(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】エアハンドラのキャビネット用のサーマルブレイクパネルアセンブリ
(51)【国際特許分類】
E04B 1/343 20060101AFI20240517BHJP
【FI】
E04B1/343 F
E04B1/343 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572998
(86)(22)【出願日】2022-05-24
(85)【翻訳文提出日】2024-01-24
(86)【国際出願番号】 US2022030639
(87)【国際公開番号】W WO2022251153
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512271022
【氏名又は名称】ダイキン アプライド アメリカズ インコーポレィティッド
【住所又は居所原語表記】13600 Industrial Park Blvd.,Minneapolis,MN 55441,United States
(74)【代理人】
【識別番号】100111187
【氏名又は名称】加藤 秀忠
(74)【代理人】
【識別番号】100175617
【氏名又は名称】三崎 正輝
(72)【発明者】
【氏名】ノード,スペンサー
(72)【発明者】
【氏名】ジョンスキ,ブレント
(72)【発明者】
【氏名】スモール,ジェレミー
(57)【要約】
サーマルブレイクパネルアセンブリ(18)は、第一パネル部材(26)と第二パネル部材(28)と第一断熱部材(30)と第二断熱部材(32)とを有する。第一パネル部材(26)は、第一ベース部材(36)と、第一ベース部材(36)の外縁(36C,36D,36E,36F)から外側へと延設される第一壁部(38)と、第一壁(38)の上端(38A)から内側へと延設される第一フランジ(40)と、を有する。第一断熱部材(30)は、第一パネル部材(26)の第一壁部(38)と第二パネル部材(28)の第三壁部との間に配置される。第二断熱部材(32)は、第一パネル部材(26)の第一ベース部材(36)と第二パネル部材(28)の第二ベース部材(42)との間に配置される。第一フランジ(40)の延設方向において、隙間(G1)が、第一パネル部材(26)の第一フランジ(40)の内縁と第二パネル部材(28)の第二壁部(44)との間に配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一ベース部材と、前記第一ベース部材の外縁から外側へと延設される第一壁部と、前記第一壁部の上端から内側へと延設される第一フランジと、を有する第一パネル部材と、
第二ベース部材と、前記第二ベース部材の外縁から外側へと延設される第二壁部と、前記第二壁部の上端から内側へと延設される第二フランジと、前記第二フランジの内縁から外側へと延設される第三壁部と、を有する第二パネル部材と、
前記第一パネル部材の前記第一壁部と前記第二パネル部材の前記第三壁部との間に配置される第一断熱部材と、
前記第一パネル部材の前記第一ベース部材と前記第二パネル部材の前記第二ベース部材との間に配置される第二断熱部材と、
前記第一パネル部材の前記第一フランジの内縁と前記第二パネル部材の前記第二壁部との間に配置される、前記第一フランジの延設方向の隙間と、
を備えるサーマルブレイクパネルアセンブリ。
【請求項2】
前記第一壁部は、前記第一ベース部材の少なくとも一の外縁の全体から延設されており、前記第一フランジは、前記第一壁部の前記上端の全体から延設されている、
請求項1に記載のサーマルブレイクパネルアセンブリ。
【請求項3】
前記第一断熱部材の幅は、前記第一パネル部材の前記第一フランジの幅より大きい
請求項1または2に記載のサーマルブレイクパネルアセンブリ。
【請求項4】
前記第二パネル部材の前記第二フランジと前記第三壁とが、前記第一断熱部材と接する段を形成する、
請求項1~3のいずれか1項に記載のサーマルブレイクパネルアセンブリ。
【請求項5】
空洞部が、前記第一パネル部材の前記第一ベース部材と、前記第一断熱部材と、前記第二パネル部材の前記第三壁部と、前記第二パネル部材の前記第二フランジと、前記第二パネル部材の前記第二壁と、前記第二パネル部材の前記第二ベース部材と、によって形成され、前記第二断熱部材は前記空洞部に配置される、
請求項1~4のいずれか1項に記載のサーマルブレイクパネルアセンブリ。
【請求項6】
前記第一パネル部材は、厚みが14ゲージ以下であるシートメタルから一体的に単一部材として形成される、
請求項1~5のいずれか1項に記載のサーマルブレイクパネルアセンブリ。
【請求項7】
複数の締結孔が、前記第一フランジの外面から内面まで延びるよう前記第一パネル部材に形成されており、
前記第一断熱部材は、前記第一フランジの内面上で前記複数の締結孔のそれぞれを覆う、
請求項1~6のいずれか1項に記載のサーマルブレイクパネルアセンブリ。
【請求項8】
前記第三壁部の高さは前記第一断熱部材の高さよりも小さい、
請求項1~7のいずれか1項に記載のサーマルブレイクパネルアセンブリ。
【請求項9】
前記第一断熱部材は、前記サーマルブレイクパネルアセンブリの幅方向において、前記第二断熱部材よりもさらに外側へと延設されている、
請求項1~8のいずれか1項に記載のサーマルブレイクパネルアセンブリ。
【請求項10】
前記第三壁部の上端は、前記第三壁部の延設方向において、前記第一ベース部材の内面から離隔して配置されている、
請求項1~9のいずれか1項に記載のサーマルブレイクパネルアセンブリ。
【請求項11】
フレーム構造を形成する複数のフレーム部材と、
エアハンドラキャビネットを形成するよう、前記複数のフレーム部材に取り外し可能に接続される複数のサーマルブレイクパネルアセンブリと、
を備えるエアハンドラユニットであって、
前記複数のサーマルブレイクパネルアセンブリのそれぞれは、
第一ベース部材と、前記第一ベース部材の外縁から外側へと延設される第一壁部と、前記第一壁部の上端から内側へと延設される第一フランジと、を有する第一パネル部材と、
第二ベース部材と、前記第二ベース部材の外縁から外側へと延設される第二壁部と、前記第二壁部の上端から内側へと延設される第二フランジと、前記第二フランジの内縁から外側へと延設される第三壁部と、を有する第二パネル部材と、
前記第一パネル部材の前記第一壁部と前記第二パネル部材の前記第三壁部との間に配置される第一断熱部材と、
前記第一パネル部材の前記第一ベース部材と前記第二パネル部材の前記第二ベース部材との間に配置される第二断熱部材と、
前記第一パネル部材の前記第一フランジの内縁と前記第二パネル部材の前記第二壁部との間に配置される、前記第一フランジの延設方向の第一隙間と、
前記第二パネル部材の前記第三壁部の上端と前記第一パネル部材の前記第一ベース部材との間に配置される第二隙間と、
を含むエアハンドラユニット。
【請求項12】
前記第一隙間および前記第二隙間の両方が、約3/4インチより大きい、
請求項11に記載のエアハンドラユニット。
【請求項13】
前記エアハンドラユニットのそれぞれの側部は、前記複数のサーマルブレイクパネルアセンブリのうちの少なくとも一つを含む、
