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特表2024-520684整形外科インプラント用の独立的に埋植可能なセンサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】整形外科インプラント用の独立的に埋植可能なセンサ
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/30 20060101AFI20240517BHJP
   A61B 17/56 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
A61F2/30
A61B17/56
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574507
(86)(22)【出願日】2022-06-03
(85)【翻訳文提出日】2024-01-30
(86)【国際出願番号】 US2022032228
(87)【国際公開番号】W WO2022256696
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】63/197,094
(32)【優先日】2021-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502427840
【氏名又は名称】ジンマー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100227835
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 剛孝
(72)【発明者】
【氏名】ネイサン ゴールモン,ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ジョン カイル ミューラー
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー イー.ビショフ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー バンダープール
(72)【発明者】
【氏名】ルイス-フィリップ エミオット
(72)【発明者】
【氏名】アンネリーゼ ギャロウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ピエール クーチュール
(72)【発明者】
【氏名】テッド スプーナー
【テーマコード(参考)】
4C097
4C160
【Fターム(参考)】
4C097AA03
4C097BB01
4C097CC05
4C097SC10
4C160LL07
4C160LL27
4C160LL70
(57)【要約】
患者の内部データを収集する手術センサシステムは、ハウジング及びハウジング内に配置されたセンサを有するセンサモジュールと、ハウジングを受け入れるためのソケット及びアタッチメント装置を生体物質に装着するための外部アンカー機構を有するアタッチメント装置と、を有する。整形外科インプラント装置と共に使用されるセンサモジュールを埋植する方法は、患者の解剖学的構造内において挿入ポータルを生成するステップと、挿入ポータルに対する第1の位置において解剖学的構造内にセンサモジュールを位置決めするステップと、整形外科インプラントがセンサモジュールとは別個のものとなるように、挿入ポータルに対する第2の位置において解剖学的構造内において整形外科インプラントを位置決めするステップと、を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の内部データを収集する手術センサシステムであって、
センサモジュールであって、
ハウジングと、
前記ハウジングの内側に配置されたセンサと、
を有するセンサモジュールと、
第1のアタッチメント装置であって、
前記ハウジングの一部分が露出された状態で留まるように前記ハウジングを受け入れるための第1のソケットと、
前記第1のアタッチメント装置を生体物質に装着するための外部アンカー機構と、
を有する第1のアタッチメント装置と、
を備える手術センサシステム。
【請求項2】
前記第1のアタッチメント装置は、長骨の髄内管に係合するように構成されたテーパー状の本体部を備える、請求項1に記載の手術センサシステム。
【請求項3】
前記第1のソケットから延在する前記ハウジングの前記一部分を受け入れるための第2のソケットを有する第1の補綴インプラントを更に備える、請求項2に記載の手術センサシステム。
【請求項4】
前記第1の補綴インプラントは、脛骨トレイ又は大腿骨コンポーネントを備える、請求項3に記載の手術センサシステム。
【請求項5】
前記第1のソケットから延在する前記ハウジングの前記一部分を受け入れるための第3のソケットを有する第2の補綴インプラントを更に備え、前記第2の補綴インプラントは、前記第1の補綴インプラントとは異なる外部形状ファクタを有する、請求項4に記載の手術センサシステム。
【請求項6】
前記第1のアタッチメント装置とは異なる外部形状ファクタを有する第2のアタッチメント装置を更に備え、前記第2のアタッチメント装置は、前記第1のアタッチメント装置の前記第1のソケットと同様に成形された第4のソケットを有する、請求項5に記載の手術センサシステム。
【請求項7】
前記第1の補綴インプラントは、前記第2のソケットから結合解除されている、請求項3に記載の手術センサシステム。
【請求項8】
前記ハウジングは、丸い端部を有する細長い本体部を備え、
前記第1のソケットは、前記丸い端部と嵌合するように構成された丸いシートを備える、請求項1から請求項7の何れか1項に記載の手術センサシステム。
【請求項9】
前記センサモジュールは、
前記センサに接続され、前記ハウジングの外側から外部へ延在するリードを更に備える、請求項1から請求項8の何れか1項に記載の手術センサシステム。
【請求項10】
前記リードは、前記センサモジュールの検知能力を前記ハウジングの外側へ拡張させる、請求項9に記載の手術センサシステム。
【請求項11】
前記リードは、前記ハウジングの内側に配置された充電式電池用の充電ケーブルを備える、請求項9又は請求項10に記載の手術センサシステム。
【請求項12】
前記第1のソケットは、前記リードが前記第1のアタッチメント装置を通過することを可能にするための開口部を備える、請求項9から請求項11の何れか1項に記載の手術センサシステム。
【請求項13】
前記センサモジュールは、前記ハウジングの外側において複数の固定機構を更に備える、請求項1から請求項12の何れか1項に記載の手術センサシステム。
【請求項14】
前記複数の固定機構は、細長いリブを備える、請求項13に記載の手術センサシステム。
【請求項15】
前記外部アンカー機構は、
前記第1のアタッチメント装置の周りにおいて延在するねじ山を更に備える、請求項1から請求項14の何れか1項に記載の手術センサシステム。
【請求項16】
前記外部アンカー機構は、
前記第1のアタッチメント装置の外部壁から延在する突起を更に備える、請求項1から請求項15の何れか1項に記載の手術センサシステム。
【請求項17】
前記ハウジングは、複数のモジュラー型コンポーネントに分割されている、請求項1から請求項16の何れか1項に記載の手術センサシステム。
【請求項18】
前記複数のモジュラー型コンポーネントは、
通信モジュールと、
第1の検知能力を有する第1の検知モジュールと、
を備える請求項17に記載の手術センサシステム。
【請求項19】
前記第1の検知能力とは異なる第2の検知能力を有する第2の検知モジュールを更に備える、請求項18に記載の手術センサシステム。
【請求項20】
前記通信モジュールは、前記ハウジングから延在する細長い柔軟なリードを備える請求項18又は請求項19に記載の手術センサシステム。
【請求項21】
整形外科インプラント装置と共に使用されるセンサモジュールを埋植する方法であって、
患者の解剖学的構造内において挿入ポータルを生成することと、
前記挿入ポータルに対する第1の位置において、前記解剖学的構造内に第1のセンサモジュールを位置決めすることと、
整形外科インプラントが前記センサモジュールから分離されるように、前記挿入ポータルに対する第2の位置において、前記解剖学的構造内に前記整形外科インプラントを位置決めすること、
を含む方法。
【請求項22】
処置の間、前記第1のセンサモジュールから出力を収集することを更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記センサの前記出力は、振動データを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記整形外科インプラント、トライアルインプラント、又はインスツルメント上において打撃された力を決定するために、前記第1のセンサモジュールの前記出力を使用することを更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記センサの前記出力は、温度データを含む請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記整形外科インプラントに適用された骨セメントの温度を決定し、前記骨セメントの硬化を監視するために、前記第1のセンサモジュールの前記出力を使用することを更に含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
解剖学的構造と係合するように構成されたアタッチメント装置と前記第1のセンサモジュールをと結合することを更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記解剖学的構造の皮質骨と前記アタッチメント装置を係合させることを更に含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記解剖学的構造と前記アタッチメント装置のねじ山又は突出部とを係合させることを更に含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記患者の皮膚を通じて前記第1のセンサモジュールからリードを延長することを更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
前記解剖学的構造において骨の成長を刺激するために前記リードを通じて電気を伝導することを更に含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記リードを使用して前記第1のセンサモジュールの電池を充電することを更に含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記第1のセンサモジュールとは反対側の関節の骨内において第2のセンサモジュールを埋植することを更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項34】
前記第2のセンサモジュール及び前記第1のセンサモジュールからの位置データを使用して、前記解剖学的構造の関節のモーションデータの範囲を分析することを更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記センサモジュールは、前記整形外科インプラントに接触している、請求項21に記載の方法。
【請求項36】
前記第1のセンサモジュール及び前記整形外科インプラントから分離して前記解剖学的構造内において埋植されたアンテナリレーを通じて前記第1のセンサモジュールと通信することを更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項37】
一緒に埋植された整形外科装置からは独立した解剖学的構造内において埋植されたセンサとリモートでやり取りする方法であって、
整形外科装置が埋植されている第2の位置から離隔した第1の位置において、前記解剖学的構造において埋植されたセンサモジュールと通信リンクを確立することと、
