(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】脂肪アルコールエトキシレートを含む洗剤ゲル組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 1/72 20060101AFI20240517BHJP
C11D 1/722 20060101ALI20240517BHJP
C11D 17/04 20060101ALI20240517BHJP
A47L 15/42 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
C11D1/72 ZBP
C11D1/722
C11D17/04
A47L15/42 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023574452
(86)(22)【出願日】2022-05-30
(85)【翻訳文提出日】2024-01-19
(86)【国際出願番号】 EP2022064533
(87)【国際公開番号】W WO2022253728
(87)【国際公開日】2022-12-08
(32)【優先日】2021-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】316001892
【氏名又は名称】レキット ベンキサー フィニッシュ ベスローテン フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【氏名又は名称】松田 七重
(74)【代理人】
【識別番号】100183379
【氏名又は名称】藤代 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】アル-バヤティ アリアス ユニス
(72)【発明者】
【氏名】ロス トルステン
(72)【発明者】
【氏名】ウィンク アレクサンダー
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AC08
4H003AC23
4H003BA09
4H003BA15
4H003BA18
4H003BA21
4H003DA17
4H003DA19
4H003EB08
4H003EB33
4H003ED02
4H003FA32
(57)【要約】
本発明は、洗剤ゲル組成物に関する。特に、本発明は、脂肪アルコールエトキシレートを含むパッケージ化された洗剤ゲル組成物であって、脂肪アルコールエトキシレートは以下の式を有し、
R-O(CH2CH2O)xH
(式中、
Rは直鎖状飽和脂肪アルコールであり、
xは少なくとも25の値を有する整数である)
パッケージ化された洗剤ゲル組成物は、ヒドロキシカルボキシレート、アミノカルボキシレート、ホスフェート、又はそれらの塩、からなる群から選択される少なくとも1種のビルダーを更に含み;
パッケージ化された洗剤ゲル組成物は、少なくとも1種の混合アルコキシレート脂肪アルコール非イオン性界面活性剤を更に含む、パッケージ化された洗剤ゲル組成物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の脂肪アルコールエトキシレートを含むパッケージ化された洗剤ゲル組成物であって、前記洗剤ゲル組成物は、水溶性容器内に収容されており、前記脂肪アルコールエトキシレートは以下の式を有し、
R-O(CH
2CH
2O)
xH
(式中、
Rは直鎖状飽和脂肪アルコールであり、
xは少なくとも25の値を有する整数である)
前記パッケージ化された洗剤ゲル組成物は、ヒドロキシカルボキシレート、アミノカルボキシレート、ホスフェート、又はそれらの塩、からなる群から選択される少なくとも1種のビルダーを更に含み、
前記パッケージ化された洗剤ゲル組成物は、少なくとも1種の混合アルコキシレート脂肪アルコール非イオン性界面活性剤を更に含む、
パッケージ化された洗剤ゲル組成物。
【請求項2】
前記水溶性容器が水溶性フィルムであり、該水溶性フィルムが、好ましくは室温でリジッド又はフレキシブルである、請求項1に記載のパッケージ化された洗剤ゲル組成物。
【請求項3】
前記水溶性容器がポリ(ビニルアルコール)を含むか、又はポリ(ビニルアルコール)であり、好ましくは、前記容器が熱成形ポリ(ビニルアルコール)フィルムを含む、請求項1又は2に記載のパッケージ化された洗剤ゲル組成物。
【請求項4】
前記水溶性容器が、少なくとも第1の区画と第2の区画とを含む多区画水溶性容器であり、前記洗剤ゲル組成物が、第1の区画内に好ましくは位置する、請求項1~3のいずれかに記載のパッケージ化された洗剤ゲル組成物。
【請求項5】
少なくとも1種の液体清浄活性物質が、前記第2の区画内に位置する、請求項4に記載のパッケージ化された洗剤ゲル組成物。
【請求項6】
少なくとも1種の固体清浄活性物質が、前記第2の区画内に位置する、請求項4に記載のパッケージ化された洗剤ゲル組成物。
【請求項7】
前記第2の区画内に位置する少なくとも1種の清浄活性物質が漂白系である、請求項5又は6に記載のパッケージ化された洗剤ゲル組成物。
【請求項8】
前記第2の区画が前記ビルダーを含む、請求項4~7のいずれか1項に記載のパッケージ化された洗剤ゲル組成物。
【請求項9】
前記多区画水溶性容器が、少なくとも1種の液体清浄活性物質がその中に位置する第3の区画を含む、請求項4~8のいずれか1項に記載のパッケージ化された洗剤ゲル組成物。
【請求項10】
洗剤ゲル組成物が、少なくとも1種の酵素、好ましくはアミラーゼ及び/又はプロテアーゼを更に含み、前記少なくとも1種の酵素が、最も好ましくは懸濁固体の形態である、請求項1~9のいずれかに記載のパッケージ化された洗剤ゲル組成物。
【請求項11】
単位投入量形式の、請求項1~10のいずれかに記載のパッケージ化された洗剤ゲル組成物。
【請求項12】
汚れた台所用品の洗浄のための、又は硬質表面の清浄、洗濯清浄若しくは布地処理のための、請求項1~11のいずれかに記載のパッケージ化された洗剤ゲル組成物の使用。
【請求項13】
自動食器洗浄機で台所用品を洗浄するための方法であって、請求項1~11のいずれか1項に記載のパッケージ化された洗剤ゲル組成物が、主洗浄サイクルの開始時又は予備洗浄サイクルの開始時に前記自動食器洗浄機に添加される、方法。
【請求項14】
請求項1~11のいずれかに記載のパッケージ化された洗剤ゲル組成物を調製するための方法であって、以下のステップ:
a)液体構成成分を少なくとも1種の脂肪アルコールエトキシレートと混合するステップ;
b)ステップa)によって形成された組成物を冷却してゲルを形成するステップ;及び
c)前記組成物を水溶性容器に添加するステップ、
を含む、前記方法。
【請求項15】
以下の式の脂肪アルコールエトキシレートを含む洗剤ゲル組成物であって、
R-O(CH
2CH
2O)
xH
(式中、
Rは直鎖状飽和脂肪アルコールであり、
xは少なくとも25の値を有する整数である)
ヒドロキシカルボキシレート、アミノカルボキシレート、ホスフェート、又はそれらの塩、からなる群から選択される少なくとも1種のビルダーを更に含み;
少なくとも1種の混合アルコキシレート脂肪アルコール非イオン性界面活性剤を更に含む、
洗剤ゲル組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージ化された洗剤ゲル組成物に関する。特に、本発明は、少なくとも1種の脂肪アルコールエトキシレートを含むパッケージ化された洗剤ゲル組成物に関する。本発明は、台所用品又は食器を洗浄する方法、台所用品又は食器を処理するための脂肪アルコールエトキシレートを含むパッケージ化された洗剤ゲル組成物の使用、及び脂肪アルコールエトキシレートを含む洗剤ゲル組成物に更に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲルは一般に、流体によってその体積全体にわたって膨張する非流体コロイドネットワーク又はポリマーネットワークとして定義され、ヒドロゲルは膨張剤又は膨潤剤として水を有する。本明細書において、ゲルという用語は厳密にコロイド状の組成物に限定されるものではなく、本発明の目的においては、ゲルという用語は濃厚な液体であると考えることもできる。「ゲル状」という用語は、ゲルの外観及び/又はコンシステンシーを有する、液体と固体の組み合わせ、又は液体中固体の懸濁液を指す場合がある。心地よい美的プロファイルを有する、すなわち、滑らかで連続的な視覚的外観を有する自動食器洗浄洗剤ゲル組成物は、純粋に顆粒、粉末、又は錠剤形態の組成物よりも消費者にとって著しく魅力的である。ゲル組成物は、多くの場合、多区画製品において使用されており、多区画製品において、ゲル組成物が1つの区画内に存在し、1種又は複数種の粉末、錠剤又は顆粒が1つ又は複数の更なる区画内に存在する。ゲルの形態の洗剤ゲル組成物は、消費者が美的に心地よく、所望の溶解及び成分放出特性を含む洗剤ゲル組成物を提供しようとするために、多くの場合増粘剤を含む。好適な増粘剤は、主に高温の相分離を有することによって、洗剤ゲル組成物が保存中に良好な相安定性を呈するように、好ましい安定性プロファイルを提供すべきである。室温での老化又は保存による以前は均質であったゲルの相分離によって、消費者に、洗剤ゲル組成物は活性が低下している、分解している、又は低品質の製品であることが伝わる場合がある。したがって、洗剤ゲル組成物の視覚的外観を維持することは非常に重要である。
