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特表2024-520455内部体腔内で外科手術ロボット組立品を制御するためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】内部体腔内で外科手術ロボット組立品を制御するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/30 20160101AFI20240517BHJP
【FI】
A61B34/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572915
(86)(22)【出願日】2022-05-26
(85)【翻訳文提出日】2024-01-24
(86)【国際出願番号】 US2022031225
(87)【国際公開番号】W WO2022251559
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】63/193,296
(32)【優先日】2021-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522440603
【氏名又は名称】ヴィカリアス・サージカル・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】セオドア・アロンソン
(72)【発明者】
【氏名】ザカリー・デオケディス-スミス
(72)【発明者】
【氏名】サミー・カリファ
(72)【発明者】
【氏名】アダム・サックス
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・キャッタフェ
【テーマコード(参考)】
4C130
【Fターム(参考)】
4C130AA04
4C130AA13
4C130AA22
4C130AA32
4C130AB01
4C130AC05
4C130AD02
4C130AD05
4C130AD07
4C130BA02
(57)【要約】
対象の内部空洞内で外科手術を実施するための方法及びシステムが本明細書に提供される。外科手術ロボットシステムのロボット組立品を制御するための例示的な方法は、ロボット組立品の少なくとも一部分が対象の内部空洞内に配置されている間に、オペレータから第1の制御モード選択入力を受信し、かつ第1の制御モード選択入力に応答して、外科手術ロボットシステムの現在の制御モードを第1の制御モードに変更することと、外科手術ロボットシステムが第1の制御モードにある間に、ハンドコントローラから第1の制御入力を受信することと、第1の制御入力の受信に応答して、ロボットアームの遠位端部に配置されたエンドエフェクタの器具先端の静止位置を維持しながら、カメラ組立品の少なくとも一部分、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分、又はその両方の位置及び/若しくは配向を変更することと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術ロボットシステムのロボット組立品を制御するための方法であって、前記外科手術ロボットシステムが、画像ディスプレイと、オペレータの手の移動を感知するように構成されたハンドコントローラと、を備え、前記ロボット組立品が、カメラ組立品と、第1のロボットアーム及び第2のロボットアームを含むロボットアーム組立品と、を含み、前記方法が、
前記ロボット組立品の少なくとも一部分が対象の内部空洞内に配置されている間に、前記オペレータから第1の制御モード選択入力を受信し、かつ前記第1の制御モード選択入力に応答して、前記外科手術ロボットシステムの現在の制御モードを第1の制御モードに変更することと、
前記外科手術ロボットシステムが前記第1の制御モードにある間に、ハンドコントローラから第1の制御入力を受信することと、
前記第1の制御入力の受信に応答して、前記外科手術ロボットシステムが、前記ロボットアームの遠位端部に配置されたエンドエフェクタの器具先端の静止位置を維持しながら、前記カメラ組立品の少なくとも一部分、前記ロボットアーム組立品の少なくとも一部分、又はその両方の位置及び/若しくは配向を変更することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームが、前記ロボット組立品の仮想胸部を画定し、前記仮想胸部が、前記第1のロボットアームの最近位ジョイントの第1の旋回点と、前記第2のロボットアームの最近位ジョイントの第2の旋回点と、前記カメラ組立品のカメラ撮像中心点との間に延在する胸部平面によって画定され、
前記仮想胸部の旋回中心が、前記第1のロボットアームの前記第1の旋回点と前記第2のロボットアームの前記第2の旋回点とを接続する前記胸部平面内の線セグメントに沿って中間に位置する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の制御モードが、走行アーム制御モード又はカメラ制御モードであり、
前記第1の制御モードが、カメラ制御モードである場合、前記第1の制御入力の受信に応答して、前記外科手術ロボットシステムが、前記ロボットアーム組立品を静止させたままにしながら、現在の視方向に対して前記カメラ組立品の少なくとも1つのカメラの配向及び/又は位置を変更し、
前記第1の制御モードが、走行アーム制御モードである場合、前記第1の制御入力の受信に応答して、前記外科手術ロボットシステムが、前記ロボットアーム組立品の少なくとも一部分を移動させて、仮想胸部旋回中心の場所及び/又は前記現在の視方向に対する前記仮想胸部の配向を変更する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の制御モードが、走行ジェスチャアーム制御モードであり、
前記第1の制御入力が、複数のジェスチャ並進移動入力のうちの1つ、又は複数のジェスチャ回転入力のうちの1つに対応し、
前記第1の制御入力が、前記複数のジェスチャ並進移動入力のうちの1つに対応する場合、前記外科手術ロボットシステムが、前記第1の制御入力に応答して、前記エンドエフェクタの前記器具先端の前記静止位置を維持しながら、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、前記仮想胸部旋回中心の前記場所を変更し、
前記第1の制御入力が、前記複数のジェスチャ回転入力のうちの1つに対応する場合、前記外科手術ロボットシステムが、前記エンドエフェクタの前記器具先端の前記静止位置を維持しながら、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、前記現在の視方向に対する前記仮想胸部の前記配向を変更する、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のジェスチャ並進移動入力が、
引き戻し入力であって、前記ハンドコントローラの感知された前記移動が、前記オペレータの手が前記オペレータの身体に向かって後方に移動することに対応し、かつ前記ジェスチャアーム制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記引き戻し入力に応答して、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、前記仮想胸部旋回中心の前記場所を前記現在の視方向に前方に移動させる、引き戻し入力と、
前方押し出し入力であって、前記ハンドコントローラの前記感知された移動が、前記オペレータの手が前記オペレータの身体から離れる方向に前方へ移動することに対応し、かつ前記ジェスチャアーム制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記前方押し出し入力に応答して、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、前記仮想胸部旋回中心の前記場所を前記現在の視方向から離れる方向に後方へ移動させる、前方押し出し入力と、を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のジェスチャ並進移動入力が、
水平入力であって、前記ハンドコントローラの前記感知された移動が、オペレータの手が前記オペレータの身体に対して水平方向に移動することに対応し、かつ前記ジェスチャアーム制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、表示された現在の画像の現在の視野に対して対応する水平方向に、前記仮想胸部旋回中心の前記場所を移動させ、前記対応する水平方向が、前記水平入力に応答して表示された前記現在の画像の前記現在の視野に対して左の水平方向又は右の水平方向である、水平入力を含むか、又は更に含む、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記複数のジェスチャ並進移動入力が、
垂直入力であって、前記ハンドコントローラの前記感知された移動が、オペレータの手が前記オペレータの身体に対して垂直方向に移動することに対応し、かつ前記ジェスチャアーム制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、表示された現在の画像の現在の視野に対して対応する垂直方向に、前記仮想胸部旋回中心の前記場所を移動させ、前記対応する垂直方向が、前記垂直入力に応答して表示された前記現在の画像の前記現在の視野に対して、垂直上方向又は垂直下方向である、垂直入力を含むか、又は更に含む、請求項4~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記複数のジェスチャ回転入力が、
右ヨー入力であって、左手コントローラの感知された移動が、前記オペレータの左手が前記オペレータの身体から離れる方向に前方へ移動することに対応し、かつ右手コントローラの感知された移動が、前記オペレータの右手が前記オペレータの身体に向かって後方に移動することに対応し、前記ジェスチャアーム制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記右ヨー入力に応答して、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、表示された現在の画像の現在の視野に対して、前記仮想胸部旋回中心の周りで前記胸部平面の配向を右にヨーイングする、右ヨー入力と、
左ヨー入力であって、前記左手コントローラの前記感知された移動が、前記オペレータの左手が前記オペレータの身体に向かって後方に移動することに対応し、かつ前記右手コントローラの前記感知された移動が、前記オペレータの右手が前記オペレータの身体から離れる方向に前方へ移動することに対応し、前記ジェスチャアーム制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記左ヨー入力に応答して、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、前記現在の視野に対して、前記仮想胸部旋回中心の周りで前記胸部平面の配向を左にヨーイングする、左ヨー入力と、を含む、請求項4~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記複数のジェスチャ回転入力が、
ピッチダウン入力であって、前記ハンドコントローラの前記感知された移動が、前記オペレータの手が前方に傾斜することに対応し、かつ前記ジェスチャアーム制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記ピッチダウン入力に応答して、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、表示された現在の画像の現在の視野に対して、前記仮想胸部旋回中心の周りで前記胸部平面の前記配向を下方にピッチングする、ピッチダウン入力と、
ピッチアップ入力であって、前記ハンドコントローラの前記感知された移動及び前記オペレータの手の感知された前記移動が、前記オペレータの手が後方に傾斜することに対応し、かつ前記ジェスチャアーム制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記ピッチアップ入力に応答して、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、前記現在の視野に対して、前記仮想胸部旋回中心の周りで前記胸部平面の前記配向を上方にピッチングする、ピッチアップ入力と、を含むか、又は更に含む、請求項4~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記複数のジェスチャ回転入力が、
時計回りのロール入力であって、左手コントローラの感知された移動が、前記オペレータの左手が垂直に上方へ移動することに対応し、かつ前記右手コントローラの感知された移動が、前記オペレータの右手が垂直に下方へ移動するに対応し、前記ジェスチャアーム制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記時計回りのロール入力に応答して、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、表示された現在の画像の現在の視野に対して、前記仮想胸部旋回中心を通過する前記現在の視方向に対して平行な軸の周りで前記ロボットアーム組立品を時計回りに回転させる、時計回りのロール入力と、
反時計回りのロール入力であって、前記左手コントローラの前記感知された移動が、前記オペレータの左手が垂直に下方に移動することに対応し、かつ前記右手コントローラの前記感知された移動が、前記オペレータの右手が垂直に上方に移動することに対応し、前記ジェスチャアーム制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記反時計回りのロール入力に応答して前記現在の視野に対して、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、前記仮想胸部旋回中心を通過する前記現在の視方向に対して平行な軸の周りで前記ロボットアーム組立品を反時計回りに回転させる、反時計回りのロール入力と、を含むか、又は更に含む、請求項4~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の制御モードが、身体活動アーム制御モードであり、前記身体活動アーム制御モードにおいて、前記ロボットアーム組立品の少なくとも一部分の並進運動の大きさと、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分の前記並進運動の方向と、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分の回転の大きさと、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分の回転軸と、のうちの1つ以上が、少なくとも部分的に、前記ハンドコントローラの前記感知された移動の大きさと、前記ハンドコントローラ間の間隔の感知された変化の大きさと、前記ハンドコントローラ間の横方向の間隔における感知された変化の大きさと、前記ハンドコントローラの移動の方向と、前記第1の制御入力で前記ハンドコントローラを接続する線の配向の感知された変化と、のうちの1つ以上に依存し、
前記第1の制御入力が、複数の異なるタイプの身体活動制御入力のうちの1つに対応する、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の異なるタイプの身体活動入力が、
感知された前記移動ハンドコントローラが前記ハンドコントローラ間の横方向の間隔における変化に対応する、ズーム入力を含み、
前記ハンドコントローラ間の前記横方向の間隔が増加する場合に、前記外科手術ロボットシステムが、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、前記仮想胸部旋回中心の変位の大きさが前記ズーム入力に応答して横方向の間隔における前記変化の大きさに依存する状態で、前記現在の視方向において前記仮想胸部旋回中心の前記場所を前方に移動させ、
前記ハンドコントローラ間の前記横方向の間隔が減少する場合に、前記外科手術ロボットシステムが、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、前記仮想胸部旋回の変位の前記大きさが前記ズーム入力に応答して横方向の間隔における前記変化の前記大きさに依存する状態で、前記現在の視方向に対して前記仮想胸部旋回中心の前記場所を後方に移動させる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記複数の異なるタイプの身体活動入力が、
前記ハンドコントローラの前記感知された移動が前記ハンドコントローラを垂直平面に接続する線の配向における角度変化に対応する、ホイール入力を含むか、又は更に含み、
前記配向における変化が時計回りの回転に対応する場合に、前記外科手術ロボットシステムが、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、前記ホイール入力に応答して、前記仮想胸部の前記角度回転の大きさが前記線の前記配向における前記角度変化の大きさに依存する状態で、表示された現在の画像の現在の視野に対して、前記仮想胸部の前記配向を右に回転させ、
前記配向における変化が反時計回りの回転に対応する場合に、前記外科手術ロボットシステムが、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、前記ホイール入力に応答して、前記仮想胸部の前記角度回転の前記大きさが前記線の前記配向における前記角度変化の前記大きさに依存する状態で、前記現在の視野に対して、前記仮想胸部の前記配向を左に回転させる、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の制御モードが、ジェスチャカメラ制御モードであり、
前記第1の制御入力が、複数のジェスチャ回転入力のうちの1つに対応する、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項15】
前記複数のジェスチャ回転入力が、
右ヨー入力であって、左手コントローラの感知された移動が、前記オペレータの左手が前記オペレータの身体から離れる方向に前方へ移動することに対応し、かつ右手コントローラの感知された移動が、前記オペレータの右手が前記オペレータの身体に向かって後方に移動することに対応し、
前記ジェスチャカメラ制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記右ヨー入力に応答して表示された現在の画像の現在の視野に対して、前記カメラ組立品の少なくとも一部分を移動させて、前記カメラ組立品のヨー回転軸の周りで前記カメラ組立品の1つ以上のカメラの視野方向の配向を右にヨーイングする、右ヨー入力と、
左ヨー入力であって、前記オペレータの左手の前記感知された移動が、前記オペレータの身体に向かって後方に移動する前記オペレータの左手に対応し、かつ前記オペレータの右手の前記感知された移動が、前記オペレータの身体から前方に離れる前記オペレータの右手に対応し、
