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特表2024-520553効率的なエネルギー収穫のためのデバイス及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】効率的なエネルギー収穫のためのデバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/00 20060101AFI20240517BHJP
   H02M 3/155 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
H02M3/00 H
H02M3/00 K
H02M3/155 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573567
(86)(22)【出願日】2022-06-01
(85)【翻訳文提出日】2023-11-29
(86)【国際出願番号】 EP2022064863
(87)【国際公開番号】W WO2022253879
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】21177065.6
(32)【優先日】2021-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521508634
【氏名又は名称】イー-ピース エセ.ア.
【氏名又は名称原語表記】E-PEAS S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】パレズ,ロビン
(72)【発明者】
【氏名】ゴッセ,ジェフロイ
(72)【発明者】
【氏名】デ ヴォス,ジュリエン
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA14
5H730AS01
5H730AS04
5H730AS05
5H730AS17
5H730BB13
5H730BB14
5H730DD16
5H730EE13
5H730FD11
(57)【要約】
本開示は、電圧変換器と、電力を抽出するための最適動作電圧を決定するための電力点追跡器と、コントローラとを含む電力管理デバイスに関する。本デバイスは、i)エネルギー源からの収穫可能電力の存在を示すエネルギー収穫信号を監視し、ii)エネルギー収穫信号を第1の閾値と比較し、且つiii)エネルギー収穫信号が、第1の閾値未満の値から、第1の閾値を超える値まで増加した場合、第1のトリガ信号を生成するように構成された感知デバイスを含むことを特徴とする。コントローラは、感知デバイスがトリガ信号を生成していない限り、第1のエネルギー収穫を行うことであって、第1の標的電圧を決定するために、電力点追跡器を周期的に動作させることと、第1の標的電圧において電圧変換器を動作させ、且つ規制することとを含む、行うことと、感知デバイスが第1のトリガ信号を生成している場合、第2のエネルギー収穫を行うことであって、感知デバイスによる第1のトリガ信号の生成に応答して、電力点追跡器を動作させ、且つ第2の標的電圧を決定することと、電力点追跡器が第2の標的電圧を決定することを完了した場合、第2の標的電圧において電圧変換器を動作させ、且つ規制することとを含む、行うこととを行うように構成される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー源からのエネルギーを管理するための電力管理デバイス(1)であって、
・電圧変換器(10)であって、前記電圧変換器の入力電圧を標的電圧(V)に規制するように構成された電圧変換器(10)、
・前記エネルギー源から電力を抽出するための最適動作電圧として前記標的電圧(V)を決定するように構成された電力点追跡器(20)、
・前記電圧変換器(10)及び前記電力点追跡器(20)の動作を制御するためのコントローラ(40)
を含む電力管理デバイス(1)において、
・感知デバイス(30)であって、
i)エネルギー源からの収穫可能電力を示すエネルギー収穫信号(E)を監視することと、
ii)前記エネルギー収穫信号(E)を第1の閾値(E,ET1)と比較することと、
iii)前記エネルギー収穫信号が、前記第1の閾値(E,ET1)未満の値から、前記第1の閾値(E,ET1)を超える値まで増加した場合、第1のトリガ信号(TPPT,T)を生成することと
を行うように構成された感知デバイス(30)
を含むことと、前記コントローラ(40)は、
i)前記感知デバイス(30)が前記第1のトリガ信号(TPPT,T)を生成していない限り、第1のエネルギー収穫(EH-1)を行うことであって、
a)第1の標的電圧(VT1)を決定するために、前記電力点追跡器(20)を周期的に動作させることと、
b)前記第1の標的電圧(VT1)において前記電圧変換器(10)を動作させ、且つ規制することと
を含む、行うことと、
ii)前記感知デバイスが前記第1のトリガ信号(T)を生成している場合、第1のエネルギー収穫(EH-1)を行うことから、第2のエネルギー収穫(EH-2)を行うことに切り替えることであって、第2のエネルギー収穫を行うことは、
a)前記感知デバイス(30)による前記第1のトリガ信号(TPPT,T)の前記生成に応答して、前記電力点追跡器(20)を動作させ、且つ第2の標的電圧(VT2)を決定することと、
b)前記電力点追跡器が前記第2の標的電圧(VT2)を決定することを完了した場合、前記第2の標的電圧(VT2)において前記電圧変換器を動作させ、且つ規制することと
を含む、切り替えることと
を行うように構成されることとを特徴とする電力管理デバイス(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の電力管理デバイスにおいて、前記感知デバイス(30)は、前記第1のトリガ信号(TPPT,T)を出力するための信号出力を含み、前記感知デバイス(30)の前記信号出力は、前記電力点追跡器(20)の信号入力と電気的に接続され、前記電力点追跡器(20)は、前記第1のトリガ信号(TPPT,T)を受信すると、前記第2の標的電圧(VT2)の第1の決定を開始するように構成されることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載の電力管理デバイスにおいて、前記感知デバイス(30)は、前記第1のトリガ信号(TPPT)を出力するための信号出力を含むことを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の電力管理において、前記コントローラ(40)は、前記第1のトリガ信号(T)が生成される場合、前記電力点追跡器(20)の第1の開始信号(S1)を生成するように構成され、前記電力点追跡器(20)は、前記第1の開始信号(S1)を受信し、且つ前記第1の開始信号(S1)を受信すると、前記第2の標的電圧(VT2)の第1の決定を開始するように構成されることを特徴とする電力管理。
【請求項5】
請求項4に記載の電力管理デバイスにおいて、前記コントローラ(40)は、前記感知デバイス(30)によって生成された前記第1のトリガ信号(TPPT,T)に対して前記第1の開始信号(S1)を遅延期間(ΔT)だけ遅延させるように構成されることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の電力管理デバイスにおいて、前記コントローラ(40)は、前記第1の開始信号(S1)の前記生成から第1の期間(T1)が経過した後、第2の開始信号(S2)を生成するように構成され、前記電力点追跡器(20)は、前記第2の開始信号(S2)を受信すると、前記第2の標的電圧(VT2)の第2の決定を開始するように構成されることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の電力管理デバイスにおいて、前記感知デバイス(30)は、前記エネルギー収穫信号(E)が、前記第1の閾値(ET1)を超える値から、前記第1の閾値以下である第2の閾値(ET2)未満の値に降下した場合、第2のトリガ信号(T)を生成するように構成され、前記コントローラ(40)は、
iii)前記感知デバイス(30)が前記第2のトリガ信号(T)を生成した場合、前記第2のエネルギー収穫(EH-2)を行うことから、前記第1のエネルギー収穫(EH-1)を行うことに切り替えること
を行うようにさらに構成されることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項8】
請求項7に記載の電力管理デバイスにおいて、前記コントローラ(40)は、前記第2のトリガ信号(T)が生成される場合、第3の開始信号(S3)を生成するように構成され、前記電力点追跡器(20)は、前記第3の開始信号(S3)を受信すると、前記第1の標的電圧(VT1)を決定することを開始するように構成されることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項9】
請求項7に記載の電力管理デバイスにおいて、前記感知デバイス(30)が前記第2のトリガ信号(T)を生成した場合、前記第2のエネルギー収穫(EH-2)を行うことから、前記第1のエネルギー収穫(EH-1)を行うことに前記切り替えることは、前記電力点追跡器が標的電圧決定のために動作可能である時点においてのみ実行されることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項10】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の電力管理デバイスにおいて、前記コントローラ(40)は、
iii)前記第1のトリガ信号(T)の第1の生成に続いて、前記第1のトリガ信号(T)の第2の生成なしに所定の期間(Tlap)が経過した場合、前記第2のエネルギー収穫(EH-2)を行うことから、前記第1のエネルギー収穫(EH-1)を行うことに切り替えること
を行うようにさらに構成されることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項11】
請求項10に記載の電力管理デバイスにおいて、前記コントローラ(40)は、前記所定の期間(Tlap)が経過した場合、第4の開始信号(S4)を生成するように構成され、前記電力点追跡器(20)は、前記第4の開始信号(S4)を受信すると、前記第1の標的電圧(VT1)を決定することを開始するように構成されることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項12】
1乃至11の何れか1項に記載の電力管理デバイスにおいて、第2のエネルギー収穫(EH-2)を前記行うことは、
c)前記感知デバイス(30)による前記第1のトリガ信号(T)の前記生成に応答して、初めて前記第2の標的電圧(VT2)の前記決定を行った後、前記第2の標的電圧(VT2)の前記決定を周期的に繰り返すために、前記電力点追跡器(20)を周期的に動作させること
をさらに含むことを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項13】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の電力管理デバイスにおいて、第2のエネルギー収穫(EH-2)を前記行うことは、
c)前記感知デバイス(30)による前記第1のトリガ信号(T)の前記生成に応答して、初めて前記第2の標的電圧(VT2)の前記決定を行った後、前記第2の標的電圧(VT2)の前記決定を周期的に繰り返すために、前記電力点追跡器(20)を周期的に動作させること、
d)決定されたそれぞれの第2の標的電圧(VT2)を標的閾値と比較すること
をさらに含み、前記コントローラ(40)は、
iii)前記電力追跡器の動作中、前記決定された第2の標的電圧が前記標的閾値未満である場合、前記第2のエネルギー収穫(EH-2)を行うことから、前記第1のエネルギー収穫(EH-1)を行うことに切り替えること
を行うようにさらに構成されることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の電力管理デバイスにおいて、前記第1の標的電圧(VT1)を決定するために、前記電力点追跡器(20)を前記周期的に動作させることは、第1の頻度で繰り返され、前記第2の標的電圧(VT2)を決定するために、前記電力点追跡器(20)を前記周期的に動作させることは、第2の頻度で繰り返され、ここで、F1>F2、又はF1<F2、又はF1=F2であり、F1及びF2は、それぞれ前記第1及び第2の頻度であることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項15】
請求項12乃至14の何れか1項に記載の電力管理デバイスにおいて、前記第1の標的電圧(VT1)の前記決定及び前記第2の標的電圧(VT2)の前記決定は、それぞれ第1の追跡期間(TP1)及び第2の追跡期間(TP2)中に行われ、前記第1の追跡期間(TP1)は、前記第2の追跡期間(TP2)と異なるか、又は代替的に、前記第1の追跡期間(TP1)は、前記第2の追跡期間(TP2)に等しいことを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項16】
請求項1乃至15の何れか1項に記載の電力管理デバイスにおいて、前記感知デバイス(30)は、前記エネルギー収穫信号(E)が、前記第1の閾値未満である第3の閾値(ET3)を超える値から、前記第3の閾値(ET3)未満の値に降下した場合、第3のトリガ信号(T)を生成するように構成され、前記コントローラ(40)は、エネルギー収穫モード(EH-M)と、低減された電力消費のスリープモード(SLP-M)との間で前記電力管理デバイスを切り替えるように構成され、前記第1のエネルギー収穫及び前記第2のエネルギー収穫は、前記エネルギー収穫モードであるときに行われ、前記コントローラ(40)は、前記第3のトリガ信号(T)が生成される場合、前記エネルギー収穫モード(EH-M)から、低減された電力消費の前記スリープモード(SLP-M)に前記電力管理デバイス(1)を切り替えるためのスリープ信号(SLP)を生成するように構成されることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項17】
請求項16に記載の電力管理デバイスにおいて、前記感知デバイス(30)は、前記エネルギー収穫信号(E)が、前記第3の閾値(ET3)未満の値から、前記第3の閾値(ET3)を超える値まで増加した場合、第4のトリガ信号(T)を生成するように構成され、前記コントローラ(40)は、前記第4のトリガ信号(T)が生成される場合、前記スリープモードから前記エネルギー収穫モードに切り替えるように構成されることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項18】
請求項1乃至17の何れか1項に記載の電力管理デバイスにおいて、前記感知デバイス(30)は、前記エネルギー収穫信号を前記第1の閾値と比較するための比較器を含むことを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項19】
請求項1乃至18の何れか1項に記載の電力管理デバイスにおいて、前記感知デバイス(30)は、固定時間基準にわたって前記電圧変換器(10)によって転送されている前記エネルギーを、前記基準時間窓にわたって転送されているエネルギーパルスの数を計数することによって監視するように構成され、前記固定時間基準にわたって計数される前記パルスの数は、前記エネルギー収穫信号(E)に対応することを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項20】
請求項19に記載の電力管理デバイスにおいて、前記固定時間基準は、1~250ミリ秒間の時間値であることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項21】
請求項1乃至20の何れか1項に記載の電力管理デバイスにおいて、前記電圧変換器(10)は、前記電力点追跡器(20)による前記標的電圧(VT1、VT2)の前記決定が完了する場合に動作を開始するように構成されることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項22】
請求項1乃至21の何れか1項に記載の電力管理デバイスにおいて、前記第2の標的電圧(VT2)において前記電圧変換器(10)を動作させ、且つ規制することは、固定期間(ΔTVC-ON)中に行われることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項23】
請求項1乃至21の何れか1項に記載の電力管理デバイスにおいて、前記第2の標的電圧(VT2)において前記電圧変換器(10)を動作させ、且つ規制することは、前記エネルギー収穫信号が、前記第1の閾値(ET1)以下であるさらなる閾値未満に降下したことを前記感知デバイス(30)が検出するまで行われることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項24】
請求項1乃至23の何れか1項に記載の電力管理デバイスにおいて、外部トリガ信号を受信するようにさらに構成され、前記コントローラ(40)は、前記外部トリガ信号が受信された場合、第2のエネルギー収穫(EH-2)を行うことを開始するようにさらに構成されることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項25】
請求項24に記載の電力点追跡器において、前記コントローラ(40)は、前記電力点追跡器を動作させることを開始することを、前記外部トリガ信号に対して遅延期間(ΔT)だけ遅延させるように構成されることを特徴とする電力点追跡器。
【請求項26】
請求項1乃至25の何れか1項に記載の電力管理デバイスにおいて、
・エネルギー源からエネルギーを受け取るための電力入力端子(11)、
・バッファキャパシタを接続するためのバッファキャパシタ端子(13)、
・スイッチ(SW)であって、前記スイッチが開かれているか又は閉じられているとき、前記バッファキャパシタ端子(13)がそれぞれ前記電力入力端子(11)から電気的に切り離されるか、又は前記電力入力端子(11)と電気的に結合されるように構成されたスイッチ(SW)
をさらに含み、前記電力点追跡器(20)が動作可能である場合、前記スイッチ(SW1)を開かれている状態に維持し、且つ前記電圧変換器(10)が動作可能である場合、前記スイッチ(SW1)を閉じられている状態に維持するように構成されることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項27】
i)入力電圧を標的電圧(V)に規制するように構成された電圧変換器(10)と、ii)エネルギー源から電力を抽出するための最適動作電圧として前記標的電圧(V)を決定するように構成された電力点追跡器(20)とを含む電力管理デバイス(1)を使用して、前記エネルギー源からのエネルギーを管理する方法において、
・エネルギー源からの収穫可能電力を示すエネルギー収穫信号(E)を監視すること、
・前記エネルギー収穫信号(E)を第1の閾値(ET1)と比較すること、
・前記エネルギー収穫信号が、前記第1の閾値(ET1)未満の値から、前記第1の閾値(ET1)を超える値まで増加した場合、第1のトリガ信号(TPPT,T)を生成すること、
・前記第1のトリガ信号(TPPT)が生成されない限り、第1のエネルギー収穫(EH-1)を行うことであって、第1のエネルギー収穫は、
a)第1の標的電圧(VT1)を決定するために、前記電力点追跡器(20)を周期的に動作させることと、
b)前記第1の標的電圧(VT1)において前記電圧変換器(10)を動作させ、且つ規制することと
を含む、行うこと、
・前記第1のトリガ信号(TPPT)が生成される場合、第1のエネルギー収穫(EH-1)を行うことから、第2のエネルギー収穫(EH-2)を行うことに切り替えることであって、第2のエネルギー収穫(EH-2)は、
a)前記第1のトリガ信号(TPPT)の前記生成に応答して、前記電力点追跡器(20)を動作させ、且つ前記電力点追跡器(20)を用いて第2の標的電圧(VT2)を決定することを開始することと、
b)前記電力点追跡器が前記第2の標的電圧(VT2)を決定することを完了した場合、前記第2の標的電圧(VT2)において前記電圧変換器(10)を動作させ、且つ規制することを開始することと
を含む、切り替えること
を含むことを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法において、
・前記エネルギー収穫信号(E)が、前記第1の閾値(ET1)を超える値から、前記第1の閾値(ET1)以下である第2の閾値(ET2)未満の値に降下した場合、第2のトリガ信号(T)を生成することと、
・前記第2のトリガ信号(T)が生成された場合、前記第2のエネルギー収穫(EH-2)を行うことから、前記第1のエネルギー収穫(EH-1)を行うことに切り替えることと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法において、