前記解剖学的構造内において前記整形外科装置の周囲環境と前記センサとを係合させることと、
前記通信リンクを介して前記センサモジュールから前記周囲環境のパラメータに関連する信号を送信することと、
インテロゲーション装置において前記信号を受信することと、
グラフィカルユーザインターフェイス上において前記パラメータの標識を表示すること、
を含む方法。
【請求項38】
前記整形外科装置の前記周囲環境は、骨セメントを含み、
前記信号は、前記骨セメントの温度を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記整形外科装置の前記周囲環境は、滑液を含み、
前記信号は、前記滑液のpHレベルを含む、請求項37又は38に記載の方法。
【請求項40】
前記整形外科装置の前記周囲環境は、骨を含み、
前記信号は、前記骨を通じて伝達される力を含む、請求項37から請求項39の何れか1項に記載の方法。
【請求項41】
前記整形外科装置の前記周囲環境は、骨を含み、
前記信号は、前記骨の成長を刺激するための電流を含む、請求項37から請求項40の何れか1項に記載の方法。
【請求項42】
前記センサモジュールから延在するリードケーブルを使用して前記整形外科装置の前記周囲環境と前記センサとを係合させることを更に含む、請求項37から請求項41の何れか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記リードケーブルを通じて前記センサモジュールの電池を充電することを更に含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
リレーアンテナを通じて、前記インテロゲーション装置において前記信号を受け取ることを更に含む、請求項37から請求項43の何れか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2021年6月4日付けで出願された米国仮特許出願第63/197,094号の利益を主張するものであり、これにより、この特許出願の優先権の利益が主張されており、かつ、この特許文献の内容は、参照により、その全てが本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、関節形成処置などの医療処置を実行、監視、及び評価する際に使用されるセンサを組み込んだシステム、装置、及び方法を対象としている。
【背景技術】
【0003】
関節形成処置は、患者の解剖学的構造内への、例えば、整形外科インプラントなどの医療装置の埋植を伴っている。通常、医療装置が患者内に埋植されると、あるいは、場合によっては医療装置が埋植されている最中にも、インプラント又はインプラント処置の有効性に関するフィードバックを得ることは困難である。センサを使用して整形外科インプラントからデータを取得するための試みが実施されている。
【0004】
Hunber他の特許文献1は、「Devices, systems and methods for using and monitoring medical devices」と題されている。
【0005】
Wasielewske他の特許文献2は、「Smart joint implant sensors」と題されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第10492686号明細書
【特許文献2】米国特許第10531826号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは、従来の整形外科インプラントセンサシステムに伴う解決されるべき問題点が、その他のものに加えて、センサを収容するためにインプラントをカスタマイズする必要性を伴っていることを認識した。従って、荷重の支持を提供するように慎重に設計され、かつ、規制機関によって承認された既に設計済みのインプラントを再設計しなければならない。さらには、インプラント及びセンサがパッケージ化されたシステムとして1つに内蔵されている場合には、整形外科インプラント内に異なる検知能力を内蔵する能力は、容易に実現されるものではない。
【0008】
また、本発明者らは、整形外科インプラント用の従来のセンサシステムに伴う解決されるべき問題点は、その他のものに加えて、不完全なセンサデータ、短い電池寿命、低頻度のデータ収集、及びその他の欠点を伴っていることをも認識した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本主題は、既存の整形外科インプラントの再設計を必要とすることなしに整形外科インプラントと共に使用されるセンサモジュールを提供するなどにより、これらの及びその他の問題に対する解決策を提供することができる。センサモジュールは、整形外科インプラントから結合解除された整形外科インプラント装置の近傍の解剖学的構造に結合され、これにより、既存の装置設計と干渉しないように構成することができる。さらには、センサモジュールは、普遍的に適用可能なハウジング内において製造することが可能であり、このハウジングは、複数の整形外科インプラント設計と共に使用することができ、かつ、異なる外部形状ファクタを有するがセンサモジュールを受け入れるための同一の形状のソケットなどの異なる形状ファクタを有するアタッチメント装置との結合によって異なる解剖学的構造内における使用に適合させることができる。
【0010】
一実施例において、内部の患者データを収集するための手術センサシステムは、ハウジングと、ハウジング内において配置されたセンサを有するセンサモジュールと、ハウジングを受け入れるためのソケットと、アタッチメント装置を生体物質に装着するための外部アンカー機構を有するアタッチメント装置と、を有する。
【0011】
更なる一実施例において、整形外科インプラント装置と共に使用されるセンサモジュールを埋植する方法は、患者の解剖学的構造内において挿入ポータルを生成するステップと、挿入ポータルに対する第1の位置において解剖学的構造内にセンサモジュールを位置決めするステップと、整形外科インプラントがセンサモジュールから分離されるように、挿入ポータルに対する第2の位置において解剖学的構造内で整形外科インプラントを位置決めするステップと、を有する。
【0012】
別の実施例において、一緒に埋植される整形外科装置とは独立した状態で解剖学的構造内において埋植されたセンサと遠隔方式でやり取りする方法は、整形外科装置が埋植されている第2の位置とは離隔した第1の位置において解剖学的構造内に埋植されたセンサモジュールとの間において通信リンクを確立するステップと、解剖学的構造内の整形外科装置の周囲環境とセンサを係合させるステップと、通信リンクを介してセンサモジュールから周囲環境のパラメータに関係する信号を送信するステップと、インテロゲーション装置において信号を受け取るステップと、グラフィカルユーザインターフェイス上においてパラメータの標識を表示するステップと、を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、医療用途において使用される患者の解剖学的構造内に独立的に埋植可能であるセンサシステムの側面図である。
図2図2は、センサモジュールと、センサモジュールを解剖学的特徴と係合させるように構成されたアタッチメント装置と、を示す図1のセンサシステムの平面図である。
図3図3は、脛骨インプラント及び図1のセンサシステムの分解部分断面図である。
図4図4は、それぞれが本開示のセンサシステムを有する大腿骨及び脛骨を示す膝関節の概略断面図である。
図5図5は、図1から図4の組立体内において使用するのに適したセンサモジュール及びアタッチメント装置を含むセンサシステムの概略図である。
図6図6は、複数のモジュラー型コンポーネントから組み立てられるように構成されたセンサモジュールの概略図である。
図7図7は、整形外科インプラントと連動してセンサシステムを埋植し、かつ、センサデータを取得する方法を示す概略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、関節形成処置などの医療用途において患者の解剖学的構造内に独立的に埋植可能であり得るセンサシステム又は組立体10の側面図である。センサシステム10は、センサモジュール12と、アタッチメント装置14と、を備えることができる。センサモジュール12は、ハウジング16と、インターフェイス部分18と、留め具部分20と、を備えることができる。アタッチメント装置14は、センサモジュール12を受け入れるためのソケット24と、外表面26とを有する本体部22を備えることができる。
【0015】
センサモジュール12は、様々な解剖学的特徴との接触状態において又はその近傍において、様々なセンサの1つ又は複数を配置するように構成された自給型の検知ユニットと、解剖学的特徴内又はそこにおいて埋植された医療装置と、を備えることができる。アタッチメント装置14は、埋植された医療装置の近傍における解剖学的特徴へのセンサモジュール12の係留を容易にするように、センサモジュール12が結合され得る本体部を有するアンカー装置を備えることができる。例えば、アタッチメント装置14の異なる実施例は、長骨又は肩甲骨などの異なる解剖学的構造と結合するための異なる外部形状ファクタを備えることができるが、同一のセンサモジュール12を受け入れるための同様に成形されたソケットを備えることができる。このように、センサモジュール12は、医療装置がセンサを収容するために適合又は変更される必要性がないように、医療装置とは独立的なものにすることができる。従って、センサシステム10は、それぞれの医療装置がベースラインのセンサレスバージョンから再構成されることなく、様々な医療装置と共に使用することができる。
【0016】
ハウジング16は、センサモジュール12のコンポーネントが配置され得る本体部を備えることができる。実施例において、ハウジング16は、液体又は生体物質がハウジング16の内部に進入することを防止するように封止することができる。ハウジング16は、周囲の組織、生体物質、又は医療装置との間のインターフェイスを有し得る側部ポート28及び遠位ポート30を含むことができる。側部ポート28は、(例えば、封止されたインターフェイスを維持するために)ハウジング16の内部から側部ポート28と係合したセンサのコンポーネントに係合するために、流体がハウジング16を貫通することを可能にするボア又は穴を備えることができる。側部ポート28は、ハウジング16の周囲の環境と係合するように、側部ポート28内に延在するセンサの電極又はインターフェイスコンポーネントを備えることができる。遠位ポート30は、リード線、ワイヤ、アンテナ、及びこれらに類似したものの1つ又は複数が、患者の外部などの遠位場所とやり取りするためにハウジング16を離脱することを可能にするボア又は穴を備えることができる。実施例において、ハウジング16は、ポリマー若しくはプラスチック材料又はステンレス鋼などの金属材料から製造することができる。実施例において、ハウジング16は、約10から12mmの範囲の直径を有することができ、かつ、約30から40mmの範囲の長さを備えることができる。
【0017】
インターフェイス部分18は、組織との係合を容易にするように構成されたハウジング16の一部を備えることができる。実施例において、インターフェイス部分18は、骨がその内部に成長し得る多孔性材料を含み得る。多孔性材料は、ハウジング16の外部に適用された被覆であり得る。実施例において、インターフェイス部分18は、リブ32を含むことができる。留め具部分20は、器具との相互作用によって、センサシステム10の挿入及び埋植を容易にするための特徴を備えることができる。留め具部分20は、ハウジング16の近位端において配置することができる。例えば、留め具部分20は、挿入ツールがハウジング16に装着されることを可能にするため、又は、挿入ツールがハウジング16を回転させる又は駆動することを容易にするための、構造的特徴を備えることができる。実施例において、留め具部分20は、細長い挿入ツールが結合され得るねじ付きシャフト又は六角頭部を備えることができる。実施例において、センサモジュール12は、例えば、ハウジング16の遠位端において位置決めされたセンサリード(図1においては可視状態にはなく、図4のリード128を参照されたい)を含むことができる。