前記ジェスチャカメラ制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記左ヨー入力に応答して表示された前記現在の画像の前記現在の視野に対して、前記カメラ組立品の少なくとも一部分を移動させて、前記カメラ組立品のヨー回転軸の周りで前記1つ以上のカメラの視野方向の配向を左にヨーイングする、左ヨー入力と、を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数のジェスチャ回転入力が、
ピッチダウン入力であって、前記ハンドコントローラの前記感知された移動が、前方に傾斜する前記オペレータの手に対応し、かつ
前記ジェスチャカメラ制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記ピッチダウン入力に応答して、前記カメラ組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、前記カメラ組立品の前記1つ以上のカメラの前記視野方向の配向を下方にピッチングする、ピッチダウン入力と、
ピッチアップ入力であって、前記ハンドコントローラの前記感知された移動が、前記オペレータの手が後方に傾斜することに対応し、かつ前記ジェスチャカメラ制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記カメラ組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、前記ピッチアップ入力に応答して前記カメラ組立品の前記ピッチ軸の周りで前記1つ以上のカメラの前記視野方向の配向をピッチングする、ピッチアップ入力と、を含むか、又は更に含む、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記複数のジェスチャ回転入力が、
時計回りのロール入力であって、前記ハンドコントローラの前記感知された移動が、前記オペレータの左手が垂直に上方に移動し、かつ前記オペレータの右手が垂直に下方に移動することに対応し、前記ジェスチャカメラ制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記カメラ組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、前記時計回りのロール入力に応答して前記現在の視方向に対して平行な軸の周りで1つ以上のカメラを時計回りに回転させる、時計回りのロール入力と、
反時計回りのロール入力であって、前記ハンドコントローラの前記感知された移動が、前記オペレータの左手が垂直に下方に移動し、かつ前記オペレータの右手が垂直に上方に移動することに対応し、前記ジェスチャカメラ制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記カメラ組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、前記反時計回りのロール入力に応答して前記現在の視方向に対して平行な軸の周りで前記1つ以上のカメラを反時計回りに回転させる、反時計回りのロール入力と、を含むか、又は更に含む、請求項14~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の制御モード選択入力が、前記ハンドコントローラの一方又は両方の入力機構を介して受信される、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の制御モード選択入力が、オペレータコンソール上の制御を介して受信される、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の制御モード選択入力が、フットペダルを介して受信される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
第2のモード選択入力を受信することと、前記外科手術ロボットシステムの現在の制御モードを第2の制御モードに変更することと、を更に含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の制御モードが、走行アーム制御モードであり、前記第2の制御モードが、カメラ制御モードである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の制御モードが、走行アーム制御モードであり、前記第2の制御モードが、異なる走行アーム制御モードである、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の制御モードが、カメラ制御モードであり、前記第2の制御モードが、アーム制御モードである、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記第2の制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記ハンドコントローラの移動に関係なく、前記ロボット組立品を静止位置及び静止構成に維持する、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記第2の制御モードが、デフォルト制御モードである、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項27】
前記第2のモード選択入力が、前記オペレータが前記第1の制御入力を生成するために、前記オペレータによって作動及び保持又は押下された少なくとも1つのオペレータ制御を解放することに対応する、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記第2のモード選択入力が、前記第1の制御入力を生成するために、前記オペレータによって作動されたものと同じオペレータ制御を前記オペレータが作動させることに対応する、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記第1のモード選択入力が、前記オペレータが第1のオペレータ制御を作動させることに対応し、かつ前記第2のモード選択入力が、前記オペレータが異なる第2のオペレータ制御を作動させることに対応する、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
第3のモード選択入力を受信することと、それに応答して、現在の制御モードを第3の制御モードに変更することと、を更に含む、請求項21~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記第3の制御モードが、前記第2の制御モードと同じである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記第3の制御モードが、前記第1の制御モード及び前記第2の制御モードとは異なる、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記ロボット外科手術システムが、タッチスクリーンディスプレイを更に備え、
前記第3の制御モードが、モデル操作制御モードであり、前記方法が、前記第3のモード選択入力の受信に応答して、前記ロボット組立品の表現を表示することと、
前記表示されたロボット組立品の少なくとも一部分を選択する第1のタッチスクリーンオペレータ入力を検出することと、
前記オペレータが前記ロボット組立品の前記選択された少なくとも前記一部分の前記表現をドラッグして、前記タッチスクリーン上に表示される前記表現の前記ロボット組立品の前記選択された少なくとも前記一部分の位置及び/又は配向を変更することに対応する、第2のタッチスクリーンオペレータ入力を検出することと、
前記検出された第2のタッチスクリーンオペレータ入力に応答して、前記エンドエフェクタの前記器具先端の静止位置を維持しながら、前記選択された少なくとも1つの構成要素に対応する前記ロボット組立品の1つ以上の構成要素を移動させることと、を更に含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
対象の内部空洞内で外科手術を実施するための外科手術ロボットシステムであって、前記外科手術ロボットシステムが、
前記外科手術ロボットシステムを操作するように動作するハンドコントローラと、
計算ユニットであって、
前記ハンドコントローラからオペレータ生成移動データを受信し、かつ前記外科手術ロボットシステムの現在の制御モードに基づいて応答して制御信号を生成することと、
前記外科手術ロボットシステムの現在の制御モードを、前記外科手術ロボットシステムの複数の制御モードのうちの選択された1つに応答して変更するための制御モード選択入力を受信することと、を行うように構成されている、計算ユニットと、
カメラ組立品と、
使用中に前記内部空洞内に挿入されるように構成されたロボットアーム組立品であって、前記ロボットアーム組立品が、
前記第1のロボットアームの遠位端部に配置された第1のエンドエフェクタを含む、第1のロボットアームと、
前記第2のロボットアームの遠位端部に配置された第2のエンドエフェクタを含む、第2のロボットアームと、を含む、ロボットアーム組立品と、
前記カメラ組立品から画像を出力するための画像ディスプレイと、を備える、外科手術ロボットシステム。
【請求項35】
前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームが、ロボット組立品の仮想胸部を画定し、前記仮想胸部が、前記第1のロボットアームの最近位ジョイントの第1の旋回点と、前記第2のロボットアームの最近位ジョイントの第2の旋回点と、前記カメラ組立品のカメラ撮像中心点との間に延在する胸部平面によって画定され、
前記仮想胸部の旋回中心が、前記第1のロボットアームの前記第1の旋回点と前記第2のロボットアームの前記第2の旋回点とを接続する前記胸部平面内の線セグメントに沿って中間に位置し、
前記計算ユニットが、コンピュータ可読命令を実行して、前記外科手術ロボットシステムの前記複数の制御モードを提供するように構成された1つ以上のプロセッサを含み、
前記複数の制御モードが、走行アーム制御モード及び/又はカメラ制御モードを含み、
前記外科手術ロボットシステムが、カメラ制御モードにあり、第1の制御入力が、前記第1の制御入力に応答して、前記オペレータの手の感知された移動に関して、ハンドコントローラから受信され、前記外科手術ロボットシステムが、前記カメラ組立品の少なくとも一部分を移動させて、前記ロボットアーム組立品を静止させたままにしながら、現在の視方向に対して前記カメラ組立品の少なくとも1つのカメラの配向及び/又は位置を変更し、
前記外科手術ロボットシステムが、走行アーム制御モードにあり、前記第1の制御入力が、前記第1の制御入力の受信に応答して、前記オペレータの手の前記感知された移動に関して、ハンドコントローラから受信され、前記外科手術ロボットシステムが、前記ロボットアームの遠位端部に配置されたエンドエフェクタの器具先端の静止位置を維持しながら、前記ロボットアーム組立品の少なくとも一部分を移動させて、前記現在の視方向に対して仮想胸部旋回中心の場所及び/又は前記仮想胸部の配向を変更する、請求項34に記載の外科手術ロボットシステム。
【請求項36】
前記複数の制御モードが、走行ジェスチャアーム制御モードを含み、第1の制御入力が、複数のジェスチャ並進移動入力のうちの1つ又は複数のジェスチャ回転入力のうちの1つに対応し、
前記第1の制御入力が、前記複数のジェスチャ並進移動入力のうちの1つに対応する場合、前記外科手術ロボットシステムが、前記第1の制御入力に応答して、前記エンドエフェクタの前記器具先端の前記静止位置を維持しながら、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、前記仮想胸部旋回中心の前記場所を変更し、
前記第1の制御入力が、前記複数のジェスチャ回転入力のうちの1つに対応する場合、前記外科手術ロボットシステムが、前記エンドエフェクタの前記器具先端の前記静止位置を維持しながら、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、前記現在の視方向に対する前記仮想胸部の前記配向を変更する、請求項35に記載の外科手術ロボットシステム。
【請求項37】
前記複数のジェスチャ並進移動入力が、
引き戻し入力であって、前記ハンドコントローラの前記感知された移動が、前記オペレータの手が前記オペレータの身体に向かって後方に移動することに対応し、かつ前記ジェスチャアーム制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記引き戻し入力に応答して、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、前記仮想胸部旋回中心の前記場所を前記現在の視方向に前方に移動させる、引き戻し入力と、
前方押し出し入力であって、前記ハンドコントローラの前記感知された移動が、前記オペレータの手が前記オペレータの身体から離れる方向に前方へ移動することに対応し、かつ前記ジェスチャアーム制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記前方押し出し入力に応答して、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、前記仮想胸部旋回中心の前記場所を前記現在の視方向から離れる方向に後方へ移動させる、前方押し出し入力と、を含む、請求項36に記載の外科手術ロボットシステム。
【請求項38】
前記複数のジェスチャ並進移動入力が、
水平入力であって、前記ハンドコントローラの前記感知された移動が、オペレータの手が前記オペレータの身体に対して水平方向に移動することに対応し、かつ前記ジェスチャアーム制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、表示された現在の画像の現在の視野に対して対応する水平方向に、前記仮想胸部旋回中心の前記場所を移動させ、前記対応する水平方向が、前記水平入力に応答して表示された前記現在の画像の前記現在の視野に対して左の水平方向又は右の水平方向である、水平入力を含むか、又は更に含む、請求項36又は37に記載の外科手術ロボットシステム。
【請求項39】
前記複数のジェスチャ並進移動入力が、
垂直入力であって、前記ハンドコントローラの前記感知された移動が、オペレータの手が前記オペレータの身体に対して垂直方向に移動することに対応し、かつ前記ジェスチャアーム制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、表示された現在の画像の現在の視野に対して対応する垂直方向に、前記仮想胸部旋回中心の前記場所を移動させ、前記対応する垂直方向が、前記垂直入力に応答して表示された前記現在の画像の前記現在の視野に対して、垂直上方向又は垂直下方向である、垂直入力を含むか、又は更に含む、請求項32~38のいずれか一項に記載の外科手術ロボットシステム。
【請求項40】
前記複数のジェスチャ回転入力が、
右ヨー入力であって、左手コントローラの感知された移動が、前記オペレータの左手が前記オペレータの身体から離れる方向に前方へ移動することに対応し、かつ右手コントローラの感知された移動が、前記オペレータの右手が前記オペレータの身体に向かって後方に移動することに対応し、前記ジェスチャアーム制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記右ヨー入力に応答して、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、表示された現在の画像の現在の視野に対して、前記仮想胸部旋回中心の周りで前記胸部平面の配向を右にヨーイングする、右ヨー入力と、
左ヨー入力であって、前記左手コントローラの前記感知された移動が、前記オペレータの左手が前記オペレータの身体に向かって後方に移動することに対応し、かつ前記右手コントローラの前記感知された移動が、前記オペレータの右手が前記オペレータの身体から離れる方向に前方へ移動することに対応し、前記ジェスチャアーム制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記左ヨー入力に応答して、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、前記現在の視野に対して、前記仮想胸部旋回中心の周りで前記胸部平面の配向を左にヨーイングする、左ヨー入力と、を含む、請求項36~39のいずれか一項に記載の外科手術ロボットシステム。
【請求項41】
前記複数のジェスチャ回転入力が、
ピッチダウン入力であって、前記ハンドコントローラの前記感知された移動が、前記オペレータの手が前方に傾斜することに対応し、かつ前記ジェスチャアーム制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記ピッチダウン入力に応答して、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、表示された現在の画像の現在の視野に対して、前記仮想胸部旋回中心の周りで前記胸部平面の前記配向を下方にピッチングする、ピッチダウン入力と、
ピッチアップ入力であって、前記ハンドコントローラの前記感知された移動及び前記オペレータの手の前記感知された移動が、前記オペレータの手が後方に傾斜することに対応し、かつ前記ジェスチャアーム制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記ピッチアップ入力に応答して、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、前記現在の視野に対して、前記仮想胸部旋回中心の周りで前記胸部平面の前記配向を上方にピッチングする、ピッチアップ入力と、を含むか、又は更に含む、請求項32~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記複数のジェスチャ回転入力が、
時計回りのロール入力であって、左手コントローラの感知された移動が、前記オペレータの左手が垂直に上方へ移動するに対応し、かつ前記右手コントローラの感知された移動が、前記オペレータの右手が垂直に下方へ移動するに対応し、前記ジェスチャアーム制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記時計回りのロール入力に応答して、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、表示された現在の画像の現在の視野に対して、前記仮想胸部旋回中心を通過する前記現在の視方向に対して平行な軸の周りで前記ロボットアーム組立品を時計回りに回転させる、時計回りのロール入力と、
反時計回りのロール入力であって、前記左手コントローラの前記感知された移動が、前記オペレータの左手が垂直に下方に移動することに対応し、かつ前記右手コントローラの前記感知された移動が、前記オペレータの右手が垂直に上方に移動することに対応し、前記ジェスチャアーム制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記反時計回りのロール入力に応答して前記現在の視野に対して、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、前記仮想胸部旋回中心を通過する前記現在の視方向に対して平行な軸の周りで前記ロボットアーム組立品を反時計回りに回転させる、反時計回りのロール入力と、を含むか、又は更に含む、請求項36~41のいずれか一項に記載の外科手術ロボットシステム。
【請求項43】
