(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】コロナウイルスに対するウイルス様粒子ワクチン
(51)【国際特許分類】
A61K 39/215 20060101AFI20240517BHJP
A61P 31/14 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
A61K39/215
A61P31/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574797
(86)(22)【出願日】2022-06-03
(85)【翻訳文提出日】2024-02-02
(86)【国際出願番号】 US2022032201
(87)【国際公開番号】W WO2022260960
(87)【国際公開日】2022-12-15
(32)【優先日】2021-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522478466
【氏名又は名称】アイコサバックス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】カネサ-タサン, ニランジャン
(72)【発明者】
【氏名】リチャードソン, チャールズ
【テーマコード(参考)】
4C085
【Fターム(参考)】
4C085AA03
4C085AA38
4C085BA71
4C085CC08
4C085DD62
4C085EE01
4C085EE06
4C085FF02
4C085FF11
4C085FF17
(57)【要約】
本開示は、SARS-CoV-2、特に、SARS-CoV-2の流行株を標的化すること、およびそのようなワクチンを使用して、SARS-CoV-2に対する中和抗体レベルを誘導する方法に関する。一態様では、コロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインおよび第1のマルチマー化ドメインを含む第1の成分、および必要に応じて、第2のマルチマー化ドメインを含む第2の成分を含むタンパク質複合体と、1つまたは複数の薬学的に許容される希釈剤または賦形剤とを含む、医薬組成物が本明細書に提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のマルチマー化ドメインに結合されたコロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインを含む第1の成分、および必要に応じて、第2のマルチマー化ドメインを含む第2の成分を含むタンパク質複合体と、1つまたは複数の薬学的に許容される希釈剤または賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項2】
アジュバントを含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記アジュバントが水中スクアレンエマルションである、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記アジュバントがMF59(登録商標)である、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記アジュバントがアルミニウム塩である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記アジュバントがCPG-1018である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項7】
アルミニウム塩およびCPG-1018の両方を含む、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項8】
いかなるアジュバントも含まないまたは実質的に含まない、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記第1のマルチマー化ドメインがトリマー化ドメインであり、前記第2のマルチマー化ドメインがペンタマー化ドメインである、請求項1から8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記タンパク質複合体が正二十面体タンパク質複合体である、請求項1から9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記第1のマルチマー化ドメインが、配列番号9~13または18からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一なアミノ酸配列を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記第2のマルチマー化ドメインが、配列番号14~17、20または27からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または少なくとも100%同一なアミノ酸配列を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記第1の成分が、配列番号1~6のうちのいずれか1つに対して少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一なアミノ酸配列を含み、かつ
前記第2の成分が、配列番号14に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一なアミノ酸配列を含む
請求項1から12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
単位用量の請求項1から13のいずれか一項に記載の医薬組成物であって、前記単位用量は、2μg、5μg、10μg、15μg、25μg、50μg、100μgまたは125μgのタンパク質複合体を含む、単位用量の医薬組成物。
【請求項15】
SARS-CoV-2による感染のリスクがある対象をワクチン接種する方法であって、第1のマルチマー化ドメインに結合されたコロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインを含む第1の成分、および第2のマルチマー化ドメインを含む第2の成分を含むタンパク質複合体の有効量と、1つまたは複数の薬学的に許容される希釈剤または賦形剤とを含む医薬組成物を、前記対象に投与するステップを含む、方法。
【請求項16】
SARS-CoV-2に対する先のワクチン接種に対する免疫応答をブーストする方法であって、第1のマルチマー化ドメインに結合されたコロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインを含む第1の成分、および必要に応じて、第2のマルチマー化ドメインを含む第2の成分を含むタンパク質複合体の有効量を含む医薬組成物を、SARS-CoV-2に対して以前にワクチン接種された対象に投与するステップを含む、方法。
【請求項17】
前記対象が、一次ワクチンの全単位のワクチン接種で以前にワクチン接種されている、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
SARS-CoV-2に対して対象を安全かつ有効に免疫化する方法であって、第1のマルチマー化ドメインに結合されたコロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインを含む第1の成分、および必要に応じて、第2のマルチマー化ドメインを含む第2の成分を含むタンパク質複合体の有効量を含む医薬組成物を、SARS-CoV-2に対して以前にワクチン接種された対象に投与するステップを含む、方法。
【請求項19】
前記医薬組成物がアジュバントを含む、請求項15から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記アジュバントが水中スクアレンエマルションである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記アジュバントがMF59(登録商標)である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記アジュバントがアルミニウム塩である、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記アジュバントがCPG-1018である、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記医薬組成物が、アルミニウム塩およびCPG-1018の両方を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記医薬組成物が、いかなるアジュバントも含まないまたは実質的に含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記第1のマルチマー化ドメインがトリマー化ドメインであり、前記第2のマルチマー化ドメインがペンタマー化ドメインである、請求項15から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記タンパク質複合体が正二十面体タンパク質複合体である、請求項15から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記第1のマルチマー化ドメインが、配列番号9~13または18からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一なアミノ酸配列を含む、請求項15から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記第2のマルチマー化ドメインが、配列番号14~17、20または27からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または少なくとも100%同一なアミノ酸配列を含む、請求項15から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記第1の成分が、配列番号1~6のうちのいずれか1つに対して少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一なアミノ酸配列を含み、かつ
前記第2の成分が、配列番号14に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一なアミノ酸配列を含む
請求項15から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記有効量が、2μg、5μg、10μg、15μg、25μg、50μg、100μgまたは125μgの前記タンパク質複合体である、請求項15から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記投与するステップを反復するステップを含む、請求項15から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
ブースターワクチンを投与するステップを含む、請求項15から32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
プライムワクチンを投与するステップを含む、請求項15から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記プライムワクチンが、mRNAベースのワクチン、アデノウイルスベクターベースのワクチン、タンパク質ベースのワクチンまたは不活化ウイルスワクチンである、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記プライムワクチンが前記タンパク質複合体である、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記対象が、以前にワクチン接種された対象である、請求項15から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記対象が、SARS-CoV-2の元の株に対する全単位のワクチン接種を完了している、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記対象が、SARS-CoV-2の元の株に対する部分単位のワクチン接種を完了している(例えば、2つの用量のうちの1つを受けている)、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記対象が、SARS-CoV-2のバリアント株に対するワクチン接種の少なくとも1つの用量を受けている、請求項37から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記対象が、コロナウイルスSタンパク質の前記受容体結合ドメインまたはコロナウイルスSタンパク質の前記受容体結合ドメインをコードするポリヌクレオチドを含むワクチンの少なくとも1つの用量を受けている、請求項37から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記対象が、コロナウイルスSタンパク質またはコロナウイルスSタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むワクチンの少なくとも1つの用量を受けている、請求項37から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記コロナウイルスSタンパク質がS2Pである、請求項41または42に記載の方法。
【請求項44】
前記Sタンパク質がHexaProである、請求項41または42に記載の方法。
【請求項45】
前記対象が、ワクチン接種ナイーブ対象である、請求項15から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記対象が、SARS-CoV-2に以前に感染したことがある、請求項15から45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記対象が、SARS-CoV-2に以前に感染したことがない、請求項15から46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記対象が、前記投与するステップの前には、SARS-CoV-2に対する抗体を有しない、請求項15から47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記対象が、前記投与するステップの前に、SARS-CoV-2に対する抗体を有する、請求項15から47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記対象において中和抗体価を誘導する、請求項15から49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記対象においてSタンパク質特異的IgG抗体価を誘導する、請求項15から50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
SARS-CoV-2による感染を予防する、請求項15から51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
SARS-CoV-2の元の株による感染を予防する、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
SARS-CoV-2のバリアント株による感染を予防する、請求項52または53に記載の方法。
【請求項55】
コロナウイルスによる感染の重症度を低減させる、請求項15から54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
SARS-CoV-2の元の株による感染の重症度を低減させる、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
SARS-CoV-2のバリアント株による感染の重症度を低減させる、請求項55または56に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、35U.S.C.§119(e)の下で、その全内容がその全体としてこれにより参照により本明細書に組み込まれる2021年6月7日出願の米国仮特許出願第63/197,952号に対する優先権の利益を主張する。
開示の分野
本開示は、SARS-CoV-2、特に、SARS-CoV-2の流行株を標的化すること、およびそのようなワクチンを使用して、SARS-CoV-2に対する中和抗体レベルを誘導する方法に関する。
【0002】
配列表の参照による組込み
本出願は、EFS-WEBを介してASCIIフォーマットで提出された、その全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれる配列表を含む。2022年6月2日に作成された前記ASCIIコピーは、名称が061291-505001WO_ST25.txtであり、サイズが64キロバイトである。
【背景技術】
【0003】
背景
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)は、コロナウイルス疾患2019(COVID-19)の世界的パンデミックの原因であるウイルス病原体である。2022年5月の時点で、5億を超える累積症例が存在し、COVID-19による死亡は世界中で620万を超え、米国単独では死亡は100万を超えた。COVID-19による深刻な罹患率および死亡率は、年齢誘導性の免疫老化におそらくは起因して、他の年齢群と比較して、高齢者において不釣り合いに高い。65歳を超える成人が米国集団の17%を構成するという事実にもかかわらず、COVID-19に起因する米国における死亡の75%よりも多くが、この年齢群中にあった。
【0004】
このパンデミックと闘うためのワクチンは、前例のないペースで開発され、緊急使用の認可の下で許諾または承認されたいくつかのSARS-CoV-2ワクチンが存在する。パンデミックと戦うための第1波ワクチンへの最初の要請は、第2波ワクチン候補にとって今や重要な検討事項である他の重要な属性、例えば、耐久性、応答をブーストする潜在力、バリアント株に対処する潜在力、製造および配布の容易さ、安定性、ならびに反応源性プロファイルではなく、スピードに焦点を当てていた。
【0005】
コロナウイルスは変異する傾向があるが、SARS-CoV-2ウイルスが変異したペースは、大多数の人が見込んでいたペースよりも速い。これらの新興株の一部は、伝染および病原性を増強するようであり、一部の国では、新興株による元のSARS-CoV-2株の完全な置き換えを伴う。データは、元のSARS-CoV-2ウイルス株に対する一部のワクチンが、新興バリアントの一部、特に、南アフリカにおいて最初に同定されたB.1.351(ベータ)およびB.1.1.529(オミクロン)バリアントに対しては免疫原性が低いことを示している。B.1.351およびB.1.1.529株に対するin vitroでの中和価における減少は、これらのウイルス株に感染した人々におけるより低い有効性につながるようである。他の人々は、ブースターショット、またはバリアント株において見出された重要な変異を取り込む新たなワクチンのいずれかによって、新興バリアントに対処するために既存のワクチンを補完するための試みを開始した。しかし、自然感染またはワクチン接種を介した元の株への最初の曝露は、「抗原原罪」と呼ばれる現象である、新たな株に対する免疫応答の発生を妨害するような方法で元の株に対して免疫系が集中するという結果を生じ得る。
【0006】
ウイルス様粒子(VLP)ワクチンは、安定な多価抗原ディスプレイを可能にし、B細胞受容体の架橋を容易にし、可溶性タンパク質抗原よりも強い免疫シグナル伝達を駆動する。VLPワクチンは、長持ちする免疫を誘導することが歴史的に示されており[例えば、ヒトパピローマウイルス(HPV)]、ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンおよびB型肝炎(HBV)ワクチンが含まれる、天然に存在する自己アセンブルするVLPを利用する許諾されたワクチンのいくつかの例が存在する。
【0007】
高い中和抗体レベルを誘導するために、流行性の新興SARS-CoV-2株を標的化する新規ワクチンが必要とされている。本開示の組成物および方法は、その必要性に取り組む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
簡潔な概要
一態様では、コロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインおよび第1のマルチマー化ドメインを含む第1の成分、および必要に応じて、第2のマルチマー化ドメインを含む第2の成分を含むタンパク質複合体と、1つまたは複数の薬学的に許容される希釈剤または賦形剤とを含む、医薬組成物が本明細書に提供される。
