(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】薬剤送達デバイスサブアセンブリおよび対応する組立の方法
(51)【国際特許分類】
A61M 5/34 20060101AFI20240517BHJP
【FI】
A61M5/34 510
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574241
(86)(22)【出願日】2022-05-09
(85)【翻訳文提出日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 EP2022062462
(87)【国際公開番号】W WO2022253525
(87)【国際公開日】2022-12-08
(32)【優先日】2021-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520011887
【氏名又は名称】エスエイチエル・メディカル・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アントニオ・ベンデック
(72)【発明者】
【氏名】セバスティアン・カールソン
(72)【発明者】
【氏名】スロボダン・ステファノフ
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066EE14
4C066FF06
4C066KK05
4C066KK08
4C066NN04
4C066PP01
4C066PP02
(57)【要約】
本発明は、注射針アセンブリ(10)、カートリッジ(62)およびシール(61)を備えた薬剤送達デバイスサブアセンブリに関する。注射針アセンブリ(10)は対向する遠位端および近接端を有し、薬剤容器に接続可能に構成されたリテーナ部材(18)と、リテーナ部材内で同軸に変位可能に構成され、近接および遠位尖端(40、42)を有する注射針(38)を備えたハブ(32)と、ハブおよびリテーナ部材両方に相互作用可能に接続されたキャップ部材(12)とを備えている。本発明はさらに、使用前に前記注射針(38)の汚染を防止するように前記キャップ部材(12)と前記リテーナ部材(18)の間に配置された封止部材(56)を備えている。シール(61)は注射針アセンブリ(10)とカートリッジ(62)の間の間隙を封止する。組立の方法も記載されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射針アセンブリ(10)、カートリッジ(62)およびシール(61)を備えた薬剤送達デバイスサブアセンブリであって、前記注射針アセンブリ(10)は対向する遠位端および近接端を有し、前記注射針アセンブリ(10)は、
前記カートリッジ(62)に接続可能に構成されたリテーナ部材(18)と、
前記リテーナ部材内で同軸に変位可能に構成され、近接および遠位尖端(40、42)を有する注射針(38)を備えたハブ(32)と、
前記ハブおよび前記リテーナ部材両方に相互作用可能に接続されたキャップ部材(12)と、
使用前に前記注射針(38)の汚染を防止するように前記キャップ部材(12)と前記リテーナ部材(18)の間に配置された封止部材(56)とを備え、
前記シール(61)は前記注射針アセンブリ(10)と前記カートリッジ(62)の間の間隙を封止する、薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【請求項2】
前記シール(61)はリング形である、請求項1に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【請求項3】
前記シール(61)は中心通路(63)を備えている、請求項1または2に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【請求項4】
前記シール(61)は弾性材料で作られている、請求項1から3のいずれか一項に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【請求項5】
前記シール(61)は熱可塑性エラストマーで作られている、請求項1から4のいずれか一項に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【請求項6】
前記シール(61)はOリングである、請求項1から5のいずれか一項に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【請求項7】
前記シール(61)はパッドである、請求項1から5のいずれか一項に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【請求項8】
前記注射針アセンブリ(10)の横に延びる壁面(28)を備えた薬剤送達デバイスサブアセンブリであって、前記横に延びる壁面(28)は前記カートリッジ(62)と前記注射針(38)の間にある、請求項1から7のいずれか一項に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【請求項9】
前記シール(61)は前記注射針アセンブリ(10)の横に延びる壁面(28)の遠位方向に延びる延長部であり、前記横に延びる壁面(28)は前記カートリッジ(62)と前記注射針(38)の間にある、請求項1から7のいずれか一項に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【請求項10】