【0018】
アタッチメント装置14は、解剖学的構造へのハウジング16の結合を容易にするためにハウジング16を受け入れるように構成された本体部22を備えることができる。本体部22は、センサシステム10が挿入される解剖学的構造に対して良好に係合するようにセンサシステム10の外周形状又は形状ファクタを変形又は成形することができる。図示する実施例において、アタッチメント装置14は、長骨の髄内管との係合を容易にするための成形された外表面26を有する円錐形状の本体部の外部形状ファクタを有することができる。実施例において、外表面26は、骨内への本体部22のねじ込みを容易にし得るねじ山34を備えることができる。実施例において、外表面26は、波形又は多孔質構造を有することができる。ねじ山、多孔質構造及び波形は、皮質骨などの組織との間の係合を容易にすることができる。外表面26の円錐形状、V字形状、又は、テーパー状の特性は、長骨の髄内管又はその他の組織との間の係合を容易にすることができる。本体部22は、異なるサイズ設定された髄内管のその他の解剖学的特徴と嵌合するために、球形状、円筒形状、円板形状、カップ形状等のその他の解剖学的特徴と嵌合する他の形状を備えることができる。従って、外科医は、特定の解剖学的特徴又は患者と共に使用するためのアタッチメント装置14のタイプを選択することができる。本体部22の遠位部分は、リードポート36を含むことが可能であり、これは、ハウジング16上において位置決めされる、又は、これから延在しているセンサリードに対するアクセスを可能にするために、本体部22を通じた通路を備えることができる。実施例において、アタッチメント装置14は、PEEK又はポリマー材料から製造することができる。さらなる実施例において、アタッチメント装置14は、ステンレス鋼又はトラベキュラーメタル(trabecular metal)などの金属材料から製造することができる。
【0019】
図2は、アタッチメント装置14内において着座したセンサモジュール12を示す、図1のセンサシステム10の平面図である。センサモジュール12は、留め具部分20と、ハウジング16と、インターフェイス部分18と、リブ32と、を有することができる。アタッチメント装置14は、本体部22と、外表面26と、ねじ山34と、突出部38と、を有することができる。
【0020】
図2において見られるように、アタッチメント装置14の外表面26は、センサモジュール12の外周よりも大きくすることができる。このように、アタッチメント装置14は、センサモジュール12の形状ファクタを変更することができる。センサモジュール12は、円筒形状又はカプセル形状等の容易に製造できる形状を有する。従って、ハウジング16は、製造可能性を改善するために対称性を有することができる。しかしながら、アタッチメント装置14は、特定の解剖学的特徴と嵌合するようにカスタマイズされた、又は、不規則に成形された形状を有することができる。ソケット24(図1)は、センサモジュール12の任意のハウジングと結合するように各実施例又は構成において同一の形状を有することができる。図6を参照して後述するように、センサモジュール12は、例えば、検知能力などの異なる電子コンポーネントを有するように構成することができる。嵌合形状を有するハウジング16及びソケット24によれば、任意のセンサモジュール13を任意のアタッチメント装置14に使用することができる。
【0021】
アタッチメント装置14は、組織との間の係留を容易にするために特徴を更に含むことができる。センサシステム10は、医療装置とは別個の解剖学的構造内に埋植され得ることから、医療装置との間の空間的関係性を維持するためにセンサシステム10が固定化されることが重要である。このような固定化は、例えば、更に詳細に後述するように、例えば、望ましい温度、力、又は電気パラメータなどの重要性を有する領域に関連して、センサモジュール12によって収集されるデータの一貫性を改善することができる。
【0022】
ねじ山34は、組織内へのアタッチメント装置14の挿入を容易にするための特徴を有することができる。例えば、ねじ山34は、半径方向の係合を確保しつつ長骨の髄内管内に軸方向においてアタッチメント装置14を前進させる際に機械的な利点を提供することができる。突出部38は、挿入された組織からねじ山34が後退することを防止するために、外向きに突出した固定機構を有することができる。このように、突出部38は、突出部38が骨又は組織と係合する前にねじ山34が作動することができるように、本体部22の一端部の近傍においてのみ配置することができる。
【0023】
後述するように、センサシステム10は、整形外科インプラント又は別の医療装置との関連において使用されるように構成することができる。センサシステム10は、整形外科インプラントの環境内において作動してデータを生成し、整形外科装置に関係するフィードバック又は整形外科装置が経験している内容を提供するように構成することができる。従って、センサシステム10は、整形外科インプラントと同一の又は類似の環境を経験するように、整形外科インプラントの近傍において、直接その隣において、又は、これとの接触状態において、配置することができる。しかしながら、センサシステム10に伴う特定の使用法のために、又は、これとの結合(例えば、固定)のために、整形外科インプラントが変更又は適合される必要がないように、センサシステム10は、整形外科インプラントから装着解除、結合解除、又は分離することができる。
【0024】
図3は、脛骨コンポーネント40に対して位置決めされたセンサシステム10の分解斜視図である。脛骨コンポーネント40は、骨対向表面42、支承表面44、保持特徴部46、ステムハウジング48、及び、ステムハウジングソケット50を有する脛骨トレイ41を備えることができる。
【0025】
脛骨ステム(図示省略)は、ソケット50において脛骨コンポーネント40に装着することができる。ステムハウジングソケット50は、脛骨ステムを所定の位置において保持するために、脛骨ステム上においてロックダウンポストのヘッドに係合し得るリップ52を含むことができる。ステムハウジングの外表面54は、脛骨などの長骨の髄内管内に挿入されるように構成することができる。保持特徴部46は、図4に示されているように、大腿骨コンポーネントに係合するように脛骨コンポーネント40の支承表面44に対して様々な支承コンポーネントを固定するために使用することができる。例えば、保持特徴部46は、移動可能な又は固定されたベアリングの嵌合コンポーネントが、大腿骨コンポーネントの顆表面に係合するように嵌め込まれるリップを有するフランジを含むことができる。骨対向表面42が脛骨の切除された骨表面に接触するように、脛骨ステムは、脛骨の髄内管内に押し込んで、脛骨コンポーネント40を固定することができる。ステムハウジング48は、外表面54が皮質骨に係合し得るように、長骨の軸に沿って海綿骨内に挿入することができる。
【0026】
脛骨コンポーネント40が脛骨内において位置決めされる前に、センサモジュール12及びアタッチメント装置14を髄内管内に挿入することができる。センサモジュール12とアタッチメント装置14を結合するために、ハウジング16をソケット24内に挿入することができる。脛骨コンポーネント40の遠位においてセンサモジュール12を保持するために、外表面26を皮質骨と係合させることができる。アタッチメント装置14は、図1及び図2との比較において異なる特徴を有する図3において示されている。ソケット24は、センサモジュール12が何れかの方向から挿入され、かつ、例えば、電極又はリードなどのコンポーネントがセンサモジュール12の環境と相互作用できるように、開放した近位端及び遠位端を有するように円筒形状とすることができる。これに加えて、外表面26は、アタッチメント装置が組織に対してより自由に摺動することを可能にするように、スムージング化、非ねじ山化、又は非波形化することもできる。実施例において、本体部22は、骨又は組織との係留を容易にするために、その他の特徴を含むことができる。例えば、本体部22は、組織又は骨セメントとの係合を容易にするために凹入部56を含むことができる。本体部22は、これに加えて、骨の成長又は固定を容易にするために、多孔性被覆又は粗面化被覆などの被覆58を含むこともできる。
【0027】
実施例において、センサモジュール12は、少なくとも部分的にステムソケット50内に挿入されるように構成することができる。このように、センサモジュール12は、インプラント内の既存の開口部又はレセプタクルを利用することができる。ハウジング16は、ソケット50との間において干渉嵌合するように構成することができる。しかしながら、センサモジュール12は、これに加えて、アタッチメント装置14を介するなどして、組織及び骨に対する独立的な係留を維持するように構成することもできる。
【0028】
センサシステム10は、図3においては、脛骨コンポーネントとの関連において使用されるものとして示されている。しかしながら、本明細書において記述されているように、センサシステム10は、図4に示すように、大腿骨コンポーネントを含む様々な異なるインプラントと共に使用することができる。これに加えて、センサシステム10は、上腕骨及び肩甲骨内の肩関節形成、大腿骨及び骨盤内の股関節形成、脛骨及び距骨内の足関節形成、並びに、整形外科的又はその他の処置において、使用することができる。
【0029】
図4は、大腿骨104及び脛骨106内において埋植された人工膝関節102(「膝関節102」)を有する膝関節100の側面断面図である。脛骨106は、その内部において埋植されたセンサシステム10を有することができ、かつ、大腿骨104は、その内部において埋植されたセンサシステム130を備えることができる。センサシステム10は、センサモジュール12と、アタッチメント装置14と、を備えることができる。センサシステム130は、センサモジュール132と、アタッチメント装置134と、を備えることができる。
【0030】
人工膝関節102は、大腿骨コンポーネント108と、脛骨コンポーネント40とを備えることができる。脛骨コンポーネント40は、脛骨106の近位端に結合することができ、かつ、大腿骨コンポーネント108は、大腿骨104の遠位端に結合することができる。関節結合コンポーネント110は、脛骨コンポーネント40と大腿骨コンポーネント108の間の摺動運動のための低摩擦関節結合表面111を提供するように、脛骨コンポーネント40と大腿骨コンポーネント108との間において位置決めすることができる。
【0031】
脛骨コンポーネント40は、脛骨プラットフォーム又は脛骨ベースプレートとも呼称される、ステムハウジング48及びトレイ41を備えることができる。ステムハウジング又はアンカー48は、例えば、脛骨106の髄内管112内に延在し、脛骨106内に埋植することができる。ステムハウジング48は、脛骨コンポーネント40と脛骨106との間の結合又は装着のための1つ又は複数の表面を提供することができる。図示していないが、髄内管112内に更に延在するように、ステム延長部をステムハウジング48に結合することができる。トレイ41は、トレイ41内のカップ又は凹入部内などにおいて、関節結合コンポーネント110用を支持することができる。関節結合コンポーネント110は、保持特徴部46(図3)などにより、脛骨コンポーネント40に固定することができる。
【0032】
大腿骨コンポーネント108は、ステム114と、ほぼ凸状に湾曲した前顆表面118及び後顆表面120を有する顆部116と、を備えることができる。ステム又はアンカー114は、例えば、大腿骨104の髄内管122内に延在するといったように、大腿骨104内に埋植することができる。ステム114は、大腿骨コンポーネント116と大腿骨104との間の結合又は装着のための1つ又は複数の表面を提供することができる。図示していないが、髄内管122内に更に延在するように、ステム延長部をステム114に結合することができる。顆表面118及び120は、大腿骨コンポーネント108と関節結合コンポーネント110との間の摺動関係性を提供するために、関節結合表面111と相互作用することができ、かつ、ひいては、自然な膝関節(例えば、膝関節100)を模擬するために脛骨コンポーネント40と相互作用することができる。
