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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】処置装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20240517BHJP
【FI】
A61B17/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574473
(86)(22)【出願日】2022-05-05
(85)【翻訳文提出日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 US2022027777
(87)【国際公開番号】W WO2022256112
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】63/195,849
(32)【優先日】2021-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511015847
【氏名又は名称】キャンデラ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー・バーシャフスキー
(72)【発明者】
【氏名】ドミトリー・グレゴリエフ
(72)【発明者】
【氏名】ドロン・コペル
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160MM22
4C160MM32
(57)【要約】
処置装置が、回転出力シャフトと、出力シャフトによって回転において駆動される軸カムと、軸カムによって直線的に駆動させられるプッシュロッドとを有する動力化されたサブシステムをハンドピース筐体において備える。カートリッジが、ハンドピース筐体に取り外し可能に取り付け可能であり、カートリッジ筐体と、針組立体と、筐体において針組立体に係合し、プッシュロッドによって直線的に前方に駆動させられるピストンと、ピストンを後方へ押しやる第1の付勢部材とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドピース筐体と、
回転出力シャフトを有する、前記ハンドピース筐体における動力化されたサブシステムと、
前記出力シャフトによる回転において駆動させられる軸カムと、
前記軸カムによって直線的に駆動させられるプッシュロッドと、
前記ハンドピース筐体に取り外し可能に取り付け可能なカートリッジであって、
カートリッジ筐体、
針組立体、
前記筐体において前記針組立体に係合し、前記プッシュロッドによって直線的に前方に駆動させられるピストン、および、
前記ピストンを後方へ押しやる第1の付勢部材
を備えるカートリッジと
を備える処置装置。
【請求項2】
前記動力化されたサブシステムは、前記回転出力シャフトを含む歯車ユニットを駆動する回転モータを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記針組立体は、針の配列が延びている印刷回路基板を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記カートリッジは、前記針のために、それ自体を貫く案内開口部を備える前面をさらに備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の付勢部材は前記ピストンと前記カートリッジ筐体との間にバネを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記プッシュロッドを後方へ押しやる第2の付勢部材をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第2の付勢部材は、前記プッシュロッドと、前記プッシュロッドが貫いて延びるプッシュロッド案内部との間に、バネを備える、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
