(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】ノットレス整形外科用安定化システムおよび関連する方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/04 20060101AFI20240517BHJP
【FI】
A61B17/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573355
(86)(22)【出願日】2022-05-28
(85)【翻訳文提出日】2024-01-12
(86)【国際出願番号】 US2022031479
(87)【国際公開番号】W WO2022251721
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523446549
【氏名又は名称】デュナミス メディカル テクノロジーズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】チャヴァン,エム.ディー.,プリスヴィラージ
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル,フォレスト
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160BB01
4C160LL37
(57)【要約】
縫合糸または固定部材をノットレスな方法で固定するための方法を使用して、軟部組織修復または骨修復を行う能力を提供する整形外科用ボタンアセンブリについて説明する。本開示の整形外科用ボタンアセンブリは、ロックを行うための追加のコンポーネントに依存しないように設計されている。本開示の整形外科用ボタンアセンブリは、テンショナブルな固定部材(例えば、縫合糸)をテンショニング方向に引っ張ることによって修復箇所に最適なテンションをかけ、(例えば、接続された組織または骨がテンション下でボタンアセンブリから「引き離され」ようとする場合)テンショニング方向とは反対の方向にテンショナブルな固定部材を引っ張ると、実際にテンションが増加し、その結果、ロックインターフェースがより強固になり、修復箇所の安全性が高まるような方法でテンショナブルな固定部材を捕捉することによって、反対方向へのテンショナブルな固定部材の滑りを防止する能力を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織を組織、骨、または他の部材に固定するために動作可能なノットレス固定アセンブリであって、
組織、骨または他の部材に嵌合または固定するように構成された近位側対向係合面、前記近位側対向面の反対側にある遠位側対向面、前記近位側対向面と前記遠位側対向面との間に延びる第1の貫通孔、および前記第1の貫通孔に隣接する第1の圧縮面を有するベース部材と、
前記ベース部材と嵌合するように構成されたロック要素であって、前記ロック要素が、近位側と、前記近位側とは反対側の遠位側と、前記近位側と前記遠位側との間に延びる中央開口部と、前記近位側と前記遠位側との間に延び、前記中央開口部に隣接して配置された第1の側方開口部とを有し、前記第1の側方開口部が、ブリッジ部材によって前記中央開口部から分離され、前記ロック要素が、前記中央開口部に隣接する第2の圧縮面を有し、前記ロック要素が、前記近位側から近位側に突出する第1の近位側延長部を有する、ロック要素と、
前記ベース部材および前記ロック要素と相互作用するように構成されたテンショナブルな固定部材であって、前記テンショナブルな固定部材が、組織、骨、または他の部材に取り付けるように構成された取付け端部と、ユーザによる操作のために構成された自由端部とを有し、前記テンショナブルな固定部材が、前記第1の圧縮面と第2の圧縮面との間で前記ベース部材および前記ロック要素を通過する、テンショナブルな固定部材とを備え、
前記ノットレス固定アセンブリが、前記ベース部材と前記ロック要素との間の第1の距離を規定する第1の状態と、前記ベース部材と前記ロック要素との間の第2の距離を規定する第2の状態とを含み、前記第2の距離が前記第1の距離よりも小さく、
前記取付け端部が第1の組織と嵌合し、前記ベース部材が第2の組織、骨、または他の部材と嵌合するとき、前記テンショナブルな固定部材の前記自由端部が、前記近位方向に引っ張られるように構成され、それにより、前記テンショナブルな固定部材にテンションを生じさせ、これにより、前記ノットレス固定アセンブリが前記第1の状態から前記第2の状態に移行し、前記第2の状態が、前記第1の圧縮面と第2の圧縮面との間で前記テンショナブルな固定部材に加えられる圧縮および摩擦を介して維持され、
前記アセンブリが前記第2の状態にあるとき、前記ロック要素と前記ベース部材との間の相対的な移動を防止するために、前記ノットレス固定アセンブリが前記第2の状態にあるとき、前記第1の近位側延長部が、前記第1の貫通孔内に入れ子になるようにサイズ設定され、構成されている、
ノットレス固定アセンブリ。
【請求項2】
前記ノットレス固定アセンブリが前記第2の状態にあるとき、前記テンショナブルな固定部材の前記取付け端部は、前記遠位方向に移動可能であるが、前記近位方向への移動は阻止される、請求項1に記載のノットレス固定アセンブリ。
【請求項3】
前記ベース部材が、前記遠位側対向面内に配置された凹部をさらに備え、前記凹部が、前記ロック要素をその中に受け入れるように構成されている、請求項1に記載のノットレス固定アセンブリ。
【請求項4】
前記第1の貫通孔が前記凹部内に配置されている、請求項3に記載のノットレス固定アセンブリ。
【請求項5】
前記第1の貫通孔が、第1の表面エリアを有する内周壁を有する、請求項1に記載のノットレス固定アセンブリ。
【請求項6】
前記第1の近位側延長部が、第2の表面エリアを有する外周壁を有する、請求項5に記載のノットレス固定アセンブリ。
【請求項7】
前記ノットレス固定システムが前記第2の状態にあるとき、前記第1および第2の表面エリアが互いに同一平面上に係合する、請求項6に記載のノットレス固定アセンブリ。
【請求項8】
前記テンショナブルな固定部材が、前記取付け端部から、前記第1の貫通孔および前記第1の側方開口部を遠位側に通過し、前記ブリッジ部材の周りをループし、その後、前記中央開口部および前記第1の貫通孔を通って前記第1の圧縮面と第2の圧縮面との間を近位側に通過するように、前記ベース部材および前記ロック要素を通過する、請求項1に記載のノットレス固定アセンブリ。
【請求項9】
前記ベース部材が、前記近位側対向面と前記遠位側対向面との間に延びる第2の貫通孔と、前記第2の貫通孔に隣接する第3の圧縮面とをさらに備える、請求項1に記載のノットレス固定アセンブリ。
【請求項10】
前記ロック要素が、前記近位側と遠位側との間に延び、前記第1の側方開口部の反対側で中央開口部に隣接して配置された第2の側方開口部をさらに備え、前記第2の側方開口部が、第2のブリッジ部材によって前記中央開口部から分離され、前記ロック要素が、前記中央開口部に隣接する第4の圧縮面と、前記近位側から近位側に突出する第2の近位側延長部とを有し、前記ノットレス固定アセンブリが前記第2の状態にあるとき、第2の近位側延長部が、前記第2の貫通孔内に入れ子になるようにサイズ設定され、構成されている、請求項9に記載のノットレス固定アセンブリ。
【請求項11】
前記ベース部材および前記ロック要素と相互作用するように構成された第2のテンショナブルな固定部材をさらに備え、前記第2のテンショナブルな固定部材が、組織、骨、または他の部材に取り付けるように構成された取付け端部と、ユーザによる操作のために構成された自由端部とを有し、前記第2のテンショナブルな固定部材が、前記第3の圧縮面と第4の圧縮面との間で前記ベース部材および前記ロック要素を通過する、請求項10に記載のノットレス固定アセンブリ。
【請求項12】
ユーザによる係合時に前記第2の状態から前記第1の状態への前記アセンブリの移行を容易にするように構成されたロック解除要素をさらに備える、請求項1に記載のノットレス固定アセンブリ。
【請求項13】
前記ロック解除要素が、ロック解除ツールとインターフェースするように構成されたツール係合機能を備える、請求項12に記載のノットレス固定アセンブリ。
【請求項14】
前記ロック解除要素が、前記ロック要素にねじ付き開口部を備える、請求項13に記載のノットレス固定アセンブリ。
【請求項15】
前記ロック解除ツールが、前記ねじ付き開口部と係合するように構成され、前記ベース部材のベアリング表面と係合するように構成された遠位先端部を有するねじ付きシャフトを備え、前記ねじ付きシャフトの作動が、前記遠位先端部を前記ベアリング表面に対して回転させ、前記ロック要素を前記ベース部材から分離させ、それにより、前記アセンブリを前記第2の状態から前記第1の状態に移行させる、請求項14記載のノットレス固定アセンブリ。
【請求項16】
前記ロック解除要素が、前記ロック要素の少なくとも一端に配置された少なくとも1つの切り抜き領域を備え、前記少なくとも1つの切り抜き領域がベアリング表面を有する、請求項13に記載のノットレス固定アセンブリ。
【請求項17】
前記ロック解除ツールが、前記ロック要素の前記ベアリング表面とインターフェースするように構成された係合部材を備え、前記ロック要素を前記ベース部材から分離するように動作可能であり、それにより、前記アセンブリを前記第2の状態から前記第1の状態に移行させる、請求項16に記載のノットレス固定アセンブリ。
【請求項18】
組織を組織、骨、または他の部材に固定するために動作可能なノットレス固定アセンブリであって、
組織、骨または他の部材に嵌合または固定するように構成された近位側対向係合面、前記近位側対向面の反対側にある遠位側対向面、前記近位側対向面と前記遠位側対向面との間に延びる第1の貫通孔、および前記第1の貫通孔に隣接する第1の圧縮面を有するベース部材と、
前記ベース部材と嵌合するように構成されたロック要素であって、前記ロック要素が、近位側と、前記近位側とは反対側の遠位側と、前記近位側と前記遠位側との間に延びる中央開口部と、前記近位側と前記遠位側との間に延び、前記中央開口部に隣接して配置された第1の側方開口部とを有し、前記第1の側方開口部が、ブリッジ部材によって前記中央開口部から分離され、前記ロック要素が、前記中央開口部に隣接する第2の圧縮面を有する、ロック要素と、
前記ベース部材および前記ロック要素と相互作用するように構成されたテンショナブルな固定部材であって、前記テンショナブルな固定部材が、組織、骨、または他の部材に取り付けるように構成された取付け端部と、ユーザによる操作のために構成された自由端部とを有し、前記テンショナブルな固定部材が、前記取付け端部から、前記第1の貫通孔および前記第1の側方開口部を遠位側に通過し、前記ブリッジ部材の周りをループし、その後、前記第1の圧縮面と第2の圧縮面との間で前記中央開口部および前記第1の貫通孔を近位側に通過するように、前記ベース部材およびロック要素を通過する、テンショナブルな固定部材とを備え、
前記ノットレス固定アセンブリが、前記ベース部材と前記ロック要素との間の第1の距離を規定する第1の状態と、前記ベース部材と前記ロック要素との間の第2の距離を規定する第2の状態とを含み、前記第2の距離が前記第1の距離よりも小さく、
前記取付け端部が第1の組織と嵌合し、前記ベース部材が第2の組織、骨、または他の部材と嵌合するとき、前記テンショナブルな固定部材の前記自由端部が、前記近位方向に引っ張られるように構成され、それにより、前記テンショナブルな固定部材にテンションを生じさせ、これにより、前記ノットレス固定アセンブリが前記第1の状態から前記第2の状態に移行し、前記第2の状態が、前記第1の圧縮面と第2の圧縮面との間で前記テンショナブルな固定部材に加えられる圧縮および摩擦を介して維持される、
ノットレス固定アセンブリ。
【請求項19】
前記ノットレス固定アセンブリが前記第2の状態にあるとき、前記取付け端部は、前記遠位方向に移動可能であるが、前記近位方向への移動は阻止される、請求項18に記載のノットレス固定アセンブリ。
【請求項20】
前記ベース部材が、前記遠位側対向面内に配置された凹部をさらに備え、前記凹部が、前記ロック要素をその中に受け入れるように構成されている、請求項18に記載のノットレス固定アセンブリ。
【請求項21】
前記第1の貫通孔が前記凹部内に配置されている、請求項19に記載のノットレス固定アセンブリ。
【請求項22】
前記ロック要素が、前記第1の側方開口部から近位側に延びる近位側延長部を含み、前記ノットレス固定アセンブリが前記第2の状態にあるとき、前記近位側延長部が、前記第1の貫通孔内に入れ子になるように構成されている、請求項18に記載のノットレス固定アセンブリ。
【請求項23】
組織を組織、骨、または他の部材に固定するために動作可能なノットレス固定アセンブリであって、
組織、骨または他の部材に嵌合または固定するように構成された近位側対向係合面、前記近位側対向面の反対側にある遠位側対向面、前記近位側対向面と前記遠位側対向面との間に延びる第1の貫通孔、および前記第1の貫通孔に隣接する第1の圧縮面を有するベース部材と、
前記ベース部材と嵌合するように構成されたロック要素であって、前記ロック要素が、近位側と、前記近位側とは反対側の遠位側と、前記近位側と前記遠位側との間に延びる第1の開口部と、前記近位側と前記遠位側との間に延び、前記第1の開口部に隣接して配置された第2の開口部とを有し、前記第2の開口部が、ブリッジ部材によって前記第1の開口部から分離され、前記ロック要素が、前記第1の開口部に隣接する第2の圧縮面を有する、ロック要素と、
前記ベース部材および前記ロック要素と相互作用するように構成されたテンショナブルな固定部材であって、前記テンショナブルな固定部材が、組織、骨、または他の部材に取り付けるように構成された取付け端部と、ユーザによる操作のために構成された自由端部とを有し、前記テンショナブルな固定部材が、前記取付け端部から、前記ベース部材および前記第2の開口部を遠位側に通過し、前記ブリッジ部材の周りをループし、その後、前記第1の圧縮面と第2の圧縮面との間で前記第1の開口部および前記第1の貫通孔を近位側に通過するように、前記ベース部材およびロック要素を通過する、テンショナブルな固定部材とを備え、
前記ノットレス固定アセンブリが、前記ベース部材と前記ロック要素との間の第1の距離を規定する第1の状態と、前記ベース部材と前記ロック要素との間の第2の距離を規定する第2の状態とを含み、前記第2の距離が前記第1の距離よりも小さく、
前記取付け端部が第1の組織と嵌合し、前記ベース部材が第2の組織、骨、または他の部材と嵌合するとき、前記テンショナブルな固定部材の前記自由端部が、前記近位方向に引っ張られるように構成され、それにより、前記テンショナブルな固定部材にテンションを生じさせ、これにより、前記ノットレス固定アセンブリが前記第1の状態から前記第2の状態に移行し、前記第2の状態が、前記第1の圧縮面と第2の圧縮面との間で前記テンショナブルな固定部材に加えられる圧縮および摩擦を介して維持される、
ノットレス固定アセンブリ。
【請求項24】
前記ベース部材が、前記近位側対向面と前記遠位側対向面との間に延び、前記第1の貫通孔に隣接して配置された第2の貫通孔をさらに含み、前記テンショナブルな固定部材が、前記第2の貫通孔を通って前記ベース部材を遠位側に通過する、請求項23に記載のノットレス固定アセンブリ。
【請求項25】
前記第2の貫通孔が、前記ベース部材の長手方向端部まで横方向に延びている、請求項24に記載のノットレス固定アセンブリ。
【請求項26】
前記第2の開口部が、前記ロック要素の長手方向端部まで横方向に延びている、請求項25に記載のノットレス固定アセンブリ。
【請求項27】
前記ノットレス固定アセンブリが前記第2の状態にあるとき、前記テンショナブルな固定部材の前記取付け端部は、前記遠位方向に移動可能であるが、前記近位方向への移動は阻止される、請求項23に記載のノットレス固定アセンブリ。
【請求項28】
前記ベース部材が、前記遠位側対向面内に配置された凹部をさらに備え、前記凹部が、前記ロック要素をその中に受け入れるように構成されている、請求項23に記載のノットレス固定アセンブリ。
【請求項29】
前記第1の貫通孔が前記凹部内に配置されている、請求項28に記載のノットレス固定アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、特許協力条約(PCT)に基づき出願された国際特許出願であり、2021年5月28日に出願され、「Knotless, Self-locking Suture Button and Related Methods for Tissue Repair」という名称の米国仮特許出願第63/194,436号、2021年10月10日に出願され、「Knotless Orthopedic Stabilization System and Related Methods」という名称の米国仮特許出願第63/254,136号、および2021年12月24日に出願され、「Knotless Orthopedic Stabilization System and Related Methods」という名称の米国仮特許出願第63/293,136号の優先権の利益を主張し、これらの完全な開示は、本明細書に完全に記載されているかのように、参照により本開示に明示的に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、骨または軟部組織の外科的修復に関し、より詳細には、縫合糸およびボタンアセンブリを使用する骨または軟部組織のノットレスな修復に関する。
【背景技術】
【0003】
骨および組織を安定させるボタン-縫合糸アセンブリなどの骨懸架装置が当技術分野で知られている。現在の装置は、結び目、ねじ、ピン、フック、ステープルなどの二次固定要素を介して縫合糸を所定の位置にロックすることにより、骨および軟部組織を固定する。これらの処置では、骨に穴を開けた後、縫合糸を穴に通し、穴の遠位側に固定する。次いで、骨および/または組織は互いに引き寄せられ、二次固定要素(結び目など)がアセンブリの近位側に適用されてテンションが保持される。例えば、縫合糸をしっかりと保持するために結び目を作るのは比較的難しく、結び目が完成し、結ぶ機構(道具であれ指であれ)が縫合糸へのグリップを解放するとき、テンションの一部が失われる可能性がある。その結果、アセンブリが固定される前に、結び目のループが1ミリ以上跳ね返ったり緩んだりする可能性があり、その結果生じるテンションは、最初に意図したテンションよりかなり小さくなる。
【0004】
典型的には、類似の修復は、テンショナブルな固定部材にテンションをかけた後に、修復箇所を所定の位置に保持するために、結び目および/または固定金具(例えば、ねじ、フック、ピン、ステープルなど)のような二次固定要素を必要とする装置を伴う。これらの装置には、修復を完了するための自動ロック機構がない。これらの技術は修復には効果的であるが、一部の装置では、限定はされないが、以下のような理由で障害が発生する場合がある。(a)二次固定要素の破損、(b)結び目が作られる軟部組織接合部の破損、(c)インプラントのバックアウトにより症状の発現が遅れ、固定に再手術が必要となる可能性があること、(d)血管および神経に近い複雑な縫合技術であり、固定時に損傷した場合、短期または長期の合併症を引き起こす可能性がある。
【0005】
長さ調整およびロックに様々な機構を採用したノットレスシステムも存在する。これらのほとんどでは、使いやすさを向上させようとして、構成体の強度(破損までのテンションによって測定)またはその安定性(テンションの喪失による)が犠牲になっている。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、骨または軟部組織の外科的修復に使用することができる、テンショナブルな固定部材(例えば、外科用縫合糸、テープなど)に関連付けられたベース部材(例えば、ボタン、プレートなど)およびロック要素を有するノットレス安定化システムについて説明する。本開示のノットレス安定化システムは、テンショナブルな固定部材を使用して骨または軟部組織を安定化、固定、および/または修復するために使用することができる。いくつかの実施形態では、ノットレス安定化システムは、装置が自動ロックするように内蔵ロック機構を有し得る。いくつかの実施形態では、ノットレス安定化システムは、骨、軟部組織、または修復を達成するための別の部材を固定(secure)、固定(fix)、またはそれにテンションをかけるためにテンションがかけられるテンショナブルな固定部材(例えば、縫合糸/テープ)と結合することができる。
【0007】
本開示のノットレス安定化システムは、縫合糸またはテンショナブルな固定部材をノットレスな方法で固定するための方法を使用して、軟部組織修復または骨修復を行う能力を提供する。本開示のノットレス安定化システムは、ロックを行うための追加のコンポーネントに依存しないように設計されている。本開示のノットレス安定化システムは、テンショナブルな固定部材(例えば、縫合糸)をテンショニング(例えば、近位)方向に引っ張ることによって修復箇所に最適なテンションをかけ、(例えば、接続された組織または骨がテンション下でボタン-縫合糸アセンブリから「引き離され」ようとする場合)テンショニング方向とは反対の方向にテンショナブルな固定部材を引っ張ると、実際にテンションが増加し、その結果、ロックインターフェースがより強固になり、修復箇所の安全性が高まるような方法でテンショナブルな固定部材を捕捉することによって、反対(例えば、遠位)方向へのテンショナブルな固定部材の滑りを防止する能力を含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、本開示は、自動ロックボタンと相互作用する縫合糸を使用して骨または軟部組織を修復する方法を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、本開示のノットレス安定化システムは、テンショナブルな固定部材にテンションをかけた後に、結び目および/または固定金具(例えば、ねじ、フック、ピン、ステープルなど)などの二次固定要素を使用して修復箇所を所定の位置に保持する必要性を排除することによって修復を行う能力を含み、それによって、二次固定要素の故障に関連付けられた合併症を防止する。
【0010】
いくつかの実施形態では、本開示のノットレス安定化システムおよび関連する方法は、不注意による損傷を引き起こす可能性のある針などの侵襲的な外科器具を使用して、小さな切開部を通って重要な解剖学的構造の周りで結び目を作る必要性を排除することによって、手術をより安全にする。
【0011】
いくつかの実施形態では、本開示のノットレス安定化システムは、組織に直接テンションをかける能力を含む。生じたテンションは、上述のように固定の維持も手助けし得る。
【0012】
本明細書に記載のノットレス安定化システムおよび関連する使用方法は、自動ロック設計により、骨および/または軟部組織の修復をより安全に、より迅速に、より安価に、より信頼性が高く、複雑さをより軽減する。
【0013】
本明細書に開示された独自の修復方法によって、外科医は、自動ロック式固定アセンブリを使用して軟部組織または骨を固定することができる。この修復方法はまた、断裂した組織(例えば、腱)を修復するために使用されるテンショナブルな固定部材または繊維を自動ロック式固定アセンブリに接続する技術、および固定のためのバックアップ装置または技術を使用する必要性を無くすノットレス自動ロック式相互作用を使用して修復箇所にテンションをかける技術も教示している。
【0014】
ほんの一例として、開示の目的で、上腕二頭筋腱修復が本明細書に記載の修復技術の方法で使用されるが、この修復方法は、任意の数の組織修復処置に使用することができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されたノットレス安定化システムは、修復を開始するために組み立てられた状態で外科医に提供され得る(例えば、ベース部材、ロック要素、ならびにベース部材およびロック要素に関連付けられた1つ以上のシャトル部材とともに)。一例として、ノットレス安定化システムは、ベース部材およびロック部材を有し得る。いくつかの実施形態では、シャトル部材は後で接続されてもよい。いくつかの実施形態では、シャトル部材は、腱の修復に使用されるテンショナブルな固定部材に接続するために、ループ状端部または捕捉機構を有し得る。この技術では、テンショナブルな固定部材の各端部をシャトル部材の捕捉端部に通す必要がある場合がある。
【0016】
