(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】1型糖尿病を治療するための方法
(51)【国際特許分類】
A61K 39/395 20060101AFI20240517BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20240517BHJP
C12Q 1/06 20060101ALI20240517BHJP
G01N 33/50 20060101ALI20240517BHJP
G01N 33/53 20060101ALI20240517BHJP
C07K 16/28 20060101ALN20240517BHJP
【FI】
A61K39/395 U
A61P3/10
C12Q1/06
G01N33/50 K
G01N33/53 Y
C07K16/28 ZNA
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572864
(86)(22)【出願日】2022-05-24
(85)【翻訳文提出日】2024-01-24
(86)【国際出願番号】 US2022030772
(87)【国際公開番号】W WO2022251253
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521155829
【氏名又は名称】プロヴェンション・バイオ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PROVENTION BIO, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【氏名又は名称】水島 亜希子
(72)【発明者】
【氏名】レオン,フランシスコ
(72)【発明者】
【氏名】レイモンド,ラルフ
【テーマコード(参考)】
2G045
4B063
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
2G045AA03
2G045CA18
2G045DA36
2G045FA37
2G045FB03
2G045FB07
4B063QA01
4B063QA19
4B063QQ08
4B063QR90
4B063QS33
4B063QX02
4C085AA14
4C085BB11
4C085EE01
4C085GG02
4H045AA30
4H045BA09
4H045DA76
4H045EA20
4H045EA27
(57)【要約】
1型糖尿病(T1D)を治療する方法が本明細書で提供される。一部の実施形態では、そのような方法は、それを必要とする対象に、約9000μg/m2超の総用量のテプリズマブの12日間のクールを投与するステップを含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1型糖尿病(T1D)を治療する方法であって、それを必要とする対象に、約9000μg/m
2から約9500μg/m
2までの総用量のテプリズマブの12日間のクールを投与するステップを含む、方法。
【請求項2】
1型糖尿病(T1D)を治療する方法であって、それを必要とする対象に、約9000μg/m
2から約14000μg/m
2までの総用量のテプリズマブの12日間のクールを投与するステップを含む、方法。
【請求項3】
前記12日間のクールが、1日目に106μg/m
2のテプリズマブの第1の用量、2日目に425μg/m
2のテプリズマブの第2の用量、および3~12日目のそれぞれに850μg/m
2の1用量を含み、前記総用量が、およそ9031μg/m
2である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記12日間のクールが、1日目に211μg/m
2のテプリズマブの第1の用量、2日目に423μg/m
2のテプリズマブの第2の用量、および3~12日目のそれぞれに840μg/m
2の1用量を含み、前記総用量が、およそ9034μg/m
2である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
テプリズマブの第1および第2の12日間のクールを投与するステップを含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1および第2の12日間のクールが、約6カ月の間隔を空けて投与される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
それを必要とする対象に、各クールが約9000μg/m
2超の総用量のテプリズマブの第3またはそれ以上の12日間のクールを投与するステップをさらに含む、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
テプリズマブの前記第3またはそれ以上の12日間のクールが、1日目に106μg/m
2のテプリズマブの第1の用量、2日目に425μg/m
2のテプリズマブの第2の用量、および3~12日目のそれぞれに850μg/m
2の1用量を含み、各クールの前記総用量が、およそ9031μg/m
2である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
テプリズマブの前記第3またはそれ以上の12日間のクールが、1日目に211μg/m
2のテプリズマブの第1の用量、2日目に423μg/m
2のテプリズマブの第2の用量、および3~12日目のそれぞれに840μg/m
2の1用量を含み、各クールの前記総用量が、およそ9034μg/m
2である、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
テプリズマブの前記第3またはそれ以上の12日間のクールが、約12カ月から約24カ月の間隔を空けて投与される、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
各12日間のクールの投与後に、全CD3+T細胞に対してTIGIT+KLRG1+CD8+細胞のレベルのベースラインを決定するステップと、TIGIT+KLRG1+CD8+CD3+T細胞のレベルをモニタリングするステップと、前記TIGIT+KLRG1+CD8+CD3+T細胞の前記レベルが前記ベースラインレベルに戻る場合に、テプリズマブの追加的な12日間のクールを投与するステップとを含む、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
TIGIT+KLRG1+CD8+CD3+T細胞の前記決定するステップが、フローサイトメトリーによる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
TIGIT+KLRG1+CD8+CD3+T細胞の前記モニタリングするステップが、フローサイトメトリーによる、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
TIGIT+KLRG1+CD8+CD3+T細胞の前記決定するステップが、各12日間のクールの投与の約1~6カ月、約2~5カ月、または約3カ月後である、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記対象が全CD3+T細胞中に約10%超のTIGIT+KLRG1+CD8+T細胞を有する場合、その後のモニタリングするステップが、年に1回である、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記対象が全CDCD8+T細胞中に約10%未満のTIGIT+KLRG1+CD8+T細胞を有する場合、その後のモニタリングするステップが、約3~6カ月ごとである、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記それを必要とする対象が、投与するステップ前6週間以内にT1Dと診断されている、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記投与するステップが、治療前レベルと比較して、インスリン使用、HbA1cレベル、低血中グルコースエピソード、またはそれらの組み合わせの少なくとも10%の低下をもたらす、請求項1から17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
各用量が、非経口投与される、請求項1から18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
各用量が、静脈内注入によって投与される、請求項1から19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記それを必要とする対象が、約8から17歳である、請求項1から20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記それを必要とする対象が、混合食負荷試験(MMTT)の間に0.2pmol/mL以上のピークCペプチドレベルを有する、請求項1から21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
テプリズマブを受けている前記対象が、プラセボを受けている対照と比較して、より高い平均Cペプチド値を有する、請求項1から21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
78週間で、混合食負荷試験(MMTT)後にCペプチドの時間濃度曲線下面積(AUC)を査定するステップを含む、請求項1から23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記それを必要とする対象が、前記第1の用量の投与前に少なくとも20%のベータ細胞機能を有する、請求項1から24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
インスリン使用、HbA1cレベル、低血中グルコースエピソード、またはそれらの組み合わせの低下が、12カ月以上の期間にわたる、請求項1から25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
1型糖尿病(T1D)を治療する方法における使用のためのテプリズマブであって、前記方法が、それを必要とする対象に、約9000μg/m
2から約9500μg/m
2までの総用量のテプリズマブの12日間のクールを投与するステップを含む、使用のためのテプリズマブ。
【請求項28】
1型糖尿病(T1D)を治療する方法における使用のためのテプリズマブであって、前記方法が、それを必要とする対象に、約9000μg/m
2から約14000μg/m
2までの総用量のテプリズマブの12日間のクールを投与するステップを含む、使用のためのテプリズマブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、そのそれぞれの開示全体が引用することにより本明細書の一部をなすものとする、2021年5月24日出願の米国仮特許出願第63/192,402号、および2022年5月24日出願の米国実用出願第17/752,660号の優先権および利益を主張するものである。
【0002】
配列表
本出願は、本明細書とともに提出された配列表を含み、これは、2022年5月23日に作成されたサイズが6,058バイトの178833-011101_ST25.txtという表題のファイルを含み、その内容は、引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【0003】
分野
本開示は、一般に、それを必要とする対象における1型糖尿病(T1D)を治療するための方法および投与量レジメンに関する。
【背景技術】
【0004】
1型糖尿病(T1D)は、ランゲルハンス島におけるインスリン産生ベータ細胞の自己免疫破壊によって引き起こされ、生存のために外因性インスリン注射に依存するに至る。およそ160万人の米国人が1型糖尿病を有しており、また、1型糖尿病は、喘息の次に最も一般的な小児期の疾患の1つのままである。介護が改善されているにもかかわらず、T1Dの影響を最も受けている個体は、一貫して、所望の標的血糖を実現することができない。1型糖尿病を有する個体に関しては、罹患率および死亡率の両方のリスクが増大することに関する持続的な懸念が存在している。最近の研究2件により、10歳未満で診断を受けた小児については生存年数が17.7年減少することが認められ、また、成人で診断されたスコットランド人の男性および女性についてはそれぞれ生存年数が11年および13年減少した。
【0005】
したがって、改善されたT1D治療方法および組成物が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
一部の態様は、臨床1型糖尿病(T1D)を治療する方法であって、それを必要とする対象に、約9000μg/m2超の総用量のテプリズマブの12日間のクールを投与するステップを含む、方法に関する。一部の態様は、臨床1型糖尿病(T1D)を治療する方法における使用のためのテプリズマブであって、方法が、それを必要とする対象に、約9000μg/m2超の総用量のテプリズマブの12日間のクールを投与するステップを含む、使用のためのテプリズマブに関する。
【0007】
一部の実施形態では、総用量は、約9000から約9500μg/m2の間である。一部の実施形態では、総用量は、約9000から約14000μg/m2の間である。
【0008】
一部の実施形態では、1型糖尿病(T1D)を治療する方法であって、それを必要とする対象に、約9000から約9500μg/m2までの総用量のテプリズマブの12日間のクールを投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、1型糖尿病(T1D)を治療する方法であって、それを必要とする対象に、約9000から約14000μg/m2までの総用量のテプリズマブの12日間のクールを投与するステップを含む、方法が提供される。
【0009】
一部の実施形態では、12日間のクールは、1日目に106μg/m2のテプリズマブの第1の用量、2日目に425μg/m2のテプリズマブの第2の用量、および3~12日目のそれぞれに850μg/m2の1用量を含み、総用量は、およそ9031μg/m2である。
【0010】
一部の実施形態では、12日間のクールは、1日目に211μg/m2のテプリズマブの第1の用量、2日目に423μg/m2のテプリズマブの第2の用量、および3~12日目のそれぞれに840μg/m2の1用量を含み、総用量は、およそ9034μg/m2である。
【0011】
一部の実施形態では、方法は、テプリズマブの第1および第2の12日間のクールを投与するステップを含むことができる。一部の実施形態では、第1および第2の12日間のクールは、約1~6カ月、約2~5カ月または約3カ月の間隔を空けて投与される。
【0012】
一部の実施形態では、方法は、それを必要とする対象に、各クールが約9000μg/m2超の総用量のテプリズマブの第3またはそれ以上の12日間のクールを投与するステップを含むことができる。
【0013】
一部の実施形態では、テプリズマブの第3またはそれ以上の12日間のクールは、1日目に106μg/m2のテプリズマブの第1の用量、2日目に425μg/m2のテプリズマブの第2の用量、および3~12日目のそれぞれに850μg/m2の1用量を含み、各クールの総用量は、およそ9031μg/m2である。
【0014】
一部の実施形態では、テプリズマブの第3またはそれ以上の12日間のクールは、1日目に211μg/m2のテプリズマブの第1の用量、2日目に423μg/m2のテプリズマブの第2の用量、および3~12日目のそれぞれに840μg/m2の1用量を含み、各クールの総用量は、およそ9034μg/m2である。
【0015】
一部の実施形態では、テプリズマブの第3またはそれ以上の12日間のクールは、約12カ月から約24カ月の間隔を空けて投与される。
【0016】
一部の実施形態では、方法は、各12日間のクールの投与後に、全CD3+T細胞に対してTIGIT+KLRG1+CD8+細胞のレベルのベースラインを決定するステップと、TIGIT+KLRG1+CD8+CD3+T細胞のレベルをモニタリングするステップと、TIGIT+KLRG1+CD8+CD3+T細胞のレベルがベースラインレベルに戻る場合に、テプリズマブの追加的な12日間のクールを投与するステップとをさらに含むことができる。一部の実施形態では、TIGIT+KLRG1+CD8+CD3+T細胞の決定するステップは、フローサイトメトリーによる。一部の実施形態では、TIGIT+KLRG1+CD8+CD3+T細胞のモニタリングするステップは、フローサイトメトリーによる。一部の実施形態では、TIGIT+KLRG1+CD8+CD3+T細胞の決定するステップは、各12日間のクールの投与の約1~6カ月、約2~5カ月、または約3カ月後である。一部の実施形態では、対象が全CD3+T細胞中に約10%超のTIGIT+KLRG1+CD8+T細胞を有する場合、その後のモニタリングするステップは、年に1回である。一部の実施形態では、対象が全CDCD8+T細胞中に約10%未満のTIGIT+KLRG1+CD8+T細胞を有する場合、その後のモニタリングするステップは、約3~6カ月ごとである。
【0017】
一部の実施形態では、それを必要とする対象は、投与するステップ前6週間以内にT1Dと診断されている。
【0018】
一部の実施形態では、投与するステップは、治療前レベルと比較して、インスリン使用、HbA1cレベル、低血中グルコースエピソード、またはそれらの組み合わせの少なくとも10%の低下をもたらす。
【0019】
一部の実施形態では、各用量は、非経口投与される。
【0020】
一部の実施形態では、各用量は、静脈内注入によって投与される。
【0021】
一部の実施形態では、それを必要とする対象は、約8から17歳である。
【0022】
一部の実施形態では、それを必要とする対象は、混合食負荷試験(MMTT)の間に0.2pmol/mL以上のピークCペプチドレベルを有する。
【0023】
一部の実施形態では、テプリズマブを受けている対象は、プラセボを受けている対照と比較して、より高い平均Cペプチド値を有する。
【0024】
一部の実施形態では、方法は、78週間で、混合食負荷試験(MMTT)後にCペプチドの時間濃度曲線下面積(AUC)を査定するステップをさらに含む。
【0025】
一部の実施形態では、それを必要とする対象は、第1の用量の投与前に少なくとも20%のベータ細胞機能を有する。
【0026】
一部の実施形態では、インスリン使用、HbA1cレベル、低血中グルコースエピソード、またはそれらの組み合わせの低下は、12カ月以上の期間にわたる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】3つの投薬レジメンについてのシミュレーション濃度:WT=60kg、年齢=18歳、BSA=1.67m
2を有し、ADAが検出されていない、典型的な男性患者についての集団予測を示す図である。
【
図2】投薬レジメン1および2についての濃度の比較:WT=60kg、年齢=18歳、BSA=1.67m
2を有し、ADAが検出されていない、典型的な男性患者についてのモデルに基づくシミュレーションを示す図である。
【
図3】Herold投薬レジメンおよび投薬レジメン1についての濃度の比較:WT=60kg、年齢=18歳、BSA=1.67m
2を有し、ADAが検出されていない、典型的な男性患者についてのモデルに基づくシミュレーションを示す図である。
【
図4】Herold投薬レジメンおよび投薬レジメン1についての最終投薬日における濃度の比較:WT=60kg、年齢=18歳、BSA=1.67m
2を有し、ADAが検出されていない、典型的な男性患者についてのモデルに基づくシミュレーションを示す図である。
【
