(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】衣生地シャワー装置及び塗布方法
(51)【国際特許分類】
A23P 20/15 20160101AFI20240517BHJP
A23L 5/00 20160101ALI20240517BHJP
A23L 5/10 20160101ALI20240517BHJP
A23L 13/00 20160101ALI20240517BHJP
A23L 13/50 20160101ALI20240517BHJP
【FI】
A23P20/15
A23L5/00 F
A23L5/10 D
A23L13/00 E
A23L13/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573469
(86)(22)【出願日】2022-06-08
(85)【翻訳文提出日】2023-12-18
(86)【国際出願番号】 US2022032688
(87)【国際公開番号】W WO2022261218
(87)【国際公開日】2022-12-15
(32)【優先日】2021-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397058666
【氏名又は名称】カーギル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【氏名又は名称】式見 真行
(74)【代理人】
【識別番号】100197583
【氏名又は名称】高岡 健
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャイケーゴー、パチャラーダ
(72)【発明者】
【氏名】チャイプラシットフォン、プレーヤヌク
(72)【発明者】
【氏名】コンプーンヴィラン、ジュタマス
【テーマコード(参考)】
4B035
4B042
4B048
【Fターム(参考)】
4B035LC03
4B035LE17
4B035LK15
4B035LP02
4B035LP07
4B035LP27
4B035LT10
4B042AC05
4B042AD18
4B042AE03
4B042AG07
4B042AH01
4B042AP04
4B042AP05
4B042AT05
4B048PE11
4B048PN03
4B048PN20
4B048PS13
(57)【要約】
食用製品上に衣生地をコーティングする方法であって、少なくとも1つの食用製品をコンベヤの上面上で衣生地付け機に向けて搬送するステップと、少なくとも1つの食用製品を衣生地付け機の衣生地分配チャンバの下に搬送するステップであって、衣生地分配チャンバが、衣生地を分配することができる底部分配チャンバ面を通って延在する複数の間隔を空けて配置されたアパーチャを含み、衣生地分配チャンバが、少なくとも1つの食用製品が搬送されている方向に対して概ね垂直である方向に振動する、搬送するステップと、複数の間隔を空けて配置されたアパーチャから少なくとも1つの食用製品の外面上に衣生地を分配して、外面上にあるパターンの衣生地ストライプを提供するステップと、を含む、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食用製品上に衣生地をコーティングする方法であって、
少なくとも1つの食用製品をコンベヤ上で衣生地付け機に向けて搬送するステップと、
少なくとも1つの食用製品を前記衣生地付け機の衣生地分配チャンバの下に搬送するステップであって、前記衣生地分配チャンバが、衣生地を分配することができる底部分配チャンバ面を通って延在する複数の間隔を空けて配置されたアパーチャを含み、前記衣生地分配チャンバが、前記少なくとも1つの食用製品が搬送されている方向に対して概ね垂直である方向に振動する、搬送するステップと、
