(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】グリッドフレームワーク構造
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20240517BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574196
(86)(22)【出願日】2022-05-30
(85)【翻訳文提出日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 EP2022064657
(87)【国際公開番号】W WO2022253778
(87)【国際公開日】2022-12-08
(32)【優先日】2021-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】リンドボー、ラース・スバーカー・トゥーレ
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022EE05
3F022FF00
3F022JJ11
3F022MM01
3F022MM17
(57)【要約】
1つ又は複数の容器を移動するように操作可能な積荷取扱装置を支持するためのグリッドフレームワーク構造であって、前記グリッドフレームワーク構造は、次のA)トラックシステムと、B)直立カラムとを備え、すなわち、A)第1及び第2のタイプのロボット積荷取扱装置が1つ又は複数の収納容器を移動するためのトラックシステム(214)と、ここで、第1のタイプのロボット積荷取扱装置は、第2のタイプのロボット積荷取扱装置とは異なるサイズの専有面積を有し、トラックシステムは、次のi)とii)とを備え、すなわち、i)第1の方向に延びる平行トラックの第1のセットと第2の方向に延びる平行トラックの第2及び第3のセットとを備える第1の部分(224)と、ここで、第2の方向は、第1の方向に対して実質的に直角であり、平行トラックの第1、第2及び第3のセットは、グリッドセルの第1のセット(228)を画定するためにグリッドパターンに配置され、グリッドセルの第1のセットの各グリッドセルは、第1のタイプのグリッドセル開口(54b)を画定するために第1の方向に延びる寸法と第2の方向に延びる寸法とを有し、ii)グリッドセルの第1のセット(228)とグリッドセルの第2のセット(230)とのうちの1つ又は複数のグリッドセルを備える第2の部分(226)と、ここで、グリッドセルの第2のセットは、平行トラックの第1及び第2のセットによって画定され、グリッドセルの第2のセットの各グリッドセルは、第2のタイプのグリッドセル開口54cを画定するために第1の方向に延びる寸法と第2の方向に延びる寸法とを有し、を備え、B)トラックシステムを支持し、1つ又は複数の収納容器を直立カラムの間に積み重ねるための複数の垂直収納ロケーションを形成するように配置された複数の直立カラムとを備え、第1の方向では、第2のタイプのグリッドセル開口(54c)の寸法は、第1のタイプのグリッドセル開口(54b)の寸法の倍数であり、第2の方向では、第1のタイプのグリッドセル開口の寸法は、第2のタイプのグリッドセル開口の寸法に実質的に等しく、第2の部分中のグリッドセルの第2のセット(230)のうちの1つ又は複数は、第1の方向において第1のタイプのグリッドセル(228)のうちの少なくとも2つのグリッドセルによって隣接され、第2の方向において第1のタイプのグリッドセル(228)のうちの単一のグリッドセルによって隣接される、グリッドフレームワーク構造。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数の容器を移動するように操作可能な積荷取扱装置を支持するためのグリッドフレームワーク構造であって、前記グリッドフレームワーク構造は、次のA)トラックシステムと、B)直立カラムとを備え、すなわち、
A)第1及び第2のタイプのロボット積荷取扱装置が1つ又は複数の収納容器を移動するためのトラックシステムと、ここで、前記第1のタイプのロボット積荷取扱装置は、前記第2のタイプのロボット積荷取扱装置とは異なるサイズの専有面積を有し、前記トラックシステムは、次のi)とii)とを備え、すなわち、
i)第1の方向に延びる平行トラックの第1のセットと第2の方向に延びる平行トラックの第2及び第3のセットとを備える第1の部分と、ここで、前記第2の方向は、前記第1の方向に対して実質的に直角であり、平行トラックの前記第1、第2及び第3のセットは、グリッドセルの第1のセットを画定するためにグリッドパターンに配置され、グリッドセルの前記第1のセットの各グリッドセルは、第1のタイプのグリッドセル開口を画定するために前記第1の方向に延びる寸法と前記第2の方向に延びる寸法とを有し、
ii)前記グリッドセルの第1のセットとグリッドセルの第2のセットとのうちの1つ又は複数のグリッドセルを備える第2の部分と、ここで、前記グリッドセルの第2のセットは、前記平行トラックの第1及び第2のセットによって画定され、前記グリッドセルの第2のセットの各グリッドセルは、第2のタイプのグリッドセル開口を画定するために前記第1の方向に延びる寸法と前記第2の方向に延びる寸法とを有し、とを備え、
B)前記トラックシステムを支持し、1つ又は複数の収納容器を直立カラムの間に積み重ねるための複数の垂直収納ロケーションを形成するように配置された複数の前記直立カラムと、
を備え、
前記第1の方向では、前記第2のタイプのグリッドセル開口の寸法は、前記第1のタイプのグリッドセル開口の寸法の倍数であり、前記第2の方向では、前記第1のタイプのグリッドセル開口の寸法は、前記第2のタイプのグリッドセル開口の寸法に実質的に等しく、
前記第2の部分中のグリッドセルの前記第2のセットのうちの1つ又は複数のグリッドセルは、前記第1の方向において前記第1のタイプのグリッドセルのうちの少なくとも2つのグリッドセルによって隣接され、前記第2の方向において前記第1のタイプのグリッドセルのうちの単一のグリッドセルによって隣接される、
グリッドフレームワーク構造。
【請求項2】
前記トラックシステムは、グリッドセルの前記第2のセットを備える第3の部分を備える、請求項1に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項3】
前記第2の部分は、前記第1のタイプのロボット積荷取扱装置と前記第2のタイプのロボット積荷取扱装置とが1つ又は複数の収納容器を移動するためのインターフェースゾーンを画定するために前記トラックシステムの前記第1及び第3の部分の間にある、請求項2に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項4】
前記第1の方向に延びる前記第2のタイプのグリッドセル開口の寸法は、X対1の比率で前記第1の方向に延びる前記第1のタイプのグリッドセル開口の寸法の倍数であり、ここにおいて、Xは、2から4の範囲にある、請求項1から3のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項5】
前記複数の垂直収納ロケーションは、前記第1のタイプのグリッドセル開口の垂直下に位置する第1のタイプの垂直収納ロケーションと前記第2のタイプのグリッドセル開口の垂直下に位置する第2のタイプの垂直収納ロケーションとを備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項6】
請求項5に記載のグリッドフレームワーク構造を備える収納及び取出しシステムであって、トラックシステムの下に位置する収納容器の複数のスタックを備え、前記収納容器の複数のスタックは、第1のタイプの収納ロケーションに配置された収納容器の第1のタイプのスタックと第2のタイプの収納ロケーションに配置された収納容器の第2のタイプのスタックとを備える、収納及び取出しシステム。
【請求項7】
前記収納容器の第1のタイプのスタックのうちの各収納容器は、第1のタイプの収納容器を備え、前記収納容器の第2のタイプのスタックのうちの各収納容器は、第2のタイプの収納容器を備え、前記第1のタイプの収納容器は、前記第1及び第2のタイプのグリッド開口を通して持ち上げられ得るようなサイズを有し、前記第2のタイプの収納容器は、前記第2のタイプのグリッド開口を通して持ち上げられ得るようなサイズを有する、請求項6に記載の収納及び取出しシステム。
【請求項8】
前記第1のタイプの収納容器のうちの2つ以上の収納容器は、前記第2のタイプの収納容器内で入れ子にされ得る、請求項7に記載の収納及び取出しシステム。
【請求項9】
前記第1のタイプの収納容器のうちの前記2つ以上の収納容器は、前記第2のタイプの収納容器内で隣り合わせに配置される、請求項8に記載の収納及び取出しシステム。
【請求項10】
前記第1のタイプの収納容器の2つ以上の層は、前記第2のタイプの収納容器中で入れ子にされ、前記2つ以上の層の各々は、前記第1のタイプの収納容器のうちの1つ又は複数を備える、請求項8又は9に記載の収納及び取出しシステム。
【請求項11】
前記第1のタイプの収納容器のX個の数は、X対1の比率で前記第2のタイプの収納容器内で入れ子にされ得、ここにおいて、Xは、2から9の範囲にある、請求項8から10のいずれか一項に記載の収納及び取出しシステム。
【請求項12】
前記収納容器の第2のタイプのスタックのうちの1つ又は複数の収納容器は、前記第2のタイプの収納容器内で入れ子にされた前記第1のタイプの収納容器のうちの2つ以上を備える、請求項8から11のいずれか一項に記載の収納及び取出しシステム。
【請求項13】
i)第1のトラック幅を有するホイールの第1のセットと第2のトラック幅を有するホイールの第2のセットとを備える第1の車両ホイールアセンブリを備える第1のタイプのロボット積荷取扱装置と、
ii)第1のトラック幅を有するホイールの第1のセットと第2のトラック幅を有するホイールの第2のセットとを備える第2の車両ホイールアセンブリを備える第2のタイプのロボット積荷取扱装置と、をさらに備え、
前記第1の車両ホイールアセンブリの前記第1のトラック幅は、前記第2の車両ホイールアセンブリの前記第1のトラック幅に実質的に等しく、前記第2の車両ホイールアセンブリの前記第2のトラック幅は、前記第1の車両ホイールアセンブリの前記第2のトラック幅の倍数である、請求項7から12のいずれか一項に記載の収納及び取出しシステム。
【請求項14】
前記第1のタイプのロボット積荷取扱装置は、前記第1のタイプの収納容器と取り外し可能に係合するように構成された第1のタイプのグラバー装置を備え、前記第2のタイプのロボット積荷取扱装置は、前記第2のタイプの収納容器と取り外し可能に係合するように構成された第2のタイプのグラバー装置を備える、請求項13に記載の収納及び取出しシステム。
【請求項15】
前記第1のタイプの収納容器及び/又は前記第2のタイプの収納容器から1つ又は複数のアイテムを拾う又は移すための少なくとも1つの在庫取扱ステーションアセンブリをさらに備える、請求項7から14のいずれか一項に記載の収納及び取出しシステム。
【請求項16】
前記グリッドフレームワーク構造は、
i)前記第1のタイプの収納容器が前記トラックシステムと前記少なくとも1つの在庫取扱ステーションアセンブリとの間で移送され得る前記少なくとも1つの在庫取扱ステーションアセンブリの上に配置された第1のタイプのポートカラムと、
ii)前記第2のタイプの収納容器が前記トラックシステムと前記少なくとも1つの在庫取扱ステーションアセンブリとの間で移送され得る前記少なくとも1つの在庫取扱ステーションアセンブリの上に配置された第2のタイプのポートカラムと、
を備える、請求項15に記載の収納及び取出しシステム。
【請求項17】
前記第1のタイプのポートカラム及び/又は前記第2のタイプのポートカラムは、
i)前記第1のタイプの収納容器及び/又は前記第2のタイプの収納容器が前記少なくとも1つの在庫取扱ステーションアセンブリまで下降されるドロップオフポートカラムと、
ii)前記第1のタイプ及び/又は第2のタイプの収納容器が前記トラックシステムに向かって拾い上げられるピックアップポートカラムと、
を備える、請求項16に記載の収納及び取出しシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの在庫取扱ステーションアセンブリは、前記第1のタイプの収納容器を扱うための第1の在庫取扱ステーションアセンブリと前記第2のタイプの収納容器を扱うための第2の在庫取扱ステーションアセンブリとを備え、前記第1及び第2の在庫取扱ステーションアセンブリの各在庫取扱ステーションアセンブリは、
i)それぞれ前記第1のタイプのポートカラム又は前記第2のタイプのポートカラムから下降された前記第1のタイプの収納容器又は前記第2のタイプの収納容器を受け取るためのポートステーションと、
ii)それぞれ前記第1のタイプのポートカラム又は前記第2のタイプのポートカラムを通して拾い上げられることになる前記第1のタイプの収納容器又は前記第2のタイプの収納容器のためのピックアップエリアと、
iii)前記第1のタイプの収納容器又は前記第2のタイプの収納容器の内容物へのアクセスを獲得するための前記ポートステーションと前記ピックアップエリアとの間のアクセスステーションと、
iv)前記アクセスステーションを介して前記ポートステーションから前記ピックアップエリアに前記第1のタイプの収納容器又は前記第2のタイプの収納容器を搬送するための運搬システムと、
を備える、請求項17に記載の収納及び取出しシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリッドフレームワーク構造中に積み重ねられた収納容器又は箱を扱うためのグリッドフレームワーク構造上に位置するトラック上の遠隔操作積荷取扱装置の分野に関し、より詳細には、遠隔操作積荷取扱装置を支持するためのグリッドフレームワーク構造に関する。
【背景技術】
【0002】
収納容器/箱が互いの上に積み重ねられる3次元の収納グリッド構造を備える収納システムがよく知られている。PCT公開番号第WO2015/185628A号(Ocado)は、箱又は容器のスタックがグリッドフレームワーク構造内に配置される、知られている収納及び履行システムについて記載している。箱又は容器は、グリッドフレームワーク構造の上部上に位置するトラック上で遠隔操作可能な積荷取扱装置によってアクセスされる。このタイプのシステムは、添付の図面の
図1から
図3に概略的に図示されている。
【0003】
図1及び
図2に示されているように、箱又は容器10として知られる積重ね可能な容器は、スタック12を形成するために互いの上に積み重ねられる。スタック12は、倉庫保管又は製造環境においてグリッドフレームワーク構造14に配置される。グリッドフレームワークは、複数の収納カラム又はグリッドカラムから構成される。グリッドフレームワーク構造14は、水平部材18、20を支持する複数の直立部材又は直立カラム16を備える。平行水平グリッド部材18の第1のセットは、平行水平グリッド部材20の第2のセットに対して垂直に配置されて、水平面に延び、直立部材16によって支持された複数のグリッドセルを備えるグリッド構造を形成する。部材16、18、20は、一般に、金属から製造され、一般に、一緒に溶接又はボルト締めされるか、又は両方の組合せである。箱10は、グリッドフレームワーク構造14の部材16、18、20の間に積み重ねられ、したがって、グリッドフレームワーク構造14は、箱10のスタック12の水平移動から保護し、箱10の垂直移動を案内する。グリッドフレームワーク構造中の各グリッドセルは、容器のスタックの収納のために少なくとも1つのグリッドカラムを有する。
図1は、グリッドフレームワーク構造14の概略透視図であり、
図2は、フレームワーク構造14内に配置された箱10のスタック12を示すトップダウンビューである。各箱10は、一般に、複数の製品アイテム(図示せず)を保持し、箱10内の製品アイテムは、同じであり得るか、又は適用例に応じて異なる製品タイプのものであり得る。
【0004】
グリッドカラムの大部分は、スタック中での収納容器(あるいは「箱」又は「トート」とし)の収納に専用であり、したがって、それらをポートカラムと区別するために収納カラムであると見なされる。グリッドフレームワーク構造は、一般に、スタック中での収納容器の収納のために使用されないが、ロボット積荷取扱装置が収納容器を降ろす及び/又は拾い上げることができ、したがって、それらが、収納容器の内容物がグリッドフレームワーク構造の外部からアクセスされ得るアクセスステーションに移動され得るロケーションである少なくとも1つのグリッドカラムを有する。ロボット積荷取扱装置が収納容器を降ろす/拾い上げることができるグリッドセルのロケーションは「ポート」と呼ばれ、ポートが位置するグリッドカラムは、「ポートカラム」と呼ばれる。
【0005】
グリッドフレームワーク構造14の最上段は、スタック12の上部にわたってグリッドパターンに配置されたレール22を含む。
図3をさらに参照すると、レール22は、複数の積荷取扱装置30を支持する。平行レール22の第1のセット22aは、グリッドフレームワーク構造14の上部にわたって第1の方向(たとえば、X方向)でのロボット積荷取扱装置30の移動を案内し、第1のセット22aに対して直角に配置された平行レール22の第2のセット22bは、第1の方向に対して直角である第2の方向(たとえば、Y方向)での積荷取扱装置30の移動を案内する。このようにして、レール22は、水平XY面において2次元に横方向でのロボット積荷取扱装置30の移動を可能にし、したがって、積荷取扱装置30は、あらゆるスタック12の上の位置に移動され得る。
【0006】
車両本体32を備える
図4及び
図5に示されている知られている積荷取扱装置30は、各積荷取扱装置30がグリッドフレームワーク構造14の1つのグリッド空間しかカバーしない、参照により本明細書に組み込まれるPCT特許公開番号第WO2015/019055号(Ocado)に記載されている。ここで、積荷取扱装置30は、第1の方向での装置の移動を案内するためのレール又はトラックの第1のセットと係合するための車両本体32の前部のホイールのペアと車両32の後部のホイール34のペアとからなるホイール34の第1のセットと、第2の方向での装置の移動を案内するためのレール又はトラックの第2のセットと係合するための車両32の各側のホイール36のペアからなるホイール36の第2のセットとを備えるホイールアセンブリを備える。ホイールのセットの各々は、レールにそれぞれ沿ったX及びY方向での車両の移動を可能にするために駆動される。ホイールの一方又は両方のセットは、それぞれのレールから離れてホイールの各セットを持ち上げるために垂直方向に移動され、それによって、車両が所望の方向に移動することを可能にし得る。
【0007】
積荷取扱装置30は、上方から収納容器を持ち上げるために昇降装置又はクレーン機構を装備している。クレーン機構は、スプール又はリール(図示せず)に巻かれたウインチテザー又はケーブル38とグラバー装置39とを備える。昇降装置は、垂直方向に延び、収納容器10への取り外し可能な接続のための別名としてグラバー装置として知られる昇降フレーム39の四隅の近く又は四隅に接続された昇降テザー38のセット(グラバー装置の四隅の各々の近くに1つのテザー)を備える。グラバー装置39は、
図1及び
図2に示されているタイプの収納システム中の容器のスタックから収納容器10を持ち上げるためにそれの上部を取り外し可能に把持するように構成される。
【0008】
ホイール34、36は、より低い部分で容器受容凹部40として知られる空洞又は凹部の外周の周りに配置される。凹部は、
図5(a及びb)に示されているように、容器10がクレーン機構によって持ち上げられるときにそれを収容するようにサイズ決定される。凹部の中にあるとき、容器は、下のレールから離れて持ち上げられ、したがって、車両は、異なるロケーションに横方向に移動することができる。ターゲットロケーション、たとえば、別のスタック、収納システム中のアクセスポイント又はコンベアベルトに到達すると、箱又は容器は、容器受容部分から下降され、グラバー装置から解放され得る。
【0009】
従来技術システムの1つの重大な欠点は、それらが1つの指定された専有面積の容器しか使用できないことである。さらに、容器の高さは、ロボット積荷ハンドラの設計によってしばしば制約される。これは、一般に、そのようなシステムの使用を容器内に収まるそのようなアイテムに制約する。典型的な適用例では、これは、収納システム中の品物の総容積の1~10%が異なる処理方法、一般に、手作業を必要とすることを意味する。これは、システム中の追加された複雑性、低い生産性及び空間の非効率的な使用を意味する。
【0010】
WO2015/197709(Ocado Innovation Limited)は、異なるサイズの収納容器を収容するように構成された異なるサイズのグリッドセルを有するグリッドフレームワーク構造を与えることによってこの問題を解消しようと試みている。したがって、より小さい収納容器中に格納され得ないより大きいアイテムは、より大きい収納容器中に格納され得、より小さいアイテムは、より小さい収納容器中に格納され得る。異なるサイズの積荷取扱装置が、グリッド上で動作可能であり、異なるサイズの収納容器を移動することが可能である。
【0011】
より大きい収納容器を収容するためにグリッドの一部分を制限することは、履行された注文の大部分を占めるより小さいアイテムの収納のための充填密度を低減する。したがって、より小さい収納容器中に格納されることが可能であるより小さいアイテムに対する需要の増加があれば、グリッドフレームワーク構造の収納容量は損なわれることがある。したがって、より大きいアイテムとより小さいアイテムとを格納する柔軟性はあるが、グリッドフレームワーク構造の収納容量を損なわないグリッドフレームワーク構造が必要とされる。
