(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】電気式または手動のギヤ付き縫合デバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 17/062 20060101AFI20240517BHJP
【FI】
A61B17/062
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572899
(86)(22)【出願日】2022-05-20
(85)【翻訳文提出日】2024-01-18
(86)【国際出願番号】 US2022072458
(87)【国際公開番号】W WO2022251797
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク ディー/ビー/エー オリンパス サージカル テクノロジーズ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョーイ・マグノ
(72)【発明者】
【氏名】ニキル・エム・ムルデシュワル
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン・エヌ・ミルフォード
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160BB01
4C160BB30
(57)【要約】
スコープシャフトを有するスコープのための縫合システムが、スコープシャフトに沿って延在する駆動シャフトと、駆動シャフトを受け入れるためにスコープシャフトの遠位端部に取り付ける取付けリングと、駆動シャフトの遠位端部に取り付けられたピニオンギヤと、ピニオンギヤと係合して取付けリングに回転可能に取り付けられたリングギヤと、リングギヤに取り付けられた針と、を備える。方法が、縫合デバイスを内視鏡シャフトの遠位部分に連結するステップと、縫合糸デバイスまで内視鏡シャフトに沿って延在する駆動シャフトを回転させるステップと、駆動シャフトにより縫合要素を回転させるステップと、縫合要素を移動させて、縫合材料に接続された縫合糸アンカを把持するステップと、縫合要素により縫合材料を引っ張るステップと、組織を縫合要素と整列させるステップと、縫合糸アンカおよび縫合材料を組織に押し通すステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スコープシャフトを有するスコープに連結するための縫合システムであって、
前記スコープシャフトに沿って延在するように構成された駆動シャフトと、
前記駆動シャフトを受け入れるために前記スコープシャフトの遠位端部に取り付けるように構成された取付けリングと、
前記駆動シャフトの遠位端部に取り付けられたピニオンギヤと、
前記ピニオンギヤと係合して前記取付けリングに回転可能に取り付けられたリングギヤと、
前記リングギヤに取り付けられた針と、
を備える、縫合システム。
【請求項2】
前記駆動シャフトの近位端部に接続された電気モータをさらに備える、請求項1に記載の縫合システム。
【請求項3】
前記駆動シャフトの近位端部に接続された手回しクランクをさらに備える、請求項1に記載の縫合システム。
【請求項4】
前記スコープシャフトをさらに備え、前記スコープシャフトが、第1のワーキングチャネルを備える、請求項1に記載の縫合システム。
【請求項5】
前記第1のワーキングチャネルに接続された吸引デバイスをさらに備える、請求項4に記載の縫合システム。
【請求項6】
前記第1のワーキングチャネル内に配置された鉗子をさらに備える、請求項4に記載の縫合システム。
【請求項7】
前記スコープシャフトを通って延在する第2のワーキングチャネルをさらに備え、前記駆動シャフトが、前記第2のワーキングチャネルを通って延在する、請求項4に記載の縫合システム。
【請求項8】
前記ピニオンギヤが、前記取付けリング内に取り付けられる、請求項7に記載の縫合システム。
【請求項9】
前記駆動シャフトのための第2のワーキングチャネルを画定するチューブをさらに備え、前記チューブが、前記スコープシャフトの外部と並行して延在する、請求項5に記載の縫合システム。
【請求項10】
前記ピニオンギヤが、前記取付けリングの外側に取り付けられる、請求項8に記載の縫合システム。
【請求項11】
前記取付けリングが、前記スコープシャフトと前記取付けリングとを回転的に位置合わせするために前記第1のワーキングチャネルと整列するように構成された開口部を有する端板をさらに備える、請求項4に記載の縫合システム。
【請求項12】
前記取付けリングが、ワーキングチャネルからアンカを受け取るように構成されたアンカキャッチを備える、請求項1に記載の縫合システム。
【請求項13】
前記アンカキャッチが、アンカを保持するように構成された上方部分および下方部分を有する円筒形ボディを備え、前記上方部分と前記下方部分との間に前記針のための経路が配置される、請求項12に記載の縫合システム。
【請求項14】
前記針が、前記アンカキャッチから前記アンカを受け取るように構成されたアンカソケットを備える、請求項12に記載の縫合システム。
【請求項15】
前記針が、前記アンカキャッチと整列するように前記リングギヤから前記スコープシャフトの中心に向かって延在する湾曲した針ボディを備える、請求項14に記載の縫合システム。
【請求項16】
前記スコープシャフトから延長可能な縫合糸チューブをさらに備える、請求項14に記載の縫合システム。
【請求項17】
前記アンカキャッチおよび前記アンカソケット内に納置されるように構成された縫合アンカをさらに備え、前記縫合アンカが、前記縫合糸チューブから延在する縫合材料の撚り糸に接続されている、請求項16に記載の縫合システム。
【請求項18】
前記縫合アンカが、球を備える、請求項17に記載の縫合システム。
【請求項19】
前記縫合糸チューブが、前記アンカキャッチに挿入されるように構成されたアンカホルダを備える、請求項16に記載の縫合システム。
【請求項20】
前記取付けリングとともに前記リングギヤを保持するための保持リングをさらに備え、前記取付けリングが、前記保持リングと前記取付けリングとの間に前記リングギヤを捕捉するために前記取付けリングが取り付けられる座部を備える、請求項1に記載の縫合システム。
【請求項21】
縫合デバイスを内視鏡のシャフトの遠位端部分に連結するステップと、
前記縫合デバイスまで前記シャフトに沿って延在する駆動シャフトを回転させるステップと、
前記駆動シャフトにより縫合要素を回転させるステップと、
前記縫合要素を移動させて、縫合材料に接続された縫合糸アンカを把持するステップと、
前記縫合要素により前記縫合材料を引っ張るステップと、
組織を前記縫合要素と整列させるステップと、
前記縫合糸アンカおよび前記縫合材料を前記組織に押し通すステップと、
を含む、方法。
【請求項22】
電気モータにより前記駆動シャフトを回転させるステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
手回しクランクにより前記駆動シャフトを回転させるステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
吸引を介して前記組織を前記縫合要素と整列させるステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
鉗子を介して前記組織を前記縫合要素と整列させるステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記縫合要素が前記シャフトの遠位端面上で中心に取り付けられるリングギヤを回転させるステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記縫合要素が前記シャフトの遠位端面の中心を外れて取り付けられるリングギヤを回転させるステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記駆動シャフトに取り付けられたピニオンギヤにより前記縫合要素を回転させるステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記駆動シャフトによって駆動されるオフセッティングギヤにより前記縫合要素を回転させるステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記縫合デバイスを前記組織に沿って移動させながら前記駆動シャフトにより前記縫合要素を往復運動させるステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
前記内視鏡の前記シャフトから前記縫合材料を引っ張るステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項32】
前記内視鏡の前記シャフトから前記シャフトと並行して前記縫合材料を引っ張るステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項33】
前記縫合糸アンカを前記縫合デバイスの受け内に保持するステップと、
前記縫合要素内のソケットにより前記縫合糸アンカを前記受けから取り出すステップと、
をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項34】
前記縫合要素をホーム位置から第1の方向に回転させて縫合プロセスを開始するステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項35】
前記縫合要素が前記第1の方向に回転させて、前記シャフトに取り付けられた前記縫合デバイスのソケットから前記縫合糸アンカを拾い上げるステップをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記縫合要素を前記第1の方向に回転させて前記縫合材料を引っ張るステップをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記内視鏡を前記組織上の第1の位置へ移動させるステップと、
前記縫合要素を前記第1の方向に回転させて前記縫合糸アンカを前記組織の前記第1の位置に押し通すステップと、
をさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記縫合糸アンカを前記ソケット内に納置するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記縫合要素を前記第1の方向とは反対の第2の方向に回転させて、前記縫合糸アンカを前記ソケット内に残しながら前記縫合要素を前記組織から引き抜くステップをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記内視鏡を前記組織上の第2の位置へ移動させ前記縫合要素と再係合させて前記縫合糸アンカを前記第2の位置に押し通すステップをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
内視鏡的縫合術のためのシステムであって、
近位端部分および遠位端面を備えるスコープシャフトと、
前記近位端部分において前記スコープシャフトに連結された電気モータと、
前記電気モータから前記遠位端面の近位まで延在する駆動シャフトと、
前記遠位端面の遠位へ移動するように前記スコープシャフトに移動可能に取り付けられた縫合要素と、
前記駆動シャフトと前記縫合要素とを接続するギヤシステムと、
を備え、
前記ギヤシステムが、前記駆動シャフトの回転運動を前記縫合要素の縫合行程に変換するように構成される、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本特許出願は、参照により全体が本明細書に組み込まれている、2021年5月25日に出願され「Electric or Manual Geared Suturing Device」と題されたMagnoらへの米国仮特許出願第63/202,057号(代理人整理番号第GAP22009-GIMS-US1/5409.525PRV号)の優先権の利益を主張するものである。
【0002】
本開示は一般に、診断動作または治療動作を提供するために患者の解剖学的構造における切り口または開口部に挿入されるように構成された、細長いボディを備える医療デバイスに関する。
【0003】
より詳細には、本開示は、切断、焼灼、または鉗子を用いて組織を採取することなどによる医療処置の実行を促進するために別のデバイスの助けを借りてまたは助けを借りずに患者の解剖学的構造に挿入され得る内視鏡、腹腔鏡、および他のスコープなどの医療デバイスに関する。
【背景技術】
【0004】
内視鏡は、1)例えば治療デバイスまたは組織採取デバイスといった他のデバイスの様々な解剖学的部分に向かう通過を実現すること、および、2)そのような解剖学的部分を撮像することのうちの、1つまたは複数のために使用され得る。そのような解剖学的部分は、消化管(例えば、食道、胃、十二指腸、膵胆管、腸、結腸、など)、腎領域(例えば、腎臓、尿管、膀胱、尿道、など)、他の内臓器官(例えば、生殖器系、副鼻腔、粘膜下領域、気道)、などを含み得る。
【0005】
従来の内視鏡は、例えば1つまたは複数の病態の照明、撮像、検出および診断、解剖学的領域に向かう流体の(例えば、流体チャネルを介した生理食塩水または製剤の)送達を実現すること、解剖学的領域をサンプリングもしくは治療するための1つまたは複数の治療デバイスの(例えば、ワーキングチャネルを介した)通過を実現すること、ならびに流体(例えば、生理食塩水もしくは他の製剤)を収集するための吸引通路を提供すること、などを含む、様々な臨床的処置に関わり得る。
【0006】
従来の内視鏡検査では、内視鏡の遠位部分は、起子などを使用して治療デバイスを支持および配向するために構成され得る。いくつかのシステムでは、2つの内視鏡を一緒に機能するように構成することが可能であり、第1の内視鏡は、起子の助けを借りて、内部に挿入された第2の内視鏡を案内する。そのようなシステムは、到達するのが難しい身体内の解剖学的位置まで内視鏡を案内するのに役立ち得る。例えば、一部の解剖学的位置は、遠回りの経路を経た挿入の後でのみ、内視鏡を用いてアクセスされ得る。
【0007】
上記のことを考慮すると、スコープを使用する医療処置は、器具が使用されるべき標的解剖学的構造まで所望の器具を送達するために、時間および技能を要し得る。さらに、どの器具が使用されるべきか、スコープがどのようにして標的解剖学的構造まで送達されることになるか、および、スコープが送達された時点でどの処置が標的解剖学的構造に行われるかに関して、多くの決定が手術前になされなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2011/140118号パンフレット
【特許文献2】米国特許第7,137,736号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
生物学的物質を治療および回復するためまたは他の処置を行うために使用される従来の医療デバイス、特に内視鏡および腹腔鏡などの医療用スコープに伴う解決されるべき問題には、とりわけ、1)患者の解剖学的領域内の位置まで内視鏡とそれに挿入された器具とを誘導することの難しさ、2)スコープが解剖学的構造に挿入される前に、a)実際の解剖学的構造を見ること、b)処置が実際にどの程度進行しているかを知ること、を伴わずに、処置を行うためにどの器具が使用されることになるかを手術前に決定しなければならないことの難しさ、ならびに、3)特に手術前の決定が無効であることが分かったときに、組織採取および縫合などの異なる処置を行うために器具を除去し解剖学的構造に再挿入しなければならないことに関する時間および関連する費用の増大が含まれることを、本発明者らは認識した。
【0010】
