(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】光増強型オゾンウエハ加工システムおよび使用方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20240517BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
H01L21/30 572B
H01L21/30 572A
H01L21/304 645D
H01L21/304 647Z
H01L21/304 643A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574469
(86)(22)【出願日】2022-06-02
(85)【翻訳文提出日】2023-12-01
(86)【国際出願番号】 US2022031888
(87)【国際公開番号】W WO2022256481
(87)【国際公開日】2022-12-08
(32)【優先日】2021-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507402565
【氏名又は名称】エムケーエス インスツルメンツ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MKS INSTRUMENTS,INC.
【住所又は居所原語表記】2 Tech Drive,Suite 201,Andover,Massachusetts 01810 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】ル ティエック クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ノルテ ディルク
(72)【発明者】
【氏名】ミットラー ケイ
(72)【発明者】
【氏名】レッティグ カート
(72)【発明者】
【氏名】フィットカウ イェンス
(72)【発明者】
【氏名】ビーチャー カーステン
【テーマコード(参考)】
5F146
5F157
【Fターム(参考)】
5F146MA02
5F146MA04
5F146MA05
5F146MA10
5F146MA13
5F157AB02
5F157AB33
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5F157BG03
5F157BG44
5F157DB02
5F157DB03
5F157DB18
(57)【要約】
明細書に開示する光増強型ウエハ加工システムは、少なくとも1枚のウエハを支持するとともに選択的に回転させるよう構成された回転可能なチャックと、少なくとも1種類の光分解物質をウエハの表面上に選択的に流すよう構成された少なくとも1つのディスペンサ本体と、光学的放射線を光分解物質が塗布されたウエハの少なくとも一部分に当てるよう構成されているのがよい少なくとも1つの光学的放射線源とを含み、光学的放射線は、結果的に、ウエハに塗布された少なくとも1種類の物質との反応性を高めた光誘導ラジカルが生成されるよう構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光増強型ウエハ加工システムであって、
少なくとも1枚のウエハを支持するとともに選択的に回転させるよう構成された回転可能なチャックを有する加工本体を含み、
少なくとも1種類の光分解物質の少なくとも1つの源と連絡状態にある少なくとも1つの加工ヘッドを含み、前記加工ヘッドは、前記少なくとも1種類の光分解物質を前記少なくとも1枚のウエハの表面上に流すように構成され、
光学的放射線を前記少なくとも1種類の光分解物質が塗布された前記少なくとも1枚のウエハの少なくとも一部分に当てるよう構成された少なくとも1つの光学的放射線源を含み、前記光学的放射線は、結果的に、前記少なくとも1枚のウエハに塗布された前記少なくとも1種類の光分解物質との反応性を高めた光誘導ラジカルが生成されるよう構成されている、光増強型ウエハ加工システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの加工ヘッドは、前記回転可能チャックに対して動くことができる、請求項1記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの加工ヘッドは、前記少なくとも1枚のウエハの近くに選択的に位置決めされたり、前記少なくとも1枚のウエハから遠くに選択的に引っ込められたりすることができる、請求項2記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの加工ヘッドは、前記少なくとも1枚のウエハの表面上に前記少なくとも1種類の光分解物質の少なくとも1つの乱流を生じさせるよう構成されている、請求項1記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの加工ヘッドは、前記少なくとも1枚のウエハの表面上に前記少なくとも1種類の光分解物質の少なくとも1つの層流を生じさせるよう構成されている、請求項1記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項6】
前記少なくとも1種類の光分解物質は、オゾン処理脱イオン水から成る、請求項1記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項7】
前記オゾン処理脱イオン水は、30ppm~300ppmの濃度を有する、請求項6記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項8】
前記少なくとも1種類の光分解物質は、ガス状オゾンから成る、請求項1記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項9】
前記ガス状オゾンは、10g/m
3~600g/m
3の濃度を有する、請求項8記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項10】
前記少なくとも1種類の光分解物質は、オゾン処理脱イオン水およびガス状オゾンから成る、請求項1記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの光学的放射線源は、波長が200nm~300nmの光学的放射線を出力するよう構成されている、請求項1記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの光学的放射線源は、波長が250nm~275nmの光学的放射線を出力するよう構成されている、請求項1記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの光学的放射線源は、パワーが1W~30Wのパ光学的放射線を出力するよう構成されている、請求項1記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの光学的放射線源は、パワーが6W~10Wの光学的放射線を出力するよう構成されている、請求項1記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項15】
前記少なくとも一つの光学的放射線源は、波長が250nm~275nmの光学的放射線を出力するよう構成された少なくとも1つのダイオード励起固体レーザから成る、請求項1記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項16】
前記少なくとも一つの光学的放射線源は、波長が250nm~275nmの光学的放射線を出力するよう構成された1つ以上のレーザダイオードから成る、請求項1記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項17】
