IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アモグリーンテック カンパニー リミテッドの特許一覧

特表2024-520438コア構造体およびこれを含むコイル組立体
<>
  • 特表-コア構造体およびこれを含むコイル組立体 図1
  • 特表-コア構造体およびこれを含むコイル組立体 図2
  • 特表-コア構造体およびこれを含むコイル組立体 図3
  • 特表-コア構造体およびこれを含むコイル組立体 図4
  • 特表-コア構造体およびこれを含むコイル組立体 図5
  • 特表-コア構造体およびこれを含むコイル組立体 図6
  • 特表-コア構造体およびこれを含むコイル組立体 図7
  • 特表-コア構造体およびこれを含むコイル組立体 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】コア構造体およびこれを含むコイル組立体
(51)【国際特許分類】
   H01F 17/04 20060101AFI20240517BHJP
   H01F 27/24 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
H01F17/04 F
H01F27/24 Q
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572842
(86)(22)【出願日】2022-05-24
(85)【翻訳文提出日】2023-11-24
(86)【国際出願番号】 KR2022007370
(87)【国際公開番号】W WO2022250426
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】10-2021-0066771
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511302024
【氏名又は名称】アモグリーンテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、 ソンオ
(72)【発明者】
【氏名】イ、 ユンジェ
【テーマコード(参考)】
5E070
【Fターム(参考)】
5E070AA01
5E070AB01
5E070BA14
5E070BB02
5E070DB06
(57)【要約】
コア構造体が提供される。本発明の一実施形態によるコア構造体は、コイルが巻線されるコア構造体において、リング状に形成されて磁性材質からなる磁性体と、前記磁性体の内周面に接するようにリング状に形成されて絶縁性材質からなる第1ガイドと、前記磁性体を絶縁するように前記磁性体および前記第1ガイドの少なくとも一部をコーティングする絶縁層と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルが巻線されるコア構造体において、
リング状に形成されて磁性材質からなる磁性体と、前記磁性体の内周面に接するようにリング状に形成されて絶縁性材質からなる第1ガイドと、前記磁性体を絶縁するように前記磁性体および前記第1ガイドの少なくとも一部をコーティングする絶縁層と、を含むコア構造体。
【請求項2】
前記磁性体は、第1高さを有するように形成され、
前記第1ガイドは、前記第1高さ以上の第2高さを有するように形成される、請求項1に記載のコア構造体。
【請求項3】
前記第1高さと前記第2高さは、同じである、請求項2に記載のコア構造体。
【請求項4】
前記第1ガイドが前記磁性体から高さ方向に突出する高さは、前記第1ガイドの幅方向の厚さよりも小さい、請求項2に記載のコア構造体。
【請求項5】
前記磁性体は、前記第1ガイドによって前記内周面が外部に露出されないように完全に覆われる、請求項1に記載のコア構造体。
【請求項6】
前記磁性体の外周面に接するようにリング状に形成されて絶縁性材質からなる第2ガイドをさらに含み、
前記絶縁層は、前記第2ガイドの少なくとも一部をコーティングする、請求項1に記載のコア構造体。
【請求項7】
前記第1ガイドと前記第2ガイドは、それぞれ前記磁性体よりも高い高さを有するように形成され、
前記第1ガイドと前記第2ガイドとの間に形成されるリング状の空間に、前記絶縁層の少なくとも一部が配置される、請求項6に記載のコア構造体。
【請求項8】
前記磁性体は、板材状の非晶質リボンシートを巻き取って形成される、請求項1に記載のコア構造体。
【請求項9】
コイルが巻線されるコア構造体において、
