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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】スズメバチ捕獲器
(51)【国際特許分類】
   A01M 1/02 20060101AFI20240517BHJP
   A01M 1/00 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
A01M1/02 T
A01M1/00 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574660
(86)(22)【出願日】2022-10-27
(85)【翻訳文提出日】2023-12-04
(86)【国際出願番号】 KR2022016524
(87)【国際公開番号】W WO2023096184
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】10-2021-0163783
(32)【優先日】2021-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521339267
【氏名又は名称】ジョン, ヒョク
【氏名又は名称原語表記】JEONG, Hyuk
【住所又は居所原語表記】11-2, Nammun-ro 622beon-gil, Dong-gu, Gwangju 61498 (KR)
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ジョン, ヒョク
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA12
2B121BA12
2B121BA38
2B121DA01
2B121EA21
2B121FA02
(57)【要約】
【課題】非誘因剤方式でミツバチの巣箱の正面のトラップ構造を用いてスズメバチだけを隔離させ、捕獲及び隔離されたスズメバチまたは殺されたスズメバチだけを容易に分離して除去できるスズメバチ捕獲器を提供すること。
【解決手段】本発明に係るスズメバチ捕獲器は、ミツバチの巣箱に着脱自在に取り付けられる非誘因剤方式のスズメバチ捕獲器を提供し、スズメバチの直進性及び走光性を用いて第1捕獲部を介して第2捕獲部にスズメバチが移動するように誘導し、第2捕獲部に移動したミツバチは第2捕獲部の外部に飛び出せるようにすることで、スズメバチだけを第2捕獲部に捕獲及び隔離することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
巣門が形成されたミツバチの巣箱の一側面に取り付けられ、ミツバチは巣門側に通過させ、スズメバチは一側に誘導して捕獲するスズメバチ捕獲器において、
一側にミツバチ及びスズメバチの出入りできる前方出入口が形成され、他の側にはミツバチの巣箱の巣門に出入りできる後方出入口が形成され、上面にスズメバチを上側に誘導するための第1誘導穴が形成された第1捕獲部と、
前記第1捕獲部の上部に取り付けられ、内部に捕獲空間が形成され、前記第1誘導穴と対応する下面に前記第1誘導穴と連通する第2誘導穴が形成され、前記第2誘導穴の縁部から上方に向かって筒形に伸びて前記捕獲空間にスズメバチを誘導し、外周面にスズメバチが通れる複数のスズメバチ通過スリットが形成された誘導体が設けられた第2捕獲部とを備えることを特徴とするスズメバチ捕獲器。
【請求項2】
前記第1捕獲部と前記第2捕獲部は、互いに取り付け及び取り外し可能に形成されることを特徴とする請求項1に記載のスズメバチ捕獲器。
【請求項3】
前記誘導体は、上部に伸びるほど次第に狭くなるように形成されることを特徴とする請求項1に記載のスズメバチ捕獲器。
【請求項4】
前記第1捕獲部は、前記前方出入口と前記後方出入口との間に設けられ、前記前方出入口側から前記後方出入口側に移動するミツバチは通過させ、スズメバチは遮断するフィルター部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のスズメバチ捕獲器。
【請求項5】
前記フィルター部には、ミツバチは通過させ、該ミツバチの体についている花粉は遮断可能なサイズの複数のミツバチ通過穴が形成されることを特徴とする請求項4に記載のスズメバチ捕獲器。