前記少なくとも一つの光学的放射線源は、波長が250nm~275nmの光学的放射線を出力するよう構成された1つ以上のLEDから成る、請求項1記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項18】
前記少なくとも一つの光学的放射線源は、波長が250nm~275nmの光学的放射線を出力するよう構成された1つ以上のファイバレーザから成る、請求項1記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項19】
前記光学的放射線の少なくとも一部分を前記少なくとも1枚のウエハに選択的に方向づけるよう構成された少なくとも1つの走査ヘッドをさらに含む、請求項1記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項20】
前記光誘導ラジカルは、前記少なくとも1枚のウエハに塗布された少なくとも1種類のフォトレジスト材料との反応性が高められている、請求項1記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項21】
光増強型ウエハ加工システムであって、
少なくとも1枚のウエハを支持するとともに選択的に回転させるように構成された回転可能なチャックを有する加工本体を含み、
前記少なくとも1種類の光分解物質の少なくとも1つの源と連絡状態にある少なくとも1つのディスペンサ本体を有する少なくとも1つの加工ヘッドを含み、前記少なくとも1つのディスペンサ本体は、前記少なくとも1種類の光分解物質を前記少なくとも1枚のウエハの表面上に選択的に流すように構成され、
光学的放射線を前記少なくとも1種類の光分解物質が塗布された前記少なくとも1枚のウエハの少なくとも一部分に当てるよう構成された少なくとも1つの光学的放射線源を含み、前記光学的放射線は、結果的に、前記少なくとも1枚のウエハに塗布された前記少なくとも1種類の光分解物質との反応性を高めた光誘導ラジカルが生成されるよう構成されている、光増強型ウエハ加工システム。
【請求項22】
前記少なくとも1つの加工ヘッドは、前記回転可能チャックに対して動くことができる、請求項21記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項23】
前記少なくとも1つの加工ヘッドは、前記少なくとも1枚のウエハの近くに選択的に位置決めされたり、前記少なくとも1枚のウエハから遠くに選択的に引っ込められたりすることができる、請求項22記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項24】
前記少なくとも1つのディスペンサ本体内に形成された少なくとも1つの本体受け器をさらに含み、前記少なくとも1つの本体受け器は、該少なくとも1つの本体受け器を通って前記光学的放射線を伝搬させるよう構成されている、請求項21記載の光増強型強化ウエハ加工システム。
【請求項25】
前記少なくとも1つのディスペンサ本体内に形成された少なくとも1つの本体受け器をさらに含み、前記少なくとも1つの本体受け器は、前記少なくとも1つの光学的放射線源を収納するよう構成されている、請求項21記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項26】
前記加工ヘッドは、光分解物質の少なくとも1つの乱流を前記少なくとも1枚のウエハの表面上に生じさせるよう構成されている、請求項21記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項27】
前記光分解物質は、オゾン処理脱イオン水から成る、請求項21記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項28】
前記オゾン処理脱イオン水は、30ppm~300ppmの濃度を有する、請求項27記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項29】
前記光分解物質は、ガス状オゾンから成る、請求項21記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項30】
前記ガス状オゾンは、10g/m
3~600g/m
3の濃度を有する、請求項29記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項31】
前記光分解物質は、オゾン処理脱イオン水およびガス状オゾンから成る、請求項21記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項32】
前記光学的放射線源は、波長が250nm~275nmの光学的放射線を出力するよう構成されている、請求項21記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項33】
前記光学的放射線源は、パワーが6W~10Wの光学的放射線を出力するよう構成されている、請求項21記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項34】
前記光学的放射線源は、波長が250nm~275nmの光学的放射線を出力するよう構成されたダイオード励起固体レーザから成る、請求項21記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項35】
前記光学的放射線源は、波長が250nm~275nmの光学的放射線を出力するよう構成された1つ以上のレーザダイオードから成る、請求項21記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項36】
前記光学的放射線源は、波長が250nm~275nmの光学的放射線を出力するよう構成された1つ以上のLEDから成る、請求項21記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項37】
前記光学的放射線源は、波長が250nm~275nmの光学的放射線を出力するよう構成された1つ以上のファイバレーザから成る、請求項21記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項38】
前記光学的放射線源は、波長が250nm~275nmの光学的放射線を出力するよう構成された1つ以上のレーザダイオードから成る、請求項21記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項39】
前記光誘導ラジカルは、前記少なくとも1枚のウエハに塗布された少なくとも1種類のフォトレジスト材料との反応性が高められている、請求項21記載の光増強型ウエハ加工システム。
【請求項40】
光増強型オゾンウエハ加工システムであって、
少なくとも1枚のウエハを支持するとともに選択的に回転させるよう構成された回転可能なチャックと、
少なくとも1種類の光分解物質を前記少なくとも1枚のウエハの表面上に選択的に流すよう構成された少なくとも1つのディスペンサ本体と、
前記光分解物質が塗布された前記少なくとも1枚のウエハの少なくとも一部分に光学的放射線を当てるよう構成された少なくとも1つの光学的放射線源とを含み、前記光学的放射線源は、結果的に、前記少なくとも1枚のウエハに塗布された前記少なくとも1種類の光分解物質との反応性を高めた光誘導オゾンラジカルが生成されるよう構成されている、光増強型オゾンウエハ加工システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
〔関連出願の引照〕
本特許出願は、2021年6月3日に出願された米国特許仮出願第63/196,472号(発明の名称:Light-Enhanced Ozone Wafer Processing System and Method of Use)の優先権主張出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その開示内容全体を本明細書の一部とする。
【0002】