・前記第1のトリガ信号(T)の前記生成に応答して、初めて前記第2の標的電圧(VT2)の前記決定を行った後、前記第2の標的電圧(VT2)の前記決定を周期的に繰り返すために、前記電力点追跡器(20)を周期的に動作させること
を含むことを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項29に記載の方法において、前記第2のトリガ信号(T)が生成された場合、前記第2のエネルギー収穫(EH-2)を行うことから、前記第1のエネルギー収穫(EH-1)を行うことに前記切り替えることは、前記電力点追跡器が標的電圧決定のために動作可能である時点においてのみ実行されることを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項27に記載の方法において、
・前記第1のトリガ信号(T)の前記生成に応答して、初めて前記第2の標的電圧(VT2)の前記決定を行った後、前記第2の標的電圧(VT2)の前記決定を周期的に繰り返すために、前記電力点追跡器(20)を周期的に動作させることと、
・決定されたそれぞれの第2の標的電圧(VT2)を標的閾値と比較することと、
・前記電力追跡器の動作中、前記決定された第2の標的電圧が前記標的閾値未満である場合、前記第2のエネルギー収穫(EH-2)を行うことから、前記第1のエネルギー収穫(EH-1)を行うことに切り替えることと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項32】
請求項27に記載の方法において、
・前記第1のトリガ信号(T)の第1の生成に続いて、前記第1のトリガ信号(T)の第2の生成なしに所定の期間(Tlap)が経過した場合、前記第2のエネルギー収穫(EH-2)を行うことから、前記第1のエネルギー収穫(EH-1)を行うことに切り替えること
を含むことを特徴とする方法。
【請求項33】
請求項27乃至32の何れか1項に記載の方法において、固定期間(ΔTVC-ON)中に前記第2の標的電圧(VT2)において前記電圧変換器(10)の前記動作及び規制を行うこと、又は代替的に、前記エネルギー収穫信号が、前記第1の閾値以下であるさらなる閾値未満に降下するまで、前記第2の標的電圧(VT2)において前記電圧変換器(10)を動作させ、且つ規制することを含むことを特徴とする方法。
【請求項34】
請求項27乃至33の何れか1項に記載の方法において、
・前記エネルギー収穫信号(E)が、前記第1の閾値(ET1)未満である第3の閾値(ET3)を超える値から、前記第3の閾値(ET3)未満の値に降下した場合、低減された電力消費のスリープモード(SLP-M)に切り替えること
を含むことを特徴とする方法。
【請求項35】
請求項34に記載の方法において、
・前記エネルギー収穫信号(E)が、前記第3の閾値(ET3)未満の値から、前記第3の閾値(ET3)を超える値まで増加した場合、前記スリープモード(SLP-M)から前記第1のエネルギー収穫(EH-1)を行うことに切り替えること
を含むことを特徴とする方法。
【請求項36】
請求項27乃至35の何れか1項に記載の方法において、
・外部トリガ信号を受信し、且つ前記外部トリガ信号が受信された場合、第2のエネルギー収穫(EH-2)を行うことを開始すること
を含むことを特徴とする方法。
【請求項37】
請求項1乃至26の何れか1項に記載の電力管理デバイス又は請求項27乃至36の何れか1項に記載の方法において、前記電力点追跡器(20)は、電圧追跡入力を含み、前記電力点追跡器は、前記電圧追跡入力において感知された電圧をサンプリングし、且つ前記サンプリングされた電圧又は前記サンプリングされた電圧のある割合を前記標的電圧として記憶するように構成されることを特徴とする電力管理デバイス又は方法。
【請求項38】
請求項1乃至26の何れか1項に記載の電力管理デバイス又は請求項27乃至37の何れか1項に記載の方法において、前記電力管理デバイス(1)は、相互に排他的な方法で前記電力点追跡器(20)を動作させ、且つ前記電圧変換器(10)を動作させるように構成されることを特徴とする電力管理デバイス又は方法。
【請求項39】
請求項1乃至26の何れか1項に記載の電力管理デバイス又は請求項27乃至38の何れか1項に記載の方法において、前記感知デバイス(30)による前記第1のトリガ信号(TPPT)の前記生成に応答して、前記電力点追跡器(20)を動作させ、且つ前記第2の標的電圧(VT2)を決定することを前記開始することは、前記第1のトリガ信号(T)の前記生成に続いて、250ms未満以内、好ましくは10ms未満以内、より好ましくは1ms未満以内に行われることを特徴とする電力管理デバイス又は方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー源から受け取られたエネルギーを管理するための電力管理デバイスに関し、より具体的には、電圧変換器と、エネルギー源から電力を抽出するための最適動作電圧を決定するように構成された電力点追跡器とを含む電力管理デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー源からエネルギーを抽出するための電圧変換器を含む電力管理デバイスの使用は、当技術分野でよく知られている。抽出されたエネルギーは、再充電可能エネルギー蓄積デバイスを充電し、且つ/又は適用負荷に給電するために使用され得る。適用負荷は、任意のタイプの用途(例えば、携帯デバイス、センサ、外部回路、無線送信器など)であり得る。
【0003】
エネルギーを管理するための電力管理デバイスは、通常、集積回路として実装され、且つ電力管理集積回路(PMIC)とも呼ばれる。本特許出願の出願人から入手可能なPMICの例は、参照番号AEM10941の下で知られている。
【0004】
例えば、光電池(PV)、熱電発電器(TEG)、圧電エネルギー生成器及び電磁エネルギー源などの多様なエネルギー源がエネルギーを収穫するために使用され得る。
【0005】
一般的に、エネルギー源から電力を効率的に抽出するために、電圧変換器の入力電圧が規制される。入力電圧は、所定基準電圧値に規制されるか、又は代替的に、PMICは、例えば、開路電圧を感知することに基づいて最適動作電圧を決定するための電力点追跡器(PPT)を含むかの何れかである。一般的に、最適動作電圧は、エネルギー源から最大電力を抽出するために定義された電圧であり、従って、PPTは、最大電力点追跡器(MPPT)とも呼ばれる。
【0006】
電圧変換器が動作可能であり、エネルギー源からエネルギーを抽出すると、電圧変換器は、その入力電圧を、所定基準値を介して決定されたか又はPPTによって決定されたかの何れかの最適動作電圧に等しくなるように規制する。
【0007】
最適動作電圧として所定基準値を使用する欠点は、所定基準値が固定値であり、従って実際のエネルギー源構成に必ずしも対応しないことである。さらに、例えば、エネルギー源から最大電力を抽出するための最適動作電圧は、経時的に変動し得る。
【0008】
電力点追跡器を有するPMICを使用する利点は、最適電圧が定期的に(例えば、数十ミリ秒~数秒毎に)決定され得ることである。いくつかの実施形態では、PMICは、通常、最適動作電圧を周期的に決定するために、離散期間中にPPTの動作を周期的にトリガするように構成されたクロック生成器を含む。
【0009】
一般的に、PPTの動作中、電圧変換器は、動作可能ではない。換言すれば、電圧変換器及び電力点追跡器は、相互に排他的な方法で動作可能であり、すなわち、電圧変換器が動作可能であるか又はPPTが動作可能であるかの何れかであり、両方とも同時に動作可能ではない。
【0010】
最適動作電圧を決定するためにPPTによって適用される方法の一例は、エネルギー源の開路電圧の測定に基づき、測定された開路電圧のある比率が最適動作電圧として定義される。
【0011】
しかし、現在のPMICに伴う問題の1つは、PMICが間欠的エネルギー源(例えば、オン-オフ源として挙動するエネルギー源など)からエネルギーを受け取る状況にあまり適していないことである。これらのタイプの間欠的エネルギー源は、短期間(例えば、数百ミリ秒~数秒の範囲内の期間)に大量のエネルギー(例えば、数十ミリワット~数ワットの範囲内のエネルギー)を提供する。
【0012】
オン-オフ源として挙動するエネルギー源の一例は、アクセスカードを読むためのカードリーダのRF発射器又は光発射器である。アクセスカードは、カードリーダ上に置かれる場合にのみカードリーダからエネルギーを受け取っているため、アクセスカードは、エネルギー源をオン-オフ源として見なす。別の例は、車輪が回転するにつれて、地面に近いときにのみエネルギーを提供するタイヤ内に埋め込まれた圧電素子であろう。
【0013】
PPTは、周期的にのみトリガされるため、エネルギーは、PPTがトリガされない限り浪費される。
【0014】
間欠的エネルギー源及び現在のPMICに伴うさらなる欠点は、PMICが効率的に動作することを開始し得るまでの遅延であり、これは、エネルギーが利用可能である期間が短い場合に関して、且つ/又は高速の応答が必要である用途(例えば、アクセスカードの場合など)に関して深刻な問題であり得る。
【0015】
従って、エネルギー収穫のための電力管理デバイスの改善の余地がある。
【発明の概要】
【0016】
本発明の目的は、上記で論述されたような間欠的エネルギー源に適さない従来技術の電力管理デバイスの欠点なしに、効率的な方法でエネルギー源から受け取られたエネルギーを管理するための電力管理デバイスを提供することである。
【0017】
本発明は、添付の独立請求項において定義される。従属請求項は、有利な実施形態を定義する。
【0018】
本発明の第1の態様によると、エネルギー源からのエネルギーを管理するための電力管理デバイスが提供される。
【0019】
電力管理デバイスは、電圧変換器であって、電圧変換器の入力電圧を標的電圧に規制するように構成された電圧変換器と、エネルギー源から電力を抽出するための最適動作電圧として標的電圧を決定するように構成された電力点追跡器と、電圧変換器及び電力点追跡器の動作を制御するためのコントローラとを含む。電力管理デバイスは、i)エネルギー源からの収穫可能電力を示すエネルギー収穫信号を監視し、ii)エネルギー収穫信号を第1の閾値と比較し、且つiii)エネルギー収穫信号が、第1の閾値未満の値から、第1の閾値を超える値まで増加した場合、第1のトリガ信号を生成するように構成された感知デバイスをさらに含む。
【0020】
本開示による電力管理デバイスのコントローラは、感知デバイスが第1のトリガ信号を生成していない限り、第1のエネルギー収穫を行うように構成され、第1のエネルギー収穫を行うことは、a)第1の標的電圧を決定するために、電力点追跡器を周期的に動作させることと、b)第1の標的電圧において電圧変換器を動作させ、且つ規制することとを含む。
【0021】
コントローラは、感知デバイスが第1のトリガ信号を生成している場合、第1のエネルギー収穫を行うことから、第2のエネルギー収穫を行うことに切り替えるようにさらに構成され、第2のエネルギー収穫を行うことは、a)感知デバイスによる第1のトリガ信号の生成に応答して、電力点追跡器を動作させ、且つ第2の標的電圧を決定することと、b)電力点追跡器が第2の標的電圧を決定することを完了した場合、電圧変換器を第2の標的電圧において動作させ、且つ規制することとを含む。
【0022】
有利には、電力(例えば、間欠的エネルギー源からの電力)が閾値を超えて上昇している場合、エネルギー収穫信号を感知し、且つ動作を開始して標的電圧を決定するように電力点追跡器をトリガするための感知デバイスを使用することにより、電圧変換器は、エネルギー源から電力を効率的に抽出するために最適入力電圧で直ちに動作を開始することになる。従って、従来技術の電力管理デバイスによる場合のように、エネルギーを非効率的な方法で抽出する期間がない。
【0023】
有利には、電力が閾値を超えて上昇する場合、電力点追跡器をトリガするための感知デバイスを使用することにより、電力点追跡サイクルは、例えば、間欠的エネルギー源のエネルギー供給サイクルと同期される。
【0024】
いくつかの実施形態では、コントローラは、感知デバイスからトリガ信号を受信し、且つ電力点追跡器の第1の開始信号をその後生成するように構成され、電力点追跡器は、第1の開始信号を受信し、且つ第1の開始信号を受信すると、標的電圧の第1の決定を開始するように構成される。
【0025】
いくつかの実施形態では、第2のエネルギー収穫を行うことは、第1のトリガ信号の生成に応答して、初めて第2の標的電圧の決定を感知デバイスによって行った後、第2の標的電圧の決定を周期的に繰り返すために、電力点追跡器を周期的に動作させることをさらに含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、コントローラは、エネルギー収穫モード及び低減された電力消費のスリープモードで電力管理デバイスを動作させるように構成され、第1のエネルギー収穫及び第2のエネルギー収穫は、エネルギー収穫モードであるときに行われる。コントローラは、エネルギー収穫信号が、第1の閾値より低い第3の閾値を超える値から、第3の閾値未満の値に降下した場合、電力管理デバイスを、エネルギー収穫モードから、低減された電力消費のスリープモードに切り替えるためのスリープ信号を生成するようにさらに構成される。
【0027】
いくつかの実施形態では、電力点追跡器は、感知デバイスによるトリガ信号の生成に続いて250ミリ秒未満以内、好ましくは10ミリ秒未満以内、より好ましくは1ミリ秒未満以内に標的電圧を決定することを開始するように構成される。換言すれば、トリガ信号に対する電力点追跡器のミリ秒範囲内のこの高速の応答時間の観点において、トリガ信号に対する電力点追跡器の応答は、ほぼ瞬間的であると考えられ得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、電力管理デバイスのコントローラは、第1のトリガ信号の生成に応答する第2の標的電圧の決定を遅延期間だけ遅延させるように構成される。
【0029】
いくつかの実施形態では、本開示による電力管理デバイスは、外部トリガ信号を受信するようにさらに構成され、コントローラは、外部トリガ信号が受信された場合、第2のエネルギー収穫を行うことを開始するようにさらに構成される。
【0030】
本開示は、請求項1において請求される電力管理デバイス、電力管理デバイスの電力入力端子に結合されたエネルギー源及び電力管理デバイスの電力出力端子に結合された再充電可能蓄積デバイス又は負荷を含むシステムにも関する。エネルギー源は、例えば、間欠的エネルギー源である。
【0031】
本発明の第2の態様によると、i)入力電圧を標的電圧に規制するように構成された電圧変換器と、ii)エネルギー源から電力を抽出するための最適動作電圧として標的電圧を決定するように構成された電力点追跡器とを含む電力管理デバイスを使用して、エネルギー源からのエネルギーを管理する方法が提供される。
【0032】
本開示による方法は、エネルギー源からの収穫可能電力を示すエネルギー収穫信号を監視すること、エネルギー収穫信号を第1の閾値と比較すること、エネルギー収穫信号が、第1の閾値未満の値から、第1の閾値を超える値まで増加した場合、第1のトリガ信号を生成することを含む。本方法は、第1のトリガ信号が生成されない限り、第1のエネルギー収穫を行うことであって、第1のエネルギー収穫は、a)第1の標的電圧を決定するために、電力点追跡器を周期的に動作させることと、b)第1の標的電圧において電圧変換器を動作させ、且つ規制することとを含む、行うことと、第1のトリガ信号が生成される場合、第1のエネルギー収穫を行うことから、第2のエネルギー収穫を行うことに切り替えることとを含み、第2のエネルギー収穫は、a)第1のトリガ信号の生成に応答して、電力点追跡器を動作させ、且つ電力点追跡器を用いて第2の標的電圧を決定することを開始することと、b)電力点追跡器が第2の標的電圧を決定することを完了した場合、第2の標的電圧において電圧変換器を動作させ、且つ規制することを開始することとを含む。
【0033】
実施形態では、電力管理デバイスは、相互に排他的な方法で電力点追跡器を動作させ、且つ電圧変換器を動作させるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本発明のこれら及びさらなる態様は、例として且つ添付図面を参照してより詳細に説明される。
【0035】
図1図1は、本開示による電力管理デバイスの第1の実施形態を概略的に示すブロック図である。
図2図2は、本開示による電力管理デバイスの第2の実施形態を概略的に示すブロック図である。
図3a図3aは、電力点追跡器及び電圧変換器のオン期間及びオフ期間を示す時間ダイアグラムの一例を概略的に示す。
図3b図3bは、第1のエネルギー収穫期間EH-1及び第2のエネルギー収穫期間EH-2を示す時間ダイアグラムのさらなる例を概略的に示す。
図3c図3cは、第1のエネルギー収穫期間EH-1及び第2のエネルギー収穫期間EH-2を示す時間ダイアグラムのさらなる例を概略的に示す。
図3d図3dは、第1のエネルギー収穫期間EH-1及び第2のエネルギー収穫期間EH-2を示す時間ダイアグラムのさらなる例を概略的に示す。
図3e図3eは、第1のエネルギー収穫期間EH-1及び第2のエネルギー収穫期間EH-2を示す時間ダイアグラムのさらなる例を概略的に示す。
図3f図3fは、第1のエネルギー収穫期間EH-1及び第2のエネルギー収穫期間EH-2を示す時間ダイアグラムのさらなる例を概略的に示す。
図4図4は、電力点追跡器及び電圧変換器のオン期間及びオフ期間を示す時間ダイアグラムのさらなる例を概略的に示す。
図5図5は、本開示による電力管理デバイスの第3の実施形態を概略的に示すブロック図である。
図6図6は、本開示による電力管理デバイスのさらなる実施形態を示す。
図7図7は、電力点追跡器の実施形態を概略的に示す。
図8図8は、本開示によるエネルギー収穫システムの一例を示す。
図9図9は、エネルギー源がRFエネルギー源であるエネルギー収穫システムの一例を示す。
図10図10は、本開示による電力管理デバイスの第4の実施形態を概略的に示すブロック図である。
図11図11は、電圧変換器の実施形態の一例を概略的に示す。
【0036】
添付図面の描写は、正確な比率で描かれておらず、原寸に比例して描かれてもいない。一般的に、同一の部品は、添付図面内の同じ参照数字によって表示される。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本開示は、本開示の例示であり、従って限定するものと解釈されない特定の実施形態の観点で説明される。本開示は、具体的に示された及び/又は説明されたものによって限定されず、代替的な又は修正された実施形態が本開示の教示全体に照らして開発される可能性があることが当業者によって理解される。説明される添付図面は、単に概略的なものであり、従って限定するものではない。
【0038】
動詞「含む」及びそれぞれの活用形の使用は、記述されたもの以外の要素の存在を排除しない。要素に先行する冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」又は「その」の使用は、複数のこのような要素の存在を排除しない。
【0039】
さらに、本明細書及び特許請求の範囲内の用語「第1」、「第2」等は、同様の要素間を識別するために使用され、従って必ずしもシーケンスを時間的、空間的、序列的又は任意の他の方法の何れかで説明するために使用されていない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書で説明される本開示の実施形態は、本明細書において説明又は示されるもの以外のシーケンスでの動作が可能であることが理解されるべきである。
【0040】
本明細書全体にわたる「1つの実施形態」又は「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造又は特性が本開示の1つ又は複数の実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体にわたる様々な箇所における語句「一実施形態では」又は「実施形態では」の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を参照するとは限らないが、同じ実施形態を参照し得る。さらに、特定の特徴、構造又は特性は、1つ又は複数の実施形態において、本開示から当業者に明らかになるような任意の好適な方法で組み合わされ得る。
【0041】
用語「コントローラ」の使用は、組み合わせ論理を通常含む電子デジタル回路であるものとして最も広い意味で解釈される必要がある。
【0042】
電力管理デバイス全般
本開示による電力管理デバイスの実施形態の例が図1図2図5図6及び図10に概略的に示される。
【0043】
