(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】作業面上に規定のレーザ照射を生成するための装置
(51)【国際特許分類】
B23K 26/067 20060101AFI20240517BHJP
B23K 26/064 20140101ALI20240517BHJP
B23K 26/066 20140101ALI20240517BHJP
H01L 21/268 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
B23K26/067
B23K26/064 A
B23K26/064 N
B23K26/066
H01L21/268 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573027
(86)(22)【出願日】2022-05-10
(85)【翻訳文提出日】2023-11-24
(86)【国際出願番号】 EP2022062593
(87)【国際公開番号】W WO2022248209
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】102021113406.4
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506065105
【氏名又は名称】トルンプフ レーザー- ウント ジュステームテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】TRUMPF Laser- und Systemtechnik GmbH
【住所又は居所原語表記】Johann-Maus-Strasse 2, D-71254 Ditzingen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ハイメス
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル フラム
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168AC01
4E168AE05
4E168DA34
4E168DA39
4E168EA02
4E168EA13
4E168EA19
4E168EA22
4E168JA12
(57)【要約】
作業面50上に規定のレーザ照射を生成するための装置は、第1の角度スペクトル26を有するレーザ原ビーム14を生成するように構成されたレーザ光源12を備える。光学アセンブリ64は、レーザ原ビーム14を受光し、光軸20に沿って照射ビーム48に変形する。照射ビーム48は、作業面50と交差するビーム方向52を規定している。光学アセンブリ64は、規定の間隔42を置いて互いに光軸20に沿って配置された、少なくとも2つのマイクロレンズアレイ(38,40)を有する。その規定の間隔42は、照射ビーム48が、多数の個別の照射スポット46を含む照射ビームプロファイル47を作業面50の領域において有するように、選択される。光学アセンブリ64は更に、少なくとも2つのマイクロレンズアレイ(38,40)の上流側に光軸20に沿って配置されたビーム整形素子(24;60)を有する。そのビーム整形素子(24;60)は、第1の角度スペクトル(26)とは異なる第2の角度スペクトル(32)を生成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業面(50)上に規定のレーザ照射を生成するための装置であって、
第1の角度スペクトル(26)を有するレーザ原ビーム(14)を生成するように構成されたレーザ光源(12)と、
前記レーザ原ビーム(14)を受光し、光軸(20)に沿って照射ビーム(48)に変形する光学アセンブリ(64)と、を備え、
前記照射ビーム(48)は、前記作業面(50)と交差するビーム方向(52)を規定しており、
前記光学アセンブリ(64)は、規定の間隔(42)を置いて互いに前記光軸(20)に沿って配置された、少なくとも2つのマイクロレンズアレイ(38,40)を有しており、
前記規定の間隔(42)は、前記照射ビーム(48)が、多数の個別の照射スポット(46)を含む照射ビームプロファイル(47)を、前記作業面(50)の領域において有するように、選択されている、装置において、
前記光学アセンブリ(64)は、前記少なくとも2つのマイクロレンズアレイ(38,40)の上流側に前記光軸(20)に沿って配置されたビーム整形素子(24;60)を更に有しており、
前記ビーム整形素子(24;60)は、前記第1の角度スペクトル(26)とは異なる第2の角度スペクトル(32)を生成することを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記第2の角度スペクトル(32)は、トップハット形状の強度プロファイルを有することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の角度スペクトル(26)は、前記光軸(20)に対して垂直な平面(28)内に第1のフットプリント(30)を有し、
