(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】ダイヤモンドデバイス又は構造体、及びダイヤモンドデバイス又は構造体を製造する方法
(51)【国際特許分類】
C30B 29/04 20060101AFI20240517BHJP
C23C 16/02 20060101ALI20240517BHJP
C23C 16/27 20060101ALI20240517BHJP
C30B 25/04 20060101ALI20240517BHJP
H01L 21/205 20060101ALN20240517BHJP
【FI】
C30B29/04 E
C23C16/02
C23C16/27
C30B25/04
H01L21/205
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574167
(86)(22)【出願日】2021-06-03
(85)【翻訳文提出日】2024-01-26
(86)【国際出願番号】 IB2021054876
(87)【国際公開番号】W WO2022254244
(87)【国際公開日】2022-12-08
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515273449
【氏名又は名称】エコール ポリテクニーク フェデラル ド ローザンヌ (ウペエフエル)
【氏名又は名称原語表記】ECOLE POLYTECHNIQUE FEDERALE DE LAUSANNE (EPFL)
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ソレイマン ザデ アルデビリ, レザ
(72)【発明者】
【氏名】ナアムーン, メフディ
(72)【発明者】
【氏名】マティオリ, エリソン デ ナザレス
【テーマコード(参考)】
4G077
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4G077AA03
4G077BA03
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5F045AA08
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5F045AD12
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5F045AF04
5F045AF05
5F045AF14
5F045BB17
5F045GH02
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つの支持層又は材料内に少なくとも1つ又は複数の支持構造を含む、少なくとも1つの支持層又は材料と、少なくとも1つ又は複数の支持構造によって画定された複数の凹部と、各凹部又は前記複数の凹部に配置された、少なくとも1つのダイヤモンドマイクロシード及び複数のダイヤモンドナノシードとを備える、ダイヤモンドデバイス又は構造体に関する。
【選択図】
図1E
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの支持層又は材料(3)内に少なくとも1つ又は複数の支持構造(5)を含む、少なくとも1つの支持層又は材料(3)と、
前記少なくとも1つ又は前記複数の支持構造(5)によって画定された複数の凹部(7)と、
各凹部(7)又は前記複数の凹部(7)に配置された、少なくとも1つのダイヤモンドマイクロシード(MS)及び複数のダイヤモンドナノシード(NS)と
を備える、ダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つ又は前記複数の支持構造(5)が、各凹部(7)又は前記複数の凹部(7)の開口(OP)及び上部囲い(UE)を画定し、前記少なくとも1つのダイヤモンドマイクロシード(MS)が、前記開口(OP)及び/又は前記上部囲い(UE)内に配置されている、請求項1に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1つのダイヤモンドマイクロシード(MS)が、前記開口(OP)の大きさ又は直径の40%~95%又は60%~95%又は75%~95%又は75%~90%である大きさ又は直径(DD)を有する、請求項1及び2に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのダイヤモンドマイクロシード(MS)が、ダイヤモンド結晶成長の核形成部位又は合体部位を画定する、請求項1~3のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項5】
前記開口(OP)及び/又は前記上部囲い(UE)が、複数の分散されたダイヤモンドナノシード(NS)を含む、請求項2~4のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項6】
前記ダイヤモンドナノシード(NS)が、コンフォーマルダイヤモンド成長の核形成部位を画定する、請求項5に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項7】
各凹部(7)又は前記複数の凹部(7)が、少なくとも1つの壁(W)及び少なくとも1つの床(FL)によって画定され、複数のダイヤモンドナノシード(NS)が、前記少なくとも1つの壁(W)及び/又は前記少なくとも1つの床(FL)に配置されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの壁(W)が、前記少なくとも1つのダイヤモンドマイクロシード(MS)を完全に囲み、前記少なくとも1つのダイヤモンドマイクロシード(MS)が、前記少なくとも1つの壁(W)内に完全に又は部分的に配置されている、請求項7に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項9】
各凹部又は前記複数の凹部(7)が深さ(DP)を有し、前記凹部(7)の前記深さ(DP)が、前記少なくとも1つのダイヤモンドマイクロシード(MS)の大きさ又は直径(DD)の60%~1000%又は60%~500%又は80%~150%又は100%~120%である、請求項1~8のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項10】
前記上部囲い(UE)が、1つのダイヤモンドマイクロシード(MS)のみを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項11】
複数のダイヤモンドマイクロシード(MS)が、各凹部(7)内又は前記複数の凹部(7)内に配置され、前記ダイヤモンドマイクロシード(MS)が、各凹部(7)又は前記複数の凹部(7)を充填するように積み重ねられている、請求項1~8のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項12】
前記ダイヤモンドマイクロシード(MS)が、各凹部(7)又は前記複数の凹部(7)の上部囲い(UE)まで延びるように積み重ねられている、請求項11に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項13】
前記ダイヤモンドマイクロシード(MS)が、前記凹部(7)の前記開口(OP)の外縁(RM)の少なくとも60%又は40%又は20%又は15%又は10%又は5%以内にある位置まで、或いは前記開口(OP)の外縁(RM)内にあるか又は前記開口(OP)の外縁(RM)によって囲まれた位置まで延びるように積み重ねられている、請求項11又は12に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項14】
前記ダイヤモンドマイクロシード(MS)が、前記凹部(7)の床(FL)から積み重ねられている、請求項11~13のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項15】
前記少なくとも1つ又は前記複数の支持構造(5))が、第1の壁(FW)と、第2の壁(SW)と、前記第1の壁(FW)及び前記第2の壁(SW)の間に延びる上部ランディング(UL)とを含み、複数のダイヤモンドナノシード(NS)が、前記上部ランディング(UL)並びに前記第1の壁(FW)及び前記第2の壁(SW)に配置又は分散されている、請求項2~14のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項16】
前記少なくとも1つ又は前記複数の支持構造(5)が、複数の壁(W)と、前記壁(W)の間に延びる複数の上部ランディング(UL)とを含み、複数のダイヤモンドナノシード(NS)が、前記上部ランディング(UL)及び前記壁(W)に配置又は分散されている、請求項15に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項17】
前記少なくとも1つのダイヤモンドマイクロシード(MS)が、1μm~2000μm又は1μm~500μm又は1μm~250μm又は1μm~100μm又は1μm~50μm又は3μm~7μmの直径又は大きさ(DD)を有する粒子又はチップを含むか又はそれから構成されている、請求項1~16のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項18】
前記ダイヤモンドナノシード(NS)が、1nm~1000nm未満の値又は1nm~200nm又は1nm~100nm又は1nm~50nm又は1nm~15nm又は4nm~11nmの直径又は大きさを有する粒子を含むか又はそれから構成されている、請求項1~17のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項19】
前記ダイヤモンドナノシード(NS)が、10
8cm
-2~10
14cm
-2又は10
8cm
-2~10
13cm
-2又は10
9cm
-2~10
13cm
-2又は10
9cm
-2~10
12cm
-2の密度で前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)の表面に分散又は付着されている、請求項1~18のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項20】
前記1つ又は複数の凹部(7)が、前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)の平面方向の開口幅(WD)を有し、該開口幅が1μm~2000μm又は1μm~500μm又は1μm~250μm又は1μm~100μm又は1μm~50μm又は4μm~15μm又は3μm~6μmの値を有する、請求項1~19のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項21】
前記1つ又は複数の凹部(7)が、前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)の平面方向に対して垂直な方向に延びる深さ(DP)を有し、該深さが2μm~1000μm又は2μm~400μm又は2μm~100μm又は2μm~20μm又は2μm~5μmの値を有する、請求項1~20のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項22】
前記複数の凹部(7)が、前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)の少なくとも1つの領域又は複数の領域に配置され、或いは前記複数の凹部(7)が、前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)の全体にわたって配置されている、請求項1~21のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項23】
前記複数の凹部(7)が、周期的凹部アレイとして構成され、又は前記少なくとも1つの支持層若しくは材料(3)にわたる周期的アレイ配置に配置され、或いは非周期的凹部アレイとして配置されている、請求項1~22のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項24】
前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)に付着されたダイヤモンド層(9)をさらに備える、請求項1~23のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項25】
前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)に直接付着されたダイヤモンド層(9)又は研磨ダイヤモンド層(9)をさらに備える、請求項1~24のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項26】
前記ダイヤモンドマイクロシード(MS)が、前記複数の凹部(7)内に配置され、前記ダイヤモンドナノシード(NS)が、前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)上及び前記複数の凹部(7)内に分散されて、前記ダイヤモンド層(9)を前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)に化学的に結合及び/又は機械的に固着若しくは固定する、請求項24又は25に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項27】
前記ダイヤモンド層(9)が、前記複数の凹部(7)の前記開口(OP)及び/又は前記上部囲い(UE)の前記ダイヤモンドマイクロシード(MS)から延びる、請求項24~26のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項28】
