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特表2024-520629モノパイル上に担持された洋上風力タービンを支持するための沈埋アセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】モノパイル上に担持された洋上風力タービンを支持するための沈埋アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   E02D 27/52 20060101AFI20240517BHJP
   E02D 27/42 20060101ALI20240517BHJP
   E02D 27/32 20060101ALI20240517BHJP
   E02D 27/14 20060101ALI20240517BHJP
   E02D 13/04 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
E02D27/52 A
E02D27/42 A
E02D27/32 A
E02D27/14
E02D13/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574312
(86)(22)【出願日】2022-06-02
(85)【翻訳文提出日】2023-12-25
(86)【国際出願番号】 EP2022065090
(87)【国際公開番号】W WO2022253971
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】21305756.5
(32)【優先日】2021-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522232558
【氏名又は名称】トタルエナジーズ ワンテク
【氏名又は名称原語表記】TOTALENERGIES ONETECH
(74)【代理人】
【識別番号】100080447
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 恵一
(72)【発明者】
【氏名】ブヌール,フランソワ
【テーマコード(参考)】
2D046
2D050
【Fターム(参考)】
2D046CA07
2D046DA15
2D046DA32
2D046DA62
2D050EE10
(57)【要約】
洋上の電力を生産するためのアセンブリにおいて、- 風力タービン(12)、- 垂直方向(V)に沿って延在しかつ風力タービンを十分に支持するモノパイル(14)であって、海底(16)に貫入しているモノパイル、および- 海底内に定着させられ、垂直方向の周囲でモノパイルを取り囲む構造物(20)、および- 構造物上に固定され、モノパイルとの関係において垂直方向に自由でありながら、垂直方向の周囲でモノパイルを取り囲んでいる中央ガイド(22)であって、構造物は、モノパイルの曲げ運動に起因して中央ガイド上にモノパイルが加える水平荷重(F2)に耐えるように適応されている、中央ガイドを含む海中ジャケット(18)、を含むアセンブリ。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洋上の電力を生産するためのアセンブリ(10)において、
- 風力タービン(12)および、
- 垂直方向(V)に沿って延在しかつ風力タービン(12)を十分に支持するモノパイル(14)であって、海底(16)に貫入しているモノパイル(14)、を含み、さらに、
- 海底(16)内に定着させられ、垂直方向(V)の周囲でモノパイル(14)を取り囲む構造物(20)および
- 構造物(20)上に固定され、モノパイル(14)との関係において垂直方向に自由でありながら、垂直方向(V)の周囲でモノパイル(14)を取り囲んでいる中央ガイド(22)であって、構造物(20)は、モノパイル(14)の曲げ運動に起因して中央ガイド(22)上にモノパイル(14)が加える水平荷重(F2)に耐えるように適応されている、中央ガイド、
を含む海中ジャケット(18)をさらに含むことを特徴とするアセンブリ(10)。
【請求項2】