そのような問題は、結腸鏡検査処置、肥満処置、などに特に存在し得ることを、本発明者らは認識した。結腸鏡検査処置では、結腸からポリープなどの病変組織を除去するために、患者に結腸鏡が挿入される。これは、典型的には、消化管の表面から粘膜を除去することを伴う。しかし、時折、組織分離デバイス、例えば鉗子が、消化管の導管壁を穿刺する可能性がある。穿刺が深刻な場合、縫合などにより穿刺を閉じることが望まれ得る。しかし、穿刺を縫合して閉じることは、解剖学的構造内への縫合デバイスの導入を必要とする。典型的な縫合デバイスは、専用の縫合用スコープ、またはスコープの遠位端部に結合するアタッチメントを伴う。後者の場合、内視鏡を解剖学的構造に挿入する前にそれらのデバイスを取り付けることが望ましくない場合があるが、それは、そのようなデバイスは、扱いにくい場合があり、根本的な処置を行うのをより難しくする場合があり、また、必要でなくなる可能性があるためである。したがって、いずれの場合にも、内視鏡は、縫合用アタッチメントを含む同じ器具または別の器具が縫合を行うために患者に挿入され戻され得るように、患者から引き抜かれなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示は、1)内視鏡を解剖学的構造から引き抜くこと、および、内視鏡を再度誘導する必要なしに内視鏡を同じ解剖学的構造に再挿入することを容易にすることできる、再挿入シースと、2)a)操作が簡単であり、b)スコープに取り付けられたときに容易に誘導され、c)下層の内視鏡の性能への干渉を最小限に抑え、かつ、d)効率的かつ強力な縫合を提供することができる、取付け可能な縫合デバイスとを提供するための、内視鏡検査処置に関するシステム、デバイス、および方法を提供することにより、上記その他の問題の解決策を提供するのに役立ち得る。
【0012】
一例では、スコープシャフトを有するスコープに連結するための縫合システムが、スコープシャフトに沿って延在するように構成された駆動シャフトと、駆動シャフトを受け入れるために駆動シャフトの遠位端部に取り付けるように構成された取付けリングと、駆動シャフトの遠位端部に取り付けられたピニオンギヤと、ピニオンギヤと係合して取付けリングに回転可能に取り付けられたリングギヤと、リングギヤに取り付けられた針と、を備えることができる。
【0013】
別の例では、方法が、縫合デバイスを内視鏡のシャフトの遠位端部分に連結するステップと、縫合デバイスまでシャフトに沿って延在する駆動シャフトを回転させるステップと、駆動シャフトにより縫合要素を回転させるステップと、縫合要素を移動させて、縫合材料に接続された縫合糸アンカを把持するステップと、縫合要素により縫合材料を引っ張るステップと、組織を縫合要素と整列させるステップと、縫合糸アンカおよび縫合要素を組織に押し通すステップと、を含み得る。
【0014】
さらなる例では、本開示は、様々な撮像特徴および誘導特徴を含む内視鏡などの医療用スコープの遠位端部に取り付けられ得る縫合デバイスに関する。例示的な内視鏡は、カメラ、発光体、ならびに1つまたは複数のワーキングチャネルを含み、他の器具、および灌注もしくは吸引などの能力が、ワーキングチャネルを通して送達され得る。そのような特徴の動作上の側面は、典型的にはスコープのシャフトの遠位端面上に配置される。
【0015】
本開示において、縫合デバイスは、内視鏡に縫合能力を提供するために、スコープのシャフトの遠位端部分に取り付けられ得る。縫合デバイスは、近位端部から駆動され得るシャフトを含み得る。いくつかの例では、シャフトは、電気モータによって、および/または手動で動作されるクランクを介して、駆動され得る。シャフトの遠位端部は、ギヤシステムを介してなど縫合要素を回転させるかまたは往復運動させるために使用され得る。いくつかの例では、シャフトは、ピニオンギヤを含み得る。連結リングなどの連結要素が、駆動ギヤをスコープのシャフトに取り付けるように構成可能であり、それが、縫合要素に入力を提供する。いくつかの例では、駆動ギヤは、ピニオンギヤの外ギヤ歯と嵌合するように構成された内ギヤ歯を有するリングギヤを備えることができる。いくつかの例では、駆動ギヤは、ピニオンギヤの外ギヤ歯と嵌合するように構成された外歯を有するリングギヤを備えることができる。いくつかの例では、駆動ギヤは、ピニオンギヤおよびオフセッティングギヤと嵌合するための内ギヤ歯および外ギヤ歯を有するリングギヤを備えることができる。いくつかの例では、連結要素は、遠位端面の領域内に構成要素を取り付けるためにスコープのシャフトの遠位端面上で中心に置かれるように構成されたリングを備えることができる。いくつかの例では、連結要素は、遠位端面の領域内および遠位端面の領域の外側に構成要素を取り付けるように構成されたリングを備えることができる。したがって、シャフトは、ピニオンギヤを回転させるために電力または手動力を介して回転可能であり、ピニオンギヤは、リングギヤを回転させ、リングギヤからは、縫合材料を通すために縫合要素が延在する。
【0016】
いくつかの例では、縫合材料は、縫合要素に接続するために、第1のワーキングチャネルを通して延在され得る。第1のワーキングチャネルは、内視鏡のシャフト内に配置され得るか、または、シャフトと並行して延在するチューブなどの外部要素を介して設けられ得る。
【0017】
いくつかの例では、組織を縫合要素と係合させるための手段が、縫合デバイスに組み込まれ得る。いくつかの例では、組織を縫合要素の経路に引き入れるために、吸引力が提供され得る。いくつかの例では、吸引力は、吸引力源に接続された第2のワーキングチャネルを通じて提供され得る。いくつかの例では、組織を縫合要素の経路に入れるために、鉗子が使用され得る。第2のワーキングチャネルは、内視鏡のシャフト内に配置され得るか、または、シャフトと並行して延在するチューブなどの外部要素を介して設けられ得る。
【0018】
図14~
図23を参照して示される例などのいくつかの例では、縫合要素は、鋭い先端と縫合糸アンカを受け入れるためのソケットとを有する弓形の針を備え得る。いくつかの例では、縫合糸アンカは、縫合材料の撚り糸の遠位端部に固定されるかまたは取り付けられる球を備え得る。連結要素は、縫合要素の回転が縫合要素に連結要素においてアンカを拾い上げさせかつ/または下ろさせることができるように、第1のワーキングチャネルの遠位にアンカを保持するように構成され得る。したがって、リングギヤにより縫合要素が回転するときに、縫合要素の先端は、アンカおよび縫合材料の遠位端部を組織の第1の側から組織の第2の側へ組織に通して同時に運びながら、組織に通され得る。縫合要素は、縫合要素の先端を組織から引き抜いてアンカを組織の第2の側の所定の位置に残すために、逆回転され得る。アンカは、連結要素に戻って配置され得る。次いで、縫合デバイスは、組織上の異なる位置に再配置され、そのプロセスは繰り返され得る。
【0019】
いくつかの例では、主要構成要素は、主ハウジング、針リングギヤ、および保持リングであって、主ハウジングは、可撓性シャフトに接続されるピニオンギヤを備え、回転源は、内視鏡の長さの外側に離れて配置される小型電気モータであり、小型電気モータは、内視鏡のユーザ制御装置の近くに収容され、針リングギヤは、ピニオンギヤとかみ合う内部ギヤを通じて主ハウジングの周囲に沿って回転することができ、保持リングは、主ハウジングとともにリングギヤを保持する。主ハウジングは、2つのワーキングチャネルのための開口部を有し、一方の開口部は、小型鉗子または真空チューブのアクセスポートのためのものであってもよく、もう一方の開口部は、球および縫合糸組立体のためのものであってもよい。主ハウジングは、内視鏡の先端にぴったり嵌合され、かつ、内視鏡のワーキングチャネルを主ハウジングワーキングチャネルに位置合わせするために平坦面またはピンのような位置決め特徴を有し得る。リングギヤの先端は、球および縫合糸を捕捉するための特徴を有し得る。球および縫合糸組立体は、球および縫合糸のための捕捉ハウジングを有し得る。この球および縫合糸組立体は、内視鏡のワーキングチャネルの近位端部に通すことにより主ハウジングに予め組み付け可能であり、遠位先端において外側に位置すると、捕捉ハウジングは、主ハウジングワーキングチャネルに嵌められ得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】システムを貫通する管腔を示す、分解組立構成における、スコープ、再挿入シース、組織分離デバイス、および縫合アタッチメントを備える内視鏡システムの概略断面図である。
【
図2】スコープの遠位端部に配置された組織分離デバイスおよび縫合アタッチメントならびにスコープの周りに配置された再挿入シースを示す、組み立てられた状態における
図1の内視鏡システムの概略図である。
【
図3】
図1および
図2のスコープに接続された制御ユニットを備える撮像および制御システムの概略図である。
【
図4】スコープに接続された
図3の制御ユニットの概略図である。
【
図5A】
図1~
図4のスコープとともに使用するのに適した光学的および機能的な構成要素を含むカメラモジュールの端面図である。
【
図5B】カメラモジュールの構成要素を示す、
図5Aの断面5B-5Bに沿った断面図である。
【
図6】シャフトのスキンにおけるスリットを示す、本開示の再挿入シースの概略側面図である。
【
図7】再挿入シースの内部管腔を示す、
図6の断面7-7に沿った概略断面図である。
【
図8A】スキンが波形にされるような圧縮状態における、
図6の再挿入シースの概略側面図である。
【
図8B】スキンが拡張されるような延長状態における、
図8Aの再挿入シースの概略側面図である。
【
図9A】圧縮状態における拡張可能支持体を有する
図6の再挿入シースの概略側面図である。
【
図9B】延長状態における
図9Aの再挿入シースの概略側面図である。
【
図10A】圧縮状態における螺旋状支持部材を有する
図6の再挿入シースの概略側面図である。
【
図11】ジッパクロージャ機構を有する本開示の再挿入シースの一セグメントの概略側面図である。
【
図12A】かみ合いレールクロージャ機構を有する本開示の再挿入シースの一セグメントの概略側面図である。
【
図12B】かみ合いレールクロージャ機構のレールを示す、
図12Aの断面12B-12Bに沿った断面図である。
【
図13】管腔と磁力によって閉鎖可能な間隙とを具備する長尺シャフトを備える再挿入シースの概略図である。
【
図14】ギヤシステムおよびシャフトを備える駆動システムを介して電気モータに接続された縫合デバイスを備える内視鏡の概略図である。
【
図15】内視鏡の遠位端部ならびに駆動シャフトおよびピニオンギヤを有するギヤ付き縫合デバイスの分解組立図である。
【
図16】
図15のピニオンギヤと連結するための回転針を有するリングギヤの斜視図である。
【
図17】
図16のリングギヤを
図15の電気縫合デバイスと係合した状態に保持しておくように構成された保持リングの斜視図である。
【
図18】縫合アンカを保持するためのソケットを示す、
図16の回転針の先端の斜視図である。
【
図19】ソケット内に保持された縫合アンカを示す、
図18の回転針の先端の斜視図である。
【
図20】内視鏡のシャフトのワーキングチャネルに対する縫合デバイスを示す、
図15の内視鏡の概略端面図である。
【
図21A】縫合材料チャネルおよび吸引チャネルに対するホーム位置における縫合針を示す、本開示の縫合デバイスの概略図である。
【
図21B】縫合チャネルからアンカを受け取るために時計方向に回転された縫合針の概略図である。
【
図21C】吸引チャネルによって保持された組織に向かって縫合材料を引っ張るために時計方向に回転された縫合針の概略図である。
【
図21D】アンカおよび縫合針を組織に押し通しかつアンカを縫合チャネルへ押し戻すために時計方向に回転された縫合針の概略図である。
【
図21E】アンカを縫合チャネルに残して反時計方向に回転された縫合針の概略図である。
【
図21F】ホーム位置に戻された縫合針および組織を貫通する縫合材料の撚り糸の概略図である。
【
図22】縫合要素を直接駆動するリングギヤの外側ギヤ歯とピニオンギヤが係合する、外部ワーキングチャネルと併せて使用されるギヤ付き縫合デバイスの概略端面図である。
【
図23】オフセッティングギヤを通じて縫合要素を間接的に駆動するためにピニオンギヤがリングギヤの外側ギヤ歯と係合する、外部ワーキングチャネルと併せて使用されるギヤ付き縫合デバイスの概略端面図である。
【
図24】本開示のスコープ、再挿入シース、および縫合アタッチメントを使用して組織を縫合する方法を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、分解状態における内視鏡システム100の概略図である。
図2は、組立状態における
図1の内視鏡システム100の概略図である。
図1および
図2は、同時に論じられる。
図1および
図2は、必ずしも一定の比例に応じて描かれているものではなく、例示する目的のためにある面においては誇張されている場合がある。
【0022】
システム100は、スコープ102、再挿入シース104、組織分離デバイス106、および縫合デバイス108を備え得る。
図1では、スコープ102、再挿入シース104、組織分離デバイス106、および縫合デバイス108は、分解組立構成におけるものである。
図2では、組織分離デバイス106および縫合デバイス108は、スコープ102の遠位端部に配置されており、再挿入シース104は、スコープ102の周りに配置されている。
【0023】
図3~
図5Bを参照してより詳細に説明されるスコープ102は、シャフト110および制御装置112を備えることができ、制御装置112は、グリップ114、制御ノブ116、および連結器118を含むことができる。シャフト110は、管腔119を含む長尺ボディを備え得る。連結器118は、ケーブル120を介して制御ユニット16(
図4)に接続することができる。
【0024】
再挿入シース104は、シャフト122および管腔124を備えることができる。シャフト122は、フランジ128Aおよび128Bを形成するスリット126(
図2)を備えることができる。
【0025】
組織分離デバイス106は、シャフト130、組織分離器132、および制御デバイス134を備えることができる。組織分離器132は、ヒンジ136、ならびに分離器138Aおよび138Bを備えることができる。
【0026】
縫合デバイス108は、連結器140、縫合ボディ142、および制御要素144を備えることができる。連結器140は、管腔146を備えることができる。
【0027】
図2は、シース104の内側に入れ子にされたスコープ102、スコープ102の内側に入れ子にされた組織分離デバイス106、および、スコープ102の端部に連結された縫合デバイス108を示す。したがって、
図1で分かるように、再挿入シース104は、管腔124を備えることができ、スコープ102は、管腔119を備えることができる。
【0028】
本明細書においてより詳細に論じられるように、内視鏡検査システム100は、組織分離デバイス106を含むスコープ102を解剖学的構造に挿入し、続いて縫合デバイス108をスコープ102の遠位端部に組み付ける決定をする能力を提供するように構成され得る。再挿入シース104は、シャフト110が解剖学的構造に挿入されている間にスコープ102のシャフト110に組み付けられ得る。再挿入シース104は、シャフト110の近位端部との組付けを促進するための様々な特徴を含むことができる。例えば、再挿入シース104は、シャフト122がシャフト110上へ径方向に滑らされることを可能にするためのスリット126を含むことができる。さらに、再挿入シース104は、組立てステップおよび挿入ステップを促進する軸方向の収縮および拡張能力を含むことができる。したがって、スコープ102は、再挿入シース104から引き抜かれ、縫合デバイス108と組み立てられて、組織分離デバイス106を伴ってまたは伴わずに再挿入シース104に再挿入され得る。
【0029】
スコープ102は、他の器具のための通路としてだけでなく、操舵性、誘導能力、撮像能力、流体分注および回収能力、ならびに機能上の(例えば、治療上および診断上の)能力を含む完全に機能的な内視鏡として構成され得る。スコープ102の機能性は、
図3~
図5Bの内視鏡14を参照して以下で詳細に説明され、したがって、
図1および
図2では概略的にのみ示されている。
【0030】
