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▶ ノルマ ジャーマニー ゲーエムベーハーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】バルブカップリングアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F16L 37/32 20060101AFI20240517BHJP
   F16L 37/44 20060101ALI20240517BHJP
   F16L 29/04 20060101ALI20240517BHJP
   F16L 29/02 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
F16L37/32
F16L37/44
F16L29/04
F16L29/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573672
(86)(22)【出願日】2022-05-18
(85)【翻訳文提出日】2023-11-29
(86)【国際出願番号】 EP2022063445
(87)【国際公開番号】W WO2022258330
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】102021114971.1
(32)【優先日】2021-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591044393
【氏名又は名称】ノルマ ジャーマニー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ, ギャリー
(72)【発明者】
【氏名】ストール, ヴィクター
(72)【発明者】
【氏名】ピーターソン, ダヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ライソン, プリゼマイスロー
(72)【発明者】
【氏名】ハンズ, クリス
(72)【発明者】
【氏名】キンティ, ダニエル
【テーマコード(参考)】
3H017
3J106
【Fターム(参考)】
3H017AA02
3J106AB01
3J106BA01
3J106BB01
3J106BC04
3J106BC12
3J106BD01
3J106EA03
(57)【要約】
バルブカップリングアセンブリ(10)は、第1流体ライン(12)を備えた第1流体ラインコネクタ(16)と、第2流体ライン(14)を備えた第2流体ラインコネクタ(18)とを備え、作動状態では、第1流体ラインコネクタと第2流体ラインコネクタとが互いに係合して第1流体ライン(12)と第2流体ライン(14)とが流体連通して接続され、係合解除状態では、第1流体ラインコネクタ(16)と第2流体ラインコネクタ(18)とが互いに係合解除されて第1流体ラインと第2流体ラインとが互いに切り離され、第1流体ライン(12)に第1バルブが配置され、第1バルブが、第1流体ライン(12)内の流体の流れを制御し、閉状態で第1流体ライン(12)を密閉し、開状態で第1流体ライン(12)を開放し、第2流体ラインコネクタ(18)が、本体に取り付けられた少なくとも1つの押圧部材(22)を備え、押圧部材(22)は、バルブカップリングアセンブリ(10)が係合解除状態から作動状態に移行する際に、第1バルブ(20)を閉状態から開状態に押し、作動状態において、第1バルブ(20)に突き当たり、第1バルブ(20)を開状態にロックする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1流体ライン(12)を有する第1流体ラインコネクタ(16)と、第2流体ライン(14)を有する第2流体ラインコネクタ(18)とを備えるバルブカップリングアセンブリであって、
作動状態において、前記第1流体ラインコネクタ(16)と前記第2流体ラインコネクタ(18)とが互いに係合し、前記第1流体ライン(12)と前記第2流体ライン(14)とが流体連通状態に接続され、
係合解除状態において、前記第1流体ラインコネクタ(16)と前記第2流体ラインコネクタ(18)とが互いに係合解除され、前記第1流体ライン(12)と前記第2流体ライン(14)とが互いに切り離され、
前記第1流体ライン(12)に第1バルブ(20)が配置され、該第1バルブ(20)が、前記第1流体ライン(12)内の流体の流れを制御するように構成され、前記第1バルブ(20)の閉状態において、前記第1流体ライン(12)が密閉され、前記第1バルブ(20)の開状態において、前記第1流体ライン(12)が開放され、
