(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】ナトリウムチャネルのモジュレーターとしてのN-(ヒドロキシアルキル(ヘテロ)アリール)テトラヒドロフランカルボキサミド類似体
(51)【国際特許分類】
C07D 407/12 20060101AFI20240517BHJP
A61K 31/44 20060101ALI20240517BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20240517BHJP
A61P 19/00 20060101ALI20240517BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20240517BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20240517BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240517BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20240517BHJP
A61P 9/06 20060101ALI20240517BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240517BHJP
A61P 13/00 20060101ALI20240517BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
C07D407/12 CSP
A61K31/44
A61K31/506
A61P19/00
A61P19/02
A61P25/04
A61P25/00
A61P11/06
A61P9/06
A61K45/00
A61P13/00
A61P43/00 111
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574378
(86)(22)【出願日】2022-06-03
(85)【翻訳文提出日】2024-01-31
(86)【国際出願番号】 US2022032202
(87)【国際公開番号】W WO2022256679
(87)【国際公開日】2022-12-08
(32)【優先日】2021-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598032106
【氏名又は名称】バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ベック, エリザベス メアリー
(72)【発明者】
【氏名】プリン, ロバート
(72)【発明者】
【氏名】エチェバリア ジャルディ, ゴルカ
(72)【発明者】
【氏名】ステイモス, ディーン
(72)【発明者】
【氏名】シュミット, イボンヌ
(72)【発明者】
【氏名】ポンティロ, ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】トムソン, スティーブン アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ショー, デイビッド マシュー
(72)【発明者】
【氏名】アハマド, ナディア エム.
(72)【発明者】
【氏名】カルバーリョ メイレレス, リディオ マルクス
(72)【発明者】
【氏名】スケラット, サラ
(72)【発明者】
【氏名】ハディダ ルア, サラ エス.
(72)【発明者】
【氏名】ミラー, マーク トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ノイバート, ティモシー ドナルド
(72)【発明者】
【氏名】ハーレイ, デニス ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ, ジンラン
(72)【発明者】
【氏名】キンツァー, アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】デュラント, スティーブン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】レイ, クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ビラニ, アニサ ニザラリ
(72)【発明者】
【氏名】ノース, キリ
(72)【発明者】
【氏名】ドッド, ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】ジャックス, リース
(72)【発明者】
【氏名】オドネル, マイケル エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ガラン, バイラビ
(72)【発明者】
【氏名】ネグテル, ロナルド マーセラス
(72)【発明者】
【氏名】チャデク, エワ イウォナ
(72)【発明者】
【氏名】ピンダー, ジョアン ルイーズ
(72)【発明者】
【氏名】スーザ, ブルーノ アルトゥール
(72)【発明者】
【氏名】スティーブンズ, レベッカ イー.
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084NA05
4C084ZA01
4C084ZA08
4C084ZA38
4C084ZA62
4C084ZA81
4C084ZA96
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC17
4C086BC42
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA08
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA08
4C086ZA38
4C086ZA62
4C086ZA81
4C086ZA96
4C086ZC41
(57)【要約】
ナトリウムチャネルの阻害剤として有用な式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩が提供される。また、化合物又は薬学的に許容される塩を含む医薬組成物、及び疼痛を含む様々な障害の治療において化合物、薬学的に許容される塩、及び医薬組成物を使用する方法も提供される。更に別の態様では、本発明は、化合物、薬学的に許容される塩、又は医薬組成物を対象に投与することによって、対象において電位依存性ナトリウムチャネルを阻害する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、
【化1】
,
又はその薬学的に許容される塩であって、
X
2aが、N、N
+-O
-、又はC-R
2aであり、
X
3aが、N又はN
+-O
-であり、
X
5aが、N、N
+-O
-、又はC-R
5aであり、
X
6aが、N、N
+-O
-、又はC-R
6aであり、
R
dが、(CH
2)
m(CHR
e)
n(CH
2)
pHであり、
m、n、及びpが各々独立して、0又は1であり、
R
eが、H、OH、ハロ、C
1-C
6アルコキシ、又はC
1-C
6ハロアルコキシであり、
R
2a及びR
6aが各々独立して、H、ハロ、C
1-C
6アルキル、又はC
1-C
6ハロアルキルであり、
R
5aが、H、ハロ、CH
2OH、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキルであるか、又はR
5a及びR
dが、R
5a及びR
dが結合しているC原子を結合するCH
2CH
2鎖を形成し、R
5aが結合しているC原子に結合されるCH
2基が、Oで置き換えられてもよく、
R
4b1及びR
4b2が各々独立して、H、C
1-C
6アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、又はC
1-C
6ハロアルキルであり、
R
5b1及びR
5b2が各々独立して、H、C
1-C
6アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、又はC
1-C
6ハロアルキルであり、
X
3cが、N又はC-R
3cであり、
X
4cが、N又はC-R
4cであり、
X
5cが、N又はC-R
5cであり、
X
6cが、N又はC-R
6cであり、
R
2cが、H、OH、ハロ、C
1-C
6アルキル、C
2-C
6アルケニル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6アルコキシ、C
1-C
6ハロアルコキシ、O-CH
2-C(R
2c1)(R
2c2)(R
2c3)、O-CH(R
2c4)(R
2c5)、又は-L
1-L
2-(C
3-C
6シクロアルキル)であり、前記シクロアルキルが、必要に応じて、1~2個のハロで置換されており、
R
2c1及びR
2c2が各々独立して、H若しくはC
1-C
6アルキルであるか、又はR
2c1及びR
2c2が、それらが結合しているC原子と一緒になってC=Oを形成し、
R
2c3が、OH、C
1-C
6アルコキシ、C
1-C
6ハロアルコキシ、若しくはN(R
2c6)(R
2c7)であるか、又はR
2c2及びR
2c3が、それらが結合しているC原子と一緒になって、3~7員ヘテロシクロアルキルを形成し、
R
2c4及びR
2c5が、それらが結合しているC原子と一緒になって、3~7員ヘテロシクロアルキルを形成し、
R
2c6及びR
2c7が各々、C
1-C
6アルキルであるか、又はR
2c6及びR
2c7が、それらが結合しているN原子と一緒になって、3~8員ヘテロシクロアルキルを形成し、
L
1が、結合又はOであり、
L
2が、結合又はC
1-C
6アルキレンであり、
R
3cが、H、ハロ、C
1-C
6アルキル、若しくはC
1-C
6ハロアルキルであるか、又はX
3cが、C-R
3cであり、R
2c及びR
3cが、それらが結合する炭素原子と一緒になって、以下の式の環を形成し、
【化2】
;
Z
1及びZ
2が各々独立して、O又はCH
2であり、
各Rが独立して、H又はハロであり、
R
4cが、H、ハロ、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6アルコキシ、又はC
1-C
6ハロアルコキシであり、
R
5cが、H、ハロ、C
1-C
6アルキル、又はC
1-C
6ハロアルキルであり、
R
6cが、H、ハロ、C
1-C
6アルキル、又はC
1-C
6ハロアルキルであり、
但し、X
2a、X
3a、X
5a、及びX
6aのうちの2つ以下が、N又はN
+-O
-であることを条件とし、
但し、X
3c、X
4c、X
5c、及びX
6cのうちの1つ以下が、Nであることを条件とし、
但し、
R
5a及びR
dが、R
5a及びR
dが結合しているC原子を結合するCH
2CH
2鎖を形成し、R
5aが結合しているC原子に結合されるCH
2基が、Oで置き換えられてもよいか、又は
R
2cが、O-CH
2-C(R
2c1)(R
2c2)(R
2c3)若しくはO-CH(R
2c4)(R
2c5)であることを条件とする、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
前記化合物が、式(I-A)若しくは(I-D)
【化3】
を有する、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
前記化合物が、式(I-A-1)若しくは(I-D-1)
【化4】
を有する、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
前記化合物が、式(I-A-2)若しくは(I-D-2)
【化5】
を有する、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
前記化合物が、式(I-A-3)若しくは(I-D-3)
【化6】
を有する、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
前記化合物が、式(I-B)若しくは(I-C)
【化7】
を有する、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
前記化合物が、式(I-B-1)若しくは(I-C-1)
【化8】
を有する、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
前記化合物が、式(I-B-2)若しくは(I-C-2)
【化9】
を有する、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
前記化合物が、式(I-B-3)若しくは(I-C-3)
【化10】
を有する、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
前記化合物が、式(I-D-4)
【化11】
,
を有する、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
X
2aが、C-R
2aであり、R
2aが、Hである、請求項1、2、若しくは6のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
X
3aが、Nである、請求項1、2、若しくは6のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
X
5aが、Nである、請求項1、2、若しくは6のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
X
5aが、C-R
5aであり、R
5aが、Hである、請求項1、2、若しくは6のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
X
6aが、C-R
6aであり、R
6aが、Hである、請求項1、2、若しくは6のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
R
eが、H、OH、又はC
1-C
6アルコキシである、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
R
4b1が、H又はC
1-C
6アルキル、必要に応じて、CH
3である、請求項1~4、6~8、若しくは11~16のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項18】
R
4b2が、H又はC
1-C
6アルキル、必要に応じて、CH
3である、請求項1~21のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
R
5b1が、C
1-C
6アルキル、必要に応じて、CH
3、又はC
1-C
6ハロアルキル、必要に応じて、CF
3である、請求項1~4、6~8、若しくは11~18のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項20】
R
5b2が、C
1-C
6アルキル、必要に応じて、CH
3、又はC
1-C
6ハロアルキル、必要に応じて、CF
3である、請求項1~4、6~8、若しくは11~19のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項21】
R
2cが、C
1-C
6アルコキシ、必要に応じて、O-CH
2-C(R
2c1)(R
2c2)(R
2c3)又はO-CH(R
2c4)(R
2c5)である、請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項22】
X
3cが、C-R
3cであり、R
3cが、ハロ、必要に応じて、F、又はC
1-C
6アルキル、必要に応じて、CH
3である、請求項1~2、6、若しくは11~21のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項23】
X
4cが、C-R
4cであり、R
4cが、ハロ、必要に応じて、Fである、請求項1~2、6、若しくは11~22のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項24】
X
5cが、C-R
5cであり、R
5cが、Hである、請求項1~2、6、若しくは11~23のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項25】
X
6cが、C-R
6cであり、R
6cが、Hである、請求項1~2、6、an若しくはd11~24のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項26】
表Aから選択される化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項27】
非塩形態である、請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項28】
治療有効量の請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項27に記載の化合物と、1つ以上の薬学的に許容される担体若しくはビヒクルと、を含む、医薬組成物。
【請求項29】
請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項27に記載の化合物と、1つ以上の薬学的に許容される担体若しくはビヒクルと、を含む、医薬組成物。
【請求項30】
対象において電位依存性ナトリウムチャネルを阻害する方法であって、請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、請求項27に記載の化合物、又は請求項28若しくは29に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項31】
前記電位依存性ナトリウムチャネルが、Na
V1.8である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
慢性疼痛、腸の疼痛、神経障害性疼痛、筋骨格系疼痛、急性疼痛、炎症性疼痛、がんの疼痛、特発性疼痛、術後の疼痛、内蔵痛、多発性硬化症、シャルコー・マリー・トゥース病、失禁、病的な咳、又は心不整脈を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法であって、有効量の請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、請求項27に記載の化合物、又は請求項28若しくは29に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項33】
前記方法が、神経障害性疼痛、必要に応じて、帯状疱疹後神経痛、小径線維ニューロパチー、特発性小径線維ニューロパチー、若しくは糖尿病性ニューロパチーのうちの1つ以上;筋骨格系疼痛、必要に応じて、変形性関節症;急性疼痛、急性術後疼痛;術後の疼痛、必要に応じて、腱膜瘤切除術の疼痛、腹壁形成術の疼痛、若しくはヘルニア縫合術の疼痛のうちの1つ以上;又は内蔵痛のうちの1つ以上を治療する又はその前記対象における重症度を軽減することを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記糖尿病性ニューロパチーが、糖尿病性末梢ニューロパチーを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記対象が、前記化合物、薬学的に許容される塩、又は医薬組成物による治療と同時に、その前に、又はその後に投与される1つ以上の追加の治療薬で治療される、請求項30~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
薬剤としての、請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、請求項27に記載の化合物、又は請求項28若しくは29に記載の医薬組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年6月4日に出願された米国仮特許出願第63/196,970号の優先権の利益を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
疼痛は、健康な動物が組織損傷を回避し、損傷組織への更なる損傷を防止することを可能にする保護機構である。それにもかかわらず、疼痛がその有用性を超えて持続する、又は患者が疼痛の阻害から利益を得るであろう多くの状態がある。神経障害性疼痛は、感覚神経の損傷によって引き起こされる慢性疼痛の一形態である(Dieleman,J.P.,et al.,Incidence rates and treatment of neuropathic pain conditions in the general population.Pain,2008.137(3):p.681-8)。神経障害性疼痛は、神経への全身的な代謝損傷によって引き起こされる疼痛、及び離散的神経損傷によって引き起こされる疼痛の2つのカテゴリーに分けることができる。代謝性神経障害には、帯状疱疹後神経障害、糖尿病性ニューロパチー、及び薬物誘発性神経障害が含まれる。離散的な神経損傷の適応症には、切断手術後の疼痛、術後神経損傷疼痛、及び神経障害性背痛などの神経絞扼損傷が含まれる。神経障害性疼痛は、患者の睡眠、気分、及び機能に負の影響を与える世界中の障害の主要な原因である。Clin.Ther.,2018 40(6):p.828-49。
【0003】
電位依存性ナトリウムチャネル(NaV)は、疼痛シグナル伝達に関与する。NaVは、多くの興奮性細胞型(例えば、ニューロン、骨格筋細胞、心臓筋細胞)の活動電位の急速な上昇行程を媒介し、したがって、それらの細胞における電気シグナル伝達の開始に関与する(Hille,Bertil,Ion Channels of Excitable Membranes,Third ed.(Sinauer Associates,Inc.,Sunderland,MA,2001))。疼痛シグナル伝達においてNavが重要かつ中心的な役割を果たすという主張の支持は、(1)Navが正常な生理機能において果たす役割の評価、(2)Nav1.8遺伝子(SCN10A)の変異から生じる病理的状態、(3)動物モデルにおける臨床前研究、及び(4)既知のNav1.8調節剤の薬理作用から生じる。更に、Nav1.8発現は、末梢ニューロン、特に疼痛(例えば、後根神経節)を感知するニューロンに限定されるため、Nav1.8阻害剤は、他のナトリウムチャネル調節因子で一般的に観察される副作用、及びオピオイド療法に関連する乱用傾向と関連している可能性が低い。したがって、選択的Nav1.8阻害を介して疼痛の根底にある生物学を標的とすることは、安全かつ効果的な急性及び慢性疼痛療法に対する緊急の満たされていない必要性に対処する可能性がある鎮痛剤開発に対する新規アプローチを表す。(Rush, A.M.and T.R.Cummins,Painful Research:Identification of a Small-Molecule Inhibitor that Selectively Targets NaV1.8 Sodium Channels.Mol.Interv.,2007.7(4):p.192-5)、England,S.,Voltage-gated sodium channels:the search for subtype-selective analgesics.Expert Opin.Investig.Drugs 17(12),p.1849-64(2008)、Krafte,D.S.and Bannon,A.W.,Sodium channels and nociception:recent concepts and therapeutic opportunities.Curr.Opin.Pharmacol.8(1),p.50-56 (2008))。ニューロン信号の開始及び伝播においてNaVが果たす役割のため、NaV電流を低減するアンタゴニストは、神経シグナル伝達を防止又は低減することができ、NaVチャネルは、高興奮性が観察される状態において疼痛を低減する可能性が高いと考えられてきた(Chahine,M.,Chatelier,A.,Babich,O.,and Krupp,J.J.,Voltage-gated sodium channels in neurological disorders.CNS Neurol.Disord.Drug Targets 7 (2),p.144-58(2008))。いくつかの臨床的に有用な鎮痛剤が、NaVチャネルの阻害剤として特定されている。リドカインなどの局所麻酔薬は、NaVチャネルを阻害することによって疼痛を遮断し、疼痛の低減に効果的であることが証明されているカルバマゼピン、ラモトリギン、及び三環系抗うつ薬などの他の化合物も、ナトリウムチャネル阻害によって作用することが示唆されている(Soderpalm,B.,Anticonvulsants:aspects of their mechanisms of action.Eur.J.Pain 6 Suppl.A,p.3-9(2002)、Wang,G.K.,Mitchell,J.,and Wang,S.Y.,Block of persistent late Na+ currents by antidepressant sertraline and paroxetine.J.Membr.Biol.222(2),p.79-90(2008))。
【0004】
NaVは、電位依存性イオンチャネルスーパーファミリーのサブファミリーを形成し、NaV1.1~NaV1.9と指定される9つのアイソフォームを含む。9つのアイソフォームの組織局在性は異なる。NaV1.4は骨格筋の一次ナトリウムチャネルであり、NaV1.5は心筋細胞の一次ナトリウムチャネルである。NaV1.7、1.8、及び1.9は、主に末梢神経系に局在し、NaV1.1、1.2、1.3、及び1.6は、中枢神経系及び末梢神経系の両方に見られるニューロンチャネルである。9つのアイソフォームの機能的挙動は類似しているが、それらの電位依存性及び動力学的挙動の詳細においては別個である(Catterall,W.A.,Goldin,A.L.,and Waxman,S.G.,International Union of Pharmacology.XLVII.Nomenclature and structure-function relationships of voltage-gated sodium channels.Pharmacol.Rev.57(4),p.397(2005))。
【0005】
それらの発見時に、NaV1.8チャネルは、鎮痛の標的である可能性が高いと特定された(Akopian,A.N.,L.Sivilotti,and J.N.Wood,A tetrodotoxin-resistant voltage-gated sodium channel expressed by sensory neurons.Nature,1996.379(6562):p.257-62)。その後、NaV1.8は、侵害受容感覚ニューロンの活動電位において、小さな後根神経節(DRG)ニューロンにおいて活動電位発火を維持するナトリウム電流の担体であることが示されている(Blair,N.T.and B.P.Bean,Roles of tetrodotoxin (TTX)-sensitive Na+ current,TTX-resistant Na+ current,and Ca2+ current in the action potentials of nociceptive sensory neurons.J.Neurosci.,2002.22(23):p.10277-90)。NaV1.8は、神経障害性疼痛を引き起こすもののような、損傷したニューロンにおける自然発火に関与する(Roza,C.,et al.,The tetrodotoxin-resistant Na+ channel NaV1.8 is essential for the expression of spontaneous activity in damaged sensory axons of mice.J.Physiol.,2003.550(Pt 3):p.921-6、Jarvis,M.F.,et al.,A-803467,a potent and selective NaV1.8 sodium channel blocker,attenuates neuropathic and inflammatory pain in the rat.Proc.Natl.Acad.Sci.U S A,2007.104(20):p.8520-5、Joshi,S.K.,et al.,Involvement of the TTX-resistant sodium channel NaV1.8 in inflammatory and neuropathic,but not post-operative,pain states.Pain,2006.123(1-2):pp.75-82、Lai,J.,et al.,Inhibition of neuropathic pain by decreased expression of the tetrodotoxin-resistant sodium channel,NaV1.8.Pain,2002.95(1-2):p.143-52、Dong,X.W.,et al.,Small interfering RNA-mediated selective knockdown of NaV1.8 tetrodotoxin-resistant sodium channel reverses mechanical allodynia in neuropathic rats.Neuroscience,2007.146(2):p.812-21、Huang,H.L.,et al.,Proteomic profiling of neuromas reveals alterations in protein composition and local protein synthesis in hyper-excitable nerves.Mol.Pain,2008.4:p.33、Black,J.A.,et al.,Multiple sodium channel isoforms and mitogen-activated protein kinases are present in painful human neuromas.Ann.Neurol.,2008.64(6):p.644-53、Coward,K.,et al.,Immunolocalization of SNS/PN3 and NaN/SNS2 sodium channels in human pain states.Pain,2000.85(1-2):p.41-50、Yiangou,Y.,et al.,SNS/PN3 and SNS2/NaN sodium channel-like immunoreactivity in human adult and neonate injured sensory nerves.FEBS Lett.,2000.467(2-3):p.249-52、Ruangsri,S.,et al.,Relationship of axonal voltage-gated sodium channel 1.8(NaV1.8)mRNA accumulation to sciatic nerve injury-induced painful neuropathy in rats.J.Biol.Chem.286(46):p.39836-47)。NaV1.8が発現される小さなDRGニューロンは、疼痛シグナル伝達に関与する侵害受容器を含む。NaV1.8は、後根神経節の小さなニューロンにおいて大きな振幅の活動電位を媒介する(Blair,N.T.and B.P.Bean,Roles of tetrodotoxin(TTX)-sensitive Na+ current,TTX-resistant Na+ current,and Ca2+ current in the action potentials of nociceptive sensory neurons.J.Neurosci.,2002.22(23):p.10277-90)。NaV1.8は、侵害受容器における急速な反復活動電位、及び損傷したニューロンの自発活動に必要である(Choi,J.S.and S.G.Waxman,Physiological interactions between NaV1.7 and NaV1.8 sodium channels:a computer simulation study.J.Neurophysiol.106(6):p.3173-84、Renganathan,M.,T.R.Cummins,and S.G.Waxman,Contribution of Na(V)1.8 sodium channels to action potential electrogenesis in DRG neurons.J.Neurophysiol.,2001.86(2):p.629-40、Roza,C.,et al.,The tetrodotoxin-resistant Na+ channel NaV1.8 is essential for the expression of spontaneous activity in damaged sensory axons of mice.J.Physiol.,2003.550(Pt 3):p.921-6)。脱分極又は損傷したDRGニューロンにおいて、NaV1.8は過剰興奮性の駆動因子であると思われる(Rush,A.M.,et al.,A single sodium channel mutation produces hyper- or hypoexcitability in different types of neurons.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,2006.103(21):p.8245-50)。一部の動物疼痛モデルでは、NaV1.8 mRNA発現レベルは、DRGにおいて増加することが示されている(Sun,W.,et al.,Reduced conduction failure of the main axon of polymodal nociceptive C-fibers contributes to painful diabetic neuropathy in rats.Brain,135(Pt 2):p.359-75、Strickland,I.T.,et al.,Changes in the expression of NaV1.7,NaV1.8 and NaV1.9 in a distinct population of dorsal root ganglia innervating the rat knee joint in a model of chronic inflammatory joint pain.Eur.J.Pain,2008.12(5):p.564-72、Qiu,F.,et al.,Increased expression of tetrodotoxin-resistant sodium channels NaV1.8 and NaV1.9 within dorsal root ganglia in a rat model of bone cancer pain.Neurosci.Lett.,512(2):p.61-6)。
本発明者らは、一部の電位依存性ナトリウムチャネル阻害剤が、例えば、不十分な治療ウィンドウ(例えば、NaVアイソフォーム選択性の欠如、低い効力、及び/又は他の理由による)に起因して、治療薬としての制限を有することを発見した。したがって、選択的NaV1.8阻害剤などの選択的電位依存性ナトリウムチャネル阻害剤を開発する必要性が依然として残っている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Dieleman,J.P.,et al.,Incidence rates and treatment of neuropathic pain conditions in the general population.Pain,2008.137(3):p.681-8
【非特許文献2】Clin.Ther.,2018 40(6):p.828-49
【非特許文献3】Hille,Bertil,Ion Channels of Excitable Membranes,Third ed.(Sinauer Associates,Inc.,Sunderland,MA,2001)
【非特許文献4】Rush, A.M.and T.R.Cummins,Painful Research:Identification of a Small-Molecule Inhibitor that Selectively Targets NaV1.8 Sodium Channels.Mol.Interv.,2007.7(4):p.192-5)
【非特許文献5】England,S.,Voltage-gated sodium channels:the search for subtype-selective analgesics.Expert Opin.Investig.Drugs 17(12),p.1849-64(2008)
【非特許文献6】Krafte,D.S.and Bannon,A.W.,Sodium channels and nociception:recent concepts and therapeutic opportunities.Curr.Opin.Pharmacol.8(1),p.50-56 (2008)
【非特許文献7】Chahine,M.,Chatelier,A.,Babich,O.,and Krupp,J.J.,Voltage-gated sodium channels in neurological disorders.CNS Neurol.Disord.Drug Targets 7 (2),p.144-58(2008)
【非特許文献8】Soderpalm,B.,Anticonvulsants:aspects of their mechanisms of action.Eur.J.Pain 6 Suppl.A,p.3-9(2002)
【非特許文献9】Wang,G.K.,Mitchell,J.,and Wang,S.Y.,Block of persistent late Na+ currents by antidepressant sertraline and paroxetine.J.Membr.Biol.222(2),p.79-90(2008)
【非特許文献10】Catterall,W.A.,Goldin,A.L.,and Waxman,S.G.,International Union of Pharmacology.XLVII.Nomenclature and structure-function relationships of voltage-gated sodium channels.Pharmacol.Rev.57(4),p.397(2005)
【非特許文献11】Akopian,A.N.,L.Sivilotti,and J.N.Wood,A tetrodotoxin-resistant voltage-gated sodium channel expressed by sensory neurons.Nature,1996.379(6562):p.257-62
【非特許文献12】Blair,N.T.and B.P.Bean,Roles of tetrodotoxin (TTX)-sensitive Na+ current,TTX-resistant Na+ current,and Ca2+ current in the action potentials of nociceptive sensory neurons.J.Neurosci.,2002.22(23):p.10277-90
【非特許文献13】Roza,C.,et al.,The tetrodotoxin-resistant Na+ channel NaV1.8 is essential for the expression of spontaneous activity in damaged sensory axons of mice.J.Physiol.,2003.550(Pt 3):p.921-6
【非特許文献14】Jarvis,M.F.,et al.,A-803467,a potent and selective NaV1.8 sodium channel blocker,attenuates neuropathic and inflammatory pain in the rat.Proc.Natl.Acad.Sci.U S A,2007.104(20):p.8520-5
【非特許文献15】Joshi,S.K.,et al.,Involvement of the TTX-resistant sodium channel NaV1.8 in inflammatory and neuropathic,but not post-operative,pain states.Pain,2006.123(1-2):pp.75-82
【非特許文献16】Lai,J.,et al.,Inhibition of neuropathic pain by decreased expression of the tetrodotoxin-resistant sodium channel,NaV1.8.Pain,2002.95(1-2):p.143-52
【非特許文献17】Dong,X.W.,et al.,Small interfering RNA-mediated selective knockdown of NaV1.8 tetrodotoxin-resistant sodium channel reverses mechanical allodynia in neuropathic rats.Neuroscience,2007.146(2):p.812-21
【非特許文献18】Huang,H.L.,et al.,Proteomic profiling of neuromas reveals alterations in protein composition and local protein synthesis in hyper-excitable nerves.Mol.Pain,2008.4:p.33
【非特許文献19】Black,J.A.,et al.,Multiple sodium channel isoforms and mitogen-activated protein kinases are present in painful human neuromas.Ann.Neurol.,2008.64(6):p.644-53
【非特許文献20】Coward,K.,et al.,Immunolocalization of SNS/PN3 and NaN/SNS2 sodium channels in human pain states.Pain,2000.85(1-2):p.41-50
【非特許文献21】Yiangou,Y.,et al.,SNS/PN3 and SNS2/NaN sodium channel-like immunoreactivity in human adult and neonate injured sensory nerves.FEBS Lett.,2000.467(2-3):p.249-52
【非特許文献22】Ruangsri,S.,et al.,Relationship of axonal voltage-gated sodium channel 1.8(NaV1.8)mRNA accumulation to sciatic nerve injury-induced painful neuropathy in rats.J.Biol.Chem.286(46):p.39836-47
【非特許文献23】Blair,N.T.and B.P.Bean,Roles of tetrodotoxin(TTX)-sensitive Na+ current,TTX-resistant Na+ current,and Ca2+ current in the action potentials of nociceptive sensory neurons.J.Neurosci.,2002.22(23):p.10277-90
【非特許文献24】Choi,J.S.and S.G.Waxman,Physiological interactions between NaV1.7 and NaV1.8 sodium channels:a computer simulation study.J.Neurophysiol.106(6):p.3173-84
【非特許文献25】Renganathan,M.,T.R.Cummins,and S.G.Waxman,Contribution of Na(V)1.8 sodium channels to action potential electrogenesis in DRG neurons.J.Neurophysiol.,2001.86(2):p.629-40
【非特許文献26】Roza,C.,et al.,The tetrodotoxin-resistant Na+ channel NaV1.8 is essential for the expression of spontaneous activity in damaged sensory axons of mice.J.Physiol.,2003.550(Pt 3):p.921-6
【非特許文献27】Rush,A.M.,et al.,A single sodium channel mutation produces hyper- or hypoexcitability in different types of neurons.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,2006.103(21):p.8245-50
【非特許文献28】Sun,W.,et al.,Reduced conduction failure of the main axon of polymodal nociceptive C-fibers contributes to painful diabetic neuropathy in rats.Brain,135(Pt 2):p.359-75
【非特許文献29】Strickland,I.T.,et al.,Changes in the expression of NaV1.7,NaV1.8 and NaV1.9 in a distinct population of dorsal root ganglia innervating the rat knee joint in a model of chronic inflammatory joint pain.Eur.J.Pain,2008.12(5):p.564-72
【非特許文献30】Qiu,F.,et al.,Increased expression of tetrodotoxin-resistant sodium channels NaV1.8 and NaV1.9 within dorsal root ganglia in a rat model of bone cancer pain.Neurosci.Lett.,512(2):p.61-6
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様では、本発明は、本明細書に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩に関する。
【0008】
別の態様では、本発明は、化合物、又はその薬学的に許容される塩と、1つ以上薬学的に許容可能な担体若しくはビヒクルとを含む医薬組成物に関する。
【0009】
更に別の態様では、本発明は、化合物、薬学的に許容される塩、又は医薬組成物を対象に投与することによって、対象において電位依存性ナトリウムチャネルを阻害する方法に関する。
【0010】
更に別の態様では、本発明は、化合物、薬学的に許容される塩、又は医薬組成物を対象に投与することによって、これらに限定されないが、慢性疼痛、腸の疼痛、神経障害性疼痛、筋骨格系疼痛、急性疼痛、炎症性疼痛、がんの疼痛、特発性疼痛、術後の疼痛(例えば、腱膜瘤切除術の疼痛、ヘルニア縫合術の疼痛、又は腹壁形成術の疼痛)、内蔵痛、多発性硬化症、シャルコー・マリー・トゥース病、失禁、病的な咳、又は心不整脈を含む様々な疾患、障害、又は状態を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】非晶質化合物17のXRPDパターン特徴を示す。
【
図2】非晶質化合物25のXRPDパターン特徴を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
一態様では、本発明は、式(I)の化合物、
【化1】
,
又はその薬学的に許容される塩に関し、式中、
X
2aは、N、N
+-O
-、又はC-R
2aであり、
X
3aは、N又はN
+-O
-であり、
X
5aは、N、N
+-O
-、又はC-R
5aであり、
X
6aは、N、N
+-O
-、又はC-R
6aであり、
R
dは、(CH
2)
m(CHR
e)
n(CH
2)
pHであり、
m、n、及びpは各々独立して、0又は1であり、
R
eは、H、OH、ハロ、C
1-C
6アルコキシ、又はC
1-C
6ハロアルコキシであり、
R
2a及びR
6aは各々独立して、H、ハロ、C
1-C
6アルキル、又はC
1-C
6ハロアルキルであり、
R
5aは、H、ハロ、CH
2OH、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキルであるか、又はR
5a及びR
dは、R
5a及びR
dが結合しているC原子を結合するCH
2CH
2鎖を形成し、R
5aが結合しているC原子に結合されるCH
2基は、Oで置き換えられてもよく、
R
4b1及びR
4b2は各々独立して、H、C
1-C
6アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、又はC
1-C
6ハロアルキルであり、
R
5b1及びR
5b2は各々独立して、H、C
1-C
6アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、又はC
1-C
6ハロアルキルであり、
X
3cは、N又はC-R
3cであり、
X
4cは、N又はC-R
4cであり、
X
5cは、N又はC-R
5cであり、
X
6cは、N又はC-R
6cであり、
R
2cは、H、OH、ハロ、C
1-C
6アルキル、C
2-C
6アルケニル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6アルコキシ、C
1-C
6ハロアルコキシ、O-CH
2-C(R
2c1)(R
2c2)(R
2c3)、O-CH(R
2c4)(R
2c5)、又は-L
1-L
2-(C
3-C
6シクロアルキル)であり、当該シクロアルキルは、必要に応じて、1~2個のハロで置換されており、
R
2c1及びR
2c2は各々独立して、H若しくはC
1-C
6アルキルであるか、又はR
2c1及びR
2c2は、それらが結合しているC原子と一緒になってC=Oを形成し、
R
2c3は、OH、C
1-C
6アルコキシ、C
1-C
6ハロアルコキシ、若しくはN(R
2c6)(R
2c7)であるか、又はR
2c2及びR
2c3は、それらが結合しているC原子と一緒になって、3~7員ヘテロシクロアルキルを形成し、
R
2c4及びR
2c5は、それらが結合しているC原子と一緒になって、3~7員ヘテロシクロアルキルを形成し、
R
2c6及びR
2c7は各々、C
1-C
6アルキルであるか、又はR
2c6及びR
2c7は、それらが結合しているN原子と一緒になって、3~8員ヘテロシクロアルキルを形成し、
L
1は、結合又はOであり、
L
2は、結合又はC
1-C
6アルキレンであり、
R
3cは、H、ハロ、C
1-C
6アルキル、若しくはC
1-C
6ハロアルキルであるか、又はX
3cが、C-R
3cであり、R
2c及びR
3cは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、以下の式の環を形成し、
【化2】
;
Z
1及びZ
2は各々独立して、O又はCH
2であり、
各Rは独立して、H又はハロであり、
R
4cは、H、ハロ、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6アルコキシ、又はC
1-C
6ハロアルコキシであり、
R
5cは、H、ハロ、C
1-C
6アルキル、又はC
1-C
6ハロアルキルであり、
R
6cは、H、ハロ、C
1-C
6アルキル、又はC
1-C
6ハロアルキルであり、
但し、X
2a、X
3a、X
5a、及びX
6aのうちの2つ以下が、N又はN
+-O
-であることを条件とし、
但し、X
3c、X
4c、X
5c、及びX
6cのうちの1つ以下が、Nであることを条件とし、
但し、
R
5a及びR
dが、R
5a及びR
dが結合しているC原子を結合するCH
2CH
2鎖を形成し、R
5aが結合しているC原子に結合されるCH
2基が、Oで置き換えられてもよいか、又は
R
2cが、O-CH
2-C(R
2c1)(R
2c2)(R
2c3)若しくはO-CH(R
2c4)(R
2c5)であることを条件とする。
【0013】
本発明の目的のために、化学元素は、Periodic Table of the Elements,CAS version,Handbook of Chemistry and Physics,75th Edに従って特定される。更に、有機化学の一般原則は、“Organic Chemistry,”Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito:1999、及び“March’s Advanced Organic Chemistry,”5th Ed.,Ed.: Smith,M.B.and March,J.,John Wiley&Sons,New York:2001に記載されており、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0014】
本明細書で使用される場合、「本発明の化合物」という用語は、本明細書に記載される式(I)の化合物、及びその実施形態の全て(例えば、式(I-A)、(I-A-1)、(I-A-2)、(I-A-3)、(I-B)、(I-B-1)、(I-B-2)、(I-B-3)、(I-C)、(I-C-1)、(I-C-2)、(I-C-3)、(I-D)、(I-D-1)、(I-D-2)、(I-D-3)、及び(I-D-4)など)、並びに表Aで特定される化合物を指す。
【0015】
本明細書に記載されるように、本発明の化合物は、複数の可変基(例えば、R5b1、X3a、Rdなど)を含む。当業者であれば認識するであろうように、本発明によって想定される基の組み合わせは、安定な又は化学的に実現可能な化合物の形成をもたらす組み合わせである。この文脈での「安定な」という用語は、本明細書に開示される目的のうちの1つ以上のための、それらの生成、検出、及び必要に応じて、それらの回収、精製、及び使用を可能にする条件に供されたときに、実質的に変化しない化合物を指す。いくつかの実施形態では、安定な化合物又は化学的に実行可能な化合物は、水分又は他の化学的に反応性の状態の不在下で、少なくとも1週間、40℃以下の温度に保持されたときに実質的に変化しない化合物である。
【0016】
本明細書に図示される化学構造は、当業者によって理解されるであろうため、理解されることが意図される。例えば、式(I)、(I-A)、(I-B)、(I-C)、及び(I-D)に関して、X
2a及びX
3aは、単結合によって結合されており、X
5a及びX
6aは、二重結合によって結合されており、X
4c及びX
5cは、単結合によって結合されているが、これらの基間の結合は、化学構造中の原子標識によって隠され得る。例えば、異なるスタイルを使用して、式(I)は以下のように描かれて、問題の結合を示し得る。
【化3】
.
