(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】モジュール式の調整可能な電動ファン付き呼吸用保護具システム
(51)【国際特許分類】
A62B 18/08 20060101AFI20240517BHJP
【FI】
A62B18/08 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574188
(86)(22)【出願日】2022-06-03
(85)【翻訳文提出日】2024-01-26
(86)【国際出願番号】 US2022032151
(87)【国際公開番号】W WO2022256645
(87)【国際公開日】2022-12-08
(32)【優先日】2021-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522065462
【氏名又は名称】ディ・ウィートリー・エンタープライジーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】D. Wheatley Enterprises, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【氏名又は名称】中野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】ティリー,グレッグ エイ
(72)【発明者】
【氏名】カーリー,ブライアン
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185BA11
2E185CB09
(57)【要約】
オペレータの重量およびスペース要件を満たすようにカスタマイズされた構成を可能にするモジュール式の調整可能な薄型PAPRシステムが開示されている。このシステムは、ブロワと、ブロワの入口に取り外し可能に取り付け可能なフィルタレールシャーシと、ブロワの出口に取り外し可能に取り付け可能なホースシステムとを含む。ブロワユニットは、使用者または着用者がその時の機器構成に最も望ましいと思われるホースの経路を設定できるようにするために、使用者または着用者がブロワユニットの出口の位置、つまりホースシステムの接続点を変更できるように調整可能で、同時に、フィルタカートリッジを保持するフィルタレールシャーシからPAPRを通って出口ポートまで延び、最終的には使用者のマスクに輸送するホースシステムに至る気流導管が気密に維持される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロワユニットハウジング上部およびブロワユニットハウジング下部、前記ブロワユニットハウジング下部の空気入口、および前記ブロワユニットハウジング上部に設けられて清浄化された空気を使用者に送るためのホースシステムに着脱可能に接続するように構成された空気出口、を有するモジュール式のブロワユニットと、
第1の閉鎖端と第2の開放端とを有し、フィルタレールシャーシの前記第2の開放端において前記ブロワユニットの前記空気入口に取り外し可能に取り付けられる前記フィルタレールシャーシであって、前記フィルタレールシャーシは、フィルタキャニスタを取り外し可能かつ密封可能に受け入れるように構成された少なくとも1つのシャーシ入口を有する、フィルタレールシャーシと、を有し、
前記ブロワユニットハウジング上部は、前記フィルタレールシャーシを通る第1の空気流と前記空気出口から出る第2の空気流との間の角度を変更するように、前記ブロワユニットハウジング下部に対して手動で回動可能である
電動ファン付き呼吸用保護具(PAPR)アセンブリ。
【請求項2】
前記ブロワユニットハウジング上部は、前記ブロワユニットハウジング上部の底面から下方に延びるバッフルをさらに有する
請求項1に記載の電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリ。
【請求項3】
前記ブロワユニットハウジング下部は、前記バッフルと密封可能に係合するブロワファン入口ハブをさらに有する
請求項2に記載の電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリ。
【請求項4】
前記バッフルは、前記ブロワファン入口ハブに対して回動可能である
請求項3に記載の電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリ。
【請求項5】
前記ブロワファン入口ハブの上面に固定的に取り付けられたリテーナリングをさらに含む
請求項3に記載の電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリ。
【請求項6】
前記バッフルは、前記バッフルの内側に設けられたリテーナリング受けリムをさらに有し、
前記リテーナリングが前記バッフルに係合して、前記バッフルを前記ブロワファン入口ハブに回動可能に取り付ける
請求項5に記載の電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリ。
【請求項7】
前記バッフルは、前記バッフルの内周に沿って設けられた内部シール部材リムをさらに有し、
前記内部シール部材リムは、その上に内部シール部材を有し、
前記内部シール部材は、前記ブロワファン入口ハブの外周壁に係合する
請求項3に記載の電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリ。
【請求項8】
前記バッフルは、前記ブロワファン入口ハブに対して回動可能である
請求項7に記載の電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリ。
【請求項9】
前記ブロワユニットハウジング上部は、前記バッフルと前記ブロワユニットハウジング上部の底部外周との間に配置された外部シール部材溝をさらに有し、前記外部シール部材溝は、その中に外部シール部材を有し、前記外部シール部材は、前記ブロワユニットハウジング下部の円筒状の壁に密封係合する
請求項7に記載の電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリ。
【請求項10】
