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特表2024-520608保管及び取り出しシステム並びにスタック処理装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】保管及び取り出しシステム並びにスタック処理装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20240517BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20240517BHJP
   B65G 1/10 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
B65G1/137 A
B65G1/00 501C
B65G1/10 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574199
(86)(22)【出願日】2022-06-01
(85)【翻訳文提出日】2024-01-19
(86)【国際出願番号】 EP2022064978
(87)【国際公開番号】W WO2022253928
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】2107911.6
(32)【優先日】2021-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2116750.7
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2118494.0
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】イングラム-テッド、アンドリュー
【テーマコード(参考)】
3F022
3F522
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022FF21
3F022JJ11
3F022MM01
3F022MM11
3F022MM36
3F522AA02
3F522BB25
3F522BB29
3F522BB35
3F522CC01
3F522DD03
3F522DD04
3F522DD05
3F522DD22
3F522DD34
3F522FF04
(57)【要約】
保管及び取り出しシステム。物品がコンテナ(20)に保管される保管及び取り出しシステム。コンテナは、スタックユニット(50)に配置される。各スタックユニットは、スタンドトップと、スタンドトップから下方に延在する1つ又は複数の脚部とを備えるスタンド(30)を備える。コンテナは、スタンドトップの上に積み重ねて配置される。各スタックユニットは、車両がスタンドトップの下を移動することを可能にするように寸法決めされた車両(50)によって移動可能である。各車両は、スタックユニットを地面から上昇させ、及びスタックユニットを地面へと下降させるそれぞれ上昇位置と下降位置との間で移動可能な持ち上げ機構を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管及び取り出しシステムであって、
1つ又は複数のスタックユニットを備え、各スタックユニットは、
スタンドトップと、前記スタンドトップから下方に延在する1つ又は複数の脚部とを備えるスタンドと、
前記スタンドトップ上に位置する1つ又は複数のコンテナと、
を備え、
前記保管及び取り出しシステムは、車両が前記スタンドトップの下を移動することを可能にするように寸法決めされた1つ又は複数の車両を更に備え、ここで、各車両は、前記スタックユニットを地面から上昇させ、及び前記スタックユニットを地面へと下降させるそれぞれ上昇位置と下降位置との間で移動可能な持ち上げ機構を備える、保管及び取り出しシステム。
【請求項2】
各スタックユニットは、前記スタンドトップ上に位置する垂直スタックを形成するために、互いの上に直接積み重ねられた複数のコンテナを備える、請求項1に記載の保管及び取り出しシステム。
【請求項3】
前記コンテナは、互いの上に可逆的に積み重ねられる、請求項2に記載の保管及び取り出しシステム。
【請求項4】
各コンテナは、前記垂直スタック内の隣接するコンテナの1つ又は複数の対応するインターロック特徴部と可逆的にインターロックするように構成された1つ又は複数のインターロック特徴部を備える、請求項3に記載の保管及び取り出しシステム。
【請求項5】
各コンテナは、前記スタンドトップ上に取り外し可能に受容される、請求項1~4のいずれか一項に記載の保管及び取り出しシステム。
【請求項6】
各コンテナは、前記スタンドトップ上の1つ又は複数の対応するインターロック特徴部と可逆的にインターロックするように構成された1つ又は複数のインターロック特徴部を備える、請求項5に記載の保管及び取り出しシステム。
【請求項7】
前記スタンドトップは、前記コンテナを前記スタンドトップ上の特定の位置へと位置付けるのを助けるために、前記1つ又は複数のコンテナの1つ又は複数の対応する位置付け特徴部と協働するように構成された1つ又は複数の位置付け特徴部を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の保管及び取り出しシステム。
【請求項8】
各コンテナの設置面積は、前記スタンドの設置面積と実質的に同じである、請求項1~7のいずれか一項に記載の保管及び取り出しシステム。
【請求項9】
各車両は、自動化車両又は自律車両である、請求項1~8のいずれか一項に記載の保管及び取り出しシステム。
【請求項10】
前記持ち上げ機構は、持ち上げ面が、前記上昇位置に前記持ち上げ面があるときに前記スタンドトップと係合し、前記下降位置に前記持ち上げ面があるときに前記スタンドトップから係脱するように、前記上昇位置と前記下降位置との間で前記車両の残りの部分に対して移動可能な前記持ち上げ面を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の保管及び取り出しシステム。
【請求項11】
前記持ち上げ面は、前記持ち上げ機構が前記上昇位置にあるときに前記スタンドトップの1つ又は複数の対応するインターロック特徴部と可逆的にインターロックするように構成された1つ又は複数のインターロック特徴部を備える、請求項10に記載の保管及び取り出しシステム。
【請求項12】
前記スタンドトップ及び前記1つ又は複数の脚部は、前記スタンドトップの下の空間と、前記車両が前記空間に出入りすることを可能にするための1つ又は複数の側面開口とを画定している、請求項1~11のいずれか一項に記載の保管及び取り出しシステム。
【請求項13】
前記スタンドトップ及び前記1つ又は複数の脚部は、対の対向する側面開口を画定している、請求項12に記載の保管及び取り出しシステム。
【請求項14】
前記スタンドは、互いに直交して配置された二対の対向する側面開口を備える、請求項12又は13に記載の保管及び取り出しシステム。
【請求項15】
各車両は、各車両が垂直方向において前記スタンドトップの下の前記空間に完全に収まることができるように寸法決めされている、請求項1~14のいずれか一項に記載の保管及び取り出しシステム。
【請求項16】
各車両は、前記車両の側面の外周が前記空間内に完全に収容され得るように寸法決めされている、請求項12~15のいずれか一項に記載の保管及び取り出しシステム。
【請求項17】
グリッドパターンで配置された複数のスタックユニットを備える、請求項1~16のいずれか一項に記載の保管及び取り出しシステム。
【請求項18】
前記1つ又は複数のスタックユニットを保管するための保管エリアと、物品がスタックユニットの1つ又は複数のコンテナからピッキングされるピッキングステーションと、空の又は部分的に満杯のコンテナに物品が充填され、新たなスタックユニットを形成するように配置されるか、又は既存のスタックユニット上へと移送される充填ステーションと、前記1つ又は複数の車両に通信可能に結合され、前記保管エリア、前記ピッキングステーション、及び前記充填ステーション間でスタックユニットを搬送するように前記車両の移動を制御するように構成された制御システムと、を更に備える、請求項1~17のいずれか一項に記載の保管及び取り出しシステム。
【請求項19】
前記保管エリアは、前記保管エリア内の前記スタックユニットの上方に配置されたコンテナ持ち上げデバイスを備え、前記コンテナ持ち上げデバイスは、前記スタックユニットのうちの1つのスタックユニットの上部から別のスタックユニットの上部にコンテナを移送するように構成されている、請求項18に記載の保管及び取り出しシステム。
【請求項20】
コンテナをコンテナの垂直スタック外に移動させ、及び/又はコンテナの垂直スタック内に移動させるためのスタック処理装置であって、
コンテナの垂直スタックを受容するためのスタック受容領域と、
前記スタック内のコンテナに解放可能に係合するように構成された分離部材を備えるスタック分離機構と、ここで、前記分離部材は、前記分離部材が前記スタック内の任意のコンテナに係合し、前記係合されたコンテナを垂直方向に持ち上げて、前記スタックを上部サブスタックと下部サブスタックとに分離して前記下部サブスタックの上部にターゲットコンテナを露出させることを可能にするために、前記スタック受容領域内を垂直方向に移動可能であり、
前記スタック内の前記ターゲットコンテナに解放可能に係合するように構成されたハンドリング部材を備えるコンテナハンドリング機構と、ここで、前記ハンドリング部材は、前記スタック受容領域に対して垂直方向に移動可能であり、かつ前記ハンドリング部材が前記ターゲットコンテナに係合し、前記スタックから水平方向に引き出すことを可能にするために水平方向に移動可能であり、及び/又はフリーコンテナを前記スタック内に挿入するために逆の方法で機能する、
を備える、スタック処理装置。
【請求項21】
前記ハンドリング部材の少なくとも一部分は、前記スタック受容領域に向かって、及び前記スタック受容領域から離れるように水平方向に直線的に移動可能である、請求項20に記載のスタック処理装置。
【請求項22】
前記ハンドリング部材は、前記スタック受容領域に向かって、及び前記スタック受容領域から離れるように水平方向に直線的に伸長及び後退するように構成された格納式アームを備える、請求項20又は21に記載のスタック処理装置。
【請求項23】
前記ハンドリング部材の少なくとも一部分は、前記スタック受容領域に向かって、及び前記スタック受容領域から離れるように水平方向に移動するために枢動可能に取り付けられている、請求項20~22のいずれか一項に記載のスタック処理装置。
【請求項24】
前記分離部材の少なくとも一部分及び/又は前記ハンドリング部材の少なくとも一部分は、前記スタック内のコンテナに係合し、及び前記スタック内のコンテナを解放するために、それぞれ、前記スタックに向かって、及び前記スタックから離れるように移動可能である、請求項20~23のいずれか一項に記載のスタック処理装置。
【請求項25】
前記スタック分離機構は、その間にあるコンテナに係合するように構成された対の水平方向に対向する分離部材を備え、及び/又は前記コンテナハンドリング機構は、その間にあるコンテナに係合するように構成された対の水平方向に対向するハンドリング部材を備える、請求項20~24のいずれか一項に記載のスタック処理装置。
【請求項26】
前記スタック受容領域に水平方向に隣接するコンテナ受容領域を更に備え、前記ハンドリング部材は、前記コンテナ受容領域内を垂直方向に移動可能であり、前記ターゲットコンテナを前記スタックから前記コンテナ受容領域内に引き出し、及び/又はフリーコンテナを前記コンテナ受容領域から前記スタック内に挿入するために、前記コンテナ受容領域と前記スタック受容領域との間を水平方向に移動可能である、請求項20~25のいずれか一項に記載のスタック処理装置。
【請求項27】
前記コンテナ受容領域に水平方向に隣接するコンテナポート領域を更に備え、前記コンテナポート領域は、ターゲットコンテナを前記コンテナ受容領域から受容し、及び/又は前記コンテナ受容領域に移動されるフリーコンテナを受容するように構成されたコンテナポートを備える、請求項26に記載のスタック処理装置。
【請求項28】
前記コンテナポート領域は、垂直方向に配置された、又は前記コンテナ受容領域周りの水平面に配置された複数のコンテナポートを備える、請求項27に記載のスタック処理装置。
【請求項29】
前記ハンドリング部材は、前記ハンドリング部材が、前記ターゲットコンテナを前記コンテナ受容領域から前記コンテナポートのうちの1つ又は複数に移動させ、及び/又はフリーコンテナを前記コンテナポートのうちの1つ又は複数から前記コンテナ受容領域に移動させることを可能にするために、前記コンテナ受容領域と前記コンテナポート領域との間を水平方向に移動可能である、請求項27又は28に記載のスタック処理装置。
【請求項30】
前記コンテナハンドリング機構は、垂直方向に配置された複数のハンドリング部材を備え、各ハンドリング部材は、他のハンドリング部材とは独立して前記コンテナ受容領域内を垂直方向に移動可能であり、前記複数のハンドリング部材のうちの少なくとも1つのハンドリング部材は、前記コンテナ受容領域と前記コンテナポート領域との間を水平方向に移動可能である、請求項29に記載のスタック処理装置。
【請求項31】
前記コンテナポートのうちの少なくとも1つは、前記ターゲットコンテナを前記コンテナ受容領域から受容するように構成された送り出しポートであり、前記コンテナポートのうちの少なくとも1つは、前記コンテナ受容領域に移動されるフリーコンテナを受容するように構成された送り込みポートである、請求項28~30のいずれか一項に記載のスタック処理装置。
【請求項32】
前記送り出しポートは、前記コンテナ受容領域の外部にあるコンテナ経路によって前記送り込みポートに接続され、前記コンテナ経路に沿って、前記ターゲットコンテナは、前記送り出しポートから前記送り込みポートに進むことができる、請求項31に記載のスタック処理装置。
【請求項33】
前記送り出しポート及び前記送り込みポートは、垂直方向に配置され、前記コンテナ経路は、コンテナを前記送り出しポートの高さから前記送り込みポートの高さまで移動させるように構成された垂直搬送手段を備える、請求項32に記載のスタック処理装置。
【請求項34】
前記コンテナ受容領域は、前記ターゲットコンテナを前記ハンドリング部材から受容し、前記ターゲットコンテナを前記コンテナポートのうちのいずれか1つに送達し、及び/又は前記ハンドリング部材によって前記スタック内に挿入するためにフリーコンテナを前記コンテナポートのうちのいずれか1つから受容するように構成されたコンテナ受容面を更に備える、請求項27~33のいずれか一項に記載のスタック処理装置。
【請求項35】
前記コンテナ受容面は、前記ハンドリング部材とは独立して前記コンテナ受容領域内を垂直方向に移動可能である、請求項34に記載のスタック処理装置。
【請求項36】
物品を前記コンテナから出す又は前記コンテナに入れることを可能にするために、前記ターゲットコンテナを前記コンテナポートから受容するように構成されたコンテナ処理領域を更に備える、請求項27~35のいずれか一項に記載のスタック処理装置。
【請求項37】
前記コンテナ処理領域を塞ぐことなく1つ又は複数のコンテナを一時的に保管するためのバッファ領域を更に備える、請求項36に記載のスタック処理装置。
【請求項38】
前記スタック分離機構は、前記スタック内のコンテナに解放可能に係合するように構成された支持部材を更に備え、前記支持部材は、前記スタック受容領域内を垂直方向に移動可能であり、前記分離部材が前記スタックを分離している間、及び/又は前記ハンドリング部材が前記ターゲットコンテナを引き出している間、前記下部サブスタック内のコンテナに係合するように構成されている、請求項20~37のいずれか一項に記載のスタック処理装置。