リング状に形成されて磁性材質からなる磁性体と、前記磁性体の外周面に接するようにリング状に形成されて絶縁性材質からなる第2ガイドと、前記磁性体を絶縁するように前記磁性体および前記第2ガイドの少なくとも一部をコーティングする絶縁層と、を含むコア構造体。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載のコア構造体と、前記コア構造体に巻線されるコイルと、を含むコイル組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コア構造体およびこれを含むコイル組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、小型機器の開発および需要の増加によって、電子製品を構成する電子部品を薄型化するための技術が活発に開発されている。
【0003】
一例として、TVなどの家電製品は、壁からの突出の程度を最小化するためにウォールマウント(Wall Mount)方式で発展してきた。
これにより、前記TVの一部を構成する電子部品も、持続的に小型化および低背型化されており、特に、関連規格を満たすために1cm以下の厚さの部品需要が増えている。
【0004】
これに関連して、コイル部品の場合、コア(Core)にコイルを巻線する方式を主に用いる。これによって、薄型化されたコイル部品の開発のためには低背型コアの開発が優先的に必要である。
【0005】
このとき、コイル部品は、コア(Core)とコイル(Coil)間の耐電圧確保が必須に要求されることによって、従来技術の場合、主に別のコア密封用ケース部材を用いて安全上要求される耐電圧の特性を確保してきた。
【0006】
しかし、コア密封用ケース部材は、約1mm以上の厚さを有することによって、全体のコイル部品厚さの20%を超えるなど、電子部品の薄型化の阻害要因として指摘されてきた。
【0007】
このような状況を考慮すると、電子部品の薄型化を達成することができながらも、耐電圧の特性を確保することができるコイル部品の開発が必要な実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、前述のような点に鑑みて案出したものであって、コイル部品を薄型化できるコア構造体を提供することである。
【0009】
また、本発明の他の目的は、コイル部品の耐電圧の特性を強化できるコア構造体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述の目的を達成するために、本発明は、コイルが巻線されるコア構造体において、リング状に形成されて磁性材質からなる磁性体と、前記磁性体の内周面に接するようにリング状に形成されて絶縁性材質からなる第1ガイドと、前記磁性体を絶縁するように前記磁性体および前記第1ガイドの少なくとも一部をコーティングする絶縁層と、を含むコア構造体を提供する。
【0011】
また、前記磁性体は、第1高さを有するように形成され、前記第1ガイドは、前記第1高さ以上の第2高さを有するように形成される。
【0012】
このとき、前記第1高さと前記第2高さは、同じである。
【0013】
このとき、前記第1ガイドが前記磁性体から高さ方向に突出する高さは、前記第1ガイドの幅方向の厚さよりも小さいことがある。
【0014】
また、前記磁性体は、前記第1ガイドによって前記内周面が外部に露出されないように完全に覆うことができる。
【0015】
また、前記磁性体の外周面に接するようにリング状に形成され、絶縁性材質からなる第2ガイドをさらに含み、前記絶縁層は、前記第2ガイドの少なくとも一部をコーティングできる。
【0016】
このとき、前記第1ガイドと前記第2ガイドは、それぞれ前記磁性体よりも高い高さを有するように形成され、前記第1ガイドと前記第2ガイドとの間に形成されるリング状の空間に前記絶縁層の少なくとも一部が配置される。
【0017】
また、前記磁性体は、板材状の非晶質リボンシートを巻き取って形成される。
【0018】
一方、本発明は、コイルが巻線されるコア構造体において、リング状に形成されて磁性材質からなる磁性体と、前記磁性体の外周面に接するようにリング状に形成され得る絶縁性材質からなる第2ガイドと、前記磁性体を絶縁するように前記磁性体および前記第2ガイドの少なくとも一部をコーティングする絶縁層と、を含むコア構造体を提供する。
【0019】
さらに、本発明は、前述のコア構造体と前記コア構造体に巻線されるコイルとを含むコイル組立体を提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、磁性体の上部と下部にケース部材の代わりに絶縁層を配置することによって、コア構造体の上下方向の高さを最小化することができる。
【0021】
本発明は、前述したようにコア構造体の薄型化を達成するとともに、磁性体の内外側にガイドを配置することによってコア構造体の耐電圧の特性を強化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態によるコイル組立体を示す図である。