【0012】
アクセスステーションは、一般に、1つ若しくは複数のアイテムがピッキングステーションに配達された収納容器から取り除かれるピッキングステーション、又は1つ若しくは複数のアイテムがストックを補充するために収納容器中に配置されるストック「デカント」ステーションとして使用され得る。収納容器の内容物が要求されると、グリッド上で操作可能なロボット積荷取扱装置は、ターゲット収納容器が位置するグリッドロケーションに移動し、ロボット積荷取扱装置の昇降装置を使用してターゲット収納容器を取り出すように命令される。ターゲット収納容器は、それがポートカラムを通してドロップオフエリアに下降されるグリッド中のドロップオフポートに搬送される。ドロップオフエリアにおいて、ターゲット収納容器はアクセスステーションに搬送される。アクセスステーションにおいて、1つ又は複数のアイテムが収納容器から拾われる。収納容器の内容物がアクセスステーションにおいて容器から取り出されると、収納容器は、収納容器がその後ロボット積荷取扱装置によって拾い上げられ、それの元の収納ロケーション又は新しい収納ロケーションに戻されるピックアップステーションに搬送される。ポートカラムから降ろされるときにドロップオフエリアからアクセスステーションに収納容器を搬送するためにコンベアを備えるコンベアシステムが一般に使用される。
【0013】
アイテムがアクセスステーションにおいて収納容器から拾われる速度は、アクセスステーションでの収納容器の数に依存し、これは、次に、どれくらい速く収納容器がアクセスステーションに運搬され、アクセスステーションを出ることができるのかに依存する。いくつかの状況では、1つ又は複数の収納容器は、ピックアップエリアに搬送され、その後、グリッド上で動作可能なロボット積荷取扱装置によって拾い上げられるのを待つアクセスステーションでの列に保持される。WO2018/233886(Autostore Technology AS)は、2つの中間コンベアセクションによって相互接続された第1の直線コンベアセクションと第2の直線コンベアセクションとを備える水平容器カルーセルを備える容器取扱ステーションを与えることによってこの問題を解消することを試みている。コンベアセクションの各々は、容器を収容し、水平方向に移動するための少なくとも1つのコンベア装置を備える。第1の直線コンベアセクション(25)は、複数のポートカラム(19、20)の下に直接構成され、したがって、容器取扱車両(9)のいずれかは、複数のポートカラム(19、20)のいずれかを介してグリッドの最上段と第1の直線コンベアセクション(25)との間で容器(6)を移送し得る。第2の直線コンベアセクション(26)は、第1の直線コンベアセクション(25)を介してグリッド(4)から取り出された容器(6)へのアクセスを可能にするように配置される。容器取扱ステーションは、あまりに複雑であり、カルーセルの周りで収納容器を搬送するために複数の可動部分を必要とする。さらに、アクセスステーションにおいて収納容器を処理する際の速度限定ステップは、どのくらい速く収納容器がカルーセルの周りを搬送され得るのかに依存する。大部分の事例では、アクセスステーションのオペレータは、アクセスステーションにおいて収納容器が処理される(すなわち、アイテムが拾われる)まで待ったままにされる。アクセスステーションを介して収納容器に移動するカルーセルの速度を増加させることは、処理された収納容器がピックアップエリアから拾い上げられ得る速度によって限定される。
【発明の概要】
【0014】
本発明は、1つ又は複数のより大きいグリッドセルの少なくとも1つの寸法が1つ又は複数のより小さいグリッドセルの少なくとも1つの寸法に等しくなり、より大きいグリッドセルの他の寸法がより小さいグリッドセルの寸法の倍数になるようにグリッドセルをサイズ決定することによってグリッドフレームワーク構造がより大きいアイテムとより小さいアイテムとの両方を格納することができる柔軟性を増加させる上記の問題を軽減している。収納容器のサイズは、それの長さ×幅×深さによって与えられる。典型的な標準収納容器は、近似的に、サイズ600mm×400mm×350mmのものである。本発明の説明の目的で、「寸法」という用語は、収納容器の長さ及び/又は幅を表す。より大きいグリッドセルの少なくとも1つの寸法をより小さいグリッドセルの少なくとも1つの寸法に等しくさせることにより、異なるサイズの専有面積を有するロボット積荷取扱装置は、より大きい収納容器とより小さい収納容器とを拾い上げるためにより大きいグリッドセルとより小さいグリッドセルとの両方の上で移動することが可能になる。これは、より小さいタイプのロボット積荷取扱装置によって拾い上げられるようにより大きいグリッドセルがより小さい収納容器を収容することができる柔軟性を増加させる。より詳細には本発明は、1つ又は複数の容器を移動するように操作可能な積荷取扱装置を支持するためのグリッドフレームワーク構造であって、前記グリッドフレームワーク構造は、次のA)トラックシステムと、B)直立カラムとを備え、すなわち、
A)第1及び第2のタイプのロボット積荷取扱装置が1つ又は複数の収納容器を移動するためのトラックシステムと、ここで、第1のタイプのロボット積荷取扱装置は、第2のタイプのロボット積荷取扱装置とは異なるサイズの専有面積を有し、トラックシステムは、次のi)とii)とを備え、すなわち、
i)第1の方向に延びる平行トラックの第1のセットと第2の方向に延びる平行トラックの第2及び第3のセットとを備える第1の部分と、ここで、第2の方向は、第1の方向に対して実質的に直角であり、平行トラックの第1、第2及び第3のセットは、グリッドセルの第1のセットを画定するためにグリッドパターンに配置され、グリッドセルの第1のセットの各グリッドセルは、第1のタイプのグリッドセル開口を画定するために第1の方向に延びる寸法と第2の方向に延びる寸法とを有し、
ii)グリッドセルの第1のセットとグリッドセルの第2のセットとのうちの1つ又は複数のグリッドセルを備える第2の部分と、ここで、グリッドセルの第2のセットは、平行トラックの第1及び第2のセットによって画定され、グリッドセルの第2のセットの各グリッドセルは、第2のタイプのグリッドセル開口を画定するために第1の方向に延びる寸法と第2の方向に延びる寸法とを有し、
を備え、
B)前記トラックシステムを支持し、1つ又は複数の収納容器を直立カラムの間に積み重ねるための複数の垂直収納ロケーションを形成するように配置された複数の直立カラムと、
を備え、
第1の方向では、第2のタイプのグリッドセル開口の寸法は、第1のタイプのグリッドセル開口の寸法の倍数であり、第2の方向では、第1のタイプのグリッドセル開口の寸法は、第2のタイプのグリッドセル開口の寸法に実質的に等しく、
第2の部分中のグリッドセルの第2のセットのうちの1つ又は複数のグリッドセルは、第1の方向において第1のタイプのグリッドセルのうちの少なくとも2つのグリッドセルによって隣接され、第2の方向において第1のタイプのグリッドセルのうちの単一のグリッドセルによって隣接される、グリッドフレームワーク構造を提供する。
【0015】
トラックシステムは、トラックシステムの第1の部分と第2の部分とを画定するためにグリッドパターンに配置された平行トラックの3つのセットを備える統合グリッドシステムである。第1の部分は、第1の方向に延びる平行トラックの第1のセットと第2の方向に延びる平行トラックの第2及び第3のセットとを備える。平行トラックの第1、第2及び第3のセットは、(より小さい)グリッドセルの第1のセットを画定するためにグリッドパターンに配置される。グリッドセルの第1のセットの各グリッドセルは、第1のタイプのグリッドセル開口を画定するために第1の方向に延びる寸法と第2の方向に延びる寸法とを有する。平行トラックの3つのセットは、トラックシステムの第2の部分中に配置され、したがって、第2の部分は、グリッドセルの第1のセットと(より大きい)グリッドセルの第2のセットとのうちの1つ又は複数のグリッドセルを備える。(より大きい)グリッドセルの第2のセットは、平行トラックの第1及び第2のセットだけによって画定される。グリッドセルの第2のセットの各グリッドセルは、第2のタイプのグリッドセル開口を画定するために第1の方向に延びる寸法と第2の方向に延びる寸法とを有する。平行トラックの第3のセットは、第1のタイプのグリッドセル開口を形成するために第2のタイプのグリッドセル開口を二等分又は分割する。
【0016】
この説明の目的上、第1の方向はX方向であり、第2の方向はY方向である。
【0017】
本発明のグリッドフレームワーク構造がより大きいアイテムを格納することを可能にするために、第1の方向では、第2のタイプのグリッドセル開口の寸法が第1のタイプのグリッド開口の寸法の倍数であるという点で、グリッドセルの第2のセットの各グリッドセルのサイズは、グリッドセルの第1のセット中のグリッドセルのサイズの倍数である。好ましくは、第1の方向に延びる第2のタイプのグリッド開口の寸法は、X対1の比率で第1の方向に延びる第1のタイプのグリッド開口の寸法の倍数であり、ここにおいて、Xは、2から4の範囲にあり得る。たとえば、グリッドセルの第2のセットの各グリッドセルの少なくとも1つの寸法は、グリッドセルの第1のセットの各グリッドセルの少なくとも1つの寸法の倍数であり得る。比率は、(より大きい)グリッドセルの第2のセットのうちのグリッドセルあたりの(より小さい)グリッドセルの第1のセットの2:1、3:1、4:1であり得る。
【0018】
トラックシステムの第1及び第2の部分のグリッドセルは、第1及び第2のタイプのロボット積荷取扱装置が1つ又は複数の収納容器を移動することができるように配置され、第1のタイプのロボット積荷取扱装置は、第2のタイプのロボット積荷取扱装置とは異なるサイズの専有面積を有する。第1のタイプのロボット積荷取扱装置は、第1のタイプのロボット積荷取扱装置が、トラックシステムの第1の部分中のグリッドセルの第1のセットにわたって第1の方向と第2の方向との両方に移動することを可能にするが、トラックシステムの第2の部分中のグリッドセルの第2のセットにわたって1つの(第1の)方向でしか移動することを可能にしないためのホイールアセンブリを有する。グリッドセルの第2のセットの各グリッドセルをグリッドセルの第1のセットの各グリッドセルの倍数にさせることにより、第2のタイプの(より大きい)ロボット積荷取扱装置のホイールアセンブリは、グリッドセルの第1及び第2のセットにわたって両方の直角方向(X及びY)に移動することが可能になり、トラックシステム中でグリッドセルのいかなる寸法によっても制限されない。
【0019】
グリッドセルの第1のセットと第2のセットとの両方の上を移動する異なるサイズの専有面積を有する異なるロボット積荷取扱装置の能力を維持するために、グリッドセルの第1及び第2のセットの各々の1つの寸法は実質的に等しい。より詳細には、第2の方向では、第1のタイプのグリッド開口の寸法は、第2のタイプのグリッド開口の寸法に実質的に等しい。より小さい専有面積を有するロボット積荷取扱装置又は第1のタイプのロボット積荷取扱装置がより大きい(第2のセットの)グリッドセルにわたって移動することを可能にするために、第1のタイプのロボット積荷取扱装置は、第2のタイプのグリッドセル開口の寸法に等しいトラック幅を有するホイールアセンブリを有する。ロボット積荷取扱装置の典型的なホイールアセンブリは、第1の方向にロボット積荷取扱装置を移動するためのホイールの第1のセットと第2の方向にロボット積荷取扱装置を移動するためのホイールの第2のセットとを備え、第2の方向は、第1の方向に対して実質的に直角である。ホイールの第1のセットは、一般に、ロボット積荷取扱装置の車両本体の反対側にホイールのペアを備え、ホイールの第2のセットは、車両本体の他の反対側にホイールのペアを備える。ロボット積荷取扱装置が直線的な専有面積を有することを考慮すると、ホイールの第1及び第2のセットのホイールは、ロボット積荷取扱装置の直線で囲まれた専有面積の4つすべての側部にある。上記で説明されたように、ホイールの第1のセットにより、ロボット積荷取扱装置は、第1の方向に移動することが可能になり、ホイールの第2のセットにより、ロボット積荷取扱装置は、第2の方向に移動することが可能になる。
【0020】
両方のタイプのロボット積荷取扱装置が、グリッドセルの第2のセットの各グリッドセルがグリッドセルの第1のセットの各グリッドセルの倍数であるグリッドセルの第1及び第2のセット上で移動することを可能にするために、車両本体の反対側にあるホイールのペアの間の間隔は、それぞれ平行トラックの第1及び第2のセットの間隔に対応する。間隔は、第1の方向又は第2の方向にすることもできる。車両本体の反対側にあるホイールのペアの間の異なる分離の用語の説明の目的で、ホイールベースは、ロボット積荷取扱装置の移動方向とホイールの第1のセットがトラックシステムと係合するのか第2のセットがトラックシステムと係合するのかに応じて前ホイールの中心と後ホイールの中心との間の距離を表し、トラック幅は、車両本体の反対側にあるホイールのペアの間の間隔を表し、すなわち、トラック幅は、同じ回転軸を共有する、すなわち、同じ「仮想軸」を共有するペアホイールの中心線の間の長さを表すと想定され得る。実質的に等しいトラック幅の第1のタイプ及び第2のタイプのロボット積荷取扱装置のホイールの第1のセットを有することにより、両方のタイプのロボット積荷取扱装置は、グリッドセルの第1及び第2のセットの両方を横切って移動することが可能になる。ホイールの第1のセットは、一方向、たとえばY方向にロボット積荷取扱装置を移動するように配置される。より小さい収納容器中に格納されることが可能でないであろう大きいアイテムを格納するために、より大きい(第2のタイプの)ロボット積荷取扱装置のホイールの第2のセットの別の方向のトラック幅は、より大きい収納容器を運搬するためにより小さい(第1のタイプの)ロボット積荷取扱装置のホイールの第2のセットのトラック幅の倍数である。ホイールの第2のセットは、別の方向、たとえば、X方向にロボット積荷取扱装置を移動するように配置され、第2の方向は、第1の方向に対して実質的に直角である。しかしながら、より小さい(第1の)タイプのロボット積荷取扱装置が、グリッドセルの大きい(第2の)セットを横切って移動することを可能にするために、より小さい(第1の)タイプのホイールアセンブリの少なくとも1つのトラック幅は、より大きい(第2の)タイプのロボット積荷取扱装置のトラック幅に実質的に等しい。
【0021】
トラックシステムの第2の部分中でのグリッドセルの第1及び第2のセットの組合せは、より小さい(第1のタイプの)積荷取扱装置がより大きいグリッドセル(グリッドセルの第2のセット)にわたって移動することを可能にする。第1のタイプの(より小さい)ロボット積荷取扱装置は、一方向にグリッドセルの第1のセットのうちの(より小さい)グリッドセルを介してトラックシステムの第2の部分に入ることが可能であり、したがって、第1のタイプの積荷取扱装置のホイールアセンブリのトラック幅は、より大きいグリッドセル(第2のセット)の寸法にわたって配置される。第1のタイプのロボット積荷取扱装置は、次いで、第1のタイプのロボット積荷取扱装置がトラックシステムの第2の部分に入った方向に対して実質的に直角である方向に大きいグリッドセルにわたって移動することが可能である。言い換えれば、トラックシステムの第2の部分は、より小さい(第1のタイプの)ロボット積荷取扱装置が、より大きいグリッドセルにわたって第2の方向に実質的に直角な方向に、すなわち、第1の方向にそれが移動することをそれのトラック幅が可能にすることになる場所にそれ自体を配置するためにより小さいグリッドセルを介して第2の方向で第2の部分に入ることを可能にする。好ましくは、第2の部分は、第1のタイプのロボット積荷取扱装置がトラックシステムの第2の部分に入り、グリッドセルの第2のセットのうちのグリッドセルにわたって移動するための入口ポイントを備え、入口ポイントは、グリッドセルの第1のセットのうちのグリッドセルを備える。第1のタイプのロボット積荷取扱装置のための入口ポイントは、第1の方向に第1のタイプのグリッドセルのうちの複数のグリッドセルによって及び第2の方向に第1のタイプのセルのうちの単一のグリッドセルによって第2の部分中のグリッドセルのより大きい第2のセットに隣接することによって与えられる。第2の部分中のグリッドセルの第2のセットのうちの1つ又は複数が第1の方向に第1のタイプのグリッドセルのうちの複数のグリッドセルによって及び第2の方向に第1のタイプのグリッドセルのうちの単一のグリッドセルによって隣接されるという事実により、第1のタイプのロボット積荷取扱装置は、トラックシステムの第2の部分中で第1の方向と第2の方向との両方に移動することが可能になる。定義の目的で、「隣接される」という用語はまた、「境界を共有する」又は「接している」を含むと解釈され、ここにおいて、グリッドセルのより大きい第2のセットのうちの1つ又は複数の間の境界又はインターフェースは、第1の方向に第1のタイプのグリッドセルのうちの複数のグリッドセルと、第2の方向に第1のタイプのグリッドセルのうちの単一のグリッドセルと共有される。
【0022】
任意選択で、トラックシステムは、より大きい収納容器の収納に専用の、第2のタイプのロボット積荷取扱装置が大きい収納容器を移動するためのグリッドセルの第2のセットからなる第3の部分を備える。任意選択で、第2の部分は、第1のタイプのロボット積荷取扱装置と第2のタイプのロボット積荷取扱装置との両方がインターフェースゾーン上を移動するためのインターフェースゾーンを画定するためにトラックシステムの第1及び第3の部分の間にある。たとえば、インターフェースゾーンは、グリッドセルの第1及び第2のセットからのグリッドセルの混合を備え、より小さい(第1の)タイプのロボット積荷取扱装置がグリッドセルのより大きい(第2の)セットを横切って移動することができるトラックシステムのエリアであり得る。トラックシステムの第1の及び第3の部分は、それぞれより小さい収納容器及びより大きい収納容器を収容するためのトラックシステムの専用エリアであり得る。第2の(より大きい)タイプのロボット積荷取扱装置の専有面積は、第1の(より小さい)タイプのグリッド開口の倍数であるので、第2のタイプのロボット積荷取扱装置は、トラックシステムの任意の部分、すなわち第1の部分、第2の部分、及び、任意選択で、第3の部分に沿って第1の方向及び第2の方向との両方に移動することができる。したがって、第2のタイプのロボット積荷取扱装置は、大きい収納容器の内容物がより小さい(第1の)タイプのロボット積荷取扱装置によってアクセスされ得るトラックシステムの第2の部分の下にトラックシステムの第3の部分の下に格納された大きい収納容器を移送するように命令され得る。
【0023】
好ましくは、複数の垂直収納ロケーションは、第1のタイプのグリッド開口の垂直下に位置する第1のタイプの垂直収納ロケーションと第2のタイプのグリッド開口の垂直下に位置する第2のタイプの垂直収納ロケーションとを備える。説明を簡単にするために、第1のタイプの垂直収納ロケーションは、より小さい収納容器を収容するための断面積を有する収納カラムを表し、第2のタイプの垂直収納ロケーションは、より大きい収納容器を収容するための断面積を有する収納カラムを表す。したがって、第1のタイプの垂直収納ロケーションは、より小さい収納容器を収容するのに好適であり、第2のタイプの垂直収納ロケーションは、より大きい収納容器を収容するのに好適である。トラックシステムの第2の部分がグリッドセルの第1及び第2のセットのうちの1つ又は複数のグリッドセルを備えることを考慮すると、第1のタイプ及び第2のタイプの垂直収納ロケーションはまた、トラックシステムの第2の部分中のそれぞれ第1及び第2のタイプのグリッドセル開口の下に位置する。したがって、第2のタイプの(大きい)ロボット積荷取扱装置は、第2のタイプのグリッドセル開口(より大きいグリッドセル)を介してグリッドフレームワーク構造のセクションにより大きい収納容器を配達するためにトラックシステムの第2の部分を使用することができる。第1のタイプの(より小さい)ロボット積荷取扱装置が第2の部分中のより大きい(第2のセットの)グリッドセルを横切って移動することができるので、これは、第1のタイプの(より小さい)ロボット積荷取扱装置が、トラックシステムの第2の部分で動作するときにより大きい収納容器からアイテムを拾うことを可能にする。説明を簡単にするために、第1のタイプの収納容器は、「より小さい」収納容器と呼ばれることがあり、第2のタイプの収納容器は、「より大きい」収納容器と呼ばれることがある。第1のタイプの収納容器及びより小さい収納容器という用語は、同じ特徴を意味するために本特許明細書において互換的に使用される。同様に、第2のタイプの収納容器及びより大きい収納容器という用語は、同じ特徴を意味するために本特許明細書において互換的に使用される。
【0024】