【請求項39】
前記スタック内の1つ又は複数のコンテナの垂直位置を決定するように構成されたコンテナ認識システムを備える制御システムを更に備え、前記制御システムは、前記決定された垂直位置に基づいて、前記分離部材及び/又は前記ハンドリング部材を垂直方向に移動させるように構成されている、請求項20~38のいずれか一項に記載のスタック処理装置。
【請求項40】
前記スタック分離機構は、複数の垂直方向に配置された分離部材を備え、前記垂直方向に配置された分離部材は、前記垂直方向に配置された分離部材が前記スタック内の複数のコンテナに移動して係合し、前記係合されたコンテナを互いに対して垂直方向に持ち上げて、前記スタックを2つよりも多くのサブスタックに分離することを可能にするために、互いに独立して前記スタック受容領域内を垂直方向に移動可能である、請求項20~39のいずれか一項に記載のスタック処理装置。
【請求項41】
前記スタック受容領域は、所定の最大数の垂直方向に積み重ねられたコンテナを受容するように構成されており、垂直方向に配置された分離部材の数は、前記垂直方向に配置された分離部材が、前記スタック内のすべてのコンテナに移動して係合し、すべてのコンテナを互いに対して垂直方向に持ち上げて、各サブスタックが1つのみのコンテナを含む複数のサブスタックに前記スタックを分離することを可能にするために、前記垂直方向に積み重ねられたコンテナの所定の最大数に少なくとも相当する、請求項40に記載のスタック処理装置。
【請求項42】
スタック処理ステーションであって、
請求項20~41のうちのいずれか一項に記載の第1のスタック処理装置と、
請求項20~41のうちのいずれか一項に記載の第2のスタック処理装置と、
を備え、
前記第1のスタック処理装置は、前記第1のスタック処理装置内のスタックから引き出されたターゲットコンテナが、前記第2のスタック処理装置内のスタック内への挿入のために前記第2のスタック処理装置に進むことを可能にするために、前記第2の装置に接続されている、スタック処理ステーション。
【請求項43】
スタック処理システムであって、
コンテナの1つ又は複数の垂直スタックと、
請求項20~41のいずれか一項に記載の1つ又は複数のスタック処理装置、又は請求項42に記載の1つ又は複数のスタック処理ステーションと、
を備える、スタック処理システム。
【請求項44】
請求項20~41のいずれか一項に記載のスタック処理装置を使用してコンテナの垂直スタックを処理する方法であって、
(i) 前記スタックを上部サブスタックと下部サブスタックとに分離するために前記スタック内のコンテナを垂直方向に持ち上げることと、
(ii) 前記スタックから前記下部サブスタックの上部にあるターゲットコンテナを水平方向に引き出すこと、及び/又は前記上部サブスタックと前記下部サブスタックとの間にフリーコンテナを水平方向に挿入することと、
(iii) 前記スタックを再形成するために前記上部サブスタックを前記下部サブスタック上へと下降させることと、
を行うステップを備える、方法。
【請求項45】
ステップ(ii)において前記ターゲットコンテナを引き出した後に、前記ターゲットコンテナに物品を入れる、及び/又は前記ターゲットコンテナから物品を取り去ることと、前記ターゲットコンテナを前記スタック又は異なるスタック内に挿入して戻すこととを行うステップを更に備える、請求項44に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品が保管コンテナのスタックに保管される保管及び取り出しシステムに関する。また本発明は、コンテナのスタックを処理するための装置に関する。特に、本発明は、コンテナの垂直スタックからコンテナを引き出し、コンテナの垂直スタック内にコンテナを挿入するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ある商業及び工業活動では、多数の異なる製品の保管及び取り出しを可能にするシステムが必要である。WO2015/185628Aには、コンテナのスタックがグリッド保管構造内に配置される保管及び取り出しシステムが記載されている。コンテナは、グリッドフレームワーク構造の上部に位置するレール又はトラック上で動作する荷役デバイスによって上方からアクセスされる。製品が必要なとき、物品を収容したコンテナを荷役デバイスによってグリッド保管構造から持ち上げ、ピッキングステーションに搬送し、そこで物品をコンテナからピッキングしてから、コンテナをグリッド保管構造に送り戻すことができる。
【0003】
WO2015/185628Aに記載されているものなどのシステムは、グリッド保管構造を収めるための大量の空間と、高額資本及び構築する時間コストとが必要になる可能性がある。空間、資本、及び構築時間の要件を低減した保管及び取り出しシステムを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、添付の特許請求の範囲において定義される。
【0005】
保管及び取り出しシステム
保管及び取り出しシステムが提供され、本保管及び取り出しシステムは、
1つ又は複数のスタックユニットと、ここで、各スタックユニットは、
スタンドトップと、スタンドトップから下方に延在する1つ又は複数の脚部とを備えるスタンドと、
スタンドトップ上に位置する1つ又は複数のコンテナと、を備え、
車両がスタンドトップの下を移動することを可能にするように寸法決めされた1つ又は複数の車両と、を備え、各車両は、スタックユニットを地面から上昇させ、及びスタックユニットを地面へと下降させるそれぞれ上昇位置と下降位置との間で移動可能な持ち上げ機構を備える。
【0006】
コンテナ(又は任意の他の物体)と車両との間に中間スタンドを設けることによって、車両は、コンテナが車両上に直接積載されるのを待つ必要なく、迅速かつ効率的にコンテナを持ち上げて移動させることができる。更に、車両がスタックユニットを所望のロケーションに配設すると、車両は、コンテナが車両から荷降ろしされるのを待つ必要なく、直ちに異なるロケーションに(例えば、別のスタックユニットを移動させるために)自由に行くことができる。更に、複数のスタックユニットを保管するのに十分な大きさのフロア面積以外の保管構造を必要とせずに、複数のスタックユニットを中心に保管することができ、それによって、背景技術のセクションで述べたグリッド保管構造と比較して、資本及び構築時間のコストが削減される。
【0007】
複数のコンテナがスタンドトップ上に位置するとき、コンテナは互いの上に直接積み重ねられて、垂直スタックを形成し得る。コンテナは、可逆的に積み重ねられてよく、すなわち、容易に積み重ねたり、積み重ねを解体したりすることができる。スタックは、異なる高さのコンテナを備え得る。スタックは、スタンドトップ上に直接位置し得る。
【0008】
コンテナを垂直スタックへと配置することは、物品を高密度に保管する効率的な方法である。また、積み重ね可能なコンテナに物品を保管することは、棚などの固定された保管手段と比較して自動化を支援する。この理由は、スタック内のコンテナの配置を変えることによって、又は異なるスタック間でコンテナを移動させることによって物品を再編成することができ、これは、物品自体を直接再編成するよりも容易であり得るからである。更に、下に持ち上げ車両を収容することができるスタンドの上に各スタックを形成する又は置くことによって、その上に所望のスタックを有するスタンドを単純に持ち上げることによって、便利かつ効率的にスタック全体を搬送し、施設じゅうで場所移動させることができる。
【0009】
各コンテナは、垂直スタック内の隣接するコンテナの1つ又は複数の対応するインターロック特徴部と可逆的にインターロックするように構成された1つ又は複数のインターロック特徴部を備え得る。例えば、各コンテナの上部は1つ又は複数の凹部を備えてよく、各コンテナの底部は1つ又は複数の対応する突出部を備えてよく、又はその逆であってもよい。インターロック特徴部は、特にスタックユニットが車両によって持ち上げられて搬送されている間、コンテナのスタックが安定した状態を保つのを助ける。
【0010】
各コンテナは、スタンドトップ上に取り外し可能に受容可能であってよく、すなわち、スタンドトップに固定されていなくてよい。各コンテナは、スタンドトップ上の1つ又は複数の対応するインターロック特徴部と可逆的にインターロックするように構成された1つ又は複数のインターロック特徴部を備え得る。例えば、各コンテナの底部は、1つ又は複数の突出部を備えてよく、スタンドトップの上部は、1つ又は複数の対応する凹部を備えてよい。コンテナが互いにインターロックすることを可能にするためのインターロック特徴部は、各コンテナがスタンドとインターロックすることを可能にするためのインターロック特徴部と同じであってもよいし、又はそれらは異なっていてもよい。コンテナとスタンドをインターロックするためのインターロック特徴部は、特にスタックユニットが車両によって持ち上げられて搬送されるときに、コンテナのスタックがスタンド上で安定した状態を保つのを助ける。
【0011】
スタンドトップは、コンテナをスタンドトップ上の特定の位置へと位置付けるのを助けるために、1つ又は複数のコンテナの1つ又は複数の対応する位置付け特徴部と協働するように構成された1つ又は複数の位置付け特徴部を備え得る。位置付け特徴部及び対応する位置付け特徴部は、例えば、テーパ状の縁部を備えてよく、スタンドトップの上部及び各コンテナの底部に位置してよい。また各コンテナの位置付け特徴部は、コンテナの垂直スタックを形成するときにコンテナを互いの上に位置付けるのを助けるために、各コンテナ上の対応する位置付け特徴部と協働し得る。
【0012】
各コンテナは、上部が開いたコンテナであり得る(すなわち、コンテナの上部に開口を備える)。これにより、物品を容易にコンテナに入れ、コンテナから出すことが可能になり、(例えば、カメラがコンテナの内容物を見ることを可能にすることによって、及びロボットアームがコンテナ内の物品にアクセスすることを可能にすることによって)これらのタスクの自動化を支援する。安定性を向上させ、スタックユニットを保管するために利用可能な空間の使用を最大限にするために、各コンテナの設置面積は、スタンドの設置面積と実質的に同じであり得る(すなわち、各コンテナの基底部は、スタンドトップと実質的に同じサイズであり得る)。
【0013】
各車両は、例えば、固定のルートをたどることが可能な無人搬送車(AGV)、又は自分のルートを計画することが可能な自律移動ロボット(AMR)などの、自動化車両又は自律車両であり得る。これにより、スタックユニットの搬送を自動化することが可能になり、これにより、保管及び取り出しシステムの効率が更に高まる。各車両は、車両が複数の方向に移動することを可能にするように構成された駆動機構を備え得る。例えば、駆動機構は、車両が少なくとも2つの直交方向に前後に移動することを可能にするように構成され得る。駆動機構は、車両が方向を変えることを可能にするために、車両が垂直軸を中心として回転することを可能にし得る。保管及び取り出しシステムは、1つ又は複数の車両に、スタックユニットを持ち上げて保管及び取り出しシステム内の特定のロケーションに移動させるように指示するように構成された制御システムを備え得る。
【0014】
持ち上げ機構が上昇位置にあるとき、スタックユニットが車両によって地面から持ち上げられるように、車両の全高は、地面の上方のスタンドトップの高さよりも高くてよい。持ち上げ機構が下降位置にあるとき、車両が下にある状態でスタックユニットが地面に載っていることができるように、車両の全高は、地面の上方のスタンドトップの高さよりも低くてよい。
【0015】
持ち上げ機構は、上昇位置と下降位置との間で車両の残りの部分に対して移動可能な持ち上げ面を備え得る。持ち上げ面は、持ち上げ面が上昇位置にあるときにスタンドトップ(例えば、スタンドトップの底部)に係合し、持ち上げ面が下降位置にあるときにスタンドトップから係脱し得る。持ち上げ面(例えば、持ち上げ面の上部)は、スタンドトップ(例えば、スタンドトップの底部)の1つ又は複数の対応するインターロック特徴部と可逆的にインターロックするように構成された1つ又は複数のインターロック特徴部(例えば、突出部又は凹部)を備え得る。車両及びスタンドトップのインターロック特徴部は、スタックユニットが、持ち上げられて搬送されるときに車両上で安定した状態を保つのを助ける。持ち上げ機構は、持ち上げ面を上昇及び下降させるためのリニアアクチュエータを備え得る。リニアアクチュエータは、例えば、空気圧式、油圧式、電気式などの任意の好適なタイプのアクチュエータであり得る。持ち上げ面と車両の残りの部分とは、垂直軸を中心として互いに対して回転してよく、それにより、車両は、持ち上げ面の上のスタックユニットを移動させることなく、その場で方向を変えることができる。
【0016】
スタンドトップ及び1つ又は複数の脚部は、スタンドトップの下の空間と、車両が空間に出入りすることを可能にするための1つ又は複数の側面開口とを画定し得る。1つ又は複数の側面開口は、隣接する脚部の間に画定され得る。車両が1つよりも多くの方向から空間に出入りすることを可能にするために、スタンドの1つよりも多くの側面に側面開口が画定され得る。一対の対向する側面開口が画定され得る。二対の対向する側面開口が画定されてもよく、一方の対は、他方の対に対して直交して配向される。スタンドトップは、スタンドトップの4つの角から下方に延在する4つの脚部を有する矩形形状を有し得る。側面開口は、隣接する脚部の各対の間で、スタンドの各側面に画定され得る。これにより、車両がスタックユニットの向きに関係なく、スタンドトップの下の空間に出入りすることが可能になり得る。更に、スタックユニットが、隣接するスタックユニットの側面開口が位置合わせされるようにグリッドパターンで配置される場合、車両は、グリッドパターンの外側を迂回して進まなければならないのではなく、グリッドパターンを「通って」進むことによってグリッドパターンの1つの側から別の側に効率的に進むことができる。これにより、スタックユニット間に車両のためのアクセス通路が全く又はほとんど必要なくなるので、スタックユニットをより高密度に配置することも可能になる。
【0017】
各車両は、各車両が垂直方向においてスタンドトップの下の空間に完全に収まることができるように寸法決めされ得る。換言すれば、各車両の最大垂直寸法は、スタンドトップの下の空間の最小垂直寸法よりも小さい。
【0018】
各車両の水平設置面積は、各スタックユニットの水平設置面積と実質的に同様であってもよいし、又はそれよりも小さくてもよい。各車両は、各車両の側面の外周がスタンドトップの下に画定された空間内に完全に収容され得る(すなわち、車両がスタンドトップを越えて横に延在しない)ように寸法決めされ得る。これにより、車両が、スタックユニットを、他のスタックユニット若しくは他の物体又は壁の近くに移動させて置くことが可能になり、保管密度が向上する。また車両のためのアクセスルートもより小さくすることができ、それにより、保管及び取り出しシステムは、全体の空間がより小さくて済む。
【0019】
各脚部の底部は、車両によって持ち上げられていないときにスタックユニットを押し進めることを可能にする車輪(例えば、キャスタ車輪)を備え得る。これは、例えば、スタックユニットを持ち上げているときに車両には好適ではない場合がある傾斜路を(例えば、貨物自動車上へと)スタックユニットを上や下に押していくのに有用であり得る。
【0020】
保管及び取り出しシステムは、グリッドパターンで配置された複数のスタックユニットを備えてよく(すなわち、スタックユニットは、2つの直交する方向に沿って規則的なパターンで配置される)、これにより、高密度で空間効率の良い配置が可能になる。