図5】3つの投薬レジメンについてのシミュレーション濃度:WT=60kg、年齢=18歳、BSA=1.67m
2を有し、高レベルのADAが検出された、典型的な男性患者についての集団予測を示す図である。
【
図6】投薬レジメン1および2についての濃度の比較:WT=60kg、年齢=18歳、BSA=1.67m
2を有し、高レベルのADAが検出された、典型的な男性患者についてのモデルに基づくシミュレーションを示す図である。
【
図7】Herold投薬レジメンおよび投薬レジメン1についての濃度の比較:WT=60kg、年齢=18歳、BSA=1.67m
2を有し、高レベルのADAが検出された、典型的な男性患者についてのモデルに基づくシミュレーションを示す図である。
【
図8】Herold投薬レジメンおよび投薬レジメン1についての最終投薬日における濃度の比較:WT=60kg、年齢=18歳、BSA=1.67m
2を有し、高レベルのADAが検出された、典型的な男性患者についてのモデルに基づくシミュレーションを示す図である。
【
図9】3つの投薬レジメンについてのシミュレーション濃度:WT=45kg、年齢=13歳、BSA=1.33m
2を有し、ADAが検出されていない、典型的な男性患者についての集団予測を示す図である。
【
図10】投薬レジメン1および2についての濃度の比較:WT=45kg、年齢=13歳、BSA=1.33m
2を有し、ADAが検出されていない、典型的な男性患者についてのモデルに基づくシミュレーションを示す図である。
【
図11】Herold投薬レジメンおよび投薬レジメン1についての濃度の比較:WT=45kg、年齢=13歳、BSA=1.33m
2を有し、ADAが検出されていない、典型的な男性患者についてのモデルに基づくシミュレーションを示す図である。
【
図12】Herold投薬レジメンおよび投薬レジメン1についての最終投薬日における濃度の比較:WT=45kg、年齢=13歳、BSA=1.33m
2を有し、ADAが検出されていない、典型的な男性患者についてのモデルに基づくシミュレーションを示す図である。
【
図13】3つの投薬レジメンについてのシミュレーション濃度:WT=45kg、年齢=13歳、BSA=1.33m
2を有し、高レベルのADAが検出された、典型的な男性患者についての集団予測を示す図である。
【
図14】投薬レジメン1および2についての濃度の比較:WT=45kg、年齢=13歳、BSA=1.33m
2を有し、高レベルのADAが検出された、典型的な男性患者についてのモデルに基づくシミュレーションを示す図である。
【
図15】Herold投薬レジメンおよび投薬レジメン1についての濃度の比較:WT=45kg、年齢=13歳、BSA=1.33m
2を有し、高レベルのADAが検出された、典型的な男性患者についてのモデルに基づくシミュレーションを示す図である。
【
図16】Herold投薬レジメンおよび投薬レジメン1についての最終投薬日における濃度の比較:WT=45kg、年齢=13歳、BSA=1.33m
2を有し、高レベルのADAが検出された、典型的な男性患者についてのモデルに基づくシミュレーションを示す図である。
【
図17】Heroldレジメンおよび投薬レジメン2についての濃度の比較:WT=60kg、年齢=18歳、BSA=1.67m
2を有し、ADAが検出されていない、男性患者についてのモデルに基づくシミュレーション(42日)を示す図である。
【
図18】Heroldレジメンおよび投薬レジメン2についての濃度の中央値の比較:WT=60kg、年齢=18歳、BSA=1.67m
2を有し、ADAが検出されていない、男性患者についてのモデルに基づくシミュレーション(35日)を示す図である。
【
図19】Heroldレジメンおよび投薬レジメン2についての濃度の比較:WT=60kg、年齢=18歳、BSA=1.67m
2を有し、高レベルのADAが検出された、男性患者についてのモデルに基づくシミュレーション(42日)を示す図である。
【
図20】Heroldレジメンおよび投薬レジメン2についての濃度の中央値の比較:WT=60kg、年齢=18歳、BSA=1.67m
2を有し、高レベルのADAが検出された、男性患者についてのモデルに基づくシミュレーション(35日)を示す図である。
【
図21】Heroldレジメンおよび投薬レジメン2についての濃度の比較:WT=45kg、年齢=13歳、BSA=1.33m
2を有し、ADAが検出されていない、男性患者についてのモデルに基づくシミュレーション(42日)を示す図である。
【
図22】Heroldレジメンおよび投薬レジメン2についての濃度の中央値の比較:WT=45kg、年齢=13歳、BSA=1.33m
2を有し、ADAが検出されていない、男性患者についてのモデルに基づくシミュレーション(35日)を示す図である。
【
図23】Heroldレジメンおよび投薬レジメン2についての濃度の比較:WT=45kg、年齢=13歳、BSA=1.33m
2を有し、高レベルのADAが検出された、男性患者についてのモデルに基づくシミュレーション(42日)を示す図である。
【
図24】Heroldレジメンおよび投薬レジメン2についての濃度の中央値の比較:WT=45kg、年齢=13歳、BSA=1.33m
2を有し、高レベルのADAが検出された、男性患者についてのモデルに基づくシミュレーション(35日)を示す図である。
【
図25】
図25は、一実施形態による試験デザインの図を示す。
【
図26】支持的試験のメタ分析における1年の追跡調査での、CペプチドAUC(nmol/L)のベースラインからの変化におけるテプリズマブと対照の間の予測平均差を示す図である。
【
図27】支持的試験のメタ分析における2年の追跡調査での、CペプチドAUC(nmol/L)のベースラインからの変化におけるテプリズマブと対照の間の予測平均差を示す図である。
【
図28】TN-10:T1Dを有する患者におけるCペプチドAUC(nmol/L)を示す図である。
【
図29a】Protegeレジメンについての各訪問における平均インスリン使用を示す図である。
【
図29b】Encoreレジメンについての各訪問における平均インスリン使用を示す図である。
【
図29c】Study 1レジメンについての各訪問における平均インスリン使用を示す図である。
【
図29d】AbATEレジメンについての各訪問における平均インスリン使用を示す図である。
【
図29e】Delayレジメンについての各訪問における平均インスリン使用を示す図である。
【
図30】異なる体重にわたる14日間のレジメン後の予測平均テプリズマブ血清濃度対時間プロファイルを示す図である。
【
図31】Emaxモデルのプロット:予期されるCペプチド変化対AUC、2年を示す図である。Protege試験を、新たに診断された(ステージ3)T1D患者、および研究された3つのテプリズマブ投薬レジメンにおいて実施した(完全な14日間[約9,030mg/m
2累積用量]、14日間のレジメンの3分の1[1/3]、および6日間への短縮[完全な14日間のレジメンの最初の6日間])。
【発明を実施するための形態】
【0028】
1型糖尿病は、通常、小児期および青年期に発生する。しかしながら、非常に頻度は低いが、人生の50~60歳ぐらいの成人期にも存在し得る(Atkinson 2014、Bluestone 2010、Streisand 2014)。一部の短期および長期合併症をより起こしやすいことに加えて、小児/若年成人と高齢者の間には臨床経過および免疫療法に対する応答に相違がある。最初の診断前の数日または数週間に、小児および青年は、多くの場合、多飲症、多尿症、および体重減少を含む重篤な糖尿病の症状を患い、これは、DKAの臨床像、および入院を必要とするショックをもたらす(Atkinson 2014、Bluestone 2010、Streisand 2014、Mittermayer 2017)。新たに発症したT1Dを有する小児および若年成人は、通常、早急な外因性インスリンの必要性を有する。
【0029】
これは、数カ月もしくは数年の非特異的症状を有するか、または日常的な血糖スクリーニングから無症候性で存在する場合が多いT1Dを発生する成人の経験とは明らかに対照的である。これらの個体は、多くの場合、実証できるインスリンの必要性の前に、食事または経口血糖降下剤により、長期間(数カ月または数年)管理され得る。より決定的な研究は、年齢に従った、β細胞の異なる減少率を示している(Greenbaum 2012;Ludvigsson 2013)。数十年の研究後、糖尿病のTrialNetネットワークは、新たに発症した疾患を有する若年成人および高齢者と比較して、小児および青年において著しくより急速な減少率が生じる点で、「年齢は、診断後のCペプチドの減少率に影響を及ぼす最も重要な因子である」と結論付けた。このより急速な減少は、成人と比較して、小児においてはるかに毒性で攻撃的な自己免疫プロセスに起因すると思われ、若年対高齢個体におけるT1D免疫病因に重要な相違が存在することを表面上裏付ける(Greenbaum 2012、Campbell-Thompson 2016)。これらの基本的な相違に起因して、成人および小児が免疫に基づく疾患修飾療法に異なって応答し得ると予想することは理にかなっている。言い換えれば、ある治療は、小児において非常に有効であるが、成人において全く有効ではないことがあり、逆もまた同様である(Rigby 2014)。
【0030】
小児および青年は、疾患を発生する最も高いリスクがあり、実質的に、短期および長期の病的状態および死亡に最も苦しみ、したがって、この群は、疾患修飾療法から最も利益を受ける(Wherrett 2015)。これは、現在、小児期および青年期にT1Dと診断された者が、T1Dなしの対応する者と比較して、心血管疾患からの死亡の7倍のリスクを含んで、生涯死亡リスクの4~6倍の増加を有することを示す大規模研究によって補強されている。この死亡リスクは、それらの他の健康な同等の者と比較して、全死因死亡率および心血管疾患関連死亡率が約3倍高いリスクを有する、成人期にT1Dと診断された個体と著しく対照的である(Rawshani 2017、Rawshani 2018)。最近の報告は、T1Dを有する者が、他の健康な年齢が一致する個体よりも約11~13年短い平均余命を有することを示す(Lind 2014、Huo 2016)。T1D研究における目標は、すべてのT1Dを有する者についての病的状態および死亡率を低下させることであるが、最も緊急に必要とされているのは、小児期および青年期にT1Dを発生した者のためのものであることは明らかである。
【0031】
したがって、それから最も利益を受ける可能性が高くあり得る小児のための治療法を開発する必要性がある。
【0032】
本開示の態様は、それを必要とする対象における1型糖尿病(T1D)を治療する方法に関する。疾患の自然経過および外因性インスリン療法を含む現在の標準治療と比較して、小児において、β細胞機能を保存し、T1Dの臨床管理を改善する方法が本明細書で提供される。β細胞機能の保存は、血糖コントロールならびに短期および/または長期転帰を維持する改善された能力と一致して、臨床的および/または代謝的な利益に変換されると見込まれる。一部の実施形態では、方法は、8から17歳の患者をT1Dと診断するステップと、患者に、診断の6週間以内の12日間のテプリズマブの1日用量の第1のクール、および12日間のテプリズマブの1日用量の第2のクールを投与するステップとを含み、第1および第2のクールは、6カ月の間隔を空けて投与される。一部の実施形態では、方法は、78週間(18カ月または1.5年)で、混合食負荷試験(MMTT)後にCペプチドの時間濃度曲線下面積(AUC)を査定するステップ、および/またはインスリン使用、HbA1cレベル、および低血中グルコースエピソードのような臨床エンドポイントを評価するステップをさらに含む。
【0033】
定義
特定の用語を本明細書において以下に定義する。追加的な定義が本出願全体を通して提供される。
【0034】
本明細書で使用される場合、「1つの(a)」および「1つの(an)」という冠詞は、その冠詞の文法上の目的語の1つまたは1つよりも多く、例えば、少なくとも1つを指す。「1つの(a)」または「1つの(an)」という単語の使用は、「含む(comprising)」という用語と併せて使用される場合、本明細書では、「1つ(one)」を意味し得るが、「1つまたは複数の(one or more)」、「少なくとも1つの(at least one)」、および「1つまたは1つよりも多く(one or more than one)」の意味とも一致する。
【0035】
本明細書で使用される場合、「約」および「およそ」は、一般に、測定の性質または精度を考慮して、測定された数量に関して許容される誤差の程度を意味する。例示的な誤差の程度は、所与の値の範囲の20パーセント(%)以内、一般には10%以内、より一般には5%以内である。「実質的に」という用語は、50%超、好ましくは80%超、および最も好ましくは90%または95%超を意味する。
【0036】
本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」または「含む(comprises」という用語は、所与の実施形態に存在する組成物、方法、およびそれらのそれぞれの構成成分(複数可)に関して使用されるが、不特定の要素の包含に対して開かれている。
【0037】
本明細書で使用される場合、「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語は、所与の実施形態に必要とされる要素を指す。この用語は、本開示のその実施形態の基本的なおよび新規のまたは機能的な特徴(複数可)に実質的に影響を及ぼさない追加的な要素の存在を許容するものである。
【0038】
「からなる(consisting of)」という用語は、本明細書に記載の組成物、方法、およびそれらのそれぞれの構成成分を指し、その実施形態の説明に記載されていないいかなる要素も排除される。
【0039】
「抗体」という用語は、本明細書では、最も広範な意味で使用され、これだけに限定されないが、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、および所望の抗原結合活性を示す限りは抗体断片を含めた種々の抗体構造を包含する。
【0040】
「抗体断片」は、インタクトな抗体が結合する抗原に結合する、インタクトな抗体の一部を含むインタクトな抗体以外の分子を指す。抗体断片の例としては、これだけに限定されないが、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)2;ダイアボディ(diabody);直鎖状抗体;単鎖抗体分子(例えば、scFv);および抗体断片から形成された多重特異性抗体が挙げられる。
【0041】
本明細書で使用される場合、1型糖尿病に関連した疾患の「発症」という用語は、患者が、American Diabetes Associationにより1型糖尿病の診断のために確立された基準を満たすことを指す(Mayfield et al.,2006,Am.Fam.Physician 58:1355-1362を参照されたい)。
【0042】
本明細書で使用される場合、「プロトコール」は、投薬スケジュールおよび投薬レジメンを含む。本明細書におけるプロトコールは使用方法であり、治療プロトコールを含む。「投薬レジメン」、「投与量レジメン」または「治療のクール」は、治療剤をいくつかの用量で1~20日間にわたって投与することを含み得る。
【0043】
本明細書で使用される場合、「対象」および「患者」という用語は、互換的に使用される。本明細書で使用される場合、「対象(subject)」および「対象(subjects)」という用語は、動物、好ましくは、非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ラット、およびマウス)ならびに霊長類(例えば、サルまたはヒト)を含めた哺乳動物、より好ましくは、ヒトを指す。一部の実施形態では、患者集団は、小児を含む。一部の実施形態では、患者集団は、新たにT1Dと診断された小児を含む。一部の実施形態では、患者集団は、T1D診断の6週間以内に治療される。一部の実施形態では、患者集団は、少なくとも1つのT1D関連自己抗体に対して陽性であり、スクリーニング時に0.2pmol/mL以上のピーク刺激Cペプチドを有する小児を含む。
【0044】
本明細書で使用される場合、「小児」という用語(およびその変形)は、8から17歳周辺の者を含む。
【0045】
本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、T1Dの1つまたは複数の症状の発生、再発または発症の遅延または予防をもたらすために十分なテプリズマブの量を指す。
【0046】
本明細書で使用される場合、「治療する」、「治療」および「治療すること」という用語は、1つまたは複数のCD3結合性分子の投与から生じるT1Dに関連する1つまたは複数の症状の好転を指す。一部の実施形態では、そのような用語は、ヒトの低血中グルコースエピソードの平均数の低下を指す。他の実施形態では、そのような用語は、末梢血におけるCペプチドの参照レベルの維持を指す。
【0047】
一部の実施形態では、有効量は、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、1つまたは複数のT1Dの症状を低下させる。
【0048】
本開示の種々の態様を以下にさらに詳細に記載する。追加的な定義は本明細書全体を通して詳述する。
【0049】
抗CD3抗体および医薬組成物
「抗CD3抗体」および「CD3に結合する抗体」という用語は、表面抗原分類3(CD3)に十分な親和性で結合することができる抗体または抗体断片を指し、したがって、当該抗体は、CD3の標的化において予防剤、診断剤および/または治療剤として有用である。一部の実施形態では、抗CD3抗体の無関係の非CD3タンパク質への結合の程度は、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)によって測定して、当該抗体のCD3への結合の約10%未満である。一部の実施形態では、CD3に結合する抗体の解離定数(Kd)は、<1μΜ、<100nM、<10nM、<1nM、<0.1nM、<0.01nM、または<0.001nM(例えば、10-8M以下、例えば、10-8Mから10-13Mまで、例えば、10-9M~10-13Mまで)である。一部の実施形態では、抗CD3抗体は、異なる種由来のCD3の間で保存されているCD3のエピトープに結合する。
【0050】
一部の実施形態では、抗CD3抗体は、ChAglyCD3(オテリキシズマブ)であり得る。オテリキシズマブは、ヒト化Fc非結合性抗CD3であり、Belgian Diabetes Registry(BDR)による第2相試験において最初に評価され、次いでTolerxによって開発され、次いで、TolerxがGSKと組んで、第3相DEFEND新規発症T1D試験(NCT00678886、NCT01123083、NCT00763451)が実施された。オテリキシズマブを8日間にわたる注入でIV投与する。例えば、全て引用することにより本明細書の一部をなすものとする、Wiczling et al.,J.Clin.Pharmacol.50(5)(May 2010)494-506;Keymeulen et al.,N Engl J Med.2005;352:2598-608;Keymeulen et al.,Diabetologia.2010;53:614-23;Hagopian et al.,Diabetes.2013;62:3901-8;Aronson et al.,Diabetes Care.2014;37:2746-54;Ambery et al.,Diabet Med.2014;31:399-402;Bolt et al.,Eur.J.Immunol.lYY3.23: 403-411;Vlasakakis et al.,Br J Clin Pharmacol(2019)85 704-714;Guglielmi et al,Expert Opinion on Biological Therapy,16:6,841-846;Keymeulen et al.,N Engl J Med 2005;352:2598-608;Keymeulen et al.,BLOOD 2010,VOL 115,No.6;Sprangers et al.,Immunotherapy(2011)3(11),1303-1316;Daifotis et al.,Clinical Immunology(2013)149,268-278を参照されたい。
