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特表2024-520574フィンガーテスター用のテストヘッド及びプリント基板のテスト方法
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  • 特表-フィンガーテスター用のテストヘッド及びプリント基板のテスト方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】フィンガーテスター用のテストヘッド及びプリント基板のテスト方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/28 20060101AFI20240517BHJP
【FI】
G01R31/28 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573647
(86)(22)【出願日】2022-06-03
(85)【翻訳文提出日】2024-01-18
(86)【国際出願番号】 EP2022065184
(87)【国際公開番号】W WO2022254005
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】102021114443.4
(32)【優先日】2021-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523419325
【氏名又は名称】アーテーゲー ルーサー アンド メルツァー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ヴァインデル クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】オット ベルント
【テーマコード(参考)】
2G132
【Fターム(参考)】
2G132AA20
2G132AE25
2G132AF00
(57)【要約】
本発明は、プリント基板をテストするためのフィンガーテスター用のテストヘッド、フィンガーテスター及びプリント基板のテスト方法に関する。テストヘッドは、フィンガーテスターのトラバースに移動可能に配置できるスライドと、旋回アームを保持するための保持モジュールであって、旋回アームが保持モジュールから離れた自由端に形成され、テストプローブを受け入れる保持モジュールと、転がり軸受を備えた垂直ガイドレールを含む昇降装置であって、昇降装置により保持モジュールがスライドに対して垂直方向に移動可能であるように形成される昇降装置と、保持モジュール、ひいては旋回アームを垂直回転軸の周りに回転させるための旋回装置であって、旋回装置を回転させるためのモータを含む旋回装置とを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント基板をテストするためのフィンガーテスター(1)用のテストヘッド(4)であって、
前記フィンガーテスターのトラバース(3)に移動可能に配置できるスライド(14)と、
旋回アーム(22)を保持するための保持モジュール(21)であって、前記旋回アーム(22)が前記保持モジュール(21)から離れた自由端(40)でテストプローブ(23)を受け入れるように適合される保持モジュール(21)と、
転がり軸受(37)を備えた垂直ガイドレール(12)を含む昇降装置(20)であって、前記昇降装置(20)により前記保持モジュール(21)が前記スライドに対して垂直方向に移動可能であるように適合される、昇降装置(20)と、
前記保持モジュール(21)、ひいては前記旋回アームを垂直回転軸(41)の周りに回転させるための旋回装置(19)であって、前記旋回装置(19)を回転させるためのモータ(30)を含む旋回装置(19)と
を含むテストヘッド(4)において、
前記旋回装置(19)は、シャフト(42)又は軸(26)を含み、前記旋回装置(19)の回転部材(28)は、前記シャフト(42)又は前記軸(26)を取り囲むように、前記シャフト(42)又は前記軸(26)と同軸に配置され、前記回転部材(28)は、少なくとも1つの軸受(27)で前記軸(26)に取り付けられるか又は少なくとも1つの前記軸受(27)で前記スライド(14)に前記シャフト(42)を介して取り付けられることと、
前記モータ(30)は、ダイレクトドライブとして形成され、前記回転部材(28)は、前記モータ(30)の回転子を形成することと、
を特徴とする、テストヘッド(4)。
【請求項2】
前記旋回アームの長さは、少なくとも150mmであること
を特徴とする、請求項1に記載のテストヘッド(4)。
【請求項3】
前記軸(26)又は前記シャフト(42)は、前記軸受(27)が前記シャフト(42)又は前記軸(26)に配置される領域で外径が少なくとも10mmであるように形成されること
を特徴とする、請求項1又は2に記載のテストヘッド(4)。
【請求項4】
前記回転部材は、最大外径が少なくとも50mmであるように形成されること
を特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のテストヘッド(4)。
