(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】ラクトバチルス菌由来細胞外小胞及びその用途
(51)【国際特許分類】
A61K 35/12 20150101AFI20240517BHJP
A61K 35/747 20150101ALI20240517BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20240517BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20240517BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240517BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20240517BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20240517BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240517BHJP
A61P 1/02 20060101ALI20240517BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20240517BHJP
A61P 17/14 20060101ALI20240517BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20240517BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20240517BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20240517BHJP
A61K 9/72 20060101ALI20240517BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240517BHJP
A61K 8/99 20170101ALI20240517BHJP
A61Q 19/08 20060101ALI20240517BHJP
A61Q 7/00 20060101ALI20240517BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20240517BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20240517BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20240517BHJP
A23L 33/135 20160101ALI20240517BHJP
【FI】
A61K35/12
A61K35/747
A61P37/02
A61P37/08
A61P17/00
A61P3/10
A61P19/02
A61P25/00
A61P1/02
A61P17/06
A61P17/14
A61P1/00
A61P1/16
A61P15/00
A61K9/72
A61P35/00
A61K8/99
A61Q19/08
A61Q7/00
A61P3/04
A61P3/06
A61P9/10 101
A23L33/135
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574569
(86)(22)【出願日】2022-05-31
(85)【翻訳文提出日】2023-12-12
(86)【国際出願番号】 KR2022007786
(87)【国際公開番号】W WO2022255795
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】10-2021-0072078
(32)【優先日】2021-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0186256
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516348577
【氏名又は名称】エムディー ヘルスケア インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MD HEALTHCARE INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ユン-クン
【テーマコード(参考)】
4B018
4C076
4C083
4C087
【Fターム(参考)】
4B018LB01
4B018LB02
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4C076AA93
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4C087ZA89
4C087ZA92
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4C087ZB13
4C087ZB26
4C087ZB33
4C087ZC21
4C087ZC33
4C087ZC35
(57)【要約】
【要約】
本発明は、ラクトバチルス菌由来細胞外小胞を有効成分として含む免疫及び代謝機能障害による疾患予防または治療用組成物などに関し、本発明によるラクトバチルス菌由来小胞は我々の体に吸収された後、主要臓器に分布し、細胞に吸収された後、小器官(organelle)に移動し、炎症反応の核心シグナルであるNF-κBシグナル伝達を抑制することにより炎症反応を調節しうる。さらに、本発明による小胞は、ATP産生がよく起こらない代謝ストレス状況において、AMPKシグナルを活性化して代謝ストレス状況における細胞の生存力を増加させるため、免疫機能または代謝機能障害による疾患の改善、予防、または治療するための医薬品または健康機能食品などの開発に有用に利用できるものと期待される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む、免疫機能または代謝機能障害による疾患予防または治療用薬学的組成物。
【請求項2】
前記免疫機能または代謝機能障害による疾患は、免疫疾患(immune disease)、代謝疾患(metabolic disease)、及び悪性疾患(malignant disease)からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項3】
前記免疫機能または代謝機能障害による疾患は、アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis)、乾癬(psoriasis)、ニキビ(acne)、及び脱毛症(alopecia)からなる群から選ばれる少なくとも1つの皮膚疾患と、
歯肉炎(gingivitis)、及び歯周炎(periodontitis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの口腔疾患、
胃炎(gastritis)、消化性潰瘍(peptic ulcer)、セリアック病(celiac disease)、食物アレルギー(food allergy)、及び炎症性大腸炎(inflammatory bowel disease)からなる群から選ばれる少なくとも1つの消化管疾患、
非アルコール性脂肪性肝炎(non-alcoholic steatohepatitis,NASH)、アルコール性脂肪性肝炎(alcoholic steatohepatitis)、肝硬変(liver cirrhosis)、胆道炎(cholangitis)、胆嚢炎(cholecystitis)、及び膵炎(pancreatitis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの肝臓-胆道-膵臓疾患と、
鼻炎(rhinitis)、及び副鼻腔炎(sinusitis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの鼻疾患、
喘息(asthma)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺炎(pneumonia)、慢性間質性肺炎(chronic interstitial pneumonitis)、及び肺線維症(pulmonary fibrosis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの肺疾患、
動脈硬化症(atherosclerosis)、狭心症(angina)、代謝症候群(metabolic syndrome)、血栓塞栓症(thromboembolism)、心筋梗塞(myocardial infarction)、心筋症(cardiomyopathy)、及び脳卒中(stroke)からなる群から選ばれる少なくとも1つの心血管疾患、
関節リウマチ(rheumatoid arthritis)、骨関節炎(osteoarthritis)、痛風(gout)、筋減少症(sarcopenia)、及び骨粗しょう症(osteoporosis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの筋骨格系疾患、
アルツハイマー病(Alzheimers disease)、血管性認知症(vascular dementia)、パーキンソン病(Parkinsons disease)、筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis)、ハンチントン病(Huntingtons disease)、てんかん(epilepsy)、多発性硬化症(multiple sclerosis)、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy)、糖尿病性神経障害(diabetic neuropathy)、自閉性障害(autism spectrum disorder)、注意力欠乏過剰行動障害(attention deficit hyperactivity syndrome)、うつ病障害(depressive disorder)、双極性障害(bipolar disorder)、不安障害(anxiety disorder)、統合失調症(schizophrenia)、強迫障害(obsessive compulsive disorder)、心的外傷後ストレス障害(post-traumatic stress disorder)、解離性障害(dissociative disorder)、摂食障害(eating disorder)、物質使用障害(substance use disorder)、及び性格障害(personality disorder)からなる群から選ばれる少なくとも1つの神経精神疾患、及び
黄斑変性(macular degeneration)、糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)、緑内障(glaucoma)、白内障(cataract)、及び眼球乾燥症(dry eye)からなる群から選ばれる少なくとも1つの眼疾患からなる群から選ばれる少なくとも一つであること特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項4】
前記免疫疾患は、ウイルス感染、及び細菌感染からなる群から選ばれる少なくとも1つの感染性疾患、
アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、喘息、過敏性肺炎、食品アレルギー、及びアナフィラキシーからなる群から選ばれる少なくとも1つのアレルギー疾患、及び
全身性紅斑性嚢胞、関節リウマチ、多発性硬化症、及びベーチェット病からなる群から選ばれる少なくとも1つの自己免疫疾患からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項2に記載の薬学的組成物。
【請求項5】
前記代謝疾患は、糖尿病、代謝症候群、脂質代謝異常、動脈硬化症、及び肥満からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項2に記載の薬学的組成物。
【請求項6】
前記悪性疾患は、肺がん、頭頸部がん、食道がん、胃がん、大腸がん、結腸がん、肝臓がん、胆管がん、膵臓がん、乳がん、卵巣がん、腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん、甲状腺がん、脳腫瘍、骨肉腫、血液がん、及びリンパ腫からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項2に記載の薬学的組成物。
【請求項7】
前記免疫機能または代謝機能障害による疾患は、inducible NO synthase(iNOS)によって媒介される疾患であることを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項8】
前記免疫機能または代謝機能障害による疾患は、TNF-αまたはIL-6によって媒介される疾患であることを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項9】
前記ラクトバチルス菌は、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・アセトトレランス(Lactobacillus acetotolerans)、ラクトバシラス・アシジプリナ(Lactobacillus acidifarinae)、ラクトバチルス・アシジピシス(Lactobacillus acidipiscis)、ラクトバチルス・アギリス(Lactobacillus agilis)、ラクトバチルス・アルギドゥス(Lactobacillus algidus)、ラクトバチルス・アリモンタラス(Lactobacillus alimentarus)、ラクトバチルス・アミロリティクス(Lactobacillus amylolyticus)、ラクトバチルス・アミロトロピクス(Lactobacillus amylotrophicus)、ラクトバチルス・アミロボラス(Lactobacillus amylovorus)、ラクトバチルス・アニマリス(Lactobacillus animalis)、ラクトバチルス・アントリー(Lactobacillus antri)、ラクトバチルス・アポデミ(Lactobacillus apodemi)、ラクトバチルス・アビアリウス(Lactobacillus aviarius)、ラクトバチルス・バイファーメンタンス(Lactobacillus bifermentans)、ラクトバチルス・ボンビコラ(Lactobacillus bombicola)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)、ラクトバチルス・カメリア(Lactobacillus camelliae)、ラクトバチルス・カセイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・カテナフォルミス(Lactobacillus catenaformis)ラクトバチルス・セッティ(Lactobacillus ceti)、ラクトバチルス・コレオホミニス(Lactobacillus coleohominis)、ラクトバチルス・コリノイデス(Lactobacillus collinoides)、ラクトバチルス・コンポスティ(Lactobacillus composti)、ラクトバチルス・コンカブース(Lactobacillus concavus)、ラクトバチルス・コリニフォルミス(Lactobacillus coryniformis)ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバチルス・クラストルム(Lactobacillus crustorum)、ラクトバチルス・カルバタス(Lactobacillus curvatus)、ラクトバチルス・デルブルエッキイー(Lactobacillus delbruecki)、ラクトバチルス・デキストリニクス(Lactobacillus dextrinicus)、ラクトバチルス・ディオリボランス(Lactobacillus diolivorans)、ラクトバチルス・エクイ(Lactobacillus equi)、ラクトバチルス・エクイジェネロシ(Lactobacillus equigenerosi)、ラクトバチルス・ファラギニス(Lactobacillus farraginis)、ラクトバチルス・ファルシミニス(Lactobacillus farciminis)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・フォルニカリス(Lactobacillus fornicalis)、ラクトバチルス・フルクチボランス (Lactobacillus fructivorans)、ラクトバチルス・フルメンティ(Lactobacillus frumenti)、ラクトバチルス・フチエンシス(Lactobacillus fuchuensis)ラクトバチルス・ガリナルム(Lactobacillus gallinarum)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・ガストリクス(Lactobacillus gastricus)、ラクトバチルス・ガネンシス(Lactobacillus ghanensis)、ラクトバチルス・グラミニス(Lactobacillus gramminis)、ラクトバチルス・ハメシー(Lactobacillus hammesii)、ラクトバチルス・ハムステリ(Lactobacillus hamsteri)、ラクトバチルス・ハルビネンシス(Lactobacillus harbinensis)、ラクトバチルス・ハヤキテンシス(Lactobacillus hayakitensis)、ラクトバチルス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・ヒルガルジ(Lactobacillus hilgardii)、ラクトバチルス・ホモヒオチ(Lactobacillus homohiochii)、ラクトバチルス・イネルス(Lactobacillus iners)、ラクトバチルス・イングルビエイ(Lactobacillus ingluviei)、ラクトバチルス・インテスチナリス(Lactobacillus intestinalis)、ラクトバチルス・ジェンセニ(Lactobacillus jenseni)、ラクトバチルス・ジョンソニ(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・カリキセンシス(Lactobacillus kalixensis)、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)、ラクトバチルス・ケフィリ(Lactobacillus kefiri)、ラクトバチルス・キムチ(Lactobacillus kimchii)、ラクトバチルス・キタサトニス(Lactobacillus kitasatonis)、ラクトバチルス・クンケエイ(Lactobacillus kunkeei)、ラクトバチルス・レイチマンニ(Lactobacillus leichmannii)、ラクトバチルス・リンデリ(Lactobacillus lindneri)、ラクトバチルス・マレフェルメンタンス(Lactobacillus malefermentans)、ラクトバチルス・マリ(Lactobacillus mali)、ラクトバチルス・マニホチボランス(Lactobacillus manihotivorans)、ラクトバチルス・ミンデンシス(Lactobacillus mindensis)、ラクトバチルス・ムコサエ(Lactobacillus mucosae)、ラクトバチルス・ムリヌス(Lactobacillus murinus)、ラクトバチルス・ナゲリ(Lactobacillus nagelii)、ラクトバチルス・ナムレンシス(Lactobacillus namurensis)、ラクトバチルス・ナンテシス(Lactobacillus nantensis)、ラクトバチルス・オリゴフェルメンタンス(Lactobacillus oligofermentans)、ラクトバチルス・オリス(Lactobacillus oris)、ラクトバチルス・パニス(Lactobacillus panis)、ラクトバチルス・パンセリス(Lactobacillus pantheris)、ラクトバチルス・パラブレビス(Lactobacillus parabrevis)、ラクトバチルス・パラブチネリ(Lactobacillus parabuchneri)、ラクトバチルス・パラコリノイデス(Lactobacillus paracollinoides)、ラクトバチルス・パラファラギニス(Lactobacillus parafarraginis)、ラクトバチルス・パラケフィリ(Lactobacillus parakefiri)、ラクトバチルス・パラリメンタリウス(Lactobacillus paralimentarius)、ラクトバチルス・パラプランタラム(Lactobacillus paraplantarum)、ラクトバチルス・ペントサス(Lactobacillus pentosus)、ラクトバチルス・ペロレンス(Lactobacillus perolens)、ラクトバチルス・ポンティス(Lactobacillus pontis)、ラクトバチルス・プロテクタス(Lactobacillus protectus)、ラクトバチルス・プシタチ(Lactobacillus psittaci)、ラクトバチルス・レニニ(Lactobacillus rennini)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・リマエ(Lactobacillus rimae)、ラクトバチルス・ロゴサエ(Lactobacillus rogosae)、ラクトバチルス・ロシアエ(Lactobacillus rossiae)、ラクトバチルス・ルミニス(Lactobacillus ruminis)、ラクトバチルス・サエリムネリ(Lactobacillus saerimneri)、ラクトバチルス・サケイ(Lactobacillus sakei)、ラクトバチルス・サリバリウス(Lactobacillus salivarius)、ラクトバチルス・サンフランシスセンシス(Lactobacillus sanfranciscensis)、ラクトバチルス・サツメンシス(Lactobacillus satsumensis)、ラクトバチルス・セカリフィルス(Lactobacillus secaliphilus)、ラクトバチルス・シャーペアエ(Lactobacillus sharpeae)、ラクトバチルス・シリギニス(Lactobacillus siliginis)、ラクトバチルス・スフィチェリ(Lactobacillus spicheri)、ラクトバチルス・スエビカス(Lactobacillus suebicus)、ラクトバチルス・サイランデンシス(Lactobacillus thailandensis)、ラクトバチルス・ウルツネンシス(Lactobacillus ultunensis)、ラクトバチルス・バクシノステルカス(Lactobacillus vaccinostercus)、ラクトバチルス・バギナリス(Lactobacillus vaginalis)、ラクトバチルス・ヴェルスモルデンシス(Lactobacillus versmoldensis)、ラクトバチルス・ビニ(Lactobacillus vini)、ラクトバチルス・ビツリナス(Lactobacillus vitulinus)、ラクトバチルス・ゼアエ(Lactobacillus zeae)、及びラクトバチルス・ジマエ(Lactobacillus zymae)からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項10】
前記小胞は、平均直径が10~300nmであることを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項11】
前記小胞は、ラクトバチルス菌から自然的に分泌または人工的に生産されることを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項12】
前記小胞は、ラクトバチルス菌の培養液またはラクトバチルス菌を添加して培養した食品から分離されたことを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項13】
ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む、免疫機能または代謝機能障害による疾患または老化予防または改善用食品組成物。
【請求項14】
前記免疫機能または代謝機能障害による疾患は、免疫疾患(immune disease)、代謝疾患(metabolic disease)、及び悪性疾患(malignant disease)からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項13に記載の食品組成物。
【請求項15】
前記免疫機能または代謝機能障害による疾患は、アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis)、乾癬(psoriasis)、ニキビ(acne)、及び脱毛症(alopecia)からなる群から選ばれる少なくとも1つの皮膚疾患、
歯肉炎(gingivitis)、及び歯周炎(periodontitis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの口腔疾患、
胃炎(gastritis)、消化性潰瘍(peptic ulcer)、セリアック病(celiac disease)、食物アレルギー(food allergy)、及び炎症性大腸炎(inflammatory bowel disease)からなる群から選ばれる少なくとも1つの消化管疾患、
非アルコール性脂肪性肝炎(non-alcoholic steatohepatitis,NASH)、アルコール性脂肪性肝炎(alcoholic steatohepatitis)、肝硬変(liver cirrhosis)、胆道炎(cholangitis)、胆嚢炎(cholecystitis)、及び膵炎(pancreatitis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの肝臓-胆道-膵臓疾患、
鼻炎(rhinitis)、及び副鼻腔炎(sinusitis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの鼻疾患、
喘息(asthma)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺炎(pneumonia)、慢性間質性肺炎(chronic interstitial pneumonitis)、及び肺線維症(pulmonary fibrosis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの肺疾患、
動脈硬化症(atherosclerosis)、狭心症(angina)、代謝症候群(metabolic syndrome)、血栓塞栓症(thromboembolism)、心筋梗塞(myocardial infarction)、心筋症(cardiomyopathy)、及び脳卒中(stroke)からなる群から選ばれる少なくとも1つの心血管疾患、
関節リウマチ(rheumatoid arthritis)、骨関節炎(osteoarthritis)、痛風(gout)、筋減少症(sarcopenia)、及び骨粗しょう症(osteoporosis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの筋骨格系疾患、
アルツハイマー病(Alzheimers disease)、血管性認知症(vascular dementia)、パーキンソン病(Parkinsons disease)、筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis)、ハンチントン病(Huntingtons disease)、てんかん(epilepsy)、多発性硬化症(multiple sclerosis)、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy)、糖尿病性神経障害(diabetic neuropathy)、自閉性障害(autism spectrum disorder)、注意力欠乏過剰行動障害(attention deficit hyperactivity syndrome)、うつ病障害(depressive disorder)、双極性障害(bipolar disorder)、不安障害(anxiety disorder)、統合失調症(schizophrenia)、強迫障害(obsessive compulsive disorder)、心的外傷後ストレス障害(post-traumatic stress disorder)、解離性障害(dissociative disorder)、摂食障害(eating disorder)、物質使用障害(substance use disorder)、及び性格障害(personality disorder)からなる群から選ばれる少なくとも1つの神経精神疾患、及び
黄斑変性(macular degeneration)、糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)、緑内障(glaucoma)、白内障(cataract)、及び眼球乾燥症(dry eye)からなる群から選ばれる少なくとも1つの眼疾患からなる群から選ばれる少なくとも1つであること特徴とする、請求項13に記載の食品組成物。
【請求項16】
前記免疫疾患は、ウイルス感染、及び細菌感染からなる群から選ばれる少なくとも1つの感染性疾患、
アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、喘息、過敏性肺炎、食品アレルギー、及びアナフィラキシーからなる群から選ばれる少なくとも1つのアレルギー疾患、及び
