制御信号をアクチュエータに伝送し得る。
【0007】
[0007] 本開示による経腸栄養投与セットのチューブをフラッシングする方法は、概して、経腸栄養ポンプをドッキングステーションに接続するステップと、投与セットのフラッシュチューブ分岐をフラッシング液源に接続するステップと、経腸栄養ポンプの中に投与セットのポンプチューブ部分を装填するステップと、投与セットのフローバルブをドッキングステーションのアクチュエータと嵌合させるステップと、ユーザフラッシュコマンドを受信するステップと、ユーザフラッシュコマンドに応答してフローバルブをフラッシュ位置に移動させるためにアクチュエータを動作させるステップと、フラッシュチューブ分岐、フローバルブ、及びポンプチューブ部分を通してフラッシング液源からフラッシング液をポンピングするために、経腸栄養ポンプを動作させるステップとを含み得る。フラッシュコマンドは、経腸栄養ポンプのユーザインターフェースを経由してユーザによって入力され得る。
【0008】
[0008] 本開示は、投与セットと、経腸栄養ポンプと、ドッキングステーションとを備え得る経腸栄養ポンプシステムを更に提供する。投与セットは、栄養液源に接続可能な供給チューブ分岐と、フラッシング液源に接続可能なフラッシュチューブ分岐と、供給チューブ分岐及びフラッシュチューブ分岐に接続されたフローバルブと、フローバルブに接続されたポンプチューブ部分とを含み得、フローバルブは、供給チューブ分岐とポンプチューブ部分との間のフロー連通を可能にし、フラッシュチューブ分岐とポンプチューブ部分との間のフロー連通を防止する供給位置を有し、フローバルブは、フラッシュチューブ分岐とポンプチューブ部分との間のフロー連通を可能にし、供給チューブ分岐とポンプチューブ部分との間のフロー連通を防止するフラッシュ位置を有する。経腸栄養ポンプは、ポンプチューブ部分を受容するように構成され得、ポンプチューブ部分に作用してポンプチューブ部分を通してフローバルブから離れるフロー方向に液体をポンピングするポンピング機構を含み得る。ドッキングステーションは、フローバルブと嵌合するために構成されているアクチュエータを含み得、アクチュエータは、フローバルブがアクチュエータと嵌合されたときに、フローバルブを供給位置とフラッシュ位置との間で切り替えるように選択的に動作可能である。
【0009】
[0009] 本開示はまた、比較的高い粘度を有する液体とともに使用するのに適切な切り替え可能なフローバルブを提供する。フローバルブは、概して、食物入口ポート、フラッシュ入口ポート、及び出口ポートを含む中空バルブハウジングと、バルブハウジングによって受容されているバルブ本体とを備える。バルブ本体は、バルブハウジングに対してバルブ軸を中心に回転可能であり得、バルブ本体は、入力端及び出力端を有する流路を含み得る。流路の出力端の通路面積は、流路の入力端の通路面積よりも大きくてもよい。バルブ本体は、流路を通じて食物入口ポートと出口ポートとの間の連通を可能にするために、流路の入力端が食物入口ポートに面し、流路の出力端が出口ポートに面する、回転供給位置を有し得る。バルブ本体はまた、流路を通じてフラッシュ入口ポートと出口ポートとの間の連通を可能にするために、流路の入力端がフラッシュ入口ポートに面し、流路の出力端が出口ポートに面する、回転フラッシュ位置を有し得る。流路は、入力端から出力端まで直線的に延在する直壁と、入力端から出力端までの湾曲経路に沿って直壁から分岐する湾曲壁とを有し得る。
【0010】
[0010] 本開示の性質及び動作モードは、ここで、添付図面と併せて、以下の発明を実施するための形態において、より十分に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】[0011] 本開示の実施形態に従って形成された経腸栄養ポンプシステムを示す分解斜視図である。
図2】[0012] 栄養液源及びフラッシング液源が省略されている、後方視点からの図1の経腸栄養ポンプシステムを示す別の分解斜視図である。
図3】[0013] システムのドッキングステーションに接続されたシステムの経腸栄養ポンプと、経腸栄養ポンプ及びドッキングステーションに装填されたシステムの投与セットとを示す分解されていない斜視図であり、経腸栄養ポンプのドアは省略されている。
図4】[0014] ポンプの内部構造を示すためにポンプハウジングの前部が取り外された経腸栄養ポンプの斜視図である。
図5】[0015] 注入ポンプ及びドッキングステーションの概略ブロック図である。
図6】[0016] ドッキングステーションの断面図である。
図7】[0017] ドッキングステーションのバルブアクチュエータの斜視図である。
図8】[0018] バルブアクチュエータの分解斜視図である。
図9】[0019] バルブアクチュエータの別の分解斜視図である。