前記第2の角度スペクトル(32)は、前記光軸(20)に垂直な更なる平面(34)内に、前記第1のフットプリント(30)とは異なる第2のフットプリント(36)を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記第2のフットプリント(36)は多角形であることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記光学アセンブリ(64)は、前記少なくとも2つのマイクロレンズアレイ(38,40)のうちの少なくとも1つのマイクロレンズアレイ(40)を前記光軸(20)に沿って調整可能である調整機構(44)を有することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記ビーム整形素子は、前記レーザ原ビーム(14)を前記光軸(20)に対して垂直に拡張するビーム変換器(54)を含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記ビーム整形素子は、回折光学素子(60)を含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記ビーム整形素子は、空間フィルタ(24)を含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記ビーム整形素子(24;60)は、前記光軸に選択的に挿入可能であることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
第1の角度スペクトル(26)を有するレーザ原ビーム(14)を生成するレーザ光源(12)を用いて、作業面(50)上に規定のレーザ照射を生成するための方法であって、
前記レーザ原ビーム(14)を、光学アセンブリ(64)によって、光軸(20)に沿って照射ビーム(48)に変形し、
前記照射ビーム(48)は、前記作業面(50)と交差するビーム方向(52)を規定し、
前記光学アセンブリ(64)は、少なくとも2つのマイクロレンズアレイ(38,40)を有し、これらのマイクロレンズアレイ(38,40)を、互いに前記光軸(20)に沿って規定の間隔(42)を置いて配置し、
前記規定の間隔(42)を、前記照射ビーム(48)が、多数の個別の照射スポット(46)を含む照射ビームプロファイル(47)を前記作業面(50)の領域において有するように、選択する、方法において、
前記光学アセンブリ(64)は、ビーム整形素子(24;60)を更に有し、そのビーム整形素子を、前記少なくとも2つのマイクロレンズアレイ(38,40)の上流側に前記光軸(20)に沿って配置し、
前記ビーム整形素子(24;60)によって、前記第1の角度スペクトル(26)とは異なる第2の角度スペクトル(32)を生成することを特徴とする、方法。
【請求項11】
前記照射ビームプロファイル(47)を、前記作業面(50)に対してジグザグ経路(78)に沿って移動させることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業面上に規定のレーザ照射を生成するための装置に関し、その装置は、第1の角度スペクトルを有するレーザ原ビームを生成するように構成されたレーザ光源と、そのレーザ原ビームを受光し、光軸に沿って照射ビームに変形する光学アセンブリと、を備え、その照射ビームは、作業面と交差するビーム方向を規定しており、その光学アセンブリは、規定の間隔を置いて互いに光軸に沿って配置された、少なくとも2つのマイクロレンズアレイを有しており、その規定の間隔は、照射ビームが、多数の個別の照射スポットを含む照射ビームプロファイルを作業面の領域において有するように、選択されている。
【背景技術】
【0002】
このような装置は、特許文献1に開示されている。
【0003】
ワークピースを加工するために、作業面上への規定のレーザ照射の必要性が多い。ワークピースは、例えば、支持体として使用されるガラス板上のプラスチック材料であり得る。プラスチック材料は、例えば、有機発光ダイオード、いわゆるOLED、及び/又は薄膜トランジスタが製造されるフィルムである。OLEDフィルムは、スマートフォン、タブレットPC、テレビなど、表示装置を有する機器のディスプレイに使用されることが多い。電子的な構造を製造した後、フィルムをガラス支持体から剥離する必要がある。これには、レーザ照射を使用して行うのが有利であり、そのレーザ照射は、ガラス板に対して規定の速度において移動させられ、その際、ガラス板を通して、フィルムの接着を剥離することができる。場合によっては、レーザ照射は細いレーザラインであってもよい。このような応用は、実際にはLLO又はレーザリフトオフといわれることが多い。
【0004】