【0021】
保管及び取り出しシステムは、1つ又は複数のスタックユニットを保管するための保管エリアを備え得る。スタックユニットは、保管エリア内にグリッドパターンで配置され得る。
【0022】
保管及び取り出しシステムは更に、物品がスタックユニットの1つ又は複数のコンテナからピッキングされるピッキングステーションを備え得る。ピッキングステーションにおいて、ターゲットコンテナはスタックユニットから引き出されてよく、それにより、ターゲットコンテナから物品をピッキングすることができるようになる。ピッキング後、コンテナは、同じ又は異なるスタックユニットに戻されてよく、次いで、保管エリアに戻されてよい。
【0023】
保管及び取り出しシステムは更に、空の又は部分的に満杯のコンテナに物品が充填され、新たなスタックユニットを形成するように配置されるか、又は既存のスタックユニット上へと移送される充填ステーションを備え得る。新たな又は更新されたスタックユニットは、次いで、保管エリアに搬送され得る。
【0024】
保管及び取り出しシステムは、1つ又は複数の車両に通信可能に結合された制御システムを備え得る。制御システムは、保管エリア、ピッキングステーション、及び充填ステーション間で1つ又は複数のスタックユニットを搬送するように1つ又は複数の車両の移動を制御するように構成され得る。例えば、新たに形成された又は更新されたスタックユニットは、充填ステーションから保管エリアに移動され得る。スタックユニット内のコンテナから物品を取り出す必要があるとき、スタックユニットは、保管エリアからピッキングステーションに移動され得る。次いで、スタックユニットは、物品が再び必要になるまで、保管エリアに戻され得る。代替的に、コンテナに補充する必要がある場合、又はスタックユニットが新たなコンテナを受容する必要がある場合、スタックユニットは、ピッキングステーションから充填ステーションに移動されてもよい。
【0025】
保管エリアは、保管エリア内のスタックユニットの上方に配置されたコンテナ持ち上げデバイスを備え得る。コンテナ持ち上げデバイスは、スタックユニットのうちの1つのスタックユニットの上部から別のスタックユニットの上部にコンテナを移送するように構成され得る。コンテナ持ち上げデバイスは、スタックユニットの上部にあるコンテナに解放可能に係合するように構成されたコンテナグラバを備え得る。コンテナグラバは更に、コンテナを上昇及び下降させるために垂直方向に移動するように構成され得る。コンテナグラバは、コンテナを別のスタックユニット上に移送するために、水平方向に更に移動可能であり得る。
【0026】
充填ステーション及び/又はピッキングステーションは、以下に定義される1つ又は複数のスタック処理装置を備え得る。
【0027】
スタック処理装置
コンテナをコンテナの垂直スタック外に移動させ、及び/又はコンテナの垂直スタック内に移動させるためのスタック処理装置が提供される。本スタック処理装置は、
コンテナの垂直スタックを受容するためのスタック受容領域と、
スタック内のコンテナに解放可能に係合するように構成された分離部材を備えるスタック分離機構と、ここで、分離部材は、分離部材がスタック内の任意のコンテナに係合し、係合されたコンテナを垂直方向に持ち上げて、スタックを上部サブスタックと下部サブスタックとに分離して下部サブスタックの上部にターゲットコンテナを露出させることを可能にするために、スタック受容領域内を垂直方向に移動可能であり、
スタック内のターゲットコンテナに解放可能に係合するように構成されたハンドリング部材を備えるコンテナハンドリング機構と、を備え、ハンドリング部材は、スタック受容領域に対して垂直方向に移動可能であり、かつハンドリング部材がターゲットコンテナに係合し、スタックから水平方向に引き出すことを可能にするために水平方向に移動可能であり、及び/又はフリーコンテナをスタック内に挿入するために逆の方法で機能する。
【0028】
このようにして、スタック処理装置により、スタック内の任意のコンテナへの効率的かつ直接的なアクセス、及び/又はスタック内の任意の位置へのコンテナの効率的かつ直接的な挿入が可能になる。スタック内のコンテナが異なる高さ寸法を有する場合でも、これらのタスクを行うことができる。スタック処理装置は、物品が垂直スタックに配置されたコンテナに保管され、スタック内の個々のコンテナへの直接アクセスにより物品を効率的かつ適時に取り出すことが可能になる、保管及び取り出しシステムにおいて有用であり得る。
【0029】
ハンドリング部材の少なくとも一部分は、スタック受容領域に向かって、及びスタック受容領域から離れるように水平方向に直線的に移動可能であり得る。例えば、ハンドリング部材は、スタック受容領域に向かって、及びスタック受容領域から離れるように水平方向に直線的に伸長及び後退するように構成された格納式アームを備え得る。
【0030】
ハンドリング部材の少なくとも一部分は、スタック受容領域に向かって、及びスタック受容領域から離れるように水平方向に移動するために枢動可能に取り付けられ得る。
【0031】
分離部材の少なくとも一部分及び/又はハンドリング部材の少なくとも一部分は、スタック内のコンテナに係合し、及びスタック内のコンテナを解放するために、それぞれ、スタックに向かって、及びスタックから離れるように移動可能であり得る。分離部材及び/又はハンドリング部材は、コンテナの対応する特徴部に係合するための係合特徴部を備え得る。係合特徴部は、例えば、突出部、凹部、開口部などであり得る。
【0032】
スタック分離機構は、その間にあるコンテナに係合するように構成された対の水平方向に対向する分離部材を備えてよく、及び/又はコンテナハンドリング機構は、その間にあるコンテナに係合するように構成された対の水平方向に対向するハンドリング部材を備えてよい。
【0033】
スタック処理装置は更に、スタック受容領域に水平方向に隣接するコンテナ受容領域を備え得る。ハンドリング部材は、コンテナ受容領域内を垂直方向に移動可能であり、ターゲットコンテナをスタックからコンテナ受容領域内に引き出し、及び/又はフリーコンテナをコンテナ受容領域からスタック内に挿入するために、コンテナ受容領域とスタック受容領域との間を水平方向に移動可能であり得る。
【0034】
スタック処理装置は更に、コンテナ受容領域に水平方向に隣接するコンテナポート領域を備え得る。コンテナポート領域は、ターゲットコンテナをコンテナ受容領域から受容し、及び/又はコンテナ受容領域内に移動されるフリーコンテナを受容するように構成されたコンテナポートを備え得る。
【0035】
コンテナポート領域は、垂直方向に配置された複数のコンテナポートを備え得る。例えば、コンテナポートは、互いの真上又は真下に配置されてもよいし、又はそれらは、異なる垂直方向高さで互いに水平にオフセットされていてもよい。代替的に、コンテナポートは、コンテナ受容領域周りの水平面に(同じ垂直方向高さで)配置されてもよい。
【0036】
ハンドリング部材は、ハンドリング部材が、ターゲットコンテナをコンテナ受容領域からコンテナポートのうちの1つ又は複数に移動させ、及び/又はフリーコンテナをコンテナポートのうちの1つ又は複数からコンテナ受容領域に移動させることを可能にするために、コンテナ受容領域とコンテナポート領域との間を水平方向に移動可能であり得る。
【0037】
コンテナハンドリング機構は、複数の垂直方向に配置されたハンドリング部材を備え得る。各ハンドリング部材は、他のハンドリング部材とは独立してコンテナ受容領域内を垂直方向に移動可能であり得る。複数のハンドリング部材のうちの少なくとも1つのハンドリング部材は、コンテナ受容領域とコンテナポート領域との間を水平方向に移動可能であり得る。
【0038】
コンテナポートのうちの少なくとも1つは、ターゲットコンテナをコンテナ受容領域から受容するように構成された送り出しポートであってよく、コンテナポートのうちの少なくとも1つは、コンテナ受容領域に移動されるフリーコンテナを受容するように構成された送り込みポートであってよい。
【0039】
送り出しポートは、コンテナ受容領域の外部にあるコンテナ経路によって送り込みポートに接続されてよく、コンテナ経路に沿って、ターゲットコンテナは、送り出しポートから送り込みポートに進むことができる。コンテナ経路は、コンテナを送り出しポートから送り込みポートに自動で運搬するように構成され得る。例えば、コンテナ経路は、コンベヤの形態であり得る。コンテナ経路は、コンテナが送り出しポートと送り込みポートとの間を中断されずに進むことを可能にするために、送り出しポートと送り込みポートとの間で連続的であり得る(ただし、コンテナ経路は、必要に応じてコンテナ経路に沿った1つ又は複数のロケーションでコンテナを停止させるように構成され得る)。
【0040】
送り出しポート及び送り込みポートは、垂直方向に配置され得る。例えば、送り出しポートは、送り込みポートの下に配置されてもよいし、又はその逆も同様である。コンテナ経路は、任意選択で送り出しポートと送り込みポートとの間の1つ又は複数の中間高さを介して、コンテナを送り出しポートの高さから送り込みポートの高さまで移動させるように構成された垂直搬送手段を備え得る。垂直搬送手段は、例えば、傾斜面(例えば、傾斜したコンベヤ)、又は持ち上げ機構(例えば、垂直方向に移動可能なコンベヤのセクション)であり得る。
【0041】
コンテナ受容領域は、ターゲットコンテナをハンドリング部材から受容し、ターゲットコンテナをコンテナポートのうちのいずれか1つに送達し、及び/又はハンドリング部材によってスタック内に挿入するためにフリーコンテナをコンテナポートのうちのいずれか1つから受容するように構成されたコンテナ受容面を更に備え得る。コンテナ受容面は、ハンドリング部材とは独立してコンテナ受容領域内を垂直方向に移動可能であり得る。コンテナ受容面は、コンベヤの形態であり得る。
【0042】
スタック処理装置は、物品をコンテナから出す又はコンテナに入れることを可能にするために、ターゲットコンテナをコンテナポートから受容するように構成されたコンテナ処理領域を更に備え得る。スタック処理装置は更に、コンテナ処理領域を塞ぐことなく1つ又は複数のコンテナを一時的に保管するためのバッファ領域を備え得る。コンテナは、コンベヤ構成体又は他の搬送手段を使用して、コンテナポート、コンテナ処理領域、及びバッファ領域間で搬送され得る。コンテナ処理領域及びバッファ領域は、上述のコンテナ経路の一部を形成し得る。
【0043】
スタック分離機構は更に、スタック内のコンテナに解放可能に係合するように構成された支持部材を備え得る。支持部材は、スタック受容領域内を垂直方向に移動可能であり、分離部材がスタックを分離している間、及び/又はハンドリング部材がターゲットコンテナを引き出している間、下部サブスタック内のコンテナに係合するように構成され得る。例えば、支持部材は、分離部材がスタックを分離している間にターゲットコンテナに係合してよく、及び/又は支持部材は、ハンドリング部材がターゲットコンテナを引き出している間にターゲットコンテナのすぐ下のコンテナに係合してよい。支持部材は、上部サブスタックが下部サブスタックからより滑らかに分離されるのを助け、及び/又はターゲットコンテナが下部サブスタックからより滑らかに引き出されるのを助ける。
【0044】
スタック処理装置は更に、スタック内の1つ又は複数のコンテナの垂直位置を決定するように構成されたコンテナ認識システムを備える制御システムを備え得る。制御システムは、決定された垂直位置に基づいて分離部材及び/又はハンドリング部材を垂直方向に移動させるように構成され得る。例えば、コンテナ認識システムは、ターゲットコンテナ及びターゲットコンテナのすぐ上のコンテナを認識し、スタック内のそれらの垂直位置を決定するように構成され得る。
【0045】
コンテナ認識システムは、スタック内のコンテナの1つ又は複数の画像を捕捉するように構成されたカメラと、コンテナ上の視覚的識別子(例えば、バーコード、QRコード(登録商標)など)を識別するように構成された1つ又は複数のプロセッサとを備え得る。コンテナ認識システムは、コンテナの視覚的識別子をコンテナの高さ寸法に関連付けるデータを備えるデータストアを備え得る。カメラは、スタックがスタック受容領域に接近したときに、又はスタックがスタック受容領域内にあるときに、スタックの1つ又は複数の画像を捕捉するように構成され得る。コンテナ認識システムは、代替的に、コンテナを識別するために各コンテナ上のRFIDタグを読み取るように構成されたRFIDリーダを備え得る。
【0046】
スタック分離機構は、複数の垂直方向に配置された分離部材を備え得る。垂直方向に配置された分離部材は、垂直方向に配置された分離部材がスタック内の複数のコンテナに移動して係合し、係合されたコンテナを互いに対して垂直方向に持ち上げて、スタックを2つよりも多くのサブスタックに分離することを可能にするために、互いに独立してスタック受容領域内を垂直方向に移動可能であり得る。
【0047】
スタック受容領域は、所定の最大数の垂直方向に積み重ねられたコンテナを受容するように構成され得る。垂直方向に配置された分離部材の数は、垂直方向に配置された分離部材が、スタック内のすべてのコンテナに移動して係合し、すべてのコンテナを互いに対して垂直方向に持ち上げて、各サブスタックが1つのみのコンテナを含む複数のサブスタックにスタックを分離することを可能にするために、垂直方向に積み重ねられたコンテナの所定の最大数に少なくとも相当し得る。
【0048】
スタック処理ステーション
スタック処理ステーションが提供され、本スタック処理ステーションは、
上で定義された第1のスタック処理装置と、
上で定義された第2のスタック処理装置と、を備え、
第1のスタック処理装置は、第1のスタック処理装置内のスタックから引き出されたターゲットコンテナが、第2のスタック処理装置内のスタック内への挿入のために第2のスタック処理装置に進むことを可能にするために、第2の装置に接続されている。
【0049】
例えば、第1のスタック処理装置は、送り出しポートを備えてよく、第2のスタック処理装置は、送り込みポートを備えてよく、送り出しポートは、コンテナが送り出しポートから送り込みポートに進むことを可能にするコンテナ経路によって送り込みポートに接続され得る。コンテナ経路は、コンテナ処理領域を備えてよく、そこで経路に沿って進むコンテナに物品が入れられ、又はコンテナから物品が出され得る。
【0050】
スタック処理システム
スタック処理システムが提供され、本スタック処理システムは、
コンテナの1つ又は複数の垂直スタックと、
上で定義された1つ又は複数のスタック処理装置、又は1つ又は複数のスタック処理ステーションと、を備える。
【0051】
スタック処理システムは、コンテナの1つ又は複数の垂直スタックを備える、上で定義された保管及び取り出しシステムの1つ又は複数のスタックユニットを備え得る。
【0052】
スタック処理方法
上で定義されたスタック処理装置を使用してコンテナの垂直スタックを処理する方法が提供される。本方法は、
(i) スタックを上部サブスタックと下部サブスタックとに分離するためにスタック内のコンテナを垂直方向に持ち上げることと、
(ii) スタックから下部サブスタックの上部にあるコンテナを水平方向に引き出すこと、又は上部サブスタックと下部サブスタックとの間にコンテナを水平方向に挿入することと、
(iii) スタックを再形成するために上部サブスタックを下部サブスタック上へと下降させることと、を行うステップを備える。
【0053】