いくつかの実施形態では、テンショナブルな固定部材は、最初に、修復されるべき組織(例えば、腱)に固定され、次いで、シャトル部材の捕捉端部に装填される。シャトル部材の自由端部は、近位(または引っ張り)方向に引っ張られる。近位方向への引っ張りは、ベース部材を通してテンショナブルな固定部材をシャペロンする。最後に、シャトル部材が取り外され、修復されるべき組織に取り付けられたテンショナブルな固定部材が固定アセンブリに通される。
【0017】
テンショナブルな固定部材を引っ張ると、修復箇所にテンションがかかり、例えば、腱と固定アセンブリとの間の距離を縮めることによって、腱を固定アセンブリの近くの所望の修復部位に引っ張る。テンションは外科医の好みに合わせて調整することができ、次いで、テンショナブルな固定部材は固定アセンブリに対して所定の位置にロックされる。ロックは、テンショナブルな固定部材がベース部材とロック要素の協働面の間に捕捉されるロックインターフェースまたは「ピンチポイント」で行われる。テンショナブルな固定部材を近位方向に引っ張ると、テンションが生じ、同じ方向にさらに引っ張ることでテンションを変化させたり増加させたりすることができる。ノットレス安定化システムがロック状態になると、テンショナブルな固定部材、固定アセンブリ、および修復された組織は、圧縮、摩擦、およびテンションの組み合わせによってロック状態を維持する。追加のねじや結び目を必要することなく、これで修復は完了する。
【0018】
腱が修復部位から引き離されると、腱はテンションがテンショナブルな固定部材を通過し、ロック要素をベース部材に近づけることによって構成体がよりしっかりとロックされる。これにより、テンショナブルな固定部材がさらにしっかりと挟み込まれ、腱が修復状態から離れることが防止される。
【0019】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のノットレス整形外科用安定化システムは、ベース部材およびロック要素を備えるロックアセンブリと、テンショナブルな固定部材(例えば、外科用縫合糸、テープ、繊維など)とを含む。いくつかの実施形態では、ベース部材は、ロックアセンブリの組み立て時にその中にロック要素を受け入れるようにサイズ設定され、構成された中央凹部を含む。いくつかの実施形態では、ベース部材およびロック要素は、テンション下でテンショナブルな固定部材を捕捉し保持するためのロックインターフェースを形成する相補的な表面を有し、それによってアセンブリを所定の位置にロックする。
【0020】
いくつかの実施形態では、ロックアセンブリは、組織、骨、または他の部材に取り付けられるテンショナブルな固定部材(例えば、外科用縫合糸、テープ、繊維など)と結合して、外科的処置中にテンション下でテンショナブルな固定部材をロックすることができる。例えば、上腕二頭筋の修復において、テンショナブルな固定部材の一端(例えば、「取付け端部」)は、最初に、断裂した筋肉または他の組織に取り付けられるか、またはそうでなければそれらに関連付けられ、その後、ロックアセンブリと結合され(例えば、本明細書に記載されるように、ロックアセンブリにテンショナブルな固定部材の自由端部を通すか、またはシャペリングすることによって)、次いで、ロックアセンブリは、骨を通して形成された外科用通路を通って前進し得る。ロックアセンブリが骨の反対側に固定されると、外科医は、例えば、取り付けられた組織とロックアセンブリとの間の距離を減少させることによって、組織を所望の位置に配置し、固定するために、取り付けられた組織の方向にテンショナブルな固定部材に所望の量のテンションを加えることができる。一例として、ロックアセンブリは、テンショナブルな固定部材のテンションを確保するための二次固定(例えば、結び目、固定金具など)を必要としない自動ロックアセンブリである。一般に、テンショナブルな固定部材は、ロックアセンブリの一方の側(例えば、底部または近位側)からロックアセンブリに入り、ロック要素のクロスバーまたは支点要素の周りをループまたは「Uターン」し、ロックアセンブリのロックインターフェース(後述)を通過し、入口と同じ側(例えば、底部または近位側)でロックアセンブリから出ることによって、ロックアセンブリに通されるか、またはシャペロンされる。テンショナブルな固定部材のループまたは「Uターン」は、既存のボタン-縫合糸アセンブリと比べて、限定はされないが、以下を含むいくつかの利点を提供する。(i)ベース部材とロック要素を整列させ、テンション要素のテンションを維持する圧縮状態に維持し、(ii)取り付けられた組織がアセンブリから引き離されるのに応答して、構成体のテンションを増加させ、(iii)ロックインターフェースの圧縮を維持する。
【0021】
任意選択で、任意の実施形態において、ロックアセンブリは、例えば、必要に応じて、テンショナブルな固定部材のリテンショニング中にロック要素がベース部材と係合したままであることを確実にし、中央凹部内でのロック要素の揺動または他の動きを防止して、テンショナブルな固定部材の緩みを防止するためなど、ロック要素とベース部材との間に追加の安全な相互作用を提供するために、二次ロック要素を備えることができる。ほんの一例として、二次ロック要素は、限定はされないが、プレスフィット係合、スナップフィット係合、摩擦フィット係合などを含む、ベース部材とロック要素との間の確実な相互作用を提供する任意の物理的機構を含み得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、ロック要素は、ロック要素の底面から近位側に延びる1つ以上の近位側延長部を含む。一例として、近位側延長部は、ロックアセンブリがロック状態にあるとき、ベース部材の側方開口部内に、ぴったりと、同一平面上に、および/または入れ子式に受け入れられるようにサイズ設定され、構成され、近位側延長部の表面エリアが側方開口部の周壁の表面エリアと係合するようになっている。この表面エリアの係合は、ロック要素をベース部材に対して安定させ、例えば、ノットレス安定化システムがロックされ、外科的処置が完了した後に、テンショナブルな固定部材に加えられたテンションが緩む原因となり得る揺動または他の動きを防止する。
【0023】
任意選択で、任意の実施形態において、ノットレス安定化システムは、最初のテンショニングおよびロックが完了した後に、テンショナブルな固定部材のリテンショニングを可能にするためにロックアセンブリのロックを解除するためのロック解除機能を含む。いくつかの実施形態では、ロック解除機能は、ベース部材および/またはロック要素と係合し、ロック要素をベース部材に対して変位させ、テンショナブルな固定部材を弛緩させ、その後、必要に応じて、再度テンションをかけることを可能にする空間または距離または分離を作るようにすることができるロック解除コンポーネントまたはツールを備える。弛緩した状態では、リテンショニングのために、テンショナブルな固定部材の操作およびスライドを行うことができる。所望のテンションが達成されると、ロック解除コンポーネントまたはツールは、ベース部材および/またはロック要素から引き戻されるか、取り外されるか、そうでなければ係合解除される。テンションをかけられたテンショナブルな固定部材がロック要素を近位方向に引っ張るため、ロック解除ツールによって得られたクリアランスはなくなり、テンショナブルな固定部材は再びロック要素とベース部材の間に挟まれた状態になる。ほんの一例として、ロック解除ツールまたはコンポーネントは、ロック要素とベース部材との間に一時的な分離を作るために、テンショナブルな固定部材のテンションに打ち勝つのに適した、または打ち勝つことができる任意のツールまたはコンポーネントを備え得、限定はされないが、ねじ部材、スナップフィットトリガー制御プッシャ/エクステンダ、プライヤのようなグリッパなどを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、ロック解除機能は、ロックアセンブリがロック構成にある第1の位置からロックアセンブリがロック解除構成にある第2の位置に移動可能であり、それによって、テンショナブルな固定部材のリテンショニングを可能にする、偏向可能部材を備え得る。
【0025】
一例として、本開示は、軟部組織または任意の他の組織をアンカー装置に接続するために使用されるマルチコンポーネント固定アセンブリ(例えば、ロックアセンブリ)を通るテンショナブルな固定部材の通過を容易にする独自の技術について記載する。いくつかの実施形態では、本開示のアセンブリ装置は、テンショナブルな固定部材をマルチコンポーネントアセンブリを通してシャトルする機能を含む。いくつかの実施形態では、本開示のアセンブリ装置は、テンショナブルな固定部材が複数の固定コンポーネントのロックインターフェースに配置されるように、複数のベース部材または固定コンポーネントの間にテンショナブルな固定部材またはテンショナブルな固定部材を通す能力を含む。このアセンブリホルダー技術では、結び目を作る必要なく組織を固定するために使用される、テンショナブルな固定部材を固定する独自の機構について説明する。また、これは、テンショナブルな固定部材がマルチコンポーネント固定アセンブリのロックインターフェースを通過する際に、テンショナブルな固定部材が損傷および/または破損するのを防止する。いくつかの実施形態では、アセンブリ装置は、マルチコンポーネント固定アセンブリのロックインターフェースにおける摩擦を低減することによって、マルチコンポーネント固定アセンブリとの組立中にテンショナブルな固定部材にかかる圧力を軽減することを可能にする。これにより、ユーザは、テンショナブルな固定部材をシームレスにアセンブリ装置に通し、次いで、アセンブリ装置を係合解除してテンショナブルな固定部材をマルチコンポーネント固定アセンブリに結合して、修復を完了することができる。
【0026】
ほんの一例として、いくつかの実施形態によれば、軟部組織の骨または任意の他の組織修復のためのアンカー装置(例えば、固定アセンブリ)の埋め込みに使用することができる挿入器具またはフリッパー装置が本明細書に記載される。一例として、挿入器具は、この修復のプロセスを支援するために、複数の機能を実行することができるように設計されている。本開示のフリッパー装置の独自性は、ユーザがアンカー装置または固定アセンブリをフリッパー装置に装填することを可能にし、それによって、骨トンネルを容易に通過するのを支援するために、アンカー装置または固定アセンブリをテンション状態に維持することである。適切な位置が得られたら、外科医またはユーザは、リリース機能を使用して、構成体のテンションを低減し、アンカー装置または固定アセンブリを正しい位置に反転させる。
【0027】
いくつかの実施形態では、本開示の固定アセンブリは、骨折プレートの用途で使用されるように設計され、骨折が関節面の近くで固定される場合に特に有用である。いくつかの実施形態では、関節面の角度、例えば傾斜角または曲率は、解剖学的位置に応じて変化し得る。一例として、ハードウェアの配置によって関節面にさらなる損傷を与えることなく関節面を正確に整復することは、患者の転帰にとって極めて重要である。現在説明されているノットレス固定アセンブリは、限定はされないが(ほんの一例として)、関節面の近くで使用される骨折プレート、例えば、遠位および橈骨、足関節の周り、または肩の骨折、あるいは非関節の場所などを含む、骨折プレートシステムと協働する能力を有する可能性がある。いくつかの実施形態では、ノットレス固定アセンブリは、パイロット穴を使用して骨折プレートの穴を通して導入され、固定アセンブリは、シャトリング装置を使用して骨折部位をシャトリングし得る。骨折部位の遠位端の皮質の外側に到達すると、固定アセンブリは、遠位端を横切って形状を変え、配向を変え(例えば、長手方向から水平方向へ)、および/またはサイズを拡大することによって、整復を達成するためにテンションがかけられ得る。テンショナブルな固定部材(縫合糸、テープ、ワイヤーなど)のテンショニングにより、骨折部位に圧縮が生じる。装置のシャトリングのために作られた小さなパイロット穴により、装置を関節面の近くに配置することができる。テンショニングにより、骨折部位での圧縮までの間骨折が軽減され、ロック部材が固定プレート内でロックすることが可能になる。これにより、癒合不全、変形治癒、ハードウェア合併症および再手術のリスクが低減される。また、修復を達成するために、外科医が何度も切開して追加のハードウェアを配置するのを防止することもできる。
【0028】
軟部組織と骨の外皮の再確立は、特に筋肉と腱が運動活動の範囲を補助する関節の周囲である場合、うまく機能する修復にとって極めて重要である。一例として、本開示は、1つ以上のテンショナブルな固定部材(例えば、外科用縫合糸、テープ、ワイヤなど)を使用して、ノットレスな方法で骨折プレートを介して軟部組織と骨とを接続する骨折プレートについて記載する。ほんの一例として、骨折プレートは、骨折プレートがロックインターフェースの圧縮面のうちの1つを提供し、テンショナブルな固定部材によってプレートに固定されたロック要素がロックインターフェースの他方の圧縮面を提供するという点で、上述のベース部材に類似している。
【0029】
以下に説明する実施形態に対する追加の説明として、本開示は以下の実施形態について説明する。
【0030】
実施形態1は、組織を組織、骨、または他の部材に固定するために動作可能なノットレス固定アセンブリであって:組織、骨または他の部材に嵌合または固定するように構成された近位側対向係合面、近位側対向面の反対側にある遠位側対向面、近位側対向面と遠位側対向面との間に延びる第1の貫通孔、および第1の貫通孔に隣接する第1の圧縮面を有するベース部材と;ベース部材と嵌合するように構成されたロック要素であって、ロック要素が、近位側と、近位側とは反対側の遠位側と、近位側と遠位側との間に延びる中央開口部と、近位側と遠位側との間に延び、中央開口部に隣接して配置された第1の側方開口部とを有し、第1の側方開口部が、ブリッジ部材によって中央開口部から分離され、ロック要素が、中央開口部に隣接する第2の圧縮面を有し、ロック要素が、近位側から近位側に突出する第1の近位側延長部を有する、ロック要素と;ベース部材およびロック要素と相互作用するように構成されたテンショナブルな固定部材であって、テンショナブルな固定部材が、組織、骨、または他の部材に取り付けるように構成された取付け端部と、ユーザによる操作のために構成された自由端部とを有し、テンショナブルな固定部材が、第1の圧縮面と第2の圧縮面との間でベース部材およびロック要素を通過する、テンショナブルな固定部材とを備え;ノットレス固定アセンブリが、ベース部材とロック要素との間の第1の距離を規定する第1の状態と、ベース部材とロック要素との間の第2の距離を規定する第2の状態とを含み、第2の距離が第1の距離よりも小さく;取付け端部が第1の組織と嵌合し、ベース部材が第2の組織、骨、または他の部材と嵌合するとき、テンショナブルな固定部材の自由端部が、近位方向に引っ張られるように構成され、それにより、テンショナブルな固定部材にテンションを生じさせ、これにより、前記ノットレス固定アセンブリが第1の状態から第2の状態に移行し、第2の状態が、第1の圧縮面と第2の圧縮面との間でテンショナブルな固定部材に加えられる圧縮および摩擦を介して維持され;アセンブリが第2の状態にあるとき、ロック要素とベース部材との間の相対的な移動を防止するために、ノットレス固定アセンブリが第2の状態にあるとき、第1の近位側延長部が、第1の貫通孔内に入れ子になるようにサイズ設定され、構成されている、ノットレス固定アセンブリである。
【0031】
実施形態2は、ノットレス固定アセンブリが第2の状態にあるとき、テンショナブルな固定部材の取付け端部は、遠位方向に移動可能であるが、近位方向への移動は阻止される、実施形態1に記載のノットレス固定アセンブリである。
【0032】
実施形態3は、ベース部材が、遠位側対向面内に配置された凹部をさらに備え、凹部が、ロック要素をその中に受け入れるように構成されている、実施形態1または2に記載のノットレス固定アセンブリである。
【0033】
実施形態4は、第1の貫通孔が凹部内に配置されている、実施形態1~3のいずれかに記載のノットレス固定アセンブリである。
【0034】
実施形態5は、第1の貫通孔が、第1の表面エリアを有する内周壁を有する、実施形態1~4のいずれかに記載のノットレス固定アセンブリである。
【0035】
実施形態6は、第1の近位側延長部が、第2の表面エリアを有する外周壁を有する、実施形態1~5のいずれかに記載のノットレス固定アセンブリである。
【0036】
実施形態7は、ノットレス固定システムが第2の状態にあるとき、第1および第2の表面エリアが互いに同一平面上に係合する、実施形態1~6のいずれかに記載のノットレス固定アセンブリである。
【0037】
実施形態8は、テンショナブルな固定部材が、取付け端部から、第1の貫通孔および第1の側方開口部を遠位側に通過し、ブリッジ部材の周りをループし、その後、中央開口部および第1の貫通孔を通って第1の圧縮面と第2の圧縮面との間を近位側に通過するように、ベース部材およびロック要素を通過する、実施形態1~7のいずれかに記載のノットレス固定アセンブリである。
【0038】
実施形態9は、ベース部材が、近位側対向面と遠位側対向面との間に延びる第2の貫通孔と、第2の貫通孔に隣接する第3の圧縮面とをさらに備える、実施形態1~8のいずれかに記載のノットレス固定アセンブリである。
【0039】
実施形態10は、ロック要素が、近位側と遠位側との間に延び、第1の側方開口部の反対側で中央開口部に隣接して配置された第2の側方開口部をさらに備え、第2の側方開口部が、第2のブリッジ部材によって中央開口部から分離され、ロック要素が、中央開口部に隣接する第4の圧縮面と、近位側から近位側に突出する第2の近位側延長部とを有し、ノットレス固定アセンブリが第2の状態にあるとき、第2の近位側延長部が、第2の貫通孔内に入れ子になるようにサイズ設定され、構成されている、実施形態1~9のいずれかに記載のノットレス固定アセンブリである。
【0040】
実施形態11は、ベース部材およびロック要素と相互作用するように構成された第2のテンショナブルな固定部材をさらに備え、第2のテンショナブルな固定部材が、組織、骨、または他の部材に取り付けるように構成された取付け端部と、ユーザによる操作のために構成された自由端部とを有し、第2のテンショナブルな固定部材が、第3の圧縮面と第4の圧縮面との間でベース部材およびロック要素を通過する、実施形態1~10のいずれかに記載のノットレス固定アセンブリである。
【0041】
実施形態12は、ユーザによる係合時に第2の状態から第1の状態へのアセンブリの移行を容易にするように構成されたロック解除要素をさらに備える、実施形態1~11のいずれかに記載のノットレス固定アセンブリである。
【0042】
実施形態13は、ロック解除要素が、ロック解除ツールとインターフェースするように構成されたツール係合機能を備える、実施形態1~12のいずれかに記載のノットレス固定アセンブリである。
【0043】
実施形態14は、ロック解除要素が、ロック要素にねじ付き開口部を備える、実施形態1~13のいずれかに記載のノットレス固定アセンブリである。
【0044】
実施形態15は、ロック解除ツールが、ねじ付き開口部と係合するように構成され、ベース部材のベアリング表面と係合するように構成された遠位先端部を有するねじ付きシャフトを備え、ねじ付きシャフトの作動が、遠位先端部をベアリング表面に対して回転させ、ロック要素をベース部材から分離させ、それにより、アセンブリを第2の状態から第1の状態に移行させる、実施形態1~14のいずれかに記載のノットレス固定アセンブリである。
【0045】
実施形態16は、ロック解除要素が、ロック要素の少なくとも一端に配置された少なくとも1つの切り抜き領域を備え、少なくとも1つの切り抜き領域がベアリング表面を有する、実施形態1~15のいずれかに記載のノットレス固定アセンブリである。
【0046】
実施形態17は、ロック解除ツールが、ロック要素のベアリング表面とインターフェースするように構成された係合部材を備え、ロック要素をベース部材から分離するように動作可能であり、それにより、アセンブリを第2の状態から第1の状態に移行させる、実施形態1~16のいずれかに記載のノットレス固定アセンブリである。
【0047】
実施形態18は、組織を組織、骨、または他の部材に固定するために動作可能なノットレス固定アセンブリであって:組織、骨または他の部材に嵌合または固定するように構成された近位側対向係合面、近位側対向面の反対側にある遠位側対向面、近位側対向面と遠位側対向面との間に延びる第1の貫通孔、および第1の貫通孔に隣接する第1の圧縮面を有するベース部材と;ベース部材と嵌合するように構成されたロック要素であって、ロック要素が、近位側と、近位側とは反対側の遠位側と、近位側と遠位側との間に延びる中央開口部と、近位側と遠位側との間に延び、中央開口部に隣接して配置された第1の側方開口部とを有し、第1の側方開口部が、ブリッジ部材によって中央開口部から分離され、ロック要素が、中央開口部に隣接する第2の圧縮面を有する、ロック要素と;ベース部材およびロック要素と相互作用するように構成されたテンショナブルな固定部材であって、テンショナブルな固定部材が、組織、骨、または他の部材に取り付けるように構成された取付け端部と、ユーザによる操作のために構成された自由端部とを有し、テンショナブルな固定部材が、取付け端部から、第1の貫通孔および第1の側方開口部を遠位側に通過し、ブリッジ部材の周りをループし、その後、第1の圧縮面と第2の圧縮面との間で中央開口部および第1の貫通孔を近位側に通過するように、ベース部材およびロック要素を通過する、テンショナブルな固定部材とを備え;前記ノットレス固定アセンブリが、ベース部材とロック要素との間の第1の距離を規定する第1の状態と、ベース部材とロック要素との間の第2の距離を規定する第2の状態とを含み、第2の距離が第1の距離よりも小さく;取付け端部が第1の組織と嵌合し、ベース部材が第2の組織、骨、または他の部材と嵌合するとき、テンショナブルな固定部材の自由端部が、近位方向に引っ張られるように構成され、それにより、テンショナブルな固定部材にテンションを生じさせ、これにより、ノットレス固定アセンブリが第1の状態から第2の状態に移行し、第2の状態が、第1の圧縮面と第2の圧縮面との間でテンショナブルな固定部材に加えられる圧縮および摩擦を介して維持される、ノットレス固定アセンブリである。
【0048】
実施形態19は、ノットレス固定アセンブリが第2の状態にあるとき、取付け端部は、遠位方向に移動可能であるが、近位方向への移動は阻止される、実施形態18に記載のノットレス固定アセンブリである。
【0049】
実施形態20は、ベース部材が、遠位側対向面内に配置された凹部をさらに備え、凹部が、ロック要素をその中に受け入れるように構成されている、実施形態18または19に記載のノットレス固定アセンブリである。
【0050】
実施形態21は、第1の貫通孔が凹部内に配置されている、実施形態18~20のいずれかに記載のノットレス固定アセンブリである。
【0051】
実施形態22は、ロック要素が、第1の側方開口部から近位側に延びる近位側延長部を含み、ノットレス固定アセンブリが第2の状態にあるとき、近位側延長部が、第1の貫通孔内に入れ子になるように構成されている、実施形態18~21のいずれかに記載のノットレス固定アセンブリである。
【0052】
実施形態23は、組織を組織、骨、または他の部材に固定するために動作可能なノットレス固定アセンブリであって:組織、骨または他の部材に嵌合または固定するように構成された近位側対向係合面、近位側対向面の反対側にある遠位側対向面、近位側対向面と遠位側対向面との間に延びる第1の貫通孔、および第1の貫通孔に隣接する第1の圧縮面を有するベース部材と;ベース部材と嵌合するように構成されたロック要素であって、ロック要素が、近位側と、近位側とは反対側の遠位側と、近位側と遠位側との間に延びる第1の開口部と、近位側と遠位側との間に延び、第1の開口部に隣接して配置された第2の開口部とを有し、第2の開口部が、ブリッジ部材によって第1の開口部から分離され、ロック要素が、第1の開口部に隣接する第2の圧縮面を有する、ロック要素と;ベース部材およびロック要素と相互作用するように構成されたテンショナブルな固定部材であって、テンショナブルな固定部材が、組織、骨、または他の部材に取り付けるように構成された取付け端部と、ユーザによる操作のために構成された自由端部とを有し、テンショナブルな固定部材が、取付け端部から、ベース部材および第2の開口部を遠位側に通過し、ブリッジ部材の周りをループし、その後、第1の圧縮面と第2の圧縮面との間で第1の開口部および第1の貫通孔を近位側に通過するように、ベース部材およびロック要素を通過する、テンショナブルな固定部材とを備え;前記ノットレス固定アセンブリが、ベース部材とロック要素との間の第1の距離を規定する第1の状態と、ベース部材とロック要素との間の第2の距離を規定する第2の状態とを含み、第2の距離が第1の距離よりも小さく;取付け端部が第1の組織と嵌合し、ベース部材が第2の組織、骨、または他の部材と嵌合するとき、テンショナブルな固定部材の自由端部が、近位方向に引っ張られるように構成され、それにより、テンショナブルな固定部材にテンションを生じさせ、これにより、ノットレス固定アセンブリが第1の状態から第2の状態に移行し、第2の状態が、第1の圧縮面と第2の圧縮面との間でテンショナブルな固定部材に加えられる圧縮および摩擦を介して維持される、ノットレス固定アセンブリである。
