(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】回路基板およびこれを含むアンテナ装置
(51)【国際特許分類】
H05K 1/09 20060101AFI20240517BHJP
H01Q 1/38 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
H05K1/09 C
H01Q1/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574447
(86)(22)【出願日】2022-05-31
(85)【翻訳文提出日】2023-12-01
(86)【国際出願番号】 KR2022007707
(87)【国際公開番号】W WO2022255763
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】10-2021-0071128
(32)【優先日】2021-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0059371
(32)【優先日】2022-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100203208
【氏名又は名称】小笠原 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】イ,インジェ
(72)【発明者】
【氏名】ロ,ミョンラ
(72)【発明者】
【氏名】イ,ギュリン
【テーマコード(参考)】
4E351
5J046
【Fターム(参考)】
4E351AA02
4E351AA04
4E351AA16
4E351BB01
4E351BB35
4E351BB50
4E351CC03
4E351CC06
4E351DD04
4E351DD17
4E351DD19
4E351GG07
5J046AA03
5J046AA07
5J046AB03
5J046PA07
5J046PA09
(57)【要約】
実施例に係る回路基板は、絶縁層と、前記絶縁層上に配置された回路パターン層と、を含み、前記回路パターン層は、アンテナ信号を送受信するアンテナパターンを含み、前記アンテナパターンの表面の10点平均表面粗さRzは、0.2μm~0.5μmの範囲を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層と、
前記絶縁層上に配置された回路パターン層と、を含み、
前記回路パターン層は、アンテナ信号を送受信するアンテナパターンを含み、
前記アンテナパターンの表面の10点平均表面粗さRzは、0.2μm~0.5μmの範囲を有する、回路基板。
【請求項2】
前記アンテナパターンは、上面および前記上面とは反対の下面を含み、
前記アンテナパターンの上面の幅は、前記アンテナパターンの下面の幅よりも小さい、請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記アンテナパターンの上面の幅は、前記アンテナパターンの下面の幅の95%以上である、請求項1に記載の回路基板。
【請求項4】
前記アンテナパターンの上面の幅と下面の幅との差は、0.5μm~1.2μmの範囲を満足する、請求項2に記載の回路基板。
【請求項5】
前記アンテナパターンは、上面、前記上面とは反対の下面、および前記上面と前記下面とを連結する側面を含み、
前記アンテナパターンの側面と連結される前記アンテナパターンの上面の一端と前記アンテナパターンの下面の一端との間の水平距離は、0.25μm~0.6μmの範囲を満足する、請求項1に記載の回路基板。
【請求項6】
前記アンテナパターンの側面は、曲面を含む、請求項5に記載の回路基板。
【請求項7】
前記アンテナパターンのエッチングファクタは、40以上であり、
前記エッチングファクタは、次の式によって決定される、請求項1に記載の回路基板。
エッチングファクタ=アンテナパターンの厚さ/(アンテナパターンの下面の幅 - アンテナパターンの上面の幅)
【請求項8】
前記アンテナパターンは、
前記絶縁層上に配置される第1金属層と、
前記第1金属層上に配置され、前記第1金属層とは異なる金属を含む第2金属層と、を含む、請求項1に記載の回路基板。
【請求項9】
前記第1金属層は、ニッケルおよびクロムを含み、
前記第2金属層は、銅を含む、請求項8に記載の回路基板。
【請求項10】
前記絶縁層は、水平方向に第1領域と第2領域とに区分され、
前記アンテナパターンは、
前記絶縁層の前記第1領域に配置された第1アンテナパターンと、
前記絶縁層の前記第2領域に配置された第2アンテナパターンと、を含み、
前記絶縁層の前記第1領域の層数は、前記絶縁層の第2領域の層数よりも多く、
前記絶縁層の前記第2領域は、前記絶縁層の前記第1領域を基準に折り曲げられる、請求項1に記載の回路基板。
【請求項11】
前記絶縁層の第1領域は、前記絶縁層の第2領域と同じ絶縁物質を含み、
前記絶縁物質は、液晶高分子(LCP)を含む、請求項10に記載の回路基板。
【請求項12】
第1領域および前記第1領域から折り曲げ可能な第2領域を含む絶縁層と、
前記絶縁層の前記第1領域に配置された第1アンテナパターンと、
前記絶縁層の前記第2領域に配置された第2アンテナパターンと、
前記絶縁層の前記第1領域に配置された第1パッドと、
前記絶縁層の前記第1領域に配置された第2パッドと、
前記第1パッド上に配置された第1接続部と、
前記第2パッド上に配置された第2接続部と、
前記第1接続部上に実装され、前記第1および第2アンテナパターンと連結された通信素子と、
前記第2接続部上に実装され、前記第1および第2アンテナパターンと連結された電源素子と、を含み、
前記第1および第2アンテナパターンのそれぞれの表面の10点平均表面粗さRzは、0.2μm~0.5μmの範囲を有する、アンテナ装置。
【請求項13】
前記第1および第2アンテナパターンのそれぞれは、上面および前記上面とは反対の下面を含み、
前記上面の幅は、下面の幅よりも小さく、
前記上面の幅は、前記下面の幅の95%以上である, 請求項12に記載のアンテナ装置。
【請求項14】
前記上面の幅と前記下面の幅との差は、0.5μm~1.2μmの範囲を満足する、請求項13に記載のアンテナ装置。
【請求項15】
前記第1および第2アンテナパターンは、上面、前記上面とは反対の下面、および前記上面と前記下面とを連結する側面を含み、
前記側面の一端および他端とそれぞれ連結される前記上面の一端と前記下面の一端との間の水平距離は、0.25μm~0.6μmの範囲を満足する、請求項12に記載のアンテナ装置。
【請求項16】
前記アンテナパターンは、
前記絶縁層上に配置され、ニッケルおよびクロムを含む第1金属層と、
前記第1金属層上に配置され、銅を含む第2金属層と、を含む、請求項12に記載のアンテナ装置。
【請求項17】
前記絶縁層の第1領域は、前記絶縁層の第2領域と同じ絶縁物質を含み、
前記絶縁物質は、液晶高分子(LCP)を含む、請求項12に記載のアンテナ装置。
【請求項18】
前面、前面とは反対の背面、および前記前面と前記背面との間の複数の側面を含む本体と、
前記本体の前面に配置されるディスプレイ部と、
前記本体の前記背面および前記複数の側面のうち少なくとも二つの面に配置される請求項12に記載のアンテナ装置と、を含み、
前記アンテナ装置の前記絶縁層の前記第1領域は、前記本体の背面に配置され、
前記アンテナ装置の前記絶縁層の前記第2領域は、前記本体の複数の複数の側面のうち前記本体の背面と連結される第1側面に配置され、
前記第1アンテナパターンは、前記本体の背面に向かってアンテナ信号を放出し、