請求項11または12に記載のエアハンドラユニット。
【請求項14】
前記複数のサーマルパネルアセンブリのいずれか一つは、前記エアハンドラキャビネットの内部に手が届くよう、前記複数のフレーム部材から取り外し可能である、
請求項11~13のいずれか1項に記載のエアハンドラユニット。
【請求項15】
第一パネル部材の外面を支持体に配置する工程と、
前記第一パネル部材に形成される溝に第一断熱部材を挿入する工程と、
第二パネル部材を、前記第二パネル部材が前記第一パネル部材と接しないよう、前記第一断熱部材に配置する工程と、
前記第一パネル部材と前記第一断熱部材と第二パネル部材とによって形成される空洞部に第二断熱部材を注入する工程と、
を備えるサーマルブレイクパネルアセンブリを形成する方法。
【請求項16】
前記第二パネル部材を前記第一断熱部材に配置する工程は、前記第二パネル部材に形成される段を、前記第一断熱部材と係合させることによって、前記第二パネル部材を位置決めする工程を含んでいる、
請求項15に記載のサーマルブレイクパネルアセンブリを形成する方法。
【請求項17】
前記第一断熱部材は、前記第一パネル部材の複数の締結孔を覆い、これにより、注入された前記第二断熱部材が前記複数の締結孔を通って漏れることを実質的に防止する、
請求項15または16に記載のサーマルブレイクパネルアセンブリを形成する方法。
【請求項18】
前記第二パネル部材は、前記第一断熱部材の一部が露出するように、前記第一断熱部材に配置される、
請求項15~17のいずれか1項に記載のサーマルブレイクパネルアセンブリを形成する方法。
【請求項19】
前記第二パネル部材が、前記第一パネル部材からすべての点において少なくとも1インチ離隔するよう、前記第二パネル部材は前記第一断熱部材に配置される、
請求項15~18のいずれか1項に記載のサーマルブレイクパネルアセンブリを形成する方法。
【請求項20】
前記第一パネル部材の内縁の全体が前記第一断熱部材と接するよう、前記第一断熱部材は挿入される、
請求項15~19のいずれか1項に記載のサーマルブレイクパネルアセンブリを形成する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、熱橋を大きく低減させるサーマルブレイクパネルアセンブリに関する。より具体的には、本発明は、熱橋を大きく低減させるサーマルブレイクパネルアセンブリを有するエアハンドラのキャビネットに関する。
【背景技術】
【0002】
暖房・換気・空調(HVAC)機器は、通常、エアハンドラユニットのキャビネットなどの、隔離された密閉囲壁に収容される。キャビネットは、機器を通過するよう空気を案内し、収容されているコンポーネントに保護を提供する。空気の向きの変更とHVACプロセスの特定のコンポーネントによる効果により、キャビネット全体に高い正圧と負圧の差がある部分が形成される。HVAC機器は、さまざまな気候条件に配置されるため、処理された内部の空気と外部の空気との間の熱損失や入熱を防ぐために、キャビネットを断熱する必要がある。
【0003】
従来のHVACキャビネットは、薄いシートメタルスキンとフォーム状(発泡状)の断熱コアとで構成されるパネルを用いて形成される。これらの従来のパネルを有する従来のキャビネットは、熱橋が生じやすい。熱橋(サーマルブリッジング)とは、周囲の材料よりも伝導性の高い物体を伝わる熱の移動である。従来のパネルの中央部は、(フォーム状の断熱コアのため)熱貫流値(thermal transmittance value)が非常に低いが、パネルの外縁(シートメタルがパネルの縁を覆っている)は、キャビネットの内側からキャビネットの外側により大きな熱負荷を伝導しうるので、キャビネットの全体的なR値が低下し、パネルの縁に結露が発生する可能性もある。R値は熱抵抗の尺度であり、断熱効果が大きいほどR値は大きくなる。従来のパネルの外縁は、熱流に対して低抵抗な経路を形成する熱橋となり、従来のパネルとそのようなパネルを有するキャビネットとの断熱効果を低下させる。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、熱橋を大きく低減させることができるサーマルブレイクパネルアセンブリを提供することにある。
【0005】
本発明のさらなる目的は、低い熱貫流率を維持しながら、高差圧に耐えるエアハンドラキャビネット等の構造上密閉された囲壁(ストラクチャラル・エンクロージャ)を提供することにある。
【0006】
既知の技術の状況に鑑みて、本発明の第一の面にかかるサーマルブレイクパネルアセンブリは、第一パネル部材と、第二パネル部材と、第一断熱部材と、第二断熱部材とを有する。第一パネル部材は、第一ベース部材と、第一ベース部材の外縁から外側へと延設される第一壁部と、第一壁部の上端から内側へと延設される第一フランジと、を有する。第二パネル部材は、第二ベース部材と、第二ベース部材の外縁から外側へと延設される第二壁部と、第二壁部の上端から内側へと延設される第二フランジと、第二フランジの内縁から外側へと延設される第三壁部と、を有する。第一断熱部材は、第一パネル部材の第一壁部と第二パネル部材の第三壁部との間に配置される。第二断熱部材は、第一パネル部材の第一ベース部材と第二パネル部材の第二ベース部材との間に配置される。第一フランジの延設方向において、隙間が、第一パネル部材の第一フランジの内縁と第二パネル部材の第二壁部との間に配置される。
【0007】
第二の面にかかるサーマルブレイクパネルアセンブリは、第一の面のサーマルブレイクパネルアセンブリであって、第一壁部は、第一ベース部材の少なくとも一の外縁の全体から延設されており、第一フランジは、第一壁部の上端の全体から延設されている。
【0008】
第三の面にかかるサーマルブレイクパネルアセンブリは、第一の面または第二の面のサーマルブレイクパネルアセンブリであって、第一断熱部材の幅は、第一パネル部材の第一フランジの幅より大きい。
【0009】
第四の面にかかるサーマルブレイクパネルアセンブリは、第一の面から第三の面のうちのいずれかのサーマルブレイクパネルアセンブリであって、第二パネル部材の第二フランジと第三壁とが、第一断熱部材と接する段を形成する。
【0010】
第五の面にかかるサーマルブレイクパネルアセンブリは、第一の面から第四の面のうちのいずれかのサーマルブレイクパネルアセンブリであって、空洞部が、第一パネル部材の第一ベース部材と、第一断熱部材と、第二パネル部材の第三壁部と、第二パネル部材の第二フランジと、第二パネル部材の第二壁と、第二パネル部材の第二ベース部材と、によって形成され、第二断熱部材は、空洞部に配置される。
【0011】
第六の面にかかるサーマルブレイクパネルアセンブリは、第一の面から第五の面のうちのいずれかのサーマルブレイクパネルアセンブリであって、第一パネル部材は、厚みが14ゲージ以下であるシートメタルから一体的に単一部材として形成される。
【0012】
第七の面にかかるサーマルブレイクパネルアセンブリは、第一の面から第六の面のうちのいずれかのサーマルブレイクパネルアセンブリであって、複数の締結孔が、第一フランジの外面から内面まで延びるよう第一パネル部材に形成されており、第一断熱部材は、第一フランジの内面上で複数の締結孔のそれぞれを覆う。