【請求項6】
前記第1捕獲部の少なくともいずれか一面には、ミツバチが通れる複数の第1ミツバチ通過スリットが形成されることを特徴とする請求項1に記載のスズメバチ捕獲器。
【請求項7】
前記第2捕獲部の少なくともいずれか一面には、ミツバチが通れる複数の第2ミツバチ通過スリットが形成されることを特徴とする請求項1に記載のスズメバチ捕獲器。
【請求項8】
前記第1捕獲部の下面には、ミツバチの移動は遮断し、ミツバチの体から分離された花粉だけが通れるサイズを有する複数の花粉通過スリットが形成されることを特徴とする請求項1に記載のスズメバチ捕獲器。
【請求項9】
前記第1捕獲部の側面には、ミツバチの移動が不可能なサイズを有する複数の換気スリットが形成されることを特徴とする請求項1に記載のスズメバチ捕獲器。
【請求項10】
前記第2捕獲部の上面は透明な材質よりなることを特徴とする請求項1に記載のスズメバチ捕獲器。
【請求項11】
前記第2捕獲部はスズメバチを殺す殺傷部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のスズメバチ捕獲器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスズメバチ捕獲器に係り、さらに詳しくは非誘因剤方式によりミツバチの巣箱の正面のトラップ構造を用いてスズメバチだけを隔離させ、捕獲及び隔離されたスズメバチまたは死んだスズメバチだけを楽に分離して除去できるスズメバチ捕獲器に関する。
【背景技術】
【0002】
養蜂場に出現してミツバチを攻撃するスズメバチは養蜂家たちに甚大な被害を与えている。スズメバチは毎年8月から9月の間に約90日間最大の群れをなし、この時期には一日に数千匹のスズメバチ群れが養蜂場に出現してミツバチの狩りを行い、スズメバチがミツバチの巣箱に近づいて若干の時間攻撃したとしても、ミツバチの巣箱のミツバチたちは攪乱が起きて数日内に死んでしまう。スズメバチたちからミツバチを保護するため、養蜂家たちはミツバチの巣箱の周りに防虫ネットを被せたり、ミツバチの巣箱の周りにスズメバチを捕るための捕獲用粘着板を置いて被害を減らそうとしているが、かかる方法はスズメバチの被害を防ぐには限界があるところ、スズメバチ捕獲装置に関する研究が行いつつある。
【0003】
既存のスズメバチ捕獲装置の場合、構造物に酵素などを用いた誘因剤を充填してスズメバチを捕獲するのが一般的であったが、これはスズメバチだけではなく養蜂場の周りの多種の昆虫を誘因して捕獲装置の内部に閉じ込めて餓死させる方法であって、この場合誘因剤により誘い込まれるスズメバチはほとんど死にそうだから、スズメバチの個体数を減らすにはその効果が大きくなく、スズメバチだけではなくミツバチを含む多様な昆虫まで殺すという点から、環境破壊の要因として懸念されている問題もあった。
【0004】
また、スズメバチが餓死に至るまでの時間が短くないし、素早く殺す場合であっても、隔離、殺されたスズメバチとミツバチが同じ空間に存するか、近接して位置しているようになるところ、ミツバチの場合スズメバチが隔離されていることを気づかないことからストレスを受ける問題があった。のみならず、従来のスズメバチ捕獲装置がミツバチの巣箱に取り付けられる構造の場合、ミツバチの巣箱の巣門口に設けるべき別の養蜂用器具を同時に設置できないなどの問題点があった。
【0005】
前述したような従来のスズメバチ捕獲装置に関する先行技術としては、韓国実用新案第20-0446750号(考案の名称:捕獲網の内部に誘因剤を揃えたスズメバチ捕獲装置)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国実用新案第20-0446750号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ミツバチの巣箱に着脱自在に取り付けられる非誘因剤方式のスズメバチ捕獲器を提供することにあり、スズメバチの直進性及び走光性を用いて第1捕獲部を介して第2捕獲部へスズメバチが移動するように誘導し、第2捕獲部に移動したミツバチは第2捕獲部の外部に飛び出せるようにすることで、スズメバチだけを第2捕獲部に捕獲及び隔離できるスズメバチ捕獲器が備えられる。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、第1捕獲部と第2捕獲部とを互いに取付け及び取り外し可能に構成することによって第2捕獲部に捕獲及び隔離されたり殺されたスズメバチを除去する過程において、既存のスズメバチ捕獲装置のように、スズメバチ捕獲装置の全体をミツバチの巣箱から取り外す必要がなく、第2捕獲部だけを第1捕獲部から取り外し、第2捕獲部の内部に捕獲及び隔離されたり殺されたスズメバチを除去し、スズメバチが除去された状態の第2捕獲部を第1捕獲部に容易に取り付けられるようにすることで、第1捕獲部を介したミツバチとスズメバチの移動経路は維持しつつ、第2捕獲部に捕獲されたスズメバチだけを楽に除去できるスズメバチ捕獲器を提供することにある。