【0003】
従来の食器洗浄用洗剤ゲル組成物に使用される典型的な増粘剤は、ポリアルキレングリコール、例えばエチレンオキシド対プロピレンオキシドの比が4:1であるポリアルキレングリコールである。このタイプのポリアルキレングリコールは製造コストが高く、洗剤ゲル組成物の清浄性能プロファイル(放出プロファイルを含む)及び光沢性能プロファイルにほとんど寄与しない。ポリアルキレングリコールを含む従来の洗剤ゲル組成物は、室温で相分離を呈する可能性がある。
好ましい清浄性能プロファイル及び安定性プロファイルを維持しながら、特定の清浄活性物質の制御放出を提供する洗剤組成物を提供する試みがなされてきた。特定の清浄活性物質の制御放出を提供しようとする洗剤ゲル組成物は、典型的には、例えばEP1433839に開示されているように、それぞれの清浄活性物質に対して改変されたコーティング剤を使用するか、又は食器洗浄サイクル中の専用の投入ステップ、又は清浄活性物質を連続的に放出する専用の投入装置を用いる。単位投入量の洗剤組成物は公知であり、例えば、食器洗浄サイクルの開始前に食器洗浄機に添加される、水溶性フィルム容器又は区画に封入された洗剤組成物である。更に、従来の単位投入量製品は、多区画容器又はカプセルを含んでもよい。多区画カプセルは、2つ以上の分離された区画を含んでもよく、各区画内には、典型的には固体の形態の洗剤組成物又は液体の形態の洗剤組成物が位置している。使用中、液体区画内に位置するあらゆる清浄活性物質は洗浄液に急速に溶解するが、固体区画内に位置する清浄活性物質は洗浄液に比較的ゆっくりと溶解する。このような製品は清浄活性物質を時間差で放出することができるが、放出は制御されず、関連する清浄活性物質に合わせて放出プロファイルを調整することもできない。したがって、これらの製品は、清浄活性物質の満足のいく、又は最適な遅延放出を提供しない。
更に、遅延溶解プロファイルを取得する取り組みは、典型的には、食器洗浄機の異なる洗浄サイクルへの活性物質の送達、例えば、単位投入量製品の主洗浄サイクル及びすすぎサイクル中の活性物質の放出に依存する。
コーティング剤、例えば疎水性コーティング剤、及び専用の投入ステップ及び装置は、多くの場合信頼性が低く、好ましい清浄及び光沢性能及び安定性プロフィールに必要な清浄活性物質の制御された遅延放出を消費者に提供しない。加えて、コーティング剤は積極的な清浄効果には寄与しないため、充填剤と考えられ、活性成分が利用可能である投入形式の体積が減少する。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施形態は、これら又は他の欠点を改善すること、及び/又は特に単位投入量形式において、清浄活性物質の制御された遅延放出を呈し、清浄性能及び光沢性能を維持又は向上させながら、好ましい安定性プロファイルを提供する、改善された洗剤ゲル組成物を提供することを追求する。
本発明の実施形態の目的は、本明細書に明示的に開示されているかどうかにかかわらず、従来技術の少なくとも1つの問題を克服又は軽減することである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、少なくとも1種の脂肪アルコールエトキシレートを含むパッケージ化された洗剤ゲル組成物であって、洗剤ゲル組成物は、水溶性容器内に収容されており;脂肪アルコールエトキシレートは以下の式を有し、
R-O(CH2CH2O)xH
(式中、
Rは直鎖状飽和脂肪アルコールであり、
xは少なくとも25の値を有する整数である)
ヒドロキシカルボキシレート、アミノカルボキシレート、ホスフェート、又はそれらの塩、からなる群から選択される少なくとも1種のビルダーを更に含み;
少なくとも1種の混合アルコキシレート脂肪アルコール非イオン性界面活性剤を更に含む、パッケージ化された洗剤ゲル組成物を提供する。
脂肪アルコールエトキシレートという用語は、エトキシレート基と高級アルコキシレート基の混合ではなく、エトキシレート基のみを有する脂肪アルコールアルコキシレートを指す。
好ましくは、パッケージ化された洗剤ゲル組成物は、単位投入量形式を含む。
本明細書で使用される「水溶性容器」という用語は、少なくとも部分的に水に溶解するか、又は20℃で10分以内に水に分散して、パッケージの内容物が周囲の水中に流出することが可能になる容器を意味する。「単位投入量」とは、製品が食器洗浄機の1回の洗浄サイクルに必要な量の1種又は複数種の組成物を含むことを意味する。
【0006】
有利には、本発明のパッケージ化された洗剤ゲル組成物は、洗剤ゲル組成物の清浄性能及び光沢性能に影響を与えることなく、又は少なくとも顕著な影響を与えることなく、溶解プロファイルをモジュール式に調整するためのプラットフォームを提供する。したがって、本発明のパッケージ化された洗剤ゲル組成物は、その清浄活性物質の制御された遅延放出プロファイルを呈し、その結果、組成物は洗浄サイクル中の選択された時間に特定の清浄活性物質を放出することができる。したがって、本発明のパッケージ化された洗剤ゲル組成物は、改変されたコーティング剤を必要とせず、又は専用の投入ステップ及び/又は装置を使用することなく、性能上の利点、特に制御された遅延放出プロファイルを提供するということになる。
水溶性容器は、水溶性フィルムを含んでもよく、又は水溶性フィルムであってもよい。水溶性フィルムは、室温でリジッド又はフレキシブルであってもよい。
好ましくは、水溶性容器はポリ(ビニルアルコール)(PVOH)フィルムを含むか、又はポリ(ビニルアルコール)(PVOH)フィルムで作製される。PVOHフィルムは、部分的又は完全にアルコール化又は加水分解されていてもよく、例えば、40~100%、好ましくは70~92%、最も好ましくは約85%~約92%がアルコール化又は加水分解されたポリ酢酸ビニルフィルムであってもよい。加水分解の程度は、PVOHが水に溶解し始める温度に影響を与えることが公知である。88%加水分解は、冷水(すなわち室温)に可溶なフィルムに対応し、92%加水分解は温水に可溶なフィルムに対応する。フィルムは、キャスト、吹き込み成形、又は押出成形することができる。フィルムは更に、無延伸、一軸延伸、又は二軸延伸であってもよい。
【0007】
PVOHフィルムは、熱成形PVOHフィルムであってもよい。
水溶性容器は、多区画水溶性容器であってもよい。多区画水溶性容器は、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、又は6つ以上の分離された区画を含んでもよい。各区画は、隣り合って、同心円状に、円の扇形として、又はあらゆる好適なランダム若しくは組織化されたパターンで配置することができる。容器は、ポケット及び周囲のフランジを含む第1のPVOHフィルムと、ポケット全体にわたってカバーとして適用され、フランジ全体にわたって密封された第2のPVOHフィルムとを備えることができる。容器は、2つ以上のポケット、例えば2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、又は6つ以上のポケット及び周囲のフランジを含む第1のPVOHフィルムと、各ポケット全体にわたってカバーとして適用され、フランジ全体にわたって密封された第2のPVOHフィルムとを備えることができる。いくつかの実施形態では、3つ又は4つのポケットがある。
有益なことに、多区画容器では、異なる形態(すなわち、固体形態、液体形態、又はゲル形態)の組成物が異なる区画内に位置することが可能になる。このような容器は、消費者にとって美的により魅力的である。
【0008】
多区画水溶性容器は、少なくとも第1の区画及び第2の区画を含むことができる。多区画水溶性容器は、少なくとも第1の区画、第2の区画、及び第3の区画を含むことができる。脂肪アルコールエトキシレートを含む洗剤ゲル組成物に加えて、多区画水溶性容器は、固体、液体、ゲル又はペーストの形態の少なくとも1種の更なる組成物を含んでもよい。固体、液体、ゲル又はペーストの形態の少なくとも1種の更なる組成物は、ビルダー、界面活性剤、アルカリ源、酸性源、酵素、ポリマー、防食剤、漂白剤若しくは手入れ剤、又はそれらの混合物、を含むリストから選択される1種又は複数種の清浄活性物質を含んでもよい。
多区画水溶性容器は、少なくとも第1の区画及び第2の区画を含んでもよく、洗剤ゲル組成物は第1の区画内に位置してもよい。多区画水溶性容器は、本発明の洗剤ゲル組成物に加えて、固体、ゲル、粉末又は顆粒の懸濁液を含むゲル、及び液体のうちの1つ又は複数を更に含んでもよい。更なる各組成物は、それ自体の別々の区画に位置していてもよく、又は2種以上の更なる組成物は、例えば、少なくとも1つの更なる区画に共に位置していてもよい。
【0009】
容器は、第2の区画内に位置している少なくとも1種の液体清浄活性物質を含んでもよい。少なくとも1種の液体清浄活性物質は、漂白系であってもよい。漂白系は、漂白剤、例えば過炭酸塩、例えば過炭酸ナトリウム、漂白促進剤、例えばテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、及び/又は漂白触媒、例えばトリアザシクロノナン(TACN)若しくはTACN配位子のあらゆる誘導体、例えば1,4,7-トリメチル-TACNを含むマンガン錯体、又はシュウ酸マンガン、酢酸マンガン、又は二核マンガン錯体、例えばTACN若しくはTACN配位子のあらゆる誘導体、例えば1,4,7-トリメチル-TACNを含む二核マンガン錯体を含んでもよい。