【0013】
第八の面にかかるサーマルブレイクパネルアセンブリは、第一の面から第七の面のうちのいずれかのサーマルブレイクパネルアセンブリであって、第三壁部の高さは第一断熱部材の高さよりも小さい。
【0014】
第九の面にかかるサーマルブレイクパネルアセンブリは、第一の面から第八の面のうちのいずれかのサーマルブレイクパネルアセンブリであって、第一断熱部材は、サーマルブレイクパネルアセンブリの幅方向において、第二断熱部材よりもさらに外側へと延設されている。
【0015】
第十の面にかかるサーマルブレイクパネルアセンブリは、第一の面から第九の面のうちのいずれかのサーマルブレイクパネルアセンブリであって、第三壁部の上端は、第三壁部の延設方向において、第一ベース部材の内面から離隔して配置されている。
【0016】
既知の技術の状況に鑑みて、本発明の第十一の面にかかるエアハンドラユニットは、複数のフレーム部材と、複数のサーマルブレイクパネルアセンブリと、を有する。複数のフレーム部材は、フレーム構造を形成する。複数のサーマルブレイクパネルアセンブリは、エアハンドラキャビネットを形成するよう、複数のフレーム部材に取り外し可能に接続される。サーマルブレイクパネルアセンブリのそれぞれは、第一パネル部材と、第二パネル部材と、第一断熱部材と、第二断熱部材と、第一隙間と、第二隙間と、を有する。第一パネル部材は、第一ベース部材と、第一ベース部材の外縁から外側へと延設される第一壁部と、第一壁部の上端から内側へと延設される第一フランジと、を有する。第二パネル部材は、第二ベース部材と、第二ベース部材の外縁から外側へと延設される第二壁部と、第二壁部の上端から内側へと延設される第二フランジと、第二フランジの内縁から外側へと延設される第三壁部と、を有する。第一断熱部材は、第一パネル部材の第一壁部と第二パネル部材の第三壁部との間に配置される。第二断熱部材は、第一パネル部材の第一ベース部材と第二パネル部材の第二ベース部材との間に配置される。第一フランジの延設方向において、第一隙間は、第一パネル部材の第一フランジの内縁と第二パネル部材の第二壁部との間に配置される。第二隙間は、第二パネル部材の第三壁部の上端と第一パネル部材の第一ベース部材との間に配置される。
【0017】
第十二の面にかかるエアハンドラユニットは、第十一の面のエアハンドラユニットであって、第一隙間および第二隙間の両方が、約3/4インチより大きい。
【0018】
第十三の面にかかるエアハンドラユニットは、第十一の面または第十二の面のエアハンドラユニットであって、エアハンドラユニットのそれぞれの側部は、複数のサーマルブレイクパネルアセンブリのうちの少なくとも一つを含む。
【0019】
第十四の面にかかるエアハンドラユニットは、第十一の面から第十三の面のうちのいずれかのエアハンドラユニットであって、複数の熱パネルアセンブリのいずれか一つは、エアハンドラキャビネットの内部に手が届くよう、複数のフレーム部材から取り外し可能である。
【0020】
既知の技術の状況に鑑みて、本発明の第十五の面にかかるサーマルブレイクパネルアセンブリを形成する方法は、第一パネル部材の外面を支持体に配置する工程を含む。第一断熱部材が第一パネル部材に形成される溝に挿入される。第二パネル部材が、第一断熱部材に配置される。第二パネル部材は第一パネル部材と接しない。第二断熱部材が、第一パネル部材と第一断熱部材と第二パネル部材とによって形成される空洞部に注入される。
【0021】
第十六の面にかかるサーマルブレイクパネルアセンブリを形成する方法は、第十五の面のサーマルブレイクパネルアセンブリを形成する方法であって、第二パネル部材の第一断熱部材への配置には、第二パネル部材に形成される段を、第一断熱部材と係合させることによる第二パネル部材の位置決めが含まれる。
【0022】
第十七の面にかかるサーマルブレイクパネルアセンブリを形成する方法は、第十五の面または第十六の面のサーマルブレイクパネルアセンブリを形成する方法であって、第一断熱部材は、第一パネル部材の複数の締結孔を覆い、これにより、注入された第二断熱部材が複数の締結孔を通って漏れることを実質的に防止する。
【0023】
第十八の面にかかるサーマルブレイクパネルアセンブリを形成する方法は、第十五の面から第十七の面のうちのいずれかのサーマルブレイクパネルアセンブリを形成する方法であって、第二パネル部材は、第一断熱部材の一部が露出するように、第一断熱部材に配置される。
【0024】
第十九の面にかかるサーマルブレイクパネルアセンブリを形成する方法は、第十五の面から第十八の面のうちのいずれかのサーマルブレイクパネルアセンブリを形成する方法であって、第二パネル部材が第一パネル部材からすべての点において少なくとも1インチ離隔するよう、第二パネル部材は第一断熱部材に配置される。
【0025】
第二十の面にかかるサーマルブレイクパネルアセンブリを形成する方法は、第十五の面から第十九の面のうちのいずれかのサーマルブレイクパネルアセンブリを形成する方法であって、第一パネル部材の内縁の全体が第一断熱部材と接するよう、第一断熱部材は挿入される。
【0026】
これらおよび他の目的、特徴、態様、および利点は、添付の図面と組み合わせて、本発明の好ましい態様を開示する以下の説明から当業者に明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
当開示の一部をなす添付の図面を参照しながら以下に説明を行う。
【
図1】
図1は、本発明の例示的な実施形態にかかるエアハンドラユニットの斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1のエアハンドラユニットのフレーム構造の斜視図である。
【
図8】
図8は、上部サーマルブレイクパネルアセンブリを取り外した状態の、
図1のエアハンドラユニットの上面図である。
【
図9】
図9は、
図1のサーマルブレイクパネルアセンブリの斜視図である。
【
図10】
図10は、
図9のサーマルブレイクパネルアセンブリの外面の平面図である。
【
図11】
図11は、
図9のサーマルブレイクパネルアセンブリの第一端部立面図である。
【
図12】
図12は、
図9のサーマルブレイクパネルアセンブリの第二端部立面図である。
【
図14】
図14は、
図9のサーマルブレイクパネルアセンブリの内面の平面図である。
【
図16】
図16は、
図9のサーマルブレイクパネルアセンブリの第一パネル部材の斜視図である。
【
図17】
図17は、
図9のサーマルブレイクパネルアセンブリの第二パネル部材の斜視図である。
【
図20】
図20は、
図1のエアハンドラユニットの二つの垂直に配置されたサーマルブレイクパネルアセンブリの断面における部分上面図である。
【
図21】
図21は、
図1のエアハンドラユニットの二つの平行なサーマルブレイクパネルアセンブリの断面における部分上面図である。
【
図22】
図22は、
図9のサーマルブレイクパネルアセンブリの第一パネル部材の断面における端部立面図である。
【
図23】
図23は、
図22の第一パネル部材に配置される第一断熱部材の断面における端部立面図である。
【
図24】