図10】[0020] ドッキングステーションのバルブシートに受容された投与セットの切り替え可能なフローバルブを示す断面図であり、フローバルブはバルブアクチュエータとまだ嵌合されていない。
図11】[0021] 図10と同様の図であり、フローバルブはバルブアクチュエータと嵌合されている。
図12】[0022] フローバルブの斜視図である。
図13】[0023] フローバルブの分解斜視図である。
図14】[0024] 供給位置にあるフローバルブを示す、図12の線14-14に沿った断面図である。
図15】[0025] 図14と同様の図であるが、フラッシュ位置にあるフローバルブを示す。
図16】[0026] 本開示の実施形態による、経腸栄養ポンプにおけるソフトウェアによる注入ポンプシステムの制御を概して例証する状態図である。
図17】[0027] 本開示の実施形態による、投与セットのチューブをフラッシングする方法を実行するための注入ポンプシステムの制御を例証する別の状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0028] 図1及び図2は、本開示の実施形態に従って形成された経腸栄養ポンプシステム10を示す。経腸栄養ポンプシステム10は、概して、経腸栄養ポンプ12と、ドッキングステーション14と、投与セット16とを備える。システム10は、栄養液源17及びフラッシング液源18を更に備え得る。経腸栄養ポンプ12がドッキングステーション14に接続され、以下に記載されるように、投与セット16が経腸栄養ポンプ12及びドッキングステーション14に装填されるときに、経腸栄養ポンプは、供給動作又はフラッシング動作を選択的に実行するために、ユーザによって動作され得る。ドッキングステーション14は、他の機能性、例えば、経腸栄養ポンプ12に電力供給するためのバッテリの再充電を提供し得るが、本開示は、フラッシング機能性に関する。
【0013】
[0029] 投与セット16は、供給及びフラッシング動作を選択的に可能にするように構成され得る。投与セット16は、栄養液源17に接続可能な供給チューブ分岐20と、フラッシング液源18に接続可能なフラッシュチューブ分岐22と、供給チューブ分岐20及びフラッシュチューブ分岐22に接続されたフローバルブ24と、フローバルブ24に接続されたポンプチューブ部分26とを含み得る。フローバルブ24は、フローバルブが供給チューブ分岐20とポンプチューブ部分26との間のフロー連通を可能にし、フラッシュチューブ分岐22とポンプチューブ部分26との間のフロー連通を防止する供給位置を有し得る。フローバルブ24は、フローバルブがフラッシュチューブ分岐22とポンプチューブ部分26との間のフロー連通を可能にし、供給チューブ分岐20とポンプチューブ部分26との間のフロー連通を防止するフラッシュ位置を更に有し得る。フローバルブ24は、供給動作とフラッシング動作とを選択的に可能にするために、供給位置とフラッシュ位置との間で切り替え可能である。
【0014】
[0030] 投与セット16は、ポンプチューブ部分26のセグメントを経腸栄養ポンプ12の中に装填するためのカセット28を含み得る。図3及び図4に例証されるように、ポンプチューブ部分26は、フローバルブ24に接続された上流セグメント26Aと下流セグメント26Cとの間に配設されたポンピングセグメント26Bを有し得る。理解されるように、下流セグメント26Cは、経腸栄養ポンプ12を使用して栄養液を供給源17から栄養チューブ、例えば胃瘻チューブを通してユーザにポンピングする通常の栄養補給動作中に患者又はユーザと連通し得る。ポンピングセグメント26Bは、カセット28を通って延在するように配設され得、カセット28がポンプに装填されるときに、ポンプ12のポンピング機構30に対向して位置付けられている。ポンピング機構30は、フローバルブ24から離れるフロー方向にポンプチューブ部分26を通して液体をポンピングするために、ポンプチューブ部分26のポンピングセグメント26Bに作用する。ポンピング機構30は、図4に例証されるような線形蠕動ポンピング機構であり得、又は回転蠕動ポンピング機構若しくは曲線蠕動ポンピング機構などの他の形態をとり得る。
【0015】
[0031] 供給チューブ分岐20、フラッシュチューブ分岐22、並びにポンプチューブ部分26の上流セグメント26A及び下流セグメント26Bは、PVCチューブ又は他の適切なチューブであり得る。ポンピングセグメント26Bは、ポンピング機構30によって作用されたときに弾性的に変形するように、軟質PVC、シリコーン、又は他の適切な材料から作製され得る。供給チューブ分岐20の端部は、栄養液源17に解放可能に接続し、フラッシュチューブ分岐22の端部は、フラッシング液源18に解放可能に接続する。
【0016】