前記第2流体ラインコネクタ(18)が、該第2流体ラインコネクタ(18)の本体に設けられた少なくとも1つの押圧部材(22)を備え、
該押圧部材(22)は、前記バルブカップリングアセンブリ(10)が係合解除状態から作動状態に移行する際に、前記第1バルブ(20)を前記閉状態から前記開状態に押すように構成され、作動状態において、前記押圧部材(22)は、前記第1バルブ(20)に突き当たり、該第1バルブ(20)を前記開状態にロックするバルブカップリングアセンブリ。
【請求項2】
前記第2流体ラインコネクタ(18)が、前記第2流体ライン(14)内に配置される第2バルブ(24)を備え、該第2バルブ(24)が、前記第2流体ライン(14)内の流体の流れを制御するように構成され、前記第2バルブ(24)の前記閉状態において、前記第2流体ライン(14)が密閉され、かつ、前記第2バルブ(24)の前記開状態において、前記第2流体ライン(14)が開放され、
前記第1流体ラインコネクタ(16)が、該第1流体ラインコネクタ(16)の本体に設けられた少なくとも1つの他の押圧部材(26)を備え、前記作動状態において、前記他の押圧部材(26)が、前記第2バルブ(24)に突き当たり、該第2バルブ(24)を前記開状態にロックする請求項1に記載のバルブカップリングアセンブリ。
【請求項3】
前記第1バルブ(20)は、前記開状態において前記第1バルブ(20)のロックが解除されると、前記開状態から前記閉状態に自動的に移行するように構成された自閉式第1バルブである請求項1または請求項2に記載のバルブカップリングアセンブリ。
【請求項4】
前記押圧部材(22)が、前記第2流体ラインコネクタ(18)から前記第1バルブ(20)まで延びる突起である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のバルブカップリングアセンブリ。
【請求項5】
前記第1バルブ(20)が、第1ピストン(28)と、第1ばね(32)と、第1弁座(36)とを備え、前記第1ばね(32)が、前記第1ピストン(28)を前記第1弁座(36)に押し付けるように構成され、前記第1バルブ(20)の閉状態において、前記第1ピストン(28)が前記第1弁座(36)に突き当たって前記第1流体ライン(12)が密閉され、前記第1バルブ(20)の開状態において、前記押圧部材(22)が前記第1ピストン(28)を前記第1弁座(36)から離れる方向に押して前記第1流体ライン(12)が開放される請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のバルブカップリングアセンブリ。
【請求項6】
前記第2流体ラインコネクタ(18)が、複数、好ましくは3つの押圧部材(22)を備える請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のバルブカップリングアセンブリ。
【請求項7】
前記第1流体ラインコネクタ(16)が雌ハウジングを備え、前記第2流体ラインコネクタ(18)が前記雌ハウジングに対応する雄スピゴットを備える請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のバルブカップリングアセンブリ。
【請求項8】
前記第1流体ラインコネクタ(16)および/または前記第2流体ラインコネクタ(18)が、少なくとも1つのラグ(40)を備え、
前記作動状態において、前記ラグ(40)が、前記第1流体ラインコネクタ(16)または前記第2流体ラインコネクタ(18)からそれぞれ離れる方向に延びている請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のバルブカップリングアセンブリ。
【請求項9】
前記第1流体ラインコネクタ(16)および前記第2流体ライン(14)の接続状態において、前記第1流体ラインコネクタ(16)と前記第2流体ラインコネクタ(18)とが互いに係合し、かつ、前記第1バルブ(20)が前記閉状態にある請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のバルブカップリングアセンブリ。
【請求項10】
前記第1流体ライン(12)と前記第2流体ライン(14)との間から空気を排出するように構成された通気孔(42)をさらに備える請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のバルブカップリングアセンブリ。
