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  • 特表-セラミック電気はんだごて 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】セラミック電気はんだごて
(51)【国際特許分類】
   B23K 3/02 20060101AFI20240517BHJP
【FI】
B23K3/02 Q
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574175
(86)(22)【出願日】2022-09-16
(85)【翻訳文提出日】2023-11-30
(86)【国際出願番号】 CN2022119174
(87)【国際公開番号】W WO2023051277
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】202111147848.3
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518060538
【氏名又は名称】チョンチン リ-マーク テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CHONGQING LE-MARK TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】15-1,Fengsheng Road,Jiulongpo District,Chongqing 401329 China
(74)【代理人】
【識別番号】100077012
【弁理士】
【氏名又は名称】岩谷 龍
(72)【発明者】
【氏名】レイ,ピーター
(57)【要約】
本願は、加熱装置の技術分野に関し、セラミック電気はんだごてを開示する。本セラミック電気はんだごては、はんだごて先と、ハンドルと、セラミック発熱体と、正極導線と、負極導線と、を備え、更に、導線と接地導線とを備え、前記負極導線は前記はんだごて先に接続され、前記正極導線はセラミック発熱体に接続され、前記導線は前記セラミック発熱体の先端において前記負極導線に接続され、前記導線は(接地電圧と接地抵抗を測定可能に構成された)制御測定部に接続され、前記接地導線はハンドルに接続されている、ように構成されている。本セラミック電気はんだごては、接地電圧が2mV未満であり接地電気抵抗が2Ω未満であるか否かを検知する上で有利である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
はんだごて先(1)と、ハンドル(2)と、セラミック発熱体(3)と、正極導線(4)と、負極導線(5)とを備えたセラミック電気はんだごてであって、
更に、導線(6)と接地導線(7)とを備え、
前記負極導線(5)は前記はんだごて先(1)に接続され、前記正極導線(4)は前記セラミック発熱体(3)に接続され、前記導線(6)は前記セラミック発熱体(3)の先端において前記負極導線(5)に接続され、前記導線(6)は、更に制御測定部に接続され、前記接地導線(7)が前記ハンドル(2)に接続されていることを特徴とするセラミック電気はんだごて。
【請求項2】
前記導線(6)は、第1クラウンばね(8)により前記セラミック発熱体(3)の先端において前記負極導線(5)に接続されている、請求項1に記載のセラミック電気はんだごて。
【請求項3】
第2クラウンばね(9)が前記セラミック発熱体(3)の中部に接続され、前記負極導線(5)を前記第2クラウンばね(9)により引き出している、請求項1又は2に記載のセラミック電気はんだごて。
【請求項4】
第3クラウンばね(10)が前記セラミック発熱体(3)の後端に接続され、前記正極導線(4)を前記第3クラウンばね(10)により引き出している、請求項3に記載のセラミック電気はんだごて。
【請求項5】
前記導線(6)は、前記ハンドル(2)の後端部において前記接地導線(7)に接続されている、請求項4に記載のセラミック電気はんだごて。
【請求項6】
前記正極導線(4)と前記負極導線(5)には熱電対材料を採用している、請求項5に記載のセラミック電気はんだごて。
【請求項7】
前記セラミック発熱体(3)は窒化ケイ素全セラミック発熱体である、請求項6に記載のセラミック電気はんだごて。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発熱装置の技術分野に関し、より具体的には、セラミック電気はんだごてに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、電気はんだごては、家電や電子装置製造業界において部品と導線とを接合するために欠かせないツールとなっている。使用時には、異なる静電気電位を有する物体同士が接近又は直接接触することで電荷移動が起こるために、静電気放電(Electrostatic Discharge; ESD)が生じる。ESDは、電気はんだごての内部装置にダメージを与え、電気はんだごての使用寿命を短くしてしまう。中国は電子製品の製造基地であり、中国各地に多数の電子機器メーカーが存在するが、これらメーカーによるESDの抑制作業の多くは、接地電圧を2mV未満、接地抵抗を2Ω未満と規定する米国の標準によるESD20.20規格に準拠していない。
【0003】
従来技術では、接地導線にハウジングを直接接続したり、セラミック発熱体を採用したりすることで静電気防止を行っており、例えば、出願番号CN 200520065808.4の特許などは、交直流両用の節電静電防止恒温型窒化ケイ素電気はんだごてを開示し、該電気はんだごては、発熱コアと、溶接チップと、ステンレススリーブと、断熱セラミック管と、斜面断熱セラミック管と、ハンドルとを備えて構成され、発熱コアには異なる定格電力の窒化ケイ素発熱体を採用し、発熱コアを円柱型として、その前部を溶接チップに挿入し、その後部に2本の引出電極を設けて発熱体に対する静電気対策を行っているが、接地電圧を2mV未満とし、接地電気抵抗を2Ω未満とすることを確実なものとはしていない。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、セラミック電気はんだごてを提供し、ESDの接地電圧が2mV未満であり接地電気抵抗が2Ω未満であることが満足されているか否かを検知することである。