前記シール(61)は、前記注射針アセンブリ(10)と、前記カートリッジ(62)の円筒部分(64)、前記カートリッジ(62)のショルダ(66)、前記カートリッジ(62)のネック(68)、前記カートリッジ(62)のヘッド(70)、前記カートリッジ(62)の膜(72)および前記カートリッジ(62)のひだ(74)の1つまたは複数の間の間隙内にある、請求項1から9のいずれか一項に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【請求項11】
前記シール(61)は前記カートリッジ(62)と、前記注射針アセンブリ(10)の横に延びる壁面(28)および前記注射針アセンブリ(10)の遠位管状部(20)の1つまたは複数の間の間隙内にある、請求項1から10のいずれか一項に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【請求項12】
前記封止部材(56)は弾性部材を備えている、請求項1から11のいずれか一項に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【請求項13】
前記封止部材(56)は、ほぼリング形である、請求項1から12のいずれか一項に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【請求項14】
前記シール(61)は、前記注射針アセンブリ(10)の前記リテーナ部材(18)と前記カートリッジ(62)の間の間隙を封止する、請求項1から13のいずれか一項に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリを備えた薬剤送達デバイス。
【請求項16】
自己注射器である、請求項15に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項17】
薬剤送達デバイスサブアセンブリの組立の方法であって、
請求項1に記載したような注射針アセンブリ(10)を提供するステップと、
カートリッジ(62)を提供するステップと、
シール(61)が前記カートリッジ(62)と前記注射針アセンブリ(10)の間の無菌容積を隔離するように、前記カートリッジ(62)と前記注射針アセンブリ(10)を無菌環境で前記シール(61)と共に組み立てるステップとを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤送達デバイスサブアセンブリおよび対応する組立の方法、より詳細には、シール、カートリッジおよび注射針アセンブリを備えた薬剤送達デバイスサブアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
異なるタイプの注射針アセンブリが、長年の間開発されており、その目的は薬剤容器に取り付けられる事実上完全なアセンブリを有することである。薬剤容器への注射針の取付の態様に関して、注射針の後端部が容器の内部に突出するべきであるという要件がしばしばある。
【0003】
これは、長期間露出されたとき薬剤が針の材料に反応する場合に、欠点となる可能性がある。その点で、注入が行われるまで、針の後端部を容器の外側に置くことが望ましい。一方、これはその後、針の後端部を容器内にかなり容易に移動させることができること、また針の後端部が容器内に移動させるまで無菌環境に保持されることを必要とする。
【0004】
これらの要件に対する新規の解決法が、文献WO2009/150078に提示されている。'078では、薬剤容器に取付可能なリテーナ部材を備えた注射針アセンブリが開示されている。リテーナ部材は、ハブが中に配置された中心通路を備えて配置されている。ハブは、近接および遠位尖端を有する注射針を保持する。さらに、キャップ部材がリテーナ部材に取外し可能に取り付けられている。初期位置では、注射針の両端部はアセンブリによって保護され、注射針を無菌に保持する。
【0005】
アセンブリは、キャップ部材が1回分の薬剤を送達するために取り除かれた場合、キャップ部材ホルダはリテーナ部材に対して遠位方向に移動され、それによって、注射針の遠位尖端は注射針アセンブリに取り付けられる薬剤送達デバイス内の薬剤容器の膜を穿刺するように設計されている。
【0006】
アセンブリは、多くの場合、極めて良好に機能し、注射針は無菌に保たれる。しかし、いくつかの稀な場合、特に、2つの部品間にある相対的移動がある場合に、キャップ部材とリテーナ部材の間のインターフェースを通してアセンブリの内部に異物が入るリスクがあり得る。したがって、注射針を汚染させるリスクがさらに低減または最小化されれば有利であろう。
【0007】
針アセンブリの構成部品間の封止を行ういくつかの解決法が、開発されてきた。例えば、文献WO2010/094916は、近接尖端および遠位尖端を備えた注射針を備えた針ハブを有する薬剤容器および送達機構を開示している。封止要素は、針ハブと、薬剤容器に接続することを意図した締付構成部品の間に配置されている。別の封止要素が、針ハブとキャップ部材の間に配置されている。
【0008】
アセンブリが使用される場合、ユーザはキャップ部材を手動で取り除き、その後、注射部位を穿刺する。その後、針の遠位端は容器内側の薬剤とのアクセスを得るために、カバー膜を穿刺するだけである。これは多くの場合、および注射針を通した薬剤用の通路が穿刺の例で作り出される多くの部材で欠点である。多くの場合、例えば、プライミングが行われるように、通路が前もって作り出されることが明らかに望ましい。
【0009】
別のアプローチが、参照として本明細書に組み込まれている、WO2014/076225で提供されているが、出願人はさらなる改良を行うことができることに気が付いた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第2009/150078号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2010/094916号パンフレット