本方法は更に、ステップ(ii)においてターゲットコンテナを引き出した後に、ターゲットコンテナに物品を入れる、及び/又はターゲットコンテナから物品を取り去ることと、ターゲットコンテナをスタック又は異なるスタック内に挿入して戻すこととを行うステップを備え得る。ターゲットコンテナは、それが引き出されたのと同じ位置で同じスタックに戻されてもよいし(例えば、ターゲットコンテナは、ステップ(iii)が実施される前にスタック内に挿入して戻されてもよい)、又はターゲットコンテナは、(例えば、ステップ(iii)を行い、スタックの異なる位置でステップ(i)を繰り返すことによって)同じスタックの異なる位置へと挿入されてもよい。代替的に、ターゲットコンテナは、スタック処理装置において異なるスタック内に挿入されてもよい。
【0054】
本方法は更に、フリーコンテナを上部サブスタックと下部サブスタックとの間に挿入する前に、フリーコンテナに物品を入れるステップを備え得る。
【0055】
次に本発明について、添付図面を参照して、単に例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1】スタンドの上に位置するコンテナの垂直スタックと、スタンドの下に位置する車両とを備えるスタックユニットの斜視図である。
図2A図1に示すスタンドの下を車両がどのように移動することができるかを示すシーケンスである。
図2B図1に示すスタンドの下を車両がどのように移動することができるかを示すシーケンスである。
図3】コンテナ、スタンド、及び車両の上からの分解斜視図であり、それらが互いにどのように連結するかを示す。
図4】コンテナ、スタンド、及び車両の下からの分解斜視図であり、それらが互いにどのように連結するかを示す。
図5A図1に示すスタンドを持ち上げるために車両の持ち上げ機構が下降位置から上昇位置にどのように移動するかを示すシーケンスである。
図5B図1に示すスタンドを持ち上げるために車両の持ち上げ機構が下降位置から上昇位置にどのように移動するかを示すシーケンスである。
図6】充填ステーション、保管エリア、及びピッキングステーションを備える保管及び取り出しシステムの概略図である。
図7】例示的な充填ステーションの斜視図である。
図8】例示的な保管エリアの斜視図である。
図9】コンテナの垂直スタックからターゲットコンテナを引き出すように動作するスタック処理装置を斜視図で示す一連の図である。
図10】コンテナの垂直スタックからターゲットコンテナを引き出すように動作するスタック処理装置を斜視図で示す一連の図である。
図11】コンテナの垂直スタックからターゲットコンテナを引き出すように動作するスタック処理装置を斜視図で示す一連の図である。
図12】コンテナの垂直スタックからターゲットコンテナを引き出すように動作するスタック処理装置を斜視図で示す一連の図である。
図13】コンテナの垂直スタックからターゲットコンテナを引き出すように動作するスタック処理装置を斜視図で示す一連の図である。
図14】コンテナの垂直スタックからターゲットコンテナを引き出すように動作するスタック処理装置を斜視図で示す一連の図である。
図15】コンテナの垂直スタックからターゲットコンテナを引き出すように動作するスタック処理装置を斜視図で示す一連の図である。
図16】コンテナの垂直スタックからターゲットコンテナを引き出すように動作するスタック処理装置を斜視図で示す一連の図である。
図17】コンテナの垂直スタックからターゲットコンテナを引き出すように動作するスタック処理装置を斜視図で示す一連の図である。
図18】コンテナの垂直スタックからターゲットコンテナを引き出すように動作するスタック処理装置を斜視図で示す一連の図である。
図19】スタックが分離されているとき、及び/又はターゲットコンテナが引き出されているときにスタックを支持するための支持部材を更に備える、図9図18のスタック処理装置を例示する。
図20】コンテナ処理領域及びバッファ領域を更に備える、図9図18のスタック処理装置を例示する。
図21】コンテナ経路によって接続された送り出しポート及び送り込みポートを更に備える、図9図18のスタック処理装置を例示する。
図22】コンテナ経路によって接続された送り出しポート及び送り込みポートを更に備える、図9図18のスタック処理装置を例示する。
図23図9図18の2つのスタック処理装置と、それらを接続するコンテナ経路とを備えるスタック処理ステーションを例示する。
図24】視覚システムを更に備える、図9図18のスタック処理装置を例示する。
図25】別のスタック処理装置を例示する。
図26】コンテナのスタックを受容した後の図25のスタック処理装置を例示する。
図27図25のスタック処理装置がスタック内のコンテナにどのように係合し、分離するかを示す一連の図である。
図28図25のスタック処理装置がスタック内のコンテナにどのように係合し、分離するかを示す一連の図である。
図29図25のスタック処理装置がスタック内のコンテナにどのように係合し、分離するかを示す一連の図である。
図30図25のスタック処理装置がスタックからターゲットコンテナをどのように引き出すかを示す一連の図である。
図31図25のスタック処理装置がスタックからターゲットコンテナをどのように引き出すかを示す一連の図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図1は、コンテナのスタック10を示す。コンテナのスタック10は、互いの上に垂直方向に直接積み重ねられた複数の個々のコンテナ20を備える。コンテナ20は、コンテナ20がより容易にかつ安定して積み重なることを可能にするために、上部と底部に協働特徴部(例えば、突出部と凹部)を備え得る。図1に示すように、スタック10は、異なる高さのコンテナ20を備え得る。異なる高さは、予め決定されていてよく、すなわち、スタックを形成するコンテナは、複数の予め決定された高さを有するコンテナのセットから選択される。
【0058】
スタック10は、スタック10を地面の上方に上昇させるスタンド30の上に位置する。スタンド30の上のスタック10は、組み合わされてスタックユニット40を形成する。スタンド30(図2により明確に示す)は、スタック10が上に位置するスタンドトップ31と、スタンドトップ31の各角から下方に延在する脚部32とを備える。スタンドトップ31及び脚部32は、隣接する脚部32間に画定された1つ又は複数の側面開口34を介して側面からアクセス可能である、スタンドトップ31の下の空間33を画定する。図1に示す例では、スタンドトップ31は、角から下方に延在する4つの脚部32と、スタンド30の各側面にある側面開口34とを有する矩形(正方形)形状を有する。
【0059】
図1はまた、スタンド30の下の車両(例えば、AGV又はAMR)50も示す。車両50の目的は、スタックユニット40を持ち上げて異なるロケーションに搬送することである。車両50は、車両50が複数の方向に移動することを可能にするように構成された駆動機構を備える。例えば、駆動機構は、車両が少なくとも2つの直交方向に前後に移動することを可能にするように構成され得る。駆動機構は、車両が方向を変えることを可能にするために、車両が垂直軸を中心として回転することを可能にし得る。
【0060】
図2A及び図2Bに示すように、車両50は、側面開口34のいずれかを介してスタンドトップ31の下の空間33に入り、空間33を占有することができるように寸法決めされている。特に、車両50は、車両50が垂直方向において空間33内に完全に収まることができるように寸法決めされている。また車両50は、好ましくは、空間33を占有しているときにスタンドトップ31を越えて横に延在しないように寸法決めされている。
【0061】
図3及び図4は、コンテナ20、スタンド30、及び車両50の分解図であり、それらがインターロック特徴部を用いて互いにどのように連結するかを示す。スタンドトップ31の上部は、スタック10がより確実にスタンド30上に載るように、コンテナ20の底部にある対応する突出面25を受容するための凹面35を備える。スタンドトップ31の上部は、凹部35の周囲に傾斜面36も備え、この傾斜面36は、コンテナ20の突出面25の周囲にある対応する傾斜面26と協働して、コンテナ20が自らをスタンド30の上部へと位置付けるのを助ける。
【0062】
車両50の上部及びスタンドトップ31の底部も、インターロック特徴部を備える。特に、車両50の上部は、上方に延在する突出部51を備え、この突出部51は、スタンドトップ31の下側にある対応する凹部37とインターロックし、これにより、スタンド30は、持ち上げられているときにより確実に車両50に載るようになる。
【0063】
図5A及び図5Bは、車両50がスタンドトップ31の下に据えられた後にスタンド30を持ち上げるための車両50の持ち上げ機構52を示す。車両50は、下降位置と上昇位置との間で車両50の本体に対して垂直方向に移動可能な持ち上げ面53(そこに突出部51が位置する)を備える。図5Aに示す下降位置では、持ち上げ面53はスタンド30と係合していない。図5Bに示す上昇位置では、持ち上げ面53はスタンドトップ31の下側と係合しており、スタンド30が地面から完全に持ち上げられ、持ち上げ面53のみによって支持されるように、車両50の全高が増加している。持ち上げ面53が上昇位置にくると、車両50はスタックユニット40を所望のロケーションに搬送することができる。スタックユニット40が所望のロケーションに搬送されると、持ち上げ面53は、下降位置に移動されて、スタックユニット40を地面に置き戻すことができる。次いで車両50は、空間33から出て、異なるロケーション(例えば、異なるスタックユニット40)に移動することができる。
【0064】
複数のスタックユニット40は、後の取り出しのためにスタックユニット40のコンテナ20に物品が保管される保管及び取り出しシステムの基礎を形成し得る。図6は、充填ステーション60、保管エリア70、及びピッキングステーション80を備える保管及び取り出しシステムの概略図である。矢印は、充填ステーション60から始まる、保管及び取り出しシステムを通るコンテナ20のとり得る経路を示す。
【0065】
図7は、保管及び取り出しシステムの例示的な充填ステーション60(複数の充填ステーション60のうちの1つであり得る)を示す。充填ステーション60では、保管される物品が空の又は部分的に満杯のコンテナ20に入れられ、コンテナ20は次いで、新たなスタックユニット40へと形成されるか、又は既存のスタックユニット40上へと移送される。特定のスタックユニット40内のコンテナ20は、すべて同じ物品を保持していてもよいし、又は異なる物品を保持していてもよい。空の又は部分的に満杯のコンテナ20を収容しているスタックユニット40aは、車両50によって充填ステーション60に搬送される。充填ステーション60は、スタックユニット40aの上部からコンテナ20をピックアップし、それをコンベヤ63に置くロボット式ディスタッキング(de-stacking)アーム61を備える。コンベヤ63は、コンテナ20を充填エリア64に搬送し、そこで作業者が物品をコンテナ20に入れる。次いで、コンベヤは、充填されたコンテナ20をロボット式スタッキングアーム62に搬送し、ロボット式スタッキングアーム62は、コンテナ20をピックアップし、既存のスタックユニット40bの上に置くか、又は新たなスタックユニット40を形成するようにスタンド30の上に置く。次いで、車両50がスタックユニット40bを充填ステーション60から保管エリア70に移動させる。
【0066】
図8は、直角のX方向及びY方向に配置されたグリッドセル71のアレイにフロアが分割された、保管及び取り出しシステムの例示的な保管エリア70を示す。図8は、わかりやすくするために、保管エリア70のフロア上にマークされたグリッドセル71を示しているが、実際には、グリッドセル71がフロア上に物理的にマークされている必要はない。各グリッドセル71は、複数のスタックユニット40がグリッドセル71上に配置されたときにスタックユニット40がグリッドパターンを形成するように、スタックユニット40によって占有され得る。グリッドセル71のすべてがどの時点においても占有されている必要があるわけではなく、保管エリア70内には、占有されていないグリッドセル71、占有されていないグリッドセル71のグループ、及び/又は占有されていないグリッドセル71の行及び/又は列があり得る。図8に示すように、隣接するグリッドセル71上のスタックユニット40の側面開口34は、スタックユニット40のグリッドパターンを通して延びる第1のセットの開放チャネルと、スタックユニット40のグリッドパターンを通して延びる第2のセットの開放チャネルとを形成するように位置合わせされてよく、それによって、第1のセット及び第2のセットの開放チャネルは互いに直角に延びる。車両50が、スタックユニット40のグリッドパターンの外周を迂回して移動しなければならないのではなく、スタックユニット40のグリッドパターンを「通って」移動することができるので、車両50は、開放チャネルを使用して、保管及び取り出しシステム内の異なるロケーションにより効率的に移動することができる。
【0067】
図8は更に、保管エリア70内のスタックユニット40の上方に配置されたコンテナ持ち上げデバイス73を示す。コンテナ持ち上げデバイス73は、垂直X方向及び水平Y方向に移動可能な1つ又は複数のコンテナグラバ74を備え、コンテナグラバ74がコンテナ20をスタックユニット40の上部から持ち上げ、別のスタックユニット40の上部に置くことを可能にする。コンテナグラバ74は、コンテナグラバ74がコンテナ20を解放可能に保持することを可能にするために、コンテナ20の上部及び/又は側面の特徴部に選択的に係合することができる把持機構を備える。この例示された例では、コンテナグラバ74の移動及び支持は、ガントリ構造体75によって達成される。ガントリ構造体75は、コンテナ20を持ち上げるためにコンテナグラバ74を垂直方向に上に移動させ、コンテナ20を下降させるためにコンテナグラバ74を垂直方向に下に移動させるためのホイスト76を備える。ホイスト76は、(例えば、ローラ及びトラックを使用して)水平X方向に第1のセットの水平ビーム77に沿って移動可能であり、第1のセットの水平ビーム77は、(例えば、ローラ及びトラックを使用して)Y水平方向に第2のセットの水平ビーム78に沿って移動可能である。第2のセットの水平ビーム78は、垂直支持体79によってスタックユニット40の上方に支持されている。このようにして、第1のセットの水平ビーム77を水平方向に第2のセットの水平ビーム78に対して移動させ、ホイスト76を水平方向に第1のセットの水平ビーム77に対して移動させ、コンテナグラバ74を垂直方向にホイスト76に対して移動させることによって、コンテナグラバ74を特定の水平及び垂直位置に移動させることができる。
【0068】
コンテナ持ち上げデバイス73の目的の1つには、スタックユニット40が保管エリア70内に保持されている間に、スタックユニット40の中でコンテナ20を再配置することがある。例えば、コンテナ持ち上げデバイス73は、コンテナ20を、スタックユニット40のグループの中央にあるスタックユニット40から、そのスタックユニット40のグループの端に位置するスタックユニット40に移動させることができる。これにより、スタックユニットのグループの端にあるスタックユニット40が、スタックユニットのグループの中心にあるスタックユニット40と比較してより迅速に車両50によって搬送され得るので、より効率的なシステムが可能になる。更に、物品注文システムのコンテキストにおいて、コンテナ持ち上げデバイス73は、1つ又は複数の注文の物品を保持するコンテナ20を備える単一のスタックユニット40(又は最小数のスタックユニット40)を作るようにコンテナ20を再配置することができ、これにより、保管エリア70とピッキングステーション80との間で車両50がとる走行の数を最小限にすることができる。
【0069】
