(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】取付手段および熱伝導プレート
(51)【国際特許分類】
F28F 3/10 20060101AFI20240517BHJP
F28D 9/02 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
F28F3/10
F28D9/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573248
(86)(22)【出願日】2022-05-13
(85)【翻訳文提出日】2023-12-14
(86)【国際出願番号】 EP2022063036
(87)【国際公開番号】W WO2022248250
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509005513
【氏名又は名称】アルファ-ラヴァル・コーポレート・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】エミール・タイデン
(72)【発明者】
【氏名】マッツ・オルソン
(72)【発明者】
【氏名】ペール・ヴェネルシェ
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA01
3L103DD56
(57)【要約】
ガスケット(48)を熱伝導プレート(4)に締め付けるための取付手段(58)、および熱伝導プレート(4)が提供される。取付手段(58)は、ブリッジ(60)、第1の接続部材(62)、第2の接続部材(64)およびフィンガ(66)を備えている。第1および第2の接続部材(62、64)は、ブリッジ(60)と係合し、ガスケット(48)と係合するように構成されている。フィンガ(66)は、ブリッジ(60)と係合し、第1と第2の接続部材(62、64)の間に延びている。第1の接続部材(62)は第1および第2の部分(78、80)を備え、第2の部分(80)はブリッジ(60)と第1の部分(78)の間に配置されている。取付手段は、第1の接続部材(62)の第2の部分(80)が、第2の本体(80a)を備え、第1の接続部材(62)の第1の部分(78)が、第1の本体(78a)と、フィンガ(66)から離れる方向に第1の本体(78a)の長手方向外側部(82)から突出する第1の保持手段(78b)とを備えていることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスケット(48)を熱伝導プレート(4)に締め付けるための取付手段(58)であって、ブリッジ(60)、第1の接続部材(62)、第2の接続部材(64)およびフィンガ(66)を備えており、前記第1の接続部材(62)の第1の接続部(68)は、前記ガスケット(48)と係合するように構成され、前記第1の接続部材(62)の第2の接続部(70)は前記ブリッジ(60)と係合し、前記第2の接続部材(64)の第1の接続部(72)は、前記ガスケット(48)と係合するように構成され、前記第2の接続部材(64)の第2の接続部(74)は前記ブリッジ(60)と係合し、前記フィンガ(66)の接続部(76)は前記ブリッジ(60)と係合し、前記フィンガ(66)は前記第1の接続部材(62)と前記第2の接続部材(64)との間に延び、前記ブリッジ(60)から前記ガスケット(48)に向けて延びるように配置され、前記第1の接続部材(62)は第1の部分(78)および第2の部分(80)を備え、前記第2の部分(80)は前記ブリッジ(60)と前記第1の部分(78)との間に配置されている、取付手段において、
前記第1の接続部材(62)の前記第2の部分(80)が第2の本体(80a)を備え、前記第1の接続部材(62)の前記第1の部分(78)が、前記第1の接続部材(62)の前記第1の部分(78)に前記第1の接続部材(62)の前記第2の部分(80)の第2の幅(wg12)より大きい第1の幅(wg11)を与えるように、第1の本体(78a)と、前記フィンガ(66)から離れる方向に前記第1の本体(78a)の長手方向外側部(82)から突出する第1の保持手段(78b)とを備えていることを特徴とする、取付手段(58)。
【請求項2】
前記第1の接続部材(62)の前記第1の部分(78)の前記第1の保持手段(78b)は、その長さの少なくとも一部に沿って前記ブリッジ(60)から離れる方向にテーパ状である、請求項1に記載の取付手段(58)。
【請求項3】
前記第1の保持手段(78b)は、前記取付手段の上から見ると、三角形の基本的形状を有し、前記第1の保持手段(78b)は、前記三角形の一辺に沿って前記第1の本体(78a)に接続されている、請求項2に記載の取付手段(58)。
【請求項4】
前記第2の本体(80a)は、前記第1の本体(78a)の最大幅より小さい最小幅を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の取付手段(58)。
【請求項5】
前記第2の本体の長手方向外側部(88)は基本的に直線であり、前記ブリッジ(60)の長さ延長線に対して基本的に垂直に延びている、請求項1から4のいずれか一項に記載の取付手段(58)。
【請求項6】
前記フィンガ(66)は第1の幅(wf1)を有する第1の部分(90)および第2の幅(wf2)を有する第2の部分(92)を備え、前記第2の部分(92)は前記第1の部分(90)より前記ブリッジ(60)に近く配置され、前記第1の幅(wf1)は前記第2の幅(wf2)より小さい、請求項1から5のいずれか一項に記載の取付手段(58)。
【請求項7】
前記フィンガ(66)は、その長さの少なくとも一部に沿って前記ブリッジ(60)から離れる方向にテーパ状である、請求項6に記載の取付手段(58)。
【請求項8】
前記第1の本体(78a)の最大厚さは、前記第1の保持手段(78b)の最大厚さより大きい、請求項1から7のいずれか一項に記載の取付手段(58)。
【請求項9】
熱伝導プレート(4)であって、その第1の側(8)に、前記熱伝導プレート(4)の縁部(22)に沿って延びるガスケット溝(20)を備えており、前記熱伝導プレート(4)の縁部分(28)は前記縁部(22)と前記ガスケット溝(20)との間に延び、前記熱伝導プレート(4)の前記第1の側(8)から見ると、それぞれの上部分(38)を備えた交互に配置された頂上部(34)、およびそれぞれの底部分(40)を備えた谷部(36)を備えるように波形であり、前記縁部分(28)は、ガスケット(48)を前記ガスケット溝(20)内に締め付けるために、取付手段(58)と係合するように構成されたガスケット締付領域(44)を備えている、熱伝導プレート(4)において、