前記ダイヤモンド層(9)が、前記複数の凹部(7)の前記開口(OP)及び/又は前記上部囲い(UE)の前記ダイヤモンドマイクロシード(MS)のみから延びる、請求項24~27のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項29】
各凹部(7)又は前記複数の凹部(7)の下部囲い(LE)には、ダイヤモンド成長がない、請求項24~28のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項30】
前記ダイヤモンド層(9)が>6μmの厚さを有する、請求項24~29のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項31】
前記ダイヤモンドマイクロシード(MS)及び前記ダイヤモンドナノシード(NS)の両方が、前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)においてダイヤモンド結晶成長の核形成部位又は合体部位を画定する、請求項24~30のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項32】
前記ダイヤモンド層(9)が研磨ダイヤモンド層(9)である、請求項24~31のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項33】
前記研磨ダイヤモンド層(9)が、ナノメートル又はサブナノメートルの表面粗さを有する、請求項32に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項34】
前記ダイヤモンド層(9)が、少なくとも98%の炭素原子を含む高純度ダイヤモンド層である、請求項24~33のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項35】
前記ダイヤモンドデバイス又は構造体(1)には、前記ダイヤモンド層(9)と前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)との間に中間層がない、請求項24~34のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項36】
前記ダイヤモンドデバイス又は構造体(1)には、前記ダイヤモンド層(9)と前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)との間に、AlN中間層がないか、SiN中間層がないか、又はSiC中間層がない、請求項35に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項37】
前記ダイヤモンドデバイス又は構造体(1)が、複数の支持層又は材料(3)を含み、前記少なくとも1つ又は前記複数の支持構造(5)が、前記複数の支持層又は材料(3)内に配置されている、請求項1~36のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項38】
前記複数の凹部(7)が、前記複数の支持層又は材料(3)を貫通して延びる、請求項37に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項39】
基板(3A)と、前記基板(3A)に付着された少なくとも1つ又は複数の支持層又は材料(3)とを備える、請求項1~38のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項40】
前記少なくとも1つ又は前記複数の支持構造(5)が、前記少なくとも1つの層(3)又は前記複数の層(3)内、或いは前記少なくとも1つの層又は前記複数の層(3)及び前記基板(3A)内に配置されている、請求項39に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項41】
前記複数の凹部(7)が、前記基板(3A)に付着された前記少なくとも1つ又は前記複数の層(3)のみを貫通して延び、或いは、前記基板(3A)に付着された前記少なくとも1つ又は前記複数の層(3)を貫通して前記基板(3A)内へ延びる、請求項39又は40に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項42】
前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)が、GaN又はAlGaNを含むか又はそれから構成されている、請求項1~41のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項43】
基板(3A)を備え、前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)が前記基板(3A)上に配置されている、請求項1~42のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項44】
基板(3A)と、前記基板(3A)上に配置されたGaN及び/又はAlGaN層とを備える、請求項1~43のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項45】
前記複数の凹部(7)が前記基板(3A)まで又は前記基板(3A)内へ延びる、請求項43又は44に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項46】
前記基板(3A)が、Si、SiC、GaAs、Ga
2O
3、ホウケイ酸塩、石英、又はサファイアを含むか又はそれから構成されている、請求項42~44のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項47】
請求項1~46のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)を備える電子デバイス又は集積回路。
【請求項48】
少なくとも1つの支持層又は材料(3)内に少なくとも1つ又は複数の支持構造(5)を含む、少なくとも1つの支持層又は材料(3)と、前記少なくとも1つ又は前記複数の支持構造(5)によって画定された複数の凹部(7)とを設けるステップと、
ダイヤモンドシーディングを行って、各凹部(7)又は前記複数の凹部(7)に少なくとも1つのダイヤモンドマイクロシード(MS)及び複数のダイヤモンドナノシード(NS)を設けるステップと
を含む、ダイヤモンドデバイス又は構造体(1)を製造する方法。
【請求項49】
少なくとも1つ又は複数の支持構造(5)を含む前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)と、複数の凹部(7)とを設ける前記ステップが、
少なくとも1つの支持層又は材料(3)を設けるステップと、
前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)をエッチングして、前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)内に複数の凹部(7)を形成するステップと
を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
各凹部(7)又は前記複数の凹部(7)が、少なくとも1つの壁(W)及び少なくとも1つの床(FL)によって画定され、前記少なくとも1つの壁(W)が、前記少なくとも1つのダイヤモンドマイクロシード(MS)を前記少なくとも1つの壁(W)内に完全に又は部分的に受け入れるための、完全に囲む壁(W)を画定するように延びる、請求項48又は49に記載の方法。
【請求項51】
前記1つ又は複数の凹部(7)が、前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)の平面方向の開口幅(WD)を有し、該開口幅が1μm~2000μm又は1μm~500μm又は1μm~250μm又は1μm~100μm又は1μm~50μm又は4μm~15μm又は3μm~8μm又は3μm~6μmの値を有し、及び/或いは、前記1つ又は複数の凹部(7)が、前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)の平面方向に対して垂直な方向に延びる深さ(DP)を有し、該深さが2μm~1000μm又は2μm~300μm又は2μm~100μm又は2μm~50μm又は2μm~15μm又は2μm~5μmの値を有する、請求項48~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記複数の凹部(7)が、前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)の少なくとも1つの領域又は複数の領域に配置され、或いは前記複数の凹部(7)が、前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)の全体にわたって配置される、請求項48~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記複数の凹部(7)が、周期的凹部アレイとして構成され、又は前記少なくとも1つの支持層若しくは材料(3)にわたる周期的アレイ配置に配置され、或いは非周期的凹部アレイとして配置される、請求項1~52のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項54】
ダイヤモンドシーディングを行う前記ステップが、
マイクロシード(MS)を前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)の前記表面に設け、前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)を撹拌して、マイクロシード(MS)を各凹部(7)内又は前記複数の凹部(7)内に移すステップと、
ナノシード(NS)を前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)の前記表面に設け、前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)を撹拌して、前記ナノシード(NS)を各凹部(7)内又は前記複数の凹部(7)内及び前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)の前記表面にわたって分散させるステップと
を含む、請求項48~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記マイクロシード(MS)と前記ナノシード(NS)とが、撹拌のために、前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)の前記表面に一緒に設けられ、又は連続して設けられ、及び又は複数回設けられる、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
すすぎ及び/又は乾燥するステップをさらに含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記ダイヤモンドマイクロシード(MS)が、1μm~1000μm又は1μm~500μm又は1μm~250μm又は1μm~100μm又は1μm~50μm又は3μm~7μmの直径又は大きさ(DD)を有する粒子又はチップを含むか又はそれから構成される、請求項48~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記ダイヤモンドナノシード(NS)が、1nm~1000nm未満の値又は1nm~200nm又は1nm~100nm又は1nm~50nm又は1nm~10nm又は3nm~15nm又は5nm~10nmの直径又は大きさを有する粒子を含むか又はそれから構成される、請求項48~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記ダイヤモンドナノシード(NS)が、>10
8cm
-2の密度で前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)の前記表面に分散又は付着される、請求項48~58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記少なくとも1つ又は前記複数の支持構造(5)が、各凹部(7)又は前記複数の凹部(7)の開口(OP)及び上部囲い(UE)を画定し、少なくとも1つのダイヤモンドマイクロシード(MS)が、前記開口(OP)及び/又は前記上部囲い(UE)内に配置される、請求項48~59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記ダイヤモンドマイクロシード(MS)が、前記開口(OP)の大きさ又は直径の40%~95%又は75%~95%の大きさ又は直径(DD)を有する、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記少なくとも1つのダイヤモンドマイクロシード(MS)が、ダイヤモンド結晶成長の核形成部位又は合体部位を画定する、請求項48~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記上部囲い(UE)が、複数の分散されたダイヤモンドナノシード(NS)を含む、請求項60~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記ダイヤモンドナノシード(NS)が、コンフォーマルダイヤモンド成長の核形成部位を画定する、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
各凹部(7)又は前記複数の凹部(7)が、少なくとも1つの壁(W)及び少なくとも1つの床(FL)によって画定され、複数のダイヤモンドナノシード(NS)が、前記少なくとも1つの壁(W)及び/又は前記少なくとも1つの床(FL)に配置される、請求項48~64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