【0017】
更に、化学構造において「CF3」又は「F3C」として示される置換基は、その描写が化学構造において現れるかどうかにかかわらず、トリフルオロメチル置換基を指す。
【0018】
本明細書で使用される場合、「ハロ」という用語は、F、Cl、Br、又はIを意味する。
【0019】
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、不飽和を含まず、かつ指定された数の炭素原子を有する、炭素及び水素原子のみからなる直鎖又は分岐炭化水素鎖ラジカル基を指し、これは単結合によって分子の残りの部分に結合される。例えば、「C1-C6アルキル」基は、1~6個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0020】
本明細書で使用される場合、「アルケニル」という用語は、1つ以上の炭素-炭素二重結合を含み、かつ指定された数の炭素原子を有する、炭素及び水素原子のみからなる直鎖又は分岐炭化水素鎖ラジカル基を指し、これは単結合によって分子の残りの部分に結合される。例えば、「C2-C6アルケニル」基は、2~6個の炭素原子を有するアルケニル基である。
【0021】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」という用語は、指定された数の炭素環原子を有する、炭素原子及び水素原子のみからなる安定な非芳香族単環又は二環式(縮合、架橋、又はスピロ)飽和炭化水素ラジカルを指し、これは単結合によって分子の残りの部分に結合される。例えば、「C3-C8シクロアルキル」基は、3~8個の炭素原子を有するシクロアルキル基である。
【0022】
本明細書で使用される場合、「ハロアルキル」という用語は、指定された数の炭素原子を有するアルコキシ基を指し、アルキル基の水素原子のうちの1つ以上は、ハロ基によって置き換えられる。例えば、「C1-C6ハロアルキル」基は、1~6個の炭素原子を有するアルキル基であり、アルキル基の水素原子のうちの1つ以上は、ハロ基によって置き換えられる。
【0023】
本明細書で使用される場合、「アルコキシ」という用語は、式-ORaのラジカルを指し、式中、Raは、指定された数の炭素原子を有するアルキル基である。例えば、「C1-C6アルコキシ」基は、式-ORaのラジカルであり、式中、Raは、1~6個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0024】
本明細書で使用される場合、「ハロアルコキシ」という用語は、指定された数の炭素原子を有するアルコキシ基を指し、アルキル基の水素原子のうちの1つ以上は、ハロ基によって置き換えられる。
【0025】
本明細書で使用される場合、「アルキレン」という用語は、不飽和を含まず、かつ指定された数の炭素原子を有する、炭素及び水素原子のみからなる二価の直鎖又は分岐炭化水素鎖ラジカル基を指し、これは2つの単結合によって分子の残りの部分に結合される。例えば、「C1-C6アルキレン」基は、1~6個の炭素原子を有するアルキレン基である。
【0026】
本明細書で使用される場合、「必要に応じて置換される」という用語は、非置換であるか、又はその後に特定される置換基で置換される基を指す。例えば、「必要に応じて1~2個のハロで置換される基」は、非置換であるか、1個のハロ基で置換されるか、又は2個のハロ基で置換されるかのいずれかである。
【0027】
本明細書で使用される場合、以下の構造に示されるものなどの「*2」及び「*3」などの標識は、対応するR基(この場合、それぞれR
2c基及びR
3c基)が結合している原子を示す。
【化4】
【0028】
別段の指定がない限り、本発明の化合物は、化学名又は化学構造によって特定されるかどうかにかかわらず、本明細書に提供される化学名及び化学構造によって特定される化合物の全ての立体異性体(例えば、エナンチオマー及びジアステレオマー)、二重結合異性体(例えば、(Z)及び(E))、立体構造異性体、及び互変異性体を含む。更に、単立体異性体、二重結合異性体、立体構造異性体、及び互変異性体、並びに立体異性体、二重結合異性体、立体構造異性体、及び互変異性体の混合物は、本発明の範囲内である。
【0029】
本明細書で使用される場合、任意の化学構造又は式において、以下の式中のような、化合物の立体中心に結合した太線ではない直線の結合は、
【化5】
,
立体中心の立体配置が不特定であることを示す。化合物は、立体中心に、任意の立体配置、又は立体配置の混合物を有し得る。
【0030】
本明細書で使用される場合、任意の化学構造又は式において、以下の式中のような、化合物の立体中心に結合した太線又は破線の直線の結合は、
【化6】
,
太線又は破線の直線結合が付着している他の立体中心に対する、キラル中心の相対立体化学を示す。
【0031】
本明細書で使用される場合、任意の化学構造又は式において、以下の式中のような、化合物の立体中心に結合した太線又は破線のくさび形の結合は、
【化7】
,
太線又は破線のくさび形の結合が結合している他の立体中心に対する、立体中心の絶対立体化学、並びに立体中心の相対立体化学を示す。
【0032】
本明細書で使用される場合、接頭辞「rac-」は、キラル化合物に関連して使用される場合、化合物のラセミ混合物を指す。「rac-」接頭辞を有する化合物において、化学名の(R)-及び(S)-指定子は、化合物の相対立体化学を反映する。
【0033】
本明細書で使用される場合、接頭辞「rel-」は、キラル化合物に関連して使用される場合、未知の絶対立体配置の単一のエナンチオマーを指す。「rel-」接頭辞を有する化合物において、化学名中の(R)及び(S)-の指定子は、化合物の相対立体化学を反映するが、必ずしも化合物の絶対立体化学を反映するわけではない。所与の立体中心の相対立体化学が未知である場合、立体化学指定子は提供されない。いくつかの例では、いくつかの立体中心の絶対立体配置が既知であるが、一方で他の立体中心の相対立体配置のみが既知である。これらの例では、既知の絶対立体配置の立体中心に関連する立体化学指定子は、アスタリスク(*)、例えば、(R*)-及び(S*)-で印付けられるが、一方で、未知の絶対立体配置の立体中心に関連する立体化学指定子は、そのように印付けされない。未知の絶対立体配置の立体中心に関連する印付けされていない立体化学指定子は、未知の絶対立体配置の他の立体中心に対してそれらの立体中心の相対立体化学を反映するが、既知の絶対立体配置の立体中心に対する相対立体化学を必ずしも反映するものではない。
【0034】
本明細書で使用される場合、「化合物」という用語は、本発明の化合物に言及する場合、分子の構成原子間に同位体変動が存在し得ることを除いては、同一の化学構造を有する分子の集合を指す。「化合物」という用語は、分子の集合を含む所与の試料の純度に関係なく、こうした分子の集合を含む。したがって、「化合物」という用語は、純粋な形態の、1つ以上の他の物質との混合物(例えば、溶液、懸濁液、コロイド、又は医薬組成物、又は剤形)中の、又は水和物、溶媒和物、若しくは共結晶の形態のこうした分子の集合を含む。
【0035】
本明細書で使用される場合、「非晶質」という用語は、その分子の位置において長距離秩序を有しない固体材料を指す。非晶質固体は、概して、明確に定義された配置、例えば、分子充填が存在せず、長距離秩序も存在しないように、分子が無作為に配置されている、ガラス又は過冷却された液体である。非晶質固体は、概して、むしろ等方的である、すなわち、全ての方向において同様の特性を呈し、明確な融点を有さない。代わりに、それらは典型的には、加熱時にガラス状の非晶質状態から過冷却された液体非晶質状態への遷移を示すガラス転移温度を呈する。例えば、非晶質物質は、そのX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、鋭い特徴的な結晶性ピークを有しない(すなわち、XRPDによって決定される結晶性ではない)固体物質である。代わりに、そのXRPDパターンにおいて1つ又はいくつかの幅広いピーク(例えば、ハロ)が見られる。幅広いピークは、非晶質固体の特徴である。非晶質物質及び結晶性物質のXRPDの比較については、US2004/0006237を参照されたい。いくつかの実施形態では、固体物質は非晶質化合物を含み得、例えば、固体物質は、そのXRPDスペクトルにおける鋭い特徴的な結晶性ピークの欠如を特徴とし得る(すなわち、固体物質は結晶性ではないが、XRPDによって決定されるような非晶質である)。代わりに、固体物質のXRPDパターンにおいて1つ又はいくつかの幅広いピーク(例えば、ハロ)が見られ得る。非晶質物質及び結晶性物質のXRPDの代表的な比較については、US2004/0006237を参照されたい。非晶質化合物を含む固体材料は、例えば、純粋な結晶性固体の溶融の範囲と比較して、固体材料の溶融のより幅広い温度範囲によって特徴付けられ得る。例えば、固体NMRなどの他の技術を使用して、結晶形態又は非晶質形態を特徴付けてもよい。
【0036】
本明細書及び特許請求の範囲において、別段の指定がない限り、本発明の任意の化合物の特定の同位体として具体的に指定されていない任意の原子は、指定された元素の任意の安定同位体を表すことが意図される。実施例において、原子が本発明の任意の化合物の特定の同位体として具体的に指定されていない場合、特定の同位体中のその原子を濃縮するための努力は行われず、したがって、当業者であれば、こうした原子が、指定された元素のおよそ天然存在度の同位体組成で存在した可能性が高いことを理解するであろう。
【0037】
本明細書で使用される場合、「安定な」という用語は、同位体を指す場合、同位体が自発的な放射性崩壊を受けることが知られていないことを意味する。安定な同位体としては、V.S.Shirley&C.M.Lederer,Isotopes Project,Nuclear Science Division,Lawrence Berkeley Laboratory,Table of Nuclides(January 1980)において崩壊モードが特定されない同位体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
本明細書及び特許請求の範囲において本明細書で使用される場合、「H」は水素を指し、水素の任意の安定同位体、すなわち1H及びDを含む。実施例において、原子が「H」として指定される場合、水素の特定の同位体中のその原子を濃縮する試みは行われず、したがって、当業者であれば、こうした水素原子が、水素のおよそ天然存在量同位体組成で存在した可能性が高いことを理解するであろう。
【0039】
本明細書で使用される場合、「1H」は、プロチウムを指す。本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩中の原子がプロチウムとして指定される場合、プロチウムは、指定位置において、少なくともプロチウムの天然存在量濃度で存在する。
【0040】
本明細書で使用される場合、「D」、「d」、及び「2H」は、重水素を指す。
【0041】
いくつかの実施形態では、本発明の化合物及びその薬学的に許容される塩は、指定された要素のおよそ天然存在量同位体組成で各構成原子を含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、本発明の化合物及びその薬学的に許容される塩は、指定された元素(「同位体標識」化合物及び塩)の最も豊富な同位体の原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する1つ以上の原子を含む。市販されており、本発明に適した安定同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、及びリンの同位体、例えば、それぞれ2H、13C、15N、18O、17O、及び31Pが挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
同位体標識化合物及び塩は、薬剤としてを含む、いくつかの有益な方法で使用することができる。いくつかの実施形態では、同位体標識化合物及び塩は、重水素(2H)標識されている。重水素(2H)標識化合物及び塩は、治療上有用であり、非2H標識化合物よりも潜在的な治療上の利点を有する。概して、重水素(2H)標識化合物及び塩は、以下に記載の速度論的同位体効果のため、同位体標識されていないものと比較してより高い代謝安定性を有し得る。より高い代謝安定性は、インビボ半減期の増加又はより低い投与量に直接変換され、これはほとんどの状況下で本発明の好ましい実施形態を表す。同位体標識化合物及び塩は、通常、合成スキーム、実施例、及び関連する説明に開示される手順を実施し、非同位体標識反応物を容易に入手可能な同位体標識反応物に置き換えることによって調製することができる。
【0044】
重水素(2H)標識化合物及び塩は、一次速度論的同位体効果によって、化合物の酸化的代謝速度を操作することができる。一次動力学的同位体効果とは、同位体核の交換から生じる化学反応の速度の変化であり、これは、次いで、反応に関与する共有結合の基底状態エネルギーの変化によって引き起こされる。より重い同位体の交換は、通常、化学結合の基底状態エネルギーの低下をもたらし、それゆえに、律速結合切断の減少がもたらされる。結合切断が多生成物反応の配位に沿って鞍点領域内又はその近くで生じる場合、生成物分布比が大幅に変化する可能性がある。例えば、重水素が炭素原子に非交換可能位置で結合している場合、kH/kDの速度差=2~7が典型的である。更なる考察のために、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、S.L.Harbeson and R.D.Tung,Deuterium In Drug Discovery and Development,Ann.Rep.Med.Chem.2011,46,403-417を参照されたい。
【0045】
本発明の同位体標識化合物又はその薬学的に許容される塩の所与の位置に組み込まれた同位体(例えば、重水素)の濃度は、同位体濃縮係数によって定義され得る。本明細書で使用される場合、「同位体濃縮係数」という用語は、同位体標識化合物(又は塩)中の所与の位置での同位体の存在量と同位体の天然存在量との間の比を意味する。
【0046】
本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩中の原子が重水素として指定される場合、かかる化合物(又は塩)は、少なくとも3000(約45%の重水素組み込み)のかかる原子に対する同位体濃縮係数を有する。いくつかの実施形態では、同位体濃縮係数は、少なくとも3500(約52.5%の重水素組み込み)、少なくとも4000(約60%の重水素組み込み)、少なくとも4500(約67.5%の重水素組み込み)、少なくとも5000(約75%の重水素組み込み)、少なくとも5500(約82.5%の重水素組み込み)、少なくとも6000(約90%の重水素組み込み)、少なくとも6333.3(約95%の重水素組み込み)、少なくとも6466.7(約97%の重水素組み込み)、少なくとも6600(約99%の重水素組み込み)、又は少なくとも6633.3(約99.5%の重水素組み込み)である。
【0047】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I-A)の化合物、
【化8】
,
又はその薬学的に許容される塩に関し、式中、X
2a、X
3a、X
5a、X
6a、R
d、R
4b1、R
4b2、R
5b1、R
5b2、X
3c、X
4c、X
5c、X
6c、及びR
2cは、式(I)に関連して上に示されるように定義される。
【0048】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I-A-1)の化合物、
【化9】
,
又はその薬学的に許容される塩に関し、式中、R
d、R
4b1、R
4b2、R
5b1、R
5b2、R
2c、R
3c、及びR
4cは、式(I)に関連して上に示されるように定義される。
【0049】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I-A-2)の化合物、
【化10】
,
又はその薬学的に許容される塩に関し、式中、R
d、R
4b1、R
4b2、R
5b1、R
5b2、R
2c、R
3c、及びR
4cは、式(I)に関連して上に示されるように定義される。
【0050】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I-A-3)の化合物、
【化11】
,
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、R
d、R
4b2、R
2c、R
3c、及びR
4cは、式(I)に関連して上に示されるように定義される。
【0051】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I-B)の化合物、
【化12】
,
又はその薬学的に許容される塩に関し、式中、X
2a、X
3a、X
5a、X
6a、R
d、R
4b1、R
4b2、R
5b1、R
5b2、X
3c、X
4c、X
5c、X
6c、及びR
2cは、式(I)に関連して上に示されるように定義される。
【0052】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I-B-1)の化合物、
【化13】
,
又はその薬学的に許容される塩に関し、式中、R
d、R
4b1、R
4b2、R
5b1、R
5b2、R
2c、R
3c、及びR
4cは、式(I)に関連して上に示されるように定義される。
【0053】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I-B-2)の化合物、
【化14】
,
又はその薬学的に許容される塩に関し、式中、R
d、R
4b1、R
4b2、R
5b1、R
5b2、R
2c、R
3c、及びR
4cは、式(I)に関連して上に示されるように定義される。
【0054】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I-B-3)の化合物、
【化15】
,
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、R
d、R
4b2、R
2c、R
3c、及びR
4cは、式(I)に関連して上に示されるように定義される。
【0055】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I-C)の化合物、
【化16】
,
又はその薬学的に許容される塩に関し、式中、X
2a、X
3a、X
5a、X
6a、R
d、R
4b1、R
4b2、R
5b1、R
5b2、X
3c、X
4c、X
5c、X
6c、及びR
2cは、式(I)に関連して上に示されるように定義される。
【0056】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I-C-1)の化合物、
【化17】
,
又はその薬学的に許容される塩に関し、式中、R
d、R
4b1、R
4b2、R
5b1、R
5b2、R
2c、R
3c、及びR
4cは、式(I)に関連して上に示されるように定義される。
【0057】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I-C-2)の化合物、
【化18】
,
又はその薬学的に許容される塩に関し、式中、R
d、R
4b1、R
4b2、R
5b1、R
5b2、R
2c、R
3c、及びR
4cは、式(I)に関連して上に示されるように定義される。
【0058】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I-C-3)の化合物、
【化19】
,
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、R
d、R
4b2、R
2c、R
3c、及びR
4cは、式(I)に関連して上に示されるように定義される。
【0059】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I-D)の化合物、
【化20】
,
又はその薬学的に許容される塩に関し、式中、X
2a、X
3a、X
5a、X
6a、R
d、R
4b1、R
4b2、R
5b1、R
5b2、X
3c、X
4c、X
5c、X
6c、及びR
2cは、式(I)に関連して上に示されるように定義される。
【0060】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I-D-1)の化合物、
【化21】
,
又はその薬学的に許容される塩に関し、式中、R
d、R
4b1、R
4b2、R
5b1、R
5b2、R
2c、R
3c、及びR
4cは、式(I)に関連して上に示されるように定義される。
【0061】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I-D-2)の化合物、
【化22】
,
又はその薬学的に許容される塩に関し、式中、R
d、R
4b1、R
4b2、R
5b1、R
5b2、R
2c、R
3c、及びR
4cは、式(I)に関連して上に示されるように定義される。
【0062】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I-D-3)の化合物、
【化23】
,
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、R
d、R
4b2、R
2c、R
3c、及びR
4cは、式(I)に関連して上に示されるように定義される。
【0063】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I-D-4)の化合物、
【化24】
,
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、R
d、R
4b2、R
2c、R
3c、及びR
4cは、式(I)に関連して上に示されるように定義される。
【0064】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I)、(I-A)、(I-B)、(I-C)、及び(I-D)のうちのいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩に関し、式中、X2aは、C-R2aである。他の実施形態では、X2aは、C-R2aであり、R2aは、Hである。
【0065】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I)、(I-A)、(I-B)、(I-C)、及び(I-D)のうちのいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩に関し、式中、X3aは、Nである。
【0066】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I)、(I-A)、(I-B)、(I-C)、及び(I-D)のうちのいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩に関し、式中、X2aは、C-R2aであり、R2aは、Hである。
【0067】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I)、(I-A)、(I-B)、(I-C)、及び(I-D)のうちのいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩に関し、式中、X3aは、Nである。
【0068】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I)、(I-A)、(I-B)、(I-C)、及び(I-D)のうちのいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩に関し、式中、X5aは、Nである。他の実施形態では、X5aは、C-R5aである。他の実施形態では、X5aは、C-R5aであり、R5aは、Hである。
【0069】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I)、(I-A)、(I-B)、(I-C)、及び(I-D)のうちのいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩に関し、式中、X6aは、C-R6aである。他の実施形態では、X6aは、C-R6aであり、R6aは、Hである。
【0070】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I)、(I-A)、(I-A-1)、(I-A-2)、(I-A-3)、(I-B)、(I-B-1)、(I-B-2)、(I-B-3)、(I-C)、(I-C-1)、(I-C-2)、(I-C-3)、(I-D)、(I-D-1)、(I-D-2)、(I-D-3)、及び(I-D-4)のうちのいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩に関し、式中、Reは、Hである。他の実施形態では、Reは、OHである。他の実施形態では、Reは、C1-C6アルコキシである。他の実施形態では、Reは、メトキシである。
【0071】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I)、(I-A)、(I-A-1)、(I-A-2)、(I-A-3)、(I-B)、(I-B-1)、(I-B-2)、(I-B-3)、(I-C)、(I-C-1)、(I-C-2)、(I-C-3)、(I-D)、(I-D-1)、(I-D-2)、(I-D-3)、及び(I-D-4)のうちのいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩に関し、式中、Rdは、H、CH2OH、又はCH2OCH3である。
【0072】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I)、(I-A)、(I-B)、(I-C)、及び(I-D)のうちのいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩に関し、式中、X5aは、C-R5aであり、R5a及びRdは、R5a及びRdが結合しているC原子を結合するCH2CH2鎖を形成し、R5aが結合しているC原子に結合されるCH2基は、Oで置き換えられてもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I)、(I-A)、(I-A-1)、(I-A-2)、(I-B)、(I-B-1)、(I-B-2)、(I-C)、(I-C-1)、(I-C-2)、(I-D)、(I-D-1)、及び(I-D-2)のうちのいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩に関し、R4b1は、Hである。他の実施形態では、R4b1は、C1-C6アルキルである。他の実施形態では、R4b1は、CH3である。
【0074】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I)、(I-A)、(I-A-1)、(I-A-2)、(I-A-3)、(I-B)、(I-B-1)、(I-B-2)、(I-B-3)、(I-C)、(I-C-1)、(I-C-2)、(I-C-3)、(I-D)、(I-D-1)、(I-D-2)、(I-D-3)、及び(I-D-4)のうちのいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩に関し、式中、R4b2は、Hである。他の実施形態では、R4b2は、C1-C6アルキルである。他の実施形態では、R4b2は、CH3である。
【0075】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I)、(I-A)、(I-A-1)、(I-A-2)、(I-B)、(I-B-1)、(I-B-2)、(I-C)、(I-C-1)、(I-C-2)、(I-D)、(I-D-1)、及び(I-D-2)のうちのいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩に関し、R5b1は、C1-C6アルキルである。他の実施形態では、R5b1は、CH3である。他の実施形態では、R5b1は、C1-C6ハロアルキルである。他の実施形態では、R5b1は、CF3である。
【0076】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I)、(I-A)、(I-A-1)、(I-A-2)、(I-B)、(I-B-1)、(I-B-2)、(I-C)、(I-C-1)、(I-C-2)、(I-D)、(I-D-1)、及び(I-D-2)のうちのいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩に関し、R5b2は、C1-C6アルキルである。他の実施形態では、R5b2は、CH3である。他の実施形態では、R5b2は、C1-C6ハロアルキルである。他の実施形態では、R5b2は、CF3である。
【0077】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I)、(I-A)、(I-A-1)、(I-A-2)、(I-A-3)、(I-B)、(I-B-1)、(I-B-2)、(I-B-3)、(I-C)、(I-C-1)、(I-C-2)、(I-C-3)、(I-D)、(I-D-1)、(I-D-2)、(I-D-3)、及び(I-D-4)のうちのいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩に関し、式中、R
2cは、C
1-C
6アルコキシである。他の実施形態では、R
2cは、O-CH
2-C(R
2c1)(R
2c2)(R
2c3)である。他の実施形態では、R
2cは、OCH
2CH
2R
2c3である。他の実施形態では、R
2cは、OCH
2CH
2N(R
2c6)(R
2c7)である。他の実施形態では、R
2cは、
【化25】
である。他の実施形態では、R
2cは、OCH
2CH
2OH、OCH
2CH
2OCH
3、又はOCH
2CH
2OCHF
2である。他の実施形態では、R
2cは、OCH
2CH(CH
3)R
2c3である。他の実施形態では、R
2cは、OCH
2CH(CH
3)OCH
3である。他の実施形態では、R
2cは、OCH
2C(O)R
2c3である。他の実施形態では、R
2cは、OCH
2C(O)N(R
2c6)(R
2c7)。他の実施形態では、R
2cは、OCH
2C(O)N(CH
3)
2である。他の実施形態では、R
2cは、OCH
2CH(R
2c2)(R
2c3)である。他の実施形態では、R
2cは、
【化26】
である。他の実施形態では、R
2cは、O-CH(R
2c4)(R
2c5)である。他の実施形態では、R
2cは、
【化27】
である。
【0078】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I)、(I-A)、(I-B)、(I-C)、及び(I-D)のうちのいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩に関し、式中、X3cは、C-R3cである。他の実施形態では、X3cは、C-R3cであり、R3cは、ハロである。他の実施形態では、X3cは、C-R3cであり、R3cは、Fである。他の実施形態では、X3cは、C-R3cであり、R3cは、C1-C6アルキルである。他の実施形態では、X3cは、C-R3cであり、R3cは、CH3である。
【0079】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I-A-1)、(I-A-2)、(I-A-3)、(I-B-1)、(I-B-2)、(I-B-3)、(I-C-1)、(I-C-2)、(I-C-3)、(I-D-1)、(I-D-2)、(I-D-3)、及び(I-D-4)のうちのいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩に関し、R3cは、ハロである。他の実施形態では、R3cは、Fである。他の実施形態では、R3cは、C1-C6アルキルである。他の実施形態では、R3cは、CH3である。
【0080】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I)、(I-A)、(I-B)、(I-C)、及び(I-D)のうちのいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩に関し、式中、X4cは、C-R4cである。他の実施形態では、X4cは、C-R4cであり、R4cは、ハロである。他の実施形態では、X4cは、C-R4cであり、R4cは、Fである。
【0081】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I-A-1)、(I-A-2)、(I-A-3)、(I-B-1)、(I-B-2)、(I-B-3)、(I-C-1)、(I-C-2)、(I-C-3)、(I-D-1)、(I-D-2)、(I-D-3)、及び(I-D-4)のうちのいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩に関し、R4cは、ハロである。他の実施形態では、R4cは、Fである。
【0082】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I)、(I-A)、(I-B)、(I-C)、及び(I-D)のうちのいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩に関し、式中、X5cは、C-R5cである。他の実施形態では、X5cは、C-R5cであり、R5cは、Hである。
【0083】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I)、(I-A)、(I-B)、(I-C)、及び(I-D)のうちのいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩に関し、式中、X6cは、C-R6cである。他の実施形態では、X6cは、C-R6cであり、R6cは、Hである。
【0084】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I)、(I-A)、(I-A-1)、(I-A-2)、(I-A-3)、(I-B)、(I-B-1)、(I-B-2)、(I-B-3)、(I-C)、(I-C-1)、(I-C-2)、(I-C-3)、(I-D)、(I-D-1)、(I-D-2)、(I-D-3)、及び(I-D-4)のうちのいずれか1つの化合物、又はその任意の実施形態、すなわち、非塩形態の化合物に関する。
【0085】
いくつかの実施形態では、本発明は、表Aから選択される化合物、又はその薬学的に許容される塩に関する。他の実施形態では、本発明は、表Aから選択される化合物、すなわち、非塩形態の化合物に関する。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【0086】
いくつかの実施形態では、本発明は、以下の式の化合物、
【化28】
,
又はその薬学的に許容される塩に関する。他の実施形態では、本発明は、非塩形態の前述の化合物に関する。こうした化合物は、その用語が本明細書で使用されるため、「本発明の化合物」であるとみなされる。
【0087】
いくつかの実施形態では、本発明は、以下の式の化合物、
【化29】
,
又はその薬学的に許容される塩に関する。他の実施形態では、本発明は、非塩形態の前述の化合物に関する。こうした化合物は、その用語が本明細書で使用されるため、「本発明の化合物」であるとみなされる。
【0088】
いくつかの実施形態では、本発明は、以下の式の化合物、
【化30】
,
又はその薬学的に許容される塩に関する。他の実施形態では、本発明は、非塩形態の前述の化合物に関する。こうした化合物は、その用語が本明細書で使用されるため、「本発明の化合物」であるとみなされる。
【0089】
いくつかの実施形態では、本発明は、以下の式の化合物、
【化31】
,
又はその薬学的に許容される塩に関する。他の実施形態では、本発明は、非塩形態の前述の化合物に関する。こうした化合物は、その用語が本明細書で使用されるため、「本発明の化合物」であるとみなされる。
【0090】
いくつかの実施形態では、本発明は、以下の式の化合物、
【化32】
,
又はその薬学的に許容される塩に関する。他の実施形態では、本発明は、非塩形態の前述の化合物に関する。こうした化合物は、その用語が本明細書で使用されるため、「本発明の化合物」であるとみなされる。
【0091】
いくつかの実施形態では、本発明は、以下の式の化合物、
【化33】
,
又はその薬学的に許容される塩に関する。他の実施形態では、本発明は、非塩形態の前述の化合物に関する。こうした化合物は、その用語が本明細書で使用されるため、「本発明の化合物」であるとみなされる。
【0092】
いくつかの実施形態では、本発明は、以下の式の化合物、
【化34】
,
又はその薬学的に許容される塩に関する。他の実施形態では、本発明は、非塩形態の前述の化合物に関する。こうした化合物は、その用語が本明細書で使用されるため、「本発明の化合物」であるとみなされる。
【0093】
いくつかの実施形態では、本発明は、以下の式の化合物、
【化35】
,
又はその薬学的に許容される塩に関する。他の実施形態では、本発明は、非塩形態の前述の化合物に関する。こうした化合物は、その用語が本明細書で使用されるため、「本発明の化合物」であるとみなされる。
【0094】
いくつかの実施形態では、本発明は、以下の式の化合物、
【化36】
,
又はその薬学的に許容される塩に関する。他の実施形態では、本発明は、非塩形態の前述の化合物に関する。こうした化合物は、その用語が本明細書で使用されるため、「本発明の化合物」であるとみなされる。
【0095】
いくつかの実施形態では、本発明は、以下の式の化合物、
【化37】
,
又はその薬学的に許容される塩に関する。他の実施形態では、本発明は、非塩形態の前述の化合物に関する。こうした化合物は、その用語が本明細書で使用されるため、「本発明の化合物」であるとみなされる。
【0096】
いくつかの実施形態では、本発明は、以下の式の化合物、
【化38】
,
又はその薬学的に許容される塩に関する。他の実施形態では、本発明は、非塩形態の前述の化合物に関する。こうした化合物は、その用語が本明細書で使用されるため、「本発明の化合物」であるとみなされる。
【0097】
いくつかの実施形態では、本発明は、以下の式の化合物、
【化39】
,
又はその薬学的に許容される塩に関する。他の実施形態では、本発明は、非塩形態の前述の化合物に関する。こうした化合物は、その用語が本明細書で使用されるため、「本発明の化合物」であるとみなされる。
【0098】
いくつかの実施形態では、本発明は、以下の式の化合物、
【化40】
,
又はその薬学的に許容される塩に関する。他の実施形態では、本発明は、非塩形態の前述の化合物に関する。こうした化合物は、その用語が本明細書で使用されるため、「本発明の化合物」であるとみなされる。
【0099】
いくつかの実施形態では、本発明は、以下の式の化合物、
【化41】
,
又はその薬学的に許容される塩に関する。他の実施形態では、本発明は、非塩形態の前述の化合物に関する。こうした化合物は、その用語が本明細書で使用されるため、「本発明の化合物」であるとみなされる。
【0100】
いくつかの実施形態では、本発明は、以下の式の化合物、
【化42】
,
又はその薬学的に許容される塩に関する。他の実施形態では、本発明は、非塩形態の前述の化合物に関する。こうした化合物は、その用語が本明細書で使用されるため、「本発明の化合物」であるとみなされる。
【0101】
いくつかの実施形態では、本発明は、以下の式の化合物、
【化43】
,
又はその薬学的に許容される塩に関する。他の実施形態では、本発明は、非塩形態の前述の化合物に関する。こうした化合物は、その用語が本明細書で使用されるため、「本発明の化合物」であるとみなされる。
【0102】
いくつかの実施形態では、本発明は、以下の式の化合物、
【化44】
,
又はその薬学的に許容される塩に関する。他の実施形態では、本発明は、非塩形態の前述の化合物に関する。こうした化合物は、その用語が本明細書で使用されるため、「本発明の化合物」であるとみなされる。
【0103】
いくつかの実施形態では、本発明は、以下の式の化合物、
【化45】
,
又はその薬学的に許容される塩に関し、化合物は、実施例2のステップ2に記載されるように、(2R,3S,4S,5R)-N-(7-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[b]ピリジン-3-イル)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミドの2つのジアステレオ異性体がSFCによって分離されるとき、第2の溶出する異性体に対応する絶対及び相対立体化学を有する。他の実施形態では、本発明は、非塩形態の前述の化合物に関する。こうした化合物は、その用語が本明細書で使用されるため、「本発明の化合物」であるとみなされる。
【0104】
塩、組成物、使用、製剤、投与、及び追加の薬剤
薬学的に許容される塩及び組成物
本明細書で議論されるように、本発明は、電位依存性ナトリウムチャネルの阻害剤である、化合物及びその薬学的に許容される塩を提供し、したがって、本化合物及びその薬学的に許容される塩は、これらに限定されないが、慢性疼痛、腸の疼痛、神経障害性疼痛、筋骨格系疼痛、急性疼痛、炎症性疼痛、がんの疼痛、特発性疼痛、術後の疼痛(例えば、腱膜瘤切除術の疼痛、ヘルニア縫合術の疼痛、又は腹壁形成術の疼痛)、内蔵痛、多発性硬化症、シャルコー・マリー・トゥース病、失禁、病的な咳、又は心不整脈を含む疾患、障害、及び状態の治療に有用である。したがって、本発明の別の態様では、医薬組成物が提供され、これらの組成物は、本明細書に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含み、必要に応じて、薬学的に許容される担体、アジュバント、又はビヒクルを含む。ある特定の実施形態では、これらの組成物は、必要に応じて、1つ以上の追加の治療薬を更に含む。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ナトリウムチャネル阻害剤である。
【0105】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」という用語は、健全な医学的判断の範囲内において、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などなしにヒト及び下等動物の組織と接触しての使用に好適であり、かつ合理的な利益/リスク比に見合った塩を指す。本発明の化合物の「薬学的に許容される塩」は、レシピエントへの投与時に、本開示の化合物又は阻害活性代謝物若しくはその残基を直接的又は間接的のいずれかで提供することが可能である、任意の非毒性の塩を含む。塩は、純粋な形態、1つ以上の他の物質との混合物(例えば、溶液、懸濁液、又はコロイド)、又は水和物、溶媒和物、若しくは共結晶の形態であってもよい。本明細書で使用される場合、「阻害活性代謝物又はその残基」という用語は、代謝物又はその残基が電位依存性ナトリウムチャネルの阻害剤でもあることを意味する。
【0106】
薬学的に許容される塩は、当該技術分野で周知である。例えば、S.M.Berge,et al.は、参照により本明細書に組み込まれるJ.Pharmaceutical Sciences,1977,66,1-19に詳細に薬学的に許容される塩を記載する。本発明の化合物の薬学的に許容される塩は、好適な無機及び有機酸並びに塩基に由来するものを含む。薬学的に許容される無毒の酸付加塩の例には、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、及び過塩素酸などの無機酸、又は酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、若しくはマロン酸などの有機酸で形成されるか、又はイオン交換などの当該技術分野で使用されている他の方法を使用することによって形成される、アミノ基の塩である。他の薬学的に許容される塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、カンファー酸塩(camphorate)、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。適切な塩基に由来する塩には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、及びN+(C1-4アルキル)4塩を含む。代表的なアルカリ又はアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。更なる薬学的に許容される塩には、適切である場合、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩、及びアリールスルホン酸塩などの対イオンを使用して形成される無毒のアンモニウム、四級アンモニウム、及びアミンカチオンが挙げられる。
【0107】
本明細書で使用される場合、本発明の薬学的に許容される組成物は、加えて、本明細書で使用されるように、望まれる特定の剤形に適した、あらゆる全ての溶媒、希釈剤、又は他の液体ビヒクル、分散補助剤若しくは懸濁補助剤、表面活性剤、等張剤、増粘剤若しくは乳化剤、保存剤、固体結合剤、滑沢剤などを含む、薬学的に許容される担体、アジュバント、又はビヒクルを含む。Remington’s Pharmaceutical Sciences,Sixteenth Edition,E.W.Martin(Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1980)は、薬学的に許容される組成物の製剤化に使用される様々な担体及びその調製のための既知の技術を開示する。任意の従来の担体媒体が、例えば、任意の望ましくない生物学的効果をもたらすか、又はそうでなければ薬学的に許容される組成物の任意の他の成分と有害な様式で相互作用することなどによって、本発明の化合物と不適合性になる場合を除いて、その使用が本開示の範囲内であることが企図される。薬学的に許容される担体として役立ち得る材料のいくつかの例としては、これらに限定されないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝物質(例えば、リン酸塩、グリシン、ソルビン酸、及びソルビン酸カリウムなど)、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩、又は電解質(例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩)、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、羊毛脂、糖(例えば、ラクトース、グルコース、及びスクロース)、デンプン(例えば、トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン)、セルロース及びその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、及び酢酸セルロース)、粉末トラガント、麦芽、ゼラチン、タルク、賦形剤(例えば、ココアバター及び座薬ワックス)、油(例えば、ピーナッツ油、綿実油、紅花油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及び大豆油)、グリコール(例えば、プロピレングリコール及びポリエチレングリコール)、エステル(例えば、オレイン酸エチル及びラウリン酸エチル)、寒天、緩衝剤(例えば、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム)、アルギン酸、パイロジェンフリー水、等張生理食塩水、リンガー溶液、エチルアルコール、リン酸緩衝溶液、並びに他の非毒性の適合性滑沢剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウム)、並びに着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、風味剤、及び芳香剤が挙げられ、保存剤及び抗酸化剤もまた、配合者の判断に従って組成物中に存在し得る。
【0108】
別の態様では、本発明は、本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を特徴とする。
【0109】
別の態様では、本発明は、治療有効量の化合物又はその薬学的に許容される塩と、1つ以上の薬学的に許容される担体又はビヒクルとを含む医薬組成物を特徴とする。
【0110】
化合物並びに薬学的に許容される塩及び組成物の使用
別の態様では、本発明は、対象において電位依存性ナトリウムチャネルを阻害する方法を特徴とし、方法は、本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはその医薬組成物を対象に投与することを含む。別の態様では、電位依存性ナトリウムチャネルは、NaV1.8である。
【0111】
更に別の態様では、本発明は、慢性疼痛、腸の疼痛、神経障害性疼痛、筋骨格系疼痛、急性疼痛、炎症性疼痛、がんの疼痛、特発性疼痛、術後の疼痛(例えば、腱膜瘤切除術の疼痛、ヘルニア縫合術の疼痛、又は腹壁形成術の疼痛)、内蔵痛、多発性硬化症、シャルコー・マリー・トゥース病、失禁、病的な咳、又は心不整脈を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法を特徴とし、方法は、有効量の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物を投与することを含む。
【0112】
更に別の態様では、本発明は、慢性疼痛、腸の疼痛、神経障害性疼痛、筋骨格系疼痛、急性疼痛、炎症性疼痛、がんの疼痛、特発性疼痛、術後の疼痛、ヘルニア縫合術の疼痛、腱膜瘤切除術の疼痛、多発性硬化症、シャルコー・マリー・トゥース病、失禁、又は心不整脈を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法を特徴とし、方法は、有効量の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物を投与することを含む。
【0113】
更に別の態様では、本発明は、腸の疼痛を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法を特徴とし、腸の疼痛は、炎症性腸疾患疼痛、クローン病の疼痛、又は間質性膀胱炎の疼痛を含み、当該方法は、有効量の本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物を投与することを含む。
【0114】