図24は、
図23の第一断熱部材に配置される第二パネル部材の断面における端部立面図である。
【
図25】
図25は、
図9のサーマルブレイクパネルアセンブリを形成するための、
図24の第一パネル部材と第一断熱部材と第二パネル部材とによって形成される空洞部内に注入される第二断熱部材の断面における端部立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
選択的な実施形態を、図面を参照して説明する。以下の実施形態の説明は単なる例示であって、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって定義される本発明の限定を目的とするものではないことは、本開示から、当業者には明らかであろう。
【0029】
図1~
図8を参照して、エアハンドラユニット(air handler unit)10は、フレーム構造16を形成する複数のフレーム部材12および14と、エアハンドラキャビネット20を形成するよう複数のフレーム部材12,14に取り外し可能に接続される複数のサーマルブレイクパネルアセンブリ18と、を有する。
【0030】
図1および
図2に示すように、フレーム構造16のベース22は、地面上でエアハンドラキャビネット20を支持する。複数のフレーム部材は、複数の第一フレーム部材12と、複数の第二フレーム部材14と、を有する。第一フレーム部材12によって、二つのサーマルブレイクパネルアセンブリ18を、キャビネット20の角部等において、互いに実質的に垂直に接続することができる。第二フレーム部材14によって、二つのサーマルブレイクパネルアセンブリ18を、キャビネット20の同じ側面において並べて、互いに実質的に平行に接続することができる。
【0031】
図2に示すように、複数の第一フレーム部材12は、垂直第一フレーム部材12Aと水平第一フレーム部材12Bとを有する。垂直第一フレーム部材12Aは、ベース22の各角部から垂直方向に延設される。垂直フレーム部材12Aの下端部は、締結器56などの適切な方法でベース22に接続される。水平第一フレーム部材12Bは、隣接する垂直第一フレーム部材12Aの上端部間で水平方向に延設される。水平第一フレーム部材12Bは、締結器56などの適切な方法で垂直第一フレーム部材12Aに接続される。
図20に示すように、それぞれの第一フレーム部材12は、第一フランジ12Cと第二フランジ12Dとを有する。第一フランジ12Cおよび第二フランジ12Dは、
図1および
図4に示すように、第二フレーム部材14を容易に接続できるよう、複数の締結開口部12Eを有する。
図1および
図20に示すように、第一フランジ12Cと第二フランジ12Dとは、接続されている複数のサーマルブレイクパネルアセンブリ18がキャビネットの隣接する二つの側面の間などで、互いに垂直に配置されるよう、互いに実質的に垂直である。
図20に示すように、第一フランジ12Cおよび第二フランジ12Dは、さらに、取り付けられるパネルアセンブリ18を支持する。気密状態とするために、ガスケット(図示せず)を第一フランジ12Cと第二フランジ12Dとに配置することができる。第一フレーム部材12は、
図2~
図5に示すように、サーマルブレイクパネルアセンブリ18を容易に接続できるよう、複数の締結孔12Fを有する。複数の締結開口部12Eは、好ましくは、第一フレーム部材12を完全には貫通しない。
【0032】
第二フレーム部材14は、
図1に示すように、垂直第二フレーム部材14Aと水平第二フレーム部材14Bとを有する。垂直第二フレーム部材14Aは、
図2、
図3および
図4に示すように、ベース22と水平第一フレーム部材12Bの間に垂直に延設される。垂直第二フレーム部材14Aは、ベース22から垂直方向に延設される。垂直第二フレーム部材14Aの下端部は、締結器56などの適切な方法でベース22に接続される。垂直第二フレーム部材14Aの上端部は、
図4に示すように、水平第一フレーム部材12Bに、例えばフランジ12Dなどに接続される。水平第二フレーム部材12Bは水平方向に延設される。下部水平第二フレーム部材14Bは、ベース22の両側面の間で延設される。上部水平第二フレーム部材14Bは、対向して配置される水平第一フレーム部材12B間で延設される。水平第二フレーム部材14Bは、締結器56などの適切な方法で接続される。
図3、
図4および
図21に示すように、それぞれの第二フレーム部材14は、第一フランジ14Cと第二フランジ14Dとを有する。第一フランジ12Cおよび第二フランジ12Dは、
図21に示すように、取り付けられるパネルアセンブリ18を支持する。気密状態とするために、ガスケット(図示せず)を第一フランジ14Cと第二フランジ14Dとに配置することができる。第二フレーム部材14は、サーマルブレイクパネルアセンブリ18を容易に接続できるよう、複数の締結孔14Eを有する。複数の締結孔14Eは、好ましくは、第二フレーム部材14を完全には貫通しない。
図1に示すように、第一フランジ14Aと第二フランジ14Bとは、例えばキャビネットの同じ側面において隣接する二つのサーマルパネルアセンブリにおいて、接続される複数のサーマルブレイクパネルアセンブリ18が互いに実質的に平行に配置されるよう、互いに平行である。
【0033】
図1に示すように、サーマルブレイクパネルアセンブリすなわちパネルアセンブリ18は、パネルアセンブリ18の位置に基づいて、第一フレーム部材12、第二フレーム部材14および/またはベース22に接続される。ベース22は、実質的に長方形であり、第一側面22Aと第二側面22Bとを有する。第一側面22Aは第二側面22Bよりも長いが、ベースは、実質的に正方形等の任意の適切な構成を有することができる。
図1の実施形態に示すように、ベース22の各第一側面22Aには三つのパネルアセンブリ18が接続されており、ベース22の各第二側面22Bには二つのパネルアセンブリ18が接続されている。
図1および
図8に示すように、キャビネット20の上面には二つのパネルアセンブリ18が設けられ、キャビネット20の底面には二つのパネルアセンブリ18が設けられている。
図1に示すキャビネット20の実施形態は14個のパネルアセンブリ18を有するが、キャビネットは、本発明の例示的実施形態に応じて任意の適切な数のパネルアセンブリを有することができる。
【0034】
図1および
図3に示すように、ある態様では、キャビネット20の各第二側面20Bには二つのパネルアセンブリ18が接続される。二つのパネルアセンブリ18は、それぞれ、垂直第二フレーム部材14Aと、垂直第一フレーム部材12Aの一つと、の間に接続されている。パネルアセンブリ18の上端部と下端部とは、水平第一フレーム部材12Bの一つとベース22とにそれぞれ接続される。キャビネット20の第二側面20Bのパネルアセンブリ18は、互いに実質的に平行である。
【0035】
図1および
図4に示すように、ある態様では、キャビネット20の各第一側面20Aには三つのパネルアセンブリ18が接続される。中央のパネルアセンブリ18は、二つの第二垂直フレーム部材14Aの間に接続されている。二つの外側のパネルアセンブリ18は、それぞれ、第二垂直フレーム部材14Aの一つと、第一垂直フレーム部材12Aの一つと、の間に接続されている。パネルアセンブリ18の上端部と下端部とは、水平第一フレーム部材12Bの一つとベース22とにそれぞれ接続される。キャビネット20の第一側面のパネルアセンブリ18は、互いに実質的に平行である。