各凹部又は前記複数の凹部(7)が深さ(DP)を有し、前記凹部(7)の前記深さ(DP)が、前記少なくとも1つのダイヤモンドマイクロシード(MS)の大きさ又は直径(DD)の60%~150%又は60%~120%又は60%~100%である、請求項48~65のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項67】
前記上部囲い(UE)が、1つのダイヤモンドマイクロシード(MS)のみを含む、請求項1~66のいずれか一項に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項68】
複数のダイヤモンドマイクロシード(MS)が、各凹部(7)内又は前記複数の凹部(7)内に配置され、前記ダイヤモンドマイクロシード(MS)が、各凹部(7)又は前記複数の凹部(7)を充填するように積み重ねられる、請求項48~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
前記ダイヤモンドマイクロシード(MS)が、各凹部(7)又は前記複数の凹部(7)の上部囲い(UE)まで延びるように積み重ねられる、請求項46~69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記ダイヤモンドマイクロシード(MS)が、前記凹部(7)の前記開口(OP)の外縁(RM)の少なくとも60%又は40%又は20%又は15%又は10%又は5%以内にある位置まで、或いは前記開口(OP)の外縁(RM)内にあるか又は前記開口(OP)の外縁(RM)によって囲まれた位置まで延びるように積み重ねられる、請求項69又は70に記載の方法。
【請求項71】
前記ダイヤモンドマイクロシード(MS)が、前記凹部(7)の床(FL)から積み重ねられる、請求項69~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
前記少なくとも1つ又は前記複数の支持構造(5)が、第1の壁(FW)と、第2の壁(SW)と、前記第1の壁(FW)及び前記第2の壁(SW)の間に延びる上部ランディング(UL)とを含み、複数のダイヤモンドナノシード(NS)が、前記上部ランディング(UL)並びに前記第1の壁(FW)及び前記第2の壁(SW)に配置又は分散される、請求項58~67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記少なくとも1つ又は前記複数の支持構造(5)が、複数の壁(W)と、前記壁(W)の間に延びる複数の上部ランディング(UL)とを含み、複数のダイヤモンドナノシード(NS)が、前記上部ランディング(UL)及び前記壁(W)に配置又は分散される、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
ダイヤモンド層(9)を前記ダイヤモンドシーディングされた支持層又は材料(3)に蒸着させるダイヤモンド成長ステップをさらに含む、請求項48~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記ダイヤモンド成長ステップが、化学蒸着(CVD)を使用して行われる、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記ダイヤモンドマイクロシード(MS)が、前記複数の凹部(7)内に配置され、前記ダイヤモンドナノシード(NS)が、前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)上及び前記複数の凹部(7)内に分散されて、前記ダイヤモンド層(9)を前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)に化学的に結合及び/又は機械的に固着若しくは固定する、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記ダイヤモンド層(9)が、多結晶又は単結晶ダイヤモンド層(9)である、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記ダイヤモンド層(9)を研磨するダイヤモンド研磨ステップをさらに含む、請求項48~78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
前記ダイヤモンド層(9)を研磨するステップが、化学研磨及び/又は機械研磨を使用して行われる、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記ダイヤモンド層(9)を研磨するステップが、ナノメートル又はサブナノメートルの表面粗さを有する研磨ダイヤモンド層(9)を設けるように行われる、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)を設ける前記ステップが、
複数の支持層又は材料(3)を設けるステップと、
前記複数の支持層又は材料(3)をエッチングして、前記複数の支持層又は材料(3)内に複数の凹部(7)を形成するステップと
を含む、請求項48~81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)を設ける前記ステップが、
基板(3A)と、前記基板(3A)に付着された少なくとも1つ又は複数の層(3)とを設けるステップと、
前記基板(3A)に付着された前記少なくとも1つ又は前記複数の層(3)をエッチングして、前記少なくとも1つ又は前記複数の層(3)内のみ、或いは前記少なくとも1つ又は前記複数の層(3)及び前記基板(3A)内に複数の凹部(7)を形成するステップと
を含む、請求項48~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)が、GaN又はAlGaNを含むか又はそれから構成される、請求項48~83のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
基板(3A)と、前記基板上に配置された少なくとも1つの層(3)とが設けられる、請求項48~84のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
基板(3A)と、前記基板(3A)上に配置されたGaN及び/又はAlGaN層(3)とが設けられる、請求項8~85のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
前記複数の凹部(7)が前記基板(3A)まで又は前記基板(3A)内へ延びる、請求項83~86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
前記基板(3A)が、Si、SiC、GaAs、Ga
2O
3、ホウケイ酸塩、石英、又はサファイアを含むか又はそれから構成される、請求項83~87のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、ダイヤモンドデバイス及び構造体、並びにダイヤモンドデバイス及び構造体を製造する方法に関する。本発明は特に、高品質ダイヤモンドの成長のためのダイヤモンドシーディング及びシードディブリング法を含むダイヤモンドデバイス及び構造体に関する。このようなダイヤモンドデバイス又は構造体を、例えば、電子デバイス及び集積回路(IC)、ダイヤモンドヒートスプレッダ、近接接合ヒートスプレッダ、並びに宝石類、機械部品、光学及び光デバイス、光学及び光センサ及び光学及び光検出器、生物医学デバイス、並びに切削工具/機械加工工具で使用することができる。
【従来技術の説明】
【0002】
(背景)
ダイヤモンドとGaNとの集積は、熱管理の目的で、並びにそれらのパワーエレクトロニクスの用途に関する非常に優れた相補特性と新規の半導体ヘテロ構造とを組み合わせるために、大いに推進されている。しかしながら、GaN上のダイヤモンドの成長は、高格子及び熱膨張の不一致により困難である。GaNに対するダイヤモンドの付着が弱く、蒸着後の残留応力が高いことにより、ダイヤモンド膜の剥離又は亀裂の発生が生じることが多く、その後のデバイスの作製を妨げる。
【0003】
ダイヤモンドは、高い熱伝導率、広いバンドギャップ、大きい破壊電界、及び高い正孔移動度などの優れた特性により、パワーエレクトロニクスの用途のための潜在的に優れた材料と考えられている1。他方で、GaNも、大きい臨界電界、高い電子移動度、及び飽和速度を有し、コスト効率の高いGaN-on-Siウエハの大規模作製能力を有する広バンドギャップ半導体である2。
【0004】
ダイヤモンド膜の高い熱伝導率3、4は、GaNパワー電子デバイスの熱管理のためのヒートスプレッダとして利用され、熱抵抗の著しい低下、並びにGaN高電子移動度トランジスタ(HEMT)5-10と縦型GaNデバイス11との両方からのホットスポット及び温度勾配の除去を示されてきた。
【0005】
さらに、低抵抗及び高電圧能力を有するHEMTなどの高性能n型GaNデバイスが、多くのパワーエレクトロニクスの用途で現在使用されているが12、p型GaNの性能は、主に低い正孔移動度及びGaN中のMgドーパントの活性化不良により、まだ限られている13。他方で、ダイヤモンドは、高い正孔濃度及び移動度を持つp型パワー電子デバイスに関して優れた特性を有するが、浅い準位のn型ドーパントはまだ欠けている14。ダイヤモンドとGaNとの集積は、p型半導体としてのダイヤモンドとn型半導体としてのGaNの相補特性を組み合わせる、新規のデバイス及び集積回路(IC)の新しい可能性を開くことができる。
【0006】
異なる方法がダイヤモンド-GaN集積について提案されてきており、最も一般的な手法は、ダイヤモンド基板上のGaNの集積である15-17。しかしながら、使用可能なダイヤモンド基板の大きさが小さくコストが高いため、GaN-on-ダイヤモンド基板は、ハイエンドの用途にしか使用することができない2。
【0007】
ダイヤモンドをコスト効率の高いGaN-on-Si基板上に集積することによって、より低コストの手法が提案され、この基板において、粗いダイヤモンド表面を研磨しなくても、ダイヤモンドトランジスタが、AlGaN/GaN-on-Si基板上で優れたデバイス特性を有することが示された18。しかしながら、成長したまま(as-grown)のダイヤモンドの高い粗さは、プレーナプロセス方法を使用するウエハ加工を制限する。したがって、研磨は、平滑なダイヤモンド表面及び確実な作製プロセスを得るために必須のステップである。しかしながら、ダイヤモンドとGaNとの熱膨張係数(CTE)の不一致(28%の不一致)により19、CVDダイヤモンド膜は、成長中に高い残留応力を発生させることがある(>1.5GPa)20。GaNに対するダイヤモンドの付着がかなり弱いことにより、このような高い残留応力は、膜の剥離又は亀裂を生じさせることがあり、ダイヤモンド膜は、研磨ステップの高い機械的応力に耐えきれない。
【0008】
主に弱いファンデルワールス相互作用を介したGaNに対するダイヤモンドの弱い付着21及び膜における高い応力の存在は、ダイヤモンド膜を剥離しやすくする重大な問題となっている20、22。現在、GaN上のダイヤモンドの低応力高付着成長及びその研磨は、大きな課題として残っている。
【0009】
いくつかの研究は、強い共有炭化物結合の形成により付着を向上させるためにAlN、SiN、又はSiC中間層を使用することを提案しており23-26、これは、水素プラズマ下の600℃超の温度のCVD反応器において、GaNを分解から保護することもできる22。しかしながら、GaNとダイヤモンドとの間に余分な薄膜が存在することは、高い界面熱抵抗(TBR)を導入し、熱伝導を制限することがある27。
【0010】
成長前のダイヤモンドシーディングステップもまた、ダイヤモンド膜の品質、粒径、熱伝導率、及びTBRに影響を与えることができる28、29。1011cm-2超の密度でダイヤモンドナノシードを使用する基板の高密度シーディングは、高速成長及びダイヤモンド膜合体を開始することができ、これは、水素プラズマ環境におけるGaNの分解を最小限にすることにより、付着を向上させることができる30。最近の研究では、マイクロシード及びナノシードを使用してGaN及びAlN上でCVDダイヤモンド膜を成長させる、混合サイズのダイヤモンドシーディングを実験した31。しかしながら、GaN上のダイヤモンド成長は、付着不良により成功しなかった。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、請求項1に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体、及び請求項48に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体を製造する方法を提供することによって、上記の制限に対処する。
【0012】
その他の有利な特徴は、従属請求項に見られる。
【0013】
本開示のダイヤモンドデバイス又は構造体、及びダイヤモンドデバイス又は構造体を製造する方法は、下地層及び/又は基板に対するダイヤモンドの付着に関する上記の問題を解決する。
【0014】
特に、例えばGaNに対する付着の向上が保証される。
【0015】
GaNに対するダイヤモンド付着は特に重要であるが、それでも、本発明の概念実証として本明細書に示され、本開示のダイヤモンドデバイス又は構造体、及びダイヤモンドデバイス又は構造体を製造する方法は、GaNのみに対する付着の向上の保証に限定されず、他の1つ又は複数の材料に対するダイヤモンドの付着に等しく適用可能である。
【0016】
ここでは、異種基板、例えばGaN-on-Si上のダイヤモンドの効率的なシーディング及び成長のためのシードディブリング法である、ダイヤモンドデバイス又は構造体を製造する方法が示され、この方法は、大きい粒子、低い残留応力、及び基板に対する優れた付着を有する高品質ダイヤモンド膜の成長を可能にする。この方法は、基板の微細組織構造、並びにマイクロシード及びナノシードの両方を使用するシーディングに依拠する。シードディブリング法は、成長後のダイヤモンド膜剥離の問題に対処するダイヤモンドデバイス及び構造体を提供し、例えばGaN基板上で成長したダイヤモンド膜の確実な研磨をすることで、平滑なダイヤモンド-on-GaN基板を得られる。