ピストン故障サブシステムをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記ピストン故障サブシステムはハンドピースにリニアエンコーダを備える、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記ピストン故障サブシステムは、前記ピストンから後方へ延び、前記リニアエンコーダに係合して前記リニアエンコーダを駆動するピンをさらに備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記ピストンは、外側円筒部によって包囲される内側部材と、前記内側部材を前記外側円筒部に接続する壁とを備え、前記壁は前記針組立体に係合する、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記外側円筒部はフランジを備える、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記内側部材と前記外側円筒部との間で、ピストン端壁を貫いて延びる少なくとも1つのポゴピンをさらに備える、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記ピストン端壁は、そこから延びて前記針組立体印刷回路基板に接続される1つまたは複数の柱をさらに備える、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記ピストンは、後方へ延びる柱をさらに備える、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記カートリッジは、前記ピストン後方へ延びる柱のための開口部と、前記少なくとも1つのポゴピンのための開口部とを備える後壁をさらに備える、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記カートリッジ後壁は、少なくとも1つの後方へ延びるスナップフックをさらに備える、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前面および後壁を伴う筐体と、
前記筐体の前記前面における開口部を貫いて複数の針が延びている印刷回路基板を備える、前記筐体における針組立体と、
前記筐体後壁に対して移動可能であり、前記針を駆動するために前記印刷回路基板に係合するピストンと、
前記ピストンを後方へ押しやる、前記ピストンと前記筐体前面との間のバネと、
前記針にエネルギー供給するために、前記印刷回路基板から前記ピストンおよび前記筐体後壁を通じて後方へ延びるポゴピンの対と
を備える処置装置ハンドピースカートリッジ。
【請求項19】
ピストン故障サブシステムをさらに備える、請求項18に記載のカートリッジ。
【請求項20】
前記ピストン故障サブシステムは、リニアエンコーダを駆動するために前記ピストンから前記筐体後壁を貫いて後方へ延びるピンを備える、請求項18に記載のカートリッジ。
【請求項21】
前記ピストンは、外側円筒部によって包囲される内側部材と、前記内側部材を前記外側円筒部に接続する端壁とを備え、前記端壁は前記針組立体印刷回路基板に係合する、請求項18に記載のカートリッジ。
【請求項22】
前記外側円筒部は前記バネのためのフランジを備える、請求項21に記載のカートリッジ。
【請求項23】
前記ピストン端壁は、そこから延びて前記針組立体印刷回路基板に接続される1つまたは複数の柱をさらに備える、請求項21に記載のカートリッジ。
【請求項24】
カートリッジ後壁は、少なくとも1つの後方へ延びるスナップフックをさらに備える、請求項18に記載のカートリッジ。
【請求項25】
ハンドピース筐体と、
回転出力シャフトを有する、前記ハンドピース筐体における動力化されたサブシステムと、
前記出力シャフトによる回転において駆動させられるカムと、
前記カムによって直線的に駆動させられるプッシュロッドと、
前記筐体に取り外し可能に取り付け可能なカートリッジであって、
前面および後壁を伴う筐体、
前記筐体の前記前面における開口部を貫いて複数の針が延びている印刷回路基板を備える、前記筐体における針組立体、
前記筐体後壁に対して移動可能であり、前記針を駆動するために前記印刷回路基板に係合するピストン、
前記ピストンを後方へ押しやる、前記ピストンと前記筐体前面との間のバネ、および、
前記針にエネルギー供給するために、前記印刷回路基板から前記ピストンおよび前記筐体後壁を通じて後方へ延びるポゴピンの対
を備えるカートリッジと
を備える処置装置。
【請求項26】
ピストン故障サブシステムをさらに備える、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記ピストン故障サブシステムは前記ハンドピースにリニアエンコーダを備える、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記ピストン故障サブシステムは、前記ピストンから前記筐体後壁を貫いて後方へ延び、前記リニアエンコーダに係合して前記リニアエンコーダを駆動するピンをさらに備える、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記ピストンは、外側円筒部によって包囲される内側部材と、前記内側部材を前記外側円筒部に接続する端壁とを備え、前記端壁は前記針組立体に係合する、請求項25に記載の装置。