半導体製造プロセス中、フォトレジストおよび他の物質の多数の層を順次所望のパターンをなして基板に被着させるのがよい。しかる後、被覆状態の基板を特定の波長の光に当てるのがよく、それにより、結果的に、パターンが基板に転写される。一続きの(一シーケンスをなす)ステップを多数回にわたって繰り返すのがよく、それにより、所望のパターン付け回路の多数の層をビルドアップすることができる。しかる後、ウェア上に形成された所望のパターンが現れるようにフォトレジストをウエハから除去しなければならない。
【0003】
現時点において、フォトレジスト除去プロセスは、通常、パターンがウエハ上にいったん形成された後、硫酸と過酸化水素(以下、SPM)を用いて、フォトレジストを除去する。例えば、
図1は、半導体製造で利用されている典型的なフォトレジスト除去プロセスの一例を示している。図示のように、先行技術のフォトレジスト除去プロセス1は、加工されるべきウエハを回転ウエハチャック上に装填し、そしてウエハが装着されたチャックを回転させるステップ(参照符号3)を含む。しかる後、SPMの流れを開始し、それによりウエハのフォトレジスト被覆面に塗布する(参照符号5)。ウエハへのフォトレジストの繰り返し塗布および追加の加工により、ウエハ表面の所望のパターンが形成される。しかる後、例えば、酸化プロセスを用いてフォトレジストをウエハ表面から除去するのがよく(参照符号7)、そしてSPMの流れを中断する(参照符号9)。しかる後、回転中のウエハへのSPMの繰り返し塗布および超純水(UPW)によるすすぎ洗いの繰り返しの結果として、残留物質を除去する(参照符号11)。加うるに、ウエハを乾燥させまたは乾燥するようにするのがよく(参照符号13)、その後、加工済みのウエハをウエハチャックから取り出すのがよい(参考番号15)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現行のSPMを利用したフォトレジストプロセスは、いくらか有用であることが判明しているが、多くの欠点が認められている。例えば、SPMを利用した加工は、貯蔵、加熱、および化学的寿命の制限のためにコスト高である。さらに、粘性の高いSPMは、ウエハの表面から完全に除去するのが困難な場合があり、したがって、大掛かりなすすぎ洗いが必要な場合がある。さらに、ウエハの表面上の吸湿性の硫黄残留物が水分を吸収する場合があり、それにより表面上に粒子欠陥が生じる。加うるに、植え込まれたフォトレジストは、イオン衝撃の際にウエハの表面上に脱水素化された硬いクラストを形成する場合があり、またはこれを形成するのを助ける場合がある。脱水素化された硬いクラストの効率的な除去が問題となってきた。
【0005】
上記のことに照らして、加工中にウエハ表面からフォトレジストを効率的かつ効果的に除去する別の方法が目下要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は、光増強型ウエハ加工システムの種々の実施形態を開示している。具体的に説明すると、本明細書において開示する光増強型ウエハ加工システムは、ウエハまたは他の基板の表面から1種類以上の物質の迅速かつ効率的な除去を可能にする。本明細書において説明するシステムは、ウエハ加工中、半導体ウエハからのフォトレジストの除去を可能にするよう構成されているといえるが、このシステムを用いると、ウエハまたは類似の基板から任意の様々な物質を除去することができる。一実施形態では、光増強型ウエハ加工システムは、選択された波長およびパワーの光学的放射線で照射されると、結果的に加工中のウエハの表面上に反応性の高いラジカルを生じさせる少なくとも1種類の光分解物質を利用する。生じさせたラジカルを用いると、物質、例えばフォトレジストまたは他の物質を加工中のウエハの表面から迅速かつ効率的に剥ぎ取りまたは違ったやり方で選択的に除去することができる。
【0007】
一実施形態では、本明細書において開示する光増強型ウエハ加工システムは、少なくとも1枚のウエハを支持するとともに選択的に回転させるよう構成された回転可能なチャックを有する加工本体を含む。少なくとも1種類の光分解物質の少なくとも1つの源と連絡状態にある少なくとも1つの加工ヘッドが回転可能なチャック上に位置決めされたウエハに近接して位置決めされるのがよい。加工ヘッドは、光分解物質をウエハの表面上に選択的に流すように構成されているのがよい。少なくとも1つの光学的放射線源がその後、光学的放射線を光分解物質が塗布されたウエハの少なくとも一部分に当てるよう構成されているのがよい。光学的放射線は、結果的に、ウエハに塗布された少なくとも1種類の物質との反応性を高めた光誘導ラジカルが生成されるよう構成されている。
【0008】
もう1つの実施形態では、本願は、少なくとも1枚のウエハを支持するとともに選択的に回転させるように構成された回転可能なチャックを有する加工本体を含む光増強型ウエハ加工システムを開示する。少なくとも1つの加工ヘッドが回転可能なチャックによって支持されたウエハに近接して位置決めされるのがよい。加工ヘッドは、少なくとも1種類の光分解物質の少なくとも1つの源と連絡状態にある少なくとも1つのディスペンサ本体を有するのがよい。ディスペンサ本体は、少なくとも1種類の光分解物質をウエハの表面上に選択的に流すように構成されているのがよい。少なくとも1つの光学的放射線源が光学的放射線を光分解物質が塗布されたウエハの少なくとも一部分に当てるよう構成されているのがよい。使用中、光学的放射線は、結果的に、ウエハに塗布された少なくとも1種類の物質との反応性を高めた光誘導ラジカルが生成されるよう構成されている。
【0009】
さらにもう1つの実施形態では、本願は、光増強型ウエハ加工システムに関する。より具体的に説明すると、本明細書において開示する光増強型ウエハ加工システムは、少なくとも1枚のウエハを支持するとともに選択的に回転させるよう構成された回転可能なチャックを含む。少なくとも1つのディスペンサ本体が少なくとも1種類の光分解物質をウエハの表面上に選択的に流すよう構成されているのがよい。加うるに、少なくとも1つの光学的放射線源が光分解物質の塗布されたウエハの少なくとも一部分に光学的放射線を当てるよう構成されているのがよく、光学的放射線源は、結果的に、ウエハに塗布された少なくとも1種類の光分解物質との反応性を高めた光誘導オゾンラジカルが生成されるよう構成されている。
【0010】
本明細書において説明する光増強型ウエハ加工システムの他の特徴および他の利点は、以下の詳細な説明を検討すると、より明らかになろう。
【0011】
図面は、例示の諸実施形態を開示しているが、光増強型ウエハ加工システムの全ての実施形態を記載することを意図していない。明らかでありまたは不必要な場合のある細部は、スペースを節約するためまたはより効果的な説明のために省かれている場合がある。これとは逆に、幾つかの実施形態は、本明細書において説明する特定の実施形態に関して開示する細部の全てを備えていない状態で実施される場合がある。同一の参照符号が互いに異なる図面に見える場合、かかる参照符号は、同一または類似のコンポーネントまたはステップを意味している。光増強型ウエハ加工システムの新規な観点は、以下の図を考慮すると、より明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】ウエハ加工中、フォトレジストを半導体ウエハの表面から除去するために半導体製造において利用される例示のフォトレジスト除去プロセスの流れ図である。
【
図2】ウエハ加工中、フォトレジストを半導体ウエハの表面から除去するために光増強型加工システムにおいて利用されるフォトレジスト除去プロセスの一実施形態の流れ図である。
【
図3】加工中、1種類以上の物質をウエハの表面から選択的に除去する際に用いられる光増強型加工システムの一実施形態の略図である。
【
図4】加工中、1種類以上の物質をウエハの表面から選択的に除去する際に用いられる光増強型加工システムの一実施形態の立面斜視図である。
【
図5】加工中、1種類以上の物質をウエハの表面から選択的に除去する際に用いられる光増強型加工システムの一実施形態の側面断面図である。