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本出願では、「遠位部/端」という用語が使用される場合、これは患者の薬剤送達部位から最も離れて置かれているアセンブリの部分/端部、またはその部材の部分/端部のことを言う。これに応じて、「近接部/端」という用語が使用される場合、これは患者の薬剤送達部位の最も近くに置かれているアセンブリの部分/端部、またはその部材の部分/端部のことを言う。
【0012】
本発明は、次に言及を行う特許請求の範囲によって定義される。
【0013】
本発明の一態様は、注射針アセンブリ、カートリッジおよびシールを備えた薬剤送達デバイスサブアセンブリに関し、注射針アセンブリは対向する遠位端および近接端を有し、注射針アセンブリは、薬剤容器に接続可能に構成されたリテーナ部材と、リテーナ部材内で同軸に変位可能に構成され、近接および遠位尖端を有する注射針を備えたハブと、ハブおよびリテーナ部材両方に相互作用可能に接続されたキャップ部材と、使用前に前記注射針の汚染を防止するように前記キャップ部材と前記リテーナ部材の間に配置された封止部材とを備え、シールは注射針アセンブリとカートリッジの間の間隙を封止する。シールは、カートリッジと注射針アセンブリの間の無菌容積を隔離することができる。いくつかの実施形態では、シールは別の構成部品である。別の方法では、シールはカートリッジに取り付けられている、またはカートリッジの一体部である。別の方法では、シールは注射針アセンブリに取り付けられている、または注射針の一体部である。
【0014】
任意選択で、シールはリング形である。任意選択で、シールは中心通路を備えている。任意選択で、シールは弾性材料で作られている。任意選択で、シールは熱可塑性エラストマーで作られている。任意選択で、シールはOリングである。任意選択で、シールはパッドである。任意選択で、シールは注射針アセンブリの横に延びる壁面の遠位方向に延びる延長部であり、横に延びる壁面はカートリッジと注射針の間にある。
【0015】
任意選択で、シールは注射針アセンブリと、カートリッジの円筒形部分、カートリッジのショルダ、カートリッジのネック、カートリッジのヘッド、カートリッジの膜およびカートリッジのひだの1つまたは複数の間の間隙内にある。任意選択で、シールはカートリッジと、注射針アセンブリの横に延びる壁面および注射針アセンブリの遠位管状部の1つまたは複数の間の間隙内にある。
【0016】
好ましい解決法によると、封止部材は弾性部材を備え、ほぼリング形であり、前記リテーナ部材に取り付けられている。これは、封止部材の封止性状を増大させ、キャップ部材とリテーナ部材の間である移動があった場合でさえも、封止動作を維持するためである。
【0017】
本発明の一態様によると、および封止部材の適切な封止動作を提供するために、前記封止部材は近接方向に向けられた接触表面を備えて配置され、前記キャップ部材は遠位方向に向けられた接触表面を備えて配置されている。
【0018】
本発明の別の態様によると、およびキャップ部材とリテーナ部材の間の封止動作をさらに確かめるために、前記封止部材は、前記リテーナ部材および前記キャップ部材に関して、前記キャップ部材が前記リテーナ部材に取り付けられる場合に前記封止部材が圧縮されるように配置されている。したがって、封止部材は、キャップ部材とリテーナ部材の間を通過するあらゆる異物のリスクが大きく減少する点で、注射針の保護を向上させる。それにより、キャップ部材がリテーナ部材から取り除かれるまで、無菌状態が完全なままで保持されることが保証される。
【0019】
本発明のさらなる態様によると、遠位尖端は、薬剤容器の近接端に配置された膜を穿刺するように配置されている。
【0020】
本発明のさらに別の態様によると、ハブは、その外周表面上に、遠位係合部材および近接係合部材を備えている。
【0021】
本発明の別の態様によると、リテーナ部材は、容器取付部材を有する遠位管状部と、その外周表面上に外側係合部材を有する近接部と、ハブの遠位係合部材を受けるようになっているその内周表面上に対向する遠位端および近接端および内側係合部材を有する中心通路とを備えている。
【0022】
本発明のさらなる態様によると、キャップ部材は、その内周表面上に、ハブの近接係合部材と協働するように配置された第1の係合部材、およびリテーナ部材の外側係合部材と協働するように配置された第2の係合部材を備えている。
【0023】
本発明のさらに別の態様によると、キャップ部材の第1の係合部材は、ハブの近接係合部材と協働するように配置され、それによって、ハブは軸方向に変位可能であるが、キャップ部材に対して回転するのが防止される。
【0024】
本発明の別の態様によると、キャップ部材の第2の係合部材はリテーナ部材の外側係合部材と協働するように配置され、それによって、キャップ部材は、キャップ部材がリテーナ部材から取り除かれるのが防止される第1の位置から、キャップ部材がリテーナ部材から取り除かれるのが可能になる第2の位置までリテーナ部材に対して軸方向に変位可能である。
【0025】
本発明のさらなる態様によると、リテーナ部材の内側係合部材はハブの遠位係合部材と協働するように配置され、それにより、ハブは遠位係合部材が中心通路の近接端に位置決めされる切断位置から遠位係合部材が中心通路の遠位端に位置決めされる接続位置までリテーナ部材に対して同軸に変位可能である。
【0026】
本発明のさらに別の態様によると、ハブは、キャップ部材が第1の位置から第2の位置に変位されると、切断位置から接続位置に変位される。
【0027】