【0051】
一部の実施形態では、抗CD3抗体は、ビシリズマブ(HuM291;Nuvionとも称される)であり得る。ビシリズマブは、突然変異型IgG2アイソタイプ、Fcγ受容体への結合性の欠如、および活性化T細胞において選択的にアポトーシスを誘導する能力を特徴とするヒト化抗CD3モノクローナル抗体である。ビシリズマブは、移植片対宿主病(NCT00720629;NCT00032279)ならびに潰瘍性大腸炎(NCT00267306)およびクローン病(NCT00267709)に関して患者において評価された。例えば、引用することにより本明細書の一部をなすものとするSandborn et al.,Gut 59(11)(Nov 2010)1485-1492を参照されたい。
【0052】
テプリズマブ
一部の実施形態では、抗CD3抗体は、テプリズマブであり得る。テプリズマブは、hOKT3yl(Ala-Ala)(234位および235位にアラニンを含有する)としても公知であり、膵臓の島のインスリン産生ベータ細胞の破壊を媒介するTリンパ球の機能が変更されるように工学的に作製された抗CD3抗体である。テプリズマブは、成熟T細胞上に発現されるCD3ε鎖のエピトープに結合し、それにより、それらの機能を変化させる。循環T細胞(および他のリンパ球)は、辺縁趨向および枯渇を含み得るプロセスにおいて、テプリズマブ治療後に一時的に低下する(Long 2017、Sherry 2011)。T細胞のエフェクター機能の低下に加えて、テプリズマブは、調節性T細胞(TReg)の数および機能の両方を増加させると思われる(Ablamunits 2010、Bisikirska 2005、Long 2017、Waldron-Lynch 2012)。より最近の研究は、テプリズマブが、エフェクターCD8+T細胞のサブセットにおいて免疫学的な「消耗」を誘導し、多分、それらを調節または枯渇に対してより感受性にすることを示している(Long 2016、Long 2017)。総合すれば、これらの機構的データは、テプリズマブが、β細胞の免疫破壊プロセスに対する「抑制」効果を示すだけでなく、むしろT1D自己免疫と関与するエフェクターと調節アームのリバランスに好都合な免疫「モジュレーター」であることを示唆し、テプリズマブが、β細胞の自己寛容の再導入に寄与する能力を有し得るという考えを裏付ける(Lebastchi 2013)。
【0053】
テプリズマブの配列および組成は、それぞれの全体が引用することにより本明細書の一部をなすものとする米国特許第6,491,916号;同第8,663,634号;および同第9,056,906号に開示されている。テプリズマブの分子量は、およそ150KDである。軽鎖および重鎖の完全な配列を以下に記載する。太字部分は相補性決定領域である。
テプリズマブ軽鎖(配列番号1):
【化1】
テプリズマブ重鎖(配列番号2):
【化2】
【0054】
一部の実施形態では、医薬組成物が本明細書で提供される。そのような組成物は、有効量の抗CD3抗体、および薬学的に許容される担体を含む。一部の実施形態では、「薬学的に許容される」という用語は、動物、より詳細にはヒトにおける使用に関して連邦または州政府の規制当局により承認されている、または米国薬局方もしくは他の一般に認識されている薬局方に列挙されていることを意味する。「担体」という用語は、治療薬が共に投与される、希釈剤、アジュバント(例えば、フロイントアジュバント(完全および不完全))、賦形剤、またはビヒクルを指す。そのような医薬担体は、水、および、石油、動物、野菜または合成起源のものを含めた油、例えば、ピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油などの滅菌された液体であり得る。水は、医薬組成物を静脈内に投与する場合に好ましい担体である。生理食塩水溶液ならびに水性デキストロースおよびグリセロール溶液も、液体担体として、特に注射液として使用することができる。適切な医薬賦形剤としては、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、モルト、イネ、穀粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、塩化ナトリウム、乾燥脱脂乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどが挙げられる(例えば、Handbook of Pharmaceutical Excipients,Arthur H.Kibbe(ed.,2000、その全体が引用することにより本明細書の一部をなすものとする)、Am.Pharmaceutical Association,Washington,D.Cを参照されたい。
【0055】
所望であれば、組成物は、微量の湿潤剤もしくは乳化剤、またはpH緩衝剤も含有してよい。これらの組成物は、液剤、懸濁剤、エマルション、錠剤、ピル、カプセル剤、散剤、持続放出製剤などの形態をとってよい。経口製剤は、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどの標準の担体を含み得る。適切な医薬担体の例は、E.W.Martinによる「Remington’s Pharmaceutical Sciences」に記載されている。そのような組成物は、治療有効量の治療剤を、好ましくは精製された形態で、患者への適当な投与のための形態をもたらすために適量の担体と一緒に含有する。製剤は、投与形式に合うものであるべきである。一部の実施形態では、医薬組成物は、滅菌されており、対象、好ましくは動物対象、より好ましくは哺乳動物対象、最も好ましくはヒト対象への投与に適する形態である。
【0056】
一部の実施形態では、医薬組成物を、治療を必要とする領域に局所的に投与することが望ましい場合があり、これは、例えば、これに限定するものではなく、注射による局所注入によって、または埋め込み物を用いて実現することができ、前記埋め込み物は、シラスティック膜などの膜、または線維を含めた多孔質材料、非多孔質材料、もしくはゼラチン質材料である。好ましくは、抗CD3抗体を投与する場合には、抗CD3抗体が吸収されない材料を使用するように注意しなければならない。
【0057】
一部の実施形態では、組成物を小胞、特にリポソームとして送達することができる(Langer,Science 249:1527-1533(1990);Treat et al.,in Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer,Lopez-Berestein and Fidler(eds.),Liss,New York,pp.353-365(1989);Lopez-Berestein,ibid.,pp.317-327;一般に同書を参照されたい)。
【0058】
一部の実施形態では、組成物を制御放出または持続放出系で送達することができる。一部の実施形態では、ポンプを使用して、制御放出または持続放出を実現することができる(Langer,supra;Sefton,(1987),CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.14:20;Buchwald et al.,1980,Surgery 88:507;Saudek et al.,1989,N.Engl.J.Med.321:574を参照されたい)。一部の実施形態では、ポリマー材料を使用して、本開示の抗体またはその断片の制御放出または持続放出を実現することができる(例えば、Medical Applications of Controlled Release,Langer and Wise(eds.),CRC Pres.,Boca Raton,Fla.(1974);Controlled Drug Bioavailability,Drug Product Design and Performance,Smolen and Ball(eds.),Wiley,New York(1984);Ranger and Peppas,(1983),J.,Macromol.Sci.Rev.Macromol.Chem.23:61を参照されたい;また、 Levy et al.,1985,Science 228:190;During et al.,1989,Ann.Neurol.25:351;Howard et al.,1989,J.Neurosurg.71:105);米国特許第5,679,377号;米国特許第5,916,597号;米国特許第5,912,015号;米国特許第5,989,463号;米国特許第5,128,326号;PCT公開第WO99/15154号;およびPCT公開第WO99/20253号を参照されたい)。持続放出製剤に使用されるポリマーの例としては、これだけに限定されないが、ポリ(メタクリル酸2-ヒドロキシエチル)、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(エチレン-co-酢酸ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、ポリグリコリド(PLG)、ポリ酸無水物、ポリ(N-ビニル ピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)(PLGA)、およびポリオルトエステルが挙げられる。一部の実施形態では、持続放出製剤に使用されるポリマーは、不活性であり、浸出する可能性がある不純物を含まず、保管中安定であり、無菌であり、生分解性である。一部の実施形態では、制御放出または持続放出系を治療標的、すなわち、肺の近傍に置くことができ、したがって、全身用量のほんの一部しか必要ない(例えば、Goodson,in Medical Applications of Controlled Release,supra,vol.2,pp.115-138(1984)を参照されたい)。
【0059】
制御放出系は、Langerによる総説(1990,Science 249:1527-1533)において考察されている。当業者に公知の任意の技法を使用して、本開示の1つまたは複数の抗体またはその断片を含む持続放出製剤を作製することができる。例えば、そのそれぞれの全体が引用することにより本明細書の一部をなすものとする、米国特許第4,526,938号;PCT公開第WO91/05548号;PCT公開第WO96/20698号;Ning et al.,1996,Radiotherapy & Oncology 39:179-189;Song et al.,1995,PDA Journal of Pharmaceutical Science & Technology 50:372-397;Cleek et al.,1997,Pro.Int’l.Symp.Control.Rel.Bioact.Mater.24:853-854;およびLam et al.,1997,Proc.Int’l.Symp.Control Rel.Bioact.Mater.24:759-760を参照されたい。
【0060】
医薬組成物を、その意図された投与経路に適合するように製剤化することができる。投与経路の例としては、これだけに限定されないが、非経口投与、例えば、静脈内投与、皮内投与、皮下投与、経口投与、鼻腔内投与(例えば、吸入)、経皮(局部)投与、経粘膜投与、および直腸内投与が挙げられる。一部の実施形態では、組成物を常套的な手順に従って、ヒトへの静脈内投与、皮下投与、筋肉内投与、経口投与、鼻腔内投与または局部投与に適合させた医薬組成物として製剤化する。一部の実施形態では、医薬組成物を常套的な手順に従って、ヒトへの皮下投与用に製剤化する。一般には、静脈内投与用の組成物は、滅菌等張性水性緩衝剤中の溶液である。必要であれば、組成物は、可溶化剤および注射部位の疼痛を和らげるためのリグノカインなどの局所麻酔薬も含んでよい。
【0061】
組成物は、注射による、例えば、ボーラス注射または持続注入による非経口投与用に製剤化することができる。注射用製剤は、単位剤形で、例えば、アンプル中または複数用量容器中に入れ、保存剤を添加して提供することができる。組成物は、懸濁液、溶液または油性もしくは水性ビヒクル中のエマルションの形態を取り得、また、懸濁剤、安定化剤および/または分散剤などの製剤化用薬剤(formulatory agent)を含有し得る。あるいは、活性成分は、使用前に適切なビヒクル、例えば、滅菌パイロジェンフリー水を用いて構成するための粉末形態であり得る。
【0062】
一部の実施形態では、本開示は、抗CD3抗体を数時間または数日間の期間にわたって、例えば、1時間、2時間、3時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、16時間、20時間、24時間、30時間、36時間、4日間、5日間、7日間、10日間または12日間の期間にわたって連続的に投与することを可能にする剤形(例えば、ポンプまたはそのような送達のための他のデバイスに関連する)を提供する。一部の実施形態では、本開示は、用量を連続的に増加させて、例えば、106μg/m2/日から850μg/m2/日までまたは211μg/m2/日から840μg/m2/日まで増加させて、24時間、30時間、36時間、4日間、5日間、7日間、10日間または12日間の期間にわたって投与することを可能にする剤形を提供する。
【0063】
組成物を中性または塩の形態として製剤化することができる。薬学的に許容される塩としては、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸などに由来するものなどの、陰イオンを用いて形成される塩、および、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2-エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどに由来するものなどの、陽イオンを用いて形成される塩が挙げられる。
【0064】
一般に、本明細書に開示される組成物の成分は、別々に、または混合して単位剤形としてのいずれかで、例えば、乾燥した凍結乾燥粉末または水を含まない濃縮物として、活性薬剤の数量を示すアンプルまたはサシェなどの密封容器中に入れて供給される。組成物を注入によって投与する場合、滅菌医薬品グレード水または生理食塩水を含有する注入ビンを用いて分配することができる。組成物を注射によって投与する場合、成分を投与前に混合することができるように注射用滅菌水または生理食塩水のアンプルを提供することができる。
【0065】
特に、本開示は、薬剤の数量を示すアンプルまたはサシェなどの密封容器中に包装することができる抗CD3抗体またはその医薬組成物を提供する。一部の実施形態では、抗CD3抗体またはその医薬組成物を、密封容器中の乾燥した滅菌凍結乾燥粉末または水を含まない濃縮物として供給し、これを、例えば水または生理食塩水を用いて対象への投与に適した濃度に再構成することができる。抗CD3抗体またはその医薬組成物を、密封容器中の乾燥した滅菌凍結乾燥粉末として、少なくとも5mg、より好ましくは少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも25mg、少なくとも35mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも75mg、または少なくとも100mgの単位投与量で供給することが好ましい。本明細書の凍結乾燥した薬剤、または医薬組成物は、その元の容器中で2℃から8℃の間で保管すべきであり、また、本開示の治療剤、または医薬組成物は、再構成後1週間以内に、好ましくは5日以内に、72時間以内に、48時間以内に、24時間以内に、12時間以内に、6時間以内に、5時間以内に、3時間以内に、または1時間以内に投与すべきである。一部の実施形態では、医薬組成物を、薬剤の数量および濃度を示す密封容器中の液体形態で供給する。投与される組成物の液体形態は、密封容器中、少なくとも0.25mg/ml、より好ましくは少なくとも0.5mg/ml、少なくとも1mg/ml、少なくとも2.5mg/ml、少なくとも5mg/ml、少なくとも8mg/ml、少なくとも10mg/ml、少なくとも15mg/ml、少なくとも25mg/ml、少なくとも50mg/ml、少なくとも75mg/mlまたは少なくとも100mg/mlで供給されることが好ましい。液体形態は、その元の容器中、2℃から8℃の間で保管すべきである。
【0066】
一部の実施形態では、本開示は、抗CD3抗体の数量を示すアンプルまたはサシェなどの密封容器中に包装される本開示の組成物を提供する。
【0067】
組成物は、所望であれば、活性成分を含有する1つまたは複数の単位剤形を含有し得るパックまたはディスペンサーデバイスに入れて提供することができる。パックは、例えば、金属またはプラスチックホイル、例えば、ブリスターパックなどを含む。
【0068】
T1Dに付随する1つまたは複数の症状の治療に有効な本開示の組成物の量は、標準の臨床技法によって決定することができる。製剤に使用される正確な用量は、投与経路、および状態の重篤度にも依存してよく、実践者の判断および各患者の状況に従って決定すべきである。有効用量は、in vitroまたは動物モデル試験系から導き出された用量反応曲線から推定することができる。
【0069】
方法および使用
一部の実施形態では、本開示は、混合食負荷試験(MMTT)の間に0.2pmol/mL以上のピークCペプチドレベルを有する、T1D診断から6週間の8から17歳の患者への抗ヒトCD3抗体、例えばテプリズマブの投与を包含する。一部の実施形態では、スクリーニング時のピークCペプチドレベルは、0.2pmol/mL(包含的)から0.7pmol/mL(包含的)に及ぶ。
【0070】
一部の実施形態では、T1D診断は、American Diabetes Association(ADA)基準に従う。糖尿病の臨床診断についてAmerican Diabetes Association(ADA)によって定義されている通り、個体は、以下の4つの基準のうちの1つを満たさなければならない:
【0071】
126mg/dL(7.0mmol/L)以上の空腹時血糖値(FPG)。空腹時は、少なくとも8時間カロリー摂取なしと定義される。
【0072】
経口グルコース負荷試験(OGTT)の間に、200mg/dL(11.1mmol/L)以上の2時間血漿グルコース。試験は、水に溶解した75gの無水グルコースと同等量を含有するグルコース負荷を使用して、世界保健機関(WHO)によって記載されている通りに行われなければならない。
【0073】
6.5%(48mmol/mol)以上のヘモグロビンA1C(HbA1c)。試験は、National Glycohemoglobin Standardization Program(NGSP)が認定し、Diabetes Control and Complications Trial(DCCT)アッセイに標準化された方法を使用して、検査室において行われなければならない。
【0074】
高血糖症または高血糖緊急症の標準的な症状を有する患者において、200mg/dL(11.1mmol/L)以上のランダムPG。
【0075】
臨床1型糖尿病(T1D)の診断について、ADAは、HbA1Cよりもむしろ血漿グルコースを使用して、高血糖症の症状を有する個体におけるT1Dの急性発症を診断すべきであると示唆している。