【
図6】加工中、1種類以上の物質をウエハの表面から選択的に除去する際に用いられる光増強型加工システムのもう1つの実施形態の立面斜視図である。
【
図7】
図6の光増強型加工システムの実施形態の側面断面図であり、ディスペンサ本体が回転可能なチャック上に位置決めされたウエハから引っ込められた状態を示す図である。
【
図8】
図6の光増強型加工システムのもう1つの実施形態の側面断面図であり、ディスペンサ内に少なくとも1つの光学的放射線源が配置されている状態を示す図である。
【
図9】
図6の光増強型加工システムの実施形態の側面断面図であり、ディスペンサ本体が回転可能なチャック上に位置決めされたウエハまで伸長された状態を示す図である。
【
図10】
図6の光増強型加工システムの実施形態の側面断面図であり、ディスペンサ本体が回転可能なチャック上に位置決めされたウエハまで伸長した状態を示す図である。
【
図11】光増強型ウエハ加工システムのもう1つの実施形態の立面斜視図であり、加工システムが光学的放射線走査ヘッドを含む状態を示す図である。
【
図12】
図11に示す光増強型ウエハ加工システムの実施形態に用いられるディスペンサ本体の一実施形態の立面斜視図である。
【
図13】
図11に示す光増強型ウエハ加工システムの実施形態に用いられるディスペンサ本体のもう1つの実施形態の立面斜視図であり、ディスペンサ本体内に光学的放射線源が設けられている状態を示す図である。
【
図14】光増強型ウエハ加工システムに用いられる
図12に示すディスペンサ本体の一実施形態の平面図である。
【
図15】光増強型ウエハ加工システムに用いられる
図13に示すディスペンサ本体の一実施形態の平面図であり、ディスペンサ本体内に少なくとも1つの光学的放射線源が設けられている状態を示す図である。
【
図16】光増強型ウエハ加工システムのもう1つの実施形態の側面図である。
【
図17】光増強型ウエハ加工システムのもう1つの実施形態の立面斜視図である。
【
図18】
図17に示す光増強型ウエハ加工システムの実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付の図面を参照して例示の実施形態について以下に説明する。別段の明示の指定がなければ、図面中、コンポーネント、特徴、要素などの寸法、位置など、ならびにこれら相互間の任意の距離は、必ずしも縮尺通りではなく、分かりやすくするために釣り合いをとっていない場合がありかつ/あるいは誇張されている場合がある。
【0014】
本明細書で用いられる用語は、特定の例示の実施形態についてのみ説明する目的のためであり、本発明を限定するものではない。原文明細書で用いられる単数形“a”、“an”、および“the”は、文脈上別段の明示の指定がなければ、複数形をも含むことが意図されている。認識されるべきこととして、“comprises”(訳文では「~を有する」または「~を含む」としている)および/または“comprising”は、原文明細書で用いられる場合、記載した特徴、整数、ステップ、作用、要素、および/またはコンポーネントの存在を指定しているが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、作用、要素、コンポーネント、および/またはこれらの群の存在または追加を排除するものではない。別段の指定がなければ、値域は、記載されている場合、当該範囲の上限と下限の両方、ならびにこれら相互間の任意の部分的な範囲を含む。別段の指定がなければ、例えば「第1」、「第2」などの用語は、一要素をもう1つの要素から識別するために用いられているに過ぎない。例えば、1つの節が「第1のミラー」と呼ばれ、そして同様に、もう1つの節が「第2のミラー」と呼ばれる場合があり、またこの逆の関係が成り立つ。
【0015】
別段の指定がなければ、「約」、「およそ」などの用語は、量、寸法、配合、パラメータ、および他の量ならびに特徴が正確ではなく、または正確である必要がないが、所望に応じて、公差、換算係数、四捨五入、測定誤差など、ならびに当業者に知られている他の係数を反映して、近似値および/またはより大きくまたはより小さくてもよいことを意味する。
【0016】
以下の説明において開示する実施形態のうちの多くのものは、共通のコンポーネント、装置、および/または要素を共有している。同じ名称のコンポーネントおよび要素は、全体にわたって同じ名前の要素を意味している。例えば、以下の詳細な説明中に記載される実施形態の全ては、望ましくない物質または材料を基板から除去するために光分解物質としてオゾン処理脱イオン水の利用を開示している。当然のことながら、当業者にあっては理解されるように、任意の流体または固体の形態の任意の様々な物質または材料を用いて物質を基板から除去することができる。例えば、ガス状オゾンを用いる場合がある。さらに、本明細書において開示する種々の実施形態は、半導体基板からのフォトレジストの除去を具体的に説明している。しかしながら、理解されるべきこととして、本明細書において開示するシステムおよび方法の種々の実施形態を用いて、任意の様々な物質を任意の様々な基板から除去することができる。かくして、同一または類似の名称のコンポーネントまたは特徴を、これらが対応の図面に言及されておらずまたは記載されていない場合であっても、他の図面を参照して記載されている場合がある。また、参照符号で示されていない要素であっても、これら要素は、他の図面を参照して記載されているといえる。
【0017】
多種多様な形態および実施形態が本開示の精神および教示から逸脱しないで可能であり、したがって、本開示は、本明細書に記載した例示の実施形態に限定されるものと解されてはならない。これとは異なり、これらの例示の実施形態は、本開示が徹底的でありかつ完全であるように提供されており、しかも、本開示の範囲を当業者に知らせるものである。
【0018】
本願は、フォトレジストまたは類似の物質を基板から効果的に除去する種々のシステムおよび方法を開示している。特定の一実施形態では、基板は、半導体ウエハからなり、ただし、当業者にあっては理解されるように、本明細書において開示するシステムおよび方法を用いると、フォトレジストまたは類似の物質を任意の様々な基板から除去することができる。主としてSPMをフォトレジスト除去媒体として利用している先行技術のフォトレジスト除去システムおよびプロセスとは異なり、本明細書において開示する種々の実施形態は、1種類以上の物質を半導体ウエハの少なくとも1つの表面から除去するためにオゾンおよび光を利用している。オプションとして、任意の様々な光解離性物質がオゾンに代えてまたはオゾンと組み合わせて使用できる。さらに、一実施形態では、1つ以上のレーザシステムを用いると、ウエハ加工中、光学的放射線/光をオゾンまたは他の光分解物質に提供することができる。
【0019】
図2は、基板を加工する新規な方法の流れ図である。具体的に説明すると、
図2は、フォトレジストを被覆状態のウエハ基板から除去する方法を記載しているが、当業者にあっては理解されるように、説明する方法を用いて任意の様々な物質を任意の様々な基板から除去することができる。図示のように、加工方法20は、少なくとも1枚の基板またはウエハを支持体またはチャック上に位置決めするステップを含む(
図2の参照符号22を参照されたい)。図示の実施形態では、ウエハを支持したチャックを制御可能に回転させるのがよく(例えば、
図2の参照符号24を参照されたい)、ただし、当業者にあっては理解されるように、チャックを回転させる必要がない。むしろ、チャックは、直線的に動いてもよく、それにより基板の直線加工を可能にする。しかる後、少なくとも1種類の光分解物質または溶液をチャック上に位置決めされたウエハに選択的に塗布するのがよい(例えば、
図2の参照符号26を参照されたい)。一実施形態では、光分解物質は、オゾン処理脱イオン水(以下、DIO
3)またはガス状オゾン(以下、O
3)から成り、ただし、当業者にあっては理解されるように、任意の様々な種類の光分解または光反応物質、溶液、または化合物を用いることができる。一実施形態では、ウエハ表面に塗布されたDIO