【0009】
一部の実施形態では、医薬組成物は、アジュバントを含む。一部の実施形態では、アジュバントは水中スクアレンエマルションである。一部の実施形態では、アジュバントはMF59(登録商標)である。一部の実施形態では、アジュバントは水中油型エマルションを含む。
【0010】
一部の実施形態では、タンパク質複合体は正二十面体タンパク質複合体である。一部の実施形態では、第1のマルチマー化ドメインは、配列番号9~13または18からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一なアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第2のマルチマー化ドメインは、配列番号14~17、20または27からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または少なくとも100%同一なアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の成分は、配列番号1~6のうちのいずれか1つに対して少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一なアミノ酸配列を含み、かつ第2の成分は、配列番号14に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一なアミノ酸配列を含む。
【0011】
別の態様では、単位用量の本明細書に記載の医薬組成物であって、単位用量は、2μg、5μg、10μg、15μg、25μg、50μg、100μgまたは125μgのタンパク質複合体を含む、単位用量の医薬組成物が本明細書に提供される。一部の実施形態では、本明細書に記載される単位用量の医薬組成物であって、約25μgと約125μgとの間のタンパク質複合体を含む、単位用量の医薬組成物が、本明細書で提供される。一部の実施形態では、医薬組成物の単位用量は、約2μg~約125μgの間、または約5μg~約125gの間、または約15μg~125μgの間、または約25μg~約125μgの間、または約50μg~約125μgの間、または約100μg~約125μgの間のタンパク質複合体である。
【0012】
一部の実施形態では、本開示は、第1のマルチマー化ドメインに結合されたコロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインを含む第1の成分、および必要に応じて、第2のマルチマー化ドメインを含む第2の成分を含むタンパク質複合体と、必要に応じて1つまたは複数の薬学的に許容される希釈剤または賦形剤とを含む、医薬組成物を提供する。
【0013】
一部の実施形態では、医薬組成物は、アジュバントを含む。
【0014】
一部の実施形態では、アジュバントは、水中スクアレンエマルションである。
【0015】
一部の実施形態では、アジュバントは、MF59(登録商標)である。
【0016】
一部の実施形態では、アジュバントは、アルミニウム塩である。
【0017】
一部の実施形態では、アジュバントは、CPG-1018である。
【0018】
一部の実施形態では、医薬組成物は、アルミニウム塩およびCPG-1018の両方を含む。
【0019】
一部の実施形態では、医薬組成物は、いかなるアジュバントも含まないまたは実質的に含まない。
【0020】
一部の実施形態では、第1のマルチマー化ドメインは、トリマー化ドメインであり、第2のマルチマー化ドメインは、ペンタマー化ドメインである。
【0021】
一部の実施形態では、タンパク質複合体は、正二十面体タンパク質複合体である。
【0022】
一部の実施形態では、第1のマルチマー化ドメインは、配列番号9~13または18からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一なアミノ酸配列を含む。
【0023】
一部の実施形態では、第2のマルチマー化ドメインは、配列番号14~17、20または27からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または少なくとも100%同一なアミノ酸配列を含む。
【0024】
一部の実施形態では、第1の成分は、配列番号1~6のうちのいずれか1つに対して少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一なアミノ酸配列を含み;かつ第2の成分は、配列番号14に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一なアミノ酸配列を含む。
【0025】
一部の実施形態では、本開示は、単位用量の実施形態1から13のいずれか1つの医薬組成物であって、2μg、5μg、10μg、15μg、25μg、50μg、100μgまたは125μgのタンパク質複合体を含む、単位用量の医薬組成物を提供する。
【0026】
一部の実施形態では、本開示は、SARS-CoV-2による感染のリスクはある対象をワクチン接種する方法であって、第1のマルチマー化ドメインに結合されたコロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインを含む第1の成分、および第2のマルチマー化ドメインを含む第2の成分を含むタンパク質複合体の有効量と、1つまたは複数の薬学的に許容される希釈剤または賦形剤とを含む医薬組成物を、対象に投与するステップを含む、方法を提供する。
【0027】
一部の実施形態では、本開示は、SARS-CoV-2に対する先のワクチン接種に対する免疫応答をブーストする方法であって、第1のマルチマー化ドメインに結合されたコロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインを含む第1の成分、および必要に応じて、第2のマルチマー化ドメインを含む第2の成分を含むタンパク質複合体の有効量を含む医薬組成物を、SARS-CoV-2に対して以前にワクチン接種された対象に投与するステップを含む、方法を提供する。
【0028】
一部の実施形態では、対象は、一次ワクチンの全単位のワクチン接種で以前にワクチン接種されている。
【0029】
一部の実施形態では、本開示は、SARS-CoV-2に対して対象を安全かつ有効に免疫化する方法であって、第1のマルチマー化ドメインに結合されたコロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインを含む第1の成分、および必要に応じて、第2のマルチマー化ドメインを含む第2の成分を含むタンパク質複合体の有効量を含む医薬組成物を、SARS-CoV-2に対して以前にワクチン接種された対象に投与するステップを含む、方法を提供する。
【0030】
一部の実施形態では、医薬組成物はアジュバントを含む。
【0031】
一部の実施形態では、アジュバントは水中スクアレンエマルションである。
【0032】
一部の実施形態では、アジュバントはMF59(登録商標)である。
【0033】
一部の実施形態では、アジュバントはアルミニウム塩である。
【0034】
一部の実施形態では、アジュバントはCPG-1018である。
【0035】
一部の実施形態では、医薬組成物は、アルミニウム塩およびCPG-1018の両方を含む。
【0036】
一部の実施形態では、医薬組成物は、いかなるアジュバントも含まないまたは実質的に含まない。
【0037】
一部の実施形態では、第1のマルチマー化ドメインはトリマー化ドメインであり、第2のマルチマー化ドメインはペンタマー化ドメインである。
【0038】
一部の実施形態では、タンパク質複合体は正二十面体タンパク質複合体である。
【0039】
一部の実施形態では、第1のマルチマー化ドメインは、配列番号9~13または18からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一なアミノ酸配列を含む。
【0040】
一部の実施形態では、第2のマルチマー化ドメインは、配列番号14~17、20または27からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または少なくとも100%同一なアミノ酸配列を含む。
【0041】
一部の実施形態では、第1の成分は、配列番号1~6のうちのいずれか1つに対して少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一なアミノ酸配列を含み、かつ第2の成分は、配列番号14に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一なアミノ酸配列を含む。
【0042】
一部の実施形態では、有効量は、2μg、5μg、10μg、15μg、25μg、50μg、100μgまたは125μgのタンパク質複合体である。
【0043】
一部の実施形態では、方法は、投与するステップを反復するステップを含む。
【0044】
一部の実施形態では、方法は、ブースターワクチンを投与するステップを含む。
【0045】
一部の実施形態では、方法は、プライムワクチンを投与するステップを含む。
【0046】
一部の実施形態では、プライムワクチンは、mRNAベースのワクチン、アデノウイルスベクターベースのワクチン、タンパク質ベースのワクチンまたは不活化ウイルスワクチンである。
【0047】
一部の実施形態では、プライムワクチンはタンパク質複合体である。
【0048】
一部の実施形態では、対象は、以前にワクチン接種された対象である。
【0049】
一部の実施形態では、対象は、SARS-CoV-2の元の株に対する全単位のワクチン接種を完了している。
【0050】
一部の実施形態では、対象は、SARS-CoV-2の元の株に対する部分単位のワクチン接種を完了している(例えば、2つの用量のうちの1つを受けている)。
【0051】
一部の実施形態では、対象は、SARS-CoV-2のバリアント株に対するワクチン接種の少なくとも1つの用量を受けている。
【0052】
一部の実施形態では、対象は、コロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインまたはコロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインをコードするポリヌクレオチドを含むワクチンの少なくとも1つの用量を受けている。
【0053】
一部の実施形態では、対象は、コロナウイルスSタンパク質またはコロナウイルスSタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むワクチンの少なくとも1つの用量を受けている。
【0054】
一部の実施形態では、コロナウイルスSタンパク質はS2Pである。
【0055】
一部の実施形態では、Sタンパク質はHexaProである。
【0056】
一部の実施形態では、対象は、ワクチン接種ナイーブ対象である。
【0057】
一部の実施形態では、対象は、SARS-CoV-2に以前に感染したことがある。
【0058】
一部の実施形態では、対象は、SARS-CoV-2に以前に感染したことがない。
【0059】
一部の実施形態では、対象は、投与するステップの前には、SARS-CoV-2に対する抗体を有しない。
【0060】
一部の実施形態では、対象は、投与するステップの前に、SARS-CoV-2に対する抗体を有する。
【0061】
一部の実施形態では、方法は、対象において中和抗体価を誘導する。
【0062】
一部の実施形態では、方法は、対象においてSタンパク質特異的IgG抗体価を誘導する。
【0063】
一部の実施形態では、方法は、SARS-CoV-2による感染を予防する。
【0064】
一部の実施形態では、方法は、SARS-CoV-2の元の株による感染を予防する。
【0065】
一部の実施形態では、方法は、SARS-CoV-2のバリアント株による感染を予防する。
【0066】
一部の実施形態では、方法は、コロナウイルスによる感染の重症度を低減させる。
【0067】
一部の実施形態では、方法は、SARS-CoV-2の元の株による感染の重症度を低減させる。
【0068】
一部の実施形態では、方法は、SARS-CoV-2のバリアント株による感染の重症度を低減させる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【
図1】
図1は、Sタンパク質の抗原性断片(本明細書では受容体結合ドメイン)を含む第1の成分(CompA-RBD-01)および第2の成分(CompB)からのワクチンのアセンブリの構造的モデルを示す。
【0070】
【0071】
【
図3】
図3は、IVX-411第1/2相試験研究の概観を示す概略図である。最良のデータは、2つの成分を含む。
【0072】
【
図4】
図4は、IVX-411第1/2相研究設計を示す概略図である。
【0073】
【
図5A】
図5Aおよび5Bは、研究のパート1および2における任意の用量の7日以内の局所的(
図5A)および全身的(
図5B)有害事象(AE)を示すグラフである。
【
図5B】
図5Aおよび5Bは、研究のパート1および2における任意の用量の7日以内の局所的(
図5A)および全身的(
図5B)有害事象(AE)を示すグラフである。
【0074】
【
図6A】
図6Aおよび6Bは、研究のパート1-SARS-CoV-2ナイーブ対象(
図6A)およびパート2-以前にワクチン接種された対象(
図6B)における中和抗体価およびスパイクIgG抗体価を示すグラフである。
【
図6B】
図6Aおよび6Bは、研究のパート1-SARS-CoV-2ナイーブ対象(
図6A)およびパート2-以前にワクチン接種された対象(
図6B)における中和抗体価およびスパイクIgG抗体価を示すグラフである。
【0075】
【
図7A】
図7Aおよび7Bは、研究のパート1-SARS-CoV-2ナイーブ対象(
図7A)およびパート2-以前にワクチン接種された対象(
図7B)における野生型およびオミクロン中和抗体価を示すグラフである。
【
図7B】
図7Aおよび7Bは、研究のパート1-SARS-CoV-2ナイーブ対象(
図7A)およびパート2-以前にワクチン接種された対象(
図7B)における野生型およびオミクロン中和抗体価を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0076】
詳細な説明
SARS-CoV2の処置において使用され得るものを含むタンパク質複合体を含む医薬組成物が、本明細書で提供される。
【0077】
用語「1つの(a)」または「1つの(an)」は、その実体の1つまたは複数を指す、即ち、複数形の指示対象を指し得る。このように、用語「1つの(a)」、「1つの(an)」、「1つまたは複数の」および「少なくとも1つの」は、本明細書で相互交換可能に使用される。さらに、不定冠詞「1つの(a)」または「1つの(an)」による「1つの(an)要素」への言及は、それらの要素のうちの1つまたは1つだけが存在することを文脈が明らかに要求しない限り、それらの要素のうちの1つよりも多くが存在する可能性を排除しない。
【0078】
本出願を通じて、用語「約」は、ある値が、その値を決定するために使用されているデバイスもしくは方法に関する誤差の固有の変動、または測定されている試料間に存在する変動を含むことを示すために使用される。他に示されない限りまたは文脈から明らかでない限り、用語「約」は、報告された数値の上または下10%以内を意味する(かかる数が、可能な値の100%を超える場合または0%を下回る場合を除く)。ある範囲の値または一連の値と併せて使用される場合、用語「約」は、他に示されない限り、その範囲の終点またはその一連の中で列挙された値の各々に適用される。本出願で使用される場合、用語「約」および「およそ」は、等価物として使用される。
【0079】
本明細書で使用される場合、用語「配列同一性」は、2つの最適にアラインメントされたポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列が、残基、例えば、ヌクレオチドまたはアミノ酸のアラインメントのウインドウを通して不変である程度を指す。試験配列および参照配列のアラインメントされたセグメントについての「同一性の割合」は、参照配列セグメント、即ち、参照配列全体または参照配列のより小さい規定された一部中の残基の総数によって除算された、2つのアラインメントされた配列によって共有される同一な残基の数である。「パーセント同一性」は、同一性の割合×100である。パーセント同一性を決定するための配列の比較は、例えば、数学アルゴリズム、例えば、BLASTスイートの配列分析プログラム中のものなどを使用することによるものを含む、いくつかの周知の方法によって達成され得る。特記しない限り、用語「配列同一性」は、National Center for Biotechnology Information(NCBI)オンラインアラインメントツール、バージョン2.11.0(2020年10月19日にリリースされた)のBlast-pプログラムによって計算される配列同一性を指す。Altschul et al. J. Mol. Biol. 215:403-410 (1990)。
【0080】
本明細書で使用される場合、用語「異種ワクチン」および「異種ワクチン接種」は、別の技術で作製されたワクチン(例えば、mRNAワクチン、アデノウイルスベクターワクチンまたはタンパク質ベースのワクチン)を使用して、同じ適応症(例えば、COVID19)に対するワクチン接種を受けたことがあるまたは受けることになる対象に与えられるワクチンを指す。このように、「異種ワクチン」は、参照ワクチンとは異なる技術型を使用して作製されたワクチンを指す。
【0081】
「異種ブースト」または「異種ブーストワクチン」は、別の技術で作製されたワクチン(例えば、mRNAワクチン、アデノウイルスベクターワクチンまたはタンパク質ベースのワクチン)を使用して、同じ適応症(例えば、COVID19)に対するワクチン接種を受けたことがある対象に与えられる異種ワクチン(例えば、タンパク質ベースのVLP)を指す。
【0082】
用語「プライムワクチン」は、ワクチン接種プロトコールにおける第1のワクチン、または異種ブーストワクチンの前に投与される第1のセットのワクチンを指す。例えば、mRNAワクチンまたはアデノウイルスワクチンが最初に投与され得、必要に応じて、その後、適切な間隔の後に第2のプライムワクチンが投与され得、次いで、異種ワクチンが投与され得る。異種ワクチンは、プライムワクチンに対する免疫応答を「ブーストする」ように機能し得る。「プライミングワクチン」は、本明細書で使用される場合、それに対する免疫応答が生成される標的抗原をコードする薬剤(複数可)を含むワクチンを指す。プライミングワクチンは、標的抗原に対する免疫応答を惹起するのに有効な量で、対象に投与される。
【0083】
「異種プライム-ブーストワクチン接種」は、別の技術で作製されたワクチンを使用して、同じ適応症(例えば、COVID19)に対するワクチン接種を受けることになる対象に与えられるワクチンを指す。例えば、ワクチンの初回用量(一次ワクチンまたはプライムワクチン接種)は、mRNAワクチンであり得(またはあるいは、対象は、適応症、例えば、COVID19と診断されている場合があり)、引き続いて、同じ適応症に対する第2のワクチン接種を受け得、第2のワクチン接種は、異なる技術のもの-異種ワクチン接種(例えば、タンパク質ベースのVLP)である。例では、異種プライム-ブーストワクチン接種は、ある適応症に対する一次ワクチン接種および同じ適応症に対する引き続くワクチン接種を含み、異種ワクチン接種は、異種プライムワクチンの3か月~6か月後、または異種プライムワクチンの4か月もしくはそれよりも長い期間後、または異種プライムワクチンの6か月もしくはそれよりも長い期間後、または異種プライムワクチンの10か月もしくはそれよりも長い期間後に、投与される。さらに他の例では、異種ブーストワクチン接種は、異種プライムワクチンの1年後に投与される。「異種プライム」または「異種プライムワクチン」は、別の技術で作製されたワクチン(例えば、mRNAワクチン、アデノウイルスベクターワクチンまたはタンパク質サブユニットワクチン)を使用して、同じ適応症(例えば、COVID19)に対するワクチン接種を受けることになる対象に与えられるワクチンを指す。
【0084】
用語「HexaPro」は、Sタンパク質の4つの有益なプロリン置換(F817P、A892P、A899P、A942P)ならびにS-2Pにおける2つのプロリン置換(986位および987位におけるプロリン)を指す。Hsieh et al. Science 369:1501-05 (2020)を参照されたい。一部の実施形態では、対象は、ワクチン接種ナイーブまたはSARS-CoV-2未感染対象である。一部の実施形態では、ワクチンは、mRNAベースのワクチン、アデノウイルスベクターベースのワクチン、タンパク質サブユニットベースのワクチンまたは不活化ウイルスワクチンである。本明細書で使用される場合、「サブユニット」組成物、例えば、ワクチンは、病原体由来の1つまたは複数の選択された抗原を含むが、全ての抗原を含むわけではない。
【0085】