【0076】
ADAによれば、標準的な症状の血漿グルコースの尺度を有する患者は、臨床糖尿病を診断するのに十分である(高血糖症または高血糖緊急症の症状と200mg/dL[11.1mmol/L]以上のランダム血漿グルコース)。これらの場合では、症状が糖尿病に起因することを確認することに加えて、管理上の決定に情報を提供するので、血漿グルコースレベルを知ることが重要である。一部の提供者はまた、患者がどのぐらいの期間高血糖症を有していたかを決定するためにHbA1Cを知りたいことがあり得る。加えて、以前は「インスリン依存性糖尿病」または「若年発症糖尿病」と呼ばれたT1Dは、糖尿病の5~10%を占め、膵β細胞の細胞媒介自己免疫破壊に起因する。自己免疫マーカーとしては、膵島細胞自己抗体およびGAD(GAD65)に対する自己抗体、インスリン、チロシンホスファターゼIA-2およびIA-2β、ならびにZnT8が挙げられる。T1Dは、これらの自己免疫マーカーのうちの1つまたは複数の存在によって定義される。
【0077】
一部の実施形態では、T1Dの診断は、高いセンサー平均グルコースレベル(≧110mg/dL)、または血糖値の高い変動(CV≧15)、またはより低いTIR(time in range)(140mg/dLを上回る時間が10%以上)を明らかにする、持続グルコースモニタリングシステム(CGM)の使用により行われる。
【0078】
一部の実施形態では、臨床T1Dと診断された患者は、以下のT1D関連自己抗体:グルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD65)自己抗体、膵島抗原2(IA-2)自己抗体、亜鉛輸送体8(ZnT8)自己抗体、膵島細胞質自己抗体(ICA)またはインスリン自己抗体(試験が、インスリン治療の最初の14日以内に得られた場合)のうちの少なくとも1つについての試験において陽性の結果を有する。一部の実施形態では、自己抗体の存在を、ELISA、電気化学発光(ECL)、ラジオアッセイ(例えば、Yu et al.,1996,J.Clin.Endocrinol.Metab.81:4264-4267を参照されたい)、凝集PCR(Tsai et al,ACS Central Science 2016 2(3),139-147)によって、または本明細書に記載されているもしくは当業者に公知の、抗体を免疫特異的に検出するための任意の他の方法によって検出する。
【0079】
β細胞が、T1D診断後に失われ続けることが認識されている。回復可能なレベルの内因性インスリン産生を有する患者におけるβ細胞保存の効果を最大化するために、治療される患者は、T1D診断から6週間以内であり、混合食負荷試験(MMTT)の間に0.2pmol/mL以上のピークCペプチドレベルを有する。
【0080】
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、患者へのインスリンの投与の必要性を予防または遅延させる。
【0081】
治療法の前、その間、およびその後のβ細胞機能を、本明細書に記載の方法によって、または当業者に公知の任意の方法によって評価することができる。例えば、Diabetes Control and Complications Trial(DCCT)研究グループにより、血中グルコース制御を評価するための標準としてパーセンテージグリコシル化ヘモグロビン(HA1およびHA1c)をモニタリングすることが確立された(DCCT,(1993),N.Engl.J.Med.329:977-986)。あるいは、1日のインスリン必要量、Cペプチドレベル/応答、低血中グルコースエピソード、および/またはFPIRの特徴付けをβ細胞機能のマーカーとして、または治療指数を確立するために使用することができる(それぞれKeymeulen et al.,2005,N.Engl.J.Med.352:2598-2608;Herold et al.,2005,Diabetes 54:1763-1769;米国特許出願公開第2004/0038867号A1;およびGreenbaum et al.,2001,Diabetes 50:470-476を参照されたい)。例えば、FPIRは、Islet Cell Antibody Register User’s Studyプロトコールに従って実施されるIGTTの1分後および3分後のインスリン値の合計として算出される(例えば、Bingley et al.,1996,Diabetes 45:1720-1728およびMcCulloch et al.,1993,Diabetes Care 16:911-915を参照されたい)。
【0082】
一部の実施形態では、有効量は、106~850マイクログラム/平方メートル(μg/m2)で抗CD3抗体、例えばテプリズマブを皮下静脈内(IV)注入する12日間のクールを含む。一部の実施形態では、レジメンの期間にわたる総投与量は、約14000μg/m2、13500μg/m2、13000μg/m2、12500μg/m2、12000μg/m2、11500μg/m2、11000μg/m2、10500μg/m2、10000μg/m2、9500μg/m2、9000μg/m2、8000μg/m2、7000μg/m2、6000μg/m2であり、5000μg/m2、4000μg/m2、3000μg/m2、2000μg/m2、または1000μg/m2未満であってもよい。一部の実施形態では、レジメンの期間にわたる総投与量は、約9030μg/m2から約14000μg/m2まで、約9030μg/m2から約13500μg/m2まで、約9000μg/m2から約13000μg/m2まで、約9000μg/m2から約12500μg/m2まで、約9000μg/m2から約12000μg/m2まで、約9000μg/m2から約11500μg/m2まで、約9000μg/m2から約11000μg/m2まで、約9000μg/m2から約10500μg/m2まで、約9000μg/m2から約10000μg/m2まで、約9000μg/m2から約9500μg/m2までである。一部の実施形態では、レジメンの期間にわたる総投与量は、約9030μg/m2から約14000μg/m2まで、約9030μg/m2から約13500μg/m2まで、約9030μg/m2から約13000μg/m2まで、約9030μg/m2から約12500μg/m2まで、約9030μg/m2から約12000μg/m2まで、約9030μg/m2から約11500μg/m2まで、約9030μg/m2から約11000μg/m2まで、約9030μg/m2から約10500μg/m2まで、約9030μg/m2から約10000μg/m2まで、約9030μg/m2から約9500μg/m2までである。
【0083】
理論に拘束されないが、約9,000μg/m
2のテプリズマブを上回る累積用量は、約9,000mgについて示されている通り、Cペプチド保存の観点から同等の有効性を有すると予想される。これは、曝露/応答曲線が、驚くべきことに、それを上回って漸増用量が有効性の増加をもたらさないプラトーに達することが理由である。Cペプチド保存の評価は、Protege試験データを利用して実施した。モデルが予測したテプリズマブのAUC対Cペプチドのベースラインからの変化をプロットし、Emax解析を実施した。これらのデータは、Emaxモデルが、2年でのテプリズマブ曝露とCペプチドの変化の間の関係を記載することを実証する。
図31に示されている通り、約1500ng×時間/mLよりも高いテプリズマブAUCレベル(1,789ng×時間/mLの約9,000μg/m
2用量について予測される最低AUCを下回る)で、テプリズマブ曝露の増加によるCペプチドの追加的な改善は観察されなかった。したがって、これらのデータは、約9,000mgのテプリズマブを上回る用量が、約9,000mgについて示されている通り、Cペプチド保存の観点で、同等の有効性を有することを示唆する。
【0084】
一部の実施形態では、有効量は、1日目に106μg/m2のテプリズマブの第1の用量、2日目に425μg/m2のテプリズマブの第2の用量、および3~12日目のそれぞれに850μg/m2の1用量でテプリズマブをIV注入する12日間のクールを含む。一部の実施形態では、有効量は、1日目に211μg/m2のテプリズマブの第1の用量、2日目に423μg/m2のテプリズマブの第2の用量、および3~12日目のそれぞれに840μg/m2の1用量でテプリズマブをIV注入する12日間のクールを含む。一部の実施形態では、有効量は、1日目におよそ100μg/m2のテプリズマブの第1の用量、2日目におよそ400μg/m2のテプリズマブの第2の用量、3日目におよそ850μg/m2の第3の用量、および4~12日目のそれぞれにおよそ1,200μg/m2でテプリズマブをIV注入する12日間のクールを含む。一部の実施形態では、有効量は、1日目におよそ100μg/m2のテプリズマブの第1の用量、2日目におよそ400μg/m2のテプリズマブの第2の用量、3日目におよそ850μg/m2の第3の用量、および4~12日目のそれぞれにおよそ1,300μg/m2でテプリズマブをIV注入する12日間のクールを含む。一部の実施形態では、有効量は、1日目におよそ100μg/m2のテプリズマブの第1の用量、2日目におよそ400μg/m2のテプリズマブの第2の用量、3日目におよそ850μg/m2の第3の用量、および4~12日目のそれぞれにおよそ1,400μg/m2でテプリズマブをIV注入する12日間のクールを含む。一部の実施形態では、有効量は、1日目におよそ200μg/m2のテプリズマブの第1の用量、2日目におよそ400μg/m2のテプリズマブの第2の用量、3日目におよそ850μg/m2の第3の用量、および4~12日目のそれぞれにおよそ1,200μg/m2でテプリズマブをIV注入する12日間のクールを含む。一部の実施形態では、有効量は、1日目におよそ200μg/m2のテプリズマブの第1の用量、2日目におよそ400μg/m2のテプリズマブの第2の用量、3日目におよそ850μg/m2の第3の用量、および4~12日目のそれぞれにおよそ1,300μg/m2でテプリズマブをIV注入する12日間のクールを含む。一部の実施形態では、有効量は、1日目におよそ200μg/m2のテプリズマブの第1の用量、2日目におよそ400μg/m2のテプリズマブの第2の用量、3日目におよそ850μg/m2の第3の用量、および4~12日目のそれぞれにおよそ1,400μg/m2でテプリズマブをIV注入する12日間のクールを含む。
【0085】
1週目に投薬する第1のクールおよび26週目に投薬する第2のクールを含む、抗CD3抗体、例えばテプリズマブによる投薬の2つ以上のクールを含む投薬レジメンが本明細書で提供される。一部の実施形態では、テプリズマブは、2つのクールにおいてIV注入を介して投与され、第1のクールは1日目(1週目)に、第2のクールはおよそ182日目(26週目)に開始し、治療の各クールは、治療の各クールについて9000μg/m2の累積テプリズマブ用量による12日間の毎日の注入を含む。一部の実施形態では、テプリズマブは、2つのクールにおいてIV注入を介して投与され、第1のクールは1日目(1週目)に、第2のクールはおよそ182日目(26週目)に開始し、治療の各クールは、治療の各クールについて9500μg/m2の累積テプリズマブ用量による12日間の毎日の注入を含む。一部の実施形態では、テプリズマブは、2つのクールにおいてIV注入を介して投与され、第1のクールは1日目(1週目)に、第2のクールはおよそ182日目(26週目)に開始し、治療の各クールは、治療の各クールについて10000μg/m2の累積テプリズマブ用量による12日間の毎日の注入を含む。一部の実施形態では、テプリズマブは、2つのクールにおいてIV注入を介して投与され、第1のクールは1日目(1週目)に、第2のクールはおよそ182日目(26週目)に開始し、治療の各クールは、治療の各クールについて10500μg/m2の累積テプリズマブ用量による12日間の毎日の注入を含む。一部の実施形態では、テプリズマブは、2つのクールにおいてIV注入を介して投与され、第1のクールは1日目(1週目)に、第2のクールはおよそ182日目(26週目)に開始し、治療の各クールは、各クールについて11000μg/m2の累積テプリズマブ用量による12日間の毎日の注入を含む。一部の実施形態では、テプリズマブは、2つのクールにおいてIV注入を介して投与され、第1のクールは1日目(1週目)に、第2のクールはおよそ182日目(26週目)に開始し、治療の各クールは、治療の各クールについて11500μg/m2の累積テプリズマブ用量による12日間の毎日の注入を含む。一部の実施形態では、テプリズマブは、2つのクールにおいてIV注入を介して投与され、第1のクールは1日目(1週目)に、第2のクールはおよそ182日目(26週目)に開始し、治療の各クールは、治療の各クールについて12000μg/m2の累積テプリズマブ用量による12日間の毎日の注入を含む。一部の実施形態では、テプリズマブは、2つのクールにおいてIV注入を介して投与され、第1のクールは1日目(1週目)に、第2のクールはおよそ182日目(26週目)に開始し、治療の各クールは、治療の各クールについて12500μg/m2の累積テプリズマブ用量による12日間の毎日の注入を含む。一部の実施形態では、テプリズマブは、2つのクールにおいてIV注入を介して投与され、第1のクールは1日目(1週目)に、第2のクールはおよそ182日目(26週目)に開始し、治療の各クールは、治療の各クールについて13000μg/m2の累積テプリズマブ用量による12日間の毎日の注入を含む。一部の実施形態では、テプリズマブは、2つのクールにおいてIV注入を介して投与され、第1のクールは1日目(1週目)に、第2のクールはおよそ182日目(26週目)に開始し、治療の各クールは、治療の各クールについて13500μg/m2の累積テプリズマブ用量による12日間の毎日の注入を含む。一部の実施形態では、テプリズマブは、2つのクールにおいてIV注入を介して投与され、第1のクールは1日目(1週目)に、第2のクールはおよそ182日目(26週目)に開始し、治療の各クールは、治療の各クールについて14000μg/m2の累積テプリズマブ用量による12日間の毎日の注入を含む。一部の実施形態では、12日間のクールは、2日の増加段階、および10日の固定最大投薬期間を有する。一部の実施形態では、106μg/m2のテプリズマブが1日目に投与され、425μg/m2のテプリズマブが2日目に投与され、850μg/m2のテプリズマブが3~12日目のそれぞれに投与される。
【0086】
他の実施形態では、投薬のクールは、2カ月、4カ月、5カ月、6カ月、8カ月、9カ月、10カ月、12カ月、15カ月、18カ月、24カ月、30カ月、または36カ月の間隔を空けて繰り返すことができる。一部の実施形態では、抗CD3抗体、例えばテプリズマブを用いた治療の有効性を、前の治療の2カ月後、4カ月後、5カ月後、6カ月後、9カ月後、12カ月後、15カ月後、18カ月後、24カ月後、30カ月後、または36カ月後に本明細書に記載の通りまたは当技術分野で公知の通り決定する。
【0087】
一部の実施形態では、対象に、T1Dの1つまたは複数の症状を治療する、またはその進行を遅らせる、または好転させるために、約5~1200μg/m2、好ましくは106~850μg/m2の抗CD3抗体、例えばテプリズマブである1つまたは複数の用量、好ましくは、12の1日用量を投与する。
【0088】
一部の実施形態では、対象に、抗CD3抗体、例えばテプリズマブの有効量の1日用量の2つのクールを含む治療レジメンを投与し、ここで、治療のクールを、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間または12日間にわたって投与する。一部の実施形態では、治療レジメンは、有効量の用量を毎日、1日おきに、2日おきに、3日おきに、または4日おきに投与することを含む。
【0089】
一部の実施形態では、対象に、抗CD3抗体、例えばテプリズマブの予防有効量の1つまたは複数の用量を含む治療レジメンを投与し、ここで、予防有効量は、200ug/kg/日、175ug/kg/日、150ug/kg/日、125ug/kg/日、100ug/kg/日、95ug/kg/日、90ug/kg/日、85ug/kg/日、80ug/kg/日、75ug/kg/日、70ug/kg/日、65ug/kg/日、60ug/kg/日、55ug/kg/日、50ug/kg/日、45ug/kg/日、40ug/kg/日、35ug/kg/日、30ug/kg/日、26ug/kg/日、25ug/kg/日、20ug/kg/日、15ug/kg/日、13ug/kg/日、10ug/kg/日、6.5ug/kg/日、5ug/kg/日、3.2ug/kg/日、3ug/kg/日、2.5ug/kg/日、2ug/kg/日、1.6ug/kg/日、1.5ug/kg/日、1ug/kg/日、0.5ug/kg/日、0.25ug/kg/日、0.1ug/kg/日、もしくは0.05ug/kg/日である;および/または、予防有効量は、1200ug/m2/日、1150ug/m2/日、1100ug/m2/日、1050ug/m2/日、1000ug/m2/日、950ug/m2/日、900ug/m2/日、850ug/m2/日、800ug/m2/日、750ug/m2/日、700ug/m2/日、650ug/m2/日、600ug/m2/日、550ug/m2/日、500ug/m2/日、450ug/m2/日、400ug/m2/日、350ug/m2/日、300ug/m2/日、250ug/m2/日、200ug/m2/日、150ug/m2/日、100ug/m2/日、50ug/m2/日、40ug/m2/日、30ug/m2/日、20ug/m2/日、15ug/m2/日、10ug/m2/日、もしくは5ug/m2/日である。
【0090】
一部の実施形態では、1型糖尿病の1つまたは複数の症状を予防する、治療する、または好転させるために、1200ug/m2以下、1150ug/m2以下、1100ug/m2以下、1050ug/m2以下、1000ug/m2以下、950ug/m2以下、900ug/m2以下、850ug/m2以下、800ug/m2以下、750ug/m2以下、700ug/m2以下、650ug/m2以下、600ug/m2以下、550ug/m2以下、500ug/m2以下、450ug/m2以下、400ug/m2以下、350ug/m2以下、300ug/m2以下、250ug/m2以下、200ug/m2以下、150ug/m2以下、100ug/m2以下、50ug/m2以下、40ug/m2以下、30ug/m2以下、20ug/m2以下、15ug/m2以下、10ug/m2以下、または5ug/m2以下の抗CD3抗体、例えばテプリズマブである静脈内用量を約24時間、約22時間、約20時間、約18時間、約16時間、約14時間、約12時間、約10時間、約8時間、約6時間、約4時間、約2時間、約1.5時間、約1時間、約50分、約40分、約30分、約20分、約10分、約5分、約2分、約1分、約30秒間または約10秒間にわたって投与する。レジメンの持続時間にわたる総投与量は、合計で約14000ug/m2未満、13500ug/m2未満、13000ug/m2未満、12500ug/m2未満、12000ug/m2未満、11500ug/m2未満、11000ug/m2未満、10500ug/m2未満、10000ug/m2未満、9500ug/m2未満、9000ug/m2未満、8000ug/m2未満、7000ug/m2未満、6000ug/m2未満であることが好ましく、5000ug/m2未満、4000ug/m2未満、3000ug/m2未満、2000ug/m2未満、または1000ug/m2未満であり得る。一部の実施形態では、レジメンで投与される1日の投与量は、約100ug/m2~約200ug/m2、約100ug/m2~約500ug/m2、約100ug/m2~約1000ug/m2、または約500ug/m2~約1000ug/m2である。
【0091】