3は、約1ppm~約600ppmの濃度を有し、ただし、当業者にあっては理解されるように、DIO
3は、任意所望の濃度を有することができる。例えば、一実施形態では、ウエハ表面に塗布されたDIO
3は、約30ppm~約300ppmの濃度を有する。オプションとして、DIO
3は、このDIO
3中に溶解した二酸化炭素または他の化合物もくしは物質を含むことができる。例えば、溶解した二酸化炭素または他の化合物は、DIO
3を安定化しまたはDIO
3の反応性を高めるよう構成されているのがよい。当業者にあっては理解されるように、溶解した二酸化炭素または他の化合物を多くの目的のために使用できる。例えば、もう1つの実施形態では、ガス状オゾン(以下、O
3)は、DIO
3に代えてまたはDIO
3と組み合わせて使用できる。例えば、濃度範囲が0.25g/Nm
3から約2500g/Nm
3までのO
3を使用することができる。特定の一実施形態では、約1g/Nm
3から約600g/Nm
3までの濃度範囲を有するO
3を使用することができ、ただし、当業者にあっては理解されるように、任意の様々なO
3濃度を使用することができる。オプションとして、任意の様々な濃度の任意の様々な別の光分解物質を使用することができる。一実施形態では、ウエハの表面上への光分解物質の流れは、乱流から成り、ただし、層流もまた使用できる。
【0020】
再び
図2を参照すると、光学的放射線がDIO
3またはO
3が塗布されたウエハの少なくとも一部分に選択的に当てられるのがよい(
図2の参照符号28を参照されたい)。一実施形態では、光学的放射線または光は、約100nm~約1000nmの波長を有するのがよい。もう1つの実施形態では、光学的放射線は、約200nm~約400nmの波長を有する。オプションとして、光学的放射線は、約230nm~約275nmの波長を有するのがよい。特定の実施形態では、光学的放射線は、約246nm~約266nmの波長を有するのがよい。当業者にあっては理解されるように、光学的放射線の波長は、多くの因子によって決定でき、かかる因子としては、例えば、用いられる光分解物質のタイプ、基板から除去される物質の反応性などが挙げられる。同様に、一実施形態では、光学的放射線は、約1mW~約100Wのパワーを有する。特定の一実施形態では、パワーは、約1W~約20Wである。オプションとして、パワーは、約8Wであるのがよいが、任意のパワーを用いることができる。一実施形態では、光信号は、パルス信号から成り、ただし、当業者にあっては理解されるように、連続波信号を用いることができる。使用の際、光学的放射線を当てると、オゾン崩壊全体を通じて反応性が高められる光誘導ラジカルの生成がトリガされる。その結果、オゾンラジカルの存在により、ウエハ上のフォトレジストに密接したところで連鎖反応が煽られ、オゾンラジカルは、フォトレジストと反応し、そしてかかるフォトレジスト分子をウエハ表面から剥ぎ取る(
図2の参照符号30を参照されたい)。
【0021】
図2に示すように、光学的放射線を当てることは、フォトレジストの一部分または全てが基板表面からいったん除去されると、中断されるのがよい(
図2の参照符号32を参照されたい)。同様に、基板の表面上への光分解物質の流れは、停止されるのがよい(
図2の参照符号34を参照されたい)。基板に光分解物質および光学的放射線の繰り返し適用を施すのがよく、それにより実質的に全ての所望の物質が基板から除去されるようにすることができる。いったん完了すると、基板を乾燥させてチャックから取り出すのがよい(
図2の参照符号36を参照されたい)。
【0022】
図3は、光増強型オゾンウエハ加工システムの一実施形態の略図である。図示のように、加工システム40は、少なくとも1つの光学的放射線源42を含む。一実施形態では、光学的放射線源42は、少なくとも1つのレーザ装置から成る。例えば、光学的放射線源42は、少なくとも1つの光信号44を出力するよう構成されたダイオード励起固体レーザシステムから成るのがよい。一実施形態では、光信号44は、パルス信号からなり、ただし、当業者にあっては理解されるように、光信号44は、連続波信号から成っていてもよい。さらに、上述したように、光学的放射線源42は、波長が約100nm~約1000nmの少なくとも1つの光信号44を出力するよう構成されているのがよい。さらに特定の実施形態では、光信号44の波長は、約250nm~約275nmである。
【0023】
再び
図3を参照すると、光信号44は、少なくとも1つのビーム制御システム46に方向付けられ、かかる少なくとも1つのビーム制御システム46は、光信号44を基板加工システム70内に設けられた少なくとも1つの基板76に制御可能に方向づけるよう構成されている。図示の実施形態では、ビーム制御システム46は、この中に設けられた少なくとも1つの走査ミラーまたは類似のビーム操向装置48を含む。オプションとして、任意の種々の光学素子を用いて、ビーム制御システム46の種々のコンポーネントを形成することができ、かかるコンポーネントとしては、ミラー、レンズ、フィルタ、孔、アイリス、センサ、モータ、光学マウント、コントローラなどが挙げられるが、これらには限定されない。
【0024】
再び
図3を参照すると、基板加工システム70は、この中に設けられた少なくとも1つのチャックまたは基板支持体74を含む。チャック74は、基板76を基板加工システム70内の所望の場所に位置決めするよう構成されているのがよい。一実施形態では、チャック74は、選択的に回転可能であるよう構成されている。もう1つの実施形態では、チャック74は、直線的に動くことができるのがよい。オプションとして、チャック74は、任意所望の平面に沿って動くことができるよう構成されていてもよい。
【0025】
図3に示すように、少なくとも1つの光分解物質供給源60は、少なくとも供給導管62経由で基板加工システム70と流体連通状態にあるのがよい。光分解物質供給源60は、光分解物質を基板加工システム70に選択的に供給するよう構成されているのがよい。加うるに、光学的放射線源42、ビーム制御システム46、光分解物質供給源60、および基板加工システム70のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのプロセッサ・制御システム78と連絡状態にあるのがよい。制御システム78は、光学的放射線源42、ビーム制御システム46、光分解物質供給源60、および基板加工システム70の多くの性能特性を変化させるよう構成されているのがよい。例えば、制御システム78は、光学的放射線源42の繰り返しレートおよび/またはパワーを変化させることができ、ビーム制御システム46の走査レートを変化させることができ、光分解物質供給システム60からの基板加工システム70への光分解物質の流れを開始/停止させることができ、チャック74の回転速度/位置などを変化させることができる。オプションとして、1つ以上のハウジングが、光増強型オゾンウエハ加工システム40の種々のサブシステムを収容することができる。例えば、ハウジング80内には、光分解物質供給システム60および基板加工システム70を設けることができる。もう1つの実施形態では、ハウジング80内には、ビーム制御システム46、光分解物質供給システム60、および基板加工システム70を設けることができる。さらにもう1つの実施形態では、このハウジング内には、光学的放射線源42、光分解物質供給システム60、基板加工システム70、および制御システム78を設けることができる。
【0026】
図4および