更に別の態様では、本発明は、有効量の本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物を投与することを含む、神経障害性疼痛を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法を特徴とする。いくつかの態様では、神経障害性疼痛は、帯状疱疹後神経痛、小径線維ニューロパチー、糖尿病性ニューロパチー、又は特発性小径線維ニューロパチーを含む。いくつかの態様では、神経障害性疼痛は、糖尿病性ニューロパチー(例えば、糖尿病性末梢ニューロパチー)を含む。本明細書で使用される場合、「特発性小径線維ニューロパチー」という語句は、任意の小径線維ニューロパチーを含むと理解されるものとする。
【0115】
更に別の態様では、本発明は、神経障害性疼痛を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法を特徴とし、神経障害性疼痛は、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性ニューロパチー、痛みを伴うHIV関連感覚神経障害、三叉神経痛、口腔灼熱症候群、切断手術後の疼痛、幻肢痛、痛みを伴う神経腫;外傷性神経腫;モートン神経腫;神経絞扼損傷、脊柱管狭窄症、手根管症候群、神経根痛、坐骨神経痛;神経引き抜き損傷、腕神経叢引き抜き損傷;複合性局所疼痛症候群、薬物療法誘発性神経障害、がん化学療法誘発性神経障害、抗レトロウイルス療法誘発性神経障害;脊髄損傷後の疼痛、小径線維ニューロパチー、特発性小径線維ニューロパチー、特発性感覚ニューロパチー、又は三叉神経・自律神経性頭痛を含み、当該方法は、有効量の本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物を投与することを含む。
【0116】
更に別の態様では、本発明は、有効量の本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物を投与することを含む、筋骨格系疼痛を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法を特徴とする。いくつかの態様では、筋骨格系疼痛は、変形性関節症を含む。
【0117】
更に別の態様では、本発明は、筋骨格系疼痛を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法を特徴とし、筋骨格系疼痛は、変形性関節症、背痛、冷痛、熱傷疼痛、又は歯痛を含み、当該方法は、有効量の本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物を投与することを含む。
【0118】
更に別の態様では、本発明は、炎症性疼痛を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法を特徴とし、炎症性疼痛は、関節リウマチの疼痛又は外陰痛を含み、当該方法は、有効量の本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物を投与することを含む。
【0119】
更に別の態様では、本発明は、炎症性疼痛を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法を特徴とし、炎症性疼痛は、関節リウマチの疼痛を含み、当該方法は、有効量の本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物を投与することを含む。
【0120】
更に別の態様では、本発明は、特発性疼痛を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法を特徴とし、特発性疼痛は、線維筋痛症の疼痛を含み、当該方法は、有効量の本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物を投与することを含む。
【0121】
更に別の態様では、本発明は、病的な咳を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法を特徴とし、当該方法は、有効量の本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物を投与することを含む。
【0122】
更に別の態様では、本発明は、有効量の本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物を投与することを含む、急性疼痛を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法を特徴とする。いくつかの態様では、急性疼痛は、急性術後疼痛を含む。
【0123】
更に別の態様では、本発明は、有効量の本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物を投与することを含む、術後の疼痛(例えば、関節置換術の疼痛、軟部組織手術の疼痛、ヘルニア縫合術の疼痛、腱膜瘤切除術の疼痛、又は腹壁形成術の疼痛)を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法を特徴とする。
【0124】
更に別の態様では、本発明は、有効量の本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物を投与することを含む、腱膜瘤切除術を治療する又はその疼痛の対象における重症度を軽減する方法を特徴とする。
【0125】
更に別の態様では、本発明は、有効量の本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物を投与することを含む、ヘルニア縫合術を治療する又はその疼痛の対象における重症度を軽減する方法を特徴とする。
【0126】
更に別の態様では、本発明は、有効量の本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物を投与することを含む、腹壁形成術を治療する又はその疼痛の対象における重症度を軽減する方法を特徴とする。
【0127】
更に別の態様では、本発明は、有効量の本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物を投与することを含む、内臓痛を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法を特徴とする。いくつかの態様では、内臓痛は、腹壁形成術による内臓痛を含む。
【0128】
更に別の態様では、本発明は、有効量の本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物を投与することを含む、神経変性疾患を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法を特徴とする。いくつかの態様では、神経変性疾患は、多発性硬化症を含む。いくつかの態様では、神経変性疾患は、ピット・ホプキンス症候群(PTHS)を含む。
【0129】
更に別の態様では、本発明は、対象が、有効量の化合物、薬学的に許容される塩、又は医薬組成物による治療と同時に、その前に、又はその後に投与される1つ以上の追加の治療薬で治療される方法を特徴とする。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ナトリウムチャネル阻害剤である。
【0130】
別の態様では、本発明は、生体試料中の電位依存性ナトリウムチャネルを阻害する方法を特徴とし、方法は、生体試料を、有効量の本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物と接触させることを含む。別の態様では、電位依存性ナトリウムチャネルは、NaV1.8である。
【0131】
別の態様では、本発明は、急性疼痛、亜急性及び慢性疼痛、侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、炎症性疼痛、痛覚変調性疼痛、関節炎、片頭痛、群発頭痛、三叉神経痛、帯状疱疹神経痛、一般的な神経痛、てんかん、てんかんの状態、神経変性障害、精神科障害、不安、うつ病、双極性障害、筋強直症、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調症、多発性硬化症の中枢性神経障害性疼痛及び過敏性腸症候群、失禁、病的な咳、内臓痛、変形性関節症、疱疹症後神経痛、糖尿病性神経障害、神経根痛、坐骨神経痛、背痛、不特定の慢性背痛、頭痛、頚部痛、中等度の疼痛、重度の疼痛、難治性疼痛、侵害受容性疼痛、突出痛、術後の疼痛(例えば、関節置換術の疼痛、軟部組織手術の疼痛、ヘルニア縫合術の疼痛、腱膜瘤切除術の疼痛、又は腹壁形成術の疼痛)、慢性がん疼痛及びがん突出痛を含むがん疼痛、脳卒中(例えば、脳卒中後の中枢性神経障害性疼痛)、外傷性頸部症候群、脆弱性骨折、脊椎骨折、強直性脊椎炎、天疱瘡、レイノー病、強皮症、全身性エリテマトーデス、表皮水疱症、痛風、若年性特発性関節炎、流蝋骨症、リウマチ性多発筋痛症、壊疽性膿皮症、慢性的な広範囲の疼痛、びまん性特発性骨増殖症、椎間板変性症/ヘルニア痛、神経根障害、椎間関節症候群、脊椎手術失敗症候群、熱傷、手根管症候群、パジェット病の疼痛、脊柱管狭窄症、脊椎椎間板炎、横断性脊髄炎、エーラス・ダンロス症候群、ファブリー病、肥満細胞症、神経線維腫症、眼神経障害性疼痛、サルコイドーシス、脊椎分離症、脊椎すべり症、化学療法誘発性口腔粘膜炎、シャルコー関節症、顎関節症、痛みを伴う人工膝関節置換術、非心臓性胸痛、陰部、腎疝痛、胆道疾患、血管性下肢潰瘍、パーキンソン病での疼痛、アルツハイマー病での疼痛、脳虚血、外傷性脳損傷、筋萎縮性側索硬化症、ストレス誘発性狭心症、運動誘発性狭心症、動悸、高血圧、又は異常な胃腸運動を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法を特徴とし、方法は、有効量の本発明の化合物、その薬学的に許容される塩又はその医薬組成物を投与することを含む。
【0132】
別の態様では、本発明は、大腿骨がんの疼痛;非悪性慢性骨痛;関節リウマチ;変形性関節症;脊髄狭窄症;神経障害性腰痛;筋膜性疼痛症候群;線維筋痛症;顎関節痛;慢性内臓痛、腹部痛;脾臓の疼痛;IBSの疼痛;慢性及び急性頭痛の疼痛;片頭痛;緊張性頭痛;群発頭痛;慢性及び急性神経障害性疼痛、帯状疱疹後神経痛;糖尿病性神経障害;HIV関連神経障害;三叉神経痛;シャルコー・マリー・トゥース神経障害;遺伝性感覚神経障害;末梢神経損傷;痛みを伴う神経腫;異所性の近位及び遠位分泌物;神経根症;化学療法誘発性神経障害性疼痛;放射線療法誘発性神経障害性疼痛;持続性/慢性の術後の疼痛(例えば、切断手術後、開胸術後、心臓手術後)、乳房切除後の疼痛;中枢性疼痛;脊髄損傷の疼痛;脳卒中後の疼痛;視床痛;幻肢痛(例えば、下肢、上肢、乳房の切除後);難治性疼痛;急性疼痛、急性術後疼痛;急性筋骨格系疼痛;関節痛;機械性腰痛;頸部痛;腱鞘炎;損傷の疼痛;運動の疼痛;急性内臓痛;腎盂腎炎;虫垂炎;胆嚢炎;腸閉塞;ヘルニア;胸痛、心臓痛;骨盤の疼痛、腎疝痛の疼痛、急性産科痛、陣痛;帝王切開の疼痛;急性炎症性疼痛、熱傷の疼痛、外傷性疼痛;急性間欠性疼痛、子宮内膜症;急性帯状疱疹の疼痛;鎌状赤血球症;急性膵炎;突出痛;口腔顔面痛;副鼻腔炎の疼痛;歯痛;多発性硬化症(MS)の疼痛;うつ病での疼痛;ハンセン病の疼痛;ベーチェット病の疼痛;有痛脂肪症;静脈炎の疼痛;ギラン・バレー症候群の疼痛;痛む脚と動く足趾;ハグルンド症候群;肢端紅痛症の疼痛;ファブリー病の疼痛;膀胱及び泌尿生殖器疾患;尿失禁、病的な咳;過活動膀胱;膀胱痛症候群;間質性膀胱炎(IC);前立腺炎;局所疼痛症候群(CRPS)I型、複合性局所疼痛症候群(CRPS)II型;広範囲の疼痛、発作性激痛、掻痒症、耳鳴り、又は狭心症誘発性疼痛を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法を特徴とし、方法は、有効量の本発明の化合物、その薬学的に許容される塩又はその医薬組成物を投与することを含む。
【0133】
使用のための化合物、薬学的に許容される塩、及び組成物
別の態様では、本発明は、薬剤として使用するための本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは医薬組成物を特徴とする。
【0134】
別の態様では、本発明は、対象における電位依存性ナトリウムチャネルを阻害する方法で使用するための、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは医薬組成物を特徴とする。別の態様では、電位依存性ナトリウムチャネルは、NaV1.8である。
【0135】
別の態様では、本発明は、慢性疼痛、腸の疼痛、神経障害性疼痛、筋骨格系疼痛、急性疼痛、炎症性疼痛、がんの疼痛、特発性疼痛、術後の疼痛(例えば、ヘルニア縫合術の疼痛、腱膜瘤切除術の疼痛、又は腹壁形成術の疼痛)、内蔵痛、多発性硬化症、シャルコー・マリー・トゥース病、失禁、病的な咳、又は心不整脈を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法で使用するための、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくはその医薬組成物を特徴とする。
【0136】
別の態様では、本発明は、慢性疼痛、腸の疼痛、神経障害性疼痛、筋骨格系疼痛、急性疼痛、炎症性疼痛、がんの疼痛、特発性疼痛、術後の疼痛、ヘルニア縫合術の疼痛、腱膜瘤切除術の疼痛、多発性硬化症、シャルコー・マリー・トゥース病、失禁、又は心不整脈を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法で使用するための、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくはその医薬組成物を特徴とする。
【0137】
別の態様では、本発明は、腸の疼痛を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法で使用するための、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは医薬組成物を特徴とし、腸の疼痛は、炎症性腸疾患の疼痛、クローン病の疼痛、又は間質性膀胱炎の疼痛を含む。
【0138】
別の態様では、本発明は、神経障害性疼痛を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法で使用するための、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは医薬組成物を特徴とする。いくつかの態様では、神経障害性疼痛は、帯状疱疹後神経痛、小径線維ニューロパチー、糖尿病性ニューロパチー、又は特発性小径線維ニューロパチーを含む。いくつかの態様では、神経障害性疼痛は、糖尿病性ニューロパチー(例えば、糖尿病性末梢ニューロパチー)を含む。本明細書で使用される場合、「特発性小径線維ニューロパチー」という語句は、任意の小径線維ニューロパチーを含むと理解されるものとする。
【0139】
別の態様では、本発明は、神経障害性疼痛を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法で使用するための、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくはその医薬組成物を特徴とし、神経障害性疼痛は、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性ニューロパチー、痛みを伴うHIV関連感覚神経障害、三叉神経痛、口腔灼熱症候群、切断手術後の疼痛、幻肢痛、痛みを伴う神経腫;外傷性神経腫;モートン神経腫;神経絞扼損傷、脊柱管狭窄症、手根管症候群、神経根痛、坐骨神経痛;神経引き抜き損傷、腕神経叢引き抜き損傷;複合性局所疼痛症候群、薬物療法誘発性神経障害、がん化学療法誘発性神経障害、抗レトロウイルス療法誘発性神経障害;脊髄損傷後の疼痛、小径線維ニューロパチー、特発性小径線維ニューロパチー、特発性感覚ニューロパチー、又は三叉神経・自律神経性頭痛を含む。
【0140】
別の態様では、本発明は、筋骨格系疼痛を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法で使用するための、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは医薬組成物を特徴とする。いくつかの態様では、筋骨格系疼痛は、変形性関節症を含む。
【0141】
別の態様では、本発明は、筋骨格系疼痛を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法で使用するための、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは医薬組成物を特徴とし、筋骨格系疼痛は、変形性関節症、背痛、冷痛、熱傷の疼痛、又は歯痛を含む。
【0142】
別の態様では、本発明は、炎症性疼痛を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法で使用するための、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは医薬組成物を特徴とし、炎症性疼痛は、関節リウマチの疼痛又は外陰痛を含む。
【0143】
別の態様では、本発明は、炎症性疼痛を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法で使用するための、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは医薬組成物を特徴とし、炎症性疼痛は、関節リウマチの疼痛を含む。
【0144】
別の態様では、本発明は、特発性疼痛を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法で使用するための、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは医薬組成物を特徴とし、特発性疼痛は、線維筋痛症の疼痛を含む。
【0145】
別の態様では、本発明は、病的な咳を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法で使用するための、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは医薬組成物を特徴とする。
【0146】
別の態様では、本発明は、急性疼痛を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法で使用するための、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは医薬組成物を特徴とする。いくつかの態様では、急性疼痛は、急性術後疼痛を含む。
【0147】
別の態様では、本発明は、術後の疼痛(例えば、関節置換術の疼痛、軟部組織手術の疼痛、ヘルニア縫合術の疼痛、腱膜瘤切除術の疼痛、又は腹壁形成術の疼痛)を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法で使用するための、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくはその医薬組成物を特徴とする。
【0148】
別の態様では、本発明は、腱膜瘤切除術の疼痛を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法で使用するための、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは医薬組成物を特徴とする。
【0149】
別の態様では、本発明は、ヘルニア縫合術の疼痛を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法で使用するための、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは医薬組成物を特徴とする。
【0150】
別の態様では、本発明は、腹壁形成術の疼痛を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法で使用するための、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは医薬組成物を特徴とする。
【0151】
別の態様では、本発明は、内蔵痛を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法で使用するための、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは医薬組成物を特徴とする。いくつかの態様では、内臓痛は、腹壁形成術による内臓痛を含む。
【0152】
別の態様では、本発明は、神経変性疾患を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法で使用するための、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは医薬組成物を特徴とする。いくつかの態様では、神経変性疾患は、多発性硬化症を含む。いくつかの態様では、神経変性疾患は、ピット・ホプキンス症候群(PTHS)を含む。
【0153】
別の態様では、本発明は、対象は、有効量の化合物、薬学的に許容される塩、又は医薬組成物による治療と同時に、その前に、又はその後に投与される1つ以上の追加の治療薬で治療される方法で使用するための、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは医薬組成物を特徴とする。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ナトリウムチャネル阻害剤である。
【0154】
別の態様では、本発明は、生体試料中の電位依存性ナトリウムチャネルを阻害する方法で使用するための、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは医薬組成物を特徴とし、方法は、生体試料を、有効量の本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物と接触させることを含む。別の態様では、電位依存性ナトリウムチャネルは、NaV1.8である。
【0155】
別の態様では、本発明は、急性疼痛、亜急性及び慢性疼痛、侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、炎症性疼痛、痛覚変調性疼痛、関節炎、片頭痛、群発頭痛、三叉神経痛、帯状疱疹神経痛、一般的な神経痛、てんかん、てんかんの状態、神経変性障害、精神科障害、不安、うつ病、双極性障害、筋強直症、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調症、多発性硬化症の中枢性神経障害性疼痛及び過敏性腸症候群、失禁、病的な咳、内臓痛、変形性関節症、疱疹症後神経痛、糖尿病性神経障害、神経根痛、坐骨神経痛、背痛、不特定の慢性背痛、頭痛、頚部痛、中等度の疼痛、重度の疼痛、難治性疼痛、侵害受容性疼痛、突出痛、術後の疼痛(例えば、関節置換術の疼痛、軟部組織手術の疼痛、ヘルニア縫合術の疼痛、腱膜瘤切除術の疼痛、又は腹壁形成術の疼痛)、慢性がん疼痛及びがん突出痛を含むがん疼痛、脳卒中(例えば、脳卒中後の中枢性神経障害性疼痛)、外傷性頸部症候群、脆弱性骨折、脊椎骨折、強直性脊椎炎、天疱瘡、レイノー病、強皮症、全身性エリテマトーデス、表皮水疱症、痛風、若年性特発性関節炎、流蝋骨症、リウマチ性多発筋痛症、壊疽性膿皮症、慢性的な広範囲の疼痛、びまん性特発性骨増殖症、椎間板変性症/ヘルニア痛、神経根障害、椎間関節症候群、脊椎手術失敗症候群、熱傷、手根管症候群、パジェット病の疼痛、脊柱管狭窄症、脊椎椎間板炎、横断性脊髄炎、エーラス・ダンロス症候群、ファブリー病、肥満細胞症、神経線維腫症、眼神経障害性疼痛、サルコイドーシス、脊椎分離症、脊椎すべり症、化学療法誘発性口腔粘膜炎、シャルコー関節症、顎関節症、痛みを伴う人工膝関節置換術、非心臓性胸痛、陰部、腎疝痛、胆道疾患、血管性下肢潰瘍、パーキンソン病での疼痛、アルツハイマー病での疼痛、脳虚血、外傷性脳損傷、筋萎縮性側索硬化症、ストレス誘発性狭心症、運動誘発性狭心症、動悸、高血圧、又は異常な胃腸運動を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法で使用するための、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは医薬組成物を特徴とする。
【0156】
別の態様では、本発明は、大腿骨がんの疼痛;非悪性慢性骨痛;関節リウマチ;変形性関節症;脊髄狭窄症;神経障害性腰痛;筋膜性疼痛症候群;線維筋痛症;顎関節痛;慢性内臓痛、腹部痛;脾臓の疼痛;IBSの疼痛;慢性及び急性頭痛の疼痛;片頭痛;緊張性頭痛;群発頭痛;慢性及び急性神経障害性疼痛、帯状疱疹後神経痛;糖尿病性神経障害;HIV関連神経障害;三叉神経痛;シャルコー・マリー・トゥース神経障害;遺伝性感覚神経障害;末梢神経損傷;痛みを伴う神経腫;異所性の近位及び遠位分泌物;神経根症;化学療法誘発性神経障害性疼痛;放射線療法誘発性神経障害性疼痛;持続性/慢性の術後の疼痛(例えば、切断手術後、開胸術後、心臓手術後)、乳房切除後の疼痛;中枢性疼痛;脊髄損傷の疼痛;脳卒中後の疼痛;視床痛;幻肢痛(例えば、下肢、上肢、乳房の切除後);難治性疼痛;急性疼痛、急性術後疼痛;急性筋骨格系疼痛;関節痛;機械性腰痛;頸部痛;腱鞘炎;損傷の疼痛;運動の疼痛;急性内臓痛;腎盂腎炎;虫垂炎;胆嚢炎;腸閉塞;ヘルニア;胸痛、心臓痛;骨盤の疼痛、腎疝痛の疼痛、急性産科痛、陣痛;帝王切開の疼痛;急性炎症性疼痛、熱傷の疼痛、外傷性疼痛;急性間欠性疼痛、子宮内膜症;急性帯状疱疹の疼痛;鎌状赤血球症;急性膵炎;突出痛;口腔顔面痛;副鼻腔炎の疼痛;歯痛;多発性硬化症(MS)の疼痛;うつ病での疼痛;ハンセン病の疼痛;ベーチェット病の疼痛;有痛脂肪症;静脈炎の疼痛;ギラン・バレー症候群の疼痛;痛む脚と動く足趾;ハグルンド症候群;肢端紅痛症の疼痛;ファブリー病の疼痛;膀胱及び泌尿生殖器疾患;尿失禁、病的な咳;過活動膀胱;膀胱痛症候群;間質性膀胱炎(IC);前立腺炎;局所疼痛症候群(CRPS)I型、複合性局所疼痛症候群(CRPS)II型;広範囲の疼痛、発作性激痛、掻痒症、耳鳴り、又は狭心症誘発性疼痛を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法で使用するための、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは医薬組成物を特徴とする。
【0157】
別の態様では、本発明は、三叉神経痛、ボトックスで治療された片頭痛、頚椎症性神経根症、後頭神経痛、腋窩神経障害、橈骨神経障害、尺骨神経障害、腕神経叢障害、胸椎神経根障害、肋間神経痛、腰仙部神経根障害、腸骨鼠径神経痛、陰部神経痛、大腿神経障害、感覚異常性大腿痛、伏在神経障害、坐骨神経障害、腓骨神経障害、脛骨神経障害、腰仙部神経叢障害、外傷性神経腫の断端痛、又は切断手術後の疼痛を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法で使用するための、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは医薬組成物を特徴とする。
【0158】
薬剤の製造
別の態様では、本発明は、薬剤の製造のための本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは医薬組成物の使用を提供する。
【0159】
別の態様では、本発明は、電位依存性ナトリウムチャネルの阻害に使用するための薬剤の製造のための、本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物の使用を提供する。別の態様では、電位依存性ナトリウムチャネルは、NaV1.8である。
【0160】
更に別の態様では、本発明は、慢性疼痛、腸の疼痛、神経障害性疼痛、筋骨格系疼痛、急性疼痛、炎症性疼痛、がんの疼痛、特発性疼痛、術後の疼痛(例えば、ヘルニア縫合術の疼痛、腱膜瘤切除術の疼痛、又は腹壁形成術の疼痛)、内蔵痛、多発性硬化症、シャルコー・マリー・トゥース病、失禁、病的な咳、又は心不整脈の治療又はその対象における重症度の軽減に使用するための薬剤の製造のための、本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物の使用を提供する。
【0161】
更に別の態様では、本発明は、慢性疼痛、腸の疼痛、神経障害性疼痛、筋骨格系疼痛、急性疼痛、炎症性疼痛、がんの疼痛、特発性疼痛、術後の疼痛、ヘルニア縫合術の疼痛、腱膜瘤切除術の疼痛、多発性硬化症、シャルコー・マリー・トゥース病、失禁、又は心不整脈の治療又はその対象における重症度の軽減に使用するための薬剤の製造のための、本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物の使用を提供する。
【0162】
更に別の態様では、本発明は、腸の疼痛の治療又はその対象における重症度の軽減に使用するための薬剤の製造のための、本明細書に記載の化合物、薬学的に許容される塩、又は医薬組成物の使用を提供し、腸の疼痛は、炎症性腸疾患の疼痛、クローン病の疼痛、又は間質性膀胱炎の疼痛を含む。
【0163】
更に別の態様では、本発明は、神経障害性疼痛の治療又はその対象における重症度の軽減に使用するための薬剤の製造のための、本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物を提供する。いくつかの態様では、神経障害性疼痛は、帯状疱疹後神経痛、小径線維ニューロパチー、糖尿病性ニューロパチー、又は特発性小径線維ニューロパチーを含む。いくつかの態様では、神経障害性疼痛は、糖尿病性ニューロパチー(例えば、糖尿病性末梢ニューロパチー)を含む。
【0164】
更に別の態様では、本発明は、神経障害性疼痛の治療又はその対象における重症度の軽減に使用するための薬剤の製造のための、本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物の使用を提供し、神経障害性疼痛は、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性ニューロパチー、痛みを伴うHIV関連感覚神経障害、三叉神経痛、口腔灼熱症候群、切断手術後の疼痛、幻肢痛、痛みを伴う神経腫;外傷性神経腫;モートン神経腫;神経絞扼損傷、脊柱管狭窄症、手根管症候群、神経根痛、坐骨神経痛;神経引き抜き損傷、腕神経叢引き抜き損傷;複合性局所疼痛症候群、薬物療法誘発性神経障害、がん化学療法誘発性神経障害、抗レトロウイルス療法誘発性神経障害;脊髄損傷後の疼痛、小径線維ニューロパチー、特発性小径線維ニューロパチー、特発性感覚ニューロパチー、又は三叉神経・自律神経性ニューロパチーを含む。
【0165】
更に別の態様では、本発明は、筋骨格系疼痛の治療又はその対象における重症度の軽減に使用するための薬剤の製造のための、本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物の使用を提供する。いくつかの態様では、筋骨格系疼痛は、変形性関節症を含む。
【0166】
更に別の態様では、本発明は、筋骨格系疼痛の治療又はその対象における重症度の軽減に使用するための薬剤の製造のための、本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物の使用を提供し、筋骨格系疼痛は、変形性関節症、背痛、冷痛、熱傷の疼痛、又は歯痛を含む。
【0167】
更に別の態様では、本発明は、炎症性疼痛の治療又はその対象における重症度の軽減に使用するための医薬品の製造のための、本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物の使用を提供し、炎症性疼痛は、関節リウマチの疼痛又は外陰痛を含む。
【0168】
更に別の態様では、本発明は、炎症性疼痛の治療又はその対象における重症度の軽減に使用するための医薬品の製造のための、本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物の使用を提供し、炎症性疼痛は、関節リウマチの疼痛を含む。
【0169】
更に別の態様では、本発明は、特発性疼痛の治療又はその対象における重症度の軽減に使用するための医薬品の製造のための、本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物の使用を提供し、特発性疼痛は、線維筋痛症の疼痛を含む。
【0170】
更に別の態様では、本発明は、病的な咳の治療又はその対象における重症度の軽減に使用するための薬剤の製造のための、本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物の使用を提供する。
【0171】
更に別の態様では、本発明は、急性疼痛の治療又はその対象における重症度の軽減に使用するための薬剤の製造のための、本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物の使用を提供する。いくつかの態様では、急性疼痛は、急性術後疼痛を含む。
【0172】
更に別の態様では、本発明は、術後の疼痛(例えば、関節置換術の疼痛、軟部組織手術の疼痛、ヘルニア縫合術の疼痛、腱膜瘤切除術の疼痛、又は腹壁形成術の疼痛)の治療又はその対象における重症度の軽減に使用するための薬剤の製造のための、本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物の使用を提供する。
【0173】
更に別の態様では、本発明は、ヘルニア縫合術の疼痛の治療又はその対象における重症度の軽減に使用するための薬剤の製造のための、本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物の使用を提供する。
【0174】
更に別の態様では、本発明は、腱膜瘤切除術の疼痛の治療又はその対象における重症度の軽減に使用するための薬剤の製造のための、本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物の使用を提供する。
【0175】
更に別の態様では、本発明は、腹壁形成術の疼痛の治療又はその対象における重症度の軽減に使用するための薬剤の製造のための、本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物の使用を提供する。
【0176】
更に別の態様では、本発明は、内臓痛の治療又はその対象における重症度の軽減に使用するための薬剤の製造のための、本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物の使用を提供する。いくつかの態様では、内臓痛は、腹壁形成術による内臓痛を含む。
【0177】
別の態様では、本発明は、神経変性疾患の治療又はその対象における重症度の軽減に使用するための薬剤の製造のための、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは医薬組成物を特徴とする。いくつかの態様では、神経変性疾患は、多発性硬化症を含む。いくつかの態様では、神経変性疾患は、ピット・ホプキンス症候群(PTHS)を含む。
【0178】
更に別の態様では、本発明は、化合物又は医薬組成物による治療と同時に、その前に、又はその後に投与される1つ以上の追加の治療薬と組み合わせて使用するための薬剤の製造のための、本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物の使用を提供する。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ナトリウムチャネル阻害剤である。
【0179】
別の態様では、本発明は、急性疼痛、亜急性及び慢性疼痛、侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、炎症性疼痛、痛覚変調性疼痛、関節炎、片頭痛、群発頭痛、三叉神経痛、帯状疱疹神経痛、一般的な神経痛、てんかん、てんかんの状態、神経変性障害、精神科障害、不安、うつ病、双極性障害、筋強直症、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調症、多発性硬化症の中枢性神経障害性疼痛及び過敏性腸症候群、失禁、病的な咳、内臓痛、変形性関節症、疱疹症後神経痛、糖尿病性神経障害、神経根痛、坐骨神経痛、背痛、不特定の慢性背痛、頭痛、頚部痛、中等度の疼痛、重度の疼痛、難治性疼痛、侵害受容性疼痛、突出痛、術後の疼痛(例えば、関節置換術の疼痛、軟部組織手術の疼痛、ヘルニア縫合術の疼痛、腱膜瘤切除術の疼痛、又は腹壁形成術の疼痛)、慢性がん疼痛及びがん突出痛を含むがん疼痛、脳卒中(例えば、脳卒中後の中枢性神経障害性疼痛)、外傷性頸部症候群、脆弱性骨折、脊椎骨折、強直性脊椎炎、天疱瘡、レイノー病、強皮症、全身性エリテマトーデス、表皮水疱症、痛風、若年性特発性関節炎、流蝋骨症、リウマチ性多発筋痛症、壊疽性膿皮症、慢性的な広範囲の疼痛、びまん性特発性骨増殖症、椎間板変性症/ヘルニア痛、神経根障害、椎間関節症候群、脊椎手術失敗症候群、熱傷、手根管症候群、パジェット病の疼痛、脊柱管狭窄症、脊椎椎間板炎、横断性脊髄炎、エーラス・ダンロス症候群、ファブリー病、肥満細胞症、神経線維腫症、眼神経障害性疼痛、サルコイドーシス、脊椎分離症、脊椎すべり症、化学療法誘発性口腔粘膜炎、シャルコー関節症、顎関節症、痛みを伴う人工膝関節置換術、非心臓性胸痛、陰部、腎疝痛、胆道疾患、血管性下肢潰瘍、パーキンソン病での疼痛、アルツハイマー病での疼痛、脳虚血、外傷性脳損傷、筋萎縮性側索硬化症、ストレス誘発性狭心症、運動誘発性狭心症、動悸、高血圧、又は異常な胃腸運動の治療又はその重症度の軽減に使用するための薬剤の製造のための、本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物の使用を提供する。
【0180】
別の態様では、本発明は、大腿骨がんの疼痛;非悪性慢性骨痛;関節リウマチ;変形性関節症;脊髄狭窄症;神経障害性腰痛;筋膜性疼痛症候群;線維筋痛症;顎関節痛;慢性内臓痛、腹部痛;脾臓の疼痛;IBSの疼痛;慢性及び急性頭痛の疼痛;片頭痛;緊張性頭痛;群発頭痛;慢性及び急性神経障害性疼痛、帯状疱疹後神経痛;糖尿病性神経障害;HIV関連神経障害;三叉神経痛;シャルコー・マリー・トゥース神経障害;遺伝性感覚神経障害;末梢神経損傷;痛みを伴う神経腫;異所性の近位及び遠位分泌物;神経根症;化学療法誘発性神経障害性疼痛;放射線療法誘発性神経障害性疼痛;持続性/慢性の術後の疼痛(例えば、切断手術後、開胸術後、心臓手術後)、乳房切除後の疼痛;中枢性疼痛;脊髄損傷の疼痛;脳卒中後の疼痛;視床痛;幻肢痛(例えば、下肢、上肢、乳房の切除後);難治性疼痛;急性疼痛、急性術後疼痛;急性筋骨格系疼痛;関節痛;機械性腰痛;頸部痛;腱鞘炎;損傷の疼痛;運動の疼痛;急性内臓痛;腎盂腎炎;虫垂炎;胆嚢炎;腸閉塞;ヘルニア;胸痛、心臓痛;骨盤の疼痛、腎疝痛の疼痛、急性産科痛、陣痛;帝王切開の疼痛;急性炎症性疼痛、熱傷の疼痛、外傷性疼痛;急性間欠性疼痛、子宮内膜症;急性帯状疱疹の疼痛;鎌状赤血球症;急性膵炎;突出痛;口腔顔面痛;副鼻腔炎の疼痛;歯痛;多発性硬化症(MS)の疼痛;うつ病での疼痛;ハンセン病の疼痛;ベーチェット病の疼痛;有痛脂肪症;静脈炎の疼痛;ギラン・バレー症候群の疼痛;痛む脚と動く足趾;ハグルンド症候群;肢端紅痛症の疼痛;ファブリー病の疼痛;膀胱及び泌尿生殖器疾患;尿失禁、病的な咳;過活動膀胱;膀胱痛症候群;間質性膀胱炎(IC);前立腺炎;局所疼痛症候群(CRPS)I型、複合性局所疼痛症候群(CRPS)II型;広範囲の疼痛、発作性激痛、掻痒症、耳鳴り、又は狭心症誘発性疼痛の治療又はその重症度の軽減に使用するための薬剤の製造のための、本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物の使用を提供する。
【0181】
別の態様では、本発明は、三叉神経痛、ボトックスで治療された片頭痛、頚椎症性神経根症、後頭神経痛、腋窩神経障害、橈骨神経障害、尺骨神経障害、腕神経叢障害、胸椎神経根障害、肋間神経痛、腰仙部神経根障害、腸骨鼠径神経痛、陰部神経痛、大腿神経障害、感覚異常性大腿痛、伏在神経障害、坐骨神経障害、腓骨神経障害、脛骨神経障害、腰仙部神経叢障害、外傷性神経腫の断端痛、又は切断手術後の治療又はその疼痛の重症度の軽減に使用するための薬剤の製造のための、本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物の使用を提供する。
【0182】
化合物、薬学的に許容される塩、及び組成物の投与
本発明のある特定の実施形態では、「有効量」の本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物は、上記に列挙される状態のうちの1つ以上を治療する又はその重症度を軽減するのに有効な量のものである。
【0183】
本発明の方法による化合物、塩、及び組成物は、本明細書に列挙される疼痛又は非疼痛疾患のうちの1つ以上を治療する又はその重症度を軽減するのに有効な任意の量及び任意の投与経路を使用して投与され得る。必要とされる正確な量は、対象の種、年齢、及び一般的な状態、状態の重症度、特定の薬剤、その投与様式などに応じて、対象間で変化する。本発明の化合物、塩、及び組成物は、必要に応じて、投与の容易さ及び投与量の均一性のために、単位剤形で製剤化される。本明細書で使用される場合、「単位剤形」という表現は、治療される対象に適切である物理的に個別の薬剤単位を指す。しかしながら、本発明の化合物、塩、及び組成物の1日の総使用量は、健全な医学的判断の範囲内で担当医によって決定されることが理解されよう。任意の特定の対象又は生物に対する特定の有効用量レベルは、治療される障害及び障害の重症度;用いられる特定の化合物又は塩の活性;用いられる特定の組成物;対象の年齢、体重、一般健康、性別、及び食事;用いられる特定の化合物又は塩の投与時間、投与経路、及び排泄速度;治療期間;用いられる特定の化合物又は塩と組み合わせて又はそれらと同時に使用される薬剤、並びに医療技術分野で周知の同様の要因を含む様々な要因に依存するであろう。本明細書で使用される場合、「対象」又は「患者」という用語は、動物、好ましくは哺乳動物、及び最も好ましくはヒトを意味する。
【0184】
本発明の薬学的に許容される組成物は、治療されている状態の重症度に応じて、ヒト及び他の動物に、経口的、直腸的、非経口的、大槽内、膣内、腹腔内、局所的(粉末、軟膏、又は液滴によって)、経口又は鼻腔スプレーとして頬側などに投与することができる。ある特定の実施形態では、本発明の化合物、塩、及び組成物は、所望の治療効果を得るために有効である、約0.001mg/kg~約1000mg/kgの投与量レベルで、1日1回以上、経口投与又は非経口投与されてもよい。
【0185】
経口投与用の液体剤形としては、これらに限定されないが、薬学的に許容されるエマルション、マイクロエマルション、溶液、懸濁液、シロップ、及びエリキシルが挙げられる。活性化合物又は塩に加えて、液体剤形は、例えば、水又は他の溶媒などの当該技術分野で一般に使用される不活性希釈剤、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、及びソルビタンの脂肪酸エステルなどの可溶化剤及び乳化剤、並びにそれらの混合物を含み得る。不活性希釈剤の他に、経口組成物はまた、湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤、甘味剤、香味剤、並びに芳香剤などのアジュバントも含み得る。
【0186】
注射用調製物、例えば、滅菌注射用水性懸濁液又は油性懸濁液は、好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を使用して、既知の技術に従って製剤化されてもよい。滅菌注射用調製物はまた、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液として、非毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の滅菌注射用溶液、懸濁液、又はエマルションであってもよい。用いられ得る許容されるビヒクル及び溶媒の中でも、水、リンゲル溶液(米国薬局方)、及び等張性塩化ナトリウム溶液がある。更に、滅菌固定油は、従来、溶媒又は懸濁媒体として用いられている。この目的のために、合成モノグリセリド又はジグリセリドを含む任意の無刺激固定油を用いることができる。更に、オレイン酸などの脂肪酸が、注射用剤の調製に使用される。
【0187】
注射用製剤は、例えば、細菌保持フィルターを通した濾過によって、又は使用前に滅菌水若しくは他の滅菌注射用媒体中に溶解若しくは分散され得る滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって、滅菌することができる。
【0188】
本発明の化合物の効果を延長するために、多くの場合、皮下注射又は筋肉内注射からの化合物の吸収を遅らせることが望ましい。これは、水溶性が乏しい結晶性又は非晶質材料の液体懸濁液の使用によって達成され得る。次いで、化合物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、次いで溶解速度は、結晶サイズ及び結晶形態に依存し得る。あるいは、非経口投与化合物形態の吸収の遅延は、化合物を油ビヒクル中に溶解又は懸濁することによって達成される。注射用デポー形態は、ポリラクチド-ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中で化合物のマイクロカプセル化マトリックスを形成することによって作製される。化合物対ポリマーの比率及び用いられる特定のポリマーの性質に応じて、化合物放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)が挙げられる。デポー注射用製剤はまた、身体組織と適合性のあるリポソーム又はマイクロエマルションに化合物を閉じ込めることによって調製される。
【0189】
直腸投与又は膣投与のための組成物は、好ましくは、本発明の化合物又は塩を、周囲温度では固体であるが、体温では液体であり、かつしたがって直腸又は膣腔内で溶融し、活性化合物を放出する、好適な非刺激性賦形剤又は担体、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、又は座薬ワックスと混合することによって調製され得る座薬である。
【0190】
経口投与のための固体剤形には、カプセル、錠剤、丸剤、粉末、及び顆粒が含まれる。かかる固形剤形において、活性化合物又は塩は、少なくとも1つの不活性の薬学的に許容される賦形剤若しくは担体、例えば、クエン酸ナトリウム若しくはリン酸二カルシウム、並びに/又はa)充填剤若しくは増量剤、例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及びケイ酸、b)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、及びアカシアなど、c)保湿剤、例えば、グリセロール、d)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ若しくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウム、e)溶液遅延剤、例えば、パラフィン、f)吸収促進剤、例えば、四級アンモニウム化合物、g)湿潤剤、例えば、セチルアルコール及びモノステアリン酸グリセロールなど、h)吸収剤、例えば、カオリン及びベントナイト粘土、i)滑沢剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、及びそれらの混合物と混合される。カプセル、錠剤、及び丸剤の場合、剤形はまた、緩衝剤を含んでもよい。
【0191】
類似のタイプの固体組成物はまた、ラクトース又は乳糖並びに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用した、軟質及び硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤として用いられてもよい。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸剤、及び顆粒の固体剤形は、腸溶コーティング及び医薬製剤技術において周知の他のコーティングなどのコーティング及びシェルで調製することができる。それらは、必要に応じて、不透明化剤を含んでもよく、必要に応じて、遅延様式で、腸管のある特定の部分においてのみ、又は優先的に、活性成分を放出する組成物のものであってもよい。使用され得る埋め込み組成物の例としては、ポリマー物質及びワックスが挙げられる。類似のタイプの固体組成物はまた、ラクトース又は乳糖並びに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用した、軟質及び硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤として用いられてもよい。
【0192】
活性化合物又は塩はまた、上述の1つ以上の賦形剤を有するマイクロカプセル形態であってもよい。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸剤、及び顆粒の固体剤形は、腸溶コーティング、放出制御コーティング、及び医薬製剤技術において周知の他のコーティングなどのコーティング及びシェルで調製することができる。かかる固体剤形において、活性化合物又は塩は、スクロース、ラクトース、又はデンプンなどの少なくとも1つの不活性希釈剤と混合されてもよい。かかる剤形はまた、通常の慣行であるように、不活性希釈剤、例えば、打錠用滑沢剤並びにステアリン酸マグネシウム及び微結晶セルロースなどの他の打錠用補助剤以外の追加の物質を含んでもよい。カプセル、錠剤、及び丸剤の場合、剤形はまた、緩衝剤を含んでもよい。それらは、必要に応じて、不透明化剤を含んでもよく、必要に応じて、遅延様式で、腸管のある特定の部分においてのみ、又は優先的に、活性成分を放出する組成物のものであってもよい。使用され得る埋め込み組成物の例としては、ポリマー物質及びワックスが挙げられる。
【0193】
本発明の化合物又は塩の局所投与又は経皮投与のための剤形としては、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤、又はパッチが挙げられる。活性成分は、滅菌条件下で、薬学的に許容される担体、及び必要とされ得る場合に任意の必要な防腐剤又は緩衝剤と混合される。眼科用製剤、点耳薬、及び点眼薬もまた、本発明の範囲内であるとして企図される。更に、本発明は、経皮パッチの使用を企図し、これは、化合物の体内への制御送達を提供するという追加的な利点を有する。かかる剤形は、化合物を適切な媒体中に溶解又は分散することによって調製される。吸収促進剤を使用して、皮膚にわたる化合物の流動を増加させることもできる。速度は、速度制御膜を提供することによって、又は化合物をポリマーマトリックス若しくはゲル中に分散させることによって制御することができる。
【0194】