前記ブロワユニットハウジング下部は、前記ブロワユニットハウジング下部の外周壁に設けられたスライダアクチュエータと、前記スライダアクチュエータから上方に延びる解除ピンとをさらに有し、前記ブロワユニットハウジング上部の底部側には、それぞれ前記解除ピンを受けるように構成された複数のピン受けが設けられている
請求項1に記載の電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリ。
【請求項11】
前記ブロワユニットハウジング下部は、前記ブロワユニットハウジング下部に対する前記ブロワユニットハウジング上部の回動を制限するように位置決めされた複数のストッパをさらに有する
請求項1に記載の電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリ。
【請求項12】
清浄化された空気を使用者に送るためのホースシステムをさらに有し、
前記ホースシステムは、前記ブロワユニットの前記空気入口に取り外し可能に取り付けられたホース入口と、使用者の安全マスクに取付けるように構成されたホース出口とを有する
請求項1に記載の電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリ。
【請求項13】
前記ホースシステムは、
前記ホース入口と前記ホース出口との間に延びる2つの円形断面の空気輸送導管、および
前記ホース入口と前記ホース出口との間に延びて、前記2つの円形断面の空気輸送導管を囲む楕円形状のアウタチューブ、をさらに有する
請求項12に記載の電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリ。
【請求項14】
前記ホース入口は、第1の回転可能なカップリングをさらに有し、
前記ホース出口は、第2の回転可能なカップリングをさらに有し、
前記ホースシステムは、
前記第1の回転可能なカップリングに取付けられ、第1のカフ内面を有する第1の可撓性カフであって、前記楕円形状のアウタチューブの第1の端部が前記第1のカフ内面に結合されている、第1の可撓性カフ、および
前記第2の回転可能なカップリングに取付けられ、第2のカフ内面を有する第2の可撓性カフであって、前記楕円形状のアウタチューブの第2の端部が、前記第2のカフ内面に結合されている、第2の可撓性カフ、をさらに有する
請求項13に記載の電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリ。
【請求項15】
前記2つの円形断面の空気輸送導管と前記楕円形状のアウタチューブとの間に、前記2つの円形断面の空気輸送導管を取り囲むCBRN防護バリアチューブをさらに有する
請求項13に記載の電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリ。
【請求項16】
前記2つの円形断面の空気輸送導管のそれぞれの第1の端部を受け、前記第1の回転可能なカップリングに挿入可能で、第1の流体気密シールを形成する第1の取付具と、前記2つの円形断面の空気輸送導管の夫々の第2の端部を受け、前記第2の回転可能なカップリングに挿入可能で、第2の流体気密シールを形成する第2の取付具と、をさらに有する
請求項15に記載の電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリ。
【請求項17】
前記ブロワユニットに取り外し可能に取り付けられた、持ち運び可能なパワーアセンブリをさらに有し、
前記持ち運び可能なパワーアセンブリは、前記ブロワユニットの底面と整列する底面を有し、前記持ち運び可能なパワーアセンブリは、前記ブロワユニットの前面から前記フィルタレールシャーシの一部に隣接する点まで遠位方向に伸び、前記持ち運び可能なパワーアセンブリは、その少なくとも一部が前記少なくとも1つのシャーシ入口の上面よりも低い位置に配置された上面を有する
請求項1に記載の電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリ。
【請求項18】
前記持ち運び可能なパワーアセンブリは、前記ブロワユニットのパワーポートに接続可能であり、前記パワーアセンブリは、前記ブロワユニットの前記パワーポートに接続可能なバッテリパックアダプタと、前記バッテリパックアダプタに固定され、前記持ち運び可能なパワーアセンブリに接続可能なパワーケーブルとをさらに有する、
請求項17に記載の電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、モジュール式の人が携行する呼吸装置に関し、より詳細には、モジュール式で調整可能な小型の電動ファン付き呼吸用保護具(PAPR)システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電動ファン付き呼吸用保護具(「PAPR」)システムは、化学物質、生物学的物質、放射線物質、核汚染物質で汚染されている可能性のある環境など、危険な環境で作業する緊急対応要員やその他の要員によって一般的に使用されている。このようなシステムは、通常、1つまたは複数のフィルタカートリッジと、フィルタキャニスタを通してオペレータが装着するレスピレータまたは保護マスクに空気を送り込むために使用されるブロワアセンブリを含み、したがって、オペレータに清浄で呼吸可能な空気を供給する。このようなシステムは一般的に、安全で呼吸可能な環境をオペレータに提供する上で効果的であるが、重くかさばる装置で構成されているため、装着が困難で疲労する場合がある。さらに、このようなシステムの構成要素が占有する物理的スペースにより、オペレータが狭い、小さい、またはその他の制限されたスペースで構成要素を使用することが困難になる場合がある。さらに、異なるミッション目標を持つオペレータは、その他のさまざまな機器を装備している可能性があるため、単一の典型的なPAPRシステムでは、搭載したい他のすべての機器を組み込むことが困難になる可能性がある。
【0003】
したがって、オペレータが容易に着用および持ち運び可能で、オペレータの身体上のスペース要件を満たすように形状および全体構成を容易にカスタマイズできる、薄型、軽量のPAPRシステムを提供することが有利であろう。
【発明の概要】
【0004】