「組織分離デバイス」という用語は、本開示にわたって使用されるが、組織分離デバイス106は、別法としてまたはさらに、生物学的物質採取デバイス、生物学的物質回収デバイス、組織採取デバイス、および組織回収デバイスを備えることができる。組織分離デバイス106は、患者内から組織試料を入手、回収、採取、および/または除去するように構成された任意の適切なデバイスとして構成され得る。組織分離デバイス106は、組織などを切断する、スライスする、引っ張る、鋸引きする、打ち抜く、捻る、もしくは穴開けする(auger)ように構成された構成要素またはデバイスなどの、患者と相互作用するための構成要素またはデバイスを備え得る。具体的には、組織分離デバイス106は、刃、パンチ、またはオーガなどの、患者から組織を除去するのに適した任意のデバイスを備えることができる。組織分離デバイス106は、患者の組織の部分を患者の組織の他のより大きな部分から物理的に分離するように構成され得る。さらなる例では、組織分離デバイス106は、すでにまたは自然に分かれているか別個のものである粘液または流体などの、物理的分離を必要としない生物学的物質を、患者から単純に採取するように構成され得る。示された例では、組織分離デバイス106は、ヒンジ136において枢動可能に接続された鋭利なまたは鋸歯状のジョーとして構成された分離器138Aおよび138Bを有する鉗子を備え得る。しかし、組織分離デバイス106は、述べられたように、パンチ、オーガ、刃、鋸、などの、生物学的物質を採取することが可能な様々なデバイスとして構成され得る。組織分離デバイス106は、採取した多量の生物学的物質、例えば組織を分離器138Aと138Bとの間などに保持するように構成され得る。したがって、組織分離デバイス106は、診断解析または処分などのために採取した生物学的物質を入手するために、スコープ102から引き抜かれるように構成され得る。
【0031】
図3は、撮像および制御システム12と内視鏡14とを備える内視鏡検査システム10の概略図である。
図3のシステムは、解析または患者の治療のために組織または他の生物学的物質を患者から除去および入手するのに使用され得る、結腸鏡検査処置、肥満処置、などのような本明細書において説明されるシステム、デバイス、および方法とともに使用するのに適した内視鏡検査システムの説明に役立つ例である。いくつかの例によれば、内視鏡14は、
図1および
図2のスコープ102を備えることができ、また、撮像のため、および/あるいは生検のための1つもしくは複数の採取デバイスまたは解剖学的領域に関連する病状の治療のための1つもしくは複数の治療デバイスの通過を実現するために、解剖学的領域に挿入可能であり得る。内視鏡14は、有利な態様では、撮像および制御システム12と連動しかつ撮像および制御システム12に接続することができる。示された例では、内視鏡14は、エンドビューイング結腸鏡(end-viewing colonoscope)を備えるが、他のタイプの内視鏡が、本開示の特徴および教示とともに使用され得る。
【0032】
撮像および制御システム12は、制御ユニット16、出力ユニット18、入力ユニット20、光源ユニット22、流体源24、および吸引ポンプ26を備えることができる。
【0033】
撮像および制御システム12は、内視鏡検査システム10と連結するための様々なポートを含むことができる。例えば、制御ユニット16は、内視鏡14からデータを受信しかつ内視鏡14にデータを伝達するためのデータ入力/出力ポートを含むことができる。光源ユニット22は、光ファイバーリンクなどを介して光を内視鏡14に送るための出力ポートを含むことができる。流体源24は、流体を内視鏡14に送るためのポートを含むことができる。流体源24は、ポンプおよび流体のタンクを備えることができ、または、外部のタンク、容器、もしくは貯蔵ユニットに接続されてもよい。吸引ポンプ26は、内視鏡14が挿入された解剖学的領域から流体を引き出すことなどのために、内視鏡14を真空にして吸引力を生成するのに使用されるポートを備えることができる。出力ユニット18および入力ユニット20は、内視鏡検査システム10の機能および内視鏡14の視野出力(view output)を制御するために、内視鏡検査システム10のオペレータによって使用され得る。制御ユニット16はさらに、内視鏡14が挿入された解剖学的領域を治療するための信号または他の出力を生成するために使用され得る。いくつかの例では、制御ユニット16は、例えば焼灼、切断、凍結などにより解剖学的領域を治療するための、電気出力、音響出力、流体出力などを生成することができる。内視鏡14は、挿入セクション28、機能セクション30、ならびにケーブルセクション34および連結器セクション36に連結され得るハンドルセクション32を備えることができる。連結器セクション36は、内視鏡14を入力ユニット20、光源ユニット22、流体源24、および吸引ポンプ26などの制御ユニット16の複数の特徴に接続するために、制御ユニット16に接続され得る。
【0034】
挿入セクション28は、ハンドルセクション32から遠位に延在することができ、ケーブルセクション34は、ハンドルセクション32から近位に延在することができる。挿入セクション28は、細長くてよく、かつ、屈曲セクションと、機能セクション30が取り付けられ得る遠位端部とを含むことができる。屈曲セクションは、遠位端部を蛇行した解剖学的通路(例えば、胃、十二指腸、腎臓、尿管、結腸、など)に通して操作するために(例えば、ハンドルセクション32上の制御ノブ38に接続された引張りワイヤによって)制御可能であってもよい。挿入セクション28はまた、1つまたは複数のワーキングチャネル(例えば、内部管腔)を含むことができ、このワーキングチャネルは、細長くてよく、かつ、
図1および
図2の組織分離デバイス106などの機能セクション30の1つまたは複数の治療ツールの挿入を支援することができる。ワーキングチャネルは、ハンドルセクション32と機能セクション30との間に延在することができる。流体通路、ガイドワイヤ、および引張りワイヤなどの追加の機能性もまた、挿入セクション28によって(例えば、吸引通路または灌注通路などを介して)提供され得る。
【0035】
ハンドルセクション32は、ノブ38だけでなくポート40Aを備えることができる。ノブ38は、挿入セクション28を通って延在する引張りワイヤまたは他の作動機構に連結され得る。ポート40A、およびポート40B(
図2)などの他のポートは、様々な電気ケーブル、ガイドワイヤ、補助のスコープ、組織採取デバイス、流体チューブなどを挿入セクション28との連結のためにハンドルセクション32に連結するように構成され得る。例えば、組織分離デバイス106は、ポート40Aを介して内視鏡14に送り込まれ得る。
【0036】
撮像および制御システム12は、いくつかの例によれば、光源ユニット22、吸引ポンプ26、画像処理ユニット42(
図4)などを収容するための棚を有するモバイルプラットフォーム(例えば、カート41)上に設けられ得る。あるいは、
図3および
図4に示された撮像および制御システム12のいくつかの構成要素は、内視鏡を「内蔵型」にするために、内視鏡14上に直接設けられ得る。
【0037】
機能セクション30は、患者の解剖学的構造を治療および診断するための構成要素を備えることができる。機能セクション30は、撮像デバイス、照明デバイス、および起子を備えることができる。機能セクション30は、
図5Aおよび
図5Bのカメラモジュール70を参照してさらに説明されるような、エンドビューイングのために構成された、例えば機能セクション30を遠位にまたは軸方向に越えた視野のために構成された、撮像および照明構成要素を備えることができる。
【0038】
図4は、撮像および制御システム12と内視鏡14とを備える、
図3の内視鏡検査システム10の概略図である。
図4は、内視鏡14に連結された撮像および制御システム12の構成要素を概略的に示し、内視鏡14は、示された例では、エンドビューイング結腸鏡を備える。撮像および制御システム12は、制御ユニット16を備えることができ、制御ユニット16は、光源ユニット22、入力ユニット20、および出力ユニット18の他に、画像処理ユニット42、治療生成器(treatment generator)44、および駆動ユニット46を含むかまたはそれらに連結され得る。連結器セクション36は、内視鏡14を画像処理ユニット42および治療生成器44などの制御ユニット16の複数の特徴に接続するために、制御ユニット16に接続され得る。いくつかの例では、ポート40Aは、ドータースコープもしくは補助のスコープなどの別の器具またはデバイスを内視鏡14に挿入するために使用され得る。そのような器具およびデバイスは、ケーブル47を介して制御ユニット16に独立に接続され得る。いくつかの例では、ポート40Bは、連結器セクション36をビデオ、空気、光、および電気などの様々な入力および出力に接続するために使用され得る。
図14~
図23を参照して以下により詳細に論じられるように、制御ユニット16は、
図14の縫合デバイス302、
図15~
図21Fの縫合デバイス502、
図22の縫合デバイス600、および
図23の縫合デバイス650などの、縫合材料を組織に埋め込むかまたは挿入するためのデバイスを備えるか、そのようなデバイスと通信することができる。制御ユニット16は、内視鏡14の遠位の標的組織を観察するために、カメラを作動させるように構成され得る。同様に、制御ユニット16は、内視鏡14から延在している外科用器具に光を当てるために、光源ユニット22を作動させるように構成され得る。
【0039】
画像処理ユニット42および光源ユニット22は、それぞれ、有線のまたは無線の電気的接続により、内視鏡14と(例えば、機能セクション30において)相互作用することができる。したがって、撮像および制御システム12は、解剖学的領域を照らし、解剖学的領域を表す信号を収集し、解剖学的領域を表す信号を処理し、かつ、解剖学的領域を表す画像を出力ユニット18上に表示することができ、出力ユニット18は、陰極線管、LCDディスプレイ、LEDディスプレイ、および他のグラフィカルユーザーインターフェースを備えることができる。撮像および制御システム12は、所望のスペクトルの光(例えば、広帯域白色光、好ましい電磁波波長を使用した狭帯域撮像、など)を使用して解剖学的領域を照らすために、光源ユニット22を含むことができる。撮像および制御システム12は、信号伝送(例えば、光源からの光出力、遠位端部における撮像システムからのビデオ信号、診断デバイスからの診断およびセンサ信号、など)のために内視鏡14に(例えば、内視鏡コネクタを介して)接続することができる。
【0040】
流体源24(
図1)は、制御ユニット16と通信することができ、かつ、空気、生理食塩水、もしくは他の流体の1つまたは複数の供給源、ならびに関連する流体経路(例えば、空気チャネル、灌注チャネル、吸引チャネル)およびコネクタ(タケノコ継手、流体シール、弁など)を備えることができる。撮像および制御システム12はまた、任意選択の構成要素であり得る駆動ユニット46を含むことができる。駆動ユニット46は、少なくともこの参照により全体として本明細書に組み込まれている「Rotate-to-Advance Catheterization System」と題されたFrassicaらへのPCT Pub.No.WO2011/140118A1で説明されているように、内視鏡14の遠位セクションを前進させるための電動駆動部を備えることができる。
【0041】
図5Aおよび
図5Bは、
図4の胆道鏡14の機能セクション30の一例を示す。
図5Aは、機能セクション30の端面図を示し、
図5Bは、
図5Aの断平面5B-5Bに沿った機能セクション30の断面図を示す。
図5Aおよび
図5Bは、それぞれ、「エンドビューイング内視鏡」(例えば、胃内視鏡、結腸鏡、胆道鏡、など)カメラモジュール70を示す。エンドビューイング内視鏡カメラモジュール70では、照明システムおよび撮像システムは、撮像システムの視角が、内視鏡14の端部に隣接して(例えば、その端部の遠位に)位置する標的解剖学的構造に対応しかつ内視鏡14の中心長手軸線A1と一致するように、配置される。
【0042】
図5Aおよび
図5Bの例では、エンドビューイング内視鏡カメラモジュール70は、ハウジング72、ワーキングチャネル74、流体出口76、照明レンズ78、および対物レンズ80を備えることができる。ハウジング72は、挿入セクション28のための端キャップを備え、それにより管腔82にシールを提供することができる。
【0043】
図5Bで分かるように、挿入セクション28は、管腔82を備えることができ、様々な構成要素が、機能セクション30をハンドルセクション32(
図4)に接続するために管腔82を通して延在され得る。例えば、照明レンズ78は、光伝達器84に接続されてよく、光伝達器84は、光源ユニット22(
図4)まで延在する光ファイバーケーブルまたはケーブル束を備えることができる。同様に、対物レンズ80は、撮像ユニット87に連結されてよく、撮像ユニット87は、配線88に連結されてよい。また、流体出口76は、流体ライン89に連結されてよく、流体ライン89は、流体源24(
図4)まで延在するチューブを備えることができる。いくつかの例では、流体出口76のうちの1つが、洗浄および灌注流体の回収のために、真空に接続されるなどの吸引用に構成された流体ライン89に接続された入口を備え得る。他の長尺要素、例えばチューブ、ワイヤ、ケーブルが、機能セクション30を吸引ポンプ26(
図4)および治療生成器44(
図4)などの内視鏡検査システム10の構成要素に接続するために、管腔82を通って延在し得る。例えば、ワーキングチャネル74は、組織分離デバイス106を含む切断デバイスおよび治療デバイスなどの他の治療構成要素を受け入れるための広径の管腔を備えることができる。
【0044】
内視鏡カメラモジュール70はまた、電荷結合素子(「CCD」センサ)または相補型金属酸化膜半導体(「CMOS」)センサなどの感光性要素を含むことができる。いずれの例でも、撮像ユニット87は、出力ユニット18などのディスプレイ上に表示されるべき画像を表す感光性要素からの信号(例えば、ビデオ信号)を画像処理ユニット42に送信するために、画像処理ユニット42(
図4)に(例えば、有線接続または無線接続を介して)結合され得る。様々な例では、撮像および制御システム12、ならびに撮像ユニット87は、内視鏡検査処置に適した所望の解像度(例えば、少なくとも480p、少なくとも720p、少なくとも1080p、少なくとも4k UHD、など)で出力を提供するように構成され得る。
【0045】
本明細書において説明されるように、ワーキングチャネル74は、組織分離デバイス106を標的組織まで送達するために使用され得る。さらに、縫合デバイス108は、照明レンズ78および対物レンズ80の遠位の縫合機能性を提供するために、ハウジング72の遠位端部分上に配置され得る。さらに、再挿入シース104は、操舵および誘導を伴わずにまたは最小限伴って内視鏡14が解剖学的構造に挿入されることおよび解剖学的構造から引き抜かれることを可能にするために、ハウジング72の近位の挿入セクション28の周りに配置され得る。
【0046】
図6は、シャフト122におけるスリット126を示す、本開示の再挿入シース104の概略側面図である。
図7は、シャフト122内に延在する内部管腔124を示す、
図6の再挿入シース104の概略断面図である。シャフト122は、フランジ128Aおよび128Bを形成するスリット126を含むことができる。いくつかの例では、シャフト122は、回転扉148をさらに備えることができる。
図6および
図7は、同時に論じられる。
【0047】
シャフト122は、軸線A1に沿って第1の近位端部150から第2の遠位端部152まで軸方向に延在することができる。示された例では、フランジ128Aおよび128Bは、ある距離だけ隔離された端面を形成することができる。他の例では、フランジ128Aおよび128Bは、連続的な360度の周囲を形成するために、互いに接触することができる。いくつかの例では、回転可能な扉148が、フランジのうちの一方128Aにおけるチャネルからフランジのうちのもう一方128Bにおけるチャネル内へ延在し得る。回転可能な扉148は、スコープが管腔124の内側に配置されることを可能にするために開かれることが可能であり、次いで、スコープを内部に確保するために回転されて閉じられることが可能である。
【0048】
管腔124は、近位端部150と遠位端部152との間に延在することができる。管腔124は、軸線A1から径方向Rに延在することができる。シャフト122の壁は、厚さTを有することができる。シャフト122の外径D1は、所望の解剖学的構造に収まるように構成され得る。シャフト122の内径D2は、スコープ102(