前記ガスケット締付領域(44)が前記谷部(36)の第1の谷部(36)および第2の谷部(36b)、ならびに前記頂上部(34)の第1の頂上部(34a)および第2の頂上部(34b)を備え、前記第1の頂上部(34a)および前記第2の頂上部(34b)は前記第1の谷部(36a)の対向する側に配置され、前記第1の谷部(36a)および前記第2の谷部(36b)は前記第2の頂上部(34b)の対向する側に配置され、前記第1の谷部(36a)の前記底部分(40a)は底平面(BP)に延び、前記第1の頂上部(34a)の前記上部分(38a)は、前記第1の頂上部(34a)の第1の部分(r11)と前記熱伝導プレート(4)の前記縁部(22)との間に延びるように、前記第1の谷部(36a)の第1の部分(v11)に対して接する前記第1の頂上部(34a)の前記第1の部分(r11)内の第1の平面(P1)内に延び、および、前記第1の谷部(36a)の第2の部分(v12)に対して接する前記第1の頂上部(34a)の第2の部分(r12)内の上平面(TP)内に延び、前記上平面(TP)および前記底平面(BP)は距離xだけ離れ、前記第1の平面(P1)は、基本的に前記上平面(TP)および前記底平面(BP)と平行に、前記上平面(TP)から距離xtおよび前記底平面(BP)から距離xbで延びており、xt≦xおよび0≦xb<xであることを特徴とする、熱伝導プレート(4)。
【請求項10】
前記第1の頂上部(34a)の前記第1の部分(r11)は、その長さの少なくとも一部に沿って前記熱伝導プレート(4)の前記縁部(22)から離れる方向にテーパ状である、請求項9に記載の熱伝導プレート(4)。
【請求項11】
前記第1の頂上部(34a)の前記第1の部分(r11)は、前記熱伝導プレート(4)の上から見ると三角形の基本的形状を有し、前記第1の頂上部(34a)の前記第1の部分(r11)は前記三角形の一辺に沿って前記第1の谷部(36a)の前記第1の部分(v11)に対して接している、請求項9または10に記載の熱伝導プレート(4)。
【請求項12】
前記第1の谷部(36a)の前記第1の部分(v11)と前記熱伝導プレート(4)の前記縁部(22)の間に配置された、前記第1の谷部(36a)の前記第2の部分(v12)は、前記第1の谷部の前記第1の部分の最大幅より小さい最小幅を有する、請求項9から11のいずれか一項に記載の熱伝導プレート(4)。
【請求項13】
前記第1の谷部(36a)の長手方向外側部(42)は、前記第1の谷部(36a)の前記第2の部分(v12)内で、基本的に直線であり、前記熱伝導プレート(4)の前記縁部(22)に対して基本的に垂直に延びている、請求項9から12のいずれか一項に記載の熱伝導プレート(4)。
【請求項14】
前記第2の頂上部(34b)は第1の幅(wp21)を有する第1の部分(r21)および第2の幅(wp22)を有する第2の部分(r22)を備え、前記第2の部分(r22)は前記第1の部分(r21)と前記熱伝導プレート(4)の前記縁部(22)との間に配置され、前記第1の幅(wp21)は前記第2の幅(wp22)より小さい、請求項9から13のいずれか一項に記載の熱伝導プレート(4)。
【請求項15】
前記第2の頂上部(34b)は、その長さの少なくとも一部に沿って前記熱伝導プレート(4)の前記縁部(22)から離れる方向にテーパ状である、請求項14に記載の熱伝導プレート(4)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスケットを熱伝導プレートに締め付けるための取付手段、およびこのような取付手段と協働するように構成された熱伝導プレートに関する。
【背景技術】
【0002】
プレート熱交換器、PHEは典型的には、2つの端部プレートを備え、その間にいくつかの熱伝導プレートが整列された方法で、すなわち、スタックまたはパックで配置されている。1つのタイプのよく知られているPHE、いわゆるガスケット付きのPHEでは、ガスケットは熱伝導プレート内に押された状態でガスケット溝内で熱伝導プレートの間に配置されている。典型的には、ガスケット溝は、熱伝導プレートの縁部に沿っておよび隣接して部分的に延びている。端部プレート、したがって、熱伝導プレートは、ある種の締付手段によって互いに向けて押され、それにより、ガスケットは熱伝導プレートの間を密封する。ガスケットによって画定された平行流れチャネルは、熱伝導プレートの間に形成され、1つのチャネルは各対の隣接する熱伝導プレートの間にある。入口/出口を通してPHEに/から供給される最初は異なる温度の2つの流体は交互に、熱を1つの流体から他の流体に伝導するための一つ置きのチャネルを通して流れてもよく、それらの流体はPHEの入口/出口と連通する熱伝導プレート内の入口/出口ポート孔を通してチャネルに入る/から出る。チャネルが漏らさないようにするために、ガスケットがプレートの間に適切に位置決めされていることが必然的に基本である。
【0003】
プレート熱交換器が閉じられると、ガスケットはプレートの間で絞られ、それにより、定位置にしっかり保持される。しかし、プレート熱交換機が保守のために組み立てられるまたは開かれているなどのガスケットがプレート間で絞られない場合、ガスケットをプレートに正確に固定するためのある種の手段が望ましい。ガスケットをプレートに固定するための、のりまたはテープなどのある種の接着手段を使用することが知られている。しかし、接着剤によってガスケットを取り付け、接着剤によって締め付けられたガスケットを交換することは、比較的時間がかかり、したがって、高価であり得る。さらに、接着剤は、ガスケットおよびその密封容量に悪影響を与えることがある。また、例えば、出願人自身の米国特許第4,635,715号による機械的ガスケット固定解決法が前に知られている。本文献は、ガスケットを熱伝導プレートに固定するための突起を備えたガスケットの異なる実施形態を開示している。そこに記載されたガスケットは、突起と熱伝導プレートの間の係合が熱伝導プレートから突起が「外れる」リスクで比較的弱いという点において、熱伝導プレートへの比較的信頼性が低い締付をもたらし得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ガスケットを熱伝導プレートに締め付けるための取付手段、およびこのような取付手段と係合するように構成された熱伝導プレートを提供し、従来技術と比較してより信頼性のあるガスケット締付を行うことである。本発明の基本的概念は、互いに適切に係合する場合に「相互係止」するように、取付手段および熱伝導プレートを構築することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
取付手段および熱伝導プレートは、添付の特許請求の範囲で定義され、以下で論じられる。
【0007】