本明細書では、モジュール式、調整可能、小型のPAPRシステムを開示する。例示的な実施形態の特定の態様によれば、システムは、ブロワ、ブロワの入口に取り外し可能に取り付けられるフィルタレールシャーシ、およびブロワの出口に取り外し可能に取り付けられるホースシステムを含む。フィルタレールシャーシは薄型で、例えば1~3つのフィルタカートリッジを取り付けることができる複数の構成のうちの1つで提供される。電源は、好ましくは、システムの小型のプロファイルを維持するために、ブロワとフィルタシャーシの両方に近接して入れ子状になった構成でブロワに取り外し可能に取り付けられるバッテリパックを含む様々な構成で提供でき、代替的に、ブロワとバッテリパックを相互接続する電源コードでブロワから離れた場所に持ち運ぶこともできる。さらに、電源は、A/C電源またはD/C電源に直接接続して構成することもできる。このような可変電力構成とフィルタ構成は、使用者にPAPRの構成を迅速に変更する機会を提供し、使用者が動作している特定の環境にすぐに適応できるようにする(つまり、ブロワからの空気の流れと、フィルタレールシャーシに搭載されたフィルタの数を制御する)。ホースシステムは、第1のコネクタ(ブロワに取り付けられる)から第2の反対側の端部(オペレータの保護マスクに取付けられる)まで延びる楕円のアウタチューブを有し、楕円の形状により、ホースがオペレータの身体を横切って、またはそれに沿って延びる際に、ほぼ平坦なプロファイルが維持される。このような楕円形のアウタチューブ内では、外部からの汚染を防ぐため、2つの円形の空気輸送導管が密閉されている。このアセンブリにより、楕円形の外形を有するにもかかわらず、チューブシステム内部の円形チューブの結果として著しく高いフープ応力を維持し、曲げや意図的なカーブ(オペレータが装着する他の機器の周囲にチューブシステムを配置するためにオペレータが望む場合がある)に対する抵抗が低い、平坦で小さなプロファイルのチューブシステムをもたらす、低半径の旋回でも不注意によじれたり密閉されたりすることがなく、その結果、遠隔操作で運ばれるブロワとフィルタアセンブリからオペレータの保護マスクに空気を送るための、薄型で倒れないホースシステムが得られる。
【0005】
例示的な実施形態では、PAPRシステムのブロワユニットは、ブロワユニットの出口の位置、ひいてはホースシステムの接続点をユーザーまたは装着者が変更できるように調整可能であり、これにより、ユーザーまたは装着者は、その時点の機器構成にとって最も望ましいようにホースをルーティングすることができ、その一方で、フィルタカートリッジを保持するフィルタレールシャーシからPAPRを通って出口ポートに延び、最終的にユーザーのマスクに送達するためにホースシステムに延びる気密空気流導管を維持することができる。この点に関して、ブロワユニットはブロワユニットハウジング上部とブロワユニットハウジング下部を有するモジュール式センブリを採用しており、ブロワユニットハウジング上部はブロワユニットのハウジングの外側から簡単な手動調整によってブロワユニットハウジング下部に対して回動可能である。ブロワユニットハウジング上部とブロワユニットハウジング下部との間の内部シール部材は、このような回動調節の間中、ブロワユニットとの空気流路の内部で気密が維持されることを保証する。このようなアセンブリでは、着用者の機器構成により、フィルタがブロワユニットに取り付けられていない状態でホースを一直線上に配置することが望ましい場合、出口ポートがフィルタレールと一直線上になるようにブロワユニットを構成できる。同様に、ホースがブロワユニットの側面から外側に、フィルタレールに対して90°(または他の角度)の方向に延びることが望ましくなるように、着用者の機器構成が変更された場合、着用者は、空気流路の内部の気密シールを維持しながら、ブロワユニットハウジング上部を意図された新しい位置まで手動で回動させることができる。
【0006】
本発明の実施形態の特定の態様によれば、
ブロワユニットハウジング上部およびブロワユニットハウジング下部、ブロワユニットハウジング下部の空気入口、および前記ブロワユニットハウジング上部に設けられて清浄化された空気を使用者に送るためのホースシステムに着脱可能に接続するように構成された空気出口、を有するモジュール式のブロワユニットと、
第1の閉鎖端と第2の開放端とを有し、前記フィルタレールシャーシの前記第2の開放端において前記ブロワユニットの前記空気入口に取り外し可能に取り付けられるフィルタレールシャーシであって、前記フィルタレールシャーシは、フィルタキャニスタを取り外し可能且つ密封可能に受け入れるように構成された少なくとも1つのシャーシ入口を有する、フィルタレールシャーシと、を有し、
前記ブロワユニットハウジング上部は、前記フィルタレールシャーシを通る第1の空気流と前記空気出口から出る第2の空気流との間の角度を変更するように、前記ブロワユニットハウジング下部に対して手動で回動可能である
電動ファン付き呼吸用保護具(PAPR)アセンブリを提供する。
【0007】
本発明のさらに他の態様、特徴および利点は、本発明を実施するために企図された最良の態様を含む多数の特定の実施形態および実施態様を単に例示することにより、以下の詳細な説明から容易に明らかとなる。本発明は、他の異なる実施形態も可能であり、そのいくつかの詳細は、すべて本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な明らかな点で変更できる。したがって、図面および説明は本質的に例示的なものとみなされるべきであり、限定的なものとしてみなされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載される。本発明の特徴および利点は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を説明する以下の詳細な説明を参照することによって、よりよく理解されるであろう。本発明は、限定としてではなく例として、添付の図面に示されており、同じ参照番号は同様の要素を指す。
【0009】
【
図1A】
図1Aは、本発明の実施形態の特定の態様に従った電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリの斜視図である。
【
図1B】
図1Bは、
図1Aの電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリの一部の拡大図であり、ブロワユニットに接続されているホースシステムを示している。
【
図2A】
図2Aは、