【請求項30】
前記外側円筒部は前記バネのためのフランジを備える、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記ピストン端壁は、そこから延びて前記針組立体印刷回路基板に接続される1つまたは複数の柱をさらに備える、請求項29に記載の装置。
【請求項32】
前記ピストンは、後方へ延びる柱をさらに備える、請求項29に記載の装置。
【請求項33】
前記カートリッジ後壁は、少なくとも1つの後方へ延びるスナップフックをさらに備える、請求項25に記載の装置。
【請求項34】
前記動力化されたサブシステムは、前記回転出力シャフトを含む歯車ユニットを駆動する回転モータを備える、請求項25に記載の装置。
【請求項35】
前記プッシュロッドを引っ込めるためのバネをさらに備える、請求項25に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、米国特許法第119条、第120条、第363条、第365じょウ、ならびに37 C.F.R. セクション1.55およびセクション1.78の下で2021年6月2日に出願された米国仮特許出願第63/195,849号の便益およびその特許出願への優先権を請求し、この特許出願は、本明細書においてこの参照により組み込まれている。
【0002】
本出願は、限定されることはないが、シワの低減およびセルライトの低減を含め、様々な状態を処置するために、患者の皮膚へと挿入される針にRFエネルギーを適用する処置装置ハンドピースおよびカートリッジに関する。
【背景技術】
【0003】
皮膚処置方法が知られており、それによって、針が皮膚および皮下領域において様々な深さへと挿入され、高周波エネルギーによってエネルギー供給される。本明細書においてこの参照により組み込まれている米国特許第9,364,392号を参照されたい。また、本明細書においてこの参照により組み込まれている米国特許第10,220,195号も参照されたい。モータ、ソレノイドなどが針を駆動するために使用され得る。また、様々な方法が、処置ユニットの電力供給回路に針を電気的に接続するために使用される。
【0004】
針カートリッジが処置ハンドピースに解放可能に取り付けられる場合、新たなカートリッジが各々の患者のために使用され得る。しかしながら、針をどのように駆動するか、および、エネルギーをハンドピースから針へとどのように供給するかを含め、工学的な課題がある。典型的には、先行技術では、ハンドピースにおける被駆動シャフトが針組立体へとずっと延びている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第9,364,392号
【特許文献2】米国特許第10,220,195号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
特徴付けられるのは、針を駆動するための非常に正確な配置を伴い、針とハンドピースとの間における信頼できる電気的相互接続を特徴ともする新たな処置ハンドピースおよび交換可能なカートリッジである。同じく特徴付けられるのは、針カートリッジが故障状態になったときに検出する故障サブシステムである。同じく特徴付けられるのは、特有のカートリッジピストン配置である。
【0007】
特徴付けられるのは、ハンドピース筐体と、回転出力シャフトを有する、前記ハンドピース筐体における動力化されたサブシステムと、前記出力シャフトによる回転において駆動させられる軸カムとを備える処置装置である。プッシュロッドが軸カムによって直線的に駆動させられる。カートリッジが、ハンドピース筐体に取り外し可能に取り付け可能であり、カートリッジ筐体と、針組立体と、筐体において針組立体に係合し、プッシュロッドによって直線的に前方へ駆動させられるピストンと、ピストンを後方へ押しやる第1の付勢部材とを備える。
【0008】
動力化されたサブシステムは、回転出力シャフトを含む歯車ユニットを駆動する回転モータを備え得る。針組立体は、針の配列が延びている印刷回路基板を備え得る。カートリッジは、針のために、それ自体を貫く案内開口部を備える前面を好ましくはさらに含む。
【0009】