本発明による取付手段は、ガスケットを熱伝導プレートの第1の側に締め付けるために、熱伝導プレートの縁部分と係合するように構成されている。取付手段は、ブリッジ、第1の接続部材、第2の接続部材およびフィンガを備えている。第1の接続部材の第1の接続部は、ガスケットと係合するように構成され、第1の接続部材の第2の接続部はブリッジと係合する。第2の接続部材の第1の接続部は、ガスケットと係合するように構成され、第2の接続部材の第2の接続部はブリッジと係合する。フィンガの接続部はブリッジと係合する。フィンガは、第1と第2の接続部材の間に延び、ブリッジからガスケットに向けて延びるように配置されている。第1の接続部材は第1および第2の部分を備えている。第2の部分は、ブリッジと第1の部分の間に配置されている。取付手段は、第1の接続部材の第2の部分が第2の本体を備えており、第1の接続部材の第1の部分が第1の本体、ならびにフィンガおよび第2の接続部材から離れる方向に第1の本体の長手方向外側部から突出する第1の保持手段を備えていることを特徴とする。それにより、第1の接続部材の第1の部分は、第1の接続部材の第2の部分の第2の幅より大きい第1の幅を与えられる。
【0008】
第1の本体の長手方向外側部はフィンガから離れて面し、第1の本体の対向する長手方向内側部は第1の本体の長手方向外側部とフィンガの間に配置され、フィンガに面する。
【0009】
第1および第2の接続部材およびフィンガの幅と、その部分は、ブリッジの長さまたは長手方向延長線と平行に測定されてもよい。
【0010】
上で参照した第1の接続部材の第1および第2の部分の第1および第2の幅は、変化しても、または一定であってもよい。
【0011】
第1の本体の長手方向外側部は、ブリッジの長手方向延長線と基本的に垂直に延びていてもよい。
【0012】
第1の本体および第1の保持手段は、一体的に形成されてもよい。同様に、第1および第2の本体は、一体的に形成されてもよい。
【0013】
フィンガは、ブリッジの長手方向延長線と基本的に垂直に、およびブリッジの中心を通して延びていてもよい長手方向対称軸を有していてもよい。
【0014】
第1および第2の接続部材は、長手方向対称軸がなくてもよい。
【0015】
したがって、本発明による取付手段は、適切な設計を有する熱伝導プレート内で、少なくとも一方向に機械的に「自己係止」するようになっている第1の接続部材を達成するように、第1の接続部材の長さの少なくとも一部に沿って変化する幅を備えた第1の接続部材を有する。この「自己係止」は、取付手段を熱伝導プレートにしっかり固定し、特に、第1の接続部材の幅延長線に垂直および熱伝導プレートの延長平面に平行な方向に、熱伝導プレートに対する取付手段の変位を防いでもよい。したがって、本発明の取付手段は、熱伝導プレートへの信頼性のある取付を提供する。さらに、本発明の取付手段は、熱伝導プレートの上に取り付けるのが比較的容易であってもよい。
【0016】
取付手段は、第1の接続部材の第1の部分が第1の接続部材の第1の接続部を備えているように設計されていてもよい。その後、第1の接続部材の第1の部分はガスケットに対して接するように配置される。さらに、第1の接続部材の第2の部分は、第1の接続部材の第2の接続部を備えていてもよい。その後、第1の接続部材の第2の部分はブリッジに対して接する。
【0017】
第1の接続部材の第1の部分の第1の保持手段は、多くの異なる形状を有していてもよい。本発明の一実施形態によると、第1の接続部材の第1の部分の第1の保持手段は、その長さの少なくとも一部に沿ってブリッジから離れる方向にテーパ状である。このような設計は、最適化されたガスケット支持を可能にしてもよい。
【0018】
本発明の一実施形態によると、第1の保持手段は、取付手段の上から見ると、三角形の基本的形状を有し、第1の維持手段は、三角形の一辺に沿って第1の本体に接続されている。このような構成は、適切な設計を有した熱伝導プレートへの取付手段の明確に定義された信頼性のある固定を可能にし得る。
【0019】
取付手段は、第2の本体が第1の本体の最大幅より小さい最小幅を有するように設計されていてもよい。第1および/または第2の本体の幅はそれぞれ、変化してもよい、または一定である、したがって、前記最大および最小幅に等しくてもよい。このような設計は、適切な設計を有する熱伝導プレート内で少なくとも2つの対向する方向に機械的に「自己係止」するようになっている第1の接続部材を備えた取付手段、および熱伝導プレートへの取付手段のよりしっかりした固定を可能にし得る。本発明の一実施形態によると、第1の接続部材の第2の本体は、その長さの少なくとも一部に沿ってブリッジに向けた方向にテーパ状である。このような設計は、第1の接続部材の第1および第2の本体、したがって、加工しやすく耐久性のある取付手段の間の円滑な移行を可能にしてもよい。
【0020】
取付手段は、第2の本体の長手方向外側部が基本的に直線であり、ブリッジの長さ延長線に対して基本的に垂直に延びているように設計されていてもよい。第2の本体の長手方向外側部はフィンガから離れて面し、第2の本体の対向する長手方向内側部は第2の本体の長手方向外側部とフィンガの間に配置され、フィンガに面している。このような設計は、取付手段の機械的に真っすぐな構築を可能にしてもよい。
【0021】
取付手段は、フィンガが第1の幅を有する第1の部分、および第2の幅を有する第2の部分を備えているようになっていてもよい。第2の部分は、第1の部分よりブリッジに近く配置されていてもよく、第1の幅は第2の幅より小さくてもよい。このような設計は、取付手段がより容易に熱伝導プレートと適切に係合するようにしてもよく、フィンガはさらに、比較的大きなプレート接触表面を提供してもよく、その後、最適化されたプレート係合を可能にしてもよい。さらに、このような設計はフィンガをより可撓性があるようにしてもよく、また、最適化されたプレート係合を可能にしてもよい。さらに、このような設計は、第1の接続部材の形状へのフィンガの形状の適合につながり得、その後、小型の取付手段を可能にしてもよい。
【0022】
上で参照したフィンガの第1および第2の部分の第1および第2の幅は、変化してもよい、または一定であってもよい。
【0023】
取付手段は、フィンガの第2の部分がフィンガの接続部を備えているように設計されていてもよい。その後、フィンガの第2の部分はブリッジに対して接する。
【0024】
フィンガは異なる多くの形状を有していてもよい。本発明の一実施形態によると、フィンガは、その長さの少なくとも一部に沿ってブリッジから離れる方向にテーパ状である。このような設計は、フィンガの第1および第2の部分、したがって、加工しやすく耐久性のある取付手段の間の円滑な移行を可能にしてもよい。
【0025】
取付手段は、第1の本体の最大厚さが第1の保持手段の最大厚さより大きいようになっていてもよい。第1の本体の厚さ、および/または第1の保持手段の厚さは、一定であってもよい、または変化してもよい。このような設計は、第1の保持手段は、取付手段と、取付手段と係合するように構成されたガスケットがその間に位置決めされるように構成された2つの熱伝導プレートの間の接触に悪影響を与えないことを保証し得る。
【0026】
必然的に、取付手段の第2の接続部材は、取付手段の第1の接続部材のように設計されていてもよい。
【0027】