前記複数の間隔を空けて配置されたアパーチャから前記少なくとも1つの食用製品の外面上に衣生地を分配して、前記外面上にあるパターンの衣生地ストライプを提供するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの食用製品を搬送する前記ステップが、前記少なくとも1つの食用製品の前記外面上に所定のパターンの衣生地ストライプを提供する速度で搬送することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの食用製品を前記衣生地分配チャンバの下に搬送する前記ステップが、前記少なくとも1つの食用製品の前記外面上に所望のパターンの衣生地ストライプを提供する周波数及び振幅で前記衣生地分配チャンバを振動させることを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの食用製品の前記外面上に衣生地を分配する前記ステップの後に、オーバーフロー衣生地を供給容器に導くステップを更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記供給容器内でオーバーフロー衣生地を新しい衣生地と組み合わせて、前記複数の間隔を空けて配置されたアパーチャから前記少なくとも1つの食用製品の前記外面上に衣生地を分配する前記ステップで使用するための衣生地混合物を提供するステップを更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
新しい衣生地をオーバーフロー衣生地と組み合わせる前記ステップが、新しい衣生地のオーバーフロー衣生地との所定の比率を提供するように前記衣生地混合物を制御することを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
新しい衣生地をオーバーフロー衣生地と組み合わせる前記ステップが、前記衣生地混合物の温度を制御することを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
新しい衣生地をオーバーフロー衣生地と組み合わせる前記ステップが、前記衣生地混合物の前記温度を約15℃~約20℃の範囲内であるように制御することを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の間隔を空けて配置されたアパーチャから衣生地を分配する前記ステップが、前記衣生地の前記温度を約8℃~約12℃の範囲内であるように制御することを更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つの食用製品をコンベヤ上で衣生地付け機に向けて搬送する前記ステップの前に、第1のフライヤで前記少なくとも1つの食用製品を揚げるステップを更に含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記複数の間隔を空けて配置されたアパーチャから前記少なくとも1つの食用製品の外面上に衣生地を分配する前記ステップの後に、前記少なくとも1つの食用製品を第2のフライヤで揚げるステップを更に含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの食用製品を第2のフライヤで揚げる前記ステップの後に、前記少なくとも1つの食用製品を焼くステップを更に含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
衣生地シャワー装置であって、
製品移動方向に移動可能な上面を含むコンベヤと、
前記コンベヤの前記上面の一部の上に位置決めされた衣生地分配チャンバであって、前記衣生地分配チャンバが、底部分配チャンバ面を通って延在する複数の間隔を空けて配置されたアパーチャを含み、前記衣生地分配チャンバが、製品移動方向に概ね垂直である方向に移動可能である、衣生地分配チャンバと、を備える、衣生地シャワー装置。
【請求項14】
前記衣生地分配チャンバの前記移動が、振動移動を含む、請求項13に記載の衣生地シャワー装置。
【請求項15】
前記複数の間隔を空けて配置されたアパーチャが、前記衣生地分配チャンバの幅にわたって概ね等間隔を空けて配置されている、請求項13又は14に記載の衣生地シャワー装置。
【請求項16】
前記複数の間隔を空けて配置されたアパーチャが、前記衣生地分配チャンバの幅にわたって概ね不等間隔を空けて配置されている、請求項13又は14に記載の衣生地シャワー装置。
【請求項17】