図5は、光増強型オゾンウエハ加工システムの種々の実施形態に用いられるウエハ支持装置100の種々の図である。図示のように、ウエハ支持装置100は、少なくとも第1の表面104が形成された本体102を有する。少なくとも1つの流体入口106および少なくとも1つの流体出口108が、本体102に形成されるのがよい。少なくとも1つの凹部110が本体102に形成されるのがよい。一実施形態では、凹部110は、少なくとも1つのウエハ、クーポン、または基板114を受け入れるよう寸法決めされている。少なくとも1つのチャック112が凹部110内に配置されるのがよく、かかる少なくとも1つのチャックは、凹部110内のウエハ、クーポン、または基板114を支持するよう構成されているのがよい。幾つかの実施形態では、凹部110には、少なくとも1つの窓、レンズ、流れ攪拌装置または特徴が設けられるのがよくまたは違ったやり方で形成されるのがよく(図示せず)、ただし、当業者にあっては理解されるように、凹部110は、かかる窓または流れ攪拌装置を有する必要はない。一実施形態では、流れ攪拌装置または特徴は、光分解物質の乱流が存在するようにするよう構成されているのがよい。
図5に示すように、少なくとも1つの入口通路116が、本体102内に形成されるのがよく、かかる少なくとも1つの入口通路は、入口106および凹部110と連通状態にあるのがよい。同様に、少なくとも1つの出口通路118が本体102内に形成されるのがよく、かかる少なくとも1つの出口通路は、凹部110を出口108に結合するのがよい。したがって、入口106および出口108は、凹部110と流体連通状態にあるのがよい。少なくとも1つの取り付け装置120が本体102に結合されまたは本体102上に形成されるのがよく、それにより、ウエハ支持装置100を任意の種々の支持体または装置に結合することができる(
図4参照)。
【0027】
再び
図5を参照すると、使用の際、1枚以上のウエハ、クーポンまたは基板114をチャック112上に位置決めするのがよい。しかる後、光分解物質の流れを入口106経由で凹部110中に導入する。一実施形態では、流れは、乱流から成り、ただし、当業者においては理解されるように、光分解物質112の流れは、層流であってもよい。その結果、ウエハ、クーポン、または基板114の少なくとも一部分は、光分解物質112の作用を受け、または光分解物質112内に浸漬される。しかる後、光分解物質112の作用を受け、または光分解物質112内に浸漬されたウエハ、クーポン、または基板114に光学的放射線126を当てるのがよく、その結果、反応性が高められた光誘導ラジカルが生成される。その結果、オゾンラジカルの存在により、ウエハ、クーポンまたは基板114上のフォトレジストに密接したところで連鎖反応が煽られ、オゾンラジカルは、フォトレジストと反応し、そしてかかるフォトレジスト分子をウエハ表面から剥ぎ取る。その後、光分解物質124を出口108経由で本体102から排出するのがよい。
【0028】
図6~
図10は、光増強型オゾンウエハ加工システムのもう1つの実施形態の主図の図である。一実施形態では、
図6~
図10に示す光増強型オゾンウエハ加工システム140は、フォトリソグラフィプロセスで通常用いられる種々のスピンコーティング(塗布)ツールの幾つかの部分を含む。図示のように、ウエハ加工システム140は、第1の本体142および少なくとも第2の本体144を含む。第1の本体142には、少なくとも1つの第1の本体凹部150が形成されている。図示していないが、第1の本体142は、少なくとも1つの光学的放射線源からの光学的放射線が蓋本体142を通って進むことができるようにする少なくとも1つの孔を備えるのがよい。オプションとして、孔には、1つ以上の窓またはレンズが設けられるのがよい。第1の本体凹部150は、少なくとも1つの小出しシステム152を受け入れるよう寸法決めされているのがよい。第2の本体144は、少なくとも1つのウエハ164を収納支持するよう構成された少なくとも1つの回転可能なウエハチャック162を受けるよう寸法決めされた少なくとも1つの第2の本体凹部160を備えている。オプションとして、ウエハチャック162は、回転可能である必要はない。むしろウエハチャック162は、任意所望の平面に沿って動くよう構成されているのがよい。少なくとも1つの制御システム166が光増強型オゾンウエハ加工システム140の種々のコンポーネントに結合され、またはこれらと連絡状態にあるのがよい。
【0029】
図7~
図10に示すように、小出しシステム152は、少なくとも1つの小出しヘッド本体180を含み、かかる少なくとも1つの小出しヘッド本体には少なくとも1つの本体受け器182が形成されている。1つの実施形態では、本体受け器182は、光学的放射線が第1の本体142およびヘッド本体180を通って進むことができるようにするよう構成され、しかる後、かかる光学的放射線は、少なくとも1つのウエハチャック162上に位置決めされた少なくとも1つのウエハ164に入射する。したがって、ヘッド本体180の一部分は、蓋本体142を横断するのがよい。もう1つの実施形態では、本体受け器182は、少なくとも1つの光学的放射線源(図示せず)を受け入れて位置決めするよう寸法決めされるのがよい。例えば、
図8は、小出しシステム152の一実施形態を示しており、この小出しシステムは、ヘッド本体180内に位置決めされた光学的放射線源200、例えば、レーザダイオードアレイ、ファイバ結合レーザ装置、または類似の光学的放射線源を利用している。例示の光学的放射線源としては、LED、LEDアレイ、レーザ、レーザダイオード、光ファイバ装置、ファイバレーザなどが挙げられるが、これらには限定されない。より具体的に説明すると、
図7は、光学的放射線を提供する外部の光学的放射線源を利用した小出しシステム152の一実施形態を示している。これとは対照的に、
図8は、ヘッド本体180内に位置決めされまたはこれに結合された少なくとも1つの光学的放射線源200を含む小出しシステム152の一実施形態を示している。先の実施形態と同様、本体受け器182を通って進みまたはこの中で生じた光信号198は、約100nm~約1000nmの波長を有するのがよい。より特定の実施形態では、光信号の波長は、約250nm~約275nmである。少なくとも1つのヘッドフレームまたは支持本体184は、第1の本体142およびヘッド本体180のうちの少なくとも一方に結合されるのがよい。一実施形態では、本体受け器182は、ヘッドフレーム184に可動的に結合されるよう構成されているのがよく、それにより、本体受け器182は、制御可能に第1の本体142から伸長したり、これに引っ込んだりできる(
図9および
図10参照)。したがって、少なくとも1つの結合特徴部186およびカップラ188を用いると、ヘッド本体180を第1の本体142に結合することができる。
【0030】
再び
図7~
図10を参照すると、少なくとも1つのマニホルド190が、ヘッド本体180および/または本体受け器182に結合されまたはこの上に形成されるのがよい。マニホルド190は、これに1本以上の流体供給導管192が結合されるよう構成されているのがよく、流体導管192は、少なくとも1つの光分解物質源(図示せず)と流体連通状態にある。本体受け器182およびマニホルド190のうちの少なくとも一方には、少なくとも1つのポートまたは孔が形成されるのがよい。
図10に示す実施形態では、少なくとも1つの孔194が小出しヘッド本体180に形成されている。例えば、当業者において理解されるように、孔194は、マニホルド190上にまたはマニホルド190に近接して形成されるのがよい。孔194は、流体導管192経由で光分解物質源(図示せず)と連通状態にある。オプションとして、任意の数の孔194を小出しヘッド本体180上のどこかの場所に形成することができる。
【0031】
図6~
図10に示すように、少なくとも1つの光学素子196が本体受け器182に結合され、または本体受け器182によって保持されるのがよい。一実施形態では、光学素子196は、窓から成り、ただし、当業者においては理解されるように、光学素子は、任意の種々の別の装置から成っていてもよく、かかる装置としては、レンズ、レンズシステム、光学的放射線源、LED、LEDアレイ、レーザダイオード、光ファイバ装置、センサ、カメラ、ライトガイドなどが挙げられるが、これらには限定されない。例えば、