【0010】
容器は、第2の区画内に位置している少なくとも1種の固体清浄活性物質を含んでもよい。少なくとも1種の固体清浄活性物質は、漂白系であってもよい。固体漂白系は、粉末固体の形態であってもよい。固体又は粉末固体の漂白系は、コーティングされた顆粒又は1種若しくは複数種の清浄活性物質を含む共顆粒の形態であってもよい。漂白系は、漂白剤、例えば過炭酸塩、例えば過炭酸ナトリウム、漂白促進剤、例えばテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、及び/又は漂白触媒、例えば1,4,7-トリアザシクロノナン(TACN)若しくはTACN配位子のあらゆる誘導体、例えば1,4,7-トリメチル-TACNを含むマンガン錯体、又はシュウ酸マンガン、酢酸マンガン、又は二核マンガン錯体、例えばTACN若しくはTACN配位子のあらゆる誘導体、例えば1,4,7-トリメチル-TACNを含む二核マンガン錯体を含んでもよい。
洗剤ゲル組成物は、性能に関係しない成分を含まないか、又は実質的に含まなくてもよい。洗剤ゲル組成物は、清浄活性物質のみを含んでもよい。或いは、脂肪アルコールエトキシレートを含む洗剤ゲル組成物は、ビルダー、界面活性剤、アルカリ源、酸性源、酵素、ポリマー、防食剤、漂白剤若しくは手入れ剤、又はそれらの混合物、を含むリストから選択される1種又は複数種の清浄活性物質を含んでもよい。1種又は複数種の清浄活性物質は、顆粒形態であってもよい。1種又は複数種の清浄活性物質は、洗剤ゲル組成物中に懸濁した顆粒形態であってもよい。1種又は複数種の清浄活性物質は、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ及びペルオキシダーゼ、又はそれらの混合物を含む群から選択される少なくとも1種の酵素であってもよい。
【0011】
容器は、洗剤ゲル組成物と少なくとも1種の酵素(アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ及びリパーゼから選択される1種又は複数種の酵素であり得、好ましくは少なくともアミラーゼ及びプロテアーゼであり得る)とを含む第1の区画、並びに固体又は液体組成物、好ましくは固体漂白組成物、より好ましくは粉末又は顆粒の形態の漂白組成物を含む第2の区画を含んでもよい。好ましくは、少なくとも1つの酵素は、区画が破裂又は溶解するときの、本発明の洗剤ゲル組成物を含むゲルからの放出速度が、固体又は液体組成物からの1種又は複数種の成分(例えば、漂白組成物などの清浄活性物質)の放出速度よりも遅い。少なくとも1種の酵素は、区画が破裂又は溶解するときに、固体又は液体組成物に含まれる1種又は複数種の成分が80%放出される時点の後に、80%放出される時点を有し得る。「80%放出の時点」は、典型的には、特定の成分(例えば、清浄活性物質又は化合物)の80%の放出が達成された時点として測定される。少なくとも1種の酵素は、区画が破裂又は溶解するときに、固体又は液体組成物に含まれる1種又は複数種の成分が80%放出される時点の、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18分、又は少なくとも20分後に、80%放出される時点を有し得る。少なくとも1種の酵素の80%放出の時点は、区画が破裂又は溶解するときに、固体又は液体組成物に含まれる成分のいずれかが80%放出される時点の約1~約30分の間、約1.5~約28分の間、約2~約26分の間、約3~約24分の間、約4~約22分の間、又は約5~約20分の間の後であり得る。好ましくは、少なくとも1種の酵素の80%放出の時点は、区画が破裂又は溶解するときに、固体又は液体組成物に含まれる成分のいずれかが80%放出される時点の約3分~約15分の間の後である。好ましくは、固体又は液体組成物に含まれる成分は、漂白系を含む。有利には、これは、少なくとも1種の酵素の有効性が、固体組成物、例えば漂白組成物に含まれる成分のいずれによっても阻害されない、又は少なくとも実質的に阻害されないことを意味する。更に、固体又は液体組成物、例えば漂白組成物に含まれるあらゆる成分の有効性は、少なくとも1種の酵素によって阻害されないか、阻害が軽減されるか、又は阻害が軽減されることである。更に有利には、これは、固体又は液体組成物に含まれる少なくとも1種の酵素及び/又はあらゆる成分の性能を別様に阻害する場合がある「副反応」の数及び副生成物の生成が大幅に減少することを意味する。更に、多区画水溶性容器は、固体又は液体を含む第3の区画を含んでもよい。第3の区画に含まれる固体又は液体は、1種若しくは複数種の清浄活性物質を含むことができる。好ましくは、少なくとも1種の酵素は、区画が破裂又は溶解するときの、本発明の洗剤ゲル組成物を含むゲルからの放出速度が、第3の区画の固体又は液体組成物に含まれる1種若しくは複数種の清浄活性物質の放出速度よりも遅い。
【0012】
有利には、本発明の洗剤ゲル組成物は、固相又は液相に含まれる成分の溶解速度と比較して、ゲル相に含まれる成分の溶解が遅い。したがって、成分の調整された制御放出プロファイルは、洗剤ゲル組成物を含むゲル相内の、放出を遅らせることが意図される場所に成分を配置することによって提供することができる。
第1の区画内の洗剤ゲル組成物は、好ましくは、少なくとも1種の活性成分、好ましくは酵素、より好ましくはアミラーゼ及び/又はプロテアーゼを含み、少なくとも1種の活性成分は、区画が破裂又は溶解するときに、第2の区画内に位置するあらゆる固体又は液体清浄活性物質(漂白活性物質など)が80%放出される時点の後に活性成分が80%放出される時点を有する。第1の区画内の洗剤ゲル組成物は、好ましくは、少なくとも1種の活性成分、好ましくは酵素、より好ましくはアミラーゼ及び/又はプロテアーゼを含み、少なくとも1種の活性成分の80%放出の時点は、区画が破裂又は溶解するときに、第2の区画内に位置する固体又は液体清浄活性物質(漂白活性物質など)が80%放出される時点の約1分~約30分の間の後である。
一般に、水溶性容器の充填部分の最大寸法(フランジを除く)は、10cm又は8cmであり得る。例えば、丸められた直方体容器は、長さが1~5cm、特に3.5~4.8cm、例えば4.8cm又は4.1cm、幅が1.5~4cm、特に3~4cm、例えば3.7cm又は3.9cm、高さが1~2.5cm、特に1~2cm、例えば1.25~1.75cmであり得る。
【0013】
脂肪アルコールエトキシレートは、以下の式の化合物を含んでもよい。
(式(1)) R-O(CH2CH2O)xH
(式中、
Rは直鎖状飽和脂肪アルコールであり、
xは少なくとも25の値を有する整数である)
好ましくは、洗剤ゲル組成物は、3質量%未満、2質量%未満、1質量%未満、又は0.5質量%未満のポリアルキレングリコールを含む。いくつかの実施形態では、洗剤ゲル組成物は、ポリアルキレングリコールを実質的に含まない。
式(1)の化合物を含む洗剤ゲル組成物を提供することは、洗剤ゲル組成物の清浄性能プロファイル又は安定性プロファイルを損なうことなく、ポリグリコール増粘剤を除去及び/又は式(1)の化合物で置き換えることができる洗剤ゲル組成物を有利に提供する。更に、式(1)の化合物は、単純なアルコキシル化界面活性剤であり、ポリアルキレングリコールなどの多くの一般的に使用されるポリグリコール増粘剤よりも製造コストがかなり安価であるため、本発明は、清浄性能プロファイルの改善及び安定性プロファイルの改善を呈する洗剤ゲル組成物を提供し、これは、ポリグリコール増粘剤を含む従来の洗剤ゲル組成物と比較して費用対効果が高い。
【0014】
式(1)の化合物は、脂肪アルコールをエチレンオキシドと化学量論比で反応させることにより製造する。
有利には、本発明の洗剤ゲル組成物は、洗剤ゲル組成物の清浄性能に影響を与えることなく、又は少なくとも顕著に影響を与えることなく、溶解プロファイルをモジュール式に調整するためのプラットフォームを提供する。したがって、本発明の洗剤ゲル組成物は、その清浄活性物質の制御された遅延放出プロファイルを呈し、その結果、組成物は洗浄サイクル中の選択された時間に特定の清浄活性物質を放出することができる。したがって、本発明の洗剤ゲル組成物は、改変されたコーティング剤を必要とせず、又は専用の投入ステップ及び/又は装置を使用することなく、性能上の利点、特に制御された遅延放出プロファイルを提供するということになる。
更に有利には、本発明は、室温で相分離を呈さない洗剤ゲル組成物を提供する。したがって、本発明の洗剤ゲル組成物は、ポリアルキレングリコールを含む従来の洗剤ゲル組成物と比較して、好ましい安定性プロファイルを呈する。更に、本発明は、室温よりかなり高い温度、すなわち約37℃より高い温度で相分離を呈さない洗剤ゲル組成物を提供する。したがって、本発明の洗剤ゲル組成物は、室温で相分離を呈する、ポリアルキレングリコールを含む非ゲル洗剤組成物又はゲル洗剤組成物と比較して、好ましい安定性プロファルを呈する。実施例に示すように、本発明の洗剤ゲル組成物の好ましい実施形態は、最高37℃の保存温度で相分離を示さない。したがって、本発明の洗剤ゲル組成物の好ましい美観は、典型的な保存期間中維持される。
【0015】