前記衣生地分配チャンバが、オーバーフロー衣生地を供給容器に導くための流出部材を含む、請求項13~16のいずれか一項に記載の衣生地シャワー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年6月8日に出願された米国仮特許出願第63/208,064号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、食用製品上にコーティング材料のパターンを塗布するための装置及び方法に関し、より具体的には、生産ラインに沿って移動する食用製品に衣生地(例えば、天ぷら衣生地)のストライプ状のコーティングを塗布するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
調理済み又は「すぐに加熱できる」食用製品は長年にわたって入手可能であり、消費者は単にパッケージから食用製品を取り出し、提供された調理説明書に従って従来のオーブン、オーブントースタ、又は電子レンジで調製する能力を与える。多くの場合、そのような食用製品は調理前に冷凍状態にある。典型的に、製品を許容可能な提供温度まで解凍及び/又は加熱する前に、追加の材料又は調製は必要がない。調理方法にもよるが、調理済み食用製品の品質は、最初から調理した同様の物品の品質と少なくとも多少異なることがよくある。しかしながら、消費者はこれらの調理済み食用製品の利便性を利用するために、食品の品質又は鮮度をある程度犠牲にすることをいとわないことがよくある。
【0004】
鶏肉パテ又はストリップの形態の鶏の個々の肉片は、そのような方式で提供される特に人気のある食用製品である。一例示的なプロセスでは、鶏肉片は、特定のサイズ及び形状パラメータを満たすように選択及び/又は形成され、その後、それらが均一な衣生地又はコーティング層で覆われるように、衣生地に浸すか又は浚渫される。次いで、コーティングされた鶏肉片は、それらが少なくとも部分的に調理される適切な調理装置(例えば、オーブン又はフライヤ)に送られる。その後、鶏肉片を冷凍し、袋詰めし、箱詰めして、配送センタ、食料品店、レストラン、又は中間保管場所に輸送することができ、典型的に最終調理プロセスの直前まで冷凍されたままとなる。
【0005】
上述の調製方法は、食用片の面全体に概ね均一なコーティングを有する食用製品には適切であり得るが、一部の食用製品には、より望ましくは、新たに調製された食用物品に類似した外部食感を有するコーティングが提供されるであろう。したがって、そのような外部食感を食用製品に提供するコーティング材料を塗布する装置及び方法が望まれている。
【発明の概要】
【0006】
本明細書に説明される本発明の態様は、鶏肉片などの食用製品にコーティングのパターンを適用するためのコーティング装置及び方法を対象とする。本発明の実施形態では、コーティング装置は、美的に美しく、消費時に魅力的な食感を提供するコーティングストライプの隆起パターンをもたらす方式で、食用製品に衣生地を塗布する。これは、食用製品をコンベヤ上で移動させ、そのような食用製品に衣生地のストライプを「シャワー」する装置の上又は下を移動させることによって達成される。衣生地のストライプは、直線状、波状、又は不規則であってもよいが、食用製品の各バッチの小片の全てについて概ね一貫している。
【0007】
本発明の態様では、コーティング装置は、食用製品上に第2の又は外側コーティングを提供するために使用されるが、この装置は、付加的に又は代替的に、単層コーティング動作及び/又は第2の層を越える層の追加に使用することができる。コーティング層は、例えば、揚げられたときにカリカリ又はサクサクした食感を提供する「ふわっとした」天ぷら衣生地などの衣生地であってもよい。
【0008】
本発明の一態様では、説明されているのは、食用製品上に衣生地をコーティングする方法であって、少なくとも1つの食用製品をコンベヤの上面上で衣生地付け機に向けて搬送するステップと、少なくとも1つの食用製品を衣生地付け機の衣生地分配チャンバの下に搬送するステップであって、衣生地分配チャンバが、衣生地を分配することができる底部分配チャンバ面を通って延在する複数の間隔を空けて配置されたアパーチャを含み、衣生地分配チャンバが、少なくとも1つの食用製品が搬送されている方向に対して概ね垂直である方向に振動する、搬送するステップと、複数の間隔を空けて配置されたアパーチャから少なくとも1つの食用製品の外面上に衣生地を分配して、外面上にあるパターンの衣生地ストライプを提供するステップと、を含む、方法である。
【0009】
本発明の一態様では、食用製品は、食用製品の外面上に所定のパターンの衣生地ストライプを提供する速度で搬送され得る。加えて、食用製品を衣生地分配チャンバの下に搬送するステップは、食用製品の外面上に所望のパターンの衣生地ストライプを提供する周波数及び振幅で衣生地分配チャンバを振動させるステップを含み得る。
