(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】特に短いストローク用の減衰デバイスを備えるガスインジェクタ
(51)【国際特許分類】
F02M 61/16 20060101AFI20240517BHJP
F02M 61/04 20060101ALI20240517BHJP
F02M 21/02 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
F02M61/16 U
F02M61/04 G
F02M21/02 S
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574795
(86)(22)【出願日】2022-04-13
(85)【翻訳文提出日】2024-01-30
(86)【国際出願番号】 EP2022059901
(87)【国際公開番号】W WO2022258246
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】102021205694.6
(32)【優先日】2021-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100161908
【氏名又は名称】藤木 依子
(72)【発明者】
【氏名】ミューラー,マーティン
【テーマコード(参考)】
3G066
【Fターム(参考)】
3G066AB05
3G066BA47
3G066CC01
3G066CD06
(57)【要約】
本発明は、電機子(20)、内側磁極(21)、およびコイル(22)をもつ磁気アクチュエータ(2)と、封止座部(11)においてガス経路(14)を解放および閉止する閉鎖要素(3)であり、上記電機子(20)が閉鎖要素(3)と動作接続している、閉鎖要素(3)と、潤滑剤が充填され、電機子(20)が内部に配置されている密閉された潤滑剤チャンバ(4)であり、潤滑剤が電機子(20)の潤滑を保証する、潤滑剤チャンバ(4)と、潤滑剤チャンバ(4)内に配置されている制動機構(6)であり、開状態から閉状態へのガスインジェクタの復元プロセス時に閉鎖要素(3)を減速するように構成されている、制動機構(6)とを含む、気体燃料を吹き込むためのガスインジェクタであって、制動機構(6)が、制動ボルト(60)と、潤滑剤を充填され、第1の流体経路(101)を介して潤滑剤チャンバ(4)と流体接続している減衰チャンバ(62)と、弾性制動要素(61)と、電機子に動作接続する電機子ボルトと、案内ディスク(25)とを備え、制動ボルト(60)および弾性制動要素(61)が、復元プロセス時に、閉鎖要素(3)と動作接続することができ、制動ボルト(60)が、ガスインジェクタの復元プロセス時に、閉状態への閉鎖要素(3)の復元を減衰させるために、潤滑剤を減衰チャンバ(62)から潤滑剤チャンバ(4)に変位させるように構成され、電機子ボルト(24)が、案内ディスク(25)で案内され、制動ボルト弁(66)が、潤滑剤チャンバ(4)と減衰チャンバ(62)との間の制動弁座で第2の流体経路(102)を解放および閉止するために提供され、制動ボルト弁(66)が、ガスインジェクタが開状態にあるときに減衰チャンバ(62)に潤滑剤を充填するように構成されている、ガスインジェクタに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 電機子(20)、内側磁極(21)、およびコイル(22)をもつ磁気アクチュエータ(2)と、
- 封止座部(11)においてガス経路(14)を解放および閉止する閉鎖要素(3)であり、前記電機子(20)が前記閉鎖要素(3)と動作接続している、閉鎖要素(3)と、
- 潤滑剤が充填され、前記電機子(20)が内部に配置されている密閉された潤滑剤チャンバ(4)であり、前記潤滑剤が前記電機子(20)の潤滑を保証する、潤滑剤チャンバ(4)と、
- 前記潤滑剤チャンバ(4)内に配置されている制動機構(6)であり、開状態から閉状態への前記ガスインジェクタの復元プロセス時に前記閉鎖要素(3)を減速するように構成されている、制動機構(6)とを含む、気体燃料を吹き込むためのガスインジェクタであって、