[0032] 栄養液が投与セット16を通してポンピングされるときに、特に栄養液が高粘度を有する場合、チューブの内壁は、残留物質で裏打ちされるようになり得る。以下でより詳細に記載されるように、ドッキングステーション14は、経腸栄養ポンプ12及び投与セット16のフローバルブ24とインターフェース接続し、システム10を自動的に構成して、供給源18からのフラッシング液で投与セット16のチューブをフラッシングして残留物を除去し、その後の供給動作においてより多くの栄養流体が投与セットを通してポンピングされるときに、投与セットが効率的かつ正確に機能し続け得る、一体化されたフラッシュモジュールを有する。
【0017】
[0033] 経腸栄養ポンプ12及びドッキングステーション14は、経腸栄養ポンプ12がドッキングステーション14に確実に、しかし解放可能に接続されることを可能にするために、それぞれの機械的接続部材を含み得る。例えば、経腸栄養ポンプ12は、ドッキングステーションハウジングの対向する端面から突出するねじ付きスタッド33と嵌合するために、ポンプハウジングの端面の開口部を通してアクセス可能なナット32を有し得る。ねじ付きスタッド33は、図2に示されるように、ホイール又はダイヤル35の手段によってドッキングステーションハウジングに対して手動で回転可能であり得る。
【0018】
[0034] ここで、経腸栄養ポンプ12及びドッキングステーション14を更に記載するために、図5の概略図も参照する。
【0019】
[0035] 経腸栄養ポンプ12は、経腸栄養ポンプ12及びドッキングステーション14が図3に示されるように端と端を接して接続されるときにドッキングステーション14上の対応する電気接続ポート37と解放可能に嵌合するように構成された電気接続ポート36を含み得る。経腸栄養ポンプ12の電気接続ポート36は、コネクタ(例えば、ピン及び/又はソケット)の構成を含み得、ドッキングステーション14上の電気接続ポート37は、ポート36のコネクタと解放可能に嵌合することができるコネクタの相補的構成を有し得る。ドッキングステーション14は、AC電力及びUSBがドッキングステーション14に接続され得る外部電力及びデータ接続ポート39を更に含み得る。ポート36及び37のコネクタが嵌合されるときに、外部電力は、ドッキングステーション14のポート39から供給ポンプ12に供給されており、出力電圧は、供給ポンプ12からドッキングステーション14に供給されており、ドッキングステーション14のUSBライン41は、供給ポンプ12のUSBライン42とリンクされており、ドッキングステーション14の内部データ通信回線43は、供給ポンプ12の内部データ通信回線44とリンクされている。経腸栄養ポンプ12は、例えば図5に示されるように、電源回路46及びバッテリ充電回路48と、バッテリパック50と、電圧調整器52と、電圧監視回路54とを含み得る。
【0020】
[0036] 経腸栄養ポンプ12はまた、ポンプ12についての中央処理装置として機能するポンプコントローラ56を含み得る。ポンプコントローラ56は、例えば、デジタルマイクロコントローラ又はデジタルマイクロプロセッサ及び関連回路を含み得る。供給ポンプ12のUSBライン42及びデータ通信回線44は、通信インターフェース58を通してポンプコントローラ56に接続され得る。ポンプコントローラ56は、ポンピング機構30のモータ62を駆動するように配設されたモータドライバ60に接続され得る。ポンプコントローラ56は、ポンピング機構30が所望の流量の栄養流体をユーザに送達するようにモータ62を動作させるモータドライバ60にモータ制御コマンドを送信するために、プログラムされている。
【0021】
[0037] ポンプ12は、ユーザに可聴信号を提供するオーディオスピーカ63、並びにユーザに情報を表示し、ユーザがポンプ制御コマンド及び動作情報を入力することを可能にするためのタッチスクリーン66及び/又は制御ボタンオーバーレイ68を含むユーザインターフェース64などの、ポンプコントローラ56に接続される他の構成要素を有し得る。ポンプ12はまた、ポンプ動作状態に関するフィードバック信号を提供するために、ポンプコントローラ56に接続された様々なセンサを有し得る。そのようなセンサは、ポンプ12のドア72が開いているのか、又は閉じているのかを検出するためのドアセンサ70と、ポンプに現在装填されている投与セット16のタイプを判定するように構成されたセットタイプ検出器74と、ポンピング機構30から上流及び下流の位置でポンプチューブ部分26における閉塞を検出するように配設された閉塞センサ76と、ポンプチューブ部分26を通して伝達される液体における気泡を検出するように配設されたライン内空気(air-in-line)センサ78とを含み得る。ポンプ12はまた、ポンプコントローラ56又は一体化されたオンボードポンプコントローラ56に接続された1つ以上のメモリモジュール80を含み得る。
【0022】