第1の付勢部材はピストンとカートリッジ筐体との間にバネを備え得る。装置は、プッシュロッドと、プッシュロッドが貫いて延びるプッシュロッド案内部との間のバネなど、プッシュロッドを後方へ押しやる第2の付勢部材をさらに備え得る。
【0010】
装置は、ハンドピースにおけるリニアエンコーダなどを備えるピストン故障サブシステムをさらに備え得る。ピストン故障サブシステムは、ピストンから後方へ延び、リニアエンコーダに係合してリニアエンコーダを駆動するピンをさらに備え得る。
【0011】
1つの好ましいピストンは、外側円筒部によって包囲される内側部材と、内側部材を外側円筒部に接続する壁とを備え、壁は針組立体に係合する。外側円筒部はフランジを備え得る。少なくとも1つのポゴピンが、内側部材と外側円筒部との間で、ピストン端壁を貫いて延び得る。ピストン端壁は、そこから延びて針組立体印刷回路基板に接続される1つまたは複数の柱をさらに備え得る。ピストンは、後方へ延びる柱をさらに備え、カートリッジは、ピストン後方へ延びる柱のための開口部と、少なくとも1つのポゴピンのための開口部とを備える後壁をさらに備え得る。カートリッジ後壁は、少なくとも1つの後方へ延びるスナップフックをさらに備え得る。
【0012】
同じく特徴付けられるのは、前面および後壁を伴う筐体と、筐体の前面における開口部を貫いて複数の針が延びている印刷回路基板を備える、筐体における針組立体と、筐体後壁に対して移動可能であり、針を駆動するために印刷回路基板に係合するピストンと、ピストンを後方へ押しやる、ピストンと筐体前面との間のバネと、針にエネルギー供給するために、印刷回路基板からピストンおよび筐体後壁を通じて後方へ延びるポゴピンの対とを備える処置装置ハンドピースカートリッジである。
【0013】
カートリッジは、リニアエンコーダを駆動するためにピストンから筐体後壁を貫いて後方へ延びるピンなどのピストン故障サブシステムをさらに備え得る。
【0014】
同じく特徴付けられるのは、ハンドピース筐体を備える処理装置である。ハンドピース筐体における動力化されたサブシステムは、回転出力シャフトと、出力シャフトによる回転において駆動させられるカムと、カムによって直線的に駆動させられるプッシュロッドと、筐体に取り外し可能に取り付け可能なカートリッジとを備える。1つの好ましいカートリッジは、前面および後壁を伴う筐体と、筐体の前面における開口部を貫いて複数の針が延びている印刷回路基板を備える、筐体における針組立体と、筐体後壁に対して移動可能であり、針を駆動するために印刷回路基板に係合するピストンと、ピストンを後方へ押しやる、ピストンと筐体前面との間のバネと、針にエネルギー供給するために、印刷回路基板からピストンおよび筐体後壁を通じて後方へ延びるポゴピンの対とを備える。
【0015】
装置は、ハンドピースにおいてリニアエンコーダを備えるピストン故障サブシステムをさらに備え得る。ピストン故障サブシステムは、ピストンから筐体後壁を貫いて後方へ延び、リニアエンコーダに係合してリニアエンコーダを駆動するピンをさらに備え得る。
【0016】
ピストンは好ましくは、外側円筒部によって包囲される内側部材と、内側部材を外側円筒部に接続する端壁とを備え、そのため端壁は針組立体に係合する。外側円筒部はバネのためのフランジを備え得る。ピストン端壁は、そこから延びて針組立体印刷回路基板に接続される1つまたは複数の柱をさらに備え得る。ピストンは、後方へ延びる柱をさらに備え得る。カートリッジ後壁は、少なくとも1つの後方へ延びるスナップフックをさらに備え得る。動力化されたサブシステムは、回転出力シャフトを含む歯車ユニットを駆動する回転モータを備え得る。装置は、プッシュロッドを引っ込めるためのバネをさらに備え得る。
【0017】
しかしながら、本主題の発明は、他の実施形態において、すべてのこれらの対象を達成する必要はなく、本主題の発明の請求項は、これらの対象を達成することができる構造または方法に限定されるべきではない。
【0018】
他の物体、特徴、および利点が、好ましい実施形態および添付の図面の以下の記載から、当業者に思い付くことになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】RF針処置ハンドピースおよびカートリッジの例を示す概略図である。
図2図1のハンドピースと関連付けられる主要な構成要素を示す、図1のハンドピースの概略的な断面図である。
図3図2のハンドピースの針組立体駆動機構の追加的な詳細を示す概略図である。
図4図2のハンドピースの針組立体駆動機構の追加的な詳細を示す概略図である。
図5】針組立体駆動機構と関連付けられる主要な構成要素を示す他の概略図である。