【0033】
大腿骨コンポーネント108及び脛骨コンポーネント40は、チタニウム又はステンレス鋼などの補綴インプラント用の典型的な材料から製造することができる。このような材料は、硬質であり、従って、摩耗を低減し、損傷又は腐食を防止するために望ましいものであり得る。しかしながら、このような硬質材料は、これらが装着される骨材料よりも格段に硬質であり得る。このため、大腿骨コンポーネント108及脛骨コンポーネント40が、特にインプラント処置において、大腿骨104及び脛骨106を損傷する可能性がある。大腿骨コンポーネント108を埋植するためには、ステム114を受け入れるための空洞124を形成するように、髄内管122をリーミングすることができる。空洞124は、大腿骨コンポーネント108が緩んで位置がずれないように緊密に嵌合するために、ステム114よりもわずかに小さくなるように形成することができる。同様に、脛骨コンポーネント40を埋植するために、ハウジング48を受け入れるための空洞126を生成するように、髄内管112をリーミングすることができる。空洞126は、脛骨コンポーネント40が緩んで位置がずれる可能性ないように緊密に嵌合するために、ハウジング48よりもわずかに小さくなるように形成することができる。従って、大腿骨コンポーネント108及び脛骨コンポーネント40を埋植し、完全に着座させるためには、骨の抵抗力に打ち勝つような力によって大腿骨コンポーネント108及び脛骨コンポーネント40のそれぞれを打撃することが有用であり得る。このような力を供給するための装置の例は、ハンマー、木槌、及びその他の打撃装置を含む。しかしながら、このような力は、潜在的に大腿骨104及び脛骨106の意図しない変更をもたらし得る。例えば、大腿骨104及び脛骨106は、骨の応力限度を超えるような過剰な力によって打撃された場合には、亀裂が発生し、損傷する可能性がある。健康な骨よりも密度が低い骨のエリアは、特に、外科医が、打撃を受けた部位の骨が通常よりも弱いことに気付いていない場合には、特に損傷の影響を受け易くなり得る。
【0034】
大腿骨コンポーネント108及び脛骨コンポーネント40の埋植手順を評価するため、並びに、埋植の後の大腿骨コンポーネント108及び脛骨コンポーネント40の性能及び有効性を監視するために、センサシステム10及び130を大腿骨104及び脛骨106内に埋植し、脛骨106及び大腿骨104にかかる打撃力のリアルタイム、又は、ほぼリアルタイムのフィードバックを提供することができる。埋植手順の後に、センサシステム10及び130は、人工膝関節102がどのように機能しているかについてのフィードバックを提供し、患者による人工膝関節102の荷重を評価するために、解剖学的構造内において閉じられた状態で、患者内に留置することができる。さらには、センサシステム30及び130は、さらなるフィードバック及び介入又は治療を提供するために、センサ機能などの更なる機能を装備することもできる。
【0035】
センサモジュール12は、アタッチメント装置14と共に組み立てることができる。アタッチメント装置14は、髄内管112内に押し込むことができる。図4の向きを参照すれば、アタッチメント装置14の狭い遠位端を髄内管112内に遠位方向に押し込むことができる。このように、アタッチメント装置14の幅広の近位端は、アタッチメント装置14の近位側への移動に対して抵抗し得る。アタッチメント装置14は、ハウジング16用の空間が脛骨コンポーネント40から離隔することを許容するように、髄内管112内に十分に押し込むことができる。しかしながら、アタッチメント装置14は、アタッチメント装置14と脛骨コンポーネント40が互いに接触し得るように、位置決めすることができる。アタッチメント装置14及び脛骨コンポーネント40は、例えば、固定されない又は接続されないなどのように、結合されていない状態を維持することができる。リード128は、センサモジュール12から空洞126内に延在させることが可能であり、脛骨トレイ41と脛骨106の近位切除表面138との間において位置決めすることができる。リード128は、センサモジュール12の検知能力をハウジング16の枠を超えて拡張し、特定の解剖学的構造位置又は補綴装置に到達するように使用することができる。脛骨106の評価に基づいて所望又は必要とされている場合には、リード128を受け入れ、脛骨トレイ41が表面138と同一平面となるように、脛骨106内においてチャネルを切削する、又は、傷をつけることができる。
【0036】
リード128は、脛骨コンポーネント40を装着するために骨セメントが使用され得る領域、例えば、空洞126を通過することができる。リード128は、骨セメントの温度を検知し、骨セメントの冷却速度を監視するために、センサモジュール12内の温度センサに接続することができる。後述するように、リード128は、さらに、その他のセンサ用の配線及び充電式電池用の配線を含むこともできる。さらに、センサモジュール12は、脛骨106に対する脛骨コンポーネント40の打撃を検知するために、加速度計又はジャイロセンサなどの衝撃センサを含むこともできる。これに加えて、センサモジュール12は、抵抗、インピーダンス、静電容量、位相角度、及びこれらに類似したもの等の電気パラメータを検知するためのセンサを含むこともできる。これに加えて、センサモジュール12は、滑液のpHを判定するなど、組織を分析するためのpHセンサを含むこともできる。
【0037】
センサモジュール132は、アタッチメント装置134と共に組み立てることができる。アタッチメント装置134は、髄内管122内に押し込むことができる。図3を参照すれば、アタッチメント装置134の狭い近位端を髄内管122内に近位方向に押し込むことができる。このため、アタッチメント装置134の幅広の遠位端は、アタッチメント装置134の遠位側への移動に対して抵抗し得る。アタッチメント装置134は、大腿骨コンポーネント108が切除表面139に係合できるように、髄内管122内に十分に押し込むことができる。実施例において、大腿骨コンポーネント108がアタッチメント装置134に接触するように、アタッチメント装置134を位置決めすることができる。しかしながら、アタッチメント装置134及び大腿骨コンポーネント108は、例えば、固定されていない又は接続されていない状態のように、結合されていない状態を維持することができる。アタッチメント装置134は、アタッチメント装置と大腿骨コンポーネント108が離隔し得るように、位置決めすることができる。リード136は、センサモジュール132から空洞124内に延在させ、顆表面120と大腿骨104の遠位切除表面139の間において位置決めすることができる。大腿骨104の評価に基づいて所望又は必要とされている場合には、リード136受け入れ、大腿骨コンポーネント108が表面139対して面一となるようにするために、大腿骨104内においてチャネルを切削する又は傷つけることができる。リード136は、センサ電極及び電池充電ワイヤを含むように、リード128と同様に構成することができる。
【0038】
センサモジュール132は、後述するように、大腿骨コンポーネント108の様々なパラメータを検知するために、温度センサ、衝撃センサ、電気パラメータセンサ、及びその他のセンサを備えることができる。センサモジュール132は、骨セメントの温度、設置ツールからの衝撃、組織のpH、組織の電気パラメータ及びその他のパラメータを検知するように構成することができる。
【0039】
センサモジュール12及び132は、互いにかつ外部インテロゲーション装置との間において通信するように構成することができる。例えば、脛骨コンポーネント40及び大腿骨コンポーネント106の各々の位置及び向きは、共通の座標系に基づいて決定することができる。実施例において、センサモジュール12及び132の一方は、外部装置と通信するように構成し、センサモジュール12及び132の他方は、他方のセンサモジュールとのみ通信するように構成することができる。このように、調整された向きデータを患者の外部において通信することができる。大腿骨104に対する脛骨106の相対運動及びその逆の運動に関する座標データは、特に、膝関節100の可動範囲を評価するために使用することができる。このように、センサモジュール12及び132の各々は、3軸加速度計又は磁気ホール効果センサなどのモーションセンサを含むことができる。
【0040】
図5は、センサモジュール12のコンポーネントを示すブロック図である。センサモジュール12を参照して説明するが、センサモジュール130も同様に構成することができる。センサモジュール12は、ハウジング16、回路基板140、プロセッサ142、メモリ144、スイッチ146、入出力(I/O)装置148、電源150A、電源150B、光源又は出力装置152、波発生器又は出力装置154、通信装置156、第1のセンサ158A、及び第2のセンサ158Bを備えることができる。ハウジング16は、アタッチメント装置14に装着する、又は、これと一体をすることができる。センサモジュール12は、インテロゲーション装置160と通信状態にすることができる。
【0041】
ハウジング16は、センサモジュール12のその他のコンポーネントを保持及び支持するための構造的コンポーネントを備えることができる。本明細書において説明するように、センサモジュール12は、埋植の際に、例えば、荷重を受けるように構成された補綴インプラントから結合解除され得るため、ハウジング16は、堅牢に構成する必要はない。換言すれば、ハウジング16は、ハンマーの打撃からの大きな負荷に耐えることを考慮することなく、センサモジュール12の要素を収容するように製造することができる。このような低減された構造的要件の結果の1つが、金属材料よりも軽量かつ廉価であり得るプラスチック材料からハウジング16を製造できることである。ハウジング16は、アタッチメント装置14と一体化させることができる。しかしながら、その他の実施例においては、ハウジング16は、本明細書において説明するように、異なるアタッチメント装置がセンサモジュール12に結合され得るように、アタッチメント装置14から分離され得る。ハウジング16は、医療グレードのプラスチック材料から製造することができ、又は、ステンレス鋼などのその他の医療グレードの材料から製造することもできる。ハウジング16は、光源152などのハウジング16の内部又は上部に配置された任意の光源の視認性を向上するために、ハウジング16を通じた光の透過を容易にするように、透明又は半透明の材料から製造することができる。ハウジング16は、リード128及び側部ポート28などのように組織に係合することが意図されているものを除いて、その内部のコンポーネントを乾燥状態に保ち、センサモジュール12の環境と係合しないように封止することができる。
【0042】
回路基板140は、センサモジュール12の電気コンポーネントを電気的かつ構造的に結合するための構造的コンポーネントを備えることができる。例えば、回路基板140は、スイッチ146、プロセッサ142、メモリ144、センサ158A及び158B、等を結合するために電気的結合部がその上部に装着され得るシリコンウエハ又はチップを備えることができる。
【0043】
プロセッサ142は、I/O装置(入出力装置)148、通信装置156、及びセンサ158A及び158Bなどのセンサモジュール12のコンポーネントの作動を制御する集積回路を備えることができる。プロセッサは、センサ158A及び158Bなどのセンサモジュール12のコンポーネントを作動させるために、メモリ144内に記憶されている命令を実行することができる。
【0044】