ピッキングステーション80において、物品はスタックユニット40から取り出される。ピッキングステーション80は、図7に例示する例示的な充填ステーション60と同様であり得る。特に、保管エリア70からある物品が必要であるとき、その物品を保持しているコンテナ20のスタックユニット40が、車両50によって保管エリア70からピッキングステーション80に搬送される。ピッキングステーション80において、物品を保持しているコンテナ20は、ロボットアームによってスタックユニット40から取り外され、コンベヤによってピッキングエリアに搬送され、そこで、作業者が、1つ又は複数の物品をコンテナ20から取り去り、それらを顧客に送達するための送達コンテナに入れる。次いで、コンテナ20は、ロボットアームによって同じ又は異なるスタックユニット40上に置き戻され、スタックユニット40は、車両50によって保管エリア70に搬送されて戻る。代替的に、スタックユニット40内の1つ又は複数のコンテナ20に物品を再び充填する必要がある場合、スタックユニット40は充填ステーション60に搬送されてもよい。
【0070】
上述の充填ステーション60及びピッキングステーション80において、コンテナ20をディスタッキングおよびスタッキングすることは、ロボットアームを使用する代わりに手動で実施することができ、物品をコンテナ20に充填すること及びコンテナ20からピッキングすることは、手動の代わりにロボットアームを使用して実施することができる。
【0071】
保管エリア70のフロアがグリッドセル71に分割されることに加えて、充填ステーション60及びピッキングステーション80の周辺のエリアのフロアもグリッドセルに分割され得る。グリッドセルは、スタックユニット及び車両50のための一意のロケーション基準を提供するための座標系として作用することができる。
【0072】
充填ステーション60、保管エリア70、及びピッキングステーション80間の車両50の移動は、各車両に通信可能に結合された中央制御システムによって制御され得る。特に、中央制御システムは、1つ又は複数のワイヤレス送信機及び受信機を介して車両50とワイヤレス通信する1つ又は複数のプロセッサを備える処理ユニットを備える。処理ユニットは、充填ステーション60、保管エリア70、及びピッキングステーション80と同じ物理的ロケーション内に位置するコンピューティングデバイスの一部を形成していてもよいし、又はそれらは、遠隔に位置するコンピューティングデバイス、例えば、クラウドベースのサーバの一部を形成していてもよい。処理ユニットは、各車両50に、保管及び取り出しシステム内の特定のターゲットロケーション(例えば、特定のグリッドセル基準)に移動し、持ち上げ機構52を上昇又は下降させるように命令することができる。処理ユニットは、各車両50のターゲット目的地までの完全なルートを計画し、それに応じて各車両50の移動を命令してもよいし、又はターゲットロケーションが中央制御システムによって車両50に送られたら、各車両50がターゲットロケーションまでの自分のルートを計画することができるように、各車両50が、ローカルルーティングシステムを有するローカル制御システムをそれ自体に備えてもよい。各車両50は、その現在ロケーション(例えば、グリッドセル基準)及びその現状(例えば、持ち上げ機構52の状態)で中央制御システムを更新することもできる。
【0073】
中央制御システムは、各スタックユニット40のロケーション(例えば、グリッドセル基準)、各スタックユニット40内のコンテナ20、各スタックユニット40の各スタック10内の各コンテナ20の位置、及び各コンテナ20内の物品、のうちの1つ又は複数に関するデータを記憶するためのデータストア(例えば、ハードディスクドライブ又はソリッドステートドライブ)も備え得る。
【0074】
例えば、各スタックユニット40は、各スタンド30上に位置する一意の識別子、例えば、QRコード、バーコード、又はRFIDタグに関連付けられていてよい。データストアにおいて、各スタックユニット40の一意の識別子は、各スタックユニット40の現在ロケーションに関連付けられ得る。スタックユニット40の一意の識別子は、保管及び取り出しシステム内の1つ又は複数のロケーション(例えば、充填ステーション60、保管エリア70、ピッキングステーション80、及び/又はそれらの間の任意のエリア)に位置する適切なリーダ(例えば、カメラ、光学式/レーザスキャナ、又はRFIDリーダ)によって読み取られ得る。中央制御システムの処理ユニットは、特定のロケーションにある特定のスタックユニット40に車両50を方向付けるためにデータストアからデータを読み出し、スタックユニット40が移動された後にスタックユニット40の新たなロケーションでデータストアを更新するためにデータストアにデータを書き込むことができる。各車両50は、スタックユニット40の一意の識別子を読み取るための適切なリーダを備えることもでき、それにより、各車両50は、中央制御システムによって命令された通りに正しいスタックユニット40を移動させていることを決定することができる。中央制御システムによって設定されたターゲットロケーションにあるスタックユニット40が、中央制御システムによって予期されたスタックユニット40と一致しないと車両50が決定した場合、車両50は、中央制御システムにエラー信号を送ることができ、中央制御システムは、そのターゲットロケーションをブラックリストに入れ、不一致が解消されるまでいずれの車両50もそのターゲットロケーションに送られないようにし得る。
【0075】
各コンテナ20も、各コンテナ20上に位置する一意の識別子、例えば、QRコード、バーコード、又はRFIDタグに関連付けられていてよい。データストアにおいて、各コンテナ20の一意の識別子は、各コンテナ20が位置するそれぞれのスタックユニット40の一意の識別子に関連付けられていてよい。コンテナ20の一意の識別子は、保管及び取り出しシステム内の1つ又は複数のロケーション(例えば、充填ステーション60、保管エリア70、ピッキングステーション80、及び/又はそれらの間の任意のエリア)に位置する適切なリーダ(例えば、カメラ、光学式/レーザスキャナ、又はRFIDリーダ)によって読み取られることができる。例えば、リーダが充填ステーション60に位置していてよく、これにより、新たなスタックユニット40が形成されたとき、又は新たなコンテナ20が既存のスタックユニット40上に置かれたときに、リーダは中央制御システムに知らせることができ、これにより、新たな又は既存のスタックユニット40のコンテナ構成がデータストア内で更新されるようになる。同様に、リーダがピッキングステーション80に位置していてよく、これにより、コンテナ20内の物品をピッキングすることを可能にするためにコンテナ20がスタックユニット40から取り外されたときに、スタックユニット40のコンテナ構成がデータストア内で更新され得る。
【0076】
データストアにおいて、各コンテナ20の一意の識別子は、コンテナ20が位置するコンテナのスタック10内の位置にも関連付けられていてよい。例えば、コンテナのスタック10の底部にあるコンテナ20は、位置「1」にあってよく、次に上の位置にあるコンテナ20は、位置「2」にあってよく、その後も同様である。この情報は、ピッキングステーション80におけるロボットアーム又は人間のオペレータに通信されて、ロボットアーム又は人間のオペレータが、物品をピッキングする前に、どのコンテナ20がスタックユニット40からアクセスされる必要があるかを知ることが可能になり得る。
【0077】
データストアは、各コンテナ20内に保管された物品に関するデータも記憶し得る。例えば、充填ステーション60において、バーコード又は他の識別子を有する物品は、コンテナ20に入れられる前に適切なリーダによってスキャンされ得る。リーダは中央制御システムと通信し、データストアが、各コンテナ20の一意の識別子をコンテナ20に入れられた各物品の識別子と関連付けることができるようにすることができる。同様に、ピッキングステーション80において、コンテナ20からピッキングして出された物品はスキャンされ、中央制御システムに通信されて、それにより、コンテナ20の内容物がデータストア内で更新され得るようにすることができる。このようにして、保管及び取り出しシステムは、システム内の各物品のロケーション及び数量を追跡することができる。
【0078】
保管及び取り出しシステムは、物品注文システム、例えばオンライン小売システムのコンテキストで使用され得る。物品を備える注文が顧客から受信されると、中央制御システムの処理ユニットは、物品が存在するコンテナ20と、そのコンテナ20が存在するスタックユニット40のロケーションとを決定するために、データストア内のデータを調べる。次いで、処理ユニットは、車両50に、そのスタックユニット40を保管エリア70から取り出し、それをピッキングステーション80に搬送するように命令する。ピッキングステーション80では、物品を収容したコンテナ20がスタックユニット40から取り出され、それにより、物品をコンテナ20からピッキングして出し、最終的に顧客に送達することができる。注文が複数の異なる物品を備える場合、中央制御システムは、車両50に、必要なスタックユニット40のすべてを1つずつピッキングステーション80に搬送するように命令することができるし、又は中央制御システムは、複数の車両50に、複数の必要なスタックユニット40をピッキングステーション80に搬送するように命令することができる。再び図8を参照すると、コンテナ持ち上げデバイス73は、注文に対して必要なコンテナ20が単一のスタックユニット40へと再配置されるように、又は必要なコンテナ20の数よりも少ないスタックユニット40へと少なくとも再配置されるように、保管エリア70内のコンテナ20を再配置するために使用され得る。このようにして、車両50は、保管エリア70とピッキングステーション80との間でより少ない走行をとることができ、それによってシステムの効率を高める。効率を更に向上させるために、少なくともいくつかの同じ物品を含む複数の注文を共にグループ化することもでき、それにより、ピッキングステーション80に到着する1つのコンテナ20を同時に複数の注文を満たすために使用することができる。
【0079】
図9は、例えば、充填ステーション60又はピッキングステーション80で使用され得るスタック処理装置100を示す。スタック処理装置100は、コンテナの垂直スタックからコンテナを引き出し、及び/又はコンテナの垂直スタック内にコンテナを挿入することができる。スタックは、図1に示すスタックユニット40内のスタック10、又は任意の他のコンテナの垂直スタック(例えば、スタンド30のないスタック10)であってもよい。
【0080】
スタック10内の各コンテナ20は、コンテナ20が1つ又は複数の側面から係合されて持ち上げられることを可能にする特徴部を備える。例えば、各コンテナ20は、1つ又は複数の開口部、凹部、突出部、リムなどを備え得る。各コンテナ20は、好ましくは、物品をコンテナ20に入れる、又はコンテナ20から出すことを可能にするために、上部が開いている。
【0081】
スタック10は、上述のように、車両50によってスタック処理装置100に搬送され得る。代替的に、スタック10は、(スタンド30の有無を問わず)コンベヤなどの他の搬送手段又は手動操作の車両を使用して、スタック処理装置100に搬送されてもよい。
【0082】
図9図18は、スタック処理装置100がコンテナのスタック10からターゲットコンテナ21を引き出すシーケンスを示す。ターゲットコンテナ21とは、スタック10から引き出されるコンテナとして定義される。
【0083】
スタック処理装置100は、スタック受容領域110を備える。スタック受容領域110は、コンテナのスタック10を受容するように構成される。スタック受容領域110は、コンテナのスタック10がスタック受容領域110内に移動されることを可能にする開口を備える柱状フレーム構造体111によって画定されている。フレーム構造体111は、以下で更に説明する、スタック受容領域110の様々な構成要素を支持することができるならば、任意の特定の形状又は構成に限定されない。
【0084】
図10は、スタック10がスタック受容領域110に受容されたときのスタック処理装置100を示す。
【0085】
スタック受容領域110は、分離部材113を備えるスタック分離機構112を備える。分離部材113は、分離部材113がスタック10内の任意のコンテナ20に係合することを可能にするために、スタック受容領域110内を垂直方向に移動可能である。この例では、分離部材113は、スタック受容領域110を画定するフレーム構造体111の1つの側に取り付けられた対の垂直レール115上を垂直方向に移動可能である。分離部材113は、ボールねじ機構又はベルト駆動などの既知の手段を使用してレール115上を移動し得る。一対の垂直レール115が安定性のために設けられているが、分離部材113は、代わりに、単一の垂直レール上、又は2つよりも多くの垂直レール上を移動してもよい。
【0086】
分離部材113は、スタック10内のコンテナ20に解放可能に係合するように構成され、それにより、係合すると、コンテナ20は、分離部材113を垂直方向に移動させることによって垂直方向に移動され得る。分離部材113は、コンテナ20に係合するための任意の好適な機構を備え得る。例えば、分離部材113は、スタック10に向かって移動してコンテナ20の対応する特徴部に係合し、スタック10から離れるように移動してコンテナ20の対応する特徴部を解放するように構成された1つ又は複数の係合特徴部114を備え得る。係合特徴部114は、例えば、1つ又は複数の突出部(例えば、スタックに向かって水平方向に延在する)、凹部、開口部などであり得る。分離部材113は、係合特徴部をスタックに向かって、及びスタックから離れるように移動させるための1つ又は複数のアクチュエータを備え得る。係合特徴部114は、分離部材113の一部分に対して移動されてもよいし、又は分離部材113は、全体としてスタック10に向かって及びスタック10から離れるように移動してもよい。アクチュエータは、リニアアクチュエータであり得る。アクチュエータは、例えば、空気圧式、油圧式、電気式などの任意の好適なタイプのアクチュエータであり得る。
【0087】
スタック分離機構112は更に、スタック受容領域110を画定するフレーム構造体111の対向する側にある第2の対の垂直レール115上を移動可能な同様の第2の分離部材113を備え、これにより、スタック10が対向する対の分離部材113の間に位置するようになる。対向する対の分離部材113は、垂直方向に共に移動し、上述の係合特徴部114を使用してそれらの間にあるコンテナに係合するように構成され得る。代替的に、対向する対の分離部材113は、摩擦によってコンテナ20の両側に係合するクランプとして作用してもよい。
【0088】
この例では、分離部材113は対向する対として設けられているが、スタック分離機構112はこの配置に限定されず、代わりに、(カンチレバー式でコンテナに係合して持ち上げるために)スタック10の1つの側のみに分離部材113を有してもよいし、(例えば、スタックの隣接する側に配置される)対向していない対の分離部材113を有してもよいし、又は(例えば、スタックの2つよりも多くの側に配置される)2つよりも多くの分離部材113を有してもよい。
【0089】
スタック10がスタック受容領域110に受容されると、スタック分離機構112は、図11に示すように、分離部材113をターゲットコンテナ21のすぐ上のコンテナ22の垂直位置まで垂直方向に移動させるように動作する。
【0090】
次いで、分離部材113は、コンテナ22に係合し、垂直方向上方に移動して、コンテナ22(及びコンテナの上に積み重ねられた任意のコンテナ)をターゲットコンテナ21から離れるように持ち上げる。この時点のスタック処理装置100の状態が図12に示されている。図12では、スタック10が2つのサブスタック11に、すなわち上部サブスタック11aと下部サブスタック11bとに垂直方向に分離されていることが分かる。ターゲットコンテナ21は、ここで下部サブスタック11bの最上部で露出している。