- 前記制動機構(6)が、制動ボルト(60)と、潤滑剤を充填され、第1の流体経路(101)を介して前記潤滑剤チャンバ(4)と流体接続している減衰チャンバ(62)と、弾性制動要素(61)と、前記電機子に動作接続する電機子ボルトと、案内ディスク(25)とを備え、前記制動ボルト(60)および前記弾性制動要素(61)が、復元プロセス時に、前記閉鎖要素(3)と動作接続することができ、前記制動ボルト(60)が、前記ガスインジェクタの復元プロセス時に、前記閉状態への前記閉鎖要素(3)の復元を減衰させるために、潤滑剤を前記減衰チャンバ(62)から前記潤滑剤チャンバ(4)に変位させるように構成され、前記電機子ボルト(24)が、前記案内ディスク(25)で案内され、制動ボルト弁(66)が、前記潤滑剤チャンバ(4)と前記減衰チャンバ(62)との間の制動弁座で第2の流体経路(102)を解放および閉止するために提供され、前記制動ボルト弁(66)が、前記ガスインジェクタが開状態にあるときに前記減衰チャンバ(62)に潤滑剤を充填するように構成されている、
ガスインジェクタ。
【請求項2】
前記制動ボルト(60)に貫通孔(67)が形成され、前記貫通孔(67)が、前記制動ボルト(60)の第1の端面(60a)を前記減衰チャンバ(62)と接続し、前記電機子ボルト(24)が、第2の端面(24a)を有し、前記ガスインジェクタの前記閉状態で、前記制動ボルト(60)の前記第1の端面(60a)が前記電機子ボルト(24)の前記第2の端面(24a)に当接し、前記第2の流体経路(102)が閉じられ、したがって潤滑剤が前記貫通孔(67)を通って前記減衰チャンバ(62)に流入することがあり得ない、請求項1に記載のガスインジェクタ。
【請求項3】
前記制動機構(6)が絞り部(63)をさらに備え、前記絞り部(63)が、前記第1の流体経路(101)内で、前記減衰チャンバ(62)と前記潤滑剤チャンバ(4)との間に配置される、請求項1または2に記載のガスインジェクタ。
【請求項4】
前記絞り部(63)が、前記ガスインジェクタのどの動作状態でも開かれているように構成されており、特に段差付きの孔として形成される、請求項3に記載のガスインジェクタ。
【請求項5】
前記制動ボルト(60)に向いた前記案内ディスク(25)の側面に1つまたは複数のチャネルが形成され、および/または前記制動ボルト(60)の前記第1の端面(60a)に1つまたは複数のチャネルが形成される、請求項1から4のいずれか一項に記載のガスインジェクタ。
【請求項6】
前記チャネルが、周方向凹部(27)によって互いに流体接続される、請求項5に記載のガスインジェクタ。
【請求項7】
前記凹部(27)が前記案内ディスク(25)に形成される、請求項6に記載のガスインジェクタ。
【請求項8】
前記制動ボルト弁(66)の前記制動弁座が、平坦な封止座部として、または円錐-球座部として、または円錐-円錐座部として形成される、請求項1から7のいずれか一項に記載のガスインジェクタ。
【請求項9】
前記弾性制動要素(61)が前記減衰チャンバ(62)内に配置される、請求項1から8のいずれか一項に記載のガスインジェクタ。
【請求項10】
前記潤滑剤チャンバ(4)内に配置されている案内体(18)をさらに含み、前記案内体(18)が、前記制動ボルト(60)の案内のために構成されている、請求項1から9のいずれか一項に記載のガスインジェクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、摩耗が低減された、および減衰挙動が改善された、気体燃料、特に水素または天然ガスなどを吹き込むための特に内燃機関用のガスインジェクタに関する。本ガスインジェクタは、特に、内燃機関の燃焼室に直接吹き込むために設計されており、特に短い開放ストロークを非常によく減衰することができる。
【背景技術】
【0002】
先行技術から、ガスインジェクタは様々な構成で知られている。ガスインジェクタにおける問題は、原理的に、吹き込むべき媒体が気体であるので、例えばガソリンまたはディーゼル燃料を噴射する燃料インジェクタでは可能な、媒体による潤滑が不可能なことである。これにより、液体燃料用の燃料インジェクタに比べて、動作中に過度の摩耗が発生する。ここで、摩耗挙動が改良されたガスインジェクタを提供することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0003】
それに対し、本発明による、請求項1の特徴をもつ気体燃料を吹き込むためのガスインジェクタは、ガスインジェクタの摩耗が大幅に低減され得るという利点を有する。これは、ガスインジェクタの長い開口ストロークと短い開口ストロークとの両方で保証することができる。これにより、ガスインジェクタの寿命が延ばされ、液体燃料用の燃料インジェクタの寿命と実質的に同等になる。特に、ガスインジェクタの閉鎖時に閉鎖要素が明らかにより良く減衰される閉鎖プロセスを実施できることで、封止座部の摩耗および閉鎖要素のさらなる構成要素の摩耗が低減または阻止される。特にガスインジェクタの開放時間が短い場合、例えば内燃機関のアイドリング時、または数回の短い吹込みプロセス時、始動時の閉位置に戻る閉鎖要素の十分な減衰を保証することができる。