【請求項11】
前記第1流体ラインコネクタ(16)、前記第2流体ラインコネクタ(18)、前記第1バルブ(20)および前記少なくとも1つの押圧部材(22)が、プラスチック材料からなる請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のバルブカップリングアセンブリ。
【請求項12】
少なくとも1つの流体ラインと、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のバルブカップリングアセンブリ(10)とを備える車両であって、前記バルブカップリングアセンブリ(10)が、少なくとも1つの流体ラインを車両の他の構成要素に流体連通するように接続する車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブカップリングアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
カップリングアセンブリは、特に車両において、流体ラインの接続に使用される。流体ラインシステムにおいてメンテナンスが必要なときには、カップリングアセンブリは切り離される。このため、切り離された流体ラインから流出する流体が大量に失われる。空気が、切り離された流体ラインおよびカップリングアセンブリ内の失われた流体に置き換わる。メンテナンス後に再使用する前に、誤作動を避けるために、流体ラインおよびカップリングアセンブリに閉じ込められた空気は除去されなければならない。
【0003】
バルブカップリングアセンブリを使用することにより、流体の損失、ひいては空気の閉じ込めを回避することができる。これらのカップリングアセンブリは、それぞれバルブを備える2つのカップリング半体から構成される。バルブは、バルブの流体チャネルに配置されたピストンを備えている。バルブカップリングアセンブリが分離されると、例えば、メンテナンス中に、ばねがピストンを弁座に押し付けてバルブを閉じる。バルブカップリングアセンブリが結合されると、例えば、通常運転中に、ピストンは弁座から離れる方向に押され、流体が流れることを許容する。ピストンは、コネクタが軸方向に沿って互いに結合されると、ピストンがその軸方向に沿って対応する弁座から離れるように押し合うように構成されている。これにより、各バルブが開く。
【発明の概要】
【0004】
しかしながら、これらのコネクタの軸方向の総移動量、すなわち、コネクタが最初に接触してから完全に係合するまでの間に移動する距離は、ピストン間で分割される。したがって、コネクタの移動量は、両方のピストンの移動量の合計でなければならない。
したがって、技術的な課題は、圧力損失が低減された改良されたバルブカップリングアセンブリを提供することである。
【0005】
請求項1および請求項11は、本発明の主な特徴を示している。本発明の実施形態の特徴は、請求項2から請求項10の主題である。
【0006】
本発明の一態様においては、バルブカップリングアセンブリが提供され、バルブカップリングアセンブリは、第1流体ラインを有する第1流体ラインコネクタと、第2流体ラインを有する第2流体ラインコネクタとを備え、作動状態において、第1流体ラインコネクタと第2流体ラインコネクタとが互いに係合し、第1流体ラインと第2流体ラインとが流体連通するように接続され、係合解除状態において、第1流体ラインコネクタと第2流体ラインコネクタとが互いに係合解除され、第1流体ラインと第2流体ラインとが互いに切り離され、第1流体ラインに第1バルブが配置され、第1バルブが、第1流体ライン内の流体の流れを制御するように構成され、第1バルブの閉状態において第1流体ラインが密閉され、第1バルブの開状態において第1流体ラインが開放され、第2流体ラインコネクタが第2流体ラインコネクタの本体に取り付けられた少なくとも1つの押圧部材を備え、押圧部材はバルブカップリングアセンブリが係合解除状態から作動状態に移行するときに、第1バルブを閉状態から開状態に押すように構成され、作動状態において、押圧部材が第1バルブに突き当たり、第1バルブを開状態にロックする。
【0007】
係合解除状態において、第1バルブは閉状態にある。第1流体ラインコネクタを第2流体ラインコネクタに接続するとき、押圧部材は、第1バルブを閉状態から開状態に押すことができる。第2流体ラインコネクタに配置された押圧部材と、第1流体ラインコネクタに配置された第1バルブとは、第1流体ラインコネクタと第2流体ラインコネクタの移動量を全く共有しない。第1および第2流体ラインコネクタの全移動量は、第1バルブを開くために利用可能である。