図1Aの電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリで使用されるブロワユニットの正面斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1Aの電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリで使用されるフィルタレールシャーシの正面斜視図である。
【
図4A】
図4Aは、フィルタキャニスタが取り付けられた
図1Aの電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリの上面図であり、明確にするためにブロワのカバーを取り外した状態である。
【
図4B】
図4Bは、
図1Aの電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリからフィルタキャニスタを除いた上面図であり、明瞭化のためにブロワのカバーを取り外した状態である。
【
図5A】
図5Aは、
図1Aの電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリで使用するパワーユニットの正面斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態のさらなる態様によるブロワおよびパワーユニットの正面斜視図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態のさらなる態様に従った電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリの正面斜視図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態の特定の態様によるパワーユニットの遠隔保管用ポーチの図である。
【
図9】
図9は、
図1Aの電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリで使用されるホースシステムの斜視図である。
【
図12(A)】
図12(A)は、本発明の実施形態のさらなる態様による電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリの斜視図であり、ブロワユニットは、固定されたブロワユニットハウジング下部に対して回動可能なブロワユニットハウジング上部を有するモジュール式アセンブリを含む。
【
図12(B)】
図12(B)は、
図12(A)の電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリにおいて、ブロワユニットハウジング上部を
図12(A)の位置から90°回転させた斜視図である。
【
図13】
図13は、
図12(A)および
図12(B)の電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリからブロワユニットハウジング上部の一部を取り除いた斜視図である。
【
図14】
図14は、
図13の電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリのブロワユニットハウジング上部のブロワファンユニットハウジングを取り除いた斜視図である。
【
図15】
図15は、ブロワユニットハウジング上部のシールプレートをブロワユニットハウジング下部の上に載せた状態を示す上面斜視図である。
【
図16】
図16は、リテーナリングを取り外した、ブロワユニットハウジング下部の上にブロワユニットハウジング上部のシールプレートを乗せた状態を示す上面斜視図のトップである。
【
図17】
図17はブロワユニットハウジング下部の上面斜視図である。
【
図18】
図18はブロワユニットハウジング上部の下面斜視図である。
【
図19】
図19はブロワユニットハウジング下部の他の上面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、以下の説明および添付の図面を参照することによって理解され得る。本実施形態の説明は、本発明の実施を可能にするために以下に記載されるものであり、好ましい実施形態を限定することを意図したものではなく、その特定の例として機能することを意図している。当業者は、開示された概念および特定の実施形態を、本発明の同じ目的を実行するための他の方法およびシステムを修正または設計するための基礎として容易に使用できることを理解すべきである。当業者はまた、そのような同等のアセンブリが最も広範な形態における本発明の精神および範囲から逸脱しないことを理解するはずである。
【0011】
明確さと簡潔さを高めるために、よく知られている機能および構造の説明は省略されている。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本開示を限定することを意図したものではない。本明細書で使用される場合、単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」、および「1つ(The)」は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数形も含むものとする。さらに、1つ(a)、1つ(an)などの用語の使用は、量の限定を示すものではなく、参照される項目の少なくとも1つの存在を示すものである。
【0012】
「第1」、「第2」などの用語の使用は特定の順序を意味するものではないが、個々の要素を識別するために含まれている。さらに、第1、第2などの用語の使用は、重要性の順序を示すものではなく、第1、第2などの用語は、ある要素を他の要素と区別するために使用される。本明細書において使用される場合、用語「有する(comprises)」及び/又は「有する(comprising)」、又は「含む(includes)」及び/又は「含む(including)」は、記載された特徴、領域、整数、ステップ、操作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、領域、整数、ステップ、操作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除するものではないことがさらに理解されるであろう。
【0013】