本発明によれば、これは、ガスインジェクタが、密閉された潤滑剤チャンバ内にある潤滑剤を有し、潤滑剤チャンバ内にガスインジェクタの可動部品が配置されていることによって達成される。ガスインジェクタは、電機子、内側磁極、およびコイルを備えた磁気アクチュエータを含む。ここでは、電機子が、封止座部においてガス経路を解放および閉止する閉鎖要素と動作接続しており、ガスインジェクタの開放および/または閉鎖のための動きを可能にするために設けられている。したがって、コイルの通電時に電磁力により磁気アクチュエータの内側磁極に対して引っ張られる、潤滑剤チャンバ内にある電機子は、潤滑剤チャンバの内部にあり、常に潤滑剤を供給されて潤滑される。それにより、電機子の摩耗は、先行技術から従来知られているガスインジェクタに比べて大幅に低減されている。さらに、密閉され、潤滑剤で充填された潤滑剤チャンバを使用することによって、ガスインジェクタの寿命が大幅に延ばされ得る。ここで、好ましくは、潤滑剤チャンバは、潤滑剤で完全に充填されている。
【0004】
ガスインジェクタは、潤滑剤チャンバ内に配置された制動機構をさらに含み、この制動機構が、開状態から閉状態へのガスインジェクタの復元プロセス時に閉鎖要素を減速および減衰するように構成されている。制動機構は、制動ボルト、第1の流体経路を介して潤滑剤チャンバと流体接続している減衰チャンバ、および弾性制動要素、特にばねを含む。さらに、制動機構は、電機子が配置され、閉鎖要素に動作接続する電機子ボルトと、電機子ボルトが案内されている案内ディスクとを含む。制動機構の制動ボルト弁は、制動機構の減衰チャンバを充填剤でさらに充填するために第2の流体経路を解放および/または閉止するために提供されている。ここで、第2の流体経路を通した減衰チャンバの充填は、ガスインジェクタの開状態で行われる。制動ボルト弁は、第2の流体経路を解放および/または閉止するために、電機子ボルトと制動ボルトとの間の制動弁座に配置されている。
【0005】
復元プロセス時、制動ボルトおよび弾性制動要素は、閉鎖要素および/または電機子と動作接続しており、制動ボルトはさらに、復元プロセス時に、制動ボルトの復元を、したがって閉鎖要素の復元を減衰するために、潤滑剤を減衰チャンバから変位させるように構成されている。減速プロセスの一部は、制動ボルトと、ガスインジェクタの開状態で制動ボルトが当接しているストッパ構成要素との間の液圧接着によっても提供されるので、減衰チャンバを設けることにより、液圧接着が克服される際の液体潤滑剤のベーパーロック現象を阻止でき、これにより特にキャビテーションによる摩耗が阻止され得る。
【0006】
これは、制動機構によって提供される、追加の質量の加速によってさらにサポートされる。さらに、電機子および制動ボルトによる潤滑剤の変位によっても、さらなる減速が実現される。減衰チャンバに潤滑剤を充填する流体経路を2つ設けることにより、ガスインジェクタを短時間だけ開放する場合にも、減衰チャンバへの潤滑剤の確実で十分な充填が保証される。これにより、その後のガスインジェクタの閉鎖プロセス時に、閉鎖要素の復元プロセスを減衰するために十分な潤滑剤が減衰チャンバ内に存在することを常に保証することができる。閉鎖要素の復元速度は、案内要素などと制動ボルトとの摩擦によってさらに低下され得る。これらすべてが、ストッパへの電機子の衝突力を低減し、電機子の寿命もさらに延ばされ得る。
【0007】
従属請求項は、本発明の好ましい発展形態を示す。
好ましくは、制動ボルト弁は、制動ボルトに貫通孔を含み、貫通孔は、制動ボルトの第1の端面と減衰チャンバとを接続し、第2の流体経路の一部である。電機子ボルトは、減衰ボルトに面する第2の端面を有し、ガスインジェクタの閉状態において、制動ボルトの第1の端面は、第2の流体経路が閉じられるように電機子ボルトの第2の端面に当接する。したがって、閉状態では、潤滑剤が制動ボルトの貫通穴を通って減衰チャンバに流入することはあり得ない。ここで、第2の流体経路はガスインジェクタの開状態でのみ開き、開かれた制動ボルト弁および制動ボルトの貫通穴を通して十分な潤滑剤が減衰チャンバに到達することができる。
【0008】
さらに好ましくは、制動機構は絞り部を含み、絞り部は、減衰チャンバと潤滑剤チャンバとの間の第1の流体経路に配置されている。絞り部は、好ましくは段差付きの孔であり、ガスインジェクタのどの動作状態においても、すなわち開状態か閉状態かに関わらず減衰チャンバと潤滑剤チャンバとの間に流体接続が存在することを保証する。孔の幾何学的寸法、例えば孔の直径および/または長さの選択によって、制動機構の減衰挙動を調整することができる。