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は以下の技術を採用している。
【0006】
セラミック電気はんだごては、はんだごて先と、ハンドルと、セラミック発熱体と、正極導線と、負極導線と、を備え、更に、導線と接地導線とを備え、前記負極導線は前記はんだごて先に接続され、前記正極導線はセラミック発熱体に接続され、前記導線は前記セラミック発熱体の先端において前記負極導線に接続され、前記導線は(接地電圧と接地抵抗を測定可能に構成された)制御測定部に接続され、前記接地導線はハンドルに接続されている、ように構成されている。
【0007】
前記導線の引き出しと安定的な電流伝送を容易にするために、前記導線は、第1クラウンばねにより前記セラミック発熱体の先端において前記負極導線に接続されており、接続点がはんだごて先に近いほど、接地電圧と接地抵抗が小さくなる。
【0008】
前記負極導線の引き出しと安定的な電流伝送を容易にするために、第2クラウンばねがセラミック発熱体の中部に接続され、前記負極導線を前記第2クラウンばねにより引き出して、前記負極導線を電力供給と温度測定出力の両方に利用する。
【0009】
前記正極導線の引き出しと安定的な電流伝送を容易にするために、第3クラウンばねが前記セラミック発熱体の後端に接続され、前記正極導線を第3クラウンばねにより引き出して、前記正極導線を電力供給と温度測定の両方に利用する。
【0010】
手にはんだごてを保持している作業者の作業の邪魔をせずに静電気の除去を行うために、ハンドルの後端部を前記接地導線に接続して接地している。
【0011】
リアルタイムの温度測定を容易にするために、前記正極導線と前記負極導線には熱電対材料を採用し、前記正極導線と前記負極導線をハンドルから引き出して、制御部に接続している。
【0012】
温度制御応答速度と、セラミック発熱体の使用寿命のために、セラミック発熱体は、窒化ケイ素全セラミック発熱体である。
【0013】
有益な効果:本発明が提供するセラミック電気はんだごては、三極ハンドル構造を採用し、導電加熱、温度制御、静電気除去、及びESD要件の満足という複合的な作用効果を奏する。前記導線は、はんだごて先に接続され、接地電圧を2mV未満とし、接地抵抗を2Ω未満とするESD規格の要件を満たしているか否かを、前記制御測定部が検知し、前記導線をハンドルの後端部において引き出して接地して、静電気除去とハンドルの状態の検知とに用いることで、自動スリープなどのアクションを実現して、効率的に部品へのダメージ防止を行う。前記先部が前記ごて先に熱を伝導することで、昇温温度を速く、温度制御の精度を高くし、また、炭化ケイ素セラミック発熱体を採用することで、そのサイズによりより細かい加工を可能として、従来の電気はんだごてでは不可能であった、高精度な電子部品のはんだ付けを実現し、また、コストが低く、温度制御が精密であり、戻り温度が速く、使用寿命が長くなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施形態によるセラミック電気はんだごての概略構成図である。 参照番号:1:はんだごて先 2:ハンドル 3:セラミック発熱体 4:正極導線 5:負極導線 6:導線 7:接地導線 8:第1クラウンばね 9:第2クラウンばね 10:第3クラウンばね
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明を添付の図面と具体的な実施形態を参照して更に説明する。しかしながら、以下の実施形態の説明は、本発明の原理と主な概念の理解を助けるためだけになされるもので、本発明の権利の範囲を制限することを意図したものではない。当業者にとり、本発明の原理から逸脱せずになされた改良は、本発明の権利の範囲内である。
【0016】
実施形態
図1に示すように、セラミック電気はんだごては、はんだごて先1と、ハンドル2と、セラミック発熱体3と、正極導線4と、負極導線5と、導線6と、接地導線7と、を備え、セラミック電気はんだごて3の先端は、はんだごて先1に接続され、ハンドル2は、セラミック発熱体3とはんだごて先1とを覆い、はんだごて先1は、ハンドル2の先端から引き出され、負極導線5がはんだごて先1に接続され、負極導線5がセラミック発熱体3の中部から引き出され、負極導線5と正極導線4とがセラミック発熱体3の中で回路を形成して、セラミック発熱体3に対する加熱を行い、セラミック発熱体3の先端において負極導線5から導線6を引き出し、導線6を接地電圧と接地抵抗を測定する制御測定部に接続し、接続点がはんだごて先1に近いほど誘起電圧が低くなり、接地電圧と接地抵抗は小さいものとなる。測定された数値は、接地電圧を2mV未満とし、接地抵抗を2Ω未満とするESD規格を満足する。導線6は、セラミック発熱体3の先端にて負極導線5と接続されており、接地導線7は、ハンドル2に接続されている。
【0017】
導線6は、第1クラウンばね8によりセラミック発熱体3の先端において負極導線5と接続されて、比較的大きい電流を伝送できるようにし、接続安定を良好なものとして、電流伝送を安定なものとする。
【0018】
第2クラウンばね9がセラミック発熱体3の中部に接続され、負極導線5が第2クラウンばね9により引き出されて、負極導線5を電力供給と温度測定出力の両方に利用する。
【0019】
第3クラウンばね10がセラミック発熱体3の後端に接続されて、正極導線4が引き出され、正極導線4を電力供給と温度測定の両方に利用する。
【0020】
ハンドル2の後端部を接地導線7に接続して接地し、静電気を除去する。
【0021】
正極導線4と負極導線5には、熱電対材料を採用している。熱電対材料とは、異なる材料間で発生する温度差反応起電力を利用して、材料の熱起電力が温度差により変化する特性を利用して温度測定を行うものである。
【0022】
セラミック発熱体3は、窒化ケイ素全セラミック発熱体であり、従来の発熱体よりもサイズが小さく、それにより温度制御応答速度とセラミック発熱体3の使用寿命を向上する。
図1
【国際調査報告】