【請求項5】
前記旋回アーム(22)は、管状であり、繊維複合材料で製造されること
を特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のテストヘッド(4)。
【請求項6】
前記旋回アーム(22)は、前記自由端(40)の方向に先細りにされること、及び/又は、前記旋回アーム(22)の前記自由端(40)が前記旋回装置(19)に固定された端部(40)に対して少しオフセットして配置されるように、側面視で湾曲すること
を特徴とする、請求項5に記載のテストヘッド(4)。
【請求項7】
前記モータ(30)及び前記回転部材(28)は、少なくとも1つの前記軸受(27)と同一平面に配置されること
を特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のテストヘッド(4)。
【請求項8】
前記旋回装置(19)は、最大長さが40mmであり、特に最大長さが30mmである前記シャフト(42)を含むこと
を特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のテストヘッド(4)。
【請求項9】
前記昇降装置(20)は、前記旋回装置の前記垂直回転軸からオフセットして配置されるため、測定信号を伝達する役割を果たすケーブルは、前記保持モジュール(21)と前記スライド(14)との間の領域でほぼ前記垂直回転軸(41)に沿ってガイドされること
を特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のテストヘッド(4)。
【請求項10】
前記回転部材(28)は、外周に、前記モータ(30)の固定子の磁場コイルと相互作用する複数の永久磁石(29)を含むこと
を特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のテストヘッド(4)。
【請求項11】
前記モータ(30)は、それぞれ完全な円の周りに延びる固定子及び回転子を含むこと
を特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のテストヘッド(4)。
【請求項12】
前記昇降装置(20)は、前記旋回装置(19)に配置され、前記保持モジュール(21)を移動させるためのリニアモータを含むこと
を特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のテストヘッド(4)。
【請求項13】
前記スライド(14)は、前記スライドを移動させるためのリニアモータのランナーを含むこと
を特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載のテストヘッド(4)。
【請求項14】
前記テストヘッド(4)は、テストプローブ(23)のテストチップを検出するためのカメラ(44)を含むこと
を特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載のテストヘッド(4)。
【請求項15】
プリント基板、特に組み立てられていないプリント基板をテストするためのフィンガーテスター(1)であって、
少なくとも2つのトラバース(3)を含み、そのそれぞれに請求項1~14のいずれか一項に記載のテストヘッド(4)が少なくとも1つ移動可能に配置される、フィンガーテスター(1)。
【請求項16】
各トラバース(3)は、石の塊で形成されること
を特徴とする、請求項15に記載のフィンガーテスター(1)。
【請求項17】
プリント基板、特に組み立てられていないプリント基板をテストするための方法であって、請求項15又は16に記載のフィンガーテスター(1)が使用され、
前記旋回アーム(22)のうちの1つの旋回アームの旋回動作の後、テストされるプリント基板の対応する接触点に接触するまで、それぞれの前記旋回アームが旋回するのを待つ時間は、基本的に5ms未満である、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィンガーテスター用のテストヘッド、いくつかのこのようなテストヘッドを備えたフィンガーテスター、及びこのようなフィンガーテスターを用いたプリント基板のテスト方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フィンガーテスターは、プリント基板(Leiterplatten)の接触点を1つの接触フィンガー又はテストフィンガーに連続的に接触させるテスト装置である。組み立てられないPCBをテストする場合には、テスト対象のPCBの配線については、主に配線における遮断と配線間の短絡をテストする。測定は、一般的に、抵抗及び/又はキャパシタンスの測定として行われる。このようなフィンガーテスターの基本設計について、特許文献1を参照することができる。これには、いくつかの接触フィンガーを有するフィンガーテスターが開示されおり、接触フィンガーは、垂直軸の周りに回転可能で、高さが調整可能であるようにスライド(Schlitten)に取り付けられ、個々の接触フィンガーのスライドは、水平トラバースにスライド可能に取り付けられる。トラバース自体は、それぞれのトラバースの長手方向と直交する水平方向に移動することができる。