【0009】
絞り部は、好ましくは案内体内に配置され、案内体の貫通穴として形成され、案内体は、制動ボルトを案内するように構成されている。代替として、第1の流体経路は、制動ボルトと案内体との間に形成され、好ましくは制動ボルトのジャケットの溝として、および/または制動ボルト用の案内体内の案内シリンダの溝として形成されている。
【0010】
減衰チャンバが潤滑剤でできるだけ速く充填されることを保証するために、好ましくは、制動ボルトに向いた案内ディスクの側面に1つまたは複数のチャネルが形成されている。代替または追加として、制動ボルトの第1の端面に1つまたは複数のチャネルが形成されている。ここで、追加のチャネルは、開状態で、十分な潤滑剤が第2の流体経路を通って潤滑剤チャンバから減衰チャンバに流れることができることを保証する。好ましくは、チャネルが周方向凹部を介して互いに流体接続されている場合、流れのさらなる改善が達成される。チャネルを接続するための凹部は、好ましくは案内ディスクに形成されている。
【0011】
好ましくは、制動弁座は、制動ボルトと電機子ボルトとの間で、平坦な封止座部として形成されている。代替として、制動弁座は、円錐-球座部または円錐-円錐座部である。
本発明のさらなる好ましい一構成によれば、制動機構の弾性制動要素が減衰チャンバ内に配置されている。これにより、特にコンパクトな構造が実現され得る。弾性制動要素は、好ましくは圧縮ばね、特に円筒ばねである。
【0012】
本発明のさらなる好ましい一構成によれば、ガスインジェクタは、潤滑剤チャンバ内に配置された、制動ボルトの案内のための案内領域をもつ案内体を含む。案内体は、好ましくは、特に制動ボルトを案内する案内体のうち封止座部に向いた端部に凹部を有する。潤滑剤チャンバの封止性を保証するために、好ましくは、可撓性の封止要素、例えばベローズが設けられ、可撓性の封止要素は、潤滑剤チャンバを部分領域で封止する。
【0013】
好ましくは、潤滑剤チャンバの可撓性封止要素は、第1および第2の可撓性封止要素を含む。両方の封止要素は、特に好ましくはベローズである。したがって潤滑剤チャンバは2つの可撓性封止要素によって封止されており、それにより、潤滑剤チャンバ内の潤滑剤の変位時に不都合な正圧または負圧が発生することを阻止でき、この不都合な正圧または負圧は、例えば潤滑剤貯蔵部の構成要素を介して意図しない力をガスインジェクタの閉鎖要素にかけ得る。2つの可撓性封止要素を設けることにより、たとえ不都合な力が封止要素の1つにかかり、これが、密閉された潤滑剤チャンバ内の圧力を上昇させ得るとしても、第2の可撓性封止要素によって平衡が提供され得る。これにより、密閉された潤滑剤チャンバの内部の望ましくない圧力変化がうまく阻止され得る。
【0014】
さらに好ましくは、貯蔵部ばねが外側から所定の力を、密閉された潤滑剤チャンバ内の潤滑剤にかける。ここでは、好ましくは0.5~10×105Pa、特に好ましくは1~5×105Paの間の正圧がかけられる。これにより潤滑剤チャンバ内の潤滑剤に所定の予応力をかけることができ、それにより、閉鎖要素のストロークへの影響を有し得る望ましくない変形が確実に阻止され得る。
【0015】
さらに好ましくは、第2のベローズが、ばね受けを介して貯蔵部ばねと接続されている。これにより、より単純で安価な構造が実現され得る。さらにこれにより、貯蔵部ばねによって直接的に第2のベローズに特定の予応力をかけることができ、これにより第2のベローズの剛性は、第1のベローズよりも少し高くなっている。
【0016】
好ましくは、潤滑剤として、油、特に鉱物油が使用される。代替として、液体燃料、特にディーゼル燃料またはガソリンが使用される。さらなる代替として、潤滑剤としてグリースまたはPAO油(ポリアルファオレフィン)またはエステル油またはポリグリコール油が使用される。
【0017】
好ましくは、ガスインジェクタは、外向きに開くインジェクタである。さらに好ましくは、ガスインジェクタは、圧力平衡型である。それにより、磁気アクチュエータによってガスインジェクタを開くために必要な力は、ガス圧に依存しない。したがって、それぞれ電流印加開始および電流印加終了後にインジェクタを開放および閉鎖するための時間も、ガス圧に依存しない。これはまた、様々なガス圧での動作を可能にする。吹込み量を小さくすることが望まれる場合にはガス圧が低減され得、吹込み量を大きくすることが望まれる場合にはガス圧は上昇され得る。インジェクタは、ベローズの平均直径が閉鎖要素と弁体との間の弁座接触ラインの直径に等しい場合に圧力平衡される。しかし、ベローズ平均直径は、弁座直径よりも小さく形成することも、大きく形成することもできる。ベローズ平均直径が弁座直径よりも小さい場合、ガス圧が上昇すると、弁ニードルにかかる全閉鎖力が減少し、インジェクタは、通電時により速く開き、通電後によりゆっくりと閉じる。これにより、ガス吹込み量が増加する。ベローズ平均直径が弁座直径よりも大きい場合、ガス圧が上昇すると、弁ニードルにかかる閉鎖力が高まる。これもまた、ガス圧の上昇による弁座漏れ量の増加を補償することができる。