【0036】
図1および
図5に示すように、ある態様では、キャビネット20の上側には二つのパネルアセンブリ18が備えられる。二つのパネルアセンブリ18のそれぞれの側部は、水平第二フレーム部材14Bと、水平第一フレーム部材12Bの一つと、の間に接続されている。パネルアセンブリ18の端部のそれぞれは、水平第一フレーム部材12Bに接続される。キャビネット20の上側のパネルアセンブリ18は、互いに実質的に平行である。
図1、
図2、および
図12に示すように、キャビネット20の内部24にアクセスできるように、上面パネルアセンブリ18を容易に取り外すことができる。好ましくは、キャビネット20の上面と側面のパネルアセンブリ18のいずれか一方を容易に取り外し可能とし、キャビネット20の内部24にアクセスできるようにする。好ましくは、いずれか一つのパネルアセンブリ18を取り外すことで、他のパネルアセンブリ18を取り外す必要なく、キャビネット20の内部24にアクセス可能とされる。ある態様では、床面パネルは、防水床面を提供するよう、取り付けられ、この場合、床面パネルはキャビネット20の内部にアクセスするために取り外し可能とはしない。あるいは、ある態様では、床面パネルを、キャビネット20の内部にアクセスするために、取り外し可能とする。
【0037】
図1および
図6~
図8に示すように、ある態様では、キャビネット20の底面に二つのパネルアセンブリ18が設けられる。二つのパネルアセンブリ18のそれぞれの側部は、水平第二フレーム部材14Bと、ベース22の対向する側面22Aと、の間に接続されている。パネルアセンブリ18の端部のそれぞれは、ベース22の対向する側面22Bに接続される。キャビネット20の底側のパネルアセンブリ18は、互いに実質的に平行である。
【0038】
エアハンドラユニット10の各側面には、好ましくは、
図1、
図2、
図7および
図8に示すように、サーマルブレイクパネルアセンブリ18が少なくとも一つ備えられる。
図1、
図7および
図8に示すように、14個のパネルアセンブリ18が、複数の第一フレーム部材12と第二フレーム部材14とベース22とに接続され、これにより、エアハンドラキャビネット20が形成される。好ましくは、
図8に示すように、キャビネット20の内部24にアクセスできるよう、パネルアセンブリ18を複数のフレーム部材14から容易に取り外し可能とするように、パネルアセンブリ18は、
図1および
図2に示すように、締結器56で接続される。パネルアセンブリ18は、好ましくは、キャビネット20の外部の大部分を実質的に形成する。熱交換器や送風機などのエアハンドラコンポーネントは、キャビネット20の内部24に配置できる。パネルアセンブリ18を取り外し可能に接続することによって、キャビネット20の内部24に配置されるエアハンドラコンポーネントへのアクセスを容易とできる。キャビネット20の所望のサイズに応じて、任意の数のパネルアセンブリ18を使用できる。
【0039】
図9~
図15、
図20、
図21および
図25に示すように、パネルアセンブリ18は、第一パネル部材26と第二パネル部材28と第一断熱部材30と第二断熱部材32とを有する。第一断熱部材30は、第一パネル部材26と第二パネル部材28との間に配置される。
図24に示すように、第一パネル部材26と第二パネル部材28と第一断熱部材30とによって、パネルアセンブリ18の空洞部34が形成される。
図25に示すように、第二断熱部材32は、空洞部34全体を実質的に充填するよう、パネルアセンブリ18に注入される。
【0040】
図9、
図10、
図14および
図15に示すように、第一パネル部材26は、第一ベース部材36と第一壁部38と第一フランジ40とを有する。第一パネル部材26は、鋼製(スチール)シートメタル等の適切な材料で形成される。第一パネル部材26の形成に使用されるシートメタルは、26ゲージから14ゲージの(26ゲージと14ゲージとを含む)シートメタルなど、任意の適切な厚さとすることができるが、より厚いまたはより薄いシートメタルを用いることもできる。好ましくは、第一パネル部材26は、厚さが14ゲージ以下の単一のシートメタルから一体的に形成される。ゲージ数が大きいほど、シートメタルの厚みが小さくなる。言い換えれば、厚さが14ゲージ以下であるということは、シートメタルの厚さが、例えば26ゲージのように、14ゲージに対応する厚さ以下であることを意味する。
【0041】
図10および
図15に示すように、第一ベース部材36は、外面36Aと内面36Bとを有する。第一ベース部材36は、好ましくは実質的に平面である。第一ベース部材は任意の適切な形状を有することができるが、
図10に示すように実質的に長方形であることが好ましい。第一ベース部材は、対向する第一外縁36Cおよび第二外縁36Eと、対向する第3外縁36Dおよび第4外縁36Fと、を有する。第3外縁36Dおよび第4外縁36Fは、好ましくは、第一外縁36Cおよび第二外縁36Eと実質的に垂直である。パネルアセンブリ18がフレーム構造16に接続されてキャビネット20を形成すると、第一ベース部材36の外面36Aは、キャビネット20の外側に面する。第一ベース部材36には複数の締結孔36Gが形成されているため、第一ベース部材36のフレーム構造16への接続が容易である。複数の締結孔36Gは、第一ベース部材36の外面36Aから内面36Bまで延びている。
【0042】
図9および
図15に示すように、第一壁部38は、第一ベース部材36の外縁36Cから外側に延設される。第一壁部38は、好ましくは、第一ベース部材36の外縁36Cに対して実質的に垂直に延設される。第一壁部38は、第一ベース部材36の少なくとも一の外縁36C全体から延設される。好ましくは、
図15に示すように、第一壁部38は、外縁36C、36D、36E、36Fのそれぞれの全体から延設される。
【0043】
図14および
図15に示すように、第一フランジ40は、第一壁部38の上端38Aから内側に延設される。第一フランジ40は、第一壁部38の上端38A全体から延設される。第一パネル部材26の第一フランジ40には、複数の締結孔40Aが形成されており、これにより、第一フランジ40のフレーム構造16への接続を容易とすることができる。締結孔40Aは、第一フランジ40の外面から内面まで延びている。第一フランジ40の内縁40Bは、第一パネル部材26の第一壁部38から内側に離隔して配置される。
【0044】
図15、
図16、
図18および
図22に示すように、ベース部材36の内面36Bと第一壁部38と第一パネル部材26の第一フランジ40とによって、溝52が第一パネル部材26に形成される。
図16に示すように、溝52は、好ましくは、第一パネル部材26の内周全体の周囲に延びる。
【0045】
図9、
図15、
図17、
図19および