ジャケット(18)がさらに、構造物(20)上に固定され、モノパイル(14)との関係において垂直方向に自由でありながら垂直方向(V)の周囲でモノパイル(14)を取り囲んでいる下位中央ガイド(40)を含み、構造物(20)が、下位中央ガイド(40)上にモノパイル(14)が加える水平荷重(F3)に耐えるように適応されている、請求項1に記載のアセンブリ(10)。
【請求項3】
中央ガイド(22)が、
- 間隔を伴ってモノパイル(14)を取り囲むリング(48)、および
- リング(48)とモノパイル(14)の間に位置設定され、垂直方向(V)の周囲で角度的に配分された複数の摩擦パッド(50)、
を含む、請求項1または2に記載のアセンブリ(10)。
【請求項4】
摩擦パッド(50)が、樹脂、潤滑剤そして任意には繊維を含む複合材料を含んでいる、請求項3に記載のアセンブリ(10)。
【請求項5】
リング(48)上に固定され、上向きに広がる面取り部を形成する上位表面(60)を有する複数の金属セントラライザー(52)をさらに含む、請求項3または4に記載のアセンブリ(10)。
【請求項6】
金属セントラライザー(52)が、モノパイル(14)に向かって開放しそれぞれに摩擦パッド(50)を収容するハウジング(64)を画定しており、摩擦パッド(50)がハウジング(64)からモノパイル(14)に向かって半径方向に突出している、請求項5に記載のアセンブリ(10)。
【請求項7】
摩擦パッド(50)が、上向きに広がる面取り部を形成する上位表面(57)を有する、請求項3から6のいずれか一つに記載のアセンブリ(10)。
【請求項8】
中央ガイド(22)と構造物(20)を半径方向に連結する支柱(39)をさらに含む、請求項1から7のいずれか一つに記載のアセンブリ(10)。
【請求項9】
支柱(39)の各々が、中央ガイド(22)の隣りに、または中央ガイド(22)と構造物(20)の間に半径方向に位置設定された円錐台状の遷移部(56)を含み、円錐台状の遷移部(56)が、構造物(20)に向かって厚みが減少している、請求項8に記載のアセンブリ(10)。
【請求項10】
構造物(20)が、海底(16)と中央ガイド(22)の間で垂直方向(V)に沿ってかつモノパイル(14)との関係において半径方向に延在する3本または4本の脚部(42)を含み、脚部(42)がモノパイル(14)の周囲で角度的に配分されている、請求項1から9のいずれか一つに記載のアセンブリ(10)。
【請求項11】
構造物(20)が、脚部(42)の間に筋交い(46)を含む、請求項10に記載のアセンブリ(10)。
【請求項12】
モノパイル(14)が、吸引バケット(38)を含む、請求項1から10のいずれか一つに記載のアセンブリ(10)。
【請求項13】
モノパイル(14)が、平均外径(D)を有し、前記平均外径(D)の2倍よりも小さい高さ(H1)にわたり海底(16)内に貫入している、請求項1から11のいずれか一つに記載のアセンブリ(10)。
【請求項14】
モノパイル(14)が、8.0~11.0メートルの範囲内の平均外径(D)および/または海底(16)から頂部まで40メートル超の高さ(H1)を有する、請求項1から13のいずれか一つに記載のアセンブリ(10)。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一つに記載のアセンブリ(10)の構築方法において、
- 海底(16)にジャケット(18)を定着させるステップと、
- モノパイル(14)をジャケット(18)の上方に運搬し、モノパイル(14)を、中央ガイド(22)を通して垂直位置に下降させるステップと、
- 海底(16)にモノパイル(14)を導入するステップと、
- 風力タービン(12)をモノパイル(14)に固定するステップと、
を含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力タービンを含む洋上の電力を生産するためのアセンブリに関する。
【0002】
本発明はまた、このようなアセンブリを構築する方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
今日現在で、洋上底部固定型風力タービンの大部分は、タービンのタワーが上に固定されているモノパイルまたはジャケットのいずれかを含んでいる。比較的規模は小さいが、重力式基礎構造(GBS)のいくつかの例も存在する。
【0004】