図8に示すように、光学素子196は、本体受け器182内に位置決めされた光学的放射線源200から光学的放射線を出力するよう構成された1つ以上の窓から成る。一実施形態では、光学的放射線198は、約100nm~1000nmの波長を有する。より具体的には、波長は、約250nm~約275nmであるのがよい。変形実施形態では、光学素子196は、ファイバレーザから成る。加うるに、光学素子196は、孔194からの物質の乱流を形成するよう構成された1つ以上の特徴を含むのがよい。オプションとして、小出しヘッド本体は、孔194からの物質の乱流を形成するよう構成された1つ以上の特徴または装置を含むのがよい。例示の流れを変更する要素としては、孔194内にまたはこれに近接して配置された隆起条、ベーン、障害物など(図示せず)が挙げられる。孔194は、ヘッド本体180から放出された光学的放射線198が孔194から放出された光分解物質に入射するよう光学素子196に近接してまたはこの光学素子196のところに形成されるのがよい。
【0032】
図7~
図10に示すように、1枚以上のウエハ、クーポン、または基板164が、ウエハ支持本体168上に位置決めされるのがよい。一実施形態では、ウエハ支持本体168は、ウエハ164を回転させることができ、または違ったやり方でウエハ支持本体168上に位置決めされたウエハ164を所望の回転速度で動かすことができる少なくとも1つのウエハチャック162に固定されている。さらに、小出しヘッド本体180は、制御可能に、本体受け器182の一部分がウエハ支持本体168上に位置決めされたウエハ164に密接して位置するよう第1の本体142から伸長したり(
図6参照)、本体受け器182が第1の本体142に近接して位置決めされるように第1の本体142まで引っ込んだりするよう(
図6参照)構成されているのがよい。
【0033】
図6~
図10を参照すると、使用の際、ウエハ164をウエハ支持本体168上に位置決めして、第1の本体142が本体144に近接して位置するよう閉じるのがよい。しかる後、加工指示およびパラメータ、例えばウエハ164の回転速度、光学的放射線パワー、加工時間等を制御システム166に入力するのがよい。制御システム166は、小出しヘッド本体180を、ウエハ支持本体168上に位置決めされたウエハ164に近接して位置決めするのがよい。光分解物質の少なくとも1つの流れを生じさせるのがよい。光分解物質は、流体導管192およびマニホルド190を通って流れるのがよく、そして孔194を経てウエハ164に塗布されるのがよい。光分解物質を遠心力または類似の力によりウエハ164の表面全体にわたって分散させるのがよい。一実施形態では、光分解物質の少なくとも1つの乱流をウエハ164上で開始させ、ただし、業者においては理解されるように、この流れが乱流である必要はない。しかる後、光学的放射線198をウエハ164の少なくとも一部分に選択的に当てるのがよい。一実施形態では、光学的放射線198を外部の光学的放射線源(図示せず)によって生じさせ、この光学的放射線は、本体受け器182を通ってウエハ164まで進む。変形実施形態では、本体受け器182内に位置決めされまたは違ったやり方で本体レシーバ182に結合された少なくとも1つの光学的放射線源200によって光学的放射線198を生じさせる(
図8参照)。上述の実施形態と同様、光学的放射線198を光分解物質に当てると、その結果として、活性化ラジカルが生じ、その結果、反応性が高められた光誘導ラジカルが生成される。例えば、オゾン処理脱イオン水またはガス状オゾンを光分解物質として使用した場合、光学的放射線198は、オゾンラジカルを生じさせ、かかるオゾンラジカルは、ウエハ、クーポンまたは基板164上のフォトレジストに密接したところで連鎖反応を煽り、それによりフォトレジスト分子と反応してこれらをウエハ表面から剥ぎ取る。ウエハ164をいったん加工すると、本体受け器182を蓋本体142に近接して位置決めするとともに、ウエハ164をシステム140から取り出すのがよい。
【0034】
図11~
図15は、光増強型オゾンウエハ加工システムの種々のコンポーネントの変形実施形態を示している。
図11に示すように、光増強型オゾンウエハ加工システム210は、結合本体または延長部214を有する加工本体212を含む。1つ以上の取付け装置が結合本体214に結合されるのがよい。図示の実施形態では、第1のミラーまたは光学素子218を支持した第1の結合マウント216および第2のミラーまたは光学素子222を支持した第2の結合マウント220が、結合本体214に結合されている。オプションとして、任意の様々な装置、光学素子などが結合本体214に結合されるのがよく、かかる装置、光学素子などとしては、光源、光学的放射線源、レーザ、光ファイバ装置、ファイバレーザ、ダイオード励起レーザシステム、カメラ、センサ、フィルタ、モーションコントローラ、制御システム、光分解物質源、走査装置などが挙げられる。例えば、図示の実施形態では、少なくとも1つの走査装置またはビーム操向装置232が、少なくとも1つの装置マウント230を用いて結合本体214に結合されるのがよい。図示のように、第1の光学素子218、第2の光学素子222、およびビーム操向装置232のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの光学的放射線源252からの光学的放射線252を受け取って、この光学的放射線252を少なくとも1つの加工物または基板に選択的に方向づけるよう構成されているのがよい。図示の実施形態では、光学的放射線源250は、外部または別個の光学的放射線源250から成り、ただし、当業者においては理解されるように、光学的放射線源250は、光増強型オゾンウエハ加工システム210に結合されまたはこれと一体であるのがよい。
【0035】
再び
図11~
図15を参照すると、加工本体212は、少なくとも1つのウエハ242を受け入れるよう構成された少なくとも1つのウエハ受け器240を備えるのがよい。図示の実施形態では、少なくとも1つの光分解物質小出しシステム244(以下、ディスペンサ244)は、ディスペンサ244がウエハ受け器240内に、またはこれに近接して位置決めされるのがよく、その結果、ディスペンサ244は、ウエハ受け器240内に位置決めされたウエハ242に密接して位置するようになっている。
【0036】
図12~
図15は、ディスペンサ244の種々の図である。
図12に示すように、ディスペンサ244は、ディスペンサベース262を備えたディスペンサ本体260を有する。ディスペンサ本体260およびベース262は、少なくとも1つのディスペンサ凹部266を構成している。ディスペンサベース262には、1つ以上の孔が形成されるのがよい。例えば、
図12は、ディスペンサベース262に形成された多数の孔264を有するディスペンサ本体260の一実施形態を示している。これとは対照的に、
図14は、単一の孔264が形成されたディスペンサ本体260の一実施形態を示している。
【0037】
再び
図12~
図15を参照すると、ディスペンサ244は、1つ以上の締結具270によりディスペンサ本体260に取り付けられた1つ以上の結合延長部268を有するのがよい。加うるに、少なくとも1つのマニホルド280がディスペンサ本体260に結合されるのがよい。例えば、
図12は、多数のマニホルド280が取り付けられたディスペンサ本体260の一実施形態を示している。これとは対照的に、
図13は、単一のマニホルド280が取り付けられたディスペンサ本体260の一実施形態を示している。マニホルド280は、少なくとも1つの光分解物質源(図示せず)と連通状態にあるのがよい。図示のように、マニホルド280は、マニホルド本体282を有するのがよく、マニホルド本体282は、ディスペンサ本体凹部266内に位置決めされた1つ以上のマニホルド出口またはノズル284を有する。1つの実施形態では、マニホルド出口284は、光分解物質の乱流がディスペンサ本体260内に存在するよう構成されているのがよい。オプションとして、マニホルド出口284は、層流がディスペンサ本体260内に存在するよう構成されていてもよい。
【0038】
図11~