前記複数の制御モードが、身体活動アーム制御モードであり、前記身体活動アーム制御モードにおいて、前記ロボットアーム組立品の少なくとも一部分の並進運動の大きさと、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分の前記並進運動の方向と、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分の回転の大きさと、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分の回転軸と、のうちの1つ以上が、少なくとも部分的に、前記ハンドコントローラの前記感知された移動の大きさと、前記ハンドコントローラ間の間隔の感知された変化の大きさと、前記ハンドコントローラ間の横方向の間隔における感知された変化の大きさと、前記ハンドコントローラの移動の方向と、前記第1の制御入力で前記ハンドコントローラを接続する線の配向の感知された変化と、のうちの1つ以上に依存し、
前記第1の制御入力が、複数の異なるタイプの身体活動制御入力のうちの1つに対応する、請求項35に記載の外科手術ロボットシステム。
【請求項44】
前記複数の異なるタイプの身体活動入力が、
感知された前記移動ハンドコントローラが前記ハンドコントローラ間の横方向の間隔における変化に対応する、ズーム入力を含み、
前記ハンドコントローラ間の前記横方向の間隔が増加する場合に、前記外科手術ロボットシステムが、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、前記仮想胸部旋回中心の変位の大きさが前記ズーム入力に応答して前記横方向の間隔における前記変化の大きさに依存する状態で、前記現在の視方向において前記仮想胸部旋回中心の前記場所を前方に移動させ、
前記ハンドコントローラ間の前記横方向の間隔が減少する場合に、前記外科手術ロボットシステムが、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、前記仮想胸部旋回の変位の前記大きさが前記ズーム入力に応答して横方向の間隔における前記変化の前記大きさに依存する状態で、前記現在の視方向に対して前記仮想胸部旋回中心の前記場所を後方に移動させる、請求項43に記載の外科手術ロボットシステム。
【請求項45】
前記複数の異なるタイプの身体活動入力が、
前記ハンドコントローラの前記感知された移動が前記ハンドコントローラを垂直平面に接続する線の配向における角度変化に対応する、ホイール入力を含むか、又は更に含み、
前記配向における変化が時計回りの回転に対応する場合に、前記外科手術ロボットシステムが、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、前記ホイール入力に応答して、前記仮想胸部の前記角度回転の大きさが前記線の前記配向における前記角度変化の大きさに依存する状態で、表示された現在の画像の現在の視野に対して、前記仮想胸部の前記配向を右に回転させ、
前記配向における変化が反時計回りの回転に対応する場合に、前記外科手術ロボットシステムが、前記ロボットアーム組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、前記ホイール入力に応答して、前記仮想胸部の前記角度回転の前記大きさが前記線の前記配向における前記角度変化の前記大きさに依存する状態で、前記現在の視野に対して、前記仮想胸部の前記配向を左に回転させる、請求項43又は44に記載の外科手術ロボットシステム。
【請求項46】
前記複数の制御モードが、ジェスチャカメラ制御モードを含み、
前記第1の制御入力が、複数のジェスチャ回転入力のうちの1つに対応する、請求項35に記載の外科手術ロボットシステム。
【請求項47】
前記複数のジェスチャ回転入力が、
右ヨー入力であって、左手コントローラの感知された移動が、前記オペレータの左手が前記オペレータの身体から離れる方向に前方へ移動することに対応し、かつ右手コントローラの感知された移動が、前記オペレータの右手が前記オペレータの身体に向かって後方に移動することに対応し、
前記ジェスチャカメラ制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記右ヨー入力に応答して表示された現在の画像の現在の視野に対して、前記カメラ組立品の少なくとも一部分を移動させて、前記カメラ組立品のヨー回転軸の周りで前記カメラ組立品の1つ以上のカメラの視野方向の配向を右にヨーイングする、右ヨー入力と、
左ヨー入力であって、前記オペレータの左手の前記感知された移動が、前記オペレータの身体に向かって後方に移動する前記オペレータの左手に対応し、かつ前記オペレータの右手の前記感知された移動が、前記オペレータの身体から前方に離れる前記オペレータの右手に対応し、
前記ジェスチャカメラ制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記左ヨー入力に応答して表示された前記現在の画像の前記現在の視野に対して、前記カメラ組立品の少なくとも一部分を移動させて、前記カメラ組立品のヨー回転軸の周りで前記1つ以上のカメラの視野方向の配向を左にヨーイングする、左ヨー入力と、を含むか、又は更に含む、請求項46に記載の外科手術ロボットシステム。
【請求項48】
前記複数のジェスチャ回転入力が、
ピッチダウン入力であって、前記ハンドコントローラの前記感知された移動が、前方に傾斜する前記オペレータの手に対応し、かつ
前記ジェスチャカメラ制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記カメラ組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、前記ピッチダウン入力に応答して前記カメラ組立品の前記1つ以上のカメラの前記視野方向の配向を下方にピッチングする、ピッチダウン入力と、
ピッチアップ入力であって、前記ハンドコントローラの前記感知された移動が、前記オペレータの手が後方に傾斜することに対応し、かつ前記ジェスチャカメラ制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記カメラ組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、前記ピッチアップ入力に応答して前記カメラ組立品の前記ピッチ軸の周りで前記1つ以上のカメラの前記視野方向の配向をピッチングする、ピッチアップ入力と、を含むか、又は更に含む、請求項46又は47に記載の外科手術ロボットシステム。
【請求項49】
前記複数のジェスチャ回転入力が、
時計回りのロール入力であって、前記ハンドコントローラの前記感知された移動が、前記オペレータの左手が垂直に上方に移動し、かつ前記オペレータの右手が垂直に下方に移動することに対応し、前記ジェスチャカメラ制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記カメラ組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、前記時計回りのロール入力に応答して前記現在の視方向に対して平行な軸の周りで1つ以上のカメラを時計回りに回転させる、時計回りのロール入力と、
反時計回りのロール入力であって、前記ハンドコントローラの前記感知された移動が、前記オペレータの左手が垂直に下方に移動し、かつ前記オペレータの右手が垂直に上方に移動することに対応し、前記ジェスチャカメラ制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記カメラ組立品の少なくとも前記一部分を移動させて、前記反時計回りのロール入力に応答して前記現在の視方向に対して平行な軸の周りで前記1つ以上のカメラを反時計回りに回転させる、反時計回りのロール入力と、を含むか、又は更に含む、請求項46~48のいずれか一項に記載の外科手術ロボットシステム。
【請求項50】
前記第1の制御モード選択入力が、前記ハンドコントローラの一方又は両方の入力機構を介して受信される、請求項34~49のいずれか一項に記載の外科手術ロボットシステム。
【請求項51】
前記第1の制御モード選択入力が、オペレータコンソール上の制御を介して受信される、請求項34~49のいずれか一項に記載の外科手術ロボットシステム。
【請求項52】
前記第1の制御モード選択入力が、フットペダルを介して受信される、請求項51に記載の外科手術ロボットシステム。
【請求項53】
前記選択された制御モードが、第1の制御モードであり、前記計算ユニットが、
第2のモード選択入力を受信することと、前記外科手術ロボットシステムの現在の制御モードを、前記複数の制御モードのうちの第2の制御モードに変更することと、を更に行うように構成されている、請求項34~52のいずれか一項に記載の外科手術ロボットシステム。
【請求項54】
前記第1の制御モードが、走行アーム制御モードであり、前記第2の制御モードが、異なる走行アーム制御モードである、請求項53に記載の外科手術ロボットシステム。
【請求項55】
前記第1の制御モードが、走行アーム制御モードであり、前記第2の制御モードが、異なる走行アーム制御モードである、請求項53に記載の外科手術ロボットシステム。
【請求項56】
前記第1の制御モードが、カメラ制御モードであり、前記第2の制御モードが、アーム制御モードである、請求項53に記載の外科手術ロボットシステム。
【請求項57】
前記第2の制御モードにあるときに、前記外科手術ロボットシステムが、前記ハンドコントローラの移動に関係なく、前記ロボット組立品を静止位置及び静止構成に維持する、請求項53に記載の外科手術ロボットシステム。
【請求項58】
前記第2の制御モードが、デフォルト制御モードである、請求項53又は54に記載の外科手術ロボットシステム。
【請求項59】
前記第2のモード選択入力が、前記オペレータが前記第1の制御入力を生成するために、前記オペレータによって作動及び保持又は押下された少なくとも1つのオペレータ制御を解放することに対応する、請求項53に記載の外科手術ロボットシステム。
【請求項60】
前記第2のモード選択入力が、前記第1の制御入力を生成するために、前記オペレータによって作動されたものと同じオペレータ制御を前記オペレータが作動させることに対応する、請求項53に記載の外科手術ロボットシステム。
【請求項61】
前記第1のモード選択入力が、前記オペレータが第1のオペレータ制御を作動させることに対応し、かつ前記第2のモード選択入力が、前記オペレータが異なる第2のオペレータ制御を作動させることに対応する、請求項53に記載の外科手術ロボットシステム。
【請求項62】
前記計算ユニットが、第3のモード選択入力を受信し、それに応答して、現在の制御モードを前記複数の制御モードのうちの第3の制御モードに変更するように更に構成されている、請求項53~61のいずれか一項に記載の外科手術ロボットシステム。
【請求項63】
前記第3の制御モードが、前記第2の制御モードと同じである、請求項62に記載の外科手術ロボットシステム。
【請求項64】
前記第3の制御モードが、前記第1の制御モード及び前記第2の制御モードとは異なる、請求項62に記載の外科手術ロボットシステム。
【請求項65】
前記画像ディスプレイが、タッチスクリーンディスプレイであり、
前記第3の制御モードが、モデル操作制御モードであり、前記タッチスクリーンディスプレイが、前記第3のモード選択入力の受信に応答して、前記ロボット組立品の表現を表示し、
前記計算ユニットが、
前記タッチスクリーンディスプレイを介して、前記表示されたロボット組立品の少なくとも一部分を選択する第1のタッチスクリーンオペレータ入力を検出することと、
前記タッチスクリーンディスプレイを介して、前記オペレータが前記ロボット組立品の前記選択された少なくとも前記一部分の前記表現をドラッグして、前記タッチスクリーン上に表示される前記表現の前記ロボット組立品の前記選択された少なくとも前記一部分の位置及び/又は配向を変更することに対応する、第2のタッチスクリーンオペレータ入力を検出することと、
前記検出された第2のタッチスクリーンオペレータ入力に応答して、前記外科手術ロボットシステムを制御して、前記エンドエフェクタの前記器具先端の静止位置を維持しながら、前記選択された少なくとも1つの構成要素に対応する前記ロボット組立品の1つ以上の構成要素を移動させることと、を行うように更に構成されている、請求項64に記載の外科手術ロボットシステム。
【請求項66】
プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに請求項1~33のいずれか一項に記載のステップを実施させる、外科手術ロボットシステムのロボット組立品を制御するための命令を記憶する、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年5月26日に出願された米国仮特許出願第63/193,296号に対する優先権を主張するものであり、その内容全体は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
低侵襲外科手術の分野は、1990年代初頭の登場以来、急速に拡大している。低侵襲外科手術が患者の転帰を大幅に改善するものの、この改善は、外科医の正確かつ容易な手術能力を犠牲にして得られるものである。従来の腹腔鏡手術では、外科医は通常、患者の腹壁にある複数の小さな切開を通して腹腔鏡器具を挿入する。ツールを、腹壁を通して挿入する特性により、器具が腹壁への損傷なしには左右に移動できないため、腹腔鏡器具の動きに制約がかかる。標準的な腹腔鏡器具の動きも制限されており、通常は4つの運動軸に限定される。これらの4つの運動軸は、トロカール内外での器具の動き(軸1)、トロカール内の器具の回転(軸2)、及びトロカールが腹腔に進入する旋回点を維持しながら、2つの平面におけるトロカールの角度移動(軸3及び4)である。低侵襲外科手術の大半は、二十年以上にわたって、これら4つの運動自由度のみを用いて行われてきた。更に、手術が腹腔内の複数の異なる場所に対処する必要がある場合、従来のシステムは複数の切開を必要とする。
【0003】
既存のロボット外科手術デバイスは、これら問題の多くの解決を試みた。一部の既存のロボット外科手術デバイスは、器具の端部に追加の自由度を有する、非ロボット腹腔鏡外科手術を再現する。しかしながら、外科手術処置に費用のかかる多くの変更があっても、既存のロボット外科手術デバイスは、使用される処置の大部分において、患者転帰の改善を提供することができなかった。追加的に、既存のロボットデバイスでは、外科医と外科手術エンドエフェクタとの間で生成される分離が増加する。この増加した分離により、外科医の動きへの思い違い及びロボットデバイスが加える力に起因する傷害が発生し得る。多くの既存のロボットデバイスの自由度が、ヒトのオペレータには不慣れであるため、外科医は、不注意により傷害を起こす可能性を最小限に抑えるために、患者の手術前に、ロボットシミュレータに関する広範囲にわたる訓練が必要である。
【0004】
既存のロボットデバイスを制御するために、外科医は通常コンソールに座り、手及び/又は足でマニピュレータを制御する。追加的に、ロボットカメラは半固定された位置に留まり、外科医からの足及び手の組み合わされた動きによって移動される。これらの半固定カメラは視野が限定されており、結果として、手術視野の可視化をしばしば困難にする。
【0005】
他のロボットデバイスは、単一切開を通して挿入された2つのロボットマニピュレータを有する。これらのデバイスは、多くの場合、へそに1回の切開に必要な切開の数を低減する。しかしながら、既存の単一切開ロボットデバイスは、そのアクチュエータ設計に由来する大きな欠点を有する。既存の単一切開ロボットデバイスは、サーボモータ、エンコーダ、ギアボックス、及びインビボロボット内の他全ての作動デバイスを含み、その結果、患者の体内に挿入される比較的大きなロボットユニットが必要になる。このサイズは、移動及び様々な処置を実施する能力の観点から、ロボットユニットを著しく制約する。更に、こうした大きなロボットは、典型的には、多くの場合、開放処置のサイズに近い大きな切開部位を通して挿入される必要があり、したがって、感染、疼痛、及び一般的な罹患率のリスクを増加させる。
【0006】
従来のロボットデバイスの更なる欠点は、それらの限られた移動の自由度である。したがって、外科手術処置が複数の異なる場所での外科手術を必要とする場合、ロボットユニットを異なる動作場所に挿入することができるように、複数の切開点を作る必要がある。これにより、患者が感染する可能性が高まる。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、ロボット組立品の少なくとも一部分が対象の内部空洞内に配置されているときに、外科手術ロボットシステムのロボット組立品を制御するための方法を提供する。ロボット組立品は、カメラ組立品と、ロボットアーム組立品の仮想胸部を画定する第1のロボットアーム及び第2のロボットアームを含む、ロボットアーム組立品と、を含む。一部の方法は、外科手術ロボットシステムの制御モードを、現在の制御モードから、ロボットアームのエンドエフェクタが静止したままである間に、ロボットアーム組立品の仮想胸部の位置及び/又は配向がハンドコントローラの動きを使用して変更される制御モードに変更することを含む。一部の方法は、外科手術ロボットシステムの制御モードを、現在の制御モードから、アーム組立品のロボットアームのエンドエフェクタの器具先端が静止したままである間に、ハンドコントローラを使用してカメラ組立品の視野方向が変更される制御モードに変更することを含む。本開示はまた、本明細書に記載される前述の制御モード及び/又は他の制御モードのうちの1つ以上を含む、複数の制御モードを提供する外科手術ロボットシステムを提供する。本開示はまた、外科手術ロボットシステムの計算ユニットの1つ以上のプロセッサ上で実行されるときに、本明細書に記載される1つ以上の制御モードを提供し、かつ/又は本明細書に記載される方法のうちのいずれかを実行する、コンピュータ可読媒体を提供する。
【0008】
第1の態様では、本発明は、外科手術ロボットシステムのロボット組立品を制御するための方法を提供する。外科手術ロボットシステムは、画像ディスプレイと、オペレータの手の移動を感知するように構成されたハンドコントローラと、ロボット組立品と、を含む。ロボット組立品は、カメラ組立品と、第1のロボットアーム及び第2のロボットアームを含む、ロボットアーム組立品と、を含む。方法は、ロボット組立品の少なくとも一部分が対象の内部空洞内に配置されている間に、オペレータから第1の制御モード選択入力を受信し、かつ第1の制御モード選択入力に応答して、外科手術ロボットシステムの現在の制御モードを第1の制御モードに変更することを含む。方法は、外科手術ロボットシステムが第1の制御モードにある間に、ハンドコントローラから第1の制御入力を受信することを更に含む。方法は、第1の制御入力の受信に応答して、ロボットアームの遠位端部に配置されたエンドエフェクタの器具先端の静止位置を維持しながら、カメラ組立品の少なくとも一部分、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分、又はその両方の位置及び/若しくは配向を変更することを更に含む。
【0009】
一実施形態では、第1のロボットアーム及び第2のロボットアームは、ロボット組立品の仮想胸部を画定し、仮想胸部は、第1のロボットアームの最近位ジョイントの第1の旋回点と、第2のロボットアームの最近位ジョイントの第2の旋回点と、カメラ組立品のカメラ撮像中心点との間に延在する胸部平面によって画定される。仮想胸部の旋回中心は、第1のロボットアームの第1の旋回点と第2のロボットアームの第2の旋回点とを接続する胸部平面内の線セグメントに沿って中間に位置する。
【0010】