全身性紅斑性嚢胞、関節リウマチ、多発性硬化症、及びベーチェット病からなる群から選ばれる少なくとも1つの自己免疫疾患からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項14に記載の食品組成物。
【請求項17】
前記代謝疾患は、糖尿病、代謝症候群、脂質代謝異常、動脈硬化症、及び肥満からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項14に記載の食品組成物。
【請求項18】
前記悪性疾患は、肺がん、頭頸部がん、食道がん、胃がん、大腸がん、結腸がん、肝臓がん、胆管がん、膵臓がん、乳がん、卵巣がん、腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん、甲状腺がん、脳腫瘍、骨肉腫、血液がん、及びリンパ腫からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項14に記載の食品組成物。
【請求項19】
前記ラクトバチルス菌は、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・アセトトレランス(Lactobacillus acetotolerans)、ラクトバシラス・アシジプリナ(Lactobacillus acidifarinae)、ラクトバチルス・アシジピシス(Lactobacillus acidipiscis)、ラクトバチルス・アギリス(Lactobacillus agilis)、ラクトバチルス・アルギドゥス(Lactobacillus algidus)、ラクトバチルス・アリモンタラス(Lactobacillus alimentarus)、ラクトバチルス・アミロリティクス(Lactobacillus amylolyticus)、ラクトバチルス・アミロトロピクス(Lactobacillus amylotrophicus)、ラクトバチルス・アミロボラス(Lactobacillus amylovorus)、ラクトバチルス・アニマリス(Lactobacillus animalis)、ラクトバチルス・アントリー(Lactobacillus antri)、ラクトバチルス・アポデミ(Lactobacillus apodemi)、ラクトバチルス・アビアリウス(Lactobacillus aviarius)、ラクトバチルス・バイファーメンタンス(Lactobacillus bifermentans)、ラクトバチルス・ボンビコラ(Lactobacillus bombicola)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)、ラクトバチルス・カメリア(Lactobacillus camelliae)、ラクトバチルス・カセイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・カテナフォルミス(Lactobacillus catenaformis)ラクトバチルス・セッティ(Lactobacillus ceti)、ラクトバチルス・コレオホミニス(Lactobacillus coleohominis)、ラクトバチルス・コリノイデス(Lactobacillus collinoides)、ラクトバチルス・コンポスティ(Lactobacillus composti)、ラクトバチルス・コンカブース(Lactobacillus concavus)、ラクトバチルス・コリニフォルミス(Lactobacillus coryniformis)ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバチルス・クラストルム(Lactobacillus crustorum)、ラクトバチルス・カルバタス(Lactobacillus curvatus)、ラクトバチルス・デルブルエッキイー(Lactobacillus delbruecki)、ラクトバチルス・デキストリニクス(Lactobacillus dextrinicus)、ラクトバチルス・ディオリボランス(Lactobacillus diolivorans)、ラクトバチルス・エクイ(Lactobacillus equi)、ラクトバチルス・エクイジェネロシ(Lactobacillus equigenerosi)、ラクトバチルス・ファラギニス(Lactobacillus farraginis)、ラクトバチルス・ファルシミニス(Lactobacillus farciminis)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・フォルニカリス(Lactobacillus fornicalis)、ラクトバチルス・フルクチボランス (Lactobacillus fructivorans)、ラクトバチルス・フルメンティ(Lactobacillus frumenti)、ラクトバチルス・フチエンシス(Lactobacillus fuchuensis)ラクトバチルス・ガリナルム(Lactobacillus gallinarum)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・ガストリクス(Lactobacillus gastricus)、ラクトバチルス・ガネンシス(Lactobacillus ghanensis)、ラクトバチルス・グラミニス(Lactobacillus gramminis)、ラクトバチルス・ハメシー(Lactobacillus hammesii)、ラクトバチルス・ハムステリ(Lactobacillus hamsteri)、ラクトバチルス・ハルビネンシス(Lactobacillus harbinensis)、ラクトバチルス・ハヤキテンシス(Lactobacillus hayakitensis)、ラクトバチルス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・ヒルガルジ(Lactobacillus hilgardii)、ラクトバチルス・ホモヒオチ(Lactobacillus homohiochii)、ラクトバチルス・イネルス(Lactobacillus iners)、ラクトバチルス・イングルビエイ(Lactobacillus ingluviei)、ラクトバチルス・インテスチナリス(Lactobacillus intestinalis)、ラクトバチルス・ジェンセニ(Lactobacillus jenseni)、ラクトバチルス・ジョンソニ(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・カリキセンシス(Lactobacillus kalixensis)、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)、ラクトバチルス・ケフィリ(Lactobacillus kefiri)、ラクトバチルス・キムチ(Lactobacillus kimchii)、ラクトバチルス・キタサトニス(Lactobacillus kitasatonis)、ラクトバチルス・クンケエイ(Lactobacillus kunkeei)、ラクトバチルス・レイチマンニ(Lactobacillus leichmannii)、ラクトバチルス・リンデリ(Lactobacillus lindneri)、ラクトバチルス・マレフェルメンタンス(Lactobacillus malefermentans)、ラクトバチルス・マリ(Lactobacillus mali)、ラクトバチルス・マニホチボランス(Lactobacillus manihotivorans)、ラクトバチルス・ミンデンシス(Lactobacillus mindensis)、ラクトバチルス・ムコサエ(Lactobacillus mucosae)、ラクトバチルス・ムリヌス(Lactobacillus murinus)、ラクトバチルス・ナゲリ(Lactobacillus nagelii)、ラクトバチルス・ナムレンシス(Lactobacillus namurensis)、ラクトバチルス・ナンテシス(Lactobacillus nantensis)、ラクトバチルス・オリゴフェルメンタンス(Lactobacillus oligofermentans)、ラクトバチルス・オリス(Lactobacillus oris)、ラクトバチルス・パニス(Lactobacillus panis)、ラクトバチルス・パンセリス(Lactobacillus pantheris)、ラクトバチルス・パラブレビス(Lactobacillus parabrevis)、ラクトバチルス・パラブチネリ(Lactobacillus parabuchneri)、ラクトバチルス・パラコリノイデス(Lactobacillus paracollinoides)、ラクトバチルス・パラファラギニス(Lactobacillus parafarraginis)、ラクトバチルス・パラケフィリ(Lactobacillus parakefiri)、ラクトバチルス・パラリメンタリウス(Lactobacillus paralimentarius)、ラクトバチルス・パラプランタラム(Lactobacillus paraplantarum)、ラクトバチルス・ペントサス(Lactobacillus pentosus)、ラクトバチルス・ペロレンス(Lactobacillus perolens)、ラクトバチルス・ポンティス(Lactobacillus pontis)、ラクトバチルス・プロテクタス(Lactobacillus protectus)、ラクトバチルス・プシタチ(Lactobacillus psittaci)、ラクトバチルス・レニニ(Lactobacillus rennini)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・リマエ(Lactobacillus rimae)、ラクトバチルス・ロゴサエ(Lactobacillus rogosae)、ラクトバチルス・ロシアエ(Lactobacillus rossiae)、ラクトバチルス・ルミニス(Lactobacillus ruminis)、ラクトバチルス・サエリムネリ(Lactobacillus saerimneri)、ラクトバチルス・サケイ(Lactobacillus sakei)、ラクトバチルス・サリバリウス(Lactobacillus salivarius)、ラクトバチルス・サンフランシスセンシス(Lactobacillus sanfranciscensis)、ラクトバチルス・サツメンシス(Lactobacillus satsumensis)、ラクトバチルス・セカリフィルス(Lactobacillus secaliphilus)、ラクトバチルス・シャーペアエ(Lactobacillus sharpeae)、ラクトバチルス・シリギニス(Lactobacillus siliginis)、ラクトバチルス・スフィチェリ(Lactobacillus spicheri)、ラクトバチルス・スエビカス(Lactobacillus suebicus)、ラクトバチルス・サイランデンシス(Lactobacillus thailandensis)、ラクトバチルス・ウルツネンシス(Lactobacillus ultunensis)、ラクトバチルス・バクシノステルカス(Lactobacillus vaccinostercus)、ラクトバチルス・バギナリス(Lactobacillus vaginalis)、ラクトバチルス・ヴェルスモルデンシス(Lactobacillus versmoldensis)、ラクトバチルス・ビニ(Lactobacillus vini)、ラクトバチルス・ビツリナス(Lactobacillus vitulinus)、ラクトバチルス・ゼアエ(Lactobacillus zeae)、及びラクトバチルス・ジマエ(Lactobacillus zymae)からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項13に記載の食品組成物。
【請求項20】
前記小胞は、ラクトバチルス菌の培養液またはラクトバチルス菌を添加して培養した食品から分離されたことを特徴とする、請求項13に記載の食品組成物。
【請求項21】
ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む、免疫機能または代謝機能障害による疾患予防または改善用吸入組成物。
【請求項22】
ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む、免疫機能または代謝機能障害による疾患または皮膚老化予防または改善用化粧料組成物。
【請求項23】
前記免疫機能または代謝機能障害による疾患は、アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis)、乾癬(psoriasis)、にきび(acne)、及び脱毛(alopecia)からなる群から選ばれる少なくとも1つの皮膚疾患であることを特徴とする、請求項22に記載の化粧料組成物。
【請求項24】
前記ラクトバチルス菌は、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・アセトトレランス(Lactobacillus acetotolerans)、ラクトバシラス・アシジプリナ(Lactobacillus acidifarinae)、ラクトバチルス・アシジピシス(Lactobacillus acidipiscis)、ラクトバチルス・アギリス(Lactobacillus agilis)、ラクトバチルス・アルギドゥス(Lactobacillus algidus)、ラクトバチルス・アリモンタラス(Lactobacillus alimentarus)、ラクトバチルス・アミロリティクス(Lactobacillus amylolyticus)、ラクトバチルス・アミロトロピクス(Lactobacillus amylotrophicus)、ラクトバチルス・アミロボラス(Lactobacillus amylovorus)、ラクトバチルス・アニマリス(Lactobacillus animalis)、ラクトバチルス・アントリー(Lactobacillus antri)、ラクトバチルス・アポデミ(Lactobacillus apodemi)、ラクトバチルス・アビアリウス(Lactobacillus aviarius)、ラクトバチルス・バイファーメンタンス(Lactobacillus bifermentans)、ラクトバチルス・ボンビコラ(Lactobacillus bombicola)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)、ラクトバチルス・カメリア(Lactobacillus camelliae)、ラクトバチルス・カセイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・カテナフォルミス(Lactobacillus catenaformis)ラクトバチルス・セッティ(Lactobacillus ceti)、ラクトバチルス・コレオホミニス(Lactobacillus coleohominis)、ラクトバチルス・コリノイデス(Lactobacillus collinoides)、ラクトバチルス・コンポスティ(Lactobacillus composti)、ラクトバチルス・コンカブース(Lactobacillus concavus)、ラクトバチルス・コリニポミス(Lactobacillus coryniformis)ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバチルス・クラストルム(Lactobacillus crustorum)、ラクトバチルス・カルバタス(Lactobacillus curvatus)、ラクトバチルス・デルブルエッキイー(Lactobacillus delbruecki)、ラクトバチルス・デキストリニクス(Lactobacillus dextrinicus)、ラクトバチルス・ディオリボランス(Lactobacillus diolivorans)、ラクトバチルス・エクイ(Lactobacillus equi)、ラクトバチルス・エクイジェネロシ(Lactobacillus equigenerosi)、ラクトバチルス・ファラギニス(Lactobacillus farraginis)、ラクトバチルス・ファルシミニス(Lactobacillus farciminis)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・フォルニカリス(Lactobacillus fornicalis)、ラクトバチルス・フルクチボランス (Lactobacillus fructivorans)、ラクトバチルス・フルメンティ(Lactobacillus frumenti)、ラクトバチルス・フチエンシス(Lactobacillus fuchuensis)ラクトバチルス・ガリナルム(Lactobacillus gallinarum)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・ガストリクス(Lactobacillus gastricus)、ラクトバチルス・ガネンシス(Lactobacillus ghanensis)、ラクトバチルス・グラミニス(Lactobacillus gramminis)、ラクトバチルス・ハメシー(Lactobacillus hammesii)、ラクトバチルス・ハムステリ(Lactobacillus hamsteri)、ラクトバチルス・ハルビネンシス(Lactobacillus harbinensis)、ラクトバチルス・ハヤキテンシス(Lactobacillus hayakitensis)、ラクトバチルス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・ヒルガルジ(Lactobacillus hilgardii)、ラクトバチルス・ホモヒオチ(Lactobacillus homohiochii)、ラクトバチルス・イネルス(Lactobacillus iners)、ラクトバチルス・イングルビエイ(Lactobacillus ingluviei)、ラクトバチルス・インテスチナリス(Lactobacillus intestinalis)、ラクトバチルス・ジェンセニ(Lactobacillus jenseni)、ラクトバチルス・ジョンソニ(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・カリキセンシス(Lactobacillus kalixensis)、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)、ラクトバチルス・ケフィリ(Lactobacillus kefiri)、ラクトバチルス・キムチ(Lactobacillus kimchii)、ラクトバチルス・キタサトニス(Lactobacillus kitasatonis)、ラクトバチルス・クンケエイ(Lactobacillus kunkeei)、ラクトバチルス・レイチマンニ(Lactobacillus leichmannii)、ラクトバチルス・リンデリ(Lactobacillus lindneri)、ラクトバチルス・マレフェルメンタンス(Lactobacillus malefermentans)、ラクトバチルス・マリ(Lactobacillus mali)、ラクトバチルス・マニホチボランス(Lactobacillus manihotivorans)、ラクトバチルス・ミンデンシス(Lactobacillus mindensis)、ラクトバチルス・ムコサエ(Lactobacillus mucosae)、ラクトバチルス・ムリヌス(Lactobacillus murinus)、ラクトバチルス・ナゲリ(Lactobacillus nagelii)、ラクトバチルス・ナムレンシス(Lactobacillus namurensis)、ラクトバチルス・ナンテシス(Lactobacillus nantensis)、ラクトバチルス・オリゴフェルメンタンス(Lactobacillus oligofermentans)、ラクトバチルス・オリス(Lactobacillus oris)、ラクトバチルス・パニス(Lactobacillus panis)、ラクトバチルス・パンセリス(Lactobacillus pantheris)、ラクトバチルス・パラブレビス(Lactobacillus parabrevis)、ラクトバチルス・パラブチネリ(Lactobacillus parabuchneri)、ラクトバチルス・パラコリノイデス(Lactobacillus paracollinoides)、ラクトバチルス・パラファラギニス(Lactobacillus parafarraginis)、ラクトバチルス・パラケフィリ(Lactobacillus parakefiri)、ラクトバチルス・パラリメンタリウス(Lactobacillus paralimentarius)、ラクトバチルス・パラプランタラム(Lactobacillus paraplantarum)、ラクトバチルス・ペントサス(Lactobacillus pentosus)、ラクトバチルス・ペロレンス(Lactobacillus perolens)、ラクトバチルス・ポンティス(Lactobacillus pontis)、ラクトバチルス・プロテクタス(Lactobacillus protectus)、ラクトバチルス・プシタチ(Lactobacillus psittaci)、ラクトバチルス・レニニ(Lactobacillus rennini)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・リマエ(Lactobacillus rimae)、ラクトバチルス・ロゴサエ(Lactobacillus rogosae)、ラクトバチルス・ロシアエ(Lactobacillus rossiae)、ラクトバチルス・ルミニス(Lactobacillus ruminis)、ラクトバチルス・サエリムネリ(Lactobacillus saerimneri)、ラクトバチルス・サケイ(Lactobacillus sakei)、ラクトバチルス・サリバリウス(Lactobacillus salivarius)、ラクトバチルス・サンフランシスセンシス(Lactobacillus sanfranciscensis)、ラクトバチルス・サツメンシス(Lactobacillus satsumensis)、ラクトバチルス・セカリフィルス(Lactobacillus secaliphilus)、ラクトバチルス・シャーペアエ(Lactobacillus sharpeae)、ラクトバチルス・シリギニス(Lactobacillus siliginis)、ラクトバチルス・スフィチェリ(Lactobacillus spicheri)、ラクトバチルス・スエビカス(Lactobacillus suebicus)、ラクトバチルス・サイランデンシス(Lactobacillus thailandensis)、ラクトバチルス・ウルツネンシス(Lactobacillus ultunensis)、ラクトバチルス・バクシノステルカス(Lactobacillus vaccinostercus)、ラクトバチルス・バギナリス(Lactobacillus vaginalis)、ラクトバチルス・ヴェルスモルデンシス(Lactobacillus versmoldensis)、ラクトバチルス・ビニ(Lactobacillus vini)、ラクトバチルス・ビツリナス(Lactobacillus vitulinus)、ラクトバチルス・ゼアエ(Lactobacillus zeae)、及びラクトバチルス・ジマエ(Lactobacillus zymae)からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項22に記載の化粧料組成物。
【請求項25】
ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む、疾患治療薬物伝達用組成物。
【請求項26】
前記疾患は、アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis)、乾癬(psoriasis)、ニキビ(acne)、及び脱毛症(alopecia)からなる群から選ばれる少なくとも1つの皮膚疾患、
歯肉炎(gingivitis)、及び歯周炎(periodontitis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの口腔疾患、
胃炎(gastritis)、消化性潰瘍(peptic ulcer)、セリアック病(celiac disease)、食物アレルギー(food allergy)、及び炎症性大腸炎(inflammatory bowel disease)からなる群から選ばれる少なくとも1つの消化管疾患、
非アルコール性脂肪性肝炎(non-alcoholic steatohepatitis,NASH)、アルコール性脂肪性肝炎(alcoholic steatohepatitis)、肝硬変(liver cirrhosis)、胆道炎(cholangitis)、胆嚢炎(cholecystitis)、及び膵炎(pancreatitis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの肝臓-胆道-膵臓疾患、
鼻炎(rhinitis)、及び副鼻腔炎(sinusitis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの鼻疾患、
喘息(asthma)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺炎(pneumonia)、慢性間質性肺炎(chronic interstitial pneumonitis)、及び肺線維症(pulmonary fibrosis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの肺疾患、
動脈硬化症(atherosclerosis)、狭心症(angina)、代謝症候群(metabolic syndrome)、血栓塞栓症(thromboembolism)、心筋梗塞(myocardial infarction)、心筋症(cardiomyopathy)、及び脳卒中(stroke)からなる群から選ばれる少なくとも1つの心血管疾患、
関節リウマチ(rheumatoid arthritis)、骨関節炎(osteoarthritis)、痛風(gout)、筋減少症(sarcopenia)、及び骨粗しょう症(osteoporosis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの筋骨格系疾患、
アルツハイマー病(Alzheimers disease)、血管性認知症(vascular dementia)、パーキンソン病(Parkinsons disease)、筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis)、ハンチントン病(Huntingtons disease)、てんかん(epilepsy)、多発性硬化症(multiple sclerosis)、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy)、糖尿病性神経障害(diabetic neuropathy)、自閉性障害(autism spectrum disorder)、注意力欠乏過剰行動障害(attention deficit hyperactivity syndrome)、うつ病障害(depressive disorder)、双極性障害(bipolar disorder)、不安障害(anxiety disorder)、統合失調症(schizophrenia)、強迫障害(obsessive compulsive disorder)、心的外傷後ストレス障害(post-traumatic stress disorder)、解離性障害(dissociative disorder)、摂食障害(eating disorder)、物質使用障害(substance use disorder)、及び性格障害(personality disorder)からなる群から選ばれる少なくとも1つの神経精神疾患、及び
黄斑変性(macular degeneration)、糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)、緑内障(glaucoma)、白内障(cataract)、及び眼球乾燥症(dry eye)からなる群から選ばれる少なくとも1つの眼疾患からなる群から選ばれる少なくとも1つであること特徴とする、請求項25に記載の薬物伝達用組成物。
【請求項27】
前記疾患は、肺がん、頭頸部がん、食道がん、胃がん、大腸がん、結腸がん、肝臓がん、胆管がん、膵臓がん、乳がん、卵巣がん、腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん、甲状腺がん、脳腫瘍、骨肉腫、血液がん、及びリンパ腫からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項25に記載の薬物伝達用組成物。
【請求項28】