更に、式(1)の化合物にそのより高級にエトキシル化された同族体を与えること、すなわちxの値を増加させることにより、有利には、洗剤の溶解時間が更に長くなり、相分離温度がより高くなる。
「R」で表される直鎖状飽和脂肪アルコールは、約10~約34個の炭素原子、約12~約30個の炭素原子、約14~約25個の炭素原子、約14~約20個の炭素原子、約16~約20個の炭素原子、又は約16~約18個の炭素原子を有する直鎖状飽和脂肪アルコールであってもよい。直鎖状飽和脂肪アルコールは、14個の炭素原子を有する直鎖状飽和脂肪アルコールであってもよい。直鎖状飽和脂肪アルコールは、16個の炭素原子を有する直鎖状飽和脂肪アルコールであってもよい。直鎖状飽和脂肪アルコールは、18個の炭素原子を有する直鎖状飽和脂肪アルコールであってもよい。直鎖状飽和脂肪アルコールは、20個の炭素原子を有する直鎖状飽和脂肪アルコールであってもよい。
「x」で表される整数は、少なくとも約25、少なくとも約26、少なくとも約27、少なくとも約28、少なくとも約29、少なくとも約30、少なくとも約32、少なくとも約34、少なくとも約36、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約55、少なくとも約60、少なくとも約65、少なくとも約70、少なくとも約75、少なくとも約80、少なくとも約85、少なくとも約90、少なくとも約95、又は少なくとも約100の値を有する整数であり得る。すなわち、式(1)の化合物は、直鎖状飽和脂肪アルコール、及びアルコール1モル当たり少なくとも約25以上、少なくとも約36、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約55、少なくとも約60、少なくとも約65、少なくとも約70、少なくとも約75、少なくとも約80、少なくとも約85、少なくとも約90、少なくとも約95、少なくとも約100モルのエチレンオキシドに由来し得る。
【0016】
「x」によって表される整数は、約25~約100、約36~約100、約36~約80、約40~約80、約45~約80、約50~約80、約55~約80、約60~約80、約65~約80、約70~約80、約75~約80、又は約80の値を有する整数であってもよい。すなわち、式(1)の化合物は、直鎖状飽和脂肪アルコールに由来し、アルコール1モル当たり約25~約100、約36~約100、約36~約80、約40~約80、約45~約80、約50~約80、約55~約80、約60~約80、約65~約80、約70~約80、約75~約80、又は約80モルのエチレンオキシドに由来し得る。
「x」で表される整数は、約25、約36、約50、又は約80の値を有してもよい。すなわち、式(1)の化合物は、直鎖状飽和脂肪アルコール、及び、アルコール1モル当たり約25モル、約36モル、約50モル、又は約80モルのエチレンオキシドに由来し得る。
【0017】
式(1)の化合物は、洗剤ゲル組成物の少なくとも1、2、3、3.3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18又は少なくとも20質量%の量で存在し得る。式(1)の化合物は、25、20、17.5、15、12.5、10、9、8、7、6、5、4、3、2%、又は1質量%以下の量で存在し得る。式(1)の化合物は、洗剤ゲル組成物の質量に基づいて、約1.0~約20質量%の間、約2.0~約20質量%の間、約2.0~約18質量%の間、約3.0~約16質量%の間、約3.3~約15質量%の間、約4.0~約14質量%の間、約5.0~約12質量%の間、約6.0~約10質量%の間、約6.5~約9質量%の間、約7.0~約8質量%の間、又は約7.5質量%の間の量で存在し得る。
【0018】
洗剤ゲル組成物は、クエン酸三ナトリウムを含んでもよい。
洗剤ゲル組成物は、クエン酸塩を、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、又は少なくとも45質量%の量で含んでもよい。洗剤ゲル組成物は、洗剤ゲル組成物の質量に基づいて、約10~約80質量%の間、約15~約75質量%の間、約20~約70質量%の間、約25~約65質量%の間、約30~約60質量%の間、約35~約55質量%の間、約40~約50質量%の間、約42~48質量%の間、約44~47質量%の間、又は約46質量%の量でクエン酸塩を含んでもよい。洗剤ゲル組成物は、洗剤ゲル組成物の質量に基づいて、約10~約30質量%の間、約12.5~約27.5質量%の間、約15~約25質量%の間、約17.5~約22.5質量%の間、又は約20質量%の量でクエン酸塩を含んでもよい。クエン酸塩は、クエン酸三ナトリウムを含んでもよい。
【0019】
本発明の第2の態様によれば、汚れた台所用品の洗浄、硬質表面の清浄、洗濯清浄又は布地処理のための、本発明の第1の態様によるパッケージ化された洗剤ゲル組成物の使用を提供する。
台所用品には、例えば陶磁器類、カトラリーなどの食器類を含めてもよい。
第2の態様による本発明は、第1の態様による本発明の特徴のいずれかを含んでもよい。
本発明の第3の態様によれば、自動食器洗浄機における台所用品を洗浄するための方法であって、本発明の第1の態様のパッケージ化された洗剤ゲル組成物を、自動食器洗浄機に添加する、方法を提供する。パッケージ化された洗剤ゲル組成物は、主洗浄サイクルの開始時又は予備洗浄サイクルの開始時に、自動食器洗浄機に添加することができる。パッケージ化された洗剤ゲル組成物は、自動食器洗浄機内の投入バスケット又は投入チャンバーに添加することができる。パッケージ化された洗剤ゲル組成物は、自動食器洗浄機の底に置いてもよい。
【0020】
第3の態様による本発明は、第1の態様による本発明の任意の特徴のいずれかを含んでもよい。
本発明の第4の態様によれば、第1の態様における本発明によるパッケージ化された洗剤ゲル組成物を調製するための方法であって、以下のステップ:
a)洗剤組成物の液体構成成分を少なくとも1種の脂肪アルコールエトキシレートと混合するステップ;
b)ステップb)によって形成された組成物を冷却してゲルを形成するステップ;及び
c)組成物を水溶性容器にパッケージ化するステップ、を含む、方法を提供する。
有利には、ステップa)の間、液体構成成分は外部加熱なしで約55~65℃の温度に達する。有益なことに、そのような温度は、ステップa)で添加される少なくとも1種の脂肪アルコールエトキシレートを融解するのに十分である。したがって、本発明の第4の態様による方法は、構成成分と、添加される少なくとも1種の脂肪アルコールエトキシレートを十分に混合するための、又は添加され得るいかなる固体構成成分を融解するためのいかなる外部加熱をも必要としない。
好ましくは、液体構成成分は、2種以上の液体を混合することによって形成される。
第1の液体構成成分と第2の液体構成成分は、約200~約1500rpmの間の速度で混合することができる。第1の液体構成成分と第2の液体構成成分は、最高200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、又は最高1500rpmの速度で混合することができる。
【0021】
脂肪アルコールエトキシレートを混合液体構成成分に添加する前に、混合液体構成成分を均質化してもよい。均質化は、混合液体構成成分を約0.5~5分間の間、約1~約4分間の間、約1.5~約3分間の間、又は約2分間混合することを含んでもよい。均質化は、最高200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、又は最高1500rpmで実行することができる。
ステップa)は、1種又は複数種の固体清浄活性物質を液体に添加することを更に含んでもよい。固体清浄活性物質は、防食保護剤、漂白促進剤及びビルダーを含む群のうちの1種又は複数種であり得る。防食保護剤は、銀腐食保護剤、例えばトリルトリアゾールであってもよい。漂白促進剤は、TAEDであってもよい。ビルダーは、クエン酸三ナトリウムであってもよい。
ステップa)は、混合液体構成成分を少なくとも1種の脂肪アルコールエトキシレートと、最高200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1750、2000、2250、2500、2750、又は最高3000rpmの速度で混合することを含んでもよい。
ステップb)の前に、ステップa)によって形成された組成物を均質化してもよい。均質化は、ステップa)によって形成された組成物を約1~20分間の間、約2~約18分間の間、約4~約16分間の間、約6~約14分間の間、約8~約12分間の間又は約10分間混合することを含んでもよい。均質化は、最高200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1600、1800、2000、2200、又は最高2400rpmで実行することができる。
【0022】
ステップb)において、ステップa)によって形成された組成物は、30℃、28℃、26℃、24℃、22℃、20℃、18℃未満、又は16℃未満に冷却することができる。組成物は、好ましくは室温、すなわち約20~22℃に冷却することができる。
第1の液体構成成分は界面活性剤であってもよい。界面活性剤は、例えば、約2:1のEO:PO比を有する脂肪アルコールアルコキシレートであってもよい。