本発明の別の態様によると、リテーナ部材の内側係合部材およびハブの遠位係合部材は案内部材であり、キャップ部材の第2の係合部材およびリテーナ部材の外側係合部材も案内部材である。
【0028】
本発明のさらに別の態様によると、リテーナ部材の内側係合部材およびハブの遠位係合部材はねじ切り部材であり、キャップ部材の第2の係合部材およびリテーナ部材の外側係合部材はねじ切り部材である。
【0029】
本発明のさらなる態様によると、薬剤送達デバイスは、本発明の前述の態様のいずれかによる注射針アセンブリを備えている。任意選択で、薬剤送達デバイスは自己注射器である。
【0030】
本発明のさらなる態様によると、薬剤送達デバイスサブアセンブリの(または、薬剤送達デバイスサブアセンブリを備えた薬剤送達デバイスの)組立の方法が提供され、この方法は、注射針アセンブリを提供するステップと、カートリッジを提供するステップと、シールがカートリッジと注射針アセンブリの間の無菌容積を隔離するように、カートリッジと注射針アセンブリを無菌環境でシールと共に組み立てるステップとを含んでいる。注射針アセンブリは、上に記載したような注射針アセンブリであることが好ましい。
【0031】
本発明のこれらおよび他の態様、および本発明での利点は、本発明の以下の詳細な説明から、および添付の図面から明らかになるだろう。
【0032】
本発明の以下の詳細な説明では、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明による注射針アセンブリの斜視図である。
【
図6】動作状態の
図1のアセンブリの斜視図である。
【
図7】注射針アセンブリおよびカートリッジを備えた薬剤送達デバイスサブアセンブリの断面図である。
【
図9】
図7の薬剤送達デバイスサブアセンブリの異なる封止選択肢を示す図である。
【
図10】
図7の薬剤送達デバイスサブアセンブリの異なる封止選択肢を示す図である。
【
図11】
図7の薬剤送達デバイスサブアセンブリの異なる封止選択肢を示す図である。
【
図12】
図7の薬剤送達デバイスサブアセンブリの異なる封止選択肢を示す図である。
【
図13】注射針アセンブリ、カートリッジおよびシールを備えた別の薬剤送達デバイスサブアセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、注射針アセンブリ10を示している。注射針アセンブリ10は、対向する遠位端および近接端を有する。薬剤送達デバイス内で薬剤容器(図示せず)に接続されるように構成されたリテーナ部材18と、リテーナ部材内で同軸に変位可能に構成され、近接および遠位尖端(40、42)を有する注射針38を備えたハブ32と、ハブおよびリテーナ部材両方に相互作用可能に接続されたキャップ部材12とを備えている。キャップ部材の遠位端は、キャップ部材12の内部にアクセスする開口14(
図4)を備えて配置され、針アセンブリの注射部16が囲まれている(
図2)。注射針の遠位尖端42は、薬剤容器の近接端に配置された膜を穿刺するように配置されている。注射針アセンブリ10はさらに、使用前に前記注射針38の汚染を防ぐために、前記キャップ部材12と前記リテーナ部材18の間に配置された封止部材56を備えている。
【0035】
リテーナ部材18は、カートリッジなどの薬剤容器のネック部分が嵌合し、薬剤容器が例えばねじ山、糊付け、または溶接のいずれかによって取り付けられることを意図している容器取付部材を有する遠位管状部20(
図3)を備えて配置されている。リテーナ部材18はさらに、薬剤送達デバイスのハウジング部への取付のための遠位方向に延びる締付部材22を備えている。
【0036】
リテーナ部材18はさらに、その外周表面上に外側係合部材44を有する近接管状部24、および中心通路26を備えて配置されている。前記中心通路は、その内周表面上に対向する遠位端および近接端および内側係合部材30を有する。横に延びる壁面28(
図3)は、以下に記載するように、遠位管状部20および中心通路26を分離している。
図3に示す実施形態では、通路26の内側係合部材30はねじ山30を備えて配置されている。別の実施形態(図示せず)では、通路26の内側係合部材30は、案内部材、例えば、リブまたは溝を備えて配置されている。
【0037】
ハブ32は、その外周表面上に遠位係合部材36および近接係合部材46を備えた、管形状部材(
図2および
図5)である。
図3に示す実施形態では、ハブ32の遠位係合部材36は中心通路26のねじ山30と相互作用するように設計されたねじ切り部材である。別の実施形態(図示せず)では、ハブ32の遠位係合部材36は、通路26内の対応する案内部材と相互作用するように設計された案内部材、例えば、リブまたは溝である。注射針38は、近接および遠位尖端(40、42)を有するハブ32を通して取り付けられている。
【0038】
キャップ部材12は、ハブ32の近接係合部材46と協働するように配置された第1の係合部材48、およびリテーナ部材18の外側係合部材44と協働するように配置された第2の係合部材50をその内周表面上に備えた、管形状部材(
図4)である。
【0039】
注射ハブ32の近接係合部材46(
図4)は、多数の長手方向に延びる溝または切り欠き49を備えて配置され、第1の係合部材48は長手方向に延びるリブである。各溝または切り欠き49は、回転ロックがキャップ部材12とハブ32の間で得られ、一方、2つの間で長手方向の移動を可能にする、すなわち、ハブ32が軸方向に変位可能であるが、キャップ部材12に対して回転するのが防止されるように、長手方向に延びるリブを受けることを意図している。
【0040】