[0038] 図6に更に例証されるドッキングステーション14は、概して、投与セット16の切り替え可能なフローバルブ24を受容するように構成されたバルブシート82を備える。ドッキングステーション14はまた、フラッシュコントローラ84、例えば、デジタルマイクロコントローラ又はデジタルマイクロプロセッサ及び関連する回路と、フラッシュコントローラに接続されたアクチュエータ86とを備え、アクチュエータは、切り替え可能なフローバルブがバルブシート82によって受容されるときに、切り替え可能なフローバルブ24と解放可能に嵌合するように構成されている。以下でより詳細に記載されるように、フラッシュコントローラ84は、フローバルブ24をその供給位置とフラッシュ位置との間で切り替えるための制御信号をアクチュエータ86に送信するように構成されている。
【0023】
[0039] 経腸栄養ポンプ12がドッキングステーション14に接続されるときに、データ通信は、ポンプコントローラ56とフラッシュコントローラ84との間で可能にされる。図示の実施形態では、ドッキングステーション14のデータ通信回線43は、フラッシュコントローラ84との間でデータ信号を伝達する。経腸栄養ポンプ12がドッキングステーション14に接続されるときに、ポンプ12のデータ通信回線44は、ドッキングステーションのデータ通信回線43とリンクされ、それによって、ポンプコントローラ56とフラッシュコントローラ84との間でデータ信号を伝達するための実配線接続を確立する。非限定的な実施例として、データ通信回線43、44は、RS-232データ伝送線であり得る。実配線接続を使用する代わりに、又はそれに加えて、無線接続が使用され得る。例えば、コントローラ56とコントローラ84との間の無線データ通信を可能にするために、無線信号トランシーバは、ポンプコントローラ56にリンクされ得、別の無線信号トランシーバは、フラッシュコントローラ84にリンクされ得る。
【0024】
[0040] アクチュエータ86の実施形態は、図7図11に詳細に示されている。アクチュエータ86は、電気モータ88と、バルブ切り替え軸91を中心に回転するためにモータ88によって駆動されるカプラ要素90とを含み得る。モータ88は、図5に示されるように、モータドライバ回路87を経由してフラッシュコントローラ84に動作可能に接続され得る。カプラ要素90は、バルブ切り替え軸91を中心としたカプラ要素90のモータ駆動回転がフローバルブ24をその供給位置とフラッシュ位置との間で切り替えるように、切り替え可能なフローバルブ24と嵌合するように構成され得る。カプラ要素90は、カプラ要素90及びフローバルブ24がバルブ切り替え軸91を中心に互いに対して単一の所定の回転配向にあるときにのみ、切り替え可能なフローバルブ24と嵌合するように構成され得る。カプラ要素90は、後退位置(図10)と伸長位置(図11)との間でバルブ切り替え軸91に沿ってモータ88に対して直線的に変位可能であり得、カプラ要素90は、カプラ要素90が伸長位置にあり、カプラ要素及びフローバルブ24が単一の所定の回転配向にあるときに、フローバルブ24と嵌合する。例えば、カプラ要素90の先端部分90A及びフローバルブ24の対応する凹部24Aは、カプラ要素90及びフローバルブ24がバルブ切り替え軸91を中心に互いに対して単一の所定の回転配向にあるときにのみ、先端部分90Aが凹部24A内に嵌合することを可能にする相補的形状を有し得る。図では、相補的形状は、円形セグメントの形状であるが、三角形又は台形を含むがこれらに限定されない他の形状も可能である。また、不規則なパターンの嵌合する突出部及び凹部も、使用され得る。当業者であれば、雄型先端部又は突出部がカプラ要素90又はフローバルブ24のいずれかに設けられ得、嵌合する雌型凹部がフローバルブ24又はカプラ要素90のいずれかに設けられ得ることが理解されよう。カプラ要素90は、先端部分90Aから延在する、半径方向に拡大されたフランジ部分90Bを更に含み得る。
【0025】
[0041] カプラ要素90は、ばね92によって伸長位置に向かってばね付勢され得る。例えば、ばね92は、軸方向に制限された表面に対して着座される一端と、カプラ要素90の下側に対して係合される反対端とを有するコイルばねとして具現化され得る。
【0026】
[0042] ドッキングステーション14は、動作情報を検出し、その情報をフラッシュコントローラ84に伝送するためのセンサを更に備え得る。ドッキングステーション14は、バルブシート82における切り替え可能なフローバルブ24の存在を検出するために配設された近接センサ94を有し得る。近接センサ94は、フラッシュコントローラ84に接続され得、フローバルブ24がバルブシート82によって受容されていることを示す近接信号をフラッシュコントローラに提供し得る。例証される実施形態では、カプラ要素90は、反射面96を含み得、近接センサ94は、反射面96に向かって光を放射し、反射面96からの反射後に放射された光の一部を検出するように配設された光近接センサとして具現化され得る。