【0053】
実施形態24は、ベース部材が、近位側対向面と遠位側対向面との間に延び、第1の貫通孔に隣接して配置された第2の貫通孔をさらに含み、テンショナブルな固定部材が、第2の貫通孔を通ってベース部材を遠位側に通過する、請求項23に記載のノットレス固定アセンブリである。
【0054】
実施形態25は、第2の貫通孔が、ベース部材の長手方向端部まで横方向に延びている、請求項23または24に記載のノットレス固定アセンブリである。
【0055】
実施形態26は、第2の開口部が、ロック要素の長手方向端部まで横方向に延びている、実施形態23~25のいずれかに記載のノットレス固定アセンブリである。
【0056】
実施形態27は、ノットレス固定アセンブリが第2の状態にあるとき、テンショナブルな固定部材の取付け端部は、遠位方向に移動可能であるが、近位方向への移動は阻止される、実施形態23~26のいずれかに記載のノットレス固定アセンブリである。
【0057】
実施形態28は、ベース部材が、遠位側対向面内に配置された凹部をさらに備え、凹部が、ロック要素をその中に受け入れるように構成されている、実施形態23~27のいずれかに記載のノットレス固定アセンブリである。
【0058】
実施形態29は、第1の貫通孔が凹部内に配置されている、実施形態23~28のいずれかに記載のノットレス固定アセンブリである。
【0059】
本開示の多くの利点は、添付の図面と本明細書を併せ読めば、当業者には明らかであろう。図面において、同様の要素には同様の参照番号が付けられている。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【
図1】いくつかの実施形態によるノットレス整形外科用安定化システムの一例の透視図である。
【
図2】いくつかの実施形態による、
図1のノットレス整形外科用安定化システムの一部を形成するロックアセンブリの一例の透視図である。
【
図3】いくつかの実施形態による、
図2のロックアセンブリの上面図である。
【
図4】いくつかの実施形態による、
図2のロックアセンブリの底面図である。
【
図5】いくつかの実施形態による、
図2のロックアセンブリの分解透視図である。
【
図6】いくつかの実施形態による、
図2のロックアセンブリの分解透視図である。
【
図7】いくつかの実施形態による、
図2のロックアセンブリの一部を形成するベース部材の一例の透視図である。
【
図8】いくつかの実施形態による、
図7のベース部材の上面図である。
【
図9】いくつかの実施形態による、
図7のベース部材の底面図である。
【
図10】いくつかの実施形態による、
図2のロックアセンブリの一部を形成するロック要素の一例の透視図である。
【
図11】いくつかの実施形態による、
図10のロック要素の上面図である。
【
図12】いくつかの実施形態による、
図10のロック要素の底面図である。
【
図13】いくつかの実施形態による、
図10のロック要素の側面平面図である。
【
図14】いくつかの実施形態による、
図10のロック要素の端面図である。
【
図15】いくつかの実施形態による、
図3の線A-Aに沿って取られた
図2のロックアセンブリの断面図である。
【
図16】いくつかの実施形態による、
図2のロックアセンブリ、シャトル部材、および修復されるべき組織に取り付けられたテンショナブルな固定部材を含む、
図1のノットレス整形外科用安定化システムの透視図である。
【
図17】いくつかの実施形態による、テンショナブルな固定部材がロックアセンブリに通された状態の、
図16のノットレス整形外科用安定化システムの透視図である。
【
図18】いくつかの実施形態による、テンショナブルな固定部材が通された状態の、
図17のノットレス整形外科用安定化システムの側断面図である。
【
図19】いくつかの実施形態による、テンショナブルな固定部材が通された状態の、
図17のノットレス整形外科用安定化システムの側断面図である。
【
図20】いくつかの実施形態による、本明細書に開示されたノットレス整形外科用安定化システムの一部として可撓性のテンショナブルな固定部材とともに使用するように構成されたロックアセンブリの別の例の透視図である。
【
図21】いくつかの実施形態による、
図20のロックアセンブリの上面図である。
【
図22】いくつかの実施形態による、
図20のロックアセンブリの分解透視図である。
【
図23】いくつかの実施形態による、
図20のロックアセンブリの一部を形成するベース部材の上面図である。
【
図24】いくつかの実施形態による、
図23のベース部材の底面透視図である。
【
図25】いくつかの実施形態による、
図20のロックアセンブリの一部を形成するロック要素の上面図である。
【
図26】いくつかの実施形態による、
図25のロック要素の底面透視図である。
【
図27】いくつかの実施形態による、本明細書に開示されたノットレス整形外科用安定化システムの例示的な使用を示す、
図21の線C-Cに沿って取られた
図20のロックアセンブリの側断面図である。
【
図28】いくつかの実施形態による、本明細書に開示されたノットレス整形外科用安定化システムの一部として可撓性のテンショナブルな固定部材とともに使用するように構成されたロックアセンブリの別の例の透視図である。
【
図31】いくつかの実施形態による、本明細書に開示されたノットレス固定整形外科用安定化システムの例示的な使用を示す、
図29の線D-Dに沿って取られた
図28のロックアセンブリの側断面図である。
【
図32】いくつかの実施形態による、本明細書に開示されたノットレス整形外科用安定化システムの一部として可撓性のテンショナブルな固定部材とともに使用するように構成されたロックアセンブリの別の例の透視図である。
【
図33】いくつかの実施形態による、本明細書に開示されたノットレス固定整形外科用安定化システムの例示的な使用を示す、
図32の線E-Eに沿って取られた
図32のロックアセンブリの側断面図である。
【
図34】いくつかの実施形態による、本明細書に開示されたノットレス整形外科用安定化システムの一部として可撓性のテンショナブルな固定部材とともに使用するように構成されたロックアセンブリの別の例の透視図である。
【
図35】
図34のロックアセンブリの一部を形成するベース部材の上面図である。
【
図36】
図34のロックアセンブリの一部を形成するロック要素の透視図である。
【
図37】いくつかの実施形態による、本明細書に開示されたノットレス整形外科用安定化システムの例示的な使用を示す、
図34の線F-Fに沿って取られた
図34のロックアセンブリの側断面図である。
【
図38】いくつかの実施形態による、本明細書に開示されたノットレス整形外科用安定化システムの一部として可撓性のテンショナブルな固定部材とともに使用するように構成されたロックアセンブリの別の例の透視図である。
【
図39】いくつかの実施形態による、
図38のロックアセンブリの上面図である。
【
図40】いくつかの実施形態による、
図38のロックアセンブリの底面図である。
【
図41】いくつかの実施形態による、
図38のロックアセンブリの分解透視図である。
【
図42】いくつかの実施形態による、
図38のロックアセンブリの分解透視図である。
【
図43】いくつかの実施形態による、
図38のロックアセンブリの一部を形成するベース部材の一例の透視図である。
【
図44】いくつかの実施形態による、
図43のベース部材の上面図である。
【
図45】いくつかの実施形態による、
図38のロックアセンブリの一部を形成するロック要素の一例の透視図である。
【
図46】いくつかの実施形態による、
図45のロック要素の底面透視図である。
【
図47】いくつかの実施形態による、
図38のロック要素の上面図である。
【
図48】いくつかの実施形態による、テンショナブルな固定部材が通され、アセンブリがロック解除状態にある、
図39の線G-Gに沿って取られた
図38のロックアセンブリの側断面図である。
【
図49】いくつかの実施形態による、テンショナブルな固定部材が通され、アセンブリがロック状態にある、
図39の線G-Gに沿って取られた
図38のロックアセンブリの側断面図である。
【
図50】いくつかの実施形態による、ロックアセンブリがロック状態にある、ロックアセンブリおよびロック解除ツールの一例の斜視図である。
【
図51】いくつかの実施形態による、ロック解除ツールがロックアセンブリと係合し、ロックアセンブリがロック状態にある、
図50のロックアセンブリおよびロック解除ツールの側面平面図である。
【
図52】いくつかの実施形態による、ロック解除ツールがロックアセンブリと係合し、ロックアセンブリがロック状態にある、
図50のロックアセンブリおよびロック解除ツールの側断面図である。
【
図53】いくつかの実施形態による、ロック解除ツールがロックアセンブリと係合し、ロックアセンブリがロック解除状態にある、
図50のロックアセンブリおよびロック解除ツールの側断面図である。
【
図54】いくつかの実施形態による、ロック解除ツールがロックアセンブリと係合し、ロックアセンブリがロック解除状態にある、
図50のロックアセンブリおよびロック解除ツールの側面平面図である。
【
図55】いくつかの実施形態による、ロック状態で示された、
図1のノットレス整形外科用安定化システムの一部を形成する偏向可能なロック解除要素を有するロックアセンブリの別の例の透視図である。
【
図56】いくつかの実施形態による、ロック状態にある
図55のロックアセンブリの底面透視図である。
【
図57】いくつかの実施形態による、ピンチングコンポーネントの一例とともに示された、ロック状態にある
図55のロックアセンブリの上面図である。
【
図58】いくつかの実施形態による、ロック解除状態にある
図55のロックアセンブリの上面図である。
【
図59】いくつかの実施形態による、テンショナブルな固定部材に結合された、ロック解除状態にある
図55のロックアセンブリの上面図である。
【
図60】いくつかの実施形態による、テンショナブルな固定部材に結合された、ロック解除状態にある
図55のロックアセンブリの上面図である。
【
図61】いくつかの実施形態による、テンショナブルな固定部材に結合された、ロック状態にある
図55のロックアセンブリの上面図である。
【
図62】いくつかの実施形態による、テンショナブルな固定部材に結合された、ロック状態にある
図55のロックアセンブリの上面図である。
【
図63】いくつかの実施形態による、手根中手骨(CMC)関節形成治療で使用される
図55のロックアセンブリの一例のブロック図である。
【
図64】いくつかの実施形態による、ロック状態で示された、
図1のノットレス整形外科用安定化システムの一部を形成する偏向可能なロック解除要素を有するロックアセンブリの別の例の上面図である。
【
図65】いくつかの実施形態による、ロック状態で示された、
図1のノットレス整形外科用安定化システムの一部を形成する偏向可能なロック解除要素を有するロックアセンブリの別の例の透視図である。
【
図66】いくつかの実施形態による、
図65のロックアセンブリの底面透視図である。
【
図67】いくつかの実施形態による、
図65のロックアセンブリの分解透視図である。
【
図68】いくつかの実施形態による、マルチコンポーネント固定装置とともに使用するように構成されたアセンブリ装置の一例の透視図である。
【
図69】いくつかの実施形態による、
図68のアセンブリ装置の側断面図である。
【
図70】いくつかの実施形態による、
図68のアセンブリ装置の端面図である。
【
図71】いくつかの実施形態による、
図68のアセンブリ装置の端部断面図である。
【
図72】いくつかの実施形態による、
図2のロックアセンブリと結合された
図68のアセンブリ装置の透視図である。
【
図73】いくつかの実施形態による、
図2のロックアセンブリと結合された
図68のアセンブリ装置の端面図である。
【
図74】いくつかの実施形態による、
図2のロックアセンブリと結合された
図68のアセンブリ装置の側断面図である。
【
図75】いくつかの実施形態による、
図2のロックアセンブリと結合された
図68のアセンブリ装置の端部断面図である。
【
図76】いくつかの実施形態による、アセンブリ装置を使用してロックアセンブリを介してテンショナブルな固定部材をシャペロンする例示的な技術を示す、
図2のロックアセンブリと結合された
図68のアセンブリ装置の正面透視断面図である。
【
図77】いくつかの実施形態による、アセンブリ装置を使用してロックアセンブリを介してテンショナブルな固定部材をシャペロンする例示的な技術を示す、
図2のロックアセンブリと結合された
図68のアセンブリ装置の正面透視断面図である。
【
図78】いくつかの実施形態による、軟部組織または任意の他の組織修復のためのアンカー装置の埋め込みに使用することができる挿入器具またはフリッパー装置の一例の透視図である。
【
図79】いくつかの実施形態による、軟部組織または任意の他の組織修復のためのアンカー装置の埋め込みに使用することができる挿入器具またはフリッパー装置の一例の透視図である。
【
図80】いくつかの実施形態による、軟部組織または任意の他の組織修復のためのアンカー装置の埋め込みに使用することができる挿入器具またはフリッパー装置の一例の透視図である。
【
図81】いくつかの実施形態による、アンカー装置と結合された
図78の挿入器具の遠位端の透視図である。
【
図82】いくつかの実施形態による、挿入器具の外側シャフトが透明として示されている、アンカー装置と結合された
図78の挿入器具の遠位端の側面平面図である。
【
図83】いくつかの実施形態による、
図78の挿入装置による配置後に骨チャネルを介してテンショナブルな固定部材によってロックアセンブリと結合されたアンカー装置のブロック図である。
【
図84】いくつかの実施形態による、ノットレス自動ロック固定アセンブリを備えた骨折修復プレートの一例の透視図である。
【
図85】いくつかの実施形態による、
図84の骨折修復プレートの分解透視図である。
【
図86】いくつかの実施形態による、
図84の骨折修復プレートの別の分解透視図である。
【
図87】いくつかの実施形態による、使用中の
図84の骨折修復プレートの側面平面図である。
【
図88】いくつかの実施形態による、
図84の骨折修復プレートとともに使用される
図68のアセンブリ装置の平面図である。
【
図89】いくつかの実施形態による、軟部組織を固定するためのノットレス固定アセンブリと結合された人工関節の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
本発明の例示的な実施形態について以下で説明する。明確にするために、実際の実装のすべての機能がこの明細書に記述されているわけではない。当然、任意のそのような実際の実施形態の開発において、実装ごとに異なる、システム関連およびビジネス関連の制約の遵守など、開発者固有の目標を達成するために、多数の実装固有の決定を行う必要があることを諒解されたい。さらに、そのような開発努力は、複雑で時間がかかる可能性があるが、それでも、本開示の恩恵を受ける当業者にとっては日常的な作業であることを諒解されたい。本明細書に開示されたノットレス整形外科用安定化システムおよび関連する方法は、単独でも組み合わせでも、特許保護を保証する様々な発明的特徴およびコンポーネントを誇っている。
【0062】
図1~
図19は、本開示の一実施形態によるノットレス整形外科用安定化システム10の一例を示す。ほんの一例として、ノットレス整形外科用安定化システム10は、ベース部材12およびロック要素14を備えるロックアセンブリ11と、テンショナブルな固定部材16(例えば、外科用縫合糸、テープ、繊維など)とを含む。ベース部材12は、ロックアセンブリ11の組み立て時にその中にロック要素14を受け入れるようにサイズ設定され、構成された中央凹部28を含む。本明細書でさらに詳細に説明されるように、ベース部材12およびロック要素14は、テンション下でテンショナブルな固定部材16を捕捉し保持するためのロックインターフェースを形成する相補的な表面を有し、それによってアセンブリを所定の位置にロックする。
【0063】
ほんの一例として、
図2~
図6は、いくつかの実施形態による、本明細書に記載のノットレス整形外科用安定化システム10の一部を形成するロックアセンブリ11の一例を示す。いくつかの実施形態では、ロックアセンブリ11は、組織、骨、または他の部材に取り付けられるテンショナブルな固定部材16(例えば、外科用縫合糸、テープ、繊維など)と結合して、外科的処置中にテンション下でテンショナブルな固定部材16をロックすることができる。例えば、上腕二頭筋の修復において、テンショナブルな固定部材16の一端(例えば、「取付け端部」)は、最初に、断裂した筋肉または他の組織に取り付けられるか、またはそうでなければそれらに関連付けられ、その後、ロックアセンブリ11と結合され(例えば、本明細書に記載されるように、ロックアセンブリ11にテンショナブルな固定部材16の自由端部を通すか、またはシャペリングすることによって)、次いで、ロックアセンブリは、骨を通して形成された外科用通路を通って前進し得る。ロックアセンブリ11が骨の反対側に固定されると、外科医は、例えば、取り付けられた組織とロックアセンブリ11との間の距離を減少させることによって、組織を所望の位置に配置し、固定するために、取り付けられた組織の方向にテンショナブルな固定部材16に所望の量のテンションを加えることができる。一例として、ロックアセンブリ11は、テンショナブルな固定部材16のテンションを確保するための二次固定(例えば、結び目、固定金具など)を必要としない自動ロックアセンブリである。一般に、テンショナブルな固定部材16は、ロックアセンブリ11の一方の側(例えば、底部または近位側)からロックアセンブリ11に入り、ロック要素14のクロスバーまたは支点要素の周りをループまたは「Uターン」し、ロックアセンブリ11のロックインターフェース(後述)を通過し、入口と同じ側(例えば、底部または近位側)でロックアセンブリ11から出ることによって、ロックアセンブリ11に通されるか、またはシャペロンされる。テンショナブルな固定部材16のループまたは「Uターン」は、既存のボタン-縫合糸アセンブリと比較して、限定はされないが、以下を含むいくつかの利点を提供する。(i)ベース部材12とロック要素14を整列させ、テンション要素16のテンションを維持する圧縮状態に維持し、(ii)取り付けられた組織がアセンブリから引き離されるのに応答して、構成体のテンションを増加させ、(iii)ロックインターフェースの圧縮を維持する。
【0064】
ほんの一例として、
図7~
図9は、いくつかの実施形態による、本明細書に記載のロックアセンブリ11の一部を形成するベース部材12の一例を示す。いくつかの実施形態では、ベース部材12は、第1の端部18、第2の端部20、一対の長辺22、およびそれを通って延びる縦軸L
1を有する概ね長方形の形状を有することができる。一例として、いくつかの実施形態では、ベース部材12は、組織、骨、または他の部材とインターフェースするように構成された第1の面または底面24と、底面24とは反対側の第2の面または上面26とを有し得る。いくつかの実施形態では、上面26は、組み立て時にロック要素14が凹部28内にぴったり収まるように、ロック要素14のサイズおよび形状と相補的なサイズおよび形状を有する中央凹部28を含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、ベース部材12は、中央構造30と、中央凹部28内に配置された一対の側方開口部32とをさらに含み得、1つの側方開口部32は中央構造30の各側に配置される。中央構造30は、近位対向面34と、近位対向面34の両側に配置され、各々がそれぞれの側方開口部32の方向に面している一対の滑らかなおよび/または丸みを帯びた側面36とを含む。いくつかの実施形態では、側面36は、例えば、側方開口部32との交差部またはその近傍において、近位対向面34との交差部における第1の高さから中央凹部28内の第2の高さまで、角度を付けられるか、またはテーパ状にされ得る。いくつかの実施形態では、側面36は、少なくとも部分的に側方開口部32上に延び得る。いくつかの実施形態では、側面36は、ロック要素14の内側表面70と協働して(例えば、「ロックインターフェース」として)作用するように構成された圧縮面であり、使用中のロックアセンブリ11のテンショニング時に、テンショナブルな固定部材16をその間に捕捉または挟み込む(例えば、「ピンチポイント」を形成する)ようになっている。いくつかの実施形態では、中央構造30は、横軸T1に沿って側方開口部32間の中央凹部28を横切って延びる横方向の線形梁を備える。いくつかの実施形態では、中央構造30は、一方または両方の側面36が凹形状および/または凸形状を有することになる非線形形状を有し得る。いくつかの実施形態では、側面36は、直線状、凸状、および/または凹状の配向の任意の組み合わせを有し得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、ベース部材12は概ね長方形の形状を有し得る。いくつかの実施形態では、ベース部材12は、限定はされないが、長方形、円形、長円形、卵形、楕円形、または多角形を含む、任意の適切な形状を有し得る。いくつかの実施形態では、ベース部材12は、骨、組織、および/または他の解剖学的構造に形成された外科用通路(例えば、近位開口部および遠位開口部を有する)を通って挿入され、その後、ピボット、回転、または他の方法で操作され、通路を通って引き戻されることなく外科用通路の遠位開口部を横切って延びるようにサイズ設定され、構成され得る。いくつかの実施形態では、ベース部材12は、ベース部材12の輪郭を最小にし、埋め込み中および埋め込み後の周囲組織に対する外傷を潜在的に低減するために、丸みを帯びたおよび/または滑らかな外周面38をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の端部18は、ベース部材12が骨、組織、または他の解剖学的構造に形成された通路を通って前進するときの先端部を備える。いくつかの実施形態では、第1の端部または先端部18は、第1の端部または先端部18の輪郭を最小にし、埋め込み中および埋め込み後の周囲組織に対する外傷を潜在的に低減するように構成された、滑らかで、丸みを帯びた、またはテーパ状の先端面40を有する。いくつかの実施形態では、第1の端部または先端部18は、埋め込み中の損傷から外科用通路とテンショナブルな固定部材16の両方を保護するために外科用通路に露出するテンショナブルな固定部材16の輪郭を減少させるために、外科用通路を通ってベース部材12を前進させる間に、そこにテンショナブルな固定部材16の少なくとも一部を受け入れるようにサイズ設定され、構成された1つ以上の長手方向凹部42をさらに含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、側方開口部32の遠位開口部および/または近位開口部は、使用中のテンソン部材16の摩耗を低減するために、滑らかな、角度の付いた、テーパ状の、および/または丸みを帯びた縁面44を備える。
【0068】
ほんの一例として、
図10~
図14は、いくつかの実施形態による、本明細書に記載の整形外科用ロックアセンブリ11の一部を形成するロック部材14の一例を示す。一例として、ロック要素14は、組み立て時にロック要素14が中央凹部28内にぴったりと収まるように、ベース部材12の中央凹部28のサイズおよび形状と相補的なサイズおよび形状を有する。いくつかの実施形態では、ロック要素14は、第1の端部50、第2の端部52、一対の長辺54、底面56および上面58、ならびにそれを通って延びる縦軸L