【0010】
方法は、食用製品の外面上に衣生地を分配するステップの後に、オーバーフロー衣生地を供給容器に導くステップを更に含み得る。方法は、供給容器内でオーバーフロー衣生地を新しい衣生地と組み合わせて、複数の間隔を空けて配置されたアパーチャから食用製品の外面上に衣生地を分配するステップで使用するための衣生地混合物を提供するステップを更に含み得る。
【0011】
本発明の一態様では、方法は、食用製品をコンベヤの上面上で衣生地付け機に向けて搬送するステップの前に、第1のフライヤで少なくとも1つの食用製品を揚げるステップを更に含み得る。方法は、複数の間隔を空けて配置されたアパーチャから食用製品の外面上に衣生地を分配するステップの後に、食用製品を第2のフライヤで揚げるステップを付加的に含み得る。方法は、食用製品を第2のフライヤで揚げるステップの後に、食用製品を焼くステップを付加的に含み得る。
【0012】
これら及び様々な他の機能及び利点は、以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
例示的な装置及び方法は、添付の図面を参照して更に説明されるが、いくつかの図を通して同様の構造は同様の番号で参照される。
【
図1】本明細書で説明された衣生地塗布装置及び方法を使用してコーティングされた例示的な食用製品の上面図である。
【
図2】本明細書で説明された衣生地塗布装置及び方法を使用して食用製品を生産するための例示的な一連のステップのフローチャートである。
【
図3】食用製品を揚げて衣生地を塗布するための機器の例示的な実施形態の斜視図である。
【
図5】
図4に例示された機器の切断線A-Aに沿って得られた断面図である。
【
図6】
図5に例示された機器の一部の拡大断面図である。
【
図7】衣生地シャワー機器の例示的な実施形態の斜視図である。
【
図8A】衣生地シャワー機器とともに使用するためのジャケット付き供給容器の一実施形態の写真画像である。
【
図8B】衣生地シャワー機器とともに使用するためのジャケット付き供給容器の一実施形態の写真画像である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで図を参照すると、いくつかの図を通して構成要素には同様の数字が付けられており、最初に
図1を参照すると、3つの鶏肉片10が例示されており、各々が隆起した衣生地ストライプ12のパターンを有する外側コーティングを含む。衣生地ストライプ12は、鶏肉片10の各々にわたって概ね均一な間隔を空けて配置されているように示されているが、代わりに、互いに異なる距離で間隔を空けて配置することもでき、同じ鶏肉片10上の隣接するストライプ12と同じ又は異なる高さ、幅、及び長さを有することもできる。隣接するストライプ12間の空間は、ストライプ12のコーティング材料と同じか又は異なるコーティングである衣生地コーティングを含んでもよい。
【0015】
図2は、本明細書で説明された衣生地塗布装置及び方法を使用して食用製品を生産する例示的な方法20のフローチャートであり、例示を目的としている。いくつかの実施形態では、方法20は、説明されていない1つ以上の追加の動作を用いて、かつ/又は論じられた1つ以上の動作なしで達成され得る。付加的に、
図2に例示され、以下に説明される方法20の動作の順序は、限定することを意図したものではなく、ステップの少なくとも一部が示されているものとは異なる順序で行われること、及び/又はステップの一部を削除若しくは複製できることが考えられる。
【0016】
実施形態では、方法20のステップは、様々な食品の調理及生産ステップを整合するために情報を電子的に処理する1つ以上の処理デバイスによって制御され得る。処理デバイスは、電子記憶媒体に記憶された命令に応答して方法20の動作の一部又は全てを実行する1つ以上のデバイスを含み得る。処理デバイスは、方法20の1つ以上の動作を実行するために特別に設計されるハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを通じて構成される1つ以上のデバイスを含み得る。
【0017】
引き続き