図1および
図2)のシャフト110の周りに嵌まるサイズとされ得る。シャフト122は、長さLを有するものとして示されており、長さLは、
図8Aおよび
図8Bに示されるように、様々な例において所望に応じて圧縮および拡張され得る。シャフト122は、
図6では原寸に比例して描かれておらず、したがって、示されたものよりも方向Lにおいてより長い場合がある。
【0049】
シャフト122は、任意の適切な生体適合性材料から製作され得る。いくつかの例では、シャフト122は、高分子材料で作られ得る。シャフト122の材料は、再挿入シース104が外科医などのオペレータによる操作を介して変形されることを可能にし得る。例えば、再挿入シース104のオペレータが、スコープ102(
図1)が管腔124の内側に配置されることを可能にするために、フランジ128Aおよび128Bを引き離すことができる。しかし、再挿入シース104は、解剖学的構造内に配置されたときに、解剖学的構造を移動させかつ器具を管腔124に通して案内するための剛性を維持するように構成され得る。厚さTは、シャフト122が
図8Aに示されるように収縮されるかまたはしわくちゃにされるが解剖学的構造を貫通する所望の通路を提供するように延長されることを可能にするように、選択され得る。したがって、厚さTは、オペレータが長さLを手動で縮めるかまたは延長するように選択され得るが、いったん延長されたシャフト122は、形状を維持するように構成され得る。
【0050】
図6は、外側表面154がおおよそ直線状であるように、いかなる圧縮荷重または引張荷重にもさらされていない安静状態におけるシャフト122の完全に延長した長さを示すように意図されている。しかし、シャフト122は、
図8Aに示されるように、長さLを減少させるために圧縮力が与えられ得る。
【0051】
図8Aは、圧縮状態における
図6および
図7の再挿入シース104の概略側面図である。再挿入シース104は、
図8Aの波形状態へと、軸線A1に沿って圧縮され得る。再挿入シース104の外側表面154は、シャフト122の材料にしわが寄せられるにつれて、起伏156を形成するように圧縮され得る。
【0052】
図8Bは、軸線A1に沿った延長状態における
図8Aの再挿入シース104の概略側面図である。したがって、起伏156は、シャフト122にしわが寄せられるにつれて、弱められ得る。いくつかの例では、再挿入シース104は、再挿入シースが所望の配向に選択的に延長および屈曲され得るように、リビングヒンジによって接続された径方向に延在する剛体部分を有する剛体波形プラスチックから製作され得る。
【0053】
いくつかの例では、シャフト122の材料は、シース104が軸線A1に沿って径方向に拡張および収縮されることを可能にするために、柔軟であり得る。シャフト122の材料は、リップストップ材料などの、ウェビングで強化された可撓性高分子シートを含み得る。シース104に径方向の剛性を提供するために、シャフト122は、
図9A~
図10Bを参照して論じられるように、シース104の所望の外径を維持するための様々な補剛手段を備えることができる。
【0054】
図9Aは、収縮状態における、拡張可能な支持体162を有する再挿入シース160の概略側面図である。
図9Bは、延長状態における、
図9Aの再挿入シース160の概略側面図である。
図9Aおよび
図9Bは、同時に論じられる。
【0055】
再挿入シース160は、クロスサポートまたは支柱164Aおよび164Bの追加を伴って、
図6~
図8Bの再挿入シース104と同様に構成され得る。再挿入シース160は、第1の端部167から第2の端部168まで延在し得るボディ166に取り付けられた拡張可能な支持体162を備えることができる。拡張可能な支持体162は、ヒンジ165において接続され得る支柱164Aおよび164Bを備えることができる。スリット169が、ボディ166にわたって延在し得る。スリット169は、ボディ166に沿って延在するものとして概略的に示されている。スリット169は、拡張可能な支持体162の反対側でボディ166上に配置され得る。したがって、
図7の視界のように再挿入シース160の端部から見たときに、支柱164Aおよび164Bは、スリット169がCの端部を形成した状態で、C形状を有することができる。
【0056】
支柱164Aおよび164Bは、管腔124の内側または外側でボディ166の材料に埋め込まれるか取り付けられたワイヤもしくはバーを備え得る。支柱164Aおよび164Bは、ボディ166の材料を軸線A1に対して径方向および周方向に支持するための剛体部材または剛性部材を備え得る。ヒンジ165は、支柱164Aおよび164Bが径方向および周方向の支持をボディ166に提供するために接触を維持しながら互いに対して回転することを可能にするために、枢支点を備えることができる。支柱164Aおよび164Bは、再挿入シース160の軸方向剛性に最小限にしか影響を与えないように構成され得る。
【0057】
ボディ166は、シャフト構造を提供するために、拡張可能な支持体162の上にスキンを設けることができる。スキンは、リップストップ材料などのウェビングで強化された可撓性高分子シートを備えることができる。ボディ166は、再挿入シース160に所望の軸方向剛性を提供するように構成され得る。
【0058】
図9Aは、支柱164Aおよび164Bの端部が互いに接近している折り畳み状態における支柱164Aおよび164Bを示す。しかし、
図9Bで分かるように、支柱164Aおよび164Bは、端部167および168が
図9Aと比較してさらに離れているように再挿入シース160が拡張されるにつれて、ヒンジ165において回転することによって開かれ得る。
【0059】
したがって、再挿入シース160のボディ166は、スコープとの組立てを促進するために、支柱164Aおよび164Bが
図9Aの状態へとヒンジ165において回転されることによって圧縮され得る。再挿入シース160が展開されることが望ましい場合、オペレータは、シース160がスコープ102のシャフト110の上に配置されることを可能にするために、ボディ166をスリット169において周方向に引き離すことができる。具体的には、折り畳まれた再挿入シース160は、シャフト110の遠位端部が患者の解剖学的構造内に配置されている間に、シャフト110の近位端部の上に配置され得る。シャフト110の上に配置されると、オペレータは、再挿入シース160の遠位端部をシャフト110に沿って患者の解剖学的構造に押し込むことができる。述べたように、ボディ166の剛性は、オペレータがボディ166を折り畳まれた構成から伸ばす(unfurrow)ことができるような剛性であり得るが、ボディ166はサイズが追加的に増大するので、ボディ166は、解剖学的構造からの圧力下でそれ特有の形状を維持することができる。支柱164Aおよび164Bは、ボディ166が解剖学的構造に抵抗することを可能にするために、ならびにスコープ102(
図1および
図2)などの他のデバイスおよび器具が内部に挿入されることを可能にするために、再挿入シース160に径方向の補剛を提供することができる。したがって、再挿入シース160の長さL(
図6)は、スコープ102の遠位端部に到達するかまたは遠位端部に接近するのに十分な長さであり得る。再挿入シース160が解剖学的構造内に展開されて、完全に延長されるかまたはスコープ102の端部分に到達するのに十分に延長されると、スコープ102を引き抜くことができ、再挿入シース160は、留まることができる。したがって、内径D2(
図7)は、所望の解剖学的構造へのトンネルを形成するボディを提供することができる。したがって、スコープ102は、元の解剖学的構造へ独立に誘導される必要はなく、所望の解剖学的構造に到達するために再挿入シース160に簡単に挿入され得る。したがって、スコープ102は、
図14~
図23を参照して本明細書において説明される縫合デバイスのうちの1つを取り付けるために再挿入シース160を通じて解剖学的構造から引き抜かれ、次いで、同じ解剖学的構造に到達するために縫合デバイスとともに再挿入され得る。
【0060】
図10Aは、収縮状態における、螺旋状支持部材172を有する再挿入シース170の概略側面図である。
図10Bは、延長状態における、
図10Aの再挿入シース170の概略側面図である。
図10Aおよび
図10Bは、同時に論じられる。
【0061】
再挿入シース170は、端部177と178との間に延在するボディ176を備えることができる。スリット179が、ボディ176に沿って延在し得る。再挿入シース170は、拡張可能な支持体162が螺旋状支持部材172に置き換えられた状態で、
図9Aおよび
図9Bの再挿入シース160と同様に構成され得る。螺旋状支持部材172は、端部177と178との間で再挿入シース170に沿って螺旋状になる剛体部材または剛性部材を備え得る。
【0062】
スリット179は、ボディ176にわたって延在することができる。スリット179は、ボディ176に沿って延在するものとして概略的に示されている。スリット179は、螺旋状支持部材172の反対側でボディ176上に配置され得る。したがって、
図7の視界のように再挿入シース170の端部から見たときに、螺旋状支持部材172は、スリット169がCの端部を形成した状態で、C形状を有することができる。したがって、螺旋状支持部材172は、端部177と178との間で連続的な螺旋形状を形成しない場合があるが、複数の螺旋状セグメントで形成可能である。
【0063】
図9Aおよび
図9Bの拡張可能な支持体162と同様に、螺旋状支持部材172は、解剖学的構造の圧力に逆らう支持を可能にするために、および、器具の挿入のためのトンネルを画定するボディを形成するために、径方向および周方向の補剛をボディ176に提供することができる。しかし、螺旋状支持部材172は、
図9Aおよび
図9Bを参照して説明されたように再挿入シース170の軸方向の収縮および拡張を可能にして展開を可能にするためにボディ176の自然の剛性が利用され得るように、ボディ176の軸方向の拡張および収縮を可能にし得る。
【0064】
図11は、ジッパクロージャ機構182を有する本開示の再挿入シース180の一セグメントの概略側面図である。シース180は、シャフト184およびスリット185を備えることができる。シャフトは、第1の側187Aから第2の側187Bまで延在することができる。ジッパクロージャ機構182は、スリット185の両側の向かい合った歯186Aおよび186Bと、シャットル188とを備えることができる。ジッパクロージャ機構182は、
図11では必ずしも原寸に比例して描かれていない。
図11の再挿入シース180は、再挿入シース104、160および170などの本明細書において説明される任意の再挿入シースと併せて使用され得る。ジッパクロージャ機構182は、スリット126、169および179のいずれかに沿って延在するように構成され得る。
【0065】
歯186Aは、スリット185の1つの側に沿って配置され得る。歯186Bは、スリット185の第2の側に沿って配置され得る。歯186Aおよび186Bは、歯186Aが歯186Bの間に嵌まることができるように、また、その逆も同様であるように、互い違いにされ得る。シャットル188は、歯186Aおよび186Bを結合および分離するために使用され得る。したがって、ジッパクロージャ機構182は、従来の態様でジッパとして機能することができる。
【0066】
ジッパクロージャ機構182は、歯186Aおよび186Bが分離するのを可能にするために、解放され得る。したがって、再挿入シース180は、スコープのシャフトの周りに配置され得る。再挿入シース180は、第1の側187Aが最初に解剖学的構造に入るように遠位に配置された状態で、解剖学的構造に挿入され得る。シャフト184が解剖学的構造内へと遠位に押されるかまたは送り込まれるにつれて、シャットル188は、歯186Aおよび186Bを係合させるために近位に引っ張られ得る。したがって、シャフト184が広げられてさらに解剖学的構造に送り込まれるにつれて、シャットル188は、シャフト184を閉鎖するために前進され得る。
【0067】
図12Aは、かみ合いレールクロージャ機構191を有する本開示の再挿入シース190の一セグメントの概略側面図である。再挿入シース190は、シャフト192およびスリット193を備えることができる。シャフト192は、第1の端部194Aから第2の端部194Bまで延在することができる。かみ合いレールクロージャ機構191は、第1のレール195Aおよび第2のレール195Bを備えることができる。かみ合いレールクロージャ機構191は、
図12Aでは必ずしも原寸に比例して描かれていない。
図12Aの再挿入シース190は、本明細書において説明される再挿入シース104、160および170などの、本明細書において説明される任意の再挿入シースと併せて使用され得る。かみ合いレールクロージャ機構191は、スリット126、169および179のいずれかに沿って延在するように構成され得る。
【0068】
第1のレール195Aおよび第2のレール195Bは、
図13を参照して説明されるように、重なり合う態様でスリット193を形成するシャフト192の端部に設置され得る。
【0069】
図12Bは、
図12Aの再挿入シースクロージャ機構191の断面図である。かみ合いレールクロージャ機構191は、第1のレール195Aおよび第2のレール195Bを備えることができる。第1のレール195Aは、第1の突出部196Aおよび第1のスロット197Aを備えることができる。第2のレール195Bは、第2の突出部196Bおよび第2のスロット197Bを備えることができる。突出部196Aおよび196Bは、球状頭部を備えることができ、スロット197Aおよび197Bの各レールは、球状頭部と係合するように構成された内方に配向された歯を備えることができる。一例では、かみ合いレールクロージャ機構191は、参照により全体として本明細書に組み込まれている、Pawloskiらへの米国特許第7,137,736号に従って構成され得る。
【0070】
図12Bに示されるように、スリット193の端部は、スロット197Aおよび197Bと突出部196Aおよび196Bがそれぞれ相互作用することを可能にするためにシャフト192の部分が重なり合うように、引っ張られ得る。突出部196Aおよびスロット197Aは、重なり合う構成に配置され、ロックするためにオペレータによって互いに圧迫され得る。同様に、突出部196Bおよびスロット197Bは、重なり合う構成に配置され、ロックするためにオペレータによって互いに圧迫され得る。一例では、突出部196Aおよび196Bをスロット197Aおよび197Bと押し合せること、ならびに前述の構成要素を分離することを容易にするために、かみ合いレールクロージャ機構191上にシャットルが設けられ得る。端部194Aおよび194Bのいずれも、最初に解剖学的構造に送り込まれ得る。
【0071】
図13は、管腔124とスリット126とを備える長尺ボディ176を具備する再挿入シース104の概略図である。スリット126は、複数の磁性部材198、および金属ストリップ199を含むことができる。磁性部材198は、磁力を介して金属ストリップ199に引き寄せられ得る。したがって、静止状態では、磁性部材198は、閉じられたスリット126に沿って長尺ボディ176の端部を引っ張ることができる。しかし、磁性部材198は、デバイスまたは物体が径方向において管腔124に入るのを可能にするために、金属ストリップ199から離れるように押され得る。デバイスまたは物体が管腔124に入った後、磁性部材198は、磁気引力を介して金属ストリップ199と係合するように引き戻され得る。したがって、シース104は、スコープ102が解剖学的構造に挿入されている間に、スコープ102のシャフト110上を容易に滑らされ得る。
【0072】
図6~