【0018】
復元は、好ましくは、戻しばねによって行われる。圧力平衡型のインジェクタの場合、特に、ガスインジェクタの閉状態では、気体燃料によって弁ニードルに加えられる圧縮力はなく、したがって閉鎖要素の負荷を大幅に低減することができる。
【0019】
以下、添付図面を参照して本発明の例示的実施形態を詳細に述べる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第1の好ましい例示的実施形態によるガスインジェクタの概略断面図である。
【
図2】閉状態にある
図1のガスインジェクタの制動機構の概略拡大部分断面図である。
【
図3】開状態にあるガスインジェクタの制動機構の概略拡大部分断面図である。
【
図4】本発明の第2の好ましい例示的実施形態によるガスインジェクタの制動機構の概略拡大部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、
図1~3を参照して、本発明の第1の好ましい例示的実施形態によるガスインジェクタ1を詳細に述べる。
図1から分かるように、気体燃料を導入するためのガスインジェクタ1は、この例示的実施形態では外側に開く弁ニードルである閉鎖要素3を閉状態から開状態に移動させる磁気アクチュエータ2を含む。ここで、
図1は、ガスインジェクタの閉状態を示す。
【0022】
磁気アクチュエータ2は、電機子ボルト24によって閉鎖要素3に当接する電機子20を含む。磁気アクチュエータ2は、内側磁極21と、コイル22と、磁気アクチュエータの磁気帰還を保証する磁気ハウジング23とをさらに含む。
【0023】
さらに、ガスインジェクタ1は、接続管70をもつ本体7を含み、接続管70を通して気体燃料が供給される。ここで、本体7には弁ハウジング8が固定され、弁ハウジング8内に磁気アクチュエータ2が配置される。弁ハウジング8にハウジングスリーブ19および弁管90がつながり、弁管90の自由端には封止座部11が設けられており、封止座部11において、閉鎖要素3が、気体燃料のための通路を解放および閉止する。
【0024】
図1には、本体7を通って磁気アクチュエータ2まで案内されている電気接続部13が概略的に示されている。
参照番号10は、開放プロセス後に閉鎖要素3を
図1に示される閉状態に戻すための、閉鎖要素3用の復元要素を示す。
【0025】
図1に、ガスインジェクタ1を通るガス経路14としてガス流がさらに示されている。ここで、ガス流は、接続管70で始まり、次いで偏向され、弁ハウジング8と本体7との間の環状空間80に入る。ここで、ガス流14は、磁気アクチュエータ2の外側領域を通り過ぎ、フィルタ15を通って、封止座部11の手前までさらに進む。ここで、対応する開口がそれぞれの構成要素に設けられているが、それらすべてを
図1に示してはいない。
【0026】
ガスインジェクタ1の開放時、気体燃料は、
図1に矢印Aによって示されているように、磁気アクチュエータ2の外周および開いた封止座部11を通過して、内燃機関の燃焼室に流入する。
【0027】
したがって、閉鎖要素3は、封止座部11においてガス経路14を解放し、これを閉止する。
図1から詳細に分かるように、案内のために、閉鎖要素3と弁体9との間に第1の案内領域31および第2の案内領域32が設けられている。第1の案内領域31は、封止座部11の近くで、直接的に閉鎖要素3と弁体9との間に形成されている。ここで、第2の案内領域32は、ばね受け16と弁体9との間に形成されている。ばね受け16は、閉鎖要素3と固定的に接続されており、復元要素10は、弁体9とばね受け16との間で支持されている。
【0028】
ガスインジェクタ1は、密閉された潤滑剤チャンバ4をさらに含む。密閉された潤滑剤チャンバ4は、液状潤滑剤、例えば油で完全にまたは部分的に充填されている。
図1から分かるように、潤滑剤チャンバ4は、第1の可撓性封止要素51、内側磁極21、磁気ハウジング23、案内体18、および第2の可撓性封止要素52によって画定されている。第1および第2の可撓性封止要素51、52はそれぞれベローズとして形成されている。ここで、第1および第2の可撓性封止要素51、52は同様に形成されている。
【0029】
可撓性封止要素51、52としては、ベローズの代わりに、例えば膜やチューブなどでもよいことに留意されたい。