ワークピースに規定のレーザラインが照射されるもう一つの応用は、支持板上のアモルファスシリコンの行に従った溶融で有り得る。この場合においても、レーザラインはワーク表面に対して規定の速度において移動する。溶融によって、比較的安価なアモルファスシリコンを、より高品質な多結晶シリコンに変化させることができる。このような応用は、実際にはエキシマレーザアニーリング、又はELAといわれることが多い。ELAプロセスにおいては、アモルファスシリコンは支持板上においてほぼ完全に溶融し、冷却中に垂直方向に結晶化する。このプロセスは非常にエネルギ集約的であり、シリコンの加工ウィンドウは非常に小さく、レーザラインの均質性と出力安定性が高く要求される。支持板上のアモルファスシリコンをより高品質な多結晶シリコンに変化させるための代替的な方法は、Ludolf Herbst、Frank Simonらによる2つの出版物、すなわち、非特許文献1と非特許文献2とによって知られている。この代替的な方法は、Sequential Lateral Solidification、又はSLS法といわれ、パターン化したレーザビームが使用される。そのレーザビームによって、アモルファスシリコンを局所的に選択的に溶融し、その際、溶融していない隣接領域から横方向に結晶化が始まる。レーザのビーム経路にマスクを設置することによって、加工面に周期的なパターンが形成される。
【0005】
規定のレーザ照射の他の応用としては、いわゆるレーザ誘導前方転写(LIFT:Laser Induced Forward Transfer)、すなわち、例えば剥離され分離されたマイクロLED(μLED)のその後のディスプレイへの転写のような、すでに剥離された半導体素子の別の支持体への転写が含まれ、並びにレーザ切断又はレーザパンチング加工が含まれる。ワークピース及び応用に応じて、作業面上への個別に規定されたレーザ照射が必要である。
【0006】
特許文献2は、作業面上に規定のレーザラインを生成するための装置を開示している。この装置は、レーザ原ビームをコリメートするコリメータ、並びにビーム変換器、ホモジナイザ、及び集光ステージを備える。ビーム変換器は、コリメートされた原ビームを受け取り、その原ビームをビーム方向に対して横切る方向に拡張する。原理的には、ビーム変換器は、複数のレーザ源から複数のレーザ原ビームを受け取り、それらをより高出力の1つの拡張レーザビームに結合することもできる。ホモジナイザは、1つ又は複数のマルチレンズアレイを有し、そのマルチレンズアレイによって、拡張レーザビームは長軸方向に均一化され、それによって、できるだけ長方形状の(トップハット形状の)強度特性を長軸方向に得ることができる。集光ステージは、変形されたレーザビームを作業面の領域内の規定の位置に集光する。周知の装置は、一般にLLO応用、及びSLA応用に適している。しかしながら、その周知の装置は、μLEDの剥離のような特殊なLLO応用には最適ではない。このような場合には、多数の個別のトップハット形状の強度プロファイルをそれぞれ提供することが望ましい。例えば、多数の個別のトップハット形状の強度プロファイルがラインに沿って等距離に並置される配置が望まれ得る。特許文献2の装置は、そのようなレーザ照射を提供しない。
【0007】
冒頭に述べた特許文献1は、ラインに沿って又は表面上に分布する多数の個別の照射スポットを有するビームプロファイルを生成するための光学アセンブリを開示する。そのアセンブリは、マイクロレンズが並んで配置された複数のマイクロレンズアレイであって、それぞれが均一なアパーチャaを有するマイクロレンズアレイと、それに続くフーリエレンズアセンブリとを含む。更に、その光学アセンブリは、マイクロレンズアレイの少なくとも一部の相互間隔を調整可能な調整機構を有する。それによって、マイクロレンズアレイ全体の有効焦点距離は設定可能である。調整機構は、複数の選択可能な調整位置を有し、その調整位置において、以下の比率
【数1】
は少なくとも近似的に自然数である。ここで、aは個々のマイクロレンズの均一なアパーチャであり、λはレーザビームの平均波長であり、f
ML,iは、調整位置iによって設定された、マイクロレンズアレイ全体の有効焦点距離f
MLである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】独国特許出願公告第102018211972B4号明細書
【特許文献2】国際公開第2018/019374A1号パンフレット
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】「Advances in excimer laser annealing for LTPS manufacturing」、49-3 IMID 2009 DIGEST
【非特許文献2】「17-4:New Technology for Creation of LTPS with Excimer Laser Annealing」、Asia Display/IMID 04 Proceedings
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
周知のアセンブリは、均一な強度分布を維持しながら、レーザビームから生成される照射スポットの数を変化させることを可能にする。しかしながら、個別の照射スポットにおける作業面上のレーザ照射のそれぞれの強度特性をさらに変化させることはできない。このことから、ワークピースの加工の際のさらに大きな柔軟性を可能にするために、冒頭に述べたタイプの装置の発展が望まれている。特に、個々の照射スポットの数だけでなく、その大きさも変化させることが望まれる。従って、本発明の課題は、更に可変的なマルチスポット照射の生成が効率的な方法によって可能となる、冒頭に述べたタイプの装置を提示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一局面によれば、冒頭に述べたタイプの装置が提案され、その装置においては、光学アセンブリは、少なくとも2つのマイクロレンズアレイの上流側に光軸に沿って配置されたビーム整形素子をさらに有し、そのビーム整形素子は、第1の角度スペクトルとは異なる第2の角度スペクトルを生成する。