前記ラクトバチルス菌は、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・アセトトレランス(Lactobacillus acetotolerans)、ラクトバシラス・アシジプリナ(Lactobacillus acidifarinae)、ラクトバチルス・アシジピシス(Lactobacillus acidipiscis)、ラクトバチルス・アギリス(Lactobacillus agilis)、ラクトバチルス・アルギドゥス(Lactobacillus algidus)、ラクトバチルス・アリモンタラス(Lactobacillus alimentarus)、ラクトバチルス・アミロリティクス(Lactobacillus amylolyticus)、ラクトバチルス・アミロトロピクス(Lactobacillus amylotrophicus)、ラクトバチルス・アミロボラス(Lactobacillus amylovorus)、ラクトバチルス・アニマリス(Lactobacillus animalis)、ラクトバチルス・アントリー(Lactobacillus antri)、ラクトバチルス・アポデミ(Lactobacillus apodemi)、ラクトバチルス・アビアリウス(Lactobacillus aviarius)、ラクトバチルス・バイファーメンタンス(Lactobacillus bifermentans)、ラクトバチルス・ボンビコラ(Lactobacillus bombicola)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)、ラクトバチルス・カメリア(Lactobacillus camelliae)、ラクトバチルス・カセイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・カテナフォルミス(Lactobacillus catenaformis)ラクトバチルス・セッティ(Lactobacillus ceti)、ラクトバチルス・コレオホミニス(Lactobacillus coleohominis)、ラクトバチルス・コリノイデス(Lactobacillus collinoides)、ラクトバチルス・コンポスティ(Lactobacillus composti)、ラクトバチルス・コンカブース(Lactobacillus concavus)、ラクトバチルス・コリニフォルミス(Lactobacillus coryniformis)ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバチルス・クラストルム(Lactobacillus crustorum)、ラクトバチルス・カルバタス(Lactobacillus curvatus)、ラクトバチルス・デルブルエッキイー(Lactobacillus delbruecki)、ラクトバチルス・デキストリニクス(Lactobacillus dextrinicus)、ラクトバチルス・ディオリボランス(Lactobacillus diolivorans)、ラクトバチルス・エクイ(Lactobacillus equi)、ラクトバチルス・エクイジェネロシ(Lactobacillus equigenerosi)、ラクトバチルス・ファラギニス(Lactobacillus farraginis)、ラクトバチルス・ファルシミニス(Lactobacillus farciminis)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・フォルニカリス(Lactobacillus fornicalis)、ラクトバチルス・フルクチボランス (Lactobacillus fructivorans)、ラクトバチルス・フルメンティ(Lactobacillus frumenti)、ラクトバチルス・フチエンシス(Lactobacillus fuchuensis)ラクトバチルス・ガリナルム(Lactobacillus gallinarum)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・ガストリクス(Lactobacillus gastricus)、ラクトバチルス・ガネンシス(Lactobacillus ghanensis)、ラクトバチルス・グラミニス(Lactobacillus gramminis)、ラクトバチルス・ハメシー(Lactobacillus hammesii)、ラクトバチルス・ハムステリ(Lactobacillus hamsteri)、ラクトバチルス・ハルビネンシス(Lactobacillus harbinensis)、ラクトバチルス・ハヤキテンシス(Lactobacillus hayakitensis)、ラクトバチルス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・ヒルガルジ(Lactobacillus hilgardii)、ラクトバチルス・ホモヒオチ(Lactobacillus homohiochii)、ラクトバチルス・イネルス(Lactobacillus iners)、ラクトバチルス・イングルビエイ(Lactobacillus ingluviei)、ラクトバチルス・インテスチナリス(Lactobacillus intestinalis)、ラクトバチルス・ジェンセニ(Lactobacillus jenseni)、ラクトバチルス・ジョンソニ(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・カリキセンシス(Lactobacillus kalixensis)、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)、ラクトバチルス・ケフィリ(Lactobacillus kefiri)、ラクトバチルス・キムチ(Lactobacillus kimchii)、ラクトバチルス・キタサトニス(Lactobacillus kitasatonis)、ラクトバチルス・クンケエイ(Lactobacillus kunkeei)、ラクトバチルス・レイチマンニ(Lactobacillus leichmannii)、ラクトバチルス・リンデリ(Lactobacillus lindneri)、ラクトバチルス・マレフェルメンタンス(Lactobacillus malefermentans)、ラクトバチルス・マリ(Lactobacillus mali)、ラクトバチルス・マニホチボランス(Lactobacillus manihotivorans)、ラクトバチルス・ミンデンシス(Lactobacillus mindensis)、ラクトバチルス・ムコサエ(Lactobacillus mucosae)、ラクトバチルス・ムリヌス(Lactobacillus murinus)、ラクトバチルス・ナゲリ(Lactobacillus nagelii)、ラクトバチルス・ナムレンシス(Lactobacillus namurensis)、ラクトバチルス・ナンテシス(Lactobacillus nantensis)、ラクトバチルス・オリゴフェルメンタンス(Lactobacillus oligofermentans)、ラクトバチルス・オリス(Lactobacillus oris)、ラクトバチルス・パニス(Lactobacillus panis)、ラクトバチルス・パンセリス(Lactobacillus pantheris)、ラクトバチルス・パラブレビス(Lactobacillus parabrevis)、ラクトバチルス・パラブチネリ(Lactobacillus parabuchneri)、ラクトバチルス・パラコリノイデス(Lactobacillus paracollinoides)、ラクトバチルス・パラファラギニス(Lactobacillus parafarraginis)、ラクトバチルス・パラケフィリ(Lactobacillus parakefiri)、ラクトバチルス・パラリメンタリウス(Lactobacillus paralimentarius)、ラクトバチルス・パラプランタラム(Lactobacillus paraplantarum)、ラクトバチルス・ペントサス(Lactobacillus pentosus)、ラクトバチルス・ペロレンス(Lactobacillus perolens)、ラクトバチルス・ポンティス(Lactobacillus pontis)、ラクトバチルス・プロテクタス(Lactobacillus protectus)、ラクトバチルス・プシタチ(Lactobacillus psittaci)、ラクトバチルス・レニニ(Lactobacillus rennini)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・リマエ(Lactobacillus rimae)、ラクトバチルス・ロゴサエ(Lactobacillus rogosae)、ラクトバチルス・ロシアエ(Lactobacillus rossiae)、ラクトバチルス・ルミニス(Lactobacillus ruminis)、ラクトバチルス・サエリムネリ(Lactobacillus saerimneri)、ラクトバチルス・サケイ(Lactobacillus sakei)、ラクトバチルス・サリバリウス(Lactobacillus salivarius)、ラクトバチルス・サンフランシスセンシス(Lactobacillus sanfranciscensis)、ラクトバチルス・サツメンシス(Lactobacillus satsumensis)、ラクトバチルス・セカリフィルス(Lactobacillus secaliphilus)、ラクトバチルス・シャーペアエ(Lactobacillus sharpeae)、ラクトバチルス・シリギニス(Lactobacillus siliginis)、ラクトバチルス・スフィチェリ(Lactobacillus spicheri)、ラクトバチルス・スエビカス(Lactobacillus suebicus)、ラクトバチルス・サイランデンシス(Lactobacillus thailandensis)、ラクトバチルス・ウルツネンシス(Lactobacillus ultunensis)、ラクトバチルス・バクシノステルカス(Lactobacillus vaccinostercus)、ラクトバチルス・バギナリス(Lactobacillus vaginalis)、ラクトバチルス・ヴェルスモルデンシス(Lactobacillus versmoldensis)、ラクトバチルス・ビニ(Lactobacillus vini)、ラクトバチルス・ビツリナス(Lactobacillus vitulinus)、ラクトバチルス・ゼアエ(Lactobacillus zeae)、及びラクトバチルス・ジマエ(Lactobacillus zymae)からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項25に記載の薬物伝達用組成物。
【請求項29】
ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む組成物をそれを必要とする個体に投与する段階を含む免疫機能または代謝機能障害による疾患の予防または治療方法。
【請求項30】
ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む組成物の免疫機能または代謝機能障害による疾患の予防または治療用途。
【請求項31】
ラクトバチルス菌由来小胞の免疫機能または代謝機能障害による疾患治療薬剤の製造のための用途。
【請求項32】
ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む、疾患治療薬物伝達システム。
【請求項33】
所望の疾患治療薬物を担持したラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む組成物をそれを必要とする個体に投与する段階を含む、疾患治療薬物伝達方法。
【請求項34】
ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む組成物の疾患治療薬物伝達用途。
【請求項35】
疾患治療薬物伝達用の製剤を製造するためのラクトバチルス菌由来小胞の用途。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラクトバチルス菌由来細胞外小胞及びその用途に関し、より詳細には、ラクトバチルス菌由来細胞外小胞を有効成分として含む免疫及び代謝機能障害による疾患予防または治療用組成物などに関する。
【0002】
本発明は、2021年6月3日付で出願された大韓民国特許出願第10-2021-0072078号及び2021年12月23日付で出願された大韓民国特許出願第10-2021-0186256号に基づく優先権を主張し、前記出願の明細書及び図面に開示されたすべての内容は、本出願に援用される。
【背景技術】
【0003】
21世紀に入って過去伝染病として認識されていた急性感染症疾患の重要性は減少したのに対し、我々の体の主要臓器に発生する免疫機能及び代謝機能障害による慢性疾患が生活の質の減少と人間の寿命を決定する主な疾患へと疾患パターンが変わった。皮膚、消化管、心臓、肺、肝臓、腎臓、筋骨格系、脳などの主要臓器に発生する難治性慢性疾患は、免疫機能及び代謝機能異常を伴う炎症及び細胞死を特徴とする。
【0004】
免疫(immunity)は、生物学的、化学的、物理的、精神的ストレスに対する細胞の防御メカニズムであり、先天免疫(innate immunity)と後天免疫(adaptive immunity)を介して起こる。代謝(metabolism)は、我々の体に必要なエネルギーを作って細胞の機能を果たす様々な物質を作るもので、ミトコンドリアで作られたATPを介して小胞体(endoplasmic reticulum,ER)からタンパク質と脂質が作られ、必要な領域に物質を供給する。細胞は作られた瞬間から様々なストレスに直面するが、生物学的、化学的、物理的、精神的ストレスは細胞内でERストレスを誘導し、ERストレスが持続すると、細胞は死滅するか、またはがん細胞に変化する。したがって、近年、問題となる多くの難治性疾患は、反復的なERストレスによる免疫機能と代謝機能に異常が生じて発生するという事実が最近明らかになっている。
【0005】
一方、乳酸菌(lactic acid bacteria)または乳酸菌は、物質代謝によって炭水化物を乳酸に分解させる細菌の総称で、ヨーグルト、乳酸菌飲料、キムチなどの食品を発酵させる。一部の乳酸菌は腸などの消化器官(腸内細菌)や膣内にあり、他の病原微生物から体を守り、恒常性維持を助けることが知られている。この中で、ラクトバチルス(lactobacillus)菌は、芽胞(spore)を形成しない通気性細菌で、口腔、消化管、女性の膣内に共生し、病原性細菌から我々の体を守る役割を担うことが知られている。
【0006】
様々なストレスに対して細胞が正しく防御できないと、免疫機能異常により炎症が発生し、繰り返しのストレスにより慢性炎症疾患が発生する。慢性炎症疾患を治療または予防するために使用されている一般的な組成物は、大きくステロイド性と非ステロイド性組成物に区分され、特にステロイド製剤の場合には長期間の使用時に様々な副作用を伴うことが多い。したがって、近年、慢性炎症疾患の主要メディエーターとして知られている炎症性サイトカインであるTNF-αまたはIL-6阻害剤などに対する関心が高まっている傾向にある。しかし、未だTNF-α及びIL-6の発現を効果的に抑制して慢性炎症疾患の予防及び治療に実質的に使用できる薬物の開発は不備であるのが実状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記のような従来技術の問題点を解決するために案出されたもので、ラクトバチルス菌由来物質である細胞外小胞(extracellular vesicle, EV)を有効成分として含む免疫機能または代謝機能障害による疾患の改善、予防または治療用組成物などを提供することをその目的とする。
【0008】
しかし、本発明が解決しようとする技術的課題は、前述した課題に制限されず、言及されていないさらに他の課題は、以下の記載から本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者が明確に理解できるだろう。
本発明の属する技術分野の通常の知識を有する者に明確に理解できる
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む免疫機能または代謝機能障害による疾患予防または治療用薬学的組成物を提供する。
【0010】
また、本発明は、ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む免疫機能または代謝機能障害による疾患、または老化予防または改善用食品組成物を提供する。
【0011】
また、本発明は、ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む免疫機能または代謝機能障害による疾患予防または改善用吸入組成物を提供する。
【0012】
また、本発明は、ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む免疫機能または代謝機能障害による疾患、または皮膚老化防止または改善用化粧料組成物を提供する。
【0013】
本発明の一具現例において、前記ラクトバチルス菌は、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・アセトトレランス(Lactobacillus acetotolerans)、ラクトバシラス・アシジプリナ(Lactobacillus acidifarinae)、ラクトバチルス・アシジピシス(Lactobacillus acidipiscis)、ラクトバチルス・アギリス(Lactobacillus agilis)、ラクトバチルス・アルギドゥス(Lactobacillus algidus)、ラクトバチルス・アリモンタラス(Lactobacillus alimentarus)、ラクトバチルス・アミロリティクス(Lactobacillus amylolyticus)、ラクトバチルス・アミロトロピクス(Lactobacillus amylotrophicus)、ラクトバチルス・アミロボラス(Lactobacillus amylovorus)、ラクトバチルス・アニマリス(Lactobacillus animalis)、ラクトバチルス・アントリー(Lactobacillus antri)、ラクトバチルス・アポデミ(Lactobacillus apodemi)、ラクトバチルス・アビアリウス(Lactobacillus aviarius)、ラクトバチルス・バイファーメンタンス(Lactobacillus bifermentans)、ラクトバチルス・ボンビコラ(Lactobacillus bombicola)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)、ラクトバチルス・カメリア(Lactobacillus camelliae)、ラクトバチルス・カセイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・カテナフォルミス(Lactobacillus catenaformis)ラクトバチルス・セッティ(Lactobacillus ceti)、ラクトバチルス・コレオホミニス(Lactobacillus coleohominis)、ラクトバチルス・コリノイデス(Lactobacillus collinoides)、ラクトバチルス・コンポスティ(Lactobacillus composti)、ラクトバチルス・コンカブース(Lactobacillus concavus)、ラクトバチルス・コリニフォルミス(Lactobacillus coryniformis)ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバチルス・クラストルム(Lactobacillus crustorum)、ラクトバチルス・カルバタス(Lactobacillus curvatus)、ラクトバチルス・デルブルエッキイー(Lactobacillus delbruecki)、ラクトバチルス・デキストリニクス(Lactobacillus dextrinicus)、ラクトバチルス・ディオリボランス(Lactobacillus diolivorans)、ラクトバチルス・エクイ(Lactobacillus equi)、ラクトバチルス・エクイジェネロシ(Lactobacillus equigenerosi)、ラクトバチルス・ファラギニス(Lactobacillus farraginis)、ラクトバチルス・ファルシミニス(Lactobacillus farciminis)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・フォルニカリス(Lactobacillus fornicalis)、ラクトバチルス・フルクチボランス(Lactobacillus fructivorans)、ラクトバチルス・フルメンティ(Lactobacillus frumenti)、ラクトバチルス・フチエンシス(Lactobacillus fuchuensis)ラクトバチルス・ガリナルム(Lactobacillus gallinarum)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・ガストリクス(Lactobacillus gastricus)、ラクトバチルス・ガネンシス(Lactobacillus ghanensis)、ラクトバチルス・グラミニス(Lactobacillus gramminis)、ラクトバチルス・ハメシー(Lactobacillus hammesii)、ラクトバチルス・ハムステリ(Lactobacillus hamsteri)、ラクトバチルス・ハルビネンシス(Lactobacillus harbinensis)、ラクトバチルス・ハヤキテンシス(Lactobacillus hayakitensis)、ラクトバチルス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・ヒルガルジ(Lactobacillus hilgardii)、ラクトバチルス・ホモヒオチ(Lactobacillus homohiochii)、ラクトバチルス・イネルス(Lactobacillus iners)、ラクトバチルス・イングルビエイ(Lactobacillus ingluviei)、ラクトバチルス・インテスチナリス(Lactobacillus intestinalis)、ラクトバチルス・ジェンセニ(Lactobacillus jenseni)、ラクトバチルス・ジョンソニ(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・カリキセンシス(Lactobacillus kalixensis)、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)、ラクトバチルス・ケフィリ(Lactobacillus kefiri)、ラクトバチルス・キムチ(Lactobacillus kimchii)、ラクトバチルス・キタサトニス(Lactobacillus kitasatonis)、ラクトバチルス・クンケエイ(Lactobacillus kunkeei)、ラクトバチルス・レイチマンニ(Lactobacillus leichmannii)、ラクトバチルス・リンデリ(Lactobacillus lindneri)、ラクトバチルス・マレフェルメンタンス(Lactobacillus malefermentans)、ラクトバチルス・マリ(Lactobacillus mali)、ラクトバチルス・マニホチボランス(Lactobacillus manihotivorans)、ラクトバチルス・ミンデンシス(Lactobacillus mindensis)、ラクトバチルス・ムコサエ(Lactobacillus mucosae)、ラクトバチルス・ムリヌス(Lactobacillus murinus)、ラクトバチルス・ナゲリ(Lactobacillus nagelii)、ラクトバチルス・ナムレンシス(Lactobacillus namurensis)、ラクトバチルス・ナンテシス(Lactobacillus nantensis)、ラクトバチルス・オリゴフェルメンタンス(Lactobacillus oligofermentans)、ラクトバチルス・オリス(Lactobacillus oris)、ラクトバチルス・パニス(Lactobacillus panis)、ラクトバチルス・パンセリス(Lactobacillus pantheris)、ラクトバチルス・パラブレビス(Lactobacillus parabrevis)、ラクトバチルス・パラブチネリ(Lactobacillus parabuchneri)、ラクトバチルス・パラコリノイデス(Lactobacillus paracollinoides)、ラクトバチルス・パラファラギニス(Lactobacillus parafarraginis)、ラクトバチルス・パラケフィリ(Lactobacillus parakefiri)、ラクトバチルス・パラリメンタリウス(Lactobacillus paralimentarius)、ラクトバチルス・パラプランタラム(Lactobacillus paraplantarum)、ラクトバチルス・ペントサス(Lactobacillus pentosus)、ラクトバチルス・ペロレンス(Lactobacillus perolens)、ラクトバチルス・ポンティス(Lactobacillus pontis)、ラクトバチルス・プロテクタス(Lactobacillus protectus)、ラクトバチルス・プシタチ(Lactobacillus psittaci)、ラクトバチルス・レニニ(Lactobacillus rennini)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・リマエ(Lactobacillus rimae)、ラクトバチルス・ロゴサエ(Lactobacillus rogosae)、ラクトバチルス・ロシアエ(Lactobacillus rossiae)、ラクトバチルス・ルミニス(Lactobacillus ruminis)、ラクトバチルス・サエリムネリ(Lactobacillus saerimneri)、ラクトバチルス・サケイ(Lactobacillus sakei)、ラクトバチルス・サリバリウス(Lactobacillus salivarius)、ラクトバチルス・サンフランシスセンシス(Lactobacillus sanfranciscensis)、ラクトバチルス・サツメンシス(Lactobacillus satsumensis)、ラクトバチルス・セカリフィルス(Lactobacillus secaliphilus)、ラクトバチルス・シャーペアエ(Lactobacillus sharpeae)、ラクトバチルス・シリギニス(Lactobacillus siliginis)、ラクトバチルス・スフィチェリ(Lactobacillus spicheri)、ラクトバチルス・スエビカス(Lactobacillus suebicus)、ラクトバチルス・サイランデンシス(Lactobacillus thailandensis)、ラクトバチルス・ウルツネンシス(Lactobacillus ultunensis)、ラクトバチルス・バクシノステルカス(Lactobacillus vaccinostercus)、ラクトバチルス・バギナリス(Lactobacillus vaginalis)、ラクトバチルス・ヴェルスモルデンシス(Lactobacillus versmoldensis)、ラクトバチルス・ビニ(Lactobacillus vini)、ラクトバチルス・ビツリナス(Lactobacillus vitulinus)、ラクトバチルス・ゼアエ(Lactobacillus zeae)、及びラクトバチルス・ジマエ(Lactobacillus zymae)からなる群から選ばれる少なくとも1つであってもよいが、これに制限されるものではない。
【0014】
本発明の他の具体例において、前記免疫機能または代謝機能障害による疾患は、免疫疾患(immune disease)、代謝疾患(metabolic disease)、及び悪性疾患(malignant disease)からなる群から選ばれる少なくとも1つであってもよいが、これに制限されるものではない。
【0015】
本発明のさらに他の具現例において、前記免疫機能または代謝機能障害による疾患は、以下の疾患からなる群から選ばれてもよいが、これに制限されるものではない。
【0016】
アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis)、乾癬(psoriasis)、ニキビ(acne)、及び脱毛症(alopecia)からなる群から選ばれる少なくとも1つの皮膚疾患、歯肉炎(gingivitis)、及び歯周炎(periodontitis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの口腔疾患、胃炎(gastritis)、消化性潰瘍(peptic ulcer)、セリアック病(celiac disease)、食物アレルギー(food allergy)、及び炎症性大腸炎(inflammatory bowel disease)からなる群から選ばれる少なくとも1つの消化管疾患、非アルコール性脂肪性肝炎(non-alcoholic steatohepatitis,NASH)、アルコール性脂肪性肝炎(alcoholic steatohepatitis)、肝硬変(liver cirrhosis)、胆道炎(cholangitis)、胆嚢炎(cholecystitis)、及び膵炎(pancreatitis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの肝臓-胆道-膵臓疾患、鼻炎(rhinitis)、及び副鼻腔炎(sinusitis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの鼻疾患、喘息(asthma)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺炎(pneumonia)、慢性間質性肺炎(chronic interstitial pneumonitis)、及び肺線維症(pulmonary fibrosis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの肺疾患、動脈硬化症(atherosclerosis)、狭心症(angina)、代謝症候群(metabolic syndrome)、血栓塞栓症(thromboembolism)、心筋梗塞(myocardial infarction)、心筋症(cardiomyopathy)、及び脳卒中(stroke)からなる群から選ばれる少なくとも1つの心血管疾患、関節リウマチ(rheumatoid arthritis)、骨関節炎(osteoarthritis)、痛風(gout)、筋減少症(sarcopenia)、及び骨粗しょう症(osteoporosis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの筋骨格系疾患、アルツハイマー病(Alzheimers disease)、血管性認知症(vascular dementia)、パーキンソン病(Parkinsons disease)、筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis)、ハンチントン病(Huntingtons disease)、てんかん(epilepsy)、多発性硬化症(multiple sclerosis)、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy)、糖尿病性神経障害(diabetic neuropathy)、自閉性障害(autism spectrum disorder)、注意力欠乏過剰行動障害(attention deficit hyperactivity syndrome)、うつ病障害(depressive disorder)、双極性障害(bipolar disorder)、不安障害(anxiety disorder)、統合失調症(schizophrenia)、強迫障害(obsessive compulsive disorder)、心的外傷後ストレス障害(post-traumatic stress disorder)、解離性障害(dissociative disorder)、摂食障害(eating disorder)、物質使用障害(substance use disorder)、及び性格障害(personality disorder)からなる群から選ばれる少なくとも1つの神経精神疾患、及び黄斑変性(macular degeneration)、糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)、緑内障(glaucoma)、白内障(cataract)、及び眼球乾燥症(dry eye)からなる群から選ばれる少なくとも1つの眼疾患。