【0009】
また、本発明は、第1捕獲部の内部に置かれたフィルター部にミツバチだけ通れるスリットを形成して、ミツバチの巣箱へスズメバチの移動は遮断しつつ、ミツバチ及びミツバチの体についている花粉は移動自在にでき、これを通してスズメバチの遮断と同時に移動された花粉を第1捕獲部の下部を介して別の花粉捕集器に捕集及び捕集された花粉を採取できるスズメバチ捕獲器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、本発明に係るスズメバチ捕獲器は、巣門が形成されたミツバチの巣箱の一側面に取り付けられ、ミツバチは巣門側に通過させ、スズメバチは一側に誘導して捕獲するものであって、一側にミツバチ及びスズメバチが出入りできる前方出入口が形成され、他の側にはミツバチの巣箱の巣門に出入りできる後方出入口が形成され、上面にスズメバチを上側に誘導するための第1誘導穴が形成された第1捕獲部と、該第1捕獲部の上部に取り付けられ、内部に捕獲空間が形成され、前記第1誘導穴と対応する下面に前記第1誘導穴と連通する第2誘導穴が形成され、前記第2誘導穴の縁部から上方に向かって筒形に伸びて前記捕獲空間にスズメバチを誘導し、外周面にスズメバチが通れる複数のスズメバチ通過スリットが形成された誘導体が設けられる第2捕獲部を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の実施形態にかかるスズメバチ捕獲器の前記第1捕獲部と前記第2捕獲部は互いに取付け及び取り外し可能に形成されることを特徴とする。
【0012】
本発明の実施形態にかかるスズメバチ捕獲器の前記誘導体は上部に伸びるほど次第に狭くなるように形成されることを特徴とする。
【0013】
本発明の実施形態にかかるスズメバチ捕獲器の前記第1捕獲部は、前記前方出入口と前記後方出入口との間に設けられ、前記前方出入口側から前記後方出入口側へ移動するミツバチは通過させ、スズメバチは遮断するフィルター部をさらに備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の実施形態にかかるスズメバチ捕獲器の前記フィルター部には、ミツバチは通過させ、該ミツバチの体についている花粉は遮断可能なサイズの複数のミツバチ通過穴が形成されることを特徴とする。
【0015】
本発明の実施形態にかかるスズメバチ捕獲器の前記第1捕獲部の少なくともいずれか一面には、ミツバチが通れる複数の第1ミツバチ通過スリットが形成されることを特徴とする。
【0016】
本発明の実施形態にかかるスズメバチ捕獲器の前記第2捕獲部の少なくともいずれか一面には、ミツバチが通れる複数の第2ミツバチ通過スリットが形成されることを特徴とする。
【0017】
本発明の実施形態にかかるスズメバチ捕獲器の前記第1捕獲部の下面には、ミツバチの移動は遮断し、ミツバチの体から分離された花粉だけが通過できるサイズを有する複数の花粉通過スリットが形成されることを特徴とする。
【0018】
本発明の実施形態にかかるスズメバチ捕獲器の前記第1捕獲部の側面には、ミツバチの移動が不可能なサイズの複数の換気スリットが形成されることを特徴とする。
【0019】
本発明の実施形態にかかるスズメバチ捕獲器の前記第2捕獲部の上面は、透明な材質よりなることを特徴とする。
【0020】
本発明の実施形態にかかるスズメバチ捕獲器の前記第2捕獲部は、前記スズメバチを殺す殺傷部をさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように本発明によれば、ミツバチの巣箱に着脱自在に取り付けられる非誘因剤方式のスズメバチ捕獲器を提供し、スズメバチの直進性及び走光性を用いて第1捕獲部を介して第2捕獲部へスズメバチが移動するように誘導し、第2捕獲部へ移動したミツバチは第2捕獲部の外部に飛び出せるようにすることで、スズメバチだけを第2捕獲部に捕獲及び隔離できる。