用語「ウイルス様粒子」または「VLP」は、ウイルスと似ているが非感染性であり、ウイルスタンパク質または糖タンパク質の抗原性タンパク質またはその抗原性断片をディスプレイする、分子アセンブリを指す。「タンパク質ベースのVLP」は、タンパク質または糖タンパク質から形成され、他の成分(例えば、脂質)を実質的に含まないVLPを指す。タンパク質ベースのVLPは、翻訳後改変および化学的改変を含み得るが、ミセル状VLP、および生または生不活化ウイルス調製物からのウイルスタンパク質の抽出によって形成されるVLPとは区別される。用語「設計されたVLP」は、コンピューターによるタンパク質設計によって生成された1つまたは複数のポリペプチドを含むVLPを指す。例示的な設計されたVLPは、
図1に示されるナノ構造を含むVLPである。用語「対称なVLP」は、
図1に示されるような、対称なコアを有するタンパク質ベースのVLPを指す。これらには、設計されたVLPが含まれるがこれに限定されない。例えば、タンパク質フェリチンは、天然に存在するフェリチン配列を使用する対称なタンパク質ベースのVLPを生成するために使用されてきた。フェリチンベースのVLPは、ウイルスタンパク質をフェリチン分子に融合させる以外には、フェリチンから対称なVLPを形成するためにタンパク質操作が必要ないという点で、設計されたVLPとは区別される。タンパク質設計法は、鋳型構造(例えば、Protein Data Bankに寄託された構造)に基づいてまたはde novoで(即ち、所望の構造を有するが、天然に存在するタンパク質に対する相同性をほとんどまたは全く有しない新たなタンパク質のコンピューターによる設計によって)、類似の1成分および2成分ナノ構造を生成するために使用され得る。次いで、かかる1成分および2成分ナノ構造は、設計されたVLPのコアとして使用され得る。用語「タンパク質ナノ粒子」または「ナノ粒子」および用語「ナノ構造」は、本明細書に記載されるタンパク質ベースのVLPを指すために使用され得る。
【0086】
本明細書で使用される場合、「免疫原性組成物」は、対象へのその組成物の投与が、対象において抗原に対する体液性および/または細胞性免疫応答の発生を生じる、抗原を含む組成物である。
【0087】
本明細書で使用される場合、用語「対象」は、ヒトおよび他の動物を含む。典型的には、対象は、ヒトである。例えば、対象は、成人、ティーンエイジャー、小児(2歳~14歳)、幼児(誕生~2歳)または新生児(最大で2か月)であり得る。特定の態様では、対象は、最大で4か月齢または最大で6か月齢である。一部の態様では、成人は、約65歳もしくはそれよりも年上または約60歳もしくはそれよりも年上の年長者である。一部の態様では、対象は、妊娠女性または妊娠することを予定している女性である。他の態様では、対象は、ヒトではない;例えば、非ヒト霊長類;例えば、ヒヒ、チンパンジー、ゴリラまたはマカクである。ある特定の態様では、対象は、ペット、例えば、イヌまたはネコであり得る。
【0088】
本開示は、一般に、コロナウイルススパイク(S)タンパク質の受容体結合ドメインまたはあるいはコロナウイルスSタンパク質の別の抗原性部分および第1のマルチマー化ドメインを含む第1の成分を含むタンパク質複合体(例えば、タンパク質ベースのウイルス様粒子)による対象のワクチン接種に関する。
【0089】
2019年12月に、中華人民共和国武漢において未知の原因の肺炎大流行が発生し、新規コロナウイルス(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2;SARS-CoV-2)が、根底にある原因であることが明らかになった。SARS-CoV-2の遺伝子配列は、WHOおよび公に入手可能になっており(MN908947.3)、このウイルスは、ベータコロナウイルス亜科へと分類された。配列分析により、系統樹が、ヒトに感染する他のコロナウイルス、例えば、中東呼吸器症候群(MERS)ウイルスよりも、重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルス単離体とのより近い関連性を明らかにした。
【0090】
コロナウイルスは、合計で4つの構造タンパク質:スパイクタンパク質(S)、エンベロープタンパク質(E)、膜タンパク質(M)およびヌクレオカプシドタンパク質(INI)、をコードする、プラス鎖一本鎖RNA((+)ssRNA)エンベロープウイルスである。スパイクタンパク質(Sタンパク質)は、受容体認識、細胞への結合、エンドソーム経路を介した感染、およびウイルス膜とエンドソーム膜との融合によって駆動されるゲノム放出を担う。異なる科のメンバー間で配列は変動するが、Sタンパク質を2つのサブドメイン:S1およびS2へと分割することを可能にする保存された領域およびモチーフが、Sタンパク質内に存在する。S2は、その膜貫通ドメインによって膜融合を担うが、S1ドメインは、ウイルス特異的受容体を認識し、標的宿主細胞に結合する。その受容体結合ドメイン(RBD)を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質の構造は、クライオ電子顕微鏡(Cyro-EM)によって決定されている(Wrapp et al. Science 367:1260-1263 (2020))。
【0091】
Sタンパク質部分および第1のマルチマー化ドメインは、融合タンパク質としての共発現が含まれる任意の適切な手段によって連結され得る。タンパク質複合体は、必要に応じて、第2のマルチマー化ドメインを含む第2の成分を含み得る。医薬組成物は、典型的には、1つまたは複数の薬学的に許容される希釈剤または賦形剤を含む。第1の成分の抗原性部分は、コロナウイルスSタンパク質の選択された断片を含み得るか、それから本質的になり得るか、またはそれからなり得る。例えば、抗原性部分は、ドメインのN末端もしくはC末端の隣接配列(例えば、受容体結合ドメインの外側の、コロナウイルスSタンパク質の5個、10個、20個、30個またはそれよりも多くのアミノ酸)と共に、コロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインを含み得る;または抗原性部分は、少数の隣接アミノ酸のみ(例えば、コロナウイルスSタンパク質由来の1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのアミノ酸)を含み得る;または抗原性部分は、コロナウイルスSタンパク質由来の隣接配列を有せず、受容体結合ドメインのみを含み得る。
【0092】
一部の実施形態では、タンパク質複合体は、米国特許第10,248,758号または米国特許出願公開第2020/0392187号A1に開示されたものなどの正二十面体タンパク質複合体であり、これらの内容は、それらの全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれる。
【0093】
マルチマー化ドメインは、少なくとも1つのアミノ酸残基の置換によって、またはN末端もしくはC末端における1つもしくは複数の残基の付加によって、天然に存在するタンパク質配列から誘導され得る。一部の場合には、第1のマルチマー化ドメインは、コンピューターによる方法によって決定されるタンパク質配列を含む。この第1のマルチマー化ドメインは、VLPのコア全体を形成し得るか;またはVLPのコアは、1つまたは複数のさらなるポリペプチド(「第2の成分」または第3、第4、第5の成分などとも呼ばれる)を含み得、その結果、VLPは、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つまたはそれよりも多くのマルチマー化ドメインを含む。一部の場合には、第1の成分は、3回回転対称で関連するトリマーを形成し、第2の成分は、5回回転対称で関連するペンタマーを形成する。このような場合、VLPは、I53対称性を有する「正二十面体粒子」を形成する。合わせると、これら1つまたは複数の複数の成分は、各複数の成分のメンバーが、対称オペレーター(symmetry operator)によって互いに関連付けられるように、配置され得る。標的の対称なアーキテクチャにおけるタンパク質構成要素の対称的ドッキングが関与する、自己アセンブルするタンパク質材料を設計するための一般的なコンピューターによる方法は、米国特許出願公開第2015/0356240号A1に開示されている。
【0094】
VLPの「コア」は、VLPによってディスプレイされるRBDもしくはコロナウイルスSタンパク質細胞外ドメイン、またはそれらの抗原性断片の数個のコピーを一緒に連結するVLPの中心部分を記載するために、本明細書で使用される。ある実施形態では、第1の成分は、RBDを含む第1のポリペプチド、リンカー、およびマルチマー化ドメインを含む第1のポリペプチドを含む。
【0095】
一部の場合には、VLPは、コロナウイルスの2つまたはそれよりも多くの多様な株由来のRBDまたはSタンパク質をディスプレイするように適応される。非限定的な例では、同じVLPは、コロナウイルスの異なる株由来のタンパク質抗原の混合集団またはタンパク質抗原の混合ヘテロトリマーをディスプレイする。
【0096】
本開示のVLPは、遺伝子融合物として含まれる種々の方法で、または本明細書で開示される他の手段によって、抗原性タンパク質をディスプレイする。本明細書で使用される場合、「~に連結される」または「~に結合される」は、2つのポリペプチドを会合させるための、当該分野で公知の任意の手段を示す。会合は、直接的または間接的、可逆的または不可逆的、弱いまたは強い、共有結合的または非共有結合的、および選択的または非選択的であり得る。
【0097】
一部の実施形態では、結合は、VLPを構成する複数のポリペプチドのうちの1つへの、抗原のN末端またはC末端融合を創出するために、遺伝子操作によって達成される。したがって、VLPは、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つまたは10個の複数の抗原をディスプレイする1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つまたは10個の複数のポリペプチドからなり得るかまたはそれから本質的になり得、複数の抗原のうちの少なくとも1つは、複数のポリペプチドのうちの少なくとも1つに、遺伝的に融合される。一部の場合には、VLPは、自己アセンブリが可能であり、それに遺伝的に融合された複数の抗原性タンパク質を含む、一方の複数のポリペプチドから本質的になる。一部の場合には、VLPは、複数の抗原を含む第1の複数のポリペプチド;および2成分VLPへと共アセンブルすることが可能な第2の複数のポリペプチドから本質的になり、一方の複数のポリペプチドは、抗原性タンパク質をVLPに連結し、他方の複数のポリペプチドは、VLPの自己アセンブリを促進する。
【0098】
一部の実施形態では、結合は、1つまたは複数の複数のポリペプチドと1つまたは複数の複数の抗原性タンパク質との間での翻訳後共有結合によって達成される。一部の場合には、化学的架橋が、抗原をVLPポリペプチドに非特異的に結合させるために使用される。一部の場合には、化学的架橋は、抗原性タンパク質をVLPポリペプチドに(例えば、第1のポリペプチドまたは第2のポリペプチドに)特異的に結合させるために使用される。種々の特異的および非特異的な架橋化学、例えば、クリックケミストリーおよび他の方法が、当該分野で公知である。一般に、2つのタンパク質を連結するために使用される任意の架橋化学が、本明細書で開示されたVLPにおける使用のために適応され得る。特に、イムノコンジュゲートまたは抗体薬物コンジュゲートの創出において使用される化学が使用され得る。一部の場合には、VLPは、切断性または非切断性リンカーを使用して創出される。担体への抗原のコンジュゲーションのためのプロセスおよび方法は、例えば、米国特許出願公開第2008/0145373号A1によって提供される。
【0099】
本開示のVLPの成分は、種々のアミノ酸配列のうちのいずれかを有し得る。米国特許出願公開第2015/0356240号A1は、タンパク質アセンブリを設計するための種々の方法を記載している。米国特許出願公開第2016/0122392号A1および国際特許出願公開WO2014/124301A1に記載されるように、ポリペプチドを、VLP、例えば正二十面体粒子を形成するように対で自己アセンブルするそれらの能力について設計した。設計は、アセンブルしてVLPを形成することができるポリペプチド対の各メンバーについての適切な界面残基の設計を含んだ。そのように形成されたVLPは、第1のアセンブリおよび第2のアセンブリを、VLP、例えば、正二十面体対称性を有するものへと配向させる、対称的に反復された非天然の非共有結合的ポリペプチド-ポリペプチド界面を含む。
【0100】
一部の実施形態では、タンパク質複合体は、
図1に示されるような設計されたタンパク質ベースのVLPである。タンパク質ベースのVLPは、表3に記載されるタンパク質またはそれらの機能的バリアントを含み得る。VLPは、SARS-CoV-2などのコロナウイルススパイク(S)タンパク質の受容体結合ドメインをディスプレイし得るか、またはコロナウイルスSタンパク質の細胞外ドメインをディスプレイし得る。ある特定の代表的なタンパク質ベースのVLPが本明細書に記載されているが、変形形態では、他のタンパク質ベースのVLPが使用され得る。VLPは、フェリチンベースのVLPであり得る。一部の実施形態では、タンパク質複合体は、米国特許出願公開第2020/0009244号A1ならびに国際特許出願公開WO2022/046583A1およびWO2021/210984A1に記載されるタンパク質ベースのVLP(フェリチン、E2p、I3-01およびI3-01バリアントが含まれる)であり、これらの開示は、これにより参照により本明細書に組み込まれる。タンパク質ベースのVLPは、例えば、Escolano et al. Nature 570:468-473 (2019)、He et al. Sci Adv. 7(12):eabf1591 (2021)およびTan et al. Nat. Commun. 12(1):542 (2021)に記載されるSpyCatcherシステムが含まれるがこれに限定されない、抗原をVLPコアに結合させるための種々のカップリング技法を使用し得る。タンパク質ベースのVLPは、例えば、Geng et al. PLoS Pathog. 17(9):e1009897 (2021)に記載される、ルマジンシンターゼナノ粒子であり得る。タンパク質ベースのVLPは、例えば、Joyce et al. bioRxiv 2021.05.09.443331および米国特許出願公開第2019/0330279号A1に記載される、フェリチンナノ粒子であり得る。
【0101】
一部の実施形態では、RBDもしくはコロナウイルスSタンパク質細胞外ドメイン、またはそれらの抗原性断片は、第1のマルチマー化ドメインとの融合タンパク質として発現される。一部の実施形態では、第1のマルチマー化ドメインとRBDまたはコロナウイルスSタンパク質細胞外ドメインとは、リンカー配列によって接続される。一部の実施形態では、リンカー配列は、フォールドン(foldon)を含み、フォールドン配列は、EKAAKAEEAARK(配列番号8)である。一部の実施形態では、リンカーは、任意の適切な長さのGly-Serリンカー(即ち、グリシン残基およびセリン残基からなるリンカー)を含み得る。一部の実施形態では、Gly-Serリンカーは、長さが3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20またはそれよりも多くのアミノ酸であり得る。
【0102】
本開示のタンパク質ベースのVLPにおいて有用な設計されたタンパク質複合体の非限定的な例には、米国特許第9,630,994号、国際特許出願公開WO2018187325A1、米国特許出願公開第2018/0137234号A1、米国特許出願公開第2019/0155988号A2に開示されたものが含まれ、これらは各々、その全体がこれにより本明細書に組み込まれる。例示的な配列は、表3に提供される。
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【表3-4】
【表3-5】
【0103】
一部の実施形態では、VLPは、配列番号9~13のうちのいずれか1つに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の同一性を有し、本明細書で開示されるRBDまたはコロナウイルスSタンパク質を含む融合タンパク質;および配列番号13~18または27のうちのいずれか1つに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の同一性を有する第2の成分を含む。一部の実施形態では、VLPは、配列番号9~13のうちのいずれか1つに対して少なくとも75%の同一性を有し、本明細書で開示されるRBDまたはコロナウイルスSタンパク質を含む融合タンパク質;および配列番号13~18または27のうちのいずれか1つに対して少なくとも75%の同一性を有する第2の成分を含む。一部の実施形態では、VLPは、配列番号19に対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の同一性を有し、本明細書で開示されるRBDまたはコロナウイルスSタンパク質を含む融合タンパク質;および配列番号20に対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の同一性を有する第2の成分を含む。
【0104】
一部の実施形態では、第1の成分は、配列番号1~6のうちのいずれか1つに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の同一性を有するポリペプチド配列を含む。
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【0105】
ネイティブまたは野生型SARS-CoV-2 Sタンパク質、サブユニット1のアミノ酸配列は、
【化7-1】
【化7-2】
である。
【0106】
第1の成分は、コロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインを含み得る。一部の実施形態では、コロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインは、配列番号21~24のうちのいずれか1つに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の同一性を有するポリペプチド配列を含む。
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【0107】
一部の実施形態では、第1の成分は、配列番号1~6のうちのいずれか1つに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の同一性を有するポリペプチド配列を含み、シグナルペプチドをさらに含む。一部の実施形態では、シグナルペプチドは、配列番号25の配列を含む。一部の実施形態では、シグナルペプチドは、配列番号26の配列を含む。
MGILPSPGMPALLSLVSLLSVLLMGCVA(配列番号25)
MGILPSPGMPALLSLVSLLSVLLMGCVAETGT(配列番号26)
【0108】
本明細書に記載されるポリペプチドは、SARS-CoV2の公知のバリアント(「SARS-CoV2のバリアント株」とも呼ばれる)由来の1つまたは複数のアミノ酸置換を有し得る。SARS-CoV2のかかるバリアント株は、SARS-CoV2の元の株と比較して変異を含む。用語「元の」株は、本明細書で使用される場合、2019~2020年に同定されたSARS-CoV-2のWuhan株を指す。例えば、限定なしに、ポリペプチドは、L18F、T20N、P26S、残基69~70の欠失、D80A、D138Y、R190S、D215G、R346K、K417N、K417T、G446S、L452R、Y453F、S477N、T478I、T478K、V483A、E484K、E484Q、S494P、N501Y、A570D、D614G、H655Y、G669S、Q677H、P681H、P681R、A701V、T716Lからなる群より選択される、配列番号7と比較した1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、または8つ全ての位置を含み得る。ポリペプチドは、以下の天然に存在する変異のうちの1つまたは変異の組合せを含み得る:
【0109】
N501Y、必要に応じて、残基69~70のうちの一方または両方の欠失、E484K、A570D、D614G、P681H、および/またはT716Lのうちの1、2、3、4、または5をさらに含む(UKバリアント);
【0110】
K417N/E484K/N501Y、必要に応じて、L18F、D80A、D215G、D614G、および/またはA701Vのうちの1、2、3、4、または5をさらに含む(南アフリカバリアント);
【0111】
K417NまたはT/E484K/N501Y、必要に応じて、L18F、T20N、P26S、D138Y、R190S、D614G、および/またはH655Yのうちの1、2、3、4、または5をさらに含む(ブラジルバリアント);