【0003】
また、いくつかのトラバースが固定位置に配置されるフィンガーテスターも知られている。
【0004】
特許文献2には、フィンガーテスターを用いたプリント基板のテスト方法が記載されている。
【0005】
特許文献3には、テストヘッドに空気軸受型リニアモータを含む、組み立てられないプリント基板をテストするフィンガーテスターが記載されている。このような空気軸受型リニアモータは、テストヘッドの非常に高速な垂直移動を可能にするため、テストプローブをテストされるプリント基板の接触点に迅速に接触させることができる。
【0006】
特許文献4には、位置決めユニットの少なくとも1つをそれぞれガイドする少なくとも2つの互いに独立したリニアガイドを収容することを特徴とする、プリント基板のテスト装置のトラバースユニットが示される。
【0007】
本特許出願の出願人は、このようなフィンガーテスターを製品名称A7及びA8で販売しており、該フィンガーテスターは、ころ軸受を備えた垂直ガイドレールを備えるため、空気軸受に取り付けられないテストヘッドを含む。
【0008】
出願人は、更に、フィンガーテスターを製品名称S2及びS3で製造し販売しているが、これらは、垂直移動のためにテストヘッドに空気軸受を備えたリニアモータを有する。空気軸受を備えたテストヘッドは、空気軸受のないテストヘッドよりも大幅に高速であるが、製造も大幅に複雑でなり、それに応じて高価である。空気軸受を備えたテストヘッドの場合、空気軸受により支持される部分は、非常に軽量である。これらの部分は、特に、テストプローブを運ぶ接触フィンガーのアームである。これらのアームは、非常に繊細である。その結果、これらにより、非常に低い慣性モーメントしか発生しない。しかしながら、これらのアームは、長さが限られており、損傷に敏感である。したがって、テストプローブを交換するときにアームが損傷されやすい。
【0009】
フィンガーテスターに加えて、プリント基板をテストするための並列テスターも知られており、並列テスターのそれぞれは、テストされるプリント基板の全ての接触点に同時に接触するためのアダプターを有する。このような並列テスターは、原理的に、フィンガーテスターよりもはるかに高速であるが、追加のアダプターをPCBのタイプごとに製造する必要があり、その結果として、非常に高価になる。
【0010】
市場でのフィンガーテスターの成功は、主に、テスト速度により決定され、該テスト速度により、テストされるPCBでの複数の接触点を測定することができる。プリント基板には、一般的に、数千の接触点がある。多くのプリント基板は、小規模なシリーズ、又は大量生産を増やすために必要な量産試作シリーズのみで製造されるため、並列テスター用のアダプターの製造では利益が出ないことが多い。しかしながら、これらは、その複雑さと大量の接触点のため、テストが非常に複雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】欧州特許第0468153号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第0853242号明細書
【特許文献3】欧州特許第1542023号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第102013102564号明細書
【特許文献5】国際公開第03/048787号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、一方では設計が簡単であり、低コストで製造でき、他方では、テストされるプリント基板の高スループットを可能にする方法でフィンガーテスターを更に開発することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第一の態様によれば、プリント基板をテストするためのフィンガーテスター用のテストヘッドが提供され、このテストヘッドは、
フィンガーテスターのトラバースに移動可能に配置できるスライドと、
旋回アームを保持するための保持モジュールであって、旋回アームが保持モジュールから離れた端でテストプローブを受け入れるように適合される保持モジュールと、
転がり軸受を備えた垂直ガイドレールを含む昇降装置であって、昇降装置により保持モジュールがスライドに対して垂直方向に移動可能であるように設計される昇降装置と、
保持モジュール、ひいては旋回アームを垂直回転軸の周りに回転させるための旋回装置であって、旋回装置を回転させるためのモータを含む旋回装置と
を含む。
【0014】
テストヘッドにおいて、旋回装置は、シャフト又は軸を含み、旋回装置の回転部材は、シャフト又は軸を取り囲むように、シャフト又は軸と同軸に配置され、回転部材は、少なくとも1つの軸受で軸に取り付けられるか又は少なくとも1つの軸受でスライドにシャフトを介して取り付けられ、
モータは、ダイレクトモータとして形成され、回転部材は、モータの回転子を形成する。
【0015】
軸は、スライドに固定され、即ち回転しないが、シャフトは、スライドに対して回転することができる。
【0016】