図6から理解され得るように、切り替え可能なフローバルブ24がバルブシート82によって受容されていない場合、カプラ要素90は、カプラ要素90のフランジ部分90Bがバルブシート82の上部内面と当接するデフォルト位置に、ばね92によって付勢されている。カプラ要素90がデフォルト位置にあるときに、反射面96は、近接センサ94から最も遠い距離にあり、その結果、近接センサ94は、フローバルブ24が存在しないことを示す最も低い近接信号値を記録する。切り替え可能なフローバルブ24がバルブシート82によって受容されているが、カプラ要素90及びフローバルブ24がバルブ切り替え軸91を中心に互いに対して単一の所定の回転配向にないときに、フローバルブ24は、図10に示されるように、ばね92の付勢に抗してその後退位置にカプラ要素90を押し下げる。カプラ要素90が後退位置にあるときに、反射面96は、近接センサ94から最も近い距離にあり、その結果、近接センサ94は、フローバルブ24が存在するがカプラ要素90と嵌合していないことを示す最も高い近接信号値を記録する。切り替え可能なフローバルブ24がバルブシート82によって受容され、カプラ要素90及びフローバルブ24がバルブ切り替え軸91を中心に互いに対して単一の所定の回転配向にあるときに、カプラ要素90は、図11に示されるように、フローバルブ24と嵌合係合するその伸長位置まで、ばね92によって上方に付勢されている。カプラ要素90が伸長位置にあるときに、反射面96は、近接センサ94から中間距離にあり、その結果、近接センサ94は、最低信号値と最高信号値との間の中間信号値を記録する。中間近接信号値は、フローバルブ24がバルブシート82に存在し、カプラ要素90と嵌合していることを示す。
【0027】
[0043] 近接センサ94は、磁気近接センサ及び容量近接センサを含むが、これらに限定されない、他のタイプの近接センサによって具現化され得る。
【0028】
[0044] ドッキングステーション14は、バルブ切り替え軸91の周りのカプラ要素90の回転位置を測定するための別のセンサを有し得る。例えば、ドッキングステーション14は、フラッシュコントローラ84に接続された光学エンコーダ98を備え得、エンコーダは、バルブ切り替え軸を中心としたカプラ要素90の回転位置を測定し、カプラ要素の測定された回転位置を示す回転位置信号をフラッシュコントローラに提供する。例えば、エンコーダディスク100は、カプラ要素90と一体となってバルブ切り替え軸91を中心に回転するようにカプラ要素90に接続され得、光学エンコーダ98は、エンコーダディスク100の回転位置を検出するように配設され得る。示される実施形態では、エンコーダディスク100は、バルブシート82によってカプラ要素90に接続されている。図に示されるように、バルブシート82は、カプラ要素90の開口部93を通ってエンコーダディスク100の開口部101の中に延在する複数の脚部83を含み得る。例証される配設では、バルブシート82は、バルブ切り替え軸91を中心として結合要素90とともに回転し、回転運動をエンコーダディスク100に伝達する。本開示は、示される特定の配設に限定されず、エンコーダディスク100は、本開示から逸脱することなく、カプラ要素と結合された回転のために他の方法でカプラ要素90に接続され得る。磁気エンコーダ及び対応するエンコーダディスクは、光学エンコーダ98及びエンコーダディスク100の代わりに使用され得る。
【0029】
[0045] フラッシュコントローラ84、近接センサ94、及び光学エンコーダ98は、ドッキングステーション14のハウジング内の固定位置に取り付けられた回路基板102上に提供され得る。エンコーダディスク100の下側は、モータ88の上端と当接し得、それによって、エンコーダディスク100の下方向への移動を制限し、エンコーダディスク100の上側は、ばね92の端部によって係合され得る。
【0030】
[0046] バルブ切り替え軸91を中心としたカプラ要素90の回転位置を測定するために第2のセンサ又はエンコーダ98を使用する代わりに、近接センサ94及び反射面96は、この機能を実行するように適合され得る。例えば、反射面96は、カプラ要素90が切り替え可能なフローバルブ24のフラッシュ位置に対応するバルブ切り替え軸91の周りの回転位置にあるときに近接センサ94によって検出される反射光に影響を及ぼす局所的特徴(図示せず)を含み得、それによって近接信号は、切り替え可能なフローバルブ24がフラッシュ位置にあるときを示す。局所的特徴は、例えば、間隙、光吸収領域、又は反射光を減衰させる光分散領域であり得る。同様に、反射面96は、カプラ要素90が切り替え可能なフローバルブ24の供給位置に対応するバルブ切り替え軸91の周りの回転位置にあるときに近接センサ94によって検出される反射光に影響を及ぼす別の局所的特徴を含み得、それによって近接信号は、切り替え可能なフローバルブ24が供給位置にあるときを示す。
【0031】