【0017】
本発明のさらに他の具現例において、前記免疫疾患は、ウイルス感染、及び細菌感染からなる群から選ばれる少なくとも1つの感染性疾患、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、喘息、過敏性肺炎、食品アレルギー、及びアナフィラキシーからなる群から選ばれる少なくとも1つのアレルギー疾患、及び全身性紅斑性嚢胞、関節リウマチ、多発性硬化症、及びベーチェット病からなる群から選ばれる少なくとも1つの自己免疫疾患からなる群から選ばれる少なくとも1つであってもよいが、これに制限されるものではない。
【0018】
本発明のさらに他の具現例において、前記代謝疾患は、糖尿病、代謝症候群、脂質代謝異常、動脈硬化症、及び肥満からなる群から選ばれる少なくとも1つであってもよいが、これに制限されるものではない。
【0019】
本発明のさらに他の具現例において、前記悪性疾患は、肺がん、頭頸部がん、食道がん、胃がん、大腸がん、結腸がん、肝臓がん、胆管がん、膵臓がん、乳がん、卵巣がん、腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん、甲状腺がん、脳腫瘍、骨肉腫、血液がん、及びリンパ腫からなる群から選ばれる少なくとも1つであってもよいが、これに制限されるものではない。
【0020】
本発明のさらに他の具現例において、前記免疫機能または代謝機能障害による疾患は、inducible NO synthase(iNOS)によって媒介される疾患であってもよいが、これに制限されるものではない。
【0021】
本発明のさらに他の具現例において、前記免疫機能または代謝機能障害による疾患は、TNF-αまたはIL-6によって媒介される疾患であってもよいが、これに制限されるものではない。
【0022】
本発明のさらに他の具現例において、前記小胞は、平均直径が10~300nmであってもよいが、これに制限されるものではない。
【0023】
本発明のさらに他の具現例において、前記小胞は、ラクトバチルス菌から自然的に分泌または人工的に生産されるものであってもよいが、これに制限されるものではない。
【0024】
本発明のさらに他の具現例において、前記小胞は、ラクトバチルス菌の培養液またはラクトバチルス菌を添加して培養した食品から分離されたものであってもよいが、これに制限されるものではない。
【0025】
また、本発明は、ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む、疾患治療薬物伝達用組成物を提供する。
【0026】
また、本発明は、ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分とする組成物をそれを必要とする個体に投与する段階を含む免疫機能または代謝機能障害による疾患の予防または治療方法を提供する。
【0027】
また、本発明は、ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む組成物の免疫機能または代謝機能障害による疾患の予防または治療用途を提供する。
【0028】
また、本発明は、免疫機能または代謝機能障害による疾患治療用薬剤の製造のためのラクトバチルス菌由来小胞の用途を提供する。
【0029】
また、本発明は、ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む、疾患治療薬物伝達システムを提供する。
【0030】
また、本発明は、所望の疾患治療薬を担持したラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む組成物をそれを必要とする個体に投与する段階を含む、疾患治療薬物伝達方法を提供する。
【0031】
また、本発明は、ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む組成物の疾患治療薬物伝達用途を提供する。
【0032】
また、本発明は、疾患治療薬物伝達用の製剤を製造するためのラクトバチルス菌由来小胞の用途を提供する。
【発明の効果】
【0033】
本発明によるラクトバチルス菌由来小胞は、我々の体に吸収された後、主要臓器に分布し、細胞に吸収された後、小器官(organelle)に移動し、炎症反応の核心シグナルであるNF-κBシグナル伝達を抑制することにより炎症反応を調節しうる。さらに、本発明による小胞は、ATP産生がよく起こらない代謝ストレス状況において、AMPKシグナルを活性化して細胞の恒常性を増加させるので、免疫機能または代謝機能障害による疾患の改善、予防、または治療するための医薬品または健康機能食品などの開発に有用に利用できるものと期待される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1a-1b】
図1a及び
図1bは、本発明の一実施例による代表的なラクトバチルス菌であるラクトバチルス・パラカセイ(Lactobacillus paracasei)菌由来小胞を経口投与して体内吸収、分布、及び排泄様相を分析した結果である。
【
図2a-2b】
図2a及び
図2bは、本発明の一実施例によるさらに他の代表的なラクトバチルス菌であるラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)菌由来小胞を経口投与して体内吸収、分布、及び排泄様相を分析した結果である。
【
図3a-3c】
図3a~
図3cは、本発明の一実施例による代表的なグラム陰性菌アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)菌由来小胞を経口投与して体内吸収、分布、及び排泄様相を分析した結果である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施例による炎症を誘導する代表的な細菌性因子であるlipopolysaccharide(LPS)刺激によって炎症細胞から分泌される代表的な炎症性メディエーターであるTNF-αの分泌を測定することにより、様々なラクトバチルス菌由来小胞の抗炎症効果を評価した結果である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施例による炎症疾患を誘導する病原性因子である大腸菌由来小胞(E.coli EV)刺激によって炎症細胞から分泌される代表的な炎症性メディエーターであるIL-6の分泌を測定することにより、ラクトバチルス・サケイ(LSK)由来小胞の抗炎症効果を評価した結果である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施例によるウイルス感染を模写する生物学的因子であるpoly(I:C)を気道内に投与した後、肺組織を摘出して肺組織で炎症を誘発するinducible NO synthase(iNOS)の発現を測定することにより、ラクトバチルス菌由来小胞の抗炎症効果を評価した結果である(Lf EV:Lactobacillus fermentum由来小胞;Lr EV:L.rhamnosus由来小胞;Lg EV:L.gasseri由来小胞)。
【
図7a-7b】
図7a及び
図7bは、筋細胞(myocyte)にラクトバチルス・パラカセイ由来小胞(L.paracasei EV)及びラクトバチルス・ラムノサス由来小胞(L.rhamnosus EV)処理によるAMPKの活性化を評価した結果である(MDH-001-CM:L.paracasei EV;MDH-003-CM:L.rhamnosus EV)。対照群としてインスリン及びメトホルミンを使用した。
【
図8】
図8は、免疫機能及び代謝機能障害による難治性疾患に対するラクトバチルス菌由来小胞の作用メカニズムを図式化したものである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の一実施例において、本発明者らは、グラム陽性菌であるラクトバチルス菌由来小胞が経口投与時に胃、小腸、大腸を通じて吸収され、肝臓を介して体外に排出されることを確認し、グラム陰性菌とは異なる薬物動態学的特性を示すことを確認した(実施例2~4参照)。
【0036】
本発明の他の実施例では、LPSによる炎症に対して、ラクトバチルス菌由来小胞がTNF-α抑制効果による抗炎症効果を示すことを確認した(実施例5参照)。
【0037】
本発明のさらに他の実施例では、大腸菌由来小胞による炎症に対して、ラクトバチルス菌由来小胞がIL-6抑制効果による抗炎症効果を示すことを確認した(実施例6参照)。
【0038】
本発明のさらに他の実施例は、ラクトバチルス菌由来小胞がウイルス因子であるpoly(I:C)によって誘導されたinducible NO synthase(iNOS)発現を抑制することを確認した(実施例7参照)。
【0039】
本発明のさらに他の実施例では、ラクトバチルス菌由来小胞がAMPKシグナルを活性化して代謝機能障害を効率的に抑制できることを確認した(実施例8参照)。
【0040】
そこで、本発明は、ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む、免疫機能または代謝機能障害による疾患予防または治療用薬学的組成物を提供する。
【0041】
本発明において、前記ラクトバチルス菌は、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・アセトトレランス(Lactobacillus acetotolerans)、ラクトバシラス・アシジプリナ(Lactobacillus acidifarinae)、ラクトバチルス・アシジピシス(Lactobacillus acidipiscis)、ラクトバチルス・アギリス(Lactobacillus agilis)、ラクトバチルス・アルギドゥス(Lactobacillus algidus)、ラクトバチルス・アリモンタラス(Lactobacillus alimentarus)、ラクトバチルス・アミロリティクス(Lactobacillus amylolyticus)、ラクトバチルス・アミロトロピクス(Lactobacillus amylotrophicus)、ラクトバチルス・アミロボラス(Lactobacillus amylovorus)、ラクトバチルス・アニマリス(Lactobacillus animalis)、ラクトバチルス・アントリー(Lactobacillus antri)、ラクトバチルス・アポデミ(Lactobacillus apodemi)、ラクトバチルス・アビアリウス(Lactobacillus aviarius)、ラクトバチルス・バイファーメンタンス(Lactobacillus bifermentans)、ラクトバチルス・ボンビコラ(Lactobacillus bombicola)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)、ラクトバチルス・カメリア(Lactobacillus camelliae)、ラクトバチルス・カセイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・カテナフォルミス(Lactobacillus catenaformis)ラクトバチルス・セッティ(Lactobacillus ceti)、ラクトバチルス・コレオホミニス(Lactobacillus coleohominis)、ラクトバチルス・コリノイデス(Lactobacillus collinoides)、ラクトバチルス・コンポスティ(Lactobacillus composti)、ラクトバチルス・コンカブース(Lactobacillus concavus)、ラクトバチルス・コリニフォルミス(Lactobacillus coryniformis)ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバチルス・クラストルム(Lactobacillus crustorum)、ラクトバチルス・カルバタス(Lactobacillus curvatus)、ラクトバチルス・デルブルエッキイー(Lactobacillus delbruecki)、ラクトバチルス・デキストリニクス(Lactobacillus dextrinicus)、ラクトバチルス・ディオリボランス(Lactobacillus diolivorans)、ラクトバチルス・エクイ(Lactobacillus equi)、ラクトバチルス・エクイジェネロシ(Lactobacillus equigenerosi)、ラクトバチルス・ファラギニス(Lactobacillus farraginis)、ラクトバチルス・ファルシミニス(Lactobacillus farciminis)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・フォルニカリス(Lactobacillus fornicalis)、ラクトバチルス・フルクチボランス (Lactobacillus fructivorans)、ラクトバチルス・フルメンティ(Lactobacillus frumenti)、ラクトバチルス・フチエンシス(Lactobacillus fuchuensis)ラクトバチルス・ガリナルム(Lactobacillus gallinarum)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・ガストリクス(Lactobacillus gastricus)、ラクトバチルス・ガネンシス(Lactobacillus ghanensis)、ラクトバチルス・グラミニス(Lactobacillus gramminis)、ラクトバチルス・ハメシー(Lactobacillus hammesii)、ラクトバチルス・ハムステリ(Lactobacillus hamsteri)、ラクトバチルス・ハルビネンシス(Lactobacillus harbinensis)、ラクトバチルス・ハヤキテンシス(Lactobacillus hayakitensis)、ラクトバチルス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・ヒルガルジ(Lactobacillus hilgardii)、ラクトバチルス・ホモヒオチ(Lactobacillus homohiochii)、ラクトバチルス・イネルス(Lactobacillus iners)、ラクトバチルス・イングルビエイ(Lactobacillus ingluviei)、ラクトバチルス・インテスチナリス(Lactobacillus intestinalis)、ラクトバチルス・ジェンセニ(Lactobacillus jenseni)、ラクトバチルス・ジョンソニ(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・カリキセンシス(Lactobacillus kalixensis)、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)、ラクトバチルス・ケフィリ(Lactobacillus kefiri)、ラクトバチルス・キムチ(Lactobacillus kimchii)、ラクトバチルス・キタサトニス(Lactobacillus kitasatonis)、ラクトバチルス・クンケエイ(Lactobacillus kunkeei)、ラクトバチルス・レイチマンニ(Lactobacillus leichmannii)、ラクトバチルス・リンデリ(Lactobacillus lindneri)、ラクトバチルス・マレフェルメンタンス(Lactobacillus malefermentans)、ラクトバチルス・マリ(Lactobacillus mali)、ラクトバチルス・マニホチボランス(Lactobacillus manihotivorans)、ラクトバチルス・ミンデンシス(Lactobacillus mindensis)、ラクトバチルス・ムコサエ(Lactobacillus mucosae)、ラクトバチルス・ムリヌス(Lactobacillus murinus)、ラクトバチルス・ナゲリ(Lactobacillus nagelii)、ラクトバチルス・ナムレンシス(Lactobacillus namurensis)、ラクトバチルス・ナンテシス(Lactobacillus nantensis)、ラクトバチルス・オリゴフェルメンタンス(Lactobacillus oligofermentans)、ラクトバチルス・オリス(Lactobacillus oris)、ラクトバチルス・パニス(Lactobacillus panis)、ラクトバチルス・パンセリス(Lactobacillus pantheris)、ラクトバチルス・パラブレビス(Lactobacillus parabrevis)、ラクトバチルス・パラブチネリ(Lactobacillus parabuchneri)、ラクトバチルス・パラコリノイデス(Lactobacillus paracollinoides)、ラクトバチルス・パラファラギニス(Lactobacillus parafarraginis)、ラクトバチルス・パラケフィリ(Lactobacillus parakefiri)、ラクトバチルス・パラリメンタリウス(Lactobacillus paralimentarius)、ラクトバチルス・パラプランタラム(Lactobacillus paraplantarum)、ラクトバチルス・ペントサス(Lactobacillus pentosus)、ラクトバチルス・ペロレンス(Lactobacillus perolens)、ラクトバチルス・ポンティス(Lactobacillus pontis)、ラクトバチルス・プロテクタス(Lactobacillus protectus)、ラクトバチルス・プシタチ(Lactobacillus psittaci)、ラクトバチルス・レニニ(Lactobacillus rennini)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・リマエ(Lactobacillus rimae)、ラクトバチルス・ロゴサエ(Lactobacillus rogosae)、ラクトバチルス・ロシアエ(Lactobacillus rossiae)、ラクトバチルス・ルミニス(Lactobacillus ruminis)、ラクトバチルス・サエリムネリ(Lactobacillus saerimneri)、ラクトバチルス・サケイ(Lactobacillus sakei)、ラクトバチルス・サリバリウス(Lactobacillus salivarius)、ラクトバチルス・サンフランシスセンシス(Lactobacillus sanfranciscensis)、ラクトバチルス・サツメンシス(Lactobacillus satsumensis)、ラクトバチルス・セカリフィルス(Lactobacillus secaliphilus)、ラクトバチルス・シャーペアエ(Lactobacillus sharpeae)、ラクトバチルス・シリギニス(Lactobacillus siliginis)、ラクトバチルス・スフィチェリ(Lactobacillus spicheri)、ラクトバチルス・スエビカス(Lactobacillus suebicus)、ラクトバチルス・サイランデンシス(Lactobacillus thailandensis)、ラクトバチルス・ウルツネンシス(Lactobacillus ultunensis)、ラクトバチルス・バクシノステルカス(Lactobacillus vaccinostercus)、ラクトバチルス・バギナリス(Lactobacillus vaginalis)、ラクトバチルス・ヴェルスモルデンシス(Lactobacillus versmoldensis)、ラクトバチルス・ビニ(Lactobacillus vini)、ラクトバチルス・ビツリナス(Lactobacillus vitulinus)、ラクトバチルス・ゼアエ(Lactobacillus zeae)、及びラクトバチルス・ジマエ(Lactobacillus zymae)からなる群から選ばれる少なくとも1つであってもよいが、これに制限されるものではない。
【0042】
本発明において、「細胞外小胞」または「小胞(extracellular vesicle)」とは、様々な細菌から分泌されるナノサイズの膜からなる構造物を意味し、本発明では、ラクトバチルス菌から自然的に分泌されるか、または人工的に生産される膜からなるすべての構造を総称する。前記小胞は、ラクトバチルス菌の菌体を含む培養液を熱処理、遠心分離、超高速遠心分離、高圧処理、押出、超音波分解、細胞溶解、均質化、冷凍-解凍、電気穿孔、機械的分解、化学物質処理、フィルターによるろ過、ゲルろ過クロマトグラフィー、フリーフロー電気泳動、及びキャピラリー電気泳動からなる群から選ばれる少なくとも1つの方法を用いて分離してもよい。また、不純物を除去するための洗浄、得られた小胞の濃縮などの過程をさらに含んでもよい。
【0043】
本発明の前記小胞は、ラクトバチルス属菌の培養液またはラクトバチルス属菌を添加して製造した食品から分離されてもよく、ラクトバチルス属菌から自然的に分泌または人工的に生産されたものであってもよいが、これに制限されるものではない。
【0044】
本発明の前記ラクトバチルス属菌の培養液または発酵食品から小胞を分離する方法は、小胞を含むものであれば特に制限されない。例えば、遠心分離、超高速遠心分離、フィルターによるろ過、ゲルろ過クロマトグラフィー、フリーフロー電気泳動、またはキャピラリー電気泳動などの方法、及びそれらの組み合わせを用いて小胞を分離してもよく、また、不純物を除去するための洗浄、得られた小胞の濃縮などの過程をさらに含んでもよい。
【0045】
本発明において前記方法により分離された小胞は、平均直径が10~1000nm、10~900nm、10~800nm、10~700nm、10~600nm、10~500nm、10~400nm、10~300nm、10~200nm、10~100nm、10~90nm、10~80nm、10~70nm、10~60nm、10~50nm、10~40nm、または20~40nmであってもよいが、これに制限されるものではない。
【0046】
本明細書において、「免疫機能または代謝機能障害による疾患(immune or metabolic dysfunction related disease)」とは、体内の免疫機能異常または代謝機能障害によって発生する疾患を意味し、代表的な例としては、免疫疾患(immune disease)、代謝疾患(metabolic disease)、悪性疾患(malignant disease)などを含むが、これに制限されるものではない。また、前記疾患の代表的な例としては、アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis)、乾癬(psoriasis)、ニキビ(acne)、及び脱毛(alopecia)からなる群から選ばれる少なくとも一つの皮膚疾患、 歯肉炎(gingivitis)、及び歯周炎(periodontitis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの口腔疾患、胃炎(gastritis)、消化性潰瘍(peptic ulcer)、セリアック病(celiac disease)、食物アレルギー(food allergy)、及び炎症性大腸炎(inflammatory bowel disease)からなる群から選ばれる少なくとも1つの消化管疾患、非アルコール性脂肪性肝炎(non-alcoholic steatohepatitis,NASH)、アルコール性脂肪性肝炎(alcoholic steatohepatitis)、肝硬変(liver cirrhosis)、胆道炎(cholangitis)、胆嚢炎(cholecystitis)、及び膵炎(pancreatitis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの肝臓-胆道-膵臓疾患、鼻炎(rhinitis)、及び副鼻腔炎(sinusitis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの鼻疾患、喘息(asthma)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺炎(pneumonia)、慢性間質性肺炎(chronic interstitial pneumonitis)、及び肺線維症(pulmonary fibrosis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの肺疾患、動脈硬化症(atherosclerosis)、狭心症(angina)、代謝症候群(metabolic syndrome)、血栓塞栓症(thromboembolism)、心筋梗塞(myocardial infarction)、心筋症(cardiomyopathy)、及び脳卒中(stroke)からなる群から選ばれる少なくとも1つの心血管疾患、関節リウマチ(rheumatoid arthritis)、骨関節炎(osteoarthritis)、痛風(gout)、筋減少症(sarcopenia)、及び骨粗しょう症(osteoporosis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの筋骨格系疾患、アルツハイマー病(Alzheimers disease)、血管性認知症(vascular dementia)、パーキンソン病(Parkinsons disease)、筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis)、ハンチントン病(Huntingtons disease)、てんかん(epilepsy)、多発性硬化症(multiple sclerosis)、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy)、糖尿病性神経障害(diabetic neuropathy)、自閉性障害(autism spectrum disorder)、注意力欠乏過剰行動障害(attention deficit hyperactivity syndrome)、うつ病障害(depressive disorder)、双極性障害(bipolar disorder)、不安障害(anxiety disorder)、統合失調症(schizophrenia)、強迫障害(obsessive compulsive disorder)、心的外傷後ストレス障害(post-traumatic stress disorder)、解離性障害(dissociative disorder)、摂食障害(eating disorder)、物質使用障害(substance use disorder)、及び性格障害(personality disorder)からなる群から選ばれる少なくとも1つの神経精神疾患、及び黄斑変性(macular degeneration)、糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)、緑内障(glaucoma)、白内障(cataract)、及び眼球乾燥症(dry eye)からなる群から選ばれる少なくとも1つの眼疾患などを含むが、これに制限されるものではない。本明細書において、「免疫疾患(immune disease)」とは、体内の免疫機能異常によって引き起こされる疾患を意味し、代表的な例としては、ウイルス感染症、及び細菌感染からなる群から選ばれる少なくとも1つの感染性疾患、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、喘息、過敏性肺炎、食品アレルギー、及びアナフィラキシーからなる群から選ばれる少なくとも1つのアレルギー疾患、及び全身性紅斑性嚢胞、関節リウマチ、多発性硬化症、及びベーチェット病からなる群から選ばれる少なくとも1つを含むが、これに制限されるものではない。
【0047】
本明細書において、「代謝疾患(metabolic disease)」とは、体内の代謝機能障害により発生する疾患を意味し、代表的な例としては、糖尿病、代謝症候群、脂質代謝異常、動脈硬化症、及び肥満などを含むが、これに制限されるものではない。
【0048】
本明細書において、「悪性疾患(malignant disease)」とは、体内の代謝機能障害により悪性細胞が生じて発生する疾患を意味し、代表的な例としては、肺がん、頭頸部がん、食道がん、胃がん、大腸がん、結腸がん、肝臓がん、胆管がん、膵臓がん、乳がん、卵巣がん、腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん、甲状腺がん、脳腫瘍、骨肉腫、血液がん、及びリンパ腫などを含むが、これに制限されるものではない。
【0049】