2を有する概ね長方形の形状(例えば、丸みを帯びた端部を有する)を有することができる。いくつかの実施形態では、底面56は、ベース部材12の中央凹部28とインターフェースするように構成される。いくつかの実施形態では、ロック要素14は、中央開口部60と、底面と上面56、58の間でロック要素14を通って延びる一対の側方開口部62とをさらに含む。中央開口部60と側方開口部62とは、テンショナブルな固定部材16の支点として機能し得るブリッジまたはクロスバー64または同様の構造によって分離されている。いくつかの実施形態では、クロスバー64は、使用中にクロスバーによってテンショナブルな固定部材16に加えられる摩擦または他の力を最小にするために、1つ以上の丸みを帯びた、曲線状の、および/または滑らかな上面66を有し得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、底面56は、中央開口部60の周囲に形成された中央凹部68を含む。一例として、中央凹部68は、組み立て時に中央構造30がロック要素14の中央凹部68内にぴったりと収まるように、ベース部材12の中央構造30のサイズおよび形状と相補的なサイズおよび形状を有し得る。いくつかの実施形態では、中央凹部68は、中央凹部68の境界を形成する一対の滑らかな、テーパ状のおよび/または丸みを帯びたおよび/または曲線状の内側表面70を含む。一例として、内側表面70は、中央開口部60に向かって内側に(または内側に)テーパ状になっている、または曲線状になっている。いくつかの実施形態では、内側表面70は、少なくとも部分的にベース部材12の側方開口部32上に延びる。いくつかの実施形態では、内側表面70は、ベース部材12の側面36と協働して作用するように構成された圧縮面であり、使用中のテンショナブルな固定部材16のテンショニング時に、テンショナブルな固定部材16をその間に捕捉または挟み込むようになっている。いくつかの実施形態では、中央凹部68は、一方または両方の内側表面70が凹形状および/または凸形状を有することになる非線形形状を有し得る。いくつかの実施形態では、内側表面70は、直線状、凸状、および/または凹状の配向の任意の組み合わせを有し得る。任意の実施形態において、内側表面70は、テンショナブルな固定部材16に対する複合圧縮作用が維持されるように、ベース部材12の側面36に対して相補的な形状を有する。
【0070】
いくつかの実施形態では、ロック要素14は、ロック要素14の輪郭を最小にし、埋め込み中および埋め込み後の周囲組織に対する外傷を潜在的に低減するために、丸みを帯びたおよび/または滑らかな外周面72をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、中央開口部60の周縁面74は、使用中のテンソン部材16の磨耗を低減するために、滑らかな、角度の付いた、テーパ状の、および/または丸みを帯びた縁面を備える。いくつかの実施形態では、側方開口部62の遠位開口部および/または近位開口部は、使用中のテンソン部材16の摩耗を低減するために、滑らかな、角度の付いた、テーパ状の、および/または丸みを帯びた縁面76を備える。
【0071】
本明細書で説明するように、ノットレス安定化システム10は自動ロックシステムであり、テンショナブルな固定部材16に加えられるテンションによって、ベース部材12内でのロック要素14の整列が確実になると同時に、テンショナブルな固定部材16とロックインターフェース(すなわち、ベース部材12の側面36およびロック要素14の内側表面70)との相互作用によりアセンブリが一緒にロックされる。任意選択で、任意の実施形態において、ロックアセンブリ11は、例えば、必要に応じて、テンショナブルな固定部材16のリテンショニング中にロック要素14がベース部材12と係合したままであることを確実にし、中央凹部28内でのロック要素14の揺動または他の動きを防止して、テンショナブルな固定部材16の緩みを防止するためなど、ロック要素14とベース部材12との間に追加の安全な相互作用を提供するために、二次ロック要素を備えることができる。ほんの一例として、二次ロック要素は、限定はされないが、プレスフィット係合、スナップフィット係合、摩擦フィット係合などを含む、ベース部材12とロック要素14との間の確実な相互作用を提供する任意の物理的機構を含むことができる。
【0072】
例えば、
図15は、いくつかの実施形態による二次ロック要素の一例を示す。ほんの一例として、ロック要素14は、底面56との交差部近傍に長辺54(例えば)に沿って配置され、ベース部材12の上面26から少なくとも部分的に中央凹部28上に延びる対応する細長いフランジまたは突出部46と係合して、二次ロック要素を形成し、ベース部材12内でのロック要素14の保持を確実にするように構成された1つ以上の細長いフランジ78をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、細長いフランジ78は、ロック要素14とベース部材12との係合時に中央凹部28内でのロック要素14の適切な整列を可能にし、細長いフランジ78が突出部46を越えて中央凹部28内に通過するのを容易にするために、突出部46の対応する内側に面する角度付きの、テーパ状の、または曲線状の表面48とインターフェースするように構成された内側に面する角度付きの、テーパ状の、または曲線状の表面80をさらに含み得る。
図14に例として示すように、ロック要素14の細長いフランジ78が中央凹部28の突出部46を通過すると、突出部46は、ユーザによって(例えば、取り外しツールを使用して)追加の力が加えられない限り、ロック要素14が中央凹部28から係合解除されるのを防止する物理的障壁を提供する。
【0073】
いくつかの実施形態では、ロック要素14の中央開口部60は、ベース部材12との組み立て時に、中央開口部60がベース部材12の中央構造30の上に配置されるか、またはベース部材12の中央構造30と整列するように配置される。いくつかの実施形態では、ロック要素14の側方開口部62は、ベース部材12との組み立て時に、ロック要素14の側方開口部62がベース部材12の側方開口部32の上に配置されるか、またはベース部材12の側方開口部32と整列するように配置される。
【0074】
いくつかの実施形態では、側方開口部32ベース部材12とロック要素14の側方開口部62とは同じ大きさではない。いくつかの実施形態では、ボタンの側方開口部32は、ロック要素14の側方開口部62よりも大きく、側方圧縮面36、70が少なくとも部分的に側方開口部32上に延びることを可能にする。
【0075】
一例として、
図16~
図19は、いくつかの実施形態による、本開示の整形外科用ロックアセンブリ11を使用して骨および/または組織を固定または修復する方法のいくつかのステップを示す。いくつかの実施形態では、シャトル部材82は、
図16~
図17にほんの一例として示すように、テンショナブルな固定部材16をベース部材12およびロック要素14に通すのを助けるために使用され得る。いくつかの実施形態では、シャトル部材82は、自由端部84および捕捉端部86を有し得る。一例として、捕捉端部86は、シャトル部材82がロックアセンブリ11を介してテンショナブルな固定部材16をシャペロンできるように、テンショナブルな固定部材16を捕捉するか、またはそれと係合するように構成されている。一例として、捕捉端部86は、限定はされないが(ほんの一例として)、ループ、接着剤、引き裂き可能結合などを含む、ロックアセンブリ11を通してテンショナブルな固定部材16をシャペロンしながら、テンショナブルな固定部材16との結合を維持するのに適した任意の捕捉機構を有し得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、シャトル部材82は、(i)自由端部84を、ベース部材12の側方開口部32のうちの1つを通して遠位方向に(例えば、底面24から上面26に向かって)前進させること、(ii)自由端部84を、ロック要素14の対応する整列した側方開口部62を通してさらに前進させること、(iii)自由端部84を、クロスバー64の周りで内側方向に(例えば、中央開口部60に向かって)前進させること、(iv)自由端部84を近位側に(例えばシャトル部材82、ひいてはテンショナブルな固定部材16がクロスバー64の周りで「Uターン」するように、ロック要素14の上面58から底面56に向かって)ロック要素14の中央開口部60を通って前進させること、および(v)自由端部84および捕捉端部86がロックアセンブリ11の同じ側、すなわち近位側(例えば、ベース部材12の底面24の「下」)にあるように、自由端部84を最初に前進させたのと同じ側方開口部32を通って近位側に前進させることによってロックアセンブリ11と結合され得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、ロックアセンブリ11は、上述のように、ロックアセンブリ11にあらかじめ通されたシャトル部材82を備えることができる。いくつかの実施形態では、シャトル部材82は別個に設けられ、使用中または使用直前にロックアセンブリ11に通され得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、テンショナブルな固定部材16の一端は、組織、骨、または他の部材に固定され、次いでシャトル部材82によってロックアセンブリ11を通してシャペロンされるように構成される。添付の図に示す例では、テンショナブルな固定部材16は、本開示のロックアセンブリ11およびテンショナブルな固定部材16を使用して組織2(例えば、腱、筋肉、または骨)に取り付けられ、骨4に結合される。再度
図16を参照すると、テンショナブルな固定部材16の一端は腱2に取り付けられ、テンショナブルな固定部材の他端はシャトル部材82の捕捉端部86に結合されている(例えば、ループ状の捕捉端部86に通されている)。このステップは、別のテンショナブルな固定部材16がロックアセンブリ11の第2の組の側方開口部32、62を通過するために繰り返されてもよい。一例として、第2のテンショナブルな固定部材16は、別の組織部分に結合されてもよく(例えば、断裂した組織を修復するため)、または第1のテンショナブルな固定部材16と同じ組織セグメントに結合されてもよい(例えば、組織を骨に固定するため)。好ましくは、テンショナブルな固定部材16は、ロックアセンブリ11と結合する前に、組織、骨、または他の部材と結合される。テンショナブルな固定部材16がシャトル部材82の捕捉端部86に結合されると、自由端部84は、近位方向D
1(または「引っ張る方向」)に引っ張られ得、これにより、シャトル部材82、ひいてはテンショナブルな固定部材16が、上述のように、ロックアセンブリ11を通して引っ張られる。シャトル部材82がロックアセンブリ11を通って完全に引っ張られると、その結果、テンショナブルな固定部材16は、上述したように、シャトル部材82と同様にロックアセンブリ11を通ってシャペロンされ、テンショナブルな固定部材16は、クロスバー64の周りで「Uターン」し、
図17~
図20にほんの一例として示すように、テンショナブルな固定部材16の端部(例えば、緩い端部および組織、骨、または他の部材と結合された端部)の両方が、ロックアセンブリ11の同じ(例えば、近位)側にある。次いで、シャトル部材82は、テンショナブルな固定部材16から切り離され、外科領域から除去され、a)組織、骨、または他の部材に結合され、b)テンショナブルな固定部材16の緩い端部が結合された端部とロックアセンブリ11の同じ側(例えば、近位側)にあるようにロックアセンブリ11に通されたテンショナブルな固定部材16のみを残すことができる。
【0079】
この時点で、テンショナブルな固定部材16の緩い端部を方向D1(近位側)に引っ張ると、ロックアセンブリ11に近い腱を方向D2に、修復のために所望の位置まで引っ張ることによって、修復箇所にテンションがかかる。ほんの一例として、テンショナブルな固定部材16のテンションは、外科医の好みに合わせて調整することができる。一例として、ロックアセンブリ11は、自動ロックアセンブリであり、ロックは、ベース部材12の側面36とロック要素14の内側表面70との間のロックインターフェースにおいて生じ、「ピンチポイント」が形成され、テンショナブルな固定部材16がベース部材12の側面36とロック要素14の内側表面70との間に捕捉され、しっかりと保持される。一例として、D1方向に引っ張るとテンションが生じ、さらに同じ方向に引っ張ることでテンションを変化させたり増加させたりすることができる。ロックアセンブリ11がロック状態になると、テンショナブルな固定部材16、ロックアセンブリ11、および組織2は、圧縮、摩擦、およびテンションの組み合わせによってロック状態を維持する。追加のねじや結び目を必要することなく、これで修復は完了する。
【0080】
腱が修復部位から離れようとすると(例えば、方向D1に)、テンションはテンショナブルな固定部材16を通過し、ベース部材12とロック要素14とを互いの方に引っ張ることによって、アセンブリ11をさらにロックする。これは、テンショナブルな固定部材16が、ベース部材12の側面36とロック要素14の内側表面70との間のロックインターフェース(例えば、「ピンチポイント」)で捕捉され、しっかりと保持され、テンショナブルな固定部材16は、クロスバー64(いくつかの実施形態では、支点として作用し得る)の周りでループまたは「Uターン」し、したがって、組織2がロックアセンブリ11から近位方向D1に引き離されることによって及ぼされる近位方向の力によって、テンショナブルな固定部材16は、クロスバー64、したがってロック要素14に近位方向の力を及ぼし、これにより、ロックインターフェースにおいてテンショナブルな固定部材16に対する圧縮が増大するからである。これにより、テンショナブルな固定部材16がしっかりと挟み込まれ、腱2(例えば)が修復状態から離れるのを防ぐ。
【0081】
いくつかの実施形態では、ベース部材12および/またはロック要素14は、金属、ポリマー、繊維、または固定ポストを作るために使用されるか、または使用することができる任意の他の材料から作ることができる。いくつかの実施形態では、シャトル部材82および/またはテンショナブルな固定部材16は、ポリマー、ポリエステル、UHMWPE、ニチノール、テープ、または修復のために組織を固定するために使用され得るか、もしくは一般的に使用される任意の他の材料で作られ得る。
【0082】
ほんの一例として、本明細書で言及される組織は、固定または安定化を必要とする任意の軟部組織、腱、筋肉、移植片、骨または装具材料であり得る。繊維を使用して腱を修復するために使用される技術は、マットレス、クラコウ、あるいは外科医が好む任意の他の技術とすることができる。
【0083】
図20~
図27は、本開示の一実施形態によるノットレス整形外科用安定化システム10の別の例を示す。ほんの一例として、本例のノットレス整形外科用安定化システム10は、ベース部材112およびロック要素114を備えるロックアセンブリ110と、テンショナブルな固定部材16(例えば、外科用縫合糸、テープ、繊維など)とを含む。ベース部材112は、ロックアセンブリ110の組み立て時にその中にロック要素114を受け入れるようにサイズ設定され、構成された中央凹部128を含む。本明細書でさらに詳細に説明されるように、ベース部材112およびロック要素114は、テンション下でテンショナブルな固定部材16を捕捉し保持するためのロックインターフェースを形成する相補的な表面を有し、それによってアセンブリを所定の位置にロックする。
【0084】
いくつかの実施形態では、整形外科用ロックアセンブリ110は、組織、骨、または他の部材に取り付けられるテンショナブルな固定部材16(例えば、外科用縫合糸、テープ、繊維など)と結合して、外科的処置中にテンション下でテンショナブルな固定部材16をロックすることができる。例えば、上腕二頭筋の修復において、テンショナブルな固定部材16の一端(例えば、「取付け端部」)は、最初に、断裂した筋肉または他の組織に取り付けられるか、またはそうでなければそれらに関連付けられ、その後、ロックアセンブリ110と結合され(例えば、本明細書に記載されるように、ロックアセンブリ110にテンショナブルな固定部材16の自由端部を通すか、またはシャペリングすることによって)、次いで、ロックアセンブリは、骨を通して形成された外科用通路を通って前進し得る。ロックアセンブリ110が骨の反対側に固定されると、外科医は、テンショナブルな固定部材16の自由端部を取り付けられた組織の方向に引っ張ることによって、テンショナブルな固定部材16に所望の量のテンションを加え、組織を所望の位置に位置決めして固定することができる。一例として、ロックアセンブリ110は、テンショナブルな固定部材16のテンションを固定するための二次固定(例えば、結び目、固定金具など)を必要としない自動ロックアセンブリである。一般に、テンショナブルな固定部材16は、ロックアセンブリ110の一方の側(例えば、底部または近位側)からアセンブリ110に入り(また、以下に記載される開放端部によって)、ロック要素114のクロスバーまたは支点要素の周りをループまたは「Uターン」し、ロックアセンブリ110のロックインターフェース(後述)を通過し、入口と同じ側(例えば、底部または近位側)でロックアセンブリ110から出ることによって、ロックアセンブリ110に通されるか、またはシャペロンされる。テンショナブルな固定部材16のループまたは「Uターン」は、既存のボタンアセンブリと比較して、限定はされないが、以下を含むいくつかの利点を提供する。(i)ベース部材112とロック要素114を整列させ、テンション要素16のテンションを維持する圧縮状態に維持し、(ii)取り付けられた組織がアセンブリから引き離されるのに応答して、構成体のテンションを増加させ、(iii)ロックインターフェースの圧縮を維持する。
【0085】
ほんの一例として、
図23~
図24は、いくつかの実施形態による、本明細書に記載のロックアセンブリ110の一部を形成するベース部材112の一例を示す。いくつかの実施形態では、ベース部材112は、第1の端部118、第2の端部120、一対の長辺122、およびそれを通って延びる縦軸L
1を有する概ね長方形の形状を有し得る。一例として、いくつかの実施形態では、ベース部材112は、組織、骨、または他の部材とインターフェースするように構成された第1の面または底面124と、底面124とは反対側の第2の面または上面126とを有し得る。いくつかの実施形態では、上面126は、組み立て時にロック要素114が凹部128内にぴったり収まるように、ロック要素114のサイズおよび形状と相補的なサイズおよび形状を有する中央凹部128を含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、ベース部材112は、中央凹部128内に形成され、第1の端部118に近接して位置する第1の開口部130と、少なくとも部分的に中央凹部128内に形成され、縦軸Lに沿って第2の側部120まで延びる第2の開口部132とをさらに含み得る。注目すべきことに、この例示的な実施形態において、第2の開口部132は、第2の端部120に対して開いており、これは、ロックアセンブリ110とテンショナブルな固定部材16との、より迅速かつより効率的な結合を可能にし得る。一例として、第1の開口部130は、使用中のテンソン部材16の摩耗を低減するために、中央凹部128との交差部において、滑らかな、角度の付いた、テーパ状の、および/または丸みを帯びた縁面134を備える。いくつかの実施形態では、縁面134の内側部分136は、ロック要素114の縁面168の外側部分170と協働して(例えば、「ロックインターフェース」として)作用するように構成された圧縮面を備え、使用中のロックアセンブリ110のテンショニング時に、テンショナブルな固定部材16をその間に捕捉または挟み込む(例えば、「ピンチポイント」を形成する)ようになっている。
【0087】
いくつかの実施形態では、ベース部材112は概ね長方形の形状を有し得る。いくつかの実施形態では、ベース部材112は、限定はされないが、長方形、円形、長円形、卵形、楕円形、または多角形を含む、任意の適切な形状を有し得る。いくつかの実施形態では、ベース部材112は、骨、組織、および/または他の解剖学的構造に形成された外科用通路(例えば、近位開口部および遠位開口部を有する)を通って挿入され、その後、ピボット、回転、または他の方法で操作され、通路を通って引き戻されることなく外科用通路の遠位開口部を横切って延びるようにサイズ設定され、構成され得る。いくつかの実施形態では、ベース部材112は、ベース部材112の輪郭を最小にし、埋め込み中および埋め込み後の周囲組織に対する外傷を潜在的に低減するために、丸みを帯びたおよび/または滑らかな外周面138をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の端部118は、ベース部材112が骨、組織、他の解剖学的構造に形成された通路を通って前進するときの先端部を備える。いくつかの実施形態では、第1の端部または先端部118は、第1の端部または先端部118の輪郭を最小にし、埋め込み中および埋め込み後の周囲組織に対する外傷を潜在的に低減するように構成された、滑らかで、丸みを帯びた、またはテーパ状の先端面140を有する。図示されていないが、いくつかの実施形態では、第1の端部または先端部118は、埋め込み中の損傷から外科用通路とテンショナブルな固定部材16の両方を保護するために外科用通路に露出するテンショナブルな固定部材16の輪郭を減少させるために、外科用通路を通ってベース部材112を前進させる間に、そこにテンショナブルな固定部材16の少なくとも一部を受け入れるようにサイズ設定され、構成された1つ以上の長手方向凹部をさらに含む。
【0088】
ほんの一例として、
図25~
図26は、いくつかの実施形態による、本明細書に記載の整形外科用ロックアセンブリ110の一部を形成するロック部材114の一例を示す。一例として、ロック要素114は、組み立て時にロック要素114が中央凹部128内にぴったりと収まるように、ベース部材112の中央凹部128のサイズおよび形状と相補的なサイズおよび形状を有する。いくつかの実施形態では、ロック要素114は、第1の端部150、第2の端部152、一対の長辺154、底面156、上面158、およびそれを通って延びる縦軸Lを有する概ね長方形の形状(例えば、丸みを帯びた端部を有する)を有することができる。いくつかの実施形態では、底面156は、ベース部材112の中央凹部128とインターフェースするように構成される。いくつかの実施形態では、ロック要素114は、第1の端部150に近接して配置され、底面と上面156、158との間でロック要素114を通って延びる第1の開口部160と、第2の端部152に近接して配置され、第2の端部152に延びる第2の開口部162とをさらに含み、第2の端部152は、ベース部材112の開いた第2の端部120と相補的な開放端部を備える。第1および第2の開口部160、162は、テンショナブルな固定部材16の支点として機能し得るブリッジまたはクロスバー164または同様の構造によって分離されている。いくつかの実施形態では、クロスバー164は、使用中にクロスバーによってテンショナブルな固定部材16に加えられる摩擦または他の力を最小にするために、1つ以上の丸みを帯びた、曲線状の、角度の付いた、および/または滑らかな上面166を有し得る。
【0089】
一例として、第1の開口部160は、使用中のテンソン部材16の摩耗を低減するために、中央凹部底面156との交差部において、滑らかな、角度の付いた、テーパ状の、および/または丸みを帯びた縁面168を備える。いくつかの実施形態では、縁面168の外側部分170(例えば、第1の端部150に近接する縁面168の部分)は、ベース部材112の縁面134の内側部分136と協働して(例えば、「ロックインターフェース」として)作用するように構成された圧縮面を備え、使用中のロックアセンブリ110のテンショニング時に、テンショナブルな固定部材16をその間に捕捉または挟み込む(例えば、「ピンチポイント」を形成する)ようになっている。
【0090】
いくつかの実施形態では、ロック要素114は、ロック要素114の輪郭を最小にし、埋め込み中および埋め込み後の周囲組織に対する外傷を潜在的に低減するために、丸みを帯びたおよび/または滑らかな外周面172をさらに含むことができる。
【0091】