図2を参照すると、例示された方法20は、概して、生の食用製品(例えば、鶏肉ストリップ)を、多くの処理ステップが行われる生産ラインに提供することを含む。これらの処理ステップが行われた後、食用製品は一般的に冷凍され、包装される。典型的に、消費者が食用製品を消費する前に行う必要がある唯一の更なる手順は、冷凍食用製品をパッケージから取り出し、提供された指示に従って何らかのオーブンで食用製品を調理することである。
【0018】
より具体的には、例示的な方法20は、まず、食用製品が処理のために調製されるステップ又は動作22を含む。このステップ22には、食用製品の重さを量るステップ、食用製品を検査して、処理に適したサイズと形状であることを確認するステップ、食用製品が生産ラインに提供されるまでの保管温度の管理するステップなどを含み得る。一例として、提供される食用製品は、皮なし及び骨なしの両方であり得る蒸し鶏肉胸肉ストリップである(例えば、当該技術分野においてSBBストリップとして知られる皮なし、骨なし胸肉)。これらのストリップは、特定の処理順序に望まれるように、凍結形式又は少なくとも部分的に解凍された形式のいずれかで提供することができる。食用製品はまた、ステップ又は動作24によって表されるように、食用製品の味、食感、又は他の特性を改変するために、必要に応じてマリネ漬けするか、又はその他の方法で処理することもできる。その後、食用製品は生産ラインで更に処理される準備が整う。
【0019】
食用製品を生産ラインに導入するために、多種多様な方法及び機器を使用することができる。一例として、食用製品は、制御された方式で食用製品を単一層でコンベヤ上に置くための機能を有するホッパ又は他の大きな容器に大量に供給される。別の例として、食用製品は、手作業又は別の移送機構によってバルク容器から取り出され、移動するコンベヤ上の所望の及び/又は所定の場所に配置され得る。コンベヤ上に食用製品を配置するための他の方法及び機器も考えられる。
【0020】
食用製品は、プレダストステップ又は動作26が行われるプレダストステーションに到達するまで搬送される。このステップでは、食用製品はプレダスト製品でコーティングされ、これは概して、コーティング又は他の材料の接着のために食用製品の面を調製するように設計又は選択される。プレダスト製品は更に、食用製品から水分を吸収するため、これらの製品へのコーティングの接着力を高めるため、収量を向上させるため、食用製品に風味を加えるため、食用製品のサクサク感を向上させるため、衣生地を塗布できる一貫した面(すなわち、コーティングの安定性)などを提供するため、設計又は選択することができる。プレダスト材料は、粉末として提供することができ、例えば、1種類以上の小麦粉及び/又はコーンスターチを含むことができる。
【0021】
次いで、プレダスト食用製品は、第1の例示的な衣生地付けステップ又は動作28が行われる第1の衣生地ステーションに更に搬送又は輸送される。この第1の衣生地付けステップ28では、衣生地は、食用製品が搬送されるか又は輸送される、ある量の衣生地を含むトラフ又はトレイに提供され得る。代替的又は付加的に、衣生地材料の一定の流れとしてコンベヤの幅にわたって延在する衣生地シャワーを使用して、衣生地を塗布することもできる。そのような場合、衣生地をトラフ又はトレイを通過させることによって各食用製品の下側に塗布する一方、衣生地材料の流れの下を通過させることによって各食用製品の上側に衣生地を塗布することが可能である。代替的に、食用製品の片面又は両面に第1の衣生地層を塗布するために、多くの異なる衣生地塗布方法及び装置を使用することもできる。第1の衣生地は、所望の量の第1の衣生地が食用製品に「付着」するように、食用製品の外側上のプレダスト材料と相互作用するように設計又は選択される。
【0022】
次いで、衣生地付け食用製品は、第1のフライヤに更に搬送され、そこで第1の揚げステップ又は動作30中に食用油で揚げられる。食用製品は、第1の衣生地層が安全に消費できるように十分に調理され、望ましい味、食感、外観になるまで、好適な温度及び時間で揚げられる。揚げる量を制御する1つの方法は、食用製品がプロセスを通って移動するコンベヤの速度を監視及び制御することである。以下に説明するように、本明細書に記載の方法に従って、別の衣生地層が食用製品に塗布されるため、温度及び揚げ時間は、単一の衣生地層のみを塗布した食用製品とは異なる場合がある。
【0023】