本発明による熱伝導プレートは、その第1の側に、熱伝導プレートの縁部に沿って延びるガスケット溝を備えている。熱伝導プレートの縁部分は、縁部とガスケット溝の間に延びている。縁部分は、熱伝導プレートの第1の側から見ると、それぞれの上部分を備えた交互に配置された頂上部、およびそれぞれの底部分を備えた谷部を備えるように波形である。縁部分は、ガスケットをガスケット溝内に締め付けるために、上に定義されたように取付手段と係合するように構成されたガスケット締付領域を備えている。熱伝導プレートは、ガスケット締付領域が谷部の第1および第2のもの、ならびに頂上部の第1および第2のものを備えていることを特徴とする。第1および第2の頂上部は、第1の谷部の対向する側に配置され、第1および第2の谷部は第2の頂上部の対向する側に配置されている。第1の谷の底部分は、底平面に延びている。第1の頂上部の上部分は、第1の頂上部の第1の部分と熱伝導プレートの縁部の間に延びるように、第1の谷部の第1の部分に対して接する第1の頂上部の第1の部分内の第1の平面内に、および第1の谷部の第2の部分に対して接する第1の頂上部の第2の部分内の上平面内に延びている。上および底平面は距離xだけ離れている。第1の平面は、基本的に上および底平面と平行に、上平面から距離xtおよび底平面から距離xbで延びており、xt≦xおよび0≦xb<xである。
【0028】
第1および第2の谷部ならびに第1および第2の頂上部とその部分の幅は、熱伝導プレートの縁部と平行に測定されてもよい。
【0029】
第1の谷部の底部分は、第2の谷部の底部分とちょうど同様に、熱伝導プレートの縁部と垂直に延びてもよい長手方向対称軸を有していてもよい。
【0030】
第1の頂上部の上部分は長手方向対称軸がなくてもよい。
【0031】
第2の頂上部の上部分は、熱伝導プレートの縁部と垂直に延びてもよい長手方向対称軸を有していてもよい。
【0032】
したがって、本発明による熱伝導プレートは、下側プレス深さの部分、すなわち、リセスを備えた第1の頂上部を含むガスケット締付領域を有する。リセスは、少なくとも一方向に、取付手段を熱伝導プレートに機械的に「係止」するような適切な設計を有する取付手段の第1の保持手段を収納するように構成されている。この「係止」は、取付手段を熱伝導プレートにしっかり固定し、特に、熱伝導プレートの縁部と垂直および熱伝導プレートの延長平面と平行な方向への、熱伝導プレートに対する取付手段の変位を防ぎ得る。
【0033】
熱伝導プレートは、第1の頂上部の第1の部分がその長さの少なくとも一部に沿って熱伝導プレートの縁部から離れる方向にテーパ状であるように設計されていてもよい。
【0034】
第1の頂上部の第1の部分は、熱伝導プレートの上から見ると三角形の基本的形状を有してもよく、第1の頂上部の第1の部分は三角形の一辺に沿って第1の谷部の第1の部分に対して接してもよい。
【0035】
第1の谷部の第1の部分と熱伝導プレートの縁部の間に配置された、第1の谷部の第2の部分は、第1の谷部の第1の部分の最大幅より小さい最小幅を有していてもよい。第1および/または第2の部分の幅はそれぞれ、変化してもよい、または一定である、したがって、前記最大および最小幅に等しくてもよい。本発明の一実施形態によると、第1の谷部の第2の部分は、その長さの少なくとも一部に沿って熱伝導プレートの縁部に向けた方向にテーパ状である。
【0036】
第1の谷部の長手方向外側部は、第1の谷部の第2の部分内で、基本的に直線であり、熱伝導プレートの縁部に対して基本的に垂直に延びていてもよい。第1の谷部の長手方向外側部は第1の頂上部に面し、第1の谷部の対向する長手方向内側部は第1の頂上部から離れて面している。
【0037】
第2の頂上部は、第1の幅を有する第1の部分、および第2の幅を有する第2の部分を備えていてもよく、第2の部分は第1の部分と熱伝導プレートの縁部の間に配置されている。さらに、第1の幅は第2の幅より小さくてもよい。第2の頂上部の第1および第2の部分の第1および第2の幅は、変化してもよい、または一定であってもよい。
【0038】
第2の頂上部は、その長さの少なくとも一部に沿って、熱伝導プレートの縁部から離れる方向にテーパ状であってもよい。
【0039】
第1および第2の谷部は、ガスケット溝に向けて少なくとも部分的に開口していてもよい。これにより、第1および第2の谷部、またはより詳細には第1および第2の谷部によって画定された空間が、ガスケット溝、またはより詳細にはガスケット溝によって画定された空間と連通していることを意味する。このような設計は、取付手段の第1および第2の接続部材が、覆っている熱伝導プレートとガスケットの間の密封に影響を与えることなく、ガスケットに接続することを可能にし得る。第1および第2の頂上部は、ガスケット溝に向けて閉じられる、またはそこから分離されてもよい。これにより、第1および第2の頂上部、またはより詳細には第1および第2の頂上部によって画定された空間が、ガスケット溝、またはより詳細にはガスケット溝によって画定された空間と連通していないことを意味する。このような設計は、第1および第2の頂上部での完全なガスケット支持を可能にし得る。
【0040】
本発明による熱伝導プレートおよび取付手段は、一緒に使用されるようになっており、熱伝導プレートの設計は取付手段の設計に適合するようになっており、逆も同様である。したがって、本発明による熱伝導プレートの上記の異なる実施形態は、本発明による取付手段の上記の異なる実施形態に対応する。したがって、取付手段の上記の異なる実施形態の利点は、熱伝導プレートの上記の異なる実施形態に移転可能であり、逆も同様である。必然的に、これらの利点は、熱伝導プレートおよび取付手段が互いに協働する場合に最初に現れる。
【0041】
本発明のさらに他の目的、特性、態様および利点は、以下の詳細な説明と、図面から明らかになるだろう。
【0042】
本発明を次に、添付の略図を参照してより詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】熱伝導プレートおよびガスケット装置を備えたアセンブリの平面図である。
【
図3】
図1のアセンブリの別の部分的拡大図である。
【
図6】
図3に対応するが、熱伝導プレートのみを示す図である。
【
図7】
図1のガスケット装置の取付手段の平面図である。
【
図9】
図1のガスケット装置と熱伝導プレートの間の信頼性のある係合を示す略図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1から
図5を参照すると、熱伝導プレート4およびガスケット装置6を備えたアセンブリ2が示されている。
図2はアセンブリ2の上部の拡大図を示し、
図3は
図1の破線矩形Cによって囲まれた領域の拡大図を示している。
【0045】
図6に別に示され、その第1の側8が
図1から
図3および
図6で見られ、対向する第2の側10が
図4および