本発明の組成物内の前記小胞の含量は、疾患の症状、症状の進行度合い、患者の状態などに応じて適宜調節可能であり、例えば、全組成物重量を基準として、0.0001~99.9重量%、または0.001~50重量%であってもよいが、これに限定されるものではない。前記含量比は、溶媒を除去した乾燥量を基準とした値である。
【0050】
本発明による薬学的組成物は、薬学的組成物の製造に通常使用される適切な担体、賦形剤及び希釈剤をさらに含んでもよい。前記賦形剤は、例えば、希釈剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、吸着剤、保湿剤、フィルムコーティング物質、及び制御放出添加剤からなる群から選ばれる少なくとも一つであってもよい。
【0051】
本発明による薬学的組成物は、それぞれ通常の方法により散剤、顆粒剤、徐放性顆粒剤、腸溶性顆粒剤、液剤、点眼剤、エルシリック剤、乳剤、懸濁液剤、酒精剤、トローチ剤、芳香水剤、リモナーデ剤、錠剤、徐放性錠剤、腸溶性錠剤、舌下錠、硬質カプセル剤、軟質カプセル剤、徐放性カプセル剤、腸溶性カプセル剤、丸剤、チンキ剤、軟調エキス剤、乾燥エキス剤、流動エキス剤、注射剤、カプセル剤、灌流液、硬膏剤、ローション剤、パスタ剤、噴霧剤、吸入剤、パッチ剤、滅菌注射液、またはエアロゾルなどの外用剤などの形態で剤形化して使用されてもよく、前記外用剤は、クリーム、ジェル、パッチ、噴霧剤、軟膏剤、硬膏剤、ローション剤、リニメント剤、パスタ剤またはカタプラズマ剤などの剤形を有してもよい。
【0052】
本発明による薬学的組成物に含まれてもよい担体、賦形剤及び希釈剤としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、オリゴ糖、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、デンプン、アカシアゴム、アルギネート、ゼラチン、カルシウムホスフェイト、カルシウムシリケート、セルロース、メチルセルロース、非晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、マグネシウムステアレート及び鉱物油が挙げられる。
【0053】
製剤化する場合は、通常、使用する充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を使用して調製される。
【0054】
本発明による錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、トローチ剤の添加剤として、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、小麦デンプン、乳糖、白糖、ブドウ糖、果糖、D-マンニトール、沈降炭酸カルシウム、合成ケイ酸アルミニウム、リン酸一水素カルシウム、硫酸カルシウム、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、精製ラノリン、微結晶セルロース、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カオリン、尿素、コロイド状シリカゲル、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)1928、HPMC2208、HPMC2906、HPMC2910、プロピレングリコール、カゼイン、乳酸カルシウム、プリモゼルなどの賦形剤、ゼラチン、アラビアゴム、エタノール、寒天粉、酢酸フタル酸セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ブドウ糖、精製水、カゼインナトリウム、グリセリン、ステアリン酸、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、微結晶セルロース、デキストリン、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシメチルセルロース、精製シェラック、デンプン糊、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの結合剤が使用されてもよく、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、トウモロコシデンプン、寒天粉、メチルセルロース、ベントナイト、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クエン酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、無水ケイ酸、1-ヒドロキシプロピルセルロース、デキストラン、イオン交換樹脂、酢酸ポリビニル、ホルムアルデヒド処理カゼイン及びゼラチン、アルギン酸、アミロース、グアルゴム(Guar gum)、重曹、ポリビニルピロリドン、リン酸カルシウム、ゲル化澱粉、アラビアゴム、アミロペクチン、ペクチン、ポリリン酸ナトリウム、エチルセルロース、白糖、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、D-ソルビトール液、硬質無水ケイ酸などの崩壊剤、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、水素化植物油(Hydrogenated vegetable oil)、タルク、石松子、カオリン、ワセリン、ステアリン酸ナトリウム、カカオ脂、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸マグネシウム、ポリチレングリコール(PEG)4000、PEG6000、流動パラフィン、水素添加大豆油(Lubri wax)、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリル硫酸ナトリウム、酸化マグネシウム、マクロゴール(Macrogol)、合成ケイ酸アルミニウム、無水ケイ酸、高級脂肪酸、高級アルコール、シリコーン油、パラフィン油、ポリエチレングリコール脂肪酸エーテル、デンプン、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、dl-ロイシン、硬質無水ケイ酸などの滑沢剤が使用されてもよい。
【0055】
本発明による液剤の添加剤としては、水、希塩酸、希硫酸、クエン酸ナトリウム、モノステアリン酸スクロース類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル類(ツインエステル)、ポリオキシエチレンモノアルキルエーテル類、ラノリンエーテル類、ラノリンエステル類、酢酸、塩酸、アンモニア水、炭酸アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、プロルアミン、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどが使用されてもよい。
【0056】
本発明によるシロップ剤には白糖の溶液、他の糖類または甘味剤などが使用されてもよく、必要に応じて芳香剤、着色剤、保存剤、安定剤、懸濁化剤、乳化剤、粘稠剤などが使用されてもよい。
【0057】
本発明の乳剤には精製水が使用されてもよく、必要に応じて乳化剤、保存剤、安定剤、芳香剤などが使用されてもよい。
【0058】
本発明による懸濁剤には、アカシア、トラガカンタ、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶セルロース、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、HPMC1828、HPMC2906、HPMC2910など懸濁化剤が使用されてもよく、必要に応じて界面活性剤、保存剤、安定剤、着色剤、芳香剤が使用されてもよい。
【0059】
本発明による注射剤には、注射用蒸留水、0.9%塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、デキストロース注射液、デキストロース+塩化ナトリウム注射液、ピーイージー(PEG)、ラクトリンゲル注射液、エタノール、プロピレングリコール、不揮発性油-ごま油、綿実油、落花生油、大豆油、トウモロコシ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、安息香酸ベンゼンなどの溶剤、安息香酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、尿素、ウレタン、モノエチルアセトアミド、ブタゾリジン、プロピレングリコール、ツイン類、ニジョンチン酸アミド、ヘキサミン、ジメチルアセトアミドなどの溶解補助剤、弱酸及びその塩(酢酸と酢酸ナトリウム)、弱塩基及びその塩(アンモニア及び酢酸アンモニウム)、有機化合物、タンパク質、アルブミン、ペプトン、ガム類などの緩衝剤、塩化ナトリウムなどの等張化剤、亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3)二酸化炭素ガス、メタ重亜硫酸ナトリウム(Na2S2O5)、亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、窒素ガス(N2)、エチレンジアミンテトラ酢酸などの安定剤、ソジウムビスルフィド0.1%、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート、チオウレア、エチレンジアミンテトラ酢酸ジナトリウム、アセトンソジウムビスルファイトなどの硫酸化剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、塩酸プロカイン、ブドウ糖、グルコン酸カルシウムなどの無痛化剤、CMCナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ツイン80、モノステアリン酸アルミニウムなどの懸濁化剤を含んでもよい。
【0060】
本発明による坐剤には、カカオ脂、ラノリン、ウイテプゾール、ポリエチレングリコール、グリセロゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸とオレイン酸の混合物、スバナル(Subanal)、綿実油、落花生油、ヤシ油、カカオバター+コレステロール、レシチン、ラネットワックス、モノステアリン酸グリセロール、ツインまたはスパン、イムハウゼン(Imhausen)、モノレン(モノステアリン酸プロピレングリコール)、グリセリン、アデプスソリダス(Adeps solidus)、ブチラムテゴ-G(Buytyrum Tego-G)、セベスパマ16(Cebes Pharma 16)、ヘキサライドベース95、コトマ(Cotomar)、ヒドロコートSP、S-70-XXA、S-70-XX75(S-70-XX95)、ヒドロコート(Hydrokote)25、ヒドロコート711、イドロポスタール(Idropostal)、マサエストラリウム(Massa estrarium、A、AS、B、C、D、E、I、T)、マサ-MF、マスポール、マスポール-15、ネオスポスタル-エン、パラマウンド-B、スポシロ(OSI、OSIX、A、B、C、D、H、L)、坐剤基剤IVタイプ(AB、B、A、BC、BBG、E、BGF、C、D、299)、スポスタル(N、Es)、ウェコビ(W、R、S、M、Fs)、テゼスタートリグリセリド基剤(TG-95、MA、57)などの基剤が使用されてもよい。
【0061】
経口投与用固形製剤には、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれ、このような固形製剤は、前記抽出物に少なくとも一つの賦形剤、例えば、デンプン、カルシウムカーボネート(calcium carbonate)、スクロース(sucrose)またはラクトース(lactose)、ゼラチンなどを混合して調製される。また、単純な賦形剤の他に、マグネシウムスチレートタルクなどの潤滑剤も使用される。
【0062】
経口投与用液状製剤としては、懸濁剤、内容液剤、乳剤、シロップ剤などが該当するが、よく使用される単純希釈剤である水、リキドパラフィンの他に様々な賦形剤、例えば、湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが含まれてもよい。非経口投与用製剤には、滅菌水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤、坐剤が含まれる。非水性溶剤、懸濁剤としては、プロピレングリコール(propylene glycol)、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、エチルオレートなどの注射可能なエステルなどが使用されてもよい。
【0063】
本発明による薬学的組成物は、薬学的に有効な量で投与する。本発明において、「薬学的に有効な量」とは、医学的治療に適用可能な合理的な受恵/リスク比で疾患を治療するのに十分な量を意味し、有効用量レベルは、患者疾患の種類、重症度、薬物の活性、薬物に対する敏感度、投与時間、投与経路及び排出比率、治療期間、同時に使用される薬物を含む要素及びその他の医学分野においてよく知られている要素によって決定されてもよい。
【0064】
本発明による薬学的組成物は、個別治療剤として投与するか、または他の治療剤と併用して投与されてもよく、従来の治療剤とは順次的または同時に投与されてもよく、単一または多重投与されてもよい。前記要素をすべて考慮し、副作用なしに最小限の量で最大の効果が得られる量を投与することが重要であり、これは本発明が属する技術分野において通常の技術者によって容易に決定されてもよい。
【0065】
本発明の薬学的組成物は、個体に様々な経路で投与されてもよい。投与のすべての方式は、予想できるが、例えば、経口服用、皮下注射、静脈注射、筋肉注射、脊髄周囲空間(硬膜内)注射、舌下投与、頬粘膜投与、直腸内挿入、膣内挿入、眼球投与、耳投与、鼻腔投与、吸入、口または鼻を通じての噴霧、皮膚投与、経皮投与などによって投与されてもよい。
【0066】
本発明の薬学的組成物は、治療する疾患、投与経路、患者の年齢、性別、体重及び疾患の重症度などの様々な関連因子とともに、活性成分である薬物の種類によって決定される。具体的には、本発明による組成物の有効量は、患者の年齢、性別、体重に応じて異なってもよく、一般に体重1kg当たり0.001~150mg、好ましくは、0.01~100mgを毎日または隔日投与するか、または1日1~3回に分けて投与してもよい。しかし、投与経路、肥満の重症度、性別、体重、年齢などに応じて増減できるので、前記投与量がいかなる方法でも本発明の範囲を限定するものではない。
【0067】
また、本発明は、ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む組成物をそれを必要とする個体に投与する段階を含む、免疫機能または代謝機能障害による疾患の予防または治療方法を提供する。
【0068】
また、本発明は、ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む組成物の免疫機能または代謝機能障害による疾患の予防または治療用途を提供する。
【0069】
また、本発明は、免疫機能または代謝機能障害による疾患治療用薬剤を製造するためのラクトバチルス菌由来小胞の用途を提供する。
【0070】
本発明において「個体」とは、疾患の治療を必要とする対象を意味し、より具体的には、ヒトまたは非-ヒトの霊長類、マウス(mouse)、ラット(rat)、イヌ、ネコ、ウマ、及びウシなどの哺乳類であってもよいが、これに制限されるものではない。
【0071】
本発明において「投与」とは、任意の適切な方法で個体に所定の本発明の組成物を提供することを意味する。
【0072】
本発明において「予防」とは、所望の疾患の発病を抑制するか、または遅延させるすべての行為を意味し、「治療」とは、本発明による薬学的組成物の投与により所望の疾患とそれに伴う代謝異常の症状が好転するか、または有益に変更されるすべての行為を意味し、「改善」とは、本発明による組成物の投与により所望の疾患に係るパラメータ、例えば症状の程度を減少させる全ての行為を意味する。
【0073】
一方、本発明は、ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む、免疫機能または代謝機能障害による疾患や老化予防または改善用食品組成物に関する。
【0074】
前記食品組成物は、健康機能性食品組成物であってもよいが、これに制限されるものではない。
【0075】
本発明の前記小胞を食品添加物として使用する場合、そのまま添加するか、または他の食品や食品成分とともに使用してもよく、通常の方法により適宜使用してもよい。有効成分の混合量は、使用目的(予防、健康または治療的処置)に応じて適宜決定されてもよい。一般に、食品または飲料の製造時、本発明の小胞は、原料に対して15重量%以下、または10重量%以下の量で添加されてもよい。しかし、健康及び衛生を目的とするか、または健康調節を目的とする長期間の摂取の場合、前記量は前記範囲以下であってもよく、安全性の面で何の問題もないため、有効成分は、前記範囲以上の量で使用されてもよい。
【0076】
前記食品の種類には特に制限はない。前記物質を添加できる食品の例としては、肉類、ソーセージ、パン、チョコレート、キャンディー類、スナック類、菓子類、ピザ、ラーメン、その他の麺類、ガム類、アイスクリーム類を含む酪農製品、各種スープ、飲料水、お茶、ドリンク剤、アルコール飲料及びビタミン複合剤などがあり、通常の意味での健康機能食品をすべて含む。
【0077】
本発明による健康飲料組成物は、通常の飲料のように、様々な香味剤または天然炭水化物などを追加成分として含有してもよい。上述した天然炭水化物は、ブドウ糖および果糖などのモノサッカライド、マルトース及びスクロースなどのジサッカライド、デキストリン及びシクロデキストリンなどのポリサッカライド、及びキシリトール、ソルビトール及びエリトリトールなどの糖アルコールである。甘味剤としては、タウマチン、ステビア抽出物などの天然甘味剤や、サッカリン、アスパルテームなどの合成甘味剤などが使用されてもよい。前記天然炭水化物の割合は、本発明の組成物100mLあたり一般に約0.01~0.20g、または約0.04~0.10gである。
【0078】
前記に加えて、本発明の組成物は、様々な栄養剤、ビタミン、電解質、風味剤、着色剤、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護コロイド増粘剤、pH調整剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に使用される炭酸化剤などを含有してもよい。その他に、本発明の組成物は、天然フルーツジュース、フルーツジュース飲料及び野菜飲料の製造のための果肉を含有してもよい。これらの成分は独立してまたは組み合わせて使用してもよい。このような添加剤の割合はあまり重要ではないが、本発明の組成物100重量部当たり0.01~0.20重量部の範囲から選ばれるのが一般的である。
【0079】
また、本発明は、ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む、免疫機能または代謝機能障害による疾患、または皮膚老化の予防または改善用化粧料組成物に関する。
【0080】
本発明において「老化」とは、時間が経つにつれて起こる身体のすべての生理的変化を通称するもので、個体によって数多くの要因によって非常に多様に起こる生命現象を意味する。老化現象を具体的に察し見ると、各構成器官及び組織の機能変化が起こるもので、個体の老化は、結局、その個体を構成する細胞の老化に起因する。本発明において、前記老化は、脳、肝臓、肺、腎臓、筋肉、皮膚またはこれらの臓器の細胞老化によるものであってもよいが、これに制限されるものではない。
【0081】
本発明による化粧料組成物の剤形としては、スキンローション、スキンソフナー、スキントナー、アストリンジェント、ローション、ミルクローション、モイスチャーローション、栄養ローション、マッサージクリーム、栄養クリーム、ミスト、モイスチャークリーム、ハンドクリーム、ハンドクリーム、ハンドローション、ファンデーション、エッセンス、栄養エッセンス、パック、石鹸、クレンジングフォーム、クレンジングローション、クレンジングクリーム、クレンジングオイル、クレンジングバーム、ボディローションまたはボディクレンザーの形態であってもよい。
【0082】
本発明の化粧料組成物は、水溶性ビタミン、油溶性ビタミン、高分子ペプチド、高分子多糖、及びスフィンゴ脂質からなる群から選ばれる組成物をさらに含んでもよい。
【0083】
水溶性ビタミンとしては、化粧品に配合可能なものであればどのようなものでもよいが、例えば、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ピリドキシン、塩酸ピリドキシン、ビタミンB12、パントテン酸、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、葉酸、ビタミンC、ビタミンHなどが挙げられ、それらの塩(チアミン塩酸塩、アスコルビン酸ナトリウム塩など)や誘導体(アスコルビン酸-2-リン酸ナトリウム塩、アスコルビン酸-2-リン酸マグネシウム塩など)も本発明で使用されてもよい水溶性ビタミンに含まれる。水溶性ビタミンは、微生物変換法、微生物の培養物からの精製法、酵素法または化学合成法などの通常の方法により得ることができる。
【0084】
油溶性ビタミンとしては、化粧品に配合可能なものであればどのようなものでもよいが、例えば、ビタミンA、カロチン、ビタミンD2、ビタミンD3、ビタミンE(d1-アルファトコフェロール、d-アルファトコフェロール、d-アルファトコフェロール)などが挙げられ、それらの誘導体(パルミチン酸アスコルビン、ステアリン酸アスコルビン、ジパルミチン酸アスコルビン、酢酸d1-アルファトコフェロール、ニコチン酸d1-アルファトコフェロールビタミンE、DL-パントテニルアルコール、D-パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテルなど)なども本発明で使用される油溶性ビタミンに含まれる。油溶性ビタミンは、微生物変換法、微生物の培養物からの精製法、酵素または化学合成法などの通常の方法により得ることができる。
【0085】
高分子ペプチドとしては、化粧品に配合可能なものであればどのようなものでもよいが、例えば、コラーゲン、加水分解コラーゲン、ゼラチン、エラスチン、加水分解エラスチン、ケラチンなどが挙げられる。高分子ペプチドは、微生物の培養液からの精製法、酵素法または化学合成法などの通常の方法により精製取得してもよく、または通常、豚や牛などの真皮、蚕の絹繊維などの天然物から精製して使用してもよい。
【0086】
高分子多糖としては、化粧品に配合可能なものであればどのようなものでもよいが、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸またはその塩(ナトリウム塩など)などが挙げられる。例えば、コンドロイチン硫酸またはその塩などは、通常、哺乳動物や魚類から精製して使用してもよい。
【0087】
スフィンゴ脂質としては、化粧品に配合可能なものであればどのようなものでもよいが、例えば、セラミド、フィトスフィンゴシン、スフィンゴ糖脂質などが挙げられる。スフィンゴ脂質は、通常、哺乳類、魚類、貝類、酵母または植物などから通常の方法により精製するか、または化学合成法により得ることができる。
【0088】
本発明の化粧料組成物には、前記必須成分に加えて、必要に応じて通常の化粧品に配合される他の成分を配合してもよい。
【0089】
その他に添加してもよい配合成分としては油脂成分、保湿剤、エモリエント剤、界面活性剤、有機及び無機顔料、有機粉体、紫外線吸収剤、防腐剤、殺菌剤、酸化防止剤、植物抽出物、pH調整剤、アルコール、色素、香料、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、精製水などが挙げられる。
【0090】
油脂成分としては、エステル系油脂、炭化水素系油脂、シリコン系油脂、フッ素系油脂、動物油脂、植物油脂などが挙げられる。
【0091】
エステル系油脂としては、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、2-エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、リノレン酸エチル、リノレン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ネオペンタン酸イソアルキル、トリ(カプリル、カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリトール、カプリル酸セチル、ラウリン酸デシル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、リシノレイン酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸イソセチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、リノレン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2-エチルヘキサン酸セトステアリル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジ(カプリル、カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸イソステアリル、イソノナン酸オクチル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルデシル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンイソステアリン酸エステル、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソアルキル、クエン酸トリイソオクチル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、乳酸オクチルデシル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリオクチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリン酸2-エチルヘキシル、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、アジピンサンジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸ステアリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリルなどのエステル系などが挙げられる。
【0092】
炭化水素系油脂としては、スクワラン、流動パラフィン、アルファ-オレフィンオリゴマー、イソパラフィン、セレシン、パラフィン、流動イソパラフィン、ポリブデン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリンなどの炭化水素系油脂などが挙げられる。
【0093】
シリコン系油脂としては、ポリメチルシリコン、メチルフェニルシリコン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルシクロシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、アルキル変性シリコン油、アミノ変性シリコン油などが挙げられる。
【0094】
フッ素系油脂としては、パーフルオロポリエーテルなどが挙げられる。
【0095】
動物や植物の油脂としては、アボカド油、アーモンド油、オリーブ油、ゴマ油、米ぬか油、サフラワー油、大豆油、トウモロコシ油、菜種油、杏仁油、パーム核油、パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、綿実油、ヤシ油、ココナッツ油、小麦胚芽油、米胚芽油、シアバター、月見草油、マカダミアナッツ油、メドウフォーム油、卵黄油、牛脂、馬油、ミンク油、オレンジラフィー油、ホホバ油、カンデリラワックス、カルナバワックス、液状ラノリン、硬化ヒマシ油などの動物や植物の油脂が挙げられる。
【0096】
保湿剤としては、水溶性低分子保湿剤、脂溶性分子保湿剤、水溶性高分子、脂溶性高分子などが挙げられる。
【0097】
水溶性低分子保湿剤としては、セリン、グルタミン、ソルビトール、マンニトール、ピロリドン-カルボン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコールB(重合度n=2以上)、ポリプロピレングリコール(重合度n=2以上)、ポリグリセリンB(重合度n=2以上)、乳酸、乳酸塩などが挙げられる。
【0098】
脂溶性低分子保湿剤としては、コレステロール、コレステロールエステルなどが挙げられる。
【0099】
水溶性高分子としては、カルボキシビニルポリマー、ポリアスパラギン酸塩、トラガカント、キサンタンガム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、水溶性キチン、キトサン、デキストリンなどが挙げられる。
【0100】
脂溶性高分子としては、ポリビニルピロリドン・エイコセン共重合体、ポリビニルピロリドン・ヘキサデセン共重合体、ニトロセルロース、デキストリン脂肪酸エステル、高分子シリコンなどが挙げられる。
【0101】
エモリエント剤としては、長鎖アシルグルタミン酸コレステリルエステル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、12-ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸、ロジン酸、ラノリン脂肪酸コレステリルエステルなどが挙げられる。
【0102】
界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。
【0103】