【0017】
高品質ダイヤモンド膜のシーディング及び成長又は蒸着のためのシードディブリング法を、例えば、コスト効率の高いGaN-on-Si基板上で行うことができると有利である。GaN-on-Siにおいて成長した例示的な高品質ダイヤモンド膜は、例えば、95%のsp3/sp2比、従来の方法と比べて著しく大きい粒子、及び低い残留応力(0.2GPa)を示した。
【0018】
この方法は、高品質ダイヤモンドの成長のみに限定されず、(点及び/又は拡張)欠陥、不純物、及び材料のドーパントが存在してもしなくても、他の品質のダイヤモンド及び他の応力、並びに単結晶膜、多結晶膜、微結晶膜、ナノ結晶膜、及び超ナノ結晶膜の成長に使用することができる。
【0019】
さらに、この方法によって得られる優れた付着は、例えばGaN-on-Si上で成長したままのダイヤモンド膜の、剥離のない確実な研磨を可能にし、例えば、サブナノメートルの2乗平均平方根粗さを有する平滑なダイヤモンド-on-GaN基板が得られる。この方法は、ダイヤモンド-on-GaNプラットフォームに基づく優れた熱管理を有する、高性能パワー電子デバイス及び他の電子デバイス、集積デバイス、並びにヘテロ構造デバイスの開発の多くの新しい可能性を開く。
【0020】
加えて、方法は、GaN-on-Si基板に限定されず、ダイヤモンドの顕著な特性を他の種類のデバイスと組み合わせるように、他の基板又は材料に拡張可能である。
【0021】
例えば、方法は、限定されないが、鋼、ステンレス鋼、サファイア、ホウケイ酸塩、石英、アルミナ、炭化タングステンなどの異なる材料から形成された、限定されないが、(微小)機械部品、切削工具などの微小機械部品へのダイヤモンド層又は材料の蒸着に使用することができる。本開示のこの方法は、異なる種類の材料から形成されたセンサ及び/又はバイオセンサ、検出器及び/又はバイオ検出器へのダイヤモンド層又は材料の蒸着に使用することもできる。
【0022】
本開示の方法は、異なる種類の材料の光プラットフォームを形成及び/又は作製する、ダイヤモンド層又は材料の蒸着を保証することもできる。本開示のこの方法は、異なる種類の材料への、NV中心アレイなどの色中心を形成及び/又は作製するダイヤモンド層又は材料の蒸着を保証することもできる。
【0023】
本開示の方法は、固有の、ドープされていない、意図せずドープされた、異なるドーピング濃度でドープされた(n型及び/又はp型)ダイヤモンド層を含む、異なる半導体挙動を有するダイヤモンドの蒸着に使用することもできる。この方法を使用して、熱管理の用途について、例えば50W/m.K~3000W/m.Kの異なる熱伝導率を有するダイヤモンドの蒸着を保証することができる。
【0024】
本開示の方法は、限定されないが、プラズマ(又はマイクロ波プラズマ)CVD、低温プラズマCVD、大気プラズマCVD、プラズマトーチ、及びホットフィラメントCVDなどの異なるCVD蒸着法によるダイヤモンド層又は材料の蒸着に使用することもできる。
【0025】
本発明の上記その他の目的、特徴、及び利点、並びにそれらを実現する方法が、より明らかになり、本発明のいくつかの好ましい実施形態を示す添付図面を参照して以下の説明を検討することにより、本発明自体が最もよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1A~
図1Cは、本開示による例示的なダイヤモンドデバイス又は構造体の態様を示す概略図である。
図1Dは、本開示によるダイヤモンドデバイス又は構造体の例示的な実施形態を示す概略図である。
図1Eは、本開示によるダイヤモンドデバイス又は構造体の例示的な実施形態を示す概略図である。
【
図2】
図2Aは、本開示による方法を使用する、例示的なダイヤモンドデバイス又は構造体の作製の概略図である。方法は、例示的なステップ、すなわち、I.少なくとも1つの支持層又は材料、例えば、GaN-on-Si基板を設けるステップ、II.基板に孔をエッチングするステップ、III.ダイヤモンドのナノシード及びマイクロシードの両方を使用してシードディブリングするステップ、IV.(CVD)ダイヤモンド成長ステップ、及びV.ダイヤモンド研磨ステップのうちの一部又はすべてを含むことができる。
図2Bは、本開示のシードディブリング法により構成されシーディングされた例示的なGaN-on-Si基板の光学顕微鏡画像である。
図2Cは、ディブリングされた基板内に効果的に配置されたマイクロシードを示す拡大画像である。
図2Dは、基板表面全体のナノシードの高密度被覆のSEM画像である。
【
図3】
図3A~
図3Dは、開口幅が(A)4μm、(B)10μm、(C)20μm、及び(D)50μmである、高アスペクト比のシードディブリングによるサンプルの断面SEM画像である。
図3Eは、孔の深さ全体におけるマイクロシードの閉込めを示す、4μm孔/開口を有するサンプルのSEM画像であり、開口から(約)5μmの長さの部分又は孔の上部のみが、ダイヤモンドの成長に寄与する。
図3Fは、マイクロシード及びナノシードの両方がダイヤモンド成長に寄与することを示す、
図3Eの破線領域の拡大画像である。
【
図4】
図4Aは、本開示の最適化されたシードディブリング法を使用して、例示的なAlGaN/GaN-on-Si基板上で成長した、ダイヤモンド膜の断面SEM画像である。挿入図は、初期のマイクロシードが識別できる、ダイヤモンドが充填された、ディブリングされた領域を示す。
図4Bは、
図4Aの基板の高解像度XRT画像であり、材料が、X線透過に基づいてグレースケールで表示され、切断図画像を形成するために一部の領域が隠され、間隙のない効果的なシードディブリング及びダイヤモンド成長を示す。
【
図5】
図5Aは、異なるシードを使用するシードディブリングにより生じた、ダイヤモンド膜厚に沿った応力プロファイルを示す図である。
図5Bは、炭素結合の相純度(sp
3/sp
2比)を示す図である。
図5Cは、ラマンスペクトルにおけるダイヤモンドに対応するピークの半値全幅(FWHM)を示す図である。
図5Dは、ダイヤモンド表面のX線光電子分光法(XPS)データを示す図であり、挿入図は酸素原子のスペクトルを示す。
図5Eは、混合シードディブリングによりシーディングされた領域と、ナノシードのみがありシードディブリングのない領域とを有する、チップに上で成長したダイヤモンド膜のSEM画像である。
【
図6】
図6Aは、成長したままのダイヤモンドの上面図及び断面SEM画像である。
図6Bは、ダイヤモンド研磨後のダイヤモンドの上面図及び断面SEM画像である。
図6Cは、2乗平均平方根粗さR
q=0.6nmを有する、研磨されたダイヤモンド表面の原子間力顕微鏡画像である。
図6Dは、AlGaN/GaN-on-Siチップを示す図であり、そのチップ上で、本開示のシードディブリング法を使用してダイヤモンド膜が確実に成長し、研磨されて、平滑で透明なダイヤモンド表面を得る。
図6Eは、著しい変化を示さない、研磨前及び研磨後のダイヤモンド表面のラマンスペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(いくつかの実施形態の詳細な説明)
本明細書において、可能であれば、図面に共通する同一の要素を示すために、同一の参照数字を使用する。
【0028】
【0029】
ダイヤモンドデバイス又は構造体1は、例えば、少なくとも1つの支持層又は材料3を備え、少なくとも1つの支持層又は材料3内に少なくとも1つ又は複数の支持構造5を含む。ダイヤモンドデバイス又は構造体1は、少なくとも1つ又は複数の支持構造5によって画定された複数の孔、小さいくぼみ、へこみ、くぼみ、溝、又は凹部7をさらに含む。
【0030】
ダイヤモンドデバイス又は構造体1は、各凹部7又は複数の凹部7に配置された、少なくとも1つ又は複数のダイヤモンドマイクロシードMSと複数のダイヤモンドナノシードNSとをさらに含むことができる。
【0031】
デバイス又は構造体1は、例えば、下地又は保持基板3A上に設けられ/蒸着され又は重ね合わされた単一の支持層又は材料3を含むか又はそれから構成されてもよい。
下地又は保持基板3A上に設けられ又は重ね合わされた単一の支持層又は材料3は、例えば、下地又は保持基板3Aの材料と同じ材料と一体であるか又はそれから構成されてもよい。
図1Cは、支持層又は材料3と下地基板3Aとが同じ材料から構成された例示的な一体構造を示す。支持層又は材料3は、例えば、一体材料に画定された凹部7及び1つ又は複数の支持構造5によって画定される。凹部がなく支持構造がない残りの材料は、下地又は保持基板3Aを画定する。1つ又は複数の追加の層又は材料を、例えば、
図1Cの支持層又は材料3上に設けることができる。
【0032】
デバイス又は構造体1は、例えば、下地又は保持基板3A上に設けられ/蒸着され又は重ね合わされた複数の層又は材料3を含むか又はそれから構成されてもよい。
【0033】
複数の支持層又は材料3は、例えば、重ね合わされた層又は材料3である。
【0034】
デバイス又は構造体1は、例えば、複数の下地又は保持層/材料3A上に設けられ/蒸着され又は重ね合わされた、或いは単一の下地又は保持層/材料3A上に設けられ/蒸着され又は重ね合わされた、単一の層若しくは材料3又は複数の層若しくは材料3を含むか又はそれから構成されてもよい。
【0035】
ダイヤモンド層又は材料9が蒸着又は直接蒸着される外層又は材料3(又はその外面)は、例えば、ダイヤモンドのない層又はダイヤモンドのない材料である。
【0036】
図1A、
図1B、
図1E、及び
図2は、下地又は保持基板又は層3Aを含むか又はそれから構成される、さらなる例示的なデバイス又は構造体1を示す。
【0037】
支持層又は材料3は、例えば、GaN(窒化ガリウム)又はAlGaN(窒化アルミニウムガリウム)、AlN(窒化アルミニウム)又は緩衝層、又は超格子を含むか又はそれから構成されてもよい。
【0038】
支持層又は材料3は、例えば、AlNがなくてもよく、或いはその上にダイヤモンド層又は材料9が設けられ又は蒸着されることになる外面支持層又は材料3は、例えば、AlNがなくてもよい。
【0039】
支持層又は材料3は、例えば、GaN及びAlの含有量が変化するAlGaNを含むか若しくはそれから構成されてもよく、或いはGaN及びAlの含有量が変化するAlGaNを含むか又はそれから構成され、他の原子若しくは材料、例えば炭素若しくは鉄を含んでもよく、又は半導体ドーパント、例えばSi及び/若しくはMgを含んでもよい。
【0040】
前述したように、GaN及び/又はAlGaN層を、例えば基板3Aに配置することができる。基板3Aは、例えば、Si(シリコン)、SiC(シリコンカーバイド)、Ga2O3(酸化ガリウム)、GaAs(ガリウムヒ素)、サファイア、ダイヤモンド、ホウケイ酸塩、又は石英を含むか又はそれから構成されてもよい。
【0041】
基板3A及び/又は支持層若しくは材料3は、例えば、鋼、ステンレス鋼、サファイア、ホウケイ酸塩、石英、アルミナ、又は炭化タングステンを含むか又はそれから構成されてもよい。
【0042】
図2B~
図2D、及び
図3A、
図3E、
図3F、及び
図4は、支持層又は材料3がGaNを含み、その上にGaNが設けられる基板3AがSiを含むか又はそれから構成される、本開示による例示的なダイヤモンドデバイス1を示す。
【0043】
1つ又は複数の支持構造5は、支持層又は材料3内、或いは複数の支持層又は材料3内に配置される。1つ又は複数の支持構造5を、例えば、1つ若しくは複数の支持層又は1つ若しくは複数の材料3の一部又は複数の部分から、例えば、機械加工、化学エッチング、物理及び/若しくは化学プラズマエッチング、又はレーザ微細組織構造といった選択的除去又はエッチングを介して形成して、凹部7を画定することができる。
【0044】
或いは、1つ又は複数の支持構造5を、例えば、基板3A上の1つ若しくは複数の支持層又は1つ若しくは複数の材料の選択的成長又は蒸着によって形成して、凹部7を画定することができる。
【0045】
(除去部分の)凹部7は、凹部7の底部又は床FLが支持層又は材料3によって画定された状態で、1つ若しくは複数の支持層又は1つ若しくは複数の材料3を部分的に横切ることができる。
【0046】
凹部7は、凹部7の底部又は床FLが下地又は保持基板又は層3Aによって画定された状態で、1つ若しくは複数の支持層又は1つ若しくは複数の材料3を完全に横切ることができる。別の例示的な実施形態において、凹部7は、下地又は保持基板又は層3A内に部分的に延びることができ、凹部7の底部又は床FLは、下地又は保持基板又は層3Aによって画定される。これは、例えば、下地又は保持基板又は層3Aに対するダイヤモンド層9のさらなる付着又は固着を可能にすることができる。
【0047】
1つ又は複数の支持構造5は、例えば、柱、支柱、又は突起を含むか又はそれから構成される。1つ又は複数の支持構造5は、上方向UDに及び/或いは下地又は保持基板又は層3Aから離れるように延びる。1つ又は複数の支持構造5は、例えば、上方向UDに、並びに/或いは、下地若しくは保持基板若しくは層3A及び/又はダイヤモンド層若しくは材料9によって画定された平面UDPから離れるように延びる。
【0048】
1つ又は複数の支持構造5は、例えば、下地若しくは保持基板若しくは層3A及び/又はダイヤモンド層若しくは材料9によって画定された平面UDPに対して(略)垂直な方向UDに延びる。
【0049】
1つ又は複数の支持構造5は、例えば、グリッド形状を画成又は画定する、交差して突出する複数の第1の細長い隆起5a及び第2の細長い隆起5b(例えば、
図2Dの破線の要素5a、5b参照)を含むことができる。しかしながら、このような輪郭は例としてのみ示され、支持構造5の輪郭はこのような輪郭に限定されない。
【0050】
前述したように、1つ又は複数の支持構造5は、複数の凹部7を画定又は画成する。前述したように、凹部7は、支持層若しくは材料3又は複数の支持層若しくは材料3を部分的に又は完全に貫通して延びる。
【0051】
1つ若しくは複数の支持層又は1つ若しくは複数の材料3は、例えば、規則的に繰り返す複数の凹部7及び/又は周期的な複数の凹部7を含む。
【0052】