【0112】
L452R(ロサンゼルスバリアント);
【0113】
L452R、T478K、E484Q、D614G、P681R(インドバリアント);
【0114】
E484K、D614G、Q677H(ナイジェリアバリアント);
【0115】
E484K、N501Y、D614G、P681H(フィリピンバリアント);
【0116】
V483A、D614G、H655Y、G669S(フランスバリアント);
【0117】
V367F、E484K、Q613H(UKバリアント);
【0118】
R346K、E484K、N501Y、D614G、P681H(コロンビアバリアント);
【0119】
P384L、K417N、E484K、N501Y、D614G、A701V(南アフリカバリアント);
【0120】
L452R、N501Y、D614G、P681H(UKバリアント);
【0121】
S494P、N501Y、D614G、P681H(UKバリアント);
【0122】
L452R、D614G、Q677H(エジプトバリアント);
【0123】
E484K、D614G、N679K、ins679GIAL(ロシアバリアント);
【0124】
E484K、D614G、A701V(USAバリアント);
【0125】
L452R、D614G(USAバリアント);
【0126】
S477N、D614G(USAバリアント);
【0127】
E484K、D614G(ブラジルバリアント);
【0128】
T478K、D614G(メキシコバリアント);
【0129】
N439K、E484K、D614G、P681H(UKバリアント);
【0130】
K417N、E484K、N501Y、E516Q、D614G、A701V;
【0131】
E484K、D614G、P681H;
【0132】
Q414K、N450K、ins214TDR、D614G;
【0133】
L452R、N501Y、A653V、H655Y;
【0134】
E484K、N501T、H655Y;
【0135】
L452R、D614G;
【0136】
L452Q、F490S、D614G;
【0137】
D614G、F490R、N394S、N501Y、P681H、R346S、Y449N、137-145del(コンゴバリアント、B.1640)
【0138】
L452R、T478K、D614G、P681R(Deltaバリアント);または
【0139】
A67V、Δ69-70、T95I、G142D、Δ143-145、N211I、Δ212、ins215EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、K417N、N440K、G446S、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、L981F(オミクロンBA.1バリアント);
【0140】
T19I、LPPA24-27S、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、S477N、T478K、E484A、Q493R、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K(オミクロンBA.2バリアント);
【0141】
T19I、LPPA24-27S、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、L452Q、S477N、T478K、E484A、Q493R、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、S704L、N764K、D796Y、Q954H、N969K(オミクロンBA.2.12.1バリアント);
【0142】
T19I、LPPA24-27S、Del69-70、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、L452R、S477N、T478K、E484A、F486V、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K(オミクロンBA.4バリアント);
【0143】
T19I、LPPA24-27S、Del69-70、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、L452R、S477N、T478K、E484A、F486V、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K(オミクロンBA.5バリアント)。
【0144】
本明細書で提供されるポリペプチドは、1つまたは複数の保存的アミノ酸置換を含み得る。専門用語「保存的アミノ酸置換」は、当該分野で周知であり、特定のアミノ酸の、類似の特徴(例えば、類似の電荷または疎水性)を有するアミノ酸による置換に関する。保存的変異には、限定なしに、例えば、類似の電荷または疎水性を有するが、サイズまたは嵩高さが異なる(例えば、空洞充填機能を提供するため)アミノ酸残基の置換が含まれ得る。例示的な保存的アミノ酸置換のリストは、以下の表に提供される。
【表4】
【0145】
あるいは、例えば、ネイティブコロナウイルスSタンパク質二次構造の柔軟性のある部分の根絶が所望される場合、例えば、システイン残基を付加することによる非保存的アミノ酸置換が好まれ得る(または逆も同様)。「非保存的置換」は、1つのクラスのアミノ酸の、別のクラスからのアミノ酸による置換;例えば、Alaの、Asp、Asn、GluまたはGlnによる置換を指す。非保存的置換のさらなる非限定的な例には、非極性(疎水性)アミノ酸残基、例えば、イソロイシン、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニンによる、極性(親水性)残基、例えば、システイン、グルタミン、グルタミン酸もしくはリシンの置換および/または極性残基による非極性残基の置換が含まれる。
【0146】
核酸、ベクターおよび細胞
別の態様では、本開示は、本開示のポリペプチドまたは融合タンパク質をコードする核酸を提供する。核酸配列は、RNA(例えば、mRNA)またはDNAを含み得る。かかる核酸配列は、ポリA配列、改変型Kozak配列、ならびにエピトープタグ、搬出シグナル、および分泌シグナル、核局在化シグナルおよび形質膜局在化シグナルをコードする配列が含まれるがこれらに限定されない、コードされるタンパク質の発現および/または精製を促進するのに有用なさらなる配列を含み得る。本明細書の教示に基づいて、どの核酸配列が本発明のタンパク質をコードするかは、当業者に明らかである。
【0147】
別の態様では、本開示は、適切な制御配列に動作可能に連結された本開示の任意の実施形態または実施形態の組合せの単離された核酸を含む発現ベクターを提供する。「発現ベクター」は、核酸コード領域または遺伝子を、遺伝子産物の発現をもたらすことが可能な任意の制御配列に動作可能に連結させているベクターを含む。本開示の核酸配列に作動可能に連結された「制御配列」は、核酸分子の発現をもたらすことが可能な核酸配列である。制御配列は、その核酸配列の発現を導くように機能する限り、核酸配列と連続している必要はない。したがって、例えば、介在性の、翻訳されないが転写される配列が、プロモーター配列と核酸配列との間に存在し得、プロモーター配列は、コード配列に「作動可能に連結した」となおもみなされ得る。他のかかる制御配列には、ポリアデニル化シグナル、終結シグナルおよびリボソーム結合部位が含まれるがこれらに限定されない。かかる発現ベクターは、プラスミドおよびウイルスベースの発現ベクターが含まれるがこれらに限定されない、当該分野で公知の任意の型のものであり得る。哺乳動物系において開示された核酸配列の発現を駆動するために使用される制御配列は、構成的(CMV、SV40、RSV、アクチン、EFが含まれるがこれらに限定されない種々のプロモーターのいずれかによって駆動される)または誘導可能(テトラサイクリン、エクジソン、ステロイド応答性が含まれるがこれらに限定されない、いくつかの誘導可能なプロモーターのいずれかによって駆動される)であり得る。
【0148】
別の態様では、本開示は、本開示の任意の実施形態または実施形態の組合せのポリペプチド、ウイルス様粒子、組成物、核酸および/または発現ベクターを含む細胞であって、原核生物細胞または真核生物細胞のいずれか、例えば、哺乳動物細胞であり得る、細胞を提供する。一部の実施形態では、細胞は、本開示の核酸または発現ベクターで一過的にまたは安定にトランスフェクトされ得る。原核生物細胞および真核生物細胞中への発現ベクターのかかるトランスフェクションは、当該分野で公知の任意の技法を介して達成され得る。本発明に従うポリペプチドを産生する方法は、本発明のさらなる一部である。この方法は、(a)本発明のこの態様に従う宿主を、ポリペプチドの発現につながる条件下で培養するステップ、および(b)必要に応じて、発現されたポリペプチドを回収するステップを含む。
【0149】
医薬組成物
別の態様では、本開示は、
(a)本明細書の実施形態または実施形態の組合せのポリペプチド、ウイルス様粒子、組成物、核酸、発現ベクターおよび/または細胞、ならびに
(b)薬学的に許容される担体
を含む医薬組成物/ワクチンを提供する。
【0150】
以下の例で示されるように、ウイルス様粒子は、SARS-CoV-2に対する強力な保護的抗体応答を惹起する。本開示のウイルス様粒子は、5分の1よりも低い用量にもかかわらず、融合前安定化S細胞外ドメイントリマーよりもおおよそ10倍高い中和抗体価を誘導する。ウイルス様粒子によって惹起される抗体は、複数の別個のエピトープを標的化するが、これは、それらが、エスケープ変異に対して容易には感受性でない可能性があり、回復期ヒト血清よりも有意に低い結合:中和比を示し得ることを示唆しており、このことが、ワクチン関連の増強された呼吸器疾患のリスクを最小化し得る。
【0151】
組成物/ワクチンは、(a)凍結乾燥保護剤(lyoprotectant)、(b)界面活性剤、(c)充填剤、(d)張度調整剤、(e)安定剤、(f)防腐剤および/または(g)緩衝液をさらに含み得る。一部の実施形態では、医薬組成物中の緩衝液は、Tris緩衝液、ヒスチジン緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液または酢酸緩衝液である。組成物は、凍結乾燥保護剤、例えば、スクロース、ソルビトールまたはトレハロースもまた含み得る。ある特定の実施形態では、組成物は、防腐剤、例えば、塩化ベンザルコニウム、ベンゼトニウム、クロルヘキシジン(chlorohexidine)、フェノール、m-クレゾール、ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロロブタノール、o-クレゾール、p-クレゾール、クロロクレゾール、硝酸フェニル水銀、チメロサール、安息香酸、およびそれらの種々の混合物を含む。他の実施形態では、組成物は、充填剤、例えば、グリシンを含む。さらに他の実施形態では、組成物は、界面活性剤例えば、ポリソルベート-20、ポリソルベート-40、ポリソルベート-60、ポリソルベート-65、ポリソルベート-80、ポリソルベート-85、ポロクサマー-188、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリラウレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタントリオレエート(sorbitan trioleaste)、またはそれらの組合せを含む。組成物は、張度調整剤、例えば、製剤をヒト血液と実質的に等張(isotonic)または等浸透圧(isoosmotic)なものにする化合物もまた含み得る。例示的な張度調整剤には、スクロース、ソルビトール、グリシン、メチオニン、マンニトール、デキストロース、イノシトール、塩化ナトリウム、アルギニンおよび塩酸アルギニンが含まれる。他の実施形態では、組成物は、さらに、安定剤、例えば、凍結乾燥された形態または液体形態でのナノ構造の化学的および/または物理的不安定性を実質的に防止または低減させる分子を含む。例示的な安定剤には、スクロース、ソルビトール、グリシン、イノシトール、塩化ナトリウム、メチオニン、アルギニンおよび塩酸アルギニンが含まれる。
【0152】
ウイルス様粒子は、組成物中の唯一の活性薬剤であり得るか、または組成物は、免疫系を全般的に刺激し、免疫応答全体を改善するためのアジュバントが含まれるがこれらに限定されない、意図した使用に適切な1つまたは複数の他の薬剤をさらに含み得る。任意の適切なアジュバントが使用され得る。用語「アジュバント」は、抗原に対する免疫応答を増強する化合物または混合物を指す。
【0153】
本明細書で提供される医薬組成物において使用され得るアジュバントの例示的な型には、以下が含まれる:1.鉱物含有組成物、2.油エマルション、3.サポニン製剤、4.ビロソームおよびウイルス様粒子、5.細菌または微生物誘導体、6.生体接着剤および粘膜接着剤、7.リポソーム、8.ポリオキシエチレンエーテルおよびポリオキシエチレンエステル製剤、9.ポリホスファゼン(pcpp)、10.ムラミルペプチド、11.イミダゾキノロン化合物、12.チオセミカルバゾン化合物、13.トリプタントリン化合物、14.ヒト免疫調節剤、15.リポペプチド、16.ベンゾナフチリジン、17.微粒子、18.免疫賦活性ポリヌクレオチド(例えば、RNAまたはDNA;例えば、cpg含有オリゴヌクレオチド)。
【0154】
本明細書で提供される医薬組成物において使用され得る例示的なアジュバントには、3M-052、Adju-Phos(商標)、Adjumer(商標)、アルブミン-ヘパリン微粒子、藻類グルカン、アルガンムリン(Algammulin)、ミョウバン、抗原製剤、AS-2アジュバント、ASO1、ASO3、自家樹状細胞、自家PBMC、Avridine(商標)、B7-2、BAK、BAY R1005、ブピバカイン、ブピバカイン-HCl、BWZL、カルシトリオール、リン酸カルシウムゲル、CCR5ペプチド、CFA、コレラホロ毒素(CT)およびコレラ毒素Bサブユニット(CTB)、コレラ毒素A1-サブユニット-プロテインA D-断片融合タンパク質、CpG、CPG-1018、CRL1005、サイトカイン含有リポソーム、D-ムラパルミチン(Murapalmitine)、DDA、DHEA、ジフテリアトキソイド、DL-PGL、DMPC、DMPG、DOC/ミョウバン複合体、鶏痘、フロイント完全アジュバント、ガンマイヌリン、Gerbuアジュバント、GM-CSF、GMDP、hGM-CSF、hIL-12(N222L)、hTNF-アルファ、IFA、pcDNA3中のIFN-ガンマ、IL-12 DNA、IL-12プラスミド、IL-12/GMCSFプラスミド(Sykes)、pcDNA3中のIL-2、IL-2/Igプラスミド、IL-2/Igタンパク質、IL-4、pcDNA3中のIL-4、イミキモド(商標)、ImmTher(商標)、共刺激分子に対する抗体を含有するイムノリポソーム、インターフェロン-ガンマ、インターロイキン-1ベータ、インターロイキン-12、インターロイキン-2、インターロイキン-7、ISCOM(複数可)(商標)、Iscoprep 7.0.3(商標)、キーホールリンペットヘモシアニン、脂質ベースのアジュバント、リポソーム、ロキソリビン、LT(R192G)、LT-OAまたはLT経口アジュバント、LT-R192G、LTK63、LTK72、Matrix-M(商標)アジュバント、MF59、MONTANIDE ISA 51、MONTANIDE ISA 720、MPL(商標)、MPL-SE、MTP-PE、MTP-PEリポソーム、ムラメチド(Murametide)、ムラパルミチン、NAGO、nCTネイティブコレラ毒素、非イオン性界面活性剤小胞、コレラ毒素の非毒性変異体E112K mCT-E112K、p-ヒドロキシ安息香酸(p-Hydroxybenzoique acid)メチルエステル、pCIL-10、pCIL12、pCMVmCAT1、pCMVN、ペプトマー(Peptomer)-NP、プレウラン(Pleuran)、PLG、PLGA、PGAおよびPLA、Pluronic(登録商標)L121、PMMA、PODDS(商標)、ポリrA:ポリrU、ポリソルベート80、タンパク質コクリエート(Protein Cochleate)、QS-21、Quadri Aサポニン、Quil-A、Rehydragel HPA、Rehydragel LV、RIBI、Ribilikeアジュバントシステム(MPL、TMD、CWS)、S-28463、SAF-1、Sclavoペプチド、センダイプロテオリポソーム、センダイ含有脂質マトリックス、Span(登録商標)85、Specol、スクアラン1、スクアレン2、ステアリルチロシン、破傷風トキソイド(TT)、Theramide(商標)、スレオニルムラミルジペプチド(TMDP)、Ty粒子、ならびにWalter Reedリポソームが含まれるがこれらに限定されない。アジュバントの選択は、処置される対象に依存する。好ましくは、薬学的に許容されるアジュバントが使用される。
【0155】
例えば、組成物は、アルミニウム塩アジュバント、水中油エマルション(例えば、スクアレンを含む水中油エマルション、例えば、MF59またはAS03)、TLR7アゴニスト(例えば、イミダゾキノリンまたはイミキモド)、またはそれらの組合せを含み得る。一部の実施形態では、アジュバントは、アルミニウム塩とCPG-1018との組合せである。適切なアルミニウム塩には、水酸化物(例えば、オキシ水酸化物)、リン酸塩(例えば、ヒドロキシリン酸塩、オルトリン酸塩)、(例えば、Vaccine Design. (1995) eds. Powell & Newman. ISBN: 030644867X. Plenumの第8章および第9章を参照されたい)、またはそれらの混合物が含まれる。塩は、任意の適切な形態(例えば、ゲル、結晶、非晶質など)をとり得、塩への抗原の吸着が一例である。患者への投与のための組成物中のAl+++の濃度は、5mg/ml未満、例えば、<4mg/ml、<3mg/ml、<2mg/ml、<1mg/mlなどであり得る。好ましい範囲は、0.3mg/mlと1mg/mlとの間である。最大で0.85mg/用量が好ましい。水酸化アルミニウムおよびリン酸アルミニウムアジュバントが、本開示との使用に適切である。
【0156】
一部の実施形態では、ウイルス様粒子を含む組成物は、組成物中の唯一の活性薬剤であり得、このとき、アジュバントは含まれないか、または組成物は、アジュバントを実質的に含まない。例えば、アジュバントは添加されなくてもよい、またはアジュバント特性を有する物質(複数可)が、最小量、例えば、アジュバント効果を発揮しないと予期される量、例えば、医薬組成物の約5%(w/v)未満、約4%(w/v)未満、約4%(w/v)未満、約3%(w/v)未満、約2%(w/v)未満、約1%(w/v)未満、約0.5%(w/v)未満、約0.1%(w/v)未満、5%(w/v)未満、4%(w/v)未満、4%(w/v)未満、3%(w/v)未満、2%(w/v)未満、1%(w/v)未満、0.5%(w/v)未満もしくは0.1%(w/v)未満ではあるが存在する。一部の実施形態では、ウイルス様粒子を含む組成物は、組成物中の唯一の活性薬剤であり得、アジュバント(例えば、ミョウバン)を含まない。
【0157】
単位用量の本明細書に記載される医薬組成物もまた、本明細書で提供される。一部の実施形態では、単位用量単位用量は、約5μg~約10μg、約10μg~約15μg、約15μg~約20μg、約20μg~約30μg、約30μg~約40μg、約40μg~約50μg、約50μg~約60μg、約60μg~約70μg、約70μg~約80μg、約80μg~約90μg、約90μg~約100μg、約100μg~約110μg、約110μg~約120μg、約120μg~約130μg、約130μg~約140μg、約140μg~約150μg、約150μg~約200μg、約200μg~約250μg、約250μg~約300μg、約300μg~約350μg、約350μg~約400μg、約400μg~約450μgまたは約450μg~約500μgを含む。一部の実施形態では、単位投薬量は、2μg、5μg、10μg、15μg、25μg、50μg、100μgまたは125μgのタンパク質複合体を含む。一部の実施形態では、単位投薬量は、5μgのタンパク質複合体を含む。一部の実施形態では、単位投薬量は、25μgのタンパク質複合体を含む。一部の実施形態では、単位投薬量は、125μgのタンパク質複合体を含む。一部の実施形態では、単位投薬量は、100μgのタンパク質複合体を含む。
【0158】
一部の実施形態では、単位用量の本明細書に記載される医薬組成物であって、約25μgと約125μgとの間のタンパク質複合体を含む、単位用量の医薬組成物が、本明細書で提供される。一部の実施形態では、医薬組成物の単位用量は、約2μg~約125μgの間、または約5μg~約125gの間、または約15μg~125μgの間、または約25μg~約125μgの間、または約50μg~約125μgの間、または約100μg~約125μgの間のタンパク質複合体である。
【0159】