モータは、ギアユニットを介さずに旋回装置を直接的に駆動するように適合される。回転部材は、軸又はシャフトを取り囲むため、その直径が軸又はシャフトの直径よりも大きい。回転部材は、一方ではモータの回転子を表し、他方では旋回装置の不可欠な部分である。また、回転部材の直径が比較的大きいため、高いトルクを発揮することができ、これに応じて回転運動中に大きな加速が可能となる。
【0017】
好ましくは、モータは、トルクモータである。簡単に言えば、トルクモータは、高トルクのために最適化された大型サーボモータと見なすことができる。トルクモータは、一般的に、ブラシレスDCモータとして製造される。しかしながら、スイッチトリラクタンスモータは、トルクモータとして使用されることもある。好ましくは、トルクモータは、例えば、少なくとも20極を有する高極サーボモータである。
【0018】
本発明は、以下の発見に基づくものである。
【0019】
1.テスト対象のPCBでの複数の接触点を測定する場合、ほとんどの時間は、個々の測定を実行することではなく、テストフィンガーをPCBでの1つの接触点からPCBでの別の接触点に移動することに費やされる。
【0020】
2.上で説明したように、空気軸受型リニアガイドは、テストヘッドの非常に高速な垂直移動を可能にするため、移動時間が短縮されるが、空気軸受のため、空気軸受により支持されるテストヘッドの移動質量が制限されるため、最大約150mmの比較的短いアーム長さを有するテストフィンガーしか使用できないという欠点がある。玉軸受、クロスころ軸受又は類似の軸受などの転がり軸受を使用した軸受配置でも、より大きな質量とトルクを確実に伝達することができ、より長いテストフィンガーのアーム長さを可能にする。アーム長さが長くなると、いくつかの利点がある。第一に、アーム長さが長くなると、同じ回転速度で旋回アームに取り付けられたテストプローブの移動速度が速くなる。第二に、旋回アームが長くなると、より広いテスト領域を可能にする。出願人は、旋回アームを0°から最大約45°までの角度範囲でのみ使用し、ここで、0°は、旋回アームが、テストプローブのスライドが取り付けられるトラバースに平行に配置されることを意味し、45°の角度は、旋回アームがトラバースに対して45°の角度をなすことを意味する。この角度範囲では、トラバースから離れるか又はトラバースに向かうテストプローブの非常に高速な移動が達成される。角度が大きくなると、テストプローブの移動速度は、トラバースに対して直交方向に減少する。旋回アームが長いほど、対応するトラバースに沿ってテストヘッドでカバーできる領域の幅が大きくなる。
【0021】
3.旋回動作の終了時に、旋回アームがわずかに振動する。冒頭で説明したテスト治具は、スチールシャフトを含み、該スチールシャフトは、直径が8mmであり、モータの係合点(ドライブに相当)とシャフトでの旋回アームの取付点(出力に相当)との間の距離が約20mmである。これらのシャフトは、中実体で構成される。これらのシャフトは、ドライブと出力との間の軸方向のオフセットにより、制動時に多少振動する。したがって、シャフトは、ねじり振動を受ける本体を形成する。
【0022】
本発明では、これらのねじり振動が実質的に回避され、その理由として、シャフトよりも大幅に大きい回転部材が直接的に駆動され、該回転部材自体は、そのサイズと剛性によりねじりを受けず、旋回装置に直接的に結合されるか又は旋回装置の不可欠な部分を形成するため、細いシャフトを介したトルクの伝達が回避される。軸又はシャフトは、旋回装置を支持する役割を果たすだけであり、モータによって加えられる駆動力を回転すべき旋回装置の主要部、特に昇降装置及び旋回アームに伝達する役割を果たすものではない。これにより、従来のシャフトのねじりが回避される。これは、シャフト又は軸に取り付けられる軸受と回転部材に対するドライブを分離することにより達成される。
【0023】
好ましくは、軸又はシャフトは、軸受がシャフト又は軸に配置される領域で最小外径が少なくとも10mmであるように形成される。旋回装置は、軸に支持されるか又はシャフトにより支持される。軸又はシャフトは、また、軸受の領域で、外径が少なくとも20mm、特に少なくとも25mm又は少なくとも30mm、更に少なくとも35mmであってもよい。シャフト又は軸の直径が大きいほど、旋回装置の軸受はより安定する。
【0024】
好ましくは、回転部材は、最大外径が少なくとも50mmであるように設計される。回転部材は、最大外径が少なくとも60mm、特に少なくとも70mm、好ましくは、少なくとも80mmであってもよい。回転部材/回転子の外径が大きいほど、回転部材/回転子により発生するトルクも大きくなる。
【0025】
テストプローブを、そのプローブ先端を幅が5μmのターゲット領域へ旋回運動させるように設定すると、直径が8mmである従来のシャフトで、ドライブとシャフトでの出力との間の距離が20mmである場合、ねじり振動は、減衰するまで40msの遅延を引き起こす。ターゲットウィンドウが25μmである場合、振動が減衰するまで5msを必要とする。
【0026】