次いで、揚げた又は部分的に揚げた食用製品は、第2の衣生地ステップ又は動作32が行われる第2の衣生地ステーションに搬送される。本明細書で説明されるこの第2の衣生地付けステップのための装置及び方法で使用される衣生地は、揚げたときに「ふわっとした」又は少なくともわずかに膨張してカリカリ又はサクサクした食感を提供する天ぷら衣生地であり得る。天ぷら衣生地は典型的には小麦粉及び水の混合物であるが、混合物には卵及び/又はコーンスターチ、ベーキングパウダ、コショウなどの他の成分も含まれ得る。しかしながら、本明細書で説明される装置及び方法で使用される衣生地は、一般に天ぷら衣生地と呼ばれる衣生地と必ずしも一致しない可能性がある他の衣生地を含むことができる。いずれの場合でも、使用される衣生地は、最終食用製品に所望の食感及び味を提供するように選択されることになる。
【0024】
この第2の衣生地付けステップに使用される衣生地は、アパーチャを含むチャンバ又はディスペンサの底部からその下面を通ってその下を通過する食用製品の上面に特定の速度で流れることができるように、粘稠度が提供される。機器及び関連するアパーチャは以下で更に詳細に説明されるが、説明される方法の目的のために、これらのアパーチャは概して、食用製品の面に所望のサイズ及びパターンの衣生地ストライプを提供するようにサイズ決定されかつ間隔を空けて配置される。すなわち、より小さい又はより薄いストライプにはより小さいアパーチャが使用され、より大きい又はより幅広のストライプを提供することが望ましい場合にはより大きなアパーチャが使用されることになる。チャンバ又はディスペンサは、コンベヤの幅に対して所定の速度で概ね前後に振動し、コンベヤに沿って通過する食用片上に一定量の衣生地を分配する。コーティングのパターン(例えば、パターンの「うねり」)は、例えば、チャンバ又はディスペンサが振動する速度、及び/又は食用製品が衣生地チャンバ又はディスペンサを通過して搬送される速度によって制御することができる。
【0025】
衣生地ストライプでコーティングされた後、ストライプ状かつ衣生地付けされた食用製品は、第2の揚げステップ又は動作34において食用油中で揚げられる第2のフライヤに搬送又は別の方法で輸送される。食用製品は、第2の衣生地層が安全に消費できるように十分に調理され、望ましい味、食感、外観に達するまで、好適な温度及び時間で揚げられる。揚げる量は、揚げる温度及び/又は食用製品が第2の揚げプロセスを通して移動するコンベヤの速度を監視及び制御することによって制御される。
【0026】
次に、食用製品は、ステップ又は動作36で表されるように、オーブンに搬送又は輸送され、そこで更に調理又は焼かれる。このステップは、食用製品の内部が所望の温度に到達するまで、二度衣生地付けした食用製品を好適な温度及び時間で焼くことを伴う。例示的な動作では、食用製品はコンベヤを介してオーブン内を移動されるが、他のタイプの輸送機器を使用することもできる。
【0027】
前述のステップが完了した後、食用製品を冷凍ステーションに更に移送し、そこで食用製品を適切に冷凍するのに必要な時間保持することになる。次いで、冷凍製品を冷凍庫から取り出し、消費者への出荷のために包装することができる。
【0028】
ここで
図3~
図7を参照すると、上述の食用製品の生産の一部に使用される機器の例示的な実施形態の様々な図が提供されている。特に、
図3~
図6は、第1の揚げステップ30、第2の衣生地付けステップ32、及び第2の揚げステップ34(これらのステップは
図2に関して上述した)を実行するための機器を例示する。第2の衣生地付けステップ32に使用される例示的な機器をよりよく例示するために、
図7は、
図3~
図6に示される他の生産機器とは別のこの機器を示す。
【0029】
概して、これらの図は、第1のフライヤ40と、第2のフライヤ42と、フライヤ40、42の間に位置決めされた衣生地付け機44と、を示す。本明細書に説明された実施形態では、衣生地付け機44は、例えば第1及び第2のフライヤ40、42などの機器の隣接する部品の間に位置決めできるように、比較的狭く構成される。衣生地付け機44は、生産機器の既存のステーション間に位置決めできるように後付けすることができるが、しかしながら、他の実施形態は、隣接するフライヤの間に位置決めされた特別に設計された衣生地付け機器を備えた生産機器を含むことができ、かつ/又は衣生地付け機は、本明細書に例示され、説明される衣生地付け機よりも比例して広いか又は狭い衣生地付け機を含むことができる。
【0030】