メモリ144は、不揮発性メモリ、磁気メモリ、フラッシュメモリ、揮発性メモリ、プログラム可能な読み出し専用メモリ、及びこれらに類似したものなどの任意の適切なストレージ装置を備えることができる。メモリ144は、センサモジュール12の作動を制御するためにその内部において保存されているプロセッサ142用の命令を含むことができる。例えば、メモリ144は、入出力装置148、通信装置156、センサ158A及び158Bを動作させるための、並びに、センサモジュール12及びセンサモジュール132からの出力を調整するための、命令を含むことができる。これに加えて、メモリ144は、骨セメントが硬化されている又は硬化されていない場合、又は、充電式電源150Bが充電されている又は充電されていない場合などの閾値条件といった、センサ158A及び158Bからのデータを比較するための参照データを含むこともできる。
【0045】
スイッチ146は、電源150A及び150Bからの電力をセンサ158A及び158Bなどに供給するためのオン/オフスイッチを備えることができる。スイッチ146は、開路又は閉路状態の間において遷移する際の「代替動作」スイッチを備えることができる。代替動作スイッチにおいては、連続的な「オン」又は「オフ」動作のためにスイッチを反転させることができる。スイッチ146は、トグルスイッチ、ナイフスイッチ、リレー、又は押しボタンスイッチを備えることができる。実施例において、センサモジュール12は、スイッチを含んではおらず、かつ、センサモジュール12は、一次電源150A及び充電式電源150Bの一方が少なくとも部分的に電荷を有している限り、電力供給することができる。
【0046】
入出力装置148は、センサモジュール12のユーザーからの入力を受け取り、これに対して出力を送信するための1つ又は複数の装置を備えることができる。センサモジュール12からの情報を操作し、これから情報を取得するために、入出力装置148は、ボタン、ノブ、ダイアル、及びこれらの類似したものを備えることができる。実施例において、入出力装置148を省略することが可能であり、センサモジュール12は、センサモジュール12を作動させるためにインテロゲーション装置160と通信することができる。
【0047】
通信装置156は、様々な信号を介して、インテロゲーション装置160から入力を受け取るために、又は、出力をインテロゲーション装置160に提供するために、1つ又は複数の装置を備えることができる。通信装置156は、信号162をインテロゲーション装置160に提供することができる。その後に、インテロゲーション装置160は、例えば、ビデオ表示モニタなどのヒューマンインターフェイス装置164上において、センサモジュール12からの情報の通知を表示することができる。インテロゲーション装置160は、外科医などのインテロゲーション装置160のユーザーから入力を受け取り、これに対して出力を送信するために、入出力装置166を更に備えることができる。
【0048】
通信装置156は、メモリ144上において情報を保存するために、又は、スイッチ146、センサ158A及び158B、通信装置156、出力装置152及び154、並びに、センサモジュール12のその他のコンポーネントを作動させるための情報をプロセッサ142に提供するために、インテロゲーション装置160から信号162を受け取ることができる。実施例において、通信装置156は、Bluetooth(登録商標)、WiFi、Zigbee(登録商標)、赤外線(IR)、近距離通信(NFC)、3GPP(登録商標)、又はその他の技術などの無線通信信号を使用して通信することができる。実施例において、通信装置156は、有線接続を有することが可能であり、又は、有線接続用のワイヤを受け入れるためのポートを含むことができる。
【0049】
通信装置156は、アンテナリレー180と組み合わせて使用することができる。アンテナリレー180は、センサモジュール12と皮膚との間の組織内において配置され得る独立的に埋植可能なコンポーネントを備えることができる。アンテナリレー180は、センサモジュール12及び整形外科インプラントのそれぞれから結合解除することができる。このように、アンテナリレー180は、通信装置156のネイティブな通信能力が、より強力な信号により、患者の外側において強化又は中継されることを可能にするために仲介装置を備えることができる。アンテナリレー180には、センサモジュール12からの信号を受け取りかつ再ブロードキャストするために、インテロゲーション装置160からの電力によってエネルギー供給することができる。
【0050】
電源152Aは、アルカリ又は亜鉛マンガン電池などの電気化学セルを含む電池などのエネルギーストレージ装置を備えることができる。実施例において、電源152Aは、一次、即ち、非充電式の、電池を備えることができる。
【0051】
電源152Bは、充電式電池を備えることができる。電源152Bは、リード168を備えることができる。リード168は、電源152Bを充電するための導体を提供することができる。これに加えて、電源152Bは、誘電充電などを介した非接触充電のために構成することもできる。
【0052】
電源152A及び152Bは、センサモジュール12の様々なコンポーネントに電力を提供するように構成することができる。一次電池又は電源152Aは、長期の電池電力を提供することが可能であり、かつ、センサモジュール12の寿命にわたって低頻度のセンサ動作に対して電力を提供することができる。充電式電池又は電源152Bは、短期の電池電力を提供することが可能であり、かつ、術後のリハビリテーションの一部分として実施される体操の際などの短い持続時間の高頻度のセンサ作動を提供することができる。センサモジュール12は、電源152A及び152Bのそれぞれの1つ又は複数を含むことができる。
【0053】
出力装置152は、白熱電球、発光ダイオード、及びこれらに類似したものなどの光波170を生成するための1つ又は複数の装置を備えることができる。実施例において、出力装置152は、異なる色又は波長の光を放出するように構成することができる。出力装置152は、センサモジュール12が能動的な検知などの様々な機能を実行している際の視覚的表示を提供することができる。例えば、出力装置152は、操作者がセンサモジュール12の異なる機能が実行されていること又は通信の喪失又はセンサモジュール12の誤動作が発生していることを確認し得るように、オレンジ色、黄色、及び緑色の光を放出するように構成することができる。
【0054】
出力装置154は、音波又は振動波などの波172を生成するなどのために装置を含む又は備えることができる。一実施例において、出力装置154は、センサモジュール12がインテロゲーション装置160との通信状態にあることを通知するように、可聴信号又はサウンドを生成するためのスピーカ又は増幅器などの聴覚装置を備えることができる。その他の実施例において、出力装置154は、外科医、インテロゲーション装置160の操作者、又は患者によって感じ取られ得る振動を生成するための往復運動又は発振装置などの触覚装置を備えることができる。例えば、波172は、インテロゲーション装置160において外科医によって着用された、波172を受け取った際に振動し得る装置と通信することができる。
【0055】
センサ158A及び158Bは、温度計、pH、力、振動、打撃、位置、モーション、静電容量、コンダクタンス、インピーダンス、及びこれらに類似したものなどの様々な異なるセンサを備えることができる。センサ158A及び158Bの1つのみがセンサモジュール12内に含まれることも可能であり、又は、3つ以上のセンサがセンサモジュール12内に含まれることも可能である。センサ158A及び158Bは、図6を参照して記述されているように、モジュラー型であり得る。センサ158A及び158Bは、リード128内に内蔵(例えば、一緒に延在)することができるリード174及び176をそれぞれ含むことができる。リード174及び176は、ハウジング16の外側におけるリモート検知の能力を提供することができる。従って、リード128は、その他のものに加えて、パワー伝送、データ送信、及び信号送信に関係するその他のケーブル又はワイヤの束であるケーブルを備えることができる。
【0056】
本明細書において記述されているセンサモジュール12及びその他のセンサモジュールは、使い捨て、又は、再使用可能であり得る。本明細書において記述されているそれぞれのセンサモジュール12の製造の費用を低減するために、これらのそれぞれは、使い捨て物品として構成することができる。ハウジング16は、それぞれのコンポーネントがクリーニングされ得るように、アタッチメント装置14から分離可能であり得る。ハウジング16は、生物学的流体又はクリーニング流体がハウジング16内の電気コンポーネントに到達することを防止するために、1つ又は複数のシールを含むことができる。実施例において、本明細書において記述されている様々なハウジングは、その内部において配置された電気コンポーネントがモジュラー型コンポーネントを有し得るように、分離可能なサブコンポーネント又はサブハウジングを含むことができる。従って、センサモジュール12は、特定の処置にとって望ましいセンサ及び入出力装置のみを含むようにカスタマイズすることができる。
【0057】
図6は、その他のものに加えて、複数のモジュラー型コンポーネント202A-212Cによって組み立てられるように構成されたセンサモジュール200の概略図である。センサモジュール200は、第1のセンサ202A、第2のセンサ202B、第3のセンサ202C、一次電池204A、充電式電池204B、アンテナ206、電子ハブ208、通信装置210、アタッチメント装置212A、アタッチメント装置212B、及びアタッチメント装置212Cの1つ又は複数から製造することができる。図6については、例示用のモジュラーコンポーネントを参照して説明する。但し、図5の様々な要素などの本明細書において記述されているコンポーネントの任意のものは、独立したモジュラー型コンポーネントとして構成することができる。
【0058】
モジュラー型コンポーネント202A-212Cのそれぞれは、封止されたハウジング内において封入された独立したコンポーネントを備えることができる。それぞれの封止されたハウジングは、別のモジュラー型コンポーネントと通信するためのポートの第1及び第2のセットを備えることができる。ポートは、通信信号、データ信号、パワー信号、及びこれらに類似したものなどの電気信号を通信するように構成することができる。モジュラー型コンポーネント202A-212Cの別のものの端部に当接するように構成されたそれぞれのモジュラー型コンポーネント202A-212Cの端部は、例えば、生物学的又はクリーニング流体などの流体がこのようなポートの場所において当接しているモジュラー型コンポーネントの間に進入することを防止するように構成された1つ又は複数のシール要素を含むことができる。シールコンポーネントは、流体及び生体物質の漏出を防止するために隣接するモジュールの間において圧縮されるように構成された弾性材料から製造されたフランジ又はOリング又は閉鎖ループ封止体を備えることができる。コンポーネント202A-212Cのそれぞれは、ハウジング16を一緒に形成し得る個別のハウジングを含むことができる。
【0059】
電子ハブ208は、モジュラー型コンポーネント202A-212Cのそれぞれが一緒に機能することを可能にするためのコンポーネントを備えることができる。センサ202A-202Cは、手術手順において使用されるのに望ましい様々なセンサモジュールを備えることができる。実施例において、センサ202Aは、温度センサを有することが可能であり、センサ202Bは、力センサを有することが可能であり、かつ、センサ202Cは、pHセンサを有することができる。これに加えて、これらの及びその他のセンサは、位置センサ、加速度計、抵抗センサ、静電容量センサ、及びこれらに類似したものを備えることができる。
【0060】
図6のモジュラー型コンポーネントは、センサモジュール12及びセンサモジュール130が特定の用途ためにオーダーメイドされることを可能にすることができる。従って、特定の処置又は患者に必要とされているコンポーネントのみをその内部に内蔵することができる。例えば、温度センサは、骨セメントが補綴装置を埋植するための手術計画の一部分を構成していない場合には、省略することができる。