それは、外径が少なくとも15mmの軸又はシャフトと本発明によるテストヘッド設計を使用すると、振動時間が、5μmのターゲットウィンドウの場合に7msに、25μmのターゲットウィンドウの場合に1msに短縮されることを示す。軸又はシャフトの外径が55mmであると、スイングアウト時間は、5μmのターゲットウィンドウの場合に0.5ms未満に短縮される。この過渡振動中に、シャフトのねじり振動がないが、旋回アームの複雑な振動挙動とシャフト又は軸の傾き振動が発生し、これらの直径が大きいほどこれらの振動は小さくなる。軸又はシャフトの外径が55mmであるため、軸受の高い強度により、旋回動作のスイングアウトに実質的に時間を必要としない。
【0027】
旋回装置は、モータにより駆動されるシャフトにより駆動されるのではなく、固定軸又は非回転軸に回転可能に取り付けられるか、又は好ましくは、最小外径が10mmであるシャフトにより取り付けられる。このような外径には、それに対応して大きく安定する軸受が必要である。また、トルクモータは、軸又はシャフトとは関係なく、旋回装置と直接的に係合する。力は、直径がシャフト又は軸の直径よりも大きい回転部材に導入される。これにより、従来技術で一般的であるような、薄いシャフトの軸方向に沿ったドライブと出力のオフセットが回避される。従来の旋回装置において、ドライブと細いシャフトでの出力が軸方向に互いに離れているため、シャフトのねじり振動が発生し、発明者らが発見したように、テストされるプリント基板の小さな接触点での過渡振動が大幅に遅延される。
【0028】
出願人のフィンガーテスターでは、プリント基板は、テスト領域に水平に配置される。したがって、本明細書において、「垂直」とは、フィンガーテスター内に配置されたテストされるプリント基板の表面と垂直な方向を指す。原理的には、テスト装置において、テストされるプリント基板が水平に配置されず、例えば一定の角度で、又は垂直に配置されてもよい。この場合、テスト治具の個々の要素をそれに応じて位置合わせする必要がある。
【0029】
旋回アームのアーム長さは、好ましくは、少なくとも150mmである。アーム長さは、垂直回転軸から、テストプローブが取り付けられる旋回アームの自由端まで測定される。効果的なアーム長さとは、垂直回転軸からテストされるプリント基板の接触点に接触するテストプローブの先端までのアーム長さである。効果的なアーム長さは、好ましくは、少なくとも160mm、特に少なくとも170mm又は少なくとも180mmである。
【0030】
軸受は、好ましくは、少なくともアンギュラ玉軸受である。
【0031】
好ましくは、シャフトは、スライドに支持され、あるいは、回転部材は、少なくとも2つのアンギュラ玉軸受のセットでシャフトに支持され、これにより回転部品を回転軸に対して非常に正確に位置決めし保持することができる。
【0032】
アンギュラ接触軸受は、好ましくは、セラミックボールを含む。
【0033】
好ましくは、モータ及び回転部材は、少なくとも1つの転がり軸受とほぼ同一平面に配置される。これは、ドライブと軸受の軸方向のオフセットにより引き起こされる可能性のある傾斜モーメントが存在しないか又は非常に低いことを意味する。また、モータ、回転部材及び軸受、特に転がり軸受をほぼ同一平面に配置することにより、非常に省スペースであり、かつコンパクトである。
【0034】
ほぼ同一平面にあることは、転がり軸受が配置される領域を通って延びると同時に、回転部材及びモータを通って延びる平面が存在することを意味する。これにより、モータは、軸受と同一平面に同軸に配置されるため、モータの動作により回転部材又はシャフトに傾斜モーメントが全く加えられないか又は非常に低い傾斜モーメントが加えられる。
【0035】
旋回装置がシャフトを有すると、シャフトの最大長さは、好ましくは40mmであり、特に30mmだけである。シャフトが短いほど、剛性は高くなる。
【0036】
旋回アームは、好ましくは管状であり、繊維複合材料で製造される。これにより、旋回アームに高い強度及び軽量性が与えられる。
【0037】
特に、旋回アームは、モノリシック本体で構成される。繊維複合材料の繊維は、好ましくは炭素繊維である。このようなモノリシック本体は、高い剛性を有する。
【0038】
一方では、このような旋回アームは、比較的長く、軽量であり、他方では、その高い強度により、テストプローブがテストされるプリント基板の接触点に近づくときにテストプローブの振動を防止することに役立つ。これは、特に、繊維複合材料で製造された旋回アームのモノリシック管状設計に適用される。したがって、この旋回アームは、上で説明したダイレクトドライブ、及び転がり軸受を備えた昇降装置の取付と組み合わせると非常に有利である。ダイレクトドライブにより、従来技術で知られているドライブシャフトのねじり振動が回避され、昇降装置の転がり軸受により、長い旋回アームの使用が可能になる。
【0039】
旋回アームは、自由端に向かって先細りにされてもよい。これにより、旋回アームの自由端に向かう方向における重量が軽減され、旋回アームの慣性モーメントが低いように維持される。また、先細りにすることは、旋回アームの剛性を高めることにも役立つ。
【0040】