図24に示すように、第二パネル部材28は、第二ベース部材42と第二壁部44と第二フランジ46と第三壁部48とを有する。第二パネル部材28は、鋼製シートメタルなどの適切な材料で形成される。第二パネル部材28の形成に使用されるシートメタルは、26ゲージから14ゲージの(26ゲージと14ゲージとを含む)シートメタルなど、任意の適切な厚さとすることができるが、より厚いまたはより薄いシートメタルを用いることもできる。好ましくは、第二パネル部材28は、厚さが14ゲージ以下の単一のシートメタルから一体的に形成される。ゲージ数が大きいほど、シートメタルの厚みが小さくなる。言い換えれば、厚さが14ゲージ以下であるということは、シートメタルの厚さが、例えば26ゲージのように、14ゲージに対応する厚さ以下であることを意味する。
【0046】
図9および
図17に示すように、第二ベース部材42は外面42Aと内面42Bとを有する。第二ベース部材42は、好ましくは実質的に平面である。第二ベース部材42は任意の適切な形状を有することができるが、
図9、
図14図および17に示すように実質的に長方形であることが好ましい。第二ベース部材42は、対向する第一外縁42Cおよび第二外縁42Eと、対向する第3外縁42Dおよび第4外縁42Fと、を有する。第3外縁42Dおよび第4外縁42Fは、好ましくは、第一外縁42Cおよび第二外縁42Eと実質的に垂直である。パネルアセンブリ18がフレーム構造16に接続されてキャビネット20を形成すると、第二ベース部材42の外面42Aはキャビネット20の内側(
図2)に面する。
【0047】
図17に示すように、第二壁部44は、第二ベース部材42の外縁42Cから外側に延設される。第二壁部44は、好ましくは、第二ベース部材42の外縁42Cに対して実質的に垂直に延設される。第二壁部44は、第二ベース部材44の少なくとも一の外縁42C全体から延設される。好ましくは、
図15および
図17に示すように、第二壁部44は、外縁42C,42D,42E,42Fのそれぞれの全体から延設される。
図11~
図13に示すように、第二断熱部材32が注入されたときにパネルアセンブリから空気が抜けやすくなるよう、第二パネル部材28の第二壁部44には複数の空気抜き孔44Gが形成されている。
図12および
図17に示すように、第二断熱部材32の注入を容易にするために、注入口44Hが第二壁部44に形成される。
【0048】
図17に示すように、第二フランジ46は、第二壁部44の上端44Aから内側に延設される。好ましくは、第二フランジ46は、第二壁部44の上端44Aの全体から延設される。第二フランジ46は、好ましくは、第二ベース部材42と実質的に平行である。第二フランジ46は、好ましくは、第二壁部44と実質的に垂直である。
【0049】
図17に示すように、第三壁部48は第二フランジ46の内縁から外側に延設される。第三壁部48は、好ましくは、第二壁部44と実質的に平行である。
図17および
図19に示すように、第二パネル部材28の第二フランジ46と第三壁部48とによって段(ステップ)54が形成される。
【0050】
図15、
図20、
図21、
図23および
図24に示すように、第一断熱部材30は、第一パネル部材26と第二パネル部材28との間に配置される。第一断熱部材30は、パネルアセンブリ18の幅方向において第一パネル部材26の第一壁部38と第二パネル部材28の第三壁部48との間に配置される。
図24に示すように、第一断熱部材30は、パネルアセンブリ18の高さ方向において、第一パネル部材26の第一ベース部材36と、第一パネル部材26の第一フランジ40および第二パネルアセンブリ28の第二フランジ46と、の間に配置される。
図15に示すように、サーマルブレイクパネルアセンブリ18は、四つの第一断熱部材30を有する。好ましくは、第一断熱部材30のそれぞれは、同じ幅W1を有するが、異なる長さとすることもできる。あるいは、第一断熱部材30は、キャビネット20におけるパネルアセンブリ18の位置に応じて、異なる幅とすることもできる。
図15においては、サーマルパネルアセンブリの各辺に一の第一断熱部材30を例示しているが、適切な数の第一断熱部材30を用いることができる。
図1および
図10に示すように、第一パネル部材26の外面36Aから見たとき、第一フランジ40によって第一断熱部材30は見えないようにされている。第一断熱部材30は、ガラス繊維などの任意の適切な断熱材料とできる。
【0051】
図25に示すように、第二断熱部材32は、第一パネル部材26と第二パネル部材28との間に配置される。第二断熱部材32は、ポリウレタンなどの任意の適切な断熱材料とできる。
【0052】
サーマルブレイクパネルアセンブリ18の組み立てを
図22~
図25に示す。
図22に示すように、第一ベース部材18の外面36Aは、作業台や地面などの支持部50に配置される。
【0053】
第一断熱部材30は、
図23に示すように、第一パネル部材26に形成された溝52に配置される。溝52は、第一パネル部材26の内面36Bと第一壁部38と第一フランジ40とによって形成される。
図14、
図15および
図17に示すように、第一断熱部材30の幅W1は、第一パネル部材26の第一フランジ40の幅W2よりも大きい。
図15に示すように、第一断熱部材30は、第一パネル部材26に形成された溝52の全体に配置される。
図14に示すように、第一断熱部材30は、第一ベース部材36の複数の締結孔36Gと第一パネル部材26の第一フランジ40の複数の締結孔40Aとを覆って(カバーして)おり、これにより、第二断熱部材32の注入時に、複数の締結孔を通って第二断熱部材32が漏れることを実質的に防止する(
図25)。
図14および
図15に示すように、第一パネル部材26の内縁全体が第一断熱部材30と接し、
図23に示すように、第一フランジ40の内面40Bにおけるそれぞれの締結孔40Aを覆うよう、第一断熱部材30が溝52に挿入される。
図14に示すように、第一断熱部材30は、第一パネル部材26の第一ベース部材36に形成されるそれぞれの締結孔36Gを覆う。
【0054】
図24に示すように、第二パネル部材28は、第一断熱部材26上に配置される。第二パネル部材28は、第二パネル部材28の段54を第一断熱部材30と係合させることによって、第一断熱部材26上に配置される。第二パネル部材28は、第一パネル部材26と接しない。
図24に示すように、第二パネル部材28が第一断熱部材30上に配置されたときに形成される空洞部34は、第一パネル部材26の第一ベース部材36と、第一断熱部材30と、第二パネル部材28の第三壁部48と、第二パネル部材28の第二フランジ46と、第二パネル部材28の第二壁部44と、第二パネル部材28の第二ベース42と、によって形成される。第三壁部48の高さH1は、第一断熱部材30の高さH2よりも小さい。
【0055】
図24に示すように、第一フランジ40の延設方向において、第一隙間G1が、第一パネル部材26の第一フランジ40の内縁と第二パネル部材28の第二壁部44との間に配置される。
図14および
図24に示すように、第一断熱部材30の一部が露出するように、第二パネル部材38は第一断熱部材30上に配置される。
【0056】
図24に示すように、第二隙間G2が、第二パネル部材28の第三壁部48の上縁と第一パネル部材26の第一ベース部材36との間に配置される。第三壁部48の上縁48Aは、第三壁部48の延設方向に第一ベース部材36の内面36Bから離隔して配置される。