エネルギー源からのエネルギーを管理するための電力管理デバイス1は、入力電圧Vinを出力電圧Voutに変換するように構成された電圧変換器10を含む。エネルギー収穫中、電圧変換器10は、入力電圧を標的電圧Vに規制する。標的電圧Vは、エネルギー源から例えば最大電力を抽出するための最適電圧である。
【0044】
電圧変換器による標的電圧における入力電圧Vinの規制は、入力電圧Vinを標的電圧Vと連続的に比較し、入力電圧が標的電圧を上回る場合に入力電圧を低減し、入力電圧が標的電圧未満である場合に入力電圧を増加させることを可能にすることとして解釈される必要がある。
【0045】
いくつかの実施形態では、電圧変換器10は、DC-DC電圧変換器である。電圧変換器は、例えば、入力電圧Vinを増加させるためのブーストコンバータ回路、入力電圧Vinを低減するためのバックコンバータ回路又は入力電圧を低減及び増加することの両方を行うためのバックブーストコンバータ回路を含む。これらのDC-DC電圧変換器回路は、当技術分野で知られている。
【0046】
電力管理デバイスは、エネルギー源から電力を抽出するための最適動作電圧として標的電圧Vを決定するように構成された電力点追跡器PPT20をさらに含む。電力点追跡器の実施形態の例は、以下でさらに論述される。
【0047】
一般的に、電力管理デバイスは、電圧変換器及び電力点追跡器を相互に排他的な方法で動作させするように構成され、すなわち、電力点追跡器が標的電圧を決定するために動作可能であるとき、電圧変換器が動作可能ではなく、逆も同様である。従って、これらの実施形態では、いかなるエネルギーも電力点追跡器の動作中に収穫され得ない。これは、例えば、図3a及び図4に概略的に示され、ここでは、2つの最上部パネルは、電力点追跡器のいくつかのオン期間(PPT-ON)と、電圧変換器のいくつかのオン期間(VC-ON)とを示す時間ダイアグラムの例を表す。電力点追跡器がオンである期間は、サンプリング期間とも呼ばれ、電圧変換器がオンである期間は、規制期間又はエネルギー収穫期間とも呼ばれる。
【0048】
コントローラ40は、電圧変換器10の動作及び電力点追跡器20の動作を制御するように構成される。
【0049】
本開示による電力管理デバイスは、i)エネルギー収穫信号を監視し、ii)エネルギー収穫信号を第1の閾値と比較し、且つii)エネルギー収穫信号が、第1の閾値未満の値から、第1の閾値を超える値まで増加した場合、第1のトリガ信号TPPTを生成するように構成された感知デバイス30を含む。エネルギー収穫信号は、エネルギー源からのエネルギー収穫可能電力の存在を示す信号である。
【0050】
収穫可能電力は、様々なタイプのエネルギー源から利用可能になり得、収穫可能エネルギーは、経時的に変動し得る。例えば、オン/オフ源がオンに切り替わり得、これにより収穫可能電力を増加し得る。別の例は、電力を所定方向に発射するエネルギー源であり、電力管理デバイスの方向に向けられると、電力管理デバイスによる収穫可能電力が増加する。
【0051】
本開示による電力管理デバイスは、電力点追跡器20が、感知デバイスによる第1のトリガ信号の生成に応答して、標的電圧Vを決定することを開始するように構成されることを特徴とする。換言すれば、感知デバイス30は、検出された電力が第1の閾値を上回る場合に電力点追跡器20の動作をトリガする。これは、電力点追跡器が動作を開始することをトリガするこのような感知デバイス30を含まない、従来技術の電力管理の電力管理デバイスとは対照的である。代わりに、従来技術の電力管理デバイスは、通常、最適動作電圧を周期的に決定するために、離散期間中にPPT20の動作を周期的にトリガするように構成されたクロック生成器を利用する。
【0052】
いくつかの実施形態では、電力点追跡器20による標的電圧Vの決定の開始は、感知デバイス30による第1のトリガ信号TPPTの生成に続いて、250ms未満以内、好ましくは10ms未満以内、より好ましくは1ms未満以内に行われる。
【0053】
第1のトリガ信号の生成並びに電力点追跡器及び電圧変換器の動作は、いくつかの時間ダイアグラムを有する図3aに概略的に示される。最下部パネルは、例えば、オン/オフタイプのエネルギー源のエネルギー収穫信号Eの一例を概略的に示す。図3aの2つの下部パネルに示すように、エネルギー収穫信号Eが、第1の閾値E未満の値から、第1の閾値Eを超える値まで増加したことを感知デバイスが検出すると、第1のトリガ信号TPPTが生成される。第1のトリガ信号TPPTの生成に対する応答として、電力点追跡器は、トリガされ、オンに設定され、電圧変換器を動作させるための標的電圧を決定することを開始する。図3aに示すように、標的電圧の決定が完了されると、電力点追跡器は、オフに設定され、電圧変換器は、電力点追跡器によって決定された標的電圧において入力電圧を規制している間、エネルギーを収穫するためにオンに設定される。
【0054】
本開示の電力管理デバイスは、第1のトリガ信号TPPTがトリガされていなくてもエネルギーを収穫することができる。実際、第1のトリガ信号は、利用可能な収穫可能電力が第1の閾値を超えた場合にのみ生成されるが、これは、第1の閾値未満の場合、いかなる収穫可能電力も利用可能でないことを意味しない。
【0055】
コントローラは、電力管理デバイスを動作させて、第1のエネルギー収穫EH-1及び第2のエネルギー収穫EH-2を行うように構成される。第2のエネルギー収穫EH-2は、エネルギー収穫信号が第1の閾値を超えて上昇する場合に行われるものとして定義される一方、第1のエネルギー収穫EH-1は、エネルギー収穫信号が第1の閾値を下回る場合に行われるものとして定義される。
【0056】
第1のエネルギー収穫EH-1及び第2のエネルギー収穫EH-2を行うことは、例えば、図3bに概略的に示される。最下部パネルは、時間の関数として変動するエネルギー収穫信号Eの一例を示す。上記で論述されたように、感知デバイスは、エネルギー収穫信号Eが、第1の閾値ET1未満の値から、第1の閾値ET1を超える値まで増加する場合、第1のトリガ信号TPPT,T1をトリガする。図3bに示すように、感知デバイスが第1のトリガ信号Tを生成していない限り、コントローラは、第1の標的電圧VT1を決定するために電力点追跡器20を周期的に動作させることと、第1の標的電圧VT1において電圧変換器10を動作させ、且つ規制することとを含む第1のエネルギー収穫EH-1を行う。この例では、第1の標的電圧を決定するための電力点追跡器の周期的動作は、第1の期間P1毎に行われる。他方で、感知デバイスが第1のトリガ信号Tを生成している場合、コントローラは、第1のエネルギー収穫EH-1を行うことから、第2のエネルギー収穫EH-2を行うことに切り替え、第2のエネルギー収穫は、感知デバイス30による第1のトリガ信号Tの生成に応答して、電力点追跡器20を動作させ、且つ第2の標的電圧VT2を決定することを開始することと、電力点追跡器が第2の標的電圧VT2を決定することを完了した場合、第2の標的電圧VT2において電圧変換器を動作させ、且つ規制することを開始することとを含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、図3bに概略的に示されるように、第2のエネルギー収穫EH-2を行うことは、感知デバイス30による第1のトリガ信号Tの生成に応答して、初めて第2の標的電圧VT2の決定を行った後、第2の標的電圧VT2の決定を周期的に繰り返すために、電力点追跡器20を周期的に動作させることをさらに含む。この例では、図3bに概略的に示されるように、第2の標的電圧の決定の周期的繰り返しは、第2の期間P2毎に行われる。
【0058】
いくつかの実施形態では、第1の標的電圧VT1を決定するための電力点追跡器20の周期的動作は、第1の頻度で繰り返され、第2の標的電圧VT2を決定するための電力点追跡器20の周期的動作は、第2の頻度で繰り返され、ここで、F1>F2、又はF1<F2、又はF1=F2であり、F1及びF2は、それぞれ第1及び第2の頻度である。繰り返し頻度は、図3bに示す周期的期間の逆数であり、従ってF1=1/P1及びF2=1/P2であり、P1及びP2は、それぞれ第1及び第2の標的電圧の決定を周期的に繰り返すための第1及び第2の期間である。
【0059】
図3bにさらに概略的に示されるように、第1の標的電圧VT1の決定及び第2の標的電圧VT2の決定は、それぞれ第1の追跡期間TP1及び第2の追跡期間TP2中に行われる。いくつかの実施形態では、第1の追跡期間TP1は、第2の追跡期間TP2と異なる。他の実施形態では、第1の追跡期間TP1は、第2の追跡期間TP2に等しい。
【0060】
第2のエネルギー収穫EH-2から第1のエネルギー収穫EH-1に切り替えるために、以下に論述されるように様々な選択肢が可能である。
【0061】
いくつかの実施形態では、図3b及び図3dにさらに示されるように、感知デバイス30は、エネルギー収穫信号Eが、第1の閾値ET1を超える値から、第1の閾値以下である第2の閾値ET2未満の値に降下した場合、第2のトリガ信号Tを生成するように構成される。コントローラ40は、感知デバイスが第2のトリガ信号Tを生成した場合、第2のエネルギー収穫を行うことから、第1のエネルギー収穫を行うことに切り替えるようにさらに構成される。図3bに示す実施形態では、第2の閾値は、第1の閾値に等しい一方、図3dに示す実施形態では、第2の閾値ET2は、第1の閾値ET1より低い。
【0062】
いくつかの実施形態では、図3bに示すように、第2のトリガ信号Tが生成されると、コントローラは、この第2のトリガ信号に応答して、電圧変換器を動作させることを直ちに停止し、例えば新しい標的電圧決定を行うために電力点追跡器を動作させることを開始することにより、第2のエネルギー収穫を行うことから、第1のエネルギー収穫を行うことに切り替える。
【0063】
他の実施形態では、第1のエネルギー収穫を行うことから、第2のエネルギー収穫を行うことへの切り替えは、電力点追跡器が標的電圧決定のために動作可能である時点(例えば、新しい周期的標的電圧決定が開始したとき又は進行中であるとき)においてのみ行われる。従って、これらの実施形態では、第2のトリガ信号Tが生成された場合、コントローラは、電力点追跡器が標的電圧決定のために動作可能である時点においてのみ、第2のエネルギー収穫から第1のエネルギー収穫への切り替えを実行するように構成される。換言すれば、これらの実施形態では、第2のエネルギー収穫から第1のエネルギー収穫に切り替えるための以下の2つの条件がある:電力点追跡器が動作可能であること及び第2のトリガ信号が生成されたこと。
【0064】
さらなる実施形態では、第2のエネルギー収穫EH-2を行うことは、決定されたそれぞれの第2の標的電圧VT2を標的閾値と比較することをさらに含む。これらの実施形態では、コントローラ40は、電力追跡器の動作中、決定された第2の標的電圧が標的閾値未満である場合、第2のエネルギー収穫EH-2を行うことから、エネルギー収穫EH-1を行うことに切り替えるようにさらに構成される。従って、これらの実施形態では、第2のエネルギー収穫から第1のエネルギー収穫に切り替えることは、電力点追跡器が標的電圧決定のために動作可能である時点においてのみ行われる。標的閾値は、第2のエネルギー収穫から第1のエネルギー収穫に切り替えて戻る電圧条件を規定する所定値であり得る。
【0065】
第2のエネルギー収穫から第1のエネルギー収穫への切り替えが、電力点追跡器が標的電圧決定のために動作可能である時点において行われる実施形態に関して、第2のエネルギー収穫中に電圧変換器を動作させることと、第1のエネルギー収穫中に電圧変換器を再び動作させることとの間に電力点追跡器によって行われる標的電圧決定は、一度のみ行われる。
【0066】
他の実施形態では、第2のエネルギー収穫EH-2を行う際、図3c及び図3eに概略的に示されるように、コントローラ40は、第1のトリガ信号Tの第1の生成に続いて、第1のトリガ信号Tの第2の生成なしに所定の期間Tlapが経過した場合、第2のエネルギー収穫EH-2を行うことから、第1のエネルギー収穫EH-1を行うことに切り替えるように構成される。
【0067】
第2のエネルギー収穫EH-2から第1のエネルギー収穫EH-1への切り替えが所定の期間Tlapの経過に基づくいくつかの実施形態では、図3c及び図3eに示すように、電力点追跡器による第2の標的値VT2の決定は、エネルギー収穫信号Eが、第1の閾値ET1未満の値から、第1の閾値ET1を超える値まで増加するたびに繰り返される。図3c及び図3eの例では、第1のトリガ信号Tは、3回トリガされたものとして示される。
【0068】
図1に概略的に示される実施形態では、感知デバイス30は、トリガ信号TPPTを出力するための信号出力を含み、感知デバイス30のこの信号出力は、電力点追跡器20の信号入力と電気的に接続される。従って、この実施形態では、PPTは、トリガ信号を感知デバイスから直接受信する。
【0069】
他の実施形態では、感知デバイスからのトリガ信号は、コントローラ40に最初に送信され、次に、コントローラは、電力点追跡器20を続いてトリガする。例えば、図2に示す実施形態では、コントローラ40は、感知デバイス30によって生成されたトリガ信号TPPTを受信するように構成される。
【0070】
いくつかの実施形態では、コントローラ40は、第1のトリガ信号Tが生成される場合、電力点追跡器のための第1の開始信号S1を生成するように構成される。電力点追跡器は、この第1の開始信号S1を受信するための入力を含む。電力点追跡器20は、第1の開始信号S1を受信すると、標的電圧の第1の決定を開始するようにさらに構成される。
【0071】
上記で論述されるように、電力点追跡器を制御し、且つ電圧変換器を制御するためのコントローラ40は、専用コントローラであり得るか、又はコントローラは、電力管理デバイスの主要なコントローラ60若しくはその一部であり得る。いくつかの実施形態では、サブコントローラ40a(コントローラ40の一部)は、図10に概略的に示されるように、感知デバイス30からトリガ信号を受信し、且つ電力点追跡器のための開始信号S1を生成するように構成される。
【0072】
感知デバイスによって生成されるトリガ信号TPPTは、例えば、電圧信号であるか又は電流に基づく信号であり、第1の開始信号S1は、例えば、2進信号(例えば、高電圧レベル又は低電圧レベル)である。
【0073】
いくつかの実施形態では、コントローラ40は、感知デバイス30によって生成される第1のトリガ信号Tに対して第1の開始信号S1を遅延期間ΔTだけ遅延させるように構成される。このようにして、過渡的影響から生じるエラーが回避され、すなわち、遅延は、エネルギー源が定常状態に達することを可能にし、従ってPPTが誤動作点を決定することを回避する。
【0074】
図4では、実施形態の一例が示され、ここでは、開始信号S1は、感知デバイスによって生成されるトリガ信号TPPTに対して時間遅延期間ΔTだけ遅延される。
【0075】
いくつかの実施形態では、コントローラ40は、第1の開始信号S1の生成に続いて第2の開始信号S2を生成するように構成され、第2の開始信号S2は、第1の開始信号S1の生成から第1の期間T1が経過した後に生成される。第2の開始信号S2に対する応答として、電力点追跡器は、第2の時間にトリガされ、標的電圧の決定を繰り返す。第1の開始信号S1及び続く第2の開始信号S2の生成は、過渡問題の別の解決策である。
【0076】
いくつかの実施形態では、上記で論述されたように、コントローラは、エネルギー収穫信号が第2の閾値を下回る場合、第2のエネルギー収穫EH-2を行うことから、第1のエネルギー収穫EH-1を行うことに切り替えるように構成される。これらの実施形態では、コントローラ40は、第2のトリガ信号Tが生成される場合、第3の開始信号S3を生成するように構成され、電力点追跡器20は、第3の開始信号S3を受信すると、第1の標的電圧VT1を決定することを開始するように構成される。
【0077】
いくつかの実施形態では、上記で論述されたように、コントローラは、第1のトリガ信号Tの第2の生成なしに所定の期間Tlapが経過した後、第2のエネルギー収穫EH-2を行うことから、第1のエネルギー収穫EH-1を行うことに切り替えるように構成され、コントローラ40は、所定の期間Tlapが経過した場合、第4の開始信号S4を生成するように構成され、電力点追跡器は、第4の開始信号S4を受信すると、標的電圧を決定することを開始するように構成される。これは、例えば、主要なオン/オフエネルギー源以外の、例えば場合により別のエネルギー源に由来する利用可能な連続的環境低電力エネルギーがある場合、電圧変換器がエネルギーを効率的に抽出することを可能にする。他のエネルギー源は、例えば、環境RFエネルギー源であり得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、エネルギー源からのエネルギーを管理するための電力管理デバイスは、集積回路(すなわち電子回路及び多くの入力/出力ピン数(端子、又はコネクタ、又はリードとも呼ばれる)を含むマイクロチップ)として実装される。通常、集積回路は、12~48個の端子を有し得る。
【0079】
いくつかの実施形態では、図1及び図2に示すように、集積回路として実装される電力管理デバイス1は、入力電圧Vinにおいてエネルギー源から電力を受け取るための少なくとも電力入力端子11と、出力電圧Voutにおいて電力を出力するための電力出力端子12とを含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、電力管理デバイスは、外部トリガ信号を受信するようにさらに構成され、コントローラ40は、外部トリガ信号を受信することに応答して、第2のエネルギー収穫EH-2を行うことを開始するようにさらに構成される。例えば、電力管理デバイスが第1のエネルギー収穫を行う間に外部トリガ信号を受信している場合、電力管理デバイスは、第1のエネルギー収穫EH-1を行うことから、第2のエネルギー収穫EH-2を行うことに切り替える。同様に、電力管理デバイスがスリープモードである間に外部トリガ信号を受信している場合、電力管理デバイスは、スリープモードから第2のエネルギー収穫EH-2を行うことに切り替える。
【0081】
いくつかの実施形態では、電力管理デバイスは、外部トリガ信号を検出するための信号検出器を含む。
【0082】
他の実施形態では、電力管理デバイスは、外部トリガ信号を受信するためのトリガ入力を含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、外部トリガ信号は、無線外部トリガ信号である。これらの実施形態では、信号検出器は、例えば、アンテナを含む。
【0084】
いくつかの実施形態では、コントローラ40は、外部トリガ信号が受信された場合、電力点追跡器20のためのさらなる開始信号S-EXTを生成するように構成され、電力点追跡器20は、さらなる開始信号S-EXTを受信し、且つさらなる開始信号S-EXTを受信すると、第2の標的電圧VT2を決定することを開始するように構成される。
【0085】
いくつかの実施形態では、感知デバイスによる第1のトリガ信号の生成と同様に且つ外部トリガ信号が受信される場合、コントローラ40は、電力点追跡器を動作させることを開始することを、外部トリガ信号に対して遅延期間ΔTだけ遅延させるように構成される。従って、図4では、4つの上側パネル(すなわちトリガTPPT、開始信号、PPT-ON及びVC-ON)は、トリガ信号TPPTが、電力管理デバイスによって受信された外部トリガ信号である場合にも適用可能である。
【0086】
感知デバイス
いくつかの実施形態では、感知デバイス30は、エネルギー収穫信号を受信するための信号入力を含む。エネルギー収穫信号が入力電圧であるいくつかの実施形態では、感知デバイスの信号入力は、図1及び図2に概略的に示されるように、電力入力端子11において入力電圧Vinを感知するための電力管理デバイスの電力入力端子11と電気的に接続される。
【0087】
例えば、入力電圧が所定閾値電圧を超えて上昇する場合、これは、低エネルギーのエネルギー収穫EH1に対応する標的電圧レベルに規制する際、エネルギー源によって提供されるエネルギーが電圧変換器10(例えば、DC-DC電圧変換器)によって転送され得るエネルギーを超えて突然増加したことを示す。
【0088】
いくつかの実施形態では、感知デバイス30は、エネルギー収穫信号を第1の閾値と比較するための信号比較器を含む。
【0089】
信号比較器は、当技術分野で知られているアナログ信号比較器又はデジタル信号比較器の何れかであり得る。比較器は、演算増幅器に基づき得る。デジタル信号比較器が使用される実施形態では、感知デバイスによって取得される概してアナログのエネルギー収穫信号は、ADC(アナログ/デジタル変換器)を使用することによって最初にデジタル化される。
【0090】
第1の閾値は、例えば、バンドギャップ基準電圧生成器によって生成され得るか、又は第1の閾値は、基準電流を抵抗器に流すことによって生成され得る。代替的に、閾値は、通信バスを介して伝達され得る。
【0091】
本開示の感知デバイス30は、入力電圧を監視し、入力電圧を閾値と比較することに基づくセンサに限定されない。収穫可能電力を示すエネルギー収穫信号を監視するためのセンサデバイスの他の実装形態が考えられ得る。
【0092】