【0008】
一例によれば、第2流体ラインコネクタは、第2流体ラインに配置される第2バルブを備えていてもよく、第2バルブが第2流体ライン内の流体の流れを制御するように構成され、第2バルブの閉状態において、第2流体ラインが密閉され、第2バルブの開状態において、第2流体ラインが開放され、第1流体ラインコネクタが、少なくとも1つの他の押圧部材を備え、作動状態において、他の押圧部材が第2バルブに突き当たり、第2バルブを開状態にロックする。
【0009】
その例においては、両方の流体ラインコネクタは、対応する流体ラインの流れを制御するための第1バルブを備えている。第1バルブおよび第2バルブは同じ機能と特徴を有していてもよい。さらに、第1バルブおよび第2バルブは同じタイプであってもよい。以下において、第1バルブについて説明されている全ての機能および特徴は、第2バルブにも適用され得る。押圧部材および他の押圧部材についても同様である。
【0010】
流体ラインコネクタを係合するとき、一方の流体ラインコネクタの押圧部材は他方の流体ラインコネクタの第1バルブを開き、逆もまた同様である。押圧部材は、流体ラインコネクタ上に移動不能に配置されていてもよい。したがって、第1および第2流体ラインコネクタの移動は、押圧部材の移動につながらない。流体ラインコネクタの完全な移動は、各第1バルブを開くために使用され得る。第2バルブおよび他の押圧部材の使用は、第1および第2流体ラインコネクタの係合解除状態における流体の損失をさらに減少させる。第2バルブは、係合解除状態において第2流体ラインコネクタを密閉する。
【0011】
さらに、例えば、第1バルブは、第1バルブが開状態においてロック解除された場合に、開状態から閉状態に自動的に移行するように構成された自閉式バルブであってもよい。
【0012】
自閉式バルブは、外力が第1バルブを開位置に移行させない場合に、開状態から閉状態に移行する。したがって、第1バルブに作用する外力がなければ、第1バルブは閉状態に移行するか、または閉状態に留まる。
【0013】
他の例において、押圧部材は、第2流体ラインコネクタから第1バルブまで延びる突起であってもよい。
突起は、第1および第2流体ラインコネクタが係合解除状態から作動状態に移行するときに、第1流体ラインコネクタ内に延びてもよい。その後、突起は、第1流体ラインコネクタの軸方向と平行または軸方向に沿って押圧力を提供することによりバルブを開くために、第1バルブに接触してもよい。突起は、突起が第2流体ラインコネクタに対して移動しないように、第2流体ラインコネクタに取り付けられてもよい。突起を使用することにより、簡単で費用効果の高い押圧部材が提供される。
【0014】
例えば、第1バルブは、第1ピストン、第1ばね、および第1弁座を備えていてもよく、第1ばねは、第1ピストンを第1弁座に押し付けるように構成され、第1バルブの閉状態において、第1ピストンが第1弁座に突き当たり、第1流体ラインが密閉され、第1バルブの開状態において、押圧部材が第1ピストンを第1弁座から離れる方向に押して第1流体ラインが開放される。
【0015】
ばねは、第1バルブの内部において力を提供する。その力は、第1ピストンを第1弁座に押し付けることにより、第1バルブを閉状態に移行させる。第1弁座は第1流体ラインの排出口に配置される。第1ピストンは、第1弁座に押し付けられると第1流体ラインを密封する。この例は、費用効果の高いバルブ構成を提供する。
【0016】
他の例において、第2流体ラインコネクタは、複数、好ましくは3つの押圧部材を備える。
第1流体ラインコネクタおよび第2流体ラインコネクタの両方が、第1バルブと押圧部材とを備える場合には、第1および第2流体ラインコネクタの押圧部材は、例えば、同じ半径方向中心線上で、互いに1つの角度位置で対向するように配置されていてもよい。他の例において、第1流体ラインコネクタの押圧部材は、第2流体ラインコネクタの押圧部材とは軸心に対して異なる距離に配置されていてもよい。
【0017】
他の例において、第1流体ラインコネクタは、雌ハウジングを備えていてもよく、第2流体ラインコネクタは、雌ハウジングに対応する雄スピゴットを備える。
さらに、第1流体ラインコネクタおよび/または第2流体ラインコネクタは、例えば、少なくとも1つのラグを備えていてもよく、作動状態において、ラグは、それぞれ、第1流体ラインコネクタまたは第2流体ラインコネクタから離れる方向に延びる。