旋回アームは、旋回アームの自由端が旋回装置に取り付けられた端部からわずかにオフセットされるように、側面視で湾曲することができる。したがって、旋回アームは、自由端がスライドからわずかに離れてオフセットされるように配置することができる。したがって、旋回アームは、テストのために試料が配置されるテスト領域の方向にわずかに屈曲される。この旋回アームの屈曲により、旋回アームの剛性を向上させ、旋回アームの上にカメラを配置するためのスペースをつくり、該カメラは、テストされるプリント基板のテストポイントがテストプローブに正しく接触するかどうかを決定するために、テストプローブ、特にテストプローブの接触先端を検出することができるように、旋回装置に取り付けられてもよい。
【0041】
したがって、テストヘッドには、テストプローブのプローブ先端の位置決めを監視するためのカメラを設けることができる。
【0042】
回転部材又は回転子は、外周に、モータの固定子の磁界コイルと相互作用するいくつかの永久磁石を含んでもよい。磁界コイルは、固定子に配置されるため、モータを駆動するように回転子に電流を伝達する必要がない。これにより、装置の設計が簡略化される。
【0043】
モータの固定子及び回転子は、好ましくは、完全な円の周りに延びるように設計される。モータ自体は、使用時に±45°の範囲内でのみ回転するため、固定子及び/又は回転子は、単に円の一部の形態で設計されてもよい。しかしながら、固定子及び回転子が完全な円の周りに延びると、固定子又は回転子が円の一部のみに延びる場合に比べて、モータのコンパクトな設計で、はるかに大きなトルクを達成することができる。この大きなトルクにより、旋回装置は、迅速に旋回することができる。これは、長い旋回アームと組み合わせると、テストプローブがテストされる回路基板の個々の接触点間で非常に迅速に移動することを可能にするため、特に有利である。
【0044】
昇降装置は、好ましくは、旋回装置に配置され、保持モジュールを移動させるためのリニアモータを含む。
【0045】
リニアモータのランナー(Laeufer)は、スライドに形成されて、スライドを移動させることができる。
【0046】
好ましくは、昇降装置は、旋回装置の垂直回転軸からオフセットして配置されるため、本質的に測定信号を伝達する役割を果たしモータ制御のために用いられるケーブルは、保持モジュールとスライドとの間の領域にほぼ垂直回転軸に沿って配線される。これにより、テストヘッドの慣性モーメントを多少増加させるが、このケーブルの耐用年数を大幅に延ばすという効果があり、これは、テストヘッドの別の設計では、旋回ヘッドが回転するときにケーブルがより多く移動するためである。
【0047】
本発明の更なる態様によれば、プリント基板、特に組み立てられていないプリント基板をテストするためのフィンガーテスターが提供され、このフィンガーテスターは、少なくとも2つのトラバースを含み、そのそれぞれに、上述のようなテストヘッドが少なくとも1つ配置される。
【0048】
組み立てられないPCBをテストする場合、隣接するPCB間の遮断及び短絡について配線をテストする。組み立てられたPCBに比べて、PCBには接触対象のテストポイントがはるかに多く、テストヘッドをより頻繁に移動する必要がある。したがって、プローブをPCBの1つのテストポイントからテスト対象のPCBの別のテストポイントに移動する移動時間は、組み立てられないPCBをテストする場合の方が、組み立てられたPCBをテストする場合よりもはるかに長くなる。このフィンガーテスターのテストヘッドにより、テストプローブをテストニードルとともに1つのテストポイントから別のテストポイントに非常に高速で移動させることができる。
【0049】
好ましくは、各トラバースは、石の塊(Steinblock)で製造される。石の塊は、リニアモータの固定子が配置される溝を含んでもよく、それにより、テストヘッドに設けられたリニアモータのランナーが固定子に対して移動することができる。更に、ガイド要素又はガイドレールが石の塊に設けることができ、スライドがガイド要素又はガイドレールによりトラバースに沿ってガイドされる。石の塊は、好ましくは花崗岩塊である。
【0050】
本発明の別の態様によれば、上述のようなフィンガーテスターを使用してプリント基板、特に組み立てられていないプリント基板をテストする方法が提供される。この方法では、旋回アームのうちの1つの旋回アームの旋回動作の後、テストされる接触点に接触するまで、旋回アームが振動するのを待つ時間は一般に5ms未満である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
以下、図面を参照しながら例により本発明をより詳細に説明する。
【0052】
図1】4つのトラバース及び8つのテストヘッドを備えたフィンガーテスターの斜視図である。
図2】テストヘッドがないフィンガーテスターの花崗岩ラックの側面図を示す。
図3a】テスト領域からテストヘッドに向かって見たテストヘッドである。
図3b図3aのテストヘッドの横断面図である。
図3c図3aのテストヘッドの斜視断面図である。
図4】更なる実施形態のテストヘッドの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
本発明によるフィンガーテスター1の実施形態は、合計4つのトラバース3があるラック2を含み、トラバース3のそれぞれに2つのテストヘッド4が移動可能に配置される。