本明細書で説明するように、ノットレス安定化システム10は自動ロックシステムであり、テンショナブルな固定部材16に加えられるテンションによって、ベース部材112内でのロック要素114の整列が確実になると同時に、テンショナブルな固定部材16とロックインターフェース(すなわち、上述のベース部材112の丸みを帯びた縁面134の内側部分136およびロック要素114の縁面168の外側部分170)との相互作用によりアセンブリが一緒にロックされる。いくつかの実施形態では、ロックアセンブリ110は、ロック要素114とベース部材112との間に追加の安全な相互作用を提供するために、例えば、必要に応じて、テンショナブルな固定部材16のリテンショニング中にロック要素114がベース部材112と係合したままであることを確実にするために、二次ロック要素(例えば、ロックアセンブリ11に関連して上述した二次ロック要素と同様の)を備えることができる。ほんの一例として、二次ロック要素は、限定はされないが、プレスフィット係合、スナップフィット係合、摩擦フィット係合などを含む、ベース部材112とロック要素114との間の確実な相互作用を提供する任意の物理的機構を含むことができる。
【0092】
ほんの一例として、ロック要素114は、底面156との交差部近傍に長辺154に沿って配置され、ベース部材112の上面126から少なくとも部分的に中央凹部128上に延びる対応する細長いフランジまたは突出部146と係合して、二次ロック要素を形成し、ベース部材112内でのロック要素114の保持を確実にするように構成された1つ以上の細長いフランジ178をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、細長いフランジ178は、ロック要素114とベース部材112との係合時に、中央凹部128内でのロック要素114の適切な整列を可能にし、細長いフランジ178が突出部146を越えて中央凹部128内に通過するのを容易にするために、突出部146の対応する内側に面する角度付きの、テーパ状の、または曲線状の表面148とインターフェースするように構成された内側に面する角度付きの、テーパ状の、または曲線状の表面180をさらに含み得る。一例として、ロック要素114の細長いフランジ178が中央凹部128の突出部146を通過すると、突出部146は、ユーザによって(例えば、取り外しツールを使用して)追加の力が加えられない限り、ロック要素114が中央凹部128から係合解除されるのを防止する物理的障壁を提供する。
【0093】
一例として、
図27は、いくつかの実施形態によるロックアセンブリ110に関連付けられたテンショナブルな固定部材16を示す。図示されていないが、いくつかの実施形態では、テンショナブルな固定部材16は、ロックアセンブリ11について上述したのと同様の方法で、シャトル部材82を使用してロックアセンブリ110を通してシャペロンされ得る。
【0094】
いくつかの実施形態では、テンショナブルな固定部材16は、(i)テンショナブルな固定部材16の自由端部を(例えば、任意選択で、上記のようなシャトル部材82を使用して)ベース部材112の第2の開口部132を通して遠位方向に(例えば、底面124から上面126に向かって)前進させる、または代替的に、テンショナブルな固定部材16を開放端部120を介して第2の開口部132に横方向にスライドさせて、取り付けられた組織がベース部材112の近位側または底部側にあり、テンショナブルな固定部材16の自由端部が第2の開口部132(およびロック要素114の第2の開口部162)を通って遠位側に延びるようにすること、(ii)クロスバー164の周りでテンショナブルな固定部材16を内側に前進させること、(iii)テンショナブルな固定部材16を、ロック要素114の第1の開口160を通って近位側に(例えば、テンショナブルな固定部材16がクロスバー164の周りで「Uターン」するように、ロック要素114の上面158から下面156に向かって)前進させること、および(iv)テンショナブルな固定部材がロックインターフェース(例えば、ベース部材112の縁面134の内側部分136と、ロック要素114の第1の開口部160の端面168の外側部分170との間)を通過し、テンショナブルな固定部材16の自由端部および取付け端部が、ロックアセンブリ110の同じ側、すなわち近位側(例えば、ベース部材112の底面124の「下」)にあるように、テンショナブルな固定部材16を、ベース部材112の第1の開口130を通って近位側に前進させることによって、ロックアセンブリ110と結合され得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、ロックアセンブリ11は、ロックアセンブリ11に関連して上述したように、ロックアセンブリ110にあらかじめ通されたシャトル部材(例えば、上述したシャトル部材82)を備えることができる。いくつかの実施形態では、シャトル部材82は別個に設けられ、使用中または使用直前にロックアセンブリ110に通され得る。
【0096】
引き続き
図27を参照すると、いくつかの実施形態では、テンショナブルな固定部材16の一端は、組織、骨、または他の部材に固定され、次いでシャトル部材(図示せず)によってロックアセンブリ110を通してシャペロンされるように構成される。
図27に示す例では、テンショナブルな固定部材16は、本開示のロックアセンブリ110およびテンショナブルな固定部材16を使用して軟部組織2(例えば、筋肉、腱など)に取り付けられ、骨4に結合される。例えば、この方法は、上腕二頭筋腱などの軟部組織の修復を示す。いくつかの実施形態では、断裂した上腕二頭筋腱は、1つ以上のテンショナブルな固定部材16を使用して修復される。外科医は、好みに基づいて縫合技術を使用し得る。いくつかの実施形態では、組織修復を達成するために、複数のテンショナブルな固定部材16がロックアセンブリ110(および/または本明細書に記載の任意のボタンアセンブリ)とともに使用され得る。修復される組織(例えば、上腕二頭筋腱)に取り付けられた1つ以上のテンショナブルな固定部材16は、ロックアセンブリ110に接続される。ロックアセンブリ110は、上腕二頭筋腱の固定、上腕二頭筋修復のテンショニングを可能にし、修復が完了すると自動ロックしてテンションを維持する。
【0097】
ほんの一例として、外科用通路またはトンネルが橈骨結節を通して穿孔される。次に、本明細書に記載されるように、テンショナブルな固定部材16の一端または「取付け端部」が組織2に取り付けられ、テンショナブルな固定部材の他端または「自由端部」が、ロックアセンブリ110を通ってシャトルされる。いくつかの実施形態では、追加のテンショナブルな固定部材16は、別の組織部分に結合されてもよく(例えば、断裂した組織を修復するため)、または第1のテンショナブルな固定部材16と同じ組織セグメントに結合されてもよい(例えば、組織を骨に固定するため)。好ましくは、テンショナブルな固定部材16は、ロックアセンブリ110と結合する前に、組織、骨、または他の部材と結合される。
【0098】
次いで、関連する縫合糸16を有するロックアセンブリ110を、縦軸Lがトンネルの縦軸に概ね平行である配向でトンネルに通し(例えば、後述する
図78~
図80の挿入装置710を使用して)、次いで、ロックアセンブリ110の縦軸Lがトンネルに対して概ね垂直になるように回転し、ロックアセンブリ110が骨4の遠方皮質(例えば橈骨)に着座する。この配向では、ベース部材112の底面124は、テンショナブルな固定部材16の緩い端部および修復される組織である骨4(例えば、橈骨の遠方皮質)上に載置される。
【0099】
限定はされないが、(例えば)トンネル内でのドッキングを含む、腱をロックアセンブリ11に近い方向D2に、修復のための所望の位置まで引っ張ることによって(例えば、それによって腱とベース部材112との間の距離を減少させる)、第1の開口部130を通って近位側に出て、ベース部材112の底面124から離れて延びるテンショナブルな固定部材16は、修復にテンションを生じさせるために、方向D1に引っ張られ得る。ほんの一例として、テンショナブルな固定部材16のテンションは、外科医の好みに合わせて調整することができる。(例えば)上腕二頭筋腱2に所望のテンションが達成されたら、ロックは完了である。ロックは、上述のように、ベース部材112とロック要素114との間のロックインターフェースにおけるテンショナブルな固定部材16の捕捉によって引き起こされる。これにより、外科医が許容される方向D1へのテンショニングを行っているときに、テンショナブルな固定部材16がスライドすることが可能であるが、修復の場合、緩む原因となる反対方向への縫合糸のスライドを防止する。一例として、D1方向に引っ張るとテンションが生じ、さらに同じ方向に引っ張ることでテンションを変化させたり増加させたりすることができる。ロックアセンブリ110がロック状態になると、テンショナブルな固定部材16、ロックアセンブリ110、および組織2は、圧縮、摩擦、およびテンションの組み合わせによってロック状態を維持する。追加のねじや結び目を必要することなく、これで修復は完了する。
【0100】
腱2(または組織、骨、または他の部材)が修復部位から離れようとすると(例えば、方向D1に)、テンションはテンショナブルな固定部材16を通過し、ベース部材112とロック要素114とを互いの方に引っ張ることによって、アセンブリ110をさらにロックする。これは、テンショナブルな固定部材16が、ベース部材112とロック要素114との間のロックインターフェース(例えば、ピンチポイント」)で捕捉され、しっかりと保持され、テンショナブルな固定部材16は、クロスバー164(いくつかの実施形態では、支点として作用し得る)の周りでループし、したがって、組織2がロックアセンブリ110から近位方向D1に引き離されることによって及ぼされる近位方向の力によって、テンショナブルな固定部材16は、クロスバー164、したがってロック要素114に近位方向の力を及ぼし、これにより、ロックインターフェースにおいてテンショナブルな固定部材16に対する圧縮が増大するからである。これにより、テンショナブルな固定部材16がしっかりと挟み込まれ、腱2(例えば)が修復状態から離れることが防止される。
【0101】
図28~
図31は、本開示の一実施形態によるノットレス整形外科用安定化システム10の一部を形成するロックアセンブリ210の別の例を示す。ほんの一例として、ロックアセンブリ210は、ベース部材212と、テンショナブルな固定部材16(例えば、外科用縫合糸、テープ、繊維など)と係合するように構成されたロック要素214とを備える。ベース部材212は、ロックアセンブリ210の組み立て時にその中にロック要素214を受け入れるようにサイズ設定され、構成された中央凹部228を含む。本明細書でさらに詳細に説明されるように、上述の実施形態と同様に、ベース部材212およびロック要素214は、テンション下でテンショナブルな固定部材16を捕捉し保持するためのロックインターフェースを形成する相補的な表面を有し、それによってアセンブリを所定の位置にロックする。
【0102】
いくつかの実施形態では、整形外科用ロックアセンブリ210は、他の実施形態に関して上述したように、組織、骨、または他の部材に取り付けられるテンショナブルな固定部材16(例えば、外科用縫合糸、テープ、繊維など)と結合して、外科的処置中にテンション下でテンショナブルな固定部材16をロックすることができる。例えば、上腕二頭筋の修復において、テンショナブルな固定部材16の一端(例えば、「取付け端部」)は、最初に、断裂した筋肉または他の組織に取り付けられるか、またはそうでなければそれらに関連付けられ、その後、ロックアセンブリ210と結合され(例えば、本明細書に記載されるように、ロックアセンブリ210にテンショナブルな固定部材16の自由端部を通すか、またはシャペリングすることによって)、次いで、ロックアセンブリは、骨を通して形成された外科用通路を通って前進し得る。ロックアセンブリ210が骨の反対側に固定されると、外科医は、テンショナブルな固定部材16の自由端部を取り付けられた組織の方向に引っ張ることによって、テンショナブルな固定部材16に所望の量のテンションを加え、組織を所望の位置に位置決めして固定することができる。一例として、ロックアセンブリ210は、テンショナブルな固定部材16のテンションを確保するための二次固定(例えば、結び目、固定金具など)を必要としない自動ロックアセンブリである。一般に、テンショナブルな固定部材16は、ロックアセンブリ210の一方の側(例えば、底部または近位側)からロックアセンブリ210に入り(また、以下に記載される開放端部によって)、ロック要素214のクロスバーまたは支点要素の周りをループまたは「Uターン」し、ロックアセンブリ210のロックインターフェース(後述)を通過し、入口と同じ側(例えば、底部または近位側)でロックアセンブリ210から出ることによって、ロックアセンブリ210に通されるか、またはシャペロンされる。テンショナブルな固定部材16のループまたは「Uターン」は、既存のボタンアセンブリと比較して、限定はされないが、以下を含むいくつかの利点を提供する。(i)ベース部材212とロック要素214を整列させ、テンション要素16のテンションを維持する圧縮状態に維持し、(ii)取り付けられた組織がアセンブリから引き離されるのに応答して、構成体のテンションを増加させ、(iii)ロックインターフェースの圧縮を維持する。
【0103】
ほんの一例として、ベース部材212は、上述したベース部材12および112と同様であり、具体的に記載されていなくても、任意の他のベース部材の実施形態に関連して本明細書に記載した任意の特徴を含み得る。いくつかの実施形態では、ベース部材212は、第1の端部218、第2の端部220、一対の長辺222、およびそれを通って延びる縦軸を有する概ね長方形の形状を有することができる。一例として、いくつかの実施形態では、ベース部材212は、組織、骨、または他の部材とインターフェースするように構成された第1の面または底面224と、底面224とは反対側の第2の面または上面226とを有し得る。いくつかの実施形態では、上面226は、組み立て時にロック要素214が凹部228内にぴったり収まるように、ロック要素214のサイズおよび形状と相補的なサイズおよび形状を有する中央凹部228を含む。
【0104】
いくつかの実施形態では、ベース部材212は、中央凹部228内に形成された一対の側方開口部230であって、一方の側方開口部230が第1の端部218に近接して位置し、他方の側方開口部230が第2の端部220に近接して位置する、一対の側方開口部230と、側方開口部230の間に位置する一対の内側開口部232とを含み得る。注目すべきことに、この例示的な実施形態において、側方開口部230の各々は、ベース部材212の長辺222のうちの1つまで延びており、これは、ロックアセンブリ210とテンショナブルな固定部材16との、より迅速かつより効率的な結合を可能にし得る。側方開口部230は、同じ長辺222または反対側の長辺222に延び得る。一例として、内側開口部232は、中央凹部228から底面224までベース部材212を通って延びている。いくつかの実施形態では、内側開口部232は各々、使用中のテンソン部材16の摩耗を低減するために、中央凹部228との交差部において、滑らかな、角度の付いた、テーパ状の、および/または丸みを帯びた縁面234を有する。いくつかの実施形態では、縁面234は、ロック要素214の縁面268と協働して(例えば、「ロックインターフェース」として)作用するように構成された圧縮面を備え、使用中のロックアセンブリ210のテンショニング時に、テンショナブルな固定部材16をその間に捕捉または挟み込む(例えば、「ピンチポイント」を形成する)ようになっている。
【0105】
一例として、ロック要素214は、組み立て時にロック要素214が中央凹部228内にぴったりと収まるように、ベース部材212の中央凹部228のサイズおよび形状と相補的なサイズおよび形状を有する。いくつかの実施形態では、ロック要素214は、第1の端部250、第2の端部252、一対の長辺254、底面256、上面258、およびそれを通って延びる縦軸を有する概ね長方形の形状を有することができる。いくつかの実施形態では、底面256は、ベース部材212の中央凹部228とインターフェースするように構成される。いくつかの実施形態では、ロック要素214は、底面と上面256、258との間でロック要素214を通って延びる中央開口部260と、それぞれ第1および第2の端部250、252に近接して配置され、底面および上面256、258の間でロック要素214を通って延び、ロック要素214の長辺254の一方まで延びる一対の側方開口部262とをさらに含む。側方開口部262は、同じ長辺254または反対側の長辺254に延び得るが、いずれの場合も、側方開口部262は、ベース部材212の側方開口部230と相補的である。中央開口部260と側方開口部262とは、テンショナブルな固定部材16の支点として機能し得るブリッジまたはクロスバー264または同様の構造によって分離されている。いくつかの実施形態では、クロスバー264は、使用中にクロスバーによってテンショナブルな固定部材16に加えられる摩擦または他の力を最小にするために、1つ以上の丸みを帯びた、曲線状の、角度の付いた、および/または滑らかな上面266を有し得る。
【0106】
一例として、中央開口部260は、使用中のテンソン部材16の摩耗を低減するために、底面256との交差部において、滑らかな、角度の付いた、テーパ状の、および/または丸みを帯びた端面268を備える。いくつかの実施形態では、縁面268は、ベース部材212の縁面234と協働して(例えば、「ロックインターフェース」として)作用するように構成された圧縮面を備え、使用中のロックアセンブリ210のテンショニング時に、テンショナブルな固定部材16をその間に捕捉または挟み込む(例えば、「ピンチポイント」を形成する)ようになっている。
【0107】
本明細書で説明するように、ノットレス安定化システム10は自動ロックシステムであり、テンショナブルな固定部材16に加えられるテンションによって、ベース部材212内でのロック要素214の整列が確実になると同時に、テンショナブルな固定部材16とロックインターフェースとの相互作用によりアセンブリが一緒にロックされる。
【0108】
一例として、
図31は、いくつかの実施形態によるロックアセンブリ210に関連付けられたテンショナブルな固定部材16を示す。図示されていないが、いくつかの実施形態では、テンショナブルな固定部材16は、ロックアセンブリ11について上述したのと同様の方法で、シャトル部材82を使用してロックアセンブリ210を通してシャペロンされ得る。
【0109】
いくつかの実施形態では、テンショナブルな固定部材16は、(i)テンショナブルな固定部材16の自由端部を(例えば、任意選択で、上記のようなシャトル部材82を使用して)ベース部材212の側方開口部232を通して遠位方向に(例えば、底面224から上面226に向かって)前進させる、または代替的に、テンショナブルな固定部材16を開放側を介して側方開口部232に横方向にスライドさせて、取り付けられた組織がベース部材212の近位側または底部側にあり、テンショナブルな固定部材16の自由端部が側方開口部232(およびロック要素214の側方開口部262)を通って遠位側に延びるようにすること、(ii)クロスバー264の周りでテンショナブルな固定部材16を内側に前進させること、(iii)テンショナブルな固定部材16を、ロック要素214の中央開口260を通って近位側に(例えば、テンショナブルな固定部材16がクロスバー264の周りで「Uターン」するように、ロック要素214の上面258から下面256に向かって)前進させること、および(iv)テンショナブルな固定部材がロックインターフェース(例えば、ベース部材212の縁面234と、ロック要素214の中央開口部260の縁面268との間)を通過し、テンショナブルな固定部材16の自由端部および取付け端部が、ロックアセンブリ210の同じ側、すなわち近位側(例えば、ベース部材212の底面224の「下」)にあるように、テンショナブルな固定部材16を、ベース部材212の内側開口部232を通って近位側に前進させることによって、ロックアセンブリ210と結合され得る。
【0110】
一例として、ロックアセンブリ210は、他のロックアセンブリの実施形態に関連して本明細書に記載されるのと同じまたは類似の組織修復方法に使用され得る。
【0111】
図32~
図33は、本開示の一実施形態によるノットレス整形外科用安定化システム10の一部を形成するロックアセンブリ310の別の例を示す。ほんの一例として、ロックアセンブリ310は、上述したロックアセンブリ11、110、および210と同様の構造および機能であり、たとえ具体的に記述されていなくても、任意の他のロックアセンブリに関連して本明細書に記載される任意の機能を含み得る。ほんの一例として、ロックアセンブリ310は、ベース部材312とロック要素314と、テンショナブルな固定部材16(例えば、外科用縫合糸、テープ、繊維など)を備える。ベース部材312は、整形外科用ボタンアセンブリ310の組み立て時にその中にロック要素314を受け入れるようにサイズ設定され、構成された中央凹部328を含む。上述の実施形態と同様に、ベース部材312およびロック要素314は、テンション下でテンショナブルな固定部材16を捕捉し保持するためのロックインターフェースを形成する相補的な表面を有し、それによってアセンブリを所定の位置にロックする。ほんの一例として、ベース部材312は、中央凹部328を通って延びる4つの貫通孔318を有する。ロック要素314には、外側のボタンと整列する2つの貫通孔320がある。前述の実施形態と同様に、テンショナブルな固定部材16をボタンアセンブリに結合するために、テンショナブルな固定部材16の一端を軟部組織2に取り付け、テンショナブルな固定部材16の他端を、それぞれロック要素314およびベース部材312に設けられた貫通孔320、318に通す。次いで、テンショナブルな固定部材16は、ベース部材312のそれぞれの端部に向かって「Uターン」を行い、ベース部材312の残りの貫通孔318(横方向貫通孔または外側貫通孔)を通過し、ベース部材312とロック要素314との間のロックインターフェースを通過し、ロックインターフェースは、ロック要素314の側方端部322と中央凹部328の側方端部324とを備える。テンショナブルな固定部材16を軟部組織の方向に引っ張ることは、修復箇所のテンショニングを引き起こす。テンションを緩めると、装置はロックされた状態になる。この構成は、骨内で使用することも、皮質の遠位側で使用して修復を達成することもできる。ほんの一例として、本実施形態のロックアセンブリ310は、
図33に示すように、ロック要素314が骨または任意の安定部材(例えば、プレートなど)と接触している状態で、または代替的に、例えば、前述の実施形態で示し説明したように、ベース部材312が骨または任意の他の安定部材と接触している状態で、実行することができる。
【0112】
図34~
図37は、本開示の一実施形態によるロックアセンブリ410の別の例を示す。ほんの一例として、ロック要素414は、ベース部材412の中央凹部428内に位置する。ベース部材412は1つの開口部418を有し、ロック要素414はブリッジ422によって分離された2つの開口部420を有する。
図37にほんの一例として示すように、軟部組織に取り付けられるか、または軟部組織修復に使用されるテンショナブルな固定部材16は、ベース部材412の単一の開口部418とロック要素414の2つの開口部420との間を通過することによって、単一または複数のループを形成することができる。テンショナブルな固定部材16の自由端部は、ベース部材412の単一の開口418を通り、ベース部材412とロック要素414との間を通り、ロック要素414の側方端部424と中央凹部428の側方端部426とを備えるロックインターフェースを通ることによって、最終的に、ロックアセンブリ410から出る。テンショナブルな固定部材16の自由端部を引っ張ると、修復箇所にテンションがかかる。テンションが解放されると、ベース部材412とロック要素414との間のロックによって修復が維持される。ロックインターフェースの形状は様々である。いくつかの実施形態では、ロックアセンブリ410は、追加のテンショナブルな固定部材16がロックインターフェースを通って出るために、ベース部材412の2つの追加の穴とともに使用され得る。
【0113】
図38~