【0018】
第1流体ラインコネクタが雌ハウジングであり、第2流体ラインコネクタが雄スピゴットである場合、またはその逆の場合には、作動状態において、雌ハウジングは雄スピゴットを覆うが、少なくとも1つのラグは覆わない。したがって、ユーザは、雄スピゴットに接続されている流体ラインを引っ張ることなく、雄スピゴットを雌ハウジングから外すためにラグを使用してもよい。これにより、取り扱いが簡素化され、第1および第2流体ラインコネクタの取り外し中に流体ラインが破損する危険性が低減される。
【0019】
他の例においては、第1流体ラインコネクタおよび第2流体ラインの接続状態において、第1流体ラインコネクタと第2流体ラインコネクタは互いに係合し、第1バルブは閉状態にある。
【0020】
接続状態は、係合解除状態と作動状態との間にある。接続状態において、第1流体ラインコネクタと第2流体ラインコネクタは互いに接触する。押圧部材は、第1バルブを開くことなく第1バルブに接触することもある。第1バルブを開くには、押圧部材を第1バルブの方へさらに押さなければならず、すなわち、第1および第2流体ラインコネクタを互いに向かって作動状態へ移動させなければならない。
【0021】
他の例において、バルブカップリングアセンブリは、第1流体ラインと第2流体ラインとの間から空気を抜くように構成された通気孔をさらに備えていてもよい。
これにより、流体ライン内の空気による誤作動のリスクがさらに低減される。
【0022】
他の例において、第1流体ラインコネクタ、第2流体ラインコネクタ、第1バルブ、および少なくとも1つの押圧部材は、プラスチック材料からなる。
【0023】
本発明の他の態様において、少なくとも1つの流体ラインと、先行する請求項の1つに記載のバルブカップリングアセンブリとを備える車両が提供され、バルブカップリングアセンブリは、少なくとも1つの流体ラインを流体連通するように車両の他の構成部品に接続する。
【0024】
本発明に係る車両の効果および他の実施形態は、上述の説明によるバルブカップリングアセンブリの効果および実施形態に類似している。したがって、バルブカップリングアセンブリの上述の説明を参照されたい。
【0025】
本発明の他の特徴、詳細および利点は、特許請求の範囲の文言ならびに図面に基づく例示的な実施形態の以下の説明から生じる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1a】バルブカップリングアセンブリの概略図である。
図1b】バルブカップリングアセンブリの概略図である。
図2】バルブカップリングアセンブリの別の角度から見た概略図である。
図3】バルブカップリングアセンブリのさらに別の角度から見た概略図である。
図4a】バルブカップリングアセンブリの他の例示的な実施形態を示す概略図である。
図4b】バルブカップリングアセンブリの他の例示的な実施形態を示す概略図である。
図4c】バルブカップリングアセンブリの他の例示的な実施形態を示す概略図である。
図5a】通気孔を有するバルブカップリングアセンブリの概略図である。
図5b】通気孔を有するバルブカップリングアセンブリの概略図である。
図5c】通気孔を有するバルブカップリングアセンブリの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の説明においては、図1aに示すように、バルブカップリングアセンブリの全体が参照符号10によって示される。
【0028】
バルブカップリングアセンブリ10は、第1流体ラインコネクタ16と第2流体ラインコネクタ18とを備える。第1流体ラインコネクタ16と第2流体ラインコネクタ18とは互いに接続可能である。図1aは、第1流体ラインコネクタ16と第2流体ラインコネクタ18との係合解除状態を示している。
【0029】
第1流体ラインコネクタ16は、プラスチック材料で作られた雌ハウジングとして形成することができる。さらに、第1流体ライン12に接続されている。
【0030】
第2流体ラインコネクタ18は、プラスチック材料で作られた雌ハウジングに対応する雄スピゴットとして形成されてもよい。これは第2流体ライン14に接続されている。第1流体ライン12と第2流体ライン14とは、第1流体ラインコネクタ16と第2流体ラインコネクタ18とを介して連結することができる。
【0031】