いくつかの特徴を個々の例示的な実施形態に関して説明されるが、1つまたは複数の例示的な実施形態からの特徴を1つまたは複数の例示的な実施形態からの他の特徴と組み合わせることができるように、態様はそれに限定される必要はない。
【0014】
図1A及び1Bを参照し、実施形態の特定の態様に従って、ブロワユニット10と、CBRフィルタキャニスタなどのフィルタキャニスタ36を受け止めるように構成されたフィルタレールシャーシ30と、ブロワに電力を供給するためのパワーアセンブリ50と、ブロワを保護マスクと相互接続するためのホースアセンブリ100とを含む、モジュール式統合電動ファン付き呼吸用保護具(「PAPR」)システムが提供される。
【0015】
図1A~4Bを参照すると、ブロワユニット10は、フィルタレールシャーシ30の出口端32を気密接続で受け入れる入口ポート12を含む。ブロワユニット10は、フィルタレールシャーシ30を通り、フィルタレールシャーシ30の出口端32を通って外側に、ブロワユニット10の入口ポート12内に空気を引き込むファン11(
図4A~4B)を作動させるモータを含む。フィルタレールシャーシ30はまた、1つまたは複数のフィルタキャニスタポート34を含み、そのそれぞれは、当業者には周知の構成を有するCBRフィルタキャニスタなどのフィルタキャニスタ36を取り外し可能に受け入れることができる。ブロワユニット10が稼働しているとき、空気はフィルタキャニスタ36を通ってフィルタキャニスタポート34に引き込まれ、そのプロセス中に空気から汚染物質が除去される。このような浄化された空気は、フィルタキャニスタポート34からフィルタレールシャーシ30の本体を通ってブロワユニット10に向かい、ブロワユニット10の入口ポート12に入り、出口ポート14からホースアセンブリ100に流れ、最終的にオペレータの保護マスクに配送される。
【0016】
フィルタレールシャーシ30は、フィルタレールシャーシ30の幅がフィルタキャニスタ36の直径からはみ出さないスリムな本体構成である。フィルタレールシャーシ30の出口端32は、ブロワユニット10の入口ポート12の幅と相補的な幅を有するが、フィルタレールシャーシ30のより遠位部分は、運搬負荷および操作者への衝撃をさらに最小化するために、さらにスリムなプロファイルを有し得る。さらに、フィルタレールシャーシ30は、3つ以上のフィルタキャニスタポート34、2つのフィルタキャニスタポート34、あるいは1つのフィルタキャニスタポート34を備えることができ、したがって、オペレータは、フィルタレールシャーシ30のプロファイルを最小化し、システムを現在の運用ニーズに適合させる能力を最大限に発揮させながら、運用環境に最も適した構成を選択できる。フィルタレールシャーシ30はブロワユニット10から着脱可能であるため、オペレータが特定のミッションに適切な大きさのフィルタレールシャーシ30(すなわち、フィルタが1つ、フィルタが2つ、フィルタが3つなど)を選択できるモジュール式システムを提供できる。好ましくは、フィルタレールシャーシ30の出口端32は、ブロワユニット10の入口12にフィルタレールシャーシ30を保持するためのクリップ32aを取り外し可能に受けることができ、このクリップ32aは、(例えば、フィルタレールシャーシ30を2フィルタ構成から3フィルタ構成または1フィルタ構成に変更するために)所望のときに手動で取り外すことができる。
【0017】
コンパクトな形状をさらに維持するために、ブロワユニット10は、フィルタレールシャーシ30に取り付けられたときにフィルタキャニスタ36に面する凹状壁16を有し得る。好ましくは、凹状壁16は、フィルタキャニスタ36の外壁の曲率に概ね一致する曲率を有し、壁16が平面状の構成で提供される場合よりも、ブロワユニット10に最も近いフィルタキャニスタ36がブロワユニット10により近い位置に配置され得るようになっている。ブロワユニット10はまた、出口ポート14を保持する前壁18と、オペレータがブロワモータの速度を調節することを可能にするオペレータスイッチ19と、好ましくは、より詳細に後述するように、ホースアセンブリ100上のSRS120の接続を可能にするスマート遠隔スイッチ(「SRS」)接続部20とを有する。
【0018】
実施形態の特定の態様によれば、特に
図1Aおよび1Bを参照すると、SRSは、ブロワユニット10のSRS接続部20に接続される独自のハウジングに収容されるスタンドアロン構成、またはSRS120がホースアセンブリ100に取り付けられるホース一体型構成のいずれかで提供され得る。SRS120は、2つのスイッチ、すなわち、オンボードとリモートで機能できる。好ましくは、リモートスイッチが使用されているとき、オンボードスイッチは無効にされる。遠隔のホース一体型の構成では、SRS120は、ホースアセンブリ100の端部にあって、オペレータのマスクに取り付けられる2ポジションスイッチを有し得る、したがって、オペレータが簡単かつ迅速にアクセスできる。遠隔SRS120は、好ましくは、硬い触覚(スナップ)が維持される位置を含む「オフ」位置と、触覚の瞬間的な位置を含む「オン/セット」位置とを有し得る。「オフ」に設定するとPAPRがオフになる。オペレータが最初に「オフ」位置から「オン/セット」を押すと、PAPRがプログラムされた設定<設定 1>または<最後>(以下のプログラム選択の説明を参照すること)でオンになる。同様に、さらに「オン/セット」を押すたびに、PAPRが次のプログラム設定<設定 X>に設定される。
【0019】
したがって、非限定的な例として、「オフ」位置から始めて、「オン/セット」を3回押すと、PAPRは<設定3>にプログラムされた速度で作動する。
【0020】
オプションとして、(非限定的な例として)低流量または電流の流れ、低バッテリまたは一般的なバッテリの状態など、システムの状態を示す視覚信号を提供するインジケータなどの追加機能をSRSアセンブリに組み込むことができる。
【0021】
同様に、手動オンボードブロワ/フィルタレールスイッチ19は、非限定的な例として、「オフ」、「設定-1」、「設定-2」、及び「設定-3」のような4つの位置設定(このような各設定は、ブロワユニット10に対して異なる動作速度又は他の動作条件を示し、各々は、遠隔SRS120に対してプログラムされた条件と同じである)を提供し得る回転式セレクタを有し得る。
【0022】