製剤のpHもまた変動し得る。一般に、pHは、約pH6.2~約pH8.0の間である。一部の実施形態では、pHは、約6.2、約6.4、約6.6、約6.8、約7.0、約7.2、約7.4、約7.6、約7.8または約8.0である。当然、pHは、値のある範囲内でもあり得る。したがって、一部の実施形態では、pHは、約6.2と約8.0との間、約6.2と7.8との間、約6.2と7.6との間、約6.2と7.4との間、約6.2と7.2との間、約6.2と7.0との間、約6.2と6.8との間、約6.2と約6.6との間、または約6.2と6.4との間である。他の実施形態では、pHは、6.4と約8.0との間、約6.4と7.8との間、約6.4と7.6との間、約6.4と7.4との間、約6.4と7.2との間、約6.4と7.0との間、約6.4と6.8との間、または約6.4と約6.6との間である。なお他の実施形態では、pHは、約6.6と約8.0との間、約6.6と7.8との間、約6.6と7.6との間、約6.6と7.4との間、約6.6と7.2との間、約6.6と7.0との間、または約6.6と6.8との間である。さらに他の実施形態では、pHは、約6.8と約8.0との間、約6.8と7.8との間、約6.8と7.6との間、約6.8と7.4との間、約6.8と7.2との間、または約6.8と7.0との間である。なお他の実施形態では、pHは、約7.0と約8.0との間、約7.0と7.8との間、約7.0と7.6との間、約7.0と7.4との間、約7.0と7.2との間、約7.2と8.0との間、約7.2と7.8との間、約7.2と約7.6との間、約7.2と7.4との間、約7.4と約8.0、約7.4と約7.6との間、または約7.6と約8.0との間である。
【0160】
一部の実施形態では、製剤は、1つまたは複数の塩、例えば、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、またはそれらの組合せを含み得る。一般に、各塩は、約10mM~約200mMで製剤中に存在する。したがって、一部の実施形態では、存在する任意の塩は、約10mM~約200mM、約20mM~約200mM、約25mM~約200mM、約30mM~約200mM、約40mM~約200mM、約50mM~約200mM、約75mM~約200mM、約100mM~約200mM、約125mM~約200mM、約150mM~約200mM、または約175mM~約200mMで存在する。他の実施形態では、存在する任意の塩は、約10mM~約175mM、約20mM~約175mM、約25mM~約175mM、約30mM~約175mM、約40mM~約175mM、約50mM~約175mM、約75mM~約175mM、約100mM~約175mM、約125mM~約175mM、または約150mM~約175mMで存在する。なお他の実施形態では、存在する任意の塩は、約10mM~約150mM、約20mM~約150mM、約25mM~約150mM、約30mM~約150mM、約40mM~約150mM、約50mM~約150mM、約75mM~約150mM、約100mM~約150mM、または約125mM~約150mMで存在する。さらに他の実施形態では、存在する任意の塩は、約10mM~約125mM、約20mM~約125mM、約25mM~約125mM、約30mM~約125mM、約40mM~約125mM、約50mM~約125mM、約75mM~約125mM、または約100mM~約125mMで存在する。一部の実施形態では、存在する任意の塩は、約10mM~約100mM、約20mM~約100mM、約25mM~約100mM、約30mM~約100mM、約40mM~約100mM、約50mM~約100mM、または約75mM~約100mMで存在する。さらに他の実施形態では、存在する任意の塩は、約10mM~約75mM、約20mM~約75mM、約25mM~約75mM、約30mM~約75mM、約40mM~約75mM、または約50mM~約75mMで存在する。なお他の実施形態では、存在する任意の塩は、約10mM~約50mM、約20mM~約50mM、約25mM~約50mM、約30mM~約50mM、または約40mM~約50mMで存在する。他の実施形態では、存在する任意の塩は、約10mM~約40mM、約20mM~約40mM、約25mM~約40mM、約30mM~約40mM、約10mM~約30mM、約20mM~約30、約25mM~約30mM、約10mM~約25mM、約20mM~約25mM、または約10mM~約20mMで存在する。一部の実施形態では、塩化ナトリウムは、約100mMで製剤中に存在する。一部の実施形態では、リン酸ナトリウムは、約25mMで製剤中に存在する。
【0161】
本明細書に記載される変異したコロナウイルスタンパク質を含む製剤は、可溶化剤、例えば、非イオン性洗剤をさらに含み得る。かかる洗剤には、ポリソルベート80(Tween(登録商標)80)、Triton(登録商標)X100およびポリソルベート20が含まれるがこれらに限定されない。
処置の方法
【0162】
別の態様では、本開示は、SARS-CoV-2感染(例えば、SARS-CoV2の元の株による感染またはSARS-CoV2のバリアント株による感染)の発生を処置または制限するための方法であって、本明細書の任意の実施形態のポリペプチド、ウイルス様粒子、組成物、核酸、医薬組成物またはワクチン(「免疫原性組成物」と呼ばれる)の、感染の発生を処置または制限するのに有効な量を、それを必要とする対象に投与するステップを含む、方法を提供する。対象は、ヒト対象が含まれるがこれらに限定されない任意の適切な哺乳動物対象であり得る。
【0163】
SARS-CoV2のバリアント株の例は、世界中で検出されており、限定なしに、B.1.1.7(英国)、B.1.1.7+E484K(英国)、B.1.351(南アフリカ)、P.1(ブラジル)、B.1.617.2(インド)、B.1.525(ナイジェリア)、B.1.427/B.1.429(米国)、P.3(フィリピン)、B.1.616(フランス)、B.1.617.1(インド)、B.1.617.3(インド)、B.1.621(コロンビア)、A.23.1+E484K(英国)、C.37(ペルー)、B.1.351+P384L(南アフリカ)、B.1.1.7+L452R(英国)、B.1.1.7+S494P(英国)、C.36+L452R(エジプト)、AT.1(ロシア)、B.1.526(米国)、B.1.526.1(米国)、B.1.526.2(米国)、B.1.1.318、P.2(ブラジル)、B.1.1.519(メキシコ)、AV.1(英国)、B.1.620、B.1.351+E516Q、B.1.214.2、A.27、A.28、B.1.640(コンゴ)C.16、B.617.2(デルタ)およびB.1.1.529(オミクロン)が含まれる。
【0164】
方法が、SARS-CoV-2感染(例えば、SARS-CoV-2の元の株による感染またはSARS-CoV2のバリアント株による感染)を制限することを含む場合、免疫原性組成物は、感染していることが既知ではないが、SARS-CoV-2への曝露のリスクがあり得る対象に、予防的に投与される。本明細書で使用される場合、「発生を制限する」は、以下のうちの1つまたは複数を達成することが含まれるがそれらに限定されない:(a)対象においてSARS-CoV-2に対する免疫応答(抗体ならびに/または細胞ベースのもの、例えば、CD4 T細胞、メモリーB細胞および/もしくはCD8 T細胞)を生成すること、(b)対象においてSARS-CoV-2に対する中和抗体を生成すること、(b)SARS-CoV-2への曝露後の対象におけるSARS-CoV-2力価の増大を制限すること、および/または(c)感染後のSARS-CoV-2症状の発生を制限もしくは予防すること。本明細書で提供される方法は、SARS-CoV2の元の株による感染および/またはSARS-CoV2のバリアント株による感染の発生を制限するために使用され得る。SARS-CoV-2感染の例示的な症状には、発熱、疲労、咳、息切れ、胸部圧迫感および/または胸部痛、嗅覚の喪失または減少、味覚の喪失または減少、ならびに肺炎、気管支炎、重症急性呼吸器症候群(SARS)ならびに上部および下部気道感染が含まれるがこれらに限定されない呼吸器問題が含まれるがこれらに限定されない。
【0165】
一部の実施形態では、方法は、SARS-CoV-2に感染していることが既知ではない対象において対象において免疫応答を生成し、免疫応答は、感染およびSARS-CoV-2感染(例えば、SARS-CoV2の元の株による感染またはSARS-CoV2のバリアント株による感染)の症状の発生を制限するように機能する。一部の実施形態では、免疫応答は、SARS-CoV-2に対する中和抗体および/または細胞ベースの応答の生成を含む。一部の実施形態では、免疫応答は、少なくとも1×105、少なくとも1×106、少なくとも1×107、少なくとも1×108または少なくとも1×109アッセイ単位の幾何平均力価での、SARS-CoV-2 Sタンパク質またはRBD抗体特異的応答の生成を含む。例示的なかかる実施形態では、免疫応答は、少なくとも1×105の幾何平均力価での、SARS-CoV-2 Sタンパク質またはRBD抗体特異的応答の生成を含む。さらなる実施形態では、免疫応答は、複数の抗原性エピトープに対する抗体の生成を含む。
【0166】
本明細書で使用される場合、「有効量」は、SARS-CoV-2感染(例えば、SARS-CoV2の元の株による感染またはSARS-CoV2のバリアント株による感染)を処置および/または制限するのに有効な、免疫原性組成物の量を指す。本明細書の任意の実施形態のポリペプチド、ウイルス様粒子、組成物、核酸、医薬組成物またはワクチンは、典型的には、上で開示されたものなどの医薬組成物として製剤化され、従来の薬学的に許容される担体、アジュバントおよびビヒクルを含有する投薬単位製剤中で、経口で、非経口的に(parentally)、吸入スプレーによる、直腸で、または外用でが含まれる任意の適切な経路を介して投与され得る。非経口という用語は、本明細書で使用される場合、皮下、静脈内、動脈内、筋肉内、胸骨内、腱内(intratendinous)、脊髄内、頭蓋内、胸腔内、注入技法または腹腔内で、を含む。ポリペプチド組成物は、適切な組織(例えば、血液)中に導入されたミクロスフェア、リポソーム、免疫刺激複合体(ISCOM)、または他の微粒子状送達系もしくは持続放出製剤を介しても投与され得る。
【0167】
別の態様では、SARS-CoV-2による感染のリスクがある対象をワクチン接種する方法であって、コロナウイルスSタンパク質の3つの受容体結合ドメインモノマーおよび第1のマルチマー化ドメイン(例えば、トリマー化ドメイン)を含む第1の成分、ならびに第2のマルチマー化ドメイン(例えば、ペンタマー化ドメイン)を含む第2の成分を含むタンパク質複合体の有効量と、1つまたは複数の薬学的に許容される希釈剤または賦形剤とを含む医薬組成物を、対象に投与するステップを含む、方法が、本明細書で提供される。一部の実施形態では、医薬組成物は、アジュバントを含む。一部の実施形態では、アジュバントは、油であるまたは油を含む。一部の実施形態では、アジュバントは、水中油(例えば、水中スクアレン)エマルションである。一部の実施形態では、アジュバントは、MF59(登録商標)である。一部の実施形態では、アジュバントは、アルミニウム塩である。一部の実施形態では、アジュバントは、CPG-1018である。一部の実施形態では、医薬組成物は、アルミニウム塩およびCPG-1018の両方を含む。一部の実施形態では、有効量は、2μg、5μg、10μg、15μg、25μg、50μg、100μgまたは125μgのタンパク質複合体である。一部の実施形態では、方法は、投与するステップを反復するステップを含む。
【0168】
一部の実施形態では、方法は、ブースターワクチンを投与するステップを含む。一部の実施形態では、対象は、SARS-CoV-2ワクチンで以前にワクチン接種されており、および/またはSARS-CoV-2に以前に感染したことがある。一部の実施形態では、対象は、SARS-CoV-2に対する全単位のワクチン接種を完了している。一部の実施形態では、対象は、SARS-CoV-2の元の株のワクチンに対する全単位のワクチン接種を完了している。
【0169】
一部の実施形態では、対象は、SARS-CoV-2の元の株に対する部分単位のワクチン接種を完了している(例えば、全単位の2つの用量のうちの1つを受けている)。一部の実施形態では、対象は、SARS-CoV-2のバリアント株(例えば、本明細書に記載されるバリアント株)に対するワクチン接種の少なくとも1つの用量を受けている。本明細書で使用される場合、用語「部分単位(partial course)」は、当該分野で認識される全単位のワクチン接種を構成する一連の2つまたはそれよりも多くの投与の第1の投与を指す。一部の実施形態では、対象は、コロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインまたはコロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインをコードするポリヌクレオチドを含むワクチンの少なくとも1つの用量を受けている。一部の実施形態では、対象は、コロナウイルスSタンパク質またはコロナウイルスSタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むワクチンの少なくとも1つの用量を受けている。一部の実施形態では、Sタンパク質は、S2Pである。一部の実施形態では、Sタンパク質は、「HexaPro」である、即ち、参照配列と比較して、アミノ酸置換F817P、A892P、A899PおよびA942Pを含む。
【0170】
一部の実施形態では、方法は、対象において中和抗体価を誘導する。一部の実施形態では、方法は、対象において中和抗体価を増加させる。一部の実施形態では、方法は、対象においてSタンパク質特異的IgG抗体価およびRBD特異的IgG抗体価を誘導する。一部の実施形態では、方法は、対象において細胞媒介性免疫(CD4 T細胞、メモリーB細胞、CD8 T細胞)を誘導する。一部の実施形態では、方法は、対象において中和抗体価を誘導する。一部の実施形態では、方法は、SARS-CoV-2の元の株による感染を予防する。一部の実施形態では、方法は、SARS-CoV-2のバリアント株による感染を予防する。一部の実施形態では、方法は、SARS-CoV-2の元の株による感染の重症度を低減させる。一部の実施形態では、方法は、SARS-CoV-2のバリアント株による感染の重症度を低減させる。
【0171】
実施形態では、本明細書の方法は、SARS-CoV-2による感染のリスクがある対象にワクチン接種することを含み、組成物(例えば、第1のマルチマー化ドメインに結合されたコロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインを含む第1の成分、および第2のマルチマー化ドメインを含む第2の成分を含むタンパク質複合体と、1つまたは複数の薬学的に許容される希釈剤または賦形剤とを含むワクチン)を、少なくとも1歳、2歳、3歳、4歳、5歳、6歳、7歳、9歳、10歳、12歳、15歳、20歳、30歳、40歳、50歳、60歳、70歳、80歳または90歳の対象に投与するステップを含む。一部の例では、対象は、少なくとも18歳の成人である。一部の実施形態では、対象は、少なくとも60歳、または少なくとも70歳、または少なくとも80歳、または少なくとも90歳の高齢の成人である。一部の実施形態では、対象は、約2歳~約18歳、または約5歳~約18歳、または約10歳~約18歳の小児である。一部の実施形態では、対象は、1歳、または6か月齢、または3か月齢の幼児である。一部の実施形態では、対象は、5歳よりも下、または4歳よりも下、または3歳よりも下、または2歳よりも下、または1歳よりも下の小児である。一部の実施形態では、対象は、少なくとも約1か月齢、約2か月齢、約3か月齢、約4か月齢、約5か月齢、約6か月齢、約7か月齢、約8か月齢、約9か月齢、約10か月齢または約11か月齢である。一部の実施形態では、対象は、少なくとも約1~8週齢、または約1週~12週齢である。
【0172】
別の態様では、対象にワクチン接種する方法であって、(i)コロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインおよび第1のマルチマー化ドメイン(例えば、トリマー化ドメイン)を含む第1の成分、ならびに第2のマルチマー化ドメイン(例えば、ペンタマー化ドメイン)を含む第2の成分を含むタンパク質複合体の有効量を含む医薬組成物を、対象に投与するステップを含む、方法が、本明細書で提供される。一部の実施形態では、対象は、タンパク質複合体の投与の4か月以上前に、SARS-CoV-2に対するワクチン接種の少なくとも1つの用量を受けている。一部の実施形態では、対象は、タンパク質複合体の投与の3か月以上前に、SARS-CoV-2に対するワクチン接種の少なくとも1つの用量を受けている。一部の実施形態では、対象は、タンパク質複合体の投与の約3か月~約6か月前に、SARS-CoV-2に対するワクチン接種の少なくとも1つの用量を受けている。一部の実施形態では、対象は、タンパク質複合体の投与の3か月~6か月前に、SARS-CoV-2に対するワクチン接種の少なくとも1つの用量を受けている。一部の実施形態では、対象は、コロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインまたはコロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインをコードするポリヌクレオチドを含むワクチンの少なくとも1つの用量を受けている。一部の実施形態では、対象は、コロナウイルスSタンパク質またはコロナウイルスSタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むワクチンの少なくとも1つの用量を受けている。一部の実施形態では、Sタンパク質は、S2Pまたは「HexaPro」である、即ち、参照配列と比較して、アミノ酸置換F817P、A892P、A899PおよびA942Pを含む。一部の実施形態では、ワクチンは、mRNAベースのワクチン、アデノウイルスベクターベースのワクチン、タンパク質サブユニットベースのワクチンまたは不活化ウイルスワクチンである。一部の実施形態では、対象は、SARS-CoV-2の元の株に対する全単位のワクチン接種を完了している。一部の実施形態では、対象は、SARS-CoV-2の元の株に対する部分単位のワクチン接種を完了している(例えば、2つの用量のうちの1つを受けている)。一部の実施形態では、対象は、SARS-CoV-2に以前に感染したことがある。一部の実施形態では、対象は、SARS-CoV-2に対する抗体を有する。一部の実施形態では、対象は、SARS-CoV-2に以前に感染したことがない。
【0173】
一部の実施形態では、方法は、対象において中和抗体価を誘導する。一部の実施形態では、方法は、対象においてSARS-CoV-2祖先株特異的中和抗体価を誘導した。一部の実施形態では、方法は、対象において血清SARS-CoV-2結合抗体応答を誘導する。一部の実施形態では、抗体応答は、SARS-CoV-2 RBDおよび/またはSARS-CoV-2 Sタンパク質に対するものである。一部の実施形態では、方法は、SARS-CoV-2の元の株および/またはSARS-CoV-2のバリアント株による感染を予防する。一部の実施形態では、方法は、コロナウイルスによる感染の重症度を低減させる。
【0174】
投薬レジメンは、最適な所望の応答(例えば、治療的または予防的応答)を提供するために調整され得る。適切な投与量範囲は、例えば、0.1μg/kg~0.5μg/kg体重、0.5μg/kg~1μg体重、1μg/kg~2μg/kg体重、2μg/kg~3μg/kg体重、3μg/kg~4μg/kg体重、4μg/kg~5μg/kg体重、5μg/kg~6μg/kg体重、6μg/kg~7μg/kg体重、7μg/kg~8μg/kg体重、8μg/kg~9μg/kg体重、9μg/kg~10μg/kg体重、10μg/kg~15μg/kg体重、15μg/kg~20μg/kg体重、20μg/kg~25μg/kg体重、25μg/kg~30μg/kg体重、30μg/kg~35μg/kg体重、35μg/kg~40μg/kg体重、40μg/kg~45μg/kg体重、45μg/kg~50μg/kg体重、50μg/kg~55μg/kg体重、55μg/kg~60μg/kg体重、60μg/kg~65μg/kg体重、65μg/kg~70μg/kg体重、70μg/kg~75μg/kg体重、75μg/kg~80μg/kg体重、80μg/kg~85μg/kg体重、85μg/kg~90μg/kg体重、90μg/kg~95μg/kg体重、95μg/kg~100μg/kg体重、100μg/kg~150μg体重、150μg/kg~200μg体重、200μg/kg~250μg/kg体重、250μg/kg~300μg/kg体重、300μg/kg~350μg/kg体重、350μg/kg~400μg/kg体重、400μg/kg~450μg/kg体重、450μg/kg~500μg体重、500μg/kg~550μg体重、550μg/kg~600μg体重、600μg/kg~650μg体重、650μg/kg~700μg体重、700μg/kg~750μg/kg体重、750μg/kg~800μg/kg体重、800μg/kg~850μg/kg体重、850μg/kg~900μg/kg体重、900μg/kg~950μg/kg体重、950μg/kg~1mg/kg体重、1mg/kg~2mg/kg体重、2mg/kg~3mg/kg体重、3mg/kg~4mg/kg体重、4mg/kg~5mg/kg体重、5mg/kg~6mg/kg体重、6mg/kg~7mg/kg体重、7mg/kg~8mg/kg体重、8mg/kg~90mg/kg体重、90mg/kg~100mg/kg体重、100mg/kg~150mg/kg体重、150mg/kg~200mg/kg体重、200mg/kg~250mg/kg体重、250mg/kg~300mg/kg体重、300mg/kg~350mg/kg体重、350mg/kg~400mg/kg体重、400mg/kg~450mg/kg体重、450mg/kg~500mg/kg体重、500mg/kg~550mg/kg体重、550mg/kg~600mg/kg体重、600mg/kg~650mg/kg体重、650mg/kg~700mg/kg体重、700mg/kg~750mg/kg体重、750mg/kg~800mg/kg体重、800mg/kg~850mg/kg体重、850mg/kg~900mg/kg体重、900mg/kg~950mg/kg体重、または950mg/kg~1g/kgのタンパク質複合体であり得る。