前記第2アンテナパターンは、前記構造物の前記第2側面に向かってアンテナ信号を放出する、端末機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は、回路基板およびこれを含むアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線データトラフィックの需要を満たすために、改善された5G(5世代)通信システムまたはpre-5G通信システムを開発するための努力がなされている。
【0003】
高いデータ伝送率を達成するために、5G通信システムは、超高周波(mmWave)帯域(sub6ギガ(6GHz)、28ギガ(28GHz)、38ギガ(38GHz)またはそれ以上の周波数)を使用する。このような高い周波数帯域は、波長の長さによってmmWaveと呼ばれる。
【0004】
超高周波帯域における電波の経路損失の緩和および電波の伝送距離を増加させるために、5G通信システムでは、ビームフォーミング(beamforming)、巨大配列多重入出力(massive MIMO)、アレイアンテナ(array antenna)などの集積化技術が開発されている。
【0005】
【0006】
図1を参照すると、比較例に係るアンテナ装置は、複数の基板を含む。即ち、比較例のアンテナ装置は、アンテナ部に対応する第1基板10と、駆動部に対応する第2基板20とを含む。
【0007】
このとき、第2基板20は、前記第1基板10とは別の工程を通じて製造される。例えば、比較例では、第1基板10と第2基板20とを別の工程を通じてそれぞれ製造し、これを通じてそれらを結合する工程を行う。第2基板20は、駆動素子を含む。
【0008】
このとき、比較例の第1基板10と第2基板20とは、ソルダーボール30によって結合される。前記ソルダーボール30は、モールディング層40を覆う構造を有する。
【0009】
このとき、比較例のアンテナ装置は、第1基板10と第2基板20とが垂直方向に整列した状態で結合される。そして、比較例のアンテナパッケージ基板は、前記第1基板10と第2基板20との間に配置されたソルダーボール30を介して連結される構造を有する。
【0010】
これにより、比較例では、前記第1基板10と前記第2基板20とが前記ソルダーボール30を介して相互連結されるので、前記ソルダーボール30が有する高さだけ前記アンテナパッケージ基板の厚さが増加するという問題がある。
【0011】
さらに、比較例では、上記のように、ソルダーボール30を介して第1基板10と第2基板20とが垂直積層構造を有して相互結合する構造を有し、これにより信号の伝送長さが増加し、前記伝送長さ(例えば、信号伝送距離)が長くなるにつれて信号損失が増加するという問題がある。
【0012】
また、比較例では、前記ソルダーボール30に代えて、別の軟性回路基板(図示せず)を用いて前記第1基板10と第2基板20とをコネクタ構造に連結した。しかし、前記軟性回路基板を用いて第1基板10と第2基板20とを電気的に連結する場合、前記第1基板と第2基板とが水平配置構造を有するが、前記軟性回路基板の長さだけ信号伝送距離が増加し、これによる信号損失が増加するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
実施例は、アンテナ特性が改善された回路基板およびこれを含むアンテナ装置を提供する。
【0014】
また、実施例は、アンテナパターンの表面粗さを低くすることができる回路基板およびこれを含むアンテナ装置を提供する。
【0015】
また、実施例は、アンテナパターンの上面幅と下面幅との差を最小限に抑えることができる回路基板およびこれを含むアンテナ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
実施例に係る回路基板は、絶縁層と、前記絶縁層上に配置された回路パターン層と、を含み、前記回路パターン層は、アンテナ信号を送受信するアンテナパターンを含み、前記アンテナパターンの表面の10点平均表面粗さRzは、0.2μm~0.5μmの範囲を有する。
【0017】
また、前記アンテナパターンは、上面および前記上面とは反対の下面を含み、前記アンテナパターンの上面の幅は、前記アンテナパターンの下面の幅よりも小さい。
【0018】
また、前記アンテナパターンの上面の幅は、前記アンテナパターンの下面の幅の95%以上である。
【0019】
また、前記アンテナパターンの上面の幅と下面の幅との差は、0.5μm~1.2μmの範囲を満足する。
【0020】
また、前記アンテナパターンは、上面、前記上面とは反対の下面、および前記上面と下面とを連結する側面を含み、前記アンテナパターンの側面と連結される前記アンテナパターンの上面の一端と前記アンテナパターンの下面の一端との間の水平距離は、0.25μm~0.6μmの範囲を満足する。
【0021】
また、前記アンテナパターンの側面は、曲面を含む。
【0022】
また、前記アンテナパターンのエッチングファクタは、40以上であり、前記エッチングファクタは、次の式によって決定される。エッチングファクタ=アンテナパターンの厚さ/(アンテナパターンの下面の幅 - アンテナパターンの上面の幅)
【0023】
また、前記アンテナパターンは、前記絶縁層上に配置される第1金属層と、前記第1金属層上に配置され、前記第1金属層とは異なる金属を含む第2金属層とを含む。
【0024】
また、前記第1金属層は、ニッケルおよびクロムを含み、前記第2金属層は、銅を含む。
【0025】
また、前記絶縁層は、水平方向に第1領域と第2領域とに区分され、前記アンテナパターンは、前記絶縁層の前記第1領域に配置された第1アンテナパターンと、前記絶縁層の前記第2領域に配置された第2アンテナパターンとを含み、前記絶縁層の前記第1領域の層数は、前記絶縁層の第2領域の層数よりも多く、前記絶縁層の前記第2領域は、前記絶縁層の前記第1領域を基準に折り曲げられる。
【0026】
また、前記絶縁層の第1領域は、前記絶縁層の第2領域と同じ絶縁物質を含み、前記絶縁物質は、液晶高分子(LCP)を含む。
【0027】
一方、実施例に係るアンテナ装置は、第1領域および前記第1領域から折り曲げ可能な第2領域を含む絶縁層と、前記絶縁層の前記第1領域に配置された第1アンテナパターンと、前記絶縁層の前記第2領域に配置された第2アンテナパターンと、前記絶縁層の前記第1領域に配置された第1パッドと、前記絶縁層の前記第1領域に配置された第2パッドと、前記第1パッド上に配置された第1接続部と、前記第2パッド上に配置された第2接続部と、前記第1接続部上に実装され、前記第1および第2アンテナパターンと連結された通信素子と、前記第2接続部上に実装され、前記第1および第2アンテナパターンと連結された電源素子を含み、前記第1および第2アンテナパターンのそれぞれの表面の10点平均表面粗さRzは、0.2μm~0.5μmの範囲を有する。
【0028】
また、前記第1および第2アンテナパターンのそれぞれは、上面および前記上面とは反対の下面を含み、前記上面の幅は、下面の幅よりも小さく、前記上面の幅は、前記下面の幅の95%以上である。
【0029】
また、前記上面の幅と下面の幅との差は、0.5μm~1.2μmの範囲を満足する。
【0030】
また、前記第1および第2アンテナパターンは、上面、前記上面とは反対の下面、および前記上面と下面とを連結する側面を含み、前記側面の一端および他端とそれぞれ連結される前記上面の一端と前記下面の一端との間の水平距離は、0.25μm~0.6μmの範囲を満足する。
【0031】
また、前記アンテナパターンは、前記絶縁層上に配置され、ニッケルおよびクロムを含む第1金属層と、前記第1金属層上に配置され、銅を含む第2金属層とを含む。
【0032】
また、前記絶縁層の第1領域は、前記絶縁層の第2領域と同じ絶縁物質を含み、前記絶縁物質は、液晶高分子(LCP)を含む。
【発明の効果】
【0033】
実施例は、アンテナ特性が向上した回路基板およびこれを含むアンテナ装置を提供することができる。
【0034】