概して上述されるように、本発明の化合物は、電位依存性ナトリウムチャネルの阻害剤として有用である。一実施形態では、化合物は、NaV1.8の阻害剤であり、したがって、いかなる特定の理論によっても拘束されることを望むものではないが、化合物、塩、及び組成物は、NaV1.8の活性化又は過活性が疾患、状態、又は障害に関与する疾患、状態、又は障害を治療する又はその重症度を軽減するために特に有用である。NaV1.8の活性化又は過活性が特定の疾患、状態、又は障害に関与する場合、疾患、状態、又は障害はまた、NaV1.8媒介性疾患、状態、又は障害と称され得る。したがって、別の態様では、本発明は、NaV1.8の活性化又は過活性が疾患状態に関与する疾患、状態、又は障害を治療する又はその重症度を軽減するための方法を提供する。
【0195】
NaV1.8の阻害剤として本発明で利用される化合物の活性は、国際公開第2014/120808A9号及び米国公開第2014/0213616A1号(それらの両方は、参照によりそれらの全体が組み込まれる)、本明細書に記載される方法、並びに当業者に既知でありかつ利用可能である他の方法に概して記載される方法に従ってアッセイされてもよい。
【0196】
追加の治療薬
本発明の化合物、塩、及び薬学的に許容される組成物は、併用療法で用いることができ、すなわち、化合物、塩、及び薬学的に許容される組成物は、1つ以上の他の所望の治療又は医療処置と同時に、その前に、又はその後に投与することができることも理解されよう。併用レジメンで用いられる療法(治療又は処置)の特定の組み合わせは、所望の治療薬及び/又は処置の適合性、並びに達成される所望の治療効果を考慮に入れる。また当然のことながら、用いられる療法は、同じ障害に対して所望の効果を達成し得る(例えば、本発明の化合物は、同じ障害を治療するために使用される別の薬剤と同時に投与され得る)か、又は異なる効果を達成し得る(例えば、任意の有害作用の制御)。本明細書で使用される場合、特定の疾患又は状態を治療又は予防するために通常投与される追加の治療薬は、「治療されている疾患又は状態に適切であると知られている。例えば、例示的な追加の治療薬としては、これらに限定されないが、非オピオイド鎮痛剤(インドール、例えば、エトドラク、インドメタシン、スリンダック、トルメチン;ナフチルアルカノン、例えば、ナブメトン;オキシカム、例えば、ピロキシカム;パラ-アミノフェノール誘導体、例えば、アセトアミノフェン;プロピオン酸、例えば、フェノプロフェン、フルビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、オキサプロジン;サリチル酸塩、例えば、アスピリン、トリサリチル酸コリンマグネシウム、ジフルニサル;フェナメート、例えば、メクロフェナム酸、メフェナム酸;及びピラゾール、例えば、フェニルブタゾン)、又はオピオイド(麻酔薬)アゴニスト(例えば、コデイン、フェンタニル、ヒドロモルホン、レボルファノール、メペリジン、メサドン、モルヒネ、オキシコドン、オキシモルホン、プロポキシフェン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、デゾシン、ナルブフィン、及びペンタゾシン)が挙げられる。更に、非薬物鎮痛アプローチは、本発明の1つ以上の化合物の投与と併せて利用され得る。例えば、麻酔学(脊髄注入、神経遮断)、神経外科(CNS経路の神経剥離)、神経刺激(経皮的電気神経刺激、脊髄後索刺激)、物理療法(理学療法、矯正装置、ジアテルミー)、又は精神学(認知方法-催眠、バイオフィードバック、又は行動方法)アプローチも利用され得る。追加の適切な治療薬又はアプローチは、概して、The Merck Manual,Nineteenth Edition,Ed.Robert S.Porter and Justin L.Kaplan,Merck Sharp&Dohme Corp.(Merck&Co.,Inc.の子会社)2011、及びthe Food and Drug Administration(ウェブサイトwww.fda.gov)に記載されており、その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0197】
別の実施形態では、追加の適切な治療薬は、以下から選択される:
(1)オピオイド鎮痛剤、例えば、モルヒネ、ヘロイン、ヒドロモルホン、オキシモルホン、レボルファノール、レバロールファン、メタドン、メペリジン、フェンタニル、コカイン、コデイン、ジヒドロコデイン、オキシコドン、ヒドロコドン、プロポキシフェン、ナルメフェン、ナロルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、ナルブフィン、ペンタゾシン、又はジフェリケファリン;
(2)非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、例えば、アスピリン、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルフェニサル、フルビプロフェン、イブプロフェン(限定されないが、静脈内イブプロフェン(例えば、Caldolor(登録商標)を含む)、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク(限定されないが、ケトロラクトロメタミン(例えば、Toradol(登録商標)を含む)、メクロフェナム酸、メフェナム酸、メロキシカム、IVメロキシカム(例えば、Anjeso(登録商標))、ナブメトン、ナプロキセン、ニメスリド、ニトロフルルビプロフェン、オルサラジン、オキサプロジン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スルファサラジン、スリンダック、トルメチン、又はゾメピラック;
(3)バルビツール酸系鎮静剤、例えば、アモバルビタール、アプロバルビタール、ブタバルビタール、ブタルビタール、メホバルビタール、メタルビタール、メトヘキシタール、ペントバルビタール、フェノバルビタール、セコバルビタール、タルブタール、チアミラール、又はチオペンタール;
(4)鎮静作用を有するベンゾジアゼピン、例えば、クロルジアゼポキシド、クロラゼプ酸、ジアゼパム、フラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、テマゼパム、又はトリアゾラム;
(5)鎮静作用を有するヒスタミン(H1)アンタゴニスト、例えば、ジフェンヒドラミン、ピリラミン、プロメタジン、クロルフェニラミン、又はクロルシクリジン;
(6)鎮静剤、例えば、グルテチミド、メプロバメート、メタカロン、又はジクロラルフェナゾン;
(7)骨格筋弛緩剤、例えば、バクロフェン、カリソプロドル、クロルゾキサゾン、シクロベンザプリン、メトカルバモール、又はオルフェナドリン;
(8)NMDA受容体アンタゴニスト、例えば、デキストロメトルファン((+)-3-ヒドロキシ-N-メチルモルフィナン)若しくはその代謝産物デキストロルファン((+)-3-ヒドロキシ-N-メチルモルフィナン)、ケタミン、メマンチン、ピロロキノリンキニン、シス-4-(ホスホノメチル)-2-ピペリジンカルボン酸、ブジピン、EN-3231(MorphiDex(登録商標))、モルヒネ及びデキストロメトルファンの組み合わせ製剤)、トピラマート、ネラメキサン、又はペルジンフォテル(NR2Bアンタゴニスト、例えば、イフェンプロジル、トラキソプロジル、又は(-)-(R)-6-{2-[4-(3-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-l-ピペリジニル]-l-ヒドロキシエチル-3,4-ジヒドロ-2(lH)-キノリノンを含む);
(9)アルファ-アドレナリン作動薬、例えば、ドキサゾシン、タムスロシン、クロニジン、グアンファシン、デクスメデトミジン、モダフィニル、又は4-アミノ-6,7-ジメトキシ-2-(5-メタン-スルホンアミド-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-2-イル)-5-(2-ピリジル)キナゾリン;
(10)三環式抗うつ剤、例えば、デシプラミン、イミプラミン、アミトリプチリン、又はノルトリプチリン;
(11)抗けいれん剤、例えば、カルバマゼピン(Tegretol(登録商標))、ラモトリギン、トピラマート、ラコサミド(Vimpat(登録商標))、又はバルプロエート;
(12)タキキニン(NK)アンタゴニスト、特に、NK-3、NK-2、又はNK-1アンタゴニスト、例えば、(アルファR,9R)-7-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]-8,9,10,11-テトラヒドロ-9-メチル-5-(4-メチルフェニル)-7H-[l,4]ジアゾシノ[2,1-g][1,7]-ナフチリジン-6-13-ジオン(TAK-637)、5-[[(2R,3S)-2-[(1R)-1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ-3-(4-フルオロフェニル)-4-モルホリニル]-メチル]-l,2-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オン(MK-869)、アプレピタント、ラネピタント、ダピタント、又は3-[[2-メトキシ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-メチルアミノ]-2-フェニルピペリジン(2S,3S);
(13)ムスカリンアンタゴニスト、例えば、オキシブチニン、トルテロジン、プロピベリン、塩化トロプシウム、ダリフェナシン、ソリフェナシン、テミベリン、及びイプラトロピウム;
(14)COX-2選択的阻害剤、例えば、セレコキシブ、ロフェコキシブ、パレコキシブ、バルデコキシブ、デラコキシブ、エトリコキシブ、又はルミラコキシブ;
(15)コール-タール鎮痛剤、特にパラセタモール;
(16)神経遮断薬、例えば、ドロペリドール、クロルプロマジン、ハロペリドール、ペルフェナジン、チオリダジン、メソリダジン、トリフルオペラジン、フルフェナジン、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、ジプラシドン、クエチアピン、セルチンドール、アリピプラゾール、ソネピプラゾール、ブロナンセリン、イロペリドン、ペロスピロン、ラクロプリド、ゾテピン、ビフェプルノックス、アセナピン、ルラシドン、アミスルプリド、バラペリドン、パリンドール(palindore)、エプリバンセリン、オサネタント、リモナバン、メクリネルタント、Miraxion(登録商標)、又はサリゾタン;
(17)バニロイド受容体アゴニスト(例えば、レシニフェラトキシン又はシバミド)又はアンタゴニスト(例えば、カプサゼピン、GRC-15300);
(18)ベータ-アドレナリン、例えば、プロプラノロール;
(19)局所麻酔剤、例えば、メキシレチン;
(20)コルチコステロイド、例えば、デキサメタゾン;
(21)5-HT受容体アゴニスト又はアンタゴニスト、特に、5-HT1B/1Dアゴニスト、例えば、エレトリプタン、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、又はリザトリプタン;
(22)5-HT2A受容体アンタゴニスト、例えば、R(+)-アルファ-(2,3-ジメトキシ-フェニル)-1-[2-(4-フルオロフェニルエチル)]-4-ピペリジンメタノール(MDL-100907);
(23)コリン性(ニコチン性)鎮痛剤、例えば、イソプロニクリン(TC-1734)、(E)-N-メチル-4-(3-ピリジニル)-3-ブテン-1-アミン(RJR-2403)、(R)-5-(2-アゼチジニルメトキシ)-2-クロロピリジン(ABT-594)、又はニコチン;
(24)Tramadol(登録商標)、トラマドールER(Ultram ER(登録商標))、IVトラマドール、タペンタドールER(Nucynta(登録商標));
(25)PDE5阻害剤、例えば、5-[2-エトキシ-5-(4-メチル-1-ピペラジニル-スルホニル)フェニル]-1-メチル-3-n-プロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(シルデナフィル)、(6R,12aR)-2,3,6,7,12,12a-ヘキサヒドロ-2-メチル-6-(3,4-メチレンジオキシフェニル)-ピラジノ[2’,1’:6,1]-ピリド[3,4-b]インドール-l,4-ジオン(IC-351又はタダラフィル)、2-[2-エトキシ-5-(4-エチル-ピペラジン-1-イル-1-スルホニル)-フェニル]-5-メチル-7-プロピル-3H-イミダゾ[5,1-f][1,2,4]トリアジン-4-オン(バルデナフィル)、5-(5-アセチル-2-ブトキシ-3-ピリジニル)-3-エチル-2-(1-エチル-3-アゼチジニル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-(5-アセチル-2-プロポキシ-3-ピリジニル)-3-エチル-2-(l-イソプロピル-3-アゼチジニル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-[2-メトキシエチル]-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、4-[(3-クロロ-4-メトキシベンジル)アミノ]-2-[(2S)-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-イル]-N-(ピリミジン-2-イルメチル)ピリミジン-5-カルボキサミド、3-(l-メチル-7-オキソ-3-プロピル-6,7-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-イル)-N-[2-(l-メチルピロリジン-2-イル)エチル]-4-プロポキシベンゼンスルホンアミド;
(26)アルファ-2-デルタリガンド、例えば、ガバペンチン(Neurontin(登録商標))、ガバペンチンGR(Gralise(登録商標))、ガバペンチン、エナカルビル(Horizant(登録商標))、プレガバリン(Lyrica(登録商標))、3-メチルガバペンチン、(l[アルファ],3[アルファ],5[アルファ])(3-アミノ-メチル-biシクロ[3.2.0]ヘプタ-3-イル)-酢酸、(3S,5R)-3-アミノメチル-5-メチル-ヘプタン酸、(3S,5R)-3-アミノ-5-メチル-ヘプタン酸、(3S,5R)-3-アミノ-5-メチル-オクタン酸、(2S,4S)-4-(3-クロロフェノキシ)プロリン、(2S,4S)-4-(3-フルオロベンジル)-プロリン、[(lR,5R,6S)-6-(アミノメチル)biシクロ[3.2.0]ヘプタ-6-イル]酢酸、3-(l-アミノメチル-シクロヘキシルメチル)-4H-[1,2,4]オキサジアゾール-5-オン、C-[1-(1H-テトラゾール-5-イルメチル)-シクロヘプタyl]-メチルアミン、(3S,4S)-(l-アミノメチル-3,4-ジメチル-シクロペンチル)-酢酸、(3S,5R)-3-アミノメチル-5-メチル-オクタン酸、(3S,5R)-3-アミノ-5-メチル-ノナン酸、(3S,5R)-3-アミノ-5-メチル-オクタン酸、(3R,4R,5R)-3-アミノ-4,5-ジメチル-ヘプタン酸、及び(3R,4R,5R)-3-アミノ-4,5-ジメチル-オクタン酸;
(27)カンナビノイド、例えば、KHK-6188;
(28)代謝型グルタミン酸サブタイプ1受容体(mGluRl)アンタゴニスト;
(29)セロトニン再取り込み阻害剤、例えば、セルトラリン、セルトラリン代謝物デメチルセルトラリン、フルオキセチン、ノルフルオキセチン(フルオキセチンデスメチル代謝物)、フルボキサミン、パロキセチン、シタロプラム、シタロプラム代謝物デスメチルシタロプラム、エシタロプラム、d,l-フェンフルラミン、フェモキセチン、イオキセチン、シアノドチエピン、リトキセチン、ダポキセチン、ネファゾドン、セリクラミン、及びトラゾドン;
(30)ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)再取り込み阻害剤、例えば、マプロチリン、ロフェプラミン、ミルタゼピン、オキサプロチリン、フェゾラミン、トモキセチン、ミアンセリン、ブプロピオン、ブプロピオン代謝産物ヒドロキシブプロピオン、ノミフェンシン、及びビロキサジン(Vivalan(登録商標))、特に、選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害剤、例えば、レボキセチン、特に(S,S)-レボキセチン;
(31)デュアルセロトニン-ノルアドレナリン再取り込み阻害剤、例えば、ベンラファキシン、ベンラファキシン代謝産物O-デスメチルベンラファキシン、クロミプラミン、クロミプラミン代謝産物デスメチルクロミプラミン、デュロキセチン(Cymbalta(登録商標))、ミルナシプラン、及びイミプラミン;
(32)誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)阻害剤、例えば、S-[2-[(l-イミノエチル)アミノ]エチル]-L-ホモシステイン、S-[2-[(l-イミノエチル)-アミノ]エチル]-4,4-ジオキソ-L-システイン、S-[2-[(l-イミノエチル)アミノ]エチル]-2-メチル-L-システイン、(2S,5Z)-2-アミノ-2-メチル-7-[(l-イミノエチル)アミノ]-5-ヘプテン酸、2-[[(lR,3S)-3-アミノ-4-ヒドロキシ-l-(5-チアゾリル)-ブチル]チオ]-S-クロロ-S-ピリジンカルボニトリル;2-[[(lR,3S)-3-アミノ-4-ヒドロキシ-l-(5-チアゾリル)ブチル]チオ]-4-クロロベンゾニトリル、(2S,4R)-2-アミノ-4-[[2-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]チオ]-5-チアゾールブタノール、2-[[(lR,3S)-3-アミノ-4-ヒドロキシ-l-(5-チアゾリル)ブチル]チオ]-6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジンカルボニトリル、2-[[(lR,3S)-3-アミノ-4-ヒドロキシ-1-(5-チアゾリル)ブチル]チオ]-5-クロロベンゾニトリル、N-[4-[2-(3-クロロベンジルアミノ)エチル]フェニル]チオフェン-2-カルボキサミジン、NXN-462、又はグアニジノエチルジスルフィド;
(33)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、例えば、ドネペジル;
(34)プロスタグランジンE2サブタイプ4(EP4)アンタゴニスト、例えば、N-[({2-[4-(2-エチル-4,6-ジメチル-lH-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-l-イル)フェニル]エチル}アミノ)-カルボニル]-4-メチルベンゼンスルホンアミド又は4-[(15)-l-({[5-クロロ-2-(3-フルオロフェノキシ)ピリジン-3-イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸;
(35)ロイコトリエンB4アンタゴニスト、例えば、l-(3-ビフェニル-4-イルメチル-4-ヒドロキシ-クロマン-7-イル)-シクロペンタンカルボン酸(CP-105696)、5-[2-(2-カルボキシエチル)-3-[6-(4-メトキシフェニル)-5E-ヘキセニル]オキシフェノキシ]-吉草酸(ONO-4057)、又はDPC-11870;
(36)5-リポキシゲナーゼ阻害剤、例えば、ジレウトン、6-[(3-フルオロ-5-[4-メトキシ-3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル])フェノキシ-メチル]-1-メチル-2-キノロン(ZD-2138)、又は2,3,5-トリメチル-6-(3-ピリジルメチル)-1,4-ベンゾキノン(CV-6504);
(37)ナトリウムチャネル遮断薬、例えば、リドカイン、リドカイン+テトラカインクリーム(ZRS-201)、又は酢酸エスリカルバゼピン;
(38)NaV1.7遮断薬、例えば、XEN-402、XEN403、TV-45070、PF-05089771、CNV1014802、GDC-0276、RG7893 BIIB-074(Vixotrigine)、BIIB-095、ASP-1807、DSP-3905、OLP-1002、RQ-00432979、FX-301、DWP-1706、DWP-17061、IMB-110、IMB-111、IMB-112並びにWO2011/140425(US2011/306607);WO2012/106499(US2012/196869);WO2012/112743(US2012/245136);WO2012/125613(US2012/264749)、WO2012/116440(US2014/187533)、WO2011/026240(US2012/220605)、US8883840、US8466188、WO2013/109521(US2015/005304)、WO2020/117626、及びCN111217776に開示されるもの(各出願の内容全体は参照により本明細書に組み込まれる);
(38a)NaV1.7遮断薬、例えば、(2-ベンジルスピロ[3,4-ジヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-1,4’-ピペリジン]-1’-イル)-(4-イソプロポキシ-3-メチル-フェニル)メタノン、2,2,2-トリフルオロ-1-[1’-[3-メトキシ-4-[2-(トリフルオロメトキシ)エトキシ]ベンゾイル]-2,4-ジメチル-スピロ[3,4-ジヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-1,4’-ピペリジン]-6-イル]エタノン、[8-フルオロ-2-メチル-6-(トリフルオロメチル)スピロ[3,4-ジヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-1,4’-ピペリジン]-1’-イル]-(4-イソブトキシ-3-メトキシ-フェニル)メタノン、1-(4-ベンズヒドリルピペラジン-1-イル)-3-[2-(3,4-ジメチルフェノキシ)エトキシ]プロパン-2-オール、(4-ブトキシ-3-メトキシ-フェニル)-[2-メチル-6-(トリフルオロメチル)スピロ[3,4-ジヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-1,4’-ピペリジン]-1’-イル]メタノン、[8-フルオロ-2-メチル-6-(トリフルオロメチル)スピロ[3,4-ジヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-1,4’-ピペリジン]-1’-イル]-(5-イソプロポキシ-6-メチル-2-ピリジル)メタノン、(4-イソプロポキシ-3-メチル-フェニル)-[2-メチル-6-(1,1,2,2,2-ペンタフルオロエチル)スピロ[3,4-ジヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-1,4’-ピペリジン]-1’-イル]メタノン、5-[2-メチル-4-[2-メチル-6-(2,2,2-トリフルオロアセチル)スピロ[3,4-ジヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-1,4’-ピペリジン]-1’-カルボニル]フェニル]ピリジン-2-カルボニトリル、(4-イソプロポキシ-3-メチル-フェニル)-[6-(トリフルオロメチル)スピロ[3,4-ジヒドロ-2H-ピロロ[1,2-a]ピラジン-1,4’-ピペリジン]-1’-イル]メタノン、2,2,2-トリフルオロ-1-[1’-[3-メトキシ-4-[2-(トリフルオロメトキシ)エトキシ]ベンゾイル]-2-メチル-スピロ[3,4-ジヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-1,4’-ピペリジン]-6-イル]エタノン、2,2,2-トリフルオロ-1-[1’-(5-イソプロポキシ-6-メチル-ピリジン-2-カルボニル)-3,3-ジメチル-スピロ[2,4-ジヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-1,4’-ピペリジン]-6-イル]エタノン、2,2,2-トリフルオロ-1-[1’-(5-イソペンチルオキシピリジン-2-カルボニル)-2-メチル-スピロ[3,4-ジヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-1,4’-ピペリジン]-6-イル]エタノン、(4-イソプロポキシ-3-メトキシ-フェニル)-[2-メチル-6-(トリフルオロメチル)スピロ[3,4-ジヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-1,4’-ピペリジン]-1’-イル]メタノン、2,2,2-トリフルオロ-1-[1’-(5-イソペンチルオキシピリジン-2-カルボニル)-2,4-ジメチル-スピロ[3,4-ジヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-1,4’-ピペリジン]-6-イル]エタノン、1-[(3S)-2,3-ジメチル-1’-[4-(3,3,3-トリフルオロプロポキシメチル)ベンゾイル]スピロ[3,4-ジヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-1,4’-ピペリジン]-6-イル]-2,2,2-トリフルオロ-エタノン、[8-フルオロ-2-メチル-6-(トリフルオロメチル)スピロ[3,4-ジヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-1,4’-ピペリジン]-1’-イル]-[3-メトキシ-4-[(1R)-1-メチルプロポキシ]フェニル]メタノン、2,2,2-トリフルオロ-1-[1’-(5-イソプロポキシ-6-メチル-ピリジン-2-カルボニル)-2,4-ジメチル-スピロ[3,4-ジヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-1,4’-ピペリジン]-6-イル]エタノン、1-[1’-[4-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-2-メチル-スピロ[3,4-ジヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-1,4’-ピペリジン]-6-イル]-2,2-ジメチル-プロパン-1-オン、(4-イソプロポキシ-3-メチル-フェニル)-[2-メチル-6-(トリフルオロメチル)スピロ[3,4-ジヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-1,4’-ピペリジン]-1’-イル]メタノン、[2-メチル-6-(1-メチルシクロプロパンカルボニル)スピロ[3,4-ジヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-1,4’-ピペリジン]-1’-イル]-[4-(3,3,3-トリフルオロプロポキシメチル)フェニル]メタノン、4-ブロモ-N-(4-ブロモフェニル)-3-[(1-メチル-2-オキソ-4-ピペリジル)スルファモイル]ベンズアミド、又は(3-クロロ-4-イソプロポキシ-フェニル)-[2-メチル-6-(1,1,2,2,2-ペンタフルオロエチル)スピロ[3,4-ジヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-1,4’-ピペリジン]-1’-イル]メタノン。
(39)NaV1.8遮断薬、例えば、PF-04531083、PF-06372865、並びに例えば、WO2008/135826(US2009048306)、WO2006/011050(US2008312235)、WO2013/061205(US2014296313)、US2013/0303535、WO2013/131018、US8466188、WO2013/114250(US2013/274243)、WO2014/120808(US2014/213616)、WO2014/120815(US2014/228371)、WO2014/120820(US2014/221435)、WO2015/010065(US20160152561)、WO2015/089361(US20150166589)、WO2019/014352(US2019/0016671)、WO2018/213426、WO2020/146682、WO2020/146612、WO2020/014243、WO2020/014246、WO2020/092187、WO2020/092667(US2020140411)、WO2020/261114、WO2020/140959、WO2020/151728、WO2021/032074、CN112390745、CN111808019、CN112225695、CN112457294、CN112300051、CN112300069、CN112441969、及びCN112479996(WO2021/047622)に開示されるもの(各出願の内容全体は参照により本明細書に組み込まれる);
(39a)NaV1.8遮断薬、例えば、4,5-ジクロロ-2-(4-フルオロ-2-メトキシフェノキシ)-N-(2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)ベンズアミド、2-(4-フルオロ-2-メトキシフェノキシ)-N-(2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)-4-(ペルフルオロエチル)ベンズアミド、4,5-ジクロロ-2-(4-フルオロフェノキシ)-N-(2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)ベンズアミド、4,5-ジクロロ-2-(3-フルオロ-4-メトキシフェノキシ)-N-(2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)ベンズアミド、2-(4-フルオロ-2-メトキシフェノキシ)-N-(2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)-5-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、N-(2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)-2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、2-(4-フルオロフェノキシ)-N-(2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)-4-(ペルフルオロエチル)ベンズアミド、5-クロロ-2-(4-フルオロ-2-メトキシフェノキシ)-N-(2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)ベンズアミド、N-(2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)-2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)-5-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、2-(4-フルオロ-2-メチルフェノキシ)-N-(2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)-5-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、2-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-N-(2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)-5-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、5-クロロ-2-(4-フルオロ-2-メチルフェノキシ)-N-(2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)ベンズアミド、4-クロロ-2-(4-フルオロ-2-メチルフェノキシ)-N-(2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)ベンズアミド、5-クロロ-2-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-N-(2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)ベンズアミド、2-((5-フルオロ-2-ヒドロキシベンジル)オキシ)-N-(2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、N-(2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)-2-(o-トリルオキシ)-5-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、2-(2,4-ジフルオロフェノキシ)-N-(2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、N-(2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)-2-(2-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)-5-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、2-(4-フルオロフェノキシ)-N-(2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)-5-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、2-(4-フルオロ-2-メチル-フェノキシ)-N-(2-オキソ-1H-ピリジン-4-イル)-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、[4-[[2-(4-フルオロ-2-メチル-フェノキシ)-4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ]-2-オキソ-1-ピリジル]メチルリン酸二水素、2-(4-フルオロ-2-(メチル-d3)フェノキシ)-N-(2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、(4-(2-(4-フルオロ-2-(メチル-d3)フェノキシ)-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)-2-オキソピリジン-1(2H)-イル)メチルリン酸二水素、3-(4-フルオロ-2-メトキシフェノキシ)-N-(3-(メチルスルホニル)フェニル)キノキサリン-2-カルボキサミド、3-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-N-(3-スルファモイルフェニル)キノキサリン-2-カルボキサミド、3-(2-クロロ-4-メトキシフェノキシ)-N-(3-スルファモイルフェニル)キノキサリン-2-カルボキサミド、3-(4-クロロ-2-メトキシフェノキシ)-N-(3-スルファモイルフェニル)キノキサリン-2-カルボキサミド、4-(3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)キノキサリン-2-カルボキサミド)ピコリン酸、2-(2,4-ジフルオロフェノキシ)-N-(3-スルファモイルフェニル)キノリン-3-カルボキサミド、2-(4-フルオロ-2-メトキシフェノキシ)-N-(3-スルファモイルフェニル)キノリン-3-カルボキサミド、3-(2,4-ジフルオロフェノキシ)-N-(3-スルファモイルフェニル)キノキサリン-2-カルボキサミド、N-(3-スルファモイルフェニル)-2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)キノリン-3-カルボキサミド、N-(3-スルファモイルフェニル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)キノキサリン-2-カルボキサミド、3-(4-クロロ-2-メチルフェノキシ)-N-(3-スルファモイルフェニル)キノキサリン-2-カルボキサミド、5-(3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)キノキサリン-2-カルボキサミド)ピコリン酸、3-(4-フルオロ-2-メトキシフェノキシ)-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)キノキサリン-2-カルボキサミド、3-(4-フルオロ-2-メトキシフェノキシ)-N-(ピリジン-4-イル)キノキサリン-2-カルボキサミド、3-(4-フルオロフェノキシ)-N-(3-スルファモイルフェニル)キノキサリン-2-カルボキサミド、N-(3-シアノフェニル)-3-(4-フルオロ-2-メトキシフェノキシ)キノキサリン-2-カルボキサミド、N-(4-カルバモイルフェニル)-3-(4-フルオロ-2-メトキシフェノキシ)キノキサリン-2-カルボキサミド、4-(3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)キノキサリン-2-カルボキサミド)安息香酸、N-(4-シアノフェニル)-3-(4-フルオロ-2-メトキシフェノキシ)キノキサリン-2-カルボキサミド、5-(4,5-ジクロロ-2-(4-フルオロ-2-メトキシフェノキシ)ベンズアミド)ピコリン酸、5-(2-(2,4-ジメトキシフェノキシ)-4,6-ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ピコリン酸、4-(4,5-ジクロロ-2-(4-フルオロ-2-メトキシフェノキシ)ベンズアミド)安息香酸、5-(2-(4-フルオロ-2-メトキシフェノキシ)-4,6-ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ピコリン酸、4-(2-(4-フルオロ-2-メトキシフェノキシ)-4-(ペルフルオロエチル)ベンズアミド)安息香酸、5-(2-(4-フルオロ-2-メトキシフェノキシ)-4-(ペルフルオロエチル)ベンズアミド)ピコリン酸、4-(2-(4-フルオロ-2-メチルフェノキシ)-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)安息香酸、5-(4,5-ジクロロ-2-(4-フルオロ-2-メトキシフェノキシ)ベンズアミド)ピコリン酸、4-(2-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-4-(ペルフルオロエチル)ベンズアミド)安息香酸、4-(2-(4-フルオロ-2-メチルフェノキシ)-4-(ペルフルオロエチル)ベンズアミド)安息香酸、4-(4,5-ジクロロ-2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ベンズアミド)安息香酸、4-(4,5-ジクロロ-2-(4-クロロ-2-メチルフェノキシ)ベンズアミド)安息香酸、5-(4-(tert-ブチル)-2-(4-フルオロ-2-メトキシフェノキシ)ベンズアミド)ピコリン酸、5-(4,5-ジクロロ-2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ベンズアミド)ピコリン酸、4-(4,5-ジクロロ-2-(4-フルオロ-2-メチルフェノキシ)ベンズアミド)安息香酸、5-(4,5-ジクロロ-2-(2,4-ジメトキシフェノキシ)ベンズアミド)ピコリン酸、5-(4,5-ジクロロ-2-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)ベンズアミド)ピコリン酸、5-(4,5-ジクロロ-2-(4-フルオロ-2-メチルフェノキシ)ベンズアミド)ピコリン酸、4-(4,5-ジクロロ-2-(4-クロロ-2-メトキシフェノキシ)ベンズアミド)安息香酸、5-(4,5-ジクロロ-2-(2,4-ジフルオロフェノキシ)ベンズアミド)ピコリン酸、2-(4-フルオロフェノキシ)-N-(3-スルファモイルフェニル)-5-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、2-(4-フルオロフェノキシ)-N-(3-スルファモイルフェニル)-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、2-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-N-(3-スルファモイルフェニル)-5-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、2-(4-フルオロフェノキシ)-N-(3-スルファモイルフェニル)-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、2-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-N-(3-スルファモイルフェニル)-6-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、2-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-5-(ジフルオロメチル)-N-(3-スルファモイルフェニル)ベンズアミド、2-(4-フルオロフェノキシ)-4-(ペルフルオロエチル)-N-(3-スルファモイルフェニル)ベンズアミド、2-(4-クロロ-2-メトキシフェノキシ)-4-(ペルフルオロエチル)-N-(3-スルファモイルフェニル)ベンズアミド、2-(4-フルオロ-2-メトキシフェノキシ)-N-(3-スルファモイルフェニル)-5-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、5-クロロ-2-(4-フルオロ-2-メチルフェノキシ)-N-(3-スルファモイルフェニル)ベンズアミド、4,5-ジクロロ-2-(4-フルオロ-2-メトキシフェノキシ)-N-(3-スルファモイルフェニル)ベンズアミド、2,4-ジクロロ-6-(4-クロロ-2-メトキシフェノキシ)-N-(3-スルファモイルフェニル)ベンズアミド、2,4-ジクロロ-6-(4-フルオロ-2-メチルフェノキシ)-N-(3-スルファモイルフェニル)ベンズアミド、2-(4-フルオロ-2-メトキシフェノキシ)-N-(3-スルファモイルフェニル)-4,6-ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド、2-(4-フルオロ-2-メチルフェノキシ)-N-(3-スルファモイルフェニル)-4,6-ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド、5-クロロ-2-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-N-(3-スルファモイルフェニル)ベンズアミド、2-(4-フルオロ-2-メトキシフェノキシ)-N-(3-スルファモイルフェニル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド、2-(4-フルオロ-2-メトキシフェノキシ)-N-(3-スルファモイルフェニル)-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、4,5-ジクロロ-2-(4-フルオロフェノキシ)-N-(3-スルファモイルフェニル)ベンズアミド、2-(4-フルオロ-2-メトキシフェノキシ)-4-(ペルフルオロエチル)-N-(3-スルファモイルフェニル)ベンズアミド、5-フルオロ-2-(4-フルオロ-2-メチルフェノキシ)-N-(3-スルファモイルフェニル)ベンズアミド、2-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-4-シアノ-N-(3-スルファモイルフェニル)ベンズアミド、N-(3-スルファモイルフェニル)-2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、N-(3-カルバモイル-4-フルオロ-フェニル)-2-フルオロ-6-[2-(トリジュウテロメトキシ)-4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、N-(3-カルバモイル-4-フルオロ-フェニル)-2-フルオロ-6-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、N-(3-カルバモイル-4-フルオロ-フェニ
ル)-2-フルオロ-6-[2-(トリジュウテロメトキシ)-4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]-3-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド、4-[[2-フルオロ-6-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]-3-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ]ピリジン-2-カルボキサミド、4-[[3-クロロ-2-フルオロ-6-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]ベンゾイル]アミノ]ピリジン-2-カルボキサミド、4-[[2-フルオロ-6-[2-(トリジュウテロメトキシ)-4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]-3-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ]ピリジン-2-カルボキサミド、N-(3-カルバモイル-4-フルオロ-フェニル)-3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-6-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]ベンズアミド、4-[[2-フルオロ-6-[2-(トリジュウテロメトキシ)-4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]-3-(トリフルオロメトキシ)ベンゾイル]アミノ]ピリジン-2-カルボキサミド、N-(3-カルバモイル-4-フルオロ-フェニル)-6-[2-クロロ-4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]-2-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、N-(3-カルバモイル-4-フルオロ-フェニル)-2-フルオロ-6-[2-メチル-4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、N-(3-カルバモイル-4-フルオロ-フェニル)-2,3,4-トリフルオロ-6-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]ベンズアミド、N-(2-カルバモイル-4-ピリジル)-3-フルオロ-5-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-カルボキサミド、4-[[6-[2-(ジフルオロメトキシ)-4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]-2-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ]ピリジン-2-カルボキサミド、N-(3-カルバモイル-4-フルオロ-フェニル)-6-[3-クロロ-4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]-2-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、N-(3-カルバモイル-4-フルオロ-フェニル)-2-フルオロ-6-[4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、N-(4-カルバモイル-3-フルオロ-フェニル)-2-フルオロ-6-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、4-[[2-フルオロ-6-[2-(トリジュウテロメトキシ)-4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]-4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ]ピリジン-2-カルボキサミド、N-(3-カルバモイル-4-フルオロ-フェニル)-2-フルオロ-6-[3-フルオロ-4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、N-(3-カルバモイル-4-フルオロ-フェニル)-2-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]-5-(1,1,2,2,2-ペンタフルオロエチル)ベンズアミド、4-[[4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロ-6-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]ベンゾイル]アミノ]ピリジン-2-カルボキサミド、N-(3-カルバモイル-4-フルオロ-フェニル)-2-フルオロ-6-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、4-[[4-シクロプロピル-2-フルオロ-6-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]ベンゾイル]アミノ]ピリジン-2-カルボキサミド、N-(3-カルバモイル-4-フルオロ-フェニル)-5-フルオロ-2-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、5-[[2-フルオロ-6-[2-(トリジュウテロメトキシ)-4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]-3-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ]ピリジン-2-カルボキサミド、N-(3-カルバモイル-4-フルオロ-フェニル)-2-フルオロ-6-(4-フルオロフェノキシ)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、4-(2-フルオロ-6-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ピコリンアミド、又は4-[[2-フルオロ-6-[3-フルオロ-2-メトキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]-3-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ]ピリジン-2-カルボキサミド;