【0012】
これまでの想定に反して、マイクロレンズアレイの上流側においてのビーム整形は、作業面の領域においてビームプロファイルを更に変化させるために非常に有利に利用できることを示している。マイクロレンズアレイの上流側においてのビーム整形は、マイクロレンズアレイを使用して複数の部分ビームに分割される前に、レーザビームに効果を「中心的に」もたらすため、低コスト、且つ効率的である。「マイクロレンズアレイの上流側に」とは、ビーム整形素子が、レーザ光源と少なくとも2つのマイクロレンズアレイとの間に光軸に沿って位置することを意味する。その2つのマイクロレンズアレイを使用して個別の照射スポットが生成される。したがって、ビーム整形素子は、少なくとも2つのマイクロレンズアレイのビーム上流側に位置する。マイクロレンズアレイの使用によって生成される照射スポットの各々は、マイクロレンズ照射の角度スペクトルを表すことが、示されている。したがって、遠視野ビーム整形は、ビーム経路の初期に、したがってマイクロレンズアレイの上流側において、有利に行うことができる。所望の第2の角度スペクトルを有するレーザビームは、マイクロレンズアレイによって効率的に分割され、その所望の第2の角度スペクトルは、複数の個別の照射スポットに複製される。
【0013】
したがって、この新規の装置は、多数の照射スポットの生成に関して、更なる自由度を有する。マイクロレンズアレイの上流側におけるビーム整形の使用によって、照射スポットの角度スペクトルを設定することができる。それによって、特に、作業面上の照射スポットのそれぞれの広がりと形状とを変化させること、又は設定することが可能になる。上記の課題は完全に解決される。
【0014】
好ましい一実施形態においては、第2の角度スペクトルは、トップハット形状の強度プロファイルを有する。
【0015】
トップハット形状の強度プロファイルは、作業面上の加工位置を鋭く画定するため、多くの応用に有利である。これは、フィリグリー加工、及び/又は微細パターンの生成を可能にし、また、多数の加工位置における局所溶解又は局所切削加工のような、狭い空間における同時の表面加工に特に適している。マイクロレンズアレイの上流側における中心的なビーム整形は、多数の照射スポットに対して均一なトップハット形状の強度プロファイルを生成するために有利に使用される。
【0016】
更なる一実施形態においては、第1の角度スペクトルは、光軸に垂直な平面内に第1のフットプリントを有し、第2の角度スペクトルは、光軸に対して垂直な更なる平面内に、第1のフットプリントとは異なる第2のフットプリントを有する。
【0017】
フットプリントは、レーザビームによって生成された照射スポットの輪郭を表す。したがって、フットプリントは、特に、ビーム方向に対して垂直な面上、又は光軸に対して垂直な面上の照射スポットの幾何学的な形状を表す。また、フットプリントは、更に、生成された照射スポットの面広がりを表す。好ましい実施形態においては、そのため、第1のフットプリントと第2のフットプリントとは、それぞれの幾何学的形状に関して、及び/又は面広がりに関して互いに異なっていてもよい。本実施形態によって、作業面上の照射スポットの広がり及び形状を効率的に設定することが可能になる。
【0018】
更なる一実施形態においては、第2のフットプリントは多角形、特に長方形、五角形、六角形、又は八角形である。いくつかの好ましい実施形態においては、第2のフットプリントは、特に0.9と1.1との間の区間を含めた、1の範囲のアスペクト比(最大幅に対する最大長)を有する。したがって、いくつかの好ましい実施形態においては、第2のフットプリントは正方形であってもよい。その実施形態は、数多くの応用において、ワークピースの精密、且つ効率的な加工を可能にし、また、特に、新規の装置が効率的に提供する新しい自由度によって利益を得る。
【0019】
更なる一実施形態においては、光学アセンブリは、少なくとも2つのマイクロレンズアレイのうちの少なくとも1つのマイクロレンズアレイを光軸に沿って調整可能である調整機構を有する。好ましくは、光学アセンブリは、光軸に沿ってマイクロレンズアレイの下流側に配置されたフーリエレンズアセンブリをさらに有する。
【0020】
その調整機構の使用によって、少なくとも2つのマイクロレンズアレイの間隔を互いに選択的に及び可変に設定することができる。それによって、本実施形態は、作業面上の個別の照射スポットの数の可変な設定を可能にする。好ましくは、調整機構は複数の選択可能な調整位置を有し、その位置において、以下の比率
【数2】
は、少なくとも近似的に自然数である。ここで、aは、マイクロレンズアレイの個々のマイクロレンズの均一なアパーチャであり、λは、レーザ原ビームの平均波長であり、f
ML,iは、それぞれの調整位置iによって設定されるマイクロレンズアレイ全体の有効焦点距離f
MLである。ここで、少なくとも近似的にとは、それぞれの場合において、比率が0.8N
iから1.2N
iの区間にあることを意味し、N