ジャケットは、共に溶接され0.5~1.5mの典型的直径を有する鋼管で製造されている。これらのジャケットは、水平方向および垂直方向の両方の大きな力に耐えることができ、大きい水深へのアクセスを可能にする。しかしながら、ジャケットは、特注でなければならず、特に連続製造および設置にはかなりの費用がかかる。
【0005】
モノパイルは、洋上風力産業により、風力タービンの連続設置のための経済的な底部固定型のコンセプトとして認識されており、したがって、可能な場合には必ず選好される。設置されるMWあたりのモノパイルのコストは、サプライチェーンおよび製造プロセスが完全に異なるものであるジャケットのものよりも著しく低い可能性がある。
【0006】
しかしながら、モノパイルには、それら固有の制限がある。第1に、効率良く得ることのできる最大直径は約10~11mである。その結果、モノパイルは、相対的に細長いために、浅いエリアに限定され、概して、土壌および地域的気象条件に応じて、水深30~40mを超えるジャケットとは競合できない。最大/最長のモノパイルはまた重量があり、陸上での取扱いおよび洋上サイトへの輸送が困難でもあり、最終的に、打設または掘削/注入のいずれかによる設置が困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、モノパイルが大きすぎて製造できずかつ/または費用がかかりすぎると考えられるために概してジャケットが使用されるいくつかの状況において、洋上の電力のコストを削減すること、またはモノパイルを使用できるいくつかの状況において電力のコストをさらに削減することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的で、本発明は、洋上の電力を生産するためのアセンブリにおいて:
- 風力タービンおよび、
- 垂直方向に沿って延在しかつ風力タービンを十分に支持するモノパイルであって、海底に貫入しているモノパイル、を含み、さらに:
- 海底内に定着させられ、垂直方向の周囲でモノパイルを取り囲む構造物および
- 構造物上に固定され、モノパイルとの関係において垂直方向に自由でありながら、垂直方向の周囲でモノパイルを取り囲んでいる中央ガイドであって、構造物は、モノパイルの曲げ運動に起因して中央ガイド上にモノパイルが加える水平荷重に耐えるように適応されている、中央ガイド;
を含む海中ジャケットをさらに含むアセンブリを提案している。
【0009】
他の実施形態において、該アセンブリは、単独でまたは任意の技術的に実現可能な組合わせで取上げた以下の特徴のうちの単数または複数のものを含む:
- ジャケットはさらに、構造物上に固定され、モノパイルとの関係において垂直方向に自由でありながら垂直方向の周囲でモノパイルを取り囲んでいる下位中央ガイドを含み、構造物は、下位中央ガイド上にモノパイルが加える水平荷重に耐えるように適応されている;
- 中央ガイドは、間隔を伴ってモノパイルを取り囲むリング、およびリングとモノパイルの間に位置設定され、垂直方向の周囲で角度的に配分された複数の摩擦パッド、を含む;
- 摩擦パッドは、樹脂、潤滑剤そして任意には繊維を含む複合材料を含んでいる;
- アセンブリは、リング上に固定され、上向きに広がる面取り部を形成する上位表面を有する複数の金属セントラライザーをさらに含む;
- 金属セントラライザーは、モノパイルに向かって開放しそれぞれに摩擦パッドを収容するハウジングを画定しており、摩擦パッドはハウジングからモノパイルに向かって半径方向に突出している;
- 摩擦パッドは、上向きに広がる面取り部を形成する上位表面を有する;
- アセンブリは、中央ガイドと構造物を半径方向に連結する支柱をさらに含む;
- 支柱の各々は、中央ガイドの隣りに、または中央ガイドと構造物の間に半径方向に位置設定された円錐台状の遷移部を含み、円錐台状の遷移部は構造物に向かって厚みが減少している;
- 構造物は、海底と中央ガイドの間で垂直方向に沿ってかつモノパイルとの関係において半径方向に延在する3本または4本の脚部を含み、脚部はモノパイルの周囲で角度的に配分されている;
- 構造物は、脚部の間に筋交いを含む;
- モノパイルは、吸引バケットを含む;
- モノパイルは、平均外径を有し、前記平均外径の2倍よりも小さい高さにわたり海底内に貫入している;
- モノパイルは、8.0~11.0メートルの範囲内の平均外径および/または海底から頂部まで40メートル超の高さを有する。
【0010】