[0047] 切り替え可能なフローバルブ24は、図12図15により詳細に示されている。フローバルブ24は、中空のバルブハウジング104と、バルブハウジング104によって受容されるバルブ本体106とを備え得、バルブ本体106は、バルブハウジング104に対してバルブ切り替え軸91を中心に回転可能である。バルブハウジング104は、供給チューブ分岐20に接続可能な食物入口ポート108と、フラッシュチューブ分岐22に接続可能なフラッシュ入口ポート110と、ポンプチューブ部分26に接続可能な出口ポート112とを含み得る。バルブ本体106は、入力端116及び出力端118を有する流路114を含み得る。
【0032】
[0048] 図14に示されるように、バルブ本体106は、流路114を通じて食物入口ポート108と出口ポート112との間のフロー連通を可能にするために、流路114の入力端116がバルブハウジング104の食物入口ポート108に面し、流路114の出力端118がバルブハウジング104の出口ポート112に面する、回転供給位置を有し得る。
【0033】
[0049] 図15に例証されるように、バルブ本体106は、流路114を通じてフラッシュ入口ポート110と出口ポート112との間のフロー連通を可能にするために、流路114の入力端116がバルブハウジング104のフラッシュ入口ポート110に面し、流路114の出力端118がバルブハウジング104の出口ポート112に面する、回転フラッシュ位置を有し得る。
【0034】
[0050] バルブ本体106の回転フラッシュ位置は、バルブ本体106の回転供給位置から切り替え角度SAだけ角度的に離間されている。切り替え角SAは、90度未満であり得る。一実施形態では、スイッチング角度は、およそ45度である。
【0035】
[0051] 流路114は、入力端116から出力端118まで直線的に延在する直壁120と、入力端116から出力端118までの湾曲経路に沿って直壁120から分岐する湾曲壁122とを有し得る。出力端118の通路面積(すなわち、フローについての断面積)は、入力端116の通路面積よりも大きくてもよい。
【0036】
[0052] フローバルブ24が供給位置(図14)にあるときに、フローバルブ24の開示された構成は、栄養液源17からの栄養液のためのフローバルブを横切る直線流路を提供する。本構成は、栄養流体がフローバルブを通過する際の栄養流体の停滞を低減し、比較的高粘度の栄養流体をポンピングするときに安定した送達流量を維持するのに有利である。フローバルブ24がフラッシュ位置(図15)にあるときに、フローバルブ24の構成は、フラッシング液源18からのフラッシング液のためのフローバルブを横切る屈曲流路を提供し、フラッシング液は、栄養液よりも低い粘度を有し、流路がフローバルブを通って方向を変えるときによどむ傾向がない。栄養流体が供給位置でのポンピング中に湾曲壁122に沿って集まり得る程度まで、フローバルブ24がフラッシュ位置に切り替えられ、フラッシング液がフローバルブを通してポンピングされるときに、容易にフラッシュされる。
【0037】
[0053] ここで、本開示の実施形態によるフラッシュ動作を実行するための経腸栄養ポンプ12及び投与セット16と併せたドッキングステーション14の動作が、図16及び図17を参照しながら記載される。
【0038】
[0054] 図16は、ポンプコントローラ56によって実行されるプログラミング命令を通して制御されるポンプ12の状態遷移を例証する。ポンプ12は、FlushIdle状態200で開始し得る。ポンプコントローラ56は、図17を参照して後述するPump::HOME_VALVEコマンドで、ドッキングステーション14上のフローバルブ24についてのホーミングルーチンの実行を命令し得、それによって、ドッキングステーション14は、フローバルブ24の供給位置及びフラッシュ位置を判定し得る。FlushIdle状態200から、ポンプ12は、ポンピング機構30の動作によって特徴付けられるPumping状態210に遷移し得る。Pumping状態210内で、ポンプ12は、フラッシュバルブ24が供給位置又はフラッシュ位置にあるかどうかに依存して、Feedingサブ状態212又はFlushingサブ状態214にあり得る。ポンプ12がPumping状態210にある間、ユーザは、ポンピング機構30の動作を一時停止し、ポンプ12をPaused状態220に移行させるために、ユーザインターフェース64の手段によってPause命令を入力し得る。ユーザは、その後、ポンプ12をPaused状態220からPumping状態210に遷移させるために、ユーザインターフェース64の手段によってResume命令を入力し得る。
【0039】