【0061】
図7は、センサシステム10を埋植し、整形外科インプラント40と連携してセンサデータを取得する方法300を示す概略線図である。ステップ302から326は、センサシステム10を参照して説明されているが、これに加えて、センサシステム130にも適用可能であり、この場合に、センサシステム10は、ステップ330及び332に対して適用可能である。同様に、ステップ302から332は、全人工膝関節形成を参照して説明されているが、人工股関節形成における寛骨臼カップインプラント、全人工肩関節形成における上腕骨幹及び関節窩コンポーネント、上腕骨トレイ、及びリバース型人工肩関節形成における関節窩ベースプレート及びグレノスフィア(glenosphere)コンポーネント、並びに、全人工足関節形成における脛骨及び距骨コンポーネントにも適用可能であり得る。
【0062】
ステップ302において、センサモジュール12をアタッチメント装置14と組み立てることができる。ハウジング16をソケット24内において着座させることができる。実施例において、ハウジング16は、分解を防止するために、ソケット24内にねじ込む又はスナップフィットすることができる。アタッチメント装置14は、処置のために選択された解剖学的特徴と嵌合及び係合するための形状ファクタ又は形状を有する外表面26の形状を有するように選択することができる。例えば、髄内管112又は122と嵌合するために、テーパー状又は円筒状に成形されたアタッチメント装置14を選択することができる。
【0063】
ステップ304において、挿入ポータルを患者内において生成することができる。例えば、脛骨106の近位端及び大腿骨104の遠位端を露出させるように、膝関節100(図4)内において切開を生成することができる。その後に、髄内管112を露出させるように、脛骨106の近位端を切除することが可能であり、かつ、髄内管122を露出させるように、大腿骨104の遠位端を切除することができる。これに加えて、挿入ポータル及び大腿骨104の切除は、ステップ330及び332においても実施され得る。
【0064】
ステップ306において、センサシステム10は、脛骨106の挿入ポータルを通じて押し込まれた後に、髄内管112内に挿入することができる。センサシステム10が解剖学的構造内において位置決めされた後に、データの収集及び外部装置へのデータの出力を開始するために、センサシステムを起動することができる。
【0065】
ステップ308において、センサモジュール12を固定するために、アタッチメント装置14を組織と係合させることができる。アタッチメント装置14は、皮質骨内にねじ込むことが可能であり、海綿骨内に押し込むことが可能であり、軟組織内に挿入することが可能であり、かつ、これらに類似した内容を実施することができる。例えば、ねじ山34を軟組織又は骨内にねじ込むことが可能であり、突出部38を軟組織又は骨内に突き入れることができる。一貫性のあるデータの収集を容易にするために、脛骨コンポーネント40に対して固定された位置において最終的に位置決めされるように、アタッチメント装置14を十分に固定させることができる。
【0066】
ステップ310において、挿入ポータルを通じて、脛骨トライアル装置を挿入し、髄内管112内において位置決めすることができる。脛骨トライアル装置は、補綴インプラントのフィット及びサイズが最終的に埋植される装置として選択されることを可能にする複数の増加的にサイズ設定された装置の1つを備えることができる。トライアル装置を十分に着座させるために、トライアル装置は、木槌、ハンマー、錘、及びこれらに類似したものなどの打撃装置によって打撃することができる。外科医は、通常、望ましい力を提供するために、感覚又は経験に基づいて木槌又はハンマーを手動的に動作させることができる。
【0067】
ステップ312において、センサモジュール12からの打撃データを取得することができる。例えば、センサモジュール12は、センサシステム10がインプラントから離隔するように構成されている際の実施例においては、脛骨トライアル装置から脛骨106を通じて振動、加速、及びこれらに類似したものを検知することができる。振動又は加速の大きさは、センサモジュール12内のセンサによって判定することができる。これに加えて、センサモジュール12は、センサシステム10がインプラントに当接するように構成されている際の実施例においては、脛骨トライアル装置を通じて打撃装置の直接的打撃(例えば、振動又は加速)を検知することができる。
【0068】
センサモジュール12内の通信装置は、振動の大きさをインテロゲーション装置160(図5)に送信することができる。インテロゲーション装置160は、振動データを力打撃読み取りに相関させることができるソフトウェアをその上部にインストールしておくことができる。さらなる実施例において、センサモジュール12は、インテロゲーション装置160への送信のために、未加工センサデータを力打撃読み取りに変換するように、それ自体を構成することができる。外科医は、脛骨トライアル装置が脛骨106を傷つけることなしにトライアル装置を十分に着座させるために十分な力によって打撃されたかどうかを判断できるように、インテロゲーション装置160上において力打撃読み取りを閲覧することができる。従って、外科医は、望ましい力レベルに到達する時点まで木槌又はハンマーによって脛骨トライアル装置を増加的に打撃することができる。インテロゲーション装置160は、十分な力又は過剰な力がインプラントに供給されたかどうかを外科医が判断することを支援することができる。例えば、インテロゲーション装置160は、過小、過大、又は十分な量の力が供給されたかどうかを外科医が評価することを可能にするための黄色、赤色、及び緑色光などのフォーマットにおいて力のレベルの視覚的又は聴覚的インジケータを提供することができる。実施例において、インテロゲーション装置160は、スマートフォンを備えることができる。センサモジュール12の動作又は複雑さは、通信している際にインテロゲーション装置160がセンサモジュール12の動作を実行するようにすることにより、低減することができる。従って、プロセッサ142及び/又は回路基板140によって実行されるものとして本明細書において記述されている機能のいくつかは、インテロゲーション装置160によって実行することができる。実施例において、センサモジュール12は、データを収集するように構成することが可能であり、インテロゲーション装置160は、データを収集及び処理するように構成することができる。さらなる実施例において、センサモジュール12には、インテロゲーション装置160によってそのように実行するように制御された際にのみデータを収集するように、命令することができる。
【0069】
実施例においては、ステップ310及び312を省略することが可能であり、かつ、整形外科インプラント装置を埋植するために、ステップ314を直接的に実行することができる。整形外科インプラント装置のサイズ及び形状は、術中の状態に基づいて更新され得る患者の撮像を含む術前手術計画から選択することができる。
【0070】
ステップ314において、トライアル装置によって突き止められたフィットにマッチングするように、選択された整形外科インプラントを埋植することができる。選択された整形外科インプラントの埋植は、ステップ312を参照して記述されているように、センサフィードバックを使用して実行することができる。選択された整形外科インプラントは、骨セメントによって脛骨106に付着させることができる。
【0071】
ステップ316において、脛骨コンポーネント40の埋植に関するフィードバックを得るために、センサモジュール12を使用することができる。例えば、ステップ314において使用されている骨セメントは、例えば、液体メチルメタクリレートモノマー及び粉末MMA-スチレンコポリマーなどの2つの構成成分から術中に形成することができる。これらの構成成分は、骨と補綴装置を相互結合するための硬化プロセスを経験するように、発熱反応を経験し得る。発熱反応は、熱を放出する可能性があり、この熱は、2つの構成成分が1つに十分に混合することの成功の通知であり、この成功の通知は、骨セメントが定位置において補綴コンポーネントを保持していることの有効性の通知であり得る。従って、センサモジュールは、骨セメントの硬化プロセスの監視を許容するために、骨セメント内の温度の大きさの出力を提供することができる。骨セメントの温度は、外科医による評価を可能にするように、視覚的フォーマットにおいてインテロゲーション装置160上において表示することができる。インテロゲーション装置160又はセンサモジュール12には、十分な硬化が発生したかどうかを判定する際にインテロゲーション装置160が外科医を支援し得るように、様々な骨セメントの有効硬化温度に関係するデータを提供することができる。
【0072】
ステップ318において、アンテナをセンサモジュール12から患者内の望ましい場所まで延長させることができる。実施例において、アンテナは、温度又はpH読み取りを取得することが望ましい場所又は骨の成長を刺激することが望ましい場所などのように、リードが整形外科インプラントの環境と係合することが望ましい選択された解剖学的構造に沿って延長させることができる。実施例において、アンテナは、ステップ316及び骨セメントの適用及び整形外科インプラントの完全な挿入の前に、膝関節から外に延長させることができる。リード128などのアンテナは、例えば、ステップ304において形成された挿入ポータルの外側の場所などの生体の外の(体外の)場所とのやり取りを容易にするために、ハウジング16から延在し得る。図5に示されているように、リード128は、電池、センサ、及び通信装置から延在する材料の1つ又は複数のストランドから構成することができる。充電ステーション又はインテロゲーション装置などの外部装置との間の相対的に良好なやり取りを可能にし、特定の解剖学的構造との間の相対的に良好なやり取りを可能にするために、アンテナは、皮膚の直下又は皮膚の下方の場所において位置決めすることができる。実施例において、センサモジュール12は、別個に埋植されたアンテナリレー180とあわせて使用することが可能であり、この場合に、組織内の深いところにおいて配置されたセンサモジュール12のハウジング16内のアンテナは、皮膚の直下において配置されているリレーアンテナを指し示すように配置することができる。このようなリード、アンテナ、及びアンテナリレーは、相対的に小さなセンササイズ及びセンサモジュール12からの相対的に強力な出力信号を容易にすることができる。
【0073】
ステップ320において、脛骨コンポーネント40が挿入された脛骨106内の挿入ポータルを閉鎖することができる。従って、脛骨コンポーネント40を患者の解剖学的構造内において封入することができる。さらには、これに加えて、センサシステム10を患者の解剖学的構造内において封入することもできる。実施例において、リード128は、閉鎖された挿入ポータルを通じて解剖学的構造の外側において位置決めすることができる。
【0074】
ステップ322において、脛骨コンポーネント40のエリア内における骨の成長を刺激するために、センサシステム10を使用することができる。例えば、骨の成長を刺激するために、リード128を通じて電流を流すことができる。実施例において、骨の成長は、リード128及び136を通じて電流を直接流すことにより、刺激することができる。これに加えて、リード128は、電磁電流搬送コイルとして使用することもできる。リード128は、Michelle Griffin及びArdeshir Bayat著の「Electrical Stimulation in Bone Healing: Critical Analysis by Evaluating Levels of Evidence」において記述されている方法を使用して骨の成長を刺激するために使用することができる。
【0075】