本発明はまた、以上に記載のアセンブリの構築方法において:
- 海底にジャケットを定着させるステップと、
- モノパイルをジャケットの上方に運搬し、モノパイルを、中央ガイドを通して垂直位置に下降させるステップと、
- 海底内にモノパイルを導入するステップと、
- 風力タービンをモノパイルに固定するステップと、
を含む方法にも関する。
【0011】
本発明およびその利点は、添付図面を参照して単なる一例として提供されている以下の説明を読むことによって、より良く理解できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係るアセンブリの概略的側面図である。
図2図1に示されたアセンブリのモノパイルと海中ジャケットの概略的側面図である。
図3図1および2中に表わされたジャケットの中央ガイドの概略的斜視図である。
図4図1~3に示されたモノパイルおよび中央ガイドの水平方向平面に沿った概略的断面図である。
図5図3に表わされた支柱の一変形形態を構成する支柱の側面図である。
図6図1~3および5に示された中央ガイドの一部分の斜視図である。
図7】モノパイルとの関係における半径方向平面に沿った図6中に示された部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係るアセンブリ10についてここで、図1および2を参照しながら説明する。アセンブリ10は、洋上の電力を生産するように適応されている。
【0014】
該アセンブリ10は、風力タービン12および、垂直方向Vに沿って延在しかつ風力タービンを十分に支持するモノパイル14を含み、このモノパイルは海底16に貫入している。
【0015】
該アセンブリ10はさらに、海底16に定着させられ、垂直方向Vの周囲でモノパイル14を取り囲む構造物20と、構造物20に対して機械的に連結され、かつモノパイルとの関係において垂直方向に自由でありながら垂直方向Vの周囲でモノパイル14を取り囲んでいる中央ガイド22(図2中では両方向矢印によって象徴され図3および図4で表されている)とを含む海中ジャケット18をさらに含む。
【0016】
風力タービン12は、モノパイル14の頂部に固定されたタワー24およびタワー上に回転可能に組付けられた羽根26を含む。
【0017】
有利には、タワー24は、風力タービン12をモノパイル14に対して機械的に連結するボルト締めフランジ28を有する。
【0018】
モノパイル14は、例えば、海または湖といった水域30によって取り囲まれている。
【0019】
実施例において、モノパイル14は、円筒形の外側形状を有する下位部分32、円錐台状の形状を有する中位部分34、および円筒形の形状を有する上位部分36を有する。
【0020】
例えば、モノパイル14は、8.0~11.0メートルの範囲内の平均外径Dおよび、海底から頂部までの40メートル超の高さHを有する。
【0021】
モノパイル14は、風力タービン12の重量全てを担持するためおよび風力タービンの垂直荷重F1用の基礎となるように適応されている。モノパイル14は、水平荷重F2、F3および転倒モーメントMをジャケット18に伝達するように適応されている。
【0022】
下位部分32は、例えば、平均外径Dの2倍よりも小さい高さH1にわたり、海底16に貫入する。
【0023】
下位部分32は、有利には、貫入の減少を可能にする吸引バケット38を含む。
【0024】
一変形形態(図示せず)として、モノパイル14は、垂直方向Vでその下端部に閉鎖端部を有する。
【0025】
中位部分34は、例えば水域30の下にあり、一方、上位部分36は例えば水域30から出現している。
【0026】
構造物20および中央ガイド22とは別に、ジャケット18は有利には、中央ガイド22を構造物20に半径方向に連結する支柱39と、構造物20に連結されかつモノパイルとの関係において垂直方向に自由でありながら垂直方向Vの周囲でモノパイル14を取り囲んでいる下位中央ガイド40(両方向矢印で象徴)とを含んでいる。
【0027】
ジャケット18は、モノパイル14の設置中はガイドとして機能するように適応され、その後は、風力タービン12に対して作用する水平荷重F4およびモノパイル14に対して作用する波浪および潮流荷重F5によって誘発される転倒モーメントMのためのアセンブリ10の基礎となるように適応されている。
【0028】