第2の液体構成成分は消泡剤であってもよい。
ステップa)において、少なくとも1種の脂肪アルコールエトキシレートは、固体の形態で、好ましくは粉末固体の形態で添加することができる。
アミラーゼ及び/又はプロテアーゼなどの酵素を洗剤ゲル組成物と混合してもよく;これは、例えば、ステップb)における冷却中又は後のいずれかであり得る。
ステップc)の水溶性容器は、本発明の他の態様について上述したとおりであり、例えば、水溶性フィルム、好ましくは水溶性PVOHフィルムを含み得る。容器は、熱成形水溶性フィルムを含んでもよい。容器は、ステップb)の洗剤ゲル組成物が少なくとも1つの区画に位置し、少なくとも1種の更なる洗剤組成物が少なくとも1つの更なる区画に位置している、多区画容器を含んでもよい。
【0023】
ステップa)の脂肪アルコールエトキシレートは、以下の式の化合物を含んでもよい。
(式(1)) R-O(CH2CH2O)xH
(式中、
Rは直鎖状飽和脂肪アルコールであり、
xは少なくとも25の値を有する整数である)
第4の態様による本発明は、本発明の第1の態様による本発明の任意の特徴のいずれかを含んでもよい。
本発明の第5の態様によれば、以下の式の脂肪アルコールエトキシレートを含む洗剤ゲル組成物であって、
(式(1)) R-O(CH2CH2O)xH
(式中、
Rは直鎖状飽和脂肪アルコールであり、
xは少なくとも25の値を有する整数である)
ヒドロキシカルボキシレート、アミノカルボキシレート、ホスフェート、又はそれらの塩、からなる群から選択される少なくとも1種のビルダーを更に含み;
少なくとも1種の混合アルコキシレート脂肪アルコール非イオン性界面活性剤を更に含む、洗剤ゲル組成物を提供する。
【0024】
清浄活性物質
あらゆる従来の清浄成分を、洗剤ゲル組成物の一部として使用することができ、又は多区画容器のあらゆる区画に位置しているあらゆる更なる組成物として使用することができる。所与のレベルは質量パーセントであり、全組成物(水溶性容器を除く)を指す。洗剤ゲル組成物は、ホスフェートビルダーを含まなくてもよく、界面活性剤、アルカリ源、酸性源、酵素、ポリマー、防食剤及び手入れ剤から選択され得る1種又は複数種の洗剤活性構成成分を含み得る。
いくつかの実施形態では、水溶性容器は、洗剤ゲル組成物を含む第1の区画と、固体又は液体の形態のあらゆる従来の清浄成分を含む第2の区画とを含む、多区画水溶性容器である。
いくつかの実施形態では、水溶性容器は、洗剤ゲル組成物を含む第1の区画、固体の形態の清浄成分を含む第2の区画、及び液体の形態の清浄成分を含む第3の区画を含む、多区画水溶性容器である。以下の構成成分は、洗剤ゲル組成物の任意の構成成分として記載されているが、それらはまた、又はその代わりに、多区画容器の第2又はその後の区画内のいずれかの組成物中に存在してもよい。
【0025】
ビルダー
洗剤ゲル組成物は、当技術分野において公知であるあらゆる成分を含むことができる。洗剤ゲル組成物は、ビルダーを含む。ビルダーは、ホスフェートを含まないビルダーであってもよい。米国及び欧州連合を含む多くの国では、ホスフェートビルダーが制限されているか、洗剤組成物中に許可されるホスフェートの量が厳しく限定されている。したがって、好ましい実施形態では、洗剤ゲル組成物は、実質的にホスフェートを含まない。
ビルダーは、ヒドロキシカルボキシレート(クエン酸塩、例えば、無水でもよいクエン酸三ナトリウムなど)、アミノカルボキシレート(メチルグリシン二酢酸(MGDA)など)、又はN,N-ジカルボキシメチルグルタミン酸(GLDA)、ジカルボン酸アミン(イミノジコハク酸(IDS)など)及び/又はホスフェート(トリポリホスフェートなど)、又はそれらの塩、から選択される1種又は複数種の小分子ビルダーを含む。
ビルダーは、10質量%、15質量%、20質量%、25質量%、30質量%、35質量%、40質量%、45質量%を超える、又は50質量%を超える量で存在してもよい。ビルダーは、約31~約49質量%、約32~約41質量%、又は約33~約39質量%の量で存在し得る。
【0026】
ビルダーは、最大約0.1質量%、約0.2質量%、約0.3質量%、約0.4質量%、約0.5質量%、約0.6質量%、約0.7質量%、約0.8質量%、約0.9質量%、約1質量%、約1.5質量%、約2質量%、約3質量%、約4質量%、約5質量%、約6質量%、約7質量%、約8質量%、約9質量%。又は最大約10質量%の量で存在し得る。
洗剤ゲル組成物に使用される実際の量は、使用されるビルダーの性質に依存し得る。
ビルダーは、有機ビルダーであってもよい。
洗剤ゲル組成物は、二次ビルダー(共ビルダー)、例えばホスホネート又はポリマーを含んでもよい。
【0027】
ポリマー
洗剤ゲル組成物は、少なくとも1種のポリマー、好ましくは少なくとも1種のポリカルボキシレートを含んでもよい。「ポリカルボキシレート」という用語は、キレート化に利用可能なカルボン酸又はカルボキシレート基を含むあらゆるポリマー種を意味する。ポリカルボキシレートポリマーは、ホモポリマー及び/又はコポリマー及び/又はターポリマーであってもよい。
1種又は複数種のポリマーは、約3~約25質量%の間、約5~約20質量%の間、約6~約18質量%の間、約7~約16質量%の間、約8~約15質量%の間、又は約9~約13質量%の間の量で存在し得る。
ポリマーは、イタコン酸コポリマーを含むポリカルボキシレートポリマーであってもよい。
ポリマーは、アクリル酸モノマーを含むポリカルボキシレートポリマーであってもよい。
ポリマーは、アクリル酸ホモポリマーを含むポリカルボキシレートポリマーであってもよい。ホモポリマーは、約2,000~約10,000の間、約3,000~約9,000の間、又は約4,000~約8,000の間の分子量を有し得る。ホモポリマーは、約0.1~約5質量%、約0.2~約4.5質量%、約0.3~約4質量%、約0.3~約3.5質量%、約0.4~約3質量%、約0.5~約2.5質量%、約0.6~約2質量%、又は約0.7~約1.5質量%の量で存在してもよい。
【0028】
少なくとも1種のポリカルボキシレートは、スルホン酸モノマーを含んでもよい。スルホン酸モノマーは、約4~約14質量%、約5~約13質量%、約6~約12質量%、又は約7~約11質量%の量で存在し得る。
スルホン酸基を含有する好ましいモノマーは、以下の式:のモノマーである。
R1(R2)C=C(R3)-X-SO3H
(式中、R1~R3は、互いに独立して、-CH3、2~12個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐鎖飽和アルキル残基、2~12個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐鎖一価若しくは多価不飽和アルケニル残基、-NH2、-OH若しくは-COOHで置換されたアルキル又はアルケニル残基を表し、又は-COOH若しくは-COOR4を表し、R4は、1~12個の炭素原子を有する飽和若しくは不飽和の、直鎖若しくは分岐鎖炭化水素残基であり、Xは、n=0~4である-(CH2)n-、k=1~6である-COO-(CH2)k-、-C(O)-NH-C(CH3)2-、及びCH(CH2CH3)-から選択される、存在してもよいスペーサー基を表す)
上記の式の好ましいモノマーには、例えば、以下の式のモノマーが含まれる。
H2C=CH-X-SO3H
H2C=C(CH3)-X-SO3H
HO3S-X-(R5)C=C(R6)-X-SO3H
(式中、R5及びR6は、互いに独立して-H、-CH3、-CH2CH3、-CH2CH2CH3、-CH(CH3)2から選択され、Xは、n=0~4である-(CH2)n-、k=1~6である-COO-(CH2)k-、-C(O)-NH-C(CH3)2-、及び-C(O)-NH-CH(CH2CH3)-から選択される、存在してもよいスペーサー基を表す)
【0029】
スルホン酸基を含有する好ましいモノマーは、ここでは、1-アクリルアミド-1-プロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-プロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、2-メタクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、3-メタクリルアミド-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸、2-ヒドロキシ-3-(2-プロペニルオキシ)プロパンスルホン酸、2-メチル-2-プロペン-1-スルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、3-スルホプロピルアクリレート、3-スルホプロピルメタクリレート、スルホメタクリルアミド、スルホメチルメタクリルアミド及び上記の酸の混合物又はそれらの水溶性塩、である。特に好ましいのは、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸である。
【0030】
スルホン酸基は、完全に又は部分的に中和された形態でポリマー中に存在してもよい、すなわち、スルホン酸基の酸性水素原子は、スルホン酸基の一部又はすべてにおいて金属イオン、好ましくはアルカリ金属イオンで、特にナトリウムイオンで置き換えられていてもよい。本発明によれば、部分的又は完全に中和されたスルホン酸基を含有するコポリマーを使用することが好ましい。