衣生地付け機44は、概ね水平なフレーム部材及び概ね垂直なフレーム部材の両方を有するフレーム50を含む。上側フレーム部材51は、概ね水平であり、食用製品上に衣生地ストライプを形成するために使用される機器を支持する。フレーム50の外周は、図示されるように概ね矩形であってもよく、異なる形状を有してもよい。フレーム50はまた、利用可能なスペース及びその上に取り付けられる構成要素の重量に応じて、例示されているよりも多い又は少ないフレーム部材で構成され得る。フレーム50の底部部分には車輪又はキャスタ80が設けられており、これらを使用して衣生地付け機44を所望の場所に移動させることができる。フレーム50の底部は、特に機器の動作中に衣生地付け機44を安定させるために使用できる、車輪又はキャスタ80の各々に隣接する任意の脚82も含む。車輪又はキャスタ80はロック可能であってもよい。
【0031】
供給容器70は、例えば、連続供給チューブを介して、又は容器70の上部に予め混合された衣生地を手動で添加することのいずれかによって、衣生地を充填可能又は部分的に充填可能に提供される。実施形態では、供給容器70は、開いていてもよく(図示のように)、必要に応じて取り外し可能な上部を含んでもよく、又は、衣生地供給機構(例えば、供給チューブ)が取り付けられる概ね密閉された容器として構成されてもよい。実施形態では、供給容器70は、容器70の温度を調節する際に使用する、例えば水はグリコールなどの流体を加熱又は冷却するための冷却ジャケット又は配管を含み得る(
図8A及び
図8Bを参照)。他の実施形態では、特定の供給容器70の衣生地がなくなった場合、又は別の衣生地を使用することが望ましい場合、そのような供給容器70を取り外して、充填された又は部分的に充填された供給容器70と交換することができる。
【0032】
衣生地分配チャンバ52は、衣生地付け機44の一端で上側フレーム部材51に隣接して支持されている。分配チャンバ52は、その上部領域に開口部54を含み、これに、例えば供給管66を介して液体衣生地を供給することができる。代替的に、衣生地は、分配チャンバ52の側部又は別の領域を通して提供され得る。いずれの場合でも、供給管66は、衣生地が供給容器70から分配チャンバ52の内部領域に移動するように、供給容器70と流体連通している。開口部54に衣生地が供給されるとき、所望の粘稠度の衣生地のみがシステムに入ることができるように、入ってくる衣生地を濾過して衣生地の大きな塊又は他の比較的大きな粒子を除去するフィルタ又はふるいを任意に設けることができる。開口部54においてフィルタ又はふるいによって濾過された材料は、スクラップ容器76内に置かれることになる。このスクラップ容器76が所定のレベルまで満たされると、それを取り外して、より多くの廃棄材料を収容できる同じ又は異なる容器76と交換することができる。
【0033】
選択的に濾過された衣生地は、開口部54から衣生地分配チャンバ52に向かって移動されることになる。衣生地は、衣生地分配チャンバ52の底部面を貫通するアパーチャ68(例えば、
図6参照)を通って延在する衣生地分配チャンバ52から出ることになる。アパーチャ68は、食用製品上に所望の衣生地パターンを達成するために、任意の所望の構成及び量で提供することができる。例えば、アパーチャ68は一列に配設することができ、アパーチャ68は分配チャンバ52の幅に沿って千鳥状に配置することができ、又はアパーチャ68は異なるパターンで配設することができる。衣生地分配チャンバ52の各アパーチャのサイズは、食用製品のバッチの所望のストライプの一貫性に応じて、互いに同じであっても異なっていてもよい。すなわち、特定の食用製品で全ての衣生地ストライプを同じサイズにし、互いに同じ間隔を空けて配置することが望ましい場合、アパーチャは互いに同じ一般的なサイズとなり、分配チャンバ52の幅にわたって相互に同じ距離で間隔を空けて配置される。したがって、いくつかの衣生地ストライプが互いに異なるサイズ又は間隔を有することが望ましい場合、アパーチャは、分配チャンバ52の幅にわたって互いに異なるサイズ及び/又は間隔を有することになる。
【0034】