キャップ部材12の第2の係合部材50は、リテーナ部材18の外側係合部材44と協働するように配置され、それによって、キャップ部材12は、キャップ部材12がリテーナ部材から取り除かれるのが防止される第1の位置から、キャップ部材12がリテーナ部材から取り除かれるのが可能になる第2の位置までリテーナ部材に対して軸方向に変位可能である。
【0041】
リテーナ部材18の内側係合部材30はハブ32の遠位係合部材36と協働するように配置され、それにより、ハブ32は遠位係合部材36が中心通路26の近接端に位置決めされる切断位置から遠位係合部材36が中心通路26の遠位端に位置決めされる接続位置までリテーナ部材18に対して同軸に変位可能である。
【0042】
図3に示す実施形態では、キャップ部材12の第2の係合部材50およびリテーナ部材18の外側係合部材44はねじ切り部材である。ねじ山44は、キャップ部材12をリテーナ部材18に解放可能に取り付けるために、ねじ山50(
図4)と協働することを意図している。別の実施形態(図示せず)では、キャップ部材12の第2の係合部材50およびリテーナ部材18の外側係合部材44は案内部材、例えば、リブまたは溝である。
【0043】
キャップ部材12とリテーナ部材18の間のインターフェースの外側に取り付けられた接着ラベルまたはステッカーを備えた、改ざん表示部材52(
図1および
図2)が配置されている。
【0044】
さらに、リテーナ部材18は、周方向に窪んだ近接部分54(
図2)を備えて配置されている。この部分は、封止部材56を収納するように配置されている。示した実施形態では、封止部材は、近接方向に面した周表面58を有する弾性材料で作られたリング形部材である。この表面58は、キャップ部材12の内側表面で遠位方向に向けられた周レッジ60(
図4および
図5)と接触することを意図している。封止部材56、窪み部分54および周レッジ60は、キャップ部材12がリテーナ部材18に取り付けられている場合に封止部材56がいくらか圧縮されるように設計されている。したがって、封止部材56は、キャップ部材12とリテーナ部材18の間に効果的なシールを作り出し、それにより、針アセンブリの使用前に注射針38のあらゆる汚染を防止する。
【0045】
注射針アセンブリが使用される場合、キャップ部材12は第1の位置から第2の位置に変位され、ハブ32との接続により、後者はまた切断位置から接続位置に変位される。
【0046】
図に示した実施形態によると、キャップ部材12が回されると、ハブ32も回される。しかし、キャップ部材12とリテーナ部材18の間のねじ山は、ハブ32とリテーナ部材18の間のねじ山と異なるピッチの方向を有する。したがって、キャップ部材12が近接方向にリテーナ部材18から取り除くために回されると、注射ハブ32の回転により、リテーナ部材18(
図6)内に遠位方向に移動させ、それにより、注射針38の遠位尖端42はリテーナ部材18の横に延びる壁面28と薬剤容器の膜を穿刺し、異なるピッチの方向により、キャップ部材はハブから外され、取り除かれてもよい(
図6)。
【0047】
別の実施形態によると、キャップ部材12が最初にアセンブリの遠位端に向けて軸方向に変位され、その後、リテーナ部材18に対して回されると、ハブ32もアセンブリの遠位端に向けて軸方向に変位され、リテーナ部材に対して回される。キャップ部材を取り除くために、キャップ部材12とリテーナ部材18の間の案内部材は、キャップ部材がアセンブリの遠位端に向けて軸方向に変位され、回され、その後、アセンブリの近接端に向けて変位されることができるだけであるように構成されている。ハブ32とリテーナ部材18の間の案内部材は、ハブがアセンブリの遠位端に向けて軸方向に変位され、回されることができるように構成されている。したがって、キャップ部材12が押され、回され、リテーナ部材18から取り除くために引っ張られると、注射ハブ32の軸方向変位は、リテーナ部材18内に遠位方向に移動させ、それにより、注射針38の遠位尖端42はリテーナ部材18の横に延びる壁面28と薬剤容器の膜を穿刺する。
【0048】
別の実施形態が
図7に示されている。設計は、上に記載した注射針アセンブリ10と同様であり、簡潔さのために、再び完全には記載しない。上に既に記載した機構に加えて、カートリッジ62が示されている。
図8は、
図7の一部の拡大を示している。カートリッジ62は、円筒部分64、ショルダ66、ネック68、ヘッド70、膜72、およびヘッド70の上に膜72を保持するひだ74を備えている。カートリッジのこの特定の形状が例として示されているが、他のカートリッジ形状およびタイプを使用することもできる。例えば、ひだ74は任意選択である。
【0049】
薬剤送達デバイスの組立中に、カートリッジと注射針アセンブリの間の領域を無菌に保持することは有益である可能性がある。特に、
図7に示す位置から針がカートリッジを穿刺する位置まで針によって連続してとられる経路が無菌であることが有益である可能性がある。1つの解決法は、薬剤送達デバイスアセンブリの一部または全ての間で製造プロセスの無菌性を制御することである。しかし、これは難しいおよび/または高価である可能性があり、無菌状態で行う必要がある組立ステップの数を最小限に抑えることが有益であることが分かった。注射針アセンブリ10とカートリッジ62の間へのシールの提供は、これを助けることができる。というのは、注射針アセンブリ、シールおよびカートリッジが一緒に組み立てられると、針経路はその後隔離することができるからである。
【0050】
この目的で、シール(