一部の実施形態では、治療レジメンの用量の最初の3分の1、最初の1/4にわたって(例えば、1日当たり1用量の12日間のレジメンの最初の3日間にわたって)、抗CD3抗体、例えばテプリズマブの1日の有効量が達成されるまで用量を漸増させる。一部の実施形態では、対象に、抗CD3抗体、例えばテプリズマブの有効量の1つまたは複数の用量を含む治療レジメンを投与し、ここで、有効量を、例えば、治療が進行するにしたがい、毎日0.01ug/kgずつ、0.02ug/kgずつ、0.04ug/kgずつ、0.05ug/kgずつ、0.06ug/kgずつ、0.08ug/kgずつ、0.1ug/kgずつ、0.2ug/kgずつ、0.25ug/kgずつ、0.5ug/kgずつ、0.75ug/kgずつ、1ug/kgずつ、1.5ug/kgずつ、2ug/kgずつ、4ug/kgずつ、5ug/kgずつ、10ug/kgずつ、15ug/kgずつ、20ug/kgずつ、25ug/kgずつ、30ug/kgずつ、35ug/kgずつ、40ug/kgずつ、45ug/kgずつ、50ug/kgずつ、55ug/kgずつ、60ug/kgずつ、65ug/kgずつ、70ug/kgずつ、75ug/kgずつ、80ug/kgずつ、85ug/kgずつ、90ug/kgずつ、95ug/kgずつ、100ug/kgずつ、もしくは125ug/kgずつ増加させる;または、例えば、毎日100ug/m2ずつ、150ug/m2ずつ、200ug/m2ずつ、250ug/m2ずつ、300ug/m2ずつ、350ug/m2ずつ、400ug/m2ずつ、450ug/m2ずつ、500ug/m2ずつ、550ug/m2ずつ、600ug/m2ずつ、もしくは650ug/m2ずつ増加させる。一部の実施形態では、対象に、抗CD3抗体、例えばテプリズマブの有効量の1つまたは複数の用量を含む治療レジメンを投与し、ここで、有効量を、抗CD3抗体、例えばテプリズマブの1日の有効量が達成されるまで1.25倍、1.5倍、2倍、2.25倍、2.5倍、または5倍に増加させる。
【0092】
一部の実施形態では、対象に、T1Dの1つまたは複数の症状を治療する、または好転させるために、200ug/kg以下、好ましくは175ug/kg以下、150ug/kg以下、125ug/kg以下、100ug/kg以下、95ug/kg以下、90ug/kg以下、85ug/kg以下、80ug/kg以下、75ug/kg以下、70ug/kg以下、65ug/kg以下、60ug/kg以下、55ug/kg以下、50ug/kg以下、45ug/kg以下、40ug/kg以下、35ug/kg以下、30ug/kg以下、25ug/kg以下、20ug/kg以下、15ug/kg以下、10ug/kg以下、5ug/kg以下、2.5ug/kg以下、2ug/kg以下、1.5ug/kg以下、1ug/kg以下、0.5ug/kg以下または0.2ug/kg以下の抗CD3抗体、例えばテプリズマブである1つまたは複数の用量を筋肉内投与する。
【0093】
一部の実施形態では、対象に、T1Dの1つまたは複数の症状を治療する、または好転させるために、200ug/kg以下、好ましくは175ug/kg以下、150ug/kg以下、125ug/kg以下、100ug/kg以下、95ug/kg以下、90ug/kg以下、85ug/kg以下、80ug/kg以下、75ug/kg以下、70ug/kg以下、65ug/kg以下、60ug/kg以下、55ug/kg以下、50ug/kg以下、45ug/kg以下、40ug/kg以下、35ug/kg以下、30ug/kg以下、25ug/kg以下、20ug/kg以下、15ug/kg以下、10ug/kg以下、5ug/kg以下、2.5ug/kg以下、2ug/kg以下、1.5ug/kg以下、1ug/kg以下、0.5ug/kg以下、または0.2ug/kg以下の抗CD3抗体、例えばテプリズマブである1つまたは複数の用量を皮下投与する。
【0094】
一部の実施形態では、対象に、T1Dの1つまたは複数の症状を治療する、または好転させるために、100ug/kg以下、好ましくは95ug/kg以下、90ug/kg以下、85ug/kg以下、80ug/kg以下、75ug/kg以下、70ug/kg以下、65ug/kg以下、60ug/kg以下、55ug/kg以下、50ug/kg以下、45ug/kg以下、40ug/kg以下、35ug/kg以下、30ug/kg以下、25ug/kg以下、20ug/kg以下、15ug/kg以下、10ug/kg以下、5ug/kg以下、2.5ug/kg以下、2ug/kg以下、1.5ug/kg以下、1ug/kg以下、0.5ug/kg以下、または0.2ug/kg以下の抗CD3抗体、例えばテプリズマブである1つまたは複数の用量を静脈内投与する。一部の実施形態では、T1Dの1つまたは複数の症状を治療する、または好転させるために、100ug/kg以下、95ug/kg以下、90ug/kg以下、85ug/kg以下、80ug/kg以下、75ug/kg以下、70ug/kg以下、65ug/kg以下、60ug/kg以下、55ug/kg以下、50ug/kg以下、45ug/kg以下、40ug/kg以下、35ug/kg以下、30ug/kg以下、25ug/kg以下、20ug/kg以下、15ug/kg以下、10ug/kg以下、5ug/kg以下、2.5ug/kg以下、2ug/kg以下、1.5ug/kg以下、1ug/kg以下、0.5ug/kg以下、または0.2ug/kg以下の抗CD3抗体、例えばテプリズマブである静脈内用量を、約6時間、約4時間、約2時間、約1.5時間、約1時間、約50分、約40分、約30分、約20分、約10分、約5分、約2分、約1分、約30秒間または約10秒間にわたって投与する。
【0095】
一部の実施形態では、対象に、T1Dの1つまたは複数の症状を治療する、または好転させるために、100ug/kg以下、好ましくは95ug/kg以下、90ug/kg以下、85ug/kg以下、80ug/kg以下、75ug/kg以下、70ug/kg以下、65ug/kg以下、60ug/kg以下、55ug/kg以下、50ug/kg以下、45ug/kg以下、40ug/kg以下、35ug/kg以下、30ug/kg以下、25ug/kg以下、20ug/kg以下、15ug/kg以下、10ug/kg以下、5ug/kg以下、2.5ug/kg以下、2ug/kg以下、1.5ug/kg以下、1ug/kg以下、0.5ug/kg以下、または0.2ug/kg以下の抗CD3抗体、例えばテプリズマブである1つまたは複数の用量を経口投与する。一部の実施形態では、T1Dの1つまたは複数の症状を治療する、または好転させるために、100ug/kg以下、95ug/kg以下、90ug/kg以下、85ug/kg以下、80ug/kg以下、75ug/kg以下、70ug/kg以下、65ug/kg以下、60ug/kg以下、55ug/kg以下、50ug/kg以下、45ug/kg以下、40ug/kg以下、35ug/kg以下、30ug/kg以下、25ug/kg以下、20ug/kg以下、15ug/kg以下、10ug/kg以下、5ug/kg以下、2.5ug/kg以下、2ug/kg以下、1.5ug/kg以下、1ug/kg以下、0.5ug/kg以下、または0.2ug/kg以下の抗CD3抗体、例えばテプリズマブである経口用量を、約6時間、約4時間、約2時間、約1.5時間、約1時間、約50分、約40分、約30分、約20分、約10分、約5分、約2分、約1分、約30秒間または約10秒間にわたって投与する。
【0096】
投薬レジメンの最初の数日間にわたって漸増用量を投与する一部の実施形態では、レジメンの1日目の用量は、100~250ug/m2/日、好ましくは106ug/m2/日であり、2日目および3日目までに、すぐ上に記載されている1日用量まで漸増させる。例えば、対象に、1日目におよそ106ug/m2/日の用量を投与し、2日目におよそ425ug/m2/日を投与し、レジメンのその後の数日間(例えば、3~12日目)に850ug/m2/日を投与する。一部の実施形態では、1日目に、対象におよそ211ug/m2/日の用量を投与し、2日目に、およそ423ug/m2/日を投与し、3日目およびレジメンのその後の数日(例えば、3~12日目)に、およそ840ug/m2/日を投与する。
【0097】
一部の実施形態では、サイトカイン放出および他の有害作用の可能性を低減するために、レジメンの最初の1用量、2用量、または3用量または全ての用量を静脈内投与によってより緩徐に投与する。例えば、106ug/m2/日の用量を、約5分、約15分、約30分、約45分、約1時間、約2時間、約4時間、約6時間、約8時間、約10時間、約12時間、約14時間、約16時間、約18時間、約20時間、および約22時間にわたって投与することができる。一部の実施形態では、用量を、緩徐注入により、例えば、20~24時間の期間にわたって投与する。一部の実施形態では、用量をポンプで、好ましくは注入が進行するにしたがって投与する抗体の濃度を上昇させて注入する。
【0098】
一部の実施形態では、上記の106ug/m2/日から850ug/m2/日のレジメンに対する用量の指定の画分を漸増用量で投与する。
【0099】
一部の実施形態では、抗CD3抗体、例えばテプリズマブを、何日にもわたって1日用量で投与するのではなく、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、15時間、18時間、20時間、24時間、30時間または36時間にわたる連続様式での注入によって投与する。注入は一定であってもよく、例えば、注入の最初の1時間、2時間、3時間、5時間、6時間、または8時間は低投与量で開始し、その後、より高い投与量に増加することもできる。注入のクールにわたって、患者は、上記の5~20日間のレジメンで投与される量と等しい用量を受ける。例えば、およそ150ug/m2、200ug/m2、250ug/m2、500ug/m2、750ug/m2、1000ug/m2、1500ug/m2、2000ug/m2、3000ug/m2、4000ug/m2、5000ug/m2、6000ug/m2、7000ug/m2、8000ug/m2、9000ug/m2、9500ug/m2、10000ug/m2、10500ug/m2、11000ug/m2、11500ug/m2、12000ug/m2、12500ug/m2、13000ug/m2、13500ug/m2または14000ug/m2の用量を投与することができる。特に、注入のスピードおよび持続時間を、投与後の対象における遊離の抗CD3抗体、例えばテプリズマブのレベルが最小限になるようにデザインする。一部の実施形態では、遊離の抗CD3抗体、例えばテプリズマブのレベルは、遊離抗体1ml当たり200ngを超えるべきではない。さらに、注入を、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%のT細胞受容体コーティングと調節の組合せが実現されるようにデザインされる。
【0100】
一部の実施形態では、1型糖尿病の1つまたは複数の症状を治療する、またはその増悪を緩徐にする、またはそれを好転させるために、抗CD3抗体、例えばテプリズマブを長期にわたって投与する。例えば、一部の実施形態では、抗CD3抗体、例えばテプリズマブを、低用量で、上記の6~14日間の投与量レジメンの代替としてか、またはそのようなレジメン後にその効果を増強もしくは維持するために、1カ月に1回、1カ月に2回、1カ月に3回、週に1回またはさらに頻繁に投与する。そのような低用量は、1ug/m2から100ug/m2までの任意の用量、例えば、およそ5ug/m2、10ug/m2、15ug/m2、20ug/m2、25ug/m2、30ug/m2、35ug/m2、40ug/m2、45ug/m2、または50ug/m2などであり得る。
【0101】
一部の実施形態では、対象に、2クールの抗CD3抗体、例えばテプリズマブの投薬レジメンの施行後のいつかに、例えば、1つまたは複数の生理的パラメータまたはバイオマーカーパラメータに基づいて再投薬を行うこともでき、当然のこととして投薬を行うこともできる。そのような再投薬の施行および/またはそのような再投薬の必要性の評価は、投薬レジメンの施行の2カ月後、4カ月後、6カ月後、8カ月後、9カ月後、1年後、15カ月後、18カ月後、2年後、30カ月後または3年後に行うことができ、また、6カ月ごと、9カ月ごと、1年ごと、15カ月ごと、18カ月ごと、2年ごと、30カ月ごとまたは3年ごとに無制限に治療のクールを施行することを含み得る。
【0102】
一部の実施形態では、テプリズマブの12日間のクールの投与の前および/または後(例えば、1~6カ月の間隔、または2~5カ月の間隔、または約3カ月の間隔を空けて)、全CD3+T細胞に対して表現型的に消耗したT細胞、例えば、TIGIT+KLRG1+CD8+CD3+細胞のレベル(または相対量)を、例えばフローサイトメトリーにより決定する。一部の実施形態では、TIGIT+KLRG1+CD8+CD3+T細胞のレベルを、例えばフローサイトメトリーによりモニタリングすることができる。一部の実施形態では、TIGIT+KLRG1+CD8+CD3+T細胞のレベルがベースラインレベルに対応する(例えば、戻る)場合に、抗CD3抗体、例えばテプリズマブの追加的な12日間のクールを投与する。一部の実施形態では、TIGIT+KLRG1+CD8+CD3+T細胞の決定するステップは、第2の12日間のクールの投与の約3カ月(または約1~6カ月)後である。一部の実施形態では、対象が全CD3+T細胞中に約10%超のTIGIT+KLRG1+CD8+T細胞を有する場合、モニタリングするステップは、年に1回であり得る。一部の実施形態では、対象が全CDCD3+T細胞中に約10%未満のTIGIT+KLRG1+CD8+T細胞を有する場合、モニタリングするステップは、約3~6カ月ごとであり得る。
【0103】
一部の実施形態では、再投薬は、本明細書に記載の通り、それぞれ約9000μg/m2超の総用量でテプリズマブの追加的な(例えば、第2の、第3の、またはそれを超える)12日間のクールを投与することを含む。一部の実施形態では、テプリズマブの追加的な12日間のクールは、1日目に106μg/m2のテプリズマブの第1の用量、2日目に425μg/m2のテプリズマブの第2の用量、および3~12日目のそれぞれに850μg/m2の1用量を含み、総用量は、およそ9031μg/m2である。他の実施形態では、テプリズマブの追加的な12日間のクールは、1日目に211μg/m2のテプリズマブの第1の用量、2日目に423μg/m2のテプリズマブの第2の用量、および3~12日目のそれぞれに840μg/m2の1用量を含み、総用量は、およそ9031μg/m2である。
【0104】
一部の実施形態では、追加的な(例えば、第2の、第3の、またはそれを超える)抗CD3抗体、例えばテプリズマブの12日間のクールを、前の12日間のクールを投与した約12カ月~約24カ月後、例えば、12、13、14、15、16、17、19、20、21、22、23または24カ月後に投与することができる。
【0105】
一部の実施形態では、8%未満、7.5%未満、7%未満、6.5%未満、6%未満、5.5%未満または5%以下のグリコシル化ヘモグロビン(HA1またはHA1c)のレベルを実現または維持するために、抗CD3抗体、例えばテプリズマブを投与する。治療の開始時に、患者は、8%未満、7.5%未満、7%未満、6.5%未満、6%未満、またはより好ましくは4%~6%のHA1またはHA1cレベルを有する(好ましくは、糖尿病のための他の治療、例えば、外因性インスリンの投与の非存在下で測定される)。そのような患者は、好ましくは、治療の開始前に、少なくとも95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%または20%のベータ細胞機能を保持している。一部の実施形態では、抗CD3抗体の投与は損傷を予防し、それによって、疾患の進行を遅延させ、インスリン投与の必要性を低下させる。一部の実施形態では、本明細書で提供される治療の方法は、前の治療の6カ月、9カ月、12カ月、15カ月、18カ月、または24カ月後に、7%以下、6.5%以下、6%以下、5.5%以下、または5%以下であるHA1またはHA1cのレベルをもたらす。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法による抗CD3抗体の投与は、前の治療の6カ月、9カ月、12カ月、15カ月、18カ月、または24カ月後に、治療前レベルと比較して、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%または約70%、患者におけるHA1またはHA1cの平均レベルを減少させる。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法による抗CD3抗体の投与は、前の治療の6カ月、9カ月、12カ月、15カ月、18カ月、または24カ月後に、治療前レベルと比較して、約0.5%、約1%、約2.5%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、または約50%だけ増加する患者におけるHA1またはHA1cの平均レベルをもたらす。
【0106】
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法による抗CD3抗体、特にテプリズマブの投与は、過去6週間以内にT1Dと診断された8~17歳の小児および青年において、12カ月、13カ月、14カ月、15カ月、16カ月、17カ月、18カ月、19カ月、20カ月、21カ月、22カ月、2カ月、24カ月またはそれよりも長くにわたって、β細胞の喪失を遅延させ、および/またはβ細胞機能を保存する(例えば、Cペプチドレベル、低もしくは高血糖症のエピソード、(糖血症の)範囲の時間、インスリン使用、または当技術分野で公知の査定方法によって証明される通り)。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法による抗CD3抗体、特にテプリズマブの投与は、過去6週間以内にT1Dと診断された8~17歳の小児および青年において、18カ月(78週間)にわたって、β細胞の喪失を遅延させ、および/またはβ細胞機能を保存する。
【0107】
一部の実施形態は、臨床1型糖尿病(T1D)を治療する方法における使用のためのテプリズマブであって、方法が、それを必要とする対象に、約9000μg/m2超の総用量のテプリズマブの12日間のクールを投与するステップを含む、使用のためのテプリズマブに関する。
【0108】
一部の実施形態では、総用量は、約9000から約9500μg/m2の間である。一部の実施形態では、総用量は、約9000から約14000μg/m2の間である。
【0109】
一部の実施形態では、12日間のクールは、1日目に106μg/m2のテプリズマブの第1の用量、2日目に425μg/m2のテプリズマブの第2の用量、および3~12日目のそれぞれに850μg/m2の1用量を含み、総用量は、およそ9031μg/m2である。
【0110】
一部の実施形態では、12日間のクールは、1日目に211μg/m2のテプリズマブの第1の用量、2日目に423μg/m2のテプリズマブの第2の用量、および3~12日目のそれぞれに840μg/m2の1用量を含み、総用量は、およそ9034μg/m2である。
【0111】
一部の実施形態では、方法は、テプリズマブの第1および第2の12日間のクールを投与するステップを含むことができる。一部の実施形態では、第1および第2の12日間のクールは、約1~6カ月、約2~5カ月または約3カ月の間隔を空けて投与される。
【0112】
一部の実施形態では、方法は、それを必要とする対象に、各クールが約9000μg/m2超の総用量のテプリズマブの第3またはそれ以上の12日間のクールを投与するステップを含むことができる。
【0113】
一部の実施形態では、テプリズマブの第3またはそれ以上の12日間のクールは、1日目に106μg/m2のテプリズマブの第1の用量、2日目に425μg/m2のテプリズマブの第2の用量、および3~12日目のそれぞれに850μg/m2の1用量を含み、各クールの総用量は、およそ9031μg/m2である。