図5に示されている熱伝導プレート4は、いくつかのポート孔12、14、16および18を備え、熱伝導プレートの異なる領域内で特定のパターンでプレスされたステンレス鋼の基本的に矩形のシートである。ポート孔12、14、16および18を囲むために外側プレート縁部22に沿って、およびそれぞれこれらを別個に囲むために、ポート孔の2つ14および18を画定する2つの内側プレート縁部24および26に完全に沿って延びているガスケット溝20がまた、熱伝導プレート4の第1の側8内にプレスされている。さらに、ガスケット溝20は、ポート孔14および18をさらに囲むように、熱伝導プレートにわたって「対角線上に」2倍延びている。外側プレート縁部22とガスケット溝20の間に延びている熱伝導プレート4の外側縁部分28、ならびに内側プレート縁部24とガスケット溝20の間および内側プレート縁部26とガスケット溝20の間にそれぞれ延びている熱伝導プレート4の内側縁部分30および32は、交互に配置された頂上部34および谷部36を備えるように波形である(
図2、および外側縁部分28に関しては
図3および
図6参照)。熱伝導プレート4の一方側から見られるような頂上部および谷部は、熱伝導プレート4の他方側から見られるような、それぞれ谷部および頂上部である。また、明らかに、ポート孔12および16は、それぞれ同様の波形内側縁部分によって囲まれている。
【0046】
特に
図2を参照すると、熱伝導プレート4の外側縁部分28は、外側プレート縁部22に沿って分配された複数の外側ガスケット締付領域44を備えている。ガスケット締付領域44の少なくともいくつかは、本発明により設計されている。完全性のために、熱伝導プレート4の内側縁部分もポート孔12、14、16および18周りに分配された複数の内側ガスケット締付領域を備えていると言われるべきである。しかし、これらは従来設計されており、本明細書ではさらには記載しない。
【0047】
本発明により設計されたガスケット締付領域44の1つが、
図6により詳細に図示されている。これは、谷部36の第1および第2の谷部36a、36bならびに頂上部34の第1、第2および第3の頂上部34a、34b、34cを備えている。第1および第2の頂上部34a、34bは、第1の谷部36aの対向する側に配置され、第1および第2の谷部36a、36bは第2の頂上部34bの対向する側に配置され、第2および第3の頂上部34b、34cは第2の谷部36bの対向する側に配置されている。
【0048】
図4から
図6を参照すると、熱伝導プレート4の外側縁部分28内の頂上部34の大部分は、その長手方向延長線および仮想上平面TP内に延びるそれぞれの上部分38に沿って基本的に一定の幅を有する、
図6の最右頂上部34のように設計されている。同様に、熱伝導プレート4の外側縁部分28内の谷部36の大部分は、その長手方向延長線および上平面TPから距離xに配置された仮想底平面BP内に延びるそれぞれの底部分40に沿って基本的に一定の幅を有する、
図6の最右谷部36のように設計されている。しかし、第1、第2および第3の頂上部34a、34b、34cは、ガスケット締付領域44の第1および第2の谷部36a、36bとちょうど同様に、異なるように構成されている。
【0049】
第1の頂上部34aは、第1の谷部36aの第1の部分v11に直ぐ隣接して配置された第1の頂上部34aの第1の部分r11(その境界が破線で部分的に図示されている)内の仮想の第1の平面P1内に、および第1の谷部36aの第2の部分v12に直ぐ隣接して部分的に配置された第1の頂上部34aの第2の部分r12内の上平面TP内に延びる上部分38aを有する。第1の谷部36aの第1および第2の部分v11、v12の間の境界は、破線で図示されている。第1の谷部36aの第2の部分v12は、第1の谷部36aの第1の部分v11と熱伝導プレート4の縁部22の間に配置されている。さらに、第1の頂上部34aの第2の部分r12は、第1の頂上部34aの第1の部分r11と熱伝導プレート4の縁部22の間に、第1の部分r11の外側で延びている。第1の平面P1は、上および底平面TP、BPと平行であり、上平面TPから距離xt、および底平面BPから距離xbに延びており、xt≦xおよび0≦xb<xである。ここで、xb=0およびxt=xは、第1の平面P1が底平面BPと一致することを意味する。しかし、本発明の代替実施形態では、第1の平面P1は代わりに、上平面TPと底平面BPの間に配置することができる。
【0050】
その第1の部分r11内の第1の頂上部34aの上部分38aの減少した高さは、第1の頂上部34aのリセスにつながる。熱伝導プレート4の縁部22から見られるような、第1の頂上部34aの第1の部分r11の内側断面は、熱伝導プレート4の上から見ると、このリセスに三角形の基本的形状を与えるように、ガスケット溝20に向かう方向にテーパ状であり、その三角形の一辺は第1の谷部36aの第1の部分r11に対して接している。
【0051】
第2の頂上部34bは、熱伝導プレート4の外側縁部22および上平面TP内に延びる上部分38bと垂直に延びる対称軸を有する。第2の頂上部34bは、第1の幅wp21を有する第1の部分r21、および第2の幅wp22を有する第2の部分r22を備えている。第2の部分r22は、第1の部分r21と熱伝導プレート4の縁部22の間に配置され、第1および第2の部分r21、r22の間の境界は破線で図示されている。さらに、第1の部分r21の第1の幅wp21は第1の部分r21の基本的に完全長さに沿って一定である。逆に、第2の部分r22は、熱伝導プレート4の縁部22から離れる方向にテーパ状であり、第2の部分r22の変化する第2の幅wp22につながる。第1の部分r21の第1の幅wp21は、第2の部分r22の第2の幅wp22より小さい。
【0052】
図6から明らかなように、第3の頂上部34cは、第1の頂上部34aに対応する方法で設計されている。
【0053】
第1の谷部36aは、底平面BP内に延びる底部分40aを有する。第1の谷部36aの長手方向外側部42は直線であり、第1の谷部36aの基本的に完全長さに沿って、特に、第1の谷部36aの第2の部分v12の長さに沿って、熱伝導プレート4の縁部22と垂直に延びている。それにより、上に記載したように、第2の頂上部38bの第2の部分r22は熱伝導プレート4の縁部22から離れる方向にテーパ状であるので、第1の谷部36aの第2の部分v12は熱伝導プレート4の縁部22に向かう方向にテーパ状である。
【0054】
図6から明らかなように、第2の谷部36bは第1の谷部36aに対応する方法で設計されている。
【0055】
ここで、
図4および
図5を参照すると、ガスケット溝20の底部46は、ガスケット溝20の主な部分に沿って仮想底平面BP内に延びている。しかし、本発明の他の実施形態では、ガスケット溝底部46は代わりに、ガスケット溝20の主な部分に沿って、上および底平面TP、BPの間、おそらくはその半分の間に延びている仮想中間平面内に延びている。
図4から
図6から明らかなように、頂上部34はガスケット溝20に向けて閉じられ、ガスケット支持を提供するように構成され、谷部36はガスケット溝20に向けて開口している。
【0056】
最初に
図1および