特定の実施形態の特定の態様に従って、このシステムは、オペレータがブロワユニット10によって達成され得る速度設定の数、およびそれぞれの機能/流れを定義することを可能にする。このようなプログラミングは、PCまたは他のコンピューティングデバイスをSRS接続部20に接続する方法など、SRS接続部20を通じて実施できる。特定の構成では、PCまたは他のコンピューティングデバイスは、各<設定>を、好ましくは以下の例示的な設定のいずれかにプログラムすることを可能にするソフトウェアを含み得る。(i)フィルタキャニスタ36の所定数に対してブロワ動作ウィンドウによって規定される範囲を有する一定流量、および(ii)フィルタキャニスタ36の数によって規定され、BRR曲線上の流量レベルを増加させるために使用されるデフォルトパラメータからのオフセットとして利用可能なBRR(Breath Rate Response)。
【0023】
PCまたは他のコンピューティングデバイスは、「第1のオン/オフ」の設定を可能にするソフトウェアをさらに含んでもよく、これは、<設定1>から開始するか、または「オフ」の前に使用された最後の設定から開始するように設定され得る。さらに、PCまたは他のコンピューティングデバイスは、最後の設定後のサイクルを許可するソフトウェアを含んでもよい。例えば、オン/セットが4回押された後に4つの設定がプログラムされている場合、次のように、5回目にオン/セットが押されたときに、オン/セットの押された数に関係なく、以下のように何もしないように設定できる。
あるいは、5回目に押すと3回目の設定に戻るというように、以下のように循環する。
【0024】
上述したように、また特に
図5A~7を参照すると、モジュール式統合PAPRシステムは、ブロワユニット10に電力を供給するためのパワーアセンブリ50を含む。特定の実施形態に関して、パワーアセンブリ50は、ブロワユニット10のハウジングに取り外し可能に取り付けられるなど、取り付けられ得るバッテリパックを有することができる。この点に関して、バッテリパック50は、ブロワユニット10のハウジングのプロファイルおよびフィルタレールシャーシ30の外縁の少なくとも一部と一致する内壁52を有してもよい。より具体的には、内壁52の第1の部分は、ブロワユニット10のハウジングの側壁部分と一致するように平面であってもよく、バッテリパックの少なくとも一部がブロワユニットのハウジング10の下に位置する。
【0025】
バッテリパック50は、好ましくは、ブロワユニット10の電源ポート22と噛み合うピンアセンブリ54を有し、これにより、ピンアセンブリ54は、ブロワユニット10の内部の電源回路と係合して、ブロワモータに電力を供給できる。オプションとして、バッテリパックアダプタ60を設け、バッテリパック50とブロワユニット10のバッテリポート22との間に直列に配置することもできる。このようなバッテリパックアダプタ60の使用により、ブロワユニット10に取り付けられているバッテリパック50を操作することなく、バッテリパック50を使い切ったときに、別のバッテリパック50と素早く交換できる。ケーブル62は、バッテリパック50のピン54を取り外し可能に受けることができ、バッテリパック50を別のバッテリパック50に素早く接続したり、切り離したりできる。このようなケーブル62は、同様に、オペレータがブロワユニット10およびシャーシ30から離れた場所でバッテリパック50を自分の体に担ぐことを可能にし、したがって、オペレータにブロワユニット10およびシャーシ30のプロファイルを最小限に抑える機会をさらに提供する。バッテリパックアダプタ60もまた、バッテリパック50のピン54と概ね同じ構成のピン64を有し、このピン64は同様にブロワユニット10の電源ポート22に係合する。
【0026】
さらに、バッテリパック50は、バッテリパック50を充電する目的とブロワユニット10に直接電力を供給する目的の両方のために、バッテリパック50をAC電源またはDC電源などの電源に接続することを可能にする取り外し可能なケーブル70(
図7)を任意に含むことができる。あるいは、バッテリパック50は、そのような電源ケーブル70と配線接続されてもよい。バッテリパック50は、外部電源に接続されているときはブロワユニット10に外部電力を供給し、外部電源から切り離されたときは自動的にバッテリ電力に切り替わるように構成されてもよい。
【0027】
さらに、ブロワユニット10から取り外し可能である一方で、バッテリパック50は、バッテリパック50をブロワユニット10のハウジングに保持してこれらの要素間の確実な接続を確保するネジ、ボルトなどの取り外し可能な締結具を有していてもよい。特に好ましい構成では、バッテリパック50の上部は、ブロワユニット10のハウジングの下側のプッシュラッチ17に係合するガイドレール53を含むことができ、これにより、バッテリパック50は、ブロワユニット10のハウジングの下側の所定の位置にスライドしてカチッとはまり、所定の位置に保持されたままとなり、一方、使用者は、プッシュラッチ17を下方に押して、バッテリパック50をガイドレール53に沿って外側にスライドさせ、最終的にブロワユニット10から取り外すことができる。
【0028】
上記の各場合において、バッテリパック50はブロワユニット10から取り外し可能であり得るので、ブロワユニット10及びシャーシ30から離れたオペレータによって、例えばポーチ80(
図8)に入れて持ち運ばれ得る。
【0029】
上述したように、特に
図9~11を参照すると、ホースシステム100は、ブロワユニット10からオペレータの保護マスクの接続ポートまでの呼吸可能な空気の導管を提供する。ホースシステム100は、ブロワユニット10上の出口ポート14に接続するように構成された第1の端部101と、オペレータの保護マスクの外部にある入口ポートに接続するように構成された第2の端部102を有する。より詳細には、第1の端部101は、ブロワユニット10上で出口ポート14と直線接続を形成する回転可能なカップリング103を含む。同様に、第2の端部102は、モジュール式一体型PAPRシステムのプロファイルをさらに最小化するために、ホースシステム100からオペレータの保護マスクへの90°接続を提供する出口105を保持する回転可能なカップリング104を含む。例示的な実施形態ではゴムで形成され得る第1の可撓性カフ106と、同様に構成された第2の可撓性カフ107とが、それぞれ、回転可能なカップリング103および回転可能なカップリング104のテーパ部分上にきつくフィットし、それぞれがアウタチューブ110内に入る。好ましくは、アウタチューブ110はゴム製のカフ106およびゴム製のカフ107のそれぞれに結合され、気密接続を確実にする。