図1からさらに分かるように、第2の可撓性封止要素52は、貯蔵部ばね受け41に、例えば溶接接合によって固定されている。ガスインジェクタ1は貯蔵部圧縮ばね40をさらに含み、この貯蔵部圧縮ばね40は、本体7に支持され、貯蔵部ばね受け41を介して第2の可撓性封止要素52に予応力をかける。案内体18には接続孔18aが設けられており、これにより、潤滑剤チャンバ4内にある潤滑剤は、第2の可撓性封止要素52の内側の領域にも存在している。
【0030】
第1の可撓性封止要素51は、閉鎖要素3に直接固定されており、別の端部では弁体9と接続されている。ここで、弁体9には横孔91が設けられており、これにより、第1の可撓性封止要素51の内部空間と弁体9の内部空間との間に流体接続が存在している。
【0031】
したがって潤滑剤チャンバ4は、2つの可撓性封止要素51、52および貯蔵部圧縮ばね40を有する。貯蔵部圧縮ばね40は、潤滑剤チャンバ4内にある潤滑剤に、特定の予応力、例えば1×105Paをかける。よって開放プロセス時に、閉鎖要素3のストロークによりまたはさらに潤滑剤の熱膨張もしくは冷却により潤滑剤の変位が発生する場合に、潤滑剤チャンバ4の内部で生じることがある正圧/負圧は、貯蔵部圧縮ばね40の収縮と関連した第2の可撓性封止要素52のたわみによって平衡され得る。これにより可撓性封止要素51は、ベローズ作用面を介して閉鎖要素3に作用する意図しない力により、回避され得る。
【0032】
密閉された潤滑剤チャンバ4内に、電機子20が固定された電機子ボルト24が配置されている。潤滑剤チャンバ4には、潤滑剤、例えばガソリンやディーゼル燃料などの液体燃料、またはグリースなどが充填されているので、電機子20は継続的に潤滑されている。これにより、気体燃料において先行技術で生じる問題、すなわち可動部品の潤滑に欠けるという問題が補償され得る。
【0033】
図1から分かるように、密閉された潤滑剤チャンバ4を充填するために、充填チャネル17aが設けられている。充填チャネル17aは、閉止ボール17によって液密に閉止されている。
【0034】
密閉された潤滑剤チャンバ4には、さらに制動機構6が配置されている。制動機構6は、制動ボルト60と、潤滑剤が充填された減衰チャンバ62と、制動ばねとして形成された弾性制動要素61とを含む。減衰チャンバ62は潤滑剤チャンバ4と流体接続している。さらに、制動機構6は、電機子ボルト24が案内される案内ディスク25を含む。ここで、案内ディスク25は、軸方向に延びる複数の開口部25aを備える。さらに、制動機構は、制動ボルト弁66を含む。
【0035】
制動ボルト弁66の開状態では、電機子ボルト24は、閉鎖要素3と共に矢印Bの方向に移動され、電機子ボルトは制動ボルト60と接触しない。
制動ボルト弁66の閉状態では、電機子ボルト24の方向を向く制動ボルト60の第1の端面60aが、電機子ボルト24の第2の端面24aと接触する。さらに、制動ボルト60には貫通孔67も形成され、貫通孔67は、第1の端面60aを減衰チャンバ62と接続する。
【0036】
図2は、ガスインジェクタの閉状態を示す。
図2から詳細に分かるように、減衰チャンバ62と潤滑剤チャンバ4との間には、絞り部63を介して恒久的な接続が存在する。減衰チャンバ62と潤滑剤チャンバ4との間のこの恒久的な接続は第1の流体経路101を形成し、第1の流体経路101を通って、潤滑剤が潤滑剤チャンバ4から減衰チャンバ62へ、およびその逆に流れることができる。第1の流体経路101は、
図2に示されるように、絞り部63が形成された案内体18を通って延びている。ここで、絞り部63は、案内体18の接続孔18aに開口している。絞り部63は、段差付きの真直な孔として形成することができ、ガスインジェクタの中心軸に位置する。
【0037】
ガスインジェクタの開状態では、
図3から分かるように、開放された制動ボルト弁66を介して第2の流体経路102が生じる。
図3に示される開状態では、電機子ボルト24の端部での第2の端面24aは、電機子経路Cの分だけ第1の端面60aから浮き上げられる。案内ディスク25には、径方向に延びる複数のチャネル26が設けられ、これらのチャネル26は、案内ディスク25の開口部から、電機子ボルト24用の案内面の径方向内側での環状凹部27まで形成されるので、ガスインジェクタが開放されているとき、第2の流体経路102が生じ、これは
図3に破線で示されている。これにより、潤滑剤が、チャネル26および凹部27を通って貫通孔67に流入し、そこから減衰チャンバ62に流入することができる。ここで、減衰ボルト60は、弾性制動要素61によって軸方向X-Xで案内ディスク25に押し当てられる。