iはそれぞれの自然数である。本実施形態は、冒頭に述べた特許文献1からの光学アセンブリが提供する柔軟な可能性を有利に利用する。特許文献1は、従って、本実施形態の実現可能性に関して、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0021】
更なる一実施形態においては、ビーム整形素子は、レーザ原ビームを光軸に対して横切る方向に拡張するビーム変換器を含む。いくつかの実施形態においては、ビーム変換器はパウエルレンズを含み得る。代替的又は補完的に、ビーム変換器は、対向する表面が鏡面加工されたガラス体を含むことができ、それによって、斜めに入射するレーザビームがガラス体内において複数回往復反射され、その際、一方向に拡張される。
【0022】
パウエルレンズは、回転対称なガウス強度分布から、ラインに沿ってほぼ均一な強度分布を有するライン状のビームプロファイルを生成できるレンズである。そのために、垂直に、ガウス強度分布が維持される。ビーム変換器は、更に、冒頭に述べた特許文献2に記載されているようなビーム変換器であってもよく、これは参照によって本明細書に組み込まれる。本実施形態のビーム整形素子は、画定されたラインに沿って多数の個別の照射スポットを可能にする。いくつかの実施形態においては、作業面上にライン状のビームプロファイルを照射ビームのビーム方向に対して傾斜して生成するために、そのラインは、光軸に対して直交ではなく傾斜して配置されてもよい。
【0023】
更なる一実施形態においては、ビーム整形素子は、回折光学素子(DOE)を含む。
【0024】
回折光学素子は、光回折の原理に基づくビーム整形素子である。典型的には、回折光学素子は、回折パターンが配置されたガラス支持体を有する。回折パターンは干渉を引き起こす。回折光学素子の使用によって、所望の第2の角度スペクトルを非常に多様に、且つ高品質に生成することができる。更に、ビームエネルギの大部分が作業面の照射のために使用される。このため、回折光学素子は特に効率的な実現を可能にする。
【0025】
更なる一実施形態においては、ビーム整形素子は空間フィルタを含む。
【0026】
空間フィルタは、典型的にはレンズと絞りとを含み、その絞りは、光路においてそのレンズの下流側に配置される。絞りの使用によって、所望の第2の角度スペクトルを様々に生成することができる。そのレンズは、絞りが効率的に照射されるようにする。そのため、マイクロレンズアレイの上流側の空間フィルタは、非常に多様な、且つ低コストのビーム整形を可能にする。
【0027】
更なる一実施形態においては、ビーム整形素子は光軸に選択的に挿入可能である。
【0028】
本実施形態は、規定のレーザ照射の生成において特に大きな柔軟性を提供する。ビーム整形素子は、本実施形態においては調整機構と結合されており、その調整機構は、ビーム整形素子を光学アセンブリのビーム経路に選択的に完全に又は部分的に挿入する、又はそこから取り外すことを可能にする。それによって、照射ビームのプロファイルを選択的に、且つ目的にかなって変化させることができる。いくつかの実施形態においては、装置は、第2の角度スペクトルを生成するようにそれぞれ構成された複数のビーム整形素子を有し、その際、それらの第2の角度スペクトルは互いに異なる。これらの実施形態においては、複数のビーム整形素子のうちの1つを、光学アセンブリの光路に選択的に挿入することができる。例えば、本実施形態の(それぞれの)ビーム整形素子は、光学アセンブリのビーム経路に挿入されてもよい、及び/又は向きを変えられてもよい。
【0029】
上記の及び以下に説明する特徴は、それぞれ提示された組み合わせにおいて使用されるのみでなく、本発明の範囲を逸脱することなく、他の組み合わせ又は単独においても使用され得る、と解される。
【0030】
本発明の実施例を図面に示し、以下の説明において詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】新規な装置の最初の実施例を簡略化して概略的に示す図である。
【
図2】新規な装置の更なる実施例を簡略化して概略的に示す図である。
【
図3】新規な装置の更なる実施例を簡略化して概略的に示す図である。
【
図4】いくつかの好ましい実施例による、多結晶シリコンの溶融の際のレーザ照射の有利な経路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1において、新規な装置の一実施例の全体を、参照符号10によって示す。装置10は、レーザ原ビーム14を生成するレーザ光源12を備える。レーザ光源12は、コリメータ(ここでは図示せず)を含んでもよく、そのため、レーザ原ビーム14がコリメートされたレーザ原ビームであってもよい。
【0033】
レーザ原ビーム14は、光軸20に沿って配置された第1のレンズ16と、それに続く第2のレンズ18とを照射する。絞り22が、本実施例においては、レンズ16,18の間に光軸20に沿って配置されている。絞り22は、レンズ16,18とともに空間フィルタ24を形成する。レーザ原ビーム14は第1の角度スペクトルを有し、その第1の角度スペクトルは、参照符号26によって示され、ガウス分布の強度プロファイルとして示される。光軸20に対して垂直な(仮想)平面28において、第1の角度スペクトル26を有するレーザ原ビーム14は、本実施例においては、一例として、円形のフットプリント30を生成する。
【0034】