【0030】
アウタチューブ110は、オペレータが特定の機器構成に最も望ましい構成でチューブを配置および配線できるように十分な柔軟性を備えており、引き裂きを防ぐのに十分な重量の材料で形成されている。アウタチューブ110も楕円形であり、これにより、ホースシステム100は、転がったり、オペレータが着用する他の機器の使用を妨げたりすることなく、意図された位置及び場所でオペレータの身体に対して平らに置かれ得るように、小さく平らなプロファイルを維持する。特定の例示的な構成では、アウタチューブ110は、非限定的な例として、CORDURA(登録商標)またはNOMEX(登録商標)などの耐久性の高いナイロンで形成され得る。アウタチューブ110は、代替的に、KEVLAR(登録商標)または同様に構成された材料など、誤用から保護する(abuse-protective)他の可撓性材料で形成されてもよい。アウタチューブ110の外面は、ゴム製のカフ106およびゴム製のカフ107のそれぞれの内面に結合されることが好ましい。
【0031】
好ましくは、2つの円形断面の空気輸送導管120は、アウタチューブ110の内側に配置され、濾過された空気をブロワユニット10からオペレータの保護マスクの空気入口に運ぶ。円形の空気輸送導管120は、アウタチューブ110がオペレータによって運ばれる他の機器によって不注意に圧縮された場合など、各独立した導管120の潰れに対する抵抗を提供するために、各導管120の外周の周りに延在する補強コイル122を含んでもよい。さらに、このような円形の空気輸送管路120を2つ設けることにより、ホースシステム100全体が単に中空の楕円形である場合よりも著しく高いフープ応力がホースシステム100全体に与えられる。したがって、円形の内部空気輸送導管120を備えた楕円形のアウタチューブ110のこのようなアセンブリにより、オペレータの体に対して静止し得る平らで薄型の外側のホースシステム110を可能にし、ホースシステム100の全体的な薄型化を再び助ける一方で、空気導管の不注意によるねじれや閉鎖に対する保護を依然として確保し得る。さらに、2つの内部円形空気輸送導管を提供することにより、単一の大きな円形導管が提供される場合よりも曲げに対する抵抗が小さくなるため、オペレータは、所定の機器の積載量に最も適切かつ快適な方法でホースシステム100を身体全体に通すことができる。例示的な構成では、各空気輸送導管120は、好ましくは約14~24mm、より好ましくは約19mmの外径と、約36インチの長さを有する。
【0032】
各空気輸送導管120の各端は、取付具130内に受け入れられる。各取付具130は、2つの空気輸送導管120と、第1の端部101および第2の端部102のうちの1つとの間に空気を輸送するように構成されている。各取付具130の外壁は、回転可能なカップリング103(ホースシステム100の第1の端部101)と回転可能なカップリング104の90°接続部のそれぞれの内端部の内側にぴったり収まる大きさである。各取付具の外壁には、流体および気密シールを提供するために、ガスケット、Oリングなどの1つまたは複数のシール部材がさらに設けられてもよい。特に好ましい構成では、CBRN防護バリアスリーブ140が両方の空気輸送導管120を取り囲み、導管120によって搬送される空気をホースシステム100の外部の有害な要素からの汚染からさらに保護する。このような構成では、CBRN防護バリア140は、各取付具120の各内部端で各取付具120に密封される。CBRN防護バリア140は、ある例示的な実施形態では、ゴアテックス(登録商標)で形成できるが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、他の様々な柔軟なCBRN防護可能な材料を同様に使用できる。
【0033】
次に、特に
図12(A)および
図12(B)を参照すると、本発明の実施形態のさらなる態様による電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリ200が示されている。上述したように、電動ファン付き呼吸用保護具200は、1つ以上のフィルタキャニスタ36を備えることができるフィルタレールシャーシ30に取り付けることができ、同様に、再び上述したように構成されたバッテリパック50を受け入れることができる。しかし、
図12(A)および
図12(B)に示す電動ファン付き呼吸用保護具200は、ブロワユニットハウジング上部210とブロワユニットハウジング下部250を含むモジュール式アセンブリを有する。ブロワユニットハウジング上部210は、フィルタレールシャーシ30から電動ファン付き呼吸用保護具200を通って出口ポート14まで(ひいては最終的にホース100まで)延びる気密空気流導管を維持しながら、着用者がその時の機器構成に最も望ましいようにホース100を通すことができるように、ブロワユニットハウジング上部210、特に出口ポート14の位置を変えることができるように、ブロワユニットハウジング下部250に回動可能に取り付けられている。
【0034】
ブロワユニットハウジング上部210は、ブロワユニットカバー212、ブロワファンユニットハウジング214、およびブロワユニットシールプレート216を含む。ブロワユニットカバー212は、ねじ、ボルト、または同様に構成されたコネクタなどの1つまたは複数のコネクタを介してブロワファンユニットハウジング214に取り付けられ、ブロワユニットハウジング上部210内の密閉区画を維持するために、Oリングまたは同様に構成されたシール部材などの1つまたは複数のシール部材(図示せず)を含むことができる。同様に、ブロワファンユニットハウジング214は、ねじ、ボルト、または同様に構成されたコネクタなどの1つまたは複数のコネクタを介してブロワユニットシールプレート216に取り付けられ、同様に、ブロワユニットハウジング上部210内の密閉区画を維持するために、Oリングまたは同様に構成されたシール部材などの1つまたは複数のシール部材(図示せず)を含むことができる。
【0035】
同様に、ブロワユニットハウジング下部250は、ブロワユニット入口ハウジング252と底部カバー254を含む。ブロワユニット入口ハウジング252は、入口253(