図13は、一緒にもしくは別々にまたは様々な組み合わせで使用され得る様々な特徴を有する本開示の再挿入シースの例を示す。本開示の再挿入シースは、解剖学的構造を貫通するトンネルを形成するボディを提供することができ、このトンネルは、その中に挿入された別の器具を所望の位置まで案内することができる。再挿入シースは、解剖学的構造内の標的組織部位へ前もって誘導された(例えば、所望の解剖学的特徴および導管を押し通されるように操舵され、旋回され、制御され、かつ操作された)別の器具を使用して、解剖学的構造内に配置され得る。したがって、前もって挿入された器具は、再挿入シースを積極的に誘導することなしにまたは最小限の操作もしくはなだめすかし(cajoling)で再挿入シースを標的組織部位へ向かわせるように、ガイドワイヤに類似した一種のガイド特徴として機能することができる。本明細書において論じられるように、再挿入シースは、器具の軸線に対して径方向における器具上への再挿入シースの配置を可能にするために、周方向に開口可能であり得る。したがって、再挿入シースは、遠位端部が解剖学的構造内に配置されている間に、器具の近位端部上に配置され得る。再挿入シースの材料は、ワイヤまたはバーにより径方向に補強されたスキンを形成することができ、このスキンは、器具の長さの一部分、例えば解剖学的構造に挿入されていない器具の部分上にのみ嵌合するように、軸方向に圧縮可能であり、例えば軸方向に収縮されるかまたは畳まれることが可能である。したがって、再挿入シースは、より容易に操作され得る。挿入された器具の近位部分上に配置されると、再挿入シースは、再挿入シースの遠位部分を器具の周りの患者の解剖学的構造に押し込むために、拡張されるかまたは広げられ得る。軸方向に折り畳み可能な支持特徴が、解剖学的構造を再挿入シースの中心軸線から押し離すための径方向の剛性を再挿入シースに与えるために、使用され得る。したがって、ガイド器具が再挿入シースから除去されると、標的組織部位への直行ルートを提供するための開放的なトンネルが再挿入シース内に提供され得る。
【0073】
図14は、ギヤシステム308およびシャフト310を備える駆動システム306を介して電気モータ304に接続された縫合デバイス302を備える内視鏡300の概略図である。内視鏡300は、縫合デバイス302のための組織を保持するために使用され得る組織係合デバイス311をさらに備えることができる。
【0074】
いくつかの例では、内視鏡300は、シャフト310および組織係合デバイス311のための内部チャネルを有する2チャネル内視鏡を含むことができる。
図22および
図23に示されるように、シャフト310および組織係合デバイス311のどちらかまたは両方が、内視鏡300と並行して延びる外部ワーキングチャネルを通して導入され得る。いくつかの例では、縫合材料を近位位置から引っ張ることを促進する捕捉機構のためのハウジングのために、独立した外部ワーキングチャネルが設けられ、ギヤシステム308のための回転の中心は、縫合要素が外部ワーキングチャネルから留め具を拾い上げるのを可能にするために、内視鏡300の中心から外され得る。
【0075】
内視鏡300は、本明細書において説明されるスコープのいずれかに従って構成可能である。内視鏡300は、シャフト312および制御装置314を備えることができる。制御装置314は、内視鏡300の特徴、ならびにモータ304、縫合デバイス302、および組織係合デバイス311を動作させるように構成され得る。
図14では切り欠かれて示されている内視鏡300のシャフト312は、軸線A4に沿って延在することができる。
【0076】
モータ304は、制御装置314においてなど内視鏡300に連結され得る。モータ304は、制御装置314または外部電源から電力を受け取るように構成された電気モータを含むことができる。いくつかの例では、モータ304は、小型電気モータを含むことができる。さらなる例では、モータ304は、内視鏡300の使用者が機械的利得を伴ってシャフト310に回転を与えることを可能にするために、クランクハンドルもしくはノブなどの手動入力部を備えるか、またはそのような手動入力部に置き換えられ得る。例えば、シャフト310は、コルク抜き様式の回転経路を含む押し/引き機構を利用して機械的に作動され得る。ギヤシステム308は、縫合デバイス302に接続され得る。ギヤシステム308は、縫合デバイス302の一部を含むことができ、または、独立した連結可能な構成要素であり得る。
図14では切り欠かれて示されているシャフト310は、軸線A5に沿って内視鏡300のシャフト312沿いに延在することができる。示された例では、シャフト310は、シャフト312の外部に取り付けられ得る。他の例では、シャフト310は、シャフト312を通って延在することができる。いずれの構成でも、軸線A5は、軸線A4に平行であり得る。しかし、他の例では、シャフト310は、シャフト312と非平行であり得る。
【0077】
縫合デバイス302は、縫合材料を組織に埋め込むかまたは適用するためのデバイスを備えることができる。例えば、縫合デバイス302は、縫合材料を裏側に引っ張ることなどにより縫合材料の1本または複数本の撚り糸を組織に通して延在させるために、針などの縫合要素を前進させるためのデバイスを含むことができる。縫合デバイス302は、縫合要素を前進させるために、シャフト310およびギヤシステム308を通じて伝達されるモータ304の回転出力を利用することができる。ギヤシステム308は、シャフト310の回転出力を縫合デバイス302のための使用に適した入力に変換することができる。いくつかの例では、ギヤシステム308は、スパーギヤシステム、ヘリンボーンギヤシステム、ベベルギヤシステム、ウォームギヤシステム、ラックアンドピニオンギヤシステム、または内部ギヤシステムを含むことができる。いくつかの例では、ギヤシステム308は、軸外縫合(off-axis suturing)を可能にし得る
図22および
図23のギヤシステムを含むことができる。ギヤシステム308は、縫合材料を押してまたは引いて組織に通すために、縫合要素の循環運動または往復運動を生み出すように使用され得る。例えば、縫合要素は、軸線A4の周りで周方向に駆動されるか、または、軸線A4に平行な別の軸線に沿って駆動され得る。いくつかの例では、縫合要素は、同様の周方向において往復運動され得る。他の例では、縫合要素は、軸線A4または軸線A4に平行な別の軸線に沿って往復運動され得る。往復運動の動きは、シャフト310の回転方向を逆転することによって、または、単方向性の回転入力を二方向性の出力に変換することができるクランクシャフトおよびオービタルカップリングなどの機構の使用を介して、生み出され得る。
【0078】
組織係合デバイス311は、縫合要素が組織を通って正確な位置に配置されることを可能にするために、組織を縫合デバイス302に引き寄せて組織を所定の位置に保持することができるデバイスを備えることができる。
図14では切り欠かれて示されている内視鏡300の組織係合デバイス311は、軸線A6に沿って延在することができる。いくつかの例では、組織係合デバイス311は、鉗子などの別のデバイスが組織係合デバイス311を通過することを可能にするためのチューブを備え得る。いくつかの例では、組織係合デバイス311は、吸引チューブを備えることができ、組織を縫合デバイス302に向かって引っ張るために、吸引チューブを通して真空が引かれ得る。組織係合デバイス311は、器具または吸引チューブの挿入、あるいは制御装置314を通じたまたは直接の挿入もしくは連結を介した吸引源への連結を可能にし得る。
【0079】
いくつかの例では、縫合デバイス302および組織係合デバイス311は、従来の内視鏡に連結され得る1つまたは複数のアタッチメントを備えることができる。さらに、縫合デバイス302および組織係合デバイス311は、使用者が取り外すことができないように、内視鏡に組み込まれ得る。様々な例では、縫合デバイス302は、さらなる専用の縫合デバイスを使用しなければならない必要性を排除するために、内視鏡とともに使用され得る。同様に、縫合デバイス302は、例えば、鉗子または吸引チューブを受け入れることができるワーキングチャネルを内視鏡300が含む場合、組織係合デバイス311を伴わずに使用され得る。
【0080】
図15は、内視鏡500、ならびに駆動シャフト504およびピニオンギヤ505を有するギヤ付き縫合デバイス502の分解組立図である。駆動シャフト504は、モータ503に接続され得る。内視鏡500は、本明細書において説明されるスコープのいずれかに従って構成可能である。本明細書において論じられるように、縫合デバイス502は、縫合材料を引きかつ/または押して組織に通すために針、ステープル、シャットルなどのような縫合要素を動かすためのデバイスを備えることができる。いくつかの例では、電気モータ503が、ギヤによる接続を介して弓形のまたは螺旋状の縫合針を移動させるために使用され得る。縫合デバイス502は、内視鏡500に分離可能に取り付けることができるデバイスとして説明されているが、さらなる例では、縫合デバイス502またはその構成要素(例えば、取付けリング524、駆動シャフト504、およびソケット538)は、内視鏡500に直接組み入れられ得る。
【0081】
内視鏡500は、端面508を有するシャフト506を備えることができ、シャフト506は、ワーキングチャネル510および縫合チャネル512の他に、撮像レンズ514、照明レンズ516、灌注チャネル518、補助チャネル519Aおよび519B、ならびに内視鏡において典型的に使用される他の構成要素を含む様々な他の構成要素を含むことができる。器具520が、医学的介入を行うために、ワーキングチャネル510または補助チャネル519Aおよび519B内に配置され得る。示された例では、補助の器具520は、真空チューブを含み得るが、他の例では、鉗子を含み得る。縫合糸チューブ522が、縫合材料を縫合デバイス502に提供するためのデバイスを備え得る。
【0082】
縫合デバイス502は、ピニオンギヤ505が取り付けられ得る取付けリング524を備えることができる。取付けリング524は、縫合デバイス502の他の構成要素が取り付けられ得る主ハウジングを備えることができる。取付けリング524は、端面508の前方に突出する軸方向延長部525を含むことができる。軸方向延長部525は、外径面の周りに延在する座部530を含むことができる。座部530は、保持リング570(
図17)が取り付けられる表面を備えることができる。いくつかの例では、座部530は、肩532が形成され得るように、取付けリング524の外径面の径方向内方に凹められ得る。取付けリング524は、駆動シャフト504を受け入れるためのソケット534を備えることができる。ソケット534は、座部530の軸方向遠位にピニオンギヤ505を保持することができる。取付けリング524は、端板533、出口536、開口部537、およびソケット538をさらに備えることができる。開口部537は、取付けリング524を通じた内視鏡500の端面508の特徴へのアクセスを提供し得る。出口536は、取付けリング524の遠位側へのワーキングチャネル510のアクセスを可能にし得る。ソケット538は、縫合糸チューブ522を受け入れるための受けを備えることができる。端板533は、出口536およびソケット538を固定された関係に保持し得る。ソケット538は、撮像レンズ514および照明レンズ516の遠位にかつそれらの視野内に配置されるように、取付けリング524の遠位に延在するように端板533に取り付けられ得る。
【0083】
取付けリング524は、シャフト506との連結を促進する剛体のまたは柔軟なボディを備えることができる。取付けリング524は、内視鏡500の端面508の周りに嵌まるサイズとされ得る。取付けリング524は、軸線A7に沿って一方の端部から他方の端部まで通過する側壁526を有する環状ボディを備えることができる。シャフト506は、軸線A7に沿って延在することができる。内視鏡500のシャフト506は、内視鏡500に取り付けられた縫合デバイス502を保持するために、同心の態様で側壁526内に嵌合するサイズとされ得る。取付けリング524は、締まり嵌め、ねじ式連結、または他の適切な手段を介してシャフト506に連結され得る。例えば、リング524の側壁526は、シャフト506の外側表面528とねじ式に係合され得る。いくつかの例では、側壁526とシャフト506との間に締まり嵌めが形成され得る。側壁526は、取付けリング524の近位端部まで真っ直ぐに延在することができ、かつ、取付けリング524がシャフト506に沿って近位に押されるのを防ぐために端板533を含むことができる。そのような端板は、縫合糸チューブ522が撮像レンズ514および照明レンズ516の視野内にあることを確実にするために、端面508に対する出口536およびソケット538の適切な配置を確実にすることができる。しかし、側壁526は、露出されるべき十分な端面508がワーキングチャネル510、縫合チャネル512、撮像レンズ514、照明レンズ516、および灌注チャネル518に干渉しないことを可能にすることができる。したがって、取付けリング524は、シャフト506に解放可能に取り付けられ得るキャップを形成することができる。側壁526およびシャフト506は、内視鏡500のワーキングチャネル510、縫合チャネル512、撮像レンズ514、照明レンズ516、および灌注チャネル518と取付けリング524の側壁526との間の適切な配向を提供することなどのために、縫合デバイス502と内視鏡500との間の回転的な位置合わせを容易にするための特徴(
図15では見られない)をさらに含むことができる。いくつかの例では、回転的な位置合わせ特徴は、側壁526上の対応する軸方向に延在するフランジを受け入れることが可能である、特定の周方向位置において端面508内へ延在する、軸方向に延在するチャネル、またはその逆の構成を備えることができる。いくつかの例では、取付けリング524の側壁526は、例えば内視鏡500の縫合チャネル512を取付けリング524のソケット538と位置合わせするために、シャフト506上の対応する平坦面と結合する平坦面のような位置決め特徴を有することができる。
【0084】
縫合糸チューブ522は、縫合撚り糸542、ストッパ544、およびホルダ546が内部に配置されるチューブ540を備えることができる。チューブ540は、遠位端面508から内視鏡500の近位端部まで延在する内部管腔を有する長尺ボディを備えることができる。チューブ540は、縫合材料の供給品が端面508に接続されることを可能にすることができる。したがって、縫合撚り糸542の近位端部は、縫合材料の供給品が縫合デバイス502に提供されるように、スプールに巻かれ得る。縫合撚り糸542の遠位端部は、ストッパまたはアンカ544に接続され得る。ストッパ544は、球または別の形状のボディを備えることができ、これは、縫合デバイス502と係合するための機構を提供し、また、縫合撚り糸542を係止して、例えば組織内の繊維を通過するのを防ぐことができる。ストッパ544は、ストッパ544内の穴に通されてねじ込まれることなどにより、任意の適切な機構を介して縫合撚り糸542に取り付けられ得るか、または、ストッパ544は、縫合撚り糸542上に圧着され得る。ホルダ546は、縫合デバイス502との係合を可能にするためにストッパ544を保持するためのボディを備えることができ、このボディは、縫合撚り糸542をチューブ540から引っ張るように構成され得る。
【0085】
ホルダ546は、ソケット538と同様に成形可能であり、ホルダ546は、ソケット538内に収まるサイズとされ得る。ホルダ546およびソケット538は、縫合デバイス502がストッパ544および縫合撚り糸542と係合するのを可能にするために、ストッパ544を取付けリング524に対して特定の位置に保持するように構成され得る。ホルダ546およびソケット538は、縫合材料がそこを通って延在することを可能にするために、開口通路を軸方向に提供することができる。ホルダ546およびソケット538は、縫合デバイス502がホルダ546およびソケット538を径方向に通過することを可能にするために、径方向開口部を備えることができる。例えば、ソケット538は、上方部分548Aおよび下方部分548Bを備えることができる。同様に、ホルダ546は、上方部分549Aおよび下方部分549Bを備えることができる。ソケット538およびホルダ546は、ストッパ544が縫合デバイス502内にしっかりと収められることを可能にすることができるが、例えば
図16の針552である縫合要素がストッパ544をソケット538およびホルダ546から押しかつ/または引くことも可能にする。いくつかの例では、上方部分548Aおよび下方部分548Bは、ストッパ544の挿入および取出しを容易にするために、径方向外向きの方向に偏向可能であり得る。
【0086】