【0091】
スタック処理装置100は更に、スタック受容領域110に水平方向に隣接するコンテナ受容領域130を備える。コンテナ受容領域130は、スタック受容領域110から引き出されたターゲットコンテナ21を受容するように構成される。この例では、コンテナ受容領域130は、スタック受容領域110と同様に、柱状フレーム構造体131によって画定されている。フレーム構造体131は、以下で更に説明する、コンテナ受容領域130内の様々な構成要素を支持することができるならば、任意の特定の形状又は構成に限定されない。
【0092】
コンテナ受容領域130は、ハンドリング部材133を備えるコンテナハンドリング機構132を備える。ハンドリング部材133は、図13に示すように、ハンドリング部材133がターゲットコンテナ21の垂直位置に到達することを可能にするために、コンテナ受容領域130内を垂直方向に移動可能である。分離部材113と同様に、ハンドリング部材133は、コンテナ受容領域130を画定するフレーム構造体131の1つの側に取り付けられた対の垂直レール135上を垂直方向に移動可能である。ハンドリング部材133は、ボールねじ機構又はベルト駆動などの既知の手段を使用してレール135上を移動し得る。一対の垂直レール135が安定性のために設けられているが、ハンドリング部材133は、代わりに、単一の垂直レール上、又は2つよりも多くの垂直レール上を移動してもよい。
【0093】
ハンドリング部材133はまた、ハンドリング部材133がターゲットコンテナ21に係合し、ターゲットコンテナ21をスタック10から水平方向に引き出すことを可能にするために水平方向に移動可能である。特に、ハンドリング部材133の少なくとも一部分が、コンテナ受容領域130とスタック受容領域110との間を水平方向に移動可能である。この例では、ハンドリング部材133は、コンテナ受容領域130とスタック受容領域110との間で水平方向に直線的に伸長及び後退するように構成された格納式アーム136を備える。図14は、アーム136がスタック受容領域110内にあり、ターゲットコンテナ21に隣接するようになる伸長状態にあるアーム136を示す。
【0094】
ハンドリング部材133は、スタック10内のターゲットコンテナ21に解放可能に係合するように構成され、それにより、係合すると、ターゲットコンテナ21は、ハンドリング部材133を垂直方向及び/又は水平方向に移動させることによってそれぞれ垂直方向及び/又は水平方向に移動され得る。分離部材113と同様に、ハンドリング部材133は、ターゲットコンテナ21に係合するための任意の好適な機構を備え得る。例えば、ハンドリング部材133は、スタック10に向かって移動してコンテナ20の対応する特徴部に係合し、スタック10から離れるように移動してコンテナ20の対応する特徴部を解放するように構成された1つ又は複数の係合特徴部134を備え得る。係合特徴部134は、例えば、1つ又は複数の突出部(例えば、スタックに向かって水平方向に延在する)、凹部、開口部などであり得る。ハンドリング部材133は、係合特徴部をスタックに向かって、及びスタックから離れるように移動させるための1つ又は複数のアクチュエータを備え得る。係合特徴部134は、ハンドリング部材133の一部分に対して移動されてもよいし、又はハンドリング部材133は、全体としてスタック10に向かって及びスタック10から離れるように移動してもよい。アクチュエータは、リニアアクチュエータであり得る。アクチュエータは、例えば、空気圧式、油圧式、電気式などの任意の好適なタイプのアクチュエータであり得る。
【0095】
スタック分離機構112と同様に、コンテナハンドリング機構132は更に、コンテナ受容領域130を画定するフレーム構造体131の対向する側にある第2の対の垂直レール135上を移動可能な同様の第2のハンドリング部材133を備える。対向する対のハンドリング部材133は、垂直方向に共に移動し、上述の係合特徴部134を使用してそれらの間のターゲットコンテナ21に係合するように構成され得る。
【0096】
この例では、ハンドリング部材133は対向する対として設けられているが、コンテナハンドリング機構132はこの配置に限定されず、代わりに、(カンチレバー式でターゲットコンテナ21に係合して支持するために)スタック10の1つの側のみにハンドリング部材133を有してもよいし、(例えば、ターゲットコンテナ21の隣接する側面に係合するための)対向していない対のハンドリング部材133を有してもよいし、又は(例えば、ターゲットコンテナ21の2つよりも多くの側面に係合するための)2つよりも多くのハンドリング部材133を有してもよい。
【0097】
ハンドリング部材133がターゲットコンテナ21に係合すると、ハンドリング部材133のアーム136は、ターゲットコンテナ21をスタック10からコンテナ受容領域130内に水平方向に引き出すために、スタック受容領域110からコンテナ受容領域130に後退するように構成される。図15は、ターゲットコンテナ21がハンドリング部材133によってコンテナ受容領域130に引き出された状態のスタック処理装置100を示す。
【0098】
ターゲットコンテナ21をスタック10から水平方向に移動させる前に、ハンドリング部材133は、ターゲットコンテナ21がその下のコンテナから離れるように、最初に垂直方向上方に移動するように構成され得る。これは、例えば、コンテナ20が、インターロックするスタッキング特徴部を備える場合に必要となり得る。
【0099】
コンテナ受容領域130は更に、ターゲットコンテナ21がスタック10から引き出された後にターゲットコンテナ21をハンドリング部材133から受容するためのコンテナ受容面137を備える。この例では、コンテナ受容面137は、ハンドリング部材133とは独立してコンテナ受容領域130内を垂直方向に移動可能な受取りコンベヤ(例えば、ローラコンベヤ又はベルトコンベヤ)の形態である。受取りコンベヤ137は、ボールねじ機構又はベルト駆動などの既知の手段を使用して、ハンドリング部材133と同じレール135上を、又は異なるレール若しくはレールのセット上を垂直方向に移動し得る。
【0100】
図16に示すように、受取りコンベヤ137は、ターゲットコンテナ21を迎えるように垂直方向に移動するように構成される。受取りコンベヤ137がターゲットコンテナ21に到達すると、ハンドリング部材133は、ターゲットコンテナ21が受取りコンベヤ137上に自由に載るように、(例えば、係合特徴部134をターゲットコンテナ21から離れるように移動させることによって)ターゲットコンテナ21を解放するように構成される。
【0101】
受取りコンベヤ137は、ハンドリング部材133の動作中の任意の時点で、ターゲットコンテナ21の垂直位置に向かって垂直方向に移動するように構成され得る。例えば、受取りコンベヤ137は、ターゲットコンテナ21がスタック10から完全に引き出されたときにのみターゲットコンテナ21に向かって移動を開始してもよいし、又は受取りコンベヤ137は、ターゲットコンテナ21がスタック10から完全に引き出されたときに、受取りコンベヤ137がターゲットコンテナ21を受容するための正しい垂直位置に又はその近くに既にきているように、ハンドリング部材133に向かって移動を開始してもよい。
【0102】
スタック処理装置100は更に、ターゲットコンテナ21をコンテナ受容領域130から受容するための、コンテナ受容領域130に水平方向に隣接するコンテナポート領域150を備える。コンテナポート領域150は、ターゲットコンテナ21をコンテナ受容領域130から受容するように構成されたコンテナポート151を備える。コンテナポート151は、ターゲットコンテナ21を受容することができるポート面152を備える。ポート面152は、所定の垂直位置に、例えば、人間のオペレータ又はロボットデバイスがターゲットコンテナ21の内容物にアクセスするのに便利な高さに固定されていてよい。この例では、ポート面152は、コンベヤ(例えば、ローラコンベヤ又はベルトコンベヤ)の形態であるが、ポート面152は、例えば、静止プラットフォーム、手動操作の車両、無人搬送車などの他の形態をとってもよい。
【0103】
図17に示すように、受取りコンベヤ137がターゲットコンテナ21を受容すると、受取りコンベヤ137は、ポート面152まで垂直方向に移動する。受取りコンベヤ137がポート面152と位置を合わせると、受取りコンベヤ137は、図18に示すように、ターゲットコンテナ21をポート面152上に運搬することができる。次いで、ターゲットコンテナ21は、ポート面152から、例えば、コンベヤ、人間、車両などによって、別の目的地に搬送され得る。
【0104】
上述のコンテナ受容面137はコンテナ受容領域130内を垂直方向に移動可能であるが、コンテナ受容面137の垂直位置は代わりに(例えばポート面152と同じ垂直位置に)固定されていてもよく、ハンドリング部材133は、ターゲットコンテナ21を解放する前にコンテナ受容面137に向かって垂直方向に移動するように構成されてもよい。しかしながら、図9図18では、スタック10の底部が固定されたポート面152よりも低いことが分かる。したがって、コンテナ受容領域130内を垂直方向に移動可能な(特に、スタック10内の最下部のコンテナの下方で移動可能な)コンテナ受容面137を設けることにより、ハンドリング部材133がポート面152の下方の任意のコンテナを引き出すことが可能になり、これらのコンテナをポート面152まで持ち上げることが可能になる。代替例では、コンテナのスタック10は、スタック10の底部がポート面152と同じ高さ又はそれよりも高くなるように、スタック処理装置100において受容されてもよい。これらの場合、コンテナ受容面137は、ハンドリング部材133がスタック10の底部のコンテナ20にアクセスすることを可能にするために垂直方向に移動する必要はない。
【0105】
スタック処理装置100は、フリーコンテナをスタック内に挿入するために、逆の方法で機能することもできる。フリーコンテナ24とは、スタック10内に挿入されることになるコンテナ20と定義される。したがって、スタック10から引き出されたターゲットコンテナ21は、スタック10内に再挿入されるか、又は異なるスタック10内に挿入される場合、フリーコンテナ24と呼ぶことができる。フリーコンテナ24は、これまではスタック10の一部ではなかったコンテナ20であってもよい。フリーコンテナ24は、コンテナポート151においてスタック処理装置100に到着し得る。
【0106】
図18に示すスタック処理装置100の状態から始まり、ここで複数の異なる動作が起こり得る。
【0107】
別のターゲットコンテナ21が同じスタック10から引き出される予定で、次のターゲットコンテナ21が偶然にも現在下部サブスタック11bの最上部にあるコンテナである場合、分離部材113は、適所に留まることができ、ハンドリング部材133は、既に上述した方法で、垂直方向及び水平方向に移動してスタックから次のターゲットコンテナ21を引き出し得る。
【0108】
次のターゲットコンテナ21が同じスタック10内の他の場所に位置する場合、分離部材113は、上部サブスタック11aを下降させ、下部サブスタック11b上に解放して、スタック10を再形成し得る。次いで、分離部材113は、適切な位置でスタック10を分離するために別の分離動作を行って、ハンドリング部材133が、既に上述した方法で次のターゲットコンテナ21を引き出すことを可能にし得る。
【0109】
ターゲットコンテナ21がちょうど引き出されたのと同じ位置で同じスタック10内にフリーコンテナ24が挿入される場合、分離部材113は、フリーコンテナ24がコンテナポート151に到着し、コンテナ受容領域130内の受取りコンベヤ137上に移動される間、適所に留り得る。次いで、ハンドリング部材133が、フリーコンテナ24まで垂直方向に移動して係合することができるし、又は受取りコンベヤ137が、垂直方向に移動して、フリーコンテナ24をハンドリング部材133に向かって持ち上げ、ハンドリング部材133がフリーコンテナ24に係合することができるようにすることができる。次いで、ハンドリング部材133は、フリーコンテナ24を上部サブスタック11aと下部サブスタック11bとの間の間隙へと水平方向に移動させ、下部サブスタック11bの上にフリーコンテナ24を解放することができる。次いで、分離部材113は、上部サブスタック11aを下降させ、挿入されたフリーコンテナ24の上に解放して、スタック10を再形成することができる。
【0110】
フリーコンテナ24が同じスタック10内だがターゲットコンテナ21がちょうど引き出された位置とは異なる位置で挿入される場合、分離部材113は、最初に上部サブスタック11aを下降させ、下部サブスタック11b上に解放して、スタック10を再形成し得る。次いで、分離部材113は、適切な位置でスタック10を分離するために別の分離動作を行って、ハンドリング部材133が、フリーコンテナ24をスタック10内の所望の位置へと挿入することを可能にし得る。
【0111】
コンテナ20は、スタック10に対する動作がもう必要なくなるまで、上述の方法で、様々な異なる位置で同じスタック10から引き出され、及び/又はスタック10内に挿入され得る。次いで、分離部材113は、スタック10を再形成することができ、次いでそのスタック10は、スタック受容領域110から離れて異なるロケーションに搬送され得る。次いで、異なるコンテナの垂直スタック10が、コンテナの引き出し及び/又は挿入のためにスタック受容領域110内に搬送され得る。
【0112】
スタック処理装置100は、ターゲットコンテナ21を引き出すだけ、フリーコンテナ24を挿入するだけ、又は引き出しと挿入の両方の動作を行うように構成され得る。
【0113】
ターゲットコンテナ21がスタック10の最上部にある場合、ハンドリング部材133がターゲットコンテナ21を引き出す前にスタック10を分離する必要がないことが理解されよう。同様に、フリーコンテナ24がスタック10の最上部又はスタック10の底部に挿入される場合も、スタック10を分離する必要はない(ただし、後者の場合、スタック10全体が分離部材113によって持ち上げられる必要がある)。
【0114】
図9図18に例示されるスタック処理装置100に対する様々な修正が当業者には明らかであろう。
【0115】
例えば、コンテナ受容領域130に水平方向に隣接するコンテナポート領域150は任意選択である。コンテナポート領域150を設ける代わりに、ターゲットコンテナ21は、コンテナ受容領域130内のコンテナ受容面137から(例えば、人間又は車両によって)直接取り去られてもよいし、又はコンテナ受容面137が、ターゲットコンテナ21をハンドリング部材133から直接受容してそれを異なるロケーションに搬送する車両の一部であってもよい。
【0116】
コンテナ受容領域130内にコンテナ受容面137を設けることも任意選択である。例えば、ハンドリング部材133は、ターゲットコンテナ21をコンテナポート151のポート面152上に直接置いて解放するように構成され得る。これは、スタック受容領域110、コンテナ受容領域130、及びコンテナポート領域150間を水平方向に移動可能なハンドリング部材133を提供することによって達成することができる。例えば、ハンドリング部材133は、コンテナ受容領域130からスタック受容領域110に、及びコンテナ受容領域130からコンテナポート領域150に伸長するように構成された格納式アーム136を備え得る。
【0117】