図15を参照すると、使用の際、少なくとも1枚のウエハ242をウエハ受け器240内に位置決めする。ウエハ受け器240は、ウエハを支持するとともに、これを所望の回転速度で回転させるよう構成されているのがよい。オプションとして、ウエハ受け器240は、ウエハ242を回転させる必要はない。むしろ、ウエハ受け器240は、任意所望の平面に沿ってウエハ242を動かすよう構成されているのがよい。しかる後、ディスペンサ244は、ウエハ242に密接して位置決めされるのがよい。光分解物質の流れをディスペンサ244内で開始させるのがよい。光分解物質をディスペンサベース262に形成された少なくとも1つの孔264経由でウエハ242に制御可能に塗布するのがよい。しかる後、少なくとも1つの光学的放射線源250からの光学的放射線を加工本体212に方向付ける。例えば、
図11および
図12は、光学的放射線252を第1のミラー218、第2のミラー222、および走査ヘッド232に放出するよう外部の光学的放射線源250を用いる光増強型オゾンウエハ加工システム210の一実施形態を示しており、第1のミラー218、第2のミラー222、および走査ヘッド232は、協働して光学的放射線252をウエハ受け器240内に位置決めされたウエハ242に方向付ける。これとは対照的に、
図13は、少なくとも1つの光学的放射線源250を内蔵した光増強型オゾンウエハ加工システムに用いられるディスペンサ244の実施形態を示しており、光学的放射線源250は、ウエハ受け器240内に位置決めされたウエハ242に光学的放射線を放出するよう構成されている。一実施形態では、光学的放射線源は、波長が約100nm~約1000nmの光学的放射線を出力するよう構成されたダイオード励起固体レーザ装置から成るのがよい。もう1つの実施形態では、光学的放射線源は、波長が約100nm~約1000nmの光学的放射線を出力するよう構成された少なくとも1つのLED装置またはアレイから成るのがよい。より特定の実施形態では、光学的放射線の波長は約250nm~約275nmである。
【0039】
図11および
図12に示すように、走査ヘッド232は、加工本体212に方向付けられる少なくとも1つの加工信号254を出力するよう構成されているのがよい。加工信号254は、光分解物質が塗布されたウエハ242に方向付けられるのがよい。例えば、オゾン処理脱イオン水を光分解物質として使用した場合、光学的放射線は、オゾンラジカルを生じさせ、かかるオゾンラジカルは、ウエハ、クーポンまたは基板242上のフォトレジストに密接したところで連鎖反応を煽り、それによりフォトレジスト分子と反応してこれらをウエハ表面から剥ぎ取る。ウエハ242をいったん加工すると、作業を停止させるのがよく、そしてウエハ242をシステム210から取り出すのがよい。
【0040】
上述の例示の実施形態のうちの多くのものは、光学的放射線源としてダイオード励起固体レーザまたはLEDアレイを利用しているが、当業者においては理解されるように、任意の種々の装置もまた、光学的放射線源として使用できる。例えば、
図16は、上述の実施形態のうちの任意のものに使用可能な加工ヘッド310の一実施形態を示している。図示のように、加工ヘッド310は、光送り出しシステム314が結合されまたは収納された光分解物質送り出し装置312を有する。光送り出しシステム314には、1つ以上の個々のエミッタ316が設けられている。例示のエミッタとしては、LED、LEDアレイ、レーザダイオード、光ファイバ装置などが挙げられるが、これらには限定されない。使用の際、加工ヘッドをチャック320上に位置決めされたウエハまたは基板324に密接して位置決めする。一実施形態では、チャック320は、制御可能に回転可能であるよう構成されている。オプションとして、チャック320は、ウエハ324を任意所望の平面に沿って動かせるよう構成されているのがよい。少なくとも1種類の光分解物質326を送り出し装置312から小出しし、そしてウエハ326の全体に小出しする。しかる後、光送り出しシステム314からの光学的放射線を選択的に被覆状態のウエハ324に当てるのがよい。オゾン処理脱イオン水またはガス状オゾンを光分解物質として用いた場合、光学的放射線は、オゾンラジカルを生じさせ、かかるオゾンラジカルは、ウエハ、クーポンまたは基板324上のフォトレジストに密接したところで連鎖反応を煽り、それによりフォトレジスト分子と反応してこれらフォトレジスト分子をウエハ表面から剥ぎ取る。
【0041】
図17および
図18は、
図16に示した実施形態に類似した光増強型オゾンウエハ加工システムのさらにもう1つの実施形態を示している。図示のように、加工システム360は、第1または蓋本体364および、少なくとも第2のまたは本体362を含む。一実施形態では、加工本体362は、少なくとも1つの加工凹部366を備えている。図示の実施形態では、蓋本体364は、透明であるのがよく、ただし、当業者においては理解されるように、蓋本体364は、透明である必要はない。少なくとも1つのディスペンサシステム370が加工凹部366内に配置された少なくとも1つの案内本体372に可動的に結合され、またはこの上に位置決めされるのがよい。図示の実施形態では、ディスペンサシステム370/案内本体372は、加工本体362に結合されており、ただし、当業者においては理解されるように、ディスペンサシステム370および案内本体372のうちの少なくとも一方は、蓋本体364に結合されてもよい。
【0042】
再び
図17および
図18を参照すると、少なくとも1つのウエハまたは基板380が、加工本体362内の少なくとも1つのチャック382上に位置決めされるのがよい。ディスペンサシステム370は、少なくとも1つのディスペンサ本体390を含むのがよく、かかる少なくとも1つのディスペンサ本体390は、これに結合されまたはこれと連絡状態にある少なくとも1つの光学的放射線源392を有する。例示の光学的放射線源としては、ファイバレーザ、レーザダイオード、レーザエミッタ、光エミッタ、LEDなどが挙げられるが、これらには限定されない。さらに、少なくとも1つのノズルまたはディスペンサ装置394が、ディスペンサ本体390に結合されるのがよい。図示のように、少なくとも1本の導管396が、ノズル394を少なくとも1つの光分解物質源(図示せず)に結合するのがよい。少なくとも1つの駆動システムまたはモータ398が、ディスペンサ本体392を案内本体に可動関係をなして結合するのがよい。さらに、ディスペンサシステム370は、制御可能に、光学的放射線源392およびノズル394がウエハ380に近接して位置決めされるよう、蓋本体364から延びたり、ウエハ380から蓋本体364まで引っ込んだりできるよう構成されているのがよい。
【0043】
使用の際、少なくとも1枚のウエハ380を加工本体362内に配置されたチャック382上に位置決めするのがよい。しかる後、蓋本体364を加工本体362に近接して位置決めするのがよい。一実施形態では、ディスペンサ本体390を作動させて、これを駆動モータ398によりウエハ380に対して所望の場所に位置決めするのがよい。しかる後、1種類以上の光分解物質を導管396経由で光分解物質源(図示せず)と連通状態にあるノズル394経由でウエハ380に選択的に塗布するのがよい。ウエハ380の少なくとも一部分を光分解物質で被覆し、またはウエハ380の少なくとも一部分に光分解物質を施す。しかる後、光学的放射線源392を作動させて光学的放射線を当て、それにより被覆状態のウエハ380に塗布された光分解物質の反応性を高めるのがよい。オゾン処理脱イオン水またはガス状オゾンを光分解物質として用いた場合、光学的放射線は、オゾンラジカルを生じさせ、かかるオゾンラジカルは、ウエハ380上のフォトレジストに密接したところで連鎖反応を煽り、それによりフォトレジスト分子と反応してこれらをウエハ表面から剥ぎ取る。
【0044】
本明細書において開示した実施形態は、本発明の原理の具体化例である。本発明の範囲に含まれる他の改造例を採用することができる。したがって、本願において開示した装置は、図示するとともに本明細書において説明した装置そのものには限定されない。
【国際調査報告】