(40)組み合わせたNaV1.7及びNaV1.8遮断薬、例えば、DSP-2230、Lohocla201、又はBL-1021;
(41)5-HT3アンタゴニスト、例えば、オンダンセトロン;
(42)TPRV1受容体アゴニスト、例えば、カプサイシン(NeurogesX(登録商標)、Qutenza(登録商標))、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物;
(43)ニコチン受容体アンタゴニスト、例えば、バレニクリン;
(44)N型カルシウムチャネルアンタゴニスト、例えば、Z-160;
(45)神経成長因子アンタゴニスト、例えば、タンネズマブ;
(46)エンドペプチダーゼ刺激剤、例えば、センレボターゼ;
(47)アンジオテンシンIIアンタゴニスト、例えば、EMA-401;
(48)アセトアミノフェン(限定されないが、静脈内アセトアミノフェン(例えば、Ofirmev(登録商標))を含む);
(49)ブピバカイン(限定されないが、ブピバカインリポソーム注射用懸濁液(例えば、Exparel(登録商標))ブピバカインER(Posimir)、ブピバカインコラーゲン(Xaracoll)、及び経皮ブピバカイン(Eladur(登録商標))を含む)、並びに
(50)ブピバカイン及びメロキシカムの組み合わせ(例えば、HTX-011)。
【0198】
一実施形態では、追加の適切な治療薬は、V-116517、プレガバリン、徐放性プレガバリン、エゾガビン(Potiga(登録商標))から選択される。ケタミン/アミトリプチリン局所用クリーム(Amiket(登録商標))、AVP-923、ペランパネル(E-2007)、ラルフィナミド、経皮ブピバカイン(Eladur(登録商標))、CNV1014802、JNJ-10234094(カリスバメイト(Carisbamate))、BMS-954561、又はARC-4558。
【0199】
別の実施形態では、追加の適切な治療薬は、N-(6-アミノ-5-(2,3,5-トリクロロフェニル)ピリジン-2-イル)アセトアミド;N-(6-アミノ-5-(2-クロロ-5-メトキシフェニル)ピリジン-2-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド;又は3-((4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1H-イミダゾール-2-イル)メチル)オキセタン-3-アミンから選択される。
【0200】
別の実施形態では、追加の治療薬は、GlyT2/5HT2阻害剤、例えば、Operanserin(VVZ149)、TRPVモジュレーター、例えば、CA008、CMX-020、NEO6860、FTABS、CNTX4975、MCP101、MDR16523、又はMDR652、EGR1阻害剤、例えば、Brivoglide(AYX1)、NGF阻害剤、例えば、タネズマブ、ファシヌマブ、ASP6294、MEDI7352、Muオピオイドアゴニスト、例えば、セブラノパドール、NKTR181(オキシコデゴル)、CB-1アゴニスト、例えば、NEO1940(AZN1940)、イミダゾリン12アゴニスト、例えば、CR4056、又はp75NTR-Fcモジュレーター、例えば、LEVI-04から選択される。
【0201】
別の実施形態では、追加の治療薬は、オリセリジン又はロピバカイン(TLC590)である。
【0202】
別の実施形態では、追加の治療薬は、NaV1.7遮断薬、例えば、ST-2427又はST-2578、並びにWO2010/129864、WO2015/157559、WO2017/059385、WO2018/183781、WO2018/183782、WO2020/072835、及びWO2022/036297に開示されるもの(各出願の内容全体は参照により本明細書に組み込まれる)である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、WO2020/072835に開示されるNaV1.7遮断薬である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、WO2022/036297に開示されるNaV1.7遮断薬である。
【0203】
別の実施形態では、追加の治療薬は、ASP18071、CC-8464、ANP-230、ANP-231、NOC-100、NTX-1175、ASN008、NW3509、AM-6120、AM-8145、AM-0422、BL-017881、NTM-006、オピランセリン(Unafra(商標))、ブリボリジド、SR419、NRD.E1、LX9211、LY3016859、ISC-17536、NFX-88、LAT-8881、AP-235、NYX 2925、CNTX-6016、S-600918、S-637880、RQ-00434739、KLS-2031、MEDI 7352、又はXT-150である。
【0204】
別の実施形態では、追加の治療薬は、Olinvyk、Zynrelef、Seglentis、Neumentum、Nevakar、HTX-034、CPL-01、ACP-044、HRS-4800、Tarlige、BAY2395840、LY3526318、Eliapixant、TRV045、RTA901、NRD1355-E1、MT-8554、LY3556050、AP-325、テトロドトキシン、Otenaproxesul、CFTX-1554、Funapide、iN1011-N17、JMKX000623、ETX-801、又はACD440である。
【0205】
別の実施形態では、追加の治療薬は、WO2021/257490、WO2021/257420、WO2021/257418、WO2020/014246、WO2020/092187、WO2020/092667、WO2020/261114、CN112457294、CN112225695、CN111808019、WO2021/032074、WO2020/151728、WO2020/140959、WO2022/037641、WO2022/037647、CN112300051、CN112300069、WO2014/120808、WO2015/089361、WO2019/014352、WO2021/113627、WO2013/086229、WO2013/134518、WO2014/211173、WO2014/201206、WO2016/141035、WO2021/252818、WO2021/252822、及びWO2021/252820に開示される化合物である。
【0206】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、WO2013/086229に開示される化合物である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、WO2013/134518に開示される化合物である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、WO2014/211173に開示される化合物である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、WO2014/201206に開示される化合物である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、WO2016/141035に開示される化合物である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、WO2021/252818に開示される化合物である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、WO2021/252822に開示される化合物である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、WO2021/252820に開示される化合物である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、WO2020/072835に開示される化合物である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、WO2022/036297に開示される化合物である。
【0207】
別の実施形態では、追加の治療薬は、上記で特定されるNaV1.7及びNaV1.8遮断薬などのナトリウムチャネル阻害剤(ナトリウムチャネル遮断薬としても知られる)である。
【0208】
本発明の組成物中に存在する追加の治療薬の量は、唯一の活性剤としてその治療薬を含む組成物中で通常投与される量以下であってもよい。現在開示されている組成物中に存在する追加の治療薬の量は、唯一の治療的に活性な薬剤としてその薬剤を含む組成物中に通常存在する量の約10%~100%の範囲であってもよい。
【0209】
本発明の化合物及び塩又はその薬学的に許容される組成物はまた、人工器官、人工弁、血管グラフト、ステント、及びカテーテルなどの埋め込み型医療装置をコーティングするための組成物に組み込まれてもよい。したがって、本発明は、別の態様では、概して上述される本発明の化合物又は塩、並びに本明細書のクラス及びサブクラス、並びに当該埋め込み型装置をコーティングするのに好適な担体を含む、埋め込み型装置をコーティングするための組成物を含む。更に別の態様では、本発明は、概して上述される本発明の化合物又は塩、並びに本明細書のクラス及びサブクラス、並びに当該埋め込み型装置をコーティングするのに好適な担体を含む組成物でコーティングされた埋め込み型装置を含む。好適なコーティング及びコーティングされた埋め込み型装置の一般的な調製は、米国特許第6,099,562号、第5,886,026号、及び第5,304,121号に記載されている。コーティングは、典型的には、ヒドロゲルポリマー、ポリメチルジシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール、ポリ乳酸、エチレンビニルアセテート、及びそれらの混合物などの生体適合性ポリマー材料である。コーティングは、必要に応じて、フルオロシリコーン、多糖類、ポリエチレングリコール、リン脂質、又はそれらの組み合わせの好適なトップコーティングによって更に覆われて、組成物中に徐放性の特性を付与し得る。
【0210】
本発明の別の態様は、生体試料又は対象においてNaV1.8活性を阻害することに関し、この方法は、対象に投与すること、又は当該生体試料を本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、若しくはその医薬組成物と接触させることを含む。本明細書で使用される場合、「生体試料」という用語は、限定されないが、細胞培養物又はその抽出物、哺乳動物又はその抽出物から得られた生検材料、並びに血液、唾液、尿、糞便、精液、涙液、又は他の体液若しくはその抽出物を含む。
【0211】
生体試料中のNaV1.8活性の阻害は、当業者に既知の様々な目的に有用である。かかる目的の例としては、これらに限定されないが、生物学的及び病理学的現象におけるナトリウムチャネルの研究、並びに新しいナトリウムチャネル阻害剤の比較評価が挙げられる。
【0212】
本発明の化合物の合成
本発明の化合物は、実施例に記載の方法、他の類似の方法、及び当業者に既知の他の方法によって、既知の材料から調製することができる。当業者であれば理解するであろうように、以下に記載の方法における中間化合物の官能基は、好適な保護基によって保護される必要があり得る。保護基は、当業者に周知の標準的な技術に従って付加又は除去されてもよい。保護基の使用は、T.G.M.Wuts et al.,Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis(4th ed.2006)に詳細に記載されている。
【0213】
本発明の化合物の放射性標識された類似体
別の態様では、本発明は、本発明の化合物の放射性標識された類似体に関する。本明細書で使用される場合、「本発明の化合物の放射性標識された類似体」という用語は、1つ以上の原子が本発明の化合物中に存在する原子の放射性同位体で置き換えられていることを除いて、その全ての実施形態を含む、本明細書に記載の本発明の化合物と同一である化合物を指す。
【0214】
本明細書で使用される場合、「放射性同位体」という用語は、自発的な放射性崩壊を受けることが知られている元素の同位体を指す。放射性同位体の例としては、3H、14C、32P、35S、18F、36Clなど、並びにV.S Shirley&C.M.Lederer,Isotopes Project,Nuclear Science Division,Lawrence Berkeley Laboratory,Table of Nuclides(January 1980)において崩壊モードが同定される同位体が挙げられる。
【0215】
放射性標識された類似体は、基質組織分布アッセイなどの様々なタイプのアッセイを含む、いくつかの有益な方法で使用することができる。例えば、トリチウム(3H)標識及び/又は炭素-14(14C)標識化合物は、比較的単純な調製及び優れた検出能のため、基質組織分布アッセイなどの様々なタイプのアッセイに有用であり得る。
【0216】
別の態様では、本発明は、本発明の化合物に関連して本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかに従って、放射性標識された類似体の薬学的に許容される塩に関する。
【0217】
別の態様では、本発明は、本発明の化合物に関連して本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかに従って、放射性標識された類似体又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体、アジュバント、若しくはビヒクルとを含む医薬組成物に関する。
【0218】
別の態様では、本発明は、本発明の化合物に関連して本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかに従って、有効量の放射性標識された類似体、その薬学的に許容される塩、及びその医薬組成物を投与することを含む、対象における電位依存性ナトリウムチャネルを阻害する方法、並びに疼痛を含む様々な疾患及び障害を治療する又はその重症度を軽減する方法に関する。
【0219】
別の態様では、本発明は、本発明の化合物に関連して本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかに従って、使用するための、放射性標識された類似体、その薬学的に許容される塩、及びその医薬組成物に関する。
【0220】
別の態様では、本発明は、本発明の化合物に関連して本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかに従って、薬剤の製造のための放射性標識された類似体、又はその薬学的に許容される塩、及びその医薬組成物の使用に関する。
【0221】
別の態様では、放射性標識された類似体、その薬学的に許容される塩、及びその医薬組成物は、本発明の化合物に関連して本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかに従って、併用療法で用いられ得る。
【0222】
列挙された実施形態
本開示の追加の実施形態、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明から、及び本開示の実施により、明らかとなる。本開示の化合物及び方法は、以下の列挙された条項のうちのいずれかの実施形態として記載され得る。本明細書に記載の実施形態のいずれも、実施形態が互いに矛盾しない範囲で、本明細書に記載のいずれの他の実施形態とも関連して使用することができる。
【0223】
1.式(I)の化合物、
【化46】
,
又はその薬学的に許容される塩であって、
X
2aが、N、N
+-O
-、又はC-R
2aであり、
X
3aが、N又はN
+-O
-であり、
X
5aが、N、N
+-O
-、又はC-R
5aであり、
X
6aが、N、N
+-O
-、又はC-R
6aであり、
R
dが、(CH
2)
m(CHR
e)
n(CH
2)
pHであり、
m、n、及びpが各々独立して、0又は1であり、
R
eが、H、OH、ハロ、C
1-C
6アルコキシ、又はC
1-C
6ハロアルコキシであり、
R
2a及びR
6aが各々独立して、H、ハロ、C
1-C
6アルキル、又はC
1-C
6ハロアルキルであり、
R
5aが、H、ハロ、CH
2OH、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキルであるか、又はR
5a及びR
dが、R
5a及びR
dが結合しているC原子を結合するCH
2CH
2鎖を形成し、R
5aが結合しているC原子に結合されるCH
2基が、Oで置き換えられてもよく、
R
4b1及びR
4b2が各々独立して、H、C
1-C
6アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、又はC
1-C
6ハロアルキルであり、
R
5b1及びR
5b2が各々独立して、H、C
1-C
6アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、又はC
1-C
6ハロアルキルであり、
X
3cが、N又はC-R
3cであり、
X
4cが、N又はC-R
4cであり、
X
5cが、N又はC-R
5cであり、
X
6cが、N又はC-R
6cであり、
R
2cが、H、OH、ハロ、C
1-C
6アルキル、C
2-C
6アルケニル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6アルコキシ、C
1-C
6ハロアルコキシ、O-CH
2-C(R
2c1)(R
2c2)(R
2c3)、O-CH(R
2c4)(R
2c5)、又は-L
1-L
2-(C
3-C
6シクロアルキル)であり、当該シクロアルキルが、必要に応じて、1~2個のハロで置換されており、
R
2c1及びR
2c2が各々独立して、H若しくはC
1-C
6アルキルであるか、又はR
2c1及びR
2c2が、それらが結合しているC原子と一緒になってC=Oを形成し、
R
2c3が、OH、C
1-C
6アルコキシ、C
1-C
6ハロアルコキシ、若しくはN(R
2c6)(R
2c7)であるか、又はR
2c2及びR
2c3が、それらが結合しているC原子と一緒になって、3~7員ヘテロシクロアルキルを形成し、
R
2c4及びR
2c5が、それらが結合しているC原子と一緒になって、3~7員ヘテロシクロアルキルを形成し、
R
2c6及びR
2c7が各々、C
1-C
6アルキルであるか、又はR
2c6及びR
2c7が、それらが結合しているN原子と一緒になって、3~8員ヘテロシクロアルキルを形成し、
L
1が、結合又はOであり、
L
2が、結合又はC
1-C
6アルキレンであり、
R
3cが、H、ハロ、C
1-C
6アルキル、若しくはC
1-C
6ハロアルキルであるか、又はX
3cが、C-R
3cであり、R
2c及びR
3cが、それらが結合する炭素原子と一緒になって、以下の式の環を形成し、
【化47】
;
Z
1及びZ
2が各々独立して、O又はCH
2であり、
各Rが独立して、H又はハロであり、
R
4cが、H、ハロ、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6アルコキシ、又はC
1-C
6ハロアルコキシであり、
R
5cが、H、ハロ、C
1-C
6アルキル、又はC
1-C
6ハロアルキルであり、
R
6cが、H、ハロ、C
1-C
6アルキル、又はC
1-C
6ハロアルキルであり、
但し、X
2a、X
3a、X
5a、及びX
6aのうちの2つ以下が、N又はN
+-O
-であることを条件とし、
但し、X
3c、X
4c、X
5c、及びX
6cのうちの1つ以下が、Nであることを条件とし、
但し、
R
5a及びR
dが、R
5a及びR
dが結合しているC原子を結合するCH
2CH
2鎖を形成し、R
5aが結合しているC原子に結合されるCH
2基が、Oで置き換えられてもよいか、又は
R
2cが、O-CH
2-C(R
2c1)(R
2c2)(R
2c3)若しくはO-CH(R
2c4)(R
2c5)であることを条件とする、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0224】
2.化合物が、式(I-A)
【化48】
,
を有する、条項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0225】
3.化合物が、式(I-A-1)
【化49】
,
を有する、条項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0226】
4.化合物が、式(I-A-2)
【化50】
,
を有する、条項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0227】
5.化合物が、式(I-A-3)
【化51】
,
を有する、条項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0228】
6.化合物が、式(I-B)
【化52】
,
を有する、条項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0229】
7.化合物が、式(I-B-1)
【化53】
,
を有する、条項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0230】
8.化合物が、式(I-B-2)
【化54】
,
を有する、条項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0231】
9.化合物が、式(I-B-3)
【化55】
,
を有する、条項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0232】
10.化合物が、式(I-C)
【化56】
,
を有する、条項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0233】
11.化合物が、式(I-C-1)
【化57】
,
を有する、条項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0234】
12.化合物が、式(I-C-2)
【化58】
,
を有する、条項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0235】
13.化合物が、式(I-C-3)
【化59】
,
を有する、条項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0236】
14.化合物が、式(I-D)
【化60】
,
を有する、条項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0237】
15.化合物が、式(I-D-1)
【化61】
,
を有する、条項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0238】
16.化合物が、式(I-D-2)
【化62】
,
を有する、条項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0239】
17.化合物が、式(I-D-3)
【化63】
,
を有する、条項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0240】
18.化合物が、式(I-D-4)
【化64】
,
を有する、条項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0241】
19.X2aが、C-R2aであり、R2aが、Hである、条項1、2、6、10、若しくは14のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0242】
20.X3aが、Nである、条項1、2、6、10、若しくは14のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0243】
21.X5aが、Nである、条項1、2、6、10、若しくは14のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0244】
22.X5aが、C-R5aであり、R5aが、Hである、条項1、2、6、10、若しくは14のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0245】
23.X6aが、C-R6aであり、R6aが、Hである、条項1、2、6、10、若しくは14のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0246】
24.Reが、Hである、条項1~23のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0247】
25.Reが、OHである、条項1~23のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0248】
26.Reが、C1-C6アルコキシである、条項1~23のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0249】
27.R4b1が、Hである、条項1~4、6~8、10~12、14~16、若しくは19~26のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0250】
28.R4b1が、C1-C6アルキルである、条項1~4、6~8、10~12、14~16、若しくは19~26のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0251】
29.R4b1が、CH3である、条項1~4、6~8、10~12、14~16、若しくは19~26のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0252】
30.R4b2が、Hである、条項1~29のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0253】
31.R4b2が、C1-C6アルキルである、条項1~29のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0254】
32.R4b2が、CH3である、条項1~29のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0255】
33.R5b1が、C1-C6アルキルである、条項1~4、6~8、10~12、14~16、若しくは19~32のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0256】
34.R5b1が、CH3である、条項33に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0257】
35.R5b1が、C1-C6ハロアルキルである、条項1~4、6~8、10~12、14~16、若しくは19~32のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0258】
36.R5b1が、CF3である、条項35に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0259】
37.R5b2が、C1-C6アルキルである、条項1~4、6~8、10~12、14~16、若しくは19~36のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0260】
38.R5b2が、CH3である、条項1~4、6~8、10~12、14~16、若しくは19~36のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0261】
39.R5b2が、C1-C6ハロアルキルである、条項1~4、6~8、10~12、14~16、若しくは19~36のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0262】
40.R5b2が、CF3である、条項1~4、6~8、10~12、14~16、若しくは19~36のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0263】
41.R2cが、C1-C6アルコキシである、条項1~40のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0264】
42.R2cが、O-CH2-C(R2c1)(R2c2)(R2c3)である、条項1~40のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0265】
43.R2cが、O-CH(R2c4)(R2c5)である、条項1~40のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0266】
44.X3cが、C-R3cであり、R3cが、ハロである、条項1~2、6、10、14、若しくは19~43のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0267】
45.R3cが、Fである、条項44に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0268】
45.X3cが、C-R3cであり、R3cが、C1-C6アルキルである、条項1~2、6、10、14、若しくは19~43のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0269】
46.R3cが、CH3である、条項45に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0270】
47.X4cが、C-R4cであり、R4cが、ハロである、条項1~2、6、10、14、若しくは19~46のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0271】
48.R4cが、Fである、条項45に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0272】
49.X5cが、C-R5cであり、R5cが、Hである、条項1~2、6、10、14、若しくは19~48のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0273】
50.X6cが、C-R6cであり、R6cが、Hである、条項1~2、6、10、14、若しくは19~49のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0274】
51.表Aから選択される化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0275】
52.非塩形態である、条項1~51のいずれか一項に記載の化合物。
【0276】
53.治療有効量の条項1~51のいずれか1つに記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は条項52に記載の化合物と、1つ以上の薬学的に許容される担体若しくはビヒクルと、を含む、医薬組成物。
【0277】
54.条項1~51のいずれか1つに記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は条項52に記載の化合物と、1つ以上の薬学的に許容される担体若しくはビヒクルと、を含む、医薬組成物。
【0278】
55.対象において電位依存性ナトリウムチャネルを阻害する方法であって、条項1~51のいずれか1つに記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、条項52に記載の化合物、又は条項53若しくは54に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む、方法。
【0279】
56.電位依存性ナトリウムチャネルが、NaV1.8である、条項55に記載の方法。
【0280】
57.慢性疼痛、腸の疼痛、神経障害性疼痛、筋骨格系疼痛、急性疼痛、炎症性疼痛、がんの疼痛、特発性疼痛、術後の疼痛、内蔵痛、多発性硬化症、シャルコー・マリー・トゥース病、失禁、病的な咳、又は心不整脈を治療する又はその対象における重症度を軽減する方法であって、有効量の条項1~51のいずれか1つに記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、条項52に記載の化合物、又は条項53若しくは54に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む、方法。
【0281】
58.方法が、神経障害性疼痛を治療する又はその対象における重症度を軽減することを含む、条項57に記載の方法。
【0282】
59.神経障害性疼痛が、帯状疱疹後神経痛を含む、条項58に記載の方法。
【0283】
60.神経障害性疼痛が、小径線維ニューロパチーを含む、条項58に記載の方法。
【0284】
61.神経障害性疼痛が、特発性小径線維ニューロパチーを含む、条項58に記載の方法。
【0285】
62.神経障害性疼痛が、糖尿病性ニューロパチーを含む、条項58に記載の方法。
【0286】
63.糖尿病性ニューロパチーが、糖尿病性末梢ニューロパチーを含む、条項62に記載の方法。
【0287】
64.方法が、筋骨格系疼痛を治療する又はその対象における重症度を軽減することを含む、条項57に記載の方法。
【0288】
65.筋骨格系疼痛が、変形性関節症の疼痛を含む、条項64に記載の方法。
【0289】
66.方法が、急性疼痛を治療する又はその対象における重症度を軽減することを含む、条項57に記載の方法。
【0290】
67.急性疼痛が、急性術後疼痛を含む、項目66に記載の方法。
【0291】
68.方法が、術後の疼痛を治療する又はその対象における重症度を軽減することを含む、条項57に記載の方法。
【0292】
69.術後の疼痛が、腱膜瘤切除術の疼痛を含む、条項68に記載の方法。
【0293】
70.術後の疼痛が、腹壁形成術の疼痛を含む、条項68に記載の方法。
【0294】
71.術後の疼痛が、ヘルニア縫合術の疼痛を含む、条項68に記載の方法。
【0295】
72.方法が、内臓痛を治療する又はその対象における重症度を軽減することを含む、条項57に記載の方法。
【0296】
73.当該対象が、化合物、薬学的に許容される塩、又は医薬組成物による治療と同時に、その前に、又はその後に投与される1つ以上の追加の治療薬で治療される、条項55~72のいずれか1つに記載の方法。
【0297】
74.薬剤としての、条項1~51のいずれか1つに記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、条項52に記載の化合物、又は条項53若しくは54に記載の医薬組成物の使用。
【実施例】
【0298】
一般的な方法.1H NMRスペクトルを、ジメチルスルホキシド-d6(DMSO-d6)などの適切な重水素化溶媒中の溶液として得た。
【0299】
化合物純度、保持時間、及びエレクトロスプレー質量分析(ESI-MS)データを、以下に記載される方法A又は方法Bを使用して、LC/MS分析によって決定した。
【0300】
方法A.(2.1×5mm、1.7μmの粒子)ガードカラム(pn:186003978)とともにWaters製のAcquity UPLC BEH C8カラム(50×2.1mm、1.7μmの粒子)(pn:186002877)及び4.45分にわたる2~98%移動相Bの二重勾配ランを使用してLC/MS分析を行った。移動相A=H2O(0.05%水酸化アンモニウムを含む10mMギ酸アンモニウム)。移動相B=アセトニトリル。流量=0.6mL/分、注入量=2μL、及びカラム温度=45℃。
【0301】
方法B.LC/MS分析を、Waters BEH C18 2.5μm、2.1×50mm、UPLC、4.6分のラン、水中2~95%ACN(0.1%NH3改質剤)、0.8mL/分、40℃を使用して行った。
【0302】
X線粉末回折分析法:X線粉末回折(XRPD)分析を、密封管源及びPIXcel 3D Medipix-3検出器(Malvern PANalytical Inc、Westborough,Massachusetts)を備えたPANalytical Empyreanシステムを使用して、透過モードで、室温で行った。X線発生装置を、銅放射(1.54060Å)により、45kVの電圧及び40mAの電流で動作させた。粉末試料を、マイラーフィルムを有する96ウェル試料ホルダー上に配置し、機器にロードした。試料を、0.0131303°の刻み幅及び1刻み当たり49秒で、約3°~約40°2θの範囲にわたってスキャンした。
【0303】
略語
別段の記載がない限り、又は文脈が別段に指示する場合、以下の略語は、以下の意味を有すると理解されるべきである。
【表2-1】
【表2-2】
【0304】
実施例1
rel-(2R*,3S*,4S*,5R*)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシフェニル)-N-(3-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロフロ[3,2-b]ピリジン-6-イル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(1)及び
rel-(2R*,3S*,4S*,5R*)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシフェニル)-N-(3-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロフロ[3,2-b]ピリジン-6-イル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(2)
【化65】
ステップ1:
NEt
3(7.7mL、55.2mmol)を、窒素下で、0℃で撹拌しながらDCM(80mL)中の2-ジアゾ-3-オキソ-ペンタン酸エチル(6.69g、39.3mmol)溶液に添加した。トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(8.5mL、47.0mmol)を5分間にわたって滴加し、混合物を0℃で30分間撹拌した。反応混合物をペンタン(100mL)で希釈し、層を分離し、有機相を希釈重炭酸ナトリウム水溶液(100mL)、次いで、ブライン(100mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空中で濃縮して、エチル(Z)-2-ジアゾ-3-トリメチルシリルオキシ-ペンタ-3-エノエート(9.4g、99%)を赤色の油として得た。
1H NMR (500 MHz,クロロホルム-d) δ 5.33 (q, J = 7.0 Hz, 1H), 4.25 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 1.67 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 1.29 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 0.22 (s, 9H) ppm.
【0305】
ステップ2:
-78℃のDCM(80mL)中の1,1,1-トリフルオロプロパン-2-オン(8mL、89.4mmol)の溶液に、カニューレを介してTiCl4(DCM中1Mの70mL、70.00mmol)を添加した。DCM(40mL)中のエチル(Z)-2-ジアゾ-3-トリメチルシリルオキシ-ペンタ-3-エノエート(31.3%w/wの36.1g、46.6mmol)の溶液を、15分間にわたって滴加した。100分間撹拌した後、反応物を水でクエンチし、温度をゆっくりと上昇させ、DCMで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(330g SiO2、ヘプタン中0~20%EtOAc)により精製して、エチルrac-(4R,5R)-2-ジアゾ-6,6,6-トリフルオロ-5-ヒドロキシ-4,5-ジメチル-3-オキソヘキサノエート(8.82g、67%)を主なジアステレオ異性体として得ると、これをトルエン中の溶液として保存した。1H NMR (500 MHz,クロロホルム-d) δ 4.33 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 4.14 (q, J = 7.0 Hz, 1H), 3.98 (s, 1H), 1.43 (q, J = 1.2 Hz, 3H), 1.35 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 1.31 (dq, J = 7.0, 1.4 Hz, 3H) ppm.ESI-MS m/z 計算値282.08273、実測値283.1 (M+1)+; 281.0 (M-1)-;保持時間:0.76分。
【0306】
ステップ3:
ベンゼン(32mL)中の四酢酸ロジウム(245mg、0.55mmol)の溶液を還流で10分間加熱した後、ベンゼン(13mL)中のエチルrac-(4R,5R)-2-ジアゾ-6,6,6-トリフルオロ-5-ヒドロキシ-4,5-ジメチル-3-オキソヘキサノエート(10g、35.4mmol)の溶液を、60分間還流しながらゆっくりと添加した。混合物を真空中で濃縮して、エチルrac-(4R,5R)-4,5-ジメチル-3-オキソ-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(9.0g、100%)を緑色の残留物として、及びエステルの隣の位置でのエピマーの混合物として得た。1H NMR (500 MHz,クロロホルム-d) δ 4.83 - 4.57 (m, 1H), 4.38 - 4.16 (m, 2H), 2.60 (dddd, J = 9.3, 8.2, 5.6, 1.4 Hz, 1H), 1.73 - 1.63 (m, 3H), 1.30 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 1.24 (ddq, J = 6.4, 4.1, 1.9 Hz, 3H) ppm.
【0307】
ステップ4:
-78℃に冷却したDCM(400mL)中のエチルrac-(4R,5R)-4,5-ジメチル-3-オキソ-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(48g、188.83mmol)の溶液に、DIPEA(29.680g、40mL、229.64mmol)を添加した。DCM(200mL)中のトリフルオロメチルスルホニルトリフルオロメタンスルホネート(53.440g、32mL、189.41mmol)の溶液を、1時間にわたって-78℃で反応混合物に添加した。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで、飽和NaHCO3水溶液(100mL)でクエンチした。有機層を分離し、水層をDCM(160mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(MgSO4)、真空中で濃縮して、エチルrac-(4R,5R)-2,3-ジメチル-2-(トリフルオロメチル)-4-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)-3H-フラン-5-カルボキシレート(71g、97%)を得た。1H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ 4.38 - 4.32 (m, 2H), 3.29 - 3.23 (m, 1H), 1.64 (s, 3H), 1.37 - 1.33 (m, 6H) ppm.
【0308】
ステップ5:
トルエン(130mL)中のエチルrac-(4R,5R)-2,3-ジメチル-2-(トリフルオロメチル)-4-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)-3H-フラン-5-カルボキシレート(26g、67.31mmol)の撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下で(3,4-ジフルオロ-2-メトキシ-フェニル)ボロン酸(14g、74.5mmol)、続いて、K3PO4(100mLの2M、200mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(4g、3.46mmol)を添加した反応混合物を、100℃で2時間加熱した。反応混合物を水で希釈し、水層をEtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(SiO2、ヘプタン中0~10%EtOAc)により精製して、エチル4-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシ-フェニル)-2,3-ジメチル-2-(トリフルオロメチル)-3H-フラン-5-カルボキシレート(24.4g、93%)を6:1のジアステレオマー混合物として得て、主要な異性体はエチルrac-(4S,5R)-4-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシフェニル)-2,3-ジメチル-2-(トリフルオロメチル)-3H-フラン-5-カルボキシレートであると考えられる。主要異性体: 1H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ 6.88 - 6.79 (m, 2H), 4.17 - 4.09 (m, 2H), 3.90 (s, 3H), 3.46 (q, J = 7.4 Hz, 1H), 1.67 (s, 3H), 1.12 (t, J = 7.4 Hz, 3H), 1.06 (dd, J = 5.4, 2.7 Hz, 3H) ppm.微量の異性体: 1H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ 6.88 - 6.79 (m, 2H), 4.17 - 4.09 (m, 2H), 3.88 (s, 3H), 3.76 - 3.71 (m, 1H), 1.51 (s, 3H), 1.12 (t, J = 7.4 Hz, 3H), 0.99 (dd, J = 5.4, 2.7 Hz, 3H) ppm.ESI-MS m/z 計算値380.1047、実測値381.02 (M+1)+.
【0309】
ステップ6:
DCM(360mL)中のエチルrac-(4S,5R)-4-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシフェニル)-2,3-ジメチル-2-(トリフルオロメチル)-3H-フラン-5-カルボキシレート(110g、243.0mmol)の氷冷溶液に、BBr3(370mLの1M、370.0mmol)を滴加した。混合物を、重炭酸ナトリウム水溶液の添加によってクエンチした。水層をDCMで抽出し、合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をDCM(430mL)中に溶解させ、続いて、TFA(40mL、519.2mmol)を添加した。反応混合物を45℃に加熱した。反応完了時に、混合物を重炭酸ナトリウム水溶液を添加することによってクエンチし、DCMで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮して、ジアステレオマーの5:1の混合物中の所望の生成物を得た。再結晶は、可能な限り最少量のDCM中で粗製材料を可溶化し、この溶液の上にヘプタンの層を添加することによって実施した(液体-液体拡散)。1時間後、第1及び第2の結晶化から56.5g(d.r.97:3のsyn:anti)を得て、第3の結晶化から更に4.6g(d.r.96:4のsyn:anti)を得た。第1~第3の再結晶バッチを組み合わせて、6,7-ジフルオロ-1,2-ジメチル-2-(トリフルオロメチル)-1H-フロ[2,3-c]クロメン-4-オン(61g、78%)を得て、主要な異性体はrac-(1S,2R)-6,7-ジフルオロ-1,2-ジメチル-2-(トリフルオロメチル)-1,2-ジヒドロ-4H-フロ[2,3-c]クロメン-4-オンであると考えられる。ESI-MS m/z計算値320.04718、実測値321.5 (M+1)+; 319.6 (M-1)-.
【0310】
ステップ7:
rac-(1S,2R)-6,7-ジフルオロ-1,2-ジメチル-2-(トリフルオロメチル)-1,2-ジヒドロ-4H-フロ[2,3-c]クロメン-4-オン(1348g、4.366mol)を、Berger InstrumentsからのMultiGram III SFC機器上でRegis Technologiesからの(R,R)-Whelk-O1カラム、5μmの粒径、15cm×3cmを使用して、キラルSFCによって分離した:
【0311】
第1の溶出異性体(保持時間=1.85分): (1R,2S)-6,7-ジフルオロ-1,2-ジメチル-2-(トリフルオロメチル)-1,2-ジヒドロ-4H-フロ[2,3-c]クロメン-4-オン(分析試料のみを収集した)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.57 (ddd, J = 9.0, 5.5, 2.0 Hz, 1H), 7.51 (ddd, J = 10.3, 9.0, 7.0 Hz, 1H), 4.03 (q, J = 7.2 Hz, 1H), 1.65 (s, 3H), 1.45 (dt, J = 6.9, 2.2 Hz, 3H) ppm.ESI-MS m/z 計算値320.04718、実測値321.3 (M+1)+; 319.4 (M-1)-.
【0312】
第2の溶出異性体(保持時間=2.38分): (1S,2R)-6,7-ジフルオロ-1,2-ジメチル-2-(トリフルオロメチル)-1,2-ジヒドロ-4H-フロ[2,3-c]クロメン-4-オン(366.99g、26%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.57 (ddd, J = 9.0, 5.5, 2.0 Hz, 1H), 7.50 (ddd, J = 10.3, 9.0, 7.0 Hz, 1H), 4.03 (q, J = 7.2 Hz, 1H), 1.65 (s, 3H), 1.45 (dt, J = 6.9, 2.2 Hz, 3H) ppm.ESI-MS m/z 計算値320.04518、実測値321.4 (M+1)+; 319.4 (M-1)-.