図6A】針を患者へとある深さまで挿入するための位置へと駆動されるカム駆動されるプッシュロッドの図である。
図6B】針を患者へと他の深さまで駆動するためのカム駆動されるプッシュロッドの位置を示す概略図である。
図6C】針が患者へとなおも他の深さまで駆動されるときのプッシュロッドの位置を示す概略図である。
図7】例示の針カートリッジと関連付けられる主要な構成要素を示す概略的な断面図である。
図8A図7の針カートリッジの中のピストンの例を示す概略図である。
図8B図7の針カートリッジの中のピストンの例を示す概略図である。
図8C図7の針カートリッジの中のピストンの例を示す概略図である。
図9】例示のカートリッジ部分組立体と関連付けられる主要な構成要素をさらに示す概略的な分解図である。
図10】カートリッジ組立体の例を示す他の概略図である。
図11】ハンドピースに解放可能に取り付けられる図10のカートリッジ組立体を示す概略図である。
図12】ハンドピースに取り付けられるカートリッジ組立体を示す他の概略図である。
図13】速度に対する針位置を示すグラフである。
図14】針変位に対する針挿入時間を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に開示されている実施形態、もしくは好ましい実施形態の他に、本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施または実行することができる。したがって、本発明が、その適用において、以下の記載に述べられているかまたは図面に示されている構造の詳細および構成要素の配置に限定されないことは、理解されるものである。1つだけの実施形態が本明細書において記載されている場合、その請求項は、その実施形態に限定されない。さらに、その本明細書においての請求項は、特定の排除、制限、または否認を表明する明らかな説得力のある証拠がない場合、制限的に読み取られることはない。
【0021】
一例において、両極性RF穿刺皮膚処置装置が、図1で、交換可能なカートリッジ12を伴って、ハンドピース10を備える。ハンドピース10は、コンソール筐体、適切な電力供給源、動作処理装置、入力/出力部分などに電気的に接続される。電気信号も、患者から電気的に絶縁され、患者へのあらゆる危害を防止するために電流制限される。絶縁変圧器および電流制限器がハンドピースに位置付けられる。
【0022】
この例では、ハンドピース10は、図2で、筐体14を備え、例えば64:1の歯車減速比を有するが、用途に依存して16:1から256:1までの減速比を有し得る駆動歯車ユニット18に連結されたDCブラシレスモータ16など、動力化されたサブシステムを内部に有する。歯車ユニット18が、プラスチック(PEEK)先端26を備え得るプッシュロッド24を線形に駆動するために、インライン軸カム22を回転において駆動する出力シャフト20を回転させる。バネ25がプッシュロッド24をカム22との係合へと押しやる。
【0023】
DCブラシレスモータ16はパルス幅変調(PWM)を使用して駆動でき、モータの回転速度が、PWM入力信号のデューティサイクルを調整することで制御される。1つの手法は、最大回転速度の時計回り、静止、および最大回転速度の反時計回りに対応する100%、50%、および0%のデューティサイクルを含み得る。最大回転速度は、1分間あたり1000回転から10,000回転の間の範囲にわたる可能性がある。DCブラシレスモータ16および駆動歯車ユニット18を選択するとき、トルク要件だけでなく最大限の回転速度も検討されるべきである。
【0024】
駆動歯車ユニット18は、インライン軸カム22を駆動する出力シャフト20の回転速度を低減するために選択される。軸カム22の回転は駆動プッシュロッド24の直線的な並進に変わる。軸カム22の2分の1回転は、プッシュロッド24の最大の直線的な駆動範囲を提供する。一実施形態では、最大の直線的な駆動範囲は0から3.5mmまでにわたることができ、組織における針挿入深さに対応する。軸カム22における角度の切断は、最大1mm(52°の切断)または最大10mm(86°の切断)の最大の直線的な駆動範囲といった、より小さい深さの範囲、または、より大きい深さの範囲を網羅するために、変えられてもよい。他の実施形態では、最大の直線的な駆動範囲は、0から3.7mmまでにわたることができ、組織における-0.2~3.6mmの針挿入深さに対応し、針先端を針カートリッジの前面の下に位置させ、処置提供者と針との両方を保護する。
【0025】