一実施形態では、第1の制御モードは、走行アーム制御モード又はカメラ制御モードである。第1の制御モードがカメラ制御モードである場合、第1の制御入力の受信に応答して、外科手術ロボットシステムは、ロボットアーム組立品を静止させたままにしながら、現在の視方向に対してカメラ組立品の少なくとも1つのカメラの配向及び/又は位置を変更する。第1の制御モードが走行アーム制御モードである場合、第1の制御入力の受信に応答して、外科手術ロボットシステムは、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分を移動させて、仮想胸部旋回中心の場所及び/又は現在の視方向に対する仮想胸部の配向を変更する。
【0011】
一実施形態では、第1の制御モードは、走行ジェスチャアーム制御モードである。第1の制御入力は、複数のジェスチャ並進移動入力のうちの1つ、又は複数のジェスチャ回転入力のうちの1つに対応する。第1の制御入力が複数のジェスチャ並進移動入力のうちの1つに対応する場合、外科手術ロボットシステムは、第1の制御入力に応答して、エンドエフェクタの器具先端の静止位置を維持しながら、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分を移動させて、仮想胸部旋回中心の場所を変更する。第1の制御入力が複数のジェスチャ回転入力のうちの1つに対応する場合、外科手術ロボットシステムは、エンドエフェクタの器具先端の静止位置を維持しながら、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分を移動させて、現在の視方向に対する仮想胸部の配向を変更する。
【0012】
一実施形態では、複数のジェスチャ並進移動入力は、引き戻し入力であって、ハンドコントローラの感知された移動が、オペレータの手がオペレータの身体に向かって後方に移動することに対応し、かつジェスチャアーム制御モードにあるときに、外科手術ロボットシステムが、引き戻し入力に応答して、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分を移動させて、仮想胸部旋回中心の場所を現在の視方向に前方に移動させる、引き戻し入力を含む。複数のジェスチャ並進移動入力は、前方押し出し入力であって、ハンドコントローラの感知された移動が、オペレータの手がオペレータの身体から離れる方向に前方へ移動することに対応し、かつジェスチャアーム制御モードにあるときに、外科手術ロボットシステムが、前方押し出し入力に応答して、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分を移動させて、仮想胸部旋回中心の場所を現在の視方向から離れる方向に後方へ移動させる、前方押し出し入力を更に含む。
【0013】
一実施形態では、複数のジェスチャ並進移動入力は、水平入力であって、ハンドコントローラの感知された移動が、オペレータの手がオペレータの身体に対して水平方向に移動することに対応し、かつジェスチャアーム制御モードにあるときに、外科手術ロボットシステムが、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分を移動させて、表示された現在の画像の現在の視野に対して対応する水平方向に、仮想胸部旋回中心の場所を移動させ、対応する水平方向が、水平入力に応答して表示された現在の画像の現在の視野に対して左の水平方向又は右の水平方向である、水平入力を含むか、又は更に含む。
【0014】
一実施形態では、複数のジェスチャ並進移動入力は、垂直入力であって、ハンドコントローラの感知された移動が、オペレータの手がオペレータの身体に対して垂直方向に移動することに対応し、かつジェスチャアーム制御モードにあるときに、外科手術ロボットシステムが、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分を移動させて、表示された現在の画像の現在の視野に対して対応する垂直方向に、仮想胸部旋回中心の場所を移動させ、対応する垂直方向が、垂直入力に応答して表示された現在の画像の現在の視野に対して、垂直上方向又は垂直下方向である、垂直入力を含むか、又は更に含む。
【0015】
一実施形態では、複数のジェスチャ回転入力は、右ヨー入力であって、左手コントローラの感知された移動が、オペレータの左手がオペレータの身体から離れる方向に前方へ移動することに対応し、かつ右手コントローラの感知された移動が、オペレータの右手がオペレータの身体に向かって後方に移動することに対応し、ジェスチャアーム制御モードにあるときに、外科手術ロボットシステムが、右ヨー入力に応答して、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分を移動させて、表示された現在の画像の現在の視野に対して、仮想胸部旋回中心の周りで胸部平面の配向を右にヨーイングする、右ヨー入力と、左ヨー入力であって、左手コントローラの感知された移動が、オペレータの左手がオペレータの身体に向かって後方に移動することに対応し、かつ右手コントローラの感知された移動が、オペレータの右手がオペレータの身体から離れる方向に前方へ移動することに対応し、ジェスチャアーム制御モードにあるときに、外科手術ロボットシステムが、左ヨー入力に応答して、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分を移動させて、現在の視野に対して、仮想胸部旋回中心の周りで胸部平面の配向を左にヨーイングする、左ヨー入力と、を含む。
【0016】
一実施形態では、複数のジェスチャ回転入力は、ピッチダウン入力であって、ハンドコントローラの感知された移動が、オペレータの手が前方に傾斜することに対応し、かつジェスチャアーム制御モードにあるときに、外科手術ロボットシステムが、ピッチダウン入力に応答して、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分を移動させて、表示された現在の画像の現在の視野に対して、仮想胸部旋回中心の周りで胸部平面の配向を下方にピッチングする、ピッチダウン入力と、ピッチアップ入力であって、ハンドコントローラの感知された移動及びオペレータの手の感知された移動が、オペレータの手が後方に傾斜することに対応し、かつジェスチャアーム制御モードにあるときに、外科手術ロボットシステムが、ピッチアップ入力に応答して、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分を移動させて、現在の視野に対して、仮想胸部旋回中心の周りで胸部平面の配向を上方にピッチングする、ピッチアップ入力と、を含むか、又は更に含む。
【0017】
一実施形態では、複数のジェスチャ回転入力は、時計回りのロール入力であって、左手コントローラの感知された移動が、オペレータの左手が垂直に上方へ移動することに対応し、かつ右手コントローラの感知された移動が、オペレータの右手が垂直に下方へ移動するに対応し、ジェスチャアーム制御モードにあるときに、外科手術ロボットシステムが、時計回りのロール入力に応答して、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分を移動させて、表示された現在の画像の現在の視野に対して、仮想胸部旋回中心を通過する現在の視方向に対して平行な軸の周りでロボットアーム組立品を時計回りに回転させる、時計回りのロール入力と、反時計回りのロール入力であって、左手コントローラの感知された移動が、オペレータの左手が垂直に下方へ移動することに対応し、かつ右手コントローラの感知された移動が、オペレータの右手が垂直に上方へ移動することに対応し、ジェスチャアーム制御モードにあるときに、外科手術ロボットシステムが、反時計回りのロール入力に応答して、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分を移動させて、現在の視野に対して、仮想胸部旋回中心を通過する現在の視方向に対して平行な軸の周りでロボットアーム組立品を反時計回りに回転させる、反時計回りのロール入力と、を含むか、又は更に含む。
【0018】
一実施形態では、第1の制御モードは、身体活動アーム制御モードであり、身体活動アーム制御モードにおいて、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分の並進運動の大きさと、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分の並進運動の方向と、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分の回転の大きさと、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分の回転軸と、のうちの1つ以上は、少なくとも部分的に、ハンドコントローラの感知された移動の大きさと、ハンドコントローラ間の間隔の感知された変化の大きさと、ハンドコントローラ間の横方向分離における感知された変化の大きさと、ハンドコントローラの移動の方向と、第1の制御入力でハンドコントローラを接続する線の配向の感知された変化と、のうちの1つ以上に依存する。第1の制御入力は、複数の異なるタイプの身体活動入力のうちの1つに対応する。
【0019】
一実施形態では、複数の異なるタイプの身体活動入力は、感知された移動ハンドコントローラがハンドコントローラ間の横方向の間隔における変化に対応する、ズーム入力を含む。ハンドコントローラ間の横方向の間隔が増加する場合に、外科手術ロボットシステムは、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分を移動させて、仮想胸部旋回の変位の大きさが第1の制御入力に応答して横方向分離における変化の大きさに依存する状態で、現在の視方向において仮想胸部旋回中心の場所を前方に移動させる。ハンドコントローラ間の横方向の間隔が減少する場合に、外科手術ロボットシステムは、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分を移動させて、仮想胸部旋回の変位の大きさが第1の制御入力に応答して横方向の間隔における変化の大きさに依存する状態で、現在の視方向に対して仮想胸部旋回中心の場所を後方に移動させる。
【0020】
一実施形態では、複数の異なるタイプの身体活動入力は、ハンドコントローラの感知された移動がハンドコントローラを垂直平面に接続する線の配向における角度変化に対応する、ホイール入力を含むか、又は更に含む。配向における変化が時計回りの回転に対応する場合に、外科手術ロボットシステムは、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分を移動させて、第1の制御入力に応答して、仮想胸部の角度回転の大きさが線の配向における角度変化の大きさに依存する状態で、表示された現在の画像の現在の視野に対して、仮想胸部の配向を右に回転させる。配向における変化が反時計回りの回転に対応する場合に、外科手術ロボットシステムは、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分を移動させて、第1の制御入力に応答して、仮想胸部の角度回転の大きさが線の配向における角度変化の大きさに依存する状態で、現在の視野に対して、仮想胸部の配向を左に回転させる。
【0021】
一実施形態では、第1の制御モードは、ジェスチャカメラ制御モードである。第1の制御入力は、複数のジェスチャ回転入力のうちの1つに対応する。
【0022】
一実施形態では、複数のジェスチャ回転入力は、右ヨー入力及び左ヨー入力を含むか、又は更に含む。右ヨー入力における左手コントローラの感知された移動は、オペレータの身体から離れる方向に前方へ移動するオペレータの左手に対応し、かつ右手コントローラの感知された移動は、オペレータの身体に向かって後方に移動するオペレータの右手に対応し、ジェスチャカメラ制御モードにあるときに、外科手術ロボットシステムは、カメラ組立品の少なくとも一部分を移動させて、右ヨー入力に応答して表示された現在の画像の現在の視野に対して、カメラ組立品のヨー回転軸の周りでカメラ組立品の1つ以上のカメラの視野方向の配向を右にヨーイングする。左のヨー入力におけるオペレータの左手の感知された移動は、オペレータの身体に向かって後方に移動するオペレータの左手に対応し、かつオペレータの右手の感知された移動は、オペレータの身体から前方に離れるオペレータの右手に対応し、ジェスチャカメラ制御モードにあるときに、外科手術ロボットシステムは、カメラ組立品の少なくとも一部分を移動させて、左ヨー入力に応答して表示された現在の画像の現在の視野に対して、カメラ組立品のヨー回転軸の周りで1つ以上のカメラの視野方向の配向を左にヨーイングする。
【0023】
一実施形態では、複数のジェスチャ回転入力は、ピッチダウン入力及びピッチアップ入力を含むか、又は更に含む。ピッチダウン入力におけるハンドコントローラの感知された移動は、前方に傾斜するオペレータの手に対応し、ジェスチャカメラ制御モードにあるときに、外科手術ロボットシステムは、カメラ組立品の少なくとも一部分を移動させて、ピッチダウン入力に応答してカメラ組立品の1つ以上のカメラの視野方向の配向を下方にピッチングする。ピッチアップ入力におけるハンドコントローラの感知された移動は、オペレータの手が後方に傾斜することに対応し、ジェスチャカメラ制御モードにあるときに、外科手術ロボットシステムは、カメラ組立品の少なくとも一部分を移動させて、ピッチアップ入力に応答してカメラ組立品のピッチ軸の周りで1つ以上のカメラの視野方向の配向をピッチングする。
【0024】
一実施形態では、複数のジェスチャ回転入力は、時計回りのロール入力及び反時計回りのロール入力を含むか、又は更に含む。時計回りのロール入力におけるハンドコントローラの感知された移動は、オペレータの左手が垂直に上方に移動し、かつオペレータの右手が垂直に下方に移動することに対応し、ジェスチャカメラ制御モードにあるときに、外科手術ロボットシステムは、カメラ組立品の少なくとも一部分を移動させて、時計回りのロール入力に応答して現在の視方向に対して平行な軸の周りで1つ以上のカメラを時計回りに回転させる。反時計回りのロール入力におけるハンドコントローラの感知された移動は、オペレータの左手が垂直に下方に移動し、かつオペレータの右手が垂直に上方に移動することに対応し、ジェスチャカメラ制御モードにあるときに、外科手術ロボットシステムは、カメラ組立品の少なくとも一部分を移動させて、反時計回りのロール入力に応答して現在の視方向に対して平行な軸の周りで1つ以上のカメラを反時計回りに回転させる。
【0025】
一実施形態では、第1の制御モード選択入力は、ハンドコントローラの一方又は両方の入力機構を介して受信される。
【0026】
一実施形態では、第1の制御モード選択入力は、オペレータコンソール上の制御を介して受信される。
【0027】
一実施形態では、第1の制御モード選択入力は、フットペダルを介して受信される。
【0028】
一実施形態では、方法は、第2のモード選択入力を受信することと、外科手術ロボットシステムの現在の制御モードを第2の制御モードに変更することと、を更に含む。
【0029】
一実施形態では、第1の制御モードは、走行アーム制御モードであり、第2の制御モードは、カメラ制御モードである。
【0030】
一実施形態では、第1の制御モードは、走行アーム制御モードであり、第2の制御モードは、異なる走行アーム制御モードである。
【0031】
一実施形態では、第1の制御モードは、カメラ制御モードであり、第2の制御モードは、アーム制御モードである。
【0032】
一実施形態では、第2の制御モードにあるときに、外科手術ロボットシステムは、ハンドコントローラの移動に関係なく、ロボット組立品を静止位置及び静止構成に維持する。
【0033】
一実施形態では、第2の制御モードは、デフォルト制御モードである。
【0034】
一実施形態では、第2のモード選択入力は、オペレータが第1の制御入力を生成するために、オペレータによって作動及び保持又は押下された少なくとも1つのオペレータ制御を解放することに対応する。
【0035】
一実施形態では、第2のモード選択入力は、第1の制御入力を生成するために、オペレータによって作動された同じオペレータ制御をオペレータが作動させることに対応する。
【0036】
一実施形態では、第1のモード選択入力は、オペレータが第1のオペレータ制御を作動させることに対応し、かつ第2のモード選択入力は、オペレータが異なる第2のオペレータ制御を作動させることに対応する。
【0037】
一実施形態では、方法は、第3のモード選択入力を受信することと、それに応答して、現在の制御モードを第3の制御モードに変更することと、を更に含む。
【0038】
一実施形態では、第3の制御モードは、第2の制御モードと同じである。
【0039】
一実施形態では、第3の制御モードは、第1の制御モード及び第2の制御モードとは異なる。
【0040】
一実施形態では、ロボット外科手術システムは、タッチスクリーンディスプレイを更に備える。第3の制御モードは、モデル操作制御モードである。方法は、第3のモード選択入力の受信に応答して、ロボット組立品の表現を表示することと、表示されたロボット組立品の少なくとも一部分を選択する第1のタッチスクリーンオペレータ入力を検出することと、オペレータがロボット組立品の選択された少なくとも一部分の表現をドラッグして、タッチスクリーン上に表示される表現のロボット組立品の選択された少なくとも一部分の位置及び/又は配向を変更することに対応する、第2のタッチスクリーンオペレータ入力を検出することと、検出された第2のタッチスクリーンオペレータ入力に応答して、エンドエフェクタの器具先端の静止位置を維持しながら、選択された少なくとも1つの構成要素に対応するロボット組立品の1つ以上の構成要素を移動させることと、を更に含む。
【0041】
第2の態様では、本開示は、対象の内部空洞内で外科手術を実施するための外科手術ロボットシステムを提供する。外科手術ロボットシステムは、外科手術ロボットシステムを操作するように動作するハンドコントローラと、計算ユニットであって、ハンドコントローラからオペレータ生成移動データを受信し、かつ外科手術ロボットシステムの現在の制御モードに基づいて応答して制御信号を生成することと、外科手術ロボットシステムの現在の制御モードを、外科手術ロボットシステムの複数の制御モードのうちの選択された1つに応答して変更するための制御モード選択入力を受信することと、を行うように構成されている、計算ユニットと、カメラ組立品と、使用中に内部空洞内に挿入されるように構成されたロボットアーム組立品であって、ロボットアーム組立品が、第1のロボットアームの遠位端部に配置された第1のエンドエフェクタを含む、第1のロボットアームと、第2のロボットアームの遠位端部に配置された第2のエンドエフェクタを含む、第2のロボットアームと、を含む、ロボットアーム組立品と、カメラ組立品から画像を出力するための画像ディスプレイと、を備える。
【0042】