【0313】
ステップ8:
MeOH(12L)中の(1S,2R)-6,7-ジフルオロ-1,2-ジメチル-2-(トリフルオロメチル)-1,2-ジヒドロ-4H-フロ[2,3-c]クロメン-4-オン(0.89kg、2.78mol)及び水酸化パラジウム炭素(50%湿潤、0.39kgの20重量%充填、0.278mol)の溶液を、40psiの圧力の水素下で一晩撹拌した。一晩反応した後、反応温度が37℃に上昇することが観察され、混合物を24℃に冷却した。水素化を合計48時間継続した。混合物を、MeOH(20L)で洗浄しながらセライトを通して濾過し、濾液を真空中で濃縮した。残留物を、トルエン(4L)中に溶解し、真空中で濃縮し、このプロセスを繰り返した。残留物を、40℃で一晩、真空下で乾燥させて、メチル(2S,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(91%純度で1.0kg、100%)をベージュ色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) 10.20 (br s, 1H), 6.94 (br t, J = 7.4 Hz, 1H), 6.79-6.69 (m, 1H), 5.10 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 4.20 (dd, J = 6.1, 8.2 Hz, 1H), 3.43 (s, 3H), 2.94 (quin, J = 7.7 Hz, 1H), 1.46 (s, 3H), 0.77 (br d, J = 6.8 Hz, 3H) ppm.
【0314】
ステップ9:
炭酸カリウム(2.0kg、14.4mol)及びヨードメタン(800mL、12.8mol)を、周囲温度で、窒素下で、アセトニトリル(10L)中のメチル(2S,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(1.0kg、2.82mol)の溶液に逐次的に添加した。一晩撹拌した後、追加のヨードメタン(120mL、2mmol)を添加した。一晩撹拌した後、追加のヨードメタン(60mL、0.85mmol)を添加し、混合物を更に3日間撹拌した。反応混合物を、MTBE(30L)で希釈し、セライト(1kg)で処理し、MTBE(10L)で洗浄しながらセライト(1kg)のベッドを通して濾過した。濾液を、MTBE(4L)で洗浄しながらセライト(1kg)を通して2度目に濾過し、濾液を真空中で濃縮した。残留物を、トルエン(4L)中に溶解し、真空中で濃縮し、このプロセスを繰り返した。残留物を、40℃で一晩、真空下で乾燥させて、メチル(2S,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(90%純度で0.99kg、95%)を茶色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) 7.14-7.00 (m, 2H), 5.14 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 4.15 (dd, J = 6.2, 8.4 Hz, 1H), 3.88 (d, J = 1.7 Hz, 3H), 2.97 (quin, J = 7.8 Hz, 1H), 1.48 (s, 3H), 0.72 (br d, J = 6.6 Hz, 3H) ppm.
【0315】
ステップ10及び11:
THF(10L)中のメチル(2S,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(0.98kg、2.66mol)の溶液に、ナトリウムメトキシド(メタノール中25%w/w、65mL、0.28mol)を周囲温度で添加し、反応物を5時間撹拌した。MeOH(1L)、水(1L)、及び水酸化リチウム一水和物(0.168kg、4.0mol)を逐次的に添加し、混合物を一晩撹拌した。反応混合物を、1M HCl(4.4L、4.4mol)に注ぎ入れ、次いで、MTBE(20L)、次いで、MTBE(2×5L)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(2L)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、次いで、1時間撹拌しながら活性炭(50g、5% w/w)で処理した。混合物を、MTBE(2×4L)で洗浄しながらセライトを通して濾過し、濾液を真空中で濃縮した。残留物をトルエン(4L)中に溶解し、真空中で濃縮し、次いで、MTBE(4L)中に溶解し、再度真空中で濃縮して、(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(77.7%純度で1.06kg)を琥珀色の油として得ると、それを更に精製することなく使用した。
【0316】
ステップ12:
(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(77%純度で2.09kg、4.54mol)を、100L Chemglass反応器中でMTBE(25L)中に溶解し、次いで、周囲温度で、84rpmで撹拌した。(R)-1-フェニルエチルアミン(0.704kg、5.81mol)及びMTBE(2L)の混合物、続いて、追加のMTBEを反応器に添加して、反応器中で総体積30Lを得た。2時間後、追加のMTBE(2L)を反応物に添加した。合計3.5時間後、混合物をMTBE(2L)で洗浄しながら濾過した。反応器をMTBE(4L)ですすぎ、それを使用して固体をすすぎ、それを次いで、圧縮し、ブフナー漏斗上で2時間乾燥させた。固体生成物ケーキをほぐし、次いで、ブフナー漏斗上で、窒素流下及び真空下で一晩乾燥させた。単離した固形分を、24時間、40℃のコンベクションオーブン中で乾燥させて、(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(R)-1-フェニルエタン-1-アミン塩(95.7%純度で1.86kg、3ステップで74%)を灰色がかった白色の固体として得た。1H NMR, 400 MHz, DMSO-d6) 8.34 (br s, 2H), 7.46-7.41 (m, 2H), 7.36-7.27 (m, 3H), 7.16-7.11 (m, 1H), 7.10-7.03 (m, 1H), 4.58 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 4.23 (q, J = 6.7 Hz, 1H), 3.99 (dd, J = 7.8, 9.8 Hz, 1H), 3.90 (d, J = 2.0 Hz, 3H), 2.60 (quin, J = 7.5 Hz, 1H), 1.50 (s, 3H), 1.40 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 0.71-0.59 (m, 3H) ppm.
【0317】
ステップ13:
MTBE(250mL)中の(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシ-フェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(1R)-1-フェニルエタンアミン塩(10.6g、22.29mmol)の懸濁液に、HCl(200mLの2M、400.0mmol)を添加した。層を分離し、有機層を水(200mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮して、(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシ-フェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(8.4g、99%)を油として得た。1H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ 6.96 (ddd, J = 7.9, 5.6, 2.0 Hz, 1H), 6.88 (td, J = 9.2, 7.3 Hz, 1H), 4.96 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 4.15 (dd, J = 10.5, 8.0 Hz, 1H), 4.02 (d, J = 2.8 Hz, 3H), 2.74 (p, J = 7.6 Hz, 1H), 1.64 (t, J = 1.2 Hz, 3H), 0.79 (dq, J = 7.4, 2.3 Hz, 3H) ppm.
【0318】
ステップ14:
DCM(12mL)中の(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシ-フェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(2.50g、7.057mmol)の氷冷溶液に、DMF(1滴)を添加し、続いて、塩化オキサリル(1.25mL、14.33mmol)を慎重に添加した。反応混合物を周囲温度まで加温し、60分間撹拌した反応混合物を真空中で濃縮し、残留物をDCM(10mL)中に溶解させた。この溶液を水酸化アンモニウム(2.50mLの25%w/v、36.70mmol)で処理し、反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。反応混合物をDCM(20mL)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(30mL)に注いだ。有機層を分離し、水層をDCM(2×30mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、黄色の油を得た。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、ヘプタン中0~100%EtOAc)により精製して、(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシ-フェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(2.132g、86%)を白色の固体として得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.50 (s, 1H), 7.32 (s, 1H), 7.17 - 7.09 (m, 2H), 4.82 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 4.04 (dd, J = 10.6, 7.5 Hz, 1H), 3.93 (d, J = 2.0 Hz, 3H), 2.65 (dq, J = 7.5, 7.5 Hz, 1H), 1.55 (s, 3H), 0.67 (d, J = 6.3 Hz, 3H) ppm.19F NMR (471 MHz, DMSO-d6) δ -73.5 (s, 3F), -138.67 (s, 1F), -155.48 (s, 1F) ppm.ESI-MS m/z 計算値353.10504、実測値354.4 (M+1)+; 352.4 (M-1)-;保持時間:3.11分。
【0319】
ステップ15:
窒素下の(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシ-フェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(300mg、0.849mmol)、BrettPhos Pd G3(150mg、0.165mmol)、及びK2CO3(240mg、1.73mmol)の混合物に、1,4-ジオキサン(5.0mL)中の6-ブロモ-2,3-ジヒドロフロ[3,2-b]ピリジン-3-オール(217mg、1.004mmol)の溶液を添加した。混合物を窒素で2分間スパージし、90℃で一晩撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン中15~100%EtOAc)により精製して、(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシ-フェニル)-N-(3-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロフロ[3,2-b]ピリジン-6-イル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(63mg、15%)をオレンジ色の油として得た。ESI-MS m/z計算値488.13705、実測値489.5 (M+1)+; 487.4 (M-1)-;保持時間:3.23分。
【0320】
ステップ16:
(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシフェニル)-N-(3-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロフロ[2,3-b]ピリジン-6-イル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(62mg、0.12mmol)のジアステレオマーを、WatersからのPrep-100 SFC機器上で、Daicel CorporationからのChiralpak ICカラム、5μmの粒径、25cm×20mmを使用してキラルSFCによって分離した:
【0321】
第1の溶出異性体(保持時間=1.35分):rel-(2R*,3S*,4S*,5R*)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシフェニル)-N-(3-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロフロ[3,2-b]ピリジン-6-イル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(1、17mg、56%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.41 (s, 1H), 8.27 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.21 - 7.10 (m, 2H), 5.78 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 5.13 - 5.10 (m, 1H), 5.08 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 4.62 (dd, J = 10.4, 6.9 Hz, 1H), 4.31 (dd, J = 10.4, 2.9 Hz, 1H), 4.23 (dd, J = 10.3, 7.5 Hz, 1H), 3.94 (d, J = 2.2 Hz, 3H), 2.76 (dq, J = 7.5, 7.5 Hz, 1H), 1.59 (s, 3H), 0.75 - 0.70 (m, 3H) ppm.19F NMR (471 MHz, DMSO-d6) δ -73.36 (s, 3F), -138.16 (s, 1F), -154.97 (s, 1F) ppm.ESI-MS m/z 計算値488.13705、実測値489.5 (M+1)+; 487.4 (M-1)-;保持時間:3.23分。
【0322】
第2の溶出異性体(保持時間=1.44分):rel-(2R*,3S*,4S*,5R*)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシフェニル)-N-(3-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロフロ[3,2-b]ピリジン-6-イル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(2、21mg、66%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.43 (s, 1H), 8.27 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.21 - 7.11 (m, 2H), 5.80 (s, 1H), 5.12 - 5.09 (m, 1H), 5.08 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 4.61 (dd, J = 10.4, 6.9 Hz, 1H), 4.31 (dd, J = 10.4, 2.9 Hz, 1H), 4.23 (dd, J = 10.3, 7.6 Hz, 1H), 3.94 (d, J = 2.2 Hz, 3H), 2.76 (dq, J = 7.5, 7.5 Hz, 1H), 1.59 (s, 3H), 0.75 - 0.69 (m, 3H) ppm.19F NMR (471 MHz, DMSO-d6) δ -73.34 (s, 3F), -138.17 (s, 1F), -154.99 (s, 1F) ppm.ESI-MS m/z 計算値488.13705、実測値489.5 (M+1)+; 487.4 (M-1)- ;保持時間:3.23分。
【0323】
実施例2
rel-(2R*,3S*,4S*,5R*)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシフェニル)-N-(7-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[b]ピリジン-3-イル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(3)及び
rel-(2R*,3S*,4S*,5R*)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシフェニル)-N-(7-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[b]ピリジン-3-イル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(4)
【化66】
ステップ1:
1,4-ジオキサン(3.6mL)中の(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシ-フェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(130mg、0.368mmol)の溶液に、キサントホス(21mg、0.036mmol)、Cs
2CO
3(240mg、0.736mmol)、Pd(OAc)
2(4.1mg、0.018mmol)、及びrac-(3-ブロモ-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[b]ピリジン-7-イル)オキシ-tert-ブチル-ジメチル-シラン(136mg、0.414mmol)を添加した。反応混合物を窒素/真空サイクルで脱気した後、80℃で一晩密封及び加熱した。反応混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、飽和NaHCO
3水溶液(20mL)に注いだ。有機層を分離し、水層をEtOAc(2×20mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(20mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、黄色の油を得た。フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中0~90%EtOAc)により精製して、(2R,3S,4S,5R)-N-[7-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[b]ピリジン-3-イル]-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシ-フェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(63mg、28%)を、tert-ブチル(ジメチル)シリルオキシ位置でジアステレオマーの混合物として無色の油として得た。
1H NMR (500 MHz,クロロホルム-d) δ 8.39 (s, 1H), 8.36 - 8.29 (m, 1H), 8.12 - 8.04 (m, 1H), 7.11 - 7.06 (m, 1H), 6.92 - 6.85 (m, 1H), 5.12 (dd, J = 6.8, 4.6 Hz, 1H), 5.01 (dd, J = 10.9, 2.5 Hz, 1H), 4.09 (dd, J = 10.9, 8.0 Hz, 1H), 3.99 (t, J = 2.5 Hz, 3H), 3.03 - 2.96 (m, 1H), 2.78 - 2.67 (m, 2H), 2.42 - 2.34 (m, 1H), 2.05 - 1.97 (m, 1H), 1.67 (s, 3H), 0.91 (d, J = 1.3 Hz, 9H), 0.80 - 0.77 (m, 3H), 0.18 (s, 3H), 0.13 (s, 3H) ppm.
19F NMR (471 MHz, DMSO-d
6) δ -74.56 (s, 3F), -137.29 (s, 1F), -154.68 (s, 1F) ppm.ESI-MS m/z 計算値600.24426、実測値601.7 (M+1)
+; 599.7 (M-1)
-;保持時間:4.52分。
【0324】
ステップ2:
(2R,3S,4S,5R)-N-[7-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[b]ピリジン-3-イル]-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシ-フェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(63mg、0.105mmol)のジアステレオマーを、WatersからのPrep-100 SFC機器上で、Daicel CorporationからのChiralpak IBカラム、5μmの粒径、25cm×20mmを使用してキラルSFCによって分離した:
【0325】
第1の溶出異性体(保持時間=3.59分):rel-(2R*,3S*,4S*,5R*)-N-(7-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[b]ピリジン-3-イル)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(20.5mg、65%)。ESI-MS m/z計算値600.24426、実測値601.2 (M+1)+; 599.3 (M-1)-;保持時間:4.44分。
【0326】
第2の溶出異性体(保持時間=4.47分):rel-(2R*,3S*,4S*,5R*)-N-(7-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[b]ピリジン-3-イル)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(13.5mg、43%)。ESI-MS m/z計算値600.24426、実測値601.2 (M+1)+; 599.3 (M-1)-;保持時間:4.44分。
【0327】
ステップ3:
TFA(200μL、2.596mmol)を、DCM(1.0mL)及び水(100μL)中のrel-(2R*,3S*,4S*,5R*)-N-(7-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[b]ピリジン-3-イル)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(20.5mg、0.03413mmol、ステップ2からの第1の溶出異性体)の溶液に添加した。得られた混合物を周囲温度で週末にわたって撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、MeOHと共沸させて、過剰のTFAを除去した。WatersからのX-bridge C18カラム(150×19mm、5μmの粒径)を使用して逆相HPLC-MSにより精製して、rel-(2R*,3S*,4S*,5R*)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシフェニル)-N-(7-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[b]ピリジン-3-イル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(3、12.4mg、74%)を得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 10.36 (s, 1H), 8.55 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.93 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.21 - 7.11 (m, 2H), 5.09 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 4.89 (dd, J = 7.2, 5.1 Hz, 1H), 4.24 (dd, J = 10.3, 7.6 Hz, 1H), 3.94 (d, J = 2.0 Hz, 3H), 2.95 - 2.87 (m, 1H), 2.79 - 2.65 (m, 2H), 2.38 - 2.28 (m, 1H), 1.87 - 1.77 (m, 1H), 1.60 (s, 3H), 0.73 (d, J = 6.8 Hz, 3H) ppm.19F NMR (471 MHz, DMSO-d6) δ -73.36 (s, 3F), -138.19 (s, 1F), -155.00 (s, 1F) ppm (アルコールOHは観察されず)。ESI-MS m/z 計算値486.1578、実測値487.6 (M+1)+; 485.5 (M-1)-;保持時間:3.26分。
【0328】
rel-(2R*,3S*,4S*,5R*)-N-(7-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[b]ピリジン-3-イル)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(13.5mg、0.022mmol、ステップ2からの第2の溶出異性体)を、同じ方法で処理して、rel-(2R*,3S*,4S*,5R*)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシフェニル)-N-(7-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[b]ピリジン-3-イル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(4、12.4mg、74%)を白色の固体として得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 10.32 (s, 1H), 8.54 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.89 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.20 - 7.11 (m, 2H), 5.25 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 5.08 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 4.89 - 4.84 (m, 1H), 4.23 (dd, J = 10.3, 7.7 Hz, 1H), 3.94 (d, J = 2.0 Hz, 3H), 2.94 - 2.86 (m, 1H), 2.79 - 2.66 (m, 2H), 2.37 - 2.28 (m, 1H), 1.85 - 1.77 (m, 1H), 1.60 (s, 3H), 0.73 (d, J = 6.3 Hz, 3H) ppm.19F NMR (471 MHz, DMSO-d6) δ -73.36 (s, 3F), -138.20 (s, 1F), -155.00 (s, 1F) ppm.ESI-MS m/z 計算値486.1578、実測値487.6 (M+1)+; 485.5 (M-1)-;保持時間:3.25分。
【0329】
実施例3:
(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-((S)-2-メトキシプロポキシ)フェニル)-N-(6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(5)
【化67】
ステップ1:
臭化ベンジル(1.078g、0.75mL、6.30mmol)を、DMF(7.5mL)中のメチル(2S,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(1.5g、4.234mmol)及びK
2CO
3(760mg、5.49mmol)の撹拌混合物に添加した。反応混合物を、50℃で3時間、次いで、周囲温度で一晩撹拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、ジエチルエーテル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(5mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中0~10%EtOAc)により精製して、メチル(2S,3S,4S,5R)-3-(2-ベンジルオキシ-3,4-ジフルオロ-フェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(814mg、39%)を黄色の油として得ると、それは白色の固体に固体化した。
1H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ 7.51-7.31 (m, 5H), 7.24-7.12 (m, 1H), 6.81 (td, J = 9.4, 7.6 Hz, 1H), 5.20 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 5.02 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 4.82 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 4.23 (dd, J = 8.5, 6.2 Hz, 1H), 3.52 (s, 3H), 2.76-2.68 (m, 1H), 1.48 (d, J = 0.9 Hz, 3H), 0.82 (dd, J = 7.3, 1.8 Hz, 3H) ppm.ESI-MS m/z 計算値444.136、実測値443.08 (M-1)
-;保持時間:1.13分。
【0330】
ステップ2:
KO-t-Bu(540mg、0.59mL、4.81mmol)を、2-MeTHF(2.5mL)中のメチル(2S,3S,4S,5R)-3-(2-ベンジルオキシ-3,4-ジフルオロ-フェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(0.8g、1.620mmol)の溶液にアルゴン下、0℃で添加した。反応混合物を、0℃で30分間及び周囲温度で15分間撹拌した。反応混合物をジエチルエーテル(5mL)で希釈し、1M HCl(約4mL)で酸性化した。合わせた有機抽出物をブライン(5mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮して、(2R,3S,4S,5R)-3-(2-ベンジルオキシ-3,4-ジフルオロ-フェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(690mg、73%)を黄色の油として得た。1H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ 7.46-7.34 (m, 5H), 6.95-6.84 (m, 2H), 5.25-5.22 (m, 1H), 5.09-5.06 (m, 1H), 4.85 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 3.71 (dt, J = 15.0, 7.1 Hz, 1H), 2.50-2.42 (m, 1H), 1.37 (d, J = 9.2 Hz, 3H), 0.68-0.66 (m, 3H) ppm; OH酸は観察されず。19F-NMR (376 MHz,クロロホルム-d) δ -74.7 (s, 3F), -136.6 (ddd, J = 19.8, 9.0, 5.9 Hz, 1F), -152.6 (dd, J = 19.9, 6.3 Hz, 1F) ppm.ESI-MS m/z 計算値430.1204、実測値429.08 (M-1)-;保持時間:0.58分。
【0331】
ステップ3:
EtOAc(1.603g、3mL、2.51mmol)中の50%T3P溶液を、EtOAc(8mL)中の(2R,3S,4S,5R)-3-(2-ベンジルオキシ-3,4-ジフルオロ-フェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(600mg、1.021mmol、6-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]ピリジン-3-アミン(270mg、1.132mmol)及びEt3N(217.80mg、0.3mL、2.152mmol)の溶液に添加した。反応混合物を周囲温度で4時間撹拌した。反応混合物を、EtOAc(50mL)と水(10ml)とに分配した。有機層を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮して、油を得た。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、ヘプタン中0~25%EtOAc)により精製して、(2R,3S,4S,5R)-3-(2-ベンジルオキシ-3,4-ジフルオロ-フェニル)-N-[6-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-3-ピリジル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(630mg、60%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z計算値650.25995、実測値651.34 (M+1)+; 649.3 (M-1)-;保持時間:3.84分。
【0332】
ステップ4:
EtOH(20mL)中の(2R,3S,4S,5R)-3-(2-ベンジルオキシ-3,4-ジフルオロ-フェニル)-N-[6-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-3-ピリジル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(800mg、1.207mmol)及びパラジウム炭素(50mgの10重量%充填、0.469mmol)の混合物を、水素雰囲気下(1気圧)で、周囲温度で5時間撹拌した。反応混合物を、0.45μmのセルロース膜を通して濾過した。濾液を真空中で濃縮して、(2R,3S,4S,5R)-N-[6-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-3-ピリジル]-3-(3,4-ジフルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(630mg、91%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ 8.53 (s, 1H), 8.38 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.07 (t, J = 6.2 Hz, 1H), 6.76 (dd, J = 17.2, 9.4 Hz, 1H), 6.38-6.61 (br s,1H), 5.07 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 4.82 (s, 2H), 4.15 (dd, J = 10.8, 8.0 Hz, 1H), 2.85 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 1.68 (s, 3H), 0.94 (dd, J = 5.4, 1.9 Hz, 9H), 0.83-0.78 (m, 3H), 0.11 (t, J = 2.5 Hz, 6H) ppm.19F NMR (376 MHz,クロロホルム-d) δ -74.5 (s, 3F), -137.9 (d, J = 19.4 Hz, 1F), -162.5 - -162.5 (m, 1F) ppm.ESI-MS m/z 計算値560.213、実測値561.2 (M+1)+; 559.1 (M-1)-;保持時間:2.13分。
【0333】
ステップ5:
[(2S)-2-メトキシプロピル]メタンスルホネート(40mg、0.214mmol)を、DMSO(1mL)中の(2R,3S,4S,5R)-N-[6-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-3-ピリジル]-3-(3,4-ジフルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(40mg、0.056mmol)及びK2CO3(30mg、0.217mmol)の懸濁液に添加した。反応混合物を60℃で7時間撹拌した。反応混合物を、EtOAc(20mL)と水(6mL)とに分配した。有機層を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮して、油を得た。逆相クロマトグラフィー(SiO2、MeCN中0.1%NH4OHを含む10~80%の水)により精製して、(2R,3S,4S,5R)-N-[6-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-3-ピリジル]-3-[3,4-ジフルオロ-2-[(2S)-2-メトキシプロポキシ]フェニル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(23mg、61%)を無色の油として得た。ESI-MS m/z計算値632.2705、実測値633.76 (M+1)+; 631.66 (M-1)-;保持時間:3.68分。
【0334】
ステップ6:
THF(44.3mg、50μL、0.16mmol)中の1M TBAF溶液を、THF(2mL)中の(2R,3S,4S,5R)-N-(6-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ピリジン-3-イル)-3-(3,4-ジフルオロ-2-((S)-2-メトキシプロポキシ)フェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(23mg、0.0345mmol)の溶液に0℃で添加した。反応物を周囲温度で2時間撹拌した。反応物を、EtOAc(15mL)と水(4mL)とに分配した。有機層を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮して、油を得た。逆相クロマトグラフィー(SiO2、MeCN中0.1%NH4OHを含む10~80%水)によって精製して、(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-((S)-2-メトキシプロポキシ)フェニル)-N-(6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(5、13mg、72%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ 8.64 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.57 (s, 1H), 8.16 (dd, J = 8.5, 2.5 Hz, 1H), 7.28-7.25 (br s, 1H), 7.12-7.09 (m, 1H), 6.91 (dd, J = 16.5, 9.2 Hz, 1H), 5.05 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 4.74 (s, 2H), 4.32 (dd, J = 11.4, 7.3 Hz, 1H), 4.18-4.09 (m, 2H), 3.57 (td, J = 6.0, 2.7 Hz, 1H), 3.22 (s, 3H), 2.82 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 2.02-2.45 (1H), 1.70 (s, 3H), 1.23 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 0.79-0.77 (m, 3H) ppm.CHCl3シグナル下で1つのプロトンが隠されている。19F NMR (376 MHz,クロロホルム-d) δ -74.4 (d, J = 37.5 Hz, 3F), -137.1 - -137.3 (m, 1F), -153.7 (dd, J = 18.9, 6.0 Hz, 1F) ppm.ESI-MS m/z 計算値518.184、実測値519.52 (M+1)+; 517.4 (M-1)-;保持時間:2.51分。
【0335】
ステップ5で異なるカップリングパートナーを使用したことを除いて、実施例3に記載の方法を使用して以下の化合物を作製した:
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【表3-4】
【0336】
実施例4:
(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-N-(6-((R)-1,2-ジヒドロキシエチル)ピリジン-3-イル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(10)
【化68】
ステップ1及び2:
塩化オキサリル(738μL、8.460mmol)を、ジクロロメタン(10mL)中の(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシ-フェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(1.5g、4.234mmol)及びDMF(31μL、0.4004mmol)の溶液に滴加した。周囲温度で30分間撹拌した後、溶液を真空中で濃縮した。rac-6-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)ピリジン-3-アミン(904mg、4.654mmol)及びEt
3N(706μL、5.065mmol)の混合物を、ジクロロメタン(10mL)中に再溶解した残留物に添加した。混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を、EtOAc(30mL)と水(30mL)とに分配した。水層をEtOAc(50mL)で更に抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(1×20mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空中で濃縮した。逆相分取HPLC(Waters Sunfire C18、10μM、100Åカラム、0.1%のアンモニアを含む水中0%~100%MeCN)により精製して、凍結乾燥後に、(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシフェニル)-N-(6-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)ピリジン-3-イル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミドの2つのジアステレオ異性体の混合物を得た。
【0337】
(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシフェニル)-N-(6-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)ピリジン-3-イル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミドの2つのジアステレオマーの混合物を、Berger InstrumentsからのMinigram SFC機器上で、DaicelからのChiralcel OJ-Hカラム、5μmの粒径、25cm×10mmを使用してキラルSFCによって分離した:
【0338】
第1の溶出異性体(保持時間=2.99分): (2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシフェニル)-N-(6-((R)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)ピリジン-3-イル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(700mg、60%)。ESI-MS m/z 計算値530.184、実測値531.2 (M+1)+;保持時間:3.56分。
【0339】
第2の溶出異性体(保持時間=3.63分): (2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシフェニル)-N-(6-((S)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)ピリジン-3-イル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(700mg、60%)。ESI-MS m/z 計算値530.184、実測値531.2 (M+1)+;保持時間:3.56分。
【0340】
ステップ3:
TFA(1.743mL、22.62mmol)を、DCM(20mL)中の(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシフェニル)-N-(6-((R)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)ピリジン-3-イル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(600mg、1.112mmol)(SFC分離からの第1の溶出異性体)の溶液に添加し、混合物を周囲温度で2時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、MeCN及び水から凍結乾燥させて、白色の固体を得た。逆相分取HPLC(Waters Sunfire C18、10μM、100Åカラム、0.1%のアンモニアを含む水中0%~100%MeCN)により精製して、凍結乾燥後に、(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシフェニル)-N-(6-((R)-1,2-ジヒドロキシエチル)ピリジン-3-イル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(304mg、55%)を得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 10.48 (s, 1H), 8.73 (s, 1H), 8.10 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.52 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.23 - 7.13 (m, 2H), 5.11 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 4.61 (s, 1H), 4.25 (dd, J = 10.3, 7.6 Hz, 1H), 3.95 (d, J = 2.1 Hz, 3H), 3.63 (dd, J = 11.0, 4.4 Hz, 2H), 3.48 (dd, J = 11.0, 6.5 Hz, 2H), 2.77 (p, J = 7.6 Hz, 1H), 1.61 (s, 3H), 0.79 - 0.69 (m, 3H) ppm.ESI-MS m/z 計算値490.1527、実測値491.6 (M+1)+;保持時間:2.98分。
【0341】
ステップ4:
トリブロモボラン(500μLのDCM中1M溶液、0.5mmol)を、DCM(3mL)中の(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-メトキシ-フェニル)-N-[6-((R)-1,2-ジヒドロキシエチル)-3-ピリジル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(80mg、0.1631mmol)の溶液に0℃で添加し、15分間撹拌した。反応混合物をMeOH(2mL)でクエンチし、次いで、真空中で濃縮した。残留物を、MeOH(3mL)中に溶解し、pHを、2M水酸化ナトリウム水溶液でpH9に調整した。混合物を10分間撹拌した。WatersからのX-bridge C18カラム(150×19mm、5μmの粒径)を使用して逆相HPLC-MSにより精製して、rel-(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-[6-((R)-1,2-ジヒドロキシエチル)-3-ピリジル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(75.5mg、93%)を得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 12.78 (s, 1H), 8.48 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.92 (dd, J = 8.5, 2.5 Hz, 1H), 7.36 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.54 - 6.43 (m, 1H), 5.83 (q, J = 8.6 Hz, 1H), 5.72 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 5.27 (s, 1H), 4.61 (s, 1H), 4.50 (s, 1H), 3.69 (dd, J = 11.3, 6.9 Hz, 1H), 3.59 (dd, J = 10.5, 5.1 Hz, 1H), 3.47 - 3.37 (m, 1H), 2.56 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 1.52 (s, 3H), 0.81 - 0.76 (m, 4H) ppm.ESI-MS m/z 計算値476.13705、実測値477.3 (M+1)+; 475.2 (M-1)-;保持時間:2.46分。
【0342】
ステップ5:
1-ブロモ-2-メトキシ-エタン(2μL、0.021mmol)を、DMF(400μL)中の(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-[6-((R)-1,2-ジヒドロキシエチル)-3-ピリジル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(10mg、0.02mmol)及びK2CO3(3.2mg、0.023mmol)の溶液に添加した。混合物を周囲温度、次いで、60℃で撹拌した。WatersからのX-bridge C18カラム(150×19mm、5μmの粒径)を使用して逆相HPLC-MSにより精製して、(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-N-(6-((R)-1,2-ジヒドロキシエチル)ピリジン-3-イル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(10、5.3mg、45%)を得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 10.34 (s, 1H), 8.65 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 8.00 (dd, J = 8.5, 2.5 Hz, 1H), 7.42 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.17 (dd, J = 8.6, 4.4 Hz, 2H), 5.33 (s, 1H), 5.11 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 4.63 (s, 1H), 4.54 (dd, J = 6.8, 4.2 Hz, 1H), 4.34 (dd, J = 10.8, 7.2 Hz, 1H), 4.30 - 4.22 (m, 1H), 4.21 (s, 1H), 3.70 - 3.55 (m, 3H), 3.44 (dd, J = 10.9, 6.8 Hz, 1H), 3.29 (s, 3H), 2.84 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 1.61 (s, 3H), 0.71 (d, J = 6.7 Hz, 3H) ppm.ESI-MS m/z 計算値534.17896、実測値535.3 (M+1)+; 533.0 (M-1)-;保持時間:3.02分。
【0343】
ステップ5で異なるハロゲン化物を使用したことを除いて、実施例4に記載のものと類似の方法を使用して以下の化合物を作製した:
【表4】
【0344】
実施例5:
rel-(2S,3S,4S,5R)-N-(2-(1,2-ジヒドロキシエチル)ピリミジン-5-イル)-3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(16)及び
rel-(2R,3R,4R,5S)-N-(2-(1,2-ジヒドロキシエチル)ピリミジン-5-イル)-3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(15)及び
rel-(2S,3R,4R,5S)-N-(2-(1,2-ジヒドロキシエチル)ピリミジン-5-イル)-3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(13)及び
rel-(2R,3S,4S,5R)-N-(2-(1,2-ジヒドロキシエチル)ピリミジン-5-イル)-3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(14)
【化69】
ステップ1:
温度計が横に配置された2Lの3つ口丸底フラスコに、1,4-ジオキサン(400mL)中のエチルrac-(4R,5R)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)-3-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)-4,5-ジヒドロフラン-2-カルボキシレート(39.05g、101.1mmol)、(4-フルオロ-2-メトキシ-3-メチル-フェニル)ボロン酸(20.4g、110.9mmol)、PdCl
2(PPh
3)
2(1.4g、1.995mmol)、及びNaHCO
3(120mL)の混合物を添加した。オレンジ色の混合物を、20分間50℃で加熱した。反応混合物を、周囲温度に冷却し、EtOAc(100mL)及び水(100mL)で希釈した。層を分離し、水相をEtOAc(4×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(1×50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空中で100mLに濃縮した。炭(10g)を添加し、混合物を2時間撹拌した。混合物を、EtOAcで洗浄しながら濾過した。濾液を真空中で濃縮して、50gの粗生成物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(330gのSiO
2、ヘプタン中0~35%EtOAc)により精製して、エチルrac-(4S,5R)-3-(4-フルオロ-2-メトキシ-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)-4,5-ジヒドロフラン-2-カルボキシレート(27.3g、72%)を淡い黄色の油として得た。
1H NMR (500 MHz,クロロホルム-d) δ 6.98 - 6.88 (m, 1H), 6.81 (t, J = 8.7 Hz, 1H), 4.20 - 4.07 (m, 2H), 3.66 (s, 3H), 3.58 - 3.49 (m, 1H), 2.21 (d, J = 2.1 Hz, 3H), 1.7 (s, 3H), 1.12 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 1.06 (dq, J = 7.2, 2.3 Hz, 3H) ppm.ESI-MS m/z 計算値376.12976、実測値377.5 (M+1)
+;保持時間:1.09分。
【0345】
ステップ2:
温度計が横に配置された1Lの3つ口フラスコに、エチルrac-(4S,5R)-3-(4-フルオロ-2-メトキシ-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)-4,5-ジヒドロフラン-2-カルボキシレート(27.35g、72.67mmol)、続いて、DCM(200mL)を添加した。この混合物を氷浴中で5℃まで冷却した。三臭化ホウ素(112mLのDCM中1M溶液、112.0mmol)を5℃で30分間にわたって添加し、反応混合物を、1時間撹拌した。完了時に、混合物を水(注意発泡)(100mL)でゆっくりとクエンチした。NaHCO3溶液(100mL)を添加し、混合物を30分間撹拌した。水相をDCM(3×50mL)で抽出し、有機層をNaHCO3(5×100mL)で洗浄した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。EtOAc(100mL)中のこの固体の溶液に、炭(15g)を添加し、混合物を周囲温度で一晩撹拌した。反応混合物をセライトを通して濾過し、濾液を真空中で濃縮して、エチルrac-(4S,5R)-3-(4-フルオロ-2-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)-4,5-ジヒドロフラン-2-カルボキシレート(27.7g、100%)を黄色のワックス状の固体として得た。ESI-MS m/z 計算値362.11414、実測値363.5 (M+1)+; 361.5 (M-1)-;保持時間:0.99分。
【0346】
ステップ3:
TFA(9.8mL、127.2mmol)を、DCM(200mL)中のエチルrac-(4S,5R)-3-(4-フルオロ-2-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)-4,5-ジヒドロフラン-2-カルボキシレート(27.7g、76.45mmol)の溶液に撹拌しながら周囲温度で添加した。反応混合物を還流で加熱し、この温度で2.5時間撹拌した。反応混合物を周囲温度まで冷却し、飽和NaHCO3水溶液(100mL)でクエンチし、層を分離した。DCM層を飽和NaHCO3水溶液(4×100mL)で洗浄した。有機抽出物を乾燥させ(Na2SO4)、真空中で濃縮して、ワックス状の固体を得た。この固体を酢酸エチル(200mL)中に再溶解した。活性炭(10g)を添加し、混合物を周囲温度で一晩撹拌した。混合物を、酢酸エチル(3×100ml)で洗浄しながらセライトカートリッジを通して濾過した。濾液を真空中で濃縮して、rac-(1S,2R)-7-フルオロ-1,2,6-トリメチル-2-(トリフルオロメチル)-1,2-ジヒドロ-4H-フロ[2,3-c]クロメン-4-オン(24.18g、100%)をワックス状の固体として得た。ESI-MS m/z計算値316.07227、実測値317.4 (M+1)+; 315.4 (M-1)-;保持時間:0.94分
【0347】
ステップ4:
MeOH(700mL)中のrac-(1S,2R)-7-フルオロ-1,2,6-トリメチル-2-(トリフルオロメチル)-1,2-ジヒドロ-4H-フロ[2,3-c]クロメン-4-オン(24.77g、78.32mmol)の溶液を、水酸化パラジウム炭素(22gの20重量%充填、31.33mmol)を含む1LのParr水素化フラスコに添加した。反応混合物を排出し、窒素(×3)で充填し戻し、次いで、排出し、水素(×3)で充填し戻し、水素雰囲気下、60psiで116時間撹拌した。反応混合物を、MeOH(1L)及びEtOAc(500ml)で洗浄しながらセライトを通して濾過した。濾液を真空中で濃縮して、メチルrac-(2S,3S,4S,5R)-3-(4-フルオロ-2-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(8.896g、32%)を灰色がかった白色の固体として得た。1H NMR (500 MHz,クロロホルム-d) δ 7.20 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 6.57 (t, J = 8.9 Hz, 1H), 4.88 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 4.28 (dd, J = 8.4, 6.1 Hz, 1H), 3.56 (s, 3H), 2.81 (p, J = 7.7 Hz, 1H), 2.14 (d, J = 1.7 Hz, 3H), 1.52 (d, J = 1.2 Hz, 3H), 0.92 (dq, J = 7.4, 1.9 Hz, 3H).ESI-MS m/z 計算値350.11414、実測値349.4 (M-1)-;保持時間:0.96分。
【0348】
ステップ5:
KO-t-Bu(11.40g、101.6mmol)を、THF(125mL)中のrac-(2S,3S,4S,5R)-メチル-3-(4-フルオロ-2-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(8.896g、25.39mmol)の撹拌溶液に0℃で添加し、反応混合物を15分間撹拌した。1M HCl(350mL)、ブライン(100mL)、及びDCM(100mL)を反応混合物に添加し、層を分離した。水層をDCM(3×100mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。残留物を、DCM(71.17mL)中に再溶解し、TFA(26.62g、17.99mL、233.5mmol)で処理した。反応物を周囲温度で2時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残留物をDCM(2×50mL)で共沸させた。残留物を、DCM(100mL)と水(50mL)とに分配し、層を分離した。有機層を水(3×50mL)で洗浄し、有機抽出物を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮して、3-(4-フルオロ-2-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(9.753g、100%)の4つの立体異性体の混合物を茶色の油として得た((2S,3S,4S,5R)、(2R,3R,4R,5S)、(2R,3S,4S,5R)、及び(2S,3R,4R,5S))。ESI-MS m/z計算値336.09848、実測値335.5 (M-1)-;保持時間:0.56分。
【0349】
ステップ6:
MeCN(10mL)中のステップ5から得られた3-(4-フルオロ-2-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸の立体異性体の混合物の溶液(1g、2.974mmol)に、K2CO3(1.65g、11.94mmol)及び1-ブロモ-2-メトキシ-エタン(1.2mL、12.77mmol)を添加し、混合物を80℃で一晩加熱した。反応混合物を、周囲温度に冷却し、DCMで希釈し、濾過した。濾液を真空中で濃縮して、2-メトキシエチル-3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(1.095g、81%)の4つの立体異性体の混合物を黄色の油として得た((2S,3S,4S,5R)、(2R,3R,4R,5S)、(2R,3S,4S,5R)、及び(2S,3R,4R,5S))。ESI-MS m/z計算値452.1822、実測値453.6 (M+1)+;保持時間:1.04分。
【0350】
ステップ7:
LiOH(3mLの2M水溶液、6.0mmol)を、MeOH(15mL)/水(3mL)中のステップ6から得られた2-メトキシエチル-3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(1.095g、2.420mmol)の立体異性体の混合物の溶液に添加し、混合物を周囲温度で15分間撹拌した。反応物を真空中で濃縮し、1M HClでクエンチした。層を分離し、水層をDCM(2×5mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、相分離カートリッジに通過させることによって乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(714.6mg、60%)の4つの立体異性体の混合物を得た((2S,3S,4S,5R)、(2R,3R,4R,5S)、(2R,3S,4S,5R)、及び(2S,3R,4R,5S))。ESI-MS m/z計算値394.14035、実測値395.5 (M+1)+;保持時間:0.47分。
【0351】
ステップ8:
2-MeTHF(8mL)中のステップ7から得られた3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸の立体異性体の混合物の氷冷溶液(400mg、0.91mmol)に、DMF(30μLの2-MeTHF中0.86M溶液、0.025mmol)、続いて、塩化オキサリル(170μL、1.949mmol)を添加した。混合物を撹拌し、周囲温度まで1時間にわたって加温させた。反応混合物を真空中で濃縮して、3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-塩化カルボニル(410mg、49%)の4つの立体異性体の混合物を得た((2S,3S,4S,5R)、(2R,3R,4R,5S)、(2R,3S,4S,5R)、及び(2S,3R,4R,5S))。ESI-MS m/z計算値412.10645、実測値409.0 (M+1)+;保持時間:1.07分。
【0352】
ステップ9:
ステップ8から得られた2-MeTHF(8mL)中の3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-塩化カルボニル(300mg、0.3270mmol)の立体異性体の混合物の溶液を、2-MeTHF(8mL)及びNMP(1mL)中のrel-2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)ピリミジン-5-アミン(105mg、0.5379mmol)(第2の溶出異性体、中間体E)及びEt3N(285μL、2.045mmol)の氷冷溶液に添加した。反応混合物を周囲温度まで加温させ、一晩撹拌した。反応混合物を、水(2mL)でクエンチし、層を分離した。水層をEtOAc(2×5mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(2×5mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、ヘプタン中0~25%EtOAc)により精製して、2つの異性体混合物を得た:
【0353】
第1の溶出異性体:
(2S,3S,4S,5R)-N-(2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)ピリミジン-5-イル)-3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド及び(2R,3R,4R,5S)-N-(2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)ピリミジン-5-イル)-3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(115.6mg、62%)。1H NMR (500 MHz,クロロホルム-d) δ 9.00 (s, 2H), 8.45 (s, 1H), 7.20 (dd, J = 8.6, 6.3 Hz, 1H), 6.90 (t, J = 8.7 Hz, 1H), 5.28 (t, J = 6.7 Hz, 1H), 5.02 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 4.45 (dd, J = 8.3, 6.7 Hz, 1H), 4.38 (dd, J = 11.5, 7.5 Hz, 1H), 4.21 (ddd, J = 8.3, 6.7, 1.6 Hz, 1H), 4.05 (ddd, J = 10.8, 5.1, 2.1 Hz, 1H), 3.85 - 3.69 (m, 2H), 3.59 (ddd, J = 11.0, 5.1, 2.1 Hz, 1H), 3.36 (s, 3H), 2.81 (p, J = 7.6 Hz, 1H), 2.23 (d, J = 2.0 Hz, 3H), 1.72 (s, 3H), 1.55 (s, 3H), 1.51 (s, 3H), 0.80 (dq, J = 7.6, 2.3 Hz, 3H) ppm.ESI-MS m/z 計算値571.2305、実測値572.4 (M+1)+; 570.3 (M-1)-;保持時間:1.04分。
【0354】
第2の溶出異性体:
(2R,3S,4S,5R)-N-(2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)ピリミジン-5-イル)-3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド及び(2S,3R,4R,5S)-N-(2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)ピリミジン-5-イル)-3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(30mg、15%)。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.81 (d, J = 1.0 Hz, 2H), 8.24 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.09 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.64 (t, J = 8.7 Hz, 1H), 5.24 (t, J = 6.7 Hz, 1H), 4.93 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 4.61 - 4.51 (m, 1H), 4.42 (dd, J = 8.3, 6.7 Hz, 1H), 4.19 - 4.09 (m, 1H), 4.00 (t, J = 4.4 Hz, 2H), 3.79 - 3.61 (m, 2H), 3.48 (s, 3H), 2.88 (p, J = 7.8 Hz, 1H), 2.27 - 2.16 (m, 3H), 1.59 (s, 3H), 1.53 (d, J = 2.2 Hz, 3H), 1.49 (s, 3H), 0.89 - 0.79 (m, 3H) ppm.ESI-MS m/z 計算値571.2305、実測値572.2 (M+1)+; 570.3 (M-1)-;保持時間:1.0分。
【0355】
ステップ10:
ステップ9からの第2の溶出異性体を、Berger InstrumentsからのMinigram SFC機器上で、Regis Technologiesからの(R,R)-Whelk-O1カラム、5μmの粒径、25cm×21.2mmを使用してキラルSFCによって分離して、未知の絶対立体配置の2つの単一の異性体を得た:
【0356】
第1の溶出異性体(保持時間=1.88分):rel-(2S,3R,4R,5S)-N-(2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)ピリミジン-5-イル)-3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(58mg、97%)。ESI-MS m/z 計算値571.2305、実測値572.0 (M+1)+; 570.1 (M-1)-;保持時間:3.58分。
【0357】
第2の溶出異性体(保持時間=3.05分):rel-(2R,3S,4S,5R)-N-(2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)ピリミジン-5-イル)-3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(53.5mg、88%)。ESI-MS m/z 計算値571.2305、実測値572.0 (M+1)+; 570.1 (M-1)-;保持時間:3.57分。
【0358】
ステップ11:
TFA(390μL、5.062mmol)を、DCM(7mL)中のrel-(2S,3R,4R,5S)-N-(2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)ピリミジン-5-イル)-3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(58mg、0.1015mmol、ステップ10からの第1の溶出異性体)の撹拌溶液に添加し、反応混合物を周囲温度で18時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残留物をDCM(×2)で共沸させた。WatersからのX-bridge C18 カラム(150×19mm、5μmの粒径)を使用して逆相HPLC-MSにより精製して、rel-(2S,3R,4R,5S)-N-(2-(1,2-ジヒドロキシエチル)ピリミジン-5-イル)-3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(13、31mg、57%)を得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 10.44 (s, 1H), 8.98 (s, 2H), 7.24 (dd, J = 8.8, 6.5 Hz, 1H), 6.97 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 5.16 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 5.11 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 4.66 - 4.50 (m, 2H), 4.37 (dd, J = 10.9, 7.3 Hz, 1H), 3.99 (ddd, J = 10.8, 5.6, 2.4 Hz, 1H), 3.85 (ddd, J = 10.8, 6.6, 2.4 Hz, 1H), 3.77 - 3.51 (m, 4H), 3.31 (s, 3H), 2.76 (p, J = 7.4 Hz, 1H), 2.16 (d, J = 1.9 Hz, 3H), 1.64 (s, 3H), 0.75 - 0.60 (m, 3H) ppm.ESI-MS m/z 計算値531.1992、実測値532.3 (M+1)+; 530.2 (M-1)-;保持時間:3.03分(白色の固体として)。
【0359】
rel-(2R,3S,4S,5R)-N-(2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)ピリミジン-5-イル)-3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(53mg、0.09273mmol、ステップ10からの第2の溶出異性体)を、同じ方法で処理して、逆相HPLC-MSクロマトグラフィー後に、rel-(2R,3S,4S,5R)-N-(2-(1,2-ジヒドロキシエチル))ピリミジン-5-イル)-3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(14、29mg、58%)を得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 10.32 (s, 1H), 8.98 (s, 2H), 7.25 (dd, J = 8.7, 6.5 Hz, 1H), 6.97 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 5.16 (s, 1H), 5.11 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 4.59 (q, J = 7.7, 6.7 Hz, 2H), 4.37 (dd, J = 10.9, 7.3 Hz, 1H), 3.99 (ddd, J = 10.8, 5.6, 2.4 Hz, 1H), 3.87 - 3.79 (m, 1H), 3.77 - 3.55 (m, 4H), 3.32 (s, 3H), 2.76 (p, J = 7.4 Hz, 1H), 2.16 (d, J = 1.9 Hz, 3H), 1.64 (s, 3H), 0.70 (dd, J = 7.3, 2.5 Hz, 3H) ppm.ESI-MS m/z 計算値531.1992、実測値532.3 (M+1)+; 530.2 (M-1)-;保持時間:3.02分(白色の固体として)。
【0360】
ステップ10の出発物質がステップ9からの第1の溶出異性体であったことを除いて、実施例5に記載の方法を使用して以下の化合物を作製した:
【表5】
【0361】
実施例6
rel-(2S,3S,4S,5R)-N-(2-(1,2-ジヒドロキシエチル)ピリミジン-5-イル)-3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(19)及び
rel-(2R,3R,4R,5S)-N-(2-(1,2-ジヒドロキシエチル)ピリミジン-5-イル)-3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(20)及び
rel-(2R,3S,4S,5R)-N-(2-(1,2-ジヒドロキシエチル)ピリミジン-5-イル)-3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(17)及び
rel-(2S,3R,4R,5S)-N-(2-(1,2-ジヒドロキシエチル)ピリミジン-5-イル)-3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(18)
【化70】
ステップ1:
実施例5のステップ8から得られた2-MeTHF(8mL)中の3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-塩化カルボニル(300mg、0.3270mmol)の異性体の混合物の溶液を、2-MeTHF(8mL)及びNMP(1mL)中のrel-2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)ピリミジン-5-アミン(105mg、0.5379mmol)(第1の溶出異性体、中間体E)及びEt
3N(285μL、2.045mmol)の氷冷溶液に添加した。反応混合物を周囲温度まで加温し、一晩撹拌した。反応混合物を、水(2mL)でクエンチし、層を分離した。水層をEtOAc(2×5mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をブライン(2×5mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中0~25%EtOAc)により精製して、2つの異性体混合物を得た:
【0362】
第1の溶出異性体:
(2S,3S,4S,5R)-N-(2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)ピリミジン-5-イル)-3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド及び(2R,3R,4R,5S)-N-(2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)ピリミジン-5-イル)-3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(115.6mg、62%)。1H NMR (500 MHz,クロロホルム-d) δ 9.00 (s, 2H), 8.45 (s, 1H), 7.20 (dd, J = 8.6, 6.3 Hz, 1H), 6.90 (t, J = 8.7 Hz, 1H), 5.28 (t, J = 6.7 Hz, 1H), 5.02 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 4.45 (dd, J = 8.3, 6.7 Hz, 1H), 4.38 (dd, J = 11.5, 7.5 Hz, 1H), 4.21 (ddd, J = 8.3, 6.7, 1.6 Hz, 1H), 4.05 (ddd, J = 10.8, 5.1, 2.1 Hz, 1H), 3.85 - 3.69 (m, 2H), 3.59 (ddd, J = 11.0, 5.1, 2.1 Hz, 1H), 3.36 (s, 3H), 2.81 (p, J = 7.6 Hz, 1H), 2.23 (d, J = 2.0 Hz, 3H), 1.72 (s, 3H), 1.55 (s, 3H), 1.51 (s, 3H), 0.80 (dq, J = 7.6, 2.3 Hz, 3H) ppm.ESI-MS m/z 計算値571.2305、実測値572.4 (M+1)+; 570.3 (M-1)-;保持時間:1.04分。
【0363】
第2の溶出異性体:
(2R,3S,4S,5R)-N-(2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)ピリミジン-5-イル)-3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド及び(2S,3R,4R,5S)-N-(2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)ピリミジン-5-イル)-3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(30mg、15%)。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.81 (d, J = 1.0 Hz, 2H), 8.24 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.09 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.64 (t, J = 8.7 Hz, 1H), 5.24 (t, J = 6.7 Hz, 1H), 4.93 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 4.61 - 4.51 (m, 1H), 4.42 (dd, J = 8.3, 6.7 Hz, 1H), 4.19 - 4.09 (m, 1H), 4.00 (t, J = 4.4 Hz, 2H), 3.79 - 3.61 (m, 2H), 3.48 (s, 3H), 2.88 (p, J = 7.8 Hz, 1H), 2.27 - 2.16 (m, 3H), 1.59 (s, 3H), 1.53 (d, J = 2.2 Hz, 3H), 1.49 (s, 3H), 0.89 - 0.79 (m, 3H) ppm.ESI-MS m/z 計算値571.2305、実測値572.2 (M+1)+; 570.3 (M-1)-;保持時間:1.0分。
【0364】
ステップ2:
ステップ1からの第2の溶出異性体を、Berger InstrumentsからのMinigram SFC機器上で、Regis Technologiesからの(R,R)-Whelk-O1カラム、5μmの粒径、25cm×21.2mmを使用してキラルSFCによって分離して、未知の絶対立体配置の2つの単一の異性体を得た:
【0365】
第1の溶出異性体(保持時間=1.20分):rel-(2R,3S,4S,5R)-N-(2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)ピリミジン-5-イル)-3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(15.1mg、56%)。ESI-MS m/z 計算値571.2305、実測値572.2 (M+1)+; 570.3 (M-1)-;保持時間:3.37分。
【0366】
第2の溶出異性体(保持時間=1.48分):rel-(2S,3R,4R,5S)-N-(2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)ピリミジン-5-イル)-3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(15.3mg、56%)。ESI-MS m/z 計算値571.2305、実測値572.2 (M+1)+; 570.3 (M-1)-;保持時間:3.37分。
【0367】
ステップ3:
TFA(390μL、5.062mmol)を、DCM(3mL)中のrel-(2R,3S,4S,5R)-N-(2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)ピリミジン-5-イル)-3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(15mg、0.026mmol、ステップ2からの第1の溶出異性体)の撹拌溶液に添加し、反応混合物を周囲温度で18時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残留物をDCM(×2)で共沸させた。WatersからのX-bridge C18 カラム(150×19mm、5μmの粒径)を使用して逆相HPLC-MSにより精製して、rel-(2R,3S,4S,5R)-N-(2-(1,2-ジヒドロキシエチル)ピリミジン-5-イル)-3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(17、43mg、58%)を得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 10.47 (s, 1H), 8.98 (s, 2H), 7.24 (dd, J = 8.7, 6.5 Hz, 1H), 6.97 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 5.17 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 5.11 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 4.59 (dt, J = 10.6, 5.9 Hz, 2H), 4.37 (dd, J = 10.9, 7.3 Hz, 1H), 3.99 (ddd, J = 10.9, 5.5, 2.3 Hz, 1H), 3.85 (ddd, J = 10.7, 6.6, 2.4 Hz, 1H), 3.75 - 3.54 (m, 4H), 3.31 (s, 3H), 2.76 (p, J = 7.4 Hz, 1H), 2.16 (d, J = 2.0 Hz, 3H), 1.64 (s, 3H), 0.76 - 0.61 (m, 3H) ppm; ESI-MS m/z 計算値531.1992、実測値532.3 (M+1)+; 530.2 (M-1)-;保持時間:3.02分。
【0368】
rel-(2S,3R,4R,5S)-N-(2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)ピリミジン-5-イル)-3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(53mg、0.09273mmol)(ステップ2でのSFC分離からの第2の溶出異性体)を、同じ方法で処理して、逆相HPLC-MSクロマトグラフィー後に、rel-(2S,3R,4R,5S)-N-(2-(1,2-ジヒドロキシエチル)ピリミジン-5-イル)-3-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(18、45mg、16%)を得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 10.47 (s, 1H), 8.98 (s, 2H), 7.24 (dd, J = 8.7, 6.5 Hz, 1H), 6.97 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 5.16 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 5.11 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 4.64 - 4.50 (m, 2H), 4.37 (dd, J = 10.9, 7.3 Hz, 1H), 3.99 (ddd, J = 10.9, 5.6, 2.4 Hz, 1H), 3.85 (ddd, J = 10.9, 6.6, 2.4 Hz, 1H), 3.79 - 3.53 (m, 4H), 3.32 (s, 3H), 2.76 (p, J = 7.5 Hz, 1H), 2.16 (d, J = 2.0 Hz, 3H), 1.64 (s, 3H), 0.77 - 0.62 (m, 3H) ppm.ESI-MS m/z 計算値531.1992、実測値532.3 (M+1)+; 530.2 (M-1)-;保持時間:3.02分。
【0369】
化合物17を、X線粉末回折によって分析し、非晶質であると決定した(
図1を参照されたい)。
【0370】
ステップ2の出発物質がステップ1からの第1の溶出異性体であったことを除いて、実施例6に記載の方法を使用して以下の化合物を作製した:
【表6】
【0371】
実施例7
rel-(2R*,3S*,4S*,5R*)-3-(3,4-ジフルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-N-(6-(1-ヒドロキシ-2-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(21)及びrel-(2R*,3S*,4S*,5R*)-3-(3,4-ジフルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-N-(6-(1-ヒドロキシ-2-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(22)
【化71】
ステップ1:
MeCN(75mL)中のメチル(2S,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(3.72g、10.50mmol)及びK
2CO
3(4.4g、31.84mmol)の溶液に、1-ブロモ-2-メトキシ-エタン(3mL、31.92mmol)を添加し、反応混合物を70℃で5時間加熱した。反応混合物をチューブに移し、1-ブロモ-2-メトキシ-エタン(3mL、31.92mmol)を添加した。チューブを密封し、90℃で加熱した。反応混合物を真空中で濃縮し、水とEtOAcとに分配した。水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空中で濃縮して、2-メトキシエチル(3S,4S,5R)-3-[3,4-ジフルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)フェニル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(4g、83%)を得た。ESI-MS m/z計算値456.15714、実測値457.2 (M+1)
+;保持時間:1.01分。
【0372】
ステップ2:
KO-t-Bu(2.96g、26.38mmol)を、2-MeTHF(100mL)中の2-メトキシエチル(3S,4S,5R)-3-[3,4-ジフルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)フェニル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(4g、8.764mmol)の溶液に0℃で添加した。反応混合物を窒素下で撹拌した。反応混合物をHCl(15mLの2M、30.0mmol)で酸性化し、EtOAcに抽出した。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮して、(2R,3S,4S,5R)-3-[3,4-ジフルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)フェニル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(3.1g、89%)を得ると、それを次のステップでそのまま使用した。ESI-MS m/z計算値398.11526、実測値397.1 (M+1)-;保持時間:0.59分。
【0373】
ステップ3:
塩化オキサリル(350μL、4.012mmol)を、DCM(5mL)中の(2R,3S,4S,5R)-3-[3,4-ジフルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)フェニル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(435mg、1.092mmol)及びDMF(1滴)の溶液に添加した。反応混合物を周囲温度で30分間撹拌した。有機層を真空中で濃縮し、次いで、DCM(5mL)中に溶解し、Et3N(330μL、2.368mmol)及び6-[1-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-2-メトキシ-エチル]ピリジン-3-アミン(308.3mg、1.092mmol)で処理した。反応混合物を周囲温度で撹拌し、次いで、真空中で濃縮した。WatersからのX-bridge C18カラム(150×19mm、5μmの粒径)を使用して逆相HPLC-MSにより精製して、(2R,3S,4S,5R)-N-(6-(1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-3-(3,4-ジフルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミドを、tert-ブチル(ジメチル)シリルオキシ位置でのジアステレオマーの混合物として得た。
ESI-MS m/z計算値662.3、実測値663.4 (M+1)+; 661.3 (M-1)-;保持時間:1.28分。
【0374】
ステップ4:
(2R,3S,4S,5R)-N-(6-(1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-3-(3,4-ジフルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミドのジアステレオマーを、WatersからのPrep-100 SFC機器上で、Daicel CorporationからのChiralpak IBカラム、5μmの粒径、25cm×20mmを使用してキラルSFCによって分離した:
【0375】
第1の溶出異性体(保持時間=2.46分):rel-(2R*,3S*,4S*,5R*)-N-(6-(1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-3-(3,4-ジフルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド。ESI-MS m/z計算値662.2811、実測値663.4 (M+1)+; 661.3 (M-1)-;保持時間:4.28分。
【0376】
第2の溶出異性体(保持時間=3.65分):rel-(2R*,3S*,4S*,5R*)-N-(6-(1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-3-(3,4-ジフルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド。ESI-MS m/z計算値662.2811、実測値663.4 (M+1)+; 661.4 (M-1)-;保持時間:4.28分。
【0377】
ステップ5:
濃HCl(900μl)を、MeOH(5mL)中のrel-(2R*,3S*,4S*,5R*)-N-(6-(1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-3-(3,4-ジフルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(ステップ4からの第1の溶出異性体)の溶液に添加した。反応混合物を、周囲温度で15時間撹拌し、次いで、真空中で濃縮した。WatersからのX-bridge C18カラム(150×19mm、5μmの粒径)を使用して逆相HPLC-MSにより精製して、rel-(2R*,3S*,4S*,5R*)-3-(3,4-ジフルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-N-(6-(1-ヒドロキシ-2-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(21、17.8mg、5.9%)を得た。1H NMR (500 MHz,メタノール-d4) δ 8.71 (dd, J = 2.5, 0.8 Hz, 1H), 8.08 (dd, J = 8.6, 2.6 Hz, 1H), 7.55 (dt, J = 8.7, 0.7 Hz, 1H), 7.18 (ddd, J = 8.1, 5.5, 2.1 Hz, 1H), 7.01 (ddd, J = 9.9, 8.9, 7.6 Hz, 1H), 5.10 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 4.47 (dd, J = 10.9, 7.6 Hz, 1H), 4.37 (dddd, J = 11.1, 5.9, 2.4, 1.1 Hz, 1H), 4.23 (dddd, J = 11.2, 6.0, 2.6, 1.2 Hz, 1H), 3.74 - 3.62 (m, 3H), 3.57 (dd, J = 10.1, 7.0 Hz, 1H), 3.37 (s, 3H), 3.36 (s, 3H), 2.88 (q, J = 7.5 Hz, 1H), 1.71 (d, J = 1.1 Hz, 3H), 0.82 (dq, J = 7.4, 2.3 Hz, 3H) ppm.ESI-MS m/z 計算値548.1946、実測値549.3 (M+1)+; 547.2 (M-1)-;保持時間:3.19分。
【0378】
rel-(2R*,3S*,4S*,5R*)-N-(6-(1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-3-(3,4-ジフルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(ステップ4からの第2の溶出異性体)を、同じ方法で処理して、逆相HPLC-MSクロマトグラフィー後に、rel-(2R*,3S*,4S*,5R*)-3-[3,4-ジフルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)フェニル]-N-[6-(1-ヒドロキシ-2-メトキシ-エチル)-3-ピリジル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(22、19.8mg、6.6%)を得た。1H NMR (500 MHz,メタノール-d4) δ 8.72 (dd, J = 2.6, 0.7 Hz, 1H), 8.07 (dd, J = 8.5, 2.5 Hz, 1H), 7.55 (dt, J = 8.6, 0.6 Hz, 1H), 7.18 (ddd, J = 8.3, 5.6, 2.0 Hz, 1H), 7.01 (ddd, J = 9.9, 8.9, 7.6 Hz, 1H), 5.10 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 4.47 (dd, J = 10.9, 7.6 Hz, 1H), 4.37 (dddd, J = 11.2, 6.0, 2.5, 1.2 Hz, 1H), 4.23 (dddd, J = 11.2, 6.0, 2.5, 1.2 Hz, 1H), 3.73 - 3.64 (m, 3H), 3.57 (dd, J = 10.1, 7.1 Hz, 1H), 3.37 (s, 3H), 3.36 (s, 3H), 2.88 (p, J = 7.5 Hz, 1H), 1.71 (d, J = 1.2 Hz, 3H), 0.82 (dq, J = 7.4, 2.3 Hz, 3H) ppm.ESI-MS m/z 計算値548.1946、実測値549.2 (M+1)+; 547.2 (M-1)-;保持時間:3.19分。
【0379】
実施例8
(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-N-(6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(23)
【化72】
ステップ1:
2-ブロモエトキシ-tert-ブチル-ジメチル-シラン(5.5mL、25.63mmol)を、MeCN(30mL)中のメチル(2S,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(3g、8.468mmol)及びK
2CO
3(3.7g、26.77mmol)の混合物に添加した。反応混合物を、窒素下で、約73℃で一晩加熱した。更なるK
2CO
3(3.7g、26.77mmol)及び2-ブロモエトキシ-tert-ブチル-ジメチル-シラン(5.5mL、25.63mmol)を添加し、反応混合物を70℃で2日間撹拌した。反応混合物を周囲温度に冷却し、次いで、事前に包装されたセライトカートリッジを通して濾過した。濾液を真空中で濃縮し、次いで、MTBE中に溶解し、MTBEと水とに分配し、有機相を分離した。有機層を水(2×)及びブライン(1×)で更に洗浄した。有機相を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空中で濃縮して、黄色の油20gが残った。フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中0~25%EtOAc)により精製して、2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル(2R,3S,4S,5R)-3-[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエトキシ]-3,4-ジフルオロ-フェニル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(3.9g、70%)を得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 7.18 (ddd, J = 8.0, 5.8, 1.8 Hz, 1H), 7.10 (dt, J = 9.8, 8.3 Hz, 1H), 5.12 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 4.25 - 4.13 (m, 3H), 4.10 - 4.04 (m, 2H), 3.93 - 3.86 (m, 2H), 3.70 - 3.62 (m, 2H), 2.73 (q, J = 7.5 Hz, 1H), 1.53 (s, 3H), 0.86 (s, 9H), 0.80 (s, 9H), 0.69 (dt, J = 8.5, 4.3 Hz, 3H), 0.06 (s, 6H), -0.02 (d, J = 2.2 Hz, 6H) ppm.