【0054】
ラック2は、花崗岩塊で製造され、平面視でダブルT字状のベースプレート5と、平面視でダブルT字状のトッププレート6とを含む。ベースプレート5及びトッププレート6は、それぞれ長手部材7を含み、長手部材7の端部に突出部8がそれぞれの側に突出する。トッププレート6とベースプレート5とは、平面視で、それぞれの突出部8の間に配置される垂直柱9で位置合わせされる。
【0055】
長手部材7の対向表面のそれぞれに縦方向に延びる2つの溝10が形成され、溝のそれぞれは、トラバース3のうちの1つのトラバースを形成する。リニアモータの固定子11は、溝10のそれぞれに配置され、溝10の長さの大部分にわたって延びる。
【0056】
ガイドレール12は、長手部材7の互いに対向する表面に溝10に隣接して配置され、テストヘッド4は、該ガイドレールで対応する嵌合ガイド要素18とともにスライドすることができる。
【0057】
テスト領域13は、長手部材7の中心に長手部材7に平行に形成され、テストされるプリント基板を収容することができる。図2及び図3aでは、テスト領域13は、テストされるプリント基板が配置される位置に配置されたプレートのみにより概略的に示される。テスト領域13は、プリント基板を保持するための対応する保持要素を含むが、保持要素が図面を簡略化するためにここでは省略される。
【0058】
各テストヘッド4は、平面視でほぼ板状のベース本体14を含み、トラバースを向くトラバース側面15と、トラバースとは反対側を向くテストヘッド側面16とを含む。
【0059】
リニアモータの板状のランナー17がトラバース側面15に取り付けられ、該ランナー17は、トラバース側面15に対して垂直に配置される。ガイドレール12でスライドするガイド要素18は、ランナー17に隣接して設けられる。
【0060】
テストヘッド側面16に旋回装置19が設けられ、テストヘッド側面16には、保持モジュール21を垂直方向に移動させることができる昇降装置20が形成され、保持モジュール21に旋回アーム22が取り付けられる。旋回アームは、保持モジュール21から離れた自由端に形成され、テストプローブ23を受け入れる。テストプローブ23は、テストされるプリント基板の接触点に接触するためのプローブ先端25を備えたテストニードル24を含む。
【0061】
旋回装置19は、昇降装置20、保持モジュール21、旋回アーム22及びテストプローブ23を含むユニットを回転軸41の周りに回転させるように設計され、回転軸41は、テスト領域13と垂直である。
【0062】
旋回装置19は、ベース本体14に固定的に取り付けられた垂直軸26を含む。本実施形態では、垂直軸26は、管状体で形成される。垂直軸26の外周に2つの転がり軸受27が配置される。垂直軸26は、大きな外径を有し、本例示的な実施形態では、軸受27が軸に当接する領域で外径が35mmである。転がり軸受27は、互いに圧着され、反対方向に位置合わせされるアンギュラ玉軸受である。これにより、傾き抵抗性が高い軸受配置を達成することができる。転がり軸受27の外周に回転部材28が配置される。回転部材28は、転がり軸受27により垂直軸26の周りに回転可能に取り付けられたほぼ円筒状の回転対称体である。
【0063】
回転部材28は、その外周29に等間隔に配置された永久磁石29を含み、かつモータ30の回転子を形成する。モータ30は、トルクモータとして設計される。モータ30の固定子は、ベース本体14に固定的に取り付けられ、回転部材28を取り囲む。固定子31は、複数の電磁コイル(図示せず)を含み、電磁コイルは、モータ30の回転子を形成する回転部材28にトルクを発揮するように制御される。
【0064】
本実施形態では、モータ30は、28極を有し、即ち、これに対応する数の永久磁石が回転部材28に配置される。好ましくは、モータは、少なくとも20極を含む。
【0065】
旋回ベース本体32は、回転部材28に取り付けられ、中央セクション33と、昇降レール本体34と、中央セクション33において昇降レール本体34と正反対にある補償セクション35とを含む。補償セクション35は、平面視で円形セグメントの形状を有し、昇降レール本体34に対する釣り合い重りとして機能する。その結果、旋回装置19の重心は、回転軸41の近傍に位置する。補償セクション35の外周にラインスケールが形成され、該ラインスケールは、光学センサ36により走査される。これにより、旋回装置19の回転位置が検出される。
【0066】
昇降レール本体34は、垂直ガイドレールを含む。
【0067】
保持モジュール21は、転がり軸受37により昇降レール本体34に取り付けられることにより、保持モジュール21は、昇降レール本体34に垂直方向に移動可能に設計される。昇降レール本体34は、リニアモータの固定子38を含み、保持モジュール21は、リニアモータの対応するランナー39を含む。転がり軸受37は、保持モジュール21と昇降レール本体34との間に配置されるクロスローラガイドの一部である。
【0068】