ステップ324において、センサデータをセンサモジュール12から取得することができる。センサモジュール12がこのようなパラメータを検知するように構成されている場合には、本明細書において参照されているセンサの任意のものからデータを取得することができる。このようなセンサデータは、脛骨コンポーネント40の有効性を評価するために使用することができる。これに加えて、センサモジュール12は、患者による使用の際に、例えば、脛骨コンポーネント40に印加されている力などの負荷データを収集するために使用することもできる。センサモジュール12は、インテロゲーション装置160に対する送信のためにリアルタイムデータを収集することができる。これに加えて、センサモジュール12は、後から単一ステップにおいてインテロゲーション装置160によってダウンロードされ得る所定の時間期間にわたる履歴データを保存することもできる。実施例において、センサモジュール12は、変形性関節症を評価するために膝関節100内の滑液のpHを検知するように構成することができる。
【0076】
ステップ326において、センサモジュール12内の電池を充電することができる。例えば、充電式電源150Bは、電源150Bが誘導などによって皮膚を通じて無線充電され得るように、充電ステーションの近傍において位置決めすることができる。実施例において、インテロゲーション装置160は、充電式電源150B用の充電能力を備えることができる。実施例において、充電式電源150B用のリード168を内蔵し得るリード128は、充電ステーションに、例えば、プラグ結合されるなどのように、接続することができる。さらなる実施例において、リード128は、例えば、充電式電源150Bの誘導充電を提供するために、無線充電ステーションの、例えば、これとの接触状態にあるなどのように、近傍において位置決めすることができる。
【0077】
これに加えて、ステップ326において又はインテロゲーション装置160がセンサモジュール12との間の通信状態となっているその他の時点において、ソフトウェア、ファームウェア、又はセンサモジュール12のその他の側面を更新又は調節することができる。例えば、センサモジュール12のデータ収集及び処理アルゴリズムは、患者プロファイルについて個人化されるように調節することができる。実施例においては、センサモジュール12が埋植される患者用の運動プロファイルを1つの要因として監視アルゴリズムに加えることができる。従って、相対的に活発な患者を相対的にあまり活発ではない患者よりも高頻度で監視することができよう。これに加えて、電池寿命を節約するために、データ収集を患者の活動に基づいて調節することもできる。また、センサモジュール12は、インテロゲーション装置160の支援を伴うことなしに患者の検知された活動に基づいて自己調節するように構成することもできる。このような個人化は、スマートフォンを使用することによるなどのように、患者により、インテロゲーション装置160によって実行することができる。センサインプラント12は、いくつかの患者用の更なるデータを収集するように、トリガすることが可能であり、従って、向上した又は個人化された監視がスマートフォンにおいて発生し得るであろう。しかしながら、セキュリティを目的として、更新は、医療施設などにおいてローカルに実行することが可能であり、かつ、セキュリティ及び更新保証の両方を内蔵することが可能であり、即ち、アップグレードが失敗した場合には、以前のインプラントソフトウェアを依然として再インストールすることができる。さらなる実施例において、センサモジュール12は、環境ファクタ(例えば、温度又は高度)又はその他の偏差を考慮した正しいローカルな尺度がキャプチャされていることを保証し得る自己較正計測を実行することができる。上述のように、センサモジュール12は、例えば、計測値が取得される頻度をユーザーの活動、センサ計測値の大きさの範囲に基づいて自己調節することができる。さらには、収集されたデータからノイズを除去などのために、プロセッサ142及びこれに類似したものにより、センサモジュール12内の不安定性の側面を自動安定化させることもできる。
【0078】
ステップ328において、センサモジュール12から得られた情報及びデータを使用に適したフォーマットにおいて出力することができる。実施例において、インテロゲーション装置は、センサデータに関係するテキスト又はグラフィカル情報若しくは標識をインテロゲーション装置160又は別の演算装置の表示画面又はグラフィカルユーザインターフェイス上において表示することができる。また、視覚、聴覚、及び触覚フィードバックをインテロゲーション装置160又は別の演算装置から提供することもできる。その他の実施例において、センサモジュール12は、それ自体が、グラフィカル情報、光、サウンド、又は振動の形態において出力を提供することができる。
【0079】
ステップ324から328は、補綴インプラントの性能又は関節の治癒及び機能を評価するためのフィードバックを得るために必要な又は望ましいだけの頻度で繰り返すことができる。
【0080】
ステップ330及び332は、ステップ302から320の第1の補綴インプラントとの関連において機能し得る第2の補綴インプラントを患者内に埋植するために実行することができる。
【0081】
ステップ330において、大腿骨104の挿入ポータルを通じた押し込みの後に、センサシステム130を髄内管122内に挿入することができる。同様に、センサモジュール132を固定するために、アタッチメント装置134を組織と係合させることができる。
【0082】
ステップ332において、挿入ポータルを通じて大腿骨トライアル装置を挿入し、髄内管122内において位置決めすることができる。センサモジュール132から打撃データを取得することができる。リード136などのアンテナは、例えば、予め形成された挿入ポータルの外側の位置などの身体外の位置とのやり取りを容易にするために、ハウジングから延在し得る。大腿骨コンポーネント108が挿入された大腿骨104内の挿入ポータルを閉鎖することができる。さらには、これに加えて、センサシステム130を患者の解剖学的構造内において封入することもできる。実施例においては、リード136を解剖学的構造の外側において位置決めすることができる。
【0083】
従って、ステップ324において、大腿骨コンポーネント108のエリア内において骨の成長を刺激するために、センサシステム130を使用することができる。センサデータをセンサモジュール12及び132から取得することができる。例えば、膝関節100との関係における脛骨コンポーネント40又は大腿骨コンポーネント108の運動に関する運動データを収集することができる。ステップ326において、センサモジュール130内の1つ又は複数の電池を充電することができる。
【0084】
本出願において記述されているシステム、装置、及び方法は、整形外科インプラントとの関連において検知能力を患者内に効率的かつ廉価に埋植する際に有用であり得る。モジュラー型のかつ一般的な検知モジュールを様々な解剖学的構造と共に使用されるように適合され得るアタッチメント装置と結合することができる。整形外科インプラントの解剖学的構造環境を検知するために、一般的なセンサモジュールと解剖学的構造固有のアタッチメント装置の組立体を整形外科インプラントの近傍において又はこれとの接触状態において患者内において埋植することができる。しかしながら、検知モジュールは、整形外科インプラント又はその周囲とのやり取りを許容するために整形外科インプラント上においてなんらの特別な機能を必要とし得ない。従って、検知モジュールは、整形外科インプラントとの関連を伴うことなしに又は相対的に乏しく伴うことにより、検知、パワー能力、及び通信能力を目的として具体的に適合させることができる。例えば、センサモジュールは、関節の関節結合動作からの打撃及び摩耗及び擦り切れに耐えるほどに丈夫である必要はなく、かつ、センサモジュールは、整形外科装置内において含まれることを必要としているセンサモジュールよりもサイズを増大させることができる。従って、センサモジュールは、安定したパワー能力を含むことが可能であり、かつ、より良好な生体外のやり取りを可能にするように延長装置(例えば、リード又はアンテナリレー)を含むことができる。
【0085】
(実施例)
実施例1は、患者の内部データを収集するための手術センサシステムであって、システムは、ハウジング及びハウジング内において配置されたセンサを有するセンサモジュールと、ハウジングを受け入れるためのソケット及びアタッチメント装置を生体物質に装着するための外部アンカー機構を有するアタッチメント装置と、を有する。
【0086】
実施例2において、実施例1の主題は、任意選択により、センサが温度センサを有することを含む。
【0087】
実施例3において、実施例1から実施例2の任意の1つ又は複数の実施例の主題は、任意選択により、センサがpHセンサを有することを含む。
【0088】
実施例4において、実施例1から実施例3の任意の1つ又は複数の実施例の主題は、任意選択により、センサが電気パラメータを検知するように構成されていることを含む。
【0089】
実施例5において、実施例1から実施例4の任意の1つ又は複数の実施例の主題は、任意選択により、センサモジュールが、ハウジング内において配置され、センサとの電子的通信状態にある通信装置を更に有し、通信装置は、ハウジングの外側においてセンサによって収集されたデータを送信するように構成されていることを含む。
【0090】
実施例6において、実施例5の主題は、任意選択により、通信装置が無線通信装置を有することを含む。
【0091】
実施例7において、実施例5から実施例6の任意の1つ又は複数の例の主題は、任意選択により、センサモジュールが、センサに接続され、ハウジングの外側から外部に延在するリードを更に有することを含む。
【0092】
実施例8において、実施例7の主題は、任意選択により、充電式電池を含む。
【0093】
実施例9において、実施例8の主題は、任意選択により、一次電池を含む。
【0094】
実施例10において、実施例8から実施例9の任意の1つ又は複数の実施例の主題は、任意選択により、リードが充電式電池用の充電ケーブルを有することを含む。
【0095】
実施例11において、実施例10の主題は、任意選択により、アタッチメント装置が、ソケットからアタッチメント装置の外部壁まで延在するセンサリードポートを更に有することを含む。
【0096】
実施例12において、実施例1から実施例11の任意の1つ又は複数の実施例の主題は、任意選択により、センサモジュールが、ハウジングの外側において配置された多孔質構造を更に有し、多孔質構造は、ハウジングに対する骨の内方成長を促進するように構成されていることを含む。
【0097】
実施例13において、実施例1から実施例12の任意の1つ又は複数の実施例の主題は、任意選択により、センサモジュールが、挿入ツールに係合するように構成されたインスツルメント機構を更に有することを含む。
【0098】
実施例14において、実施例13の主題は、任意選択により、インスツルメント機構は、ハウジングの近位部分に配置されたねじ山を有するシャフト又はハウジングの近位部分に配置された六角頭部を有することを含む。
【0099】
実施例15において、実施例1から実施例14の任意の1つ又は複数の実施例の主題は、任意選択により、センサモジュールがハウジングの外側に複数の固定機構を更に有することを含む。
【0100】
実施例16において、実施例15の主題は、任意選択により、複数の固定機構が細長いリブを有することを含む。
【0101】
実施例17において、実施例1から実施例16の任意の1つ又は複数の実施例の主題は、任意選択により、外部アンカー機構が、アンカー装置の周りにおいて延在するねじ山を有することを含む。
【0102】
実施例18において、実施例1から実施例17の任意の1つ又は複数の実施例の主題は、任意選択により、外部アンカー機構が、アンカー装置の外部壁から延在する突起を有することを含む。
【0103】
実施例19において、実施例1から実施例18の任意の1つ又は複数の実施例の主題は、任意選択により、アンカー機構が、骨の髄内管に係合するように構成されたテーパー状の本体部を有することを含む。