第1流体ラインコネクタ16は、第1流体ライン12内の流れを制御する第1バルブ20を備える。すなわち、第1バルブ20は、流体が第1流体ライン12に流入するか流出するかを制御する。第1バルブ20の閉状態においては、第1バルブ20における第1流体ライン12の端部が密閉される。流体はその端部を通って流れることができない。第1バルブ20の開状態においては、第1流体ライン12の端部は開放される。
【0032】
第1バルブ20は、プラスチック材料製の第1ピストン28と、第1ばね32と、第1弁座36とを備えていてもよい。第1弁座36は、第1流体ラインコネクタ16の開口の周囲に延びている。第1ばね32は、第1ピストン28を第1弁座36に押し付けるように配置されている。したがって、第1バルブ20は、開状態から閉状態に自動的に移行する自閉式第1バルブである。第1ピストン28が第1弁座36に押し付けられると、第1流体ラインコネクタ16の開口は閉塞され、すなわち、その開口は第1流体ライン12と流体連通しない。
【0033】
第2流体ラインコネクタ18は、プラスチック製の少なくとも1つの押圧部材22を備え、この例では、3つの押圧部材22を備える。この例において、3つの押圧部材22は、第2流体ラインコネクタ18の中心に対して同じ半径方向距離を有し、中心の周りに均等に分布している。この例において、押圧部材22は、バルブカップリングアセンブリの接続軸21と平行に延びる突起として形成されてもよい。押圧部材22は第2流体ラインコネクタ18から離れる方向に突出し、押圧部材22は第1バルブ20ではなく第2流体ラインコネクタ18の本体に固定されている。第1流体ラインコネクタ16と第2流体ラインコネクタ18とが結合されるときには、押圧部材22は第1流体ラインコネクタ16に向かって突出する。
【0034】
第1流体ラインコネクタ16と第2流体ラインコネクタ18とを接続軸21に沿って互いに向かう方向に移動させると、バルブカップリングアセンブリ10は接続状態に移行する。
【0035】
接続状態においては、第1流体ラインコネクタ16と第2流体ラインコネクタ18とが互いに接触する。第1バルブ20は依然として閉状態にある。押圧部材22は第1バルブ20に接触してもよい。
【0036】
第1流体ラインコネクタ16と第2流体ラインコネクタ18とを互いに向かう方向にさらに移動させると、押圧部材22は第1バルブ20を押し、第1バルブ20を開状態に移行させる。その後、図1bに示すように、バルブカップリングアセンブリは作動状態になる。押圧部材22は、第1ピストン28を第1弁座36から遠ざける方向に押すことができる。押圧部材22が第1ピストン28に作用する力は、第1ばね32によって生ずる力よりも大きくなければならない。さらに、押圧部材22は第1バルブ20を開状態にロックし、すなわち、バルブカップリングアセンブリ10が作動状態にある限り、第1ピストン28は第1弁座36に戻ることができない。
【0037】
押圧部材22は、第2流体ラインコネクタ18に対して不動である。したがって、第1バルブ20との関係において、押圧部材22は第1流体ラインコネクタ16の移動距離を移動する。したがって、押圧部材22は、第1弁座36から離れる方向に、第1ピストン28を、第1流体ラインコネクタ16の全移動距離だけ押すことができる。
【0038】
図示の例において、第2流体ラインコネクタ18は第2バルブ24を備える。第2バルブ24は、第2ピストン30、第2ばね34および第2弁座38を有する。第2バルブ24は第1バルブ20と同じ特徴を有する。
【0039】
さらに、第1流体ラインコネクタ16は、少なくとも1つの他の押圧部材26を備える。他の押圧部材26は、押圧部材22と同じ特徴を有する。
【0040】
図2は、バルブカップリングアセンブリ10を別の角度から見た図である。この図において、バルブカップリングアセンブリ10は、接続軸21の周りに60°回転している。図1aおよび図1bは、第2流体ラインコネクタ18の押圧部材22を1つだけ示している。この例における第2流体ラインコネクタ18は、3つの押圧部材を備える。図2には、3つの押圧部材22のうちの2つが示されている。
【0041】
3つの押圧部材22は、接続軸21上に配置されたセンタリング部材25によって接続されていてもよい。センタリング部材25はキャップ状であってもよく、第1ピストン28の一部を受けるように構成されていてもよい。センタリング部材25は、押圧部材22が第1ピストン28を第1弁座36から離れる方向に押すときに、第1ピストン28をセンタリングするのに貢献する。
【0042】