いくつかの実施形態では、感知デバイス30は、例えば、電圧変換器10(例えば、DC-DC電圧変換器)によって転送されているエネルギーを固定時間基準(例えば、1~250ミリ秒)にわたって監視するように構成されたデバイスである。これは、その基準時間窓にわたって転送されているパルスの数を例えば計数することによって実現され得る。パルスの数が所定パルス閾値を超えて増加した場合、これは、エネルギー収穫器によって生成される電力が突然増加したことを意味する。従って、これらの実施形態では、エネルギー収穫信号Eは、固定時間基準にわたって計数されたパルスの数に対応する。
【0093】
いくつかの実施形態では、エネルギー収穫信号が比較される閾値は、動的調整可能な閾値であり得る。例えば、エネルギー収穫信号Eが、固定時間基準にわたって計数されたパルスの数に対応する場合、パルス閾値は、入力電圧及び出力電圧の関数(例えば、ルックアップテーブルを使用する)であり得る。
【0094】
エネルギー収穫信号Eが、固定時間基準にわたって計数されるパルスの数に対応するいくつかの実施形態では、パルスの数が例えば前の計数と比較して5~1000の係数を上回る係数だけ著しく増加したかどうかが評価される。従って、これらの実施形態では、閾値は、前のカウント数に対応し、従って動的に調節される。
【0095】
電力点追跡器
いくつかの実施形態では、電力点追跡器20は、電圧追跡入力を含み、電力点追跡器は、電圧追跡入力において感知された電圧をサンプリングするように構成される。通常、電力点追跡器は、サンプリングされた電圧又はサンプリングされた電圧のある割合を、電圧変換器を規制するための標的電圧Vとしてさらに記憶する。入力電圧をサンプリングすることは、入力電圧を捕捉又は測定するものと解釈される必要がある。
【0096】
いくつかの実施形態では、電圧追跡入力において追跡される電圧は、開路電圧であり、従って、標的電圧Vは、開路電圧のある割合として定義される。
【0097】
割合値は、エネルギー源のタイプに依存し、例えばエネルギー源が光電池である場合、割合値は、通常、エネルギー源の開路電圧の70%~85%の値である。収穫されているエネルギーがRFエネルギー源から発している場合、割合は、通常、開路電圧の50%に設定される。
【0098】
いくつかの実施形態では、電力点追跡器20は、標的電圧Vとして所定電圧又は所定電圧のある割合を使用するように構成される。
【0099】
いくつかの実施形態では、図6に示すように、電力管理デバイス1は、バッファキャパシタ85を接続するためのバッファキャパシタ端子13を含む。このバッファキャパシタ端子13は、入力端子11と電気的に接続される。バッファキャパシタは、エネルギーがエネルギー源から、電力出力端子12に接続された蓄積デバイス又は負荷に転送される電圧変換器の動作中に充電される。このバッファキャパシタ85は、電圧変換器のインダクタが電流を増進している場合に入力ノードが崩壊することを回避する。
【0100】
いくつかの実施形態では、図6にさらに示されるように、電力管理デバイスは、電力点追跡器20が動作可能である場合にバッファキャパシタ端子13が入力端子11から電気的に切り離され、且つ電圧変換器10が動作可能である場合にバッファキャパシタ端子13が入力端子11と電気的に接続されるように構成されたスイッチSWを含む。換言すれば、電力点追跡器30の動作中、スイッチSWは、開いており、電圧変換器10の動作中、スイッチSWは、閉じている。このようにして、電力点追跡器を動作させることを開始する際に過渡的影響が低減される。スイッチSWは、通常、電力管理デバイスの主要なコントローラによって制御される。
【0101】
電力点追跡器は、当技術分野で知られており、例示的実施形態が図7に概略的に示され、ここでは、電力点追跡器20は、例えば、逐次近似レジスタ(SAR)アーキテクチャに基づくアナログ/デジタル変換器(ADC)によって実装される。図7及び図10に概略的に示されるように、電力点追跡器20は、通常、PPT電子回路20aと、PPT電子回路を制御するPPTコントローラ20bとを含む。この例では、PPT電子回路20aは、抵抗ラダー22、この抵抗ラダーの出力を選択する一連のスイッチ25、キャパシタラダー23、このキャパシタラダーをリセットするスイッチSC_1及びSC_2並びに電圧比較器21を含む。図7に示すスイッチSC_1及びSC_2を閉じることにより、キャパシタラダー23は、放電され得る。PPTコントローラ20bは、専用コントローラであり得るか、又は図10に概略的に示されるように主要なコントローラ60の一部であるコントローラであり得る。
【0102】
電力点追跡器が感知デバイス30からのトリガ信号TPPTに続いて動作されると、多くの逐次工程が発生することになる。第1の工程では、電圧変換器20が無効にされ、電力入力端子における入力電圧が開路電圧において安定化する。
【0103】
第2の工程では、電力点追跡器入力における電圧の所定の割合が電圧比較器21の正入力において使用される。所定の割合は、100%又はより低い割合値であり得る。例えば、開路電圧評価に関して、割合は、例えば80%又は例えば50%に設定され得る。割合は、キャパシタ分割器23の使用を介して決定される。割合が100%である場合、キャパシタ分割器23は、任意選択的な部品である。
【0104】
第3の工程では、既知電圧のある割合が比較器21の負入力において使用される。この既知電圧の様々な割合は、抵抗ラダーの様々な位置に配置された様々なスイッチ25を介して選択され得る。
【0105】
第4の工程では、PPTコントローラ20bは、キャパシタ分割器出力における電圧と最もよく整合する既知電圧の割合を決定するために逐次近似を使用する。最後に、最良の整合が見出されると、抵抗分割器上のこの整合電圧は、電圧変換器の入力電圧を規制するための標的値Vとして使用される新しい最適動作電圧になる。このようにして、抵抗分割器の整合設定を介して最適動作電圧が記憶される。代替的に、PPTコントローラは、逐次比較器出力値を取得することにより、最適動作電圧として整合電圧をデジタル的に記憶し得る。
【0106】
いくつかの実施形態では、電力点追跡器は、サンプリングされた電圧の割合に関する2つ以上の値を定義するように構成可能である。いくつかの実施形態では、電力管理デバイスは、例えば、最適動作電圧として取られる必要性がある間に電力入力端子において感知された電圧Vinのどの程度の割合又は何パーセントを定義することを可能にする構成信号を電力点追跡器に提供するために電力点追跡器20と結合された構成端子を含む。構成信号は、例えば、電力点追跡器が開路電圧の50%、80%又は100%を取る必要があるかどうかを示す3つの定義レベルを有し得る。構成信号は、複数の信号(例えば、構成情報を転送するバス信号)からなり得る。
【0107】
代替実施形態では、PPTは、キャパシタ分割器を含まず、工程2において開路電圧が測定され、工程4において、PPTコントローラは、標的電圧として整合電圧のある割合を取る。
【0108】
いくつかの実施形態では、開路電圧の取られるべき割合がハード符号化される一方、他の実施形態では、開路電圧のどの程度の割合又は何パーセントが最適動作電圧として取られる必要があるかを定義することを可能にする構成信号が電力点追跡器に転送される。構成信号は、例えば、電力点追跡器が開路電圧の50%、70%、80%又は100%を取る必要があるかを示す4つの定義レベルを有し得る。構成信号は、構成情報を転送するための複数の信号(例えば、バス信号)からなり得る。いくつかの実施形態では、PMICは、構成信号又はバス信号を提供するために2つ以上の構成端子を含む。
【0109】
スリープモード及びリセットモード
いくつかの実施形態では、コントローラ40は、電力管理デバイスをエネルギー収穫モードEH-Mと、低減された電力消費のスリープモードSLP-Mとの間で切り替えるように構成される。第1のエネルギー収穫EH-1及び第2のエネルギー収穫EH-2は、エネルギー収穫モードである場合に行われる。エネルギー収穫モードは、アクティブモードとも呼ばれ得る。
【0110】
いくつかの実施形態では、図3d~図3fに概略的に示されるように、感知デバイス30は、エネルギー収穫信号Eが、第1の閾値ET1未満の第3の閾値ET3を超える値から、第3の閾値ET3未満の値に降下した場合、第3のトリガ信号Tを生成するように構成される。これらの実施形態では、コントローラ40は、第3のトリガ信号Tが生成される場合、エネルギー収穫モードEH-Mから、低減された電力消費のスリープモードSLP-Mに電力管理デバイス1を切り替えるためのスリープ信号SLPを生成するように構成される。
【0111】
このようにして、エネルギー収穫モードEH-MからスリープモードSLP-Mに切り替えることにより、電力管理デバイスがエネルギーを収穫するために活性でない場合、電力消費が低減される。いくつかの実施形態では、スリープモード中、クロック周波数は、低減され、通常、電圧変換器の一部は、PMIC静止電流を低減するためにオフである。
【0112】
いくつかの実施形態では、図3d~図3fにさらに示されるように、感知デバイス30は、エネルギー収穫信号Eが、第3の閾値ET3未満の値から、第3の閾値ET3を超える値まで増加した場合、第4のトリガ信号Tを生成するように構成される。これらの実施形態では、コントローラ40は、第4のトリガ信号Tが生成される場合、スリープモードSLP-Mからエネルギー収穫モードEH-Mに切り替えるように構成される。図3d及び図3eに示す実施形態では、スリープモードSLP-Mから第1のエネルギー収穫モードEH-1への切り換えがある。
【0113】
図3fに概略的に示される特定の場合に関して、スリープモードSLP-Mにあるとき、エネルギー収穫信号Eは、急速に増加しており、最初に第3の閾値ET3を超えて上昇すると、第4のトリガ信号Tが生成され、続いて第1の閾値ET1を超えてさらに上昇すると、第1のトリガ信号Tの生成に到る。その後、電圧変換器は、動作可能であり、エネルギー収穫を開始し、入力電圧を第2の標的電圧VT2に規制する。従って、この例では、スリープモードSLP-Mから第2のエネルギー収穫EH-2を直接行うことへの切り換えがある。第4のトリガ信号Tに応答したとしても、電力点追跡器は、第1の標的電圧VT1の決定を開始し、図3fに概略的に示されるように、第1の標的電圧のこの決定は、第1のトリガ信号Tによって中断され、標的電圧の新しい決定が開始される。
【0114】
さらなる実施形態では、コントローラ40は、リセット期間ΔTが感知デバイスからトリガ信号を受信することなしに経過した場合、電力管理電力管理デバイス1をリセットするように構成される。リセットモードは、電力管理デバイスがオフであり、従って電力が消費されないモードである。
【0115】
図5では、電力管理デバイスの実施形態が示され、ここでは、コントローラ40は、トリガ信号TPPTが所定のリセット期間ΔTより長い期間中に感知デバイス30によって生成されない場合、リセット信号Rを電圧変換器10及び電力点追跡器20に出力している。
【0116】
いくつかの実施形態では、電力管理デバイスは、リセット後に開始するためのコールドスタート回路50を含む。
【0117】
コールドスタート回路50は、エネルギー源からエネルギーを取得し、且つ電力管理デバイス1に給電するためのスタートアップ回路である。通常、電圧変換器10は、十分な供給電力がPMICのコントローラに給電するために利用可能でないと動作可能ではない。実際、例えば、電圧変換器コントローラは、その供給入力における供給電圧Vsupが最小必要供給電圧以上である場合に限り、動作可能である。十分な供給電圧がコントローラを動作させるために利用可能になると、上記で論述されたように、コールドスタートエネルギー収穫が停止され、その後、電力管理デバイスは、感知デバイスから受信されたトリガ信号に基づいて電力点追跡器及び電圧変換器を逐次的に動作させる。
【0118】
電圧変換器
本開示による電力管理デバイス1は、少なくとも1つの電圧変換器10を含む。通常、電圧変換器10は、電圧変換器電子回路10aと、電圧変換器電子回路を制御するための電圧変換器コントローラ10bとを含む。
【0119】
上記で論述されたように、いくつかの実施形態では、電圧変換器は、例えば、入力電圧Vinを増加させるためのブーストコンバータ回路、入力電圧Vinを低減するためのバックコンバータ回路又は入力電圧を低減及び増加することの両方を行うためのバックブーストコンバータ回路であり得る。
【0120】
ブーストコンバータ回路の一例が図11に概略的に示される。通常、電圧変換器電子回路10aは、電圧変換器コントローラ10bによって制御されるインダクタ15並びに第1のスイッチSVC_1及び第2のスイッチSVC_2を含む。いくつかの実施形態では、電圧変換器コントローラ10bは、図10に概略的に示されるように、電力管理デバイスの主要なコントローラ60の一部であり得る。図11に示すように、ブーストコンバータが使用される場合、インダクタ15は、電力入力端子11と直列に置かれる。当技術分野で知られているように、第1のスイッチSVC_1及び第2のスイッチSVC_2を周期的に制御することにより、インダクタ15内に蓄積された磁気エネルギーは、例えば、変換器入力Vinにおける電圧より高い出力電圧Voutにある電圧変換器出力12に接続された負荷又は電池に周期的に転送される。
【0121】
いくつかの実施形態では、上記で論述された誘導性電圧変換器を使用することの代わりに、スイッチドキャパシタ変換器が使用される。スイッチドキャパシタ変換器は、当技術分野で知られており、これらの変換器は、充放電キャパシタによって電力を配送する。
【0122】
エネルギー源から電力を抽出する際、電圧変換器は、最適動作電圧として電力点追跡器によって定義及び記憶された最終値を標的電圧Vとして使用することにより、入力電圧Vinを連続的に規制している。
【0123】
いくつかの実施形態では、記憶された最終標的電圧は、感知デバイスによって生成されたトリガ信号に続いて、電力点追跡器によって決定される標的電圧であり得る。しかし、いくつかの実施形態に関して、記憶された最終標的電圧は、必ずしも感知デバイスのトリガ信号に続いて決定された標的電圧ではない。これは、電力点追跡器が感知デバイスからのトリガ信号以外の別の信号によって追加的にトリガされる場合である。例えば、上記で論述されたように、いくつかの実施形態では、コントローラ40は、第1の開始信号S1の生成に続いて且つ第2の開始信号S2に対する応答として第2の開始信号S2を生成し、電力点追跡器は、第2の時刻にトリガされ、標的電圧の決定を繰り返し、決定された第2の値は、定義及び記憶される最終値になる。他の実施形態では、感知デバイスからのトリガ信号によるPPTの第1のトリガ後、PPTは、例えば、内部クロック生成器によってさらに繰り返しトリガされ得る。
【0124】
いくつかの実施形態では、電圧変換器コントローラ10bは、電圧変換器の入力電圧Vinを感知するためのセンサと、入力電圧を、電力点追跡器によって決定された標的電圧Vと比較するための比較器又は増幅器とを含む。変換器入力における電圧が標的値を下回ると、電圧変換器は、無効にされ、変換器入力における電圧がさらに低くなることを防ぐ。他方で、電圧変換器入力における電圧が標的値を超えて上昇すると、変換器入力からその出力への電力転送が有効にされる。このようにして、入力電圧は、標的電圧の近くに留まるように規制される。
【0125】
電力管理デバイスがICとして実装されるいくつかの実施形態では、インダクタ15は、ICの外に配置され、追加端子がインダクタをICに結合するために設けられる。
【0126】
電圧変換器開路の第1のスイッチSVC_1及び第2のスイッチSVC_2を開放状態にしたままにすることにより、電圧変換器が無効にされる。これは、電力が電圧変換器によって抽出されることを防ぐ。電圧変換器は、例えば、電力点追跡器の動作中に無効にされる。
【0127】
いくつかの実施形態では、図4に示すように、電圧変換器は、固定の所定の期間ΔTVC-ON中にオンである。例えば、エネルギー源が反復オン/オフエネルギー源である場合、所定の期間ΔTVC-ONは、オン/オフエネルギー源がオンになると期待される期間に対応するように選択され得る。
【0128】
他の実施形態では、図3aに示すように、電圧変換器は、エネルギー収穫信号が、トリガ信号TPPTをトリガするために使用される第1の閾値Eと同じ又は異なる閾値であり得るさらなる閾値を下回るまでオンである。いくつかの実施形態では、さらなる閾値は、第1の閾値より低い。他の実施形態では、図3aに示すように、第1の閾値及びさらなる閾値は、等しい。いくつかの実施形態では、さらなる閾値は、第1の閾値より高い。
【0129】
エネルギー収穫システム
図8では、本開示による電力管理デバイス1を含むエネルギー収穫システム100の一例が概略的に示される。
【0130】
図8に示す実施形態では、エネルギー源70は、電力管理デバイスの電力入力端子11に結合され、再充電可能蓄積デバイス80は、電力出力端子12に結合される。他の実施形態では、負荷が電力出力端子12に結合される。エネルギー源は、例えば、間欠的エネルギー源である。
【0131】
図9を参照すると、本開示による電力管理デバイス1を含むエネルギー収穫システム100のさらなる実施形態が概略的に示される。この例では、エネルギー源は、RF源70である。この実施形態では、システム100は、RF源70からのRFエネルギーを捕捉するためのアンテナ75を含み、且つ整流器90をさらに含み、整流器の出力は、電力管理デバイス1の電力入力端子11に結合される。
【0132】
図8及び図9では、電力点追跡器及び電圧変換器の動作を制御するためのコントローラ40は、示されていない。上記で論述されたように、コントローラ40は、電力管理デバイスの主要なコントローラ60に対応し得るか、又はコントローラ40は、電力管理デバイスの主要なコントローラ60のサブコントローラであり得る。
【0133】
エネルギー源からのエネルギーを管理する方法
本開示は、i)入力電圧を標的電圧Vに規制するように構成された電圧変換器10と、ii)エネルギー源から電力を抽出するための最適動作電圧としての標的電圧Vを決定するように構成された電力点追跡器20とを含む電力管理デバイスを使用して、エネルギー源からのエネルギーを管理する方法にも関する。
【0134】
エネルギー源からのエネルギーを管理する方法は、以下の工程を含む:
・エネルギー源からのエネルギーの存在を示すエネルギー収穫Eを監視する工程、
・エネルギー収穫信号Eを第1の閾値ET1と比較する工程、
・エネルギー収穫信号が、第1の閾値ET1未満の値から、第1の閾値ET1を超える値まで増加している場合、第1のトリガ信号TPPT,Tを生成する工程、
・第1のトリガ信号TPPT,Tが生成されない限り、第1のエネルギー収穫EH-1を行う工程であって、第1のエネルギー収穫は、
a)第1の標的電圧VT1を決定するために、電力点追跡器20を周期的に動作させることと、
b)第1の標的電圧VT1において電圧変換器10を動作させ、且つ規制することと
を含む、工程、
・第1のトリガ信号TPPT,Tが生成される場合、第1のエネルギー収穫EH-1を行うことから、第2のエネルギー収穫EH-2を行うことに切り替える工程であって、第2のエネルギー収穫は、
a)第1のトリガ信号TPPTの生成に応答して、電力点追跡器20を動作させ、且つ電力点追跡器20によって第2の標的電圧VT2を決定することを開始することと、
b)電力点追跡器が第2の標的電圧VT2を決定することを完了した場合、電圧変換器10を第2の標的電圧VT2において動作させ、且つ規制することを開始することと
を含む、工程。
【0135】
いくつかの実施形態では、本方法は、以下をさらに含む:
・エネルギー収穫信号Eが、第1の閾値ET1を超える値から、第1の閾値ET1以下である第2の閾値ET2未満の値に降下した場合、第2のトリガ信号Tを生成すること、
・第2のトリガ信号Tが生成される場合、第2のエネルギー収穫を行うことから、第1のエネルギー収穫を行うことに切り替えること。
【0136】
いくつかの実施形態では、本方法は、以下を含む:
・第1のトリガ信号Tの生成に応答して、初めて第2の標的電圧VT2の決定を行った後、第2の標的電圧VT2の決定を周期的に繰り返すために、電力点追跡器20を周期的に動作させること。
【0137】
いくつかの実施形態では、第2のトリガ信号Tが生成された場合、第2のエネルギー収穫EH-2を行うことから、第1のエネルギー収穫EH-1を行うことに切り替えることは、電力点追跡器が標的電圧決定のために動作可能である時点においてのみ実行される。換言すれば、第1のエネルギー収穫から第2のエネルギー収穫への切り替えは、電圧変換器が動作可能である間に実行されないが、電力点追跡器の周期的動作が開始したか又は進行中である場合に限り実行される。
【0138】
いくつかの実施形態では、本方法は、以下を含む:
・第1のトリガ信号(T)の生成に応答して、初めて第2の標的電圧(VT2)の決定を行った後、第2の標的電圧(VT2)の決定を周期的に繰り返すために、電力点追跡器(20)を周期的に動作させること、
・決定されたそれぞれの第2の標的電圧(VT2)を標的閾値と比較すること、