一実施形態では、第1のロボットアーム及び第2のロボットアームは、ロボット組立品の仮想胸部を画定し、仮想胸部は、第1のロボットアームの最近位ジョイントの第1の旋回点と、第2のロボットアームの最近位ジョイントの第2の旋回点と、カメラ組立品のカメラ撮像中心点との間に延在する胸部平面によって画定される。仮想胸部の旋回中心は、第1のロボットアームの第1の旋回点と第2のロボットアームの第2の旋回点とを接続する胸部平面内の線セグメントに沿って中間に位置する。計算ユニットは、コンピュータ可読命令を実行して、外科手術ロボットシステムの複数の制御モードを提供するように構成された1つ以上のプロセッサを含む。複数の制御モードは、走行アーム制御モード及び/又はカメラ制御モードを含む。外科手術ロボットシステムがカメラ制御モードにある場合に、第1の制御入力は、第1の制御入力に応答して、オペレータの手の感知された移動に関して、ハンドコントローラから受信され、外科手術ロボットシステムは、カメラ組立品の少なくとも一部分を移動させて、ロボットアーム組立品を静止させたままにしながら、現在の視方向に対してカメラ組立品の少なくとも1つのカメラの配向及び/又は位置を変更する。外科手術ロボットシステムが走行アーム制御モードにある場合に、第1の制御入力は、第1の制御入力の受信に応答して、オペレータの手の感知された移動に関して、ハンドコントローラから受信され、外科手術ロボットシステムは、ロボットアームの遠位端部に配置されたエンドエフェクタの器具先端の静止を維持しながら、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分を移動させて、現在の視方向に対して仮想胸部旋回中心の場所及び/又は仮想胸部の配向を変更する。
【0043】
第3の態様では、本開示は、外科手術ロボットシステムのロボット組立品を制御するために記憶された命令を有する、非一時的コンピュータ可読媒体を提供する。命令がプロセッサによって実行されると、命令は、プロセッサに、外科手術ロボットシステムを制御させて、本明細書に記載の方法及び実施形態を実施させる。
【0044】
本明細書において言及される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、各個々の刊行物、特許、又は特許出願が、参照により組み込まれることが具体的かつ個々に示されているかのように、同じ程度に参照により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
本発明の新規の特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。本発明のこれら及び他の特徴及び利点は、同様の参照符号が様々な図を通して同様の要素を指す、添付図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって、より完全に理解されるであろう。
【0046】
図1】一部の実施形態による、外科手術ロボットシステムを概略的に示す。
図2A】一部の実施形態による、外科手術ロボットシステムのロボットサブシステムに連結されたロボット支持システムを含む患者カートの斜視図である。
図2B】一部の実施形態による、本開示の外科手術ロボットシステムの例示的なオペレータコンソールの斜視図である。
図3A】一部の実施形態による、対象の内部空洞内で外科手術を実施する外科手術ロボットシステムの側面図を概略的に示す。
図3B】一部の実施形態による、図3Aの対象の内部空洞内で外科手術を実施する外科手術ロボットシステムの上面図を概略的に示す。
図4A】一部の実施形態による、単一のロボットアームサブシステムの斜視図である。
図4B】一部の実施形態による、図4Aの単一のロボットアームサブシステムの単一のロボットアームの側面斜視図である。
図5】一部の実施形態による、カメラ組立品及びロボットアーム組立品の正面斜視図である。
図6】一部の実施形態による、外科手術ロボットシステムによって実施されるロボット組立品を制御するためのステップを示すフローチャートである。
図7A】一部の実施形態による、ジェスチャアーム制御モードにおける引き戻し入力及び前方押し出し入力のための手のジェスチャを概略的に示す。
図7B】一部の実施形態による、図7Aの引き戻し入力及び前方押し出し入力に応答するロボットアーム組立品の移動の上面図を概略的に示す。
図8A】一部の実施形態による、ジェスチャアーム制御モードにおける水平入力のための手のジェスチャを概略的に示す。
図8B】一部の実施形態による、図8Aの水平入力に応答するロボットアーム組立品の上面図を概略的に示す。
図9A】一部の実施形態による、ジェスチャアーム制御モードにおける垂直入力のための手のジェスチャを概略的に示す。
図9B】一部の実施形態による、図9Bの垂直入力に応答するロボットアーム組立品の移動を概略的に示す。
図10A】一部の実施形態による、ジェスチャアーム制御モードにおける右ヨー入力及び左ヨー入力の手のジェスチャを概略的に示す。
図10B】一部の実施形態による、図10Aの右ヨー入力及び左ヨー入力に応答するロボットアーム組立品の移動を概略的に示す。
図11A】一部の実施形態による、ジェスチャアーム制御モードにおけるピッチダウン入力及びピッチアップ入力のための手のジェスチャを概略的に示す。
図11B】一部の実施形態による、図11Aのピッチダウン入力及びピッチアップ入力に応答するロボットアーム組立品の移動を概略的に示す。
図12A】一部の実施形態による、ジェスチャアーム制御モードにおける時計回りのロール入力及び反時計回りのロール入力のための手のジェスチャを概略的に示す。
図12B】一部の実施形態による、時計回りのロール入力及び反時計回りのロール入力に応答するロボットアーム組立品の移動を概略的に示す。
図13A】一部の実施形態による、ジェスチャカメラ制御モードにおける右ヨー入力及び左ヨー入力の手のジェスチャを概略的に示す。
図13B】一部の実施形態による、図13Aの右ヨー入力及び左ヨー入力に応答するカメラ組立品の移動を概略的に示す。
図13C】一部の実施形態による、ジェスチャカメラ制御モードにおけるピッチダウン入力及びピッチアップ入力のための手のジェスチャを概略的に示す。
図13D】一部の実施形態による、図13Cのピッチダウン入力及びピッチアップ入力に応答するカメラ組立品の移動を概略的に示す。
図13E】一部の実施形態による、ジェスチャアーム制御モードにおける時計回りのロール入力及び反時計回りのロール入力のための手のジェスチャを概略的に示す。
図13F】一部の実施形態による、図13Eの時計回りのロール入力及び反時計回りのロール入力に応答するカメラ組立品の移動を概略的に示す。
図14A-14D】一部の実施形態による、例えば、身体活動制御モードにおけるズーム入力、及びズーム入力に応答するロボットアーム組立品の移動のための手のジェスチャを概略的に示す。
図15A-15D】一部の実施形態による、身体活動モードにおける時計回りの回転、及びホイール入力に応答するロボットアーム組立品の移動に対応するホイール入力のための手のジェスチャを概略的に示す。
図16A】一部の実施形態による、ロボット組立品が対象に対して下位方向に延在する状態である、対象の腹腔内のロボット組立品の上面図を示す。
図16B】一部の実施形態よる、表示された現在の画像の視野に対して、ロボット組立品が仮想胸部の配向を右に変化させた状態である、腹腔内の図16Aのロボット組立品の上面図を示す。
図16C】一部の実施形態による、ロボット組立品が、図16Bの方向に対して仮想胸部の配向を右に更に変化させた状態である、腹腔内の図16Bのロボット組立品の上面図を示す。
図17A】一部の実施形態による、ロボット組立品が対象に対してより横方向に延在する状態である、腹腔内の図16Aのロボット組立品の上面図を示す。
図17B】一部の実施形態による、ロボット組立品がエンドエフェクタにより近くカメラ組立品を再位置決めした状態である、腹腔内の図17Aのロボット組立品の上面図を示す。
図17C】一部の実施形態による、ロボット組立品がエンドエフェクタを対象に対して前方方向に再位置決めした状態である、腹腔内の図17Bのロボット組立品の上面図を示す。
図17D】一部の実施形態による、ロボット組立品がエンドエフェクタにより近くカメラ組立品を再位置決めした状態である、腹腔内の図18Cのロボット組立品の上面図を示す。
図18A】一部の実施形態による、前向きのカメラ組立品を有するロボット組立品の上面図を示す。
図18B】一部の実施形態による、左向きのカメラ組立品を有するロボット組立品の上面図を示す。
図18C】一部の実施形態による、右向きのカメラ組立品を有するロボット組立品の上面図を示す。
図19A】一部の実施形態による、後向きのカメラ組立品を有するロボット組立品の上面図を示す。
図19B】一部の実施形態による、ロボット組立品が仮想胸部の配向を変化させた状態である、図19Aのロボット組立品の上面図を示す。
図20】一部の実施形態による、本開示の外科手術ロボットシステムによって実行されるモデル操作制御モードを実施するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明の様々な実施形態が本明細書に示され、かつ記述されてきたが、こうした実施形態は、単に例として提供されることが当業者には明らかであろう。本発明から逸脱することなく、多数の変形、変更、及び置換が当業者に生じ得る。本明細書に記載の本発明の実施形態に対する様々な代替物が用いられてもよいことが理解され得る。
【0048】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a(1つの)」、「an(1つの)」、及び「the(その)」は、内容が別途明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。
【0049】
本明細書に開示される一部の実施形態は、少なくとも3つの関節運動自由度と、各々が少なくとも6つの関節運動自由度、及び関連付けられたエンドエフェクタ(例えば、把持器、マニピュレータなど)の移動に対応する追加の自由度を有する、2つ以上のロボットアームとを有する、カメラ組立品を含む、外科手術ロボットシステム上に実装されるか、それを採用するか、又はそれに組み込まれる。一部の実施形態では、対象(例えば、患者)内に装着されたときのカメラ組立品は、カメラ組立品が挿入部位に向かって後方を見ることができるように、ピッチ又はヨー方向に約180度移動又は回転することができる。このように、カメラ組立品及びロボットアームは、挿入部位に向かって後方を見るために、上向き又は下向き方向、並びに後方方向に、前方(例えば、挿入部位から遠ざかる)の各側を見て器用に動作することができる。ロボットアーム及びカメラ組立品はまた、ロール、ピッチ、及びヨー方向に移動することができる。
【0050】
本明細書に記載される制御モードは、従来のシステムよりも操作性が高い外科手術ロボットシステムにおいて特に有利である。例えば、2つのロボットアーム及びアーム当たりの自由度がより少ないアームを有する多くの従来の外科手術ロボットシステムは、ロボットアームのエンドエフェクタの器具先端を静止させたまま、ロボットアームの仮想胸部の位置又は配向を変更することができない場合がある。別の実施例として、多くの従来の外科手術ロボットシステムのカメラは、トロカールを通って延在するカメラに対する支持体の移動と関連付けられた自由度のみを有してもよく、支持体に対する移動の独立した自由度を有しなくてもよい。
【0051】
本明細書に記載の外科手術ロボットシステムにおけるこの多数の自由度は、一部の従来の外科手術ロボットシステムと比較して、ロボットアーム組立品の移動、及び一部の従来の外科手術ロボットアームでは不可能であるロボットアーム組立品の配向を可能にし、かつ一部の従来のロボット外科手術システムのためのカメラでは不可能であるロボットカメラ組立品のカメラの移動を可能にする。
【0052】
本明細書に記載される一部の外科手術ロボットシステムは、左手コントローラの移動が、左側のロボットアームの遠位端部の対応するスケールダウン移動を引き起こし、右手コントローラの移動が、右側のロボットアームの遠位端部の対応するスケールダウン移動を引き起こす、制御を採用する。この制御は、本明細書ではスケールダウンアーム制御と呼ばれる。このタイプの制御を使用するハンドコントローラの移動は、ロボットアームの遠位端部におけるエンドエフェクタの器具先端の位置も変更することなく、ロボットアームの胸部の位置及び/又は配向を変更することはできない。更に、このタイプの制御では、ロボットアームの胸部の配向のいくつかのタイプの変化がある。このタイプの制御では、カメラの視野方向又は配向は、アームコントローラの移動によって制御されない場合があり、代わりに別のオペレータ入力によって制御される場合がある。
【0053】
本開示は、ロボット組立品の少なくとも一部分が対象の内部空洞内に配置されているときに、外科手術ロボットシステムのロボット組立品を制御するためのシステム及び方法を提供する。ロボット組立品は、カメラ組立品と、ロボットアーム組立品の仮想胸部を画定する第1のロボットアーム及び第2のロボットアームを含む、ロボットアーム組立品と、を含む。本明細書で使用される場合、ロボットアームの遠位端部は、ロボットアーム組立品の仮想胸部から離れて延在する。本明細書に記載の一部の方法及びシステムは、外科手術ロボットシステムの複数の異なる制御モードを提供又は採用し、各制御モードは、ロボットアーム組立品及び/又はカメラ組立品を制御するために、ハンドコントローラの感知された移動を使用し、オペレータ入力に基づいて、現在の制御モードから異なる選択された制御モードに変化する。一部の方法及びシステムでは、複数の制御モードとして記載され得る複数の異なる制御モードは、ロボットアームの遠位端部に配置されたエンドエフェクタの器具先端の静止位置を維持しながら、カメラ組立品の少なくとも一部分、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分、又はその両方の位置及び/若しくは配向が、ハンドコントローラの移動に応答して変更される、少なくとも1つの制御モードを含む。一部のシステム及び方法では、複数の異なる制御モードは、少なくとも1つの走行アーム制御モード、少なくとも1つのカメラ制御モード、又はその両方を含む。走行アーム制御モードでは、外科手術ロボットシステムは、ロボットアームの遠位端部に配置されたエンドエフェクタの器具先端の静止位置を維持しながら、ハンドコントローラの移動に応答して、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分を移動させて、現在の視方向又は現在の視野に対して、ロボットアーム組立品の仮想胸部旋回中心の場所及び/又は仮想胸部の配向を変更する。カメラモード制御モードでは、外科手術ロボットシステムは、ロボットアームの器具先端の静止位置を維持するハンドコントローラの移動に応答して、カメラ組立品の少なくとも一部分を移動させて、視野方向の配向を変更する。
【0054】
一部の方法及びシステムでは、1つ以上の走行アーム制御モードは、走行ジェスチャアーム制御モード及び身体活動アーム制御モードのうちの一方又は両方を含む。走行ジェスチャアーム制御モードでは、複数のジェスチャ並進移動入力のうちの1つに対応するアームコントローラの移動により、外科手術ロボットシステムが、第1の制御入力に応答して、エンドエフェクタの器具先端の静止位置を維持しながら、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分を移動させて、仮想胸部旋回中心の場所を変更させ、複数のジェスチャ回転入力のうちの1つに対応するアームコントローラの移動により、外科手術ロボットシステムが、エンドエフェクタの器具先端の静止位置を維持しながら、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分を移動させて、現在の視方向に対する仮想胸部の配向を変更させる。一部の実施形態では、複数のジェスチャ並進移動入力は、引き戻し入力、前方押し出し入力、水平入力、垂直入力、又は前述の任意の組み合わせを含む。一部の実施形態では、複数のジェスチャ並進移動入力は、右ヨー入力、左ヨー入力、ピッチダウン入力、ピッチアップ入力、時計回りのロール入力、反時計回りのロール入力、又は前述の任意の組み合わせを含む。
【0055】
身体活動アーム制御モードでは、複数の異なるタイプの身体活動アーム制御入力のうちの1つに対応するハンドコントローラの移動により、外科手術ロボットシステムが、エンドエフェクタの器具先端の静止位置を維持しながら、ハンドコントローラの移動に応答して、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分を移動させて、現在の視方向又は現在の視野に対して、ロボットアーム組立品の仮想胸部旋回中心の場所及び/又は仮想胸部の配向を変更する。身体活動モードでは、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分の並進運動の大きさと、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分の並進運動の方向と、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分の回転の大きさと、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分の回転軸と、のうちの1つ以上は、少なくとも部分的に、ハンドコントローラの感知された移動の大きさと、ハンドコントローラ間の間隔の感知された変化の大きさと、ハンドコントローラ間の横方向の間隔における感知された変化の大きさと、ハンドコントローラの移動の方向と、第1の制御入力でハンドコントローラを接続する線の配向の感知された変化と、のうちの1つ以上に依存する。一部の実施形態では、複数のタイプの身体活動制御入力は、ズーム入力、ヨーのホイール入力、方向上の引っ張る入力、方向押し出し入力、又は前述の任意の組み合わせを含む。
【0056】
一部の実施形態では、身体活動アーム制御モードの態様は、ジェスチャ並進走行アーム制御モードに組み込まれてもよく、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分の並進運動の大きさと、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分の並進運動の方向と、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分の回転の大きさと、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分の回転軸と、のうちの1つ以上は、少なくとも部分的に、ハンドコントローラの感知された移動の大きさと、ハンドコントローラ間の間隔の感知された変化の大きさと、ハンドコントローラ間の横方向の間隔における感知された変化の大きさと、ハンドコントローラの移動の方向と、第1の制御入力でハンドコントローラを接続する線の配向の感知された変化と、のうちの1つ以上に依存する。
【0057】
ジェスチャカメラ制御モードでは、複数のジェスチャ回転入力のうちの1つに対応するハンドコントローラの移動により、外科手術ロボットシステムが、ロボットアーム組立品を静止したままにしながら、現在の視方向に対してカメラ組立品の配向及び/又は少なくとも1つのカメラを変更させる。一部の実施形態では、複数のジェスチャ回転入力は、ピッチアップ入力、ピッチダウン入力、ヨー左入力、ヨー右入力、時計回りのロール入力、反時計回りのロール入力、又は前述の任意の組み合わせのうちの1つ以上を含む。一部の実施形態では、身体活動アーム制御モードの選択された態様は、歩行カメラ制御モードに組み込まれてもよく、カメラの回転の大きさ若しくは配向における変化、及び/又はカメラの配向における変化のための回転軸は、少なくとも部分的に、ハンドコントローラの感知された移動の大きさ、ハンドコントローラの移動の方向(複数可)、及びハンドコントローラを接続する線の配向の感知された変化のうちの1つ以上に依存する。
【0058】