図2を参照すると、ガスケット装置6はゴムガスケット48を備え、ゴムガスケットはその後、環状領域部分50、2つの環状リング部分52、54、およびリング部分52、54を領域部分50に接続させるブリッジ56を備えている。ガスケット装置6はさらに、ガスケット48と一体的に形成された複数のゴム取付手段58を備えている。取付手段58は、ガスケット48の領域部分50の外側部に沿って分配されている。取付手段58の少なくともいくつかは、本発明により設計されている。完全性のため、ガスケット装置6は、リング部分52、54の内側部および領域部分50の内側部にも沿った取付手段を備えていると言われるべきである。しかし、これらは従来設計され、本明細書にはさらには記載しない。
【0057】
本発明により設計された取付手段58の1つが、
図7および
図8により詳細に図示されている。これは、細長いブリッジ60、第1の接続部材62、第2の接続部材64およびフィンガ66を備えている。第1および第2の接続部材62、64およびフィンガ66に向かうブリッジ60の境界が、
図7に破線で図示されている。ブリッジ60は、そこからの距離でガスケット48と基本的に平行に長手方向に延びている。第1の接続部材62は、ブリッジ60をガスケット48に接続させるために、ブリッジ60と基本的に垂直に、その端部分から長手方向に延びている。より詳細には、第1の接続部材の62の端部の形の第1の接続部68はガスケット48に接続され、第1の接続部材62の別の端部の形の第2の接続部70はブリッジ60に接続されている。同様に、第2の接続部材64は、ブリッジ60をガスケット48に接続させるために、ブリッジ60と基本的に垂直に、その別の対向する端部分から長手方向に延びている。より詳細には、第2の接続部材64の端部の形の第1の接続部72はガスケット48に接続され、第2の接続部材64の別の端部の形の第2の接続部74はブリッジ60に接続されている。フィンガ60は、ブリッジ60に基本的に垂直に、その中心部から、すなわち、第1および第2の接続部材62、64の間でガスケット48に向けて長手方向に延びている。より詳細には、フィンガ66の端部の形の接続部76はブリッジ60に接続され、フィンガ66の別の端部は自由であり、ガスケット48からある距離に配置されている。
【0058】
第1の接続部材62は、第1の部分78および第2の部分80を備えている。第2の部分80は取付手段58のブリッジ60に対して接し、第1の部分78はガスケット48に対して接している。
図7では、第1および第2の部分78、80の間の境界が破線で図示されている。その後、第1の接続部材62の第1の部分78は、第1の本体78aおよび第1の保持手段78bを備え、第2の部分80は第2の本体80aを備えている。第1の保持手段78bは、フィンガ66および第2の接続部材64から離れる方向に、第1の本体78aの長手方向外側部82から突出する。ブリッジ60から見えるような第1の保持手段78bの内側断面は、取付手段58の上から見ると三角形の基本的形状を第1の保持手段78bに与えるように、ガスケット48に向けた方向にテーパ状であり、三角形の一辺は第1の接続部材62の第1の部分78の第1の本体78aに対して接している。第1の本体78aの厚さは、第1の保持手段78bの厚さを超える。
【0059】
第1の保持手段78bは、第1の接続部材62の第1の部分78に、第1の接続部材62の第2の部分80の第2の幅wg12より大きい変化する第1の幅wg11を与える。また、第2の部分80の第2の幅wg12、したがって、第2の本体80aの幅は変化する。第2の本体80aは、ブリッジ60の近くで、長手方向内側部86にリセス84を備え、第2の本体80aの長手方向外側部88は直線であり、ブリッジ60に対して垂直に延びている。
【0060】
図7および
図8から明らかなように、第2の接続部材64は、第1の接続部材62に対応する方法で設計されている。
【0061】
さらに、ブリッジ60と垂直に、その中心を通して延びる対称軸を有するフィンガ66は、第1の部分90および第2の部分92を備えている。第2の部分92は取付手段58のブリッジ60に対して接し、第1の部分90は第2の部分92とガスケット48の間に配置されている。
図7では、第1および第2の部分90、92の間の境界は、破線で図示されている。第1および第2の部分90、92はそれぞれ幅wf1、wf2を有し、第1の幅wf1は第2の幅wf2より小さい。第1の幅wf1は、第1の部分90の完全長さに基本的に沿って一定である。第2の部分92は、ブリッジ60から離れる方向にテーパ状であり、第2の幅wf2を変化させる。
【0062】
熱伝導プレート4のガスケット溝20は、
図1に示すように、ガスケット48を収納するように構成されている。さらに、熱伝導プレート4のガスケット締付領域は、ガスケット48を熱伝導プレート4に締め付けるために、ガスケット装置6の取付手段と協働するように構成されている。本発明によるガスケット締付領域44の1つと本発明による取付手段58の1つの間の協働は、特に
図3から
図5に図示されている。熱伝導プレート4は、図のいくつか、特に
図3では、および例示的目的で、部分的に透明に示されていると言われるべきである。
【0063】
特に
図3を参照すると、取付手段58がガスケット締付領域44と適切に係合する場合、第1および第2の接続部材62、64は熱伝導プレート4の第1の側8と係合し、フィンガ66は熱伝導プレート4の第2の側10(
図4および
図5)と係合する。より詳細には、フィンガ66は第2の頂上部34bによって画定された谷部内に受けられる。さらに、第1の接続部材62の第1および第2の本体78a、80aは第1の谷部36a内に受けられ、第1の接続部材62の第1の保持手段78bは第1の頂上部34aの第1の部分r11内に受けられる。第2の接続部材64は、第2の谷部36bおよび第3の頂上部34c内で対応する方法で受けられる。
【0064】
さらに、取付手段58のブリッジ60は、その外側縁部22と平行に熱伝導プレート4の外側に延びている。取付手段58の第1および第2の接続部材62、64、ならびにガスケット締付領域44の第1、第2および第3の頂上部34a、34b、34cと第1および第2の谷部36a、36bの構成は相補的である。したがって、第1の接続部材62は、第1の谷部36a全体および第1の頂上部34aの第1の部分r11にしっかり嵌合し、基本的に塞ぐ。これに応じて、第2の接続部材64は第2の谷部36b全体、および第3の頂上部34cの第1の部分またはリセスにしっかり嵌合し、基本的に塞ぐ。これにより、取付手段58は、熱伝導プレート4の延長平面と平行、特に熱伝導プレート4の外側縁部22と垂直な方向に摺動するのが防止される。
【0065】
したがって、熱伝導プレート4へのガスケット48の信頼性のある締付が達成される。ガスケット48がガスケット溝20との接触を失った場合でさえも、ガスケット装置6は熱伝導プレート4から摺動して外れるのが防止され得る。これは、ガスケット装置6が熱伝導プレート4に対して傾斜している場合でさえも、第1および第2の接続部材62、64と第1および第3の頂上部34a、34cの間の係合がどのように維持されるかを示す