図19)でフィルタレールシャーシ30に取り付けられ、濾過された空気をブロワユニットハウジング上部210に、そして最終的に出口ポート14に送る。ブロワユニット入口ハウジング252は、ねじ、ボルトまたは同様に構成されたコネクタなどの1つまたは複数のコネクタを介して底部カバー254に固定され、ブロワユニットハウジング下部250内の密閉区画を維持するために、Oリングまたは同様に構成されたシール部材などの1つまたは複数のシール部材(図示せず)を含むことができる。
【0036】
次に、
図13(以下の説明を分かりやすくするためにブロワユニットカバー212が取り外されている)に示すように、ブロワファンユニットハウジング214は、ブロワファンコンパートメント220内に配置されたブロワファンユニット218を含む。
図13及び
図14(明瞭にするためにブロワファンユニットハウジング214が取り除かれている)を引き続き参照すると、ブロワファンユニット218は、フィルタキャニスタ36から引き出された濾過された空気を、フィルタレールシャーシ30を通り、ブロワユニットハウジング下部250を通って出口ポート14へ、そしてホース100に導くように配置されている。ブロワファンユニット218の位置はブロワユニットハウジング上部210内で固定されており、ブロワユニットハウジング上部210がブロワユニットハウジング下部250に対して回動しても、ブロワファンユニット218の出口は常に出口ポート14と整列したままである。
【0037】
次に、特に
図15~
図19を参照すると、ブロワユニットハウジング上部210は、ねじ、ボルト、または同様に構成されて締結具などのねじ留め具(図示せず)などによって、ブロワファン吸気ハブ258(
図17および19に示す)で、ブロワユニットハウジング下部250に固定されたリテーナリング256を介して、ブロワユニットハウジング下部250に回動可能に取り付けられている。リテーナリング256は、シールプレート216(
図16)の中央バッフル220のリテーナリング受けリム222の上またはすぐ上に載置されているが、リテーナリング受けリム222には固定されていない。リテーナリング256は、このようにブロワユニットハウジング下部250に固定されているが、ブロワユニットハウジング上部210をブロワユニットハウジング下部250から垂直に離れないように保持しているだけであるため、ブロワユニットハウジング上部210は、ブロワユニットハウジング下部250に対するブロワユニットハウジング上部210(したがって出口ポート14)の向きを変えるように、リテーナリング256およびブロワファン吸気ハブ258に対して自由に回動できる。
図18及び
図19に最もよく示されているように、ブロワユニットハウジング上部210がブロワユニットハウジング下部250に結合されるとき、バッフル220は、ブロワファン吸気ハブ258の外面の周りに延びて、ブロワファン吸気ハブ258からブロワファンユニット218へ、及びブロワファンユニット218から出口ポート14へ空気を導く。
【0038】
電動ファン付き呼吸用保護具アセンブリ200を通る密閉された気密な空気流路を維持するために、ブロワユニットハウジング上部210には、Oリングシール(または同様に構成されたシール部材)が設けられており、ブロワユニットハウジング上部210とブロワユニットハウジング下部250が互いに対して回動しても、それらの間の気密で密閉された接続を維持する。より詳細には、
図18を参照すると、ブロワユニットシールプレート216の下面は、このようなシール部材を受け入れるように構成された外周溝224を有し、この外周シール部材は、同様に、ブロワユニットハウジング下部250の円筒形シール壁260の上縁に係合し、この上縁によって圧縮される。同様に、バッフル220の内周壁は、より小さい直径のシール部材を受容するように構成された内周シール部材リム226を含み、この内周シール部材は、バッフル220の内周壁とブロワファン吸気ハブ258の外周壁との間のシールを提供する。
【0039】
ブロワユニットハウジング下部250に対するブロワユニットハウジング上部210の回動を実現するために、好ましくはバネで付勢されたスライダアクチュエータ310がブロワユニットハウジング下部250に移動可能に取り付けられ、スライダアクチュエータ310の上面から上方に延びる解除ピン312を含む。解除ピン312は、ブロワユニットハウジング上部210のシールプレート216の底面にある複数のピン受け230のうちの1つに係合するように配置され、したがって、ブロワユニットハウジング上部210の回転位置をブロワユニットハウジング下部250に対して複数の位置のうちの1つにロックできる。例えば、着用者の機器構成により、ホース100をフィルタレール30と概ね一直線上に配置することが望ましい場合、ホース接続部が外側に延び、フィルタレール30と一直線上に延びるように、
図12(A)に示すようにブロワユニットハウジング上部210を構成できる。同様に、ホース100がブロワの側面から外側に、フィルタレール30に対して90°の方向に延びることが望ましくなるように、着用者の機器構成が変更される場合、使用者は、単にスライダアクチュエータ310を押し下げてピン312をその現在のピン受け230から離し、ブロワユニットハウジング上部210をその新しい位置(
図12(B)に示されるような位置)まで手動で回転させ、スライダアクチュエータ310を離して解除ピン312を別のピン受け230で再び係合させ、このようにしてブロワユニットハウジング上部210を新しい位置にロックできる。任意に、ストップピン232(
図18)も同様に、ブロワユニットハウジング上部210のシールプレート216の底面から下方に延びることができ、このストップピン232は、ブロワユニットハウジング上部210の回転移動範囲を意図された最大範囲に制限するために、ブロワユニットハウジング下部250上のストッププレート262(
図19)に接触するように配置される。
【0040】
さて、本発明の基礎となる概念の好ましい実施形態および特定の変更例を完全に示したが、他の様々な実施形態、ならびに本明細書に示され説明された実施形態の特定の変形例および変更例は、前記基礎となる概念に習熟すれば、当業者には明らかに想到されるであろう。したがって、本発明は、本明細書に具体的に記載されている以外の方法で実施できることを理解されたい。
【国際調査報告】