【0104】
実施例20において、実施例1から実施例19の任意の1つ又は複数の実施例の主題は、任意選択により、アタッチメント装置がPEEK又はポリエチレンから製造されていることを含む。
【0105】
実施例21において、実施例1から実施例20の任意の1つ又は複数の実施例の主題は、任意選択により、センサモジュールとは別個に埋植可能であるアンテナリレーを含む。
【0106】
実施例1は、整形外科インプラント装置と共に使用されるセンサモジュールを埋植する方法であり、方法は、患者の解剖学的構造内において挿入ポータルを生成するステップと、挿入ポータルに対する第1の位置において解剖学的構造内に第1のセンサモジュールを位置決めするステップと、整形外科インプラントがセンサモジュールから分離するように、挿入ポータルに対する第2の位置内において解剖学的構造内において整形外科インプラントを位置決めするステップと、を有する。
【0107】
実施例2において、実施例1の主題は、任意選択により、処置の間に、第1のセンサモジュールから出力を収集するステップを含む。
【0108】
実施例3において、実施例2の主題は、任意選択により、センサ出力が振動データを有することを含む。
【0109】
実施例4において、実施例3の主題は、任意選択により、整形外科インプラント、トライアルインプラント、又はインスツルメント上において打撃された力を判定するために第1のセンサモジュールの出力を使用するステップを含む。
【0110】
実施例5において、実施例2から実施例4の任意の1つ又は複数の例の主題は、任意選択により、センサ出力が温度データを有することを含む。
【0111】
実施例6において、実施例5の主題は、任意選択により、骨セメントの硬化を監視するために、整形外科インプラントに適用された骨セメントの温度を判定するように、第1のセンサモジュールの出力を使用するステップを含む。
【0112】
実施例7において、実施例1から実施例6の任意の1つ又は複数の実施例の主題は、任意選択により、解剖学的構造と係合するように構成されたアタッチメント装置と第1のセンサモジュールを結合するステップを含む。
【0113】
実施例8において、実施例7の主題は、任意選択により、解剖学的構造の皮質骨とアタッチメント装置を係合させるステップを含む。
【0114】
実施例9において、実施例7から実施例8の任意の1つ又は複数の実施例の主題は、任意選択により、解剖学的構造とアタッチメント装置のねじ山又は突出部を係合させるステップを含む。
【0115】
実施例10において、実施例1から実施例9の任意の1つ又は複数の実施例の主題は、任意選択により、患者の皮膚を通じて第1のセンサモジュールからリードを延在させるステップを含む。
【0116】
実施例11において、実施例10の主題は、任意選択により、解剖学的構造における骨の成長を刺激するためにリードを通じて電気を伝導するステップを含む。
【0117】
実施例12において、実施例10から実施例11の任意の1つ又は複数の実施例の主題は、任意選択により、リードを使用して第1のセンサモジュールの電池を充電するステップを含む。
【0118】
実施例13において、実施例1から実施例12の任意の1つ又は複数の実施例の主題は、任意選択により、第1のセンサモジュールとは反対側の関節の骨内において第2のセンサモジュールを埋植するステップを含む。
【0119】
実施例14において、実施例13の主題は、任意選択により、第2のセンサモジュール及び第1のセンサモジュールからの位置データを使用して解剖学的構造の関節用のモーションデータの範囲を分析するステップを含む。
【0120】
実施例15において、実施例1から実施例14の任意の1つ又は複数の実施例の主題は、任意選択により、センサモジュールが整形外科インプラントに接触していることを含む。
【0121】
実施例16において、実施例1から実施例15の任意の1つ又は複数の実施例の主題は、任意選択により、第1のセンサモジュール及び整形外科インプラントとは別個の解剖学的構造内において埋植されたアンテナリレーを通じて第1のセンサモジュールと通信するステップを含む。
【0122】
実施例1は、一緒に埋植された整形外科装置とは独立した解剖学的構造内において埋植されたセンサとリモートでやり取りする方法であって、方法は、整形外科装置が埋植されている第2の位置とは離隔した第1の位置において解剖学的構造内に埋植されたセンサモジュールとの間において通信リンクを確立するステップと、解剖学的構造内において整形外科装置の周囲環境とセンサとを係合させるステップと、通信リンクを介してセンサモジュールから周囲環境のパラメータに関係する信号を送信するステップと、インテロゲーション装置において信号を受け取るステップと、グラフィカルユーザインターフェイス上においてパラメータの標識を表示するステップと、を有する。
【0123】
実施例2において、実施例1の主題は、任意選択により、整形外科装置の周囲環境が骨セメントを含み、信号が骨セメントの温度を含むことを含む。
【0124】
実施例3において、実施例1から実施例2の任意の1つ又は複数の実施例の主題は、任意選択により、整形外科装置の周囲環境が滑液を含み、信号が滑液のpHレベルを含むことを含む。
【0125】
実施例4において、実施例1から実施例3の任意の1つ又は複数の実施例の主題は、任意選択により、整形外科装置の周囲環境が骨を含み、信号が骨を通じて伝達された力を含むことを含む。
【0126】
実施例5において、実施例1から実施例4の任意の1つ又は複数の実施例の主題は、任意選択により、整形外科装置の周囲環境が骨を含み、信号が骨の成長を刺激するための電流を含むことを含む。
【0127】
実施例6において、実施例1から実施例5の任意の1つ又は複数の実施例の主題は、任意選択により、センサモジュールから延在するリードケーブルを使用して整形外科装置の周囲環境とセンサとを係合させるステップを含む。
【0128】
実施例7において、実施例6の主題は、任意選択により、リードケーブルを通じてセンサモジュールの電池を充電するステップを含む。
【0129】
実施例8において、実施例1から実施例7の任意の1つ又は複数の実施例の主題は、任意選択により、リレーアンテナを通じてインテロゲーション装置において信号を受け取るステップを含む。
【0130】
これらの非限定的な実施例のそれぞれは、それ自体で成立することも可能であり、又は、その他の実施例の1つ又は複数との間の様々な順列又は組合せにおいて組み合わせることもできる。
【0131】
(様々な注記)
以上において詳述されている説明は、詳述されている説明の一部分を形成する添付図面に対する参照を含んでいる。図面は、例示を目的として、本発明が実施され得る特定の実施形態を示している。また、これらの実施形態は、本明細書においては、「実施例」と呼称されてもいる。このような実施例は、図示又は記述されているもの以外の要素を含むことができる。但し、本発明は、図示又は記述されている要素のみが提供されている実施例をも想定している。さらには、本発明者は、本明細書において図示又は記述されている特定の実施例(又は、その1つ又は複数の態様)との関係において又はその他の実施例(又は、その1つ又は複数の態様)との関係において図示又は記述されている要素(又は、その1つ又は複数の態様)の任意の組合せ又は順列を使用した実施例をも想定している。
【0132】
本明細書と引用によって包含された任意の文献の間において使用法が一貫性を有していない場合には、本明細書における使用法が優先する。
【0133】
本明細書において使用されている「1つの(a)」又は「1つの(an)」という用語は、特許文献において一般的であるように、「少なくとも1つ」又は「1つ又は複数」の任意のその他の実施例又は使用法とは無関係に、1つ又は複数を含む。本明細書において、「又は(or)」という用語は、そうではない旨が通知されていない限り、非排他的を意味するように、又は、「A又はB」が「BではなくA」、「AではなくB」、及び「A及びB」を含むように、使用されている。本明細書において、「含む(including)」及び「~である場合に(in which)」という用語は、「有する(comprising)」及び「~である場合に(Wherein)」という個々の用語の平気な英語の均等物として使用されている。また、添付の請求項において、「含む(including)」及び「有する(comprising)」という用語は、オープンエンド型であり、即ち、請求項においてこのような用語の後に列挙されているもの以外の要素を含むシステム、装置、物品、組成、フォーミュレーション、又はプロセスが依然としてその請求項の範囲に含まれるものと考えられている。さらには、添付の請求項において、「第1の(first)」、「第2の(second)」、及び「第3の(third)」、などの用語は、ラベルとして使用されているものに過ぎず、かつ、それらの物体に対して数値的要件を課すことを意図したものではない。
【0134】
本明細書において記述されている方法例は、少なくとも部分的に機械又はコンピュータ実装することができる。いくつかの実施例は、上述の実施例において記述されているように方法を実行するために電子装置を構成するように動作可能である命令によってエンコーディングされたコンピュータ可読媒体又は機械可読媒体を含むことができる。このような方法の実装形態は、マイクロコード、アセンブリ言語コード、相対的にハイレベルな言語コード、又はこれらに類似したものなどのコードを含むことができる。このようなコードは、様々な方法を実行するためのコンピュータ可読命令を含むことができる。コードは、コンピュータプログラムプロダクトの一部分を形成し得る。さらには、一実施例において、コードは、実行の際又はその他の時点などにおいて、1つ又は複数の揮発性の、一時的ではない、又は不揮発性の有体のコンピュータ媒体上において有体的に保存することができる。これらの有体のコンピュータ可読媒体の例は、限定を伴うことなしに、ハードディスク、着脱自在の磁気ディスク、着脱自在の光ディスク(例えば、コンパクトディスク及びデジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカード又はスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、及びこれらに類似したものを含むことができる。
【0135】
上述の説明は、限定ではなく、例示を目的としている。例えば、上述の実施例(又は、その1つ又は複数の態様)は、互いとの組合せにおいて使用することができる。その他の実施形態も、上述の説明を検討した際に当業者などによって使用することができる。「要約」は、読者が技術的開示の特性を迅速に特定することを許容するために、米国特許法施行規則第1.72条(b)に準拠するように提供されている。これは、請求項の範囲又は意味を解釈又は限定するために使用されることがないという理解の下に提出されている。また、上述の「発明を実施するための形態」においては、本開示を合理化するために、様々な特徴が1つにグループ化されている場合がある。これは、特許請求されていない開示されている特徴が任意の請求項にとって不可欠であることを意図したものとして解釈してはならない。むしろ、発明主題は、特定の開示されている実施形態のすべての特徴未満において存在し得る。従って、添付の請求項は、これにより、例示又は実施形態として「発明を実施するための形態」に内蔵されており、この場合に、それぞれの請求項は、別個の実施形態としてそれ自体において成立し、かつ、このような実施形態は、様々な組合せ又は順列において互いに組み合わせられ得るものと想定されている。発明の範囲は、このような請求項に付与される均等物の全体範囲と共に、添付請求項を参照して判断することを要する。
図1
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図5
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図7
【国際調査報告】