実施例において、ジャケット18はモノパイル14の下位部分32の一部に沿って垂直方向に延在する。
【0029】
構造物20は、モノパイル14の曲げ運動に起因して中央ガイド22に対して、そして実施例中では下位中央ガイド40に対してモノパイルが加える水平荷重F2、F3に耐えるように適応されている。
【0030】
構造物20は、例えば海底16と中央ガイド22の間で垂直方向Vに沿ってかつモノパイル14との関係において半径方向に延在する3本または4本の脚部42を含み、脚部42はモノパイル14の周囲で角度的に配分されている。例えば、構造物20は、水平斜視図で見てピラミッド形状を有する。
【0031】
構造物20は、主節点44を画定し、これに支柱39が連結される。
【0032】
構造物20は、有利には脚部42の間に筋交い46を含む。
【0033】
例えば、図3および4に示されているように、中央ガイド22は、垂直方向Vの周囲で間隔を伴ってモノパイル14を取り囲むリング48を含む。
【0034】
有利には、リング48とモノパイル14の間に位置設定され、垂直方向Vの周囲で角度的に配分された複数の摩擦パッド50を、中央ガイド22が含む。実施例において、中央ガイド22はまた、リング48上に固定された複数の金属セントラライザー52、およびリング48の上方に位置設定された漏斗54も含んでいる。
【0035】
下位中央ガイド40は、中央ガイド22と垂直方向に整列している。
【0036】
実施例において、下位中央ガイド40は、構造的に中央ガイド22と類似している。
【0037】
一変形形態(図示せず)として、下位中央ガイド40は、中央ガイド22と異なっていてよい。
【0038】
支柱39の各々は、中央ガイド22から半径方向に突出している。支柱39の各々は、有利には中央ガイド22の隣りに半径方向に位置設定された円錐台状の遷移部56を含み、この円錐台状の遷移部は、構造物20に向かって厚みが減少している。
【0039】
図5に示されている変形形態として、円錐台状の遷移部56は、中央ガイド22から少し離れて、中央ガイド52と構造物20の間に延在している。
【0040】
円錐台状の遷移部56は、押し抜きせん断および疲労に対するジャケット18の性能を改善する。
【0041】
摩擦パッド50は、例えば樹脂、潤滑剤そして任意には繊維を含む複合材料を含んでいる。このような材料は、例えば、それら自体Orkot(登録商標)またはErtalon(登録商標)の名称で知られている。
【0042】
有利には、図6および7を見れば良く分かるように、摩擦パッド50は、上向きに広がる面取り部を形成する上位表面57を有する。このことは、アセンブリ10の設置中にモノパイル14が中央ガイド22を通って導入された場合に、摩擦パッド50が引裂されないように保証するのに役立つ。
【0043】
有利には、少なくとも摩擦パッド50のいくつかは、それぞれが支柱39とモノパイルの間にあるように位置設定される。
【0044】
金属セントラライザー52は有利には、リング48の半径方向内側表面58上に固定される。例えば、金属セントラライザー52は、リング48に対して隅肉溶接される。結果としての隅肉溶接59は、金属セントラライザー52の各々を十分に取り囲む。
【0045】
図6および7中に示されているように、金属セントラライザー52は、設置中モノパイル14を誘導する目的で、上向きに広がる面取り部を形成する上位表面60を有する。有利には、これらの上位表面60は、15%~30%の間に含まれ例えば約25%である、垂直方向Vとの関係における勾配62を有する。
【0046】
有利には、金属セントラライザー52は、モノパイル14に向かって開放しそれぞれに摩擦パッド50を収容するハウジング64を画定しており、この摩擦パッドは、ハウジングからモノパイルに向かって半径方向に突出している。
【0047】
本発明に係るアセンブリ10の構築方法を例示する目的で、ここで、アセンブリの構築について簡単に説明する。構築は、ジャケット18を海底16に定着させるステップと、モノパイル14をジャケットの上方に運搬し、中央ガイド22を通してモノパイルを垂直位置に下降させるステップと、海底にモノパイルを導入するステップと、風力タービン12をモノパイルに固定するステップと、を含む。
【0048】