本発明は、本発明のグリッドフレームワーク構造を備える収納及び取出しシステムであって、トラックシステムの下に位置する収納容器の複数のスタックを備え、収納容器の複数のスタックは、第1のタイプの収納ロケーションに配置された収納容器の第1のタイプのスタックと第2のタイプの収納ロケーションに配置された収納容器の第2のタイプのスタックとを備える、収納及び取出しシステムをさらに提供する。説明を簡単にするために、収納容器の第1のタイプのスタックは、より小さい収納容器のスタックを表し、収納容器の第2のタイプのスタックは、より大きい収納容器のスタックを表す。好ましくは、収納容器の第1のタイプのスタックのうちの各収納容器は、第1のタイプの収納容器を備え、収納容器の第2のタイプのスタックのうちの各収納容器は、第2のタイプの収納容器を備え、第1のタイプの収納容器は、第1のタイプのグリッド開口を通して持ち上げられ得るようなサイズを有し、第2のタイプの収納容器は、第1及び第2のタイプのグリッド開口を通して持ち上げられ得るようなサイズを有する。収納容器の第1のタイプのスタックは、それらがトラックシステムの第1の部分において動作可能な第1のタイプの(小さい)ロボット積荷取扱装置によってアクセスされ得るグリッドセルの第1のセットの下に位置する。同様に、収納容器の第2のタイプのスタックは、それらが第2のタイプの(大きい)ロボット積荷取扱装置によってアクセスされ得るグリッドセルの第2のセットの下に位置する。第2の部分がグリッドセルの第1のセット及び第2のセットからのグリッドセルを備えるので、収納容器の第1のタイプのスタックと第2のタイプのスタックとの両方は、トラックシステムの第2の部分中でグリッドセルのそれぞれのセットの下に位置する。第1のタイプの(より小さい)ロボット積荷取扱装置がトラックシステムの第2の部分中で(より大きい)グリッドセルの第2のセットのうちの1つ又は複数の(より大きい)グリッドセルを横切って移動することができるので、第1のタイプのロボット積荷取扱装置は、第2の部分中でグリッドセルの下に位置する第2のタイプの収納容器(より大きい)中の1つ又は複数のアイテムにアクセスすることができる。
【0025】
第1のタイプの(より小さい)ロボット積荷取扱装置が、トラックシステムの第2の部分中でグリッドセルの第2のセットを通してより大きい収納容器からアイテムを拾うことを可能にするために、好ましくは、第1のタイプの収納容器のうちの2つ以上が、第2のタイプの収納容器内で入れ子にされ得る。したがって、第1のタイプのロボット積荷取扱装置は、(より大きい)グリッドセル開口の第2のセットのうちの1つの下に位置するときに第2のタイプの収納容器内で入れ子にされた第1のタイプの収納容器を持ち上げることが可能である。任意選択で、第1のタイプの収納容器のうちの2つ以上は、第2のタイプの収納容器内で隣り合わせに配置される。第2のタイプの収納容器内で入れ子にされた第1のタイプの収納容器の密度を増加させるために、任意選択で、第1のタイプの収納容器の2つ以上の層は、第2のタイプの収納容器中で入れ子にされ、2つ以上の層の各々は、第1のタイプの収納容器のうちの1つ又は複数を備える。任意選択で、第1のタイプの収納容器のX個の数は、X対1の比率で第2のタイプの収納容器内で入れ子にされ得、ここで、Xは、2から9の範囲にある。たとえば、複数の第1のタイプの収納容器は、1×2又は1×3又は2×2又は3×3の構成で第2のタイプの収納容器中で入れ子にされ得る。たとえば、1×2は、1つの第1のタイプの収納容器の2つの層を表し、2×2は、2つの第1のタイプの収納容器の2つの層を表し、以下同様である。(より大きい)第2のタイプの収納容器内で入れ子にされた複数の(より小さい)第1のタイプの収納容器を有することは、(より大きい)第2のタイプの収納容器中に異なるSKU(ストックキーピングユニット)を格納する柔軟性を与え、第1のタイプの収納容器の各々は、異なるSKUを格納するより大きい第2のタイプの収納容器内で入れ子にされる。より小さい第1のタイプのロボット積荷取扱装置は、トラックシステムの第2の部分中でより大きい第2のタイプの収納容器から拾うことが可能であるので、これは、異なるSKUを格納する第2のタイプの収納カラムの能力を増加させ、それによって、より大きい第2の収納容器が特定のSKUを単に格納することになる制限を取り除く。
【0026】
任意選択で、収納容器の第2のタイプのスタックのうちの1つ又は複数の収納容器は、第2のタイプの収納容器内で入れ子にされた第1のタイプの収納容器のうちの2つ以上を備える。これは、第2のタイプの垂直収納ロケーションが、より小さい第1のタイプの収納容器を格納することを可能にし、したがって、より小さい第1のタイプの収納容器とより大きい第2のタイプの収納容器とを備える収納容器の比率を変化させる本発明のグリッドフレームワーク構造の柔軟性を増加させる。より小さい第1のタイプの収納容器中に収まることができるより小さいアイテムの需要の急増があるとき、より多くの第1のタイプの収納容器がより大きい第2のタイプの収納容器中で入れ子にされ、したがって、より小さいアイテムのための収納容量を増加させる。
【0027】
本発明のグリッド構造中に格納された第1のタイプ及び第2のタイプの収納容器を拾い上げるために、好ましくは、収納及び取出しシステムは、
i)第1のトラック幅を有するホイールの第1のセットと第2のトラック幅を有するホイールの第2のセットとを備える第1の車両ホイールアセンブリを備える第1のタイプのロボット積荷取扱装置と、
ii)第1のトラック幅を有するホイールの第1のセットと第2のトラック幅を有するホイールの第2のセットとを備える第2の車両ホイールアセンブリを備える第2のタイプのロボット積荷取扱装置と、をさらに備え、
第1の車両ホイールアセンブリの第1のトラック幅は、第2の車両ホイールアセンブリの第1のトラック幅に実質的に等しく、第2の車両ホイールアセンブリの第2のトラック幅は、第1の車両ホイールアセンブリの第2のトラック幅の倍数である。
【0028】
第1のタイプのロボット積荷取扱装置は、「より小さい」ボットと呼ばれることがあり、第2のタイプのロボット積荷取扱装置は、「より大きい」ボットと呼ばれることがある。これを大局的に見るために、第1のタイプのロボット積荷取扱装置の車両ホイールアセンブリは、グリッドセルの第1のセットにわたって第1の方向と第2の方向との両方に移動することが可能である。第1の車両ホイールアセンブリの第1のトラック幅が第2の車両ホイールアセンブリの第1のトラック幅に実質的に等しいので、第1のタイプのロボット積荷取扱装置は、グリッドセルの第2のセットにわたって第1の方向にしか移動することができない。これは、第1の(より小さい)タイプのロボット積荷取扱装置が(より大きい)グリッドセルの第2のセットにわたって移動し、それによって、(より大きい)グリッドセルの第2のセットの下の大きい収納容器内で入れ子にされたより小さい収納容器にアクセスすることを可能にする。トラックシステムの第2の部分がグリッドセルの第1及び第2のセットのうちのグリッドセルを備えるので、第1のタイプのロボット積荷取扱装置はまた、グリッドセルの「より小さい」第1のセットのうちのグリッドセルにわたってトラックシステムの第2の部分中で第2の方向に移動することができる。しかしながら、第2の車両ホイールアセンブリの第2のトラック幅が第1の車両ホイールアセンブリの第2のトラック幅の倍数であるので、第2のタイプのロボット積荷取扱装置は、グリッドセルの第1及び第2のセットにわたって第1の方向と第2の方向との両方に移動することができる。これは、より大きい第2のタイプのロボット積荷取扱装置が、第1の方向と第2の方向との両方に第2のタイプの収納ロケーションにより大きい第2のタイプの収納容器を配達することを可能にする。第2のトラック幅が第1の車両ホイールアセンブリの第2のトラック幅の倍数である車両ホイールアセンブリを有することは、第2のタイプのロボット積荷取扱装置が、グリッドセルの第1のセットを備えるトラックシステムの第1の部分とグリッドセルの第2のセットを備えるトラックシステムの第2の部分との中で第1の方向と第2の方向との両方に移動することを可能にする。
【0029】
第1の(より小さい)タイプのロボット積荷取扱装置が第1の(より小さい)タイプの収納容器を拾い上げることを可能にするために、好ましくは、第1のタイプのロボット積荷取扱装置は、第1のタイプの収納容器と取り外し可能に係合するように構成された第1のタイプのグラバー装置を備える。同様に、第2の(より大きい)タイプのロボット積荷取扱装置が第2の(より大きい)タイプの収納容器を拾い上げることを可能にするために、第2のタイプのロボット積荷取扱装置は、第2のタイプの収納容器と取り外し可能に係合するように構成された第2のタイプのグラバー装置を備える。
【0030】
グリッドフレームワーク構造は、収納容器の収納のために使用されないが、ロボット積荷取扱装置が収納容器を降ろす及び/又は拾い上げることができ、したがって、それらが、収納容器の内容物がグリッドフレームワーク構造の外部からアクセスされるか又はグリッドフレームワーク構造の外に若しくは中に移送され得るアクセスステーションを備える在庫取扱ステーションアセンブリに搬送され得るロケーションを備える少なくとも1つのグリッドカラムを有する。少なくとも1つのグリッドカラムのグリッドセルは、「ポート」と一般に呼ばれ、ポートが位置するグリッドカラムは、ポートカラムと一般に呼ばれる。好ましくは、収納及び取出しシステムは、第1のタイプの収納容器及び/又は第2のタイプの収納容器から1つ又は複数のアイテムを拾う又は移すための少なくとも1つの在庫取扱ステーションアセンブリをさらに備える。第1のタイプ及び第2のタイプのロボット積荷取扱装置が、グリッドフレームワーク構造の中に及び/又は外にそれぞれ第1のタイプ及び第2のタイプの収納容器を配達するために、グリッドフレームワーク構造は、
i)第1のタイプの収納容器がトラックシステムと少なくとも1つの在庫取扱ステーションアセンブリとの間で移送され得る少なくとも1つの在庫取扱ステーションアセンブリの上に配置された第1のタイプのポートカラムと、
ii)第2のタイプの収納容器がトラックシステムと少なくとも1つの在庫取扱ステーションアセンブリとの間で移送され得る少なくとも1つの在庫取扱ステーションアセンブリの上に配置された第2のタイプのポートカラムと、
を備える。
【0031】
好ましくは、第1のタイプのポートカラム及び/又は第2のタイプのポートカラムは、
i)第1のタイプの収納容器及び/又は第2のタイプの収納容器が少なくとも1つの在庫取扱ステーションアセンブリまで下降されるドロップオフポートカラムと、
ii)第1のタイプ及び/又は第2のタイプの収納容器がトラックシステムに向かって拾い上げられるピックアップポートカラムと、
を備える。
【0032】
ドロップオフポートカラムとピックアップポートカラムとは、第1及び/又は第2のタイプのロボット積荷取扱装置が同じポートカラムから収納容器を降ろすことと拾い上げることとを行うことができるという点で、同じポートカラムであり得る。代替的に、ドロップオフポートカラムとピックアップポートカラムとは、第1及び/又は第2のタイプのロボット積荷取扱装置が別個のポートカラムから収納容器を降ろすことと拾い上げることとを行うことができるという点で、別個のポートカラムであり得る。両方の例では、第1のタイプ及び/又は第2のタイプのロボット積荷取扱装置は、同じ在庫取扱ステーションアセンブリから収納容器(第1のタイプ又は第2のタイプ)を降ろす及び/又は拾い上げることができる。
【0033】
任意選択で、少なくとも1つの在庫取扱ステーションアセンブリは、第1のタイプの収納容器を扱うための第1の在庫取扱ステーションアセンブリと第2のタイプの収納容器を扱うための第2の在庫取扱ステーションアセンブリとを備え、第1及び第2の在庫取扱ステーションの在庫取扱ステーションアセンブリは、
i)それぞれ第1のタイプのポートカラム又は第2のタイプポートのカラムから下降された第1のタイプの収納容器又は第2のタイプの収納容器を受け取るためのポートステーションと、
ii)それぞれ第1のタイプのポートカラム又は第2のタイプポートのカラムを通して拾い上げられることになる第1のタイプの収納容器又は第2のタイプの収納容器のためのピックアップエリアと、
iii)第1のタイプの収納容器又は第2のタイプの収納容器の内容物へのアクセスを獲得するためのポートステーションとピックアップエリアとの間のアクセスステーションと、
iv)アクセスステーションを介してポートステーションからピックアップエリアに第1のタイプの収納容器又は第2のタイプの収納容器を搬送するための運搬システムと、
を備える。
【0034】
本発明のさらなる特徴及び態様は、図面を参照しながらなされる例示的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】知られているシステムによるグリッドフレームワーク構造の概略図。
【
図2】
図1のフレームワーク構造内に配置された箱のスタックを示すトップダウンビューの概略図。
【
図3】グリッドフレームワーク構造上で動作する知られている積荷取扱装置のシステムの概略図。
【
図4】上方から容器を把持する昇降装置を示す積荷取扱装置の概略透視図。
【
図5(a)】積荷取扱装置の容器受容空間を示す
図4の積荷取扱装置の概略透視断面図。
【
図5(b)】積荷取扱装置の容器受容空間内に収容された容器を示す
図4の積荷取扱装置の概略透視断面図。
【
図6a】均一なグリッドセルを備える知られているグリッドフレームワーク構造の透視側面図。
【
図6b】
図6aに示されているグリッドフレームワーク構造のトップダウンビューの概略図。
【
図6c】単一のグリッドセルの直立カラムの構成のトップダウンビューの概略図。
【
図7】本発明の一実施形態によるグリッドフレームワーク構造内の収納空間又はカラムの透視図。
【
図8】本発明の一実施形態によるトラックシステムの平面図の概略図。
【
図8b】
図8に示されているトラックシステムの第2の部分中の第1の「より小さい」タイプのロボット積荷取扱装置のための入口ポイントの概略図。
【
図9a】トラックシステム上で操作可能な第1の「より小さい」タイプのロボット積荷取扱装置と第2の「より大きい」タイプのロボット積荷取扱装置とを示す
図8に示されているトラックシステムの拡大図。
【
図9b】より大きい収納容器内で入れ子にされたより小さい収納容器との係合にそれのグラバー装置を配置するためにより大きいグリッドセルの上にそれ自体を配置するより小さいロボット積荷取扱装置の概略図。
【
図10】(a)より大きい第2のタイプのグリッドセル開口をもつ第1の「より小さい」タイプのロボット積荷取扱装置と(b)より大きい第2のタイプのグリッドセル開口をもつ第2の「より大きい」タイプのロボット積荷取扱装置との関係を示す概略図。
【
図11】本発明の別の実施形態によるトラックシステムの平面図の概略図。
【
図12】
図8に示されているトラックシステムの下の第1のタイプの収納カラムと第2のタイプの収納カラムとの構成の概略図。
【
図13】
図12中の第1及び第2のタイプの収納カラム中に収容されるのに好適な異なるサイズの収納容器の概略図。
【
図14】第2のタイプの「より大きい」収納容器内で入れ子にされた第1のタイプの「より小さい」収納容器の断面図。
【
図15】在庫取扱ステーションアセンブリに運ばれている第1の及び第2のタイプの収納容器を示す収納及び取出しシステムの概略図。
【
図16】本発明の一実施形態による異なる階に複数のアクセスステーションを備える在庫取扱ステーションに運ばれている第1の及び第2のタイプの収納容器を示す収納及び取出しシステムの概略図。
【
図17】在庫取扱ステーションアセンブリに隣接するグリッドフレームワーク作業構造を示す
図16の収納及び取出しシステムの平面図の概略図。
【
図18】トラックシステム上で動作可能な、在庫取扱ステーションアセンブリにそれぞれ上階及び下階のポートカラムを通して収納容器を移送する異なるタイプのロボット積荷取扱装置を示す収納及び取出しシステムの概略図。
【
図19】トラックシステム上で操作可能なロボット積荷取扱装置からの収納容器を運ぶ在庫取扱ステーションアセンブリを示す
図18の収納及び取出しシステムの正面図。
【
図20】収納容器が異なる階のアクセスステーションにトラックシステムの第1の部分と第2の部分との間で移送される上下階のポートカラムの構成を示す
図19の収納及び取出しシステムのセクションの側面図。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図6aは、均一なサイズのグリッドセルを備える典型的な3次元のグリッドフレームワーク構造114の透視側面図を示す。グリッドフレームワーク構造114の基本構成要素は、支持フレームワーク構造114bに取り付けられた水平面に横たわったトラックシステム又はグリッド50を備える。支持フレームワーク構造114bは、
図2に示されており、WO2015/185628A(Ocado)に教示されているように各直立カラムがトラックの平行セットの交差点に位置するようにグリッドパターンに配置された複数の直立カラム116を備えることができる。代替的に、支持フレームワーク構造は、グリッドパターンに配置された複数のプレハブ式のモジュラパネルを備えることができ、それの詳細は、Ocado Innovation Ltdという名称で、参照により本明細書に組み込まれるPCT出願WO2022034195A1に十分に説明されている。プレハブ式のモジュラパネルの構造構成要素は、トラックシステムを支持するために複数の直立カラムを備える。したがって、特徴「直立カラム」は、したがって、WO2015/185628A(Ocado Innovation Ltd)において教示されている3次元グリッドフレームワーク構造における直立カラムをカバーし、並びにOcado Innovation Ltdという名称でWO2022034195A1において教示されているプレハブ式のモジュラパネルの部分を形成すると広く解釈されている。「直立部材」及び「直立カラム」という用語は、同じものを意味するために説明では互換的に使用される。
【0037】
図6aに示されているように、トラックシステム50は、複数の矩形フレーム又はグリッド開口54を形成するように配置された一連の水平交差ビーム又はグリッド部材118、120、より詳細には、第1の方向(X)に延びる平行グリッド部材118の第1のセットと第2の方向(Y)に延びる平行グリッド部材120の第2のセットとを備え、平行グリッド部材120の第2のセットは、実質的な水平面で平行グリッド部材118の第1のセットに対して横方向に延びている。平行グリッド部材の第1及び第2のセットは、積荷取扱装置がグリッドフレームワーク構造上で1つ又は複数の容器を移動するためのトラックシステムを画定するためにそれぞれ平行トラックの第1及び第2のセット56a、56bを支持する。グリッド部材50の各々は、トラック支持部とトラック支持部に取り付けられた別個のトラック又はレールとから構成され得る。代替的に、トラックは、たとえば、押出成形によって単体としてグリッド部材50に統合され得る。
【0038】
レール又はトラックは、一般に、グリッド構造上で積荷取扱装置を案内するようにプロファイリングされ、一般に、単一の積荷取扱装置がトラック上を移動することを可能にするために単一のトラック表面を与えるか、又は2つの積荷取扱装置が同じトラック上で互いに通過することを可能にするために二重トラックを与えるようにプロファイリングされる。トラックが単一のトラックを与えるようにプロファイリングされる場合、トラックは、トラック上で各ホイールを案内し、横移動から各ホイールを制約するためにトラックの長さに沿って対向するリップ(トラックの片側に1つのリップとトラックの反対側に別のリップと)を備える。プロファイルが二重トラックである場合、トラックは、隣接する積荷取扱装置のホイールが同じトラック上で両方の方向に互いに通過することを可能にするためにトラックの長さに沿って2つのペアのリップを備える。2つのペアのリップを与えるために、トラックは、一般に、中央リッジ又はリップ及び中央リッジのいずれかの側にリップを備える。
【0039】
グリッドパターンに配置された平行トラックの第1及び第2のセットは、グリッドセルのセットを画定し、各グリッドセルは、1つ又は複数の収納容器は、グリッド開口を通過することができるグリッド開口又はグリッド間隔を備える。容器は、概して、それの幅を超える長さを有する形状の矩形である。
図6bは、グリッドパターンの平行トラックの第1及び第2のセットの構成を示すトラックシステムのセクションの平面図を示す。グリッドセルの各々は、グリッド開口を画定するために第1の方向(X方向)に延びる寸法と第2の方向(Y方向)に延びる寸法とを有する形状の矩形である。一般に、各グリッドセルの形状は、直線的であり、したがって、
図6bによれば、第1の方向に延びる寸法はグリッドセルの長さであり、第2の方向に延びる寸法は、グリッドセルの幅である。グリッドセルの長さ及び幅は、参照符号「L」及び「W」によって
図6bに示されている。
図6bに示されている直線形状のグリッドセルの場合、長さは幅よりも大きい。
【0040】
典型的なグリッドフレームワーク構造では、グリッド開口の各々のサイズは、均一サイズの収納容器を収容するためにトラックシステム全体にわたって均一である。したがって、ロボット積荷取扱装置の専有面積は、第1の方向でのロボット積荷取扱装置の移動のための平行トラックの第1のセット及び第2の方向でのロボット積荷取扱装置の移動のための平行トラックの第2のセットと係合することが可能であるホイールの第1のセットとホイールの第2のセットとを備えるロボット積荷取扱装置のホイールアセンブリによって画定される。
【0041】