針挿入速度が、組織における適切な針配置を確保するために重要であり得る。針を組織に挿入するとき、針に作用する3つの主な力があり、すなわち、皮膚表面を破るための穿通力と、針が組織により深く挿入されるにつれて増加する摩擦力と、真皮および脂肪組織についての増加する深さに伴って一定であるが、脂肪組織と比べて真皮についてはより大きい切断力とがある。真皮での適用について、切断は、針を押す主要な力である。肝臓または血管などの他の適用について、嚢または血管壁を穿通することは主な対抗する力である。様々な適用のため、針挿入速度は、一定であり得る(主の力が切断である)、減速し得る(主な力が穿通である)、または加速し得る(主の力が摩擦である)。真皮での適用について、軸カム22は、図13に示されている一定の速度を伝えるように設計される。
【0026】
34ゲージの針を使用するとき、20mm/sの最小針速度が真皮を穿通するために必要とされ得るが、50mm/sに近いより速い速度が好ましい。32、30、および28ゲージといったより大きい針は、適切な針の配置を達成するために、連続的により高い速度を必要とする可能性がある。針の配置は、針の速度が最小値より小さい場合、望まれるよりも表面に近くなってしまう。針の速度は、軸カム22の回転速度を調整するPWMデューティサイクルを設定することで、電気的に制御することができる。図14を参照されたい。
【0027】
針を加速/減速することは電気的または機械的に制御され得る。例えば、針の挿入の間にPWMデューティサイクルを増加または減少させることで、針の速度を加速または減速させる。針を加速または減速させるための指数関数または他の関数を導く傾きのための数式を想像することができる。軸カム22を成形することは、針の挿入の加速または減速を制御するためのハードウェアの例である。一定の速度を伝えるカム面材50を定める真っ直ぐな角度の切断の代わりに、カム面材50は、針の加速または減速を伝えるために、関数的な形で切断されてもよい。
【0028】
マイクロニードル34のシャフトは、針の先端だけが露出されるように絶縁され得る。例えば、最初の0.6mmだけが露出され得るが、露出される長さは0.1mmから0.6mmまでに設定され得る。絶縁材料は、パリレン、または、PTFEなどの他のポリマを含み得る。絶縁は、針の挿入および抜き出しの間に、対抗する摩擦力を最小限にするための潤滑剤としても供するはずである。
【0029】
カートリッジ12の筐体30が、好ましくはハンドピース10に取り外し可能に取り付けられ、好ましくは、筐体30の中に、カートリッジ筐体30の前面における案内開口部を貫いて(例えば、49本の)マイクロニードル34(例えば、34ゲージ)の配列が延びている印刷回路基板32といった針組立体を備える。カートリッジ筐体30の前面における案内開口部の開口は、挿入の間の針の座屈を防止するために、細い34ゲージの針34に支持を提供する。
【0030】
一例において、針の配列は1cm2の正方形の設置面積を有する。ピストン36が、針組立体と係合し、ハンドピースの中でプッシュロッド24によって直線的に駆動させられる。バネ38はピストンを後方へ押しやる。同じく特徴付けられるのは、この例では、ハンドピース10におけるリニアエンコーダ40と、ピストン36から後方へ延び、リニアエンコーダ40に係合してリニアエンコーダ40を駆動するピン42とを備えるピストン故障サブシステムである。図3図5も参照されたい。好ましくは、軸カム22は、図5において、皮膚における正確な針先端挿入深さを確保するために、プッシュロッド24を正確に駆動するカム面50を備える。一実施形態では、カム面は、3.5mmの最大深さまでプッシュロッドを駆動するように設計され得る。他の実施形態では、カム面は、1~10mmの最大までプッシュロッドを駆動するように設計され得る。
【0031】
完全な線形駆動範囲が3.5mmに設定される一実施形態では、カム面は、1回の挿入で、針を処置のために1の深さまで駆動することができる、または、針を処置のために3の最大の深さまで駆動することができる。10mmのより大きな完全な線形駆動範囲を有する他の実施形態では、RFエネルギーは、1回の挿入の中で、1から10を上回る深さまで送ることができる。処置深さの間の間隔は、各々の深さの間の加熱されない組織に隙間を残す個々の離散した熱損傷、各々の深さの間に隙間のない単一の連続的な損傷、またはそれら2つの組み合わせをもたらすために調整でき、おそらくは離散した損傷が表面近くの組織では望まれ、連続的な損傷はより深い組織において望まれる。モータと歯車箱との組み合わせは、60回のモータの回転がカムの1回の回転に等しくなるように構成され得る。1つまたは複数のモータエンコーダがプッシュロッド24の位置を決定するために使用できる。プッシュロッド24は、カム面50に係合する近位回転端ボール軸受52(例えば、3mmのステンレス鋼)を備えることができ、軸受52を潤滑するために油で満たされた内部空所54も備えることができる。軸カム22は、ハンドピースおよびリニアエンコーダ40の内部に固定された軸受筐体56に対して回転することができ、プッシュロッド24は、同じくハンドピースの内部と固定された案内構造58を貫いて延びることができる。バネ25は、プッシュロッド24の案内構造58と近位端51との間で延びることができる。