ノニオン性界面活性剤としては、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POE(ポリオキシエチレン)ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEヒマシ油、POE・POP(ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン)共重合体、POE・POPアルキルエーテル、ポリエーテル変性シリコーン、ラウリン酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキシド、水素添加大豆リン脂質などが挙げられる。
【0104】
アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、アルファ-アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、POEアルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N-アシルアミノ酸塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸ナトリウム、アシル化加水分解コラーゲンペプチド塩、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどが挙げられる。
【0105】
カチオン性界面活性剤としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化べヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ステアリンサンジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラノリン誘導体第4級アンモニウム塩などが挙げられる。
【0106】
両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸塩型、イミダゾリン誘導体型、アミドアミン型などの両性界面活性剤などが挙げられる。
【0107】
有機及び無機顔料としては、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、セリサイト、マイカ、カオリン、ベンガラ、クレー、ベントナイト、チタン被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化鉄、群青、酸化クロム、水酸化クロム、カラミン及びこれらの複合体などの無機顔料、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、シルクパウダー、セルロース、CIピグメントイエロー、CIピグメントオレンジなどの有機顔料及びこれらの無機顔料と有機顔料の複合顔料などが挙げられる。
【0108】
有機粉体としては、ステアリン酸カルシウムなどの金属石鹸、セチリン酸亜鉛ナトリウム、ラウリルリン酸亜鉛、ラウリルリン酸カルシウムなどのアルキルリン酸金属塩、N-ラウロイル-ベータ-アラニンカルシウム、N-ラウロイル-ベータ-アラニン亜鉛、N-ラウロイルグリシンカルシウムなどのアシルアミノ酸多価金属塩、N-ラウロイル-タウリンカルシウム、N-パルミトイル-タウリンカルシウムなどのアミドスルホン酸多価金属塩、N-エプシロン-ラウロイル-L-リジン、N-エプシロン-パルミトイルリジン、N-アルファ-パリトイルオルニチン、N-アルファ-ラウロイルアルギニン、N-アルファ-硬化牛脂脂肪酸アシルアルギニンなどのN-アシル塩基性アミノ酸、N-ラウロイルグルリシルグリシンなどのN-アシルポリペプチド、アルファ-アミノカプリル酸、アルファ-アミノラウリン酸などのアルファ-アミノ脂肪酸、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、四フッ化エチレンなどが挙げられる。
【0109】
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸アミル、パラアミノ安息香酸オクチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸フェニル、サリチル酸オクチル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ブチルフェニル、サリチル酸ホモメンチル、けい皮酸ベンジル、パラメトキシけい皮酸-2-エトキシエチル、パラメトキシけい皮酸オクチル、ジパラメトキシけい皮酸モノ-2-エチルヘキサングリセリル、パラメトキシけい皮酸イソプロピル、ジイソプロピル・ジイソプロピルけい皮酸エステル混合物、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその塩、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン、2,4,6-トリアニリノ-p-(カルボ-2'-エチルヘキシル-1'-オキシ)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
【0110】
殺菌剤としては、ヒノキチオール、トリクロサン、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジングルコン酸塩、フェノキシエタノール、レゾルシン、イソプロピルメチルフェノール、アズレン、サリチル酸、ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム、減光素301号、モノニトログアヤコールナトリウム、ウンデシレン酸などが挙げられる。
【0111】
酸化防止剤としては、ブチルヒドロキシアニソール、ガーリック酸プロピル、エリソルビン酸などが挙げられる。
【0112】
pH調整剤としては、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、フマル酸、フマル酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸一水素ナトリウムなどが挙げられる。
【0113】
アルコールとしては、セチルアルコールなどの高級アルコールが挙げられる。
【0114】
また、その他に添加してもよい配合成分は、これに限定されるものではなく、また、前記いずれの成分も本発明の目的及び効果を損なわない範囲内で配合可能であるが、総重量に対して0.01-5%の重量百分率または0.01-3%重量百分率で配合されてもよい。
【0115】
本発明の剤形がローション、ペースト、クリームまたはゲルである場合には、担体成分として動物繊維、植物繊維、ワックス、パラフィン、澱粉、トラカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、シリカ、タルクまたは酸化亜鉛などが使用されてもよい。
【0116】
本発明の剤形がパウダーまたはスプレーである場合には、担体成分としてラクトース、タルク、シリカ、アルミニウムヒドロキシド、カルシウムシリケートまたはポリアミドパウダーが用いられてもよく、特にスプレーである場合には、さらにクロロフルオロハイドロカーボン、プロパン/ブタンまたはジメチルエーテルなどの推進剤を含んでもよい。
【0117】
本発明の剤形が溶液または乳濁液の場合には、担体成分として溶媒、溶媒化剤や乳濁化剤が用いられ、例えば、水、エタノール、イソプロパノール、エチルカーボネート、エチルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾアート、プロピレングリコール、1、3-ブチルグリコールオイル、グリセロール脂肪族エステル、ポリエチレングリコールまたはソルビタンの脂肪酸エステルがある。
【0118】
本発明の剤形が懸濁液である場合には、担体成分として、水、エタノールまたはプロピレングリコールなどの液状希釈剤、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステル及びポリオキシエチレンソルビタンエステルなどの懸濁剤、微結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、アガまたはトラカントなどが用いられてもよい。
【0119】
本発明の剤形が界面-活性剤含有クレンジングである場合には、担体成分として脂肪族アルコールサルフェート、脂肪族アルコールエーテルサルフェート、スルホコハク酸モノエステル、イセチオン酸、イミダゾリニウム誘導体、メチルタウレート、サルコシネート、脂肪酸アミドエーテルサルフェート、アルキルアミドベタイン、脂肪族アルコール、脂肪酸グリセリド、脂肪酸ジエタノールアミド、植物性油、ラノリン誘導体またはエトキシ化グリセロール脂肪酸エステルなどが用いられてもよい。
【0120】
また、本発明は、ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む、免疫機能または代謝機能障害による疾患予防または改善用吸入組成物の形態で提供されてもよい。
【0121】
吸入投与剤の場合、当業界で公知の方法により剤形化されてもよく、適切な推進剤、例えば、ジクロロフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適切な気体を使用し、加圧パックまたは煙霧器からエアロゾルスプレーの形で便利に伝達しうる。加圧エアロゾルの場合、投薬単位は、計量された量を伝達する弁を提供することによって決定できる。例えば、吸入器または吹込器に使用されるゼラチンカプセル及びカートリッジは、化合物及びラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末基剤の粉末混合物を含有するように剤形化してもよい。
【0122】
また、本発明は、ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む、薬物伝達用組成物に関する。
【0123】
本発明において使用される用語の「薬物伝達」とは、特定の臓器、組織、細胞または細胞小器官に薬物を伝達するために本発明による組成物に薬物をローディングして伝達するすべての手段または行為を意味する。
【0124】
本発明において、前記薬物伝達用組成物は、胃、小腸、大腸、肺、肝臓、腎臓、及び脳からなる群から選ばれる少なくとも1つの臓器に薬物を伝達してもよいが、これに制限されるものではない。
【0125】
また、本発明は、ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む、疾患治療薬物伝達システムを提供する。
【0126】
また、本発明は、所望の疾患治療薬物を担持したラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む組成物をそれを必要とする個体に投与する段階を含む、疾患治療薬物伝達方法を提供する。
【0127】
また、本発明は、ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む組成物の疾患治療薬物伝達用途を提供する。
【0128】
また、本発明は、疾患治療薬物伝達用の製剤を製造するためのラクトバチルス菌由来小胞の用途を提供する。
【実施例】
【0129】
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示する。しかし、下記実施例は、本発明をより容易に理解するために提供されるものであり、下記実施例により本発明の内容が限定されるものではない。
【0130】
[実施例]
実施例1:ラクトバチルス菌由来小胞の分離
ラクトバチルス菌由来小胞(extracellular vesicle; EV)を分離するために、様々なラクトバチルス菌を自ら開発した培地に接種し、37℃で200rpmで吸光度(OD600nm)が1.0~1.5になるまで培養した後、LB(Luria Bertani)培地に再接種して培養した。次に、菌体を含む培養液を回収し、10,000gで4℃で20分間遠心分離して菌体を除去した上澄み液を得た。得られた上澄み液は再び0.22μmのフィルターを用いてろ過し、ろ過した上澄み液は100 kDa Pellicon 2 Cassettフィルターメンブレン(Merck Millipore)とMasterFlex pump system(Cole-Parmer)を用いて50mL以下の体積で濃縮した。濃縮した上澄み液を再び0.22μmのフィルターを用いてろ過し、ラクトバチルス菌由来小胞を分離した。上澄み液に含まれているタンパク質の量は、Pierce BCA Protein Assay kit(Thermo Fisher Scientific)を用いて測定した。
【0131】
実施例2.ラクトバチルス・パラカセイ由来小胞の薬物動態学的特性の評価
ラクトバチルス菌由来小胞の経口投与時の吸収、分布、及び排泄などの薬物動態学的特性を調べるために、代表的なラクトバチルス菌であるラクトバチルス・パラカセイ由来小胞をCy7-NHS蛍光染色試薬で染色した後、マウスに経口投与して投与直前から投与後72時間まで体と各臓器で発現した蛍光を測定した。
【0132】
その結果、
図1aに示すように、蛍光染色されたラクトバチルス・パラカセイ由来小胞を経口投与したとき、小胞が胃腸管防御膜を貫通し、時間が経つにつれて全身的に吸収されて分布することを確認した。
【0133】
また、小胞を経口投与した後に主要臓器を摘出し、時間別に各臓器別に分布様相を観察した。
【0134】
その結果、
図1bに示すように、経口投与1時間目に胃からラクトバチルス・パラカセイ由来小胞の蛍光シグナルが観察され、3時間後には小腸、大腸、肺に蛍光シグナルが観察され、経口投与6時間後には肝臓及び脳においても蛍光シグナルが観察された。また、経口投与48時間後にはほとんどの蛍光シグナルがほとんどの臓器から消えることを確認した。
【0135】
以上のことから、ラクトバチルス・パラカセイ由来小胞を経口内投与時に胃、小腸、大腸を介して吸収され、これはリンパ管を介して血管に吸収された後、肺、肝臓、脳などの臓器に分布し、ほとんどが肝臓を介して便として体外に排泄されることが分かる。
【0136】
実施例3.ラクトバチルス・アシドフィルス由来小胞の薬物動態学的特性の評価
ラクトバチルス菌由来小胞の経口投与時の吸収、分布、及び排泄などの薬物動態学的特性がラクトバチルス菌に属する菌に共通する現象であるかを評価するために、さらに他のラクトバチルス菌であるラクトバチルス・アシドフィルス由来小胞を蛍光染色試薬で染色した後、マウスに経口投与し、投与直前から投与後72時間まで体と各臓器で発現した蛍光を測定した。
【0137】
その結果、
図2aに示すように、蛍光染色されたラクトバチルス・アシドフィルス由来小胞を経口投与したとき、小胞が胃腸管防御膜を貫通し、時間が経つにつれて全身的に吸収されて分布することを確認した。
【0138】
また、小胞を経口投与した後に主要臓器を摘出し、時間別に各臓器別に分布様相を観察した。
【0139】
その結果、
図2bに示すように、経口投与1時間目に胃、小腸、及び肺においてラクトバチルス・アシドフィルス由来小胞の蛍光シグナルが観察され、経口投与6時間後には大腸、肝臓及び脳においても蛍光シグナルが観察された。また、経口投与48時間後にはほとんどの蛍光シグナルがほとんどの臓器から消えることを確認した。
【0140】
以上のことから、ラクトバチルス・アシドフィルス由来小胞を経口投与した場合に胃、小腸、大腸を介して吸収され、これはリンパ管を介して血管に吸収された後、肺、肝臓、脳などの臓器に分布し、ほとんどが肝臓を介して便として体外に排泄されることが分かる。
【0141】
実施例4.アシネトバクター菌由来小胞の薬物動態学的特性の評価
ラクトバチルス菌などのグラム陽性細菌由来小胞の吸収、分布、及び排泄などの薬物動態学的特徴がグラム陽性細菌の特異的な現象であるかを評価するために、代表的なグラム陰性細菌であるアシネトバクター・バウマニ(Acinetobactor baumannii)から分泌された小胞を蛍光染色試薬で染色した後、マウスに経口投与して実施例2と同様の方法で発現した蛍光を測定した。
【0142】
図3aに示すように、アシネトバクター・バウマニ由来小胞は、経口投与後3時間が経過すると、胃で最も強い蛍光シグナルが観察され、胃で確認された蛍光シグナルは時間が経つにつれて減少することを確認した。
【0143】
また、
図3b及び
図3cに示すように、アシネトバクター・バウマニ由来小胞を経口投与したとき、投与1時間後に胃組織において蛍光シグナルが観察され、投与6時間後には肺組織で観察された。しかし、実施例2及び3のラクトバチルス菌由来小胞の薬物動態学的特性とは異なり、肝臓や脳などの臓器では測定されなかった。
【0144】
以上のことから、グラム陽性細菌由来小胞とグラム陰性細菌由来小胞の薬物動態学的特性は、非常に異なることが分かり、ラクトバチルス菌由来小胞などのグラム陽性細菌由来小胞は、経口投与時、肝臓、脳などの臓器まで分布した後、主に肝臓を通じて便として排泄されるが、アシネトバクター菌由来小胞などのグラム陰性細菌由来小胞は、経口投与時に胃を通じて主に吸収され、これは肺に分布した後に呼気を介して主に体外に排泄されることが分かる。
【0145】
実施例5.病原性細菌由来因子であるLPSによる炎症の発生におけるラクトバチルス菌由来小胞の抗炎症効果
ラクトバチルス菌由来小胞の抗炎症効果を確認するために、マウスマクロファージであるRaw 264.7に様々なラクトバチルス菌由来小胞を10μg/mLの濃度で前処理して培養した後、TNF-αの分泌量を測定した。
【0146】
具体的には、Lactobacillus paracasei、L.acidophilus、L.brevis、L.casei、L.crispatu自体分離菌株、L.crispatus標準菌株、L.fermentum自体分離菌株、L.fermentum標準菌株、L.jensenii、L.kimchii、L.rhamnosus、L.sakei、L.salivarius、L.vaginalisなどを実施例1の方法で培養して小胞を分離した。その後、48ウェルプレートに5×105個ずつRaw 264.7細胞を分注した後、DMEM無血清培地で希釈したラクトバチルス菌由来小胞を処理し、12時間培養した。その後、病原性グラム陰性細菌由来の炎症性因子であるlipopolysaccharide(LPS)を100ng/mLの濃度で処理した後、さらに12時間培養した。その後、TNF-αの分泌量をELISA法で測定した。
【0147】
ELISA法は、Capture抗体(Abcam)をリン酸塩緩衝液で希釈し、96ウェルプレートに50μLずつ分注した後、4℃で16時間反応させた。次に、0.05%のツイン-20が添加されたリン酸塩緩衝液(PBST)100μLを用いて3回洗浄した後、1%のBSA(bovine serum albumin)が添加されたリン酸塩緩衝液(RD)をウェル当たり100μLずつ添加して常温で1時間ブロッキングした。次に、実験しようとする試料とstandardの濃度を合わせて50μLずつ添加して常温で2時間反応させ、PBSTを用いて3回洗浄した。次に、detection抗体をRDに希釈し、ウェルあたり50μLずつ添加して常温で2時間反応させ、PBSTを用いて3回洗浄して結合していない抗体をきれいに除去した後、RDに1/40に希釈させたStreptavidin-HRP(R&D system)をウェル当たり50μLずつ添加し、常温で20分間反応させた。最後にPBST100μLで3回洗浄した後、TMB substrate(SurModics)をウェル当たり50μLずつ添加し、5分~20分後に発色が進行したとき、1Mの硫酸溶液をウェル当たり50μLずつ添加して反応を終了させた後、SpectraMax M3 microplate reader(Molecular Devices)を用いて450nmで吸光度を測定した。
【0148】
その結果、
図4に示すように、処置したラクトバチルス菌株にかかわらずラクトバチルス菌由来小胞を投与した場合、マクロファージにおいてLPSによって誘導されるTNF-αの分泌が50%以上減少することを確認した。以上の結果から、病原性細菌に由来するLPSによる炎症をラクトバチルス菌由来小胞が効果的に抑制できることが確認できた。
【0149】
実施例6.病原性細菌由来小胞である大腸菌由来小胞による炎症の発生におけるラクトバチルス菌由来小胞の抗炎症効果
ラクトバチルス菌そのもの及びラクトバチルス由来小胞の抗炎症効果を比較するために、マウスマクロファージであるRaw 264.7にラクトバチルス・サケイ(LSK)菌株及びラクトバチルス・サケイ由来小胞を0.1、1、10、50、100μg/mLの濃度で処理し、病原性因子である大腸菌由来小胞(E.coli EV)によるIL-6の分泌に対する影響を評価した。より詳細には、48ウェルプレートに5×105個ずつRaw 264.7細胞を分注した後、DMEM無血清培地で希釈したラクトバチルス・サケイ菌株そのもの(pellet)またはラクトバチルス・サケイ由来小胞をマクロファージに処理し、12時間培養した。その後、大腸菌由来小胞1μg/mLの濃度で処理した後、さらに12時間培養した後、IL-6の濃度をELISA法で測定した。対照薬物として、さらに他のラクトバチルス菌であるラクトバチルス・プランタラム由来小胞を1μg/mLの濃度で前処理した。
【0150】
その結果、
図5に示すように、ラクトバチルス・プランタラム及びサカイ由来小胞を前処理した場合には大腸菌由来小胞によるIL-6分泌が抑制され、ラクトバチルス・サケイ由来小胞の場合にはIL-6分泌が用量依存的に抑制された。一方、ラクトバチルス・サケイ菌株そのものを投与した場合には、大腸菌由来小胞によるIL-6分泌がむしろ増加した。以上の結果から、病原性細菌が分泌する小胞による炎症をラクトバチルス菌そのものは抑制できないが、ラクトバチルス菌由来小胞は効率的に抑制できることが確認できた。
【0151】
実施例7.ウイルス性因子であるpoly(I:C)によって誘導されたinducible NO synthase(iNOS)発現に対するラクトバチルス菌由来小胞の抑制効果
細胞が様々なストレスに繰り返しさらされると、酸化ストレス(oxidative stress)によって細胞老化が発生して細胞機能に異常が生じ、また細胞死がもたらされて細胞老化関連疾患が発生する。特に、iNOSシグナルを介して生成される高濃度のNOは、細胞に過度なストレスを生じさせて免疫機能と代謝機能異常を招き、疾患の発生を促進する。一方、Poly(I:C)は、人工的に合成された二重構造のリボヌクレオチドポリマーであり、一部のウイルスに存在するdsRNAと構造的に類似しており、様々な炎症性シグナル伝達経路を活性化してウイルス感染症を引き起こす。
【0152】
ウイルス性因子による免疫機能異常によって細胞老化関連疾患の発生に対するラクトバチルス菌由来小胞の治療効果を評価するために、ウイルス性因子であるpoly(I:C)をC57BL/6 6週齢雄マウスに2週間隔日で気道内投与して免疫疾患マウスモデルを作製した。その後、肺組織を摘出し、iNOS発現態様をウェスタンブロット法で評価した。ラクトバチルス菌由来小胞の治療効果は、ラクトバチルス・ファーマンタム由来小胞(Lf EV)50μg、ラクトバチルス・ラムノサス由来小胞(Lr EV)50μg、及びラクトバチルス・ガセリ由来小胞(Lg EV)50μgを経口内投与して評価し、対照薬物としてデキサメタゾン(Dex)1mgを腹腔内投与した。
【0153】
その結果、
図6に示すように、poly(I:C)によるiNOSの発現が、ラクトバチルス・ファーマンタム由来小胞(Lf EV)、ラクトバチルス・ラムノサス由来小胞(Lr EV)、及びラクトバチルス・ガセリ由来小胞(Lg EV)によって効率的に抑制され、これは陽性対照薬物であるデキサメタゾンより優れていた。
【0154】
以上、ラクトバチルス菌由来小胞は、ウイルス性因子による免疫機能異常を効率的に抑制し、細胞老化及び炎症関連疾患を効率的に治療できることが分かる。
【0155】
実施例8.筋肉細胞においてAMPKシグナル伝達に対するラクトバチルス菌由来小胞の活性化効果
空腹時や運動時、筋肉細胞でエネルギーが枯渇してATP産生は減少し、AMP産生は増加する。この時、細胞ではAMPKシグナルを活性化して代謝ストレスに対する細胞の恒常性を増加させるという事実はよく知られている。ラクトバチルス菌由来小胞による代謝機能調節効果を評価するために、筋肉細胞にラクトバチルス・パラカセイ由来小胞(MDH-001-CM)及びラクトバチルス・ラムノサス由来小胞(MDH-003-CM)をそれぞれ0、0.1、1、10μg/mlの濃度で1時間処理した。その後、AMPKシグナル伝達指標であるAMPKリン酸化(pAMPK)の程度をウェスタンブロットで測定した。対照薬物としては、インスリン(insulin)1μMとメトホルミン(metformin)50mMを使用した。
【0156】
その結果、
図7aに示すように、AMPKのリン酸化(pAMPK)が対照薬物であるインスリンによっては抑制され、メトホルミンによっては増加した。また、ラクトバチルス・パラカセイ由来小胞を処理した場合には、pAMPKの発現が小胞の濃度に依存して増加した。
【0157】
また、
図7bに示すように、ラクトバチルス・ラムノサス由来小胞を処理した場合でもpAMPKの発現が小胞の濃度に依存して増加した。以上の結果から、ラクトバチルス菌由来小胞がAMPKシグナルを活性化して代謝機能障害を効率的に抑制できることが分かる。
【0158】
前記結果を通じて、本発明のラクトバチルス菌由来小胞が免疫機能障害を調節して炎症を抑制し、代謝機能障害を調節して細胞の恒常性を増加させて疾患を効率的に治療できることを確認したところ(
図8参照)、本発明のラクトバチルス菌由来小胞は、免疫機能または代謝機能障害によって発生する疾患の改善、予防、または治療用途として使用できるものと期待される。
【0159】
前述した本発明の説明は、例示のためのものであり、本発明の属する技術分野の通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態に容易に変形が可能であることが理解できるであろう。したがって、前述の実施例は、すべての面で例示的なものであり、限定的でないものと理解しなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0160】
本発明によるラクトバチルス菌由来小胞は、炎症反応の核心シグナルであるNF-κBシグナル伝達を抑制することにより炎症反応を調節できるだけでなく、ATP産生がよく起こらない代謝ストレス状況でAMPKシグナルを活性化して細胞の恒常性を増加させるため、免疫機能または代謝機能障害による疾患の改善、予防、または治療するための医薬品または健康機能食品などの開発に有用に用いることができ、産業上の利用可能性がある。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む、免疫機能または代謝機能障害による疾患予防または治療用薬学的組成物。
【請求項2】
前記免疫機能または代謝機能障害による疾患は、免疫疾患(immune disease)、代謝疾患(metabolic disease)、及び悪性疾患(malignant disease)からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項3】
前記免疫機能または代謝機能障害による疾患は、アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis)、乾癬(psoriasis)、ニキビ(acne)、及び脱毛症(alopecia)からなる群から選ばれる少なくとも1つの皮膚疾患と、
歯肉炎(gingivitis)、及び歯周炎(periodontitis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの口腔疾患、
胃炎(gastritis)、消化性潰瘍(peptic ulcer)、セリアック病(celiac disease)、食物アレルギー(food allergy)、及び炎症性大腸炎(inflammatory bowel disease)からなる群から選ばれる少なくとも1つの消化管疾患、
非アルコール性脂肪性肝炎(non-alcoholic steatohepatitis,NASH)、アルコール性脂肪性肝炎(alcoholic steatohepatitis)、肝硬変(liver cirrhosis)、胆道炎(cholangitis)、胆嚢炎(cholecystitis)、及び膵炎(pancreatitis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの肝臓-胆道-膵臓疾患と、
鼻炎(rhinitis)、及び副鼻腔炎(sinusitis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの鼻疾患、
喘息(asthma)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺炎(pneumonia)、慢性間質性肺炎(chronic interstitial pneumonitis)、及び肺線維症(pulmonary fibrosis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの肺疾患、
動脈硬化症(atherosclerosis)、狭心症(angina)、代謝症候群(metabolic syndrome)、血栓塞栓症(thromboembolism)、心筋梗塞(myocardial infarction)、心筋症(cardiomyopathy)、及び脳卒中(stroke)からなる群から選ばれる少なくとも1つの心血管疾患、
関節リウマチ(rheumatoid arthritis)、骨関節炎(osteoarthritis)、痛風(gout)、筋減少症(sarcopenia)、及び骨粗しょう症(osteoporosis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの筋骨格系疾患、