図7には図示せず)は、カートリッジと注射針アセンブリの間の様々な位置に設けることができる。シールは、注射針アセンブリとカートリッジの間の間隙を封止するために設けられている。シールは、次に記載するように、様々な形状と材料を有し、様々な位置に設けることができる。いくつかの例では、シールは注射針アセンブリに取り付けられている(または、その一体部である)、またはカートリッジに取り付けられている(または、その一体部である)、または独立した構成部品である。例えば、シールは注射針アセンブリ10とカートリッジ62の円筒部分64、ショルダ66、ネック68、ヘッド70、膜72およびひだ74の1つまたは複数の間の間隙内に設けることができる。概して、間隙はカートリッジ62と注射針アセンブリ10の遠位端の間、より詳細には、カートリッジ62と注射針アセンブリ10の遠位管状部20の間、またはカートリッジ62と注射針アセンブリ10の横に延びる壁面28の間にある。より詳細には、シールは、カートリッジ62のヘッド70、膜72またはひだ74と注射針アセンブリ10の横に延びる壁面28の間の間隙内に設けることができる(例えば、
図11参照)。より詳細には、シールは、カートリッジ62の円筒部分64、ショルダ66、ネック68、ヘッド70、膜72またはひだ74と注射針アセンブリ10の遠位管状部20の間の間隙内に設けることができる(例えば、
図9および
図10参照)。
【0051】
シールの例の非排他的リストを次に記載する。
図9から
図12は、注射針アセンブリ10とカートリッジの間のシールの例を示している。
図9および
図10では、シールはOリングである。
図9では、Oリングはカートリッジのネックと注射針アセンブリ10の遠位管状部20の間に延びている。
図10では、Oリングはカートリッジのひだと注射針アセンブリ10の遠位管状部20の間に延びている。
図11では、シールは注射針アセンブリ10の横に延びる壁面28の遠位方向に延びる延長部であり、カートリッジのひだと注射針アセンブリ10の遠位管状部20の間に延びている。
図12では、シールはカートリッジのショルダと注射針アセンブリ10の遠位管状部20の間のパッド(例えば、TPE(熱可塑性エラストマー)パッドなどの可撓性パッド)である。次に
図13および
図14を参照して、別の例を記載する。設計の多くは、上に記載したものと同様であり、簡潔さのために、再び記載しない。この例では、シールはカートリッジの最近接端(この場合ヘッド)と注射針アセンブリ10の間に延びているリングであり、より詳細には、シールはカートリッジのひだと注射針アセンブリ10の遠位管状部20の間に延びている。
【0052】
Oリング、リング、パッドおよび注射針アセンブリ10の別の部の延長部としてのシールの例が示され、これらの例はそれぞれ、示されている以外の、カートリッジと注射針アセンブリ10の間の間隙の他の部に設けることができる。概して、シールは可撓性または剛性であってもよい。製造誤差に対するより大きな許容範囲および/またはより完全なシールを提供することができるので、可撓性シール(特に、弾性であるシール)は好ましい。シールは、弾性材料、例えばTPE、ゴムまたは別のプラスチックを含む様々な材料で作ることができる。
【0053】
図14に示すように、シールは中心通路63などの中心通路を備えていることが好ましい。これにより、針が使用中に中心通路を通過することが可能になる。中心通路の提供は任意であるが、針が別の方法で、中心通路を通して延びるよりむしろ、使用中にシールを穿刺する可能性がある。
【0054】
上に記載した例はそれぞれ、単一のシールを提供する。しかし、(同じタイプまたは異なるタイプのいずれかの)2つ以上のシールを、シールをさらに改善するために設けることができる。
【0055】
図13に示すようなサブアセンブリの組立の方法を次に記載する。最初に、上に記載したような注射針アセンブリ10がシールおよびカートリッジと一緒に設けられている。任意選択で、注射針アセンブリ、シールおよびカートリッジの1つまたは複数の一部または全てが、例えば、eビームなどの表面殺菌技術(電子ビーム殺菌)によって殺菌され、例えば、注射針アセンブリ10の遠位管状部20の内側はこのステップで殺菌されてもよい。この殺菌ステップは、構成部品が製造と組立の間に非無菌環境に保持された場合に必要である可能性がある。その後、無菌環境では、サブアセンブリは、カートリッジおよび注射針アセンブリをシールと一緒に組み立てることによって組み立てられる。このサブアセンブリを含む完全な薬剤送達デバイスをその後組み立てることができる。針経路の無菌性を維持することは必ずしも必要ではないが、別の薬剤送達デバイスアセンブリステップを無菌環境で行うこともできる。
【0056】
カートリッジおよび注射針アセンブリは、例えば、(例えば、カートリッジと遠位方向に延びる締付手段22および/または遠位管状部20のいずれかの間の摩擦による)摩擦嵌め、またはスナップ嵌めによって互いに取り付けることができるが、別の方法では、カートリッジおよび注射針アセンブリは互いに取り付けられず、他の薬剤送達デバイス構成部品によって互いに対して定位置に保持される。
【0057】
シール61は、注射針アセンブリの一体部(例えば、注射針アセンブリの構成部品の成形機構、これは例えば
図11の例の場合である)、または別の構成部品のいずれかであることができる。シール61が別の構成部品である場合、シール61は注射針アセンブリまたはカートリッジに取り付けることができ、または別の方法では、組立中に(取り付けることなく)注射針アセンブリ内またはカートリッジ上の定位置に配置することができればよい。したがって、カートリッジおよび注射針アセンブリをシールと一緒に組み立てるのに必要な正確な1つまたは複数のステップは、シールがカートリッジに取り付けられる(または、その一部である)、注射針アセンブリに取り付けられる(または、その一部である)、または独立した構成部品であるかどうかによる。例えば、シールが