収納容器の1つ又は複数のスタックは、トラックシステムのそれぞれのグリッド開口の下に配置され、したがって、トラックシステム上で操作可能なロボット積荷取扱装置は、スタックから収納容器を降ろす及び/又は拾い上げることができる。トラックシステムは、収納容器が直立カラム116の間に積み重ねられ、複数の実質的に矩形のフレーム54を通して垂直方向に直立カラム116によって案内されるための複数の垂直収納ロケーション60を形成するためにグリッド部材118、120が交差する交差点又はノード58において複数の直立カラム116に取り付けられることによって1階の上に引き上げられる。本発明の目的で、容器のスタックは、スタックに複数の容器又は1つ若しくは複数の容器を包含することができる。グリッドフレームワーク構造114は、交差する水平グリッド部材118、120から形成されるトラックシステム50を支持する直立カラム116の直線的な集合体(すなわち、4つの壁形のフレームワーク)と見なされ得る。直立カラムのうちの2つ以上は、グリッドフレームワーク構造114の構造安定性を増加させるために少なくとも1つの対角ブレース部材によって補強され得る。本発明の目的で、「垂直直立カラム」、「直立カラム」及び「直立部材」という用語は、説明を通して互換的に使用される。本発明の説明の目的で、交差点58は、グリッド構造のノードを構成する。
【0042】
図6cは、直立カラム116に沿ってグリッドセル54を通して案内されるスタック中の容器110に収納ロケーション60を与えるようにグリッドフレームワーク構造内に配置された本発明の直立カラム116の断面上面図を示す。「収納ロケーション」という用語は、「収納カラム」と呼ばれることがあり、そのような用語は、同じ特徴を意味するために説明全体にわたって互換的に使用され得る。直立カラムの間の間隔は、概して矩形である1つ又は複数の容器又は収納箱110をスタックに収容するようにサイズ決定される。直立カラムの各々は、概して、管状である。直立カラム116の各々は、収納容器の移動を案内するために直立カラム116の縦方向の長さに沿って延びる直立カラム116の隅に取り付けられるか又はそれに形成される1つ又は複数のガイド72をもつ中空の中心部分70を備える。直立カラムの中空の中心部分70は、グリッドフレームワーク構造の低重量を助ける。一般に、直立カラムの中空の中心部分70は箱形断面である。箱形断面の少なくとも1つの隅にガイド又は隅部72が取り付けられるか又は形成される。しかしながら、円形、三角形などの他の形状の断面部分が本発明に適用可能であるので、直立カラムの中空の中心部分の断面形状が箱形断面であるとの制限はない。
【0043】
直立カラム116は、異なる箱形断面の隅に取り付けられたガイド72が直立カラムに沿ってスタック中での垂直方向での容器の移動を案内するための単一の収納ロケーション58を与えるために互いに協働するように
図7に示されているように離間される。グリッドフレームワーク構造中の直立カラム116の位置に応じて、ガイド72は、直立カラム116の箱形断面の1つ又は4つすべての隅に取り付けられる。たとえば、グリッドフレームワーク構造の外壁形のフレームワークの部分を形成するときに、中空の中心部分の隅のうちの1つ又は2つしか、スタック中の容器の1つ又は2つの隅と協働するためにガイド又は隅部72を備えることができない。直立カラム116がグリッドフレームワーク構造の内部に位置する場合、箱型の中心部分の4つすべての隅はガイド又は隅部72を備え、直立カラム116の各々は、4つの容器110の隅と協働するように配置される。
【0044】
本発明の特定の実施形態では、ガイド72の各々は、V字形であるものとして示されており、概して矩形の形状である収納容器の隅プロファイルに隣接するか又は収容する形状の90度の断面プロファイルを有する。
図6cに示されているように、ガイドは、直立カラム116に沿って長手方向に延びる2つの直角なプレート72a、72b(互いに対して直角である2つの容器案内板)を備える。本発明の直立カラム116は、たとえば、押出成形によって単体として形成され得る。限定はしないが、グリッド及びグリッド構造上を移動する積荷取扱装置を支持するのに十分な構造剛性を有する金属、たとえば、アルミニウム、鉄鋼、さらには複合材料を含む異なる材料が直立カラムを作製するために使用され得る。
【0045】
複数の直立カラム116の少なくとも一部分は、隣接する直立カラム116の間に接続された1つ又は複数のスペーサ又は支柱74によってグリッドフレームワーク構造中で互いに空間的関係に保持される(
図7を参照)。スペーサ74は、直立カラム116の縦方向に対して横方向に(又はそれに対して直角に)延び、1つ又は複数のボルト又は鋲によって2つの隣接する直立カラムの対向する壁にボルト締め又はリベット締めされる。スペーサ又は支柱74の長さは、直立カラム116の間でスタック中に1つ又は複数の容器を収容するのに隣接する直立カラム116が十分に離間されるようにサイズ決定される。
図7は、スタック中に1つ又は複数の容器を収容するようにサイズ決定される収納カラム又は収納ロケーション58を形成するために1つ又は複数のスペーサ又は支柱74によって互いに離間された関係に保持された4つの直立カラム116の透視図を示す。
【0046】
スペーサ74は、直立カラムが隣接する直立カラム116との間に容器のスタックを収容することを可能にするために直立カラム116のガイド72を備える隅部の間に収まるようにサイズ決定され、すなわち、スペーサは、直立カラムの隅でガイド72又は案内板によって占有されたエリア(又は垂直収納ロケーション)を妨害又は横断しない。1つ又は複数のスペーサ/支柱74は、グリッドフレームワーク構造中の2つの隣接する直立カラム116に沿って離間された関係で分散される(
図7を参照)。
図7に示されている収納ロケーション又は収納カラムは、1つ又は複数のスペーサ又は支柱74によってグリッドフレームワーク構造内で離間された関係に保持された4つの隣接する直立カラム116を備える。
【0047】
命令を受信すると、トラック上で移動するように操作可能なロボット積荷取扱装置は、グリッドフレームワーク構造中のスタックから命令を履行するためのアイテムを含んでいる収納容器を拾い上げ、在庫取扱ステーションアセンブリに収納容器を搬送するように命令され、その後、アイテムは、収納容器から取り出され、1つ又は複数の配達容器に移送され得る。「ロボット積荷取扱装置」という用語は「ボット」と呼ばれることがあり、そのような用語は、同じ特徴を意味するために説明全体にわたって互換的に使用される。一般に、在庫取扱ステーションアセンブリは、容器の内容物がアクセスされ得るアクセスステーションに1つ又は複数の収納容器を搬送するために容器搬送アセンブリを備える。容器搬送アセンブリは、一般に、複数の隣接するコンベアユニットを備えるコンベアシステムである。在庫取扱ステーションアセンブリのさらなる詳細は、以下で説明される。
【0048】
命令の遂行のための遂行センターの典型的なレイアウトは、常温グリッドエリア及び冷蔵グリッドエリアとして知られる2つの別個のグリッドエリアを備える。常温グリッドエリアと冷蔵グリッドエリアとの各々は、グリッドフレームワーク構造を備え、すなわち、常温グリッドエリアは第1のグリッドフレームワーク構造を備え、冷蔵グリッドエリアは、第2のグリッドフレームワーク構造を備える。常温グリッドエリアは、常温に制御された温度で食品及び食料雑貨商品を格納する。常温に制御された温度は、実質的に4℃から実質的に21℃まで、好ましくは、実質的に4℃から実質的に18℃までの間の範囲をカバーする。同様に、冷蔵グリッドエリアは、冷却温度で食品及び食料雑貨商品を格納する。冷蔵温度は、実質的に0℃から実質的に4℃までの間に範囲をカバーする。常温と冷蔵との2つのグリッドエリアは、様々な食料雑貨製品を含んでいる(別名、収納容器、トート、又は箱として知られる)容器で満たされる。商品及び食料雑貨品を格納する収納容器又は箱は、ピッキング通路中のピッキングステーション又はピッキングエリアにグリッド上で操作可能な積荷取扱装置によって搬送され、ここで、1つ又は複数のアイテムが、ピッキングステーション又はピッキングエリアにおいて収納箱又は容器から拾われ、1つ又は複数の配達容器に移送される。
【0049】
アイテムのタイプに応じて、1つ又は複数のアイテムの各々は、特定のSKU又はストックキーピングユニットで分類されることになる。当技術分野において一般に知られているように、SKU又はストックキーピングユニットは、小売業者の在庫又はストックを識別し、追跡するために小売業者によって使用される。SKUは、製造業者、ブランド、型、色及びサイズなどの各アイテムに関する特性を識別する文字及び数字からなる一意のコードである。これは、バーコードで記録され得る。アイテムの特性SKU及び収納箱の識別情報は、制御システム又は収納制御及び通信システムによってアクセス可能である在庫データベース中に記憶される。収納システムにアイテムをストックする又は収納システムの在庫を補充するときに、サプライヤから配達されたアイテムは、デカントステーション又は供給ステーションに搬送される。ここで、アイテムは、それらの梱包から取り出され、アイテムのタイプに応じて、一意のストックキーピングユニット又はSKUに登録され、デカントステーションにおいて収納箱中に配置される。デカントステーションにおいて、収納箱は、箱持ち上げ装置に搬送され、その後、それらは、グリッド階にトラックシステムに持ち上げられて、積荷取扱装置によって取り出され、グリッドフレームワーク構造内のロケーションに搬送される。一般に、特定のSKUは、収納容器に専用であり、単一の収納容器内でのSKUの混合はほとんど又はまったくない。したがって、1つ又は複数の収納容器は、特定のSKUに専用である。
【0050】
グリッドフレームワーク構造が収納容器を密に格納する能力を与えるので、収納中のアイテムのサイズは収納容器のサイズによって大きく限定される。収納容器のサイズは、それの長さ×幅×深さによって与えられる。典型的な標準収納容器は、サイズ600mm×400mm×350mm程度のものである。大部分の食料雑貨品は収納容器内に収容されることが可能であるが、これは、いくつかの非食料雑貨アイテム、たとえば、電気製品又は衣類に該当しないことがある。一般的な商品を提供する遂行システムの場合、グリッドフレームワーク構造は、標準サイズの収納容器中に格納され得ないことがあるアイテムを格納する必要があり得る。したがって、異なるサイズの収納容器が、より大きいアイテムを格納するために必要とされることになり、これは、グリッドフレームワーク構造及びトラックシステム上で動作するロボット積荷取扱装置に新しいレベルの複雑さを追加する。WO2015/197709(Ocado Innovation Limited)に教示されているグリッドフレームワーク構造により大きい収納容器が与えられる場合でも、消費者の購買習慣の変化があればより大きい収納容器をより小さい収納容器に変換する柔軟性がほとんど又はまったくない。一般に、一般的な商品の小売における合計販売量の1~10%が大きいアイテムを表し、これは、年を通して変化する可能性がある。より小さいグリッドセル上で動作するロボット積荷取扱装置の専有面積よりも大きい専有面積を有する1つ又は複数の専用のロボット積荷取扱装置は、より大きいグリッドセルの下の大きい収納容器にアクセスすることが可能である。大きいアイテムの収納のためのグリッドフレームワーク構造の比率を専用化することは、単一の大きい収納容器中でSKUを混合することなしにより小さいアイテムを格納するための収納容量を増加するためにグリッドフレームワーク構造の有効性を低減する。複数の異なるSKUアイテムが単一の大きい収納容器中に格納される場合でも、より大きいグリッドセル上で動作するロボット積荷取扱装置はそれの収納カラムから不要なSKUアイテムを含んでいる収納容器全体を拾い上げ、それをピッキングステーションに搬送する必要があることになる。どちらにしても、これは、グリッドフレームワーク構造中にアイテムを格納するためのあまり効率的でない方法を表し、大きいグリッドセルと小さいグリッドセルとの比率を変化させるグリッドフレームワーク構造の柔軟性を除去する。
【0051】
さらに、収納中の大部分のアイテムが標準収納容器の比較的小さい部分容積を占有する場合、収納容器の残りの容積は未使用になる。収納容器が一般に標準サイズであるので、数百個さらには数千個の収納容器がグリッドフレームワーク構造を備える典型的な収納及び取出しシステム内に密に詰め込まれることを考えれば、収納中の複数の収納容器からのこの空き空間の累算は、グリッドフレームワーク構造の収納容積の比較的大きい比率を表すことができる。
【0052】
図8に示されている本発明は、異なるサイズの専有面積をもち、ホイールアセンブリの特定の専有面積によって制約されないホイールアセンブリを有するロボット積荷取扱装置がトラックシステム上で異なるサイズの収納容器を移動することを可能にする統合された又は単一のトラックシステム214を備えるグリッドフレームワーク構造を与えることによって上記の問題を軽減している。
図6aに示されているトラックの構成とは対照的に、
図8に示されている本発明によるトラックシステム214は、異なるサイズの収納容器の移動のために2つのエリア又は部分224、226を与えるためにグリッドパターンに配置された平行トラックの3つのセット218、220、222を備える。
図8で明らかに顕著なように、異なるサイズのグリッドセル228、230が、トラックシステムの第1の部分224とトラックシステム214の第2の部分226とによって与えられる。トラックシステムの第1の部分224は、第1の方向(X方向)に延びる平行トラックの第1のセット218と第2の方向(Y方向)に延びる平行トラックの第2のセット220及び第3のセット222とを備える。一貫性及び説明の目的で、第1及び第2の方向は、2次元の水平面中の直交軸によって表され、ここで、第1の方向はX軸に沿い、第2の方向はY軸に沿う。平行トラックの第1、第2及び第3のセット218、220、222は、グリッドセルの第1のセット228を画定するためにグリッドパターンに配置され、それによって、グリッドセルの第1のセットの各グリッドセルは、第1のタイプのグリッドセル開口を画定するために第1の方向に延びる寸法と第2の方向に延びる寸法とを有する。第2の方向の平行トラックの第3のセット222は、トラックシステムの第1の部分224中の平行トラックの第2のセット220に対して平行で、それらの間に配置され、したがって、第1のタイプのグリッドセル開口54bは、より小さく、したがって、より小さい第1のタイプの収納容器を収容する。
【0053】
トラックシステムの第2の部分226は、グリッドセルの第1のセット228とグリッドセルの第2のセット230との組合せを備える。グリッドセルの第1のセット228とは異なり、グリッドセルの第2のセット230は、平行トラックの第1のセット218と第2のセット220のみによって画定され、それにより、グリッドセルのグリッドセットの第2のセットの各グリッドセル230は、第2のタイプのグリッドセル開口54cを画定するために第1の方向に延びる寸法と第2の方向に延びる寸法とを有する。平行トラックの第3のセット220は、グリッドセルの第1のセット228を作成するために第2のタイプのグリッドセル開口54cを分割する。
図8に示されている本発明の特定の実施形態では、平行トラックの第3のセット220は、第2のタイプのグリッドセル開口54cごとにグリッドセルの2つの第1のセット228を作成するために第2のタイプのグリッドセル開口54cを二等分する。平行トラックの第3のセット222の不在は、第2のタイプのグリッド開口54cが第1のタイプのグリッド開口54bの倍数であることを生じ、したがって、より大きい第2のタイプの収納容器を収容することが可能である。
【0054】
異なる専有面積をもつホイールアセンブリを有するロボット積荷取扱装置が、グリッド開口の第1のタイプ54bと第2のタイプ54cとの両方にわたって移動するために、第1のタイプと第2のタイプとのグリッド開口の一方向の寸法は実質的に等しい。より詳細には、第1の方向では、第2のタイプのグリッドセル開口54cの寸法は、第1のタイプのグリッド開口54bの寸法の倍数であり、第2の方向では、第1のタイプのグリッド開口の寸法は、第2のタイプのグリッド開口の寸法に実質的に等しい。ロボット積荷取扱装置のホイールアセンブリは、第1及び第2の方向に移動するときにホイールのペアのセットの間隔が平行トラックの第1、第2及び第3のセットと係合することが可能なように調整される。これは、
図10(a及びb)を参照しながら説明され得る。
図10aは、第1のタイプの2つのグリッドセル228を示し、
図10bは、第2のタイプの単一のグリッドセル230を示す。
図10aでは、平行トラックの第3のセット222の部分を形成するトラック要素によって分割されたグリッドセルが示されている。グリッドセル54bの寸法は、
図10aでは「B」によって示される長さと「C」によって示される幅とによって与えられる。
図10bは、平行トラックの第1のセット218と第2のセットとによって形成されるグリッドセルの「より大きい」第2のセットのグリッドセル54cを示す。グリッドセル54cの寸法は、
図10bでは「A」によって示される長さと「B」によって示される幅とによって与えられる。
図10(a及びb)に示されている本発明の特定の実施形態では、2つのより小さい第1のタイプのグリッドセル54bを作成するために「A」によって示される長さを有するより大きい第2のタイプのグリッドセル54cを二等分する平行トラックの第3のセットが示されており、各々は、長さ「A」の実質的に半分である「C」によって示される幅を有する。グリッドセルの第1のセット54bと第2のセット54cとの両方にわたって移動するために異なるホイールアセンブリ専有面積を有する異なるロボット積荷取扱装置の場合、グリッドセルの少なくとも1つの寸法は実質的に等しい。
図10(a及びb)では、グリッドセルタイプ54b、54cの第2の方向(Y方向)に延びる文字「B」によって示される寸法が実質的に等しいことが明確に明らかである。
【0055】
ロボット積荷取扱装置のホイールアセンブリは、
図10(a及びb)に示されているホイールベース及びトラック幅に関して説明され得る。ホイールベースは、車両の前ホイールの中心と後ホイールの中心との間の距離として画定される。ロボット積荷取扱装置のホイールアセンブリは、第1の方向に移動するためのトラックと係合するためのホイールの第1のセットと第2の方向に移動するためのトラックと係合するためのホイールの第2のセットとを備えるので、ホイールの第1のセットと第2のセットとの各々は第1のホイールベースと第2のホイールベースとを備える。第1のホイールベースは、ホイールの第1のセットの前ホイールの中心と後ホイールの中心との間の距離を表し、第2のホイールベースは、ホイールの第2のセットの前ホイールの中心と後ホイールの中心との間の距離を表す。
【0056】
異なるホイールベースを有するホイールアセンブリが第1のタイプ(小さい)グリッド54bの開口と第2のタイプ(大きい)グリッド54cの開口とを横切ってまたぐためにトラック上を移動する場合、ホイールアセンブリのトラック幅は、ホイールアセンブリの重要な態様である。トラック幅は、
図10(a及びb)に示されているように、同じ回転軸を共有する、たとえば、同じ「虚」軸上のホイールの第1のセット又は第2のセットの2つのホイールの中心線の間の距離を指す。ホイールの第1及び第2のセットを備えるホイールアセンブリの場合、ホイールの第1及び第2のセットの各々は、それぞれ、第1のトラック幅と第2のトラック幅とを備える。第1のトラック幅は、ロボット積荷取扱装置がトラックシステム上で第1の方向に移動することを可能にし、第2のトラック幅は、ロボット積荷取扱装置がトラックシステム上で第2の方向に移動することを可能にする。
図10(a及びb)に示されている特定の実施形態では、トラックシステム上で動作可能な2つのタイプのロボット積荷取扱装置30b、30c、すなわち、第1のタイプの「小さい」ロボット積荷取扱装置30bと第2のタイプの「大きい」ロボット積荷取扱装置30cとが示されている。説明を簡単にするために、第1のロボット積荷取扱装置30bは、「小さい」ロボット積荷取扱装置と呼ばれることがあり、第2のタイプのロボット積荷取扱装置30cは、「大きい」ロボット積荷取扱装置と呼ばれることがある。小さいロボット積荷取扱装置30bと大きいロボット積荷取扱装置30cの両方が小さい第1のタイプのグリッド開口54bとより大きい第2のタイプのグリッド開口54cとを横切ってまたぐために、小さいロボット積荷取扱装置30bのトラック幅と大きいロボット積荷取扱装置30cのトラック幅とのうちの1つが実質的に等しいことが必要である。第2の(Y)方向の第1及び第2のタイプのグリッド開口の寸法「B」が実質的に等しいので、小さいロボット積荷取扱装置30bと大きいロボット積荷取扱装置30cとが第1のタイプのグリッド開口54bと第2のタイプのグリッド開口54cの両方を横切ってまたぐために、小さいロボット積荷取扱装置と大きいロボット積荷取扱装置との両方のホイールの第1のセット134、234は実質的に等しい第1のトラック幅を有するように配置される。
図10(a及びb)に示されている概略図では、小さい第1のタイプのロボット積荷取扱装置30bのホイールの第1のセット134は、
図10bに文字「E」によって示されるより大きい第2のタイプのロボット積荷取扱装置のホイールの第1のセット234のトラック幅に実質的に等しい
図10aに文字「E」によって示されるトラック幅を有する。しかしながら、
図10bに文字「F」によって示されるより大きい第2のタイプのロボット積荷取扱装置のホイールの第2のセット236のトラック幅は、
図10aのより小さい第1のタイプのロボット積荷取扱装置のホイールの第2のセット136の文字「D」によって示されるトラック幅の倍数である。したがって、第2のタイプのロボット積荷取扱装置は、より大きい収納容器を収容することが可能である。
【0057】