[0055] ユーザ入力又はポンプソフトウェアプログラムのいずれかに基づいて、ポンプコントローラ56は、供給動作を開始し得る。ポンプコントローラ56は、フローバルブ24をその供給位置に切り替えるか、又はフローバルブ24がすでにその供給位置にあることを確認するために、SET_VALVE_TO_FOODコマンドをフラッシュコントローラ84に送信することによって、供給動作について準備し得る。ポンプコントローラ56は、Feedingサブ状態212に遷移する前に、フラッシュコントローラ84からのVALVE_SET_TO_FOOD信号を待機し得る。フローバルブ24が供給位置にあると、ポンプコントローラ56は、ポンピング機構30が所望の流量で所望の量の栄養液をユーザに送達するようにモータ62を動作させることによって、ポンプ12をFeedingサブ状態212に遷移させ得る。上述したように、このポンピングは、一時停止及び再開されることができる。プログラムされた量の送達が完了するときに、ポンプコントローラ56は、ポンピング機構30を停止し得、ポンプ12は、FlushIdle状態200に戻って遷移し、別のコマンドを待機し得る。
【0040】
[0056] ユーザ又はポンプソフトウェアプログラムは、同様に、フラッシング動作を開始するようにポンプコントローラ56に命令し得る。この場合、ポンプコントローラ56は、フローバルブ24をそのフラッシュ位置に切り替えるか、又はフローバルブ24がすでにそのフラッシュ位置にあることを確認するために、SET_VALVE_TO_FLUSHコマンドをフラッシュコントローラ84に送信し得る。ポンプコントローラ56は、Flushingサブ状態214に遷移する前に、フラッシュコントローラ84からのVALVE_SET_TO_FLUSH信号を待機し得る。フローバルブ24がフラッシュ位置にあると、ポンプコントローラ56は、ポンピング機構30が投与セット16を通して所望の量のフラッシング液を送達するようにモータ62を動作させることによって、ポンプ12をFlushingサブ状態214に遷移させ得る。上述したように、このポンピングは、一時停止及び再開されることができる。フラッシング液のプログラムされた量がポンピングされたときに、ポンプコントローラ56は、ポンピング機構30を停止し得、ポンプ12は、FlushIdle状態200に戻って遷移し、別のコマンドを待機し得る。
【0041】
[0057] ここで、図17を参照して、本開示の一実施形態による経腸栄養ポンプシステム10に関連する状態遷移を記載する。最初に、経腸栄養ポンプシステム10は、投与セット16がユーザによってポンプ12及びドッキングステーション14に接続される前に、UserActions状態300にある。初期SetUnloadedサブ状態310は、カセット28がまだポンプ12に装填されておらず、フローバルブ24がまだドッキングステーション14に装填されていないことを示す。ユーザが最初にカセット28をポンプ12に装填すると、サブ状態は、SetUnloadedサブ状態310からSetLoadedInPumpサブ状態320に遷移する。その後、ユーザがフローバルブ24をバルブシート82に装填すると、サブ状態は、SetLoadedInPumpサブ状態320からSetLoadedサブ状態340に遷移し、投与セット16が完全に装填され、ポンプ12及びドッキングステーション14に接続されていることを示す。代替的に、ユーザが最初にフローバルブ24をバルブシート82に装填すると、サブ状態は、SetUnloadedサブ状態310からSetLoadedInValveサブ状態330に遷移する。その後、ユーザがカセット28をポンプ12に装填すると、サブ状態は、SetLoadedInValveサブ状態330からSetLoadedサブ状態340に遷移する。したがって、カセット28及びフローバルブ24は、任意の順序で装填され得る。ポンプ12へのカセット28の装填は、セットタイプ検出器74及びドアセンサ70からポンプコントローラ56への信号によって確認され得る。バルブシート28におけるフローバルブ24の装填は、近接センサ94からフラッシュコントローラ84への近接信号によって確認され得る。システムがSetLoadedサブ状態340にあるときに、フローバルブ24の回転位置に依存して、供給動作又はフラッシング動作について準備ができている。
【0042】
[0058] 最初に、ドッキングステーション14は、バルブアクチュエータ86が、電気モータ88のスイッチが切られたIdleサブ状態410にあり、フローバルブ24の回転位置が未知である、ValveStateUnknown状態400にあり得る。ユーザが、フラッシング動作を開始するためにユーザインターフェース64の手段によってポンプコントローラ56にSTART_FLUSH命令を入力するときに、ポンプコントローラ56は、電気モータ88をオンに切り替え、フローバルブ24の位置を判定するためのHomingサブ状態420を開始するために、ドッキングステーション14のフラッシュコントローラ84にHOME_VALVE命令を送信するように構成されている。