【0114】
一部の実施形態では、テプリズマブの第3またはそれ以上の12日間のクールは、1日目に211μg/m2のテプリズマブの第1の用量、2日目に423μg/m2のテプリズマブの第2の用量、および3~12日目のそれぞれに840μg/m2の1用量を含み、各クールの総用量は、およそ9034μg/m2である。
【0115】
一部の実施形態では、テプリズマブの第3またはそれ以上の12日間のクールは、約12カ月~約24カ月の間隔を空けて投与される。
【0116】
一部の実施形態では、方法は、各12日間のクールの投与後に、全CD3+T細胞に対してTIGIT+KLRG1+CD8+細胞のレベルのベースラインを決定するステップと、TIGIT+KLRG1+CD8+CD3+T細胞のレベルをモニタリングするステップと、TIGIT+KLRG1+CD8+CD3+T細胞のレベルがベースラインレベルに戻る場合に、テプリズマブの追加的な12日間のクールを投与するステップとをさらに含むことができる。一部の実施形態では、TIGIT+KLRG1+CD8+CD3+T細胞の決定するステップは、フローサイトメトリーによる。一部の実施形態では、TIGIT+KLRG1+CD8+CD3+T細胞のモニタリングするステップは、フローサイトメトリーによる。一部の実施形態では、TIGIT+KLRG1+CD8+CD3+T細胞の決定するステップは、各12日間のクールの投与の約1~6カ月、約2~5カ月、または約3カ月後である。一部の実施形態では、対象が全CD3+T細胞中に約10%超のTIGIT+KLRG1+CD8+T細胞を有する場合、その後のモニタリングするステップは、年に1回である。一部の実施形態では、対象が全CDCD8+T細胞中に約10%未満のTIGIT+KLRG1+CD8+T細胞を有する場合、その後のモニタリングするステップは、約3~6カ月ごとである。
【0117】
一部の実施形態では、それを必要とする対象は、投与するステップ前6週間以内にT1Dと診断されている。
【0118】
一部の実施形態では、投与するステップは、治療前レベルと比較して、インスリン使用、HbA1cレベル、低血中グルコースエピソード、またはそれらの組み合わせの少なくとも10%の低下をもたらす。
【0119】
一部の実施形態では、各用量は、非経口投与される。
【0120】
一部の実施形態では、各用量は、静脈内注入によって投与される。
【0121】
一部の実施形態では、それを必要とする対象は、約8から17歳である。
【0122】
一部の実施形態では、それを必要とする対象は、混合食負荷試験(MMTT)の間に0.2pmol/mL以上のピークCペプチドレベルを有する。
【0123】
一部の実施形態では、テプリズマブを受けている対象は、プラセボを受けている対照と比較して、より高い平均Cペプチド値を有する。
【0124】
一部の実施形態では、方法は、78週間で、混合食負荷試験(MMTT)後にCペプチドの時間濃度曲線下面積(AUC)を査定するステップをさらに含む。
【0125】
一部の実施形態では、それを必要とする対象は、第1の用量の投与前に少なくとも20%のベータ細胞機能を有する。
【0126】
一部の実施形態では、インスリン使用、HbA1cレベル、低血中グルコースエピソード、またはそれらの組み合わせの低下は、12カ月以上の期間にわたる。
【0127】
一部の態様は、臨床1型糖尿病(T1D)を治療する方法であって、それを必要とする対象に、約9000μg/m2超の総用量のテプリズマブの12日間のクールを投与するステップを含む、方法に関する。一部の態様は、臨床1型糖尿病(T1D)を治療する方法における使用のためのテプリズマブであって、方法が、それを必要とする対象に、約9000μg/m2超の総用量のテプリズマブの12日間のクールを投与するステップを含む、使用のためのテプリズマブに関する。
【0128】
一部の実施形態では、臨床1型糖尿病(T1D)を治療する方法であって、それを必要とする対象に、約9000から約9500μg/m2までの総用量のテプリズマブの12日間のクールを投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、臨床1型糖尿病(T1D)を治療する方法であって、それを必要とする対象に、約9000から約14000μg/m2までの総用量のテプリズマブの12日間のクールを投与するステップを含む、方法が提供される。
【実施例】
【0129】
[実施例1]
テプリズマブ集団の薬物動態シミュレーション
序論
テプリズマブは、T細胞受容体(TCR)複合体のCD3-εエピトープに結合する150kDのモノクローナル抗体である。抗体の主要な作用機構は、T細胞におけるCD3抗原標的の結合に関与する。IV投与後のテプリズマブ濃度を記載する集団の薬物動態(PK)モデルを開発した。テプリズマブPKを、標的媒介薬物処理(TMDD)モデルの準定常状態(QSS)近似によって記載した。この調査の目標は、目的のいくつかの投薬レジメン後のテプリズマブの濃度時間プロファイルをシミュレーションおよび比較するモデルを使用することであった。
【0130】
目的
解析の目的は以下であった:
・以下の3つの投薬レジメンをシミュレーションする以前に開発された集団PKモデルを適用するため:
- 「Herold投薬レジメン」:1日目:51μg/m2;2日目:103μg/m2;3日目:207μg/m2;4日目:413μg/m2;5~14日目:826μg/m2;
- レジメン1:1日目:211μg/m2;2日目:423μg/m2;3~12日目:840μg/m2;
- レジメン2:1日目:106μg/m2;2日目:425μg/m2;3~12日目:850μg/m2。
・上記に列挙された3つの投薬レジメンについて、テプリズマブの濃度時間曲線を示しおよび比較するため。
【0131】
対象および方法
投薬レジメン
Heroldレジメンは、試験1~4日目にそれぞれ51μg/m2、103μg/m2、207μg/m2、および413μg/m2の毎日の静脈内(IV)注入(少なくとも30分間にわたる)、ならびに試験5~14日目のそれぞれに826μg/m2の注入からなるテプリズマブの14日間のクールである。14日間のクールについての総用量は、およそ9034μg/m2である。1.92m2の体表面積(BSA)を有する対象について、この投薬スケジュールは、およそ17mgのテプリズマブを送達する。定常状態で送達される薬物の最大量を、大過剰ではない遊離した未結合の薬物(定常状態で200ng/mL未満であると見積もられる)で、T細胞上の利用可能なCD3の50%~80%のコーティングを提供するようにデザインした。
【0132】
新レジメン1は、試験1および2日目にそれぞれ211μg/m2および423μg/m2の毎日の静脈内(IV)注入(少なくとも30分間にわたる)、ならびに試験3~12日目のそれぞれに840μg/m2の注入からなるテプリズマブの12日間のクールである。12日間のクールについての総用量は、およそ9034μg/m2である。
【0133】
新レジメン2は、試験1および2日目にそれぞれ106μg/m2および425μg/m2の毎日の静脈内(IV)注入(少なくとも30分間にわたる)、ならびに試験3~12日目のそれぞれに850μg/m2の注入からなるテプリズマブの12日間のクールである。12日間のクールについての総用量は、およそ9031μg/m2である。
【0134】
明らかなように、同じ総用量が、3つのレジメンすべてによって送達されるべきであるが、レジメン1および2において、送達は、元のHeroldレジメンの14日ではなく12日にわたる。
【0135】
シミュレーション
以前の解析の最終モデルをシミュレーションのために使用した。濃度時間曲線を、各日10時点で、40日間(0日目から40日目)シミュレーションした。モデルは、Protege Encore試験からの患者がProtege試験からの患者よりも高いクリアランスおよび中心容積を有することが見出されたので、試験の効果が含まれた。したがって、シミュレーションを、これらの2つの試験について別々に実施した。具体的には、以下の、4人の典型的な患者の共変量値を、シミュレーションのために使用した:
・抗薬物抗体[ADA]が検出されない成人患者:18歳の1.67m2のBSAを有する60kg男性;
・高レベルのADAを有する成人患者:18歳の1.67m2のBSAを有する60kg男性;
・ADAが検出されない小児患者:13歳の1.33m2のBSAを有する45kg男性;
・高レベルのADAを有する小児患者:13歳の1.33m2のBSAを有する45kg男性。
【0136】
これらの患者のそれぞれについて、経時的な濃度の集団予測を、3つの投薬レジメンのそれぞれについてコンピューター計算し、次いで、グラフで比較した。次いで、1000人の類似の患者のパラメータを、モデル推定の個人差を使用して、シミュレーションし、個々の濃度時間曲線を、モデルを使用してコンピューター計算した。各時点のシミュレーション濃度の中央値および90%予測区間を、各レジメンについてコンピューター計算し、グラフで比較した。加えて、最後の投薬1日後のシミュレーション値の平均および標準偏差を、コンピューター計算し、比較した。
【0137】
ソフトウェア
シミュレーションを、NONMEMソフトウェア、バージョン7.4.1(ICON Development Solutions)を使用して実施した。コンピューターリソースは、Intel(登録商標)プロセッサ、Windows 7 Professionalまたは後継オペレーティングシステム、およびIntel(登録商標)Visual Fortran Professionalコンパイラー(バージョン11.0)を有するパーソナルコンピューターを含んでいた。NONMEMアウトプットの評価を含むグラフィックおよびすべての他の統計解析を、Windows用Rバージョン3.4.4(R project、www.r-project.org/)を使用して実施した。
【0138】
結果
ADAの検出なしの典型的な成人患者についてのシミュレーションの結果を
図1に示す。Protege試験における濃度は、すべての投薬レジメンについて、Encore試験におけるよりも高いと予測された。投薬レジメン1および2における濃度は、投薬の最初の2日の間のわずかな違いを除き、ほとんど区別できなかった。投薬の最初の12日の間、Herold投薬レジメンにおける濃度は、投薬レジメン1および2と比較して、より低かったが、それらは、最後の投薬(Heroldレジメンについて14日目、ならびにレジメン1および2について12日目)後、ほぼ同一であった。個人差を含むシミュレーション(
図2~4、表1)は、これらの観察を確認した。表1は、Protege試験からの1000人のシミュレーション対象にわたる予測濃度(ng/mL)の平均および標準偏差を示す。
【0139】
【0140】
高レベルのADAが検出された典型的な成人患者についてのシミュレーションの結果を
図5~8に示す。予想通り、全体的なテプリズマブレベルは、非常に高い免疫原性応答を有する患者について、極めて低いが、3つの調査された投薬レジメン間の相違についての結論は、依然として維持された。
【0141】
典型的な小児患者についてのシミュレーションの結果を
図9~16に示す。それらは、成人患者のものと非常に類似し、BSA比例投薬が小児および成人集団に対して類似の曝露を提供することを示す。
【0142】
図17~24は、長期間のHeroldレジメンおよびレジメン2を比較する濃度プロファイルを示し、表2~表3は、シミュレーションにおける0日から42日までのCmaxおよびAUCを要約した。図は、42日目まで、濃度が非常に低く、そのため、AUC
0-42の値がAUCinfinityと本質的に同じであることを示す。表2は、Protegeモデル205を使用する1000人のシミュレーション対象にわたる予測最大濃度(ng/mL)の平均および標準偏差を示す。表3は、Protegeモデル205を使用する1000人のシミュレーション対象にわたる0日から42日までの予測AUCの平均および標準偏差を示す。
【0143】
【0144】
【0145】
結論
シミュレーションは以下を示した:
・テプリズマブの予測濃度は、投薬の最初の目を除き、2つの提案された投薬レジメン(レジメン1およびレジメン2)についてほぼ同一である;
・テプリズマブの予測濃度は、Heroldレジメンと比較して、レジメン1および2について投薬の間により速く増加するが、それらは、投薬の最後の日に、すべてのレジメンについてほぼ同一である;
・最後の投薬の1日後のテプリズマブの予測濃度は、3つのレジメンすべてについてほぼ同一である;
・BSA比例投薬は、異なる身体のサイズの尺度を有する成人および小児対象について均一な曝露レベルを提供する。
【0146】
[実施例2]
新たに1型糖尿病(T1D)と診断された小児および青年における、ヒト化FcR非結合抗CD3モノクローナル抗体であるテプリズマブ(PRV-031)の有効性および安全性を評価するための第3相ランダム化二重盲検多国間プラセボ対照試験
テプリズマブ(PRV-031、hOKT3γ1[Ala-Ala]、およびMGA031としても公知)は、T細胞受容体のCD3-εエピトープに結合する、ヒト化された150キロダルトンのモノクローナル抗体(mAb)である。前臨床試験が、この機構を介してT細胞(真性1型糖尿病[T1D]の原因となる自己免疫プロセスの開始および連係に関与する細胞)を標的にすることで、糖尿病の免疫病原性を変化させ、関連する動物モデルにおいて疾患を予防および回復させたことを実証したときに、テプリズマブが開発された。この試験の目標は、T1Dと非常に最近診断された小児および青年においてテプリズマブを評価することである。テプリズマブは、この疾患の最も壊滅的な短期および長期の影響に苦しむ者において医学的管理および全体的な展望の両方を改善するために利用可能な最初の疾患修飾療法であると期待される。
【0147】
仮説
この試験の仮説は、テプリズマブが、18カ月の期間にわたるT1D臨床管理の重要な態様を改善しながら、新たにT1Dと診断された小児および青年において、安全で、十分に耐容性を示し、かつβ細胞の喪失を遅延させ、臨床的に関係があるレベルのβ細胞機能を維持するのに有効であるというものである。
【0148】
目的
主要な目的は以下である:
・6カ月離れて投与されるテプリズマブの2つのクールが、過去6週間にT1Dと診断された8~17歳の小児および青年において、18カ月(78週間)にわたり、β細胞の喪失を遅延させ、β細胞機能を保存するかどうかを決定すること。
【0149】
第2の目的は以下である:
・インスリン使用、血糖コントロール(ヘモグロビンA1c[HbA1c]および血糖標的範囲の時間[TIR]を含む)、および臨床的に重要な低血中グルコースエピソードを含む、糖尿病管理の重要な臨床パラメータの参加者の改善を評価すること
・6カ月離れて静脈内(IV)投与されるテプリズマブの2つのクールの安全性および耐容性を決定すること
・IVテプリズマブの2つのクールの薬物動態(PK)および免疫原性を評価すること
【0150】
探索的な目的は以下である:
・β細胞機能およびT1Dに焦点を当てた臨床パラメータを査定すること
・免疫学的、内分泌学的、分子的、および遺伝的マーカーを評価すること
【0151】
エンドポイント
1.主要エンドポイントは以下である:
・78週目における、内因性インスリン産生およびβ細胞機能の尺度である、4時間混合食負荷試験(MMTT)後のCペプチドの時間濃度曲線下面積(AUC)。
2.二次エンドポイントは以下の通りである:
A.重要な臨床エンドポイント:
・外因性インスリン使用:78週目で、1日あたりキログラムあたりの単位の1日平均(U/kg/d)として定義される
・HbA1cレベル:78週目で、%およびmmol/molで表される
・TIR:参加者の血中グルコース(BG)が1日24時間における時間のパーセンテージの1日平均として表されるものが、78週目で、持続グルコースモニタリングシステム(CGM)を使用して査定される、70mg/dL超180mg/dL以下(3.9mmol/L超10.0mmol/L以下)である
・臨床的に重要な低血中グルコースエピソード:ランダム化から78週目まで、54mg/dL(3.0mmol/L)未満のBGの読み取りのエピソード、および/または回復のために外部の支援を必要とする重篤な認知機能障害のエピソードの総数として定義される
B安全性エンドポイント:
・治験薬投与下の有害事象(TEAE)、特に注目すべき有害事象(AESI)、および重篤な有害事象(SAE)の出現
・これだけに限定されないが、結核、IV抗菌剤治療または入院を必要とする感染、エプスタインバーウイルス(EBV)およびサイトメガロウイルス(CMV)感染、または著しいウイルス血(すなわち、DNAに基づくポリメラーゼ連鎖反応のウイルス量が1mLまたは106個細胞あたり10,000超のコピー)、ならびに帯状疱疹を含む、特に注目すべき治験薬投与下の感染の出現
・即時のまたは遅延した治験薬注入関連反応、例えば過敏性反応、注入の中断または中止を必要とする痛み、サイトカイン放出症候群、および血清病の出現および重症度
C.PKおよび免疫原性エンドポイント:
・テプリズマブ血清濃度
・治療クール後の抗テプリズマブ抗体の出現および力価
3.探索的エンドポイントは以下の通りである:
A.研究全体を通したβ細胞機能および健康状態の査定:
・4時間MMTTのCペプチドAUC
・4時間および2時間MMTTの間の0.2pmol/m以上の認識される臨床的に有意な刺激ピークCペプチドを有する参加者
・β細胞小胞体のストレスおよび機能障害の尺度である、プロインスリンとCペプチドの比
B.特に断りのない限り、試験の間のT1Dに焦点を当てた臨床エンドポイント:
・外因性インスリン使用(U/kg/日)
・HbA1cレベル
・9%以上のHbA1cとして定義される、不十分な血糖コントロールを有する参加者
・HbA1cおよび/または日常的な血中グルコースレベルについて、地方、地域、または国の年齢に基づく血糖管理目標を実現することができるので、外因性インスリンを必要としない参加者の数
・断続的(すなわち、スポットチェック、フィンガースティック)血糖計の読み取りから得られたBG値に基づく血糖コントロールの評価
・これだけに限定されないが、TIR;高血糖および低血糖の範囲の時間;1日、昼中、夜間の平均BGレベルおよび推定HbA1c;ならびに血糖変動を含む、CGMの読み取りから得られたBG値に基づく血糖コントロールの評価
・ランダム化から39週目まで、および39週目から78週目までの臨床的に重要な低血糖エピソード
・BGレベルが54mg/dL(3.0mmol/L)以上70mg/dL(3.9mmol/L)未満、および/または重篤でない臨床エピソードとして定義される、「典型的な」低血糖症の出現
・血清重炭酸塩が15mmol/L未満、または血液pHが7.3未満、またはその両方と一緒に、血清または尿中のケトン体が正常上限(ULN)を超える上昇を伴う高血糖エピソードとして定義される、外来患者、救急外来受診または入院をもたらす、医学的配慮を必要とする糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)の出現
・Quality of Life Inventory(商標)(PedsQL)糖尿病モジュール、低血糖恐怖スケール(HFS)、および糖尿病治療満足度質問表(DTSQ)などの機器によって測定される患者報告転帰
・親が報告したPedsQL家族影響質問票によって測定される家庭生活に対する影響
C.複合臨床エンドポイント:
・American Diabetic Association(ADA)の標的範囲のHbA1c(すなわち、7.5%未満)、および特定の範囲の外因性インスリン用量(0.25未満、0.25以上0.50未満、0.50以上0.75未満、0.75以上1.0未満、1.0以上1.25未満、および1.25U/k/d以上)の両方を有する参加者
・6.5%未満および7.0%未満のHbA1c、ならびに0.5U/kg/日未満または0.25U/kg/日の外因性インスリン用量の両方を有する参加者