【0175】
組成物は、単一のボーラスで送達され得るか、または担当の医療従事者によって決定されるように、1回よりも多く(例えば、2回、3回、4回、5回またはそれよりも多くの回数)投与され得る。
【0176】
一部の実施形態では、約1μg、約2μg、約3μg、約4μg、約5μg、約10μg、約15μg、約20μg、約25μg、約30μg、約35μg、約40μg、約45μg、約50μg、約55μg、約60μg、約65μg、約70μg、約75μg、約80μg、約85μg、約90μg、約100μg、約125μg、約150μg、約175μg、約200μg、約225μg、約250μg、約275μg、約300μg、約325μg、約350μg、約375μg、約400μg、約425μg、約450μg、約475μg、または約500μgのタンパク質複合体が投与される。一部の実施形態では、約5μg~約10μg、約10μg~約15μg、約15μg~約20μg、約20μg~約30μg、約30μg~約40μg、約40μg~約50μg、約50μg~約60μg、約60μg~約70μg、約70μg~約80μg、約80μg~約90μg、約90μg~約100μg、約100μg~約110μg、約110μg~約120μg、約120μg~約130μg、約130μg~約140μg、約140μg~約150μg、約150μg~約200μg、約200μg~約250μg、約250μg~約300μg、約300μg~約350μg、約350μg~約400μg、約400μg~約450μg、または約450μg~約500μgのタンパク質複合体が投与される。
【0177】
一部の実施形態では、約10μg~約100μg、約10μg~約150μg、約10μg~約200μg、約10μg~約250μg、約10μg~約300μg、約10μg~約350μg、約10μg~約400μg、約10μg~約450μg、または約10μg~約500μgのタンパク質複合体が投与される。
【0178】
一部の実施形態では、約25μg~約100μg、約25μg~約150μg、約25μg~約200μg、約25μg~約250μg、約25μg~約300μg、約25μg~約350μg、約25μg~約400μg、約25μg~約450μg、または約25μg~約500μgのタンパク質複合体が投与される。
【0179】
一部の実施形態では、約50μg~約100μg、約50μg~約150μg、約50μg~約200μg、約50μg~約250μg、約50μg~約300μg、約50μg~約350μg、約50μg~約400μg、約50μg~約450μg、または約50μg~約500μgのタンパク質複合体が投与される。
【0180】
一部の実施形態では、約5μg~約150μg、約10μg~約150μg、約25μg~約150μg、約50μg~約150μg、約75μg~約150μg、約100μg~約150μg、または約125μg~約150μgのタンパク質複合体が投与される。
【0181】
一部の実施形態では、約5μg~約125μg、約10μg~約125μg、約25μg~約125μg、約50μg~約125μg、約75μg~約125μg、または約100μg~約125μgのタンパク質複合体が投与される。
【0182】
一部の実施形態では、約5μg~約100μg、約10μg~約100μg、約25μg~約100μg、約50μg~約100μg、または約75μg~約100μgのタンパク質複合体が投与される。
【0183】
一部の実施形態では、約5μg~約75μg、約10μg~約75μg、約25μg~約75μg、または約50μg~約75μgのタンパク質複合体が投与される。
【0184】
一部の実施形態では、約5μg~約50μg、約10μg~約50μg、または約25μg~約50μgのタンパク質複合体が投与される。
【0185】
本明細書に記載される用量は、同じまたは類似のモル量の抗原(RBD)を送達するために、タンパク質複合体の分子質量に依存して、モル量に変換され得るまたは補正され得る。本開示のタンパク質複合体は、一般に、約4MDa(50kDaのCompA-RBDおよび17kDaのCompBを各々60コピー)の分子質量を有する。本開示のRBDは、一般に、約23kDaの分子質量を有する。したがって、100μgのタンパク質複合体は、約2.5ピコモル(pmol)であり得、各100μgのタンパク質複合体は、約34μgのRBDを含み得る。
【0186】
一部の実施形態では、約1μg、約2μg、約3μg、約4μg、約5μg、約1pmol、約15μg、約2pmol、約25μg、約3pmol、約35μg、約4pmol、約45μg、約5pmol、約55μg、約6pmol、約65μg、約7pmol、約75μg、約8pmol、約85μg、約9pmol、約10pmol、約125μg、約15pmol、約175μg、約20pmol、約225μg、約25pmol、約275μg、約30pmol、約325μg、約35pmol、約375μg、約40pmol、約425μg、約45pmol、約475μg、または約50pmolのタンパク質複合体が投与される。
【0187】
一部の実施形態では、約0.25pmol~約10pmol、約0.25pmol~約15pmol、約0.25pmol~約20pmol、約0.25pmol~約25pmol、約0.25pmol~約30pmol、約0.25pmol~約35pmol、約0.25pmol~約40pmol、約0.25pmol~約45pmol、または約0.25pmol~約50pmolのタンパク質複合体が投与される。
【0188】
一部の実施形態では、約0.5pmol~約10pmol、約0.5pmol~約15pmol、約0.5pmol~約20pmol、約0.5pmol~約25pmol、約0.5pmol~約30pmol、約0.5pmol~約35pmol、約0.5pmol~約40pmol、約0.5pmol~約45pmol、または約0.5pmol~約50pmolのタンパク質複合体が投与される。
【0189】
一部の実施形態では、約1pmol~約10pmol、約1pmol~約15pmol、約1pmol~約20pmol、約1pmol~約25pmol、約1pmol~約30pmol、約1pmol~約35pmol、約1pmol~約40pmol、約1pmol~約45pmol、または約1pmol~約50pmolのタンパク質複合体が投与される。
【0190】
一部の実施形態では、約2pmol~約10pmol、約2pmol~約15pmol、約2pmol~約20pmol、約2pmol~約25pmol、約2pmol~約30pmol、約2pmol~約35pmol、約2pmol~約40pmol、約2pmol~約45pmol、または約2pmol~約50pmolのタンパク質複合体が投与される。
【0191】
一部の実施形態では、約5pmol~約10pmol、約5pmol~約15pmol、約5pmol~約20pmol、約5pmol~約25pmol、約5pmol~約30pmol、約5pmol~約35pmol、約5pmol~約40pmol、約5pmol~約45pmol、または約5pmol~約50pmolのタンパク質複合体が投与される。
【0192】
一部の実施形態では、約0.5pmol~約15pmol、約1pmol~約15pmol、約2pmol~約15pmol、約5pmol~約15pmol、約7pmol~約15pmol、約10pmol~約15pmol、または約12pmol~約15pmolのタンパク質複合体が投与される。
【0193】
一部の実施形態では、約0.5pmol~約12pmol、約1pmol~約12pmol、約2pmol~約12pmol、約5pmol~約12pmol、約7pmol~約12pmol、または約10pmol~約12pmolのタンパク質複合体が投与される。
【0194】
一部の実施形態では、約0.5pmol~約10pmol、約1pmol~約10pmol、約2pmol~約10pmol、約5pmol~約10pmol、または約7pmol~約10pmolのタンパク質複合体が投与される。
【0195】
一部の実施形態では、約0.5pmol~約7pmol、約1pmol~約7pmol、約2pmol~約7pmol、または約5pmol~約7pmolのタンパク質複合体が投与される。
【0196】
一部の実施形態では、約0.5pmol~約5pmol、約1pmol~約5pmol、または約2pmol~約5pmolのタンパク質複合体が投与される。
【0197】
一部の実施形態では、約10μg~約100μg、約10μg~約150μg、約10μg~約200μg、約10μg~約250μg、約10μg~約300μg、約10μg~約350μg、約10μg~約400μg、約10μg~約450μg、または約10μg~約500μgのRBDが投与される。
【0198】
一部の実施形態では、約25μg~約100μg、約25μg~約150μg、約25μg~約200μg、約25μg~約250μg、約25μg~約300μg、約25μg~約350μg、約25μg~約400μg、約25μg~約450μg、または約25μg~約500μgのRBDが投与される。
【0199】
一部の実施形態では、約50μg~約100μg、約50μg~約150μg、約50μg~約200μg、約50μg~約250μg、約50μg~約300μg、約50μg~約350μg、約50μg~約400μg、約50μg~約450μg、または約50μg~約500μgのRBDが投与される。
【0200】
一部の実施形態では、約5μg~約150μg、約10μg~約150μg、約25μg~約150μg、約50μg~約150μg、約75μg~約150μg、約100μg~約150μg、または約125μg~約150μgのRBDが投与される。
【0201】
一部の実施形態では、約5μg~約125μg、約10μg~約125μg、約25μg~約125μg、約50μg~約125μg、約75μg~約125μg、または約100μg~約125μgのRBDが投与される。
【0202】
一部の実施形態では、約5μg~約100μg、約10μg~約100μg、約25μg~約100μg、約50μg~約100μg、または約75μg~約100μgのRBDが投与される。
【0203】
一部の実施形態では、約5μg~約75μg、約10μg~約75μg、約25μg~約75μg、または約50μg~約75μgのRBDが投与される。
【0204】
一部の実施形態では、約5μg~約50μg、約10μg~約50μg、または約25μg~約50μgのRBDが投与される。
【0205】
一部の実施形態では、約25μg~約125のタンパク質複合体が投与される。一部の実施形態では、約25μg~約100のタンパク質複合体が投与される。
【0206】
一部の実施形態では、約10μg~約125のタンパク質複合体が投与される。一部の実施形態では、約10μg~約100のタンパク質複合体が投与される。
【0207】
一部の実施形態では、約25μg~約125のタンパク質複合体が、アジュバントなしで投与される。一部の実施形態では、約25μg~約100のタンパク質複合体が、アジュバントなしで投与される。
【0208】
一部の実施形態では、約10μg~約125のタンパク質複合体が、アジュバントなしで投与される。一部の実施形態では、約10μg~約100のタンパク質複合体が、アジュバントなしで投与される。
【0209】
タンパク質複合体およびその医薬組成物は、単一用量スケジュールまたは複数用量スケジュールで投与され得る。複数用量は、一次免疫化スケジュールにおいて使用され得る。複数用量スケジュールでは、種々の用量は、同じまたは異なる経路、例えば、非経口プライムおよび粘膜ブースト、粘膜プライムおよび非経口ブーストなどによって与えられ得る。一部の実施形態では、複数用量レジメンの第2の用量は、先の用量の約2週間、約3週間、約4週間、約5週間または約6週間後に投与される。実施形態では、各引き続く用量は、先の用量の投与の3週間後に投与される。実施形態では、第1の用量は、0日目に投与され、第2の用量は、21日目に投与される。実施形態では、第1の用量は、0日目に投与され、第2の用量は、28日目に投与される。
【0210】
複数用量のブーストが、異種ブースト免疫化スケジュールにおいて使用され得る。例えば、一次ワクチンの1つまたは複数の用量が投与され得、その後ブーストワクチンの1回よりも多くの投与が続き得る。複数用量ブーストスケジュールでは、種々のブースト用量は、同じまたは異なる経路、例えば、非経口プライムおよび粘膜ブースト、粘膜プライムおよび非経口ブーストなどによって与えられ得る。一部の実施形態では、複数用量ブーストレジメンの第2の用量は、先の用量の約2週間、約3週間、約4週間、約5週間または約6週間後に投与される。一部の実施形態では、各引き続く用量は、先の用量の投与の3週間後に投与される。一部の実施形態では、第1のブースト用量は、0日目に投与され、第2のブースト用量は、21日目に投与される。一部の実施形態では、第1のブースト用量は、0日目に投与され、第2のブースト用量は、28日目に投与される。一部の実施形態では、第1のブースト用量は、0日目に投与され、第2のブースト用量は、3か月で投与される。
【0211】
一部の実施形態では、方法は、医薬組成物の第1の用量および第2の用量を投与するステップを含み、第2の用量は、第1の用量が投与された約2週間~約12週間後または約4週間~約12週間後に投与される。種々のさらなる実施形態では、第2の用量は、第1の用量の約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12週間、約1か月、約2か月、約3か月、約4か月、約5か月、約6か月、約9か月、約12か月、約18か月、約2年、約3年、約4年または約5年後に投与される。別の実施形態では、3つの用量が投与され得、第2の用量は、第1の用量の約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12週間、約1か月、約2か月、約3か月、約4か月、約5か月、約6か月、約9か月、約12か月、約18か月、約2年、約3年、約4年または約5年後に投与され得、第3の用量は、第2の用量の約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12週間、約1か月、約2か月、約3か月、約4か月、約5か月、約6か月、約9か月、約12か月、約18か月、約2年、約3年、約4年または約5年後に投与され得る。
【0212】
本開示のタンパク質複合体および医薬組成物は、異種プライム-ブーストワクチン接種のためにも使用され得る。一部の実施形態では、方法は、別のワクチン、例えば、異種プライムワクチンの約2週間~約12週間後または約4週間~約12週間後に、タンパク質複合体またはその医薬組成物を投与するステップを含む。さらなる実施形態では、医薬組成物は、他のワクチンの約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12週間、約1か月、約2か月、約3か月、約4か月、約5か月、約6か月、約9か月、約12か月、約18か月、約2年、約3年、約4年または約5年後に投与される。さらなる実施形態では、タンパク質複合体またはその医薬組成物は、以前のワクチンの約2か月もしくはそれよりも長い期間後、約3か月もしくはそれよりも長い期間後、約4か月もしくはそれよりも長い期間後、約5か月もしくはそれよりも長い期間後、約6か月もしくはそれよりも長い期間後、約8か月もしくはそれよりも長い期間後、約10か月もしくはそれよりも長い期間後、または約12か月もしくはそれよりも長い期間後に投与される。一部の実施形態では、方法は、別のワクチンの約2か月~約8か月後または約2か月~約6か月後に、タンパク質複合体またはその医薬組成物を投与するステップを含む。第1の(プライム)ワクチンと第2の(ブースト)ワクチンとの間の間隔は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12か月、または任意の他の適切な間隔であり得る。プライムワクチンは、複数用量の同じワクチンを含み得、異種ブーストワクチンは、適切な間隔で投与される、複数用量の同じ異種ワクチンを含み得る。
【0213】
変形形態では、方法は、タンパク質複合体またはその医薬組成物を、無期限に、例えば、一定の間隔にわたって投与するステップを含み得る。例えば、一定の間隔には、3か月毎、6か月毎、12か月毎、18か月毎または24か月毎が含まれ得る。一部の実施形態では、抗原のポリペプチド配列は、抗原ドリフトを相殺するように改変され得る。
【0214】
本開示のタンパク質複合体および医薬組成物は、同種プライム-ブーストワクチン接種(例えば、同じワクチンの一次レジメン後にブースター用量を投与する)のためにも使用され得る。一部の実施形態では、方法は、別のワクチン、例えば、異種プライムワクチンの約2週間~約12週間後または約4週間~約12週間後に、タンパク質複合体またはその医薬組成物を投与するステップを含む。さらなる実施形態では、医薬組成物は、他のワクチンの約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12週間、約1か月、約2か月、約3か月、約4か月、約5か月、約6か月、約9か月、約12か月、約18か月、約2年、約3年、約4年または約5年後に投与される。さらなる実施形態では、タンパク質複合体またはその医薬組成物は、以前のワクチンの約2か月もしくはそれよりも長い期間後、約3か月もしくはそれよりも長い期間後、約4か月もしくはそれよりも長い期間後、約5か月もしくはそれよりも長い期間後、約6か月もしくはそれよりも長い期間後、約8か月もしくはそれよりも長い期間後、約10か月もしくはそれよりも長い期間後、または約12か月もしくはそれよりも長い期間後に投与される。一部の実施形態では、方法は、別のワクチンの約2か月~約8か月後または約2か月~約6か月後に、タンパク質複合体またはその医薬組成物を投与するステップを含む。第1の(プライム)ワクチンと第2の(ブースト)ワクチンとの間の間隔は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12か月、または任意の他の適切な間隔であり得る。プライムワクチンは、複数用量の同じワクチンを含み得、同種ブーストワクチンは、適切な間隔で投与される、複数用量の同種ワクチンを含み得る。一部の実施形態では、方法は、継続的に、例えば、一定の間隔にわたって、タンパク質複合体またはその医薬組成物を投与するステップを含む。例えば、一定の間隔には、3か月毎、6か月毎、12か月毎、18か月毎または24か月毎が含まれ得る。
【0215】
本開示は、本明細書に記載されるタンパク質複合体または医薬組成物と一緒に、タンパク質、DNA、mRNA、不活化ウイルスまたはウイルスベクターワクチンが含まれるがこれらに限定されない任意の公知のまたは引き続いて開発されるワクチンを使用するプライム-ブースト戦略をさらに提供する。例えば、本明細書に記載されるタンパク質複合体は、別のワクチンによる異種ブーストが後に続く一次ワクチンとして使用され得る。必要に応じて、対象は、本明細書に記載されるタンパク質複合体によるさらなるワクチン接種を受け得る。他の変形形態では、別のワクチンが一次ワクチンとして使用され、本明細書に記載されるタンパク質複合体は、一次ワクチンに対する応答をブーストするために、1または複数回投与される。
【0216】
一次ワクチンまたは異種ブーストワクチンとしての使用に適切なワクチンは、Moderna(登録商標)、Pfizer(登録商標)/BioNTech(登録商標)、AstraZeneca(登録商標)、Johnson&Johnson(登録商標)、Novavax(登録商標)、Sanofi(登録商標)、SK Biosciences(登録商標)、Medicago(登録商標)およびBavarian Nordic(登録商標)によって、ヒトにおける使用のために上市されたものが含まれ得る。本明細書に記載されるタンパク質複合体および医薬組成物は、SARS-CoV-2に対するこれらおよび他のワクチンを用いた異種ワクチン接種戦略において使用され得る。