複数の凹部7は、例えば、凹部7の繰返しの対称なパターンを画定する又は含むことができる。凹部7は、例えば、周期的に繰り返される。各凹部7間の距離は値Pを有することができ、又は、凹部は周期的に繰り返されても繰り返されなくてもよい。周期的に繰り返されるとき、繰返しは同じ周期値Pで生じてもよい。
【0053】
凹部7は、例えば、距離SP(例えば
図1D参照)だけ離れ、距離SPは、例えば、(i)WD/2~(ii)10×WD(WDの10倍)又は20×WD又は30×WDの値を有してもよく、
図2Cの例示的な実施形態については、2μm~40μm、例えば8μmである。
【0054】
凹部7は、例えば、周期的に繰り返す凹部アレイとして構成され又は並べられ、或いは周期的アレイ配置に配置されてもよい。周期的配置は、対称な幾何形状又はパターンを画定することができる。これにより、複数の凹部7を、周期的凹部アレイとして構成することができ、或いは支持層若しくは材料3にわたる、又は支持層若しくは材料3の一部上の周期的アレイ配置に配置することができる。
【0055】
凹部配置は、非周期的であっても、部分的に周期的であっても、変化する周期を有していてもよい。配置は、例えば、非対称の幾何形状又はパターンを画定することができる。これらの配置の凹部7も、例えば、距離SPだけ離れていてもよい。
【0056】
凹部又は各凹部7は、(例えば、方向UDPに)対称な断面形状又は幾何形状、例えば、図示する略矩形又は正方形を有することができる。しかしながら、加えて又は代わりに、凹部7は、円形、三角形、台形、又は楕円形の輪郭などの他の断面形状を有していてもよい。
【0057】
加えて又は代わりに、凹部又は各凹部7は、非対称の断面形状を有することができる。
【0058】
凹部又は各凹部7は、対称な上面形状又は幾何形状、例えば、図示する略矩形又は正方形を有することができる。しかしながら、加えて又は代わりに、凹部7は、円形、三角形、台形、多角形、又は楕円形の輪郭などの他の断面形状を有していてもよい。
【0059】
加えて又は代わりに、凹部又は各凹部7は、非対称の上面形状を有することができる。
【0060】
1つ又は複数の凹部7は、例えば、1μm~2000μm又は1μm~1000μm又は1μm~500μm又は1μm~400μm又は1μm~250μm又は1μm~100μm又は1μm~50μm又は2μm~200μm又は2μm~50μm又は2μm~20μm又は4μm~15μm又は3μm~6μmの値を有する、支持層又は材料3の(面内)平面方向UDPの開口幅WDを有することができる。開口幅WDは、例えば4μm~10μmの値、又は、例えば4μm若しくは8μmの値を有することができる。
【0061】
凹部7は、例えば、同一でない又は異なる開口幅WDを有することができる。凹部7は、例えば、第1の開口幅WD1を有する複数の凹部7と、第2の開口幅WD2を有する複数の凹部7とを含み、第1の開口幅と第2の開口幅とは異なる値である。例えば、第3の開口幅及び第4の開口幅などを有する複数の凹部7が含まれていてもよい。第1の開口幅WD1及び第2の開口幅WD2の値は、例えば、開口幅WDについて前述した値である。
【0062】
1つ又は複数の凹部7は、例えば、支持層又は材料3の(面内)平面方向UDPに対して垂直な方向UD或いは支持構造5の延長方向に延びる深さDPを有することができ、この深さDPは、例えば1μm若しくは2μm~1000μmの値、例えば500μmの値、或いは、2μm~300μm若しくは400μm、又は2μm~100μm、又は2μm~10μm若しくは20μm、例えば5μm若しくは9μm、又は2μm~5μmの値を有する。
【0063】
凹部7は、例えば、同一でない又は異なる深さDPを有することができる。凹部7は、例えば、第1の深さDP1を有する複数の凹部7と第2の深さDP2を有する複数の凹部7とを含むことができ、第1の開口深さと第2の開口深さとは異なる値である。例えば、第3の深さ及び第4の深さなどを有する複数の凹部7が含まれていてもよい。第1の開口深さDP1及び第2の開口深さDP2の値は、例えば、深さDPについて前述した値である。
【0064】
前述したように、面内又は平面方向UDPは、例えば、下地若しくは保持基板若しくは層3A、及び/又はダイヤモンド層若しくは材料9、及び/又は支持層若しくは材料3の延長の平面によって画定されてもよい。前述したように、方向UDは、例えば、上方向UDに及び/又は下地若しくは保持基板若しくは層3Aから離れるように延びる方向である。方向UDは、例えば、下地若しくは保持基板若しくは層3A、及び/又はダイヤモンド層若しくは材料9、及び/又は支持層若しくは材料3によって画定された平面に対して(略)垂直である。
【0065】
凹部7は、例えば、少なくとも1つの支持層又は材料3の少なくとも1つの領域又は複数の分離若しくは分散された領域に配置され、或いは凹部7は、少なくとも1つの支持層又は材料3の全体にわたって配置される。
【0066】
凹部7は、例えば、少なくとも1つの支持層又は材料3の表面積の少なくとも1%又は5%又は10%又は20%又は30%に配置される。凹部7は、例えば、少なくとも1つの支持層又は材料3の表面積の1%~90%又は5%~70%又は5%~50%又は10%~40%又は20%~40%又は30%~40%に配置される。
【0067】
前述したように、少なくとも1つ又は複数のダイヤモンドマイクロシードMS及び複数のダイヤモンドナノシードNSが、例えば、各凹部7又は複数の凹部7に配置される。
【0068】
凹部7(又は各凹部7)は、1つ又は複数のダイヤモンドマイクロシードMSを完全に囲む又は完全に取り囲むように延びる少なくとも1つの壁Wを含む。1つ又は複数のダイヤモンドマイクロシードMSは、少なくとも1つの壁Wによって画定された囲い又は空間内に完全に又は部分的に配置される。
【0069】
1つ又は複数の支持構造5は、少なくとも1つの壁Wを含む又は画定する。
【0070】
支持構造5は、1つ又は複数の凹部7の開口OP及び上部囲いUEを画定する。例えば、1つ又は複数の支持構造5の縁又は外縁RMが、開口OPを画定する。
【0071】
凹部7の上部囲いUEは、例えば、凹部7の深さDPに完全に沿って、凹部7の床FLまで延びることができる(例えば
図1B参照)。
【0072】
代わりに又は加えて、凹部7の上部囲いUEは、例えば、凹部7の深さDPに沿って部分的に延び、凹部7の床FLまでは延びなくてもよい(例えば
図2E、
図2F参照)。
【0073】
1つ又は複数の支持構造5は、例えば、上部UPと下部LPとを含むことができる。例えば、上部UPは支持構造5の上半分を画定し、下部LPは支持構造5の下半分を画定する(例えば
図3E参照)。
【0074】
支持構造5の上部UPは、1つ又は複数の凹部7の開口OP及び上部囲いUEを画定し、上部囲いUEは、凹部7の深さDP内に又は深さDPに沿って部分的に延びる。支持構造5の下部LPは、例えば、1つ又は複数の凹部7の下部囲いLEを画定する。上部囲いUEは、例えば、開口OPに対して凹部7の上部4分の1、或いは凹部7の上部15%又は10%に配置される。下部囲いLEは、例えば、開口OPに対して凹部7の下半分又は下部4分の1に配置される。
【0075】
少なくとも1つのダイヤモンドマイクロシードMSが、例えば、開口OP及び/又は上部囲いUE内に配置される。上部囲いUEは開口OPを含む。
【0076】
1つ又は複数のマイクロシードMSは、例えば、凹部7の上部囲いUEの開口OP又は幅WDを略占める又は充填することができる。1つ又は複数のマイクロシードMSは、例えば、上部囲いUEの深さDP又は凹部7の深さDPを略占める又は充填することができる。これにより、デバイス1のダイヤモンド層9の十分な固着が可能になる。本開示の革新的な概念を示す、以下でさらに詳細に説明する例示的な実施形態の凹部7の大きさ及び寸法は例として提示され、本開示はそのような寸法又は大きさに限定されないことに留意されたい。
【0077】
ダイヤモンドマイクロシードMSは、例えば、凹部7の開口OPの大きさ又は直径の40%~95%又は60%~95%又は75%~90%又は75%~95%である大きさ/延長DD又は直径DDを有する。
【0078】
ダイヤモンドマイクロシードMS及び/又は開口OPの大きさ/延長又は直径を、例えば、支持層若しくは材料3(若しくは基板3A)の平面、又は(面内)平面方向UDPにおいて測定することができる(例えば、
図1B参照)。
【0079】
大きさ/延長又は直径は、マイクロシードMSの外端間で測定される。大きさ/延長DD又は直径DDを、例えば、ダイヤモンドマイクロシードMSを保持する又は囲む1つ若しくは複数の支持材料又は層3によって画定された平面内に延びる方向において測定又は判定された、最大若しくは最長の大きさ/延長DD又は最大若しくは最長の直径DDとして画定することができる。
【0080】
言い換えると、ダイヤモンドマイクロシードMSの大きさ/延長DD又は直径DDの値は、開口OPの大きさ若しくは直径の0.6倍~開口OPの大きさ若しくは直径の0.95倍であり、又は開口OPの大きさ若しくは直径の0.75倍~開口OPの大きさ若しくは直径の0.95倍である。
【0081】
前述したように、開口OPの大きさ又は直径を、例えば、(面内)平面方向UDPにおいて測定することができる。開口OPの大きさ又は直径を、例えば、走査電子顕微鏡法/顕微鏡SEM、原子間力顕微鏡法(AFM)、又は光学顕微鏡法を使用して測定することができる。ダイヤモンドマイクロシードMSの大きさ/延長DD又は直径DDを、例えば、SEM、原子間力顕微鏡法(AFM)、又は光学顕微鏡法を使用して測定することができる。
【0082】
ダイヤモンドマイクロシードMSは、例えば、凹部7の開口OPによって画定された断面積の30%~95%又は60%~95%又は75%~95%である断面積AAを有する又は画成することができる。例えば、これらの断面積を、例えば(面内)平面方向UDPにおける開口OPの大きさ又は直径と同様に、例えばSEM又は光学顕微鏡を使用して測定することができる。
【0083】
上部囲いUE及び/又は凹部7の深さDPは、例えば、少なくとも1つのダイヤモンドマイクロシードMSの大きさ/延長又は直径の60%~1000%又は60%~500%又は80%~150%又は(i)60%、80%若しくは100%~(ii)120%であってもよい。例えば、ダイヤモンドマイクロシードMSの大きさ/延長又は直径は、例えば、1つ又は複数の支持構造5の延長方向、及び/又は下地若しくは保持基板若しくは層3A、及び/又はダイヤモンド層若しくは材料9、及び/又は下地支持層若しくは材料3から離れる方向に延びる方向である方向UDにおいて測定される。方向UDは、例えば、下地若しくは保持基板若しくは層3A、及び/又はダイヤモンド層若しくは材料9、及び/又は支持層若しくは材料3によって画定された平面に対して(略)垂直である。大きさ/延長又は直径は、例えば、マイクロシードMSの外端間で測定される。大きさ/延長DD又は直径DDを、例えば、この方向において測定又は判定された最大若しくは最長の大きさ/延長DD又は最大若しくは最長の直径DDとして画定することができる。
【0084】
1つのみ、2つのみ、又は3つのみのダイヤモンドマイクロシードMSが、例えば、開口OP及び/又は上部囲いUE内に配置又は保持される。1つのみ、2つのみ、又は3つのみのダイヤモンドマイクロシードMSは、例えば、凹部7の開口OPによって画定された断面積を占める又は充填する。1つのみ、2つのみ、又は3つのみのダイヤモンドマイクロシードMSは、例えば、上部囲いUE及び/又は凹部7の深さDPを占める又は充填する。
【0085】
図4Aは、例えば、開口OP及び/又は上部囲いUE内に配置又は保持された1つのダイヤモンドマイクロシードMSを示す。複数のナノシードが、例えば、マイクロシードMSと一緒に開口OP及び/又は上部囲いUE内に同時に配置又は保持されてもよい。
【0086】
1つ又は複数のダイヤモンドマイクロシードMSは、例えば、天然若しくは合成ダイヤモンド粒子の破砕又は切断によって生じ、或いはダイヤモンド反応器において合成された、マイクロダイヤモンドの粒子若しくは一次粒子及び/又は非凝集粒子若しくは凝集粒子を含むか又はそれから構成されてもよい。ダイヤモンドマイクロシードMSは、不規則若しくは規則的な形状の単結晶若しくは多結晶ダイヤモンドの粒子又はチップ又はプレートを含むか又はそれから構成されてもよい。
【0087】
ダイヤモンドマイクロシードMSの大きさ又は寸法を、前述したように、SEM又は共焦点顕微鏡を使用して判定することができる。粒度分布を、動的光散乱(DLS)、音響分光法、又は差別沈降によって測定又は判定することができる。
【0088】
ダイヤモンドマイクロシードMSは、例えば、1μm~2000μm又は1μm~500μm又は1μm~250μm又は1μm~100μm又は1μm~50μmの直径又は大きさ/延長を有する粒子又は結晶を含むか又はそれから構成されてもよい。粒子又は結晶は、例えば、2μm~20μm又は3μm~7μmの直径又は大きさ/延長、或いは例えば3μm又は4μmの直径又は大きさ/延長を有することができる。ダイヤモンドマイクロシードMSの大きさ/延長又は直径を、例えば、前述したSEM又は共焦点顕微鏡を使用して測定することができる。大きさ/延長又は直径は、例えば、マイクロシードMSの外端間で測定される。ダイヤモンドマイクロシードMSは、直径若しくは大きさ/延長の測定又は判定に関して前述した方向、例えば、方向UD及び/又はUDPのいずれか又は両方で測定されたときに、上記の値内の、又は上記の値の直径又は大きさ/延長を有することができる。
【0089】
前述したように、複数のダイヤモンドナノシードNSを、各凹部7又は複数の凹部7に配置することができる。上部UP及び/又は上部囲いUEは、例えば、複数の分散されたダイヤモンドナノシードNSを含む。
【0090】
例えば、1つ又は複数のダイヤモンドナノシードNSは、例えば、閉チャンバにおいて爆発したTNT/RDXの酸素欠乏爆発性混合物を使用する標準的なダイヤモンドデトネーションプロセスによって生じ、或いはダイヤモンド反応器において合成された、ナノダイヤモンドの粒子若しくは一次粒子及び/又は非凝集粒子若しくは凝集粒子を含むか又はそれから構成される。
【0091】
ダイヤモンドナノシードNSは、例えば、ダイヤモンド結晶、例えば、(略)球形のダイヤモンド結晶を含むか又はそれから構成されてもよい。