トラックシステム中のより大きい(第2の)タイプの収納容器を収容するために、大きいロボット積荷取扱装置のホイールの第2のセット236の第2のトラック幅「F」は、小さいロボット積荷取扱装置のホイールの第2のセット136の第2のトラック幅「D」の倍数である。小さいロボット積荷取扱装置と大きいロボット積荷取扱装置とのホイールアセンブリの第1のトラック幅と第2のトラック幅との寸法の差は、
図10(a及びb)に示されている。
図10bに示されている特定の実施形態では、より大きい第2のタイプのロボット積荷取扱装置のホイールアセンブリの第2のトラック幅「F」は、より小さい第1のタイプのロボット積荷取扱装置のホイールアセンブリの第2のトラック幅「D」の2倍の長さである。しかしながら、本発明は、より大きい第2のタイプのロボット積荷取扱装置のホイールアセンブリの第2のトラック幅がより小さい第1のタイプのロボット積荷取扱装置のホイールアセンブリの第2のトラック幅の2倍の長さであることに限定されず、X:1の比率の第2の幅の任意の倍数であり得、ここで、Xは、任意の正の整数、たとえば4であり得る。より小さい第1のタイプのロボット積荷取扱装置がトラックシステムの第2の部分中のグリッドセルのより大きい第2のセットにわたって移動することを可能にする鍵は、より小さいロボット積荷取扱装置の第1のトラック幅「E」がより大きいロボット積荷取扱装置の第1のトラック幅「E」に実質的に等しいということである。したがって、トラックシステム214の第2の部分226中のグリッドセル54bのより小さい第1のセットは、トラックシステムの第2の部分226に入り、より大きい第2のタイプのグリッドセル開口54cにアクセスするためにより小さい第1のタイプのロボット積荷取扱装置30bのための入口ポイントであると想定され得る。より大きい第2のタイプのロボット積荷取扱装置の第1の及び第2のトラック幅が、平行トラックの第1及び第2のセットに沿って移動することが可能であるので、より大きい第2のタイプのロボット積荷取扱装置は、トラックシステムのあらゆる部分で第1の方向と第2の方向との両方に移動することが可能である。
【0058】
動作中、より小さい第1のタイプのロボット積荷取扱装置30bは、一方向(すなわち、第2の方向)により小さい第1のタイプのグリッドセル228を介してトラックシステムの第2の部分226に入ることが可能であり、したがって、それのホイールアセンブリは、大きい第2のタイプのグリッド開口54cを横切ってまたぐことが可能である。言い換えれば、それのホイールアセンブリのトラック幅は、より大きい第2のタイプのグリッドセル230の幅にわたる。
図8及び
図10に示されている特定の実施形態では、それのホイールアセンブリの第1のトラック幅「E」は、より大きい第2のタイプのグリッドセル230の第2の方向の寸法にわたる。より小さい第1のタイプのロボット積荷取扱装置30bは、次いで、第1のタイプのロボット積荷取扱装置がトラックシステムの第2の部分226に入った方向に対して実質的に直角な方向により大きい第2のタイプのグリッドセル230にわたって移動することが可能である。より小さい第1のタイプのロボット積荷取扱装置30bがトラックシステムの第2の部分226に入ることを可能にするために、グリッドセルのより大きい第2のセット230のうちの1つ又は複数は、第1の方向に第1のタイプのグリッドセル228のうちの複数のグリッドセルによって隣接され、第2の方向に第1のタイプのグリッドセルのうちの単一のグリッドセルによって隣接される。これは、
図8の囲まれたトラックシステムの部分231と
図8bの囲まれた部分231の拡大図とによって例示される。
図8bに明確に示されているように、グリッドセルの「より大きい」第2のセット230のうちのグリッドセルは、一方向(X方向)ではグリッドセルの「より小さい」第1のセット228のうちの2つのグリッドセルによって、他の方向(Y方向)ではグリッドセルの「より小さい」第1のセットのうちの1つのグリッドセルによって部分的に結合又は隣接される。グリッドセルの「より大きい」第2のセットとグリッドセルの「より小さい」第1のセットとの間の境界232は、
図8bの破線232によって示されている。境界232は、グリッドセルの「より大きい」第2のセットがグリッドセルの「より小さい」第1のセットと隣接するトラックシステムのエリアを与える。
図8bでは、グリッドセルの「より大きい」第2のセットのうちの1つ又は複数は、第1の方向(X方向)ではグリッドセルの第1のセットのうちの複数のグリッドセルと、第2の方向(Y方向)ではグリッドセルの第1のセットのうちの単一のグリッドセルと隣接する。これは、「より小さい」第1のタイプのロボット積荷取扱装置が、
図8bに矢印によって示される一方向(たとえば、Y方向)にトラックシステムの第2の部分に入り、
図8bに矢印によって示される直交方向(たとえば、X方向)にグリッドセルの第2のセットのうちのより大きいグリッドセルにわたって移動することを可能にする。「より大きい」グリッドセルのうちの1つ又は複数は、グリッドセルの第1のセットのうちのグリッドセルを備えるトラックシステムの第1の部分がグリッドセルの第1及び第2のセットのうちのグリッドセルを備えるトラックシステムの第2の部分に隣接する構成によって第1の方向でグリッドセルの第1のセットのうちの複数のグリッドセルと隣接する。
【0059】
第1のタイプのロボット積荷取扱装置は、第2の方向でトラックシステムの第2の部分に入ったので、第1の方向でより大きい第2のタイプのグリッドセルにわたって移動することが可能になる。トラックシステム214の第1の部分224からトラックシステムの第2の部分226への、より大きい第2のタイプのグリッドセル230にわたる第1のタイプのロボット積荷取扱装置の移動は、
図8に示されている破線矢印によって、及び
図9aにより明確に示されている。より大きい第2のタイプのグリッドセル230の幅にわたってより小さい第1のタイプのロボット積荷取扱装置のホイールアセンブリを配置することによって、より小さい第1のタイプのロボット積荷取扱装置は、より大きい第2のタイプのグリッドセル230にわたって移動することが可能になる。
【0060】
図8に示されている特定の実施形態が、グリッドセル228のより小さい第1のセットを備える第1の部分224とグリッドセル228のより小さい第1のセットとグリッドセルのより大きい第2のセット230との混合を備える第2の部分226とを備えるトラックシステム214を示すが、本発明によるトラックシステム314は、ただ2つの部分に限定されず、複数の部分を備えることができ、複数の部分の各々は、異なるサイズのグリッドセル開口を備える。
図11に示されている特定の実施形態では、トラックシステム314は、トラックシステム314の第2の部分226に隣接するグリッドセルのより大きい第2のセット230からなる追加の第3の部分328を備え、したがって、グリッドセルの第1のセット228と第2のセット230との組合せを備えるトラックシステムの第2の部分226は、トラックシステム314の第1の部分224と第3の部分328との間にインターフェースゾーンを形成する。第3の部分328中のより大きいグリッドセルの第2のセット230は、より大きい第2のタイプの収納容器を収容することが可能である。また、第3の部分328には、より大きい第2のタイプのグリッドセル230のうちの1つ又は複数がより小さい第1のタイプの収納容器を収容することが可能であることが示されている。ここで、より小さい第1のタイプの収納容器は、より大きい第2のタイプの収納容器内で入れ子にされる。より大きい第2のタイプの収納容器中でのより小さい第1のタイプの収納容器の入れ子のさらなる詳細は、以下で説明される。
【0061】
異なるサイズの収納容器(たとえば、第1及び第2のタイプ)の1つ又は複数のスタックは、トラックシステムの第1、第2、及び、任意選択で、第3の部分中でそれらのそれぞれのグリッドセル開口(第1及び第2のタイプ)の下に配置され、したがって、トラックシステム上で操作可能な第1及び第2のタイプのロボット積荷取扱装置は、スタックから収納容器を降ろす及び/又は拾い上げることができる(
図12を参照)。トラックシステムは、収納容器が直立カラム116の間に積み重ねられ、複数の実質的に矩形のグリッドセル開口を通して垂直方向に直立カラム116によって案内されるための複数の垂直収納ロケーションを形成するためにグリッド部材が交差する交差点又はノードにおいて複数の直立カラム116に取り付けられることによって1階の上に引き上げられる。収納容器のスタック112、115は、複数の容器又は1つ若しくは複数の収納容器を包含することができる。異なるサイズの収納容器のスタックの定義の目的で、より小さい第1のタイプの収納容器のスタックは、収納容器の第1のタイプのスタック112と呼ばれ、より大きい第2のタイプの収納容器のスタックは、収納容器の第2のタイプのスタック115と呼ばれる。収納容器の第1のタイプのスタック112は、第1のタイプのグリッド開口の垂直下に位置する第1のタイプの垂直収納カラム212中に格納され、したがって、第1のタイプの収納容器は、第1のタイプの垂直収納ロケーション212に沿って、第1のタイプのグリッド開口を通して持ち上げられ得る。同様に、収納容器の第2のタイプのスタック115は、第2のタイプのグリッド開口の垂直下に位置する第2のタイプの垂直収納カラム215中に格納され、したがって、第1のタイプの収納容器は、第2のタイプの垂直収納ロケーションに沿って、第2のタイプのグリッド開口を通して持ち上げられ得る。複数の第1及び第2のタイプの垂直収納ロケーションは、トラックシステムの第1、第2及び、任意選択で、第3の部分中のそれらのそれぞれの第1のタイプ及び第2のタイプのグリッド開口の下に位置する。これは、それらのそれぞれの垂直収納カラム212、215中に積み重ねられた異なるタイプの収納容器110、111を示す
図12に示されている。
【0062】
第2の(より大きい)タイプのグリッドセル開口54cを超えてまたぐときにより小さい第1のタイプのロボット積荷取扱装置30bがより大きい第2のタイプの収納容器からアイテムを持ち上げることを可能にするために、2つ以上のより小さい第1のタイプの収納容器110は、より大きい第2のタイプの収納容器内で入れ子にされ得る(
図9aを参照)。より小さい第1のタイプのロボット積荷取扱装置30bがより小さい第1のタイプの収納容器の上にそれ自体を配置するために、1つ又は複数の位置センサ(図示せず)は、より小さい第1のタイプのロボット積荷取扱装置の本体に取り付けられ得る。位置センサは、それのグラバー装置がより大きい収納容器で入れ子にされたより小さい収納容器と係合することが可能であるようにより大きいグリッドセル開口54cの上により小さい第1のタイプのロボット積荷取扱装置(30b)を配置するためにトラックと対話することができる。位置センサは、
図9bに示されているようにトラック上でマーキング113と対話する光センサに基づき得る。ここで、少なくとも1つのトラックは、より小さい第1のタイプのロボット積荷取扱装置30bの車両本体32に取り付けられた位置センサと対話する等間隔に離間したマーキング113を備える。マーキング113により、それのグラバー装置がより大きい収納容器内で入れ子にされた正しいより小さい収納容器と係合することが可能であるようにより小さい第1のタイプのロボット積荷取扱装置がより大きいグリッドセル開口の上にそれ自体を正確に配置することが可能になる。マーキング113は、主に、グリッドセルのより小さい第1のセット228とグリッドセルのより大きい第2のセット230との混合を備えるトラックシステムの第2の部分中のより大きいグリッドセル開口の第2の方向に延びるトラックに沿ってある。これは、より小さい第1のタイプのロボット積荷取扱装置は、それのグラバー装置がグリッドセルからより小さい収納容器110a、110bに係合し、持ち上げることを可能にするために、トラックシステムの第2の部分中のより大きいグリッドセル230を超えてまたぎ、より大きい収納容器111内で入れ子にされたより小さい収納容器110a、110bの上にそれ自体を配置することを可能にする。
【0063】
図13及び
図14に示されているようにより大きい第2のタイプの収納容器中で入れ子にされ得るより小さい第1のタイプの収納容器の異なる構成がある。より小さい第1のタイプの収納容器110a、110bのうちの2つ以上が、より大きい第2のタイプの収納容器111中で並んで入れ子にされ得る。
図14に示されている特定の実施形態では、第1のタイプの収納容器110aのうちの3つが、より大きい第2のタイプの収納容器111中で並んで入れ子にされ得る。第1のタイプの収納容器110a、110bの深さ又は高さは、第1のタイプの収納容器110bの2つ以上の層がより大きい第2のタイプの収納容器111内で入れ子にされ得るように低減され得る。たとえば、より小さい第1のタイプの収納容器の3つのセットの2つの層は、より大きい第2のタイプの収納容器中で入れ子にされた合計6つのより小さい第1のタイプの収納容器を与えるためにより大きい第2のタイプの収納容器内で入れ子にされ得る。これは、
図14のより大きい収納容器111中で入れ子にされたより小さい収納容器110a、110bの構成に示されている。同じく、3つのより小さい箱110a、110bのセットの3つの層は、より大きい収納容器111中で入れ子にされた合計9つのより小さい収納容器を与えるためにより大きい収納容器111内で入れ子にされ得る。より大きい収納容器111内で入れ子にされたより小さい収納容器110a、110bの各々は、異なるSKUのアイテムを個々に格納することができる。たとえば、複数のSKUは、より大きい収納容器内で入れ子にされた別個のより小さい収納容器110a、110bに分割されることによってより大きい収納容器中で別々に収納され得る。
【0064】
より小さい及びより大きい収納容器の断面積は、それらがそれぞれ第1のタイプのロボット積荷取扱装置30b及び第2のタイプのロボット積荷取扱装置30cによって拾い上げられ得るようにサイズ決定される。トラックシステム上で動作可能な第1のタイプのロボット積荷取扱装置30bと第2のタイプのロボット積荷取扱装置30cとがより小さい収納容器110a、110cとより大きい収納容器111とを拾い上げるために、第1のタイプのロボット積荷取扱装置30bと第2のタイプのロボット積荷取扱装置30cとの昇降機構は、それぞれより小さい収納容器110a、110bとより大きい収納容器111とに係合するようにサイズ決定されるグラバー装置を備える。たとえば、第1のタイプのロボット積荷取扱装置30bのグラバー装置のフレームは、より小さい収納容器110a、110bと係合するようにサイズ決定される。同じく、第2のタイプのロボット積荷取扱装置30cのグラバー装置のフレームは、より大きい収納容器111と係合するようにサイズ決定される。
図9aに示されている本発明の特定の実施形態では、第1のタイプのロボット積荷取扱装置30bと第2のタイプのロボット積荷取扱装置30cとの車両本体は、昇降装置アセンブリとグラバー装置とを備える昇降装置を格納し、したがって、グラバー装置は、使用中に、それぞれより小さい収納容器110a、110b又はより大きい収納容器111を取り外し可能に把持し、グリッドフレームワーク構造中のスタックから容器受容空間に収納容器110a、110b、111を持ち上げるように構成される。第1のタイプのロボット積荷取扱装置30b及び/又は第2のタイプのロボット積荷取扱装置30cの容器受容空間は、たとえば、WO 2015/019055(Ocado Innovation Limited)で説明されるように車両本体内に配置された空洞又は凹部を備え得る。代替的に、第1のタイプのロボット積荷取扱装置及び/又は第2のタイプのロボット積荷取扱装置の車両本体は、WO2019/238702(Autostore Technology AS)で教示されるカンチレバーを備え得、その場合、容器受容空間は、それらのそれぞれの第1又は第2のタイプのロボット積荷取扱装置のカンチレバーの下に位置する。この場合、グラバー装置は、グラバー装置が、収納容器と係合し、それをスタックからカンチレバーの下の容器受容空間に持ち上げることが可能であるようにカンチレバーによって上げられる。
【0065】
より大きい収納容器111中でより小さい収納容器110a、110bを入れ子にする能力は、より小さい収納容器110a、110bを収容するためにより大きい収納容器111が使用され得るので、グリッドフレームワーク構造が変動するサイズのアイテムを格納することができる柔軟性を増加させる。たとえば、
図12に示されているグリッドフレームワーク構造中のより大きい第2のタイプの収納カラム215中のより大きい収納容器111のうちの1つ又は複数は、より小さい収納容器110a、110bを収容するために使用され得る。より大きい収納容器111中で入れ子にされたより小さい収納容器110a、110b中での内容物へのアクセスを獲得するために、より大きいボット30cは、より小さいグリッドセル228とより大きいグリッドセル230との組合せを備えるトラックシステム214、314の第2の部分226により大きい収納容器111を移動することができる。より大きいボットのホイールアセンブリのトラック幅が第1及び第2の方向に延びるグリッドセルの寸法に対応するので、より大きいボットは、トラックシステム214、314の第2の部分226中で第1の方向と第2の方向との両方により小さい第1のタイプのグリッドセル開口54bとより大きい第2のタイプのグリッドセル開口54cとの両方にわたって移動することができる。したがって、より大きいボット30cは、トラックシステム214、314の第2の部分226中でより大きい第2のタイプのグリッド開口54cを通して入れ子にされたより小さい箱110a、110bを備える大きい箱111を預けることができる。大きい箱111のうちの1つ又は複数は、トラックシステム214、314の第2の部分226中でより大きいグリッドセル230の下のより大きい第2のタイプの収納カラム215中に積み重ねられ得る。トラックシステム214、314の第2の部分226がより小さいグリッドセル228とより大きいグリッドセル230との混合を備えるので、より小さいグリッドセル228は、トラックシステム214、314の第2の部分226に入り、それ自体を配置することを可能にするためにより小さいボット30bのための入口ポイントを与え、したがって、それのホイールアセンブリのトラック幅「E」は、トラックごとにより大きいグリッドセルの寸法のうちの1つに対応し、すなわち、より小さいボット30bのホイールアセンブリのトラック幅「E」は、より大きいグリッドセル230の寸法のうちの1つにわたる。本発明の定義の目的で、小さいボット30bの第1のトラック幅「E」は、第2の方向に延びるより大きいグリッドセルの寸法に対応する。これは、次いで、より小さいボット30bが、より小さいグリッドセル開口54bを超えて小さいボット30bの入口に対して実質的に直角の方向により大きいグリッドセル開口54cを超えてまたぐことを可能にする。小さいボット30bがトラックシステム214、314の第2の部分226中で大きいグリッド開口54cを横切ってまたぐとき、小さいボット30bは、大きいグリッドセル開口54cの上にそれ自体を配置することができ、したがって、それのグラバー装置は、より大きい収納容器111内で入れ子にされた小さい収納容器110a、110bに係合し、拾い上げることができる。小さいボット30bの容器受容空間に持ち上げられると、小さいボット30bは、大きいグリッドセルを出て、在庫取扱ステーションアセンブリに向かってより小さいグリッドセル228を横切って移動することができる。逆は真であり、ここで、小さいボット30bは、トラックシステムの第2の部分中のより大きいグリッドセル開口54cを通してより大きい収納容器111により小さい収納容器110a、110bを下降させることによってトラックシステム214、314の第2の部分226の下のより大きい第2のタイプの収納カラム215中のスタックに保持されるより大きい収納容器111により小さい収納容器110a、110bを預けることができる。より大きい収納容器111は、トラックシステムの第2の部分226中でより大きい第2のタイプの収納カラム215中のスタックにとどまることができる。
【0066】
任意選択で、入れ子にされたより小さい収納容器110a、110bを備えるより大きい収納容器111のうちの1つ又は複数は、トラックシステム314の第3の部分328の下の第2のタイプの収納カラム215に大きいボット30cによって収納ロケーションに移動され得る。主に大きいグリッドセル230を備えるトラックシステム314の第3の部分328は、本発明の収納及び取出しシステムが、大きい収納容器111のための別個の収納領域を与えることを可能にする。トラックシステム314の第3の部分328の下の大きい収納容器111は、大きいアイテムを格納するために使用され得るか、又はより小さいアイテムの収納のためにより大きい収納容器111内で入れ子にされたより小さい収納容器110a、110bを備えることができる。これは、トラックシステムの第1の部分224の下の収納容器のスタックを越えてより小さいアイテムの収納容量を拡張する必要があればより小さいアイテムを格納する本発明の収納及び取出しシステムの容量を増加させる。
【0067】
本発明のトラックシステム414を支持するグリッドフレームワーク構造402を備える収納及び取出しシステム401の典型的なレイアウトが