【0023】
図2図1のコイル組立体のうち、コア構造体を分離して示す図である。
【0024】
図3図1の断面図である。
【0025】
図4】本発明の他の実施形態によるコイル組立体に含まれるコア構造体を示す図である。
【0026】
図5】本発明の他の実施形態によるコイル組立体の断面図である。
【0027】
図6】ガイドなしで絶縁層を形成した場合を説明するための説明図である。
【0028】
図7図3のA部分を拡大して示す図であり、
【0029】
図8図5のうち、図3のA部分に対応する部分を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態について、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。
本発明は、様々な異なる形態で具現でき、本明細書に記載の実施形態に限定されない。
図面において本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略し、明細書全体を通じて同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付加する。
また、図面に示される構成要素のサイズや形状などは、説明の明瞭性と便宜上誇張して図示できる。
【0031】
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるコア構造体100は、一例として、チョークコイル、変圧器、モータまたはインダクタのようにコイルが巻線されるコイル組立体200において、円環体(Toroid)またはリング(Ring)状に形成されて前記コイルが巻線されるように支持する構造体である。
以下、本明細書において、リング(Ring)形状は、前記円環体形状を含むものと規定する。
【0032】
このとき、本発明の一実施形態によるコア構造体100は、絶縁層140によって外面をコーティングして磁性体110を絶縁しながらも、全体的にサイズを薄型化することができる。
また、本発明の一実施形態によるコア構造体100は、磁性体110の内外側に配置される第1ガイド120、第2ガイド130によって前記絶縁層140の導入にもかかわらず、耐電圧を強化することができる利点がある。
【0033】
このために、本発明の一実施形態によるコア構造体100は、図2図5に示すように、磁性体110、第1ガイド120、第2ガイド130、および絶縁層140を含むことができる。
【0034】
このとき、第1ガイド120、第2ガイド130に関して、本発明の一実施形態によるコア構造体100は、第1ガイド120および第2ガイド130をすべて含み、このうちの一部のみを含むこともある。
これについては、以下の説明を通じて詳細に説明する。
【0035】
まず、磁性体110は、磁性材質で形成される。
これにより、コイル組立体200は、磁気的特定を有することによって、EMIフィルタなどに適用されたときにノイズを除去するか、または、誘導電流を励起することができる。
【0036】
非限定的な一例として、磁性体110は、非晶質合金、ナノ結晶粒を含む合金、フェライト、ケイ素鋼板、センダストおよびパーマロイからなる群から選択される1種以上の磁性材質で形成することができる。
【0037】
また、磁性体110は、粉末で形成された母合金またはリボンで製造された母合金をボールミリングして得られた粉末を結合剤と混合した後、目的の形状に成形した形の圧粉磁心、薄帯や板状に製造された合金を巻き取って製造した巻磁心、または薄帯や板状に製造された合金を積層して製造した積層磁心である。
【0038】
一方、図2を参照すると、磁性体110は、内側にコイルが通過して巻線されるように中空を有するリング状に形成される。
【0039】
このとき、リング状の磁性体110は、内側および外側にそれぞれ周方向に延びる内周面111と外周面112を備えることができる。
【0040】
また、磁性体110は、内周面111と外周面112の上下方向の端部にそれぞれ前記内周面111と外周面112が折れたり曲がったりする部分であって、内側エッジ部113と外側エッジ部114を備えることができる。
【0041】
このとき、内側エッジ部113と外側エッジ部114は、それぞれ図3に示すように、所定の角度(図3の場合は直角)を成しながら折り曲げられた形であり、図面には示されていないが、所定の曲率を有する曲面に形成される。
【0042】
特に、非晶質合金リボンを多数回巻き取って磁性体110を形成する場合、このリング形状を有する磁性体110の内側と外側には、図3に示すように鋭く折り曲げられた形の内側エッジ部113、外側エッジ部114をそれぞれ形成することによって、コイル組立体の耐電圧を弱めることができるが、これについては、第1ガイド120、第2ガイド130に関連する説明を通じて後述する。