【0092】
ダイヤモンドナノシードNSの大きさ/延長又は直径を、SEM、高解像度透過電子顕微鏡法HRTEM、透過電子顕微鏡法TEM、原子プローブトモグラフィ、SAXS(小角X線散乱)、及び超SAXS、並びに動的光散乱(DLS)によって測定された粒度分布を使用して判定することができる。
【0093】
ダイヤモンドナノシードNSは、例えば<1000nm、例えば1nm(若しくは2、3、4、若しくは5nm)~1000nm未満の値、又は1nm(若しくは2、3、4、若しくは5nm)~900nm、又は1nm(若しくは2、3、4、若しくは5nm)~500nm、又は1nm(若しくは2、3、4、若しくは5nm)~300nm、又は1nm(若しくは2、3、4、若しくは5nm)~200nm、又は1nm(若しくは2、3、4、若しくは5nm)~100nm、又は1nm(若しくは2、3、4、若しくは5nm)~50nm、又は例えば1nm若しくは3nm~15nm、又は例えば4nm~11nmの直径又は大きさ/延長を有する粒子を含むか又はそれから構成される。ダイヤモンドナノシードNS、例えば、5nmの直径又は大きさ/延長の粒子を含むか又はそれから構成される。前述したように、ダイヤモンドナノシードNSの大きさ/延長又は直径を、例えば、SEM又はTEM又はHRTEMを使用して測定することができる。大きさ/延長又は直径は、例えば、ナノシードNSの外端間で測定される。大きさ/延長又は直径を、例えば、ナノシードNSにおいて測定又は判定された最短若しくは最長の大きさ/延長又は最短若しくは最長の直径として画定することができる。
【0094】
ダイヤモンドマイクロシードMSの粒径は、例えば、ダイヤモンドナノシードNSの粒径の(i)10倍又は50倍又は100倍又は1000倍~(ii)2000倍であってもよい。
【0095】
ダイヤモンドマイクロシードMS及び/又はダイヤモンドナノシードNSは、単結晶又は多結晶ダイヤモンド、或いは、欠陥若しくは色中心がある又はそれらのない、固有の又はドープされ得る単結晶又は多結晶ダイヤモンドを含むか又はそれから構成される。
【0096】
1つ又は複数のマイクロシードMSは、例えば、ダイヤモンド結晶成長の核形成部位又は合体部位を画定する。ナノシードNSは、例えば、コンフォーマル(conformal)ダイヤモンド成長の核形成部位を画定する。
【0097】
前述したように、各凹部7又は複数の凹部7は、少なくとも1つの壁W及び少なくとも1つの床FLによって画定される。複数のダイヤモンドナノシードNSは、例えば、少なくとも1つの壁W及び/又は少なくとも1つの床FLに配置又は保持される。
【0098】
少なくとも1つの壁Wは、1つ又は複数のマイクロシードMSを完全に囲む。少なくとも1つの壁Wは、同様に支持構造5まで延び、すなわち、上方向UDに及び/又は下地又は保持基板又は層3Aから離れるように延びる。少なくとも1つの壁Wは、例えば、方向UDに、並びに/或いは、下地若しくは保持基板若しくは層3A及び/又はダイヤモンド層若しくは材料9によって画定された平面UDPから離れるように延びる。
【0099】
1つ又は複数のマイクロシードMSは、少なくとも1つの壁W内、又は、少なくとも1つの壁Wによって画定された囲い若しくは空間内に完全に又は部分的に配置される。複数のダイヤモンドマイクロシードMSは、例えば、各凹部7内又は複数の凹部7内に配置される。例えば
図3A、
図3E、及び
図3Fに見られるように、ダイヤモンドマイクロシードMSは、例えば、各凹部7を充填する又は複数の凹部7を充填するように積み重ねられる。
【0100】
例えば、凹部7の上部囲いUEが凹部7の深さDPに沿って部分的に延び、凹部7の床FLまでは延びない(例えば
図2E、
図2F参照)場合、マイクロシードMSを凹部7内に積み重ねることができる。
【0101】
マイクロシードMSは、例えば、凹部7の上部囲いUEまで延びるように積み重ねられる。マイクロシードMSは、例えば、凹部7の開口OP又は開口OPの外縁RMの少なくとも60%又は40%又は20%又は15%又は10%又は5%以内にある位置まで、或いは、開口OP若しくは外縁RM内にあるか又はそれによって囲まれた位置まで延びるように積み重ねられる。
【0102】
例えば
図3A及び
図3Eに示すように、ダイヤモンドマイクロシードMSは、例えば、凹部7の床FLから積み重ねられる。
【0103】
支持構造5及び上部UPは、例えば、第1の壁FWと、第2の壁SWと、第1の壁FW及び第2の壁SWの間に延びる上部ランディングULとを含む。複数のダイヤモンドナノシードNSを、例えば、上部ランディングUL並びに第1の壁FW及び第2の壁SWに配置する又は分散させることができる。
【0104】
上部UPは、例えば、複数の壁Wと、壁Wの間に延びる複数の上部ランディングULとを含むことができ、複数のダイヤモンドナノシードNSは、上部ランディングUL及び壁Wに配置又は分散される。
【0105】
例えば
図1D及び
図1Eに示すように、ダイヤモンドナノシードNSは、支持層又は材料3の表面11に分散又は付着される。ダイヤモンドナノシードNSは、例えば、1×10
8cm
-2~1×10
13cm
-2又は1×10
9cm
-2~1×10
12cm
-2又は1×10
10cm
-2~1×10
12cm
-2又は10
8cm
-2~10
14cm
-2又は10
8cm
-2~10
13cm
-2又は10
9cm
-2~10
13cm
-2又は10
9cm
-2~10
12cm
-2の密度で表面11に分散又は付着される。表面11は、例えば、平面の表面並びに凹部7の壁及び床によって画定された表面を含む。
【0106】
ダイヤモンドデバイス又は構造体1は、少なくとも1つの支持層又は材料3に付着されたダイヤモンド層9をさらに含むことができる。ダイヤモンド層9は、例えば、支持層又は材料3に直接付着される。
【0107】
ダイヤモンド層9は、例えば、少なくとも95%の炭素原子を含む高純度ダイヤモンド層である。ダイヤモンド層9は、例えば>6μmの厚さを有する。
【0108】
ダイヤモンド層9は、例えば、ドープダイヤモンド層9、例えば、ドープp型であってもよい。1つ若しくは複数の支持層又は1つ若しくは複数の材料3は、例えばドープn型であってもよい。ダイヤモンド層9は、例えば、異なるドープ型及び異なるドーパント原子濃度を持つ異なる領域を有することができる。ダイヤモンド層9は、例えば、NV中心などの色中心を有することができる。
【0109】
ダイヤモンド層9は、例えば研磨ダイヤモンド層9であってもよい。研磨ダイヤモンド層9を、支持層又は材料3に直接付着させることができる。研磨ダイヤモンド層9は、例えば、サブナノメートルの表面粗さを有することができる。
【0110】
ダイヤモンドデバイス又は構造体1は、例えば、ダイヤモンド層9と少なくとも1つの支持層又は材料3との間に中間層がなくてもよい。ダイヤモンドデバイス又は構造体1は、例えば、ダイヤモンド層9と少なくとも1つの支持層又は材料3との間にAlN中間層がなくてもよく、SiN中間層がなくてもよく、又はSiC中間層がなくてもよい。
【0111】
ダイヤモンド層9は、例えば、開口OP及び/又は上部囲いUEに配置されたマイクロシードMSから延び、支持層又は材料3から離れるように延びる。ダイヤモンド層9は、例えば、開口OP及び/若しくは上部囲いUEのダイヤモンドマイクロシードMSのみから、並びに/又は、支持層若しくは材料3に分散された複数のナノシードNSのみから延びる。
【0112】
ダイヤモンドマイクロシードMSは、凹部7内に配置され、ダイヤモンドナノシードNSは、支持層又は材料3上及び凹部7内に分散されて、ダイヤモンド層9を支持層若しくは材料3に化学的に結合及び/又は機械的に固着若しくは固定する。
【0113】
ダイヤモンドマイクロシードMS及びダイヤモンドナノシードNSの両方が、少なくとも1つの支持層又は材料3上のダイヤモンド結晶成長の核形成部位又は合体部位を画定することができる。
【0114】
例えば
図4A及び
図4Bに見られるように、デバイス又は構造体1は、各凹部7又は複数の凹部7内に埋め込まれたダイヤモンド柱を含む。柱は、例えば、凹部7の床FLから延びる。これは、ダイヤモンド層9の強い固着及びダイヤモンド9/層3界面における高い剪断強度を保証する。
【0115】
各凹部7又は複数の凹部7の下部囲いLEには、例えば、ダイヤモンド成長がなくてもよい。
【0116】
ダイヤモンドデバイス又は構造体1は、例えば、電子デバイス若しくは集積回路に含まれていてもよく、又は電子デバイス若しくは集積回路を形成するようにさらに加工されてもよい。
【0117】
本開示はまた、ダイヤモンドデバイス又は構造体1を製造する方法に関する。
図2Aは、本開示による例示的なダイヤモンドデバイス又は構造体の作製方法の異なる可能なステップを示す概略図である。
【0118】
方法は、例えば、少なくとも1つの支持層又は材料3内に少なくとも1つ又は複数の支持構造5を含む、少なくとも1つの支持層又は材料3と、支持構造5によって画定された複数の凹部7とを設けることを含む。方法は、ダイヤモンドシーディングを行って、各凹部7又は複数の凹部7に少なくとも1つのダイヤモンドマイクロシードMS及び複数のダイヤモンドナノシードNSを設けることをさらに含む。
【0119】
そのような1つ若しくは複数の支持層又は1つ若しくは複数の材料3を設けることは、例えば、少なくとも1つの支持層若しくは材料3又は複数の重ね合わされた支持層若しくは材料3を設けることと、1つ若しくは複数の支持層又は1つ若しくは複数の材料3をエッチング又は除去して内部に複数の凹部7を形成することとを含むことができる。
【0120】
前述したように、例えば、下地若しくは保持基板3A上に設けられ/蒸着され又は重ね合わされた単一の支持層又は材料3があってもよく、或いは、下地若しくは保持基板3A上に設けられ/蒸着され又は重ね合わされた複数の支持層又は材料3があってもよい。エッチングは、単一の支持層又は材料3を部分的に又は完全に貫通して、複数の支持層又は材料3を部分的に又は完全に貫通して、或いは1つ若しくは複数の支持層又は1つ若しくは複数の材料3を完全に貫通して、及び下地若しくは保持基板3Aを部分的に貫通してエッチングするように行うことができる。
【0121】
デバイス又は構造体1が複数の支持層又は材料3を含む場合、複数の支持層又は材料3のエッチングは、したがって、複数の支持層又は材料3内に複数の凹部7を形成するように行われる。デバイス又は構造体1が、基板3Aと基板3Aに付着された少なくとも1つ又は複数の層とを含む場合、基板3Aに付着された少なくとも1つ又は複数の層のエッチングは、少なくとも1つ又は複数の層内のみ、或いは少なくとも1つ又は複数の層及び基板3A内に複数の凹部7を形成するように行われる。
【0122】
前述したように、エッチングは、凹部7及び支持構造5を設けるように行われる。
【0123】
例えば、反応性イオンエッチングRIE、プラズマエッチング、イオンミリング、化学エッチング、機械エッチング、レーザエッチング、又は機械加工を使用して、エッチング又は除去を行うことができる。マスク層が、例えば、所望の位置にエッチングを形成し、所望の凹部配置又はパターンをもたらすように、支持層又は材料3上に設けられる。
【0124】
その後、1つ又は複数の材料を所望の深さまでエッチングした後に、マスク層を除去することができる。
【0125】
マスク層は、例えば、十分な材料エッチング深さを可能にするハードマスク層である。少なくとも1つの材料、例えば、SiO2、HSQ(水素シルセスキオキサン)、フォトレジスト、又は金属、例えばPtを、ハードマスク層として使用することができる。
【0126】
ダイヤモンドシーディングは、例えば、マイクロシードMSを支持層又は材料3の外面11に設け、支持層又は材料3を撹拌して、マイクロシードMSを各凹部7内又は複数の凹部7内に移すことと、ナノシードNSを支持層又は材料3の外面11に設け、支持層又は材料3を撹拌して、ナノシードNSを各凹部7又は複数の凹部7内及び支持層又は材料3の表面11にわたって分散させることとを含むことができる。
【0127】
撹拌は、例えば、超音波撹拌によって行ってもよい。
【0128】
ダイヤモンドシーディングは、例えば、ダイヤモンドシードを含む1つ又は複数の懸濁液の浸漬、ドロップキャスティング、スプレー、静電スプレー、又はスピンコーティングを介して、マイクロシード及び/又はナノシードを設けることを含むことができる。
【0129】
ダイヤモンドシーディングは、例えば、ダイヤモンドシード、例えば、ダイヤモンドプレート又はチップ又は(大)粒子を各凹部7内又は複数の凹部7内に、例えば、手動で又はピックアンドプレース機を使用して配置することにより、マイクロシードを設けることを含むことができる。
【0130】
支持層又は材料3の外面11に設けられることになるマイクロシードMSの粒径は、例えば、D50メジアン径、又は前述した測定手段のうちのいずれか1つに基づいて判定されたマイクロシードMSの粒径に基づいて選択することができる。マイクロシードMSの粒径は、凹部7の開口OPの大きさに基づいて選択され、例えば、凹部7の開口OPの大きさに比較的近くなるように選択されて、前述したように凹部7を略充填するようにする。したがって、凹部7の開口OPの大きさを粒径(若しくは平均粒径)に、又はその逆に適応させる充填が得られる。
【0131】
支持層又は材料3の外面11に設けられることになるナノシードNSの粒径は、例えば、動的光散乱(DLS)を使用して測定された粒度分布、又は前述した測定手段のうちのいずれか1つに基づいて判定されたナノシードNS粒径に基づいて選択することができる。
【0132】
マイクロシードMS及びナノシードNSは、例えば、撹拌のために、支持層又は材料3の表面11に一緒に又は同時に設けられてもよい。その後、支持層又は材料3(又はデバイス1)のすすぎ及び/又は乾燥が行われる。
【0133】
或いは、マイクロシードMSを、例えば、最初に支持層又は材料3の表面11に設け、撹拌してマイクロシードMSを分散させることができる。その後、ナノシードNSを、例えば、支持層又は材料3の表面11に設け、撹拌してナノシードNSを分散させることができる。支持層又は材料3(又はデバイス1)のすすぎ及び/又は乾燥を、例えば、マイクロシードMSの分散とナノシードNSの分散との間及びナノシードNSの分散後に、又はナノシードNSの分散後のみに行うことができる。或いは、ナノシードNSの分散をマイクロシードMSの分散前に行ってもよい。