図49は、いくつかの実施形態による、ノットレス整形外科用固定システム10の一部としてテンショナブルな固定部材16(例えば、外科用縫合糸、テープ、繊維など)とともに使用するための、ベース部材912およびロック要素914を備えるロックアセンブリ910の一例を示す。ほんの一例として、ベース部材912は、ロックアセンブリ910の組み立て時にその中にロック要素914を受け入れるようにサイズ設定され、構成された中央凹部928を含む。本明細書でさらに詳細に説明されるように、ベース部材912およびロック要素914は、テンション下でテンショナブルな固定部材16を捕捉し保持するためのロックインターフェースを形成する相補的な表面を有し、それによってアセンブリを所定の位置にロックする。注目すべきことに、ロックアセンブリ910は、ロックアセンブリ910がロック防止機能およびロック解除ツール係合機能を含むという点で、本明細書に開示された他のロックアセンブリの実施形態とは異なる。ほんの一例として、本明細書に記載の揺れ防止機能は、ロックアセンブリ910がロック状態にあるとき、ベース部材912の側方開口部932内に延びるロック要素914上の近位延長部982を備える。ほんの一例として、本明細書に記載のロック解除ツール係合機能は、ベース部材912上の一対の端部開口部940と、ロック要素914上の横方向切欠き944および係合面945とを含み、これらは、テンショナブルな固定部材がベース部材912に対して再度移動可能であるように、ロック要素914をベース部材912から遠位方向に強制的に離すことによってロックアセンブリを物理的にロック解除するように、ロック解除ツールが操作され得るように、ロック解除ツールと係合するように構成される。
【0114】
ほんの一例として、
図38~
図42は、いくつかの実施形態による、本明細書に記載のノットレス整形外科用安定化システム10の一部を形成するロックアセンブリ910の一例を示す。いくつかの実施形態では、ロックアセンブリ910は、組織、骨、または他の部材に取り付けられるテンショナブルな固定部材16(例えば、外科用縫合糸、テープ、繊維など)と結合して、外科的処置中にテンション下でテンショナブルな固定部材16をロックすることができる。例えば、上腕二頭筋の修復において、テンショナブルな固定部材16の一端(例えば、「取付け端部」)は、最初に、断裂した筋肉または他の組織に取り付けられるか、またはそうでなければそれらに関連付けられ、その後、ロックアセンブリ910と結合され(例えば、本明細書に記載されるように、ロックアセンブリ910にテンショナブルな固定部材16の自由端部を通すか、またはシャペリングすることによって)、次いで、ロックアセンブリは、骨を通して形成された外科用通路を通って前進し得る。ロックアセンブリ910が骨の反対側に固定されると、外科医は、例えば、取り付けられた組織とロックアセンブリ910との間の距離を減少させることによって、組織を所望の位置に配置し、固定するために、取り付けられた組織の方向にテンショナブルな固定部材16に所望の量のテンションを加えることができる。一例として、ロックアセンブリ910は、テンショナブルな固定部材16のテンションを固定するための二次固定(例えば、結び目、固定金具など)を必要としない自動ロックアセンブリである。一般に、テンショナブルな固定部材16は、ロックアセンブリ910の一方の側(例えば、底部または近位側)からロックアセンブリ910に入り、ロック要素914のクロスバーまたは支点要素の周りをループまたは「Uターン」し、ロックアセンブリ910のロックインターフェース(後述)を通過し、入口と同じ側(例えば、底部または近位側)でロックアセンブリ910から出ることによって、ロックアセンブリ910に通されるか、またはシャペロンされる。テンショナブルな固定部材16のループまたは「Uターン」は、既存のボタン-縫合糸アセンブリと比較して、限定はされないが、以下を含むいくつかの利点を提供する。(i)ベース部材912とロック要素914を整列させ、テンション要素16のテンションを維持する圧縮状態に維持し、(ii)取り付けられた組織がアセンブリから引き離されるのに応答して、構成体のテンションを増加させ、(iii)ロックインターフェースの圧縮を維持する。
【0115】
ほんの一例として、
図43~
図44は、いくつかの実施形態による、本明細書に記載のロックアセンブリ910の一部を形成するベース部材912の一例を示す。いくつかの実施形態では、ベース部材912は、第1の端部918、第2の端部920、一対の長辺922、およびそれを貫通して延びる縦軸Lを有する概ね長方形の形状を有することができる。一例として、いくつかの実施形態では、ベース部材912は、組織、骨、または他の部材とインターフェースするように構成された第1の面または底面924と、底面924とは反対側の第2の面または上面926とを有し得る。いくつかの実施形態では、上面926は、組み立て時にロック要素914が凹部928内にぴったり収まるように、ロック要素914のサイズおよび形状と相補的なサイズおよび形状を有する中央凹部928を含む。
【0116】
いくつかの実施形態では、ベース部材912は、中央構造930と、中央凹部928内に配置された一対の側方開口部932とをさらに含み得、1つの側方開口部932は中央構造930の各側に配置される。中央構造930は、近位対向面934と、近位対向面934の両側に配置され、各々がそれぞれの側方開口部932の方向に面している一対の滑らかなおよび/または丸みを帯びた側面936とを含む。いくつかの実施形態では、側面936は、例えば、側方開口部932との交差部またはその近傍において、近位対向面934との交差部における第1の高さから中央凹部928内の第2の高さまで、角度を付けられるか、またはテーパ状にされ得る。いくつかの実施形態では、側面936は、少なくとも部分的に側方開口部932上に延び得る。いくつかの実施形態では、側面936は、ロック要素914の内側表面970と協働して(例えば、「ロックインターフェース」として)作用するように構成された圧縮面であり、使用中のロックアセンブリ910のテンショニング時に、テンショナブルな固定部材16をその間に捕捉または挟み込む(例えば、「ピンチポイント」を形成する)ようになっている。いくつかの実施形態では、中央構造930は、横軸Tに沿って側方開口部932間の中央凹部928を横切って延びる横方向の線形梁を備える。いくつかの実施形態では、中央構造930は、一方または両方の側面936が凹形状および/または凸形状を有することになる非線形形状を有し得る。いくつかの実施形態では、側面936は、直線状、凸状、および/または凹状の配向の任意の組み合わせを有し得る。
【0117】
一例として、側方開口932は、中央凹部928と底面924との間でベース部材910を完全に貫通して延びている。いくつかの実施形態では、側方開口部932は、側方開口部932の周囲に延びる周壁933を有する。いくつかの実施形態では、周壁933は、ベース部材910を通って垂直に(例えば、底面924によって画定される平面に対して垂直に)延びる。ほんの一例として、側方開口部932は、丸みを帯びた長方形の断面形状を有するが、側方開口部932は、テンショナブルな固定部材16を受け入れるのに適した任意の断面形状を有し得る。
【0118】
いくつかの実施形態では、ベース部材912は概ね長方形の形状を有し得る。いくつかの実施形態では、ベース部材912は、限定はされないが、長方形、円形、長円形、卵形、楕円形、または多角形を含む、任意の適切な形状を有し得る。いくつかの実施形態では、ベース部材912は、骨、組織、および/または他の解剖学的構造に形成された外科用通路(例えば、近位開口部および遠位開口部を有する)を通って挿入され、その後、ピボット、回転、または他の方法で操作され、通路を通って引き戻されることなく外科用通路の遠位開口部を横切って延びるようにサイズ設定され、構成され得る。いくつかの実施形態では、ベース部材912は、ベース部材12の輪郭を最小にし、埋め込み中および埋め込み後の周囲組織に対する外傷を潜在的に低減するために、丸みを帯びたおよび/または滑らかな外周面938をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、第1および第2の端部918、920は、ベース部材912が骨、組織、または他の解剖学的構造に形成された通路を通って前進するとき、いずれかの端部が先端部を備え得るように、同一に形成される。いくつかの実施形態では、第1および第2の端部918、920は各々、中央凹部928内に延び、そこにロック解除ツール(図示せず)の係合部分を受け入れるように構成された端部開口部940を有する。いくつかの実施形態では、第1および第2の端部918、920は各々、ロック解除ツールが端部開口部940に係合されたときにロック解除ツールのための空間を提供するように構成された側方切欠き942をさらに備える。
【0119】
ほんの一例として、
図45~
図47は、いくつかの実施形態による、本明細書に記載のロックアセンブリ910の一部を形成するロック部材914の一例を示す。一例として、ロック要素914は、組み立て時にロック要素914が中央凹部928内にぴったりと収まるように、ベース部材912の中央凹部928のサイズおよび形状と相補的なサイズおよび形状を有する。いくつかの実施形態では、ロック要素914は、第1の端部950、第2の端部952、一対の長辺954、底面956および上面958、ならびにそれを通って延びる縦軸Lを有する概ね長方形の形状(例えば、丸みを帯びた端部を有する)を有することができる。いくつかの実施形態では、底面956は、ベース部材912の中央凹部928とインターフェースするように構成される。いくつかの実施形態では、ロック要素914は、中央開口部960と、底面と上面956、958の間でロック要素914を通って延びる一対の側方開口部962とをさらに含む。中央開口部960と側方開口部962とは、テンショナブルな固定部材16の支点として機能し得るブリッジまたはクロスバー964または同様の構造によって分離されている。いくつかの実施形態では、クロスバー964は、使用中にクロスバーによってテンショナブルな固定部材16に加えられる摩擦または他の力を最小にするために、1つ以上の丸みを帯びた、曲線状の、および/または滑らかな上面966を有し得る。
【0120】
いくつかの実施形態では、底面956は、中央開口部960の周囲に形成された中央凹部968を含む。一例として、中央凹部968は、組み立て時に中央構造930がロック要素914の中央凹部968内にぴったりと収まるように、ベース部材912の中央構造930のサイズおよび形状と相補的なサイズおよび形状を有し得る。いくつかの実施形態では、中央凹部968は、中央凹部968の境界を形成する一対の滑らかな、テーパ状のおよび/または丸みを帯びたおよび/または湾曲した内側表面970を含む。一例として、内側表面970は、中央開口部960に向かって内側に(または内側に)テーパ状になっている、または湾曲している。いくつかの実施形態では、内側表面970は、少なくとも部分的にベース部材912の側方開口部932上に延びる。いくつかの実施形態では、内側表面970は、ベース部材912の側面936と協働して作用するように構成された圧縮面であり、使用中のテンショナブルな固定部材16のテンショニング時に、テンショナブルな固定部材16をその間に捕捉または挟み込むようになっている。いくつかの実施形態では、中央凹部968は、一方または両方の内側表面970が凹形状および/または凸形状を有することになる非線形形状を有し得る。いくつかの実施形態では、内側表面970は、直線状、凸状、および/または凹状の配向の任意の組み合わせを有し得る。任意の実施形態において、内側表面970は、テンショナブルな固定部材16に対する複合圧縮作用が維持されるように、ベース部材912の側面936に対して相補的な形状を有する。
【0121】
いくつかの実施形態では、第1および第2の端部950、954は各々、そこにロック解除ツール(図示せず)の係合部分を受け入れるように構成された側方切欠き944をさらに備える。いくつかの実施形態では、側方切欠き944は、ロック解除ツールと係合し、ロック解除ツールによって加えられる遠位の力を受けて、ロック要素914とベース部材912との間の分離を引き起こし、それによってアセンブリ910のロックを解除し、リテンショニングのためにテンショナブルな固定部材16の移動を可能にするように構成された係合面945をさらに含む。
【0122】
いくつかの実施形態では、ロック要素914は、ロック要素914の輪郭を最小にし、埋め込み中および埋め込み後の周囲組織に対する外傷を潜在的に低減するために、丸みを帯びたおよび/または滑らかな外周面972をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、中央開口部960の周縁面974は、使用中のテンソン部材16の磨耗を低減するために、滑らかな、角度の付いた、テーパ状の、および/または丸みを帯びた縁面を備える。いくつかの実施形態では、側方開口部62の遠位開口部および/または近位開口部は、使用中のテンソン部材16の摩耗を低減するために、滑らかな、角度の付いた、テーパ状の、および/または丸みを帯びた縁面976を備える。
【0123】
いくつかの実施形態では、ロック要素914は、底面956から近位側に延びる一対の近位側延長部982を含む。一例として、近位側延長部982は、側方開口部962の垂直延長部を備え、近位側延長部982は、側方開口部962の内周境界の継ぎ目のない延長部を備える周縁内壁984を有する。いくつかの実施形態では、近位側延長部982は、側方開口部962から近位側へのテンショナブルな固定部材16の通過を可能にするように構成された内側開口部986を有する。いくつかの実施形態では、近位側延長部982は、ロックアセンブリ912がロック状態にあるとき(例えば、
図49を参照)、ベース部材912の側方開口932内に、ぴったりと、同一平面上に、および/または入れ子式に受け入れられるようにサイズ設定され、構成された周壁988を有し、近位側延長部982の表面エリアが側方開口932の周壁933の表面エリアと係合するようになっている。この表面エリアの係合は、ロック要素914をベース部材912に対して安定させ、例えば、ノットレス安定化システム10がロックされ、外科的処置が完了した後に、テンショナブルな固定部材16に加えられたテンションが緩む原因となり得る揺れまたは他の動きを防止する。
【0124】
したがって、いくつかの実施形態では、近位側延長部982は、ベース部材912の側方開口部932の内周形状と相補的な外周形状を有する。いくつかの実施形態では、近位側延長部982は、ベース部材912の側方開口部932の内周サイズと相補的な外周サイズを有する。いくつかの実施形態では、側方開口932の周壁933の表面エリアは、ロックアセンブリ910がロック状態にあるとき、近位側延長部982の少なくとも一方の側の周縁外壁988の表面エリアと係合する。いくつかの実施形態では、側方開口932の周壁933の表面エリアは、ロックアセンブリ910がロック状態にあるとき、近位側延長部982の少なくとも2つの側の周縁外壁988の表面エリアと係合する。いくつかの実施形態では、側方開口932の周壁933の表面エリアは、ロックアセンブリ910がロック状態にあるとき、近位側延長部982の少なくとも3つの側で周縁外壁988の表面エリアと係合する。いくつかの実施形態では、側方開口932の周壁933の表面エリアは、ロックアセンブリ910がロック状態にあるとき、近位側延長部982の4つの側で周縁外壁988の表面エリアと係合する。
【0125】
本明細書で説明するように、ノットレス安定化システム10は自動ロックシステムであり、テンショナブルな固定部材16に加えられるテンションによって、ベース部材912内でのロック要素914の整列が確実になると同時に、テンショナブルな固定部材16とロックインターフェース(すなわち、ベース部材912の側面936およびロック要素914の内側表面970)との相互作用によりアセンブリが一緒にロックされる。いくつかの実施形態では、ロックアセンブリ910は、例えば、必要に応じて、テンショナブルな固定部材16のリテンショニング中にロック要素914がベース部材912と係合したままであることを確実にし、中央凹部928内でのロック要素914の揺動または他の動きを防止して、テンショナブルな固定部材16の緩みを防止するためなど、ロック要素914とベース部材912との間に追加の安全な相互作用を提供するために、二次ロック要素を備えることができる。ほんの一例として、二次ロック要素は、限定はされないが、プレスフィット係合、スナップフィット係合、摩擦フィット係合などを含む、ベース部材912とロック要素914との間の確実な相互作用を提供する任意の物理的機構を含み得る。
【0126】
ほんの一例として、ロック要素914は、底面956との交差部近傍の第1および第2の端部918、920の近傍に配置され、ベース部材912の上面926から少なくとも部分的に中央凹部928上に延びる対応する細長いフランジまたは突出部946と係合して、二次ロック要素を形成し、ロックアセンブリ910がロック解除状態にあるとき(例えば、テンショナブルな固定部材16が調整またはリテンショニングのために自由に動くことができるとき)、ベース部材912内でのロック要素914の保持を確実にするように構成された1つ以上の細長いフランジ978をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、細長いフランジ978は、ロック要素914とベース部材912との係合時に中央凹部928内でのロック要素914の適切な整列を可能にし、細長いフランジ978が突出部946を越えて中央凹部928内に通過するのを容易にするために、突出部946の対応する内側に面する角度付きの、テーパ状の、または曲線状の表面948とインターフェースするように構成された内側に面する角度付きの、テーパ状の、または曲線状の表面980をさらに含み得る。
図38に例として示すように、ロック要素914の細長いフランジ978が中央凹部928の突出部946を通過すると、突出部946は、ユーザによって(例えば、取り外しツールを使用して)追加の力が加えられない限り、ロック要素914が中央凹部928から係合解除されるのを防止する物理的障壁を提供する。
【0127】
いくつかの実施形態では、ロック要素914の中央開口部960は、ベース部材912との組み立て時に、中央開口部960がベース部材912の中央構造930の上に配置されるか、またはベース部材912の中央構造930と整列するように配置される。いくつかの実施形態では、ロック要素914の側方開口部962は、ベース部材912との組み立て時に、ロック要素914の側方開口部962がベース部材912の側方開口部932の上に配置されるか、またはベース部材912の側方開口部932と整列するように配置される。
【0128】
一例として、
図48~
図49は、いくつかの実施形態による、本開示のロックアセンブリ910を使用して骨および/または組織を固定または修復する方法のいくつかのステップを示す。いくつかの実施形態では、シャトル部材は、他の実施形態に関連して上述したように、テンショナブルな固定部材16をベース部材912およびロック要素914に通すのを助けるために使用され得る。
【0129】
いくつかの実施形態では、テンショナブルな固定部材16は、(i)自由端部(例えば、上記のようにシャトル部材と結合された)を、ベース部材912の側方開口部932のうちの1つを通して遠位方向に(例えば、底面924から上面926に向かって)前進させること、(ii)自由端部を、ロック要素914の対応する整列した側方開口部962を通してさらに前進させること、(iii)自由端部を、クロスバー964の周りで内側方向に(例えば、中央開口部960に向かって)前進させること、(iv)自由端部を近位側に(例えばテンショナブルな固定部材16がクロスバー964の周りで「Uターン」するように、ロック要素914の上面958から底面956に向かって)ロック要素914の中央開口部960を通って前進させること、および(v)テンショナブルな固定部材16の自由端部および取付け端部がロックアセンブリ910の同じ側、すなわち近位側(例えば、ベース部材912の底面924の「下」)にあるように、自由端部を最初に前進させたのと同じ側方開口部932を通って近位側に前進させることによってロックアセンブリ910と結合され得る。
【0130】
いくつかの実施形態では、ロックアセンブリ910は、他の実施形態に関連して上述したように、ロックアセンブリ910にあらかじめ通されたシャトル部材を備えることができる。いくつかの実施形態では、シャトル部材は別個に設けられ、使用中または使用直前にロックアセンブリ910に通され得る。
【0131】
いくつかの実施形態では、テンショナブルな固定部材16の一端は、組織、骨、または他の部材に固定され、次いでシャトル部材によってロックアセンブリ910を通してシャペロンされるように構成される。添付の図に示す例では、テンショナブルな固定部材16は、本開示のロックアセンブリ910およびテンショナブルな固定部材16を使用して組織2(例えば、腱、筋肉、または骨)に取り付けられ、骨4に結合される。
図48~
図49によれば、上述したように、テンショナブルな固定部材16の一端が腱2に取り付けられ、テンショナブルな固定部材の他端がロックアセンブリ910に通されている。一例として、第2のテンショナブルな固定部材16は、別の組織部分に結合されてもよく(例えば、断裂した組織を修復するため)、または第1のテンショナブルな固定部材16と同じ組織セグメントに結合されてもよい(例えば、組織を骨に固定するため)。好ましくは、テンショナブルな固定部材16は、ロックアセンブリ910と結合する前に、組織、骨、または他の部材と結合される。
【0132】
この時点で、テンショナブルな固定部材16の緩い端部を方向D1(近位)に引っ張ると、ロックアセンブリ910に近い腱2を方向D2に、修復のために所望の位置まで引っ張ることによって、修復箇所にテンションがかかる。ほんの一例として、テンショナブルな固定部材16のテンションは、外科医の好みに合わせて調整することができる。一例として、ロックアセンブリ910は、自動ロックアセンブリであり、ロックは、ベース部材912の側面936とロック要素914の内側表面970との間のロックインターフェースにおいて生じ、「ピンチポイント」が形成され、テンショナブルな固定部材16がベース部材912の側面936とロック要素914の内側表面970との間に捕捉され、しっかりと保持される。一例として、D1方向に引っ張るとテンションが生じ、さらに同じ方向に引っ張ることでテンションを変化させたり増加させたりすることができる。ロックアセンブリ910がロック状態になると、テンショナブルな固定部材16、ロックアセンブリ910、および組織2は、圧縮、摩擦、およびテンションの組み合わせによってロック状態を維持する。追加のねじや結び目を必要することなく、これで修復は完了する。
【0133】
腱が修復部位から離れようとすると(例えば、方向D1に)、テンションはテンショナブルな固定部材16を通過し、ベース部材912とロック要素914とを互いの方に引っ張ることによって、アセンブリ910をさらにロックする。これは、テンショナブルな固定部材16が、ベース部材912の側面936とロック要素14の内側表面970との間のロックインターフェース(例えば、「ピンチポイント」)で捕捉され、しっかりと保持され、テンショナブルな固定部材16は、クロスバー964(いくつかの実施形態では、支点として作用し得る)の周りでループまたは「Uターン」し、したがって、組織2がロックアセンブリ910から近位方向D1に引き離されることによって及ぼされる近位方向の力によって、テンショナブルな固定部材16は、クロスバー964、したがってロック要素914に近位方向の力を及ぼし、これにより、ロックインターフェースにおいてテンショナブルな固定部材16に対する圧縮が増大するからである。これにより、テンショナブルな固定部材16がしっかりと挟み込まれ、腱2(例えば)が修復状態から離れることが防止される。
【0134】
本明細書に記載のロックアセンブリのいくつかの例(例えば、ロックアセンブリ11、110、210、310、410、910)は、全体的な概念の具体例として示され、説明されており、各例が示す特徴の特定の組み合わせによって限定されるものではない。したがって、本明細書に記載の任意のロックアセンブリは、特に組み合わせて記載されていなくても、任意の他のロックアセンブリに関して記載された任意の特徴を含み得る。さらに、様々なロックアセンブリは、示された特定の数の貫通孔または開口部、あるいはテンショナブルな固定部材16の数に限定されるものではない。任意選択で、任意の実施形態において、様々な特徴の特定のサイズおよび形状は、図示されたものと異なっていてもよい。任意選択で、任意の実施形態において、圧縮面またはロックインターフェースの数は、図示されたものと異なっていてもよい。
【0135】
任意選択で、任意の実施形態において、ノットレス安定化システム10は、最初のテンショニングおよびロックが完了した後に、テンショナブルな固定部材16のリテンショニングを可能にするためにロックアセンブリ11(またはその任意の代替実施形態)のロックを解除するためのロック解除機能を含む。前の図に加えて