保持モジュール21は、ランナー39とともに、平面図でT字形の本体を形成し、ランナー39は、固定子38により形成された溝内に配置され、それにより、リニアモータに上向き又は下向きの力モーメントを加えて、保持モジュール21を垂直方向に移動させることができる。その結果、保持モジュール21は、旋回アーム22とともに上向き又は下向きに移動する。
【0069】
旋回アーム22は、繊維強化複合材料で製造された一体のモノリシック本体である。特に、旋回アームは、炭素繊維を含む繊維複合材料で製造される。旋回アームは、断面が略円形又は楕円形である管状の形状を有する。旋回アームは、保持モジュール21に取り付けられた1つの端部を有し、保持モジュール21から離れた自由端40を含む。テストプローブ23は、旋回アーム22の自由端40に配置される。このようなテストプローブは、例えば、特許文献5から知られている。
【0070】
モータを制御するか又はテストプローブ23から評価装置(図示せず)に測定信号を伝達する電気線は、説明を容易にするために図面に示されない。測定信号を伝達するための電線は、中空の旋回アーム内で中空の垂直軸26を通って配線されてもよい。昇降装置20は、中空の垂直軸26の中心を通る回転軸41からわずかにオフセットされる。中空の垂直軸26は、本体を表し、回転軸41は、幾何学的な線である。軸26、転がり軸受27、回転部材28及びモータ30の固定子31は、全て、回転軸41に関して同軸に配置され、全て同一平面に位置する。この配置により省スペースになり、傾斜モーメントがなく、該傾斜モーメントは、ドライブが回転軸41に関して軸受27からオフセットされる場合に存在する。
【0071】
この特別なタイプのドライブ又は軸受は、転がり軸受37により取り付けられた昇降装置20と組み合わせて、大型の旋回アーム22の使用を可能にするため、テストヘッド4がトラバースに沿って広い走査範囲を走査することができ、また、テストプローブ23が非常に迅速にトラバースから離れるか又はトラバースの方向に移動することができる。テストヘッド4は、空気軸受を備えたテストヘッドに比べて、はるかに簡単で安価な設計を有する。旋回装置の特別な設計により、旋回装置の速い回転が可能になり、接触すべき接触点に到達したときに振動を全く必要としないか又はわずかな振動しか必要としない。したがって、特定のプリント基板をテストする場合、より簡単な方法で高スループットを達成することができる。
【0072】
本発明の第二の実施形態を以下に説明する(図4)。第二の例示的な実施形態は、本質的に第一の例示的な実施形態に対応し、同じ部分には同じ参照符号が付けられ、再度の説明を省略する。以下、特に断らない限り、上記第一の実施形態の説明は、本第二の実施形態にも同様に当てはまる。
【0073】
第二の実施形態は、固定垂直軸26の代わりに、転がり軸受27によりブッシング43に回転可能に取り付けられた回転シャフト42が設けられるという点で第一の実施形態と異なる。ブッシング43は、シャフト42及び転がり軸受27を同軸に取り囲み、テストヘッド4のベース本体14に固定的に取り付けられる。シャフト42は、半径方向に延び、ブッシング43を横切る薄い円盤状の壁を有し、回転部材28に接続される。したがって、回転部材28は、シャフト42を介してテストヘッド4のベース本体又はスライド14に回転可能に取り付けられる。
【0074】
シャフト42は、中実体又は中空シャフトとして設計することもできる。シャフト42が転がり軸受27の内側に当接する領域におけるシャフト42の外径は、再び35mmである。
【0075】
2つのタイプのテストヘッド4を使用すると、長い旋回時間を必要とせずに高速な旋回動作を実行することができる。トラバース3を一体的に含む石のラック2と組み合わせて、最小の接触点を有するプリント基板に確実かつ迅速に接触できるフィンガーテスターが提供される。ラック2の重量及びその剛性により、テストヘッド4の動きに起因する、テストプローブの位置決め精度を損なう可能性がある振動又はその他の制御されない動きが防止される。
【0076】
好ましくは、各第二のテストヘッドには、テストされるプリント基板の対応する接触点に対するテストニードル24又はプローブ先端25の位置を監視するためにカメラ44(図1)が設けられる。
【符号の説明】
【0077】
1 フィンガーテスター
2 ラック
3 トラバース
4 テストヘッド
5 ベースプレート
6 トッププレート
7 長手部材
8 突出部
9 柱
10 溝
11 固定子
12 ガイドレール
13 テスト領域
14 ベース本体
15 トラバース側面
16 テストヘッド側面
17 ランナー
18 ガイド要素
19 旋回装置
20 昇降装置
21 保持モジュール
22 旋回アーム
23 テストプローブ
24 テストニードル
25 プローブ先端
26 垂直軸
27 転がり軸受
28 回転部材
29 永久磁石
30 トルクモータ
31 固定子
32 旋回ベース本体
33 中央セクション
34 昇降レール本体
35 補償セクション
36 光学センサ
37 転がり軸受
38 リニアモータの固定子
39 リニアモータのランナー
40 自由端
41 回転軸
42 シャフト
43 ブッシング
44 カメラ
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図4
【国際調査報告】