図16は、
図15のピニオンギヤ505と連結するための回転針552を有するリングギヤ550の斜視図である。リングギヤ550は、縫合デバイス502の構成要素を備えることができる。リングギヤ550は、リングボディ554、フランジ556、ギヤ歯558、および針552を備えることができる。針552は、針ボディ560、および針先端562を備えることができる。ギヤ歯558は、ピニオンギヤ505と係合するように構成され得る。リングギヤ550は、ピニオンギヤ505の径方向外方を指すギヤ歯がギヤ歯558と係合し、また、フランジ556がピニオンギヤ505の遠位先端と係合するように、取付けリング524の軸方向遠位に配置されるように構成され得る。したがって、ピニオンギヤ505は、リングギヤ550を軸線A7の周りで回転するように動かすことができる。
図17を参照して論じられるように、保持リング570は、リングギヤ550を支持するために使用され得る。リングギヤ550は、ギヤ歯558のしっかりとした係合を可能にするために、ステンレス鋼などの剛体材料で作られ得る。
【0087】
針ボディ560は、リングボディ554に連結された第1の端部を有する湾曲したボディ、および、針先端562に取り付けられた第2の端部を備えることができる。いくつかの例では、針ボディ560は、リングボディ554よりも小さな曲率半径を有する弓形のセグメントを備えることができる。いくつかの例では、針ボディ560は、非円形の経路に沿って延在する湾曲したボディを備えることができる。針ボディ560は、ソケット538との係合のために針先端562を配置するように構成され得る。いくつかの例では、針ボディ560は、軸線A7の周りで円周方向に湾曲していることに加えて、針ボディ560が軸線A7に沿って軸方向に延在するように距離D4が距離D3を上回り得るように、螺旋状のまたはコルク抜き状の経路に沿って延在することができる。針ボディ560は、針先端562が組織に通されることを可能にするために、ステンレス鋼などの剛体材料で作られ得る。針ボディ560は、リングボディ554と一体であってもよい。
【0088】
図17は、
図16のリングギヤ550を
図15の取付けリング524と係合した状態にしておくように構成された保持リング570の斜視図である。保持リング570は、縫合デバイス502の構成要素を備えることができる。保持リング570は、リングボディ572、およびフランジ574を備えることができる。保持リング570のリングボディ572は、リングギヤ550のリングボディ554上に嵌合し、かつ、取付けリング524上へ延在することができる。フランジ574は、径方向内方に延在し、かつ、取付けリング524との間にリングギヤ550を捕捉するようにフランジ556に当接することができる。リングボディ572は、締まり嵌めを介して取付けリング524上に嵌合し、かつ、リングギヤ550が取付けリング524と保持リング570との間で自由に回転することを可能にし得る。保持リング570は、ステンレス鋼などの剛体材料、またはプラスチックもしくはゴムなどの弾性材料で作られ得る。
【0089】
図18は、ストッパ544を保持するためのソケット580を示す、
図16の回転針552の先端562の斜視図である。
図19は、ソケット580内に保持されたストッパ544を示す、
図18の回転針552の先端562の斜視図である。
図18および
図19は、同時に論じられる。
【0090】
ソケット580は、円筒形ボディ582、縫合糸ガイド584、および刃586を備えることができる。円筒形ボディ582は、針ボディ560への取付けのための構成要素を備えることができる。円筒形ボディ582は、針ボディ560に連結するために、部分的なもしくは完全なリング、または別の形状のボディを備えることができる。いくつかの例では、円筒形ボディ582は、締まり嵌めを介して針ボディ560に取り付けられ得る。縫合糸ガイド584は、縫合撚り糸542を受け入れるための構成要素またはデバイスを備えることができる。縫合糸ガイド584は、第1のアーム588A、第2のアーム588B、およびノッチ590を備えることができる。縫合糸ガイド584は、ストッパ544が縫合撚り糸542から干渉されずにソケット580内に収められることを可能にするように構成され得る。刃586は、組織を貫くように構成されたボディを備えることができる。刃586は、湾曲した壁592、および刃先594を備えることができる。湾曲した壁592は、縫合糸ガイド584に対向してストッパ544を保持するのと同時に刃先594をストッパ544の遠位に配置するように構成され得る。湾曲した壁592の縁部596Aおよび596Bは、刃先594から縫合糸ガイド584まで傾斜し得る。縁部596Aおよび596Bは、組織に食い込むのを容易にするために鋭利にされ得る。
【0091】
そのように構成すると、ソケット580は、針552が回転されている間ストッパ544を保持するように構成され得る。例えば、ソケット580は、針552が
図16を参照してストッパ544に向かって時計方向に動かされているときにはストッパ544を受けるかまたは保持するが、針552が
図16を参照してストッパ544から離れるように反時計方向に動かされているときにはストッパ544がソケット580から取り出されるのを可能にし得るように、成形され得る。いくつかの例では、縫合撚り糸542にかかる張力が、ソケット580内でのストッパ544の保持を容易にし得る。
【0092】
図20は、内視鏡500のシャフト506のワーキングチャネル510および縫合チャネル512に対する縫合デバイス502を示す、
図15の内視鏡500の概略端面図である。針552は、シャフト506の軸線A7の周りで回転するように構成され得る。針ボディ560は、湾曲していてもよく、また、軸線A7に向かって巻いていてもよい。針ボディ560のベース507は、リングボディ554(
図16)の外径においてリングギヤ550に接続されてもよく、一方で、刃先594は、リングボディ554よりも小さな曲率半径を針ボディ560に与えるために、リングボディ554の内方に配置されてもよい。針552の刃先594は、軸線A7から距離D5のところに配置され得る。縫合チャネル512の中心は、軸線A7から距離D6のところに配置され得る。距離D5は、針552の回転により縫合糸チューブ522(
図15)を介してなど縫合チャネル512から出るストッパ544にソケット580を係合させることができるように、距離D6におおよそ等しくてよい。
【0093】
本開示の回転駆動縫合デバイス、特に
図15~
図20の縫合デバイス502の様々な動作原理が、
図21A~
図21Fを参照して以下の通りに説明される。
【0094】
図21Aは、縫合チャネル512およびワーキングチャネル510に対するホーム位置における縫合針552を示す、本開示の縫合デバイス502の概略図である。
図21Aは、ギヤ付き縫合機構を使用して縫合材料を組織に埋め込むための方法の第1のステップまたは動作に対応し得る。
図21Aのホーム位置では、縫合針552は、刃先594が縫合チャネル512から離れて配置されるように、配置され得る。縫合針552は、縫合チャネル512およびワーキングチャネル510を塞ぐかまたはそれらに干渉することがないように、配置され得る。示された例では、刃先594は、縫合チャネル512からおおよそ180度離れて縫合チャネル512の上方に配置されている。したがって、論述する目的のために、刃先594は、12時の位置にあると見なすことができ、ストッパ544は、ソケット538により6時の位置に保持され得る。
【0095】
ストッパ544は、上方部分548Aと下方部分548Bとの間でソケット538内に保持され得る。ソケット538は、ストッパ544を刃先594の経路内に保持することができる。ソケット538は、針ボディ560が上方部分548Aと下方部分548Bとの間を通過することを可能にするように構成され得る。例えば、上方部分548Aの左側は、下方部分548Bの左側から距離D7だけ間隔を空けられてもよく、上方部分548Aの右側は、下方部分548Bの右側から距離D7だけ間隔を空けられてもよく、それにより、部分的には刃先594は針ボディ560のベース597から軸方向に間隔を空けられているので、刃先594が上方部分548Aと下方部分548Bとの間を通過することが可能になる。いくつかの例では、距離D7およびD8は、等しくてもよい。しかし、他の例では、距離D7およびD8は、ストッパ544が1つの方向のみにおいて挿入されまたソケット538から取り出されることを容易にするために、異なる場合がある。示された例では、距離D7は、距離D8を上回り得る。したがって、刃先594は、ストッパ544を伴わずに時計方向の動きでソケット538の右側に入って、ストッパ544をソケット538の左側でソケット538から取り出すことができ、または、部分548Aおよび548Bの偏向を介してストッパ544を伴って時計方向の動きでソケット538の右側に入って、ストッパ544をソケット538内に配置することができる。また、そのような構成では、刃先594は、部分548Aおよび548Bが刃先594からストッパ544を掴んでいるので、ストッパ544を伴って左からソケット538に入って、ストッパ544をソケット538内に配置することができる。
【0096】
図21Bは、縫合チャネル512からストッパ544を受け取るために時計方向に回転された縫合針552の概略図である。
図21Bは、拾い上げ位置における縫合針552を示す。
図21Bは、ギヤ付き縫合機構を使用して縫合材料を組織に埋め込むための方法の第2のステップまたは動作に対応し得る。
図21Bの拾い上げ位置では、縫合針552は、刃先594が縫合チャネル512に配置されるように、配置され得る。縫合針552は、ワーキングチャネル510にわたって延在することができる。示された例では、刃先594は、縫合チャネル512に配置されている。したがって、論述する目的のために、刃先594は、ソケット580がストッパ544を拾い上げることができる6時の位置にあると見なすことができる。針ボディ560は、刃先594をソケット538内へ移動させるために、モータ503により時計方向に回転され得る。針552のソケット580(
図18)は、ソケット538からストッパ544を受け取ることができる。縫合針552は、
図21Cに示されるように、引き続き回転して11~12時の位置の近くで停止することができる。
【0097】
図21Cは、吸引チャネル510によって保持された組織598に向かって縫合撚り糸542を引っ張るために時計方向に回転された縫合針552の概略図である。
図21Cは、待機位置における縫合針552を示す。
図21Cは、ギヤ付き縫合機構を使用して縫合材料を組織に埋め込むための方法の第3のステップまたは動作に対応し得る。
図21Cの待機位置では、縫合針552は、ストッパ544を備えていてもよく、また、刃先594およびストッパ544が縫合チャネル512およびワーキングチャネル510から離れて配置され得るように、配置され得る。したがって、論述する目的のために、刃先594およびストッパ544は、12時の位置にあると見なすことができる。針ボディ560は、刃先594をソケット538の外へ移動させるために、モータ503により時計方向に回転され得る。針552のソケット580(
図18)は、ストッパ544をソケット538から解放することができる。ストッパ544は、縫合糸ガイド584(
図18)と整列するように位置合わせされ得る縫合撚り糸542を引っ張ることができる。
【0098】
ワーキングチャネル510は、組織598との相互作用を促進するために使用され得る。例えば、鉗子が、組織598を把持するためにワーキングチャネル510から延在され得る。さらなる例では、ワーキングチャネル510から直接に、またはワーキングチャネル510内へ延在した吸引チューブを介して、ワーキングチャネル510から吸引力が印加され得る。鉗子または吸引力は、組織598を拾い上げるかまたは組織598を内視鏡500の近くに引っ張るために使用され得る。具体的には、鉗子または吸引力は、組織598を縫合針552の経路内に保持することができる。鉗子または吸引力は、組織598を3時の位置に保持することができる。
【0099】
図21Dは、ストッパ544および刃先594を組織598に押し通しかつストッパ544を縫合チャネル512まで押すように時計方向に回転された縫合針552の概略図である。
図21Dは、縫合位置における縫合針552を示す。
図21Dは、ギヤ付き縫合機構を使用して縫合材料を組織に埋め込むための方法の第4のステップまたは動作に対応し得る。
図21Dの縫合位置では、針ボディ560は、刃先594およびストッパ544を組織598に通して移動させるために、モータ503により時計方向に回転され得る。示された例では、縫合針552は、刃先594およびストッパ544が縫合チャネル512に戻るように、組織598を通って前進されてよく、また、論述する目的のために、刃先594およびストッパ544は、6時の位置にあると見なすことができる。
【0100】
図21Eは、縫合チャネルに戻ったアンカを残して反時計方向に回転された縫合針の概略図である。
図21Eは、ホーム位置における縫合針552を示す。
図21Eは、ギヤ付き縫合機構を使用して縫合材料を組織に埋め込むための方法の第5のステップまたは動作に対応し得る。
図21Eは、組織598を通って延在する縫合撚り糸542の1つのループを有してホーム位置に戻って配置されている針552を示す。針552は、
図21Dの位置から、ストッパ544をそこから延在する縫合撚り糸542とともにソケット538内に残すように反時計方向に回転され得る。ホーム位置では、針552は、再び、組織598において縫合動作の別のサイクルを行うことができる状態になる。
【0101】
図21Fは、ホーム位置に戻った縫合針および組織を貫通している縫合材料の撚り糸の概略図である。
図21Fは、ホーム位置における縫合針552を示す。
図21Fは、ギヤ付き縫合機構を使用して縫合材料を組織に埋め込むための方法の第6のステップまたは動作に対応し得る。
図21Fは、すでに所定の位置にある縫合撚り糸542の撚り糸とともにステップ1~5を繰り返すように配置された針552を示す。内視鏡500は、縫合デバイス502を組織598上の異なる位置に配置するように移動され得る。したがって、ワーキングチャネル510からの吸引力または鉗子は、解放され得る。縫合デバイス502は、オペレータの動作を介して組織598に沿って再配置され得る。組織598は、ワーキングチャネル510からの鉗子または吸引力によって再び獲得され得る。次いで、針552は、モータ503により時計方向に回転されて、ストッパ544を再び獲得し、ストッパ544を組織598に押し通し、縫合撚り糸542の第2のループを形成した後でストッパ544をソケット538内に再び納置することができる。
【0102】
縫合糸を終端させることは、球および縫合糸を最後のスレッドにおいて輪にして結び目を作り出すユーザの技法を介して達成され得る。小型鉗子は、縫合糸を切るための切刃を有することができる。
【0103】
図22は、外部ワーキングチャネル602と併せて使用されるギヤ付き縫合デバイス600の概略端面図である。ギヤ付き縫合デバイス600は、縫合要素608を直接駆動するリングギヤ606の外側ギヤ歯と係合するピニオンギヤ604を備えることができる。ギヤ付き縫合デバイス600は、スコープ610とともに使用することができ、スコープ610は、シャフト612、ワーキングチャネル614、縫合チャネル616、撮像レンズ618、および発光体620を備えることができる。
図22は、リングギヤ606の外歯を介してリングギヤ606を直接駆動するピニオンギヤ604を示す。縫合要素608は、針552などの針を備えることができ、かつ、リングギヤ606に直接取り付けられ得る。しかし、リングギヤ606の回転の中心は、縫合要素が外部ワーキングチャネル602の前を通過することを可能にするために、スコープ610のシャフト612の中心からオフセットされ得る。取付けリング524(
図15)は、リングギヤ606を支持するために、横向きに(例えば、径方向に)突出するフランジまたは特徴を含むことができる。
図22の例では、外部ワーキングチャネル602は、
図21A~
図21Fのワーキングチャネル510または
図21A~
図21Fの縫合チャネル512と同様に使用され得る。