【0043】
本発明の一実施形態によるコア構造体100は、前述した磁性体110の内側に配置される第1ガイド120を含む。
【0044】
本発明の一実施形態において、第1ガイド120は、これに隣接する磁性体110を外部から絶縁するように絶縁材料で形成される。
すなわち、第1ガイド120は、後述する絶縁層140とともに磁性体110を覆って絶縁する機能を行うことができる。
【0045】
これと関連して、第1ガイド120は、非限定的な一例として、有機材料と無機材料の混合物、または、有機材料で形成され、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂およびゴムから選択される1種または複数種で形成される。
しかし、本発明の一実施形態によるコア構造体100の第1ガイド120の材料は、これに限定されるものではなく、絶縁性を有する材料であれば、いかなる材料も適用することができる。
【0046】
本発明の一実施形態において、第1ガイド120は、図2および図3に示すように、磁性体110の内周面111に接するようにリング状に形成される。
【0047】
このとき、第1ガイド120は、磁性体110が有する第1高さH1以上の第2高さH2を有するように形成される。
これにより、第1ガイド120は、磁性体110の内周面111を全体的に覆うことができる。
【0048】
具体的に、第1ガイド120の高さに関連する一例として、第1ガイド120は、図3に示すように、磁性体110と同じ高さ(H1=H2)を有することができる。
この場合、第1ガイド120が磁性体110から上下方向に突出しないようにしてコア構造体100の上下方向の高さを最小化することができ、これにより、コア構造体100の薄型化効果を最大化することができる利点がある。
【0049】
第1ガイド120の高さに関連する他の例として、第1ガイド120は、図4および図5に示すように、磁性体110の第1高さH1よりも高い第2高さH2を有することができる。
【0050】
このように、第1ガイド120を磁性体110よりも高く形成する場合、相対的に外力に脆弱な内側エッジ部113をより安定して保護することができる。
これについては、第1ガイド120の機能に関連する説明を通じて後述する。
【0051】
一方、図3図5に示すように、磁性体110が、折り曲げられた形の内側エッジ部113を備える場合(一例として、非晶質合金リボンを多数回巻き取って磁性体110を形成する場合)、第1ガイド120は、磁性体110の内周面111に完全に密着した形で配置されることによって、前記内周面111が外部に露出されないように覆うことができる。
【0052】
本発明の一実施形態において、第1ガイド120の水平方向の厚さLは、磁性体110の厚さよりも薄く、同時に後述する絶縁層140の厚さよりも厚くてもよい。
一例として、第1ガイド120は、約1mmの厚さを有しるが、本発明は、これに限定されず、設計に応じてこれよりも厚いか、または、薄い厚さに形成される。
【0053】
図2を再び参照すると、本発明の一実施形態によるコア構造体100は、前述の第1ガイド120に加えて磁性体110の外側に配置される第2ガイド130を含むことができる。
【0054】
このとき、第2ガイド130は、第1ガイド120と同様に、磁性体110を絶縁するように絶縁材料で形成され、磁性体110の外周面112に接するようにリング状に形成される。
【0055】
また、第2ガイド130も、第1ガイド120と同様に、磁性体110の第1高さH1以上の第2高さH2を有するように形成されることによって、この磁性体110の外周面を全体的に覆うことができる。
【0056】
その他、第2ガイド130は、配置される位置面でのみ第1ガイド120と差があるだけで、概して、第1ガイド120と構造および機能が、同一または類似するため、これについての説明は、第1ガイド120についての説明で代替する。
【0057】
一方、第1ガイド120および第2ガイド130は、コア構造体100にコイル150が巻線される場合、内側エッジ部113、外側エッジ部114に応力が集中することによってコイル組立体200の耐電圧が弱まるのを防止することができるが、これに関連する説明は、絶縁層140の説明を終えた後に一緒に説明する。
【0058】
本発明の一実施形態によるコア構造体100は、磁性体110、第1ガイド120、および第2ガイド130をコーティングする絶縁層140を含むことができる。
【0059】
このとき、絶縁層140は、第1ガイド120、第2ガイド130とともに磁性体110を絶縁させるためのものであって、絶縁性材料で形成される。