D.試験の間の他のエンドポイント:
・T1D自己抗体の数、種類、および力価
・臨床、代謝および免疫査定によるヒト白血球抗原(HLA)型の査定
【0152】
試験デザインの概要
これは、第3相ランダム化二重盲検プラセボ対照多国間他施設試験である。およそ300人の患者を登録し、テプリズマブ群(N=200)またはプラセボ群(N=100)のいずれかに2:1の比でランダムに割り当てる。
【0153】
治療の割り当てにおけるバイアス、潜在的な交絡要因を最小化し、統計解析の妥当性を増強するために、参加者を、以下の基準に基づいて、ランダムに置換されたブロックおよび層別化を使用して、2:1の比でランダム化する:
・スクリーニング時のピークCペプチドレベル:0.2(組み入れ基準)から0.7pmol/mL(境界値を含む)対0.7pmol/mL超の範囲内
・ランダム化時の年齢:8から12歳(境界値を含む)対12超から17歳の範囲内
【0154】
テプリズマブまたは一致するプラセボを、2つのクールにおいてIV注入を介して投与し、第1のクールは1日目(1週目)に開始し、第2のクールは182日目(26週目)のおよそ6カ月後に開始する。治療の各クールは、12日間の毎日の注入を含む。
【0155】
各参加者についての総試験期間は、最大で84週間である。これは、最大で6週間のスクリーニング期間、および78週間のランダム化後の期間を含む。治療期間は、6カ月離れた2つの12日間の治療クール、およびおよそ52週間の治療後の観察期間を含む。
【0156】
試験集団
この試験は、その診断から6週間以内にランダム化され、試験治療を開始することができる、新たに発症したT1Dを有する8から17歳の男女の参加者を登録する。ランダム化に適格であるために、参加者は、少なくとも1つのT1D関連自己抗体に対して陽性であり、スクリーニング時に0.2pmol/mL以上のピーク刺激Cペプチドを有していなければならない。参加者はまた、特定の組み入れ基準のすべてを満たし、除外基準を満たさない必要がある。
【0157】
投与量および投与
ランダム化の日(1日目)に、各参加者は、下記の表に示されている通り、第1の12日間の治療クールにおける治験薬の初回投薬を受ける。およそ182日目に、各参加者は、第2の12日間のクールの初回投薬を受ける。治験薬(テプリズマブまたはプラセボ)は、試験施設、または試験が承認した担当者によって認定された他の施設において、IV注入を介して投与される。治験薬の用量は、各治療クールの初日に測定された参加者の体表面積(BSA)に基づいて計算される。調整は許容されない。
【0158】
【0159】
重要な評価
MMTT:内因性β細胞機能を定量化するために、参加者は、Cペプチド(インスリン産生の1:1の副産物)について標準化された誘発性代謝試験を受ける。参加者は、既知量の炭水化物、脂肪、およびタンパク質を含む固定量の飲料を摂取する。摂取後、BG、インスリン、およびCペプチドレベルを、経時的に測定する。2時間MMTTはスクリーニング時に実施し、4時間MMTTはランダム化時、ならびに重要エンドポイントの査定のために26、52、および78週目に実施する。
【0160】
HbA1c:これは、血中グルコースレベルに比例して非酵素的に糖化される赤血球(ヘモグロビンとして測定)のパーセントである。これは、平均して、血中グルコース値のおよそ3カ月の平均を示す。これは、T1Dの管理における重要な臨床標的である。
【0161】
インスリン使用:外因的に注射されたインスリンを定量化するために、各指定の訪問前に収集された7日間にわたる平均データとして。
【0162】
低血糖症:臨床的に重要で生命を脅かす可能性がある低血糖症は、インスリン療法の結果であり、血糖コントロールの目標を実現しようと試みる患者において発生する可能性が高い。この試験は、参加者に、70mg/dL(3.9mmol/L)未満のBGレベルおよび/または低血糖症と一致する事象に関する情報を記録することを求める。特に、54mg/dL(3.0mmol/L)未満の信頼できるグルコースの読み取り、および/または重篤な認知機能障害、および/または回復のために外部の支援を必要とする身体的状態として定義される臨床的に重要な低血糖症事象に焦点を当てる。
【0163】
グルコースモニタリング:インスリン投薬を正確に測定し、食事および活動を支援するための血糖管理の必要な部分として、参加者または介護者によって1日に複数回実施される断続的なグルコースモニタリング(例えば、スポットチェックまたはフィンガースティック)。すべての参加者は、レビューのために、すべての訪問時にその血糖計を持参するべきである。血糖コントロールに関するデータに加えて、試験の間の指定されたときに、参加者は、毎日の食前および就寝前のBGの読み取りを報告し、CGMを使用して2週間の間隔を空けて査定されたグルコースレベルを有する。
【0164】
クオリティオブライフ質問票:調査を使用して、参加者の一般的な健康状態および福祉、ならびにPedsQL糖尿病モジュール、HFS、DTSQ、および親が報告したPedsQL家族影響モジュールなどのテプリズマブの効果を査定する。
【0165】
薬物動態および免疫原性評価:テプリズマブ濃度を、試験全体を通して指定された時点で収集された血液試料において分析する。中和抗体(NAb)であるものを含む、抗テプリズマブ抗体を決定する。
【0166】
【0167】
試験は、有意な量のβ細胞機能能力を有する個人に焦点を当てる。β細胞が、T1D診断後に失われ続けることが認識されている。回復可能なレベルの内因性インスリン産生を有する患者におけるβ細胞保存の効果を最大化するために、この試験は、T1D診断から6週間以内であり、混合食負荷試験(MMTT)の間に0.2pmol/mL以上のピークCペプチドレベルを有する参加者を採用する。0.2pmol/mLの値は、T1D関連の短期および長期合併症の臨床的に重要なより低い割合と相関するCペプチドの重要で許容される閾値であるので、これを選択した(Lachin 2014、Palmer 2001、Palmer 2009)。
【0168】
各参加者について総試験期間は、最大で84週間である。これは、最大で6週間のスクリーニング期間、および78週間のランダム化後の期間を含む。ランダム化後の期間は、6カ月離れた2つの12日間の治療クール、およびおよそ52週間の治療後の観察期間を含む。最終訪問は、78週目に行われる。
【0169】
全体的な試験の長さおよび重要な査定のための時点を、T1Dの診断後の残存β細胞喪失の自然経過、および効果の持続性を実証し、かつテプリズマブの治療後の安全性プロファイルを確認するための研究目標に起因して選択した。診断の時に、多くの場合に、10~20%と推定されるかなりのβ細胞予備能が存在し得るが、場合により、正常なβ細胞量の40%を超える(Matveyenko 2008、Campbell-Thompson 2016)。T1D診断時に、この予備能の大部分は、代謝的または免疫学的(すなわち、サイトカイン誘発性)ストレスに起因して機能的に障害を受けているように見える。外因性インスリン治療、および診断時にしばしば存在するpH、電解質および体液の乱れ(すなわち、DKA)の補正により、一部のβ細胞機能は、数日間、数週間、または数カ月間、戻ることがある。この観察は、多くの場合に、「ハネムーン期間」と称され、インスリン必要量を実質的に低下することができ、時には、外因性インスリンからの非依存を実現することができる。これらの効果は、一時的であり、経時的に、通常は、診断から1年以内に、不可避的な完全インスリン補充が、これらの残存β細胞の自己免疫的排除に起因して必要になる。β細胞喪失の自然歴における既知の個人差に起因して、β細胞機能を保存することを意図した疾患修飾療法の効果を、T1D診断の最初の12カ月の間のハネムーン期間の効果と区別することは困難である。
【0170】
主要および重要な二次的臨床エンドポイントについての18カ月の時点は、T1D疾患修飾療法として、通常の医療行為にテプリズマブを許容するために必要な重要なデータを提供し、EMAおよびFDAによって推奨されるエンドポイントについての既存のガイドラインと一致している。T1Dの自然歴の試験および介入試験からのデータは、T1Dを有する者におけるβ細胞喪失が、特に、診断後数週間から数カ月以内に、非常に変動し得ることを示す。この試験は、より若年である、T1D診断に近接している(すなわち、6週間以内)参加者を登録しているので、ハネムーン現象(または自発的で、一時的なの部分寛解)の考慮の追加された複雑さが存在し得る-これは、試験集団において最大で約1年続くことがある(Abdul-Rasoul 2006)。主要および重要な二次的臨床エンドポイントの18カ月のタイミングにより、固有の自然な代謝変動の実質的な量を、β細胞喪失の異なる軌跡および/またはハネムーン現象に起因する一時的に増強されたβ細胞機能に起因して最小化することを可能にし-その結果、β細胞機能および臨床パラメータに対するテプリズマブの真の効果を、偶然と区別することができる。
【0171】
他の重要な査定は、ランダム化、26週目(6カ月)および52週目(12カ月)に行われて、この特定の試験集団におけるβ細胞低下の自然歴およびテプリズマブの効果がよりよく理解される。
【0172】
加えて、主要および重要な臨床エンドポイントは、治験薬投与の最終投薬のおよそ1年後に査定される。効果の長さは、T1Dについての断続的な疾患修飾療法の重要な特性として認識されている。正の代謝的および臨床的効果を維持しながら12カ月の治療停止期間は、現時点で、代謝的および臨床的に関連する持続的な利益の主張を立証するための妥当な時間枠と見なすことができる。
【0173】
この試験全体を通して、参加者は、直接インタビューおよび身体検査、自己報告、ならびに臨床検査を介して定期的に査定される。査定は、2つの12日間の治療クールの間に毎日、ならびにクール間の6カ月の間隔の間、および第2の治療クール12カ月後に定期的に行われる。この試験における治療時および治療外の観察時間は十分に、大幅に超えていなければ、小児適応症についてのものを含む、他の自己免疫状態に対して承認された免疫療法に対する安全性および副作用を査定するために伝統的に使用されている期間内である。この試験において使用されているものと類似の用量およびレジメンにおいて、テプリズマブは、最小限の副作用で全体的に十分な耐容性を示し、重大な短期または長期の有害作用のシグナルはなかった。この試験からの追加的な確認データにより、テプリズマブの副作用プロファイルは、新たにT1Dと診断された小児および青年のためのケアプランへの統合について許容可能であると見なされ続けると見込まれる。
【0174】
一部の実施形態では、T1D診断は、ADA基準に従う。一部の実施形態では、T1Dと診断された患者は、以下のT1D関連自己抗体:グルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD65)自己抗体、膵島抗原2(IA-2)自己抗体、亜鉛輸送体8(ZnT8)自己抗体、膵島細胞質自己抗体(ICA)またはインスリン自己抗体(試験が、インスリン治療の最初の14日以内に得られた場合)のうちの少なくとも1つについての試験において陽性の結果を有する。
【0175】
治験薬投与の各12日間のクールの開始時(1日目および182日目)に、参加者の現在のBSAは、その日に得られた身長および体重を使用して、BSA=平方根[身長(cm)×体重(kg)/3600]のMosteller式を使用して計算される。
【0176】
テプリズマブおよびプラセボは、施設に提供される薬局マニュアルに従って調製される。
【0177】
ポリ塩化ビニル(PVC)注入バッグおよびチューブならびに通常の生理食塩水を、治験薬剤の調製および投与のために使用すべきである。
【0178】
2mLの治験薬を、治験薬バイアルから抜き取り、穏やかな混合によって、18mLの注射用の0.9%塩化ナトリウム溶液中でゆっくりと再構成すべきである。得られた20mLの1:10希釈液を、プラセボまたは100μg/mLの濃度のテプリズマブのいずれかを含有する最初の治験薬溶液として使用する。次いで、この最初の薬液を、25mLの0.9%塩化ナトリウム溶液を含有するPVC注入バッグに添加すべきである。最後に、この得られた調製物を、参加者に投与する前に、穏やかに混合すべきである。
【0179】
この試験は、12日間にわたる2クールの静脈内注入および採血を必要とする。この試験の焦点である小児集団における静脈内アクセス(検査試料採取のための注入および採血のため)は、難題をもたらし得ると認識されている。小児は、成人よりも静脈が小さく、静脈はカテーテルの挿入がより難しくあり得、それらは、カテーテル留置および/または静脈切開術に対して大きな抵抗を有し得る。
【0180】
上記の認識において、「標準的な」静脈内末梢カテーテルの使用に加えて、この試験は、血管アクセスのために、一時的で中期的なアプローチの使用を許容する。具体的には、「正中線」または末梢に挿入された中心カテーテル(PICC)ラインを、治験薬の注入および採血のために使用し得る(アクセスラインの特性、および地方、地域、または国のガイダンスに従って適切な場合)。
【0181】
登録されたすべての参加者は、そのヘルスケア提供者の支援により、T1Dの短期または長期の後遺症の一部を減少させると思われるグルコースレベルを実現するために、American Diabetes Association(ADA)の推奨、または地方、地域、もしくは国の推奨に従って、承認された治療法を使用するT1Dの集中的な糖尿病管理を受けるべきである。現在、ADAによる血糖標的は、重篤なまたは頻繁な低血糖事象を最小化しながら、17歳以下の個体について7.5%(58mmol/mol)未満、18歳以上について7.0%(53mmol/mol)未満のHbA1cレベルを実現するための管理戦略に焦点を当てている。
【0182】
血糖目標は、適当な血糖モニタリング、外因性インスリンの投与、ならびに活動レベルおよび食事のモニタリングを通して試みるべきである。外因性インスリンは、断続的に、または個人用インスリンポンプの使用を介して投与される、即効型、中間時間作用型、および/または長時間作用型インスリンを含み得る。血中グルコースレベルは、食事前および就寝前を含んで、1日に少なくとも4回測定すべきである。
【0183】
製品の種類、投与量、および投薬スケジュールを含むインスリン使用は、試験のクールの間に変化すると予想される。日常的なT1D臨床ケアの一部として、ケアする医師が臨床的に適切であると判断した場合、参加者のインスリン用量を増加させる、低下させる、またはさらに中止することができる。
【0184】
参加者が血糖目標を満たしていない場合、試験チームは、インスリンレジメンにおける可能な調整、登録栄養士への紹介、またはグルコースコントロールを改善し得る他のアプローチについて、参加者の主要臨床ケアチームに連絡すべきである。
【0185】
インスリンの中止
参加者が0.25U/kg/日以下のインスリン使用により6.5%以下のHbA1cレベルを実現した場合、インスリン療法を中止することができる。参加者の血中グルコースレベルおよびHbA1cレベルは、プロトコールごとにモニタリングし続けるべきであり、尿中ケトン体は1日1回モニタリングすべきである。日常的な血中グルコースモニタリングの間に、参加者の血中グルコースレベルが200mg/dL(11.1mmol/L)を超える場合、および/または尿中ケトン体が中等度以上である場合、参加者は、さらなる評価について、その主治医および/または臨床現場のスタッフに相談すべきである。空腹時血中グルコースが126mg/dL(7mmol/L)を超えるか、またはHbA1cが6.5%を超える場合、繰り返し試験によって文書化されるように、インスリン療法の再開を考慮すべきである。
【0186】
治験薬(テプリズマブまたはプラセボ)の投薬は、この訪問で得られた身長および体重、ならびにMosteller式(BSA=平方根[身長(cm)×体重(kg)/3600])を使用するBSAに基づく。
【0187】
1週目の試験訪問
患者は、薬物アレルギーまたは感受性によって禁忌とされない限り、治療クールの少なくとも最初の5日間、NSAID(例えば、イブプロフェン)(NSAIDが禁忌である場合、アセトアミノフェン)および抗ヒスタミン薬(例えば、ジフェンヒドラミン)の前投薬を受ける。前投薬の投与に続いて少なくとも30分後、治験薬の注入を開始することができる。保存剤がなく、薬物の喪失が経時的に起こり得るので、治験薬の投与は、調製後可能な限り早く、調製後2時間以内に開始すべきである。治験薬は、標準的なプラクティスに従って30分にわたり静脈内投与するように計画すべきであるが、不耐容の兆候または症状がある場合、これは遅延させてもよい。注入バッグの内容物が完全に投与されたら、注入チューブに含有される体積に等しい追加の体積の生理食塩水を同じ一定の速度で注入して、すべての治験薬が注入チューブから排除されたことを確実にする。注入についての開始および終了時間を記録するべきである。
【0188】
2~12日目:継続的な治療クール1の注入
臨床上または検査上の懸念がない場合、患者は、予防的NSAID(NSAIDが禁忌である場合、アセトアミノフェン)および抗ヒスタミン薬の投与の少なくとも30分後に、上記に記載されている通り、次の注入を進めることができる。綿密なモニタリングは、注入の間および注入後60分間、耐容性または注入反応の兆候または症状について行うことである。
【0189】
2~11日目
2~11日目に、患者は、次いで、施設を離れ、次の治験薬注入のために翌日戻ることが可能である。
【0190】
12日目
このクールの最終注入および少なくとも30分間の観察の完了後の12日目に、持続グルコースモニタリング(CGM)センサーが適用され、参加者は、CGMモニタリングのケアおよび使用に対する指示が与えられるべきである。
【0191】
4、8、12、および20週目の試験訪問
これらの試験訪問についての訪問ウィンドウは、標的訪問日から±4日である。これらの訪問の間、参加者は、そのスケジュールされた訪問のために施設に戻り、臨床および/または検査査定が実施される。12週目に注目すべきは、CGMセンサーが適用され、参加者はCGMモニタリングのケアおよび使用に対する指示を受けるべきである。
【0192】
20週目の訪問時に、参加者に、一晩の絶食およびMMTT前のインスリン投薬を含む、26週目の4時間MMTTについての指示を与える。
【0193】
26週目の試験訪問:4時間MMTTおよび治療クール2
これらの試験訪問についての訪問ウィンドウは、標的訪問日から±3日である。
【0194】
182~193日目
182日目の臨床および検査査定(4時間MMTTを含む)、ならびに治験薬投与の第2クールの開始のため。
【0195】
特に注目すべき点のうち、身長および体重は、この訪問で得て、クール2のために、BSAに基づく投薬計算に使用するべきである。クール1の治験薬のようにガイダンスに従って、患者は、最初の5回の治験薬注入が開始される少なくとも30分前に(およびその後の注入で必要に応じて)、経口NSAID(NSAIDが禁忌の場合、アセトアミノフェン)および抗ヒスタミン薬で前投薬されるべきであり、治験薬の投与は、調製後可能な限り早く、調製後2時間以内に開始すべきであり、注入チューブに含有される体積に等しい追加の体積の生理食塩水を注入するべきである。注入の間および注入後追加で60分間、参加者は、注入反応の兆候または症状についてモニタリングされるべきである。
【0196】
ある特定の日に、1回の採血を、テプリズマブの血清レベルのために得る。1回は治験薬剤注入前30分以内、他方は治験薬剤注入およびフラッシュ後30分以内である。
【0197】
183~192日目(クール2投薬の2~11日目)
183~192日目に、参加者は、施設を離れ、次の治験薬注入のために翌日戻ることができる。
【0198】
193日目(クール2投薬の12日目)
このクールの最終注入および少なくとも30分間の観察の完了後、CGMセンサーが適用され、患者は、CGMモニタリングのケアおよび使用に対する指示が与えられるべきである。
【0199】