・電力追跡器の動作中、決定された第2の標的電圧が標的閾値未満である場合、第2のエネルギー収穫(EH-2)を行うことから、第1のエネルギー収穫(EH-1)を行うことに切り替えること。
【0139】
他の実施形態では、本方法は、以下を含む:
・第1のトリガ信号Tの第1の生成に続いて、第1のトリガ信号Tの第2の生成なしに所定の期間Tlapが経過した場合、第2のエネルギー収穫を行うことから、第1のエネルギー収穫を行うことに切り替えること。
【0140】
いくつかの実施形態では、本方法は、以下を含む:
・エネルギー収穫信号Eが、第1の閾値ET1より低い第3の閾値ET3を超える値から、第3の閾値ET3未満の値に降下した場合、低減された電力消費のスリープモードに切り替えること。
【0141】
いくつかの実施形態では、本方法は、以下を含む:
・外部トリガ信号を受信し、且つ外部トリガ信号が受信された場合、第2のエネルギー収穫EH-2を行うことを開始すること。
【0142】
いくつかの実施形態では、電力点追跡器による第1のトリガ信号T,TPPTの生成に応答して、電力点追跡器20によって第1の標的電圧Vを決定することを開始する工程は、250ms未満以内、好ましくは10ms未満以内、より好ましくは1ms未満以内に行われる。
【0143】
いくつかの実施形態では、電圧変換器を動作させることを開始する前に、電力点追跡器は、無効にされる、換言すれば、電力管理デバイスは、相互に排他的な方法で電力点追跡器20を動作させ、且つ電圧変換器10を動作させるように構成される。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図3f
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-12-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー源から受け取られたエネルギーを管理するための電力管理デバイスに関し、より具体的には、電圧変換器と、エネルギー源から電力を抽出するための最適動作電圧を決定するように構成された電力点追跡器とを含む電力管理デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー源からエネルギーを抽出するための電圧変換器を含む電力管理デバイスの使用は当技術分野でよく知られている(例えば、欧州特許出願公開第A1-3474407号明細書を参照されたい)。抽出されたエネルギーは、再充電可能エネルギー蓄積デバイスを充電し、且つ/又は適用負荷に給電するために使用され得る。適用負荷は、任意のタイプの用途(例えば、携帯デバイス、センサ、外部回路、無線送信器など)であり得る。
【0003】
エネルギーを管理するための電力管理デバイスは、通常、集積回路として実装され、且つ電力管理集積回路(PMIC)とも呼ばれる。本特許出願の出願人から入手可能なPMICの例は、参照番号AEM10941の下で知られている。
【0004】
例えば、光電池(PV)、熱電発電器(TEG)、圧電エネルギー生成器及び電磁エネルギー源などの多様なエネルギー源がエネルギーを収穫するために使用され得る。
【0005】
一般的に、エネルギー源から電力を効率的に抽出するために、電圧変換器の入力電圧が規制される。入力電圧は、所定基準電圧値に規制されるか、又は代替的に、PMICは、例えば、開路電圧を感知することに基づいて最適動作電圧を決定するための電力点追跡器(PPT)を含むかの何れかである。一般的に、最適動作電圧は、エネルギー源から最大電力を抽出するために定義された電圧であり、従って、PPTは、最大電力点追跡器(MPPT)とも呼ばれる。
【0006】
電圧変換器が動作可能であり、エネルギー源からエネルギーを抽出すると、電圧変換器は、その入力電圧を、所定基準値を介して決定されたか又はPPTによって決定されたかの何れかの最適動作電圧に等しくなるように規制する。
【0007】
最適動作電圧として所定基準値を使用する欠点は、所定基準値が固定値であり、従って実際のエネルギー源構成に必ずしも対応しないことである。さらに、例えば、エネルギー源から最大電力を抽出するための最適動作電圧は、経時的に変動し得る。
【0008】
電力点追跡器を有するPMICを使用する利点は、最適電圧が定期的に(例えば、数十ミリ秒~数秒毎に)決定され得ることである。いくつかの実施形態では、PMICは、通常、最適動作電圧を周期的に決定するために、離散期間中にPPTの動作を周期的にトリガするように構成されたクロック生成器を含む。
【0009】
一般的に、PPTの動作中、電圧変換器は、動作可能ではない。換言すれば、電圧変換器及び電力点追跡器は、相互に排他的な方法で動作可能であり、すなわち、電圧変換器が動作可能であるか又はPPTが動作可能であるかの何れかであり、両方とも同時に動作可能ではない。
【0010】
最適動作電圧を決定するためにPPTによって適用される方法の一例は、エネルギー源の開路電圧の測定に基づき、測定された開路電圧のある比率が最適動作電圧として定義される。
【0011】
しかし、現在のPMICに伴う問題の1つは、PMICが間欠的エネルギー源(例えば、オン-オフ源として挙動するエネルギー源など)からエネルギーを受け取る状況にあまり適していないことである。これらのタイプの間欠的エネルギー源は、短期間(例えば、数百ミリ秒~数秒の範囲内の期間)に大量のエネルギー(例えば、数十ミリワット~数ワットの範囲内のエネルギー)を提供する。
【0012】
オン-オフ源として挙動するエネルギー源の一例は、アクセスカードを読むためのカードリーダのRF発射器又は光発射器である。アクセスカードは、カードリーダ上に置かれる場合にのみカードリーダからエネルギーを受け取っているため、アクセスカードは、エネルギー源をオン-オフ源として見なす。別の例は、車輪が回転するにつれて、地面に近いときにのみエネルギーを提供するタイヤ内に埋め込まれた圧電素子であろう。
【0013】
PPTは、周期的にのみトリガされるため、エネルギーは、PPTがトリガされない限り浪費される。
【0014】
間欠的エネルギー源及び現在のPMICに伴うさらなる欠点は、PMICが効率的に動作することを開始し得るまでの遅延であり、これは、エネルギーが利用可能である期間が短い場合に関して、且つ/又は高速の応答が必要である用途(例えば、アクセスカードの場合など)に関して深刻な問題であり得る。
【0015】
従って、エネルギー収穫のための電力管理デバイスの改善の余地がある。
【発明の概要】
【0016】
本発明の目的は、上記で論述されたような間欠的エネルギー源に適さない従来技術の電力管理デバイスの欠点なしに、効率的な方法でエネルギー源から受け取られたエネルギーを管理するための電力管理デバイスを提供することである。
【0017】
本発明は、添付の独立請求項において定義される。従属請求項は、有利な実施形態を定義する。
【0018】
本発明の第1の態様によると、エネルギー源からのエネルギーを管理するための電力管理デバイスが提供される。
【0019】
電力管理デバイスは、電圧変換器であって、電圧変換器の入力電圧を標的電圧に規制するように構成された電圧変換器と、エネルギー源から電力を抽出するための最適動作電圧として標的電圧を決定するように構成された電力点追跡器と、電圧変換器及び電力点追跡器の動作を制御するためのコントローラとを含む。電力管理デバイスは、i)エネルギー源からの収穫可能電力を示すエネルギー収穫信号を監視し、ii)エネルギー収穫信号を第1の閾値と比較し、且つiii)エネルギー収穫信号が、第1の閾値未満の値から、第1の閾値を超える値まで増加した場合、第1のトリガ信号を生成するように構成された感知デバイスをさらに含む。
【0020】
本開示による電力管理デバイスのコントローラは、感知デバイスが第1のトリガ信号を生成していない限り、第1のエネルギー収穫を行うように構成され、第1のエネルギー収穫を行うことは、a)第1の標的電圧を決定するために、電力点追跡器を周期的に動作させることと、b)第1の標的電圧において電圧変換器を動作させ、且つ規制することとを含む。
【0021】
コントローラは、感知デバイスが第1のトリガ信号を生成している場合、第1のエネルギー収穫を行うことから、第2のエネルギー収穫を行うことに切り替えるようにさらに構成され、第2のエネルギー収穫を行うことは、a)感知デバイスによる第1のトリガ信号の生成に応答して、電力点追跡器を動作させ、且つ第2の標的電圧を決定することと、b)電力点追跡器が第2の標的電圧を決定することを完了した場合、電圧変換器を第2の標的電圧において動作させ、且つ規制することとを含む。
【0022】
加えて、感知デバイスは、前記第1のトリガ信号を出力するための信号出力を含み、及び感知デバイスの信号出力は、前記電力点追跡器の信号入力と電気的に接続され、且つ電力点追跡器は、前記第1のトリガ信号を受信すると、前記第2の標的電圧の第1の決定を開始するように構成される。
【0023】
有利には、電力(例えば、間欠的エネルギー源からの電力)が閾値を超えて上昇している場合、エネルギー収穫信号を感知し、且つ動作を開始して標的電圧を決定するように電力点追跡器をトリガするための感知デバイスを使用することにより、電圧変換器は、エネルギー源から電力を効率的に抽出するために最適入力電圧で直ちに動作を開始することになる。従って、従来技術の電力管理デバイスによる場合のように、エネルギーを非効率的な方法で抽出する期間がない。
【0024】
有利には、電力が閾値を超えて上昇する場合、電力点追跡器をトリガするための感知デバイスを使用することにより、電力点追跡サイクルは、例えば、間欠的エネルギー源のエネルギー供給サイクルと同期される。
【0025】
いくつかの実施形態では、コントローラは、感知デバイスからトリガ信号を受信し、且つ電力点追跡器の第1の開始信号をその後生成するように構成され、電力点追跡器は、第1の開始信号を受信し、且つ第1の開始信号を受信すると、標的電圧の第1の決定を開始するように構成される。
【0026】
いくつかの実施形態では、第2のエネルギー収穫を行うことは、第1のトリガ信号の生成に応答して、初めて第2の標的電圧の決定を感知デバイスによって行った後、第2の標的電圧の決定を周期的に繰り返すために、電力点追跡器を周期的に動作させることをさらに含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、コントローラは、エネルギー収穫モード及び低減された電力消費のスリープモードで電力管理デバイスを動作させるように構成され、第1のエネルギー収穫及び第2のエネルギー収穫は、エネルギー収穫モードであるときに行われる。コントローラは、エネルギー収穫信号が、第1の閾値より低い第3の閾値を超える値から、第3の閾値未満の値に降下した場合、電力管理デバイスを、エネルギー収穫モードから、低減された電力消費のスリープモードに切り替えるためのスリープ信号を生成するようにさらに構成される。
【0028】
いくつかの実施形態では、電力点追跡器は、感知デバイスによるトリガ信号の生成に続いて250ミリ秒未満以内、好ましくは10ミリ秒未満以内、より好ましくは1ミリ秒未満以内に標的電圧を決定することを開始するように構成される。換言すれば、トリガ信号に対する電力点追跡器のミリ秒範囲内のこの高速の応答時間の観点において、トリガ信号に対する電力点追跡器の応答は、ほぼ瞬間的であると考えられ得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、電力管理デバイスのコントローラは、第1のトリガ信号の生成に応答する第2の標的電圧の決定を遅延期間だけ遅延させるように構成される。
【0030】
いくつかの実施形態では、本開示による電力管理デバイスは、外部トリガ信号を受信するようにさらに構成され、コントローラは、外部トリガ信号が受信された場合、第2のエネルギー収穫を行うことを開始するようにさらに構成される。
【0031】
本開示は、請求項1において請求される電力管理デバイス、電力管理デバイスの電力入力端子に結合されたエネルギー源及び電力管理デバイスの電力出力端子に結合された再充電可能蓄積デバイス又は負荷を含むシステムにも関する。エネルギー源は、例えば、間欠的エネルギー源である。
【0032】
本発明の第2の態様によると、i)入力電圧を標的電圧に規制するように構成された電圧変換器と、ii)エネルギー源から電力を抽出するための最適動作電圧として標的電圧を決定するように構成された電力点追跡器とを含む電力管理デバイスを使用して、エネルギー源からのエネルギーを管理する方法が提供される。
【0033】
本開示による方法は、エネルギー源からの収穫可能電力を示すエネルギー収穫信号を監視すること、エネルギー収穫信号を第1の閾値と比較すること、エネルギー収穫信号が、第1の閾値未満の値から、第1の閾値を超える値まで増加した場合、第1のトリガ信号を生成することを含む。本方法は、第1のトリガ信号が生成されない限り、第1のエネルギー収穫を行うことであって、第1のエネルギー収穫は、a)第1の標的電圧を決定するために、電力点追跡器を周期的に動作させることと、b)第1の標的電圧において電圧変換器を動作させ、且つ規制することとを含む、行うことと、第1のトリガ信号が生成される場合、第1のエネルギー収穫を行うことから、第2のエネルギー収穫を行うことに切り替えることとを含み、第2のエネルギー収穫は、a)第1のトリガ信号の生成に応答して、電力点追跡器を動作させ、且つ電力点追跡器を用いて第2の標的電圧を決定することを開始することと、b)電力点追跡器が第2の標的電圧を決定することを完了した場合、第2の標的電圧において電圧変換器を動作させ、且つ規制することを開始することとを含む。前記第2のトリガ信号が生成された場合、前記第2のエネルギー収穫を行うことから、前記第1のエネルギー収穫を行うことに切り替えることは、電力点追跡器が標的電圧決定のために動作可能である時点においてのみ実行される。
【0034】
実施形態では、電力管理デバイスは、相互に排他的な方法で電力点追跡器を動作させ、且つ電圧変換器を動作させるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本発明のこれら及びさらなる態様は、例として且つ添付図面を参照してより詳細に説明される。
【0036】
図1図1は、本開示による電力管理デバイスの第1の実施形態を概略的に示すブロック図である。
図2図2は、本開示による電力管理デバイスの第2の実施形態を概略的に示すブロック図である。
図3a図3aは、電力点追跡器及び電圧変換器のオン期間及びオフ期間を示す時間ダイアグラムの一例を概略的に示す。
図3b図3bは、第1のエネルギー収穫期間EH-1及び第2のエネルギー収穫期間EH-2を示す時間ダイアグラムのさらなる例を概略的に示す。
図3c図3cは、第1のエネルギー収穫期間EH-1及び第2のエネルギー収穫期間EH-2を示す時間ダイアグラムのさらなる例を概略的に示す。
図3d図3dは、第1のエネルギー収穫期間EH-1及び第2のエネルギー収穫期間EH-2を示す時間ダイアグラムのさらなる例を概略的に示す。
図3e図3eは、第1のエネルギー収穫期間EH-1及び第2のエネルギー収穫期間EH-2を示す時間ダイアグラムのさらなる例を概略的に示す。
図3f図3fは、第1のエネルギー収穫期間EH-1及び第2のエネルギー収穫期間EH-2を示す時間ダイアグラムのさらなる例を概略的に示す。
図4図4は、電力点追跡器及び電圧変換器のオン期間及びオフ期間を示す時間ダイアグラムのさらなる例を概略的に示す。
図5図5は、本開示による電力管理デバイスの第3の実施形態を概略的に示すブロック図である。
図6図6は、本開示による電力管理デバイスのさらなる実施形態を示す。
図7図7は、電力点追跡器の実施形態を概略的に示す。
図8図8は、本開示によるエネルギー収穫システムの一例を示す。
図9図9は、エネルギー源がRFエネルギー源であるエネルギー収穫システムの一例を示す。
図10図10は、本開示による電力管理デバイスの第4の実施形態を概略的に示すブロック図である。
図11図11は、電圧変換器の実施形態の一例を概略的に示す。
【0037】
添付図面の描写は、正確な比率で描かれておらず、原寸に比例して描かれてもいない。一般的に、同一の部品は、添付図面内の同じ参照数字によって表示される。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本開示は、本開示の例示であり、従って限定するものと解釈されない特定の実施形態の観点で説明される。本開示は、具体的に示された及び/又は説明されたものによって限定されず、代替的な又は修正された実施形態が本開示の教示全体に照らして開発される可能性があることが当業者によって理解される。説明される添付図面は、単に概略的なものであり、従って限定するものではない。
【0039】
動詞「含む」及びそれぞれの活用形の使用は、記述されたもの以外の要素の存在を排除しない。要素に先行する冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」又は「その」の使用は、複数のこのような要素の存在を排除しない。
【0040】
さらに、本明細書及び特許請求の範囲内の用語「第1」、「第2」等は、同様の要素間を識別するために使用され、従って必ずしもシーケンスを時間的、空間的、序列的又は任意の他の方法の何れかで説明するために使用されていない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書で説明される本開示の実施形態は、本明細書において説明又は示されるもの以外のシーケンスでの動作が可能であることが理解されるべきである。
【0041】
本明細書全体にわたる「1つの実施形態」又は「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造又は特性が本開示の1つ又は複数の実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体にわたる様々な箇所における語句「一実施形態では」又は「実施形態では」の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を参照するとは限らないが、同じ実施形態を参照し得る。さらに、特定の特徴、構造又は特性は、1つ又は複数の実施形態において、本開示から当業者に明らかになるような任意の好適な方法で組み合わされ得る。
【0042】
用語「コントローラ」の使用は、組み合わせ論理を通常含む電子デジタル回路であるものとして最も広い意味で解釈される必要がある。
【0043】
電力管理デバイス全般
本開示による電力管理デバイスの実施形態の例が図1図2図5図6及び図10に概略的に示される。
【0044】
エネルギー源からのエネルギーを管理するための電力管理デバイス1は、入力電圧Vinを出力電圧Voutに変換するように構成された電圧変換器10を含む。エネルギー収穫中、電圧変換器10は、入力電圧を標的電圧Vに規制する。標的電圧Vは、エネルギー源から例えば最大電力を抽出するための最適電圧である。
【0045】
電圧変換器による標的電圧における入力電圧Vinの規制は、入力電圧Vinを標的電圧Vと連続的に比較し、入力電圧が標的電圧を上回る場合に入力電圧を低減し、入力電圧が標的電圧未満である場合に入力電圧を増加させることを可能にすることとして解釈される必要がある。
【0046】
いくつかの実施形態では、電圧変換器10は、DC-DC電圧変換器である。電圧変換器は、例えば、入力電圧Vinを増加させるためのブーストコンバータ回路、入力電圧Vinを低減するためのバックコンバータ回路又は入力電圧を低減及び増加することの両方を行うためのバックブーストコンバータ回路を含む。これらのDC-DC電圧変換器回路は、当技術分野で知られている。
【0047】
電力管理デバイスは、エネルギー源から電力を抽出するための最適動作電圧として標的電圧Vを決定するように構成された電力点追跡器PPT20をさらに含む。電力点追跡器の実施形態の例は、以下でさらに論述される。
【0048】
一般的に、電力管理デバイスは、電圧変換器及び電力点追跡器を相互に排他的な方法で動作させするように構成され、すなわち、電力点追跡器が標的電圧を決定するために動作可能であるとき、電圧変換器が動作可能ではなく、逆も同様である。従って、これらの実施形態では、いかなるエネルギーも電力点追跡器の動作中に収穫され得ない。これは、例えば、図3a及び図4に概略的に示され、ここでは、2つの最上部パネルは、電力点追跡器のいくつかのオン期間(PPT-ON)と、電圧変換器のいくつかのオン期間(VC-ON)とを示す時間ダイアグラムの例を表す。電力点追跡器がオンである期間は、サンプリング期間とも呼ばれ、電圧変換器がオンである期間は、規制期間又はエネルギー収穫期間とも呼ばれる。
【0049】
コントローラ40は、電圧変換器10の動作及び電力点追跡器20の動作を制御するように構成される。
【0050】
本開示による電力管理デバイスは、i)エネルギー収穫信号を監視し、ii)エネルギー収穫信号を第1の閾値と比較し、且つii)エネルギー収穫信号が、第1の閾値未満の値から、第1の閾値を超える値まで増加した場合、第1のトリガ信号TPPTを生成するように構成された感知デバイス30を含む。エネルギー収穫信号は、エネルギー源からのエネルギー収穫可能電力の存在を示す信号である。