【0060】
より具体的には、前記絶縁層140は、図3に示すように、磁性体110、第1ガイド120、および第2ガイド130の外表面に薄い厚さの膜を形成することによって、磁性体110がコイル150側と通電されることを遮断することができる。
【0061】
このとき、絶縁層140は、コイル150の巻き取り工程時に外力に耐えられる程度の硬度や耐摩耗性などを有する絶縁性材料で形成されることが好ましい。
【0062】
これに関連する非限定的な一例として、絶縁層140は、シリコーンゴム系、フッ素ゴム系またはブタジエンゴム系などの絶縁性ゴム材料や、シリコーン系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリエステル系、ポリアミド系、フッ素樹脂系またはポリアセタール樹脂系などの公知の絶縁性樹脂材料などを用いることができる。
【0063】
他の例として、絶縁層140は、エナメル、ワニスまたはエポキシなどの液状物質を含み、この場合、スプレー塗装法によって前記磁性体110、第1ガイド120または第2ガイド130の外表面に塗布される。
【0064】
本発明の一実施形態において、絶縁層140の厚さは、第1ガイド120および第2ガイド130の厚さよりも薄い数値である。
【0065】
これは、本発明の一実施形態によるコア構造体100は、磁性体110の上部と下部をそれぞれ第1ガイド120、第2ガイド130と同じ材料で形成された蓋部(図示せず)および底部(図示せず)で覆う代わりに、相対的に厚みの薄い絶縁層140を形成することによって、コア構造体100全体の厚さを薄型化するためのものであるためである。
これにより、本発明の一実施形態によるコア構造体100は、コイル組立体200の薄型化を達成することができる。
【0066】
このとき、絶縁層140は、一例として、0.2mm以内で形成される。
しかし、絶縁層140の厚さは、これに限定されず、必要に応じてこれよりも厚い厚さを有することができる。
【0067】
一方、図3および図5に示すように、絶縁層140は、磁性体110に第1ガイド120および第2ガイド130が配置された状態でこれらの外面を全体的に包むように塗布された後に硬化することができる。
これにより、磁性体110は、絶縁層140の外側に巻線されるコイル150と電気的に絶縁された状態を維持することができる。
【0068】
特に、図5に示すように、第1ガイド120および第2ガイド130が、磁性体110よりも高い高さで形成される場合、前述したように、リング状の空間Sが形成されるが、このとき、絶縁層140は、前記リング状の空間Sに満たされる。
【0069】
これに関連して、絶縁層140は、コア構造体100の上下方向の高さを最小化するようにリング状の空間Sにのみ満たされるか、または、より安定した絶縁状態を形成するために、図5に示すように、前記リング状の空間Sを含んで第1ガイド120および/または第2ガイド130を全体的に包むように配置される。
【0070】
以下、図面を参照して前述した第1ガイド120と第2ガイド130の機能について、より詳細に説明する。
【0071】
前述したように、第1ガイド120と第2ガイド130は、コア構造体100にコイルが巻線される場合、内側エッジ部113、外側エッジ部114に応力が集中することを防止することができる。
【0072】
具体的には、図6に示すように、第1ガイド120または第2ガイド130が存在しない状態で磁性体110に対して絶縁層140を形成する場合、折曲または湾曲する部分である内側エッジ部113、外側エッジ部114は、その構造的特性上、絶縁層140が相対的に薄く形成される。
【0073】
さらに、このように、内側エッジ部113、外側エッジ部114が脆弱なコア構造体の外面にコイルを巻線する場合、巻線時の引っ張る力Fは、屈曲または湾曲した部分である内側エッジ部113、外側エッジ部114側に集中することができる。
【0074】
したがって、第1ガイド120、第2ガイド130が存在しないコア構造体を用いてコイル組立体200を形成する場合、相対的に薄く形成されて既に脆弱な内側エッジ部113、外側エッジ部114に対して巻線時の応力まで集中することにより、前記内側エッジ部113、外側エッジ部114を覆う絶縁層140が摩耗しやすく、剥離される可能性が高い。
その結果、コイル組立体200の耐電圧の特性を大幅に弱めることができる。
【0075】
これとは異なり、本発明の一実施形態によるコア構造体100のように、第1ガイド120または第2ガイド130を備える場合、図7および図8に示すように、第1ガイド120、第2ガイド130が、コア構造体100のエッジ部を保護することによって、磁性体110の内側エッジ部113、外側エッジ部114に隣接する領域にも十分な厚さの絶縁層140が形成される。