本明細書に記載の一部の方法及びシステムは、ロボット組立品の表現がタッチスクリーン上に表示されるモデル操作モードとして本明細書で言及される、外科手術ロボットシステムの制御モードを提供するか、又は採用する。モデル操作モードでは、ロボット組立品の表現の少なくとも一部分のタッチ選択の検出、及びロボット組立品の表現の選択された部分をドラッグすることは、タッチスクリーン上に表示される表現におけるロボット組立品の選択された少なくとも一部分の位置及び/又は配向を変更させることと、エンドエフェクタの器具先端の静止位置を維持しながら、選択された少なくとも1つの構成要素に対応するロボット組立品の1つ以上の構成要素を移動させることと、を引き起こす。
【0059】
一部の実施形態では、システム及び方法は、本明細書に開示される制御モードのいずれか又は全て、及びオペレータが制御モードを切り替えるための機構を組み込み得る。
【0060】
ハンドコントローラを用いて複数の異なる制御モードを提供することにより、オペレータは、ハンドコントローラの移動を使用して、異なる制御モードで異なる機能を実施することができる。カメラ組立品の独立した制御などのこれらの機能の一部は、オペレータが、これらの他の機能を達成するために、別個のスイッチ、別個のジョイスティック、又は別個のボタンなどのハンドコントローラと関連付けられてもよく、又は関連付けられなくてもよい、他のオペレータ制御を使用する必要がある。ハンドコントローラの動きから他のオペレータ制御へ切り替えること、及び様々な機能を達成するために戻ることは、処置を遅らせる可能性があり、オペレータが他のコオペレータ制御にアクセスするために自身の手をハンドコントローラから取り外すことを必要とし得る。更に、ハンドコントローラの動きから他のオペレータ制御への切り替えは、外科手術処置中の作業の流れを中断してもよく、システムの使用の複雑さを増加させ得る。したがって、切り替え制御モードを介した手制御の移動と関連付けられた追加の機能を可能にすることは、より合理化されたオペレータ体験及びオペレータ効率の増加を提供し得る。
【0061】
アーム組立品の仮想胸部平面の配向及び/又は胸部旋回中心の位置を変更しながら器具先端位置を維持することは、一部の実施形態では、アーム組立品を再構成又は再配向する間に、器具先端が不注意に患者への損傷を引き起こすことがないことを確実にし得る。一部の実施形態では、ユーザは、本明細書ではスケールダウンアーム制御モードと呼ばれ得るスケールダウンアーム制御を用いて、走行アーム制御モードと制御モードとの間で切り替えてもよい。走行アーム制御モードとスケールダウンアーム制御モードとの間で切り替えることによって、オペレータは、ロボットアームを延在させて、エンドエフェクタを所望に応じて「到達」させかつ位置決めし、次いで、走行アーム制御モードに切り替えて、エンドエフェクタに対して基部を再位置決め及び/又は再配向するように「引っ張る」ことができる。オペレータは、カメラモードに切り替えて、異なる方向の視界を得る、かつ/又はスケールダウンアーム制御モードに再び入って、エンドエフェクタを新しい場所に再位置決めし得る。モード間のこの切り替えを通して、オペレータは、内部空洞を横断し、アーム組立品の配向及び構成を制御することができる。
【0062】
走行制御モードは、内部空洞内のアーム組立品の再配向及び再構成を可能にする一方で、再配向及び再構成中のエンドエフェクタの器具先端の動きが体腔を損傷するリスクを低減又は排除する。
【0063】
図6図20に関して制御モードに詳細に対処する前に、本明細書に記載の実施形態を実装するための例示的な外科手術ロボットシステム及びロボット組立品の説明が提供される
【0064】
外科手術ロボットシステム
図面を参照すると、図1は、本開示の一部の実施形態による外科手術ロボットシステム10の概略図である。外科手術ロボットシステム10は、オペレータコンソール11及びロボット組立品20を含む。
【0065】
オペレータコンソール11は、表示デバイス又はユニット12と、仮想現実(VR)計算ユニットであり得る画像計算ユニット14と、感知及び追跡ユニット16を有するハンドコントローラ17と、計算ユニット18と、モード選択コントローラ19と、を含む。
【0066】
ディスプレイユニット12は、画像計算ユニット14、計算ユニット18、及び/又はロボット組立品20によって生成される情報、画像又はビデオを表示するための任意の選択されたタイプのディスプレイとすることができる。ディスプレイユニット12は、例えば、頭部マウントディスプレイ(HMD)、拡張現実(AR)ディスプレイ(例えば、ARディスプレイ、又はスクリーン若しくはディスプレイと組み合わせたARガラス)、スクリーン又はディスプレイ、二次元(2D)スクリーン又はディスプレイ、三次元(3D)スクリーン又はディスプレイなどを含むか、又はその一部を形成することができる。ディスプレイユニット12はまた、任意選択の感知及び追跡ユニット16Aを含み得る。一部の実施形態では、ディスプレイユニット12は、ロボット組立品20のカメラ組立品44から画像を出力するための画像ディスプレイを含み得る。
【0067】
一部の実施形態では、ディスプレイユニット12が、HMDデバイス、頭部位置を感知するARデバイス、又は関連付けられた感知及び追跡ユニット16Aを用いる別のデバイスを含む場合、HMDデバイス又は頭部追跡デバイスは、画像計算ユニット14によって受信及び処理される追跡及び位置データ34Aを生成する。一部の実施形態では、HMD、ARデバイス、又は他の頭部追跡デバイスは、オペレータ(例えば、外科医、看護師、又は他の好適な医療専門家)に、オペレータの頭部に少なくとも部分的に連結又は装着されたディスプレイ、ディスプレイの焦点を合わせた視界を可能にするレンズ、及びオペレータの頭部の位置及び配向追跡を提供するための感知及び追跡ユニット16Aを提供することができる。感知及び追跡ユニット16Aは、例えば、加速度計、ジャイロスコープ、磁気計、モーションプロセッサ、赤外線追跡、アイトラッキング、コンピュータビジョン、交互磁界の放射及び感知、並びに位置及び配向の少なくとも1つを追跡する任意の他の方法、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。一部の実施形態では、HMD又はARデバイスは、カメラ組立品44からオペレータの右目及び左目へ画像データを提供することができる。一部の実施形態では、オペレータの仮想現実体験を維持するために、感知及び追跡ユニット16Aは、オペレータの頭部の位置及び配向を追跡し、追跡及び位置データ34Aを生成し、その後、追跡及び位置データ34Aを画像計算ユニット14及び/又は計算ユニット18に直接的に、又は画像計算ユニット14を介してリレーすることができる。
【0068】
ハンドコントローラ17は、外科手術ロボットシステム10を操作するために、オペレータの手及び/又は腕の移動を感知するように構成されている。ハンドコントローラ17は、感知及び追跡ユニット16、回路、及び/又は他のハードウェアを含み得る。感知及び追跡ユニット16は、オペレータの手の移動を感知する1つ以上のセンサ又は検出器を含み得る。一部の実施形態では、オペレータの手の移動を感知する1つ以上のセンサ又は検出器は、オペレータの手によって把持されるか、又は手によって係合される一対のハンドコントローラ内に配置される。一部の実施形態では、オペレータの手の移動を感知する1つ以上のセンサ又は検出器は、オペレータの手及び/又は腕に連結される。例えば、感知及び追跡ユニット16のセンサは、指、手首領域、肘領域、及び/又は肩領域などの手及び/又は腕の領域に連結され得る。HMDが使用されない場合、一部の実施形態では、追加のセンサを、オペレータの頭部及び/又は頸部領域にも連結することができる。オペレータがHMDを用いる場合、目、頭部及び/又は頸部センサ及び関連する追跡技術は、そのHMDデバイス内に組み込まれているか、又は用いられ得、上述のように、それゆえ任意選択のセンサ及び追跡ユニット16Aの一部を形成することができる。一部の実施形態では、感知及び追跡ユニット16は、外部であってもよく、電気部品及び/又は装着ハードウェアを介してハンドコントローラ17に連結されてもよい。
【0069】
一部の実施形態では、感知及び追跡ユニット16は、オペレータの胴体又は任意の他の身体部分に連結されたセンサを用いることができる。一部の実施形態では、感知及び追跡ユニット16は、センサに加えて、例えば、加速度計、ジャイロスコープ、磁気計、及びモーションプロセッサを有する慣性運動量ユニット(IMU)を用いることができる。磁気計の追加は、垂直軸の周りのセンサドリフトを低減することができる。一部の実施形態では、感知及び追跡ユニット16はまた、手袋、外科手術スクラブ、又は外科手術ガウンなどの外科手術材料内に置かれたセンサを含む。センサは、再利用可能又は使い捨てであってもよい。一部の実施形態では、センサは、手術室などの部屋の固定された場所など、オペレータの外部に配設され得る。外部センサは、計算ユニット18によって処理され、したがって外科手術ロボットシステム10によって用いられ得る外部データ36を生成することができる。
【0070】
センサは、オペレータの手及び/又は腕の位置及び/又は配向を示す位置及び/又は配向データを生成する。感知及び追跡ユニット16及び/又は16Aは、カメラ組立品44及びロボット組立品20のロボットアーム組立品42の移動(例えば、位置及び/又は配向の変化)を制御するために利用され得る。感知及び追跡ユニット16によって生成される追跡及び位置データ34は、プロセッサ22によって処理するために計算ユニット18に伝達され得る。
【0071】
計算ユニット18は、追跡及び位置データ34及び34Aから、オペレータの手又は腕の位置及び/又は配向、並びにオペレータの頭部の一部の実施形態では、同様に決定又は計算し、追跡及び位置データ34及び34Aをロボット組立品20に伝達することができる。追跡及び位置データ34、34Aは、プロセッサ22によって処理され得、例えば、記憶ユニット24に記憶され得る。追跡及び位置データ34Aはまた、制御ユニット26によって使用され得、この制御ユニットは、それに応答して、ロボットアーム組立品42及び/又はカメラ組立品44の移動を制御するための制御信号を生成することができる。例えば、制御ユニット26は、カメラ組立品44の少なくとも一部分、ロボットアーム組立品42の少なくとも一部分、又はその両方の位置及び/若しくは配向を変更し得る。一部の実施形態では、制御ユニット26はまた、カメラ組立品44のパン及び傾斜を調整して、オペレータの頭部の移動に追従することができる。
【0072】
モード選択コントローラ19は、複数の制御モードから制御モデルを選択するために使用される。制御モードの実施例としては、走行アーム制御モード、カメラ制御モード、身体活動制御モデル、モデル操作制御モード、及びデフォルトモードを含めることができる。一部の実施形態では、モード選択コントローラ19は、ハンドコントローラ17と通信して、制御モード選択入力を決定することができる。一部の実施形態では、モデル選択コントローラ19は、1つ以上のフットペダルから入力を取得することができる。オペレータは、特定のフットペダルを押下及び保持して、特定の制御モードに入るか、又は特定のフットペダルをタップして、特定の制御モードに出入りすることができる。一部の実施形態では、モデル選択コントローラ19はまた、又は代替的に、ハンドコントローラ17内又はハンドコントローラ17上に含まれ得る1つ又は複数のボタン、トグル、及び/又はスイッチから入力を取得することができる。計算ユニット18は、モード選択コントローラ19から第1の制御モード選択入力を受信し、第1の制御モード選択入力に応答して、外科手術ロボットシステム10の現在の制御モードを、第1の制御モード(例えば、走行アーム制御モード、カメラ制御モード、身体活動モード、モデル操作制御モード、デフォルトモードなど)に変更することができる。計算ユニット18は、ハンドコントローラ17から第1の制御入力を受信することができる。計算ユニット18は、ロボットアーム組立品42のロボットアームの遠位端部に配置されたエンドエフェクタの器具先端の静止位置を維持しながら、カメラ組立品44の少なくとも一部分、ロボットアーム組立品42の少なくとも一部分、又はその両方の位置及び/若しくは配向を変更し得る。実施例は、図2B、及び図6図13に関して更に説明される。
【0073】
ロボット組立品20は、モータユニット40及びトロカール50を有するロボット支持システム(RSS)46と、ロボットアーム組立品42と、カメラ組立品44とを含み得る。ロボットアーム組立品42及びカメラ組立品44は、米国特許第10,285,765号に開示及び説明されるような単一の支持軸ロボットユニットの一部を形成することができるか、又はPCT特許出願第PCT/US2020/039203号に開示及び説明されるような分割アーム(SA)アーキテクチャロボットシステムの一部を形成することができる。
【0074】
ロボット組立品20は、異なる又は別個の軸に沿って配備可能な複数の異なるロボットアームを用いることができる。一部の実施形態では、複数の異なるカメラ要素を用いることができるカメラ組立品44はまた、共通の別個の軸に沿って配備され得る。したがって、外科手術ロボットシステム10は、異なる軸に沿って配備可能な一対の別個のロボットアーム及びカメラ組立品44などの複数の異なる構成要素を用いることができる。一部の実施形態では、ロボットアーム42及びカメラ組立品44は、別個に操作可能であり、操縦可能であり、かつ移動可能である。ロボットアーム組立品42及びカメラ組立品44を含むロボット組立品20は、別個の操作可能な軸に沿って使い捨て可能であり、本明細書ではSAアーキテクチャと呼ばれる。SAアーキテクチャは、単一の挿入点又は部位における単一のトロカールを通したロボット外科手術器具の挿入を単純化し、効率を高めると同時に、外科手術器具の外科手術準備完了状態への配備、並びに以下に更に説明するように、トロカール50を通した外科手術器具のその後の除去を補助するように設計される。
【0075】
RSS46は、モータユニット40及びトロカール50を含み得る。RSS46は、その遠位端部に連結されたモータユニット40を支持する支持部材を更に含むことができる。モータユニット40は、カメラ組立品44及びロボットアーム組立品42の各々に連結され得る。支持部材は、ロボット組立品20の1つ以上の構成要素を直線的に、又は任意の他の選択された方向若しくは配向で動作させるように構成及び制御され得る。一部の実施形態では、RSS46は、直立していてもよい。一部の実施形態では、RSS46は、一端部においてロボット組立品20に連結され、かつ対向端部において調整可能な支持部材又は要素に連結されるモータユニット40を含むことができる。
【0076】
モータユニット40は、制御ユニット26によって生成される制御信号を受信することができる。モータユニット40は、ロボットアーム組立品42及びカメラ組立品44に個別に又は一緒に給電及び駆動するための、歯車、1つ以上のモータ、ドライブトレイン、電子機器などを含むことができる。モータユニット40はまた、ロボットアーム組立品42、カメラ組立品44、並びに/又はRSS46及びロボット組立品20の他の構成要素に、機械的な電力、電力、機械的な通信、及び電気的な通信を提供することができる。モータユニット40は、計算ユニット18によって制御され得る。したがって、モータユニット40は、例えば、各ロボットアームの各関節運動するジョイントの位置及び配向、並びにカメラ組立品44を含む、ロボットアーム組立品42を制御及び駆動できる1つ以上のモータを制御するための信号を生成することができる。モータユニット40は、トロカール50を通してロボット組立品20の各構成要素を挿入及び除去するために最初に利用される並進又は直線の自由度を更に提供することができる。モータユニット40はまた、トロカール50を通して患者100に挿入されるときに、各ロボットアーム組立品42の挿入深さを調整するために用いられ得る。
【0077】
トロカール50は、爪(金属又はプラスチックの鋭利又はブレードなしの先端であってもよい)、カニューレ(本質的に中空管)、及びシールからなり得る医療デバイスである。トロカールは、ロボット組立品20の少なくとも一部分を、対象(例えば、患者)の内部空洞内に置くために使用され得、体腔からガス及び/又は流体を引き出すことができる。ロボット組立品20をトロカールを通して挿入して、患者の体腔内にアクセスし、インビボで手術を行うことができる。ロボット組立品20は、ロボットアーム組立品42及びカメラ組立品44が、単一位置又は複数の異なる位置に患者内で操縦され得るように、複数の自由度でトロカールによって支持され得る。
【0078】
一部の実施形態では、RSS46は、システム構成要素(例えば、ディスプレイ12、感知及び追跡ユニット16、ロボットアーム組立品42、カメラ組立品44など)のうちの1つ以上からの入力データを処理するための、及びそれに応答して制御信号を生成するための任意選択のコントローラを更に含み得る。モータユニット40はまた、データを記憶するための記憶要素を含むことができる。
【0079】
ロボットアーム組立品42は、本明細書ではスケールダウンアーム制御モードと称される、関連付けられたセンサによって感知されるような、オペレータの腕及び/又は手のスケールダウン移動又は動きに従うように制御され得る。ロボットアーム組立品42は、第1のロボットアームの遠位端部に配置された器具先端を有する第1のエンドエフェクタを含む第1のロボットアームと、第2のロボットアームの遠位端部に配置された器具先端を有する第2のエンドエフェクタを含む第2のロボットアームと、を含む。一部の実施形態では、ロボットアーム組立品42は、肩関節、肘関節、及び手首関節並びにオペレータの指と関連付けられ得る移動と関連付けられ得る、部分又は領域を有することができる。例えば、ロボット肘関節は、ヒトの肘の位置及び配向に追従し得、ロボット手首関節は、ヒトの手首の位置及び配向に追従し得る。ロボットアーム組立品42はまた、それと関連付けられる末端領域を有し得、これは、一部の実施形態では、例えば、ユーザが人差し指及び親指を一緒に挟む際に、人差し指など、オペレータの1つ以上の指の移動に追従するエンドエフェクタで終端し得る。一部の実施形態では、ロボットアーム組立品42のロボットアームは、一部の制御モード(例えば、スケールダウンアーム制御モード)でオペレータのアームの移動に追従するが、ロボットショルダは、こうした制御モードで所定位置に固定される。一部の実施形態では、オペレータの胴体の位置及び配向は、オペレータの腕及び/又は手の位置及び配向から差し引かれる。この差し引きにより、オペレータは、ロボットアームが動くことなく、胴体を移動させることが可能である。
【0080】
カメラ組立品44は、オペレータに、例えば、手術又は手術部位のライブビデオフィードなどの画像データ48を提供するだけでなく、オペレータがカメラ組立品44の一部を形成するカメラを作動及び制御することを可能にするように構成される。一部の実施形態では、カメラ組立品44は、1つ以上のカメラ(例えば、一対のカメラ)を含み得、その光学軸は、選択された距離だけ軸方向に離間し、これは、カメラ間距離として知られ、外科手術部位の立体視又は画像を提供する。一部の実施形態では、オペレータは、オペレータの手に連結されたセンサを介して、又はオペレータの手によって把持若しくは保持されたハンドコントローラを介して、手の移動を介してカメラの移動を制御することができ、したがって、オペレータは、直感的かつ自然な様式で手術部位の所望の視界を得ることができる。一部の実施形態では、オペレータは、オペレータの頭部の移動を介して、カメラの移動を追加的に制御することができる。カメラ組立品44は、視野方向に関して、例えば、ヨー方向、ピッチ方向及びロール方向を含む、複数の方向に移動可能である。一部の実施形態では、ステレオスコピックカメラの構成要素は、自然で快適なユーザ体験を提供するように構成され得る。一部の実施形態では、カメラ間の軸間距離は、オペレータによって知覚される手術部位の深さを調整するように修正され得る。