【0057】
第一隙間G1および第二隙間G2は任意の適切な長さであり、好ましくはどちらも約3/4インチよりも大きい。より好ましくは、第二パネル部材28は、第二パネル部材28が第一パネル部材26からすべての点において少なくとも1インチ離隔するようすなわち間隔を空けて配置されるよう、第一断熱部材30上に配置されることが好ましい。言い換えれば、第二パネル部材28を第一断熱部材30上に配置したとき、第二パネル部材28のどの部分も、第一パネル部材26のどの部分からも1インチ以内にはないことが好ましい。
【0058】
組み立てられた第一パネルアセンブリ26と第二パネルアセンブリ28と第一断熱部材30は、次に通常のプレスに移動され、第二断熱部材32が注入される。プレスは、第二断熱部材32を注入している間、第一パネルアセンブリ26と第二パネルアセンブリ28と第一断熱部材30との位置を維持する。第一パネル部材と第二パネル部材を一体に固定するのに、接着剤、テープ、その他の固定手段を用いる必要はない。
図25に示すように、第二断熱部材32は、第一パネル部材26と第一断熱部材30と第二パネル部材28とによって形成される空洞部34に注入される。第二断熱部材32は、第二パネル部材28の第三壁部44における注入開口部44h(
図17)を通じて注入される。空気抜き孔44G(
図11~
図15および
図17)は、第二断熱部材32が空洞部34に注入されるときに、パネルアセンブリ18内の空気が抜けやすくする。第二断熱部材32が硬化して、第一パネルアセンブリ26と第二パネルアセンブリ28とが一体に固定されると、パネルアセンブリ18がプレスから取り外される。第一断熱部材30は、パネルアセンブリ18の幅方向において、第二断熱部材32よりも外側に延設される。そして、パネルアセンブリ18をフレーム構造16に接続することによって、エアハンドラユニット10のキャビネット20を形成することができる。
【0059】
図20、
図21および
図24に示すように、隙間G1および隙間G2によって、パネルアセンブリ18のサーマルブレイク(サーマルブレーク)が得られる。隙間G1および隙間G2によって、パネルアセンブリ18を通る熱エネルギーの流れが途絶され、パネルアセンブリ18の熱抵抗を増加させ、パネルアセンブリ18の外面および内面に結露を生じさせる可能性のある熱損失点を実質的になくすことができる。第一断熱部材30は、パネルアセンブリ18の縁(エッジ)を補強し、これにより、パネルアセンブリ18は、第二断熱部材32の注入の際にパネルアセンブリ18の外縁に沿って枠を嵌める必要なく第二断熱部材32の注入に関係する圧力に耐えることができる。このため、第一パネル部材26および第二パネル部材28に薄いシートメタルを用いることができる。なぜなら、パネルアセンブリ18の構成によって、第二断熱部材32の注入に伴うフォーム圧力に抗するための縁支持(エッジサポート)が不要となるからである。第一断熱部材30は、第一パネル部材26の締結孔36G,40A(
図16)を覆い、第二断熱部材32の注入および硬化時の漏れを防止する。第二パネル部材28の段54(
図24)により、テープ、接着剤、位置決めツールを必要とすることなく、第二パネルアセンブリ28を第一パネル部材26と第一断熱部材30とに対して容易に位置決めが可能で、パネルアセンブリを迅速かつ効率的に組み立てることができる。段54により、パネルアセンブリ18の慣性モーメントが増加し、したがって、エアハンドラユニット10に配置されたエアハンドラコンポーネント(
図1)の動作に伴う高い圧力差がある際に、第一パネル部材26および第二パネル部材28の撓みを低減できる。
【0060】
そして、組み立てられたパネルアセンブリ18は、フレーム構造16の第一フレーム部材12と第二フレーム部材14とに接続され、キャビネット20が組み立てられる。パネルアセンブリ18を、店舗で組み立て、キャビネット20を構築する現場へと輸送できる。第一パネル部材26および第二パネル部材28は自動化曲げ器に対応しており、第一パネル部材26および第二パネル部材28を最小限の人手で迅速かつ効率的に製造できる。パネルアセンブリ18をフレーム構造16に接続した後、パネルアセンブリ18を容易に取り外しでき、キャビネット20の内部にアクセスできる。ある態様では、床面パネル18は、防水シールを提供するよう取り付けられ、この場合、床面パネルはキャビネット20の内部にアクセスするために取り外し可能とはしない。あるいは、ある態様では、パネル18のうちのいくつかを、キャビネット20の内部にアクセスするために取り外し可能とする。
【0061】
<用語の概括的な説明>
本発明の範囲の理解において、ここで用いられる用語「備える」およびその派生語は、記載された特徴、要素、構成要素、群、一体物、および/または工程が有ることを明記しているオープンエンドの用語を意味するのであって、記載されていない特徴、要素、構成要素、群、一体物、および/または工程が有ることを排除するものではない。上記は、用語「有する」、「含む」およびそれらの派生語など同様の意味を持つ語にも当てはまる。また、単数形的に用いられる用語「部分/部品(パート)」、「部分(セクション)」、「部/部分(ポーション)」、「部材」あるいは「要素」は、単一のパートあるいは複数のパーツの2つの意味を持ちうる。
【0062】
コンポーネント、部(セクション)、装置等によって実行される動作または機能を説明するためにここで用いる語「検出する」は、物理的な検出を必要としないコンポーネント、部(セクション)、装置等を含むだけでなく、そのような動作または機能を実行するための決定、測定、モデル化、予測または演算等も含む。
【0063】
コンポーネント、装置の部(セクション)あるいは部品/部分(パート)を説明するためにここで用いられる語「構成される(コンフィギュアされる)」は、所望の機能を実現するよう構築される(コンストラクトされる)かつ/またはプログラムされるハードウェアおよび/またはソフトウェアを含む。
【0064】
ここでは、「ほぼ」、「およそ」、「約」といった程度を示す用語は、最終結果が大きく変わらないような、妥当な変形の条件の変更量を意味するものとして用いる。
【0065】
本発明の説明のためにいくつかの実施例が選択されたに過ぎず、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の変更、変形ができることは、本開示から当業者には明らかであろう。例えば、必要に応じておよび/または所望により、種々の構成要素の大きさ、形状、配置、向きを変更できる。互いと直接的に連結あるいは接触するよう示した構成要素は、それらの間に中間構造体を有することができる。一つの要素の機能は二つによって達成することができ、またその逆の場合も同様である。一の態様の構造および機能を他の態様に適用することもできる。すべての利点が必ずしも同時に特定の態様にもたらされる必要はない。先行技術から区別されるそれぞれの特徴は、それ単独として、あるいは他の特徴と組み合わせとして、そのような特徴により実施される構造的あるいは機能的思想を含む出願人によるさらなる発明の内容として付帯的に考慮されるものとする。このように、前述の本発明にかかる実施例の説明は単なる例示であって、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって決められる本発明を限定するものではないことは、本開示から当業者には明らかであろう。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一ベース部材と、前記第一ベース部材の外縁から外側へと延設される第一壁部と、前記第一壁部の上端から内側へと延設される第一フランジと、を有する第一パネル部材と、