ハンドリング部材133は、コンテナ受容領域130の代わりにスタック受容領域110内を垂直方向に移動可能であり得る。この変形例では、ハンドリング部材133は、分離部材113とは独立してスタック受容領域110内を垂直方向に移動可能であり得る。ターゲットコンテナ21を水平方向に引き出すために、ハンドリング部材133は、スタック受容領域110からコンテナ受容領域130に水平方向に伸長する格納式アーム136を備え得る。
【0118】
図19は、スタック分離機構112が更に、分離部材113とは独立してスタック受容領域110内を垂直方向に移動可能な支持部材118を備える、スタック処理装置100のスタック受容領域110の図を示す。支持部材118は、分離部材113及びハンドリング部材133について既に説明したものと同様の係合特徴部119を使用して、スタック内のコンテナ20に解放可能に係合するように構成される。
【0119】
分離部材113及びハンドリング部材133と同様に、対向する対の支持部材118が設けられ得る。支持部材118は、分離部材113と同じ垂直レール115上、又は異なる垂直レール上、又は部分的に共有されたレール上を移動可能であり得る。
【0120】
支持部材118の目的の1つには、ターゲットコンテナ21がハンドリング部材133によって引き出されているときに、ターゲットコンテナ21の下のコンテナが意図せずターゲットコンテナ21と共に持ち上げられる又は移動されることを防止するように、ターゲットコンテナ21の下のコンテナを支持することがある。このために、支持部材118は、ターゲットコンテナ21のすぐ下のコンテナ23まで垂直方向に移動して係合し、ハンドリング部材133がターゲットコンテナ21を引き出す間、コンテナ23を適所に保持するように構成される。
【0121】
代替的又は追加的に、支持部材118は、分離部材113が上部サブスタック11aを持ち上げているときに、下部サブスタック11bからのコンテナが意図せずに上部サブスタック11aと共に持ち上げられないように、下部サブスタック11bを支持し得る。このために、支持部材118は、ターゲットコンテナ21まで垂直方向に移動して係合し、分離部材113がスタック10を分離する間、ターゲットコンテナ21を適所に保持するように構成される。スタック10が分離されると、支持部材118は、(上述のように)ターゲットコンテナ21のすぐ下のコンテナ23まで垂直方向に移動し係合して、ハンドリング部材133がターゲットコンテナ21を引き出す間、ターゲットコンテナ21の下のコンテナを支持し得る。
【0122】
図20は、引き出されたターゲットコンテナ21をコンテナポート151から受容するように構成されたコンテナ処理領域160を更に備えるスタック処理装置100を示す。コンテナ処理領域160において、ターゲットコンテナは処理を受けることができ、例えば、人間又はロボットデバイスによって、物品がターゲットコンテナに入れられてもよいし、又はターゲットコンテナから出されてもよい。スタック処理装置100は、バッファ領域161も備えてよく、バッファ領域161には、前に又は後続して引き出されたターゲットコンテナ21が、コンテナ処理領域160を塞ぐことなく一時的に保管され得る。コンテナは、コンベヤの構成体又は他の搬送手段を使用して、コンテナポート151、コンテナ処理領域160、及びバッファ領域161間を移動し得る。
【0123】
図21は、コンテナポート領域150が2つのコンテナポート151、すなわち、引き出されたターゲットコンテナ21をコンテナ受容領域130から受容するように構成された送り出しポート153と、スタック10内への挿入のためにコンテナ受容領域130内に移動されるフリーコンテナ24を受容するように構成された送り込みポート154とを備えるスタック処理装置100を示す。送り出しポート153は、送り込みポート154の垂直方向下に位置しており、それにより、ターゲットコンテナ21が、1つの垂直方向高さでコンテナ受容領域130から出ることができ、フリーコンテナ24が、別の垂直方向高さでコンテナ受容領域130に入ることができる。
【0124】
この配置では、受取りコンベヤの形態のコンテナ受容面137は、ハンドリング部材133から受容したターゲットコンテナ21を送り出しポート153に移動させることを可能にし、送り込みポート154で受容したフリーコンテナ24をコンテナ受容面137上に移動させることを可能にするために、少なくとも送り出しポート153と送り込みポート154との間でコンテナ受容領域130内を垂直方向に移動可能である。
【0125】
この配置では、送り出しポート153及び送り込みポート154は、ターゲットコンテナ21が送り出しポート153から送り込みポート154に進むことを可能にする、コンテナ受容領域130の外部にあるコンテナ経路170によって接続されている。このようにして、ターゲットコンテナ21は、スタック10から送り出しポート153に引き出され、処理を受けることができる(例えば、物品がターゲットコンテナ21から出されてよい、又はターゲットコンテナ21に入れられてよい)コンテナ経路170に沿って進んでから、ターゲットコンテナ21(ここではフリーコンテナ24になっている)を同じスタック10内に再挿入することができるか、又はスタック受容領域110に到着した異なるスタック10内に挿入することができる送り込みポート154に到着し得る。コンテナ経路170は、コンテナ20が中断されずに送り出しポート153から送り込みポート154に進むことを可能にする連続経路を備えてもよいが、使用中、コンテナ20は、処理(例えば、物品がコンテナ20に入れられてよい、及び/又はコンテナ20から出されてよい)のためにコンテナ経路170に沿った1つ又は複数のロケーションで停止し得る。図20に関連して上述したように、1つ又は複数のコンテナ処理領域160及び/又は1つ又は複数のバッファ領域161(図示せず)がコンテナ経路170上に位置し得る。コンテナ経路170は、コンテナ20をそれに沿って自動で搬送するように構成されてもよく、例えば、コンテナ経路170は、コンベヤの形態をとってもよい。
【0126】
ターゲットコンテナ21が送り出しポート153と送り込みポート154との間の垂直距離を進むことを可能にするために、コンテナ経路170は、傾斜したコンベヤの形態の垂直搬送手段171を備える。しかしながら、(例えば、コンベヤの垂直方向に移動可能なセクションの形態の)持ち上げ機構などの他の垂直搬送手段171が代わりに使用されてもよい。
【0127】
図22は、コンテナポート領域150が、送り込みポート154の垂直方向下に位置する送り出しポート153を備えるスタック処理装置100を示す。この配置では、コンテナ受容面137は、コンテナ受容領域130内を垂直方向に移動するように構成されておらず、代わりに、送り出しポート153のポート面152と同じ垂直位置に固定されている。コンテナ20をコンテナ受容領域130から送り出しポートに、及び送り込みポート154からコンテナ受容領域130に効率的に搬送するために、コンテナハンドリング機構132は、互いに独立してコンテナ受容領域内を垂直方向に移動可能な二対の垂直方向に配置されたハンドリング部材133a、133bを備える。二対のハンドリング部材133a、133bは、共有された垂直レール上、又は異なる垂直レール上を垂直方向に移動し得る。本明細書では「引き出し対」と呼ぶ一方の対のハンドリング部材133aが、スタック10からターゲットコンテナ21を引き出し、送り出しポート153への搬送のためにそれらをコンテナ受容面137に移送するように構成される。本明細書では「挿入対」と呼ぶ他方の対のハンドリング部材133bは、送り込みポート154からのフリーコンテナ24に係合し、それらをスタック10内に挿入するように構成される。引き出し対133aと挿入対133bとの衝突を回避するために、挿入対133bは引き出し対133aの上方に位置する。挿入対133bが送り込みポート154からのフリーコンテナ24に係合することを可能にするために、挿入対133bの少なくとも一部分は更に、コンテナ受容領域130とコンテナポート領域150との間を水平方向に移動可能である。例えば、挿入対133bは、コンテナポート領域150の方向に、及びスタック受容領域110の方向に伸長するように構成された格納式アーム136を備え得る。
【0128】
1つは引き出し用で1つは挿入用である二対のハンドリング部材133a、133bを設けることは必須ではなく、代わりに、効率は劣るが、一方の対のハンドリング部材133が両方のタスクを行うことができる。二対のハンドリング部材133a、133bを設けると、一方の対が故障した場合の冗長性ももたらす。更に、コンテナ受容面137は、垂直に固定されている必要はなく、代わりに、図21の配置と同様に、コンテナ受容領域130内を垂直方向に移動してもよい。
【0129】
コンテナ受容面137も任意選択であり、引き出し対のハンドリング部材133aの少なくとも一部分が、コンテナ受容領域130とコンテナポート領域150との間を移動して、ターゲットコンテナを送り出しポート153に直接移動させるように構成されてもよい。
【0130】
図21の配置と同様に、図22の配置は、送り出しポート153を送り込みポート154に接続する、コンテナ受容領域130の外部にあるコンテナ経路170を備える。コンテナ経路170は、コンテナを送り出しポート153の高さから送り込みポート154の高さまで持ち上げる持ち上げ機構の形態の垂直搬送手段171を備える。持ち上げ機構171は、例えば、垂直方向に移動可能なコンベヤセクションの形態をとり得る。持ち上げ機構171は、人間のオペレータがコンテナの内容物にアクセスする(例えば、コンテナから物品を出す、又はコンテナに物品を入れる)のに便利な高さまでコンテナを持ち上げるように構成され得る。スタック10が異なる高さ寸法のコンテナ20を備える場合、持ち上げ機構171は、コンテナの高さ寸法にかかわらず、各コンテナの上部を同じ垂直位置まで上昇させるように構成されてもよく、それにより、各コンテナは、人間のオペレータ又は他のデバイスによるアクセスのために一貫した垂直位置にくるようになる。
【0131】
図21及び図22の配置では、コンテナポート領域150は、送り込みポート154の垂直方向下に位置する送り出しポート153を備えるが、コンテナポート領域150は、コンテナポート151の他の配置を備えてもよい。例えば、送り込みポート154が、送り出しポート153の垂直方向下に位置してもよい。一般に、コンテナポート領域150は、単一のコンテナポート151、又は垂直方向に配置された、若しくはコンテナ受容領域周りの水平面に配置された複数のコンテナポート151を備え得る。垂直方向に配置されているとき、コンテナポート151は、互いの真上又は真下に配置されてもよいし、又はコンテナポート151は、互いに水平にオフセットされていてもよい。コンテナポート領域150は、単一の送り出しポート153及び/又は単一の送り込みポート154を備え得る。コンテナポート領域は、複数の送り込みポート154を有する単一の送り出しポート153、又は単一の送り込みポート154を有する複数の送り出しポート153、又は複数の送り出しポート153及び複数の送り込みポート154を備え得る。各送り出しポート153は、ターゲットコンテナ21を異なるロケーションに搬送するように構成され得る。各送り込みポート154は、異なるロケーションからフリーコンテナ24を受容し得る。コンテナポート151がコンテナ受容領域周りの水平面に配置される配置では、コンテナ受容領域130内のコンテナ受容面137は、各コンテナポート151と位置を合わせるために垂直軸を中心として回転するように構成されてもよいし、又はコンテナ受容面137は、複数の異なる方向(例えば、直角方向)のうちのいずれか1つにコンテナを運搬可能であってもよい。
【0132】
図23は、2つのスタック処理装置100が共に動作可能に接続されている配置を示す。特に、第1のスタック処理装置100aは、スタック10からターゲットコンテナ21を引き出すように構成され、送り出しポート153を備える。第2のスタック処理装置100bは、フリーコンテナ24をスタック10内に挿入するように構成され、送り込みポート154を備える。第1のスタック処理装置100aの送り出しポート153は、第1のスタック処理装置100aで引き出されたターゲットコンテナ21を、フリーコンテナ24として第2のスタッキング処理装置100bに送り込むことができるように、コンテナ経路170(例えば、コンベヤ)によって第2のスタッキング装置100bの送り込みポート154に接続されている。
【0133】
コンテナは、コンテナ経路170に沿って進むときに処理を受け得る。例えば、物品は、人間又はロボットデバイスによってコンテナから出され、又はコンテナ内に挿入され得る。コンテナ経路170は、物品がコンテナから出されるか、又はコンテナに入れられることを可能にするために、コンテナが停止することができる1つ又は複数のコンテナ処理領域160を備え得る。コンテナ経路170は、2つのスタック処理装置100a、100b間の経路を塞ぐことなくコンテナを一時的に保管するための1つ又は複数のバッファ領域161を備え得る。
【0134】
図24は、スタック10内の1つ又は複数のコンテナ20の垂直位置を決定するように構成された第1のコンテナ認識システム181を更に備えるスタック処理装置100を示す。コンテナ認識システム181は、分離部材113及びハンドリング部材133の垂直移動を制御するための制御システム180の一部であり得る。
【0135】
この例では、コンテナ認識システム181は、視覚システム181の形態である。視覚システム181は、スタック10がスタック受容領域110に接近したときに、コンテナのスタック10の1つ又は複数の画像を捕捉するように構成されたカメラ182を備える。次いで、1つ又は複数のプロセッサは、スタック10の画像を解析してスタック10内の1つ又は複数のコンテナ20の垂直位置を決定するように構成され、それにより、制御システム180の1つ又は複数のプロセッサは、分離部材113及びハンドリング部材133に、スタック10が正しい位置で分離され、ターゲットコンテナ21が引き出されることを可能にするために適切な垂直位置まで垂直方向に移動するように命令することができる。
【0136】
例えば、各コンテナ20は、視覚システム181によって認識され得る視覚的識別子(例えば、バーコード又はQRコード)を備え得る。更に、制御システム180は、コンテナ20の視覚的識別子をコンテナ20の高さ寸法に関連付けるデータを備えるデータストアを備え得る。したがって、スタック10内の各コンテナ20を認識し、それらの高さ寸法に関するデータを使用することによって、制御システム180は、分離部材113及びハンドリング部材133がそれらのそれぞれの機能を行うために進む必要がある垂直距離を決定することができる。
【0137】
代替的に、視覚システム181の1つ又は複数のプロセッサは、スタック10内の1つ又は複数のコンテナ20の垂直位置を決定するために、エッジ検出などの画像処理及び画像解析技法を実施するように構成され得る。
【0138】
スタック10がスタック受容領域110に接近したときにスタック10の画像を捕捉する代わりに、カメラ182は、スタック10がスタック受容領域110内にあるときにスタック10の1つ又は複数の画像を捕捉するように構成されてもよい。
【0139】
スタック10全体の画像を捕捉する代わりに、カメラ182は、スタック受容領域110内を垂直方向に移動し、カメラ182がスタック10を上下に進むときにコンテナ20の側面の画像を捕捉するように構成されてもよい。カメラ182は、分離部材113と共に、又は分離部材113とは独立して、垂直方向に移動してもよい。1つ又は複数のプロセッサが(上述した視覚的識別子を介して)ターゲットコンテナ21を認識すると、制御システム180は、分離部材113及びハンドリング部材133をそれらそれぞれの機能を行うように適宜移動させることができる。
【0140】