図15に示されている。小さいボット30bと大きいボット30cとのうちの1つ又は複数がトラックシステム414上で動作可能である。より小さいボット30bが、トラックシステム414の第1の部分224で動作可能であるように示されているが、より小さい収納容器110a、110bを拾い上げるために上記で説明されたようにトラックシステム414の第2の部分226中で移動することもできる。より大きいボット30cは、それらのホイールアセンブリの専有面積により、トラックシステム414の部分224、226、328のすべてで移動することが可能である。また、グリッドフレームワーク構造402中の収納から小さい及び/又は大きい収納容器110a、110b、111を受け取る及び/又は戻すための在庫取扱ステーションアセンブリ404がグリッドフレームワーク構造402の片側に示されている。
【0068】
グリッドフレームワーク構造402中のグリッドカラムの大部分は、収納容器がスタックで格納される収納カラム、すなわち、グリッドカラムである。しかしながら、グリッドは、通常、収納容器を格納するために使用されないが、収納容器がグリッドフレームワーク構造の外部からアクセスされるか又はトラックシステム内外に移送され得るロケーション(従来技術の図に図示せず)に収納容器が搬送され得るようにボットが収納容器を降ろす及び/又は拾い上げることができるロケーションを備える少なくとも1つのグリッドカラムを有する。当技術分野では、そのようなロケーションは、通常、「ポート」と呼ばれ、ポートが位置するグリッドカラムは、トラックシステムの最上階と在庫取扱ステーションアセンブリとの間で収納容器が移送され得る「ポートカラム」と呼ばれることがある。グリッドフレームワーク構造は、在庫取扱ステーションアセンブリから収納容器が配達される(降ろされる)か又は取り出される(拾い上げられる)単一のポートカラムを備えることができるか、又は、代替的に、2つのポートカラムを備えることができる。第1のポートカラムは、たとえば、ボットが第1のポートカラムを通してさらに在庫取扱ステーションアセンブリのアクセスステーション又は移送ステーションに搬送されるべき収納容器を降ろすことができる専用のドロップオフポートを備え得、第2のポートカラムは、ボットがアクセスステーション又は移送ステーションから第2のポートカラムを通して搬送された収納容器を拾い上げることができる専用のピックアップポートを備え得る。収納容器は、アクセスステーションに供給され、それぞれ第1のポートカラム及び第2のポートカラムを介してアクセスステーションを出る。第1及び第2のポートカラムは、それぞれ収納容器のドロップオフ及びピックアップのための別個のポートカラムであり得るか、又は収納容器のドロップオフ及びピックアップのための単一のポートカラムであり得る。
図15に示されている本発明の特定の実施形態では、別個のポートカラム406、408、410は、収納容器のドロップオフ及びピックアップのために使用される。本発明の説明を簡単にするために、第1のポートカラム406は、「ドロップオフ」ポートカラムと呼ばれることになり、第2のポートカラム408は、「ピックアップ」ポートカラムと呼ばれることになる。本発明のトラックシステム414は、小さい第1のタイプの収納容器と大きい第2のタイプの収納容器とのための別個のドロップオフ/ピックアップポートを与える。ドロップオフ/ピックアップポートカラムは、ボットがそれぞれドロップオフポートカラム又はピックアップポートカラムを通して収納容器を下降させ、拾い上げることができるように在庫取扱ステーションアセンブリまでトラックシステムのそれぞれのドロップオフ/ピックアップポートの間で延びるシュートを備えることができる。
【0069】
専用のドロップオフ/ピックアップポートカラム406、408、410は、より小さい収納容器とより大きい収納容器とのためにグリッドフレームワーク構造402中に与えられる。これらは、より小さい収納容器がトラックシステムのドロップオフ/ピックアップポートと在庫取扱ステーションアセンブリ404との間で移送され得る第1のタイプのポートカラム406、408と呼ばれ、より大きい収納容器111がトラックシステムのドロップオフ/ピックアップポートと在庫取扱ステーションアセンブリ404との間で移送され得る第2のタイプのポートカラム410と呼ばれることがある。第1のタイプのポートカラム406、408及び/又は第2のタイプのポートカラム410の各々は、第1のタイプの収納容器及び/又は第2のタイプの収納容器が在庫取扱ステーションアセンブリまで下降されるドロップオフポートカラムと、第1のタイプ及び/又は第2のタイプの収納容器がトラックシステムに向かって拾い上げられるピックアップポートカラムとを備える。これらは、収納容器のドロップオフ及びピックアップのための別個のポートカラム又は単一のポートカラムであり得る。
図15に示されている収納及び取出しシステムの特定の実施形態では、より小さい収納容器を運ぶための第1のタイプのポートカラムは、別個のドロップオフポートカラム406とピックアップカラム408とを備える。しかしながら、第2のタイプのポートカラム410は、より大きい収納容器111のドロップオフ及びピックアップのための単一のポートカラムである。
【0070】
グリッドフレームワーク構造中の収納容器の内容物がアクセスされることになるとき、収納中の収納容器のサイズに応じて、より小さいボット又はより大きいボットが、グリッドフレームワーク構造中でその位置からターゲット収納容器を取り出すように命令される。動作は、トラックシステム上でのそれの位置からターゲット収納容器が位置する収納カラムの上のグリッドロケーションに関係するボットを移動し、ボットの昇降装置を使用してそれの収納カラムから収納容器を拾い上げ、ドロップオフポートに収納容器を移動することに関与する。関係するボットは、ターゲット収納容器が、より小さいボットがターゲット収納容器を取り出すように命令されるより小さい収納容器であるのか、又はより大きいボットがターゲット収納容器を取り出すように命令される大きい収納容器であるのかに依存する。収納容器がグリッドフレームワーク構造中に格納されたべきであるとき、収納容器のサイズに応じて、関係するボットは、ピックアップポートから収納容器を拾い上げ、それを格納されるために下降される収納カラムの上のトラックシステム中のグリッドロケーションに移動するように命令される。
【0071】
単一の在庫取扱ステーションアセンブリ404又は別個の在庫取扱ステーションアセンブリは、第1のタイプのポートカラム406、408及び第2のタイプのポートカラム410のそれぞれのドロップオフ/ピックアップポートカラムから移送されるより小さい収納容器及びより大きい収納容器を扱うために与えられ得る。一般に、当技術分野において知られる在庫取扱ステーションアセンブリ404は、収納容器を受け取るためにドロップオフポートカラム406と協働するポートステーション又はドロップオフエリア416と、収納容器がトラックシステムに向かって拾い上げられ得るピックアップポートカラム408と協働するピックアップエリア418と、収納容器の内容物がアクセスされ得るアクセスステーション420とを備える。
図15に示されているように、ドロップオフポートカラム406及び/又はピックアップポートカラム408は、垂直シュートとして構成され得、ここにおいて、トラックシステム上で操作可能なロボット積荷取扱装置の昇降装置は、それぞれのドロップオフポートカラム及び/又はピックアップポートカラムを通して収納容器を下降させること又はそれを拾い上げることができる。代替的に、ドロップオフポートカラム及び/又はピックアップポートカラムは、それぞれドロップオフポートカラム及びピックアップポートカラムを通して収納容器を自動的に下降させる又は持ち上げるための1つ又は複数の可動アームを備える箱持ち上げ装置を備えることができる。定義の目的で、「ドロップオフエリア」という用語は、「ドロップオフステーション」と呼ばれることがあり、「ピックアップエリア」という用語は、「ピックアップステーション」と呼ばれることがある。したがって、「ドロップオフステーション」及び「ドロップオフエリア」という用語は、同じ特徴を意味するために特許明細書で互換的に使用され得る。同じく、「ピックアップエリア」及び「ピックアップステーション」という用語は、同じ特徴を意味するために特許明細書で互換的に使用され得る。
【0072】
本発明の在庫取扱ステーションアセンブリ404のアクセスステーション420は、供給ステーション又はデカントステーションとして分け合うことができ、ここにおいて、グリッドフレームワーク構造中に格納された在庫は、新しいストックで補充される。コンベアシステム422は、ドロップオフエリア416からアクセスステーション420を介してピックアップエリア418に収納容器を運搬するように構成される。コンベアシステム422は、オペレータ424又はロボットアームがアクセスステーション420において収納容器に突っ込み、そこからアイテムを拾うことを可能にするために収納容器が所定の時間量の間アクセスステーション420で休止されるように構成される。コンベアシステム422は、入口コンベアユニットと、出口コンベアユニットと、少なくとも1つのアクセスコンベアユニットとを備えることができ、入口コンベアユニットは、ドロップオフエリア416に配置され、ドロップオフポートカラム406から第1の搬送方向に少なくとも1つのアクセスコンベアユニットに降ろされた収納箱又は容器を搬送するように配置される。出口コンベアユニットは、ピックアップエリア418に配置され、第2の搬送方向に少なくとも1つのアクセスコンベアユニットからピックアップエリアに収納箱又は容器を搬送するように配置され、少なくとも1つのアクセスコンベアユニットは、第3の搬送方向にドロップオフエリアからピックアップエリアに容器を搬送するように配置される。各コンベアユニットは、コンベアシステムの当技術分野でよく知られているベルト、チェーン及び/又はローラーの任意の好適な構成を備え得る。一般に、少なくとも1つのアクセスコンベアユニット並びに、任意選択で、入口コンベアユニット及び/又は出口コンベアユニットのローラーのうちの1つ又は複数は、統合駆動モーター(図示せず)を備えるが、残りのローラーは、駆動ローラーにベルト(図示せず)によって接続され得るか、又はそれらは受動的であり得る。入口コンベアユニットと出口コンベアユニットとは、入口コンベアユニットの第1の搬送方向が出口コンベアユニットの第2の搬送方向とは反対で平行するように配置され、ここにおいて、少なくとも1つのアクセスコンベアユニットの第3の搬送方向は、それぞれ入口コンベアユニットと出口コンベアユニットとの両方の第1の搬送方向と第2の搬送方向との両方に直交し、すなわち、U字型の軌道(
図15を参照)である。代替的に、コンベアシステムは、入口コンベアユニットの第1の搬送方向が出口コンベアユニットの第2の搬送方向と少なくとも1つのアクセスコンベアユニットの第3の搬送方向との両方に実質的に直交するように配置され得る。本発明の本態様では、収納容器は、ドロップオフエリアからL字型の方向に移動し、アクセスステーションを通って水平方向に移動し、その後、ピックアップエリアへとアクセスステーションを出る。3つのコンベアユニットは、ドロップオフエリアから複数の搬送方向にアクセスステーションを介してピックアップエリアに1つ又は複数の収納箱又は容器を搬送するための在庫取扱ステーションアセンブリの専有面積を低減する観点から柔軟性を与える。
【0073】
しかしながら、収納及び取出しシステムを通る収納容器のスループットの速度限定ステップは、1つ又は複数のアイテムがアクセスステーションにおいて拾われるか又は収納容器に移され得るという点で収納容器を処理する能力である。当技術分野における知られている在庫取扱ステーションアセンブリは、アクセスステーションにおいて限られた数の収納容器を提示するという問題に悩まされる。本出願人は、
図15に示されているアクセスステーションにおいてオペレータに提示される収納容器の数よりもはるかに速くオペレータが収納容器から1つ又は複数のアイテムを拾うこと又は収納容器にアイテムを移すことができることを実現した。したがって、収納容器が在庫取扱ステーションアセンブリを通して処理されるのを待つのでアクセスステーションがボトルネックになる。人間よりも速い速度でアイテムを拾う及び/又は移す能力をもつロボットアームなどの自動ピッキング及び/又はデカントシステムの開発の増加とともに、アクセスステーションにおけるボトルネックが深刻化する問題となっている。一般に、知られている在庫取扱ステーションアセンブリのアクセスステーションにおけるピッキング速度は毎時約400個のアイテムであり、いくつかの自動化システムは、毎時1000個のアイテムを上回って拾うことができる。スループットを増加するためにアクセスステーションを通る収納容器の移動を高速化する試みが実行されており、場合によっては、技術WO2018/233886(Autostore Technology AS)で教示されるようにより速い速度でアクセスステーションを通して収納容器を移動するためにカルーセルが使用される。アクセスステーションを通した収納容器の移動を高速化することは、単に、出口ステーションに問題をシフトし、ここで、1つ又は複数の収納容器は、トラックシステム上で操作可能なロボット積荷取扱装置による後続の取出しのためにトラックシステムに向かって持ち上げられるか、又はトラックシステム上で操作可能なロボット積荷取扱装置によって取り出されるのを待って蓄積される。
【0074】
本発明は、在庫取扱ステーションアセンブリ504を与えることによってこの問題を軽減しており、ここにおいて、アクセスステーション520b、520cは、2つの垂直方向に離間した階、すなわち、第1の階の第1のアクセスステーション520b及び第2の階の第2のアクセスステーション520cに形成され、第1の階は、第2の階から垂直方向に離間している(
図16及び
図17を参照)。異なる階又は高さに複数のアクセスステーション520b、520cを有することにより、所望のピッキング速度を達成するためにより速い速度でアクセスステーションを通して収納容器を移動する必要なしに複数の収納容器110a、110bをオペレータに常時提示することが可能になる。
図16及び
図17の平面図に示されているように本発明の特定の実施形態では、在庫取扱ステーションアセンブリは、第1の階に第1のアクセスステーション520bと第2のレベルに第2のアクセスステーション520cとを備え、第1の階は、第2の階とは異なる高さにある。異なる階にある第1のアクセスステーション520bと第2のアクセスステーション520cとにより、
図17に示されているようにより多くの収納容器をオペレータに常時提示することが可能になる。たとえば、
図19に示されているように、第1のアクセスステーション520bは、在庫取扱ステーションアセンブリにおいてオペレータの胸の高さにあり得、第2のアクセスステーション520cは、腰の高さにあり得、したがって、オペレータ424が、異なる階で収納容器に突っ込み、そこから1つ又は複数のアイテムを拾うことが可能になる。複数のアクセスステーションを有することはまた、在庫取扱ステーションアセンブリを通る収納容器のスループットを満たすために従来技術の解決策の場合のようにアクセスステーションを通る収納容器に急ぐ必要なしに収納容器をより長い時間期間の間アクセスステーション520b、520cに休止されることが可能になる。本発明の在庫取扱ステーションアセンブリは、異なるレベルの2つのアクセスステーションに限定されず、オペレータ又はロボット装置が収納容器に突っ込み、それから拾うのに十分な任意の数のアクセスステーションを異なる階に備えることができる。
【0075】
オペレータ又はロボット装置が異なる階の収納容器に突っ込むことを可能にするために、第1のアクセスステーション520bは、異なる階の収納容器が段階的に配置されるように第2のアクセスステーション520cから横方向に変位される。第1及び第2のアクセスステーションにおける収納容器の横変位は、オペレータ又はロボット装置への収納容器の内部空間の提示を改善し、オペレータ又はロボット装置が異なる階で収納容器に突っ込むことを可能にする(
図17を参照)。空間を節約する又は在庫取扱ステーションアセンブリの専有面積を限定するために、第1の階の第1のアクセスステーション520bは、段階的に第2の階の第2のアクセスステーション520cを少なくとも部分的に覆う。第1及び/又は第2のアクセスステーションは、わずかな下向きの傾きを有し、したがって、第1及び第2の階における収納容器の提示を増加することができる。
【0076】
また、
図17に示されているように、各階において、在庫取扱ステーションアセンブリは、在庫取扱ステーションアセンブリに収納容器を降ろすためのドロップオフポートカラム506と協働するドロップオフエリア516a、bと在庫取扱ステーションアセンブリから収納容器を拾い上げるためのピックアップポートカラム508と協働するピックアップエリア518a、bとを備える。一階だけのアクセスステーションの場合、単一のドロップオフポートカラムが、ドロップオフエリアにおいて収納容器を降ろすように配置され得、単一のピックアップポートカラムは、ピックアップエリアから収納容器を拾うように配置され得る。しかしながら、
図16及び
図17に示されているようにアクセスステーションが2つ以上の階に位置する場合には、グリッドフレームワーク構造は、トラックシステムと一階のドロップオフ/ピックアップエリアとの間で収納容器を移送するための上階のポートカラムとトラックシステムと二階のドロップオフ/ピックアップエリアとの間で収納容器を移送するための下階のポートカラムとを備える。上階及び下階のポートカラムはそれぞれ、異なる一階及び二階のそれぞれのドロップオフエリア及びピックアップエリアに収納容器を降ろし、拾い上げるための単一のカラムであり得る。言い換えれば、一階のドロップオフエリア及びピックアップエリアで収納容器が降ろされ、拾い上げられる単一の上階のポートカラムが与えられ得る。同様に、二階のドロップオフエリア及びピックアップエリアで収納容器が降ろされ、拾い上げられる単一の下階のポートカラムが与えられ得る。
図16に示されている特定の実施形態では、上階のポートカラムは、収納容器が一階のそれぞれドロップオフエリアとピックアップエリアとに移送される別個のドロップオフポートカラムとピックアップポートカラムとを備える。同様に、下階のポートカラムは、収納容器が二階のそれぞれドロップオフエリアとピックアップエリアとに移送される別個のドロップオフポートカラムとピックアップポートカラムとを備える。別個のドロップオフポートカラムとピックアップポートカラムとは、それぞれ異なる階のアクセスステーションの間で収納容器を降ろし、拾い上げるために使用され得る。たとえば、第1のドロップオフポートカラム506aと第1のピックアップポートカラム508aとは、アクセスステーション520bの一階で収納容器をそれぞれ降ろし、拾い上げるために使用される。同様に、第2のドロップオフポートカラム506bと第2のピックアップポートカラム508bとは、アクセスステーション520cの二階で収納容器をそれぞれ降ろし、拾い上げるために使用される。在庫取扱ステーションアセンブリの各階は、アクセスステーションを介してドロップオフエリアからピックアップエリアに収納容器を運搬するためにコンベアシステム522b、cを備える。2階のアクセスステーションでは、一階の第1の運搬システム522bと二階の第2の運搬システム522cとがある。上記のコンベアシステムのように、一階と二階とのそれぞれのコンベアシステムは、ドロップオフエリア516a、bにある入口コンベアユニットと、ピックアップエリア518a、bにある出口コンベアユニットと、アクセスステーション520b、cにある少なくとも1つのアクセスコンベアユニットとを備える。入口コンベアユニットから少なくとも1つのアクセスコンベアユニットを介して出口コンベアユニットに向かう収納容器の進行方向は、
図17に示されている矢印によって示される。在庫取扱ステーションアセンブリの異なる一階と二階とにある入口コンベアユニットは、トラックシステムの下のドロップオフカラム506a(第1及び第2のドロップオフカラム)と協働する(収納容器を受け取る)ためにグリッドフレームワーク構造に延びる。同様に、在庫取扱ステーションアセンブリの異なる階にある出口コンベアユニットは、トラックシステムの下のピックアップカラム508a、b(第1及び第2のピックアップカラム)と協働するためにグリッドフレームワーク構造に延びる。
【0077】
一階のドロップオフエリアに収納容器を降ろすときに第1のドロップオフポートカラム506aが第2のドロップオフポートカラム506bと衝突するのを防げるために、一階にあるドロップオフエリア516aは、二階にあるドロップオフエリア516bから横方向にオフセットされ、すなわち、互いからセットバックされる。このようにして、第1のドロップオフポートカラム506aは、一階でドロップオフエリア516aと協働することが可能であり、第2のドロップオフポートカラム506bは、二階でドロップオフエリア516bと協働することが可能である。同様に、一階のピックアップエリア518aは、二階のピックアップエリア518bから横方向にオフセットされる。このようにして、第1のピックアップポートカラム508aは、一階のピックアップエリア518aと協働することが可能であり、第2のピックアップポートカラム508bは、二階のピックアップエリア518bと協働することが可能である。第1のドロップオフポートカラム506aと第2のドロップオフポートカラム506bとは、次いで、単一のアクセスステーションが1つの階で使用される場合よりはるかに速い速度で異なる階の第1及び第2のアクセスステーション516a、bに収納容器を供給することが可能である。同様に、第1のピックアップポートカラム508aと第2のピックアップポートカラム508bとは、グリッドフレームワーク構造に収納容器を移送することが可能であり、したがって、異なる階にある第1のアクセスステーションと第2のアクセスステーションとを通った収納容器の移動の速度を増加する。しかしながら、本発明は、