【0022】
また、本発明に係るスズメバチ捕獲器は、第1捕獲部と第2捕獲部を互いに取り付け及び取り外し可能に構成することから、第2捕獲部に捕獲及び隔離されたり殺されたスズメバチを除去する過程において、既存のスズメバチ捕獲装置のようにスズメバチ捕獲装置の全体をミツバチの巣箱から除去する必要はなく、第2捕獲部だけを第1捕獲部から分離し、第2捕獲部の内部に捕獲及び隔離されたり殺されたスズメバチを除去し、スズメバチが除去された状態の第2捕獲部を第1捕獲部に容易に取り付けられるようにすることで、第1捕獲部を介したミツバチ及びスズメバチの移動経路は維持しながら、第2捕獲部に捕獲されたスズメバチだけを容易に除去できる。
【0023】
また、本発明に係るスズメバチ捕獲器は、第1捕獲部の内部に配されたフィルター部にミツバチだけ通れるスリットを形成して、ミツバチの巣箱にスズメバチの移動は遮断しながらも、ミツバチ及びミツバチの体についている花粉は移動できるようにし、これを通じてスズメバチの遮断と同時に移動された花粉を第1捕獲部の下部を通して別の花粉捕集器に捕集及び捕集された花粉を採取することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態にかかるスズメバチ捕獲器がミツバチの巣箱に取り付けられた状態を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態にかかるスズメバチ捕獲器がミツバチの巣箱から取り外された状態を示す分離斜視図である。
図3】本発明の実施形態にかかるスズメバチ捕獲器を第1捕獲部と第2捕獲部に分離した状態を示す分離斜視図である。
図4】本発明の実施形態にかかるスズメバチ捕獲器を第1捕獲部と第2捕獲部に分離した状態を示す分離斜視図である。
図5】本発明の実施形態にかかるスズメバチ捕獲器を第1捕獲部と第2捕獲部に分離した状態を示す分離斜視図である。
図6】本発明の実施形態にかかるスズメバチ捕獲器の正面図である。
図7】本発明の実施形態にかかるスズメバチ捕獲器の側面図である。
図8】殺傷部がさらに備えられた本発明の別の実施形態にかかるスズメバチ捕獲器を第1捕獲部と第2捕獲部と殺傷部とに分離した状態を示す分離斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0026】
まず、図面を参照して、本発明の実施形態に係る捕獲器の概略構成について説明する。
【0027】
図1ないし図8には本発明の実施形態にかかるスズメバチ捕獲器が示されている。
【0028】
同図を参照すれば、本発明の実施形態にかかるスズメバチ捕獲器10は、巣門1bが形成されたミツバチの巣箱1の一側面1aに取り付けられ、ミツバチは巣門1b側に通らせ、スズメバチは一側に誘導して捕獲する。
【0029】
本発明の実施形態にかかるスズメバチ捕獲器10は、第1捕獲部100と第2捕獲部200とを含めて構成することができる。
【0030】
第1捕獲部100は、下面101と、前面102と、両側面103と、上面104とを備え、背面が開放されたボックス構造を形成する。
【0031】
第1捕獲部100は、前方側に置かれる前面102にミツバチ及びスズメバチの出入りできる前方出入口110が形成される。第1捕獲部100の後方側にはミツバチの巣箱1の巣門1bに出入りできる後方出入口120が形成される。本実施形態において第1捕獲部100は背面をなくし、後方側を完全に開放して後方出入口120を形成した構造を適用したが、これとは違って、第1捕獲部100の後方側に背面を設け、この背面に後方出入口120を形成することもできる。
【0032】
第1捕獲部100の上面104には、第1捕獲部100の内部に入ってきたスズメバチを後述する第2捕獲部200が置かれる上側に誘導するために開放された第1誘導穴130が形成される。第1誘導穴130は、示したように円形をなすことができ、これとは違って、半円形をなすこともできる。
【0033】
本発明に係るスズメバチ捕獲器10の第1捕獲部100は、前方出入口110と後方出入口120との間に設けられ、スズメバチが第2捕獲部200に移動できるように誘導するフィルター部140をさらに備えることができる。
【0034】