具体的には、実施例の回路基板は、アンテナパターンに対応する回路パターン層を含む。前記回路パターン層は、第1金属を含む薄膜層である第1金属層と、前記第1金属層上に配置された第2金属を含む第2金属層とを含む。このとき、実施例は、前記第1金属層を用いて前記第2金属層を形成する。これにより、実施例は、前記第1金属層のエッチング工程で発生する前記第2金属層の損傷を最小限に抑えることができる。
【0035】
これにより、実施例の回路パターン層の表面の10点平均表面粗さRzは、0.2μm~0.5μmの範囲を有する。そして、実施例の回路パターン層の上面幅と下面幅との差値は、0.5μm~1.2μmの範囲を満足する。また、実施例の回路パターン層の上面幅は、回路パターン層の下面幅の95%以上である。さらに、実施例の回路パターン層の側面と連結される上面の一端と下面の一端との間の水平距離W1は、0.25μm~0.6μmの範囲を満足する。さらに、実施例の回路パターン層のエッチングファクタは、40以上である。
【0036】
このとき、前記回路パターン層の上面幅と下面幅との差値が0.5μmよりも小さいと、前記回路パターン層120を形成する工程におけるめっき性が低下することがある。例えば、前記回路パターン層の上面幅と下面幅との差値が0.5μmよりも小さいと、めっき工程でドライフィルムの下部領域までめっきが完全になされないという問題が発生し得る。これにより、前記回路パターン層の下面にアンダーカットが形成されて、回路基板の通信特性が低下するという問題が発生し得る。
【0037】
また、前記回路パターン層の上面幅と下面幅との差値が1.2μmよりも大きいと、前記回路パターン層によって伝送される信号の周波数帯域幅が減少することがある。具体的には、前記信号の周波数帯域幅は、前記上面幅と下面幅との差値が小さいほど増加する。また、前記回路パターン層の上面幅と下面幅の差値が1.2μmよりも大きい場合、
図11の比較例のように周波数帯域幅が減少し、これによる回路基板の通信特性が低下するという問題が発生し得る。
【0038】
また、前記回路パターン層の上面幅が回路パターン層の下面幅の95%未満であると、上述したように、回路パターン層を形成する工程でめっき性が低下することがあり、これにより前記回路パターン層の下面にアンダーカットが形成され得る。
【0039】
また、実施例の回路パターン層の前記水平距離W1が0.25μm未満であると、上述したように、回路パターン層を形成する工程でめっき性が低下することがあり、これにより前記回路パターン層の下面にアンダーカットが形成され得る。また、実施例の回路パターン層の前記水平距離W1が0.6μmを超えると、上述したように周波数帯域幅が減少することがあり、これによる回路基板の通信特性が低下することがある。
【0040】
また、前記回路パターン層のエッチング ファクタが40未満であると、前記回路パターン層の上面幅と下面幅の差値および/または前記水平距離W1が目標とする前記範囲を外れることがあり、これによりめっき性低下問題または周波数帯域幅の減少問題が発生し得る。
【0041】
これにより、実施例の回路基板およびこれを含むアンテナ装置は、高周波帯域の信号を伝送する過程で発生する信号伝送損失を低減することができる。さらに、実施例の回路基板およびこれを含むアンテナ装置は、周波数帯域幅を向上させることができる。
【0042】
また、実施例の回路基板は、水平方向に互いに離隔し、第1および第2アンテナパターン層をそれぞれ含む第1領域および第2領域を含む。そして、第2領域は、第1領域に対して折り曲げ可能なフレキシブル領域である。そして、前記第1領域には、第1および第2アンテナパターン層と連結された通信素子が配置される。前記第1および第2アンテナパターン層は、互いに異なる方向にアンテナ信号を放出する。そして、前記通信素子は、前記第1および第2アンテナパターン層を制御する。これにより、実施例は、一つの通信素子を用いて互いに異なる方向にアンテナ信号を放出する複数のアンテナパターン層を制御することができる。これにより、実施例は、アンテナ装置の小型化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【0044】
【0045】
【
図3】実施例の回路パターン層および貫通電極の層構造を示す断面図である。
【0046】
【
図4】比較例の回路パターン層の粗さを示す走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
【0047】
【
図5】実施例の回路パターン層の粗さを示す走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
【0048】
【
図6】比較例の回路パターン層の側面形状およびエッチングファクタを説明するための走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【0049】
【
図7】実施例の回路パターン層の側面形状およびエッチングファクタを説明するための走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【0050】
【
図8】比較例の回路パターン層の表面を示す走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
【0051】
【
図9】実施例の回路パターン層の表面を示す走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
【0052】
【
図10】回路パターン層の粗さによる信号特性を示す図である。
【0053】
【
図11】比較例の回路基板の周波数帯域幅を示す図である。
【0054】
【
図12】実施例に係る回路基板の周波数帯域幅を示す図である。
【0055】
【
図13】実施例に係るアンテナ装置を示す図である。
【0056】
【
図14】
図13のアンテナ装置が適用された端末機の一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下、添付された図面を参照して実施例を詳細に説明する。
【0058】
但し、本発明の技術思想は、説明される一部の実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現され得、本発明の技術思想の範囲内であれば、実施例間にその構成要素のうち一つ以上を選択的に結合、置換して使うことができる。
【0059】
また、本発明の実施例で使われる用語(技術及び科学的用語を含む)は、明らかに特に定義されて記述されない限り、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者にとって一般的に理解され得る意味と解釈され得、辞書に定義された用語のように一般的に使われる用語は、関連技術の文脈上の意味を考慮して、その意味を解釈することができるであろう。
【0060】
また、本発明の実施例で使われる用語は、実施例を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数形は、文句で特に言及しない限り、複数形も含むことができ、「A及び(と)B、Cのうち少なくとも一つ(または一つ以上)」と記載される場合、A、B、Cで組み合わせできるすべての組み合わせのうち一つ以上を含むことができる。
【0061】
また、本発明の実施例の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を使うことができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって該当構成要素の本質や順番または順序などが限定されない。そして、或る構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結、結合または連結される場合のみならず、その構成要素とその他の構成要素との間にあるまた他の構成要素によって「連結」、「結合」または「接続」される場合も含むことができる。
【0062】