【0134】
マイクロシードMS及び/又はナノシードNSを、例えば1度のみ、又は複数回続けて、又は一定の順序なしで設けて、所望の密度を得ることができる。
【0135】
すべての凹部7がマイクロシードMS及びナノシードNSを含む必要はなく、マイクロシードMS及びナノシードNSを含む複数の凹部7により、本明細書に記載の結果を得ることができることに留意されたい。
【0136】
したがって、本開示のシードディブリング法は、凹部7を、例えば、1つ若しくは複数の支持層又は1つ若しくは複数の材料3に設けることと、支持層又は材料3の凹部7内及び外面11にわたるダイヤモンドシーディングとによって保証される。これは、ダイヤモンド層9をデバイス1上に設ける又は蒸着する前に行われる。
【0137】
本開示の方法はまた、例えば、ダイヤモンドシーディングされた支持層又は材料3にダイヤモンド層9を蒸着させるダイヤモンド成長ステップを含む。ダイヤモンド成長ステップを、例えば、化学蒸着CVDを使用して、例えば、マイクロ波プラズマ化学蒸着MPCVD、又は低温プラズマCVD、大気プラズマCVD、プラズマトーチ、及びホットフィラメントCVDによって行うことができる。
【0138】
ダイヤモンド層9は、例えば、多結晶及び/又は単結晶ダイヤモンドを含むか又はそれから構成される。
【0139】
方法は、例えば、蒸着されたダイヤモンド層9を研磨するダイヤモンド研磨ステップをさらに含む。ダイヤモンド層9の研磨を、例えば、化学研磨及び/又は機械研磨を使用して行うことができる。
【0140】
きめの大きいダイヤモンド研削砥石を、例えば、ダイヤモンド層9の最初の高速材料除去及び平面化に使用することができる。さらに、その後、例えば、ダイヤモンド研磨のために設計されたラップ盤を使用して精密研磨を行って、例えば
図6Dに示すような、例えば平坦な鏡面仕上げを得ることができる。
【0141】
サブナノメートルの表面粗さを有する研磨ダイヤモンド層9が、例えばそのような研磨を使用して設けられる。
【0142】
研磨後に、ダイヤモンド層9(又はデバイス1)を、例えば、アセトン及びIPAを使用して洗浄することができる。これに続いて、例えば、黒鉛相、望ましくない層、及び他の不純物を除去するためにさらなる洗浄ステップを行うことができる。
【0143】
前述したように、本開示による方法において、支持層又は材料3は、例えばGaN又はAlGaNを含むか又はそれから構成されてもよい。
【0144】
支持層又は材料3は、例えばGaN及びAlGaNを含むか又はそれから構成され、Alの含有量は、層又は材料の厚さが増加するにつれて増加する。
【0145】
前述したように、GaN及び/又はAlGaN層を、例えば基板3A上に配置することができる。基板3Aは、例えば、Si(シリコン)、SiC(シリコンカーバイド)、GaAs、Ga2O3、ホウケイ酸塩、石英、又はサファイアを含むか又はそれから構成されてもよい。凹部7は、例えば、基板まで又は基板内へ延びることができる。
【0146】
ダイヤモンドの固着及び強い付着、並びに本開示の方法及びデバイス1の利点を示すために、本発明者らは、本明細書で、GaN及び/又はAlGaN上で成長したダイヤモンド、特にAlGaN/GaN-on-Si基板上で成長したダイヤモンドの例示的な実施形態についての実験結果を提示する。しかしながら、本開示は、この特定の実施形態に限定されないことを理解すべきである。
【0147】
AlGaN/GaN-on-Si基板が、シードディブリング及びダイヤモンド成長に使用され、例えば、熱管理及びパワーエレクトロニクスの用途のための、GaN-on-Si HEMT上でのダイヤモンドの集積を可能にした。
【0148】
GaN及び/又はAlGaN層3が蒸着されたSi基板3Aが使用された。GaN及び/又はAlGaN層3は、約3μm又は5μmの例示的な厚さを有する。比較的薄い緩衝層が、Si上に直接、及び外側のGaN又はAlGaN層3の間に存在してもよい。シードディブリングは、成長前に、支持層/基板の孔7のディープエッチングから始まった(
図2(a)のステップII)。GaN3のエッチングステップは、Cl
2/BCl
3/Arを用いる誘導結合プラズマ(ICP)エッチングを使用して行われた。その後、標準的なボッシュSiエッチングプロセスを使用して、基板3Aをさらにエッチングし、孔7のアスペクト比を調整した。ここでは、単に孔深さDPの効果を研究するために、Siエッチングステップを行って高アスペクト比の孔7を形成したが、研究の残りにおいて、Siエッチングステップ又はかなりのディープエッチングを必要としない最適化された深さDPが使用された。SiO
2が、すべてのエッチングステップのハードマスクとして使用され、プラズマCVD(PECVD)を使用して300℃で蒸着された。
【0149】
その後、基板3、3Aに、マイクロシードMS及びナノシードNSがシーディングされた(
図2(a)のステップIII)。最初に、ナノシーディングが、メタノール中の5~10nmのダイヤモンドナノ粒子NSの0.5%wt懸濁液を使用して行われ、10分間の超音波撹拌、続いてIPAすすぎ及び窒素を使用した乾燥が行われた。その後、マイクロシーディングMSが、イソプロパノール(IPA)中の3~4μmの非ドープダイヤモンド粒子の10%wt懸濁液に基板を浸漬させることによって行われ、超音波によって10分間撹拌された。シードディブリング法は、パターン化GaN-on-Si基板3、3AへのダイヤモンドマイクロシードMSの取込みを生じさせ(
図2(b))、大きいマイクロシードMSを孔7の中に効率的に閉じ込めることができた(
図2(c))。
【0150】
図2(d)に示すように、ダイヤモンドナノシードNSはまた、基板3、3Aを高密度(>10
11cm
-1)で覆っていた。
【0151】
多結晶ダイヤモンド膜9を、マイクロ波プラズマ化学蒸着(MPCVD)法によってシーディングされた基板3、3A上で成長させた。基板温度は、850℃で固定され、平均プラズマ出力は4kW、圧力は130mbarであった。ダイヤモンド成長率は、標準のガス比(95%H2、5%CH4)の高純度ガス(9N)を使用し、少量の窒素及び/又はアルゴン(数ppm)を添加して、1μm/h超で維持された。
【0152】
成長したままのダイヤモンド膜9は、通常、比較的高い表面粗さを有し(
図2(a)のステップIV)、化学/機械研磨ステップにより、平滑な表面を得ることができる(
図2(a)のステップV)。例えば、据え付けられるダイヤモンド9を含む基板3、3Aをワークヘッドに取り付けて、ダイヤモンドの最初の高速材料除去及び平面化のために、きめの大きい水平ダイヤモンド研削砥石に当てるように、ダイヤモンド研磨を行うことができる。その後、基板3、3Aは、ダイヤモンド研磨のために特別に設計されたラップ盤を使用して研磨され、平坦な鏡面仕上げを得た。研磨後に、アセトン及びIPAを使用して基板を洗浄し、続いて、黒鉛相及びすべての他の不純物を除去するために、高温のH
2SO
4/H
2O
2混合物を使用して洗浄ステップを行うことができる。
【0153】
ナノシードNSは、優れた表面被覆及び高いシーディング密度をもたらすが、界面近くのナノ結晶ダイヤモンドの熱伝導率が低いことにより、TBRが高くなり得る31。他方、マイクロシードMSにより、大きい粒子及び高い熱伝導率が得られるが、界面近くの粒子間に間隙が存在することにより、GaNをCVD反応器の水素プラズマに曝し、GaNのエッチングを生じさせることがある32、33。本開示のシードディブリング法における混合シードの使用は、両方の方法の利点を提供し、より大きい粒子、したがってより高い熱伝導率、並びにより低いTBRをもたらし、GaN表面に損傷を与えない31。
【0154】
シードディブリング法において孔7の大きさ及びアスペクト比を最適化し調べるために、4~50μmで変化する開口の大きさ及び大きい深さ(~30μm)を有する作製された孔7で、シーディングステップが行われ、続いて、約30μm厚のダイヤモンド層9を成長させた。
図3(a)~
図3(d)は、それぞれ4μm、10μm、20μm、及び50μmの大きさの断面SEM画像を示す。
【0155】
すべての孔7が同じシーディングプロセスを受けたが、マイクロシードMSの閉込めは、孔の大きさに大きく依存した。4μmの孔7が、マイクロシードMSを捕捉するのに最も効率的であった(
図3(a))。しかしながら、10μmの孔7は、より少ないマイクロシードMSを捕捉し(
図3(b))、より大きい孔7では、マイクロシードMSがほとんど捕捉されなかった(
図3(c)及び
図3(d))。
【0156】
図3(e)は、初期基板の上部5μmのシードのみがダイヤモンド核形成及び成長に寄与したことを示す。5μmを超える深さからは、ダイヤモンド成長が確認されず、これは、成長中の孔の中の炭素原子の低拡散と、より深いシードからの核形成を阻止し得る上部の高速合体とに起因し得る。ダイヤモンド/GaN界面(
図3(f))付近をもっとよく見ると、ナノシードNSは、基板3、3Aへの良好な付着を有するダイヤモンド層9のコンフォーマル成長の核形成点として作用したが、マイクロシードMSは、多結晶ダイヤモンド膜9のより高い平均粒径及びより高い品質に寄与する、より大きいダイヤモンド結晶の核形成点を形成したことがわかる。他のすべての孔寸法におけるダイヤモンド9の成長は、主にナノシードNSの存在に起因し、より大きい粒子の成長に寄与するマイクロシードMSはほとんどなかった。
【0157】
孔7の大きさは、ダイヤモンド9の厚さに影響を与えなかったが、最終的なダイヤモンド膜9の粗さに大きく影響した。50μmの孔の上におけるダイヤモンドの合体が不十分であると、10μm超の深さの孔7の一番上にくぼみが形成された(
図3(d))。合体は、より小さい孔7で著しく改善され、くぼみもはるかに小さくなった。10μm及び20μmの孔7のサンプルでは、合体は孔7内に埋め込まれた空洞を生じさせ(
図3(b)及び
図3(c))、合体前面の界面もダイヤモンド膜9の厚さ全体に沿って見られる。しかしながら、4μmの孔7では、合体界面はほとんど見られず、ダイヤモンド粒子のみが見え、はるかに改善された合体を示す。
【0158】
したがって、マイクロシードMS及びナノシードNSの両方を取り込んだ、成長に寄与する例示的な最適化された孔7の大きさは、例えば、この研究で使用したマイクロシードMSの平均径(例えば、D50メジアン径)(3~4μm)に(略)一致する、幅WD4μm及び深さDP5μmであるとわかった。このような深さは、より深いエッチングを避け、作製方法を簡略化する。しかしながら、1つ又は複数のマイクロシードMSが、凹部7の上部レベル(上部囲い)に、例えば、孔7の開口OPから5μmの深さDP以内に位置する場合には、より深い深さも可能である。
【0159】
これらの結果に基づいて、AlGaN/GaN-on-Si基板が、以下の実験についてこれらの寸法で構成された。シードディブリング法は、膜の剥離又は亀裂の徴候なく、AlGaN/GaN-on-Si上の厚いダイヤモンド層、100μmよりもさらに厚いダイヤモンド層(20時間の成長)でも、確実で再現可能な成長を可能にした(
図4(a))。ナノシードNSから成長したダイヤモンドが、マイクロシードMSと側壁との間の空間を充填し(
図4(a)の挿入図)、これにより、基板3、3Aへのダイヤモンドの付着が著しく向上した。
【0160】
基板のX線トモグラフィ(XRT)画像は、すべてのシードMS、NSが間隙又は空洞のない成長に寄与する均一なダイヤモンド層9をもたらす、ディブリング領域内及びディブリング領域上におけるダイヤモンドの完全な成長及び合体を示す(
図4(b))。さらに、基板への付着及び界面における剪断強度を著しく向上させる、基板に埋め込まれたダイヤモンド柱が形成されている。
【0161】
シードディブリング法において基板3、3Aに孔7が存在することは、成長したダイヤモンド膜9の付着及び残留応力に強い影響を与えた。本発明者らは、シードディブリングのない基板3、3Aにおいて、SiN又はAlN中間層を使用しても、ダイヤモンド膜9は、CVD反応器における冷却中に剥離するか、又は後の作製プロセス中に大きな亀裂を発生させることを確認した。しかしながら、基板3、3Aをシードディブリング法と共に微細構造化することは、基板3、3Aの小さい部分においても、ダイヤモンド膜の付着を著しく向上させ、剥離又は亀裂は確認されなくなった。
【0162】
シードディブリング法で使用されるシーディング型がダイヤモンド膜9の品質に与える影響を評価するために、異なる基板3、3Aが、ナノシードNS、マイクロシードMS、及び両方の混合物を使用してシーディングされ、続いて、10時間のダイヤモンド成長が行われた(16μm厚)。マイクロラマン分光法を使用して、ダイヤモンド9の応力、相純度、及び結晶品質を測定し、膜内の入射ビームの焦点を変化させることによって、ダイヤモンド厚さに沿ったラマンシフトのプロファイルを得た34。
【0163】
応力のないダイヤモンド膜9のラマンピークは1332cm
-1であるが
35、上記のサンプルのすべてにおいてわずかに高く、これはダイヤモンド9の圧縮応力に対応する。応力プロファイルは、ピークの正シフトに基づいて計算された(
図5(a))
36。最高応力が、GaNとの界面にナノシードを含むサンプルのみにおいて測定され(1.1GPa)、これは、GaN-on-Si膜構造上の700℃超で成長したダイヤモンド膜について測定された一般的な値よりも著しく低く(寸法に応じて5.6GPa及び23.6GPa)
20、これは、基板3、3Aのディブリングに起因し得る。上部ダイヤモンド表面に向かって移動すると、応力は、0.6GPaまで徐々に低下した。マイクロシードMS及び混合シーディングを含むダイヤモンド膜9は、それぞれ0.35GPa及び0.2GPaの界面におけるはるかに低い応力を示した。上面近くで小さい変化が確認され(>12μm厚)、これは、成長中における反応器パラメータの小さい変化に起因し得る。このような結果は、膜の剥離及び亀裂を避けるために重要であるダイヤモンドの低い残留応力を得るための、混合シーディングと組み合わせたシードディブリング法の重要な利点を強調している。