フィルター部140は、第1捕獲部100の内部空間100Aをミツバチとスズメバチが混在する第1空間100Bと、ミツバチだけ存在する第2空間100Cとを区画できるように、第1捕獲部100の内部に前方出入口110と後方出入口120との間で垂直に立設される。
【0035】
第1空間100Bは第1捕獲部100の前面102、両側面103、下面101、上面104とフィルター部140の一面により形成され、第2空間100Cはミツバチの巣箱1の巣門1bが形成された一側面1aと第1捕獲部100の両側面103、下面101、上面104とフィルター部140の他の面により形成される。
【0036】
フィルター部140にはミツバチとミツバチの体についている花粉が共に第1空間100Bから第2空間100Cに移動及び通過可能であり、スズメバチは第1空間100Bから第2空間100Cに通過不可能なサイズを有する複数のミツバチ通過穴141が形成される。フィルター部140を通して前方出入口110側から後方出入口120側に移動するミツバチは通過させ、前方出入口110側から後方出入口120側にスズメバチが移動することは遮断することができる。そして、フィルター部140により後方出入口120側に移動が遮断されたスズメバチは、第1誘導穴130を介して第1捕獲部100の上部の第2捕獲部200に移動することができる。第1誘導穴130を通過したスズメバチは、第2捕獲部200に備えられた誘導体220に沿って捕獲空間200Aの内部に移動し、誘導体220に形成されたスズメバチ通過スリット221を介して第2捕獲部200の内部に隔離される。
【0037】
第1捕獲部100の少なくともいずれか一面にはミツバチが通れる複数の第1ミツバチ通過スリット151が形成される。本実施形態において第1ミツバチ通過スリット151は第1捕獲部100の前面102に形成されることを適用した。
【0038】
また、第1捕獲部100の両側面103には、ミツバチが移動及び通過不可能なサイズに形成され、第1捕獲部100の内部空間100Aの温度、湿度を調節及び通風、換気、空気循環のための複数の換気スリット160が形成される。
【0039】
第1捕獲部100の下面101にはミツバチの移動及び通過は遮断し、ミツバチから分離された花粉だけが通れるサイズを有する複数の花粉通過スリット170が形成される。そして、図示されていないが、第1捕獲部100の下部には花粉通過スリット170を通過した花粉を捕集及び採取するための花粉捕集手段がさらに備えられる。
【0040】
花粉通過スリット170は、ミツバチについたまま第1捕獲部100の内部に入ってきた花粉がミツバチから分離される場合、分離された花粉が第1捕獲部100の下面101を通過及び第1捕獲部100の下部に配された花粉捕集手段に捕集できるようにし、この花粉捕集手段を収去して花粉を採取することができる。
【0041】
一方、フィルター部140に形成されたミツバチ通過穴141は、ミツバチの移動及び通過が可能であり、ミツバチの体についている花粉は遮断可能なサイズに形成することができる。ミツバチの体についている花粉はミツバチがフィルター部140を通過しつつフィルター部140によりミツバチから分離される。そして、分離された花粉は第1捕獲部100の下部に置かれた花粉捕集手段により捕集される。この場合、ミツバチと共に花粉が通過できるようにミツバチ通過穴141が形成されたフィルター部140の構造より花粉捕集量及び採取量が増加されうる。
【0042】
第2捕獲部200は第1捕獲部100の上部に取り付けられる。
【0043】
第2捕獲部200は第1捕獲部100に取り付け及び取り外し可能に形成される。このため、第1捕獲部100の上段には取付穴107が形成され、第2捕獲部200の下部には取付穴107が挿着できる取付突起208が形成される。
【0044】
既存のスズメバチ捕獲装置の場合は、隔離及び殺されたスズメバチたちとミツバチたちとが同じ空間に存するか近接して置かれるようになることから、ミツバチにとってスズメバチが離れていることを気づかずに受けるようになるストレスを最小化するための構造である。
【0045】
第2捕獲部200に隔離及び殺されたスズメバチを除去するために、スズメバチ捕獲器10の全体をミツバチの巣箱1から取り外す必要がなく、第1捕獲部100から第2捕獲部200を取り外して、第2捕獲部200でスズメバチを除去できるようにすることで、第1捕獲部100を通したミツバチ、スズメバチの移動経路を維持しつつ、第2捕獲部200に捕獲されたスズメバチだけを容易に除去することができる。特に、スズメバチの隔離または殺傷と同時に素早く第1捕獲部100から第2捕獲部200を取り外して、ミツバチが受けるストレスを最小化することができる。