【0081】
カメラ組立品44によって生成される画像又はビデオデータ48は、ディスプレイユニット12上に表示され得る。実施形態では、ディスプレイユニット12がHMDを含む場合、ディスプレイは、HMDのヨー方向、ピッチ方向及びロール方向の未加工の配向データ、並びにHMDのデカルト空間(x、y、z)内の位置データを取得する、組み込み式感知及び追跡ユニット16Aを含むことができる。一部の実施形態では、オペレータの頭部に関する位置及び配向データは、別個の頭部追跡ユニットを介して提供され得る。一部の実施形態では、感知及び追跡ユニット16Aを使用し得、HMDの組み込み式追跡システムの代わりに、又はそれに加えて、ディスプレイの補足的な位置及び配向追跡データを提供する。一部の実施形態では、オペレータの頭部追跡は使用又は採用されない。
【0082】
カメラ組立品44によって生成される画像データ48は、VR計算ユニットであってもよい撮像計算ユニット14に伝達され得、一部の実施形態では、VR画像レンダリングユニットであり得る画像計算ユニット又は画像レンダリングユニット30によって処理され得る。画像データ48は、一部の実施形態では、静止写真又は画像データ並びにビデオデータを含むことができる。画像レンダリングユニット30は、画像データを処理し、次いで、ディスプレイユニット12によって表示するための画像データをレンダリングするための好適なハードウェア及びソフトウェアを含むことができる。更に、レンダリングユニット30は、カメラ組立品44から受信した画像データを、カメラ組立品内のカメラの位置及び配向と関連付けられた情報、並びにオペレータの頭部を追跡する実施形態では、オペレータの頭部の位置及び配向と関連付けられた情報と組み合わせることができる。この情報で、画像レンダリングユニット30は、出力ビデオ又は画像レンダリング信号を生成し、この信号をディスプレイユニット12に送信することができる。すなわち、画像レンダリングユニット30は、ディスプレイユニット12に表示するために、ハンドコントローラ17の位置及び配向の読み取り値、並びにオペレータ頭部位置を追跡する実施形態に対するオペレータの頭部位置をレンダリングする。
【0083】
画像計算ユニット14がVR計算ユニットである一部の実施形態では、画像計算ユニット14はまた、仮想世界において1つ以上の仮想カメラを生成することができ、外科手術ロボットシステム10によって採用されて、HMDのために画像をレンダリングすることができる、VRカメラユニット38を含み得る。これにより、VRカメラユニット38は、HMDを着用しているオペレータがキューブマップに見るのと同一の表示を常に描画する。一部の実施形態では、単一のVRカメラを使用することができ、別の実施形態では、別個の左目及び右目VRカメラを用いて、ディスプレイ内の別個の左目及び右目のキューブマップ上にレンダリングして、ステレオビューを提供することができる。VRカメラの視野(FOV)設定は、カメラ組立品44によって公開されたFOVに対して自己構成することができる。ライブカメラビュー又は画像データのコンテキスト背景を提供することに加えて、キューブマップを使用して、仮想オブジェクト上に動的反射を生成することができる。この効果により、仮想物体上の反射面は、キューブマップから反射を捕捉し、これらの物体が、現実世界の環境を実際に反映しているかのようにユーザには映る。
【0084】
図2Aは、一部の実施形態による、モバイル患者カートに組み込まれた、又はモバイル患者カート上に装着された、本開示の外科手術ロボットシステム10の例示的なロボット組立品20を示す。一部の実施形態では、ロボット組立品20は、RSS46を含み、次に、RSS46は、モータユニット40を含み、ロボットアーム組立品42は、エンドエフェクタ45を有し、カメラ組立品44は、1つ以上のカメラ47を有し、トロカール50をまた含み得る。
【0085】
図2Bは、一部の実施形態による、本開示の外科手術ロボットシステム10のオペレータコンソール11の実施例を示す。オペレータコンソール11は、ディスプレイユニット12、ハンドコントローラ17、及び制御モードを選択するためのモード選択コントローラ19を含む。一部の実施形態では、少なくともいくつかのモード選択コントローラが、ハンドコントローラに組み込まれる。
【0086】
図3Aは、一部の実施形態による、及び一部の外科手術処置のための、対象100の内部空洞104内の外科手術を実施する外科手術ロボットシステム10の側面図を概略的に示す。図3Bは、対象100の内部空洞104内で外科手術を実施する外科手術ロボットシステム10の斜視上面図を示す。対象100(例えば、患者)は、手術テーブル102(例えば、外科手術テーブル102)上に置かれる。一部の実施形態では、及び一部の外科手術処置のために、患者100に切開が行われ、内部空洞104へのアクセスが得られる。次に、トロカール50は、選択された場所で患者100内に挿入されて、内部空洞104又は手術部位へのアクセスを提供する。次いで、RSS46は、患者100及びトロカール50上の位置に操作され得る。ロボット組立品20は、モータユニット40に連結され得、ロボット組立品の少なくとも一部分は、トロカール50内に、したがって、患者100の内部空洞104内に挿入され得る。例えば、カメラ組立品44及びロボットアーム組立品42は、トロカール50を通して患者100内に個別にかつ順次挿入され得る。カメラ組立品及びロボットアーム組立品は、使用時に対象の身体の外部に留まるいくつかの部分を含み得るが、ロボットアーム組立品42及び/又はカメラ組立品を対象の内部空洞内に挿入すること、並びにロボットアーム組立品42及び/又はカメラ組立品44を対象の内部空洞内に配置することへの言及は、使用中に対象の内部空洞内にあることが意図されるロボットアーム組立品42及びカメラ組立品44の部分を指す。順次挿入方法は、より小さなトロカールを支持する利点を有し、それゆえに、患者100においてより小さな切開を行うことができ、それゆえ、患者100が経験する外傷を低減する。一部の実施形態では、カメラ組立品44及びロボットアーム組立品42は、任意の順序又は特定の順序で挿入され得る。一部の実施形態では、カメラ組立品44の後に、ロボットアーム組立品42の第1のロボットアームが続き、その後に、ロボットアーム組立品42の第2のロボットアームが続き、その全てが、トロカール50内、ひいては、内部空洞104内に挿入され得る。患者100に挿入されると、RSS46は、図6図13に関して更に説明されるように、異なる制御モード(例えば、走行アーム制御モード、カメラ制御モード、モデル操作制御モードなど)を介して、ロボットアーム組立品42及びカメラ組立品44を、オペレータコンソール11によって手動で又は自動的に制御される手術部位に移動させることができる。
【0087】
ロボットアーム組立品の個々のアームの移動の更なる開示制御は、国際特許出願公開第2022/094000(A1)号及び同第2021/231402(A1)号に提供され、その各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0088】
ロボット組立品制御
図4Aは、一部の実施形態による、ロボットアームサブ組立品21の斜視図である。ロボットアームサブ組立品21は、ロボットアーム42Aと、器具先端120(例えば、単極はさみ、針ドライバ/ホルダー、双極把持器、又は任意の他の適切なツール)を有するエンドエフェクタ45と、ロボットアーム42Aを支持するシャフト122とを含む。シャフト122の遠位端部は、ロボットアーム42Aに連結されており、シャフト122の近位端部は、(図1及び図2Aに示すように)モータユニット40のハウジング124に連結される。シャフト122の少なくとも一部分は、(図3A及び図3Bに示すように)内部空洞104の外部にあり得る。シャフト122の少なくとも一部分は、(図3A及び図3Bに示すように)内部空洞10の中に挿入され得る。
【0089】
図4Bは、ロボットアーム組立品42の側面図である。ロボットアーム組立品42は、仮想ショルダ126、容量近接センサ132を有する仮想エルボ128、仮想手首部130、及びエンドエフェクタ45を含む。仮想ショルダ126、仮想エルボ128、仮想手首部130は、一連のヒンジ及び回転ジョイントを含んで、エンドエフェクタ45に対する追加の1つの把持自由度とともに、各アームに位置決め可能な7自由度を提供することができる。
【0090】
図5は、ロボット組立品20の内部部分の斜視正面図を示す。ロボット組立品20は、第1のロボットアーム42A及び第2のロボットアーム42Bを含む。2つのロボットアーム42A及び42Bは、ロボット組立品20の仮想胸部140を画定し得る。仮想胸部140は、第1のロボットアーム42Aの最近位ジョイントの第1の旋回点142Aと、第2のロボットアーム42Bの最近位ジョイントの第2の旋回点142Bと、カメラ47のカメラ撮像中心点144との間に延在する、胸部平面によって画定され得る。仮想胸部140の旋回中心146は、第1のロボットアーム42Aの第1の旋回点144と第2のロボットアーム42Bの第2の旋回点142Bとを接続する胸部平面内の線セグメントに沿って中間に位置する。
【0091】
図6は、本開示の外科手術ロボットシステム100によって実行されるロボット組立品を制御するためのステップ200を示すフローチャートである。ステップ202から開始して、ロボット組立品の少なくとも一部分が対象の内部空洞内に配置されている間に、外科手術ロボットシステム10は、オペレータから第1の制御モード選択入力を受信し、かつ第1の制御モード選択入力に応答して、外科手術ロボットシステム10の現在の制御モードを第1の制御モードに変更する。例えば、図3A及び図3Bに示すように、ロボット組立品の内部部分と称され得るロボット組立品20の少なくとも一部分は、対象100(例えば、患者)の内部空洞104に挿入される。ロボット組立品20の内部部分は、対象100の内部空洞104内に配置されるが、外科手術ロボットシステム10は、ハンドコントローラ17及び/又は1つ以上のモード選択コントローラ19(例えば、フットペダル)のうちの一方又は両方を介してなど、オペレータコンソール11上の制御を介して、オペレータ(例えば、外科医)から制御モード選択入力を受信し得る。例えば、オペレータは、カメラ制御フットペダル19Aを利用して、カメラ制御モードに入ることができ、オペレータは、走行制御フットペダル19Bを利用して、走行アーム制御モードに入ることができる。一部の実施形態では、モード選択制御はまた、又は代替的に、ハンドコントローラ17の上又はその中に配置され得る。
【0092】
ステップ204では、外科手術ロボットシステム10が第1の制御モードにある間に、外科手術ロボットシステム10は、ハンドコントローラ17から第1の制御入力を受信する。
【0093】
走行アーム制御モードでは、制御入力は、複数のジェスチャ並進移動入力(例えば、引き戻し入力、前方押し出し入力、水平入力、垂直入力、右ヨー入力、及び/又は左ヨー入力)のうちの1つ、又は複数のジェスチャ回転入力(例えば、ピッチダウン入力、ピッチアップ入力、時計回りのロール入力、及び/又は反時計回りのロール入力)のうちの1つに対応し得る。図5に関して、制御入力が複数のジェスチャ並進移動入力のうちの1つに対応する場合、外科手術ロボットシステム10は、制御入力に応答して、エンドエフェクタ45の器具先端の静止位置を維持しながら、ロボットアーム組立品42の少なくとも一部分を移動させて、仮想胸部旋回中心146の場所を変更する。制御入力が複数のジェスチャ回転入力のうちの1つに対応する場合、外科手術ロボットシステム10は、エンドエフェクタ45の器具先端の静止位置を維持しながら、ロボットアーム組立品42の少なくとも一部分を移動させて、カメラ47の現在の視方向に対する仮想胸部140の配向を変更する。実施例は、図7図12及び図16図19に関して更に説明される。
【0094】
カメラ制御モードでは、制御入力は、図13A図13Fに関して更に説明されるように、複数のジェスチャ回転入力(例えば、右ヨー入力、左ヨー入力、ピッチダウン入力、ピッチアップ入力、時計回りのロール入力、及び/又は反時計回りのロール入力)のうちの1つに対応し得る。
【0095】
身体活動アーム制御モードでは、制御入力は、図14及び図15に関して更に説明されるように、複数の異なるタイプの身体活動入力(例えば、ズーム入力及び/又はホイール入力)のうちの1つに対応し得る。
【0096】
モデル操作制御モードでは、制御入力は、図20に関して更に説明されるように、タッチスクリーンオペレータ入力に対応し得る。
【0097】
ステップ206では、第1の制御入力の受信に応答して、外科手術ロボットシステム10は、ロボットアームの遠位端部に配置されたエンドエフェクタの器具先端の静止位置を維持しながら、カメラ組立品の少なくとも一部分、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分、又はその両方の位置及び/若しくは配向を変更する。外科手術ロボットシステム10は、例えば、走行アーム制御モード、カメラ制御モード、身体活動アーム制御モード、モデル操作制御モードなどの複数の制御モードを含み得る。
【0098】
走行アーム制御モードでは、外科手術ロボットシステム10は、ロボットアーム組立品42の少なくとも一部分を移動させて、ロボットアーム組立品42及びカメラ組立品44を直線的に再位置決めすること、並びに/又はロボットアーム組立品42及びカメラ組立品44をヨーイングすること、ピッチングすること、及び/若しくは回転させることなどの、カメラの現在の視方向に対して、仮想胸部旋回中心の場所及び/又は仮想胸部の配向を変更することができる。実施例は、図7図12及び図16図19に関して更に説明される。カメラ制御モードでは、外科手術ロボットシステム10は、現在の視方向(例えば、カメラの視方向)に対して、カメラの視野をヨーイングすること、ピッチングすること、及び/若しくは回転させることなどで、ロボットアーム組立品42を静止させたまま、現在の視方向に対してカメラ組立品44の少なくとも1つのカメラの配向及び/又は位置を変更し得る。実施例は、図13A図13Fに関して説明される。
【0099】
身体活動アーム制御モードでは、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分の並進運動の大きさと、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分の並進運動の方向と、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分の回転の大きさと、ロボットアーム組立品の少なくとも一部分の回転軸と、のうちの1つ以上は、少なくとも部分的に、ハンドコントローラの感知された移動の大きさと、ハンドコントローラ間の間隔の感知された変化の大きさと、ハンドコントローラ間の横方向の間隔における感知された変化の大きさと、ハンドコントローラの移動の方向と、第1の制御入力でハンドコントローラを接続する線の配向の感知された変化と、のうちの1つ以上に依存する。実施例は、図14及び図15に関して説明される。
【0100】
モデル操作制御モードでは、外科手術ロボットシステム10は、図20に関して更に説明されるように、タッチスクリーンオペレータ入力に応答して、ロボットアーム組立品42及び/又はカメラ組立品44を移動させ得る。
【0101】
ジェスチャアーム制御モード
図7Aは、ジェスチャアーム制御モードにおける引き戻し入力302及び前方押し出し入力304のための手のジェスチャ300を示す。図7Bは、引き戻し入力302及び前方押し出し入力304に応答する、ロボットアーム組立品42の移動を示す。引き戻し入力302は、オペレータの手306がオペレータの身体に向かって後方に移動することに対応する、ハンドコントローラ17の感知された移動(例えば、図1及び図2Bに示すような)に対応する。ジェスチャアーム制御モードにあるときに、外科手術ロボットシステム10は、エンドエフェクタ45の器具先端の静止位置を維持しながら、引き戻し入力302に応答して、ロボットアーム組立品42の少なくとも一部分を移動させて、仮想胸部旋回中心146の場所を現在の視方向400で前方402に移動させる。前方押し出し入力304は、オペレータの手306がオペレータの身体から離れる方向に前方へ移動することに対応する、ハンドコントローラ17の感知された移動(例えば、図1及び図2Bに示すような)に対応する。ジェスチャアーム制御モードにあるときに、外科手術ロボットシステム10は、エンドエフェクタの器具先端120の静止位置を維持しながら、前方押し出し入力304に応答して、ロボットアーム組立品42の少なくとも一部分を移動させて、仮想胸部旋回中心146の場所を現在の視方向400から離れる方向に後方404へ移動させる。
【0102】
図8Aは、ジェスチャアーム制御モードにおける水平入力312の手のジェスチャ310を示す。図8Bは、水平入力312に応答する、ロボットアーム組立品42の移動を示す。水平入力312は、オペレータの身体に対してオペレータの手306が水平方向412に移動することに対応する、ハンドコントローラ17の感知された移動(例えば、図1及び図2Bに示すような)に対応する。ジェスチャアーム制御モードにあるときに、外科手術ロボットシステム10は、ロボットアーム組立品42の少なくとも一部分を移動させて、カメラ47の現在の視野410又は表示される現在の画像に対して、仮想胸部旋回中心146の場所を対応する水平方向に移動させる。対応する水平方向は、エンドエフェクタの器具先端120の静止位置を維持しながら、それぞれ水平入力312B又は312Aに応答して表示された現在の画像の現在の視方向400又は現在の視野410に対する左の水平方向412B又は右の水平方向412Aである。視野は、図に示され、かつマークされた線410によって示されるよりも広くても、又は著しく広くてもよいことに留意されたい。視野410の図に示された線は、単に例示目的のためのものであり、代表的なカメラ組立品の実際の視野を反映することを意図するものではない。
【0103】
図9Aは、ジェスチャアーム制御モードにおける垂直入力322のための手のジェスチャ320を示す。図9Bは、垂直入力322に応答する、ロボットアーム組立品42の移動を示す。垂直入力422は、オペレータの身体に対してオペレータの手306が垂直方向に移動することに対応する、ハンドコントローラ17の感知された移動(例えば、図1及び図2Bに示すような)に対応する。ジェスチャアーム制御モードにある場合に、外科手術ロボットシステム10は、ロボットアーム組立品42の少なくとも一部分を移動させて、現在の視方向400又は現在の視野410に対して対応する垂直方向422に、仮想胸部旋回中心416の場所を移動させ、ここで、対応する垂直方向は、エンドエフェクタの器具先端120の静止位置を維持しながら、それぞれ垂直入力322A又は322Bに応答して表示された現在の画像の現在の視野410に対する垂直上方向422A又は垂直下方向422Bである。
【0104】
図10Aは、ジェスチャアーム制御モードにおける右ヨー入力332及び左ヨー入力334の手のジェスチャ330を示す。図10Bは、右ヨー入力332及び左ヨー入力334に応答する、ロボットアーム組立品42の移動を示す。右ヨー入力332は、オペレータの身体から離れる方向に前方へ移動する332Aオペレータの左手306Aに対応する左手コントローラの感知された移動、及びオペレータの身体に向かって後方に移動する332Bオペレータの右手306Bに対応する右手コントローラの感知された移動に対応する。ジェスチャアーム制御モードにある場合に、外科手術ロボットシステム10は、エンドエフェクタ45の器具先端の静止位置を維持しながら、ロボットアーム組立品42の少なくとも一部分を移動させて、右ヨー入力332に応答して表示された現在の画像の現在の視方向又は現在の視野410に対して、仮想胸部旋回中心416の周りで右432に胸部平面の配向をヨーイングする。