【0164】
すべてのダイヤモンド膜9は、8μmを超える厚さで80%~95%の高い相純度(sp
3/sp
2比)を示し、これは、炭素原子の低黒鉛相及びダイヤモンドの高結晶品質を示す(
図5(b))。同様のsp
3/sp
2比が、ナノシードNSを含む基板の厚さ全体において確認された。しかしながら、マイクロシード及び混合シードを含むダイヤモンド/GaN界面で、それぞれ45%及び70%のより低い比が確認された。それにもかかわらず、これらの膜の相純度は、膜の厚さの増加によって急速に増加し、8μmを超える厚さにおいて最高値で飽和した。
【0165】
ダイヤモンド膜9の高結晶品質が、ラマンピークの半値全幅(FWHM)で検証された。天然ダイヤモンドのラマンスペクトルは、約2cm
-1のFWHMを有するが、多結晶CVD膜は、一般に、欠陥又は歪みによって生じる結晶乱れの量に応じて、より大きい幅(5~15cm
-1)を示す
37。
図5(c)に示すように、界面から上面に向かうFWHMの減少は、より高い膜品質に対応する。混合シードは、一般に、最も小さいFWHM、したがって最良の結晶品質を示した。
【0166】
図5(d)のX線光電子分光法(XPS)スペクトルは、C1sの強いピークと、O1sに関する非常に小さいピークとを示す。XPSスペクトルの分析は、表面で自然に吸収された、炭素98.27%、窒素0.27%、及び酸素1.46%を含む非常に高純度のダイヤモンド膜を示した。
【0167】
混合シードを用いるシードディブリング法において、マイクロシードMSによって開始した成長により、ナノシードNSによって成長したものよりもはるかに大きい粒子が生じた(
図5(e))。より高い平均粒径は、粒子内の熱抵抗の低下により、同じダイヤモンド厚さの膜の熱伝導率を著しく向上させる重要な側面である
3、38、39。ダイヤモンド粒子のランダムな向きと大きさの変化とにより、成長したままのダイヤモンド膜9は、数十ミクロンの粗さの粗面を示した(
図6(a))。このような粗さは、ウエハ加工の問題である。したがって、ダイヤモンド膜9は、従来の方法を使用して蒸着されたダイヤモンド膜の高い残留応力及び弱い付着のために従来は困難であった研磨ステップを必要とする。しかしながら、ここでは、ダイヤモンド膜9の研磨は、シードディブリング法によって実現される主な改良によって可能になった。孔7に大きいマイクロシードMSが存在すること、及びナノシードNSによりマイクロシードMSが側壁に付着することによって、基板3、3Aに埋め込まれたダイヤモンド柱を形成し(
図4(b))、これは、基板3、3Aとの界面における剪断強度を増加させるアンカとして作用することができる。加えて、低い残留応力は、ダイヤモンド膜9に、機械研磨ステップを維持するための優れた安定性をもたらした(
図6(b))。
【0168】
ダイヤモンド層9を含む基板3、3Aをラップ盤で精密研磨した後、高品質ダイヤモンド膜9は、透明な表面を示した。30μm×30μmを超える領域の原子間力顕微鏡(AFM)走査は、0.5nmの算術平均粗さ(Ra)及び0.6nmの2乗平均平方根粗さ(Rq)を含むサブナノメートルの粗さを示した(
図6(c))。シードディブリング法は、AlGaN/GaN基板上のダイヤモンドの確実な成長及び研磨を、再現可能な高品質で可能にした(
図6(d))。ラマンスペクトルもFWHMも、研磨後に変化を示さず、これは、ダイヤモンドの高品質が研磨後に維持されたことを示す(
図6(d))。
【0169】
本明細書では、基板3、3Aの意図的な微細組織構造とマイクロシードMS及びナノシードNSの両方を用いるダイヤモンドシーディングとによる、AlGaN/GaN-on-Siなどの他の基板におけるダイヤモンドのシーディング及び成長のためのシードディブリング法が示された。孔7の構成は、マイクロシードを効率的に閉じ込め、両方のシード型をダイヤモンド成長に寄与させるように最適化され、空洞の形成されない完全な合体を得た。加えて、マイクロシードMSを側壁に付着させるナノシードNSの成長により孔7内に形成されたダイヤモンド柱は、基板に対するダイヤモンドの優れた付着と界面における高い剪断強度とをもたらした。
【0170】
シードディブリングを使用して成長したダイヤモンド膜9の材料特性は、従来のナノシードディング方法と比較してより良好な結晶化度及びより大きい粒径を示した。本開示の成長方法は、98%超の炭素原子と95%もの高いsp3/sp2比とを有する高純度のダイヤモンド膜9をもたらした。シードディブリングによって得られるダイヤモンド膜9の低い残留応力(0.2GPa)、基板3、3Aへの優れた付着、及び高い機械的安定性は、GaN上での確実で再現可能なダイヤモンド成長と、その後の、1nm未満の粗さの平滑なダイヤモンド表面を得るための研磨ステップとを可能にした。開発された研磨ダイヤモンド-on-GaN基板は、集積ヒートスプレッダ、相補スイッチを使用するパワーIC、及びダイヤモンドの特性とGaNの特性とを組み合わせた新規のヘテロ構造デバイスの開発のためのコスト効率の高い手法であり得る。
【0171】
ある好ましい実施形態を参照しながら本発明を開示してきたが、本発明の分野及び範囲から逸脱することなく、記載された実施形態及びその均等物に対する多くの修正、改変、及び変更が可能である。したがって、本発明は記載された実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲の文言に従って、最も広い妥当な解釈がなされることが意図される。上記の実施形態のいずれか1つの特徴は、本明細書に記載の他の実施形態に含まれることがある。
【0172】
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【手続補正書】
【提出日】2024-05-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの支持層又は材料(3)内に少なくとも1つ又は複数の支持構造(5)を含む、少なくとも1つの支持層又は材料(3)と、
前記少なくとも1つ又は前記複数の支持構造(5)によって画定された複数の凹部(7)と、
各凹部(7)又は前記複数の凹部(7)に配置された、少なくとも1つのダイヤモンドマイクロシード(MS)及び複数のダイヤモンドナノシード(NS)と
を備える、ダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つ又は前記複数の支持構造(5)が、各凹部(7)又は前記複数の凹部(7)の開口(OP)及び上部囲い(UE)を画定し、前記少なくとも1つのダイヤモンドマイクロシード(MS)が、前記開口(OP)及び/又は前記上部囲い(UE)内に配置されている、請求項1に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1つのダイヤモンドマイクロシード(MS)が、前記開口(OP)の大きさ又は直径の40%~95
%である大きさ又は直径(DD)を有する、請求項1
または2に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのダイヤモンドマイクロシード(MS)が、ダイヤモンド結晶成長の核形成部位又は合体部位を画定する、請求項1
または2に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項5】
前記開口(OP)
及び前記上部囲い(UE)が、複数の分散されたダイヤモンドナノシード(NS)を含
み、
前記ダイヤモンドナノシード(NS)が、コンフォーマルダイヤモンド成長の核形成部位を画定する、請求項
2に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項6】
各凹部(7)又は前記複数の凹部(7)が、少なくとも1つの壁(W)及び少なくとも1つの床(FL)によって画定され、複数のダイヤモンドナノシード(NS)が、前記少なくとも1つの壁(W)及び/又は前記少なくとも1つの床(FL)に配置されている、請求項1
または2に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項7】
各凹部又は前記複数の凹部(7)が深さ(DP)を有し、前記凹部(7)の前記深さ(DP)が、前記少なくとも1つのダイヤモンドマイクロシード(MS)の大きさ又は直径(DD)の60%~1000
%である、請求項1
または2に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項8】
複数のダイヤモンドマイクロシード(MS)が、各凹部(7)内又は前記複数の凹部(7)内に配置され、前記ダイヤモンドマイクロシード(MS)が、各凹部(7)又は前記複数の凹部(7)を充填するように積み重ねられている、請求項1
または2に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項9】
前記ダイヤモンドマイクロシード(MS)が、各凹部(7)又は前記複数の凹部(7)の上部囲い(UE)まで延びるように積み重ねられている、請求項
8に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項10】
前記少なくとも1つ又は前記複数の支持構造(5
)が、第1の壁(FW)と、第2の壁(SW)と、前記第1の壁(FW)及び前記第2の壁(SW)の間に延びる上部ランディング(UL)とを含み、複数のダイヤモンドナノシード(NS)が、前記上部ランディング(UL)並びに前記第1の壁(FW)及び前記第2の壁(SW)に配置又は分散されている、請求項
2に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項11】
前記少なくとも1つ又は前記複数の支持構造(5)が、複数の壁(W)と、前記壁(W)の間に延びる複数の上部ランディング(UL)とを含み、複数のダイヤモンドナノシード(NS)が、前記上部ランディング(UL)及び前記壁(W)に配置又は分散されている、請求項
10に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項12】
前記ダイヤモンドナノシード(NS)が、10
8cm
-2~10
14cm
-2
の密度で前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)の表面に分散又は付着されている、請求項1
または2に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項13】
前記複数の凹部(7)が、前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)の少なくとも1つの領域又は複数の領域に配置され、或いは前記複数の凹部(7)が、前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)の全体にわたって配置されている、請求項1
または2に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項14】
前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)に付着されたダイヤモンド
層をさらに備え
、
前記ダイヤモンドマイクロシード(MS)が、前記複数の凹部(7)内に配置され、前記ダイヤモンドナノシード(NS)が、前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)上及び前記複数の凹部(7)内に分散されて、前記ダイヤモンド層を前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)に化学的に結合及び/又は機械的に固着若しくは固定する、請求項1
または2に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項15】
各凹部(7)又は前記複数の凹部(7)の下部囲い(LE)には、ダイヤモンド成長がない、請求項
14に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項16】
前記ダイヤモンドデバイス又は構造体(1)には、前記ダイヤモンド
層と前記少なくとも1つの支持層又は材料(3)との間に、AlN中間層がないか、SiN中間層がないか、又はSiC中間層がない、請求項
15に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項17】
前記ダイヤモンドデバイス又は構造体(1)が、複数の支持層又は材料(3)を含み、前記少なくとも1つ又は前記複数の支持構造(5)が、前記複数の支持層又は材料(3)内に配置されている、請求項1
または2に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項18】
前記少なくとも1つ又は前記複数の支持構造(5)が、前記少なくとも1つの層(3)又は前記複数の層(3)内、或いは前記少なくとも1つの層又は前記複数の層(3)及
び基板(3A)内に配置されている、請求項
1または2に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項19】
前記複数の凹部(7)が、前記基板(3A)に付着された前記少なくとも1つ又は前記複数の層(3)のみを貫通して延び、或いは、前記基板(3A)に付着された前記少なくとも1つ又は前記複数の層(3)を貫通して前記基板(3A)内へ延びる、請求項
18に記載のダイヤモンドデバイス又は構造体(1)。
【請求項20】
少なくとも1つの支持層又は材料(3)内に少なくとも1つ又は複数の支持構造(5)を含む、少なくとも1つの支持層又は材料(3)と、前記少なくとも1つ又は前記複数の支持構造(5)によって画定された複数の凹部(7)とを設けるステップと、
ダイヤモンドシーディングを行って、各凹部(7)又は前記複数の凹部(7)に少なくとも1つのダイヤモンドマイクロシード(MS)及び複数のダイヤモンドナノシード(NS)を設けるステップと
を含む、ダイヤモンドデバイス又は構造体(1)を製造する方法。
【国際調査報告】