コンテナ認識システム181は、代替的にRFIDシステムの形態であってもよく、ここにおいて、各コンテナ20がRFIDタグを備え、制御システム180がRFIDリーダを備える。RFIDリーダは、スタック10がスタック受容領域110に接近したときにスタック10内のコンテナ20のRFIDタグを読み取るように構成されてもよいし、又はRFIDリーダは、スタック受容領域110内を垂直方向に移動し、RFIDリーダがスタック10を上下に進むときに各コンテナ20のRFIDタグを読み取るように構成されてもよい。RFIDリーダは、分離部材113と共に、又は分離部材113とは独立して、垂直方向に移動してよい。RFIDリーダがターゲットコンテナ21を認識すると、制御システム180は、分離部材113及びハンドリング部材133をそれらそれぞれの機能を行うように適宜移動させることができる。
【0141】
コンテナ識別子(例えば、バーコード、QRコード、RFIDタグなど)は、コンテナ20を一意に識別してもよいし、又はコンテナ20のタイプを識別してもよい(例えば、同じ識別子が特定の寸法を有するすべてのコンテナに適用され得る)。
【0142】
コンテナ20がすべて同じ寸法を有する場合、コンテナ認識システムは必要でない場合がある。この場合、制御システム180は、分離部材113及びハンドリング部材133を、ターゲットコンテナ21を引き出すための適切な垂直位置に移動させるために、スタック内のターゲットコンテナ21(例えば、下から3番目のコンテナ)の相対位置及びコンテナ20の所定の高さ寸法を知る必要があるだけである。
【0143】
図24はまた、コンテナポート151に入るコンテナを認識するように構成された、コンテナポート領域150における第2のコンテナ認識システム185を示す。特に、コンテナ認識システム185は、送り出しポート153に入るターゲットコンテナを認識するように構成された送り出しカメラ186と、送り込みポート154に入るターゲットコンテナを認識するように構成された送り込みカメラ187とを備える。送り出しカメラ186及び送り込みカメラ187は、上述の第1のコンテナ認識システム181と同じ方法で(すなわち、各コンテナ上の識別子を介して)コンテナを認識するように構成され得る。第2のコンテナ認識システム185は、制御システム180が、正しいターゲットコンテナ21がスタック10から引き出されたことを二重チェックし、スタック内に挿入されるフリーコンテナ24を二重チェックすることを可能にする。第2のコンテナ認識システム185はまた、コンテナがコンテナポート151に入るときに、(例えば、画像認識技法を使用して)各コンテナの内容物をチェックするように構成され得る。
【0144】
第1のコンテナ認識システム181と同様に、第2のコンテナ認識システム185は、コンテナを認識する代替の方法、例えばRFIDタグ及びリーダを使用することができる。第2のコンテナ認識システム185は、コンテナ受容領域に入るコンテナを認識するために、コンテナポート領域の代わりにコンテナ受容領域に位置することもできる。
【0145】
コンテナ認識システム181、185は、スタック処理装置100での使用に限定されず、本明細書に記載のスタック処理装置のいずれかで使用することができる。
【0146】
図25は、コンテナの垂直スタック10からターゲットコンテナ21を引き出し、及び/又はコンテナの垂直スタック10内にフリーコンテナ24を挿入することができるという点で、図9図18のスタック処理装置100と同様に機能するスタック処理装置200を示す。しかしながら、スタック10を2つのサブスタック11(上部サブスタック及び下部サブスタック)に分離する代わりに、図25に示すスタック処理装置は、スタックを2つよりも多くのサブスタックに分離することができる。スタック10を2つよりも多くのサブスタックに分離することによって、各引き出し動作又は各挿入動作の合間にスタック10を再形成する必要なく、1つよりも多くのターゲットコンテナ21を、分離されたスタック10から引き出すことができ、及び/又は1つよりも多くのフリーコンテナ24を、分離されたスタック10内に挿入することができる。
【0147】
スタック処理装置100と同様に、スタック処理装置200は、コンテナの垂直スタック10を受容するためのスタック受容領域210を備える。スタック処理装置100とは対照的に、スタック受容領域210は、柱状フレーム構造体内に画定されておらず、代わりに、スタック受容領域210の1つの側に位置するフレーム構造体211によって部分的に画定されている。図26は、スタック10の1つの側に位置するフレーム構造体211を有するスタック受容領域210の内側にあるコンテナの垂直スタック10を示す。
【0148】
図27は、スタック10及びフレーム構造体211の側面図を示す。スタック受容領域210は、互いに独立してスタック受容領域210内を垂直方向に移動可能な複数の垂直方向に配置された分離部材213を備えるスタック分離機構212を備える。分離部材213は、フレーム構造体211によって支持された垂直レール215(図25に見える)上を移動可能である。分離部材213は、既知の機構を使用して、互いに独立してレール215上を垂直方向に移動可能であり得る。例えば、垂直レール215は静止していてもよく、各分離部材213は、レール215に沿って分離部材213を移動させるように構成されたモータを備え得る。垂直レール215は、モータに電力を供給するために分離部材213と接触している電線を備え得る。
【0149】
スタック処理装置100と同様に、各分離部材213は、スタック10内のコンテナ20に解放可能に係合するように構成される。分離部材213は、スタック処理装置100に関連して既に説明したように、コンテナ20の特徴部に係合するための任意の好適な機構を備え得る。
【0150】
この例では、分離部材213は、スタック受容領域210の一方の側にのみ設けられているが、分離部材213は、スタック処理装置100と同様に、対向する対で配置されてもよい。
【0151】
図27及び図28は、スタック10内の各コンテナ20に係合するために解放位置から係合位置に移動する分離部材213を示す。これらの図に示すように、スタック受容領域210は、スタック10内のすべてのコンテナ20に係合するのに十分な分離部材213を備える。分離部材213の数は、好ましくは、スタック処理装置200が受容及び処理するように設計されている積み重ねられたコンテナ20の少なくとも最大数に相当する。
【0152】
図29に示すように、分離部材213がスタック10内のすべてのコンテナ20に係合すると、分離部材213は、すべてのコンテナ20を互いに対して垂直方向に持ち上げるので、個々の各コンテナ20は、そのすぐ上及びすぐ下のコンテナ20から垂直方向に離隔される。スタック10は、ここで、各サブスタック11が1つのみのコンテナ20を含む状態の複数のサブスタック11に分離されていると考えることができる。
【0153】
スタック処理装置100と同様に、スタック処理装置200は、図30に示すように、ハンドリング部材233を備えるコンテナ受容領域230を備える。スタック処理装置100のコンテナ受容領域130とは対照的に、コンテナ受容領域230は、フレーム構造体によって画定されておらず、ターゲットコンテナ21が引き出される先のスタック受容領域210に水平方向に隣接する領域と考えることができる。
【0154】
ハンドリング部材233は、ハンドリング部材233がスタック10内の任意のコンテナ20の垂直位置に分離後に到達することを可能にするために垂直方向に移動可能である。ハンドリング部材233は、フレーム構造体211によって支持された垂直レール235上を垂直方向に移動可能である。ハンドリング部材233は、スタック処理装置100のハンドリング部材133に関して既に説明したように、既知の手段を使用して垂直レール235上を移動し得る。
【0155】
スタック処理装置100のハンドリング部材133と同様に、ハンドリング部材233は、分離されたスタック10内のターゲットコンテナ21に解放可能に係合するように構成され、ハンドリング部材133に関して既に説明したように、ターゲットコンテナ21の特徴部に係合するための任意の好適な機構を備え得る。
【0156】
図30に示すように、分離部材213は、スタック10内のコンテナ20の1つの側面に係合するためにスタック受容領域210の1つの側に位置しており、ハンドリング部材233は、スタック10内のコンテナ20の隣接する側面に係合するためにスタック受容領域210の隣接する側に沿って延在する。
【0157】
ハンドリング部材233がターゲットコンテナ21の垂直位置まで垂直方向に移動し、それに係合すると、ターゲットコンテナ21に係合している分離部材213は、ターゲットコンテナ21を解放するように構成される。
【0158】
ハンドリング部材233の少なくとも一部分は、ハンドリング部材233がスタック10からターゲットコンテナ21を水平方向に引き出すことを可能にするために、スタック受容領域210に向かって、及びスタック受容領域210から離れるように水平方向に移動可能である。図30及び図31に示すように、ハンドリング部材233は、スタック処理装置100のハンドリング部材133の直線的な水平移動とは対照的に、垂直軸を中心とした水平移動のために枢動可能に取り付けられている。この例では、ハンドリング部材233は、90度にわたり枢動可能に移動でき、それにより、ハンドリング部材233がターゲットコンテナ21に係合すると(そして分離部材213がターゲットコンテナ21を解放すると)、ハンドリング部材233の枢動移動により、ターゲットコンテナ21がスタック10から水平面に沿ってコンテナ受容領域230へと枢動する。
【0159】
ターゲットコンテナ21がスタック10から引き出されると、ハンドリング部材233は、垂直方向に移動して、ターゲットコンテナ21をコンテナ受容領域230に位置するコンテナ受容面237上に置き、解放するように構成される。この例では、コンテナ受容面237は、受取りコンベヤ237(図25で見える)の形態である。受取りコンベヤ237は、固定された垂直位置にあるが、スタック処理装置100のコンテナ受容面137に関して説明したように、コンテナ受容面237は、コンテナ受容領域230内を垂直方向に移動するように構成されてもよい。
【0160】
スタック処理装置100と同様に、スタック処理装置200は、コンテナ受容領域230に水平方向に隣接するコンテナポート領域250を有するものと考えることができる。図25に示すように、コンテナポート領域250は、ターゲットコンテナ21をコンテナ受容領域230から受容するように構成された送り出しポート253と、コンテナ受容領域230内に移動されるフリーコンテナ24を受容するように構成された送り込みポート254とを備える。この例では、送り出しポート253及び送り込みポート254は、コンテナ受容領域230周りの水平面に配置される。送り出しポート253は、コンテナ受容領域230の外部にあるコンテナ経路270によって送り込みポート254に接続されており、コンテナ経路270に沿って、ターゲットコンテナ21は、同じスタック10又は異なるスタック10内への再挿入のために、送り出しポート253から送り込みポート254に進むことができる。この例では、コンテナ経路270は、コンベヤ270の形態である。ターゲットコンテナ21は、コンテナ経路270に沿って進む間に処理を受けることができ、例えば、物品がターゲットコンテナに入れられるか、又はターゲットコンテナから出されることができ、コンテナ経路270は、コンテナ経路170に関して既に上述したように、コンテナ処理領域及び/又はバッファ領域を備え得る。
【0161】
スタック10が分離されている間、ハンドリング部材233は、上述した同じプロセスを使用して、複数のターゲットコンテナ21を連続して引き出し得る。
【0162】
スタック処理装置200は、フリーコンテナ24をスタック10内の任意の位置へと挿入するために逆の方法でも機能し得る。特に、ターゲットコンテナ21がスタック10から引き出されると、分離部材213は、ハンドリング部材233がコンテナ受容領域230に受容されたフリーコンテナ24に係合している間、適所に保持され得る。次いで、ハンドリング部材233は、引き出されたターゲットコンテナ21が去った空間にフリーコンテナ24を挿入することができ、引き出されたターゲットコンテナ21にこれまで係合していた分離部材213は、ここで、挿入されたフリーコンテナ24に係合することができる。次いで、ハンドリング部材233は、フリーコンテナ24を解放することができ、分離部材213は、共に垂直方向に移動してスタック10を再形成することができる。
【0163】
フリーコンテナ24が、引き出されたターゲットコンテナ21とは異なる高さ寸法を有する場合、分離部材213は、それらの垂直位置を調整して、フリーコンテナ24を挿入するための適切なサイズにされた空間を提供し得る。
【0164】
フリーコンテナ24は、スタック内に挿入された後に分離部材213によって係合される必要は必ずしもない。その代わりに、各分離部材213が1つよりも多くのコンテナ20の重量を保持するのに十分な強度を有するならば、フリーコンテナ24はスタック10内のコンテナ20の上部に置かれてもよい。
【0165】
複数のターゲットコンテナ21がスタック10から引き出された場合、スタック10が再形成される前に、複数のフリーコンテナ24が、引き出されたターゲットコンテナ21が去った空間内に挿入され得る。
【0166】
この例では、スタック分離機構212は、スタック内のすべてのコンテナに係合して持ち上げるのに十分な分離部材213を備えるが、これは必須ではなく、スタック分離機構212は、1つ又は複数のコンテナ20を含む2つよりも多くのサブスタック11にスタック10を分離するために少なくとも2つの分離部材213を備えてもよい。
【0167】
スタック処理装置200の特徴をスタック処理装置100の特徴と組み合わせることができ、その逆も同様であることが理解されよう。例えば、スタック処理装置100、200に関連して説明したスタック受容領域110、210、コンテナ受容領域130、230、コンテナポート領域150、250、及びコンテナ経路170、270の特徴は、それらのスタック処理装置に特有であることを意図しておらず、代わりに、任意の組み合わせで組み合わせて、スタックからコンテナを引き出す、及び/又はスタック内にコンテナを挿入するのに好適なスタック処理装置を形成することができる。
【0168】
1つ又は複数のスタック処理装置100、200が、図6図8に関連して説明したシステムなどの、垂直スタック10へと配置されたコンテナに物品が保管される、より広い保管及び取り出しシステムの一部を形成し得る。保管及び取り出しシステムは、例えば顧客の注文を満たすために、物品が個々のコンテナから取り去られるピッキングステーションを備え得る。ピッキングステーションは、ターゲットコンテナ内の物品を取り去ることができるようにスタック10からターゲットコンテナを引き出すように構成されたスタック処理装置100、200を備え得る。スタック処理装置100、200はまた、引き出されたコンテナをスタックに戻すように構成され得る。図20図23に示す配置は、例えば、ピッキングステーションとして使用されてもよい。保管及び取り出しシステムは、保管される物品が空のコンテナに充填される充填ステーションも備え得る。充填ステーションは、充填されたコンテナを既存のスタック10内に挿入するか、又は新たなスタック10を形成するように構成されたスタック処理装置100、200を備え得る。システム内のスタック10は、上述したスタックユニット40の形態であってよく、保管及び取り出しシステムは更に、上述した1つ又は複数の車両50を備えてよい。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
【国際調査報告】