また、各構成要素の「上(うえ)または、下(した)」に形成または配置されるものと記載される場合、上(うえ)または下(した)は、2つの構成要素が互いに直接接触する場合のみならず、一つ以上のまた他の構成要素が前記2つの構成要素の間に形成または配置される場合も含む。また、「上(うえ)または下(した)」で表現される場合、一つの構成要素を基準として上側方向のみならず、下側方向の意味も含むことができる。
【0063】
【0064】
図2を参照すると、アンテナ基板は、絶縁層110、回路パターン層120、貫通電極130、および保護層140を含む。
【0065】
絶縁層110は、複数の層で構成される。
【0066】
例えば、絶縁層110は、第1絶縁層111、第2絶縁層112、および第3絶縁層113を含むことができる。
図2では、絶縁層110が3層で構成されると示したが、実施例はこれに限定されない。絶縁層110は、2層以下の層数を有してもよく、4層以上の層数を有してもよい。
【0067】
絶縁層110は、フレキシブルな特性を有する。前記絶縁層110は、ポリイミドPI(Polyimide)で構成され得る。これとは異なり、絶縁層110は、液晶高分子LCP(Liquid Crystal Polymer)で構成され得る。但し、実施例はこれに限定されない。例えば、絶縁層110は、ポリエチレンテレフタレートPET(Polyethylene Terephthalate)、ポリエチレンナフタレートPEN( Polyethylene Naphthalate)、ポリカーボネートPC( Polycarbonate)、ポリエーテルスルホンPES(Polyethersulfone)、ポリアクリレートPAR(Polyacrylate)などのガラス繊維を含まない絶縁物質で構成され得る。
【0068】
好ましくは、実施例の絶縁層110は、液晶高分子(LCP)で形成される。そして、前記絶縁層110が液晶高分子(LCP)で形成される場合、前記絶縁層110の誘電率の調節が容易であり、これにより前記絶縁層110が高周波帯域における信号伝送損失を最小限に抑えることができる誘電率を有するようにすることができる。さらに、前記絶縁層110が液晶高分子(LCP)で形成される場合、回路基板の製造工程性を向上させることができ、回路基板の全体的な厚さを減少させることができる。
【0069】
これにより、絶縁層110は、部分的に曲面を有して曲がる。即ち、絶縁層110は、部分的には平面を有し、部分的には曲面を有して曲がることがある。詳細には、前記絶縁層110は、端部が曲面を有して曲がるか、ランダムな曲率を含む表面を有して曲がるか折曲がることがある。
【0070】
回路基板は、回路パターン層120を含む。
【0071】
前記回路パターン層120は、第1回路パターン層121、第2回路パターン層122、第3回路パターン層123、および第4回路パターン層124を含む。
【0072】
前記回路パターン層120は、アンテナ機能を果たすアンテナパターンを含む。例えば、回路パターン層120は、アンテナ信号パターンを含む。前記アンテナ信号パターンは、アンテナ信号およびデータ信号を伝達する機能を果たす。
【0073】
これにより、前記回路パターン層120は、パッチアンテナで実現できるが、これに限定されない。例えば、回路パターン層120は、ダイポールアンテナで実現され得る。また、回路パターン層120は、パッチアンテナとダイポールアンテナの組み合わせで実現され得る。
【0074】
また、前記回路パターン層120は、グランドパターンやパワーパターンをさらに含む。
【0075】
回路パターン層120は、導電性の高い金属物質を含む。例えば、回路パターン層120は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはそれらの合金などが使用され得る。
【0076】
回路基板は、貫通電極130を含む。
【0077】
前記貫通電極130は、第1貫通電極131、第2貫通電極132、および第3貫通電極133を含む。前記第1貫通電極131は、第1絶縁層111を貫通する。第2貫通電極132は、第2絶縁層112を貫通する。第3貫通電極133は、第3絶縁層113を貫通する。前記貫通電極130は、互いに異なる層に配置された回路パターン層間を電気的に連結する。前記貫通電極130は、前記回路パターン層120と同じ物質を含むことができる。前記貫通電極130は、テーパ形状を有することができる。
【0078】
回路基板は、保護層140を含む。
【0079】
前記保護層140は、第1絶縁層111の下面に配置された第1保護層141を含む。また、前記保護層140は、第3絶縁層113の上面に配置された第2保護層142を含む。前記保護層140は、ソルダーレジストであり得るが。これに限定されるものではない。
【0080】
本願の回路基板は、比較例の回路基板が有するアンテナ特性よりも優れたアンテナ特性を有する。
【0081】
これは、本願の実施例に含まれる回路パターン層120の特性によって達成される。
【0082】
即ち、実施例の回路パターン層120の表面粗さは、比較例の回路パターン層の表面粗さよりも低い。これにより、実施例の回路基板は、高周波帯域の信号を伝送する過程で発生する信号伝送損失を低減することができる。
【0083】
また、本願の実施例に含まれる回路パターン層120の垂直断面形状は、四角形状に近い。例えば、実施例の回路パターン層120の側面は、回路パターン層120の下面に対して直角に近い。例えば、実施例の回路パターン層120の側面は、直線に近い。これに対して、比較例の回路パターン層の側面は、曲線に近い。これは、回路パターン層120の上面幅と下面幅との差としても表すことができる。即ち、実施例の回路パターン層120の上面幅と下面幅との差値は、比較例の回路パターン層の上面幅と下面幅との差値よりも小さい。これは、回路パターン層のエッチングファクタとしても表すことができる。前記エッチング ファクタは、回路パターン層の厚さを回路パターン層の上面幅と下面幅の差値で割った値である。そして、実施例の回路パターン層120は、上面幅と下面幅との差値が0に近い。これにより、実施例の回路パターン層120のエッチング ファクタは、比較例の回路パターン層のエッチングファクタよりも高い。
【0084】
これにより、実施例の回路基板は、周波数帯域幅を増加させることができる。即ち、
図11に示すように、回路パターン層120は、上面幅と下面幅との差値が大きくなるか、回路パターン層120のエッチング ファクタが減少する場合、信号伝送に使用できる周波数帯域幅が減少することが確認できた。そして、実施例は、以下で説明される特徴により、比較例に比べて回路パターン層120の上面幅と下面幅との差値を小さくしながら回路パターン層120のエッチングを大きくして、回路基板が適用される製品で使用可能な周波数帯域幅を増加させることができる。これについては、以下でより詳細に説明する。
【0085】
実施例の回路パターン層のエッチング ファクタは、比較例の回路パターン層のエッチングファクタよりも高い。
【0086】
例えば、実施例の回路基板は、広帯域幅のアンテナパターンを提供することができる。
【0087】
以下では、上記のような特性を有する回路パターン層120について具体的に説明する。
【0088】
図3は、実施例の回路パターン層および貫通電極の層構造を示す断面図である。
【0089】
図3を参照すると、回路パターン層120は、複数の金属層を含む。回路パターン層120は、絶縁層110上に配置された第1金属層120aと、前記第1金属層120a上に配置された第2金属層120bとを含む。前記第1金属層120aおよび前記第2金属層120bは、互いに異なる金属物質を含む。
【0090】
前記第1金属層120aは、ニッケルおよびクロムを含む。前記第1金属層120aは、ニッケルおよびクロムの合金層であり得る。これとは異なり、前記第1金属層120aは、ニッケル層およびクロム層を含むことができる。
【0091】