【0104】
図23は、外部ワーキングチャネル652と併せて使用されるギヤ付き縫合デバイス650の概略端面図である。ギヤ付き縫合デバイス650は、ピニオンギヤ654、リングギヤ656、およびオフセッティングギヤ657を備えることができる。ギヤ付き縫合デバイス650は、スコープ660とともに使用することができ、スコープ660は、シャフト662、ワーキングチャネル664、縫合チャネル666、撮像レンズ668、および発光体670を備えることができる。ピニオンギヤ654の外側ギヤ歯は、オフセッティングギヤ657を通じて縫合要素658を間接的に駆動するために、リングギヤ656の外側ギヤ歯を駆動することができる。リングギヤ656の内側ギヤ歯は、縫合要素658を回転させるために、オフセッティングギヤ657の外側ギヤ歯を駆動することができる。
【0105】
図22および
図23の例は、内視鏡内の2つのワーキングチャネルの使用を必要とすることなしに、本開示の縫合デバイスのアタッチメントが既存の内視鏡に取り付けられることを可能にし得る。したがって、縫合以外の他の処置を行うために、単一ワーキングチャネルのスコープが使用され得るか、または、内視鏡内の第2のワーキングチャネルが使用され得る。
【0106】
本開示の縫合デバイスは、多くの便益を有し得る。例えば、本開示のデバイスは、単純かつ直感的であり得、全厚組織閉鎖(例えば、2cm超)を実現することができ、任意の内視鏡に容易に取り付けられかつ任意の内視鏡に適合することができ、使い勝手の良さ(例えば、頑強な電気式のまたは手動の針駆動機構を伴う円形針)を有することができ、処置時間を短縮することができ、低費用(例えば、$1,000未満)であり得、機械的に頑強であり得る。
【0107】
図24は、本開示のスコープ、再挿入シース、および縫合アタッチメントを使用して組織を縫合する方法400を示すブロック図である。方法400は、
図1ならびに
図2のスコープ102、再挿入シース104、組織分離デバイス106、および縫合デバイス108だけでなく、
図14~
図23のデバイスなどの本明細書において説明されるデバイスのいずれかの使用を包含し得る。
【0108】
ステップ402では、患者が、医療処置の実施について評価され得る。一例では、患者の結腸が組織分離デバイス106(
図1)などの組織採取デバイスで治療される必要があることが、手術前に判定され得る。治療は、病変組織または他の組織の除去を含み得る。患者の導管壁を切開、切断、または穿刺する必要なしに組織が採取され得ることが、手術前に判定され得る。したがって、処置が縫合を伴わないであろうことが、手術前に判定され得る。したがって、手術前の計画は、スコープ102(
図1)などの処置を実施するために使用されるスコープに縫合デバイス108(
図1)などの縫合デバイスを取り付けることを伴わない可能性がある。
【0109】
ステップ404では、スコープが、対象の組織まで解剖学的構造を通って誘導され得る。アクセスポータルまたは切り口が、患者の解剖学的構造に作られ得る。いくつかの例では、スコープ102(
図1)が、患者に挿入されて結腸まで案内され得る。スコープ102の操舵および誘導特徴が、スコープ102の遠位端部を標的組織まで案内するために用いられ得る。例えば、撮像能力が、解剖学的導管の交差部を含む解剖学的構造を可視化するために使用され得る。操舵能力が、スコープ102の遠位端部を所望の導管および所望の導管内の標的組織内へ旋回させるために使用され得る。
【0110】
ステップ406では、医療処置の一部が実施され得る。例えば、ステップ402において手術前に計画された処置の一部が、実施され得る。標的組織は、組織分離デバイス106を使用して採取され得る。標的組織は、病気にかかっている可能性のある組織、または患者の病的状態を表す組織を含み得る。例えば、分離器138Aおよび138Bは、標的組織を採取、分離、および必要であれば保管するために、1回または複数回標的組織に係合するように、制御デバイス134から操作され得る。
【0111】
ステップ408では、実施されている処置が評価され得る。例えば、採取された組織の総量が、十分な量が採取されたかどうかを確かめるために、評価され得る。また、患者は、病変組織の全てが採取されたかどうかを判定するために、評価され得る。評価手順中、患者の解剖学的構造は、出血が生じているかどうかを判定するために再検査され得る。出血が生じている場合、解剖学的構造の導管壁が穿刺されていることが判定され得る。したがって、患者内の切り口が縫合デバイスなどによって閉じられるべきであると判定され得る。したがって、縫合デバイスの挿入を容易にするためにスコープ102が解剖学的構造から引き抜かれるべきであると判定され得る。
【0112】
ステップ410では、スコープ102が患者の解剖学的構造内に挿入されたままである間に、スコープ102に再挿入シースが適用され得る。本明細書において論じられるように、再挿入シース104は、フランジ128Aおよび128B(
図7)の端面を周方向に引き離すことなどによりスリット126を拡大するように操作され得る。したがって、再挿入シース104は、内視鏡102のシャフト110(
図2)の近位部分上で径方向に移動され得る。再挿入シース104は、フランジ128Aおよび128Bの端面が互いに近づけられることを可能にするために、弛緩され得る。さらに、再挿入シース104は、解剖学的構造に挿入されるように軸方向に拡張され得る。例えば、再挿入シース104は、端部150または152(
図6)のうちの一方がスコープ102に沿って摺動されることにより標的解剖学的構造に到達することを可能にするために、
図8Aの圧縮構成から
図8Bの拡張構成に変えられ得る。再挿入シース104は、隣接する解剖学的構造またはスコープ102の特徴にぶつからないようにシャフト110に沿って優しく案内され得る。ジッパクロージャ機構182(
図11)またはかみ合いレールクロージャ機構191(
図12Aおよび
図12B)などの軸方向クロージャ機構が、スリット126を閉じるために使用され得る。軸方向クロージャ機構は、再挿入シースの軸方向展開の前またはその間に用いられ得る。
【0113】
ステップ412では、スコープは再挿入シースから引き抜かれ得る。例えば、スコープ102は、再挿入シース104を通して解剖学的構造から引き抜かれ得る。再挿入シース104は、標的解剖学的構造への通路またはトンネルを径方向に開口して保持するために、解剖学的構造内に留まることができる。
【0114】
ステップ414では、引き抜かれたスコープにアタッチメントが連結され得る。使用されることがステップ408において決定されていたアタッチメントが、スコープに組み付けられ得る。例えば、縫合デバイス108が、スコープ102のシャフト110に取り付けられ得る。
図15を参照すると、取付けリング524は、内視鏡500のシャフト506の遠位端面508の周りに配置され得る。
【0115】
ステップ416では、スコープは、アタッチメントデバイスと一緒に再挿入シースに挿入され得る。縫合デバイス108を含むスコープ102は、再挿入シース104の管腔124(
図1)内へ摺動され得る。
【0116】
ステップ418では、スコープは、標的解剖学的構造に到達するように、再挿入シースに押し込まれ得る。スコープ102は、遠位端面および縫合デバイス108が再挿入シース104の遠位端部において標的解剖学的構造に到達するまで、挿入され得る。
【0117】
ステップ420では、ステップ414においてスコープに組み付けられたアタッチメントデバイスが、使用のために展開され得る。例えば、ホルダ546は、ストッパ544を使用のために配置するために、ソケット538内にロックされ得る。さらに、器具520は、使用のために出口536内に配置され得る。したがって、縫合デバイス502のサイズまたは形状は、再挿入シース104を通したスコープ102のより容易な挿入を可能にするために、展開前段階においてより小さな設置面積を有するようになされ得る。しかし、縫合デバイス502は、展開位置では、器具類および構成要素を延長させて縫合デバイス502と係合させるなど、使用のために構成され得る。
【0118】
ステップ422では、ステップ402において計画されステップ408において評価された外科的処置の別の部分が実施され得る。例えば、縫合デバイス108が、切り口を閉じ出血を止めるために使用され得る。本明細書において説明される様々なモータ駆動縫合要素のいずれかが、推進力を縫合要素に提供して縫合要素を駆動するように作動され得る。さらに、組織分離デバイス106が、さらなる組織を解剖学的構造から除去するために、スコープ102とともに使用され得る。組織分離デバイス106は、縫合デバイス108がシャフト110に取り付けられている間に、管腔119(
図1)に挿入されてシャフト110の遠位端部の外へ延長され得る。したがって、分離器138Aおよび138Bは、使用のために縫合デバイスの近位に配置され得る。
【0119】
その後、方法400は、必要に応じて、スコープおよびアタッチメントデバイスを除去し、スコープを異なる再アタッチメントデバイスとともに再挿入するために、ステップ412に戻ることができ、または、手術を完了するために引き続きステップ424を行うことができる。
【0120】
ステップ424では、再挿入シースは、スコープから除去され得る。例えば、再挿入シース104は、解剖学的構造から除去されるまでスコープ102のシャフト110に沿って近位に摺動され得る。再挿入シース104は、スコープ102から引き離されるようにスリット126において開かれ得る。
【0121】
ステップ426では、スコープは、解剖学的構造から除去され得る。例えば、スコープ102は、解剖学的構造から引き出され得る。あるいは、再挿入シース104およびスコープ102は、一緒に除去され得るか、または、スコープ102が最初に除去され、再挿入シース104が2番目に除去され得る。その後、患者内のアクセスポータルが適切に閉じられ得る。
【0122】
したがって、方法400は、インサイチュスコープの周りに配置され得る手術中再挿入シースを介して患者の解剖学的構造から引き抜かれかつ解剖学的構造に再挿入され得るスコープを使用して医療処置を実施する方法の例を示す。スコープは、本明細書において開示される縫合デバイスなどの補助的なデバイスを取り付けて手術中に決定された切り口の縫合などの付属的な処置を実施するために、手術中に引き抜かれ得る。したがって、縫合アタッチメントなどの補助的なデバイスを使用するかしないかを先験的に決定する必要性が、手術中の決定に延期され得るので、手術前の計画の立案を簡易化することができる。手術中の処置の変更は、再挿入シースの使用によって促進可能であり、この再挿入シースは、再挿入シースに沿って延在する軸方向に延在するスリットの使用などを通じて、患者の解剖学的構造内にすでに設置されたスコープのシャフトの周りに設置され得る。手術中の処置の変更は、縫合デバイスの使用によって促進可能であり、この縫合デバイスは、容易にかつしっかりとスコープに取り付けられ、かつ、スコープの誘導を促進する格納位置から、スコープとの縫合デバイスの使用を促進する展開位置へ変更され得る。したがって、本明細書において説明されるデバイスおよび方法は、医療処置を円滑にし、かつ、より良好な患者予後を促進することができる。
【0123】
様々な注記事項および実施例
実施例1は、スコープシャフトを有するスコープに連結するための縫合システムであって、スコープシャフトに沿って延在するように構成された駆動シャフトと、駆動シャフトを受け入れるためにスコープシャフトの遠位端部に取り付けるように構成された取付けリングと、駆動シャフトの遠位端部に取り付けられたピニオンギヤと、ピニオンギヤと係合して取付けリングに回転可能に取り付けられたリングギヤと、リングギヤに取り付けられた針と、を備える、縫合システムである。
【0124】
実施例2では、実施例1に記載の主題は、駆動シャフトの近位端部に接続された電気モータを任意に含む。
【0125】
実施例3では、実施例1~2のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、駆動シャフトの近位端部に接続された手回しクランクを任意に含む。
【0126】
実施例4では、実施例1~3のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、スコープシャフトを任意に含み、スコープシャフトは、第1のワーキングチャネルを備える。
【0127】
実施例5では、実施例4に記載の主題は、第1のワーキングチャネルに接続された吸引デバイスを任意に含む。
【0128】
実施例6では、実施例4~5のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、第1のワーキングチャネル内に配置された鉗子を任意に含む。
【0129】
実施例7では、実施例4~6のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、スコープシャフトを通って延在する第2のワーキングチャネルを任意に含み、駆動シャフトは、第2のワーキングチャネルを通って延在する。
【0130】
実施例8では、実施例7に記載の主題は、ピニオンギヤが取付けリング内に取り付けられることを、任意に含む。
【0131】
実施例9では、実施例5~8のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、駆動シャフトのための第2のワーキングチャネルを画定するチューブを任意に含み、チューブは、スコープシャフトの外部と並行して延在する。
【0132】
実施例10では、実施例8~9のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、ピニオンギヤが取付けリングの外側に取り付けられることを、任意に含む。
【0133】
実施例11では、実施例4~10のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、取付けリングが、スコープシャフトと取付けリングとを回転的に位置合わせするために第1のワーキングチャネルと整列するように構成された開口部を有する端板をさらに備えることを、任意に含む。
【0134】
実施例12では、実施例1~11のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、取付けリングが、ワーキングチャネルからアンカを受け取るように構成されたアンカキャッチを備えることを、任意に含む。
【0135】
実施例13では、実施例12に記載の主題は、アンカキャッチが、アンカを保持するように構成された上方部分および下方部分を有する円筒形ボディを備え、上方部分と下方部分との間に針のための経路が配置されることを、任意に含む。
【0136】
実施例14では、実施例12~13のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、針が、アンカキャッチからアンカを受け取るように構成されたアンカソケットを備えることを、任意に含む。
【0137】
実施例15では、実施例14に記載の主題は、針が、アンカキャッチと整列するようにリングギヤからスコープシャフトの中心に向かって延在する湾曲した針ボディを備えることを、任意に含む。
【0138】
実施例16では、実施例14~15のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、スコープシャフトから延長可能な縫合糸チューブを任意に含む。
【0139】
実施例17では、実施例16に記載の主題は、アンカキャッチおよびアンカソケット内に収められるように構成された縫合アンカを任意に含み、縫合アンカは、縫合チューブから延在する縫合材料の撚り糸に接続されている。
【0140】
実施例18では、実施例17に記載の主題は、縫合アンカが球を備えることを、任意に含む。
【0141】
実施例19では、実施例16~18のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、縫合チューブが、アンカキャッチに挿入されるように構成されたアンカホルダを備えることを、任意に含む。
【0142】