【0046】
第2捕獲部200は下面201と、前面202と、両側面203と、上面204を備えるボックス構造をなす。
【0047】
第2捕獲部200は第1捕獲部100の上面101と接触または向かい合うか、第1誘導穴130と対応する下面201に第1誘導穴130と連通する第2誘導穴210が形成される。第2誘導穴210は第1誘導穴130のように円形または半円形をなしうる。
【0048】
第2捕獲部200には第1誘導穴130を通過したスズメバチを第2捕獲部200の内部の捕獲空間200Aに誘導するための誘導体220が備えられる。
【0049】
誘導体220は、第2誘導穴210の縁部から捕獲空間200Aに向かって上方に延びる。
【0050】
誘導体220は内部が開放され、上部と下部とが開放された筒状をなす。スズメバチは第1誘導穴130と誘導体220の開放された内部を経由して、第2捕獲部200の内部に移動できる。
【0051】
誘導体220は第2捕獲部200の捕獲空間200Aの内部または上部に延びるほどスズメバチが動くか移動できる空間やサイズが次第に狭くなるよう形成される。
【0052】
そして、誘導体220の外周面には第2誘導穴210を通過したスズメバチが第2捕獲部200の捕獲空間200Aに移動できるようにスズメバチが通れる複数のスズメバチ通過スリット221が形成される。
【0053】
誘導体220は、第2捕獲部200内の捕獲空間200Aのスズメバチを第1捕獲部100側から第2捕獲部200側に誘導するための誘導空間200Bと、誘導体200のスズメバチ通過スリット221を通過したスズメバチを第1捕獲部100と隔離させるための隔離空間200Cに区画する。
【0054】
誘導体220は円錐または四角錐であるが、その形状はこれに限定されず、誘導体220に形成された通過スリットや穴を介して、スズメバチは第2捕獲部200の内部に移動できる。
【0055】
スズメバチの直進性、走光性などスズメバチの習性を用いて、スズメバチを第1捕獲部100の上側に位置した第2捕獲部200に誘導できるように第2捕獲部200の上面204は透明な材質より形成することができる。スズメバチは光の刺激に敏感であり、光に反応し、光の向きに移動する習性を持っているところ、スズメバチの上昇飛行も光の向きに移動しようとするスズメバチの習性に起因したものである。かかるスズメバチの習性を用いるため、光が透過できるアクリルなど透明な材質で第2捕獲部200の上面204をなすようにして、スズメバチが第2捕獲部200の上面204に向かって移動できるように誘導する。
【0056】
第2捕獲部200の少なくともいずれか一面にはミツバチが通過できる複数の第2ミツバチ通過スリット152が形成される。本実施形態において第2ミツバチ通過スリット152は第2捕獲部200の前面202に形成したことを適用した。第2ミツバチ通過スリット152はミツバチを移動させることはできるが、スズメバチは移動できないサイズに形成される。第2ミツバチ通過スリット152はミツバチが第1捕獲部100を介して第2捕獲部200に移動する場合、第2捕獲部200から抜け出られるようにする。第2捕獲部200に移動中であるか、移動したミツバチが第2捕獲部200から抜け出られなくなる場合、スズメバチと共に隔離されたり殺傷部300によってスズメバチと共に殺されてしまうので、かかる問題を防止するために第2ミツバチ通過スリット152を設けることができる。
【0057】
前述したような本発明に係るスズメバチ捕獲器をよるスズメバチの隔離過程は下記の通りである。
【0058】