空間フィルタ24に基づいて、レーザビームは、レンズ18の下流側において、変化された第2の角度スペクトル32を有し、その第2の角度スペクトル32は、本実施例においては、平面34に、例示的なトップハット形状の強度プロファイルによって示される。いくつかの好ましい実施例においては、装置10は、2f構成を有することができる。これらの実施例においては、平面34は、
図1に簡略化のために示される位置とは異なる位置にあってもよい。変更された第2の角度スペクトル32を有するレーザビームは、レンズ18の下流側に第2のフットプリント36を生成し、このフットプリント36は、本実施例においては例示的に正方形に示されている。
【0035】
第2の角度スペクトル32を有するレーザビームは、本実施例においては、少なくとも2つのマイクロレンズアレイ38,40を有するアセンブリを照射し、これらのマイクロレンズアレイは、規定の間隔42を置いて互いに光軸20に沿って配置されている。各マイクロレンズアレイ38,40は多数のマイクロレンズを有し、そのマイクロレンズは好ましくは同一のアパーチャaを有する。図示の実施例においては、光学アセンブリは、少なくとも2つのマイクロレンズアレイ38,40間の相対的な間隔42を光軸20に沿って変更するための調整機構44を更に有する。好ましい実施例においては、その調整機構は、いくつかの予め規定された調整位置を有し、その調整位置によって間隔42がそれぞれ設定され、その間隔42において、以下の比率
【数3】
は少なくとも近似的に自然数である。ここで、aは、マイクロレンズアレイ38,40の個々のマイクロレンズの均一なアパーチャであり、λは、レーザ原ビーム14の平均波長であり、f
ML,iは、それぞれの調整位置iによって設定されたマイクロレンズアレイ全体の有効焦点距離f
MLである。本実施例において、少なくとも近似的にとは、その比率が、0.8N
i~1.2N
iの区間にそれぞれあることを意味し、この場合、N
iはそれぞれの自然数である。
【0036】
間隔42の変更によって、マイクロレンズアレイ38,40全体の有効焦点距離f
MLが変化する。上記の比率に従って間隔を適切に設定することによって、作業面50上の照射ビーム48のマルチスポット・ビームプロファイル47における照射スポット46の数を設定することができる。その際、作業面50は、本実施例においては、照射ビーム48のビーム方向52に対して垂直に配置される。しかしながら、ビーム方向52に対して斜めに配置することも可能である。好ましくは、装置10は、参照によって本実施例に組み込まれる特許文献1に開示されるアセンブリの1つ内のマイクロレンズアレイ38,40を使用する。本実施例において、照射スポット46は、ビーム方向52に対して横切る方向に延びるライン(本実施例においてはx軸として示される)に沿って並んで配置される。装置10のいくつかの有利な応用においては、マルチスポット・ビームプロファイル47を、
図4を参照してさらに後述するように、作業面50に対して、照射スポット46のラインに対して横切る方向に、且つビーム方向52に対して横切る方向に移動させることができる。
【0037】
図2は、新規な装置の更なる一実施例を示し、この装置を、本実施例においては参照符号10’によって示す。その他においては、同一の参照符号は上記実施例と同一の要素を示す。装置10は、光軸20に対して横切る方向にレーザ原ビームを拡張するビーム変換器54を備える。いくつかの実施例においては、そのビーム変換器はパウエルレンズを含み得る。代替的又は補完的に、ビーム変換器は、それぞれ鏡面とされた前面56及び後面58を有するガラス体を含んでもよく、それによって、レーザ原ビーム14が、ガラス体内において、複数回、往復反射され、その際、光軸20に対して横切る方向に拡張される。このようなビーム変換器は、冒頭に述べた特許文献2に記載されており、参照によって本実施例に組み込まれる。代替的又は補完的に、そのビーム変換器は、パウエルレンズを含み得る。いずれの場合においても、レーザ原ビーム14は、本実施例においては、光軸20に対して垂直な方向、この場合、観察面(Betrachtungsebene)に対して垂直な方向に拡張され、これによって、作業面50上のビームプロファイルは、観察面に対して垂直なライン状のパターンを有する。この場合、マイクロレンズアレイ38,40のマイクロレンズは、シリンドリカルレンズであり得る。代替的には、マイクロレンズアレイ38,40のマイクロレンズは、それぞれ、2次元レンズアレイの回転対称レンズであり得る。このような配置によって、2次元配置内に多数の照射スポットを有する照射ビームプロファイルを生成することが可能となる。
【0038】
参照符号60は、本実施例においては、回折光学素子を示しており、その回折光学素子は、(拡張された)レーザ原ビーム14のビーム経路に、すなわち光軸20に沿った位置に、選択的に挿入可能である。参照符号60’は、回折光学素子60の代わりに、又は補完的に、ビーム経路に任意に挿入可能な代替の回折光学素子を示す。更に、回折光学素子60,60’は、調整機構62,62’に結合されている。
【0039】
図3は、新規な装置の更に好ましい一実施例を示し、その新規な装置は、本実施例においては参照符号10’’によって示される。その他においては、同一の参照符号は上記実施例と同一の要素を示す。