【0051】
収穫可能電力は、様々なタイプのエネルギー源から利用可能になり得、収穫可能エネルギーは、経時的に変動し得る。例えば、オン/オフ源がオンに切り替わり得、これにより収穫可能電力を増加し得る。別の例は、電力を所定方向に発射するエネルギー源であり、電力管理デバイスの方向に向けられると、電力管理デバイスによる収穫可能電力が増加する。
【0052】
本開示による電力管理デバイスは、電力点追跡器20が、感知デバイスによる第1のトリガ信号の生成に応答して、標的電圧Vを決定することを開始するように構成されることを特徴とする。換言すれば、感知デバイス30は、検出された電力が第1の閾値を上回る場合に電力点追跡器20の動作をトリガする。これは、電力点追跡器が動作を開始することをトリガするこのような感知デバイス30を含まない、従来技術の電力管理の電力管理デバイスとは対照的である。代わりに、従来技術の電力管理デバイスは、通常、最適動作電圧を周期的に決定するために、離散期間中にPPT20の動作を周期的にトリガするように構成されたクロック生成器を利用する。
【0053】
いくつかの実施形態では、電力点追跡器20による標的電圧Vの決定の開始は、感知デバイス30による第1のトリガ信号TPPTの生成に続いて、250ms未満以内、好ましくは10ms未満以内、より好ましくは1ms未満以内に行われる。
【0054】
第1のトリガ信号の生成並びに電力点追跡器及び電圧変換器の動作は、いくつかの時間ダイアグラムを有する図3aに概略的に示される。最下部パネルは、例えば、オン/オフタイプのエネルギー源のエネルギー収穫信号Eの一例を概略的に示す。図3aの2つの下部パネルに示すように、エネルギー収穫信号Eが、第1の閾値E未満の値から、第1の閾値Eを超える値まで増加したことを感知デバイスが検出すると、第1のトリガ信号TPPTが生成される。第1のトリガ信号TPPTの生成に対する応答として、電力点追跡器は、トリガされ、オンに設定され、電圧変換器を動作させるための標的電圧を決定することを開始する。図3aに示すように、標的電圧の決定が完了されると、電力点追跡器は、オフに設定され、電圧変換器は、電力点追跡器によって決定された標的電圧において入力電圧を規制している間、エネルギーを収穫するためにオンに設定される。
【0055】
本開示の電力管理デバイスは、第1のトリガ信号TPPTがトリガされていなくてもエネルギーを収穫することができる。実際、第1のトリガ信号は、利用可能な収穫可能電力が第1の閾値を超えた場合にのみ生成されるが、これは、第1の閾値未満の場合、いかなる収穫可能電力も利用可能でないことを意味しない。
【0056】
コントローラは、電力管理デバイスを動作させて、第1のエネルギー収穫EH-1及び第2のエネルギー収穫EH-2を行うように構成される。第2のエネルギー収穫EH-2は、エネルギー収穫信号が第1の閾値を超えて上昇する場合に行われるものとして定義される一方、第1のエネルギー収穫EH-1は、エネルギー収穫信号が第1の閾値を下回る場合に行われるものとして定義される。
【0057】
第1のエネルギー収穫EH-1及び第2のエネルギー収穫EH-2を行うことは、例えば、図3bに概略的に示される。最下部パネルは、時間の関数として変動するエネルギー収穫信号Eの一例を示す。上記で論述されたように、感知デバイスは、エネルギー収穫信号Eが、第1の閾値ET1未満の値から、第1の閾値ET1を超える値まで増加する場合、第1のトリガ信号TPPT,T1をトリガする。図3bに示すように、感知デバイスが第1のトリガ信号Tを生成していない限り、コントローラは、第1の標的電圧VT1を決定するために電力点追跡器20を周期的に動作させることと、第1の標的電圧VT1において電圧変換器10を動作させ、且つ規制することとを含む第1のエネルギー収穫EH-1を行う。この例では、第1の標的電圧を決定するための電力点追跡器の周期的動作は、第1の期間P1毎に行われる。他方で、感知デバイスが第1のトリガ信号Tを生成している場合、コントローラは、第1のエネルギー収穫EH-1を行うことから、第2のエネルギー収穫EH-2を行うことに切り替え、第2のエネルギー収穫は、感知デバイス30による第1のトリガ信号Tの生成に応答して、電力点追跡器20を動作させ、且つ第2の標的電圧VT2を決定することを開始することと、電力点追跡器が第2の標的電圧VT2を決定することを完了した場合、第2の標的電圧VT2において電圧変換器を動作させ、且つ規制することを開始することとを含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、図3bに概略的に示されるように、第2のエネルギー収穫EH-2を行うことは、感知デバイス30による第1のトリガ信号Tの生成に応答して、初めて第2の標的電圧VT2の決定を行った後、第2の標的電圧VT2の決定を周期的に繰り返すために、電力点追跡器20を周期的に動作させることをさらに含む。この例では、図3bに概略的に示されるように、第2の標的電圧の決定の周期的繰り返しは、第2の期間P2毎に行われる。
【0059】
いくつかの実施形態では、第1の標的電圧VT1を決定するための電力点追跡器20の周期的動作は、第1の頻度で繰り返され、第2の標的電圧VT2を決定するための電力点追跡器20の周期的動作は、第2の頻度で繰り返され、ここで、F1>F2、又はF1<F2、又はF1=F2であり、F1及びF2は、それぞれ第1及び第2の頻度である。繰り返し頻度は、図3bに示す周期的期間の逆数であり、従ってF1=1/P1及びF2=1/P2であり、P1及びP2は、それぞれ第1及び第2の標的電圧の決定を周期的に繰り返すための第1及び第2の期間である。
【0060】
図3bにさらに概略的に示されるように、第1の標的電圧VT1の決定及び第2の標的電圧VT2の決定は、それぞれ第1の追跡期間TP1及び第2の追跡期間TP2中に行われる。いくつかの実施形態では、第1の追跡期間TP1は、第2の追跡期間TP2と異なる。他の実施形態では、第1の追跡期間TP1は、第2の追跡期間TP2に等しい。
【0061】
第2のエネルギー収穫EH-2から第1のエネルギー収穫EH-1に切り替えるために、以下に論述されるように様々な選択肢が可能である。
【0062】
いくつかの実施形態では、図3b及び図3dにさらに示されるように、感知デバイス30は、エネルギー収穫信号Eが、第1の閾値ET1を超える値から、第1の閾値以下である第2の閾値ET2未満の値に降下した場合、第2のトリガ信号Tを生成するように構成される。コントローラ40は、感知デバイスが第2のトリガ信号Tを生成した場合、第2のエネルギー収穫を行うことから、第1のエネルギー収穫を行うことに切り替えるようにさらに構成される。図3bに示す実施形態では、第2の閾値は、第1の閾値に等しい一方、図3dに示す実施形態では、第2の閾値ET2は、第1の閾値ET1より低い。
【0063】
いくつかの実施形態では、図3bに示すように、第2のトリガ信号Tが生成されると、コントローラは、この第2のトリガ信号に応答して、電圧変換器を動作させることを直ちに停止し、例えば新しい標的電圧決定を行うために電力点追跡器を動作させることを開始することにより、第2のエネルギー収穫を行うことから、第1のエネルギー収穫を行うことに切り替える。
【0064】
他の実施形態では、第1のエネルギー収穫を行うことから、第2のエネルギー収穫を行うことへの切り替えは、電力点追跡器が標的電圧決定のために動作可能である時点(例えば、新しい周期的標的電圧決定が開始したとき又は進行中であるとき)においてのみ行われる。従って、これらの実施形態では、第2のトリガ信号Tが生成された場合、コントローラは、電力点追跡器が標的電圧決定のために動作可能である時点においてのみ、第2のエネルギー収穫から第1のエネルギー収穫への切り替えを実行するように構成される。換言すれば、これらの実施形態では、第2のエネルギー収穫から第1のエネルギー収穫に切り替えるための以下の2つの条件がある:電力点追跡器が動作可能であること及び第2のトリガ信号が生成されたこと。
【0065】
さらなる実施形態では、第2のエネルギー収穫EH-2を行うことは、決定されたそれぞれの第2の標的電圧VT2を標的閾値と比較することをさらに含む。これらの実施形態では、コントローラ40は、電力追跡器の動作中、決定された第2の標的電圧が標的閾値未満である場合、第2のエネルギー収穫EH-2を行うことから、エネルギー収穫EH-1を行うことに切り替えるようにさらに構成される。従って、これらの実施形態では、第2のエネルギー収穫から第1のエネルギー収穫に切り替えることは、電力点追跡器が標的電圧決定のために動作可能である時点においてのみ行われる。標的閾値は、第2のエネルギー収穫から第1のエネルギー収穫に切り替えて戻る電圧条件を規定する所定値であり得る。
【0066】
第2のエネルギー収穫から第1のエネルギー収穫への切り替えが、電力点追跡器が標的電圧決定のために動作可能である時点において行われる実施形態に関して、第2のエネルギー収穫中に電圧変換器を動作させることと、第1のエネルギー収穫中に電圧変換器を再び動作させることとの間に電力点追跡器によって行われる標的電圧決定は、一度のみ行われる。
【0067】
他の実施形態では、第2のエネルギー収穫EH-2を行う際、図3c及び図3eに概略的に示されるように、コントローラ40は、第1のトリガ信号Tの第1の生成に続いて、第1のトリガ信号Tの第2の生成なしに所定の期間Tlapが経過した場合、第2のエネルギー収穫EH-2を行うことから、第1のエネルギー収穫EH-1を行うことに切り替えるように構成される。
【0068】
第2のエネルギー収穫EH-2から第1のエネルギー収穫EH-1への切り替えが所定の期間Tlapの経過に基づくいくつかの実施形態では、図3c及び図3eに示すように、電力点追跡器による第2の標的値VT2の決定は、エネルギー収穫信号Eが、第1の閾値ET1未満の値から、第1の閾値ET1を超える値まで増加するたびに繰り返される。図3c及び図3eの例では、第1のトリガ信号Tは、3回トリガされたものとして示される。
【0069】
図1に概略的に示される実施形態では、感知デバイス30は、トリガ信号TPPTを出力するための信号出力を含み、感知デバイス30のこの信号出力は、電力点追跡器20の信号入力と電気的に接続される。従って、この実施形態では、PPTは、トリガ信号を感知デバイスから直接受信する。
【0070】
他の実施形態では、感知デバイスからのトリガ信号は、コントローラ40に最初に送信され、次に、コントローラは、電力点追跡器20を続いてトリガする。例えば、図2に示す実施形態では、コントローラ40は、感知デバイス30によって生成されたトリガ信号TPPTを受信するように構成される。
【0071】
いくつかの実施形態では、コントローラ40は、第1のトリガ信号Tが生成される場合、電力点追跡器のための第1の開始信号S1を生成するように構成される。電力点追跡器は、この第1の開始信号S1を受信するための入力を含む。電力点追跡器20は、第1の開始信号S1を受信すると、標的電圧の第1の決定を開始するようにさらに構成される。
【0072】
上記で論述されるように、電力点追跡器を制御し、且つ電圧変換器を制御するためのコントローラ40は、専用コントローラであり得るか、又はコントローラは、電力管理デバイスの主要なコントローラ60若しくはその一部であり得る。いくつかの実施形態では、サブコントローラ40a(コントローラ40の一部)は、図10に概略的に示されるように、感知デバイス30からトリガ信号を受信し、且つ電力点追跡器のための開始信号S1を生成するように構成される。
【0073】
感知デバイスによって生成されるトリガ信号TPPTは、例えば、電圧信号であるか又は電流に基づく信号であり、第1の開始信号S1は、例えば、2進信号(例えば、高電圧レベル又は低電圧レベル)である。
【0074】
いくつかの実施形態では、コントローラ40は、感知デバイス30によって生成される第1のトリガ信号Tに対して第1の開始信号S1を遅延期間ΔTだけ遅延させるように構成される。このようにして、過渡的影響から生じるエラーが回避され、すなわち、遅延は、エネルギー源が定常状態に達することを可能にし、従ってPPTが誤動作点を決定することを回避する。
【0075】
図4では、実施形態の一例が示され、ここでは、開始信号S1は、感知デバイスによって生成されるトリガ信号TPPTに対して時間遅延期間ΔTだけ遅延される。
【0076】
いくつかの実施形態では、コントローラ40は、第1の開始信号S1の生成に続いて第2の開始信号S2を生成するように構成され、第2の開始信号S2は、第1の開始信号S1の生成から第1の期間T1が経過した後に生成される。第2の開始信号S2に対する応答として、電力点追跡器は、第2の時間にトリガされ、標的電圧の決定を繰り返す。第1の開始信号S1及び続く第2の開始信号S2の生成は、過渡問題の別の解決策である。
【0077】
いくつかの実施形態では、上記で論述されたように、コントローラは、エネルギー収穫信号が第2の閾値を下回る場合、第2のエネルギー収穫EH-2を行うことから、第1のエネルギー収穫EH-1を行うことに切り替えるように構成される。これらの実施形態では、コントローラ40は、第2のトリガ信号Tが生成される場合、第3の開始信号S3を生成するように構成され、電力点追跡器20は、第3の開始信号S3を受信すると、第1の標的電圧VT1を決定することを開始するように構成される。
【0078】
いくつかの実施形態では、上記で論述されたように、コントローラは、第1のトリガ信号Tの第2の生成なしに所定の期間Tlapが経過した後、第2のエネルギー収穫EH-2を行うことから、第1のエネルギー収穫EH-1を行うことに切り替えるように構成され、コントローラ40は、所定の期間Tlapが経過した場合、第4の開始信号S4を生成するように構成され、電力点追跡器は、第4の開始信号S4を受信すると、標的電圧を決定することを開始するように構成される。これは、例えば、主要なオン/オフエネルギー源以外の、例えば場合により別のエネルギー源に由来する利用可能な連続的環境低電力エネルギーがある場合、電圧変換器がエネルギーを効率的に抽出することを可能にする。他のエネルギー源は、例えば、環境RFエネルギー源であり得る。
【0079】
いくつかの実施形態では、エネルギー源からのエネルギーを管理するための電力管理デバイスは、集積回路(すなわち電子回路及び多くの入力/出力ピン数(端子、又はコネクタ、又はリードとも呼ばれる)を含むマイクロチップ)として実装される。通常、集積回路は、12~48個の端子を有し得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、図1及び図2に示すように、集積回路として実装される電力管理デバイス1は、入力電圧Vinにおいてエネルギー源から電力を受け取るための少なくとも電力入力端子11と、出力電圧Voutにおいて電力を出力するための電力出力端子12とを含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、電力管理デバイスは、外部トリガ信号を受信するようにさらに構成され、コントローラ40は、外部トリガ信号を受信することに応答して、第2のエネルギー収穫EH-2を行うことを開始するようにさらに構成される。例えば、電力管理デバイスが第1のエネルギー収穫を行う間に外部トリガ信号を受信している場合、電力管理デバイスは、第1のエネルギー収穫EH-1を行うことから、第2のエネルギー収穫EH-2を行うことに切り替える。同様に、電力管理デバイスがスリープモードである間に外部トリガ信号を受信している場合、電力管理デバイスは、スリープモードから第2のエネルギー収穫EH-2を行うことに切り替える。
【0082】
いくつかの実施形態では、電力管理デバイスは、外部トリガ信号を検出するための信号検出器を含む。
【0083】
他の実施形態では、電力管理デバイスは、外部トリガ信号を受信するためのトリガ入力を含む。
【0084】
いくつかの実施形態では、外部トリガ信号は、無線外部トリガ信号である。これらの実施形態では、信号検出器は、例えば、アンテナを含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、コントローラ40は、外部トリガ信号が受信された場合、電力点追跡器20のためのさらなる開始信号S-EXTを生成するように構成され、電力点追跡器20は、さらなる開始信号S-EXTを受信し、且つさらなる開始信号S-EXTを受信すると、第2の標的電圧VT2を決定することを開始するように構成される。
【0086】
いくつかの実施形態では、感知デバイスによる第1のトリガ信号の生成と同様に且つ外部トリガ信号が受信される場合、コントローラ40は、電力点追跡器を動作させることを開始することを、外部トリガ信号に対して遅延期間ΔTだけ遅延させるように構成される。従って、図4では、4つの上側パネル(すなわちトリガTPPT、開始信号、PPT-ON及びVC-ON)は、トリガ信号TPPTが、電力管理デバイスによって受信された外部トリガ信号である場合にも適用可能である。
【0087】
感知デバイス
いくつかの実施形態では、感知デバイス30は、エネルギー収穫信号を受信するための信号入力を含む。エネルギー収穫信号が入力電圧であるいくつかの実施形態では、感知デバイスの信号入力は、図1及び図2に概略的に示されるように、電力入力端子11において入力電圧Vinを感知するための電力管理デバイスの電力入力端子11と電気的に接続される。
【0088】
例えば、入力電圧が所定閾値電圧を超えて上昇する場合、これは、低エネルギーのエネルギー収穫EH1に対応する標的電圧レベルに規制する際、エネルギー源によって提供されるエネルギーが電圧変換器10(例えば、DC-DC電圧変換器)によって転送され得るエネルギーを超えて突然増加したことを示す。
【0089】
いくつかの実施形態では、感知デバイス30は、エネルギー収穫信号を第1の閾値と比較するための信号比較器を含む。
【0090】
信号比較器は、当技術分野で知られているアナログ信号比較器又はデジタル信号比較器の何れかであり得る。比較器は、演算増幅器に基づき得る。デジタル信号比較器が使用される実施形態では、感知デバイスによって取得される概してアナログのエネルギー収穫信号は、ADC(アナログ/デジタル変換器)を使用することによって最初にデジタル化される。
【0091】
第1の閾値は、例えば、バンドギャップ基準電圧生成器によって生成され得るか、又は第1の閾値は、基準電流を抵抗器に流すことによって生成され得る。代替的に、閾値は、通信バスを介して伝達され得る。
【0092】
本開示の感知デバイス30は、入力電圧を監視し、入力電圧を閾値と比較することに基づくセンサに限定されない。収穫可能電力を示すエネルギー収穫信号を監視するためのセンサデバイスの他の実装形態が考えられ得る。
【0093】
いくつかの実施形態では、感知デバイス30は、例えば、電圧変換器10(例えば、DC-DC電圧変換器)によって転送されているエネルギーを固定時間基準(例えば、1~250ミリ秒)にわたって監視するように構成されたデバイスである。これは、その基準時間窓にわたって転送されているパルスの数を例えば計数することによって実現され得る。パルスの数が所定パルス閾値を超えて増加した場合、これは、エネルギー収穫器によって生成される電力が突然増加したことを意味する。従って、これらの実施形態では、エネルギー収穫信号Eは、固定時間基準にわたって計数されたパルスの数に対応する。
【0094】
いくつかの実施形態では、エネルギー収穫信号が比較される閾値は、動的調整可能な閾値であり得る。例えば、エネルギー収穫信号Eが、固定時間基準にわたって計数されたパルスの数に対応する場合、パルス閾値は、入力電圧及び出力電圧の関数(例えば、ルックアップテーブルを使用する)であり得る。
【0095】
エネルギー収穫信号Eが、固定時間基準にわたって計数されるパルスの数に対応するいくつかの実施形態では、パルスの数が例えば前の計数と比較して5~1000の係数を上回る係数だけ著しく増加したかどうかが評価される。従って、これらの実施形態では、閾値は、前のカウント数に対応し、従って動的に調節される。
【0096】
電力点追跡器
いくつかの実施形態では、電力点追跡器20は、電圧追跡入力を含み、電力点追跡器は、電圧追跡入力において感知された電圧をサンプリングするように構成される。通常、電力点追跡器は、サンプリングされた電圧又はサンプリングされた電圧のある割合を、電圧変換器を規制するための標的電圧Vとしてさらに記憶する。入力電圧をサンプリングすることは、入力電圧を捕捉又は測定するものと解釈される必要がある。
【0097】
いくつかの実施形態では、電圧追跡入力において追跡される電圧は、開路電圧であり、従って、標的電圧Vは、開路電圧のある割合として定義される。
【0098】
割合値は、エネルギー源のタイプに依存し、例えばエネルギー源が光電池である場合、割合値は、通常、エネルギー源の開路電圧の70%~85%の値である。収穫されているエネルギーがRFエネルギー源から発している場合、割合は、通常、開路電圧の50%に設定される。
【0099】
いくつかの実施形態では、電力点追跡器20は、標的電圧Vとして所定電圧又は所定電圧のある割合を使用するように構成される。
【0100】