第二ベース部材と、前記第二ベース部材の外縁から外側へと延設される第二壁部と、前記第二壁部の上端から内側へと延設される第二フランジと、前記第二フランジの内縁から外側へと延設される第三壁部と、を有する第二パネル部材と、
前記第一パネル部材の前記第一壁部と前記第二パネル部材の前記第三壁部との間に配置される第一断熱部材と、
前記第一パネル部材の前記第一ベース部材と前記第二パネル部材の前記第二ベース部材との間に配置される第二断熱部材と、
前記第一パネル部材の前記第一フランジの内縁と前記第二パネル部材の前記第二壁部との間に配置される、前記第一フランジの延設方向の隙間と、
を備えるサーマルブレイクパネルアセンブリ。
【請求項2】
前記第一壁部は、前記第一ベース部材の少なくとも一の外縁の全体から延設されており、前記第一フランジは、前記第一壁部の前記上端の全体から延設されている、
請求項1に記載のサーマルブレイクパネルアセンブリ。
【請求項3】
前記第一断熱部材の幅は、前記第一パネル部材の前記第一フランジの幅より大きい
請求項1または2に記載のサーマルブレイクパネルアセンブリ。
【請求項4】
前記第二パネル部材の前記第二フランジと前記第三壁とが、前記第一断熱部材と接する段を形成する、
請求項1
または2に記載のサーマルブレイクパネルアセンブリ。
【請求項5】
空洞部が、前記第一パネル部材の前記第一ベース部材と、前記第一断熱部材と、前記第二パネル部材の前記第三壁部と、前記第二パネル部材の前記第二フランジと、前記第二パネル部材の前記第二壁と、前記第二パネル部材の前記第二ベース部材と、によって形成され、前記第二断熱部材は前記空洞部に配置される、
請求項1
または2記載のサーマルブレイクパネルアセンブリ。
【請求項6】
前記第一パネル部材は、厚みが14ゲージ以下であるシートメタルから一体的に単一部材として形成される、
請求項1
または2に記載のサーマルブレイクパネルアセンブリ。
【請求項7】
複数の締結孔が、前記第一フランジの外面から内面まで延びるよう前記第一パネル部材に形成されており、
前記第一断熱部材は、前記第一フランジの内面上で前記複数の締結孔のそれぞれを覆う、
請求項1
または2に記載のサーマルブレイクパネルアセンブリ。
【請求項8】
前記第三壁部の高さは前記第一断熱部材の高さよりも小さい、
請求項1
または2に記載のサーマルブレイクパネルアセンブリ。
【請求項9】
前記第一断熱部材は、前記サーマルブレイクパネルアセンブリの幅方向において、前記第二断熱部材よりもさらに外側へと延設されている、
請求項1
または2に記載のサーマルブレイクパネルアセンブリ。
【請求項10】
前記第三壁部の上端は、前記第三壁部の延設方向において、前記第一ベース部材の内面から離隔して配置されている、
請求項1
または2に記載のサーマルブレイクパネルアセンブリ。
【請求項11】
フレーム構造を形成する複数のフレーム部材と、
エアハンドラキャビネットを形成するよう、前記複数のフレーム部材に取り外し可能に接続される複数のサーマルブレイクパネルアセンブリと、
を備えるエアハンドラユニットであって、
前記複数のサーマルブレイクパネルアセンブリのそれぞれは、
第一ベース部材と、前記第一ベース部材の外縁から外側へと延設される第一壁部と、前記第一壁部の上端から内側へと延設される第一フランジと、を有する第一パネル部材と、
第二ベース部材と、前記第二ベース部材の外縁から外側へと延設される第二壁部と、前記第二壁部の上端から内側へと延設される第二フランジと、前記第二フランジの内縁から外側へと延設される第三壁部と、を有する第二パネル部材と、
前記第一パネル部材の前記第一壁部と前記第二パネル部材の前記第三壁部との間に配置される第一断熱部材と、
前記第一パネル部材の前記第一ベース部材と前記第二パネル部材の前記第二ベース部材との間に配置される第二断熱部材と、
前記第一パネル部材の前記第一フランジの内縁と前記第二パネル部材の前記第二壁部との間に配置される、前記第一フランジの延設方向の第一隙間と、
前記第二パネル部材の前記第三壁部の上端と前記第一パネル部材の前記第一ベース部材との間に配置される第二隙間と、
を含むエアハンドラユニット。
【請求項12】
前記第一隙間および前記第二隙間の両方が、約3/4インチより大きい、
請求項11に記載のエアハンドラユニット。
【請求項13】
前記エアハンドラユニットのそれぞれの側部は、前記複数のサーマルブレイクパネルアセンブリのうちの少なくとも一つを含む、
請求項11または12に記載のエアハンドラユニット。
【請求項14】
前記複数のサーマルパネルアセンブリのいずれか一つは、前記エアハンドラキャビネットの内部に手が届くよう、前記複数のフレーム部材から取り外し可能である、
請求項11
または12に記載のエアハンドラユニット。
【請求項15】
第一パネル部材の外面を支持体に配置する工程と、
前記第一パネル部材に形成される溝に第一断熱部材を挿入する工程と、
第二パネル部材を、前記第二パネル部材が前記第一パネル部材と接しないよう、前記第一断熱部材に配置する工程と、
前記第一パネル部材と前記第一断熱部材と第二パネル部材とによって形成される空洞部に第二断熱部材を注入する工程と、
を備えるサーマルブレイクパネルアセンブリを形成する方法。
【請求項16】
前記第二パネル部材を前記第一断熱部材に配置する工程は、前記第二パネル部材に形成される段を、前記第一断熱部材と係合させることによって、前記第二パネル部材を位置決めする工程を含んでいる、
請求項15に記載のサーマルブレイクパネルアセンブリを形成する方法。
【請求項17】
前記第一断熱部材は、前記第一パネル部材の複数の締結孔を覆い、これにより、注入された前記第二断熱部材が前記複数の締結孔を通って漏れることを実質的に防止する、
請求項15または16に記載のサーマルブレイクパネルアセンブリを形成する方法。
【請求項18】
前記第二パネル部材は、前記第一断熱部材の一部が露出するように、前記第一断熱部材に配置される、
請求項15
または16に記載のサーマルブレイクパネルアセンブリを形成する方法。
【請求項19】
前記第二パネル部材が、前記第一パネル部材からすべての点において少なくとも1インチ離隔するよう、前記第二パネル部材は前記第一断熱部材に配置される、
請求項15
または16に記載のサーマルブレイクパネルアセンブリを形成する方法。
【請求項20】
前記第一パネル部材の内縁の全体が前記第一断熱部材と接するよう、前記第一断熱部材は挿入される、
請求項15
または16に記載のサーマルブレイクパネルアセンブリを形成する方法。
【国際調査報告】