スルホン酸ポリマーのモル質量は、ポリマーの特性を所望の意図された用途に合わせて調整するために変えることができる。コポリマーは、約2000~約200,000gmol-1の間、約4000~約25,000gmol-1の間、又は約5000~約15,000gmol-1の間のモル質量を有し得る。ポリマーは、好ましくは3~5、例として3.5~4.5のpHを有する。
ポリカルボキシレートは、スルホン酸モノマー及びアクリル酸モノマーを含むコポリマーであってもよい。
少なくとも1種のポリカルボキシレートは、マレイン酸モノマーを含む。このようなポリマーは、好ましくは、約0.1~約5質量%、約0.2~約4.5質量%、約0.3~約4質量%、約0.3~約3.5質量%、約0.4~約3質量%、約0.5~約2.5質量%、約0.6~約2%、又は約0.7~約1.5質量%の量で存在する。
【0031】
ポリマーは、約500~約3000mPa・s、約750~約2500mPa・s、約1000mPa・s~約2000mPa・sの粘度を有し得る。このようなコポリマーは、約10,000~約100,000gmol-1、約20,000~約80,000gmol-1、約30,000~約70,000gmol-1、又は約45,000~約55,000gmol-1の分子量(Mw)を有し得る。
ポリカルボキシレートは、マレイン酸モノマー及びアクリル酸モノマーを含むコポリマーであってもよい。
アクリル酸-マレイン酸コポリマーは、2-プロペン酸及び2,5-フランジオンから形成することができる。アクリル酸-マレイン酸コポリマーは、DIN19268によって評価される、pH7~9、例えば7.5~8.5を有し得る。
ポリマーは、アクリル酸ホモポリマー、アクリル酸-スルホン酸、及び/又はアクリル酸-マレイン酸コポリマーであってもよい。
ポリマーは、1種又は複数種のポリカルボキシレートホモポリマー及び1種又は複数種のポリカルボキシレートコポリマーを含み得る。ホモポリマーとコポリマーは、1:20~1:2、好ましくは1:15~1:5の比で存在してもよい。
ポリマーは、ポリエポキシコハク酸(PESA)又はその誘導体を含んでもよい。ポリエポキシコハク酸は、エポキシコハク酸ホモポリマー、ポリオキシラン-2,3-ジカルボン酸、2,3-オキシランジカルボン酸ホモポリマー、又はポリ(1-オキサシクロプロパン-2,3-ジカルボン酸)としても公知であり;以下の一般的構造:
【0032】
【化1】
を有し、
その誘導体は以下の一般構造:
【化2】
を有する。
[式中、Rは、水素又はあらゆる有機鎖(ただし、好ましくはC
1-4アルキルなどのエステル)であり得、Mは、あらゆるカチオン(好ましくはNa
+、H
+、K
+、及び/又はNH
4
+)であり得る]
以下、PESAへのすべての言及は、別段の記載がない限り、ポリエポキシコハク酸又はその誘導体を指すものとして解釈されるべきである。
【0033】
PESAは、約100~約10,000gmol-1、約400~約2000gmol-1、約1000~約1800gmol-1の分子量(Mw)を有し得る。PESAは、約2~約100個の繰り返しモノマー単位、例として約2~約50、約2~約45、約2~約20又は約2~約10個の繰り返しモノマー単位を有し得る。
ポリマーは、約0.1~約5質量%、0.1~約4質量%、約0.15~約3質量%、約0.2~約1.9質量%、約0.25~約1.5質量%、又は約0.6~約1.1質量%の量のPESAを含んでもよい。PESAは、存在するポリマーの総量に対して、約5~約20質量%、約8~約19質量%、又は約9~約15質量%の量で好ましくは存在する。
ポリマーは、あらゆる生分解性ポリマーを含み得る。
生分解性ポリマーは、例えば、Alcoguard(RTM)H5941を含み得る。
生分解性ポリマーは、バイオベース炭水化物骨格、例えばデンプン、セルロース、又はイヌリンを含み得る。ポリマーは、1種又は複数種の合成の化石ベースグラフト基を含み得る。
【0034】
ポリマーは、カチオン性、アニオン性、又は両性ポリマーであってもよい。
界面活性剤
洗剤ゲル組成物は、本発明の脂肪アルコールエトキシレートに加えて、1種又は複数種の界面活性剤を含む。非イオン性、アニオン性、カチオン性、両性若しくは双性イオン性界面活性剤のいずれか、又はそれらの好適な混合物を使用することができる。多くのそのような好適な界面活性剤は、Kirk Othmer's Encyclopedia of Chemical Technology, 3rd Ed., Vol. 22, pp. 360-379, "Surfactants and Detersive Systems"に記載されており、これは、参照により本明細書に組み込まれる。好ましくは、漂白安定性界面活性剤を使用することができる。
自動食器洗浄用組成物の場合、アニオン性界面活性剤の量を最小限に抑えることが好ましい。したがって、好ましくは、組成物は、約5質量%以下、約4質量%以下、約3質量%以下、約2質量%以下、約1質量%以下のアニオン性界面活性剤を含むか、又はアニオン性界面活性剤を全く含まないか、若しくは実質的に含まない。好ましくは、組成物は、約5質量%以下、約4質量%以下、約3質量%以下、約2質量%以下、約1質量%以下のイオン性界面活性剤を含むか、又はいかなるタイプのイオン性界面活性剤も全く含まないか、若しくは実質的に含まない。
非イオン性界面活性剤は自動食器洗浄機製品にとって好ましい。組成物は、約5~約25質量%、約10~約20質量%、約11~約19質量%、約12~約18質量%、約13~約17質量%、約14~約16質量%、又は約15質量%の1種又は複数種の非イオン性界面活性剤を含んでもよい。
【0035】
非イオン性界面活性剤は、エンドキャップされていてもよいアルキルアルコキシレートであってもよい。非イオン性界面活性剤の好ましいクラスは、6~20個の炭素原子を有するモノヒドロキシアルカノール又はアルキルフェノールの反応によって調製されるエトキシル化非イオン性界面活性剤である。好ましくは、界面活性剤は、アルコール又はアルキルフェノール1モル当たり少なくとも12モルを有する。特に好ましい非イオン性界面活性剤は、10~20個の炭素原子を有する直鎖脂肪アルコール由来で、アルコール1モル当たり少なくとも5モルのエチレンオキシドを有する非イオン性界面活性剤である。非イオン性界面活性剤は、分子中にプロピレンオキシド(PO)単位を含んでもよい。PO単位は、非イオン性界面活性剤の分子量全体の最大40質量%、35質量%、30質量%、25質量%、20質量%、又は最大15%質量%を構成してもよい。
洗剤ゲル組成物は、混合アルコキシレート脂肪アルコール非イオン性界面活性剤を含み、好ましくは分子中に高級アルコキシレート基よりもモル数が多い低級アルコキシレート基を含む、1種又は複数種の非イオン性界面活性剤を含む。好ましくは、混合アルコキシレート脂肪アルコール非イオン性界面活性剤は、エトキシレート(EO)、プロポキシレート(PO)、又はブトキシレート(BO)基のうちの少なくとも2つを含み、最も好ましくはEO及びPO基のみを含む。
【0036】
「高級アルコキシレート」という用語は、そのアルコキシレート基中で炭素原子の数が最も多いアルコキシレート基を意味する。「低級アルコキシレート」という用語は、そのアルコキシレート基中で炭素原子の数が最も少ないアルコキシレート基を意味する。したがって、EO及びPO基を含む混合アルコキシレート脂肪アルコールの場合、EOは低級アルコキシレートであり、POは高級アルコキシレートである。したがって、本発明の洗剤組成物は、PO基よりも多くの数のEO基を含む混合アルコキシレート脂肪アルコールを含む。同じことが他の混合アルコキシレート、例としてEO及びBO、又は更にはPO及びBO基を含有する混合アルコキシレートにも適用される。
混合アルコキシレート脂肪アルコール非イオン性界面活性剤は、低級アルコキシレート基対高級アルコキシレート基のモル比が、好ましくは、少なくとも1.1:1、最も好ましくは少なくとも1.8:1、特に少なくとも2:1である。混合アルコキシレート脂肪アルコール非イオン性界面活性剤が、3~5モルの間の高級アルコキシレート基及び6~10モルの間の高級低級基、好ましくは4又は5モルのPO及び7又は8モルのEO、最も好ましくは4モルのPO及び8モルのEOを含むこともまた好ましい。
好ましくは、混合アルコキシレート脂肪アルコール非イオン性界面活性剤は、アルキル鎖中に12~18個の炭素原子を有する。
【0037】
混合アルコキシレート脂肪アルコール非イオン性界面活性剤は、EO、PO又はBO基のうちの少なくとも2つ、特にEOとPO基の混合物、好ましくはEO及びPO基のみを含み得る。
低級アルコキシレート基対高級アルコキシレート基のモル比は、少なくとも1.1:1、より好ましくは少なくとも1.5:1、及び最も好ましくは少なくとも1.8:1、例として少なくとも2:1又は少なくとも3:1であってもよい。
混合アルコキシレート脂肪アルコール非イオン性界面活性剤が、3~5モルの間の高級アルコキシレート基及び6~10モルの間の低級基、又は4若しくは5モルの高級アルコキシレート基及び7若しくは8モルの低級アルコキシレート基を含んでもよい。混合アルコキシレート脂肪アルコール非イオン性界面活性剤は、4若しくは5モルのPO及び7若しくは8モルのEO、又は4モルのPO及び8モルのEOを有し得る。