図50~54を参照すると、いくつかの実施形態では、ロック解除機能は、ベース部材12および/またはロック要素14と係合し、ロック要素14をベース部材12に対して変位させ、テンショナブルな固定部材16を弛緩させ、その後、必要に応じて、再度テンションをかけることを可能にする空間または距離または分離を作るようにすることができるロック解除コンポーネントまたはツール90を備える。弛緩した状態では、リテンショニングのために、テンショナブルな固定部材の操作およびスライドを行うことができる。所望のテンションが達成されると、ロック解除コンポーネントまたはツール90は、ベース部材12および/またはロック要素14から引き戻されるか、取り外されるか、そうでなければ係合解除される。テンションをかけられたテンショナブルな固定部材16がロック要素14を近位方向に引っ張るため、ロック解除ツール90によって得られたクリアランスはなくなり、上述したように、テンショナブルな固定部材16は再びロック要素14とベース部材12の間に挟まれた状態になる。
【0136】
ロック解除ツールまたはコンポーネント90は、ロック要素14とベース部材12との間に一時的な分離を作るために、テンショナブルな固定部材16のテンションに打ち勝つのに適した、または打ち勝つことができる任意のツールまたはコンポーネントを備え得、限定はされないが、ねじ部材、スナップフィットトリガー制御プッシャ/エクステンダ、プライヤのようなグリッパなどを含む。ほんの一例として、
図50~
図54は、いくつかの実施形態によるロック解除ツール90の一例を示している。一例として、ロック解除ツール90は、ねじ部92と遠位端94とを含む。本例では、ロック要素14は、ねじ部92がねじ穴96に螺合するように、ねじ部92のものと相補的なねじ形状を有するねじ穴96を含む。本例では、ベース部材12は係合面98を有し、この係合面98はロック解除ツール90の遠位端94のための接触面を提供する。一例として、
図50~
図52は、ロック位置にあるロックアセンブリ11を示しており(テンショナブルな固定部材16は図示されていない)、ロック解除ツール90が、遠位端94が係合面98に接触するまで、(例えば、本例の係合ツール90のねじ部92を前進方向に回転させることによって)ねじ穴96に整列され、次いでねじ穴96内に前進させられる。遠位端94が係合面98に接触すると、前進方向へのさらなる回転により、ロック要素14は、ねじ部92に沿って遠位方向に並進し、それにより、
図53~
図54にほんの一例として示すように、ロック要素14とベース部材12との間に分離が生じる。分離が達成されると、テンショナブルな固定部材は、上述のように調整され、ロックアセンブリ11は、ロック解除ツール90の取り外しまたは分離によって再びロックされ得る。
【0137】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、ロックアセンブリ11は、本明細書に記載のロック解除機能に加えて、リテンショニングプロセス中にロック要素14がベース部材12から切り離されるのを防止するための二次ロック要素を含み得る。
【0138】
いくつかの実施形態では、ロック解除機能は、ロックアセンブリ11がロックされた構成にある第1の位置からロックアセンブリ11がロック解除された構成にある第2の位置に移動可能であり、それによってテンショナブルな固定部材16のリテンショニングを可能にする、偏向可能部材を備え得る。ほんの一例として、
図55~
図67は、いくつかの実施形態による、テンショナブルな固定部材16のリテンショニングのためにロックアセンブリ510のロックを解除することを可能にする偏向可能部材528を有するロックアセンブリ510の一例を示す。ほんの一例として、ロックアセンブリ510は、ベース部材512とロック要素514とを有し得る。いくつかの実施形態では、ロックアセンブリ510は、組織、骨、または他の部材に取り付けられるテンショナブルな固定部材16(例えば、外科用縫合糸、テープ、繊維など)と結合して、外科的処置中にテンション下でテンショナブルな固定部材16をロックすることができる。いくつかの実施形態では、ロック要素514は、ロック状態(例えば、
図55~
図57)とロック解除状態(例えば
図58)との間でベース部材512に対して移動可能である。一例として、テンショナブルな固定部材16のテンショニングは、ロックアセンブリ510がロック解除状態にある間に起こり得、次いで、ロックアセンブリ510がロック状態に変換されて、テンショナブルな固定部材16が所望のテンション下で所望の位置に固定され得る。いくつかの実施形態では、ロックアセンブリ510は、最初のテンショニングおよびロックが完了した後に、テンショナブルな固定部材16のリテンショニングを可能にするためのロック解除機能を含む。いくつかの実施形態では、ロック解除機能は、ロック要素514をロック状態にバイアスをかけるが、ロック要素512をロック解除状態に変換できるように偏向可能な偏向可能部材を備える。いくつかの実施形態では、偏向可能部材は、ボタン512の一部であるか、ボタン512に設けられているか、ボタン512に取り付けられている。いくつかの実施形態では、偏向可能部材は、ロック要素514の一部であるか、ロック要素514に設けられるか、またはロック要素514に取り付けられている(例えば、
図65~
図67を参照)。
【0139】
一例として、いくつかの実施形態では、ベース部材512は、組織、骨、または他の部材とインターフェースするように構成された第1の面または底面518と、底面518とは反対側の第2の面または上面520とを有し得る。いくつかの実施形態では、上面520は、概ね平面状の並進面または底面524を有し、組み立て時にロック要素514が凹部522内で直線的に並進することを可能にするサイズおよび形状を有する細長い中央凹部522を含む。
【0140】
いくつかの実施形態では、ベース部材512は、底面524を貫通して形成された中央開口部526と、細長い凹部522の一端に配置された偏向可能部材528とをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、中央開口部526と細長い凹部522の底面524との間の交差部は、滑らかなおよび/または丸みを帯びたリム面530を備える。いくつかの実施形態では、リム面530は、ロック要素514のリム表面540と協働して、使用中のロックアセンブリ510のテンショニング時に、テンショナブルな固定部材16をその間に捕捉または挟み込む(例えば、「ピンチポイント」を形成する)ように構成された圧縮面である。
【0141】
いくつかの実施形態では、ベース部材512は概ね長方形の形状を有し得る。いくつかの実施形態では、ベース部材512は、限定はされないが、長方形、円形、長円形、卵形、楕円形、または多角形を含む、任意の適切な形状を有し得る。いくつかの実施形態では、ベース部材512は、骨に形成された通路を通って挿入され、その後、ピボット、回転、または他の方法で操作され、通路を通って引き戻されることなく通路上に延びるようにサイズ設定され、構成され得る。いくつかの実施形態では、上面520は、ベース部材512の輪郭を最小にし、埋め込み中および埋め込み後の周囲組織に対する外傷を潜在的に低減するために、丸みを帯びたおよび/または滑らかな外周面532をさらに含むことができる。
【0142】
一例として、ロック要素514は、組み立て時にロック要素514が凹部522内で並進可能であるように、ベース部材512の細長い凹部522の幅および形状と相補的な幅寸法および形状を有する。一例として、いくつかの実施形態では、ロック要素514は、ベース部材512の細長い凹部522の底面524とインターフェースするように構成された第1の面または底面534と、底面534とは反対側の第2の面または上面536とを有し得る。いくつかの実施形態では、ロック要素514は、底面と上面534、536の間でロック要素514を通って延びる中央開口部538をさらに含む。いくつかの実施形態では、ロック要素514の中央開口部538と底面534との間の交差部は、滑らかなおよび/または丸みを帯びたリム面540を備える。いくつかの実施形態では、リム面540は、ベース部材512のリム表面530と協働して、使用中のロックアセンブリ510のテンショニング時に、テンショナブルな固定部材16をその間に捕捉または挟み込む(例えば、「ピンチポイント」を形成する)ように構成された圧縮面である。
【0143】
いくつかの実施形態では、ロックアセンブリ510は、ロック要素514が細長い凹部522内で並進することを可能にする一方で、ロック要素514がベース部材512から切り離されることを防止するための保持機能を含み得る。いくつかの実施形態では、保持機能は、細長い凹部522上に延びるボタンの上面520の1つ以上の突出部分を備え得る。いくつかの実施形態では、保持機能は、
図67にほんの一例として示すように、ロック要素514の側面および/または底面534のいずれか一方または両方から、細長い凹部522の側壁および/または底面524に形成された相補的な細長いスロット535内に延びる1つ以上のレール533を備え得る。いくつかの実施形態では、保持機能は、細長い凹部522の側壁および/または底面524のいずれか一方または両方から、ロック要素514の側面および/または底面534に形成された相補的な細長いスロット内に延びる1つ以上のレールを備え得る。
【0144】
いくつかの実施形態では、ベース部材512は、細長い凹部522の一端に配置され、偏向可能な、可撓性のある、および/またはバネ状の特徴を有する偏向可能部材528をさらに含む。偏向可能部材528は、ロック要素514と相互作用して、ロック位置およびロック解除位置を作り出す。一例として、偏向可能部材528はバネ式であり、ロック要素514に方向性の力をかけることによってロック要素514をロック位置にバイアスをかける。ロック解除位置を達成するためには、例えば、ロック要素514に反対方向の力を加え、可撓性部材528の一時的な撓みを引き起こすピンチングコンポーネント542(例えば、
図57)を使用して、この方向性の力に打ち勝たなければならない。いくつかの実施形態では、ロック解除位置において、ロック要素514の中央開口部538は、ベース部材512との組み立て時に、
図58にほんの一例として示すように、ロック要素514の中央開口部538が、少なくとも部分的にベース部材512の中央開口部526の上に配置されるか、またはベース部材512の中央開口部526と整列するように配置される。この配置により、テンショナブルな固定部材16の移動が可能になり、テンショナブルな固定部材16のテンションを増加および/または弛緩させることができる。例えば、テンションが不十分な場合、オペレータは、ピンチングコンポーネント542を使用して、ロック要素514の中央開口部538とボタン512の中央開口部526との間の重なりを増加させることによって、ロックアセンブリ510の状態をロック位置からロック解除位置に変更することができる。同様に、テンショナブルな固定部材16のテンションニングが過剰である場合、ピンチングコンポーネント542は、テンショナブルな固定部材16のテンションを緩めるためにロック解除状態を作り出し、次いで、所望のテンションが達成されたときにピンチングコンポーネント542を解放することによってテンショナブルな固定部材16をロックするために使用され得る。いくつかの実施形態では、ピンチングコンポーネント542は、ロック要素514の中央開口部538とボタン512の中央開口部526との少なくとも部分的な整列または重なりを達成するために、引っ張りコンポーネントに変更することができる。
【0145】
図59~
図62を参照すると、ロック解除状態または「位置X」とは、ロック要素514の中央開口部538とベース部材512の中央開口部526とが少なくとも部分的に整列しているか、そうでなければ重なり合っているときである。ロック状態または「位置Y」は、ロック要素514の中央開口部538とベース部材512の中央開口部526とが整列していない(テンショナブルな固定部材の移動を許容することなくテンショナブルな固定部材16の幅/直径に対応するように、ごくわずかに重なっている)ときである。いくつかの実施形態では、位置Xは、ピンチングコンポーネント542を使用してロック要素514に逆方向の力をかけ、これにより可撓性部材528の一時的な撓みを引き起こすことによって達成される(
図57にほんの一例として示すように)。いくつかの実施形態では、位置Yは、偏向可能部材528がその方向バイアスに屈してその元の位置の方向に戻ることを可能にするために、ピンチングコンポーネント542を解放することによって達成され、テンショナブルな固定部材16がベース部材512のリム表面530とロック要素514のリム表面540との間(例えば、「ピンチポイント」において)でロックされるロック位置が作られる。
【0146】
いくつかの実施形態では、ロックアセンブリ510の位置X(またはロック解除状態)は、テンショナブルな固定部材16の両方向へのテンショニングまたは移動(例えば、さらなるテンショニングまたは弛緩)も可能にし、これは、過剰なテンションまたは不足したテンションの状態でテンションを調整するための重要な要素である。ロックアセンブリ510の位置Yは、本明細書に記載されるように、テンショナブルな固定部材16をロックし、そこに所望のテンションを確保する。いくつかの実施形態では、偏向可能部材は、
図55~
図64に一例として示すように、ベース部材512の一部であるか、ベース部材512上に設けられるか、またはそれに取り付けられている。いくつかの実施形態では、
図65~
図67に例として示すように、偏向可能部材は、ロック要素514の一部であるか、ロック要素514に設けられるか、ロック要素514に取り付けられている。いずれの場合も、偏向可能部材528は、ロック要素514の位置を一時的に変化させ、ロック解除状態(例えば、位置X)を作り出すことを可能にし、これにより、修復箇所の緊張または緩みが可能になる。いくつかの実施形態では、同様の状態は、ベース部材512および/またはロック要素514に設けられたバネ状の特徴528(
図64にほんの一例として示す)によって、あるいは、修復構成体のテンショニングまたは弛緩のためのロック解除位置Xを作り出すことを可能にする追加のコンポーネントによって作り出すことができる。
【0147】
一例として、ベース部材512および/またはロック要素514は、ポリマー、PEEK、再吸収性または非再吸収性のコンポーネント、金属(例えば、チタン、ステンレス鋼、コバルトクロムなど)、または業界で使用される同様の材料で作られてもよい。テンショナブルな固定部材16は、ループ状の配向でも非ループ状の配向でも使用され得る。テンショナブルな固定部材16は、ポリマー、テープ-縫合糸、または修復構成体のテンションを増減させるために使用される任意の他の材料部材で作ることができる。テンショナブルな固定部材16のループ状部分または非ループ状部分は、組織、骨、埋め込み片、またはその上に固定される、または修復を望む他の部材(例えば、金属プレート、アンカーなど)に取り付けることができる。
【0148】
外科医がテンションを増減できるように、ピンチング部材または類似の機構を使用してロック解除状態を作り出すこの新規な設計の独自性は、最適でないテンショニングによる失敗の発生率を最小限に抑え、外科医は所望のテンションを達成するために結び目を作り、それを再び結び直す必要がないため、手術時間が短縮される。独自性とは、挟んだり引っ張ったりすることでロック解除状態を作り出す部材や、ロック解除状態を作り出す可能性のあるあらゆる機構を用いて、ロック位置とロック解除位置とを作り出すことを指す。本明細書で例として説明した偏向可能部材528は、本明細書に記載されるように、ピンチングコンポーネント542によって一時的に位置を変え、次いで、元の位置に戻ろうとしてロック状態を作り出す。
【0149】
例:手根中手骨(CMC)関節形成術
【0150】
次に、
図63をさらに参照して、本開示のロックアセンブリ510を使用する1つの例示的な方法を、手根中手骨(CMC)関節形成術の文脈で説明する。しかしながら、これはあくまでも修復の例示的な方法であり、装置の使用は記載された具体例に限定されるものではない。僧帽筋を切除した後、第1および第2の中手骨に概ね一直線に穴を開けることによって、外科用通路を作る。ループ状の配向に設けられたテンショナブルな固定部材が、第1および第2の中手骨に形成された穴を通ってシャトルされる。テンショナブルな固定部材のループ状端部が第2中手骨の遠方皮質から取り出されると、
図63に示すように、オープンボタンまたはアンカー装置544(例えば)をブリッジとして使用し、テンショナブルな固定部材をその周囲に通すことができる。ループ状のテンショナブルな固定部材を周囲に有するオープンボタンが第2中手骨の遠方皮質上に固定されると、ロックアセンブリ510は、ピンチングコンポーネント542またはロックアセンブリ510を位置Xに操作する他の任意のコンポーネントを使用して、ロック解除状態(例えば、位置X)に挟み込まれる。ピンチングコンポーネント542は、可撓性部材528の一時的な撓みを作り出し、繊維のテンションを増加させるためにテンショナブルな固定部材がスライドすることを可能にし、テンショナブルな固定部材を引っ張ることにより、両方のベース部材またはロックアセンブリ510とループ状端部に取り付けられている部材との間の距離を減少させる。この時点で、外科医は、修復箇所がテンション過剰な状態にあり、患者の手を使用する機能的能力を制限する可能性があると感じた場合、ロックアセンブリ510を位置Y(ロック状態)から位置X(ロック解除状態)に戻すことができる。これにより、外科医は、ループ状端部に取り付けられた部材とロックアセンブリ510との間の距離を広げることができる。新しい位置が確認され、テンションが望ましい状態になったら、ピンチングコンポーネントを離すと、ボタンアセンブリはロック状態である位置Yに戻る。位置Yは、この新しい最適なテンション状態で修復箇所を固定する。
アセンブリホルダー装置
【0151】
図68~
図77は、いくつかの実施形態による、例えば上述のロックアセンブリ11など、マルチコンポーネント固定装置とともに使用するように構成されたアセンブリ装置610および技術の一例を示す。上述のロックアセンブリ11に関連して一例として本明細書に示され記載されているが、アセンブリ装置610は、限定はされないが(ほんの一例として)、ロックアセンブリ110、ロックアセンブリ210、ロックアセンブリ310、ロックアセンブリ410、ロックアセンブリ910(上述のもの)、または以下に説明する骨折/軟部組織修復プレート810(例えば、
図88参照)を含む、他のマルチコンポーネント固定装置とともに使用するために変更され得ることを理解されたい。
【0152】
一例として、本開示は、軟部組織または任意の他の組織をアンカー装置に接続するために使用されるマルチコンポーネント固定アセンブリ(例えば、ロックアセンブリ11)を通るテンショナブルな固定部材の通過を容易にする独自の技術について記載する。いくつかの実施形態では、本開示のアセンブリ装置610は、テンショナブルな固定部材16をマルチコンポーネントアセンブリを通してシャトルする機能を含む。いくつかの実施形態では、本開示のアセンブリ装置610は、テンショナブルな固定部材が複数の固定コンポーネントのロックインターフェースに配置されるように、複数のベース部材または固定コンポーネントの間にテンショナブルな固定部材またはテンショナブルな固定部材を通す能力を含む。このアセンブリホルダー技術では、結び目を作る必要なく組織を固定するために使用される、テンショナブルな固定部材を固定する独自の機構について説明する。また、これは、テンショナブルな固定部材がマルチコンポーネント固定アセンブリのロックインターフェースを通過する際に、テンショナブルな固定部材が損傷および/または破損するのを防止する。いくつかの実施形態では、アセンブリ装置610は、マルチコンポーネント固定アセンブリのロックインターフェースにおける摩擦を低減することによって、マルチコンポーネント固定アセンブリとの組立中にテンショナブルな固定部材にかかる圧力を軽減することを可能にする。これにより、ユーザは、テンショナブルな固定部材をシームレスにアセンブリ装置610に通し、次いで、アセンブリ装置610を係合解除してテンショナブルな固定部材をマルチコンポーネント固定アセンブリに結合して、修復を完了することができる。
【0153】
ほんの一例として、アセンブリホルダーは、金属、PEEK、ポリマー、またはこのコンポーネントの製造に業界で一般的に使用される他の材料から製造することができる。テンショナブルな固定部材または縫合糸は、PEEK、ステンレス鋼、ワイヤーニチノール、テープ、ポリエステル、または修復時に固定される軟部組織または他の組織を捕捉するために使用される他の同様の材料から作られてもよい。
【0154】
ほんの一例として、マルチコンポーネント固定アセンブリまたは同様のアンカーシステムは、PEEK、金属、ポリマー、プラスチック、またはこの製品を製造するために使用できる他の材料で作られてもよい。使用されるマルチコンポーネントアセンブリおよび複数のアンカーシステムの数は可変であり得る。アセンブリ装置610を通るテンショナブルな固定部材の通過は、直接、または縫合糸用ラッソもしくは他のシャトル部材を用いて行われ得る。アンローダまたはシャトリングアシスタは、金属、ピーク、ポリマー、または他の同様の材料で作ることができる。基本的には、テンショナブルな固定部材と自動ロックボタンまたは同様のアンカー装置との間に係合を作る方法について記載する。この機構は、縫合糸のシャトリング時にロックインターフェースで生じる圧力を排除する機能を作ることを伴い、これにより、縫合糸の通過、および後に修復箇所のテンショニングが容易になる。ロック面が係合すると、一方向への修復箇所のテンショニングが可能になり、繊維が反対方向に引っ張られたときに縫合糸が滑ったり、修復箇所が緩んだりするのを防止する。
【0155】
本明細書に記載した好ましい実施形態は、マルチコンポーネント固定アセンブリおよびアセンブリホルダー装置を使用してこの修復を達成することができる方法の一例に過ぎない。縫合糸またはテンショナブルな固定部材のシャトリング時に、ロックインターフェースにかかる圧力を除去するために、本明細書に記載した原理を使用して同様の実施形態を作ることができる。
【0156】
図68~
図75を参照すると、いくつかの実施形態では、アセンブリ装置610は、外側スリーブ614(例えば)によって一緒に保持される分離可能な第1および第2の本体部分612a、612bを備え得る本体612を含む。本体612は、近位部分616および遠位部分618をさらに備える。いくつかの実施形態では、近位部分616は、固体部分であるか、または代替的に、第1および第2の本体部分612a、612bの近位部分は、互いに同一平面上に嵌合される。近位部分616は、近位部分と遠位部分との間で本体612を通って長手方向に(例えば、アセンブリ装置610を通って延びる中央縦軸に沿って)延びる中央内腔620をさらに備え得る。いくつかの実施形態では、中央内腔620は、近位開口部622を有し、以下に説明するように、遠位側で、作動間隙624に対して開いている。
【0157】
いくつかの実施形態では、遠位部分618は、中央縦軸に沿って形成され、中央縦軸に平行な平面に沿って延びる作業間隙または凹部624を含む。いくつかの実施形態では、作業ギャップ624は、第1および第2の本体部分612a、612bの遠位部分618を分離する空間によって形成される。いくつかの実施形態では、作業間隙624は、1つ以上のテンショナブルな固定部材、シャトリング装置、および/または組立プロセス中に使用され得る他の器具を操作するための空間を提供する。いくつかの実施形態では、遠位部分618は、第1および第2の本体部分612a、612bを通って延び、そこを通るシャトリングアシスタ(例えば、クロスピン)628を受け入れるように構成された横チャネル626を含み、そのシャトリングアシスタ628は、次に、作業ギャップ624を横切って延びる。
【0158】