前方出入口110を介して第1捕獲部100の内部に入ってきたミツバチは、フィルター部140を通過して、後方出入口120を介してミツバチの巣箱1の巣門1bに進入でき、この過程においてミツバチの体についている花粉は第1捕獲部100の下部の花粉通過スリット170を介して第1捕獲部100の下方に捕集される。そして、スズメバチは前方出入口110を通してフィルター部140まで移動できるが、フィルター部140のミツバチ通過穴141は通過できない。後方出入口120側に移動が遮断されたスズメバチは光に沿う習性によって第1捕獲部100の上面104に設けられた第1誘導穴130と上側に配された第2捕獲部200の下面201に設けられた第2誘導穴210を通過して、第2捕獲部200の内部に設けられた誘導体220に沿って第2捕獲部200の捕獲空間200Aに移動するようになり、誘導体220のスズメバチ通過スリット221及び誘導体220の上側開口を通過して、最終は第2捕獲部200に隔離される。第2捕獲部200の内部に入ってきたスズメバチは出られないが、第2捕獲部200の内部に入ってきたミツバチの場合は第2捕獲部200の前面202に置かれた第2ミツバチ通過スリット152を介して第2捕獲部200の外部へ出ていくことができ、よって第2捕獲部200にはスズメバチだけが隔離される。
【0059】
また、本発明の実施形態にかかるスズメバチ捕獲器10は、図示されていないが、スズメバチ捕獲器の第1捕獲部100とミツバチの巣箱1が取り付けられる境界には巣門開閉機能を果たす巣門開閉部が備えられる場合もある。既存の装置の場合、ミツバチの巣箱1に別の巣門開閉装置を設置すべき煩わしさがあったが、本発明の実施形態にかかるスズメバチ捕獲器10には巣門開閉機能を果たす巣門開閉部が共に備えられていて、既存のように別の巣門開閉装置の設置が不要である。
【0060】
前述したように、本発明に係るスズメバチ捕獲器10によれば、ミツバチの巣箱1に着脱される非誘因剤方式のスズメバチ捕獲器10であって、スズメバチの直進性、走光性を用いて第1捕獲部100を介して第2捕獲部200にスズメバチが移動するように誘導する。第2捕獲部200に移動したミツバチは第2ミツバチ通過スリット152を介して飛び出せるようにすることで、スズメバチだけを第2捕獲部200に隔離させることができる。
【0061】
また、本発明に係るスズメバチ捕獲器10によれば、第1捕獲部100と第2捕獲部200の互いを取り付け及び取り外し可能な構造を適用して、第2捕獲部200に隔離、死んだスズメバチを除去する過程において、既存の装置のように、スズメバチ捕獲器10の全体をミツバチの巣箱1から取り外す必要がなく、第2捕獲部200だけを分離して取り外せるようにすることで、第1捕獲部100を介したミツバチとスズメバチの移動経路は維持しつつ、第2捕獲部200に捕獲されたスズメバチだけを容易に除去できる。
【0062】
一方、本発明の実施形態にかかるスズメバチ捕獲器10は、図8に示したように、第2捕獲部200に設けられ、第2捕獲部200内に捕獲及び隔離されたスズメバチを殺せる殺傷部300をさらに備えることができる。
【0063】
図8を参照すれば、殺傷部300は電流が流れるように導電性を有しながら網状の感電網体310と、感電網体310を保持する複数の保持部材320及び感電網体310に電源を供給する電源供給部及び電源供給部の作動をオンオフさせるためのスイッチ330を含めて構成することができる。
【0064】
殺傷部300の保持部材320は一側が第2捕獲部200の上面204の内側に固設され、他の側が第2捕獲部200の捕獲空間200Aに向かうように配される。捕獲空間200Aへ進んだスズメバチが感電網体310に接触する際スズメバチを感電及び殺せるように保持部材320の端部には感電網体310が設けられる。
【0065】
殺傷部300は第2捕獲部200の上側に取り付け及び取り外し可能に構成できる。殺傷部300が設けられた第2捕獲部200の上面204の一部と、第2捕獲部200の上面204に隣接する両側面203のうちいずれか一側面203の一部が第2捕獲部200に対して取り外し可能に形成される。第2捕獲部200に対して取り外し可能に形成された上面204の一部と側面203の一部とは一体形成されるか連結される。
【0066】
第2捕獲部200は殺傷部300を取り外す際、上面204及び側面203の一部が開放して形成された取付開口が上部に形成され、殺傷部300はこの取付開口に沿って摺動しながら第2捕獲部200に殺傷部300を取り付けたり取り外すことができる。
【0067】
殺傷部300が設けられた第2捕獲部200の上面204の一部はスズメバチの直進性、走光性などスズメバチの習性を利用できるように透明な材質より形成でき、殺傷部300の殺傷方式としては前述したように感電方式を用いられるが、これに限定されない。
【0068】
上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】