漏斗54および金属セントラライザー52は、モノパイルを海底16に向かって下降させる間のモノパイル14の誘導を可能にする。下位中央ガイド40はまた、モノパイル14のガイドの役割を果たす。
【0049】
海底内へのモノパイル14の導入は、吸引バケット38を使用すること、あるいは吸引バケットが全く無い場合には油圧ハンマ(図示せず)を用いてモノパイルを打設することによって実施されてよい。
【0050】
アセンブリ10の耐用期間中、モノパイル14は、風力タービン14の重量によって創出される垂直荷重F1を十分に支持する。中央ガイド22および下位中央ガイド40がモノパイル14との関係において自由に移動できることから、ジャケット18はこれらの垂直荷重を全く支持しない。
【0051】
ジャケット18は、波浪、潮流およびモノパイル14上の風によって及ぼされる水平荷重F2、F3、そして転倒モーメントMに耐えることができる。これらの水平荷重F2、F3は、中央ガイド22がそして実施例中の下位中央ガイド40が受けて、ジャケット18の構造物20に伝達される。
【0052】
以上の特徴によって、モノパイル14はジャケット18により誘導され、他の全ての条件が同じなら、海底16へのモノパイル14の貫入ひいてはその長さおよび重量を制限し最適化する可能性が生まれてくる。ジャケット18もまた、吸引バケット38の実装を可能にする。このような吸引バケットはまた、設置中の騒音の削減を可能にする(油圧ハンマを使用しない)。別の利点は、モノパイル14の所要直径Dが制限されるという点にある。
【0053】
結果として、アセンブリ10の製造および設置コストは削減され、これにより、モノパイルが大きすぎで製造できないおよび/またはコストが高くつきすぎるために、概してジャケットが使用されるいくつかの状況下で洋上の電力のコストが削減され、あるいは、モノパイルを使用できるいくつかの状況下で電力のコストがさらに削減されることになる。
【0054】
モノパイル14の直径を妥当な数字内に保つことによって、アセンブリ10はまた、風力タービン12とモノパイル14の間のボルト締めフランジ28に有利に作用する。
【0055】
本発明はまた、大きなウィンドファームサイトにわたる水深および土壌条件の変動に対する設計および設置上の柔軟性を提供し、こうして連続製造を改善し、設置コストを削減する。
【0056】
本発明は、その細さにもかかわらず、より大きな水深へモノパイルがアクセスできるようにする。同等の深さで、本発明は、モノパイルの貫入H1を減少させる。同等の深さで、本発明は、モノパイルの所要直径Dを減少させる。その結果として、モノパイル重量全体の最適化が可能になる(厚みの減少、降伏強さの増加)。
【0057】
本発明は、水深が変動するウィンドファーム向けに設計上の柔軟性を提供する(従来のモノパイルは、フィールドの最も浅い部分において使用可能であり、最も深い部分へ誘導され得る)。土壌特性が低い横方向挙動を示す場合にはつねにガイドが用いられていることから、本発明は、土壌条件に対抗するモノパイルの設計柔軟性を提供する。本発明はまた、設計、調達および設備スケジュールを改善することもできる。すなわち、直ちに利用可能な規格化された単純な海中ジャケットの連続製造が可能である。
【0058】
概して、本発明は、ウィンドファーム開発プロジェクトにおける連続製造および設置に適応されている。本発明はまた、モノパイルおよび風力タービンの連続設置のために設計されたHuisman社のWindfarms Installation Vesselなどの近代的設置用船舶とも相容れるものであり、物流および調達コストを削減する。
【0059】
後の段階における洗堀防止装置の設置コストを回避する目的で、ジャケット18の底面に(マッドマットのところで)洗堀防止デフレクターの付加を企図することが可能である。
【符号の説明】
【0060】
10 アセンブリ
12 風力タービン
14 モノパイル
16 海底
18 海中ジャケット
20 構造物
22 中央ガイド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-02-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洋上の電力を生産するためのアセンブリ(10)において、
- 風力タービン(12)および、
- 垂直方向(V)に沿って延在しかつ風力タービン(12)を十分に支持するモノパイル(14)であって、海底(16)に貫入しているモノパイル(14)、を含み、さらに、