図3の上側部分は、本実施例においてはx軸として示される長軸方向のマルチスポット・ビームプロファイル47のビーム整形を示している。
図3の下側部分は、本実施例においてはy軸として示される短軸方向のビーム整形を示している。装置10’’は、
図1の実施例による空間フィルタ24を備えている。空間フィルタ24の代替として、又は補完として、装置10’’は、レーザ原ビーム14の角度スペクトルを変更するために、
図2の実施例によるDOEを備え得る。本実施例において、角度スペクトルが変更されたレーザ原ビームは、ビーム変換器54に入射し、そのビーム変換器54はレーザ原ビームを長軸方向に拡張する。x軸方向に拡張されたレーザビームは、ビーム方向において互いに背中合わせに配置されたマイクロレンズアレイ38,40を照射し、これらのマイクロレンズアレイは、好ましくは、光軸に沿って可変に設定可能な間隔42を置いて配置されている。更に、本実施例において、装置10’’は、ビームプロファイルに主に長軸方向に影響を与える、遠視野結像(Fernfeldabbildung)用の第1のレンズ又はレンズ群66と、並びに、ビームプロファイルに主に短軸方向に影響を与える第2のレンズ又はレンズ群68と、を備える。
【0040】
ビーム整形素子24は、第1のマイクロレンズアレイ38を照射する角度スペクトルを変更する。マイクロレンズアレイ38の上流側における角度スペクトルの減少によって、x軸方向における照射スポット46の幅を減少させることができる。y軸方向の個々の照射スポット46の長さは、中間像絞りによって、及び/又はビーム変換器54を使用することによって調整することができる。ビーム方向においてマイクロレンズアレイ38,40の下流側に配置されたレンズ又はレンズ群66,68を用いた、結像、及び角度スペクトルの縮小/拡大によって、個々の照射スポット46間の横方向の間隔をx軸に沿って広げることができる。更に、マイクロレンズアレイ38,40の上流側及び/又は下流側のレーザビームのアライメント(ポインティング)を介して、作業面上の全ての照射スポット46の全体の位置を設定することもできる。
【0041】
図4は、支持板上のアモルファスシリコンをより高品質の多結晶シリコンに変える方法における装置10,10’又は10’’の好ましい有利な利用を示す。好ましい利用は、冒頭に述べたSLS法に基づいている。しかしながら、Ludolf Herbst,Frank Simonらによる提案による装置とは対照的に、パターン化されたレーザ照射は、本実施例においては、選択された間隔42によって、作業面上においてマルチスポット・ビームプロファイル47を可能にするマイクロレンズアレイ38,40を使用して達成される。
図4によれば、照射スポット46が長軸方向に離間したマルチスポット・ビームプロファイル47は、作業面50に対して矢印70の方向に移動する。作業面50内において、アモルファスシリコン72を支持板上に有利に配置することができる。アモルファスシリコン72は、照射スポット46によって局所的に選択的に溶融され、冷却中に横方向、すなわち作業面50に対して実質的に平行に結晶化することができる。それによって、移動方向70においてマルチスポット・ビームプロファイル47の後方に、多数の結晶化セル76を有する多結晶シリコン74が形成される。好ましくは、マルチスポット・ビームプロファイル47は、
図4に参照符号78によって示すジグザグ経路に沿って移動方向70にガイドされる。特に好ましい一実施例においては、ジグザグ経路78に沿ったマルチスポット・ビームプロファイル47の横方向の移動は、x軸に沿って、或いはマルチスポット・ビームプロファイル47の広がる方向に沿って、2つの隣接する照射スポット46間の横方向の距離80に対応する。他の実施例においては、マルチスポット・ビームプロファイル47は、2つの隣接する照射スポット46間の横方向の距離80よりも大きい、又は小さい横方向移動部分を交互に伴って、移動方向70に移動することができる。
【0042】
従って、要約すると、新規な装置の実施例は、空間フィルタ24又は回折光学素子60などのビーム整形素子を含む光学アセンブリ64を備え、そのビーム整形素子は、少なくとも2つのマイクロレンズアレイ38,40を有するアセンブリの上流側においてレーザ原ビーム14の光路に配置されている。上記のビーム整形素子に代替的又は補完的に、少なくとも2つのマイクロレンズアレイ38,40を有するアセンブリの上流側のビーム整形素子は、アキシコン又は自由曲面レンズを含み得る。マイクロレンズアレイ38,40の下流側には、他の光学素子、特に1つ以上のフーリエレンズ(ここでは図示せず)、並びに
図3に示すレンズ/レンズ群66,68が続き得る。ビーム整形素子は、少なくとも2つのマイクロレンズアレイ38,40を有するアセンブリが、変更された角度スペクトル32によって照射されるように、レーザ原ビーム14の角度スペクトル26を変更する。少なくとも2つのマイクロレンズアレイ38,40は、間隔42をおいて光軸20に沿って配置されており、その間隔42は、作業面50上にビーム方向52に対して横切る方向に多数の個別の照射スポット46を生成するように選択されている。各照射スポット46は、その際、変更された角度スペクトル32を有する。
【符号の説明】
【0043】
10 装置
12 レーザ光源
14 レーザ原ビーム
20 光軸