図9に示すOリングのような別の構成部品である場合、組立の一方法は、最初にカートリッジのネック周りにシールを配置し、その後カートリッジの上に注射針アセンブリ10を置くことである。別の例として、シールが
図10に示すOリングのような別の構成部品である場合、組立の一方法は、最初にシールを注射針アセンブリ10の遠位管状部20内に挿入し、その後、カートリッジを注射針アセンブリ10の遠位管状部20内に挿入することである。第3の例として、シールが
図11に示す選択肢などの注射針アセンブリ10の一部である場合、組立の一方法は、カートリッジを注射針アセンブリ10の遠位管状部20内に挿入することである。第4の例として、シールが
図12に示すようにカートリッジの一部である場合、組立の一方法は、カートリッジを注射針アセンブリ10の遠位管状部20内に挿入することである。しかし、これらの例の全てでは、例えば、構成部品の特定の形状、および使用されている組立ラインのタイプ(例えば、手動、半自動または自動組立ライン)によって、他の組立選択肢が利用可能である。
【0058】
概して、本明細書に記載した概念は、例えば自己注射器またはペン注射器などの様々な薬剤送達デバイスに提供することができる。
【0059】
上に記載し、図に示した実施形態は、特許請求の範囲内で多くの方法で変更されてもよい本発明の非限定的な例としてのみ考えられることを理解されたい。
【0060】
本発明のいくつかの態様を以下の節に記載する。
【0061】
1.注射針アセンブリ(10)、カートリッジ(62)およびシール(61)を備えた薬剤送達デバイスサブアセンブリであって、注射針アセンブリ(10)は対向する遠位端および近接端を有し、注射針アセンブリ(10)は、
薬剤容器に接続可能に構成されたリテーナ部材(18)と、
リテーナ部材内で同軸に変位可能に構成され、近接および遠位尖端(40、42)を有する注射針(38)を備えたハブ(32)と、
ハブおよびリテーナ部材両方に相互作用可能に接続されたキャップ部材(12)と、
使用前に前記注射針(38)の汚染を防止するように前記キャップ部材(12)と前記リテーナ部材(18)の間に配置された封止部材(56)とを備え、
シール(61)は注射針アセンブリ(10)とカートリッジ(62)の間の間隙を封止する、薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【0062】
2.シール(61)はリング形である、節1に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【0063】
3.シール(61)は中心通路(63)を備えている、節1または2に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【0064】
4.シール(61)は弾性材料で作られている、いずれかの前述の節に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【0065】
5.シール(61)は熱可塑性エラストマーで作られている、いずれかの前述の節に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【0066】
6.シール(61)はOリングである、いずれかの前述の節に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【0067】
7.シール(61)はパッドである、節1から5のいずれかに記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【0068】
8.シール(61)は注射針アセンブリ(10)の横に延びる壁面(28)の遠位方向に延びる延長部であり、横に延びる壁面(28)はカートリッジ(61)と注射針(38)の間にある、いずれかの前述の節に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【0069】
9.シール(61)は、注射針アセンブリ(10)と、カートリッジ(62)の円筒部分(64)、カートリッジ(62)のショルダ(66)、カートリッジ(62)のネック(68)、カートリッジ(62)のヘッド(70)、カートリッジ(62)の膜(72)およびカートリッジ(62)のひだ(74)の1つまたは複数の間の間隙内にある、いずれかの前述の節に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【0070】
10.シール(61)はカートリッジ(62)と、注射針アセンブリ(10)の横に延びる壁面(28)および注射針アセンブリ(10)の遠位管状部(20)の1つまたは複数の間の間隙内にある、いずれかの前述の節に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【0071】
11.前記封止部材(56)は弾性部材を備えている、節1から10のいずれかに記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【0072】
12.前記封止部材(56)は、ほぼリング形である、節1から11のいずれかに記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【0073】
13.前記封止部材(56)は前記リテーナ部材(18)に取り付けられている、節12に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【0074】
14.前記封止部材(56)は近接方向に向けられた接触表面(58)を備えて配置され、前記キャップ部材(12)は遠位方向に向けられた接触表面(60)を備えて配置されている、節13に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【0075】