【0217】
プライム-ブースト投薬の種々の他の実施形態では、投与するステップは、
(a)タンパク質(例えば、サブユニットワクチン)、DNA、mRNA、不活化ウイルスまたはアデノウイルスベクターワクチンのプライム用量を対象に投与するステップであって、タンパク質、DNA、mRNA、不活化ウイルスまたはアデノウイルスベクターワクチンが、コロナウイルスSタンパク質もしくはその抗原性断片を含むまたはコードする、ステップ、および
(b)本明細書で開示される任意の実施形態または組合せのポリペプチド、ウイルス様粒子、組成物、核酸、医薬組成物またはワクチンのブースト用量を対象に投与するステップ
を含む。
【0218】
代替的な実施形態では、投与するステップは、
(a)本明細書で開示される任意の実施形態または組合せのプライム用量を対象に投与するステップ、および
(b)タンパク質(例えば、サブユニットワクチン)、DNA、mRNA、不活化ウイルスまたはアデノウイルスベクターワクチンのブースト用量を対象に投与するステップであって、タンパク質、DNA、mRNA、不活化ウイルスまたはアデノウイルスベクターワクチンが、コロナウイルスSタンパク質もしくはその抗原性断片を含むまたはコードする、ステップ
を含む。
【0219】
これらの実施形態のいずれかでは、今後開発されるワクチン、ならびにModerna(登録商標)、Pfizer(登録商標)/BioNTech(登録商標)、AstraZeneca(登録商標)、Johnson&Johnson(登録商標)、Novavax(登録商標)、Sanofi(登録商標)、SK Biosciences(登録商標)、Medicago(登録商標)およびBavarian Nordic(登録商標)などから入手可能なものが含まれるがこれらに限定されない任意の適切なタンパク質(例えば、サブユニットワクチン)、DNA、mRNA、不活化ウイルス、アデノウイルスベクターワクチンまたはタンパク質ベースのワクチンが、本開示の免疫原性組成物と併せて使用され得る。
【0220】
一部の実施形態では、投与するステップは、
(a)本明細書で開示される任意の実施形態または組合せのプライム用量を対象に投与するステップ、および
(b)SARS-CoV2感染を制限するための使用のために認可されたタンパク質(例えば、サブユニットワクチン)、DNA、mRNAまたはアデノウイルスベクターワクチン(例えば、Moderna(登録商標)、Pfizer(登録商標)/BioNTech(登録商標)、AstraZeneca(登録商標)、Johnson&Johnson(登録商標)、Novavax(登録商標)、Sanofi(登録商標)、SK Biosciences(登録商標)、Medicago(登録商標)およびBavarian Nordic(登録商標)から入手可能なものが含まれる、任意の適切なDNA、mRNA、不活化ウイルス、アデノウイルスベクターまたはタンパク質ベースのワクチン)のブースト用量を対象に投与するステップ、および
(b)本明細書で開示される任意の実施形態または組合せのブースト用量を対象に投与するステップ
を含む。
【0221】
一部の実施形態では、投与するステップは、
(a)SARS-CoV2感染を制限するための使用のために認可されたタンパク質(例えば、サブユニットワクチン)、DNA、mRNA、不活化ウイルスまたはアデノウイルスベクターワクチン(例えば、任意の適切なDNA、mRNA、不活化ウイルス、アデノウイルスベクターまたはタンパク質ベースのワクチン)の全単位を対象に投与するステップ、および
(b)本明細書で開示される任意の実施形態または組合せの有効量(即ち、ブースト用量)を対象に投与するステップ
を含む。
【0222】
方法の別の実施形態では、対象は、SARS-CoV-2が含まれるがこれに限定されない重症急性呼吸器(SARS)ウイルスに感染しており、投与するステップは、対象におけるSARSウイルス感染を処置する、対象におけるSARSウイルスに対する免疫応答を惹起する。方法がSARS-CoV-2感染を処置することを含む場合、免疫原性組成物は、SARS-CoV-2に既に感染している対象、および/または対象がSARS-CoV-2に感染している可能性が高いことを示す症状(上記の通り)を被っている対象に投与される。
【0223】
一部の実施形態では、投与するステップは、
(a)本明細書で開示される任意の実施形態または組合せの有効量(即ち、プライム用量)を対象に投与するステップ、および
(b)SARS-CoV2感染を制限するための使用のために認可されたタンパク質(例えば、サブユニットワクチン)、DNA、mRNA、不活化ウイルスまたはアデノウイルスベクターワクチン(例えば、任意の適切なDNA、mRNA、不活化ウイルス、アデノウイルスベクターまたはタンパク質ベースのワクチン)の全単位を対象に投与するステップ
を含む。
【0224】
方法の別の実施形態では、対象は、SARS-CoV-2が含まれるがこれに限定されない重症急性呼吸器(SARS)ウイルスに感染しており、投与するステップは、対象におけるSARSウイルス感染を処置する、対象におけるSARSウイルスに対する免疫応答を惹起する。方法がSARS-CoV-2感染を処置することを含む場合、免疫原性組成物は、SARS-CoV-2に既に感染している対象、および/または対象がSARS-CoV-2に感染している可能性が高いことを示す症状(上記の通り)を被っている対象に投与される。
【0225】
一部の実施形態では、対象は、SARS-CoV2感染を制限するための使用のために認可されたDNA、不活化ウイルス、mRNA、アデノウイルスベクターまたはタンパク質ベースのワクチン(例えば、任意の適切なDNA、mRNA、不活化ウイルス、アデノウイルスベクターまたはタンパク質ベースのワクチン)の1つまたは複数の用量を受けている。一部の実施形態では、対象は、SARS-CoV2感染を制限するための使用のために認可されたDNA、mRNA、不活化ウイルス、アデノウイルスベクターまたはタンパク質ベースのワクチン(例えば、任意の適切なDNA、mRNA、不活化ウイルス、アデノウイルスベクターまたはタンパク質ベースのワクチン)の単一用量を受けている。一部の実施形態では、対象は、SARS-CoV2感染を制限するための使用のために認可されたDNA、mRNA、不活化ウイルス、アデノウイルスベクターまたはタンパク質ベースのワクチン(例えば、任意の適切なDNA、mRNA、不活化ウイルス、アデノウイルスベクターワクチンまたはタンパク質ベースのワクチン)の2つの用量を受けている。一部の実施形態では、対象は、SARS-CoV2感染を制限するための使用のために認可されたDNA、mRNA、不活化ウイルス、アデノウイルスベクターまたはタンパク質ベースのワクチン(例えば、任意の適切なDNA、mRNA、不活化ウイルス、アデノウイルスベクターまたはタンパク質ベースのワクチン)の全単位を受けている。
【0226】
一部の実施形態では、DNA、mRNA、不活化ウイルス、アデノウイルスベクターまたはタンパク質ベースのワクチンは、SARS-CoV2の元の株に対するワクチンである。一部の実施形態では、DNA、mRNA、不活化ウイルス、アデノウイルスベクターまたはタンパク質ベースのワクチンは、SARS-CoV2のバリアント株に対するワクチンである。
【0227】
一部の実施形態では、対象は、本明細書で開示される任意の実施形態または組合せの用量またはブーストを受ける前に、コロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインまたはコロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインをコードするポリヌクレオチドを含むワクチンの少なくとも1つの用量を受けている。一部の実施形態では、対象は、本明細書で開示される任意の実施形態または組合せの用量またはブーストを受ける前に、コロナウイルスSタンパク質またはコロナウイルスSタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むワクチンの少なくとも1つの用量を受けている。一部の実施形態では、Sタンパク質は、S2Pである。一部の実施形態では、Sタンパク質は、HexaProである。
【0228】
SARS-CoV2感染を制限するための使用のために認可されたDNA、mRNA、不活化ウイルス、アデノウイルスベクターまたはタンパク質ベースのワクチンの1つまたは複数の用量は、本明細書で提供される免疫原性組成物の投与の約1~2週間、約2~3週間、約3~4週間、約4~5週間、約5~6週間、約6~7週間、約7~8週間、約8~9週間、約9~10週間、約10~11週間、約11~12週間、約3~4か月、約4~5か月、約5~6か月、約6~7か月、約7~8か月、約8~9か月、約9~10か月、約10~11か月、約11~12か月、約12~15か月、約15~18か月、約18~21か月、約21~24か月、約2~3年、約3~4年または約4~5年前に、本明細書に記載される方法に従って処置される対象に投与され得る。
【0229】
一部の実施形態では、対象は、ワクチン接種ナイーブ対象である。一部の実施形態では、対象は、コロナウイルスによる感染を制限するためのワクチン接種に関してナイーブである。一部の実施形態では、対象は、SARS-CoV2による感染を制限するためのワクチン接種に関してナイーブである。
【0230】
一部の実施形態では、ワクチンは、SARS-CoV2の元の株に対するワクチン接種である。一部の実施形態では、ワクチンは、SARS-CoV2のバリアント株に対するワクチン接種である。
【0231】
本明細書で使用される場合、用語「使用のために認可された」は、ワクチンの文脈では、規制当局(例えば、U.S.Food and Drug Administration、European Medicines Agency、Chinese National Medical Products Administration、United Kingdom Medicines and Healthcare products Regulatory Agency、Japanese Pharmaceutical Food and Medical Devices AgencyまたはRussian Ministry of Health)によってヒトでの使用のために承認されたワクチンを意味する。使用のために認可されたとは、緊急使用の認可を含み得る。
【0232】
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法に従って処置される対象は、SARS-CoV-2に以前に感染したことがある。SARS-CoV-2感染は、当該分野で公知の任意のPCRベースの試験または抗原ベースの試験を使用して診断され得る。一部の実施形態では、対象は、投与するステップの前に、SARS-CoV2(例えば、元の株またはバリアント株)に対する抗体を有する。抗SARS-CoV2抗体は、例えば、ヌクレオカプシドタンパク質に対するIgM/IgGについての試験、またはSARS-CoV2に対する中和抗体についての試験が含まれる、当該分野で公知の任意の血清学的試験を使用して検出され得る。
【0233】
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法に従って処置される対象は、SARS-CoV2に以前に感染したことがない。一部の実施形態では、対象は、投与するステップの前には、SARS-CoV2に対する抗体を有しない。
【0234】
本明細書で使用される場合、「処置する」または「処置すること」には、以下のうちの1つまたは複数を達成することが含まれるがこれらに限定されない:(a)対象においてSARS-CoV-2力価を低減させる、(b)対象においてSARS-CoV-2力価のあらゆる増加を制限する、(c)SARS-CoV-2症状の重症度を低減させる、(d)感染後のSARS-CoV-2症状の発生を制限もしくは予防する、(e)SARS-CoV-2症状の悪化を阻害する、(f)SARS-CoV-2感染について以前に症候性であった対象においてSARS-CoV-2症状の再発を制限もしくは予防する、および/または(e)生存。
【0235】
本明細書で使用される場合、用語「全単位(full course)」は、規制機関によって承認された投与の過程などの、疾患に対する所望のレベルの保護を提供すると当該分野でみなされたワクチンもしくはワクチンの組合せの1つまたは複数の投与(例えば、注射)を指す。ウイルスベクター化ワクチンについて、全単位は、単一投与であり得る。核酸ベースのワクチン(例えば、mRNAベースのワクチン)について、全単位は、一般に、約1か月の間隔をあけた2回の投与である。当業者は、全単位のワクチン接種を認識することが可能である。全単位のワクチン接種は、2回、3回、4回またはそれよりも多くの投与を含み得る。本明細書に記載される組成物および方法は、先のワクチン(単数または複数)の1回、2回、3回、4回またはそれよりも多くの投与を受けた対象において使用される。一部の例では、Center for Disease Controlによれば、対象は、適格である場合に、推奨される一次シリーズ中の全ての用量および全てのブースターを受けている場合、COVID-19ワクチンを接種済みである(完全にワクチン接種された対象)。
【0236】
本明細書に記載される処置の方法は、対象への第2のワクチン接種の投与をさらに含み得る。一部の実施形態では、第2のワクチン接種は、SARS-CoV-2ワクチン接種と同時発生的に投与される。
【0237】
別の態様では、対象にワクチン接種する方法であって、(i)SARS-CoV-2ワクチン(例えば、コロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインおよびトリマー化ドメインを含む第1の成分ならびにペンタマー化ドメインを含む第2の成分を含むタンパク質複合体)の有効量を含む医薬組成物を、対象に投与するステップを含む、方法が、本明細書で提供される。
【0238】
一部の実施形態では、対象は、SARS-CoV-2ワクチンと第2のワクチンとの組合せの投与の1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、12か月、15か月、18か月、21か月または24か月以上前に、SARS-CoV-2に対するワクチン接種の少なくとも1つの用量を受けている。一部の実施形態では、対象は、コロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインもしくはコロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインをコードするポリヌクレオチドを含むワクチン、またはコロナウイルスSタンパク質を含むワクチンの少なくとも1つの用量を受けている。Sタンパク質は、例えば、S2PまたはHexaProであり得る。ワクチンは、SARS-CoV-2の元の株またはバリアント株に対する任意の承認されたワクチンであり得る。ワクチンは、mRNAベースのワクチン、アデノウイルスベクターベースのワクチン、タンパク質ベースのワクチンまたは不活化ウイルスワクチンであり得る。対象は、SARS-CoV-2ワクチンの少なくとも1つの用量、少なくとも2つの用量または少なくとも3つの用量を受けていてもよい。一部の実施形態では、対象は、元のまたはバリアントSARS-CoV-2株に対する全単位のワクチン接種を完了している。一部の実施形態では、対象は、SARS-CoV-2に以前に感染したことがある。
【0239】
さらなる実施形態では、本開示のタンパク質複合体および医薬組成物は、以下のうちの1つまたは複数における使用のために示され得る。
【0240】
SARS-CoV-2ナイーブ個体の一次免疫化。
【0241】
以前にSARS-CoV-2ワクチン接種された対象における、SARS-CoV-2によって引き起こされるCOVID-19を予防するためのブースター免疫化。
【0242】
以前にSARS-CoV-2ワクチン接種された小児(ブースター用量を以前に受けている個体が含まれる)における、SARS-CoV-2によって引き起こされるCOVID-19を予防するためのブースター免疫化。
【0243】
以前にSARS-CoV-2ワクチン接種された青少年(ブースター用量を以前に受けている個体が含まれる)における、SARS-CoV-2によって引き起こされるCOVID-19を予防するためのブースター免疫化。
【0244】
以前にSARS-CoV-2ワクチン接種された18+歳の成人(ブースター用量を以前に受けている個体が含まれる)における、SARS-CoV-2によって引き起こされるCOVID-19を予防するためのブースター免疫化。
【0245】
以前にSARS-CoV-2ワクチン接種された小児(ブースター用量を以前に受けている個体が含まれる)における、SARS-CoV-2によって引き起こされるCOVID-19を予防するためのブースター免疫化。
【0246】
以前にSARS-CoV-2感染した小児におけるブースターワクチン接種。
【0247】
以前にSARS-CoV-2感染した青少年におけるブースターワクチン接種。
【0248】
以前にSARS-CoV-2感染した18+歳の成人におけるブースターワクチン接種。
【0249】
キット
本開示は、本開示のウイルス様粒子および組成物を調製するために使用され得るキットをさらに提供する。一部の実施形態では、本明細書で提供されるキットは、本明細書で開示される第1の成分および第2の成分、ならびに本開示の方法における使用に関する指示を含む。一部の実施形態では、キットは、本明細書で開示される1つまたは複数の単位用量、および本開示の方法における使用に関する指示を含む。一部の実施形態では、キットは、本明細書で提供される医薬組成物の単一用量を含むバイアルを含む。一部の実施形態では、キットは、本明細書で提供される複数用量を含むバイアルを含む。一部の実施形態では、キットは、医薬組成物の使用に関する指示をさらに含む。一部の実施形態では、キットは、投与の前に医薬組成物の希釈物を調製するための希釈剤をさらに含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、アジュバントを含む。他の実施形態では、キットは、タンパク質複合体を含む組成物、および別々に、アジュバントを含む組成物、を含み、その結果、これら2つの組成物は、投与の前に混合され得、またはあるいは共投与され得る。
【実施例】
【0250】
(実施例1)
臨床研究
IVX-411は、元の株を標的化し、ウイルス侵入を予防するものが含まれる数個の公知のエピトープに対する中和抗体を誘導する保存された抗原である、SARS-CoV-2 Sタンパク質由来のACE2受容体結合ドメイン(RBD)を取り込む、SARS-CoV-2ウイルス様粒子(VLP)ワクチンである。RBDタンパク質を、成分Aに遺伝的に融合させ、哺乳動物細胞において製造する。次いで、成分A-RBDを、本発明者らの他のプログラムに使用したのと同じ成分Bと組み合わせて、その各々が60コピーのモノマー性RBD抗原を取り込む、完全にアセンブルされたVLPを作製する。アセンブルされたタンパク質複合体は、
図1に示される。IVX-411は、水性(アジュバント非含有)製剤およびアジュバント含有製剤の両方で、クリニックにおいて使用され得る。
【0251】
IVX-411を、マウス、ラットおよび非ヒト霊長類において試験した。これらのVLPの筋肉内注射は、強い中和抗体応答を誘導し、単一のプライミング用量後に力価が観察可能であり、ブースト用量の後に、有意に増加した力価が観察可能であった。水中油アジュバントを用いて製剤化した密接に関連する前駆体分子によるワクチン接種後にマウスにおいて生成された免疫原性は、長持ちすることが示されており、中和抗体価は、ブースト用量の20~24週間後に、ブーストの2週間後と同様に高いままであった。さらに、数個の異なるアジュバント製剤を用いて評価した密接に関連する前駆体候補に対する前臨床非ヒト霊長類データは、ヒト回復期血清において見られる力価を十分に上回るロバストな中和抗体価の誘導、およびウイルスチャレンジからの保護を示している。
【0252】
GLP毒物学反復筋肉内用量研究を、ラットにおいて完了した。研究により、アジュバント非含有製剤およびアジュバント含有製剤が含まれるIVX-411に対する注射部位反応および全身的反応の両方を評価した。死亡率、臨床的観察、眼科的観察、体重、食物消費または体温に対する試験物品関連の影響は、IVX-411の投与後には見られなかった。観察された影響は有害とはみなされず、全ての観察された影響は、最後の投与の4週間後に、部分的に逆転したか、または完全に逆転した。
【0253】
臨床試験
第1/2相試験を、一次およびブースターワクチン接種におけるIVX-411の安全性および免疫原性を評価するために設計する。臨床試験設計は