いくつかの実施形態では、図6に示すように、電力管理デバイス1は、バッファキャパシタ85を接続するためのバッファキャパシタ端子13を含む。このバッファキャパシタ端子13は、入力端子11と電気的に接続される。バッファキャパシタは、エネルギーがエネルギー源から、電力出力端子12に接続された蓄積デバイス又は負荷に転送される電圧変換器の動作中に充電される。このバッファキャパシタ85は、電圧変換器のインダクタが電流を増進している場合に入力ノードが崩壊することを回避する。
【0101】
いくつかの実施形態では、図6にさらに示されるように、電力管理デバイスは、電力点追跡器20が動作可能である場合にバッファキャパシタ端子13が入力端子11から電気的に切り離され、且つ電圧変換器10が動作可能である場合にバッファキャパシタ端子13が入力端子11と電気的に接続されるように構成されたスイッチSWを含む。換言すれば、電力点追跡器30の動作中、スイッチSWは、開いており、電圧変換器10の動作中、スイッチSWは、閉じている。このようにして、電力点追跡器を動作させることを開始する際に過渡的影響が低減される。スイッチSWは、通常、電力管理デバイスの主要なコントローラによって制御される。
【0102】
電力点追跡器は、当技術分野で知られており、例示的実施形態が図7に概略的に示され、ここでは、電力点追跡器20は、例えば、逐次近似レジスタ(SAR)アーキテクチャに基づくアナログ/デジタル変換器(ADC)によって実装される。図7及び図10に概略的に示されるように、電力点追跡器20は、通常、PPT電子回路20aと、PPT電子回路を制御するPPTコントローラ20bとを含む。この例では、PPT電子回路20aは、抵抗ラダー22、この抵抗ラダーの出力を選択する一連のスイッチ25、キャパシタラダー23、このキャパシタラダーをリセットするスイッチSC_1及びSC_2並びに電圧比較器21を含む。図7に示すスイッチSC_1及びSC_2を閉じることにより、キャパシタラダー23は、放電され得る。PPTコントローラ20bは、専用コントローラであり得るか、又は図10に概略的に示されるように主要なコントローラ60の一部であるコントローラであり得る。
【0103】
電力点追跡器が感知デバイス30からのトリガ信号TPPTに続いて動作されると、多くの逐次工程が発生することになる。第1の工程では、電圧変換器20が無効にされ、電力入力端子における入力電圧が開路電圧において安定化する。
【0104】
第2の工程では、電力点追跡器入力における電圧の所定の割合が電圧比較器21の正入力において使用される。所定の割合は、100%又はより低い割合値であり得る。例えば、開路電圧評価に関して、割合は、例えば80%又は例えば50%に設定され得る。割合は、キャパシタ分割器23の使用を介して決定される。割合が100%である場合、キャパシタ分割器23は、任意選択的な部品である。
【0105】
第3の工程では、既知電圧のある割合が比較器21の負入力において使用される。この既知電圧の様々な割合は、抵抗ラダーの様々な位置に配置された様々なスイッチ25を介して選択され得る。
【0106】
第4の工程では、PPTコントローラ20bは、キャパシタ分割器出力における電圧と最もよく整合する既知電圧の割合を決定するために逐次近似を使用する。最後に、最良の整合が見出されると、抵抗分割器上のこの整合電圧は、電圧変換器の入力電圧を規制するための標的値Vとして使用される新しい最適動作電圧になる。このようにして、抵抗分割器の整合設定を介して最適動作電圧が記憶される。代替的に、PPTコントローラは、逐次比較器出力値を取得することにより、最適動作電圧として整合電圧をデジタル的に記憶し得る。
【0107】
いくつかの実施形態では、電力点追跡器は、サンプリングされた電圧の割合に関する2つ以上の値を定義するように構成可能である。いくつかの実施形態では、電力管理デバイスは、例えば、最適動作電圧として取られる必要性がある間に電力入力端子において感知された電圧Vinのどの程度の割合又は何パーセントを定義することを可能にする構成信号を電力点追跡器に提供するために電力点追跡器20と結合された構成端子を含む。構成信号は、例えば、電力点追跡器が開路電圧の50%、80%又は100%を取る必要があるかどうかを示す3つの定義レベルを有し得る。構成信号は、複数の信号(例えば、構成情報を転送するバス信号)からなり得る。
【0108】
代替実施形態では、PPTは、キャパシタ分割器を含まず、工程2において開路電圧が測定され、工程4において、PPTコントローラは、標的電圧として整合電圧のある割合を取る。
【0109】
いくつかの実施形態では、開路電圧の取られるべき割合がハード符号化される一方、他の実施形態では、開路電圧のどの程度の割合又は何パーセントが最適動作電圧として取られる必要があるかを定義することを可能にする構成信号が電力点追跡器に転送される。構成信号は、例えば、電力点追跡器が開路電圧の50%、70%、80%又は100%を取る必要があるかを示す4つの定義レベルを有し得る。構成信号は、構成情報を転送するための複数の信号(例えば、バス信号)からなり得る。いくつかの実施形態では、PMICは、構成信号又はバス信号を提供するために2つ以上の構成端子を含む。
【0110】
スリープモード及びリセットモード
いくつかの実施形態では、コントローラ40は、電力管理デバイスをエネルギー収穫モードEH-Mと、低減された電力消費のスリープモードSLP-Mとの間で切り替えるように構成される。第1のエネルギー収穫EH-1及び第2のエネルギー収穫EH-2は、エネルギー収穫モードである場合に行われる。エネルギー収穫モードは、アクティブモードとも呼ばれ得る。
【0111】
いくつかの実施形態では、図3d~図3fに概略的に示されるように、感知デバイス30は、エネルギー収穫信号Eが、第1の閾値ET1未満の第3の閾値ET3を超える値から、第3の閾値ET3未満の値に降下した場合、第3のトリガ信号Tを生成するように構成される。これらの実施形態では、コントローラ40は、第3のトリガ信号Tが生成される場合、エネルギー収穫モードEH-Mから、低減された電力消費のスリープモードSLP-Mに電力管理デバイス1を切り替えるためのスリープ信号SLPを生成するように構成される。
【0112】
このようにして、エネルギー収穫モードEH-MからスリープモードSLP-Mに切り替えることにより、電力管理デバイスがエネルギーを収穫するために活性でない場合、電力消費が低減される。いくつかの実施形態では、スリープモード中、クロック周波数は、低減され、通常、電圧変換器の一部は、PMIC静止電流を低減するためにオフである。
【0113】
いくつかの実施形態では、図3d~図3fにさらに示されるように、感知デバイス30は、エネルギー収穫信号Eが、第3の閾値ET3未満の値から、第3の閾値ET3を超える値まで増加した場合、第4のトリガ信号Tを生成するように構成される。これらの実施形態では、コントローラ40は、第4のトリガ信号Tが生成される場合、スリープモードSLP-Mからエネルギー収穫モードEH-Mに切り替えるように構成される。図3d及び図3eに示す実施形態では、スリープモードSLP-Mから第1のエネルギー収穫モードEH-1への切り換えがある。
【0114】
図3fに概略的に示される特定の場合に関して、スリープモードSLP-Mにあるとき、エネルギー収穫信号Eは、急速に増加しており、最初に第3の閾値ET3を超えて上昇すると、第4のトリガ信号Tが生成され、続いて第1の閾値ET1を超えてさらに上昇すると、第1のトリガ信号Tの生成に到る。その後、電圧変換器は、動作可能であり、エネルギー収穫を開始し、入力電圧を第2の標的電圧VT2に規制する。従って、この例では、スリープモードSLP-Mから第2のエネルギー収穫EH-2を直接行うことへの切り換えがある。第4のトリガ信号Tに応答したとしても、電力点追跡器は、第1の標的電圧VT1の決定を開始し、図3fに概略的に示されるように、第1の標的電圧のこの決定は、第1のトリガ信号Tによって中断され、標的電圧の新しい決定が開始される。
【0115】
さらなる実施形態では、コントローラ40は、リセット期間ΔTが感知デバイスからトリガ信号を受信することなしに経過した場合、電力管理電力管理デバイス1をリセットするように構成される。リセットモードは、電力管理デバイスがオフであり、従って電力が消費されないモードである。
【0116】
図5では、電力管理デバイスの実施形態が示され、ここでは、コントローラ40は、トリガ信号TPPTが所定のリセット期間ΔTより長い期間中に感知デバイス30によって生成されない場合、リセット信号Rを電圧変換器10及び電力点追跡器20に出力している。
【0117】
いくつかの実施形態では、電力管理デバイスは、リセット後に開始するためのコールドスタート回路50を含む。
【0118】
コールドスタート回路50は、エネルギー源からエネルギーを取得し、且つ電力管理デバイス1に給電するためのスタートアップ回路である。通常、電圧変換器10は、十分な供給電力がPMICのコントローラに給電するために利用可能でないと動作可能ではない。実際、例えば、電圧変換器コントローラは、その供給入力における供給電圧Vsupが最小必要供給電圧以上である場合に限り、動作可能である。十分な供給電圧がコントローラを動作させるために利用可能になると、上記で論述されたように、コールドスタートエネルギー収穫が停止され、その後、電力管理デバイスは、感知デバイスから受信されたトリガ信号に基づいて電力点追跡器及び電圧変換器を逐次的に動作させる。
【0119】
電圧変換器
本開示による電力管理デバイス1は、少なくとも1つの電圧変換器10を含む。通常、電圧変換器10は、電圧変換器電子回路10aと、電圧変換器電子回路を制御するための電圧変換器コントローラ10bとを含む。
【0120】
上記で論述されたように、いくつかの実施形態では、電圧変換器は、例えば、入力電圧Vinを増加させるためのブーストコンバータ回路、入力電圧Vinを低減するためのバックコンバータ回路又は入力電圧を低減及び増加することの両方を行うためのバックブーストコンバータ回路であり得る。
【0121】
ブーストコンバータ回路の一例が図11に概略的に示される。通常、電圧変換器電子回路10aは、電圧変換器コントローラ10bによって制御されるインダクタ15並びに第1のスイッチSVC_1及び第2のスイッチSVC_2を含む。いくつかの実施形態では、電圧変換器コントローラ10bは、図10に概略的に示されるように、電力管理デバイスの主要なコントローラ60の一部であり得る。図11に示すように、ブーストコンバータが使用される場合、インダクタ15は、電力入力端子11と直列に置かれる。当技術分野で知られているように、第1のスイッチSVC_1及び第2のスイッチSVC_2を周期的に制御することにより、インダクタ15内に蓄積された磁気エネルギーは、例えば、変換器入力Vinにおける電圧より高い出力電圧Voutにある電圧変換器出力12に接続された負荷又は電池に周期的に転送される。
【0122】
いくつかの実施形態では、上記で論述された誘導性電圧変換器を使用することの代わりに、スイッチドキャパシタ変換器が使用される。スイッチドキャパシタ変換器は、当技術分野で知られており、これらの変換器は、充放電キャパシタによって電力を配送する。
【0123】
エネルギー源から電力を抽出する際、電圧変換器は、最適動作電圧として電力点追跡器によって定義及び記憶された最終値を標的電圧Vとして使用することにより、入力電圧Vinを連続的に規制している。
【0124】
いくつかの実施形態では、記憶された最終標的電圧は、感知デバイスによって生成されたトリガ信号に続いて、電力点追跡器によって決定される標的電圧であり得る。しかし、いくつかの実施形態に関して、記憶された最終標的電圧は、必ずしも感知デバイスのトリガ信号に続いて決定された標的電圧ではない。これは、電力点追跡器が感知デバイスからのトリガ信号以外の別の信号によって追加的にトリガされる場合である。例えば、上記で論述されたように、いくつかの実施形態では、コントローラ40は、第1の開始信号S1の生成に続いて且つ第2の開始信号S2に対する応答として第2の開始信号S2を生成し、電力点追跡器は、第2の時刻にトリガされ、標的電圧の決定を繰り返し、決定された第2の値は、定義及び記憶される最終値になる。他の実施形態では、感知デバイスからのトリガ信号によるPPTの第1のトリガ後、PPTは、例えば、内部クロック生成器によってさらに繰り返しトリガされ得る。
【0125】
いくつかの実施形態では、電圧変換器コントローラ10bは、電圧変換器の入力電圧Vinを感知するためのセンサと、入力電圧を、電力点追跡器によって決定された標的電圧Vと比較するための比較器又は増幅器とを含む。変換器入力における電圧が標的値を下回ると、電圧変換器は、無効にされ、変換器入力における電圧がさらに低くなることを防ぐ。他方で、電圧変換器入力における電圧が標的値を超えて上昇すると、変換器入力からその出力への電力転送が有効にされる。このようにして、入力電圧は、標的電圧の近くに留まるように規制される。
【0126】
電力管理デバイスがICとして実装されるいくつかの実施形態では、インダクタ15は、ICの外に配置され、追加端子がインダクタをICに結合するために設けられる。
【0127】
電圧変換器開路の第1のスイッチSVC_1及び第2のスイッチSVC_2を開放状態にしたままにすることにより、電圧変換器が無効にされる。これは、電力が電圧変換器によって抽出されることを防ぐ。電圧変換器は、例えば、電力点追跡器の動作中に無効にされる。
【0128】
いくつかの実施形態では、図4に示すように、電圧変換器は、固定の所定の期間ΔTVC-ON中にオンである。例えば、エネルギー源が反復オン/オフエネルギー源である場合、所定の期間ΔTVC-ONは、オン/オフエネルギー源がオンになると期待される期間に対応するように選択され得る。
【0129】
他の実施形態では、図3aに示すように、電圧変換器は、エネルギー収穫信号が、トリガ信号TPPTをトリガするために使用される第1の閾値Eと同じ又は異なる閾値であり得るさらなる閾値を下回るまでオンである。いくつかの実施形態では、さらなる閾値は、第1の閾値より低い。他の実施形態では、図3aに示すように、第1の閾値及びさらなる閾値は、等しい。いくつかの実施形態では、さらなる閾値は、第1の閾値より高い。
【0130】
エネルギー収穫システム
図8では、本開示による電力管理デバイス1を含むエネルギー収穫システム100の一例が概略的に示される。
【0131】
図8に示す実施形態では、エネルギー源70は、電力管理デバイスの電力入力端子11に結合され、再充電可能蓄積デバイス80は、電力出力端子12に結合される。他の実施形態では、負荷が電力出力端子12に結合される。エネルギー源は、例えば、間欠的エネルギー源である。
【0132】
図9を参照すると、本開示による電力管理デバイス1を含むエネルギー収穫システム100のさらなる実施形態が概略的に示される。この例では、エネルギー源は、RF源70である。この実施形態では、システム100は、RF源70からのRFエネルギーを捕捉するためのアンテナ75を含み、且つ整流器90をさらに含み、整流器の出力は、電力管理デバイス1の電力入力端子11に結合される。
【0133】
図8及び図9では、電力点追跡器及び電圧変換器の動作を制御するためのコントローラ40は、示されていない。上記で論述されたように、コントローラ40は、電力管理デバイスの主要なコントローラ60に対応し得るか、又はコントローラ40は、電力管理デバイスの主要なコントローラ60のサブコントローラであり得る。
【0134】
エネルギー源からのエネルギーを管理する方法
本開示は、i)入力電圧を標的電圧Vに規制するように構成された電圧変換器10と、ii)エネルギー源から電力を抽出するための最適動作電圧としての標的電圧Vを決定するように構成された電力点追跡器20とを含む電力管理デバイスを使用して、エネルギー源からのエネルギーを管理する方法にも関する。
【0135】
エネルギー源からのエネルギーを管理する方法は、以下の工程を含む:
・エネルギー源からのエネルギーの存在を示すエネルギー収穫Eを監視する工程、
・エネルギー収穫信号Eを第1の閾値ET1と比較する工程、
・エネルギー収穫信号が、第1の閾値ET1未満の値から、第1の閾値ET1を超える値まで増加している場合、第1のトリガ信号TPPT,Tを生成する工程、
・第1のトリガ信号TPPT,Tが生成されない限り、第1のエネルギー収穫EH-1を行う工程であって、第1のエネルギー収穫は、
a)第1の標的電圧VT1を決定するために、電力点追跡器20を周期的に動作させることと、
b)第1の標的電圧VT1において電圧変換器10を動作させ、且つ規制することと
を含む、工程、
・第1のトリガ信号TPPT,Tが生成される場合、第1のエネルギー収穫EH-1を行うことから、第2のエネルギー収穫EH-2を行うことに切り替える工程であって、第2のエネルギー収穫は、
a)第1のトリガ信号TPPTの生成に応答して、電力点追跡器20を動作させ、且つ電力点追跡器20によって第2の標的電圧VT2を決定することを開始することと、
b)電力点追跡器が第2の標的電圧VT2を決定することを完了した場合、電圧変換器10を第2の標的電圧VT2において動作させ、且つ規制することを開始することと
を含む、工程。
【0136】
いくつかの実施形態では、本方法は、以下をさらに含む:
・エネルギー収穫信号Eが、第1の閾値ET1を超える値から、第1の閾値ET1以下である第2の閾値ET2未満の値に降下した場合、第2のトリガ信号Tを生成すること、
・第2のトリガ信号Tが生成される場合、第2のエネルギー収穫を行うことから、第1のエネルギー収穫を行うことに切り替えること。
【0137】
いくつかの実施形態では、本方法は、以下を含む:
・第1のトリガ信号Tの生成に応答して、初めて第2の標的電圧VT2の決定を行った後、第2の標的電圧VT2の決定を周期的に繰り返すために、電力点追跡器20を周期的に動作させること。
【0138】
いくつかの実施形態では、第2のトリガ信号Tが生成された場合、第2のエネルギー収穫EH-2を行うことから、第1のエネルギー収穫EH-1を行うことに切り替えることは、電力点追跡器が標的電圧決定のために動作可能である時点においてのみ実行される。換言すれば、第1のエネルギー収穫から第2のエネルギー収穫への切り替えは、電圧変換器が動作可能である間に実行されないが、電力点追跡器の周期的動作が開始したか又は進行中である場合に限り実行される。
【0139】
いくつかの実施形態では、本方法は、以下を含む:
・第1のトリガ信号(T)の生成に応答して、初めて第2の標的電圧(VT2)の決定を行った後、第2の標的電圧(VT2)の決定を周期的に繰り返すために、電力点追跡器(20)を周期的に動作させること、
・決定されたそれぞれの第2の標的電圧(VT2)を標的閾値と比較すること、
・電力追跡器の動作中、決定された第2の標的電圧が標的閾値未満である場合、第2のエネルギー収穫(EH-2)を行うことから、第1のエネルギー収穫(EH-1)を行うことに切り替えること。
【0140】
他の実施形態では、本方法は、以下を含む:
・第1のトリガ信号Tの第1の生成に続いて、第1のトリガ信号Tの第2の生成なしに所定の期間Tlapが経過した場合、第2のエネルギー収穫を行うことから、第1のエネルギー収穫を行うことに切り替えること。
【0141】
いくつかの実施形態では、本方法は、以下を含む:
・エネルギー収穫信号Eが、第1の閾値ET1より低い第3の閾値ET3を超える値から、第3の閾値ET3未満の値に降下した場合、低減された電力消費のスリープモードに切り替えること。
【0142】
いくつかの実施形態では、本方法は、以下を含む:
・外部トリガ信号を受信し、且つ外部トリガ信号が受信された場合、第2のエネルギー収穫EH-2を行うことを開始すること。
【0143】
いくつかの実施形態では、電力点追跡器による第1のトリガ信号T,TPPTの生成に応答して、電力点追跡器20によって第1の標的電圧Vを決定することを開始する工程は、250ms未満以内、好ましくは10ms未満以内、より好ましくは1ms未満以内に行われる。
【0144】
いくつかの実施形態では、電圧変換器を動作させることを開始する前に、電力点追跡器は、無効にされる、換言すれば、電力管理デバイスは、相互に排他的な方法で電力点追跡器20を動作させ、且つ電圧変換器10を動作させるように構成される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー源からのエネルギーを管理するための電力管理デバイス(1)において
・電圧変換器(10)であって、前記電圧変換器の入力電圧を標的電圧(V)に規制するように構成された電圧変換器(10)、
・前記エネルギー源から電力を抽出するための最適動作電圧として前記標的電圧(V)を決定するように構成された電力点追跡器(20)、
・前記電圧変換器(10)及び前記電力点追跡器(20)の動作を制御するためのコントローラ(40)
を含み
・感知デバイス(30)であって、
i)エネルギー源からの収穫可能電力を示すエネルギー収穫信号(E)を監視することと、
ii)前記エネルギー収穫信号(E)を第1の閾値(E,ET1)と比較することと、
iii)前記エネルギー収穫信号が、前記第1の閾値(E,ET1)未満の値から、前記第1の閾値(E,ET1)を超える値まで増加した場合、第1のトリガ信号(TPPT,T)を生成することと