いくつかの実施形態では、遠位部分618は、作業間隙624内にマルチコンポーネント固定アセンブリの第1のコンポーネント(例えば、上述のロックアセンブリ11のベース部材12)を保持するように構成された第1のコンポーネント凹部630と、作業間隙624内にマルチコンポーネント固定アセンブリの第2のコンポーネント(例えば、上述のロックアセンブリ11のロック要素14)を保持するように構成された第2のコンポーネント凹部632とをさらに備える。いくつかの実施形態では、第1および第2のコンポーネント凹部630、632は垂直方向に分離されており(例えば、近位遠位方向に長手方向分離を有しており)、第1および第2のコンポーネントのロックインターフェース(例えば、上述のベース部材12の側面36およびロック要素14の内側表面70)が、テンショナブルな固定部材16のシャットリング中、第1の位置で互いに離間して保持され、マルチコンポーネント固定アセンブリ(例えばロックアセンブリ11)との結合中のテンショナブルな固定部材16の損傷を低減または除去することを保証する。いくつかの実施形態では、第1および第2のコンポーネント凹部630、632は完全には分離されていないが、コンポーネントをロック解除位置に強制する突出部を有するため、両者の間にある程度の垂直方向の分離を有する状態でコンポーネントを保持することができる。
【0159】
図76~
図77を参照すると、修復中の組織に接続するためにテンショナブルな固定部材16が使用される修復方法について、ほんの一例として説明されている。いくつかの実施形態では、2つ(またはそれ以上)のテンショナブルな固定部材16の各々の第1の端部は、修復される組織に固定され、一方、テンショナブルな固定部材16の第2の端部(例えば、自由端部)は各々、2つの異なるシャトル部材82(例えば、シャトルワイヤなど)の捕捉端部86に結合される。一例として、シャトル部材82は、ロックアセンブリ11と結合されたシャトル部材82に関して上述したのと同じ方法でアセンブリ装置610と結合されるが、例外として、ロックアセンブリ11のコンポーネントがアセンブリ装置610によって保持され(例えば、ベース部材12は第1のコンポーネント凹部630に保持され、ロック要素14は第2のコンポーネント凹部632に保持される)、シャトル部材82も、シャトル部材82(および後にテンショナブルな固定部材16)がアセンブリを通る操作中にロックインターフェースコンポーネント(例えば、上述のベース部材12の側面36およびロック要素14の内側表面70)によって摩擦で損なわれないように、アセンブリの頂点でシャトルアシストまたは交差ピン628の周りにループ状にされる。
【0160】
ほんの一例として、シャトル部材82の自由端部84を、遠位方向に引っ張ることができ、テンショナブルな固定部材16をアセンブリ装置610を通ってシャトルさせ、これによって、テンショナブルな固定部材16は、最初にベース部材12を通過し、次いでロック要素14を通過し、シャトルアシスタ628の周りをUターンし、ベース部材12とロック要素14との間のロックインターフェースを通過する際に、ロック要素14とベース部材12との間を通過する。前述したように、第1および第2のコンポーネント(例えば、ベース部材12およびロック要素14)間の長手方向の分離は、テンショナブルな固定部材16がロックアセンブリ11を容易に通過することを防止する抵抗または摩擦がほとんどまたはまったくないことを保証する。ほんの一例として、シャトリングアシスタ628は、単純なロッド、ピン、またはシャトリング時にロックインターフェースでアンロードが起こることを可能にする任意の他の機構を備え得る。いくつかの実施形態では、テンショナブルな固定部材16が、マルチコンポーネント固定アセンブリ(例えば、ロックアセンブリ11)に通されるか、またはそれと結合されると、アセンブリ装置610は、第1および第2のコンポーネントが長手方向に分離される第1の位置と、第1および第2のコンポーネントが互いに係合する第2の位置との間を第1および第2のコンポーネントが移行することを可能にするように分解され、それによって、テンショニングが完了すると(例えば、上述のように)、一方向のテンショニングおよびロック(例えば、圧縮および摩擦による)を可能にするロックインターフェースを回復する。組織またはテンショナブルな固定部材16が反対方向に引っ張られると、ロックインターフェースが緩みを防止し、またはそれに抵抗し、修復の失敗を防止する。ほんの一例として、この機構により、ノットレスな方法で修復を行うことができる。
フリッパー/インサーター
【0161】
図78~
図83は、いくつかの実施形態による、軟部組織、骨または任意の他の組織修復のためのアンカー装置の埋め込みに使用することができる挿入器具またはフリッパー装置710の一例を示す。一例として、挿入器具710は、この修復のプロセスを支援するために、複数の機能を実行することができるように設計されている。一例として、フリッパー装置710は、限定はされないが、上述したロックアセンブリ10、110、210、310、410、910、および/または一般に所有されている、その全内容が参照により本明細書に完全に記載されているかのように組み込まれる、「Knotless Orthopedic Stabilization System」という名称の2021年9月7日に発行された共同所有の米国特許第11,109,855号(以下「’855特許」)に記載されているロックアセンブリを含む、任意の数の固定アセンブリを使用するように構成され得る。
【0162】
このような修復を補助するために使用されている現在の装置は、骨トンネルを通るアンカー装置の搬送という1つの機能しか果たしていない。本開示のフリッパー装置710の独自性は、ユーザがアンカー装置をフリッパー装置に装填することを可能にし、それによって、骨トンネルを容易に通過するのを支援するために、アンカー装置をテンション状態に維持することである。適切な位置が得られたら、外科医またはユーザは、リリース機能を使用して、構成体のテンションを低減し、アンカー装置を正しい位置に反転させる。
【0163】
一例として、テンションは、外科医またはユーザが装置を反転させる準備ができるまで構成体をテンション下に維持する能力を有するバネ状の機構を使用して維持することができる。この装置は、骨トンネルを横切ってアンカー装置を搬送し、アンカー装置に使用または接続されたテンショナブルな固定部材の結束を防止することにより、外科的修復を容易にする助けとなる。スライダーまたはローディング機能が係合すると、構成体のテンションの減少をトリガし、フリッパー内のプッシュ機能が作動してアンカー装置を前進させてアンロードすることができ、その後、フリッパー装置710が係合解除された後、アンカー装置にテンションをかけて修復を完了することができる。
【0164】
一例として、フリッパー装置710の任意のまたはすべてのコンポーネントは、異なる製造プロセス、例えば、機械加工、成形、3D印刷、または業界で現在使用されている他の材料および製造プロセスを使用して、金属、プラスチック、ポリマーから製造することができる。
【0165】
いくつかの実施形態では、アンカー装置712(例えば、ベース部材12、アンカープレートなど)が、アンカー装置712を保持するための捕捉端部714を有するフリッパー装置710に装填される。いくつかの実施形態では、捕捉端部714はまた、テンショナブルな固定部材16の位置決めを可能にするための追加の特徴または切り込み716を有することができる。ほんの一例として、フリッパー装置710は、骨トンネルを介して所望の位置までアンカー装置712を搬送するのを補助するシャフト718を有する。このアンカー装置712は、テンショナブルな固定部材が装置712に連結された状態で捕捉端部714に結合されている。テンショナブルな固定部材16は、反対側の端部が別のコンポーネント720(例えば、上述のロック要素14)に接続されている。この第2のコンポーネント720は、挿入前に装置ポケット722に配置することができる。この位置は、第2のコンポーネント720をテンション下に維持するフリッパーまたはスライダー724の機能によって維持される。骨トンネルが作られると、アンカー装置712は、修復を完了することができるように、トンネルを介してその所望の位置に搬送される。アンカー装置712が搬送されると、この実施形態ではスライダー724が遠位側に押されて可撓性固定部材16のテンションが解放される。これにより、ロッドプッシャー726がアンカー装置712を押してアンカー装置712を反転させることもできる。オペレータがスライダーを押して縫合糸構成体のテンションを解放すると、このバネ式構成体728のテンションが増加する。バネが装填されていることによるこのフリッパー710の自己テンショニング機構は、その静止状態(例えば、
図79)において非伸張位置にある傾向を有し、このバネ式機能は、静止位置に戻る傾向を有し、テンショナブルな固定部材16の緩みが取り除かれることになるので、縫合糸におけるテンションを維持するために、スライダーは、装置ポケット722(例えば、
図78)内に第2のボタン装置720を送るために下方に押される。プッシュロッド726はフリッパー装置710のカニュレーションを通過する。スライダー724が遠位側に押されると、プッシュロッド726がアンカー装置712を反転させてアンカー機能と係合させる。この装置は、異なる実施形態では、コンポーネントを反対方向に移動させるか、バネまたはバネ状のテンショナブルな機能を異なる位置に装填することにより、反転が発生するように変更される。バネ式機構は、実際のバネ、またはニチノールなどの弾性特性を変化させて同じ機能を実行できる材料とすることができる。
自動ロック設計を備えた骨折プレート
【0166】
図84~
図89は、いくつかの実施形態による、自動ロック設計を備えた骨折修復プレート810の一例を示す。
【0167】
いくつかの実施形態では、本開示は、骨または軟部組織の外科的修復に使用され得るノットレス固定アセンブリを対象とする。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されたノットレス固定アセンブリは、ベース部材、ロック要素、および骨または軟部組織を安定化、固定、および/または修復するために使用され得る外科用縫合糸、テープ、および/またはワイヤなどの1つ以上のテンショナブルな固定部材を含む。いくつかの実施形態では、固定アセンブリは、内蔵ロック機構を有するか、または二次ロック要素を必要とし、テンショナブルな固定部材は、骨、軟部組織、または別の部材を固定(secure)、固定(fix)、および/またはそれにテンションをかけて、同じ所望の結果を達成するために使用され得る。いくつかの実施形態では、ロック機構は、ノットレスな方法でテンショナブルな固定部材を固定することができる。いくつかの実施形態では、ユーザは、本明細書に記載のノットレスロック機構に加えて(またはそれとは独立して)、結び目を使用して二次ロックを提供することができる。
【0168】
典型的には、骨折の修復は、修復を確立するためにプレートとねじの使用を伴う。これらの技術は骨折の修復に有効であるが、骨折の沈下、整復の失敗を引き起こす骨折片の不適切な捕捉、再手術を必要とする関節腔へのインプラントの突出を含む(が、これらに限定されない)理由で失敗する集団もある。ほんの一例として、典型的な骨折プレートには、ねじを通し、骨折を固定するための穴が開いている。既存のシステムの問題点は、小さな骨片を貫通できるねじのねじ山が十分ではなく、ねじが腱に付着した小さな骨片を捕捉できず、使用したとしても、複数の小さな骨片に砕けて骨を損傷する可能性があることである。また、軟部組織または骨を通る縫合糸を使用して軟部組織または骨をプレートに修復するために他の方法が使用され、次いで、縫合糸は、プレートの穴を通って骨に接続され、結び目で固定される。また、縫合糸をトンネルに通すために、外科医が複雑な結び目技術を使用したり、良い骨の残りの部分に追加の穴を開けたりしなければならないという問題もある。結び目の緩み、追加の穴による骨折、軟部組織の破損、またはねじが骨片を捕捉していないことによる失敗が発生する可能性がある。
【0169】
上記の問題は、変形治癒、癒合不全、追加固定のための多数の経過観察、および/またはハードウェア合併症に対処するためのハードウェアの除去または手術につながる可能性がある。本開示は、軟部組織および骨の修復に使用することができ、具体的には、圧縮、整復、および骨折治癒を達成するために骨折部位にわたって使用することができるテンショナブルな固定部材を含むノットレス固定アセンブリの修復方法および使用法を記載することによって、従来技術の方法の問題に対処する。
【0170】
現在開示されているノットレス固定アセンブリは、軟部組織修復、骨修復、または縫合糸もしくは他のテンショナブルな固定部材をノットレスな方法で固定するための固定方法を実行する能力を提供し得る。いくつかの実施形態では、本開示の固定アセンブリは、ロックを行うために第2のコンポーネントに依存しないように設計されている。いくつかの実施形態では、固定アセンブリは、テンショナブルな固定部材をテンショニング方向に引っ張ることによって修復箇所に最適にテンションをかける能力を維持し、テンショナブルな固定部材の反対方向への滑りを防止することによって修復箇所の安全性を提供するロック機能を含む。
【0171】
いくつかの実施形態では、本開示の固定アセンブリは、骨折プレートの用途で使用されるように設計され、骨折が関節面の近くで固定される場合に特に有用である。いくつかの実施形態では、関節面の角度、例えば傾斜角または曲率は、解剖学的位置に応じて変化し得る。一例として、ハードウェアの配置によって関節面にさらなる損傷を与えることなく関節面を正確に整復することは、患者の転帰にとって極めて重要である。現在説明されているノットレス固定アセンブリは、限定はされないが(ほんの一例として)、関節面の近くで使用される骨折プレート、例えば、遠位および橈骨、足関節の周り、または肩の骨折、あるいは非関節の場所などを含む、骨折プレートシステムと協働する能力を有する可能性がある。いくつかの実施形態では、ノットレス固定アセンブリは、パイロット穴を使用して骨折プレートの穴を通して導入され、固定アセンブリは、シャトリング装置を使用して骨折部位をシャトリングし得る。骨折部位の遠位端の皮質の外側に到達すると、固定アセンブリは、遠位端を横切って形状を変え、配向を変え(例えば、長手方向から水平方向へ)、および/またはサイズを拡大することによって、整復を達成するためにテンションがかけられ得る。テンショナブルな固定部材(縫合糸、テープ、ワイヤーなど)のテンショニングにより、骨折部位に圧縮が生じる。装置のシャトリングのために作られた小さなパイロット穴により、装置を関節面の近くに配置することができる。テンショニングにより、骨折部位での圧縮までの間骨折が軽減され、ロック部材が固定プレート内でロックすることが可能になる。これにより、癒合不全、変形治癒、ハードウェア合併症および再手術のリスクが低減される。また、修復を達成するために、外科医が何度も切開して追加のハードウェアを配置するのを防止することもできる。
【0172】
軟部組織812と骨の外皮の再確立は、特に筋肉と腱が運動活動の範囲を補助する関節の周囲である場合、うまく機能する修復にとって極めて重要である。一例として、本開示の骨折プレート810は、1つ以上のテンショナブルな固定部材16(例えば、外科用縫合糸、テープ、ワイヤなど)を使用して、ノットレスな方法で骨折プレート810を介して軟部組織812と骨4とを接続する。ほんの一例として、骨折プレート810は、骨折プレート810がロックインターフェースにおいて一方の圧縮面を供給し、テンショナブルな固定部材16によってプレートに固定されたロック要素がロックインターフェースにおいて他方の圧縮面を供給するという点で、上述したベース部材12、112、212、312、412、912に類似している。
【0173】
いくつかの実施形態では、骨折プレート810は、プレート810とのロックインターフェース820を作るロック要素816、818、822、823を使用して、(例えば、上述した軟部組織固定技術と同様に)ノットレスな方法でのねじの通過および/またはプレート810による軟部組織812の修復のために構成された1つ以上の穴814を含む。ほんの一例として、本明細書に示され記載されたプレート810は、限定はしないが、ロック要素816(例えば、’855特許に示され記載されたロック要素と同様であり、任意選択で、アンカー装置832とともに使用され得る)、ロック要素818(例えば、任意選択で、アンカー装置832とともに使用され得る)、ロック要素822(例えば、1つのテンショナブルな固定部材16とともに使用するように構成される)、およびロック要素823(例えば、ロック要素822に類似するが、2つのテンショナブルな固定部材16とともに使用するように構成される)を含む、ロック要素の異なる実施形態との複数の相互作用を示す。添付の図面にほんの一例として示されている骨折プレート810は、例示にすぎず、示されている各タイプのロック要素を必ずしも含む必要はない。
【0174】
いくつかの実施形態では、プレート810は、ロック要素816、818、822、または823とともに、軟部組織812のテンショニングを補助することができる。
【0175】
ほんの一例として、プレート810と様々なロック要素816、818、822、823との間の相互作用によって作られるロックインターフェース820は、プレート810上の1つ以上の圧縮面間の相互作用を含み、ロック要素上の1つ以上の相補的な圧縮面と相互作用して、テンショナブルな固定部材16が引張方向に引張られたときにテンショナブルな固定部材16を捕捉する「ピンチポイント」を形成する。
【0176】
いくつかの実施形態では、同様の機構を、全関節プロテーゼ826または部分関節プロテーゼ(例えば、
図89参照)において使用することができ、軟部組織(例えば、腱)812は、人工関節826を介して直接接続されるか、同種埋め込み片を使用して人工関節に接続されるか、または人工関節がロック要素822(またはロック要素816、818、または823)に接続されると軟部組織のテンショニングおよびロックを補助することができるロックインターフェース820を有する機構を使用して骨に接続され得る。
【0177】
いくつかの実施形態では、本開示は、
図87にほんの一例として示すように、骨4および/または組織812の修復に使用され得る骨折プレート810またはプロテーゼ826について記載する。いくつかの実施形態では、プレートは、骨折修復の一部として骨内で確実に固定するように構成されたねじの通過のために構成された1つ以上の穴814を含む。いくつかの実施形態では、プレート810は、ロック要素816、818、822、823または嵌合装置、例えば、本明細書に開示された固定アセンブリ11、110、210、310、410、510、910...のいずれか、および/または’855特許に記載された固定アセンブリと係合したときに、ロックインターフェース820の一部を形成する圧縮面を有するか、または圧縮面として機能し得る、プレートの中心および/または周縁に向かう開口部を含む。これにより、軟部組織812に取り付けられたテンショナブルな固定部材16が、軟部組織または骨の修復に使用される穴814に通され、次いで、テンショナブルな固定部材16が、プレートとのロックインターフェース820を作る嵌合面または圧縮面を有するロック要素816、818、822、823中をシャトルし、一方向へのテンショニング、および反対方向に引っ張られたときに修復の緩みまたは破損を防止するロックを可能にする。いくつかの実施形態では、テンショナブルな固定部材16は、穴814を通って、ロック要素816、818、822、823の周りをU字形状にループし、次いで、軟部組織812に取り付けられ、穴814に隣接する別個の出口穴834(
図85~
図86にほんの一例として示す)であり得る、あるいはスロット、溝、チャネル、または穴814の近傍の他の通路を含み得る出口通路834を通ってプレート810を再び近位側に通過する。重要なことは、出口通路834が、テンショナブルな固定部材16をロックインターフェース820に案内して、所望のテンションが加えられると、テンショナブルな固定部材16のノットレスなロックを確実にすることである。
【0178】
いくつかの実施形態では、複数の軟部組織または骨または骨の小片を骨折プレートまたは直接骨に対して修復するために使用することができる複数の穴814および/またはロックインターフェース面820が存在し得る。いくつかの実施形態では、骨折プレート810は、軟部組織または骨修復を固定するためにテンショナブルな固定部材16の摩擦または圧縮ロックを生じさせることができる表面を有する。
【0179】
いくつかの実施形態では、軟部組織修復およびロック要素(816または818または822または823)との嵌合のために使用されたロックインターフェース面820を含む同じ穴814は、ねじ830を受け入れるために使用することもできる。
【0180】
いくつかの実施形態では、骨折プレート810は、テンショナブルな固定部材16との摩擦の圧縮機構を作り出すことによって軟部組織を固定するために使用されるテンショナブルな固定部材をロックするねじを有することができる。
【0181】
いくつかの実施形態では、プレートの形状は可変であり得る。いくつかの実施形態では、テンショナブルな固定部材16の数は、設計構成に基づき得、テンショナブルな固定部材は、近位方向または遠位方向にテンションをかけることができるが、テンショニングを可能にする一方向があり得、反対方向への引っ張りは、ロックインターフェースによって防止される。さらに、テンショナブルな固定部材16の数は可変であり得るが、プレート810には、使用される各テンショナブルな固定部材16の各端部のための出口通路834を設けるものとする。
【0182】
上記の実施形態は、ノットレスな修復を提供することを支援し、オペレータの好みに合わせてテンションをかける能力を提供する。本開示の骨折プレート810は、より優れた修復をもたらすよりモジュラーなシステムを提供する。
【0183】
いくつかの実施形態では、骨折プレート810は、プレート810が取り付けられる骨の遠方皮質上のアンカー装置832の使用を含み、ロック要素(816、818、822、823)の前半部分(近位半分)に対するプレートおよびロックインターフェース820の相互作用によって生じるロックで縫合糸を近位方向に引っ張ることによってテンショニングが行われる。
【0184】
一例として、本明細書に開示された骨折プレート810システムおよび修復方法は、限定はされないが(ほんの一例として)、以下を含む、従来技術のシステムよりも有利な多くの特徴を誇っている。
a.骨折プレート810自体が、ロック要素および/またはアンカー装置のためのロックインターフェース820を提供する。
b.骨折プレート810は、ロック要素および/またはアンカー装置とのロックインターフェース820を形成することができる。
c.骨折プレート810は、ロックインターフェース820を有し、テンショナブルな固定部材16をロックする面を有することにより、ノットレスな方法で修復を行うことができる。
d.骨折プレート810は、二重の機能的役割を有することができ、テンショナブルな固定部材16をロックするためにロック要素とともに使用することができ、またはねじ830を通すために使用することもできる。
e.骨折プレート810は、一方向が近位側である、または一方向が遠位側である二方向のテンショニングを可能に得る。
f.骨折プレート810は、プレート810とのロックインターフェース820を有するロック要素または装置の補助により固定された軟部組織修復バージョンを有することができる。
g.骨折プレート810は、他の固定部材とロックするロックインターフェース820を有する表面を有することにより、ノットレスな方法で修復を行うことができる。これにより、圧縮および摩擦を使用してテンショナブルな固定部材16を固定することができる。
【0185】
前述の詳細な説明は、任意の当業者が本明細書に記載のボタン-縫合糸アセンブリを作製し、使用することができるように提示されている。説明の目的で、本発明の完全な理解を提供するために、特定の詳細が記載される。しかしながら、本明細書に記載の方法を実施するために、これらの具体的な詳細が必要でないことは、当業者には明らかであろう。特定のアプリケーションの説明は、代表的な例としてのみ提供されている。好ましい実施形態に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義される一般原理は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態および用途に適用することができる。本発明は、示された実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示された原理および特徴と一致する可能な限り広い範囲を与えられるべきである。このような修正および変形はすべて、公正、法的、および公平に付与される利益に従って解釈される場合、本開示から派生するあらゆる主張によって決定される本発明の範囲内にある。
【国際調査報告】