24 空間フィルタ(ビーム整形素子)
26 第1の角度スペクトル
28 光軸に垂直な平面
30 第1のフットプリント
32 第2の角度スペクトル
34 光軸に垂直な更なる平面
36 第2のフットプリント
38 マイクロレンズアレイ
40 マイクロレンズアレイ
42 間隔
44 調整機構
46 照射スポット
47 マルチスポット・ビームプロファイル(照射ビームプロファイル)
48 照射ビーム
50 作業面
52 ビーム方向
54 ビーム変換器
60 回折光学素子(ビーム整形素子)
64 光学アセンブリ
78 ジグザグ経路
【手続補正書】
【提出日】2023-11-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業面(50)上に規定のレーザ照射を生成するための装置であって、
第1の角度スペクトル(26)を有するレーザ原ビーム(14)を生成するように構成されたレーザ光源(12)と、
前記レーザ原ビーム(14)を受光し、光軸(20)に沿って照射ビーム(48)に変形する光学アセンブリ(64)と、を備え、
前記照射ビーム(48)は、前記作業面(50)と交差するビーム方向(52)を規定しており、
前記光学アセンブリ(64)は、規定の間隔(42)を置いて互いに前記光軸(20)に沿って配置された、少なくとも2つのマイクロレンズアレイ(38,40)を有しており、
前記規定の間隔(42)は、前記照射ビーム(48)が、多数の個別の照射スポット(46)を含む照射ビームプロファイル(47)を、前記作業面(50)の領域において有するように、選択されている、装置において、
前記光学アセンブリ(64)は、前記少なくとも2つのマイクロレンズアレイ(38,40)の上流側に前記光軸(20)に沿って配置されたビーム整形素子(24;60)を更に有しており、
前記ビーム整形素子(24;60)は、前記第1の角度スペクトル(26)とは異なる第2の角度スペクトル(32)を生成することを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記第2の角度スペクトル(32)は、トップハット形状の強度プロファイルを有することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の角度スペクトル(26)は、前記光軸(20)に対して垂直な平面(28)内に第1のフットプリント(30)を有し、
前記第2の角度スペクトル(32)は、前記光軸(20)に垂直な更なる平面(34)内に、前記第1のフットプリント(30)とは異なる第2のフットプリント(36)を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記第2のフットプリント(36)は多角形であることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記光学アセンブリ(64)は、前記少なくとも2つのマイクロレンズアレイ(38,40)のうちの少なくとも1つのマイクロレンズアレイ(40)を前記光軸(20)に沿って調整可能である調整機構(44)を有することを特徴とする、請求項
1又は2に記載の装置。
【請求項6】
前記ビーム整形素子は、前記レーザ原ビーム(14)を前記光軸(20)に対して垂直に拡張するビーム変換器(54)を含むことを特徴とする、請求項
1又は2に記載の装置。
【請求項7】
前記ビーム整形素子は、回折光学素子(60)を含むことを特徴とする、請求項
1又は2に記載の装置。
【請求項8】
前記ビーム整形素子は、空間フィルタ(24)を含むことを特徴とする、請求項
1又は2に記載の装置。
【請求項9】
前記ビーム整形素子(24;60)は、前記光軸に選択的に挿入可能であることを特徴とする、請求項
1又は2に記載の装置。
【請求項10】
第1の角度スペクトル(26)を有するレーザ原ビーム(14)を生成するレーザ光源(12)を用いて、作業面(50)上に規定のレーザ照射を生成するための方法であって、
前記レーザ原ビーム(14)を、光学アセンブリ(64)によって、光軸(20)に沿って照射ビーム(48)に変形し、
前記照射ビーム(48)は、前記作業面(50)と交差するビーム方向(52)を規定し、
前記光学アセンブリ(64)は、少なくとも2つのマイクロレンズアレイ(38,40)を有し、これらのマイクロレンズアレイ(38,40)を、互いに前記光軸(20)に沿って規定の間隔(42)を置いて配置し、
前記規定の間隔(42)を、前記照射ビーム(48)が、多数の個別の照射スポット(46)を含む照射ビームプロファイル(47)を前記作業面(50)の領域において有するように、選択する、方法において、
前記光学アセンブリ(64)は、ビーム整形素子(24;60)を更に有し、そのビーム整形素子を、前記少なくとも2つのマイクロレンズアレイ(38,40)の上流側に前記光軸(20)に沿って配置し、
前記ビーム整形素子(24;60)によって、前記第1の角度スペクトル(26)とは異なる第2の角度スペクトル(32)を生成することを特徴とする、方法。
【請求項11】
前記照射ビームプロファイル(47)を、前記作業面(50)に対してジグザグ経路(78)に沿って移動させることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【国際調査報告】