30、34、39、52および65週目の試験訪問
これらの試験訪問についての訪問ウィンドウは、標的訪問日から±4日である。52週目の訪問で、4時間MMTTを実施する。
【0200】
39、52、および65週目の訪問の最後に、CGMセンサーが適用されるべきであり、必要により、CGMのケアおよび使用に対する追加のトレーニングおよび指示の更新が与えられる。
【0201】
39週目および65週目の試験訪問
患者に、一晩の絶食およびMMTT前のインスリン投薬を含む、それぞれ、52週目および78週目の4時間MMTTについての指示を与える。65週目の訪問時に、76週目周辺で開始する家庭用の患者CGM機器を分配する。
【0202】
78週目の試験訪問
この試験訪問についての訪問ウィンドウは、標的訪問日から±7日である。この訪問の間に、4時間MMTTを実施する。
【0203】
混合食負荷試験
2時間MMTTを、試験の適格性を決定するために、スクリーニング時に実施する(ピークCペプチドレベルに基づく)。4時間MMTTを、ランダム化時、ならびに26、52、および78週目に実施して、4時間CペプチドAUCおよび他のデータを得る。4時間MMTTは、MMTT誘発性CペプチドAUCの査定において、2時間MMTTよりも正確で信頼性が高いことが示されているので、ランダム化時およびランダム化後に使用する(Boyle 2015、Rigby 2013、Rigby 2016)。あるいは、2時間MMTTは、試験のエントリーに必要なピークCペプチドレベルを捕捉するのに十分であるので、スクリーニング時に使用する。これらの査定からの試料を、Cペプチド、血清グルコース、およびインスリンについて査定する。試料を、これだけに限定されないが、プロインスリンレベルを含む、潜在的な将来の評価のために貯蔵する。血清試料中のCペプチドおよびグルコースの測定を行う。MMTTは、インスリン使用に対する厳格なガイダンスにより、一晩の絶食後、およそ午前7:00から午前10:00の間にモニタリングを行うべきである。2時間MMTTは、実施するためにおよそ130分かかり、4時間MMTTは、およそ250分かかる。
【0204】
ヘモグロビンA1c
HbA1cは、選択試験訪問時に、血液検査として査定する。
【0205】
インスリン使用
患者の毎日のインスリン使用は、ランダム化前の7日間、および約12、26、39、52、65および78週目の訪問時の選択した時間に、eDiaryに参加者によって文書化される。患者は、この時の間に、断続的な注射として投与されたすべての短時間作用型、中間時間作用型、および長時間作用型インスリン、または「インスリンポンプ」を用いる使用を記録する。インスリン使用データは、試験訪問の前日またはその日には記録されない。患者が訪問前に1日またはそれ以上の日においてインスリン使用を記録するのを忘れた場合、患者は、投薬後最大で72時間インスリン使用を記録し続けて、最大で7日間のデータを得るべきである。患者は、最終訪問時にeDiaryを返却するので、78週目(最終訪問)を除く前述の訪問のすべてについて、合計で7日間のインスリン使用データを収集するために、あらゆる努力を払うべきである。
【0206】
低血糖症のエピソード
臨床的に重要な、他の重篤でなくおよび深刻でない低血糖エピソードを、参加者によって試験全体を通して、および血糖計の読み取りの評価を通して記録する。
【0207】
グルコースモニタリング
(1)断続的血糖モニタリング(フィンガースティック)
MMTTおよびCGM以外の血中グルコースレベルは、さまざまなときにエンドポイントとして記録および解析される。日常的なケアの部分として、BGレベルは、通常、各食事前および就寝時を含んで、1日に少なくとも4回、フィンガースティック血糖計によって測定される。スクリーニング時に、参加者は、研究で提供された血糖計および血糖計ストリップを供給されるが、参加者は、参加者が選択する場合、参加者自身の血糖計を使用することが許容され、その場合において、グルコースモニタリングストリップは提供されない。各参加者は、参加者の血糖計(または、参加者が、2つ以上、例えば、自宅および学校で使用する場合は、複数の血糖計)を、レビューのために各訪問に持参するように指示される。加えて、研究全体を通しておよそ7回、参加者は、その試験eDiaryにおいて、ランダム化訪問ならびに12、26、39、52、65、および78週目の訪問前に、朝食、昼食、および夕食の前、ならびに就寝時に連続して7日間、BGレベルを記録する。インスリン使用データの記録と同様に、研究訪問の前日およびその日のBGデータは、記録されない。参加者が訪問前にフィンガースティックグルコース測定を記録するのを忘れた場合、参加者は、訪問直後に72時間記録すべきである。参加者は、最終訪問時にeDiaryを返却するので、78週目(最終訪問)を除く前述の訪問のすべてについて、合計で7日間のBGデータを収集するために、あらゆる努力を払うべきである。
【0208】
(2)持続グルコースモニタリング
「持続」グルコースモニタは、介在性グルコースレベル(血中グルコース値を厳密に近似する)を、一定の間隔、例えば、デバイスに応じて5~15分ごとに記録する。そのような測定およびその査定が、糖尿病における血糖コントロールに価値あるユニークな洞察を提供することを裏付ける臨床試験が増えている。この研究において、CGM査定を実施して、テプリズマブが血糖コントロール、例えば、グルコース曝露、選択したグルコース範囲の時間、および平均1日グルコースレベルに影響を及ぼすどうか、およびどのように影響を及ぼすかに対処するための重要な二次臨床エンドポイントおよび探索的エンドポイントのデータを提供する(Steck 2014、Helminen 2016、Danne 2017)。CGMモニタリングにおける最近の国際的なコンセンサスステートメントは、臨床試験における重要な糖尿病コントロール指標として、範囲(標的、低血糖症、および高血糖症)の時間のパーセンテージおよび血糖変動の測定の使用を裏付けた(Danne 2017)。
【0209】
CGMを使用して、血糖コントロールを、試験全体を通しておよそ7回:ランダム化時および26週目の治療クールの完了後;12、39、52、および65週目の訪問後;ならびに78週目の訪問の前、査定する。CGMセンサーは、資格のある試験スタッフによって設置され、CGMの使用およびケアに対する教育およびトレーニングが与えられる。センサーは、最大で2週間その場にとどまる。その2週間の期間の間にセンサーが外れた場合、センサーは、参加者、知識のある家族/保護者、または資格のある医療専門家によって交換され得る。
【0210】
治験薬注入の間にグルコース測定の任意の交絡因子を低下させるために、CGMセンサーは、治験薬投与が、クール1およびクール2について完了し、他の臨床および検査査定がイベント表のスケジュールにおいて指定された日に行われた後、参加者に設置される。12、39、52、および65週目の訪問時に、センサーは、すべての臨床および検査査定ならびにMMTTが完了した後、参加者に設置される。
【0211】
試験CGMの読み取りは、参加者の糖尿病の医学的管理を意図したものではないが、参加者のヘルスケアチームの監督下におくことができる。注目すべきは、参加者の定期的なヘルスケア提供者のガイダンス下で個人用CGMの日常的な使用は許容される。
【0212】
スポットチェックおよびCGM血中グルコース査定は、これだけに限定されないが、平均BG、血糖変動(BG標準偏差[SD])、経時的な最高および最低BG値、ならびに70mg/dL超180mg/dL以下のBG(3.9mmol/L超10.0mmol/L以下、レベル1(180mg/dL超250mg/dL以下(10mg/dL超13.9mmol/L以下))およびレベル2の高血糖症(250mg/dL超(13.9mmol/L超))、ならびにレベル1(70mg/dL以下54mg/dL以上(3.9mmol/L以下3.0mmol/L以上))およびレベル2(54mg/dL未満(3.0mmol/L未満))の低血糖症の出現および/または時間パーセントを含むと見込まれる(Seaquist 2013、International Hypoglycaemia Study Group[IHSG] 2017、Agiostratidou 2017)。
【0213】
[実施例3]
5つのステージ3のT1Dの試験におけるCペプチドのメタ分析
概要
メタ分析の形態の確認的証拠は、5つの支持的試験からプールされたCペプチドデータを使用して実施し、それらはすべて、ランダム化臨床試験:Protege、Encore、Study 1、AbATE、およびDelayであった。これらの5つの試験は、ステージ3の臨床T1Dと新たに診断された患者において、テプリズマブをプラセボまたは標準治療のいずれかと比較し、試験間の比較を可能にする類似のデザインを有していた(表5)。
【0214】
メタ分析は、4時間混合食負荷試験(MMTT)におけるCペプチドAUCのベースラインからの変化を評価した。共分散分析(ANCOVA)を使用して、平均Cペプチド値(最小二乗平均)および個々の治療の差を予測した。メタ分析は、2つの構成要素を有していた:1番目は、1年間の追跡調査により、5つの試験すべてにおいて実施し、2番目は、2年間の追跡調査を有していた3つの試験において解析を実施した。
【0215】
1年(
図26)および2年(
図27)のCペプチドデータのメタ分析において、テプリズマブで治療された患者は、対照と比較して有意に高いCペプチドレベルを示した(両方についてp<0.001)。この効果は、1年および2年の両方の観察および補完データ、ならびにテプリズマブ群における欠落データに対照データを割り当てた感受性解析について一貫していた。
【0216】
Cペプチドが、T1Dなしであった者とT1Dを発生した者との間で相違したかどうかを査定するために、経時的な平均Cペプチドの別々のプロットを作成した。
図28に見られ得るように、T1Dなしのままであるか、または試験の間に最終的にT1Dを発生した、テプリズマブで治療された者は、その個々の対照と比較して、より高い平均Cペプチド値を有していた。
【0217】
試験デザイン
メタ分析の形態の確認的証拠は、5つの支持的ランダム化臨床試験:Protege、Encore、Study 1、AbATE、およびDelayからプールされたCペプチドデータを使用して実施した。CペプチドAUCレベルを、4時間MMTTから得た。
【0218】
表5は、ステージ3のT1D患者におけるこれら5つの試験にわたる試験デザインの特色を示す。これらの試験は、それらがステージ3のT1Dにおいてテプリズマブを用いて実施され、対照としてプラセボまたは標準治療のいずれかを使用した、すべてのランダム化試験を代表したことを理由として選択した。類似の14日間の漸増用量レジメンを、試験全体にわたって使用した。Study 1において、体重に基づく14日間の投薬レジメンを、その後、BSAに基づく12日間の投薬レジメンに改変した。しかしながら、2日間の増加段階を伴う12日間のレジメンにおいて、より早期の投薬期間の間により多くのAEが発生したことに明らかに起因して、4日間の増加段階を伴う14日間のレジメンを、その後の臨床試験において採用した。患者は、Protege、Encore、およびAbATEにおいて2つの14日間の治療クールを受け、DelayおよびStudy 1のベースラインで単一の治療クールを受けた。ProtegeおよびEncore試験は、ステージ3のT1Dと新たに診断された患者を、4つの治療群に登録した:プラセボおよび3回のテプリズマブ投薬レジメン(完全用量で14日間[9.0mg/m2累積投与]、3分の1用量で14日間[約3.0mg/m2累積投与]、および6日間短縮[約2.5mg/m2累積投与])。メタ分析において、完全用量で14日間のレジメンからのCペプチドデータを使用した。Study 1、AbATE、およびDelay試験はすべて、完全用量で14日間のレジメン(累積用量9.0mg/m2)を使用した。
【0219】
【0220】
これらの研究に登録された患者(表6)は、重大な病歴、臨床的異常、または活動性感染症を有する者を除く、新たに診断されたT1D患者集団の代表であった。重要な組み入れ基準は、研究間で類似した。試験エントリー時のCペプチドレベルは、AbATE、Delay、およびStudy 1において0.2nmol/L以上であり、ProtegeおよびEncoreにおいて検出可能なレベルであった。
【0221】
【0222】
メタ分析の主要エンドポイントは、4時間MMTTにおけるCペプチドAUCのベースラインからの変化であった。各研究は、MMTTの間の同じ試料収集時点を使用して、CペプチドAUCを計算した。
【0223】
4時間MMTTにおけるCペプチドAUCのベースラインからの変化のメタ分析
テプリズマブ群の患者は、1年および2年の追跡調査時に、より高いCペプチドの保存を有していた(すなわち、ベースラインからのより小さな減少)。この効果は、観察データおよび補完データについて一貫した(両方の分析についてp<0.0001)。さらにまた、対照に基づく補完(テプリズマブデータの欠落に対照データを割り当てる)を適用する保存的感受性分析も有意であった(p<0.0001)。
【0224】
1年および2年のメタ分析についての結果を、それぞれ、
図26および
図27のフォレストプロットに示す。両フォレストプロットは、観察(既存)および補完分析が、CペプチドAUCレベルの保存におけるテプリズマブの一貫した効果を与えたことを示す。1年のフォレストプロットにおいて、テプリズマブ治療は、Encoreを除くすべての試験においてプラセボよりも一貫して有効であった。コンパニオンの第3相試験であるProtegeがその1年の主要エンドポイントを満たさなかったことに起因して、その完了前に試験が修正され、最大量の補完を必要とする大量の欠落データが生じたので、Encore試験における結果は予想されていた。MMTTのおよそ75%(93/125)が欠落していた。Protege試験の主要エンドポイントは、代謝パラメータ(HbA1cおよびインスリン使用)に焦点を当てた新規の未検証の複合エンドポイントであった。
【0225】
2年のデータのフォレストプロット(
図27)において、テプリズマブ治療は、2年のデータを用いる3つの試験すべてにおいて、プラセボと比較して、CペプチドAUCレベルを有意に保存した。
【0226】
[実施例4]
5つのステージ3のT1Dの試験におけるインスリン使用
実施例3におけるCペプチドメタ分析に含まれるものと同じ5つの試験において、外因性インスリン使用を、各試験において個々に評価した。各試験の各時点にわたる平均インスリン使用は、プラセボと比較して、テプリズマブ治療患者において、数値的に低かった(
図29a~29e)。2つの試験(AbATE、Study 1)において、差は統計学的に有意であった。
【0227】
具体的には、5つの試験すべてにおいて、各時点にわたる平均インスリン使用は、プラセボ患者と比較して、テプリズマブ患者において、低かった(
図29a~29e)。3つの試験(AbATE、Delay、およびStudy 1)は、テプリズマブ治療が、一貫して、プラセボと比較して、インスリン必要量の統計学的に有意に低いレベルをもたらしたことを示した(Herold et al 2013a;Herold et al 2005;Herold et al 2013b)。テプリズマブ群のインスリン使用も、プラセボ群と比較して低かったが、ProtegeおよびEncore試験において、統計的有意性は実現されなかった。したがって、テプリズマブ治療は、より高い内因性インスリン産生およびより少ない外因性インスリン必要量によって反映される通り、Cペプチドレベルを保存する。
【0228】
全体として、これらのデータは、テプリズマブが、Cペプチドレベルによって測定されるベータ細胞機能、および対応して、内因性インスリン産生を保存し、外因性インスリンの低い必要性をもたらすことを裏付ける。
【0229】
[実施例5]
臨床薬物動態および薬力学
作用機構:テプリズマブは、Tリンパ球の表面のT細胞受容体(TCR)と共発現する表面抗原分類3(CD3)抗原を標的にするヒト化モノクローナル抗体である。提案された適応症に対するテプリズマブの作用機構は確認されていないが、TCR-CD3複合体を介したシグナル伝達に対する弱いアゴニスト活性が関与していると思われ、これは、調節性T細胞を拡大し、免疫寛容を再確立すると思われる。
【0230】
薬物動態:
図30は、4日の増加とそれに続く5~14日目の826μg/m2の反復用量による14日間の静脈内(IV)投薬レジメンを使用した経時的な予測平均テプリズマブ濃度のプロットを示す。左パネルは、典型的な60kgの男性対象を表し、右パネルは、典型的な40kgおよび90kgの男性対象を表す。体表面積(BSA)に基づく投薬は、身体のサイズ全体にわたる曝露を正規化する。
【0231】
反復IV注入は、増加する血清テプリズマブレベルをもたらしたが、定常状態PDには、投薬終了時(この投薬レジメン内で14日目)に到達しなかった。5日目と14日目の間の曲線下面積(AUC)についての平均蓄積比は3.4であった。14日間の投薬レジメンについての予測平均(±SD)総AUCは、6421±1940ng・日/mLであり、14日目に、それぞれ、826±391および418±225ng/mLのCmaxおよびCminであった。
【0232】
分布:集団PK解析からの中央および末梢の分布容積は、それぞれ、3.4Lおよび6.9Lであった。
【0233】
排出:テプリズマブクリアランスは、用量に比例せず、T細胞表面のCD3受容体へのその飽和可能な結合によって駆動される可能性がある。テプリズマブは、異化経路によってより小さなペプチド断片に分解されると予想される。14日間の投薬レジメン後のテプリズマブのクリアランスは、およそ4日の終末相半減期で、集団PK解析から2.3L/日であると推測された。
【0234】
計画された市販製剤は、臨床試験製品から異なる施設で製造され、有効性および安全性を裏付けるために提出された臨床試験において使用されなかった。市販製剤と臨床試験製剤との生物比較可能性を評価した単一用量PKブリッジング試験を、健康なボランティアにおいて実施した。市販製品についての平均AUC0-infは、主要な有効性試験において使用された製品についてのAUC0-infの半分未満(48.5%、90%CI:43.6~54.1)であった。この相違についての理由は、類似の濃度がIV注入直後に観察されたので、製品の強度の相違ではなく循環からの薬物のより早いクリアランスであると思われる(市販製品のCmaxは、臨床試験製剤において観察されたCmaxの94.5%(90%CI;84.5~106)であった)。
【0235】
[実施例6]
有害事象
テプリズマブ投与に関連する有害事象も試験されている。とりわけ、テプリズマブは、これまでに全体的な感染症の安全性シグナルを有していないが、完了した試験からのデータに基づいて、14日間のレジメンの代わりに12日間の投薬レジメン(1クールまたは2クール)を受けた患者は、感染の有害事象数の報告が少なく見える(表7)。
【0236】
【0237】
本開示に記載の方法および組成物の改変および変形が本開示の範囲および主旨から逸脱することなく当業者には明らかになるであろう。本開示は特定の実施形態に関連して記載されているが、特許請求される本開示はそのような特定の実施形態に過度に限定されるべきではないことが理解されるべきである。実際に、本開示を実行するための記載の方式の種々の改変は、以下の特許請求の範囲によって表される本開示の範囲内に入ることが意図されており、本開示が属する関連分野の当業者に理解される。
【0238】
参照による組込み
本明細書において言及される特許および刊行物は全て、それぞれ独立した特許および刊行物が具体的にかつ個別に参照により組み込まれることが示されたものと同じく引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【0239】
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【国際調査報告】