アルツハイマー病(Alzheimers disease)、血管性認知症(vascular dementia)、パーキンソン病(Parkinsons disease)、筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis)、ハンチントン病(Huntingtons disease)、てんかん(epilepsy)、多発性硬化症(multiple sclerosis)、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy)、糖尿病性神経障害(diabetic neuropathy)、自閉性障害(autism spectrum disorder)、注意力欠乏過剰行動障害(attention deficit hyperactivity syndrome)、うつ病障害(depressive disorder)、双極性障害(bipolar disorder)、不安障害(anxiety disorder)、統合失調症(schizophrenia)、強迫障害(obsessive compulsive disorder)、心的外傷後ストレス障害(post-traumatic stress disorder)、解離性障害(dissociative disorder)、摂食障害(eating disorder)、物質使用障害(substance use disorder)、及び性格障害(personality disorder)からなる群から選ばれる少なくとも1つの神経精神疾患、及び
黄斑変性(macular degeneration)、糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)、緑内障(glaucoma)、白内障(cataract)、及び眼球乾燥症(dry eye)からなる群から選ばれる少なくとも1つの眼疾患からなる群から選ばれる少なくとも一つであること特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項4】
前記免疫疾患は、ウイルス感染、及び細菌感染からなる群から選ばれる少なくとも1つの感染性疾患、
アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、喘息、過敏性肺炎、食品アレルギー、及びアナフィラキシーからなる群から選ばれる少なくとも1つのアレルギー疾患、及び
全身性紅斑性嚢胞、関節リウマチ、多発性硬化症、及びベーチェット病からなる群から選ばれる少なくとも1つの自己免疫疾患からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項2に記載の薬学的組成物。
【請求項5】
前記代謝疾患は、糖尿病、代謝症候群、脂質代謝異常、動脈硬化症、及び肥満からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項2に記載の薬学的組成物。
【請求項6】
前記悪性疾患は、肺がん、頭頸部がん、食道がん、胃がん、大腸がん、結腸がん、肝臓がん、胆管がん、膵臓がん、乳がん、卵巣がん、腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん、甲状腺がん、脳腫瘍、骨肉腫、血液がん、及びリンパ腫からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項2に記載の薬学的組成物。
【請求項7】
前記免疫機能または代謝機能障害による疾患は、inducible NO synthase(iNOS)によって媒介される疾患であることを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項8】
前記免疫機能または代謝機能障害による疾患は、TNF-αまたはIL-6によって媒介される疾患であることを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項9】
前記ラクトバチルス菌は、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・アセトトレランス(Lactobacillus acetotolerans)、ラクトバシラス・アシジプリナ(Lactobacillus acidifarinae)、ラクトバチルス・アシジピシス(Lactobacillus acidipiscis)、ラクトバチルス・アギリス(Lactobacillus agilis)、ラクトバチルス・アルギドゥス(Lactobacillus algidus)、ラクトバチルス・アリモンタラス(Lactobacillus alimentarus)、ラクトバチルス・アミロリティクス(Lactobacillus amylolyticus)、ラクトバチルス・アミロトロピクス(Lactobacillus amylotrophicus)、ラクトバチルス・アミロボラス(Lactobacillus amylovorus)、ラクトバチルス・アニマリス(Lactobacillus animalis)、ラクトバチルス・アントリー(Lactobacillus antri)、ラクトバチルス・アポデミ(Lactobacillus apodemi)、ラクトバチルス・アビアリウス(Lactobacillus aviarius)、ラクトバチルス・バイファーメンタンス(Lactobacillus bifermentans)、ラクトバチルス・ボンビコラ(Lactobacillus bombicola)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)、ラクトバチルス・カメリア(Lactobacillus camelliae)、ラクトバチルス・カセイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・カテナフォルミス(Lactobacillus catenaformis)ラクトバチルス・セッティ(Lactobacillus ceti)、ラクトバチルス・コレオホミニス(Lactobacillus coleohominis)、ラクトバチルス・コリノイデス(Lactobacillus collinoides)、ラクトバチルス・コンポスティ(Lactobacillus composti)、ラクトバチルス・コンカブース(Lactobacillus concavus)、ラクトバチルス・コリニフォルミス(Lactobacillus coryniformis)ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバチルス・クラストルム(Lactobacillus crustorum)、ラクトバチルス・カルバタス(Lactobacillus curvatus)、ラクトバチルス・デルブルエッキイー(Lactobacillus delbruecki)、ラクトバチルス・デキストリニクス(Lactobacillus dextrinicus)、ラクトバチルス・ディオリボランス(Lactobacillus diolivorans)、ラクトバチルス・エクイ(Lactobacillus equi)、ラクトバチルス・エクイジェネロシ(Lactobacillus equigenerosi)、ラクトバチルス・ファラギニス(Lactobacillus farraginis)、ラクトバチルス・ファルシミニス(Lactobacillus farciminis)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・フォルニカリス(Lactobacillus fornicalis)、ラクトバチルス・フルクチボランス (Lactobacillus fructivorans)、ラクトバチルス・フルメンティ(Lactobacillus frumenti)、ラクトバチルス・フチエンシス(Lactobacillus fuchuensis)ラクトバチルス・ガリナルム(Lactobacillus gallinarum)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・ガストリクス(Lactobacillus gastricus)、ラクトバチルス・ガネンシス(Lactobacillus ghanensis)、ラクトバチルス・グラミニス(Lactobacillus gramminis)、ラクトバチルス・ハメシー(Lactobacillus hammesii)、ラクトバチルス・ハムステリ(Lactobacillus hamsteri)、ラクトバチルス・ハルビネンシス(Lactobacillus harbinensis)、ラクトバチルス・ハヤキテンシス(Lactobacillus hayakitensis)、ラクトバチルス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・ヒルガルジ(Lactobacillus hilgardii)、ラクトバチルス・ホモヒオチ(Lactobacillus homohiochii)、ラクトバチルス・イネルス(Lactobacillus iners)、ラクトバチルス・イングルビエイ(Lactobacillus ingluviei)、ラクトバチルス・インテスチナリス(Lactobacillus intestinalis)、ラクトバチルス・ジェンセニ(Lactobacillus jenseni)、ラクトバチルス・ジョンソニ(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・カリキセンシス(Lactobacillus kalixensis)、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)、ラクトバチルス・ケフィリ(Lactobacillus kefiri)、ラクトバチルス・キムチ(Lactobacillus kimchii)、ラクトバチルス・キタサトニス(Lactobacillus kitasatonis)、ラクトバチルス・クンケエイ(Lactobacillus kunkeei)、ラクトバチルス・レイチマンニ(Lactobacillus leichmannii)、ラクトバチルス・リンデリ(Lactobacillus lindneri)、ラクトバチルス・マレフェルメンタンス(Lactobacillus malefermentans)、ラクトバチルス・マリ(Lactobacillus mali)、ラクトバチルス・マニホチボランス(Lactobacillus manihotivorans)、ラクトバチルス・ミンデンシス(Lactobacillus mindensis)、ラクトバチルス・ムコサエ(Lactobacillus mucosae)、ラクトバチルス・ムリヌス(Lactobacillus murinus)、ラクトバチルス・ナゲリ(Lactobacillus nagelii)、ラクトバチルス・ナムレンシス(Lactobacillus namurensis)、ラクトバチルス・ナンテシス(Lactobacillus nantensis)、ラクトバチルス・オリゴフェルメンタンス(Lactobacillus oligofermentans)、ラクトバチルス・オリス(Lactobacillus oris)、ラクトバチルス・パニス(Lactobacillus panis)、ラクトバチルス・パンセリス(Lactobacillus pantheris)、ラクトバチルス・パラブレビス(Lactobacillus parabrevis)、ラクトバチルス・パラブチネリ(Lactobacillus parabuchneri)、ラクトバチルス・パラコリノイデス(Lactobacillus paracollinoides)、ラクトバチルス・パラファラギニス(Lactobacillus parafarraginis)、ラクトバチルス・パラケフィリ(Lactobacillus parakefiri)、ラクトバチルス・パラリメンタリウス(Lactobacillus paralimentarius)、ラクトバチルス・パラプランタラム(Lactobacillus paraplantarum)、ラクトバチルス・ペントサス(Lactobacillus pentosus)、ラクトバチルス・ペロレンス(Lactobacillus perolens)、ラクトバチルス・ポンティス(Lactobacillus pontis)、ラクトバチルス・プロテクタス(Lactobacillus protectus)、ラクトバチルス・プシタチ(Lactobacillus psittaci)、ラクトバチルス・レニニ(Lactobacillus rennini)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・リマエ(Lactobacillus rimae)、ラクトバチルス・ロゴサエ(Lactobacillus rogosae)、ラクトバチルス・ロシアエ(Lactobacillus rossiae)、ラクトバチルス・ルミニス(Lactobacillus ruminis)、ラクトバチルス・サエリムネリ(Lactobacillus saerimneri)、ラクトバチルス・サケイ(Lactobacillus sakei)、ラクトバチルス・サリバリウス(Lactobacillus salivarius)、ラクトバチルス・サンフランシスセンシス(Lactobacillus sanfranciscensis)、ラクトバチルス・サツメンシス(Lactobacillus satsumensis)、ラクトバチルス・セカリフィルス(Lactobacillus secaliphilus)、ラクトバチルス・シャーペアエ(Lactobacillus sharpeae)、ラクトバチルス・シリギニス(Lactobacillus siliginis)、ラクトバチルス・スフィチェリ(Lactobacillus spicheri)、ラクトバチルス・スエビカス(Lactobacillus suebicus)、ラクトバチルス・サイランデンシス(Lactobacillus thailandensis)、ラクトバチルス・ウルツネンシス(Lactobacillus ultunensis)、ラクトバチルス・バクシノステルカス(Lactobacillus vaccinostercus)、ラクトバチルス・バギナリス(Lactobacillus vaginalis)、ラクトバチルス・ヴェルスモルデンシス(Lactobacillus versmoldensis)、ラクトバチルス・ビニ(Lactobacillus vini)、ラクトバチルス・ビツリナス(Lactobacillus vitulinus)、ラクトバチルス・ゼアエ(Lactobacillus zeae)、及びラクトバチルス・ジマエ(Lactobacillus zymae)からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項10】
前記小胞は、平均直径が10~300nmであることを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項11】
前記小胞は、ラクトバチルス菌から自然的に分泌または人工的に生産されることを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項12】
前記小胞は、ラクトバチルス菌の培養液またはラクトバチルス菌を添加して培養した食品から分離されたことを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項13】
ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む、免疫機能または代謝機能障害による疾患または老化予防または改善用食品組成物。
【請求項14】
前記免疫機能または代謝機能障害による疾患は、免疫疾患(immune disease)、代謝疾患(metabolic disease)、及び悪性疾患(malignant disease)からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項13に記載の食品組成物。
【請求項15】
前記免疫機能または代謝機能障害による疾患は、アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis)、乾癬(psoriasis)、ニキビ(acne)、及び脱毛症(alopecia)からなる群から選ばれる少なくとも1つの皮膚疾患、
歯肉炎(gingivitis)、及び歯周炎(periodontitis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの口腔疾患、
胃炎(gastritis)、消化性潰瘍(peptic ulcer)、セリアック病(celiac disease)、食物アレルギー(food allergy)、及び炎症性大腸炎(inflammatory bowel disease)からなる群から選ばれる少なくとも1つの消化管疾患、
非アルコール性脂肪性肝炎(non-alcoholic steatohepatitis,NASH)、アルコール性脂肪性肝炎(alcoholic steatohepatitis)、肝硬変(liver cirrhosis)、胆道炎(cholangitis)、胆嚢炎(cholecystitis)、及び膵炎(pancreatitis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの肝臓-胆道-膵臓疾患、
鼻炎(rhinitis)、及び副鼻腔炎(sinusitis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの鼻疾患、
喘息(asthma)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺炎(pneumonia)、慢性間質性肺炎(chronic interstitial pneumonitis)、及び肺線維症(pulmonary fibrosis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの肺疾患、
動脈硬化症(atherosclerosis)、狭心症(angina)、代謝症候群(metabolic syndrome)、血栓塞栓症(thromboembolism)、心筋梗塞(myocardial infarction)、心筋症(cardiomyopathy)、及び脳卒中(stroke)からなる群から選ばれる少なくとも1つの心血管疾患、
関節リウマチ(rheumatoid arthritis)、骨関節炎(osteoarthritis)、痛風(gout)、筋減少症(sarcopenia)、及び骨粗しょう症(osteoporosis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの筋骨格系疾患、
アルツハイマー病(Alzheimers disease)、血管性認知症(vascular dementia)、パーキンソン病(Parkinsons disease)、筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis)、ハンチントン病(Huntingtons disease)、てんかん(epilepsy)、多発性硬化症(multiple sclerosis)、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy)、糖尿病性神経障害(diabetic neuropathy)、自閉性障害(autism spectrum disorder)、注意力欠乏過剰行動障害(attention deficit hyperactivity syndrome)、うつ病障害(depressive disorder)、双極性障害(bipolar disorder)、不安障害(anxiety disorder)、統合失調症(schizophrenia)、強迫障害(obsessive compulsive disorder)、心的外傷後ストレス障害(post-traumatic stress disorder)、解離性障害(dissociative disorder)、摂食障害(eating disorder)、物質使用障害(substance use disorder)、及び性格障害(personality disorder)からなる群から選ばれる少なくとも1つの神経精神疾患、及び
黄斑変性(macular degeneration)、糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)、緑内障(glaucoma)、白内障(cataract)、及び眼球乾燥症(dry eye)からなる群から選ばれる少なくとも1つの眼疾患からなる群から選ばれる少なくとも1つであること特徴とする、請求項13に記載の食品組成物。
【請求項16】
前記免疫疾患は、ウイルス感染、及び細菌感染からなる群から選ばれる少なくとも1つの感染性疾患、
アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、喘息、過敏性肺炎、食品アレルギー、及びアナフィラキシーからなる群から選ばれる少なくとも1つのアレルギー疾患、及び
全身性紅斑性嚢胞、関節リウマチ、多発性硬化症、及びベーチェット病からなる群から選ばれる少なくとも1つの自己免疫疾患からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項14に記載の食品組成物。
【請求項17】
前記代謝疾患は、糖尿病、代謝症候群、脂質代謝異常、動脈硬化症、及び肥満からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項14に記載の食品組成物。
【請求項18】
前記悪性疾患は、肺がん、頭頸部がん、食道がん、胃がん、大腸がん、結腸がん、肝臓がん、胆管がん、膵臓がん、乳がん、卵巣がん、腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん、甲状腺がん、脳腫瘍、骨肉腫、血液がん、及びリンパ腫からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項14に記載の食品組成物。
【請求項19】
前記ラクトバチルス菌は、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・アセトトレランス(Lactobacillus acetotolerans)、ラクトバシラス・アシジプリナ(Lactobacillus acidifarinae)、ラクトバチルス・アシジピシス(Lactobacillus acidipiscis)、ラクトバチルス・アギリス(Lactobacillus agilis)、ラクトバチルス・アルギドゥス(Lactobacillus algidus)、ラクトバチルス・アリモンタラス(Lactobacillus alimentarus)、ラクトバチルス・アミロリティクス(Lactobacillus amylolyticus)、ラクトバチルス・アミロトロピクス(Lactobacillus amylotrophicus)、ラクトバチルス・アミロボラス(Lactobacillus amylovorus)、ラクトバチルス・アニマリス(Lactobacillus animalis)、ラクトバチルス・アントリー(Lactobacillus antri)、ラクトバチルス・アポデミ(Lactobacillus apodemi)、ラクトバチルス・アビアリウス(Lactobacillus aviarius)、ラクトバチルス・バイファーメンタンス(Lactobacillus bifermentans)、ラクトバチルス・ボンビコラ(Lactobacillus bombicola)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)、ラクトバチルス・カメリア(Lactobacillus camelliae)、ラクトバチルス・カセイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・カテナフォルミス(Lactobacillus catenaformis)ラクトバチルス・セッティ(Lactobacillus ceti)、ラクトバチルス・コレオホミニス(Lactobacillus coleohominis)、ラクトバチルス・コリノイデス(Lactobacillus collinoides)、ラクトバチルス・コンポスティ(Lactobacillus composti)、ラクトバチルス・コンカブース(Lactobacillus concavus)、ラクトバチルス・コリニフォルミス(Lactobacillus coryniformis)ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバチルス・クラストルム(Lactobacillus crustorum)、ラクトバチルス・カルバタス(Lactobacillus curvatus)、ラクトバチルス・デルブルエッキイー(Lactobacillus delbruecki)、ラクトバチルス・デキストリニクス(Lactobacillus dextrinicus)、ラクトバチルス・ディオリボランス(Lactobacillus diolivorans)、ラクトバチルス・エクイ(Lactobacillus equi)、ラクトバチルス・エクイジェネロシ(Lactobacillus equigenerosi)、ラクトバチルス・ファラギニス(Lactobacillus farraginis)、ラクトバチルス・ファルシミニス(Lactobacillus farciminis)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・フォルニカリス(Lactobacillus fornicalis)、ラクトバチルス・フルクチボランス (Lactobacillus fructivorans)、ラクトバチルス・フルメンティ(Lactobacillus frumenti)、ラクトバチルス・フチエンシス(Lactobacillus fuchuensis)ラクトバチルス・ガリナルム(Lactobacillus gallinarum)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・ガストリクス(Lactobacillus gastricus)、ラクトバチルス・ガネンシス(Lactobacillus ghanensis)、ラクトバチルス・グラミニス(Lactobacillus gramminis)、ラクトバチルス・ハメシー(Lactobacillus hammesii)、ラクトバチルス・ハムステリ(Lactobacillus hamsteri)、ラクトバチルス・ハルビネンシス(Lactobacillus harbinensis)、ラクトバチルス・ハヤキテンシス(Lactobacillus hayakitensis)、ラクトバチルス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・ヒルガルジ(Lactobacillus hilgardii)、ラクトバチルス・ホモヒオチ(Lactobacillus homohiochii)、ラクトバチルス・イネルス(Lactobacillus iners)、ラクトバチルス・イングルビエイ(Lactobacillus ingluviei)、ラクトバチルス・インテスチナリス(Lactobacillus intestinalis)、ラクトバチルス・ジェンセニ(Lactobacillus jenseni)、ラクトバチルス・ジョンソニ(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・カリキセンシス(Lactobacillus kalixensis)、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)、ラクトバチルス・ケフィリ(Lactobacillus kefiri)、ラクトバチルス・キムチ(Lactobacillus kimchii)、ラクトバチルス・キタサトニス(Lactobacillus kitasatonis)、ラクトバチルス・クンケエイ(Lactobacillus kunkeei)、ラクトバチルス・レイチマンニ(Lactobacillus leichmannii)、ラクトバチルス・リンデリ(Lactobacillus lindneri)、ラクトバチルス・マレフェルメンタンス(Lactobacillus malefermentans)、ラクトバチルス・マリ(Lactobacillus mali)、ラクトバチルス・マニホチボランス(Lactobacillus manihotivorans)、ラクトバチルス・ミンデンシス(Lactobacillus mindensis)、ラクトバチルス・ムコサエ(Lactobacillus mucosae)、ラクトバチルス・ムリヌス(Lactobacillus murinus)、ラクトバチルス・ナゲリ(Lactobacillus nagelii)、ラクトバチルス・ナムレンシス(Lactobacillus namurensis)、ラクトバチルス・ナンテシス(Lactobacillus nantensis)、ラクトバチルス・オリゴフェルメンタンス(Lactobacillus oligofermentans)、ラクトバチルス・オリス(Lactobacillus oris)、ラクトバチルス・パニス(Lactobacillus panis)、ラクトバチルス・パンセリス(Lactobacillus pantheris)、ラクトバチルス・パラブレビス(Lactobacillus parabrevis)、ラクトバチルス・パラブチネリ(Lactobacillus parabuchneri)、ラクトバチルス・パラコリノイデス(Lactobacillus paracollinoides)、ラクトバチルス・パラファラギニス(Lactobacillus parafarraginis)、ラクトバチルス・パラケフィリ(Lactobacillus parakefiri)、ラクトバチルス・パラリメンタリウス(Lactobacillus paralimentarius)、ラクトバチルス・パラプランタラム(Lactobacillus paraplantarum)、ラクトバチルス・ペントサス(Lactobacillus pentosus)、ラクトバチルス・ペロレンス(Lactobacillus perolens)、ラクトバチルス・ポンティス(Lactobacillus pontis)、ラクトバチルス・プロテクタス(Lactobacillus protectus)、ラクトバチルス・プシタチ(Lactobacillus psittaci)、ラクトバチルス・レニニ(Lactobacillus rennini)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・リマエ(Lactobacillus rimae)、ラクトバチルス・ロゴサエ(Lactobacillus rogosae)、ラクトバチルス・ロシアエ(Lactobacillus rossiae)、ラクトバチルス・ルミニス(Lactobacillus ruminis)、ラクトバチルス・サエリムネリ(Lactobacillus saerimneri)、ラクトバチルス・サケイ(Lactobacillus sakei)、ラクトバチルス・サリバリウス(Lactobacillus salivarius)、ラクトバチルス・サンフランシスセンシス(Lactobacillus sanfranciscensis)、ラクトバチルス・サツメンシス(Lactobacillus satsumensis)、ラクトバチルス・セカリフィルス(Lactobacillus secaliphilus)、ラクトバチルス・シャーペアエ(Lactobacillus sharpeae)、ラクトバチルス・シリギニス(Lactobacillus siliginis)、ラクトバチルス・スフィチェリ(Lactobacillus spicheri)、ラクトバチルス・スエビカス(Lactobacillus suebicus)、ラクトバチルス・サイランデンシス(Lactobacillus thailandensis)、ラクトバチルス・ウルツネンシス(Lactobacillus ultunensis)、ラクトバチルス・バクシノステルカス(Lactobacillus vaccinostercus)、ラクトバチルス・バギナリス(Lactobacillus vaginalis)、ラクトバチルス・ヴェルスモルデンシス(Lactobacillus versmoldensis)、ラクトバチルス・ビニ(Lactobacillus vini)、ラクトバチルス・ビツリナス(Lactobacillus vitulinus)、ラクトバチルス・ゼアエ(Lactobacillus zeae)、及びラクトバチルス・ジマエ(Lactobacillus zymae)からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項13に記載の食品組成物。