【0380】
ステップ2:
ナトリウムメタノラート(溶液として120.5μLのMeOH中25%w/v、0.55mmol)を、THF(30mL)中の2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル(2R,3S,4S,5R)-3-[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエトキシ]-3,4-ジフルオロ-フェニル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(3.9g、5.93mmol)の溶液に、窒素下で、周囲温度で添加した。反応混合物を5時間撹拌した。MeOH(30mL)及びLiOH(3.614mLの2M水溶液、7.228mmol)を添加し、反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。反応混合物を、1M HClに注ぎ入れ、次いで、MTBE(2×30ml)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮して、(2R,3S,4S,5R)-3-[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエトキシ]-3,4-ジフルオロ-フェニル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(2.89g、98%)を得た。ESI-MS m/z計算値498.1861、実測値499.6 (M+1)+; 497.6 (M-1)-;保持時間:0.82分。
【0381】
ステップ3:
MeCN(5mL)中の(2R,3S,4S,5R)-3-[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエトキシ]-3,4-ジフルオロ-フェニル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(175mg、0.3510mmol)の溶液に、[クロロ(ジメチルアミノ)メチレン]-ジメチル-アンモニウム(118mg、0.4206mmol)、1-メチルイミダゾール(84mg、1.023mmol)、及び6-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]ピリジン-3-アミン(92mg、0.3859mmol)を添加し、反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。反応混合物を水(15mL)及びEtOAc(15mL)に注ぎ、層を分離した。有機層をブライン(5mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、ヘプタン中0~25%EtOAc)により精製して、(2R,3S,4S,5R)-3-[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエトキシ]-3,4-ジフルオロ-フェニル]-N-[6-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-3-ピリジル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(150mg、59%)を得た。ESI-MS m/z計算値718.3257、実測値719.9 (M+1)+;保持時間:1.44分。
【0382】
ステップ4:
THF(2mL)中の(2R,3S,4S,5R)-3-[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエトキシ]-3,4-ジフルオロ-フェニル]-N-[6-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-3-ピリジル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(130mg、0.180mmol)の溶液に、TBAF(542μLの1M、0.542mmol)を添加し、混合物を周囲温度で2時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した。WatersからのX-bridge C18カラム(150×19mm、5μmの粒径)を使用して逆相HPLC-MSにより精製して、(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-N-(6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(23、48mg、52%)を得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 10.33 (s, 1H), 8.70 (dd, J = 2.6, 0.7 Hz, 1H), 8.04 (dd, J = 8.5, 2.6 Hz, 1H), 7.44 (dd, J = 8.4, 0.9 Hz, 1H), 7.20 (dd, J = 8.4, 3.7 Hz, 2H), 5.37 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 5.13 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 5.00 (s, 1H), 4.54 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 4.43 (dd, J = 10.8, 7.3 Hz, 1H), 4.25 - 4.06 (m, 2H), 3.75 (d, J = 4.3 Hz, 2H), 3.32 (s, 3H), 2.95 (q, J = 7.4 Hz, 1H), 1.65 (s, 3H) ppm.ESI-MS m/z 計算値490.1527、実測値491.6 (M+1)+; 489.6 (M-1)-;保持時間:2.77分。
【0383】
実施例9
(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-(オキセタン-3-イルメトキシ)フェニル)-N-(6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(24)
【化73】
ステップ1:
3-(ブロモメチル)オキセタン(526mg、3.483mmol)を、MeCN(10 mL)中のメチル(2S,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(505mg、1.425mmol)及びK
2CO
3(589mg、4.262mmol)の混合物に添加し、反応混合物を80℃で5時間撹拌した。更なる100mgの3-(ブロモメチル)オキセタンを添加し、反応混合物を80℃で一晩撹拌した。反応混合物を、水とEtOAcとに分配した。水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空中で濃縮して、オキセタン-3-イルメチル(3S,4S,5R)-3-[3,4-ジフルオロ-2-(オキセタン-3-イルメトキシ)フェニル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(770mg、96%)を得た。ESI-MS m/z計算値480.15714、保持時間:0.89分。
【0384】
ステップ2:
KO-t-Bu(328mg、2.923mmol)を、0℃に冷却した2-MeTHF(10mL)中のオキセタン-3-イルメチル(3S,4S,5R)-3-[3,4-ジフルオロ-2-(オキセタン-3-イルメトキシ)フェニル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(770mg、1.362mmol)の溶液に添加し、反応混合物を1時間撹拌した。反応混合物を希釈HCl溶液でクエンチした。水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮して、(2R,3S,4S,5R)-3-[3,4-ジフルオロ-2-(オキセタン-3-イルメトキシ)フェニル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(680mg、100%)を黄色の油として得た。1H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ 7.02 - 6.95 (m, 1H), 6.90 (td, J = 9.2, 7.3 Hz, 1H), 4.93 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 4.89 (ddd, J = 7.9, 6.3, 2.4 Hz, 2H), 4.81 (ddd, J = 12.4, 7.7, 6.4 Hz, 0H), 4.58 (dt, J = 11.0, 6.1 Hz, 2H), 4.51 (ddd, J = 10.1, 6.2, 2.1 Hz, 1H), 4.29 (ddd, J = 10.0, 6.3, 1.6 Hz, 1H), 4.18 - 4.12 (m, 1H), 3.40 (dt, J = 14.1, 7.5 Hz, 1H), 2.70 (p, J = 7.6 Hz, 1H), 1.63 - 1.59 (m, 3H), 0.81 - 0.72 (m, 3H) ppm.ESI-MS m/z 計算値410.11526、実測値409.2 (M-1)-;保持時間:0.56分。
【0385】
ステップ3:
T3P(450μLの50%w/w、0.755mmol)及びEt3N(210μL、1.5mmol)を、EtOAc(5mL)中の(2R,3S,4S,5R)-3-[3,4-ジフルオロ-2-(オキセタン-3-イルメトキシ)フェニル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(250mg、0.49mmol)及びメチル5-アミノピリジン-2-カルボキシレート(102mg、0.67mmol)の溶液に順に添加した。反応物を周囲温度で1.5時間撹拌した。更なる30μlのT3Pを添加し、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を、水とEtOAcとに分配した。水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、ヘプタン中0~100%EtOAc)により精製して、メチル5-[[(2R,3S,4S,5R)-3-[3,4-ジフルオロ-2-(オキセタン-3-イルメトキシ)フェニル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボニル]アミノ]ピリジン-2-カルボキシレート(95mg、35%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ 8.68 (dd, J = 2.6, 0.7 Hz, 1H), 8.53 (s, 1H), 8.33 (dd, J = 8.6, 2.6 Hz, 1H), 8.11 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.11 (ddd, J = 8.1, 5.5, 2.1 Hz, 1H), 6.94 (td, J = 9.2, 7.5 Hz, 1H), 5.03 (d, J = 11.1 Hz, 1H), 4.82 (ddd, J = 28.7, 8.0, 6.2 Hz, 2H), 4.61 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.55 - 4.45 (m, 2H), 4.29 (ddd, J = 10.3, 5.4, 2.0 Hz, 1H), 4.24 (dd, J = 11.1, 8.0 Hz, 1H), 3.99 (s, 3H), 3.35 (ddd, J = 13.7, 7.9, 5.7 Hz, 1H), 2.76 (p, J = 7.6 Hz, 1H), 1.69 (d, J = 1.2 Hz, 3H), 0.84 - 0.72 (m, 3H) ppm.ESI-MS m/z 計算値544.16327、実測値545.2 (M+1)+; 543.2 (M-1)-;保持時間:0.92分。
【0386】
ステップ4:
NaBH4(6mg、0.15mmol)を、MeOH(1mL)中のメチル5-[[(2R,3S,4S,5R)-3-[3,4-ジフルオロ-2-(オキセタン-3-イルメトキシ)フェニル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボニル]アミノ]ピリジン-2-カルボキシレート(11mg、0.02mmol)の溶液に添加し、反応混合物を50℃で6時間撹拌した。反応混合物を40℃で一晩撹拌した。反応混合物を、AcOHでクエンチし、MeCN、水、及びMeOHで希釈した。WatersからのX-bridge C18カラム(150×19mm、5μmの粒径)を使用して逆相HPLC-MSにより精製して、(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-(オキセタン-3-イルメトキシ)フェニル)-N-(6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(トリフルオロ酢酸塩)(24、2.9mg、22%)を得た。1H NMR (400 MHz,メタノール-d4) δ 8.74 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 8.13 (dd, J = 8.5, 2.5 Hz, 1H), 7.54 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.20 - 7.13 (m, 1H), 7.05 - 6.96 (m, 1H), 5.09 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 4.90 - 4.85 (m, 2H), 4.67 (s, 2H), 4.63 (dt, J = 10.6, 6.1 Hz, 2H), 4.50 (ddd, J = 10.0, 5.9, 1.8 Hz, 1H), 4.37 (dd, J = 10.6, 8.0 Hz, 1H), 4.31 (dd, J = 9.6, 6.2 Hz, 1H), 3.51 - 3.40 (m, 1H), 2.79 (p, J = 7.4 Hz, 1H), 1.68 - 1.64 (m, 3H), 0.86 - 0.79 (m, 3H) ppm.ESI-MS m/z 計算値516.16833、実測値516.9 (M+1)+; 515.0 (M-1)-;保持時間:3.69分。
【0387】
実施例10
(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-(2-モルホリノエトキシ)フェニル)-N-(6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(25)
【化74】
ステップ1:
氷浴上で冷却したMeOH(20mL)中のメチル(2S,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(5g、14.11mmol)の溶液に、NaOMe(MeOH中の溶液として9.14mLの25%w/v、42.30mmol)の溶液を10分間にわたって滴加した。反応混合物を、0℃で1時間撹拌し、次いで、45℃で一晩撹拌した。反応混合物に、水(1.52mL、84.37mmol)を添加し、反応混合物を45℃で1時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、次いで、2-MeTHF(50mL)と水(25mL)とに分配した。水相をHClでpH1に酸性化し、層を分離した。水層を2-MeTHF(10mL)で抽出し、合わせた有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空中で濃縮して、(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(3.9g、61%)を得た。ESI-MS m/z計算値340.0734、実測値339.1 (M-1)
-;保持時間:0.46分。
【0388】
ステップ2:
アセトン(30mL)中の(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(4g、11.76mmol)の溶液に、4-(2-クロロエチル)モルホリン(塩酸塩)(6.56g、35.25mmol)、NaI(1.76g、11.74mmol)、及びK2CO3(8.12g、58.75mmol)を添加し、反応混合物を60℃で24時間加熱した。反応混合物を冷却させ、MTBE(100mL)と水(100mL)とに分配した。水層をMTBE(30mL)で更に抽出した。合わせた有機画分をブライン(1×10mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、DCM中25%MeOH)により精製して、2-モルホリノエチル(2R,3S,4S,5R)-3-[3,4-ジフルオロ-2-(2-モルホリノエトキシ)フェニル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(4.8g、43%)を得た。ESI-MS m/z計算値566.2415、実測値567.3 (M+1)+;保持時間:0.96分。
【0389】
ステップ3:
KOH(990mg、17.65mmol)を、MeOH(20mL)中の2-モルホリノエチル(2R,3S,4S,5R)-3-[3,4-ジフルオロ-2-(2-モルホリノエトキシ)フェニル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(4g、7.060mmol)の溶液に添加し、反応混合物を完了するまで35℃で撹拌した。水(20mL)を反応混合物に添加し、MeOHを真空中で除去した。水性粗製物を1M NaOH溶液でpH14に塩基性化し、MTBE(20mL)で洗浄して、エチルモルホリンを除去した。有機相を水(×2)で抽出した。次いで、合わせた水相を6N HClでpH4.6に酸性化し、EtOAc(×3)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮して、(2R,3S,4S,5R)-3-[3,4-ジフルオロ-2-(2-モルホリノエトキシ)フェニル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(2.7g、82%)を得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.19 (ddd, J = 7.9, 5.8, 1.7 Hz, 1H), 7.12 (td, J = 9.4, 7.5 Hz, 1H), 5.01 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 4.39 - 4.29 (m, 1H), 4.22 (ddd, J = 17.1, 10.8, 6.0 Hz, 2H), 3.57 (t, J = 4.7 Hz, 4H), 2.83 - 2.61 (m, 3H), 2.45 (s, 4H), 1.56 (s, 3H), 0.67 (dt, J = 7.3, 2.3 Hz, 3H) ppm.ESI-MS m/z 計算値453.1574、実測値454.4 (M+1)+; 452.2 (M-1)-;保持時間:0.55分。
【0390】
ステップ4:
EtOAc(2mL)中の(2R,3S,4S,5R)-3-[3,4-ジフルオロ-2-(2-モルホリノエトキシ)フェニル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(70mg、0.149mmol)の溶液に、6-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]ピリジン-3-アミン(71mg、0.29mmol)、Et3N(75μL、0.53mmol)、及びT3P(130μL、0.437mmol)を添加し、反応混合物を周囲温度で4時間撹拌した。反応混合物を、EtOAc(10mL)と水(10mL)とに分配した。有機層を水(10mL)で再度洗浄した。有機相をブライン(1×10mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮して、(2R,3S,4S,5R)-N-[6-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-3-ピリジル]-3-[3,4-ジフルオロ-2-(2-モルホリノエトキシ)フェニル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(60mg、32%)を得た。ESI-MS m/z計算値673.297、実測値674.3 (M+1)+; 672.4 (M-1)-;保持時間:1.27分。
【0391】
ステップ5:
TBAF(100μLの1M、0.1mmol)を、THF(2mL)中の(2R,3S,4S,5R)-N-[6-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-3-ピリジル]-3-[3,4-ジフルオロ-2-(2-モルホリノエトキシ)フェニル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(80mg、0.062mmol)の溶液に添加し、反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した。WatersからのX-bridge C18カラム(150×19mm、5μmの粒径)を使用して逆相HPLC-MSにより精製して、(2R,3S,4S,5R)-3-(3-フルオロ-2-(2-モルホリノエトキシ)フェニル)-N-(6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(25、31mg、86%)を得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 10.35 (s, 1H), 8.67 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 8.03 (td, J = 8.3, 2.5 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.21 - 7.09 (m, 2H), 5.35 (s, 1H), 5.12 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 4.50 (s, 2H), 4.38 - 4.28 (m, 3H), 4.26 - 4.18 (m, 2H), 3.57 - 3.45 (m, 4H), 2.88 (p, J = 7.5 Hz, 1H), 2.40 (t, J = 4.8 Hz, 4H), 1.64 (s, 3H), 0.74 - 0.68 (m, 3H) ppm.ESI-MS m/z 計算値559.2106、実測値560.3 (M+1)+; 558.3 (M-1)-;保持時間:3.0分。
【0392】
化合物25を、X線粉末回折によって分析し、非晶質であると決定した(
図2を参照されたい)。
【0393】
実施例11
(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-(2-((3aR,6aS)-テトラヒドロ-1H-フロ[3,4-c]ピロール-5(3H)-イル)エトキシ)フェニル)-N-(2-(ヒドロキシメチル)ピリミジン-5-イル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(26)
【化75】
ステップ1:
NaI(258mg、1.721mmol)、K
2CO
3(952mg、6.888mmol)、及び(3aS,6aR)-5-(2-クロロエチル)-1,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロフロ[3,4-c]ピロール(908mg、5.169mmol)を、アセトン(9mL)中の(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(586mg、1.722mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、70℃で一晩撹拌した。反応混合物を濾過し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、0~100%ヘプタン、0.5%NH
4OHを含む3:1のEtOAc:EtOH)により精製して、2-[(3aS,6aR)-1,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロフロ[3,4-c]ピロール-5-イル]エチル(2R,3S,4S,5R)-3-[2-[2-[(3aS,6aR)-1,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロフロ[3,4-c]ピロール-5-イル]エトキシ]-3,4-ジフルオロ-フェニル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(678mg、64%)を淡い黄色の油として得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 7.23 - 7.18 (m, 1H), 7.14 - 7.08 (m, 1H), 5.13 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 4.29 - 4.24 (m, 1H), 4.22 (dd, J = 10.7, 7.4 Hz, 1H), 4.18 - 4.12 (m, 2H), 4.11 - 4.06 (m, 1H), 3.70 - 3.62 (m, 4H), 3.41 - 3.37 (m, 2H), 3.25 - 3.20 (m, 2H), 2.78 - 2.67 (m, 7H), 2.60 - 2.54 (m, 2H), 2.47 (t, J = 5.5 Hz, 2H), 2.38 - 2.32 (m, 2H), 2.25 - 2.19 (m, 3H), 2.16 (dd, J = 9.1, 2.8 Hz, 1H), 1.54 (s, 3H), 0.68 (d, J = 6.4 Hz, 3H) ppm.ESI-MS m/z 計算値618.2728、実測値619.0 (M+1)
+;保持時間:3.37分。
【0394】
ステップ2:
KOH(142mg、2.531mmol)を、MeOH(2.6mL)中の2-[(3aS,6aR)-1,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロフロ[3,4-c]ピロール-5-イル]エチル(2R,3S,4S,5R)-3-[2-[2-[(3aS,6aR)-1,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロフロ[3,4-c]ピロール-5-イル]エトキシ]-3,4-ジフルオロ-フェニル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(640mg、1.035mmol)の溶液に添加した。反応混合物を40℃で40分間撹拌した。反応混合物を1M NaOH(50mL)で希釈し、MTBE(50mL)で抽出した。有機相を水(20mL)で抽出し戻した。次いで、合わせた水相を0.1M HClでpH5.24に酸性化し、生成物を。EtOAc(5×50mL)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮して、(2R,3S,4S,5R)-3-[2-[2-[(3aS,6aR)-1,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロフロ[3,4-c]ピロール-5-イル]エトキシ]-3,4-ジフルオロ-フェニル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(428mg、86%)を灰色がかった白色の固体として得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.21 - 7.17 (m, 1H), 7.15 - 7.09 (m, 1H), 4.98 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 4.31 - 4.26 (m, 1H), 4.23 (dd, J = 10.7, 7.4 Hz, 1H), 4.18 - 4.13 (m, 1H), 3.65 - 3.60 (m, 2H), 3.44 - 3.38 (m, 2H), 2.79 - 2.69 (m, 5H), 2.27 - 2.20 (m, 2H), 1.54 (s, 3H), 1.30 - 1.23 (m, 2H), 0.87 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 0.67 (d, J = 6.4 Hz, 3H) ppm.ESI-MS m/z 計算値479.1731、実測値480.0 (M+1)+; 478.1 (M-1)-;保持時間:2.25分。
【0395】
ステップ3:
EtOAc(1.5mL)中の(2R,3S,4S,5R)-3-[2-[2-[(3aS,6aR)-1,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロフロ[3,4-c]ピロール-5-イル]エトキシ]-3,4-ジフルオロ-フェニル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(100mg、0.208mmol)の溶液に、メチル5-アミノピリミジン-2-カルボキシレート(96mg、0.626mmol)を添加し、続いて、Et3N(170μL、1.22mmol)を添加した。得られた混合物を、0℃に冷却し、T3P(500μL、0.84mmol)を滴加した。反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(10mL)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(15mL)に注いだ。有機層を分離し、水層をEtOAc(2×10mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、0.5%NH4OHを含む3:1のEtOAc:EtOH中0~100%ヘプタン)により精製して、メチル5-[[(2R,3S,4S,5R)-3-[2-[2-[(3aS,6aR)-1,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロフロ[3,4-c]ピロール-5-イル]エトキシ]-3,4-ジフルオロ-フェニル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボニル]アミノ]ピリミジン-2-カルボキシレート(113mg、88%)を無色の油を得た。ESI-MS m/z 計算値614.2164、実測値615.1 (M+1)+; 613.2 (M-1)-;保持時間:0.92分。
【0396】
ステップ4:
NaBH4(20mg、0.5286mmol)を、0℃に冷却したMeOH(1.0mL)中のメチル5-[[(2R,3S,4S,5R)-3-[2-[2-[(3aS,6aR)-1,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロフロ[3,4-c]ピロール-5-イル]エトキシ]-3,4-ジフルオロ-フェニル]-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボニル]アミノ]ピリミジン-2-カルボキシレート(111mg、0.18mmol)の溶液に添加した。反応混合物を周囲温度で90分間撹拌し、次いで、水(2mL)でクエンチし、20分間撹拌した。反応混合物をMeOH(5mL)で希釈した。WatersからのX-bridge C18 カラム(150×19mm、5μmの粒径)を使用して逆相HPLC-MSにより精製して、(2R,3S,4S,5R)-3-(3,4-ジフルオロ-2-(2-((3aR,6aS)-テトラヒドロ-1H-フロ[3,4-c]ピロール-5(3H)-イル)エトキシ)フェニル)-N-(2-(ヒドロキシメチル)ピリミジン-5-イル)-4,5-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド(26、27.6mg、26%)を白色の固体として得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 10.43 (s, 1H), 9.00 (s, 2H), 7.21 - 7.17 (m, 1H), 7.16 - 7.10 (m, 1H), 5.25 (t, J = 6.3 Hz, 1H), 5.16 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 4.55 (d, J = 6.3 Hz, 2H), 4.35 (dd, J = 10.6, 7.4 Hz, 1H), 4.30 - 4.25 (m, 1H), 4.18 - 4.13 (m, 1H), 3.57 (dd, J = 8.6, 6.3 Hz, 1H), 3.50 (dd, J = 8.7, 6.2 Hz, 1H), 3.35 (dd, J = 8.9, 3.3 Hz, 1H), 3.27 (dd, J = 8.7, 3.2 Hz, 1H), 2.81 (dq, J = 7.5, 7.5 Hz, 1H), 2.73 - 2.67 (m, 3H), 2.66 - 2.59 (m, 3H), 2.19 (dd, J = 8.8, 3.9 Hz, 1H), 2.15 (dd, J = 8.5, 3.9 Hz, 1H), 1.63 (s, 3H), 0.70 (d, J = 6.6 Hz, 3H) ppm.ESI-MS m/z 計算値586.22144、実測値587.5 (M+1)+; 585.4 (M-1)-;保持時間:3.04分。
【0397】
中間体の調製
中間体A
rac-6-ブロモ-2,3-ジヒドロフロ[3,2-b]ピリジン-3-オール
【化76】
ステップ1:
NaBH
4(113mg、2.987mmol)を、0℃に冷却したMeOH(5.0mL)中の6-ブロモフロ[3,2-b]ピリジン-3-オン(塩酸塩)(300mg、1.198mmol)の懸濁液に少しずつ添加した。反応混合物を周囲温度まで加温させ、2時間撹拌した。反応混合物を水(15mL)に注ぎ、EtOAc(15mL)で希釈した。有機層を分離し、水層をEtOAc(2×15mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空中で濃縮して、rac-6-ブロモ-2,3-ジヒドロフロ[3,2-b]ピリジン-3-オール(223mg、86%)をオレンジ色の固体として得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 8.21 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.62 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 5.95 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 5.16 - 5.12 (m, 1H), 4.68 (dd, J = 10.4, 7.0 Hz, 1H), 4.36 (dd, J = 10.4, 3.0 Hz, 1H) ppm.ESI-MS m/z 計算値214.95819、実測値216.1 (M+1)
+;保持時間:1.57分。
【0398】
中間体B
rac-3-ブロモ-7-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[b]ピリジン
【化77】
ステップ1:
TBSCl(141mg、0.93mmol)及びDMAP(11mg、0.09mmol)を、DCM(2.0mL)中のrac-3-ブロモ-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[b]ピリジン-7-オール(100mg、0.467mmol)及びEt
3N(130μL、0.93mmol)の溶液に添加した。反応混合物を周囲温度で3時間撹拌させた。反応混合物をDCM(20mL)で希釈し、飽和NaHCO
3水溶液(20mL)に注いだ。有機層を分離し、水層をDCM(2×15mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中0~100%EtOAc)により精製して、rac-(3-ブロモ-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[b]ピリジン-7-イル)オキシ-tert-ブチル-ジメチル-シラン(140.0mg、91%)を無色の油として得た。
1H NMR (500 MHz,クロロホルム-d) δ 8.50 - 8.49 (m, 1H), 7.65 - 7.64 (m, 1H), 5.10 (dd, J = 6.9, 4.9 Hz, 1H), 3.07 - 2.99 (m, 1H), 2.79 - 2.71 (m, 1H), 2.44 - 2.37 (m, 1H), 2.06 - 1.99 (m, 1H), 0.92 (s, 9H), 0.20 (s, 3H), 0.15 (s, 3H) ppm.ESI-MS m/z計算値327.0654、実測値328.4 (M+1)
+;保持時間:4.15分。
【0399】
中間体C
6-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ピリジン-3-アミン
【化78】
ステップ1:
水素化アルミニウムリチウム(120mLのトルエン中2M、240mmol)を、THF(400mL)中のメチル5-アミノピコリネート(21.05g、138.35mmol)の撹拌懸濁液にアルゴン下で、0℃で添加した。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌し、次いで、90℃で6時間加熱した。次いで、反応物を0℃に冷却し戻した。反応混合物を、水(9.3mL、滴加)、水中15%NaOH(9.3mL)、及び次いで、更なる水(28mL)を順に添加することによってクエンチした。白色の沈殿物を、追加のTHF(300mL)で洗浄しながら濾過して落とした。濾液を真空中で濃縮して、(5-アミノピリジン-2-イル)メタノール(16.1g、75%)を茶色の油として得ると、それを更に精製することなく次のステップで使用した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 7.81 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.06 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.89 (dd, J = 8.5, 2.5 Hz, 1H), 5.11 (s, 2H), 4.34 (s, 2H) ppm;アルコールOHは観察されず.
【0400】
ステップ2:
イミダゾール(1.97g、28.938mmol)及びtert-ブチルクロロジメチルシラン(3.41g、22.624mmol)を、THF(60mL)中の(5-アミノピリジン-2-イル)メタノール(3.65g、18.641mmol)の溶液に添加した。反応混合物を周囲温度で17時間撹拌した。THF層をデカントし、油状の下相を水(20mL)中に溶解し、EtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮した。油状の残留物(5.8g)を、EtOAc及びヘプタン(30mL)の1対1の混合物中に取った。沈殿物を濾過によって除去した。濾液を真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、ヘプタン中25~75%EtOAc)により精製して、6-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ピリジン-3-アミン(3.92g、81%)を低融点の白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ 8.00 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.27-7.25 (d, 1H), 7.02 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 4.72 (s, 2H), 3.82-2.92 (br s, 2H), 0.93 (s, 9H), 0.08 (s, 6H) ppm.ESI-MS m/z 計算値238.1501、実測値239.5 (M+1)+;保持時間:0.86分。
【0401】
中間体D
[(2S)-2-メトキシプロピル]メタンスルホネート
【化79】
ステップ1:
塩化メシル(444mg、0.3mL、3.876mmol)を、DCM(4mL)中の(2S)-2-メトキシプロパン-1-オール(250mg、2.7740mmol)及びEt
3N(435mg、0.6mL、4.305mmol)の溶液に0℃でゆっくりと添加した。反応混合物を10℃で1時間撹拌し、次いで、DCM(15mL)と水(5mL)とに分配した。有機層を乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空中で濃縮して、[(2S)-2-メトキシプロピル]メタンスルホネート(285mg、55%)を黄色の油として得た。
1H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ 4.21 (dd, J = 10.8, 3.4 Hz, 1H), 4.12 (q, J = 5.6 Hz, 1H), 3.62 (td, J = 6.3, 3.5 Hz, 1H), 3.39 (s, 3H), 3.04 (s, 3H), 1.19 (d, J = 6.4 Hz, 3H) ppm.
【0402】
(R)-2-メトキシプロパン-1-オールを出発物質として使用したことを除いて、中間体D、ステップ1について記載の方法を使用して以下の中間体を調製した:
【表7】
【0403】
2-オキサスピロ[3.3]ヘプタン-6-オールを出発物質として使用したことを除いて、中間体D、ステップ1について記載の方法を使用して以下の中間体を調製した:
【表8】
【0404】
中間体E
rel-2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)ピリミジン-5-アミン及びrel-2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)ピリミジン-5-アミン
【化80】
ステップ1:
クロロギ酸ベンジル(50.820g、42mL、297.90mmol)を、0℃に冷却したTHF(1L)中の2-クロロピリミジン-5-アミン(50g、385.96mmol)及びNa
2CO
3(120g、1.1322 mol)の溶液に添加漏斗を介して添加した。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。反応混合物を濃縮し、EtOAc(300mL)及び水(500mL)で希釈した。層を分離し、水相をEtOAc(3×300mL)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空中で濃縮した。残留物を、ヘキサン中20%DCMで粉砕した。固体を濾過し、真空中で乾燥させて、ベンジルN-(2-クロロピリミジン-5-イル)カルバメート(75.9g、75%)を黄色がかった固体として得た。ESI-MS m/z計算値263.0462、実測値264.1 (M+1)
+;保持時間:3.6分。
【0405】
ステップ2:
2つ口丸底フラスコを、1,4-ジオキサン(60mL)及び水(60mL)中のベンジルN-(2-クロロピリミジン-5-イル)カルバメート(10g、37.925mmol)、ビニルトリフルオロホウ酸カリウム(7.6g、56.738mmol)、及びCs2CO3(37g、113.56mmol)の混合物で充填した。還流コンデンサを追加し、セットアップ脱気し、窒素ガスでパージした。窒素を5分間混合物を通してバブリングし、次いで、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化パラジウム(II)(2.7g、3.8467mmol)を添加した。反応混合物を110℃で一晩加熱した。反応混合物を真空中で濃縮し、次いで、EtOAcと水とに分配した。層を分離し、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(330gのSiO2、ヘプタン中0~35%EtOAc)により精製して、ベンジルN-(2-ビニルピリミジン-5-イル)カルバメート(6.75g、63%)をベージュ色の固体として得た。ESI-MS m/z計算値255.1008、実測値256.4 (M+1)+;保持時間:2.38分。
【0406】
ステップ3:
アセトン(950mL)及び水(150mL)中のベンジルN-(2-ビニルピリミジン-5-イル)カルバメート(15.61g、61.150mmol)の溶液に、N-メチルモルホリンN-オキシド(8g、68.29mmol)及びtert-ブタノール中の四酸化オスミウム(14mLの2.5%w/w、1.376mmol)を順に添加した。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮して、アセトンを除去し、残留物を飽和NH4Cl水溶液(200mL)に注ぎ、EtOAc(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をDCM中に溶解し、沈殿物を濾過し、真空中で濃縮して、ベンジルN-[2-(1,2-ジヒドロキシエチル)ピリミジン-5-イル]カルバメート(12.73g、72%)を灰色の固体として得た。ESI-MS m/z計算値289.1063、実測値289.8 (M+1)+;保持時間:2.53分。
【0407】
ステップ4:
ピリジニウムp-トルエンスルホネート(2.23g、8.8738mmol)を、ベンジルN-[2-(1,2-ジヒドロキシエチル)ピリミジン-5-イル]カルバメート(12.72g、43.970mmol)及び2,2-ジメトキシプロパン(80.465g、95mL、772.60mmol)の混合物に添加し、反応混合物を60℃で24時間撹拌した。反応混合物を水(200mL)で希釈し、EtOAc(3×150mL)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(80gのSiO2、ヘプタン中0~35%EtOAc)により精製して、ベンジルrac-N-[2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)ピリミジン-5-イル]カルバメート(12.72g、88%)を白色の固体として得た。ESI-MS m/z計算値329.1376、実測値330.1 (M+1)+;保持時間:2.42分。
【0408】
ステップ5:
10%Pd/C(4.13g、3.88 mol)を、EtOH(500mL)中のベンジルrac-N-[2-(4,4-ジメチル-1,3-ジオキソラン-2-イル)ピリミジン-5-イル]カルバメート(12.72g、38.622mmol)の溶液に窒素下で添加した。反応フラスコを脱気し、窒素でパージした。反応物を水素雰囲気下で5時間撹拌した。次いで、反応混合物を、セライトのパッドで濾過し、濾液を真空中で濃縮した。白色の固体を過剰のジエチルエーテルで洗浄し、真空中で乾燥させて、rac-2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)ピリミジン-5-アミン(4.4g、54%)を得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.10 (s, 2H), 5.61 (s, 2H), 4.96 (dd, J = 7.7, 6.4 Hz, 1H), 4.22 (dd, J = 7.9, 6.5 Hz, 1H), 4.07 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 1.38 (s, 3H), 1.36 (s, 3H).ESI-MS m/z 計算値195.1008、実測値196.3 (M+1)+;保持時間:0.7分。
【0409】
ステップ6:
rac-2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)ピリミジン-5-アミン(780mg、3.996mmol)のエナンチオマーを、WatersからのPrep-100 SFC機器上で、Daicel CorporationからのChiralpak IBカラム、5μmの粒径、25cm×20mmを使用してキラルSFCによって分離して、2つの異性体を得た:
【0410】
第1の溶出異性体(保持時間=2.01分):rel-2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)ピリミジン-5-アミン(321.9mg、41%)。ESI-MS m/z計算値195.10078、実測値196.1 (M+1)+;保持時間:0.35分。
【0411】
第2の溶出異性体(保持時間=2.25分):rel-2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)ピリミジン-5-アミン(381.3mg、49%)。ESI-MS m/z計算値195.10078、実測値196.1 (M+1)+;保持時間:0.35分。
【0412】
中間体F
rac-6-(1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-メトキシエチル)ピリジン-3-アミン
【化81】
ステップ1:
n-BuLi(50mLの2M、100.00mmol)を、トルエン(600mL)中の2,5-ジブロモピリジン(20g、84.427mmol)の撹拌溶液に-78℃で添加し、反応混合物を-78℃で45分間撹拌した。トルエン(100mL)中のN,2-ジメトキシ-N-メチル-アセトアミド(13.5g、101.39mmol)の溶液を、反応混合物-78℃に添加した。混合物を-78℃で30分間撹拌した。次いで、反応混合物を飽和NH
4Cl水溶液(300mL)に注ぎ、EtOAc(2×500mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(300mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(80gのSiO
2、ヘプタン中10~15% EtOAc)により精製して、1-(5-ブロモ-2-ピリジル)-2-メトキシ-エタノン(9.1g、47%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.84 (s, 1H), 8.30 - 8.28 (m, 1H), 7.88 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 4.94 (s, 2H), 3.38 (s, 3H) ppm.ESI-MS m/z 計算値228.9738、実測値200.0 (M-30)
+;保持時間:1.63分。
【0413】
ステップ2:
水素化ホウ素ナトリウム(1.5g、39.648mmol)を、0℃に冷却したMeOH(100mL)中の1-(5-ブロモ-2-ピリジル)-2-メトキシ-エタノン(9g、39.120mmol)の撹拌溶液に添加し、反応混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を水(100mL)でクエンチし、真空中で濃縮した。残留物を水(100mL)で希釈し、EtOAc(2×200mL)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(80gのSiO2、ヘプタン中40~60% EtOAc)により精製して、rac-1-(5-ブロモ-2-ピリジル)-2-メトキシ-エタノール(7.5g、83%)を薄い黄色の液体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.61 (s, 1H), 8.02 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 5.64 (s, 1H), 4.71 (s, 1H), 3.61 - 3.59 (m, 1H), 3.50 - 3.49 (m, 1H), 3.24 (s, 3H) ppm.ESI-MS m/z 計算値230.9895、実測値233.9 (M+2)+;保持時間:1.46分。
【0414】
ステップ3:
DMF(50mL)中のrac-1-(5-ブロモ-2-ピリジル)-2-メトキシ-エタノール(7g、30.163mmol)の撹拌溶液に、塩化tert-ブチルジメチルシリル(7g、46.443mmol)、イミダゾール(6g、88.135mmol)、及びDMAP(730mg、5.9754mmol)を添加し、反応混合物を60℃で16時間加熱した。反応混合物を氷冷水(500mL)でクエンチし、EtOAc(2×300mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(2×100mL)、続いて、ブライン(100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(80gのSiO2、ヘプタン中5~10%EtOAc)によって精製して、rac-[1-(5-ブロモ-2-ピリジル)-2-メトキシ-エトキシ]-tert-ブチル-ジメチル-シラン(9.1g、87%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.61 (s, 1H), 8.63 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.07 (dd, J = 2.3 Hz, 8.4 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.88 - 4.85 (m, 1H), 3.58 - 3.54 (m, 1H), 3.48 - 3.44 (m, 1H), 3.25 (s, 3H), 0.85 (d, J = 8.9 Hz, 9H), 0.07 (s, 3H), -0.02 (s, 3H) ppm.ESI-MS m/z 計算値345.076、実測値348.0 (M+2)+;保持時間:2.27分。
【0415】
ステップ4:
密封されたチューブ中のDMSO(50mL)中のrac-[1-(5-ブロモ-2-ピリジル)-2-メトキシ-エトキシ]-tert-ブチル-ジメチル-シラン(9g、25.986mmol)の撹拌溶液に、K2CO3(5.5g、39.79mmol)、L-プロリン(1.2g、10.42mmol)、CuI(1g、5.25mmol)、及びNH4OH(25%)(2mLの25%w/v水溶液、14.2mmol)を添加した。反応混合物を、100℃で16時間加熱した。次いで、反応混合物を冷水(500mL)でクエンチし、EtOAc(2×200mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(2×100mL)、続いて、ブライン(100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、ヘプタン中5~10%EtOAc)により精製して、rac-6-[1-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-2-メトキシ-エチル]ピリジン-3-アミン(4.07g、55%)を茶色の粘性の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.83 (d, J = 2.5, 1H), 7.10 - 7.08 (m, 1H), 6.92 - 6.89 (m, 1H), 5.20 - 5.18 (m, 2H), 4.72 - 4.69 (m, 1H), 3.49 - 3.46 (m, 1H), 3.37 - 3.33 (m, 1H), 3.25 (s, 3H), 0.84 (s, 9H), 0.02 (s, 3H), -0.07 (s, 3H) ppm.ESI-MS m/z 計算値282.1764、実測値283.2 (M+1)+;保持時間:2.21分。
【0416】
実施例12
NaV阻害特性を検出及び測定するE-VIPRアッセイ
ナトリウムイオンチャネルは、電界を適用することによって膜電圧変化を誘導することによって活性化され得る電位依存性タンパク質である。E-VIPRと称される電気的刺激器具及び使用方法は、国際公開第2002/008748A3号及びC.-J.Huang et al.Characterization of voltage-gated sodium channel blockers by electrical stimulation and fluorescence detection of membrane potential,24 Nature Biotech.439-46(2006)に記載されており、それら両方とも参照によりそれらの全体が組み込まれる。機器は、マイクロタイタープレートハンドラーと、クマリン及びオキソノール発光を同時に記録しながらクマリン染料を励起するための光学系と、波形発生器と、電流又は電圧制御増幅器と、アッセイプレートウェルに挿入される平行電極対と、を備える。統合コンピュータ制御下で、この機器は、マイクロタイタープレートのウェル内の細胞に、ユーザプログラムされた電気刺激プロトコルを渡す。
【0417】
E-VIPRに対するアッセイを実行する16~20時間前に、完全なチャネル活性を有するヒトNaV1.8の切断形態を発現するHEK細胞を、ウェル当たり25,000個の細胞の密度で、マトリゲルで予めコーティングされたマイクロタイター384ウェルプレートに播種した。細胞プレートに播種する前に、2.5~5%のKIR2.1 Bacmamウイルスを最終細胞懸濁液に添加した。HEK細胞を、10%FBS(ウシ胎仔血清、適格;Sigma #F4135)、1%NEAA(非必須アミノ酸、Gibco #11140)、1%HEPES(Gibco #15630)、1%Pen-Strep(ペニシリン-ストレプトマイシン;Gibco #15140)、及び5μg/mlのブラストサイジン(Gibco #R210-01)を補充したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中で増殖させた。細胞を、90~95%の湿度及び5%CO2で、通気キャップ細胞培養フラスコ中で増殖させた。
【0418】
試薬及びストック溶液:
乾燥DMSO中、100mg/mLのプルロニック(登録商標)F-127(Sigma #P2443)
化合物プレート:Corning 384ウェルポリプロピレン丸底#3656
細胞プレート:384ウェル組織培養処理プレート(Greiner #781091-2B)
J.A.Fornwald et al.,Gene Expression in Mammalian Cells Using BacMam,a Modified Baculovirus System,1350 Methods in Molecular Biology 95-116(2016)の3.3項に記載されるように調製された、2.5~5%のKIR 2.1 Bacmamウイルス(社内で生産)。その内容全体は参照により組み込まれる。使用される濃度は、各バッチのウイルス力価に依存し得る。
【0419】
5mMのDiSBAC6(3)、乾燥DMSO中の電圧感受性オキソノール受容体(CAS番号169211-44-3、5-[3-(1,3-ジヘキシルヘキサヒドロ-4,6-ジオキソ-2-チオキソ-5-ピリミジニル)-2-プロペン-1-イリデン]-1,3-ジヘキシルジヒドロ-2-チオキソ-4,6(1H,5H)-ピリミジンジオン)。DiSBAC6(3)の調製は、Voltage Sensing by Fluorescence Resonance Energy Transfer in Single Cells,Gonzalez,J.E.and Tsien,R.Y.(1995)Biophys.J.69,1272-1280に記載されるDiSBAC4(3)の調製に類似している。
【0420】
市販の膜結合クマリン脂質FRETドナーである5mMのCC2-DMPE(ThermoFisher Scientific、カタログ番号K1017、CAS番号393782-57-5;テトラデカン酸、1,1’-[(1R)-1-[8-(6-クロロ-7-ヒドロキシ-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル)-3-ヒドロキシ-3-オキシド-8-オキソ-2,4-ジオキサ-7-アザ-3-ホスファオクト-1-イル]-1,2-エタンジイル]エステル)を、乾燥DMSO中で調製した。また、蛍光共鳴エネルギー伝達を使用する細胞膜電位の改善インジケータ、Gonzalez,J.E.and Tsien,R.Y.(1997)Chem.Biol.4,269-277も参照されたい。
【0421】
電圧アッセイバックグラウンド抑制化合物(VABSC-1)を、H2O(89~363mM、溶解度を維持するために使用される範囲)中で調製する
ヒト血清(HS、Millipore #S1P1-01KL、又はSigma SLBR5469V及びSLBR5470Vを50%/50%混合物として、25%アッセイ最終濃度で)
浴1緩衝液:
水中の塩化ナトリウム160mM(9.35g/L)、塩化カリウム、4.5mM(0.335g/L)、グルコース10mM(1.8g/L)、塩化マグネシウム(無水)1mM(0.095g/L)、塩化カルシウム2mM(0.222g/L)、HEPES 10mM(2.38g/L)。
【0422】
Na/TMA Clの浴1緩衝液:
水中の塩化ナトリウム96mM(5.61g/L)、塩化カリウム、4.5mM(0.335g/L)、テトラメチルアンモニウム(TMA)-Cl 64mM(7.01g/ L)、グルコース10mM(1.8g/L)、塩化マグネシウム(無水)1mM(0.095g/L)、塩化カルシウム2mM(0.222g/L)、HEPES 10mM(2.38g/L)。
【0423】
ヘキシル染料溶液(2倍濃度):
0.5%β-シクロデキストリンを含む浴1緩衝液(各使用前に新鮮に作製、Sigma #C4767)、8μMのCC2-DMPE、及び2μMのDiSBAC6(3)。溶液を、10%プルロニック(登録商標)F127ストックを、CC2-DMPE及びDiSBAC6(3)の合計体積と等しい体積で添加することによって作製した。調製の順序は、最初にプルロニック(登録商標)及びCC2-DMPEを混合し、次いで、DiSBAC6(3)を添加し、次いで、かき混ぜながら、浴1/β-シクロデキストリンを添加した。
【0424】
化合物充填緩衝液(2倍濃度):HS(ヒト血清(HS)の不在下で実行される実験では省略)50%、VABSC-1 1mM、BSA 0.2mg/ml(浴1)、KCl 9mM、DMSO 0.625%を含むNa/TMA Cl浴1緩衝液。
【0425】
アッセイプロトコル(7つの重要なステップ):
1)各ウェルの最終濃度に達するために、375nLの各化合物を、11点用量反応、3倍希釈で、0.075mMの中間ストック濃度から所望の最終濃度の240倍でポリプロピレン化合物プレートに予めスポッティングし(純粋なDMSO中)、細胞プレート中に300nMの最終濃度の最高用量を得た。ビヒクル対照(純粋なDMSO)、及び陽性対照(確立されたNaV1.8阻害剤、DMSO中のアッセイで25μM最終)を、各プレートの最外部カラムにそれぞれ手動で添加した。化合物プレートを、ウェル当たり45μLの化合物充填緩衝液で充填し戻し、1:1の化合物の細胞プレートへの移動後に240倍希釈の化合物を得た(ステップ6を参照されたい)。アッセイ中の全てのウェルの最終DMSO濃度は0.625%であった(0.625%の最終DMSO濃度のために、0.75%DMSOを化合物充填緩衝液に補充した)。このアッセイ希釈プロトコルは、HSの存在下で、又は最終アッセイ体積が変更された場合に、より高い用量範囲を試験することができるように調整された。
【0426】
2)ヘキシル染料溶液を調製した。
【0427】
3)細胞プレートを調製した。アッセイの日に、培地を吸引し、細胞を80μLの浴1緩衝液で3回洗浄し、各ウェル中に25μLの残留体積を維持した。
【0428】
4)ウェル当たり25μLのヘキシル染料溶液を細胞プレートに分注した。細胞を、暗所で、室温又は周囲条件で20分間インキュベートした。
【0429】
5)化合物充填緩衝液のウェル当たり45μLを化合物プレートに分注した。
【0430】
6)細胞プレートを、25μLの残留体積を残して、ウェル当たり80μLの浴1緩衝液で3回洗浄した。次いで、化合物プレートからウェル当たり25μLを各細胞プレートに移した。混合物を、室温/周囲条件で30分間インキュベートした。
【0431】
7)化合物を含む細胞プレートを、電流制御増幅器を使用してE-VIPR上で読み取って、対称二相波形を使用して刺激波パルスを送達した。ユーザプログラムされた電気刺激プロトコルは、1.25~4アンペアであり、4ミリ秒のパルス幅(電極組成による)は10Hzで10秒間送達された。刺激前記録を各ウェルに対して0.5秒間行い、非刺激強度ベースラインを得た。刺激波形に続いて、0.5秒の刺激後記録を行い、安静状態への緩和を調べた。全てのE-VIPR応答を、200Hzの取得速度で測定した。
【0432】
データ分析:
データを分析して、460nm及び580nmのチャネルで測定された発光強度の正規化比として報告した。時間の関数としての応答を、以下の式を使用して得られた比として報告した。
(強度460nm)
R(t)=--------
(強度580nm)
【0433】
データは、初期(Ri)及び最終(Rf)比を計算することによって更に低減(すなわち、正規化)された。これらは、刺激前期間の一部又は全ての間、及び刺激期間中の試料ポイントの間の平均比率値であった。次いで、蛍光比(Rf/Ri)を計算し、時間の関数として報告した。
【0434】
陽性対照の存在下、及び薬理学的薬剤(DMSOビヒクル陰性対照)の不在下でアッセイを実施することによって、対照応答を得た。陰性(N)対照及び陽性(P)対照に対する応答を上記のように計算した。次いで、化合物アンタゴニスト活性A%を以下のように定義し、
【数1】
式中、Xは、試験化合物の比応答(すなわち、試験化合物の存在下でのパルストレインの開始時の、比応答の最大振幅又は作用電位ピークの数)である。この分析プロトコルを使用して、用量応答曲線をプロットし、以下に報告されるように、本発明の様々な化合物についてIC
50値を生成した。
【0435】
上に記載のE-VIPRアッセイでの0.01μM未満の測定されたIC50値を有する化合物は、10を含む。
【0436】
上に記載のE-VIPRアッセイでの0.1μM未満及び0.01μM以上の測定されたIC50値を有する化合物は、1、4、5、6、7、9、11、12、14、17、21、22、23、24、及び25を含む。
【0437】
上に記載のE-VIPRアッセイでの1μM未満及び0.1μM以上の測定されたIC50値を有する化合物は、2、3、8、及び26を含む。
【0438】
上に記載のE-VIPRアッセイでの1μM以上の測定されたIC50値を有する化合物は、13、15、16、18、19、及び20を含む。
【0439】
当業者にとって明らかであるように、範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の実施形態の多くの修正及び変形がなされてもよい。本明細書に記載される特定の実施形態は、例示のみを目的として提供されている。
【国際調査報告】