混合アルコキシレート脂肪アルコール非イオン性界面活性剤は、C12-15 8EO/4POであってもよい。
【0038】
ポリ-オキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー単位を更に含む、エトキシル化モノヒドロキシアルカノール又はアルキルフェノールである上記タイプの界面活性剤を使用することができる。このような界面活性剤のアルコール又はアルキルフェノール部分は、非イオン性界面活性剤の分子量全体の30質量%超、40質量%超、50質量%超、60質量%超、又は70質量%超を構成する。
本発明の組成物に使用される混合アルコキシレート脂肪アルコール非イオン性界面活性剤は、6~20個の炭素原子を有する好適なモノヒドロキシアルカノール又はアルキルフェノールの反応によって調製することができる。好ましくは、界面活性剤は、アルコール又はアルキルフェノール1モル当たり少なくとも8モル、特に好ましくは少なくとも10モルのアルキレンオキシドを有する。
液体混合アルコキシレート脂肪アルコール非イオン性界面活性剤は、12~18個の炭素原子、好ましくは12~15個の炭素原子を有する直鎖脂肪アルコール由来で、アルコール1モル当たり少なくとも10モル、又は少なくとも12モルのアルキレンオキシドを有するものの1種又は複数種であり得る。
【0039】
PO単位を使用する場合、それらは、好ましくは、非イオン性界面活性剤の分子量全体の最大25質量%、好ましくは最大20質量%、なおより好ましくは最大15質量%を構成する。
混合アルコキシレート脂肪アルコール非イオン性界面活性剤、特にC12-15脂肪アルコール8EO,4PO界面活性剤は、以下:プラスチック、ガラス、セラミック、及びステンレス鋼の優れた湿潤性;加工用に最高90℃までの優れた温度安定性;洗剤組成物に典型的に使用される増粘剤(例えば、PEG)との良好な適合性;並びにアルカリ条件下での安定性、を呈する。
代替的に又は追加的に、糖及び天然油から調製されるグルカミド界面活性剤を使用してもよい。好ましい例は、オレイルグルカミドである。また、植物由来の糖であるアルキルポリグリコシド(APG)も好適であり、これらの界面活性剤は通常、グルコース及び脂肪アルコールの誘導体である。
前述の非イオン性界面活性剤のいずれかの混合物の使用は、本発明の組成物において好適である。
【0040】
酵素
組成物は、1種又は複数種の酵素を含んでもよい。1種又は複数種の酵素は、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ及びペルオキシダーゼから選択されることが好ましく、プロテアーゼ及びアミラーゼが最も好ましい。プロテアーゼ及び/又はアミラーゼ酵素が食器洗浄用洗剤組成物において特に有効であるため、プロテアーゼ及び/又はアミラーゼ酵素が本発明による組成物中に含まれることが最も好ましい。2種以上の酵素を使用してもよい。酵素の総量は、約1~約5質量%、約2~約4質量%、又は約3質量%であり得る。
1種又は複数種の酵素は、洗剤ゲル組成物の質量に基づいて、約1~約40質量%、約2~約38質量%、約4~約36質量%、約6~約34質量%、約8~約32質量%、約10~約30質量%、約12~約28質量%、約14~約26質量%、約16~約24質量%、約18~約24質量%。約20~約24質量%、約22~約24質量%、又は約23質量%、の量で存在し得る。
1種又は複数種の酵素は、洗剤組成物の質量に基づいて、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、22、24、又は少なくとも25質量%の量で存在してもよい。
組成物は、洗剤ゲル組成物の質量に基づいて、約1~約40質量%、約2~約38質量%、約4~約36質量%、約6~約34質量%、約8~約32質量%、約10~約30質量%、約12~約28質量%、約14~約26質量%、約16~約25質量%、約18~約25質量%、約20~約25質量%、約21~約24質量%、約22~約24質量%、又は約23質量%の量でプロテアーゼを含んでもよい。
組成物は、約1~約10質量%、約2~約8質量%、約4~約6質量%、又は約5質量%の量でアミラーゼを含んでもよい。
【0041】
漂白剤
組成物は、1種又は複数種の漂白剤を、好ましくは1種若しくは複数種の漂白活性化剤及び/又は1種若しくは複数種の漂白触媒と組み合わせて含む漂白系を含んでもよい。1種又は複数種の漂白剤は、酸素放出漂白剤、塩素放出漂白剤及びそれらの混合物からなる群から好ましくは選択される。
漂白剤は、活性漂白種自体、又はその種の前駆体を含んでもよい。漂白剤は、無機過酸化物、有機過酸及びそれらの混合物からなる群から選択することができる。「無機過酸化物」及び「有機過酸」という用語は、その塩及び誘導体を包含する。無機過酸化物には、ペルカーボネート、ペルボレート、ペルサルフェート、過酸化水素、並びにそれらの誘導体及び塩が含まれる。これらの無機過酸化物のナトリウム及びカリウム塩、特にナトリウム塩が好適である。過炭酸ナトリウムが特に好ましい。
【0042】
活性漂白剤は、好ましくは約5~約25質量%、約7~約23質量%、約9~約19質量%、又は約11~約17質量%の量で存在する。
組成物は、1種又は複数種の漂白活性化剤及び/又は漂白触媒を更に含んでもよい。漂白剤の活性化に所望される場合には、あらゆる好適な漂白活性化剤、例えばテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)を含めることができる。あらゆる好適な漂白触媒、例えば酢酸マンガン又は二核マンガン錯体、例としてEP1741774A1に記載されているものを使用することができ、EP1741774A1の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。過安息香酸及び過カルボン酸、例えばフタルイミドペルオキシヘキサン酸(PAP)などの有機過酸は、これらの漂白剤が比較的低温、例として約30℃で活性があるため、漂白活性化剤又は触媒の使用を必要としない。
漂白触媒は、1,4,7-トリアザシクロノナン(TACN)、又はTACN配位子のあらゆる誘導体、例えば1,4,7-トリメチル-TACNを含むマンガン錯体、シュウ酸マンガン、酢酸マンガン、又は二核マンガン錯体、例えばTACN若しくはTACN配位子のあらゆる誘導体、例えば1,4,7-トリメチル-TACNを含む二核マンガン錯体であり得る。
【0043】
防食剤
組成物は、銀及び/又は銅の腐食防止剤を含んでもよい。好ましい銀/銅腐食防止剤は、ベンゾトリアゾール(BTA)又はビス-ベンゾトリアゾール及びそれらの置換誘導体である。他の好適な防止剤は、有機及び/又は無機酸化還元活性物質並びにパラフィン油である。ベンゾトリアゾール誘導体は、芳香環上の利用可能な置換部位が部分的又は完全に置換されている化合物である。好適な置換基は、直鎖状又は分岐鎖C1-20アルキル基、及びヒドロキシル、チオ、フェニル、又はハロゲン、例としてフッ素、塩素、臭素及びヨウ素である。好ましい置換ベンゾトリアゾールは、トリルトリアゾールである。
洗剤ゲル組成物は、総質量に基づいて、0.01質量%~5質量%、0.05質量%~3質量%、0.1質量%~2.5質量%、又は0.2質量%~2質量%の量で防食剤を含んでもよい。
本発明をより明確に理解できるように、添付図面を参照しながら、本発明の1つ又は複数の実施形態を単なる例としてここで説明する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】実施例5における比較配合物のプロテアーゼ及びアミラーゼ酵素、並びに活性酸素の相対放出を示すグラフである。
【
図2】実施例5における本発明の配合物のプロテアーゼ及びアミラーゼ酵素、並びに活性酸素の相対放出を示すグラフである。
【実施例】
【0045】
(実施例1)
保存試験
実施例1は、以下の式を有する脂肪アルコールエトキシレート(化合物(1))を使用して実行した。
R-O(CH2CH2O)xH
(式中、
Rは直鎖状飽和C16-C18脂肪アルコールであり、
Xは25である)
2つの組成物、すなわち、化合物(1)を含有せず、ゲル形式ではなかった比較配合物(1)、及びゲル形式であり、式(1)の化合物の例を化合物(1)の形態で含有した本発明の配合物(1)を、以下の配合に従って調製した。
【0046】
【表1】
本発明の配合物(1)及び比較配合物(1)は、ゲルの形態であった。
特に、EO:POが4:1であるポリアルキレングリコールペンタエリスリトールを、純粋な脂肪アルコールエトキシレートである化合物(1)で置き換えることにより、洗剤ゲル組成物中に存在するクエン酸三ナトリウムの量を増加させることができた。
本発明の配合物(1)及び比較配合物(1)を調製し、それぞれを2回の別々の保存試験に置いた。
【0047】
保存試験1:
温度:30℃
相対湿度:65%
持続時間:12週間
保存試験2:
温度:40℃
相対湿度:75%
持続時間:12週間
各試験において、本発明の配合物(1)は、比較配合物(1)と比較して安定性プロファイルの改善を示した。「安定性プロファイルの改善」とは、この時間スケールにわたって、洗剤ゲル組成物の知覚可能な変色がないこと、相分離がないこと又は顕著な相分離がないことを意味する。保存安定性は、PVOHパウチに洗剤組成物を充填し、パウチを密封し、密封パウチを上述の条件下にて気候チャンバー内で密封ドイパック内に保存することによって測定する。