【請求項20】
前記小胞は、ラクトバチルス菌の培養液またはラクトバチルス菌を添加して培養した食品から分離されたことを特徴とする、請求項13に記載の食品組成物。
【請求項21】
ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む、免疫機能または代謝機能障害による疾患予防または改善用吸入組成物。
【請求項22】
ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む、免疫機能または代謝機能障害による疾患または皮膚老化予防または改善用化粧料組成物。
【請求項23】
前記免疫機能または代謝機能障害による疾患は、アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis)、乾癬(psoriasis)、にきび(acne)、及び脱毛(alopecia)からなる群から選ばれる少なくとも1つの皮膚疾患であることを特徴とする、請求項22に記載の化粧料組成物。
【請求項24】
前記ラクトバチルス菌は、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・アセトトレランス(Lactobacillus acetotolerans)、ラクトバシラス・アシジプリナ(Lactobacillus acidifarinae)、ラクトバチルス・アシジピシス(Lactobacillus acidipiscis)、ラクトバチルス・アギリス(Lactobacillus agilis)、ラクトバチルス・アルギドゥス(Lactobacillus algidus)、ラクトバチルス・アリモンタラス(Lactobacillus alimentarus)、ラクトバチルス・アミロリティクス(Lactobacillus amylolyticus)、ラクトバチルス・アミロトロピクス(Lactobacillus amylotrophicus)、ラクトバチルス・アミロボラス(Lactobacillus amylovorus)、ラクトバチルス・アニマリス(Lactobacillus animalis)、ラクトバチルス・アントリー(Lactobacillus antri)、ラクトバチルス・アポデミ(Lactobacillus apodemi)、ラクトバチルス・アビアリウス(Lactobacillus aviarius)、ラクトバチルス・バイファーメンタンス(Lactobacillus bifermentans)、ラクトバチルス・ボンビコラ(Lactobacillus bombicola)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)、ラクトバチルス・カメリア(Lactobacillus camelliae)、ラクトバチルス・カセイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・カテナフォルミス(Lactobacillus catenaformis)ラクトバチルス・セッティ(Lactobacillus ceti)、ラクトバチルス・コレオホミニス(Lactobacillus coleohominis)、ラクトバチルス・コリノイデス(Lactobacillus collinoides)、ラクトバチルス・コンポスティ(Lactobacillus composti)、ラクトバチルス・コンカブース(Lactobacillus concavus)、ラクトバチルス・コリニポミス(Lactobacillus coryniformis)ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバチルス・クラストルム(Lactobacillus crustorum)、ラクトバチルス・カルバタス(Lactobacillus curvatus)、ラクトバチルス・デルブルエッキイー(Lactobacillus delbruecki)、ラクトバチルス・デキストリニクス(Lactobacillus dextrinicus)、ラクトバチルス・ディオリボランス(Lactobacillus diolivorans)、ラクトバチルス・エクイ(Lactobacillus equi)、ラクトバチルス・エクイジェネロシ(Lactobacillus equigenerosi)、ラクトバチルス・ファラギニス(Lactobacillus farraginis)、ラクトバチルス・ファルシミニス(Lactobacillus farciminis)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・フォルニカリス(Lactobacillus fornicalis)、ラクトバチルス・フルクチボランス (Lactobacillus fructivorans)、ラクトバチルス・フルメンティ(Lactobacillus frumenti)、ラクトバチルス・フチエンシス(Lactobacillus fuchuensis)ラクトバチルス・ガリナルム(Lactobacillus gallinarum)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・ガストリクス(Lactobacillus gastricus)、ラクトバチルス・ガネンシス(Lactobacillus ghanensis)、ラクトバチルス・グラミニス(Lactobacillus gramminis)、ラクトバチルス・ハメシー(Lactobacillus hammesii)、ラクトバチルス・ハムステリ(Lactobacillus hamsteri)、ラクトバチルス・ハルビネンシス(Lactobacillus harbinensis)、ラクトバチルス・ハヤキテンシス(Lactobacillus hayakitensis)、ラクトバチルス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・ヒルガルジ(Lactobacillus hilgardii)、ラクトバチルス・ホモヒオチ(Lactobacillus homohiochii)、ラクトバチルス・イネルス(Lactobacillus iners)、ラクトバチルス・イングルビエイ(Lactobacillus ingluviei)、ラクトバチルス・インテスチナリス(Lactobacillus intestinalis)、ラクトバチルス・ジェンセニ(Lactobacillus jenseni)、ラクトバチルス・ジョンソニ(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・カリキセンシス(Lactobacillus kalixensis)、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)、ラクトバチルス・ケフィリ(Lactobacillus kefiri)、ラクトバチルス・キムチ(Lactobacillus kimchii)、ラクトバチルス・キタサトニス(Lactobacillus kitasatonis)、ラクトバチルス・クンケエイ(Lactobacillus kunkeei)、ラクトバチルス・レイチマンニ(Lactobacillus leichmannii)、ラクトバチルス・リンデリ(Lactobacillus lindneri)、ラクトバチルス・マレフェルメンタンス(Lactobacillus malefermentans)、ラクトバチルス・マリ(Lactobacillus mali)、ラクトバチルス・マニホチボランス(Lactobacillus manihotivorans)、ラクトバチルス・ミンデンシス(Lactobacillus mindensis)、ラクトバチルス・ムコサエ(Lactobacillus mucosae)、ラクトバチルス・ムリヌス(Lactobacillus murinus)、ラクトバチルス・ナゲリ(Lactobacillus nagelii)、ラクトバチルス・ナムレンシス(Lactobacillus namurensis)、ラクトバチルス・ナンテシス(Lactobacillus nantensis)、ラクトバチルス・オリゴフェルメンタンス(Lactobacillus oligofermentans)、ラクトバチルス・オリス(Lactobacillus oris)、ラクトバチルス・パニス(Lactobacillus panis)、ラクトバチルス・パンセリス(Lactobacillus pantheris)、ラクトバチルス・パラブレビス(Lactobacillus parabrevis)、ラクトバチルス・パラブチネリ(Lactobacillus parabuchneri)、ラクトバチルス・パラコリノイデス(Lactobacillus paracollinoides)、ラクトバチルス・パラファラギニス(Lactobacillus parafarraginis)、ラクトバチルス・パラケフィリ(Lactobacillus parakefiri)、ラクトバチルス・パラリメンタリウス(Lactobacillus paralimentarius)、ラクトバチルス・パラプランタラム(Lactobacillus paraplantarum)、ラクトバチルス・ペントサス(Lactobacillus pentosus)、ラクトバチルス・ペロレンス(Lactobacillus perolens)、ラクトバチルス・ポンティス(Lactobacillus pontis)、ラクトバチルス・プロテクタス(Lactobacillus protectus)、ラクトバチルス・プシタチ(Lactobacillus psittaci)、ラクトバチルス・レニニ(Lactobacillus rennini)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・リマエ(Lactobacillus rimae)、ラクトバチルス・ロゴサエ(Lactobacillus rogosae)、ラクトバチルス・ロシアエ(Lactobacillus rossiae)、ラクトバチルス・ルミニス(Lactobacillus ruminis)、ラクトバチルス・サエリムネリ(Lactobacillus saerimneri)、ラクトバチルス・サケイ(Lactobacillus sakei)、ラクトバチルス・サリバリウス(Lactobacillus salivarius)、ラクトバチルス・サンフランシスセンシス(Lactobacillus sanfranciscensis)、ラクトバチルス・サツメンシス(Lactobacillus satsumensis)、ラクトバチルス・セカリフィルス(Lactobacillus secaliphilus)、ラクトバチルス・シャーペアエ(Lactobacillus sharpeae)、ラクトバチルス・シリギニス(Lactobacillus siliginis)、ラクトバチルス・スフィチェリ(Lactobacillus spicheri)、ラクトバチルス・スエビカス(Lactobacillus suebicus)、ラクトバチルス・サイランデンシス(Lactobacillus thailandensis)、ラクトバチルス・ウルツネンシス(Lactobacillus ultunensis)、ラクトバチルス・バクシノステルカス(Lactobacillus vaccinostercus)、ラクトバチルス・バギナリス(Lactobacillus vaginalis)、ラクトバチルス・ヴェルスモルデンシス(Lactobacillus versmoldensis)、ラクトバチルス・ビニ(Lactobacillus vini)、ラクトバチルス・ビツリナス(Lactobacillus vitulinus)、ラクトバチルス・ゼアエ(Lactobacillus zeae)、及びラクトバチルス・ジマエ(Lactobacillus zymae)からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項22に記載の化粧料組成物。
【請求項25】
ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む、疾患治療薬物伝達用組成物。
【請求項26】
前記疾患は、アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis)、乾癬(psoriasis)、ニキビ(acne)、及び脱毛症(alopecia)からなる群から選ばれる少なくとも1つの皮膚疾患、
歯肉炎(gingivitis)、及び歯周炎(periodontitis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの口腔疾患、
胃炎(gastritis)、消化性潰瘍(peptic ulcer)、セリアック病(celiac disease)、食物アレルギー(food allergy)、及び炎症性大腸炎(inflammatory bowel disease)からなる群から選ばれる少なくとも1つの消化管疾患、
非アルコール性脂肪性肝炎(non-alcoholic steatohepatitis,NASH)、アルコール性脂肪性肝炎(alcoholic steatohepatitis)、肝硬変(liver cirrhosis)、胆道炎(cholangitis)、胆嚢炎(cholecystitis)、及び膵炎(pancreatitis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの肝臓-胆道-膵臓疾患、
鼻炎(rhinitis)、及び副鼻腔炎(sinusitis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの鼻疾患、
喘息(asthma)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺炎(pneumonia)、慢性間質性肺炎(chronic interstitial pneumonitis)、及び肺線維症(pulmonary fibrosis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの肺疾患、
動脈硬化症(atherosclerosis)、狭心症(angina)、代謝症候群(metabolic syndrome)、血栓塞栓症(thromboembolism)、心筋梗塞(myocardial infarction)、心筋症(cardiomyopathy)、及び脳卒中(stroke)からなる群から選ばれる少なくとも1つの心血管疾患、
関節リウマチ(rheumatoid arthritis)、骨関節炎(osteoarthritis)、痛風(gout)、筋減少症(sarcopenia)、及び骨粗しょう症(osteoporosis)からなる群から選ばれる少なくとも1つの筋骨格系疾患、
アルツハイマー病(Alzheimers disease)、血管性認知症(vascular dementia)、パーキンソン病(Parkinsons disease)、筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis)、ハンチントン病(Huntingtons disease)、てんかん(epilepsy)、多発性硬化症(multiple sclerosis)、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy)、糖尿病性神経障害(diabetic neuropathy)、自閉性障害(autism spectrum disorder)、注意力欠乏過剰行動障害(attention deficit hyperactivity syndrome)、うつ病障害(depressive disorder)、双極性障害(bipolar disorder)、不安障害(anxiety disorder)、統合失調症(schizophrenia)、強迫障害(obsessive compulsive disorder)、心的外傷後ストレス障害(post-traumatic stress disorder)、解離性障害(dissociative disorder)、摂食障害(eating disorder)、物質使用障害(substance use disorder)、及び性格障害(personality disorder)からなる群から選ばれる少なくとも1つの神経精神疾患、及び
黄斑変性(macular degeneration)、糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)、緑内障(glaucoma)、白内障(cataract)、及び眼球乾燥症(dry eye)からなる群から選ばれる少なくとも1つの眼疾患からなる群から選ばれる少なくとも1つであること特徴とする、請求項25に記載の薬物伝達用組成物。
【請求項27】
前記疾患は、肺がん、頭頸部がん、食道がん、胃がん、大腸がん、結腸がん、肝臓がん、胆管がん、膵臓がん、乳がん、卵巣がん、腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん、甲状腺がん、脳腫瘍、骨肉腫、血液がん、及びリンパ腫からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項25に記載の薬物伝達用組成物。
【請求項28】
前記ラクトバチルス菌は、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・アセトトレランス(Lactobacillus acetotolerans)、ラクトバシラス・アシジプリナ(Lactobacillus acidifarinae)、ラクトバチルス・アシジピシス(Lactobacillus acidipiscis)、ラクトバチルス・アギリス(Lactobacillus agilis)、ラクトバチルス・アルギドゥス(Lactobacillus algidus)、ラクトバチルス・アリモンタラス(Lactobacillus alimentarus)、ラクトバチルス・アミロリティクス(Lactobacillus amylolyticus)、ラクトバチルス・アミロトロピクス(Lactobacillus amylotrophicus)、ラクトバチルス・アミロボラス(Lactobacillus amylovorus)、ラクトバチルス・アニマリス(Lactobacillus animalis)、ラクトバチルス・アントリー(Lactobacillus antri)、ラクトバチルス・アポデミ(Lactobacillus apodemi)、ラクトバチルス・アビアリウス(Lactobacillus aviarius)、ラクトバチルス・バイファーメンタンス(Lactobacillus bifermentans)、ラクトバチルス・ボンビコラ(Lactobacillus bombicola)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)、ラクトバチルス・カメリア(Lactobacillus camelliae)、ラクトバチルス・カセイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・カテナフォルミス(Lactobacillus catenaformis)ラクトバチルス・セッティ(Lactobacillus ceti)、ラクトバチルス・コレオホミニス(Lactobacillus coleohominis)、ラクトバチルス・コリノイデス(Lactobacillus collinoides)、ラクトバチルス・コンポスティ(Lactobacillus composti)、ラクトバチルス・コンカブース(Lactobacillus concavus)、ラクトバチルス・コリニフォルミス(Lactobacillus coryniformis)ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバチルス・クラストルム(Lactobacillus crustorum)、ラクトバチルス・カルバタス(Lactobacillus curvatus)、ラクトバチルス・デルブルエッキイー(Lactobacillus delbruecki)、ラクトバチルス・デキストリニクス(Lactobacillus dextrinicus)、ラクトバチルス・ディオリボランス(Lactobacillus diolivorans)、ラクトバチルス・エクイ(Lactobacillus equi)、ラクトバチルス・エクイジェネロシ(Lactobacillus equigenerosi)、ラクトバチルス・ファラギニス(Lactobacillus farraginis)、ラクトバチルス・ファルシミニス(Lactobacillus farciminis)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・フォルニカリス(Lactobacillus fornicalis)、ラクトバチルス・フルクチボランス (Lactobacillus fructivorans)、ラクトバチルス・フルメンティ(Lactobacillus frumenti)、ラクトバチルス・フチエンシス(Lactobacillus fuchuensis)ラクトバチルス・ガリナルム(Lactobacillus gallinarum)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・ガストリクス(Lactobacillus gastricus)、ラクトバチルス・ガネンシス(Lactobacillus ghanensis)、ラクトバチルス・グラミニス(Lactobacillus gramminis)、ラクトバチルス・ハメシー(Lactobacillus hammesii)、ラクトバチルス・ハムステリ(Lactobacillus hamsteri)、ラクトバチルス・ハルビネンシス(Lactobacillus harbinensis)、ラクトバチルス・ハヤキテンシス(Lactobacillus hayakitensis)、ラクトバチルス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・ヒルガルジ(Lactobacillus hilgardii)、ラクトバチルス・ホモヒオチ(Lactobacillus homohiochii)、ラクトバチルス・イネルス(Lactobacillus iners)、ラクトバチルス・イングルビエイ(Lactobacillus ingluviei)、ラクトバチルス・インテスチナリス(Lactobacillus intestinalis)、ラクトバチルス・ジェンセニ(Lactobacillus jenseni)、ラクトバチルス・ジョンソニ(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・カリキセンシス(Lactobacillus kalixensis)、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)、ラクトバチルス・ケフィリ(Lactobacillus kefiri)、ラクトバチルス・キムチ(Lactobacillus kimchii)、ラクトバチルス・キタサトニス(Lactobacillus kitasatonis)、ラクトバチルス・クンケエイ(Lactobacillus kunkeei)、ラクトバチルス・レイチマンニ(Lactobacillus leichmannii)、ラクトバチルス・リンデリ(Lactobacillus lindneri)、ラクトバチルス・マレフェルメンタンス(Lactobacillus malefermentans)、ラクトバチルス・マリ(Lactobacillus mali)、ラクトバチルス・マニホチボランス(Lactobacillus manihotivorans)、ラクトバチルス・ミンデンシス(Lactobacillus mindensis)、ラクトバチルス・ムコサエ(Lactobacillus mucosae)、ラクトバチルス・ムリヌス(Lactobacillus murinus)、ラクトバチルス・ナゲリ(Lactobacillus nagelii)、ラクトバチルス・ナムレンシス(Lactobacillus namurensis)、ラクトバチルス・ナンテシス(Lactobacillus nantensis)、ラクトバチルス・オリゴフェルメンタンス(Lactobacillus oligofermentans)、ラクトバチルス・オリス(Lactobacillus oris)、ラクトバチルス・パニス(Lactobacillus panis)、ラクトバチルス・パンセリス(Lactobacillus pantheris)、ラクトバチルス・パラブレビス(Lactobacillus parabrevis)、ラクトバチルス・パラブチネリ(Lactobacillus parabuchneri)、ラクトバチルス・パラコリノイデス(Lactobacillus paracollinoides)、ラクトバチルス・パラファラギニス(Lactobacillus parafarraginis)、ラクトバチルス・パラケフィリ(Lactobacillus parakefiri)、ラクトバチルス・パラリメンタリウス(Lactobacillus paralimentarius)、ラクトバチルス・パラプランタラム(Lactobacillus paraplantarum)、ラクトバチルス・ペントサス(Lactobacillus pentosus)、ラクトバチルス・ペロレンス(Lactobacillus perolens)、ラクトバチルス・ポンティス(Lactobacillus pontis)、ラクトバチルス・プロテクタス(Lactobacillus protectus)、ラクトバチルス・プシタチ(Lactobacillus psittaci)、ラクトバチルス・レニニ(Lactobacillus rennini)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・リマエ(Lactobacillus rimae)、ラクトバチルス・ロゴサエ(Lactobacillus rogosae)、ラクトバチルス・ロシアエ(Lactobacillus rossiae)、ラクトバチルス・ルミニス(Lactobacillus ruminis)、ラクトバチルス・サエリムネリ(Lactobacillus saerimneri)、ラクトバチルス・サケイ(Lactobacillus sakei)、ラクトバチルス・サリバリウス(Lactobacillus salivarius)、ラクトバチルス・サンフランシスセンシス(Lactobacillus sanfranciscensis)、ラクトバチルス・サツメンシス(Lactobacillus satsumensis)、ラクトバチルス・セカリフィルス(Lactobacillus secaliphilus)、ラクトバチルス・シャーペアエ(Lactobacillus sharpeae)、ラクトバチルス・シリギニス(Lactobacillus siliginis)、ラクトバチルス・スフィチェリ(Lactobacillus spicheri)、ラクトバチルス・スエビカス(Lactobacillus suebicus)、ラクトバチルス・サイランデンシス(Lactobacillus thailandensis)、ラクトバチルス・ウルツネンシス(Lactobacillus ultunensis)、ラクトバチルス・バクシノステルカス(Lactobacillus vaccinostercus)、ラクトバチルス・バギナリス(Lactobacillus vaginalis)、ラクトバチルス・ヴェルスモルデンシス(Lactobacillus versmoldensis)、ラクトバチルス・ビニ(Lactobacillus vini)、ラクトバチルス・ビツリナス(Lactobacillus vitulinus)、ラクトバチルス・ゼアエ(Lactobacillus zeae)、及びラクトバチルス・ジマエ(Lactobacillus zymae)からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項25に記載の薬物伝達用組成物。
【請求項29】
ラクトバチルス菌由来小胞の免疫機能または代謝機能障害による疾患治療薬剤の製造のための
使用。
【請求項30】
ラクトバチルス菌由来小胞を有効成分として含む、疾患治療薬物伝達システム。
【請求項31】
疾患治療薬物伝達用の製剤を製造するためのラクトバチルス菌由来小胞の
使用。
【国際調査報告】