【0038】
したがって、ガスインジェクタが開放されているとき、減衰チャンバ62に十分に潤滑剤を供給するために、2つの流体経路101、102が設けられる。ガスインジェクタの開放時間が非常に短い場合、閉鎖要素の迅速な復元、したがってまた電機子20および電機子ボルト24の迅速な復元が行われ、この復元は十分に減衰されなければならないので、これは特に重要である。そのような短い吹込み時間は、例えば内燃機関のアイドリング時または複数回の吹込み中に与えられる。
【0039】
したがって、ガスインジェクタの短い開放時間にも関わらず制動機構6による減衰が生じない事態を防止することができる。
図3から明らかであるように、ガスインジェクタの開放時、電機子ボルト24が制動ボルト60でのその載置面から浮き上げられる。それにより、浮上げ直後、制動ボルト弁66が開かれ、潤滑剤が、チャネル26および凹部27ならびに貫通孔67を通って減衰チャンバ62に流入することができる。第2の流体経路102を通る潤滑剤のこの流れは、弾性制動要素61によってもサポートされ、制動ボルト60が軸方向で案内ディスク25に押し当てられ、この位置に留まることが保証される。ここでは、制動ボルト60は、案内体18内で案内される。
【0040】
減衰チャンバ62を充填するために、常に開かれた絞り部63を通して、第1の流体経路101を通る流れも生じる。
この例示的実施形態では、制動ボルト60の第1の端面60aと電機子ボルト24の第2の端面24aとの間に平坦な封止座部が形成されている。しかしここで、円錐-球封止座部または円錐-円錐封止座部を設けることも可能である。
【0041】
ガスインジェクタの閉鎖時の減衰プロセスは、さらに制動ばね61によって、および案内ディスク25における制動ボルト60の液圧接着によってサポートされる。ここで、減衰チャンバ62によって、ガスインジェクタの閉鎖プロセス中に、案内ディスク25と制動ボルト60の第1の端面60aとの間のこの領域でのキャビテーションを防止することができる。
【0042】
絞り部63の直径および/または長さの選択により、減衰挙動が、それぞれのガスインジェクタのためにさらに個別に調整され得る。
ここで、
図1に示されるガスインジェクタ1は、圧力平衡されている。すなわち、閉鎖要素3が第1の可撓性封止要素51を介して弁体9と接続されており、金属ベローズとして形成された第1の可撓性封止要素51が、封止座部11における直径、詳しくは閉鎖要素3が封止座部11において封止する直径に等しい平均直径を有している。それにより、閉鎖要素3に対する圧縮力が生じず、したがって閉鎖要素3を開くのに必要な磁力を非常に小さく保つことができ、特に気体燃料の圧力に依存しない。
【0043】
したがって本発明により、閉鎖要素3が磁気アクチュエータ2の作動により開状態にされ(
図1では閉鎖要素3の左への移動)、ガス吹込みが実施される場合、閉鎖要素3の復元時には、閉鎖要素が封止座部11に押し付けられる直前に確実な減衰が実施され得る。これにより、封止座部11に閉鎖要素が当たる前に、閉鎖要素3の閉鎖速度が大幅に効果的に減速される。それにより封止座部11および閉鎖要素3の摩耗を効果的に低減でき、ここで制動機構6はさらに、より静かなガスインジェクタの動作を可能にする。要素が封止座部に激しく当たって激突しながら戻されるいわゆる閉鎖激突も効果的に阻止され得る。
【0044】
したがって、ガスインジェクタ1は、可動部品、特に封止座部11、電機子20、および電機子ボルト24の摩耗を軽減することができ、小さなストロークの場合でも、両方の流体経路101、102を通して常に十分に充填された減衰チャンバ62によって十分な減衰を保証することができる。さらに、液体潤滑剤を含む密閉された潤滑剤チャンバ4によって、磁気アクチュエータ2からの放熱が大幅に改良され得る。さらに、両方の可撓性封止要素51、52により、意図しない力が閉鎖要素3に作用することが阻止され得る。
【0045】
図4は、本発明の第2の好ましい例示的実施形態によるガスインジェクタの制動機構の拡大部分断面図を示す。同一または機能的に同一の部品は、第1の例示的実施形態と同様に符号を付されている。
【0046】
図4は、第1の例示的実施形態の
図2と同様に、ガスインジェクタの閉状態を示す。ここで、第2の例示的実施形態では、第1の流体経路101は案内体18の絞り部として形成されず、減衰チャンバ62と潤滑剤チャンバ4との間の流体接続は、制動ボルト62と、制動ボルト62用の案内体18の円筒形収容空間との間に形成される。