Homingサブ状態420では、システムは、フローバルブ24がフラッシュ位置にあることを示すFLUSH_POS_DETECTED信号がエンコーダ98及び/又は近接センサ94から受信されるまで、モータ88がバルブ切り替え軸91を中心にフローバルブ24を回転させるためにフラッシュコントローラ84によって命令されるHomeToFlushサブ状態に入る。次いで、システムは、フローバルブ24が供給位置においてホームにあることを示すFOOD_POS_DETECTED信号がエンコーダ98及び/又は近接センサ94から受信されるまで、モータ88がバルブ切り替え軸91を中心にフローバルブ24を回転させるためにフラッシュコントローラ84によって命令されるHomeToFoodサブ状態に入る。この時点で、モータ88は、停止され、ドッキングステーション14は、ValveHomed状態500に遷移し、AtFoodサブ状態510に入る。ドッキングステーション14がValveHomed状態500にあるときに、フローバルブ24の位置は、図16に関連して上述したように、SET_VALVE_TO FEEDコマンド及びSET_VALVE_TO_FLUSHコマンドをそれぞれ発行することによって、供給位置とフラッシュ位置との間で切り替えられ得る。上述のHomingルーチンは、フローバルブ24をホーム位置として供給位置に設定するが、Homingルーチンは、代わりに、フローバルブ24をホーム位置としてフラッシュ位置に設定するようにプログラムされ得る。
【0043】
[0059] フローバルブ24が供給位置でホームにあると仮定すると、ポンプコントローラ56は、フラッシュコントローラ84に、フラッシュコマンドに応答してフローバルブ24を供給位置からフラッシュ位置に切り替えるための制御信号をアクチュエータ86に伝送させるために、上述のように、SET_VALVE_TO_FLUSHコマンドをフラッシュコントローラ84に発行し得る。ドッキングステーション14は、フローバルブ24がフラッシュ位置にあることを示すFLUSH_POS_DETECTED信号がエンコーダ98及び/又は近接センサ94から受信されるまで、モータ88がフローバルブ24を回転させるために通電されている間、TurningToFlushサブ状態520に移行する。次いで、ドッキングステーション14は、フローバルブ24がフラッシュ位置にあり、システムがフラッシュ動作の準備ができているAtFlushサブ状態530に移行する。この時点で、ポンピング機構モータ62は、フラッシング液をフラッシング液源18から順次、フラッシュチューブ分岐22、フローバルブ24、及びポンプチューブ部分26を通してポンピングさせて、投与セット16における残留栄養液を洗い流すために、Flushingサブ状態214に従って駆動され得る。図16を参照して上述したように、フラッシング動作は、所定の量のフラッシング液が投与セット16を通してポンピングされるまで継続することができ、その時点で、ポンプコントローラ56は、ポンピング機構30の動作を停止することによってフラッシング動作を自動的に終了させることができる。フラッシング動作の間、ユーザは、ユーザインターフェース64の手段によってフラッシング動作を一時停止又は終了させ得る。
【0044】
[0060] 一旦、フラッシングが終了すると、ポンプコントローラ56は、SET_VALVE_TO_FOODコマンドをフラッシュコントローラ84に発行し、ポンプ12が供給動作の準備ができるように、フラッシュコントローラ84に、フローバルブ24をフラッシュ位置から供給位置に切り替えるための制御信号をアクチュエータ86に伝送させる。ドッキングステーション14は、フローバルブ24が供給位置にあることを示すFEED_POS_DETECTED信号がエンコーダ98及び/又は近接センサ94から受信されるまで、モータ88がフローバルブ24を回転させるために通電されている間、TurningToFeedサブ状態540に移行する。その結果、ドッキングステーション14は、AtFoodサブ状態510に戻る。
【0045】
[0061] 本開示から理解されるように、経腸栄養ポンプ12は、歩行用使用のための軽量設計の促進においてコンパクトかつ機械的に単純なままであるが、ドッキングステーション14を経由して自動フラッシングが利用可能である。フローバルブ24のホーミング及び配向は、自動的に実行され、システムを非常に使い易くする。
【0046】
[0062] 本開示は例示的な実施形態を記載するが、発明を実施するための形態は、本開示の範囲を記載された特定の形態に限定することを意図するものではない。本開示は、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれ得るような、記載された実施形態の代替形態、修正形態、及び均等物を包含することが意図されている。
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【国際調査報告】