15.前記封止部材(56)は、前記リテーナ部材(18)および前記キャップ部材(12)に関して、前記キャップ部材(12)が前記リテーナ部材(18)に取り付けられる場合に前記封止部材(56)が圧縮されるように配置されている、節14に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【0076】
16.遠位尖端(42)は、薬剤容器の近接端に配置された膜を穿刺するように配置されている、前述の節1から9のいずれか一節に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【0077】
17.ハブ(32)は、その外周表面上に、遠位係合部材(36)および近接係合部材(46)を備えている、前述の節1から15のいずれか一節に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【0078】
18.リテーナ部材(18)は、容器取付部材を有する遠位管状部(20)と、その外周表面上に外側係合部材(44)を有する近接管状部(24)と、ハブ(32)の遠位係合部材(36)を受けるようになっているその内周表面上に対向する遠位端および近接端および内側係合部材(30)を有する中心通路(26)とを備えている、節17に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【0079】
19.キャップ部材(12)は、その内周表面上に、ハブ(32)の近接係合部材(46)と協働するように配置された第1の係合部材(48)、およびリテーナ部材(18)の外側係合部材(44)と協働するように配置された第2の係合部材(50)を備えている、節18に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【0080】
20.キャップ部材(12)の第1の係合部材(48)は、ハブの近接係合部材(46)と協働するように配置され、それによって、ハブ(32)は軸方向に変位可能であるが、キャップ部材(12)に対して回転するのが防止される、節19に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【0081】
21.キャップ部材(12)の第2の係合部材(50)はリテーナ部材(18)の外側係合部材(44)と協働するように配置され、それによって、キャップ部材(12)は、キャップ部材(12)がリテーナ部材から取り除かれるのが防止される第1の位置から、キャップ部材(12)がリテーナ部材から取り除かれるのが可能になる第2の位置までリテーナ部材に対して軸方向に変位可能である、節20に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【0082】
22.リテーナ部材(18)の内側係合部材(30)はハブ(32)の遠位係合部材(36)と協働するように配置され、それにより、ハブ(32)は遠位係合部材(36)が中心通路(26)の近接端に位置決めされる切断位置から遠位係合部材(36)が中心通路(26)の遠位端に位置決めされる接続位置までリテーナ部材(18)に対して同軸に変位可能である、節21に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【0083】
23.ハブ(32)は、キャップ部材(12)が第1の位置から第2の位置に変位されると、切断位置から接続位置に変位される、節22に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【0084】
24.リテーナ部材(18)の内側係合部材(30)およびハブ(32)の遠位係合部材(36)は案内部材である、節23に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【0085】
25.キャップ部材(12)の第2の係合部材(50)およびリテーナ部材(18)の外側係合部材(44)は案内部材である、節24に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【0086】
26.リテーナ部材(18)の内側係合部材(30)およびハブ(32)の遠位係合部材(36)はねじ切り部材である、節23に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【0087】
27.キャップ部材(12)の第2の係合部材(50)およびリテーナ部材(18)の外側係合部材(44)はねじ切り部材である、節26に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリ。
【0088】
28.前述の節のいずれか一節に記載の薬剤送達デバイスサブアセンブリを備えた薬剤送達デバイス。
【0089】
29.自己注射器である、節28に記載の薬剤送達デバイス。
【符号の説明】
【0090】
10 注射針アセンブリ
12 キャップ部材
14 開口
16 注射部
18 リテーナ部材
20 遠位管状部
22 締付部材
24 近接管状部
26 中心通路
28 横に延びる壁面
30 内側係合部材
32 ハブ
36 遠位係合部材
38 注射針
40 近接尖端
42 遠位尖端
44 外側係合部材
46 近接係合部材
48 第1の係合部材
49 溝または切り欠き
50 第2の係合部材
52 改ざん表示部材
54 窪み部分
56 封止部材
58 周表面
60 周レッジ
61 シール
62 カートリッジ
63 中心通路
64 円筒部分
66 ショルダ
68 ネック
70 ヘッド
72 膜
74 ひだ
【国際調査報告】