を行うように構成された感知デバイス(30)
を含み、前記コントローラ(40)は、
i)前記感知デバイス(30)が前記第1のトリガ信号(TPPT,T)を生成していない限り、第1のエネルギー収穫(EH-1)を行うことであって、
a)第1の標的電圧(VT1)を決定するために、前記電力点追跡器(20)を周期的に動作させることと、
b)前記第1の標的電圧(VT1)において前記電圧変換器(10)を動作させ、且つ規制することと
を含む、行うことと、
ii)前記感知デバイスが前記第1のトリガ信号(T)を生成している場合、第1のエネルギー収穫(EH-1)を行うことから、第2のエネルギー収穫(EH-2)を行うことに切り替えることであって、第2のエネルギー収穫を行うことは、
a)前記感知デバイス(30)による前記第1のトリガ信号(TPPT,T)の前記生成に応答して、前記電力点追跡器(20)を動作させ、且つ第2の標的電圧(VT2)を決定することと、
b)前記電力点追跡器が前記第2の標的電圧(VT2)を決定することを完了した場合、前記第2の標的電圧(VT2)において前記電圧変換器を動作させ、且つ規制することと
を含む、切り替えることと
を行うように構成され、前記感知デバイス(30)は、前記第1のトリガ信号(T PPT ,T )を出力するための信号出力を含み、前記感知デバイス(30)の前記信号出力は、前記電力点追跡器(20)の信号入力と電気的に接続され、前記電力点追跡器(20)は、前記第1のトリガ信号(T PPT ,T )を受信すると、前記第2の標的電圧(V T2 )の第1の決定を開始するように構成されることを特徴とする電力管理デバイス(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の電力管理デバイスにおいて、前記感知デバイス(30)は、前記第1のトリガ信号(TPPT)を出力するための信号出力を含むことを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電力管理において、前記コントローラ(40)は、前記第1のトリガ信号(T)が生成される場合、前記電力点追跡器(20)の第1の開始信号(S1)を生成するように構成され、前記電力点追跡器(20)は、前記第1の開始信号(S1)を受信し、且つ前記第1の開始信号(S1)を受信すると、前記第2の標的電圧(VT2)の第1の決定を開始するように構成されることを特徴とする電力管理。
【請求項4】
請求項に記載の電力管理デバイスにおいて、前記コントローラ(40)は、前記感知デバイス(30)によって生成された前記第1のトリガ信号(TPPT,T)に対して前記第1の開始信号(S1)を遅延期間(ΔT)だけ遅延させるように構成されることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項5】
請求項又はに記載の電力管理デバイスにおいて、前記コントローラ(40)は、前記第1の開始信号(S1)の前記生成から第1の期間(T1)が経過した後、第2の開始信号(S2)を生成するように構成され、前記電力点追跡器(20)は、前記第2の開始信号(S2)を受信すると、前記第2の標的電圧(VT2)の第2の決定を開始するように構成されることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項6】
請求項1乃至の何れか1項に記載の電力管理デバイスにおいて、前記感知デバイス(30)は、前記エネルギー収穫信号(E)が、前記第1の閾値(ET1)を超える値から、前記第1の閾値以下である第2の閾値(ET2)未満の値に降下した場合、第2のトリガ信号(T)を生成するように構成され、前記コントローラ(40)は、
iii)前記感知デバイス(30)が前記第2のトリガ信号(T)を生成した場合、前記第2のエネルギー収穫(EH-2)を行うことから、前記第1のエネルギー収穫(EH-1)を行うことに切り替えること
を行うようにさらに構成されることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項7】
請求項に記載の電力管理デバイスにおいて、前記コントローラ(40)は、前記第2のトリガ信号(T)が生成される場合、第3の開始信号(S3)を生成するように構成され、前記電力点追跡器(20)は、前記第3の開始信号(S3)を受信すると、前記第1の標的電圧(VT1)を決定することを開始するように構成されることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項8】
請求項に記載の電力管理デバイスにおいて、前記感知デバイス(30)が前記第2のトリガ信号(T)を生成した場合、前記第2のエネルギー収穫(EH-2)を行うことから、前記第1のエネルギー収穫(EH-1)を行うことに前記切り替えることは、前記電力点追跡器が標的電圧決定のために動作可能である時点においてのみ実行されることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項9】
請求項1乃至の何れか1項に記載の電力管理デバイスにおいて、前記コントローラ(40)は、
iii)前記第1のトリガ信号(T)の第1の生成に続いて、前記第1のトリガ信号(T)の第2の生成なしに所定の期間(Tlap)が経過した場合、前記第2のエネルギー収穫(EH-2)を行うことから、前記第1のエネルギー収穫(EH-1)を行うことに切り替えること
を行うようにさらに構成されることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項10】
請求項に記載の電力管理デバイスにおいて、前記コントローラ(40)は、前記所定の期間(Tlap)が経過した場合、第4の開始信号(S4)を生成するように構成され、前記電力点追跡器(20)は、前記第4の開始信号(S4)を受信すると、前記第1の標的電圧(VT1)を決定することを開始するように構成されることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか1項に記載の電力管理デバイスにおいて、第2のエネルギー収穫(EH-2)を前記行うことは、
c)前記感知デバイス(30)による前記第1のトリガ信号(T)の前記生成に応答して、初めて前記第2の標的電圧(VT2)の前記決定を行った後、前記第2の標的電圧(VT2)の前記決定を周期的に繰り返すために、前記電力点追跡器(20)を周期的に動作させること
をさらに含むことを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項12】
請求項1乃至の何れか1項に記載の電力管理デバイスにおいて、第2のエネルギー収穫(EH-2)を前記行うことは、
c)前記感知デバイス(30)による前記第1のトリガ信号(T)の前記生成に応答して、初めて前記第2の標的電圧(VT2)の前記決定を行った後、前記第2の標的電圧(VT2)の前記決定を周期的に繰り返すために、前記電力点追跡器(20)を周期的に動作させること、
d)決定されたそれぞれの第2の標的電圧(VT2)を標的閾値と比較すること
をさらに含み、前記コントローラ(40)は、
iii)前記電力追跡器の動作中、前記決定された第2の標的電圧が前記標的閾値未満である場合、前記第2のエネルギー収穫(EH-2)を行うことから、前記第1のエネルギー収穫(EH-1)を行うことに切り替えること
を行うようにさらに構成されることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の電力管理デバイスにおいて、前記第1の標的電圧(VT1)を決定するために、前記電力点追跡器(20)を前記周期的に動作させることは、第1の頻度で繰り返され、前記第2の標的電圧(VT2)を決定するために、前記電力点追跡器(20)を前記周期的に動作させることは、第2の頻度で繰り返され、ここで、F1>F2、又はF1<F2、又はF1=F2であり、F1及びF2は、それぞれ前記第1及び第2の頻度であることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項14】
請求項11乃至13の何れか1項に記載の電力管理デバイスにおいて、前記第1の標的電圧(VT1)の前記決定及び前記第2の標的電圧(VT2)の前記決定は、それぞれ第1の追跡期間(TP1)及び第2の追跡期間(TP2)中に行われ、前記第1の追跡期間(TP1)は、前記第2の追跡期間(TP2)と異なるか、又は代替的に、前記第1の追跡期間(TP1)は、前記第2の追跡期間(TP2)に等しいことを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項15】
請求項1乃至14の何れか1項に記載の電力管理デバイスにおいて、前記感知デバイス(30)は、前記エネルギー収穫信号(E)が、前記第1の閾値未満である第3の閾値(ET3)を超える値から、前記第3の閾値(ET3)未満の値に降下した場合、第3のトリガ信号(T)を生成するように構成され、前記コントローラ(40)は、エネルギー収穫モード(EH-M)と、低減された電力消費のスリープモード(SLP-M)との間で前記電力管理デバイスを切り替えるように構成され、前記第1のエネルギー収穫及び前記第2のエネルギー収穫は、前記エネルギー収穫モードであるときに行われ、前記コントローラ(40)は、前記第3のトリガ信号(T)が生成される場合、前記エネルギー収穫モード(EH-M)から、低減された電力消費の前記スリープモード(SLP-M)に前記電力管理デバイス(1)を切り替えるためのスリープ信号(SLP)を生成するように構成されることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項16】
請求項15に記載の電力管理デバイスにおいて、前記感知デバイス(30)は、前記エネルギー収穫信号(E)が、前記第3の閾値(ET3)未満の値から、前記第3の閾値(ET3)を超える値まで増加した場合、第4のトリガ信号(T)を生成するように構成され、前記コントローラ(40)は、前記第4のトリガ信号(T)が生成される場合、前記スリープモードから前記エネルギー収穫モードに切り替えるように構成されることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項17】
請求項1乃至16の何れか1項に記載の電力管理デバイスにおいて、前記感知デバイス(30)は、前記エネルギー収穫信号を前記第1の閾値と比較するための比較器を含むことを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項18】
請求項1乃至17の何れか1項に記載の電力管理デバイスにおいて、前記感知デバイス(30)は、固定時間基準にわたって前記電圧変換器(10)によって転送されている前記エネルギーを、前記基準時間窓にわたって転送されているエネルギーパルスの数を計数することによって監視するように構成され、前記固定時間基準にわたって計数される前記パルスの数は、前記エネルギー収穫信号(E)に対応することを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項19】
請求項18に記載の電力管理デバイスにおいて、前記固定時間基準は、1~250ミリ秒間の時間値であることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項20】
請求項1乃至19の何れか1項に記載の電力管理デバイスにおいて、前記電圧変換器(10)は、前記電力点追跡器(20)による前記標的電圧(VT1、VT2)の前記決定が完了する場合に動作を開始するように構成されることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項21】
請求項1乃至20の何れか1項に記載の電力管理デバイスにおいて、前記第2の標的電圧(VT2)において前記電圧変換器(10)を動作させ、且つ規制することは、固定期間(ΔTVC-ON)中に行われることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項22】
請求項1乃至21の何れか1項に記載の電力管理デバイスにおいて、前記第2の標的電圧(VT2)において前記電圧変換器(10)を動作させ、且つ規制することは、前記エネルギー収穫信号が、前記第1の閾値(ET1)以下であるさらなる閾値未満に降下したことを前記感知デバイス(30)が検出するまで行われることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項23】
請求項1乃至22の何れか1項に記載の電力管理デバイスにおいて、外部トリガ信号を受信するようにさらに構成され、前記コントローラ(40)は、前記外部トリガ信号が受信された場合、第2のエネルギー収穫(EH-2)を行うことを開始するようにさらに構成されることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項24】
請求項23に記載の電力点追跡器において、前記コントローラ(40)は、前記電力点追跡器を動作させることを開始することを、前記外部トリガ信号に対して遅延期間(ΔT)だけ遅延させるように構成されることを特徴とする電力点追跡器。
【請求項25】
請求項1乃至24の何れか1項に記載の電力管理デバイスにおいて、
・エネルギー源からエネルギーを受け取るための電力入力端子(11)、
・バッファキャパシタを接続するためのバッファキャパシタ端子(13)、
・スイッチ(SW)であって、前記スイッチが開かれているか又は閉じられているとき、前記バッファキャパシタ端子(13)がそれぞれ前記電力入力端子(11)から電気的に切り離されるか、又は前記電力入力端子(11)と電気的に結合されるように構成されたスイッチ(SW)
をさらに含み、前記電力点追跡器(20)が動作可能である場合、前記スイッチ(SW1)を開かれている状態に維持し、且つ前記電圧変換器(10)が動作可能である場合、前記スイッチ(SW1)を閉じられている状態に維持するように構成されることを特徴とする電力管理デバイス。
【請求項26】
i)入力電圧を標的電圧(V)に規制するように構成された電圧変換器(10)と、ii)エネルギー源から電力を抽出するための最適動作電圧として前記標的電圧(V)を決定するように構成された電力点追跡器(20)とを含む電力管理デバイス(1)を使用して、前記エネルギー源からのエネルギーを管理する方法において、
・エネルギー源からの収穫可能電力を示すエネルギー収穫信号(E)を監視すること、
・前記エネルギー収穫信号(E)を第1の閾値(ET1)と比較すること、
・前記エネルギー収穫信号が、前記第1の閾値(ET1)未満の値から、前記第1の閾値(ET1)を超える値まで増加した場合、第1のトリガ信号(TPPT,T)を生成すること、
・前記第1のトリガ信号(TPPT)が生成されない限り、第1のエネルギー収穫(EH-1)を行うことであって、第1のエネルギー収穫は、
a)第1の標的電圧(VT1)を決定するために、前記電力点追跡器(20)を周期的に動作させることと、
b)前記第1の標的電圧(VT1)において前記電圧変換器(10)を動作させ、且つ規制することと
を含む、行うこと、
・前記第1のトリガ信号(TPPT)が生成される場合、第1のエネルギー収穫(EH-1)を行うことから、第2のエネルギー収穫(EH-2)を行うことに切り替えることであって、第2のエネルギー収穫(EH-2)は、
a)前記第1のトリガ信号(TPPT)の前記生成に応答して、前記電力点追跡器(20)を動作させ、且つ前記電力点追跡器(20)を用いて第2の標的電圧(VT2)を決定することを開始することと、
b)前記電力点追跡器が前記第2の標的電圧(VT2)を決定することを完了した場合、前記第2の標的電圧(VT2)において前記電圧変換器(10)を動作させ、且つ規制することを開始することと
を含む、切り替えること
を含み、前記第2のトリガ信号(T )が生成された場合、前記第2のエネルギー収穫(EH-2)を行うことから、前記第1のエネルギー収穫(EH-1)を行うことに前記切り替えることは、前記電力点追跡器が標的電圧決定のために動作可能である時点においてのみ実行されることを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法において、
・前記エネルギー収穫信号(E)が、前記第1の閾値(ET1)を超える値から、前記第1の閾値(ET1)以下である第2の閾値(ET2)未満の値に降下した場合、第2のトリガ信号(T)を生成することと、
・前記第2のトリガ信号(T)が生成された場合、前記第2のエネルギー収穫(EH-2)を行うことから、前記第1のエネルギー収穫(EH-1)を行うことに切り替えることと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法において、
・前記第1のトリガ信号(T)の前記生成に応答して、初めて前記第2の標的電圧(VT2)の前記決定を行った後、前記第2の標的電圧(VT2)の前記決定を周期的に繰り返すために、前記電力点追跡器(20)を周期的に動作させること
を含むことを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項26に記載の方法において、
・前記第1のトリガ信号(T)の前記生成に応答して、初めて前記第2の標的電圧(VT2)の前記決定を行った後、前記第2の標的電圧(VT2)の前記決定を周期的に繰り返すために、前記電力点追跡器(20)を周期的に動作させることと、
・決定されたそれぞれの第2の標的電圧(VT2)を標的閾値と比較することと、
・前記電力追跡器の動作中、前記決定された第2の標的電圧が前記標的閾値未満である場合、前記第2のエネルギー収穫(EH-2)を行うことから、前記第1のエネルギー収穫(EH-1)を行うことに切り替えることと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項26に記載の方法において、
・前記第1のトリガ信号(T)の第1の生成に続いて、前記第1のトリガ信号(T)の第2の生成なしに所定の期間(Tlap)が経過した場合、前記第2のエネルギー収穫(EH-2)を行うことから、前記第1のエネルギー収穫(EH-1)を行うことに切り替えること
を含むことを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項26乃至30の何れか1項に記載の方法において、固定期間(ΔTVC-ON)中に前記第2の標的電圧(VT2)において前記電圧変換器(10)の前記動作及び規制を行うこと、又は代替的に、前記エネルギー収穫信号が、前記第1の閾値以下であるさらなる閾値未満に降下するまで、前記第2の標的電圧(VT2)において前記電圧変換器(10)を動作させ、且つ規制することを含むことを特徴とする方法。
【請求項32】
請求項26乃至31の何れか1項に記載の方法において、
・前記エネルギー収穫信号(E)が、前記第1の閾値(ET1)未満である第3の閾値(ET3)を超える値から、前記第3の閾値(ET3)未満の値に降下した場合、低減された電力消費のスリープモード(SLP-M)に切り替えること
を含むことを特徴とする方法。
【請求項33】
請求項32に記載の方法において、
・前記エネルギー収穫信号(E)が、前記第3の閾値(ET3)未満の値から、前記第3の閾値(ET3)を超える値まで増加した場合、前記スリープモード(SLP-M)から前記第1のエネルギー収穫(EH-1)を行うことに切り替えること
を含むことを特徴とする方法。
【請求項34】
請求項26乃至33の何れか1項に記載の方法において、
・外部トリガ信号を受信し、且つ前記外部トリガ信号が受信された場合、第2のエネルギー収穫(EH-2)を行うことを開始すること
を含むことを特徴とする方法。
【請求項35】
請求項1乃至25の何れか1項に記載の電力管理デバイス又は請求項26乃至34の何れか1項に記載の方法において、前記電力点追跡器(20)は、電圧追跡入力を含み、前記電力点追跡器は、前記電圧追跡入力において感知された電圧をサンプリングし、且つ前記サンプリングされた電圧又は前記サンプリングされた電圧のある割合を前記標的電圧として記憶するように構成されることを特徴とする電力管理デバイス又は方法。
【請求項36】
請求項1乃至25の何れか1項に記載の電力管理デバイス又は請求項25乃至35の何れか1項に記載の方法において、前記電力管理デバイス(1)は、相互に排他的な方法で前記電力点追跡器(20)を動作させ、且つ前記電圧変換器(10)を動作させるように構成されることを特徴とする電力管理デバイス又は方法。
【請求項37】
請求項1乃至25の何れか1項に記載の電力管理デバイス又は請求項26乃至36の何れか1項に記載の方法において、前記感知デバイス(30)による前記第1のトリガ信号(TPPT)の前記生成に応答して、前記電力点追跡器(20)を動作させ、且つ前記第2の標的電圧(VT2)を決定することを前記開始することは、前記第1のトリガ信号(T)の前記生成に続いて、250ms未満以内、好ましくは10ms未満以内、より好ましくは1ms未満以内に行われることを特徴とする電力管理デバイス又は方法。
【国際調査報告】