衣生地付け機44は、衣生地分配チャンバ52の振動又は前後の移動(すなわち、揺れ)(すなわち、モータ60に向かう移動及び遠ざかる移動の両方)を容易にするモータ60に動作可能に取り付けられた少なくとも1つのシャフトスライド56及び少なくとも1つのシャフトガイド58を更に含む。衣生地分配チャンバ52の移動は、これらの構成要素の互いに対する他の配置も本開示の範囲内であるとみなされるが、食用製品が搬送される方向に対して概ね垂直であり得る。モータ60は、モータ支持体64に取り付けられ、任意選択の保護カバー62が設けられる。
【0035】
上で論じたように、衣生地分配チャンバ52のアパーチャ68のサイズは、一定量の衣生地がチャンバ52から出て、その下を通過する食用製品上に置くことができるように設計又は選択される。置かれた衣生地の形状を更に制御するために、衣生地分配チャンバ52が振動又は揺動される速度、周波数及び振幅は、食用製品が衣生地分配チャンバ52の底部を通過して搬送される速度に関して整合される。すなわち、食用製品が特定の速度で移動しているとき、衣生地チャンバ52は、所望のパターンの衣生地ストライプが各食用製品上に置かれるように振動することになる。振動衣生地分配チャンバ52と、食用製品を移動させるコンベヤ又は他の機構とが相対的に移動する速度は、対象の食用製品上に様々な衣生地パターンを提供するように調整及び整合することができる。特定の例示的な実施形態では、衣生地パターンは、食用製品の上側面にわたって互いに概ね等距離で間隔を空けて配置された波状ストライプを含む。
【0036】
一般に、食用製品が存在し、衣生地分配チャンバ52を通過して搬送されるとき、衣生地の連続供給が供給されることになる。しかしながら、衣生地の少なくとも一部は、食用製品が存在しない領域においてコンベヤベルト上に置かれ得る。この衣生地は概して再利用可能であり、そのため、衣生地付け機は、オーバーフロー容器72及び戻りチューブ74を含む衣生地の再利用及びリサイクルシステムを含むこともできる。食用製品に置かれていない再利用可能又はリサイクル可能な衣生地は、コンベヤシステムからオーバーフロー容器に落下し、その後、戻りチューブ74を通って供給容器70に向かって流れ戻ることになる。
【0037】
衣生地付け及び揚げるシステムは、供給容器70内で再利用された衣生地の新しい衣生地との所望の比率が維持されるように制御することができる。例示的な実施形態では、供給容器70内の衣生地混合物は、約30%の再利用又はリサイクルされた衣生地と、約70%の新しい衣生地との組み合わせを含み、これにより、本明細書で説明されるように、食用製品上にシャワーをかけるための衣生地混合物の所望の粘度を提供することができる。しかしながら、特定の混合物中の再利用衣生地及び新しい衣生地の相対量は、供給容器70から出る衣生地混合物の所望の特性に応じて、この比とはわずかから大幅に異なる可能性があることが理解される。
【0038】
更に、コーティングプロセス中に衣生地混合物の温度を監視及び制御することもでき、新しい衣生地の許容温度範囲は、少なくとも一部のリサイクルされる衣生地を含む衣生地混合物の許容温度範囲とは異なる可能性があることが考えられる。例示的な実施形態では、新しい衣生地溶液は、約12℃未満、より具体的には約8℃~約12℃の範囲の目標温度を有することができ、一方、リサイクルされた衣生地を含む衣生地溶液は、約20℃未満、より具体的には約15℃~約20℃の範囲の目標温度を有することができる。目標温度は、これらの例示的な温度より高くても低くてもよいが、いずれの場合でも、所望の温度範囲内に保つように監視及び制御することができる。
【0039】
衣生地をコーティングした揚げ食品は幅広い魅力を有しており、本明細書で説明されるパターン化されたコーティングは、消費者にとって魅力的であり得る更なる味及び食感品質を提供する。上記では鶏肉片を示し説明したが、他の食用製品も本明細書で説明された生産機器及び方法で使用できることに留意されたい。他の例示的な食用製品としては、魚及び他の肉製品、野菜、及び果物が挙げられる。他の食用製品の場合、食用製品は、
図2に示す例示的な方法で説明したものとは異なるステップ及び機器を含む方法で処理されてもよい。
【0040】
以上、本発明をそのいくつかの実施形態を参照して説明した。上述の発明を実施するための形態は、理解を明確にするためにのみ提示してきた。本明細書から無用の限定を解するべきではない。本発明の範囲から逸脱することなく、説明した実施形態に多くの変更を加え得ることが当業者には明らかであろう。上記で説明された実装態様及び他の実装態様は、以下の特許請求の範囲内にある。
【国際調査報告】