【0032】
図6A図6Cは、異なる針先端挿入深さについてのカム面50の回転を示している。例えば、図6Aに示されている位置では、プッシュロッド24は針先端を2.6mmの挿入深さまで駆動する。図6Bに示されている位置では、プッシュロッド24は針先端を1.8mmの真皮深さまで駆動する位置にあり、図6Cでは、プッシュロッドは針先端を1mmの深さまで駆動する位置で示されている。他の針挿入深さが可能である。
【0033】
図7でよりはっきりと示されているように、針カートリッジ12の筐体30は、一例では、針案内開口部62を伴う前面60と、後壁64とを好ましくは備える。ピストン36の面66はプッシュロッド先端によって駆動され、ピストンの端壁94は印刷回路基板32および針34に係合してそれらを駆動する。バネ38は筐体の前面60とピストンのフランジ68との間で延びる。ピストン36は、後壁64の円筒部70の中で後壁64に位置し、後壁64に対して移動する。
【0034】
ポゴピン80aおよび80bが、印刷回路基板32に半田付けられた端82a、82bを備える。ポゴピンはピストン36および端壁64を貫いて後方へ延び、バネ端84a、84bは、図5におけるハンドピースの印刷回路基板86における導電性パッドと接触する。この方法では、ハンドピースからのエネルギーが、ポゴピン80aおよび80bを介して、印刷回路基板32および針34へと送られる。エネルギーが、図1におけるケーブル11を介してハンドピースに電気的に接続される1つまたは複数の電力供給部によって、コンソールユニットからハンドピースの印刷回路基板86へと送られる。カートリッジ12の壁65に位置付けられたカートリッジ認証器回路基板65が、ポゴピンユニット87を介して、図5における回路基板86によって読み取られる暗号化コードを含み、ポゴピンユニット87は、交換カートリッジを認証するために、図7における回路基板65のランド67a、67bとの電気接触を確立する。
【0035】
図8A図8Cにおいてよりはっきりと示されているように、ピストン36は、後壁の円筒部70においてスライド可能である内側部材90を好ましくは備え、外側円筒部92によって包囲され、印刷回路基板32を駆動するように機能する一方で、内側部材90と外側円筒部92とを接続する端壁94における開口部93a、93bを介して、内側部材90と外側円筒部92との間にポゴピンを延ばさせる。外側円筒部92のフランジ68は、壁64と係合し、図7および図9に示されているように、バネ38のための接触の点として供する。図7における端壁94は、回路基板37に取り付けられ得る(例えば、熱溶解され得る)柱96a、96bも備える。図7および図9図10におけるカートリッジ後壁64は、ポゴピンのための開口部98a、98bと、ピストンのピン42のための開口部98cと、ピストンの内側部材90のための円筒部70と、図12に示されているようにカートリッジをハンドピースに解放可能に固定する後方へ延びるスナップフック100a、100bとを備え、膜110の柱111が、スナップフック100aの捕獲部112aをハンドピース筐体114の対応する捕獲部116aから解放するために押すことができる。
【0036】
図10図11に示されているように、プッシュロッド24が、モータエンコーダまたは他のセンサなどを使用して引っ込められるように決定されるが、ピストン36が実際には延長されている故障の場合、エンコーダ40は、ピストンが延長されていることを指示する出力信号を提供することになる。モータエンコーダまたは他のセンサからの出力は、ピストンが引っ込められたことを指示することになる。これらの2つの指示が存在するとき、故障状態が存在し、例えば、針が皮膚に取り残されている可能性がある。このような状況では、使用者(臨床医)は、針を患者から手作業で引き抜くように通知および命令され得る。
【0037】