図9に図示されている。
【0066】
本発明の上記実施形態は、例としてのみ見るべきである。当業者は、論じた実施形態は発明の概念から逸脱することなく、いくつかの方法で変更することができることが分かる。
【0067】
例として、第1の接続部材の第1の保持手段は、三角形の基本的形状を有している必要はないが、あらゆる適切な形状を有することができる。
【0068】
別の例として、接続部材の1つのみが保持手段を備えてもよく、他の接続部材は保持手段を欠いている。
【0069】
ガスケット締付領域の構成部品、および様々な幅を有する取付手段の構成部品は、様々な幅を達成するようにテーパ状である必要はない。例えば、幅変化はより突然および即時的であってもよく、次第にではなく段階的に起こってもよい。
【0070】
フィンガは、その部分のみに沿う代わりに、その完全な長手方向延長線に沿ってテーパ状であってもよい。さらに、フィンガはブリッジから離れる方向にテーパ状である必要はないが、代わりに、その長手方向延長線全体、または一部のみに沿って、ブリッジに向けた方向にテーパ状である可能性がある。熱伝導プレートは、このようなフィンガを備えた取付手段と協働するように設計されたガスケット締付領域を有することができる。
【0071】
別の例として、フィンガならびに/または第1および第2の接続部材は、互いに平行に、および/またはブリッジと垂直に延びている必要はない。したがって、第1および第2の谷部ならびに第1、第2および第3の頂上部は、互いに平行に、および外側プレート縁部に垂直に長手方向に延びている必要はない。
【0072】
上に記載した熱伝導プレートは、外側プレート縁部に沿って、および熱伝導プレートの2つの対向する長い側に沿って配置された本発明のガスケット締付領域を有する。したがって、上に記載したガスケット装置は、その外側部から突出している、ガスケットの領域部分の2つの対向する長い側に沿って配置された本発明の取付手段を有する。必然的に、本発明のガスケット締付領域はまた/代わりに、熱伝導プレートの2つの対向する短い側に沿って、および/または内側プレート縁部に沿って、すなわち、熱伝導プレートのポート孔周りに配置することができる。したがって、本発明の取付手段はまた/代わりに、その内側部から突出している、ガスケットの領域部分の2つの対向する短い側に沿って、および/またはガスケットのリング部分に沿って配置することができる。
【0073】
本発明の取付手段は、第1および第2の接続部材の間に延び、取付手段のブリッジからガスケットに向けて延びるように配置された2つ以上のフィンガを備えることができる。熱伝導プレートは、このような取付手段と協働するように設計されたガスケット締付領域を有することができる。
【0074】
取付手段が熱伝導プレートと適切に係合する場合に、そのブリッジが熱伝導プレートの外側に位置決めされるように構成されているように取付手段は設計されている必要はない。代わりに、ブリッジは、取付手段が熱伝導プレートと適切に係合する場合に、熱伝導プレート内に少なくとも部分的に位置決めされ、熱伝導プレートの第1および/または第2の側とおそらく係合するように設計することができる。熱伝導プレートは、このような取付手段と協働するように設計されたガスケット締付領域を有することができる。
【0075】
上記取付手段の接続部材は、ブリッジからガスケットまで延びるが、代わりに、ブリッジおよび/またはガスケットを越えて延びることができる。同様に、フィンガはブリッジおよび/またはガスケットを越えて延びることができる。熱伝導プレートは、このような取付手段と協働するように設計されたガスケット締付領域を有することができる。
【0076】
ガスケットおよび取付手段は、一体的に形成される必要はなく、2つの別個であるが接続可能な部品である可能性もある。さらに、ガスケットおよび取付手段はゴムで作られている必要はないが、あらゆる適切な材料で作ることができる。さらに、ガスケットおよび取付手段は同じ材料である必要はない。
【0077】
熱伝導プレートはステンレス鋼で作られている必要はないが、チタンまたはアルミニウムなどのあらゆる適切な材料で作ることができる。
【0078】
最後に、本発明は、単にガスケット付きのもの以外のタイプのプレート熱交換器、例えば、永久的に結合された熱伝導プレートを備えたプレート熱交換器に関連して使用することができる。
【0079】
プレートプレスは典型的には、鋭い縁部の代わりにいくつかの湾曲半径を有するプレート波形につながることを強調すべきである。したがって、熱伝導プレートは典型的には、三角形などの、異なる幾何学的図形の、正確な形の代わりに、基本的な形の波形を備えている。対応する説明が、ガスケット装置の成形に有効である。
【0080】
第1、第2、第3などの限定詞は本明細書では単に、同じ種類の種を区別するために使用され、あらゆる種類の種の相互的順序を示すために使用されるものではないことを強調すべきである。
【0081】
本発明に関連していない詳細の説明は省略され、図は単に略図であり、等尺で描かれていないことを強調すべきである。また、図のいくつかは他より単純化されていると言われるべきである。したがって、いくつかの構成部品は1つの図に図示されているが、別の図では省略されてもよい。
【符号の説明】
【0082】
2 アセンブリ
4 熱伝導プレート
6 ガスケット装置
8 第1の側
10 第2の側
12 ポート孔
14 ポート孔
16 ポート孔
18 ポート孔
20 ガスケット溝
22 外側プレート縁部
24 内側プレート縁部
26 内側プレート縁部
28 外側縁部分
30 内側縁部分
32 内側縁部分
34 頂上部
36 谷部
38 上部分
40 底部分
42 長手方向外側部
44 外側ガスケット締付領域
46 底部
48 ゴムガスケット
50 環状領域部分
52 環状リング部分
54 環状リング部分
56 ブリッジ
58 ゴム取付手段
60 ブリッジ
62 第1の接続部材
64 第2の接続部材
66 フィンガ
68 第1の接続部
70 第2の接続部
72 第1の接続部
74 第2の接続部
76 接続部
78 第1の部分
80 第2の部分
82 長手方向外側部
84 リセス
86 長手方向内側部
88 長手方向外側部
90 第1の部分
92 第2の部分
【手続補正書】
【提出日】2024-02-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスケット(48)を熱伝導プレート(4)に締め付けるための取付手段(58)であって、ブリッジ(60)、第1の接続部材(62)、第2の接続部材(64)およびフィンガ(66)を備えており、前記第1の接続部材(62)の第1の接続部(68)は、前記ガスケット(48)と係合するように構成され、前記第1の接続部材(62)の第2の接続部(70)は前記ブリッジ(60)と係合し、前記第2の接続部材(64)の第1の接続部(72)は、前記ガスケット(48)と係合するように構成され、前記第2の接続部材(64)の第2の接続部(74)は前記ブリッジ(60)と係合し、前記フィンガ(66)の接続部(76)は前記ブリッジ(60)と係合し、前記フィンガ(66)は前記第1の接続部材(62)と前記第2の接続部材(64)との間に延び、前記ブリッジ(60)から前記ガスケット(48)に向けて延びるように配置され、前記第1の接続部材(62)は第1の部分(78)および第2の部分(80)を備え、前記第2の部分(80)は前記ブリッジ(60)と前記第1の部分(78)との間に配置されている、取付手段において、