図17に示されている2つのアクセスステーションに限定されず、在庫取扱ステーションアセンブリは、在庫取扱ステーションアセンブリで動作するオペレータ又はロボット装置によって到達されることが可能である異なる階又は高さに任意の数のアクセスステーションを備えることができる。異なる階での収納容器の視界を増加させるために、アクセスステーション520b、cは、たとえば、水平に対して10°から45°の範囲の角度で下向きの傾きを有することができる。
図17に示されているように、在庫取扱ステーションアセンブリは、異なる階でコンベアシステム522b、cを支持するフレーム構造を備える。コンベアシステムの各コンベアユニットは、コンベアシステムの当技術分野でよく知られているベルト、チェーン及び/又はローラーの任意の好適な構成を備え得る。少なくとも1つのコンベアユニットのローラーのうちの1つ又は複数は、統合駆動モーター(図示せず)を備えることができるが、残りのローラーは、駆動ローラーにベルト(図示せず)によって接続され得るか、又はそれらは受動的であり得る。
【0078】
スタック内で深く埋められている収納容器の位置を特定するために、トラックシステム上で操作可能なロボット積荷取扱装置に、ターゲット収納容器をそれの収納カラムから持ち上げるためにターゲット収納容器がロボット積荷取扱装置のために露出されるようにターゲット収納容器の上の1つ又は複数の収納容器を取り除くように命令する必要がある。この動作は、通常「採掘」として当技術分野では知られている。動作は、グリッドフレームワーク構造上で操作可能な同じロボット積荷取扱装置又は後続のロボット積荷取扱装置がターゲット収納容器を取り出すためにターゲット収納容器から1つ又は複数の収納容器を特に「掘る」ように割り当てられた別個のロボット積荷取扱装置によって実施され得る。スタックからターゲット収納容器を「掘る」動作時間は、在庫取扱ステーションアセンブリにターゲット収納容器を移動し、次いで、グリッドフレームワーク構造にターゲット収納容器を戻すことを伴うターゲット収納容器を処理する時間のかなりの部分を表すことができる。ターゲット収納容器は、収納カラム中のそれの元のロケーションに戻され得るか、又は新しいロケーション若しくは新しい収納カラムに再配置され得る。
【0079】
「採掘」の問題を克服又は低減するために、本発明によるグリッドフレームワーク構造は、
図18及び
図19に示されているように第2のトラックシステム614を備え、トラックシステムは、第1のトラックシステム514である。上記で説明された第1のトラックシステム514のように、第2のトラックシステム614は、第1の方向に延びる平行トラックの第1のセットと第2の方向に延びる平行トラックの第2のセットとを備え、第2の方向は、第1の方向に対して実質的に直角であり、したがって、1つ又は複数のロボット積荷取扱装置が第2のトラックシステム上で1つ又は複数の収納容器を移動するためのグリッドパターンを作成する。第2のトラックシステム614は、1つ又は複数の収納容器を直立カラムの間に積み重ね、それらによって案内するための第2の複数の収納カラム615を形成するために複数の直立カラム又は直立部材によって支持される。
図12の上記で説明された第1のトラックシステム514の下の複数の収納カラムは、第1の複数の収納カラム212、215と呼ばれる。収納容器は、収納容器内のアイテムの高い需要により頻繁に要求される収納容器が第2のトラックシステムの下の第2の複数の収納カラム615に位置し得るようなグリッドフレームワーク構造中の第1及び第2の複数の収納カラムに配置され得る。これにより、頻繁に要求される収納容器を第2のトラックシステム614上で操作可能なロボット積荷取扱装置によって取り出すことが可能になる。第2のトラックシステム614の下の第2の複数の収納カラム615がより低い頻度で要求される収納容器を格納するために使用され得、頻繁に要求される収納容器が第1のトラックシステムの下の第1の複数の収納カラム212、215中に格納されることが本発明では等しく妥当である。第1及び第2の複数の収納カラムは、
図12を参照しながら上記で説明された第1のタイプの収納カラム212及び/又は第2のタイプの収納カラム215を備えることができる。第1及び第2の複数の収納カラムのうちの1つ又は複数の収納カラムは、それらが同じ又は共通の在庫取扱ステーションアセンブリ504を共有するように配置される。これを達成可能にするために、第1のトラックシステムは、第2のトラックシステム上で操作可能なロボット積荷取扱装置が同じ在庫取扱ステーションアセンブリの異なる階に収納容器を運ぶ能力に影響を及ぼすことなしに第1のトラックシステム上で操作可能なロボット積荷取扱装置が在庫取扱ステーションアセンブリの異なる階に収納容器を運ぶことができるように第2のトラックシステムにわたる。第1及び第2のトラックシステムから収納容器を運ぶことのさらなる詳細について以下で説明される。
【0080】
図18に示されている特定の実施形態では、第2のトラックシステム614は、それが異なる高さにある、すなわち、第1のトラックシステムよりも低いという点で第1のトラックシステム514に対して異なる階にある。第2のトラックシステム614の下の収納容積は、トラックシステム514の下の収納容積よりも低い収納容量を有する。第2のトラックシステム614の下よりもトラックシステム514の下により多くの収納カラム615、したがって、収納容器が収容され得る。
【0081】
第1の複数の収納カラム212、215と第2の複数の収納カラム615とを備えるグリッドフレームワーク構造の部分は、任意選択で、異なる温度ゾーン、たとえば、常温、冷蔵及び/又は冷凍ゾーンに指定され得る。本発明の目的では、冷凍温度は、実質的に-25℃から実質的に0℃の間、より好ましくは、実質的に-21℃から実質的に-18℃の間の範囲をカバーし、冷蔵温度は、実質的に0℃から実質的に4℃の間の範囲をカバーし、常温に制御された温度は、実質的に4℃から実質的に21℃の間、好ましくは、実質的に4℃から実質的に18℃の間の範囲をカバーする。第1の複数の収納カラムは、冷蔵環境を必要とするアイテムの収納用に指定され得、第2の複数の収納カラムは、常温環境を必要とするアイテムの収納用に指定され得、またその逆も同様である。これは、小さいコンビニエンスストアでは一般的である最高10個のアイテムを備える概して小さい注文を履行するときに特に重要である。冷蔵ゾーンのための一部分と常温ゾーンのための一部分とを有する単一のグリッドフレームワーク構造に冷蔵ゾーンと常温ゾーンとを組み合わせることにより、グリッドフレームワーク構造は、そのような小口注文を履行するのに必要なアイテムを収容することが可能になる。
【0082】
第2のトラックシステム614上で操作可能な1つ又は複数のロボット積荷取扱装置30b、cは、第1のトラックシステム上のロボット積荷取扱装置に命令する同じ又は別個のコントローラによって制御され得る。第1のトラックシステムと第2のトラックシステムとの上で遠隔動作可能なロボット積荷取扱装置のうちの1つ又は複数は、グリッドフレームワーク構造内の特定の収納ロケーションから収納容器を取り出すようにとの命令をマスタコントローラから受信するように構成される。ワイヤレス通信及びネットワークは、マスタコントローラから1つ又は複数の基地局を介して第1及び第2のトラックシステム上で操作可能な1つ又は複数のロボット積荷取扱装置に通信インフラストラクチャを与えるために使用され得る。ロボット積荷取扱装置中のコントローラは、命令を受信することに応答して、ロボット積荷取扱装置の移動を制御する様々な駆動機構を制御するように構成される。たとえば、ロボット積荷取扱装置は、第1のトラックシステム及び/又は第2のトラックシステム上の特定のロケーションにある収納カラムから容器を取り出すように命令され得る。命令は、第1のトラックシステム及び/又は第2のトラックシステム上でのXY方向の様々な移動を含むことができる。収納カラムにつくと、昇降機構は、次いで、収納容器をつかみ、それをロボット積荷取扱装置の容器受容空間に持ち上げるように動作され、その後、一般にドロップオフポートとして知られる第1のトラックシステム及び/又は第2のトラックシステム上の別のロケーションに搬送される。容器は、収納容器からのアイテムの取出しを可能にするために好適な在庫取扱ステーションアセンブリまで下降される。
【0083】
第1のトラックシステム514のように、第2のトラックシステム614は、ドロップオフ及び/又はピックアップポートを備え、ここで、ボットは、収納容器の内容物がグリッドフレームワーク構造の外部からアクセスされ得る在庫取扱ステーションアセンブリに収納容器が搬送され得るようにそれらを降ろす及び/又は拾い上げることができる。在庫取扱装置に向かってドロップオフ及び/又はピックアップポートの下を延びるカラムは、それぞれドロップオフポートカラム及びピックアップポートカラムと呼ばれる。第1のトラックシステムと在庫取扱ステーションアセンブリの異なる階との間で収納容器を移送するための上部のポートカラムと下部のポートカラムとに加えて、グリッドフレームワーク構造は、第2のトラックシステムと一階の第1のアクセスステーションとの間に延びる第2の上階のポートカラムと第2のトラックシステムと在庫取扱ステーションアセンブリの二階の第2のアクセスステーションの間に延びる第2の下階のポートカラムとをさらに備える。第1のトラックシステム514と一階のドロップオフ/ピックアップエリアとの間で収納容器を移送するための上階のポートカラム、及び第1のトラックシステム514と二階のドロップオフ/ピックアップエリアとの間で収納容器を移送するための下階のポートカラムのように、第2の上階のポートカラムは、第2のトラックシステム614と一階の第1のアクセスステーションのドロップオフ/ピックアップエリアとの間で収納容器を移送するように構成され、第2の下階のポートカラムは、第2のトラックシステム614と二階の第1のアクセスステーションのドロップオフ/ピックアップエリアとの間で収納容器を移送するように構成される。再び、第2の上下のポートカラムはそれぞれ、在庫取扱ステーションアセンブリ上の異なる一階及び二階のそれぞれのドロップオフエリア及びピックアップエリアに収納容器を降ろし、拾い上げるための単一のポートカラムであり得る。言い換えれば、一階の第1のアクセスステーションのドロップオフエリア及びピックアップエリアで収納容器が降ろされ、拾い上げられる単一の第2の上階のポートカラムが与えられ得る。同様に、二階の第2のアクセスステーションのドロップオフエリア及びピックアップエリアで収納容器が降ろされ、拾い上げられる単一の第2の下階のポートカラムが与えられ得る。
図18から
図20に示されている特定の実施形態では、第2の上階のポートカラムは、収納容器が一階のそれぞれドロップオフエリアとピックアップエリアとに移送される別個のドロップオフポートカラムとピックアップポートカラムとを備える。同様に、第2の下階のポートカラムは、収納容器が二階のそれぞれドロップオフエリアとピックアップエリアとの間で移送される別個のドロップオフポートカラムとピックアップポートカラムとを備える。
【0084】
在庫取扱システムアセンブリの異なる階のコンベアシステム522b、c、すなわち、一階及び二階の入口コンベアユニット及び出口コンベアユニットは、第2のトラックシステム614の下の第2の上階のポートカラム及び第2の下階のポートカラムが異なる階のそれらのそれぞれのコンベアシステムに収納容器を降ろす及び/又は拾い上げるのに十分にグリッドフレームワーク構造に延びる。在庫取扱ステーションアセンブリの一階及び二階の入口コンベアユニット及び出口コンベアユニットは、一階の入口コンベアユニットが第1のトラックシステム514及び第2のトラックシステム614の下の第1及び第2の上階のポートカラムへ延びるようにグリッドフレームワーク構造に延びる。これにより、第1のトラックシステム514及び第2のトラックシステム614上で操作可能な1つ又は複数のロボット積荷取扱装置が、在庫取扱ステーションアセンブリのそれらのそれぞれのアクセスステーションへの搬送のために一階及び二階の入口コンベアユニットに収納容器を降ろすことが可能になる。同様に、第1のトラックシステム514及び第2のトラックシステム614上で操作可能な1つ又は複数のロボット積荷取扱装置は、在庫取扱ステーションアセンブリの一階及び二階の出口コンベアユニット上で収納容器を拾い上げることが可能である。
【0085】
図19は、それらのそれぞれの入口コンベアユニットを介して一階及び二階のアクセスステーションに運ぶための異なる階にある第1のトラックシステム514及び第2のトラックシステム614の構成の一例の正面図である。一階及び二階の入口コンベアユニットに運ぶ上階にある第1のトラックシステムが示されている。第2の「下」階の入口コンベアユニットは、第1のトラックシステム514上のボットが第2の「下」階の入口コンベアユニットに運ぶことを可能にするためにグリッドフレームワーク構造に延びる。同様に、第1の「上」階の入口コンベアユニットは、第2のトラックシステム614上のボットが第1の「上」階の入口コンベアユニットに運ぶことを可能にするためにグリッドフレームワーク構造に延びる。同じ原則が、出口コンベアユニットで待つ収納容器が第1のトラックシステム514及び第2のトラックシステム614に持ち上げられている第1の「上」階及び第2の「下」階にある出口コンベアユニットに適用される。
【0086】
異なる一階及び二階のアクセスステーションに運ぶための第1のトラックシステムの場合、第1のトラックシステムのグリッドセルのうちの1つ又は複数が、第1のトラックシステムと在庫取扱ステーションアセンブリとの間で収納容器を移送するように第1のトラックシステム上で操作可能なボット(ロボット積荷取扱装置)のためのドロップオフ及びピックアップポートとして機能することを可能にするために第2のトラックシステムの上に突出する第1のトラックシステムの少なくとも一部分が
図19に示されている。このようにして、第1のトラックシステムと第2のトラックシステムとの両方は、在庫取扱ステーションアセンブリの異なる階のアクセスステーションに収納容器を運ぶことが可能である。
図20は、在庫取扱ステーションアセンブリのドロップオフエリアの端にある本発明による収納及び取出しシステムの概略側面図を示す。第1及び第2のトラックシステム514、614から在庫取扱ステーションアセンブリの異なる階のドロップステーションまでの異なるポートカラムは、
図20では506a、506b、506c、506dとして標示されている。第1のトラックシステム514は、それぞれドロップオフポートカラム506a及び506bを通して在庫取扱ステーションアセンブリの一階及び二階のドロップオフエリアに運ぶ。第2のトラックシステム614は、それぞれドロップオフポートカラム506c及び506dを通して在庫取扱ステーションアセンブリの一階及び二階のドロップオフエリアに運ぶ。説明を簡単にし、第1のトラックシステムの第1及び第2のドロップオフポートカラム506a、506bと区別するために、第2のトラックシステムのドロップオフポートカラム506c及び506dは、第2のトラックシステムの第1及び第2のドロップオフポートカラムと呼ばれることがある。
【0087】
下の在庫取扱ステーションアセンブリに1つ又は複数の収納容器を運ぶように第1のトラックシステム514上で動作可能なロボット積荷取扱装置の場合、
図20に示されている本発明の一例では、第1のトラックシステムの第1の(上階の)ドロップオフポートカラム506a及び/又は第2の(下階の)ドロップオフポートカラム506bは、第2のトラックシステム614中の1つ又は複数のグリッドセルを通って延びることができる。たとえば、第1のドロップオフポートカラム506aは、下の在庫取扱ステーションアセンブリの第1のアクセスステーション520bに第2のトラックシステム614中のグリッドセルを通って延びることができ、及び/又は第2のドロップオフポートカラム506bは、在庫取扱ステーションアセンブリの第2のアクセスステーション520cに第2のトラックシステム614中の別個のグリッドセルを通って延びることができる。在庫取扱ステーションアセンブリの上階の第1のアクセスステーション520bに収納容器を運ぶために第1のトラックシステムの第1のドロップオフポートカラム506aが第2のトラックシステム中のグリッドセルを通って延びることは必要ではない。突出が第2のトラックシステムの端部を十分に超えて延びるように第2のトラックシステム614の上に第1のトラックシステム514の少なくとも一部分が突出することにより、第1のドロップオフポートカラム506aは、第2のトラックシステムのグリッドセルに延びる必要なしに在庫取扱ステーションアセンブリの第1のアクセスステーション520b上に直接延びることが可能になる。しかしながら、第1のトラックシステム514の突出は、
図20に示されているように第2のトラックシステム614のグリッドセルを通して運ぶことなしに第2のドロップオフポートカラム506bを介して第2の(下の)アクセスステーション520cに第1のトラックシステム上のロボット積荷取扱装置が収納容器を直接運ぶのに十分長くないことがあり、すなわち、第2のドロップオフポートカラム506bは、第2のトラックシステム614のグリッドセルを通って延びる必要があり得る。この場合、第1のトラックシステム上で動作可能なロボット積荷取扱装置は、第2のトラックシステム中のグリッドセルを通って延びる第2のドロップオフポートカラム506bを介して下の第2のアクセスステーションに収納容器を運ぶことができる。
【0088】
一階及び二階のピックアップエリアからそれぞれのピックアップポートカラムを介して第1のトラックシステム514及び第2のトラックシステム614に向かって収納容器を移送するときに同じ原則が適用される。このようにして、第1及び第2のトラックシステムとそれらのそれぞれの第1及び第2のドロップオフ及びピックアップポートカラムは、共通の在庫取扱ステーションアセンブリを共有する。
【0089】
在庫取扱ステーションアセンブリの下の二階のドロップオフエリア516bにある入口コンベアユニットは、第1のトラックシステムから収納容器を受け取るために一階からセットバックされるだけでなく、一階及び二階のドロップオフエリア516a、bにある入口コンベアユニットは、第1のトラックシステムからドロップオフ及び/又はピックアップエリアまで延びる上階のポータルカラムは、第2のトラックシステム上のボット(ロボット積荷取扱装置)の移動を妨げないように横方向に変位される。このようにして、第1の「上」階及び第2の「下」階のいずれかの入口コンベアユニット上に下降された収納容器は、異なる階のそれらのそれぞれのアクセスステーションに運搬され得、それらは、それらのそれぞれの出口コンベアユニットに運搬される前に1つ又は複数のアイテムを収納容器から拾うために休止される。同様に、一階及び二階のピックオフエリア518a、bにある出口コンベアユニットは、第1のトラックシステムからドロップオフ及び/又はピックアップエリアまで延びる上階のポータルカラムが第2のトラックシステム上でのボット(ロボット積荷取扱装置)の移動を妨げないように横方向に変位される。
図17に示されている特定の実施形態では、在庫取扱ステーションアセンブリの一階にあるアクセスコンベアユニットの長さは、それらのそれぞれの入口及び出口コンベアユニットを横方向に変位することを可能にするために二階にあるアクセスコンベアユニットよりも長い。アクセスステーションの一階及び二階にあるコンベアシステム522b、522cの変位により、第1のトラックシステム上で操作可能なロボット積荷取扱装置が、在庫取扱ステーションアセンブリの第1及び第2のアクセスステーションに1つ又は複数の収納容器を運ぶことが可能になり、第2のトラックシステム上で操作可能なロボット積荷取扱装置が、同じ在庫取扱ステーションアセンブリの第1及び第2のアクセスステーションに1つ又は複数の収納容器を運ぶことが可能になる。
【0090】
一階及び二階の各々におけるドロップオフエリアからアクセスステーションを介してピックアップエリアまでの進行方向は、実質的に「U字」型の軌道を採用することが示されており、収納容器は、真逆だが同じ第1及び第3の搬送方向にアクセスステーションとの間で運搬される。収納容器は、アクセスステーションに沿って第2の搬送方向に運搬され、第2の搬送方向は第1及び第3の搬送方向に対して実質的に直角であり、したがって、収納容器は、ドロップオフエリアからアクセスステーションを介してピックアップエリアまで移動するときに2回方向を変更する。しかしながら、アクセスステーションの異なる一階及び二階にある上階の第1のトラックシステムと下階の第2のトラックシステムとの間で収納容器を移送することを可能にするために、ドロップオフエリアからアクセスステーションを介してピックアップエリアまでの収納容器の他の軌道形状が本発明では適用可能である。
【0091】
本発明の好ましい実施形態について上記で詳細に説明したが、上記で説明された異なる特徴を包含する収納容器の様々な修正形態が、特許請求の範囲において定義された本発明の範囲内に適用可能であることを理解されたい。たとえば、第2のトラックシステムのグリッドセル開口のサイズは、小さい第1のタイプのグリッド開口を備える第1の部分と、小さい第1のタイプのグリッド開口とより大きい第2のタイプのグリッド開口との組合せを備える第2の部分とを備える
図8から