実施例20では、実施例1~19のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、取付けリングとともにリングギヤを保持するための保持リングを任意に含み、取付けリングは、保持リングと取付けリングとの間にリングギヤを捕捉するために取付けリングが取り付けられる座部を備える。
【0143】
実施例21は、縫合デバイスを内視鏡のシャフトの遠位端部分に連結するステップと、縫合デバイスまでシャフトに沿って延在する駆動シャフトを回転させるステップと、駆動シャフトにより縫合要素を回転させるステップと、縫合要素を移動させて、縫合材料に接続された縫合糸アンカを把持するステップと、縫合要素により縫合材料を引っ張るステップと、組織を縫合要素と整列させるステップと、縫合糸アンカおよび縫合材料を組織に押し通すステップと、を含む、方法である。
【0144】
実施例22では、実施例21に記載の主題は、電気モータにより駆動シャフトを回転させるステップを、任意に含む。
【0145】
実施例23では、実施例21~22のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、手回しクランクにより駆動シャフトを回転させるステップを、任意に含む。
【0146】
実施例24では、実施例21~23のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、吸引を介して組織を縫合要素と整列させるステップを、任意に含む。
【0147】
実施例25では、実施例21~24のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、鉗子を介して組織を縫合要素と整列させるステップを、任意に含む。
【0148】
実施例26では、実施例21~25のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、縫合要素がシャフトの遠位端面上で中心に取り付けられるリングギヤを回転させるステップを、任意に含む。
【0149】
実施例27では、実施例21~26のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、縫合要素がシャフトの遠位端面の中心を外れて取り付けられるリングギヤを回転させるステップを、任意に含む。
【0150】
実施例28では、実施例21~27のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、駆動シャフトに取り付けられたピニオンギヤにより縫合要素を回転させるステップを、任意に含む。
【0151】
実施例29では、実施例21~28のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、駆動シャフトによって駆動されるオフセッティングギヤにより縫合要素を回転させるステップを、任意に含む。
【0152】
実施例30では、実施例1~29のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、縫合デバイスを組織に沿って移動させながら駆動シャフトにより縫合要素を往復運動させるステップを、任意に含む。
【0153】
実施例31では、実施例21~30のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、内視鏡のシャフトから縫合材料を引っ張るステップを、任意に含む。
【0154】
実施例32では、実施例21~31のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、内視鏡のシャフトからシャフトと並行して縫合材料を引っ張るステップを、任意に含む。
【0155】
実施例33では、実施例21~32のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、縫合糸アンカを縫合デバイスの受け内に保持するステップと、縫合要素内のソケットにより縫合糸アンカを受けから取り出すステップと、を任意に含む。
【0156】
実施例34では、実施例21~33のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、縫合要素をホーム位置から第1の方向に回転させて縫合プロセスを開始するステップを、任意に含む。
【0157】
実施例35では、実施例34に記載の主題は、縫合要素を第1の方向に回転させて、シャフトに取り付けられた縫合デバイスのソケットから縫合糸アンカを拾い上げるステップを、任意に含む。
【0158】
実施例36では、実施例35に記載の主題は、縫合要素を第1の方向に回転させて縫合材料を引っ張るステップを、任意に含む。
【0159】
実施例37では、実施例36に記載の主題は、内視鏡を組織上の第1の位置へ移動させるステップと、縫合要素を第1の方向に回転させて縫合糸アンカを組織上の第1の位置に押し通すステップと、を任意に含む。
【0160】
実施例38では、実施例37に記載の主題は、縫合糸アンカをソケット内に納置するステップを、任意に含む。
【0161】
実施例39では、実施例38に記載の主題は、縫合要素を第1の方向とは反対の第2の方向に回転させて、縫合糸アンカをソケット内に残しながら縫合要素を組織から引き抜くステップを、任意に含む。
【0162】
実施例40では、実施例39に記載の主題は、内視鏡を組織上の第2の位置へ移動させ縫合要素と再係合させて縫合糸アンカを第2の位置に押し通すステップを、任意に含む。
【0163】
実施例41は、内視鏡的縫合術のためのシステムであって、近位端部分および遠位端面を備えるスコープシャフトと、近位端部分においてスコープシャフトに連結される電気モータと、電気モータから遠位端面の近位まで延在する駆動シャフトと、遠位端面の遠位へ移動するようにスコープシャフトに移動可能に取り付けられる縫合要素と、駆動シャフトと縫合要素とを接続するギヤシステムと、を備え、ギヤシステムが、駆動シャフトの回転運動を縫合要素の縫合行程に変換するように構成される、システムである。
【0164】
これらの限定的ではない例のそれぞれは、独立し得るか、あるいは、他の例のうちの1つもしくは複数との様々な置換または組み合わせにおいて組み合わせられ得る。
【0165】
上記の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付の図面への言及を含む。図面は、例示として、本発明が実践され得る特定の実施形態を示す。これらの実施形態はまた、本明細書において「例」と呼ばれる。そのような例は、図示または説明された要素の他に、要素を含み得る。しかし、本発明者らは、図示または説明された要素のみが提供される例も意図している。さらに、本発明者らは、本明細書において図示あるいは説明された特定の例(または、その1つもしくは複数の態様)または他の例(または、その1つもしくは複数の態様)に関して、図示または説明された要素(または、その1つもしくは複数の態様)の任意の組み合わせあるいは置換を使用することも意図している。
【0166】
本文献と参照によって組み込まれる任意の文献との間に矛盾する慣用法が存在する場合、本文献における慣用法が優先する。
【0167】
本文献において、「a」または「an」という用語は、特許文献によく見られるように、任意の他の例、あるいは「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」の使用とは無関係に、1つ、または2つ以上を含むように使用される。本文献において、「または(or)」という用語は、そうでないことが示されていない限り、「AまたはB」が「Bを除くA」、「Aを除くB」、ならびに「AおよびB」を含むように、非排他的なまたは(nonexclusive or)を意味するために使用される。本文献において、「含む(including)」および「そこにおいて(in which)」という用語は、「備える(comprising)」および「そこで(wherein)」というそれぞれの用語に相当する分かりやすい英語として使用される。また、以下の特許請求の範囲において、「含む(including)」および「備える(comprising)」という用語は、無制限であり、つまり、請求項においてそのような用語の後に挙げられるものに追加的な要素を含むシステム、デバイス、物品、組成、処方、またはプロセスも、依然としてその請求項の範囲に入るように解釈される。さらに、以下の特許請求の範囲において、「第1の」、「第2の」、および「第3の」、などの用語は、単にラベルとして使用されるものであり、それらの対象に対して数値的な条件を課すようには意図されていない。
【0168】
本明細書において説明される方法例は、少なくとも部分的に機械実施またはコンピュータ実施され得る。いくつかの例は、上記の例において説明されたような方法を実行するように電子デバイスを構成するために動作可能な命令でエンコードされたコンピュータ可読媒体または機械可読媒体を含み得る。そのような方法の実施は、マイクロコード、アセンブリ言語コード、高水準言語コード、などのようなコードを含み得る。そのようなコードは、様々な方法を行うためのコンピュータ可読命令を含み得る。コードは、コンピュータプログラム製品の一部を形成してもよい。さらに、一例では、コードは、実行中にまたは他のタイミングなどに、1つまたは複数の揮発性の、一時的でない、もしくは不揮発性の有形のコンピュータ可読媒体に、明白に記憶され得る。それらの有形のコンピュータ可読媒体の例は、ハードディスク、取外し可能な磁気ディスク、取外し可能な光学ディスク(例えば、コンパクトディスクおよびデジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカードまたはメモリスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、などを含み得るが、これらに限定されない。
【0169】
上記の説明は、例示的であり非限定的であることが意図されている。例えば、上記の例(または、1つもしくは複数のその態様)は、互いの組み合わせで使用され得る。上記の説明を検討した当業者などにより、他の実施形態が使用され得る。要約書は、米国特許法施行規則第1.72条(b)項に従って、読者が技術的開示の本質を手早く確認することを可能にするために提供されるものである。要約書は、特許請求の範囲に記載の範囲または意味を解釈または制限するために使用されるのではないという了解の下で提出される。また、上記の発明を実施するための形態において、様々な特徴は、本開示を合理化するためにグループ化され得る。これは、特許請求されていない開示された特徴がいずれかの請求項にとって不可欠であることを意図するものと解釈されるべきではない。むしろ、発明の主題は、開示された特定の実施形態の全ての特徴を含むものではない可能性がある。したがって、以下の特許請求の範囲は、本明細書において例または実施形態として発明を実施するための形態に組み込まれ、各請求項は、別々の実施形態として独立し、また、そのような実施形態は、様々な組み合わせまたは置換において互いに組み合わせられ得ることが意図されている。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲に準拠して決定されるべきである。
【符号の説明】
【0170】
10 内視鏡検査システム
12 撮像および制御システム
14 内視鏡、胆道鏡
16 制御ユニット
18 出力ユニット
20 入力ユニット
22 光源ユニット
24 流体源
26 吸引ポンプ
28 挿入セクション
30 機能セクション
32 ハンドルセクション
34 ケーブルセクション
36 連結器セクション
38 制御ノブ、ノブ
40A ポート
40B ポート
41 カート
42 画像処理ユニット
44 治療生成器
46 駆動ユニット
47 ケーブル
70 カメラモジュール、内視鏡カメラモジュール、エンドビューイング内視鏡カメラモジュール
72 ハウジング
74 ワーキングチャネル
76 流体出口
78 照明レンズ
80 対物レンズ
82 管腔
84 光伝達器
87 撮像ユニット
88 配線
89 流体ライン
100 内視鏡システム、内視鏡検査システム
102 スコープ、内視鏡
104 再挿入シース
106 組織分離デバイス
108 縫合デバイス
110 シャフト
112 制御装置
114 グリップ
116 制御ノブ
118 連結器
119 管腔
120 ケーブル
122 シャフト
124 管腔
126 スリット
128A フランジ
128B フランジ
130 シャフト
132 組織分離器
134 制御デバイス
136 ヒンジ
138A 分離器
138B 分離器
140 連結器
142 縫合ボディ
144 制御要素
146 管腔
148 回転扉、回転可能な扉
150 近位端部
152 遠位端部
154 外側表面
156 起伏
160 再挿入シース
162 拡張可能な支持体
164A 支柱
164B 支柱
165 ヒンジ
166 ボディ
167 第1の端部
168 第2の端部
169 スリット
170 再挿入シース
172 螺旋状支持部材
176 ボディ、長尺ボディ
177 端部
178 端部
179 スリット
180 再挿入シース
182 ジッパクロージャ機構
184 シャフト
185 スリット
186A 歯
186B 歯
187A 第1の側
187B 第2の側
188 シャットル
190 再挿入シース
191 かみ合いレールクロージャ機構、再挿入シースクロージャ機構
192 シャフト
193 スリット
194A 第1の端部
194B 第2の端部
195A 第1のレール
195B 第2のレール
196A 第1の突出部
196B 第2の突出部
197A 第1のスロット
197B 第2のスロット
198 磁性部材
199 金属ストリップ
300 内視鏡
302 縫合デバイス
304 電気モータ、モータ
306 駆動システム
308 ギヤシステム
310 シャフト
311 組織係合デバイス
312 シャフト
314 制御装置
400 方法
402 ステップ
404 ステップ
406 ステップ
408 ステップ
410 ステップ
412 ステップ
414 ステップ
416 ステップ
418 ステップ
420 ステップ
422 ステップ
424 ステップ
426 ステップ
500 内視鏡
502 縫合デバイス
503 モータ、電気モータ
504 駆動シャフト
505 ピニオンギヤ
506 シャフト
507 ベース
508 端面
510 ワーキングチャネル
512 縫合チャネル
514 撮像レンズ
516 照明レンズ
518 灌注チャネル
519A 補助チャネル
519B 補助チャネル
520 器具
522 縫合糸チューブ
524 取付けリング
525 軸方向延長部
526 側壁
528 外側表面
530 座部
532 肩
533 端板
534 ソケット
536 出口
537 開口部
538 ソケット
540 チューブ
542 縫合撚り糸
544 ストッパ
546 ホルダ
548A 上方部分
548B 下方部分
549A 上方部分
549B 下方部分
550 リングギヤ
552 針、回転針
554 リングボディ
556 フランジ
558 ギヤ歯
560 針ボディ
562 針先端
570 保持リング
572 リングボディ
574 フランジ
580 ソケット
582 円筒形ボディ
584 縫合糸ガイド
586 刃
588A 第1のアーム
588B 第2のアーム
590 ノッチ
592 湾曲した壁
594 刃先
596A 縁部
596B 縁部
597 ベース
598 組織
600 縫合デバイス、ギヤ付き縫合デバイス
602 外部ワーキングチャネル
604 ピニオンギヤ
606 リングギヤ
608 縫合要素
610 スコープ
612 シャフト
614 ワーキングチャネル
616 縫合チャネル
618 撮像レンズ
620 発光体
650 縫合デバイス、ギヤ付き縫合デバイス
652 外部ワーキングチャネル
654 ピニオンギヤ
656 リングギヤ
657 オフセッティングギヤ
658 縫合要素
660 スコープ
662 シャフト
664 ワーキングチャネル
666 縫合チャネル
668 撮像レンズ
670 発光体
A1 中心長手軸線、軸線
A2 軸線
A3 軸線
A4 軸線
A5 軸線
A6 軸線
A7 軸線
D1 外径
D2 内径
D3 距離
D4 距離
D5 距離
D6 距離
D7 距離
D8 距離
L 長さ、方向
R 径方向
T 厚さ
【国際調査報告】