前記第1金属層120aは、スパッタリング方式で絶縁層110上に蒸着される。これにより、前記第1金属層120aは、前記絶縁層110上に薄膜で形成され得る。
【0092】
前記第2金属層120bは、前記第1金属層120aをシード層として電解めっきされた電解めっき層である。前記第2金属層120bは、前記第1金属層120aとは異なる金属物質を含む。例えば、前記第2金属層120bは、銅を含むことができる。
【0093】
また、貫通電極130は、前記回路パターン層120の層構造に対応する層構造を有する。即ち、貫通電極130は、第1金属層130aおよび第2金属層130bを含む。前記貫通電極130の第1金属層130aは、ニッケルおよびクロムを含む。また、前記貫通電極130の第2金属層130bは、前記第1金属層130aとは異なる金属、例えば銅を含むことができる。
【0094】
この場合、実施例は、前記回路パターン層120が互いに異なる金属物質である第1金属層120aと第2金属層120bとを含む。また、前記第1金属層120aは、スパッタリングによって形成された薄膜層である。これにより、実施例は、回路パターン層120の形成工程中にシード層である前記第1金属層120aをエッチングする過程で発生する前記第2金属層120bのダメージを最小限に抑えることができる。
【0095】
即ち、実施例は、前記第1金属層120aが前記第2金属層120bとは異なる金属物質を含むことにより、前記第1金属層120aのエッチング工程時に前記第2金属層120bがエッチングされないようにする。さらに、実施例は、前記第1金属層120aが薄膜層であるため、前記第1金属層120aのエッチング時に前記第2金属層120bがエッチングされないようにする。
【0096】
これにより、前記回路パターン層120の表面粗さ、前記回路パターン層120の上面幅と下面幅との差、前記回路パターン層120のエッチングファクタは、比較例よりも優れる。
【0097】
以下では、実施例と比較例の回路パターン層の特性の差異について説明する。
【0098】
図4は、比較例の回路パターン層の粗さを示す走査電子顕微鏡(SEM)写真であり、
図5は、実施例の回路パターン層の粗さを示す走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
【0099】
図4を参照すると、比較例の回路基板は、絶縁層11と、前記絶縁層11上に配置された回路パターン層14とを含む。比較例の回路パターン層14は、銅を含む銅箔層や化学銅めっき層をシード層として電解めっきを行って形成される。これにより、比較例の回路パターン層14は、シード層をエッチングする過程で電解めっきされた金属層も一緒にエッチングされる。これにより、比較例の回路パターン層14の表面粗さは、相対的に高い値を有する。また、比較例の回路パターン層14は、前記電解めっきされた金属層のエッチングを考慮して複数の回路パターンの線幅や間隔が決定される。
【0100】
比較例の回路パターン層14の表面の10点平均表面粗さRzは、1μm~1.5μmを有する。そして、比較例の回路基板は、高周波帯域を使用する製品では適用が困難である。即ち、回路基板が適用されるアプリケーションで使用される周波数が高くなるほど、信号の流れはスキンエフェクト(Skin effect)によって導体(回路パターン層)の表面に移動するようになる。そして、比較例のように回路パターン層14の最大高さ粗さRyが1μmを超える場合、高周波帯域( mmWave)で信号伝送損失が増加する。したがって、比較例の回路基板は、回路パターン層14を通じて伝送される信号の特性が低下するという問題を有する。
【0101】
また、比較例の回路パターン層120の複数の回路パターンの線幅は、60μmのレベルを有し、回路パターンの間隔は、70μmのレベルを有する。これにより、比較例の回路基板は、回路集積度が低いという問題がある。
【0102】
図5を参照すると、実施例の回路基板は、絶縁層110および回路パターン層120を含む。そして、回路パターン層120は、上述したようにニッケルおよびクロムを含む第1金属層120aと、銅を含む第2金属層120bとを含む。前記第1金属層120aは、薄膜層である。これにより、実施例は、前記第1金属層120aをエッチングする工程で前記第2金属層120bがエッチングされることを防止することができる。したがって、実施例は、比較例に比べて前記回路パターン層120の10点平均表面粗さRz、線幅、および間隔を減少させることができる。
【0103】
具体的には、実施例の回路パターン層120の表面の最大高さ粗さRyは、0.8μm以下を有する。好ましくは、実施例の回路パターン層120の表面の10点平均表面粗さRzは、0.7μm以下を有する。より好ましくは、回路パターン層120の表面の10点平均表面粗さRzは、0.5μm以下を有する。
【0104】
即ち、実施例の回路パターン層120の表面の10点平均表面粗さRzは、0.2μm~0.5μmの範囲を有する。好ましくは、実施例の回路パターン層120の表面の10点平均表面粗さRzは、0.2μm~0.45μm以下を有する。より好ましくは、実施例の回路パターン層120の10点平均表面粗さRzは、0.2μm~0.4μmを有する。
【0105】
前記回路パターン層120の表面の10点平均表面粗さRzが0.2μm未満であると、前記回路パターン層120と前記絶縁層110との密着力が低下し、これにより前記回路パターン層120が絶縁層110から剥離されるという問題が発生し得る。
【0106】
また、前記回路パターン層120の表面の10点平均表面粗さRzが0.5μmを超えると、スキン効果により信号の伝送損失が増加することがある。即ち、前記回路パターン層120の表面の10点平均表面粗さRzが0.5μmを超えると、高周波帯域を使用する製品に適用することが困難であり得る。
【0107】
上記のように、実施例は、前記回路パターン層120の表面の10点平均表面粗さRzを比較例に比べて低くすることができ、これにより回路基板を通じて伝送される信号の特性を向上させることができる。
【0108】
さらに、実施例の回路パターン層120の複数の回路パターンの線幅は、 4μm~10μmの範囲を有する。また、実施例の回路パターン層120の複数の回路パターン間の間隔は、6μm~14μmの範囲を有する。即ち、実施例の回路パターン層120の線幅および間隔は、比較例の回路パターン層14の線幅および間隔の20%以下のレベルを有する。これにより、実施例は、回路基板の回路集積度を向上させることができる。さらに、実施例は、同じ空間内で前記回路パターン層120の配置面積を増加させることができ、これによるアンテナパターンを通じて伝送される信号の特性を向上させることができる。
【0109】
図6は、比較例の回路パターン層の側面形状およびエッチング ファクタを説明するための走査電子顕微鏡(SEM)写真であり、
図7は、実施例の回路パターン層の側面形状およびエッチングファクタを説明するための走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【0110】
図6を参照すると、比較例の回路パターン層14は、上面14Tおよび側面14Sを含む。そして、比較例の回路パターン層14の側面14Sは、垂直断面で曲面または曲線を有する。言い換えれば、比較例の回路パターン層14は、上面幅と下面幅との差が大きい。また、比較例の回路パターン層14は、ライン直進性が低い。また、比較例の回路パターン層14は、エッチングファクタが低い。
【0111】
比較例の回路パターン層14の上面幅と下面幅との差値は、13μmを超える。例えば、比較例の回路パターン層14の上面幅は、回路パターン層14の下面幅の80%以下である。そして、比較例の回路パターン層14のライン直進性は、0.68μmを超える。このとき、前記ライン直進性は、前記回路パターン層14の側面14Sの直進度を意味する。そして、前記ライン直進性は、前記上面幅と下面幅との差値の1/2でも表すことができる。即ち、前記ライン直進性は、前記回路パターン層14の側面14Sと連結される上面14Tの一端と下面の一端との間の水平距離w1を意味する。そして、比較例の回路パターン層14の水平距離w1は、0.68μmを超える。