【0076】
さらに、本発明の一実施形態によるコア構造体100の場合、コイル150を巻線するときに発生する応力Fは、磁性体110の内側エッジ部113、外側エッジ部114の代わりに第1ガイド120、第2ガイド130のエッジ部に集中することによって、前述したように、磁性体110の内側エッジ部113、外側エッジ部114に形成された絶縁層140が剥離される問題を解決することができる。
【0077】
たとえ、第1ガイド120のエッジ部に応力が集中してこれに隣接する領域の絶縁層140が剥離されるとしても、この場合、磁性体110が露出される代わりに絶縁性を有する第1ガイド120が露出されるため、コイル組立体200の耐電圧の特性が弱まる現象を防止することができる。
【0078】
前記第1ガイド120、第2ガイド130による磁性体110の保護効果は、フェライト磁性体のように、磁性体110を湾曲した形の内側エッジ部113、外側エッジ部114を含んで形成する場合と比較して、非晶質合金リボンを多数回巻き取って形成された磁性体でより効果的である。
【0079】
なぜなら、非晶質合金リボンを巻き取った巻磁心の場合、構造的特性上鋭く折り曲げられた内側エッジ部113、外側エッジ部114を含むしかないためである。
すなわち、この場合、もし、第1ガイド120、第2ガイド130が存在しなければ、絶縁層140は、内側エッジ部113、外側エッジ部114に対して非常に薄い形で形成されるしかなく、応力集中現象もより顕著である。
【0080】
一方、本発明の一実施形態において、図8に示すように、第1ガイド120の第2高さH2を磁性体110の第1高さH1よりも高く形成する場合、コイル組立体200の耐電圧の特性をより強化することができる。
この場合、図面に示すように、第1ガイド120が、1つの壁体として機能することによって、磁性体110の内側エッジ部113、外側エッジ部114を完全に保護することができるためである。
【0081】
また、このような場合、第1ガイド120が磁性体110から突出した高さH3によって磁性体110の上部または下部領域により厚い絶縁層140が形成されるため、これによって、耐電圧の特性をより強化することができる。
【0082】
このとき、前述したように、コア構造体100の薄型化のために磁性体110の上部または下部に形成されたリング状の空間Sについてのみ前記絶縁層140を配置させる場合、コア構造体100を高さ方向に薄型化できながらも、磁性体110の内側エッジ部113、外側エッジ部114を厚く保護することができる利点がある。
【0083】
以上の説明においては、本発明の一実施形態によるコア構造体100が第1ガイド120と第2ガイド130のすべてを含んで形成されることを例示として説明したが、本発明が、これに限定されるものではない。
【0084】
すなわち、本発明の一実施形態によるコア構造体100は、必要に応じて第1ガイド120および第2ガイド130のいずれか1つのみを備えて磁性体110を保護することができる。
【0085】
一例として、コイル150の巻線方向に応じて応力は、外側エッジ部114または内側エッジ部113のいずれか1つにさらに集中することができる。
この場合、内外側にすべて第1ガイド120、第2ガイド130を配置する代わりに、絶縁層140の剥離可能性が、高い一側に対してのみガイドを配置することによって、工程を簡略化して材料を節約することができる。
ただし、磁性体110を厚く保護するためには、内外側の両方に第1ガイド120、第2ガイド130を配置することが好ましい。
【0086】
前述の説明のように、本発明の一実施形態によるコア構造体100は、磁性体110の上下左右方向をすべて包む筐体状のケース部材の代わりに、磁性体110の上部と下部に対して薄い厚さの絶縁層を形成することによって、コア構造体の高さを最小化することができる。
このとき、本発明の一実施形態によるコア構造体100は、絶縁層140のみで磁性体110を絶縁させる場合に発生する一部の脆弱部分を特有の第1ガイド120、第2ガイド130を配置して補完することによって、薄型化と耐久性向上を同時に達成することができる。
【0087】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の思想は、本明細書に提示される実施形態に限定されず、本発明の思想を理解する当業者は、同じ思想の範囲内で構成要素の付加、変更、削除、追加などによって他の実施形態を容易に提案することができるが、これも本発明の趣旨の範囲内にあると言える。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】