- 海底(16)内に定着させられ、垂直方向(V)の周囲でモノパイル(14)を取り囲む構造物(20)および
- 構造物(20)上に固定され、モノパイル(14)との関係において垂直方向に自由でありながら、垂直方向(V)の周囲でモノパイル(14)を取り囲んでいる中央ガイド(22)であって、構造物(20)は、モノパイル(14)の曲げ運動に起因して中央ガイド(22)上にモノパイル(14)が加える水平荷重(F2)に耐えるように適応されている、中央ガイド、
を含む海中ジャケット(18)をさらに含むことを特徴とするアセンブリ(10)。
【請求項2】
ジャケット(18)がさらに、構造物(20)上に固定され、モノパイル(14)との関係において垂直方向に自由でありながら垂直方向(V)の周囲でモノパイル(14)を取り囲んでいる下位中央ガイド(40)を含み、構造物(20)が、下位中央ガイド(40)上にモノパイル(14)が加える水平荷重(F3)に耐えるように適応されている、請求項1に記載のアセンブリ(10)。
【請求項3】
中央ガイド(22)が、
- 間隔を伴ってモノパイル(14)を取り囲むリング(48)、および
- リング(48)とモノパイル(14)の間に位置設定され、垂直方向(V)の周囲で角度的に配分された複数の摩擦パッド(50)、
を含む、請求項に記載のアセンブリ(10)。
【請求項4】
摩擦パッド(50)が、樹脂、潤滑剤そして任意には繊維を含む複合材料を含んでいる、請求項3に記載のアセンブリ(10)。
【請求項5】
リング(48)上に固定され、上向きに広がる面取り部を形成する上位表面(60)を有する複数の金属セントラライザー(52)をさらに含む、請求項に記載のアセンブリ(10)。
【請求項6】
金属セントラライザー(52)が、モノパイル(14)に向かって開放しそれぞれに摩擦パッド(50)を収容するハウジング(64)を画定しており、摩擦パッド(50)がハウジング(64)からモノパイル(14)に向かって半径方向に突出している、請求項5に記載のアセンブリ(10)。
【請求項7】
摩擦パッド(50)が、上向きに広がる面取り部を形成する上位表面(57)を有する、請求項に記載のアセンブリ(10)。
【請求項8】
中央ガイド(22)と構造物(20)を半径方向に連結する支柱(39)をさらに含む、請求項1から7のいずれか一つに記載のアセンブリ(10)。
【請求項9】
支柱(39)の各々が、中央ガイド(22)の隣りに、または中央ガイド(22)と構造物(20)の間に半径方向に位置設定された円錐台状の遷移部(56)を含み、円錐台状の遷移部(56)が、構造物(20)に向かって厚みが減少している、請求項8に記載のアセンブリ(10)。
【請求項10】
構造物(20)が、海底(16)と中央ガイド(22)の間で垂直方向(V)に沿ってかつモノパイル(14)との関係において半径方向に延在する3本または4本の脚部(42)を含み、脚部(42)がモノパイル(14)の周囲で角度的に配分されている、請求項1からのいずれか一つに記載のアセンブリ(10)。
【請求項11】
構造物(20)が、脚部(42)の間に筋交い(46)を含む、請求項10に記載のアセンブリ(10)。
【請求項12】
モノパイル(14)が、吸引バケット(38)を含む、請求項1からのいずれか一つに記載のアセンブリ(10)。
【請求項13】
モノパイル(14)が、平均外径(D)を有し、前記平均外径(D)の2倍よりも小さい高さ(H1)にわたり海底(16)内に貫入している、請求項1からのいずれか一つに記載のアセンブリ(10)。
【請求項14】
モノパイル(14)が、8.0~11.0メートルの範囲内の平均外径(D)および/または海底(16)から頂部まで40メートル超の高さ(H1)を有する、請求項1からのいずれか一つに記載のアセンブリ(10)。
【請求項15】
請求項1からのいずれか一つに記載のアセンブリ(10)の構築方法において、
- 海底(16)にジャケット(18)を定着させるステップと、
- モノパイル(14)をジャケット(18)の上方に運搬し、モノパイル(14)を、中央ガイド(22)を通して垂直位置に下降させるステップと、
- 海底(16)にモノパイル(14)を導入するステップと、
- 風力タービン(12)をモノパイル(14)に固定するステップと、
を含む方法。
【国際調査報告】