【0112】
さらに、比較例の回路パターン層14のエッチングファクタは、12程度を有する。ここで、前記エッチング ファクタは、回路パターン層14の厚さを前記回路パターン層14の上面幅と下面幅との差値で割った値である。そして、前記エッチング ファクタが低いほど、前記回路パターン層14の上面幅と下面幅との差値が大きいことを意味する。
【0113】
図7を参照すると、実施例の回路パターン層120は、上面120Tおよび側面120Sを含む。そして、実施例の回路パターン層120の側面120Sは、垂直断面で実質的に垂直に近い直線形状を有する。言い換えれば、実施例の回路パターン層120の上面幅と下面幅との差値は、比較例よりも低い。また、実施例の回路パターン層120のライン直進性は、比較例よりも優れる。また、実施例の回路パターン層14のエッチングファクタは、比較例に比べて高い。
【0114】
実施例の回路パターン層120の上面幅と下面幅との差値は、1.2μm以下、1.0μm以下、または0.7μm以下である。具体的には、実施例の回路パターン層120の上面幅と下面幅との差値は、0.5μm~1.2μmの範囲を満足する。
【0115】
前記回路パターン層120の上面幅と下面幅との差値が0.5μmよりも小さいと、前記回路パターン層120を形成する工程におけるめっき性が低下することがある。例えば、前記回路パターン層120は、めっき工程を行って形成される。このとき、めっき工程は、ドライフィルム(図示せず)の開口部内に金属物質で充填する工程を意味する。そして、前記回路パターン層120の上面幅と下面幅との差値は、前記開口部の上部幅と下部幅との差値に対応する。このとき、前記開口部の内壁がテーパした状態でめっき工程を行ってこそ、開口部の最下部領域までめっきが完全に行われ得る。そして、前記回路パターン層120の上面幅と下面幅との差値が0.5μmよりも小さいことは、前記めっき工程で前記開口部の下部領域で完全にめっきが行われなかったことを意味することができる。例えば、前記回路パターン層120の上面幅と下面幅との差値が0.5μmよりも小さい場合、前記回路パターン層120の下面にアンダーカットが発生し得、これにより信号特性が低下するという問題が発生し得る。
【0116】
また、前記回路パターン層120の上面幅と下面幅との差値が1.2μmよりも大きいと、前記回路パターン層120によって伝送される信号の周波数帯域幅が減少することがある。具体的には、前記信号の周波数帯域幅は、前記上面幅と下面幅との差値が小さいほど増加することがある。これは、
図11および
図12を参照して説明する。そして、また、前記回路パターン層120の上面幅と下面幅との差値が1.2μmよりも大きい場合、
図11の比較例のように周波数帯域幅が減少することがあり、これによる回路基板の通信特性が低下することがある。
【0117】
即ち、実施例の回路パターン層120の上面幅は、回路パターン層120の下面幅の95%以上、さらに96%以上、さらに98%以上を有する。前記回路パターン層120の上面幅が回路パターン層120の下面幅の95%未満であると、上述したように、回路パターン層120を形成する工程でめっき性が低下することがある。これにより、前記回路パターン層120の下面にアンダーカットが形成され得る。
【0118】
また、実施例の回路パターン層120の側面120と連結される上面120の一端と下面の一端との間の水平距離W1は、0.6μm以下、0.5μm以下、または0.35μm以下である。具体的には、実施例の回路パターン層120の前記水平距離W1は、0.25μm~0.6μmの範囲を満足する。実施例の回路パターン層120の前記水平距離W1が0.25μm未満であると、上述したように、回路パターン層120を形成する工程でめっき性が低下することがあり、これにより前記回路パターン層120の下面にアンダーカットが形成され得る。また、実施例の回路パターン層120の前記水平距離W1が0.6μmを超えると、上述したように周波数帯域幅が減少することがあり、これによる回路基板の通信特性が低下することがある。
【0119】
さらに、実施例の回路パターン層120のエッチングファクタは、40以上である。
【0120】
前記回路パターン層120のエッチング ファクタが40未満であると、前記回路パターン層120の上面幅と下面幅との差値および/または前記水平距離W1が目標とする前記範囲を外れることがあり、これによりめっき性低下の問題または周波数帯域幅の減少の問題が発生し得る。
【0121】
図8は、比較例の回路パターン層の表面を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真であり、
図9は、実施例の回路パターン層の表面を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【0122】
図8を参照すると、比較例の回路パターン層14は、上面14T、側面14S、および下面14Bを含む。そして、比較例の回路パターン層14は、シード層の特性により、上面14T、側面14S、および下面14Bがかなり粗いことが確認できる。
【0123】
図9を参照すると、実施例の回路パターン層120は、上面120T、側面120S、および下面120Bを含む。そして、比較例の回路パターン層120は、シード層の特性により、比較例に比べて上面120T、側面120S、および下面120Bがかなり滑らかであることが確認できる。
【0124】
図10は、回路パターン層の粗さによる信号特性を示す図である。
【0125】
図10を参照すると、実施例の回路パターン層120の10点平均表面粗さRzは、比較例の回路パターン層14の10点平均表面粗さRzよりも低い。これにより、比較例に比べて同一周波数領域で低い信号損失S21(dB/mm)を有することを確認することができる。
【0126】
具体的には、
図10の第1信号損失特性Cを見ると、28GHzの周波数帯域で-0.148dB/mm程度の信号損失が発生することが確認できる。
【0127】
これに対して、
図10の第2信号損失特性E1および第3信号損失特性E2は、第1信号損失特性Cよりも低い信号損失が発生することが確認できる。第2信号損失特性E1は、回路パターン層120の10点平均表面粗さRzが0.3μmの場合の信号損失を示し、第3信号損失特性E2は、10点平均表面粗さRzが0.2μmの場合の信号損失を示す。
【0128】
第2信号損失特性E1を見ると、同一周波数帯域(28GHz)で比較例の第1信号損失特性Cに比べて0.0237dBほど低い信号損失が発生することが確認できた。
【0129】
第3信号損失特性E2を見ると、同一周波数帯域(28GHz)で比較例の第1信号損失特性Cに比べて0.0445dBほど低い信号損失が発生することが確認できた。
【0130】
図11は、比較例の回路基板の周波数帯域幅を示す図であり、
図12は、実施例に係る回路基板の周波数帯域幅を示す図である。
【0131】
図11を参照すると、信号損失が-6dB以下の周波数帯域を基準に、比較例では27.3GHz~30.7GHzの周波数帯域を使用できることが確認できた。
【0132】
そして、
図12を参照すると、信号損失が-6dB以下の周波数帯域を基準に、実施例では26.8GHz~30.8GHzの周波数帯域を使用できることが確認できた。即ち、実施例の回路基板で使用可能な周波数帯域は、比較例の回路基板で使用可能な周波数帯域よりも広いことが確認できた。
【0133】
これにより、実施例は、比較例に比べて広帯域幅のアンテナ特性を有する回路基板を提供することができる。
【0134】
図13は、実施例に係るアンテナ装置を示す図であり、
図14は、