図3は、バルブカップリングアセンブリ10を別の角度から見た図である。この図において、バルブカップリングアセンブリ10は、さらに、回転している。第1押圧部材22および他の押圧部材26が縦断面によって示されている。第1押圧部材22および他の押圧部材26は、半径方向中心線に沿って反対側に配置されている。この例示的な実施形態においては、各押圧部材22は、半径方向中心線に対して反対側に配置される他の押圧部材26を有する。
【0043】
したがって、第1流体ラインコネクタ16と第2流体ラインコネクタ18とが結合されているとき、押圧部材22と他の押圧部材26とは、互いにすれ違うように容易に移動することができる。
【0044】
図4aは、バルブカップリングアセンブリ10の他の例示的な実施形態を示している。この例において、押圧部材22は、第2流体ラインコネクタ18の壁部材である。第1流体ラインコネクタ16の第1バルブ20は、第1ピストン28に配置され得るスペーサ部材29を備えていてもよい。スペーサ部材29は、バルブカップリングアセンブリ10がそれぞれ接続状態または作動状態にあるときに壁部材に向かって延びる突起として形成されてもよい。
【0045】
図4bは、外側から見た第2流体ラインコネクタ18を示している。アーム31が、接続軸21を中心とする位置において壁部材を支持していてもよい。アーム31は接続軸21の半径方向に延びている。
【0046】
第1流体ラインコネクタ16の押圧部材26は、図4cに示されるように、それぞれ接続状態または作動状態において壁部材の周囲に延びていてもよい。図4cは、押圧部材26を有する第1流体ラインコネクタ16を示す。押圧部材26は、スペーサ部材29用の開口35の周りに配置されている。他のアーム33が押圧部材26を支持している。他のアーム33は、接続軸21に対して半径方向に延びている。
【0047】
図5a~図5cは、通気孔42を有するバルブカップリングアセンブリ10の他の例を示している。それぞれ接続状態または作動状態において、通気孔42は、第1バルブ20と第2バルブ24との間の空間と流体連通している。
【0048】
図5aにおいて、バルブカップリングアセンブリ10は接続状態にある。第1バルブ20,24は閉状態にある。第1バルブ20,24は、流体44が流出しないように流体ライン12,14を閉塞する。第1バルブの間の空間は空気で満たされている。これは、第1流体ラインコネクタ16と第2流体ラインコネクタ18とが接続された直後の状態である。
【0049】
第1流体ラインコネクタ16と第2流体ラインコネクタ18とをさらに互いに向かって移動させて第1バルブ20,24を開く前に、空気が通気孔42を通って排出される。図5bに示すように、第1バルブ20,24の間の空間に流体を導入してもよい。空間を流体で満たし、単純なキャップを通気孔42に被せて密閉した後、第1流体ラインコネクタ16と第2流体ラインコネクタ18とを互いに向かう方向へさらに移動させて、第1バルブ20,24を開き、バルブカップリングアセンブリ10を作動状態に移行させてもよい。
【0050】
図5cは、外側から見たバルブカップリングアセンブリ10を示している。通気孔42は、雌ハウジングであってもよい第1流体ラインコネクタ16に配置されていてもよい。第2流体ラインコネクタ18は、雌ハウジングに覆われた雄スピゴットであってもよい。雄スピゴットは、流体ライン14を通して荷重を加える必要なく分離できるように、少なくとも1つのラグ40を備えていてもよく、ラグ40は、雄スピゴットが雌ハウジングに結合されたときにラグ40が雌ハウジングから突出するように、雄スピゴットから離れる方向に延びている。
【0051】
本発明は、前述の実施形態の一つに限定されるものではない。多くの変更が可能である。
【0052】
構成的な詳細、空間的な配置、および手順的ステップを含む、特許請求の範囲、説明、および図面から生じるすべての特徴および利点は、それ自体およびさまざまな組み合わせの両方において、本発明に不可欠であり得る。
【符号の説明】
【0053】
10 バルブカップリングアセンブリ
12 流体ライン
14 流体ライン
16 第1流体ラインコネクタ
18 第2流体ラインコネクタ
20 第1バルブ
21 接続軸
22 押圧部材
24 第2バルブ
25 センタリング部材
26 他の押圧部材
28 第1ピストン
29 スペーサ部材
30 第2ピストン
31 アーム
32 第1ばね
33 他のアーム
34 第2ばね
35 開口
36 第1弁座
38 第2弁座
40 ラグ
42 通気孔
44 流体
図1a
図1b
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図5a
図5b
図5c
【国際調査報告】