【0105】
左ヨー入力334は、オペレータの身体に向かって後方に移動する334Aオペレータの左手306Aに対応する左手コントローラの感知された移動、及びオペレータの身体から離れる方向に前方へ移動する334Bオペレータの右手306Bに対応する右手コントローラの感知された移動に対応する。ジェスチャアーム制御モードにある場合に、外科手術ロボットシステム10は、エンドエフェクタ45の器具先端の静止位置を維持しながら、ロボットアーム組立品42の少なくとも一部分を移動させて、左ヨー入力334に応答する現在の視方向400又は現在の視野410に対して、仮想胸部旋回中心416の周りで左434に胸部平面の配向をヨーイングする。
【0106】
図11Aは、ジェスチャアーム制御モードにおけるピッチダウン入力342及びピッチアップ入力344の手のジェスチャ340を示す。図11Bは、ピッチダウン入力342及びピッチアップ入力342に応答する、ロボットアーム組立品42の移動を示す。ピッチダウン入力342は、前方に傾斜するオペレータの手342に対応するハンドコントローラの感知された移動に対応する。ジェスチャアーム制御モードにある場合に、外科手術ロボットシステム10は、エンドエフェクタの器具先端120の静止位置を維持しながら、ロボットアーム組立品42の少なくとも一部分を移動させて、ピッチダウン入力342に応答して表示された現在の画像の現在の視方向400又は現在の視野410に対して、仮想胸部旋回中心416の周りで下方442に胸部平面の配向をピッチングする。
【0107】
ピッチアップ入力344は、ハンドコントローラの感知された移動に対応し、オペレータの手306の感知された移動は、オペレータの手が後方に傾くこと344に対応する。ジェスチャアーム制御モードにある場合に、外科手術ロボットシステムは、エンドエフェクタの器具先端120の静止位置を維持しながら、ロボットアーム組立品42の少なくとも一部分を移動させて、ピッチアップ入力344に応答する現在の画像の現在の視方向400又は現在の視野410に対して、仮想胸部旋回中心416の周りで上向き444に胸部平面の配向をピッチングする。
【0108】
図12Aは、ジェスチャアーム制御モードにおける時計回りのロール入力352及び反時計回りのロール入力354の手のジェスチャ350を示す。図12Bは、時計回りのロール入力352及び反時計回りのロール入力354に応答する、ロボットアーム組立品42の移動を示す。時計回りのロール入力352は、垂直に上方に移動する352Aオペレータの左手306Aに対応する左手コントローラの感知された移動、及び垂直に下方に移動する352Bオペレータの右手306Bに対応する右手コントローラの感知された移動に対応する。ジェスチャアーム制御モードにある場合に、外科手術ロボットシステム10は、エンドエフェクタの器具先端120の静止位置を維持しながら、ロボットアーム組立品42の少なくとも一部分を移動させて、時計回りのロール入力352に応答して表示された現在の画像の現在の視方向400又は現在の視野410に対して、仮想胸部旋回中心416を通過する現在の視方向400に対して平行な軸456の周りで時計回りに452、ロボットアーム組立品42を回転させる。
【0109】
反時計回りのロール入力354は、オペレータの左手306Aが垂直に下向きに移動する354Aことに対応する左手コントローラの感知された移動、及びオペレータの右手306Bが垂直に上向きに移動する354Bことに対応する右手コントローラの感知された移動に対応する。ジェスチャアーム制御モードにある場合に、外科手術ロボットシステム10は、エンドエフェクタ45の器具先端の静止位置を維持しながら、反時計回りのロール入力354に応答する現在の視野410に対して、ロボットアーム組立品42の少なくとも一部分を移動させて、仮想胸部旋回中心416を通過する現在の視方向400に対して平行な軸456の周りで反時計回りに454、ロボットアーム組立品42を回転させる。
【0110】
ジェスチャカメラ制御モード
図13Aは、ジェスチャカメラ制御モードにおける右ヨー入力362及び左ヨー入力364の手のジェスチャ360を示す。図13Bは、右ヨー入力362及び左ヨー入力364に応答する、カメラ組立品44の移動を示す。右ヨー入力362は、オペレータの身体から離れる方向に前方へ移動する362Aオペレータの左手306Aに対応する左手コントローラの感知された移動、及びオペレータの身体に向かって後方に移動する362Bオペレータの右手306Bに対応する右手コントローラの感知された移動に対応する。ジェスチャカメラ制御モードにあるときに、外科手術ロボットシステム10は、カメラ組立品44の少なくとも一部分を移動させて、右ヨー入力362に応答して表示された現在の画像の現在の視野510に対して、カメラ組立品44のヨー回転軸500の周りでカメラ組立品44のカメラ47の視野方向の配向を右に502ヨーイングする。
【0111】
左ヨー入力364は、オペレータの身体に向かって後方に移動する364Aオペレータの左手306Aに対応するオペレータの左手の感知された移動、及びオペレータの身体から前方に離れるオペレータの右手306Bに対応するオペレータの右手の感知された移動に対応する。ジェスチャカメラ制御モードにあるときに、外科手術ロボットシステム10は、カメラ組立品44の少なくとも一部分を移動させて、左ヨー入力364に応答して表示された現在の画像の現在の視野510に対して、カメラ組立品のヨー回転軸500の周りでカメラ47の視野方向の配向を左に504ヨーイングする。
【0112】
図13Cは、ジェスチャカメラ制御モードにおけるピッチダウン入力372及びピッチアップ入力374のための手のジェスチャ370を示す。図13Dは、ピッチダウン入力372及びピッチアップ入力374に応答する、カメラ組立品44の移動を示す。ピッチダウン入力372は、前方に傾斜するオペレータの手に対応するハンドコントローラの感知された移動に対応する。ジェスチャカメラ制御モードにあるときに、外科手術ロボットシステム10は、カメラ組立品44の少なくとも一部分を移動させて、ピッチダウン入力372に応答して、カメラ組立品44のピッチ軸506の周りでカメラ47の視野方向の配向を下方502にピッチングする。
【0113】
ピッチアップ入力374は、後方に傾斜するオペレータの手に対応するハンドコントローラの感知された移動に対応する。ジェスチャカメラ制御モードにあるときに、外科手術ロボットシステム10は、カメラ組立品44の少なくとも一部分を移動させて、ピッチアップ入力374に応答して、カメラ組立品44のピッチ軸506の周りでカメラ47の視野方向の配向を上方504にピッチングする。
【0114】
図13Eは、ジェスチャカメラ制御モードにおける時計回りのロール入力382及び反時計回りのロール入力384の手のジェスチャ380を示す。図13Fは、時計回りのロール入力382及び反時計回りのロール入力384に応答する、カメラ組立品44の移動を示す。時計回りのロール入力382は、垂直に上方に移動する382Aオペレータの左手306A及び垂直に下方に移動する382Bオペレータの右手306Bに対応する、ハンドコントローラの感知された移動に対応する。ジェスチャカメラ制御モードにあるときに、外科手術ロボットシステム10は、カメラ組立品44の少なくとも一部分を移動させて、時計回りのロール入力382に応答して現在の視方向に対して平行な軸516の周りでカメラ44を時計回り512に回転させる。
【0115】
反時計回りのロール入力384は、垂直に下方に移動する384Aオペレータの左手306A及び垂直に上方に移動する384Bオペレータの右手306Bに対応する、ハンドコントローラの感知された移動に対応する。ジェスチャカメラ制御モードにあるときに、外科手術ロボットシステム10は、カメラ組立品の少なくとも一部分を移動させて、反時計回りのロール入力384に応答して現在の視方向に対して平行な軸516の周りでカメラ47を反時計回り514に回転させる。
【0116】
身体活動モード
図14Aは、身体活動制御モードにおけるズーム入力610Aのための手のジェスチャ600A、及びズーム入力610Aに応答するロボットアーム組立品42の移動を示す。時間T0で、オペレータの手306は、初期の間隔S0を有する初期場所に位置する。時間T1で、オペレータの手306は、横方向の間隔S1を有して横方向に分離される。ズーム入力610Aは、横方向の間隔における変化(ΔS1=S1-S0)に対応するハンドコントローラ17(図1及び図2Bに示すような)の感知された移動に対応する。横方向の間隔は、T0でのS0からT1でのS1まで増加し、それに応答して、外科手術ロボットシステム10は、ロボットアーム組立品42の少なくとも一部分を移動させて、仮想胸部旋回中心146の場所L0を現在の視方向400で場所L1まで前方に移動させる。L0とL1との間の変位は、D1である。仮想胸部旋回中心146がL0にあるときに表示される画像は、仮想胸部旋回中心146の位置の変化に起因して、仮想胸部旋回中心146がL0からL1へと移動するときに、ズームインされる場合があり、又はズームインされるように見える。
【0117】
図14Bは、身体活動制御モードにおける別のズーム入力610Bのための手のジェスチャ600B、及びズーム入力610Bに応答するロボットアーム組立品42の移動を示す。時間T2で、オペレータの手306は、横方向の間隔S2を有して横方向に分離される。ズーム入力610Bは、横方向の間隔における変化(ΔS2=S2-S0)に対応するハンドコントローラ17(図1及び図2Bに示すような)の感知された移動に対応する。横方向の間隔は、T0でのS0からT2でのS2まで増加し、それに応答して、外科手術ロボットシステム10は、ロボットアーム組立品42の少なくとも一部分を移動させて、仮想胸部旋回中心146の場所L0を現在の視方向400で場所L2まで前方に移動させる。L0とL2との間の変位は、D2である。仮想胸部旋回中心146がL0にあるときに表示される画像は、仮想胸部旋回中心146の位置の変化に起因して、仮想胸部旋回中心146がL0からL2へと移動するときに、ズームインされる場合があり、又はズームインされるように見える。
【0118】
ΔS2はΔS1よりも大きいため、D2はD1よりも大きい。仮想胸部旋回中心の変位の大きさは、ズーム入力610A又は610Bに応答する横方向の間隔における変化の大きさに依存する。仮想胸部旋回中心146がL2にあるときに表示される画像は、仮想胸部旋回中心146がL1にあるときに表示される画像よりも大きく、又は大きく見える場合がある。
【0119】
図14Cは、身体活動制御モードにおける別のズーム入力610Cのための手のジェスチャ600C、及びズーム入力610Cに応答するロボットアーム組立品42の移動を示す。時間T0で、オペレータの手306は、初期の間隔S0’を有する初期場所に位置する。時間T1で、オペレータの手306は、横方向の間隔S1’を有するように近づく。ズーム入力610Cは、横方向の間隔における変化(ΔS1’=|S1’-S0’|)に対応するハンドコントローラ17(図1及び図2Bに示すような)の感知された移動に対応する。横方向の間隔は、T0でのS0’からT1でのS1’まで減少し、それに応答して、外科手術ロボットシステム10は、ロボットアーム組立品42の少なくとも一部分を移動させて、仮想胸部旋回中心146の場所L0を現在の視方向400に対して位置L1’まで後方に移動させる。L0とL1’との間の変位は、D1’である。仮想胸部旋回中心146がL0にあるときに表示される画像は、仮想胸部旋回中心146の位置の変化に起因して、仮想胸部旋回中心146がL0からL1’へと移動するときに、ズームインされる場合があり、又はズームインされて見える場合がある。
【0120】
図14Dは、身体活動制御モードにおける別のズーム入力610Dのための手のジェスチャ600D、及びズーム入力610Dに応答するロボットアーム組立品42の移動を示す。時間T2で、オペレータの手306は、横方向の間隔S2’を有するように近づく。ズーム入力610Dは、横方向の間隔における変化(ΔS2’=|S2’-S0’|)に対応するハンドコントローラ17(図1及び図2Bに示す)の感知された移動に対応する。横方向の間隔は、T0でのS0’からT2でのS2’まで減少し、それに応答して、外科手術ロボットシステム10は、ロボットアーム組立品42の少なくとも一部分を移動させて、仮想胸部旋回中心146の位置L0を現在の視方向400に対して位置L2’まで後方に移動させる。L0とL2’との間の変位は、D2’である。仮想胸部旋回中心146がL0にあるときに表示される画像は、仮想胸部旋回中心146の位置の変化に起因して、仮想胸部旋回中心146がL0からL2’へと移動するときに、ズームアウトされる場合があり、又はズームアウトされるように見える。
【0121】
ΔS1’はΔS2’よりも大きいため、D1’はD2’よりも大きい。仮想胸部旋回中心の変位の大きさは、ズーム入力610C又は610Dに応答する横方向の間隔における変化の大きさに依存する。仮想胸部旋回中心146がL1’にあるときに表示される画像は、仮想胸部旋回中心146がL2’にあるときに表示される画像よりも小さく、又は小さく見える場合がある。
【0122】
図15A及び図15Cは、身体活動モードにおける時計回りの回転に対応するホイール入力710A及び710Bのための手のジェスチャ700A、700Bを示す。図15B及び図15Dは、ホイール入力710A及び710Bに応答する、ロボットアーム組立品42の移動を示す。
【0123】
ホイール入力710Aは、垂直平面でハンドコントローラ17(図1及び図2Bに示すような)を接続する線720の配向における角度変化Δθに対応する。配向における変化Δθが時計回りの回転に対応するときに、外科手術ロボットシステム100は、ロボットアーム組立品42の少なくとも一部分を移動させて、表示される現在の画像の現在の視野810及び/又は視方向820に対して角度βを有して右800Aに仮想胸部の配向を回転させる。同様に、ホイール入力710Bは、垂直平面でハンドコントローラ17(図1及び図2Bに示すような)を接続する線720の配向における角度変化Δθ’に対応する。配向における変化Δθ’が時計回りの回転に対応するときに、外科手術ロボットシステム100は、ロボットアーム組立品42の少なくとも一部分を移動させて、表示される現在の画像の現在の視野810及び/又は視方向820に対して角度β’を有して右800Bに仮想胸部の配向を回転させる。仮想胸部の角度回転の大きさは、ホイール入力710Aに応答する線の配向の角度変化の大きさに依存する。例えば、ホイール入力710Aの角度変化Δθは、ホイール入力710Bの角度変化Δθ’よりも小さい。ホイール入力710Bに応答して、ロボットアーム組立品42の少なくとも一部分は、ホイール入力710Aによって引き起こされる角度βよりも大きい角度β’で回転する。
【0124】
時計回りの回転と同様に、ホイール入力が反時計回りの回転(図示せず)に対応する配向における変化を有するときに、外科手術ロボットシステム10は、ロボットアーム組立品42の少なくとも一部分を移動させて、ホイール入力に応答して、仮想胸部の角度回転の大きさが線の配向における角度変化の大きさに依存する状態で、現在の視野に対して、仮想胸部の配向を左に回転させる。
【0125】
ロボットアームの配向における変化の例
図16A図16C図17A図17D図18A図18C、並びに図19A及び図19Bの各セットは、エンドエフェクタ120の静止位置及びトロカール旋回中心51の静止位置を維持しながら達成され得る、ロボットアーム組立品の仮想胸部140の異なる配向141及び位置を示す。
【0126】
モデル操作制御モード
図20は、本開示の外科手術ロボットシステム10によって実行されるモデル操作制御モードを実施するステップ900を示すフローチャートである。ステップ902では、外科手術ロボットシステム10は、モード選択入力の受信に応答して、ロボット組立品20の表現を表示する。例えば、図1図2A図2B図3A、及び図3Bに関して、ロボットアーム組立品42及びカメラ組立品44を対象100の内部空洞104内に挿入した後に、外科手術ロボットシステム10は、オペレータがモデル操作制御モードを選択することを示すモード選択コントローラ19を介してモード選択入力を受信し得る。外科手術ロボットシステム10は、現在の制御モードをモデル操作制御モードに変更することができる。外科手術ロボットシステム10は、タッチスクリーンを有するディスプレイユニット12を介してロボット組立品20の表現を表示する。一部の実施形態では、外科手術ロボットシステム10は、X-Y平面及びX-Z平面に対するロボットアーム組立品42及びカメラ組立品44の表現を表示する。一部の実施形態では、外科手術ロボットシステム10は、ロボットアーム組立品42及びカメラ組立品44を表す3Dモデルを表示することができる。
【0127】
ステップ904では、外科手術ロボットシステム10は、表示されたロボット組立品の少なくとも一部分を選択する第1のタッチスクリーンオペレータ入力を検出する。例えば、図5に関して、オペレータは、仮想ショルダ126、仮想エルボ128、仮想手首部130、及び仮想胸部140のうちの1つ以上を選択し得る。
【0128】
ステップ906では、外科手術ロボットシステム10は、オペレータがロボット組立品の選択された少なくとも一部分の表現をドラッグして、タッチスクリーン上に表示される表現のロボット組立品の選択された少なくとも一部分の位置及び/又は配向を変更することに対応する、第2のタッチスクリーンオペレータ入力を検出する。例えば、図7図15に関して、制御入力のための手のジェスチャを使用する代わりに、オペレータは、タッチスクリーンに触れて、図5に示す仮想胸部140又は他の領域の表現を選択し、かつ選択された仮想胸部140の表現をタッチスクリーン上に表示される表現の異なる場所にドラッグしてもよい。
【0129】
ステップ908では、検出された第2のタッチスクリーンオペレータ入力に応答して、外科手術ロボットシステム10は、エンドエフェクタの器具先端の静止位置を維持しながら、選択された少なくとも1つの構成要素に対応するロボット組立品の1つ以上の構成要素を移動させる。例えば、外科手術ロボットシステム10は、ロボットアーム組立品42及びカメラ組立品44を、タッチスクリーン上に表示される表現内の場所に対応する内部空洞内の場所に移動させる。
【0130】
本開示イオンの好ましい実施形態が本明細書に示され、かつ記述されてきたが、こうした実施形態は、単に例として提供されることが当業者には明らかであろう。ここで、本発明から逸脱することなく、多数の変形、変更、及び置換が当業者に生じるであろう。本明細書に記載の本発明の実施形態に対する様々な代替物が用いられてもよいことが理解され得る。以下の特許請求の範囲は、本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲内の方法及び構造、並びにそれらの等価物は、それによって網羅されることが意図される。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図13F
図14A
図14B
図14C
図14D
図15A
図15B
図15C
図15D
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図17C
図17D
図18A
図18B
図18C
図19A
図19B
図20
【国際調査報告】