前記第1の接続部材(62)の前記第2の部分(80)が第2の本体(80a)を備え、前記第1の接続部材(62)の前記第1の部分(78)が、前記第1の接続部材(62)の前記第1の部分(78)に前記第1の接続部材(62)の前記第2の部分(80)の第2の幅(wg12)より大きい第1の幅(wg11)を与えるように、第1の本体(78a)と、前記フィンガ(66)から離れる方向に前記第1の本体(78a)の長手方向外側部(82)から突出する第1の保持手段(78b)とを備えていることを特徴とする、取付手段(58)。
【請求項2】
前記第1の接続部材(62)の前記第1の部分(78)の前記第1の保持手段(78b)は、その長さの少なくとも一部に沿って前記ブリッジ(60)から離れる方向にテーパ状である、請求項1に記載の取付手段(58)。
【請求項3】
前記第1の保持手段(78b)は、前記取付手段の上から見ると、三角形の基本的形状を有し、前記第1の保持手段(78b)は、前記三角形の一辺に沿って前記第1の本体(78a)に接続されている、請求項2に記載の取付手段(58)。
【請求項4】
前記第2の本体(80a)は、前記第1の本体(78a)の最大幅より小さい最小幅を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の取付手段(58)。
【請求項5】
前記第2の本体の長手方向外側部(88)は基本的に直線であり、前記ブリッジ(60)の長さ延長線に対して基本的に垂直に延びている、請求項1から
3のいずれか一項に記載の取付手段(58)。
【請求項6】
前記フィンガ(66)は第1の幅(wf1)を有する第1の部分(90)および第2の幅(wf2)を有する第2の部分(92)を備え、前記第2の部分(92)は前記第1の部分(90)より前記ブリッジ(60)に近く配置され、前記第1の幅(wf1)は前記第2の幅(wf2)より小さい、請求項1から
3のいずれか一項に記載の取付手段(58)。
【請求項7】
前記フィンガ(66)は、その長さの少なくとも一部に沿って前記ブリッジ(60)から離れる方向にテーパ状である、請求項6に記載の取付手段(58)。
【請求項8】
前記第1の本体(78a)の最大厚さは、前記第1の保持手段(78b)の最大厚さより大きい、請求項1から
3のいずれか一項に記載の取付手段(58)。
【請求項9】
熱伝導プレート(4)であって、その第1の側(8)に、前記熱伝導プレート(4)の縁部(22)に沿って延びるガスケット溝(20)を備えており、前記熱伝導プレート(4)の縁部分(28)は前記縁部(22)と前記ガスケット溝(20)との間に延び、前記熱伝導プレート(4)の前記第1の側(8)から見ると、それぞれの上部分(38)を備えた交互に配置された頂上部(34)、およびそれぞれの底部分(40)を備えた谷部(36)を備えるように波形であり、前記縁部分(28)は、ガスケット(48)を前記ガスケット溝(20)内に締め付けるために、取付手段(58)と係合するように構成されたガスケット締付領域(44)を備えている、熱伝導プレート(4)において、
前記ガスケット締付領域(44)が前記谷部(36)の第1の谷部(36)および第2の谷部(36b)、ならびに前記頂上部(34)の第1の頂上部(34a)および第2の頂上部(34b)を備え、前記第1の頂上部(34a)および前記第2の頂上部(34b)は前記第1の谷部(36a)の対向する側に配置され、前記第1の谷部(36a)および前記第2の谷部(36b)は前記第2の頂上部(34b)の対向する側に配置され、前記第1の谷部(36a)の前記底部分(40a)は底平面(BP)に延び、前記第1の頂上部(34a)の前記上部分(38a)は、前記第1の頂上部(34a)の第1の部分(r11)と前記熱伝導プレート(4)の前記縁部(22)との間に延びるように、前記第1の谷部(36a)の第1の部分(v11)に対して接する前記第1の頂上部(34a)の前記第1の部分(r11)内の第1の平面(P1)内に延び、および、前記第1の谷部(36a)の第2の部分(v12)に対して接する前記第1の頂上部(34a)の第2の部分(r12)内の上平面(TP)内に延び、前記上平面(TP)および前記底平面(BP)は距離xだけ離れ、前記第1の平面(P1)は、基本的に前記上平面(TP)および前記底平面(BP)と平行に、前記上平面(TP)から距離xtおよび前記底平面(BP)から距離xbで延びており、xt≦xおよび0≦xb<xであることを特徴とする、熱伝導プレート(4)。
【請求項10】
前記第1の頂上部(34a)の前記第1の部分(r11)は、その長さの少なくとも一部に沿って前記熱伝導プレート(4)の前記縁部(22)から離れる方向にテーパ状である、請求項9に記載の熱伝導プレート(4)。
【請求項11】
前記第1の頂上部(34a)の前記第1の部分(r11)は、前記熱伝導プレート(4)の上から見ると三角形の基本的形状を有し、前記第1の頂上部(34a)の前記第1の部分(r11)は前記三角形の一辺に沿って前記第1の谷部(36a)の前記第1の部分(v11)に対して接している、請求項9または10に記載の熱伝導プレート(4)。
【請求項12】
前記第1の谷部(36a)の前記第1の部分(v11)と前記熱伝導プレート(4)の前記縁部(22)の間に配置された、前記第1の谷部(36a)の前記第2の部分(v12)は、前記第1の谷部の前記第1の部分の最大幅より小さい最小幅を有する、請求項9
または10に記載の熱伝導プレート(4)。
【請求項13】
前記第1の谷部(36a)の長手方向外側部(42)は、前記第1の谷部(36a)の前記第2の部分(v12)内で、基本的に直線であり、前記熱伝導プレート(4)の前記縁部(22)に対して基本的に垂直に延びている、請求項9
または10に記載の熱伝導プレート(4)。
【請求項14】
前記第2の頂上部(34b)は第1の幅(wp21)を有する第1の部分(r21)および第2の幅(wp22)を有する第2の部分(r22)を備え、前記第2の部分(r22)は前記第1の部分(r21)と前記熱伝導プレート(4)の前記縁部(22)との間に配置され、前記第1の幅(wp21)は前記第2の幅(wp22)より小さい、請求項9
または10に記載の熱伝導プレート(4)。
【請求項15】
前記第2の頂上部(34b)は、その長さの少なくとも一部に沿って前記熱伝導プレート(4)の前記縁部(22)から離れる方向にテーパ状である、請求項14に記載の熱伝導プレート(4)。
【国際調査報告】