図4に示されるように、ここでは、制動ボルト60のジャケット領域で、制動ボルト60に1つまたは複数の溝60aが形成される。代替として、第1の流体経路101は、制動ボルト60と、制動ボルト60が受け入れられる案内体18の円筒形領域との間の遊びによって調整することもできる。さらに代替または追加として、1つまたは複数の溝を案内体18の円筒形領域に設けることもできる。したがって、制動ボルト60と案内体18の円筒状部分領域との間の領域で、第1の流体経路に絞りが生じる。それ以外は、この例示的実施形態は前の例示的実施形態と同様であり、そこで与えられた説明を参照することができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 電機子(20)、内側磁極(21)、およびコイル(22)をもつ磁気アクチュエータ(2)と、
- 封止座部(11)においてガス経路(14)を解放および閉止する閉鎖要素(3)であり、前記電機子(20)が前記閉鎖要素(3)と動作接続している、閉鎖要素(3)と、
- 潤滑剤が充填され、前記電機子(20)が内部に配置されている密閉された潤滑剤チャンバ(4)であり、前記潤滑剤が前記電機子(20)の潤滑を保証する、潤滑剤チャンバ(4)と、
- 前記潤滑剤チャンバ(4)内に配置されている制動機構(6)であり、開状態から閉状態への前記ガスインジェクタの復元プロセス時に前記閉鎖要素(3)を減速するように構成されている、制動機構(6)とを含む、気体燃料を吹き込むためのガスインジェクタであって、
- 前記制動機構(6)が、制動ボルト(60)と、潤滑剤を充填され、第1の流体経路(101)を介して前記潤滑剤チャンバ(4)と流体接続している減衰チャンバ(62)と、弾性制動要素(61)と、前記電機子に動作接続する電機子ボルトと、案内ディスク(25)とを備え、前記制動ボルト(60)および前記弾性制動要素(61)が、復元プロセス時に、前記閉鎖要素(3)と動作接続することができ、前記制動ボルト(60)が、前記ガスインジェクタの復元プロセス時に、前記閉状態への前記閉鎖要素(3)の復元を減衰させるために、潤滑剤を前記減衰チャンバ(62)から前記潤滑剤チャンバ(4)に変位させるように構成され、前記電機子ボルト(24)が、前記案内ディスク(25)で案内され、制動ボルト弁(66)が、前記潤滑剤チャンバ(4)と前記減衰チャンバ(62)との間の制動弁座で第2の流体経路(102)を解放および閉止するために提供され、前記制動ボルト弁(66)が、前記ガスインジェクタが開状態にあるときに前記減衰チャンバ(62)に潤滑剤を充填するように構成されている、
ガスインジェクタ。
【請求項2】
前記制動ボルト(60)に貫通孔(67)が形成され、前記貫通孔(67)が、前記制動ボルト(60)の第1の端面(60a)を前記減衰チャンバ(62)と接続し、前記電機子ボルト(24)が、第2の端面(24a)を有し、前記ガスインジェクタの前記閉状態で、前記制動ボルト(60)の前記第1の端面(60a)が前記電機子ボルト(24)の前記第2の端面(24a)に当接し、前記第2の流体経路(102)が閉じられ、したがって潤滑剤が前記貫通孔(67)を通って前記減衰チャンバ(62)に流入することがあり得ない、請求項1に記載のガスインジェクタ。
【請求項3】
前記制動機構(6)が絞り部(63)をさらに備え、前記絞り部(63)が、前記第1の流体経路(101)内で、前記減衰チャンバ(62)と前記潤滑剤チャンバ(4)との間に配置される、請求項
1に記載のガスインジェクタ。
【請求項4】
前記絞り部(63)が、前記ガスインジェクタのどの動作状態でも開かれているように構成されており、特に段差付きの孔として形成される、請求項3に記載のガスインジェクタ。
【請求項5】
前記制動ボルト(60)に向いた前記案内ディスク(25)の側面に1つまたは複数のチャネルが形成され、および/または前記制動ボルト(60)の前記第1の端面(60a)に1つまたは複数のチャネルが形成される、請求項
1に記載のガスインジェクタ。
【請求項6】
前記チャネルが、周方向凹部(27)によって互いに流体接続される、請求項5に記載のガスインジェクタ。
【請求項7】
前記凹部(27)が前記案内ディスク(25)に形成される、請求項6に記載のガスインジェクタ。
【請求項8】
前記制動ボルト弁(66)の前記制動弁座が、平坦な封止座部として、または円錐-球座部として、または円錐-円錐座部として形成される、請求項
1に記載のガスインジェクタ。
【請求項9】
前記弾性制動要素(61)が前記減衰チャンバ(62)内に配置される、請求項
1に記載のガスインジェクタ。
【請求項10】
前記潤滑剤チャンバ(4)内に配置されている案内体(18)をさらに含み、前記案内体(18)が、前記制動ボルト(60)の案内のために構成されている、請求項
1に記載のガスインジェクタ。
【国際調査報告】