図2に要約される。試験には2つのパートが存在する:パート1は、SARS-CoV-2に以前に曝露されていない(血清陰性)18~69歳の成人におけるIVX-411による一次ワクチン接種の第1相評価であり、パート2は、SARS-CoV-2ワクチン接種を介して以前に曝露された(血清陽性)成人におけるIVX-411ブースターワクチン接種の第2相評価であった。IVX-411を、28日間離して投与した、アジュバント非含有のもの、または水中油アジュバントで製剤化したもののいずれかの、2つの用量として投与した。
【0254】
第1/2相試験設計:
第1/2相試験は、IVX-411の2つの筋肉内(IM)用量の安全性および免疫原性に関するランダム化プラセボ対照観察者盲検用量漸増研究であった。パート1および2では、Seqirusの所有権のあるアジュバントMF59(登録商標)ありおよびなしの、試験される各々3つの用量レベルを含むIVX-411の6つの製剤を試験した。
【0255】
候補ワクチンIVX-411は、ヒト回復期血清において見出されるウイルスに対するnAbの大部分(約90%)を担うことが示されたドメインである、SARS-CoV-2スパイク(S)糖タンパク質由来のアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)RBDを取り込む。アセンブルされてVLP DSを形成する2つの成分が存在する。抗原性成分(CompA-RBD-01)および構造的成分(CompB-01)は、組み合わされると、正二十面体VLP薬物物質(DS)へと自己アセンブルする。IVX-411 DSは、20コピーのCompA-RBD-01 DSI(20セットの3つのRBD抗原としての60コピーのRBDをディスプレイする)および12コピーのCompB-01 DSIでできたVLPである。
【0256】
選択されたアジュバントMF59(登録商標)(MF59C.1(登録商標);Seqirus,Inc)は、スクアレン内部油相およびクエン酸-クエン酸ナトリウム緩衝液外部水相を有する水中油エマルションである。
【0257】
2つの薬物製品(DP)を、第1/2相IVX-411-01臨床研究に使用した:IVX-411a(水性製剤化DP)およびIVX-411d(臨床現場でMF59(登録商標)と1:1[V/V]混合したIVX-411a)。
【0258】
IVX-411aは、IM使用のための単回使用バイアル中に充填されたIVX-411 DSの水性緩衝液製剤である。IVX-411a DPは、0.5mLの充填体積で500μg/mLの濃度で、単回使用の2.0mLバイアル中で供給される。IVX-411dは、MF59(登録商標)アジュバントと混合したIVX-411aの単一用量液体製剤である。MF59(登録商標)は、スクアレン内部油相およびクエン酸-クエン酸ナトリウム緩衝液外部水相を有する水中油エマルションである。
【0259】
MF59(登録商標)ありおよびなしの6つのIVX-411製剤(表1)を、以下のように試験した。
【表1】
【0260】
研究は2つのパートで実施した:パート1(ファースト・イン・ヒューマン(FIH)、Ph1)は、18~69歳(両端含む)の健康なSARS-CoV-2血清陰性成人を含んだ。パート2(ブースター、Ph2)は、許諾されたSARS-CoV-2ワクチンによる先のワクチン接種を介してSARS-CoV-2血清陽性であった18~69歳(両端含む)の健康な成人を含んだ。両方のパートは、プラセボの2つの用量と比較して、28日間離して投与した、MF59アジュバントありまたはなしのIVX-411ワクチンの2つの用量の安全性および免疫原性を評価した。
【0261】
第1/2相(Ph1/2)研究のパート1は、28日間離して投与した(0日目および28日目)IVX-411の2つの筋肉内(IM)用量の安全性および免疫原性に関するランダム化プラセボ対照観察者盲検用量漸増研究であった。臨床試験設計は
図4に要約される。
【0262】
全ての研究アーム中の対象は、血清学的免疫原性試験のための血液試料採取および評価のための末梢血単核細胞単離を受けた。安全性および有効性を、有害事象、生ウイルスアッセイを使用して測定されるSARS-CoV-2中和抗体(NAb)価、多重アッセイによって測定されるスパイクタンパク質(S)特異的IgG抗体価およびRBD特異的IgG抗体価によって評価した。有効性を、以下によってさらに評価する:シュードビリオン(pseudovirion)NAbアッセイによるSARS-CoV-2 NAb価;酵素結合イムノアッセイ(ELISA)によるS特異的IgG価およびRBD特異的IgG価;ならびにRBD特異的IgG(多重アッセイ)価における増加倍率の、SARS-CoV-2 NAb(生ウイルスアッセイ)価における増加倍率に対する比。使用した免疫原性アッセイは、表2に列挙される。
【表2】
【0263】
パート2は、SARS-CoV-2に対する許諾されたワクチンで以前にワクチン接種された84人の健康な成人における、IVX-411によるブースターワクチン接種の第2相評価であった。研究により、IVX-411に対する免疫応答を増強するために製剤においてアジュバントが要求されるかどうかを決定した。選択されたアジュバントMF59(登録商標)は、水中油エマルションであった。臨床試験設計は
図4に要約される。
【0264】
(実施例4)
成人におけるタンパク質ベースのウイルス様粒子(VLP)SARS-CoV-2ワクチンの免疫原性および安全性:第1/2相研究
この実施例は、実施例2に記載された第1/2相研究の結果を記載する。
【0265】
背景:COVID-19は、かなりの罹患率および死亡率を世界中で引き起こし続けている。ブースターワクチン接種は、高齢者および慢性の医学的状態を有する者を保護するために、将来的に必要とされる可能性が高い。本発明者らは、18~69歳の成人における治験VLPタンパク質サブユニットSARS-CoV-2ワクチンIVX-411の第1/2相研究[ACTRN12621000738820.;ACTRN12621000882820](
図3)の最良の中間結果を示す。
【0266】
方法:パート1では、84人のSARS-CoV-2ナイーブ成人を、IVX-411(5、25または125μg)±アジュバントまたはプラセボのいずれかの2つの用量を、0日目および28日目に受けるようにランダム化した(
図5、左パネル)。パート2では、84人の対象は、許諾された一次ワクチンレジメンの完了の3~6か月後に、IVX-411±アジュバントまたはプラセボのいずれかの単一用量を受けた(
図5、右パネル)。非自発的(Solicited)有害事象(AE)を、各用量の後7日間にわたって収集し、免疫原性を、0日目、28日目および49日目(パート1)ならびに0日目、7日目および28日目(パート2)に評価した。両方のパートにおける一次転帰は、非自発的および自発的(unsolicited)AE、中和抗体価、ならびにスパイクタンパク質特異的IgG抗体価であった。
【0267】
結果:人口動態は、IVX-411群 対 プラセボで類似であった。パート1およびパート2では、局所的反応源性は、軽度から中程度であり、用量の増加およびアジュバントの添加と共に、AEの比率はより高くなった(
図5A)。全身的AEの比率は、群にわたってプラセボと類似であった(
図5B)。ワクチン関連の重症AEも重篤AEも指摘されなかった。IVX-411は、一次ワクチン接種およびブースターワクチン接種の両方において免疫原性であった:SARS-CoV-2ナイーブ対象では、限定的な用量効果が見られ、アジュバント含有IVX-411ワクチンを受けている群では、抗体価は有意に高かった(p<0.01;
図6A)。抗体応答の大きさは、ヒト回復期血清レベルと類似であるか、またはそれを下回った。以前にワクチン接種された対象では、IVX-411は、決定的な用量効果もアジュバント効果もなしに、ベースライン抗体価をブーストした(
図6B)。免疫原性が、両方のパートにおいて、関心を持たれる全てのバリアント(ベータ、デルタおよびオミクロン)にわたって観察され、ベースラインから最大で7倍の上昇であった(
図13Aおよび13B)。
【0268】
結論:研究は、一次およびブースターワクチン接種において、許容される忍容性プロファイルで、全ての一次安全性および免疫原性目標に合致した。明らかなアジュバント効果が、SARS-CoV-2ナイーブ対象において観察された。臨床研究は、一次安全性および免疫原性目標に合致した。反応源性データは、非自発的事象および自発的事象について、プラセボと匹敵した(軽度から中程度の反応源性、重症でも用量制限的でもなく、関連する重篤な有害事象も特に目的とされる有害事象もなし)。免疫原性データは、一次およびブースターワクチン接種において免疫原性を示した(WTについて49日目にはプラセボレシピエントの抗体価を超える中和抗体価およびIgG抗体価、一次レジメンにおけるより限定的な用量効果、高い比率のセロコンバージョンを伴うアジュバント効果の明らかな証拠、WTについてベースラインからの最大で5倍の上昇を伴うmRNAおよびアデノ一次ワクチン接種後の異種ブースト、一次およびブースターの状況において、関心を持たれる全てのバリアント(ベータ、デルタ、オミクロン)にわたって見られた免疫応答)。
【0269】
列挙された実施形態
本開示は、以下の列挙された実施形態をさらに提供する。
【0270】
1.第1のマルチマー化ドメインに結合されたコロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインを含む第1の成分、および必要に応じて、第2のマルチマー化ドメインを含む第2の成分を含むタンパク質複合体と、必要に応じて、1つまたは複数の薬学的に許容される希釈剤または賦形剤とを含む、医薬組成物。
【0271】
2.アジュバントを含む、実施形態1に記載の医薬組成物。
【0272】
3.アジュバントが水中スクアレンエマルションである、実施形態2に記載の医薬組成物。
【0273】
4.アジュバントがMF59(登録商標)である、実施形態3に記載の医薬組成物。
【0274】
5.アジュバントがアルミニウム塩である、実施形態2に記載の医薬組成物。
【0275】
6.アジュバントがCPG-1018である、実施形態2に記載の医薬組成物。
【0276】
7.アルミニウム塩およびCPG-1018の両方を含む、実施形態2に記載の医薬組成物。
【0277】
8.いかなるアジュバントも含まないまたは実質的に含まない、実施形態1に記載の医薬組成物。
【0278】
9.第1のマルチマー化ドメインがトリマー化ドメインであり、第2のマルチマー化ドメインがペンタマー化ドメインである、実施形態1から8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0279】
10.タンパク質複合体が正二十面体タンパク質複合体である、実施形態1から9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0280】
11.第1のマルチマー化ドメインが、配列番号9~13または18からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一なアミノ酸配列を含む、実施形態1から10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0281】
12.第2のマルチマー化ドメインが、配列番号14~17、20または27からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または少なくとも100%同一なアミノ酸配列を含む、実施形態1から11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0282】
13.第1の成分が、配列番号1~6のうちのいずれか1つに対して少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一なアミノ酸配列を含み、かつ
【0283】
第2の成分が、配列番号14に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一なアミノ酸配列を含む
実施形態1から12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0284】
14.単位用量の実施形態1から13のいずれか一項に記載の医薬組成物であって、単位用量は、2μg、5μg、10μg、15μg、25μg、50μg、100μgまたは125μgのタンパク質複合体を含む、単位用量の医薬組成物。
【0285】
15.SARS-CoV-2による感染のリスクがある対象をワクチン接種する方法であって、第1のマルチマー化ドメインに結合されたコロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインを含む第1の成分、および第2のマルチマー化ドメインを含む第2の成分を含むタンパク質複合体の有効量と、1つまたは複数の薬学的に許容される希釈剤または賦形剤とを含む医薬組成物を、対象に投与するステップを含む、方法。
【0286】
16.SARS-CoV-2に対する先のワクチン接種に対する免疫応答をブーストする方法であって、第1のマルチマー化ドメインに結合されたコロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインを含む第1の成分、および必要に応じて、第2のマルチマー化ドメインを含む第2の成分を含むタンパク質複合体の有効量を含む医薬組成物を、SARS-CoV-2に対して以前にワクチン接種された対象に投与するステップを含む、方法。
【0287】
17.対象が、一次ワクチンの全単位のワクチン接種で以前にワクチン接種されている、実施形態16に記載の方法。
【0288】
18.SARS-CoV-2に対して対象を安全かつ有効に免疫化する方法であって、第1のマルチマー化ドメインに結合されたコロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインを含む第1の成分、および必要に応じて、第2のマルチマー化ドメインを含む第2の成分を含むタンパク質複合体の有効量を含む医薬組成物を、SARS-CoV-2に対して以前にワクチン接種された対象に投与するステップを含む、方法。
【0289】
19.医薬組成物がアジュバントを含む、実施形態15から18のいずれか一項に記載の方法。
【0290】
20.アジュバントが水中スクアレンエマルションである、実施形態19に記載の方法。
【0291】
21.アジュバントがMF59(登録商標)である、実施形態20に記載の方法。
【0292】
22.アジュバントがアルミニウム塩である、実施形態19に記載の方法。
【0293】
23.アジュバントがCPG-1018である、実施形態19に記載の方法。
【0294】
24.医薬組成物が、アルミニウム塩およびCPG-1018の両方を含む、実施形態19に記載の方法。
【0295】
25.医薬組成物が、いかなるアジュバントも含まないまたは実質的に含まない、実施形態1に記載の方法。
【0296】
26.第1のマルチマー化ドメインがトリマー化ドメインであり、第2のマルチマー化ドメインがペンタマー化ドメインである、実施形態15から25のいずれか一項に記載の方法。
【0297】
27.タンパク質複合体が正二十面体タンパク質複合体である、実施形態15から26のいずれか一項に記載の方法。
【0298】
28.第1のマルチマー化ドメインが、配列番号9~13または18からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一なアミノ酸配列を含む、実施形態15から27のいずれか一項に記載の方法。
【0299】
29.第2のマルチマー化ドメインが、配列番号14~17、20または27からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または少なくとも100%同一なアミノ酸配列を含む、実施形態15から28のいずれか一項に記載の方法。
【0300】
30.第1の成分が、配列番号1~6のうちのいずれか1つに対して少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一なアミノ酸配列を含み、かつ
【0301】
第2の成分が、配列番号14に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一なアミノ酸配列を含む
実施形態15から29のいずれか一項に記載の方法。
【0302】
31.有効量が、2μg、5μg、10μg、15μg、25μg、50μg、100μgまたは125μgのタンパク質複合体である、実施形態15から30のいずれか一項に記載の方法。
【0303】
32.投与するステップを反復するステップを含む、実施形態15から31のいずれか一項に記載の方法。
【0304】
33.ブースターワクチンを投与するステップを含む、実施形態15から32のいずれか一項に記載の方法。
【0305】
34.プライムワクチンを投与するステップを含む、実施形態15から33のいずれか一項に記載の方法。
【0306】
35.プライムワクチンが、mRNAベースのワクチン、アデノウイルスベクターベースのワクチン、タンパク質ベースのワクチンまたは不活化ウイルスワクチンである、実施形態34に記載の方法。
【0307】
36.プライムワクチンがタンパク質複合体である、実施形態34に記載の方法。
【0308】
37.対象が、以前にワクチン接種された対象である、実施形態15から36のいずれか一項に記載の方法。
【0309】
38.対象が、SARS-CoV-2の元の株に対する全単位のワクチン接種を完了している、実施形態37に記載の方法。
【0310】
39.対象が、SARS-CoV-2の元の株に対する部分単位のワクチン接種を完了している(例えば、2つの用量のうちの1つを受けている)、実施形態38に記載の方法。
【0311】
40.対象が、SARS-CoV-2のバリアント株に対するワクチン接種の少なくとも1つの用量を受けている、実施形態37から39のいずれか一項に記載の方法。
【0312】
41.対象が、コロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインまたはコロナウイルスSタンパク質の受容体結合ドメインをコードするポリヌクレオチドを含むワクチンの少なくとも1つの用量を受けている、実施形態37から40のいずれか一項に記載の方法。
【0313】
42.対象が、コロナウイルスSタンパク質またはコロナウイルスSタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むワクチンの少なくとも1つの用量を受けている、実施形態37から40のいずれか一項に記載の方法。
【0314】
43.コロナウイルスSタンパク質がS2Pである、実施形態41または42に記載の方法。
【0315】
44.Sタンパク質がHexaProである、実施形態41または42に記載の方法。
【0316】
45.対象が、ワクチン接種ナイーブ対象である、実施形態15から36のいずれか一項に記載の方法。
【0317】
46.対象が、SARS-CoV-2に以前に感染したことがある、実施形態15から45のいずれか一項に記載の方法。
【0318】
47.対象が、SARS-CoV-2に以前に感染したことがない、実施形態15から46のいずれか一項に記載の方法。
【0319】
48.対象が、投与するステップの前には、SARS-CoV-2に対する抗体を有しない、実施形態15から47のいずれか一項に記載の方法。
【0320】
49.対象が、投与するステップの前に、SARS-CoV-2に対する抗体を有する、実施形態15から47のいずれか一項に記載の方法。
【0321】
50.対象において中和抗体価を誘導する、実施形態15から49のいずれか一項に記載の方法。
【0322】
51.対象においてSタンパク質特異的IgG抗体価を誘導する、実施形態15から50のいずれか一項に記載の方法。
【0323】
52.SARS-CoV-2による感染を予防する、実施形態15から51のいずれか一項に記載の方法。
【0324】
53.SARS-CoV-2の元の株による感染を予防する、実施形態52に記載の方法。
【0325】
54.SARS-CoV-2のバリアント株による感染を予防する、実施形態52または53に記載の方法。
【0326】
55.コロナウイルスによる感染の重症度を低減させる、実施形態15から54のいずれか一項に記載の方法。
【0327】
56.SARS-CoV-2の元の株による感染の重症度を低減させる、実施形態55に記載の方法。
【0328】
57.SARS-CoV-2のバリアント株による感染の重症度を低減させる、実施形態55または56に記載の方法。
参照による取込み
【0329】
本明細書で引用される全ての参考文献、論文、刊行物、特許、特許公報および特許出願は、全ての目的のためにそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。しかし、本明細書で引用される任意の参考文献、論文、刊行物、特許、特許公報および特許出願の言及は、それらが根拠のある先行技術を構成するまたは世界のいずれの国でも共通の一般知識の一部を構成するということの承認としても任意の形態の示唆としても解釈すべきではない。
【配列表】
【国際調査報告】