更なる実施例では、化合物(1)の高級エトキシル化同族体を使用した。化合物(2)、化合物(3)及び化合物(4)(以下に記載)をそれぞれ、本発明の配合物(1)の化合物(1)の代わりに使用し、試験の結果は、これらの脂肪アルコールエトキシレートがまた、それぞれ36、50及び80のEO含有量で、比較配合物(1)と比較して安定性性能の改善を示したことを示していた。
【0048】
これは、式(1)の化合物を、化合物(1)、(2)、(3)又は(4)の形態で、洗剤ゲル組成物においてポリアルキレングリコール(典型的には増粘のみの成分)を置き換えるのに使用することができ、洗剤ゲル組成物の安定性(化合物(1)の場合の本発明の配合物(1))が、ポリアルキレングリコールを含む従来の洗剤組成物の安定性よりも優れていることを示している。したがって、本発明の配合物(1)は、美的に心地よいプロファイルを長期間維持し、比較配合物(1)と比較して、たとえあったとしても容易には相分離を受けない。界面活性剤機能を有さないポリアルキレングリコールを、界面活性剤機能を有する式(1)の化合物で置き換えることにより、非機能性充填剤成分を洗剤活性成分で置き換えることも可能になることに留意すべきである。
(実施例2)
光沢試験
試験は、汚れた台所用品をシミュレートするために液体バラスト土を使用して実行した。各試験の開始時に、16gの解凍した土が入ったビーカーを、食器洗浄機の上部バスケットに置いた。
スコアリング(光沢損失特性に関して):
5-極めて強い
4-非常に強い
3-強い
2-わずか
1-なし
【0049】
【表2】
各試験製品を目視検査した。
本発明の配合物(1)は、比較配合物(1)と比較して光沢性能において同等を呈することが観察される。
(実施例3)
単位投入量の洗剤ゲル組成物の相分離及び溶解プロファイル
実施例3は、式(1)、例えば、以下の高級エトキシル化同族体化合物を使用して実行した。
化合物(2)
R-O(CH
2CH
2O)
xH
式中、
Rは直鎖状飽和C
16-C
18脂肪アルコールであり、
Xは36である。
化合物(3)
R-O(CH
2CH
2O)
xH
式中、
Rは直鎖状飽和C
16-C
18脂肪アルコールであり、
Xは50である。
化合物(4)
R-O(CH
2CH
2O)
xH
式中、
Rは直鎖状飽和C
16-C
18脂肪アルコールであり、
Xは80である。
以下のように、水溶性PVOH容器中の単位投入量洗剤ゲル組成物として化合物(3)及び(4)を使用して配合物を調製した(以下の表は、配合物のゲル相のみを示す):
【0050】
【表3】
本発明の配合物(3)及び(4)は、ゲルの形態であった。本発明の配合物(3)及び(4)はそれぞれ、水溶性PVOHフィルム容器を構成する多区画パッケージに含まれていた。本発明の配合物(3)又は(4)を含む多区画パッケージは、本発明の配合物(3)又は(4)を含むゲルと添加酵素プロテアーゼ及びアミラーゼを含む第1の区画と、粉末固体の形態の漂白系を含む第2の区画とを含んでいた。第2の区画は、追加の清浄活性物質、例えば、それぞれが固体の形態である、アルカリ剤、共ビルダー及び緩衝剤を更に含む。
【0051】
【表4】
本発明の配合物(1)は、比較配合物(1)と比較して、安定性能の改善(すなわち、より高い相分離温度)及び同様のゲル溶解性能を呈することが観察される。
本発明の配合物(3)及び本発明の配合物(4)はそれぞれ、比較配合物(1)と比較して、安定性性能の改善及びゲル溶解性能の改善(すなわち、ゲル溶解時間の増加)を示すことも観察される。
別の例では、本発明の配合物(1)の化合物(1)の代わりに化合物(2)を使用し、試験の結果は、比較配合物(1)と比較して、EO含有量36を有するこの脂肪アルコールエトキシレートも安定性性能の改善及びゲル溶解性能の改善を示すことを示した。
この結果はまた、EO:POが4:1のポリアルキレングリコールペンタエリスリトールを、高いエトキシ含有量(EOが少なくとも36)を有する式(1)の化合物の例で置き換えることにより、酵素などの活性成分が洗浄サイクルの後半で洗浄液に放出されることが所望される用途では、ゲルの溶解時間が長くなるような、より望ましい性能特性を備えた洗剤組成物が提供されることを示している。
(実施例4)
清浄性能試験
試験は、IKWプロトコル(Miele 1223 GSL2、P3/8分、水硬度21°GH)に従って実行した。
【0052】
【表5】
本発明の配合物(3)及び(4)はそれぞれ、比較配合物(1)と比較して、同様の又は向上した清浄性能を実証していることが観察された。
これは、ポリアルキレングリコールを化合物(3)又は化合物(4)のいずれかで置き換えると、ポリアルキレングリコールを含む洗剤組成物と同様の、又はより望ましい性能特性を有する洗剤組成物が提供されることを示している。したがって、有利には、驚くべきことに、他の清浄活性物質、例えば漂白剤の放出と比較して、酵素の放出遅延を呈する洗剤ゲル組成物を提供することによって、洗浄中の酵素の有効性に否定的な影響が及ばないことが見出された。したがって、式(1)の化合物を含む洗剤ゲル組成物は、EO:POが4:1のポリアルキレングリコールペンタエリスリトールを含む洗剤ゲル組成物と比較して清浄性能に否定的な影響を及ぼさず、これにより、同時に非機能性充填剤成分の除去又は低減が可能になる。
【0053】
(実施例5)
遅延放出プロファイル
実施例5には、本発明の配合物(5)が含まれる。本発明の配合物(5)は、アミラーゼ及びプロテアーゼ酵素、及び漂白系を追加して、本発明の配合物(1)の組成で構成されていた。本発明の配合物(5)を、多区画水溶性容器の第1の区画内に含めた。多区画容器は、3つの分離された区画で構成されていた。水溶性容器は、PVOH製であった。アミラーゼ及びプロテアーゼ酵素は顆粒状であり、これを、ゲルの形態で本発明の配合物(5)を含むゲル区画(第1の区画)中に懸濁した。漂白系は固体の形態であり、粉末区画(第2の区画)内に含めた。第3の区画内には、液体の形態の清浄活性物質を含めた。
実施例5には、比較配合物(2)も含まれる。比較配合物(2)は、アミラーゼ及びプロテアーゼ酵素、及び漂白系を追加して、比較配合物(1)の組成で構成されていた。アミラーゼ及びプロテアーゼ酵素は、顆粒状であった。アミラーゼとプロテアーゼ酵素、及び漂白系は固体の形態であり、粉末区画内に含めた。
【0054】
【表6】
【表7】
図1に示すように、比較配合物(2)における酵素アミラーゼ(A)及びプロテアーゼ(P)の相対放出は急速であり、活性酸素(O)の放出を上回ることも観察される。比較配合物(2)におけるプロテアーゼ(P)及びアミラーゼ(A)の80%放出の時点は、投入のおよそ3分後であることが観察される。したがって、EO:POが4:1のポリアルキレングリコールペンタエリスリトール(ポリアルキレングリコール)を含む比較配合物(2)は、好ましい遅延放出プロファイルを示さない。更に、
図2は、単位投入量の本発明の洗剤ゲル組成物を含むゲル区画内に酵素を含めることによって、酵素の放出が、固体区画に含まれている酵素又は他の清浄活性物質、例えば漂白系の放出と比較して、著しく遅延し得ることを示している。本発明による単位投入量製品を提供することによって、特定の清浄活性物質の好ましい遅延放出プロファイルを得ることができる。
【0055】
図2は、本発明の配合物(5)が、比較配合物(2)と比較して、また活性酸素(O)の放出と比較して、プロテアーゼ(P)及びアミラーゼ(A)の溶解において明らかな遅延を呈することを示している。本発明の配合物(5)におけるプロテアーゼ(P)及びアミラーゼ(A)の80%放出の時点は、投入のおよそ9分後、すなわち、比較配合物(2)と比較しておよそ6分の遅れであることが観察される。したがって、ゲル区画内に化合物(1)を含み、アミラーゼ及びプロテアーゼ酵素を更に含む本発明の配合物(5)が、EO:POが4:1のポリアルキレングリコールペンタエリスリトール(ポリアルキレングリコール)、並びに粉末区画内に固体形態の酵素プロテアーゼ及びアミラーゼを含む比較配合物(2)と比較して、好ましい遅延放出プロファイルを示すことは明らかである。
上記の例は、エトキシ含有量が増加した式(1)の化合物の例である化合物(2)、(3)及び(4)を使用すると、比較配合物(1)と本発明の配合物(1)の両方と比較すると、相分離温度が更に上昇し、溶解プロファイルが遅延したゲル(有益)が得られることを示しており、これにより、式(1)の脂肪酸アルコールのエトキシ含有量の増加が、本発明の洗剤ゲル組成物に関して利点を増大させることが確認される。
【0056】
実施例はまた、アルコール1モル当たりのエチレンオキシドのモル数を変えることによって、式(1)の異なる同族体を形成することができ、これにより、熟練した配合者が清浄性能に影響を与えることなく洗剤組成物の溶解プロファイルを調整することができ、したがって、最適な清浄及び性能プロファイルをはるかに柔軟に設計できるようになることを示している。
上記の実施形態は、例としてのみ説明されている。添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することなく、多くの変形が可能である。
【国際調査報告】