図13のアンテナ装置が適用された端末機の一部を示す図である。
【0135】
図13を参照すると、アンテナ装置は、回路基板を含む。回路基板は、絶縁層210、回路パターン層220、貫通電極230、および保護層240を含む。実施例の回路基板は、
図2で既に説明したので、これについての詳細な説明は省略する。
【0136】
実施例の回路基板は、水平方向に複数の領域に区分される。
【0137】
回路基板は、第1領域R1および第2領域R2を含む。そして、回路基板の第1領域R1および第2領域R2のそれぞれは、前記絶縁層210、回路パターン層220、貫通電極230、および保護層240を含む。
【0138】
このとき、前記第1領域R1は、前記回路基板でリジッド特性を有するリジッド領域を意味する。また、前記第2領域R2は、前記回路基板でフレキシブル特性を有するフレキシブル領域を意味する。
【0139】
このとき、前記第1領域R1に含まれる絶縁層は、前記第2領域R2に含まれる絶縁層と同一である。そして、実施例は、前記第1領域R1および第2領域R2における前記絶縁層の層数を異ならせる。これにより、相対的に多い層を有する第1領域R1は、リジッド特性を有し、相対的に少ない層を有する第2領域R2は、フレキシブル特性を有する。
【0140】
したがって、前記回路基板の第2領域R2は、前記第1領域R1を基準にベンディングが可能である。これにより、実施例は、アンテナ装置から互いに異なる方向にそれぞれアンテナ信号を送信することができる。
【0141】
具体的には、前記回路パターン層220は、前記回路基板の第1領域R1に含まれた第1アンテナパターン層220aを含む。そして、前記第1アンテナパターン層220aは、前記アンテナ装置が装着される構造物300(例えば、端末機のケース)から第1方向にアンテナ信号を放出することができる。
【0142】
また、前記回路パターン層220は、回路基板の第2領域R2に含まれた第2アンテナパターン層220bを含む。そして、前記第2アンテナパターン層220bは、前記アンテナ装置が装着される構造物300から前記第1方向とは異なる第2方向にアンテナ信号を放出することができる。このとき、前記第1方向は、前記第2方向に対して垂直な方向であり得るが、これに限定されない。
【0143】
前記構造物300は、端末機の外観を形成する本体300を意味する。
【0144】
例えば、実施例のアンテナ装置は、端末機に配置される。ここで、端末機は、携帯電話、携帯電話、スマートフォン(smart phone)、携帯用スマート機器、デジタルカメラ、ラップトップコンピュータ(laptop computer)、デジタル放送用端末機、PDA(Personal Digital Assistants)、PMP(Portable Multimedia Player)、およびナビゲーションのうちいずれか一つであり得る。
【0145】
前記端末機は、本体300、ディスプレイ部(図示せず)、および前記本体300内に配置された実施例のアンテナ装置を含む。
【0146】
前記本体300は、端末機の外観を形成する。一例として、本体300は、直方体形状を含むことができる。他の例として、本体300は、少なくとも一部でラウンドして形成され得る。本体300には、実施例のアンテナ装置が配置される。そして、本体の一面には、ディスプレイ部が配置される。
【0147】
即ち、前記本体300は、複数の外面を含む。例えば、前記本体300は、前記ディスプレイ部が配置される前面、前記前面とは反対の背面、および前面と背面との間の複数の側面を含む。
【0148】
そして、実施例のアンテナ装置は、前記第1領域R1と第2領域R2とをベンディングして、前記本体300の複数の外面のうち少なくとも二つの外面に配置されるようにする。
【0149】
例えば、本体300は、4つの側面を含む。そして、前記アンテナ装置の第1領域R1は、前記4つの側面のうちいずれか一つの第1側面に配置され、第2領域R2は、前記4つの側面のうち前記第1側面と連結される第2側面に配置され得る。
【0150】
これとは異なり、前記アンテナ装置の第1領域R1は、前記背面に配置され、第2領域R2は、前記背面と連結される前記4つの側面のうちいずれか一つの側面に配置され得る。
【0151】
但し、実施例のアンテナ装置の第1領域R1は、少なくとも一つの素子が実装されたリジッド領域であり、これにより、配置空間確保および素子信頼性向上のために前記本体300の背面に配置されるようにする。
【0152】
また、実施例では、前記アンテナ装置は、前記第1領域R1と第2領域R2とをベンディングせずに使用することができる。この場合、前記第1アンテナパターン層220aおよび第2アンテナパターン層220bは、互いに離間した位置で同じ第1方向または第2方向にアンテナ信号をそれぞれ放射する。
【0153】
一方、前記回路パターン層220は、複数のパッドを含む。前記回路パターン層220は、第1パッド220cおよび第2パッド220dを含む。
【0154】
前記第1パッド220cおよび第2パッド220dは、前記回路基板の最外層に配置された回路パターン層を意味する。前記第1パッド220cおよび第2パッド220dは、前記回路基板の第1領域R1に配置される。このとき、図面上には、前記第1パッド220cおよび第2パッド220dが前記回路基板の最上側にそれぞれ配置されると示したが、これに限定されない。例えば、第1パッド220cおよび第2パッド220dのいずれか一つは、回路基板の最上側に配置され得、他の一つは、回路基板の最下側に配置され得る。
【0155】
前記第1パッド220c上には、第1接続部250が配置される。また、前記第2パッド220d上には、第2接続部260が配置される。前記第1接続部250および第2接続部260は、ソルダーボールであり得るが、これに限定されない。
【0156】
前記第1接続部250上には、第1素子270が配置される。そして、前記第2接続部260上には、第2素子280が配置される。
【0157】
前記第1素子270は、通信素子RFICである。前記第1素子270は、前記第1アンテナパターン層220aおよび第2アンテナパターン層220bとそれぞれ連結される。これにより、実施例は、一つの第1素子270を用いて互いに異なる領域にアンテナ信号を放出する第1アンテナパターン層220aおよび第2アンテナパターン層220bをそれぞれ制御することができる。
【0158】
前記第2素子280は、電源素子PMICである。前記第2素子280は、前記第1素子270と電気的に連結される。前記第2素子280は、前記第1素子270から送信される制御信号を受信する。前記第2素子280は、前記受信した制御信号に基づいて前記第1アンテナパターン層220aおよび第2アンテナパターン層220bに供給される電源を制御する。
【0159】
実施例は、アンテナ特性が向上した回路基板およびこれを含むアンテナ装置を提供することができる。
【0160】
具体的には、実施例の回路基板は、アンテナパターンに対応する回路パターン層を含む。前記回路パターン層は、第1金属を含む薄膜層である第1金属層と、前記第1金属層上に配置された第2金属を含む第2金属層とを含む。このとき、実施例は、前記第1金属層を用いて前記第2金属層を形成する。これにより、実施例は、前記第1金属層のエッチング工程で発生する前記第2金属層の損傷を最小限に抑えることができる。
【0161】
これにより、実施例の回路パターン層の表面の10点平均表面粗さRzは、0.2μm~0.5μmの範囲を有する。そして、実施例の回路パターン層の上面幅と下面幅との差値は、0.5μm~1.2μmの範囲を満足する。また、実施例の回路パターン層の上面幅は、回路パターン層の下面幅の95%以上である。さらに、実施例の回路パターン層の側面と連結される上面の一端と下面の一端との間の水平距離W1は、0.25μm~0.6μmの範囲を満足する。さらに、実施例の回路パターン層のエッチングファクタは、40以上である。
【0162】