先に詳細に記載されたRF適用器は、1MHzにおいて好ましくは動作させられるRF発生器によってエネルギー供給されるが、0.2~4MHzが使用されてもよい。RF発生器は、RFエネルギーを、0.5Jから4Jの間で、0.5Jの刻みで送ることができ、これは、針ごとにおおよそ10~82mJのRFエネルギーに変わる。一実施形態では、RF発生器は、組織インピーダンスに依存して、5~27Wで動作することができる。RF加熱の間の組織インピーダンスは、RF電圧を監視する回路を使用して決定され得る。RF発生器は、リアルタイムのRF電圧および組織インピーダンス値から決定されるRF出力を積分することで、組織インピーダンスから独立して正確なRFエネルギーを送ることもできる。他の実施形態は、5~50Wの範囲にあるより高いかまたはより低いピークRF出力を送ることができる。他の実施形態では、0W(純粋にマイクロニードルを刺す)から50W(RFマイクロニードルを刺す)までの間で動作するように使用者が設定可能である一定出力のRF発生器が使用できる。RFエネルギーは、単一の連続パルスで送ることができるか、または、サブパルスとして送ることができ、各々のサブパルスは、パルス幅変調技術を使用して、定められたデューティサイクルで0.5Jを送る。
【0038】
組織への正確なRFエネルギーの送達を助けることに加えて、組織インピーダンス値は他のやり方でも助けになることができる。例えば、開始インピーダンスは、脂肪組織のインピーダンスが真皮組織より高いため、針挿入平面を評価するために使用できる。終了インピーダンスは、典型的には、RF加熱のため、開始インピーダンスより低く、そのため、変化の度合いを監視することが、RF加熱の成功の評価基準である。非常に高い開始インピーダンスは、針が皮膚を穿通していないという印であり、良好なインピーダンス値を達成し、それによって、組織への良好なRFエネルギー送達を達成するために、枕を置く、折り曲げるなどによって組織を操作させるように提供者に警告する。また、良好な開始インピーダンスを有するが、高い終了インピーダンスで終わることは、針がRF送達の間に組織から落ちたという印であり、良好なインピーダンス値を達成し、それによって、組織への良好なRFエネルギー送達を達成するために、枕を置く、折り曲げるなどによって組織を操作させるように提供者に警告する。
【0039】
本発明の特定の特徴は、一部の図面では示され、他の図面では示されていないが、これは、各々の特徴が本発明による他の特徴のいずれかまたはすべてと組み合わせることができるため、利便性のためだけである。本明細書で使用されているような「~を含む(including)」、「~を備える(comprising)」、「~を有する(having)」、および「~と共に(with)」という言葉は、広く包括的に解釈されるものであり、何らかの物理的接続に限定されることはない。さらに、本主題の適用において開示されているいずれの実施形態も、唯一の可能な実施形態として解釈されるものではない。
【0040】
また、本特許についての特許出願の告訴の間に提示されるあらゆる補正は、提出されている本出願で提示されたあらゆる請求要素の放棄ではなく、すなわち、当業者は、すべての可能な均等を文字通り網羅する請求項を起草すると合理的に考えることはできず、多くの均等は、補正のときには予測不可能であり、(ある場合には)放棄されるものの公平な解釈の域を越えており、補正の論理的根拠は、多くの均等に対してほとんど関係がない可能性があり、および/または、出願者が補正されたいずれかの請求要素について特定の非実質的な代替を記載すると期待できない多くの他の理由がある。
【0041】
他の実施形態が、当業者に思い付く可能性があり、以下の請求項の範囲内にある。
【符号の説明】
【0042】
10 ハンドピース
12 針カートリッジ
14 筐体
16 DCブラシレスモータ
18 駆動歯車ユニット
20 出力シャフト
22 インライン軸カム
24 プッシュロッド
26 先端
30 カートリッジ筐体
32 印刷回路基板
34 マイクロニードル、針
36 ピストン
38 バネ
40 リニアエンコーダ
42 ピン
50 カム面材
51 近位端
52 近位回転端ボール軸受
54 内部空所
56 軸受筐体
58 案内構造
60 前面
62 針案内開口部
64 後壁
65 壁、カートリッジ認証器回路基板
66 ピストンの面
67a、67b ランド
68 フランジ
70 後壁円筒部
80a、80b ポゴピン
82a、82b 端
84a、84b バネ端
86 印刷回路基板
87 ポゴピンユニット
90 内側部材
92 外側円筒部
94 端壁
100a スナップフック
110 膜
111 柱
112a 捕獲部
114 ハンドピース筐体
116a 捕獲部
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】