図11を参照しながら説明されたトラックシステムのグリッドセル開口の構成と同様であり得る。このようにして、第2のトラックシステムの下の第2の複数の収納カラムは、より小さい第1のタイプの収納容器とより大きい第2のタイプの収納容器とを収容することができる。したがって、小さい第1のタイプのロボット積荷取扱装置とより大きい第2のタイプのロボット積荷取扱装置とは、第2のトラックシステム上で動作することができる。代替的に、
図16から
図20に示されている本発明の実施形態における第1及び第2のトラックシステムのグリッドセル開口のサイズは、1つのサイズの収納容器を収容するという意味で均一であり得る。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数の容器を移動するように操作可能な積荷取扱装置を支持するためのグリッドフレームワーク構造であって、前記グリッドフレームワーク構造は、次のA)トラックシステムと、B)直立カラムとを備え、すなわち、
A)第1及び第2のタイプのロボット積荷取扱装置が1つ又は複数の収納容器を移動するためのトラックシステムと、ここで、前記第1のタイプのロボット積荷取扱装置は、前記第2のタイプのロボット積荷取扱装置とは異なるサイズの専有面積を有し、前記トラックシステムは、次のi)とii)とを備え、すなわち、
i)第1の方向に延びる平行トラックの第1のセットと第2の方向に延びる平行トラックの第2及び第3のセットとを備える第1の部分と、ここで、前記第2の方向は、前記第1の方向に対して実質的に直角であり、平行トラックの前記第1、第2及び第3のセットは、グリッドセルの第1のセットを画定するためにグリッドパターンに配置され、グリッドセルの前記第1のセットの各グリッドセルは、第1のタイプのグリッドセル開口を画定するために前記第1の方向に延びる寸法と前記第2の方向に延びる寸法とを有し、
ii)前記グリッドセルの第1のセットとグリッドセルの第2のセットとのうちの1つ又は複数のグリッドセルを備える第2の部分と、ここで、前記グリッドセルの第2のセットは、前記平行トラックの第1及び第2のセットによって画定され、前記グリッドセルの第2のセットの各グリッドセルは、第2のタイプのグリッドセル開口を画定するために前記第1の方向に延びる寸法と前記第2の方向に延びる寸法とを有し、とを備え、
B)前記トラックシステムを支持し、1つ又は複数の収納容器を直立カラムの間に積み重ねるための複数の垂直収納ロケーションを形成するように配置された複数の前記直立カラムと、
を備え、
前記第1の方向では、前記第2のタイプのグリッドセル開口の寸法は、前記第1のタイプのグリッドセル開口の寸法の倍数であり、前記第2の方向では、前記第1のタイプのグリッドセル開口の寸法は、前記第2のタイプのグリッドセル開口の寸法に実質的に等しく、
前記第2の部分中のグリッドセルの前記第2のセットのうちの1つ又は複数のグリッドセルは、前記第1の方向において前記第1のタイプのグリッドセルのうちの少なくとも2つのグリッドセルによって隣接され、前記第2の方向において前記第1のタイプのグリッドセルのうちの単一のグリッドセルによって隣接される、
グリッドフレームワーク構造。
【請求項2】
前記トラックシステムは、グリッドセルの前記第2のセットを備える第3の部分を備える、請求項1に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項3】
前記第2の部分は、前記第1のタイプのロボット積荷取扱装置と前記第2のタイプのロボット積荷取扱装置とが1つ又は複数の収納容器を移動するためのインターフェースゾーンを画定するために前記トラックシステムの前記第1及び第3の部分の間にある、請求項2に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項4】
前記第1の方向に延びる前記第2のタイプのグリッドセル開口の寸法は、X対1の比率で前記第1の方向に延びる前記第1のタイプのグリッドセル開口の寸法の倍数であり、ここにおいて、Xは、2から4の範囲にある、請求項1から3のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項5】
前記複数の垂直収納ロケーションは、前記第1のタイプのグリッドセル開口の垂直下に位置する第1のタイプの垂直収納ロケーションと前記第2のタイプのグリッドセル開口の垂直下に位置する第2のタイプの垂直収納ロケーションとを備える、請求項1から
3のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項6】
請求項5に記載のグリッドフレームワーク構造を備える収納及び取出しシステムであって、トラックシステムの下に位置する収納容器の複数のスタックを備え、前記収納容器の複数のスタックは、第1のタイプの収納ロケーションに配置された収納容器の第1のタイプのスタックと第2のタイプの収納ロケーションに配置された収納容器の第2のタイプのスタックとを備える、収納及び取出しシステム。
【請求項7】
前記収納容器の第1のタイプのスタックのうちの各収納容器は、第1のタイプの収納容器を備え、前記収納容器の第2のタイプのスタックのうちの各収納容器は、第2のタイプの収納容器を備え、前記第1のタイプの収納容器は、前記第1及び第2のタイプのグリッド開口を通して持ち上げられ得るようなサイズを有し、前記第2のタイプの収納容器は、前記第2のタイプのグリッド開口を通して持ち上げられ得るようなサイズを有する、請求項6に記載の収納及び取出しシステム。
【請求項8】
前記第1のタイプの収納容器のうちの2つ以上の収納容器は、前記第2のタイプの収納容器内で入れ子にされ得る、請求項7に記載の収納及び取出しシステム。
【請求項9】
前記第1のタイプの収納容器のうちの前記2つ以上の収納容器は、前記第2のタイプの収納容器内で隣り合わせに配置される、請求項8に記載の収納及び取出しシステム。
【請求項10】
前記第1のタイプの収納容器の2つ以上の層は、前記第2のタイプの収納容器中で入れ子にされ、前記2つ以上の層の各々は、前記第1のタイプの収納容器のうちの1つ又は複数を備える、請求項
8に記載の収納及び取出しシステム。
【請求項11】
前記第1のタイプの収納容器のX個の数は、X対1の比率で前記第2のタイプの収納容器内で入れ子にされ得、ここにおいて、Xは、2から9の範囲にある、請求項
8に記載の収納及び取出しシステム。
【請求項12】
前記収納容器の第2のタイプのスタックのうちの1つ又は複数の収納容器は、前記第2のタイプの収納容器内で入れ子にされた前記第1のタイプの収納容器のうちの2つ以上を備える、請求項
8に記載の収納及び取出しシステム。
【請求項13】
i)第1のトラック幅を有するホイールの第1のセットと第2のトラック幅を有するホイールの第2のセットとを備える第1の車両ホイールアセンブリを備える第1のタイプのロボット積荷取扱装置と、
ii)第1のトラック幅を有するホイールの第1のセットと第2のトラック幅を有するホイールの第2のセットとを備える第2の車両ホイールアセンブリを備える第2のタイプのロボット積荷取扱装置と、をさらに備え、
前記第1の車両ホイールアセンブリの前記第1のトラック幅は、前記第2の車両ホイールアセンブリの前記第1のトラック幅に実質的に等しく、前記第2の車両ホイールアセンブリの前記第2のトラック幅は、前記第1の車両ホイールアセンブリの前記第2のトラック幅の倍数である、請求項
7に記載の収納及び取出しシステム。
【請求項14】
前記第1のタイプのロボット積荷取扱装置は、前記第1のタイプの収納容器と取り外し可能に係合するように構成された第1のタイプのグラバー装置を備え、前記第2のタイプのロボット積荷取扱装置は、前記第2のタイプの収納容器と取り外し可能に係合するように構成された第2のタイプのグラバー装置を備える、請求項13に記載の収納及び取出しシステム。
【請求項15】
前記第1のタイプの収納容器及び/又は前記第2のタイプの収納容器から1つ又は複数のアイテムを拾う又は移すための少なくとも1つの在庫取扱ステーションアセンブリをさらに備える、請求項
7に記載の収納及び取出しシステム。
【請求項16】
前記グリッドフレームワーク構造は、
i)前記第1のタイプの収納容器が前記トラックシステムと前記少なくとも1つの在庫取扱ステーションアセンブリとの間で移送され得る前記少なくとも1つの在庫取扱ステーションアセンブリの上に配置された第1のタイプのポートカラムと、
ii)前記第2のタイプの収納容器が前記トラックシステムと前記少なくとも1つの在庫取扱ステーションアセンブリとの間で移送され得る前記少なくとも1つの在庫取扱ステーションアセンブリの上に配置された第2のタイプのポートカラムと、
を備える、請求項15に記載の収納及び取出しシステム。
【請求項17】
前記第1のタイプのポートカラム及び/又は前記第2のタイプのポートカラムは、
i)前記第1のタイプの収納容器及び/又は前記第2のタイプの収納容器が前記少なくとも1つの在庫取扱ステーションアセンブリまで下降されるドロップオフポートカラムと、
ii)前記第1のタイプ及び/又は第2のタイプの収納容器が前記トラックシステムに向かって拾い上げられるピックアップポートカラムと、
を備える、請求項16に記載の収納及び取出しシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの在庫取扱ステーションアセンブリは、前記第1のタイプの収納容器を扱うための第1の在庫取扱ステーションアセンブリと前記第2のタイプの収納容器を扱うための第2の在庫取扱ステーションアセンブリとを備え、前記第1及び第2の在庫取扱ステーションアセンブリの各在庫取扱ステーションアセンブリは、
i)それぞれ前記第1のタイプのポートカラム又は前記第2のタイプのポートカラムから下降された前記第1のタイプの収納容器又は前記第2のタイプの収納容器を受け取るためのポートステーションと、
ii)それぞれ前記第1のタイプのポートカラム又は前記第2のタイプのポートカラムを通して拾い上げられることになる前記第1のタイプの収納容器又は前記第2のタイプの収納容器のためのピックアップエリアと、
iii)前記第1のタイプの収納容器又は前記第2のタイプの収納容器の内容物へのアクセスを獲得するための前記ポートステーションと前記ピックアップエリアとの間のアクセスステーションと、
iv)前記アクセスステーションを介して前記ポートステーションから前記ピックアップエリアに前記第1のタイプの収納容器又は前記第2のタイプの収納容器を搬送するための運搬システムと、
を備える、請求項17に記載の収納及び取出しシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0091
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0091】
本発明の好ましい実施形態について上記で詳細に説明したが、上記で説明された異なる特徴を包含する収納容器の様々な修正形態が、特許請求の範囲において定義された本発明の範囲内に適用可能であることを理解されたい。たとえば、第2のトラックシステムのグリッドセル開口のサイズは、小さい第1のタイプのグリッド開口を備える第1の部分と、小さい第1のタイプのグリッド開口とより大きい第2のタイプのグリッド開口との組合せを備える第2の部分とを備える
図8から
図11を参照しながら説明されたトラックシステムのグリッドセル開口の構成と同様であり得る。このようにして、第2のトラックシステムの下の第2の複数の収納カラムは、より小さい第1のタイプの収納容器とより大きい第2のタイプの収納容器とを収容することができる。したがって、小さい第1のタイプのロボット積荷取扱装置とより大きい第2のタイプのロボット積荷取扱装置とは、第2のトラックシステム上で動作することができる。代替的に、
図16から
図20に示されている本発明の実施形態における第1及び第2のトラックシステムのグリッドセル開口のサイズは、1つのサイズの収納容器を収容するという意味で均一であり得る。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 1つ又は複数の容器を移動するように操作可能な積荷取扱装置を支持するためのグリッドフレームワーク構造であって、前記グリッドフレームワーク構造は、次のA)トラックシステムと、B)直立カラムとを備え、すなわち、
A)第1及び第2のタイプのロボット積荷取扱装置が1つ又は複数の収納容器を移動するためのトラックシステムと、ここで、前記第1のタイプのロボット積荷取扱装置は、前記第2のタイプのロボット積荷取扱装置とは異なるサイズの専有面積を有し、前記トラックシステムは、次のi)とii)とを備え、すなわち、
i)第1の方向に延びる平行トラックの第1のセットと第2の方向に延びる平行トラックの第2及び第3のセットとを備える第1の部分と、ここで、前記第2の方向は、前記第1の方向に対して実質的に直角であり、平行トラックの前記第1、第2及び第3のセットは、グリッドセルの第1のセットを画定するためにグリッドパターンに配置され、グリッドセルの前記第1のセットの各グリッドセルは、第1のタイプのグリッドセル開口を画定するために前記第1の方向に延びる寸法と前記第2の方向に延びる寸法とを有し、
ii)前記グリッドセルの第1のセットとグリッドセルの第2のセットとのうちの1つ又は複数のグリッドセルを備える第2の部分と、ここで、前記グリッドセルの第2のセットは、前記平行トラックの第1及び第2のセットによって画定され、前記グリッドセルの第2のセットの各グリッドセルは、第2のタイプのグリッドセル開口を画定するために前記第1の方向に延びる寸法と前記第2の方向に延びる寸法とを有し、とを備え、
B)前記トラックシステムを支持し、1つ又は複数の収納容器を直立カラムの間に積み重ねるための複数の垂直収納ロケーションを形成するように配置された複数の前記直立カラムと、
を備え、
前記第1の方向では、前記第2のタイプのグリッドセル開口の寸法は、前記第1のタイプのグリッドセル開口の寸法の倍数であり、前記第2の方向では、前記第1のタイプのグリッドセル開口の寸法は、前記第2のタイプのグリッドセル開口の寸法に実質的に等しく、
前記第2の部分中のグリッドセルの前記第2のセットのうちの1つ又は複数のグリッドセルは、前記第1の方向において前記第1のタイプのグリッドセルのうちの少なくとも2つのグリッドセルによって隣接され、前記第2の方向において前記第1のタイプのグリッドセルのうちの単一のグリッドセルによって隣接される、
グリッドフレームワーク構造。
[2] 前記トラックシステムは、グリッドセルの前記第2のセットを備える第3の部分を備える、[1]に記載のグリッドフレームワーク構造。
[3] 前記第2の部分は、前記第1のタイプのロボット積荷取扱装置と前記第2のタイプのロボット積荷取扱装置とが1つ又は複数の収納容器を移動するためのインターフェースゾーンを画定するために前記トラックシステムの前記第1及び第3の部分の間にある、[2]に記載のグリッドフレームワーク構造。
[4] 前記第1の方向に延びる前記第2のタイプのグリッドセル開口の寸法は、X対1の比率で前記第1の方向に延びる前記第1のタイプのグリッドセル開口の寸法の倍数であり、ここにおいて、Xは、2から4の範囲にある、[1]から[3]のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造。
[5] 前記複数の垂直収納ロケーションは、前記第1のタイプのグリッドセル開口の垂直下に位置する第1のタイプの垂直収納ロケーションと前記第2のタイプのグリッドセル開口の垂直下に位置する第2のタイプの垂直収納ロケーションとを備える、[1]から[4]のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造。
[6] [5]に記載のグリッドフレームワーク構造を備える収納及び取出しシステムであって、トラックシステムの下に位置する収納容器の複数のスタックを備え、前記収納容器の複数のスタックは、第1のタイプの収納ロケーションに配置された収納容器の第1のタイプのスタックと第2のタイプの収納ロケーションに配置された収納容器の第2のタイプのスタックとを備える、収納及び取出しシステム。
[7] 前記収納容器の第1のタイプのスタックのうちの各収納容器は、第1のタイプの収納容器を備え、前記収納容器の第2のタイプのスタックのうちの各収納容器は、第2のタイプの収納容器を備え、前記第1のタイプの収納容器は、前記第1及び第2のタイプのグリッド開口を通して持ち上げられ得るようなサイズを有し、前記第2のタイプの収納容器は、前記第2のタイプのグリッド開口を通して持ち上げられ得るようなサイズを有する、[6]に記載の収納及び取出しシステム。
[8] 前記第1のタイプの収納容器のうちの2つ以上の収納容器は、前記第2のタイプの収納容器内で入れ子にされ得る、[7]に記載の収納及び取出しシステム。
[9] 前記第1のタイプの収納容器のうちの前記2つ以上の収納容器は、前記第2のタイプの収納容器内で隣り合わせに配置される、[8]に記載の収納及び取出しシステム。
[10] 前記第1のタイプの収納容器の2つ以上の層は、前記第2のタイプの収納容器中で入れ子にされ、前記2つ以上の層の各々は、前記第1のタイプの収納容器のうちの1つ又は複数を備える、[8]又は[9]に記載の収納及び取出しシステム。
[11] 前記第1のタイプの収納容器のX個の数は、X対1の比率で前記第2のタイプの収納容器内で入れ子にされ得、ここにおいて、Xは、2から9の範囲にある、[8]から[10]のいずれか一項に記載の収納及び取出しシステム。
[12] 前記収納容器の第2のタイプのスタックのうちの1つ又は複数の収納容器は、前記第2のタイプの収納容器内で入れ子にされた前記第1のタイプの収納容器のうちの2つ以上を備える、[8]から[11]のいずれか一項に記載の収納及び取出しシステム。
[13] i)第1のトラック幅を有するホイールの第1のセットと第2のトラック幅を有するホイールの第2のセットとを備える第1の車両ホイールアセンブリを備える第1のタイプのロボット積荷取扱装置と、
ii)第1のトラック幅を有するホイールの第1のセットと第2のトラック幅を有するホイールの第2のセットとを備える第2の車両ホイールアセンブリを備える第2のタイプのロボット積荷取扱装置と、をさらに備え、
前記第1の車両ホイールアセンブリの前記第1のトラック幅は、前記第2の車両ホイールアセンブリの前記第1のトラック幅に実質的に等しく、前記第2の車両ホイールアセンブリの前記第2のトラック幅は、前記第1の車両ホイールアセンブリの前記第2のトラック幅の倍数である、[7]から[12]のいずれか一項に記載の収納及び取出しシステム。
[14] 前記第1のタイプのロボット積荷取扱装置は、前記第1のタイプの収納容器と取り外し可能に係合するように構成された第1のタイプのグラバー装置を備え、前記第2のタイプのロボット積荷取扱装置は、前記第2のタイプの収納容器と取り外し可能に係合するように構成された第2のタイプのグラバー装置を備える、[13]に記載の収納及び取出しシステム。
[15] 前記第1のタイプの収納容器及び/又は前記第2のタイプの収納容器から1つ又は複数のアイテムを拾う又は移すための少なくとも1つの在庫取扱ステーションアセンブリをさらに備える、[7]から[14]のいずれか一項に記載の収納及び取出しシステム。
[16] 前記グリッドフレームワーク構造は、
i)前記第1のタイプの収納容器が前記トラックシステムと前記少なくとも1つの在庫取扱ステーションアセンブリとの間で移送され得る前記少なくとも1つの在庫取扱ステーションアセンブリの上に配置された第1のタイプのポートカラムと、
ii)前記第2のタイプの収納容器が前記トラックシステムと前記少なくとも1つの在庫取扱ステーションアセンブリとの間で移送され得る前記少なくとも1つの在庫取扱ステーションアセンブリの上に配置された第2のタイプのポートカラムと、
を備える、[15]に記載の収納及び取出しシステム。
[17] 前記第1のタイプのポートカラム及び/又は前記第2のタイプのポートカラムは、
i)前記第1のタイプの収納容器及び/又は前記第2のタイプの収納容器が前記少なくとも1つの在庫取扱ステーションアセンブリまで下降されるドロップオフポートカラムと、
ii)前記第1のタイプ及び/又は第2のタイプの収納容器が前記トラックシステムに向かって拾い上げられるピックアップポートカラムと、
を備える、[16]に記載の収納及び取出しシステム。
[18] 前記少なくとも1つの在庫取扱ステーションアセンブリは、前記第1のタイプの収納容器を扱うための第1の在庫取扱ステーションアセンブリと前記第2のタイプの収納容器を扱うための第2の在庫取扱ステーションアセンブリとを備え、前記第1及び第2の在庫取扱ステーションアセンブリの各在庫取扱ステーションアセンブリは、
i)それぞれ前記第1のタイプのポートカラム又は前記第2のタイプのポートカラムから下降された前記第1のタイプの収納容器又は前記第2のタイプの収納容器を受け取るためのポートステーションと、
ii)それぞれ前記第1のタイプのポートカラム又は前記第2のタイプのポートカラムを通して拾い上げられることになる前記第1のタイプの収納容器又は前記第2のタイプの収納容器のためのピックアップエリアと、
iii)前記第1のタイプの収納容器又は前記第2のタイプの収納容器の内容物へのアクセスを獲得するための前記ポートステーションと前記ピックアップエリアとの間のアクセスステーションと、
iv)前記アクセスステーションを介して前記ポートステーションから前記ピックアップエリアに前記第1のタイプの収納容器又は前記第2のタイプの収納容器を搬送するための運搬システムと、
を備える、[17]に記載の収納及び取出しシステム。
【国際調査報告】