これにより、実施例の回路基板およびこれを含むアンテナ装置は、高周波帯域の信号を伝送する過程で発生する信号伝送損失を低減することができる。さらに、実施例の回路基板およびこれを含むアンテナ装置は、周波数帯域幅を向上させることができる。
【0163】
また、実施例の回路基板は、水平方向に互いに離隔し、第1および第2アンテナパターン層をそれぞれ含む第1領域および第2領域を含む。そして、第2領域は、第1領域に対して折り曲げ可能なフレキシブル領域である。そして、前記第1領域には、第1および第2アンテナパターン層と連結された通信素子が配置される。前記第1および第2アンテナパターン層は、互いに異なる方向にアンテナ信号を放出する。そして、前記通信素子は、前記第1および第2アンテナパターン層を制御する。これにより、実施例は、一つの通信素子を用いて互いに異なる方向にアンテナ信号を放出する複数のアンテナパターン層を制御することができる。これにより、実施例は、アンテナ装置の小型化が可能である。
【0164】
上術の実施例で説明された特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも一つの実施例に含まれ、必ず一つの実施例にのみ限定されるものではない。さらに、各実施例に例示された特徴、構造、効果などは、実施例が属する分野で通常の知識を有する者によって、他の実施例に対しても組合せまたは変形して実施可能である。従って、このような組合せと変形に関連した内容は、実施例の範囲に含まれると解釈されるべきである。
【0165】
また、以上では実施例を中心に説明したが、これは単なる例示に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明が属する分野で通常の知識を有した者であれば、本実施例の本質的な特性を逸脱しない範囲内で、以上で例示されていない多様な変形と応用が可能であることが理解できるであろう。例えば、実施例に具体的に示された各構成要素は、変形して実施することができるものである。そして、このような変形と応用に関連した差異点は、添付された請求範囲で規定する本発明の範囲に含まれると解釈されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層と、
前記絶縁層上に配置された回路パターン層と、を含み、
前記回路パターン層は、アンテナ信号を送受信するアンテナパターンを含み、
前記アンテナパターンは、上面および前記上面とは反対の下面を含み、
前記上面の幅は、前記下面の幅とは異なり、
前記上面および前記下面のうちいずれか一つの幅は、他の一つの幅の95%以上である、回路基板。
【請求項2】
前記アンテナパターンの上面の幅は、前記アンテナパターンの下面の幅よりも小さい、請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記アンテナパターンの10点平均表面粗さRzは、0.2μm~0.5μmの範囲を有する、請求項2に記載の回路基板。
【請求項4】
前記アンテナパターンの上面の幅と下面の幅との差は、0.5μm~1.2μmの範囲を満足する、請求項2に記載の回路基板。
【請求項5】
前記アンテナパターンは、前記上面と前記下面とを連結する側面を含み、
前記アンテナパターンの側面と連結される前記アンテナパターンの上面の一端と前記アンテナパターンの下面の一端との間の水平距離は、0.25μm~0.6μmの範囲を満足する、請求項1に記載の回路基板。
【請求項6】
前記アンテナパターンの側面は、曲面を含む、請求項5に記載の回路基板。
【請求項7】
前記側面は、第1側面および前記第1側面とは反対の第2側面を含み、
前記第1側面は、前記第2側面に向かって凹み、
前記第2側面は、前記第1側面に向かって凹んだ、請求項6に記載の回路基板。
【請求項8】
前記アンテナパターンのエッチングファクタは、40以上であり、
前記エッチングファクタは、次の式によって決定される、請求項1に記載の回路基板。
エッチングファクタ=アンテナパターンの厚さ/(アンテナパターンの下面の幅 - アンテナパターンの上面の幅)
【請求項9】
前記アンテナパターンは、
前記絶縁層上に配置される第1金属層と、
前記第1金属層上に配置され、前記第1金属層とは異なる金属を含む第2金属層と、を含む、請求項1に記載の回路基板。
【請求項10】
前記第1金属層は、ニッケルおよびクロムを含み、
前記第2金属層は、銅を含む、請求項9に記載の回路基板。
【請求項11】
前記絶縁層は、水平方向に第1領域と第2領域とに区分され、
前記アンテナパターンは、
前記絶縁層の前記第1領域に配置された第1アンテナパターンと、
前記絶縁層の前記第2領域に配置された第2アンテナパターンと、を含み、
前記絶縁層の前記第1領域の層数は、前記絶縁層の第2領域の層数よりも多く、
前記絶縁層の前記第2領域は、前記絶縁層の前記第1領域を基準に折り曲げられる、請求項1に記載の回路基板。
【請求項12】
前記絶縁層の第1領域は、前記絶縁層の第2領域と同じ絶縁物質を含み、
前記絶縁物質は、液晶高分子(LCP)を含む、請求項11に記載の回路基板。
【請求項13】
第1領域および前記第1領域から折り曲げ可能な第2領域を含む絶縁層と、
前記絶縁層の前記第1領域に配置された第1アンテナパターンと、
前記絶縁層の前記第2領域に配置された第2アンテナパターンと、
前記絶縁層の前記第1領域に配置された第1パッドと、
前記絶縁層の前記第1領域に配置された第2パッドと、
前記第1パッド上に配置された第1接続部と、
前記第2パッド上に配置された第2接続部と、
前記第1接続部上に実装され、前記第1および第2アンテナパターンと連結された通信素子と、
前記第2接続部上に実装され、前記第1および第2アンテナパターンと連結された電源素子と、を含み、
前記第1および第2アンテナパターンのうち少なくとも一つは、上面および前記上面とは反対の下面を含み、
前記上面の幅は、前記下面の幅とは異なり、
前記上面および前記下面のうちいずれか一つの幅は、他の一つの幅の95%以上である、アンテナ装置
【請求項14】
前記上面の幅は、前記下面の幅よりも小さい、
請求項13に記載のアンテナ装置。
【請求項15】
前記上面の幅と前記下面の幅との差は、0.5μm~1.2μmの範囲を満足する、請求項14に記載のアンテナ装置。
【請求項16】
前記第1および第2アンテナパターンのうち少なくとも一つは、前記上面と前記下面とを連結する側面を含み、
前記側面の一端および他端とそれぞれ連結される前記上面の一端と前記下面の一端との間の水平距離は、0.25μm~0.6μmの範囲を満足する、請求項12に記載のアンテナ装置。
【請求項17】
前記アンテナパターンは、
前記絶縁層上に配置され、ニッケルおよびクロムを含む第1金属層と、
前記第1金属層上に配置され、銅を含む第2金属層と、を含む、請求項13に記載のアンテナ装置。
【請求項18】
前記絶縁層の第1領域は、前記絶縁層の第2領域と同じ絶縁物質を含み、
前記絶縁物質は、液晶高分子(LCP)を含む、請求項13に記載のアンテナ装置。
【請求項19】
前記第1および第2アンテナパターンのそれぞれの10点平均表面粗さRzは、0.2μm~0.5μmの範囲を有する、請求項13に記載のアンテナ装置。
【請求項20】
前面、前記前面とは反対の背面、および前記前面と前記背面との間の複数の側面を含む本体と、
前記本体の前面に配置されるディスプレイ部と、
前記本体の前記背面および前記複数の側面のうち少なくとも二つの面に配置される請求項13に記載のアンテナ装置と、を含み、
前記アンテナ装置の前記絶縁層の前記第1領域は、前記本体の背面に配置され、
前記アンテナ装置の前記絶縁層の前記第2領域は、前記本体の複数の側面のうち前記本体の背面と連結される第1側面に配置され、
前記第1アンテナパターンは、前記本体の背面に向かってアンテナ信号を放出し、
前記第2アンテナパターンは、前記本体の前記第1側面に向かってアンテナ信号を放出する、端末機。
【国際調査報告】